第195回国会 本会議 第6号
平成二十九年十二月四日(月曜日)
   午後一時一分開議
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○議事日程 第五号
  平成二十九年十二月四日
   午後一時開議
 第一 国務大臣の報告に関する件(平成二十八
  年度決算の概要について)
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○本日の会議に付した案件
 一、元議員櫻井新君逝去につき哀悼の件
 一、北朝鮮による弾道ミサイル発射に抗議する
  決議案(山本順三君外十二名発議)(委員会
  審査省略要求)
 以下 議事日程のとおり
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○議長(伊達忠一君) これより会議を開きます。
 さきに院議をもって永年在職議員として表彰されました元議員櫻井新君は、去る十一月九日逝去されました。誠に痛惜の極みであり、哀悼の念に堪えません。
 つきましては、この際、院議をもって同君に対し弔詞をささげることにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊達忠一君) 御異議ないと認めます。
 弔詞を朗読いたします。
   〔総員起立〕
 参議院は わが国 民主政治発展のため力を尽くされ 特に院議をもって永年の功労を表彰せられ さきに国務大臣としての重任にあたられました 元議員従三位旭日大綬章櫻井新君の長逝に対し つつしんで哀悼の意を表し うやうやしく弔詞をささげます
     ─────・─────
○議長(伊達忠一君) この際、お諮りいたします。
 山本順三君外十二名発議に係る北朝鮮による弾道ミサイル発射に抗議する決議案は、発議者要求のとおり委員会審査を省略し、日程に追加してこれを議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊達忠一君) 御異議ないと認めます。
 よって、本決議案を議題といたします。
 まず、発議者の趣旨説明を求めます。山本順三君。
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   〔議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔山本順三君登壇、拍手〕
○山本順三君 ただいま議題となりました自由民主党・こころ、民進党・新緑風会、公明党、日本共産党、日本維新の会、希望の会(自由・社民)、希望の党、無所属クラブ及び国民の声の各派共同提案に係る決議案につきまして、発議者を代表し、提案の趣旨を御説明申し上げます。
 案文を朗読いたします。
    北朝鮮による弾道ミサイル発射に抗議する決議案
  去る十一月二十九日、北朝鮮は、国際社会の度重なる抗議と警告を無視し、ICBM級とみられる弾道ミサイル一発を発射し、日本海の我が国の排他的経済水域内に落下した。これは、関連する国連安全保障理事会決議や日朝平壌宣言に違反するとともに、六者会合共同声明の趣旨にも反するものであり、断固として抗議する。
  北朝鮮は、九月三日に六回目となる過去最大規模の核実験を強行し、八月二十九日及び九月十五日には我が国上空を通過する形での弾道ミサイル発射を立て続けに行った。さらに、今回、過去最高の高度に達する弾道ミサイル発射を強行した。これまでの北朝鮮による核実験及び度重なる弾道ミサイル発射に加え、今回の弾道ミサイル発射は、核・ミサイル開発をあくまでも継続するという北朝鮮の意図の表れであり、国際社会に対する正面からの挑発として、断じて容認できない。これらの挑発行為は、我が国を含む地域の安全に対するこれまでにない重大かつ差し迫った脅威であり、地域及び国際社会の平和と安全を著しく損なうものであることから、極めて強く非難する。
  本院は、北朝鮮に対し、一切の挑発行動をやめ、全ての核及び弾道ミサイル計画を放棄し、不可逆的かつ検証可能な国際社会による管理を受け入れ、朝鮮半島の非核化に取り組むことを強く求める。また、安保理決議第二三七五号を始めとする関連する安保理決議を即時かつ完全に履行することを断固として要求する。
  国際社会は、安保理決議に基づく制裁措置を完全に履行することを通じ、北朝鮮の考えを改めさせるとともに意味のある対話に引き出し、外交努力による平和的解決を模索すべきである。
  政府は、国際社会に対して、安保理決議の確実な履行を強く働きかけるとともに、併せて、米国、韓国、中国、ロシア等関係各国と緊密に連携し、北朝鮮が挑発行動をやめ非核化に向けた具体的行動をとるよう強く求めるべきである。同時に、我が国独自の制裁の徹底及び強化を図るべきである。
  加えて、政府は、北朝鮮情勢に関する情報収集・分析を徹底するとともに、日米韓の情報共有を含む連携をより一層強化すること、また、国民に対して迅速かつ的確な情報提供を行うとともに、不測の事態に備えて不断に必要な態勢をとることのほか、我が国の平和と安全の確保、国民の安全と安心の確保に努め、万全の措置を講ずるべきである。
  北朝鮮の核・ミサイル問題のみならず、拉致問題も我が国の主権及び国民の生命と安全に関わる最も重大な問題であり、国際社会が結束して北朝鮮による核、ミサイル、そして、最重要課題である拉致問題の包括的かつ早急な解決を図るべく、政府の総力を挙げた努力を傾注し、もって国民の負託に応えるべきである。
  右決議する。
 以上であります。
 何とぞ皆様方の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。(拍手)
    ─────────────
○議長(伊達忠一君) これより採決をいたします。
 本決議案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
○議長(伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十七  
  賛成           二百三十七  
  反対               〇  
 よって、本決議案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
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○議長(伊達忠一君) ただいまの決議に対し、内閣総理大臣から発言を求められました。内閣総理大臣安倍晋三君。
   〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいまの御決議への所信を申し述べます。
 十一月二十九日、北朝鮮が新型と見られるICBM級のミサイルの発射を強行したことは、国際社会の平和的解決への強い思いを踏みにじるものです。北朝鮮が再びこのような暴挙を行ったことは、断じて容認できません。
 我が国は、直ちに北朝鮮に対し厳重に抗議し、米国、韓国と共に安保理緊急会合の開催を要請しました。今回のミサイル発射は、累次の安保理決議及び日朝平壌宣言に違反し、六者会合共同声明の趣旨に反するものです。安保理メンバーより、北朝鮮のミサイル発射に対し、強い非難の表明がありました。
 私は、トランプ大統領、文在寅大統領とそれぞれ電話会談を行い、北朝鮮に対する一層の圧力強化、中国の更なる役割の慫慂、安保理等における緊密な連携につき一致しました。
 今回のミサイル発射により、北朝鮮が一貫して核・ミサイル開発を追求していることが明白となりました。北朝鮮が、一九九四年の枠組み合意、二〇〇五年の六者会合共同声明を時間稼ぎの口実に使い、核・ミサイル開発を進めてきたとの反省を踏まえれば、北朝鮮とは対話のための対話では意味がありません。北朝鮮に完全、検証可能かつ不可逆的な方法で核・ミサイル計画を放棄させることが必要です。
 北朝鮮に政策を変えさせるため、いかなる挑発行動にも屈することなく、毅然とした外交を展開し、国際社会で一致結束して北朝鮮への圧力を最大限に高め、北朝鮮の方から対話を求めてくる状況をつくっていかなければなりません。この方針にいささかも変更はないことをトランプ大統領、文在寅大統領と確認しました。
 我が国としては、日米、日米韓で協力し、中国、ロシアを含む関係国とも緊密に連携しながら、国連安保理決議の完全な履行等を全ての国連加盟国に強く働きかけてまいります。
 今月、我が国は安保理議長国に就任し、十五日には北朝鮮問題に関する安保理閣僚級会合を主催します。このような行動を通じて国際社会の取組を主導するとともに、我が国独自の措置の実施を徹底してまいります。
 政府としては、発射後直ちにミサイルの動きを完全に把握し、危機管理に万全の態勢を取りました。引き続き、強固な日米同盟の下、高度の警戒態勢を維持するとともに、国民に適時適切な情報提供を行い、我が国の平和と安全の確保、国民の安全、安心の確保に万全を期してまいります。
 拉致問題は安倍内閣の最重要課題です。全ての拉致被害者の御家族が御自身の手で肉親を抱き締める日まで、私の使命は終わりません。私が司令塔となって、北朝鮮に対する国際社会の圧力をてことしつつ、北朝鮮に拉致問題の早期解決に向けた決断を迫ってまいります。
 ただいまの御決議の趣旨を体し、核、ミサイル、そして、何よりも重要な拉致問題の解決に向けて、全力を尽くしてまいります。(拍手)
     ─────・─────
○議長(伊達忠一君) 日程第一 国務大臣の報告に関する件(平成二十八年度決算の概要について)
 財務大臣から発言を求められております。発言を許します。財務大臣麻生太郎君。
   〔国務大臣麻生太郎君登壇、拍手〕
○国務大臣(麻生太郎君) 平成二十八年度の一般会計歳入歳出決算、特別会計歳入歳出決算、国税収納金整理資金受払計算書及び政府関係機関決算書を会計検査院の検査報告とともに国会に提出し、また、平成二十四年度の国の債権の現在額並びに物品の増減及び現在額につきましても国会に報告をいたしましたので、その概要を御説明申し上げます。
 まず、平成二十八年度の一般会計の決算につきましては、百二兆七千七百四十億円余の、歳出は九十七兆五千四百十七億円余であり、差引き五兆二千三百二十二億円余の剰余を生じております。
 この剰余金は、財政法第四十一条の規定により、既に平成二十九年度の一般会計の歳入に繰り入れております。
 なお、平成二十八年度における財政法第六条の純剰余金は三千七百八十二億円余となります。
 次に、平成二十八年度の特別会計の決算でありますが、同年度における特別会計の数は十四であり、これらの決算の内容につきましては、特別会計歳入歳出決算のとおりであります。
 次に、平成二十八年度における国税収納金整理資金の受入れ及び支払につきましては、同資金への収納済額は七十二兆三百五十六億円余であり、一般会計の歳入への組入額等は七十兆七千四百五十七億円余でありまして、差引き一兆二千八百九十九億円余が平成二十八年度末の資金残高となります。
 次に、平成二十八年度の政府関係機関の決算でありますが、その内容につきましては、それぞれ決算書のとおりであります。
 次に、国の債権の現在額につきましては、平成二十八年度末における国の債権の総額は二百二十七兆一千二百六十五億円余であります。
 次に、物品の増減及び現在額につきましては、平成二十八年度中における純増加額は二千五百四十一億円余であります。これを前年度末現在額十二兆四千四百二十四億円余に加えますと、平成二十八年度末における物品の総額は十二兆六千九百六十五億円余となります。
 以上が、平成二十八年度一般会計歳入歳出決算等の概要であります。
 なお、平成二十八年度の予算の執行につきましては、予算の効率的な使用や経理の適正な処理に努めてきたところではありますが、なお会計検査院から四百二十三件の不当事項等について指摘を受けましたことは誠に遺憾であります。
 今後とも、予算の執行に当たりましては一層配慮をいたし、その適正な処理に努めてまいる所存であります。
 何とぞ御審議のほどよろしくお願いを申し上げます。(拍手)
    ─────────────
○議長(伊達忠一君) ただいまの報告に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。豊田俊郎君。
   〔豊田俊郎君登壇、拍手〕
○豊田俊郎君 自由民主党の豊田俊郎です。
 私は、自由民主党・こころを代表して、ただいま議題となりました平成二十八年度決算について質問をいたします。
 冒頭、十一月二十九日に行われた北朝鮮による弾道ミサイル発射に対して厳しく抗議をしたいと思います。本院では、先ほど非難決議を行ったところです。政府におかれましては、更に一層、北朝鮮に対し厳重に抗議を行うとともに、関係各国と緊密に協力し、挑発行為の自制を強く求めていただきたいと思います。
 では、決算の審議について伺ってまいります。
 二院制の下、予算においては、憲法等の規定により衆議院での優越が認められている一方、参議院では決算審査を長年重視し、審議を行ってきたと承知をいたしております。
 予算の使われ方に関する議論において最も重要なことは、プラン・ドゥー・チェック・アクションといういわゆるPDCAサイクルの中で、予算がプランの求めている成果をしっかりと出しているかをチェックし、その結果をアクションとして次の予算に反映させることができるかという点です。本年も、予算編成の前に前年度の決算が提出され、本会議で議論されることは極めて意義深いと考えています。
 そこで、今回の参議院での決算審議に対してどのような議論を期待するのかという点について、総理の御所見をお聞かせください。
 次に、平成二十八年度決算に関して伺います。
 一般会計歳出は、総額約九十七兆五千億円と、前年度より僅かに減り、三年連続して百兆円を下回りました。歳入も、租税及び印紙収入は対前年度比一・五%減少し、七年ぶりの減少となりました。厳しい財政状況の中、社会保障関係費や文教及び科学振興費など、国民の安心、安全や人づくりにつながる必要な歳出を捻出した苦労がにじみ出ている決算だと思います。
 一方、プライマリーバランスの赤字幅は、五年ぶりに拡大をいたしました。入るを量りて出るをなすという故事からすれば、プライマリーバランスの赤字幅にもっと注視すべきでしょう。しかし、デフレからの完全な脱却を目指すためには、この故事よりも、経済再生なくして財政再建なしという考え方の下、経済政策を進めていくことが現在の我が国の基本姿勢であり続けるべきと考えております。
 そこで、総理に、デフレからの完全な脱却と経済の好循環の実現のために、この平成二十八年度決算を踏まえて、平成三十年度の予算編成をどのように行っていくつもりか、その基本方針をお伺いをいたします。
 参議院では、決算重視の立場から、ODA経費の効率的運用を図るため、ODAをめぐる諸問題の調査を積極的に実施しております。その観点から今回の会計検査報告を見ますと、ODAにおいて効果が出ていない事業があることが指摘をされております。
 一つに、公立の無料診療所や職業訓練施設の建設を通じて、保健医療サービスの欠乏や稼ぐためのすべを知らないことによる貧困といった脅威から人々を解放することで、ひいては国際社会の平和、安定及び繁栄を確保する観点を持った大切な事業です。また、病院に通う人々が我が国のODAを直接目にし、我が国への理解を深め、ひいては我が国の外交の存在感を高めるチャンスを損ねたという点でも残念であります。
 検査結果を踏まえた上で、現場を知り、相手国と直接話をする大使館やJICA事務所の強化も含めて、ODAを効果的に運用するための制度や体制を向上させるべきと考えますが、外務大臣の御所見をお聞かせください。
 さて、平成二十八年度決算の歳出を個別に見ますと、公共事業関係費が対前年度比五・二%と、僅かながら増えています。
 昭和三十九年に開催された東京オリンピック前後に集中的に整備された社会資本は、既に五十年以上が経過し、更新時期を一斉に迎えつつあることから、維持更新のための予算の確保が必要です。また、地球温暖化の影響もあってか、集中的に局地的豪雨の発生が顕著になるとともに、長期にわたる渇水も懸念されており、これまでとは異なる気象パターンに対応した防災・減災対策が必要となっています。公共事業関係費の歳出増は、急増するニーズへの対応として極めて的確と考えています。
 平成二十八年度予算で見れば、公共事業関係費約七兆五千五百億円のうち、約一兆五千八百億円は補正増額によるものです。もちろん、災害対応や経済対策といった必要性があれば、ちゅうちょなく補正予算を編成し社会資本整備を進めるべきであります。
 その上で申し上げたいことは、社会資本は用地買収の着手から工事完成までの長い時間を要することから、中長期的な視点を持って計画的に事業を執行しなければ求められる事業効果を十分発揮することができず、場合によってはコスト増となるということです。社会資本の事業効果は長期にわたり発揮され、将来世代にも大きな恩恵をもたらすものです。財源不足を理由に必要な社会資本整備を後年に遅らせるのではなく、是非とも建設国債を活用し、当初予算に計上して、中長期的な計画に沿って事業を進めるべきと考えております。
 そこで、建設国債は赤字国債と位置付けが異なることを明らかにした上で、建設国債を積極的に活用し、中長期的な視点に立った社会資本整備を進めることができるよう必要な予算を当初から計上することが好ましいと考えておりますが、財務大臣の御見解を伺います。
 最後に、社会資本整備の推進の観点から、所有者不明土地問題について質問をいたします。
 公共事業や復旧工事の円滑な実施の支障として、事業などに必要な土地を確保したくても、その土地の所有者が誰なのか分からず、用地交渉が難航、難しいというケースがあります。現在の制度では、事業主体が土地所有者の了解を得なければならないので、所有者の探索に膨大な費用と時間を費やし、その挙げ句、所有者が判明しない、あるいは相続が重なりネズミ算式に増えた権利者と交渉しなければならないという事態が発生しています。登記簿を見れば所有者が分かると思われがちですが、我が国の登記制度は公示の原則主義を取っており、いわゆる対抗要件のみを備えております。土地所有者を確定させるための公信力を持たないところに課題があると思います。
 国土交通省の地籍調査を基にした推計によれば、全国の私有地の約二割は既に所有者の把握が難しくなっており、面積に当てはめると九州を上回る規模となっています。しかも、少子高齢化社会のますますの進展に伴い、相続は増加し、今後も所有者不明な土地が更に増加していくことが見込まれます。所有者不明土地の問題が解決しなければ、せっかく予算を計上したにもかかわらず、用地の手当てもできないので、事業に着手ができないという予算執行上の問題が増える可能性が高くなります。
 最近では、相続等により所有者となった者が土地の活用に意欲を持たず、管理を放棄する、さらには権利の放棄を望むという事態も生じています。その結果、登記簿上の名義が変更されない土地が増え、所有者不明土地問題の深刻化に拍車を掛けています。
 憲法が保障する財産権は、公共の福祉のための制約を受けるものであり、また、土地所有者も土地を適切に管理する責任を果たすべきです。そうでなければ、我が国国土は、公共事業も進まないし、土地は荒れ放題という状況になってしまいます。我が国の国際競争力強化も地方創生も大きく遅れてしまいます。
 少子高齢化社会、人口減少社会を迎え、今こそ所有権と土地の利用ニーズとの両立を目指して公共的事業推進のための法制化を行った上で、中長期的には所有権の在り方に関する検討を着実に進めて所有者不明土地等対策の総合的な推進を図るべきと思いますが、総理の御見解をお聞かせください。
 以上です。御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 豊田俊郎議員にお答えをいたします。
 参議院での決算審議についてお尋ねがありました。
 参議院において、これまでも決算審議の充実に取り組まれてきたことに改めて敬意を表します。
 国会における決算の審議は、御指摘のとおり、執行された予算が所期の目的を果たしているか、どのような成果を上げているかについて御審議いただき、その後の予算編成等に反映させていくものであり、重要なものと認識しております。
 今後とも、決算審議等を予算等に的確に反映するよう努めてまいりますので、こうした観点から充実した決算審議をお願い申し上げます。
 平成二十八年度決算を踏まえた平成三十年度予算の編成方針についてお尋ねがありました。
 平成二十八年度決算における税収は五十五・五兆円となり、前年度を〇・八兆円下回りましたが、前年度の一時的な要因である一兆円弱を除いた実力ベースでは前年度を上回る水準となっており、政権交代以降、税収が増加している基調に変わりはないものと考えています。
 アベノミクスの政策により、GDPは一〇・八%、五十三兆円増加し、過去最高となる中で、着実に雇用・所得環境の改善は続いています。こうした流れを更に強固なものとすべく、平成三十年度予算においても、人材投資や生産性向上など真に必要な施策に予算を大胆に重点化していくことで、デフレ脱却、経済再生と財政健全化の双方を一体的に進めてまいります。
 所有者不明土地対策についてお尋ねがありました。
 所有者を特定することが困難な土地、いわゆる所有者不明土地は、相続時に登記がなされないことなどが原因で発生しており、今後、高齢化や人口減少が進み、相続の機会が増加する中で、更に拡大していくことが見込まれます。
 公共事業などにおいて、事業に供する土地の所有者が不明である場合、その探索に多大な費用、時間を要するなど、所有者不明土地は円滑な事業の実施の支障となっており、その対策は喫緊の課題であると認識しています。
 このため、所有者不明土地の利用の円滑化に向けて、公共事業のために所有者不明土地を収用する場合の手続の合理化、公園や広場の整備など地域住民のために所有者不明土地を一定期間利用するための権利の設定などを内容とする法案を次期通常国会に提出する予定です。
 加えて、所有者不明土地の発生の抑制や解消に向けて、登記制度や土地所有権の在り方といった抜本的な課題についても、関連する審議会等において検討に着手したところです。
 政府として、今後とも所有者不明土地に関する課題に迅速かつ総合的に取り組んでまいります。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣麻生太郎君登壇、拍手〕
○国務大臣(麻生太郎君) 豊田議員から、社会資本整備について一問お尋ねがあっております。
 社会資本を整備する公共事業費は、支出の見合いが国の資産となり、長期にわたって国民全体が利益を享受するということができますため、財政法におきましては建設国債の発行が認められておりますのは御存じのとおりです。
 このため、公共事業費につきましては、建設国債を活用しつつ、当初予算を安定的に確保し、豪雨、台風災害等を踏まえた防災・減災対策、また、民間投資を誘発し日本の成長力を高める事業など、必要な事業への重点化を今後とも進めてまいりたいと考えております。(拍手)
   〔国務大臣河野太郎君登壇、拍手〕
○国務大臣(河野太郎君) ODAの効果的な運用についてのお尋ねがありました。
 会計検査院から受けた指摘を真摯に受け止め、事業実施機関や相手国に対して早急に改善を働きかけるとともに、同様の問題が発生しないよう再発防止に努めてまいります。
 ODAによる開発協力は、国際社会の平和、安定及び繁栄に貢献し、それを通じて我が国の国益を確保していく上で、最も重要な外交上の政策手段の一つです。
 今後とも、大使館やJICA事務所の体制強化も含めて必要な見直しを行いつつ、より戦略的かつ効果的なODAの実施に取り組んでいく考えです。(拍手)
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○議長(伊達忠一君) 難波奨二君。
   〔難波奨二君登壇、拍手〕
○難波奨二君 民進党・新緑風会の難波奨二でございます。
 私は、ただいま議題となりました平成二十八年度決算について、会派を代表して安倍総理に質問いたします。
 参議院は決算重視の院であります。私は、一昨年、この場で、総理が決算審査を軽視しているのでないかと指摘しましたが、それは二年が経過した今も変わっていないようであります。
 我が党が求めてきた憲法第五十三条に基づく臨時国会の召集要求を三か月放置した挙げ句、やっと九月に開いた臨時会では冒頭解散でした。今特別国会においても、当初八日間という会期が、森友、加計問題が余りにもひどいという国民世論に後押しされて三十九日間となったため、会期中に会計検査院報告の提出が行われ、やっと本日の決算審議となりました。まさに決算軽視、疑惑隠しとの指摘に、総理、どう答えますか。
 総理は、さきの衆議院解散の表明の際、財政健全化目標の先送りについて言及しました。本年六月閣議決定された経済財政運営と改革の基本方針二〇一七でも、三十二年度までの国と地方のプライマリーバランスの黒字化という目標が掲げられていたにもかかわらず、とうとう総理自身が達成できないことを認めたのであります。
 財政健全化を進めるに当たっては、三党合意に基づく消費増税が前提となっていましたが、安倍内閣は、消費増税時における増収分の使途を変更し、教育無償化など子供への支援拡充策を検討しています。しかし、財政健全化は何よりも将来世代のために行うものであり、財政再建が遠のくようでは本末転倒ではありませんか。あわせて、一千八十兆円を超える国の借金が積み上がる中、財政健全化の重要性について、総理の答弁を求めます。
 今般の会計検査院による検査報告によれば、財政健全化の取組が始まった平成九年度以降の二十年間で、毎年設定されている目標を達成するための取組方針の指標は、決算ベースに当てはめれば、半分に当たる十か年で達成されていません。そして、補正予算の編成が常態化する中、当初予算は必ずしも予算の全体像を示しておらず、当初予算によってのみ評価しても、財政健全化への取組状況を正確に判断することは難しいと指摘をしております。
 実際、この二十年間で実に合計百八兆円もの補正予算が編成されており、二十八年度決算においても、国の一般会計プライマリーバランスは、当初予算ベースでは十・八兆円の赤字であったのに対し、決算ベースでは十五・五兆円の赤字となります。このように当初予算ベースで取組方針を判断することは、補正予算におけるばらまきをごまかすための隠れみのとなっています。この指摘並びに取組方針の指標には決算額を用いるべきと考えますが、総理のお考えをお聞きします。
 安倍総理は、今年度も補正予算の編成を指示しました。自然災害など特別な理由がない限り、当初予算の直前に補正予算を編成するなどということはやめ、総合予算主義にのっとった当初予算のみの予算編成とすべきと考えますが、総理の見解を求めます。
 二十五年四月の量的・質的金融緩和の導入以降、日銀のバランスシートは過去に例を見ない規模で急速に拡大しております。日銀は足下で年間約六十兆円の国債を買い増しており、発行額全体に占める保有割合は四割にも上り、総資産額では約五百十八兆円と、何とGDPに匹敵する規模となっています。
 一方、物価の伸び率は目標の二%には程遠い状況であり、目標達成時期は六回にわたり先送りされています。総理は今の状況をデフレではないと言い切りますが、これだけの金融緩和を行いながらも、物価目標が未達成であるのはなぜか。また、いわゆるデフレ脱却四条件はどうなっているのかについて、併せて総理に伺います。
 物価目標がなかなか達成できないのは日銀の責任だけではありません。むしろ、政府が有効な成長戦略を講ずることができず、生産性の向上や需要の底上げが不十分であったことに原因があります。物価目標の未達成はアベノミクスの三本の矢の一つである成長戦略の失敗ではありませんか。総理の認識と今後の挽回策についてお答えください。
 また、日銀は、国債のみならず、金融緩和の一環として、ETFという形で株式にも巨額の投資をしており、今やその保有額は時価で二十兆円に上ります。しかも、国債と異なり、償還のない株式は売却時期によって市場に大きな影響を及ぼしかねず、このまま買入れが続けば官製市場となり、健全な市場をゆがめてしまいます。これまでETFの買入れ規模の増加を認可してきた政府としての見解を総理にお尋ねします。
 続いて、行政監視の観点から、森友、加計問題について伺います。
 加計学園については、選定過程が不透明なまま総選挙後に獣医学部が認可され、森友学園については、会計検査院の指摘によって値引きの根拠が崩れ政府答弁が修正されるなど、疑惑隠し解散を裏付ける経過となっています。
 加計学園問題については、国家戦略特区の四条件が満たされているか不明確な上、加計学園が事業者に絞り込まれた経緯については記録も残っていないなど、国民の疑念は払拭されていません。国民の知る権利を損なうものであり、政府として真相究明に努力すべきではありませんか。総理と加計理事長の私的関係についても国民は納得していません。総理、これで問題ないと言い切るのですか。
 そして、国家戦略特区制度については、本院決算委員会が本年六月、政府に対して措置要求決議を行い、事業における透明性、公正性に係る検証とともに、今後認定される事業についても常時点検し、国民の信頼向上に一層努めるよう求めています。この指摘を踏まえ、今後どのように透明性、公正性を担保していくのか、総理、お答えください。
 次に、森友学園問題について伺います。
 先日、参議院からの求めに応じて会計検査院から検査報告が提出されました。国有地売却の際の八億円もの値引きについて根拠が不十分であり、一定の条件を設けてごみの処分量を試算すると、国が推計した量の三割から七割程度であるとのことです。また、ごみの撤去費用の積算資料などが残っておらず、文書管理にも問題があると指摘されています。
 これまで総理は、国会での追及に対し、法令等に基づき適正に手続が行われ、また価格についても適切な算定がなされたなどと答弁してきましたが、今回の検査院の指摘でそれが否定されました。
 さらに、総理は三月の予算委員会で、会計検査院がしっかり審査すべきだ、それに政府は全面的に対応すると述べ、また、ごみがあるから一億数千億にディスカウントしていたのであり、ディスカウントするのは言わば当然と答弁していますが、総理は一連の発言の責任をどのように取るおつもりですか。
 また、過大な値引きにより国有地を不当に安く売却し、事実と異なる答弁を再三行ってきた佐川元理財局長が国税庁長官の要職に就いたことについては、納税者たる国民の心理からすると到底納得できるものではありません。徴税事務の現場にも支障が出ており、佐川国税庁長官の任命は不適切と考えますが、総理、いかがですか。
 あわせて、今後の国有地売却における手続の在り方、公文書管理の在り方並びに再発防止策及び再調査の実施を強く求めますが、総理の前向きな答弁を求めます。
 森友、加計問題に共通する事項として、内閣人事局の弊害についても触れておきます。
 内閣人事局を通して政治家が官僚の人事を掌握することによりそんたくが生まれ、結果的に行政がゆがんでいることは、全体の奉仕者としての公務員制度をないがしろにします。いわゆる猟官制が生まれたと言えますが、あるべき人事制度に汚点を残したとの認識はありませんか。総理に伺います。
 いずれにしろ、両問題とも国民の理解は到底得られておらず、これで幕引きということはできません。引き続き追及していくことを明言しておきます。
 商工中金の危機対応業務における不正融資問題に関して、本院は、本年六月、内閣に対して警告を発しております。十月の調査結果によって、商工中金のほぼ全店舗で職員の一割を超える四百四十四人が不正行為に関与し、四千六百九口座、融資実行額にして約二千六百億円に及ぶ不正融資が行われ、組織的な隠蔽工作や書類の捏造などが発覚したことは許されざることであります。
 しかしながら、需要に基づかず事業規模や予算を配分し、商工中金に対し過大に危機対応業務を強いてきた政府にも大いに問題があります。安倍内閣が発足して、商工中金トップに経産省の天下りが復活したことも、当然無関係ではありません。
 この異常な事態の原因と責任をどのように考えているのか、再発防止に向けてどのように取り組んでいくつもりか、総理に伺います。
 また、政府系金融機関としての業務の範囲や規模を徹底的に見直す必要があると考えますが、お答えください。
 終わりに一言申し上げます。
 折しも、東証一部の上場企業は最高益を更新し、景気拡大期間はイザナギ景気を超える見通しです。しかしながら、戦後最長であるイザナミ景気が実感なき好景気と呼ばれたのと同様に、アベノミクスによる景気回復は国民生活に実感が伴わないものであります。私は、比例選出のため全国に出向きますが、地方の商店街の惨たんたる状態を目にしています。国民そして地域の格差は確実に拡大をしています。
 こうした中、二十一世紀中盤に向けて、我が国はこれまで経験したことのない人口減少社会に突入します。長期的には税収減が避けられず、少子高齢化により社会保障費は膨大していきます。国家的課題である持続可能な社会を築くため、総理の言う全世代型社会保障を公平公正な税負担の下で実現していかなければなりません。しかし、財政出動もやがては限界を迎え、財政は硬直化していきかねません。好況期と言われる今こそ、今後訪れる景気後退局面に備え、将来世代にツケを残さない責任ある財政運営を始めなければなりません。
 加えて、国民が真に豊かさを享受できる持続可能な社会実現のためには、将来を見据えたまともな財政の確立が重要であることを危機感を持って指摘して、私の質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 難波奨二議員にお答えをいたします。
 国会における審議についてお尋ねがありました。
 臨時国会については、本年六月二十二日の臨時国会召集の要求を踏まえ、同年九月二十八日に召集しました。これは、予算編成に向けた概算要求作業、北朝鮮情勢が緊迫する中での外交日程など、内閣として諸般の事情を勘案した上で適切に行ったものです。また、国会の会期については国会においてお決めいただくものと承知しております。
 政府としては、森友学園への国有地売却や加計学園による獣医学部の新設を始め、閉会中審査を含め、国会の審議においてできる限り丁寧に説明する努力を積み重ねてきており、今国会においても引き続き丁寧な説明を行ってきております。
 また、決算については、例年と同様に早期提出に対応できるよう準備を進め、十一月二十一日に国会に提出し、本日御審議をいただくこととなりました。決算審議は極めて重要なものであると認識しており、決算軽視、疑惑隠しとの指摘は全く当たりません。
 政府としては、引き続き、参議院の決算審議の充実に最大限協力してまいります。
 財政健全化の重要性についてお尋ねがありました。
 日本の財政は厳しい状況にあることは十分認識しており、社会保障制度を次世代に引き渡すとともに、国に対する信任を確保するため、財政健全化を着実に進める必要があります。
 一方で、急速に進む少子高齢化という国難に立ち向かうべく、人生百年時代を見据え、人づくり革命を断行しなければなりません。
 大きな改革には大きな財源が必要になります。財源の目当てがないままでは、改革の中身それ自体が小さくなるおそれがあります。このため、今回、国民の信を問い、理解を得た上で、消費税の使い道を見直すこととしました。
 幼児教育無償化や、真に必要な子供たちに限った高等教育無償化など、人への投資を拡充するとともに、社会保障の安定化にもバランスよく充当することで財政健全化も確実に実現してまいります。これにより、プライマリーバランスの黒字化の達成時期に影響が出ることから、二〇二〇年度のプライマリーバランスの黒字化は困難となります。ただし、財政健全化の旗は決して下ろさず、プライマリーバランスの黒字化を目指すという目標自体はしっかりと堅持してまいります。
 財政健全化と予算編成についてお尋ねがありました。
 まず、政府は予算を反映した国民経済計算ベースのプライマリーバランスの黒字化を目指すこととしていることを申し上げておきます。
 その上で、難波議員より財政健全化の取組について御提案がございましたが、政府としては、プライマリーバランス黒字化目標の達成に向け、これまでの経済・財政一体改革の取組を精査した上で、目標達成時期、そしてその裏付けとなる具体的かつ実効性のある計画をお示ししてまいります。
 また、議員より予算編成の在り方についても御提案がございましたが、一般論として、補正予算は、義務的な経費の不足を補うほか、当初予算の編成後に生じた緊急性の高い経費の支出などを行うためのものであり、今般の補正予算においても、災害対応を始めとする追加的財政需要に適切に対処することとしております。
 デフレ脱却についてお尋ねがありました。
 政権交代後、アベノミクス三本の矢により、デフレではないという状況をつくり出すことができたと認識しています。
 お尋ねの指標については、消費者物価の基調は、二〇一三年後半に前年比プラスに転じた後、横ばいで推移し、GDPデフレーターは、二〇一四年以降、前年比プラス傾向で推移しています。また、GDPギャップは長期にわたる景気回復によりプラスに転じ、単位労働コストは、賃上げの状況を反映し、前年比プラス傾向が続いています。加えて、雇用・所得環境の改善が続く中で、企業収益は過去最高を更新し、人手不足感は四半世紀ぶりの高水準となるなど、デフレ脱却に向けた局面変化が見られます。
 物価の動向については、日本銀行が十月に公表した展望レポートにおいて、現在、企業の賃金、価格スタンスが慎重なものにとどまっていることなどを背景に、消費者物価が弱めの動きとなっているものの、マクロ的な需要ギャップが着実に改善していくこと等から、二%の物価安定目標に向けたモメンタムは維持されている旨示されております。
 政府としては、引き続き日本銀行が、経済、物価、金融情勢を踏まえつつ、物価安定目標の実現に向けて努力することを期待しています。
 物価目標と成長戦略についてのお尋ねがありました。
 安倍内閣は、この五年間、アベノミクス成長戦略の実行に全力投球し、直近の有効求人倍率は一・五五倍と、四十三年ぶりの高水準となっています。このように雇用情勢が改善する中で、賃金については、今世紀に入って最も高い水準の賃上げが四年連続で実現しております。
 こうした中で、物価目標については、先ほど答弁したとおり、日本銀行の展望レポートにおいて二%の物価安定の目標に向けたモメンタムは維持されている旨示されており、引き続き成長戦略を断行することによって持続的な賃金上昇を実現することを通じ、物価上昇につながっていくものと考えています。今後、二〇二〇年までの三年間を生産性革命集中投資期間と位置付け、大胆な税制、予算、規制改革、あらゆる施策を総動員いたします。中小・小規模事業の皆さんも含め、生産性を大きく押し上げることで賃上げの勢いを更に力強いものとし、デフレからの脱却を目指してまいります。
 日本銀行によるETFの買入れについてお尋ねがありました。
 日本銀行によるETFの買入れは、物価安定目標を実現するための金融政策の一環として行われているものであり、特定の物価水準を念頭に置いているものではないと承知しております。
 その上で、日本銀行は、株式市場に与える影響も含め様々なリスク要因も十分に点検し、経済、物価、金融情勢等を踏まえながら適切に金融政策運営を行っていると理解しています。こうした理解に基づいて、ETFの買入れ規模の増額につきましても、日本銀行の目的達成上必要と判断し、政府として認可してきたところであります。
 国家戦略特区認定のプロセス並びに加計理事長との関係についてお尋ねがありました。
 今回のプロセスは、規制改革項目の追加、事業者の選定のいずれについても、御指摘の四項目も当然踏まえた上で、民間有識者も加わった特区諮問会議やワーキンググループが主導し、適正に行われてきました。その際、節目節目で、農水大臣、文科大臣も会議に出席するなど、関係大臣の間に異論がないことを確認し、合意の上で、関係法令に基づき実施してきたものと理解しています。
 このように、法令にのっとり一貫してオープンなプロセスで進められる中で、関係大臣合意の下、四項目の充足は確認されており、その選定プロセスについては、民間有識者も一点の曇りもないと述べているものと承知しています。
 加計理事長は、私が政治家になるずっと前の、学生時代の頃からの友人でありますが、私の地位を利用して何かを成し遂げようとしたことは、この四十年間一度もありません。加計理事長からこの獣医学部の新設について相談や依頼があったことは一切なく、そうした関係だからこそ、長年友人であり続けることができたと考えております。
 そして、さきの閉会中審査では、関係大臣を始め誰一人として私から何らの指示も受けていないことが明らかになったところであり、そのことが今回の行政プロセスを評価するに当たり最も重要なポイントであると考えております。
 国家戦略特区制度の透明性、公平性の担保についてお尋ねがありました。
 国家戦略特区制度は、民間有識者が加わった諮問会議やワーキンググループで、議事もルールにのっとって全て公開するオープンな形で議論を行うという透明性の高い仕組みが岩盤規制改革の大きな原動力となってまいりました。
 今後、更なる透明性の向上を図るため、現在、特区諮問会議において、議事公開ルールの明文化など透明性を高めるための改革提案がなされ、民間有識者の主導で具体策の検討が進んでいます。
 その成果を踏まえた措置を速やかに講ずることにより、特区制度の透明性を更に向上させつつ、同時に、岩盤規制改革のエンジンとして国家戦略特区の機能を強化してまいります。
 森友学園への国有地売却、国税庁長官の人事、公文書管理の在り方についてお尋ねがありました。
 御指摘のあった答弁については、当該国有地の売却価格は地下埋設物の撤去費用を差し引いたものとなっているということを申し上げたものです。国有地の売却価格については、会計検査院がきっちりと厳正に調査するものと思っているということを申し上げてまいりました。その後、政府から独立した機関である会計検査院が第三者的立場で検査を行い、今般、国会に報告が提出されました。その報告については真摯に受け止める必要があると思っております。
 先日の参議院予算委員会において、財務省から、この報告の内容を重く受け止め、これをしっかり検証した上で、国有財産の管理、処分の手続等について必要な見直しを行っていくことに尽きるという答弁がありました。
 国有地は国民共有の財産であり、その売却に当たっては、国民の疑念を招くようなことがあってはなりません。私としても、国有財産の売却について、業務の在り方を見直すことが必要と考えており、関係省庁において今後の対応についてしっかりと検討させてまいります。
 国税庁長官の人事については、他の全ての人事と同じく、それぞれのポストに最もふさわしい人材を適材適所で配置するという考え方に基づき行ったものです。(発言する者あり)
○議長(伊達忠一君) 静粛に願います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君)(続) また、公文書管理の在り方については、様々な御指摘をいただいたことも踏まえ、行政文書の作成、保存に関する基準の明確化、文書の正確性の確保等を内容とする行政文書の管理に関するガイドラインの改正を年内に行うこととしております。
 国有地の管理、処分に係る行政文書の管理についても、当該のガイドラインの見直し等を踏まえ、国有財産の管理、処分に係る経緯等について合理的な跡付けや検証をより確実に行えるものとしております。
 人事制度についてお尋ねがありました。
 幹部人事の一元管理制度は、縦割り行政の弊害を排除し、内閣の重要政策に応じた戦略的な人事配置を実現することを目的とするものであります。このため、同制度は、適格性審査と任免協議の二つのプロセスを通じ、公正に能力・実績主義に基づく適材適所の人事配置を行う仕組みとなっており、これにより行政がゆがんでいるとの御指摘は当たらないものと考えております。
 商工中金の不正事案についてお尋ねがありました。
 今回の不正は、商工中金において、危機対応融資制度を不適切に運用し、それを組織として防げなかったという、商工中金のビジネスモデルとガバナンスの問題から生じたものと認識しており、政府としても重く受け止めています。商工中金は、問題を根絶し解体的出直しをすることが必要不可欠であり、政府として業務改善命令を発出し、外部人材の登用を含めた新たな経営体制の構築などを求めています。
 現在、有識者による会議において、ビジネスモデルの再構築やガバナンスの強化など、商工中金の在り方について聖域なく議論いただいております。その結果を踏まえ、商工中金が本来の役割、初心に立ち戻り、真に地域、中小企業に貢献する存在となるようしっかりと改革に取り組んでまいります。(拍手)
○議長(伊達忠一君) 少々お待ちください。
 答弁の補足がございます。内閣総理大臣安倍晋三君。
   〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 財政健全化と予算編成についてのお尋ねについて、私の答弁の中で、まず、政府は決算を反映した国民経済計算ベースのプライマリーバランスの黒字化を目指すこととしていることを申し上げておきますと言うべきところを、まず、政府は予算というふうに発言をいたしましたが、決算に訂正をさせていただきます。(拍手)
    ─────────────
○議長(伊達忠一君) 杉久武君。
   〔杉久武君登壇、拍手〕
○杉久武君 公明党の杉久武です。
 私は、公明党を代表して、ただいま議題となりました平成二十八年度決算について、安倍総理並びに関係大臣に質問します。
 初めに、先ほどの決議にもありましたとおり、私は、北朝鮮による弾道ミサイル発射に断固抗議します。北朝鮮に核を放棄させ、対話のテーブルに着かせるためにも、私は、北朝鮮に最大限の圧力を掛ける政府の方針を支持するとともに、政府には各国との連携を一層図るよう求めます。
 中でも、韓国、中国との連携は重要です。公明党では、山口那津男代表が十一月二十二日から韓国を、十一月三十日からは中国を訪問し、韓国では、私も山口代表とともに文在寅大統領と会談しました。その際、文大統領から、一日も早く日中韓サミットに出席するために日本を訪れたいとの意欲が示されました。
 北朝鮮問題が重大局面を迎えた今こそ、韓国、中国との対話の継続は不可欠です。しかし、日中韓サミットは前回から二年以上開かれておりません。私は、日中韓サミットの早期開催を強く求めます。
 次に、平成二十八年度決算検査報告について質問します。
 会計検査院は、十一月八日に平成二十八年度決算検査報告を内閣へ送付しました。この検査報告に記載された総件数は四百二十三件、指摘金額は約八百七十四億円となっています。
 検査報告での指摘事項は様々ではありますが、税金が不適切に使われることのないよう、政府として指摘項目の再発防止に全力を挙げるべきと考えますが、総理の見解を求めます。
 次に、財政健全化の取組について伺います。
 検査報告の中に、特定検査対象に関する検査状況という項目があります。これは、国民の皆様の会計検査に対する一層の理解と信頼を得るために、関心の高い分野について検査院の検査状況が記載されたものです。
 今回そこで取り上げられたのは、国の財政健全化への取組についてです。これまでの財政健全化目標がどの程度達成されたのか、また取組方針の実施状況はどうなっているのか、さらには取組方針に従って編成された当初予算が予算総額や決算でどうなったのかがまとめられており、検査院では、平成九年から平成二十八年までの二十年間について検証しています。その結果、第一に、健全化目標や取組方針がそもそも設定されていない年が三年、第二に、当初予算の時点で取組方針を達成していない年が三年、第三に、当初予算では取組方針を達成していたものの決算額で達成できていなかった年が七年あったと報告をしております。
 もちろん、震災やリーマン・ショックなど、取組方針が達成できないようなやむを得ない状況の年もあったとはいえ、財政健全化は我が国最重要の課題です。政府には、適切な健全化目標を設定した上で、目標達成に向けた取組を確実に実施するとともに、毎年度の取組に関しては、当初予算だけでなく予算総額や決算額を用いることで国民の皆様への説明責任を一層果たすべきであると考えますが、総理の見解を求めます。
 次に、行政コストの見える化について伺います。
 公明党は財政の見える化を一貫して主張してまいりましたが、公明党の主張を受け、財務省では、平成二十六年度決算から個別事業のフルコスト情報の開示を行っています。
 これは、ある事業を行うに当たり、事業の直接的な経費である事業費だけではなく、事業に付随する人件費や物品購入費といった様々な費用を含めて、事業全体のフルコストを把握し、その上で、人口一人当たり、利用者一人当たり、あるいは業務一日当たりといった単位当たりの金額を算出して開示するものです。
 一例を挙げますと、例えば平成二十六年度の法務省による刑務所や少年院の運営などの矯正業務の場合、フルコストは二千七百六十六億円となりますが、それを刑務所等への収容者一人につき一日当たりのコストとして換算すると、一人につき一日一万一千七百三十四円と、感覚的にもより分かりやすい金額が明示されます。
 これらは現在試行的な取組という位置付けですが、フルコスト情報の対象範囲拡充を強く訴えるとともに、将来的には行政コストの見直しにも活用すべきと考えますが、財務大臣の見解を求めます。
 次に、民間資金の活用について伺います。
 民間資金の活用方法の一つに、ソーシャル・インパクト・ボンド、いわゆるSIBがあります。SIBは公明党が中心となって衆参両院の様々な委員会で取り上げておりますが、SIBは、行政の成果連動型の支払契約と民間資金の活用を組み合わせた官民連携手法の一つで、社会的利益と経済的利益の双方の実現を目指すもので、欧米を中心に広まっています。
 我が国ではまだ環境整備の段階ですが、経済産業省では平成二十九年度に、SIBを活用して、神戸市での糖尿病の重症化予防や八王子市での大腸がん早期発見事業に着手しています。また、厚生労働省でも、健康づくりや生活困窮者支援など十一の事業を採択しています。
 公明党は、十一月二十四日、総理に対し、人生百年時代構想中間報告に対する提言を提出しましたが、その中でも触れているとおり、SIBの更なる活用促進のためにも、まずはモデル事業の実施や成果指標の整備等を進めるなど、政府全体として取り組むべきと考えますが、総理の見解を求めます。
 続けて、総理に伺います。
 十一月十七日に公表された平成二十九年度版の犯罪白書によると、刑法犯の認知件数は、戦後最多であった平成十四年をピークに十四年連続で減少し、平成二十八年には戦後初めて百万件を下回りました。しかしながら、出所者の約四割が五年以内に刑務所へと再入所しています。
 これは、日本社会において犯罪が減少し、安全な社会に向かう一方で、罪を重ねることから脱却できない社会構造が残っていることにほかなりません。
 このような社会構造を変革すべく、私の地元大阪にあります七つの企業と日本財団との協力により、平成二十五年から職親プロジェクトがスタートをしました。このプロジェクトは、出所者に対し企業が職場を提供するだけでなく、出所者の更生と社会復帰を企業が親のように支え、再び罪を犯さぬよう職親、つまり職の親となって自立更生を促すというプロジェクトです。
 このプロジェクトは、大阪を皮切りに、東京、福岡、和歌山、新潟へと拡大し、現在では九十企業、団体まで広がっておりますが、出所者を雇用するための費用負担を始め、社会に適応するための教育、職場への定着促進など、いまだ多くの課題があります。
 出所者の更生と社会復帰は、本来、国を挙げて取り組むべき課題です。より安全で安心な社会の構築のためにも、政府は適切な支援を行うべきと考えますが、総理の見解を求めます。
 最後に一言申し上げます。
 国会の決算審査は、予算の執行状況をつぶさに検証し、その結果を次の予算編成に生かしていく、言わばPDCAサイクルのチェック機能を担っております。私も決算の参議院の一員として、平成二十八年度決算の審査をできる限り速やかに行い、かつ充実した質疑となるよう全力を尽くすことをお誓い申し上げ、私の質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 杉久武議員にお答えいたします。
 平成二十八年度決算検査報告についてお尋ねがありました。
 平成二十八年度決算検査報告において、会計検査院から四百二十三件、八百七十四億円の指摘を受けたことは誠に遺憾であります。これらの指摘については、十一月十七日に私から各大臣に対して確実に改善するよう指示を行っており、指摘の内容に応じて再発防止等のために一つ一つ着実に改善策を講じ、今後の予算や会計事務などにしっかりと反映させてまいります。
 財政健全化と予算編成の在り方についてお尋ねがありました。
 今般、人づくり革命を力強く進めていくため、消費税率引上げ分の使い道を見直し、子育て世代、子供たちに大胆に投資するとともに、社会保障の安定化にもバランスよく充当することで財政健全化も確実に実現してまいります。財政健全化の旗は決して下ろさず、プライマリーバランスの黒字化を目指すという目標自体はしっかりと堅持してまいります。
 この目標の達成に向け、これまでの経済・財政一体改革の取組を精査した上で、プライマリーバランスの黒字化の達成時期、そして、その裏付けとなる具体的かつ実効性のある計画をお示ししてまいります。その際、これまでと同様、決算を反映した国民経済計算ベースのプライマリーバランスの黒字化を目指してまいります。
 また、政府としては、補正予算の概算閣議決定時において補正後予算の概要資料を公表しているほか、可能な限り最新の決算や補正後予算の数値を用いて財政状況等を分かりやすく解説するなど、国民への情報提供に努めております。引き続き国民に対する分かりやすい情報提供に一層努めてまいります。
 ソーシャル・インパクト・ボンドの活用についてのお尋ねがありました。
 公明党から御提案いただいたとおり、ソーシャル・インパクト・ボンドは、民間の資金やノウハウを活用することで、官民が連携し、各地域が直面する健康寿命の延伸や生活困窮者対策といった諸課題について効率的に予防、解決する有効な手段の一つと考えています。
 政府としても昨年度から自治体と連携して事業実施に取り組んでおり、本年度から神戸市や八王子市において我が国で初めてとなる案件が実施されたところです。
 今後、自治体の方々が地域課題の解決に向けて様々な分野でソーシャル・インパクト・ボンドを活用できるよう、政府としても、ノウハウ集の策定や成果指標の整備、モデル事業の形成などにしっかりと取り組んでまいります。
 再犯防止対策についてお尋ねがありました。
 安倍政権においては、再犯防止対策を犯罪対策の重要な柱として政府一丸となって取り組んでおりますが、対策の実を上げるためには、犯罪をした者等に対する息の長い支援が必要であり、保護司や協力雇用主等の民間の方々の協力が欠かせません。
 政府においては、昨年成立した再犯の防止等の推進に関する法律に基づき、今月中に再犯防止推進計画を策定し、再犯の防止等に向けた教育及び職業訓練の充実、職業と住居の確保や保健医療サービス、福祉サービスの利用に係る支援、協力雇用主の活動に対する支援の充実、薬物指導体制の整備等の施策を着実に実施し、官民一体となった再犯防止対策を強力に推進してまいります。
 残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣麻生太郎君登壇、拍手〕
○国務大臣(麻生太郎君) 杉議員から、フルコスト情報について一問お尋ねがあっております。
 個別事業のフルコスト情報の開示の取組は、平成二十六年度の決算分の二十四事業から、平成二十七年度決算分におきましては四十一事業に大幅に拡大するなど、充実を図ってきたところです。
 御指摘のとおり、フルコスト情報を行政の効率化につなげていくことは重要でありまして、平成二十八年度決算分につきましては、算定事業数、また表示する単位当たりコストを増やすなど、更なる充実に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
 なお、先ほどの決算の概要説明につきまして、配付資料の一ページ目、三行目におきまして平成二十四年度と読み上げておりますが、正しくは平成二十八年度でありますため、訂正させていただきます。その旨、発言をさせていただき、訂正をさせていただきたいとお願いを申し上げます。(拍手)
    ─────────────
○議長(伊達忠一君) 田村智子君。
   〔田村智子君登壇、拍手〕
○田村智子君 日本共産党を代表して、ただいま議題となりました二〇一六年度決算について質問いたします。
 まず、森友学園への国有地売却問題です。
 会計検査院報告は、八億二千万円もの値引きが過大であったこと、また行政文書が管理されていないため、会計経理の妥当性の検証ができないことなどを指摘しています。近畿財務局が、ごみが地下九メートルまであったことにしようと森友学園と口裏合わせをしていた音声データも財務省は認めました。
 総理、売却契約は適正ではなかったと認め、なぜこのような契約になったのか、調査を指示すべきではありませんか。
 決算が国会に提出される前に会計検査に必要な行政文書を廃棄した財務省の責任は重大です。財務大臣、関わった官僚、また大臣自身の責任を明確にし、対処すべきではありませんか。
 会計検査院報告は、民間人への国有地売却で十年分割支払という特約は、過去五年間、森友学園だけなども指摘しています。なぜ様々な特別扱いが行われたのか、名誉校長を引き受けた安倍昭恵氏がどう関わったのかをいよいよたださなければなりません。安倍昭恵氏、佐川前理財局長らの証人喚問を改めて要求いたします。
 一六年度決算で軍事費は過去最高五兆一千五百億円、安倍政権発足以来、総額も割合も増え続けています。米国製の武器購入、中でも、米国が価格を決定、原則前払、納期は未確定というアメリカ言いなりの契約であるFMSが劇的に増え、四十二機購入予定のF35A戦闘機の総コストは当初見込みの一六%増、二兆二千億円を超えることも明らかになりました。日米首脳会談でトランプ政権は一層の武器購入を求めましたが、唯々諾々と軍事費を膨張させるのか、総理の答弁を求めます。
 沖縄の米軍基地建設の強行も重大です。東村高江へのヘリパッド建設は、昨年、参議院選挙直後に機動隊を大量動員して強行されました。住民の皆さんはオスプレイなどの騒音にさらされ、十月には米軍ヘリが民有地に炎上、墜落する重大事故が発生しました。総理は、このヘリパッド建設を基地負担の軽減だと強弁してきましたが、どこが負担軽減なのでしょうか。
 総選挙でも辺野古新基地建設反対の沖縄の意思が示されました。選挙直後から辺野古埋立ての新たな工事を強行するなど、許し難い暴挙です。工事中止を断固要求するものです。
 次に、国難だという少子化問題について、総理にお聞きします。
 政府が最初の少子化対策となるプランを作成したのは一九九四年ですが、女性が生涯に出産する子供の数、合計特殊出生率で、フランス、イギリスなどが明確に上昇傾向に転じたのに対し、日本では二〇〇五年まで下がり続け、今も顕著な上昇には転じていません。様々な要因があると考えますが、まず雇用政策の問題です。
 仕事と家庭の両立支援、何より長時間労働の規制が必要なことは誰もが認めるところです。ところが、政府は労働時間法制の規制緩和を進め、昼夜を問わないエンドレスの働き方を広げました。
 安倍政権は時間外労働を規制すると言いながら、繁忙期、仕事が忙しい時期には残業を百時間未満まで認めるという、人件費抑制による人手不足で多くの職場が常に繁忙期とも言える状況で、これでは現状容認と言わなければなりません。過労死ラインを超える残業時間をなぜ認めるのですか。本気で仕事と家庭の両立支援をするには、一日八時間を超えてはならないという労働時間の原則を徹底し、現行の大臣告示である月四十五時間以内を時間外労働の上限とすべきではありませんか。
 経済成長のためには雇用の流動化が必要とする政策が与えた影響も直視すべきです。正社員を減らし、派遣労働など非正規雇用を拡大する規制緩和を進めたことで、若者が不安定、低賃金の働き方を余儀なくされ、少子化に拍車を掛けた、総理にこの認識はありますか。
 来年四月一日からは、期限付の雇用契約が通算五年を超えれば、本人の申出により例外なく期限なしの雇用契約に転換されます。ところが、五年目前の雇い止めが大企業や国立大学等の独立行政法人で大量に行われようとしています。今国会での我が党議員の質問に、総理は企業への周知や啓発指導にしっかり取り組むと答弁されました。業務が継続するのに、無期転換を逃れる雇い止めは許されない、希望する労働者は無期雇用にすべきと明言いただきたい。また、国立大学等に対して監督省庁はどのように指導するのか、答弁を求めます。
 教育費負担も少子化の要因とされてきましたが、政府は高学費政策を取り続けました。国立大学の初年度納付金は八〇年度二十六万円、九〇年度は五十四万五千六百円、現在は八十一万七千八百円にもなり、私立大学の高学費にもつながりました。
 総理、高い学費を当然とし、払えないなら奨学金の貸付額を増やすという政策が多くの若者を借金で苦しめていることをどう認識していますか。低所得世帯への進学保障は当然ですが、学費そのものを値下げすることが必要ではありませんか。
 国公私立大学とも授業料を現在の半額へと直ちに値下げを開始する、給付制奨学金を七十万人規模で実施し、貸し付ける場合も全て無利子とする、さらに現在返済している人も利子分を国が負担することを提案しますが、いかがでしょうか。
 あわせて、義務教育の制服代や教材費、給食費などの完全無償化にも踏み出すべきではありませんか。これらの政策は、大企業や富裕層に税金の応分負担を求めることで十分な財源を得られることも指摘しておきます。
 保育所が足りないという問題でも、政府はまともな対策をしてきたとは言えません。待機児童ゼロを最初に掲げた小泉内閣は、待機児童の数え方を変え、認可保育所に入れず、やむなく保育ママや無認可保育を利用する、育児休業を取るなどした場合、待機児童から外してしまいました。我が党は、認可保育所不足を隠すことになると厳しく批判しましたが、聞く耳を持ちませんでした。隠れ待機児童問題への政府の責任を、総理はどう認識されますか。
 多くのお母さん、お父さんは、保育士の配置など、最低基準を満たした認可保育所を求めています。ところが、総理の所信表明演説には、保育の受皿整備と言いながら、認可保育所という言葉はありません。希望しても入れなかった子供を待機児童とし、この需要に応える認可保育所の増設を政策の柱にすべきではありませんか。
 このような政治の責任を棚上げし、消費税率一〇%の口実に少子化対策を持ち出すなど言語道断です。大企業への減税や優遇税制を維持し、庶民増税を行えばどうなるか、一六年度決算で税収等はマイナス一・五%です。主要な税収である所得税、法人税、消費税が全て減収となったのは、リーマン・ショックの影響を受けた二〇〇九年度以来のことです。
 消費税八%の実施以降、実質家計消費は、四十三か月中三十八か月、前年同月比マイナスとなりました。消費の減少が企業の国内売上げを減少させ、それが賃金の抑制につながり、また消費を減少させる、この悪循環が所得税、消費税減収の根底にあるのではありませんか。また、法人税率を引き下げ、大企業優遇税制を拡大したことが、法人税収を空洞化させているのではありませんか。総理の答弁を求めます。
 暮らしと景気を直撃し、税収構造も悪化させる消費税一〇%への増税中止を求め、質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 田村智子議員にお答えをいたします。
 森友学園への国有地売却についてお尋ねがありました。
 政府から独立した機関である会計検査院が第三者的立場で検査を行い、今般国会に報告が提出されました。その報告については、真摯に受け止める必要があると思っております。
 先日の参議院予算委員会において財務省から、この報告の内容を重く受け止め、これをしっかり検証した上で、国有財産の管理、処分の手続等について必要な見直しを行っていくことに尽きるという答弁がありました。
 国有地は国民共有の財産であり、その売却に当たっては、国民の疑念を招くようなことがあってはなりません。私としても、国有財産の売却について、業務の在り方を見直すことが必要と考えており、関係省庁において今後の対応についてしっかりと検討させてまいります。
 米国製の装備品と今後の防衛関係費についてのお尋ねがありました。
 防衛装備品については、防衛計画の大綱及び中期防衛力整備計画に基づいて、米国製を含め計画的に取得しており、また、イージス・アショアを中心として弾道ミサイル防衛能力の抜本的な向上を図っていく考えです。防衛関係費についても、F35A戦闘機など、FMSによる取得経費を含め、中期防衛力整備計画に定める五か年間の経費総額の枠内で計画的に計上しているところです。
 安全保障環境が厳しさを増す中、今後とも防衛力の質及び量を必要かつ十分に確保していく考えです。
 沖縄の負担軽減についてお尋ねがありました。
 ヘリパッドについては、従前の施設を既存の訓練場の中に移設することにより、北部訓練場四千ヘクタールの返還を実現しました。沖縄の米軍施設の約二割に当たる、本土復帰後、最大の返還です。地元から早期返還の要望を受けていた二十年越しの課題であり、負担軽減に大きく寄与するものと考えています。
 もとより、米軍機の飛行安全の確保は、米軍が我が国に駐留する上での大前提です。トランプ大統領訪日の際にも、我が国の立場をしっかりと伝え、安全に対する地元の懸念を軽減する重要性を再確認しました。
 また、ヘリパッドの移設により影響を受ける方々に十分配慮を行うことは当然であり、騒音についても、米側と協力し、更なる軽減に努めてまいります。
 雇用の在り方についてお尋ねがありました。
 働く方の健康の確保を大前提に、ワーク・ライフ・バランスを改善し、女性や高齢者が働きやすい社会へ。こうした社会を実現するために、長時間労働の是正が必要です。
 そのため、労使が合意すれば上限なく時間外労働が可能となる現行の仕組みを改め、具体的な上限を法定し、違反には罰則を科すこととします。
 具体的には、時間外労働の上限は、月四十五時間かつ年三百六十時間と法律に明記します。その上で、労使が合意した場合でも上回ることができない上限を年七百二十時間とし、その範囲内において、複数月の平均では八十時間以内、単月では百時間未満と定めます。これは実効性があり、かつ、ぎりぎり実現可能な水準として労使が合意に達した内容であり、それに沿って法定するものであります。
 若い世代の結婚、子育ての希望をかなえるためには、安定的な経済的基盤の確保が必要です。非正規雇用を取り巻く雇用環境については、不本意ながら非正規の職に就いている方の割合は前年に比べて低下し続けている。働き盛りの五十五歳未満では、二〇一三年から十九四半期連続で非正規から正規に移動する方が正規から非正規になる方を上回っているなど、着実に改善しています。また、正規雇用に就く方はこの二年間で七十九万人増加し、非正規雇用に就く方の増加を上回っています。
 今後も、非正規から正規への転換などを行う事業主へのキャリアアップ助成金などを通じ、正社員転換をより一層進めてまいります。また、同一労働同一賃金の実現など、働き方改革に取り組んでまいります。こうした取組を通じ、働き方にかかわらず安心して家庭を持つことができる環境の整備を進めます。
 なお、平成二十七年の労働者派遣法改正は、派遣労働者の雇用安定とキャリアアップ、均衡待遇措置の強化などを内容とするものであり、非正規雇用を拡大する規制緩和や少子化に拍車を掛けるものとは認識しておりません。
 次に、無期転換ルールについては、それを避ける目的で雇い止めをすることは法の趣旨に照らして望ましいものではないということを申し上げます。このため、無期転換ルールの適切な運用のため、都道府県労働局に特別相談窓口を設置するなど、企業や国立大学法人などへの周知や啓発指導にしっかりと取り組んでまいります。
 また、国立大学法人に対しては、国立大学の学長等を集めた場において無期転換ルールに関する情報提供や制度説明を行ってまいりました。今後とも必要に応じて、重ねての情報提供や制度説明を行ってまいります。
 教育費負担についてのお尋ねがありました。
 どんなに貧しい家庭に育っても、意欲さえあれば、高校、高専にも、専修学校、大学にも行くことができるようにすることが重要です。そのため、政府としては、真に必要な子供たちには高等教育を無償化することとし、授業料の減免措置の拡充と給付型奨学金の支給額の大幅増加を実施することとしています。
 また、無利子奨学金については、本年度から、低所得者世帯の子供に係る成績基準を実質的に撤廃するとともに、残存適格者を解消しました。現在、高等教育の無償化などについては与党においても議論が行われており、政府としては、与党の提言も踏まえ、十二月上旬に新しい経済政策パッケージを取りまとめる予定であります。
 また、義務教育段階における制服代、教材費及び給食費については、家庭の経済状況が厳しい児童生徒に対して就学援助を実施し、これまでもその充実を図ってきたところであります。
 いずれにせよ、教育費負担の軽減については、優先順位を付けて諸施策の充実を図っていくことが重要であり、必要な財源を確保しつつ、しっかりと取り組んでまいります。
 待機児童の範囲と保育の受皿整備についてのお尋ねがありました。
 待機児童数については、今年度から、市区村町における運用上のばらつきを是正するため、その調査方法を整理し、育児休業中の方であっても復職の意向が確認できれば、待機児童に含む等の見直しを行いました。
 待機児童解消は安倍内閣の最重要事項の一つです。本年六月に子育て安心プランを策定しましたが、今般、更にこれを前倒しし、二〇二〇年度までに三十二万人分の保育の受皿整備を進めることにしました。
 こうした保育の受皿整備に当たっては、認可保育園を始めとする保育の受皿の拡充と保育の質の確保、向上を車の両輪でしっかりと進めてまいります。
 税収の減少要因等についてお尋ねがありました。
 平成二十八年度の一般会計税収は、前年度比で〇・八兆円下回りましたが、二十七年度に生じた一時的な要因である一兆円弱を除いた実力ベースでは前年度を上回る水準となっており、政権交代以降、税収が増加している基調に変化はありません。
 御指摘の実質消費については、世帯当たりの消費を捉える家計消費で見ると、世帯人員の減少などから長期的に減少傾向となっていますが、一国全体の消費を捉えるGDPベースでは、二十八年以降、プラス傾向で推移しています。
 また、法人税改革については、租税特別措置の縮減、廃止等による課税ベース拡大により、財源をしっかり確保しつつ行ってきたところです。
 アベノミクスにより着実に雇用・所得環境の改善は続いており、今後とも更なる経済の好循環の拡大を進めてまいります。
 残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣麻生太郎君登壇、拍手〕
○国務大臣(麻生太郎君) 田村議員から、国有地売却に関する検査報告書についてお尋ねがあっております。
 本件土地の管理、処分に関係した職員への対応につきましては、検査報告書に記された事実関係を精査した上で、これまでの会計検査院の指摘への対応の例なども踏まえつつ、適切に処理してまいりたいと考えております。
 また、行政文書のより適切な管理のほか、今後の国有財産管理、処分に係る手続の見直しを行うことなどを通じて、財務大臣としての責任を果たしてまいりたいと考えております。(拍手)
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○議長(伊達忠一君) 室井邦彦君。
   〔室井邦彦君登壇、拍手〕
○室井邦彦君 日本維新の会の室井邦彦です。
 私は、日本維新の会を代表しまして、平成二十八年度決算について質問をいたします。
 初めに、財政健全化についてお尋ねいたします。
 昨年度の第三次補正予算において、税収が一兆七千億円下振れしたことで、ほぼ同額の赤字国債が発行されました。財政法第四条でその発行は原則認められておりません。税収見込みの甘さとともに、財政健全化の観点から強い懸念を持っております。財政構造改革法の凍結以降、国債の膨張に歯止めが掛かっていません。
 今後の財政健全化に向けた基本的な考え方及びより実態に近い税収を見込むに当たり、その裏付けとなるデータや経済指標の精査等、今後の具体的な取組について、安倍内閣総理大臣にお尋ねをいたします。
 次に、マイナンバーカードについてお聞きいたします。
 マイナンバー制度は、社会保障、税制度の効率性、透明性を高め、国民にとって利便性の高い公平公正な社会を実現するために、複数の行政機関に存在する個人情報について、同一人の情報であることの確認を行う社会基盤として整備されたものであります。
 しかし、マイナンバーカードは、交付開始から間もなく二年がたちますが、国民への普及は進まず、普及率は約一〇%にすぎません。また、マイナンバーカードを利用した行政システムの向上も余り進んでいません。平成二十八年度にはマイナンバーの利活用の促進に百八十九・九億円の予算が付けられましたが、大きな予算付けを進めた割には効果が現れてきていないのが実情ではないでしょうか。
 そして、交付に係る体制が不十分だったことや度重なるシステム障害のために個人番号カードの交付が遅れてしまい、国民の信頼が損なわれたことに対し、本院決算委員会は、警告決議においてその原因究明と再発防止策の策定を求めていましたが、政府はどのように対処してきたのか、総務大臣にお尋ねをいたします。
 次に、日本郵便のオーストラリア子会社の巨額損失問題についてお聞きします。
 日本郵便株式会社は、収益源の多様化の一環として、平成二十七年五月にオーストラリアの総合物流企業であるトール社を子会社にしましたが、同社の営業利益が当初の予測を大きく下回ったことなどにより、平成二十八年度決算において減損損失四千三億円を計上しました。
 将来の収益獲得能力に基づき算定したとされるトール社の株式取得価格六千九十三億円余と、元々高額でした。また、親会社の日本郵政株式会社においては、買収実行契約の締結が規則上の緊急を要する場合に該当するとして経営会議を開催せず、執行役社長が決裁を行い取締役会に提案をしていました。さらには、取締役会を開催せずに、取締役全員から書面による同意をもって契約の締結を承認していたということが会計検査院から指摘されています。
 海外子会社の取得となれば、企業にとっては重要な経営判断が必要であり、その上で慎重に進めるべきことです。執行役社長が、正規の決定プロセスを経ず六千億円もの株式取得を進めるということは、企業のガバナンスとしてあるまじきことであります。政府はどのように受け止め、再発防止に向けて具体的にどのような取組を行うか、総務大臣にお尋ねをいたします。
 次に、復興予算執行の遅れと土地利用問題についてお尋ねいたします。
 本院決算委員会が要請した会計検査報告によると、平成二十三年度から平成二十七年度までの集中復興期間の五年間において、復興予算の三十三兆四千九百二十二億円のうち、支出済額は二十七兆六千二百三十一億円にとどまっています。新聞紙上では、復興予算五兆円使われずという大きな見出しで報道されている問題です。
 予算執行が進まないということは、復興が遅れているということであります。計画からどの程度遅れていて、この遅れをどう取り戻すか、安倍内閣総理大臣にお答えを願います。
 復興予算執行遅れの原因は復興事業の遅れにあることに集約されると思いますが、特に土地利用問題について質問いたします。
 復興事業だけでなく、河川整備事業の中でも残整備箇所となった要因の中で、堤防予定地の土地権利者の所在等が不明となっていて境界の確定ができないため、用地の取得ができず残整備箇所となった例など、現在、全国で所有者不明の土地が問題となっています。その土地の上に建つ空き家は、火災、防犯上の問題が生じ、景観、都市再生、地域再生事業にも大きな支障を来します。
 復興の加速、さらには所有者の不明土地や未利用地の利用促進という観点から、この宙に浮いた土地問題について政府はどのような施策を講じていくか、国土交通大臣にお聞きしたいと思います。
 次に、農林水産省の六次産業化ネットワーク活動交付金事業についてお聞きします。
 農林水産省は、農林漁業者等が行う農林水産物を活用した新商品開発の取組やこの取組を支援するサポート事業を六次産業化ネットワーク活動交付金等による事業で支援しています。
 平成二十二年度から二十八年度までに実施された四百七十九事業を会計検査院が検査したところ、新商品開発事業三百七事業のうち二百十一事業において、収益報告書が提出期限内に提出されず、国や都道府県等の事業承認者が新商品に係る利益の発生状況等を把握できていない実態がありました。また、平成二十八年九月末までに一回でも収益報告書が提出されていた百六十一事業のうち百十五事業において、各都道府県に設置されている六次産業化の取組を支援するためのサポート機関が一度も活用されていない実態も明らかになりました。農業の六次産業化は、安倍政権において掲げる攻めの農政、看板政策であります。
 農林水産大臣は、このような実情をどのように受け止め、改善策についてどう考えているか、お尋ねいたします。
 次に、地方創生先行型交付金算定の不適切問題について質問いたします。
 内閣府は、都道府県又は市町村のまち・ひと・しごと創生総合戦略、いわゆる地方版総合戦略の円滑な策定とこれに関する優良施策の実施支援を目的に、地方公共団体が作成した実施計画に基づく事業に要する費用として地域活性化・地域住民生活等緊急支援交付金を交付しています。
 実施計画で定めた事業実施期間中に実施していない事業に係る費用や交付金の対象とは認められない懇親会に係る費用を交付金対象事業に含めていたこと、また、国の補助金を受けている事業に交付金が交付されていたことが明らかになりました。これは、まさにいいかげんなばらまきだとしか言いようがありません。
 まち・ひと・しごと創生担当大臣は、このような事態の発生をどのように受け止め、改善策をどう考えているのか、お尋ねいたします。
 以上、指摘した問題につきまして誠実に対応され、今後の健全な財政運営につなげることを政府・与党に対し強く要望し、私の質問といたします。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 室井邦彦議員にお答えをいたします。
 財政健全化と税収の見積りについてお尋ねがありました。
 今般、人づくり革命を力強く進めていくため、消費税率引上げ分の使い道を見直すこととしました。これにより、プライマリーバランスの黒字化の達成時期に影響が出ることから、二〇二〇年度のプライマリーバランスの黒字化は困難となります。ただし、財政健全化の旗は決して下ろさず、国、地方を合わせたプライマリーバランスの黒字化を目指すという目標自体はしっかりと堅持してまいります。
 毎年度の税収見積りに当たっては、政府経済見通しや、直近の課税実績、企業収益の見通し等、当初予算編成時に利用可能なデータや経済指標等を最大限活用して税目ごとに見積りを行っており、今後とも適切な見積りに努めてまいります。また、現在、政府は統計改革に取り組んでおり、経済統計の改善も進めてまいります。
 なお、御指摘の平成二十八年度税収の下振れについては、海外経済に弱みが見られる中で、平成二十八年年初からの円高が進行したことにより、法人税収等が当初予算から減少すると見込まれたため、減額補正を行ったものです。
 復興予算の執行についてお尋ねがありました。
 政府としては、一日も早い復旧復興に向け、多年度にわたる十分な予算の枠を確保する一方、国民に負担を求めている財源により実施していることから、適正な執行に努めてまいりました。
 事業実施に当たっては、用地買収や地元調整に時間を要した結果、繰越し等が発生していることは事実ですが、これまでの取組の結果、被災地では生活インフラの復旧はほぼ終了し、住まいの再建も来年春までには九割以上が完成する見通しであるなど、復興は着実に進展しております。
 なお、報道にある未使用分五兆円のうち、復興関連の基金の残額に当たる二・五兆円については、予算を前倒しして交付し事業を実施しているために生じているものです。
 今後とも、一日も早い復旧復興に向け、着実に取組を進めてまいります。
 残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣野田聖子君登壇、拍手〕
○国務大臣(野田聖子君) 室井議員にお答えいたします。
 まず、マイナンバーカードの交付に関する警告決議に対する政府の対処についてお尋ねがありました。
 原因については、委託事業者による単体テスト等が不足していたものという見解が、平成二十八年六月、地方公共団体情報システム機構から示されました。これを踏まえ、同機構において、外部の専門人材の登用、マイナンバー関連システムの総点検等を内容とする再発防止策を定め、着実に実施してきたところです。
 また、さきの通常国会において、理事長に対する代表者会議の命令権限の拡大など、J―LISのガバナンス強化を図るとともに、総務大臣の各種監督権限等を規定する地方公共団体情報システム機構法の一部改正についてお認めいただきました。
 マイナンバーカードの交付の遅延については、平成二十八年六月に全市区町村でマイナンバーカード交付計画を策定し、これに基づき交付を進め、同年十一月末までに遅延を解消しています。現在、カードの交付は円滑に実施されています。
 次に、トール社を子会社にした日本郵便株式会社に関する会計検査院の指摘についての受け止め及び再発防止に向けた取組についてお尋ねがありました。
 日本郵便株式会社におけるトール社買収に関しては、日本郵政株式会社及び日本郵便株式会社において社内規程に基づく手続を経て決定したものと聞いております。今般の会計検査院の所見を踏まえ、両社においてはより一層のガバナンスの強化に努めていただけるものと期待します。
 いずれにしても、両社においては、ユニバーサルサービスを安定的に提供し、利用者の目線に立ったサービスを行うこと、収益力の多角化、強化、経営の効率化などを進めることが重要であり、しっかりと取り組んでいただきたいと考えます。総務省としても注視してまいります。(拍手)
   〔国務大臣石井啓一君登壇、拍手〕
○国務大臣(石井啓一君) 室井議員にお答えをいたします。
 所有者不明土地や未利用地の利用促進についてお尋ねがございました。
 国土交通省といたしましては、所有者不明土地の利用の円滑化に向けまして、国土審議会土地政策分科会に特別部会を設置いたしまして、公共事業のために収用する場合の手続の合理化、公園や広場など地域住民のための公共的事業に一定期間利用することを可能とする新たな仕組みの構築、所有者の探索を合理化する仕組みの構築等について議論を行っているところであります。
 また、都市において低未利用地がランダムに発生するいわゆる都市のスポンジ化につきましては、低未利用地の利活用に向けた行政による仲介、マッチングの促進策、地権者による公共空間の整備等の支援策などについて検討を進めているところであります。
 いずれにつきましても、次期通常国会への法案提出に向けて取り組んでまいります。(拍手)
   〔国務大臣齋藤健君登壇、拍手〕
○国務大臣(齋藤健君) 室井議員の御質問にお答えいたします。
 六次産業化ネットワーク活動交付金の実施状況についてお尋ねがありました。
 御指摘のとおり、六次産業化ネットワーク活動交付金等による新商品開発事業におきまして、国や都道府県等が新商品開発による利益の発生状況や利益が発生していない場合の要因の把握が十分行われておらず、指導も行われていないケースがありました。このような実態を真摯に受け止め、早急に改善してまいりたいと考えています。
 農林水産省としては、事業終了後の報告の確実な実施や、収益が発生していない場合の要因及び改善策の提出、必要に応じ六次産業化サポートセンターを活用すること、これらについて地方農政局等及び都道府県から事業実施主体に対して指導することにより、本事業が真に六次産業化の推進につながるよう取り組んでまいります。(拍手)
   〔国務大臣梶山弘志君登壇、拍手〕
○国務大臣(梶山弘志君) 室井議員より、地方創生先行型交付金の不適切な執行についてのお尋ねがありました。
 会計検査院より、地方創生先行型交付金の執行について、合計八件、金額二億二千四百三十四万円の不当事項の指摘を受けたことは誠に遺憾であり、担当大臣として重く受け止めております。
 今回の指摘を踏まえ、今後同様の事態が生じることのないよう、地方公共団体に対して交付金事業の適切な執行に係る留意事項について、改めて周知を行ったところであります。
 あわせて、内閣府内担当部局においても、審査上の留意事項を再確認するほか、詳細な審査マニュアルを作成するなど、審査体制の充実を図ってまいります。(拍手)
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○議長(伊達忠一君) 木戸口英司君。
   〔木戸口英司君登壇、拍手〕
○木戸口英司君 希望の会、自由党の木戸口英司です。
 私は、会派を代表して、ただいま議題となりました二〇一六年度決算について、総理に質問いたします。
 先般、加計学園による獣医学部の新設が認可され、また、森友学園に対する国有地の売却等に関する会計検査院の報告が行われました。これらを踏まえ、衆参両院の予算委員会等で質疑が行われましたが、国民の疑念は一層増大しています。両問題の真相究明には、安倍昭恵氏、加計孝太郎氏への証人喚問を行い、直接問いただすことが不可欠です。全容解明へ総理のリーダーシップを求めますが、いかがでしょうか。
 次に、内閣の最重要課題である東日本大震災からの復興について質問します。
 東日本大震災から六年九か月。被災地では、官民を挙げた懸命の努力により、復旧復興は着実に進みつつある一方、現在も約八万人が仮設住宅等の避難生活を余儀なくされ、復興はいまだ途上と言えます。
 復興・創生期間の初年度、二〇一六年度の復興関連予算の執行見込み率は八八・五%であり、二〇一五年度の九〇・九%に比べ低下しています。復興の加速化が求められる中で減速しているとすれば問題であり、執行見込み率の低下についてどのように分析しているか、伺います。
 また、二〇一六年度末時点の復興交付金事業の進捗状況では、未契約率一九・三%、約五千六百億円が契約に至っていません。対応策を伺います。
 被災地の復興まちづくりには長い期間を要します。二〇一五年六月、国の復興推進会議で決定された「平成二十八年度以降の復旧・復興事業について」に基づき、被災地の復旧復興が完全に成し遂げられるまで手厚い財政措置の継続と十分な財源確保、特例的な財政支援の拡充が重要となりますが、所見を伺います。
 高台移転等が進捗する一方で、移転元地の活用計画策定は、その困難さから進んでいません。各地域に応じた基盤整備が早期に進むよう、柔軟な制度運用、現行制度の改善等について所見を伺います。
 被災者等の心身のケアや孤立防止を図り、心の復興を進めていくことが今なお重要です。総理の所信表明演説においても心の復興を力強く支援する旨ありましたが、施策について伺います。
 災害公営住宅に居住する低所得世帯の家賃負担を軽減している国の東日本大震災特別家賃低減事業では、入居六年目以降は家賃が段階的に本来価格に戻り、早ければ本年度中から上がり始めるとされています。家賃値上げは岩手、宮城、福島の三県の入居世帯の約七割に当たる一万六千世帯超への影響が言われ、継続した支援が必要と考えますが、いかがでしょうか。
 被災地方公共団体では、復興事業に必要なマンパワー確保にできる限り努力していますが、特に、専門的知識を有するマンパワー不足は早期復興を実現するための支障となっていることから、国による人的支援の強化について伺います。
 最近の経済産業省の調査で、被災した観光業や小売業の業績回復が伸び悩んでいる実態が明らかとなりました。小売やサービス業では以前の取引先を失った影響が大きく、観光業や水産業は原発事故の風評被害が影響しています。建設業においては人手不足に悩まされています。復興に係る特別な需要が収束しつつある中、被災地企業への支援策を伺います。
 東北の観光の現状を見ると、二〇一六年の東北六県における延べ外国人宿泊者数は、震災前の二〇一〇年比でプラス二八・三%であり、全国的なインバウンド急増の流れから取り残されていると言えます。政府は、東北六県の外国人宿泊者数の目標を二〇二〇年百五十万人泊としていますが、施策について伺います。
 地方における近年の財政調整基金の増加について、地方財政に余裕があるかのような議論が国においてなされています。地方では国を大きく上回る行財政改革や歳出抑制の努力を行う中で、この増加は、災害や将来の税収の変動、社会保障等に要する経費の増に備えた財政運営の年度間調整によるものであり、実情を顧みない議論に地方から不安の声が上がっています。所見を伺います。
 復興庁は復興期間が終了する二〇二〇年度末に廃止される時限組織ですが、吉野復興大臣は、被災地復興に取り組む後継組織の検討を始める考えを示しています。また、災害への備えから復旧復興までを担う防災庁(仮称)の創設について、全国知事会からの提言もあります。検討状況を伺います。
 一人一復興、一人一人が復興を実感できるまで支えていく、被災自治体ではその覚悟で臨んでいます。地域や期間や数値で線を引くのではなく、一人一復興へ、国の一層の継続した支援を強く要望し、質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 木戸口英司議員にお答えをいたします。
 加計学園による獣医学部の新設、森友学園への国有地売却についてお尋ねがありました。
 加計学園による獣医学部の新設、森友学園への国有地売却については、私自身、閉会中審査に出席するなど、国会において丁寧な説明を積み重ねてまいりました。さきの衆議院選挙における各種の討論会でも質問が多くあり、その都度、丁寧に説明をさせていただいたところであります。
 また、この国会においても、いただいた質問に丁寧に説明したところであり、今後もその考え方に変わりはありません。その上で、国会における審議の在り方については、国会においてお決めいただくことだと認識しています。
 東日本大震災に係る復興予算の執行状況と復興交付金事業の進捗状況についてお尋ねがありました。
 御指摘の復興関連予算の執行見込み率について九〇%前後にとどまっているのは、事業の実施に当たって用地取得や地元調整に時間を要するケースがあったこと等によるものと認識しております。執行実績を踏まえた適切な予算計上、効率的かつ適正な予算執行に努めることを通じて改善してまいりたいと考えております。
 復興交付金事業についてでありますが、復興交付金事業の契約率は、自治体における事業の進展に伴い着実に上昇してきております。
 政府としては、引き続き、自治体の事業促進を図るため、用地取得に関し、土地の権利調査や評価等について外部専門家の活用を支援するなど、きめ細かく対応してまいります。
 東日本大震災からの復興に関する特例的な財政支援と財源の確保についてお尋ねがありました。
 平成二十八年度からの復興・創生期間においても、復興の基幹的事業や原子力事故災害に由来する復興事業について、被災自治体の実質的な負担をゼロとするなど、特例的な財政支援を継続しています。
 また、復興・創生期間を含む復興期間十年間の復興事業費については三十二兆円分の財源を確保しており、引き続き、この財源を活用し、確実に復興を進めてまいります。
 移転元地の活用についてのお尋ねがありました。
 移転元地の活用のための計画策定や整備の取組については、登録免許税の免税措置の創設による公有地の集約促進の支援や、具体的な土地利用ニーズに応じた基盤整備の支援など、総合的な支援策を取りまとめ、自治体に説明してきております。それにより、公有地を集約した産業用地への企業の進出、民間事業者による農業施設整備など、移転元地活用の事例も増えつつあります。
 引き続き、政府としては、こうした支援策を通じて自治体の移転元地の有効利用の取組を促し、あわせて、市町村からの相談にきめ細かく対応するなど支援を続けてまいります。
 心の復興についてお尋ねがありました。
 被災地の復興を進めていく上で、人と人とのつながりをつくり、被災者が生きがいを持って暮らしていただけるよう心の復興を支援することは極めて重要です。
 これまでも、政府は、被災地の自治体やNPO等と連携し、被災者に対して、災害公営住宅等への移転後のコミュニティー形成の支援、福祉関係者による見守り体制の強化、地域住民との交流の機会の創出を通じたつながりづくりなど、心の復興に力を入れてまいりました。これらの事業を通じ、コミュニティーの活性化、高齢者の孤立の解消、参加された方の居場所づくりなどの効果が出ていると考えております。
 今後も、これらの活動が更に地域に根付いていくよう、自治体との連携を進めながら、被災者の心の復興を力強く支援してまいります。
 東日本大震災特別家賃低減事業についてお尋ねがありました。
 東日本大震災からの復興を図る上で、一日も早い住まいの再建は最重要の課題であり、東北三県の災害公営住宅については、来年春までに九五%が完成する見込みであります。東日本大震災の災害公営住宅の整備に当たっては、激甚災害の場合と比べても、整備費や家賃低廉化の補助を大幅に拡充し、地方公共団体の特段の負担軽減を図っています。
 特別家賃低減事業は、特に収入の少ない入居者に対して地方公共団体が独自に家賃減免を行う場合に、国から地方公共団体に一定の期間補助するものです。地方公共団体が今後も家賃の減免を継続することで入居者の負担を引き続き軽減することが可能であり、一部の地方公共団体では既に減免を継続することとしております。
 今後とも、政府として、地方公共団体に対し、家賃の減免を継続することについて丁寧に説明を行い、入居者の居住の安定が図られるよう努めてまいります。
 国による人的支援の強化についてお尋ねがありました。
 被災自治体への人的支援については、全国の自治体からの職員派遣に係る経費を国が負担する、専門性を有する公務員OB、民間実務経験者等を復興庁で採用し市町村に駐在させる等、復興のための人材確保に取り組んできたところであります。
 被災地の復興には、マンパワーの確保が重要です。引き続き、被災自治体の声をしっかり伺いながら人的支援の一層の強化を図ってまいります。
 被災地企業への支援策についてお尋ねがありました。
 被災地では、事業の復旧や施設の整備などハード面の復興は着実に進んでいますが、失われた販路の回復、人材確保など、復興のステージに応じた課題が生じています。こうした中、政府としては、豊富な経験を持つ専門家の派遣などによって被災地企業の販路回復の取組等をきめ細かく支援しています。また、被災地企業による従業員の雇入れに関し、住宅支援に係る費用についても新たに助成するなどの拡充を行っています。
 農林水産業や観光業で今なお続く風評の払拭は、産業、なりわいの復興の大前提であります。農産物の輸入規制については、私自身、首脳会談などの機会に緩和、撤廃を積極的に働きかけ、これまでに二十五か国で規制撤廃を実現しています。観光業では、在外公館における観光誘致、PR、外国プレスの東北への招聘などを行っています。さらに、建設業では、公共事業の着実な執行のため、設計労務単価の引上げ措置を講じるなど、必要な対策を進めてきています。
 今後とも、被災地の声をよく聞きながら、被災地企業を力強く支援し、なりわいの復興を進めてまいります。
 東北の観光についてお尋ねがありました。
 東北地方における外国人の延べ宿泊者数は、一昨年に震災前の水準に戻ったものの、全国の水準に比較すると伸び率は必ずしも高くない状況です。このため、昨年を東北観光復興元年とし、予算を大幅に増加させて東北の観光復興の取組を強化したところです。
 具体的には、東北観光復興対策交付金を創設し、レンタカーを活用した東北周遊観光の促進や、食、雪、体験をテーマとしたイベントの充実など、様々な施策に対して強力に支援を行っています。また、海外の著名人やプレスを東北に招いて、東北の魅力を海外に発信するプロモーションを集中的に実施しています。これらの効果もあり、昨年の東北地方への外国人宿泊者数は一昨年から二割以上増加しております。
 今後、釜石市でも試合が開催されるラグビーワールドカップ二〇一九や、復興五輪と位置付けられる二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の機会も十分に活用しながら、観光復興を加速させてまいります。
 地方の基金残高の増加についてお尋ねがありました。
 平成十八年度から平成二十八年度の間の財政調整基金の残高は三・五兆円増加しています。総務省の調査によると、こうした基金の積立ては、地方団体が災害や公共施設の老朽化など将来の備えのために、改革や経費節減に努めることなどにより行っているものです。
 今後とも、地方公共団体が地域の重要課題に取り組みつつ安定的な財政運営を行えるよう、地方が自由に使える一般財源総額の確保に取り組んでまいります。
 復興庁の後継組織に関するお尋ねがありました。
 まず、復興庁が設置されている二〇二〇年度末までの復興・創生期間の間に、できることは全てやり遂げる気概を持って被災地の復興に全力で取り組んでまいります。
 復興庁の設置期間が経過した後の組織の在り方については、特に福島の原子力災害被災地域の復興再生には中長期的対応が必要であるのは事実であり、国が前面に立って取り組む必要があるといった観点や復興施策の進捗状況等も踏まえながら、それ以降の体制も検討していく必要があると考えております。
 防災庁の創設についてお尋ねがありました。
 政府の防災機能の強化については、関係副大臣会合において統一的な危機管理対応官庁の創設などについて議論が行われた結果、中央省庁レベルでの抜本的な組織体制の見直しの必要性は直ちには見出し難く、むしろ、組織構成にかかわらず、複合災害への対処の在り方を含め、関係省庁が互いに緊密に連携することが重要であることが確認されました。
 防災・減災対策は不断に見直しを行っていくことが重要であり、今後とも、必要な体制の検討と実践を重ね、万全の危機管理対応体制の確保に努めてまいりたいと思います。(拍手)
○議長(伊達忠一君) これにて質疑は終了いたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時二十一分散会