第193回国会 財政金融委員会 第12号
平成二十九年四月二十五日(火曜日)
   午前十時開会
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   委員の異動
 四月十四日
    辞任         補欠選任
     青山 繁晴君     鶴保 庸介君
 四月十八日
    辞任         補欠選任
     松川 るい君     野上浩太郎君
 四月十九日
    辞任         補欠選任
     野上浩太郎君     松川 るい君
 四月二十四日
    辞任         補欠選任
     藤末 健三君     矢田わか子君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         藤川 政人君
    理 事
                大家 敏志君
                中西 健治君
                長峯  誠君
                三宅 伸吾君
                大塚 耕平君
    委 員
                愛知 治郎君
                石田 昌宏君
                徳茂 雅之君
                中山 恭子君
                松川 るい君
                三木  亨君
                宮沢 洋一君
                山谷えり子君
                風間 直樹君
                古賀 之士君
                白  眞勲君
                矢田わか子君
                杉  久武君
                平木 大作君
                小池  晃君
                大門実紀史君
                藤巻 健史君
   国務大臣
       財務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        麻生 太郎君
   副大臣
       内閣府副大臣   越智 隆雄君
       財務副大臣    木原  稔君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        武村 展英君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小野 伸一君
   政府参考人
       内閣府大臣官房
       審議官      田中愛智朗君
       金融庁監督局長  遠藤 俊英君
       財務大臣官房長  岡本 薫明君
       財務省理財局長  佐川 宣寿君
   説明員
       会計検査院事務
       総局第三局長   戸田 直行君
   参考人
       日本銀行副総裁  岩田規久男君
       日本銀行理事   雨宮 正佳君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○財政及び金融等に関する調査
 (日米経済対話に関する件)
 (財務省における公文書管理に関する件)
 (テロ等準備罪の対象犯罪に関する件)
 (銀行のカードローンに関する件)
 (金融緩和の出口戦略に関する件)
○金融商品取引法の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
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○委員長(藤川政人君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、青山繁晴君及び藤末健三君が委員を辞任され、その補欠として鶴保庸介君及び矢田わか子君が選任されました。
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○委員長(藤川政人君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣府大臣官房審議官田中愛智朗君外三名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(藤川政人君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(藤川政人君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に参考人として日本銀行副総裁岩田規久男君及び同理事雨宮正佳君の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(藤川政人君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(藤川政人君) 財政及び金融等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○中山恭子君 自民党・こころの中山恭子でございます。
 今週といいましょうか、先週四月十八日に、麻生副総理とペンス米国副大統領との日米経済対話が開かれました。また、その後、続いて二十日、二十一日にはG20財務大臣・中央銀行総裁会議が開催されました。引き続いて、二十二日には国際通貨金融委員会が開催されております。麻生大臣におかれましては、この一週間、随分と充実した日々を、そのときを過ごされたのではないかと拝察しております。
 実は私、こちら側からの質問はほぼ初めてに近い状況でございます。
 まず、麻生副総理とペンス米国副大統領との間の日米経済対話についてお伺いいたします。実は、発表になりました日米経済対話に関する共同プレスリリースというのは読みましたけれども、ちょっと分かりづらいものでございました。是非、この際、麻生副総理から、ペンス米国副大統領との会談の模様ですとか、お感じになったこと、今、これからの課題などを分かりやすくお話しいただければ有り難いと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 先週の十八日の日に、いわゆる日米経済対話の第一回目ということで、ペンス副大統領の来日に合わせて私どもと会議をさせていただくことになりました。
 この中で、基本的に我々は幾つかのことを一致をしておるんですけれども、まず、貿易とか投資とかいうものは、これルールを決めないといかぬのであってという話をして、その上で我々としては、こういったものを高いレベルで公正なルールを作って、その上で二国間できちんとそういうものができればそれを多国間にも広めていける、そういったようなきちんとしたルールを作っていくのが必要なのではないかというのが第一点だと思いますが。
 二つ目に、構造政策とか、経済やら構造政策の中で協力していくという中で、いわゆる三本の矢というようなアプローチというものを、これは日米で積極的に活用していくということで、これはバランスの取れた話をしないと、今までのように、アメリカは日本に対して摩擦がある摩擦があるという話をして、こっちはその摩擦に対応してきたのは一九六五年の繊維交渉の頃からパターンは同じですから、そういった意味では摩擦ではなくて協力という、言葉が全く変わっているので、こちらから振り込んだ話でもありますので、そういった意味では、両方でバランスの取れた成長を目指していこうという話をさせていただきました。
 それから三つ目に、いわゆる分野別にいろいろ交渉をしていかないかぬと、これなるんですけれども、例えば高速鉄道のインフラとかエネルギー、エネルギーでいうなら、例えば石炭によります超超臨界というものが、世界で最も優れた日本の石炭火力の技術がありますので、こういったようなものを我々としては両方でやっていけるのではないかという話をさせていただいて、それ以後、第二回目をということをやらせていただこうと思っておるんですけれども。
 御存じのように、まだアメリカの場合はデピュティー、いわゆる次官、局長、審議官がまだ議会の承認が通っておりませんので、今のところ、早い話が、大臣以外話ができる相手はいない、これが今アメリカにおける現状ですから、これだけちょっと長い空白期間は今まで余りなかったと思いますけれども、そういった状況にありますので、しばらく時間が掛かるかと思いますけれども、そういったものをきちんと対話をしていかないかぬ、これから少しずつ詰めていかないかぬところだと思っておりますけれども、基本的には、今置かれて、たんたんたんと、なかなか、向こうのスタッフが決まっていない以上なかなかそうは進んでおりませんので、スタッフが決まり次第我々としてはといって、こちら側の準備だけは整えているという、スタッフも見せましたし、こちら側から。そういった意味では、そちらも早く決めてもらいたいというような話をさせていただいております。
○中山恭子君 ありがとうございます。
 スタッフが決まってからというお話でございますが、私自身は、両国の首脳、スタッフという形だけではなくて、やはり副大統領、副総理というこのお二方が日米関係の経済問題について幅広い形で対話を続けていくという、どなたが考えたのかは知りませんが、日米間の間では出色の出来ではないだろうかと思っておりますので、今後も、是非、麻生副総理が中心になって、財政だけではなくて経済全体についてのアメリカとの対話を進めていただきたいと考えているところでございます。
 さらに、最近、保護主義というものがいろんな国際会議の場でも、G20でも、ほぼどの会議でもこの保護主義的な話が今出てきております。ただ、今の保護主義、一九七〇年代、八〇年代の日米貿易摩擦とは違う次元のものであるはずだと考えております。
 一九七五年から七八年まで、私自身、IMFで三年間勤務をいたしました。この間、為替レートが三百八円から、出発するときは三百八円でしたが、日本を、帰国するときには百六十八円とか百七十円台で動いている頃でございました。非常に激しい円高の動きになっておりました。IMFの中で、ああ、国際金融というのはこういう形で決められていくのだというような、非常に興味深い、又はびっくりするような動きを直接目にしていた当時でございます。
 ただ、七〇年代後半から日本の車がアメリカの町を盛んに走り出しました。七〇年代、八〇年代の日米の貿易摩擦というのは、そういった個別の品目の摩擦であったように考えています。
 現在の保護主義というのは、単に個別品目に関することだけではなく、いろんな分野のものが入っていると思いますし、それをいわゆる保護主義というだけで解決できるものでもないと考えておりますが、麻生大臣はこの保護主義的な世界の動きについてどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 少なくとも、中山先生、さきの戦争、第二次世界大戦が終わるまでは、間違いなく経済は国土の大きさにほぼ比例して経済力が強いというのが間違いない歴史的な事実だったと思いますが、この戦争が終わって、アメリカという国が世界のGDPの三十何%を持っていましたから、それもあったおかげで、自由貿易というのをアメリカが言い始めたのが最初の、自由貿易というものがえらく世の中に出ていくんですが、この結果どういう国が大きな力を持ったかといえば、明らかに西ドイツと日本であります。
 両方とも、国土は戦争によって一挙に、満州がなくなり、樺太がなくなり、台湾、朝鮮、いずれも皆当時領土じゃなくなっておりますので、日本。東ドイツを失い、ポーランド等々、いずれも東ヨーロッパを失った西ドイツも、御存じのように経済がこれだけ巨大なものになって、世界第二位だ、第三位だということでのし上がっていった最大の理由は自由貿易という、はっきりしておりますので。その意味では、日本にとりましては、自由貿易の恩恵に浴した国の一番、二番は間違いなくドイツと日本ということになろうかと思いますので。
 その意味では、基本的に、我々としては、自由貿易というものがきちっと作用するように支援をしていくのが一番の基本なんだ、それが国益に沿うと思っておりますし、各国もそういった方向で、大きな国にしてみれば、アメリカはかつて三十幾つあったものが今二〇%少々ぐらいになってきておりますので、間違いなく相対的な経済力というのは落ちております。日本の場合は、ほぼ二、三%だったものが今は九%、一〇%に、まあ年によって違いますけれども、そういうことになってきたというんで、ですから、やっぱり両方、そういった自由貿易を信奉する国々はきちっとそれを手を携えてやっていかないかぬということなんだと思っておりますが。
 アメリカの場合、今、何となく二国間貿易の間において対日貿易が赤とか対中貿易が赤だとかいう点が非常に大きなあれで、我々はそれによって、NAFTAの協定によってメキシコ、カナダとの間に巨大な貿易赤字が立っておる、それは間違いなく立っていますけれども、それを二国間でとかいう話で解消されようとしていこうというのが今よく言われている話ですけど、それなかなかそんな簡単な話じゃないんであって、あの内容を見てもらえれば、今自動車摩擦の話をされましたけれども、日本の自動車摩擦はおっしゃるように一九七〇年代、八〇年代までは、七〇年代ですかね、あれは、アメリカの対外貿易赤字の五三%が日本一国だったと思いますが、今、それ以後、日本は、アメリカに車を輸出するのではなくて、アメリカで車を造って、アメリカからアメリカ製の日本車を海外に輸出するというのを始めて、かつて三百万台輸出しておりましたけれども、今はアメリカ国内で四百万台を造り、四十何万台をアメリカから輸出するというような形になっておるのが今の実態ですから、貿易赤字から見ますと九%ぐらいになっていると思っております。
 傍ら、中国は四八%ぐらいの赤字を中国一国で負っておりますので、バイでやっていくと、いろいろな話で、それが全部がバランスするなんというのは常識的には考えられませんから、こっちで黒でもこっちは赤ということは十分にあるんだと思いますが、極端に中国みたいに五〇%なんということになれば、それはちょっと、少々形として触らないかぬというところになってきているというのが今の状況で、そのために一番手っ取り早いのは為替の操作ということになるので、かつて、プラザ合意のときまでに、あれ二百四十円だったものが約一年半ぐらいのもので百二十円ぐらいまで落ちましたので、ドルの力がそれだけ落ちたということだと思いますが、日本の場合はその間、国際的に見れば倍金持ちになったわけですから、その意味で、それを使って海外に積極的に、金が倍になったと、使えるマネーが倍増えたということを前提にして、それで海外の会社を買い、海外で工場を造り、そういうのを積極的に、円高を利用して海外に出ていったというのがその間の歴史だと思いますけれども。
 いずれにしても、こういったのはよくよくみんなで話し合っていかないと、一方的な都合だけでやられると困ると思いますし、大きな国が税制を、国境税等々、一方的な話をぽいっと思い付きみたいにされてもなかなか他国に与える影響がでかいので、よくよく話し合ってもらわないかぬという話やら何やらを今させていただきましたし、これからもそういった話でゆっくり議論を積み重ねてまいりたいと考えておりますが、基本は、自由貿易というものは国益に裨益するものだと思っております。
○中山恭子君 ありがとうございます。
 自由貿易は日本として進めていくということをしっかりお話しいただきまして、有り難いことだと思っております。
 前回、三月に開かれましたG20のときには、その保護主義への対抗という言葉が消えたというように報道されておりますし、ただ、先日の国際通貨金融委員会の共同声明では、保護主義に対抗するという文言が削られた代わりに、内向きの志向の政策を避けるという単語が、そういう表現がなされたということでございますので、世界的に見れば自由貿易主義というものが今もなおしっかりと根付いているんだろうと考えているところでございます。
 是非、麻生副総理として、国際経済・金融の場において、縮小方向ではなくて、活発な経済を保っていくという方向でリーダーシップを取って動いていただきたいと思っております。
 ついでと言ってはなんですが、そういう中で、直接の御担当ではないかもしれませんが、TPPの問題についてお考えを伺いたいと思っております。
 私自身、昨年の十二月八日に、これはTPP特別委員会で総理に対して質問いたしました。そのときには、アメリカがTPP入らないということを宣言した後でございましたが、私からは米国を除く十一か国でTPP協定を発効させる方向で進むべきではないでしょうかということを御提案いたしました。もちろん、条約そのものを変更する必要があるかもしれませんが、それでも十一か国でまとまった上でアメリカの加盟を誘うという方がいいのではないでしょうかという質問もしましたんですが、そのときには総理からは、まだ当時は米国抜きで進めていこうという議論にはなっていないというお話でございました。
 今の段階で副総理としてはどのようにお考えでいらっしゃるんでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) これは甘利先生等々が担当されて約三年近くの歳月が全部でいうと掛かっておりますから、その間いろいろな話で結果的にああいった大筋合意というのはでき上がっております。これを我々としては、我々の譲れる最大のものだと思っておりますし、是非そういった意味ではきちんとやっていきたいと思っておりますが、今、それを変えて、FTA、フリー・トレード・アグリーメントをバイでやるという話を今アメリカがされておられるんだと思いますが。
 アメリカに対しては、間違ってもらっちゃ困るけれども、バイでやるというのであれば、少なくともTPPで得られたアメリカの例えば農業なんかに関しては、あれは日本は他国からそれに代わる、アメリカで失うものを他国で得られることになっているという計算をした上であれはまとまったんだから、バイになればそれがないという前提になれば、当然、アメリカとの間の農業等々に関するああいう条件は出せないということになるのははっきりしているということをよく分かった上で話をしてもらわないと困りますよという話ははっきり申し上げておりますし、これは、ウィルバー・ロスという商務長官にもお目にかかって申し上げましたし、ムニューシン財務長官にもペンス副大統領にも皆さん同じようなことは申し上げておりますので。
 これをどの程度に触るかということは別にして、アメリカ以外の十一か国に関しては、今度、APECの会談やら何やらでその会合をされようというような話をしておられますので、その中で十一か国でまとまっていこうじゃないかという話ができるならば、私はそれはそれなりに一つの方法だと思っておりますので、中山先生おっしゃるように、十一か国で事を進めていけば、それは結構、アメリカにとってみては、自分以外の国で事がどんどん進んでいくということは、肉なんかはやっぱり、あの口蹄病のあったときのアメリカの牛肉の減り方、そしてそのときに増えたオーストラリアの肉のシェアを取り戻すのにアメリカはえらい努力しましたし、苦労が掛かったんだと思いますので。
 今回はそういう話ではなくて、オーストラリアの肉やら何やらが、今オージー和牛とかいう訳の分からぬものがえらい高い値段で売れるようになって、和牛というのは特許の名前になっていないそうですから、オージー和牛って何でも使えるんだそうで、オージー和牛という、どこをもって和牛と言っているのかよく分からぬ代物がえらくアメリカやオーストラリアで売れておりますし、そういったものがまたこっちに輸入されてきているなんて話になってきて、少しずつそのシェアが増えつつあるというのは、これはアメリカの牛肉業者にとってはなかなか看過できないところだろうと思いますので、ならちょっと俺のところもやれとか、いろんな話が出てくる、交渉をやる一つのきっかけになり得るものだと思ってはおりますので、いろんな意味で、アメリカ抜きのTPP十一か国というのは、一つのアプローチとしては決して間違っている方法とは思いません。
○中山恭子君 時間が来たようでございますが、アメリカのいわゆるアメリカ第一主義というのは、何となく二、三十年前の状況に基づいているような印象がございますので、是非、麻生副総理として、アメリカに対してもリードをしていただけたらと思っております。よろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。
○白眞勲君 おはようございます。民進党の白眞勲でございます。
 まず、日本銀行にお聞きしますが、独立性についてお聞きしたいんですけれども、仮に日本銀行が金融政策面とか何かにおいて、誰もが、おいこれちょっとまずいんじゃないかとか、国民の大部分が、これは大変、そのやり方うまくないんじゃないというような、いわゆるちょっと暴走状態になっているというふうにいった場合に、誰がそれを止める役割があるんでしょうか。
○参考人(雨宮正佳君) お答え申し上げます。
 日本銀行は、日銀法、日本銀行法の規定に基づき金融政策を運営しているわけでございます。この日本銀行法におきましては、適切な金融政策運営を図られますよう何重もの仕組みが定められておりまして、まず、金融政策運営に関する事項、これは両院の同意を得て任命された九人の委員による合議制で、議論の上決められるということになっておりますし、その議事の概要は速やかに公表することが義務付けられております。さらに、国会との関係ということで申し上げますと、おおむね半年に一度、議決事項等を記載した報告書を提出するほか、日本銀行の業務あるいは財産の状況について求められた場合には総裁又はその代理者が説明のために出席しなければならないと、このように定められております。
 このように、日銀法におきまして、まず第一に、国会両院の同意を得て任命されたメンバーによる合議制で物事を決めるということ、それから、政策運営の透明性を確保するということ、三番目に、説明責任を果たすといった形で、適切な政策運営が確保されるために何重もの仕組みが用意されていると、このように理解してございます。
○白眞勲君 確かに何重にもそういう仕組みが確保されているというふうにいう、ただ、一般論としては、総裁の、仮にその今おっしゃいました合議制、政策委員会のことをおっしゃっているんだと思うんですけれども、日銀審議委員さんがみんな総裁のイエスマンになっちゃったという場合には、その暴走を止めることは、それは基本的にそこではできなくなっちゃうんじゃないでしょうか。
○参考人(雨宮正佳君) お答え申し上げます。
 審議委員につきましては、これは何度も繰り返し申し上げますけれども、国会の同意を得て任命されたメンバーによる合議ということで、きっちり議論がされておるものというふうに了解しておりますし、実際にこれまでの様々な金融政策決定における議決を見ましても賛否の数については様々なパターンがございますので、そうした結果を御覧いただいても、非常に活発で真摯な議論が行われているというふうに御理解いただきたいというふうに思います。
○白眞勲君 確かに、今までは賛否はいろいろあって、ああ、本当にいわゆるいろんな議論があるんだなというのは私も拝見させていただきましたけれども、今後ちょっと心配だなという感じが、私は何となく一抹の不安を覚えるわけなんですね。
 そういう中で、雨宮さんも理事でいらっしゃる、雨宮さんも理事ですよね。ですから、例えば総裁が暴走しちゃったら、やっぱり雨宮さんも一緒になって止めるということもあるわけですか。その辺はどうですか。理事もやらなきゃいけないですよね。
○参考人(雨宮正佳君) お答え申し上げます。
 私どもは一般的な会社でいいますと執行役員でございますので、これはあくまで政策委員会で、これ総裁も執行の権限を持っているわけでございますけれども、この総裁、副総裁、理事の執行の権限は、あくまで政策委員会で議決された合議の上、議決された事項を執行するという責任において行っておりますので、私としては、あくまでこの執行責任という立場から総裁、副総裁を補佐すると、こういうつもりでございます。
○白眞勲君 つまり、雨宮理事さんは総裁を補佐する役割だから、やっぱり政策委員会じゃなければ駄目なんだということになると、より政策委員会の重要性が高まったなという私は認識が今改めてさせていただいたわけですけれども。
 そういう中で、黒田総裁は、御就任以来、何回官邸に足をお運びになりましたでしょうか。
○参考人(雨宮正佳君) 官邸に足を運んだ回数でございますけれども、これは過去の記録が全部整っているわけではございませんので、報道等の回数も含めて勘定いたしますと、これまでのところ百五十五回でございます。
○白眞勲君 整っていないというのはどういうことなんですか。普通は、大体行動というのは、総裁が行ったのは、それは当然日銀として記録あるんじゃないんでしょうか。
○参考人(雨宮正佳君) 過去の日程については記録が残されていない部分もあるため、申し上げました。
○白眞勲君 前総裁の白川さんや福井さんは何回でしたか。
○参考人(雨宮正佳君) 先ほど申し上げた回数は、黒田総裁はこれまで四年間でございますので、任期は白川前総裁や福井元総裁は五年でございますが、この五年間ということで申し上げますと、白川前総裁が百五十八回でございます。
 それから、福井元総裁は、これ済みません、正確な記録が不詳でございますけれども、この回数のうち、例えば経済財政諮問会議等の頻度を考えますと、福井総裁の任期五年間の中だけで諮問会議でももう百五十回以上開催されてございますので、恐らく福井元総裁の場合には、黒田総裁、白川前総裁より多い頻度ではなかったかなというふうに思われます。
○白眞勲君 そうすると、黒田総裁も経済財政諮問会議を入れた形で百五十五回ということでよろしゅうございますか。
○参考人(雨宮正佳君) さようでございます。
○白眞勲君 ちょっとこれは理事会でも御協議いただきたいんですけれども、普通は大体総裁の官邸に行ったものというのは、当然それは日銀になきゃおかしいと私は思うんですよね。今、何か報道等によりますとみたいなことをおっしゃっているので、ちょっとその辺り、一回これ練っていただきたいと思います。
○委員長(藤川政人君) ただいまの件につきましては、後刻理事会にて協議いたします。
○白眞勲君 次に、森友学園に関しまして会計検査院にお聞きしたいというふうに思います。
 国会としましてこの森友学園問題の国有地売却について会計検査院に調査を依頼していると思うんですけれども、現在の進捗状況についてお聞きしたいと思いますが、どうなっているでしょうか。
○説明員(戸田直行君) お答え申し上げます。
 会計検査院は、去る三月六日に参議院予算委員会から、国会法の規定により、学校法人森友学園に対する国有地の売却等について検査の御要請をいただいたところでございます。具体的な検査の内容としては、大阪府豊中市の国有地の貸付け及び売却の経緯、貸付価格及び売却価格並びに価格算定手続の適正性、当該国有地の貸付け及び売却に関する行政文書の管理状況の三事項とされたところでございます。
 御要請を受けて、会計検査院は、三月七日に、会計検査院法の規定に基づき当該検査を実施する旨を参議院議長宛てに通知申し上げたところでございます。現在、財務省及び国土交通省を対象として検査を実施しておりますけれども、実施中の検査の状況につきましては今この場でお答えできないことを御理解いただきたいと存じます。
 いずれにしましても、検査及びその結果の取りまとめができ次第、速やかに報告することとしたいと考えております。
○白眞勲君 もう一回ちょっと確認しますが、会計検査院さん、その売却に至った経緯や行政文書の管理状況についても検査をしているということでよろしゅうございますね。
○説明員(戸田直行君) おっしゃるとおりでございます。
○白眞勲君 内閣府に公文書等の管理の制度についてお聞きしたいというふうに思います。
 この公文書等の管理に関する法律の第四条にはこう書いてあるんですね。行政機関の職員は、第一条の目的に資するため、当該行政機関における経緯も含めた意思決定に至る過程並びに当該行政機関の事務及び事業の実績を合理的に跡付け、又は検証することができるよう、処理に係る事案が軽微なものである場合を除き、次に掲げる事項その他の事項について文書を作成しなければならないと書いてありますけれども、ここでお聞きしたいのは、内閣府にですね、契約に至る経緯について記録したメモ類もこの法律における文書に該当するということになるんでしょうか。
○政府参考人(田中愛智朗君) お答え申し上げます。
 御指摘のとおり、公文書管理法第四条においては、行政機関の職員は、当該行政機関における経緯も含めた意思決定に至る過程及び実績を合理的に跡付け、又は検証することができるよう文書を作成することとされているところでございます。
 お尋ねの契約に至る経緯について記録したメモ類につきましては、したがいまして、各行政機関の意思決定に至る過程や実績を合理的に跡付け、検証することができるようにするため必要であると各行政機関において判断される場合には公文書管理法上作成すべき行政文書であると、こういうふうに認識しております。
○白眞勲君 もう一回確認しますけど、つまり、そういった場合に、メモ類も行政文書にしていかなければならない場合もあるということでよろしゅうございますね。
○政府参考人(田中愛智朗君) 繰り返しでございますけれども、合理的に跡付け、検証することができるようにするため必要であるという場合には行政文書になるということでございます。
○白眞勲君 例えば、これ内閣府さん、契約は終わっていました、契約は終わりました、サインもしました、月賦払ですといった場合に、月賦って今言わないのかな、ローンと言うんでしょうかね、支払が終わっていない場合、つまり月賦払にはなったけどまだ支払が終わっていませんよといった場合の契約に至る過程が記された文書は破棄していいものなんでしょうか。
○政府参考人(田中愛智朗君) お答え申し上げます。
 具体的にどのような文書を作成するべきかということにつきましては、各行政機関において判断するということでございます。
 したがいまして、個々の状況については一概に申し上げられないところではございますけれども、先ほど申し上げましたように、合理的に跡付け、又は検証ができることがするようしなければならないということではございます。
○白眞勲君 この法律の第一条の趣旨ですね、これを見ると、行政が適正かつ効率的に運営されるようにするということであり、また、国及び独立行政法人等の有するその諸活動を現在及び将来の国民に説明する責務が全うされるようにすることが目的だと書いてある以上は、この法律の趣旨に鑑みると、やはりこの、いわゆる分割払のまだ支払が終わっていない場合において、契約に至る過程が記された文書というのは、これは破棄しちゃうまくないんじゃないですか。
○政府参考人(田中愛智朗君) お答え申し上げます。
 御指摘のとおり、公文書管理法の目的につきましては、国民に説明する責務が全うされるようということで、これを目的にしておりますので、それを、その目的が達せられるように文書を作成するということになってまいります。
○白眞勲君 この公文書管理に関するガイドラインの別表第一の十五にこう書いてある。会計検査院に提出する書類は五年未満となっているわけですよね。だから、当然、そういう今のお答えのような文書、いわゆる記録、経緯を記した文書というのは、最低でも五年未満は、五年以上か、五年以上は保存しなきゃいけないということになりますよね。
○政府参考人(田中愛智朗君) お答え申し上げます。
 別表に掲げられております文書については、そのような保存期間が必要ということになってまいります。
○白眞勲君 いやいや、その文書に書いてあるのそのとおりですじゃなくて、私が言っているのは、その公文書管理に関する別表第一の十五には、会計検査院に対する書類は五年未満となっていて、それを見ますと、例えば歳入及び歳出の決算報告書並びに国の債務に関する計算書の作製その他の決算に関する重要な経緯というものは五年というふうになっていませんか。だから、それは、やはり、今おっしゃったように、分割払でまだ支払が完了されていないのは、当然残すべき文書であるかないかを私は聞いているんですけど、どうでしょうか。
○政府参考人(田中愛智朗君) 別表の十五にございますのは、会計検査院に提出又は送付した計算書及び証拠書類等々規定がございまして、それらの具体的な文書につきましてはその別表にも類例が示されているところでございます。この類例に従いまして必要な文書を作成し保存するということになります。
○白眞勲君 いえ、ですから、その経緯に関する文書も五年未満ということですから、当然、今、私は今の件について聞いているんですけれども、分割払で支払われてまだない場合においては、当然経緯については保存しておかなきゃいけないんじゃないんですかということを聞いているんですけど、もう一度お答えください。
○政府参考人(田中愛智朗君) お答え申し上げます。
 そのような経緯に関する文書がどのようなものかということによりまして、この保存すべき文書に該当するかどうかということが決まってまいります。それが、どのような文書を該当させるかというところにつきましては、各行政機関の文書管理規則等に基づいて各行政機関でお決めいただくということになっております。
○白眞勲君 その経緯について、その保存する文書と保存しなくてもいい文書があるんだなんてどこに法律に書いてあるんですか。
○政府参考人(田中愛智朗君) 文書につきましては様々なものがあるということから、ここには典型的な例について示しているということでございまして、具体的などのような文書を残すかということにつきましては、各行政機関で判断するということになります。
○白眞勲君 いや、ですから、法律に、どこに書いてあるんですか、そういうことが。
○政府参考人(田中愛智朗君) 公文書管理法につきましては、保存期間等につきまして施行令等に別表が定められ、さらに、今御指摘がございましたようなガイドラインの別表に各文書ごとに保存期間などが定められているということでございまして、これを、この掲げられているもの以外のものにつきましては、掲げられている例を参酌いたしまして決めていくということになってまいります。
○白眞勲君 いや、私が聞いているのは、その経緯について書かれた内容を保存するのと保存しないものがあるんだというようなお答えを今されていたから、そういったものがどこに書いてあるのか聞いたんですよ。
○政府参考人(田中愛智朗君) 経緯についても、合理的に跡付け、又は検証することができるように文書を作成して、それを保存するということでございまして、それについて、文書の具体例については先ほど申しましたような別表に定められているというところでございます。(発言する者あり)
○委員長(藤川政人君) 速記止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(藤川政人君) 速記を起こしてください。
○白眞勲君 いや、今、保存をするものとしないものとどうやって分けているんですか、それがどこに法律に書かれているんですかということを聞いているんですけれども。
○政府参考人(田中愛智朗君) お答え申し上げます。
 繰り返しになりますけれども、どのような文書について作成し保存するかということについて、具体につきましては先ほど申しましたガイドラインにございまして、それは別表でそれぞれの類型ごとに定められているというところでございます。しかし、それで全ての文書が網羅されるわけではございませんので、この表の規定を参酌して各行政機関で決めていくということになるものでございます。
○白眞勲君 いや、参酌しちゃったらまずいんですよ、それは。ですから、それはちょっと理事会でこの件もちょっと御検討願いたいと思います。
○委員長(藤川政人君) この件につきましては、後刻理事会にて協議いたします。
○白眞勲君 財務省にお聞きいたします。
 この本件について、佐川理財局長は何度も御答弁で、面談記録等の廃棄は事案の終了とともに廃棄するというふうにずっと御答弁されていますよね。ということは、事案が終了しなければ廃棄してはいけないということですよね。
○政府参考人(佐川宣寿君) お答え申し上げます。
 私ども、今内閣の方から御答弁ありましたが、公文書管理法に基づきまして財務省の行政文書管理規則がございます。それに基づいて行政文書の管理をしているわけでございますが、売買契約に係る決裁文書の保存期間三十年など、きちんと保存すべき重要な経緯等の文書は保存してございます。
 一方で、個別の面会の記録につきましては、組織で共有した後に最終的には決裁文書の形で組織としての意思決定として集約されていくということから保存期間一年未満としておりまして、保存期間満了時期につきましては、時期を明確化するということで、今委員おっしゃいましたように事案の終了後というふうに取扱いをしているところでございます。
○白眞勲君 いや、私は、佐川さんにお聞きしているのは、事案が終了しなければ破棄しちゃいけないということですよね。
○政府参考人(佐川宣寿君) 今御答弁申し上げましたように、保存期間につきましては事案の終了後ということにしてございます。事案の終了後までの保存期間の満期ということでございます。
○白眞勲君 会計検査院にお聞きいたします。
 売買契約を交わしてはいるものの支払が完了していない場合、これ事案の終了となるんですか。
○説明員(戸田直行君) 突然のお尋ねでございますので今この場で確定的なことを申し上げることはできませんが、契約自体はできているということでございましたら、本院の検査対象にはなるところでございます。会計検査院の検査の対象になるところでございます。
○白眞勲君 ですから、当然検査の対象になるということは分かりましたけれども、当然売買契約を交わしているものの支払が完了していなければ、これは事案の終了というふうになるんですか。支払はまだされていない、全部完済されていない場合に、これは事案は終了しているということで会計検査院は判断するんですか。
○説明員(戸田直行君) お答え申し上げます。
 一般論で申し上げますけれども、ちょっと各ケースごとによって終了しているかどうかの判断があろうかと思いますので、一概に申し上げることはできないと考えております。
○白眞勲君 いや、でも変じゃないですか。だって、まだ全部完済されていないんですよ。完済されていないのに個々のケースによっては事案が終了したということに判断するケースが会計検査院はあるんですか。
○説明員(戸田直行君) 恐れ入ります。一般論で申し上げますと、支払が完了していないケースにつきましては、事案自体は完全に終了したというふうに認めることはなかなか難しいと思っております。
○白眞勲君 つまり、やっぱり事案が終了したのは難しいということで、財務省さん、記録を破棄したらまずいんじゃないんですか。
○政府参考人(佐川宣寿君) お答え申し上げます。
 私ども、売買契約書、二十八年の六月二十日に結んでいるわけでございますが、この売買契約書につきましては、延納代金の支払方法まで含め、あるいは用途指定でのその実地監査の状況も含め、全てここに先方との間の契約事項が入っておるわけでございます。
 したがいまして、こうした延納も含んだこの契約につきましての今までの経緯ということでございますので、そうしたこの売買契約書を結ぶまでの経緯についてはこの契約書に今までの組織としての意思決定が集約されているということでございますので、そういう意味では、それまでのやり取りにつきましてはこの契約をもって保存期間満了というふうに取り扱っているということでございます。
○白眞勲君 いや、財務省さん、会計検査院というのは検査する側、検査する側は事案は終了していない、検査される側が事案は終了したと言うのは私はおかしいと思いますよ、どうでしょうか。
○政府参考人(佐川宣寿君) お答え申し上げます。
 会計検査院の御答弁は一般論としてお答えしたものというふうに今お聞きしてございますが、私どもは、今申し上げましたように、この契約は延納も含んで、延納もこれいつどうやって払うかまで全部含んだ契約書になってございますので、この契約書をもって今までの契約に至るまでのやり取りについては事案終了ということで処分したということでございます。
○白眞勲君 いや、ですから、会計検査院は、お金が全部完済されていない限りは事案は終了したことにならないとおっしゃっているわけですよね。ですから、そういった面での大分そこに財務省としての、私は正直申し上げて、それは独り善がりじゃないのかなというふうに思いますが。
 会計検査院にお聞きいたします。契約はしたけれど相手から支払が途中で滞った場合、それは検査の対象となるわけですね。
○説明員(戸田直行君) お答え申し上げます。
 国の収入支出の原因となる契約は会計検査院の検査の対象となるものでございます。相手方の支払が滞った場合、すなわち国の収入の原因となる契約についてのお尋ねですけれども、相手方の支払が滞ったか否かにかかわらず、会計検査院の検査の対象となるものでございます。
○白眞勲君 特に、支払が滞った場合に、当然これは、会計検査院さん、支払が終わるまでの経緯を示した文書というのは保管してもらいたいものですよね、どうですか。
○説明員(戸田直行君) お答え申し上げます。
 現在、検査を実施中の個別の事項に係るお尋ねについてはお答えできないことを御理解いただきたいと存じますけれども、一般論で申し上げれば、会計経理の裏付けとなる関係書類が廃棄された場合にはその詳細について正確に把握できない場合があるということは委員御指摘のとおりでございます。
 いずれにしましても、会計検査院といたしましては、確認できる関係資料等に基づき、与えられた権限の中で引き続き適切に検査を実施してまいりたいと考えております。
○白眞勲君 つまり、文書がなくなっちゃったら検査できない可能性もあるということなんでしょうか、もう一回お話しください。
○説明員(戸田直行君) 繰り返しのお答えになりますけれども、一般論として申し上げれば、会計経理の裏付けとなる関係書類が廃棄された場合には、その詳細につきまして正確に把握できない場合があるということでございます。
○白眞勲君 内閣府にお聞きいたします。
 会計検査院がチェックすべき文書が残っていなければ、これは明確な法律違反というふうになりますね。
○政府参考人(田中愛智朗君) 行政文書につきましては、先ほども申しましたように、ガイドラインで、別表第一で各文書が規定されておりまして、その具体例も定められているということでございます。
 この中で定められているものについて、削除されていない、あるいは残っていないということであれば、それは公文書管理法上問題になるということになります。
○白眞勲君 そうすると、もう一つ聞きます。内閣府にお聞きします。
 仮に意図的に文書を破棄したら、廃棄したら、刑法二百五十八条の公用文書毀棄罪に当たるということになりますか。
○政府参考人(田中愛智朗君) 刑法の解釈につきましては所管外でございますのでお答えは差し控えたいと存じますけれども、公文書管理法上は、この法律に定められている仕組みに従いまして文書を作成し保存するということは求められているものでございます。
○白眞勲君 もっとやりたいんですけど、ちょっと時間がないので。
 北朝鮮系の信用組合について麻生金融担当大臣にお聞きします。
 今、もうニュースでも度々報道されているとおりでございますが、その中でちょっとこれ聞きたいのは、この破綻処理につきまして預金保険機構を通じて一兆一千億円以上のお金が使われております。本当に大変な金額が使われたわけですよね。そういう中で、岸田外務大臣も先日、経営破綻の責任追及の過程において朝鮮総連への不正な資金の流れが明らかになったと承知していると答弁しているわけですね。
 今、現在においては、この信用組合については、朝鮮総連が関与しているとか、あるいは資金が北朝鮮に流れているということが確認されていないようですけれども、現在の北朝鮮情勢も含めまして、しっかりとこれからも、この件、大臣、監視していく必要大ありだと思うんですね。麻生大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 金融庁として、これは、整理回収機構が法令にのっとって適正な債権回収に努めるということが何よりも重要なことであります、債権者なんだから。
 そのため、引き続き、整理回収機構が預金保険機構と連携をして、これは朝鮮総連に対して返済交渉をしてもらうと、当然のことだと思いますが。同時に、朝鮮総連の資産等の実態把握等々に努めるようにこれは指導していかにゃいかぬところだと思っております。
○白眞勲君 と同時に、今も私がお聞きしたのは、しっかりとこれからもこの北朝鮮系の信用組合に対する状況、万々々が一北朝鮮に関係した資金が流れていきようのないように、これからもしっかりと監視していく必要があるんではないかと思いますが、その点についてお聞きしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) これは、どういった形になるかというのは、今送金が止まっておりますから、そういった意味では、北朝鮮系の方々から預金を集めてそれを不法に北朝鮮に送金するということを想定して言っておられるんですか。そういうことですか。(発言する者あり)それ、立って言ってもらわないといかぬことになっているんじゃないんですか、その点では。
○白眞勲君 つまり、それも含めて、しっかりとこの北朝鮮系の信用組合の監督を強化していく必要というのは今後もあるんではないかと思いますが、それについてということでございます。
○国務大臣(麻生太郎君) 当然のこととして、これはいろんなことが起きることを考えておかなきゃいけませんし、韓国系の銀行に預けている、銀行、今六つ支店がありますかね、たしか韓国の場合は。そこも、日本の中で韓国の銀行に預金をしておられる韓国系の方もいらっしゃるはずだと思います。その方は引き出されますよね、もしかしたら。担保どうされるんですかねという、いろんなことがこれは日本銀行としては監督せにゃいかぬところです。信用金庫はその下のところなんであって、これは信用金庫の場合、日銀ではなくて、これは金融庁の所管ということになろうかと存じますが、そこの問題も含めて、いろいろな問題が発生することを考えておかないかぬと思って、十分に監視を続けてまいりたいと思っております。
○白眞勲君 終わります。
○大塚耕平君 民進党の大塚耕平でございます。
 今、白さんの質疑を聞いておりまして、また、これまでの、特に森友学園関連の質疑を聞いておりまして、やはりちょっと公文書の管理等々について相当緩みが見られるなというのを痛感をしております。
 これは与党の皆様にも一緒にお考えいただきたいんですが、今どき電子的な記憶媒体を用いれば、記憶容量にもうもはや限界はありませんので、いずれ量子単位まで記憶媒体の技術的要素というのは更に発展していきますから、そうなると、まさしく無限大なわけでありまして、あらゆる文書を残しておくということが我が国の民主主義を質を上げるという意味においては私は大事なことではないかなと思っております。そういう観点から考えると、先ほどの理財局長の答弁、またここに至るまでの答弁は誠に看過し難いものがあるなというふうに思っております。
 それから、今、白さんの質疑聞いていて、日銀総裁の官邸や国会への出席の回数も過去の記録は必ずしも定かではないというのも、これも驚きですね。これは、もちろん国会全体が、野党、特に我々が非力であるがゆえに緩んでしまっているということのこれは影響だと思いますので、我々も大いに責任を感じておりますけれども、公務の過去の日程について、正確な記録が言えない、定かではない、文書が残っていない、こういうことをずっと放置をしていると、これはやっぱりやがて国の運営の在り方としてたがが緩み、そしてどこかで非常に大きな問題につながっていくというふうに思っております。
 この点に関して、副総理として麻生大臣に所感を少しお伺いしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 日本銀行の所管の話でちょっと私のところに言っていただいても、日本銀行との話なんだと思いますが、少なくとも雨宮理事の立場として、今までの所管をどれだけ把握しておられたか、そういった日本銀行の総裁が官邸に何回行ったかというのは何のために必要なのかとか、いろいろな理由で書かないかぬのでしょうけれども、それ全部足し合わせるというような作業というものをこれまで必要とされてこなかったのが大きな理由なんだと思いますが、今後とも、書き足すようにするとか、そういったようなのをきちんと保管しておくようにするというルールをきちんと確立してやるということになるのかなという感じはいたしますけど、いずれにしても、日銀総裁と総理大臣、また私ども、財務大臣との間に、それぞれ独立した組織でありますけれども、双方意思疎通をきちんとしておくというのは大事なことだと思いますが、それを記録しておくというのは、まあどういう形の記録かは別にして、いろいろな意思疎通をきちんとしておるという事実を証明する上でもそういった記録はきちんとされておいた方がいいのかなとは思いました。
○大塚耕平君 日銀の答弁の内容もさることながら、前半で申し上げた公文書の管理についてももう一回御答弁をお願いしたいんですが、先ほどの白さんの質疑を聞いていると、つまり、過去の経緯を記した公文書等について、保存するべきものとしなくてもいいものがあるという答弁をしたからあの展開になっているわけで、それについて、何を保存して何を保存しないのかという、まあまさしく流行語になった、そこでそんたくが働くわけですね。
 だから、法的根拠がないのであるならば、それは一部の文書を廃棄して一部だけは残しているという対応は、これは私の理解では法律違反だと思いますし、また、そういうことが横行するようになると、先ほども申し上げましたような政府あるいは行政機関の在り方として緩みに通じるものと私は思いますが、副総理としての御見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 先ほどこれは、内閣府の方か何か、よく両方で説明しておられましたけれども、基本的にこのかかる行政文書に関しては、残されている、例えば会計検査院の方で必要とするような文書の段から決裁文書の保存期間三十年とかそういったもの、規則に定められたものどおりはきちんと残しておるのであって、そういう残すものは大蔵省というか財務省内の文書管理規則によって一年以内でもう破棄していいと。従来ですと紙が猛烈な勢いでたまっていきますから、そのために部屋つくるなんてあほみたいなことはとてもできませんから。そういった意味では、先ほど言われたように、AIが発達すればそれは全部こんなチップに入るじゃないかと、今からそうなりますよ、多分。だから、今の段階でそれをずっとためておいたということになっていれば、それはちょっと今までの分、百何十年の分を全部ためておけという話ですから、それはとてもじゃない、私どもとしてはそれだけのスペースはというようなことになろうかと思いますので、今の時代として、これからはそういったものを取っておけというルールに変えにゃいかぬということなんだと思いますが、少なくとも今の段階でこれ大蔵省内の行政文書管理規則に基づいて対応してきたんだと思っておりますので、これからどうするかについては、これからの考え方だと思います。
○大塚耕平君 まさしく問題があるということは今御理解いただけたと思いますので、どう対応していくかということは一緒になって考えていきたいと思いますけれども、役所の皆さんは、公文書管理法ができたときに、その規定に基づいて過去の文書を廃棄するなり処分したという経験もおありだと思います、私も元おりました日本銀行でそういう経験がありますので。
 我が国の大きな問題は、アメリカなどと比べると過去を検証しにくい国だなというふうに思います。アメリカのもちろんいい点、悪い点ありますけれども、特に公文書関係の記録というのは、外交文書も含めてある一定期間がたつとびっくりするような事実が出てくるという、これはやはり民主主義国家として見習うべき点だと思います。もちろん、アメリカも全部残っているかどうかと言われると、それは私も分かりませんけれども、これと比較すると、我が国は随分この点に関しては改善の余地が大きいというふうに思いますので、是非、後ろで聞いておられる役所の皆さんも含めて、日本の国家としてのクオリティーを上げていく必要があるというふうに思っておりますので、それぞれ注力をしていただきたいと思います。
 今日質問させていただく内容に移らせていただきますが、前回も、組織犯罪規制法改正案、俗に共謀罪法案という言い方を野党側ではしているわけでありますけれども、これについてお伺いをさせていただきました。今日も若干追加的な質問をさせていただきたいと思います。
 まず、組織犯罪規制法改正案の対象犯罪として、閣議決定された法案では二百七十七まで削減をされたわけでありますが、財務省、金融庁所管の法律に関連する対象犯罪は全部で幾つあるかということを、財務省幾つ、金融庁幾つということで分けて数字を披瀝していただきたいのと、具体例としてこんなものがあるというのを少し御説明いただきたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) その前に、先ほど、今御意見の述べておられた公文書館ですけど、まず、公文書館ってないんですよ、日本には、きちんとしたものは。何でないんだねと。おかしいと思われませんか。これは岩倉具視の手抜きなんだと確信していますよ。絵画館も見た、美術館も見た、みんな見たよ、だけど公文書館見るのを忘れたんだよね。間違いありません、記録が残っていませんから。だから、俺の祖先の大久保利通も行っていますよ、伊藤博文も行っている、みんな行って、公文書館行ったという記録が残っていませんから、見なかったんですよ、多分。だから、公文書館というのは、明治以来この方、余り重要視されてこなかった。
 それは一つ、大きな歴史的に私どもは知っておかないかぬことだと思って、今度新たに公文書館というものを、きちんとしたものを今建てようというのが、議運でみんな決めてやったり、動き出しつつあるそうですから、その中にまた紙を、書類を残すとか、冗談言うなと、今どきそんなもの造れるかと、今AIの時代だといって、この間言ったら、もっと小さくなるはずだとかいろいろ話はしていますけれども。猛烈な勢いで、国会図書館を含めて、図書館はあるけれども、公文書館というもの、きちんとしたものないというのが歴史なんで、これちょっと、先生、真面目な話、これは与野党で、きちっとしたものを、必要性を、これ考えていかないと、何となくやっつけ仕事みたいに、公文書館なんて何だそれというような話が普通の人ですから、だからきちんとこれはもうやるのに、機械化というかコンピューター化され、そういったものを含めてやっていくように、是非これは与野党でやっていただければと、私どももそう思っております。
 質問の話ですけれども、組織犯罪処罰法の改正案において、今御質問のありましたテロ等準備罪の犯罪のうちで財務省所管の法律に規定された犯罪としては、今出ておりますのでは所得税法第二百三十八条に規定されております偽りその他の不正行為により所得税を免れる行為等、また、関税法第百九条に規定されております輸入してはならない貨物を輸入する罪など、共管を含めて十三本、罪の数として二十六個になっております。
 また、金融庁所管の法律に規定された犯罪としては、例えば保険業法第三百三十一条第四項に規定されております株主などの権利の行使に関する利益の受供与等についての威迫行為、まあ恫喝ですな、そういったものや、投資信託及び投資法人に関する法律、いわゆる投信法、投資信託法の第二百三十六条第四項に規定をされております投資主の権利の行使に関する利益の受供与等についての威迫行為、まあ昔で言えば総会屋です、等々などについて、共管を含めて八本、罪の数としては十四ということになっております。
○大塚耕平君 その八本法律で、犯罪の数としては財務省並びで言うとお幾つですか。財務省は十三本で二十六個とおっしゃいました。金融庁は八本で犯罪の数としては幾つでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 十四個であります。
○大塚耕平君 これの更問いに移らせていただく前に、公文書館について熱意を語っていただきましたので、与野党双方で協力してやらなければいけないというお言葉を今いただきましたので、是非、副総理として、これ与野党の協議体を設けるべく、少しそういう指示を出していただけませんでしょうか。
 結局、これ霞が関の皆さんにまた任せると、仕事が大変だからやっぱりできるだけ簡便な仕組みにしようという、これは人間のさがとしてはそういう気持ちになるのも分からないではありませんので、そういう方向に行かないように、これはまさしく今後の話なので、政争の具にする話ではありませんから、是非、国民の皆さんも今政治に対して物すごい不信感を高めていますので、それは与野党双方に、我々も決してその責任がないとは言いませんが、与党の皆さんも随分いろんな人が登場しているんで、信頼感回復のために、これは超党派で公文書館検討のための会議体が立ち上がったというだけで随分印象が変わりますので、是非そういう指導力を発揮していただきたいと思いますが、いかがでしょうか、副総理。
○国務大臣(麻生太郎君) これ、今まで歴代、私もやらせていただきましたけれども、福田康夫先生、そして最後は谷垣先生が最後までやっておられたんだと記憶しますけれども、ちょっとけがをされておりますのでそこが止まったままになったんで、その後、議運が引き継いでということに、議院運営委員会が引き継いでということになっているところまでしかちょっと詳しく知らないんですが、一応今、尾崎記念館のところを改修して、あそこをきちんとやろうじゃないかと、その他いろいろ場所もあったんで、何か選ぶのにむちゃくちゃなところを言っていたんで、場所があればいいというもんじゃないと、もうちょっと、場所が権威になるんだから、ちゃんとした場所じゃなきゃ駄目という話を申し上げて、今、尾崎記念館を建て直してあそこにという、巨大な倉庫が要るという話やら何やらで、そこになりつつあるというところまでしかちょっと詳しくないんですが、そのコミッティーやら何やらやっておることは確かなんですが、そこを与野党入れてきちんとやった方がいいという御意見を先生からいただいておりますので、その点に関しまして、ちょっと今誰が担当なのかもうちょっと詳しく調べてみますけど、その上で検討をさせていただければと思います。
○大塚耕平君 ありがとうございます。検討をしていただけるという御答弁いただいて、ありがとうございました。是非よろしくお願いします。
 それで、今の組織犯罪規制法の問題ですが、その財務省所管の十三本二十六の犯罪、金融庁の八本十四の犯罪、その二十六と十四の犯罪の数に照らしてでいいんですが、それは、閣議決定の際に分類されたテロの実行、薬物、人身搾取、資金源、司法妨害の五つの類型のそれぞれどれに該当するのかというのを、二十六のうちどれが、どれがとは言いません、テロ実行は幾つ、薬物は幾つ、金融庁の十四についても同様に数字を説明していただけると助かります。よろしくお願いします。
○国務大臣(麻生太郎君) 今御指摘のありましたテロ等準備罪の対象、今五つ言われたうちの類型に大別される部分で財務省所管の法律に関連する法律は、そのうちの、テロの実行に関するもの、それから二の薬物に関するもの、そして四、その他の資金源に関するものが対象となっているんだと承知をしております。金融庁所管の法律に関する犯罪対象は、その他の資金源ということに関するものが対象犯罪になっているんだと承知をしております。
 この中で、個々の具体例というのは、御指摘でしたので、財務省所管の法律に関するものとして、外国為替及び外国貿易法、いわゆる通称外為法、それから流通食品の毒物の混入の防止に関する特別措置法に関する犯罪については、テロ実行に関する類型に当たると承知をいたしております。
 それから、国際的な協力の下で規制薬物に係る不正行為を助長する行為の防止に図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特別例に関する法律、いわゆる麻取とか麻薬特例法に関する犯罪につきましては、薬物に関する類型に当たると承知をしております。
 そして、外国ニ於テ流通スル貨幣紙幣銀行券証券偽造変造及構造ニ関スル法律、また印紙犯罪処罰法、金融商品取引法、地方税法、補助金等に係る予算の執行に関する法律、所得税法、法人税法、消費税法、保険業法に関する犯罪につきましては、その他資金源に関する類型に当たると承知しております。
 関税法に関する法律につきましては、犯罪によってそれぞれ、テロの実行、薬物、その他の資金源に関する類型に当たると承知をしております。
 また、金融庁所管の法律に関するものといたしましては、金融商品取引法、保険業法、貸金業法、投資信託及び投資法人に関する法律、いわゆる投信法、資産の流動化に関する法律、資産流動化法であります。
 また、出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律、いわゆる出資法、そしてスポーツ振興投票の実施に関する法律に関する犯罪につきましては、その他資金源に関する類型に当たると承知しております。
 また、外国為替及び外国貿易法、いわゆる外為法に関する犯罪につきましては、テロの実行に関する類型に当たるというように承知をいたしております。
○大塚耕平君 ありがとうございます。
 議事録もう一回読んでみますけれども、役所の皆さん、今大臣が御答弁いただいた内容を、できたらより分かりやすく計表にして御提出いただきたいと思いますので、また改めてお願いをします。
 その上で、大臣、今回のこの法案は、テロ対策のためというふうに総理はよくお話しになるんですが、であるがゆえに、そのテロ対策以外のものも結構含まれているということが十分に国民の皆さんに認識されないまま今審議が進もうとしている、ここが大きな意見の食い違いのポイントだと思うんです。テロ対策かどうかということと、あともう一つはパレルモ条約に要請をされているからということで、ひょっとすると国会内でも十分に認識が進んでいない部分があるかもしれないんですが、パレルモ条約三条は、国際的な犯罪を対象として各国国内で規定を定めてくれと、こういうことになっているんです。
 そこで、もしそういう理解の下で副総理としても財務大臣としてもこの法案を見てきているとすると、今おっしゃった財務省、金融庁所管の犯罪四十のうち国際的な犯罪、パレルモ条約三条に該当するのは幾つかというそういう観点から、何らかの御認識はございますでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 基本的に私どもは、このパレルモ条約というのは今日極めて大きな、私どもにとりましては大きな条約の一つでして、今世界百九十何か国のうちで今入っていないのは先進国じゃ日本だけ、その他の国でも六つか七つぐらいしか残っていないと思っておりますので、これはいろんな意味で今後、国際金融の社会の中でこのパレルモ条約の批准というのは非常に大きなところなんですが、今の言われた話に関しましては、これは条約の解釈になりますので、この点についてはちょっと外務省に聞いていただいた方が正確だと存じます。
○大塚耕平君 もちろん外務省にもこれから聞きますが、これ外務省任せにしちゃ駄目なんですよ。全省庁関係しているわけなので、それぞれの大臣が、我が省所管の法律やそこに定められている犯罪に関して、パレルモ条約三条に基づく法制化の必要があるものはどれかという観点で協議しなきゃいけないわけですから。だから、その条約そのものについてはもちろん外務省に聞きますけれども、今言った点が曖昧なままこの法案の審議が始まっているところに、やはりここに議論のエネルギーを割かなければならない理由ができているんです、理由があるんです。
 あわせて、パレルモ条約が二〇〇〇年にできたときに、最初にパレルモ条約対応だといって法律が出てきたのが二〇〇三年か四年だったと思いますが、そのときに既に国際的な犯罪以外のものがどさくさ紛れにいっぱい入ったわけですよ。いっぱい入っちゃった。だから三度も廃案になっているんです。今回も、もちろんテロ対策は大きな課題だと思いますし、進めなければならないと思いますけれども、国民の皆さんが何か疑心暗鬼になったままこの法律が例えば強行採決で決まっていくと、また社会の雰囲気は何となく悪い方向に行きますから、私は三度立ち止まったものを別に四度立ち止まって悪いということはないと思います。
 それは、何となれば、パレルモ条約はテロ対策じゃないですからね。パレルモ条約は、マフィアとか暴力団、つまり、そういうまさしく国際犯罪、資金源を覚醒剤とかマネロンで獲得する、こういう国際犯罪に対応してくれというのがパレルモ条約であって、テロ対策はまた別の話として出てきた。
 この二つが課題だから、今回の法案を審議し、何とか認めてくれというのであるならば、やっぱりそこにきちっと絞って出してきていただければこれはもうすんなりまとまると思うんですよ。だから、国民の皆さんが犯罪捜査にきちっと協力をしていただけるようになるためにも、三度廃案になったものですから、いつまでも何度も廃案にし続ければいいとは思いませんけれども、この二百七十七でも、ややテロ対策とパレルモ条約上の要求を逸脱しているということをまず申し上げておきたいと思います。
 その上で、しからばということで、具体例としてお伺いしますけれども、先ほど投信法の説明もしていただきました。投信法二百三十六条四項における投資主の権利の行使に関する利益の受供与等についての威迫行為の罪、あるいは保険業法第三百三十一条第四項における株主等の権利の行使に関する利益の受供与等についての威迫行為の罪、これはテロ対策や国際犯罪とどういう観点から関係があるというふうに大臣は御理解しておられますか。
○国務大臣(麻生太郎君) 組織犯罪処罰対処改正法のいわゆるテロ等の準備罪の対象犯罪というのは、基本的には懲役四年以上というものの、禁錮もそうですが、当たる犯罪のうちで、組織的な犯罪集団が実行を計画することが現実的に想定されるものが規定されているんだと、基本的にはそう承知をしております。
 今ありましたように、御指摘の株主というか投資主の権利の行使に関する利益の受供与等についての威迫、恫喝ですな、行為、これは例えば株式会社、先ほど申し上げた総会屋のような話なんだと思いますけれども、これは会社法上の株主に相当する投資主というものが、会社法上の株主総会におけるところの投資主総会、まあ株主総会において行う議決権の行使に関して、いわゆる会社法上の、何というのかな、会社法上の会社に相当する投資法人から金銭を供与させることを目的として威迫行為を行うということが考えられるんですが、これは間違いなく五年以下の懲役、五百万円以下の罰金の対象とされて、例えば、最近じゃJ―REITが一番大きいですかね、こういったものでいけば、そういったものがなるんだと思っておるんですけれども。
 さらに、組織的な犯罪集団というものが組織の維持とか運営に必要な資金を得るためにいわゆる当該行為の実行を計画することが想定されるということになっておりますので、テロ等の準備罪の対象犯罪として想定されているんだと理解をしております。
○大塚耕平君 今、真摯に御答弁いただいたと思いますけど、私は多分、これ十分各省庁、これは財務省も金融庁もそうですけれども、法案の詰めがなされていないという気がします。
 例えば、今申し上げたように、投信法の二百三十六条四項や保険業法の三百三十一条四項というのは威迫行為の罪なんですよ。威迫行為ですからね。これ、もし事務方が大臣の下に、これ今法務省から要請されているこの犯罪どうしましょうと相談されたら、聡明な大臣であられれば、威迫行為は別にテロ行為や国際犯罪とは直接関係がなくて、威迫行為の更にその後にある実際に不正資金を獲得するというところが問題なんだから、威迫行為をこの組織犯罪規制法の対象にしても意味ないじゃないかといって、また麻生大臣独特の言い回しで考え直してこいといってやっていただけたものと思うものの、そういう議論がなされていないから威迫行為を載せちゃっているんですよ。だから、これはもう一回私は法律作り直した方がいいというふうに、本当にそう思います。
 組織犯罪規制法の強化そのものは必要だと思っているんですけれども、ここは財金なので、あくまで財務省、金融庁の法案だけに限ってやらせていただいていますけれども、他省庁の法律を見ても実に非論理的なんですよ。これはさっきの公文書管理もそうですけれども、副総理としてこれは指導力を発揮する場面だと思いますよ、後世にどういう形で名を残されるかにつながりますからね。
 だから、この威迫行為というのをここに対象とするということは、実は今回の法の趣旨からすると少しずれているというふうに思われませんか。
○国務大臣(麻生太郎君) どんどん仕事が増えてかなわぬなと思いながら聞いていたんですけれども。
 これは、先生、テロ行為そのものの対処というのに加えて、それによって得る金というものが、まあ簡単に言えばマフィアであろうと何であろうと、そういったようなものが回り回ってISに行ったりいろんなことをしていることは事実ですから、そういった意味で、テロ資金のいわゆる資金源を断つということに向けて効果的なんだというように私どもは理解をしているんですけど、そういう趣旨に沿って法案も作成されたとは思っておりますけれども、今言われましたように、ちょっと他省庁にどんな関連している法律があるのかよく詳しく知りませんので、そういった意味では、今言われましたように、これ作られた背景やら何やら、法務省として何となくあれもこれもといろいろなことを考えられたんだとは思いますけれども、何となくそういったことによって疑心暗鬼を与えているという現状については、確かに私どもとしてはそういう点を理解しておかにゃいかぬとは思います。
○大塚耕平君 じゃ、最後にお伺いしますが、今申し上げたとおり、この威迫行為も、威迫行為は組織的犯罪集団じゃなくてもするわけですよ、ちょっと柄の悪い顧客だったりするとこういうことがあり得るわけで。
 ということは、やっぱりこれは、法律上は一般の人たちも対象になる蓋然性が現状ではあるという理解でよろしいですか。
○国務大臣(麻生太郎君) ちょっと組織的に、まあこの辺にも余り柄の良くないのも、この辺もその辺にも何人かいないわけではありませんし、我が方にもいないわけじゃないんですが。
 そういったので組織的にやっているかと言われたら、ちょっとなかなかそういうわけにはいかないので、やっぱり組織的というところが非常に大きな違いかなという感じはしますので、個別的な総会屋というんじゃなくて、ごそっと組織的にということになって、その組織使ってまた組織で金を海外に持ち出してテロにという話になっていくようなことになっていくのは断固避けにゃいかぬところだと思いますので、今おっしゃる意味は分からぬわけじゃありませんけど、組織的というのになるとちょっとなかなかさようにはいかないんじゃないかなという感じはします。
○大塚耕平君 終わります。
○大門実紀史君 今日は銀行のカードローン問題を取り上げさせていただきます。
 先月の三月の二十八日に決算委員会で銀行カードローン問題を取り上げまして、要するに、これだけ貧困が広がる中で、銀行のカードローン、借りる理由で一番多いのは生活費が足りなくて借りるということでありまして、そんな人たちに大銀行が一四%もの高金利で貸し付けると、生活費が足りなくて借りるわけですから、返せなくなって、ほかから借りて返すの繰り返しになって、多重債務になって、やがて自己破産になるということで、この間自己破産が増えているというようなことで社会問題になってきている話でありますけれども。
 決算委員会では、麻生大臣、安倍総理からも、銀行業界にきちんとした対応をすべきだという積極的な答弁をいただきまして、それを受けて金融庁も改めて、特に三大メガ中心に、三大メガバンク中心に迅速な対応を指導されたと聞いております。また、この間マスコミも取り上げるようになりまして、新聞各紙、NHK「クローズアップ現代」、今日の朝日の社説というふうに取り上げられてきております。今日は、麻生大臣は既に厳格に対処すべきということをおっしゃっていただいておりますので、その後の銀行の対応についてちょっと実務的な、実践的なことを中心に、今日は遠藤監督局長を中心に、絞って質問したいと思います。
 この問題の最大の問題は二〇〇六年の貸金業法改正のときに遡るわけですけれども、サラ金が御本人の年収関係なくどんどん貸すというところの大問題があったわけで、それがありまして、総量規制といって、御本人の年収の三分の一を超えて原則貸してはいけないという総量規制が導入されたんですけれども、銀行はその対象外ということがありまして、この間、高い金利で幾らでも貸せる、カードローンで貸せるということで貸出しを拡大してきたということが問題の根源にあるわけであります。
 なぜこういう事態になったのか。遠藤局長は二〇〇六年の貸金業法改正のときにも努力されて、全体像を御存じなのでお聞きしますけれど、振り返ると、二〇一〇年の六月に銀行向けの、主要行向けの監督指針に、二〇一〇年六月というのは今申し上げた改正貸金業法が施行されると、それに当たって監督指針の中に幾つか銀行が対応すべきことということで盛り込まれました。
 まず何が盛り込まれたかというと、こういう個人の貸付けの消費者金融市場を健全な市場として形成すると。今までサラ金問題いろいろなことがあったわけですね、それを健全な市場として形成する立場から、銀行によるこの分野への積極的な参加が望まれるということがまずあって、その上で、サラ金問題を踏まえて、厳しい取立てとか多重債務の発生の抑制とか、そういうことを踏まえた、銀行がこの分野に参加するとしても、そういうことを踏まえた所要の態勢が整備されるべきだということと、今申し上げた総量規制の適用はないけれども、顧客保護やリスク管理の観点から所要の態勢整備を図ることが重要だということが監督指針に盛り込まれたわけであります。
 要するに、銀行には総量規制はないけれども、サラ金問題の教訓からこういうことに留意して態勢整備をしなさいという監督指針が二〇一〇年の六月に出されたんですけれども、この監督指針が本当に各銀行において具体化されたのかということが今改めて問われていると思うんですよね。されなかったから今日こういう総量規制を超える貸出しが横行することになってしまったんではないかと思いますので、この二〇一〇年の六月の盛り込まれた監督指針が実行されたのか、具体化されたのか、この点、これからいろいろ取り組む上での総括として、金融庁としてどう総括されているか、まず伺いたいと思います。
○政府参考人(遠藤俊英君) お答え申し上げます。
 大門委員御指摘のとおり、二〇一〇年六月に、貸金業法の完全施行の時期に合わせまして監督指針を改正いたしました。消費者向け貸付けを行う際の留意事項というパーツを監督指針の中に入れたわけでございます。そこでは、委員御指摘のように、改正貸金業法における多重債務の発生抑止の趣旨、あるいは利用者保護の観点などを踏まえた審査態勢の整備が重要であるという旨を示したところでございます。
 昨年秋から、この銀行カードローンの業務運営に係る実態把握というものを実施いたしました。そこで、この監督指針に照らしてどういう実態にあるかということをいろいろ調べたわけでございますけれども、一つは、銀行と保証会社との間で保証審査に係る定期的な協議といったことは、これは行われておりました。ただ、それ以外に様々な問題点というものが認知されました。
 一つは、収入証明書に基づく客観的なチェックでありますとか牽制が働いていない、あるいは、銀行が保証会社の審査に依存し、かつ融資限度額管理が十分機能していない、あるいは、顧客属性の変化の把握とか途上管理等が不十分といった課題、問題点があることを把握いたしまして、これを踏まえまして、その後、銀行あるいは全国銀行協会と議論を行ってまいったところでございます。
○大門実紀史君 そうすると、やっぱりこの監督指針どおり、きちっとした具体化、所要の態勢がきちっとされていなかったということが今の問題を招いたんだということだと思います。
 それで、遠藤さんおっしゃっていただいたように、申合せが行われたということで、三月十六日ですか、申合せが行われて、私が質問をしたのは二十八日なんですけれども、その申合せが余りに抽象的で緩い話なので決算委員会のときには厳しく批判をさせてもらいました。金融庁からも、その決算委員会の後、更に改めて厳しく指導されたと聞いております。
 昨日、メガバンクのうち、時間の関係がありましたので、東京三菱UFJと三井住友の関係者に私の部屋に来てもらってヒアリングさせてもらいまして、金融庁のきちっとした指導もあったんだと思いますが、その申合せを更にきちっとやろうというような取組がされているのは分かりました。
 一つは、まず何を反省しているかという点でいえば、先ほどの監督指針どおり、必ずしも総量規制の意識が強くなかったというような率直な言葉も聞かれて、それは率直な反省で良かったなと思って聞いておりましたけれども。今後の対応についても、総量規制でいくと、年収証明書の提出を、今までは二百万円、三百万円以上の借入れだったのを五十万とか下げていくということにも踏み出しておられるということと、保証会社の消費者金融と過剰貸付け防止の今仕組みを相談しているということだということも分かりましたし、広告の在り方も決算委員会のときに厳しく指摘させてもらったんですけれども、いわゆる三十分で審査オーケーとか、安易に借りられるイメージのような宣伝はもうやめるということで、やめられたところも、やめられています。テレビのCMの時間帯も自粛すると。これもサラ金問題のときによく問題になったんですね、テレビCMは。それも自粛をされるということで、具体化が図られようとしているのはよく分かりました。
 あと、問題は、サラ金のときは取立ての問題が結構問題になったんですね。それについては、厳しい取立ては、今はそういう相談も余り話も聞いていません。余り昔のような取立てはないということは分かっておりますが、ただ、焦げ付いた場合、返せなくなった場合、保証会社、消費者金融に移されて、そこから取立てをやって、昔のような過酷な取立ては少ないわけですけれども、ただ、すぐ、すぐというか、返せなきゃ法的措置に入って自己破産と、こういうパターンになっているわけですね。
 実は、貸金業法改正のときも議論があったんですけれど、高い金利で貸し付けるから返せなくなって、その貸倒れリスクを計算するから高い金利になる、また高い金利だから返せなくなるという、高金利と貸倒れの悪循環がこういう問題には絶えずあるわけですね。今も高い金利で貸すから返せなくなる人が生まれて、だから貸倒れリスクを計算した高い金利を設定しなきゃいけなくなるというようなところが根本問題があるということですね。やっぱりこの問題でも考える必要があるのかなと思いますね。
 だから、一四%じゃなくて仮に八%で貸していれば返せる人が増えてもう少しうまく回ったかもしれないということも根本に考えておかなきゃいけないのかと思いますけれど、取立てについてはそういう厳しいことは余りやっていないということと、場合によっては返せない方に約定変更をして、返せる金額で相談に乗っているということも言われて、その点は更に努力してほしいなというふうに思ったところであります。
 いずれにせよ、大臣の答弁があって、金融庁の指導があって、全銀協の申合せレベルよりは実効性のある方向に具体化が進んでいるというのは昨日のヒアリングで分かりました。
 ただ、取組は始まったばかりでありますし、日弁連からも厳しくやってほしいという声も上がっていますので、引き続き金融庁として指導を強めていってほしいと思いますけれど、一言いかがですか。
○政府参考人(遠藤俊英君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のように、三月十六日に全銀協が公表いたしました銀行カードローンに係る申合せにおきまして、これも御指摘ありました、配慮に欠けた広告、宣伝の抑制、これを挙げるとともに、審査態勢等の整備といたしまして、改正貸金業法を踏まえた年収証明書の徴求の仕方、あるいは貸金業者や他行の貸付けを勘案した返済能力の確認、それから年収に対する借入額の比率を意識した代弁率のコントロールといった取組に努めるということにしました。
 この申合せを踏まえて、各行は自主的に改善に向けた取組を今行いつつあります。一部の銀行におきましては、これも御指摘ございました、既に年収証明書提出を不要とする金額の引下げを行ったり、あるいは貸出額の量的抑制の仕組みの検討というものも具体的に始めようとしております。これは、今委員御指摘がございましたように、高い金利で返せなくなるという悪循環、これを絶つためにはやはり一定の貸出額の量的抑制ということを検討しなければいけないというふうに考えますけれども、それを具体的にどういうふうにするのかと、保証会社の代弁率なんかを勘案しながら具体的に考えていこうといった試みだと思いますけれども、こういった量的抑制の仕組みの検討というものも行っております。
 我々金融庁といたしましても、銀行カードローン業務の運営状況につきまして、この監督指針あるいは申合せを踏まえまして、過剰な借入れを実効的に防止することができる適切な措置がきちんと実施されているのかどうか、引き続きモニタリングを実施して、改善に向けた取組を求めてまいりたいというふうに考えております。
○大門実紀史君 これだけマスコミも取り上げるようになってきて社会問題化なっている中で、ちょっと資料をお配りいたしましたけれども、メガバンクではないんですけれど、こういう広告が平気でまだされておりまして、これはネットの広告会社なんですけれども、楽天とかじぶん銀行とかオリックスのカードローンのことを宣伝してあげて手数料をもらうという広告業者なんですけれども、ちょっと小さい字なんですけど、点々々々としてありますが、銀行カードローンは、総量規制外ですので、より多く借入れができますと。本来、総量規制に気を付けろと言われているのに、総量規制を売り物にして宣伝をしていると。この宣伝に対して各銀行が手数料を払っているという関係があって、こんなことがもう今日現在まだやられております。
 もう一つ、楽天でいえば、楽天のスーパーローンですかね、カードローンの説明の中に、QアンドAの中に、自ら、楽天は、楽天のこの銀行カードローンは総量規制の対象外ですからということを売り物にして今までやっております。これはまさに金融庁の指導方針と全く違うというふうに思いますので、これ速急に是正されるべきじゃないかと思いますけど、いかがですか。
○政府参考人(遠藤俊英君) 先ほど申しましたとおり、先般、全国銀行協会が公表しました申合せにおきましても、配慮に欠けた広告、宣伝の抑制に努めるとされております。この申合せの中に具体的な例示ということが記述されておりまして、そこでは、銀行カードローンが総量規制の対象外であることを強調する表示等は行わないように努めるということも書かれております。
 委員御指摘のように、銀行が行ういわゆる、この資料にございますように、おまとめローン、これについて総量規制の対象外となることを強調するような広告、宣伝をこのアフィリエイト広告でありますとかあるいは銀行自身のホームページで行っているということであれば、これは改善しなければいけないというふうに考えております。
 御指摘も踏まえ、当庁といたしまして、改めて実態把握を行いまして、改善に向けて適切に対応してまいりたいというふうに思います。
○大門実紀史君 とにかく、問題が今表面化したところでございますので、金融庁も一生懸命やってもらっていますので頑張ってもらいたいと思います。
 ただ、こういうことの努力は、どこまで、実際問題、そういう多重債務者を減らして自己破産を減らすところに結び付くのかというのは非常に心配もされるところでありまして、今の時点ではまずこうやって頑張ってもらうと、当面はですね、思いますけれど、実効性が、改善が見られない場合は、やっぱり銀行カードローンにも総量規制の考え方を入れていくといいますか、特にサラ金、消費者金融が保証する、保証のところで総量規制の考え方を入れていくということも、これで改善が見られない場合はやっぱり検討していく、視野に入れていくことは必要だというふうに思うんですけれど、まあ今は着手したばかりでありますけれど、改善が見られないという場合はそういうこともちょっと視野に入れて検討していってほしいと思いますが、今の時点で、遠藤監督局長、いかがお考えでしょうか。
○政府参考人(遠藤俊英君) 委員御指摘のように、まさに改善に向けて各銀行が自主的な努力を始めたところでございますので、まずはどういった施策というものを実効的に実施できるのかと、実施するつもりがあるのかということについて金融庁と各銀行との間で対話を深めていきたいなというふうに考えております。
 そういった暁に、まだやっぱり改善が見込まれないということがもしある場合にどういった対応を取るのかということに関しては、それはそのときの状況を踏まえてよく議論していきたいなというふうに考えておりますけれども、ただ、我々の今基本的スタンスは、こういった問題は、特に銀行が自分たちの社会的責任というものを十分に自覚して、こういった商品をどういった形で市場に提供するのかということをよく考えてやってほしいと。ですから、法律とか監督指針みたいな形で横並びにこういう規制を掛けるということではなくて、それをやっぱり銀行が自分で考えるべき話ではないかなという形で我々議論しているところでございます。
 いずれにしても、モニタリングあるいは金融機関との対話というのを継続して深めていきたいという所存でございます。
○大門実紀史君 銀行も自分で考えて、こんなことになっちゃったわけですから、必要な法的規制もいずれ必要になる場合もあると、そうならないようにまず努力してもらいたいということを申し上げて、今日は質問を終わります。
 ありがとうございました。
○藤巻健史君 日本維新の会の藤巻です。よろしくお願いいたします。
 まず、麻生財務大臣兼副総理にお聞きしたいんですけれども、新聞報道によりますと、自民党の行政改革推進本部が十九日に、日本銀行や政府に対して、アベノミクスの大規模な金融緩和に伴うリスクを説明するように求める提言をまとめて菅官房長官に提出したという報道がありました。それに対して、財務省並びに政府はどういう対応をされるのか、我々も是非そのリスクについて説明を受けたいし、国民の皆さんも聞きたいと思っているんですが、どう対処されるのか、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 藤巻先生のお話は、過日、四月の十九日の日に、自由民主党の行政改革推進本部で公表された日銀の金融政策についての論考というのを指しておられるんだと理解しておりますが、そこでは、政府、日銀に対して、まず日銀は、出口戦略に伴うリスクなどの分析に関して市場との対話をより一層円滑に行うこと、また、政府は、出口戦略の際の急激な金利上昇等を避けるため、市場の信認を失わないよう、財政健全化に向けた取組を着実に前進させるべきといったような点が指摘をされているものだと承知をいたしております。
 これ、出口戦略を含めて、金融政策の具体的な手法、これ日銀に委ねられるべきものだと考えておりますが、政府といたしましても、引き続き日銀が経済とか物価情勢を踏まえつつ物価安定目標の実現というものに向けた努力というのをされることを期待をいたしております。
 その上で、政府といたしましては、今後とも、国債の安定的な消化というのが確保されるように、これは適切な国債の管理というものをきちんとやっていかないかぬという国債管理政策に引き続き努めるとともに、同時に、市場に財政ファイナンスだというような懸念、疑念等々を抱かれることがないよう、政府、日銀の共同声明、これは平成二十五年の一月の二十二日だったかな、に沿って、財政健全化の取組というものを今後とも着実に推進してまいりたいと考えております。
○藤巻健史君 財政ファイナンスと誤解されないようにとおっしゃいましたけれども、なかなか、政府は年間百五十兆円国債を発行して、借換債と新発債ですね、そのうち日銀が約百二十兆も買っていれば、目的は何であれ、実態として私は財政ファイナンスではないかなと思っております。
 それで、同じ質問を岩田副総裁にお聞きしたいんですが、特にFRB等は、出口戦略についてシミュレーション等、約二年ぐらい前ですかね、始める、出口に行く二年ぐらい前から検討し、発表していたと思うんですが、日銀からは全くその気配がないんですが、これについてどうお考えでしょうか。
○参考人(岩田規久男君) 日本銀行もその出口戦略ということに関しては幾つかの仮定を置きながらシミュレーションはしておりますが、ただ、現在のところまだ二%にかなり遠い段階で、それを公表するということはかえって市場に混乱を招くということで今のところ控えております。
○藤巻健史君 FRBのことを考えると、じゃ、消費者物価指数二%を達成するのは二年以上先だというふうに理解されているということなんでしょうね。それは、回答はいいんですけれども。
 次に、岩田副総裁にお聞きしますが、直近の日銀の自己資本比率を教えていただきたいんですが、日銀の健全性の目安として日銀自身が八から一二%というふうにおっしゃっていますけれども、その範囲に入っているのかどうかを教えていただければと思います。
○参考人(岩田規久男君) 二〇一六年九月まで出ておりますが、その自己資本比率は八%となっております。
○藤巻健史君 日銀の定める健全性の目安の八から一二の一番下にあるということだと思うんですが、こうなると明らかに心配になってくるのが、利上げをする、アメリカはもう利上げに入ったわけですけれども、利上げというのは、FRBがやっている方法、若しくは、皆さん、日本の学者等が考えている方法も、当然、日銀当座預金に対する付利金利の上昇ということになると思うんですけれども、そうすると、今、日銀の持っている国債、保有国債の平均利回り〇・三三二ということですから、当然、利上げになってくると、負のシニョリッジ、通貨発行益が出てきちゃって、明らかに自己資本が減っていっちゃうと思うんですね。今、自己資本八兆円弱だと思っていますけれども、どんどん減ってきてしまうと。ひょっとするとマイナスになるかもしれませんし、そのマイナスになる以前に明らかに八%を割っていっちゃうと思うんですね。そうすると、やっぱり日銀のバランスシートの健全性というのをかなりマーケット並びに世界が気にするかと思うんですが、八%をキープできる自信はあるのでしょうか。
○参考人(岩田規久男君) 日本銀行は、長短金利操作付き量的・質的金融緩和の下で実施している国債の買入れなどは財務に影響を与えるということで承知しております。その上で、日本銀行の責務である物価安定のために必要な政策として行っているわけでありまして、日本銀行は、今後も財政の健全性に留意しつつ必要な政策を実施していく所存であります。
 その上で申し上げますと、日本銀行は、量的・質的金融緩和に伴う収益の振幅を平準化し、財務の健全性を確保する観点から、長期国債に関する引当金である債券取引損失引当金を拡充したところであります。この対応は大きな効果を持つと考えており、事前の対応としては十分なものと認識しております。
 出口の際に、委員がおっしゃった日本銀行の収益のバランスシートですが、どうなるかということですが、それは、その時々の金利情勢やその下でのどのような手段をどのような順序で用いるかによって大きく変わるものでありますので、現時点で具体的にお話しすることはできません。
○藤巻健史君 金利引上げ時期に財務に影響があるということをお認めになるという御発言がありましたけれども、マーケットがそれを許容するかどうか、日銀の財務内容がかなり悪化していってもマーケット自身がそれを許容するのかというのは、大丈夫だとおっしゃるのは余りにも自信過剰じゃないかなと私は思っております。
 引当金を充てるというふうにおっしゃいましたけど、たしかこの前、引当金、利益が一兆円で二五%ぐらい、二千五百、ああそうか、もうちょっと大きかったですね。ただ、数千億積み足したところで、もう八兆円、九兆円弱ですから、ちょっとでも金利が上がり始めたら極めて大変なことになるのではないかというふうに思います。
 それでは、今、自己資本比率、お答えいただきましたけれども、日銀の自己資本比率というのは極めて異例ですよね。分子が自己資本で分母が発行銀行券ということだというふうに理解しておりますけれども、一般企業であれば、分母は発行銀行券ではなくて総資産だと思うんですね。
 その一般的な企業の自己資本比率である総資産分の自己資本、この数字をお聞きしたいんですが、二十年前と、それから異次元の量的緩和をやる直前の二〇一三年三月ですかね、直前の数字、それから現在の数字が知りたいんですが、いかがでしょうか。
○参考人(岩田規久男君) 委員の今おっしゃった、日本銀行の自己資本を総資産で割った数字を試算いたしますと、二十年前の一九九七年三月時点においては六・九%です。それから、量的・質的金融緩和導入前の二〇一三年三月末時点では三・七%。直近の二〇一六年九月末時点では一・七%となっています。
○藤巻健史君 一般の企業だったら極めて悪化が激しいというふうに理解いたしますけれども、大丈夫かなと極めて私は心配になります。
 その前提として、なぜ、一般企業が使っている総資産分の自己資本ではなくて、発行銀行券分の自己資本というのを自己資本比率と考えているのかお聞きしたいと思うんですが、少なくとも、昔は確かに、発行銀行券というのは総資産における負債サイドですけれども、かなり額を占めていましたから、私が現役の頃は七割とか八割ぐらい占めていましたから確かにその数字も意味があると思うんですが、今どんどん増えているのは日銀当座預金であって、何で発行銀行券が分母になるのか、その意味が全く分からない。もし使うのであれば、発行銀行券プラス当座預金の方が当たり前の数字じゃないかと思うわけですよね。それを堂々と日銀の決算報告の中で、自己資本比率ということで発行銀行券分の自己資本を使っているのか、その辺の理由もお聞かせいただければと思います。
○参考人(岩田規久男君) 日本銀行は、財務の健全性に留意しつつ、物価安定のためにただいまの金融政策を行っているわけでありますが、お尋ねの自己資本比率は財務の健全性に関する一つの基準でありまして、通貨の信認維持の観点から、中央銀行にとって恒久的な負債となるのは銀行券でありますので、それとの対比でこれを考えていくということが適当であると考えております。
○藤巻健史君 恒久的負債が発行銀行券であるという、確かにそれはそうですけれども、日銀当座預金も極めて重要な負債サイドであるわけで、なぜ発行銀行券と日銀当座預金を区別するのか理由が全く分かんないんですが、いかがでしょう。
○参考人(岩田規久男君) 日銀当座預金はその時々の金融政策によって変化いたしますし、またそれを付利金利するかとか、今後それを高めていく、あるいは最終的に物価安定に達すればそれは別にもう上げていく必要はないということでありますので、そういう変動するものであります、金融政策によって。したがって、むしろ恒久的な負債となる銀行券の方を分母にして自己資本比率を計算しているわけであります。
○藤巻健史君 しかし、発行銀行券の場合は確かに支払金利ゼロですけれども、当座預金というのは今後付利金利を上げていくことになるわけで、極めて日銀の財務内容には大きい影響を与えるわけで、そちらを含めないで金利ゼロの方を含めるというのは非常に矛盾していると思うんですが、いかがでしょう。
○参考人(岩田規久男君) 今申し上げたとおり、今後その出口に向けて日銀当座預金上げていくという場合に、どのぐらいのスピードで上げていくか、あるいはどのぐらい大きく上げていくかというようなこと、それがどのぐらいの期間続くかということによって収益がいろいろ変化するということで、そちらの方の収益の変化に関しては、先ほど申しました債券損失積立金の方で現在利益を平準化するということで対応しているわけであります。
○藤巻健史君 それに関して、ちょっと質問通告していないんでお答えにならなくても結構なんですけど、二〇〇三年度の日本金融学会、私も金融学会属していますけれども、金融学会で植田当時の日銀審議委員が記念講演をされているんですね。その中で植田審議委員は、このように各国の経験を振り返ってみると、中央銀行にとって健全なバランスシートを保つことは、一般論としてはその責務を全うするために必要条件でも十分条件でもないが、必要条件に近いような状況もしばしば存在し得るというような評価ができる。
 要するに、バランスシートが大きくなるとしばしばハイパーインフレが起こったということがあるということだというふうに私は理解いたしますけれども、そのような事態は特別であって、今回は絶対そういうことが起こらないという自信があるということでしょうか。
○参考人(岩田規久男君) 結論から申し上げますと、その自信はあるということでございます。
○藤巻健史君 自信はないとは言えないと思うので、それしかないんでしょうけれども。
 次の質問に入ります。
 長期金利が一%上昇した場合、日銀の保有資産、保有国債でいいですね、保有資産若しくは保有国債の評価損はどのくらい、一%当たりどのくらい評価損が出るのか、お教えいただければと思います。
○参考人(岩田規久男君) 日本銀行は、国債の評価方法については償却原価法を採用しております。このため、長期金利が上昇したとしても決算上の期間損益において評価損失が計上されることはありません。
 その上で申し上げますが、二〇一六年九月末時点における長期国債の保有状況を前提として、仮に長期金利がイールドカーブ全般にわたって直ちに一%上昇するケースを想定した場合、その時価総額は二十三・八兆円程度減少するという計算になります。なお、同時点で保有する国債の含み損益は十五・八兆円程度の含み益超であります。
○藤巻健史君 確かに、償却原価法を採用しているとはいえ、決算上は問題なくても普通はマーケットはきちんとやっぱり時価評価いたしますよね。二十三・八兆円の評価損だということになれば、当然自己債務超過、時価評価をしていく限り債務超過ということになって、日銀の信認とそれから通貨の信認ががた落ちになるかと思うんですが、それでも日銀は耐え得るという自信がありますでしょうか。
○参考人(岩田規久男君) 時価総額が今言ったように大きく減少するというケースがあるかもしれませんけれども、それによって日銀券の信用が失われるということは原則としてあり得ないというふうに思います。
○藤巻健史君 いや、あり得ないと断定する方が極めて疑問なんですけど。一般的に言えば、一時的に中央銀行が債務超過であれば、まあこれは大丈夫かなという気もしますけれども、かなり長期間にわたって、それも過度に債務超過額があるということになれば、中央銀行の信認は全くなくなるんであろうと私は思います。
 質問があるんですが、ちょっと二分では終わらないと思いますので、これで今日は終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
○委員長(藤川政人君) 本日の調査はこの程度にとどめます。
    ─────────────
○委員長(藤川政人君) 金融商品取引法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。麻生内閣府特命担当大臣。
○国務大臣(麻生太郎君) ただいま議題となりました金融商品取引法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明させていただきます。
 情報通信技術の進展等の日本の金融及び資本市場をめぐる環境変化に対応することが喫緊の課題となっております。このような状況を踏まえ、本法律案を提出した次第であります。
 以下、この法律案の内容につきまして、御説明いたします。
 第一に、株式等の高速取引を行う者に対し登録制を導入し、適切な体制整備、リスク管理、当局への情報提供などのルール整備を行うことといたしております。
 第二に、証券取引所グループの業務の柔軟化を行うこととしております。
 第三に、上場会社による公平な情報開示に関するルールの整備を行うこととしております。
 その他、関連する規定の整備等を行うこととしております。
 以上が、金融商品取引法の一部を改正する法律案の提案理由及びその内容であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願いを申し上げます。
○委員長(藤川政人君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後零時一分散会