第193回国会 経済産業委員会 第14号
平成二十九年五月三十日(火曜日)
   午前十時開会
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   委員の異動
 五月二十五日
    辞任         補欠選任
     宮本 周司君     牧野たかお君
 五月二十六日
    辞任         補欠選任
     中西  哲君     丸川 珠代君
     牧野たかお君     宮本 周司君
 五月三十日
    辞任         補欠選任
     辰巳孝太郎君     仁比 聡平君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         小林 正夫君
    理 事
                岩井 茂樹君
                滝波 宏文君
                宮本 周司君
                石上 俊雄君
                石井  章君
    委 員
                青山 繁晴君
                井原  巧君
                北村 経夫君
                林  芳正君
                松村 祥史君
                渡邉 美樹君
                礒崎 哲史君
                浜口  誠君
                平山佐知子君
                伊藤 孝江君
                石川 博崇君
                岩渕  友君
                辰巳孝太郎君
                仁比 聡平君
   国務大臣
       経済産業大臣   世耕 弘成君
   副大臣
       経済産業副大臣  松村 祥史君
   大臣政務官
       経済産業大臣政
       務官       井原  巧君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        廣原 孝一君
   政府参考人
       警察庁長官官房
       審議官      小田部耕治君
       金融庁総務企画
       局審議官     古澤 知之君
       総務省統計局統
       計調査部長    千野 雅人君
       厚生労働大臣官
       房審議官     橋本 泰宏君
       厚生労働大臣官
       房審議官     土屋 喜久君
       厚生労働大臣官
       房審議官     浜谷 浩樹君
       経済産業大臣官
       房地域経済産業
       審議官      鍜治 克彦君
       経済産業大臣官
       房商務流通保安
       審議官      住田 孝之君
       経済産業大臣官
       房審議官     田中 茂明君
       経済産業大臣官
       房審議官     竹内 芳明君
       経済産業省商務
       情報政策局商務
       情報政策統括調
       整官       吉本  豊君
       資源エネルギー
       庁省エネルギー
       ・新エネルギー
       部長       藤木 俊光君
       中小企業庁長官  宮本  聡君
   参考人
       株式会社商工組
       合中央金庫代表
       取締役社長    安達 健祐君
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  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査
 (中小企業政策及び地域産業政策の在り方に関
 する件)
 (産業競争力強化法の評価と今後の役割に関す
 る件)
 (新産業構造ビジョンの策定と今後の取組に関
 する件)
 (我が国半導体産業の構造改革に関する件)
 (風営法の解釈運用の在り方に関する件)
 (商工中金の危機対応業務における不正行為に
 関する件)
○中小企業の経営の改善発達を促進するための中
 小企業信用保険法等の一部を改正する法律案(
 内閣提出、衆議院送付)
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○委員長(小林正夫君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る二十六日、中西哲君が委員を辞任され、その補欠として丸川珠代君が選任されました。
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○委員長(小林正夫君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小林正夫君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に宮本周司君を指名いたします。
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○委員長(小林正夫君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、警察庁長官官房審議官小田部耕治君外十二名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小林正夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(小林正夫君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査のため、本日の委員会に株式会社商工組合中央金庫代表取締役社長安達健祐君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小林正夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(小林正夫君) 経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○平山佐知子君 おはようございます。民進党・新緑風会の平山佐知子です。
 今日は、中小企業政策、それから地域産業政策を中心にお伺いをしてまいりたいと思います。よろしくお願いいたします。
 まず、いつも地元の話で恐縮なんですけれども、私の地元の静岡県ですが、大手、中堅の輸送機器ですとか電機、楽器などのメーカーが本社を置いて、それを支える中小企業や小規模事業者が多数存在する産業集積地でございます。その静岡県は、二〇一五年四月に官民共同で地域企業を支援する産業戦略推進センターのオープンイノベーション静岡を立ち上げました。このセンターの特徴は、中堅企業に着目して集中的に支援をするという点でございます。今までの産業政策の中心は大手企業に依存する下請的な中小企業の自立を支援するものでしたから、このオープンイノベーション静岡、その転換を図るものであると感じています。
 当然、中小企業や小規模事業者の切捨てになってしまわないような配慮も必要なんですけれども、域内取引の多い中堅企業が発展すれば、中小企業・小規模事業者の受注機会も増えて、域内経済が結果活発になるという考えのものと思います。
 先日、私、地元の信用金庫の理事長さんとお話をする機会があったんですけれども、今何かいろいろ課題とかありますかというふうにお伺いをしたら、やっぱり産業の空洞化の歯止めが掛からないという懸念を示されたり、あとは人口減少の懸念も話されていました。その一方で、そうした懸念を払拭するためにも、域内に波及効果をもたらす、地域経済を牽引する企業が重要であり、今それを、中堅企業を育てていく活動も始めているんだよというお話もいただきました。
 先週の地域未来投資促進法もやはり中堅企業支援を中心に据えるという内容でしたけれども、まずは、世耕大臣に、国として今後の日本経済を牽引していく中堅企業の重要性に対する認識、それからそれらを支援していく施策や方向性などをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(世耕弘成君) 我々も、資本金一億円から十億円程度の中堅企業というところに大変注目をしております。
 大企業が、どうしてもその経営者がサラリーマンから上り詰めた人が多くなってきて、割と守りの経営に陥りがちなところに対して、中堅企業は、まだオーナー系とか同族企業とか、あるいは自分で創業されたとか、そういう経営者がいらして、いい意味での強いリーダーシップを発揮される場面が多くて、そういう意味で大胆な設備投資も行えるし、場合によっては、判断によって新しい分野にチャレンジをするなんということもやってくれるというのが私は実は中堅企業なんじゃないかなというふうに思っておりまして、地域における雇用創出ですとか、あるいは付加価値増加率においても大きなインパクトを持っているわけであります。
 そして、そういう中堅企業が周りの中小や小規模事業者も巻き込んだ形で地域経済を牽引する存在になってほしい、そういう気持ちを込めて我々が提出させていただいて、そして先週の金曜日に国会で成立をさせていただいたのが地域未来投資促進法でありまして、こういうバリューチェーンの要を担っていることが多い中堅企業が地域経済牽引事業の担い手となってもらうように着目をして、この地域経済牽引事業について、人、物、金、情報、規制改革などの施策パッケージにより集中的に支援していくことになったわけであります。
 これからいよいよこの法律を運用していく過程に入っていくわけでありますけれども、関係省庁で連携をして、この法律をうまく活用して、予算、税制、金融など、あらゆる施策を集中する仕組みを構築をして効果的な施策実行を進めていきたいというふうに思っております。
○平山佐知子君 事業を動かすのは人であり経営者であり、意欲はもちろんですけれども、マーケットをしっかりとつかんで事業計画に落とし込める経営者、さらには、リスクを把握した上で新たな投資を実行できる決断力であったり、あとはさらに、既存事業と新規事業に社内の資源を最適分配できる経営マネジメント力を持つ経営者などを国も企業と伴走しながら支援をしていくというのが重要だと思います。
 国内人口の減少が見込まれる状況においては、アジアにおける、中心とした旺盛な海外需要の取り込みが重要になってきますし、中堅・中小・小規模企業の海外展開を今後重点的に支援をしていく必要があると思います。その一方で、国内の立地競争力を高めて、海外の投資を国内に呼び込むことも重要だと思います。
 そこで、次に、我が国の立地競争力についてお伺いをしてまいります。
 お配りをしました資料一を御覧いただきたいと思います。これは、世界銀行がビジネスの環境のしやすさを順位付けした二〇一七年版ビジネス環境ランキングです。日本は、百九十か国・地域で三十四位と、前年の三十二位より順位を二つ落としています。OECD加盟国で見ても、二十位以下と低迷をしています。
 第二次安倍内閣発足後に最初に出された成長戦略、日本再興戦略では、企業が活動しやすい国とするためには、エネルギー・環境制約の解消等を通じて産業基盤の強化を図るとともに、日本の都市の競争力を更に高めることが必要であるとの基本的な考え方が提示され、その上で、二〇二〇年までに世界銀行のビジネス環境ランキングで日本が先進国で三位以内に入るとの野心的な目標が掲げられました。
 しかし、このままでは、こうした目標に遠く及ばず、理想と現実のギャップは残念ながら拡大するばかりで、何か抜本的な策が打たれない限り事態を変えることはできないようにも思います。しかも、これは、例えば安易な法人税の引下げ競争をすればそれでよいというほど問題は単純ではないと思います。やはり高い電気料金や複雑で分かりづらいと思われている行政手続などが立地競争上の障害となっているということは、このことは目をそらしてはいけない現実であり、こうした問題を一つ一つ解消する必要があると思われます。
 そこで、大臣にお伺いします。
 このビジネス環境ランキングが思うように伸びていない要因についてどのように分析をしていらっしゃいますでしょうか。また、今後ビジネス環境ランキングを伸ばすためにどのような政策を講じていくお考えか、また、何か法改正、税制改正、規制緩和などで対応に着手しようなどと考えているようなことがあれば教えていただきたいと思います。
○国務大臣(世耕弘成君) この世銀のビジネス環境ランキングは、世界百九十か国を対象として、特に法人設立ですとか不動産登記を始めとした事業活動規制に関する十分野、この表に出ているとおりですが、十分野を選定した上で、各分野に影響の大きい手続の数ですとか所要の時間ですとかコスト、こういったものを測定をしてランキング化したものでありまして、大変残念ながら、近年、我が国の総合順位は低下傾向にあるわけであります。
 その理由として一番大きいのは、やはり法人設立に関する分野を始め、順位が相対的に低い分野が複数あることだと思っていまして、例えば、法人設立に関しては何で順位が低いかといいますと、これ、我が国固有の社印を作成するとかあるいは法人登記手続があるとか、その上で各役所にいろんな手続をしなければいけない、各種手続に要する手間や日数が諸外国に比べて長いためということであります。
 ちなみに、一位になっているニュージーランドは、例えば法人設立に関しては、手続は一件しかなくて、所要日数は半日で済むと。ところが、日本は、手続八つあって、最短でやっても十一・二日掛かるということでありまして、やっぱりこういうところが順位を引き下げている大きなポイント、こういう手続を各国は今競って簡素化しているわけでありまして、こういったところが日本はどうしても従来のまま残っているところが順位を引き下げているんではないかなというふうに思っています。
 今、改善策、何も手を打っていないわけではなくて、例えば、東京都と国が連携をして、国家戦略特区を活用して、我が国初の開業ワンストップセンターを東京に設置をしました。これまで個別の窓口に行く必要があった登記ですとか税務ですとか社会保険などの手続を一か所で済むようにして、事業者に掛かるコストの削減を図っているわけでありまして、この取組の成果を見極めながら、できれば、いい結果が出れば全国に広げるということもやってまいりたいというふうに思います。
 ただ、このビジネス環境ランキングが全部かというと、そうでもなくて、これ、経済環境とか全然入っていないんですね。だから、ニュージーランド一位ですけれども、じゃ、みんなニュージーランドへ本社つくったらいいかというと、決してそうではなくて、やはりマクロ経済とか周辺経済との連結性とかそういったのを各国の企業は投資をするに当たっての判断基準、これが結構大きいと思うんですが、この調査にはそういうところは入っていないわけでありまして、あながちこれが駄目だからもう全然駄目だということではないとは思っていますが、でも、手続は簡単であればあるほど外国企業にとって、外国から投資する方々にとってはハードルが低くなるのは事実でありますから、これからも、例えば、ベンチャー支援策の申請をオンラインでワンストップで受け付けるようなプラットホームですとか、申請様式の共通化や重複入力の排除、一回名前とか住所を入れたらもう二度と入れなくていいとか、そういうこともしっかりと貫徹をしてやってまいりたいというふうに思っています。
○平山佐知子君 様々これだけではないということも分かりますけれども、煩雑な手続などを解消して国内の企業立地が促進されるということはやはり産業の空洞化にも一定の歯止めが掛かると思いますし、政府としても、このビジネス環境の整備に全力をまた尽くしていただきたいというふうに思います。
 次に、中小企業政策について伺ってまいります。
 資料二を御覧いただきたいと思います。第二次安倍内閣以降の中小企業政策関係及び地域産業政策関係の法律を整理させていただきました。記憶に新しい中小企業等経営強化法、それ以外にも小規模基本法など、存在感あるいは効果を発揮していると思われるものもあれば、どれとはあえて申し上げませんが、やや印象が薄いあるいは効果を発揮しているのかどうか疑問があるような法律も幾つか見られるように思います。もちろん、その都度必要な政策対応を講じてきたことは理解できる一方で、やや場当たり的で政策を継ぎはぎしながら対応してきたような印象も否めません。
 先日の委員会で吉川委員も指摘していらっしゃいましたけれども、様々な施策があって分かりづらいというふうに思われるのは、これ、与野党の委員一致しているところではないかと思います。先日、四月三日の決算委員会では、中心市街地活性化政策に対する私の質疑に対して、世耕大臣は、一度棚卸し作業を行って検証し直すことが必要であるという旨の国会答弁をしてくださいました。
 これまでの第二次安倍内閣以降の中小企業関係及び地域産業政策関係の法改正の流れを見てどのような感想をお持ちになるのか改めてお伺いするとともに、中心市街地活性化政策に限らず、こうした中小企業政策や地域産業政策についても一度棚卸し作業の必要があるとは思いませんでしょうか。その辺り、大臣の率直な感想であったり、それを踏まえた今後の中小企業政策及び地域産業政策のあるべき姿に対する大臣の見解についてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(世耕弘成君) 商店街に関する施策と中小企業に対する施策、私、少し見方は違っています。
 商店街に関しては、まさに私が初当選した十九年前からずっと言われていて、いろんな手を打ってきているんだけどまだ状況が全く改善していない、この十九年の間に何度か方向転換はして取組をやっているけど、もう商店街振興、中心市街地振興というのはみんなずっと言っているんですが、なかなか動いていないということで、少しもう一度点検をして、抜本的にやり直す必要があるのかなというふうに私は問題意識を持っているわけであります。
 中小企業政策については、第二次安倍政権が発足をして、アベノミクスの一つの重要なエンジンが中小企業だということで、中小企業を活性化するためにいろんな施策を打ってきています。この僅か四年半ほどの間で幾つもの、今こうやって出していただいている法律を出してきているわけです。これは、この四年半の間に、ある意味PDCAを回しながら、この法律ちょっとうまくいっていないなとなれば、すぐ、できれば早いうちに見直して手を打っていっているということの私は証左なのではないかなというふうに思っています。
 例えば、企業立地促進法を、これをまさに修正をして、今回、地域未来投資促進法を成立をさせていただいた。これなんかも、やはり悪いところがあれば、足りないところがあればすぐ改善をして次の手を打つということをやってきて、そして今、現に中小企業も、大企業ほどではないとはいいながら、いろんなデータでは数字の改善も見えてきているということでありまして、これは引き続き今後ともしっかりとやっていきたいというふうに思っておりますが、ただ一方で、御指摘のように、中小企業の立場から見たら、次々法律が出てきて、それに基づくいろんな施策が出てきてということで、分かりにくい、あるいは余りに法律を頻繁に出しているものですから、新しい政策を全く知らなかったなんというケースも出てくる可能性がありますので、これは、我々のいろんな支援のサイトですとか問合せの窓口ですとか、元々ベーシックなものとして商工会、商工会議所といった各種機能もあるわけでありますから、そういったところでよく周知徹底をしつこく図っていく必要があるというふうに思っています。
 これまでも、例えば中小企業の支援サイト、ミラサポでは、支援策とともに申請のノウハウの紹介など、できる限り我々の施策を使っていただけるように、分かりやすくタイムリーにお届けをするようにやってきたわけでありますが、これからも、中小企業のいろんな相談相手というのは、そういった窓口だけではなくて、税理士の方もいれば中小企業診断士の方もいれば、いろんなところを使いながら、よく周知徹底と申請のお手伝いということをやっていきたいというふうに思っております。
○平山佐知子君 PDCAを回しながら早いうちに手を打つというのは本当に私も大賛成でありますけれども、今おっしゃっていただいたように、しつこいくらいまで周知徹底という形でまた是非進めていただきたいなというふうに思います。
 次に、少し個別の法律に関してお伺いしていきたいと思います。
 第百八十九回国会で成立をした官公需についての中小企業者の受注の確保に関する法律等の一部を改正する法律は、中小企業需要創生法と呼ばれて、これは地域経済の活性化に資することが期待されていたと承知をしております。その中身の一つとして官公需法の見直しがあり、当時の宮沢経済産業大臣は、新規中小企業者との契約は一%程度と推計しておりまして、どういう目標にするのか今後詰めていかなければいけませんけれども、例えば三年程度でそれを倍増するといったような目標を考えていきたいと国会答弁を行っています。
 一%を二%にすると言われますとやや目標が低めなような気もしますけれども、二〇一五年度の新規中小企業者向けの契約は一・六七%と、目標達成に向けて順調に進んでいるようにも見えます。
 これについて、三年で倍増という目標は達成できる見通しであるのか、あわせて、目標達成に向けた課題、さらには、今後例えば二〇二〇年度には三%ないし五%を目指すなど、将来的にはより高い目標を掲げてもよいのではないかというふうにも思うんですが、そうした可能性について、いかがでしょうか、お答えいただきたいと思います。
○政府参考人(宮本聡君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、平成二十七年のいわゆる改正官公需法に基づきまして、国や独立行政法人等の機関と創業十年未満の新規中小企業者との契約の比率について、平成二十六年度の一%から平成二十九年度に向けておおむね倍増の水準とすることを目標といたしまして、法改正後初めて明らかになった平成二十七年度の実績では、実数で約千百九十億円、それから比率では一・六七%となってございます。
 最新の二十八年度の実績につきましては、まさに各機関から収集してこれを現在計測しているところでございます。どうしても、新規中小企業からの調達という性格上、年度によって増減する可能性もあるところでございますので、まずは、この目標達成に向けては二十八年度の実績を見極めていきたいと思っております。
 それから、目標達成に向けた課題としては、先ほどの大臣の答弁にもございましたが、やはり周知、広報、これが重要だと考えております。新規中小企業者の情報を調達する担当者が参照できるウエブサイト、ここから調達という名で呼んでおりますが、ここに平成二十八年度末時点で二千八百三十七社の登録があり、これは、前年度五百十七社から大幅に増加しております。今後は、さらに、逆に新規中小企業者からの調達の事例を関係機関に分かりやすく紹介していく取組を強化していきたいと思っております。
 さらに、将来的な目標につきましても、こうした今後の実績の動向あるいは取組の浸透状況を踏まえまして検討していきたいと思いますが、いずれにしましても、引き続き、新規中小企業者の受注機会の拡大を図ってまいりたいと思っております。
○平山佐知子君 二年目がどうなるのかという注目が集まっていると思いますし、私も着目をしていきたいと思いますし、是非、新規中小企業がビジネスのしやすい環境が整うようにお願いをしたいというふうに思います。
 続いて、私が以前から委員会でも何度か質問させていただいているんですが、中小企業等経営強化法の現状について伺ってまいります。
 中小企業等経営強化法で措置されている固定資産税による投資減税は、二〇一五年末の税制改正大綱で言わば急転直下的に決定されたものではあるものの、経済産業省としては以前から主張してきた悲願であったというふうに聞いております。
 赤字企業による設備投資の状況等については、本年三月九日の本委員会で質問させていただいたところ、宮本長官から、当庁が過去に実施した調査に基づいて推計したところ、固定資産税の軽減措置の対象となっている百六十万円以上の設備投資、機械装置の設備投資を行っている中小企業のうち約一四%が赤字企業で、また、中小企業等経営強化法の実際の運用実績を基に推計したものによれば、固定資産税減税を申請した赤字企業は約一二%である、いずれにしましても、今後とも本法の利用実態とか事業者のその活動状況をしっかりと把握して、更なる効果的な制度の改善に役立てたいとの答弁がございました。
 その後、この利用実態、それから事業者の活動状況を調査、チェックしていく中で新たなデータの蓄積や発見、それから見えてきた何かしらの課題のようなものはあるのかどうか、もしあれば、客観的な数字を基に御答弁を願いたいと思います。また、同減税は、その後サービス業にも使い勝手がよくなるように追加的な制度の見直しが行われていますが、実際にサービス業の利用は増えているのか、あるいは増えていく見通しはあるのでしょうか。これら大きく二点について伺います。
○政府参考人(宮本聡君) お答え申し上げます。
 中小企業等経営強化法の利用実態につきましては、この法律の施行、昨年の七月でございますが、施行後一年をめどに全体的な調査を行う予定でおりますが、委員御指摘の赤字の中小企業設備投資につきましては、先行的に一部地域、近畿地方におきまして分析を実施したところでございます。これによりますと、固定資産税軽減措置を利用した企業のうち赤字企業の割合は約一〇%ということになってございます。
 なお、赤字の中小企業が実際に本法を活用して設備投資を行い、経営力向上に取り組んだ事例としては、例えば、金属加工、金型製作の中小企業が航空機部品に関する大型の受注に応えるため、この固定資産税の軽減措置を利用して、加工の精度が高くて加工時間も三〇%短縮できる、こうした新型の加工機器を導入して地元の雇用を増やした、こうした優良事例も出てきているところでございます。
 また、製造業以外という意味のサービス業の認定割合については、これまでの認定全体では約三割でございますが、最近では約五割程度となってございます。
 御指摘の固定資産税の軽減措置については、今回の制度の拡充部分について、これが本当に浸透して実際に広く御利用いただくにはまだ正直多少時間が掛かるとは考えておりますが、既にこの四月時点で、卸あるいは小売業等で新たな対象設備への投資、この制度の活用が始まっております。
 最後に、本制度の課題とそれへの取組でございますが、まず、更に制度の周知を図るために、支援措置やあるいは事業分野別の指針の普及啓発を徹底するとともに、こうした普及を担う事業分野別経営力向上推進機関、これの認定を更に拡大していきたいと思っておりますし、また、サービス業での利用、これを促進するため、まだその指針が作成されていない業種、特に生産性の低い業種については、関係省庁との連携を一層強化してこの指針策定を加速していきたいと思っておるところでございます。
○平山佐知子君 引き続きお願いいたします。
 そして次に、第百八十五回国会で成立した産業競争力強化法ですけれども、来年の常会で改正が予定されているというふうに伺っております。中小企業者の創業に関する信用保証の限度額を定めた部分は実はこの産業競争力強化法に規定があるのですが、えっ、そうなのとこれは思わなくもなく、また、産業競争力強化法の第六章の中小企業の活力の再生の部分は、先ほどの質問でも政策の棚卸しのことを申し上げましたが、ほかの法律、例えば中小企業等経営強化法に移行するなどの再編も検討すべきだと思います。なぜならば、安倍総理も所信の中で中小企業等経営強化法を中小企業版の競争力強化法とおっしゃっていましたし、当時の林経済産業大臣も同法は中小企業の本業を支援する法律と位置付けていることとも整合的だと思います。
 この産業競争力強化法は、来年度にも予定されている改正で、IoT、それからAIの動きを踏まえた改正が検討されており、次期常会の目玉となると思われますが、そもそも、産業競争力強化法制定当時の茂木経済産業大臣は、過小投資、過剰規制、過当競争の三つを解消する狙いがあるとしていました。
 大臣は同法がこれまで果たしてきた役割についてどのように評価をしているのか、また、それらを踏まえ今後同法にどのような役割、効果を期待しているのかについてもお伺いしたいと思います。
○国務大臣(世耕弘成君) 次期通常国会に目玉にするとかそういうのは全く決まっていませんので、一応見直し規定が五年でということでありますから、それに向けた点検はまず始めなければいけないとは思っております。
 今御指摘の、まず、この法律は過剰規制と過小投資と過当競争、これを是正する、これが日本経済の三つのゆがみだというふうに当時考えておりまして、この三つをやらせていただきました。それぞれ効果は出ているというふうに思っています。
 まず、過剰規制に関してですけれども、例えば企業単位で規制の特例措置を講ずる制度ですとか、あるいは企業が新しい事業を行う際にその事業が適法かどうかを確認できる、いわゆるグレーゾーン解消制度というやつ、これを活用して、例えば電動アシスト自転車、これってパワーに物すごい制限が掛かっているんですが、これを三倍まで特例を認めて、その結果、リヤカー付き電動アシスト自転車というのを作って、それを物流事業で活用する、こうすることによって例えば女性や高齢者も事業に参画することができるというような、こういう効果も出てきております。
 あるいは過小投資に関しては、生産性向上設備投資促進税制を促進をして、もう既に百四十万件の利用実績があります。結果として、六十七兆円ぐらいまで落ち込んでいた日本の年間設備投資額を七十兆円まで回復するという政府の目標をもう既に達成をしております。
 また、過当競争対策としては、やはり事業再編計画に関する計画の認可が四十二件も行われていまして、中には、JXと東燃のような石油精製業による大企業間での再編から、あるいは中小が中心になりますが、鉄鋼卸業における中小企業グループ間での再編など、大企業から中小企業で活用をされているということで一定の成果は上がっているというふうに思っていますが、いずれにしても、見直し規定がありますので、よく中身を点検して、必要であれば必要な措置を講じていきたいというふうに思います。
○平山佐知子君 ありがとうございます。
 だんだん時間も迫ってまいりましたが、今日はそのほかにも、国内に世界に誇れる技術を持った中小企業がたくさん存在していても、やっぱりいろんな中小企業の経営者の方にお話を伺いますと必ず出てくるのが、人手不足の問題であったり、深刻なやはり問題の一つに事業承継問題などがあります。
 また、これは改めての機会で質問させていただきたいと思いますけれども、中小企業憲章でうたわれているとおり、中小企業は、経済を牽引する力であり、社会の主役であるということであり、それら中小企業に中堅企業も加えたこの民の力で地域経済を元気にしてくれることを私も願っております。そのためにも、それを支える政府の施策は、使う側にとって分かりやすくて使いやすくて、また、できるだけ効果が上がるものでなければいけないというふうに思っております。
 日本経済、そして日本の各地域が元気を取り戻して、また、将来不安が減り、安心して生活できる社会となることを心から私も祈念しております。また改めて様々な形で質問をさせていただきたいと思います。
 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
○石上俊雄君 おはようございます。民進党・新緑風会の石上俊雄でございます。
 今日は一般ということでございまして、大きく三つに分けて質問させていただきたいと思います。
 その前に、商工中金の不正融資については、五月の二十四日に金融庁の立入りということでございますので、その結果が出たところでまた改めてお聞きしてまいりたいというふうに思いますので、早速その三つの視点における質問に入らせていただきます。
 まず一つ目は、資料一の一に示させていただいていますが、新産業構造ビジョンということについてであります。
 せんだって、今月の五月十八日に骨子が示されて、昨日、本文が提示をされているわけであります。まず、この新産業構造ビジョンにつきましてのその狙い、さらには柱立て、そして課題に対するアプローチなど、どのようになっているかをまずお聞きしたいのと、いろいろ報道によりますと、このことに伴って法の改正を進めるというような内容も出てきているわけでありますので、その辺についての進展について、経産省、教えていただけますでしょうか。
○政府参考人(田中茂明君) 経済産業省では、昨日五月二十九日に開催されました産業構造審議会の新産業構造部会におきまして、新産業構造ビジョンの取りまとめ案を示したところでございます。このビジョンでは、ビッグデータ、人工知能、IoTに代表される第四次産業革命の技術革新によってあらゆる構造的課題にチャレンジし、解決していく、そして、それを経済成長にもつなげ、一人一人にとってより豊かな社会を実現する、そのための具体的な戦略と課題を示しているところでございます。
 日本は、人口減少や超高齢化社会という、グローバルに見て先進的かつ重要な課題に直面している課題先進国でございます。我が国が世界に先駆けていち早くこの課題を解決し、ピンチをチャンスに変えていくことが重要だと考えてございます。そのための我が国の産業の目指すべき姿として、多様な人、組織、機械、技術などがつながって新たな価値を創出していくコネクテッドインダストリーズという考え方を示してございます。
 こうした問題意識の下で、新産業構造ビジョンでは、改めて日本の強み、弱みを見詰め直し、具体的な戦略分野として、移動、サプライチェーン、健康、暮らしの四つを掲げまして、日本の勝ち筋を実現するための中長期的な将来像と戦略を描き、それを具体化していくための目標逆算ロードマップを定め、具体的な制度改革を見据えた突破口プロジェクトを取りまとめたところでございます。その上で、横断的な課題として、ルールの高度化、人材育成・活用、イノベーション、経済の新陳代謝等について具体的な施策の案を示させていただいております。
 今後、第四次産業革命の波に乗りまして、日本が強みを生かして、コネクテッドインダストリーズの考え方によって世界の先頭に立って産業を引っ張っていけるよう、このビジョンの実現を図ってまいりたいと考えております。
 産業競争力強化法、不正競争防止法、特許法、工業標準化法などの関連法制について、具体的な政策の在り方をしっかりと検討しつつ、我が国の経済産業の競争力強化に引き続き取り組んでまいりたいと考えてございます。
○石上俊雄君 ありがとうございました。
 日本の産業を元気にしていくということについては、しっかりと我々も協力してまいりますので、よろしくお願いします。
 その中で、資料の一の二にも付けましたが、先ほどちょっと説明でも出てきましたが、戦略の分野ですね。一から四まで書いてありますが、その中の三です。
 見ていただきたいんですけれども、ここは健康維持と生涯活躍ということで書いてあるわけでありますけれども、そこで、このことに対して、進めることに対しては全然問題ないと思っています。確かに、医療データについても、ほかのところの法の改正で、レセプトデータ等は個人が特定できないように加工すればみんなで使えるようにするというようなことも進められています。
 そういったことで、要は、医療に対しての進展とかが図られてくるということはすばらしいことだと思うんですが、一方で、これは我々の仲間からもいろいろ話が上がってくるんですけれども、この平成三十年というのが診療報酬と介護報酬を改定する年になっているんです。二年に一度診療報酬というのは改定されて、要は、それに伴ってレセプトコンピューターの中のデータというか仕組みを入れ替えないといけないんですね。これが相当大変な作業ということで、これがやられる年は、その年度末辺りは、もう徹夜徹夜の残業オンパレードということで大変だという訴えを聞くわけであります。
 要は、進める方向はいいんですが、じゃ、それに携わる人たちが長時間労働になっていいのかということを考えると、いいわけがありませんので、その辺について、いろいろ十年ぐらい前から申入れをさせていただいていて、不明瞭なところはうまく明確にするように進められたり、できる限りデータとしてインプットできるようにしたり、そういう改善はされているようでありますけれども、さらにやはり根本的に、それを改定するのに徹夜徹夜の長時間労働というのは、これはいかがなものかなというふうに思いますので、そこら辺について、厚生労働省は長時間労働をなくしていくんだと言っているわけですから、改定の作業内容を見直すことについて何かお考え等があるかどうか、お聞かせいただければと思います。
○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。
 診療報酬改定に伴うレセプトコンピューターの改修作業に関しまして、御指摘のような要望があることは承知いたしております。
 診療報酬改定に関しましては、先生御指摘のとおり、まずスケジュールといたしまして、年末の予算編成過程を通じて決定された改定率に基づきまして、中医協において個別の診療項目に関する点数設定、算定条件等について審議を行っております。また、保険医療機関の経営等を考慮いたしましても、施行時期を会計年度に合わせる方が合理的であると考えております。
 このような事情から、まずスケジュールに関しましては、三月上旬に改定内容に係る告示や通知を発出いたしまして、四月一日から施行するという現在のスケジュールを変更することにつきましては難しい面があることは御理解いただきたいと考えております。
 一方で、改定内容を分かりやすく示す観点やシステム構築に適した算定方法とすることは重要であるというふうに考えておりまして、これまでも、今日の資料にもございますけれども、平成二十二年度以降につきましては、告示と同日に社会保険診療報酬支払基金のホームページで電子点数表を公表するなどの取組を行ってきております。さらに、今般、社会保険診療報酬支払基金の改革を行うことを考えておりますけれども、その一環といたしまして、診療報酬に係る告示、通知の解釈の更なる明確化に取り組むことといたしております。
 このような取組を通じまして、今後とも、現場の医療機関、システム事業者等の負担軽減となるよう努力してまいりたいというふうに考えております。
○石上俊雄君 是非お願いします。
 ちょっとやりやすくしても目先の対応で、根本的に長時間で働くというのが改善されないようなので、何とか皆さんの英知を結集して改善を進めていただければと思いますので、よろしくお願いします。
 それでは、続きまして、この資料の一の一に、先ほど来出ておりますけれども、コネクテッドインダストリーズというやつ、これは、要はCeBIT、この三月に行われました、ドイツのハノーバーで開催されたところに日本の我が国の産業が目指す姿を表すコンセプトとして発表されたものだというふうに聞いております。
 こういうコンセプトを新しく立ち上げるというのはすばらしいことだというふうに思うんですが、一方で、何か似たような名前があったなと。第四次産業革命であるとか、ここに書いてあるソサエティー五・〇とか、これは経団連の方が言っているわけでありますが、そのほかにも、CPS、サイバー・フィジカル・システムとかIVI、インダストリアル・バリューチェーン・イニシアチブとか、何か中身はちょっとずつ違うんですが、どれが何なのというふうに思うのは皆さんも同じじゃないでしょうか。
 なので、やはり海外を見ると、ドイツはインダストリー四・〇で、これ、すごく、ああ、そうかと思うじゃないですか。あと中国も、中国製造二〇二五とかといって一本化されているんですね。やっぱり日本も、これから考えると、どれか一本に絞ってやっていかないといけないんじゃないかな、もうそういう時期でしょうというふうに思うんです。
 そこで大臣にお聞きしたいんですが、我が国がどの旗印の下でしっかりと勝負を懸けていくのかということ、さらに、先ほども言ったように広報とかイメージですね、戦略上どこを絞ってやっていくのか。
 話に聞きますと、このコネクテッドインダストリーズというのは大臣が命名されたというふうにお聞きしておりますので、その辺の思いとかお考えを、大臣、教えていただけますでしょうか。
○国務大臣(世耕弘成君) 久しぶりに、よくぞ聞いてくれましたという質問をありがとうございます。
 今言っていただいた中で、第四次産業革命とかAIとかIoTとか、あとCPSとか、これはいわゆる一般的な名称だというふうに思っています。ただ、昔から、こういうアルファベット三文字が出てきたときは要注意で、これはIT企業のセールストークに使われて、何かアルファベット三文字だと立派そうに見えてごまかされるから気を付けろなんということは言われていましたけれども、一般に普及している言葉だというふうに思っています。
 この中で、資料一の中で言われている中では、インダストリー四・〇、これがまさにドイツの、メルケル首相が掲げるドイツのIoT時代におけるドイツの物づくりをどうしていくか、物づくりとITをどう融合させていくかという基本戦略だというふうに思っています。
 これ、CeBITは、安倍・メルケルの信頼関係において日本がパートナー国として参加をしました。ただ、参加するに当たって、ただイベントとして参加をしただけでは単なる日本が盛り上げ役で終わってしまう、あるいは場合によっては、ドイツの構想であるインダストリー四・〇の中に組み込まれてしまうんじゃないかと。そういう中で、日本の強み、弱みをよく分析をして、日本としてどういうコンセプトを打ち出していったらいいだろうかというのを考えたのがこのコネクテッドインダストリーズという発想なんです。
 ドイツは、このインダストリー四・〇というのはどういう考え方に立っているかというと、ドイツは、実はIT企業がもう完全に寡占化をしています。製造工程を管理するソフトウエアはシーメンスが全部提供しています。そして、企業間をつなぐ縦のソフトウエアについては、これはSAPという会社がほぼ独占をしていて、もう競争がない状況なんですね。そこに物づくりのいわゆるマイスター制度でできてきている中小企業、零細企業がもうその枠の中に入ってくださいよというのが実はドイツのインダストリー四・〇の本質だというふうに思っています。
 じゃ、日本はどうかというと、はっきり言ってばらばらです。各企業が個別最適で物すごくいいものをつくっているんですが、製造工程とか企業間のつながりというのは非常に弱いんです。だけど、一方で強みは何かというのを考えたときに、まず、現場で作業に当たっている人材が極めて世界で突出して優秀であるということ、そして、製造の機械化、製造工程の機械化というのもどんどんどんどん進んでいて、デジタルデータも工場の中には結構蓄積をしているということ、そして、ドイツでこれからロボットに置き換えていきますなんと言ったら、あそこは非常に失業率高いわけです、ヨーロッパもみんな高い、そういう中でロボット化ってなかなかできないけれども、日本は、世界で唯一堂々とこれから仕事をロボットへ置き換えていきますということが言える国だという強みもある。
 そういう中で、ビッグデータ、製造現場にあるデータ、製造現場だけじゃないかもしれませんが、そういったデータを媒介にして、機械と機械、人と機械、あるいは企業を超えてつなげていく、あるいは業界を超えてつなげていくことによって日本の物づくりのIT化を進めて、強みを発揮することができるんじゃないかと。
 名前はなかなかいいのが出てこなかったんですが、何回もブレーンストーミングしている中で、確かに、今おっしゃるように私が思い付きまして、コネクテッドインダストリーズがいいじゃないかと。このことは経団連企業にも、そしてベンチャー企業にも、きらりと輝く中堅企業にもいろいろと今説明をしていまして、皆さん、すごくいい、これで物すごく自分たちの考え方も整理できるし、その考え方に沿って戦略も立てやすいという評価をいただいていますが、これからしっかり肉付けをしていきたいと思っています。
 ソサエティー五・〇とこのインダストリー四・〇の関係性は明確です。ソサエティー五・〇というのは、これは経団連が提唱されていますが、最終的な社会の姿だと思っています。その中で産業がどうなっていくのかという方向性を示しているのがインダストリー四・〇だというふうに思っていまして、その辺は分かりやすく説明できると思いますが、いずれにしても、これからどんどん肉付けをして、キックオフをして情報発信をして、コネクテッドインダストリーズが日本の産業政策の中核なんだ、ドイツのインダストリー四・〇に相当する、あるいは対抗していく一つの基軸なんだということを明確に示していきたいと思っています。
○石上俊雄君 ありがとうございました。
 このポイントだけやっていると時間が終わってしまいそうなので、大臣、ちょっとあれかもしれませんが、これで終わっちゃいます。済みません。是非よろしくお願いします。
 次のテーマに入りますが、コーポレートガバナンスの在り方ということで、これもせんだって、資料の三の一に示させていただきましたけれども、経産省から、今年の三月にコーポレートガバナンス改革に関する報告書、CGS研究会報告書が取りまとめられて出されました。それによりますと、その中に、「社長・CEO経験者を相談役・顧問として会社に置く場合には、自主的に、社長・CEO経験者で相談役・顧問に就任している者の人数、役割、処遇等について外部に情報発信することは意義がある。産業界がこうした取組を積極的に行うことが期待される。」と明記されているわけでございます。
 こういう内容に対して、出されましたので、こういう内容を必要とする企業の現状や社会の背景、そして今後の具体策、また、そのほかこの報告書のポイント等について、大臣、教えていただけますでしょうか。
○国務大臣(世耕弘成君) これは、社長経験者が相談役や顧問として残るという、これ日本企業特有の慣行だというふうに思っていますが、経産省が行ったアンケートでは、全体の七八%の企業で相談役、顧問の制度というのが存在をしている、そして、その役割として最も多かった回答が現経営陣への指示、指導というふうになっておりまして、これを挙げた企業が回答企業の中の三六%ということになっています。
 社長経験者である相談役、顧問については、現役の経営陣への不当な影響力の行使とかプレッシャーが生じているのではないかという指摘ですとか、あるいはこういう人がいると前の社長のやり方を否定しづらくなりますですよね、隣の部屋にいるかと思うと。そうやって相談役のことをおもんぱかってなかなか事業のポートフォリオを大胆に見直しにくいとか、そういったことを発生させているのではないかということでありまして、この経産省の研究会がまとめた報告書では、こうした指摘も踏まえて、相談役の役割や処遇を外部にまずは情報発信することが重要ではないかということを指摘をさせていただいています。
 取締役であれば、当然、法的な責任その他もあるし、報酬も一定程度、個別にはオープンにはなりませんが、大体どれぐらいかなというのは推測が付くわけであります。賞与もはっきりと出てくるわけでありますが、相談役、顧問となると、法的責任も極めて曖昧になってまいりますし、報酬どれぐらい全体でもらっているのかというのも明らかではないわけでありますから、そういうところをまず明らかにするところから始めたらどうかというふうに思います。
 私は、一概に駄目だとは言えませんよ、一概には駄目だとは言えません。非常に立派な役割を果たしておられる相談役もいらっしゃる、あるいは社外へ出て、例えば経済団体の役員をしながらやっぱり会社に軸足を、実業に軸足を置きながらという意味で顧問とか相談役という立場になっておられる方もいらっしゃいますから、一概に駄目だとは言えないと思いますが、何となくサラリーマン社会の延長で、年功序列的に社長、会長が終わったら取締役相談役やって、その後相談役やってというのはいかがなものかと。
 私は、それこそ社外取締役がちゃんと機能していて、指名委員会がちゃんと機能していて、その指名委員会が、今度は思い切り社長が若返った分、対外的交渉にはそれなりに重みが必要だから取締役相談役は置きましょうとか、そういうことをちゃんと決めてくれていれば私は何も口を挟む必要はないと思うんですけれども、なかなかそういう状況にはまだ日本のコーポレートガバナンスは至っていないところがあると思いますから、そこまでの過渡的な話として、少なくとも情報開示ということで対応していく必要があるんじゃないかと思っています。
○石上俊雄君 そういう中で、企業が、いろいろ経営者として、経営の中でちょっと課題になっている、最近よくのれんというのが話題になっているというふうに思いますけれども、昨今、企業の合併とかMアンドAというのは趨勢でありまして、日本の中でも、大手企業もいろいろそういったところで対応してきているわけであります。
 しかし、こののれんに対しての処理の仕方というのは、その企業が採用する会計の基準、これによってやり方が変わっているというふうにお聞きします。そういった面で、のれんの処理がそれぞれ各々どのような考え方で、長所、短所がどこにあるのか、さらに、日本としてどうあるべきなのか、あと企業会計審議会の議論の方向性や各国の動向などについて、この辺、金融庁、教えていただけますでしょうか。
○政府参考人(古澤知之君) お答え申し上げます。
 企業がMアンドAを行う際、相手方に支払った金額が取得した企業の時価を超える場合、この差額をのれんとして資産計上するわけでございますけれども、御指摘のとおり、のれんの会計処理につきましては、日本基準におきましては、二十年以内で定期的な償却を行うとともに、のれんの価値が毀損している場合にはその価値を減損する、定期償却プラス減損という枠組みになっているところでございます。
 他方、国際会計基準、IFRSや米国基準におきましては、定期的な償却というものを行わず、のれんの価値が毀損している場合には減損処理という、減損処理のみで対応するという枠組みになっているところでございます。
 日本の会計基準につきましては、これは民間機関でございます企業会計基準委員会、ASBJが作成しているわけでございます。ASBJにおきます議論におきましては、のれんについては、定期的に償却を行った上で減損を行うというこの日本のやり方が健全な会計処理の確保に資するということで整理をしてございまして、IFRSにおいても、定期的な償却を導入してはどうだということで意見発信を行っているわけでございます。
 さらに、経団連が会員企業に行っておりますアンケートにおきましても、のれんの償却につきましては、MアンドAの後の業績把握のためには是非必要じゃないかという意見、それから企業の経営に規律を与えるのではないかという指摘もあるところでございます。
 他方、国際的な議論を拝見いたしますと、のれんにはいろんな種類がございまして、その定期償却になじまない減価しないものも入っているんじゃないかという議論がありましたり、それから、減価するとしても、その償却期間、先生ございましたように、二十年以内とされているわけでございますが、そういう償却期間をうまく見込めるのかといった議論も一方であるというふうに承っております。
 いずれにいたしましても、関係者の間でしっかりとした議論が行われるということを期待しているところでございます。
○石上俊雄君 ありがとうございました。
 続いて、先ほども申し上げましたが、MアンドAとか、さらには外資が日本の企業の中に入ってくるというケースもあるわけであります。そういったときに、そこで働いている人たちが、じゃ、どうやって労働組合として賃金交渉をしていくのかというと、その相手方に日本のこの労働、働くということに対して知ってもらうためのツールがないというんですね。これを、やっぱりそういうときに政府として何か支援をしていく体制をしっかり整えていかないといけないのではないかということを思っているわけです。
 その辺について、ちょっと短めで構わないですが、ちょっと教えていただけますでしょうか。
○政府参考人(土屋喜久君) お答え申し上げます。
 今御指摘のありました点につきましては、グローバル企業などが日本の雇用ルールを理解をして、紛争の未然防止を図りながら事業展開ができるというようにするために雇用指針というものを策定をしておりまして、具体的には、この中で労働契約に関する裁判例を分かりやすく整理をするとともに、グローバル企業などにおいて特に紛争が生じやすい項目につきまして、紛争を未然に防止するための具体的な助言を記載をしているところでございます。
 こういう指針につきましては英訳版も作成の上周知を行っているところでございまして、今後とも、こういった対応を行うことによりまして労働関係の紛争の未然防止に取り組んでまいりたいと考えております。
○石上俊雄君 いろいろ現場は苦労があるようなので、是非お力添えをいただければと思います。
 それでは、三つ目のテーマに入りますが、我が国の半導体産業の国際競争力におけるイコールフッティングという観点で質問をします。
 半導体の、皆さんもルネサスエレクトロニクスというのをお聞きになられているというふうに思うんですが、このルネサスさんは、経営再建で産業革新機構が入られていろいろ対応されてきました。しかし、改革というのはすごく大変で、険しい道のりだったんですけれども、しかし、そういう険しい道のりを乗り越えて、二〇一五年三月期には設立以来初めての黒字、それで、翌年には三千五百億円でアナログ半導体大手インターシルを買収するとか、今回、株式売却を発表するというところにこぎ着けてきたわけであります。いろいろつらいこともあったわけでありますが、ここまで来た。
 このルネサス再建を通して得た我が国の半導体産業の課題や問題点、そして目指すべき方向性について大臣はどういうふうに整理をされているのか。さらには、二〇一二年十二月の支援決定からの厳しい構造改革を働く者の目線、要は、働いている、雇用する人も会社を去って行った人も多くおられるわけでありまして、そのことに対してどういうふうな教訓を得て、どういうふうなところを反省するべきなのかなといったところが、大臣としてお考えがありましたらよろしくお願いします。
○国務大臣(世耕弘成君) これはもう石上委員御専門の分野ですけれども、本当に半導体というのは、今はもう私も少し半導体事業に向き合って仕事をしていますけれども、多額の投資が必要で、多額の投資をしてもそれでうまくいくとは限らないという、本当に経営が難しい分野だなということを改めて思っていますし、残念ながら、今、世界の半導体トップテンには日本企業がもう一社しか残っていないという厳しい状況にあるということも認識をしているわけであります。
 そういう中で、今御指摘のルネサスエレクトロニクス、これは、ルネサステクノロジとNECの子会社が統合して二〇一〇年に設立をされたマイコンを中心とする半導体製造事業者であります。
 この会社は、設立当初から、売上高に比べてやっぱり従業員の数が多い、そして生産拠点が各地に分散している、こういうことがもうはっきりとしておりました。そういう中で、最初はこの会社自らが整理統合などを、リストラなどを進めようとしていたやさきに東日本大震災が起こったり、あるいはタイの洪水が原因で業績が急激に悪化するというような状況になりました。
 そういう中で、会社が発表した希望退職の募集ですとか生産拠点の一部譲渡ですとか閉鎖、こういった厳しい構造改革を前提として、こういう改革はやるんだけど、それを条件として財務基盤の確立と成長投資のお金のために必要だということで、この会社の求めに応じて、産革機構とユーザー企業八社が出資を実施をしたわけであります。
 その後、やはりこの会社は非常に技術には定評がありますので、そういった技術、高い信頼性などを生かしながら業績を回復をして、そして最近では、不足する経営資源を、先ほど御指摘のあったようにMアンドAを通じて買収して獲得するなど、今後の成長に向けた新たな動きも出てきているわけであります。
 このことから学ぶ教訓は、やはり早め早めに手を打つことだというふうに思います。
 ここも、やはり少しスタートがちょっとちゅうちょした。特に、半導体の世界はもう本当に生き馬の目を抜く世界でありますから、早め早めに手を打っていればここまで厳しい状況に追い込まれないで成長戦略をもっと描けたんではないかという意味で、先手を打った構造改革ということが非常に重要だと思いますし、あと、働く方の立場で見れば、できればこういうリストラを行わずに済むような経営はやらなければいけませんし、どうしてもリストラを行わなければいけない場合は、やはり早い段階から従業員や地域に対する丁寧な説明をするとか、従業員の配置転換ですとか再就職支援といったことも企業の責任として手厚く行っていかなければいけないと考えております。
○石上俊雄君 ありがとうございました。
 そんな中で、産業を元気にするという観点で、三年前、産業競争力強化法の中で企業実証特例制度というのができまして、その一号として、半導体のガスのボンベの検査方法を要は改正していこうと。水を入れて検査するんじゃなくて、超音波等で検査をする、そしてこの方法で、要は規制を変えて、法令とか告示改正とかを今行おうというところまで来ました。しかし、聞くところによると、小さいボンベ、中くらいのボンベができたんだけれども、大きなボンベは、そこが一番メリットがあるんですが、何かできなかったというんですね、いろいろあって。
 是非そのことについて現状を教えていただきたいのと、やはりこの先イコールフッティングをやっていくには、海外は全部超音波とかでやっているわけなんで、できれば、これしっかりと支援をいただいて前に進めるようにお力添えをいただきたいと思うんですけれども、その辺について、経産省、答弁をいただけますでしょうか。
○政府参考人(住田孝之君) 御指摘の企業実証特例制度でございますけれども、これは、新しい事業を行おうとする事業者の方からの提案に基づいて規制の特例措置を認めようというものでございます。
 御指摘の点につきましては、このボンベの件につきましては、半導体の製造に用いられるガス容器について、水圧検査に代わる方法ということで、平成二十六年の五月から二十九年三月末までの三年間にわたって実証をしてまいりました。
 御指摘のとおり、中小の、中小型の容器につきましては、今の超音波の方法で傷を確認するということで十分な必要なデータが得られましたので、今年度中に告示を改正をして、容器の検査方法の一般化を行うという予定にしてございます。
 一方、大型容器の方でございますけれども、こちらの方は、音波で探査をする、アコースティックエミッションというような方式でございますけれども、こちらでやっているわけでございますが、事業者からの要望が若干海外で行われているのと違うところがございまして、十数本の容器をまとめてバンドで束ねたまま行う、こういう検査方法をしてほしいということで検討を進めてきたわけでございますけれども、実は、このバンドの影響で微弱な音波が出るものですから、これとの関係で安全性を必ずしも確認できないという可能性が専門家から指摘をされたところでございます。
 このため、今年度におきましては、こうした専門家の指摘を踏まえた代替策がないだろうかということについて、事業者も含めて検討していきたいというふうに考えているところでございます。
○石上俊雄君 ありがとうございました。
 このほかにも質問がありましたが、今、半導体業界、イコールフッティングを達成するためにいろいろ頑張っておりますので、電気料金もFITが上乗せされて大変苦労しているという話もあります。この辺はまた別の機会に質問させていただくことを申し上げまして、終わりにしたいと思います。
 本日はありがとうございました。
○辰巳孝太郎君 日本共産党の辰巳孝太郎でございます。
 今日は、いわゆるスナックに対する警察の取締り強化の問題を取り上げたいと思います。
   〔委員長退席、理事石上俊雄君着席〕
 スナック営業はいわゆる社交飲食業の一つであり、広義の飲食業、サービス産業に含まれるものであります。ママに話を聞いてもらいたいといって通うサラリーマンや、あとはカラオケに興じたいということで、ストレス発散の場でもありまして、都会のオアシスとも言われているところでございます。
 まず、大臣にお聞きしたいんですけれども、大臣はスナックお好きですか。
○国務大臣(世耕弘成君) ゆうべこの質問通告を見たときは、何か変な写真でも撮られたんだろうかと一瞬どきっとしましたけれども、スナックは好きです。今でも時々、元々、私、サラリーマンをやっていたときに、会社が新橋の近くでしたから、よく上司に連れられて行ったりもしておりました。
○辰巳孝太郎君 恐らく、政治家の皆さんはスナックによく行っていろいろな話をされることもあるかと思うんですけれども、改めて、このスナックなんですが、この広義のサービス産業がGDPに占める割合、全雇用者数に占める割合、これをまずお聞きしたいと思います。
○政府参考人(竹内芳明君) お答えいたします。
 我が国のGDPに占めるサービス産業の割合は、内閣府平成二十七年度国民経済計算によれば約七二%を占めており、雇用については、総務省平成二十六年度経済センサス基礎調査によると約七八%を占めております。
○辰巳孝太郎君 非常に大きな位置付けなんですね。
 安倍政権も、日本再興戦略二〇一六においてサービス産業の生産性向上を掲げております。総理は、二〇一五年の三月二日、日本生産性本部主催、生産性運動六十周年記念パーティーにおきましても、我が国の経済が持続的に成長を続けていくために必要な残るピースは何か、それはサービス産業です、サービス産業は地域雇用の過半を支えており、地方創生の鍵も握っておりますと、こうスピーチをされております。
 総務省にお伺いしますが、このスナックを含む社交飲食業の事業者数と従業者数はどのようになっていますでしょうか。
○政府参考人(千野雅人君) お答えいたします。
 統計では、日本標準産業分類を産業区分として用いておりますが、この区分におきます酒場、ビヤホール及びバー、キャバレー、ナイトクラブの事業所につきまして、平成二十六年経済センサス基礎調査の結果から見ますと、これらの事業所数は二十三万三千百一事業所、従業者数は百六万六千百六十五人となっております。
○辰巳孝太郎君 続けて、業務形態はどのようなものになっていますかね。
○政府参考人(千野雅人君) お答えいたします。
   〔理事石上俊雄君退席、委員長着席〕
 酒場、ビヤホール及びバー、キャバレー、ナイトクラブの事業所につきまして、まず、個人、法人などの経営組織別に見ますと、個人経営の事業所が全体の八〇・九%となっております。また、これらを従業者規模別に見ますと、従業者数が一人から四人の事業所が全体の七一・四%となっております。
○辰巳孝太郎君 圧倒的に個人経営、小さい事業所ということだと思いますね。
 厚労省に確認しますが、このサービス産業のうちの一つである社交飲食業についての振興の目標というのを持っておられますよね。直面する課題と地域社会から期待される役割として、告示にはどのように規定されていますでしょうか。
○政府参考人(橋本泰宏君) お答えいたします。
 御指摘の社交飲食業につきましては、生活衛生関係営業の運営の適正化及び振興に関する法律第五十六条の二第一項に基づきまして、業界振興の指針というものを厚生労働大臣告示として示しております。
 この振興指針におきましては、社交飲食業を含む飲食店の営業者の直面する課題、それから地域社会から期待される役割といたしまして、飲食店営業及び喫茶店営業の営業者は、国民生活に欠かせない位置を占めており、食生活の充実や交友、団らん等の場として大いに貢献するとともに、人的サービスの比重が高い産業として、生活者の日常生活に溶け込んで発展してきた、こうした重要な役割を引き続き担えるよう、衛生課題に適切に対応しつつ、各々の営業者の経営戦略に基づき、事業の安定と発展を図ることが求められる、このように定めているところでございます。
○辰巳孝太郎君 ですから、地域経済にとっても地域にとっても非常に重要な位置を占めているというのがこの社交飲食業でありまして、その一つがスナックであるということだということが確認されたと思います。
 今日の資料にも付けておりますけれども、このスナックが再注目をされているということで、若い人も行けるような業態にしてスナックが見直されていると、こういう記事でありますけれども、お昼間にカラオケスナックとして営業する店も最近ではあるというふうにも聞いております。
 さて、このスナックが今直面している具体的な問題があるわけなんですが、まずその前に、風営法におけるスナックの位置付けというのを確認したいと思います。
 風営法は、第一条の「目的」において、「善良の風俗と清浄な風俗環境を保持し、及び少年の健全な育成に障害を及ぼす行為を防止するため、」とあります。
 この風営法には、許可、届出の対象となる営業が規定をされております。風俗営業には一号営業から五号営業まであり、そのうち一号から三号までが接待飲食等営業とされております。この風俗営業にはどのようなものが含まれるのかということを簡潔にお示しいただけますか。
○政府参考人(小田部耕治君) 風俗営業は、風営適正化法第二条第一項各号のいずれかに該当する営業をいいまして、まず、第一号につきましては、キャバレー、待合、料理店、カフェーその他設備を設けて客の接待をして客に遊興又は飲食をさせる営業、第二号におきまして、喫茶店、バーその他設備を設けて客に飲食をさせる営業で、国家公安委員会規則で定めるところにより計った営業所内の照度を十ルクス以下として営むもの等の接待飲食等営業や、マージャン屋、パチンコ屋その他設備を設けて客に射幸心をそそるおそれのある遊技をさせる営業等があるところでございます。
○辰巳孝太郎君 今日は、資料にも付けましたけれども、一号営業、キャバレー、料理店、カフェー、これも風俗営業というカテゴリーになるわけなんですね。いわゆるダンスをさせるということで、二〇一五年、このダンス規制というのが改正をされまして、新たに特定遊興飲食店営業というのが二〇一五年法改正によって加わりました。深夜酒類提供飲食店営業というのは、その名のとおり、深夜にもお酒を提供できるということであります。それ以外にも、性風俗関連特殊営業というのが五類型ある、これは届出制となっていると。ここの資料にも付けましたとおり、いわゆる接待ができるのはこの一号営業しかありません。この接待の定義が今日は議論したいというふうに思っているんですね。
 改めて確認しますけれども、この接待飲食等営業がありますが、これはいわゆる、今説明もありましたとおり、性に関わる部分に重きを置いて規定されているという認識でよろしいんでしょうか。
○政府参考人(小田部耕治君) 風営適正化法は、客の接待をして客に遊興又は飲食をさせる営業等につきまして、接待飲食等営業として所要の規制を設けているところでございます。
 接待飲食等営業は、適正に営まれれば国民に健全な娯楽を提供するものとなり得る一方で、営業の行われ方いかんによっては、従業員を客の売春の相手方として引き合わせる事案や従業員に性的なサービスをさせる事案が行われたり、騒音が店舗から外に漏れたり、歓楽的、享楽的雰囲気が少年の健全育成に悪影響を及ぼしたりするなど、善良の風俗と正常な風俗環境を害し、又は少年の健全な育成に障害を及ぼすおそれがあることから必要な規制が行われているものであると承知しております。
○辰巳孝太郎君 ですから、法の十二条において営業所の構造及び設備を維持すべき義務を負わせて、十三条では深夜における営業禁止、十四条では照度の規制、十五条では騒音及び振動の規制、十六条では広告及び宣伝の規制などが設けられているわけなんですが、いわゆるダンス規制の見直しにおいては、元々はこれ風俗営業というカテゴリーにダンスがあったわけなんですが、ダンスをさせて飲食をさせる営業というのは、これは実質的な意味においてはわいせつな行為の発生や性に関わる風俗秩序の乱れにつながることはないということで、これ風俗営業の適用対象から除外をされたと、こういうことだったと思います。
 さて、このスナックなんですが、昨年、北海道のススキノのスナックで経営者が相次いで逮捕されて、業界に激震が走っております。一号営業を取っていなかった無許可営業ということなんですね。これ罰金百万円です。しかし、接待といっても、これ女性がお客さんの隣に座ってお話をしたと、こういうことなんですね。
 この接待というのは、風営法第二条三項において、歓楽的雰囲気を醸し出す方法により客をもてなすことと、こういう話になっておりますが、これ、歓楽的雰囲気とは一体何なのかと、これをちょっと確認したいと思います。
○政府参考人(小田部耕治君) 接待につきましては、風営適正化法におきまして、歓楽的雰囲気を醸し出す方法により客をもてなすことをいうと定義されているところでございます。
 この意味は、営業者、従業者等との会話やサービスなど、慰安や歓楽を期待して来店する客の気持ちに応えるため、営業者側の積極的な行為として、相手を特定して、継続的な談笑、お酌、ゲームの実施、身体の密着等の興趣を添える会話やサービス等を行うことと解されているところでございます。
○辰巳孝太郎君 具体的なその接待の判断基準というのが解釈運用基準というもので定められておりますが、今日は資料の最後の二ページ目に付けさせていただいております。この接待の判断基準として示されている、一、談笑・お酌にはどのように記されていますでしょうか、紹介してください。
○政府参考人(小田部耕治君) 接待に当たると考えられます談笑、お酌等とは、特定少数の客の近くにはべり、継続して談笑の相手方となったり酒等の飲食物を提供したりする行為をいうと解されているところでございます。
○辰巳孝太郎君 これ、続けて私読みますね。
 これに対して、お酌をしたり水割りを作るが速やかにその場を立ち去る行為、客の後方で待機をし又はカウンター内で単に客の注文に応じて酒類等を提供するだけの行為及びこれらに付随して社交儀礼上の挨拶を交わしたり、若干の世間話をしたりする程度の行為は接待に当たらないと、こう書いてあるんですね。
 私、ちょっと、若干の世間話程度であれば接待には当たらないんだとあるわけですね。つまり、若干の世間話以上のものは接待に当たるわけなんですね。これ、若干の世間話というのはどれぐらいのことをいうんですか。
○政府参考人(小田部耕治君) 接待に当たるか否かにつきましては、客が飲食店にいる間に行われます一連の行為の中でどのような行為が具体的に行われていたかなど個別具体の事情に応じて判断することとなるところ、一般論として言えば、接待に当たらない若干の世間話とは、特定の客又は客のグループに対して単なる飲食行為に通常伴う役務の提供を超えない程度の会話であると考えているところでございます。
○辰巳孝太郎君 いや、それがよく分からないんですよ、どこまでが若干の世間話か。それ以上となると、これ一号営業の許可もらわなあかんということになるんですね、接待をやっているということで。
 私、世間話ということですから、天気の話するのは、これは世間話だと思うんですよ。しかし、そこにパーソナルな個人的な話をし出したら、これは世間話にはならないんじゃないかと、こうなるんではないかと私は個人的に思ったりするわけなんですね。
 例えば、職場で給料が上がったとか下がったとか、こういう話はパーソナルな話になると思うんですけど、例えば、ここに景気の動向を挟みながら話すと、これ世間話になるんじゃないかと。例えば、景気が悪いなと単に言うだけであればこれ世間話だけれども、景気が悪くて息子が就職できへんわと、こういうパーソナルな話になったらこれは接待になるとか、これ結局、解釈がいかようにもできる、恣意的な解釈ができるということだと思うんですよ。
 これ、私が不思議に思うのは、例えば三、歌唱等についてというのも次のページに出ております。ここを私読みますが、ここには、特定少数の客の近くにはべり、その客に対し歌うことを勧奨し、若しくはその客の歌に手拍子を取り、拍手をし、若しくは褒めはやす行為又は客と一緒に歌う行為は接待に当たると。これに対して、客の近くに位置せず、不特定の客に対し歌うことを勧奨し、又は不特定の客の歌に対し拍手をし、若しくは褒めはやす行為、不特定の客からカラオケの準備の依頼を受ける行為又は歌の伴奏のために楽器を演奏する行為等は接待に当たらないと、こういうことだと思うんですね。
 つまり、いわゆるスナックでボックス席の横で手拍子や拍手、褒めるということはいけないんだけれども、カウンターの中にいてるママさんが手拍子や拍手、褒めること、これはいいのかと、こういうことになっていくわけなんですね。
 この解釈運用基準では、特定少数の客にという、特定少数という言葉も出てくるんですね。継続して談笑の相手になることが接待に当たり得るということになります。
 しかし、例えば特定の客ってどういうことなのかと。お客さんが一人や二人しかいない場合、これを想定してほしいんですよ。そのお客さんにカラオケどうですかと勧めることは、これ不特定ですか、特定になりますか。たくさんのお客さんがいる中で誰かカラオケ歌ってよというんだったら不特定かもしれませんが、お客さん一人か二人しかいないと、それをカラオケ勧めるとかになったら特定のお客になるということになるんですね。こうなると、これ接待ということになりまして、これ風俗営業一号の許可をもらってくださいと、こういうことになるわけであります。こういう恣意的な判断ができると。
 しかし、こういうカラオケを勧めるとかお酌をするとか談笑の相手になるということがそもそも風営法による許可の対象にされているということが私は問題なんですよ。
 しかも、冒頭に申し上げたとおり、今申し上げたような行為と正常な風俗環境の保持、私は、この関連性を見出すことは、これはもうかなり困難だと思うんですね。カラオケに拍手することとか、あとは談笑することがわいせつな行為の発生を招くということ、性風俗の秩序の乱れになるということは、これはもう明らかにおかしい、明確性に欠け、立法趣旨にも私は反するというふうに思うんですね。
 談笑やお酌、あと拍手、これは社会通念上もう当然の行為として私は認めるべきだと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(小田部耕治君) 接待に当たるか否かにつきましては、客が飲食店にいる間に行われる一連の行為の中で個別具体の事情に応じて判断するところでございますけれども、拍手や談笑についても、特定の客又は客のグループに対して単なる飲食行為に通常伴う役務の提供を超える程度の会話やサービス行為等に当たるものは、歓楽的雰囲気を醸し出し、そうした行為を伴う営業は善良の風俗と正常な風俗環境を害するなどのおそれがあることから、引き続き規制の対象とする必要があると考えているところでございます。
○辰巳孝太郎君 そうなりますかね。
 大体、談笑もない、カラオケに対する拍手もない、私、こういうスナックが繁盛するとは到底思えないんですね。カラオケでお酌したりとか、当然おもてなしだと私は思うんですね。警察の拡大解釈による取締りということがあるわけです。
 兵庫県警が料飲業者に示している確認書というのがありまして、その確認書というのを見ますと、おしぼりを手渡すことが、この解釈運用基準にはそれ書いていないんですよ、おしぼり手渡すということが。それがこのリストの中に入っておりまして、それは接待になるよと、こう取られかねないものが書いてあるわけですね。おしぼり手渡さずに、じゃ、投げろというのかと、私はこういうことだと思うんですよ。こういうことがやられていたら、私は、事業者としては萎縮するばかりだし、この確認書が恣意的解釈が行われ得る可能性を示唆していると、証明しているというふうに私は思うんですね。
 許可を受けないで接待行為に及んだ場合は、これ重いんです。二年以下の懲役刑か二百万円の罰金が科されることになる、五年間許可を得ることができないわけであります。行政処分の対象にもなりまして、六か月以内の営業停止処分と、こういうことになります。こうなれば廃業せざるを得なくなるわけであります。悪質でも何でもない、単におもてなし、これを行ったことで店を畳まなくてはならないということだと思うんです。
 私はスナックのママさんに話を聞く機会がありました。三宮でスナックを営んでいる女性は、営業中に二十人の警察官、私服の警察官が店になだれ込んできた挙げ句に逮捕されて手錠を掛けられたと。無許可での風俗営業、これが逮捕理由なんですが、何と二十日間の、二十日間の勾留の末、起訴されて五十万円の罰金、それで六か月の営業停止処分ですね。これ、単にお酌をして談笑してカラオケしていただけなんですよ。先ほどのススキノのスナックも、無許可営業で逮捕、罰金百万です。
 指摘しなきゃならないのは、これ、注意も指導もなく突然逮捕されているわけですね。八四年の風営法の改正でも、今私が述べたような懸念が指摘をされて、衆参共に附帯決議が付きました。決議では、いきなり逮捕、処罰ということを厳しく戒めております。
 この一九八四年七月五日の風営法改正の際の衆議院の附帯決議、二、三、十、十の1、十の3を紹介していただけますか。
○政府参考人(小田部耕治君) 昭和五十九年、衆議院における風俗営業等取締法の一部を改正する法律案に対する附帯決議では、本法の運用に当たっては、表現の自由、営業の自由等憲法で保障されている基本的人権を侵害することのないよう慎重に配慮すること。風俗営業者への指導に当たっては、営業の自由を最大限尊重するとともに、管理者制度が営業の自主性を損なうことのないよう特に慎重に運用すること。警察職員の立入りに当たっては、次の点に留意して、いやしくも職権の濫用や正当に営業している者に無用の負担を掛けることのないよう適正に運用すべきであり、その旨都道府県警察の第一線に至るまで周知徹底すること。報告又は資料の提出によってできる限り済ませるものとするとともに、報告又は提出書類等については、法の趣旨に照らし必要最小限のものに限定すること。本法の運用に関係のない経理帳簿等を提出させ、見ることのないようにすること等が決議されております。
○辰巳孝太郎君 確認しますが、この風営法に基づく立入りというのは、今御紹介いただいた国会決議を踏まえて、これ指導を旨として過度な取締りはしないということで確認したいと思いますが、いかがですか。
○政府参考人(小田部耕治君) 立入りにつきましては、御指摘の附帯決議の趣旨を踏まえまして、昭和六十年に解釈運用基準を都道府県警察に発出し、国民の基本的人権を不当に侵害することのないよう、その具体的な手続及び方法等について定め、都道府県警察を指導しているところでございます。
 今後とも、風営適正化法が適正に運用されるよう、都道府県警察を指導してまいりたいと考えております。
○辰巳孝太郎君 決議では、営業の自由が侵されてはならないと、こうも記されているんですね。しかし、罰金二百万円とか営業停止六か月となれば、これ廃業は必至だと思うんですよ。余りにも量刑が重過ぎる。おしぼりを渡してカラオケに拍手して談笑して二十日間も勾留というのもやっぱりおかしいと思うんです。
 解釈運用基準の中にも、報告又は資料の提出の要求と立入りの関係として、立入りは直接営業所内に入るものであるため営業者にとって負担が大きいので、報告又は資料の提出で行政目的が十分に達せられるものについてはそれで済まされるものとして、この場合には立入りは行わないと、こういうことだと思いますので、これ、立法の趣旨、決議の趣旨にきちんと沿ってしていただきたいと思うんですね。
 同時に、警察の主張にも少し私苦言を呈しなければならないと思っております。
 様々な証言から分かることは、このスナックに警察官だと思われる人が、もちろん当時は分からないんですが、いずれもお客さんとして訪れて、従業員の女性と密着した写真を撮ることをお願いする、証拠写真みたいなことをしておとり捜査を行ったという可能性、私、これも指摘しなければならないと思うんですね。無用なものは絶対するべきじゃないということを確認したいと思います。
 この解釈運用基準ですけれども、これは法律じゃありません。警察庁が決めております。確認しますが、これも警察庁の判断でこの運用基準は変えられるということでよろしいですね。
○政府参考人(小田部耕治君) 一般論といたしましてでございますけれども、風俗営業の実態等に応じまして、解釈運用基準を見直す必要があれば見直すこともあり得るところであると考えております。
 しかしながら、現に、現行の解釈運用基準で接待に当たる行為を行っている接待飲食等営業におきましては、従業員を客の売春の相手方として引き合わせていた事案や、十八歳未満の者に接待をさせていた事案が起こっているところでありまして、また、接待に関する解釈運用基準については、警察庁のウエブサイトでも公表しており実務上も定着していることから、現行の解釈運用基準を引き続き維持することが適切であると考えているところでございます。
○辰巳孝太郎君 いや、定着というんですけど、それでは駄目だと思うんですよ、これはもう社会通念上おかしくなっているわけですから。それは文言が定着しているだけの話であって、変えられていないだけの話であって、実態としてはもうこれ乖離をしているというのがこの解釈運用基準ですから、変えるべきだと思うんですね。
 全国商工団体連合会が去年行った料飲街アンケートでは、約七割の方がこれ接待基準を見直すべきだと答えております。料飲店の果たす役割についても、地域住民の憩いの場だ、地域での催事の打ち上げなどに利用している、お客にとってはストレス発散の場だと、お客さんにあしたへの活力を取り戻してもらえるという仕事や地域貢献に対する誇りを持って商売をされております。
 大臣、最後にお聞きしたいんですが、大体、おしぼりを渡すとかカラオケに拍手をするとかお酌をするとか、こういうことがそもそも警察の許可が要ることなのかということだと私は思うんです。この解釈運用基準が余りにも古くて、拡大解釈もこれ可能となっています。私は、これ不合理やと思うんですね。地域経済、地域の発展、経済産業大臣として、こういう不合理な規制、これは変えるべきやと思うんですけど、どうですか。
○国務大臣(世耕弘成君) 今日は本当に勉強になりました。次、スナックへ行くときは、若干の世間話は逸脱しないように、また、近くにはべって褒めはやされないように気を付けながら飲まなきゃいけないなと思ったわけであります。
 委員御指摘のスナック営業に係る規制というのは、これは経産省の所管ではないので残念ながらお答えする立場にはありませんし、また個別の事案についてもお答えはできないわけでありますが、その上で、一般論として申し上げれば、経済活性化に向けては、経済社会情勢の変化や技術の進展を踏まえて、時代に適合しなくなった規制があればそれを合理的なものにしていくということは必要だと思いますし、現に、風営法においても、クールジャパンとか外国人客をもっと集客するという観点から、クラブ営業については改正をされて、深夜営業が、一定の明るさの下ということになりますが認められたわけでありますから、経済情勢に合わせてそういったことは不断に見直していくことが必要だというふうに思います。
○辰巳孝太郎君 我々、こういう規制緩和であれば大賛成をしたいというふうに思うんですね。
 ママからも話をたくさん聞きました。やっぱりスナックが風俗営業とカテゴライズされていること、これに疑問を感じるとか、接待したとして長期間勾留されて、麻薬絡みちゃうかといううわさを流されたり、本当に悔しい思いという声も聞きました。
 地方創生や地方活性化だというのであれば、こういう頑張っている町のオアシスを応援すること、地域経済、商業の振興に責任のある、大臣、立場ですから、是非、政府の立場として、これ営業が、憲法が保障する営業の自由が守られるように是非力を尽くしていただきたい。私もそのために力を尽くす決意を申し上げて、質問を終わります。
○石井章君 日本維新の会、石井章、通告に従いまして質問をしたいと思います。
 先般、商工中金のことで質問をしたんですが、消化不良で終わってしまいまして、今日は安達社長にも御同席願いました。ありがとうございます。
 今、いろいろな質問が出ていますけれども、商工中金は、一連の不正融資に関連しまして、先般五月九日の、再発防止策を盛り込んだ計画を六月九日までに提出すると、いわゆる業務改善命令を受けていたわけでございますが、しかし、その間、二十四日に、金融庁の検査官あるいは財務省の担当数人を加えた所管三省庁の検査チームが商工中金本店に立入検査を行う事態となっております。
 自主的な調査では不十分だということでありまして、財務省、金融庁の判断でありますが、このような事態に陥っていることについてどのように感じているのか、また、この今行われている立入検査の結果がいつ出るのか、世耕大臣並びに安達社長にお伺いします。
○国務大臣(世耕弘成君) 今般の商工中金の不正事案については、まず、誠に遺憾だというふうに考えています。
 五月九日に商工中金に対して業務改善命令を発出して、調査未実施の危機対応貸付けについて全件調査を実施をして、問題の所在とその根本原因を特定することを求めております。
 また、経産省としても、商工中金法第五十八条に基づきまして、金融庁、財務省とともに、五月二十四日より徹底した立入検査を開始をしているところであります。
 この三省は、それぞれ、経産省は、特に中小事業者に対する金融の円滑化を図るという商工中金の役割に照らして、主として中小事業者への資金繰り支援が適切に行われているか、財務省は、政策金融機関としての適切な財務運営が確保されているか、そして金融庁は、預金者保護や信用秩序の維持といった観点から監督を行っているわけでありますが、今回の検査においては、それぞれのこういう立場を踏まえながらも、チーム一体となって検査に臨んでおります。この事案の全容を解明するという同一目的の下で、根本原因を特定することや法令遵守体制、経営管理体制及び内部管理体制などの検証をしっかり行っていきたいと思います。
 こうしたことを通じて、全容解明の結果を踏まえた上で、直接関与した職員の処分や担当役員の管理責任の明確化とともに、ガバナンスの抜本的な強化に向けた組織体制の見直しなど、商工中金に対して更なる対応を求めていきたいと思っております。
○参考人(安達健祐君) お答えさせていただきます。
 国費が投入されております危機対応業務におきまして不正行為を発生させてしまい、危機対応業務の指定金融機関としての信頼を大きく損ねてしまったことにつきまして、深く反省しております。この場をお借りいたしまして、心よりおわび申し上げます。
 委員御指摘のとおり、今月二十四日から、経済産業省、金融庁、財務省等による立入検査を受けてございます。これについては大変重く受け止めてございます。
 商工中金としては、立入検査にしっかり応ずるとともに、五月九日にいただきました業務改善命令に従いまして、まずは、六月九日までに今後の調査等の作業工程を出すとともに、当面の再発防止策について発表いたしますが、その先、五月九日の業務改善命令に従いまして、調査未実施の危機対応貸付けの全件調査を継続し、問題の所在と根本原因を特定し、全容を解明した上で、ガバナンスの抜本的強化を含めた再発防止策の策定や役職員の責任の明確化等、必要な対応にしっかりと全力で取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。
○石井章君 危機対応業務は、災害時に資金繰りに苦しむ中小企業者にとっては、低金利で融資を行いまして被災地の経済を支える役割を果たしておりまして、感謝する中小企業者も多いわけであります。しかし、今回の不正は、この制度の存在意義についても世論は疑問を呈することとなりかねないだけに、徹底した検査による原因と責任の追及が求められると思います。
 経産省はかねてより、今後の検査結果によっては追加の処分を下すとしておりますが、もし新たな不正が発覚してその悪質性が高い場合には、商工中金法の第五十九条において一部又は全ての業務停止命令、あるいは中金法の六十条において取締役などの解任などの適用についても除外しない考えがあると思いますけれども、先ほど大臣が、ガバナンス見直す、それから解任やるということなんですが、改めて、これは井原政務官にお答えいただきたいと思います。
○大臣政務官(井原巧君) お答えを申し上げます。
 商工中金が四月二十五日に発表した役員の処分についてでありますが、現職の役員に加え、代表権のある取締役については、危機対応業務が開始された平成二十年十月以降に在任していた者も含め、給与の自主返納を求めているものと現時点では承知いたしております。
 これら役員の処分につきましては、第三者委員会が全貌を把握するために実施した二万八千件を対象とした調査の結果も踏まえて、あくまで当座のものとして商工中金が判断されたものと認識いたしております。他方で、本件は過去何年にもわたり現場で延々と続けられてきた問題でありまして、大変大臣も重く受け止めております。今の役員を減給処分するだけで解決できるというものではないと考えております。この問題を根絶すべく、現経営陣には、まず徹底的に問題を洗い出し、全容を解明することをまずは求めてまいります。
 本事案の全容を解明するため、先ほどもお話ありましたが、五月九日、商工中金に対して業務改善命令を発出し、全件調査の実施と根本原因の特定を求めたところでありますが、経産省といたしましても、主務省として、金融庁、財務省とともに五月二十四日より徹底した立入検査を開始し、その根本原因の特定や法令等遵守体制、経営管理体制及び内部管理体制等の検証を行っているところでございます。
 こうしたことを通じまして全容をまずはしっかりと解明し、その結果を踏まえた上で、直接関与した職員の処分や担当役員の管理責任の明確化とともに、ガバナンスの抜本的な強化に向けた組織体制の見直しの検討など、商工中金に対して、法に基づいて更なる対応を求めてまいることになります。
 他方で、その結果が今現時点では出ておりませんので、具体的な処分については、予断を持って申し上げることは控えさせていただきたいと存じます。
○石井章君 経産省の気構えというか、やるんだということがよく分かりました。
 先般、平成十三年六月から十六年の六月までの間、商工中金の社長を務められました杉山元経産事務次官が、現在社外取締役を務める住友商事を一身上の都合で辞めました。一身上ということを理由に辞任されましたが、商工中金の第三者委員会からの、今回の不正や隠蔽は杉山元次官が商工中金の社長だった時代にもう繰り返されていたということでありまして、その指摘を受けてのことで、今回査察に入ったという一つの要因でもあります。社会の信用を失うことに非常に敏感な民間企業のこれは定石でもありまして、迅速な対応で住友の社外取締役を辞任された、辞任に追い込まれたということであります。
 今回、商工中金は、政府の改善命令前に役員報酬の自主返納、再発防止策を発表しておりますが、それこそ民間との感覚のずれを表しているのではないかと思います。ペナルティーとしては過去の民間の事例に照らしても不十分で、国民もこれでは納得しないというのはもう御案内のとおりであります。
 安達社長にお伺いしますが、御自身、月額報酬を二か月三〇%カットして自主返納されたということでありますが、自ら果たせられたこの制裁は今回の不祥事に見合うものかどうか、現時点でどのようなお気持ちがあるか、お伺いします。
○参考人(安達健祐君) 昨年十月に本件不正事案が判明いたしました。直ちに社内の特別調査を命じて、その過程で全国的な広がりが見られたことから、中立公正、独立した第三者委員会を設置して、委員会の調査に全面的に協力してまいりました。そして、徹底的な問題解明に全力を挙げて取り組んできたところでございます。四月二十五日に委員会の報告書を受け取って、五月九日に業務改善命令を受けたところでございます。
 私といたしましては、この業務改善命令に従って引き続き調査を継続し、根本原因の特定、全容解明、再発防止等の策定、実施に全力を挙げて取り組み、先頭に立って商工中金の危機対応業務の適正化に尽力することで責任を果たしてまいりたいと思います。そして、調査継続によりまして全容解明を進めまして、問題の所在、根本原因を特定し、役職員の責任を明確化し、厳正に対処してまいりたいと考えてございます。
○石井章君 ありがとうございます。
 先ほどから民間企業の社会的責任の重さへの自覚について私は申し上げておりますけれども、やはり民間企業は、社会、消費者から駆逐されるのもあり得ることを常に意識してやっております。ですから、国民が納得する自己制裁を科するわけであります。昨年の旭化成や、あるいは電通の社長の引責辞任は典型的なものだと思いますけれども、対して半官半民の商工中金は、企業としてだけではなく政府の信用も失墜させたとも言えるわけであります。相当の自己制裁がないと国民は納得しません。
 現在、社長は自ら責任を取って引責辞任するつもりがあるのかどうか。先ほどの気構えをお伺いしたところ、相当な決断をするとは思いますけれども、どの時点でどういう決断をされるお気持ちなのか、お伺いします、再度。
○参考人(安達健祐君) 先ほど答弁させていただいたとおり、私の社長のときに本件が判明いたしました。それで、徹底的調査を今行っているところでございます。
 引き続きで恐縮でございますけれども、私としては、業務改善命令に沿って引き続き調査を継続して、根本原因の特定、全容解明、再発防止策の策定、実施に全力を挙げて取り組むことが今の私の責任であるというふうに考えてございます。
○石井章君 ありがとうございます。
 最後に大臣にお伺いいたしますが、今後、商工中金は国民の信頼を回復するためにイバラの道を歩むべきだと私は思いますが、重ねて最後に申し上げておきたいことは、さきの集中審議でも申し上げましたけれども、過去、商工中金の社長には通産省のOBの天下りが、二番手には大蔵省のOBの天下りが行くということが既定路線となっておりますが、小泉政権によって政府系金融機関の民営化路線という改革への大なたが振られまして、二〇〇八年には、元新日鉄の関哲夫さんが民間人第一号の社長に登用されたわけであります。しかし、安倍政権となってからは、一三年に杉山元次官、そして昨年六月からはここにおられる安達元次官という経産省のOBが返り咲いておられます。
 私は、天下りが全て悪い、再就職が全て悪いとは申し上げませんけれども、既に、うわさとして次の社長候補には財務省の方の名前などがまことしやかにささやかれている、今回の案件に関しては財務省の一部には喜んでいる人もいるというようなうわさも聞いておりますけれども、非常に違和感を覚えるわけであります。最終的には、蓋を開ければ経産省に財務省が取って代わっていたというような国民不在の省庁間の既得権益争いに利用されることがないように世耕大臣には十分に御留意いただきたいと思いますが、大臣の御決意をお願いします。
○国務大臣(世耕弘成君) いずれにしても、再就職のあっせんというのは、これは違法行為でありますから、我々は行っておりません。
 この商工中金は、当然、政府が株を持っている特殊会社であるわけですが、それ以前に商法上の会社、株式会社でありますので、しかも、人事委員会を設置をして、そしてそこで社外取締役と、そしてこの商工中金の特性上、中小企業代表者の方々も入って、そこでまず役員の選考が行われて、そしてそれが取締役会で決議をされ、株主総会に諮られて、その段階で、株主総会で決まった段階で私は認可をするという立場であります。
 途中で内閣官房に合い議をするというような過程もありますけれども、基本的には取締役会、株主総会で人事は決まるものでありますし、いわゆるOBのあっせんというのは、これは完全に禁止をされておりますしということで、粛々と対応を、商工中金から今後のことということも含めて対応されていくことだろうというふうに考えております。
 いずれにしても、おっしゃるような、何か省庁間のポスト争いとかそういうことは毛頭考えておりません。
○石井章君 ありがとうございました。
 世耕大臣のリーダーシップに期待をいたしまして、私の質問を終わりにします。ありがとうございました。
○委員長(小林正夫君) 本日の調査はこの程度にとどめます。
    ─────────────
○委員長(小林正夫君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、辰巳孝太郎君が委員を辞任され、その補欠として仁比聡平君が選任されました。
    ─────────────
○委員長(小林正夫君) 中小企業の経営の改善発達を促進するための中小企業信用保険法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。世耕経済産業大臣。
○国務大臣(世耕弘成君) 中小企業の経営の改善発達を促進するための中小企業信用保険法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 信用保証は中小企業の資金繰りを支える制度であり、中小企業がライフステージの中で必要とする多様な資金需要に対応できるものとしていくことが重要です。他方、金融機関が過度に信用保証に依存することとなると、事業性評価融資やその後の期中管理、経営支援への動機が失われるおそれがあるといったことも指摘されております。
 このため、創業・事業承継時や危機時等における中小企業の資金需要に一層きめ細かく対応するとともに、信用保証協会と金融機関が連携して中小企業への経営支援を強化していくことで、中小企業の経営の改善発達を進める仕組みを構築する必要があります。
 以上が本法律案を提案した理由であります。
 次に、本法律案の要旨を御説明申し上げます。
 第一に、大規模な経済危機、災害等により著しい信用の収縮が全国的に生じる場合に備えて、あらかじめ適用期限を区切って発動する危機関連保証を創設いたします。
 第二に、特別小口保険の付保限度額を一千二百五十万円から二千万円に引き上げるとともに、創業関連保証の付保限度額を一千万円から二千万円に引き上げます。
 第三に、中小企業の代表者が経営の承継時に必要とする株式取得資金等を信用保険の対象とします。
 第四に、信用保証協会の業務に中小企業への経営支援を追加するとともに、業務を行うに当たっては信用保証協会と金融機関が連携する旨を規定いたします。
 以上が本法律案の提案理由及びその要旨であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようよろしくお願い申し上げます。
○委員長(小林正夫君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
    ─────────────
○委員長(小林正夫君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 中小企業の経営の改善発達を促進するための中小企業信用保険法等の一部を改正する法律案の審査のため、来る六月一日午前十時に参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小林正夫君) 御異議ないと認めます。
 なお、その人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小林正夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時五十分散会