第195回国会 外交防衛委員会 第2号
平成二十九年十二月五日(火曜日)
   午後一時開会
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   委員の異動
 十一月三十日
    辞任         補欠選任
     足立 敏之君     佐藤 正久君
     竹内 真二君     山口那津男君
 十二月四日
    辞任         補欠選任
     中曽根弘文君     こやり隆史君
     山口那津男君     魚住裕一郎君
 十二月五日
    辞任         補欠選任
     こやり隆史君    渡辺美知太郎君
     武見 敬三君     太田 房江君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         三宅 伸吾君
    理 事
                猪口 邦子君
                塚田 一郎君
                中西  哲君
                藤田 幸久君
                杉  久武君
    委 員
                宇都 隆史君
                太田 房江君
                こやり隆史君
                佐藤  啓君
                佐藤 正久君
                武見 敬三君
                堀井  巌君
                山本 一太君
               渡辺美知太郎君
                小西 洋之君
                牧山ひろえ君
                魚住裕一郎君
                井上 哲士君
                浅田  均君
              アントニオ猪木君
                伊波 洋一君
                福山 哲郎君
   国務大臣
       外務大臣     河野 太郎君
       防衛大臣     小野寺五典君
   副大臣
       外務副大臣    佐藤 正久君
       防衛副大臣   山本ともひろ君
   大臣政務官
       外務大臣政務官  岡本 三成君
       外務大臣政務官  堀井  学君
       外務大臣政務官  堀井  巌君
       防衛大臣政務官  大野敬太郎君
       防衛大臣政務官  福田 達夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        宇佐美正行君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       桑原振一郎君
       内閣官房内閣審
       議官       横田 真二君
       内閣官房内閣情
       報調査室内閣衛
       星情報センター
       次長       笠原 俊彦君
       警察庁長官官房
       審議官      坂井 孝行君
       法務大臣官房審
       議官       佐々木聖子君
       外務大臣官房国
       際文化交流審議
       官        宮川  学君
       外務大臣官房審
       議官       大鷹 正人君
       外務大臣官房審
       議官       飯島 俊郎君
       外務大臣官房審
       議官       飯田 圭哉君
       外務大臣官房サ
       イバーセキュリ
       ティ・情報化参
       事官       岡田 健一君
       外務大臣官房参
       事官       志水 史雄君
       外務大臣官房参
       事官       塚田 玉樹君
       外務省中南米局
       長        中前 隆博君
       文部科学大臣官
       房審議官     瀧本  寛君
       水産庁漁政部長  森   健君
       海上保安庁警備
       救難部長     奥島 高弘君
       防衛省防衛政策
       局長       前田  哲君
       防衛省整備計画
       局長       西田 安範君
       防衛省統合幕僚
       監部総括官    鈴木 敦夫君
       防衛装備庁長官  鈴木 良之君
       防衛装備庁技術
       戦略部長     三島 茂徳君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○外交、防衛等に関する調査
 (北朝鮮情勢に関する件)
 (通常兵器の軍縮に関する件)
 (弾道ミサイルへの対処に関する件)
 (核兵器禁止条約に関する件)
 (カンボジア情勢に関する件)
 (集団的自衛権と憲法との関係に関する件)
 (米国サンフランシスコ市に設置された慰安婦
 像に関する件)
 (米国のアジア太平洋戦略に関する件)
○防衛省の職員の給与等に関する法律の一部を改
 正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
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○委員長(三宅伸吾君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、竹内真二君、足立敏之君及び中曽根弘文君が委員を辞任され、その補欠として佐藤正久君、魚住裕一郎君及びこやり隆史君が選任されました。
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○委員長(三宅伸吾君) この際、副大臣及び大臣政務官から発言を求められておりますので、順次これを許します。佐藤外務副大臣。
○副大臣(佐藤正久君) 外務副大臣を拝命いたしました佐藤正久でございます。
 事に臨んでは危険を顧みず、身をもって責務の完遂に務め、もって国民の負託に応える決意であります。
 厳しい安全保障環境の中で、国家国民の安全、安心を守るため、現場主義で汗をかいてまいります。
 特に、担当であります北米、中南米、中東、アフリカ諸国との関係強化に努めます。また、国連外交、安全保障、戦略的対外発信や文化外交に注力するとともに、在外邦人の安全確保、国際的なテロ対策にも全力で取り組んでまいります。
 なお、二人の副大臣の中で、私が特に本委員会を担当することになっております。
 三宅委員長を始め、理事、委員各位の御支援と御協力を心からお願い申し上げます。(発言する者あり)
○委員長(三宅伸吾君) 速記止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(三宅伸吾君) 速記を起こしてください。
 ただいまの佐藤外務副大臣の発言につきまして、後刻理事会で協議させていただきます。
 続いて、堀井学外務大臣政務官。
○大臣政務官(堀井学君) 外務大臣政務官を拝命いたしました堀井学でございます。
 国民の安全、安心が第一とのビジョンの下、総合的な安全保障を確立し、国民の生命と財産を守るべく、必ずや成果を出し、国民の負託に応えてまいります。
 特に、担当である欧州、中東、アフリカ諸国との関係強化に努めます。また、国連外交、安全保障分野の課題に積極的に取り組むとともに、法の支配の強化に努めます。
 三宅委員長を始め、理事、委員各位の御支援と御協力を心からお願い申し上げます。
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○委員長(三宅伸吾君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 外交、防衛等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣審議官桑原振一郎君外二十名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(三宅伸吾君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(三宅伸吾君) 外交、防衛等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○猪口邦子君 自民党の猪口邦子でございます。
 本日は、主に河野外務大臣に質問いたします。
 河野太郎大臣は、八月に外務大臣に就任され、また、十一月には第四次安倍内閣にて再任され、充実した外交、また良心的な外交を展開されてきました。
 目下の北朝鮮問題に対しては、日米同盟関係の安定を基礎に、拉致、核、ミサイル、この問題解決への政策変更を求める整合性のある外交で安倍総理を支え、また、その問題の本質であります核拡散の問題、これについて、河野大臣は元々、国際的な核軍縮・不拡散議員連盟の日本代表を務めるなど、リーダーシップを既に発揮されてきています。
 そこで、まず北朝鮮問題についてでございますが、北朝鮮は挑発的な動きを繰り返して、十一月二十九日午前三時過ぎ、日本海に向けて再び弾道ミサイルを発射し、日本のEEZ内に着水。ICBM、大陸間弾道弾級の範疇であると考えます。また、ロフテッド軌道で、大気圏再突入の際に複数に分解したと見られています。
 米ソ冷戦の末期に多弾頭個別誘導型ミサイル、MIRV、マーブ型のものが開発されました。今回は個別誘導型ではないと想定されますけれども、このままその方向で開発が進めば、完全迎撃は理論的には不可能に近くなると推定されます。また、偶発的な危険あるいは意図せざる結果、これも拡大します。
 北朝鮮も、ここまで短期間に核開発を行ったこと、これに自己納得して、河野大臣の述べたように政策変更すべきです。国際社会として、北朝鮮が核兵器等運搬手段を放棄し、NPT条約にかつてのように戻ることを求めていくべきです。このまま国連憲章に基づき経済制裁を続ければ、北朝鮮は国家として国民生活を守る責任を果たせ得なくなるわけですから、北朝鮮はこのタイミングで政策変更を決断し、今後は政治と国民の情熱を経済再建へと大転換していくべきです。河野大臣には北朝鮮にそのような気付きを促していただきたい。政策の大転回、大変更、これを自律的、内発的に行うべきことを発信していただきたいと思っております。
 そこでお伺いしたいのは、北朝鮮はなぜ核開発、ミサイル発射を行っているのか、その動機、理由、どう分析されているか、お聞かせください。
○国務大臣(河野太郎君) 北朝鮮の意図についてお答えすることは差し控えたいと思いますが、北朝鮮は、この核、ミサイルを開発することによって朝鮮半島の平和と安定を保障するための自衛的措置である旨の立場を表明してまいりました。十一月二十九日に発出した声明には、核武力完成の歴史的大業を実現した旨、言及していると承知しております。いずれにしろ、今回北朝鮮がミサイルを発射したことにより、北朝鮮が一貫して核、ミサイルを開発していることが明白となりました。我が国は、しかし、いかなる挑発行動にも屈することはないということを申し上げておきます。
 北朝鮮に政策を変えさせるために、あらゆる手段を使って圧力を最大限にし、北朝鮮の方から対話を求めてくるような状況をつくらなければならないと思っております。北朝鮮には勤勉な労働力があり、資源も豊富であります。北朝鮮が正しい道を歩めば国民を豊かにすることもできるわけですが、北朝鮮がこのまま核、ミサイルあるいは拉致問題といったものを解決することなしには明るい未来を描くことはできないわけであります。
 日本としては、日米あるいは日米韓三か国で協力をし、中国、ロシアを含む関係諸国とも緊密に連携をしながら、国際社会全体の結束を促し、北朝鮮の核、ミサイル、そして拉致問題の解決に向けて全力を尽くしてまいりたいと思っております。
○猪口邦子君 大臣、ありがとうございます。
 自衛のためと言うわけですけれども、大量破壊兵器を開発し所有することは、国際システム及び地域バランスを著しく不安定にするため、その国の安全保障に資することはないというのが普通の認識だと思います。また、例えば核保有をすることにより一気に国際的地位を高めようとするのであれば、大きな勘違いにほかなりません。そういうことを日本として発信すべきであり、日本は今月十二月から国連の安全保障理事会の議長国であります。
 河野大臣は、国連安保理議長国議長として、核不拡散体制を維持することこそ北朝鮮を含め各国の安全保障の最善の利益であるということを諭し、他方で、核保有国は核軍縮のNPT上の第六条の義務がありますけれども、これを果たすべきことを促し、各国が安定した国際社会の中で、今大臣もおっしゃったような経済成長にいそしみ、国連の掲げるSDGsも含め連帯していくことが肝腎なときであることを各国に分からせていただきたいと思います。大臣は議長でいらっしゃいますので、是非お願いいたします。
 私は、個人的には、日本のような非核兵器国が安保理の常任理事国入りすることは、核がなくても高い地位を経済と国際貢献で得ることができることを示すことになりまして、国際政治的には大変意味深いことと考えております。もちろん国連安保理改革の五条件は存じておりますけれども、国際政治的な意味合いとしては、日本のように主要な非核兵器国の常任理事国化、これは二十一世紀における国際的評価と価値観の提示になりまして、間接的にはNPT、不拡散体制を強化することになると考えております。
 国連の安保理議長国の外務大臣として、議長をこれからお務めになるお気持ちを伺いたいと思いますし、もしこの閣僚級の会合におきまして何らかの成果文書が発出されることになるのであれば、大臣のお考えをお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(河野太郎君) 核軍縮の進め方をめぐり、国際社会の分断が今明らかになりつつあります。そういう中で、核保有国がこのNPT条約第六条の義務を果たしていくということがNPTの体制を強化していく上で必要なことだと思っております。
 日本は、核兵器国と非核兵器国の信頼関係を再構築し、非核兵器国のみならず核兵器国もしっかりと巻き込んで、現実的、実践的な核軍縮を更に進めていきたいというふうに思っております。核を持たない日本が安保理の常任理事国入りすることは、軍縮・不拡散の分野を始め、日本の国際的な貢献を国連全体の取組においてより戦略的、効果的に位置付けることができるようになり、国際社会全体にとっても有意義だと思っております。
 日本は、十二月十五日に、国連安保理の議長国として北朝鮮の不拡散に関する閣僚級の安保理会合を開催をする予定でおります。北朝鮮の非核化に向けて、北朝鮮に政策を変更させるため毅然とした外交を通じて、国際社会が一致団結して北朝鮮に圧力を最大限に高めていけるような状況をつくってまいりたいと思っております。
 現段階で、この会合の後、文書を発出するということは考えておりません。
○猪口邦子君 続いて、もう一問、NPT条約についてお伺いしたいです。
 北朝鮮は、NPT条約に一旦は加盟し、第十条脱退条項に基づきまして、核開発を行った唯一の国です、十条による脱退が条件を満たしているかどうかについては各国で見解が分かれているとしても、現に北朝鮮として脱退しているという自己認識を有しているので、ここで政策変更と同時に、NPTに戻る、条約的にはリターン・ツー・コンプライアンス、遵守に戻る、そういうところまで導かなければなりません。北朝鮮の非核化というこの点が今回の危機管理の終点ではなく、北朝鮮が条約に戻ることが必要です。
 そこで、お伺いしたいのは、NPT条約は、条約を脱退するときの条項というのはあるんですけれども、脱退した国が条約に戻ることは条約制定当時想定していなかったのか、条約に戻る手続や条件の条項はありません。戻るとしたら新規加盟国のように加盟手続をすることになるのか。脱退したことを認めていない国もあるので混乱がいろいろと予想されますけれども、私としては、条約は一切改正すべきでない、その上で、加盟国だった国が再加盟する場合の何らかの文書を研究する必要があるのではないか、国際法的な検討を始めるべきではないかと思いますけれども、大臣のお考えを伺います。
○副大臣(佐藤正久君) 北朝鮮による核・弾道ミサイル開発は、安保理決議の明確な違反であるとともに、NPTを中心とする国際的な軍縮・不拡散体制に対する重大な挑戦であると考えます。
 北朝鮮はかつて、NPTから脱退を通告いたしました。かかる通告がNPTの規則に沿ったものと言えるかについては委員の指摘のとおり疑義があるというふうに考えておりますが、いずれにせよ、このことを含めまして、国際社会の平和及び安定のために北朝鮮がNPT及びIAEAの保障措置協定の下での義務の遵守に復帰すること、これが大事であり、そのことをNPT関連会議の場や我が国が国連総会に提出した核廃絶決議等、様々な機会で求めているところであります。
 御指摘のNPTの脱退条項については様々な考えがあり得るというふうに考えておりますが、我が国としては、引き続き各国と緊密に連携をしながら、北朝鮮が義務の遵守に復帰するよう強く求めることも踏まえ、北朝鮮の核問題の解決に関係諸国と連携しながら取り組んでまいりたいというふうに考えます。
○猪口邦子君 それでは次に、通常兵器の軍縮外交についてお伺いします。
 テロの実行手段とテロ組織を維持する根本となるのは非合法小型武器、スモール・アームズ・アンド・ライト・ウエポンズという分野です。非合法小型武器の製造、流通、取引を軍縮する国連のプロセスがありまして、私は、自分がジュネーブの軍縮会議日本政府代表部の大使であったとき、最初のフォローアップ政府間会合の国連議長をこの分野で務めたことがあります。
 その後、この活動の一部は武器貿易条約、アームズ・トレード・トリーティー、ATTに結実し、条約は二〇一四年十二月に発効しました。そして、今年九月に、現在のその代表部の大使である高見澤將林大使が、来年日本で開催される予定の第四回締約国会議議長に選出されています。任期はこの会議終了までの一年ですから、既に任期始まっておいでです。
 軍縮外交には大量破壊兵器の分野とこのような通常兵器がありまして、テロ撲滅等人道面からも通常兵器の分野は大変大切なんであります。
 外務大臣にお願いしたい、お伺いしたいのは、日本が議長国となるATT第四回締約国会議への準備、万全に行っていただきたいということと、このような通常兵器の分野におきます軍縮外交への思いをお伺いしたく思います。
○副大臣(佐藤正久君) 委員におかれましては、軍縮代表部の大使のときに、通常兵器、とりわけ小型兵器の軍備管理について御尽力いただいたということについて、まずは敬意を申し上げたいと思います。
 御指摘の通常兵器の軍備管理・軍縮というのは我が国にとっても極めて重視している分野であり、積極的な取組を行ってきております。一例を挙げれば、小型武器に関しては、一九九五年以降、コロンビア、南アフリカとともに小型武器決議案を国連総会に提出しており、本年は我が国が主要提案国として国連へ提出をし、コンセンサスで採択をされました。
 また、ATTに関しましては、条約交渉過程から積極的に関与してきた我が国が、本年九月、次回の締約国会議議長国に選出されました。来年八月に日本国内で開催予定の第四回の締約国会議終了までの任期中、我が国としまして、条約の実効的な履行の促進と条約の普遍化に向けて各国と協力しつつ一層積極的に取り組み、議長国として締約国会議を成功に導くべく尽力する所存であります。
 いずれにせよ、我が国といたしまして、引き続き国際社会の平和、安全に直結する通常兵器の軍縮において主導的な役割を果たしてまいりたいと考えます。
○猪口邦子君 ありがとうございます。
 次は、科学技術の進歩の武器分野への波及についての質問でございます。
 進歩と規制のテンポ、これが合わないことがあり、小さな企業で開発される、国家が把握し切れない民生用新技術がすぐに軍事転用され通常兵器に組み込まれ、軍縮外交も追い付かないような人道被害が生じ得ます。
 自律型致死兵器、LAWS、ローズと言いますけれども、リーサル・オートノーマス・ウエポンズ・システム、いわゆるキラーロボットなどがその例であります。グテーレス国連事務総長はこの分野をフロンティアイシューとして重視しており、今年の十月、国連総会の第一委員会、安全保障と軍縮を扱うところですけれども、ここにて来年の国連総会までにグテーレス事務総長が報告書を提出するようコンセンサスで各国政府が求めています。
 お伺いしたいのは、このような宿題を国連事務総長は負ったわけですので、外務大臣として適切に指導していただきたいと思います。
 また、このLAWSですけれども、CCWという分野がありまして、これは特定通常兵器使用禁止制限条約というものなんですけれども、これは国際人道法を遵守するための特定の通常兵器の使用禁止及び制限、これを目的とする軍縮条約なんです。
 例えば、私が最後にやった第五議定書、これはERW、爆発性戦争残存物、エクスプローシブ・レムナンツ・オブ・ウオーというんですけれども、これが結局、クラスター爆弾禁止条約、これはCCWの枠の外でしたけれども、そこで成立することになるなど、CCWはとても大事なんです。そして、このLAWSはこのCCWの第六議定書として交渉され始めるかもしれないという、こういうところにいると思います。
 既に政府専門家会合が立ち上がっていますので、私は大臣にお願いしたいのは、もし人道法の遵守の観点からの枠組みでこのLAWSが議論されるのであれば、非常に重要なイシューでありますので、仮に交渉が始まるとすれば、是非、現場対処及び本省担当部局を力強く指導していただきたいと思いますし、また、大臣はいろいろな会議、会合に出席されますので、その折に力強くそういう分野の重要性ということを発信していただければと思っております。よろしくお願いします。
○副大臣(佐藤正久君) 委員御指摘のとおり、CCWの枠組みの下でLAWSに関する政府専門家会合が立ち上げられ、先月、ジュネーブにおいて初めての会合が開催されました。
 同会合では、新たな附属議定書の交渉については、予断することなくLAWSに関する国際社会の共通認識の形成を目指し、技術、軍事的効果、法律、倫理といったいろんな側面に関して活発な議論が行われたところであります。
 我が国としても、科学技術の発展が安全保障や軍縮へ与える影響については十分認識しており、先般の政府専門家会合でも、人間が関与しない完全自律型の兵器の開発を行う意図は有していない旨を明らかにしております。一方で、ロボット技術あるいは人工知能技術において先進的な技術を擁する日本として、特にAIなど民生分野における健全な発展を阻害しないよう冷静に議論する必要性も指摘いたしました。
 委員の御指摘を踏まえまして、CCWでの議論、これにおきましても、我が国のこうした立場を踏まえつつ、現場としっかり連携をしながら、本分野におけます国際的な議論に積極的かつ建設的に参加してまいる所存でございます。
○猪口邦子君 ありがとうございます。
 では、最後のところなんですけれども、今週の自民党におけます党本部の様子をお伝えいたしますと、大臣よく御存じなんですけれども、党税調の熱気で包まれているところであります。特に、航空券などに少額課税して国内の観光促進、これに役立てようとする、まあ出国税とも呼ばれていて、今は観光促進税と呼ばれるんだと思いますけれども、そのような新税の創設も議論されています。
 外務省は、長年、ODA等財源を補完する国際連帯税を導入すべきと、そして国連のSDGs達成に寄与したいと訴えてきたところでございますけれども、お伺いしたいのは、この国際連帯税を観光促進新税との関連で航空券などに少額課税する、こういう考えとかタイミング、これを外務省として、あるいは外務大臣としてどう判断されているかということなんですね。国内目的のみの例えば航空券の関連新税、こういうものが成立して、それはそれでいいんですけれども、国際連帯税は後からということになるということはいかがなものかと私は思いますので、お伺いします。
○政府参考人(塚田玉樹君) 国際連帯税につきましては、外務省としましては、SDGs等の国際社会全体の取組やそれを通じた人間の安全保障の実現のための手段の一つとして、国際連帯税の導入に向けて取り組んでいるところでございます。平成二十二年度の税制改正要望以降、毎年国際連帯税の導入を要望しております。今年も財務省に税制改正要望として提出させていただいております。
 委員御指摘の観光促進税につきましては、現在、観光庁を中心に議論が進められているというふうに承知しております。
 外務省としましては、国際連帯税についてはどのような課税方式が適当かにつきまして、他国の実績やあるいは受益と負担の関係、あるいは観光促進税との関係も整理しつつ、今後検討を進めていく考えでございます。
 委員が副会長を務めておられる超党派の国際連帯税創設を求める議員連盟も活発に活動されているというふうに承知しておりますところ、外務省としましては、河野大臣の下、関係者と議論を深め、そして国民の理解が得られますよう引き続きしっかり取り組んでまいりたいと存じております。
○猪口邦子君 終わります。
○中西哲君 自民党の中西哲でございます。
 初めに、河野外務大臣にお伺いいたします。
 河野外務大臣は、就任以来、非常に積極的に活動され、また日本の国益を守るという強い意思で発言され、マスコミなどから高い評価を受けていると思います。このペースで頑張っていただきたいと思います。
 初めに、十一月二十日に米国が北朝鮮を再度テロ支援国家と認定したことについてお伺いいたします。
 中国の中央対外連絡部の宋濤特使が中国に帰った途端の表明でありましたが、この時期とその評価について、大臣の所見をお伺いいたします。
○国務大臣(河野太郎君) 米国が政府の中で行っていることですから、米国の政府内での検討過程がどうなっているのかということに私からお答えするのは差し控えたいと思いますが、先般、トランプ大統領が来日された際、日米両国は、北朝鮮に政策を変更させるためにあらゆる手段を使って北朝鮮に対する圧力を最大限にしていくということで一致をいたしました。その観点から、安倍総理からトランプ大統領に、米国による北朝鮮のテロ支援国家再指定について働きかけをいたしました。そうした働きかけを踏まえ、今般、米国が北朝鮮のテロ支援国家再指定を決定したことは、北朝鮮に対する圧力を強化するものであり、我が国はこれを歓迎し、支援を支持いたします。
 日本としては、日米、そして日米韓三か国で協力し、中国、ロシアを含む関係国とも連携しながら、北朝鮮に対する圧力を最大限に高め、政策変更をさせていきたいというふうに思っております。
 日本として、今回の米国の動向も踏まえながら、懸案のこの北朝鮮の包括的な問題解決に向けて、どのような圧力を掛けていくことが最も効果的かという観点から今後の対応をしっかり検討してまいりたいと思います。
○中西哲君 現在のこの朝鮮半島の状況、中国にとっては、北朝鮮という国家は存続させたい、しかしながら金正恩がなかなか言うことを聞かない。また、アメリカにとっては、現状で軍事攻撃をするようなことは国際的な批判が出ますし、また韓国に大きな被害が出る可能性もあります。これらのことを考えると、北朝鮮の米国に対する挑発を、アメリカとしては中国に抑えてほしいと思っているのではないかと私は思っております。
 また、我が国にとって、軍事衝突は何としても避けたいと思います。しかしながら、二十九日には大陸間弾道弾の発射実験を行い、更に緊張感が高まっております。引き続き、日本の外交努力をお願いしたいと思います。
 続いて、トランプ大統領と韓国大統領が会談をしたわけですが、その点についてどう分析されておりますか。
 河野大臣は、大臣所信におきまして、日韓合意は最終的かつ不可逆的な解決について確認したものであり、韓国側に着実な実施を求めますと述べられました。しかしながら、韓国は、日本大使館前の慰安婦像を始め韓国各地にある慰安婦像を撤去しないばかりか、アメリカなどで慰安婦像の設置を進めております。
 今後、日本はどんな行動を取っていくのかお聞きいたします。
○国務大臣(河野太郎君) 十一月七日に米韓の首脳会談が行われまして、トランプ大統領、文在寅大統領は北朝鮮の非核化をゴールとして目指すということを確認し、北朝鮮への圧力強化ということを示しました。
 北朝鮮問題の対応に当たっては、やはりこの日米韓の三か国が国際社会の取組をリードしていかなければならない、それが必要だというふうに思っております。米韓の首脳の間で北朝鮮問題について率直な意見交換が行われたということは、日米韓の三か国の連携を深めていくという意味でも非常に有意義だと思っております。引き続き、日米並びに日米韓の連携をしっかりとやってまいりたいと思っております。
 また、一昨年の日韓合意につきましては、慰安婦問題の最終的かつ不可逆的な解決について日韓両国間で確認をし、国際社会からも高く評価されました。この合意が着実に実施されることが日韓両国並びに国際社会にとっても重要だと考えております。引き続き、韓国側に対し粘り強く、あらゆる機会を捉えて、合意の着実な実施を求めてまいりたいと思っております。
○中西哲君 今最後に申されましたように、まさに粘り強い交渉をお願いをいたします。
 続いて、トランプ大統領が中国、習近平国家主席と会談したわけですが、トランプ大統領と習近平国家主席との間で、東シナ海、南シナ海における航行の安全についての話合いがあったのかどうか、分かる範囲でお聞きいたします。
○政府参考人(志水史雄君) お答え申し上げます。
 アメリカ、中国という第三国間のやり取りについてコメントすることは差し控えたいと存じますけれども、アメリカ側の発表によりますと、南シナ海情勢について率直な意見交換が行われ、アメリカは、外交努力が成功するためにも航行の自由や国際法が遵守され、当事国が拠点の構築及び軍事化を停止しなければならないとのアメリカの揺るぎない立場を強調したものと承知しております。
○中西哲君 貿易立国である我が国にとって、東シナ海、南シナ海の航行の安全を守ることは大変重要であると思っております。日本の貿易量の五四%がこの海域を航行する民間船舶によって支えられているとのデータもあります。この海域が緊張すると船舶保険が跳ね上がります。日本経済に大きな影響を与えます。したがいまして、日米ももちろんですが、ベトナム、マレーシア、フィリピンなどの南シナ海の周辺諸国と協調して、この海域の航行の安全を守る必要があると思っております。
 そこで、トランプ大統領もベトナム、フィリピンなどを訪れましたが、この特に南シナ海、ここの安全を守るためには、APEC諸国との協調が大切であろうと思います。現在もAPEC諸国に対して日本から経済協力が行われておりますが、APEC諸国との経済協力を引き続き進めることが大切であると思いますが、大臣の所見をお伺いします。
○国務大臣(河野太郎君) おっしゃるように、南シナ海の航行の自由の確保というのは極めて大切だと思っておりますが、この南シナ海において大規模かつ急速な埋立て、拠点構築及びその拠点を軍事目的で利用するなど、一方的な現状変更を試み、緊張を高める行為が散見されます。こうした行為は南シナ海における航行の自由を損ないかねないものであり、我が国を含む国際社会共通の懸念事項と言わざるを得ないと思います。
 政府としては、各国に対し、航行の自由を含む海洋における法の支配の重要性の訴えかけというのを、ASEANあるいはAPEC、EAS、こういう会合の場で訴えかけてまいりまして、この実効性を高める外交努力に努めております。現状を変更し、緊張を高める一方的な行動に対する強い反対を国際社会と共有することによって、そのような行動に対するメッセージを送っているわけでございます。
 また、特にAPECあるいはASEANといった国々の中でも、フィリピンやベトナムといった南シナ海の沿岸国におきましては、ODAも活用しつつ、巡視船あるいは高速船の供与、海上法執行機関のキャパシティービルディング、人材育成といったことをやってまいりました。
 法の支配に基づく自由で開かれた海洋秩序を維持、強化するために国際社会と連携をし、そのために沿岸国に対する能力の向上支援、これからもしっかりやってまいりたいと思っております。
○中西哲君 どうもありがとうございました。
 続いて、小野寺防衛大臣にお伺いいたします。現在、米軍と韓国軍との合同訓練が行われておりまして、朝鮮半島では大変緊張した状態が続いております。
 十一月二十九日の北朝鮮によるミサイル発射についてお伺いいたします。
 小野寺大臣は、参議院予算委員会におきまして、山本一太議員の質問に対して、北朝鮮の朝鮮中央通信の発表を引用して、この火星15型ミサイルは、高度四千四百七十五キロまで上昇し、距離九百五十キロを五十三分間飛行したとの報道があったとの答弁をされました。また、韓国では、このミサイルの最大射程が約一万三千キロで、アメリカ東海岸まで届くのではないかとの報道もありました。
 そこで、防衛省として、このミサイルの射程距離、そして大気圏への再突入に成功したのかどうかなどについて、現状でどう分析しておられるのか、大臣にお伺いいたします。
○国務大臣(小野寺五典君) 十一月二十九日に北朝鮮が発射した弾道ミサイルに関しては、引き続き詳細については分析中です。
 その上で申し上げれば、今回発射された弾道ミサイルについては、本年七月に二度発射されたICBM級の弾道ミサイルとは異なる新型のICBM級の弾道ミサイルであったことと考えられます。
 本年七月に二度発射されたICBM級の弾道ミサイルの射程は少なくとも五千五百キロメートル以上と推定される一方、今回発射された弾道ミサイルについては、その飛翔高度、距離、公表された映像等を踏まえた初期的な評価として、搭載する弾頭の重量等によっては一万キロを超える射程となり得ると考えております。
 いずれにしても、弾道ミサイルの射程は、搭載する弾頭の重量等によって変わり得るものであり、詳細については引き続き総合的、専門的な分析を行ってまいります。
 また、大気圏再突入技術については、今回の弾道ミサイルに関し、米政府当局者が、弾頭が大気圏に再突入した際複数に分解した可能性が高く、北朝鮮は再突入の技術に依然課題を抱えている旨指摘したということについては報道で承知をしております。この点、マティス国防長官は、三日、記者団に対し、今回発射された弾道ミサイルについて、射程を含め、全ての要素について分析中と述べているものと承知をしています。
 防衛省としても、今回の発射で、北朝鮮が再突入技術を実際に実証したか否かについては、引き続き慎重な分析が必要であると認識をしております。
 なお、北朝鮮は今回の発射について、再突入環境で戦闘部の信頼性を再実証したと発表するなど、技術の確立を重視しているものと考えております。
 いずれにしても、我が国としては、核、弾道ミサイルの開発動向を含め、北朝鮮の軍事動向について、引き続き米国、韓国等と緊密に連携しながら、必要な情報の収集、分析及び警戒監視に万全を期してまいりたいと思っております。
○中西哲君 北朝鮮は昨年後半から、ノドンミサイルから始まってこの火星15号まで、物すごい勢いで新しい技術を獲得しつつあります。そして、九月三日には水爆実験と思われる核実験を行いました。
 今回のこの、ひょっとしたら東海岸まで届くくらいの射程距離を持っているかもしれないという実験を受けて、米国の北朝鮮に対する対応がどう変わると防衛省としては見られておるのか、お聞きいたします。
○国務大臣(小野寺五典君) まず指摘をしたいのは、北朝鮮問題については、挑発を行っているのは北朝鮮の方であり、安倍総理も私も、またトランプ大統領も、世界の誰一人として紛争など望んでいないという点であります。
 十一月二十九日に北朝鮮が発射した弾道ミサイルに関しては、射程も含めその詳細については分析を行っているところですが、一部の報道で、今回の弾道ミサイルの射程は一万三千キロメートル以上であり、ワシントンDCを含む米全土を射程に収めるとの指摘もあります。
 いずれにしても、北朝鮮の核・弾道ミサイル開発はこれまでにない重大かつ差し迫った脅威であり、断じて許すことはできません。北朝鮮に政策を変えさせるため、あらゆる手段を使って圧力を最大限にし、北朝鮮の方から対話を求めてくる状況をつくっていくことが重要であります。
 先般のトランプ大統領訪日に際して、日米両国首脳間で、安保理決議の完全な履行、独自制裁の実施、共同訓練の実施、北朝鮮との関係の縮小に向けた各国への外交面での働きかけなど、あらゆる手段を使って北朝鮮に対する圧力を最大限にすることで一致し、日米が北朝鮮問題に関し一〇〇%共にあることを確認したと認識しております。
 また、私もマティス国防長官との電話会談において、日米同盟の抑止力、対処力を一層強化していくことで一致いたしました。北朝鮮に対して目に見える形で圧力を掛け続けていくことや、今後の対応における日米の緊密な連携の重要性を確認しました。
 その上で、米国の今後の対応を予断することは差し控えますが、今後とも日米間で北朝鮮問題への対応に対し緊密に連携してまいります。
○中西哲君 ミサイルの発射実験に対して、日本では、海上自衛隊のイージス艦、そして陸上はPAC3ミサイルで万全の態勢を整えておるんですが、今御答弁にありました中で、マティス国防長官との電話会談、その中でイージス・アショアを中心としたアセットの整備促進をお願いしたとの報道もございました。その内容について、お話しできる範囲でお願いをいたします。
○国務大臣(小野寺五典君) 十二月一日夜、私とマティス国防長官の間で日米防衛相会談、電話会談を行いました。その際、イージス・アショアを中心とする新規装備品について最速のスケジュールで整備できるよう協力を要請し、マティス長官からは協力したい旨の発言がありました。
 北朝鮮が今なお弾道ミサイル能力を増強する中、一刻も早く全国を常時持続的に防御する能力を抜本的に向上させ、国民の生命、我が国の領土、領海、領空を守り抜くより一層の万全の備えを構築する必要があります。
 このため、平成三十年度概算要求において、イージス・アショアを中心とする新規BMDアセットの導入を行うべく、いわゆる事項要求を行い、可及的速やかに取組を進めているところであります。
○中西哲君 陸上型のイージス・アショアでございますが、今はポーランドに設置されておりまして、外形的には、イージス艦の艦橋があって、ちょっと離れたところに二十四発のSM3ミサイルが発射できる装置が付くという状況で、まあロシアが非常に反発しておりますが。
 今、イージス・アショアを早く整備してほしいという私の質問の趣旨は、海上自衛隊が今、恐らく北と南にSM3ブロックTを装備した護衛艦、そして、ブロックTでは自艦防御ができませんので、その船を守るためにもう一隻の護衛艦が付いて、二隻・二隻体制でいると。船というのは年がら年中海におるわけにはいきませんから、訓練、そしてまたドック入り、休養、それで、二隻ずつ三つの組がローテーションで配備しなければならないと。そうすると、二か所で配備しただけでも十二隻の船が弾道ミサイル防衛に取られるわけでございます。今、四十七隻体制で護衛艦が、二五大綱では将来的には五十四隻体制になるということでございますが、現状で非常に船が足りない、そしてまた訓練もおろそかになっているんじゃないかという心配があります。したがいまして、それらの心配を解決するためには、どうしても陸上型のイージス・アショアの配備が必要になってくる。
 そしてまた、海上自衛隊の任務は、そもそも日本周辺海空域における安全の確保、そして西南諸島などの島嶼防衛が優先されるものと思います。したがいまして、この本来の任務に護衛艦隊を就けるためにも、是非早い整備をお願いしたいと思います。
 護衛艦につきましては、十月に基準排水量五千百トンのあさひ型護衛艦の二番艦「しらぬい」が進水したということで、一年以内には配備に就くんじゃないかと思われます。
 五十四隻体制に向けては着々と護衛艦の整備は進んでいると思うんですが、なかなか人が、船乗りが集まりにくい。これは別に海上自衛隊だけじゃなしに、内航海運も同じような状況でございまして、船に乗ってインターネットも使えない、電話も使えないという環境を非常に嫌がるということで、人員の確保に苦労されておりまして、海上自衛隊ではいろんな工夫もされていると聞いております。それについては引き続き努力を続けていただきたいと思います。
 次に、自民党では、本年三月三十日に政府に対して敵基地反撃能力の保有を検討するように申入れを行いました。昭和三十一年、鳩山内閣のときに、鳩山総理が、まさに日本に向かって発射されようとする誘導弾の基地への攻撃について、日本国憲法は座して死を待てとは言っていないと解釈すべきであると発言されました。また、平成十一年には、衆議院安全保障委員会において当時の野呂田防衛庁長官が、武力攻撃が発生した場合とは、侵害のおそれがあるときではなく、また我が国が現実に被害を受けたときでもなく、侵略国が我が国に対して武力攻撃を着手したときであると答弁され、日本の自衛権の発動が被害の発生を条件とするものではないことを明確に述べております。
 現状で、相手国が日本に対してミサイル攻撃に着手したかどうか、判断非常に難しいと思います。したがいまして、本年三月三十日の自民党の申入れは、ミサイル攻撃を受けた後の敵基地攻撃について限定したものでございます。
 御承知のように、弾道ミサイルは、頂点にあるものをミッドコースフェーズと呼び、落ちてくる状況のときにターミナルフェーズ、発射後上昇するのをブーストフェーズと呼びますが、それぞれ迎撃するミサイルも違うんですが、敵基地反撃という言葉よりもゼロフェーズ、つまり発射台にあるミサイルを攻撃するという方が分かりやすいんじゃないかと思います。
 安倍総理は、十一月二十二日の参議院の本会議におきまして、自民党の岡田直樹議員の質問に対して、現状では敵基地反撃能力を持つことは考えていないと答弁されました。しかし、その後、二十九日の北朝鮮による火星15号の発射で状況は変わったのではないかとも思いますが、私はこれについて検討する必要があると思っておるのですが、防衛大臣の所見をお聞きいたします。
○国務大臣(小野寺五典君) いわゆる敵基地攻撃能力については、日米の役割分担の中で米国に依存しており、今後とも日米間の基本的な役割分担を変更することは考えておりません。また、従前から申し上げたとおり、現在、自衛隊は敵基地攻撃を目的とした装備体系を保有しておらず、また保有する計画もありません。
 その上で、我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しくなる中、国民の命と平和な暮らしを守るため何をすべきか、我々は常に現実を踏まえて様々な検討を行っていく責任があると思っております。
 もとより、今後とも専守防衛の考えはいささかも変更はございません。
○中西哲君 今後、日本に限らず、国に対する脅威というのはミサイルが中心になってくるんじゃないかと思っております。弾道ミサイルであれ巡航ミサイルであれ、また航空機からの対地ミサイル攻撃であれ、ミサイル攻撃に対する防御、これが大変重要なことであると思いますので、引き続き御検討をお願いをいたします。
 続きまして、今回のミサイルは、九軸の装輪式移動式発射台、TELから発射されております。これまでのTELは八軸で、恐らく今回のTELは新たに開発されたものであろうと思います。そして、その保有台数についてもまだ確定されておりませんで、二十八年度版防衛白書などにノドンやムスダンというミサイルのTELは最大でそれぞれ五十基程度ではないかとの記述がありますが、それも推計であります。
 そこで、我が国に脅威を及ぼす可能性のある国に対しては、その国の動向をしっかりと把握する能力を我が国が整備する必要があると思っております。現在、北朝鮮のミサイルに対する備えとしては米国あるいは韓国と連携して取り組んでおられます。これは引き続いて連携を取って対応していただきたいと思うんですが、その上で、我が国の情報収集能力を高める必要があると考えております。
 私は、今年三月の参議院予算委員会で情報収集衛星の整備状況について質問いたしました。そのときの答弁では、現在の光学衛星とレーダー衛星と二機ずつ四機体制に加えて、異なる時間帯に撮影するための時間軸多様化衛星四機、即時性の向上を図るためのデータ中継衛星二機の計十機体制整備に向けて取り組むとの答弁がございました。
 現在、この体制が完成するのは何年先か、また、予算を前倒しして整備する必要もあると思うんですが、政府参考人の所見をお伺いいたします。
○政府参考人(笠原俊彦君) お答え申し上げます。
 まず、委員御指摘のとおり、昨今の北朝鮮を始めといたします厳しい国際情勢の中での外交防衛等の安全保障や大規模災害等への対応等の危機管理のため、情報収集衛星の役割がますます重要になっているものと認識をしております。
 このような情勢に鑑みまして、情報収集衛星の機能の拡充強化や即時性の強化に向けて、平成二十八年十二月に宇宙開発戦略本部で決定をされました宇宙基本計画工程表におきまして、合計十機の整備の計画を財源確保策と併せて検討するということとされております。今のところ、現在検討している十機体制の確立は平成三十八年度以降となる見込みでございます。
 当センターといたしましては、十機体制の確立を目指し、こうした整備計画の早期実現に向けた検討を着実に進めてまいりたいと考えております。
○中西哲君 以上で終わります。あとの通告もあったんですが、それはまた次の機会にいたします。
 ありがとうございました。
○藤田幸久君 民進党の藤田幸久でございます。
 河野大臣、小野寺大臣の就任以来の活躍に敬意を表します。
 まず冒頭で、昨日の参議院本会議で北朝鮮に抗議する決議が採択されました。しかし、九月十五日に我が国上空を通過する形での弾道ミサイル発射が行われた際、国会閉会中であったため、本委員会における決議を我々野党側が提案をいたしましたが、与党側の反対で実現しなかったことは極めて遺憾でございます。
 国会閉会中は本会議が開かれず、外交防衛に関する重要案件に対して国民の負託を受けた国会としての意思表示ができるのは本委員会でしかございません。
 あってはならないことを想定することははばかるわけでございますが、仮に国会の意思を表明する必要が生じた場合には、速やかに対応する意思があることを本委員会として御確認いただきますよう、三宅委員長にお願いを申し上げる次第です。
○委員長(三宅伸吾君) 後刻理事会で協議させていただきます。
○藤田幸久君 では、まず河野大臣にお伺いします。河野大臣の考える外交とは何でしょうか。
○国務大臣(河野太郎君) 外交の使命というのは、国民の平和、安全、繁栄をしっかりと確保することにあるというふうに思っております。
 今の北朝鮮危機の中で、日本をめぐる安全保障環境が一段と厳しさを増している中で、六つの重点分野というのを就任時の記者会見で申し上げました。一つは、日米同盟を更に強化し、同盟国、友好国とのネットワーク化を進めていく、二つ目が、中国、韓国、ロシアを始めとする近隣諸国との協力関係をしっかりと強化していく、三つ目が、日本が旗振り役となって自由貿易を含め経済外交をしっかりと進めていく、四つ目が、軍縮・不拡散あるいは気候変動など地球規模課題に貢献をしていく、五つ目が、中東の平和と安定にしっかりと寄与していく取組を進めていきたいということ、六つ目に、自由で開かれたインド太平洋戦略を推進していくということでございます。
 国際秩序が変動する中で、世界に平和と繁栄をもたらすべく、日本が世界の道しるべとなれるように、しっかり外交を展開してまいりたいと思います。
○藤田幸久君 北朝鮮問題で、軍事行動を視野に置くトランプ大統領と、外交による解決を目指すティラソン国務長官との意見の違いが報道をされておりますが、河野大臣はどちらの立場を支持されますでしょうか。
○国務大臣(河野太郎君) 米国内でそのような対立があるかどうかということは、これは私から申し上げるのは差し控えたいと思います。
○藤田幸久君 戦争をさせないことが外交の最大の意味ではないかと思いますが、仮に戦争に至るといったような場合には外交の最大の失敗ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(河野太郎君) まあ戦争と外交についてはいろんな御意見が古今東西ございます。今、藤田委員がおっしゃったようなことを言う方もいらっしゃれば、戦争というのは外交の延長であり、外交というのは戦争の延長なんだということを申し上げた方もいらっしゃいます。
○藤田幸久君 評論家のような答弁以上の答弁を欲したわけでございますが、具体的な質問に移ってまいります。
 北朝鮮への圧力強化に関して、いわゆる、大臣は、圧力強化を通じて北朝鮮の政策を変えさせる、あるいは北朝鮮の側から対話を求めることにつながる圧力とおっしゃっておられますけれども、圧力一辺倒だと、逆に言うと、反発し挑発を加速をしてしまう。
 北朝鮮の側から対話を求めてくるという論理の根拠を示していただきたいと思います。
○国務大臣(河野太郎君) これまでも、九四年でしたか、米朝枠組み合意、二〇〇五年の六者会合、国際社会は北朝鮮と何度か対話をしてまいりましたが、結論から言えば、いずれの場合も北朝鮮が核やミサイルを開発するその時間稼ぎに使ったわけでございます。
 今、恐らく世界の誰一人として紛争をこの朝鮮半島で起こすことを望んでいる人はいないと思いますが、北朝鮮が国際社会に対してこれだけの挑発を繰り返してきているわけでありまして、責任を負うべきは北朝鮮でございます。
 我々としては、日本だけでなく、韓国、米国、中国、ロシア、そしてそのほかの国際社会も、北朝鮮が核を保有するということは断じて認められない、朝鮮半島を非核化するのがゴールだというところは一致をしているわけでございます。
 そのためには、国際社会が一致協力をして北朝鮮に対して圧力を掛け、北朝鮮の今の体制がこのままのコースを続けていっても北朝鮮に明るい未来は来ないということを認識し、北朝鮮自らが核、ミサイルを放棄をし対話を求めてくるその意思表示、そして具体的な確固たる一歩、二歩を踏み出すということが、国際社会が対話に応ずる必要条件だというふうに思っております。
 対話をしないと言っているのではなく、対話のための対話では朝鮮半島の非核化を実現することができないわけで、北朝鮮がこのままのコースを続けても意味がないということを認識させるための圧力というのが必要だというふうに考えております。
○藤田幸久君 時間稼ぎとおっしゃいましたが、実は最近、アメリカのマクマスター大統領補佐官、政府の方が、北朝鮮が米国にとって最大の脅威だと、差し迫った脅威だと、と同時に、早急に問題を解決しなければ武力衝突にどんどん近づいていく、余り時間は残されていないと言っています。つまり、時間稼ぎじゃなくて時間はないんだというふうにアメリカの政府の担当者が言っています。
 つまり、逆の状況が今起きているということだろうと思いますけれども、つまり、対話のための対話ではないとおっしゃっているけれども、対話のための圧力が実は時間がなくなってきているということをアメリカの担当者が言っている。逆の今状況にあるんじゃないでしょうか。
○国務大臣(河野太郎君) 日米首脳会談においても、米韓首脳会談においても、あるいは日米韓の首脳会談においても、北朝鮮の政策を変更させるために最大限の圧力を国際社会一致して掛けていかなければならないというところで合意をしておりますので、私は別に時間がないとは思いません。
○藤田幸久君 先ほど中西議員の質問で、アメリカがテロ支援国家再指定を行ったと、これは圧力を強化して政策を変えさせるものだとおっしゃいましたが、今回、テロ支援国家再指定を行った途端、政策変更じゃなくてミサイル発射をしてきたんです。ですから、テロ指定国家をしたことについて、政策転換ではなくて実はミサイルが飛んできたと。逆の状況にあるんじゃないでしょうか。
○国務大臣(河野太郎君) 北朝鮮はこの数十日間、着実にミサイルの開発を進めていたということが明らかになったんだと思います。今、挑発行動を行っているのはただ一人北朝鮮のみでありまして、この北朝鮮の対応を変更させるために国際社会がしっかり圧力を掛けていかなければならないという考え方に変わりはございません。
○藤田幸久君 いや、ですから、北朝鮮だけが挑発をしてくる、だけど、それを止めるならいいんですけど、その挑発が更に増大しているということは政策転換になっていないんじゃないですかということを言っているんです。
○国務大臣(河野太郎君) 今回、ミサイル発射で明らかになったのは、北朝鮮が着実にミサイルの開発を続けていたということであって、それを米国のテロ支援国家再指定と安易に結び付けることはその本質を見誤ることになると思います。
○藤田幸久君 いや、先ほど中西委員の質問に対して、政策転換のための再指定だとおっしゃったので、私は言っているわけでございます。
 時間がないので次に行きますけれども、日本が核兵器禁止条約に参加しないということは、北朝鮮が核兵器を、核放棄をしない口実を与えているんじゃないでしょうか。
○国務大臣(河野太郎君) 北朝鮮がこれまで相当な時間を掛けて核開発、ミサイル開発を行ってきたのは極めて明らかでございまして、この核兵器禁止条約に日本が参加する、しないとは全く関係ない、そういうときからこの核、ミサイルの開発を続けてきたわけでございます。
 この北朝鮮の核や弾道ミサイルの開発は、我が国を含むこの地域、そして国際社会の平和と安全に対するこれまでにない重大かつ差し迫った脅威であるという認識に全く変わりはございません。NPTを中心とする国際的な核軍縮・不拡散体制に対する重大な挑戦であるというふうに考えております。
○藤田幸久君 小野寺防衛大臣に伺います。
 このマクマスター、アメリカの大統領補佐官は、韓国で多くの人命が犠牲にならずに済む軍事攻撃オプションは存在しないとおっしゃっています。ということは、韓国在住の日本人、数万人いらっしゃいますが、あるいは日本の国土に犠牲が出ない軍事オプションというものはあり得るんでしょうか。
○国務大臣(小野寺五典君) 御指摘の報道については承知をしておりますが、米国の今後の対応を予断することは差し控えさせていただきます。
 その上でまず指摘をしたいのは、北朝鮮問題については、挑発を行っているのは北朝鮮の方であり、安倍総理もまたトランプ大統領も世界中の誰一人として紛争など望んでいないという点であります。北朝鮮に政策を変えさせるためにあらゆる手段を使って圧力を最大限にし、北朝鮮の方から対話を求めてくる状況をつくっていくことが重要です。
 先般のトランプ大統領訪日に際しては、日米両首脳間で、安保理決議の完全な履行、独自制裁の実施、共同訓練の実施、北朝鮮との関係の縮小に向けた各国への外交面での働きかけなど、あらゆる手段を使って北朝鮮に対する圧力を最大限にすることで一致し、日米が北朝鮮問題に関し一〇〇%共にあるということを確認したと承知をしております。
 また、今月一日の私とマティス国防長官との電話会談でも、日米同盟の抑止力、対処力を一層強化していくことで一致するとともに、北朝鮮に対して目に見える形で圧力を掛け続けていくことや、今後の対応における日米の緊密な連携の重要性を確認しました。
 いずれにしても、今後とも日米間で北朝鮮問題への対応に関し緊密に連携してまいりたいと思います。
○藤田幸久君 昨日から、アメリカ、韓国両軍は、航空機約二百三十機を投入する大規模な共同訓練、ビジラント・エースを始めたようでありますが、北朝鮮の攻撃の兆候を事前につかんで先制攻撃できる能力を誇示する狙いがあるということでございますが、この両国による先制攻撃を日本は支援するのかどうか、小野寺大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(小野寺五典君) 米太平洋空軍の発表によれば、十二月四日から八日までの予定で、米韓両軍が合同で相互運用性の向上と戦闘効率の強化を目的とした定例の飛行訓練、ビジラント・エース18が実施され、同訓練には米空軍、米海兵隊及び米海軍から約一万二千名、米韓両軍から約二百三十機の航空機が参加予定と承知をしております。
 我が国の防衛、そして地域の平和と安全の確保には、日米同盟及び米韓同盟による強い抑止力が必要です。このような観点から、米韓の間の協力が進むことは地域の平和と安定に資するものであり、我が国として支持をしております。
 その上で、米韓両国による先制攻撃といった仮定の質問にお答えすることは差し控えますが、北朝鮮問題については、挑発を行っているのは北朝鮮の方であり、安倍総理もまたトランプ大統領も世界中の誰一人として紛争など望んでいないという点を指摘する必要があると思っています。
○藤田幸久君 挑発をしているのは向こうだけれども、もっとその挑発が加速して犠牲を受けるのは日本人であることに対してどう対応するかということを聞いているということを肝に銘じて、お二人の大臣にはお伝えをしておきたいと思います。
 ところで、十一月二十九日、北朝鮮が弾道ミサイル発射をしたわけですが、安倍総理が公邸に泊まって、官房長官は、弾道ミサイル発射の約四十分後、しかも日本海に着水する前に記者会見をしました。日本政府はこの発射の情報をいつどこから入手していたのか、小野寺大臣、お答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(小野寺五典君) 北朝鮮のミサイル発射に関する動向については、政府として平素から重大な関心を持って情報収集、分析に努めておりますが、個々の具体的な情報の内容については、我が国の情報収集能力が明らかになりかねないため、お答えは差し控えさせていただきます。
 いずれにしても、政府としては、こうした弾道ミサイルの発射を含め、北朝鮮の軍事動向について、引き続き米国や韓国を始めとする関係国と緊密に連携しつつ、重大な関心を持って情報の収集、分析に努め、我が国の平和と安全の確保に万全を期してまいりたいと思っています。
○藤田幸久君 一言。つまり事前に情報は分かっていたわけですね。
○国務大臣(小野寺五典君) 私どもとしては、常日頃から様々な情報収集を行っております。
○藤田幸久君 外務大臣、この日、北京時間で朝三時頃だろうと思いますが、北京の日本大使館から北朝鮮大使館に抗議したということでありますけれども、ふだんから二十四時間、緊急の場合でもぱっと電話を掛けられる、お互い携帯電話を所持しながら、そういう連絡取り合う体制があるということでよろしいですね。
○国務大臣(河野太郎君) 俗に大使館ルートと呼ばれているルートを通じて、これまでも北朝鮮とは必要に応じて連絡を取り合ってきたというのは事実でございます。
○藤田幸久君 普通、朝三時ということは、外交的には事前に、今から連絡しますよというような、事前に言った上で連絡をしたわけですね。
○国務大臣(河野太郎君) やり取りの詳細は差し控えます。
○藤田幸久君 次に、カンボジアの関係についてお話をしたいと思います。
 今日、私、最近、明石康さんからいただいたこの本でございますけれども、(資料提示)「カンボジアPKO日記」というのをいただきました。カンボジアというのは、日本外交あるいは国連外交等にとってもサクセスストーリーであります。一方で、ボランティアの中田厚仁さんが亡くなった、高田警部補が亡くなった、それから、小野寺大臣の後輩になるのかな、堀本崇さんという、私がカンボジアに紹介したんですが、お坊さんになった。ただ、交通事故で亡くなってしまった。
 私事ですが、私の息子が二十年ほど前、ちょっと事故で亡くなっているんですが、亡くなる前日に、将来カンボジアで人道援助活動をしたいというんで、遺骨を実は分骨してあります。
 いろんなカンボジアの関係の方あるんですが、残念ながら、この資料の一枚目を御覧いただきたいと思いますが、今なんか恐怖政治のようになってしまっています。四角で囲ったところが、例えば、二〇一三年に野党が躍進をしました。それから、今年は地方選挙で野党が躍進をしたんですが、その後、ここに線を引いておきましたけれども、フン・セン首相の警護隊が暴行、国会の副議長が解任、野党第一党の党首に逮捕状を発出、それから実刑判決。それから今年は、党首が有罪確定すると政党の解体が可能になってしまった。そして、最も最近は、つい先月でございますけれども、最高裁が野党の解党を命じたと、こういうことが行われております。
 次のページ、これは実は三月、この委員会で配付をいたした資料ですが、これ、おととしの十月ですけれども、国会議事堂の真ん前で白昼堂々、フン・セン首相のボディーガードが国会議員を豪打し、一名は失明をし片目、一名は骨折をした。そして、真ん中の右の写真ですが、そのフン・セン首相の警護隊員が有罪を受けたと。これが今カンボジアの現状でございます。
 私は、これはやっぱりサクセスストーリーの日本外交、国連外交、PKOにとっても、こういう状況でいってしまったならば、これは恐怖政治あるいは政治弾圧が極め付けだろうと思っております。
 日本政府として、このカンボジア政府に対してどういう対応をしてこられたのか、まず河野大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(河野太郎君) 八月にフン・セン首相が来日されまして、安倍総理から来年の国政選挙の、自由で公正な国政選挙の実施を促しました。その後、今委員御指摘の野党党首の逮捕や同党の解党など政治情勢の緊張が高まっているため、様々な機会を捉えて我が国の懸念を伝達をしてまいりました。
 今後も、我が国としては、カンボジアに日本として深くコミットしてきたという歴史がございますので、しっかりと情勢を注視し、適切な対応を取ってまいりたいと思っております。
○藤田幸久君 アメリカ政府、EUは単に非難声明を出しただけじゃなくて、アメリカ政府は、来年の議会選挙、今のままだと自由で公正でないというんで、選挙委員会への援助中止を決定しています。
 日本はこの選挙改革支援を継続すると言っておりますけれども、北朝鮮に対しておっしゃっているように、政策変更をさせる圧力が必要じゃないでしょうか。いかがでしょうか。
○国務大臣(河野太郎君) 日本としては、この状況をカンボジア人同士でしっかりと解決策を見出していただきたいというふうに考えております。その状況の改善に向けた関係者間の信頼回復と対話を今静かな形で促そうとしているところでございまして、現時点では少し欧米と違うアプローチを取っているのは事実でございます。既に我が国の懸念をハイレベルでカンボジア側に伝達しており、一部のやり取りについては要点を対外的に明らかにしております。
 我が国としては、今この来年の選挙改革の支援を止めてしまうと全く自由で公正な選挙が行われなくなるのではないかという懸念を持っておりますので、今の時点では国民の意思が反映される形で選挙が実施されることが何よりも重要と考えて、カンボジア政府にその旨働きかけると同時に、選挙改革の支援を継続していく考えでおります。
 ただ、委員御指摘のように、ここから先、明らかに情勢が更に悪くなり、改善される見込みがないということになった場合については日本としてもいろいろ考えなければならないというふうに思っておりますが、日本としてまだ働きかけをできる余地があるのではないかというふうに考えているところでございます。
○藤田幸久君 見込みのない状況になった場合には是非適切な政策変更をさせる圧力を掛けていただきたいということを、これは政府同士というよりも、これは国民的なコミットメントの国でありますので、お願いをしたいと思っております。
 最後に、トランプ大統領の今回の来日ですけれども、河野大臣がお迎えになったトランプ大統領は横田基地でございました。これまで来日した歴代のアメリカ大統領七人は全部民間空港で来日をされました。今回、日本政府がアメリカ軍基地へ大統領、入国を認めた理由は何でしょうか。
○国務大臣(河野太郎君) 二〇〇〇年七月にクリントン大統領が九州・沖縄サミットのために来日されたときには嘉手納の飛行場を、昨年の五月、オバマ大統領が広島を訪問した際には岩国の飛行場を利用した実績がございます。
 今回のトランプ大統領の来日に当たりましては、到着後の大統領の日程など諸般の事情を総合的に勘案し、日米で協議の上、関係省庁間で必要な調整を行って横田の飛行場を利用することといたしました。
○藤田幸久君 今の二つの例は入国のときじゃありません。入国、最初に日本に入国したのは初めてだろうと思いますが、いかがでしょうか。嘉手納、岩国は途中からでしょう。
○国務大臣(河野太郎君) 調べて後ほどお答えいたします。
○藤田幸久君 恐らく入国というのは初めてだろうと思いますけれども、これは主権国家としてアメリカ側に、入国時に当たっては民間飛行場に入るという要請はしていなかったということでしょうか。
○国務大臣(河野太郎君) 申し上げましたように、米国側と諸般の事情を総合的に勘案し、協議の上、横田飛行場を利用することといたしたものです。
○藤田幸久君 横田基地の周辺の空域、これは資料に出ておりますけれども、資料の三ページ目に横田空域とあります。これは石原元東京都知事が、米軍の飛行機というのは言うことを聞かない、占領したつもりでいるから空における主権が横田基地周辺の空域にはないということで周辺の皆さんに迷惑を掛けていると言っております。
 この地図にありますように、一都八県にまたがる広大な横田空域が設置された経緯、それから、横田空域が提供され、米軍が航空管制など空域を管理している法的根拠についてお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(河野太郎君) いわゆる横田空域とは、日米合同委員会合意により、米軍が横田飛行場において進入管制業務、すなわち飛行場などからの離陸に続く上昇飛行や着陸のための降下飛行を行う航空機等に対して管制業務を実施する空域、横田進入管制空域を指すものと理解をしております。
 これは、昭和五十年の航空交通管制に関する日米合同委員会合意により、横田空域を含め、日米地位協定第二条により、施設及び区域として使用を許可した飛行場及びそれらに隣接し、またそれらの近傍の空域において、米国政府が航空交通管制業務を行うことを認めたものでございます。
○藤田幸久君 この資料の六枚目、最後にこの日米合同委員会組織図というのをお配りしております。これを見てびっくりすることは、要するに、在日米軍の人たちと日本の官僚機構の役人の皆さんがこれだけ広範なことについて協議をしている。これは国会議員も関わっておりません。ということは、仮に、今話題になっております北朝鮮の軍事オプションというようなことについて関係の事案が出てきた場合には、これも在日米軍と役所の官僚の人たちがいろんなことを決めていくことになるんだろうと思いますが、この日米合同委員会の権限というのはどういう権限があるんでしょうか。
○委員長(三宅伸吾君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(三宅伸吾君) 速記を起こしてください。
○国務大臣(河野太郎君) 合同委員会は、特に合衆国が相互協力及び安全保障条約の目的の遂行に当たって使用するため必要とされる日本国内の施設及び区域を決定する協議機関として任務を行うことになっております。
○藤田幸久君 つまり、この組織図でお分かりのとおり、これ、かなりの役所の幹部が、相手が国務省じゃないんです、在日米軍といろんなことをこの国会の協議とか別に決めていってしまう。ということは、軍事オプションが出てきた場合に、これ在日米軍とこの役所が細かいことをいろんなことを決めてしまう。これは、法律と別の次元でいろんなことを決めてしまうということは、これはかなり専管事項がある、実態として。非常に危険な状況じゃないかと思っておりますけれども、先ほどの平和ということを尊重する外務大臣として、これはやっぱり、例えば大使とやっているのなら別ですよ、相手が、ハガティ大使。そうではなくて、在日米軍と日本の省庁がこういったことをやっているということは、非常に今後いろいろ問題あるんじゃないでしょうか。
○国務大臣(河野太郎君) 日米安保を動かしていくためには様々事務的な作業もあるわけで、それは事務方同士でやはりやらなければならないんだろうと思います。重要な決定については、これは政府間で行ってまいります。
○委員長(三宅伸吾君) 藤田君、時間となっております。
○藤田幸久君 つまり、これは重要な決定、政府間のやり取りではなくて、その下の部分を実質的に決めてしまうやり取りで、しかも、相手が大使以下の、大使ではなくて米軍と重要なことを決めていくという理解でよろしいですね。
○国務大臣(河野太郎君) これは日米安保を動かしていくための必要な協議を行う場であります。必要な協議であれば、それは政府間で、更にハイレベルで協議を行うものだと承知しております。
○藤田幸久君 この空域というのは、つまり、日米安保に関係することですから、日米安保に関係することでもってこの空域というものが決められて、日本の飛行機が迂回しなければいけないということでよろしいんですか。
○国務大臣(河野太郎君) この空域は、先ほど申し上げましたように、昭和五十年の航空交通管制に関する日米合同委員会合意により、横田空域を含め、日米地位協定第二条により、施設及び区域として使用を許可した飛行場及びそれらに隣接し、またそれらの近傍の空域において、米国政府が航空交通管制業務を行うことを認めたものでございます。
○藤田幸久君 時間がありません、なくなりましたので、これは安保を超えたはるかに重要な案件に関わることについて、しっかりと政府としてやり取りをしていただくことを、外務大臣としてしっかりチェックをしていただくことを要望して、質問を終わります。
 ありがとうございました。
○小西洋之君 民進党・新緑風会の小西洋之でございます。
 冒頭、先ほどの佐藤外務副大臣の重大な問題発言について質疑等をまずさせていただきたいと思います。
 今、委員部の方から速記録をいただきましたけれども、佐藤副大臣はこのようにおっしゃっています。外務副大臣を拝命いたしました佐藤正久でございます、事に臨んでは危険を顧みず。今、私が読み上げる服務の宣誓でございますけれども、委員の先生方のお手元に配られております私の今日の配付資料の中に実は入っております。昭和四十七年政府見解というこの古い政府見解ですね、七・一閣議決定のこの大きな文字ではなくて、小さい四十七年政府見解の資料の七ページ目でございます。是非開いていただきたいと思います。
 今の佐藤副大臣の挨拶の続きでございますが、始めから言います。外務副大臣を拝命いたしました佐藤正久でございます、事に臨んでは危険を顧みず、身をもって責務の完遂に務め、もって国民の負託に応える決意であります、厳しい安全保障環境の中で、国家国民の安全、安心を守るため、現場主義で汗をかいてまいります。以下、略させていただきます。
 私は、この佐藤副大臣の挨拶、この外交防衛委員会に対して政府として行われた挨拶は、日本国憲法の趣旨に反し、また自衛隊法や外務省設置法などとの関係で、それらの趣旨、また国家行政組織法の趣旨にも反する暴言であると思います。佐藤副大臣は内閣において即刻罷免をされるべきであると考えます。今からその理由を御説明をさせていただきたいと思います。
 では、小野寺大臣、この自衛隊員の服務の宣誓ですけれども、何の法令に基づいて全自衛隊員が自衛隊員になったときに行っているものか御存じでしょうか。
 知らなかったら結構ですけれども、服務の宣誓は何の法令に基づいて自衛隊員が行っているのか御存じですか。
○国務大臣(小野寺五典君) 服務の宣誓は、自衛隊法第五十三条の規定に基づくと理解しています。
○小西洋之君 今大臣が答弁いただきましたように、佐藤外務副大臣が外交防衛委員会で、この決意でありますとおっしゃった服務の宣誓は自衛隊法に基づく制度なんです。自衛隊法と自衛隊組織令に基づくものであります。先ほども外交と防衛の違いの質問がございましたけれども、紛争を阻止する、他に適当な手段がない、もうほかに全て手段がない、外交ではもう間に合わない、どうしようもない、防げないときに武力を行使して国民を守るのが防衛省の役割であり、その下の自衛隊の役割であります。
 また、日本国憲法の第六十六条二項には、こういう規定がございます。「内閣総理大臣その他の国務大臣は、文民でなければならない。」、文民でなければならない、この趣旨は、かつての政府答弁において、武断政治を排除する、安倍内閣の解釈改憲以前に唯一解釈変更が行われた例でございます。かつて自衛隊員は、武人ではない、文民であるというふうにされておりました。しかし、自衛隊の装備の実態などから見て、組織の実態などから見て、文民ではない、武人であるというふうに解釈変更された経緯もございます。つまり、自衛隊員の服務の宣誓というものは武人の精神の言わば真髄を言ったものであり、武力の行使に当たってのその職務の精神、それを述べたものでございます。
 河野外務大臣に質問させていただきます。
 大臣は、この佐藤副大臣の服務の宣誓の、もって国民の負託に応える決意である、このような就任に当たっての挨拶をこの外交防衛委員会ですることを事前に御存じでしたでしょうか、かつ、それを了承されたのでしょうか。
○国務大臣(河野太郎君) 佐藤副大臣がどのような挨拶をするか、別に事前に原稿を見ていたわけではございませんが、外務省の職員も国民の平和あるいは安全、繁栄を守るために身をなげうって職務を行うわけでございます。
 外務省の中には、外務省の職員として殉職した方々のための碑が、碑というか像がございますが、外務省の職員も、いざというときには、国民を守るためには危険を顧みず、身をもって責務の完遂に務める必要があるというのは、これは公務員として変わりません。これは自衛隊であろうが外務省の職員であろうが、あるいは国家公務員ではないかもしれませんが、警察官、消防員、あるいは消防団員といった方々も、いざ事に臨んでは危険を顧みず、身をもって責務の完遂に務める、そういう方が大勢いらっしゃるわけでございまして、私は特に問題があるとは思っておりません。
○小西洋之君 佐藤外務副大臣に続いて河野外務大臣まで大臣辞職に値する暴言をおっしゃいました。
 河野大臣に伺いますけれども、今おっしゃられたこの服務の宣誓の文言ですね。事に臨んでは危険を顧みず、身をもって責務の完遂に務め、もって国民の負託に応える。このような宣誓をやっている公務員が自衛隊員以外に、私もかつて総務省の職員でした、日本国の全公務員は就任に当たって宣誓をします。この服務の宣誓と全く同じ文言の宣誓をしている公務員がいるかどうか御存じですか。
○国務大臣(河野太郎君) 佐藤副大臣は、別に服務の宣誓をしたわけではなくて、事に臨んでは危険を顧みず、身をもって責務の完遂に務めというのは、これはどんな場面でも公務員として必要な場合にはこういう覚悟で事に当たらなければいけないということを述べたまでであります。
○小西洋之君 聞いたことに簡潔に答えてください。
 他の公務員で、自衛隊員以外に法令上こうした服務の宣誓と同じ文言の宣誓をしている公務員がいるかどうか御存じですか。聞いたことに答えてください。
○国務大臣(河野太郎君) 存じ上げません。
○小西洋之君 これはかつて外交防衛委員会、予算委員会その他で私、取り上げたことがございますけど、ないんです。これ政府も確認しています、ないんです。唯一自衛隊員だけなんです。しかも、今、河野大臣のその答弁は、私はある意味自衛隊員を愚弄するものだと思います。全公務員の中で、事に臨んでは、有事の際には危険を顧みるなと、身をもって、つまり、自分の命を投げ出してまでも国民を守り抜けと、責務の完遂を行えと、そのことを宣誓を行う、そのことを宣誓しているのが自衛隊員の服務の宣誓なんです。それはこの上なく重い重い宣誓なんです。
 普通の公務員に対しては、職務上このような宣誓を法令上行うことは私は許されないと考えますけれども、先ほど、外務省の職員も同じような精神で職務に当たっている、いざというときには危険を顧みず、身をもって責務の完遂に務めるんだというふうにおっしゃいましたけれども、撤回なさいませんか。河野大臣に伺います。
○国務大臣(河野太郎君) 別に服務の宣誓をしているわけではなくて、事に臨んで、いざというときには国民を守るために、邦人保護の場合のようなときには国民を守るために我が身の危険を顧みずにやらなければいけないということはあるだろうと思いますし、外務省の職員でも、かつての杉原千畝のように大勢の方を救うために様々な行動を取った方もいらっしゃるわけでありますから、特に問題があるとは私は思いません。
○小西洋之君 委員長に、委員会に対して政府見解の提出をお願いさせていただきたいと思います。
 まず、佐藤副大臣の先ほどの挨拶ですけれども、全体としてどういう意味で、私が読み上げた部分ですけれども、挨拶としてどういう意味、どういう趣旨で行っているのかが一点。
 また、佐藤副大臣がおっしゃった言葉ですね。今から申し上げます。事に臨んでの、この事に臨んでとはどういう意味で言ったのか。危険を顧みずとはどういう意味でおっしゃったのか。身をもってとはどういう意味でおっしゃったのか。責務の完遂に務めというのはどういう意味でおっしゃったのか。最後、国民の負託に応える、これもどういう意味でおっしゃったのか。
 全体の意味と、一つ一つの言葉の意味を政府の見解としてこの理事会に提出いただきまして、その上で、内閣として佐藤副大臣を罷免すべきこと、また、佐藤副大臣のこの文言を使った挨拶を肯定された外務大臣の問題について、理事会として協議いただくことをお願いいたします。
○委員長(三宅伸吾君) 後刻理事会で協議いたします。
○小西洋之君 ありがとうございました。
 恐るべきことが起きていると思います。かつて、日本の戦前は、外交をも軍部、軍事が支配してしまった。外務省の中にも、こうした武力で事を解決するんだと。外交の役割というのは、あくまで武力紛争を何が何でも阻止するのが外交の役割でございます。しかし、その国際問題を武力によって解決してもいいじゃないかという革新派官僚と言われるような外務官僚が生まれて、そして全体として軍国主義の流れの中で日本は無謀な戦争に、誤った国策に突き進んでいった、そうした歴史を河野大臣、そして小野寺大臣もしっかりとかみしめていただいて、政府として先ほどの要求に、私の統一見解の要求に対して誠実に答えていただけるように思います。
 やはり、ちょっと一言、もう一つ、河野大臣、ちょっとこの場で確認させていただきますけど、河野大臣、佐藤副大臣を内閣として罷免すべきだと私は考えますが、罷免するお考えはございますか。
○国務大臣(河野太郎君) 全くございません。
○小西洋之君 では、理事会でしっかり協議をいただきたいと思います。
 では、質問に移らせていただきたいと思います。
 先日の両大臣の所信表明の中で、安保法制に基づき取り組んでいくといった趣旨のことがございましたので、安保法制の違憲問題、この委員会の中では何度も取り上げさせていただきました。三宅委員長は初めての御説明をさせていただくことになるかもしれませんが、日本政治最大の問題でございます。
 私の質問の目的の趣旨は、安保法制の違憲、特に集団的自衛権の解釈変更の違憲問題をしっかりと両大臣に御認識いただいて、まかり間違っても日本がアメリカを守るために武力の行使、集団的自衛権を発動、アメリカのために集団的自衛権を発動する、あるいは限定的な集団的自衛権を発動する、そのようなことがないようにというものでございます。
 二つの資料をお配りさせていただいておりますけれども、済みません、ちょっと冒頭で時間を使ってしまいましたので簡潔に申し上げさせていただきますが、この文字の大きい七月一日の閣議決定でございますけれども、実は安倍内閣は、七月一日の閣議決定の中に、憲法九条の条文を変えない限りできないと歴代政府が答弁していた集団的自衛権がなぜ合憲になったのか、その理由を真正面から書いております。
 (1)で、政府の解釈には論理的整合性と法的安定性が求められる、したがって、もし解釈変更する場合という意味ですけれども、従来の政府見解における憲法九条解釈の基本的な論理の枠内で論理的な帰結を導く必要があるというふうにしております。つまり、歴代政府が守ってきた九条の解釈の基本的な論理なるものがあると、その枠内の解釈変更であれば合憲なんだという意味であります。
 じゃ、安倍政権の言う九条解釈の基本的な論理とは何かが、下の(2)でございますけれども、この自衛の措置は、あくまで外国の武力攻撃によって国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆されるという急迫、不正の事態に対処し、国民のこれらの権利を守るためのやむを得ない措置として初めて容認をされるものであり、そのための必要最小限度の武力の行使は許容される、これが基本的な論理であり、昭和四十七年十月十四日に参議院決算委員会に対し政府から提出された資料、集団的自衛権と憲法の関係に明確に示されているところであるというふうにしております。
 今私が読み上げました昭和四十七年の決算委員会に提出された資料というのが皆様にも縮小コピーでお配りをさせていただき、私が今右手で掲げさせていただいているいわゆる昭和四十七年政府見解でございます。この閣議決定に書いてあるとおり、安倍政権は、限定的な集団的自衛権を許容する九条解釈の基本的な論理がこの四十七年見解の中に明確に示されているということを言っているわけでございます。
 実際に安倍政権が言っている言葉があります。この四十七年見解の方の資料、下にマジックのページがあるんですが、二ページ、御覧いただけますでしょうか。二ページの右下にマジックで引いたところがありますけれども、この外国の武力攻撃によって国民の生命、自由及び幸福追求の権利云々というのは、さっき私が読み上げさせていただいたこの七・一閣議決定の(2)の安倍政権が九条の解釈の基本的な論理だと言っている箇所でございます。
 じゃ、なぜこの基本的な論理、この箇所に集団的自衛権が合憲と読めるのかというと、その理由は一つしかございません。この資料の中で外国の武力攻撃という太い文字にしたもの、あるいは原本の方では黒いマジックで引いた外国の武力攻撃……(発言する者あり)事前に通告させていただいたので、しっかりレク受けていると思うんですが、分かりませんか。もう本会議を含め予算委員会で何度も。
 じゃ、丁寧に。じゃ、大臣、これ御覧いただけますか。こちらの、七・一閣議決定の。
 じゃ、止めてください。配付資料が行っていないそうです。
○委員長(三宅伸吾君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(三宅伸吾君) 速記を起こしてください。
○小西洋之君 では、よろしいですか、大臣。
 この大きな文字の、七・一閣議決定の外国の武力攻撃という文字がありますね。一ページ目です、一ページ目。この外国の武力攻撃に誰に対すると書いていないと。ただ、日本の義務教育を受けた普通の日本人の、日本国民の皆さんであれば、この外国の武力攻撃は日本国に対する外国の武力攻撃としか普通は読めないはずであります。日本国に対する外国の武力攻撃によって国民の生命、自由、幸福追求の権利が根底から覆される、つまり個別的自衛権の局面を言っている文章、それに限られるはずだということなんですけれども、しかし、安倍政権は違うと言い始めたわけでございます。
 大臣、次のページ、おめくりいただけますか。
 次のページをおめくりいただきまして、右上ですね、この横にしていただいた図の右上の箱を御覧いただきますが、真ん中に書いてあるのが、外国の武力攻撃によって国民の生命などが根底から覆される。普通は我が国に対するとしか読まないわけです。ところが、小野寺大臣が関わられた七・一閣議決定においてはそうじゃないと。我が国に対するは読めるけれども、同盟国に対する外国の武力攻撃とも読める。つまり、同盟国アメリカに対する北朝鮮の武力攻撃によって日本国民の生命などが根底から覆されるという集団的自衛権の局面も読み替えることができるんだと、両方読めるんだというふうに言っているわけでございます。
 それを明らかにしたのがその下の平成二十七年の三月二十四日の私の質問ですけれども、同盟国に対する外国の武力攻撃ということもここに概念的に含まれるんですかと今の横畠長官に聞きましたら、横畠長官は、四十七年の政府見解そのものの組立てからそのような解釈が、理解ができるというふうに言っております。更にそれを分かりやすく言うと、今のページの左上の図、六月十一日の横畠長官の答弁ですけれども、限定的な集団的自衛権を容認する法理が当時から含まれている、昭和四十七年政府見解、この古い見解を作ったときから含まれている、そういう二通りの読み方ができる文書なんだということを、安倍政権は一貫してこれだけを言っています。
 さらにこの四十七年見解なんですけれども、今、河野大臣お手元のものとは違う、このもう一つの私の配付資料ですね、もう一つの私の配付資料です。もう一つの別の配付資料。官僚の人たち後ろから出してください。もう一つの配付資料、二つあるんです、配付資料。何かわざと遅延行為をやっているようにすら思いますが。(発言する者あり)余計なことですか。
 今大臣が御覧いただいておりますね、この昭和四十七年見解のコピーなんですけれども、右上に作った人たちが判こを押しております。判こが押してあります。これはもう政府答弁で全部明らかになっていますが、今印刷見えにくいかもしれませんけれども、一番上は吉國法制局長官です。左下が真田次長、右下が角田第一部長、歴任の法制局の幹部ですね。法制局の幹部の皆さんが作って政府に出したのが昭和四十七年政府見解です。かつ、これは、作るきっかけになった国会質問があります。昭和四十七年の九月の十四日の質問、この参議院の決算委員会における質問の吉國長官の答弁を用いてこの四十七年見解は作られています。
 じゃ、さっきのこの初めの七・一閣議決定のこちらに戻っていただけますか。じゃ、これの二ページ目を配って。はい、ありがとう。で、その次のページですね、三ページ目をお願いできますか。はい、ありがとうございます。
 今御覧いただいています三ページ目のこの資料ですけれども、この昭和四十七年政府見解を作るきっかけになった国会の吉國長官の答弁です。
 我が国に対する侵略が発生して初めて自衛のための措置をとり得るのだということからいたしまして、集団的自衛のための行動は取れない、これは政治論ではなくて、憲法九条の法律的な憲法的な解釈として考えていると。我が国に対する侵略、外国の武力攻撃が発生して初めて自衛のための措置をとり得る、つまり、個別的自衛権しかできないので集団的自衛権はできないと言っています。これは政策論や政治論じゃなくて法律論、憲法論だと言っています。
 今私の読み上げた質疑の、もう一つ右の質疑、御覧いただけますか。右側の、文字が多いですけど重要な質疑ですので、ちょっと早口で。
 憲法九条の規定が容認しているのは、個別的自衛権の発動としての自衛行動だけだということが私どもの考え方で、これは政策論として申し上げているわけではなくて、法律論として、その法律論の由来は先ほど同じような答弁を何回も申し上げましたが、あのような説明で、我が国が侵略された場合に、我が国の国民の生命、自由及び幸福追求の権利を守るためにその侵略を排除するための措置をとるというのが自衛行動だという考え方で、その結果として、集団的自衛のための行動は憲法の認めるところではないという法律論として説明をしている。このような答弁をしています。
 つまり、昭和四十七年政府見解は、集団的自衛権は絶対にできないと国会で答弁した法制局長官ら自らが作って出したものなんですね。その理由は、我が国に対する外国の武力攻撃の局面しか日本は自衛権の行使ができないと。よって個別的自衛権しかできないし、集団的自衛権はできないとはっきり答えて作ったものでございます。にもかかわらず、安倍内閣は、四十七年見解の外国の武力攻撃は同盟国に対する外国の武力攻撃とも読めるというふうに強弁をしているわけでございます。
 河野大臣に伺いますけれども、昭和四十七年見解を作った吉國長官が、作るきっかけになった国会答弁で、我が国に対する、日本国に対する外国武力攻撃の発生の局面しか実力行使はできないと言っているにもかかわらず、なぜ同盟国などに対する武力攻撃の発生の局面である集団的自衛権ができると、そういうふうに安倍政権は主張ができるんでしょうか。四十七年見解の外国の武力攻撃というのはあくまで我が国に対する外国の武力攻撃としか読めない、つまり安保法制は違憲ではないか。いかがお考えでしょうか。
○国務大臣(河野太郎君) この昭和四十七年の基本的な論理というんでしょうか、憲法九条の下でも、我が国が自国の平和と安全を維持し、その存立を全うするために必要な自衛の措置をとることを禁じているとは理解されていないわけで、一方、この自衛の措置は、あくまでも外国の武力攻撃によって国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆されるという急迫、不正の事態に対処し、国民のこれらの権利を守るためのやむを得ない措置として初めて容認されるものであり、そのための必要最小限度の武力の行使は許容されるということで、これは平成二十六年七月の閣議決定後も維持されているわけでございます。
 この昭和四十七年の資料につきましては、従来の自衛権発動の三要件の一つとして我が国に対する急迫、不正の侵害があることが必要だということでございますが、これは当時の安全保障環境に照らして、基本的な論理に当てはまる場合として我が国に対する武力攻撃が発生した場合に限られるものと考えられていたわけで、基本的な論理と御指摘のことと環境が変わってきたということで、矛盾をするものではないというふうに思っております。
○小西洋之君 河野大臣は何ら私の質問に対して論理的な答弁いただけませんでしたけれども、もう時間が迫っていますので申し上げさせていただきますけれども、もし両大臣が集団的自衛権の発動をすれば、これはもう絶対に違憲です。後ろに資料を付けておりますけれども、あの安保国会では、元最高裁の判事が、法匪である、裁判所に行って通用しないと。元法制局長官は、黒を白と言いくるめる類いというようなこともおっしゃっております。また、朝日新聞や東京新聞は社説で書き、また、この四十七年見解を作った方、一人御健在の方がいらっしゃるんですけれども、今年の東京新聞の九月二十日の一面に書かれていましたけれども、作った御本人がこの安倍政権による読替えを否定されております。安保法制は絶対の違憲なわけでございます。もしこれを発動すれば、両大臣は、国家賠償、国賠法ですね、国賠法上の責任を有することになります。
 ただし、何よりも絶対行われてはいけないことは、違憲の戦争、武力行使を発動して、死ぬはずがない自衛隊員を殺すことは絶対に許されないわけでございます。自衛隊員や国民を、違憲の武力行使を内閣が発動して自衛隊員や国民を殺すことは絶対に許されないわけでございます。もしそのようなことをするのであれば、場合によってはこれ刑法上の、まあこの罪名は控えなければいけないかもしれませんけれども、人の命に関わる危険行為を故意をもって職務上行う場合には、刑法上の殺人罪ですとか、そうした問題も検討になるんじゃないか、そういう法律的な議論もございます。
 どうか、両大臣におかれては、安倍内閣が犯した過ちというものをしっかりと御認識されて、憲法尊重擁護義務に基づき、この安倍政権の解釈変更、そして安保法制の廃止、そのために尽力をいただきたい、そのことをお願いをさせていただきます。
 終わります。ありがとうございました。
○杉久武君 公明党の杉久武でございます。
 本日は私にとりましてこの外交防衛委員会で初めての質問に立たせていただきます。河野大臣、小野寺大臣始め、皆様にはどうぞよろしくお願いを申し上げます。
 まず、昨日の本会議の際にも私から申し上げましたが、十一月二十九日未明の北朝鮮による弾道ミサイルの発射に対しまして、強い憤りを感じるとともに、北朝鮮に対し断固抗議をいたします。
 北朝鮮は、度重なる国際社会の強い非難、そして警告を完全に無視する暴挙をまたも行いました。北朝鮮に対し、政府のみならず、私ども立法府に所属する全ての議員が与野党の垣根を越えて、我が国一丸となって断固たる姿勢を示し、毅然と対処をしていかなければならない、このように考えております。北朝鮮の誤った政策を変えさせるためにも、私は、北朝鮮に対して最大限の圧力を掛けるという政府の方針を支持いたします。
 そこで、まず外務大臣にお伺いをいたします。
 国際社会の一致した平和的解決への強い意思を一層示していくためにも、我が国は更に国際社会との緊密な連携を行うことが重要であると思います。特に、アメリカ、韓国を始め中国、ロシアとは今までにないほどの緊密な関係を図るようお願いしたいと思いますが、外務大臣の御見解をお伺いいたします。
○国務大臣(河野太郎君) この度の北朝鮮のミサイル発射を受けまして、国際社会は更に一層結束を強めていく必要があるというふうに思っております。
 ミサイルの発射の直後から、日米並びに日韓は電話による首脳会談あるいは外相会談を行ってまいりました。また、中国につきましては、在京の中国大使と意見交換をさせていただいて、朝鮮半島の非核化がゴールでなければならないというところの確認をいたしました。
 また、この十二月は日本が安保理の議長国となりますので、十二月の十五日にこの北朝鮮に関する核不拡散の問題を安保理の議題として取り上げて、しっかり議論をしていく所存でございます。
 委員おっしゃるように、国際社会、一致団結して、連携して北朝鮮の危機に当たれるようにしっかり努力してまいりたいと思います。
○杉久武君 基本、北朝鮮のこの問題の解決のためには、隣国韓国との関係も大事であるということは言うまでもありません。先月の十一月二十二日から二十五日にかけまして、我が党の山口那津男代表は韓国を訪問いたしました。私も山口代表の随行として韓国に行ってまいりました。そして、翌二十三日には、青瓦台におきまして文在寅韓国大統領を表敬訪問いたしまして、安倍総理からお預かりをいたしました親書を山口代表が文大統領へと手渡しをされ、約四十五分間会談が行われました。
 私もこの会談に同席をいたしましたが、大変友好的な雰囲気の中で行われたことが印象的でありました。大統領からは、北朝鮮の核・ミサイル問題に関し、更なる挑発をした場合には更に圧迫を掛けると、こういう発言をされまして、圧力を掛け続けることによって北朝鮮が自ら対話を求める状況をつくるべきだと、我が国と同じ認識であることを示していただきました。
 また、大統領からは、この会談の場において、遠くの親戚よりも近くの隣人が大事であるというお話がされ、日本を重視する姿勢が強調されました。政府間交流を加え、平昌冬季オリンピックや東京オリンピック・パラリンピックを通じた両国間の人的交流の拡大、また日韓議連や、また韓日議連による議員間交流の一層の拡大に大きな期待を寄せておられました。
 他方で、この日韓関係においては大変多くの解決すべき問題が横たわっております。歴史問題や領土問題はもとよりですけれども、安全保障問題、経済問題など、どれ一つ取っても全く予断を許さないものばかりでございます。
 しかしながら、あらゆるこういった問題の解決の土台となるのは、文大統領もおっしゃっておられましたが、やはり信頼関係であると考えますし、信頼関係構築の第一歩こそ私は対話であり、なおかつ対話の継続であると考えております。相手がどうあれ、私ども誠実に、また粘り強く対話の道を貫いていきながら、新たな価値を創造する道を模索し、共に進んでいく必要があると思います。
 河野大臣におかれましては、外務大臣の御就任以来、誠実に粘り強く大変な御努力をしていただいておりますが、ストレートに韓国との対話も継続されている、私はそのように認識をしております。
 そこで、二国間のみならず、北朝鮮問題の解決という観点からですけれども、私は、対話の継続という点で一つ大きなチャンスと考えておりますのがいわゆる日中韓サミットの開催でございます。
 昨日の本会議でも、総理に対しまして、私からもこの日中韓サミットの早期の開催、これを強く要望いたしましたが、日中韓サミットは、二〇〇八年の日本での初会合以来、毎年開催をされておりましたけれども、二〇一二年以降、通年での開催が滞っておりまして、前回が三年半ぶりの開催でありますし、今現在は前回の開催から二年が経過をしております。しかしながら、いまだ開催の道が開けておりません。しかも、開催国の順番で考えますと、次期開催国は日本でありますので、我が国から積極的な働きかけ、これが極めて大事であると思います。
 この日中韓サミットにつきましては、会談の席上、文大統領からも、一日も早く日中韓サミットに出席するために日本を訪れたいとの意欲も示されました。さらに、大統領からは、中国の習近平国家主席に対してもこの日中韓サミットの早期開催を働きかけている、こういったことも明らかにしていただきました。
 そこで、外務大臣に質問いたしますが、北朝鮮問題に対し毅然たる意思を示すため、また日中韓三か国のトップが胸襟を開いた対話を継続し発展させるためにも、大臣には、先週のこの当委員会での挨拶の中でも触れていただきましたが、日中韓サミットの早期開催、早ければ来月にも開催いただけるよう私も強く念願をし、大臣にも強く働きかけをお願いしたいところでございますが、この日中韓サミットの開催に向けた外務大臣の御見解をお伺いします。
○国務大臣(河野太郎君) おっしゃるように、日中韓サミット、今回は我が国がホストでございますので、我が国の方で様々用意をする必要があるというふうに思っております。日本の総選挙があったり、あるいは中国の党大会があったりということで日程調整が一時途切れておりましたが、また日程調整を再開をしているところでございます。
 少し前まで日中韓サミットを早くやりましょうということで動いていたわけでございますが、日韓は電話会談その他、かなり回数も多く行っております。また、日中は習近平、李克強両氏と首脳会談がかなり前向きな形で行われましたものですから、この日中韓サミットを早期に開くだけでなく、この日中韓サミットで成果をしっかりとやはり出そうということで、成果を出しながらなるべく早くやるという方向で今調整を改めてしているところでございますので、この日中韓サミットが日本で開催され、成果をきちんと上げられるように、三か国協調してやってまいりたいというふうに思っております。
○杉久武君 是非とも、この日中韓サミットの早期開催、期待をしております。
 この日中韓サミットのもう一つの国であります中国でございますけれども、今年は日中国交正常化四十五周年の節目でございましたし、明年二〇一八年は日中平和友好条約締結四十周年を迎えます。日本と中国の関係にとって重要な節目の年であります。我が党の山口代表は、先ほど御紹介しました韓国訪問に続きまして、先週金曜日には中国を訪問し、習近平国家主席と会談をし、安倍総理の親書も手渡しをいたしました。
 三か国には様々な課題がありますけれども、環境問題や観光振興、また防災対策、高齢化への対応やオリンピックの開催など、三か国がウイン・ウインで協力し合える共通の課題もございます。日中韓サミットはこうした課題も語り合える場でございますので、大臣にはこの日中韓サミットの早期開催に向けまして引き続き御尽力をお願いを申し上げます。
 次に、防衛大臣にお伺いをいたします。
 外交面での対話の継続も重要でございますけれども、この北朝鮮問題については、我が国の防衛力向上のための不断の努力、これが必要だと思います。この点については、先週開催されました予算委員会におきましても他の委員から質問がございました。私も予算委員のメンバーでございますので防衛大臣の答弁も聞いておりましたが、この弾道ミサイルに対する今後のミサイル防衛策の一つの指標として、一般的にイージス・アショアと言われているもの、これの導入議論がございます。
 現在、防衛省では、平成三十年度予算の概算要求の中で新規アセットの導入を事項要求しております。その中で、このイージスアセットを中心とした弾道ミサイル防衛、いわゆるBMD対応の装備の候補としてイージス・アショアがある、このように認識をしております。
 そして、これは報道ベースでございますけれども、小野寺大臣は、来年一月にアメリカ・ハワイに訪問されましてイージス・アショアの試験施設を視察する、このような報道が先月ございました。
 北朝鮮による度重なる弾道ミサイルの発射は、申し上げるまでもなく、平和を希求する全世界をあざ笑うかのような挑発行為であり、決して許すことはできません。しかしながら、これとは別に、北朝鮮はミサイルを打ち上げるたびに弾道ミサイルの発射能力の向上が間違いなく図られている、こういった現実から我々は目を背けるわけにはいかない、このように感じております。
 外交面では政府を挙げて様々なチャンネルからの対応をいただいておりますが、これとは別に、この弾道ミサイルそのものが持つ脅威というものに対して我が国はいかにしてこの防衛能力の向上を図っていくのか、これこそまさにもう一つの大きな喫緊の課題であるという認識は私だけが持つものではないというふうに思います。
 そこで、防衛大臣に質問いたします。
 我が国の総合的な防衛能力向上という観点からイージス・アショアというものを念頭にされているだろうと思っておりますが、ここで改めて、北朝鮮の弾道ミサイルの脅威に対する大臣のお考えとともに、イージス・アショアに対する見解、また日米の連携の重要性について御認識をお伺いをいたします。
○国務大臣(小野寺五典君) 北朝鮮の核・ミサイル開発は、これまでにない重大かつ差し迫った脅威となっております。とりわけ大量破壊兵器の運搬手段である弾道ミサイルの能力を増強しており、例えば、より対処が困難となるロフテッド軌道による攻撃や、事前兆候の察知が困難となる発射台付車両や、潜水艦発射弾道ミサイルを用いた攻撃、複数の弾道ミサイルを同時に発射する攻撃などが懸念されるようになっております。
 防衛省・自衛隊は、これまでも防衛計画の大綱に基づき弾道ミサイル対処能力の向上を図ってきております。具体的には、BMD対応イージス艦の増勢、四隻から八隻に増やす計画を立てております。PAC3MSE、SM3ブロックUAといった能力向上型迎撃ミサイルの取得など引き続き積極的に進めていくことにより、ロフテッド軌道による攻撃や同時多数の発射による攻撃などに対する防衛体制は一層強化されます。
 その上で、北朝鮮が今なお弾道ミサイル能力を増強する中、一刻も早く全国を常時持続的に防護する能力を抜本的に向上させ、国民の生命、我が国の領土、領海、領空を守り抜くより一層の万全の備えを構築する必要があります。
 このため、委員御指摘がありましたが、平成三十年度概算要求においてイージス・アショアを中心に新規BMDアセットの導入を行うべく、いわゆる事項要求を行い、可及的速やかに取組を進めているところでございます。
 北朝鮮の問題については日米間の連携が大変重要です。平素より様々なレベルで日米の防衛当局は意思疎通を行っており、十二月一日には私とマティス国防長官との間で電話会談を行い、日米同盟の抑止力、対処力を一層強化していくことで一致するとともに、北朝鮮に対して目に見える形で圧力を掛け続けていくことを確認をいたしました。
 引き続き、日米同盟を一層強固なものにできるよう、日米で緊密に連携協力していきたいと思っております。
○杉久武君 ありがとうございます。
 それでは、北朝鮮関連についてはここまでといたしまして、続きまして、少し話を変えまして、外務省にお伺いをいたします。
 私の地元は大阪でございますけれども、大阪では、現在、二〇二〇年開催の東京オリンピック・パラリンピックと前後いたしまして国際的行事の誘致活動を官民挙げて取り組んでおります。今日はそういった、せっかくの機会ですので、大阪と世界といった観点から何点か質問をさせていただきたいと思います。
 初めに、先月、十一月十五日でございますけれども、岡本外務大臣政務官には遠路、御足労を賜りまして、パリで行われました第百六十二回博覧会の国際事務局総会、いわゆるBIE総会に御出席いただきました。
 議題は二〇二五年に開催される国際博覧会、万博開催国の選定でございまして、開催国として立候補しておりますのが、日本を代表して大阪、そしてフランス、ロシア、アゼルバイジャンの四か国が立候補しております。
 そして、今年六月に続きまして、第二回目のプレゼンテーションがこの十一月のBIE総会でございました。この二回目のプレゼンテーションにおきましては、安倍総理のビデオメッセージとともに、SDGs、いわゆる持続可能な開発目標の解決に諸外国とともに取り組む我が国の官民挙げての取組について大きくアピールをしていただきました。また、立候補国であります我が国が計画をしているいわゆる大阪万博が、大阪、関西を起点としたSDGsの達成に大きく貢献するものであるということ、そして開催候補地である大阪の夢洲地区が、SDGsの達成に向けて取り組む環境整備が整っている最も適切かつ妥当な万博開催地であるということを加盟各国に訴えていただいたところでございます。
 そして、今回のプレゼンテーションを受けまして、いよいよ誘致活動も後半戦となります。来年六月の第三回のプレゼン、そして一年後の二〇一八年の十一月開催のBIE総会におきまして最終プレゼンを行った後、加盟百七十か国の投票によって開催国が決定される、このように認識をしております。
 大阪万博といいますと、前回行われたのが四十七年前の昭和四十五年、一九七〇年でございました。私はまだ生まれておりませんでしたけれども、日本初の、アジア初の国際博覧会が大阪万博でございました。そして、大阪万博に先立つ六年前の昭和三十九年、一九六四年が東京オリンピックが開催をされまして、大阪万博は東京オリンピックとともに戦後日本の高度成長という未曽有の大発展を世界に示した一大国家プロジェクトでありました。
 そこで、来るべきこの二〇二〇年、再び東京オリンピック・パラリンピックが開催を決定した今こそ、この二〇二五年の大阪万博はやはりセットで開催されることが我が国にとっても極めて大きな意義を持つと考えますし、開催国としても実にふさわしいことと確信をしております。
 そこで、岡本政務官に今日おいでいただいておりますので、この二〇二五年国際博覧会の誘致は、言うまでもなく、官民一体、政府一丸となって取り組んでいただきたい、また外務省はそのかじ取り役として、本省はもとより、在外公館を通じた加盟国へのネゴシエーション等、持てる力を総動員して誘致活動取り組んでいただきたいと思っております。
 今までも十分御支援をいただいておりますが、来年十一月のBIE総会、そして開催国決定に向けた外務省の取組について、今回のBIE総会に参加された御感想も含めてお伺いをしたいと思います。
 また、加えて、来年十一月のBIE総会、この最終プレゼンの際に是非とも総理に御出席いただけるよう、外務省からも官邸に大いに働きかけをいただきたいというふうに強く念願するものでございます。
 以上の点につきまして、岡本政務官にお伺いをいたします。
○大臣政務官(岡本三成君) 杉委員におかれましては、大阪選出の議員として誘致の活動につきまして力強く御支援をいただいておりまして、心から感謝を申し上げます。
 外務省は、経産省とともにこの万博誘致活動につきましては全力で取り組んでおりまして、これまでも各国要人への支援の要請を行うとともに、在外、在京におきましてもBIEに加盟をしております政府に対しまして様々な働きかけをさせていただいております。
 開催地決定の選挙まで残り一年を切りましたので、先月十一月には、外務省の中に二〇二五年日本万国博覧会誘致室を設置をいたしまして、省内の体制を強化をいたしました。また、在外の各公館にも万博担当官を置きまして、加盟国をきめ細かくケアをしていくような誘致活動の体制を取っております。
 加えまして、様々な分野で活躍をしていらっしゃる方々に万博誘致特使をお願いをしておりまして、例えば世界で著名なデザイナーのコシノジュンコさん、また京都大学の山中教授等々にもこの誘致活動に加わっていただいておりますし、世界で評価の高い日本のソフトパワーも活用していこうということで、先月、十一月二十八日にはポケモンとハローキティちゃんにもこの特使に加わっていただきまして、全力で誘致活動を進めております。
 実は、本日、このBIEの事務局次長のケルケンツェス氏を日本にお招きをしておりまして、様々アドバイスをいただいておりますけれども、できる限りの努力をいたしながら、また本日御参加の委員の皆様の御支援もいただきながら、この誘致、必ず勝ち取ってまいりたいと思っております。
 加えまして、先ほど杉委員の方から、来年六月と十一月、最終のプレゼンテーションが行われるわけですけれども、ここに総理の出席というものをしっかりと担保していくべきではないかという御指導がありました。
 実は、このケルケンツェス次長、今日の午前中に安倍総理とも面談をされておりますけれども、その中で、私もその後、お昼御飯をこの次長と一緒にさせていただきましたが、今年の六月、十一月の日本のプレゼンテーションの中でビデオメッセージとして総理に御参加いただいたことをこの次長は大変高く評価をしていらっしゃって、とりわけ安倍総理は世界においてトップリーダーとして在職年数も長いし、世界に非常に親しくされているリーダーも多いということで、総理のこの誘致活動におけるより大きな役割ということを期待していらっしゃるお声もありました。
 その意味では、来年の六月、十一月に総理御自身に行っていただくことには大変意味があるというお言葉をいただいたわけですけれども、これにおきましては、国会の状況もございますし、様々な日程の状況もありますので外務省からは何とも申し上げることはできませんけれども、杉委員やこの委員会の皆様の御指導もいただきながら、必ず大阪で万博が開催できるように全省挙げまして取り組んでまいりますので、引き続きの御支援、御指導をいただければと思います。
○杉久武君 私自身も全力で取り組んでまいりたいと思いますので、是非とも外務省の皆様の続けての御尽力をどうぞよろしくお願いいたします。
 続けて、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックに先立ちまして、ラグビーワールドカップ、これが二〇一九年、日本で開催をされます。
 このラグビーワールドカップは、これもまたアジア初の開催でありますし、私の地元大阪においては、国内有数のラグビー専用球技場であり、全国高等学校ラグビーフットボール大会の会場として全国的に有名な東大阪市の花園ラグビー場を使いまして、大会全四十八試合中四試合が開催されるということも先月決定をしたところでございます。
 外務省ではツイッターを始めラグビーワールドカップの啓蒙活動に率先していただいておりますが、中でも堀井巌大臣政務官におかれましては、十月に対日理解促進交流プログラム、JENESYS二〇一七の一環といたしまして、ラグビー、細かく言えばタグラグビーですけれども、このラグビーをテーマにASEAN諸国と東ティモールからの日本訪問中の青少年グループとお会いいただいたと聞いております。
 このアジア初の開催となりますラグビーワールドカップ二〇一九に向けて日本とアジア各国の友好親善が丁寧に行われておりますことを心から感謝申し上げたいと思いますし、今回来日いただいたアジアの青少年の皆さんが、将来日本と母国との懸け橋となって活躍していただきたい、私も大きな期待を寄せているところでございます。
 そこで、今般の交流プログラムの成果とラグビーワールドカップ二〇一九年に向けた外務省の取組について、堀井政務官に御答弁いただきたいと思います。
○大臣政務官(堀井巌君) 杉委員にお答え申し上げます。
 委員も今御紹介いただきましたように、対日理解促進交流プログラムでございますJENESYS二〇一七の枠組みにおいて、本年十月十日から十七日までASEAN十か国及び東ティモールから青少年及び引率者など百五十名を超える皆さんに訪日いただき、日・ASEAN青少年スポーツ交流、ラグビーによる交流を行ったところでございます。
 本交流においては、日本の高校生と各国の青少年が友好を深めるとともに、ラグビーワールドカップ二〇一九に向けた日本国内での機運などについても理解を深めていただくことができたと存じております。私自身も青少年、関係者に直接お会いをし、激励するとともに意見交換を行いましたが、大変有意義な訪日だったというふうに理解をいたしております。
 続いて、ラグビーワールドカップ二〇一九に向けた外務省の取組についてお答えを申し上げます。
 外務省においては、平成二十七年度より、とりわけ二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会を念頭に、スポーツ外交推進事業というものを実施いたしております。スポーツ選手の招聘、派遣などを行って、スポーツを活用した外交を推進しようというものでございます。
 ラグビーに関しましても、スポーツ外交推進事業、この枠組みを活用いたしまして、例えば昨年、平成二十八年ですけれども、二月でございましたが、コロンビアの女子ラグビーチーム選手など十四名の方を日本に招聘をしたところでございます。また、同事業の枠組みで、ラグビーに関連するレセプション、在外公館においてですが、これまでに九件実施をしてきているところでございます。さらには、それぞれの今在外公館におきまして、ラグビーワールドカップ二〇一九の広報も行っているところでございます。
 外務省といたしましては、ラグビーワールドカップ二〇一九の成功に向けまして、引き続き貢献してまいりたいと存じております。
○杉久武君 最後に、ちょっと視点を変えまして、海外留学支援について少しお尋ねをいたします。
 政府としては、二〇二〇年までの海外留学者を倍増する目標を掲げております。グローバルな時代においての活躍の場は日本のみならず世界中に広がっておりまして、外務省も様々支援をしていただいているところでございます。
 まずは、外務省に、この日本人の海外留学の促進についてその取組状況を、ちょっと時間も迫っていますので、ちょっと簡潔にお願いいたします。
○政府参考人(宮川学君) お答えを申し上げます。
 政府では、日本人の海外留学促進が重要であるとの認識の下、関係省庁が連携して促進策に取り組んでおります。外務省といたしましても、留学機運の醸成等の様々な取組を行っているところでございます。
 例えば、外務省の職員が日本各地の高校や大学に派遣され、高校講座、外交講座を昨年度約百八十件実施しております。また、外交問題について大学生対象に講義、討論を行う「学生と語る」を毎年実施してきているほか、様々な国際課題をテーマにした国際問題プレゼンテーション・コンテストを毎年実施してきております。
 今後とも、次世代を担う若者に対して、国際社会への関心、理解を深める機会を提供してまいりたいと考えております。
○杉久武君 是非よろしくお願いいたします。
 私自身も、高校のときに少し語学留学をする経験を得て、やはり海外で働いてみたいという希望を持つようになりました。是非ともこういった機会の創出に政府を挙げて取り組んでいただきたいと思います。
 また、一方で、国内に目を向けますと、海外留学ではないにしても、一回立ち止まって、例えば休学をしたりする中で何か様々なことに、課外の活動に挑戦をする、こういった機会を整備をしていくことも重要な観点であるかと思います。しかしながら、日本では、休学しても一定の学費が必要なことがあったり、一旦退学をしないといけない等、様々そういった場合もあるという話も聞いております。いわゆるギャップターム、こういったものを導入している大学もまだまだ少ないのではないか、こういった声もございます。
 そこで、今日ちょっと文科省に来ていただいておりますので、最後に確認をさせていただきます。
 こういった大学における自主的な学外での社会活動の機会を各大学がどのように提供しているのか、その実態を把握をしているのか、していなければ是非こういった機会に実態調査をすべきではないか、このように思いますが、文科省の見解を伺います。
○政府参考人(瀧本寛君) お答え申し上げます。
 海外留学やインターンシップ、あるいはボランティア活動などの社会体験活動は、学ぶ動機を明確にしたり学生の自主的な学びを促すものであり、高い教育的効果が期待できるとの視点から、これを推進していくことは重要と考えております。
 このため、四月入学や学期の前後期制にとらわれず柔軟な学事暦を設定できるよう制度の弾力化を図ってきたところであり、例えば秋入学など四月以外にも入学ができる制度を導入する大学は二百五十三大学に上っているところでございます。また、予算事業でも、多様な時期に一定期間学生が海外留学やインターンシップ等を行う教育プログラムを開発、実施する大学等を支援する大学教育再生加速プログラムを実施をしているところでございます。
 しかしながら、全国的な取組状況の把握は必ずしも十分にできてはいないことから、今回の御指摘を踏まえまして、各大学が学生に対し学外の社会体験活動の機会をどのように提供しているのか、実態把握を行うことを検討させていただきたいと思います。
 以上です。
○杉久武君 どうぞよろしくお願いいたします。
 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
    ─────────────
○委員長(三宅伸吾君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、こやり隆史君が委員を辞任され、その補欠として渡辺美知太郎君が選任されました。
    ─────────────
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。
 質問に入る前に、私からも、先ほどの佐藤外務副大臣の挨拶について言いたいと思います。
 外務省職員も命懸けでやっているというふうに言われましたけど、そういう一般論ではないんですね。そうであるならば、政治家として自分の言葉で言えばいいんです。それをわざわざ実力組織である自衛隊の服務規定をそのまま引用して言うと。私は、戦前の教訓から文民条項を持った憲法の精神からいっても極めて不適切だと思います。そのことを最初に申し上げておきたいと思います。
 その上で、外務大臣に核兵器禁止条約についてお聞きいたします。
 七月七日に国連で採択をされました。私は広島で育った被爆二世でもあり、国際組織、核軍縮・不拡散議員連盟、PNNDの一員として、我が党志位委員長とともに国連本部での交渉会議に参加をして、採択にも立ち会うことができました。このPNND日本の会長は外務大臣が務めてこられたわけであります。
 この条約は、初めて核兵器を違法なものとしました。核兵器のない世界を願う被爆者の命懸けの訴え、これが国際社会を揺り動かして、多くの国々や市民社会が努力を積み重ねて採択をされたものでありまして、条約としては初めてヒバクシャと書き込まれました。
 日本は唯一の戦争被爆国でありながらこの条約に反対をし、被爆者からも失望の声が上がりました。しかし、政府がどういう態度を取ろうとも、広島、長崎であれだけの惨禍を与えた核兵器が史上初めて違法なものとされたということはまさに画期を成すものでありまして、八月の広島、長崎の平和記念式典にメッセージを寄せたグテレス国連事務総長は、いかなる状況においても核兵器の使用は容認できないことを着目した世界的な運動の結果と述べました。そして、これを実現をした運動を評価をしてノーベル平和賞がICANに贈られました。
 ところが、安倍総理は、この平和記念式典でも所信表明演説でも一言も触れませんでしたし、ICANの受賞にコメントも出せませんでした。まるで条約などなかったかのようなこういう態度でありますし、外務大臣の所信挨拶にも直接触れられませんでした。こうした政府の態度に被爆者や市民から批判の声が上がっております。長崎では、被爆者から総理に直接面と向かって、あなたはどこの国の総理かと厳しい声も掛けられました。
 こういう声を、外務大臣、どのように受け止めていらっしゃるでしょうか。
○国務大臣(河野太郎君) 被爆地、被爆者の方々の声は大変貴重であり、重たいものがあるというふうに考えます。
 政府としても、被爆者の皆様とともに、核兵器の非人道性に対する正確な理解を地域や世代を超えて広めていく努力を絶えず続けてまいりたいというふうに思っております。この核兵器禁止条約が掲げている核廃絶という目標は我が国も共有をしているわけでございます。
 他方、政府には、現実の脅威に対し、何よりも国民の生命、財産を守らなければならないという責務がございます。北朝鮮を始め、現実の安全保障上の脅威に適切に対処しながら、地道に現実的に核軍縮を前進させる道筋を追求していく必要があるというふうに思っております。
 こうした我が国の立場は、核兵器国が全く関与することがない中でまず禁止規範を設定するという核兵器禁止条約のアプローチとは異なっております。核軍縮の進め方をめぐり、国際社会の中での立場の違いが顕在化している中で、我が国としては、核兵器国と非核兵器国、さらに非核兵器国同士の間の信頼関係を再構築し、核兵器国もしっかりと巻き込んでいく中で、現実的かつ実践的な取組を引き続き粘り強く進めてまいりたいというふうに考えております。
○井上哲士君 信頼の再構築ということを言われるわけでありますが、先ほど申し上げましたように、この核兵器禁止条約を無視する、そういう日本政府の態度が、被爆者や核兵器の禁止、廃絶を願う多くの国々の人々の私はむしろ信頼を失わせていると、こう思います。
 今、実際、核保有国が核兵器のない世界の実現に背を向けているという下で、もう待っているわけにいかないと。まずはこれを禁止をして、違法化をして、国際世論の包囲の中で核兵器国を巻き込んでいこうというのがこの条約であります。その土台には、核兵器は人類と共存できない残虐兵器だと、こういう認識の広がりがあるわけで、被爆者が広島、長崎の実相を語り続けてきたことや、日本の運動が掲げてきたことが世界の認識になりました。
 日本政府は、核兵器の人道上の影響に関する共同声明に二〇一三年から賛成をしております。この声明では、核兵器が無差別な破壊力によって受け入れ難い人道的結果をもたらすと指摘をし、いかなる状況の下でも決して再び使われないことが人類生存の利益として、それを保証する唯一の道はこの全面廃絶であると、こういうふうにしておりますが、この声明に賛成をした、この認識は変わっていないということでよろしいでしょうか。
○国務大臣(河野太郎君) 御指摘の核兵器の人道上の結末に関する共同ステートメントというものは、核兵器による壊滅的な結末への意識が核軍縮に向けた全てのアプローチ及び努力を支えなければならないことが述べられておりまして、核兵器の使用の悲惨さを最もよく知る我が国として支持するということに加え、このステートメント全体の趣旨が我が国の安全保障政策や核軍縮アプローチとも整合的であることから、二〇一三年から参加してまいりました。
 このステートメントは、二〇一五年の第七十回国連総会第一委員会以降、決議案の形で提出されており、我が国はこの決議案についても今年を含め賛成票を投じてきております。
○井上哲士君 このやはり声明、決議案の中心は、いかなる状況の下でも決して再び使われないことが人類生存の利益なんだ、そういう兵器なんだと、こういう認識であります。この声明に参加しながら、核兵器は使われてはならないという条約には反対をすると。この声明の内容と条約の間に何か食い違いがあるということなんでしょうか。
○国務大臣(河野太郎君) このステートメントは、核軍縮に向けた全てのアプローチ及び努力を支えなければならないということが述べられておりまして、我が国の核軍縮へのアプローチとも整合的でございます。
 他方、核兵器禁止条約は、核兵器国が関与することのない中で、まず禁止規範を設定するという道筋を取るものでありまして、我が国の考え方とは異なりますので、署名を含め、これを支持することはできないというのが政府の考えでございます。
○井上哲士君 核兵器は受け入れ難い人道的結果をもたらすものだと、こういう声明に賛同したのであるならば、そういう兵器は使ってはならないというこの条約に私は参加をして、そして、その立場で核兵器国を巻き込んでいくという立場に立つべきだと思うんですね。
 この問題での政府の姿勢の問題点があらわになったのが、今年の国連に提案をした決議案だと思います。核兵器禁止条約には全く触れませんでした。この日本の決議案には、オーストリア、ブラジル、コスタリカ、ニュージーランド、南アフリカなど、核兵器廃絶で先頭に立ってきた国々が棄権に回りました。賛成した国からも、昨年までの決議から後退した内容になっているという批判の声が相次ぎましたけれども、こういう批判の声をどう受け止めていらっしゃるでしょうか。
○国務大臣(河野太郎君) 我が国が今年国連総会に提出いたしました核廃絶決議案が、現地時間の十二月四日、ニューヨーク国連総会の本会議において、我が国が米国を含む七十七か国の共同提案国を代表して提出したものでございますが、賛成百五十六か国、反対が中国、ソ連、シリア、北朝鮮の四か国という賛成多数で採択をされました。この中には、賛成をした国の中には、核兵器禁止条約の採択に賛成した国の中で九十五か国が賛成をいたしました。
 この決議案の採択に際して様々な国からいろいろな意見をいただいたのは事実でございまして、こういう意見は真摯に受け止めてまいりたいと思っておりますが、今年の決議案は、北朝鮮の核、ミサイルの開発を始めとする国際的な安全保障環境が明らかに悪化している中で、また、核軍縮の進め方をめぐる国際社会の立場の違いが顕在化している中にあって、核兵器国を巻き込んで、さらに非核兵器国の中でも立場の異なる国々の橋渡しを行いながら、各国が結束して取り組むことができるような共通の基盤を追求しようとしたものでございます。
 結果として、核兵器国の中から、アメリカ、イギリスが共同提案国となり、フランスが賛成をしてくれました。また、メキシコを始め、核兵器禁止条約に賛成をした国の中から、先ほど申し上げたように九十五か国が賛成をし、パラグラフごとの分割投票の中ではオーストリアも一部賛成をしてくれました。本決議案がこの国連総会に提出された同様の決議案の中で最も幅広く多くの国の支持によって採択をされたということは、日本のこうした狙いに国際社会の一定の支持と理解を得られたものだというふうに考えております。
○井上哲士君 核兵器国も賛同を得ると言われました。その結果、従来の決議からも大きい、著しい後退があると、そのことに対する様々な批判が行われました。唯一の核兵器国の決議でありますから、賛成をしても、その意見表明の中で核兵器禁止条約の意義を強調したものもありますし、オーストリアは、決議案は核軍縮の重要な成果を無視しているためにもはや支持できないと表明、ブラジルは、核廃絶の取組における嘆かわしい後退とまで言いました。
 具体的に聞きますけれども、昨年までの決議案では、お手元に資料がありますが、前文で、核兵器のあらゆる使用によって生じる人道上の帰結に深い懸念を表明しとありましたが、この、あらゆる、エニーを削除をしました。これがないと核使用を容認するような解釈を生むというのが専門家の共通見解でありますが、非人道的な使用があり得ると、こういう立場に日本は変わったんでしょうか。
○国務大臣(河野太郎君) 先ほど申し上げましたように、今年の決議案に関しては、様々な立場の国が結束して核軍縮に取り組むことができる、言わば共通の基盤を提供するということを一義的に考えたわけでございます。
 今の御指摘の点、エニーユースという表現を使用していないではないかということでございますが、これはオーストリア、メキシコ、ニュージーランドという核兵器の非人道性を主導する、俗に人道グループと言われている国々が提出しました人道上の結末決議の中で使われている書きぶりと同じでございまして、意味するところはその決議と変わりません。
 また、人道関連のパラグラフの分割投票において、人道を重視するオーストリア、メキシコといった国も賛成票を投じてくれております。
 最終的に、各国と様々な調整をし、より幅広い国の理解と支持を得られるものとするべく慎重かつ真剣に検討した結果でございますので、意味するところは変わらないという認識でございます。
○井上哲士君 変わらないなら、なぜ削るのかと。唯一の戦争被爆国である日本がこのあらゆるということをちゃんと掲げてきたと、それが重要なのに、それを去年から削ったというところに私は極めて重大な意味があると思うんですね。
 フランスの元外交官でジュネーブ安全保障政策研究所のマルク・フィノー氏が、自衛のためなどの場合、合法的に核兵器を使用できるという意味にもなるんだと、こういう指摘をされております。
 さらに、手元の資料の二つ目でありますが、昨年の決議では、本文で、NPTの第六条の下で約束している核軍縮に通じる核兵器の完全な廃絶を達成するという核兵器国の明確な約束を再確認としておりました。ところが、今年の決議では、この第六条が削られました。そして、明確な約束の内容も、核の完全な廃絶ではなくて、NPT条約を全面的に履行するというふうに書き換えられました。この理由はどういうことでしょうか。
○国務大臣(河野太郎君) 国際社会の協力と信頼関係を再構築し、核兵器国の参加を得てこの核兵器国と様々な立場の非核兵器国が一致して取り組むべき共通の基盤を示すことを目指しましたので、多数の国の理解が得られるよう、慎重かつ真剣に検討した上で、文言に一定の変更を加えてございます。
 核軍縮を進展させるためには、核廃絶の結果もたらされる安全で核兵器のない世界の実現のため、核兵器国がNPTに基づく義務や約束を完全に実施することが不可欠でありますので、今年の決議も、核兵器国の明確なコミットメントを求めることを強調する内容となっております。
 この点で、我が国の認識には変わりはございません。
○井上哲士君 先ほどの質疑でも、この六条の重要性ということが大臣からも語られたわけですね。この六条を使って国際社会は核保有国に核軍縮を迫ってきて、そして、大きな世論の中で、二〇〇〇年のNPT再検討会議に、より踏み込んだ核兵器の完全廃絶への核兵器国の明確な約束というのを書き込ませたわけですよ。その六条とこの言葉を削るということは、この実行の棚上げをしてきた核兵器国の立場に沿ったそういう重大な変更だと思うんですね。
 さらに、一番最後の枠にありますが、全てのNPT加盟国に対し、九五年再検討延長会議、二〇〇〇年と二〇一〇年再検討会議の最終文書で合意された措置を実行するよう求め、これが本文から削除をされました。これはどういうことでしょうか。
○国務大臣(河野太郎君) NPT体制の維持、強化を重視する日本としては、過去のNPTの合意文書におけるコミットメントは、NPTに基づく核軍縮義務の実施の当然の前提をなすものとして重視をしております。
 そうした認識の下、過去のNPT運用検討会議の最終合意文書の言及につきましては、事実関係に関するものだとして、前文の方に記述をしております。
○井上哲士君 これ前文に記述が変わりました。それだけじゃないんですね。去年のものでは、合意された措置を実行するとなっていましたけれども、前文に移して、重要性を強調すると、こうなっているんですよ。
 現実には、こういう国際的な世論と運動の中で、核兵器国も含めて全会一致で合意したにもかかわらず、その措置をやっていないわけですね、核兵器国が。例えば、二〇一〇年の再検討会議では、核兵器のない世界を達成し、維持するために必要な枠組みを確立するための特別な取組を行う。これはまさに核兵器禁止条約につながるものでありますが、これに背を向けてきたんですよ。
 そういう、本来やるべきことをわざわざ本文から前文に移して、しかも措置の実行から重要性一般にしてしまうと。これは、核兵器国も合意をしてきた一連のNPT再検討会議の合意の実行を後戻りさせるものだと思うんですね。核兵器国が実行をサボってきたもの、それを認めることになると思うんですね。だからこそ、こういうことに各国から様々な批判の声が上がりました。
 南アフリカは、過去の決議からの深刻な逸脱だ、核廃絶への決意を新たにするどころか、関与を骨抜きにしそうだと述べましたし、オーストリアは、NPTの義務と核兵器の人道的影響についてのNPT再検討会議の合意と相入れないと、こう述べているんですね。
 私は、この核兵器禁止条約ができたという新しい情勢の下で、今度のNPT会議、本当に大事だと思いますよ。そのときに、日本が過去の合意すら、核兵器国が合意したものすら全部こうやって骨抜きにするような決議を出すということはまさに逆行だと言わなくちゃいけません。
 田上長崎市長は、まるで核保有国が提出した決議案のようだと、こういうふうにも述べられました。橋渡しといいながら核兵器国の立場へともう橋を渡ってしまっているようなこういう姿でありまして、私は、こういう態度を改めて、禁止条約にもしっかり署名をして、その立場で核兵器国に参加を求める、こういう方向にこそ転換するべきだと強く求めまして、質問終わります。
○浅田均君 日本維新の会、浅田均でございます。
 私は、先頃アメリカのサンフランシスコに設置されました慰安婦像についてと、それから北朝鮮のミサイルについて質問をさせていただきます。
 まず、サンフランシスコ市に設置されましたいわゆる慰安婦像についてお尋ねしたいと思うんですが、御存じでない方に御説明を申し上げておきますと、サンフランシスコ市内のあるところに、この慰安婦像、当時の朝鮮、それから中国、フィリピンから連れてこられたと言われる三人の少女慰安婦像、それと、それを見ている金学順という元慰安婦、最初に名のり出た人ですね、それと碑文の碑から成り立っております。
 その碑文に、一九三一年から一九四五年までアジア太平洋地域十三か国で日本軍によって性奴隷にされ慰安婦と呼ばれた何十万人の女性と少女の苦しみを表している、これがほぼ正確な訳になると思いますけれども、この表現に対する日本政府の見解をお聞かせいただきたいと思います。
   〔委員長退席、理事塚田一郎君着席〕
○国務大臣(河野太郎君) 御指摘の碑文の内容は、全体として我が国政府の立場と相入れない極めて遺憾なものだと考えております。我が国としては、このような考えを繰り返し明らかにし、また様々な関係者に説明を行ってきております。政府として引き続きしっかり取り組んでまいりたいと思います。
○浅田均君 ありがとうございます。
 政府の見解と相入れない、繰り返し主張していくということでございますが、今申し上げました、日本軍によって性奴隷にされ慰安婦と呼ばれた何十万人の女性と少女の苦しみという表現がありますが、この表現の根拠となっておりますのが、一九九六年一月四日付けで国連人権委員会に提出されましたクマラスワミ報告書であります。
 クマラスワミ氏は日本と韓国、北朝鮮を回って元慰安婦から聞き取り調査を行っておりますが、その聞き取りをした証言の内容に関しては検証がされておりません等、その聞き取り並びにそのクマラスワミ報告書自体に対して様々な問題点が指摘されております。
 一番の問題点は、事実関係のほとんどがこれオーストラリア人ジャーナリスト、ジョージ・ヒックスという人が書いたザ・カンファト・ウイメン、慰安婦という著作からの引用であることであります。さらに、このジョージ・ヒックスという人が書いたこのザ・カンファト・ウイメンという本の中にも事実でない創作部分が多く含まれております。つまり、証拠能力がないということでありますが。
 そこで質問させていただきますが、二〇一四年十月十六日、外務省はこのクマラスワミ報告書、内容の一部撤回を申し入れたと報道されておりますが、それは事実でしょうか。事実とすれば、撤回を申し入れたのはどの部分でしょうか。
   〔理事塚田一郎君退席、委員長着席〕
○国務大臣(河野太郎君) 二〇一四年に朝日新聞が過去の慰安婦問題に関する報道が誤報であったと認め取り消したという進展があったことを受け、二〇一四年の十月、政府からクマラスワミ氏本人に対して、これらをしっかりと説明をし、御指摘の報告書に示された同氏の見解を修正するように求めました。また、我が国の基本的立場や、御指摘の報告書の一九九六年二月の提出後に実施されたアジア女性基金事業及び女性の人権の促進に向けた日本の取組を説明すると同時に、同報告書の事実関係及び法的議論に関し、日本が同意できず留保を付していることを改めて指摘をいたしました。
 いずれにしても、政府としては、国連人権理事会を始めとして国際社会に対して適切な機会を捉えて慰安婦問題に対する我が国の立場を説明し、理解を得るべく努力を続ける考えでございます。
○浅田均君 ありがとうございます。
 クマラスワミ氏に見解を修正するよう求めたという御答弁でございますが、クマラスワミ氏は会見で修正の必要はないと言ったと報道されておりますが、これは事実でしょうか。
○国務大臣(河野太郎君) 我が方からの説明に対しクマラスワミ氏から、特別報告者の任を離れて長く、報告書を修正する立場にはない、いわゆる吉田証言は証拠の一つにすぎないのであって、自分としては引き続き報告書の立場を維持するとの趣旨の反応があったと承知しております。
○浅田均君 このクマラスワミ報告書というのは、大臣もお読みになったとは思うんですけれども、もう修正という範囲の問題ではなしに、これは全面的に取り消すしかないというような報告書だと思うんですが、外務大臣の御見解はいかがでしょうか。
○国務大臣(河野太郎君) いずれにせよ、政府としては、国際社会に対して日本の立場を説明し、理解を得るべく努力を続けていきたいと思っております。
○浅田均君 それで、この慰安婦像に関しまして、大阪市はサンフランシスコ市が慰安婦像の寄贈を受け入れたことを理由に姉妹都市提携を解消しております。
 これに対して、安倍総理も遺憾の意を表されましたが、外務大臣はこの大阪市の行動に対してコメントは控えると発言されました。これはなぜでしょうか。
○国務大臣(河野太郎君) 政府として、地方公共団体の長の御発言に国がコメントすることは差し控えたいというのが我々の立場でございます。
 安倍総理は、慰安婦像のサンフランシスコ市への寄贈は我が国政府の立場と相入れない極めて遺憾なことであると考えているという御発言をされておりまして、この寄贈について、像の寄贈について遺憾であるというふうにコメントされている、これは政府がそう考えていることでございます。
○浅田均君 大阪市という地方公共団体の一活動に対して外務大臣はコメントしないけれども、属している政府としては、サンフランシスコへの寄贈は遺憾であるというふうに捉えさせていただいてよいわけですね。つまり、河野大臣も、当然、政府の見解と同じ見解を持っているという理解でよろしいですね。
○国務大臣(河野太郎君) 政府の見解はそのとおりでございます。
○浅田均君 それで、政府の見解並びに河野外務大臣の御見解はよく分かりましたが、このサンフランシスコ市に中国系の団体から慰安婦像、いわゆる慰安婦像が寄贈される。これは、まずカリフォルニア州のグレンデール市というのが皮切りで、最初で、それから次いでジョージア州ブルックヘブン市、それで三市目がサンフランシスコ市だというふうに承知しておりますが、今後同様の慰安婦像の設置が広がるような動きがあると私は把握しておりますが、外務省としてこれらの活動に対してどのような対策を講じられるのか、外務大臣にお尋ねいたします。
○国務大臣(河野太郎君) 御指摘のような動きは、我が国政府の立場と相入れない極めて残念なことと受け止めております。
 諸外国における地方公共団体の状況は様々でありまして、地域によっては、韓国系住民、中国系住民が多い地域、あるいは選挙事情もあるなど、難しい状況が存在するのも現実でございますが、政府としては、慰安婦問題を政治問題、外交問題化させるべきではないとの基本的認識を踏まえつつ、現地の大使館、総領事館を通じて重層的な情報収集に努め、今後も引き続き、効果的な働きかけの手法あるいは働きかけの相手について不断に検討を重ねつつ取組を続けてまいりたいと思っております。
○浅田均君 今の御発言の内容がちょっとよく理解できないんですが、外交的な問題とさせず、政治的な問題とさせず取り組んでいくというのは、具体的にどういうことを想定されているんでしょうか。
○国務大臣(河野太郎君) 諸外国、様々な出身の方が平和と調和の中で共に生活することを希望されているわけでございますので、我が国の政府の立場を様々な方に認識をしていただいて、こうした動きをしっかりと止めていきたいというふうに思っております。
○浅田均君 だから、その認識をしていただくためにどういうふうな活動をされていこうとしているのかお尋ねしているんです。
○国務大臣(河野太郎君) 何が効果的なのか、どういう方に働きかけをしたらいいのかというところをしっかりと今後も研究し、効果的な手法を考えてまいりたいと思っております。
○浅田均君 こういう動きがあることによって地方公共団体の関係が損なわれてしまうということもあり得ますので、これから考えていただいて、検討していただいて、このいわゆる慰安婦像の更なる設置拡大が広がらないよう、外務省としても最大限の努力をしていただきたいということをお願い申し上げまして、ミサイルの問題に移らせていただきます。
 これ、小野寺大臣、防衛省にお尋ねいたします。
 九月十五日の火星12号の場合は、日本上空を通過したとはいえ、着弾したのは襟裳岬の東二千二百キロと言われております。今回、十一月二十九日は青森県の西二百五十キロのEEZ内と、九月十五日の事案より今回のミサイルの方が日本にはるかに近いところにこれ着弾しているんですね。はるかに近いところに着弾しているのに、ミサイル破壊措置命令を出さずに、Jアラートも鳴らさなかったということでありますが、これもう一度確認します。事実ですか。ミサイル破壊措置命令を出さなかった、それからJアラートは鳴らさなかった、これは事実ですか。
○国務大臣(小野寺五典君) 我が国に弾道ミサイル等が飛来した場合には、自衛隊法八十二条三に規定される弾道ミサイル等の破壊措置の枠組みに基づき、人命、財産に対する被害を防止するため、これを破壊することができると規定されております。このため、公海上に落下するものや我が国上空を通過する弾道ミサイルについては、我が国領域における人命、財産に対する被害が想定され得ないことから、この規定に基づいて破壊することはできません。
 お尋ねの十一月二十九日に北朝鮮が発射した弾道ミサイルについては、自衛隊のレーダー等がその発射直後から探知、追尾しておりましたが、ミサイル飛翔中の航跡情報の解析の結果、落下による我が国の領域における被害は想定されなかったため、自衛隊法に基づく破壊措置は実施しませんでした。
 いずれにしても、防衛省では、現下の厳しい情勢を踏まえ、イージス艦を日本海に、またPAC3部隊を函館や中国・四国地方に展開させるなど、高度な警戒態勢を維持しているところであり、引き続き、不測の事態への備えに万全の措置を講じてまいります。
○政府参考人(横田真二君) Jアラートについてお答えいたします。
 国民の生命、財産を守り抜くためには、国民に対して迅速かつ適切に情報伝達を行うことが極めて重要であると考えておりまして、政府といたしましては、ミサイルが我が国に飛来する可能性がある場合にJアラート等を活用して直ちに国民に情報を伝達することといたしております。
 今般の事案におきましては、発射されたミサイルが我が国に飛来する可能性がなかったことから、Jアラートを使用しなかったものでございます。
○浅田均君 僕、何ぼ考えても腑に落ちないんですが、二百五十キロ沖ですよ。だから、四キロ・パー・セクで飛んでいるとしたら一分後、一分間の範囲です。
 これ、元防衛省の方に聞いた話ですけれど、レーダーを見ていて、ミサイルの発射というのは確かに発火というか着火した時点で分かる。ただし、射角というか打ち上げ角度ですよね、これは幾らか追尾してみないことには角度が分からない。それから初速も分からない。だから角度が、今度は二段式のロケットであったというふうに、ミサイルであったというふうに分析されているようでありますが、その切離しの際にほんの少しでも力が作用するだけで日本の国内に着弾している可能性は極めて高かった、そういう事案です。にもかかわらず、日本の領土内に着弾するおそれはないという判断をされているわけですね。
 これ、どう考えても、最初から追尾していたとおっしゃいますけれども、情報が丸ごと、いつどの時点で、どういう角度で、どっち向けて、初速何ぼでという詳細まで把握しなければ、こういう早い段階で弾道ミサイル破壊措置命令を出さない、それからJアラートも鳴らさない、そういう判断はできないと思うんですけれども、これ、秘密だから絶対言えないというのは分かっているんですけど、ここまで言ったから、小野寺大臣、ちょっと答えてください。
○国務大臣(小野寺五典君) 一般論として申し上げれば、弾道ミサイルはその特性上、放物線を描くように上昇、飛翔、落下するため、レーダー等によって飛翔中のミサイルを探知、追尾し、その発射地点や発射方向等を把握すれば、ブースト段階、発射段階ですが、ブースト段階と呼ばれるミサイル飛翔中の初期段階でも、その落下予想地域や落下予想時刻などを解析することが可能であります。
 お尋ねの九月十五日や十一月二十九日に発射された弾道ミサイルについても、その発射直後からレーダー等で探知、追尾して得られた航跡情報を解析しており、その結果、ミサイルの落下による我が国領域への被害は想定されなかったため、破壊措置は実施いたしませんでした。
○浅田均君 これ、通告していないので、もしお答えできなければそれでいいんですけど、ブースト段階で破壊するというのは法律上適法ですか。
○国務大臣(小野寺五典君) これは、従来からの国会での憲法解釈の中で、座して死を待つよりはという従前の憲法解釈があったと思いますが、日本に攻撃が来る場合に、その相手のところを攻撃することに関しては憲法上は許されるという解釈はありますが、我が国は一貫して専守防衛でありますので、そのような装備体系は防衛省は持たないというのが今までも基本でございます。
○浅田均君 小野寺大臣は、大臣になられる前に敵基地攻撃という提案を党内でされたと伺っております。何でかと僕考えたんですけど、PAC3にしろSM3にしろ、ミサイルではこれは、防衛できないというふうな理解をされて、だから敵基地攻撃が必要ではないかというふうな提案をされたと勘ぐっているんですが、何かコメントありますか。
○国務大臣(小野寺五典君) これは、当時自民党の中で議論が行われたというのは、弾道ミサイル防衛で今行っているのはミッドコース、高いところで撃ち落とすSM3か、あるいはターミナルフェーズ、最後のところで撃ち落とすPAC3かという形で対応を取っておりますが、一番ある面では撃ち落としやすい場所というのは発射する場所、発射した直後のブーストフェーズという、そういうような当時議論があって、ミサイルを防止するのに、同じミサイルであれば一番確実なところで対応するのはどうかという、そういう議論があったというふうに覚えております。
 ただ、安倍政権、安倍総理は、そのような相手の基地を攻撃するような能力について、それは持つ予定もないというような総理の発言がありますし、防衛大臣としても同じ発言ということになります。
○浅田均君 これで終わりますが、小野寺大臣の元々考えておられた御見解をもって総理を説得していただくことをお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
    ─────────────
○委員長(三宅伸吾君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、武見敬三君が委員を辞任され、その補欠として太田房江君が選任されました。
    ─────────────
○アントニオ猪木君 元気ですか。元気があれば何でもできる。元気があればかわいがりもできると、これは今言っちゃいけない禁句ですね。兄弟子とは無理へんにげんこつと書くという。相撲社会もそうですし、我々のプロレスの世界も、私が十七のときにブラジルから連れてこられて、師匠の付き人をやって、先輩たち全部、相撲出身者が多かった、豊登さんとか。ほかにも、さっきちょっと見たら、もう本当にすごい数が相撲から転向してきているんですね。
 そんな中で、この無理へんにげんこつというのは最初に落語家の阿武松という方が枕言葉で使ったということで、こういうことはこの時期に言っていいのかどうか、我々の通ってきた道からすると、まあ殴られるのも当たり前。それこそ今回ビール瓶が問題になったり、そういうことが時代だから許されたという。時代が変化していく中で、我々も一枚一枚脱皮していかないと、そういう時代の変わり目に乗り遅れてしまうのかな。
 もう一つ、連日テレビで報道しているとおりで、まず、相撲協会というのが、財団法人ですが、よく皆さん国技と使われていますけど、相撲協会からの発表で、相撲は国技ではありませんと。たまたま常設場を造るときに名称はどうしたらいいか。で、でき上がったときに国技館という名前が付いて、それが今ずっと当たり前の名称になっていますが、私は、どちらかといえば、国技でもいいなとは思っています。
 そしてもう一つは、やはり今回、モンゴルの選手たち、私もモンゴルに朝青龍の兄弟たちも格闘家あるいはレスラーにスカウトしたりしましたので、非常にモンゴルとも近いんですが、白鵬もそうです。ただ、一つだけ言えるのは、相撲協会、まあいろんなコメンテーターがいますからいろんな考え方があって、しかし、先ほど言った、国技である、国技だからこうだという中に非常に矛盾を感じることがあります。だったら、まず外国人を相撲に入れるなと。力道山は、昔、名前を変えて日本人ということでデビューしているんですが、あとは高見山とかいろんな方が、ハワイの力士たちが誕生しましたけど。
 そういう中で、本当に毎日テレビを見ていると、相撲の話と、もう一つは先ほど議題になっている北朝鮮問題と。本当はテレビを見ない方がいいのかなと思うくらい、いろいろな方がいろんなことを言うので混乱してしまいます。相撲の今状況で、こんな感じのことで、今国がどうするかという状況の中でテレビが論じて、あるいは報道していることも非常に違和感を感じています。
 スポーツ交流を通じてというのが私の理念ですから、こういう問題がやっぱりモンゴルでは大変、大統領も非常に熱心に見ておられまして、そういう意味で、ほかにもブラジルだとか、かつてロシア、グルジア、今はジョージアですけどね、外国の力士がいっぱいいます。何か国際問題にならないような、何か早く解決して、世界から見たときに納得のいくような解決案で収めてもらいたいと思っております。
 そこで、リオ五輪の、来週からブラジルに行ってまいりますが、前にも質問しましたが、オリンピックの後、本当に競技場が廃墟になっているようなことも聞きまして、一つ、東京オリンピックも迫ってくる中で、要するに、中国の鳥の巣もそうですが、本当に有効利用ができなくてそういうような状況になっている。
 この辺について、あと千日をもう切りましたが、リオ五輪をしっかり、あるいは、特別かもしれませんが、そういう意味では東京五輪の参考というか、あと閑古鳥が鳴くようなことのないようなことについて、今、リオが、その辺についての外務省が持っている話をちょっと聞かせてください。
○政府参考人(中前隆博君) お答え申し上げます。
 現地の報道によれば、二〇一六年リオデジャネイロ・オリンピック・パラリンピック競技大会の後、活用されている施設がある一方、管理や費用等の問題で使用されていないものもあると承知いたしております。例えば体操等の競技会場となりましたリオ・オリンピック・アリーナは、大会後、私立学校と契約し、観客席下のスペースが学校施設として活用されておりますが、ハンドボールの会場として使用された施設は、解体、再建設について当初の予定どおりには計画が進まなかったと承知しております。
 また、リオデジャネイロ市につきましては、従来より強盗事件等の凶悪犯罪が頻発する等、治安状況が悪いと評価しており、リオ大会会場の跡地の状況を含めて、同市の治安についても引き続き注視してまいりたいと考えております。
○アントニオ猪木君 次に、米韓合同練習、十二月四日から合同練習が始まりましたが、今回の演習の目的というのが、まあ新聞や何かを見て、そして、そこの何をどうするかというはっきりした目的が見えてこないし、また、こういう逆に戦争をあおるような状況というか、トランプ大統領も発言、そのたびに変わります。そのたびに我々も新聞記事を見て、テレビを見て、戦争になってはならない、先ほどもそういう御意見をいただきましたし、私も同感です。
 絶対に起きないようなために、北朝鮮問題に、まず、どのように世界が報じているか、アメリカ、中国、韓国、ロシア、それぞれ報道の仕方があると思いますが、そこをちょっと教えてください。
○政府参考人(志水史雄君) お答え申し上げます。
 まず冒頭申し上げたいことは、北朝鮮問題につきましては、挑発を行っているのは北朝鮮の側でありまして、世界中の誰一人として紛争など望んでいる者はいないというところでございます。
 もとより、日本政府といたしましては、ほかの国・地域の体制を力により転換することを目標として掲げたことはございません。アメリカの今後の対応を予断することは差し控えますが、日米間で北朝鮮問題への対応に関し緊密に連携していく所存でございます。
 その上で、委員御指摘のほかの国におけます北朝鮮問題に関する最近の報道の一例を申し上げますと、まずアメリカにおきましては、十一月二十九日の北朝鮮によるICBM級弾道ミサイルの発射を受け、マクマスター国家安全保障担当大統領補佐官が北朝鮮を米国にとって最大の差し迫った脅威と位置付けていると語っている旨の報道が見受けられます。
 韓国におきましては、朝鮮半島の危機が急速に高まっているとし、韓国は北朝鮮の核武装を阻止するための国際社会の制裁に参加すべきであると指摘するような報道もございます。
 中国におきましては、アメリカの圧力で北朝鮮を屈服することはできないとしつつ、北朝鮮も、米朝のバランスが釣り合うというようなことはない、国際社会から核保有の合法性が認められることはないということを直視すべきであるといった報道がございます。
 ロシアにおきましては、ラブロフ外相が、先般のミサイル等につきまして北朝鮮を非難しつつ、アメリカの挑発的行動も非難せざるを得ないと語った旨の報道が見られるところでございます。
○アントニオ猪木君 韓国、北朝鮮に対して人道的支援をという新聞の記事を目にしましたが、一九九五年でしょうか六年、私も当時北朝鮮に行っているときに、非常にお米が、食糧難になっていまして、南が応援しようということで、あるメッセージを持っていったことがあります。とにかく一粒でもいいから韓国の米を入れてください、そうすれば日本の米も応援できますよという、そんなメッセージを持っていったこともありますが、日本政府として戦争にならないために今後どう働きかけていくのか。今お聞きしたとおり、もう大変難しい問題、だからこそやはり扉はどこか開けておけ、開けておくべきだというのが私の主張ですが、見解を聞かせてください。
○国務大臣(河野太郎君) 国際社会全体として北朝鮮に対する圧力を強化していく必要がある中で、韓国の人道支援が突如行われるということは、北朝鮮に対する圧力を損ないかねないというふうに思っております。少し韓国に対して慎重な対応を求めております。北朝鮮の問題への対応に当たっては、日米、日韓、そして日米韓三か国、緊密に連絡しながら、連携しながら当たるのが必要だというふうに思っております。
 二十九日のミサイルの発射後、米国、韓国とは首脳会談、電話による首脳会談、あるいは韓国、アメリカと外相会談を電話で行っております。また、三か国で連携して安保理の緊急会合を要請をし、中国、ロシアとも協力しながら、この安保理決議の完全な履行を通じて、国際社会全体で北朝鮮の圧力を高め、北朝鮮への体制に政策変更の必要性を認識してもらう必要があるというふうに思っております。
○アントニオ猪木君 国連の事務次長が訪朝というニュースも出ております。とにかく圧力、これはもう何回もお聞きしているとおりですが、その圧力を掛けて話合いをしなければドアは開かないということで、是非今回の事務次長訪朝に何か明るい日差しが見えればいいと思っております。
 我が国海域にまた複数の北朝鮮漁船が漂着しています。最近になってなぜここまで多く北朝鮮船が発見されるのか、今、日本政府はどのように分析しているか、お聞かせください。
○政府参考人(奥島高弘君) お答えをいたします。
 昨今、日本海沿岸への木造船の漂着が相次いでございます。十一月には朝鮮半島からのものと思われます漂着あるいは漂流船が二十八件ございました。十二月に入ってからも五件が確認されてございます。また、年間で見てみますと、昨年は六十六件、今年に入ってからは六十四件という数字となってございます。
 これらは例年冬場が多いという傾向がございます。一般論で申し上げますと、こうした木造船が、特にこの時期、荒天になることが多い日本海の気象、海象の影響を受けて日本沿岸に漂流、漂着しているものと考えてございます。
○アントニオ猪木君 これも報道ですが、生存者が我が国に不法侵入、入国している可能性はないのか、未然に防ぐため対策は取っているのか、大変難しい問題ではありますが、そのような、今、先ほど質問した漂着する問題とか、その辺についてどのように分析されているか、お聞かせください。
○政府参考人(佐々木聖子君) 一連の漂着事案に関しましては、当該事案が生じた地域を管轄する地方入国管理局において地元警察や海上保安本部などと連携、協力して対応に当たっているところですが、これまでのところ保護された人たち以外に生存されている人を発見したという情報には接しておりません。
 当局といたしましては、今後も引き続き、警察や海上保安庁等、関係省庁と密接な連携を図りつつ、適切に対応していくこととしております。
○政府参考人(坂井孝行君) お答え申し上げます。
 警察といたしましては、平素から関係機関と連携をいたしまして、日本海沿岸地域のパトロール等所要の警戒警備の実施、そして地域住民や防犯団体に対する不審者や不審物等を発見した際の通報の呼びかけ等、我が国への不法上陸の水際阻止に向けた様々な措置を講じているところでございます。
 引き続きこうした取組を徹底し、住民の安全、安心の確保に万全を期してまいる所存でございます。
○アントニオ猪木君 我が国の漁船が安全に操業するためにも現状どのような対策を取っているのか、お聞かせください。
○政府参考人(森健君) お答え申し上げます。
 大和堆周辺の我が国排他的経済水域におきます北朝鮮漁船等による操業は違法であるのみならず、我が国漁業者の安全操業の妨げにもなっており、極めて問題であると考えているところでございます。
 このため、我が国漁業者が安全に操業できる状況を確保することを第一に、海上保安庁と連携しつつ漁業取締り船を大和堆周辺に重点配備するとともに、現場においては放水等の厳しい対応によって我が国排他的経済水域から退去させているところでございます。
 今後とも、我が国排他的経済水域内での外国漁船による違法操業の防止のため、毅然として対応してまいります。
○アントニオ猪木君 先日、中国に亡命を希望した脱北者が強制送還されたと聞いております。以前も質問させてもらいましたが、我が国の有事の場合の難民対策と、韓国に滞在中の邦人避難対策について進展はあるのか、今、現状についてお聞かせをください。
○政府参考人(桑原振一郎君) 政府におきましては、海を渡って我が国に大量の避難民が流入してくる状況や、在韓邦人の保護や退避が必要となる様々な状況を想定いたしまして、平素から関係省庁が連携して様々な準備、検討を行ってきているところでございますけれども、その現状を含め具体的な内容を明らかにすることにつきましては、今後の対応に支障を及ぼす恐れがあることからお答えは差し控えさせていただきたいと思ってございます。
 ただ、いずれにいたしましても、政府におきましては、様々な場合に備えをいたしまして適切な対応を行うべく、引き続き関係省庁による密接な連携を図っていくこととしているところでございます。
○アントニオ猪木君 これは質問に入っておりませんでしたが、イエメンの大統領が殺害されたということで、何かその辺について分かる範囲内でお話をしていただければと思います。
○国務大臣(河野太郎君) イエメンのさきの大統領はフーシ派と組んでいたようでございますが、殺害されたという報道がございました。恐らく、画像も出ておりますから、事実なんだろうというふうに思います。
 しばらく前からフーシ派と前大統領派の間で様々な対立があったという報道がございましたので、まだ事実関係を確認するところまでは行っておりませんが、まあ仲たがいというんでしょうか、というようなことがあったんだろう。前大統領が少しサウジアラビア寄りのポジションを取ったことが原因だという報道もございますが、確実なものかどうか、まだ確認するに至っていないのが現実でございます。
○アントニオ猪木君 本当にアフリカもイスラムの世界も難しい問題があります。いつも私も地球儀を見ながら世界に起きている問題というのを考えたりもしております。
 時間が来たので終わります。ありがとうございます。
○伊波洋一君 沖縄の風の伊波洋一です。
 沖縄を二度と戦場にさせないことが私の活動の原点です。そのためにも、日本を戦場にしない安全保障を求めて質問をいたします。
 沖縄は、七十二年前の沖縄戦以来、いまだに新たな基地建設を含めて、各地で戦争のために米軍基地が存在し、住民生活を圧迫しております。緊迫する朝鮮半島情勢で、沖縄の米軍は臨戦態勢にあると思われます。
 さて、日本の外交防衛には、配付した資料、「外交防衛政策の進むべき道」に示した四つの選択肢があると思いますが、私は、現在、安倍政権が進める日米同盟強化一辺倒の道は日本を戦場にする道だということを言い続けてまいりました。背景には中国の台頭があります。資料で米国が経済力三位になっていますが、二位はEUで、四位はインドです。米国情報機関CIAのザ・ワールド・ファクトブックでのGDP購買力平価の国際比較です。ちなみに、中国二十一兆ドル、EU二十兆ドル、米国十八・五兆ドル、インド八・七兆ドル、日本五兆ドルです。
 私は、中国の台頭の中でこそ、戦後日本の外交防衛政策を五十五年にわたり規定してきた、自衛のために必要な限度において防衛力を整備するとしてきた専守防衛の「国防の基本方針」等、自主外交に立ち返ることが必要だと考えます。そして、二大国のはざまにある中規模国家として、憲法理念に立脚し、専守防衛を堅持する必要最小限の抑止力を保有するミドルパワーの安全保障を目指すことが求められていると思います。
 そのために必要なのが日中関係の改善です。中国の大国化がどこまで行くのか、誰も分からないと思います。中国の軍事力が日本に敵対する軍事的脅威になるかどうかは日中関係の今後に懸かっていると考えます。
 今年は日中国交回復四十五周年でした。節目の年でしたが、日中関係に大きな動きはありませんでした。唯一、九月二十八日の中国大使館主催の中日国交正常化四十五周年祝賀レセプションに安倍首相と河野外務大臣が出席されたことは、来年に向けたメッセージとなりました。来年は日中平和友好条約締結四十周年の節目の年です。
 私は、日本の安全保障にとって、日中平和友好条約を再確認して、互いに戦争をしないことを確かめ合うことが何よりも重要であると考えています。そのために、今回と次回の委員会で質疑を行います。
 今回の代表質問でも、我が国の敵基地攻撃能力の保有についてのやり取りがありました。
 今年一月二十六日の衆院予算委員会では、委員として小野寺大臣も敵基地攻撃能力に言及しました。「この弾道ミサイルはアメリカには絶対撃ちませんから、日本だけですからといって、ある国が攻撃をしてきた。アメリカとしては、日米同盟だからこれは守るというスタンスを維持してくれることを私どもは信じていますが、もし仮にそうじゃない大統領の発言があった場合、このとき日本は、自分たちは自分たちで守れないという問題に直面することになります。」と発言しました。その後、自民党弾道ミサイル防衛に関する検討チームの座長として、三月に敵基地攻撃能力を政府は保有すべきだとする提言を取りまとめました。
 防衛大臣にお伺いします。小野寺大臣の予算委員当時の質問の背景にあった安全保障環境についての認識はどのようなものだったんでしょうか。
○国務大臣(小野寺五典君) まず、委員が冒頭お話ありました中国大使館のレセプションに私も出席をしておりました。
 今委員から御指摘がございましたが、どの国も一国のみでは自国の安全を守ることはできない事態となっている中、日米同盟の強化は重要であります。他方、自らの手で自らを守る気概なき国を誰も守ってくれるはずはありません。安全保障政策の根幹は我が国自らの努力であることを忘れてはならないと思います。
 御指摘の私の発言は、我が国自身の防衛力を強化するため、あらゆる事態を想定し議論を尽くすことが重要である旨の趣旨について述べたものであります。
 なお、トランプ政権との間では、安倍総理とトランプ大統領の間においても、また私とマティス国防長官の間においても、累次の機会を捉え直接の会談や電話会談を行うなど、日米間のあらゆるレベルにおいて意思疎通ができるよう、より強い信頼関係をつくっていきたいと思っております。
 また、日中関係についても、日中の連絡メカニズム、海空の連絡メカニズムについては早期の締結が必要だということで、これは首脳間でも、そして私と常万全国防大臣との間でも、先般フィリピンでの会談の中で言及をしたところであります。
 いずれにしても、この国の平和を守っていくために、防衛省・自衛隊としては外務省とともに懸命に努力をしてまいりたいと思っております。
○伊波洋一君 五月十一日の外交防衛委員会でも指摘した中澤剛一等陸佐の「米国のアジア太平洋戦略と我が国防衛」、「陸戦研究」二十六年二月号ですが、は、米国オフショアコントロール戦略を紹介した上で、中国は、「南西諸島に展開する地対艦ミサイル・対空ミサイル及び九州から南西諸島の航空自衛隊基地や民間空港に展開する航空自衛隊や米空軍部隊に対し、弾道ミサイルや巡航ミサイルによる攻撃を繰り返すであろう。中国の攻撃に対し中国本土のミサイル基地や航空基地を米軍が打撃しないとするのは、従来、日米同盟の役割分担を「盾」と「矛」になぞらえてきたことにも矛盾し、日米同盟の信頼性を揺るがすことになりかねない。」、「例えば、自民党が議論の俎上に上げている独自の反撃能力(敵基地攻撃能力)を保持することも重要な選択肢の一つであろう。」と書いています。
 この中澤論文の背景にあった安全保障環境についての認識について、防衛大臣にお伺いいたします。
○国務大臣(小野寺五典君) 陸上自衛隊研究本部においては、平素よりその所掌事務の一環として様々な調査研究を行っております。
 その上で、御指摘の文章については、あくまで研究員個人の見解を述べたものであって、政府や防衛省の見解を示すものではないことから、その内容の逐一にコメントすることは差し控えさせていただきます。
 その上で、オフショアコントロール論とは、事態が紛争に発展した場合、物理的には侵入せず、海上貿易を阻止することによって経済を疲弊させ、行き詰まりの状況をつくることで軍事衝突を終結させ、紛争前の原状を回復させる考えであることは承知をしておりますが、これは米国においてこれまで議論されてきたアジア太平洋戦略に関する数あるオプションの一つにすぎず、必ずしも現在の米国政府の政策方針とは認識をしておりません。
 いずれにしても、我が国を取り巻く安全保障環境が厳しさを増す中、日米同盟は我が国の安全保障政策の基軸であり、防衛協力の強化を通じて、日米間の適切な役割分担に基づいて同盟全体の抑止力及び対処力を強化していく考えであります。
○伊波洋一君 九月には岩田清文元陸幕長が、米国スティムソン・センターでのディスカッションで安全保障環境の変化についてこう答えています。
 我が同盟国アメリカの戦略の変化の兆しがあるということであります。第三のオフセット戦略、エアシーバトルの中のJOACという考え方の中で、この対A2ADというものにアメリカは、一説には、当初の間は第一列島線から米軍をグアム以東に下げて、その第一列島線の防衛を当初、同盟国に任せ、その後、経済封鎖あるいは長距離作戦によって中国を封じ込めるという戦略を検討しているというふうに聞いております。これが現実のものだとなれば、先ほど武居さんが言ったように、我々としても、同盟国として第一列島線をいかに強く守るかというチャレンジもこの四年間の変化で我々は読み取れますと。
 このことは報道されました。これは、アメリカが引いて、日本が第一列島線を守るということであります。つまり、防衛の変化があるということです。
 そこで質問ですが、防衛省・自衛隊内部で、米軍の戦略、当初の間は第一列島線から米軍をグアム以東に下げて、そして第一列島線の防衛は当初、同盟国に任せ、その後、経済封鎖あるいは長距離作戦によって中国を封じ込めるという戦略について検討がなされていますか。あるいは、どのような具体的な兆しがあったんでしょうか。
○国務大臣(小野寺五典君) 御指摘の自衛隊OBの発言については承知をしておりますが、あくまで個人の見解を述べたものであって、日本政府や防衛省の見解を示すものではないことから、その内容の逐一についてコメントを差し控えさせていただきますが、なお、日米同盟の下で両国の防衛協力の前提として、我が国の防衛は我が国自身がその一義的責任を持って主体的に対応し、米国がこれを支援するという基本的な役割分担になっています。したがって、例えば島嶼防衛について、自衛隊が独力で対応するといった考えになっているわけではありません。
 いずれにしても、日米間の調整の細部についてのお答えは差し控えますが、日米同盟の抑止力、対処力を一層強化し、国民の生命と平和な暮らしをしっかり守っていくためにも、引き続き米国との間でしっかりと政策のすり合わせを行い、緊密に連携していきたいと思っております。
○伊波洋一君 皆さんに提出してある資料に「統合エア・シー・バトル構想の背景と目的」という論文がございます。
 この二ページを読みますと、かつて、一九九七年に米連邦議会の国防委員会が出した提言がありまして、前方展開基地に対する脅威は今後ほぼ確実に増大し、二〇一〇年から二〇二〇年の間、まさに今ですけど、現実のものになるであろう。まあ、なっているわけですね、現実に。そして、次のページの下の方にありますけれども、赤線で引いた部分。新たに出現した中国のアクセス阻止の環境下においては、在日及び在韓米軍の基地を利用することは危険であると、こういうふうに書かれ、そして、その次の最後のページですけれども、下の方を読みますと、中国のミサイル攻撃圏外に位置する新たな展開基地の確保が不可欠である。こういう認識が今日のアメリカの基本的な視点ではないかというふうに考えております。
 そういう中からこそ、アメリカが日本のためにミサイルを攻撃しないのならば、自ら敵基地攻撃能力を持つということが自衛隊の中で生まれ、そして今、自民党の中であるのであろうと、こういうふうに理解をしております。
 先ほどの岩田元陸幕長の発言、オフショアコントロールそのものでありますけれども、私たちはそういう中でいろんな課題が多くあるということをやはり問わなきゃいけないだろうと、このように思います。
 エアシーバトル構想とかあるいはオフショアコントロールの戦略については、防衛省も私たちにいろいろな資料を提供しています。それから、自衛隊の様々な論文の中にも書かれています。そういうことの中で、在日米軍がグアム以東に移り、そして日本が自分たちで守らなきゃならない、そういう戦略環境の中に入ってくる。そういうことを考えるときに、そういう意味で、自ら敵基地攻撃能力を持つこと自体の意味というものが本当にいかに危険であるかということを私は感じるわけです。
 そういう意味では、やはり今の米軍戦略というのは、まず一番のポイントは、アメリカが中国はもう攻撃しないんだという前提で動いている。そういう中で私たち日本が取るべき安全保障政策というものをやはり問わなきゃいけないだろうと、こういうふうに思います。そういう意味で、やはり日本の国土を戦場にすることが前提になったアメリカの戦争戦略というものが、本当にこれが日本を覆っているという意味で問題の指摘を強くしておきたいと、このように思います。
 オフショアコントロールというものや、あるいはエアシーバトルについて、私は五月二十五日の外交防衛委員会で、それに対する稲田防衛大臣の答えとして、防衛計画の大綱及び中期防に基づく南西諸島の防衛態勢強化を含む各種の施策は、結果として、エアシーバトル構想、オフショアコントロールで想定されるミサイル攻撃に対応することが可能であるという趣旨の答弁をされました。小野寺防衛大臣も同じような認識なのでしょうか。
○国務大臣(小野寺五典君) 御指摘のエアシーバトル構想は特定の地域や敵対者を想定した計画や戦略ではなく、またオフショアコントロール論についても、米国においてこれまで議論されてきたアジア太平洋戦略に関する数あるオプションのうちの一つにすぎず、現在の米国政府の計画や戦略そのものではないと認識をしております。
 我が国としては、島嶼部に対する巡航ミサイル攻撃に対しては、陸自、空自の防空ミサイル、短SAMや中SAM、ペトリオットシステムなどにより迎撃することとしており、これらのアセットを平素から配備しておくことが重要であります。そのため、例えば宮古島、石垣島及び奄美大島に中SAMを運用する陸自部隊を配備する計画であり、現在、必要な調整を進めているところです。また、弾道ミサイル攻撃に対しては、海自のイージス艦を機動的に展開させるとともに、空自のPAC3部隊を南西地域に展開することにより迎撃することとしております。
 これらの取組は、我が国の防衛の根幹が我が国自身の努力であり、沖縄を始め我が国の平和と安全を守り抜くために必要な措置との考えの下、実施しているものであり、御指摘の米国の計画や戦略と直接関係があるものではありません。
 その上で、南西地域の防衛態勢の強化については、我が国自身の努力に加え、日米防衛協力の強化を通じて日米同盟全体の抑止力及び対処力を強化していくことが重要であり、これらの取組を通じて、国民の生命、財産と領土、領海、領空を守り抜くため、万全を期す考えであります。
 稲田前防衛大臣もこのような趣旨で答弁されたものと認識をしております。
○伊波洋一君 今防衛大臣が申し上げた様々な、日本が今南西諸島にシフトしていることはアメリカの防衛戦略と全く合致しているんですね。このような米軍戦略は、米国の太平洋における覇権を維持するという米国の国益には合致しても、自衛隊員の命を含めた日本国民の命あるいは財産を犠牲にするものであり、日本の国益に合致するわけがありません。日本政府がやはり取るべき道ではないと私はずっと指摘をしてまいりました。
 沖縄、日本を戦場とし、米国の覇権の維持あるいは米国の国益のために日本の国民の生命、財産を犠牲にするエアシーバトル構想やオフショアコントロール戦略を日本が対応すべきでないと考えていますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(小野寺五典君) 繰り返しますが、御指摘のエアシーバトル構想は特定の地域や敵対者を想定した計画や戦略ではなく、またオフショアコントロール論については、米国においてこれまで議論されてきたアジア太平洋戦略に関する数あるオプションの一つにすぎず、現在の米国政府の計画や戦略そのものではないと認識しています。そうした構想を前提とした御質問にお答えすることは差し控えます。
 一方で、我が国の防衛については、安全保障政策の根幹となるのは自らの努力であるとの認識に基づき、我が国自身の防衛力を質、量の両面で強化し、自らが果たし得る役割の拡大を図る。日米同盟は我が国の安全保障政策の基軸であり、防衛協力の強化を通じて、日米間の適切な役割分担に基づいて同盟全体の抑止力及び対処力を強化していく。アジア太平洋地域や国際社会との安全保障協力を積極的に推進し、地域及びグローバルな安全保障環境の改善を図り、また、世界の平和と安定及び繁栄の確保にこれまで以上に積極的に寄与していく。これらの取組を通じ、国民の生命、財産と領土、領海、領空を守り抜くため、万全を期す考えであります。
 したがって、日本を戦場として米国のために日本国民の生命、財産を犠牲にするなどといった御指摘は当たらないと思います。
○伊波洋一君 この資料の一番後ろにあります米中パワーバランスの東進イメージというのがありますが、冷戦前は米中の軍事均衡点というのは朝鮮半島、韓国であると。これが今日どこに行っているかというと、グアムに行っている。
 つまり、その前のページをちょっと見ていただければ分かるんですけれども、中国はミサイルが相当発展しておりまして、DF21Dなどという地対艦ミサイル、弾道ミサイルはもうグアムまでの米空母などの部隊を攻撃できるようになっちゃったんですね。それでここまで入れなくなってしまっているんです。その間に日本が全部すぽっと入っているわけです。ある意味で日本は常にもう攻撃の対象としては位置付けられている。
 そういう中で、私たちが今一生懸命米国と一緒に安全保障政策というのは、これはアメリカの資料の中にもちゃんとあるんですね、日本の協力なしにこのオフショアコントロールあるいはエアシーバトルという戦略はできないと。そして、日本の基地はまず最初に攻撃されることが前提になっております、あらゆるミサイルで。その次がいよいよ勝つための戦争。
 私は、やはりこのことを含めて、日本が進むべき道がどこにあるのかということをいま一度考える必要があるのではないかということを是非議論、指摘をしていきたいと思いますし、今日時間ありませんから終わりますが、次回も含めて、やはりそのときに必要なのは隣の国とどういう関係をつくるか、今大国になろうとしている中国とどういう関係をつくるかということこそが大事であって、米国とともに日米同盟を深化させて世界の守り手になることが私たちの役目ではないということを指摘して、質問を終わりたいと思います。
○福山哲郎君 御苦労さまでございます。立憲民主党の新米幹事長、福山でございます。
 新しい政党になりまして、今参議院では一人ということでこの場からの質問になりますが、どうかよろしくお願い申し上げたいと思います。
 北朝鮮が先月二十九日にICBMを発射し、本当に断固容認できないということで衆参共に決議が行われました。両大臣におかれましては大変日々御尽力をいただいていると思いますし、各省庁の面々も本当に緊張感のある仕事をされているところだというふうに思います。本当に御苦労さまでございます。
 八月の十七日に日米の2プラス2があって、さらには十一月上旬にトランプ大統領の訪日などがありました。それぞれ外務大臣、防衛大臣は出席をされて、かなり綿密な議論をされていると私なりには思っております。
 御答弁いただけるかどうか分かりませんが、例えば2プラス2、そして十一月のトランプ大統領の訪問、さらにはそれぞれの電話会談等、度重なる議論の中でアメリカから北朝鮮に対する何らかの軍事オプションの可能性についての言及は実際にあるのか。また、そういった仮定の話は、もちろんその場合には日米の協力が相手からは求められると思いますので議論がないとは思わないんですが、あるのかどうか、お答えできる範囲で、外務大臣、防衛大臣、お答えいただけますでしょうか。
○国務大臣(河野太郎君) 2プラス2でかなり北朝鮮情勢に関して突っ込んだ議論をやらせていただきました。また、トランプ大統領がいらっしゃったときには、日米の首脳間で十分な時間を掛けて北朝鮮の情勢に関する意見交換というのが行われました。
 我が国は、全ての選択肢がテーブルの上にあるというトランプ大統領の立場を一貫して支持しております。中身について公の場で申し上げることは様々支障がありますので申し上げるわけにはいきませんが、現在、日米間、方向性について意見の一致をしているということは申し上げてよろしいかと思います。
○国務大臣(小野寺五典君) 防衛当局としても、2プラス2において、あるいは電話会談等、あるいは海外における防衛大臣会議におきまして、日米双方が能力向上に取り組むとともに、ガイドラインの実効性確保の取組を進め、日米同盟の抑止力、対処力を一層強化していくことで一致をしております。
 相手国との関係がありますので、これ以上の詳細は差し控えさせていただきたいと思いますが、もとより、政府として他の国・地域の体制を力により転換することを目標として掲げたことはありません。
 今後とも、日米間で北朝鮮問題への対応については緊密に連携していきたいと思っております。
○福山哲郎君 外務大臣も防衛大臣も、言えないことがあるのは分かりながら、今、かなり私はニュアンスとしては踏み込んでいただいたと思っています。
 外務大臣は、全ての選択肢があることに対して一致をして、そこにかなり突っ込んだ議論があると。全ての選択肢の中には、当然、軍事的オプションについてもあるというふうに考えるのが一般的なものですし、そのことに対して突っ込んだ議論をしたということでございます。
 私は、少なくとも軍事的オプションは今の段階で取るべきではないと思っていますし、戦争は避けなければいけないと考えています。そして、よく圧力か対話かという議論があるんですが、圧力か対話は二者択一ではなくて、圧力はあくまでも対話に引き出すための圧力だという状況の中で御尽力をいただきたいと切に思います。
 全ての選択肢に対して支持をしているから軍事的オプションを取ってもいいということではないということだけは、是非、共通の理解としてお願いしたいと思いますが、外務大臣、いかがですか。
○国務大臣(河野太郎君) お考えとそう違うところはないんだろうと思います。
 北朝鮮がかなり一方的に国際社会を挑発をしている。韓国、日本、身近なところにいるこの両国が万が一北朝鮮の脅威にさらされるようなことがあれば、米国は持っている抑止力の全てを使う用意があるということを、繰り返し米国が北朝鮮に対して発信をしております。
 我々は、北朝鮮に対して圧力を掛けようとしておりますが、それは北朝鮮が対話に出てくるために圧力を掛けているわけでございます。ただし、米朝枠組み合意や六者会合を振り返ってみれば、対話をしましょうといって対話をしているだけでは核やミサイルは止まりませんので、核、ミサイルを放棄をするという明白な意思表明があり、確固たるそれに向けたプロセスが始まったときに国際社会は北朝鮮と対話をする用意がある。勤勉な労働力があり、豊富な資源がある北朝鮮ですから、国際社会の協力を得られれば経済的な繁栄をすることも可能になるんだろうと思います。
 ですから、北朝鮮の今の体制が、今北朝鮮が取っているコースは間違いであるということを認識をし、それを、核、ミサイルを放棄し、拉致問題を解決するという意思を明確にすることによって方向性を変えるんだという明確な意思を表明してくれれば、国際社会は北朝鮮としっかり対話をし、北朝鮮が経済的な繁栄に向けて歩み出す後押しをする用意があるということは申し上げてよろしいのではないかと思います。
○福山哲郎君 これもまた随分突っ込んでお話をいただきまして、もう是非、本当に重ねて御尽力を期待したいと思います。
 私がなぜ軍事的オプションについて議論したかということを聞いたかといえば、九四年の御案内のペリー・プロセスのときには、九四年の六月に、結果、カーター元大統領の平壌訪問があったわけですが、その四か月前の二月に日米の首脳会談があって、当時の石原官房副長官の言葉によれば、ほとんど実は日米首脳会談は軍事的オプションについての状況についての話合いだったと。そして、当時のペリー国務長官もそのような類いのことを言っていて、まさにこれだけ緊張が高まっている中での日米首脳会談や2プラス2の中でその話が出ないわけはないと私は思ったのであえてお伺いしまして、ニュアンスとしては非常に突っ込んだニュアンスで外務大臣がお答えをいただいたと私は受け止めさせていただきました。
 当時のペリー・プロセスでも、百万人以上の韓国人と十万人以上のアメリカ人犠牲者が出ると米国の政府内では議論されました。今回も、アメリカ議会の調査局の報告書では、少なくとも十万人のアメリカ国民を含む二千五百万人程度に影響があると。そして、逆に通常兵器の配備は当時よりもはるかに北朝鮮は、配備が充実しているというのは言葉として嫌ですね、配備が強くなっているので、日本にも非常にリスクは当時よりも高まっていると。こういった報告書が出ていることに対して、一方で、アメリカの攻撃力が非常にこれまた近代化しているので一気にせん滅ができるから、北朝鮮からの反撃は最小限度で済むんだという議論もあります。
 こういったシミュレーションや両論について、外務大臣、防衛大臣は今どのように認識をされておられるか、お答えをいただけますでしょうか。
○国務大臣(河野太郎君) 米国議会調査局ですか、この報告書は米国政府を代表しているものではないという認識をしておりますし、また、このほかにも様々なシミュレーションがあるようでございますが、福山委員今おっしゃったとおり、明るいシミュレーションというのはないわけでございます。
 そういう中で、この北朝鮮の有事に際しての被害がどうなるかという仮定についてお答えをすることは差し控えたいと思いますが、世界中のどの国もここで紛争を起こそうとは思っていない、起こしたいとも思っていない、そして、どの国もこの北朝鮮の体制を変えようと発言をしているわけではないわけでありますので、軍事的な、何というんでしょうか、ことにしたいと思っている国はない。
 そういう中にありながら、この北朝鮮がこれまでこうした対応を取る中で、我々は全ての選択肢がテーブルにある、テーブルの上にあるというアメリカ政府の立場を支持してきておりますが、福山委員と私と思いは変わらないのではないかというふうに思っております。
○国務大臣(小野寺五典君) 北朝鮮による核・弾道ミサイル開発がこれまでにない重大かつ差し迫った脅威となっている中、朝鮮半島情勢をめぐる今後の動向について様々な議論が行われていることは承知をしております。
 具体的には、朝鮮半島で紛争が生起した場合の被害想定や、米軍による軍事行動の可能性、それに対する北朝鮮の対応についての議論などが行われているものと承知をしていますが、大切なのはそのような紛争を起こさせないこと、そのためには抑止力を高めること、これが大切だと思っております。
 防衛省・自衛隊としては、引き続きいかなる事態にも対応ができるよう緊張感を持って万全な対応をしてまいります。
○福山哲郎君 全ての選択肢、アメリカの全ての選択肢を支持するということについて言えば、私は、河野外務大臣とは若干、そこまで言っていいのかなという懸念はありますが、紛争が起こらないように最善を尽くすということは同じ考えだと思いますので、本当に重ねてよろしくお願いしたいと思います。
 先ほどアントニオ猪木委員からお話がありました木造船の漂着ですが、済みません、海上保安庁、生存者を確認した木造船の件数は、二十七、二十八、二十九、事実だけ明確にお答えください。
○政府参考人(奥島高弘君) お答えをいたします。
 海上保安庁では、朝鮮半島のものからと思料されます漂流・漂着船等の件数、それと生存者の数でございますけれども、まず、漂着あるいは漂流していたものが二十七年には四十五件、二十八年に六十六件、本年は現在まで六十四件を確認しております。このうち御遺体を確認いたしました件数及び御遺体の数でございますけれども、二十八年には八件二十七遺体、二十八年には二件十一遺体、本年は五件十八遺体を確認しております。一方、生存者を確認した件数でございますけれども、二十七年には一件一名、二十八年はございません。本年は五件四十二名を確認しております。
 以上です。
○福山哲郎君 実は、生存者の数が異常に増えているんですね。それで、十一月に入ってからも、もう時間がないので私が申し上げれば、十一月の十五、十六、二十三、二十四、二十五、二十八、二十八、十二月の二日、四日、四日、これぐらい事案が起こっていて、そのうち生存されているのが四件あります。
 私は、確かに海が荒れている時期だと思いますが、例えば由利本荘の事案です。二か月ほど前から出航して漂流したという話を聞いておりますが、じゃ、何でこのぼろ木造船で二か月間漂流できる食料や水を確保できているのか。例えば、由利本荘の場合に、本当に上陸できるような港だったのか。港に着岸できるような船だったのか。本当に上陸させたことは問題なかったのか。
 私は、実は問題意識をかなり持っています。いたずらに不安をあおるつもりはありません。しかし、この時期はICBMの発射の時期と重なります。万が一工作員だった場合に、何らかの軍事オプションが行われるときに、こういった人たちが日本に上陸をしていることに対するリスクはどう考えるのか。私は、不安をあおるつもりがないし、今も海上保安庁の皆さんが御努力をされていることも多とするし、本当に大変な思いをされていると思いますが、上陸をしたと、さらには生存者が非常に増えてきていると。なぜそんなに一か月も二か月も食料を積んでいるんだということを考えたときに、少し嫌な感じがしています。
 このことについて海上保安庁は今どういう認識なのか、警察もどういう認識なのか、もしお答えいただければお答えください。
○政府参考人(奥島高弘君) お答えいたします。
 その前に、先ほど御答弁申し上げました御遺体の件数のときに、八件二十七名というのを二十八年と申し上げましたが、二十七年の間違いでございます。まず訂正させていただきたいと思います。
 続きまして、今の御質問でございますけれども、一か月もの間漂流していて食料があるのかということでございますが、これまでも例を見ましても、一か月以上の長期にわたって漂流していたという事例がございます。恐らくそういった食料あるいは漁獲物を食べながらということではなかろうかというふうに思っております。
 また、委員御指摘の、上陸をされているということにつきましては、しっかりと監視警戒を強化しなければならないということで、海上保安庁もそういった事実を踏まえて今後しっかり領海警備をやってまいりたいと、このように思っております。
○福山哲郎君 私は、海上保安庁が、例えば何か任務を、おかしな任務をしているんじゃないかということを全く申し上げたいわけではありません。しっかりもう今もやっていただいている中でこれだけの事案が起きていると。相手側の意図が何かあるのではないかということも含めて、これ外務省、総理は、外務大臣、本会議で毅然とした対応を取ると言ったんですけど、外務省は、今北朝鮮にこのことについて抗議をする手だて、ないですよね。
○国務大臣(河野太郎君) 現時点で北朝鮮に対して抗議すべき事案であるとは認識をしておりません。しかし、委員おっしゃるように、様々なことが起こり得るということを想定して対応することは必要だというふうに思っております。
 抗議をするルートはございます。必要ならば抗議を行いますが、現時点でそういう事案であるというふうにはまだ認識をしておりません。
○福山哲郎君 防衛大臣、どうですか。
○国務大臣(小野寺五典君) 防衛省・自衛隊でありますが、一般的に申し上げれば、国内の治安維持については警察機関が一義的な対応の責任を有しており、自衛隊は、一般の警察力をもっては治安を維持することができない緊急事態が発生した場合等には、治安出動等の発令を受け、警察機関と緊密に連携して対処することとしております。
 こうした事態に備え、これまでも自衛隊は、警察、海上保安庁との共同訓練を実施し、事態対処における互いの連携要領についての確認を行っております。様々な事態に備えて、事態を想定して備えてまいりたいと思います。
○福山哲郎君 由利本荘の事案では、実は、漂着した木造船は結局どこかへ流れていき、捜査できなかったんですよね。
 先ほどから同じことを申し上げていますが、別にいたずらに不安をあおるつもりはありません。しかし、相手側に意図があるとすると、これだけの数、これだけ海の状態が悪いのを分かっているにもかかわらず流されてきている、生存者はこれだけいると。
 今のところは抗議する事案でもないし、恐らく、外務大臣の答弁によれば、まあそんなに心配する人物ではないということが取調べの結果分かっているということだというふうに私は推察をしますが、しかしながら、相手が相手ですし、ましてやICBMの発射の時期と重なっていることも含めて、これは、漁船の不安、それから地域、上陸もうしていますから地域の方の不安も含めて、警察、海上保安庁、外務省、防衛省におかれましては緊張感のある対応をしていただければ、万全の措置をしていただきたいと思っておりますが、最後に誰に聞いて終わりましょうか。じゃ、外務大臣。
○国務大臣(河野太郎君) 委員おっしゃることはよく理解ができます。緊張感を持って、万が一ということがないように備えてまいりたいと思います。
○福山哲郎君 終わります。
○委員長(三宅伸吾君) 本日の調査はこの程度にとどめます。
 外務大臣は御退席いただいて結構でございます。
    ─────────────
○委員長(三宅伸吾君) 次に、防衛省の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。小野寺防衛大臣。
○国務大臣(小野寺五典君) ただいま議題となりました防衛省の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明いたします。
 防衛省職員の給与について、平成二十九年度の官民較差に基づく改定を実施するため、所要の措置を講ずる必要があります。
 以上が、この法律案の提案理由であります。
 次に、この法律案の内容について、その概要を御説明いたします。
 第一に、一般職の職員の例に準じて、自衛隊教官及び自衛官の俸給月額について引き上げることとしております。
 第二に、防衛大学校及び防衛医科大学校の学生に係る学生手当及び期末手当等について引き上げることとしております。
 このほか、附則において、俸給表の改定に伴う所要の切替え措置等について規定しております。
 なお、事務官等の俸給月額の改定、自衛官及び事務官等の勤勉手当の支給割合の引上げ等につきましては、一般職の職員の給与に関する法律の改正によって、一般職の職員と同様の改定が防衛省職員についても行われることとなります。
 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要でございます。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。
○委員長(三宅伸吾君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後五時十分散会