第195回国会 予算委員会 第2号
平成二十九年十一月三十日(木曜日)
   午前九時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十一月二十九日
    辞任         補欠選任
     武見 敬三君     平野 達男君
     山本 一太君     有村 治子君
     田名部匡代君     吉川 沙織君
     竹内 真二君     西田 実仁君
     山下 芳生君     小池  晃君
     石井 苗子君     藤巻 健史君
 十一月三十日
    辞任         補欠選任
    渡辺美知太郎君     和田 政宗君
     石橋 通宏君     矢田わか子君
     古賀 之士君     浜口  誠君
     杉尾 秀哉君     伊藤 孝恵君
     藤田 幸久君     相原久美子君
     吉川 沙織君     田名部匡代君
     伊藤 孝江君     杉  久武君
     西田 実仁君     竹内 真二君
     浅田  均君     片山虎之助君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         金子原二郎君
    理 事
                石井 準一君
                宇都 隆史君
                高野光二郎君
                二之湯武史君
                丸川 珠代君
                川合 孝典君
                増子 輝彦君
                横山 信一君
                辰巳孝太郎君
    委 員
                青山 繁晴君
                朝日健太郎君
                有村 治子君
                上野 通子君
                太田 房江君
                こやり隆史君
                島田 三郎君
                滝沢  求君
                中泉 松司君
                中野 正志君
                平野 達男君
                舞立 昇治君
                松川 るい君
                元榮太一郎君
                山田  宏君
                吉川ゆうみ君
                和田 政宗君
                渡邉 美樹君
                相原久美子君
                伊藤 孝恵君
                石橋 通宏君
                大島九州男君
                大野 元裕君
                田名部匡代君
                浜口  誠君
                藤田 幸久君
                矢田わか子君
                吉川 沙織君
                熊野 正士君
                杉  久武君
                竹内 真二君
                西田 実仁君
                三浦 信祐君
                小池  晃君
                大門実紀史君
                浅田  均君
                片山虎之助君
                藤巻 健史君
                福島みずほ君
               薬師寺みちよ君
   国務大臣
       内閣総理大臣   安倍 晋三君
       財務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        麻生 太郎君
       総務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(男女共
       同参画、マイナ
       ンバー制度))  野田 聖子君
       法務大臣     上川 陽子君
       外務大臣     河野 太郎君
       文部科学大臣
       国務大臣     林  芳正君
       厚生労働大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(拉致問
       題))      加藤 勝信君
       農林水産大臣   齋藤  健君
       経済産業大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(原子力
       損害賠償・廃炉
       等支援機構))  世耕 弘成君
       国土交通大臣
       国務大臣     石井 啓一君
       環境大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(原子力
       防災))     中川 雅治君
       防衛大臣     小野寺五典君
       国務大臣
       (内閣官房長官) 菅  義偉君
       国務大臣
       (復興大臣)   吉野 正芳君
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)
       (内閣府特命担
       当大臣(防災)
       )        小此木八郎君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(沖縄及
       び北方対策、消
       費者及び食品安
       全、海洋政策)
       )        江崎 鐵磨君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(少子化
       対策、クールジ
       ャパン戦略、知
       的財産戦略、科
       学技術政策、宇
       宙政策))    松山 政司君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(経済財
       政政策))    茂木 敏充君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(規制改
       革、地方創生)
       )        梶山 弘志君
       国務大臣     鈴木 俊一君
   副大臣
       財務副大臣    木原  稔君
        ─────
       会計検査院長   河戸 光彦君
        ─────
   政府特別補佐人
       人事院総裁    一宮なほみ君
       内閣法制局長官  横畠 裕介君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小野 亮治君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       横田 真二君
       人事院事務総局
       総括審議官    松尾恵美子君
       内閣府政策統括
       官        中村 昭裕君
       内閣府経済社会
       総合研究所次長  市川 正樹君
       警察庁警備局長  松本 光弘君
       総務省総合通信
       基盤局長     渡辺 克也君
       外務省アジア大
       洋州局長     金杉 憲治君
       財務省主計局長  岡本 薫明君
       財務省理財局長  太田  充君
       国税庁次長    藤井 健志君
       厚生労働大臣官
       房審議官     橋本 泰宏君
       厚生労働省健康
       局長       福田 祐典君
       国土交通省鉄道
       局長       藤井 直樹君
       国土交通省航空
       局長       蝦名 邦晴君
       観光庁長官    田村明比古君
       防衛大臣官房長  高橋 憲一君
       防衛省防衛政策
       局長       前田  哲君
       防衛省整備計画
       局長       西田 安範君
   説明員
       会計検査院事務
       総局第三局長   戸田 直行君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○予算の執行状況に関する調査
    ─────────────
○委員長(金子原二郎君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 予算の執行状況に関する調査を議題とし、昨日に引き続き質疑を行います。青山繁晴君。
○青山繁晴君 皆様、おはようございます。自由民主党・こころの青山繁晴でございます。党利党略のためでなく、ただ国益のためにこそ、不肖ながら質問いたしますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 さて、いわゆる森友学園事件をめぐって会計検査院の報告が出されました。また、加計学園の岡山理科大学獣医学部の新設が認可されました。いずれも節目となる時期、きちんと整理するにふさわしいときですので、後ほど焦点を絞って質問いたします。
 まずは、最も国益と国民の現在、未来を左右しかねない半島情勢についてお伺いしたいと思います。
 御承知のとおり、北朝鮮が昨日未明にICBM級と見られる弾道ミサイルを発射いたしました。これは、およそ二か月半、北朝鮮が沈黙を守った後の発射というこれまでになかったパターンです。
 本当はどういうタイミングで撃ったかをあえて整理いたしますと、トランプ大統領のアジア歴訪の中で米中の首脳会談がじっくりと言わば行われ、その直後に中国の習近平国家主席が北朝鮮に特使を派遣し、その特使が金正恩委員長に会えずに終わると、トランプ大統領が間髪を入れずにテロ支援国家の再指定に踏み切り、その直後のミサイル発射です。これを見れば、直接関係する首脳たち、関係諸国にもはや時間がなくなっていることが分かります。
 特使の派遣は米中の首脳が重要な一手として合意してなされたものと見られ、その証拠に、トランプ大統領も期待して、恐らく期待して、テロ支援国家の再指定はせず、成果を待っておられました。北朝鮮も、実は米中の話合いで自分に有利な条件を特使があるいは持ってくるかと期待していたからこそ、二か月半沈黙していたのではないでしょうか。ところが、特使は北朝鮮を核保有国として認めることをせず、特使をそこで北朝鮮は事実上追い返し、トランプ大統領は恐らくは失望が大きかったからこそ直ちにテロ支援国家の再指定を実行し、金正恩委員長は言わば進化した弾道ミサイルの発射でこれに応えました。
 ミサイルの発射は本当はアメリカへのメッセージだという見方ができると思います。実際に使うと思うならば縦に撃つはずがありません。済みません、ちょっと私の手元をあえて見ていただくと、ちょっと分かりにくいですけど、これを、ボールペンをミサイルとしますと、ロフテッド軌道というのは要は縦に撃つことですから、落ちてきたとき、大気圏に入るときの角度が当然深いです。しかし、実際に届くように撃つならば、当然入るときの角度が浅くなりますから、もしも実戦に使うという意思があるのであれば、ロフテッド軌道ではなくて横に撃つはずです。
 したがって、このミサイル発射というのは、アメリカに自分たちを核保有国として認めてくれ、その上で直接のアメリカとの対話をしてくれというメッセージではないでしょうか。
 北朝鮮は明らかにアメリカだけを相手にしようとしています。日本にとってもアメリカにとっても、もはや中国の仲介、それを頼みにすることはできないのではないでしょうか。もう一つのロシアは、実は中国が北朝鮮への石油の無償提供をある程度細らせていますけれども、ロシアはそれを有償で、つまり北朝鮮からお金を取りながら石油を売っているのが現状ですから、そもそも元々隙間狙いです。
 これを考えますと、中国の役割に期待するのではなくて、もはや日本も自立した対応を整えるべき時期を迎えたと思いますが、河野外務大臣におかれては、独自の世界観と分析をお持ちの外務大臣だと思います。現状はいかがお考えでしょうか。
○国務大臣(河野太郎君) 北朝鮮がなぜこのタイミングでミサイルを発射したかということを、いろいろ考え方はあると思います、断定的に政府として申し上げることは避けなければいけないと思っておりますが、この二か月間、北朝鮮は新しいエンジンのテストなどを繰り返し、ミサイルの発射の準備をしていたことが明らかになりました。自制をする意図がないということははっきりしたわけでございます。
 中国が頼りになるかどうかということでございますが、やはり北朝鮮の貿易の九割を占める、そして北朝鮮が石油を依存している中国が果たさなければいけない役割というのはかなり大きいというのは昨日のティラソン国務長官との会談でも一致をいたしました。日米として、中国に果たすべき役割があるということは伝えていかなければならないというふうに思っております。
 また、ロシアは四万人近い北朝鮮の労働者を国内にいまだに抱えております。そういう中で、ロシアも安保理の常任理事国でありますし六者会合のメンバーでもありますので、中国同様に果たすべき役割というのをしっかりと認識をしてもらわなければいけないというふうに思っております。
 頼りになる、ならないというところはいろいろ御意見あるかと思いますが、やはり両国にまずやるべきことをきちんとやってもらいたいということはこれからもしっかり申し述べていきたいと思います。
○青山繁晴君 先ほど、河野外務大臣は独自の世界観、分析と申しましたが、これは自立した世界観、分析という言い間違えでありました。
 さて、今度は防衛大臣にお尋ねしたいと思います。
 不肖私は、五月と八月にハワイ、真珠湾のアメリカ太平洋軍司令部をお訪ねしました。もし、あえて申しますが、新朝鮮戦争というものがこれからもしもあるならば、前線指揮を執るのはここの司令部です。米軍は米軍の任務として、年末に向けて開戦という選択肢も大統領が取り得るように準備を万端整えていくその現場の実感をまざまざと把握いたしました。
 トランプ大統領は依然、できれば外交解決でと望まれているのは変わりないと考えますけれども、米軍のこの臨戦態勢を北朝鮮はよく知っていると考えられます。マティス国防長官、アメリカの国防長官の信頼も厚い小野寺防衛大臣におかれては、この現状をどのように考えておられるでしょうか。
○国務大臣(小野寺五典君) まず、せっかくですので、最新の昨日のミサイルの状況について御報告をした上、御質問にお答えをさせていただきたいと思っております。
 昨日の時点では、北朝鮮が発射した弾道ミサイルは四千キロメートルを大きく超える高度に達し、約一千キロメートル飛翔したことを踏まえれば、ICBM級の弾道ミサイルであったことは考えられます。
 また、北朝鮮は昨日、重大報道の中で、全米を射程に収める超大型重量級核弾頭弾を搭載可能な新型の大陸間弾道ロケット火星15型の試験発射に成功し、国家核武力の完成の歴史的大業を達成した旨発表をしております。
 また、今朝になりまして、北朝鮮が、日付不明ではありますが、発射実験についての様々な報道がありました。
 そうした前提に立って判断いたしました現在の状況ですが、その飛翔距離及び高度、北朝鮮が新型の火星15型と公表したこと、これまでに見られたことのない九軸のTEL、移動式の装置に搭載された様子が確認できること、弾頭の先端の形状が鈍頭、これは丸みを帯びた先端であることなどを踏まえれば、本年七月に二度発射されたICBM級の弾道ミサイル、北朝鮮の呼称によれば火星14型でありますが、とは異なる新型のICBM級の弾道ミサイルであったと考えられます。
 また、今回北朝鮮が公表した画像によれば、今回発射された弾道ミサイルは二段式であります。二段式というのは推進力が二段に付いているということ。今回の発射は九軸の装輪型TELから切り離された上で発射されたという様子、液体燃料推進方式の特徴である直線状の炎等が確認をできます。
 いずれにしても、かなりの能力を持った弾道ミサイルということで、私どもは引き続きしっかりした体制を取っていきたい、そう思っております。
 その上で、今、青山委員から御指摘がありましたが、様々な事態が発生した場合、防衛省・自衛隊はしっかりとした対応を取りますが、当然、同盟国であります米軍とともに様々な対応を取ることになることもあると思います。その際の指揮になりますのがハワイの太平洋軍司令、PACOMと読みますが、その司令官、ハリー・ハリスさんも先日、防衛省に、私のところに参りましたし、また、その前には、在韓米軍司令、これは半島有事が起きたときに韓国軍を含めて国連軍の指揮を執るトップでありますが、その方ともお話をしました。
 いずれにしても、私どもは緊張感を持った対応をしていくということで一致したということで、現在の状況についてはお含みおきいただければと思います。
○青山繁晴君 今の防衛大臣のまさしく緊張感の含まれた御答弁をお聞きして更に痛感しますのは、まだ分かりませんけれども、ひょっとしたら来月十二月にある種決定的な事態も想定はしなきゃいけないと。ということは、今の小野寺大臣のお話にもありましたけれども、日本の備えを実は本当は加速度を付けて間に合わせていく必要があります。仮に空振りに終わっても、様々な意味で抑止力にもなるし、本当は災害防止にも役立ちますから、是非それを取り組んでいただきたいので、指導者でいらっしゃる総理に以下はお尋ねします。
 まず、この予算委員会も含めまして、不肖私、過去何度も地下鉄や地下街などを生かしていただく、それは弾道ミサイル、核弾頭であっても通常弾頭であっても地下に避難するのが一番最善の道であり、しかも日本の技術力からすれば地下鉄も地下街も相当な深度、深さと、固さ、丈夫さを持っておりますから、是非それを生かしていただく。生かしていただくのは決して難しくなくて、空調にフィルターを付けて生物化学兵器などの侵入を防ぎ、それから食料、水、医薬品を常備するということで、あとは避難訓練ができれば簡便なシェルターとなります。
 自由民主党は、実は国土強靱化とも併せて二階幹事長や片山政調会長代理らが中心になって取組を始めていますけれども、政府の取組が実は正直なかなか今のところ見えません。是非積極的に進めていただきたいと思います。総理、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ミサイル攻撃等の際の暴風からの直接の被害を軽減するため、コンクリート造り等の堅牢な建築物や、地下街、地下駅舎などの地下施設への避難は有効と認識をしております。
 このため、政府においては、本年六月に自由民主党よりいただいた国民保護のあり方に関する提言も踏まえまして、堅牢な建築物や地下施設について、都道府県等による避難施設の指定を促進しているところであります。あわせて、現在、避難施設の在り方について、一定期間滞在可能な施設とする場合における必要な機能や課題等について関係省庁において検討を進めています。
 政府としては、引き続き、国民の安全と安心を確保するために十分な避難施設の確保にしっかりと取り組んでまいります。
○青山繁晴君 今総理が有効であると明言されましたので、少し愁眉を開く感があります。
 ただ、この地下鉄や地下街の入口というのは基本的には決して広くないです。そこに、もしも訓練なしに例えば車椅子の方ですとか高齢者の方あるいは子供たちが殺到すると、実は福島原子力災害でも似たことがあったんですけれども、間違った避難によって犠牲が出るということが懸念されます。
 したがって、これはもちろん自然災害への対応にもなりますから訓練をやることが必要なんですけれども、この頃、自治体と政府が連携した訓練、幾ばくかは行われていますけれども、その熱意はもちろん評価いたしますけれども、北朝鮮の弾道ミサイルは実は精度が上がっているので、やっぱり東京を中心とした大都市部に狙いを定めて、もしもという場合ですけれども、あくまで仮定ですけれども、そういうことが考えられます。
 したがって、一番大切な東京での避難訓練の遅れには正直、目を覆うものがあります。もしも、都に動きが仮にないのであれば、水面下ではしっかり都に動きがあるのかもしれませんけれども、もしも動きないのならば政府の方から積極的に働きかけて、直ちにこの東京のほとんど全ての地下街や地下鉄の入口について、近隣の住民の方々あるいは学校の子供たち、先生との訓練を行っていただきたいと思います。
 済みません、これも総理、お願いできますでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま青山委員から御指摘があったように、万が一弾道ミサイルが落下した際に自らの身を守るためどのように行動すべきかを国民が理解し、そして避難行動を取ることができるようにするためには、実践的な訓練が必要です。それを繰り返し行うことが大切であります。そのため、国と地方が協力をし各地で避難訓練を実施をしておりますが、今委員が御指摘になったように、関係者や調整事項が多い人口密集地での訓練は、御指摘のとおり、なかなか実施に、東京を含め実施に至っていません。
 そうした中、自民党からの御提言もいただき、ようやく大都市部での避難訓練が実施され始めることとなりました。明日には福岡市で実施されます。これは、市長始め福岡市の皆様に御協力をいただいているところであります。また、市民の皆様にも御協力をいただくことになるわけでありますが。
 政府としては、今後とも、都市部での避難訓練の積極的な実施を自治体に働きかけるなど、東京も含め、国民の安心、安全の確保に万全を期してまいりたいと思います。
○青山繁晴君 この後、少し質問の順番を変えるかもしれませんが、お許しください。
 この北朝鮮に関しては、北朝鮮籍と見られる船が次々漂着しているという事実があります。実はこれ、報道が盛んにされているけれども、前から漂着はあったんですけれども、それにしてもやや異様な様相です。
 この分析を今日十分にやっている時間は残念ながら予算委員会ではありませんけれども、例えば二つ問題提起いたしますと、一つは、もしもこの上陸者ないしは侵入者、言わばやむを得ず上陸した方も含めて天然痘ウイルスに感染していた場合。北朝鮮が兵器化された天然痘ウイルスを持っているというのは、国連の専門官の間でももはや常識であります。これは飛沫感染といいまして、唾でうつります。予算委員会のこの部屋は、ちょっと神経質な方にはお嫌かもしれませんが、既に僕の唾でいっぱいです。これは、本当は目に見えないちりが漂っているんで、そのちりの上に僕の唾や総理の唾や河野さん、小野寺さんの唾も乗ってもう浮遊していろんな人の鼻や呼吸器に入っていきます。
 したがって、天然痘ウイルスはそうやって広がっていくので、もしも上陸者に一人でも感染させられた人がいたとしたら、これはワクチンを投与しない限りはほとんど無限というぐらい広がっていきます。その恐怖は核ミサイルの比ではありません。
 したがって、今、例えば帰国を望んでいるならば帰せばいいじゃないかというような雰囲気もやや感じられますけれども、でも、例えば帰すにしても、北朝鮮に帰って、おまえは日本に逃げようとしたんじゃないかと言われて、その北朝鮮の普通の例えば漁民だったら漁民、これは日本の大和堆の漁業権を侵したりするけしからぬ面も強いですけれども、しかしあくまで一漁民であったとして、その方が果たして北朝鮮に帰ったときに人権が守られるのかということを考えれば、今までも漂着があったからとか、あるいは帰国したいと言うんだから帰すというようなその場しのぎの対応ですと、これは重大なことにつながりかねません。
 ここは、できれば警察庁と厚生労働省、それぞれから御答弁いただけますか。
○政府参考人(松本光弘君) まず、漂着事案につきましてお答え申し上げたいと思います。
 御指摘のとおりでございまして、十一月二十五日に新潟県佐渡市で一人の遺体を発見、また二十七日には秋田県男鹿市で八人の遺体が発見、さらには、生きている漂着船員といたしまして、十一月二十三日深夜には、秋田の由利本荘におきまして、国籍不明ということでございますが、男性八人を発見し、付近で男性らが乗っていたと見られる木造船も発見しているところでございます。
 警察といたしましては、平素から関係機関と連携いたしまして我が国への不法上陸等の水際阻止に努めておりますけれども、天然痘という御指摘のような可能性もあり得るということは十分に考慮いたしまして、検疫当局等関係機関と緊密に連携した上で、国民の生命や身体を守るために必要な備えをしっかりと行ってまいりたいと考えているところでございます。
○政府参考人(福田祐典君) お答えいたします。
 我が国に外国から漂着された場合には、感染症法や検疫法等の規定に基づきまして、検疫所職員と自治体職員が連携をいたしまして健康状態の確認などを行うこととなっており、今般の事案についても適切に対応しております。
 また、天然痘ウイルスを持つ者が漂着した場合の懸念につきまして御指摘をいただいたところでございます。
 厚生労働省としては、そのような事態に備え、天然痘ワクチン等の備蓄や天然痘の対応指針の策定などを行っているところでございます。
 厚生労働省としては、感染症法や関連指針の規定に基づきまして、関係機関とも連携の上、適切に対応してまいりたいと考えております。
○国務大臣(小此木八郎君) 国家公安委員長でございます。
 漂着案件につきましては、我が方の警備局長から申し上げたとおり、十一月に入りましてから、二十三日、二十五日、二十七日と、それぞれ秋田県が二件、そして新潟県で一件ということでございます。そこで北朝鮮からのミサイルという話でありますから、これは相当重い状況であると私も思いまして、警察幹部には不断の注視、これを怠らないようにと、先生御懸念の件も踏まえて、これからも指導してまいりたいと思います。
 天然痘につきましては、また関係当局、例えば検疫当局等関係機関と緊密に連携をして、国民の生命、身体を守るために必要な備えをしっかりと行っていくよう、改めて警察を指導してまいりたいと存じております。
○青山繁晴君 今、言わばあえて複数の省庁にお答えをいただき、国家公安委員長からまとめていただいたんですけれども、例えば天然痘という病気は一九八〇年に撲滅されていて、ということは、既に日本で診たことのあるお医者様は実質いらっしゃいません。したがって、初期の症状で赤い斑点が出たときに、これが何かの食あたりじゃなくて天然痘ウイルスじゃないかということを判断できる広範な体制が必要で、それは当然省庁の垣根を越えなきゃいけませんから、今複数の省庁にお答えいただいたのはより連携を深めていただきたいという趣旨であります。これは御答弁要りません。
 時間がどんどんたちますので、先ほどお約束した森友の件に次は移りたいと思います。
 森友学園への国有地売却をめぐって会計検査院の報告が出されました。この報告の全文を繰り返し読みますと、政府にとって厳しい指摘もなされています。
 これは、まず会計検査院が独立してきちんと検査を行うという意味で、日本の健全さを物語るものではないでしょうか。まず、その意義付けについて会計検査院長にお聞きします。
○会計検査院長(河戸光彦君) 本件につきまして会計検査院は、本年三月に予算委員会から検査の御要請を受けまして検査を進め、十一月二十二日に検査の結果を御報告いたしました。会計検査院は、憲法上、内閣に対して独立した地位を有する機関として、本件につきましても公正かつ厳正に検査を実施し、その独自の判断に基づいて検査結果を報告したところでございます。
 今回の報告を、御要請いただいた国会での御議論の参考にしていただければと存じます。
○青山繁晴君 総理、今申しましたとおり、政府に対して厳しい指摘もあります。その指摘を受けた責任と、それから会計検査院の検査の意義について、お考えあればお答えください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 会計検査院の報告書を踏まえた本件国有地売却に関する政府の立場は今まで財務省が述べたとおりでございますが、私は、かねてより、国有地の売却価格については会計検査院がきっちりと厳正に調査するものと思っているということを申し上げてきたところであります。
 今回の報告は、国会からの要請により、独立した行政機関である会計検査院によって実施されたものであり、政府としてその指摘については真摯に受け止める必要があると思っています。
 国有地は国民共有の財産であり、その売却に当たっては、国民の疑念を招くようなことがあってはなりません。今回の、今般の会計検査院の報告、さらには、これまでの国会等での議論の中での厳しい御指摘があったことも踏まえ、私としても、国有財産の売却について業務の在り方を見直すことが必要と考えております。
 今後、関係省庁においてしっかりと見直しをさせていく考えでございます。
○青山繁晴君 これから会計検査院の報告の中の具体的な指摘に踏み込んでいきたいと思うんですが、その前に一点だけ。
 憲法六十五条には、「行政権は、内閣に属する。」とあります。内閣総理大臣ではなくて、内閣に属すると。その内閣はどうやって国の施策、行政を決めるかというと、これは閣議で決めますが、閣僚の皆様よく御存じのとおり、これはラウンドテーブルで、つまり全員一致でないと決められないのが日本の定めであります。したがって、安倍一強という造語が盛んに人口に膾炙されましたけど、実はこれ、制度からして、不肖ながら政治記者の経験からしてもあり得ないことであります。総理は小学校の土地取得や一学部の新設に関わることはできないと考えていますが、それも踏まえて会計検査院の報告を振り返りたいと思います。
 それで、会計検査院の報告におかれましても、この経緯というのを手際よく整理されているわけですけれども、それも含めて、ただ、会計検査院の報告だから全部正しいと言い切るつもりはありませんけれども、たくさんの、つまり、どれぐらいでしたか、これぐらいの実際の土地の書類とかも全部点検して経緯を整理してみれば、ややこしく見えて実際はそう複雑な経緯でもないです。
 というのは、元々伊丹空港の騒音被害地域があって、そこで騒音が技術開発で減ってきたので売ろうとしたと。売ろうとしたから、大阪航空局、国交省の一部が調べてみたら、ヒ素などの土壌汚染と廃材、コンクリートを始め地下のごみがたくさん見付かったと。豊中市が公園にしてくれるという話だったと。つまり、公園ですと盛土をすれば済みますから。しかし、豊中市が公園にしてくれたのは一部であって、あとは残って、それから、森友が出てくる前にある音楽大学も検討されたようですけど、結局お断りになったと。
 政府というか、財務省としては、これは当然法の定めで学校などの公共目的に優先的に情報を開示することになっています。きちんと言えば、公用、公共用の取得希望の受付というのをやります。それを見て森友学園が手を挙げて、大阪府の私学審議会がこの森友学園に今までの幼稚園だけじゃなくて小学校の開校を認可するというので、それを条件に、財務省の近畿財務局、国土交通省の大阪航空局が、まず貸付け、その後買取りという、これははっきり言って異様な契約だと僕は思いますけれども、その契約をいたしたと。その後に、森友学園側が見込み以上のごみを見付けたと主張して、急に、借りるんじゃなくて買うと連絡をしてこられて、さらに開校予定にこのままでは間に合わないと迫ってこられたと。そこで、これ以上ごみが出ても国はもはや責任を負わないという条件、すなわち難しい言葉で言えば瑕疵担保責任免除特約というのを付けて売買を完成させようとしたと。
 これ実は、これ会計検査院の報告の実物ですけれども、ここの六十八ページに実は非常に赤裸々に書かれています。
 済みません、ちょっと読み上げますが、「大阪航空局は、国有財産売買契約書において、本件土地に関する一切の瑕疵について国の瑕疵担保責任を免除する特約条項が付されることを前提とし、小学校の校舎や児童の生活の安全性の確保の観点も踏まえ、検証可能なあらゆる材料を用いて地下埋設物の存在を見込んだためとしている。」と。
 これ、あえて答弁は求めませんが、これは普通の感覚で読めば、つまり、これからどれほどごみが出るか分からないので、子供の安全に関わっても困るから、ありとあらゆる理由を付けて前広に、つまり多めにごみを見積もったんじゃないかと。そうは書いていませんが、普通の常識人の感覚で読むとそのようにも読めます。
 こうしたことを全部踏まえますと、財務省の責任の一つは、学園理事長らの要求に振り回された実態が浮かび上がるんではないでしょうか。特に、一旦借りて、つまり、金がないから一旦は借りて、土地を、やがてはそれをちゃんと買い戻すんだと、小学校を経営していったら十年後に買い戻せるということになっているんですが、これ、普通の人であればあるほど、傍聴されている国民であればあるほど分かるのは、そもそも幼稚園の経営がかなり難しかった上に、子供が減っていく中で十年後どうして今買えない土地を買えるのかという。これ、例えば民間の企業だったら、当然、財務諸表のチェックするときにそれをやったはずですけれども、明らかに財務省は甘かったんじゃないかと思います。
 それから、例えば開校が迫っているとか、さらに、記録を読めば繰り返し出てくるのが、損害賠償請求しますよという言葉にも屈したというふうに感じられます。これをいかがお考えでしょうか。財務省はいかがでしょう。
○政府参考人(太田充君) 今ほど先生から多数御指摘をいただいたことを踏まえて御答弁を申し上げます。
 本件土地の処分につきましては、これまでもこの国会の場で御説明しておるとおりでございまして、二十九年の四月に開校が予定されていると、そういう下で校舎の建設工事が進む中、昨年、平成二十八年の三月に新たな地下埋設物が発見をされ、森友学園側から損害賠償請求をされるというおそれもあるなど、我々としては切迫した状況だという中で行われたものだというふうに思ってございます。将来にわたって国が賠償の責任を一切問われることのないよう瑕疵担保責任を免除する特約条項を付するということも含めて、ぎりぎりの対応であったというふうに考えてございます。
 本件土地の処分はこういう状況下で行われたものでございますけれども、会計検査院の報告においても、国有財産の管理処分手続について様々指摘がなされております。財務省としては重く受け止めなければならないと思っておりまして、この会計検査院の報告や、またこれまでの国会等での議論も踏まえまして、国有財産の管理、処分についてきちんと見直しを行ってまいりたいと考えてございます。
○青山繁晴君 できれば前向きな答弁と評価したいんですけれども、一番肝腎なところ、つまり将来の資金繰りに対する審査力、これがないとまた似たようなことを起こしかねませんから、その審査力をどうやって現実に強化されるのか、もう少し踏み込んでお答えいただけないでしょうか。
○政府参考人(太田充君) 今先生御指摘のお話は、本件土地の売却の際、延納という、つまり分割払ということをやっておったものなんですが、その審査に当たりまして、近畿財務局は、一つには過ぎた年度及び最新の財務諸表、もう一つは収支計画と借入金の返済計画、これを検証したということでございます。ただ、このうちの収支計画及び借入金の返済計画はあくまでも将来の計画だ、不確実性が伴うということで、さきに申し上げた財務諸表を中心にして検証を行ったということでございます。
 これについて、会計検査院からは、相手方の収支計画をより深く分析し、小学校建設に関する契約書と突合するなどしていれば、建設費の妥当性を検証できたのではないかという点を指摘されておられまして、先生から御指摘いただいていることも基本的にそのラインだというふうに思っています。私どもとしては、先生の御指摘、こういう中で現実的に審査能力を強化しろというお話だと思います。そのとおりだと思っております。
 そこで、私ども財務局は、国有財産だけではなくて、金融、特に金融検査も担当している部局も持っております。金融検査は、各金融機関が個人あるいは企業の方に融資をして、その融資をしたお金が返ってくるかどうかというのを審査するのが本業、仕事でございますので、そういう部門のノウハウを十分生かして、人事交流も含めて徹底的に審査能力の強化を図るということを行っていかなければならないと思ってございます。
○青山繁晴君 この会計検査院の報告が出たことの意義の一つは、これから頑張りますというだけではなくて、実際にもし国や国民に損害を与えているならばそれを取り戻さなきゃいけないんです。
 これも実は、なぜか前の審議でも余り、前のって通常国会の審議でも余り出てきませんでしたし、メディアにも出てきませんが、これ現実に不当な支払などによって国庫に実際の損害を与えたのか与えていないのか、そこをお答え願えますか。
○政府参考人(太田充君) 済みません。今先生から、実際に国庫に損害を与えたのかという御質問をいただきました。そのことと併せて、その手前で一言だけ申し述べさせていただければと思います。
 いずれにせよ、先生が御指摘の中で瑕疵担保責任というお話をいただきました。これは、私どもとすれば、先ほど先生の御質問の中にありました豊中の隣にある公園の土地の話、あるいはこれまでの国会の議論でも給食のセンターの話というようなことがございます。そういういろんな、その地、当該地域の土地の事情というのがございましたので、そういう事情を踏まえて将来的な賠償責任のリスクを遮断する、断ち切るという考え方から瑕疵担保責任、将来の損害を負わないという特約を結んだということでございます。
 その上で、先生から御指摘をいただいた不当な支払みたいなことがないのかということでございますが、一つには、本件土地について、森友が小学校の認可申請を取り下げたことを受けて、国は本年六月二十九日に売買契約に基づく買戻し権を行使し、土地は返還をされております。
 それから、国が森友学園に有益費として支払いました約一億三千万円のうち、森友学園が後になって過大に請求したことが分かりましたその約二千百万円については、先ほど申し上げました土地の買戻しに伴いまして売買代金の即納金、向こうからこちらに納められたものが二千七百八十七万円ございましたので、これを森友学園側に返還する必要がありましたことから、今の二千百万円を二千七百八十七万円と相殺をして国に返還をさせております。
 なお、二千七百八十七万円と二千百万円の差額の部分につきましては、その他、さらに違約金の支払請求権等々ございましたのでそれとも相殺をして、二千七百八十七万円については国から森友学園側に実際の支払は全くございません。
○青山繁晴君 結果的に国庫にあるいは国民の財布に損害を与えていないならば、それは結果的にはもちろん奇貨とすべきですけれども、ただ、財務省は森友学園側にだまされた被害者のつもりかもしれませんけれども、プロであるべき財務省がもしもだまされたならば、国民に対しては加害者となりかねないです。ここは責任と改善策も含めて財務大臣のお考え、お聞かせ願えますか。
○国務大臣(麻生太郎君) これは、会計検査院の報告では、国有財産の管理処分手続についていわゆる様々な指摘がなされておりまして、財務省としてはこれはもう重く受け止めなければならぬところだと、そう思っております。
 その上で、今後、国有財産の管理、処分について、手続の明確化、売買価格の客観性を確保を図ると同時に、国有財産の管理、処分に関わります経緯等について、合理的な跡付けとか、また検証をより確実なものとすべく適切かつ十分な文書管理の徹底というものを図っていかねばならぬと、そのように私どもとしては理解をいたしております。
○青山繁晴君 この森友についてもう一点。これは、先ほど引用しました会計検査院の報告について会計検査院の院長にお伺いしたいんですけれども、今、理財局長の話からも、森友が取得しようとした土地の近隣の土地、すなわちこれは実は豊中市が一つは部分的に購入しました。一つは給食センターを建てようとした。この土地は、森友学園が取ろうとした土地がおよそ八千八百平方メートル、給食センター予定地が七千二百平方メートル、公園になった土地が九千五百平方メートルで、違いますけれども、大ざっぱに言うとやや似通っていますね。一方、この小学校予定地の売却価格は一億三千万円だと。これは不動産鑑定価格の九億六千万円から、平たく言えばごみの撤去費用の見積りを八億二千万として、それを引いたらこうなったと。
 この一億三千万が安いということで問題になっているわけですけれども、この給食センター予定地というのは、地下に埋まっているごみが、調べれば小学校の予定地より浅いです。浅いけれども、ごみの撤去費用として実に十四億三千万円が見積もられていると。これは、これからどうするかはまだ協議中ということですね。
 それから、公園の土地は売却価格こそ十四億二千万円です。だから、マスメディアは小学校の予定地は十分の一になっているんじゃないかと、けしからぬということで報じられたんですが、これは、僕は記者出身者としても一種の誤報だと思います。というのは、豊中市は国から補助金と交付金を受け取っていて、実際に支払ったのは二千万円です。したがって、本当に比較するならこの二千万円と比較しなきゃいけないです。
 これが、会計検査院の報告に全然ないわけじゃなくて、調べた形跡があるんだけれども、これをどのように受け止めているかについて記述がないんですけれども、できれば院長から見解をお聞かせ願えますか。
○説明員(戸田直行君) お答え申し上げます。
 委員のお尋ねは、豊中市における取引事例等と比較した本件土地の売却価格の適正性に関するお尋ねと理解いたします。
 お尋ねの給食センター予定地につきましては、豊中市が約七億七千万円で購入し、地下埋設物の撤去費を十四億三千万円と算定したという内容の報道があったことは承知してございますが、詳細については承知してございません。
 また、お尋ねの豊中市、お尋ねの公園用地についてでございますけれども、国が十四億二千三百八十六万余円で豊中市に売却した後、土壌汚染が判明したことから、賠償金が国より二千三百二十八万余円支払われてございます。また別途、公園用地の取得を目的とする国庫補助金等、計十四億二百六十二万余円が豊中市に交付されていると承知してございます。公園用地の売却額からこの国庫補助金等の額を差し引きますと、委員お尋ねの実質二千万円に近い金額になるかと思われます。
 なお、今回の報告書におきましては、学校法人森友学園に対する国有地の売却に関する価格算定手続の適正性について検査をいたしました結果、本件土地に係る地下埋設物の撤去・処分概算額を算定する際に必要とされる慎重な調査検討を欠いていたと認められたことなどを記述しているところでございます。
○青山繁晴君 今、会計検査院が最後におっしゃったことは僕も理解します。この検査の本件は、あくまで森友学園の国有地取得に関することですから。
 それで、済みません、時間がもう半ば過ぎていますので、加計学園の岡山理大の方に移りたいと思います。
 これもさっきの森友学園をめぐることどもと同じように、改めて経緯を原資料に基づいて整理してみますと、実はこれもそう複雑なことではないと、ないのではないかと思います。
 むしろ、従来は、鳥インフルエンザ、口蹄疫、狂牛病、正しく言えばBSEといった人類への新しい脅威があっても同じ教育しかしなかったという現実が長々と続いてきまして、これは私個人の見解ではありますけれども、これまさしく既得権益であります。この既得権益を支えたのは、獣医師会、有力な大学、一部の政治家、そして文科省だったのではないでしょうか。国家戦略特区によって、ようやくこうした脅威に対峙できる端緒を、あくまで端緒だと思いますけれども、端緒をつかんだのが今回の獣医学部の新設でないかということは、むしろ、ないかじゃなくて、このように言い切られたのは、七月十日と七月二十五日の閉会中審査における加戸守行前愛媛県知事の証言でありました。
 したがって、もちろん種々いろんな御意見あると思いますけれども、私の視点でお聞きすれば、逆に文科省にお尋ねしたいです。なぜ半世紀以上もこういう新しい脅威に対峙できる獣医学部をつくらなかったのか、文科省に責任はないのかと。文科省に独自の見解があれば、それも踏まえてお聞きしたいと思います。
○国務大臣(林芳正君) 今委員のお話がありましたように、文科省の告示で獣医師の養成に係る学部等の新増設抑制をしておるところでございますが、これは、獣医療行政を所管する農林水産省における人材需要の見解を踏まえた上で抑制方針を取っているということでございます。
 獣医学の分野では、人材供給の規模は国家試験の合格者数によることになるわけでございますが、この受験資格が獣医学部を修了することで付与されるということで、この国家試験の受験者の質が当該分野で活躍する人材の供給に直接影響するために、受験者の質と規模についても一定程度の水準を維持することが必要でございます。
 まさに委員お分かりのように、この人材育成は相当の時間を要するということもあるわけでございまして、こういうことから、農林水産省の人材需要に係る見解を踏まえて、昭和五十九年以降、今お話があったように獣医師養成の学部の新増設について抑制を行ってきたところでございます。
 今回の獣医学部の新設ですが、戦略特区のプロセスの中でこの関係省庁の合意の下で進められてきたところでございますが、この今回の獣医学部は、先端ライフサイエンス研究、地域における感染症対策など、新たなニーズ、今おっしゃったようなことが認められたということで、その中で、実は農水省において、今回の特区による獣医学部の新設は、先端ライフサイエンス研究の推進など内閣府が把握している新たな需要があるという前提の下で獣医師の需給に影響を与えないという判断があったということでございますので、その判断の下に、文科省としても国家戦略特区のプロセスを進めるということについて同意をし、先ほどの告示の特例ということでこの規制改革の措置がなされて、その結果、この設置認可の申請ということに至ったと、こういうことでございます。
○青山繁晴君 文科大臣、済みません、通告外ではないけれども、今お聞きすることは、今大臣の見解をお聞きして言わば付け加えてお聞きしたいんですけど、林文科大臣として、今おっしゃったお話はよく理解するんですが、文部科学省の在り方として、言わば省の体質として、それまでの既得権益に甘いと、むしろそれに乗っかっていれば無事に、省内でもあえて言えば出世もできるし波風も立たないと。それに抵抗すれば、どなたかということは言いませんが、例えば、別に加戸さんの応援するわけではないけれども、知事になられてから拉致被害者の救出に一生懸命当たられたりするという方であれば、実は次官まで行かずに官房長で終わったと、まあ別の理由があったという話もありますけれども、そういうこともあります。
 何がお聞きしたいかというと、この際、文部科学省は、例えば国民から見たら、文科省というのは、例えば日教組に対してもそれなりの見解を持って対峙してくれるというような期待が、もちろん日教組の味方する方もいらっしゃいますが、様々な考え方ありますけれども、そういう役所と見ていたのが、実は、労組がどうこうというんじゃなくて、そもそも敗戦後日本社会の既得権益にぴったり寄り添っていくのが文科省の歩みだったんじゃないかと。そうすると、この加計の件をきっかけにして、林文科大臣という見識のある方が、この文科省の在り方についてもう一言踏み込んでお話しくださればうれしいんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) 過去いろんなことがあったという御指摘でございますが、私、着任してから、やはりこれだけ大きく社会が変動していくという中で、やはり教育というのは長い時間掛けて、例えば小学校に入った方が社会に出るまで十数年の期間を要してからなるということですから、やっぱり常に先を見通してどういう教育が次世代に必要かということはしっかりとやっていかなければならないというふうに思いを新たにしておりまして、よくソサエティー五・〇と、こういうふうに言われておりますが、ソサエティー五・〇というのは一体どういうことになるのか、そういう社会を生きていくためにどういう人材が必要なのかということをもう一度しっかりと検討して、そしてそれを教育行政に反映していきたいということで大臣を中心とします有識者懇談会を発足させたところでございますので、しっかりとそういう気持ちで取り組んでいきたいというふうに思っております。
○青山繁晴君 その上で、この新設される岡山理科大学に話を戻しますと、取りあえず一校、取りあえずと言うべきなのか、一校に絞ってくれという要望が出されたのは獣医師会からでありました。京都産業大学関係者のお話をお聞きしても、準備が整わない、特に先生が足りないということで、御自分から言わば降りられたと。
 ということは、今後、今大臣がおっしゃった文科省の取組の変化も含めると、岡山理科大学だけにとどまらず、ニーズを点検しながら次の獣医学部も積極的に新設を検討すべきじゃないでしょうか。そこはいかがでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) 先ほどお話ししましたように、獣医学部の新設又は定員増については、今までは、獣医療行政を所管する農林水産省の需給に関する見解を踏まえて昭和五十九年以降抑制をしてきたところでございます。
 先ほど申し上げましたように、今回の新設については、特区の枠組みの中で関係省庁との調整を経て認められたものでありまして、今後更に獣医学部の申請を認めていく場合には、まずは内閣府を中心に農林水産省、文科省が連携して、需給の動向も考慮しつつ、国家戦略特区の枠組みの中で検討を行うものと考えます。
 またあわせて、獣医系大学の入学定員の在り方については、先生から今お話があったとおり、地域の感染症対策といった新たなニーズへの対応等々、様々な需給の増減要因等を総合的に考慮していく必要があると、こういうふうに思っておりまして、そういう意味で、今後、農林水産省を始め関係省庁と連携して、質の高い獣医師の養成や確保、獣医師の偏在への対応等についてしっかりと検討してまいりたいと思っております。
○青山繁晴君 今はほかの獣医学部ということをお聞きしたんですが、この認められた岡山理科大学獣医学部についても実は課題があると思います。
 早い話が、六年後、果たして新しい脅威に対応できる獣医師が育っているのかということがあります。それから、取りあえず出発時点で教員の方々に比較的高齢者が多いということも指摘されています。
 そうしますと、大学の自治ということは当然尊重しつつも、この岡山理科大学獣医学部が設置計画を確実に履行できるように、文部科学省としては認可後もしっかり確認していくべき、言わば同道して一緒になって育てていくやり方も必要じゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) 大変大事な御指摘だと思っております。
 学部等が開設された場合に、開設年度に入学した学生が卒業する年度、これを完成年度と呼んでおりますが、これまでの間は、大学設置・学校法人審議会、いわゆる設置審において設置計画、これの履行状況を調査をしております。
 具体的には、毎年書面による報告を求めるほかに、必要に応じて実地調査、面接調査を行っておりまして、この履行状況に今委員から御指摘があったような課題が生じている場合は、必要な指導を行って速やかに改善を求めていくということになっております。
 本件の岡山理科大学獣医学部についても、実習計画や教員組織編制、今お話がありました、それに関しては、認可後留意すべき事項ということで留意事項を付しておりますので、これらの留意事項への対応を含めた設置計画について確実に履行することができるように適切に確認をしてまいりたいと思っております。
○青山繁晴君 岡山理科大学獣医学部は、特に最近の地方の大学では例外的な注目を浴びているわけですね。国民の様々な声を私自身も受け止めておりますが、この岡山理科大学獣医学部自らの御方針として、留学生の受入れ拡充を図っていると、特に韓国に働きかけているというのは確認された事実であります。
 不肖私は、議員になった後も東京大学と近畿大学で教鞭を執っておりますので、その立場からも留学生というのは大歓迎で、僕は中国、韓国を厳しく授業で批判しますけど、特に中国、韓国の留学生がいると横に寄っていって共に対話するということをやっていますから、留学生の受入れは本来望ましいことだと思います。
 ただし、今回の獣医学部新設というのは、特にこれは加戸証言にもありましたけれども、都道府県庁、自治体の公務員としての獣医師さんが不足して、つまり、ペットのお医者様は特に大都市にたくさんいらっしゃるけれども、公務員として身を粉にして、例えば宮崎県で口蹄疫が大流行して四十万頭近い牛と水牛と豚が殺されざるを得なかったわけですけれども、そういうときにも、本当はもっと県庁にたくさんの獣医師さんがいたら違う対応はあったかもしれないと、分かりませんが、みんなが努力したことですから分かりませんけれども。
 したがって、もう一回言いますが、大学の自治を尊重しなきゃいけませんけれども、都道府県庁の公務員となるべき獣医師が不足していることに着目して認可を認めるのであれば、まず日本の足らざるを補うべきであって、留学生の拡充云々はその後のことではないのかと思うんですけれども、これ、林文科大臣からもお答えいただければいただきたいですし、それから齋藤農水大臣から、そもそも公務員の獣医師が足りないということに岡山理科大学だけに責任を負わせるわけにもいきませんから、できればお答え願えますでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) まず私からお答えいたしますが、この構想はいろんな目的が書いておりまして、その中の一つには、国際的な獣医学教育拠点大学として国際的な諸課題に対応できる獣医師の養成というのがありまして、それに向けて海外の獣医系大学とも連携を充実させ、アジアから優秀な学生を受け入れると、こういうことが書いておりますので、そのことに対応してということが一つあるということでございます。
 一方で、地域封じ込め対策に基づく危機管理、感染症、食品安全に対応する国際獣医事等の公共獣医事に関する教育研究を推進すると、これも書かれておりまして、四国において活躍する獣医師の供給を目的として四国入学枠というのも設定をし、対象者には授業料減額補助を行う制度を設けるということでございます。
 大学によりますと、四国入学枠の対象となる条件としては、四国内の高校に在籍及び在住し、卒業後一定期間四国において獣医師として従事するということを求めるというふうに聞いております。
○国務大臣(齋藤健君) 鳥インフルエンザや口蹄疫など防疫業務に携わる公務員獣医師など産業動物獣医師は地域の畜産業を支える重要な存在であるわけでありますけれども、今委員御指摘のように、地域によっては産業動物獣医師の確保が困難なところもあるというのが現状でございます。
 このため、公務員獣医師の処遇改善方策の導入や一層の拡充を支援するために、農水省としては、各都道府県での獣医師の初任給の底上げの状況などを情報提供を行わせていただいておりますほか、地元に就職することを条件に獣医学生等に対して修学資金を貸与する事業を行う地域を支援をさせていただいてきております。
 この修学資金につきましては、平成二十六年度からは獣医系大学に進学する高校生に対しても入学金などを含む修学資金の貸与を開始したところでありますし、さらに今般、畜産の現場からの声も踏まえまして、三十年度概算要求では、産業動物獣医師を志す獣医学生等に対する修学資金の拡充も盛り込んでいるところでありますので、今後とも都道府県と連携して地域の偏在というものに対処してまいりたいと思っております。
○青山繁晴君 今、齋藤農水大臣からそういう良き制度があるということをお話をお伺いしたんですけど、例えば防衛医大とかそういうところの制度は知られているけれども、今お話しくださった制度、実は私もよく知りませんでした。改めて、僕は例えば東大ですと教養学部で教えていますから、理科二類等に行く学生もいます。彼らに聞いてみても、余りそういうことを知らないんですよね。したがって、今後、志を持った若い人が人類の新しい脅威に立ち向かえるように、是非広報もよろしくお願いいたしたいと思います。
 それで、皆さん聞き取りにくい早口でしゃべったおかげでまだ八分あります。あと二つお伺いしたいと思いますが、一つは総理に、先ほど北朝鮮の関連で後回しにしたんですけれども、もう一点、これ通告してありますが。
 北朝鮮の様々な現状、漂流者、漂着者が増える、それも飢えにまた苦しみ始めたようで、日本にとっては許せないことですけれども、排他的経済水域の中で不当な漁も増えていると。そういうことも全部含めて考えると、拉致被害者の方々の救出については、最初にして最後の決定的な機会が訪れる可能性はあります。決してチャンスとか言うつもりはありません。それは、もしも例えば有事になれば、朝鮮半島の普通の人々もあるいは日本国民も苦しむことになりかねませんからチャンスとは言いませんけれども、機会が訪れる可能性があると。したがって、総理、せんだっての予算委員会でも、不肖私から、包括的救出チームを編成していただけませんか、訓練も開始すべきではありませんかということを申しました。
 もう一度申しますが、自衛官、警察官、消防官、消防官というのは火消しだけではなくて危機管理のプロでもあります。そういう方々に加えて、医師、看護師、保健師、あの飢えた国で、横田めぐみさんでいえば四十年間も取り残されてきたわけですから、当然、医師、看護師、保健師が必要であり、それから北の方言の分かる通訳、それから、本当は、日本に帰ってきて四十年、五十年後の社会に突然放り出されるわけですから、その対応ができる人々も含めた言わば包括的な、本当に包括的な意味の救出部隊を編成していただきたい。まず編成しないと訓練も始められません。
 訓練して全部手のうちを見せるわけにはいかないという御答弁も政府側からありましたけれども、しかし、見せる訓練と見せない訓練があるのは当然であります。是非、これたくさんの省庁にまたがりますから、総理のリーダーシップをおいてほかに可能性はありません。いかがでしょうか、総理。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 拉致問題の解決は安倍内閣の最重要課題であります。どんな事態の中においても拉致被害者の安全確保を図っていくことは、当然国の責任であると認識をしております。
 委員御指摘のとおり、在外邦人の保護、救出が必要となる場合には、医療などあらゆる分野の人々の力を結集し、関係省庁が一丸となって対応に当たることが必要であると認識をしています。また、政府としては、平素から在外邦人の保護や救出が必要となる様々な状況を想定し、必要な準備、検討を行っております。そして、平和安全法制によって可能となった保護措置等の訓練についても、この法律ができましたから順次実施をしています。そのような訓練等の機会を活用するなどして関係省庁間の連携を今後更に深めていく考えであります。
 そこで、その訓練の公開等でございますが、基本的には、どのような訓練をしているかということについては、救出にも関わってくることでございますので、公開は基本的には慎重にならざるを得ないと、こう考えているところであります。そしてまた同時に、自衛隊の活動については、国際法上の観点や我が国憲法の、憲法上の観点から一定の制約があることは御理解をいただきたいと思います。
 さらに、半島有事の際に、拉致被害者の方々の安全確保のためには、我が国自身の努力に加えまして、同盟国である米国の協力が特に重要であります。もちろん、米国頼りだけではなくて、我が国ができることについても全力を尽くしていくわけでありますが、同時に、やはり米軍の協力も極めて重要と考えておりまして、これまで米国に対して拉致被害者に関する情報を提供してきております。そしてまた、拉致被害者の安全が脅かされるような事態に至っては、拉致被害者の安全確保のための協力を米国政府にも依頼をしております。
 どんな事態においても拉致被害者の安全を確保することは極めて重要であり、状況に応じて様々な手段を駆使しながら、政府全体として拉致被害者の安全確保に万全を期してまいりたい、全力を尽くしてまいりたいと思っています。
○青山繁晴君 実は昨日、予算委員の端くれとしてあの隅っこで、総理の答弁の中に、お聞きした総理の答弁の中に米軍に救出を依頼しているからという一言があってちょっと心配していたんですが、今おっしゃっていただいたので、あくまでも日本が自国民を救出するんであって、アメリカにその協力を求めているんだという趣旨だと理解いたしました。
 さっき太平洋軍司令部に行った話もしましたけれども、小野寺さんから名前の出たハリス司令官におかれても、拉致被害者の救出に深い関心を持ってくださっているというのはよく伝わっていますので、ハリス司令官、お母様は日本人ですから、そのこともあると思います。必ず機会を生かせる体制をつくっていただきたいと思います。
 最後にお聞きしたいのは、実は……(発言する者あり)はい、最後とは限りませんが、実は残り四、五分、ゆっくりお話ししたいと思ったんです。それで最後と申し上げたんですが、実は、急に話が変わると思われるかもしれませんが、硫黄島の御遺骨、英霊の方々のことです。
 これは、安倍総理は御記憶かどうか分かりませんが、私が民間人、民間の専門家の端くれのときに、松岡利勝農水大臣が自決なさったその翌日にたまたま総理にお目にかかって、そのさなかで、総理は恐らく外交安保についてお話をお聞きになりたかったのに、第一次安倍政権のときです、僕から硫黄島の英霊が半分以上帰ってきていないと。二万一千人が戦われて、その時点では一万七千人、八千人が取り残されたままでした。南方戦線でもどこでもたくさん取り残された英霊がいらっしゃいますけれども、日本の島は、沖縄戦を加えると、沖縄とこの硫黄島だけです。
 沖縄もまだサトウキビの中に御遺骨があると言われていますが、硫黄島の場合は、その後、安倍総理は一旦退陣されましたが、再登板後に硫黄島に行っていただき、そして滑走路にもひざまずいてくださって、訳の分からないメディアは不思議な報道ぶりはありましたけれども、何でひざまずいているんだという話がありましたけれども、滑走路の下にも英霊がいらっしゃるんじゃないかということで総理はひざまずかれたと理解しています。
 ややその後進んだわけですけれども、いまだ半数の御遺骨は取り残されたままです。厚労省と防衛省がこれは本当によく連携してくださって、内閣府の方々も含めて、民間人の集まりである硫黄島協会とも連携してくださって、随分進みました。実は不肖私は三回硫黄島に行ってきましたけれども、ただ、いまだ半数の御遺骨が取り残されたままになっているのは事実です。まず日本の島でこれを解決しないと、世界に取り残された、特に南方で取り残された方々の御帰還もままならないと思います。
 改めて、硫黄島に行き、そして厚労省、防衛省とじっくり話し合うと、やっぱり残った広い地域は自衛隊が使っている滑走路ですね。それで、元々、旧軍が、小ぶりな滑走路があって、それを硫黄島の戦いの真っ最中に硫黄島を占領したところの米軍が大きな滑走路にして我が国土を爆撃したわけでありますが、それをそのまま自衛隊は言わば援用しています。一九六八年に硫黄島が私たちに返還されてから使ってきているわけですね。これは自衛隊が現に使っている滑走路ですから、なかなか引き剥がしたりしにくいという事情もあります。そこに残りの一万人を超える方々が全部いらっしゃるとは思いませんけれども、しかし、これやっぱりこの件について情報提供が足りないと思います。
 先日伺ったときに、滑走路の一部を掘って、そこに、自衛隊は硫黄島にいる海と空だけじゃなくて、陸上自衛官も協力してそれをやっていました。滑走路の周辺地域から既に御遺骨が出ているということも聞いています。したがって、滑走路以外のところの再調査も含めて今後予算を付けていただけるかどうかの瀬戸際だと思いますから、今日の特別国会の予算委員会であえて取り上げました。
 これは、防衛大臣とそれから厚生労働省に御答弁いただけるでしょうか。
○国務大臣(小野寺五典君) 硫黄島はさきの大戦に際して大変な激戦が繰り広げられた場所であります。戦争で亡くなられた日本の方々の御遺骨が約一万一千五百柱眠っているとも言われていると承知をしております。滑走路地区の下にも旧軍が造ったごうがあるということが確認をされております。
 私も何度か行っておりますが、前の防衛大臣のとき、平成二十五年十月、硫黄島を視察した際に、戦没者の方の遺骨収集帰還は国の責務として政府一体となって取り組むべき重要な施策であると改めて認識をいたしました。
 防衛省・自衛隊がやっていますのは、今、その滑走路のところ、その下がもしかしてごうがあり、そこに御遺骨があるのではないかということで、レーダーを開発しまして、それで今、地下ごう、滑走路の下にある地下ごうを探し、そこをもう一度掘り直して部分的に一つ一つ今対応させていただいております。
 今回、厚労省の御協力もありまして、私ども、また更に深いところまで探査できるようなレーダーを取得をしまして、更に丁寧にこの問題に対して対応していきたいと思っております。
 今後とも、戦没者の皆様の御遺骨の帰還にしっかりと協力してまいりたいと思います。
○政府参考人(橋本泰宏君) お答え申し上げます。
 硫黄島における戦没者の遺骨収集につきましては、戦没者数が約二万一千九百人でございますが、そのうち約一万四百柱が収容されておりまして、また、そのうち、先ほど先生がおっしゃいました滑走路周辺の地下ごうからも約三百柱の御遺骨が収容されております。
 一方で、平成二十六年度以降でございますが、政府一体となって取り組むため、関係省庁会議で決定いたしました基本的方針等に基づきまして計画的に遺骨収容作業を実施してきたところでございます。特に、滑走路の下あるいはその周辺におきましては、防衛省の方で平成二十四年度から二十五年度にかけて実施しました地中レーダー探査で確認された三か所の地下ごう、それから約一千八百か所の固形物の反応点につきまして現在も掘削、調査等を実施しております。ただ、残念ながら、新たな御遺骨は見付かっておりません。
 そのため、平成三十年度におきましては、一つは、滑走路周辺で過去に確認されたごうについて構造解析を行いまして、閉塞地点の先に該当する地上部分におけるボーリング調査等によりまして滑走路地区のごうの探索を行うと。それから二つ目には、これまで探査できませんでした地下十メートルよりも深い地下ごうを発見するために、十メートルよりも深いところの探査が可能となるよう地中探査レーダーを改良する、こういったことを行うための必要な予算を要求しているところでございます。
 今後とも、防衛省始め関係省庁と連携しながら、一柱でも多くの御遺骨を収容できるように努力してまいりたいと考えております。
○青山繁晴君 総理、最後に、この硫黄島を始めとする英霊の方々の御帰還についてお言葉をいただけるでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私も総理就任後、硫黄島に参りましたが、まさに大変過酷な状況の中で愛する家族と祖国を守るために、国の行く末、そして家族を案じながらあの遠い硫黄島で亡くなられた御英霊の御遺骨の帰還についても、政府としても全力で取り組んでいきたいと、このように思います。
○青山繁晴君 本日は、論議のあるところ、野党の方々におかれても御清聴ありがとうございました。
 じゃ、これで終わります。ありがとうございました。
○委員長(金子原二郎君) 以上で青山繁晴君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(金子原二郎君) 次に、西田実仁君の質疑を行います。西田実仁君。
○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。
 まず初めに、昨日未明、またしても北朝鮮が断じて許されない弾道ミサイルの発射を行いました。相次いでの国連決議等に明白に違反するものでございまして、改めて総理に、この北朝鮮問題に対する取組、そしてその決意ということをお聞かせいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 昨日、北朝鮮がICBM級と見られる弾道ミサイルを発射したことは、国際社会の平和解決への思いを踏みにじるものであり、北朝鮮が再びこのような暴挙を行ったことは断じて容認できません。
 直ちに北朝鮮に対し厳重に抗議するとともに、米国、韓国と共に安保理緊急会合の開催を要請しました。同時に、トランプ大統領とそして文在寅韓国大統領と緊急に電話会談を行いました。北朝鮮に対する一層の圧力強化、中国の更なる役割の慫慂、安保理等における緊密な連携について一致をしたところであります。
 今回のミサイル発射により、北朝鮮が一貫して核・ミサイル開発を追求していることが明白になりました。しかし、我が国はいかなる挑発行動に対しても屈することはありません。北朝鮮に政策を変えさせるため、毅然とした外交を通じ、国際社会で一致結束をして北朝鮮に対する圧力を最大限に高め、そして北朝鮮の方から対話を求めてくる状況をつくっていきます。この方針にはいささかの変更もないことを文在寅大統領にも、またトランプ大統領にも伝えたところであります。
 そして、政府としては、発射後直ちにミサイルの動きを完全に把握し、危機管理に万全の態勢を取ってきたところでありまして、引き続き、強固な日米同盟の下、高度な警戒態勢を維持し、国民の命と平和な暮らしを守り抜いていく決意であります。
○西田実仁君 今総理からも中国の更なる役割の慫慂というお話もございました。朝鮮半島の非核化ということについては日中共通の目標でありまして、それを堅持し、そしてそれを実現をしていくというためにも、中国との更なる連携の強化ということを図っていかなければなりません。
 先般、我が党の山口代表の本会議での質問に対しまして総理からは、この日中関係につきまして、日中韓首脳会議の早期開催、そして総理御自身の訪中、さらには習近平国家主席の訪日ということに対する意欲が示されたわけでございます。この日中関係、安定的に発展をさせる好機であるという御発言もございました。
 そうした総理の御意欲に私ども与党の一員としてもお応えすべく、今日の夕方から我が党は山口代表を団長といたします訪中団を派遣をいたしまして、政党間の交流、そしてこの北朝鮮問題に対する断固たる措置ということで要人の方とも会見、会談をする予定になってございます。こうした総理の好機と言われるこのチャンスを生かせるように、私どもも政党としてしっかりと取り組んでいきたいというふうに思ってございます。
 この日中韓の関係におきましては、去る十七日には経済関係省庁によります日中経済パートナーシップ協議というものも開催をされたと報道されてございます。
 日中の経済の対話というのは安倍第一次内閣のときに、二〇〇六年になりますけれども、訪中に際してできた枠組みでございます。この日中の経済対話は、日米あるいは米中の経済対話よりもかなり先んじてつくられてまいりました。日中ハイレベル経済対話。しかし、二〇一〇年の八月以降、これが途絶えてございます。言うまでもなく、日本にとって中国との経済関係は貿易第一位国でありますし、また投資第二の国でもあります。こうしたことを通じて、総理が言われるインド太平洋の戦略、また中国側からは一帯一路という話もよく出てくるわけでございまして、大きな経済の枠組みの中で、このハイレベル経済閣僚会議を再開をしていくということも検討していかなければならないのではないかというふうに思います。
 改めて総理に、この日中韓のまず首脳会議の早期開催への意欲、さらには首脳同士の往来、そして今私が指摘しました日中ハイレベル経済閣僚会議の再開に対する意欲ということについてお聞かせいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先般、習近平国家主席、そして李克強首相と会談を行いました。特に習主席からは、今回の会談は日中関係の新たなスタートとなる会談であったと発言がございましたが、私も全く同感でありました。
 本年は日中国交正常化四十五周年、そして来年は日中平和友好条約締結四十周年の年となるわけでありますが、節目の年であります。戦略的互恵関係の考え方の下、大局的な観点から日中の友好協力関係を安定的に発展させていく好機であると考えています。
 今後、日中韓サミットを早期に開催をして、李克強首相の訪日を実現し、その後私が訪中し、そして、その更に後には習近平主席に訪日をしていただきたいと考えています。
 そして、経済分野での問題解決や協力促進につき、双方のハイレベルが大所高所から議論する日中ハイレベル経済対話は、日中経済関係を更に発展させる上で意義深いものであると考えています。先般、首脳会談において私から習主席に対し、対話の早期実現を、実施を呼びかけており、引き続き調整を進めていきたいと思います。
 また、今般、山口代表が訪中をされると承知をしておりますが、日中関係を発展させていく上において大きな成果を上げられることを期待しております。
○西田実仁君 ありがとうございます。
 続きまして、森友学園への国有地売却等に関する会計検査の結果についてお聞きしたいと思います。
 会計検査院は、言うまでもなく憲法上独立した地位を、内閣から独立した地位を与えられておりまして、特別な調査権限というのがございますが、その会計検査院にして、今回の報告を何度も読みましたけれども、確認できなかったと、根拠が分からないと、こういうような報告にならざるを得なくなっております。そのことに対しまして率直にどんな感想をお持ちか、院長からお聞かせいただきたいと思います。
○会計検査院長(河戸光彦君) 委員お尋ねのとおり、今回の検査の結果といたしましては、地下埋設物撤去・処分費用の算定に当たり、深度、混入率等について十分な根拠が確認できないものとなっているなどの事態が見受けられました。また、当該国有地に係る行政文書の管理状況に関しては、売却に至る森友学園側との具体的なやり取りなどの内容等が確認できず、会計経理の妥当性について検証を十分に行えない状況となっておりました。
 ただいま申し述べました検査の結果がございましたので、財務省、国土交通省において、地下埋設物撤去・処分費用を算定する場合には必要な調査検討を行うなどして当該費用を適切に算定すること、国有地の売却等に関する会計経理の妥当性の検証が十分に行えるよう、行政文書の管理について必要な措置を講ずることに留意するなどして、国有財産の管理及び処分を一層適切に行っていくことが必要であるとの所見を述べたところでございます。
 一般に、会計検査におきましては、予算を執行する行政庁等におきまして行った会計経理の妥当性を説明していただくことが重要でございます。したがいまして、会計経理の妥当性を確認するための資料が適切に保存されていることが重要であると感じているところでございます。
○西田実仁君 この妥当性を確認できないということですけれども、今パネルを見ていただきますと、「会計検査院法」と。この院法は相当特別な調査権限を会計検査院に与えております。(資料提示)
 第二十条におきましては、この会計検査というのは常時会計検査を行うことができると。国会から要請がなくても常時会計検査ができます。二十五条におきましては、職員を派遣して実地の検査をすることもできる。二十八条におきましては、鑑定等も依頼することもできるという。かなり幅広の調査権限が与えられているところでございます。
 そういう意味では、関係省庁の協力等も必要でありますけれども、自らが例えばボーリング調査を行ったり、あるいは近隣地の調査を行ったりすることもできる、可能ではあります。この常時会計検査ができる会計検査院におきまして、やはり今主権者たる国民の皆様が納得されておられない方が多いわけでありますので、自らがしっかりと検証していく、そして監視活動を続けていくという必要があると私は思います。
 この院法にできる規定があるという、できるけれどもやらない、できないということであれば、もっと権限を強める院法の改正も必要ではないかというふうにも思うわけでありますけれども、会計検査院長の御所見を伺います。
○会計検査院長(河戸光彦君) お尋ねにつきましては、立法政策に係る話でございますので、お答えを差し控えさせていただきたいと存じます。
 会計検査院法については、平成十七年に参議院におきまして、会計検査機能の充実等について御検討いただき、検査を受ける者の受検義務の明記等を内容とする改正を決算委員会の御提案で行っていただいた経緯がございます。
 そのような法改正も踏まえ、会計検査院は、現在においても検査を受けるものなどに対し実地の検査や資料等の要求など様々な権限等を活用して検査を実施することが可能となっており、今回の報告につきましても、それらの権限等に基づき検査を行ったものでございます。
 会計検査院といたしましては、引き続き与えられた権限の範囲でしっかりと検査を行ってまいりたいと考えております。
○西田実仁君 重ねてお聞きしますけれども、なぜ会計検査院は今回自ら調査をするということはされなかったんでしょうか。
○会計検査院長(河戸光彦君) 先ほど委員御紹介がありましたように、会計検査院法では、第二十六条におきまして、検査上の必要により検査を受けるものに帳簿、書類その他の資料若しくは報告の提出を求め、又は関係者に質問し若しくは出頭を求めることができる旨、規定されております。また、二十八条におきまして、検査上の必要により、官庁、公共団体その他の者に対し、資料の提出、鑑定等を依頼することができる旨、規定されております。これらの規定により、検査の実施に当たり、お尋ねのような調査等を行うことが可能となっております。
 会計検査院といたしましては、引き続き与えられた権限の範囲でしっかりと検査を行ってまいりたいと考えております。
○西田実仁君 この法律には、検査上の必要によりというふうに書いてあるんですけど、今のお答えは検査上の必要がなかったという、そういう御答弁でしょうか。
○会計検査院長(河戸光彦君) 今回の検査に当たりましては、与えられた権限の中で必要と思われる権限を行使して検査を行って、私どもとしてはしっかりと検査を行ったつもりでございます。
○西田実仁君 今回の経緯をちょっとパネルで見ていただきたいと思います。
 これまでも種々御指摘いただいておりますが、そもそも国有財産をどう評価するかという、そもそも財政法を基にして国有財産評価基準というものが内規で定められております。不動産鑑定士による不動産の鑑定評価がなされ、これはいわゆる正常価格、瑕疵等がなければ九億五千六百万、そして国有財産評価基準に基づく審査、これで審査調書が作成されて、地下埋設物等がある、その撤去費用として一億三千四百万円にディスカウントされましたと。通常であればここで評定価格の決定がなされ、評価調書が作成されていくわけですけれども、今回は失念されましたという検査報告です。
 その結果、この価格は参考としての意見価額、これは本来正式な不動産鑑定評価ではなく参考価格でありますけれども、それがそのまま一億三千四百万ということで予定価格として決裁をされ、その文書は作成されました。しかし、検査院のこの報告によれば、個別事情に関する記述は、個別事情というのはつまり損害賠償を請求されるのではないかという、そういう個別事情等に関しては何も説明がありませんねということがこの会計検査報告に書いてあるわけでございます。
 まず、国交大臣にお聞きしたいと思いますが、この地下埋設物撤去にディスカウントされるということ、いろんな根拠の資料がないんじゃないかと検査院から指摘されておりますけれども、それに対して大臣は、いや、ぎりぎりの対応でこれが精いっぱいだったと、こういうふうに会見等でも言われているというふうに承知をしております。
 しかし、なぜそもそもそのぎりぎりの対応をせざるを得なかったのかということについては、もうちょっと国民の皆さんが理解できるように説明をいただかなければならないと思います。お願いいたします。
○国務大臣(石井啓一君) 見積りを行いました当時は、一年後に小学校の開校が予定をされましてその建設工事も始まっていた中で、開校の時期に影響が生じた場合に損害賠償請求を受ける可能性のある状況がございました。このため、入札等の手続を要する民間へ委託するのではなく、早期に見積りを依頼できる大阪航空局に対し、近畿財務局から地下埋設物の撤去処分費用の見積りが依頼されたものと承知をしております。
 大阪航空局は、こういった状況の中、依頼のあった平成二十八年三月三十日の約二週間後である四月の十四日に見積額を近畿財務局に報告をしておりまして、限られた時間の中で対応したところであります。この二週間という期間は、地下埋設物の確認、検証、見積りの期間としては大変短いものと考えております。
 また、本件の見積りは売主の責任が一切免除される特約を付けることを前提に行われたものでありますが、その実効性を担保するためには、過去の調査、平成二十二年、地下構造物状況調査等を行っておりますが、そういった過去の調査で判明していた範囲のみならず、買主たる森友学園や工事関係者から報告された新たなごみについても確認、検証を行うことが求められたところであります。
 なお、平成二十二年の地下構造物状況調査におきましては調査だけで約三か月以上を要しているところでございます。
 大阪航空局の見積りは、このような限られた時間の中、新たなごみについても確認、検証した上で見積りをしなければならない状況下において、適切な見積りを行うためにぎりぎりの対応を行ったものと考えております。
○西田実仁君 普通は三か月以上掛かるものが二週間でやって、ぎりぎりの対応だったという、そういう御説明でした。
 この流れの中で、近畿財務局におきましては、先ほど申しましたこの失念というのは、つまり忘れてしまったというこの評価調書の作成、これはしかし、同じ場所、別の学校法人に対して売却をする、その契約の際には評価調書は作成されていたというふうにこの検査報告に書いてあるわけであります。したがって、この評価調書、同じ場所なんですけれども、別の法人に売るときには作られていたと、しかし、森友学園に売るときには失念してしまったと。
 この評価調書を作成する担当官は統括国有財産管理官というふうに検査報告書にも書いてありますけれども、これ同じ人が評価しているんでしょうか。理財局長、いかがですか。
○政府参考人(太田充君) お答え申し上げます。
 委員御指摘の別の学校法人との事務手続に際して評価調書を作成したというのは近畿財務局管財部の中の鑑定官部門でございます。今回、評価調書の作成を失念したのは統括国有財産管理部門ということでございまして、人物、部門とも異なるということでございます。
 内部的な話で大変恐縮なんでございますが、通常、定期的に複数の物件を売却に出すというときには、鑑定官部門においてまとめて不動産鑑定評価を依頼して、その後、鑑定官部門で評価調書を作成するという格好になっているんですが、近畿財務局の方では、このスケジュールに合わずに個別に評価を依頼する場合には、鑑定官部門ではなく、評価調書は統括国有財産部門というものが行うということにしてございました。
 今回、予定価格を決定するというのは極めて重い判断ですので組織的な意思決定はあったものでございますが、この事務の取扱いについての認識が薄く、部門間での連携が円滑に行われなかったということから、評価調書の作成を行っていたということでございます。
 今回、全国的に調べましたところ、実は、近畿財務局のみでございますが、他にも複数回こういう事務ミスの例がございました。大変申し訳ありません。申し訳ありません。
○西田実仁君 同じミスというのは、つまり評価調書を作るのを失念していたというミスが何件あったんですか。
○政府参考人(太田充君) 過去五年間調べまして九件ございました。大変申し訳ありません。
○西田実仁君 これは内規にはもちろん反することですね。
○政府参考人(太田充君) 内規違反でございます。
○西田実仁君 こうした内規違反がある、正式な行政手続が取られていないということでございます。
 しかし、最後は決裁をして決裁文書ができているわけでありますけれども、ということは、さっきおっしゃった九件ですか、これも同じように、なくても決裁しているということですか。
○政府参考人(太田充君) 最終的な決裁にはなってございます。
○西田実仁君 ということは、評価調書がなくても決裁をするということが、かなり頻繁というか、九件はあるということですね。
○政府参考人(太田充君) これも内部的な事務手続で大変恐縮ですが、評価調書というものを作成した後に予定価格調書というものを作成いたします。その上で決裁ということに至りますので、その後の方に出てくる予定価格調書というものは作成をして決裁に至っているということでございます。
○西田実仁君 いずれにしても、何が正しい手続なのかというのが非常に分かりにくいです。
 そして、決裁におきましてはその個別の事情が今回は記載されていないということが指摘されておりますけれども、これはなぜそうなったのか。
○政府参考人(太田充君) 会計検査院から御指摘をいただいている個別の事情、一番大きいところは、基本的には損害賠償請求の話だと思います。
 何度も本国会でも御議論ありますように、この事案については、新たに地下埋設物が出てきたということで、相手方から損害賠償をされるというリスクが非常に重たい話で、そのリスクを認識した上で対応した、先ほど国土交通大臣からぎりぎりの対応だという御答弁がありましたが、まさにそれは、そういうリスクの下にぎりぎりの対応をしたということでございます。そうでありながら、もう何とも申し上げようがないんですが、決裁文書においては、将来的に損害賠償等を受けることのないように瑕疵担保責任免除特約を付すということについて記載しているだけで、損害賠償請求を受けるおそれがあるということについては明確に記載をしていなかったということでございます。
 深く反省をしなければなりませんし、今後、今申し上げたようなことが二度と起きないように、文書管理の徹底、決裁文書の内容の充実、肝に銘じて行っていかなければならないと考えてございます。
○西田実仁君 いずれにしても、この失念というのはほかにも何件もあるという話もございました。
 財務大臣に今後の改善策についてお聞きしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 今ほど太田の方から申し上げましたとおり、これは、会計検査院の報告がこの参議院の予算委員会からの要請に基づいて、いわゆる独立した行政機関が実施をしたものでありまして、今いろいろ院長の方から御指摘のありました点、この前の文書等々、これを重く受け止めねばならぬと考えておりますのは当然であります。
 したがいまして、今回、会計検査院の報告で、これまでの国会の議論等々を通じまして、国有財産の管理、処分等々につきましては、公共性が高い随意契約は売却価格を全て公表するなどの手続を明確に図ること、また、売却価格の客観性を確保するために特殊な事実等々、その事柄につきましては第三者による算定、確認を行うこと、かつ、適切かつ十分な文書管理の徹底等々が御指摘のあったところだと思いますので、こういったものはきちんと見直しを行ってまいりたいと考えております。
○西田実仁君 先ほど理財局長から、部門間の連携が良くなかったという、なかったという話がありました。検査院報告の中にも、大阪航空局と近畿財務局の間で全く情報が共有されておらず責任がどこにあるのか分からないという指摘もございました。まさにこれは行政の組織あるいは人事全般にわたる問題点が浮き彫りになってきているのではないかというふうに私は思うわけであります。
 この行政の組織、人事の問題につきまして、総務省におきましては行政評価局というのをお持ちになっておられて調べておられます。行政文書についても先般公表されておられました。また、人事院というのは公務員の採用から退職まで人事全般にわたってつかさどっているわけでございまして、今回これだけ国会でも論議され、時間を費やし、国民の皆さんも納得できないというような話が出ている中で、こうしたいろんな手続が不備がある、それも一つや二つではないという状況を総務省行政評価局をつかさどっている総務大臣としてどう受け止め、今後どのように対応していくのか、まずお聞きさせていただきたいと思います。
○国務大臣(野田聖子君) まず初めに、総務省行政評価局の仕事について申し上げたいと思うんですけれども、政府内にあって施策や事業を担う府省庁とは異なる立場から行政の評価や監視を行います。行政の適正性の確保等を図る役割というのを担っているところです。
 具体的には、行政の制度とか運営そのものの改善を図る観点から改善を要すると考えられる問題の発生状況や所管省の対応状況なども見ながら、必要な場合にはテーマを決めて実態を調査して、その調査結果に基づき関係大臣に勧告を行っているものです。
 今回の事案に関してですけれども、国会等での議論の中で御指摘があったことも踏まえ、公文書の管理について国民への説明責任を全うするという公文書管理法の趣旨をより徹底するため行政文書の管理に関するガイドラインの改正を年内に行う、国有財産の売却について、業務の在り方について見直しを行うなど、関係府省において適切に対応されることとなっていますので、まずはその対応をしっかりと状況を注視してまいりたいと思います。
 総務省としては、必要な場合には行政評価・監視機能を適切に発揮し、行政運営の改善にしっかりと努めてまいります。
○西田実仁君 人事院総裁にお聞きしたいと思います。
○政府特別補佐人(一宮なほみ君) 国民の公務に対する信頼は行政運営の基盤でありまして、信頼の回復、確保のためには、職員の一人一人が国民全体の奉仕者としての使命感、倫理感を持ち、能力を最大限に発揮して国民本位の行政の実現に尽力するということが重要です。
 このため、人事院としましては、人事院の行う研修において、公務員の在り方や公務員倫理を考えさせる内容を充実したり、職員の倫理保持に関する様々な啓発活動を行うなどによって公務員の使命感、倫理感の向上に取り組んできたところでございますが、今後ともこれをより一層努めていきたいというふうに考えております。
 これまでも申し上げてまいりましたが、国民からの信頼を回復、確保するために、採用から退職に至るまで公務員人事管理全般にわたって国家公務員法の趣旨が実現されるよう、引き続き各府省と連携して取り組んでまいりたいと考えております。
○西田実仁君 今お答えいただきました総務省の行政評価局、また人事院、さらには各省庁の中においても内部の統制機関、行政の統制機関としての役割があるわけであります。しかし、今、こうした行政を担当する公務員の働きぶりということを内部で統制していくとともに、参議院の改革協議会におきましては、各党各会派がそろいまして、参議院としてのこの行政監視機能をしっかり強化をしていこうじゃないかと、その役割が参議院にあるんではないかということを今議論をしているところでございます。
 今回の事案を一つのまた教訓にいたしまして、議院内閣制の下、国会、内閣共に協力して、まさに憲法七十三条の一号に定める、法律を誠実に執行すると。この誠実にというのは、国民に対して誠実に執行するということをきちんと担保していく行政監視の新たな具体策ということを今参議院においては議論をさせていただいているところでございます。やはり、国民の皆さんにしっかりと理解をいただくためにはそうした行政の監視機能の充実強化が必要であるというふうに思うわけでございます。
 そこで、総理にお聞きしたいと思います。
 今回、様々な、法律にのっとっていない、あるいはガイドラインにのっとっていないということが出てきて、新しいルールを作ろうと、こういうふうにもなっております。もちろんそれも大事であります。しかし、どんなに新しいルールを作っても、それがきちんと守られていなければ意味がありませんし、また、それをするためにもきちんと行政を監視していくということが必要であろうというふうに思うわけでございます。
 こうした新しいルールを作った際に、それをきちんと履行させるということを担保するための行政監視の在り方について、またその権限等について、立法府、行政府の垣根を越えた抜本的な議論が必要だと思いますけれども、御意見をお聞かせいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 議員御指摘のとおり、行政自らが法を誠実に執行することはもとより、行政の活動に係るルールを見直すこと、また、会計検査院の会計検査や総務省の行政評価・監視を始めとする行政内部で監査等を担う機関が国会による行政監視機能と相まって適切に機能を発揮していくことは極めて重要であると認識をしております。
 政府としては、今後とも、国会等からの指摘も踏まえつつ、不断の取組を進めていく所存でございます。
○西田実仁君 話は変わりまして、経済の話をさせていただきたいと思います。
 今回また連立政権合意というものが、三回目、第二次安倍内閣で交わされました。一回目、二回目にあって今回の連立政権合意になかった言葉が、一つはデフレという言葉でございました。一回目も二回目もデフレからの脱却ということが入っていましたけれども、今回は力強い経済の再生という言葉になっている。しかし、デフレが終わったということはまだ言えないと。それはやはり、経済は明らかに好転はしているかもしれないけど、まだまだ賃金が良くない、個人消費も良くないと、こういうところが一番の問題になっているわけでございます。
 そこで、今日は企業の労働分配率を取り上げたいと思います。
 労働分配率というのは、分母に企業の利益とか減価償却費や支払利息の総額である付加価値額というのがありまして、分子の方には、ここで言う労働分配率は従業員、役員ではなくて従業員の人件費を取ってございます。これを長きにわたって見てみますと、赤の方が資本金十億円以上の大企業の労働分配率、これは全産業、全規模の青のラインに比べますとはるかに下がっていると、下回っているということが分かります。
 もちろん、労働分配率というのは、先ほど申し上げたように、分母に付加価値、分子に人件費等ですから、景気が良くなりますと分母が大きくなって、しかし分子の人件費は急に増えませんから、景気が良くなると労働分配率というのはどうしても下がるという傾向があります。
 しかし、私がここで問題にしておりますのは、その下がる幅が、あるバンドまでは、確かに過去もそうでした、しかし今回はそれを超えて下がってきているというところに着目しなければならないということであります。
 こちらの表もまた見ていただきたいと思いますけれども、この表は第二次安倍内閣におけます二〇一二年度から一六年度の五年間で当期純利益がどう分配されているのかという利益分配を示したものであります。財務省の法人企業統計から取ったものでありまして、合計の欄を見ていただきますと、この二〇一二年から一六年度、当期純利益は二十五兆九千億円増えております。その増えた分を従業員人件費には五兆三千億、配当に六兆一千億、設備投資二十五兆三千億というふうに分配をしております。この分配、どのぐらいしているかという分配率が一番下の行に書いてございまして、利益分配率、十億円以上の大企業は、賃金、従業員人件費にしても、あるいは配当、あるいは設備投資にしても、中堅・中小企業に比べると低いということもまたこれ見て取れるわけでございます。
 ここで私が問題にしたいのは、過去の景気が良くなったときより労働分配率がなぜ落ち込んでいるのかというところであります。私の一つの仮説ですけれども、やはりこの時期というのは、いわゆる企業の稼ぐ力というコーポレートガバナンス・コード、あるいはスチュワードシップ・コードというものが導入されているということに着目をしなければならないと思います。片仮名で何か難しい、よく聞こえますけれども、コーポレートガバナンスというのは、株主とかステークホルダーといういろんな関係者、利害関係者の責任を定めたもので、企業統治改革と言われている。対象は上場企業。スチュワードシップ・コードというのは、いわゆる生命保険会社とか信託銀行の機関投資家の行動原理、原則を定めたものと。こういうものでございます。
 そこで、次のパネルを見ていただきたいんですけれども、このコーポレートガバナンス・コードあるいはスチュワードシップ・コードということと労働分配率の低下というのは決して日本だけではないということを示したものであります。
 アメリカにおきまして、二〇〇一年にエンロン事件が起き、その翌年、企業改革法ができ、コーポレートガバナンスが導入されて以降の労働分配率の下がり方、あるいは、ドイツにおいてもイギリスにおいても、いずれにしてもこのコーポレートガバナンス・コード等が定められたときを起点として全体的に労働分配率の低下傾向というのが見られるわけでございます。
 私は、総理が賃金三%以上上げるようにということを財界に協力を求めて、財界もそれに応えようと努力されていると思いますけれども、実際にはしかし、このコーポレートガバナンス・コードあるいはスチュワードシップ・コードの制約と政府による人件費引上げ要請のはざまで立ち往生しているんではないかという危惧を持っているわけでございます。
 なぜならば、このコーポレートガバナンスとかスチュワードシップ・コードというのは、あくまでも株主の方から見た、投資家から見た企業のあるべき姿になりがちであります。本来は違いますけど、本来は違うんですけれども、なりがちです。
 経産省の方でレポートが出まして、ROE、株主資本利益率は八%以上が望ましいと、それにコミットすべきだというレポートが出たりすると、じゃ、その株主資本利益率を八パー以上にしないと機関投資家から株主総会でいろいろ責められてしまうということで、本来は中長期的な利益をしっかり確保して、利益関係者の株主だけではなくて、従業員とか取引先とかにも裨益をしていくということが基本的な考え方なはずなのにもかかわらず、やはり短期的な利益志向に走ってしまうということで、なかなか人件費に回らない、賃金に回らない、設備投資に回らない。むしろ、分母である株主資本を減らそうと自社株をどんどん消却をして、そしてROEを上げようという行動原理になりがちであるということが日本のみならず諸外国においてもあるのではないかということで懸念をしているわけですね。
 ここで、金融担当大臣にお聞きしたいと思います。
 金融庁では、内部留保を成長投資に回すように、企業に内部留保の水準の適切性や利用の在り方など説明責任を果たしてもらう指針作りに乗り出しているというふうにも聞いておりますが、是非その中に、役員ではなくて従業員の人件費による労働分配率は我が社はこのぐらいなんだということを示す、あるいは改善目標を示す、なぜそうなっているかの説明責任を果たしてもらうと。そういう大企業にいろんな法人税も減税してきているわけでありますから、それを還元するという話でやってきているわけですから、是非そういうことを盛り込むようにしていただけないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 正直申し上げて、労働分配率って、労働組合との団体交渉をやった経験のない方は余りこの種の言葉はなかなか御理解いただけないところなんですが、もう使い始めて、こういうところで使い始めて三年ぐらいになるんですけれども、今日、西田先生にこの話を正面から取り上げてもらってありがとうございます。心から感謝を申し上げたいと思うんですが、これは事実です。そして、これは昔はもっと高くて、私ども経営者としては七十何%あったと思うんですけど、今は七〇切って、六五、六ぐらいまで下がってきていると思いますが。
 こういった形になった背景というのについては、まず最初の御質問でしたけど、これは世界中そうなっていると言われますけれども、日本の場合、特に顕著になった最大の理由は、これはやっぱり、この始まった時代というのを見ますと、基本的にはやっぱりデフレというのは非常に大きく作用をさせて、企業として金さえ中に内部留保をためておけば、金の価値が上がって物の価値が下がっていくというデフレの時代にあっては、それは最も経営者としては企業存続のためにはいい手段だったんだというのは事実として認めにゃいかぬところだとは思いますが。
 それにしても、今後、こういった流れではないのに変えていこうとしてからかれこれ四、五年たっておりますので、そういった意味では、いわゆる、横文字ばっかりであれですけど、コーポレートガバナンスとかスチュワードシップ・コードというのを使わせていただいていろいろ始めているんですが、中長期的に見て企業価値というものの向上をさせていかないかぬというのが本来の目的ですから、そういった意味では、やっぱり経営者がリスクを取って果断な決断を、経営判断をしてもらわないかぬということが狙いなんですが、現状ではなかなかそういった方向に行っておらず、内部留保がこの四年、五年で約百兆以上、毎年二十五兆以上たまっておりますし、そういった意味ではなかなか思った方向に行っていない。
 いわゆるRアンドDといったような研究開発とかそれから人材等とかそういったものの方に金が回らず、もちろん人件費にも回っておらず、人件費は年間、そうですね、三兆とか四兆とかいう額しか回っておりませんから、そういった意味ではかなり低めに出ているというのは実際のところですので、我々としては、これは企業家とそれから投資家、そういったものの対話というものをきちんとする、やってもらうというガイダンスみたいなのを策定してやってもらわないと、何となく両方で言い合っているだけでは話にならぬし、何となくROE、ROEというのは株主一人当たりの利益を上げるために自社株買いを、自己消却しますというと、それは当然のことで、株式の発行総数が減りますので全体が上がっていくということになるんですけれども、そういった等々の話に、簡単に自分で利益が出ればそっちで食っちゃおうという形になりますので、これは、それが正しい方法かと言われるとちょっと中長期的にはいかがなものかということになろうとは思いますので、私どもとしては、これを、労働分配率の一律目標といったって、それは大企業とか中小企業でいろいろ企業によって違うでしょうから、一律にやるというわけにはとてもいかぬとは思いますけれども。
 いずれにいたしましても、対話が進むような方法というものを今度、使われるようなものを何か考えていかないかぬなと。ちょっとまだ具体的なところまで行っておりませんけれども、そういったものをやっていかない限りは、経営者のマインドが変わっていくというのにはかなり時間が掛かる、それほど今時間があるわけではない、そのように考えております。
○西田実仁君 総理にもお聞きしたいと思います。
 この大企業における労働分配率の低下に対する認識と、改善に向けた意欲をお聞かせいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま麻生財務大臣からも答弁をさせていただいたわけでございますが、近年の大企業の労働分配率については、財務省の法人企業統計の年報によりますと、二〇一二年度は六〇・五%、二〇一六年度は五三・七%となっておりまして、おおむね低下傾向にあることは事実でございますが、これはまさに、西田委員が御指摘になられたように、この労働分配率は、分母が営業利益等の付加価値でありまして、そして分子が人件費でございますが、この人件費が縮小したということではなくて、まさに分母が景気回復によって大きくなったわけでありますが、しかし人件費の方がそれに付いていっていないという状況であって、景気回復局面においてはこれは労働分配率が下がっていくわけでありますが、しかし、今大きな収益を上げている、企業が過去最高の収益を上げている中においては、これは、やはり経済の好循環を回していく上においてはこの分配率を上げていく必要があると、こう認識をしております。
 より多くの人が経済成長の果実を享受できるようにするためには、生まれた富を賃上げにつなげて労働分配率を改善していくことが必要であろうと。それは、経済の好循環につながることであって、賃金、給料が上がっていけば、これは消費が増えていくわけでありますから、結果としてまた経済は成長していく、企業も収益が増えていく、そしてまた、それを言わば分配に回していくという循環を回していけば、まさに国民全体の収入が増えていくという好循環に入っていくわけでありまして、これは決して企業対雇用者という二項対立ではなくて、共にこれはそれぞれ賃金が上がる、収益が上がるという好循環につながっていくと、こう思っておりますので、賃上げは企業に対する社会的今や要請と言えるのではないかと思います。来春の労使交渉においては、生産性革命をしっかりと進める中で、三%の賃上げが実現するよう期待をしています。
 また、コーポレートガバナンスにつきましては、先ほどもう既に財務大臣から答弁をしたとおりでありますが、各企業の置かれた状況に応じて、賃金を含めた人材への投資の在り方についても投資家と企業との間でしっかりと対話が行われることが重要であろうと思います。
 政府としては、過去最高の企業収益を賃上げに向かわせるため、所得拡大促進税制を含めた税制面での環境整備、そして、賃上げに努力する中小企業への支援の促進、また、公明党の御提案で全国に設置をいたしました地方版政労使会議を通じた政労使の連携など、あらゆる施策を総動員することで賃上げの勢いを更に力強いものにしていきたいと考えております。
○西田実仁君 中小企業の事業承継問題についてお聞きします。
 本会議におきましても、山口代表から質問をさせていただきました際に、事業承継税制については抜本的に改革をするというお話も総理からいただきました。
 経産大臣にお聞きしたいと思います。なぜ今中小企業の事業承継問題なのか、また、この税制の抜本改革についての認識、これをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(世耕弘成君) 高齢化の波は、やはり中小企業・小規模事業者にも押し寄せていまして、今後十年で中小企業・小規模事業の経営者のうち約二百四十五万人が七十歳を超えるというふうに言われております。これは、全体の中小企業の経営者の約六割に当たるわけであります。そして、そのうち半数以上の百二十七万人がまだ後継者が決まっていないという状況にあります。非常に深刻な状況だというふうに思います。
 何が問題かというと、こういった中小企業の中には、十分黒字を出している、あるいはすばらしい技術を持っているのに、後継者がいないから廃業せざるを得ないというような企業がある。あるいは、そんなに調子は良くないんですけれども、例えば地域の小さなスーパーですとかガソリンスタンドとか、その会社が廃業してしまうと地域の生活が成り立たなくなる、そういう会社が存在していることが非常にゆゆしき問題だというふうに思っています。
 この状況をこのまま放置してどんどんどんどん中小・小規模事業者が後継者難のために廃業をしていくと、今後十年間累計で約六百五十万人分の雇用が消えてしまう、あるいはGDPで二十二兆円が失われるというふうに言われているわけであります。
 我々はそれを手をこまねいて見ているだけではなくて、特に、事業承継税制というのを平成二十一年から導入をいたしました。特に、先代から引き継いだ場合の相続税、あるいは先代御存命の場合は贈与税、これを一定期間猶予するというやり方を入れさせていただいております。
   〔委員長退席、理事石井準一君着席〕
 ただ、これも制度導入後十年近くたっておりますけれども、相続税そして贈与税の猶予を利用された方というのは合計でまだ二千人程度ということで、百二十七万人の後継者が決まっていないというのに対して、あくまでもまだ焼け石に水のような状況になっています。
 なぜそういう状況になっているかというと、やはりこの制度の、事業承継税制制度の使い勝手が悪いというところだというふうに思っています。
 例えば、この猶予という制度そのものが、例えば十年前に親から引き継いだとき会社の価値は一億円あったと、で、十年頑張ってやったんだけれども、周りの人口も減っていくし、もうこのままでは大手の傘下に入った方がいいということで、じゃ売却しようとなった。ただ、やはりマーケットも縮小している中で価値としてはもう今三千万ぐらいしかない。三千万円でようやく売れたとしても、そのとき突然税務署がやってきて、じゃ十年前の五千万円分の相続税を払ってくださいということになるわけでありまして、そんなんじゃちょっと怖くて使えないよという点。
 あるいは、ずっと同族が株の過半数を持ち続けなければいけないという条件が付いています。これも例えば増資をするとかそういったことの足かせになっているという点があります。あるいは、雇用要件というのがありまして、雇用の八割はずっと維持をしていかなければいけないという要件もあります。これも今人手不足の中で、突然病気で辞めたとか、あるいはもっと給料のいい会社に転職しちゃったとか、あるいはそこまでいかなくても、定年退職した人を補充しないでなるべく機械化、自動化を進めていくというようなこと、こういう判断が非常にしづらくなっているという点がこの事業承継税制が余り利用されていない大きなポイントではないかというふうに思っていまして、今後、こういった様々な要件を抜本的に見直して、是非使い勝手のいいものにしていく必要があるんではないかというふうに思っています。
 来年度の税制改正に向けて、こういうことを経産省としては要望していきたいというふうに思っておりますし、これだけではなくて、事業承継へ向けて、この十年集中的に、もう後がないという思いでいろんな政策を動員して取り組んでまいりたいというふうに思っております。
○西田実仁君 税制に関しましては、私もその一員ですが、与党税制協議会でしっかりと抜本的な事業承継税制改革していきたいと思います。
 しかし、税だけではやはりなかなか解決するわけではありません。後継者難の問題もありますので、そのマッチングとか事業承継した方への支援とか予算措置も含めて総合的に対策を組まなきゃならないと思いますが、総理の御決意をお聞きします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今後十年で中小・小規模事業者の経営者の約六割が七十歳を超え、うち半数は後継者が決まっていないという状況であります。黒字廃業といった事態は我が国経済にとって大きな損失であります。経営者の高齢化への対策は日本経済にとって待ったなしの課題であるというふうに私も認識をしています。
 円滑な世代交代、事業承継を進めるため、事業承継税制による支援のみならず、気付きの機会の提供や、あるいはマッチング支援を行う地域の支援体制の強化、そして後継者による経営革新や新事業展開の支援など、今後編成する補正予算も活用し、切れ目のない総合的な支援策を講じてまいりたいと考えています。
○西田実仁君 平成二十八年の七月から、新たに機械等を取得した中小企業、これは赤字の人でも固定資産税を半分にするという特例措置がとられて、大変に利用が増えているというふうに聞いてございます。
 まず、経産大臣に、この固定資産税特例措置を利用した企業の数あるいは利用業種の実態についてお聞きしたいと思います。
○国務大臣(世耕弘成君) まず、制度の概要を御説明しますと、これは平成二十八年七月に施行されました中小企業等経営強化法という法律がありまして、この法律に基づいて、経営力向上計画、これをそれぞれ中小企業に出してもらいまして、その計画が認定をされた中小企業に対して、その計画に基づいた新たな設備投資を行う場合に、その設備に係る固定資産税を三年間二分の一に軽減するというものであります。
 現在のところ、この経営力向上計画の認定を受けている会社が三万五千社ということになります。その認定の計画の内容を精査しますと、今、固定資産税のこの二分の一になるという特例を利用している中小・小規模事業者は、製造業や建設業を中心とした幅広い業種で約一万五千社に上るというふうに想定をしております。
○西田実仁君 毎月もう二千社以上ですね、どんどん申請し、認められているということだと思いますが、これ実際に、しかし、固定資産税特例利用した設備投資が全体でどのぐらいに上り、それがGDPをどのぐらい押し上げているのかというもし数字があれば教えてください。
○国務大臣(世耕弘成君) 一万五千社が認められているわけでありまして、それから推計しますと、設備投資は大体七千億円に上るというふうに考えております。これをさらにGDPに換算をして押し上げ効果という形で見ますと、約二千八百億円のGDPの押し上げ効果があるというふうに考えております。
○西田実仁君 この固定資産税は、しかし、自治体の基幹税であります。この特例に対するいろんな批判の声は、特例措置がなくたって元々投資するものを単に減税しているだけだったら減収になる一方じゃないかという大変根強い批判もございまして、ここは是非総務大臣に、自治体を所管する総務大臣に御所見をお伺いしたいと思うんですけれども、固定資産税特例は確かに赤字の中小企業も応援するというふうな意味合いはありますけれども、申し上げた自治体の基幹税でもある固定資産税収が減るだけだったら、それは意味がないということにもなるわけでありまして、御所見を伺いたいと思います。
   〔理事石井準一君退席、委員長着席〕
○国務大臣(野田聖子君) 固定資産税についてお答えします。
 固定資産税は、おっしゃったとおり、地域住民の皆さんへの行政サービスを支える基幹税でもあり、地域の産業振興のための様々な施策の財源にもなっているところです。そのため、固定資産税の特例を検討する際には、住民サービスへの影響を踏まえることが大切だと思います。
 一方、生産性革命の実現には、現場の状況、強み、課題等をもう一番身近に把握している市町村、地方が創意工夫を競い合うような状況をつくるための仕組みというものも構築する必要があると考えています。
 こうした点も踏まえ、今後、与党税制調査会における税制改正プロセスの中で具体的に議論、検討していただけるものだと思います。
○西田実仁君 経産大臣には、中小企業あるいはその団体からどんな声が上がっているのか、ちょっと御紹介いただきたい。
○国務大臣(世耕弘成君) まず、中小企業の三分の二が赤字だということ、赤字経営だということを念頭に置いておかなければいけないと思います。
 我々は、中小企業の生産性を高めるために、あるいは第四次産業革命にしっかり対応してもらうために随分設備投資減税というのは行ってきたわけであります。買った資産の、それを直ちに、即時償却できるとか、いろんな制度を入れてまいりました。ただ、こういった制度は、残念ながら赤字企業にとっては全く効き目がないわけであります。
 こういう姿を想像していただければいいんですが、赤字の中小企業で、何とか新しい設備を入れたい。大体そういう企業の設備というのは物すごく古くなっていますから、もう償却はほとんど終わっちゃっていてほとんど固定資産税掛かっていない。そこへ新しい機械入れればもっと効率よく作れることは分かっているんだけど、その機械を入れると赤字の上に更に、今度新品ですからフルで固定資産税を払わなきゃいけない、じゃ、やめておくか、この古い機械を我慢して使い続けるかということが発生しているわけでありまして、既に先ほど申し上げた一万五千社で御活用いただいた中小企業の中では、今までは諦めていたんだけど、今回新しく機械を入れ替えたおかげで効率が倍になって、今まで土曜日操業しないと元請にちゃんと納品できなかったのが土日休めるようになったとか、あるいは倍のペースで物を作れることによって従業員の給料を上げることができたとか、そういう効果が出ているわけでありまして、今、中小企業団体からいろいろ上がってきている声は、この制度を単に三年ではなくてもっと延ばしてほしい、できれば恒久化してほしい、あるいは固定資産税の減免も二分の一じゃなくて、もっと、できればゼロにしてほしいという声も上がってきています。さらに、一部の団体からは、そもそも償却資産に固定資産税を掛けているということ自体、これは世界的に見るとちょっと異例ということもありますから、償却資産に対する固定資産税そのものをもうやめにしてほしいという声も来ているわけであります。
 当然、これは自治体にとっては減収要因にはなるんですけれども、まあ新規投資に掛かる固定資産税の減免ということですから、是非、この目先の固定資産税ではなくて、長い目で見てその地域の企業が、中小企業が元気になって、そして給料がしっかり増えれば自治体の増収にもつながるわけでありますから、是非、長い目で見て御判断をいただきたいというふうに思っております。
○西田実仁君 生産性を上げるということが賃金を上げることにもつながっていくわけで、赤字の中小企業も含めて、思い切った手だてでやはりこの生産性を二〇二〇年までに上げていくということは大変大事だというふうに思います。
 しかし、一方で、総務大臣がおっしゃるように、これは基幹税でありまして、市町村の御理解というものはやっぱり必要だというふうに私もそれは思います。市町村と事業者が一体となって取り組めるような、しかし、新しい仕組みがやっぱり必要ではないかというふうに思うんですね。こうした赤字を含む中小企業の投資の強力な後押しというのは、これまでの制度の延長とかあるいは拡大とかではなくて、新しい制度として創設をしていかなければならないのではないかと。
 総理にお聞きしたいと思います。
 政権が掲げるこの生産性革命というのを実現するためには、たとえ赤字であっても生産性の向上に取り組む中小法人の設備投資を後押しをするための固定資産税の軽減策としての思い切った手だてというのが必要ではないかと。しかし、一方で、自治体の意向はしっかりと踏まえなきゃいけないと。思い切った手だてを講ずるには、税制、これはまた与党でもしっかり議論していきますけれども、税制のみならず予算措置も含めて、こうした中小企業の投資を強力に後押しをする必要があるんではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 多くの中小・小規模事業者の皆さんが深刻な人手不足に直面する中で、生産性の向上はまさに中小企業・小規模事業者にとっては存続を懸けた喫緊の課題だろうと思います。このピンチをチャンスに変えて、中小・小規模事業も含めた生産性革命を一気に進めることで賃上げの風を全国津々浦々に届けたいと、このように思います。
 ただいま世耕経産大臣の答弁を聞いておりますと、中小企業の皆さんにはぐっと来るような答弁だったと、こう思いますが、他方、地方自治体の皆さんの御心配も当然あるわけでございますから、そのためには、地方自治体の御理解も得ながら、国、地方が一体となって、地域経済を支える中小・小規模事業者の皆さんのため、あらゆる政策を総動員していく必要があると考えております。
 こうした中で、固定資産税の半減は、赤字など厳しい経営環境の下で投資にチャレンジする中小・小規模事業者の皆さんを力強く後押しするものであります。同時に、委員御指摘のとおり、税制だけでなく、ものづくり補助金やIT導入補助金など補正予算も活用した大胆な支援策を講じて、中小・小規模事業の皆さんの攻めの投資を総合的に支援していきたいと考えております。
○西田実仁君 次に、軽減税率制度の確実な実施についてお聞きしたいと思います。
 この軽減税率制度を確実に実施するということはさきの連立政権合意の中にも書かれております。今、説明会がいろんな税務署で行われておりまして、ここにありますけど、この「よくわかる軽減税率制度」という、こういうパンフレットを基にして説明をしているわけでございます。
 先般、この説明会に参加した一事業者の方からお手紙をいただきまして、これはしかし、お叱りの内容でございました。これを、説明会に出ても、なかなか十分に説明がなされていない。また、この十ページのところには、実は軽減税率対策補助金という、複数税率対応のレジを購入した際の補助金が出るという説明が載っているわけですけれども、このことを質問したら、いや、それは税務署所管じゃないと、中小企業庁なのでそっちに聞いてほしいというような、そういうような説明もあったわけで、たまたまそういう説明会だったと思いますよ、ほかのところはきちんと御説明いただいているわけでございますけれども。しかし、我が国において初めて軽減税率制度を導入する以上は、やはり中小・小規模事業者に対してきめ細かく、また丁寧に説明をしていかなければならないというふうに思います。
 そこで、国税庁にお聞きしたいと思いますが、私、事前にいろいろ説明もさせていただきまして、いや、改善しますということでしたから、どう改善されておられているのか、お聞きしたいと思います。
○政府参考人(藤井健志君) お答え申し上げます。
 軽減税率制度の説明会に際しまして、説明会に参加された事業者の方から、レジ改修等の補助金に関する質問に明確な回答がなかったということなどの御意見をいただいたと承知しております。
 私どもといたしましては、そうした寄せられた御意見、苦情を部内で共有いたしまして、必要に応じて見直しや改善を行う努力を行っているところでございます。引き続き改善に努めてまいりたいと考えております。
 特にレジ改修等の補助金の説明については、今御紹介のございました「よくわかる軽減税率制度」というパンフレットに補助金の説明に関するページを設け、税務署の担当者がこのパンフレットを用いながらしっかりと説明するというのが第一点でございます。
 また、事業者の方に対しましてより詳細な説明ができるように、説明会に当たりましては商工会などの事業者団体の方から講師派遣の協力をいただくなど、連携を強化してまいりたいと考えております。
○西田実仁君 連立政権合意には、確実に実施するというこの軽減税率について書かれているとともに、この導入を決めた税制改正大綱には、この導入、運用に当たり混乱が生じないよう政府・与党が一体となって万全の準備を進めるというふうにされております。
 総理に、あと実施まで二年と迫りました軽減税率制度の円滑な導入、運用のためにどのような措置を講じていかれるのか、事業者の準備状況についての認識、また必要な措置についてお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 政府としても、軽減税率制度の円滑な実施に向けて、事業者の準備を促すため、周知、広報等にしっかりと取り組むことが重要であると考えています。
 このため、これまで軽減税率制度についてQアンドAを公表するとともに、商工会などの事業者団体等とも連携の上、平成二十八年四月以降、約一万四千回の説明会等を実施をしました。延べ三十九万社程度の事業者に参加をいただいています。さらに、事業者の対応を円滑に進める観点から、軽減税率対策補助金の期限を平成三十一年九月三十日まで延長したところであります。
 政府としては、引き続き事業者の準備状況を把握をしつつ、円滑な実施に向けて万全の準備を進めていく考えでございます。
○西田実仁君 次に、被災地の中小企業の二重ローン対策についてお聞きしたいと思います。
 我が党では、去る九月に小野寺大臣の地元にお邪魔しまして、この東日本大震災事業者再生支援機構による二重ローン解消の支援先にいろんな、お聞きしました、もっとニーズがあるんじゃないかと。この支援決定期限が来年の二月二十二日ということで、これで終わってしまうと困る、もっとやってほしい、また、支援を受けたところはこれによって助かったという声をたくさんいただいてまいりました。
 そこで、まず復興担当大臣にお聞きしたいと思いますが、この機構によります二重ローン対策、これ議員立法で、我々公明党、自民党、野党の時代に皆様に御理解もいただいて、そして、いろんな野党、与党の皆さんに御理解いただいて成立をしたものでありますけれども、これまでの活動実績、またその成果、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(吉野正芳君) 震災支援機構は、平成二十四年の二月の設立から本年十月末までに二千七百十六件の相談を受け付け、七百二十九件の支援決定を実施をいたしました。支援対象のうち六割が従業員十名以下の小規模な事業者でございました。具体的には、債権買取りが六百九十五件、千二百九十八億円であり、そのうち六百三十九億円を債務免除しております。機構は、買い取った債権の約五割を債務免除することによって金利負担を軽減をしております。また、新規融資への保証付与により金融機関からの新規融資の獲得を後押しをしております。また、支援先事業の売上高総額は約二千億円、従業員総数は約一万三千七百人でございまして、被災地域の経済活動、そして雇用の維持に貢献をしております。
 以上です。
○西田実仁君 復興庁は来年のその支援決定期限である二月二十二日以降のニーズにどのようなケースがあるかというアンケート調査をされたのがこれでございまして、現時点で相談希望という者がこれまでの相談件数と同じ、あるいはもっと多い、地域によっては、そういうニーズが大変あるということもこれによって分かるわけでございますが、具体的に、じゃどういうその二月二十二日以降にニーズがあり得るのか、これを是非大臣から御説明いただきたいと思います。
○国務大臣(吉野正芳君) 復興庁は、震災支援機構の今後のニーズを把握をするために、本年八月から十月にかけて被災四県、岩手県、宮城県、福島県、茨城県でございます、の自治体、商工団体へのヒアリング、各県を通じたアンケート調査を実施をいたしました。
 その結果、今後の主な機構活用ニーズとして、仮設から本設への移転に係るニーズ、また従来からの顧客の減少や風評被害に係るニーズ、またグループ補助金等の自己負担分の借入金の返済猶予期限到来等に関するニーズの三点が見込まれております。また、今後二重ローン支援に係る相談を希望する事業者は、そのパネルのとおり、約二千六百の方々が見込まれるとの推計結果になっております。
 以上です。
○西田実仁君 この機構法の改正というのは、議員立法ですから、我々与党としては既にそれを決めさせて、三年の支援期間の延長という改正案を出そうと思っておりますが、野党の皆さんにも幅広く御理解いただけるように、また丁寧に進めていきたいというふうに思います。
 最後に、林業の成長産業化についてお聞きしたいと思います。
 私、地元埼玉の秩父に旧大滝村というところがございまして、そこに栃本という場所に入って山を見てきました。そこはもう明治時代に植えた杉やヒノキがあって、もう百年生とかになっている。これを二百年生目指して法隆寺に是非納めたいという壮大なプロジェクト、その選木作業が始まっていまして、私も山に入ってこの木がいいというふうに、まあ技監の方から教えてもらったものにビニール巻いただけなんですけれども、しかし、選木作業をやって、そういうことを今市民の皆さんと一緒になって山というものをみんなでもっと知っていこうというふうに運動を起こしているわけでございます。
 そういう市が持っているところはちゃんと整備されているわけですけれども、民有林のところはなかなか整備されていないと。今、政府は、林業の成長産業化ということを進めようとして、新しい森林管理システムというものをつくろうとしているようでありますけれども、どういうものなのか、ちょっと御説明いただきたいと思います。
○国務大臣(齋藤健君) 私もかつて埼玉県の副知事をやっておりまして秩父の山にも入ったことがあるものですから、委員の問題意識は共有させていただいておるわけでありますけれども、現在、森林の管理が十分行き届かないものが存在しているその要因といたしましては、多くの森林所有者は小規模零細で森林経営の意欲が低くなっている一方で、林業経営者の多くが事業規模拡大の意欲があるにもかかわらず事業地の確保に悩んでいる、こういう森林所有者と意欲と能力のある林業経営者との間のミスマッチが生じているということがあると考えております。
 この課題を解決するため、現在我が省におきましては、まず適切な森林管理を促すために、森林を所有している方に森林管理の責務をしっかり明確化するということとともに、森林所有者自らが森林管理を実行できない場合、こういう場合がございますので、そういう場合は市町村が森林管理の委託を受けまして、意欲と能力のある林業経営者に再委託をして林業経営の集積、集約化を図っていくと。そして、自然的条件から見ましてもう再委託できないという森林や再委託に至るまでの間の森林、これにおきましては市町村が間伐等の管理を行うと、こういう新たな森林管理システムの創設を検討しているところでございます。
○西田実仁君 今、税制の協議でも森林環境税ということをいろいろと議論しているところでありますが、森林の整備には、その前提として路網をどう整備するのかということ、これは山が急峻だったりすると切り出しも大変ですから、そういうことも配慮して配分も決めなきゃいけないというふうに私は思いますけれども、一方で、誰が持っているのかという、土地所有者が不明であったりすると大変に整備が遅れてしまいます。境界画定とか、いわゆる事前の調査が主伐にせよ間伐にせよきちんとされていないとなかなか順調に進んでいかないという点があるわけでございまして、仮に森林環境税ができたとしても、しかしこれがそういう事前調査の方にばっかり回るとなかなか実際に間伐に回らないという懸念の声がありますけれども、それにどうお応えするのか、最後にお聞きしたいと思います。
○委員長(金子原二郎君) 農林水産大臣。時間が来ておりますので、簡潔にお願いいたします。
○国務大臣(齋藤健君) 森林整備を円滑に実施していくためには、今委員おっしゃったように、所有者や境界の確認がなされることが重要であると考えておりまして、そのためのお手伝いを今までもさせていただいているわけでありますが、森林環境税につきましては、今後使途など具体的な内容について年末までに議論をされて決まるものと考えておりますけれども、間伐等を行うに当たって事前に必要となる所有者や境界の確認に係る経費も使途の対象とすることが適当であるというふうに考えております。当初はその画定に係る費用というのはかさむかもしれませんが、森林整備を前提としての調査に係る経費ですので、だんだんとそれが軽減してくるんじゃないかとは思っております。
○西田実仁君 終わります。
○委員長(金子原二郎君) 以上で西田実仁君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(金子原二郎君) 次に、三浦信祐君の質疑を行います。三浦信祐君。
○三浦信祐君 公明党の三浦信祐です。貴重な機会をいただきました。早速質問させていただきます。
 子育て世代の方々から、子育てには多くのお金が掛かる、大学の授業料など教育費の経済的負担が大きい、何とか軽減をしてほしい、そういう声が数多く寄せられます。教育費負担の軽減は生活者に直接効果を及ぼす経済対策でもあり、全世代型社会保障の入口だと私は考えます。人づくり革命、人への投資が日本の未来をつくっていくものだと思います。
 子育て世代の経済的負担の現状認識と解消への取組について、安倍総理に御決意を伺います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 子育てや教育に係る費用の負担が重いことが少子化の要因の一つとなっており、教育費負担の軽減を図っていくことは重要な課題と認識をしています。どんなに貧しい家庭に育っても、意欲さえあれば高校、高専にも、専修学校、また大学にも行くことができるようにしていくことが重要であります。
 そのため、政府としては、真に必要な子供たちには高等教育を無償化することとし、そして授業料の減免措置の拡充と給付型奨学金の支給額の大幅増加を実施することとしています。また、幼児教育の無償化については、二〇二〇年度までに三歳から五歳までの全ての子供たちの幼稚園、保育園の費用を無償化します、ゼロ歳から二歳児についても所得の低い世帯に対して無償化しますとの方針の下で現在具体的な検討を進めているところであります。また、現在、幼児教育や高等教育の無償化については与党において議論が行われており、政府としては与党の提言も踏まえて十二月上旬に新しい経済政策のパッケージを取りまとめる予定であります。
 人づくりは国づくりであります。人づくりを重視してきた御党とともに、公明党の皆様とともに、急速に進む少子高齢化という国難に立ち向かうべく、人づくり革命を断行してまいりたいと考えております。
○三浦信祐君 いよいよ具体的な取組が大事だというふうに思います。本年、公明党が長年主張をしてまいりました返済不要の給付型奨学金制度が実現をいたしました。皆様に御協力をいただきました。今年度は先行実施、来年度から本格実施となります。先行実施の結果と予約採用の状況とともに、得られている現在までの課題について林文部科学大臣にお伺いいたします。
○国務大臣(林芳正君) 給付型奨学金につきましては、今委員からお話がありましたように、本年度より創設をいたしまして先行実施をしたところでございますが、おおむね見込みどおりの二千五百二名を採用いたしました。また、平成三十年度予約採用につきましては、約二万人を採用候補者に決定をしております。
 今回新たに創設された制度の開始に当たっては、各校に新たな事務作業が生じることとなり、その負担を含めまして、ガイドライン、基準の関係等々、いろんな御意見、状況の報告をいただいたところでございますので、我々といたしましても、運用面の工夫を重ねることによりまして改善をしっかりとやっていかなければいけないと考えておりまして、関係者の意見を聞き、適切に対応してまいりたいと考えております。
○三浦信祐君 先行実施で二千五百名に本当にこの大学に対する進学への意欲また希望が湧いたということは、これは政治の本当に責任として果たしたことだと思います。
 家庭環境を失った子供を迎え入れ育てる家庭養護の一つにファミリーホームというのがございます。本年七月、私の地元、神奈川県横浜市のファミリーホームを訪問をさせていただき、給付型奨学金を得て四月から大学に進学した二人の学生さんにお話を伺いました。僕が大学に行けるなんて思ってもみなかった、また、自分たちのような立場の子供のことを本当に親身になって考えている大人の人たちがいると知って自分自身も頑張らなければならないと思ったと話してくれました。大変うれしい話です。また、母であるホーム長が、あなたなら大学に行けると励ますとともに、学費を工面するために、給付型奨学金制度の創設など、あらゆる経済的な支援のメニューを調べ尽くして、教え、育てられたことを忘れてはいけないと思います。
 まだまだ経済的理由から進学を断念している場合があると思います。給付型奨学金の支給条件、いよいよ更に拡充をして、総理からも言っていただきました、見直しをしていくことも大事だというふうに思います。
 例えば、非課税世帯といっても、シングルマザーや事実婚の場合、寡婦控除を受けられないために対象から外されている世帯を対象とするとか、現役生でも家計が急変した場合、退学を余儀なくされることをなくすために家計急変時にも給付対象にする、大学等に進学した後、勉強をしっかりと頑張っていただいた上で、成績で給付型の奨学金の継続判断をする、そういう前提の下で、大学等への進学の入口にて絞り込んでしまうような高校の推薦を、これをなくしていくなどということが挙げられると思います。
 林大臣、このようなお子さんたち、また親御さんたちに、日本は私たちを見捨てなかった、そう思ってもらいたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) 大変大事な御指摘いただいたと思っております。
 先ほど申し上げましたように、今年度創設いたしました給付型奨学金制度は、住民税の非課税世帯の学生を対象とするとともに、一方、貸与型の無利子奨学金よりも高い学力・資質基準を課すこととし、二万人の推薦枠を各高校等に割り振った上で推薦を求めることといたしました。
 現在、これをまた人づくり革命の中で拡充をしていくという議論をしていただいているところでございますが、今お話があったように、入学後に勉強、勉学に励むことを支援の前提といたしまして、真に必要な子供たちに支援が行き届くよう検討してまいりたいと考えておりまして、この件につきましては既に公明党からも提言をいただいたところでございますので、しっかりと検討してまいりたいと思います。
○三浦信祐君 確認ですけれども、文科省としてこれから制度設計に当たると思うんですけれども、真に必要なというのはどういうふうに捉えられているか、ここだけ確認をさせていただきたいと思います。
○国務大臣(林芳正君) 家庭の経済事情に左右されることなく、希望する質の高い教育を受けられることが大変重要だと思っております。子育て世帯においてやはり教育負担が、先生からもお話がありましたように経済的負担となって、これが少子化の要因の一つになるという課題を認識しておるところでございます。
 大学等における授業料減免とこの給付型奨学金の創設を含めた大学等奨学金事業の充実によりましてこれまでも負担軽減に取り組んでまいりましたけれども、今回の人づくり革命の推進に向けましては、この授業料減免、給付型奨学金、それぞれ大幅拡充を行って、所得が低い家庭の子供たち、真に必要な子供たちを対象に高等教育の無償化を実現する方針でございまして、政府として、十二月初旬にこれらを盛り込んだ政策パッケージをまとめてまいる予定でございます。
 それから、多子世帯への支援について、現行の給付型奨学金においては扶養親族の人数を勘案して算定される住民税を基準としておりまして、多子世帯は他の世帯と比べて高い所得であっても対象となるということで一定の配慮が今なされております。それから、貸与型奨学金については、世帯人数、家族構成等々勘案した家計基準によって審査を行っておりますので、この多子世帯の学生については奨学金の貸与を受けやすく今なっております。
 こういった今やっていることを踏まえて、奨学金全体として、中所得世帯、多子世帯への配慮も含めまして、高等教育の負担軽減に向けて引き続き積極的に取り組んでまいりたいと思っております。
○三浦信祐君 今具体的なことを、御提言の中に盛り込んでいただいたことを御回答いただいたと思います。
 具体例を挙げますと、例えば、年収五百万円世帯の御家庭でお子さんが二人いれば、粗っぽい言い方ですけれども、一人当たり二百五十万円の年収と変わらない環境だというふうにも言えると思います。お子さんの年齢が近くて二人とも同時期に大学で学んでいれば、経済的負担というのは莫大です。
 給付型奨学金の拡充にあっては、低所得はもとより、いわゆる中所得世帯の御家庭にも、また多子世帯へも給付型奨学金制度の恩恵がある制度とすべきだというふうに私は思います。現行の給付型の制度のままで給付額を増加するだけでは、むしろ納税をたくさんしていただいている中所得世帯とのギャップというのは拡大をしていくこととなると思います。
 林大臣、いま一度この制度を是非考えていただいて、今後の取組、御決意を伺います。
○国務大臣(林芳正君) 先ほど少し先走って答弁したかもしれませんが、まさに今やっております給付型奨学金、このお話がありましたけれども、住民税非課税となるということで、夫婦子一人ですと二百二十一万円、これが夫婦子三人になりますと三百五十五万円ということでございます。また、無利子の第一種奨学金の家計基準の目安も、三人世帯六百五十七万円に対して、五人世帯になると九百二十二万円と、こういうふうになっておりまして、先ほど申し上げましたように今こういうふうにやっておりますので、これを踏まえて、中所得世帯や多子世帯への配慮を含めてしっかりと取り組んでまいりたいと思っております。
○三浦信祐君 是非お願いしたいと思います。
 さて、人づくり革命の前に、極めて看過ならない事実があります。最新の自殺対策白書によれば、日本の十代後半から二十、三十代の死因の第一位が自殺であります。これは、主要先進七か国で日本のみです。加えて、二十九歳以下の若者が一日平均約十名、この日本では自殺で亡くなっております。私、この度公明党青年局長の任を受け、若者層の自殺対策、何としても進めなければならないと決意をいたしております。
 総務省の調査では、十代の連絡手段の一日当たりの平均利用時間は、SNSが五十八・九分、携帯電話の通話で二・七分、固定電話はほぼゼロです。公明党長野県本部青年局が若者の自殺問題についてアンケート調査を実施し、SNSを活用した相談体制を県に要望した結果、長野県とLINE株式会社が連携協定を結ぶことにつながりました。九月、二週間の試行期間で千五百件を超えるアクセスがあり、これは、国や自治体が設置した固定電話の自殺相談窓口での件数をたった二週間で大きく上回るということが実証をされました。SNSを活用したいじめの相談は、公明党大阪府本部青年局も推進し、来年の一月には大阪府立高校でも試行をされます。
 時代に合わせ、学生、青年世代のSNSを活用した自殺防止体制の拡充、具体的な相談窓口を構築するための人手や予算の確保に取り組んでいただきたいと思います。加藤厚生労働大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(加藤勝信君) 御指摘のように、若年層の自殺、まあ若年層に限りませんけれども、依然としてこれはどうにかしていかなきゃいけない問題でありますし、特に若年層については深刻な状況にあるというふうに認識をしております。将来のある若者が自らの命を絶つという、この事態を防いでいく、これは政府として取り組むべき重要な課題であるというふうに認識をしております。
 厚生労働省は、自殺対策の総合調整を担う立場に内閣府から移行して今なっているわけでありまして、本年七月に閣議決定されました新たな自殺総合対策大綱に基づいて、関係省庁とも連携を密にしながら若者等の自殺対策に全力で取り組んでいるところでありますし、また、そうした中で先般、神奈川県の座間市における事件もございました。こうした事件の再発を防ぐということで今、政府として対策を議論し、年内に取りまとめることとしておりますけれども、特に今インターネット、SNSの話、また長野県における取組もありました。
 こうした若者はインターネットやSNSで自殺をほのめかしたり、あるいはそこで自殺する方法を検索する等、かなりそうしたSNSあるいはインターネットの場がそういった意味で活用というんでしょうか使われている、そういったことも踏まえまして、SNSを活用した相談機会を確保していくということ、また、SNSを活用した相談ノウハウの確立やそれを担う相談員あるいは団体、こうした方々の育成、これについても関係省庁と連携をしながらそれに向けてしっかり検討していきたいと、こう思っております。
○三浦信祐君 さきの長野県での調査では、つらいときに一人で悩まずに支援機関や大人に相談することを教えるSOSの出し方教育への要望が強いことも分かりました。
 林大臣、この御認識と取組を伺うとともに、文科省としてもこの子供いじめ、そして自殺防止対策にSNSを活用することも考えてみてはいかがでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) 児童生徒の自殺予防につきましては、文科省におきまして自殺予防教育の手引を作成をいたしまして、全国の教育委員会、学校等に配付するとともに、教職員等を対象とした研修会を各地で実施するなどの取組を行っております。
 特に、今、三浦先生からお話のありました児童生徒に対する自殺予防教育の柱の一つとしてのSOSの出し方教育、これにつきましては、まず児童生徒が命の大切さを自ら理解し、そして、ストレスへの対処方法を考えたり身に付けたりすることなどが重要と考えております。例えば、道徳それから保健体育の時間などにおいて、手引、また啓発教材等を活用した指導が実践される等、各教科等の特性に応じた指導を行っているところでございます。
 また、やっぱり悩みを広く受け止めて相談できる大人がいるんだということを分かっていただくということでございまして、通話料無料で二十四時間子供SOSダイヤルを設置して、そこの周知に努めております。
 一方で、今お話がありましたように、やはり若年層の多くがSNSを主たるコミュニケーション手段として用いておりますので、様々な悩みを有する児童生徒の相談に関するSNSの活用策の検討を行うために有識者会議を開催しまして、今年の八月でございますが、SNSを活用した相談体制の構築に関する当面の考え方を既に中間報告として取りまとめております。
 平成三十年度概算要求におきましても、SNSを活用した相談体制の構築に向けた調査研究に係る経費を計上させていただいております。
 加藤大臣、厚生労働省とも連携して、様々な悩みについて適切にSOSの声を発することができる取組とともに、これを受け止める相談体制の整備に尽力してまいりたいと思っております。
○三浦信祐君 安倍総理が掲げる人づくり革命の最大の目的は、国の宝としての子供や若者を、その一人の生命と青春を未来に引き継いでいく、そういう政策を実現をしていくことだと私は思います。
 尊い命を守る、若者の自殺防止対策の推進には政府一体となって取り組む必要があると思います。菅官房長官、是非ともリーダーシップを取っていただき、具体的推進をお願いしたいと思いますが、御決意を伺います。
○国務大臣(菅義偉君) 我が国の自殺者数は七年連続でこれ減少はしております。特にこの十年余りで四割弱減少しておりますけれども、先ほど委員から御指摘がありましたように、若年層の死因の第一位、これが自殺であります。このことは極めて重要な課題だと受け止めております。
 政府としては、本年七月に新たな自殺総合対策大綱、これを閣議決定をいたしまして、人口十万人当たりの自殺者数を平成三十八年末までに三割以上減少させる、その目標を掲げております。
 また、先ほど来議論がありました神奈川県座間市においての、まさに自殺願望を投稿するなどした被害者の心の叫びに付け込んで、言葉巧みに誘い出して殺害するという、極めて卑劣な手口による凶悪事件もありました。
 こうした事件を受けて、総理指示の下に関係閣僚による会合を開催をし、まず関係省庁による情報の共有、さらに、先ほど来お話がありますサイトや書き込みへの対策強化、さらにネットを通じて若者の心のケア対策、そうしたものへの充実、こうした三点を関係省庁において検討を行っており、まさに年内に再発防止策というものを打ち出して、迅速に一つ一つその対策を講じてまいりたいと思っています。
○三浦信祐君 是非よろしくお願いしたいと思います。
 さて、日本は現在厳しい安全保障環境にさらされております。その中で、核兵器廃絶への期待が高まっているのも事実です。
 現在、広島における軍縮関連会議が行われておりますけれども、河野外務大臣、これらの会議をなぜ開催することになったのか、目的、意義、その内容を国民の皆様に分かりやすくお伝えいただきたいと思います。
○国務大臣(河野太郎君) 被爆者の方の高齢化が進む中で、被爆の現実、実情を次の世代に伝える、そういう活動を後押しするために、外務省は二〇一六年、ユース非核特使制度というのを立ち上げました。十一月二十六日にはこの第三回目のフォーラムが行われまして、被爆の現実あるいは核廃絶の願いを、日本のみならず海外の高校生などユース非核特使の経験者から発信をしていただきました。
 また、核軍縮の進め方の違いをめぐって、国際社会のアプローチの違いが顕在化しております。我が国としては、立場の異なる国々が結束してこの核軍縮に取り組むことができるような共通の基盤をつくりたいということで、岸田前外務大臣がリーダーシップを取られまして、NPT運用検討会議の第一回の準備会合、今年の五月でございますが、核軍縮の実質的な進展のための賢人会議の設立を岸田外務大臣から表明をされました。
 参加委員に広島で被爆の現実を見ていただくこと、あるいは、公明党からも御提案をいただきましたし、広島県、広島市からも開催の意向が表明されたことがございまして、広島でこうした賢人会議を開催することとなりました。
 二十七、二十八の一回目の会議では、国際社会が立場の違いを乗り越えて核軍縮を実質的に進めることができるかという観点から議論が行われました。また、二十九、三十には国連主催の国連軍縮会議が行われまして、ICANの関係者、核兵器禁止条約交渉会議議長のホワイト・コスタリカ大使を含め、幅広い立場の方々に議論をいただきました。
 引き続き、我が国は率先して立場の違う国々の間の橋渡しに努めてまいりたいと思っております。
○三浦信祐君 公明党青年委員会として、第三回のユース非核特使フォーラムにも出席をさせていただきました。高校生、大学生から多様な意見の表明がなされておりました。
 その中でも中心となったのは、核兵器禁止条約を見送った日本の今後の核廃絶への視点、そして具体的な取組についてであったと承知しております。特にこの件に関しては、外務省として核兵器禁止条約へ批准見送りを決めたことへの発言が時々異なるという話もありました。
 橋渡しとしたスタンスについて、河野外務大臣、今後具体的行動はどのようにしていくか、お教えいただければと思います。
○国務大臣(河野太郎君) 核兵器禁止条約に掲げられている核廃絶という目標は我が国も共有をしております。他方、核兵器のない世界の実現に向けては、核兵器国及び非核兵器国、両方が協力して現実的、実践的な措置を積み重ねていくことが必要だというふうに認識をしております。
 我が国は、核廃絶を目指す中で、まずは、世界に今一万五千発ほどあります核兵器を、米国、ロシア、中国といった核兵器国が実際に削減をしていくことが何をおいても必要だというふうに思っております。その努力を積み上げた上で、世界全体の核兵器が極めて低い数まで削減された時点で、核兵器の廃絶を目的とした法的な枠組みの導入をすることが現実的と考えております。核兵器が確実に廃棄されたか、再び生産されていないかといった検証、信頼性の高い検証措置をそのときに導入することが必要でございます。
 我が国としては、まずこの立場の違いを乗り越えるために信頼を再構築することが重要だと考えております。NPTやCTBT、FMCTといった核兵器国も参加する取組において、関係国に対して働きかけを密に行っていきたいと思っております。
 今後、この核兵器国、非核兵器国の間の信頼関係の再構築に資する提言を賢人会議からいただいて、核軍縮の前進に向け、引き続き取り組んでまいりたいと思います。
○三浦信祐君 最後に、総理に二つほど。
 まず一つは、十二月十日にノーベル平和賞の授賞式が行われて、NGOのメンバーなども招待され、参加を予定されております。日本政府として祝福メッセージを出すべきかなというふうに私は思います。
 また、世界唯一の被爆国としての使命を果たすため、これは来年予定されている核軍縮国連ハイレベル会合へ総理が出席するなど、安倍総理自らが核軍縮、核廃絶へ世界を動かしていただきたいと思います。
 是非、安倍総理の御答弁をいただければと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 我が国は唯一の被爆国であり、戦争被爆国であり、核兵器のない世界の実現に向けて、国際社会の取組をリードしていく使命を持っていると考えています。
 核兵器禁止条約の採択やICANのノーベル平和賞受賞が被爆の悲惨な実相や核兵器の非人道性についての国際社会の理解を求めるきっかけになれば喜ばしいことでありますが、同時に、ますます厳しさを増す安全保障環境の中で、北朝鮮の核・ミサイル問題といった現実の脅威に真正面から取り組んでいく必要があります。
 我が国は、核兵器国そして非核兵器国双方の信頼関係を再構築していく上で橋渡し役を務め、賢人会議の開催、CTBTの発効やFMCTの交渉開始に向け、現実的かつ実践的な観点から核軍縮・不拡散を進めていくべく粘り強く取り組んでまいります。
 そして、今御下問のございました二〇一八年五月に開催が見込まれる核軍縮に関する国連ハイレベル国際会議についてでありますが、今後、関係国によりその具体的な内容につき議論がなされる予定でありまして、その議論も踏まえて我が国の対応を検討していきたいと思っております。
○三浦信祐君 ありがとうございます。
 核兵器禁止条約が悪いんではなくて、核兵器そのものが悪いと思います。それに頼って国を運営しようとする、そういう為政者をなくしていく、その爪をもぎ取っていくのが日本が唯一できる役割だと思います。安倍総理、是非リーダーシップを取っていただきたいと思います。
 以上で終わります。
○委員長(金子原二郎君) 以上で三浦信祐君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時五十六分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
○委員長(金子原二郎君) ただいまから予算委員会を再開いたします。
 予算の執行状況に関する調査を議題とし、休憩前に引き続き質疑を行います。辰巳孝太郎君。
○辰巳孝太郎君 日本共産党の辰巳孝太郎でございます。
 森友疑惑について質問をいたします。
 私は、この問題を一貫してこの委員会でも取り上げてまいりました。疑惑の焦点は、政府が架空のごみを補償し、森友学園にただ同然で国有地を売却したこと、そしてその背景に何があったのかということであります。
 今般、会計検査院の調査によって政府の値引きは根拠がないと断罪されました。しかし、総理は、適正な処理は、これは自分が調べたわけじゃないんだと、官僚の説明を信頼し、紹介したまでだなどと責任転嫁の答弁を行いました。
 総理、政府の値引きは適正ではなかった、そして、それは総理の責任でもある、これでよろしいですね。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) さきの通常国会においては、国有地売却の問題について、処分を担当している財務省や国土交通省から適切に処理をしていたとの答弁があったところであり、私もそのように報告を受けていました。これまでの私の発言については、そのような理解の上で申し上げたものであります。
 他方で、国有地の売却価格については会計検査院がきっちりと適正に調査をするものと思っているということを申し上げてきたところであります。政府から独立した機関である会計検査院が第三者的立場で検査を行い、今般国会に報告が提出された、その報告については真摯に受け止める必要があると思っております。
○辰巳孝太郎君 答えていないですね。
 政府が適正だと言ってきたものが適正でなかった。それは総理の責任でもあるんじゃないですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほども申し上げましたように、担当している、それぞれ処分を担当している財務省、国土交通省から報告を受けていたわけでございまして、今般、会計検査院から、検査を行い、そして報告が提出をされましたので、それを真摯に受け止めているというのが私の立場であります。
○辰巳孝太郎君 全く同じ答弁なんですね。
 総理は行政府の最高責任者であります。大体、一般の会社の不祥事で、社長が部下のやったことは間違いだが自分には責任ないと、こんなこと通用しますか。
 総理は、二〇一五年の六月十八日の衆議院の予算委員会において、年金機構の個人情報流出に関してこう言っております。私は行政府の長でありますから、当然、行政上の様々な課題、問題については、最終的に責任を負うのは私であります。今までも、各部門、行政府においていろいろな出来事、事件もございました。もちろん、私が最終的に責任を負うわけでありますが、私の責務とは、そうした出来事を二度と起こさないようにしていくことでありますし、徹底的な原因究明をしていく、体制をしっかりと整えることであります。
 答弁と違うじゃないですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 会計検査院からは、この森友の問題だけではなくて、様々な政府の支出に関わることについて指摘を受けているわけでございます。支出をする際には、まさに各省庁が適切と判断して支出をしているわけであります。そして、全てのこうした会計検査院の御指摘については、今申し上げましたように真摯に受け止めているところでございます。
○辰巳孝太郎君 総理、最低限、国民に謝罪すべきじゃないですか。いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今申し上げましたように、様々な事柄について会計検査院から指摘を受けているところでございますが、それに対して私は真摯に受け止めていると。そして、次の予算編成等にそれを生かしていくというのが私の責任であろうと、このように思っております。
○辰巳孝太郎君 総理、丁寧な説明をすると繰り返しておられます。だったら、会計検査院の報告書を受けて、こうした不適切な処理がなぜ起こったのか、これ徹底的な原因究明を総理先頭にやるべきじゃないですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 国有地は国民共有の財産であり、その売却に当たっては国民の疑念を招くようなことがあってはならないと。私としても、国有財産の売却について、業務の在り方を見直すことが必要と考えており、関係省庁において今後の対応についてしっかりと検討するということではないかと思っております。
○辰巳孝太郎君 本当に謝罪ないわけですね。こういった官僚に責任転嫁する姿勢に国民は絶対に納得はしないと思います。
 この不適切な大幅値下げは、地下三メートルよりも深くに政府も森友側も知らなかった大量のごみがあったというところからスタートしております。私は、あの土地の深くにごみはないということを客観的な資料を基に何度もこの国会でも追及してきましたけれども、政府は、ごみはあったんだと、こう答弁をしてきたわけであります。
 ところが、二〇一六年三月下旬、財務省、航空局そして森友学園がごみの撤去について協議し、ないごみをあったことにする模様を示す音源テープが報道され、財務省もその存在を認めております。このやり取りをパネルに示しました。(資料提示)
 森友側の弁護士が、死ぬ気で値段下げるところに取り組んでほしい、下げる理屈を考えなければならない。国は、三メートルまで掘るとごみが出てきた、これは国が知らなかった事実なので、きっちりやる必要があるというストーリーはイメージしている。工事事業者は、九メートルというのは分からない、三メートルより下から出てきたかどうかは分からない、語弊がある、そういうふうに認識を統一した方がいいなら合わせるが、下から出てきたかどうかは私の方から、あるいは工事した側から確定した情報として伝えていない。それに対して国は、言い方としては、混在と、九メートルの範囲で。工事事業者は、とうとう、その辺をうまくコントロールしてくれたら我々は資料を提供する。国側は、そんなところでつくりたい。弁護士は、責任問題に発展しないように頑張ってくれと。
 三メートルより下からごみは出ていないと工事事業者が語っているにもかかわらず……(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) 御静粛にお願いします。
○辰巳孝太郎君 地下深くまでごみがあったというストーリー、これで補償しようという口裏合わせのテープであります。
 ところが、一昨日、政府は、これは口裏合わせではないと言いました。総理、これのどこが口裏合わせではないというんですか。
○政府参考人(太田充君) お答えを申し上げます。
 先般の衆議院の予算委員会で御質問があって、そのデータについて確認をさせていただきました。
 かいつまんで御紹介を申し上げますと、これは会話の一部が切り取られた、一方的に録音されたものでありますが、会話の一部が切り取られたものだというふうに思います。
 このデータは、平成二十八年の三月下旬から四月頃に取られたものだというふうに思いますが、その元々の前提として、三月十一日に新たな地下埋設物が出てきたという旨の連絡を森友学園側から受け、さらに二十四日には森友学園より、新たな地下埋設物の撤去費用を控除した価格で本件土地を購入したいと、そういう要望が出されて、それを踏まえて土地を売却する方向で打合せをしていた。三月下旬から四月ということは、今申し上げたのより以降の話であります。先方から、土地について地下の埋設物を除去した価格で購入したいという要望があって、それから先の話であります。
 そこで、近畿財務局の方は、地下埋設物の撤去費用を見積もるためには資料が必要なので、三メートルより深いところから出てきたものについては新たな地下埋設物になるという認識の下で必要な資料を提出をするということをお願いをしているということでございまして、今委員の御指摘のあったような口裏合わせ云々ということでは全くございません。
○辰巳孝太郎君 工事事業者がごみはないと言っているじゃないですか。これ、どう考えるんですか。
○政府参考人(太田充君) 先ほど来申し上げておりますように、これは先方から地下埋設物が出てきたという連絡を受けて対応しておるということでございます。三メートルより下に、深いところから出てきたということを前提にしてお話がありましたので、そうであればその資料が必要だということを申し上げているということでございます。
○辰巳孝太郎君 音源データでは、工事事業者は三メートルから下からとは確定的に言っていないと言っているじゃないですか。これ、どうするんですか。
○政府参考人(太田充君) このお話は、先ほど来申し上げていますように、三月十一日に連絡があって、二十四日に買いたいという要望があって、その辺りから何度もいろんな形でのお話があったところでございます。そういう中で、三メートル下から廃棄物混合土が出てきているというお話を承っての話ですので、これは一部を切り取られております。そういう状況の下での話ですね。このことだけを捉えて云々と言われるのは、それはいかがかと思っております。
○辰巳孝太郎君 あなた方は全部を聞いたんですか。(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) 静粛に。
 辰巳孝太郎君、もう一度お願いします。
○辰巳孝太郎君 これ、一部と言いますけれども、一部であっても口裏合わせの状況がここに記されているんですよ、ないごみをあるようにしようと。工事事業者は、初めは三メートルより下から出てきたか分からない、語弊がある、ここまで言っているんですよ。しかし、国の方から資料を調整する中でそういう方向でお話しさせてもらえたらと話し、同意を求めて、工事事業者も最後には押し込まれて、そういうふうに認識を統一した方がいいと言うなら合わせると。合わせると言っているんですよ。これ、どうなんですか。
○政府参考人(太田充君) 再三にわたって申し上げておりますように、三月十一日にごみが発見されて連絡を受け、現地にも視察に行き、二十四日には買いたいという要望があって、その間ずっと新たな地下埋設物が出てきているというお話を受け、あるいはそういう現場を拝見させていただいたという上のこのお話でございますので、それを前提にして近畿財務局としてはそういう対応をさせていただいているということでございます。(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。
○政府参考人(太田充君) 恐縮でございます。先般の衆議院の予算委員会でお答えしたことをきちんとお話しさせていただければと思います。
 この音声データは、全体が公開されているわけでもなく、会話の一部が切り取られているものと承知をしております。
 その上で、職員の発言に関して、近畿財務局の職員に事実関係の確認を行った結果、報道されている音声データは平成二十八年三月下旬頃から四月頃に森友学園側を往訪した際のやり取りではないかと思われる。平成二十八年三月十一日に新たな地下埋設物が出てきた旨の連絡が森友学園側からあり、三月二十四日には森友学園より新たな地下埋設物の撤去費用を控除した価格で本件土地を購入したいとの要望が出され、それを踏まえて本件土地を売却する方向で森友学園との打合せに臨んでいたところであります。地下埋設物の撤去費用を見積もるためには資料が必要であり、三メートルより深いところから出てきたものについては新たな地下埋設物になるとの認識の下で必要な資料の提出をお願いする旨の話をしております。ただ、このような認識を伝える表現としてストーリーという言葉を使っているが、これは適切ではなかったと本人も申しております。
 いずれにしても、先方とは様々なやり取りが行われたが、口裏合わせをして地下埋設物の撤去費用を見積もろうとしたものではなく、新たな地下埋設物の撤去費用を見積もるためには資料が必要であることから、様々な資料の提出をお願いしていたものであるということでございます。
○辰巳孝太郎君 一体何の資料を求めたんですか。
○政府参考人(太田充君) 三メートルより深いところから出てきたものについては新たな地下埋設物になるとの認識の下、その必要な資料の提出をお願いをしたということでございます。
○辰巳孝太郎君 具体的に何を求めたのか聞いております。
○政府参考人(太田充君) 三メートルより深いところにある、廃棄物混合土があるということであれば、それが分かるような資料を提出していただきたいということでございます。
○辰巳孝太郎君 資料はあったんですか。
○委員長(金子原二郎君) ちょっともう一回質問してください。
○辰巳孝太郎君 三メートルより下にあったという資料はあったんですか。
○政府参考人(太田充君) 現地の視察をしたこと、それから過去のいろいろな調べた調査の結果、そういうことを全て含めて、最終的に三・八メートルあるいは九・九メートルという判断をしたということでございます。
○辰巳孝太郎君 答えていない。九・……(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) 静粛に。
○辰巳孝太郎君 三メートルより下にあったという資料はあったんですかということを聞いています。
○政府参考人(太田充君) 先ほど来申し上げておりますことの結果として三メートル以下ということでございますが、基本的に、連絡を受けて以降、近畿財務局、大阪航空局の職員が実際に現地に足を運んで工事関係者から直接ヒアリングを行って、くいあるいは掘削工事の過程において廃材等が発見されたという報告を受け、廃材等が多量に含む土が広範なエリアに積み上がっているということを確認をさせていただき、それを踏まえてこういう判断をさせていただいたということでございます。(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。
○政府参考人(太田充君) 先ほど来お答えしていますように、この音声データの時期は三月下旬から四月頃ということだと思っております。
 いずれにせよ、その見付かってから以降、この事項以降も含めて様々なお願いをし、それによって現地の確認等もさせていただいてということでございますので、トータルとして見ると必要なものはある意味でいただいているということでございます。
○辰巳孝太郎君 答弁の繰り返しなんですけれども、まさにその資料がなかった、証拠が不十分だということで会計検査院が断罪をしたんですよ。
 くい打ちの過程でという話がありました。会計検査院に聞きますが、このくい打ちの工法からして、地表に出てきたというごみは一体どの層から出てきたごみだと推認されるんですか。
○会計検査院長(河戸光彦君) 委員お尋ねの点についてでございますが、本件くい工事の施工方法は深層混合処理工法の一種であり、掘削機の先端に付いた複数の翼状のスクリューにより地盤を攪拌して掘り進み、所定の深度において先端からセメント系固化材を注入し始めて、施工深度に達するまで地盤を攪拌して掘り進みながらスクリューで攪拌した土壌とセメント系固化材を混合し、くいを形成するものとなっております。この過程で掘削機の先端からセメント系固化材を注入することにより、施工深度の浅い部分に存在する廃棄物混合土から順に地表に押し出されるものと考えられます。
 したがいまして、このような施工方法の場合、深い部分に廃材等があれば、それがくい掘削機の先端部に絡み付き、地表に排出する可能性があることを否定できませんが、地表に押し出された廃棄物混合土は施工深度の浅い部分に存在していたものであると考えられます。
○辰巳孝太郎君 つまり、音源テープで事業者が当初出てきていないと言っているのは、専門家として当然の知見を述べたものなんですよ。深いところからごみは出てこない。これは過去の調査の資料でも明らかです。
 過去のボーリング調査の結果からどのようなことが言えますか。会計検査院。
○会計検査院長(河戸光彦君) 森友学園による小学校新築工事に係る地盤調査報告書等によれば、おおむね地下三メートル以深は沖積層等が分布しているとされていることなどから、くい工事において新たに確認されたとする廃棄物混合土は、既知の地下三メートル程度までに存在するものであることも考えられるところでございます。
 これを踏まえますと、新たに確認されたとする廃棄物混合土がどの程度の深度に埋まっていたかについては、十分な確認を行う必要があったと認められるところでございます。
○辰巳孝太郎君 今、おおむね地下三メートル以下は沖積層という話がありましたけど、沖積層って一体何なんですか。テレビ御覧の皆さんに分かるように。
○会計検査院長(河戸光彦君) 沖積層とは、約一万八千年前より後の最終氷期以降に堆積した地層を指すとされていると承知しております。
○辰巳孝太郎君 数万年の経過でできた自然の堆積層に、なぜビニール片やマヨネーズの蓋が出てくるんですか。そんなものが発見されたら、それこそ歴史的発見じゃないですか。
 この政府が認めた音源テープが取られた場所には、財務局の職員だけではなくて航空局の職員も同席をしておりました。まさにこの大幅値引きの筋書を実演するプレーヤーが勢ぞろいということになりました。
 国交大臣、航空局の職員がいたということで確認します。
○国務大臣(石井啓一君) 大阪航空局の職員に確認をしたところ、平成二十八年三月下旬当時は、新たなごみへの対応をめぐり近畿財務局とともに森友学園側との様々な打合せを行っていたところでありますが、具体的にどの打合せに出席していたかについては詳細に記憶をしていないということでございました。
 ちょっと付け加えて、先ほど九・九メーターのくいのお話がありましたけれども、このくい掘削工事の工法は、プロペラの羽根のようなものが付いた掘削機を地中に貫入させることによって土をかき混ぜ軟らかくしながら、同時にセメントミルクを流し込むことで地中の土とセメントミルクを一体化させてくいを形成していく特殊な工法であります。この工法を使用した場合、掘削機先端部に絡み付いた廃材等を大量に含む土砂には地下九・九メーターの位置に存在する廃材等が含まれている可能性はあるというふうに考えてございます。
 それから、先ほど沖積層のお話がございました。沖積層ですが、自然に積み上がった地層でありますが、場所により、特に河川や池、沼の分布によってその厚さが変わるものと承知をしております。豊中市周辺で公表されている様々な公的なボーリングデータにおきましても、実際に、場所によりまして、地層の構成や厚さ、支持基盤の深さなどが大きく異なる状況が示されてございます。
 本件土地はかつて池、沼であり、水分が高く、深い層までぬかるんだ泥や細かい砂のような軟らかい地層が形成されております。また、池、沼はかつて河川と隣接して形成されており、地層が深くえぐられた結果、その底部、底は複雑な地形になっていることも想定されております。また、緩い地層の底部が乱され、深いところまでごみが混入している可能性もあると考えてございます。
○辰巳孝太郎君 国交大臣、会計検査院の報告書をあなたは重く受け止めないんですか。今言ったような沖積層、一万年、豊中全体の話を言っているんじゃないですよ、ボーリング調査したのはあの豊中の小学校のその現地でやっているんですよ。きちんと報告書を受け止めていただきたいと思います。
 ボーリング調査も出てこない、工法からも出てこない、あらゆる資料が三メートルより深くにはごみが出てきていないということを言っているんですよ。皆さんは可能性と言いますけれども、これだけ出てこないという資料がある中で、出てきたという証拠を示す責任は国交省にあるんじゃないですか。何言っているんですか。
 国交大臣、このやり取りは口裏合わせの何物でもありません。その後のごみの撤去費用の見積りのプロセスを見ても、まさにストーリーに沿って、会計検査院に根拠がないと指摘されるような八億二千万円の値引きが行われている。これ、動かし難い事実じゃないですか。国交大臣、いかがですか。
○国務大臣(石井啓一君) 先ほど理財局長の方から、先生が御紹介されたテープ、起こしたものについては、口裏合わせではなく、業者の方から、深いところに新たなごみが出てきたと、それが分かる資料を提出してほしいという打合せであったというふうに答弁したと承知をしております。
○辰巳孝太郎君 ですから、そんな資料はなく、工事事業者は、なかったと言っていたんですよ。
 大臣、これまで工事積算基準にのっとって適正に積算したと繰り返し答弁してきました。しかし、ごみがあるのかないのか、客観的な立場で調査すべき航空局の職員が口裏合わせの会合に加わっていたわけであります。
 この口裏合わせの直後に森友学園側が行ったと思われる会議のメモが報道され、そのメモを私も入手をいたしました。まさにあのテープで交わされた会話の内容を裏付ける報告がされております。ここには、航空局、財務局の彼らのストーリーとして、調査では分からなかった内容で瑕疵を見付けていくことで価値を下げていきたいとある。まさに先ほどの口裏合わせとぴったり一致をいたします。このメモでは、航空局も同意とあります。これでどうして適正な積算ができるんでしょうか。航空局も含めてあなた方がこういうストーリーを書いたんじゃないですか。いかがですか。
○政府参考人(太田充君) 今委員が御提示をされておられますその資料は、森友学園側の、先方側の方々だけで作られて、それで記述をされているものでございますので、それについて、そこにそう書いてあるからということは私どもとしてはあずかり知らないところでございます。
○辰巳孝太郎君 そんなこと分かっているんですよ。
 ところが、あなた方のテープで言っていたようなことが完全にここで裏付けをされているということじゃないですか。ここにある、調査では分からなかった内容で瑕疵を見付けていく、見付けていく、まさに大幅値引きを実現するために、見付かってもいない、存在してもいないごみをでっち上げようじゃないかということがここに書かれているんじゃないですか。いかがですか。
○政府参考人(太田充君) その資料は、先ほども申し上げましたように、先方の方々が自分たちの認識として、財務局あるいは航空局がこう考えているんであろうという認識として作られているものでございますので、それをもって財務局なりあるいは航空局がそういう認識であるということを裏付けていることにはならないものだと、そういうふうに思っております。
○辰巳孝太郎君 総理、総理、このような口裏合わせが行われていたということです。これ、会計検査院の報告書、調査だけではなくて、これ、総理自身が先頭に立って、このようなことがなぜ行われたのか、これ調査すべきじゃないですか。(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) 御静粛に。
○政府参考人(太田充君) 会計検査院の検査の結果も受け、また国会での御議論も踏まえて、このところ私どもとして事実関係で確認できるだけのことは確認をして御報告をさせていただいております。
 その上で、基本的に、様々な状況の下、それはいろんな意味で損害賠償請求を受けるリスクがあると、そういう切迫した状況の下で、将来にわたっての国の負担、損害負担を一切免除できるという、瑕疵担保を免除するという特約を付けることも含めてぎりぎりの判断をして行ったということが今回の事案でございます。(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。
 所管大臣の財務大臣より答弁をさせます。
○国務大臣(麻生太郎君) 先ほどからの御質問ですけれども、森友学園の国有地の売却に関しましては、これは御存じのように、参議院の要請に基づいて、独立した行政機関である会計検査院によっていわゆる第三者的な立場から検査が行われてきたということであります。したがいまして、検査報告では国有地の管理、処分の手続について様々な指摘がなされておるということでして、財務省としては重くそれを受け止めなければならぬと考えております、そう申し上げ続けております。
 その上で、指摘された事項については、その内容をしっかりと検証をさせていただいて、今後、国有財産の管理、処分の手続等につきましては必要であれば見直しを行っていくということに尽きると、私どもはそう考えております。(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) 辰巳孝太郎君、ちょっと再質問してください、質問してください。
○辰巳孝太郎君 いいですか、会計検査院は手続について不適切だと、これは結論付けたわけですよ。ところが、このような口裏合わせ、これは会計検査院は調べません。しかし、ごみがないと言っているにもかかわらず、そういうストーリーを書いて口裏合わせをしたと。これ、テープもあるんですから、これ、総理、調査すべきじゃないですか。
○国務大臣(麻生太郎君) その点に対するお答えは、先ほど太田理財局長の方から申し上げたとおりなのであって、それ以上のものでもそれ以下のものでもないと存じます。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま所管の財務大臣が答弁させていただいたとおりであります。
○辰巳孝太郎君 全く丁寧に説明する気がないということがはっきりしたと思います。これだけの恣意的な試算で国有地をただ同然で売却した政府の責任は重大だと言わなければなりません。
 この当委員会でも、佐川前理財局長が九・九メートルのごみを確認したと何度も言ってまいりました。私は、当委員会に佐川前理財局長を参考人として呼ぶ要求しましたけれども、これは与党の反対でできませんでした。
○委員長(金子原二郎君) 時間が来ておりますので。
○辰巳孝太郎君 なぜこのような売却が行われたのか。その背景には、名誉校長たる安倍昭恵氏の証人喚問、これしっかり本人から聞かなければなりません。
 引き続きこの問題追及していく決意を述べて、私の質問を終わります。
○委員長(金子原二郎君) 以上で辰巳孝太郎君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(金子原二郎君) 次に、小池晃君の質疑を行います。小池晃君。
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 加計学園の問題について聞きます。
 総理は、当委員会の閉会中審査で私の質問に対して、加計学園に獣医学部新設を認めたことについて、一点の曇りもない、特区諮問会議、そして専門家の入ったワーキンググループでしっかりと議論がなされている、議事録は全て公開されていると答弁されました。しかし、その後、二〇一五年六月五日のワーキンググループには加計学園の関係者三名が参加し、発言していたことが明らかになっています。しかし、その事実も発言内容も議事録には記載されていません。
 総理の、総理の答弁ですよ、総理。議事録は全て公開されているという答弁は事実に反していたわけですから、撤回すべきじゃないですか。
○国務大臣(梶山弘志君) お答えいたします。
 獣医学部の新設については、諮問会議、区域会議、今治市分科会、ワーキンググループにおいて、民間有識者の主導の下、計二十回以上に上るオープンな議論を積み重ねており、ルールにのっとって資料も詳細な議事要旨も全て公開をしているところであります。
 このうち、ワーキンググループの提案ヒアリングについては、提案者から責任ある説明を求める場でありまして、提案者以外の者は正式な出席者とはなっておりません。このため、加計学園関係者は、提案者である今治市の独自の判断で同席をさせた説明補助者にすぎず、会議の一般則に従い、正式な出席者とは扱っておりません。したがって、加計学園関係者の発言が、そもそも正式な出席者や公式な発言を記録する議事録、議事要旨の掲載対象とならないのは当然のことであります。
○小池晃君 ルールに基づいてやったと言うんですが、運営要領の第四条にはどう書かれていますか。(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) 御静粛に。
○国務大臣(梶山弘志君) 国家戦略特区ワーキンググループの運営要領ということでございますね。審議の内容等の公表、第四条、「座長は、ワーキンググループの内容等を適当と認める方法により、公表する。」。
 以上です。
○小池晃君 座長の判断で幾らでも非公表にできるというルールなんですよ。どこがこれがオープンなのか。
 私ね、八田座長にもそのこと聞こうと思ったんですが、今日おいでにならない。何で国会で堂々と説明しないんだろうかと。
 出席した加計学園の関係者は誰ですか。
○国務大臣(梶山弘志君) ヒアリングに同席した加計学園関係者三名の氏名については、提案者の確認も取れておらず、お答えを控えさせていただきたいと思います。
○小池晃君 どこがオープンなんですか。報道されているのに公表できない。
 それから、提案者しか公表しないというふうにおっしゃったけど、そんなルールないんですよ。二〇一四年に宅地建物取引のIT化が提案されたワーキンググループでは提案者以外の出席も公開されている。何で加計学園だけこうやって隠すのかと。
 議事録には、議事録にはね、加計学園関係者の出席の事実も発言内容も記載されていませんが、当日の速記録はあるでしょう。それはどうですか。
○国務大臣(梶山弘志君) 速記業者が納入した文字データは当事者に発言内容の確認すらしていない議事要旨を作成するための素材でして、作業用データにすぎません。
 その役割は、議事要旨、議事録の作成が終わった段階で終了しており、加えて、各発言者の確認すら行っていない文字データが本来の議事の内容であるとの誤認、誤解を避けるためにも議事要旨が完成した段階で削除することが適当であると考えております。
○小池晃君 森友でも加計でも、都合の悪いことは全部破棄するのかということになりますよ、これ。だって、加計学園の……(発言する者あり)総理ね、しゃべるんだったら答弁席で、出てきてしゃべってくださいよ。
 加計学園の関係者が出てきて何を言ったのかというのは決定的に重要な情報じゃないですか。それを残していないんですか。
○国務大臣(梶山弘志君) 繰り返しになりますけれども、速記業者が納入した文字データは当事者の発言内容の確認すらしていない議事要旨を作成するための素材でありまして、作業データにすぎないということであります。
 そして、その役割は議事要旨、議事録の作成が終わった段階で終了しており、加えて、各発言者の確認すら行っていない文字データが本来の議事内容になるとの誤認、誤解を避けるためにも議事要旨が完成した段階で削除することとしておりまして、そして、先ほど申しましたように、正式な会議のメンバーではない説明補助者はこの記録の対象には当たらないということであります。
○小池晃君 正式な提案者じゃないと言うけど、今治市が大学つくるんじゃないんですよ。加計学園がつくるんですよ。最大の当事者の発言は加計学園の関係者の発言なんですよ。
 それを、じゃ、捨てましたというのであれば、職員は、だってメモぐらい取っているでしょう。それ、出してください。
○国務大臣(梶山弘志君) 当事者は今治と、今治市と愛媛県でありまして、事業者というのは法律の定めの中で後に選ばれることになっております。
○小池晃君 後に選ばれる事業者が、じゃ、何で出てくるんですか。
○国務大臣(梶山弘志君) 多くの参考人の意見として聞いた上でこの提案がされていると思っております。その今治市が、今治市、愛媛県が参考とした提案、説明補助者であると考えております。
○小池晃君 おかしいんですよ。公募したのは今年の一月なんですよ。その一年半前に加計学園呼んでいたわけですよ。だから加計ありきと言っていたわけですよ。ところが、ないと。全部そこで何言ったかも明らかにしないと。こういうやり方があるのかということです。
 何で、じゃ、後で公募して事業者決まったんでしょう。何でこの一年半前のワーキンググループに加計学園は出ていたんですか。
○国務大臣(梶山弘志君) これはあくまでも提案者である今治市の独自の判断で同席をさせた説明補助者にすぎません。ですから、当時、説明補助者としての扱い、会議のメンバー外の扱いでありました。
○小池晃君 だったら、何で加計学園の関係者が出ていたことを今まで隠していたんですか。だって、国会の会期中は一切そのことを明らかにしなかったわけでしょう。何で隠すのかということなんですよ。
 結局、京都産業大学のヒアリングには京都府だけじゃなくて京都産業大学も出ているわけです。当然ですよね、だって、大学つくる設置者なんだから、提案者なんだから。ところが、この加計学園の場合だけは、なぜか加計のカの字も出さずに一年半、あくまで今治市の提案だということでやってきて、実際に出ているのにそれを隠してきた、今まで。何で徹頭徹尾加計隠しなのかというふうに国民が疑問に思うのは当然じゃないですか。担当大臣、どうですか。
○国務大臣(梶山弘志君) まず、今、京都は京産大と京都が提案者ということ、共同の提案者ということであります。
 このワーキンググループにおいては、会議の一般則に従い、提案者が独自の判断で同席させた説明補助者については参加者と扱っておりません。公式な発言を認めておりませんので、したがって、説明補助者の出席、発言については議事録及び議事要旨に掲載しないことを原則としております。
○小池晃君 京都産業大学が提案者だったと、それは当然なんですよ、やっぱりね。だって、大学つくるのは大学なんだから。今治市が公立大学つくるわけじゃないんだから。だから、今治市とともに加計学園がこう加わってくるのは当然じゃないですか。それを何で隠すのかと言っているわけです。やっぱり総理の腹心の友だからというふうに言われても仕方がないじゃないですか、この経過を見ればね。何でここまで徹頭徹尾加計隠しで来たのか。
 今年の一月十日に加計学園は最後の最後に公募で登場して、一月十二日の僅か四十分余りの今治市分科会で国家戦略特区の要件を満たすと認定されて、一月二十日の国家戦略特区会議で事業者として認定され、このとき初めて総理はそのことを知ったというふうに答弁したわけですね。
 総理ね、世論調査で七割の国民がこのことについて納得できないと言っていますよ。当然じゃないですか、総理。総理、答えてください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど梶山大臣から答弁をさせていただいたように、特区のワーキンググループは、原則は公開との方針に基づいて、そしてこれはこの案件に限りません、ほかの案件も全てそうなっております。八田座長を始め民間有識者の皆さんが決めたルールに基づき運営されているものと承知をしております。
 そして、先ほど小池委員の方から、なぜこの加計学園は補助であり京産大はそれはそのままで補助者ではないのかというのは、もうこれは先ほど大臣が答弁したとおり、提案者に入っている、京産大はですね。加計学園の場合はこれは提案者に入っていないわけでありますから……(発言する者あり)提案者に入っていない。提案側が、これはまさに、これは今治市が提案をしたわけでありまして、当然これはルールに基づいてやるわけでありますから、当然ルールに基づいてこれ運営をされているものと承知をしておりまして、こうした運営どおりにのっとって全てがオープンにされているものと承知をしております。
○小池晃君 やっぱりどう考えたっておかしいわけですよ、これね。加計だということが最初からあったわけでしょう。加計ありきだったわけでしょう。ところが、最初の会議からずうっと加計ということは隠し続けて、最後の最後になってそれを出してくるというやり方は、やっぱりどう考えたってこれは疑念が湧く。
 ワーキンググループで、総理、加計学園がどういう説明をしたのかというのは、これは国家戦略特区に認定した鍵を握る情報なんですよ。明らかにしようとしないけれども、総理の責任でこれ明らかにすべきじゃないですか。何を一体このワーキンググループで加計学園が主張したのか、明らかにすべきですよ、総理。総理、答えてください。総理。
○国務大臣(梶山弘志君) あくまでも非公式な、非公式なやり取りはそもそも記録対象ではないために、記録はありません。したがって、仮に提案者側が議事要旨への掲載を希望をしたとしても、新たに議事要旨に掲載することはできません。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 再々大臣の方から御説明をさせていただいておりますが、ワーキンググループでは、会議の一般則に従い、提案者が独自の判断で同席させた説明補助者について参加者と扱っておらず、公式な発言を認めていないと、こういうルールでやっておりまして、これは全ての対象についてこのルールでやっているということであります。
 そして、繰り返しになりますが、もしかしたら御存じなかったのかもしれませんが、京産大はこれは説明補助者ではなくて提案者でありましたから、扱いが違うのは当然のことであります。
○小池晃君 そのことを前提で私、質問していますからね。何で京産大は堂々と提案者として出てくるのに加計学園は出てこないんですかということについて、私、これ説明になっていないと思いますよ。で、資料も捨ててしまったと、速記録も捨ててしまったというのであれば、これは関係者に出てきてもらって国会で明らかにするほかないですよ。
 これ、六月のワーキンググループ直前の四月には今治市の職員が官邸に行っていると。これもいまだに誰に会ったのかも明らかになっていないわけですしね。記録がないというのであれば、これは国会で明らかにするしかない。
 委員長、加計孝太郎理事長の証人喚問、それから首相官邸で今治市関係者と面会した柳瀬唯夫経済産業審議官の証人喚問を求めます。
○委員長(金子原二郎君) 後刻理事会で協議いたします。
○小池晃君 証人喚問については、聞くと、国会が決めることとかしか総理はおっしゃらないわけですが、私、これ、そういう一般論の話じゃないと思うんですよ。
 何でこうなっているか。政府が資料を捨てた、政府が情報を明らかにしない、政府がこういう真相解明の邪魔をしているわけですから、私は、政府が、総理が責任を持って、しかも加計孝太郎さんは腹心の友なんだから、腹心の友なんだから、だったらば、きちっと証人喚問に応じるように働きかけるべきじゃないですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 本当に再三答弁をさせていただいておりますように、まさにこれは、ワーキンググループでは会議の一般則に従って、提案者が独自の判断で同席をさせた説明補助者については参加者と扱っておらず、公式な発言を認めていないわけであります。
 つまり、これ、提案者でいないにもかかわらず、提案者でいないにもかかわらず、これは正式な出席者と認める方がこれルールに反するわけでありますから、ルールに従ってやっていくべきなんだろうと、こう思っておりますし、そして、委員会の運営については委員会がお決めになることであります。
○小池晃君 もう私が言ったことに全く答えない、こういう態度では国民のやっぱり疑問は絶対解消されないと思います。森友問題も加計問題も幕引きは絶対許されないということを申し上げます。
 安倍政権の下で暮らしのこと、まず雇用の問題ですが、労働契約法の改定によって、来年四月から、期間の定めのある労働者が同じ会社で通算五年以上働いた場合に、本人が希望すれば期間の定めのない無期雇用に転換できる五年ルール、今パネルで示しておりますが、できました。(資料提示)
 しかし、財界の要望で抜け道もつくられていて、五年間の途中で雇用の空白期間が六か月以上あると、一番下の絵ですけれども、それまでの期間がリセットされてしまう。自動車メーカー各社は、労働契約法の改正後に、有期雇用の労働者に、それまで一か月としてきた空白期間を、いわゆるクーリング期間を六か月に変更して無期雇用に転換させない脱法行為をやっています。
 トヨタの労働者に話聞きました。Aさんは期間雇用労働者でしたが、昨年二月に二年十一か月の更新上限を迎える直前の一月下旬に呼ばれて、これまで一か月だったクーリング期間を六か月にしてほしいと言われたと。この方は一年契約一回、二年十一か月の契約を三回やって、都合十年以上、期間、有期雇用で働いていました。これまで一か月のクーリング期間は寮に住み続けられたんですが、六か月になったので荷物まとめて寮を出てくれとも言われたと。何で六か月ですかと聞いたらば、法律が変わったからだと言われた。クーリング一か月のままだったら、この人は無期雇用になれるんですよ。
 大臣、こういうやり方で労働者を非正規のまま使い続けるのは法の趣旨に反しませんか。
○国務大臣(加藤勝信君) ちょっと今の個々のケースについては、必ずしも具体を承知しておりませんから、お答えは差し控えさせていただきたいと思います。
 まずは、今委員御指摘のように、労働契約上クーリング期間が設けられた趣旨は、もしこうした期間が設けられなければ、例えば有期労働契約を締結し三年間働いた労働者が一定期間を経過した後に再度同じ企業で働こうとした場合に企業側が雇うことをちゅうちょするおそれがあるのではないか、あるいは通算された契約期間の記録等を永久に保存しなければならないという実務上の問題があると、そうしたことを生じることを防ぐためにあったと、こういうふうに認識をしておりまして、制度はそうした趣旨でつくられたわけであります。
 実際の運用のお話、今あったわけであります。当然、労働者保護を使命とする厚生労働省において、無期転換ルールの適用をむしろ意図的に避ける目的を持って雇い止めを行うことは望ましくない。例えば、クーリング期間を設定した上で、更にその先まで雇いますよと、例えばそういう予約というんでしょうか、そういうことをしたような場合にはこれは望ましくないんではないかというふうに私どもは認識をしております。
 いずれにしても、無期転換ルールへの対応が円滑に行われるよう引き続き周知啓発に努め、また、そうした事案を把握した場合には都道府県労働局においてしっかりと必要な啓発の指導を行っていきたいと、こう思っております。
○小池晃君 企業は意図してこれをやっているんですから、周知啓発で解決しないんです、これは。
 法改定当時に野党だった自民党から国会でこんな指摘がありました。無期転換の五年前に雇い止めされるんじゃないか、クーリング期間を半年間と定めてありますから、半年間雇い止めということが起こってくるのではないか、これに対して何らかの歯止めを掛けられるよう手当てをしなきゃならぬと思う、働く人たちにとって大変不安な材料だ、後に厚労大臣になる田村憲久議員の主張である。自民党はこういう懸念を表明しながら歯止めを検討しなかったんだから、これ大問題ですよね。
 総理、期間雇用の従業員、労働者って千五百万人いるわけです。厚労省によれば、そのうち三割が五年以上同一企業で働いている。四百万人以上がこのルールがきちんと適用されれば無期転換できる可能性があるわけですよ。しかし、今この瞬間も大量の雇い止めが起ころうとしているわけですね。総理、このままこれ、手をこまねいていていいんでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず、無期転換ルールを避ける目的で雇い止めをすることは、法の趣旨に照らして望ましいものではないということを申し上げておきたいと思います。先ほど加藤厚労大臣から答弁したように、無期転換ルールの適用のため、企業への周知や啓発等にしっかりと取り組んでいきます。
 そして、御指摘の企業における事例については、現在厚生労働大臣において実態を調査中であり、調査結果を踏まえて必要な対応を取っていく考えであります。
○小池晃君 望ましいものじゃないじゃなくて、大問題でしょう、これは。
 私は、これは明らかに法の抜け穴があるわけですよ。それを企業は利用しているわけですよ。トヨタを始めとするような名立たる大企業がこんなことをやったらば、ほかの企業も右へ倣えとなりませんか。これ、絵に描いた餅になってしまいますよ、せっかく作ったこのルールが。絶対許しちゃいけない。望ましいものではないというんじゃなくて、これ絶対許さないという、そういう立場で臨むべきじゃないですか。
 総理、東京大学は、法改正後、五千人の非常勤職員のクーリング期間を六か月にしたんですけど、それは脱法だという組合の主張を認めて撤回したんですね。
 法律にこういう明らかな抜け穴があるんですから、これは政治の責任で、国会の責任で、法改正、政府の責任でやるべきじゃないですか。働き方改革だというふうに言うのであれば、こういう今のまさに起こっているこういう事態に政府が責任を持って対応するべきではありませんか。
○国務大臣(加藤勝信君) 先ほど申し上げました、このクーリング期間が労働契約上設けられた趣旨があるわけでありまして、その趣旨にのっとって今の法律が作られてきていると。
 したがって、その趣旨にのっとった運用がなされていない、先ほど申し上げたように、クーリング期間を設けてその先まで予約というか、約束をするような、そういったものはしっかりと啓発指導していかなければならないというふうに思います。
 ただ、いずれにしても、委員御承知のように、この無期転換ルールを作ったときに法律の中で見直し規定があるわけでありますので、その施行後八年以降、施行後八年ですから平成三十三年になりますけれども、以降の見直し規定が設けられておりますから、当然その規定にのっとって、施行状況を勘案しつつ、私どもとして働く方の雇用の安定と、そういった面も含めて対応していきたいと、こう考えております。
○小池晃君 今まさに起こっているんだからね。八年だとあと三年も先だと。そんなのでいいんですか、総理。これやっぱり直ちに法改正の決断すべきじゃないですか、総理。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この法改正についての考え方は今厚労大臣から答弁をさせていただいたとおりでありますが、委員は今もう直ちにそれに取りかかるべきだという御主張でございますが、本格的な無期転換の申込みが行われるのは平成三十年でありますが、三十年四月でありますが、この三十年四月以降の状況を全く勘案せずに法改正の検討に入ることは適切ではないと考えておりますが、この施行後八年以降の見直し規定が設けられておりまして、この規定にのっとって施行状況を勘案をして働く方の雇用の安定に向けて対応していきたいと、こう思っております。
 雇用の安定に向けてしっかりと対応していくというのは、これは大体、小池委員とも同じではないかと、こう思っておりますが、まず、先ほど申し上げましたように、本格的な申込みが行われた後の状況をまずしっかりと見ていきたいと、こう考えているところでございます。
○小池晃君 だって、もう実際起こっているわけだから、雇い止めがね。じゃ、来年すぐに、年度明けすぐにやるべきじゃないですか、どうですか。
○国務大臣(加藤勝信君) 今総理からお話がありましたように、実際の無期転換ルール、先ほど委員示されたあれですよね、要するに、五年たった次の期間の契約のときに申し込むということですから、具体的に出てくるのは三十年四月以降ということでありますから、それ以降の状況もしっかりと把握をした上で、この見直しに当たって、そうした今のおっしゃる、今の状況も含めてでありましょうけれども、それからその後の状況も含めて検討を行っていきたいと、こう思います。
○小池晃君 今起こっているんだからね。働き方改革って言うんだったら、今すぐそういったことをやるべきだということですよ。
 過労死の拡大につながる残業代ゼロ法案、あるいは裁量労働制の拡大、さらに月八十時間から百時間という残業を合法化するような働かせ方大改悪はこれ撤回、断念すべきだということを申し上げます。
 そもそもトヨタ自動車は、これ史上最高の利益を上げて十八兆円もの内部留保を積み上げています。希望する人を期間のない雇用にする体力は十分にあるはずだと。
 大企業全体では内部留保を構成する利益剰余金はどのくらい伸びていますか、財務大臣。二〇一二年度から一六年度にかけてどれだけ増えたか、従業員一人当たりにするとどれだけか、お答えください。
○国務大臣(麻生太郎君) これは法人企業統計の年次別調査結果ですけれども、金融業、保険業を含むいわゆる資本金十億円以上の大企業における利益剰余金は、二〇一二でしたっけ、御希望は、二〇一二年ね、二〇一二年から一六年の間では百七十七兆七千億から二百四十五兆三千億円となっており、差引きは六十七・五かな、に増えてきているということです。従業員一人当たりの利益剰余金では、二〇一二年で二千百十万円、二〇一六年で二千九百十万円ですから、八百万円の増加になっておるという数字が挙がっております。
○小池晃君 四年で八百万円増えているわけです、一年で二百万円ですね。このごく一部でも回せば大幅賃上げができるわけですよ。しかし、それが回っていない。
 この四年間、大企業の利益はどうなっているか、どのように分配されているか、上場企業トップ百社を我々分析してみました。有価証券報告書などを計算した結果ですが、四年間で法人税は全体としては四兆円減税なんですが、その半分の二兆円、これはトップ百社占めております。減税が加わって当期純利益は十一・一兆円増加しています。しかし、従業員給与は三千億円、三%程度にすぎません。残りの半分は内部留保です。半分近くは配当金や自社株消却で株主に還元されています。
 総理は、四年前の当委員会での私の質問に対して、法人税の減税が全部内部留保に行ったんでは我々も意味がないと考えておりますというふうに答弁されたんですが、実際にはそうなっているんではないか、特に大企業では。
 総理は、この間の法人税減税が賃上げに結び付かなかったことを認めますか。
○国務大臣(麻生太郎君) これは度々あなたの御質問以外の方にお答えしておりますので、これをいかにもその数字とまた別のことを言うと話が込み入りますので、前、おまえ言うたやないかと言われても迷惑しますので、あらかじめお断りしておきます。
 その上で、これまでも我々は法人税を下げて税金が、実入りが減る、収入が減るということをやって、企業の方はその分、直接、利益が増えることになるんですが、増えた利益のほとんどがというと、ほとんどというと恐縮ですけれども、約百兆円、この四年間でいきますと約百一兆円ぐらいが内部留保。そのうち、企業の中で設備投資が約八兆、そして企業の中で個人のベースアップ等々で約四兆から五兆ぐらいのところだと思いますので、これは基本的には賃上げとか、まあ賃上げじゃなくてもいいですよ、賞与でも何でも、そういった形でのものに配当をすべきだということをずっと、いろんな企業で、総理からも申し上げておりますし我々も申し上げ続けてきておりますので、今おっしゃっておられる数字はこの内部留保に偏り過ぎているのではないかということで、我々としては、今後いろんな形で、金融等の場面におきましてもこれは同じように、保険でも同じようなことが起きていますので、そういったところを含めまして、私どもとしては、いわゆる何というの、何かスチュワードシップ・コード等々いろいろ使わせてもらって、こういうような形についてしかるべき方向性を示していかにゃならぬかなと思っております。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 安倍内閣においては、所得拡大促進税制の創設や累次の拡充を始めとして成長志向の法人税改革に取り組んできたところでありますが、こうした政策を進めてきた結果、今世紀最高水準の賃上げが四年連続で続いてきたのは事実でありまして、経済の好循環が確実に生まれているのも事実であろうと、こう思っております。
 そして、それと同時に、二〇二〇年を大きな目標にしまして、生産性革命の実現に向けて企業による人材や設備への力強い投資を促すためこれまでにない大胆な政策を、これまでにない大胆な政策を進めていく考えでありまして、また、賃上げや設備投資に積極的な企業には、国際競争において十分に戦える環境を整備していきます。特に、革新的な技術やビジネスに果敢に挑戦する企業には、世界で打ち勝つことができる環境を思い切って提供していきます。
 他方で、企業収益が過去最高となる中で、賃上げや投資に消極的な企業にはコーポレートガバナンス改革や様々な政策ツールを活用して果断な経営判断を促していきたいと、こう思っておりまして、税制についても大胆かつめり張りの付いた対策を検討していきたいと、こう思っています。
○小池晃君 あれこれ言うけど、法人税の減税が賃上げに結び付いてないということは否定できないと思うんですよ。これ明らかですよね。
 内部留保を賃上げに回す、正社員の雇用を増やす、下請中小企業にきちんと代金を払う、そして法人税の減税やめて能力に応じた負担を求める、そのことによって社会保障の財源をつくり、財政再建の道も開くと。これこそ経済の好循環、こういう道を進むべきなんですよ。
 社会保障の問題ですが、この社会保障の問題でいうと、安倍政権はこの何か社会保障費、過大であるかのように言うけれども、この間の特徴として、対GDP比で日本の社会支出、これ決して高くないし、元々高くなかったものが安倍政権になってから下がってきているという実態があるわけですね。
 GDPに占める社会保障支出、社会支出の割合、三年連続で減っていますが、厚生労働大臣、これは近年になかった事態だということを認めますか。
○国務大臣(加藤勝信君) 近年ってどの幅かによるんですけれども、たしか低下していた。それから、若干ちょっと、私どもは社会保障給付費でやっていますので若干違うかもしれませんが、たしか一九八〇年代後半にこうした状況があったと、それ以降では今回の三か年がGDP比では下がっております。
 ただ、社会保障給付費自体は伸びているわけでありまして、その伸びを超えてGDPが増えている、結果としてそうなっているのは委員御承知のとおりであります。
○小池晃君 アベノミクスの果実というのは結局回っていないということなんですよ、これはね。
 こんなことは自然増削減繰り返してきた小泉政権でも起こらなかった。第二次安倍政権、五年間の自然増抑制は一兆四千六百億、それに対して小泉政権は同じ五年間で一兆一千八百億ですよ。これは小泉政権以上の社会保障の削減を今やられていると。いかに異常なことをやってきたのかが、この今のグラフにはっきり私、出ていると思うんです。
 具体的に言いますが、政府は選挙が終わるや否や医療、介護、福祉など社会保障の全分野の国民負担増と給付削減提案して、昨日財政審が建議を出しましたね。
 これは、パネルは財務省の提案です。財政審に提案し、建議に盛り込まれた主なものであります。本当に社会保障の全分野にわたるもの。それから、日本経団連、同じように社会保障費削減を政府に迫っておりまして、財政審の会長でもある日本経団連の榊原会長は総選挙翌日の記者会見で、国民の痛みを伴う改革にも勇気を持って取り組んでもらいたいと。財務省案というのは、これは日本経団連案とほぼ引き写したような中身になっている。財務省案では、現在一割負担の七十五歳以上の窓口負担を二割に引き上げると言いますが、これ実行されたらば二倍になるわけですから、例えば大腸ポリープの内視鏡手術で二日間入院した場合は、今一万四千三百十円の負担が二万八千六百二十円になります。
 ちなみに、二〇〇八年に後期高齢者医療制度を導入したときの首相は麻生財務大臣です。当時の麻生首相は、二〇〇八年十月の参議院本会議で我が党の市田忠義議員の質問に対して、長寿医療制度において、医療費の自己負担を現役世代より低い一割負担とし、保険料の軽減も行うなど、高齢者が心配なく医療を受けられる仕組みとなっております、こうした良い点は是非維持してまいりたいと。
 当時のあなたの答弁と今やろうとしていること、全く違うじゃないですか。
○国務大臣(麻生太郎君) 今の話は財政制度審議会の提出資料の話なのかなと思って聞いていましたは聞いていましたけどね。財務省のって、これ財政制度審議会から出ている話ですからね、一緒にせんでくださいよ、そこのところは。よくそういう一緒にされるけど、そこはよく、別にしてもらわぬと審議会の意味がありませんからね、これ財政制度審議会の話ですから。
 急速な高齢化がなっているのは御存じのとおりなので、これは持続可能な社会保障制度をやっていかにゃ意味がありませんので、財政の健全化と両立していかにゃいかぬということなんだと思いますので、医療制度の改革において改革工程表というのを作らせていただいているのは御存じのとおりなので、しっかり歳出改革というのを進めていかなきゃならぬのは当然なんだと思っています。
 御指摘の今ありました自己負担の割合、後期高齢者の自己負担の割合の話ですけれども、昨日取りまとめられた財政制度審議会の建議において、現在、七十歳から七十四歳までの方について平成三十年までの間に段階的に二割負担に引き上げているところでありますけれども、これに引き続いて、平成三十一年度から七十五歳以上の方についても同様に二割負担の引上げを行っていくことなどが提言されておりますのは御存じのとおりです。
 後期高齢者負担の自己負担の在り方については、引き続きこれは厚生労働省の審議会でも議論が進められるものだと承知をしております。したがいまして、財務省としても、こうした考え方を踏まえて、厚生労働省とよく相談をして決めていかねばならぬところだと思っています。
○小池晃君 麻生大臣が総理だったときに、一割負担は良い制度だと、維持したいと言ったこととの整合性はどうなっているんですかと言っているんです。
○国務大臣(麻生太郎君) 一割負担にしたいという希望があるのは確かですし、我々としても、財政を預かる立場としては、当然のこととして財政制度というものときちんと両方両立していかなきゃ意味がありませんので、今のような状況によって二割負担に上げねばならぬという状況になりつつあるという状況を考えねばならぬという立場にはあるということだと思います。
○小池晃君 維持したいと言っていたのに、これ豹変じゃないですか。
 厚労省、後期高齢者医療制度の加入者の平均所得と、所得なしとされる人の割合を。
○国務大臣(加藤勝信君) 所得ということでよろしいですか。最新のデータである平成二十七年の所得の状況、したがって、給与でいえば給与所得控除等を引いた後の金額ということになりますけれども、それについては、後期高齢者一人当たりの所得額は八十二万八千円であります。それから、それ以外に言えば公的年金等控除もありますが、それらを引いた後の所得がない人の割合は五三・二%と、こういうふうになっております。
○小池晃君 七十五歳以上の収入は年金だけという方が圧倒的で、低所得者の比率が高いことは間違いないわけです。
 では、七十五歳以上の人が病気になって医療機関にかかる割合である受診率、これは七十四歳以下の何倍ですか、外来、入院それぞれ。
○国務大臣(加藤勝信君) 受診率をするときに、例えば月に一回行った人、月に十回行った人もレセプトだと一件になるので、レセプト一件ということで集めた数字ではございますけれども、この一定期間内に医療機関にかかった人の割合を示す、今申し上げたような指標による、これを受診率というふうに申し上げれば、七十四歳以下と比較すると、後期高齢者は、入院のケースで六・三倍、外来で二・四倍と、こうなっております。
○小池晃君 七十五歳以上の人が受診する頻度は外来で二・四倍、入院で六倍以上と。これは一人の人の医療費が高いわけじゃないんですよ。やっぱり病気が多いから、これは受診回数が増える、あるいは受診する医療機関が増える、これは当然のことなんですね。
 所得が少なく病気にかかりやすい、この年齢層の医療費負担を二倍に引き上げれば、総理、暮らしへは大打撃になりますし、私は受診抑制による健康破壊を引き起こす、そういう危険が大いにあると思いますよ。総理、どうですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この窓口負担においては、最初に小池委員が指摘をされたように、後期高齢者の方の窓口負担は、現役並みの所得の方は三割負担で、その他の所得区分の方は一割負担というふうに現在はされているわけでありますが、この窓口負担の在り方については、経済・財政再生計画改革工程表において、七十歳から七十四歳の方の窓口負担の段階的な引上げの実施状況等も踏まえつつ、関係審議会等において検討し、平成三十年度末までに結論を得るということとされております。
 この検討に際しては、保険制度の持続可能性といった観点に加えて、例えば、厚労大臣から答弁をさせていただきましたが、後期高齢者の所得や受診率の状況も踏まえつつ、きめ細かな検討を行う必要があると考えています。政府としては、今後、改革工程表に沿って、専門家などで構成される厚生労働省の審議会等において関係者の御意見をお聞きしながら検討を行っていきたいと考えております。
○小池晃君 私は、この問題、よく世代間の公平というようなことも言われるわけですが、病気になりやすい高齢者の窓口負担を引き上げれば、負担はこれ現役世代を上回るわけですよ、明らかに。現役世代よりも負担率を低くしなければ逆に不公平になると思うんですよ。このやっぱり七十五歳以上の二割負担というのは、私は絶対やるべきではないということを申し上げたい。
 それから、財務省は、さらに介護保険の改革案として、要介護一、二の生活援助、その他の在宅サービスを地域支援事業に置き換えるということを提案しています。安倍政権は、既に要支援一、二のホームヘルプサービス、デイサービスは、これは地域支援事業に移行させました。また、要介護一、二は原則として特養ホームに入れません。この上、要介護一、二の在宅サービスまで保険給付から外したらば、これ今お示ししているように、要支援一、二と要介護一、二を合わせると認定者全体の六五%ですからね。保険料を納めて、そして認定されても六五%が保険を受けられない。これでは介護保険制度に対する信頼、根本から崩れると私は思いますよ。
 総理、これ、いかがですか。こんなことやっていいんですか。
○国務大臣(加藤勝信君) 今、平成二十六年度の介護保険法改正で、要支援の方を引き続き介護保険の地域支援事業の対象として市町村が必要なサービスを地域の実情に応じて効果的かつ効率的に提供できるような仕組みに見直したというのはそのとおりであります。ただ、そのサービスの提供に要する費用は、これまでの介護保険給付と同じ財源において賄われているものでありますから、介護保険の財源構成からその部分が抜け出しているわけでは全くないということであります。
 それから、先行きの話については、これも改革工程表の中でしっかりと議論をしていくということになるわけであります。
○小池晃君 いろいろ言うけど、地域支援事業への移行は、サービス提供は進んでいない状況にあると財政審の建議でも言っていますよ。これが実態なんですよ。
 総理に、じゃ今度は総理に答えてほしいけれども、要介護一、二の在宅サービスが制限されたら、結局家族が介護するしかないわけじゃないですか。私は、こんなことをやったらば、総理が言っている介護離職ゼロ、できるわけないと思いますよ。こういう給付削減の連続で、どうして介護離職ゼロが実現できるのか。私は、こんなことをやったらば、要介護一、二まで在宅サービスを制限するようなことをしたらば介護離職を増やすだけだと思いますが、総理はいかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 軽度の要介護者に対する生活援助サービス等については、介護保険のサービスを取り上げるということではこれはないわけでありまして、そういうことでは一切ないわけでありまして、高齢者の自立支援や、より効果的かつ効率的なサービス提供の確保の観点から引き続き検討を行っていきます。
 介護離職ゼロに向けて、二〇二〇年代初頭までに五十万人分の介護の受皿を整備します。また、その大きな目標に向かって介護人材確保への取組を強化しますし、またさらに、他の産業との賃金格差をなくしていくため、介護人材の更なる処遇改善を進めていく考えであります。より効果的かつ効率的なサービス提供確保、介護の受皿整備、介護人材確保などを総合的に進めて介護離職ゼロを目指していきたいと考えております。
 最初にちょっと小池委員が御紹介された小泉政権との比較でありますが、小泉政権においては、毎年二千二百億円という、このカットする、伸びをカットする目標を掲げていたわけでありますが、我々はそういうアプローチをしていないわけでありまして、しっかりと社会保障の質はちゃんと確保しながら、社会保障の質は確保しながら効率的に、効率的、効果的にしていくという観点から様々な改革を行った結果、結果として小泉政権よりも多くの伸びを抑制できたという大変いい結果が出ているのではないかと、こう思っているところでございます。
○小池晃君 小泉政権よりひどいことをやっているんですよ。だって、小泉政権のときは二千二百億でしたよ。安倍政権になってからは、二千八百億、四千億、四千七百億、千七百億、千四百億ですよ。小泉政権の削減よりも大幅な削減をあなたたちやっているわけですよ。だから、社会保障給付費が対GDP比で下がっていくという異常事態が起こっているんですよ。みんなが悲鳴を上げているんですよ。そういう反省が今のあなたの答弁には全くないじゃないですか。
 地域支援事業に移行する、その問題をさっき言ったでしょう。財政審の建議ですら、当初想定した多様な主体によるサービス提供は進んでいないと言っているわけですから、こういったことを見れば、要支援一、二でうまくいっていないと財政審だって認めているんだから。その上で、要介護一、要介護二まで介護保険の本体の給付から外したらば、介護離職がどんどん増えて大変なことになりますと言っているんじゃないですか。やっぱり真摯に現実に向き合っていただきたいというふうに申し上げたいと思います。介護給付を制限したら、とても介護離職ゼロなどは実現できないということを申し上げます。
 その上で、昨日、財政審は診療報酬と介護報酬のマイナス改定を打ち出しました。医師の過労死、過労自死が相次ぐ中で、医師の働き方改革が大きな課題となっています。看護師などの医療職も、長時間過密労働の是正は待ったなしであります。
 二十四日の中医協では、日本医師会や日本病院会などが連名で、診療側全委員が連名で意見書を出した。医療施設の経営悪化は安倍政権による社会保障費抑制が原因だと指摘をしています。総理、そんなときに診療報酬を引き下げるというのは全く矛盾しているんじゃないですか。
 それから、先ほど総理は介護労働者の処遇改善とおっしゃった。処遇改善するときに何で介護報酬を下げるんですか。全国老人保健施設協会、全国老人クラブ連合会、日本看護協会、日本介護福祉士会、認知症の人と家族の会など十二団体が、これは介護報酬プラス改定を求める署名を提出しました。介護を提供する側と受ける側がこれだけ一堂に会して、僅か一か月で百八十万筆の署名を集めるというのは、これはかつてないことですよ。介護報酬のマイナス改定は、先ほどこの場所でつい数十秒前に総理が言われた介護労働者の処遇改善とも矛盾するんじゃないですか。診療報酬も介護報酬も、全く総理が言っていることと違うじゃないですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほども申し上げましたように、安倍政権においては、言わばカットする額を決めるというアプローチは取っていないわけでありまして、我々は、あくまでもしっかりと社会保障のサービスの質を落とさないということを原則に、その中で、かつ効率化を図ってきた結果、結果としてこの伸びが抑制されているということではないかと、こう思っておるところでございます。
 そこでですね、そこで、この介護報酬、そして診療報酬でございますが、いわゆる団塊の世代が七十五歳以上になる二〇二五年に向けて、質が高く効率的な医療、介護の提供体制を構築していく必要があると考えています。
 そのため、平成三十年度の診療報酬、介護報酬の同時改定については、国民一人一人が状態に応じた適切な医療や介護を受けられるよう、適正化、効率化すべきことは実施しつつ、しっかりと取り組んでまいりたいと思います。
 なお、診療報酬、介護報酬の改定率については、医療費等の動向、そして保険料などの国民負担、これ当然、医療も介護もそれぞれ保険によって、国費も入っておりますが、保険によって成り立っているわけでありますから、言わば上げていけばこれは保険料に跳ね返っていくということになりますが、保険料などの国民負担について、そしてまた物価、賃金の動向、医療機関の経営状況及び財政に係る状況等を踏まえながら、予算編成過程において検討し、そして適切に判断していきたいと考えております。
○小池晃君 国民の負担増やすことはさんざん言うくせに、こういうときだけ国民の負担は増えますなんて、御都合主義的なことをやらないでくださいよ。
 医療・福祉従事者が日本の従業者全体に占める割合は一一・九%。昨日のこの委員会では、地方においては一五%を超えているところもあるという答弁があったわけですね。総理は企業には賃上げ求めるわけでしょう、企業には。企業には賃上げ求めながら、一方で日本の労働者の一二%の賃下げにつながるような介護報酬と診療報酬の削減提案するのは、支離滅裂な政策じゃないですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) そもそもまだ診療報酬、介護報酬については、どうするかということは決めておりませんから……(発言する者あり)いや、まだ決めておりませんので、厚労大臣にも、また財務大臣にもそれぞれ意見があるところでしょうし、医療経済実態調査等もこれ踏まえながら検討していきたいと、こう考えているところでございます。
○小池晃君 いや、何か下げるか下げないか分からないみたいに言ったけど、じゃ、下げないんですか。下げないんだったらいいけど、下げたら、じゃ、こうなりますよね、賃下げになりますよね。それはいいんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今の段階ではですね、今の段階で決まっていないわけでありますから、私も断定的にお答えするわけにはいかないわけで……(発言する者あり)今、小池委員から総理でしょうという御指摘がございましたが、これは総理大臣がそれはもう独断でこれ決定できるわけではないわけでありまして、まずはしっかりと、先ほど申し上げましたように、医療経済実態調査をしつつ、また、物価の動向もありますし、様々な要素、先ほど提示をさせていただいた様々な要素も十分に勘案しながら決定していきたい。もちろん、その際、医療現場あるいは介護の現場等についても十分に勘案しながら判断をしていきたいと、このように思っております。
○小池晃君 財政審の建議は、診療報酬二%台半ば以上のマイナス改定と本体マイナス。言語道断でしょう。財源だというのであれば、私は高過ぎる薬価をもっと引き下げるべきだと思いますよ。
 財務省は、新薬創出等加算の廃止を提言しています。この制度にどこにどういう問題があるというふうに財務省は考えているのか、詳しく説明してください。
○国務大臣(麻生太郎君) 御指摘の、今、新薬創出等々の加算制度につきましては、昨日取りまとめられました財政制度審議会の建議において、新薬というものの対象を幅広く適用されておりますので、イノベーションの適正な評価という観点からもこれは問題が大きいと。また、財政への影響も単純計算で医療費だけで二千五百億円以上ありますので、医薬品の使用量の拡大による影響等も生じていることといった点が指摘されておりますのはもう御存じのとおりです。
 その中で、改革の方向性として、現行制度について廃止するか、また、仮に何らかの形で存続する場合には、最初に薬価を算定する際に画期的なところとか有用性が高いとかいう評価がされた医薬品というものを対象に絞り込んでくださいということを提言をいただいたところであります。
 また、新薬創出等の加算も含めまして、薬価制度の抜本改革の具体的な内容については、いわゆる厚生労働省の審議会において具体的な内容は検討されていくんだと思っておりますけれども、財務省としてはこうした提言というものを踏まえにゃいかぬところですので、革新的な新薬の創出というものはこれ是非促進してもらわにゃいけません。しかし、国民負担の軽減につながる改革となるように、是非厚生労働省ともよく相談をしていかねばいかぬところだと思っております。
○小池晃君 厚労省に聞きますが、昨日、中医協の薬価専門部会でこの問題議論されて廃止に反対の意見が続出したと聞いていますが、どういう団体が反対意見を述べましたか。
○国務大臣(加藤勝信君) これは新薬創出等加算という制度の見直しについてでありますけれども、その十一月二十九日の前の十一月二十二日の中医協において見直しの案を提示をいたしました。対象品目については、医薬品そのものの革新性、有用性に着目して判断する仕組みとするとともに、企業が更なる革新的新薬開発に取り組むインセンティブとするため、新薬開発等に係る実績、取組に応じて加算額を段階的に設定する、その見直し案をベースに御議論いただいたのが今御指摘があった十一月二十九日でございます。
 これについては、日本製薬団体連合会、PhRMA、これは米国研究製薬工業協会、EFPIA、欧州製薬団体連合会、日本医薬品卸売業連合会から今回は意見聴取を行いました。
 その中で幾つか申し上げれば、日本製薬団体連合会からは、今回の見直し案では対象が随分狭くなってしまう、範囲を拡大すべきではないか。あるいはPhRMAとかEFPIAからは、こうした形なものが進められると研究開発インセンティブに重大な影響が及ぶんではないか、こういった意見が示されたところであります。
○小池晃君 産業政策ならともかく、何で日本の公的保険を議論する場に、中医協に外国の団体呼んで意見聞かなきゃいけないのか。私、これ大変疑問に思うし、そもそもこの制度は年次改革要望書などでアメリカ政府から求められて、二〇一〇年に試しに始めますといったことがいまだに続いているわけですよ。もはや私、役目は終わったと思いますよ。
 二千五百億、先ほど麻生大臣が言ったけど、財政影響あるわけでしょう。ただでさえ日本の新薬価格は高いと言われているのに、更に高止まりをさせるような、そんな制度はもうやめるべきじゃないですか。これ、財政審の中で私、唯一賛成できるのは、これを廃止するということですよ。
 そもそも新薬創出加算を受けている製薬企業上位十社、名前言ってください。
○国務大臣(加藤勝信君) 現在、新薬創出等加算を受けている企業のうち金額ベースで加算を多く受けている上位十社、全部十社名前言ってよろしいですか。中外製薬、アステラス製薬、ヤンセンファーマ、日本イーライリリー、武田製薬工業、グラクソ・スミスクライン、ファイザー、ブリストル・マイヤーズスクイブ、ノバルティスファーマ、アストラゼネカの十社であります。
○小池晃君 アステラスと武田以外、外資ですよね、基本は。ほとんど外資なんですよ。アメリカなどの製薬企業のやっぱり圧力に屈することなく、高過ぎる薬価の引下げをやるべきじゃないですか。そして、その薬価引下げ分を診療報酬本体に回して、技術料などの形で人件費をしっかり充てていく、支えていく、私はこれがやるべきことだと思いますよ。総理、どうですか。そういう道、進むべきじゃないですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 我々が米国の製薬メーカーの圧力に屈するということは、これは絶対ありません。まさにこれは国の主権として言わば薬価等を決めていくわけであります。しかし、参考意見としてはお伺いすることはあると、こういうことでございます。
 そこで、薬価制度の抜本改革については、この国民皆保険の持続性、イノベーションの推進を両立をし、国民が恩恵を受ける国民負担の軽減と医療の質の向上を実現する観点から実施していく必要があると、こう考えております。
 先ほど既に麻生大臣、また厚労大臣からもこの答弁をさせていただいたわけでございますが、言わば画期的な新薬については、この画期的新薬については、まさに国民の健康を維持をする、疾病に対してしっかりと効果があるものを慫慂していくということにおいては、やはり一定の的確な評価もしていかなければならないと、こう考えているわけでありまして、その中で我々、適切に検討していきたいと、薬価については適切に検討していきたいと、このように思う次第でございます。
○小池晃君 本当に画期的な新薬を支援するという仕組みになっていないわけですよ。
 これ、この新薬創出等加算が適用されているのが、薬剤費でいうと二九%の薬剤費に加算が適用されているということも言われているわけですよね。三割近いものが画期的な新薬ですか。これは私はどう考えたって納得できないですよ。だから、見直すべきだというふうに言う声が上がるのは当然じゃないですか。アメリカの要求には屈しないというふうにおっしゃったけれども、いつも何か屈しているように思うので。
 この問題は、じゃ、必ずこれは廃止、ゼロベースでの根本的な見直し、これやられるんですね、この新薬創出加算の見直しは。
○国務大臣(加藤勝信君) 今御指摘の点は、去年の十二月に薬価制度の抜本改革に向けた基本方針というのを出させていただいて、理念としては、先ほどお話がありました、国民皆保険の持続性とイノベーションの推進を両立し、国民が恩恵を受ける国民の負担軽減と医療の質の向上を実現する、そういう中で、この新薬創出加算については、革新的新薬創出を促進するため、この制度をゼロベースで抜本的に見直すこととし、ということでありまして、今そうした方向にのっとって議論をさせていただいているというところであります。
 それから、済みません、先ほど会社の名前のときに、武田薬品工業を製薬工業と申し上げたので、訂正させていただきます。
○小池晃君 この薬価を引き下げる、これ、やるべきなんです。その部分を、やはり、先ほど総理から答弁なかったけれども、それをやっぱり診療報酬本体に充てるべきじゃないですか。それをやることによって、今の医療現場の長時間過密労働、あるいは医師の働き方改革をめぐる危機的な状況を打開するという政治の責任を果たすべきではないかということについて、先ほど答弁がなかった。
 薬価引き下げて、その分を診療報酬本体に充てるというのは、総理、かつて国会で言われているわけです。薬価差の一兆円がそのままお医者様の懐に入っているのではなくて、その根底には、現在の診療報酬が果たして適正なものであるかどうかということにもなってくる、薬価差の一部は、例えば病院の修理の方にも回っている、薬価差を適正にすると同時に、診療報酬における技術料を適正に評価するべきだという声も強くあるというふうに言っている。
 今、報道の中では、薬価は下げるけれども診療報酬でそれをカバーすることはしないというような、いわゆるネットマイナスみたいなことを言われているけれども、やっぱり私は薬価の下げた分は全部きちんと本体に充てて、やっぱり今の更に医療を充実させるということに充てるべきだと思う。総理がかつて言っていたことは、まさにそういうことじゃないですか。そういう方向でこの診療報酬の改定について総理のイニシアチブを発揮するべきじゃないですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) もちろん、この薬価については、これは、毎改定時にこれは下がっていくわけでございますが、次の診療報酬の改定につきましては、先ほど申し上げましたように、様々な観点からこの診療報酬の改定を行っていきたいと、こう思っているところでございます。(発言する者あり)いや、かつて言ったことは、かつて言ったことについては、私も今でもそのとおり考えているところでございます。
 ただですね、ただ、私はそう考えておりますが、しかし、それは様々な、様々な要素を検討し、最終的に判断をしていきたいと、このように考えております。そのときに考えていたことは今も変わりはないわけでありますが、様々な要素をしっかりと判断していく必要があると考えております。
○小池晃君 様々なこと、ああ言いながら、これ正しいと。正しいんだったらやりましょうよ。これ、やるべきじゃないですか。やっぱり、医療の危機を打開するというのは政治の最大の課題だと私は思いますよ。
 私、診療報酬、介護報酬のマイナス改定は断じて許されないと。社会保障費の自然増の削減、こういう方針を改めて、やっぱり医療、介護、福祉、抜本拡充に道を開くと。今度の診療報酬の改定、介護報酬の改定でマイナス改定なんていうのは、今、今日、いろんなことをおっしゃったから、それは大切だということもおっしゃったから、これは注目しますので。
 もし今日の答弁と違うようなことをやったらば、これは予算委員会を緊急に開いていただいて徹底的に議論をするということを申し上げて、私の質問を終わります。
○委員長(金子原二郎君) 以上で小池晃君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(金子原二郎君) 次に、片山虎之助君の質疑を行います。片山虎之助君。
○片山虎之助君 日本維新の会の片山虎之助でございます。
 順次質問いたしますが、毎回同じことを総理始め閣僚の皆さんにお願いしておりますが、分かりやすい質問を心掛けますので、分かりやすい答弁をお願いいたしたいと思います。
 まず、大きな話から始めます。
 安倍政権は大変長くなりました。二回総理をおやりになっていますからね、一回目も含めて六年ですね、約六年。来年の自民党総裁選をクリアされれば戦後では一番長くなる。吉田茂総理が七年二か月、佐藤栄作総理が七年八か月ですから、はるかに凌駕される。
 これだけの長期政権になると、何をおやりになりたいのか。まあ、ちまたではいろんなことを言っていますわね、私を含めて。憲法改正だとか、あるいは拉致問題だとか、北方領土だとか、教育の無償化もあるんでしょう。
 総理、長期政権で何を目指されますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) さきの選挙において衆議院において再び与党三分の二の議席をいただいたわけでございますが、私の総裁の任期はあと一年弱で終わるわけでございまして、この先のことはまだ全く考えている余裕はないわけでございまして、まずは当面の課題、選挙において訴えたことでありますが、国難とも呼べる北朝鮮の脅威にしっかりとした強い外交で対応していく、国民の命を守り抜いていく。もう一点は、少子高齢化を克服していくために子供たちに思い切って投資をしていく、そして夢のある、希望のある日本をつくっていきたい。この課題にしっかりと取り組んで結果を出していきたいと、このように考えております。お約束したことを一つ一つ実行していきたいと考えております。
○片山虎之助君 総理は知事や市長とは違うんですけど、知事や市長は長いわね。もう三期、四期は普通で、五期、六期、場合によってはもうちょっともあるのかもしれませんが、今までの日本の総理は短過ぎたんだなと、こういうふうに思いますね。
 今、首脳外交が成功しているのはやっぱり長いからですよ。長いものはもつんですよ、良いものは長いんです。だから、しっかりとそういう意味では頑張っていただきたいと思います。これはまあ冒頭のあれでございます。
 それで、我が党は提案型の政党を自負しておりますので、議員立法を大変重視しているんですよ。前の国会でも、数が多けりゃいいというわけじゃないんだけど、百八本出したんです。それで、この国会は、短い国会ですけど、昨日までで三本出させていただきました。一つは商工中金・日本政策投資銀行民営化推進法案、もう一つはURの完全民営化推進法案、それからもう一つはギャンブル等依存症の対策基本法案ですか、いずれも我々は緊急の必要性があると思っておりますので、各党の理解を得て審議に入りたい。まあ悪い例が、悪い例ではありません、悪い慣例で、全党が賛成しないと審議に入れないんですよ。全党でなくてもいいじゃない、審議するのは。反対なら、もう審議した後に潰せばいいんだから。
 そういう意味で、是非ひとつよろしくお願いいたしますが、その三つの法案の中で、私は、商工中金の最近の不正、腐敗というんですかね、はちょっと目に余ると思いますね。私は、商工中金というのは昔から好きだった。どうもいろんな報道によると、もうむちゃくちゃだわね。制度融資を曲げて、それを組織ぐるみでやって隠蔽してでしょう。それが改善するのかどうか。やっぱり、こういう半官半民の政府系金融機関というものは考え直した方がいいですよ。民のやっぱり補完というか、それに徹するべきなので、自分が生き残るためにいろんなことをやっているんですよ。
 総理、一言これについて御感想を言って、後、経産大臣、お願いします。
○委員長(金子原二郎君) 世耕大臣。先に世耕大臣。
○国務大臣(世耕弘成君) 今御指摘の商工中金における危機対応業務に関する不正事案、これ、二十二万件の全件調査を金融庁や財務省と一緒にやりました。その結果、ほぼ全ての支店、百店舗あるんですが、九十七店舗において、合計四千六百九件、四百四十四名もの不正行為が特定をされました。
 この原因としては、やはり経営陣とか本店がいわゆるノルマを支店ごとに割り当てて過度なプレッシャーを掛けてきたということ。そして、この危機対応融資というのは当然金利が少し低くて済むわけですね、国の補助が入っているということで。それを他の金融機関と競争上、優位性のある武器として使って、そして収益と営業基盤の維持拡大のために利用していた。また、そういったことを防ぐ内部統制、ガバナンスが欠如をしていたことなどが挙げられると思います。
 今、片山先生御指摘のとおり、商工中金は本当に解体的出直しが必要だというふうに思っています。今、私の指示で商工中金の在り方検討会というのをつくって、かなり民間の専門家にも入っていただいて、聖域なく議論をしていただいております。そういった中で、最高度のガバナンス構築ですとか危機対応業務の見直し、そして、本当の意味での民業を補完する地域、中小企業に貢献するビジネスモデルの再構築などについて、こういった有識者の方々にしっかり御議論をいただいて、その結果を受け止めて改革をしっかりとやっていきたいというふうに思っております。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま大臣から答弁をいたしましたように、また、片山先生から御指摘があったように、民間の金融機関と同じことをやるのであれば、これは全く民間に任せればいいわけでありまして、商工中金の役割、本来の、この初心に戻って解体的な出直しを行うべくしっかりと取り組んでもらいたいと、このように思っております。
○片山虎之助君 経産大臣、天下りが多いんですよ、やっぱり、経産省だけではないけど。だから、どうしても監督や監視が緩くなるんですよ。だから、経産省だから、経産省監督下だから甘やかされているんじゃないかという意見があるんですよ。私、そんなことはないと思うので。それはもう、すぐ検討会というのはやめたらいいや。引き延ばしでしょう、ただ単に。
 本気でやりますか。もう一遍。
○国務大臣(世耕弘成君) この検討会は決して引き延ばしのつもりではなくて、かなり本気で解体的出直しへ向けてのしっかり答えを出していただきたいというふうに思っていますし、その出た答えは最大限尊重して改革をやっていきたいというふうに思っております。
○片山虎之助君 官が官なら、これは半官ですけどね、民もまたこのところ、東レの子会社でしょう、これは何かタイヤ補強材か何かの品質をごまかした。神戸製鋼でしょう、それから三菱マテリアルでしょう。その前はスバルだとか日産自動車とか、日本を代表するような製造業が何かやっているんですね、いろいろ。資格がない人が検査をしたり品質をごまかしたり虚偽のあれをしたり。これじゃ困りますわね。
 まあこれも経産大臣だね、あんたのところ集中している。
○国務大臣(世耕弘成君) 最近、製造業におけるいろんな不正事案が出ているということは本当に残念だと思います。私も、大臣になってから、あるいはなる前も、製造業の現場たくさん見に行っていますけれども、基本的に日本の製造業というのは、やはり額に汗して、改善に努力をして、いいものを作って、高品質で世界の信頼を得ているという、このところが揺らぐことはないというふうに思うんですけれども、いずれにしても、こういうデータ偽装というのが五月雨式に今出ているというのは、この日本の製造業の信頼を揺るがしかねない事態だというふうに思っています。
 しかも、最近出てきた例はちょっと公表に時間が掛かっている。理由を聞くと、どうしても最終商品を売っている顧客がいるのでその顧客との調整が必要だったとか、あるいは安全確認が要ったということがあるわけであります。まあそこは理解はできなくないんですが、少なくとも不正事案があるということを把握した時点で、やはりもうこれだけ大きな社会問題になっているんですから、早めにこういったことがありましたということは公表をして、うみをしっかり出し切ってもらうことが重要だというふうに思っています。
○片山虎之助君 まあしっかり頼みます。
 そこで、教育の無償化について申し上げますけれども、教育の無償化が政治のまないたにのって大きな議論になってきたことは、大変私、喜ばしいと思います。各党はそう異論はないんです、教育無償化には。ただ、進め方、内容というか範囲、あるいは財源、あるいはもう一つ、憲法に書き込むかどうか、これはいろんな議論がありますよね。
 我々は憲法の中に書き込んでくれということをもう二年ぐらい前から、二年半ぐらい前から主張しているわけですよね。我々が言うのは、すぐ無償化と書いてばたばたばたばた無償化をやるということではないんですよ。こんな大事業がそんな簡単に右から左にできるわけない。国民の意向を確かめながら、財源きちっと手当てをしてゆっくりやるべきなんですよ、ゆっくり。しかも、憲法に書いたら、やらなかったら違憲になるじゃないかと。いや、だから、我々の案では法律の定めるところにやると言っているんですよ。どの範囲をどういうやり方でいつまでにやるかということは法律に書けばいいんです。ただ、最終目標は私は無償化にしてもらいたい。最終目標は無償化に行く。それまではいろんなあれを組み合わせて私はやればいいと、こういうふうに思っているんですよ。だから、憲法にすぐ書き込むのは反対だという大きな党がどこかあるようですけど、事実かどうか知りませんよ、報道でしか知りませんが、私はそこも考えてもらいたい。
 やっぱり、教育の無償化を国是にする、不退転の目標にする、みんなで知恵を出し合ってそれに協力していく、その前に片付ける問題はきちっと片付けていく、こういう無償化であるべきだと思うんですが、総理、いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 日本維新の会が憲法改正について具体的な、今おっしゃったこの教育の無償化も含めて具体的な案を示し、各論に踏み込んで真摯に議論されていることに対しまして、まずもって敬意を表したいと思います。
 憲法改正の内容については、これはもう片山先生御承知のように、今私は内閣総理大臣として答弁をしておりまして、例えば自民党が検討している改正案や、今後国会の憲法審査会において議論されるであろう御党の改憲案についてこの場でお答えすることは差し控えさせていただきたいと、このように思うわけでございますが、その上で申し上げますと、私は、子供、若者こそが我が国の未来であり、世代を超えた貧困の連鎖を断ち切り、家庭の経済事情にかかわらず、子供たちが夢に向かって頑張ることができる日本をつくっていく、政権などのいかんにかかわらず、それが保障される国でありたいと考えております。
 いずれにせよ、今後、各党各会派がそれぞれの意見を持ち寄り、国会の憲法審査会においてこの高等教育の無償化、教育の無償化等につきましても議論が深まっていくことを期待したいと、このように考えております。
○片山虎之助君 特に教育では高等教育ですよ、大学。大学はもう全入ですよね。大体、大学を選ばなきゃみんな入れる。大学で本当に勉強しているかどうか、まあじくじたるものが私個人を顧みてもありますけれどもね。やっぱり大学の再編、質の向上、統廃合というのは私は要るんじゃないかと思いますよ。それから、あるいはできれば地方移転ですね。それから、学生の質の向上、一定以上の学力はしっかり持つ。そういうことと組み合わせてやらなければ、私は、国民的に理解を、何で無償化するんだということになる、理解を得られないと、こう思います。
 文科大臣、手を挙げかけたから、どうぞ。
○国務大臣(林芳正君) 御指名ありがとうございます。
 まさに先生おっしゃるように、この教育の負担軽減を公金で、税金でやっていくということになりますと、まさにおっしゃったように、大学に行かない選択をされる方も税金を払っていらっしゃるということもあるわけでございますので、しっかりと大学の質の改革、また統廃合を含めたこの改革というのはしっかりと取り組んでまいらなければいけないと、こういうふうに思っております。
○片山虎之助君 そこで、我が党はバウチャー制度というんですか、仕組みの導入が得意なんですよ。大学も、受験生というのか、父兄の方が選んだらいい、大学を。そうしたら、大学、淘汰される可能性がありますよね。
 バウチャー制度について、文科大臣、どう思われますか。それから、給付型奨学金は外国でもやって、いいですけれども、これはどういう進行状況ですか。
○国務大臣(林芳正君) バウチャーについては、かねがね片山先生がおっしゃっておられたことは承知をしております。どういう形でやるのかと、いろんな検討課題はあると思いますが、今我々、今おっしゃっていただいた給付型の奨学金ということを今年創設をいたしまして、これを財源を確保しながら広げていこうということでやっておるところでございまして、どういう要件にするのか、質をどういうふうにやっていくのかということは細かい検討が必要だと思いますが、拡大をしていくという方向で検討しているところでございます。
○片山虎之助君 教育の無償化というのは大事業なんですけど、私は、今の責任分担で、例えば幼児教育、義務教育は市町村の責任にする、高等学校は都道府県ですよね、高等教育というか大学以上は国、それ責任を持たせてその中でやらせたらいいと思うんですよ。現に大阪では成功しているんですよ、高校以下の、まあ無償化の程度によりますけれども。
 そういうことを、国の方針は示すんですけど責任はそこが持つと、そういうやり方をやって、きっちりとした、あとは財源をどう見るか、どういう形で見るかですね、補助金の形で見るのか、地財措置で見るのかね。そういう地方に責任を持たせるというやり方が正しいような気がするんですけど、総理、どうですか。
○国務大臣(林芳正君) 設置者が区々に異なっておるわけでございますので、例えば国立大学の場合は地方にあっても国立大学でございまして、国が設置者でございますから地方の負担というのは余り出てこないんではないかと思いますが、一方で、地方が設置をされておられるというところについてはいろいろ先生がおっしゃるような検討をしなければならないと思っております。
○片山虎之助君 設置者の違いを乗り越えないと、そのぐらいは。もうそれは、役所は必ずそう言うんですよ。だからそこを工夫してくださいよ。
 私は、同じことで、認可保育所、今の待機児童問題というのは、これが何で国政の大問題で予算委員会の主要テーマになるのかよく分からない。今、待機児童が、八割の市町村は何の関係もないんですよ。関係があるのは、東京の区部だとか大都市圏だとか地方中核都市ですよ。しかも、子供は減っているんだから、これは止めてもらわないけませんけれども、これはまた変わってくるんですよ。
 それは何でかというと、認可権というんじゃなくて、国が基準を決めて、ハード、施設の基準を決めて、人の配置の基準を決めて、保育士の割合を決めて、措置費を出すからなんです、運営費を。だから、これを全部やめちゃったらいい、お金だけ見たらいい。
 それから、国の基準は参酌基準にして、よるべき基準だけれども守らなくても罰を与えない、地方に責任を持たせたら、私、まあ一遍とは言いません、待機児童問題はかなり解決すると思いますよ。今の仕組みだと、国、国と言っていればいいんですよ、地方もその方が楽だから。だから、保育園落ちた、国が死ねになるんですよ。国は死ぬ必要ありませんよ。死ぬのは、それは責任を持っておる市町村かもしれない。
 だから、そういう制度にするというのが地方自治なんですよ。憲法に書けば地方自治になるんじゃありませんよ。そういう意識を持つ、そういう仕組みをつくる、みんなが協力するというのが地方自治なので。国の責任にして、何かあったら、これは国が決めましたから国の責任です、国がお金やるという、こんな地方自治は根付きません。
 だから、私はそういうことをこの教育の無償化の中からやっていったらいいと思うんです。保育所は市町村の責任にすると、国は情報提供して参酌基準は示すと、チェックもすると、あとはお金を見ると、ちゃんと。お金も、国以上のことをやるなら地方に持たせたらいい。現に東京はそうでしょう。特別の、認可じゃない認証保育所というのをつくっている。それから、今、新しい型の保育所がどんどん生まれているんですよ。そういうものをみんな認めたらいい、市町村の責任で。
 総理と、加藤大臣は後でお願いします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは基本的には、片山委員が御指摘をされたように、保育所の基準については、国として必要な保育の質を確保するため、最低限遵守すべき基準を設けつつ、地域の実情を踏まえた柔軟な取扱いにも努めてまいりたいと、こう思っておりますが、国として例えば三十二万人分の保育の受皿をつくるということは、これは三十二万人分の国として負担する予算を確保するということでありまして、基本的には市町村がこれはしっかりとつくっていただかなければいけないわけでございまして、相当これは市町村の差がございまして、大変待機児童が多いところ、例えば東京都では世田谷区がございます。区以外では、大変恐縮でございますが、片山先生の御地元の岡山市がこれは非常に高いわけでございますが、それはそれぞれの事情があるんだろうと、こう思うわけでございますが、横浜市のように、非常に柔軟に対応し、この待機児童を相当数減らしたところもあるわけでございますから、そうした形で柔軟に対応しつつ、しかし最低限の基準はしっかりとこれ我々国として示していきたいと、設けていきたいと。基準を設けつつ、地域の実情を踏まえた柔軟な取扱いにも努めていきたいと、このように考えております。
○片山虎之助君 岡山市はなかったんですよ。今の市長さんが調査のやり方変えたら二番目になった。いや、だから、そういうところはちょっとあるんですよ。だから、きちっとあれしないとね。それで、待機児童をたくさん出した方が、政治的なあれがあるところはたくさん出てくるし、それもある程度私はきちんとやるべきだと思います。どうぞ、厚労大臣。
○国務大臣(加藤勝信君) 待機児童の解消に当たっては、片山委員おっしゃるように、保育の実施主体、これはまさに市区町村でありますから、市区町村において待機児童の状況、また潜在的ニーズをしっかり踏まえて受皿整備を進めていく、これが重要なことはもうもちろん間違いないところでありまして、国はそれをしっかり応援をしていく、そしてその対応に必要な予算をしっかり確保していくということが重要であり、今回、私どもも待機児童解消加速化プランに続いて子育て安心プランも策定して、国としての姿勢をお示しをさせていただいております。
 その上で、それぞれの地方公共団体がある程度弾力的に対応できるというお話、もちろん保育をする上において質の確保というのは非常に大事でありますけれども、その中でも先ほど総理がおっしゃったような形での、朝夕の時間帯の保育士の配置の要件、あるいはこれ大阪なんかで対象になっていますけど面積のこの基準の緩和、こういったこともやらさせていただいております。
 いずれにしても、必要な予算をしっかり確保して、また各自治体が、特に市区町村が待機児童の解消にしっかり取り組んでいただけるよう我々も全力で取り組みたいと思います。
○片山虎之助君 それはもう基準なんかは、加藤大臣、弾力的にやったらいいんですよ、ある程度は任せて。むしろ保育士の養成や確保だとか、そういうことをきちっとやってもらったらいいんですよ。基準なんか地方に任せたらいいんですよ。三・三平米が三・六平米、何で困りますか、二・九平米でも。やりようなんですよ。そういうことを国が表に出てやるからいかぬのですよ。厚生省のお役人がそういうことをやりたいんですよ。やっぱり主役になりたい、地方が物を決めるのは面白くない、だから駄目なんですよ。地方に決めさせないと、決める癖が付かない。
 総務大臣、どうですか。
   〔委員長退席、理事丸川珠代君着席〕
○国務大臣(野田聖子君) 通告なしの御質問なんですけれども、初代総務大臣としていろいろと御実績を積まれた中で、やはり地方がもっと伸び伸びと主体的に、特に子供のことができるようになるというのは理想だと思っております。
○片山虎之助君 そこで、二兆円の政策パッケージなんですけれども、消費税の使途変更をおやりになってそれを幼児教育に充てるというのは一つの考えですけど、それで結局、社会保障関係の借金返済を延ばすわけでしょう。それは付け替えですよ、財源の、単に。新しい財源じゃないんだから。国債の増発と同じじゃないですか。総理、違いますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今般、消費税を二%引き上げる際の言わばこの使い道について、これは今までかなりの部分が、五分の四を言わば借金の返済に充てていた。これは社会保障の安定化にもつながっていくのは事実でありますが、そこで、しかし、思い切って例えば幼児教育の無償化を進めていく上においては財源を確保していかなければいけないと。そうなりますと、かなり財源は限られてくる中においては、この消費税の使い道を変えていくと。と同時に、このマクロ政策全般を見てみましてもデフレ脱却にはまだ至っていないわけでございまして、今までも既に国債の新規発行十兆円を減らした、十兆円を減らしていったわけでございます。
 この財政再建もしっかりと進めていかなければいけませんが、言わば、ある程度しっかり国民の皆様から消費税を上げる際の納得感を得ていただく、そして経済にも余り大きな負荷を掛けないということも考えつつ、そして何といってもやはり子供たちは日本の未来でありますから思い切って投資をする、その財源として考えたわけであります。
 結果、PBの黒字化二〇二〇年という目標を達成することは大変困難にはなりますが、しかし、PB黒字化の旗を下ろすということではありません。しっかりとPBの黒字化に向けて財政健全化についてもしっかりと進めていきたいと、こう思っております。
 ですから、大体半々にして、ある党は全部これをつぎ込んだらどうかという考え方を示しているところもあるわけでありますが、半分はということであったわけでございます。
○片山虎之助君 消費税はどっちかというと所得の低い人を広く薄く集める税ですよね。その税を今度は教育無償化に充てて、教育無償化というのはどっちかというと所得の高い人の恩恵が大きいんですよね。だから、何となくそこに引っかかるものがあるんですよ。広く薄く皆さんから集めて、それをどっちかというと所得の高い方のあれに充てると。
 だから、私は、この教育無償化の財源は、我々が主張しているように、議員や公務員の身を切る改革や徹底行革から出すべきじゃないかと思うんです。東日本大震災のときに二年間ですけど一割カットしましたが、あれ三千億だったかな、地方まで入れると九千億近いんですけれども、そういうことをやるとか。あとは、何度も同じことを言っているんですけど、国家公務員は全部で六十万おるんですけど、自衛隊やその他を除くと三十万ですよ。国の地方出先機関に二十二、三万人おるんですよ。私らの計算ではそのうちの六万人はカットできるんです。
 ということは、こういうIT時代に地方出先機関要りませんよ。一日、日帰り圏ですから、日本中。だから、もう仕事は、地方にやれるやつは都道府県に任せて国の地方出先機関なくして、できないものは中央省庁でやればいいんですよ。中央省庁は忙しいんですよ。しかし、地方出先機関は私の感じでは忙しくない。議会はありませんし、メディアのチェックもないし、楽でいいんですよ。これは長い間の惰性で残っていて、むしろ中央省庁が吸い上げているんですよ、定員や車やその他を。実態をよく調べてくださいよ。
 そういうものを私らの計算では六万人はこれは削減できると。そういうのを充てれば、国民も、行革努力で身を切る努力をやって教育無償化の財源を出してくれたということになるんです。だから、所得制限を付けなくても一律でナショナルミニマムでいいということになるんです。総理、どうお考えですか。
○国務大臣(茂木敏充君) 今回の人づくり革命含めた政策パッケージ、全体では二兆円規模を考えておりますが、これだけ大きな財源ですから、しっかりした安定財源、そのためにその大宗を消費税の引上げ時の使途の見直しと。総理の答弁のとおりでありますが。
 三歳から五歳児については全ての子供たちの幼稚園、保育園無償にいたしますが、確かにその所得が高い人との関係考えたりいろんな形で、ゼロ―二歳につきましては、低所得家庭、低所得の子供たちに限って無償化をする。また、高等教育につきましても、どんなに貧しい家庭に育っても意欲さえあれば進学できるように後押しをしたいということで、ここにつきましても低所得の家庭に限った形での無償化を進めたい。もちろん、こういった低所得に準ずる家庭に対する支援の在り方、こういったものを考えていきたいと思っております。
 財源は申し上げたような形で確保させていただきますが、片山先生おっしゃるように、歳入歳出両面にわたります様々な改革、同時に進めていく必要があると、こんなふうに考えております。
○片山虎之助君 茂木大臣が立ったから言うんですけど、教育のこの無償化でマクロ経済的にはどういう効果がありますか。いかがですか。あなたは担当でしょう、それの。
○国務大臣(茂木敏充君) 今、日本経済、潜在成長率を高めると同時にいかに消費を活性していくかと、これが大変重要な問題でありまして、年齢階級別の平均消費性向を見てみますと、六十歳から六十四歳が九四・一%、六十五歳以上が八二・三%に対して、三十九歳以下、まさに子育ての世代になりますと、これが六五・三%という感じで、形でありまして、本来なら様々な消費のニーズ、これが高齢世帯よりもあるはずなんですけれど、この二十代、三十代の消費性向が低いという形でありまして、しかも、この三十年ずっと見まして、こういった子育て世代の消費性向は落ちてきていると。
 これは日本の消費を活性化する意味でも極めて大きな問題だと思っておりまして、今回我々が進めようとしておりますこの無償化等の政策、こういった子育て世代の負担、この不安を解消することによって消費の活性化、こういったものにつなげていきたいと思っております。
○片山虎之助君 しかし一方、それで財政再建が遅れるとかプライマリーバランスが赤字が増えるとか、黒字化というのはどうなんだと、二〇二〇年、こういう議論がありますわね。それはどういうお答えになるの。
○国務大臣(茂木敏充君) 我々としては、先ほど総理の答弁の方にありましたように、消費税、二〇一九年十月の引上げ時の使途の変更をいたしますが、バランスよく、こういった子育ても含めた社会保障の充実と社会保障の安定化、財政の健全化に充てていきたいと、こんなふうに思っておりまして、使途の見直しを行いますので、プライマリーバランスの黒字化の達成時期に影響は出るわけでありまして、二〇二〇年度のプライマリーバランスの黒字化、困難になったのは事実であります。
 ただ、経済再生なくして財政健全化なし、この方針の下でプライマリーバランスの黒字化を目指す、この目標自体についてはこれからもしっかり堅持をしてまいります。
 そして、この達成時期についてでありますが、これまで経済・財政一体改革の取組を経済財政諮問会議において十分精査をした上で、来年の六月の骨太方針におきまして、黒字化の達成時期、そしてその裏付けとなる具体的な計画、改めてお示しをしたいと思っております。
○片山虎之助君 それはやっぱりプライマリーバランスの赤字化の数字のあれが、まあ、いいかげんと言ったら悪いですけど、元々が黒字化になるようになっていないんですよ。だから、どんどんどんどん延ばしていけばいいということなんでしょうけれども、いろんな考え方があるから。
 しかし、そこはしっかりやらないと、国際公約でしょう、そういう意味では。それで、財政再建の旗を下ろさないんでしょう、どういう旗か知りませんけど。大分ちぎれていますよ。いかがですか。
○国務大臣(麻生太郎君) これはもう宮澤内閣時代ぐらいからずっと、当時はPBなんて言ったってポケットベルと間違えられるような時代でしたけれども、基礎的財政収支というのが正確な日本語だと思いますが、この基礎的財政収支の目標というのは常にずっと先送りになって今年まで来ていますので、それでもこの内閣、第二次安倍内閣になりましてから、あれ、マイナス六・五%ぐらいあったものを一応半分にしますということを申し上げて、その目的は、きちっとマイナス三%は達成させていただいておりますので、残り三%というのを二〇二〇年までということにしておりましたけれども、消費税等々のこの話で少しずれ込むということになっているのはもう事実だと思いますが。
 ただ、幸いにして法人税等々の税収の伸びも少し伸びてきておりますので、その意味では、私どもとしては大幅に繰り延べるというような話にはならないようにきちんとしないと、先ほど言われましたように国際公約でもありますし、また国債の価格とか金利とかいろんなものに影響が出ますので、きちんとそこのところは達成をするという目的は、旗はきちんと立て続けさせていかなければならぬところだと思っております。
○片山虎之助君 税制についても質問させていただこうと思ったんだが、もう時間なくなりまして、次のバッターがおりますのでやめますけれども。
   〔理事丸川珠代君退席、委員長着席〕
 私は、森友問題にも質問させていただこうかと思ったんです。会計検査院に検査は参議院の総意なんですよ。私は、国会でやるのはいいですよ、少しぐらいは、やらなきゃいけません。しかし、幾らやっても限度があるんですよ、限界が。国会がやるべきことじゃないんです、そんなに。だから、それは会計検査院みたいに、餅は餅屋でちゃんとやってもらうと、検察庁で法律問題はちゃんとやってもらうと、そういうことが全会一致で恐らく決まった基にあるんですよ。
 だから、この会計検査院の報告は大変私は重いと思っているんです。その出来のいい悪いは議論がありますよ。ありますけれども、私は、会計検査院としてはそれだけよくやったと思う。
 今回の一連の問題は異例ずくめなんですよ。記録がないのが異例でしょう。佐川さんは局長のときには会計検査に堪えるぐらいの書類はあると言っているんですよ。それがないじゃないですか。いろんなことが異例ですよ、分割あり、借地契約あり、価格の公表ありね。大蔵省じゃないわ、財務省は異例をしない役所なんですよ、取り柄は。そつがない役所なんですよ。それがそつだらけ、異例だらけでしょう。それは、そこのところをみんな国民は知りたいんですよ。
 是非、検査報告は正式に出たんですから、きちっとした私は説明責任を果たしてもらえたらいいと思う。国会で部分的な説明責任はやっていますけれどもね。それは是非必要だし、もう異例がないような仕組みにしてくださいよ。異例ができないような仕組みにする。それは是非あると思いますよ。
 それからあと、責任問題がどうなるのか。法律上の責任は恐らく検察庁の結果を待たないかぬのでしょうが、行政上の責任、それをどうするのかということを私、是非あれしてもらいたいと思う。
 それから、あとの原状回復した、籠池さんが返したわけですから、更地にして原状回復。造るのに十何億掛かっているんですよ。更地にするの九億幾ら掛かるというんですよ。そんな無駄なことをやるのかどうかですよ。しかし、法律上は買戻し特約で更地ですよね。法律上はそうですよ。しかし、国民がそういうのを許すでしょうかね。
 もう時間がありませんからまとめた質問で、どなたが適当か分かりませんが、財務大臣、代表でひとつ。
○国務大臣(麻生太郎君) 今御指摘になりましたのが基本なんだとは思いますけれども、あの国有地の売却に関していわゆる要請がありましたので、参議院の方から要請がありましたので、私どもとしては、会計検査院という第三者的な立場で検査が行われたと、これもう極めて重要なことだと思っておりますので、私どもとしてはこれを率直に重く受け止めなければならぬと思っております。
 したがいまして、その内容につきましては、しっかりとこれを検証して、今後国有財産の管理処分手続等々に関しましては必要な見直しを行っていくとともに、同時に、文書管理というのが今度問題になっておりますので、この点につきましても、内閣府において議論されている行政文書のガイドラインの見直しというのの内容を踏まえつつ、必要なことをやっていかねばならぬと思っております。
 また、会計検査院の報告の中で改善すべき点というのが幾つか書いてありますので、そういった点に関しましては、事実関係を精査させていただきました上で、この指摘への対応などをきちんと踏まえつつ対処していかなければならぬと思っております。
 また、法令違反とあるいは不当事項として指定されている事項というのは私どもとしてはまだ伺っているところではございませんので、よろしくお願いを申し上げます。
○片山虎之助君 それでは、藤巻議員に後はお願いします。
○委員長(金子原二郎君) 関連質疑を許します。藤巻健史君。
○藤巻健史君 日本維新の会、藤巻です。よろしくお願いいたします。
 今からちょうど二十年前の一九九七年十一月というのは、三洋証券、山一証券、そして北海道拓殖銀行が潰れた大変な年だったと思うんですが、その九七年の名目GDPは幾らか、そして倒産ラッシュが終わってアベノミクスが成功されているとおっしゃる今のGDP、きっと大きく成長していると思うんですけれども、どのくらい、何倍になったのかを教えていただけますでしょうか。
○政府参考人(市川正樹君) お答え申し上げます。
 御指摘の一九九七年の名目GDPは五百三十四・一兆円となっております。これと比べて二〇一六年の名目GDPは一・〇〇五倍、〇・五%増の五百三十七・〇兆円となり、過去最高でございます。なお、直近の二〇一七年七―九月期で見ても五百四十五・八兆円と過去最高でございます。
○藤巻健史君 一・〇〇五倍ということですが、それを同じように、九七年と比べて今の名目GDP、自国通貨建てで結構なんですけれども、アメリカ、イギリス、オーストラリア、シンガポール、中国、韓国、どのくらいに、何倍になっているのかを教えていただけますでしょうか。
○政府参考人(中村昭裕君) お答えいたします。
 ただいま御質問のございました各国の二〇一六年の名目GDP、自国通貨建てでございますけれども、その金額を一九九七年と比較いたしますと、アメリカが二・二倍、イギリスが二・一倍、オーストラリアが三倍、シンガポール二・八倍、韓国が三・一倍、中国は九・三倍となってございます。
○藤巻健史君 他国はこれだけ伸びているのに日本は一・〇〇五倍ということで、経済成長に関しては世界の劣等生のようにも思えるんですけれども、だからこそ国民が豊かさを感じられないんだと思うんですけれども、総理の感想をお聞かせ願います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 我が国の名目GDPは他の先進国、新興国と比べて低い伸びにとどまっている、これは政府参考人から答弁をさせていただいたとおりであります。これは、我が国が、バブル崩壊以降の長引くデフレの中で企業が賃金を抑制し、そして消費者も将来への不安などから消費を減らさざるを得ず、その結果、需要が低迷し、デフレを加速するという悪循環から抜け出せずにいたためであります。
 この経験を踏まえて、安倍内閣では政権交代後、長引くデフレから脱却をし、日本経済を力強く成長させていくため、これまでとは次元の違う政策パッケージとして、大胆な金融政策、機動的な財政政策と民間投資を喚起する成長戦略の三本の矢に一体的に取り組んで、一体として取り組んできたところでございます。
 こうした取組によって、政権交代後、極めて短い期間でデフレではないという状況をつくり出すことができたわけでございまして、これは、我々が政権奪還前の状況というのは、もう人口が減少していくんだから成長できないという雰囲気が覆っていたのは事実でございまして、五百兆円をこれ切っていた、GDP、名目GDP五百兆円を切っていたのでございますが、しかし、我々は今申し上げた成長戦略を進めてきた結果、名目GDPで一〇・八%伸びたわけでありまして、五十三兆円増加し、過去最高になったわけでございます。そして、リーマン・ショック後、今まさにリーマン・ショック後に失われた国民総所得についても五十兆円取り戻すことができたと、こう考えております。
 今後も経済最優先で取り組み、国民生活の向上のために一層強力な経済政策を展開をしていく考えでありまして、名目GDP六百兆円の実現にも取り組んでいきたいと、このように考えているところでございます。
○藤巻健史君 二十年間の経済低迷の理由をデフレだというふうにおっしゃっていましたけれども、何かそれを聞くと、景気低迷の理由は景気低迷のせいだという回答にしか聞こえないんですが、もうこれ、ちょっと時間がないので、この以上の議論はいたしません。
 それと、かつ、アベノミクスでこの数年間良かったとしても、二十年間全く経済が低迷していたと、成長していなかったという事実自身を、どうしてかということを考えるのが政治の役目じゃないかと私は思います。
 ただ、それは横に置いておきまして、やはり同じ九七年の十一月、同じ九七年十一月ですけれども、二十八日、すなわち二十年前のおとといですけれども、財政構造改革法案という法案が橋本龍太郎内閣の下で成立したと思いますが、その第二条をちょっと読み上げていただきたいんですけれども。
○政府参考人(岡本薫明君) お答え申し上げます。
 先生が今引用されました一九九七年に成立いたしました財政構造改革法二条にこの法律の趣旨が規定されておりまして、国及び地方公共団体の財政が危機的状況にあることを踏まえ、安心で豊かな福祉社会及び健全で活力ある経済の実現などの緊要な課題に十分対応できる財政構造を実現する旨が記されているところでございます。
○藤巻健史君 この財政改革法案というのは今どうなったか教えていただけますでしょうか。
○政府参考人(岡本薫明君) お答え申し上げます。
 この財政構造改革法は、ちょうど翌年の一九九八年に当時の金融システム不安やいわゆるアジア通貨危機等がございまして日本の経済状況が著しく悪化したことから、財政構造改革を推進するという基本的な考え方は守りつつ、まずは景気回復に全力を尽くすため、翌平成十年十二月に凍結をされております。
○藤巻健史君 その第二条で財政は危機的であると、政府自身が財政は危機的であるというふうに感じた九七年、このときの借金総額は幾らか、そして、その危機的だった状況から今の借金ってどのくらい減っているのか、同じなのか、増えているのか、教えていただけますか。
○政府参考人(岡本薫明君) 債務残高についてのお尋ねでございますが、国及び地方の長期債務残高で見ますと、この一九九七年度末が四百九十二兆円でございます。今年度末がこれは一千九十三兆円となる見込みでございまして、当時から比べて約二・二倍になっているということでございます。
○藤巻健史君 名目GDPが伸びていない、すなわち、国の実力は同じでありながら借金が危機的と言われている状況から二・二倍になっている、もう危機危機的になっちゃっているわけですけれども、このようなときに総理の所信表明演説、財政健全化に確実に実現してまいります、こんなのんきなことを言っていいんでしょうか。非常に疑問に思いますけど、総理、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど、私の答弁の中において、まさにこの二十年間において、この多くの時代において言わばデフレが進んでいたということを申し上げたわけでありまして、デフレでありますから当然名目GDPは増えていかないということでありまして、だからこそデフレ脱却に取り組んだ、そしてデフレ脱却に取り組んだ結果、成果が出てきたという御説明をさせていただいたところでございます。
 我が国の政府債務残高は、高齢化の進展に伴う社会保障関係費の増加、そして景気悪化や累次の減税措置に伴う税収の落ち込みなどにより、一九九〇年以降大きく積み上がってきたものと考えています。
 安倍内閣では、経済再生なくして財政健全化なしを基本方針に、アベノミクス三本の矢の政策によって、政権交代後、極めて短期間でデフレではないという状況をつくり出すことができたわけであります。言わばデフレではないという、デフレ経済下では税収を増やしていく、財政健全化は非常に難しいわけでありますが、だからこそデフレではないという状況をつくり出した、さらには、デフレ脱却に向けて更に政策を進めていきたいと思いますが、繰り返しになりますが、だからこそ、言わばデフレではないという状況をつくり出したからこそ名目GDPは一〇・八%増え、五十三兆円増加することができたと、こう思っておりますし、我々政治にとって大切なのはやっぱり雇用でもあるわけでありまして、雇用と賃金を大きく改善させることができたと思います。
 国、地方合わせて税収は、これ財政健全化をしていくためには税収を増やしていかなければいけないわけでありますが、税収は二十二兆円増加をしました。PBについても先ほど茂木大臣から答弁がされたと思いますが、PBも半減目標を達成することもできたわけでありまして、その意味においては財政健全化は着実に進めてきたと、こう思っているところでありまして、大切なことはしっかりと経済を成長させていくことでありまして、経済を成長させていく、デフレから脱却をして経済を成長させていくことによって税収を着実に増やしていくということと同時に、もちろん歳出については無駄をしっかりと省いていくということでありまして、その中においても、先ほど共産党の小池さんからは御叱責をいただいたところでございますが、伸びていく社会保障費についても効率化を図ることによって抑制を果たしているところでございます。
○藤巻健史君 経済を拡大させていくこと、これもちろん大切ですよね。経済が拡大しないで税収が伸びるわけなくて、経済が拡大していないのに税収が伸びれば、それは経済の果実を全部国が持っていっちゃうことですから、国民怒るわけで、元々は経済を大きく拡大させなくちゃいけない、これは当然のことだと思います。
 今までやってきたこと、財政政策と金融政策を最大限発動してきたわけですね。財政政策を発動してきたからこそ世界で最悪の財政事情になっていますし、金融政策を最大限発揮してきたから世界中の中央銀行で日本銀行というのが最大のメタボになっているわけですね。もうバランスシートがほかの中央銀行の三倍ぐらいになってきている、要するにお金を、GDP比、ばらまいている、国の実力に比べてお金をばらまいている、両方とも最大限発動してきているわけです。それにして、この二十年間のGDP、経済が伸びていない、世界の劣等生であるというのはこれどういうことなのかと。
 要するに、財政政策、金融政策というのは景気対策のために必要だと、これ教科書に書いてあるんです。この国は、教科書は当てはまらないのか、それとも、若しくは大きい何か問題があるのかと、どちらだと思われますでしょうか。
○国務大臣(茂木敏充君) この二十年を振り返っていろいろ御指摘いただいておりますが、一九九七年と二〇一七年を比べると確かにそうでありますけど、その間日本経済大きく落ち込みをしたわけでありまして、我々が政権に復帰をして五年がたつところでありますが、その間に名目GDPも実際に五十兆円拡大しているわけです。そして、今、過去最高の五百四十六兆円、この記録を更新をしているところであります。
 そして、こういった大胆な金融政策や機動的な財政政策、これがなかったら、もはやデフレではない、こういう状況も我々はつくれなかったのではないかなと思っております。もちろん、これから、潜在成長率の問題ありますから、きちんとこれも上げていくような生産性革命、こういったものも進めていきたいと思っております。確かにポケットベルは今ないですよ。我々それでもPBはしっかり黒字化する、こういう目標は堅持をしていきたいと思っています。
○藤巻健史君 今、二十年前と比べてどうこうだとおっしゃっていましたけど、三十年前と比べますともっとひどいですよ。まあ、ちょっとうろ覚えでしかないですけれども、日本のGDPって一・五倍にしかなってないし、アメリカ四・一倍、イギリス四・九倍、韓国十九・八倍、中国なんか七十五倍ですからね。三十年ともう比べればもっとひどいので、日本の劣等生ぶりが分かっちゃうわけですよ。
 私の質問としては、財政金融政策にこんなに頼っていいのかということで、私が感じるのは、やはり社会が、制度がもう陳腐化している、だからこそいろいろ社会を大胆にグレートリセットしていかなくちゃいけない、改革していかなくちゃいけないかと思っているわけです。
 我が党は、二〇一七年維新八策というのを発表しているんですけど、(資料提示)維新八策というのは我々の憲法みたいなものですよ。憲法というのは、日本憲法も同じように、時代に合わせて変えるべきだ、日本憲法も変えるべきだ、だから我々の憲法も変えるべきだということで二〇一七年バージョンを出しているわけですけれども、その冒頭に、私どもの松井代表は今こそ大胆な改革が必要であると、松井代表は今こそ前例のない大改革、グレートリセットが必要であるとこの我々の憲法の最初に書いてあるわけですね。要するに、延長線上にない発想とか従来の発想を超えた大胆な発想が必要であると。要するに、財政政策、金融政策に頼らないで社会構造を大きく変えなくちゃいけないということで維新八策があるわけです。
 例えば、先ほど片山代表が申し上げました商工中金・政投銀完全民営化法案とか、それからURの完全民営法案、私どもは、官に頼っていては駄目だ、民間に頼れということで、民間を活用するべきだということでこの法案を昨日提出させていただいたわけですけれども、このような、これ一つの例なんですけど、この辺について考える、民営化についてお考えはいかがでしょうか。総理、お願いします。
○国務大臣(茂木敏充君) 御指摘いただいております維新八策につきまして、基本的な方向性、我々、共有をしていると思っております。教育の無償化であったり、さらには、働くを支援する、生涯何歳になってもどんな立場になっても活躍できる社会をつくっていきたいと。憲法の問題は憲法審査会で御議論をいただくということですけど、活発な議論が進むことを期待をしたい。
 それから、昨日も規制改革会議におきまして、電波、これにつきましても新たな参入等を促す措置というのをとってきておりまして、例えば電力システム改革、そしてまた農政改革と、これまで全く手の付かなかった改革に我々として大胆にこれまでも取り組んでまいりましたし、これからも取り組んでまいりたいと考えております。
○藤巻健史君 先ほど片山共同代表の方から統治機構改革についてちょっと質問があったかと思うんですけれども、私ども、この統治機構改革を申し上げていますけど、これも大きな社会構造、大きなグレートリセット、大胆な構造改革だと思っているわけですね。
 今までの中央集権的な統治機構では、もう日本が陳腐化しちゃって駄目になっている。だからこそ大胆な統治機構改革をしようということで、国は外交防衛そして財政に集中して、地方が教育、医療、介護それから待機児童問題を財源とそれから権限を国からもらってやる、そうすれば非常に効率的な新しい社会ができるのではないかと、こういうふうに思っているわけです。
 要は、財政金融政策等ではなくて、我々がずらっと、全部を今日は申し上げられませんけれども、構造を変えると。本当に今までの延長線じゃない、大胆な構造を変えるということによって日本を発展させていくべきではないかというふうに思っております。
 最後にそれについてのコメントをいただければと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 道州制の導入については、地方経済の活性化や行政の効率化などを目指し、国と地方の在り方を根底から見直す大きな改革であると考えています。現在、与党において道州制に関し検討がされており、政府としても連携しつつ取り組んでまいりたいと思います。
 いずれにせよ、国と地方のあるべき姿、地方分権改革については、御党の御主張なども含め、引き続き建設的な議論を進めてまいりたいと思います。
○藤巻健史君 時間が来ましたので終わります。
 ありがとうございました。
○委員長(金子原二郎君) 以上で片山虎之助君及び藤巻健史君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(金子原二郎君) 次に、福島みずほ君の質疑を行います。福島みずほ君。
○福島みずほ君 希望の会(自由・社民)の福島みずほです。
 加計学園についてお聞きをいたします。
 私は、質問主意書を四月十八日付けで提出をしております。(資料提示)安倍首相が、加計学園の加計孝太郎理事長が今治市に獣医学部をつくりたいと考えていることをいつから知っていたのか。四月二十八日の答弁書、二〇〇七年、平成十九年十一月、加計学園がその候補となる者である旨記載されているというふうになっております。
 総理、質問主意書に関する答弁書で、閣議決定しておりますから、総理はこの答弁書を了解しているということでよろしいですね。
○国務大臣(梶山弘志君) 質問主意書の内容ですので、私の方からまず説明をさせていただきます。さきの閉会中審査におきましても説明させていただきましたけれども、もう一度改めてということになります。
 今治市の獣医学部新設に係る構造改革特区の申請は、平成十九年の福田内閣のときに初めて申請が行われ、それ以来、民主党政権の頃までは加計学園の事業主体である旨の記載がありました。合計で十五回申請をしておりまして、そのうちの最初の五回が加計学園の名前が出ているということであります。
 この答弁書では、政府は継続しているものであることから、まず、こうした第二次安倍政権が発足する以前の事実関係について記載をさせていただきました。第二次安倍内閣の発足以降も、今治市から四回にわたって構造改革特区の申請が行われました。これらについては、そのいずれにおいても今治市からの提案に加計学園との記載はございません。こうした事実関係を前提に、この答弁書においては総理が知っていたとは一言も書いておりません。
 ただし、政府は継続しているものであり、一連のこうした提案を受けてその後の様々な政府決定がなされたこと、構造改革特区に係る対応方針は総理が本部長を務める構造改革特区本部で決定していることから、この答弁書は、今治市からの提案について、今治市からの提案について総理が知り得る立場にあった趣旨を答弁をしたものであります。
 しかし、さきの閉会中審査で総理が改めて整理して申し上げたとおり、今治市の提案については、数十件ある案件の一つにすぎず、結果も四回とも提案を事実上認めていないものでありまして、しかも今治市の名称だけということでありまして、実際には全く認識をしていなかったものと考えております。
 最終的に、本年一月に事業者の公募を行い、加計学園から応募がありました。その後、一月二十日の諮問会議で認定することになりますが、その際は、総理は初めて加計学園の計画について承知したところであります。
○福島みずほ君 総理は、この答弁書を閣議決定していますから、了解していたんですね。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 閣議決定していたものについては了解をしております。
○福島みずほ君 さっきの答弁、全く納得できません。
 これははっきりこう書いています。考えていることを二〇一六年十一月九日以前に安倍首相は知っていたのか、知っていたのであればいつから知っていたのか。知り得る立場なんて書いていないですよ。これ、文書で出して文書で回答です。これは、総理が了解していた、いつから知っていたのかということについて、二〇〇七年十一月、加計学園がその候補となる者である旨記載されているとなっているじゃないですか。ここで一月二十日など書いていないですよ。総理、いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま大臣から答弁したとおりでありますし、また私自身も閉会中審査で御説明をさせていただいたところでございますが、さきの閉会中審査で改めて整理して申し上げてきたとおり、今治市の提案については数十件ある提案の案件の一つにすぎないわけでありまして、結果も四度とも提案を事実上認めないものでありました。言わば、事実上これ認めていないもので、数十件あるものでありますから、それを私が一々これを、資料を読むということはないわけでありまして、実際に全く認識をしていなかったということでございます。
○福島みずほ君 質問主意書に関して、安倍首相はという主語で私は聞いています。これ、了解しているんでしょう、答弁も。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 答弁は了解しております。
○福島みずほ君 二〇〇七年ってはっきりしているじゃないですか。
 次に、この参議院予算委員会、次に、六月、この予算委員会、六月十六日の予算委員会の質問です。ここも端的です。
 総理、加計学園の加計孝太郎さんが今治市に獣医学部をつくりたいというのはいつから知っていましたか。さっきの質問主意書と同じ答弁の中身です。構造改革特区で申請されたということについては私は承知をしていた、はっきり承知をしていたって書いているじゃないですか。同じですよ、質問主意書の答弁も、この予算委員会の答弁も一緒です。構造改革特区のときから加計学園を知っていたということでよろしいですね。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) さきの閉会中審査においても私から、整理させて、答弁を既にさせていただいているものでありますが、構造改革特区における今治市の提案については、数十件ある案件の一つにすぎず、結果も、四度ともこれ案件を、提案を事実上認めないものでありました。実際には私は、先ほど申し上げましたように、全く認識はなかったわけであります。
 他方、その対応方針は、私が本部長を務める構造改革特区本部で決定していることから、当時私が、他の方の御質問に答弁していたように、今治市の提案について知り得る立場にあったことを申し上げようとしていたその答弁の前に、これはこう答弁をしていたわけでございます。
 この答弁では、今御指摘のあった部分に続けて、今その御紹介をいただいている私の答弁に続けて私はこう答えているわけでありまして、国家戦略特区に申請すれば私の知り得るところになるといったことも申し上げているわけでございまして、それを何か割愛しておられますが、当時は様々な論点についてこれ福島議員から矢継ぎ早に質問をいただいたわけでありまして、その中でお答えするに当たり、今治市の提案と加計学園の申請、構造改革特区と国家戦略特区などを混同して、整理が不十分なままお答えをしてしまったことは事実でありまして、正確性を欠いたことは率直に認めなければならないと思いますが、それを整理した上で、既に閉会中審査において整理した上に答弁をさせていただいているところでございまして、正確には知り得る立場にあったということでございます。
○福島みずほ君 うそばっかり言わないでください。質問主意書は文書ですから、文書でやって文書の回答です。時間を掛けて文書で書いているものです。そして、この委員会も、はっきり総理は、いつから知っていましたかということに関して構造改革特区と、そのときから私は承知をしていたと言っているじゃないですか。これはそのとおりでしょう。これを……
○委員長(金子原二郎君) 福島みずほ君、福島みずほ君、質問中ですが、うそばかりという言葉はこの場に合わないと思いますので、そこは訂正してください。
○福島みずほ君 じゃ、虚偽答弁じゃないですか。明確な虚偽答弁ではないですか。虚偽答弁ですよ。虚偽答弁ですよ。
 なぜならば、これ見てください。文書でも、そして委員会でも、総理はいつから知っていたかに関して、構造改革特区って答えているじゃないですか。(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) 速記止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(金子原二郎君) 速記起こしてください。
 質問者は、質問の中身については十分注意してやっていただきたい。やっぱり断定的な言い方というのはいかがなものかと思いますので、そこは十分に注意しながら質問をしていただきたいと思います。
○福島みずほ君 総理ははっきり断定しています。まさに六月十六日に、構造改革特区のときに私は承知をしていた。そして、文書による回答でも同じ回答です。
 次を見てください。
 質問主意書に対する回答と、六月十六日のこの参議院の予算委員会の答弁は一緒です。唯一違うのが今年の七月二十五日、一月二十日に初めて知ったというものです。私はこれは本当に驚きました。総理は、三月十三日、十五年間頑張ってきたのが加計学園なんですよ、諦めないでやってきたのが加計学園なんですよと言っております。今年の一月二十日初めて知ったなんてあり得ないじゃないですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この件についても閉会中審査で既に申し上げているところでございますが、今治市のこの提案についてはまさに今治市が提案者であったわけでありますが、最終的にこの公募に応じて、加計学園が公募に応じた段階で、我々が知る立場になる本年一月に、事業者の公募を行い、加計学園から応募があったその後、一月二十日に諮問会議で認定することになりますが、まさに私が出席をするのは諮問会議でありますから、ワーキンググループ等に私は出席をしないわけでありますし、一々その状況について報告を受けることもありません。
 ですから、加計学園から応募があったその後、一月二十日に諮問会議で認定することになりますが、その際に私は初めて加計学園の計画について承知をしたところであります。
○福島みずほ君 誰も納得しないですよ。
 総理は何度も、文書で、そしてこの委員会の中で、私は構造改革特区に申請されていることについて承知をしていたと言っているじゃないですか。二〇〇七年十一月です。さっきも言いました、十五年間頑張ってきたのが加計学園で、諦めなかったのが加計学園なんだと、三月十三日、この予算委員会で言っているじゃないですか。つい二か月前に加計学園というのを生まれて初めて知ったなんて言っていないですよ。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私は、生まれて初めて知ったということは言ったことはないわけでございまして、私の答弁において、先ほども申し上げましたが、そこで御紹介されている、そこで申請されたということについては私は承知をしていたところでございますがと言って、その後、私は、申請をすれば私の知り得るところになるということでございます、つまり知り得る立場ということを申し上げようとしていたわけでございまして、この間、答弁において構造改革特区と国家戦略特区をこれは混同して答えているのは事実で……(発言する者あり)いや、それが事実でございまして、答弁した私が答えているわけでございますから。それを整理して、混同していたということについてお話をさせていただき、整理をさせて、既に、既にですね、これは閉会中審査で答弁させていただいているところでございます。
○福島みずほ君 全く納得いきません。
 混同なんか総理はしていないですよ。質問主意書の答弁書に、構造改革特区で二〇〇七年十一月ですよ。そして、この予算委員会で聞いたときに、二〇〇七、構造改革特区のときから私は承知をしていましたと言っているじゃないですか。
 混同なんかしていません。質問主意書で混同なんかできないでしょう、文書で回答するんだから。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 質問主意書では当然混同はしておりません。混同はしていないわけでありますし、その質問主意書においては、知っていたということは、先ほど梶山大臣が答弁をさせていただいたように、答えていないわけでありまして、その趣旨は知り得るところにあったということでございます。
 今委員は、この国会における答弁と主意書における答弁を混同して、まさに混同しておられるわけでありますが、主意書で述べていることはそのとおりでありますが、答弁においては、まさに矢継ぎ早に質問される中において構造改革特区と国家戦略特区をこれは混同して答弁をした。しかし、その後、承知をしたということを修正しようと思って、知り得る立場にあったということを申し上げたんですが、そのときに構造改革特区と言うべきところを国家戦略特区と、こう申し上げてしまったということでございまして、その後、閉会中審査においてはそれを整理させていただきまして、もう一度答弁をさせていただいたところでございます。
○福島みずほ君 全く納得いきません。
 これは構造改革特区と、質問主意書の答弁でも、この六月十六日のまさに予算委員会でも言っています。主意書では、私の質問は簡単です、総理がいつ知ったのかというふうに聞いている質問主意書のトップに総理はこのように書いているわけです。二〇〇七年十一月、加計学園がその候補となる者である旨記載されておりと。いつから知ったのかという質問に対してこの答弁、構造改革特区のときから知っていたということじゃないですか。
 なぜこの質問をするのか。総理がなぜ一月二十日に初めて加計学園だというのを知ったのかと、どうして誰も信じないそういうことをおっしゃるのかということなんです。おかしいですよ。それは、加計学園ありきでやってきたことを隠すためではないですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは、先ほどもう既に梶山大臣から答弁をさせていただいたところでありますが、今治市の獣医学部新設に係る構造改革特区の申請は、平成十九年の福田政権のときに初めて申請が行われ、それ以来、民主党政権の頃までは加計学園が事業主体である旨の記載があった、これは福田政権までですね、あったわけであります。
 この答弁書では、政府は継続しているものであることから、まず、こうした第二次安倍政権が発足する以前の事実関係について記載をしていたわけであります。その記載において、福田政権の頃は加計学園が主体であるから私が知っていたということは一言も書いてないわけでありまして、言わばそれまでのどういう事実であったかという経緯について説明をさせていただいています。
 そして、その後の第二次安倍政権の発足以降も、この後は言わば主体がこれ今治市になるわけでありますが、今治市から四度にわたって構造改革特区の申請が行われました。しかし、これらについては、そのいずれにおいても今治市からの提案に対して加計学園との記載はないわけでありまして、これは安倍政権になってからは記載はないんです。しかし、それだけではなくて、一応念のためにそれまでの経緯も示しているということであります。
 こうした事実関係を前提に、この答弁書においては私が知っていたとは一言も書いていないわけでありまして、政府は継続しているものであり、一連のこうした提案を受けてその後の様々な政府決定がなされていること、構造改革特区に係る対応方針は私が本部長を務める構造改革特区本部で決定していることから、この答弁書は今治市からの提案について私が知り得る立場にあった趣旨を答弁したもの。
 私、立場上知り得る立場にあったわけでありますが、先ほど答弁させていただいたとおり、数十件ある案件の一つでありまして、私が一つ一つそれをチェックをするわけでは全くないわけでありまして、全く事実上は見ていないわけでありまして、しかも結果も、結果も四度とも提案を事実上認めないものであって、事実上認めていないものは、そもそもこれ十数件見てはおりませんが、さらに認めていないものでありますから私がそれを見るということはない、実際にはないわけでありまして、つまり認識はしていなかったということでございます。
○福島みずほ君 納得できない、全くできません。
 質問主意書の私の質問も予算委員会での質問も非常に簡単です。これは、安倍首相は、学校法人加計学園の加計孝太郎理事長が今治市に獣医学部をつくりたいと考えていることを二〇一六年十一月九日以前に知っていたか。知っていたのであればいつから知っていたのかということに対して、二〇〇七年十一月と、こう出ているわけです。
 それだったら、もし本当に今治市に加計孝太郎さんがまさに獣医学部をつくりたいと思っているのを今年の一月二十日に初めて知ったのであれば、この答弁書は、今年の一月二十日に初めて知りましたとなるべきじゃないですか。そうなっていないんですよ。どうして、だから、総理が答弁を変えるのか。一月二十日に加計学園のことを初めて知ったなんて誰も信じないですよ。
 ずうっと御飯を食べ、ずうっとゴルフをし、クリスマスイブも去年もおととしも会って、ずうっと会っていて、そして、総理は三月十三日、この予算委員会でこうおっしゃったんです。加計学園は十五年間頑張り続けてきたと、十五年間申請をし続けてきたのは加計学園なんですよと。十五年間頑張り続けてきたのを総理は知っているじゃないですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) それは、言わば一月二十日以降は私は知っているわけでありますから、そしてその後、これが問題になって後は説明を受けたわけで、事務方から説明を受けたわけでありまして、当然私は知っていたわけであります、この場で答弁したときにはですね。
○福島みずほ君 あり得ないです。今までのその質問主意書や答弁と全く違う。しかも、腹心の友に関して、加計学園というのを初めて今年の一月二十日って、もうびっくり仰天ですよ。今までの私の質問主意書やこの予算委員会の答弁を踏みにじるような答弁は本当に許せないというふうに思います。おかしいですよ。何かを隠したいからこそ、一月二十日に初めて知ったとおっしゃっているんじゃないですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これについてはもう今までるる説明をしてきたとおりでございます。確かに学生時代からの友人でありますが、彼は私の地位を利用して何かを成し遂げようとしたことは一度もないわけであります。ですから四十年間友情が続いたんだろうと、こう思うわけでございます。
○福島みずほ君 考えられません。
 このことについては更に追及をしていきます。森友学園の問題、加計学園の問題について真摯に丁寧に説明はないと思います。森友学園の問題について安倍昭恵さんの証人喚問が必要です。
 総理は、自分が妻の代わりに話すと言います。でも、夫と妻は別人格で、代わって話せることではないじゃないですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 言わば、家内が、妻がどのように関わっていたかということについては、私も妻から全て聞いているわけでありまして、私がここで責任を持って答弁をさせていただいているところでございます。
○福島みずほ君 別人格ですよ。裁判の証人でも夫が妻の代わりに話すなんということはないですよ。まさに安倍昭恵さんの証人喚問と加計孝太郎さんの証人喚問を要求します。
 次に、憲法についてお聞きします。
 総理は、憲法九条三項に自衛隊を明記するというふうにおっしゃっています。この九条三項の自衛権の明記、この自衛権には、集団的自衛権の行使をするということも含まれるということでよろしいですね。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 基本的に、私はここには総理大臣として出席をさせていただいておりますので、言わばこの憲法の例えば自民党案について答弁をする立場にはないのでございますが、それを申し上げた上で、この自衛隊、一項、二項を残した上においてこの自衛隊を明記する場合は、言わば一項、二項、そして二項を残すわけでありますから二項の制約は残るということでございますので、言わばもう既に一項、二項のある中において、我々、集団的自衛権の行使について一部容認、三要件を満たせば一部容認をするということについて解釈を変更したわけでありますが、それはそのままということでございます。
○福島みずほ君 集団的自衛権の行使は憲法違反だと歴代の自民党言っておりましたが、今の答弁でも、その自衛隊が行使する自衛権の中に集団的自衛権の行使を含むという答弁がありました。ですから、戦争をしない国から戦争をする国への九条三項が九条一項、二項を完璧に破壊するものになるというふうに思います。
 先ほどまさに、委員長、私は証人喚問、安倍昭恵さんと加計孝太郎さんの要求をいたしました。よろしくお願いします。
○委員長(金子原二郎君) 正式な要求でいいんですか。
○福島みずほ君 はい、そうです。
○委員長(金子原二郎君) それじゃ、後刻理事会で協議いたします。
○福島みずほ君 総理、「総理」という本を書いたジャーナリストを総理は御存じですか。面識はあるでしょうか。御存じでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私は、取材対象として知っているということでございます。
○福島みずほ君 公権力の行使について検証しなければならないと思っているので質問させてください。
 無罪の推定があり、不起訴になっておりますが、逮捕令状が発付され、そしてこれが執行の直前に取消しに、執行されませんでした。このことを総理は御存じでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) それはどういう案件でございましょうか。
○福島みずほ君 不起訴になった犯罪の被疑事実は準強姦事件です。
○委員長(金子原二郎君) 中身を言わないと。質問者、中身が、内容が分かりませんので、内容が分からないので。
○福島みずほ君 そうしたら、やはりこれは、先ほど総理は、「総理」という本を書いたジャーナリストを取材対象として知っていらっしゃるというふうにおっしゃいました。そのことに関して総理自身が、逮捕令状が発付され、しかしそれが、逮捕が執行されなかったという事実を知っているかどうか、総理の認識をお聞きしているわけです。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) いずれにせよ、個別の事案について総理大臣としてお答えすることは差し控えさせていただきたいと思います。
○福島みずほ君 知っているかどうかということについてお聞かせ願えませんでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私は、内閣総理大臣としてこの場に立っておりますので、個別の事案についてお答えすることは差し控えさせていただきたいと思います。(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(金子原二郎君) じゃ、速記を起こしてください。
 先ほどの福島君の発言中に不適切な言葉があったとの指摘がありました。委員長といたしましては、後刻理事会において速記録を調査の上、適当な処置をとることといたします。
○福島みずほ君 性暴力のことについてお聞きをいたします。
 この間、集会があり、レイプドラッグ、デートレイプドラッグのことの蔓延や、それに対する防止などをやるべきだということが大変議論になりました。まだまだ性暴力についての政府、警察を含めた取組が弱いと考えますが、総理、いかがでしょうか。
○国務大臣(小此木八郎君) 警察と申されましたので私からお答えいたしますが、警察では、性犯罪の捜査において被害者の聴取内容から薬物が使用された疑いが認められる場合、必要な証拠収集に努めているものと承知しております。
 先般成立した性犯罪の重罰化等を内容とする改正刑法の趣旨を踏まえ、的確な捜査活動により迅速に性犯罪を検挙することが重要と考えており、引き続き、薬物を使用された場合を含め、性犯罪捜査について現場の警察官に対する研修等を徹底するよう警察を指導してまいる所存であります。
○福島みずほ君 ただ、被害者あるいは女性の中には、尿検査をすべきであるとか、そういう知識そのものが非常にまだ不足をしています。
 是非、大臣、現場の警察にそういうしっかり、必要があれば、あるいは様子を見て尿検査をする、尿検査はどうですかとか、証拠の採取をするなど、マニュアルを作り、徹底していただきたい。いかがでしょうか。
○国務大臣(小此木八郎君) 先ほど申し上げましたように、引き続き、薬物を使用された場合を含め、性犯罪の捜査について現場の警察官に対する研修等を徹底をしてまいります。
○福島みずほ君 その集会でも申し上げたんですが、デートレイプドラッグ、あるいはレイプドラッグと言った方がいいかもしれませんが、まだまだ女性の中には知られておりません。
 ですから、是非警察が、アメリカではデートレイプドラッグと言われますが、私はレイプドラッグでいいと思いますが、撲滅大作戦、こういうことが問題もあり、まさに何かおかしいと思ったら、準強姦じゃないか、おかしいと思ったらまず警察に行き、尿の採取をするなど、まさに徹底していただきたい、いかがでしょうか。
○国務大臣(小此木八郎君) 同様の答えになりますが、今申された点、性犯罪捜査について、あるいは薬物を使用された場合を含めて、現場の警察官に対する研修等は徹底するよう私からも警察当局に対し指導してまいりたいと存じます。
○福島みずほ君 野党で性暴力被害者支援法案を提出しましたが、解散で残念ながら廃案になりました。病院拠点型で、まさに性暴力の女性たちを受け入れる、そういうことをもっと増やしたり、性暴力をワンストップでできるように、政府がもっと性暴力あるいは子供たちに対する啓発も含めやっていただきたい。
 総理、この性暴力の撲滅、根絶についての政府としての対応、もしよろしければ、野田大臣、ちょっと質問通告していませんが、是非答えていただきたいと思います。
○国務大臣(野田聖子君) 当然のことだと思っております。しっかり取り組んでいきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど小此木大臣からも答弁をしたところでございますが、しっかりと取り組んでいきたいと思います。
○福島みずほ君 これもちょっと質問通告していないんですが、刑法が改正をされました。これによって随分変わる面もある……
○委員長(金子原二郎君) 時間が来ておりますので。
○福島みずほ君 じゃ、もう終わり。
 刑法が改正になりました。ただ、まだまだ積み残した問題もたくさんあります。性暴力は魂の殺人です。是非、政府を挙げて、性暴力被害者支援法案を含め、是非頑張ってやっていただきたい。野田大臣が決意を示していただきましたが、女性にとってもっといい社会になるように政府が頑張ってくださるよう要請し、私の質問を終わります。
○委員長(金子原二郎君) 以上で福島みずほ君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(金子原二郎君) 次に、薬師寺みちよ君の質疑を行います。薬師寺みちよ君。
○薬師寺みちよ君 無所属クラブの薬師寺みちよでございます。今日もどうぞよろしくお願いいたします。
 まず最初に、総理にお願いいたします。安倍政権での障害者施策、実績をお示しいただけますでしょうか。よろしくお願いいたします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 障害のある人もない人も、誰もが自分の夢を追求できる、能力を伸ばしていくことができると、そして、誰もが自分の居場所があって、社会の中で頑張っていこうという気持ちになる、そんな日本をつくっていかなければならないとの思いで取り組んでまいりました。その妨げとなるものを一つ一つ取り除いていくため、安倍内閣では、平成二十五年に策定した第三次障害者基本計画の下、政府全体で障害者の自立と社会参加の支援に取り組んでまいりました。
 これからも、誰もが自分の才能を十分に生かし、笑顔になれる社会を実現できるよう全力で取り組んでまいりたいと思います。
 私も、障害の有無を超えてアーティストが参加する展覧会への出席や、また、様々な分野で活躍されている障害者の方々を官邸にお招きをし、交流を通じて、徐々にではありますが、障害のある方々がそれぞれの場で十分に才能を生かすことができる、そういう状況をつくり出すことができるようになってきたと感じています。
 今後更にそういう変化が実感できるように、できるような社会にしてまいりたいと、このように思います。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 じゃ、パネルをお願いいたします。(資料提示)これは、平成二十九年度、障害者に関する世論調査の結果でございます。
 昨年四月に施行されました障害者差別解消法、知っていると回答した方が何と二一・九%、知らないと回答した人が七七・二%、国民の四分の三が実は知らないんです。調査では障害者に対する差別があるかどうかということも聞いております。障害者に対する差別があると思う方は八三%に上り、十年前の調査結果と全く変わりがないんです。
 昨年は相模原市の障害者施設による殺傷事件が起こりました。まさに、全国で障害者に対する理解の必要性というものが訴えられて、強く指摘をされております。残念ながら、その理解は進んでいないという状況が今回の調査で明確になってまいりました。
 日本盲導犬協会の調査結果もございます。障害者差別解消法施行後一年間で、盲導犬帯同を拒否された経験があると答えられた方が五五%にも上るんです。中には行政において拒否された場合もございます。法律を作るだけでは障害者差別解消という課題は解決していないということも分かってまいりました。
 総理、差別を解消するためには、じゃ、どのような施策を実行したらいいんでしょうか。教えていただけますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 共生社会をつくり上げていく上においては、差別を解消していくことは極めて重要であります。一方、障害者への差別がある、障害者差別解消法を知らないという方々がいまだ多いという調査結果は大変残念であります。障害者への理解を更に深めていくため、政府として、地方公共団体や障害者団体などの多様な主体と連携して、障害者への理解を更に深めていくような啓発活動や情報発信などの取組を進めてまいりたいと、このように思っております。
 バリアフリーの社会をつくっていくという宣言をしたときに、ちょうど私、まだ若手議員だったんですが、八代英太先生、当時、車椅子の障害者として自民党の議員として活躍をしていた方ですが、あの八代先生がおっしゃったことは、例えば駅とか道路とか、そういう物理的な障害を取り除いていくことは当然大事だし、予算を付けてやっていく、しかし、心のバリアを取り除くことが実は一番難しいから、これにしっかりと力を入れていくようにということをおっしゃっていたことを思い出すところでございますが、障害者差別解消法の意義や趣旨が社会全体に浸透して、そして障害者への差別のない社会を実現するよう政府全体として取り組んでまいりたいと思います。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。
 では、次のパネルをお願いをいたします。ここで、好事例としてデフリンピックを紹介したいと思います。
 聴覚障害者はパラリンピックに参加できません。そのために、聴覚障害者のスポーツの祭典、デフリンピックが四年に一回開催をされております。残念なことながら、日本ではまだまだ広がっておりません。
 昨年の予算委員会で、総理が手話を使ってデフリンピックを応援してほしいと国民の皆様方に発信をしていただきました。その手話表現というものが聴覚に障害を持った皆様方に夢と希望を与えてくれたんです。
 私もトルコに参りました。スポーツ庁の鈴木長官も御一緒させていただきました。デフリンピックの開会式に二人で参加いたしました。日本選手団は大変盛り上がりまして、今回の大会でメダル二十七個獲得をしました。今までで最高なんですよ。このデフリンピックの盛り上がりを次の東京オリンピック・パラリンピックにつなげたいと選手たちも願っております。
 総理始め関係大臣、そして省庁の責任者の皆様方には本当にお世話になりました。ここで改めてお礼を申し上げたいと思います。
 今後も、デフリンピック、そしてデフリンピックの日本招致、総理には応援をしていただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 本年七月にトルコで開催された夏季デフリンピックにおいて、日本代表選手団は過去最多となるメダル総数二十七個を獲得されました。このことは、選手やスタッフの皆さんが日頃の練習の成果を存分に発揮された結果だろうと、私も誇りに思うところでございます。
 障害者スポーツに対する国民の関心が高まりを見せつつある中、国際的な競技大会を我が国で開催することは、障害者のスポーツのますますの振興、さらには障害者に対する国民の理解を一層深める上で大きな意義があると、こう思います。
 聴覚障害者のための大会、デフリンピックは、パラリンピックとは別に開催をされています。このこと自体を御存じない方もたくさんいらっしゃるのではないかと思います。
 これを日本に招致するという趣旨については、すばらしいものであると考えています。他方、大会招致に当たっては、開催地となる自治体との調整、また主催する国内団体の体制の整備などの課題もあると承知をしております。デフリンピックの日本招致については、関係団体や自治体との間で調整が進み、そして具体的な御相談があれば、その内容に応じて国としてバックアップすることとしています。
 今後ともデフリンピックへの国民の関心が一層高まるよう関係団体と協力して取り組んでまいりたいと、このように思います。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 総理には先頭に立って応援をしていただきたいと思っております。
 では次に、野田総務大臣にお願いをいたします。
 本年六月、愛知県の三河湾沖で四人の聴覚障害者が乗ったボートが転覆をいたしました。その命を救ったのが何だったのか。日本財団が支援をしている電話リレーサービスです。電話リレーサービス、これは、携帯で文字を打つ、そうしたらオペレーターがそれを通訳をする、手話を使う、それをオペレーターがまず声に変える。電話リレーサービス、それは聞こえる人とそして聞こえない人、それをつないでいく大事なサービスなんです。
 パネルをお願いいたします。現在、電話リレーサービスが公的なサービスとして実施されている、それは世界で二十四か国もございます。日本はまだまだなんです。日本財団に登録をしている七千人だけが期間限定で無料で使用できる。総務省もこの問題を解決するために声を文字に変える、そういう技術を開発してくださいました。それで問題の解決にはつながるんでしょうか。
 沖縄県で調査が行われました。聾者とそして聴者が一緒に話をしたとき、その聴者が手話を知らなかったら、それを見て聾者はその意味が理解できる、答えたのが何と一二%なんです。文字を声に変えただけでは不足をしていることが分かってまいりました。
 電話リレーサービス、これを使って手話でコミュニケーションが取れる、聾者の皆様方には必要なことなんです。二十四時間三百六十五日、無料で使用できる電話リレーサービス、それは制度として私は確立すべきだと考えておりますけれども、大臣、いかがですか。
○国務大臣(野田聖子君) ありがとうございます。
 まず初めに、私も電話リレーサービスの皆さんとお目にかかりました。大変すばらしいことだと思いますが、問題点とすると、やはりオペレーターの確保だと思います。アナログで二十四時間手話をしていただける方を確保することが最大の問題ではなかろうかと。とりわけ、電話サービスなんかは夜間なかなか、先ほども自殺対策の話がありましたけれども、いのちの電話等でも夜間とか又は年末年始はなかなかそのなり手がないというのが今悩みだそうですけど、同じように、やはりそういうオペレーター、手話のできるオペレーターが確保できるかというのは大変大きな問題なので、これはまた研究させていただきたいと思います。
 片や、今御指摘ありました今どきのコミュニケーションツール。私が一番最初に出会って衝撃を受けたのはiモードだったんですね。それは、今まで電話を使ったことがない聴覚障害者の方が電話を持つようになったと。それはなぜかというと、iモードによって、字が打つことによって遠隔にいても約束ができる、そして遅れたときも、電話をしても通じないけれども、メールをすることによって伝えることができる、さらにはバイブレーション機能がありますから、音が鳴らなくてもその振動によって連絡ができるということで、大変ICTのすばらしさを実感をしたことがございます。
 最近では、先ほど申し上げたアナログのオペレーターの代わりにアプリケーションツールがどんどんできてきているわけですけれども、もう既に情報通信研究機構でも、何というか分からないんですけど、「こえとら」という名前のそういうアプリケーションができていて、そういう聞こえる方と聞こえない方との間を取り持つアプリができています。将来的には、AIによって実際のオペレーターの動きをスマートフォン上のアプリを通じて、そこに出てきた画像によって投影できるんじゃないかということも私は希望しています。なぜならば、もう既に手話のアプリケーション、手話を学ぶ3Dのアプリケーションというのが出ているんです。なぜ知っているかというと、私は時々息子と手話でコミュニケーションを取っているので、親が知らないと何言っているか分からないということで、必死で勉強するのにその3Dのアプリケーションを利用しているから。
 今後、両建てで、アナログのリレーサービスも人手を確保できるかどうかということと、あと財源の措置を考えながら、あわせて同時進行で今どきのアプリケーションをどんどん進めていき、できる限り沖縄の皆さんにもこうやって、こういう場で御報告することで触れ合ってもらえればと思っています。
 しっかり取り組んでいきたいと思います。ありがとうございました。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。聴覚障害の皆様方は楽しみに待っておりますので、よろしくお願いいたします。
 次のパネルをお願いいたします。今の問題も含めまして、新たにやっぱり開発された様々な技術を利用して障害を補うことができるようになってまいりました。それは工夫次第なんです。電話リレーサービスを含めまして電話のバリアフリー、まだまだ厚い壁がございますので、それを何とか取っ払ってみんなでこの電話を利用できるような、そんな社会をつくるためにそれをテーマとした審議会を立ち上げていただきたいと思うんですけれども、大臣、いかがですか。
○国務大臣(野田聖子君) まさにとても大切なことで、このために総務省では、十一月十七日に、情報通信審議会にIoT新時代の未来づくり検討委員会というものを設置いたしまして、その下に障害者サブワーキンググループを設けて、今まさに薬師寺委員がおっしゃったようなことをしっかりと取り組んで、ICTとの融合ができるような施策を来月から検討していこうということになっております。しっかり取り組んでまいります。ありがとうございます。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。私も楽しみに待っておりますので、御報告よろしくお願いいたします。
 では、次のパネルをお願いいたします。次には、視覚障害の皆様方のお話をさせていただきたいと思います。
 駅のホームで視覚障害の皆様方が事故に遭われる大変残念な事件が新聞でも報道されました。実際に私調べてみましたら、毎年七十名から九十名の視覚障害をお持ちの方が転落事故を起こしていらっしゃる。この二年間で四名の方がお亡くなりになっていらっしゃるという統計も見せていただきました。
 本来であれば、ホームドアを設置する、これがベストでございます。しかし、予算上であったり、技術上難しいようなホームもあると伺いました。そこで、誘導ブロックがひかれています。皆様方も、駅のホームを見ていただいたら、そこにひかれていることが分かると思います。その誘導ブロックの敷き方というもの、実は適切でないケースがあることが分かってまいりました。せっかくの警告ブロックというものがございまして、その警告ブロックがひかれているにもかかわらず、それが警告の役割を成していないということです。
 バリアフリー整備のガイドライン、五年に一度の見直しがあるということで、しっかりと事故の原因を調査した上で、より幅広に当事者の皆様方の意見を伺っていただき、しっかりとした、これこそ事故が起こらないようなホームを造っていただきたいんですけれども、大臣、いかがですか。
○国務大臣(石井啓一君) 駅ホームにおけます転落事故の防止は、視覚障害者の方を始め全ての旅客にとりまして大変重要な課題であると認識をしております。
 転落事故防止のための主要な方策のうち、視覚障害者誘導用ブロックにつきましては、今、バリアフリー整備ガイドラインにおきましては、構造上やむを得ない場合等を除き、旅客の動線と交錯しないよう配慮し、安全でできるだけ曲がりの少ないシンプルな道筋に連続的に敷設すると、そういう方針に基づき整備を進めているところでございます。
 このガイドラインにつきましては、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックの開催等を踏まえまして、本年度中をめどに改正作業を進めているところでありまして、委員御指摘の視覚障害者誘導用ブロックの適切な配置等も含めまして、視覚障害者等の方々の意見を幅広く伺いながら、より適切な内容としてまいりたいと考えております。
 また、国土交通省におきましては、昨年八月の視覚障害者の転落死亡事故を受けて設置をいたしました駅ホームにおける安全性向上のための検討会におきまして、昨年末に中間取りまとめを行いまして、ハード対策といたしましては、ホームドア整備の加速化や新型ホームドアの普及促進を図っていくこととしたほか、ソフト対策といたしまして、駅員等による誘導案内の充実や旅客による声掛けの促進を図るなど、ハード、ソフト両面における総合的な転落防止対策を更に進めていくこととしたところであります。これらの内容につきましても、ガイドラインの改正に適切に反映させてまいりたいと考えております。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。
 今日は、ホーム転落をなくす会という方々が作られたポスターを皆様方にも配付をいたしております。
 皆様方の一声で助かる命がございます。危ないと思ったら声を掛けていただきたいんです。先ほどの内閣府の障害者の調査がございました。手助けをしたいんだけれども、八割の方々が、困っている障害者を見たことがないからという回答でございます。それは違うんです。人間というものは、関心がないと見えないし、そしてそれに気付かないだけなんです。実は、周りに困っていらっしゃる方がたくさんいるはずなんです。ですから、見えていない、聞こえていないのは健常者の私たちという、そういう意識を持ってしっかりと皆様方も手助けの方、お願いをしたいと思います。
 では、最後の質問に移らせていただきます。
 総理、最後、よろしくお願いいたします。
 私が今日御説明いたしました様々な事例、それは障害を持っている皆様方が抱えているその課題のほんの一部でしかすぎません。以前にも私はお話をいたしました。このNHKで放送されているテレビ、これ自体に字幕がないんです。聴覚障害をお持ちの皆様方は、見て、でもその画面に映っていることを理解することができません。私が今日、手話で表現しているその理由もそれなんです。聴覚に障害がある皆様方、情報格差というものがございます。まさにこの国会が情報格差、そのままにしているじゃないですか。法律、そして制度、それをつくっただけでは、本当の問題、その解決にはならないことが分かります。
 この問題を解決するためには、総理の明確なビジョンが一つ、そして強いリーダーシップが私は必要だと思います。総理、障害をお持ちの皆様方、施策を前進させていくという、そこでお考えをお示しいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今後の障害者施策の基本的な考え方や方向性について、現在、障害のある方にも参加をいただきながら、政府で検討を行っております。
 確かに、障害のある方からお話を伺わないと、実際どんな不便があるかということは分かりにくいところがあるわけでございまして、私、あるとき、地元で聴覚障害者の方から、選挙運動において、例えば集会があるときに、電話連絡はオーケーなんですが、ファクスで連絡はできない。となると、聴覚障害者の方は連絡を受けようがないじゃないかというお話を伺ったこともあるわけでありまして、そうしたまさに障害のある方々からお話を伺い、その結果も踏まえて、今年度中に新たな障害者基本計画を策定したいと、こう考えています。
 この基本計画には、障害のある方の視点を施策に反映させたり、障害特性に応じたきめ細かい支援を行うなどの考え方を盛り込む予定でありまして、各大臣がこうした観点から障害者施策に全力で取り組んでいくよう、私からもしっかりと督励してまいります。
 また、障害に対する社会の理解が一層深まるよう、私からも障害者週間などの機会を活用して国民に対して発信を行ってまいりたいと、このように考えております。
○薬師寺みちよ君 終わります。ありがとうございました。
○委員長(金子原二郎君) 以上で薬師寺みちよ君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 これにて質疑通告者の発言は全て終了いたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時二十四分散会