第193回国会 環境委員会 第11号
平成二十九年四月二十五日(火曜日)
   午前十時開会
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   委員の異動
 四月二十日
    辞任         補欠選任
     宮崎  勝君     長沢 広明君
     高木かおり君     石井 苗子君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         森 まさこ君
    理 事
                磯崎 仁彦君
                高橋 克法君
                芝  博一君
                石井 苗子君
    委 員
                尾辻 秀久君
                鴻池 祥肇君
                佐藤 信秋君
                中川 雅治君
                二之湯武史君
                松山 政司君
               渡辺美知太郎君
                榛葉賀津也君
                浜野 喜史君
                柳田  稔君
                長沢 広明君
                若松 謙維君
                市田 忠義君
                武田 良介君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        星   明君
   参考人
       早稲田大学法学
       部教授      大塚  直君
       弁護士      佐藤  泉君
       一級建築士    水谷 和子君
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  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○土壌汚染対策法の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
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○委員長(森まさこ君) ただいまから環境委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る二十日、宮崎勝君及び高木かおり君が委員を辞任され、その補欠として長沢広明君及び石井苗子君が選任されました。
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○委員長(森まさこ君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(森まさこ君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に石井苗子君を指名いたします。
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○委員長(森まさこ君) 土壌汚染対策法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本日は、本案の審査のため、参考人として早稲田大学法学部教授大塚直君、弁護士佐藤泉君及び一級建築士水谷和子君の三名に御出席いただいております。
 この際、参考人の皆様に一言御挨拶を申し上げます。
 本日は、御多忙のところ本委員会に御出席いただき、誠にありがとうございます。
 皆様から忌憚のない御意見を賜り、本案の審査の参考にさせていただきたいと存じますので、よろしくお願いいたします。
 本日の議事の進め方でございますが、まず、大塚参考人、佐藤参考人、水谷参考人の順にお一人十五分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。
 なお、参考人の皆様及び質疑者の発言は着席のままで結構です。
 それでは、まず大塚参考人にお願いいたします。大塚参考人。
○参考人(大塚直君) 早稲田大学の大塚でございます。
 本日はこのような機会を与えていただきまして、大変光栄に思っております。ありがとうございます。
 意見を申し上げたいと思います。
 先ほどから配付させていただいております私のレジュメを御参考にしていただければと思います。
 時間の関係で、二、現行法の問題点と課題という三ページの二のところからお話ししたいと思います。
 二〇〇九年の改正の後、土壌汚染対策法、これから本法といいますが、これにはなお問題点とか課題があるということが明らかになってまいりました。主な点は以下のとおりでございます。
 第一に、本法の対象については、自然由来汚染が含まれるかという問題がございまして、自然由来汚染につきましても本法の対象であることは明文で示す必要があると考えられます。
 第二に、調査の契機につきましては、なお問題が残されております。具体的には、土壌汚染状況調査の一時免除中又は操業中の特定有害物質取扱事業場に関する都道府県等の調査結果によりますと、三割から五割の割合で土壌汚染が確認されました。そのため、これらの段階におきましても、一定規模以上の土地の形質変更を行う場合には届出の対象として調査を行うということが考えられたということでございます。
 第三に、汚染の除去等に関する課題といたしましては、現行法の汚染除去は、対策実施者にその実施を委ねておりまして、本当に適切な対策をしていただけるかどうかということを監視するための計画の提出の義務付けなどにつきましては規定が抜け落ちております。自治体のアンケートによりますと、要措置区域におきましてどのような措置が実際に行われたかを都道府県知事が確認しておられるのは、回答としては六八%にすぎなかったということでございます。
 第四に、取引に関しましては、要措置区域等の指定の解除を行った場合に、台帳からの消除をするかどうかという問題がございます。現行の通知では、消除はするけれども、消除された台帳の情報につきましては、本法六十一条一項に基づいて保管し、必要に応じて提供されることが望ましいというふうに整理されております。これは、要措置区域等における汚染除去等の意欲を損ねないために必要であるという趣旨でございましたが、一方で、区域指定が解除された旨の記録を残す方が、土地の取得のときに詳細な土地の履歴を把握できるという指摘もなされてまいりました。
 第五に、要措置区域等からの汚染土壌の搬出に関しまして、現行法では、一つの事業場の土地や一連の開発行為が行われる土地であっても、飛び地になって指定されている区域の間の土壌の移動というのは認められておりません。このことは、迅速な区域内でのオンサイト処理の妨げになる、あるいは工事の支障になるという問題がございまして、さらに、掘削除去による処理施設への搬出が増えてしまうという可能性もあるということが指摘されております。
 また、自然由来の特例区域の間とか埋立地の特例区域の間の土壌の搬出とか移動につきましては、現行法では認められておりませんが、これらの区域から発生する基準に適合しない土壌は、特定有害物質の濃度が低い、それから特定の地層や同一の港湾内に分布している、広く分布しているというふうに考えられますので、区域の間での移動を認めてもいいのではないか、オランダとかドイツでは、低汚染の土壌は原則として資源として扱われていることに留意が必要ではないかという問題が発生いたしました。
 第六に、そのほか、区域指定とも関連する問題として、臨海部の工業専用地域では、一般の居住者による地下水の飲用などによる健康リスクは低いと考えられますし、また、産業活性化などのためにも一定の場合には特例措置を設けるべきではないかという指摘がなされているところでございます。
 以上をまとめますと、@として、事業場の操業中及び調査の一時免除中の段階からの調査義務を導入すること、二つ目に、汚染除去等の計画及び措置完了報告の提出を義務付けること、三つ目に、台帳の記載事項について、区域指定が解除された場合にその旨を台帳に残すこと、四つ目に、自然由来の土壌汚染について本法の対象であることを明確にすること、五つ目に、臨海部の工業専用地域について特例を設けること、六つ目に、搬出の規制について、飛び地の間及び自然由来特例区域間などの土壌の移動につきまして規制を緩和することなどといたしまして、六と一部重なりますが、自然由来汚染についての移動とか資源としての活用について規制緩和をすることなどになります。
 これらのうち、AとBにつきましては、二〇〇二年の法の制定時から残された問題点と言うことができるのに対して、@とCは二〇〇九年改正以降残された問題点でございます。@事業場の操業中及び調査の一時免除中の段階からの調査義務の導入につきましては、二〇〇九年の本法改正時に国会で附帯決議が付されていた問題点でございます。Cの自然由来の土壌汚染について本法の対象とすることにつきましては、二〇〇九年の改正の時点では本法には明確には組み込まれておらず、環境省が通知で対処してきた問題でございます。DからFは規制緩和に関する論点でございます。
 次に、三の改正案の特色に移りたいと思います。
 まず@といたしまして、有害物質使用特定施設での土壌汚染の状況調査についてでございます。改正案では、一時免除中の事業場において土地所有者がその土地の形質を変更する場合、形質変更というのは工事とかをする場合でございますが、この場合には、都道府県知事に対する届出義務を課し、届出を受けた都道府県知事は、汚染状況について土地所有者に対して指定調査機関に調査をさせて報告するように命ずるというふうにしています。一時免除中の土地に対して、汚染の拡散を防ぐという観点から、土地の形質変更に着目した改正が企図されているということでございます。
 他方、操業中の事業場についてはどうかということでございますが、操業中の事業場につきましては、土地の形質の変更の際には四条調査の対象になりまして、届出の義務が課され得るわけでございますが、これにつきましては、環境省令で面積の裾切りについて現行の三千平米よりも縮小するという予定でございます。
 次に、Aのところでございますけれども、改正案では、要措置区域における指示措置等の実施の枠組みとして、汚染除去等計画の提出及び完了報告の手続を導入しております。汚染除去等計画の内容として環境省令で定める一定の項目について記載する、実施措置の着手予定時期及び完了予定時期等について記載する、この計画に記載された実施措置を講じた場合には都道府県知事にその旨を報告するということなどが必要となります。
 次に、Bでございますが、台帳の記載事項について、改正案では、区域指定が解除された場合に、措置の内容などと併せて区域指定が解除された旨の記録を解除台帳という別の台帳に残すことによって、措置済みの土地であることを明らかにし、それとともにその閲覧を可能として、土壌汚染状況の把握ができるようにするとしております。
 次に、Cでございますが、自然由来の土壌汚染に関して現行法が規定を置いていないという問題点につきましては、改正案では、自然由来汚染であっても汚染の拡散のおそれはあり、規制対象となり得ることを前提としつつ規制緩和をするという規定が置かれております。
 次に、Dといたしまして、重要な規制緩和として、改正案は、臨海部の工業専用地域での特例を設けまして、通常の形質変更時要届出区域とは違って、事前届出ではなく、事後届出としております。これについては二つの要件がございまして、一つ目は、土壌の特定有害物質による汚染が専ら自然又は埋立材由来のものである土地であり、二つ目の要件として、かつ人の健康に係る被害が生じるおそれがない土地についての形質の変更の場合には、汚染土壌の区域外への搬出は規制しつつ、管理方針をあらかじめ都道府県知事と合意し、これを実施する代わりに、その都度の事前届出を不要とするということが考えられたわけでございます。改正案では、この考え方に従いまして、管理方針について都道府県知事の確認を受けた上で、最低限必要な情報をまとめて事後的に届け出させるということにしております。
 次に、Eでございますが、搬出規制に関して、要措置区域等における汚染土壌の飛び地の間での移動及び自然由来等土壌の区域間の移動を可能にする規制緩和を行うということでございます。
 次に、Fでございますが、自然由来特例区域及び埋立材から成る埋立地特例区域から発生する基準に適合しない土壌は、先ほど申しました理由で、一定の場合にはその移動や活用を可能とすべきであると考えられます。この活用につきましては、改正案では、国や自治体が汚染土壌処理の事業を行う場合の特例が定められておりまして、そこでは都道府県知事との協議が重要な要素とされております。
 次に、その他でございますけれども、Iとして、改正案では、有害物質使用特定施設設置者の汚染状況調査への協力の努力義務の規定が置かれております。
 次に、四の(1)の改正案の評価に移りたいと思います。
 今回の改正案では、@の一時免除中や施設操業中の事業場における土地の形質変更の際の届出、調査報告の導入、Aの汚染除去等計画の提出及び完了報告の手続の導入の二つの点につきまして、従来から積み残されておりました問題点に対処することになります。@は、搬出の場合を含め、汚染土壌の拡散を防止するという観点から重要な改正になると思われます。Aは、汚染除去等の措置という本法の最も核心的な部分について従来必ずしも明確な規定がなかったところに切り込むというものでございまして、本法の実効性を高めるために必要不可欠な改正であると考えております。
 さらに、Bの台帳の記載事項につきまして、区域指定が解除された場合に、措置の内容などと併せて区域指定が解除された旨の記録を台帳に残すということは、透明性を確保し、土地取得のときに詳細な土地履歴を把握できるようにするという要請を重視しながら、かつ要措置区域等における汚染除去等の意欲を損ねないようにするという要請にも一定の配慮をしたものと評価できると思われます。透明性の確保は、土地の履歴や状況に関する情報を社会で共有するためには必要なものであると考えられます。
 他方で、DからFは規制緩和に関する改正案でございまして、本法が合理的な規制を行うために必要な改正であると考えております。特に、Dの臨海部の工業専用地域につきましては、一定の要件の下に、通常の形質変更時要届出区域とは違う特例を設けるということでございまして、これは経済界及び千葉県からの要請を踏まえたものでございますが、形質変更時要届出区域の一種としていることとか、事後届出を命じていることのために、土地の管理は依然として必要となります。したがって、これによって土壌汚染に伴う健康リスクが増えるという可能性は乏しいと言えると思われます。
 全体的に見て、今般の改正案は、現時点で必要な現実的な対応を最大限行おうとするものであるというふうに評価できると考えております。
 もっとも、本改正案につきましても幾つかの将来的な課題は残されております。主なものを三点挙げておきたいと思います。
 第一に、本法の目的が健康被害の防止に限定されていることでございます。我が国の土壌汚染対策は、健康被害に関連する特定有害物質の汚染除去対策だけでもかなりの困難を抱えている現状にございますが、将来的には、生活環境被害防止につきましても本法の対象に入れる、本法の目的に入れるということが検討されるべきであると思われます。
 第二に、土地所有者の責任につきましては、欧米では善意無過失の購入者には抗弁を認めて免責をするという考え方を取るものが少なくありません。我が国でもこのような考え方を導入することが検討されるべきであると考えられます。
 第三に、法改正ではなくて運用でも可能な点といたしまして、指定支援法人の基金の活用による助成金の交付がございます。これは、土地の所有者等が汚染除去等をした場合に用いられるものでございます。さらに、土壌汚染の原因者に対しましては、融資が検討されるべきであると思われます。この助成につきましても融資につきましても交付例が非常に少なく、融資につきましては現在中止されているというところでございますけれども、今般の改正案によれば、一時免除中及び操業中の事業場の調査が新たに行われるわけでございますので、特に中小企業の事業場につきましてはその必要性が生じることが予測されます。かつて交付例が少なかった原因を真摯に探ることが必要であると思います。
 助成につきましては、そもそも助成要綱を策定していない都道府県等があるということが想定されていること、都道府県等が助成金の四分の一を負担することを懸念していることが想定されることなどの問題点があると考えております。
 次に、融資につきましては、土壌汚染の原因者に対して融資をしないということが、原因者に負担能力がないことになりまして、七条一項ただし書の「相当であると認められ、」の要件に該当しなくなる結果として、原因者でない土地所有者等が汚染除去等の指示の対象とされる可能性を増やすということにも留意が必要となります。原因者でない土地所有者等というのは、まさに汚染をした人から土地を買った人がこの場合にその指示の対象にされてしまうという可能性があるということでございまして、これでかなりの額の負担をさせられるということになる可能性もあるということでございます。その意味では、融資の制度の復活の必要性は高いというふうに考えているところでございます。
 以上で私の意見を終わらせていただきます。ありがとうございます。
○委員長(森まさこ君) ありがとうございました。
 次に、佐藤参考人にお願いをいたします。佐藤参考人。
○参考人(佐藤泉君) 参議院環境委員会における意見陳述の機会をいただき、ありがとうございます。
 本日は、土壌汚染対策法の改正について私の意見を述べさせていただきます。手元にレジュメをお配りいたしておりますので、それを御覧くださいませ。
 まず、意見陳述の要旨でございます。
 現在、豊洲市場への移転問題が大きな国民の関心を呼んでおります。この事例では、土壌汚染に対して一定の浄化が行われたわけでありますが、完全な浄化ができていないということで、土地の合理的な利用に支障が発生するという事情が起きております。
 その背景には、土壌の安全性について、一体どういう基準でそれを判断するかということが国民に分かりにくい、ある人にとっては安全だという、ある人にとっては危険だという状態が発生していると思います。
 この基準の考え方でございますが、現在は土壌環境基準というものと土壌汚染対策法の指定区域となる基準が同じ数字になっております。本来、土壌環境基準というのは望ましい基準でありまして、ある程度の裁量が認められているわけですが、土壌汚染対策法ではそれが同じ基準になっている。これがほかの水質汚濁防止法や大気汚染防止法とは違うということであります。
 この基準がどのように定められているかというと、土壌の含有基準は、七十年間毎日百ミリグラムを口にし続けても健康に影響を及ぼさないということで、本来は土壌というものは人が食べる食品ではないわけですが、七十年間毎日食べるということを前提に決められている。それから、土壌の溶出量基準は、七十年間毎日二リットルの地下水を飲み続けるということを前提に健康に影響を及ぼさないという基準になっております。この基準、確かに安全性を考えればやむを得ない部分もあるかもしれませんが、都会部の、水道が完備されている、そして土壌の表面が被覆されているところでは、この基準が本当に必要なのか、土地の利用にとって厳し過ぎないかという問題が私はあると思っております。
 また、この基準値は、自然的原因によって多くの地域で現在基準値を超える土地が出ております。具体的には、関東平野あるいは大阪、名古屋、広島、私もいろいろな訴訟を行っておりますが、各地の場所でこの自然的由来、つまり平野部に堆積した火山岩由来のものですね、こういうものによって基準値を超過しております。これによって、有効活用すべき平野の土地がなかなか活用できないという事態が発生していると思います。しかも、これは汚染原因者がいないという日本の国土そのものであると思っています。
 この問題について、前回、平成二十一年の改正の際に、法律改正ではなくて環境省の通知によって自然的原因の汚染も土壌汚染であるという制度変更が行われました。本来、国民にとって大きな関心のあるところだと思うんですが、これが通知によって行われており、国会の審議を経ていないということについて私は法律家として疑問を持っております。そして、このことが土地の利用に支障を発生させているというふうに私は考えております。
 今回の改正でございますが、基本的には、操業中の事業場について、土壌汚染調査を進める、そして土地利用にも配慮するというバランスを考慮したものであると思います。したがって、その内容自体については一定の評価ができるというふうに思っています。しかし、その根本的な問題については余り触れられていないというふうに考えております。
 また、具体的な規制の内容は省令に委ねられているために、この制度が本当に使いやすくなるかということも今後注目されるところであります。
 私の意見としては、土地というのは国民にとって大きな財産でございます。もちろん、健康は必要であります。しかし同時に、土地を有効利用する、それによって国民の生活を支えていくということも重要な問題でございます。このバランスをどのように考えるか。すなわち、国民が安心して土地を売買する、あるいは利用するということができるような制度を目指すべきであると。この点に関して今回の改正は、一定の配慮はしておりますが、根本的なこの基準値の在り方ということについては踏み込んでいないというふうに感じます。
 裏面を御覧くださいませ。今回の具体的な法改正の内容でございます。
 まず、操業中の事業場に対して調査を促進するということで改正が行われています。この点に対して、私も、操業中の工場について調査をある程度すべきであるということは確かに現状としてはあるかもしれません。しかし、その目的は、工場用地としての利用を阻害するものではなくて、あくまで安全を確保するというものである必要があると思います。そうしますと、土壌を何メートル深くまで調査するというのではなくて、そこから搬出される土壌、これについての安全性だけを考慮すればその土地の利用と汚染の拡散防止というバランスが取れるのではないかということで、今回の改正は若干、土地の利用にまだ大きな規制が掛かっているのではないかというふうに考えます。
 次に、三千平米以上、この土地は土壌汚染があるかないかということが分からない全ての土地でございます。こういうものについて事業者に、自主的な調査結果を提出できるようになったということでございます。
 この四条調査と言われる三千平米以上の土地の改変の問題でございますが、実は、この問題では多くの土地が対象になっております。例えば、道路を造るとかトンネルを掘るとか、あるいは大規模な宅地開発をする。今まで工場として使ったことのない土地、自然的原因しか考えられない土地もこの対象になっているわけですね。これが、速やかな土地の利用というものに私は一定の規制が掛かっているのではないかと思います。したがって、人為的な汚染の可能性が低い土地についてはもう少し規制緩和をする必要があるのではないかというふうに考えております。
 三番目の点でございます。要措置区域における事業者の自主的な計画提出という問題が今回の改正に入っています。
 私は、この改正は、事業者の自主性、それから行政の監督の透明性というものを考えると合理的な内容ではないかというふうに考えております。
 四番目、形質変更時届出区域における施行方法の合理化。
 これについても土地の利用をある程度配慮したということで考えております。特に、これは臨海部の工場地帯に対して一定の規制緩和をしようということが考えられている。また、自然由来特例の区域に対して土地利用を合理化するようにという配慮がされています。これについては一定の評価ができると思いますが、私は本来は、基準値の考え方、つまりこの地域はこの基準値であれば安全だというふうに基準値の考え方で考えるべきではないかというふうに思っています。
 三番目、改正点以外の要望でございます。
 今回の改正で解決できていない問題が私はあると思います。
 まず一点目。先ほどから述べておりますように、土壌汚染対策法に対する指定基準、これが現在、環境基準と同一になっているわけであります。しかし、土地の利用用途、例えば住宅地である、あるいは臨海部である、マンション用地である、倉庫である、いろいろな用途があるわけですが、その用途に即して安全性の基準を設けるべきではないか。全ての土地で地下水を二リットル、七十年間人が飲むということは想定できないわけであります。そうしますと、その用途に応じた基準を考えないと土地の利用に大きな支障が起きているのではないかというふうに思います。
 二番目。
 自然的原因による汚染が、現在、環境省の通知によって土壌汚染対策法の対象になっております。しかし、自然的原因による汚染というのは、公害、つまり人が起こしたものではない、国土の問題なわけでございますね。しかも、日本は火山国であるという前提があるわけであります。
 このように、汚染原因者が存在しない、長いこと日本国民が使っていた土地についてこれを規制の対象にするということは、環境基本法の下にある土壌汚染対策法として無理があるのではないか、土地の所有者に過大な負担になっているのではないか。
 つまり、自分ではどうしようもないわけですね。その平野一帯に同じような濃度の自然的原因による汚染が存在している。それにもかかわらず、一筆の土地の所有者がこれを測定して指定を受けて、それによって売却が困難になる、あるいは土地の利用が困難になるということは合理的ではないのではないか、土地の所有者に過大な負担になっているのではないかというふうに考えます。
 三番目でございます。
 土壌汚染対策法は、汚染原因者責任というよりは土地の所有者責任ということを強く打ち出している法律でございます。これも環境法としては非常に珍しい法体系でございます。土地の所有者というのは、土地というのはそもそも転々売買されます。もちろん相続もされます。そういう中で、土地の所有者がたまたま測定すると、ある意味でばばを引いてしまったというような結果になるわけであります。
 そうしますと、少なくとも、現在工場が設置されている場合には、工場の設置者に土壌についての調査をして対策をするという義務を課すべきであると。現在工場があるにもかかわらず、土地の所有者責任になっているというのはいかがなものなのか、又は、善意の土地の所有者をどうするかという問題について、この法律は根本的な汚染原因者責任の原則というものから少し外れているのではないかというふうに考えます。
 四番目でございます。
 不動産売買の際に私も多くの御相談を受けます。土壌汚染の調査をすべきか、したときに、自然由来の汚染が確認された場合に、それは一体どのように評価されるのか。それから、前の土地の所有者が汚染原因者だった場合にどうしたらいいのかというふうに、土地の所有者としては悩みが深いわけでございます。
 この調査結果をしかし隠しておくということは、現在の世の中では許されないということで、私は、土壌の調査結果というのは売買の契約の際に開示すべきである。と同時に、その汚染の濃度がどのような意味を持つのか、つまり、その土地の所有者が汚染したのか、あるいは自然由来なのか、安全にどのぐらい影響する値なのかということについて、安全性の情報とともに土壌の調査結果を開示する、こういう仕組みが土地の有効利用あるいは売買の安全性を考えたときに必要ではないかというふうに考えております。
 以上でございます。
○委員長(森まさこ君) ありがとうございました。
 次に、水谷参考人にお願いいたします。水谷参考人。
○参考人(水谷和子君) 水谷です。
 今日はこのような機会を与えていただき、ありがとうございます。感謝申し上げます。
 先に豊洲問題から申し上げます。一、お手元の資料に沿って申し上げますので御参照ください。豊洲問題に取り組んで九年目になりますが、この問題には、土壌汚染対策法、土対法ですが、深く関係していることが分かりました。約八百六十億円もの出費をしていながら結果が出せなかった汚染対策、法令を使った汚染隠しなど、都で起こったことをここで報告するのは法の改正を考える上でも意味のあることだと考えます。
 二、不動産評価について。
 統計資料の中に、二〇〇二年法成立以降の要措置区域に対する指定解除の割合が五四%、二〇一〇年の法改正による形質変更時要届出区域の場合は指定解除は三五%に及ぶことが記されています。汚染の除去などの措置の実施の状況が高いのは、土地取引などによる不動産評価が関係していると考えられます。
 国土交通省の不動産鑑定評価基準運用上の留意事項では、対象不動産について土壌汚染が存することが判明している場合の鑑定評価についての項目で、土壌汚染が存することが判明している不動産については、原則として汚染の分布状況、汚染の除去などの措置に要する費用などを他の専門家が行った調査結果を活用して把握し鑑定評価を行うものとするとあります。このことから、専門家の調査と汚染の除去の措置などの有無が不動産鑑定の重要な判断基準になっていることが分かります。
 二〇一六年五月、経団連からの資料にも、土地取引における土壌汚染調査、対策の一般化、デューデリジェンスの際、土壌汚染を確実に考慮など、土壌汚染対応事例で取り上げられており、不動産売買、投資など、この場合の資産評価の適正な評価において土壌汚染の対策などが重要な要素になっていることが分かります。しかし、今回のように、豊洲市場用地の汚染対策の失敗を考えると、資産の適正な評価には別な方法による調査、対策が必要ではないかと考えます。
 三、豊洲市場用地の用地交渉についてです。
 豊洲市場用地の土壌汚染について今に至るまでの二十年近くの混乱は、都が大量の汚染を隠しながら汚染がないとして説明してきたことに始まっています。市場用地取得交渉で都が東京ガスに対して、汚染については拡散防止の対策でよいという約束をしました。これは二〇〇一年七月の確認文書です。しかし、表向きは、環境確保条例に基づき対応、測定できないごく微量の汚染物質が残留の可能性はあるとして、東京ガスが条例に従って対策をして、基準を超える汚染は全部除去したかのような議会答弁を行っています。実際適用された条文百十七条では、調査と拡散防止のみが義務規定でしたから、都は条例を隠れみのにして安全宣言を出したことになります。
 都が用地交渉を急いだ背景には破綻した臨海会計を助けるためだった経緯があり、都議会百条委員会でも指摘されました。百条委員会の資料には、市場会計から一般会計への貸出しが一九九九年時点で二千四百億円にも及び、築地再整備の工事が続けられなくなっている様子がうかがえます。
 四、市場土壌汚染の実態と財産価格審議会についてです。
 二〇〇六年、市場用地取得時の財産価格審議会に都は議案書を提出して、東京ガスが汚染物質を掘削除去することになっているとして、大量の汚染が残置しているにもかかわらず、汚染を除去と入れることで汚染なしの価格で購入しました。汚染の実態を正しく都民に伝えずに汚染隠しに加わった環境局は重大な責任があると思います。
 後の二〇〇八年の専門家会議で大量の汚染が発覚したために、二〇一一年、残りの土地取得時の財産価格審議会では除去の文言が使えず、売買当事者の協議に委ねるとして審議を放棄しました。このとき提出された不動産鑑定評価報告書の入札時の仕様書には、汚染を考慮外とすることが条件となっていました。これは不動産鑑定士が百条委員会で証言していますが、公正な評価と言えるかどうか、また想定上の条件としても不適切だったのだと思います。
 五、土対法の調査スケールに関してです。
 二〇〇八年の専門家会議で大量の汚染が発覚したため、都の汚染を除去したの説明は破綻いたしました。汚染は除去できるに本質のすり替えを行いました。
 実際、専門家会議の調査内容の結果は、私が資料二にまとめましたので、ちょっとそちらの方も御覧いただけると思うのですが、色が付いている部分が専門家会議で見付かった汚染です。三十メーターの、大きいバツが付いているところは東京ガスが対策した範囲を示します。ですから、東京ガスが対策をした後も相当のものが実態としては、専門家会議でも調査の結果、大量の汚染が残っていたということが分かるということです。
 結局、都は、土壌も地下水も環境基準を超える汚染物質は全て除去しますというふうな約束をするに至りました。それは、それまでの財産価格審議会などの経緯からそういうことになったということなんだろうと思いますが、資料三は東京都がそのように説明しているというものです。土壌も地下水も環境基準を超える汚染物質は全て除去しますというふうに書かれてございます。
 しかし、この約束が最初から無理であったことは、実は専門家会議は既に認めていました。土壌に四万三千倍のベンゼン汚染が見付かったときに周辺の追加調査を行った結果、同様の汚染がなかったことから、専門家会議の結論は、たまたまサンプリングの管がタールだまりに当たったのであって、散らばっているタールだまりを全部見付けることは不可能であるというものです。対策としては、汚染地下水の水位をコントロールすることと盛土による気化ガスの軽減、RBCA、レベッカによる地表への影響評価でした。
 結局、地下空間は盛土がなかったのですが、その概念図を作成しましたのを添付いたします、資料四にございます。
 専門家会議がこの調査方法では汚染の調査漏れが生じると結論付けた土対法の調査スケールも図にいたしました。資料五にございます。資料五を見ていただくと、十メーター掛ける十メーターに直径七センチのサンプリング管を通したときに、たまたまぶつかるところが非常に確率としては低いと。そうなると、この一律の単位で調査をする方法というのは実態に即していない、だからたくさんの汚染が残ったということが資料五の図から見て取れるのではないかと思います。
 六番、対策費八百六十億円はなぜ使われたか。
 汚染対策が失敗することが分かっていて約八百六十億円もの市場会計を使ってなぜ対策工事が行われたのかと。これは築地の仲卸さんたちが怒っていることです、怒りはそこにあります。
 二〇一七年一月、専門家会議で公表されてちょうど二年目に当たる第九回の地下水モニタリングの結果は衝撃的でした。一回目から八回目までの地下水では、僅かな例外を除いて土対法指定基準を下回っていたものが、九回目で突然、ベンゼン最大七十九倍、ほかにシアン化合物や水銀など、二百一か所中七十二か所から基準超えの汚染が出たのです。これは小池都知事にしか描けなかったとして百合子グラフと呼ばれているものです。資料六を御覧ください。これは皆さんも御覧になったことがあると。これはベンゼンの経緯を示しているものです。
 八回目までの試料採水者への聞き取り調査により、事業者である東京都が基準を超過した試料の再採水を指示していたことが分かりました。複数の調査から都合のよいデータだけを採用することについて、二〇一〇年十一月、環境省が、土壌汚染状況調査などの公正な実施に支障を及ぼすおそれのない体制の整備について、通称二度掘り禁止の通知ですか、を示し、これは問題があるというふうに指摘しています。
 敷地面積の約半分は建物で覆われています。構造上、追加調査や対策は不可能ですから、そもそも汚染が出るということは想定しなかったと考えるのが合理的です。ごまかさないと続けられない公共事業というのは一体何なんでしょうか。汚染が見付からないとされれば、除去の措置の完了から一部を除く指定解除、市場の開場という流れになったのですから、取り返しの付かない事態の前に止まったということは、都民にとっては大変よかったことだと思います。
 七、官製土壌ロンダリングについてです。
 東京ガスが汚染を除去したと、二〇〇七年に専門家会議が始まるまではそう説明していましたが、新たな調査で汚染が見付かるのは不都合なことだったはずです。そこで、十メーターより浅い位置に粘土質の有楽層、沖積層、Yc層ですけれども、それが、Yc層が連続しているとすることで、深度方向の汚染のボリュームをコントロールしたというのが第一の偽装です。
 結果は、試料採取のボーリング調査の余掘りの厚みが五十センチを確認できなかった箇所が二百七十八か所にも及びます。Yc層上端面の不整合部分約八十か所も見付かっています。水を通しにくい難透水層であることの説明に、専門家会議に使われた透水係数についても一桁安全側に書き換えていた箇所も見付かっております。それについては資料七、資料八に示してございます。
 また、省令に示された試料の採取方法も三百か所以上無視し、指定調査機関に指示し、最初から汚染区域外しを行っていた事実、第二の偽装も見付かりました。これは、先ほどお示ししました資料二の中の箱書きで書いてある、箱の印が、四角い印を付けていた表記の部分ですが、三百か所以上でそのようなものが見付かっております。しかし、土対法どおりの調査をしたからとしても、汚染の取り残しを全て説明できるわけでもなく、汚染は底部だけの問題ではないのは事実です。
 次に、土対法の改正を考えます。
 まず、自然由来の汚染について。
 豊洲の場合、土壌汚染対策法の対象になったのは、第一種特定有害物質はベンゼン、第二種ではシアン化合物、ヒ素、鉛、水銀、六価クロム、カドミウムです。全部が石炭ガスの製造過程で汚染の可能性のある物質として調査の対象になったのですが、ヒ素については大量に汚染が存在していたために、高濃度の汚染の区域があったとしても、その近辺が溶出量十倍以下であると一律に自然由来扱いとしたということです。
 これは、資料九にヒ素の汚染についてまとめましたのでそれを御覧になっていただくとお分かりになると思いますが、亜ヒ酸を使ったという、工場由来のものであるという箇所が確実に分かっていながら、上の方は操業由来、有楽町層の内部については十倍以下だから自然由来というふうに、かなり御都合主義的に東京都がそのように判断をしたということについては、非常にその辺が自然由来と操業由来が曖昧になるゆえんではないかというふうに思います。そのことは豊洲でも起こったということです。
 それから、自然由来の汚染の移動の場合なのですけれども、そもそも管理票と汚染土壌処理者制度とによって管理されていた記録がどうなるのか、それがどう担保されるのかという点で不明な点がこの法の改正にはあるのではないかと考えます。
 それから、二、臨海部特区について、工業専用区域に特区指定に関して申し上げます。
 豊洲市場の用地の汚染対策の場合も、計画段階で八十万立米の汚染土、基準十倍以下の油分を含むものを除いて新海面処分場に捨てられました。全体の汚染土量が計画段階で百万立米ですから、大半は処分場に捨てられた計算になります。ボリューム的には四十ヘクタールに関して二メーターの層厚のものが全部捨てられたということなんです。
 ちょっとそれを都の担当者にお聞きしましたところ、降雨時の汚染が海面に流出しないように税金でずっと維持管理をするというふうに答えていました。放置しておいても汚染の総量は減らないのですから、一企業がその管理を継続して行えるのだろうか、その保証があるのかのようなことに懸念するところです。
 それから、汚染土が持ち込まれるわけですから、拡散防止は具体的にどうするかなど課題が多いのではないかというふうに思います。また、地方に特区が指定されれば、都市部の汚染が大量に搬入されるなど、汚染土壌受入れビジネスも生まれるのではないかというふうに予測されます。
 都市計画法上の特定街区の工業専用地域ですけれども、隣接して第一種住居地域が指定されている場合もあります。といいますのは、臨海部というのは非常に眺めが良い、海に面しているので眺めが良いので割合住居があったりするんですね。また、工業専用地域に隣接しているのは、工業専用地域には工業地域や準工業地域も隣接している場合も多いのですが、それぞれ住宅や共同住宅、店舗なども建つ、居住空間もあるということですから、近接地がそのような汚染土壌の特例区域に指定されれば不安な住民も多いのではないかと。指定の場合の近隣の同意を条件にするなどが必要と考えます。
 最後に、土対法そのものを考えます。
 このように、土対法の調査方法は出口のない袋小路に追い込まれているように、すっかり信用をなくしているように思います。そろそろ汚染の実態を把握する新たな方法を考え、実践に移す時期が来ているのではないでしょうか。第二の方法、既に研究され実践されつつあります。取組を簡単に御紹介します。資料の十にお示ししております。
 実際、先ほど見ていただきましたように、十メーター掛ける十メーターの任意の真ん中でやって一律に取っていくという方法は、もうそれは無理が来ているのではないかというふうに思います。実際、実践されている方法は、その地質を、単一の地層ごとにどのような地層があるかということを立体的に判断して、その地層と汚染の関係を調べていくことで汚染を捕捉していくという考え方ですが、これは既に千葉県などでも自治体単位で実施されていることでもありますし、実務者、研究者もたくさんその辺りの研究に携わっているということもありますので、土壌汚染対策法上、省令で試料採取方法、調査方法など詳細に決まっているのはいるのですけれども、また自治体単位で自治事務として自由度を与えて、それで研究を盛んにして、その汚染の実態になるべく沿った調査ができるようにというふうな方向も必要なのではないかと思います。
 以上です。ありがとうございます。
○委員長(森まさこ君) ありがとうございました。
 以上で参考人の皆様の意見陳述は終了いたしました。
 これより参考人に対する質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○磯崎仁彦君 自由民主党の磯崎仁彦でございます。
 まず、今日、三人の参考人の皆様方には、こちらの方に足を運んでいただいて、また貴重な御意見をいただきましたことを心から感謝を申し上げたいと思います。
 時間も限られておりますので、私の方からそれぞれの参考人の方に質問をさせていただければというふうに思います。ただ、私の関心なり土対法との関係で質問が集中する可能性もありますので、その辺は御容赦いただければというふうに思っております。
 まず、大塚参考人でございますが、まず私は事前に調査室の方からも資料をいただきました。その中で、大塚参考人が環境法、環境政策、民法を主な研究分野とされて、研究に対する思いということで、これ以上環境を悪化させずに将来世代に引渡すことを是非とも実現したいと考えているという、こういう思いを持って研究をされているということに非常に敬意を表するとともに、我々もこういう気持ちを持って臨んでいかなければいけないということを強く感じたところでございます。
 先ほど意見をいただいた中で、まず、大塚参考人としては、二〇〇九年の改正をもってしてもいろいろ課題があるということに対して、今回の改正法につきましては緩和する部分と規制を強化する部分、この両面があるわけでございますけれども、基本的には幾つかある課題について、条件付でとかそういうものがあるものの、基本的には、最後に今後の課題ということで三点ほど記載をされておりますけれども、当面課題とされていたことについてはほぼこの改正法で対応されたというふうに私は意見陳述を聞いて理解をしておりますが、そういう理解でよろしいでしょうか。
○参考人(大塚直君) ありがとうございます。
 おっしゃっていただいたとおりでございまして、現時点では必要な現実的な対応を最大限行っているものだというふうに考えているところでございます。
 ありがとうございます。
○磯崎仁彦君 事前にいただいた資料を拝見をしますと、汚染除去等の対策として掘削除去、これが非常に多い、八割以上を占めているというそういう認識がおありだというふうに思っております。
 それを踏まえて、二〇〇九年の改正では、規制対象区域が単一であったのを、いわゆる要措置区域と形状変更時要届出区域、この二つに分けて、後者については汚染除去等の措置が不要であるということにして、この掘削除去が八割を占めているということの対応策を取ったと。ただ、これを取っても、なかなかやはり掘削除去の割合は高いということは変わっていないというそういう認識を持たれているかと思いますが、この主な理由というのはどういうところにあるというふうにお考えでございましょうか。
○参考人(大塚直君) おっしゃる点は重要な点でございまして、それについての最大の問題点は、不動産市場の要請で、どうしても真っ更になったと思われるような、本当に真っ更かどうか分からないんですけれども、掘削除去をして一応真っ更になったというふうに考えられるような土地を人々が求めているというところが最大の理由であろうというふうに考えているところでございます。
○磯崎仁彦君 今回、このいわゆる計画を提出をするというそういう対応を取ることになったわけですけれども、恐らくこれで、提出の創設ですね、これによって汚染除去等の措置内容に対する計画を知事に提出をして、それを審査をして実際の汚染除去がなされると。したがって、一つの方策として、この計画提出を求めることによって、いわゆる掘削除去、それが適切なのかどうなのかということについて、知事のいわゆる審査というか、こういったものが入ることで、一つ、掘削除去に至らないものの対応に代えることができるのではないかということ、これは対応策の一つになっているというふうにお考えでございましょうか。
○参考人(大塚直君) 非常に興味深い点でございますが、事実上の行政指導的なものでそのようなことが今回の計画提出との関係であり得るというふうに考えておりますが、ただ、ちょっと細かい点で恐縮ですけれども、汚染の除去の指示について、措置等という、等という言葉が例えば八条とかに出てくるんですけれども、これは知事が指示したもの以上の措置をその土地所有者等がされることに関してはお認めしているというのが法の建前、立て付けになっておりますので、法律上は、知事が指示する以上の措置、例えば掘削除去とか原位置浄化ですけれども、ということを、例えば知事が封じ込めを指示したけれども土地所有者等が掘削除去したいというふうにした場合には、ちょっとそれは止められないというのが法律の立て付けにはなっているということも同時に申し上げておきます。
 ありがとうございます。
○磯崎仁彦君 そうなると、この計画を提出してそういうことを言ったとしても、なかなか強制力を持たないということなので、どこまでの効果があるかということは非常に微妙だという、そういうことでございましょうか。
○参考人(大塚直君) ありがとうございます。
 残念ながらそういうところがございまして、土地の所有者等が自分の土地を完全にきれいにしたいという気持ちは全く否定するということもちょっとできませんので、残念ながらそういう部分は残る、残らざるを得ないというふうに考えております。
 ありがとうございます。
○磯崎仁彦君 そうなると、先ほどのところに話が戻るわけですけれども、やっぱりその掘削除去、これが、もう是非というのはあると思いますけれども、これを少なくするためには、やはり不動産市場、この在り方というものを是正をしていくということが根本的な原因解決になるのかもしれませんが、そのための有効な方策というのは何かあるんでしょうか。
○参考人(大塚直君) それにつきましては、社会で徐々に、下に汚染が眠っていても摂取経路さえ遮断しておけばその土地は使えるんだということを、あるいは有効に利用できるということを認識していくということが非常に重要になってくるかなというふうに考えているところでございます。
 今回、私が改正案のBとして申し上げた台帳のところでございますけれども、掘削除去等をして解除した場合に、全くその台帳に関しては真っ更にしてしまうというのを、そういうことを従来行ってきたわけでございますが、これはそうしないとせっかく汚染除去をしたのに何か残っているように思われるのが嫌だというふうにお考えの方もいらっしゃるものですからそういうふうにしてきたんですけれども、今回の改正案ではそこを解除したということの記録を残すというふうに変えるわけでございますけれども、これは掘削除去をしてもまだ何か残っている可能性もありますし、掘削除去をしたんだということの記録を残すことが必要だという観点から残すわけでございますが、こういうことをしていくことによって、社会全体で汚染が残っていても摂取経路さえ遮断しておけば安全だという感覚を徐々に持っていただくということが必要だというふうに考えているところでございます。
 豊洲とかの食の安全の問題はちょっとまた別の問題ですけれども、一般的な土壌に関してはそういう理解を社会全体が進めていくということが非常に重要だと考えているところでございます。
○磯崎仁彦君 大塚参考人には最後の質問になりますけれども、今後の課題として、法のそもそもの目的、これに生活環境被害防止、これを加えるべきだというお話がございますし、多分、いただいたほかの文章等々の中では、例えばアメリカとかオランダは生態系への影響、こういったことも法の目的に掲げられているというそういう話があったかと思いますが、こういう目的を加えることによって、現実問題としては更なる規制というか、どういったものが新たに法律の内容として加わっていくのか、そういうところについて、今後の課題でございますけれども、教えていただければというふうに思います。
○参考人(大塚直君) 今の点につきましては非常に重要な点だというふうに考えておりますが、まず生態系のところまで行く前に、生活環境被害のところも法律の目的には入っていないという問題がございます。現在は健康被害の防止だけが目的になっているということがございます。
 生活環境被害を入れることによって、特にまず出てくるのが油汚染でございまして、油の中にはベンゼンとかも入っているときもあるんですけれども、一般的には油汚染は生活環境被害の問題だというふうに考えられております。そうしますと、油汚染をこの法律の対象にするとガソリンスタンド等が直ちに対象になってくるということになりまして、ガソリンスタンド全国に結構ございますので、規制の中身は特に変わらないんですけれども、規制の対象が増えるということになります。
 生態系ということになりますと、またそれ以外のものも入ってくるということになります。
○磯崎仁彦君 大塚参考人、ありがとうございました。
 続きまして、佐藤参考人にお伺いをしたいと思います。
 私は、この規制の基準が、土壌環境基準と土対法の指定区域となる基準、これが同じなのかどうなのかと、非常に興味深いというか、重要な根本的な話ではないかなというふうに思いました。
 それと、いただいた事前の資料等々の中で、やはり、佐藤参考人は弁護士をされておって、いろいろ相談を受けられたり訴訟を担当されたりということで、実際生の声というものに即していろんなお考えを持たれているんだろうというふうに思っておりますけれども、いただいた中では、例えば土壌汚染のリスクに応じた対策、これを取っていくことが非常に重要なんだというそういうお考えを伺いました。先ほど伺った御意見の中でも、例えばその用途に応じて基準というものを考えていく、これはまさにそのリスクがそれぞれの用途によって異なっていくということに応じたお考え方ではないかなというふうに思いました。
 佐藤参考人は、いろんなところで、例えば企業の負担がこれでどうなるんだろうかとか、あるいは土地の有効利用の観点からどうなんだろうかと。やはり私は、環境とよく経済というか、こういったものはやはりどうバランスを取っていくのかというのは非常に重要で、確かに環境をずっと進めていくということによってコストが掛かっていくということがありますので、決して環境なり健康というものをおろそかにするわけではないですけれども、やはりその辺のバランスをどう取っていくのかというのは非常に重要なんだろうというふうに思います。
 そういった観点で、今回、例えば臨海地の問題であるとか、あるいは自然由来のもの、こういったものの規制緩和を行ったということについては、先ほどの意見表明の中からすればほぼ評価をされているというふうに私は認識したんですが、それともう一つ、臨海部分だけではなくて内陸においても、これは臨海部と同じように土地の有効利用とか事業者等々の事業を考えていけば、もう少し拡大してもいいんじゃないかというお考えもお持ちというふうに伺っておりますが、その辺のことについてもう少しお話を伺えればというふうに思います。
○参考人(佐藤泉君) 今の御指摘の御質問にお答えいたします。
 今回の改正は、確かに一定のバランスを取っているということで、私は評価をしないという見解ではございません。しかし、これで対策が進むのかというと、かえって複雑になっていく。なぜ複雑になっていくかという原因は、やはりその基準値のスタートの時点の考え方がある意味で正しくない。つまり、何が安全かということをきちんと把握した上で対策をしていくということが問題なわけですけれども、日本全国で自然由来の汚染の濃度のものであっても規制していると。つまり、その基準値の考え方が過剰なわけですね。この過剰なことを前提に、それでは過剰だから規制緩和をしようというような発想にあると。
 しかし、それで規制緩和の効果が出るかというと、日本国民としては基準値を超えているということになると放ってはおけないわけですね。したがって、掘削除去を減らすというのは、ある意味で安全でないと言いながらそのままでいいよと言っているような法律でありまして、矛盾があるわけであります。そうすると、土地を利用する、あるいは土地を売買するときには、安全かどうかは取りあえず基準値で考えるしかないと。本来は掘削除去をやめた方がいいと言われても、そんなものでは売れないとか担保が付かないということになってしまいますので、結局、掘削除去をするということは変わっていかないと思います。
 したがって、根本的に日本の国土をどうするかということについては、日本の国土の由来、バックグラウンドレベルというふうに言いますけれども、人間が何にも活動しなくても国土としてこういう環境なんだというこれは前提にしませんと、人間が全く活動していないところでも汚染なんだというふうに言ってしまいますと、これは永遠に日本の国土を利用できない状態にしてしまうわけですね。つまり解決できないわけであります。自然の土壌そのものを否定するような法律で、それを前提に規制緩和をするといっても規制緩和の効果は私は余り発揮できないのではないかというふうに思っております。
○磯崎仁彦君 時間が参りましたので、最後、一言だけ、水谷参考人。
 いただいた意見の中で規制緩和のところについて御意見がありましたけれども、今回の改正の中には規制強化のところも入っているかと思いますが、その点についてはどうお考えでございましょうか。
○参考人(水谷和子君) 水谷です。
 いろいろ、いろんな機会で国土をきれいにしていくということは大変大切なことだと思います。ただ、誰にとっての対策なのかという視点も大事だと思います。例えば、事業者さんにとって非常に負担があるというような場合もあると思うのですが、私がここずっと見てまいりまして問題だと思いますのは、せっかく対策をしても汚染が残ってしまうというパターンがあると。豊洲のことでそれがよく分かったわけですけれども、もっと実効性のある調査をして確実にきれいにする、そうすればそれが事業者さんにとってもプラスなわけですよね、売買ができるとか、それから担保価値が付くとか。ですから、実効性のあるものの調査であれば、それは大変結構なことではないかなというふうに思います。そうすれば事業者さんたちも、やろうかなというふうに思うんだろうと思います。
○磯崎仁彦君 時間ですので終わります。ありがとうございました。
○芝博一君 大変今日はお忙しい中、三人の参考人の皆さん方には、御出席いただきまして、ありがとうございます。民進党の芝博一でございます。
 まず、私、総合的な部分からお話を聞かせていただきたいと思っておりますけれども、前回、二〇〇九年の改正の部分から含めて、ここは附帯決議の部分で、現状の調査の部分を含めて、今回は附帯決議にのっとった部分で改正がなされてきた、大きな流れでありますけれども、総合的に判断を、総合的にですよ、個々それぞれの問題点を指摘いただきましたけれども、総合的に先生方は良としているのか可としているのか不可としているのか、その辺の感性をお伺いしたいと思うんですけれども、大塚参考人の方から順番に、まず総合的な評価を。
○参考人(大塚直君) 総合的に見て良としているということでございます、はい。
 ありがとうございます。
○参考人(佐藤泉君) 私の意見としては、今の段階の改正としては、バランスを取っているという意味では良と思います。しかし、根本的な問題を残しているという意味では、将来もっと本当の本質に踏み込んだ改正が必要になるという時期が私は近いところでは必要ではないかというふうに思っております。
○参考人(水谷和子君) 水谷です。
 根本的な問題は、私は調査にあると思っています。そこが改善されない限り、どのような改正案が出ても、何か砂上の楼閣になっていくのではないかという不安を覚えておりますので、総合的に見ればどちらかというと不可かなというふうに思います。不可ということで。はい。
○芝博一君 はい、分かりました。
 それで、今回の改正案の中で、いろんな規制の強化とそれから緩和がされました。しかし、ここの部分において、全て国の法律の中の部分からいくと、届出であったり調査であったり措置命令であったり、若しくは所有者、事業者への、届出や調査や措置、対応を求められている形になっておりますが、相当これらの下で県が、地方自治体が負担を強いられていくと、こう思っているんです。一律に、いろんな地方自治体の能力もあろう、規模もあろうと思うんですけれども、この法律が施行されて各自治体がこの法律のとおり具体的に対処できると先生方はお考えでしょうか。
○参考人(大塚直君) これらの今回の規制強化をした部分について、あるいは規制緩和に関しても、自治体の関与が確かに先生がおっしゃるように大きいわけでございますが、今回の規制強化の部分のかなりの部分は自治体の方で条例等で対処しているものもございますので、まずそれに関しては余り問題がないであろうというふうに思っています。
 ただ、人口が必ずしも多くないような自治体については、御懸念のようなことも全く心配がないわけではございませんので、適宜国の方から支援等をすることによって対応することは重要であるというふうに考えているところでございます。
○参考人(佐藤泉君) 佐藤でございます。
 今の御指摘は大変重要であると思います。現在何が起きているかというと、都道府県単位というふうになっておりますが、現実には政令市へ移管されているわけであります。
 そうしますと、政令市の職員の数というのは限られております。専門性もございません。土壌汚染は非常に専門性の高い分野でございます。そうしますと、ある日突然、市町村合併によって政令市になると、そうすると、今まで担当したことのない職員がこの問題を扱う。これは行政にとっても大きな負担であると同時に、事業者にとっても従来の考え方と違う行政指導をされる、あるいは審査に倍の時間が掛かるというようなことが起きております。そういう意味では、行政にとっても大きな負担である。それから、その審査を受ける国民にとっても、初めて経験するような担当者と長い協議をする、理解ができないということでの遅延というんですか、そういうことが起きていると思います。
 そういう意味では、このように専門性が高い分野については、政令市ではなくて都道府県単位で行う、また環境省が専門家の知見を生かして職員を派遣する。このように人材を活用しつつ安定した行政が行われるような仕組みが私は必要であるというふうに思っております。
○参考人(水谷和子君) 水谷です。
 健全な行政であれば、自治体単位、都道府県単位で自分たちの地域を完全にきれいにしていくという方向を持って自主的に判断できる部分を増やすというのは大変重要かと思います。今回、私がずっと申し上げていますのは調査の実効性ですから、それについて積極的に条例に加えるなど、国の省令以外のところでうまく活用していくというようなことがあれば、それは可能だと思いますし、いいのではないかと思います。
 豊洲の場合、東京都の場合ですけど、行政の無謬性に引っ張られて二十年間も大変な状態が今築地の人たちが負っていることですから、そのようなことがなければという前提です。
 ありがとうございます。
○芝博一君 今御指摘いただきましたように、法律が決まっても、現実的にはそのほとんどは自治体若しくは土地の所有者並びに事業者になってくるわけです。そうすると、時間も掛かれば人材も要る、そして当然ながら経費も掛かってくる、これが側面にある、対面にあると、こう思っているんですけれども。
 ここの部分で、今まで補助制度的なものもありますけれども、その活用はほとんど行われていないという現状も踏まえて、何が不足されているとお思いでしょうか。いわゆる、すなわち告示であったりとか行政の指導とか、いろんな問題点があろうと思うんですけれども、そこの問題って、なかなか法はあれども実際には運用されないという形になってしまっては魂が入っていきませんから、そこの部分の問題点があれば、お考えがあれば、お聞かせください。
○参考人(大塚直君) まず、土地所有者とか事業者の方の負担に関しましては、先ほど御説明させていただきました、九ページとか十ページの辺りで申し上げさせていただいたところが関連してくると思います。助成金の交付とそれから融資について、特に融資は現在中止されていますので、これの復活。それから助成金については、特に今回の一時免除中、操業中の事業場が新しく調査の対象に、形質変更のときに調査の対象になりますので、これとの関係で中小企業がお困りになることが多いと思いますので、是非助成に関して現在ある制度を活用することを考えるべきだと思っております。
 現在、助成について余り活用されていない理由としては、そちらにも書かせていただきましたように、まず助成要綱をそもそも作っていない都道府県があると、それは具体的案件が出てくるまで余り必要性を感じないということのようですが。それから、都道府県自体が助成金の四分の一を負担することが嫌なのでそもそも余り積極的じゃないというような問題がございますので、このように都道府県を通じた間接助成にしていること自体が問題だという考え方もあるかもしれませんが、現在の制度を前提にすれば、都道府県についてももう少し頑張っていただく必要があるということになると思いますし、都道府県を通じている間接的な支援の制度自体がちょっと問題だというふうに言えることもあるかと思っているところでございます。
 もう一つの方の自治体に対する支援につきましては、今まで余り行われていないところかと思いますので、新しく国の方でお考えになっていただく必要があるのではないかというふうに思っています。
 以上でございます。
○参考人(佐藤泉君) 御指摘の点、非常に私も重要だと思います。具体的には、地方公共団体の支援でございます。
 地方公共団体では四月になると人事異動するわけですね。そうしますと、今まで担当していない方が担当する、それによって大きな負担になるということがあります。こういう場合に、専門家の派遣というような民間の人材を活用して、公正性を保ちつつ民間の方が技術的な支援、数値の考え方、あるいは対策についての合理性、こういうものについて技術的な観点から支援をするという制度が必要ではないかと思います。
 それから、事業者の負担についても、こちらは既に指定調査機関というものがございまして、多くの企業はこの指定調査機関と協議してコンサルティングを受けております。そういう意味では、民間については支援制度がある程度民間で保たれております。しかし、公共にそういう制度がないというのは大きい問題であります。
 ちなみに、裁判制度では、裁判官が専門性のないところについては専門家の意見を取り入れる、裁判所として相談できるシステムというのを最近つくっているんですね。それによって間違った判断が起きないという担保が行われているわけですから、公共団体についてもそういう専門性について安心して相談できる機関があるという制度は是非必要だというふうに思います。
○参考人(水谷和子君) 水谷です。
 私は、実際現場で働いている人たち、研究者、実務者さんたちが生き生き働ける状況をつくってあげるということが最大だと思います。皆さん、国土をきれいにするという意欲に燃えている人たちもいっぱいいますので、その人たちが自由に研究しながら実務に当たるという状況がつくられるのが一番いいと思います。
 実務者さんたちの集会に参加したことがあるんですが、一番心が折れるのは、ここの調査をごまかしてくれみたいなことが来るわけですね、実際、指定調査機関さんが事業者さんからそう言われる。それで、指定調査機関の下で働いている人は、その下で大変苦しい思いをしている人たちがいらっしゃると。そういうことがないような仕組みというのを法で光を照らしてあげられたらなというふうな感じを持ちます。
 ありがとうございます。
○芝博一君 ありがとうございます。
 いずれにいたしましても、人材の確保、専門性、そしてそこには多額の費用が掛かっていくことは、これは行政のみならず自治体も含めて大きな私どもは課題と考えておりまして、ここも国の部分がやっぱり基本的に先頭に立って支援しなければならないと、こう思っております。
 その中で、今御意見をいただきました中で、水谷参考人さんの方からは豊洲問題を例に出して挙げていただきました。まさしく都が今言うような形の操作といいましょうか、やっていると、今回のような問題に発展するというような指摘があったと思うんですけれども。ほかの佐藤参考人、大塚参考人は具体的に、水谷さんははっきり豊洲問題を訴えられますけれども、お二人は豊洲問題についてどのようにお考えでしょうか。
○参考人(大塚直君) 豊洲問題に関しましては、形質変更時要届出区域でございますので、一般的に土壌汚染対策法との関係では形質変更時要届出区域の扱いをしているというところがございます。
 先ほど来問題になっている実際の汚染の除去等をしているかどうかという問題は、形質変更時要届出区域という関係からは特に問題にならないわけでございますが、豊洲に関しては一般の土壌汚染の問題とは別の食の安全という問題を考えたときにどう考えるかという問題が重要な課題であるというふうに考えているところでございます。
 以上でございます。
○参考人(佐藤泉君) 私は、豊洲問題は土壌の問題の難しさを非常に表しているというふうに思います。すなわち、何が安全かと。あの土地で市場を造ることが安全かということについてコンセンサスが得られていないということだと思いますね。それから、どんなに対策をしても完全にはならない。この問題を、土地の選定に問題があったのか、それから対策に問題があったのかということは、今になると一応、非常に難しい問題でありますが、いずれにしろリスクに対するコミュニケーションの失敗例であるというふうに思います。
○芝博一君 ありがとうございます。
 もう少し具体的に。今のままで東京都はいろいろな形で選択を迫られるんだろうと、こう思っております。私見で結構なんです、豊洲への移転は賛成か反対か、お答えできればお答えください。
○参考人(大塚直君) 済みません、ちょっと個別的な事案についてでございますので、具体的に関わっておりませんので、ちょっと申し訳ありませんが、どちらとも申し上げられないというところを申し上げます。
○参考人(佐藤泉君) 私見でございます。私は、市場として利用することに大きな危険があるというふうには思っておりません。ただ、あそこの経費的な問題で合理性があるかというのは別の観点だというふうに思います。
○参考人(水谷和子君) 水谷です。
 実際上、これはもう汚染だけの問題ではなくて流通の問題もありますので、事実上無理ではないかというふうに私は考えます。
 以上です。
○芝博一君 ありがとうございます。
 それじゃ、観点を変えて、最後の質問をさせていただきます。
 今、福島で除染が進んでいます。御存じのような形で土地を剥がして除染土をいろんな形でやっていますけれども。ここは放射能関係のあくまでも基本的な除染であって、それ以外の除染というのは対象になっておりません。
 今後、福島の土地の問題がいろんな形で出ています。事業をするときに適するか、若しくは売買的に適するか、個人的な売買でも結構なんですけれども、そういう部分を踏まえて、この除染の問題についてお考えがありましたら。一言で結構です。
○参考人(大塚直君) 福島の除染につきましても、帰還困難区域とそれ以外のところとで今のところ扱いが違っていますので、それぞれについて個別的に考えていく必要があると思いますが、除染はできるだけのところはやっていくことになっていますし、現在やっているところでございますけれども、個別的に売買とか事業に適するかどうかというのは個々の土地によってちょっと違ってくるということがあると思います。あと、自然に減衰していくというところも含めて、今後変わっていくところが出てくるということだと思っております。
 以上です。
○参考人(佐藤泉君) 難しい問題でございます。大変不幸な事件でございました。
 そういう中で、利用に適するかという意味では、私は、濃度の高い地域についてはこれは非常に難しいというふうに個人的には思っております。濃度がだんだん減っていくという地域については、個人がそこに住みたいというお気持ちの方にとっては適している、ただし、そういうところに住みたくないという人にとっては適していないということで、これはかなり主観的な要素に左右されるのではないかというふうに思います。
○参考人(水谷和子君) 水谷です。
 福島だけ特別基準が高くて特区のようなものがつくられているというふうにも聞いておりましたけれども、それは法の下の平等にとってどうだろうかというふうに、福島の人が放射能に強いわけではないですから、そういう意味では非常に問題が多いなというふうに思うのと、なぜ土対法がこれに対して光を当てなかったんだろうかと。二〇一一年に被災しましたけれども、前回、その前に改正ですから、今回、当然その対象になってもよかっただろうと。
 なぜそう申しますかといいますと、汚染と土の地質とかは切っても切れない状態にあるわけですから、土対法を扱っている研究者、実務者さんが、全国のその人たちが総力を挙げれば大分いろいろなことができるのではないかというふうに思います。そういう意味では、ちょっと今回は残念だったなというふうに思います。
○芝博一君 多岐にわたりましての質問、ありがとうございました。
 以上で終了させていただきます。
○若松謙維君 公明党の若松謙維です。
 三人の参考人の皆様、本当にありがとうございます。
 この法律、今回の改正ですけど、いわゆる規制強化と緩和という、アクセルとブレーキの両方なので非常に分かりにくいというか整理しにくい法律でありまして、質問が後になればなるほど論点が非常にまた難しくなると今実感しながら、まず取りあえず大塚先生にお話聞きたいんですが、先ほど、健康被害の防止ですか、それと生活環境被害の防止、これは違うというお話をされておりますが、その具体的な生活環境被害ということで、油ですか、ガソリンスタンド等あるんですけど、今回のこの規制につきましてはそこまで含まれていないと。
 この規制の在り方ですか、どういう考え方をお持ちですか。特にガソリンスタンド以外にはどういったところを規制すべきなのかというのが、ちょっと先ほどヒ素という話と火山の話がこれです、大変広い話で、佐藤参考人がおっしゃっていましたが、そこは大塚先生、どんなふうにお考えですか。
○参考人(大塚直君) 公害の定義というのは環境基本法の二条三項にございまして、そこで健康被害と生活環境被害が両方入っているということをまず申し上げておきたいと思います。さらに、環境基本法二条三項の定義におきましては、人為的なものに限られていますので、自然由来汚染が入るかどうかはその二条三項の定義からは必ずしも明らかでないということがございます。その二点が今の御質問に対するお答えとしては非常に重要だと思っていますけれども。
 それとの関係で、土壌汚染対策法がどういう考え方を取っているかということでございますが、土壌汚染対策法は、法の目的として健康被害だけの防止を目的としていて、生活環境被害は入れていないということでございまして、通常の公害についての扱いとちょっと違っているというところがございます。これは本来二〇〇二年の法律制定のときからの問題でございますけれども、やはりいろいろ対策について非常に費用が掛かる等々の問題がありましたり、あと、土地については私有地が多いものですから、私有地の問題であって環境の問題に必ずしもつながらない場面もあるということが考慮されまして、健康被害だけに取りあえず限定するということで法律が制定され、それが今まで続いてきてしまっているということがございます。
 もう一つの自然由来の汚染に関しましては、先ほど申し上げたように、環境基本法の公害の定義は人為由来のものに、人為的なものなんですけれども、自然由来の汚染に関しましてもそれ自体は自然にできているものでございますので公害ではないわけでございますけれども、自然由来の汚染のある土地を形質変更、つまり工事等をして掘削とかもした場合に、それをどこかに運び出すという、搬出をするというときには、搬出行為自体は人為的な行為でございますので、そこで、元は自然由来の汚染の土壌であっても運び出すときには公害になるということが環境基本法二条三項の定義に当たってしまうということがございます。
 先ほど来お話がありますように、低濃度の汚染の場合が少なくないということはあるわけでございまして、その点の特色も考慮する必要があるわけでございますけれども、場合によってはリスクがある場合も当然ございますので、その搬出の場合のところを考えると、自然由来汚染であっても公害に入り得るということがございまして、土壌汚染対策法の中に入れてしまっていいのではないかという問題が出てくるわけでございます。
 さらに、その搬出のことを考えたときに、搬出行為に関して何らかの規制をすることを考えたときに、何らかの区域指定をしないと搬出行為を規制できないという問題が出てきてしまいますので、結局自然由来汚染に関しても、搬出のところに着目をした上で区域指定はある程度する必要があるという考え方が出てきているということでございます。
 私の説明にもございましたし、佐藤参考人のお話にもございましたが、自然由来汚染に関しては二〇〇九年改正のときには法律の中に明確には入っていなかったということでございますけれども、今般の改正案では明確に入れるということになるのではないかというふうに考えているところでございます。
 以上でございます。
○若松謙維君 佐藤参考人にお聞きします。
 今のお話でありますが、先ほど、特に火山ですか、ヒ素ですかね、これについて今回の法律は入っていないんですけれども、この問題どういうふうに整理して、この土対法との関係でどういうふうに今後持っていったらいいかと、何か御意見あれば。
○参考人(佐藤泉君) 汚染はヒ素、フッ素、ホウ素ですね、それから一部鉛がございます。これらは、火山国でございますので、相当広い地域にわたってございます。例えば、花崗岩とか石灰岩とかですね、こういうものが平野部に流れてきますと普通に環境基準を超えています。そういう中で、実は土壌汚染対策法を作ったときには、それはある意味で人がつくったものではない、また、対策をするといってもそれは無理でしょうということで基準から外れていたわけですね。
 私は、やはりその状態に戻す方が正しいのではないか。つまり、土壌汚染対策というのは人が汚した汚染について対策をするのであって、自然的な平野に広く分布している、こういうものについては法の対象にしないという元の姿に戻すのが私は正しいのではないかと思います。それによって、売買のときにも、例えば基準値超過があっても、これは自然的由来と同程度ですというふうに開示をすれば安心して売買ができるわけですね。
 それから、搬出土壌のことが問題になっていますけれども、同じ平野で同じ濃度の汚染状態にあるのに、それを動かしただけで汚染になるというのは、それはもう一帯が同じ濃度なわけですから、搬出による健康被害が発生するとは私は思えないというふうに考えています。
○若松謙維君 それでは、同じような観点で水谷参考人に、どんなお考えでしょうか。
○参考人(水谷和子君) 水谷です。
 自然由来のもので、豊洲の場合、ヒ素と鉛に関しては操業由来のものであって、ヒ素は触媒に使われ、鉛は恐らく石炭の中にそもそも入っていたということで指定されたんだと思いますけれども。土対法の中には、操業者に対して未然に汚染を排出しないようにという規制をしてくださいと、予防の観点からということがあると思うのですね。
 そうすると、自然由来と操業由来がかぶってしまうような汚染に関しては、前もって非常にその辺は厳格に分けるということをしないとちょっと難しいかなというふうに思いますのと、それから、その搬出の問題、記録をしなくてよいというような内容の法改正だと思うのですが、土壌汚染対策法の対策のイロハのイだと思うのですけれども、適時適切に土壌地質汚染の状況を把握することというのがあると思いますね。そもそも、その調査をするときにどこにどういう汚染があるかというのを把握した上で移動するわけですから、せっかく見付けたのにもったいないなと。できれば、そのときに一緒に記録をして、それで記録管理票として、管理するということがあればもっといいのになというふうに思います。
 ありがとうございます。
○若松謙維君 ありがとうございます。
 今の御三人、いわゆる搬送、さらには自然由来ということで、御指摘いただきましたので、また附帯決議等で議論していきたいと思っております。ありがとうございます。
 もう時間があれなんですけれども、特に大塚参考人と佐藤参考人にお聞きしたいんですが、いわゆる今回のこの土対法ですけれども、いわゆるスーパーファンド法がアメリカから来て、基本的にはいわゆる汚染の責任は所有者がやると、こういう基本的考え方があるんでしょうけど、当然それに似たようなイギリスの規制とか、あとオランダですか、狭い国でどっちかというとあれは土地の再利用を非常に重要視していると。また、ドイツはかなり環境に厳しい。
 こういういろんな国から見て、日本のこの国土の環境から見て、今回の法律の在り方ってどんなふうに、大体こんなものかなと、かなりアバウトな質問ですけれども、どういう御感想でしょうか。
○参考人(大塚直君) 二〇〇二年に法律を制定したときは、各国の法律との関係をかなり調査した上で制定していると思いますが、その後、日本の独自の発展を土壌汚染対策法は遂げているところはかなりございまして、今回の改正はそういうところが、独自の発展を遂げているところが多いのではないかと思います。
 ただ、外国法との関係では、一つは先ほど御質問もいただいた法律の目的について、生活環境被害が入っていない、あるいは生態系のところは到底入っていないというような問題がございましたり、あと土地の所有者にかなり過度に責任を負わせているところがないわけではなくて、善意無過失の購入者に関しての抗弁というのを認めていないというところにもちょっと特色が出てきてしまっているという問題が指摘できると思います。
 さらに、自然由来汚染等については、オランダでは資源の再利用という観点を持っていますので、今回その点については、我が国の法律にもその点を導入するということになると考えております。
 以上でございます。
○参考人(佐藤泉君) 私も外国の事例を幾つか伺いますが、外国の方々がおっしゃるのは、日本はフッ素、ホウ素、この辺は随分厳しいなと。はっきり言って、これは土に普通に含まれるものなので、外国ではこの重金属についてはそれほど厳しくないと。むしろ、有機塩素系溶剤という、こういう洗浄したりするときの物質、これは非常に発がん性があるということがございますので、こういう工場で洗浄剤に使ったような、VOCというんですかね、有機塩素系のもの、こういうものについては日本よりもかなり厳しい。それから、油についても日本は割合に緩いねというような素朴な疑問を持っている方が多いように思います。
 そういう意味で、日本は火山国である上に、外国よりもこのヒ素、フッ素、ホウ素、あるいは一部の鉛、こういう普通の土壌にあるようなものについて過剰ではないかというのが私の印象でございます。
○若松謙維君 ありがとうございます。
 そうしますと、さっき、豊洲の問題なんですけれども、いわゆる知事が安心と安全は違うと。実は、この議論は先ほども芝委員からもお話がありましたが、福島の風評被害にもつながる話であります。現在のいわゆる帰還困難区域以外、まさに線量はもちろんこっちよりも高いんですが、そうはいっても世界的な基準からすれば全く安全は問題ない、ただし安心ではないという、このいわゆる、これは日本人独特の整理の仕方だと思うんです。本来、やっぱり科学的なベースが本来だと思いますので、そうすると、科学的な安全性はやっぱり安心につながるべきなんでしょうけど、そこをあえて分けるというところが非常に、何というかな、ある意味では無駄な議論にもなるだろうし、かといって、そうはいっても一人一人の心情というものは違うと。
 そこの区分けというのは整理しなくちゃいけないんでしょうけれども、そういう中、私ども都議会公明党といたしましては、そういう状況も含めて、やはり都民の方に、豊洲のいわゆる地下じゃなくて、いわゆる通常使われるところへ行っていただいて、いろんなデータがありますので、そこで判断してくださいと、安心というものを、直接都民の皆様に行っていただいて、それで判断してくださいと。
 でも、いずれにしてもずるずる延ばすことはできないし、先ほど水谷参考人も、新しいアプローチがまたこれも時間掛かるでしょうから、そこはどこかで一つ結論を付けなくちゃいけないということなんですけど、そういう議論の中で、佐藤参考人は特に移転は問題ないと、水谷参考人は全く否定されているということで、そこで、ちょっと、そうすると、お伺いするのは大塚参考人しかないんですけれども、今、先ほど、法的な問題がないという意味なんでしょうけど、大塚参考人は今の視点からどういうふうに整理していただけますか。
○参考人(大塚直君) 先ほど、安全と安心の違いに関して日本独特だというふうにおっしゃっていただいた点については、少し私の意見を申し上げさせていただきたいんですけれども、福島につきましても、まあ豊洲についてもそうですけど、特に福島の問題については放射性セシウムの問題ですので、二十ミリシーベルトがどうかとか、あるいはそれより低い値が必要かどうかとかいう辺りに関しては閾値がないものですから、科学によって完全には決まらないというところがないわけではございません。そのために、安全と安心の問題というのはどうしても分かれてしまうというところが残念ながらあるのではないかというふうに考えているところでございます。
 豊洲の問題に関しては、ちょっと個別的な問題で、私もとても詳しいというわけではございませんのでやや答えにくいところがございますが、先ほどもちょっと申しましたように、土壌汚染対策法との関係、あるいは土壌汚染というもの一般との関係では恐らく問題がないということでよろしいかと思いますけれども、市場というのを造るという、食の問題との関係でどう考えるかというところが残っているのだろうというふうに私自身は考えているところでございます。
 恐れ入ります。
○若松謙維君 以上、終わります。ありがとうございました。
○市田忠義君 日本共産党の市田忠義です。
 今日は、三人の参考人の皆さん、大変貴重な御意見をありがとうございました。
 実は私、豊洲に住んでおりまして、ちょっと今日は豊洲新市場の土壌汚染問題について絞ってお伺いしたいと思います。
 まず、水谷参考人にお伺いしますが、今大きな問題になっている豊洲新市場用地は、前回の土対法の改正によって法の対象になりました。それは、三千平米以上の土地の改変を伴う工事だったからであります。ところが、ベンゼンなどの揮発性有害物質の状況調査では、必要な調査区域の五七%、約六割が調査対象から外されていました。これは、東京都が最初から発注仕様書の中で帯水層底面調査の一部を省略することを指定調査機関に指示をして、調査会社はその指示に従いました。この指定調査機関を認可したのは環境大臣であります。
 その後、調査対象から外されていた三百三十三区域のうち三百五区画のベンゼン汚染区画を外して形質変更時要届出区域に指定されました。言わば、官製土壌ロンダリングと先ほど水谷参考人言われましたが、それにぴったりの偽装とも言える状況じゃないかなと。こういう偽装によって深層部汚染が見逃された、これが今の深刻な汚染のもとになっているというお考えなんでしょうか。その官製土壌ロンダリングについて御説明いただきたいと思います。
○参考人(水谷和子君) 水谷です。ありがとうございます。
 おっしゃるとおりに、底部汚染が大分あったのではないか、あったからこれだけ汚染が出てきたのではないかというふうに私も思っております。なぜかと申しますと、ベンゼンやシアン化合物はタールだまりと一緒に移動する、タールだまりは比重が一・一から一・二である。ですから、下の方にたまりやすいのに底面について汚染の調査をしなくてよいと言ったのはなぜだろうと。恐らくその調査の対象を限定してしまおうという内容だったと思いますけれども、それを東京都自身が指示して指定調査機関がそれを受けたと。本来は省令にのっとって調査をするというのが指定調査機関の役割ですから、それは従ってしまったこと自体は大変問題だと思います。
 ただ、私が思いますのは、底部だけの汚染の問題ではなくて、前から申し上げていますように、その調査自体が取り逃してしまう調査であるので、どうしても汚染が残ってしまう、それはみんな分かっているわけですね。ただ、実際、汚染対策工事が終わった後、汚染が終わったということにしないと収拾が付かないわけですから、今までも汚染があるのに調査結果をごまかしてロンダリングをして汚染がないというふうな形にしてきたということは、調査不足プラスロンダリングというのはセットで実施されてきたという非常に不健全な状況が続いているんだろうと思います。
 そういう事例を実際働いている人が随分言っていることもありますのですけど、ただ、それに関しては、指定調査機関が悪いというふうに言ってしまいますと、指定調査機関としては事業者さんから仕事をもらっているわけですから、非常に弱い立場なわけですね。これは土対法そのもの自体の構造上の問題だと思うので、その指定調査機関を罰すればそれでいいというふうなことにはなかなかならないのではないかと思います。
 以上です。
○市田忠義君 今年の三月十九日の豊洲市場用地の地下水の再調査で基準の百倍のベンゼンが検出されました。これは土壌や地下水に大量の汚染物質が残っていたということの証拠だと思います。汚染土壌は全て除去、浄化します、盛土を行い遮断しますと、こういう都民への二つの約束はどちらも果たされませんでした。
 専門家会議の平田座長は、それでも地上は安全だとおっしゃっています。一方で、施設下の地下空間には気化した水銀、ベンゼン、シアンを含むガスが発生しており、地上部分にも有害物質が侵入、拡散する将来予想されるリスク、これは認めていらっしゃいます。
 私は、元々、地上と地下は分けられないんじゃないかと。有害物質が土壌中に存在して揮散、いわゆる揮発性の物質が蒸発して広がっていくことですけれども、そういう状態の下では、地上と地下を分けて、地上は安全だということにならないんじゃないかと。生鮮食料品の汚染や市場で働く労働者の健康被害にもつながりかねないと考えるんですが、この地上地下論ですね、むしろ一体のものじゃないかというふうに思うんですけど、その辺はいかがでしょうか。
○参考人(水谷和子君) 水谷です。
 地下水が、汚染が出たということで、考え方としてこういうことだと思うんですね。地下水と残留汚染の関係なんですけど、みそ汁とみその関係に例えていらっしゃる方がいます。みそ汁の濃度が高ければ、その隣に濃い濃度のみそがあるということですね。ですので、その濃い濃度のみそを探らなければ、どこにどの程度あるのかということを調べなければ、本来はどの程度の汚染が後で出てくるか分からないわけですね。
 過去に専門家会議で、ベンゼン一千倍の地下水の濃度のものが出ました、ですから、今百倍だけどあと一万倍が出るかもしれない、そのときどうなのかみたいな検討が今なされているわけではありませんし、専門家会議でも、今の状態で上の値を測ったら大丈夫だったということで、これから先大丈夫と言っているわけではないはずですよね。実は、残留汚染に関しては誰も分からないという状況なわけです。
 それに、地下空間のところは、実は資料四を見ていただくとお分かりいただけるんですけれども、砕石層の下に汚染対策工事をやったところとやっていないところがまだら状に入っているんですね。ですから、砕石層の下は汚染が露出している状態です。ということは、そこから気化性のガスの水銀、ベンゼン、それからシアン化合物が常にその地下空間の中にいつたまってもおかしくない状況ということですね。そういう状態で、例えばその更に上の階に汚染が出てこないかといえば、そうはなかなかいかないと思うんですね。例えば、パイプシャフトのパイプのところから、周辺から通じて上に上がっていく、いろんな機会を通じて上に上がってくる可能性もあり、それはそれで大変危険な状態だなというふうに思います。
 それから、汚染物質に関してなんですが、今申し上げた揮発性の汚染物質に関しては、実は長期暴露でどの程度の被害があるかというのはよく分かっていない部分もあるんですね。それから、それらの汚染に関しては、妊婦さんの胎児に対する影響、催奇性ということで指摘される方もいて、市場では実は仲卸屋のお店や加工場に女性労働者も多いので、ですからそういう部分については非常に心配されるところだなというふうに私は思います。
 以上です。
○市田忠義君 豊洲市場用地は隅田川の河口のしゅんせつ土などによって埋め立てられたところなんですが、東日本大震災のときに百か所以上の液状化、噴砂が発生しました。三十年以内に起こると言われている首都直下型大地震などによって地下の有害物質が噴出、気化すれば生鮮食料品に多大な影響を与える可能性があるのではないかと。
 専門家会議は、地下空洞の汚染対策として底面をシートや膜で覆うと、こうおっしゃっていますが、これでこのガスや地下水が上がってくることを防げるのだろうかと。また、施設設計、施設工事の発注も八本のボーリングのみで進められて、構造上の問題にまで今発展しているわけですが。
 大体、先ほど安全、安心論というのがありましたけど、私は、汚染土壌の上に生鮮食料品の市場を造る、これは安全でも安心でもないんじゃないかと。だから、安全なんだけど安心でないと、日本人の心情からいって、そうじゃなくて、やっぱりこういうところに少なくとも生鮮食料品の市場を造るということは論外じゃないかなというふうに思うんですが、こういう土壌の上に生鮮食料品を扱う市場を造ること、そのことについてどういうふうにお考えでしょう。
○参考人(水谷和子君) 汚染を下に残してそれを封じ込めればいいのではないかという考え方なんだろうと思いますけれども、それに関して、一九九五年の阪神・淡路大震災のときに調査に入った方から聞きますと、神戸のポートアイランドの埋立地なんですが、液状化で人の頭ほどの巨れきが飛び出しているということで写真を報告されている方がいました。そうしますと、膜とかシートではとても防げることではないということですね。
 また、あそこの設計地震動は、建物以外の敷地では百四十四ガル、震度五程度です。二〇一一年の臨海部では二百ガルぐらいのも行っていますので、ですからかなり低い設計でしかないということが分かるんですね。港湾局の基準のレベル一というのは、液状化してもしようがないというようなレベルなわけですね。でも、実際、その構内道路が破壊されると物流がストップしてしまいますので、それに今回は地下の汚染物が噴き出してしまう、それが伴うということで、大変問題ではないかというふうに思います。
 それから、先ほど八本のボーリングで設計がなされたというのも、私も非常にこれ驚きまして、実際、開示請求のときに構造図を見ましたけれども、やはり八本で設計されていました。主要三棟は一、二本です。管理棟はゼロです。
 そのようなことがそもそも審査を通るということ自体どうなんだろうというふうに思いましたのと、それから、日建設計との打合せ記録が小池都知事の命令で開示されたんですが、その打合せ記録を見ますと、東京都の方から、建物を防災拠点扱いしない方針であるというふうに規制緩和を促すような内容の指示があったということですね。そうすると、大分揺れやすい建物になってしまっているという指摘を受けています。また、くいの検討もされていないと。
 一方、築地に関しては、再整備のときに百本のボーリングして柱状図を作っていまして、地表から五、六メーターのところに固い地盤が、東京層という固い地盤が出てきているということもありますので、二〇一一年の震災のときにかなり揺れが、豊洲は液状化しましたけれども築地はびくともしなかったというふうに仲卸さんたちが言うのもその辺りの背景があるのではないかと思います。
 以上です。
○市田忠義君 佐藤参考人にお伺いします。
 豊洲市場予定地での深刻な汚染が明らかになる中で、前回の土対法の改正で、土地の形質変更時の調査義務、あるいは汚染土壌の搬出の際の汚染処理業者への処理の委託義務が課されるなど、一定の規制強化が行われました。
 この規制強化に対して、鉄鋼、石油、化学などの産業界から汚染土壌処理コストが高く付く、あるいは価格競争力が損なわれるなどの反発の声が上がりました。
 政府は、二〇一五年の六月だったと思いますが、閣議決定で、規制改革実施計画を決めました。その中で、沿岸部の工業専用地域の汚染土壌処理の規制緩和についてという方針が示されました。私は、今回の改正案は、この産業界の要望を受けた政府の方針に基づく汚染土壌処理対策の規制緩和が主なものじゃないかというふうに見ているんですが、これは操業由来の汚染土壌の汚染者負担ですね、処理責任、これ曖昧にして、不適正処理の助長による国民の健康の保護を損なうおそれがあるんじゃないかという心配をしているんですが、その点、佐藤参考人の御意見はいかがでしょうか。
○参考人(佐藤泉君) 確かに、今回の規制緩和は一部経済界の要望に基づくという点はあるというふうに思います。それによって国民全体の健康に一定の危惧が発生するかというと、少なくとも汚染された土壌の処理施設において適正な処理をするという形作りをしておりますので、私はそれ自体によって、この規制緩和によって国民の健康に被害が発生するような状況が起きるというふうには思っておりません。
○市田忠義君 終わります。
○石井苗子君 日本維新の会の石井苗子です。
 時間も迫っております。参考人の皆様、貴重な御意見ありがとうございました。
 最近、これ、法案も五年以上たってから改正になったと記憶しておりますが、人々の関心が土壌と健康というのに高まってきたというか強まってきたという傾向があって、ここで一気に何か考えなきゃいけないんじゃないかと。豊洲の問題、それから森友学園でしたらごみの問題と国家の問題というふうにもう発展しました、国土の値段とは何なのかというような。福島県では、復興の除染廃棄物をどうするかという問題があります。そういう意味では、人々が非常に土に敏感になってきているという傾向があると思います。
 土壌汚染と人体への影響、これもう根本的なことですけれども、専門家以外では土壌の見分け方というのが判断できないんだということもよく分かりました。しかし、国民としてはその土の上に住んでいるのでありまして、生活に密着しているという不安の材料になっていくのであります。また、反応がよく出てくるものでもあります。土の上に何があるかで経済とも密着した関連性を持っているので、規制と規制緩和というのが経済的にバランスというよりは綱引きになっているような気がしないでもありません。豊洲問題なんか特にそうだったと思うんですが。
 もう一つは、自然由来という先ほどから言葉が出ています。この汚染の拡散というのは別なのではないかという感じがしております。全てが土壌汚染対策という、対策だけで解消できるのかどうかという疑問もありますが、どこまでで何が防止できるのかに関してお三方に聞きたいと思います。
 汚染の除去についてですが、先ほどから、不動産市場からの要請で掘削除去が八〇%と主であって、汚染されている土壌がその後どこへ行くのかという、掘削されて上の方削られてその後どこへ行くのかということで環境リスクを増加させる危険性が問題になったというふうに理解しているんですが、汚染の除去措置については一律の考え方ですね、一律基準というのがありますが、アメリカは土地が非常に広いですけど、オランダは割と日本のように土地が狭いんですが、サイトリスクアセスメントというのが一つあります。ドイツとカナダは土地利用用途に応じて基準を変えるという方式がございますね。
 そもそもなんですが、掘削除去以外で汚染を除去できる方法というのがあるのでしょうかというのをお三方にお聞きしたいと思います。なぜかというと、福島のセシウムの問題が出ましたが、農作物を作るときにそこにカリウムを突っ込むと、上にできたものだけはセシウムが低くなって、しかし土壌には汚染物質は残るというような植物との関係がありまして、その上で人間が働いたら健康なのかどうかと、分からないというのが結論なんですが、掘削除去以外で汚染を除去する方法があったら教えていただきたいと思います。
○参考人(大塚直君) まず、農用地については市街地とちょっと別でございますので、農用地特有の問題がございます。おっしゃっていただいたように、農用地については下から上に上がってきますので、汚染除去についても方法が違うということをまず申し上げておきたいと思います。
 その上で、市街地については土壌汚染対策法では主に対象としているということになりますけれども、一番よく使われるはずだというふうに国の方で考えているのは封じ込めでございますし、あと盛土というのもございますし、あと天地入替えといって汚染土壌を下の方に持っていくというような方法もないわけではありません。それらは全て完全にきれいにするのではなくて、摂取経路を遮断することによって健康被害を防止するという対策でございまして、そちらの方が基本的にそれほどコストは掛からないと、それほどですけど、それなりにはもちろん掛かりますが、ということがございます。
 これに対して掘削除去というのは、完全に掘削して除去してしまうことを基本的には考えているもので、かなりお金が掛かるということでもございますし、もう一つ、全面的な除去に至るものとして原位置浄化というのがございまして、原位置というのは、原というのは原っぱの原ですけれども、その位置でというところで、その土地で、オンサイトで処理をするということでございまして、例えば微生物などを使って処理をするというものでございます。
 いろんな方法がございまして、その中で掘削除去がどうしても多くなってしまっているという現状があるということでございます。
 以上でございます。
○参考人(佐藤泉君) 今出ましたけれども、微生物に食べてもらう、分解してもらうと、こういうやり方ですね。それから、地下水をくみ上げて空気にさらすことによってその物質を空中に揮発させるというようなやり方で、一定の化学物質については掘削除去をしないで浄化するという方法がございます。ただ、この方法は時間が掛かるんですね。微生物にも食べる期間が掛かりますし、その土壌が微生物に合っているかというようなこともありますので、時間が掛かる。
 そうすると、事業をする方々は次の計画に合わせて予算措置をとっておりますので、時間の掛かる方法よりも掘削除去の方が、一時的にはお金が掛かるけれども早いということで掘削除去が好まれる、その結果、汚染土壌が大量に外部に搬出される、これがトレーサビリティーの問題で危険ではないかという問題が発生していると思います。したがって、原位置浄化という方法はございますが、残念ながら余り活用されていないと思います。
○参考人(水谷和子君) 水谷です。
 先ほど先生たちもおっしゃっていましたけど、除去以外に遮断、封じ込めなどあります。それから、原位置の不溶化ということで、水が流出しないようにするなどの方策もあります。ただ、一番問題になっているのは、除去の措置が完了しないと指定解除できないと、そこが一番ネックになっているのではないかと思います。
 あとは、除去のところで先ほど佐藤先生もおっしゃっていましたけれども、微生物の処理に関しては、実は豊洲も採用されたことがあったんですけど、何せ非常に微生物にとって食事時間が短かった、工期が短かったので、余り有効には活用できていなかったみたいに思います。
 だから、微生物によって食べる汚染の種類が違うというのもありまして、たまたまそういうのが合うのかどうかみたいな、そもそもの微生物に水や酸素を供給して活発にするというのが工事の内容なので、非常に何というんでしょう、直接的なものではないので、なかなかそれも時間が掛かるというふうなことだと思います。
○石井苗子君 ありがとうございます。時間もありますので。
 廃棄物やごみと異なって、土壌汚染というのは濃度を測るというのがすごく難しいと思っているんですが、その意味で、土壌汚染の回復とそれからその再利用ということで、ブラウンフィールドと呼ばれる土壌汚染のために誰も売買されなくなって野ざらしになったままの土地になっていくという問題、これを、このままいくとそういうところが増えていってしまうのではないかと思うんですが、どうすればいいのかと。
 土壌汚染を回復する方法と技術というのは、日本は世界的に見てこのブラウンフィールドなんかをなくしていける方向にあるのかどうか、お三方にお聞きします。
○参考人(大塚直君) 特に二〇〇九年改正におきまして、先ほどもお話がございましたように、形質変更時要届出区域と要措置区域という二つの種類に区域指定を分けることをいたしました。
 さらに、要措置区域だけについて汚染の除去等が必要になるわけでございますけれども、そちらにつきましても、都道府県知事がこの方法でやったらどうかということを指示することになっていまして、そこで掘削除去を余り勧めないことによって掘削除去を減らしていくということを考えているということはございます。
 したがって、法制度としてはかなり対応しているということでございまして、それでもしかし掘削除去が八割を占めているんですけれども、指定が解除された数字は、要措置区域の方は五割でございますけれども、形質変更時要届出区域の方は三割ということでございまして、余り解除しないで済ます方向が出てきているという意味では、その点ではある程度二〇〇九年改正の効果があったのではないかというふうに考えているところでございます。
 ブラウンフィールド問題というのは、ここで掘削除去が特に問題になるのは、どうしても掘削除去にはお金がたくさん掛かるというところから問題が発生していますので、できるだけ掘削除去を減らしていくということが重要になってくるわけでございまして、今のような法制度をつくっていますので、かなりの部分は対処しているということにはなると思います。
 現在、日本でブラウンフィールド問題がどのぐらい起きているかということに関しては、土地の価格とも関係いたしますので、つまり、土地の価格が高くなれば、ある程度の汚染の除去をしてもそのコストの分に見合った売買ができるというようなことがありますので余りブラウンフィールド問題は起きないわけでございますけれども、土地の価格が低くなっている場合に、汚染土壌の除去をしなくちゃいけない、そこで掘削除去をするというようなことになるとブラウンフィールド問題が発生する可能性が出てくるということでございます。
 現在、日本でアメリカほどのブラウンフィールド問題は少なくとも起きていないところでございますけれども、地方においてそういう問題があるかどうかということについては、ちょっと私は余りよくそこまでは調べていませんが、これから出てくる可能性はあるかと思いますので、それに対して注視していく必要はあると考えているところでございます。
 以上でございます。
○参考人(佐藤泉君) ブラウンドフィールド問題というのは、環境問題というよりは社会問題なんですね。アメリカではスラム化とか犯罪の多発、こういうことが土壌汚染地で起きて、それが社会のいろいろな格差の中での問題になっている。日本もそういう問題はいつでも起こり得るわけであります。
 現在は、比較的土地の利便性の高い、値段の高いところが豊洲のように問題になっております。しかし、将来的にはやはり日本でも起きてくるというふうに思っております。そういう意味では、土壌問題というのは社会問題にかなり直結した課題をいつも持っているということは認識しておく必要があると思います。
○参考人(水谷和子君) 水谷です。
 ブラウンフィールドが対象になるかどうかの計算式は、時価評価額、汚染なしの時価評価額分の汚染対策費ですから、それが最終的にどうかといいますと、売買されるかどうかなので、最終的には市場なんですね。買いたい人がいるかどうかの問題になってきますので、そうしました場合に、買う人が除去されていることを望むかどうかという最終的には問題になると思います。
 以上です。
○石井苗子君 ありがとうございます。
 あと三分なので、ちょっと質問が多過ぎたのでまとめます。
 この土壌汚染法は、主観なんですけれども、日本中の土を基準以下にしていくということで、ここの土地は土壌汚染が高いところだとか低いところだとかと色分けしていくのが目的ではなくて、リスクに応じて人体に影響があるかないかで合理的な土壌対策をするべきなんじゃないかと思っておりますが、その方法としてベストな方法は何なのかと、リスクの管理。ボーリングという深度の調査が挙げられていますが、ここで十メートルという数字が出てくるんですが、森友問題でも何メートルって結構数字が問題になったんですけど、この根拠がどこにあるのかということで、対策、その費用対効果があるんですね、十メートルにすると地下水の汚染調査の正確性が出てくるのかという、どこで環境の線を引くかということが一つなんですが。
 あと一つだけどうしても聞きたかったんですけども、水谷参考人の方、豊洲の盛土なんですけど、あれ、専門的にはやらなくてよかったんだという話があるんですけれども、絶対にそうではないのかそうなのか、どうしてやらなかったのかというところだけ。それ、私の関心点だけなので。
 一つの、そのボーリングについては大塚先生か佐藤先生かどちらかお詳しい方で……(発言する者あり)あっ、私が決めるんですね、じゃ、大塚先生にお願いします。
 もう一人の方からもお願いします。
○参考人(水谷和子君) 盛土問題なんですけれども、そもそも盛土をするから上に上がってくる気化ガスが軽減するという計算式をRBCA法で取ったので、盛土ということが専門家会議で提言されたということです。ですから、提言したのは専門家会議なんです。ですから、提言どおりになっていないことについて今問題になっている、そういうことだとまとめていますけど。
○石井苗子君 やらなくてよかったというのは、あれはどうなんでしょう。
○参考人(水谷和子君) 必要があったからやるって決めたんだろうと思いますけど。
○参考人(大塚直君) 済みません、十メートルということについてはちょっと技術的な問題で私はすぐ答えられなくて申し訳ないんですけれども、現在、十メートルまで掘って調査をすることについて過剰ではないかという問題が出てきていまして、四条調査との関係では、掘削する深度のところまで調査をすればいいという方向に変更すべきではないかということが第一次答申の方では出てきているところでございます。これは一種の規制緩和ということになると思いますけれども、技術的にその程度でも大丈夫ではないかということが現在考えられているところであるということを申し上げておきます。
○石井苗子君 終わります。ありがとうございました。
○委員長(森まさこ君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。
 参考人の方々に一言御挨拶を申し上げます。
 本日は、長時間にわたり貴重な御意見を賜り、誠にありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。(拍手)
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時七分散会