第193回国会 厚生労働委員会 第12号
平成二十九年四月二十日(木曜日)
   午前十時二分開会
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   委員の異動
 四月十四日
    辞任         補欠選任
     和田 政宗君     太田 房江君
 四月十九日
    辞任         補欠選任
     木村 義雄君     今井絵理子君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         羽生田 俊君
    理 事
                島村  大君
                そのだ修光君
                高階恵美子君
                足立 信也君
                山本 香苗君
    委 員
                石井みどり君
                今井絵理子君
                小川 克巳君
                太田 房江君
                自見はなこ君
                馬場 成志君
                藤井 基之君
               三原じゅん子君
                宮島 喜文君
                石橋 通宏君
                川合 孝典君
                川田 龍平君
                牧山ひろえ君
                熊野 正士君
                谷合 正明君
                倉林 明子君
                片山 大介君
                福島みずほ君
               薬師寺みちよ君
   国務大臣
       厚生労働大臣   塩崎 恭久君
   副大臣
       厚生労働副大臣  橋本  岳君
       厚生労働副大臣  古屋 範子君
   大臣政務官
       厚生労働大臣政
       務官       堀内 詔子君
       厚生労働大臣政
       務官       馬場 成志君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        吉岡 成子君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       大島 一博君
       内閣官房働き方
       改革実現推進室
       次長       小林 洋司君
       内閣府子ども・
       子育て本部審議
       官        中島  誠君
       消費者庁審議官  小野  稔君
       厚生労働大臣官
       房技術・国際保
       健総括審議官   福田 祐典君
       厚生労働大臣官
       房審議官     中井川 誠君
       厚生労働省医政
       局長       神田 裕二君
       厚生労働省健康
       局長       福島 靖正君
       厚生労働省医薬
       ・生活衛生局長  武田 俊彦君
       厚生労働省労働
       基準局長     山越 敬一君
       厚生労働省職業
       安定局長     生田 正之君
       厚生労働省雇用
       均等・児童家庭
       局長       吉田  学君
       厚生労働省社会
       ・援護局障害保
       健福祉部長    堀江  裕君
       厚生労働省保険
       局長       鈴木 康裕君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○社会保障及び労働問題等に関する調査
 (戦没者の遺骨のDNA鑑定の在り方に関する
 件)
 (製薬企業の法令遵守及び内部通報者保護の徹
 底に関する件)
 (精神保健医療福祉の改革ビジョンの達成状況
 に関する件)
 (認定こども園への指導監査の在り方に関する
 件)
 (事実婚に対する不妊治療助成の必要性に関す
 る件)
 (予防接種施策の推進に関する件)
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○委員長(羽生田俊君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、和田政宗君及び木村義雄君が委員を辞任され、その補欠として太田房江君及び今井絵理子君が選任されました。
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○委員長(羽生田俊君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 社会保障及び労働問題等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働大臣官房技術・国際保健総括審議官福田祐典君外十三名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(羽生田俊君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(羽生田俊君) 社会保障及び労働問題等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○川田龍平君 今日はいろいろあって一般質問ということですが、是非よろしくお願いいたします。
 まず、この四月から拡大された戦没者遺骨のDNA鑑定について伺います。
 当委員会で何度も訴えてきたことですが、歯だけではなく手足の骨、四肢骨からもDNA鑑定を行うこととしたことは、一歩前進したということで大変評価をいたします。
 しかし、この十年間、集中取組期間ということで、今回の見直しではこの遺骨の遺族への返還がほとんど進まないのではないかとの声があることも、大臣、是非御理解いただきたいと思います。もう三年に入っています、十年期間のうちの三年に入っています。本当にこの動きが鈍いです。少し遅いです。今年も沖縄のみにしか、計画しかない。特に、アジア太平洋地域での戦没者の遺族は、このようなことが実施されていることすら知らない遺族がほとんどではないでしょうか。もちろん、一般の国民もほとんど知りません。三月三十一日の発表では、昨年の沖縄での身元確認はゼロ件です。
 抜本的な取組の見直しを求めたいと思うんですが、大臣、これは是非気を引き締めて答弁していただきたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) DNAの鑑定につきまして四肢骨を対象にするということは、この委員会でも本当に何度も取り上げられたことでありまして、今回そういう方向で一歩前進をさせていただいたと、こういうことでございますが、この戦没者の御遺骨のDNA鑑定につきましては、これまで遺留品や埋葬者名簿などの戦没者の身元を推定できる情報がある場合に限ってこれを行ってきたということでございました。これによって、本年三月末までに累計で一千八十四名の方の身元を特定をし、御遺骨を御遺族にお返ししたわけでございますが、これは平成十五年からのことでございまして、ペースとして遅過ぎるじゃないかという今御指摘もいただいたところでございます。
 一方で、こうした情報があるケースは極めて限られている。昨年度は沖縄四地域において、こうした情報がなくても、部隊記録などに残されている死亡場所の情報などから戦没者をある程度特定できる場合に、そして、厚生労働省からその御遺族に対して直接個別にDNA鑑定を呼びかける取組を試行的に実施をしてまいりましたけれども、今御指摘をいただきましたように、残念ながら御遺族の特定にまでは至らなかったということであります。
 こういうことで、今年度は、御遺族に対して厚生労働省の側から直接個別に呼びかけるだけではなくて、広報を広く通じて呼びかけるということで御遺族の側からのDNA鑑定の申請を募るということにいたしたわけでございまして、今ほとんどまだ伝わっていないんじゃないかという御指摘をいただいて、改めてこの広報についても更に拍車を掛けてまいりたいというふうに思います。これに併せて、関係団体や御遺族の御要望を踏まえて、対象地区も沖縄十地域まで六地域増やしたところでございます。
 こうした取組を進めて、できるだけ多くの方にDNA鑑定に御参加をいただいて、一柱でも多く御遺族の元に御遺骨をお返しできるように最大限の努力をしてまいりたいというふうに考えております。
○川田龍平君 大臣、今年度、これはゼロにはしないということでお約束いただいたということでよろしいですね。是非よろしくお願いいたします。
 今回、この沖縄の対象地域が四地域から十地域に拡大するということについても、私は不十分ではないかと考えます。とにかく検体の数が少な過ぎるんです。お隣の韓国では、十数万人の戦没者に対して三万件の御遺族から検体を集めて鑑定していますが、それでも最大の課題は検体の少なさだと言っています。呼びかけの範囲が狭過ぎます。沖縄の島内の戦没場所の記録に固執し過ぎて、沖縄戦の実相に合っていません。
 例えば、島尻地区で戦死ということであれば、第一次と第二次の両方の遺骨と照合すべきではないでしょうか。沖縄戦の死亡場所の記録が曖昧なのは、本当に厳しい戦場だったからです。この際、沖縄戦の実相を踏まえて鑑定しなければならないと思います。
 この際、呼びかけ対象を全体に広げるべきではないでしょうか。沖縄全域を対象として遺族の検体を飛躍的に増やすべきことについて伺いたいと思います。
○政府参考人(中井川誠君) お答え申し上げます。
 いわゆるDNA鑑定につきましては、血縁関係の存否を確率により推定するものでありますから、DNA鑑定結果のみならず、やはり関連する情報と合わせて総合的に判断する必要があると考えているところでございます。このため、先ほど大臣から申し上げましたとおり、これまでは、遺留品や埋葬者名簿等、戦没者の身元を推定する情報がある場合にDNA鑑定を行ってきたところでございます。
 一方で、こういうケースが非常に限定されるということでございまして、御要望を踏まえて、遺留品や埋葬者名簿以外の情報、先ほど大臣から申し上げました部隊記録、これ戦死の場所、先ほど先生がおっしゃったとおり、戦死の場所でございます。これは、エリアとしては大体、市の範囲の町ですとか字のエリア、そういうふうにお考えいただければよろしいんですが、そういうような形で、従来とは異なる身元の特定方法ということを今まさに沖縄の方で試行的に実施しているというところでございます。
 そういうことでございますので、DNA鑑定の対象を沖縄全土ということに拡大すると、そういう関係情報がない中で、例えば偶然の一致により血縁関係の識別の確からしさが同程度になる対象者が多く出現してしまうというリスク、結果として血縁関係を決定できないおそれがあるということがありますので、慎重な検討が必要であると考えております。
○川田龍平君 これ確認ですが、では、十地域に限らず、沖縄戦で亡くなったとの証拠を持つ御遺族はどなたでもDNA鑑定に手が挙げることができるということですね。
○政府参考人(中井川誠君) 今回、広報という形で募集させていただくわけでございます。これ、先ほど先生がおっしゃったとおり、部隊記録以外、例えば現地の住民の方とかがたまたまその地域にいて戦災に巻き込まれるというような事態も想定するわけでございますので、まず、申請者の方からその申請を上げていただくときに、やはりそこの地域で亡くなったという何らかの根拠になるような、これ証言かもしれませんけれども、そういうものをいただいた上で、私どもの方でできるだけ関連情報を集めた上で対応してまいりたい、さよう考えております。
○川田龍平君 是非それも広報していただきたいと思います。
 次に、歯から四肢骨に鑑定対象を拡大するに当たっては、個体性の確認できる場合に限るのではなく、集団収容で個体性のない遺骨であっても四肢骨のDNA鑑定の対象とすべきではないかと考えますが、このことについて伺いたいと思います。
 遺族お一人お一人にとって手足一本でも父であり家族であるという思いで、手足の骨の鑑定を実施することになったことは大いに評価したいと思います。しかし、この個体性の条件というのを外してほしいと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(中井川誠君) 四肢骨につきましては、今回、遺留品や埋葬者名簿の御遺骨の身元を推定する情報と併せて用いることにより、今回からDNAの対象として拡大することにしたのは御案内のとおりでございます。
 それで、今まで、御指摘の個体性という考え方につきましては、原則として頭蓋骨がある場合というふうに、個体性があるというふうにみなしておりまして、従来は歯でございましたので、当然頭蓋骨に歯があるということで、それは個体性とDNA鑑定が一致していたという経緯があるわけでございます。
 今年度からDNA鑑定の対象を四肢骨まで拡大したということでございますので、個体性の在り方につきましては、改めてこれは再検討する必要がある課題であると認識しておりますので、今後検討してまいりたい、さよう考えております。
○川田龍平君 今、遺骨の収集をされていますガマフヤーというNPOの具志堅さんが、七十五の歯と関連する手足の遺骨を選別作業をしています。歯に追加して関連する手足の骨を鑑定するというのは大事なことです。しかし、厚労省の現在の個体性の考えからすると、歯のある場合は現地で手足の骨は焼いてしまうということですので、この具志堅さんが選別し鑑定する予定の手足の骨は焼骨されていたことになってしまうのではないでしょうか。これは矛盾してしまうというふうに思います。
 やはり、全ての遺骨は残しておくという沖縄県の判断が正しかったということなのではないでしょうか。歯からも十分に検体が取れないこともありますし、交ざっている手の骨一本であってもDNAが取れれば遺族にお返しする可能性があるのですから、発掘した四肢骨にいろんな条件を付けずに日本に持ち帰るというのが、やはり遺族のためにも、発掘された戦没者のためにも必要だと思います。沖縄で行ったこの七十五件の歯の鑑定についての不十分さを、関連する手足の骨の鑑定で補完できるかもしれません。それらのことができるのは、沖縄県がこの手足の骨を保管しているからこそです。
 アメリカや韓国では、家族の元に返すまで諦めないと、将来の技術発展を見据えて全ての遺骨を保管しています。少なくとも、骨片であっても、骨の一かけらであっても、国は本気でこの返還に努力したいとはっきり説明すれば、遺族の中で反対する人はいないと思うのですが、自民党の先生方も、これ、いかがでしょうか。是非これ、法律も家族にお返しするまでが国の責務としているのですから、技術の進歩に伴い、これまでの慣習を変える必要もあるのではないでしょうか。
 今後、米軍との協力の関係を深く考えることも踏まえると、アメリカ側からこの現地焼骨という今のやり方を問題視する意見というのも出てくるのではないかとさえ懸念をいたします。この際、アジア太平洋全域でのこの焼骨というやり方を中止すべきことについて伺いたいと思います。
○政府参考人(中井川誠君) 御指摘の現地焼骨についてでございますが、厚生労働省といたしましては、可能な限り多くの御遺骨を御遺族の元にお返しすべきという、まさに先生御指摘の要請の一方で、やはり長年収容されずに戦地に置かれた御遺骨を早期かつ丁重に慰霊するためだびに付すべきという御要請、これ、両方に応える必要があるものというふうに考えるところでございます。
 その上で、可能な限り多くの御遺骨を御遺族の元にお返しするという観点から、今回、大腿骨等の四肢骨までいわゆるDNA鑑定の対象を拡大したということがございます。
 焼骨の在り方につきましては、四肢骨によるDNA鑑定のそういう状況を踏まえつつ、関係者の様々な意見を勘案して慎重に検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。
 あと、アメリカについての御指摘ございました。御指摘のように、アメリカの日本の現地焼骨につきまして懸念しておりますのは、要は、アメリカの人種鑑定を経ないで日本が勝手に焼骨してしまうと、場合によってはアメリカ人の御遺骨が焼骨されるんではないかと、そういうリスクを非常に懸念されているというところでございますので、これにつきましては、アメリカ、DPAAとの間で、現地においていわゆる人種鑑定をどのような形で科学的にかつ的確に行うのかというような協議をする等によりまして課題を克服していきたいと、さよう考えているところでございます。
○川田龍平君 これは、年末に安倍総理もハワイに行ったときに研究所を視察されているはずなんです。余りニュースにはなっておりませんが、こういう交流をしっかりしていくべきだと私は思っています。
 次に、希望する遺族のDNAバンク、それから個人識別の能力拡充を含む遺骨の鑑定体制の抜本的な整備の必要性について伺います。
 骨片からもDNAを取り個人識別につながるアメリカや韓国の技術は、研究所を設置した上で、長い経験の蓄積によってなされたと聞いています。委託を受けている日本のある大学の研究室では、手足の骨からDNA抽出は成功していないようですが、そもそもボランティアのような体制であって、専任の研究者がいないと聞いています。
 米韓両国のように中央研究所というのをつくるべきかどうか分かりませんが、国の責務としてもっと体制を抜本的に強化できないでしょうか。米韓両国は生前の基礎資料を持っているからというだけでは、何のために調査に行っていただいたのかということになってしまいます。
 日本との違いは、ほかにも、人類学的な鑑定や骨の歴史をたどって出身地を判定するなどの最新の科学を総動員した総合的鑑定能力を蓄積していることと聞いています。だから、骨片でも鑑定対象にできるわけです。
 もう遺族は待てないんです。これは、韓国が進めているようなDNAバンクを日本でも検討しないと、遺族が次々と亡くなっていってしまいます。いかがでしょうか。
○政府参考人(中井川誠君) お尋ねは二つあったかと思います。
 一つはデータバンクの件でございます。
 例えばアメリカの事例で申し上げますと、アメリカの場合は、第二次大戦での行方不明者数が約七万三千人ということで、当時から個人を特定するための兵士の身体に関する記録や医療記録、特に歯の治療痕等が残っておりまして、御遺骨が発見された場合に、こうした記録と併せて、DNA鑑定により遺族の特定に結び付く可能性があるという前提で御遺族からDNA情報を収集しているというふうに承知しているところでございます。
 日本におきましては、米国のように個人を特定する記録がない中で、先ほど申しましたように、遺留品や埋葬者名簿等によりある程度戦没者が特定できる場合に、関係すると思われる御遺族のDNA鑑定を行いまして、これまで御遺族のDNA情報を収集してきたという経緯がございます。
 御提案のように、そういう関連情報がなく、遺族特定のめどがない中で、究極の個人情報であるDNAデータを大量に国家として保有することについてはやはりちょっと慎重な検討が必要であるかなと考えているところでございます。
 一方、遺骨の鑑定体制のお話でございます。
 先生御指摘のとおり、現在、DNA鑑定は十一の鑑定機関に委託して、鑑定人会議において身元特定の判定を行っているところでございます。今般、歯から四肢骨に対象が拡大することになりまして、鑑定体制の強化というのは当然喫緊の課題であるというふうに認識しておりますし、それから人種鑑定につきましても、先ほどの御懸念のように、現地において適正な人種鑑定をいかに行うのかというのは当然大きな課題であるというふうに受け止めておるところでございます。
 このため、これらの業務量を具体的に精査した上で、関係機関とも相談しながら、必要な体制の確保について具体的に今後検討してまいりたいと考えております。
○川田龍平君 集中期間もありますので、是非急いでやっていただきたいと思います。
 次に、医療分野の免許申請における障害者に対する合理的配慮について伺います。
 昨年十一月に当委員会で取り上げた件について対応していただきましたこと、ありがとうございました。新様式の診断書となって一年目の状況について、新しい診断書の様式や注意事項についての照会はありましたでしょうか。もしあれば、どのような立場の方から何件くらい、内容はどのようなものか。また、申請書類に本人意見を別途添付して提出した本人はいましたでしょうか。もしいたならば、免許種別、件数、障害別、内容の概略について教えてください。
○政府参考人(神田裕二君) 医師等の免許申請時に提出する診断書の様式につきましては、昨年十一月の議員の御指摘を踏まえて、今年一月に様式変更を行ったところでございます。
 この新様式につきましては、平成二十九年一月に都道府県や各養成機関に送付するとともに、厚生労働省のホームページにも掲載いたしましてプリントアウト可能としているところでございます。実際に現在免許申請が出てきておりますけれども、ほとんどの申請書は新様式による申請となっているところでございます。ただ、現時点で様式に係る問合せはほとんど来ていないというところでございます。
 また、障害の状況や合理的配慮に係る本人意見を別途添付することができるというふうにしたところでございますけれども、その申請者の状況につきましては、三月中下旬に国家試験の合格発表が終わったところでございまして、現在まさに免許申請の受付をしているところでございます。この受付業務の中で今御指摘のありましたような意見の添付状況について把握をしていきたいというふうに考えております。
○川田龍平君 是非データがそろったら教えていただきたいと思います。
 来年度の申請案内については、免許申請に係る留意事項について及び免許申請手続にも、申請者本人に向け、障害の状況や合理的配慮について本人より意見等があれば申請書に添付もできますといった文言を追加すべきではないでしょうか。
 また、看護六法平成二十九年版において診断書様式が更新されていないことに関連して、周知の更なる徹底が必要と考えますが、二〇〇一年、二〇一四年の様式変更のときと同様に、今回も医政局長通知を出すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(神田裕二君) 議員御指摘のとおり、免許申請時に提出する必要のある書類につきましては、試験合格者等に配付いたします免許申請に係る留意事項でございますとか、厚生労働省ホームページにおいて分かりやすく説明することが重要であるというふうに考えております。
 先ほど先生御指摘のございました合理的配慮について別途意見を出す、添付することができるといったことでございますとか、あるいはその具体的な記載例などを示すことによって、より分かりやすい説明を加えることを検討したいというふうに考えております。また、都道府県や各養成機関に変更後の留意事項を送付する際にも、同様の内容について分かりやすく通知をいたしまして周知を図っていきたいというふうに考えております。
○川田龍平君 ありがとうございます。是非よろしくお願いいたします。
 次に、バイエル薬品の抗凝固薬イグザレルトの患者調査論文について伺います。
 今朝の新聞にも載っておりましたけれども、前回も大臣に質問させていただきましたが、昨年七月にこの通報を受けて以降、これだけ時間が掛かったことについて、厚労省の責任は全くないと考えているのでしょうか。
○政府参考人(神田裕二君) 先日の御質問でも大臣からお答えしているところでございますけれども、昨年七月に社員から本件に関する情報提供を受けまして、八月の下旬にバイエル社に対しまして本件に関する説明を要請いたしまして、アンケート調査の内容でございますとか論文取下げの経緯、疫学研究に関する倫理指針違反の有無などについて説明を求めるなどの対応を行ってきたところでございます。
 また、通報者本人に対しては、バイエル社に対する問題点について聴取いたしまして、本人の問題意識や要望を同社に伝えるということと併せまして、厚生労働省の対応状況を御本人に報告するなどの措置を講じてきたところでございます。
 今年の一月の末にバイエル社から調査報告書が出てまいりまして、その後、バイエル社におきまして公表を検討するということで、三月の下旬には公表資料等について我々に報告がございましたので、バイエル社の判断において公表していただくようにということを三月下旬にお伝えし、四月の十日にバイエル社が公表したところでございます。四月十三日には、バイエル社に対して、報道によって新たに発覚した事実についても改めて調査を行った上で報告するよう文書によって指示を行っているところでございます。
 厚生労働省といたしましては、多くの患者の方々のカルテが不適切に閲覧されたということを重く受け止めるとともに、本件を速やかに解決させるに至らなかったことは反省すべき点があると考えております。今後、バイエル社の調査等を踏まえまして適切に対応してまいりたいと考えております。
○川田龍平君 これ、私のところにこの告発者の奥様から話が来たのは三月三十一日です。厚労省の職員が異動になるということで、せっぱ詰まって、この御家族の方全員がぎりぎりまで、大学生も二人いるそうですけれども、ぎりぎりまで精神的、経済的に追い詰められて、仕方なく国会議員に頼ってこられたということです。こういう状態を放置してきた責任が厚労省にやっぱりあるんではないでしょうか。
 通報者は復職を望んでいると承知していますが、違法行為の指示を出した上司など、また、ほかの処分者との公平性、責任の多寡の観点から、通報を理由に不当に不利益な処分が下されないように会社を監督指導すべきではないかと考えますが、これ、いかがでしょうか。
○政府参考人(小野稔君) ただいまの御質問に対しまして、公益通報者保護法からの観点からお答え申し上げます。
 この法律は、公益通報を行った労働者に対する解雇の無効や不利益な取扱いの禁止など、民事ルールを定めたものでございます。このため、通報者が不利益な取扱いを受けた場合、法の保護を受けるためには、最終的には裁判を提起するということが必要でございます。この法律に基づきまして行政が事業者に対して直接的に指導等を行うことはできないということでございます。
 なお、この法律を踏まえまして、消費者庁では、適切な通報対応を行うために、事業者が自主的に取り組むことが推奨される事項を示しました民間事業者向けガイドラインというものを策定してございます。このガイドラインにおきましては、正当な通報を行った者に対し解雇その他不利益な取扱いを行ってはならないということですとか、自主的に通報を行った者に対して処分等の減免を行うことができる仕組みの整備も考慮すべきといったようなことなどが規定されているところでございます。事業者におかれましては、このガイドラインの趣旨を十分に踏まえた上で対応されるということが望まれているところでございます。
 消費者庁といたしましても、このガイドラインの内容等について積極的に周知、広報を行うなどを通じまして、各事業者において適切な対応が行われるように働きかけてまいりたいというふうに考えてございます。
○川田龍平君 労働基準局長もお願いします。
○政府参考人(山越敬一君) お答え申し上げます。
 職場における例えば退職勧奨とか、そういった一般的な不利益取扱いでございますけれども、こうした問題は基本的には司法において判断されるべきものと考えております。ただ他方で、こうした個別労働紛争につきましては、都道府県労働局におきまして、当事者から紛争の解決について援助を求められた場合には、法律の規定に従いまして必要な助言や指導を行うこととしております。
 また、退職勧奨といった企業の適切な労務管理に関わる問題でございますけれども、裁判例等を掲載したパンフレット等を用いまして啓発指導を行っておりますので、今回の事案につきましても必要に応じましてこうした対応を的確に行ってまいりたいと考えております。
○川田龍平君 大臣、通告していないんですけど、一言、是非大臣からも、しっかりやっていただきたいと思います。よろしくお願いします。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、法令遵守について、もちろんこれは薬の関係での法令遵守もありますし、それから働き方に関する法令遵守もあると思いますけれども、私どもとしては、今回の事案を徹底的にやはり調査をして、その上で法令遵守の面でどのような改善点があるかということを明らかにして、製薬業界に対しても、これしっかりと指導をしていかなければならないというふうに考えております。
○川田龍平君 この製薬会社のコンプライアンス、法令遵守は、医薬品の安全性、日本の製薬産業への信頼に関わることです。通報者が社内のコンプライアンス室に通報した際のコンプライアンス室の対応が適切だったかしっかり検証をして、製薬業界における法令遵守の在り方についてしっかり指導を行うべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。消費者庁、いかがですか。
○政府参考人(小野稔君) ただいまの御質問ですけれども、先ほどの答弁との関連で発言させていただきたいと思います。
 公益通報者保護法が施行されましたのが平成十八年でございます。この施行後、大企業を中心といたしまして内部通報制度の整備が進んでおり、コンプライアンス経営の取組が強化されておるということでございます。一定の成果が上がってはまいりましたが、近年におきましても、事業者の内部通報制度が十分に機能せず大きな不祥事に発展した事例というものも散見されるところでございます。このため、消費者庁ですけれども、有識者検討会を開催いたしまして、制度の見直しも含む必要な措置の検討を行ってまいりました。
 この検討会の報告書の提言を踏まえまして、先ほど申し上げました民間事業者向けのガイドライン、これにつきましては改正をいたしまして、内部通報制度の実効性の向上に向けて事業者が自主的に取り組むことが推奨される事項、例えば通報に係る秘密保持の徹底、通報に対する不利益な取扱いの禁止の徹底、法令違反に対する社内調査、是正措置の実効性の向上などにつきまして、具体化、明確化を図ったところでございます。
 また、先月でございますけれども、政府の関係省庁の間の申合せによりまして、国の行政機関向けのガイドラインも改正いたしました。事業者の法令遵守の確保等を目的として、各行政機関が所管事業者等に対しまして、先ほど申し上げました民間事業者向けのガイドラインの内容等について周知するように努める旨取り決めたところでございます。
 消費者庁といたしましても、関係省庁と協力いたしまして、民間事業者向けガイドラインの内容等につきまして積極的に周知、広報を行うなど、各事業者においてこのガイドラインを踏まえた内部通報制度の整備、改善を進めていただくよう働きかけてまいりたいと思っております。
 また、昨年十二月の有識者検討会の最終報告書でございますけれども、この中では、対象となる事業者の範囲ですとか履行確保のための制度的担保に留意しつつ、内部通報制度等の整備を法定する方向で検討すべきという提言がなされたところでございます。
 これにつきましては、各関係団体、国民等の意見を踏まえまして、今後の法改正に向けた取組の中で十分に検討してまいりたいというふうに考えてございます。
○川田龍平君 私は、このホイッスルブロアー法という内部告発者保護法については、やっぱりしっかり法律として機能するようにということでずっと二〇〇〇年ぐらいから実は取り組んできておりまして、これも薬害を再発防止するための関連の非常に重要な法律なんですね。これ、昨年末に、今おっしゃっていただいたとおり、ようやく見直しの議論がまとまって、これから法改正へ向けてということですので、是非これ早急にこの法改正をしていただきたいというふうに思っております。
 一般的なコンプライアンス部門の在り方として捉えると、消費者庁、さらには経産省や法務省、会社法などそういった関係の話なのかもしれません。しかし、本件については、あくまで人を対象とした医学研究の問題であり、それを製薬企業が医薬品の販売戦略に利用する目的で実施しているという点で、データ捏造こそはないんですが、ディオバン事件と同じ構図であり、研究の実施主体を偽って企業が論文投稿して、そのアンケート実施の過程において患者のカルテを無断で見たということですから、一連の流れの中の問題では、やはり厚労省のこれ管轄だと思います。
 地方の一営業所だけではなく、問題を未然に防ぎ、少なくとも問題点や不正が指摘されたら率先して是正対応をすべきという部署までもが一体となって行ったという問題ですから、指導は厚労省として行うべきでありますし、同種事件が起きないように注意を喚起するのも、これ厚労省の仕事だと言えるのではないでしょうか。コンプライアンス室が正常に機能しないような製薬企業には何らかの対策を講じるべきではないかと考えます。
 ここで、後述する費用対効果評価という手続を踏んで薬価を下げることなども考える前に、こういった類いのアリバイ研究というか、単に販売促進ちょうちん記事と、ちょうちん研究というのでしょうか、こうした無駄な資金の使い方を評価して、この当該企業の販売製品全体を一律に下げるような措置さえ議論した方がいいのではないでしょうか。
 そもそもこの新薬創出加算をこうした企業にあてがっている意味はないと思いますが、大臣の御意見を伺います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、先ほど申し上げたとおり、まず薬機法にどういう抵触をしているのか、それから先ほどの労働関係での在り方などについても、これを徹底的に洗い直していかなければいけないということで調査を進めているところでありまして、今費用対効果の話もありましたが、何よりも薬に対して国民の信頼を欠くようなことが今回起きているわけでございますので、その内容をしっかりと分析をし、そして調査をした上で、今後何を私どもとしてやることが薬事行政として国民の信頼に堪え得るだけのものになるのかということをしっかり考えていきたいというふうに思いますので、今後、しっかり調査を重ねて対応を考えていきたいというふうに思っております。
○川田龍平君 これ、薬機法では不十分なんですね。
 この配付資料を是非御覧いただきたいんですけれども、照会事項につきましてというこのバイエル薬品からの資料、これですが、厚労省が企業から入手したこの販促資料、資料要求をしたところ、国会議員にはこれ提出できないということでした。これは監督官庁の立法府に対する対応として不適切ではないでしょうか。
 実は、私は別のルートからこれを入手して、一種類は持っています。これ、配付はできなくて掲示ということですけれども、委員会であれば提出いただけるのか、委員長、これ是非御検討いただきたいと思います。いかがでしょうか。
○委員長(羽生田俊君) 後日検討させていただきます。
○川田龍平君 是非よろしくお願いします。
 これ、厚労省、手元にあるこの販促資料の作成年月日だけでも今ここで教えていただけませんでしょうか。私が持っているのは二〇一四年の二月作成のものです。医薬局長、いかがでしょうか。
○政府参考人(武田俊彦君) まず、今お話のありました販売促進資料、厚生労働省が監視、指導等を行う必要上、企業から任意で提供を受けたものでございますので、企業から同意が得られなかったため提供することが困難であるという点についてはまず御理解を賜りたいというふうに思います。
 今御指摘のございました作成時期に関しましては、現時点で厚生労働省が入手している資料を作成した時期につきましてバイエル薬品より開示の同意が得られておりまして、時期につきましては、平成二十五年から平成二十六年までに作成されたリーフレット等の十二件の資料、それから、作成時期は明らかになっておりませんが、記事の体裁を取った広告の九件の資料の提供を受けているところでございます。
○川田龍平君 これ大変重要な、この日時が大変重要になってきます。これ、はっきりやっぱり資料として出していただきたいと思います。これ、資料として出していただかなければいけない問題なので、是非、委員長、よろしくお願いいたします。
 資料二を御覧ください。
 この資料二の方は記者会見内容というところですけれども、これ、昨日の告発者側の弁護士の記者会見資料です。ここにあるように、もし昨年一月の、裏もありますが、昨年一月の論文撤回から七月の告発までの間にも販促資料として使い続けていたとすれば、これ薬機法上の虚偽広告違反になりませんか。これ、いかがですか。
○政府参考人(武田俊彦君) 先ほど申し上げましたとおり、バイエル薬品から資料の提供を受けるなどの対応に着手したところでございまして、医薬品医療機器法上の観点からの対応に関しましても、予断を持たずに今後判断してまいりたいというふうに考えております。
○川田龍平君 この医薬品の広告規制に抵触していないか、しっかりこれは調査を行うべきと考えます。
 厚労省としては、この研究は観察研究に該当すると考えているのでしょうか、また当時の指針に照らして疫学研究に該当すると考えているのでしょうか、あるいはまた広義の臨床研究に該当すると考えていますでしょうか。
○政府参考人(福田祐典君) お答えいたします。
 御指摘のアンケート調査は、診療所において脳梗塞などを予防する医薬品を服用している患者を対象として、好ましい服用回数や剤型について聞いたものであると承知をいたしております。
 御指摘のアンケート調査が当時の疫学研究に関する倫理指針に定める疫学研究に該当するかどうかにつきましては、現在バイエル社に対して指示している事実関係の調査や報告の結果を踏まえて検討することとしておりますが、学術論文として取りまとめられていることなどから、疫学研究に該当し得ると考えているところでございます。
○川田龍平君 是非これしっかりとやっていただきたいと思いますけれども、今回のアンケート調査が実施されてこの論文が掲載された時期は、まさにディオバン事件が問題視されていた時期であり、広い意味での臨床研究における製薬企業そして医師との関係の透明性確保の重要性について社会的に議論が巻き起こっていた時期です。こうした時期にこういったずさんな研究が行われていたということは極めて深刻に受け止めざるを得ません。
 今回問題となった九州での研究だけでなく、同じ時期によく似た研究がほかでも行われているようで、これは問題を矮小化すべきではありません。臨床研究法案の審議で指摘された法の対象の狭さ、非常に狭いという問題が早くも露見したと言えます。
 薬の販売促進目的なら、介入がなかろうと観察研究であろうと法規制の対象とすべきじゃないでしょうか。今後の見直しの課題として、大臣、どうかよろしくお願いいたします。大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど来申し上げているように、よく分析をしながら対応をきちっとしてまいりたいと思っております。
○川田龍平君 是非検討をよろしくお願いいたします。見直しを早期にやっていただきたいと思います。
 次に、薬価算定制度における費用対効果評価について伺います。
 昨年の十二月の四大臣会合で、薬価制度の抜本改革に向けた基本方針が合意され、その中で、年四回の新薬収載に合わせて高額薬剤で当初の販売見込みより明らかに大きな売上げを上げているものについて値下げをする値下げルールの策定や薬価の頻回改定などが示されました。あわせて、基本方針では、薬価制度と絡めた形で費用対効果評価を本格導入するということも明言されていました。
 日本でこの費用対効果研究の研究をされている著名な先生方はQALY原理主義者の先生が多いようですが、このQALY法を学ぶための入門書として世界的に有名なのが、イギリスの経済学者であるマイケル・ドラモンド教授の書籍で、保健医療プログラムの経済評価の方法というのがあります。つまり、この評価の対象は医療そのものであって、薬価のみならず医師の診療や技術料も評価対象になっているということなのです。
 中医協では、効能拡大のタイミングの問題で高額薬剤の代表となってしまったオプジーボや高脂血症治療薬のレパーサなどに関連付けて費用対効果の議論がされ、あくまでも薬価の再算定という枠組みでしか議論がされていないかの錯覚を受けるのですが、さきの四大臣合意による基本方針では、評価の確立した新たな医療技術について、費用対効果を踏まえつつと明言しており、新医療技術に限定はされていますが、医科本体における医師の手技などにも費用対効果が及ぶかのような書きぶりにされています。
 そこで、二点お尋ねします。
 まず、喫緊の課題となっている薬価制度におけるこの費用対効果の活用ですが、現時点では高額な薬剤の再評価に用いるとだけされているという認識でよいのでしょうか。新規医薬品の薬価収載可否判定への将来的な活用も考えているのか、お答えください。あわせて、この費用対効果評価を医師の技術料、医薬分業における調剤技術料などの評価にも使うつもりがあるのかについてもお答えください。
○政府参考人(鈴木康裕君) 費用対効果評価の活用範囲についてお尋ねがございました。
 この費用対効果評価につきましては、平成二十八年度の診療報酬改定において、予測売上高等の一定の基準を満たす既収載品、既に収載されているものの医薬品七品目、医療機器六品目を対象に試行的に今導入をしているところでございます。その結果につきましては今後の価格調整に活用するということにしております。
 現在、平成三十年度から費用対効果評価の制度化に向けて検討を進めているところでございますが、お尋ねの新規医薬品の薬価収載の可否に用いるかどうかにつきましては、中医協におきまして、保険収載の可否に用いるとすれば、必要な医薬品は薬価収載とする原則を大きく変えることになるという否定的な御指摘がございました。
 今後、国民皆保険の持続性を考慮しつつ、こうした御指摘を始め関係者の御意見をよく伺いながら検討してまいりたいと思っております。
 また、技術料への活用についてお尋ねがございました。
 これにつきましては、平成二十八年度の診療報酬改定時の同じく中医協の附帯意見において、著しく高額な医療機器を用いる医療技術の評価に際して費用対効果の観点を導入する場合の考え方について検討することという前向きに言及をされておりまして、これを踏まえて、国民皆保険の持続性、それからイノベーションの推進といった幅広い観点から検討を行ってまいりたいというふうに思います。
○川田龍平君 これ、大臣、ちょっと通告ないんですけれども、診療や調剤などこの技術料、それから様々な点数表の項目についても費用対効果評価を応用して評価することについて、どのような御意見をお持ちでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど来局長の方から答弁を申し上げておりますけれども、費用対効果評価を新規の医薬品の保険収載の可否の判断に活用するかどうかについて、先ほど慎重な意見があるんだということを申し上げました。
 三十年度からの費用対効果評価の制度化に向けて、国民皆保険の持続性、これを考慮しながら、こうした関係者の御意見をしっかりとよく伺いながら、中医協においてどういうような形でのこの費用対効果評価というものの活用の仕方があるのかということを考えてまいりたいというふうに思っております。
○川田龍平君 診療や技術料についてはどうですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) これ、先ほど局長の方から御答弁申し上げたように、技術料の活用については、これは、著しく高額な医療機器を用いる医療技術の評価に際して費用対効果の観点を導入する場合の考え方について検討すると、こういうことになっておりまして、これを踏まえて検討をしていきたいというふうに考えております。
○川田龍平君 これ、来年度の診療報酬改定を控えて、中医協で調剤報酬の議論もなされていると聞いています。
 そんな折々、調剤薬局最大手の一角を占める企業が秋田県内において組織ぐるみでいわゆる付け替え請求という不正請求を行ったと聞いています。個別事例の詳細についての答弁は求めませんが、不正請求を認めている同社の説明によれば、処方箋を受付する医療機関の集中率というものを下げるために傘下の他店舗からほかの医療機関の処方箋を集めたということのようで、結果的に見せかけの集中率を下げることで調剤基本料を高く維持させるようにしたかったということのようです。
 特定の医療機関の発行する処方箋の集中率が高ければ、在庫管理は特定の医療機関に合わせたものだけを取りそろえればよいわけで、それだけ効率的な運営ができるという理由で調剤基本料が低く設定されていることのようです。
 こうした大手チェーン調剤薬局の場合は、集中率が九五%を超える場合にはこの調剤基本料が一枚当たり二百十円から二百六十円も減算される仕組みであり、前回の診療報酬改定の議論の中で、大手調剤はもうけ過ぎであり、何とかするべきだという声が高まり、大手調剤チェーンをターゲットにした調剤報酬の適正化手段だったはずです。
 しかし、今回の事件でもそうですが、集中率は、企業内努力というか、従業員を上手に活用することで何とでも操作できる可能性があるんでしょうし、今回のような違法な付け替えなんというのは論外ですが、多店舗展開をしていれば、他店も含めた全従業員に対して集中率の高い店舗に自らの処方箋を持っていくように指示することもできるかと思います。その結果として受付できる医療機関の数が増え、集中率を下げることが可能な場合もあるかもしれません。
 今回の事例では、当該企業の説明によれば、十一枚しか集まらず、集中率の調整は結果的にうまくいかなかったようですが、しかし、非常に賢い企業で、また従業員が従順であれば、会社が本気になって従業員を含めてその家族にまでお願いして当該店舗で調剤をしてもらうように行ってもらうようにすれば、集中率をクリアできる可能性もあるわけです。
 この集中率という考え方はチェーン店では機能しないんではないかと思うんですが、そもそもこの調剤チェーンというのは、大手であればあるほど、医薬品の購入において、その購入規模の大きさから価格決定権における大きな力を持つでしょうし、店舗間での在庫の融通もできるでしょう。
 そう考えれば、大手であればあるほど効率的な経営ができるわけです。効率性という評価尺度で基本料の上げ下げをするのであれば、もはや大手チェーンの規模で評価する単純明快な減算方式でよいのではないかと思います。集中率なんという達成目標を与えるから、株式会社である大手チェーンの場合には、株主への責任もあるでしょうから、最大利益を得るために努力をしてしまうということではないかと考えます。
 違法行為というのはこれは論外ですが、これが合法であったとしても、集中率調整という考え方は公的医療制度とは相反する考え方さえあると思いますが、今回の秋田の事件を踏まえて、この調剤チェーン大手の調剤報酬をどのように適正化していくのか、厚労省の見解をお聞かせください。
○政府参考人(鈴木康裕君) いわゆる大手チェーンの調剤報酬、それから不正請求についてお尋ねがございました。
 御指摘の不正請求の事案につきましては、今後、事実関係を確認の上、報道されている不正請求が確認された場合には厳正に処分をしてまいりたいというふうに思います。
 御指摘のいわゆる大手チェーンの調剤報酬についてでございますけれども、平成二十八年度の診療報酬改定におきまして、薬局の収益状況、それから医薬品の備蓄等の効率性、御指摘のとおりでございますが、これを踏まえまして、一店一店ではなくてグループの店舗全体で一定数以上の処方箋量を受け付けており、特定の医療機関から処方箋の集中率が高い場合には調剤報酬を引き下げるということにいたしました。
 こうした調剤報酬の見直しの影響について現在調査、検証を進めておりまして、この結果を踏まえて、御指摘のチェーンの言わば肝に着目するという点も含めまして、経営の効率性の観点も踏まえた調剤報酬の適正化の在り方について中医協で議論をしてまいりたいというふうに思います。
○川田龍平君 大臣、是非、これは会見でも病院前の景色を変えると断言されていましたけれども、これ、病院前に立地する薬局はこの大手チェーンの薬局のどれかであることが多いのが現実です。
 最近では、栃木県の、ある大手チェーンに一矢報いるという形で、意気込みで、地域の地場薬局がチェーンとは異なる地域ネットワークを生かしたサービス提供を目指す門前薬局をつくるなどという話を聞いたりもしましたが、そんな例はまだ少なくて、ほとんどは大手調剤の傘下にある薬局が病院前、この間病院の中という話もありましたけれども、病院の門の前に堂々と立地をしています。
 大臣、これ病院前の景色を変えるというのであれば、この大手の調剤チェーンが利益追求という観点から極めてグレーながらも調整ができるような診療報酬体系というのは是正すべきと考えますが、どのように思われますか。また、それこそ調剤薬局チェーンの費用対効果を検証されてみてはいかがかと思いますが、是非、この病院前の景色を変えるという視点から一言、大臣、お願いいたします。
○国務大臣(塩崎恭久君) この間の見直しのときに考えたのは、やはりこれからの薬局あるいは薬剤師が地域の中でどうその住んでいる人たちの健康管理のために役立つのかということを考えて今ある規制やあるいは点数の在り方というものを考え直そうと、こういうことだったというふうに思っております。
 したがって、前回で十分ではないというところが、この間も申し上げたとおり、門内薬局と門前薬局が同じ扱いになっていたりすることについての問題点を考えるとともに、院内と門内とどこが違うんだというようなこともありますし、今の言ってみれば集中し過ぎであるということによって、結果として、本来在宅を含めて一人一人の継続的あるいは一元的な薬歴の管理をするという中において薬剤師の皆さん方の健康管理に資する活動というのができるわけでありますので、そういうのに資するような形で今回診療報酬改定に当たっての点数の在り方も考え直していかなければいけないんじゃないかというふうに考えておりますので、問題意識はしかと受け止めて、今回のケースがどうなのかはしっかり見てまいりたいと思いますが、大きな考え方としてはそういうことではないかというふうに思います。
○川田龍平君 最後に、特殊ミルクの安定供給問題についても伺います。
 これも昨年の委員会で取り上げさせていただきましたが、その後、難病対策課が中心となって、先天代謝異常症、難治性てんかん、小児慢性腎臓病における特殊ミルクの有用性、対象患者数などについて専門家ヒアリングが行われていると聞いていますが、特殊ミルクユーザーである患者、家族への聞き取りも行うべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(福島靖正君) 特殊ミルク供給事業につきましては、現在、省内関係部局間で連携して、安定供給に向けた仕組みの検討を行っているところでございます。これまで、今御指摘のように、各疾病分野における特殊ミルクの必要性等について、医学的観点から専門家の方々に御意見を伺ったところでございます。今後、特殊ミルクを供給しているメーカーへの聞き取りを進めていきたいと考えております。御指摘の患者、家族への聞き取りにつきましても、検討の内容に応じて、必要がある場合には行っていきたいと考えております。
 いずれにしても、特殊ミルクを真に必要とする方々に安定的かつ継続的に供給できるような仕組みの検討を進めてまいりたいと考えております。
○川田龍平君 是非、引き続きまた取り扱っていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 終わります。ありがとうございました。
○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。
 精神保健障害福祉に関する法律について、改正趣旨を変えるということで、今回の質疑は一般質疑で、その質疑終了後に改めて説明を受けるということになっています。その中身については引き続き徹底的に審議をさせていただきたいと思うわけですが、改めて、今日は、精神障害者の保健、福祉をどう向上させていくのかという観点から、法に関わって代表質問で行いましたところ、大臣からいただいた答弁に関わって質問したいと思うんです。
 大変、本会議の質問の答弁の中で驚いた答弁の一つが、精神障害者の日本における処遇が世界的にも他の障害者施策よりも遅れているという認識はあるのかないのかということでお聞きしたところ、大臣は、諸外国の取組や他の障害者施策と単純に比較するのは難しいという答弁だったんですね。私、この評価についてびっくりしたというのが正直な感想だったんです。
 そこで、私、確認したいと思うわけです。二〇〇四年に精神保健医療福祉の改革ビジョンが出されております。この改革ビジョンの基本方針は何だったのか、お答えください。
○政府参考人(堀江裕君) 委員御指摘の、平成十六年、二〇〇四年九月に厚生労働大臣を本部長とします厚生労働省精神保健福祉対策本部が決定した精神保健医療福祉の改革ビジョンについてでございますが、その基本方針は、入院医療中心から地域生活中心へという基本的な方策を推し進めていくために、精神疾患や精神障害者に対する国民の理解を深めていただくこと、それから、早期に退院できる体制整備など精神医療の改革、それから、相談支援、就労支援等の機能強化を通じました地域生活支援の強化を十年間で進めていくということでございまして、受入れ条件が整えば退院可能な者約七万人については、精神病床の機能分化、地域生活支援体制の強化など、立ち遅れた精神保健医療福祉体系の再編と基盤強化を全体的に進めることによりまして、十年後にその移行といいますか、七万人につきまして解消を図っていくと、こういうことが盛り込まれてございます。
○倉林明子君 今紹介あった前段のところでも、入院医療から地域生活中心へという中で、やっぱり、立ち遅れた精神保健医療福祉体系の再編と基盤強化を今後十年で進めると、この一つの方針示されているし、もう一点で、受入れ条件が整えばというところで、もう一度、立ち遅れた精神保健医療体系の再編と基盤強化、全体的に進めることが必要だと、こういう十年目標が出された基本方針だったと思う。
 つまり、二〇〇四年、この改革ビジョンは私、画期的なものだったと思うわけですけれども、この時点では厚生労働省の認識は精神保健医療福祉体系は立ち遅れていると、こういう明確な自覚があったんだということだと思いますよ。大臣、よろしいですか。
 そこで、この画期的なビジョンで掲げた目標は、十年たっているんだけれども、数値目標というのは一体どうだったのかと、まず目標のところから確認したいと思います。
○政府参考人(堀江裕君) 御指摘の改革ビジョンにおいては、入院医療中心から地域生活中心への政策理念を明確にするため、精神保健医療福祉体系の再編の達成目標といたしまして、各都道府県において、新規に入院する患者の一年間の平均残存率を二四%以下、既に一年以上入院している患者の一年後の退院率を二九%以上とすることを数値目標として掲げ、これらを達成することによりまして十年間で約七万床相当の精神病床数の減少が促されるとしていたものでございます。
○倉林明子君 そこで、十年たってどうなっているのかというのを資料をお付けいたしました。それが一枚目、御説明ありました全国の平均残存率がどうなっているか、二十六年集計中ということになっていますが、目標には及んでおりません。さらに、全国の退院率も、目標二九%以上ということですが、これも達成に至っておりません。そして、囲ってある上のところですけれども、平成二十六年における当初設定した目標の達成は困難であると考えられるということになっているわけですね。
 結局、確認したいと思うんですよ。受入れ条件が整えば退院可能な約七万床、これ十年で解消していくという目標だったわけですね。入院から地域へ、この大きな目標の達成状況というのは一体どうなっていますか。
○政府参考人(堀江裕君) 改革ビジョン期間終了時点の達成状況、今、数値の部分につきましては少し補足させていただきますが、先ほどの精神病床数といたしましては、平成十四年の三十五・六万床から平成二十六年には三十三・八万床と、一・八万床減少してございますけれども、七万床減少という当初の想定どおりには進んでございません。
○倉林明子君 これ、資料二でも付けておりますけれども、結局、目標達成状況、到達率で見ると、二五%というところにとどまっているのが現状だということだと思うんです。結局、十年前、二〇〇四年のときも立ち遅れていたんだけれど、現時点でもやっぱりこういう現実というのは立ち遅れているということだと思うわけです。
 改めて大臣の評価を確認したいと思います。こうした二〇〇四年のビジョン掲げた時点、そしてそれ以降の取組の到達、やっぱり立ち遅れているというふうにお考えになりませんか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど御答弁申し上げたように、この十六年の改革ビジョンの中では、入院医療中心から地域生活中心へという、これが一番基本的な考え方であったわけでありますけれども、現在もこの考え方はもちろん変わっていないわけであって、一方で、改革ビジョンの数値目標については、今答弁申し上げたように、達成ができていないと、こういう状況にあって、その理由は、長期に入院している精神障害者の地域移行を具体的に進めるに当たって、本人の抱える複合的な様々な課題を解決するための仕組みがまだまだ不十分だというふうな理由があったというふうに考えられるわけであって、こういうことから、本人の意向を最大限に尊重して、医療面だけではなくて、住まいであったり、あるいはその他の生活面であったり、そしてまた御家族との関係、就労、こういった様々な課題を調整をしながら解決を図っていかなければならないというふうに思っております。
 入院先の精神科病院だけではなくて、退院後に患者を支える家族や職場、市町村、保健所あるいは医療機関、介護福祉事業所、こういった様々な関係者が入院中からチームとなって患者を支援するということ、それから、地域で暮らしている精神障害者の方々が言ってみればピアサポーターとして助け合っていくという、そういう支援の仕組みというものもつくらなければならないということで、いずれにしても、一人一人の精神障害者に寄り添った地域移行というものをどうするかということで、今、ビジョンの中で立ち遅れているという表現が平成十六年にあったわけで、そういう意味では、特にその地域移行という面でまだ立ち遅れた状況であるということはそのとおりだろうというふうに思って、更なる努力をしなければいけないというふうに思っております。
○倉林明子君 いや、私、本会議で大臣の答弁聞いてびっくりしたのは、諸外国の取組、他の障害者施策とも単純に比較するのは難しいという答弁をいただいたことにびっくりしたんですね。なぜかというと、この法改正の方向性、到達点をどう評価するかということからやっぱり法改正の方向性は出てくると思うんですよ。この二〇〇四年のビジョンというのは、当事者はもとより関係者は大いに歓迎したわけですよ。ところが、その到達点がはっきり言ってお恥ずかしい状況だと思うんですよ。
 改めて、こういうビジョンが目指した方向、諸外国とも他の施策とも比べて、もう一回聞きたいと思うんですね。立ち遅れている現状は、精神障害者の医療、福祉、衛生という面で立ち遅れているという認識を持つべきだと私は思うんですけれど、どうですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 本会議での答弁は、特に外国とどういう形で比べたらいいのかというのはいろいろあろうかということで、余り明確に言っていないわけでありますが、今申し上げたように、一番大きな方向性として地域移行ということをこの平成十六年に打ち立てているわけでありますけれども、そういう面で進んでいないという意味では、立ち遅れた状態は引き続き続いているということは率直に認めないといけないと思いますし、今回の法案も、同じ問題意識で地域移行をしっかりと進めるということが、整備上いろいろと埋めなきゃいけない空間があるなということで、政策的な隙間をしっかりと埋めていくことによって地域移行が実効あるものとして実現するように努力をしていかなければいけないと、これは社会全体の問題ではないかというふうにも思いますが、その制度的な面を法律でもって今回御提起申し上げているという、そういうつもりでございます。
○倉林明子君 今回目指している法案の中身についての議論は改めてたっぷりやりたいというふうに思います。ただ、先進国のところでいえば、入院から地域へという、こういう取組が日本よりもう本当に何十年前から進んできたという実態も踏まえて、各国との比較でもやっぱり遅れているというところをしっかり見る必要があると思います。
 そこで、改めてこの改革ビジョンに立ち戻りたいわけですけれども、ここで掲げた目標が達成できていないということは明らかなわけです。じゃ、果たしてここで掲げた目標の達成をどうやって進めていくのか、目標自身どうなるんでしょうか。
○政府参考人(堀江裕君) これからの精神保健医療福祉のあり方に関する検討会におきまして、今の精神保健医療福祉の改革ビジョンの振り返りを行って今後の方向性を取りまとめているところでございまして、あるべき地域精神保健医療福祉体制を見据えて、平成三十年度から開始されます各都道府県の医療計画、それから各都道府県、市町村の障害福祉計画、介護保険事業計画の策定プロセスを通じまして、新たな中長期の目標である入院需要、それから地域移行に伴う基盤整備を明確にすることとしてございます。
 それから、障害福祉計画に基づいて、平成三十二年度までに多職種チームによる支援体制を構築して、全ての圏域、障害福祉圏域でございますが、全国三百五十四でございますが、及び市町村ごとに、その保健、医療、福祉の連携に向けました精神保健の協議の場を設置することを考えてございまして、それを計画に盛り込んでいただきます。
 こうした取組を通じまして、厚生労働省といたしまして、精神障害者の方が地域の一員として安心して自分らしく暮らすことができるよう、それぞれの計画に基づき適切な支援が受けられる環境を整備していきたいというふうに考えてございます。
○倉林明子君 このビジョンは十年達成ビジョンだったわけですよね。ところが、現状では達成できていないんだけれども、目標数値としては一体何になるのかというのがないまま全体の中で数値目標を定めていくんだということで、現状ではビジョンの目標というのは消えちゃっているんですよね。
 私、この立ち遅れを取り戻すという観点からも、最優先に取り組んでいくべきが、やっぱり遅れを認められた地域の精神保健福祉体制、いわゆる地域でどうやって受皿をつくっていくのかということを、本当にこの基盤整備ということが緊急に求められている課題だろうと。ここが遅れていたからこそ進まなかったという答弁もあったと思うわけです。私、そういう意味で、改めてこの改革ビジョンに立ち戻って、しっかり目標も据えてやり直すべきだというふうに思っています。
 今回の法整備で措置入院の制度見直しありきと、これが最優先されるべき課題ではないということを強く申し上げまして、今日は終わります。
○片山大介君 日本維新の会の片山大介です。
 今日は、これまでの経緯もあって、精神保健福祉法の審議が一転して一般質問に変わった。だから、本来あるべき審議ができなかったことに対しては、厚労省としては反省していただきたいというふうに思います。
 それで、私は、今日は地元の兵庫で起きた保育施設の問題について取り上げたいと思っています。
 この問題は、以前この委員会でも牧山委員が取り上げたんですが、兵庫県姫路市の私立の認定こども園、これ、わんずまざー保育園なんですが、ここの問題を取り上げます。
 それで、ここのこども園では、市に無断で保護者と契約を結んで定員の一・五倍の子供を受け入れていた、そして給食は少なく分け与えていて、それで暖房もつけずに我慢させていたと、こういうことをやっていたんですね。その上で、保育士の数などもごまかしていて、それで国などからおよそ五千万円の給付金を受け取っていた。今月になって、今月一日で認定は取り消されたんだけれども、二年前に子ども・子育て支援新制度ですか、これが始まってから認定が取り消されたのは全国でも初めてのケースになったわけです。
 兵庫では去年にも保育園を運営している社会福祉法人で不正流用の問題というのも明らかになっていて、こうした保育施設をめぐるトラブルが続くと、子供を預ける保護者というのは不安に感じてしまうんじゃないかと思うんですが、厚労省としてこうした事態についてどのように考えているのか、まずお伺いしたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、わんずまざー保育園につきまして、これは認可外の保育施設から移行した地域裁量型の認定こども園と、こういうものでありますが、特に、認可保育園に比べて死亡事故の多い認可外保育施設につきまして立入調査の実施率が低調だという自治体も見受けられるわけでありまして、先月に通知を発出いたしまして、こういった先に対する指導監督の徹底を促したところでございます。
 また、平成二十九年度の予算では、認可保育園等も含めまして、睡眠中などの重大事故が発生しやすい場面での指導を行う巡回支援指導員、この配置を新たに支援をしておりまして、この巡回支援指導員との連携によって実効性のある指導監督の実施につなげていただきたいと思っております。
 いずれにしても、未来を担う子供たちが今回のような扱いを受けているということが今判明しつつあって、大変残念なことでありまして、しっかりと私どもも責任を果たしてまいりたいと思っております。
○片山大介君 それで、今監査の話も少し出ましたけど、やっぱりこうした問題が起きるたびに自治体の監査ってどうなっているのかなというふうにいつも思ってしまうんですけれども、今回のケースでいえば、去年一月の段階で市に情報が寄せられていたんだけれども、市は園長を呼んで聞いただけで、監査が行われなかったんですね。今年二月になって初めて監査を行って、その際に不審な点があったことから、今度改めて抜き打ちの監査をやってようやくその不正を確認できたという、ですから最初の情報提供から実に一年以上たっていたんですよね。これについて市は人的余裕がなかったからというふうに言っているんですけど、これは子供の安全に対する意識が低いと言わざるを得ない。
 それで、その監査の仕組みでも、国の子ども・子育て支援新制度ですか、これについては、監査の時期について定期的かつ計画的に実施と書いてあるんですよ。そうすると、定期的にというのは何年に一回なのか分からなくて曖昧なんですよね。だから、これを自治体にやるのは任せきりにしているというのが私は問題があると思うし、何年かに一回やればいいなんていう悠長な考えでいると、保育の現場というのはどんどん動いていますから、保育施設の実態が把握できなくて、こういう問題が起きてしまうということもあると思うんですが、この点についてはどうお考えになりますか。
○政府参考人(中島誠君) 監査、指導の頻度についてのお尋ねでございます。これにつきましては、まず、それぞれの保育施設の設置根拠法におきまして、委員御承知のことだと思いますけれども、保育所、さらには幼保連携型の認定こども園、それから保育所型の認定こども園、地方裁量型の認定こども園については、年に一回という形の頻度というのをお示ししている。そして、今御指摘いただいたように、給付事務についての監査につきましては、子ども・子育て支援法に基づきまして、ここが定期的かつ計画的と、こうなっているわけでございます。
 それで、実態といたしましては、それぞれの市町村に存在している施設の数や組織・人員体制を勘案して、それぞれの市町村において御判断いただいているということですが、今回の事案も踏まえまして、改めて兵庫県さん、姫路市さんと直接お話をさせていただいて、この間の事情もしっかりお伺いをして、必要に応じて指導監査の在り方について見直すべき点があれば見直したいと考えてございます。
○片山大介君 いや、それで自治体に任せるのもそうだけど、これ、国への報告義務もないわけですよね。だから、国への報告義務を私、設けた方がいいんじゃないかと思っていますし、さらに、今回のことでいえば、事前にいついつ入りますという監査だとやっぱりなかなか見付けられないわけですよね。抜き打ちをやって初めて見付かったというかね、なるんであるから、もっと抜き打ちだって積極的に行わせた方がいいんじゃないかと思いますが、これについてはどのようにお考えでしょうか。
○政府参考人(中島誠君) 法律の立て付けといたしましては、子ども・子育て支援法では、市町村は必要があると認めるときは立入検査できるということで、抜き打ちというものは十分できるという形になってございます。しかし、実情として果たしてどこまでできているのかということがございます。
 改めて、そうした点も含めて、本日、委員の方から、抜き打ちをしたからこの事案というものがしっかり発覚したんだということもございますので、兵庫県姫路市に赴くなり来ていただくなりして直接お話を聞いて、国としても真摯に考え、監査、指導の在り方について見直しを検討したいと考えておるところでございます。
○片山大介君 是非それをやってもらいたいと思うのと、あともう一つ、今回のこども園では保育士の待遇の問題も明らかになったわけなんですよね。保育士の数も足りなかった上に、保育士が欠勤したりしたら無給勤務にする労働契約を結んでいたというんですよね。これについては労基署が立入検査入って今いろいろ調べているんですが、今、国としてはその保育士の処遇改善にいろいろ取り組んでいるんだけれども、幾ら取り組んでも現場の施設でこういうような違反行為がやられていたらもういかんともし難いと思うんですよね。だから、監査はとても大切だと思うんですよね。
 そこで、ちょっと資料の一枚目を見ていただきたいんですが、これ監査の項目からちょっと抜粋したんですけれども、その勤務体制の確保だとこれは二十番なんですけれども、ここが保育士の勤務に関することの項目なんですけど、これ見ると、保育士の処遇だとか待遇というのは何も書かれていないんですよ。そうすると、監査の対象項目じゃないから、監査でそういった処遇とか待遇とかって見逃されやすくなってしまうと私は思うんですよね。
 だから、ここの対策もちょっと考えた方がいいなと思うのと、それから、やはりここは専門分野は労基署なんだから、その労基署ともっと情報の共有だとか情報の提供なんかももっと積極的に行っていってもいいんじゃないかと思いますが、これについてはどういうお考えでしょうか。
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。
 保育園の指導監督権を持つ自治体が、今御指摘いただいておりますように、個々の園について必要に応じて指導監査をするということになっております。その過程におきましては、定期あるいは特別の指導におきましても、職員の勤務状態あるいは勤務改善、体制などについてもチェックポイントとしてございます。そういう中でも確認をさせていただきたい、あるいはしていかなければならないというのが一点でございます。
 その上で、特にまた労働基準法違反が疑われるような場合というところにつきましては、労働基準監督署に対して積極的に情報提供をしていくということが望ましいと私どもも考えておりまして、厚生労働省としても、それぞれの自治体に、それぞれ指導監督権を持っておられます自治体に対してそのような形で指導してまいりたいと思っております。
○片山大介君 是非よろしくお願いします。
 子供の安全がまず第一。それから、保育士のこうした待遇というのがこれからどんどんやっぱり問題になってくると思うので、やはりそういうのも積極的に監査で見ていくようにしなければ見抜けないと思いますので、やってほしいと思います。
 それで、大臣がちょっと先ほど言われたその地方裁量型の認定こども園なんですけど、確かに今回のはこれ地方裁量型なんですよね。それで、元々は認可外の保育所だったものを移行したわけなんですよね。
 それで、これ二枚目の資料なんですが、その認定こども園には四類型あると、それで、これが幼保連携型、幼稚園型、保育所型、地方裁量型で。地方裁量型というのは、国の参酌基準の下で都道府県独自の認定基準によって決めていいよという話で、その一番左側の幼保連携型なんかに比べると、結構かなり弾力的な運用になっているんですよね、いろいろ緩くなっているという言い方をしてもいいのかもしれないですけれども。
 それで、今回のケースでいえば、四月に認定こども園の移行を促したという。それで、その背景には、認可外の保育所の子供というのは待機児童にカウントされるんですよね。だから、認可施設に移行することによって待機児童の数が減らすことができる、こう考えている自治体、実は全国多くて、今回のケースもそうしたことが背景にあるとしたら、その本来のこども園の適格性を見ずにそういうことが優先されたとしたら、それが結果として保育の質の低下にかなりつながったんじゃないかと思いますが、これについてはどのように考えますか。
○政府参考人(中島誠君) 地方裁量型については、委員御指摘のように、国の定める参酌標準に基づいて都道府県において条例で定めていただくということになってございます。そして、その条例を定めるに当たって保育の質が犠牲になるようなことが決してあってはならないと思っておりますし、現実に兵庫県においては適正に条例を定められ、基準を設けられたと考えておるところでございます。
 ただ、その条例で定めた基準も、的確に守られているのかという点における事後の指導監査というものも大変重要なものかと考えてございますので、指導監査の在り方を中心に、当事者の御意見等もお伺いしながら、しっかり見直しを検討したいと考えておるところでございます。
○片山大介君 是非こうした面からも監査しっかりやってほしいと思うのと、あともう一つは、保護者だとか保育士からの通報があったときにどう真摯に向き合えるかということをちょっと話をしたくて、今回のケースでいえば、一年以上前からそういう情報を寄せられたのに余りそれに真摯に向き合ってこなかったわけですよね。だから、こうした声が届けられたときにどこまで真摯に向き合えるかどうかで、今回の結果もまたいろいろと違ってきたと思うんですよね。
 このこども園の中でも、保育士の中にはすごく問題意識を感じていた人もいたというんですよね。でも、園長が怖かったからと言っているんですよね。これ、保護者にしたってそうで、せっかく何とか入れた保育施設だと、それから、しかも大切な子供を預けている立場で問題があるとしてもなかなか言い出せないと、これが事実だと思うんですよ。それ指摘するのはすごく勇気があると実際に言っている保護者さんだって多いんですよね。
 だから、国はよく相談の窓口も設置しているとは言っているけれども、それよりも、実際に声が寄せられたときにどこまで真摯に向き合えるか、そして、そういうふうに声を寄せた人というのをしっかり守ってあげられることができるのかどうか、これからそれがすごく大切になってくると思うんですが、そこに対してはどのような意識を持っているのか、ちょっとお伺いしたいんですが。
○国務大臣(塩崎恭久君) 保護者からの通報などについてのお尋ねでございますけれども、保育園は保護者等からの苦情にやはり迅速に反応をしないといけないわけでありますが、その苦情を受け付けるための窓口を設置をしていないというケースもあるわけで、まずは窓口を設置をして言いやすいようにするということ、そして、それを届きやすくする、そういう工夫もしっかりと自治体にお願いをしていかなきゃいけないんだろうというふうになっていますし、必要な措置を講ずることと既になっているわけであります。
 また、保育園などに対する指導監督権がある自治体は、保護者などからの通報、苦情、あるいは相談、こういったことによる情報に基づいて、必要に応じて児童福祉法や子ども・子育て支援法に基づく監査を行うこととされています。
 各園あるいは各自治体において、こういった趣旨を、法律の趣旨を踏まえて、保護者からの通報などに適切にそして迅速に対応していただきたいと思いますが、そういったことについても、厚労省としての考え方をしっかりと指導として届けていきたいというふうに思います。
○片山大介君 是非、窓口を設置しても、実際にその運用面でそれをしっかりしていただきたいというのと、あと、それは監査とのセットで、やっぱり今回のこのケースを教訓に子供の安全をしっかり守るということをしっかりやっていただきたいと思います。
 私の質問はこれで終わります。
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 本来なら、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の一部を改正する法律案が審議されるところですが、趣旨を、二度と同様の事件が発生しないよう以下のポイントにという部分などを削除するということから、今日は一般質疑になりました。
 ただ、私は、この趣旨を削除するのであれば法律案とそごが生ずると。つまり、ざっくり言えば、この法案は、相模原事件があって、措置入院者だった、退院した後フォローアップが足りなかった、だから警察も入れてしっかりフォローアップする、まあ言葉を換えれば監視するぞという法案だと思いますので、趣旨と法案がもうミスマッチになってしまっていると。だから、文言を削除したからといって法案の骨格が変わらない。
 多分、この厚生労働委員会では、措置入院者の人も任意入院の人も通院の人も含めてボトムアップで、ワンストップサービスを含め、どういうふうに応援していくか、そこに税金を使うというのであれば、皆さん賛成すると思います。しかし、警察が入り得るという、こういう仕組みについては極めて問題であると。ですから、趣旨を変えるのであれば、まさに法案と一致しないので取り下げる、廃案しかないというふうに思っております。
 今日は一般質疑ですので、まず冒頭、事実婚カップルに関する不妊治療支援について一言お聞きします。
 厚労省は、二〇〇四年以降、不妊に悩む方への特定治療支援事業として、不妊治療の経済的負担の軽減を図るため、高額な医療費が掛かる配偶者間の不妊治療に要する費用の一部を助成しております。二〇一五年度では十六万三百六十八件、金額にして百二十二・八億円という支給実績です。支給対象はしかし法律婚カップルに限られています。でも、産婦人科学会は事実婚のカップルにも人工授精、体外受精を、それをやっているわけで、だとすると、是非、支援に関しても、事実婚カップルに対しても助成すべきだと考えますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 不妊治療の助成についてのお尋ねでございますけれども、現行制度におきましては、今御指摘のあったように、法律上の婚姻をしている夫婦を対象にしているという制度に今はなっているわけであります。
 御指摘のこの事実婚の方に対する支援をどうするのかということでありますけれども、すなわち補助対象を拡大をするということについての考え方についてでありますけれども、現在、出生率が非常に低いわけでありまして、また多様化をしている家族の在り方などを受け止めていかなければならない、社会はどんどん変化をして、家族観も変化をしているということでありますし、社会情勢の変化もあって、子育て支援というのが今一番の優先課題でもあるという、そんなこともあります。
 海外に行きますと、パートナーとしての同居でおられて子供さんもおられるというのがごくごく当たり前の国もたくさんあるわけで、日本にも同じような動きが広まりつつあるのかも分からないということを考えてみると、今申し上げたようないろいろな変化を踏まえた上で検討をしていくべきものではないかなというふうに思っているところでございます。閣僚クラスにヨーロッパで会いますと、パートナーでちゃんと子供もいるという方がいかに多いかというのでびっくりするところであります。
○福島みずほ君 大臣の前向き答弁、本当にありがとうございます。
 やはり、今は同性カップル、ゲイ、レズビアンのカップルでも里親に認めるという自治体が出てきたり、同性パートナー条例やそれを認める渋谷、宝塚、あるいは世田谷など、世田谷はもう五十人以上同性パートナーで登録しているというふうに聞きます。
 実際、事実婚で、やっぱりこれは助成してほしいという声も聞きますので、今の前向き答弁踏まえて、是非進展があるように、産婦人科学会はもう変わっておりますので、事実婚でも人工授精、体外受精のそれはしているわけで、だとしたら、助成の方も是非、助成というのは援助の方ですが、是非拡充していただきたいと思います。よろしくお願いします。
 次に、医療分野の研究開発に資するための匿名加工医療情報に関する法律案についてお聞きをいたします。
 これは内閣府の委員会で今日趣旨説明というふうに聞いておりますが、実はこの委員会は、お医者様も、それから看護師さんも、いろんな医療関係者がいらっしゃいますので、この医療情報についてはとても重要だと思って質問させていただきます。
 私はこれは、一番違和感を持つのは、医療機関から生の情報がこの認定事業者に流れるんですよね。これはとても危険じゃないか。刑法の中に秘密漏えい罪があって、お医者さんも看護師さんも患者さんの情報を漏えい、仕事上知り得たことを漏えいすれば秘密漏えい罪が成立するわけですね。しかし、医療機関から認定事業者に対して生のままの患者の情報が行くと。だから、健診も入るし、画像も入るし、裸の写真も行くだろうし、それからいろんな数値も全部行くと。例えば向精神薬使っているとか、整形手術したとか、中絶歴とか、がんとか、全部これは行くわけですね。それはとても危険ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(大島一博君) 今、今度、医療情報を匿名加工する法案について御質問いただきました。
 この法案は、個人が識別できないように匿名加工された医療情報の利活用を通じて医療分野の研究開発を促進するという目的の法律でございまして、具体的には、情報セキュリティー、それから匿名加工技術などに関する基準を満たし、医療情報の匿名加工を適正に行うことができる事業者を国が認定するという、そういう仕組みでございます。医療機関等は、認定を受けた事業者、認定事業者に対しまして任意で医療情報を提供することができることになりまして、その際には各患者にその旨をあらかじめ通知をして、拒否がない場合に提供できるという、そういう仕組みでございます。
 この法案によりまして、治療の効果や効率性、そういったことに関するデータ研究が進むと考えておりまして、患者に最適な医療の提供を実現することができると考えております。具体的には、そういう診療データを用いた研究の実施によるガイドライン等を期待しているところでありますし、あるいは副作用、医薬品の副作用等も大きな問題になっておりますが、そういうことについての発生頻度ですとか、異なる医薬品間での副作用の結果の比較などができるようになるのではないかという期待をしております。
 それで、これに関しましては、今申し上げましたように、専門的能力を要する匿名加工というところについて焦点が当たっているわけでありますが、現行法の下でも、実は個別の医療機関が事業者に委託をして医療情報を匿名加工し、その匿名加工した情報を第三者に提供するということは本人の同意なくしてできるようになっているところであります。
 今回は、その匿名加工について、今であれば、医療機関が最終的な責任を負ったりですとか、個々の医療機関を超えた利活用は困難な状況になっておりますので、そういった対応ができるよう、複数の医療機関のデータを適正かつ確実に集めることができる認定事業者を国がきっちり監督していくということを考えているところでございます。
 刑法の守秘義務違反かどうかという点でございますが、これにつきましては、今のような法律の目的、仕組み、それから医療情報の認定事業者への提供というのは必要性があるということで、あと本人への通知、あるいは安全管理義務の義務付け、こういったことによりまして、個人の権利義務の侵害がない措置が講じられているということで相当性も認められるというふうに考えておりまして、法務省とも相談しまして、これに関する医療情報の提供は医師等の守秘義務等には反することにはならないというふうな見解をいただいているところでございます。
○福島みずほ君 でも、同意なくしてというのは問題だと思うんですね。あらかじめ通知をするというふうなことですが、じゃ、冒頭からきちっと通知するんですか。そのことを医者はきちっと説明するんですか。
○政府参考人(大島一博君) 今、手続の具体的な方法についてお尋ねございました。
 いわゆるこのオプトアウトと言われる手続につきまして、具体的には医療機関等が認定事業者に医療情報を提供しようと、これは任意です、仮にそういうふうにしようとする場合には、あらかじめ患者がその医療機関等に初めて受診した際などにおいて、医療機関の方から、今回のこの趣旨、医療分野の研究開発に資するために匿名加工情報を作成する認定事業者に提供するという趣旨、それから提供する情報の項目、提供方法、それから本人又は遺族の求めに応じて提供を停止すること、その求めを受け付ける方法について、書面で本人に対して通知するということを考えておりまして、実際には受付の窓口ですとか待ち時間の間に配るなどして通知をすることになると考えられます。
 この通知を受けた患者さんはいつでも医療機関等に対して情報提供の停止を求めることが可能となっておりまして、御本人の死後においてはその遺族が同様の求めを行うことができるということになっているところでございます。
○福島みずほ君 これは停止はありますが、衆議院の内閣委員会でもありますが、削除要求ってできるんですか。つまり、これがなぜ問題かというと、生の例えば画像、健診でも全部の数値やエコーの検査や、全部がある認定事業者に集積していくわけですよね。極端に言うと、おぎゃあって生まれたとき、三か月健診、一歳児健診、あるいは全部、それもそこにどんどん集積していって匿名加工して製薬会社や生命会社に売り飛ばすということはあっても、ある認定事業者には生のデータが集まり、Aという人の情報が全部集まるわけですよね。自分はそういうのは嫌だというので削除要求したら、削除してくれるんですか。それはないですよね。
 衆議院のところでは、本人の希望に応じて任意にこうした削除等の対応を行うことは可能だとはなっていますが、条文上はそうなっておりません。削除を認めるべきじゃないですか。
○政府参考人(大島一博君) 今、提供した情報の削除についてお尋ねございましたが、そもそもこの提供をする段階では各その機関ごとにあらかじめ本人の提供の確認はございます。その上で、後で、一旦提供が始まった後、いつでも停止することができるわけですけど、お尋ねの趣旨は過去に提供された部分の医療情報の削除はできるかということだと承知しますが、それについての法律上の規定はしてございません。ただ、今議員の御指摘もありましたように、認定事業者が本人の希望に応じて任意にこうした削除等を行う、対応を行うことは可能と考えております。
○福島みずほ君 これ、通知なんですよね。同意を取っていないんですよ。だったら、患者分からないですよ。はいというか、要するにノーと言わない限り通知だけで集積していく、特に、おぎゃあと生まれてから死ぬまでその人の情報が、生の情報が画像も含めて全部行くわけじゃないですか。そうしたら、認定事業者のところに蓄積をされていく、たまたまそれが匿名加工されて外に出ていくわけですが、でも、まさにその情報が漏れる可能性もあるし、悪用される可能性もあるかもしれない。
 匿名加工なんですが、例えば霞が関、永田町における、五十四歳、向精神薬という形で出ることもあり得るわけでしょう。匿名加工はケース・バイ・ケースになると思いますが、いかがですか。
○政府参考人(大島一博君) 匿名加工につきましては、特定の個人を識別すること、それからその個人情報を復元することができないようにすることというのが匿名加工の定義でございまして、基準を定めまして、その基準にのっとって匿名加工をするということになります。したがいまして、その際には、例えば氏名等を削除したりですとか、あるいは一定の情報につきまして例えばその情報の日付をずらしたりとか、そういうことをやりまして、個人が識別できないあるいは復元できないというふうなことにするということにしております。
○福島みずほ君 ただ、例えば埼玉県滑川町、五十四歳、向精神薬を使っている、例えばこの永田町でも、例えばてんかんだとか遺伝疾患とか、やっぱり病気って一番高度なプライバシーじゃないですか。だから、この法案ができることで、認定事業者に生の情報が全部集積されるという問題と、匿名加工といって匿名にしたとしても、それをずっと繰り返しているうちに特定されるというか、その問題も起こり得る。なぜかといいますと、この法案の一番の違和感は、ビジネスなんですよね、経産省主導で行われている。実際、趣旨説明のところでも新産業創出と、こうなっているわけです。
 ですから、この点が問題で、医療のためというんだったらまだ少しは分かるけれども、大変問題があるというふうに思っております。集積することの問題点と同意を取らないという問題点と匿名加工という点でどうなるのか。一人の人生、一人の全ての健診も含めた情報が問題になると。
 例えば情報公開、ちょっと済みません、もう時間なので一言だけ、情報公開で自分の情報が間違っているということを是正することはできるんですか。
○政府参考人(大島一博君) それは可能でございます。
○福島みずほ君 終わります。
○薬師寺みちよ君 無所属クラブの薬師寺みちよでございます。
 今日は一般質疑ということで、古くて新しい問題、ワクチンについて質問させていただきたいと思います。
 いろいろこれまでもワクチンにつきましては報道があったりということで、ようやくワクチンギャップがなくなってきたのかなと思ったところで、どうも日本全体が思考停止に陥ってしまっているんではないか、そういうことに警鐘を鳴らしていただいている先生方がいらっしゃいましたので、そのことについて大臣と質疑をしてみたいと思います。
 大臣自身が今のこのワクチン行政についてどのような感覚をお持ちなのか、まずは教えていただけますでしょうか、お願い申し上げます。
○国務大臣(塩崎恭久君) 我が国のこのワクチン行政については、去年、化血研の問題があって、いろいろ考えるところがございました、まあ前々から考えていることはございましたけれども。そういう意味で、去年のああいう事件が起きて改めて考えさせられて、その結果はワクチン・血液製剤産業タスクフォースというものの場でかなり御議論をいただいたわけでございます。
 先進諸国に比べて公的に接種するワクチンの数が少ないということを意味するいわゆるワクチンギャップ、この存在が指摘をされてきて久しいわけでありますけれども、平成二十五年の予防接種法の改正によって、計画的に定期接種の対象となる疾病の追加を進めることとして、平成二十五年にHibワクチン、小児用の肺炎球菌ワクチン、ヒトパピローマウイルスワクチン、そして平成二十六年には、成人用の肺炎球菌ワクチン、水痘ワクチンを、そして平成二十八年にB型肝炎ワクチン、これらを定期接種として追加をいたしました。
 ワクチンギャップの解消の努力はそれなりに進んできているんだろうというふうに思いますが、今申し上げた昨年十月のワクチン・血液産業タスクフォースの構成員である外部の有識者から、この化血研の事案をきっかけに省内で御議論いただいた結果が、昨年の十月に、ワクチン産業の在り方、それからワクチン行政の在り方、また、ワクチン行政が今までのような形であるがゆえにワクチン産業が今の形になっているというような問題意識を持って提言をお示しをいただいたというふうに思っております。
 その中で、国家戦略としてやはりワクチン政策はしっかりとビジョンとそれから政策決定のプロセスを明確にしていくべきだということ、要はワクチン政策は国家戦略にすべきだということが一つ、それから、そのビジョンに基づいて、ワクチンの定期接種化に関する検討の迅速化、あるいはその是非に関する検討プロセスを明確化することなどが指摘をされておりまして、厚生労働省としては、引き続きワクチンギャップの解消に努めるとともに、提言を踏まえながら具体的な検討を進めて予防接種行政の向上を図ってまいりたいと思っておりますし、今年度の予算で、新たに立ち上がったワクチンの研究開発を支援をするCEPIという新たな国際機関に日本は理事として約二十数億円の出資をこの二十九年度予算で行うということで、積極的にワクチン産業を国家戦略として育てていこうと思いますし、そのためにはワクチン政策がしっかりしなければいけないというふうに思っております。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 私も本当に同感でございまして、国際的なやはりそういったポジショニングを取るということは、やはり日本の行政自体が問われてしまうということになりますので、これからそのビジョンに基づいてアクションプラン、しっかりと歩んでいただきたいと思います。
 ところで、資料一でございます、皆様方にお配りをいたしておりますけれども、この任意接種、これはもう日本独特の制度ですよね。任意接種というようなものにつきましても公費助成の状況について様々調べてみましたら、ここに書いてあるように、市町村によってかなり費用負担の差があるということが分かってまいりました。
 これは数年おきにやってくださっているんだと思うんですけれども、この調査の結果、助成事業というものでだんだんだんだん助成するパーセンテージは上がってきているんですけれども、これであればやはり、こんな費用負担するのであればちょっと打つのやめようかなという母親が出てきても仕方がないと私は考えておりますけれども、このアクセス格差になっていないかということにつきまして、政務官、教えていただけますでしょうか。
○大臣政務官(馬場成志君) お答えします。
 予防接種法に基づく定期接種につきましては公費助成が行われておりますけれども、定期接種以外の任意接種につきましては、自己負担で接種を受けることが基本となっております。定期接種以外のいわゆる任意接種ワクチンについて、自治体の独自の判断に基づき公費助成が行われている場合があり、被接種者の自己負担額は様々であると承知しております。
 資料もいただいておりますけれども、任意接種につきましては、接種を受けるかどうかは、ワクチンの有効性、安全性や接種費用等を踏まえ、被接種者及びその保護者、各個人が判断しているということでございます。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 ここで、新たな問題が起こっていることにつきまして今日はもう一点議論をさせていただきたいんですけれども、ちょっと質疑の順番、局長、入れ替えさせていただきます。
 実はムンプス難聴の問題です。最近、新聞紙面にも取り上げられますけれども、私も成育医療センターに行って耳鼻科の先生からお話を伺ってまいりました。
 今、ムンプスというのがどうも流行の時期に掛かってしまっている。今まで、私もそうでございますけれども、教科書的にはかなりこのムンプス難聴というのは確率的に低いぞと言われていたものが、どうも耳鼻科の肌感でいくと今まで言われていた統計のもしかしたら五十倍、百倍ぐらい起こっているかもしれない。
 厚生労働省の調べで、これは二〇〇一年の調べですよね、全国のムンプス難聴で受診なさっている方が六百五十名。しかし、そこが難しゅうございまして、小児科で接種しますよね、難聴を調べるのが耳鼻科なので、そこがなかなか結び付いていない。だからこそ、もしかしたらこれ正しい数値が取れていないんではないかというふうに危惧をなさっていらっしゃいましたけれども、局長、しっかりこのムンプス難聴の発現率というものは厚労省は追っていただいているんでしょうか、お願い申し上げます。
○政府参考人(福島靖正君) お答えいたします。
 ムンプス難聴につきましては、平成二十二年の七月に開催されました厚生科学審議会感染症分科会予防接種部会におきまして、このおたふく風邪ワクチンについて議論するために作成されましたおたふくかぜワクチンに関するファクトシート、この中で詳細に検討をしておりますけれども、その中で、発現率につきましては、おたふく風邪の合併症としての難聴が〇・〇一%から〇・五%、かなり幅がございますけれども、その頻度で発生するということにその中では指摘されておるところでございます。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 資料二にも付けさせていただいていましたけれども、最近かなりマスメディアでも取り上げられるようになってまいりました。私も元々耳鼻科でございまして、日本耳鼻咽喉学会でも、ここはやっぱり問題にしなければというところで、三月から全国調査を始めたところです。
 ですけれども、先ほど申しましたように、ムンプスのワクチンというものは任意でございまして、それなりに費用が掛かる、だったら少し控えようかなと思っていらっしゃるお母様方が、実際にこういう難聴になって、これは治らないんです、治らないからこそ、あのとき打っておけばよかったなという多くの後悔の声が聞こえてまいりました。だからこそ、ワクチン行政というものは本当に重要なものであり、正しい情報を厚労省が取っていく、それも迅速に判断をしていくということが大切でございます。
 資料三に付けておりますけれども、この資料三、予防接種の様々な情報は母子手帳に入っているんですけれども、じゃ、それを受けなかったらどうなるんだというような情報がどうも母親には伝わっていない気がいたします。
 局長、この母子手帳に、母親からいうと、やはり母子手帳というのが一番の情報源でございますので、そのような情報というものは書き込まれておりますでしょうか、教えてください。
○政府参考人(福島靖正君) お答えいたします。
 母子健康手帳におきましては、予防接種の種類、接種時期などを記載して、予防接種を受けるために必要となる基本的な情報提供は行っております。
 また、御指摘のおたふく風邪ワクチンについては予防接種の対象となっておりませんけれども、この中でも、おたふく風邪ワクチンというものがあるということについては紹介はしておるところでございます。
 また、母子健康手帳以外で、ポスターやリーフレット、あるいは私どもや感染研のホームページ、あるいは医療機関での説明等を通じて、接種対象者の保護者の方に対しては、予防接種のリスク、ベネフィット、あるいは予防接種を受けさせるかどうかを適切に判断いただけますような情報提供は行っているというふうに承知をしておりますけれども、母子手帳におけるムンプス難聴についての記載は、個別の市町村における状況についてはつぶさに把握をしておりませんけれども、標準的な形では示されていないというふうに承知をしております。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 私もそうでございますけれども、やはり医療畑にいるとワクチンの大切さというのは分かるんですけれども、起こってしまったその後に、起こった合併症について母親はとても心を痛めてしまいます。ですけれども、そういう情報というのがなかなか行き渡っていないがためのこのような事態というものが最近本当に問題になってきております。ワクチンというと、どうも怖いんじゃないか、ワクチンというと、なかなか正しい情報が得られないまま、本当にこれだけのSNSの中で様々正確さに欠けたような情報も多うございます。だからこそ、厚労省からしっかりと広報していただくことも必要だということで、耳鼻科の先生方が今必死に自分たちの口からも伝えていこうじゃないかというようなことで、今回の調査にもそれがつながったということでございます。
 これ、しばらくすると多分数値が出てくると思います。大臣、これ質問には組み立てておりませんけれども、その数値をもって、厚労省としても、もしその数値が意義がある数値であればすぐ審議会にかけていただくというようなことも図っていただけますでしょうか、お願い申し上げます。いかがでしょうか。
○政府参考人(福島靖正君) 予防接種を定期接種化するかどうかということにつきましては、そのワクチンの効果、それから副反応、さらにはその費用対効果等を総合的に判断する必要がございまして、予防接種分科会の中で専門家の御議論をいただいているところでございます。
 このMMR、おたふく風邪ワクチンにつきましては、かつてMMRワクチン自体の副反応として無菌性髄膜炎の問題がございました。現在は、仮に広く接種をするに当たってはより高い安全性が期待できるワクチンの承認が前提であり、新たなMMRワクチンの開発が望まれるということで、そのときの議論になっているわけであります。
 また、その無菌性髄膜炎と、それから副反応として無菌性髄膜炎の発生頻度と、それからあるいはムンプス難聴の発生頻度等々を多分比較考量しながら、発生頻度ないしは患者数でございますけれども、そういうことをまた議論していただく必要があると思いますので、いずれにしても、今学会等で調査されているデータについて、私ども、出てきた段階でそれを拝見させていただきながら議論を進めていきたいと考えております。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。だから、定期接種にするかどうかというよりも、その前にやっぱり広報できるべきことというのは必ずあるはずでございますので、そこは御検討いただきたいと思います。
 ですからこそ、今、日本で一番遅れているというのが国家的なワクチンのデータベース化だと思っております。まだまだ紙ベースでやり取りをしていて、なかなか審議会でも正しい数値が取れない。これであれば、副反応というものについて、副作用についても、なかなか迅速に判断できるようなシステムにはなっていない。だからこそ、これを機にしっかりと国家的なデータベースというものを構築し、そして幅広くデータ収集し迅速に評価するべき仕組みというものを私はしっかり厚労省で組み立てていただきたいと思いますが、大臣、最後にお願い申し上げます。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今データベースの整備についてのお話がございましたが、ワクチンのいわゆる有害事象あるいは副反応疑い、こういった症例などについての情報を収集して迅速に評価をする仕組みについては、ワクチンに対する国民の信頼を確保する上で極めて重要ではないかというふうに思います。
 従来は、関係審議会においてワクチンのこの副反応疑い報告に関する評価を定期的に行ってまいりましたけれども、昨年十月に取りまとめられました、先ほど触れたこのワクチン・血液製剤産業タスクフォース顧問からの提言、ここにおきまして、ICTを基礎とした診療情報ネットワークなどを活用することによって能動的な疫学データの収集、解析、こういうことを行う取組を充実させるべきだという提言もいただいております。
 今、一月からデータヘルス改革の本部を立ち上げて、健康情報、予防情報、そしてこれは当然予防接種も含めてその情報と医療情報と、最終的には介護情報も含めて今改革をしようとしておりますけれども、今のような提言を踏まえて、専門家にも具体的に御意見を聞きながら、予防接種歴とそして診療情報との突合の方策などについて検討を進めて、副反応疑いあるいは有害事象の報告を適切に収集をして評価をすると、それに基づいて次なるステップを考えるという、そういう仕組みを早く構築をしてまいりたいというふうに思います。
○薬師寺みちよ君 終わります。ありがとうございました。
○委員長(羽生田俊君) 本日の調査はこの程度にとどめます。
    ─────────────
○委員長(羽生田俊君) この際、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の一部を改正する法律案の趣旨説明について、塩崎厚生労働大臣から発言を求められておりますので、これを許します。塩崎厚生労働大臣。
○国務大臣(塩崎恭久君) 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の一部を改正する法律案に関して発言をさせていただきます。
 まず、これまで各種説明の場で用いてまいりました法案の概要資料につきまして、一部を見直し、四月十三日の理事会に提出をしたことにより、混乱を招いたことをおわびを申し上げます。
 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨及び内容について、重ねて私から御説明するとともに、概要資料を一部見直した趣旨について御説明を申し上げます。
 この法律案の内容につきましては、第一に、国等の義務として、精神障害者に対する医療は精神的健康の保持増進を目的として行われるべきことを認識するとともに、精神障害者の人権を尊重をし、地域移行の促進に十分配慮すべきことを法律に位置付けます。
 第二に、措置入院者が退院をした後に医療等の継続的な支援を確実に受けられるようにするため、都道府県等が、措置入院者の入院中から、退院後の医療等の関係者と協議の上、退院後支援計画を作成をし、退院後は帰住先の保健所を設置する地方公共団体がこの計画に基づいて支援を行う仕組みを創設をいたします。
 第三に、精神障害者の適切な医療その他の援助を行うため、保健所を設置をする地方公共団体が、精神障害者支援地域協議会を組織し、精神障害者の支援体制、退院後支援計画の作成に関する協議等を行うこととします。
 この点に関しまして、概要資料の二枚目と三枚目にある精神障害者支援地域協議会につきまして、本人、家族が個別ケース検討会議に参加すべきであるという趣旨を明確化するために記載を改めました。
 また、概要資料の三枚目の精神障害者支援地域協議会につきまして、支援体制について協議をする代表者会議と個別の退院後支援計画を作成をする個別ケース検討会議の関係等に関し、誤解を避ける観点から、文言の修正を行いました。なお、退院後支援計画は、患者本人の社会復帰等を目的として作成されるもので、個別ケース検討会議には本人、家族が参加すべきものであり、その旨を退院後支援のガイドラインで明確にいたします。
 法案の内容に戻りますが、第四に、精神保健指定医の指定申請の適正を図り、その資質を担保するため、申請者に一定の要件を満たす指定医の指導の下での実務経験を求めるなど、指定医の指定及び更新の要件の見直し等を行います。
 第五に、医療保護入院に係る手続を改め、家族等が同意又は不同意の意思表示を行わない場合に、市町村長の同意により医療保護入院を行うことを可能とします。
 また、概要資料の改正の趣旨には、「二度と同様の事件が発生しないよう、以下のポイントに留意して法整備を行う。」との記載がありました。この点については、四月十一日の本委員会での質疑において、相模原市の事件は検討の契機ではあるが、今回の法案は犯罪を防止することを目的としたものではないという旨の同日の答弁と異なっており、不適切な表現である旨の御指摘がありました。
 このような中、本法案は、退院後の医療や地域福祉、就労支援等の支援の充実を図り、結果として再発防止に資するものであり、犯罪防止のための法案との誤解を招かないようにする観点から、概要資料の一枚目の改正の趣旨につきまして、一部文言を削除いたしました。
 いずれにいたしましても、概要資料の見直しは、法案の内容について誤解のないものにするために行ったものであり、御理解をお願いをするとともに、引き続き、本法案につきまして、委員の皆様の御審議をお願いしたいと考えております。
 法案の概要資料の記載を見直したことで、混乱を招き、御迷惑をお掛けしたことにつきまして、重ねておわびをいたします。厚生労働省といたしましても、今回のことを深く反省をし、丁寧に説明をしてまいりたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。
○委員長(羽生田俊君) 本日はこれにて散会いたします。
   正午散会