第195回国会 文教科学委員会 第2号
平成二十九年十二月五日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十二月四日
    辞任         補欠選任
     今井絵理子君     江島  潔君
     大島九州男君     杉尾 秀哉君
 十二月五日
    辞任         補欠選任
     江島  潔君     今井絵理子君
     杉尾 秀哉君     大島九州男君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         高階恵美子君
    理 事
                上野 通子君
                大野 泰正君
                神本美恵子君
                吉良よし子君
    委 員
                赤池 誠章君
                石井 浩郎君
                今井絵理子君
                江島  潔君
                衛藤 晟一君
                小野田紀美君
                橋本 聖子君
                水落 敏栄君
                大島九州男君
                杉尾 秀哉君
                宮沢 由佳君
                蓮   舫君
               佐々木さやか君
                新妻 秀規君
                高木かおり君
                木戸口英司君
                松沢 成文君
   国務大臣
       文部科学大臣   林  芳正君
   副大臣
       財務副大臣   うえの賢一郎君
       文部科学副大臣
       内閣府副大臣   水落 敏栄君
   大臣政務官
       総務大臣政務官  小倉 將信君
       財務大臣政務官  長峯  誠君
       厚生労働大臣政
       務官       大沼みずほ君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        戸田 浩史君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       平垣内久隆君
       内閣官房内閣審
       議官       源新 英明君
       外務大臣官房審
       議官       川崎 方啓君
       文部科学大臣官
       房長       藤原  誠君
       文部科学省生涯
       学習政策局長   常盤  豊君
       文部科学省初等
       中等教育局長   高橋 道和君
       文部科学省高等
       教育局長     義本 博司君
       文部科学省高等
       教育局私学部長  村田 善則君
       文化庁次長    中岡  司君
       厚生労働大臣官
       房審議官     橋本 泰宏君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関
 する調査
 (教員の働き方改革及び定数改善の必要性に関
 する件)
 (私立学校の教育内容等の適切性に関する件)
 (国家戦略特区における獣医学部の新設に関す
 る件)
 (教員の再任用を促すための免許更新制の緩和
 に関する件)
 (幼児教育無償化に向けた環境整備に関する件
 )
 (私立高等学校授業料の実質無償化に関する件
 )
 (SNSを活用したいじめ等に関する相談体制
 に関する件)
 (高等学校における生徒指導の在り方に関する
 件)
 (文化庁の京都移転の検討状況に関する件)
 (医師の確保及び偏在対策に関する件)
 (東京オリンピックのゴルフ競技会場選定に関
 する件)
○連合審査会に関する件
○参考人の出席要求に関する件
    ─────────────
○委員長(高階恵美子君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、大島九州男君及び今井絵理子君が委員を辞任され、その補欠として杉尾秀哉君及び江島潔君が選任されました。
    ─────────────
○委員長(高階恵美子君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣審議官平垣内久隆君外九名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(高階恵美子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
○委員長(高階恵美子君) 教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○上野通子君 自由民主党の上野通子でございます。本日は質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
 本日は、林大臣の所信に対して順次質問をしていきますので、明快な御答弁よろしくお願いいたします。
 まず最初、教師の働き方改革について御質問させていただきます。
 今年の四月に公表された教員勤務実態調査でも教師の極めて厳しい勤務実態が明らかになったところでございますが、教師の働き方改革は一刻も早く進めなければならないと思っております。
 資料の一を御覧ください。本来、公立学校の教師の一週間の勤務時間は三十八時間四十五分とされております。この表でも分かりますように、しかしながら、一番割合の多いところは、小学校は五十五から六十時間未満、平均すると五十七時間二十五分になるそうです。また、中学校は六十時間から六十五時間、平均すると六十三時間十八分の勤務時間で、明らかに長時間とされております。
 この表の週に六十時間以上のパーセンテージを足しますと、小学校は三三・五%、中学校は五七・六%の教員が長時間労働となるわけで、これはまさに過労死ラインと言われているところでございます。人数にすると、小学校の教師が三人に一人、中学校の教師は何と一・七人に一人が超長時間労働勤務、過重労働している。まさに、今や学校がブラック企業化していると言っても過言ではないと思っております。
 にもかかわらず、平成三十二年度からは新学習指導要領が実施されることとなりますので、小学校における英語教育の強化に伴う授業数の更なる増加、また道徳の教科化が含まれており、今まで以上に授業の準備や成績処理などに必要な時間を担保する必要があると考えております。
 そこで、今後、教師の働き方改革と新学習指導要領の円滑な実施を両立するためには、教師にしかできない授業ですね、教師にしかできない授業にはかなり時間を掛けていただくとともに、教師でない方でもできることは大胆に削減していただき、ほかに回すといった体制づくりも必要だと思っておりますので、是非ともその教師にしかできない本務である授業や授業準備の負担を軽減するための専科指導教員の抜本的な増加、増員が不可欠であると考えておりますことから、大臣にこのお考えをお聞かせいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○国務大臣(林芳正君) 今お話がありましたように、学校の働き方改革につきましては、大変大事な課題でございまして、中央教育審議会で具体的に検討を進めていただいております。
 八月には働き方改革特別部会としての緊急提言が出されまして、例えばタイムカード等の導入による勤務時間管理と学校が担うべき業務の精選、今お話があったとおりでございます。チームとしての学校の実現に向けた専門スタッフの配置促進、まさに教員がやるべきことに専念してもらうための専門スタッフの配置促進ということになります。学校指導・運営体制の効果的な強化充実、こういうものが求められたところでございます。
 この緊急提言を受けまして、文科省では、平成三十年度の概算要求におきまして、新学習指導要領における小学校外国語教育の授業時数増に対応した専科指導の充実を含む必要な教職員定数の改善、こういうものを計上させていただいております。
 文科省としては、学校の働き方改革と新学習指導要領の円滑な実施に向けまして、学校における業務改善の取組を進めながら、必要な教職員定数の確保、これに取り組んでまいりたいと思っております。
○上野通子君 ありがとうございます。
 是非とも、今できること、今、仕事を分けて、チーム学校として、教師以外ができることはすぐにやっていただくという体制づくりを更に進めていただきたいと思いますが。
 次は、財務省長峯政務官に御質問させていただきますが、先般公表された財政審の建議の中では、今般の学習指導要領改訂に伴う小学校における英語の授業時数の増加に関しては、必要な授業時数を上回って実施されている授業の英語への振替などで対応すべきという方針が示されていますが、今大臣からもお話がありましたけれども、道徳の教科化や小学校英語の早期化というのは安倍政権が掲げる教育再生の中核であり、その授業の準備や学習評価に掛ける時間までも余剰時間で対応すればよい、又は中学校の英語教師も含めた教師配置見直しで賄えばよいというような考えは、長時間労働で今苦しんでいる教師へ更なる負担となり、まさに教育再生をないがしろにすると言ってもいいような状態が起きてしまうと思っております。
 財務省の長峯政務官は市長もされたということで、もう地方のことよくお分かりだと思います。もちろん教育現場のことも重々実情もお分かりだと思いますので、この財政審の建議にとらわれることなく、教師の働き方と新学習指導要領の円滑な充実の実現に向けて、小学校の専科教員に必要な定数を大胆に措置していただけるものと信じております。どうぞ問題を抱える学校現場の実情をしっかりと考えていただき、さらには学校が永久にブラック企業とならないように、是非とも明快な御答弁をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
○大臣政務官(長峯誠君) 学校の指導・運営体制につきましては、教育現場の実態を踏まえつつ、効果的に教育環境を整えていくことが重要と考えております。
 そのために、まず、学校における働き方改革に関しましては、教員の業務の見直しを通じて、教員がより多くの時間を授業に充てられるように業務の適正化を図っていく必要があると存じます。
 また、議員御指摘の今般の学習指導要領改訂に伴う小学校英語の授業時数の増加につきましては、外部人材を活用したりでありますとか、あるいは免許制度を見直すなどを通じまして、しっかりと対応していくことが必要だと考えております。
 その上で、教員数の増加が必要となるかにつきましてはしっかりと検討していきたいと考えております。
○上野通子君 資料の二を見てください。これが教員定数改善に向けて文科省が出した資料でございますが、今の長峯政務官のお話ですと、外部人材を使う又は免許の見直しということでございますが、それだけでは学校現場の子供たちに対しての教育の質の向上は望めないと思います。
 小学校における専科指導に必要な教員の充実に伴い、中央にありますが、二千二百人増の十校に一人増ですよ。二千二百人たとえ専科のための教員を増やしたとしても、たった十校に一人しか増えません。また、中学校でも様々な問題が起きておりまして、スクールカウンセラー等に任せるだけでは間に合わない状況です。そんな中で、生徒の指導体制の強化に必要な教師を充実するための中学校五百人の増員をお願いしています。さらには、実際に少子化に対応して職員は三千人ほど自然減となる見通しですので、基礎定数化関連の増員を合わせても実質的な増員は八百人です。できないわけはないんではないでしょうか。
 どうぞ、教師定数の増員は、文科省のためでも学校のためでもなく、一人一人の子供たちのためということをしっかり考えていただいて、文科省、財務省、省庁を横断して、みんなで連携して人づくり革命にしっかりと取り組んでいただきたいと思います。今、長峯政務官、大きくうなずいてくださいましたので、期待するところでございます。更問いはしませんので、よろしくお願いいたします。
 次に、J―HECS制度について御質問させていただきます。
 自民党教育再生実行本部では、人生百年時代を迎える中、社会人のリカレント教育も含めて全ての国民に開かれた高等教育を実現するために、更に踏み込んだ教育費の負担軽減策として、J―HECS、卒業後拠出金制度を導入することを検討しております。
 この制度を導入することによる利点は幾つかありますが、まずは、他国では当たり前となっている、十八歳、この十八歳を自立型の社会を実現に向けて自己責任を持たせるという形にすること、また社会人の学び直し、これも日本の大学ではまだ遅れているんですが、いわゆるリカレント教育を推進すること、さらには、資料の四を見ていただくと分かりますように、高等教育費に対しての親の負担がかなり高いのが日本でございます。この親負担を軽減することが少子化対策につながるという、このような利点がございますが、もちろんJ―HECSの導入に当たっては質担保のための大学改革を一体的に行っていかなければならないという、そういうことも併せてありますが、大臣はこの制度をどう認識していらっしゃいますか、また、今後文科省としてもしJ―HECSの導入を検討されるとすればいつまでにされますか、よろしくお願いします。
○国務大臣(林芳正君) 私も留学しておりましたときに、もう大分昔のことになりますが、特に、私は大学院でございましたけれども、大学の学部の学生、院はもちろんですが、学部の学生と話しておりましても、基本的には自分で払う、自分に対するある意味では投資であると、こういう認識を持っておられたというのは大変印象的でございました。
 そういう意味では、自民党で今議論をされておられる今お話のあったこのJ―HECSについては、そういう意味で、親負担から本人と社会が共同して学費を負担するというこの理念というのは大変に大事な理念ではないかというふうに認識をしておるところでございますし、また選挙公約にも盛り込まれて、党の教育再生実行本部で更に制度を検討すると、こういう状況であるというふうに承知をしております。
 引き続き、この大学改革、それから教育研究の質の向上と併せて、このオーストラリアのHECS等の諸外国の事例というのは常に参考にしながら、更なるアクセスの機会均等について検討を進めていきたいと、こういうふうに思っております。
○上野通子君 ありがとうございます。
 今政府の方でも、自民党も、人生百年時代構想を考えておりますが、様々な意見が出ており、大学も無償化にするというようなお話も出ていますが、今の大臣のお話のように、安易に無償化してしまってよいのだろうかと、やはり十八歳から自己責任、自己負担ということも考え合わせて、大学に入るときには無償にするが卒業後は自分で得られる所得に合った形で卒業後の拠出金制度として出世払いで国に返すというようなこのJ―HECSの制度は、かなり私は良いのではないかと思っているところでございます。
 もちろん、他の国に比べて日本は私立学校、また専修学校、専門学校はかなり人数が多いし、学校数も多いので海外のHECS制度がそのまま使えるとは思っておりませんが、まさに日本型のJ―HECSとして文科省にこれから検討していただくことで、世界でも注目を浴びるような、いい日本の高等教育財源になるんじゃないかなと思っておりますので、どうぞ御検討、今の答弁の中にいつまでにというのはなかったんですが、なるべく早く御検討していただくようにお願い申し上げます。
 それでは、次の質問に入らせていただきます。
 次は、今海外のことも出ましたが、海外の日本人学校への教師の派遣数、これは一九六二年、昭和三十七年に教師派遣が開始されて以降、五十五年間で延べ約一万六千人ということでございます。このように多くの方々、教師が海外での生活をするということ、貴重な体験や経験をすることであり、このような体験や経験をさらには日本に帰国後生かしていただきたいと思うところでございますが、もちろん、教育現場はもとより、地方の中で例えば国際交流のリーダーとなってどんどん活躍できる場を広げていただきたいと、そういうこともできるような貴重な人材でありますので、いかに育てていくかということも私たちは考えていかなきゃならないと思います。
 まさに、これから日本が必要とするグローバル教師、これを育成するためにどうしていったらいいかということを今日は質問させていただきたいんですが、文部科学省におきましては、お手元の資料五を見ていただければ分かるように、今年度からトビタテ!教師プロジェクトを打ち出したと承知しております。この資料を見ますと、在外教育施設を活用した戦略的なグローバル教師を育成するとうたっているわけでございますが、今後もしっかりと取り組んでいただきたいと思いますが、これからのグローバル教師の育成について大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(林芳正君) 今お話がありましたように、昭和三十七年から海外にある日本人学校等へ教師が派遣されまして、約一万六千人の派遣が行われてきたということでございますが、帰国教師の各都道府県での派遣経験活用が課題となっております。
 今御紹介いただきましたように、今年の八月に、派遣前、派遣中、そして帰国後の魅力を高めるトビタテ!教師プロジェクトを立ち上げまして、戦略的なグローバル教師の育成を図っておるところでございます。また、帰国されてから、この帰国された教師の皆さんが積極的に活用されるために、その皆さん方のネットワークの構築やフォーラムの開催など、こういうものを支援する概算要求も行っておるところでございます。
 文科省としては、日本人学校と在外教育施設への戦略的な教師派遣を進めるとともに、派遣をされて帰ってこられた先生方の活躍の場や機会の環境醸成にしっかりと取り組んでまいりたいと思っております。
○上野通子君 ありがとうございます。
 ともすると、海外にいる子供たちのことは忘れがちになることもあるのが私たちでございますが、子供たちのための日本人学校があり、そこには頑張って日本から派遣されている教師がいるということを改めて私たちは感じながら、すばらしいやはり経験をしているその人材を、子供も、そして教師も、どんどん日本で活躍できる場をつくってあげたいなと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 今日は三問について質問させていただきましたが、特に今、幼児教育の無償化そして高等教育の財源確保等が注目されている中でございますが、一番大事なのはやはり義務教育だと思います。この義務教育をしっかりと国が支え、地域が頑張って子供たちを支えることで、今様々な問題を抱えている子供たちがしっかりと育んでいけるんだと思っております。
 それには、一番最初に質問させていただきましたが、教師の定数の確保というのは大変重要な問題でございます。もう質問はしませんが、是非とも文科省そして財務省、エビデンスどうのこうのでいつもちょっとボタンの掛け違いがあるようにお聞きしていますが、ここはしっかりと、やはり子供のためなんだと、文科省のためでもなく、そして学校のためでもなく、しっかりと学びたいと思っている子供たちが本当に学べる居場所、場所、そして学べる場所と環境、全ての環境をつくることが私たちの重要な務めなんだということを御理解いただきまして、どうか教員の定数確保の問題、よろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。
○江島潔君 おはようございます。自民党の江島潔です。
 今日は、委員長また理事各位の御理解を頂戴をいたしまして、私としては初めて文教科学委員会で質問をさせていただく機会を頂戴いたしました。
 文科委員会では初めての質問なんですが、私自身は、社会人になりましてずっと人づくりに携わってきた者でございます。
 最初は、社会人になりましてプラント建設会社に入りまして、東南アジアでプラントのオペレーターを育成をする仕事に関わっていまして、その後は地元の山口県に帰りまして大学の教壇に立って若者の人づくりに取り組んできまして、そしてその後は下関市長として四期務めさせていただいたんですが、この自治体経営というものを通じて、いつも町づくりというのは何だろうなということを自問自答する中で、これはもう結論は、人づくりこそ町づくりだという思いに達したところであります。すなわち、人材を育成するということこそ、その町を発展をさせる唯一にして最大の方法だという思いを持っておりました。
 その後、市長を退職してまた大学に戻りまして教育活動に専念をしておりましたんですが、その後、機会をいただきまして、現在は国政に参画をしているところであります。現在の私の信じるところは、この町づくりのところは国づくりに変わりまして、人づくりこそ国づくりという、そういう思いで取り組んでいるところであります。
 本日は、この人づくりの一番の最前線になります学校教育、その中で、私の地元で、ある学校でありますが、今どんなことが起きているかということを事例を取り上げさせていただきまして、文科省に幾つかの見解を問いたいというふうに思っております。
 今回取り上げさせていただきますのは、私の地元下関にあります梅光学院という学校でございます。随分長い歴史を持っておりまして、その一番の原点は、一八七二年、これ明治五年になりますんですが、長崎にアメリカから宣教師がやってまいりまして、聖書を教科書として英語教育をするという、そういう夜間英語塾として始まった学校でございます。
 明治五年といいますと、まだ、キリシタン禁止令というのが解かれたのが明治六年のことですから、かなりやはりいろいろなリスクも負いながら宣教師がこの日本の地で英語塾を始めたんだろうなと思いますけれども、その後、変遷を経まして、当時は長崎より下関の方が地勢的にもいろいろ有利な条件だったということで、学校を一九一四年に下関に移しまして、そこに梅光学院としてスタート、再スタートといいますか、したわけでありますけれども、当時のこの建設費用というのは、これは全て米国の大富豪が教会に託したその基金が拠出をされたというものだそうでございます。
 その後、だんだんとこの学校が、中学校、高校、それから幼稚園もつくり、そして短大、四年制大学、大学院と規模も充実をしてきているところでありますが、その途中には、一九四五年の終戦間際には空襲によりまして校舎が全部焼けたりと、いろいろな幾つかの困難も経ておりますけれども、その後の再建に際しては、また、米国の伝道局というものから大半の費用が出て再建をされたという歴史を持っております。
 言わば、言ってみれば、本当に日本を代表する伝統的なプロテスタント系のミッションスクールだというものでありますんですが、近年、この学校におきまして、保護者の同意とか、あるいは、長い歴史を持つ学校ですから同窓会もたくさん充実した組織があるんですが、この同窓会の理解や許可というものも全く得ないままに、このミッション系スクールの一番の真髄であります宗教の部分をつかさどる組織がいつの間にか新興宗教に取って代わっているという事態が起きております。これは、具体的に申し上げますと、オンヌリ教というそういう教団が今はこの梅光学院の中心的な存在になっているところであります。
 まず、私から文科省の方に確認申し上げたいんですけれども、このオンヌリ教というものがどういう宗教団体なのかを教えていただければと思います。
○政府参考人(中岡司君) お答え申し上げます。
 オンヌリ教会は宗教法人格を取得していない団体であり、詳細は承知しておりませんが、ウエブサイトの情報によりますと、オンヌリ教会は韓国で一九八四年に活動を開始し、日本においては大阪ほか幾つかの教会で活動していることが確認できたところでございます。
○江島潔君 ありがとうございました。
 宗教法人格を持っていないので文化庁としては把握をしていないということのようでありますけれども、現実に把握をしていないこの宗教教団が今はこの学校支配を、支配的にいろいろこの宗教の時間とかをしているわけですね。
 まず申し上げたいのは、私は、この日本における私学の自主独立性、さらにはこの宗教の自由というのももちろんこれは認められるのがこれが日本のすばらしいところだと思っていますので、この宗教教育そのものには全く異論を唱えるつもりはございません。ただ、その宗教教育の中身が日本のこの教育指導要綱と全然相反する、懸け離れたようなことを教えるとすると、これは特にこの義務教育の中でそういうことがなされているとすると、これは私は十分、たとえ文化庁として把握していないというような組織であっても、しっかりこれは監督責任というものが生じるんじゃないかなというふうに思っております。
 特に私が取り上げたいのは、この科学の分野であります。といいますのは、今地球上には七十三億の人口がいるわけですけれども、様々な人種があって、言語があって、そしてもちろん宗教も多彩ですし、生活習慣も様々なわけであります。これだけのこの人類が平和裏に共存共栄するというためには、これはやはり共通のツールというか言語がなければやはりいろいろな意見対立をするわけですね。私は、この人類共通の言語というのは、唯一これはもう科学であるというふうに確信をしております。もういろいろな資源管理とかを例に挙げましても、やはり、例えば例を挙げると鯨を食べるとか食べないとか、これはもう民族によって全然違うわけですけれども、日本が主張しているのはちゃんと資源管理の科学的なデータに基づいてこの食べる量、捕っていい量、そういうものをきちんと守っていこうというのが日本の主張であり、この科学技術立国日本としてのこれからも生きる道だと信じております。
 この科学に関して今どういう授業が行われているかということを少し事例を挙げて紹介を申し上げたいと思います。今日お配りを申し上げております資料の二枚目の方になりますが、御覧になっていただければと思うんです。
 これは、この梅光学院の中学二年生と三年生、すなわち義務教育の課程の宗教の時間で使われている資料なわけですけれども、まあ簡潔に言いますと、ちょっとこのプリントが元々、元のプリントが余り鮮明でなかったので見にくいところもありますんですが、この中身を簡潔に言いますと、要するに進化論というものを完全否定をしているわけなんですね。で、この宗教の中で、ノアの箱船は実際にあったんだと、それで、それに基づいて考えると進化論というのはおかしいんだと、創造論という、神が全て創った生物が現在のこの生きとし生けるものの全てなんだという、そういう教え方をしているわけであります。まあ百歩譲って、ノアの箱船が事実だったということは、これはまあもしかしたらいろんな見解があるのかもしれません。ただ、進化論を否定する、これは、一八五九年のこの「種の起源」というものをチャールズ・ダーウィンが発表して以来、これは今の科学では少なくともほぼ定説というか、これを否定する人というのは恐らく科学者の中ではいないだろうと思うんですけれども、一部のこういう主張をする宗教団体以外にはこの進化論を否定するということは考えられないのですが、現在この梅光学院では、理科の時間で進化論というものを説明をして、そしてその後の宗教の時間で、理科の時間で教える進化論というのはこれは間違いなんだということ、今度は否定しているわけなんですね。これはもうちょっと分別の付く大人ならまだしも、中学二年生、三年生でこういうような教育をすると、私は、これは完全に教育指導要綱からも逸脱している教え方だと思うんですけれども、これに関しましては文科省はどのような見解をお持ちでしょうか。
○政府参考人(高橋道和君) お答え申し上げます。
 各学校において実施されている個別具体的な授業の内容が学習指導要領に照らして適切か否かについては、まずは設置者や所轄庁において学習指導要領に定める目的や内容等にのっとっているかどうかを個別具体的な状況に即して総合的に考慮して判断されるべきものであります。
 その上で、あくまで一般論として申し上げますれば、学習指導要領においては、中学校の理科において生物の変遷と進化を、高等学校の生物において生物の進化の仕組みなどについて学ぶこととなっており、仮にこうした理科の授業において生物の進化を否定する内容を教える場合には、学習指導要領に規定される内容とは異なるということとなります。
 一方で、私立学校においては、学校教育法施行規則において宗教の授業を設けることも認められているなど、特定の宗教のための宗教教育を行うことは禁止されておりませんが、いずれにしても、具体的な授業の内容が適切か否かについては、まずは設置者や所轄庁において個別具体的な状況に即して総合的に考慮して判断されるべきものと考えます。
○江島潔君 つまり、まずはそれは都道府県の仕事であって、文科省は知らぬ存ぜぬという、そういうことでよろしいですか。
○政府参考人(高橋道和君) 繰り返しになって恐縮でございますけれども、まずはその個別具体的な状況を設置者、所轄庁、この場合は県になりますが、において把握して、総合的に考慮して判断いただくべきものであって、また、それについてのお問合せがあれば文科省としても指導、助言をしていくということになろうと思います。
○江島潔君 特に多感な時期に、ほとんどの世界で科学的にも正しいと実証されているセオリーが、これは違うんだと自信を持って宗教の時間で伝えられることの影響は、それによって育つ子供たちというものは、私は非常に不安を感じているところであります。
 それから、関連をして、やはりこの宗教のどうなのかなと思う点を少し事例を挙げさせていただきます。
 それはどういうことかというと、宗教法人ですから、もちろんこの宗教、自分の派の宗教を唱えるということは、これは当然あるんだろうと、あってしかるべきであると思うんですけれども、これが例えば子供たちに対して、例えば中学校、高校生に対しては、洗礼を受けるといろいろな各種奨学金があるよというような言い方を通じて子供たちに洗礼を促する、又は、大学では、洗礼を受けたら単位をあげるよというような言い方を通じて学生に洗礼を勧めるという、これも文科省としては、これは私学なんだから何をやっても自由だという見解なんでしょうか、それとも、ある程度やはり私学といえども、そしてその宗教団体が中心となって経営をする学校であっても、やっていいこととあるいは限度を超えちゃいけないこととあるのか、その辺を見解をお聞かせいただければと思います。
○政府参考人(村田善則君) まず、奨学金と単位認定のことについてお答えをさせていただきます。
 奨学金についてでございますけれども、学校法人が独自に設ける奨学金につきましては、その支給要件等について法令上は特段の制限がなく、各学校法人の判断において行われるべきものであると考えているところでございます。
 また、大学の単位認定は、これは学校教育法あるいは当該大学の学則等に基づいて適切に認定がなされるべきものであるというふうに考えておるところでございます。
○政府参考人(高橋道和君) 御指摘の内容について詳細をまだ私ども承知しておりませんので、あくまで一般論として申し上げますが、先ほど申し上げましたように、教育基本法十五条においては、国及び地方公共団体が設置する学校は、特定の宗教のための宗教教育その他の宗教的な活動、ならないと規定されており、公立学校については禁止をされておりますが、この規定は私学には適用がないところでございます。
 私学における教育活動については、教育基本法、学校教育法、学習指導要領等に基づき、当然、適切に実施する必要がありますが、先ほどとこれも繰り返しになって恐縮でございますけれども、個別具体的な活動が法令等に照らして適切か否かについては、まずは設置者、所轄庁において個別具体的な状況に即して判断されるものと考えております。
○江島潔君 一般国民が素直にこれおかしいんじゃないかなと感じる疑問を私は今日は文科省に問わせていただいているんですけれども、それに対する答えがどうも一般論としてと、あるいは原則としてということで、このやり取りを聞いている今多くの保護者あるいは同窓会の皆さんが不満を持ってぶつけてきているわけなんですけれども、その御返答で、今行われていることで、ああ、そうなのかといって納得するでしょうか。
 もう一度、そういう、洗礼を受ければいろんなことがあるよということをこの学校教育の中でやるということに対しての見解を、もう一度、大学では単位をぶら下げる、中学、高校では奨学金をぶら下げるということに対しての分かりやすい答弁をいただきたいんですが。
○政府参考人(村田善則君) 大学の単位認定についてのお尋ねでございます。
 これは繰り返しになりまして恐縮でございますけれども、学校教育法、それから当該大学の学則の規定に従って適切に判断をしていただくということであろうと存じてございます。これは、本件について具体的なところは私ども詳細は承知していないので、具体的なお答えは差し控えさせていただきたいと思いますけれども、そうした法令、学則等に照らして適切に対応していただくということが大切だと考えてございます。
○江島潔君 そうすると、じゃ、具体例があれば、それは具体的にそういう事例があれば何らかの対処をするということでよろしいでしょうか。
○政府参考人(村田善則君) お答え申し上げます。
 具体的な事例においてそうした認定において法令等に照らして疑義があるということであれば、具体的に大学の方には状況をお聞きしてみたいというふうに考えているものでございます。
○江島潔君 それでは、あと幾つか、今現在その学校で起きていることを少し説明を申し上げます。
 校納金という、いわゆる授業料も含めて学校に納めるお金が私立ではあるわけでありますけれども、この校納金が、これまた父兄会、保護者会というんですか、の相談も事前にはなくて、あるとき突然今度値上がりしますという報告がなされました。これ、中高一貫です。中学校、高校の一貫の学校なので、高校生はそのまま据置きと、それで中学生に対しては高校一年から値上がりしますよという、そういう通告がなされたのが今もう一枚お配りしている資料でございます。
 これは、実際には約四十六万円ぐらいから十五、六万円上がって六十万円になるというそういうものなんですけれども、その上がるうちの費用がいろいろ、これがこうなりますああなりますといういろんな言い方しているんですが、その末尾の方で、留学費用に今度新たに十万円加算しましたと、ただし、この十万円というのは、これは余分に費用が、負担掛かりますけれども、この就学支援金でほぼ返ってきますという、そういう表現のペーパーが保護者に配られているわけであります。
 まず、簡単に、就学支援金というものの位置付け、性格をまず説明していただきたいんです。
○政府参考人(高橋道和君) 文部科学省においては、高等学校等に在籍する生徒に対して授業料に充てるため高等学校等就学支援金制度を実施し、保護者等の教育費負担軽減を図っております。
 本制度においては、年収約九百十万円未満の世帯を対象として、公立学校の授業料相当額、十一万八千八百円を支給しております。さらに、私立学校に通う生徒については、その所得に応じ、就学支援金を二・五倍から一・五倍に加算した額を上限として支給をしている、このような制度でございます。
○江島潔君 これは、じゃ、保護者の教育負担軽減を図るための制度ということで理解してよろしいわけですね。
 今のこの学校のこの値上げ並びにその説明を読む限り、値上げするけれども、それは今度、所得が九百十万円以内ならば就学支援金で全て相殺されますよという書き方をしているわけですね。つまり、就学支援金というのは、これは丸々学校に行く分であって、全くその保護者の負担軽減にはなっていないわけなんです。
 こういうようなこと、この就学支援金制度というものができたことによってその分だけ授業料を上げてやろうというようなことを考えているのはこの梅光学院だけなのか、それとも全国にもそういう、私学でそういうようなことの動きがあるのか、その辺は文科省はどういうふうに今実態を把握をされているでしょうか。
○政府参考人(高橋道和君) 現在つまびらかな実態を持ち合わせておりませんが、今の御質問に関連して、授業料の設定について、設置者の権限と責任において行われるべきものではありますが、就学支援金制度による支援を理由に合理性のない値上げを行うことは望ましくないと考えております。そして、この旨を各都道府県教育委員会や知事等に通知をしているところでございます。
○江島潔君 そうすると、合理性があるかないかで判断をするのは、それはどこの組織になるんでしょうか。
○政府参考人(高橋道和君) 基本的に授業料の設定自体は設置者の権限と責任ということにはなっております。しかしながら、当然、値上げをする場合にはその理由に合理性が必要であるということでございますので、各学校がそういうことをしっかりと説明していくということが求められると考えております。
○江島潔君 その説明資料が、この保護者に配られたプリントの一部の抜粋なんですけれども、こういう形で値上げは就学支援金で相殺されますという表現というのは、これは文科省としてはどのように感じられますか。
○政府参考人(高橋道和君) これはやはり少し誤解を招く表現ではないかと思います。したがいまして、当然、値上げの内容については合理性があるような、合理的な説明をしていく必要があろうと考えます。
○江島潔君 就学支援金制度というものは、恐らく、これを受け取った保護者というのは、これでその教育負担が軽くなるなんというのはだから感じないわけですね。特に中高一貫校ですから、中学にもう既に入った生徒というのは、入るときには値上がりするなんということは全然分からなかったわけですから、新たにこういう制度をつくった後で入ってくる生徒はそういうことを百も承知で入ってくるのかもしれませんが、入った生徒に関しては、結局、これが嫌なら転校してくださいという通知が同時に出されているわけなんです。
 これは、中学、高校、多感な時期を過ごす子供たちにとっては非常に酷な選択をしなきゃいけないなと。また、かつ就学支援金で楽になるかと思ったらその分は全部学校が吸い上げるという形になるわけですから、非常にこれは私はこの制度をむしろ悪用している値上げではないかなと感じられてなりません。
 もう一つ、この学校で現在起きていることについて文科省の見解をただしたいと思います。
 大変に長い歴史がある伝統ですので、制服に関しましても、もう長い間一つの形で、それがまあ伝統校というものなのだろうと思うんですけれども、過ごしてきたわけであります。この制服に憧れて入ってくる子供たちもいますし、また、自分たちが着た制服を子供たちにも着させたいといって、二代目、三代目の子供たちもたくさん入ってきているのが、この梅光学院もそういう学校の一つなわけでありますけれども、この制服が、これまた、保護者会にもあるいは同窓会にも全く事前に問い合わされることなく、あるとき突然、制服が今度変わることにしましたと、AにしますかBにしますかということで、変えないという選択肢はもう最初から除外をされて提示をされたわけであります。
 何となく今までの質問からすると、それは私学のすることだからという何か返事が返ってきそうなんですけれども、例えば制服を変えるというのはいろんな学校で多分いろいろやっていると思うんですけれども、大体そういう事例というのは、私が仄聞する限りでは、かなり在校生、特に在校生のいろんな意見を聞きながら民主的に変えているというのが日本の教育現場の姿だったんだろうと思っているんですけれども、非常に、あるとき問答無用で変えますというような通知を出す学校が地元にあったということにちょっと私も愕然としたんですけれども。
 一般論として、制服を変えるというようなときにどんな手続を取っているというのが文科省の把握の下で今理解をされているんでしょうか。
○政府参考人(高橋道和君) 一般論として申し上げれば、学校の制服については、通常は校則で定められていると思われますが、校則の制定や見直しを行う権限は学校運営の責任者である校長にあるとされております。
 他方で、校則の見直しは、児童生徒の校則に対する理解を深め、校則を自分たちのものとして守っていこうとする態度を養うことにつながるものであり、その見直しに当たり、生徒会、学級会などの場を通じて児童生徒に主体的に考えさせる機会を設けた結果、児童生徒の自主的、自発的な行動につながった事例などがあります。
 また、校則の見直しに異を唱える生徒に対して進学時の不利益を示唆するなど、児童生徒を萎縮させるような生徒指導は一般的には適切ではないと考えております。
○江島潔君 これら、今大変に保護者やあるいはOB会の皆さんがショックを受けるようないろんなことが起きているわけであります。これ全て、大学マネジメント研究会という組織のトップを務める本間政雄さんという方がこの学院の理事長に就任をされてから始まっているんですけれども、最後に簡単に、この大学マネジメント研究会というのはどういうものなのか、それから、この本間政雄氏というのはどういう方なのかを教えていただけますか。
○政府参考人(村田善則君) 大学マネジメント研究会でございますけれども、この団体は任意団体でございまして、文部科学省としてその詳細は承知していないところでございます。
 なお、当該団体のホームページに掲載をされております会則を確認したところ、本会は、大学における経営の効率化、教学改革に関わる先行事例、革新事例に関する情報交換を行い、これらに関する諸課題について会員が相互に協力して研究を行うことにより、大学のマネジメントを担う役員及び教職員の能力の向上を図るとともに、大学に対する社会の負託により良く応えることを目的とするとされているところでございます。
○政府参考人(藤原誠君) お答え申し上げます。
 委員お尋ねの本間政雄氏でございますが、昭和四十六年四月に当時の文部省に入省いたしまして、その後、初等中等教育局高等学校課長、大臣官房総務審議官、さらには、国立大学法人京都大学理事・副学長などを歴任した後、平成十七年十月に文部科学省を退職しております。
○江島潔君 ありがとうございました。
 子供たちが通う学校で、やはり日本の教育から逸脱するような事例やあるいは多くの保護者や同窓会の皆さんが首をかしげるようなことが起きるということは、私これは明らかに不適切だと思っておりますし、それは、最終的には、やはり国民はみんな、教育の所管の最高官庁は都道府県じゃなくて文科省だとみんな感じているわけですので、是非、そういうまた事例が文科省の方にも直接耳に入ったときには適切に都道府県に対して、この場合には山口県の方に対しても正しい指導をしていただきますことをお願いを申し上げまして、質問を閉じます。
 ありがとうございました。
○神本美恵子君 おはようございます。民進党・新緑風会の神本美恵子でございます。
 文教科学委員会、久しぶりの委員会ですけれども、林大臣には今日はしっかりと御答弁をいただきたいと思います。
 まず、教育政策全般というよりも加計問題について幾つかお聞きしたいと思います。
 大学設置審議会が結論を出して、大臣が加計学園獣医学部新設を認可されました。文科省の中で、あるいはこの審議会の中で、いわゆる再興戦略にありました閣議決定された四条件、お手元に今日資料をお配りしておりますけれども、この二〇一五年六月三十日に閣議決定された四つの条件がこの設置審議会の中で議論されたのかということについてまずお伺いしたいと思います。
○国務大臣(林芳正君) 岡山理科大学の獣医学部の新設につきましては、国家戦略特別区域計画に認定されたことを受けて設置認可申請がなされたということでございますので、大学設置・学校法人審議会では、申請されました設置計画がこの国家戦略特区構想に合致しているかどうかについて審査する役割を有しておりません。したがって、四条件を含めて国家戦略特区プロセスに係る議論はなされておりません。
○神本美恵子君 この獣医学部が五十二年間新設されなかった、設置されなかったというのは、その基になっている文科省の告示で決められていたわけですよね。その告示の特例を認めるということですから、その特例を認めるに当たってはこの四条件がクリアされなければいけないというような認識でいるわけですけれども、設置審議会でこのことは議論されなかったということであります。
 具体的に設置審の議事要旨を読んでみましたけれども、大学等の設置の趣旨、必要性についてというところで、第一次審査では是正意見、第二次審査では改善意見というのが出されております。その中身はこの四条件と関わっているんですね。国家戦略特区構想を踏まえたライフサイエンス研究分野及び医獣連携獣医分野の社会的な人材需要の動向が不明、公衆衛生獣医師、公務員の必要性や具体的な需要が不明、及び第二次審査でも、ライフサイエンス分野と医獣連携獣医分野において養成しようとする人材像の違いが不明確と出されているんですね。
 つまり、議論していないと言いながら、審議委員の皆さんからは、こういう四条件に関わる意見が是正意見として、強い意見として出されている、それに対して文科省が何らかの説明をしたと思うんです。その説明を受けて、審議会の中で議論をして、是正意見が改善意見というふうになったと思いますけれども、議論をしていないと言いながら、これは四条件のまさに二番目に関わることだと思います。
 じゃ、どういう説明を文科省がやって、どういうそれに対して意見があって改善意見となったのかというところの議事録を求めましたけれども、議事録取っていないと。議事録がなくて議事要旨ができるというそのからくりがよく分からないんですけれども、それについてまた詳しく、連合審査も予定されておりますのでそちらにおいておくとして、文科省としては、じゃ、この設置審の中で審議するために説明をされたと思うんですが、省内ではどういう検討がこの四条件に関してされたんでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) 設置審では主に、事務方といいますよりも大学の方でこの指摘があったことについては申請をやり直すという形でやってきたということでございますが、今お話のあったように、当然この今回の件は、段階的に国家戦略特区のプロセスを進めてきて、国家戦略特区のプロセスの中で四項目が満たされていると確認をされております。
 その前提の下でこの事業者の公募が行われて提出がされた加計学園の構想、これが認められたということでございまして、それが設置認可申請に至ったと、こういう経緯を踏んでおりますので、当然その加計学園の構想というのは特区のプロセスの中で認められたものですので、今先生からお話のあったようなことが当然その構想に含まれていると。構想に含まれているということは、それに基づいて出されてきた認可の申請にもその項目は当然含まれておりますので、先ほど申し上げましたように、申請に対して審査をするのが設置審でございますので、そういうやり取りがあったというふうに理解をしておるところでございます。
 そして、この大学設置・学校法人審議会、設置審はそういう観点で可とする答申をこちらに出していただいたわけでございますが、一方で、文科省の事務方としても、この国家戦略特区のプロセスとの整合性を確認する意味で、この出された申請が加計学園の構想に合っているかどうかということは改めて確認をさせていただいたということで、文科大臣として今回の獣医学部の設置を認可したと、こういう経緯でございます。
○神本美恵子君 プロセスの中でこれはもうクリアされているというような御説明だったんですけれども、じゃ、例えば、既存の大学・学部では対応困難というふうになっていますけれども、大学を所管する文科省として既存の大学にどれぐらいヒアリングをされたのか、困難だという根拠が示されたかどうかということについてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(林芳正君) これはまず、設置認可のプロセスそのものにおいては、先ほど申し上げましたように、四項目を満たしているかを確認したものではなくて、申請書の内容が四項目を踏まえて進められた国家戦略特区のプロセスの中で認められた加計学園の構想と適合しているかについて確認を行ったということでございます。
 その上で、御質問がございましたので、既存の獣医師養成系大学との比較をあえて申し上げますと、今回新たに設置される加計学園の獣医学部は、独自に設定をされているアドバンスト科目によりまして、ライフサイエンス分野、それから国内外の公共獣医事分野、医獣連携獣医分野の重点的な人材養成を行うことが特徴になっております。
 今お話のあったように、既存の獣医師養成系大学の中にはこれらの分野に係る教育を実施しているものは存在しておりますけれども、既存の大学において実施されている場合でも各大学のそれぞれのカリキュラムの中で部分的に実施されているものでございまして、これらの三つの分野について重点的に教育を行うカリキュラムを構成しているものではないというようなことから、今回新たに設置される獣医学部の教育というのは既存の大学のものとは異なるものと、こういうふうに考えているところでございます。
○神本美恵子君 やっているところはあるけれども、ここで示されているものがやれるかどうかというのはやれないという判断されたように今答弁されましたけれども、この既存の大学でやれないというようなことをヒアリングでちゃんと聞かれたんですかというようなこともちょっと聞きたいんですけれども、ちょっとほかの、次の問題に行きたいので。
 先週末に世論調査が行われたところで、今回の、これは通常国会を通じて総理の御意向がそんたくされて行政がゆがめられた、特に文科行政がゆがめられたのではないかという疑念持たれたままに今回の認可になっております。そのことについて、政府は適切な手続だと説明しているけれども、納得できますかということに、納得できるは二四%、納得できないが六六・一%なんですね。
 それで、大臣にお願いなんですが、七日の日に連合審査がありますので、そのときには今のことも含めてしっかりと説明をしていただきたいということを、これはお願いをしておきたいと思います。
 それで、次のテーマに移りたいんですけれども、林大臣は所信の中で、現場に学ぶという観点から様々な教育や研究の現場を視察してきたということを述べられておりました。私は、この現場に学ぶということは大変重要だと思います。特に、この教育や研究については、その現場で何が起きているのか、何が行われているのかということをしっかりと踏まえた上での政策を立案していただきたいという意味で重要だと思います。
 また、働き方改革を実行する中で、学校における教員の長時間勤務の要因を見直す、教職員定数の改善充実を始め、学校現場を積極的に支援するとも所信の中で述べられました。これは大変私は心強く思っておりますので、じゃ、それを具体的にどうするかということが問題だと思います。
 先ほど上野委員からも教職員定数の確保については御質問がありましたけれども、やっぱり財務省の前で、その壁の前で立ちすくんでいるのが文部科学省という印象といいますか、これまでの文科行政だというふうに私は受け止めておりますので、立ちすくまずに壁を破って、現場の実態に即した定数確保をお願いしたいという意味で質問したいと思います。
 まず、免許更新制度なんですけれども、平成三十一年度に昭和三十年四月二日から昭和三十一年四月一日までに生まれた人、つまり三十一年時に六十四歳になる人が二回目の免許更新講習を受ける期間に入ります。
 免許更新講習には、講習費用が三万円、県に印紙税として三千円、返信用封筒の切手代四百五十円、合計三万三千四百五十円が自己負担になっております。加えて、講習を受けるには時間的にも労力的にも大きな負担となっていると現場の声が聞こえてきております。この更新の時期を契機として退職するベテランの教員が増えております。もう更新、これだけの自己負担あるいは労力を使って講習を受けて、残り少ない再任用の期間を教員として働くのはもういいということで、辞めようという、退職するベテラン教員が増えています。
 一方では、今日、これも新聞記事を皆さんのお手元にお配りしておりますけれども、「小中教員不足 「担任すら決まらず」」というような見出しの新聞が最近出ておりました。
 現場では、代替教員が見付からない、教員不足で学級編制もままならないという状態になっております。私もうたくさんそういう声を聞いてきました。つまり、産休代替、育休代替の教員が決まらない、見付からない、そのために欠員のまま学級が発足してしまうというような、新学期になっても担任がいないというようなとんでもない状況になっています。
 そこに、これ、毎日新聞が調べた範囲内での不足数が北海道から政令市の熊本市まで出ておりますけれども、新学期になって先生がいない学級がある、担任教諭が決まらない、だから加配の先生が代わりに恐らく行っていらっしゃると思うんですけれども担任ではないというような状況が続いております。
 こういう状況の中で、文科省としては、何か、例えば免許更新を六十四歳で更新をしなければならないけれども、もうあと一年だから免許更新は受けないでもうこれで辞めようというような事態が起きていることについて何らかの措置が必要ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) 今お話のありました教員免許更新制度が教員不足の原因として影響があるのかどうかにつきましては、引き続き各都道府県教育委員会等からしっかりと事情を聞きまして、把握をしてまいらなければならないと思っております。
 この教員不足については、我々もいろんな話を聞いておるところでございますが、各都道府県教育委員会等からは、大量の教員が定年により退職していることに伴ってその分大量の教員を採用する必要が生じているということや、特別支援学級の数が増加をしている。さらには、今先生からお話がありましたように、産休、育休を取得する教員が増加していて、その補充が必要になっていると。さらにもう一つ、マクロ経済的に、民間企業等の景気が戻ってきているということもあって、民間の採用が活発になっているということで、取り合いになっていると。こういうようなことを各都道府県の教育委員会等から聞いておりまして、こういう要因が複合的にそれぞれ、地域差はいろいろあると思いますが、作用しているのではないかと、こういうふうに認識をしておるところでございます。
○神本美恵子君 ですから、免許更新制度が、もう六十四歳、六十五歳になろうとしている人が講習を受けなければそこで辞めざるを得ないというような事態に対して、更新制度でこういうベテラン教員に対しては講習を必ず受けなければいけないのかということで、例えば講習が免除されている管理職の方とか、そういう免除の範囲を広げるとか、講習料三万三千四百五十円の一部を、あるいは全額を免除するとか、何らかのそういうことをすることによってベテラン教員が辞めずに更新を、受けるか受けないか、どちらにしても六十五歳まで続けられるような更新制度の扱いを変えるということはできないんでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) 教員免許更新制は、教員がその時々の最新の知識や技能を身に付けて、自信と誇りを持って教壇に立っていただき、社会の尊敬と信頼を得られるようにするということを目的として導入をされておりまして、原則としては、やはり何歳になっても、教員として勤務するためには十年に一度、定期的に免許状更新講習を受講するということが必要になっておるところでございます。
 我々としても、教員免許更新制の趣旨を踏まえて、やはり教員として勤務していただく場合には、そのときの年齢及びその後の教員としての勤務年数の見込みに関係なく、適時に免許状の更新を行っていただきたいと考えておるところでございます。
○神本美恵子君 大臣、ちょっと、本当に現場の実態を踏まえて政策するのであれば、これは何とかできないかと思うんですね。実際には、例えば担任が決まらないところは、足りないところは、大学生とか幼稚園教諭、小中学校の免許を持たない幼稚園教諭の免許の人に臨時免許を出して手伝ってもらっている、来てもらっている。あるいは、民間の人で校長に、特別免許状を出して校長をやってもらうとかいうような現状が今あるわけですよね。
 それなのに、もうベテラン教員で、六十四歳まで働いて、それからあと一年のためにもう一回免許講習を受けなければ教員ができないなんという、本当にこれは硬直化した行政以外の何物でもないと思うので、大臣、ここは本当にしっかりと、制度上の立て付けの難しさがあると事務方から聞きましたけれども、しかしそこを何とかするのが私はやっぱり政治的な判断だと思うんです。法改正が必要ならばそういう法改正を直ちにしていただきたいし、是非検討するという御答弁をいただきたいんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) せっかくの神本先生の御質問でございますが、これは制度でございますので、しっかりとやはりこの原則というものは守っていかなければならないと、こういうふうに思っております。
 一方で、現場のお話がありましたので、原則でございますから、どういうことが、じゃ、現場の今のこういう状況に対してやれるのかというのは、不断の見直しといいますか検討というのは常にやっておかなければいけないことだと、こういうふうに思っております。
○神本美恵子君 ですから、現場に即して制度の見直しをやってほしいということを申し上げておりますので、是非これは検討していただきたいと思います。再来年、再来年がその講習を受ける、六十四歳になる人たちが講習を受ける年ですので、それに間に合うように是非省内で検討していただきたいということを重ねて申し上げておきたいと思います。
 次に、教職員定数の改善を求めるという質問に移らせていただきます。
 先ほどもちょっと資料が出ておりましたけれども、文科省の概算要求では、新学習指導要領実施に向けて二千二百人、三年間で六千六百三十五人を要求されておりますけれども、その根拠をまず伺いたいと思います。
○国務大臣(林芳正君) この新学習指導要領では、小学校三年から六年までの学年で週当たり一こま相当の授業が増加することになるわけでございます。このことを前提に、該当学年の学級数、公立小学校で授業を行う教諭の担当している授業時数、こういうものを踏まえて、授業の増加に対応するために六千六百三十五人の定数改善が必要だと、こういうふうに見込んでおります。
 御案内のように、新学習指導要領の完全実施は平成三十二年度ということでございますので、計画的な教員の確保を促すために、平成三十年度の概算要求では約三分の一に当たる二千二百人を要求していると、こういうことでございます。
○神本美恵子君 今年度の学校基本調査では、小学校は本校、分校合わせて二万九十五校あるんですね。二万校余りあるわけです。その全ての学校で、小学校中学年では外国語活動、高学年では外国語が教科として導入されるということになっております。
 この定数改善計画で三年間で六千六百人余りということで、二万校全ての学校に配置されることはとてもとても桁が違うというような状況でありますけれども、今学校現場では、大臣、二〇二〇年問題ということがささやかれているんです。つまり、英語が高学年で教科化される二〇二〇年度から退職者や病気休職者が増えるのではないか、また、高学年を希望する教員が不足するのではないかというようなことが危惧されております。
 実際に今、指導法についてその研修会等が開催されているということは聞いておりますけれども、まあ英語を話せて、それを授業でやれるということが一朝一夕で身に付かない、これはもう私も自分の経験からよく分かります。この外国語活動が導入されて以降、保護者から、あなたの発音では子供の英語力が育たないというような批判を受けて、それは真っ当かもしれません、そういう先生山ほどいると思います、私が今戻ってやっても絶対そう言われるなという、本当に思うんですけれども、そういう批判を受けて病気休職に入った若い先生がいらっしゃるというようなことも聞いております。
 ですから、外国語活動あるいは外国語を教科にするというのに、先ほどのような六千六百人で二万校の学校に対応しなければいけない、こういう条件が整わない中で教科化に踏み切った、このことは私は非常に重大な文科省の文科行政として問題だというふうに思っておりますけれども、そのことについてはどのように現場の声に応えていきますか、大臣。
○国務大臣(林芳正君) 私も含めて日本語をネーティブとする者にとっては発音というのはなかなかハードルの高いことであろうと思いますが、そのためにいろんな教材の工夫等もやりながらしっかりとやっていくということではないかと思います。私も、振り返ってみて、日本人の先生で本当に上手な発音だなという先生に余り出会ったことはございませんので、そこは、しかし、いろんな教材等を使うとか、いろんなことで工夫をしてもらわなければならないと思っております。
 もうこれ先生御案内のことですが、小学校の外国語教育というのはやはり学級担任が指導するということが前提でございますが、新たに授業時数が増加する分については、先ほど御説明したように、必要な定数改善要求しておるところでございます。各都道府県や指定都市の教育委員会においては、学級数に応じて算定される定数に加えて、現在要求しております専科指導のための加配定数、これも活用していただいて、いろんな人事上の工夫も含めて必要な体制整備に取り組んでいただきたいと考えております。
 例えば、人事上の工夫としては、近接する中学校の先生が小学校において専科指導を行うとか、その教科の専門性の高い教員が複数の小学校を兼務して専科指導を行う、こういうようないろんな工夫をしていただくということを含めて必要な体制整備に取り組んでいただきたいと、そういうふうに考えております。
○神本美恵子君 現場では、やっぱりこの概算要求の数字を見て、本当に大きな落胆の声が出ているんですね。
 今紹介したような外国語指導に対する心配というようなのもありますけれども、それだけではなくて、十一月二十八日に開催された中教審の学校の働き方改革特別部会で提出された中間まとめ案、私も読ませていただきましたけれども、その中に、これは勤務の長時間化の要因として、小中学校共に授業に従事する時間が増加している、これからまた増加するわけですけれども、そのことから、平成二十年に学習指導要領を改訂して以降、教師一人一人の持ち時間数を減らすという観点での教職員定数の改善が十分ではなかったと。つまり、学習指導要領を改訂するたびに一人一人の教師の持ち時間が増えているにもかかわらず、それに対応する教職員定数改善がされてこなかった。そして、それをまた今度の学習指導要領改訂全面実施に向けて、今回の概算要求で見ても分かるように、それに追い付いていないということをこの中間まとめ案の中でも指摘されているわけですよ。十分ではないと、十分ではなかったという指摘がされております。
 さらに、この中間まとめ案の最後のところに、六というところで必要な環境整備の項というのがありますが、そこに付記されて、ただし、これは記載調整中とあるのでこのまま中間報告として出てくるかどうかは調整中だということだと思いますけれども、その中にあるのは、これは八月二十九日に出ていますので、概算要求を出される、まとめる最後に出ていると思うんですが、教員一人当たり担当授業時数の軽減とそれに伴う授業準備の充実に向けた小学校における専科教員や中学校における生徒指導担当教員の充実、特に、小学校中高学年において授業時数が週一こま相当増加する新学習指導要領の全面実施に向けた対応が必要であるというふうに書かれているんです。
 今るる申し上げた外国語活動、外国語の教科が増えることに対して、十分に一人一人の持ち時間が軽減されて事前準備もできるようにしなさいということが記載、まだ調整中ですけれども、書かれているんですよね。これはもう本当に緊急課題ですので、これから最終的な政府予算の折衝も最終段階に入っていると思いますけれども、何としても、何としてもこれ以上概算要求を、これしか出していないから増やすわけにはいかないと思いますが、これを確保するということを是非ともお願いをしておきたいというふうに思います。
 次に、先ほど新聞記事にもあったように、団塊世代が大量退職して、今学校は若返っております。その若い先生方の中でも特に二十代、三十代の女性教職員のメンタルヘルスの問題についてちょっと取り上げさせていただきたいと思います。
 これも学校における働き方改革特別部会の中で、教員のストレス状況に関する分析についてという議論がされたというふうに聞いております。そこで出されたので、男性に比べ女性の教職員のメンタルヘルスの状態が不良であると。特に二十代、三十代の女性教職員、これは小中学校に共通しているということが指摘されております。これについてちょっとお聞きしたいんですが、もう時間が限られておりますので、そういう働き方特別部会で議論がされている。
 これについては、実際に私も最近特に現場の先生に会うたびに聞く話、昨日も聞いたんですが、二、三週間前にも長いメールが来ました。どういうものかというと、例えば福岡のある女性教職員は、不妊治療を受けてやっと妊娠をしたと。しかし、六年生担任をしていたので卒業までは頑張ろうと思って最後の新学期を迎えたら、その日の朝大量出血をして切迫流産になって、それでも頑張って、何日か休んだ後、無事に卒業させたと。卒業させた後、新しい担任はちょっと外してくれと、妊娠中ですから外してくれと校長に頼んだけれども、いや、ちょっとめどが立たないときは担任してもらわなきゃいけないかもしれないというようなことで心配していたけれども、無事みんなの協力でTT加配の役割になったと。しかし、TT加配でありながら、TTの授業よりも、産休補助が来ないから先に産休を取っている先生のクラスの補助に入ったり、それから病休を取っている先生のクラスの補助に入ったりと、もう本当に連日、加配で自分の授業だけすればいいんではなくて、ほかのそういう補助がたくさん回ってきて、また大量出血をして切迫流産、もうこれは本当にやっと妊娠したのにという心配しながら、でも何とか無事に自分は出産をしましたけれども、前に産休に入った先生の代替が三か月か四か月遅れでやっと来たと、自分の産休代替はまだ決まっていないというような状況ですというようなメールが来まして、本当に切迫した状況が伝わってくるんですけれども。
 日本教職員組合の女性部が教職員、女性教職員の権利行使調査をやっているんですね。その自由記述の中にもう本当に信じられないようなことが書かれています。
 校長先生、恐らく校長や教頭さんが言うと思うんですが、しばらく結婚は控えろ、今年は子供をつくらないでほしい。妊娠した女性に、大事なときに妊娠されて困る、計画性がないじゃないか。もうひどいマタハラですよ、これはね。それから、妊娠した教諭に、同じ給料をもらっているんだから、炎天下のプール指導もやれ、プールに入れというようなことを言われたり、産休代替、先ほど言いましたように、なかなか見付からないんですね。それを自分で見付けてこいと言うような校長さんもいると。これ、産休代替法を私見ましたけれども、任命権者が探さなきゃいけないですよ、これは。それが今、学校の校長が一生懸命探して見付からないものだから、校長さんも困って自分で探してこいというようなことを言ってしまうというような、本当にそういう切迫した状況になっている。もうこれをブラックと言わずに何と言おうかというような状況なんですけれども。
 ちょっと時間がないので、これについて、是非現場のことを大臣、心に留めて、次の、また現場の実態なんですけれども、お話をさせていただきたいと思います。
 林大臣は、省内にタスクフォースを設けて、林プランという教育政策改革に向けての議論を始められたというふうに聞いております。是非、先ほど紹介したような現場の実態、あるいは生々しいこの声、そういったものを踏まえた議論をしていただきたい、女性の置かれている学校現場の状況をタスクフォースの中で議論をしていただきたいというお願いが一つと、それからもう一つは、このタスクフォースの中で、もう大臣だけではなくて、これは今日そこにお並びの幹部の方々も含めてですけれども、是非聞いていただきたい。
 十年前に私が紹介したこれはお話なので、高橋局長とかは御存じかもしれませんが、これは行革特別委員会で紹介したんです。佐藤学先生という、今学習院大ですかね、教育学者の先生の講演記録の中に戦後すぐの新制中学が発足した当時のことが紹介されていたので、私も議事録を国会図書館からその当時取り寄せて行革委員会の中で紹介したんですけれども。
 つまり、戦後、新制中学が発足をしました。しかし、校舎が足りない。それで、校舎を何とか建てないと、馬小屋とか公民館とかそういうところや軒下で、あるいは軒下もない青空教室で中学生が勉強している。これはもう何としても当時の文部省は校舎を早急に建てなければいけないということで、常盤局長、うなずいていただいております、覚えていただいていたかもしれませんけれども、しかし、そのためのお金がないということで、国会の中でそのことを訴える国会議員、これ与野党を問わずだったそうです、議事録によると。与野党を問わず、何とか予算を確保してくれというふうに泣いて頼んだと。そうしたら、その委員会室も涙に包まれたというふうなことが佐藤先生の講演の中でありました。文科大臣、当時の大臣も、それからスタッフの方も泣きながらしか答弁ができなかったと。
 何でそういう状況になったかというと、その議事録によると、建設費として七十五億を要求したけれど、今の概算要求ですね、要求したけれど、それが大蔵査定で内示が十四億に減らされていたということを文部大臣が各市町村に通知をしたんですね。それでもう冬を迎える北海道や東北では既に校舎建築を始めている、始めているけれども予算が付かないということで、その十四億の大蔵査定が総理査定で更に七億に減らされたというので、もう大変な各市町村混乱に陥ったということで、その議事録に残っているように、どうしてくれるんだ、このままではどうしようもないということで、もう本当に悲嘆に暮れたというような情報がありました。校舎がなくて、さっき言いましたように、民家の納屋で勉強している、公会堂でやっている、馬小屋でやっている、あるいは一部、二部、三部に分けてやっているというような、そういう学校現場の実態に対して、本当に省を挙げて、議院も挙げて予算確保に向けていったというような過去もあるわけですね。
 今、私は、まさに学校はそういう状態だと思います。校舎はあります、しかし、そこに先生がいない。先生がいなくて教育ができるかということを私はもう本当に強く申し上げたいと思いますので、大臣、先ほどの女性教職員のメンタルヘルスの問題も含めて、予算確保を省を挙げて、私たちも、これは恐らく超党派で、皆さん、誰も反対する人はいないと思いますので、これに向けて本当に決意をいただきたいと思います。
○国務大臣(林芳正君) 大変貴重な現場のお話をいただいたというふうに思っております。教員の働き方改革という言葉をどんどんどんどん広めて、現場の今の状況により多くの方のやっぱり関心を持っていただくということが大事なことではないかというふうに思っております。
 どなたも、先生が今おっしゃったように、この教育の大切さについて否定をされる方はおらないわけでございますので、それに必要な、校舎はもちろんですが、教員のしっかりとした環境の確保というのは我々も全力で取り組んでまいりたいと思っております。
○神本美恵子君 タスクフォースの中で議論されるということですので、これは大臣だけではなくて、文科省の皆さん方も本当に現場の声を自分のこととして心にしっかりと受け止めて、そして、これを条件整備するためには何が必要なのか、そして、財務省に何を示していったらこの予算が確保して定数改善ができるのかと。
 文科省としては、学習指導要領を改訂しながら、子供たちにより充実した教育をということをもって施策を打ち出しているわけですから、その裏付けとなる条件整備するのも両輪として絶対に文科省のこれは責務だと思うんですね。ですから、大臣に今いただきましたが、職員の皆さんたちも一丸となって、これは財務省がうんと言わないからというようなことで立ちすくむことなく、是非打ち破って予算獲得をしていただきたいということを申し上げたいと思います。
 次に、最後のテーマに入りたいと思いますけれども、文科省の男女共同参画政策について伺いたいと思います。
 まず、世界経済フォーラムが先ほど発表したジェンダーギャップ指数によるランキングで、日本はもう毎年毎年ランキングを下げて、今年は百十四位でありましたけれども、まずは大臣の所感をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(林芳正君) この世界経済フォーラム、いわゆるダボス会議をやっているところでございますが、二〇一七年のジェンダーギャップ指数において日本の順位は百四十四か国中の百十四位で、昨年の百十一位から三位ほど下がったということでございます。
 この指数は、経済、教育、保健、政治、この四分野から構成をされておりますが、このうち、特に経済分野における女性の管理職の割合の低さ、また政治における女性の割合の低さなどが我が国の順位に反映をされていると、こういうふうに承知をしております。
 言うまでもないことですが、全ての個人が性別に関わりなくその個性と能力を十分に発揮できる男女共同参画社会の実現は極めて重要でございまして、全ての女性が輝く社会の実現に向けた各分野における取組を一層推進することが必要だと考えております。
○神本美恵子君 確かに、今おっしゃったように、政治分野と経済分野、つまり、この委員会は女性が結構多いんですけれども、国会議員全体を見ると、あるいは地方議員も首長も含めてですね、政治分野への女性の参画率は本当にお寒い状況でなかなか改善しないということが一つと、それから経済分野では男女の賃金格差なども含めてジェンダーギャップが大きいということが足を引っ張っているのは分かっておりますが、じゃ、教育分野はどうかというと、初等中等教育はいいんですけれども、高等教育の分野に置くと、在学率でいきますと、初等中等教育はランキング一位なんですが、高等教育では百一位なんですね。下から本当に数えていいぐらい高等教育における女性の進学率、在学率で見るとお寒い状況であると。
 その進学率の男女差は現在八ポイントあるんですけれども、第四次男女共同参画基本計画では男女割合を五ポイント縮めると、平成三十二年、いわゆる二〇二〇・三〇ですね、までに五ポイント縮めるというふうに目標が掲げられておりますけれども、文科省としてはこれについてどのような施策をされているのか。
 もう一つ、併せて聞きます。
 第四次基本計画では、女性が理工系分野に参画する、そのことにも推進するというふうに書かれておりますけれども、その二点について文科省としてどのような取組をしているのかということをお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(常盤豊君) お答え申し上げます。
 世界経済フォーラムのジェンダーギャップ指数の構成要素の一つでございます教育でございますけれども、二〇一七年の我が国の順位は百四十四か国中七十四位となっており、順位としては昨年よりは僅かではございますけれども二番ほど順位を上げたという状況ではございますけれども、総じて必ずしも高い状況ではないというのは御指摘のとおりだというふうに思ってございます。
 また、御指摘ございましたように、教育分野の指標は四つございまして、識字率と初等教育就学率、中等教育就学率、それから高等教育就学率がございます。その中で、前三者については完全平等というふうに位置付けられておりますけれども、高等教育就学率については男女の差が存在しておりまして、このことが順位に反映をしているというふうに考えてございます。
 そして、近年の傾向でございますけれども、この高等教育の就学率につきましては、我が国の場合には四年制大学への進学が男性に比べて女性の進学率が低い、短期大学とか専門学校については比較的高いという状況がございますが、徐々に四年制大学への進学も増えてきているので、先ほども申しましたように、若干ではございますけれども順位が上がっているという状況でございます。
 その中での対策ということでの御指摘でございますけれども、対応策につきましては、女性の高等教育就学率を上げるということのためには、初等中等教育段階における一つは進路指導の問題があろうかと思ってございます。教育関係者が固定的な性別による考え方にとらわれることなく、生徒一人一人の主体的に進路を選択する能力、態度を身に付けるような指導を行うことが重要であると考えてございます。
 また、高等教育、あるいは特に理工系分野の問題の御指摘もございましたが、そういう点での女性の参画が進んでいない分野における活躍の機会があることへの理解を深めるということも大切だと考えてございまして、具体的な内容といたしましては、独立行政法人女性教育会館におきまして教職員を対象とした男女共同参画研修を実施する、あるいは文部科学省では、女子中高生の理系分野への興味、関心を高めまして、適切な理系進路の選択を可能とするための科学技術分野で活躍する女性研究者等との交流機会の提供とか出前授業とか、そういうことの事業を行っておりまして、このような研修等を通じまして男女共同参画の視点に立った進路指導、進路選択の促進ということに更に努力していきたいというふうに考えてございます。
○神本美恵子君 あと、第四次計画の教育学習分野では管理職の割合についても書かれております。
 数値目標が、普通、参画率については二〇二〇・三〇、二〇二〇年までに三〇%ということが合い言葉のようになっておりますけれども、なぜかこの教育の中におけるいわゆる管理職ですね、校長、教頭という管理職については二〇二〇・二〇という目標になっているというのを聞いてびっくりしたんですけれども、これは達成可能なということでぐんと目標を下げていると。それで達成したことになるのかなというふうに思いますが、既にこれも都道府県でいうと八都道府県では達成しているということなんですよね。何でこういうことをするのかなというのが一点。
 それから、女性管理職増やすために、女性枠、教員研修センターにおける研修の女性枠を設けると。これは大変いいことだと思うんですけれども、これについてはどのように具体的に実施されているのかというのが二点目。済みませんね、まとめて聞きます。
 それから三点目に、いわゆる先ほど理系のことを言いましたけれども、小中高、小学校の理科専科教員、中学、高校の理科の教員の男女別の数字というのが以前は出ていたんですけれども、最近ちょっとよく分からないんですが、最も身近な理系の女性教員というのがどんなふうになっているのか。これ、とても女性の理系の希望を増やすのにはロールモデルとしても大事だと思うんですけれども、理系の女性教員を増やすことを考えていらっしゃるかどうかという、三点について聞きたいと思います。
○政府参考人(高橋道和君) お答え申し上げます。
 まず、第三次計画においては平成三十二年度までに三〇%という数値目標でありましたが、女性管理職の割合は平成二十五年度一五%、平成二十六年度が一五・二%にとどまっていたところです。このような進捗状況を鑑み、第四次計画においては、各教育委員会が努力をすれば平成三十二年度までに達成し得る数値目標とすることにより、各自治体の努力を促す観点から目標数値を見直したものと承知をしております。
 それから、教員研修センターの各種研修における女性枠の達成状況でございます。独立行政法人教職員支援機構の年度計画においては、主催する研修に参加する女性教職員の割合をおおむね二五%以上とすることを目的としております。この実施状況として、いろんな研修がございますが、例えば各地域の中核となる中堅教員を育成することを目的とした中堅教員研修においては、平成二十八年度は二七・四%、そして平成二十九年度は二九・六%の参加が見込まれていると、このような状況でございます。
 それから、三点目の御質問の理科教員における女性教員の割合でございますけれども、平成二十五年度学校教員統計調査によりますと、理科を担任する教員のうち、女性の割合でございますが、高等学校では一八・七%、中学校では二四・九%となっております。小学校については、専科教員として特に理科を担任している者の割合といたしましては一四・四%となっているところでございます。
○神本美恵子君 男女共同参画社会を実現するためには、教育、研究、また学習ということは非常に重要な役割を担っていると思います。それなのに、今、文科省の今度の予算要求の中で組織再編が考えられているようですが、今、生涯学習局に男女共同参画学習課というのがありますけれども、この再編によって課が男女共同参画学習室になるというようなことを聞いております。これについては、本当に様々な学教教育に関わっている方々、あるいは男女共同参画、自治体の施策に関わっている方々から大変大きな危惧の念が、声が寄せられております。
 これ、もうなぜそういうことになるのかということをお聞きすると、答弁が長くて、時間がありませんので、私は、変わらないと、文科省の事務方の方と何度もやり取りさせていただいたり、それから院内集会でも心配されている女性団体の方々と一緒にお話を聞いたりしたんですけれども、どう考えてもこれは人数からいっても格下げになると。今のようになかなか進んでいない男女共同参画、文科省の学習に関する施策を考えると、これはやっぱり見直すか、あるいは課が室になっても中身、機能的に充実できるようにするためにどうしたらいいのかと。総合教育局として筆頭局になって、そこでより充実するんだとおっしゃいますけれども、それだけではやっぱり課が室になることの影響というのはとっても大きいですので、例えば、男女共同参画担当官を置くとか、総合教育局の中に局付けとして振興官を置くとか、そういうことを考えていただきたいということを申し上げて、最後に御答弁、大臣、これについては前向きに考えるということを御答弁いただいて、質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(林芳正君) 男女共同参画学習課につきましては、共生社会の実現に向けて、この男女共同参画学習に加えまして、障害者の生涯学習や外国人児童生徒の適応指導などを総合的に実施するため、共生社会学習推進課に改組することを予定しております。
 男女共同参画学習については、この室を設けて専門的に対応することを予定しておるんですが、引き続き、この課の重要な業務として、課長の統括の下で、ほかの分野との連携も含めて、より幅広い観点から強力に推進することとしておりまして、定員の削減も予定をしておりませんので、格下げという認識をしておらないところでございます。しっかり取り組んでまいりたいと思います。
○神本美恵子君 終わります。
    ─────────────
○委員長(高階恵美子君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、江島潔君が委員を辞任され、その補欠として今井絵理子君が選任されました。
    ─────────────
○宮沢由佳君 民進党の宮沢由佳でございます。本日は質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
 早速、幼児教育無償化について質問させていただきます。
 幼児教育無償化について詳細を教えてください。
○国務大臣(林芳正君) 幼児教育は生涯にわたる人格形成の基礎を培うものでございまして、全ての子供に質の高い幼児教育を受ける機会を保障することは大変重要だと思っております。
 そして、子育て世帯の経済的負担の軽減ということで、少子化対策にも貢献する意義を有するということで、これまでも幼児教育の無償化を段階的に推進してきております。
 この無償化については、二〇二〇年度までに三歳から五歳までの全ての子供たちの幼稚園、保育園の費用を無償化する、ゼロ歳から二歳児についても所得の低い世帯に対して無償化すると、こういう方針が出ておりますので、今その方針の下で具体的な検討を進めているところでございます。
○宮沢由佳君 報道等によりまして、一部前倒しというような情報もありますけれども、これについてはいかがでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) 基本的にはこの消費税の使途の変更によってこれをやっていくと、こういう大きなパッケージでございますので、この二〇二〇年度に、消費税の引上げを予定しておりますので、そこからということでございますが、財源を捻出してできることはということも与党からも御意見があるようでございますので、そこも含めて今検討を進めているということでございます。
○宮沢由佳君 今の御答弁で、やはり一部前倒しも含むということだと思いますけれども、一部はどういうところになるでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) まだ一部やると決まったわけではございませんで、そのことも含めて検討しているということでございます。
○宮沢由佳君 この問題は今、保護者の間で大変危惧、いろいろな不安が膨らんでいるところでございます。ただでさえ認可保育所に入れない親たちが、認可保育園に入れたら無償になるのではないか、無認可は無償ではないのではないか、認可に入れたら入れただけでもラッキー、そこで無償化になる、認可保育所に入れない人たちは、入れないという不公平に、さらにそこでは無償にならないのではないか、いろいろな不安がございます。
 無認可保育所の対応について現時点で、方向性でも構いませんので、御答弁いただけないでしょうか。
○大臣政務官(大沼みずほ君) お答えいたします。
 認可外保育施設の取扱いについては、無償化の対象範囲について専門家の声も反映するために検討の場を設け、来年の夏までに結論を出すこととしており、関係省庁と連携して対応してまいりたいと考えております。
○宮沢由佳君 一部報道には無認可に対しては定額の補助金という報道もありますけれども、もしもこうなった場合、無償化という言葉が合っていない、全ての子供たちに無償化するというのであれば、やはり無認可も含めていただかなければいけないかと思いますけれども、大臣はどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) 我々、幼稚園を所管しておりますので、幼稚園については先ほど申し上げたようなことでやっていこうということでございますが、保育園そのものにつきましては厚労省で所管をされておられるということで、今政務官から答弁があったとおりでございますので、全体としてしっかりと、いろんなお声が出ているのも承知しておりますので、しっかりと検討していかなければならないと思っております。
○宮沢由佳君 では、その幼稚園について伺いたいと思います。
 幼稚園に森のようちえんというものがございます。この森のようちえんについて昨年も質問させていただいたんですけれども、こちらも認可外の幼稚園ということになるかとは思いますけれども、林大臣は森のようちえんに行かれたことはございますでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) 森の動物園に行ったことはございますが、森のようちえんというのは今回質問いただくということで初めて聞かせていただきました。
 この森のようちえんとは、自然体験活動を基軸とした子育て、保育、乳児・幼児期の教育に関する活動の総称であると、こういうふうに承知をしております。
○宮沢由佳君 調べていただいてありがとうございます。
 実は、二百近い森のようちえんが今現在日本で、各森で活動しております。これは自然保育をやっているグループになりますけれども、昨年の私の質問には、文科省、環境省、林野庁からも高い評価をいただきました。
 山梨県北杜市にあります森のようちえんは、最近では国内だけにとどまらず、中国を始め海外のたくさんの方々が視察に来ております。また、この自然保育の様子が映画にもなり、賞もいただいたと聞いております。全国の自治体でも自然保育への関心がますます高まっており、島根や広島、長野、岐阜、さらにはどんどん広がっているところです。
 補助金も出しているというところで、この森のようちえんがきちんとした幼児教育だということを、デンマーク、ドイツなどではもう当たり前の選択肢の一つとして国からしっかりと補助金を出しているこの自然保育、自然保育の先進国では補助金がしっかり支給されているということを鑑みて、森のようちえんがもしも幼児教育無償化の対象にならなければ、その存在が厳しくなっていくのではないかと心配しております。長年蓄積したノウハウなども含めて自然保育という財産をなくしていいのでしょうか。
 森のようちえんの価値を認めていただき、無償化の対象と考えていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) 先ほどお答えしたとおり、幼児教育の無償化につきましては具体的な検討は今進めておるところですが、方針としては、三歳から五歳までの全ての子供たちの幼稚園、保育園の費用を無償化すると、こういうことでございます。
 森のようちえん、我が山口県も一つだけ、こびとのおうちえんというのがあるようでございますが、全国でたくさんやっておられる中でいろんな形態があるようでございまして、幼稚園がやっておられたり保育所でやっておられたりNPOがやっておられたりと、認可外の保育施設、様々なようでございますので、この形態に応じてこの仕組みができていくということであろうと、こういうふうに思いますので、全体としてこの活動の総称である森のようちえんを一概にお答えするということは少し難しいのかなと思っております。
○宮沢由佳君 ありがとうございます。
 山梨県の森のようちえんピッコロというのがあるんですけれども、八割の利用者が県外から移住してきているという現状もありまして、かなり都会の方々が自然保育を求めているというニーズの高さも是非知っておいていただき、検討の中に含めていただきたいと思います。
 では、幼児教育無償化について別の観点から質問させていただきます。
 幼児教育無償化と聞こえは良いのですが、幼児教育現場の現状課題は山積しております。幼児教育無償化はその現状課題の解決とセットに進めなければなりません。課題をそのままにして無償化だけを進めれば、そのしわ寄せは子供たちを襲います。幼児教育無償化を叫ぶのであれば、待機児童解消はもちろんのこと、質の高い幼児教育を提供できるよう改革する必要があると思います。
 日本総研の指摘にもありますが、まずは幼児教育に関する縦割り行政の解消が不可欠です。資料の一を見ていただければ今どれだけばらばらになっているかということが分かると思いますが、いつまでも、保育園は厚労省、幼稚園は文科省、認定こども園や企業主導型保育など子ども・子育て支援制度は内閣府が担当という、以前よりも増えているんですね。このばらばらな行政では子供施策が停滞すると思います。過去に予算委員会で私、子供の施策について質問した際、一つ一つの質問に対して、厚労省ではこうしています、文科省ではこうしています、内閣府ではこうしていますと三倍の時間が掛かり、さらに、その子供施策の牽引役がどこなのか、責任の所在はどこなのかということが明らかになっていないというふうに感じました。
 このまま幼児教育無償化を実行すれば、ますます混乱することになるのではないでしょうか。幼児教育無償化に合わせて、保育園、幼稚園、認定こども園及び企業主導型保育園を一本化することはできないでしょうか。各担当の方は、いや、ここはうちです、ここはこちらですと強く言っていらっしゃって、いや、混乱するんじゃないですかと私が聞くと、我々は混乱していませんというふうに返事が返ってきたんですけれども、いや、混乱しているのは保護者なんですね。保護者が選んだ園によって無償化するかしないか分からない、選んだ園によってその担当省が違うというのは大変混乱を招いております。
 是非、この際に子ども省なり子供施策の一本化、お願いしたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) 子供が健やかに成長し、次代を担う若者として自立、活躍できる社会に向けて、子供に係る施策についてはやはり関係省庁が連携するということが大変大事だと思っております。
 委員も御案内かと思いますが、子ども・子育て支援について企画立案、総合調整を行う特別の機関ということで、内閣府の子ども・子育て本部というのが設置をされております。ここを中心として内閣府と厚生労働省と文科省というのが連携するという体制を組んでおりまして、その下で政策を進めていくということになっております。
 こういう体制の下で、例えば幼稚園、幼保連携型認定こども園、保育所における教育内容の基準等について整合性を図るといったことや、幼児教育、まさに今お話のあったこの無償化の推進への取組と、こういうことについて関係省庁で連携を図ってきたところでございますので、引き続き、保護者の皆様が混乱されませんように、しっかりと連携しながら取組を進めてまいりたいと思っております。
○宮沢由佳君 ありがとうございます。
 私が一番心配しているのは幼児教育の質の低下なんですね。幼児教育というところから考えても、その教育に携わる文科省が牽引役をしていただきたいと思います。
 子供施策を文科省で一本化する、こういうのはいかがでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) 教育については文科省が所管をしておりますが、また、保育については厚生労働省ということでございますので、まさに先ほど申し上げましたように、この本部をしっかりと生かして連携を強めていきたいというふうに思っております。
○宮沢由佳君 幼児教育無償化による保育、教育の質の低下、やはりこれを心配する声もたくさんあります。質の低下を防ぐため、大臣は保育、教育の質の担保をどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) 幼稚園等の幼児教育施設は、幼稚園設置基準や幼稚園教育要領等により、その教育、保育環境の整備や教育内容面の質の確保がなされているところでございます。更なる質の向上を図るために今年の三月に幼稚園教育要領を改訂いたしまして、幼稚園教育において育みたい資質、能力の明確化、それから幼小接続、幼稚園と小学校ですね、この接続の推進に関する内容の充実を図ったところでございます。
 このほか、教職員等の人材確保の支援や、施設整備等に対する補助、地方公共団体における幼児教育推進体制の構築の支援、こういうことに取り組んでおりまして、今後とも、こうした教育の質の向上に係る取組をしっかりと進めていきたいと思っております。
○宮沢由佳君 ニュージーランドも幼児教育無償化をするときに、やはり厚労省、文科省、ばらばらだった子供施策を文科で一本化したそうです。そのときに、やはり質の低下を防ぐために国の評価機関を設けて、それで質の低下を防いだということを読みました。
 全ての幼児教育施設の質を評価、公表する機関をつくることが必要だと考えますが、大臣はどうお考えでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) 今のニュージーランドのお話は今初めて聞かせていただきましたので、ちょっと取り寄せて、資料を、検討してみたいと思います。
○宮沢由佳君 ありがとうございます。
 また、先ほどお話にもありましたが、保育士、幼稚園教諭の処遇改善なくして幼児教育無償化はあり得ないと私は思います。徐々に進めていただいていると思いますが、今後の更なる処遇改善策、教えていただけますでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) 先ほど申し上げましたように、いろんな仕組みがございますので、その中で、しっかりとこの教育の質を確保するための環境の整備というのは不断に取り組んでまいりたいと思っております。
○宮沢由佳君 処遇改善、一歩一歩進んでいるとは思います。ただ、六年以上の保育士に四万円の上乗せ、また全ての保育士に六千円、さらに今それにプラス数千円という報道もございますけれども、一般の企業から比べると十万円近い差があるこの幼児教育に携わる人たちのやはり新卒からの処遇改善が必要だと思います。なかなか六年以上勤められるという現場になっていないのが現状でございます。新卒も初めからの処遇改善、しっかりと取り組んでいただかなければ、更なる保育士不足に拍車が掛かると思います。
 私が調べた資料によりますと、保育料また幼児教育費が無料になると必要以上に長時間子供を預ける人が増えたという結果もございます。そうなりますと、ますます保育士は不足してまいります。ですから、この処遇改善をしっかりと考えていただくということをお願いしたいと思います。
 また、私の考えなんですが、保育士、幼稚園教諭が更に自分たちの資格より上を目指せるように、例えば上級保育士など上の高い資格を創設して給与を段階的に引き上げていくという方法も取れると思いますが、このアイデア、いかがでしょうか。
○大臣政務官(大沼みずほ君) 委員御指摘のように、保育士の処遇改善、急務でございまして、今後も引き続き保育人材の処遇改善をしてまいりたいと考えておりますが、今御提案のこのキャリアアップの仕組みにつきましても、副主任保育士、また主任保育士、園長と、それぞれキャリアアップができるようにしていくということで、今厚生労働省としても取組をしているところでございます。
○宮沢由佳君 もう一つ問題があると思います。幼児教育無償化が行われても、園によっては、制服、帽子、靴、楽器、教材、習い事の費用など、かなりの金額を徴収しているところがあります。年間十万円以上になる園は少なくありません。しかし一方では、全く徴収しない園もあります。
 入園した園によって実際に各園へ支払う金額に大きな差が生まれていることを大臣は御存じでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) 通告がいただいておらなかったものですから詳細には把握をしておりませんが、委員が今おっしゃったように、いろんな教材については全国一律ということではないんではないかというふうに承知をしております。
○宮沢由佳君 ある母親は、やっと保育園が決まって準備を始めたら、入園するときに、予想以上の費用が掛かると言われ、借金をしなければならなかったと言っていました。幼児教育無償化により、園側が更に徴収金額を上乗せするのではないかと心配する声も聞かれています。こういった不安に対して、何か対策はありますでしょうか。
○大臣政務官(大沼みずほ君) 私も、今五歳の娘が保育園に通っておりますので、様々な経費が掛かっていることは承知しております。
 それに対して、国として今後どのようなことができるか等も検討してまいりたいと思います。
○宮沢由佳君 例えば保育園の場合、どこに入れるか分からないわけですね。希望を幾つか書いて、そしてその希望になかなか沿わない、そしてやっと入れた保育園に入園説明会に行ってみたらば十万円以上のお金が掛かる。私が知っている保育園では、保育園ですよ、保育園で二歳の子供に帽子、制服、それから靴下までその園の指定の靴下を買わなければいけない。さらには、体操服、そしてかばん、全てが指定のものでなければいけない。
 やはり、特に保育園で、やっと入れた保育園にうちの子だけ違うものというわけにはいかないという気持ちもあるかと思いますが、こういった徴収金額に上限を規制する、こういった必要があると思いますけれども、これは通告していませんが、イメージとして、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) 保育園については厚労省にお尋ねいただければと思います。
○宮沢由佳君 では、質問を変えさせていただきます。
 国公立大学の雇い止め問題について伺います。
 二〇一三年四月に改正労働契約法が施行され、有期契約の労働者は、有期労働契約が五年を超えて反復して更新された場合、労働者の申入れによって有期契約を無期契約に転換できるというルールが導入されました。
 教育現場による働き方改革、長時間労働が社会問題として大きくクローズアップされています。このような状況において、この無期転換ルールの徹底に向けては、文科省も昨年十二月九日に、貴学による無期転換ルールへの対応の検討に関する再周知のお願い及び無期転換ルールへの対応状況に関する調査についてとのメールを各大学法人に送付するなどの対策に取り組んでいると聞いています。
 しかしながら、施行から五年の節目となる二〇一八年四月を前に、全国各地の国公立大学法人において有期雇用されている職員の皆さんが雇い止めの問題に直面されている現状を大臣は御存じでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) 労働契約法の第十八条におきまして、同一の使用者の下で期間の定めのある労働契約が通算五年を超えて反復継続された場合は、労働者の申込みによりまして、期間の定めのない労働契約に転換させる仕組みが規定をされていると承知をしております。
 国立大学法人及び公立大学法人の職員の雇用形態は、労働関係法令に従って各法人が経営方針等に基づき適切に定めるべきものであると考えておりまして、文科省としても、今お話しいただきましたように、これまで無期転換ルールにつきまして、事務連絡や国公立大学の学長等を集めた会議等を通じて情報提供や説明などを行うなど、改正労働契約法の趣旨を踏まえて各法人が適切に対応していただくようお願いしてきておるところでございます。
○宮沢由佳君 私の手元にある資料によれば、一つの大学で数百人から数千人規模の職員が来年の四月を前に雇い止めになる可能性があるようです。雇い止めに直面されている方や、その御家族は今まさに不安な思いをされていることと思います。
 例えば、元々一年ごとの更新だった有期契約を五年の年限を定める契約に変更を余儀なくされるケースや、財政状況の悪化を理由に契約の更新をしない旨を一方的に通告されたケースなど、大学法人側が様々な理由を付けて雇い止めをする問題が横行していると聞いています。
 また、本年九月一日には加藤大臣名で、無期転換ルールの円滑な導入に向けた取組に関する要望書が発出され、その中で、「無期転換ルールの適用を避けることを目的として、無期転換申込権が発生する前に雇止めをすることは、労働契約法の趣旨に照らして望ましいものではなく、慎重な対応が必要です。」と明確に言及されています。
 この大学法人による雇い止め問題は改正労働契約法の趣旨に反する行為であり、この厚労大臣の要請にも反する行為ではないでしょうか。大臣はどのように捉えていらっしゃいますでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) 国立大学法人及び公立大学法人におきまして、平成二十五年四月から雇用されている有期雇用職員は平成三十年三月末をもって雇用期間が五年を迎えることになりますが、無期転換を避けることを目的として雇い止めをすることは法の趣旨に照らして望ましいとは言えないことから、各法人におきまして改正労働契約法の趣旨を踏まえ適切に対応していただく必要があると考えております。
○宮沢由佳君 まさにおっしゃるとおり、もしこの雇い止めを行っていることが明らかになった場合、文科省としてどのように対応されるのでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) 国立大学法人及び公立大学法人に対して、改正労働契約法の趣旨を踏まえて適切に対応していただくよう、今後とも、必要に応じて厚生労働省と連携しながら、情報提供や制度の説明等を行ってまいりたいというふうに思っております。で、明らかになれば、この法律に対応した対応がなされるものと、こういうふうに思っております。
○宮沢由佳君 次に、時間が少しになりましたけれども、不登校への対応について質問させていただきたいと思います。
 不登校児童生徒は十三万人を超えています。子供の数の減少からすると、その割合は過去最高です。不登校対策を行っているにもかかわらず、不登校児童生徒の割合が増えている原因は何とお考えでしょうか。
○政府参考人(高橋道和君) 一般に不登校の要因や背景としては、本人、家庭、学校に関わる様々な要因が複雑に関わっている場合が多いと考えられます。
 文部科学省が実施した平成二十八年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査においても、本人に係る要因、学校等の対外的な要因それぞれについて調査をしております。同調査の結果としては、まだ速報値の段階でありますが、本人に係る要因としては、無気力の傾向がある児童生徒、不安の傾向がある児童生徒が多くなっております。また、こうした本人に係る要因の背景には外的な要因があることが多いところであり、主なものとしては、家庭の状況、友人関係、学業不振、こういったものが多く見られるところでございます。
○宮沢由佳君 とても心配な状況だと思います。
 昨年、不登校児童生徒に教育の機会確保を含むいわゆる教育機会確保法が成立しました。不登校児童生徒の受皿となっているフリースクールの経済的支援も進むと期待しておりましたが、今年度予算は一億五千五百万円、来年度概算要求は二億三千三百万円、その多くが調査研究費のようです。不登校児童生徒の学校外での様々な学習をきめ細かに支援する体制の整備に向けた実践研究及び不登校児童生徒を受け入れている民間団体の自主的な取組を促進するための仕組み等に関する調査研究とあります。
 子供たちは毎日成長していきます。不登校への対応は緊急を要する状況だと思いますが、いつまでに調査研究を行い、いつから実践されるのでしょうか。見通しをお聞かせください。
○政府参考人(高橋道和君) 平成三十年度概算要求においては、教育支援センター及び民間団体による不登校児童生徒への支援体制の整備を内容とする、学校以外の場における教育機会の確保等に関する調査研究に係る経費を要求しております。
 具体的には、教育支援センターにおける訪問型支援やICT等を活用した支援のための支援員の配置及びICT機材の整備、民間団体等に通う児童生徒に対する訪問型支援など、民間団体等との連携による支援の推進などのための経費のほか、経済的に困窮した家庭の不登校児童生徒が教育支援センターや民間団体等へ通学し、活動を行うために必要な経費を支援することとしております。
 本調査研究の成果や課題を踏まえて、引き続き個々の不登校児童生徒の状況に応じた支援の拡充に努めてまいります。
○宮沢由佳君 平成二十七年度には、六億四千万円の補正予算を付けて三十二件のフリースクールのモデル事業を実施済みです。その成果について教えていただけますでしょうか。
○政府参考人(高橋道和君) 平成二十七年度補正予算、フリースクール等で学ぶ不登校児童生徒への支援モデル事業においては、フリースクール等で学ぶ不登校児童生徒の状況に応じた総合的な教育支援体制の構築を通じ、不登校児童生徒が自信を持って学べる教育環境の整備に取り組んだところです。
 具体的には、フリースクール等で学ぶ経済的に困窮した家庭の不登校児童生徒に対し通学や体験活動に必要な経費などを支援したり、学習支援員等が家庭訪問を通じて不登校児童生徒等に対し学習支援、進路相談の実施をするほか、教育支援センターの設置促進のためのコーディネーターを配置するなどの取組を実施したところです。
 この事業の委託を受けた教育委員会によれば、その成果として、これまで体験活動に参加できなかった困窮家庭の不登校児童生徒が体験活動に参加することができた、支援員が家庭訪問等を行い、不登校児童生徒の学習状況を把握し、個々の状況に応じた学習支援を実施することができた、教育支援センター未設置の自治体においてセンターを新規設置することができたなどの成果の報告を受けているところでございます。
○委員長(高階恵美子君) 宮沢由佳君、時間が参っております。
○宮沢由佳君 はい。
 調査研究も大切ですけれども、日々不登校の子供たちにも早急に手当てがなされることをお願い申し上げて、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
○委員長(高階恵美子君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時十一分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
○委員長(高階恵美子君) ただいまから文教科学委員会を再開いたします。
 この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、杉尾秀哉君が委員を辞任され、その補欠として大島九州男君が選任されました。
    ─────────────
○委員長(高階恵美子君) 休憩前に引き続き、教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○佐々木さやか君 公明党の佐々木さやかでございます。
 今日は、五十分という時間をいただいておりまして、大きく三つのテーマについて取り上げさせていただきます。まず一つ目は教育負担の軽減、そして二つ目には子供、若者のいじめ、自殺防止対策でございます。そして、三つ目に平和教育ということで、このテーマについて順を追って質問をさせていただきます。
 まず、教育負担の軽減でございますけれども、林大臣は先日の所信的挨拶の中で、幼児期から高等教育段階までの切れ目のない教育費の負担軽減の推進というものを第一に挙げられております。
 教育負担の軽減は、公明党といたしましても衆議院選挙で重要政策として掲げました。教育というのは、全ての子供たちの可能性を引き出し、その力を伸ばしていくというものであると思います。家庭の経済事情にかかわらず、質の高い教育を受けることができる、そのような環境を整えていくことが、一億総活躍社会、全ての人が活躍し、輝く社会ということの実現のためには欠かせないものであると思っております。
 そこで、思い切った教育負担の軽減の切れ目のない実現へ向けて、大臣の御決意をまず伺いたいと思います。
○国務大臣(林芳正君) 人生百年時代を迎え、人づくりを行っていく上で、教育の無償化、負担軽減を進めることにより、経済的事情に左右されることなく、希望する質の高い教育を受けられるようにすることは、少子化対策としても極めて重要であると認識しております。
 政府では、全ての三歳から五歳児の幼児教育の無償化や、授業料減免や給付型奨学金の拡充による真に必要な子供たちへの高等教育の無償化などの措置を盛り込んだ政策パッケージ、これを近く取りまとめる予定にしております。また、公明党からは、先日二十四日でありますが、政府に対して幼児教育無償化や私立高校授業料の実質無償化、大学生への奨学金の拡大等についての御提言をいただいているところであります。
 文科省としては、こうした全体の方針の下で、いただいた御提言の内容も踏まえながら、幼児期から高等教育段階まで学校段階全体を通じた教育の無償化、負担軽減について、しっかりと検討し、取り組んでまいりたいと思っております。
○佐々木さやか君 大臣から今御紹介もいただきました。公明党といたしましてもこの教育負担の軽減に向けて先日提言をさせていただいたところでございますけれども、私立高校の授業料の実質無償化というものを私たち公明党は強く訴えさせていただいております。
 私立高校の授業料、全国平均でありますが、二〇一六年度で三十九万三千五百二十四円ということでありまして、就学支援金を考えましても、やはり公立の学校との格差というものが大きくなっております。
 私立高校には所得の高い世帯の子供たちが通っているのではというふうに思う方もいらっしゃるかもしれないんですけれども、必ずしもそうではございません。これは実は地域差もあるんですけれども、例えば青森県では、私立の高校に通う生徒のうち二四・四%が年収二百五十万円未満の世帯の子供たちでありまして、一八・三%が三百五十万円未満の世帯であります。この二つを足しても四二・七%ということであります。経済的に少し余裕があって塾などにも通えて成績が良い子供たちは公立に進学をする、そして公立に入れなかった場合に私立という場合も少なくないわけでございます。そうした中で、例えば一人親の御家庭とか二人親でも所得の低い御家庭では、子供たちを私立高校に入れるということでますます大変になって、ダブルワークとか、一生懸命働いて子供たちを私立高校に行かせる、そういう御家庭も実際に多くあるわけでございます。
 また、では、東京、神奈川といった首都圏になりますと少し事情は違ってまいりますけれども、例えばスポーツの強い私立高校に是非進学したいとか、国際的な教育をやっている、そういう特色のある教育を受けたいということで子供たちが私立高校に進学したいと、このように思ったとしても、やっぱりお母さんに、お父さんに負担を掛けたくないということで進学を諦めるということも実際にあるわけでございまして、やはり経済的事情にかかわらず質の高い教育を受けることができる、この環境を整えていくためには私立高校の授業料の実質無償化、公明党は年収五百九十万円未満の世帯にということで訴えておりますけれども、これを是非大臣に進めていただきたいと、このように思っておりますが、見解はいかがでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) 家庭の経済事情に左右されることなく希望する質の高い教育を受けられる、このことが今委員からも御指摘がありましたように大変重要なことでございまして、文科省としては、高等学校段階も含めて切れ目のない形で教育費負担軽減策を進めることが必要と考えております。
 高校の就学支援金につきましては、平成二十六年度に所得制限を導入いたしまして、その捻出財源で私立高校等に通う生徒への加算措置を拡充するなど低所得世帯の生徒に対する支援の充実を図ってきております。今年度においては、文部科学省に有識者から成る協力者会議を設置をいたしまして、現行制度の効果や影響について検証をするとともに、取り組むべき課題等について鋭意検討を進めております。
 今御指摘のありました私立高校の授業料の無償化については、先般の参議院の本会議等で総理から答弁を申し上げたとおり、政府として現在まさに検討しているところでございまして、御党の提言も踏まえて、文部科学省としても関係省庁と協力しながらしっかりと検討し、取り組んでまいりたいと思っております。
○佐々木さやか君 林大臣には先ほど私が申し上げたような子供たちのこともしっかり分かっていただいていると思います。今検討をしていただいているということでありますので、この財源の面でも是非二兆円の政策パッケージに入れるというようなことも含めて、是非とも前向きに御検討をお願いしたいと思っております。よろしくお願いいたします。
 次の二つ目のテーマに移らせていただきます。子供たちの命を守るという観点から、いじめ、自殺防止対策について伺っていきます。
 子供たちのいじめなどの相談窓口といたしましては、現在、二十四時間子供SOSダイヤル、これがございます。しかしながら、子供たちのコミュニケーションは今や圧倒的にSNSでございます。
 総務省の情報通信政策研究所が行いました平成二十八年の調査を見ますと、十代の子供たち平日一日当たりのこうした情報通信のツール平均利用時間を見ますと、SNSが五十八・九分、それに対して電話というのは三分ということであります。これ年代別に調査が行われておりまして、大体三十代ぐらいより上になりますと電話の方がやはりまだ多いんですけれども、もう十代、二十代というのは電話はほとんど使いません。こういう世代でございます。
 ですので、やはりこのSOSダイヤルはもちろん重要なんですけれども、電話をほとんど使わない、SNSが圧倒的であるという世代の子供たち、また若者に合った、そういう実態に合わせた相談窓口の整備というものが必要であるというふうに思っております。
 この点につきまして、公明党は今年の三月に松野前大臣にLINEを使った相談窓口の設置を提案をさせていただきまして、それも受けて文科省の方でも有識者会議等で検討をしていただきました。報道等も多くされましたので御存じの方も多いかと思いますが、長野県では今年の九月にこのLINEを使ったいじめ・自殺相談窓口の事業、これを試行を行いました。二週間やったんですけれども、その結果を見ますと、電話相談の件数と比べて圧倒的にこのLINEの相談窓口、アクセスが増えまして、二週間で千五百七十九人のアクセスがあったと。電話の相談窓口は、じゃ、どれぐらいかというと、長野県では年間で二百五十九件ということであります。長野県のそれまでの実績を見ると、電話にプラスしてメールも合わせましても、これまでは一日平均大体一・八人ぐらいだったんですけれども、このLINEを使った相談窓口を行いましたら、一日当たり平均で百十二・七人ということで大変大幅な相談が寄せられたということであります。
 このことからも分かるように、子供たちの間に多くのニーズがあるわけであります。このLINEなどのSNSを使った相談窓口のメリットといたしましては、気軽に相談ができますので、早い段階で、事態が深刻化する前に気軽に相談をしてもらえるという点、また、今このインターネットを使ったいじめというものも深刻でございまして、それこそそのLINEのグループの間でいろんなひどいことを言われたりとか、そういったことも起こっていると。LINEの相談窓口であれば、その状況を、例えばスマートフォンであれば、画面をそのまま、こういうことがあるということをそのまま分かりやすく通報するということも可能であります。こういったメリットがあるSNSの相談窓口であります。
 あと、もう一点。子供SOSダイヤル、これ今非常に重要なんですが、課題といたしましては、つながるのが固定電話と携帯電話からだけなんですね。どういうことかというと、若い人たちの間で使われているIP電話とかネット電話と言われるもの、これは、技術的にと文科省から説明受けましたけれども、技術的につなげることができないということなんです。若い人たちというのは、携帯電話高いですので、今安い、格安スマホというようなものもだんだん普及してきている。そういう中で、IP電話、ネット電話が身近にある若い人たちというのはこの既存の電話相談窓口からますます遠ざかってしまうと、こういう状況にございます。
 こういったことからも、既存の電話相談とは別に、SNSを活用した相談窓口、これを全国展開していく必要があるのではないかと思っております。先ほど紹介した長野ですとかまた大津といった一部の自治体では試みられておりますけれども、是非、こうした各地の自治体での取組を後押しをするとともにしっかりと予算も確保していただきたいと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) 私も今年の一月についに陥落しましてスマホに変えさせていただきましたが、随分ガラケーで粘っておったんですが、きっかけは、家族が残り三人全員スマホでLINEでグループを組んでおりまして、私だけガラケーなのでこのLINEに入れない、連絡漏れが生じるようになったということがきっかけだったんですが、今お示しいただいた総務省の調査でも、十代はもうほとんど電話は使っていない、三分のうちの固定電話も〇・三分でございまして、ほぼゼロに近いと。こういうような状況をしっかりと把握した上でいろんな施策を考えていかなきゃいけない、こういうことであろうかと、こういうふうに思っておりまして、いじめ問題、今お話のあった、も含んだ様々な悩みを抱える児童生徒のSOSを広く受け止めて、一人でも多くの児童生徒に迅速、適切に対応するために、SNSを活用した相談体制の構築は大変重要だというふうに認識をしております。
 文科省では、様々な悩みを有する児童生徒の相談に関するSNSの活用策の検討を行うために有識者会議を開催いたしまして、本年の八月にSNSを活用した相談体制の構築に関する当面の考え方というものを中間報告として取りまとめたところでございます。これを踏まえまして、平成三十年度の概算要求におきまして、SNSを活用した相談体制の構築に関する事業を要求しております。
 本事業の成果や課題等も踏まえて、また今御紹介いただいた長野県を始めとした地方自治体でのいろんな先行事例も踏まえまして、相談の技法の改善を図りながら、SNSを活用した相談窓口の全国的な展開について検討してまいりたいと思っております。
○佐々木さやか君 ありがとうございます。丁寧な御答弁をいただきました。
 今大臣からも少し御指摘がありましたけれども、LINE等SNSを使った相談窓口というのは、これまでの電話とは違いまして、電話でしたら声のトーンですとか話し方なんかでその電話を掛けてきた子供たちに寄り添うという気持ちを伝えるということができるわけでありますけれども、SNSを使った場合には、音声ではありません、文字だけですので、そういう中でどういう言葉掛けをしていくのか等々、これまでの音声によるカウンセリングとはまた違った手法が必要になってくると思います。
 これ、新しい取組でありますので、研究途中のところもありますけれども、やはりここをできるだけ早くしっかりと研究をしていただいて、対応のためのマニュアル等も作っていただいて、そうしたことをしっかりと活用ができる相談員の方を確保していく。やはり人材確保ということがこの相談窓口の普及に当たって課題になるかと思っております。ですので、ここの部分について、しっかりとカウンセラーの養成ですとか対応マニュアルの作成、また研修の充実等々、これに具体的にどのように取り組んでいくのかということをお聞きしたいと思います。
○政府参考人(高橋道和君) SNSを活用した相談窓口については、長野県の取組において、気軽に相談できる窓口として、潜在化していた子供の相談したい気持ちを掘り起こす成果が見られたといった一方で、より効果的な相談技法への改善、相談員への研修の在り方等の様々な課題も見えてきております。
 文部科学省としては、地方公共団体、民間団体、学識経験者などを交えた協議の枠組みを設け、この枠組みにおいてそれぞれの取組についての情報交換を行い、知見を共有しつつ、こうした課題への対処策について議論をしていきたいと考えております。
 先ほど大臣から御答弁申し上げました平成三十年度の概算要求の経費においても、本事業の成果や課題等についてこの協議の枠組みにおいて共有し、必要な検討を行いながら、御指摘も踏まえまして、対応マニュアルの作成、研修の充実など、SNSを活用した相談体制がより充実したものになるように努めてまいりたいと考えております。
○佐々木さやか君 是非よろしくお願いをいたします。
 このSNSを使った相談窓口、長野県の事例を見ましても、非常に多くの相談が寄せられると思います。そういう中で、限られた人員でどういうふうに対応していくのかということももちろん課題ではあるんですけれども、やっぱりニーズがあります。ですから、もう現場では既に活用され始めておりまして、例えば、NPOで、性暴力とか虐待とか人身取引といった被害に遭った若年の女性に寄り添い活動を行うようなNPOの皆さん、こういったLINEを使った相談窓口というのを実際に活用しております。やっぱりそのSNSを使った相談窓口というのは電話よりもハードルが低いということでアクセスしやすいということであります。
 こういったことを考えますと、やはり子供たちに限らず、例えば大学生、また二十代前後の若い人たち、いろんな悩みを抱えている。座間の事件がございましたけれども、この被害者の方々というのは、SNSに自殺についての投稿をしていた。このことを取っても、若者にとって自殺、そういったことについてのサインを出しやすい場所がSNSなのかなと、このように感じております。
 そこで、この座間の事件の再発防止ということも政府として検討していただいていると思いますけれども、先ほどお話がありました概算要求では児童生徒を対象とした窓口ということになっております。しかしながら、子供たちだけに限らず、大学生また若者に対しましても、社会教育という観点から是非この支援対象というのを広げていくべきではないかと、このように思っておりますが、林大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) 今お話のありました座間の事件では、若者ということで、必ずしも児童生徒でない方もそういうことに巻き込まれる危険があるということが分かってきたわけでございますので、そういうことも踏まえながら、この相談等々、何ができるのかということをしっかりと考えていかなければならないと思っております。
○佐々木さやか君 政府ではこの座間の事件について再発防止の関係閣僚会議を開催をしていただいておりまして、今月の中旬には再発防止策をまとめると、このように伺っておりますが、このSNSを活用した、いじめに限らない、自殺等々、もういろんな悩みを抱えた若い世代の皆さんへの支援ということをしっかりと是非やっていただきたいと思います。
 このSNSの相談窓口の設置、座間の事件の再発防止対策の一つとして是非補正予算で私はやっていただきたいと、このように思っているんですが、この点について、林大臣と長峯政務官にお越しいただいておりますので、それぞれ御答弁をいただければと思います。
○国務大臣(林芳正君) 座間におけるSNSを利用した高校生三人を含む九人の方が殺害された残忍で凶悪な事件を受けまして、ネットを通じて自殺願望を発信する若者が適切な相談相手にアクセスできるよう取組の強化が求められておるところでございます。関係閣僚会議でも年内には対策を取りまとめたいと、今先生からも御指摘いただいたとおりでございます。
 文科省としても、国民生活の安全、安心を確保するための喫緊の課題であると、こういうふうに認識しておりまして、様々な悩みを抱える児童生徒を対象としたSNSを活用した相談体制、これを早急に構築するための経費につきましてしっかりと検討していきたいと考えております。
○大臣政務官(長峯誠君) SNSなどネットを通じた若者の相談アクセスというのは大変重要でございまして、これは本当に早急に構築することが大切だと思われます。
 そこで、補正予算に対する対応についての御質問でございましたが、このような考え方に立ちつつ、また御指摘もしっかりと踏まえながら、関係省庁としっかりと調整をしていきたいと存じます。
○佐々木さやか君 長峯政務官にはしっかりとした御答弁をいただきまして、これまでの話もお聞きいただいて、早急な対応が必要だと、このように認識していただいたと思います。是非とも、くれぐれもよろしくお願いを申し上げます。
 この相談窓口の話はこれで終わりまして、そのほかにも様々、こうした子供たちのいじめ、若者も含めた自殺の防止ということの対策、より充実をさせていく必要があると思っております。
 例えば、SOSの出し方教育、この充実も是非行っていただきたいと思っております。子供たちが何か困難な事態に直面をしたとき、いじめを受けた、そういう悲しいことがあったとき、どこに一体相談をすればいいのか、また、どうやってサインを出していったらいいのか、安全につぶやけるところはどこなのかと、こういうことをSOSの出し方教育で身に付けていってもらうということが重要だと思っております。
 この点については改正自殺対策基本法の十七条で定めが実はありますけれども、この実施の状況については私は地域差があるというふうに思っております。地域の人材と連携等をしながら、是非、全ての子供たちが、どこに住んでいてもしっかりとしたSOSの出し方教育、これを学んでもらいたいと思いますので、この実施状況、また更なる充実について伺いたいと思います。
○政府参考人(高橋道和君) 児童生徒の自殺予防については、文部科学省において自殺予防教育の手引を作成し、全国の教育委員会、学校等に配布するとともに、教職員等を対象とした研修会を各地で実施するなどの取組を行っております。
 特に、児童生徒に対する自殺予防教育の柱の一つとしての委員御指摘のSOSの出し方教育については、児童生徒が命の大切さを理解し、ストレスへの対処方法を考えたり身に付けたりすることなどが重要と考えております。例えば、道徳や保健体育の時間などにおいて手引や啓発教材等を活用した指導が実践されるなど、各教科等の特性に応じた指導が行われております。また、発せられたSOSを広く受け止めることができるように、通話料無料の二十四時間子供SOSダイヤルの設置や、先ほど来御議論いただいておりますSNSを活用した相談体制の構築といった取組を現在進めているところでございます。
 引き続き、厚生労働省とも連携し、様々な悩みについて適切にSOSの声を発することができるよう取り組むとともに、これを受け止めることができる相談体制の整備に尽力をしてまいります。
○佐々木さやか君 このSOSの出し方教育、実効性がある教育をしていくことが大事だと思います。
 ただ、今日も先生方の働き方改革に関する議論もこの委員会でありましたとおり、現場の先生方も非常に大変なお仕事をしていらっしゃって、あれもこれもということは大変ということももしかしたらあるかもしれません。このSOS出し方教育については、指導の手引等もあるところではありますけれども、必ずしも学校の先生だけに限らず、地域にいる保健師さんとかそういった専門家を活用している事例も実際にあるところでありますけれども、そういった地域との連携といったことも工夫をしていくべきなのかなと思っております。
 また、先ほど来質問させていただきました例えばSNSの相談窓口というものができたところについては、そういったものを実際に子供たちに使ってみてもらうとか、パソコンを使ってそういったことをいろいろとやってみてもらうとか、そういったいろんな工夫の仕方があるかというふうに思います。そういった教育の後押しを是非ともよろしくお願いをいたします。
 そして、スクールカウンセラーさん、この小中学校への配置というものも公明党も力を入れてきたと、このように自負をしております。しかしながら、このスクールカウンセラー、非常に重要な役割を果たしておりますけれども、実際には非常勤で例えば週に一日、二日だけ学校にいらっしゃるということも少なくないわけであります。子供たちが相談したいというふうに思った場合に、例えば平日の日中しかスクールカウンセラーさんがいないということになりますと授業を休んで行かなきゃいけない、そうなるとやっぱりハードルが高いわけですね。放課後でもいろいろと部活等があったりとか塾があったりとか子供たちも忙しいわけでありますけれども、やはりできる限り子供たちが相談したいと思ったときにすぐに相談できるというスクールカウンセラーの配置の充実ということが重要だと思いますが、この点の取組について伺いたいと思います。
○政府参考人(高橋道和君) 学校においていじめや不登校等の様々な課題を抱える児童生徒が相談しやすい環境をつくるため、心理の専門家であるスクールカウンセラーの更なる配置拡充が必要であると認識をしております。
 また、平成二十七年十二月の中教審答申においても、スクールカウンセラーを日常的に相談できるよう配置の拡充を検討することとされております。こういった指摘を踏まえて、文部科学省においては、平成二十九年度予算及び平成三十年度概算要求において、スクールカウンセラーの常勤化に向けた調査研究に係る経費を計上しているところであります。
 文科省といたしましては、本調査研究で得られた成果や課題を踏まえながらスクールカウンセラーの常勤化について検討するとともに、児童生徒が相談しやすい環境の整備のための取組を更に強化してまいりたいと考えております。
○佐々木さやか君 常勤化へ向けた取組を進めていただけるということであります。是非よろしくお願いします。
 あわせて、その調査研究の中で、子供たちがどういう時間帯であればアクセスしやすいのかとか、そういった細やかな点についても是非とも研究をお願いしたいと思います。
 それから、先ほど来質問しておりますが、ネットとかSNSというものは非常に便利でありますし、これをうまく使いこなすということはICT教育の面でも非常にいいツールになります。子供たちの力も伸ばしていけると。
 しかしながら、他方で、そういう便利さと同時に、座間の事件のように犯罪被害に巻き込まれたりとか、そういった危険も潜んでいるわけであります。ですので、子供たちには、SNS等も含めたインターネット、ICTを安全に使いこなすための教育というものも重要であろうかと思います。
 また、被害に遭わないということと同時に、例えばさっきも申し上げたネットでのいじめですとか人の悪口を書き込むとか、そういう、人に危害を加えるような使い方というのはモラルに反するものだということで、そういう判断がしっかりとできる、そういう教育も非常に重要ではないかと思っております。
 いわゆる情報モラル教育、この取組について伺いたいと思います。
○政府参考人(常盤豊君) お答え申し上げます。
 近年、スマートフォンやSNSが子供たちにも急速に普及する中で、児童生徒が自他の権利、自ら及び他者の権利を尊重して情報社会での行動に責任を持つこと、また、犯罪被害を含む危険を回避し情報を正しく安全に利用できるようにすること、こうしたことが求められておりますので、学校における情報モラル教育は極めて重要だと考えております。
 文部科学省では、各学校における指導の充実が図られるよう、児童生徒の情報モラルを育むこととしております学習指導要領の趣旨を全国の学校に周知、普及していきますとともに、動画教材を含む教員向け指導手引書の作成、配布、あるいはスマートフォン等をめぐるトラブルや犯罪被害等の防止のための児童生徒向けの啓発資料の作成、配布、こういった施策を講じているところでございます。
 平成三十年度の概算要求におきましても、子供たちを取り巻くインターネット環境の変化であるとか、あるいはスマートフォン、SNS利用に係る様々な犯罪被害の状況等を踏まえまして、これら指導手引書等の改訂、充実などに必要な経費を盛り込んでいるところでございまして、情報モラル教育の更なる充実に取り組んでまいりたいと考えております。
○佐々木さやか君 情報モラル教育やSOSの出し方教育等々、子供たちの命を守るという観点から質問してまいりましたけれども、林大臣は、様々質問させていただきましたことを聞いて、子供また若者も含めた自殺の問題についてどのようにお考えになっているか、御所見を伺いたいと思っております。
○国務大臣(林芳正君) 近年、自殺者全体の総数、これは減少傾向にあるものの、自殺した児童生徒数、これは高止まりをしている状況でございまして、極めて憂慮すべき事態であると、こういうふうに認識をしております。
 文科省においては、児童生徒の自殺予防のために本年六月に通知を発出いたしまして、特に夏休み前から夏休み明けの時期にかけて、学校における早期発見に向けた取組、保護者に対する家庭における見守りの依頼などの実施を各教育委員会等に依頼したほか、二十四時間子供SOSダイヤルの周知、教職員等を対象とした自殺予防の研修会の実施などの取組を行っているところでございます。
 これに加えて、今SNSの話を取り上げていただきましたけれども、こういうことを総動員いたしまして、児童生徒が自分から命を絶つ、こういう非常に悲しい事案が起こらないように、今般の座間市の事件も踏まえながら、引き続き自殺予防の取組に尽力してまいりたいと思っております。
○佐々木さやか君 是非よろしくお願いをいたします。
 私、先月広島に行ってまいりまして、そこでもいろいろなことを見て聞いて、改めて命また平和の大切さというものを感じたんですが、最後に、テーマとして平和教育というものを取り上げたいと思っております。
 先月の二十七日、二十八日の二日間、広島で核軍縮の実質的な進展のための賢人会議が開催をされました。それに続きまして第二十七回国連軍縮会議が行われたわけでございますが、それに先立って行われました第三回ユース非核特使フォーラムに参加をしてまいりました。
 このフォーラムは外務省が主催をしておりまして、軍縮・不拡散分野で活動する若い世代の人々、高校生、大学生が来ていましたけれども、各国から広島に集って、そして核兵器のない世界の実現に向けて活発な意見を交わしました。被爆者の高齢化が進む中で被爆の実相というものをどうやって次の世代に継承していくかということからも非常に重要な取組でありますし、そのフォーラムでは核保有国、非保有国の若者がそれぞれ来ていたんですけれども、互いの意見の異なるところも考え方の違いも尊重しながら、しかしながらその共通の目標、核のない世界の実現という共通の目標に向かって活発に議論をしていたと。非常に私もいろいろ思うところもありましたし、多くを感じて帰ってまいりました。
 こういったユース非核特使フォーラム、是非、意義のあるものですので継続的に実施をしていただきたいと思いますし、今回のフォーラムの成果と併せて外務省に伺いたいと思います。
○政府参考人(川崎方啓君) お答えいたします。
 二〇一三年でございますが、外務省は、被爆者の高齢化が進む中で被爆の実相の次世代への継承と活動の後押しを行うことを目指してユース非核特使制度を立ち上げました。これまでに、二十三件、二百四十六名の方にこの特使を委嘱させていただいております。
 それから、二〇一六年の三月以降、このユース非核特使の経験者が集うユース非核特使フォーラムというもの開催をしてきております。本年十一月二十六日に開催をいたしました第三回のフォーラムでは、日本及び海外のユース非核特使経験者の高校生など十二名の方に御参加をいただきまして、先ほど委員から御紹介いただいたとおり、被爆の実相と核廃絶の願いに関して発信をいただいたところでございます。
 政府といたしましては、被爆の実相に関する正確な認識を持つということが核軍縮に向けたあらゆる取組のスタートになる、このように考えておりまして、このユース非核特使及びユース非核特使フォーラムを含む軍縮・不拡散教育を引き続き推進してまいりたいと考えております。
○佐々木さやか君 広島で今回開催された一連の会議の参加者の皆さんも、被爆の実相への理解を深めるプログラム等々に参加をしていただいたということで聞いております。
 過去のプログラムの中でこういうことがあったそうですが、核兵器保有国から来た参加者の方が、やはりそうした実際の被爆体験ですとか、資料館でいろいろと展示も見て、そういった中で核軍縮の必要性、このことについて自分は少し考え方を変えたと、こういう感想が寄せられたこともあるということであります。やはり、本当に世界の各国の方々に、特に若い世代の皆さんに広島、長崎を訪問してもらうということは非常に重要であります。
 ユース非核特使フォーラムは継続して実施してくださるということですけれども、それだけに限らず、そうした参加者だけに限らず、是非、毎年、若い世代の皆さんに各国から多く訪れてもらう、こういうプログラムを実施していくことが重要じゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(川崎方啓君) お答えをいたします。
 委員御指摘のとおり、我が国といたしましては、唯一の戦争被爆国として国際的な軍縮・不拡散体制の強化を主要な外交課題と捉え、被爆の現実を伝える取組について積極的に推進してまいりたいと考えております。
 具体的には、先ほど御答弁申し上げました非核特使やユース非核特使の委嘱のほか、各国の要人に被爆地を訪問していただくこと、あるいは、国連軍縮会議の開催、それから海外での原爆展開催を支援すること、あるいは、被爆者の方の御証言を多くの言語に翻訳をいたしまして、これを外務省のホームページ等で御紹介をしていくと、こういった様々な取組を実施してきているところでございます。
 それから、加えまして、我が国は一九八三年以来、軍縮専門家を育成するために国連が実施している国連軍縮フェローシッププログラムというものがございますが、これに参加する方々を広島、長崎に御招待をして、各資料館の視察のほか、被爆者による被爆体験の講話などを通じて被爆の実相への理解促進に取り組んでいるところでございます。
 このプログラムには、世界の軍縮外交の第一線で活躍する各国の外交官の方が参加されている方も多うございまして、この参加者の方から、広島、長崎の訪問に非常に感銘を受けたという声も寄せられているところでございます。
 さらに、平成二十八年の三月、当時の岸田外務大臣が、核兵器のない世界を目指すという国際的機運を広島の地から再び盛り上げようということで、千人以上の広島・長崎招致計画というものを発表されました。このとき、平成二十八年度におきましては、二千四百名以上の方が広島、長崎を訪問したところでございます。
 先ほど申し上げましたとおり、被爆の現実について正確な認識を持っていただくことが核軍縮にとっては大変重要でございますので、こういった努力を引き続き続けてまいりたいと考えております。
○佐々木さやか君 よろしくお願いいたします。
 先日、広島を訪問した際には、会議への参加のほかに、NGOの皆さんですとか、また賢人会議に参加する日本委員の方とも懇談をする機会を得ることができたんですけれども、いろいろ意見交換をする中で、やはり平和教育というものが重要だということで意見が一致いたしました。
 しかしながら、例えば広島、長崎といった地域と国内であっても地域差がこの平和教育についてございます。また、もちろん国内と国外ということで、海外への発信も引き続き重要であると。被爆者の方々の高齢化に伴って若いユース特使のような皆さんの活躍も本当に重要でありますし、しかしながら、課題として伺いましたのが、被爆者の方々が例えば海外に行く、またユース特使の皆さんが海外に行って活動する、国内も含めてですね、いろんなところに出かけていくといっても、活動するにも費用が掛かりまして、しかしながら外務省からは旅費も出ないというふうに伺いましたけれども、是非この平和教育への予算というものも外務省の方でしっかりと確保していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(川崎方啓君) ただいまの御指摘の点につきましては、二つのことを本日お答えさせていただきます。
 まず一つは、厚生労働省におきまして、今年八月に広島、長崎での被爆者の方々の要望を聞く会において安倍総理大臣から、被爆体験を語り継ぐ取組の拡充、国際化を進めていくというお話があったことを踏まえて、現在、厚生労働省におきまして、被爆者の高齢化が進む現状に鑑み、被爆者から被爆体験を伝承した方を必要に応じて被爆者の方が同行する形で国内外へ派遣する事業の創設を検討されているというように承知をしております。
 それから、私ども外務省につきましては、先ほど委員から御紹介いただきましたユース非核特使でございますけれども、このユース非核特使フォーラムに国内あるいは国外から多くの方に参加いただいておりますが、この方々の旅費あるいは滞在費などをこれまでも負担してきておりまして、こうした取組を引き続き推進できるよう努力してまいりたいと考えております。
○佐々木さやか君 今、最後の点、旅費、滞在費等を負担していただいているということで、もし私が誤った認識であればおわび申し上げたいと思いますが、より拡充等々、御努力をいただきたいと思います。
 こういったことで、先ほどは厚労省のお取組も紹介していただきましたが、やっぱり学校で全ての子供たちがこうした平和教育を是非学んでほしいなというふうに私は思うわけであります。
 そこで、文科省に伺いますけれども、学校での平和教育というのは、実施状況はどのようになっているんでしょうか。
○政府参考人(高橋道和君) 平和に関する教育については、学習指導要領に基づき、小中高等学校を通じ、児童生徒の発達段階に応じて主として社会科や公民科等において指導をしております。
 具体的には、例えば小学校の社会科では、第二次世界大戦において各地への空襲や沖縄戦、広島、長崎への原爆投下など国民が大きな被害を受けたことや、中学校の社会科公民的分野では、日本国憲法の平和主義と我が国の安全、国際協調と平和の重要性、核兵器などの脅威に触れ、戦争を防止し、世界平和を確立する態度の育成などについての学習が行われているところであります。
 また、教科書においては、例えば、小学校社会科ですが、広島市の平和記念式典での様子、平和記念資料館の見学や語り部の人の話を聞く活動、市内の各小学校の六年生が原案を作成し式典で読み上げられる平和への誓いの文章を基に、平和を築くために自分たちができることを考察させる。あるいは、中学校の社会科公民的分野ですが、日本国憲法に定められている平和主義について考察させた後に、第二次世界大戦を踏まえて日本国憲法に平和主義が掲げられていることや国際社会において日本が果たすべき役割について学習させたり、このような形で平和に関する内容が取り上げられております。
 今後とも、各学校における平和に関する教育が学習指導要領にのっとり適切に行われるよう努めてまいります。
○佐々木さやか君 いろいろ紹介していただきましたが、私がもっとあればいいなと思うのが、やはり被爆体験を直接子供たちに聞いてもらうということです。
 神奈川の被爆者の会の方から聞いたお話では、やっぱり学校のそれぞれの事情があってなかなか、話をさせてほしいと言っても受入れがかなわないことがあるということでありました。また、この平和教育についての教材も文科省の事前レクでは作っていないというふうに聞いております。他方で、外務省ではこの被爆証言の多言語化に取り組んでいまして、十三か国語で外務省のホームページ等で見れるようになっているんですね。もちろん日本語バージョンもある。こういったことも活用していってはどうかなと、このように思っております。
 ちょっと時間が参りましたが、大臣に一言、この学校での平和教育の重要性について御認識を伺います。
○国務大臣(林芳正君) 戦争が未曽有の惨禍をもたらしたことを子供たちに理解をさせまして、二度と悲惨な戦争を繰り返すことのないように平和で民主的な社会の実現に努めることの重要性を教えること、これは大変大切なことだと思っております。
 子供たちが被爆体験者からその体験を聞いて、戦争や平和について関心、理解を高める活動を始め、博物館や資料館など地域にある施設を活用した活動、子供たち同士で考え、話し合ったりする活動などを通じて平和について学び考えていくことは重要であると考えております。
 今後とも、学習指導要領にのっとって各学校において平和に関する教育が適切に行われるように努めてまいりたいと思っております。
○佐々木さやか君 終わります。
○吉良よし子君 日本共産党の吉良よし子です。
 十月に、頭髪が生まれつき茶色であるにもかかわらず黒く染めるよう強要した学校の指導によって精神的な苦痛を受けたとして、大阪府の高校生が起こした裁判について報道されまして、内外から注目を集めております。私はもう、訴えた高校生がその指導によってどれだけ傷つき、つらい思いをしたか心が痛む思いですし、何よりも、生まれ持った個性を否定するような指導、又は教員がいたずらに規則にとらわれて規則を守らせることのみに固執する指導はあってはならないと思います。
 そこで、今日は生徒指導の在り方について大臣に伺っていきたいと思います。まず、生徒指導の在り方について伺いたいと思います。
 文科省は生徒指導提要というのを出していますが、その生徒指導提要において生徒指導の意義についてどう書いているのか、一ページ一段落目を御紹介ください。
○政府参考人(高橋道和君) 御指摘のありました箇所の記述でございますが、生徒指導とは、一人一人の児童生徒の人格を尊重し、個性の伸長を図りながら、社会的資質や行動力を高めることを目指して行われる教育活動のことです。すなわち、生徒指導は、全ての児童生徒のそれぞれの人格のより良い発達を目指すとともに、学校生活が全ての児童生徒にとって有意義で興味深く、充実したものになることを目指しています。生徒指導は学校の教育目標を達成する上で重要な機能を果たすものであり、学習指導と並んで学校教育において重要な意義を持つものと言えますと記述されております。
○吉良よし子君 一人一人の児童生徒の人格を尊重し、個性の伸長を図るということです。
 ということは、大臣、学校教育の現場では、それぞれの子供の生まれ持った個性、これは絶対に否定してはならないという理解でよろしいですね。
○国務大臣(林芳正君) 今局長が読み上げましたところ、まさに今、一人一人の児童生徒の人格を尊重しと、こういうふうに書いてあるわけですから、そのとおりだというふうに思っております。
○吉良よし子君 個性を否定してはならないということだったと思うわけです。とするならば、大阪の高校生が訴えている地毛の黒染めを強要されたという事例というのは、まさに生まれ持った個性の否定であり、教育現場では絶対にやってはならないことであると、このことを私、まず指摘したいと思うわけです。
 その上で、大阪の事例で、この生徒が受けた黒染め強要の指導の内容というものを御紹介したいと思います。
 報道によると、毎日新聞でありますが、生徒の入学後、一、二週間ごとに黒染めを指導し、二年の二学期からは四日ごとに指導、度重なる染色で生徒の頭皮はかぶれ、髪はぼろぼろになったとあります。
 まず言いたいのは、頭皮がかぶれて髪がぼろぼろになるくらいの度重なる黒染めの指導、この四日ごとと言われるような執拗な黒染めを強要するような指導というのは、とてもじゃないけれども先ほどあった人格が尊重された指導とは言えない、不適切な指導だと私は思うのですが、大臣、その点いかがでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) まず、この件でございますが、報道等によりますと、当該生徒さんの方からは、学校から頭髪が生まれつき茶色にもかかわらず黒く染めるように強要されたと、頻繁な頭髪の黒染めを強要された後、黒く染めないなら学校に来る必要はないといった指導等がなされた旨主張されておられるというふうに、この事案であるというふうに承知をしております。
 これ、今お話があった事案は係争中でございますので、個別事案に関することは差し控えさせていただきたいと思いますが、この事案で、学校側が当該生徒の氏名をクラス名簿に記載せずとか、教室に席を置かなかったということがありますが、こういう点、もし事実であったとすれば大変不適切であったと考えておりまして、大阪府の教育委員会においても、文部科学省の指導、助言等を受けて、当該高等学校に対して是正指導を行いまして、状況が改善されたという報告は受けております。
 この今の頭髪の話でございますが、一般論として、生まれ持った個性を尊重することは当然のことでございまして、その上で、御指摘のような頭髪に関する指導が適切であるか否かについては、当該指導に至った背景、具体的な指導方法を踏まえた上で個別事案ごとに判断をすべきであると考えております。
○吉良よし子君 要するに、係争中なので度重なる黒染め指導については何も言えないということなんですけれども、では、冒頭に紹介していただいた生徒指導提要において教育観について何て書いてあるかと、十ページの四段落目、ここを御紹介していただきたいと思います。
○政府参考人(高橋道和君) ただいま委員から御指摘のありました箇所についてでございますが、「形だけの指導や叱責・罰則などによって問題となる行動が抑制されているという状態にとどまっているだけでは、十分な教育を行ったとは言えません。あくまでも、児童生徒が、自らの欲求を大切にしつつ、社会との調和を図りながら、自らの人格の完成を自ら求め、自己実現を図っていけるような資質や能力をはぐくんでいくことが、教育に課せられた大きな課題なのです。生徒指導が、そうした教育活動において中心的な役割を果たしています。」と記載されております。
○吉良よし子君 形だけの指導や叱責などにとどまっているだけでは十分な教育とは言えないということですよね。それに照らして言えば、一、二週間ごと、四日ごとの黒染めの指導というのは、これこそ形だけの指導になるんじゃないですか。これを見ればこうした度重なる黒染め指導というのはもう絶対に教育とは認められないということを、私改めて言いたいと思います。
 そこで、先ほど大臣お答えになられたんですけど、もう一回確認したいのは、今回の事例で問題となっているのは、この黒染めを度重なる強要をされた、これも大問題ですけれども、それだけじゃなくて、学校に来るなという指導も行われたと。で、十月二十七日付けの産経新聞にありますとおり、学校は今年度の生徒名簿に生徒の名前を載せていない、教室には席もない、そういう報道があったわけです。もうここまで来ると、生徒指導の範疇を超えた在籍事実の否定であり、学ぶ権利の侵害だと言わざるを得ない状況だと思うんですが、これについて文科省は何をしたかお答えください。
○国務大臣(林芳正君) ちょっと先走って答弁をしてしまいましたが、学校側が当該生徒の氏名をクラス名簿に記載せずに教室に席を置かなかったということですが、改めて申し上げさせていただきますけれども、この点については文部科学省としては不適切であったと考えておりまして、大阪府教育委員会においても、文科省の指導、助言等を受けて当該高等学校に対して是正指導を行いまして状況が改善されたという報告を受けておるところでございます。
○吉良よし子君 確かに報道でも、是正されて名簿に改めて生徒の名前が載ったということは伺いました。是正指導するのは当然だと思うわけですけど、でもこれができるんだったら、先ほど伺った度重なる黒染めの強要、これだって一般的に言えば形だけの指導になる、それは望ましくないんじゃないかと、そのくらいのことは私言っていただきたいと思うわけですよね。
 名簿外しという問題は、さっきも私言いましたとおり、在籍事実を否定しているというだけじゃなくて、やはりその生徒の学ぶ権利を侵害していると、在籍しているにもかかわらず籍を外してしまうということで、その学ぶ権利を奪っているという点で人権侵害に至る重大な問題だと言いたいと思うわけです。
 実際、それだけじゃなくて、教諭の指示に従って黒く染めたのに、不十分だと言われたり、黒染めを約束するまで帰さないと言われたり、若しくは授業への出席を認められないということもあったというふうな報道もあります。読売新聞です。
 また日経新聞では、学校をやめるか黒染めをするか選べ、そういう指導もあったとありますし、授業に加え、修学旅行や文化祭への参加も禁じられると。そういう指導の結果、一六年九月から生徒は不登校になってしまったということですけれども、そういう、学校に来るな、行事に参加するなという指導、この教師の言葉を聞いた児童生徒、子供はどうそれを捉えるか。まず、恐らく、自分の居場所は学校にない、傷つくでしょうし、何より、生徒の側からすれば、そういう教師からの言葉というのは停学などの懲戒処分を言い渡されたと同じと捉えるんじゃないかと思うわけです。
 しかし、提要では、そうした停学を含む懲戒というのは適正な手続を行われるものだとされているわけです。とりわけ、学ぶ権利を一定期間停止するという停学処分、これは例えば義務教育段階では公立であれ私立であれやっちゃいけないと定められている。この事例は高校であるわけですけれども、そうすると、停学などの処分というのは極めて慎重に行うべきものだと考えられるわけです。
 とするならば、私は、大阪の事例に限らず、生徒指導においては、権利の一時停止となり得る停学処分とも取られる、学校に来るな、このような言葉を教師が軽々しく生徒に言ってはいけないと思うのですが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) まさに先ほど申し上げましたように、名簿に記載しないであるとか席がないということは不適切であるというふうに我々は考えておりますので、そういうことがないように今回も措置をとらせていただきましたが、さらに、一般論として申し上げても、こういうことがないようにしっかりとやっていきたいと思っております。
○吉良よし子君 不適切だというお話でしたけど、名簿外しとか席をなくすとかそういう事実だけじゃなくて、やはり学校に来るな、そういう言葉だって生徒にとっては重く受け止められる指導になってしまうと。そういう意味では、そういう言葉は簡単には言ってはならないということだと私は思いますし、この問題というのは生徒指導の在り方にとどまらないということも言いたいと思うんですね。今の校則が今の時代に合っているのかと、児童生徒の実情に合っているのかということも問われている問題だということも私重ねて申し上げたいと思うわけです。
 資料一、新聞記事出しましたけれども、様々なこの問題について声が上がっているわけです。ツイッターなどでは、髪の毛は黒などというくだらない価値観を子供たちに押し付ける教師、学校、教育委員会がこの時代の日本に存在することを心から悲しく思い、怒りを感じると脳科学者の茂木健一郎さんがおっしゃっていると。また、私も高校のときに髪染めていないのに染めているとひたすら言われて悔しくて、規則は大事だけど、大事なこともっとあるはずと元AKBメンバーの秋元才加さんなどが声を上げていると。
 また、海外メディアからは、日本では多くの学校でスカートの長さや髪の色に厳しい規則があると言われたり、日本では髪の色が茶色いと罰せられるとか犯罪になるとかというふうにやゆするような記事があったり、若しくはBBCのインターネット版では日本の生徒は髪を黒く染めさせられるというような形で、日本の校則に疑問を呈する報道が相次いでいるわけですね。
 そして、お配りした朝日新聞の中では、例えば、大阪大学大学院の小野田正利教授が、生徒の校内暴力、喫煙が社会問題化した一九七〇年代、八〇年代の学校で、頭髪の変化というのが非行の端緒とされた結果、徹底的な指導の対象となったというようなことにも触れながら、その七〇年代、八〇年代の指導が今も公立高校で三分の一程度でそういう頭髪指導をしているんじゃないかと言った上で、現代では茶髪の許容度というのは上がっており、黒髪維持の強制、見直す必要があるのじゃないかと、そういうことまでおっしゃられているわけです。
 大臣、この事件を発端に、校則そのものの在り方、これを見直す時期に来ているんじゃないかとも思うわけですけど、そうした声が上がっているということについてどうお感じになりますか。
○国務大臣(林芳正君) この事案について、SNSやメディア等においていろんな意見が表明をされておられるということは拝見をいたしているところでございます。
 この件そのものは、先ほど申し上げましたように係争中でございますので、コメントは差し控えさせていただきたいと思いますが、やはり一般論として申し上げますと、高等学校において規範意識の向上のために毅然とした指導方針を示すということは必要であると思いますけれども、一方でやはり、今先生からお話があったように、生徒指導というのは児童生徒の人格を尊重して個性の伸長を図りながら社会的資質や行動力を高めるということを目指して行われなければならないと考えております。
 校則についても、社会通念に照らして合理的と見られる範囲内で学校や地域の実態に応じたものといたしまして、児童生徒の内面的な自覚を促して、校則を自分のもの、自分たちのものとして捉えて自主的に守っていくように指導を行っていく、これが重要なことであるというふうに考えております。
○吉良よし子君 社会通念に照らして、そして生徒自身が内面的、自主的に守っていける校則にというお話でしたが、やはりそういう意味では、時代背景も踏まえて、校則を守れと言われる側の生徒自身が納得できる校則にするというのが今重要だと思うわけです。
 だから、この校則というのは、やはり児童生徒なども含めてみんなで議論して変えていく必要があると思いますが、その点もう一度、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) 先ほど申し上げましたように、児童生徒の内面的な自覚を促して校則を自分のものとして捉えるという意味では、今委員がおっしゃったような在り方も含めて、しっかりと理解をし納得をした上で校則ができていくということは大変大事なことであると思っております。
○吉良よし子君 この件を受けて、大阪府の教育庁でも、校則が適切かどうか、保護者や地域住民らを交えた学校協議会などの意見を聞きながら点検するよう全府立高校に指示する方針を明らかにしたということも報道されております。やはり今回の事件を機に、大阪にとどまらず、どの学校でも、生徒、保護者、地域ぐるみで、校則について、生徒指導の在り方について、硬直的にならずに見直すべきときに来ていると思います。
 私、昨年はここで主権者教育について触れさせていただいたわけなんですけれども、やはり生徒自身が自分たちの生活に関わるルール、校則を自分たちで見直すというプロセスというのはまさに主権者としての意識を醸成する、そういうことにもつながっていくと思うわけです。
 今回の問題を機に校則の見直しというのを進めるということ、また一人一人の児童生徒の人格を尊重し個性の伸長を図るという生徒指導の意義こそ教育現場に徹底することを強く求めまして、次の質問に移りたいと思います。
 今日、もう一点、私、是非大臣に伺いたいのは、もう午前中以来何度も話されておりますとおり、教員の働き方改革と定数改善の問題であります。
 四月に公表された教員の勤務実態調査、午前中も紹介ありましたけれども、一週間当たりの学内総勤務時間というのは、小学校で五十七時間二十五分、中学校で六十三時間十八分となっていて、十年前の同じ調査よりも延びてしまっているという状態なんですね。中学校に至っては、平均でも厚労省が示す過労死ラインを超えているという状況ですし、小学校でいえば、先ほど午前中にあったとおり、三人に一人が超長時間の過労死ラインを超えた労働を余儀なくされているという、まさに教員イコールブラック労働と言えるような状況になっているわけです。
 だから、中教審も八月には、学校における働き方改革に係る緊急提言出して、看過できない深刻な状況とし、大臣も三十日の挨拶で、教職員定数の改善充実始め学校現場を積極的に支援すると決意を述べられたんだと思いますし、お配りした資料二の部分でも、概算要求で特に小学校専科指導、英語教育の授業数の増加に対応する教員の充実として二千二百人の増加というものを盛り込んだとされているわけです。ただ、私、これでも全く教員の数は足りないと思うわけです。午前中も再三指摘はありましたけれども。
 ただ、それでも、私驚いたのが財政審なんです。十月三十一日に、私提出しましたけれども、この配付資料、文教科学技術の部分で財政審の方向性というのが出されたわけですけど、その資料の一番下の部分ですね、該当が。いろいろ書いてあるわけですけど、結局のところ、現状のやりくりで何とかなるだろう、ALTなどを活用すれば教員を増やす必要はないだろうと。だから、教職員定数については予算も人も付けないし、文科省が要求している二千二百人の確保すらやらないよと言っているのに等しい、これが財政審の方向性でしょう。同じ内容で既に建議も出されているわけですよ。
 にもかかわらず、文科省は、昨年はそうした財政審の方向性が示されてすぐにホームページで反論していたわけですが、今年は反論すら出していないと。これで本当に教職員定数の改善充実、教員の負担軽減ができるのかと疑問に思わざるを得ないわけですけれども、大臣が挨拶で決意された教職員定数の改善充実、とりわけこの概算要求にある二千二百人、専科指導の分、これは絶対に確保する、絶対に死守するということでよろしいのでしょうか。決意を伺いたい。
○国務大臣(林芳正君) 我々が行った調査で、今の勤務の実態、先生から今お話がありましたように、小学校でも平均五十七時間、中学校では六十時間を超すということが出ておりまして、この働き方改革、待ったなしの課題であると、こういうふうに思っておりますので、この定員の確保につきましては最大限の努力をしてまいりたいと思っております。
○吉良よし子君 最大限ということですけど、つまり二千二百人は死守するということでよろしいのでしょうか。もう一度お願いします。
○国務大臣(林芳正君) 言葉の使い方でございますが、死守する、最大限の努力をする、何とか一人でも多く確保してまいりたいと思っております。
○吉良よし子君 いや、何とかじゃなくて、是非財務省としっかり闘っていただかないと、この現場におられる委員は皆そのつもりで言っているわけですから、大臣に是非頑張っていただかなきゃいけないと思いますし、しかも、私、この二千二百人だけではやっぱり到底足りないということも言わざるを得ないと思うわけです。
 さっき、午前中などでは十校に一人の配置という話もありましたけど、そもそも、この概算要求では、一応、持ち授業時数の減というふうにタイトルでは書かれているわけですよ。しかし中身を見れば、それというのは、新学習指導要領で増える英語の授業時数の分を新たな負担増にならないようにするためだけの要求になっていて、つまり、これが全て実現したとしても、まあそれでも足りないんですけど、それでも現状維持にしかならなくて、持ち授業時数の減にはならないということなんですね。これは看過できない長時間労働、長時間勤務を続けろと言っているのと同じであり、それが教員の働き方改革だと私言っていただきたくないと思うわけなんです。
 それですら認められないという財政審の在り方というのはもっとひどい話なわけですから、大臣には強い姿勢で、教員の確保だけでなく増員というのを要求していただきたいと思うんですが、働き方改革のために教員を抜本的に増員する、その立場かどうか、お答えいただきたいと思います。
○国務大臣(林芳正君) この要求をしっかりと貫徹をするということがまずなくてはならないというふうに思っております。その上で、働き方改革は、この定数もそうでございますが、チーム学校というふうに言っております、教員と職員、スクールカウンセラー等々、午前中も議論があったところでございますが、なるべく教えることに先生方が集中をしてもらうということも働き方改革の中の重要な要素でございますので、併せてしっかりとやってまいりたいと思っております。
○吉良よし子君 教員をやはり増やさなきゃいけないということを私言っているんですね。チームというのも大事ですけど、ALTとかいうのはやはり教員ではないわけですよ。教員だからこそちゃんと最初から最後まで教えられることがあるわけで、チームで分担とか言いますけど、それだとやはりばらばらになってしまって、教育を貫徹するという意味で難しくなってしまう。やはり教員が現場にいるということが大事ですし、教員の働き方改革ということでいえば、まずは教員を増やす、これは絶対に必要だと思うんですが、その点、いかがでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) おっしゃるとおりで、まずは教員の要求を確保していくということがまずあって、チーム学校といいますか、教職員全体で、先生が例えば部活の指導とか、何に時間を費やされておられるかというのを見ますと、必ずしも先生が教えるということに直接関わらないところも随分時間を取られているという実態もございますので、私が先ほど後段で申し上げたのは、そういうところをなるべく、部活の指導員、外部から来ていただく等々のことをやることによって、先生方の負担を結果として軽減させていこうということも併せてやってまいらなければならないということを申し上げたところでございます。
○吉良よし子君 是非、教員を増やす、抜本的に増やすということは絶対に言っていただかなくちゃいけないことだと思いますし、様々分担をさせるということですけれども、例えば、私、三月に伺った共同学校事務の話でも、現場では非正規化させられていると、事務職員の皆さんが、そして現場から外されているとか、そういう問題もあるわけですよ。
 そうじゃなくて、正規の職員を、正規の教員をしっかり現場に増やしていくことこそが働き方改革にとっては必要なんだと、このことを強く申し上げまして、取りあえず私の今日の質問は終わらせていただきます。
○高木かおり君 日本維新の会の高木かおりでございます。本日は御質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
 先日の林大臣の所信に対しまして、本日は御質問をさせていただきたいと思います。
 まずは、少し通告の順番を変えて質問させていただきたいと思いますが、文化庁の京都移転についてでございます。
 大臣は所信の中で、京都への移転を機に、新文化庁へ向けた機能強化を図り、文化資源を生かした社会的、経済的価値の創出を強力に実行しますとおっしゃられました。
 私の地元、大阪の堺の仁徳天皇陵を始めとする百舌鳥・古市古墳群が世界文化遺産の国内推薦に選定をされまして、来年一月の正式な推薦書の提出に向けて、地元自治体と文化庁が協力して推薦の準備を進めているところであります。関西には仁徳天皇陵を始めとしまして古代の遺跡や京都に代表する日本の文化が多く残っておりまして、文化庁が京都に移転することには大変期待をいたしております。
 また、省庁が東京に一極集中している今の現状の中で地方に移転するということは、我が党が提唱しております地方の自立、多極型国家への移行についても寄与するものと考えておりまして、先陣を切って文化庁が移転することで地方が活性化をする要因となると大変期待をしているところであります。元々は消費者庁や中小企業庁など七つの中央省庁の機関が移転の対象に挙がっていたものが、唯一今回全面移転が正式に決まったのが文化庁と聞いております。
 安倍政権が掲げる地方創生の試金石となるのか、また東京一極集中の是正の効果があるのか注目をしているところですけれども、文科省として、文化庁を京都に移転することについて、大臣、どのような効果があるとお考えでしょうか、お聞かせください。
○国務大臣(林芳正君) この文化庁につきましては、現在と同等以上の機能が発揮できることを前提とした上で、地方創生や文化財の活用など新たな政策ニーズへの対応を含めて、文化庁の機能強化を図りつつ全面的に移転することと、こういうふうにされております。
 私もこの間、京都で先に行っているところに視察をしていろいろお話を聞いてきたわけでございますが、やはり京都、もうお分かりのように、文化財が大変豊かで、伝統的な文化が蓄積をしております。こういったところに移転することによって地方創生、今お話のあった地方創生や東京一極集中の是正に加えまして、例えば文化財を活用して観光を振興していく。京都の皆様と直接日常的にお話ができるわけでございますので、どういった取組をすれば更なる観光振興になるのかというようなことを、既に始まっておるようでございますが、外国人観光客向けの効果的な文化発信の在り方、それから生活文化の振興、こういったいろんな面から我が国の文化行政の企画立案能力の向上というのが大いに期待をされるところでございます。
 また、こうした先進的な取組の効果を、今度は京都でこういうふうなことができたので全国の地方公共団体にも同じような形でできないのかと、こうした形で波及させていくことによりまして、地方の多様な文化の掘り起こしと磨き上げ、こういったことにつなげていけるということが期待をされるところでございます。
 我が国の文化行政、この機会に更なる強化につながっていくようにしっかりと取り組んでまいりたいと思っております。
○高木かおり君 今、大臣の方から、観光ですとか生活文化等、様々な効果があって、大変地方の活性化の観点からも期待されるわけですけれども、今年の四月に文化庁が地域文化創生本部を京都に設置して、文化庁移転協議会は、遅くとも平成三十三年度中に京都府の警察本部本館への本格移転を目指すことを決定されました。京都の本庁には職員の七割に当たる約二百五十人以上配置して、国会対応ですとか外交や著作権の関係、また他省庁との連携に関わる業務は東京に残すこととなるようにお聞きしております。
 ここで気になることが、国立文化財機構、国立美術館、日本芸術文化振興会など、三独立行政法人の移転についてでございます。京都側は移転を求めているようですけれども、様々課題が多いということで、機能確保の問題や、また費用がたくさん掛かるんだというようなことが指摘されていると聞いています。もしこの独立行政法人の本部機能が東京に残るとすれば、文化行政が二つに分かれてしまうように思われますし、またこの東京一極集中是正の効果も減少してしまうように私は思います。
 ここは是非とも独立行政法人の本部機能も含めて全て京都に移転をして、文化行政は京都でとすれば、地方創生の更なる効果も期待でき、他省庁の移転にも弾みが付くと思うのですが、大臣はどのようにお考えでしょうか、お聞かせください。
○国務大臣(林芳正君) 今お話のありましたこの文化関係の独立行政法人でございますが、現在、職員規模が大きい東京の施設職員が本部機能を兼務することにより効率的に運営をしておりますので、この機能を移転するということになりますと、この機能確保が難しくなって新たな専属の職員が必要となってしまうと、こういうふうに考えられるところでございまして、今年の七月に文化庁移転協議会の取りまとめが行われておりますが、そこにおいても、費用の増大等の点など課題が多いと、こういうふうにされておるところでございます。
 一方、同じ取りまとめでございますが、広報発信や相談に係る機能を京都に設けるということは一定の意義、効果が期待できると、こういうふうにされておることから、文化庁が本格移転を実施する時期にこうした機能を京都に置くことにつきまして、今後、所管の独立行政法人及び京都側とともに、その効果を含めて具体的に検討を進めてまいりたいと思っております。
○高木かおり君 ありがとうございました。
 なかなか課題をクリアするのは難しいということかもしれません。けれども、文化庁の移転につきましては、来年の通常国会にも法令整備を行って平成三十三年度の全面移転について動き始めると聞いておりますので、時間はまだ少し余裕がありますので、こういった、広報の機能などの集約しっかりとやりながら、移転の効果、地方と文化行政の両面からもしっかりとまた検討していただいて、文化行政の京都を確立すべく、是非ともお願いをしておきたいと思います。
 それでは、ちょっと次のテーマに入らせていただきます。
 大学改革についてでございますけれども、私は、さきの通常国会でも大学の改革についてお伺いをしてまいりました。それは、やはり大学で学ぶ学生たちが、将来、国や地方、企業、そういった様々な社会において必要とされる人材として養成されていくこと、これは今後の日本にとって大きな資産であると考えているからです。
 我が党は、大学、高等教育の無償化までも議論を進めているわけですけれども、それはやはり未来への投資と考えているからであります。それには大学自体も投資し得る対象でなければならないと思っています。今求められている大学の役割をもっと明確化して、大学の存在意義を国民の皆さんにやはりしっかり理解をしていただかなければならないと思っております。
 ところが、今、十八歳人口が減っている。二〇一八年問題とも言われておりますけれども、私立大学五百八十一校の約四〇%に相当する二百二十九校、これ定員を満たしていない。さすがに国立大学ではこのような状況にはありませんけれども、例えば公立の小中高校、これは少子化のあおりを受けまして廃止とか統合再編、こういったことが行われ、多くの学校が減少しているという現状であります。この国立大学に焦点を今回当てておりますけれども、やはり今から、十八歳人口が減少していくという状況から将来を見据えて改革を進めていかなければならないと考えています。
 やはりそういったところを文科省が主導権を持って、中長期的な産業構造が変化するわけですから、人口増減ですとか人材の需要とか、大学の規模や配置、また私立の大学とも話合いを進めていかなければならない場面等もあるかもしれませんけれども、今後の国立大学の在り方、そういったことをきちんと示していく必要があるのではないかというふうに思っております。
 国立大学の今後の在り方について、大臣、どのように今お考えでしょうか、お聞かせください。
○国務大臣(林芳正君) 十八歳人口、今委員から御指摘がありましたように、これ減少していく、また、第四次産業革命が進展して、いわゆるソサエティー五・〇を目指していくと、こういった中で、今後の成長を担う質の高い人材育成を進めるというためには、今後の高等教育の全体の規模、これも視野に入れて、地域における質の高い高等教育機会の確保の在り方について検討する必要があると思っております。
 このため、今年三月に中教審に対しまして我が国の高等教育に関する将来構想について諮問をいたしまして、その中で、国公私、国立、公立、私立の設置者の枠を超えた連携、統合等の可能性の検討をお願いをいたしております。
 この諮問を受けまして、中教審の大学分科会の将来構想部会におきまして、地域における大学、地方自治体、産業界の連携強化、それから国立大学の一法人複数大学方式、私立大学の学部・学科単位での設置者変更を認めるなど円滑な事業譲渡の方法、さらには、経営困難な学校法人に対する早期の経営判断への支援等について御議論をいただいておるところでございます。
 この大学の連携、統合に関しては、完全に統合して一つの大学になるということや、あるいは複数の大学がネットワークを組んで連携して存立していくことなど、多様な在り方が想定されるところでございまして、中教審等において専門的な議論を更に進めていただきたいと、こういうふうに考えております。
○高木かおり君 国立大学に関しましては、法人化しまして組織の編成等の運営面ですとか財務面、そういった自由度がかなり高まってきたことを受けまして、やはり大学の中の事務の効率化ですとか、学長がもっとリーダーシップを発揮できるような機動的な管理運営体制の整備ですとか、また大学のガバナンス改革、そして学生への経済支援の充実、こういった様々課題がある中で各法人の特色に応じた目標を決めていく。
 様々な教育研究活動、しっかりと改革取り組んでいらっしゃる部分あるかと思いますけど、まだまだこれから、そういった規模ですとか私立大学との連携ですとか、様々課題があるかと思います。まだこの部分に関してはやはり手付かずの部分もあるかと思いますので、しっかりとここの部分を、これからやはり人口が減少していく中でどのような大学の在り方を決めていくのか、その方向性、しっかりと検討、そして前へと進めていっていただきたいと思います。
 また、やはり今その十八歳の人口が減少するというお話がありましたけれども、今大臣も、今日の質疑の中でも出てきましたリカレント教育、このリカレント教育というのも、やはり今までですと、高等教育というのが十八歳のときだけだった、もちろん社会人での教育というのも受けられましたけれども、それが、人生百年時代ということを見据えて、十八歳のとき、それから働き盛り、またリタイアされてからと、三段階ぐらいに学びを、皆さんその段階で学べる機会をつくっていっていただけるという構想が見えてまいりました。
 そういったことも含めて、何でも縮小していくということではなく、そういった学びの場をしっかりと確保しつつも検討を進めていっていただきたいなというふうに私個人的にも思うわけであります。
 そして、大学に関してですけれども、やはり国立大学には運営費交付金という税金が投入されているわけです。更に持続的な競争力を持って高い付加価値生み出す国立大学に発展させるためには、この国立大学法人が自らの強み、これをしっかりと特色を明確にするということ、特に重視する取組についてはきちっと目標を持って、そして、この目標を具体的に実現するための手段、こういうことをしっかりと策定していくですとか、その手段が遂行されているかどうか、また、それ以外にも大学内で事務の効率化ですとか、やはり国立大学といっても中央それから地方と国立大学の役割があるかと思います。
 そういったことも含めて大学をどういうふうに評価していくのか、検証していくことができる指標を設定することが必要だと思うんですけれども、そこをどういうふうに評価していくのかという部分で、大臣、是非ともお考えお聞かせください。
○国務大臣(林芳正君) 国立大学につきましては、社会変革のエンジンとして、それぞれの強み、特色を最大限に生かして、自ら改善し発展することを通じて高い付加価値を生み出すということが求められておるわけでございます。
 このため、平成二十八年度からの第三期の中期目標期間の国立大学法人運営費交付金、今御指摘のあったところでございますが、これにおいては三つの重点支援の枠組みというものを創設をしております。重点支援、一つ目は、地域のニーズに応える人材育成研究を推進している、二つ目が、分野ごとの優れた教育拠点やネットワークの形成を推進している、三つ目は、世界トップ大学と伍して卓越した教育研究を推進していると、こういうようなことをつくりまして、各大学から拠出された財源、これは毎年度約百億円でございますが、これを活用しまして、機能強化に積極的に取り組む大学に対し評価に基づく重点支援を行う仕組みを導入しておるところでございます。
 例えば、外部資金の獲得ですとか事務の効率化といったようなところでございますが、こういう仕組みにおいては、各大学が第三期中期目標期間に特に重点的に取り組む取組の評価指標として、今申し上げたような外部資金獲得の状況、事務の効率化等の指標を設定しておりまして、文科省はその達成状況等を踏まえて運営費交付金の再配分を行うということでございます。
 こうした重点支援等を通じて、各大学の財政基盤の強化や社会の変化に対応した組織づくりなど、国立大学の機能強化、着実に進めてまいりたいと思っております。
○高木かおり君 ありがとうございました。
 やはり国立大学の中でも、先ほども申し上げましたけれども、日本の国力を維持していく、期待されている、例えばトップの東大、京大といったところもあれば、地方としっかりと連携を取りながら地方で活躍する人材を育成するという、そういった大学もあるわけでございます。
 国立大学には、先ほど御説明いただきましたように、税金から運営費交付金が支払われている。そういった中で、この大学の改革、やはりこれからしっかりとやっていかなければならない。先ほどは事務の効率化ですとかそういったことも申し上げましたけれども、やはり大学のガバナンスについて、例えば、細かいような話ですけれども、学長の選出方法ですとか、またその補佐の体制等、またそういった様々、組織の再編についてですとか、そういったこともやはり大学任せではなく、もちろん大学が自治的にしっかりと自分たちで運営していかなければならないのは当然なんですけれども、やはりそれに対して大学が自分たちで運営ができるようにと、そういった規制の改革なども行っていく。そういった意味で、本当の意味での大学が自立していけるような応援を是非とも国の方でもやっていただければと思います。そのように要望をさせていただきます。
 次に、最後になりますけれども、今日、午前中からも何度も教育費の無償化については質問が出ておりました。私も、昨年の参議院選挙で当選をさせていただきましたときに、そのときにもやはり教育費の無償化、我が党は幼児教育から大学進学までの教育費の無償化をというふうに訴えさせていただきまして、私もそれを訴えることが私の使命だと思って、毎回のようにこの教育費の無償化に関して質問をさせていただいているわけですけれども、それは、どこを対象にするのか、どういう内容にするのか、財源はどうするのか、様々な論点はあります。今日も、財源についてですとか、また、それよりも先にやはり保育の質とかそういったことも大切なんじゃないか、そういった御議論もございました。
 今、政府としては、消費税を増税してそれを財源に主に充てていくというお話でありますけれども、やはりそれには、税金を投入する、そういうわけですから、様々な与野党案が出ている中で、幼児教育から高等教育までしっかりと財源、全てでありましたらもう四兆円近いお金が掛かってくるという試算になっています。
 我々は、身を切る改革ですとか徹底的な行財政改革を行って財源に充てていくというようなことも訴えさせていただいておりますけれども、少しだけ、大阪で既に高校の無償化が先行して実現している、それの御紹介を少しさせていただきたいんですけれども。平成の二十年に橋下氏が知事に就任してから財政再建プログラムを発表して、歳出歳入の総点検をして、その二年後に構造改革プランを策定。その後、本当にその必要性とか必要量をしっかりと見直して、費用対効果の観点からも、高コストになっているところを事業を見直す、また民間委託を行うという徹底的な行財政改革を行い、もちろん議員の数やお給料もカット、そしてまた職員の方々にも御協力をいただいて、数を減らすですとか給与カット、本当にその痛みを伴うものがございました。
 今回、消費税を充てていくという意味では、やはり痛みが伴うわけです。それについて、大臣は、教育費の無償化のために痛みを受ける、今回は消費税ということになりましたら広く浅く全国民にということになりますけれども、そういった方々に対してこの無償化、どのように御説明をされますか、お聞かせください。
○国務大臣(林芳正君) 今般策定をいたします政策パッケージにおきましては、全ての三歳から五歳児の幼児教育の無償化や授業料減免や、給付型奨学金の拡充による真に必要な子供たちへの高等教育の無償化などの措置を盛り込む方向で検討しております。
 文科省といたしましても、全国民が負担をされる消費税、これを活用するということを十分に認識をした上で、先ほど先生からもお話のありました大学改革を始めとした教育の質の向上に向けた取組をしっかりと推進しつつ、少子化対策の観点から教育の無償化、負担軽減の取組を進めることに対して国民の幅広い御理解が得られるように努めてまいりたいと思っております。
 幼児教育につきましては生涯にわたる人格形成の基礎を培うものでありまして、また高等教育については国民の知的基盤としてのイノベーションの創出や生産性向上に向けた重要な役割を担うものとして、それぞれ大きな意義を有すると考えておりますので、こういった考え方も含めてしっかりと御説明をしてまいりまして、国民の幅広い理解が得られるようにしてまいりたいと思います。
○高木かおり君 ありがとうございます。
 やはり、そういった国民の皆さんに理解を得るためには、無償化によってどのようなメリットがあるのか、どのような効果が得られたのか、そういったことをきちんと説明する責任があるかと思います。特に、この日本ではなかなか、教育効果ですとか、そういったエビデンスがないですとか、数値にもちろんなかなか教育は表しにくい部分あるかもしれませんけれども、海外と比べてもPDCAがきちんとなされていないんじゃないかというふうに厳しい御意見もございます。
 文科省では、より効果的、効率的な教育施策の立案につなげること、教育政策の効果を社会に対して示すことを目的として、教育政策の効果分析強化プランとして昨年度一億四千万円ほどを概算要求で出されましたけれども、認められなかったと聞いています。
 今、教育費の無償化には二兆円とも四兆円とも言われるほどの多額の税金が必要になってまいります。是非とも同時並行でこの教育の効果検証、きちんと予算を取って進めていっていただきたいと思うのですが、この点について、大臣、どのようにお考えでしょうか、お聞かせください。
○国務大臣(林芳正君) 未来への先行投資であります教育再生を実現するに当たっては、今委員からお話のありましたように、教育政策の効果、必要性、こういったものについて広く国民の間で理解が醸成されていることが不可欠でございます。そういった意味で、来年度からの五年間を対象とする第三期教育振興基本計画の策定に向けまして、これまでの教育政策の成果や課題を検証するとともに、今後の教育政策の目標、指標及び施策の関係についてロジックモデルを活用して整理するなど、教育政策全体のPDCAサイクルの構築を進めておるところでございます。
 今年度は、教育改革の総合的推進に関する調査研究におきまして、各地域におけるエビデンスに基づく教育政策の先進的な取組について調査研究を行っておりまして、来年度の概算要求においても、教育政策へのエビデンスの活用の在り方、教育政策の効果に関する研究、こういうものを行うための必要な経費を盛り込んでおるところでございます。来年度は、さらに文部科学省の組織再編を行いまして、実証的なデータに基づく総合的なエビデンスを構築いたしまして、教育政策ビジョンというものを打ち出すための政策立案機能の強化を図る予定でございます。
 こういったいろんな取組を通じまして、文科省としては、客観的な根拠を重視した教育政策を推進し、教育政策全体のPDCAサイクルを確立いたしまして、広く国民の理解を得ながら教育再生に全力で取り組んでまいりたいと思っております。
○委員長(高階恵美子君) 高木かおり君、時間が参っております。
○高木かおり君 はい。
 時間が来てしまいましたので、また次の機会に質疑をさせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
○木戸口英司君 希望の会、自由党の木戸口英司です。
 冒頭、私からも加計学園による獣医学部新設の問題について一点触れさせていただきます。先ほど四条件について質問があったところですが、私もその点について一点確認をいたします。
 十一月十四日、獣医学部の新設が認可をされています。同日の記者会見で、林文部科学大臣は、この四条件が満たされているのかという質問に対してこう答えられております。昨年十一月九日の国家戦略特区諮問会議の中で文部科学省を含む四省庁で確認をしたという答弁であります。これは、一連の予算委員会、また今日の答弁でも同様のお話をされているところであります。
 しかし、その二か月ほど前、昨年の九月十六日でありますけれども、国家戦略特区ワーキンググループのヒアリング、私も議事要旨読ませていただきました。文部科学省の担当課長が今治市側からの提案について、それぞれの提案でありますけれども、いずれも他大学がそれぞれコアカリキュラムにおいて取り組んでいる内容であると、そういう答えをしております。ですから、この時点では、文部科学省は具体的な需要が明らかとなっていないということと併せて、既存の大学・学部が対応が困難な場合には当たっていないという判断をしていることは明白であります。
 それでは、この昨年九月十六日以降この十一月九日に向けて、文部科学省内でどのような協議を経て四条件が満たされたと判断する、そういう変更ですね、そこに至ったのか、ここを明確にお答えをいただきたいと思います。
○政府参考人(義本博司君) お答えいたします。
 御指摘の四項目が満たされているかにつきましては、昨年十一月九日の追加規制改革事項の決定に際しまして文科省も含めました関係省庁において確認を行っております。獣医学部の新設又は定員増につきましては、獣医療行政を所管いたします農林水産省の獣医師の需給に関する見解を踏まえまして昭和五十九年以降抑制してきたため、文科省としては、農水省の獣医師の需給に関する判断が必要と主張してまいったところでございます。
 その中で、昨年の十月末、内閣府より追加規制改革事項の案につきまして確認の依頼が来た際におきまして、文科省は内閣府に対しまして関係省庁と需給の観点について調整するよう意見を出したところでございます。その後、農水省におきまして、今回の特区による獣医学部の新設につきましては、先端ライフサイエンス研究の推進など内閣府が把握している新たな需要があるという前提の下、獣医師の需給に影響を与えないという判断があったところでございます。
 四項目が満たされているという判断自体は内閣府において行われまして、文科省としましては需給の観点から意見を申し上げておりまして、この点については農水省の判断がありまして問題がクリアされたところから、四項目が満たされていないというふうな異議を唱えず、獣医学部新設に向けた改正を行うことが盛り込まれました規制改革事項の決定に同意したところでございます。
 それから、既存の大学・学部では対応が困難ということでございますが、内閣府におきまして最終的には判断がなされたところでございますが、あえて申し上げますれば、既存の大学・学部において新たなニーズに対応するための獣医学部を設置するためには、学部段階においてのアドバンス科目の開設を含みますカリキュラムの抜本的な見直しや教員の大幅な入替え等が必要となり、これを既存の組織で対応することは一般的に困難であろうというふうな解釈がされているところでございます。
○木戸口英司君 特区で認定されたことで四条件が満たされたと、そういうふうに私たちには聞こえるわけです。というのは、いわゆる協議、どういう協議をしどういう判断をしてきたかということが、そういう説明でありますけれども、例えば特区の議事録等を見ても、この十一月九日以降の、一月の様々な会議の議事録を見ても出てこないわけです。
 十一月九日、確かに、先端ライフサイエンス研究や地域における感染症対策など、新たなニーズに対応する獣医学部の設置という、タイトルはこうなっておりますけれども、農水省の需給の問題もありましたけれども、通常国会で私、この委員会で農水省に聞いたときに、ライフサイエンス研究のこういった需要については調べようもないという、農水省からそういう答弁でもありました。今、新しい大臣になってから、この辺が大分答弁としては整理されてきたんでしょうけれども、なかなか我々を説得するようにはいかないようであります。
 この九月から、昨年のですね、十月にかけてというのは、そういう検討したものというものがなかなか我々には見えない中で、出てきているのは文部科学省から出てきた例の一連のメモだけであります。内閣府からは一切そういう説明する文書というのは出てきておりません。そうなると、やっぱりあのメモというものが我々にとってみれば大きく意味を成してくるわけでありまして、この辺、やはり大学設置の責任を持つ文科省、そして四条件は閣議決定でありますので各大臣、それぞれ責任を負う内容であろうと思います。
 やはり昨年のこの九月、十月の協議内容について、文科省の内部あるいは内閣府との協議、これをしっかりと明らかにする必要があると思うんですが、文科大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) 今、そのときのことについては局長から答弁があったとおりでございますし、また、今御指摘がありましたように、文科省においては、調査を一度して、そのときに出てこなかったものが二度目の調査で出てきたということでございますので、そこはしっかりと反省をし、そこが疑念を抱かれる一つの大きな発端になったわけでございますので、そういうことが再発されないようにしっかりとやってまいらなければならないと、こういうふうに思っておるところでございます。
 国家戦略特区のプロセスにおいてはそれぞれ、我々が呼ばれて、文科省として呼ばれておったときと呼ばれておらなかったときと、こういうふうにございますが、その都度、内閣府の方で、議事要旨だったと思いますけれども、公表されているというふうに承知をしております。
○木戸口英司君 この点はまた質問を重ねていきたいと思います。
 それでは、今日は医師の確保及び偏在対策について質問をいたします。
 医師の地域偏在については、四十七都道府県の人口十万人当たりの医師数、資料一に付けさせていただいておりますが、西日本が多く東日本が少ないという西高東低の傾向にあります。非常に地方においては医師不足問題というのは大きな課題となっております。また、都道府県内においても、都市部とへき地との間での、二次医療圏の間での格差というものも非常に大きくなっている、これは全国的な問題だと思っております。これは資料二に付けておりますので、どうぞ委員の先生方、御地元を見ていただければと思います。
 その中で、また診療科による医師の偏在ということも大きいわけでありまして、リスクの高い診療科においてはお医者さんが不足し、また病院からお医者さんが辞めていくという状況が続いていると。これは資料三に、全体の医師数が増えているということもありますので上昇傾向にありますけれども、まだまだ厳しい状況にあるということであります。
 その中で、こういう地方における医師不足、またその背景にある医師偏在の問題について、閣僚の一員として、また大学での医学教育を所管する大臣として、林文科大臣にその認識をお伺いいたします。
○国務大臣(林芳正君) この地域における医師不足の問題は、今先生から御指摘があったように、医師が都市部に集中をいたしまして地域間で偏在をしているということが大きな原因となっておりまして、その背景としては、医師としてのキャリア形成への不安、勤務環境への不安等々から医師が地方での勤務をちゅうちょすること等の要因があると承知をしております。
 こうした問題に対応するためには、やはり医師の養成、研修や配置の在り方について総合的な取組が必要でありまして、医師の偏在対策を推進することは政府全体として取り組むべき喫緊の課題であるというふうに認識をしております。
 その上で、大学における医師養成を所管する文科省としては、地域の医師確保に資する観点から、平成二十年度より、将来地域医療に従事することを条件とする都道府県による修学資金の貸与と連動しまして医学部の入学定員増を認めるなどにより、各大学において地域医療に従事する意思を有する学生を選抜して養成するための地域枠の設定を推進してまいったところでございます。
 今後とも、この地域枠の設定など各大学における地域医療に従事する医師を養成するための取組、これを推進するとともに、更なる医師偏在対策の在り方について、厚生労働省とも連携しつつ、検討してまいりたいと思っております。
○木戸口英司君 分かりました。
 今後、我が国の医療においてでありますけれども、少子高齢化の進展により、総合診療的なスキルや地域包括ケアの観点が求められる地域医療の需要が更に高まっていくと考えられます。現行の医学教育及び医学研究はこれに応えるものとなっているのか、現状認識をお伺いいたします。
○政府参考人(義本博司君) お答えいたします。
 議員御指摘のとおり、我が国におきまして少子高齢化が進展する中で、医学教育において地域医療について学ぶことは極めて重要であると認識しております。
 地域医療につきましては、学生が卒業時までに身に付けておくべき必須の実践的診療能力の学修目標を提示した医学教育モデル・コア・カリキュラムにおきまして地域医療に関する項目が盛り込まれているところでございます。これに基づきまして、医学部においては、地域医療、訪問医療、在宅医療などの現場を通して医療の現場を学ぶことや、医師として地域医療に関わることの必要性を理解するといった学修目標を掲げた地域医療に関する教育及びこれに関連する研究が実施されているものと承知しているところでございます。
 また、本年三月には、医学教育モデル・コア・カリキュラムを改訂いたしまして、新たに、地域包括ケアシステムの概念を理解し、地域における保健、医療、福祉等の分野間及び多職種間の連携の必要性を説明できることや、臨床実習において必ず経験すべき診療科として総合診療科を盛り込むなど、地域医療に関わる学習目標の内容を充実しているところでございます。
 文科省といたしましては、このような取組を通じまして、医学部におけます地域医療に関する教育及び研究が更に充実するよう、各大学に対して促してまいりたいと考えております。
○木戸口英司君 ありがとうございます。
 まず、この平成二十年度から医学部の定員が図られてきたこと、これは非常に、底が抜けそうになっていた地域医療、十五年近辺ですね、研修制度が変わったあの辺りから非常に厳しい状況がありました。非常にこれはまずは息をついたと言えると思います。
 また、都道府県が奨学金の返還を免除する代わりに卒業後は大学のある都道府県で一定期間勤務する、これを義務付ける地域枠、先ほど大臣からもお話ありました、こういった制度、非常に助かっているという状況であります。
 あとは奨学金制度の拡充、この点については先ほど説明ありましたので、厚労省にお伺いをしたいと思います。
 地域枠について、地元出身者の方がより高い定着率が見込まれることから、都道府県が大学に地元出身者枠を設けるよう要請できるようにするなどの制度改正が検討されているということを承知しております。この医学部の地元枠制度強化について、厚労省から御説明願います。
○政府参考人(橋本泰宏君) お答えいたします。
 医学部の入学定員につきましては、平成二十年度から、地域における医師確保ということを目的といたしまして、特定の地域あるいは特定の診療科等での勤務を義務付ける地域枠を中心に千七百九十五人の増加を図ってきたところでございます。
 私ども厚労省といたしましては、実効性ある医師偏在対策ということを推進するために、医療従事者の需給に関する検討会医師需給分科会というものを設けまして、こちらで平成二十七年から議論を行ってきております。この医師需給分科会におきましては、卒業後の地域定着がより見込まれるような入学枠ということについての議論を行っております。これまでの調査によりまして、地元の大学に進学した医学生は地域枠とほぼ同等の地元定着効果があるということが分かってきております。現在、地元出身者に限った入学枠の拡充を含めて検討を進めているところでございます。
 今後、その結論を踏まえ、次期通常国会への法案提出ということも視野に入れて、更に検討してまいりたいと考えております。
○木戸口英司君 非常に重要だと思います。期待も高いところだと思いますので、早急な検討、そして推進を要望したいと思います。
 医師養成をより充実させていくため、ここが重要でありますけれども、医学教育の六年間と臨床研修の二年間とにおいて切れ目ない一体的な取組が必要と考えます。また、医師は臨床研修を行った都道府県で就職する割合が高いと言われております。適正な医師の配置に向けても、医学教育と臨床研修の連携は重要であります。
 文部科学省と厚生労働省においてどのような取組、検討が行われているか、この点は文科省にお聞きいたします。
○政府参考人(義本博司君) お答えいたします。
 社会の期待に応える医師を養成するためには、六年間の医学部教育と二年間の卒業後の臨床研修におきまして、医師として目指す姿や関連する教育内容が連携し整合していることが大変重要であると考えております。
 平成二十八年度に文部科学省が医学教育モデル・コア・カリキュラムを改訂する際には、改訂のための専門検討委員会にオブザーバーとして厚生労働省に参加いただきますとともに、厚生労働省の医道審議会医師分科会医師臨床研修部会におきまして、文科省の委員会における検討状況も踏まえた議論を行っていただいたところでございます。
 その上で、医学教育モデル・コア・カリキュラムにおける医師として求められる基本的な資質、能力について、臨床研修における到達目標との整合性を図るなど、一貫した医師養成を行うための取組を進めてきたところでございます。
 臨床研修については、現在、厚生労働省の医療従事者の需給に関する検討会医師需給分科会におきまして、臨床研修段階での医師の地域定着を図るための方策について検討が行われているものと承知しております。
 文科省としましては、厚生労働省と連携し、今後も、卒前卒後の医学教育の一貫性の確保や地域における医師の確保に努めてまいりたいと存じます。
○木戸口英司君 分かりました。
 それでは、先ほど来、学校の先生の働き方改革の話が続いておりますけれども、やはり医師、看護師等の働き方改革も非常に大事であります。
 厚生労働省の新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会、これ本年四月に報告書が取りまとめられております。その中でアンケートがありまして、厚生労働省の調査によれば、四四%の医師が地方勤務の意思ありと回答しています。若いお医者さんほどその比率が高くなっている。地域医療に従事する医師にとって働きがいのある医療環境をつくっていくとともに、地域医療に従事することで医師が成長し研さんを積むことにつながる仕組みを構築していくことが求められます。今後の地域医療の体制づくりに当たっては、一部の医師に過重な負担を強いるのではなく、ワーク・ライフ・バランスを実現できるよう、計画的に医師を増やしていくことも必要と考えます。
 医療の質の確保、地域医療を守る医師のキャリア形成の支援、医師の働き方改革は、それぞれが重要な課題であるものの、これらを両立させることは非常に困難であります。これら課題の両立に向けた国の役割、地方自治体の役割をどのように考えているか、厚労省にお聞きいたします。
○政府参考人(橋本泰宏君) お答えいたします。
 現在の医師の勤務実態ですとか働き方の意向、あるいはキャリア意識、こういったことの把握のために昨年十二月に行った調査によりますと、医師が医師不足地域等の地方で診療するための障壁となることといたしまして、一つには専門医取得等のキャリア形成への不安、それから二つ目には労働環境への不安、こういったものが要因があるということが明らかになっておるところでございます。
 こうした点を踏まえまして、まずキャリア形成への不安という点でございますが、専門研修において、国や都道府県が日本専門医機構等に対して研修プログラムが医師のキャリア形成や地域医療に配慮されたものとなるように関与すること、これにつきまして、先ほど申し上げました医療従事者の需給に関する検討会医師需給分科会で議論を行っていただいているところでございます。
 また、二つ目の労働環境への不安という点でございますが、医師の労働環境の改善につきまして、医師の働き方改革に関する検討会において、具体的な医師の勤務環境改善策の推進、あるいはタスクシフティングやタスクシェアリングによる医療従事者の業務負担の最適化、都道府県における医療勤務環境改善支援センターの機能強化等について議論を行っていただいているところでございます。
 厚労省といたしましては、医師の労働環境改善を進めながらも、医師の質あるいはキャリア形成の確保、こういったことがどちらも図られることが必要というふうに考えております。それぞれの取組が整合的に進められるように、地域医療に責任を持つ都道府県と連携しながら、こうした取組が一体的なものとなるように取組を進めてまいりたいと考えております。
○木戸口英司君 よろしくお願いします。
 岩手県において、資料五としておりますけれども、地方での医師確保が難しくなっていることを踏まえ、全国レベルで計画的に医師を養成し、適正に配置する仕組みを構築できるよう、地域医療基本法、仮称でありますけれども、を制定することを国に対して提案しています。国においても、厚生労働省の医療従事者の需給に関する検討会医師需給分科会、先ほど話ありましたけれども、昨年六月の中間取りまとめにおいて、これまでの医師が勤務地や診療科を自由に選択するという自主性を尊重した偏在対策ではなく、保険医の配置、定数の設定、自由開業、自由標榜の見直し、特定地域、診療科で一定期間診療に従事することを病院の管理者要件とすることなどの検討を求めており、報告書を取りまとめると報じられてもおります。
 この点、大臣、そして厚労省、それぞれにこの点についての認識をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(林芳正君) 今お話がありましたように、岩手県から、地域医療基本法を制定し、地域医療の再生のための基本理念や基本的施策を定めるよう提言されておられるということを承知しております。
 まさに今お話のあったように、厚労省の医療従事者の需給に関する検討会医師需給分科会で総合的な検討が行われているということでございまして、この法制的政策の論点も含めて審議を行った上で結論が取りまとめられると、こういうふうに承知をしておるところでございまして、我々としても、大学における医師の養成を所管する文部科学省としても、今後とも厚生労働省と連携協力して医師の偏在対策に取り組んでまいりたいと思っております。
○政府参考人(橋本泰宏君) お答えいたします。
 国及び地方公共団体は、医療法の中におきまして、国民に対し良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制を確保するよう努める、そういう責務を負っているわけでございます。良質かつ適切な医療提供体制の整備に当たりましては、地域における医師の確保ということは不可欠でございますので、現在、実効性ある医師偏在対策の策定に向けまして、先ほど来申し上げております医師需給分科会で議論を行っていただいているわけでございます。
 具体的な中身でございますが、先ほど来申し上げております地元出身者枠の拡充ですとか、あるいは新専門医制度における行政の関与ということを含めまして、一点目といたしましては都道府県における医師確保対策の実施体制の強化、それから二点目といたしましては医師養成過程を通じた地域における医師確保、それから三点目といたしましては地域における外来医療機能の不足、偏在等への対応、こういった様々な項目につきまして、次期通常国会への法案提出も視野に入れて検討を更に進めてまいりたいと考えております。
○木戸口英司君 ちょうど時間が来ましたので質問はここで終わらせていただきますけれども、地域医療における医師の確保及び偏在対策は待ったなしの状況です。新たに導入される専門医研修、高齢化の進展による都市における医療需要の拡大、また、二〇二四年、平成三十六年に訪れる医師需給の均衡による医師養成の抑制がもしなされるとすれば、地域医療を取り巻く環境はこれから更に厳しさを増すということが予測されております。国と地方の連携、また文科省そして厚労省との連携によって早急な対策を講じると、そのことを強く求めて、質問を終わりたいと思います。
 以上です。
○松沢成文君 希望の党の方の松沢成文でございます。
 ちょっと質問に入る前に、大臣、今日こういう質問初めてなので確認したいんですけど、大臣はゴルフやられますか。
   〔委員長退席、理事大野泰正君着席〕
○国務大臣(林芳正君) なかなかうまくなりませんが、いまだにやっております。
○松沢成文君 実は私、毎年のように、この時期になると委員会でもゴルフ場利用税の問題を取り上げるんですね。これ、政府の税調でも自民党さんの党の税調でも、いつもこの時期議論になるんですよ。何か毎年、失礼な言い方ですが、出来レースのように結論が決まっているんですね。
 文科省やゴルフ関係団体は、ゴルフはスポーツなんだからスポーツに課税するなんておかしいと、そんなことやっているのゴルフだけだ、廃止してほしいと、こうやるんですね。そうすると今度、総務省を始め地方自治体側からは、貴重な財源なんだ、この財源なくなったらうちの町厳しいよ、冗談じゃない、大反対だと言って、それで結論出ずにやっぱりそのままでずっと続くんです。もう私、参議院議員になって四年たちますが、ずっと同じパターン。大臣、そろそろ決めようじゃないですか、これ。決められない政府じゃしようがないですよ、これ。
 さあ、歴代の大臣にも私ずっと質問していますが、皆さん言うのは、オリンピックの競技種目になったゴルフ、国体でも競技としてやっているゴルフはスポーツなんだと、スポーツに課税するのはおかしいと、これはやめるべきだと歴代の文科大臣はずっと言い続けて、廃止すべきだと言っているんですが、さあ、この認識にお変わりありませんよね、林大臣は。
○国務大臣(林芳正君) ゴルフは老若男女問わず親しむことのできるスポーツでありまして、国民のスポーツライフの中でも主要な位置を占めております。
 スポーツ庁で実施した調査によりますと、国民が過去一年間に行った運動、スポーツの中でゴルフは第八位でございまして、六・四%でございます。実はテニスやスキーよりも上位だと、こういうことで大衆的なスポーツと言えるというふうに思います。
 また、スポーツ基本法においては、その基本理念に生涯スポーツ社会の実現が掲げられておりまして、世代を問わずプレーに親しむことのできるゴルフというのはその実現に大きく貢献できるスポーツであるというふうに認識しております。
   〔理事大野泰正君退席、委員長着席〕
 先生からも今お話のありましたこのゴルフ、既に国民体育大会の正式種目に採用されておりまして、リオデジャネイロ・オリンピックからは正式競技に復帰をしておりまして、国際的にも競技スポーツとして認められたスポーツであるということでございますので、文科省としては、より多くの国民がゴルフに親しんでスポーツ実施率の向上が図られるように、引き続きゴルフ場利用税の廃止の実現に向けて努力してまいりたいと思っております。
○松沢成文君 毎年同じ答えをいただいています。
 そこで、今日は、総務省の副大臣でしたっけ、おいでいただいておりますけれども、地方自治体は貴重な財源になっている、これは一般財源ですから使い勝手もいいですよね。これ都道府県税でありまして、その七割が市町村に行くわけであります。
 さあ、市町村の財政も厳しいので、これ今廃止されたら困ると、総務省としても廃止に反対だということなんですが、総務省の見解はいかがですか。
○大臣政務官(小倉將信君) お答えを申し上げます。
 ゴルフ場利用税は、委員からも御紹介がございましたが、使途の定めのない一般財源となっておりまして、ゴルフ場の所在する市町村に交付する市町村交付金も一般財源でございます。ゴルフ場の所在する市町村は約六割が過疎など条件不利地域にありますことから、市町村交付金は市町村が地域振興などを図る上で大変貴重な財源となっている、このような認識でおります。
○松沢成文君 私もかつて全国知事会におりましたので、毎年この議論というか、議論にならないんですね。理由じゃないんです。今までいただいていた財源を減らされるのは絶対嫌だから絶対に守り抜くと。もう既得権というか既成事実になっちゃって、全くこの時代背景とか合理性を考えようとしないんですね。
 さあ、税の大元締である財務省はどうお考えでしょうか。といいますのは、これ消費税払っていますから、ゴルフは、料金に。それにプラスで、もちろん高齢者と若い人は除外されていますけれども、ほとんどの年齢層の人はそれに加えてゴルフ場利用税もそこで払うわけですね。これ、もう二重課税と言ってもいいと思うんですが、実は一昨年ですか、私の予算委員会での質問に対して麻生大臣は、もう消費税も税率がどんどん上がっていく、上がっていけば消費税の地方に分配されるものも増えていくわけだから、やっぱりもうこれだけ消費税が上がった以上、ゴルフ場利用税はなくさなきゃおかしいと。そして、麻生さんはスポーツ振興議連の何か役員もやっていますので、スポーツ振興の立場からもゴルフだけに税を課すのはおかしいという見解でしたが、財務省はいかがですか。
○副大臣(うえの賢一郎君) 委員の御指摘でございますけれども、廃止を求める方々からもそうした主張をたくさん寄せられているというふうに承知をしておりますし、また一方、財源に乏しく山林原野の多い市町村にとっては貴重な財源であると、そういった声も一方で大変強いものがあろうかというふうに承知をしております。
 ゴルフ場利用税の在り方につきましては、こうした関係者の主張を踏まえ、与党の税制改正プロセス等の中で所管である総務省を中心に検討されるものと考えておりますが、消費税との関わりにおきましては、平成元年度における消費税の創設に当たりまして、ゴルフ場等が対象となる娯楽施設利用税を含めた間接税につきましては政府税調等において消費税との関連を考慮して見直しが行われました。
 ゴルフ場は地方団体の行政サービスと密接な関連があること等の理由により、消費税との税負担の調整を図った上でゴルフ場利用税として制度化されたものだと承知をしています。
○松沢成文君 余り意思のない答弁でしたけれども。
 これ、ずっとこの状況続いているんですよ、大臣。それで、オリンピックもいよいよ三年後ですよね。世界的に見ても、ゴルフをやるときに税金を掛けているという国は韓国とアメリカの州の一部だけです。もうこんな国ありません。ほかのスポーツと比べても本当に不公平ですよね。サッカーやる人が施設使って、フットサル利用税なんか取ったら大変なことになりますよ。ママさんバレーやる人が体育館利用税なんか取られたら暴動が起きるんじゃないですか。何で一部のゴルファーだけに、地方自治体の財源になっているからといってずっと負担を押し付けているんでしょうか。みんなスポーツマンじゃないですか、スポーツウーマンじゃないですか。
 ここは文科省が本当に頑張って、総務省や地方自治体の既得権益擁護のこの姿勢を打破しない限り永遠にこれは続くんですよ。やっぱり議員さんたちは、地方自治体の議員さんとかあるいは首長さんに要望されると弱いですから、ここは文科大臣のリーダーシップしかないと思うんですが、文科大臣、これどうにか大臣の代で打破してくださいよ、そのための何か方法論、頭にないんですか。同じ答弁だけされても全然進まないですよ。
○国務大臣(林芳正君) 文科省としては、平成二十五年度に要望を出してから毎年、この廃止を総務省に対して要望はしてきております。
 三十年度、今年の要望においても、先ほど申し上げましたが、既に大衆化しておりますので、ゴルフ場利用者には特段の担税力が見出せないということ、そして、オリンピック種目として国際的に認められたスポーツであるということでこの廃止を総務省に要望しております。
 一方、先生も知事経験者であられるということでおっしゃられましたが、地方公共団体の貴重な財源であるということを理由に堅持すべきであるという主張がなされておりまして、このゴルフ関係団体等を交えて検討を進めまして、ゴルファーの協力を得て代替財源を確保すると、こういうようなことも検討をしておるところでございます。
 引き続き関係団体等と連携して同税の廃止に向けて理解を求めてまいるとともに、ゴルフ場が所在する市町村の代替財源の確保については関係市町村の方々にも御理解、御協力がいただけるようにこれも働きかけていかなければならないと思っております。
○松沢成文君 そこでちょっと一つ提案しますけれども、これ、確かに小さな市町村にとって、ゴルフ場利用税の税収ががたんとなくなると、一番ひどいところは税収の一割ぐらいなくなっちゃうというんですね。これは確かに激変ですよ。自治体経営、大変だと思います。
 ですから、そこで交付税措置してあげればいいんです。その代わり、これは時代の変化によって変革していかなきゃいけないんだから、時限付きの交付税にして、五年なり十年なりでどんどんどんどん減らしていって、その間に財政の自立化を自分たちの努力で図ってくださいよと、そうやって自治体に自立を促していく激変緩和措置が私はあってもいいと思うんですが。
 総務省さん、自治体の皆さんの要望を聞いているだけじゃ、これ一生進みませんよ。だって、彼らは既得権だから絶対に、はい要りませんなんて言わないんだから。でも、自治体だって自分たちの財政は自立させる努力しなきゃ駄目ですよ。
 だから、副大臣、どうですか。帰って大臣と交渉して、総務省から地方自治体に提案してほしいんですけど、いかがでしょうか。
○大臣政務官(小倉將信君) 地方自治を御理解をされている松沢委員からの大変貴重な御提案、どうもありがとうございました。
 先ほど申し上げたように、市町村交付金という形で地方自治体の皆様方に市町村を含めてお使いをいただいております。この交付金自体は地方団体の自由な判断に委ねられるべきものでございますけれども、地方の団体によりましては、地域振興等の観点から、地元ゴルフ協会等への助成事業やジュニアゴルフ大会の開催などゴルフ振興に向けた取組を行っている団体もあると、このように承知をいたしております。
 お答えになっているかどうかは定かではございませんけれども、以上でございます。
○松沢成文君 まあ、これ以上やってもしようがないので。ただ、来年も私に同じ質問をさせないでください。やっぱり政府で決断しましょうよ。こんなことをずっと続けていたって、これはもう日本の恥だと思いますよ。
 じゃ、次の問題でもう一つゴルフなんですが、私は、この場でも何度もオリンピックのゴルフ競技の会場について異議申立てをしてきたんです。といいますのは、この前、安倍総理とトランプさんが一緒にゴルフをやって、霞ケ関のカントリークラブ、ここでオリンピックをやるんです、すばらしいゴルフ場でしょうと安倍さん自慢していたんですけれども、残念ながら、バンカーで転んじゃったみたいですけれどね。
 霞ケ関ゴルフ場、ゴルフクラブは私も行きました、視察に。すばらしいところですよ。日本有数のカントリークラブだと思います。ただ、オリンピックには全くふさわしくないと私はここでずっと言い続けてきたんですね。
 その中で一つ、やっぱり暑さの問題は異常です。トランプさんを連れていったのは十一月。一番季節がいいときに、いいゴルフ場でしょう、すばらしいねとなるわけです。
 皆さん、霞ケ関カンツリー倶楽部、七月、八月、特にオリンピックのやる期間、行ってみてください。灼熱地獄であります。それを証明するようなすばらしい研究成果が出てきたんですね。これ、日経新聞の七月二十三日ですよ。
 これ、首都大学東京の研究チームが、実はもう二〇〇六年から十年にわたって、日本で一番暑い地域どこだ、都市はどこだとずっと調べてきたと。それで、アメダスのメッシュよりももっともっと細かい観測地点で正確に調べたんです。大抵、関東平野では大体、熊谷市四十度になった、館林市三十九・八度と、こう出てくるんですが、そうじゃない、最も暑いのは霞ケ関カンツリー倶楽部がある川越市だと。それは細かいメッシュで十年間調べてきたというんです。これ確実だというんですね。それにはいろいろ理由があって、これ説明するとこれで終わっちゃいますので。川越四十一・六度ですよ。すごい暑さです。
 それで、私も体感しなきゃいけないと思って実は八月に行ってきました。私、霞ケ関じゃ嫌われているんです。でも、ようやく入れてもらったんですよね。私を支持する会員もいたんですね。うれしかった。
 それで、ジャーナリストの方も是非とも取材したいと言って付いてきて、この日は曇りで、曇りでまだ普通よりも暑くないとキャディーさんは言っていましたけれども、驚いたことにグリーン上では四十度を超えました。グリーンというのは近くに木がなく、木陰ないですよね。それから、芝が固いので反射熱すごい。もう本当に汗ぽたぽた。これ普通の人大丈夫かなと。ここでオリンピックやるというわけですね。日本一暑いと言われているこの川越市で、何と一番暑い時期にゴルフ競技をやるというの、これ、狂気の沙汰だと言わなきゃいけないと思っています。
 さあ、この霞ケ関で、日本中どこでも暑いというけれども、日本一暑いんです。それで、オリンピックの選手村にはもう、海風が吹いて、霞ケ関よりも平均温度が夏の時間五度も低い、ちゃんと若洲リンクスというのがあるのに、東京都所有のパブリックコースがあるのに、そこを使わずに、何と六十キロ離れて、日本一暑くて、四十度を超える、こういう霞ケ関でやろうというんですけれども、果たしてこれでゴルフ競技ができるんでしょうか。
 オリンピック担当副大臣、お願いします。
○副大臣(水落敏栄君) 二〇二〇年東京大会、七月から九月という期間に開催されるために、どの競技会場におきましても大変厳しい暑熱環境であると認識しております。したがいまして、アスリート、観客等が過ごしやすい環境を整備することは極めて御指摘のように重要だと思っております。
 このため、政府としては、暑さ対策に係る関係府省庁等連絡会議におきまして策定した中間取りまとめに基づきまして、関係府省庁、東京都、組織委員会の施策の進捗状況等を確認しながら着実に暑さ対策を進めているところであります。また、組織委員会におきましては、ハード面、運営面、情報面といった様々な観点から対策を検討しておると承知をいたしております。具体的には、観客などへの事前の情報提供、会場での注意喚起、林間等の日陰を活用した観客誘導、日よけテントやミストの設置、救護ボランティアによる巡回や医務室の設置等の対策の検討を進めております。
 先生御指摘の点につきましては、引き続き関係機関と連携し、ハード、ソフト両面からのきめ細かい対策に取り組んでまいりたいと思っております。
○松沢成文君 いろんな対策はやられるんだと思いますが、ただ、ゴルフの難しさというのは、マラソンならば例えば夜明けの六時からスタート、暑くなる前にやっちゃおうというのがあるんです。まあマラソンでは二時間半ぐらいですけどね。ゴルフはやっぱり練習から入れると五時間掛かるんですよ。また、霞ケ関という遠隔地で、遠くでやるために、朝の六時からのスタートはできないんです、観客が行けませんからね。ですから、どうしても八時、九時のスタート。もう灼熱地獄の中で五時間外にいるわけです。選手はいいですけれども、ギャラリーは大変ですよ。それで二万人集めると言っているんですから、全く私は実現性がないと思うんですが。
 さあ、ちょっと質問の順番を変えますけれども、環境省がオリンピック・パラリンピック暑熱環境測定事業というのを、会場が決まりましたから各会場でやっています。霞ケ関もやっているんです。実は、若洲ゴルフリンクスは会場じゃないのでそこではやってくれないので、近くのお台場と比較しているんですけれども。
 実は、オリンピックをやる七月二十日から八月十日までの期間で、暑さ指数三十一度以上、これ暑さ指数三十一度というのは気温に換算すると三十五度なんですけれども、何と霞ケ関カンツリー倶楽部は十日以上暑さ指数三十一以上なんですね。気温でいうと三十五度以上。ところが、お台場、海に近いですから、若洲だったらもっと島の中ですから低いと思うんですが、その間二日しか暑さ指数が三十一超えるところはないんですね。これ環境省の調査です。
 それで、この環境省の勧告によりますと、これ、暑さ指数が三十一を超えると、外での運動は原則禁止の発令を出すわけです。さあ、副大臣、環境省が、もうこれ以上、暑い、外で運動しては危険だ、やめてくださいと国民に警報を出すときに、オリンピックのゴルフ競技はそれに関係なく平然と行っていくんでしょうか。
○副大臣(水落敏栄君) 御指摘の指針は、公益財団法人日本体育協会が作成しているものと承知しています。具体的には、スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブックの中の熱中症予防のための運動指針におきまして、WBGT、暑さ指数三十一度以上では、特別の場合以外は運動を中止するとされています。
 一方、環境省の熱中症環境保健マニュアルにおきましては、スポーツ活動による熱中症の発生は、環境の条件、運動の条件、個人の条件が関係しているとし、運動時の対策として、まず環境条件を把握することを勧めており、併せて当該指針を紹介しています。
 また、組織委員会では、大会開催期間中に想定される熱中症を始め、災害やテロ等の危機事象に関して、それぞれ対応方針等について検討を進めていると承知いたしております。熱中症につきましては、当該指針なども参考にしながら検討されているものと思います。
 委員御指摘の点につきましては、組織委員会におきまして、ハード面、運営面、情報面といった様々な観点から対策を検討しているところでありまして、アスリート、観客等の安全を確保するよう、引き続き組織委員会と連携し、競技ができるように万全の対策を講じてまいりたいと思います。
○松沢成文君 余りこういう言い方はしたくないんですけれども、じゃ、その三十五度を超える、暑さ指数三十一を超える状況の中でゴルフ競技が強行されて、実はいろんな方が指摘していますが、このままだと熱中症患者が大量に出るよと。そこで重症患者あるいは死者が出た場合に、その責任はどこが負うんですか、組織委員会ですか、東京都ですか。
○副大臣(水落敏栄君) 先ほど御答弁申し上げましたとおり、組織委員会におきましてはハード面、運営面、情報面といった様々な観点から対策を検討していると承知いたしております。
 具体的には、観客等への事前の情報提供、例えば気象情報、あるいは細かい点では塩が入ったお水を持ってこいとか、あるいは帽子を用意しろとか、あるいは日傘をしっかりと持ってきてくださいとか、そうした情報を提供いたします。そして、会場での注意喚起、林間等の日陰を活用した観客誘導、日陰やテントやミストの設置、救護ボランティアによる巡回や医務室の設置等の対策の検討を進めています。また、組織委員会では、大会開催期間中に想定される熱中症を始め、災害やテロ等の危機事象に関し、それぞれの対応方針等について検討を進めております。
 いずれにいたしましても、先生御指摘の熱中症の重症患者の発生を防止する観点から、アスリートはもちろんのこと、観客やボランティアを始めとするスタッフ等への暑さ対策は大変重要と認識しておりまして、国としても組織委員会と連携し、重症患者や死者が出ることのないよう万全の対策を講じてまいりたいと存じます。
○松沢成文君 環境省が出す外での運動は原則禁止という、三十一より高くなったら、私はオリンピックであろうともこれは中止せざるを得ないと思いますよ。そのまま強行して大変なことになったらどこが、責任取れないわけですから、是非ともここを組織委員会に強く言ってください。そして、そういう暑さ指数がもう真夏ほとんどの日にちで出るような霞ケ関でやるべきでないんです。近くの若洲であるわけですから。そこに会場を変更するように、オリンピック委員会に国の方からも強く申し出ていただきたいというふうに思います。
 最後に、この霞ケ関カンツリー倶楽部は都心部から六十キロ離れているんです。ここに選手を運ぶ、ボランティアを運ぶ、観客も二万人だあっと行くわけですね。これ、どうやって輸送するんでしょうか、選手、関係者、観客を。もし輸送する手段があったらきちっと教えていただきたいし、それに経費はどれだけ掛かるのか。そしてまた、遠隔地でありますから、警備もめちゃくちゃお金が掛かるわけです。東京の湾岸部だったら面的警備ができますけれども、ぽつんと一か所ゴルフ場だけ埼玉県でやりますから、埼玉県警にもお願いして、警備費も物すごく掛かります。
 実は、IOCの副会長のジョン・コーツさんは、東京オリンピック、新聞報道では一兆三千何百億ぐらい掛かると言われていますが、まだまだ経費節減の余地があると言っているんです。その最大のポイントは、ゴルフ会場を変更することです。遠くてお金が掛かる、警備にも本当難しい霞ケ関をやめて選手村のすぐ近くにある若洲でやれば、私の試算では経費十分の一で済みますよ。誰もそこに焦点を当てようとしない。これも私は何か決まった既得権があるんじゃないかなと疑わざるを得ないんですけれども、副大臣、経費どうなっているんでしょうか。
○副大臣(水落敏栄君) 本年五月に、東京都とそして組織委員会、国及び関係自治体が東京大会の役割、経費分担の大枠に合意をしたと承知しております。この大枠合意を踏まえれば、組織委員会が霞ケ関カンツリー倶楽部での運営経費を自らの財源で負担することになります。
 それから、実際、私も本年十月二十五日に実は現地を視察をいたしました。霞ケ関カンツリー倶楽部の関係者や組織委員会の担当者と意見交換を行いましたけれども、次のような可能性も検討しているということでございました。それは、選手村での宿泊が基本でありますけれども、六十キロ離れていますから、会場近辺のホテルを利用することも可能であると。それから、駐車場として会場近辺の公有地、これは県の農業試験場の跡地がありますけれども、これを利用することも可能であると。最寄りの駅のある川越線は単線でございますので、ほかの路線も活用するというふうなことでございました。
 いずれにいたしましても、なるべく早く開催経費をお示しする必要があると承知しておりまして、今後、組織委員会が了解した上で経費はお示しすることになると思います。
○委員長(高階恵美子君) 松沢成文君、時間が参っております。
○松沢成文君 はい。
 今日の新聞には、もう仮設施設の入札が始まるということは、もう経費大体分かっているわけですよね、いろんなところが。でも、それがなかなか出てこない。それでは国会でも都議会でも議論ができないわけですね。是非とも、この経費の問題についてもこれからしっかり議論していきたいと思いますので、早く国の方は経費を出していただきたいというふうに思います。
 どうも済みません、時間超過しまして。ありがとうございました。
○委員長(高階恵美子君) 本日の調査はこの程度にとどめます。
 暫時休憩いたします。
   午後三時三十三分休憩
     ─────・─────
   午後三時三十七分開会
○委員長(高階恵美子君) ただいまから文教科学委員会を再開いたします。
 連合審査会に関する件についてお諮りいたします。
 国家戦略特区における学部新設に関する件について、内閣委員会からの連合審査会開会の申入れを受諾することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(高階恵美子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、連合審査会開会の日時につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(高階恵美子君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
    ─────────────
○委員長(高階恵美子君) 次に、連合審査会における政府参考人の出席要求に関する件及び参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 国家戦略特区における学部新設に関する件の調査のための連合審査会に政府参考人及び参考人の出席要求があった場合には、その取扱いを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(高階恵美子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時三十八分散会