第193回国会 財政金融委員会 第7号
平成二十九年三月二十七日(月曜日)
   午後三時五十五分開会
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   委員の異動
 三月二十三日
    辞任         補欠選任
     こやり隆史君     山谷えり子君
 三月二十四日
    辞任         補欠選任
     鶴保 庸介君     進藤金日子君
 三月二十七日
    辞任         補欠選任
     小池  晃君     倉林 明子君
     渡辺 喜美君     高木かおり君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         藤川 政人君
    理 事
                大家 敏志君
                中西 健治君
                長峯  誠君
                三宅 伸吾君
                大塚 耕平君
    委 員
                愛知 治郎君
                石田 昌宏君
                進藤金日子君
                徳茂 雅之君
                中山 恭子君
                松川 るい君
                三木  亨君
                宮沢 洋一君
                山谷えり子君
                風間 直樹君
                古賀 之士君
                白  眞勲君
                藤末 健三君
                杉  久武君
                平木 大作君
                倉林 明子君
                大門実紀史君
                高木かおり君
                藤巻 健史君
   国務大臣
       内閣総理大臣   安倍 晋三君
       財務大臣     麻生 太郎君
   内閣官房副長官
       内閣官房副長官  野上浩太郎君
   副大臣
       財務副大臣    大塚  拓君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小野 伸一君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       土生 栄二君
       内閣府大臣官房
       審議官      原  宏彰君
       内閣府大臣官房
       審議官      林  伴子君
       内閣府子ども・
       子育て本部審議
       官        中島  誠君
       財務省主計局次
       長        茶谷 栄治君
       財務省主税局長  星野 次彦君
       財務省理財局長  佐川 宣寿君
       国税庁次長    飯塚  厚君
       文部科学省高等
       教育局私学部長  村田 善則君
       国土交通大臣官
       房審議官     石田  優君
       国土交通省航空
       局航空ネットワ
       ーク部長     和田 浩一君
       観光庁次長    蝦名 邦晴君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○所得税法等の一部を改正する等の法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
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○委員長(藤川政人君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る二十四日までに、こやり隆史君及び鶴保庸介君が委員を辞任され、その補欠として山谷えり子君及び進藤金日子君が選任されました。
 また、本日、渡辺喜美君及び小池晃君が委員を辞任され、その補欠として高木かおり君及び倉林明子君が選任されました。
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○委員長(藤川政人君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 所得税法等の一部を改正する等の法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として財務省主税局長星野次彦君外十一名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(藤川政人君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(藤川政人君) この際、佐川財務省理財局長から発言を求められておりますので、これを許します。佐川理財局長。
○政府参考人(佐川宣寿君) 三月二十三日、参議院財政金融委員会藤川委員長より財務省に対して御指示のあった事項について、近畿財務局の職員から聴取した結果は以下のとおりでございます。
 鴻池事務所作成とされる資料において、籠池氏から聞いた話として、平成二十七年一月九日に財務省担当者より土地評価額十億、十年間の定期借地として賃料年四%、約四千万円の提示ありとの記述があるが、これは事実か。
 当時の担当者である前西前統括官に確認したところ、平成二十七年一月当時は森友学園側と取得要望についてやり取りをしており、一月初旬に森友学園側と面会した記憶はある。その際、賃料の算定方法について問われ、土地の評価額と利回りにより算定することとなるとの説明をしたが、国有財産地方審議会の開催前であり、具体的な金額を提示したことはなかったとのことであった。
 森友学園関係の建設業者が作成したとされるメモにおいて、平成二十七年九月四日の近畿財務局、大阪航空局、関係業者の打合せの中で、近畿財務局の発言として、産廃残土を場内処分の方向で協力をお願いしますとの記述があるが、これは事実か。
 当時の担当者である池田統括官に確認したところ、平成二十七年九月当時は低深度の土壌汚染等の除去工事が実施されていたところであり、貸付契約上、その費用は国が有益費として償還することとされていたため、九月初旬に大阪航空局とともに関係業者と工事内容等について打合せを行っていた記憶はある。ただし、業者に対して産業廃棄物の場内処理を求めるような発言を行ったことはなかったとのことであった。
 以上でございます。
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○委員長(藤川政人君) 所得税法等の一部を改正する等の法律案を議題とし、内閣総理大臣に対する質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○白眞勲君 先ほどの予算委員会に引き続きまして質問させていただきたいと思いますけれども、今の森友関係についてはちょっと後にして、最初にちょっと財務省にお聞きいたします。所得税法の関係です。
 先日の質疑で、エコカー減税の基準見直しを入れれば百八十三億円の増収であって、四百二十一億円の減収というのは私は意味がないのではないかという趣旨の話を私したんですけれども、これ、財務省さん、どうなんですか。この百八十三億円をちゃんと入れるべきで、増収ですというふうに言うべきだったんじゃないんでしょうか。もう一回お聞きしたいと思います。
○政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。
 先生からエコカー減税の減収額の取扱いについてのお尋ねでございます。
 先日も申し上げましたとおり、エコカー減税制度、これは燃費水準の向上を促す仕組みでございまして、各社の燃費水準が向上していくことによりまして政策インセンティブ機能が低下し、減収額も徐々に拡大していくという制度内在的な特徴を有しているものでございます。
 今回のエコカー減税の基準見直しによる増収見込額につきましては、国、地方合わせまして六百四億円ということでございますけれども、過去に行われましたエコカー減税制度の導入、改正に起因いたしまして、国、地方合計で六百四十億円程度の減収、追加的に減収額が発生しておりまして、今回の増収見込額はその減収額を下回っていること、また、現時点で増収見込額を計上しても、制度内在的な特徴から、今後の燃費水準の向上により増収見込額が減少していくことが見込まれることという点で、他の制度改正による増減収見込額とは性格が異なるということに着目いたしまして、改正増減収表の中に計上するのではなく、欄外に注として記載したということでございます。
○白眞勲君 いや、ですから、そこがポイントでして、政策インセンティブというお話だったらば、今回、配偶者特別控除を百三万から百五十万に拡充したことで、当然これは星野さんも政策効果を狙ったものであるというふうに言っているわけですから、これ全く同じなんじゃないんですか。だったら、この枠外にこの百三万から百五十万も同じように書くべきなんじゃないんでしょうか。
○政府参考人(星野次彦君) 配偶者控除制度につきましても、もちろん税制改正でございますので、制度的な効果を狙ったということは確かでございますし、そのように答弁させていただいております。
 ただ、繰り返しになりますけれども、エコカー減税制度というのはまさに燃費水準の向上を促す仕組みでありまして、燃費水準が向上していくということによって減収額も徐々に拡大していくという、そういう制度内在的な特徴を有しているものでございます。したがいまして、エコカー減税制度の見直しによって減収額が拡大し、なおかつ、過去に行われました制度改正によりまして発生している、追加的に発生しております減収額が今回の改正に伴うその増収額よりも大きいという、そういうことも踏まえまして、全体としてこのエコカー減税の増減収額を示すのに、そういったほかの制度と一緒にして計上するというよりは、別掲をした方が制度の、まさに内在的なそういう制度の特徴を取り出して記述するということが適当だと考えたということで別掲しているということでございます。
○白眞勲君 いや、全然適当だと私は思わないんですよね。
 それはそうと、せんだっての答弁で、平年度を単純合計すると年間最大九千億円超の法人税減税となるという御答弁があったと思うんですが、さらにこれ、平成二十五年から二十九年までの累積で考えると減税額は幾らになりますか。
○政府参考人(星野次彦君) 先生御指摘の点は、法人税減税の累計の減税額でございますけれども、今先生お聞きになられました累計額ということで申し上げますと、平成二十五年度から二十九年度までの法人税の制度改正による増減収見込額をベースとして、これらの改正が二十五年度から二十九年度までの各年度の法人税収に与えた影響につきまして一定の仮定を置いて機械的に累計をいたしますと、約三・八兆円程度の減収となっているところでございます。
○白眞勲君 三・八兆円の減収、つまり減税だったということだと思うんです。
 そこで、ちょっと総理にお聞きいたしたいというふうに思います。
 結局、企業には相当な、三・八兆円という減税をしてあげているわけですよね。それと同時に、その減税した分どうなっているのといったら、結構内部留保になって、つまり企業はせっせとお金をためているとも言えるわけで。これ、ちょっと私は、せっかく減税したんだったらもう少し、もちろんいろいろ今までもこの辺りの答弁では何か研究開発投資とかそういった話もありますけれども、もう少し何とかこの内部留保をはき出させる方法というものをやはり政府でしっかりと考えていかないと国民は納得いかなくなっちゃうんじゃないかなというふうに思うんですね。自分たちは増税感、消費税上げる上げると言っていて、そして企業は三・八兆円もの減税をしている。この辺はどういうふうに総理としてお考えでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 安倍政権においては、経済の立て直しのため、所得拡大促進税制などの政策税制により投資や賃上げを強力に後押しをしてきました。こうした政策税制も一つのきっかけとしつつ政労使会議の開催といった取組を行った結果、安倍政権発足前にはほとんど行われなかった、もう忘れられていたベアが継続的に行われるなど、経済の好循環が確実に生まれてきていると考えています。
 また、今年度の税制改正においても、研究開発税制や所得拡大促進税制といった政策税制について、より高い賃上げや研究開発投資を増加させる企業に支援を重点化するなど、めり張りを利かせた見直しを行うこととしています。
 政府としては、こうした取組によって経済の好循環を確実なものとすべく、企業に対して更なる投資や賃上げを促しているところであります。我々といたしましても、まさに企業が利益を上げている、史上最高の利益を上げているわけでありますから、これをしっかりと賃上げに、そして、それをまた投資に回していくことによって経済の好循環をこれしっかりと回していきたいと、このように考えております。
○白眞勲君 全くそのとおりだと思うんですけれども、こんなにため込んでため込んでため込んでいるんだったらもう減税やめるぞというぐらいのことを言ってやった方がいいんじゃないかなという感じもするんですけれども、総理、どうですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) そういう雰囲気は麻生副総理の方がやや醸し出しているわけでありますが、政労使の会合等もございますし、経団連側との様々な会合を通じて、まさにこれは賃上げを進めていくこと、あるいは投資をしっかりとしていくことが、ひいては、ひいてはこれは企業にも利益を与え、持続的な成長につながっていくということはこれからもしっかりと言い続けていきたいと、このように考えているところでございます。
○白眞勲君 まさに麻生副総理にそんたくを、企業にさせるような、そういう感じかなというふうに思うんですが、ちょっとここで、さっきの佐川局長の御答弁の前に、大塚耕平議員がせんだっての予算委員会で安倍総理に一つ宿題というのかな、この財政金融委員会で聞きますからと言った、奥様が、籠池御夫妻と言った方がいいのかもしれないですね……(発言する者あり)籠池さんと知り合ったのはいつでしょうかということについてお答えいただけますでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 大塚委員から聞かれておりましたので昨日確認をいたしましたところ、正確な日はちょっと分からないんですが、恐らく一二年前後、要するに一一年の後半から一二年の初めにかけてではないかと、このように言っておりました。
○白眞勲君 あと、私の方がさっき予算委員会で大分私が早口でしゃべっちゃった関係か、どうも総理が聞き取れにくくて、そこでちょっと何かぎすぎすしちゃった部分があるんですが、もう一回ちょっと言いますと、総理は、これは三月二十四日の予算委員会で、小池晃議員の答弁でこうおっしゃっている。
 今申し上げたとおりでございます、まあいい、まず、籠池さんから、定期借地契約について何らか、私の携帯電話へ、携帯へ電話をいただき、留守電だったのでメッセージを残したとのお話があったというのは、昨日の委員会でのやり取りを紹介したものであります。それに対しまして、妻は、籠池さんから何度か短いメッセージをいただいた記憶はあるということでありますが、というふうにお話をされているんですね。
 それに対して、この籠池さんからの夫人宛てのメッセージというのは、つまり何度か短いメッセージいただいた記憶があると、こう答弁されたので、これちょっと確認のために私は聞いたということです。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) メッセージといっても、言わばメールではなくて留守番電話でございまして、籠池さんから何度か留守番電話に短いメッセージをいただいた記憶はありますが、土地の契約に関して十年がどうかといった具体的な内容については全く聞いていないということでございます。
○白眞勲君 そのメッセージというの、ちょっと私もそれ、どこの部分だろうなというのが分からないのは、籠池さんの奥様は、籠池さんはか、しつこい方ということを前に安倍総理は言ったこともあるわけなんですが、いわゆる今回の、何というんですかね、証人喚問のときに籠池さんが証言をされた、メッセージを残したというお話がありました、電話をしたという話、奥様に電話、奥さんだか籠池さんか電話をしたと。それから谷さんがファクスを送るまでの間の、何度か短いメッセージのやり取りがあったということなんでしょうか。その辺の確認なんですけれど。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) つまり、留守電へのメッセージですから、いろいろと、谷夫人付きから返答した四点ありますよね、ああいう中身については、普通、メッセージ、留守電には残しませんよね。ですから、短いメッセージというのは、お話ししたいことがあるのでコールバックお願いしますという類いのメッセージだったんだろうと思います。二年前の話でございますから、それほど正確には覚えていないわけでありますが、何度かそのメッセージが入っていたということであります。
 妻は恐らく返信、そういうメッセージが入っていたんですが、恐らくコールバックしていなかったんだろうということでございまして、籠池さんは、あるいは意図的に、その後、奥様、籠池さんの奥さんが谷夫人付きに手紙を出したわけですね。そこで、言わばこれを、問合せを、問合せの手紙を出したということは、籠池さんは、私は意図的に飛ばされたんではないかと思いますが、これを飛ばされて、谷さんがファクスを出したということでありますから、つまり、家内に伝言を残して、家内がいかにもそれを問合せをして谷さんにファクスを出させたかのごとくの印象があったんですが、実際は、言わば妻が答えていればそもそも谷さん宛てには手紙は来なかったんだろうと、こう思うわけでございまして、その手紙に対して非常に事務的な問合せをし、事実上、四問あるんですが、四問とも事実上のゼロ回答であったということでございます。
○白眞勲君 その辺りがだんだん何となく頭の中で整理が付いたところなんですけれども、やはりメッセージが来た場合に、もしかしたら谷さんから、いや、夫人からこういうメッセージをいただいたんで私が電話しましたみたいなことを谷さんがそんたくして籠池さんに電話したということはあり得るのかなと思うんですが、その辺は総理は何か聞いていらっしゃいますでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) そこは聞いておりませんが、しかし、もちろん谷さんは、谷さんは、全く知らない人物から来たわけではなくて、うちの妻が、ですから、当時、名誉校長になるということになっていた人物でありますから、その上において、何ら問題ない、彼女は何ら問題ない私は対応をしたんだと、こう思っています。
 その前のやり取りというのは私もつまびらかではございませんし、妻に聞いてみたんですが、その辺のところはつまびらかではないんですが、いずれにせよ、籠池氏に連絡する前には、こういう連絡をしますと、こういう問合せをしましたよということは報告をしたということでございます。
○白眞勲君 ともかく、予算委員会も含めて何となく森友問題になっちゃっているところは私も本当に残念だなと思っておりましたけれども、でも、やっぱりやっていかなきゃいけないという立場もありまして、その辺が悩ましいところだなというふうに思っておりますが、ともかく、しっかりとこれからも様々な件について聞いていきたいなというふうに思っております。
 以上でございます。
○風間直樹君 まず最初に、安倍総理に森友問題についてお尋ねをいたします。
 三月二十五日、大阪の松井府知事が次のように述べて総理を批判したと報道されています。この問題の本質をきちっと説明できない、分からなくしているのは、僕は皮肉にも安倍総理だと思う、そんたくはないと強弁し過ぎているんです、なぜ籠池さんが言う神風が吹いてきたというスムーズに手続が進んだのかという部分、これはまさにそんたくだったというのを認めるのが一番だと思います、国民の思いをそんたくしてそれを実現していくのは政治家の当然の仕事だ、今回は法律に反するような悪いそんたくではないとはっきり言うべきだと、松井知事はこのように発言をされています。
 総理は、この松井知事の批判をどうお考えになられますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) このそんたくということについては、そもそもが、私はそんたくされる方ですから、そんたくされる方ですからね、そんたくする方ではございませんから一〇〇%確定的には答えられませんが、しかし、先ほどの谷夫人付きの答えからも明らかなように、あれ、四点ともゼロ回答なんですね。四点ともゼロ回答ですから、そんたくというのが働いているんであればゼロ回答ではないだろうと思います。
 しかも、この問題、この問合せをしたこととは関わりのない土地の売買について影響を与えるはずがないわけでありまして、要するにそんたくの働きようがないんだろうと。しかも、安くしてはいけないことに対してそんたくを働かせて安くするというようなですね、これは行政組織では私は全くないと思います。理財局もそして当然近財局も、法令にのっとって、国民の財産である国有地を正しい、的確、適切な価格で私は売買をしているんだろうと、このように私は信頼をしているところでございます。
○風間直樹君 すると、松井知事は言ってみれば認識違いをされていると、こういうことでよろしいでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 人それぞれでありますから、私は松井知事を批判するつもりはございませんが、今、また、松井知事の発言を正確に全て把握しているわけではございません。私の考え方を申し述べたところでございます。
 事実、参考人として出席をした当時の近財局長も当時の理財局長も、全くこの案件は知らなかったというふうに答えているわけでございます。言わばそんたくということ、私のことをそんたくするということであれば、言わばそんたくしていいのかどうかということ、もしそういうことが起こり得たとしたら、少なくとも近財局長、普通は、総理大臣ですから、理財局長に聞くわけでありますが、この案件の存在そのものを全く知らなかったというふうに答えているわけでございます。私の妻がここに講演に行ったことも近財局長は全く知らなかったわけでございまして、そういう意味においては、当然そんたくの働く余地は全くなかったと言ってもいいのではないかと、このように思います。
○風間直樹君 籠池氏は、先日、証人喚問にお見えになった当日夕刻の外国人記者クラブでの会見で、そんたくはあったと、こうおっしゃっています。私、あの証人喚問で籠池氏の発言に注目しましたのは、昭恵夫人が名誉校長に就任されたという事実を、財務局、航空局の方々と会ったときに籠池さんが伝えたと証言されたことです。これはやはり、この政府の機関の職員の皆さんにとってみれば、総理夫人が名誉校長になった学校かという意識は当然働くと思うんですね。ですので、籠池氏の証言を基にすれば、私は恐らくそんたくが働いたんだろうと思います。
 国家公務員法の九十六条にこうあります。「すべて職員は、国民全体の奉仕者として、公共の利益のために勤務し、且つ、職務の遂行に当つては、全力を挙げてこれに専念しなければならない。」。今回の事件のような官僚のそんたく、これはこの九十六条に反する権限行使、法の不誠実な執行であると私は考えています。
 簡単に今回の経緯をざっと振り返ってみました。そもそも、鴻池議員事務所の陳情記録簿にこの森友学園の件が登場するのが、二〇一三年の八月の五日です。ここから籠池さんの相談が始まります。そして、二〇一四年四月、総理夫人が塚本幼稚園で一回目の講演をされる。同年の十二月、二回目の講演をされる。翌年一五年の九月、三回目の講演をされ、ここで名誉校長に就任される。そして同じ一五年の十月、籠池氏が例の手紙を出す。そして十一月、谷夫人付きからファクスが返信される。そして翌一六年の一月、稲田朋美当時の自民党政調会長の夫が自身の弁護士事務所で籠池氏、財務局、航空局の面談に同席をされると、こういう経緯であります。
 この経緯を見ると、そして籠池氏の証言をここに照合すると、これは総理、やはりこの問題に立ち会った政府機関の職員が、安倍総理夫人の存在、稲田朋美当時自民党政調会長の存在などをやはりこれは感ずる、これで感じていないというのは無理があると思います。感じて、そこにそんたくが働いたという籠池さんの主張は、私は一定の理があると思いますが、総理はどうお感じになりますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 大変強引な論理だと私は思います。例えば、役所に持っていって、安倍晋三夫人が名誉校長になっていますということを言ったら、普通は逆に、この人うさんくさいんじゃないのと思いますよね。例えば私の事務所でも、誰かが来て、陳情に来て、私は麻生さんを知っていますとか言ったら警戒するんですよ、普通。これ、普通、役所において、役所において、そういう、来て政治家の名前を出すという人は、それだけでかなり逆効果になるというのが私はむしろ常識なんだろうと思います。
 例えば、私の妻が名誉校長になっているというだけでそんたくが働くのであれば、私の妻は様々な会の会長をやっておりますし、そもそもそれも、こう言ってはなんなんですが、所詮私自身ではないわけですね。
 では、そういうそんたくを働いてどんどん通るのであれば、私の地元の陳情は全部通っていますよ。例えば交差点に予算を付けるなんというのだって、十年来通らない予算があるんですよね。ですから、それはそんなものでは全くない。つまり、それは行政機関をかなりおとしめていると思いますよ。行政は、そんなことでは日本の行政は動きません。真面目にちゃんとやっているわけでありまして。そして、そんたくというのは、これはそんたくがあったかなかったかというのは、そんたくしたかなかったかというのは、つまり、そういうことで言わばここに問題があったということは簡単なんですが、簡単なんですが、では、そこで、それを、そうじゃないということについては、これは今回はかなり明らかになっていると思います。言わば理財局長も、当時の理財局長も当時の管財局長も全く事実を知らないんですから。事実を知らない、であれば、国会でちゃんとそれは答弁をしているわけであります。ですから、それは全くそんたくが働いていなかった。
 例えば、そうであれば、もし私の妻が直接これはこの売り買いをお願いしますよということを頼んでいたのであれば、それはまさにこれは考えるでしょうけれども、ただ名誉校長になったということだけでそれがそんなにうまくいくというはずが全くないということは、これは明らかであります。例えば、私の妻は地元の養護施設の後援会長もやっております。そこへの様々な対応についてもいろんなお願いを、例えば、妻も名誉校長でありますからずっと気にはしているわけでありますが、だからといって全然それが特別な扱いをされたことは今まで一回もないわけでございまして、それはそんなものでは全くないということは申し上げておきたいと、このように思います。
○風間直樹君 この森友学園の地元で建設工事を受注している企業、孫請まで含めますと摂津市を中心に多数あると、こう聞いています。この工事を請け負っている業者によりますと、その大半が、名誉校長に安倍総理夫人が就いているから大丈夫という意識があったと、こう証言されています。それだけ総理夫人の名前の信用力というものは大きいということだったと思いますが、今回、小学校の設置認可申請を取り下げたことによって、森友学園の支払が滞り、倒産する業者も多数出てくるのではないかと地元では懸念されています。
 そこで、この名誉校長を辞めたとはいえ、私は総理夫人の責任は重いのではないかと、こう感じるんですけれども、総理の認識を伺いたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) それはですね、言わば頼まれてなったまさに名誉職でありますから、それはそういうことではないと、このように思っております。
○風間直樹君 総理、結果として、一連の総理夫人の行動に軽率な点があったとお考えではないですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは、まさに籠池氏のこれは責任であって、まさに籠池氏がしっかりと責任を果たしていただかなければならないと、このように思っております。
○風間直樹君 総理夫人が過去三回森友学園にて行った講演の際、随行した政府職員の役職と氏名をお尋ねいたします。
○政府参考人(土生栄二君) お尋ねの三回の塚本幼稚園への総理夫人の私的な御訪問でございますけれども、職員は、公務遂行補助のための活動に必要な連絡調整を行うために同行したものでございます。
 お尋ねのうち、谷さんにつきましては既に国会等で氏名が明らかにされているわけでございまして、平成二十七年九月五日につきましては、谷氏も含め二名が同行したということでございます。役職はいずれも係長級ということでございますけれども、それ以外につきましては、幹部職員ではございませんので、氏名の公表につきましては控えさせていただきたいと存じます。
○風間直樹君 講演日前後の総理夫人の日程を教えていただけますか。例えば、講演の前後に関西で予定があった場合、どんな予定がおありだったか、また前日に関西に入られたのか、日帰りか等々、お願いします。
○政府参考人(土生栄二君) お答えいたします。
 総理夫人の日程につきましては、私的な行為でございますので、御答弁は差し控えさせていただきたいと存じます。
 それから、職員の日程でございますけれども、お尋ねの平成二十七年九月五日につきましては、前日に大阪に入り宿泊し、翌朝に塚本幼稚園を訪問した後、帰京したと報告を受けております。
○風間直樹君 講演の際に、駅若しくは空港から学園までの交通手段ですが、公用車、タクシー、あるいは森友学園手配の車両のいずれか、そして代金の出所はどこか、お尋ねします。
○政府参考人(土生栄二君) お答えいたします。
 駅から幼稚園等までの交通手段につきましては、総理夫人側が用意した車両に同乗したというふうに報告を受けております。
○風間直樹君 そうすると、代金の出所は総理夫人のポケットマネーということでよろしいですか。
○政府参考人(土生栄二君) 総理夫人側が用意した車両でございますので、私的経費により負担されているものと理解いたしております。
○風間直樹君 これまで委員会等での土生さんの御答弁を拝聴していますと、全て総理夫人がこういった職員の日当等も含めて出されていると。報道によりますと、総理夫人の過去一年間の様々なところに行かれたものを計算して経費を算出してみると大体年間三百万円程度、そういった費用が掛かっているのではないかと、こういう報道もあります。
 一方、本年三月七日、上西小百合衆議院議員提出の質問主意書に対して、政府の答弁書を見ますと、平成二十七年国務大臣等の資産公開について、配偶者の資産ということで、安倍総理夫人の資産は土地、建物、預貯金共に該当なしとなっています。そうすると、ポケットマネーから支出されるというのは少々無理があるように感ずるんですけれども、これは官房機密費か何かでしょうか。
○政府参考人(土生栄二君) お答えいたします。
 職員が公務出張する場合には旅費法の対象となるものでございまして、国において旅費を支給することが原則でございます。ただ、お尋ねの件につきましては、これまでも申し上げましたとおり、夫人の私的経費により負担となっているものでございますので、国としては旅費を支給していない、このような扱いになっているわけでございます。
○風間直樹君 最後になると思いますが、政府が森友学園に対して交付をしている補助金類について、その全てを明らかにしていただきたいんですが、国交省が既に公表しているもの以外がもしあれば、説明をお願いします。
○政府参考人(茶谷栄治君) お答え申し上げます。
 予算の執行は各府省の責任においてなされるものであり、財務省として各府省の執行状況について詳細に把握しているわけではございませんが、委員からの御通告を受けまして財務省が各府省から聞き取りを行い、確認できた範囲では、森友学園の補助金としては、いずれも地方公共団体や一般社団法人経由ではございますが、内閣府の子どものための教育・保育給付費負担金、文部科学省の私立高等学校等経常費助成費補助金、国土交通省のサステナブル建築物等先導事業について平成二十七年度に支出実績があったものと承知しております。
○風間直樹君 終わります。
○大門実紀史君 大門です。
 大事な税法の議論のときですので、森友問題はあしたの決算委員会で総理にまた少し伺いたいと思っているんですが、ただ、我が党も要求してきた内容が先ほど佐川さんの説明で文書も配られましたので、一つ二つだけ確認をしておきたいというふうに思います。
 後半の方ですね、九月四日の話なんですけれども、問い合わせた内容がほとんどそれに答えない内容でありますけど、書かれているのが、九月初旬に大阪航空局とともに関係業者と工事内容について打合せを行っていた記憶はあるということなんですが、そもそも、今手元に持っておりますけど、この九月四日の会合そのものがちょっと不思議なんですよね。籠池さんいないんです。森友関係者がいない中で近畿財務局と大阪航空局と業者が直接打合せをしているということなんですね。
 なぜ不思議かといいますと、二〇一五年の五月の二十九日に森友と買受け特約付き有償貸付契約を結んでおりますし、相手方の当事者は森友学園ですね。八月の二十六日にごみが出たよと、地下に埋蔵物が出たよと言ったのも森友学園なんですけれども、にもかかわらず、九月四日の会議そのものが業者と近畿財務局、大阪航空局と、回答にあったとおりですね、日にちは別として、やっているわけですね。例えば、専門家も来てもらわなきゃいけないということで、籠池さんなり森友学園側が業者も来てもらって説明してもらうというならまだ分かるんですよ、まだ分かるんです、専門家に同席してもらうと。あるいは森友側の弁護士さんが代理で出席するなら分かるんですけれども、とにかく業者と近畿財務局、大阪航空局が直接いろんな話をしていると。
 その中身は、私たちが入手したメモによると、要するに処分費が幾ら掛かるんだと、それを聞いてみたら、もう余りにも過大で、そんな処分費掛かったらもう地価を上回ってしまうと。上回ってしまうということは、貸出しの金額が出ない、あるいは売値も出ないと。それで、それで場内処分を含めてもうはっきりキアラに対して言っているんですけれども、場外処分を極力減らす計画を考えてほしいということを言っている。要するに処分費の調整みたいなことがここで話し合われているわけであります。
 これは、籠池さんがああいう方でいろんなことを言いますけれども、一つずっと一貫して籠池さんが言っているのは、自分の知らないところで神風が吹いたと、もう駄目かと思ったのが急にとんとん拍子にいったという、何か分からないけれども何かが働いて金額もああいうものが出てきたと。これは本当じゃないかなと思うんですよね。
 というのは、今申し上げたように、この処分費とか何だとかいろんなことに、籠池さんがいないところで、いないところで近財とか大阪航空局と業者の話合いでいろんなことが進んでいるというのが実はこの九月四日メモの意味なんですよね。だから、籠池さんは、知らないうちにいろんなことがどんどんどんどん、何が起きているか分からなかったけれども、実際はこういうところで処分費の金額もどんどん決められたから、もう出てきたら非常に安い値で、これでも不満があったとかいろいろ後からあるんですけれども、あるんですけれども、そういうことになったんではないかというような、大変そういう重要な日にちが九月四日なわけであります。
 だから、籠池さんの知らない何らかの力が働いて、そういう打合せを直接やっていて、処分費も決まっていって売値も決まっていったという流れがあるのではないかなと、こういう、週刊誌ネタではありません、いろんな事実関係の資料を組み立てると思うわけでありますよね。
 そういう点でいきますと、どうして籠池さんというか森友学園、当事者がいないところでこういう業者と直接近畿財務局が打合せをするのかと。つまり、同席して業者も来るなら分かりますけれども、当事者がいないところで、なぜこういう打合せをずっと、もう既に契約をしている相手を抜いて、していたのかと思うんですけれど、聞いても答えないのかな、同じかな、一応答えてください。
○政府参考人(佐川宣寿君) お答え申し上げます。
 本当に正直申しまして、今先生御紹介されたメモそのものの問題はあろうかと、私はもうずっと答弁させていただいておるところでございますが、仮に、仮にその三者で、航空局と財務局と関係業者の打合せがあるとしても、七月から十二月まで、あるいは四月の支払までの間、工事関係業者が一番どういう工事をしているかというのは詳しいわけでございますので、そういう意味では、行政当局と工事業者との間で、あるいは森友学園も入って四者でやるって、いろんな会合の打合せの形態はあろうかというふうに思っております。
 それと、先生がおっしゃいました、早く進んだというようなお話を籠池さんがされたというお話しされましたが、私は証人のお話はちょっとコメント差し控えますが、いずれにしても、それは二十八年の三月に新たな埋設物が出た後に、私どもいろいろなリスクも考えながら早期に対応しなくちゃいけないというところで早期に対応していたということは、そっちはまた新たな埋設物が出た後の話だというふうに私どもは理解してございます。
○大門実紀史君 佐川さん言われるけど、要するに、やっぱりそれは当事者がいるべきなんですよね。当事者がいて、まず当事者に聞くべきなんですよね、いろいろなことは。だって、もう契約している相手だし、その業者に頼んでいるのは森友学園なんですから。森友学園が発注している業者なんですから。やっぱり、少なくとも当事者が同席の下でやるべき話ではないかと。そこが大変疑問なことで、何か知らないうちにいろんなことがうまく進んで、その理由が分からないという籠池さんの話とつじつまが合うのはそういうところでございます。
 今日はそればっかりやるわけにいきませんので、佐川さんに聞きたいんですけど、今回は委員長が指示をされてそうやって問合せをしたということですけど、今後、あれですか、一々一々委員長の指示がないと答えないんですか。今まで違うでしょう。今まで全て、前、この間も申し上げましたけど、いろんなことをちゃんと問合せぐらいしてくれていたでしょう。これからもちゃんと委員長に一々指示されないと財務省理財局は答えないんですか。これからどうするんですか。
○政府参考人(佐川宣寿君) お答え申し上げます。
 先生がこの間おっしゃられた、どういう経緯でその過去の問合せがあったというのはちょっと私は承知してございませんけれども、いずれにしても、私がずっと答弁させていただいてございますのは、メモの出どころ、それは誰がお書きになって、本当にどういう目的で書かれたかということが分からない中で、そういうことについて私ども、こういうたくさんの情報がある中で、そこについて個別に確認するというのは控えさせていただくということをずっと答弁させていただいているということでございます。
○大門実紀史君 それじゃ、あしたやります。
 それで、せっかく税法の問題で総理と議論できる場でございますので、資料をお配りしておりますけれども、時間がないので、もう結論、一問で申し上げますけれども、今貧富の格差が広がっておりまして、富裕層がわっと金融所得で資産を増やしております。そういう方々がちゃんと税金を払っているのかという問題でありまして、タックスヘイブンの絡みでありますけれども、要するに、ケイマン諸島にこれだけ証券投資残高がずっとされているわけですけれども、これは何かというと、ケイマン諸島に投資ファンドを置いて、そこに富裕層がお金を出して、外国投資信託とか使ってやっているわけですね。そこに投資したやつはどうなるかというと、戻ってきて投資家に配当されるときに税金が掛かるわけですけれども、戻さないで、そのケイマンにあるスキームを使って、配当で利益が生まれたらまたそこにその分を投資するということをやるわけですね。ずっとこれため込むわけですね。で、どんどん膨らませているわけですね。
 いずれ戻ってきたら、戻すときにそれは課税されるんですけれど、なかなかそうはしないで、いろんなあの手この手で税金を掛からないように、例えばケイマンのこういうタックスヘイブンでペーパーカンパニーつくって更にほかのペーパーカンパニーに移すとか、自分が欲しいものをそのペーパーカンパニーに買わせるとか、マンション買わせてそこに住むとか、で、実利を得るとか、そういうこととか、幾つも幾つもそんないろんなスキームがあって、わざわざそれを指南しているようなテクニカルな本も出ているところでございますけど。
 こういうものはいずれ戻ってくるから、税金掛かるだろうから、ああいいんだじゃなくて、やっぱりそうやってため込んでほかのことでうまいこと使ったりしますので、海外は、二ページ目なんですけれども、そういうタックスヘイブン等の外国投資ファンドにそういうため込んでやっている未配当利益、これに対してもやっぱり課税すべきだということで、各国はあの手この手で考えているわけであります。FIFといいまして、フォーリン・インベストメント・ファンド、FIFという仕組みでいろいろ税金をやっぱりため込んでいるところに掛けようとやっているわけですね。
 こういうことを考えないと、真面目な人は一生懸命日本で苦しい中でも税金を払って、こういう実質的な税逃れがいつまでも続くということはまずいと思うんですけれども、ちょっと時間ありますので、まず麻生大臣、一言いただいてから。
○国務大臣(麻生太郎君) 今の御質問ですけれども、これは外国のファンドに投資を行う場合には、投資家がその配当金なり分配金などというものを受け取るというときにおいて初めて課税を行うということでこれなっております。それは御存じのとおりです。
 他方、外国、まあ例外があるんですけれども、御指摘のとおり、例えば外国の投資ファンドに投資を行ったという場合には、投資家が現実に収益の分配を受けたときというだけではなくて、投資ファンドから分配が行わない収益も課税する仕組みがあるというのは私どもも承知をいたしておりまして、ドイツとかフランスにおいては配当所得としてこれを課税するということになっております。
 こうした課税というのは、長期にわたってファンドが利益を留保して、そして課税を繰り延べると、先に、先送りするということを防止するという効果があるものと考えられますけれども、こうした課税を日本で取り組むべきかという話、採用すべきかということなんですけれども、これは投資ファンドにおいては公募とか私募とか、いろいろな種類が存在していますので、その投資の目的も様々でありますし、またそれぞれの投資家に生じますいわゆる未実現の利益、まだ配当を受けておりませんから、未実現の利益というのを確定するというのはこれは極めて事務的には難しいというのはもう御想像のとおりであります。
 また、投資に大きな影響を与えますので、そういったことも考えないかぬということもありますので、まずはちょっと実態をよく把握した上で、この諸外国の例を参考にさせていただきながらちょっと対応を検討させていただきたいと、まだ極めて例は少ないですから。
 以上です。
○大門実紀史君 ちょっと総理に、複雑な中身でありますけど、要するに申し上げたいのは、あの手この手でいろんな形使って税を逃れるということが非常に高度なテクニックで行われるようになってきておりますので、やっぱりタックスヘイブンについて日本がリードして、今までもリードしてきている部分ありますので、リードして頑張っていっていただきたいということを申し上げたいんですけど、総理から一言あればと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 確かに大門先生が御指摘になったように、多くのサラリーマンの皆さんは天引きで透明性が完全に確保される中で真面目に所得税を払っておられるわけでありますが、一部のいわゆる富裕な人たちがそうした形で租税回避を行っているということになれば、ということが事実であるとすれば、課税の公平性を損ない、納税者の信頼を揺るがす大きな問題であると私も認識をしています。
 国際的な租税回避の防止についてはこれまでも日本を含む各国が連携して対応しておりますし、昨年の伊勢志摩サミット、私が議長を務めたわけでございますが、伊勢志摩サミットにおきましても租税回避等の問題について議論を行いました。また、委員が御指摘になったように、日本はこれまでOECD、G20によるBEPSプロジェクトの議論を主導してまいりました。その合意事項を各国が足並みそろえて着実に実施するように働きかけも行ってきました。さらに、累次の国際会議において非居住者の金融口座情報をより多くの国で共有していく取組などを実施していくことが重要という点で一致をしました。また、いわゆるパナマ文書に関して、OECDの国際基準に沿った金融口座情報の自動的交換のための協定の締結について、パナマとの間で世界に先駆けて実質合意をし、署名を行ったところであります。
 政府としては、こうした国際的な合意を着実に実施すること等を通じて、今後とも租税回避の防止に向けて不断に取り組んでまいります。
○大門実紀史君 終わります。
○藤巻健史君 日本維新の会の藤巻です。よろしくお願いいたします。
 まず、法人税についてちょっとお聞きしたいんですが、アメリカではトランプ大統領が極めて大きい大幅減税を考えていらっしゃいますし、それからイギリスでも法人税減税が予定されているわけですね。日本でも細々した法人税減税でなくて、もっと大胆に法人税減税をしないのか、ちょっとお聞きしたいんですが。
 というのは、これは法人税が世界的に高過ぎますと空洞化が進んじゃうわけです。確かに、空洞化というのは、ほかの要因もありますよ、例えば円高とか、それから労務費が固定費化しているとか、そういう理由はありますけれども、やっぱり法人税率というのも非常に大きい要因だと思うんですね、空洞化するかしないかの。
 空洞化してしまうと何が起こるかというと、日本人労働者に対する需要が落ちてしまうわけです。供給は同じですから、そうすると、総理が先ほどもおっしゃっていましたけれども、一生懸命事業会社に賃料を上げ、賃上げだ賃上げだと言っても、これはやっぱり労働力というのも需要と供給で決まるわけですから、これは当然賃料っておっこっていっちゃいますよ、需要がないんですからね。
 ということを考えると、多くの人たちは、法人税率下げるというと何か大企業のためだとかいう印象はあるかもしれないけど、それは回り回って労働者のためでもあるわけですから、そういうような説得をして、やはり法人税というのは大きく下げるべきではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 安倍政権において取り組んでまいりました成長志向の法人税改革では、租税特別措置法の縮減、廃止等によって課税ベースの拡大を行い、財源をしっかりと確保しつつ、日本の法人税、法人実効税率を国際的に遜色のない水準に引き下げました。この法人税改革は、企業が収益力を高め、積極的に賃上げや設備投資に取り組むよう促す観点から行ったものであります。
 我々も経団連等に対して、我々はやるべきことをやるから、あなたたちもやってくださいということを強く促しつつ、連続でベアが実施されたわけでありますが、委員からはもうこれをもっと大胆にやれという御指摘でございますが、企業収益が空前の水準となる中で、経済界には更なる賃上げや設備投資への取組を進めていただきたいと考えています。こうした観点から、法人税改革の成果をまずは見極めていきたいと、こう考えております。
○藤巻健史君 是非、法人税率のもっと下げを考えていただければというふうに思っています。とかく日本の人たちは、どうも給与に関して経営者対労働者の闘いみたいなように思っていらっしゃる方が多いと思うんですが、実は私は、日本の労働者の競争相手というのは外国の労働者だと思っていますので、やっぱり円高を防止するとか法人税を下げるということで企業を国内にとどめておく、まあ一種のトランプさんと同じ考えですけれども、そういうことによって賃上げをするのが一番よろしいかなというふうに私は思います。
 次の質問に入りますけれども、実は私は非常に今インフレを懸念しているわけです。激しいインフレを懸念しているんですね。穏やかなインフレで終われば非常に、こんなめでたいことはないんですが、激しいインフレを危惧しております。というのは、日本の財政というのは世界で冠たる悪さですし、ましてや、私に言わせれば財政ファイナンスを日銀がやっているわけですね。要するに、国の赤字を日銀が紙幣を刷ることによってファイナンスするという財政ファイナンス、実質財政ファイナンスをやっていると私は理解しています。そのせいで日銀のバランスシートは極めてメタボになっているわけですね。
 アメリカが、FRBがテーパリングを始めたときの資産、バランスシートの規模というのは、先日この委員会でお聞きしましたけれども、対GDP比二四%だったか五%ぐらい、日本は八十今既に何%、バンク・オブ・イングランドも、BOEもはるかに低い、バランスシート膨らんでいないわけです。バランスシートが膨らんでいるということはお金をじゃぶじゃぶにしているということですから、リスクは非常にインフレになるリスクが高いわけですね。これで大きいインフレになるということは、国民の生活が地獄に陥る、財政にとっては非常に究極の財政再建になりますけれども、国民生活というのは地獄になってしまうわけですね。
 もう一つ大きい問題があって、例えば増税であれば、我々はこういう財政金融委員会で抑えが利きますから、それなりにチェック機能は働くんですけれども、インフレというのは全く税金と同じわけです。債権者から債務者への富の移行ということであって、債権者というのは国民であるし、日本最大の債務者というのは国ですから、インフレというのは、それも激しいインフレというのは債権者から債務者への富の移行、すなわち国民から国への富の移行ということで、まさに税金と同じわけですね。ということは、激しいインフレが起こってしまうと、我々のチェック機能がなしに、税金というのは租税法律主義ですから、当然のことながら法律にのっとってやらなくてはいけないのに、我々のチェック機構もそれから法律のチェック機構も働かないうちに大増税が起こってしまうということがあり得るんですが、その点について、インフレを起こさないという自信はおありかどうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 藤巻先生の御指摘は、これはインフレというものが、まあ早い話が債権者から債務者へのいわゆる富の移行ということになりかねぬということなので、政府の債務残高というものが積み上がって、逆に民間部門がその債権を保有しているわけですから、民間は政府に対しての債権者ですから、そういったものを保有しているという現状では、インフレが行き過ぎると、簡単なことを言えば、国民に対して大きな負担を強いるイコール大増税と同じじゃないかという理屈を言われたいと、長く言われましたけど短く言うとそういうことを言われたいんだと理解したんですけれども。しかし、そもそも税というものは、公共サービスというものをこれは提供などをしながら、必要な財源を国家が調達するために広く国民に負担を求めると、これ元々税の在り方だと思いますので、インフレと同列に論じるというのはいかがなものかと、まず最初にそう思います。
 その上で、行き過ぎたインフレのリスクについてのお尋ねだと思いますけど、これは物価の安定については、一義的にはこれは日本銀行がその時々の経済情勢を踏まえつつ対応していただいているものだと承知しておりますが、一方、政府としても、政府と日銀との間で、共同声明におきまして、財政運営に対するいわゆる信認を確保するという観点から、これは持続可能な財政構造というものを確立するための取組を着実に推進しますと、私どもの方も、財政再建等々を含めてということをしておりまして、引き続き、政府と日銀は、これは緊密に連携をしながら、いわゆるデフレ不況からの早期脱却というものと物価安定の下で持続的な経済成長というものの実現に取り組んでいくというのが基本的な姿勢と考えております。
○藤巻健史君 決意を表明していただくのはいいんですが、日銀の出口というのはやっぱり方法がないというのが大問題でして、今後ともこの財政金融委員会で、日銀の出口があるか、量的緩和の出口があるかについては議論させていただきたいと思っております。
 次に、ちょっとジニ係数についてお聞きしたいんですが、先日の財政金融委員会で総務省に聞きましたところ、平成二十六年の日本の等価可処分所得のジニ係数は〇・二八一だったと。一方で、所得が二億円、五千万円、五千万円の三人しかいない国、仮定国A国のジニ係数は〇・三三三だと。要するに、ジニ係数だけでいくと、そのA国の方が日本よりも格差がひどいということになるわけですけれども、その二億、五千万、五千万の人口しかいない国だとしたらば、総理は格差是正が必要だと思われますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 格差をジニ係数だけで見るかどうかということだろうと思います。相対的貧困率もそうでございますが、これは絶対的な貧困とは違うわけでございますから、そうした下に、様々な指標を見つつ、適切な政策を打っていくことが求められているんだろうと、所得再配分もそうでありますが、そうした対策あるいは政策を行っていくべきだろうと、このように思っております。
○藤巻健史君 世間ではとかく全てがジニ係数で決まるような風潮があるやに思いますので、是非、総理がそういうジニ係数もワン・オブ・ゼムだということを認識していただいているということは非常に力強く思います。
 やっぱり所得税とか贈与税、相続税、いろんな税法を考えるとき、若しくは税法だけじゃなくてその他ですね、とかく格差是正というのが金科玉条のように使われているんですが、先ほど総理がおっしゃったように、絶対的貧困というのは確実に防止しなくちゃいけないと思うんですが、相対的貧困というのは程度問題だと思うんですね。先ほど言いましたA国の二億円、五千万、五千万円の人しかいない国で格差是正なんかやったら、これはもう国力を落とすだけで、そんな格差是正なんて無駄というか有害なものだと思うんですけれども、一方、格差是正がいって全員が平等になれば誰も働かないわけですから、それは程よい格差というのが必要であって、格差がなければいいという話じゃないと思うんですけれども、総理の頭の中に、どの程度の格差がいいというような概念、まあこれ口で言うのは難しいと思いますけれども、ありますでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) つまり、格差としては、まず格差が固定化しないということが大切であって、誰にでもチャンスがある。たとえ貧しい家庭に育っても、高等教育、大学や専修学校に通うことができる、そして自らチャンスをつかみ得る社会でなければならないと思いますし、あとまた、その格差が社会的に許容し得るものでなければならないんだろうなと、こう思う次第でございます。
 それがなければ、様々な欧米で起こっているような不安定化が起こるわけでございます。政治の不安定化、あるいは社会の不安定化につながっていくわけでございますから、大切なことは、大体みんなが納得できる範囲内に収まるということと固定化させないということではないかと思います。
○藤巻健史君 まさに総理がおっしゃったとおり、結果平等ではなくて機会平等が非常に必要なのではないかなというふうに我が党も思っております。だからこそ私どもの政党は、日本維新の会は教育無償化を昔から強く主張しているわけでございます。
 次の質問に入りますけれども、中国人民元というのは、一九八〇年当時、一ドル一・六人民元だったわけですね。昔、一九八〇年、一ドル一・六人民元だったものが、今は一ドル六・八七人民元ぐらいなんです。対円でいいますと、一九八〇年代、一九八〇年に一人民元が百六十円だったものが今大体十六円で、十分の一になっちゃっているわけですよ。
 通貨が十分の一になったらば、普通海外旅行行けないんですよね。それなのに、今、十分の一になった通貨で中国人がわんさかと日本に来ているわけですけど、その理由は何だと思われますでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 質問に出ていませんので、何でわんさか来るかといえば、今のうち、自分の国の通貨が信用できないから、今のうちに使っちゃおうとか、そういった人もいるでしょうし、いろんな人がいますよ。だからそれ、一概的にこれが一番大きな理由というようなことはないと思います。
○藤巻健史君 私は、配付資料の一、見ていただきたいと思うんですけれども、中国って、この三十年間に約七十五倍の名目GDPが伸びているわけですよ。通貨が十分の一になっても国力が七十五倍になれば、七・五倍の豊かさになるわけです。だからこそ中国人というのは日本に来ているんだろうと私は思うんですが、この表を見ていただくと、日本は三十年間で一・五一倍なんですよね。ほかの国に比べるとべらぼうに低いんです。アメリカでも四・一三倍、イギリスでも四・八八倍ですよ。
 これ確かに、ここまで低いと、それは確かに昨日と今日のことを比べるのも重要ですけれども、なぜ三十年間金融政策も財政政策も最大限発揮したのにもかかわらずこんなになってしまったかという分析こそが、やはりこれは、一・五一倍だったのは、これ別に全部が安倍政権のせいじゃもちろんありませんよ、これは過去の蓄積なんですから。ですけど、この時点に当たっては、どうしてこんなに低かったということを分析して、その対策を打つのがやっぱり総理としての重要な仕事じゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まさに、二十年近く日本はデフレが続いてきたわけでありますから、当然これ、デフレ経済が続けば名目GDPは増えませんから。例えば、幾ら実質GDPが上がったとはいえ、それは逆にデフレ自慢になってしまうわけでありまして、名目GDPがまさにデフレ経済の中においてこれが伸びてきていなかったのは事実でございます。
 しかし、我々安倍政権が誕生して以来、かなり短い期間でデフレではないという状況をつくり出すことができました。その結果、名目GDPはこれ四年間で九・五%伸びたんですよ。四十七兆円これは伸びたわけであります。実質でも五・四%、二十七兆円増加をして過去最高の水準となっているわけであります。
 それによって、失われた国民総所得と私はよくこう申し上げてきたんですが、デフレ経済の中において五十兆円失われてきたんですが、これを我々、昨年とうとう取り戻すことができたわけでございます。まさに、しっかりとデフレから完全に脱却をして力強く経済を成長させていくことが求められているんだろうと、このように思っております。
○藤巻健史君 時間が来ましたので終わりますけれども、私は、結果平等主義の社会、社会主義的な体質と、そしてやっぱり円高がかなりこの原因じゃないかなと私は思っています。今後とも議論を続けさせていただければと思います。
 これで終わります。
○委員長(藤川政人君) 以上で内閣総理大臣に対する質疑は終了いたしました。
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(藤川政人君) 速記を起こしてください。
 他に御発言もないようですから、本案に対する質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○古賀之士君 民進党・新緑風会の古賀之士です。
 私は、所得税法等の一部を改正する等の法律案に反対の立場から討論を行います。
 最大の問題は、税制の喫緊の課題である所得税の抜本改革に手が着けられていないことです。今回の配偶者控除及び配偶者特別控除の手直しはまさにその象徴です。政府においても抜本的な検討が進められてきたはずですが、配偶者特別控除の枠を百五十万円に拡大するという予想外の結果で、これでは働き方の選択に対して中立的どころか、かえって逆効果となるでしょう。
 今求められているのは、民進党の基本構想のように、配偶者控除や扶養控除を廃止し新たに世帯控除を導入するなど、所得税の大胆な変革です。まずは所得控除から税額控除へと転換し、さらには税額控除から給付付き税額控除へと税体系を大きく変えていく日本型ベーシックインカムを実現することで、低所得者から中所得者への底上げを行うべきです。
 次に、自動車関係諸税の簡素化、負担の軽減に逆行し、増税が行われたことです。
 今回の改正でエコカー減税やグリーン化特例が縮小されます。特に、地方にとっては必需品であり、基幹産業でもある自動車については、ユーザーの過重な負担を軽減するため、自動車取得税廃止、自動車重量税の当分の間税率の廃止、自動車税、軽自動車税の税率引下げを含む車体課税の抜本見直しを早急に行うべきところ、課税を強化して消費を減速させるおそれのある政府の対応は成長戦略の観点からも逆行しており、断固反対です。
 このほか、甚大な災害被害が発生した場合、税制において迅速な対応を可能とするため、恒久法として災害税制に関する基本法を制定すべきであること、酒税について国際的に高いビールの税率を引き下げるべきところ、発泡酒の大幅増税としたことは、庶民の楽しみを奪う措置であり、断じて容認できないことを併せて指摘させていただきます。
 ますます増大する税務行政の需要に対して現場の体制が追い付いていかないことも問題です。適正かつ公平な課税と徴収の実現及び歳入の確保のためには、国税職員の定員確保と機構の充実が急務であり、今後とも、計画的、中長期的に定員の拡充、増員を行っていく必要があります。しかし、それを置き去りにしたまま現場に負荷だけを掛けるこの法案に賛成するわけにはまいりません。
 本法案には以上の問題があるため、私たちは反対いたします。
 以上です。
○大門実紀史君 反対討論を行います。
 第一の反対理由は、大企業に特別に偏った優遇税制である研究開発減税を温存、拡充したことです。
 研究開発減税は、我が党だけでなく識者の間からも、単なる補助金と化している、内部留保を増やすだけだと指摘され、政府税調でも大胆な縮減が打ち出されておりました。莫大な利益を上げている大企業に何千億円も減税するくらいなら、その財源を国民の暮らし、中小企業への支援に回すべきだと考えます。
 第二の反対理由は、国税通則法の中に国税犯則取締法を編入することです。
 一般勤労者に向けた法律と犯罪者を取り締まる法律を一本化するという大改定にもかかわらず、財務省は手続上の瑣末なことを理由とするだけでまともな改定理由を示しませんでした。問題は、一般勤労者に対する任意調査と脱税犯を相手にした犯則調査の境目が曖昧になるのではないかという点です。今でも、任意調査でありながら納税者をまるで犯罪者扱いにした強権的な調査が横行しております。今回の改定により、更に納税者の権利が侵害される懸念は払拭できません。
 以上のことを主な理由として、本改正案に反対をいたします。
○委員長(藤川政人君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 所得税法等の一部を改正する等の法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(藤川政人君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、大塚君から発言を求められておりますので、これを許します。大塚耕平君。
○大塚耕平君 私は、ただいま可決されました所得税法等の一部を改正する等の法律案に対し、自由民主党・こころ、民進党・新緑風会及び公明党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    所得税法等の一部を改正する等の法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、次の事項について、十分配慮すべきである。
 一 税制の公平性等を確保するため、租税特別措置の適用実態調査の結果に関する報告書を踏まえ、適用実績の把握と効果の検証を十分に行うとともに、効果が不明確なもの等は縮減・廃止するなど、租税特別措置の徹底した見直しを推進すること。
 一 高水準で推移する申告件数及び滞納税額、経済取引の国際化・広域化・高度情報化による調査・徴収事務等の複雑・困難化に加え、税制改正による税制の複雑化、社会保障・税一体改革に伴う税制改正への対応などによる事務量の増大に鑑み、適正かつ公平な課税及び徴収の実現を図り、国の財政基盤である税の歳入を確保するため、国税職員の定員確保、職務の困難性・特殊性を適正に評価した給与水準の確保など処遇の改善、機構の充実及び職場環境の整備に特段の努力を払うこと。
   特に、近年の国際的な租税回避行為に対して厳正に対処するとともに、富裕層やコンプライアンスリスクの高い層への調査を充実できるよう職員の育成や定員の拡充等、従来にも増した税務執行体制の強化に努めること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(藤川政人君) ただいま大塚君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(藤川政人君) 全会一致と認めます。よって、大塚君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、麻生財務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。麻生財務大臣。
○国務大臣(麻生太郎君) ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても御趣旨に沿って配意してまいりたいと考えております。
○委員長(藤川政人君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(藤川政人君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時八分散会