第196回国会 農林水産委員会 第10号
平成三十年四月十日(火曜日)
   午前十時開会
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   委員の異動
 四月九日
    辞任         補欠選任
     平野 達男君     森 まさこ君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         岩井 茂樹君
    理 事
                中泉 松司君
                舞立 昇治君
                舟山 康江君
                紙  智子君
    委 員
                礒崎 陽輔君
                上月 良祐君
                進藤金日子君
                野村 哲郎君
                藤木 眞也君
                森 まさこ君
                山田 俊男君
                小川 勝也君
                田名部匡代君
                徳永 エリ君
                谷合 正明君
                横山 信一君
                儀間 光男君
                森 ゆうこ君
                川田 龍平君
   国務大臣
       農林水産大臣   齋藤  健君
   副大臣
       復興副大臣    浜田 昌良君
       農林水産副大臣  谷合 正明君
   大臣政務官
       農林水産大臣政
       務官       上月 良祐君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        大川 昭隆君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       原  邦彰君
       内閣府政策統括
       官        日下 正周君
       内閣府地方創生
       推進事務局審議
       官        村上 敬亮君
       消費者庁審議官  橋本 次郎君
       外務大臣官房参
       事官       林  禎二君
       財務省理財局次
       長        富山 一成君
       文部科学大臣官
       房審議官     瀧本  寛君
       厚生労働大臣官
       房生活衛生・食
       品安全審議官   宇都宮 啓君
       厚生労働大臣官
       房審議官     吉永 和生君
       農林水産大臣官
       房長       水田 正和君
       農林水産大臣官
       房総括審議官   横山  紳君
       農林水産大臣官
       房政策立案総括
       審議官      塩川 白良君
       農林水産省消費
       ・安全局長    池田 一樹君
       農林水産省食料
       産業局長     井上 宏司君
       農林水産省生産
       局長       枝元 真徹君
       農林水産省経営
       局長       大澤  誠君
       農林水産省農村
       振興局長     荒川  隆君
       農林水産省農林
       水産技術会議事
       務局長      別所 智博君
       水産庁長官    長谷 成人君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○農林水産に関する調査
 (日米経済対話等の通商交渉に関する件)
 (食品の安全性に関する件)
 (国家戦略特別区域における獣医学部の新設に
 関する件)
 (沖縄における畜産振興に関する件)
 (農林水産分野における外国人材の活用に関す
 る件)
 (東日本大震災からの農業の復興支援に関する
 件)
○農業経営基盤強化促進法等の一部を改正する法
 律案(内閣提出、衆議院送付)
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○委員長(岩井茂樹君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、平野達男君が委員を辞任され、その補欠として森まさこ君が選任されました。
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○委員長(岩井茂樹君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 農林水産に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣審議官原邦彰君外十八名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岩井茂樹君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(岩井茂樹君) 農林水産に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○森まさこ君 自民党の森まさこでございます。
 本日、農林水産委員会で質問の機会をいただきまして、委員長始め理事、委員の皆様に感謝をいたします。
 本日は、福島県の農業の復興に向けた課題について伺いたいと思います。
 まずは、土地改良事業について伺いたいと思います。
 福島県には、国営総合農地開発事業が完了した母畑地区土地改良区、雄国山麓土地改良区、郡山市東部土地改良区、矢吹西部土地改良区という四つの土地改良区がございます。これらの土地改良区で行われた国営事業は、完了までに二十年、三十年という非常に長い期間を要しました。この間に社会経済情勢は大きく変化し、農業を取り巻く環境についても、農産物の輸入自由化、需要動向による価格低迷などがあり、これらに起因して営農意欲の低下や担い手の高齢化、後継者不足等の問題が起きるなど、大きく変化をしております。また、これらの土地改良区においては、組合員が高齢化等によって耕作を行うことが難しくなった場合には、所有農地を貸し出し、その借地料を収入源として国営事業の償還金を納入してきたケースもあると聞いています。
 しかし、ここからなんです。東日本大震災の発生以降、原発事故に伴う風評被害によって福島県産の農産物が売れなくなってしまったことで、貸し出していた農地が返還されるという事態が起きてしまい、新たな借り手が見付からない農家は借地料収入が途絶えてしまい、償還金の支払が難しくなっています。もちろん、自ら農業を行う農家、これについても、風評被害によって農作物が売れず、売れても低い価格で取引されてしまうことから、その経営は非常に困難な状況に置かれております。これらの土地改良区においては、償還金の支払が非常に厳しい状況になっているんです。
 このような農業者に対する救済措置として、どのようなものがあり、福島県のこれら四つの国営土地改良区に対してどのような対策が行われているのでしょうか。また、元金に対する支援はできないものでしょうか、農林水産省に伺います。
○政府参考人(荒川隆君) お答え申し上げます。
 今先生からお話ございました福島県内におきます国営農地開発事業の関係でございます。
 先生御指摘ございましたように、雄国山麓、矢吹、母畑、郡山東部と、四地区で事業をやっていただきまして、いずれも昭和の四十年代から平成の十年代初めぐらいまでの間に事業は完了しておるところでございまして、今償還をやっていただいているところでございます。
 国営農地開発事業を始めといたします農業基盤整備に当たりまして、担い手の育成を図り、農業の成長産業化を実現していくという上で、農家の基盤整備の負担を軽減していくというのは大変重要な課題だと認識しております。
 今先生からお話ございました福島県内の地区におきましては、様々な負担軽減対策を実施してきたところでございますが、償還期間を十五年から二十五年に延長しまして、まず年ごとの償還額を低減をするという取組、それから、償還利息が掛かるわけでございますけれども、この償還利息相当額の六分の五に当たる部分を助成をする、実質的に六分の一まで利息を軽減するというような取組、さらにその上で、まだ年償還額が大きい地区にあってはピーク時の年償還額の六割程度まで抑えるということで、その出っ張った部分につきまして金融機関から借入れを行って後年度に繰り延べていただく、その際に必要になる利息は全額を助成するといったような取組を国としては進めてきたところでございます。
 また、県なり市町村におかれましても、農家負担金に対する独自の利子助成などを行っていると承知をしておりまして、これからもこの農家負担の軽減にしっかり取り組んでまいりたいと思っておるところでございます。
 なお、元金につきましては、財政法の規定がございまして、国の債権減免についてはかなりハードルが高うございまして、私ども今まで、先ほど申しました償還の延長ですとか、利息の実質的な繰延べに係る利息の全額助成といったようなことで取り組ませていただいておりますが、地域の実態に応じて地方公共団体で様々な取組は行われているというふうに承知をしております。
○森まさこ君 今説明があった支援策というのは全国的に行われているものですね。私の質問は、東京電力の原発事故によって風評被害が起きている、その風評被害というのは、農家の皆様にこそ一番辛い、重い負担を強いているんです。ここに関して特別な支援策がないのかとお聞きしているんです。いかがですか。
○政府参考人(荒川隆君) お答え申し上げます。
 いわゆる自然災害とかそういった災害被災地に関連します土地改良負担金の償還助成ということにつきましては、自然災害があって営農ができなくなって、災害復旧事業をやっていく中でその間営農ができないといったような特別な事情にございます災害被災地向けの償還助成事業というのはやっておるわけでございますが、今先生御質問ございました東電の原発事故に係る風評被害につきましては、これは政府全体としてはいろんな取組をしておるわけでございますけれども、一義的には風評被害相当額というのは東電が賠償されるというようなことになっておると認識をしておりますので、私、冒頭申し上げました災害被災地向けの土地改良負担金償還助成事業は、申し訳ございませんが、適用にならないということでございます。
○森まさこ君 ということなのでございます。
 私、何回も農水省の方に来ていただいて、一生懸命勉強させていただいたんですが、この土地改良区の償還金について、利息、それから元金の一定程度の繰り延ばしというんですか延期、そして災害の場合の支援と、五つの支援対策があるということで御説明をいただきました。しかし、どれも今言った四つの土地改良区には当てはまらないんですね。
 農水省の方がレクのときにおっしゃいました。森先生、災害被災地に対する償還金対策があるんです、そしてそれをこの四つの土地改良区の方にもお示ししたんです、そうしたら東日本大震災の直後にはそれは使わないということだったんです、おっしゃいました。しかし、風評被害というのは直後に来たんじゃないんです。今が一番きついんです。
 この災害被災地に関する償還金は、津波や地震などで農地に直接的な被害があった農家に対するそれを念頭に置いているんだと思います。また、それ以外のいろんな冷害等の自然災害あると思いますが。しかし、風評被害というのはまたそれとは別なんです。そのことを念頭にお考えいただきたいんですけれども、農水省の方が、この土地改良区の支援策というのはそのときの情勢に応じて新しいものも次々とつくられてきたという、そういう経緯もあると言いました。
 ですから、この風評被害ということを念頭に置いて、これに関して何とか工夫して助けることができないものでしょうか、御答弁願います。
○政府参考人(荒川隆君) お答え申し上げます。
 最初の先生の御質問に対しまして、私お答え申し上げました、償還期限を十五年から二十五年に延長してやる対策ですとか、それから償還利息の六分の五を助成して実質的に六分の一まで圧縮するという助成策、それから三つ目に申し上げました、ピーク時の出っ張り部分を後年度に倒して、そのときに必要になります利息相当額を全額助成するという対策は、今般の東日本大震災の後ではございませんけれども、既にこの四地区におかれましても、平成の十年代の手前、十年代前半ぐらいから償還が始まっておる、平成の最初の四年、五年、九年から始まっておるところもあるわけですけれども、そういう償還が開始されてから、今私が申し上げました三つの取組については国営農地開発事業地区で既に実施をして適用されておるところでございます。
 一方、今般の東日本大震災後の風評被害につきましては、二つ目の御質問のときに、先ほど申し上げました、繰り返しになりますけれども、やはり風評被害というのは誰がどういうふうに対応すべきかという意味では、原発の当事者でございます東京電力がその賠償をするという建前になっておりますので、そこから償還をしていただくというのが筋だろうということで、現在準備をいたしております災害被災地土地改良負担金償還助成事業の対象にはなかなかなりにくいということで御理解を賜れればと思います。
○森まさこ君 今、聞き捨てならない御答弁がございましたね。一義的に、それ損害賠償、東電がするんだと思いますが、土地改良区の償還金までは賠償しておりませんよ。それに、風評被害については東電に言ってくださいと今御答弁がございましたけど、風評被害対策は政府全体としてやっているはずです。今やっていることが効果が出ていないから、しかも土地改良区については今のような特別な事情があるから、新しい制度を、支援策を考えていただけませんかというのが私の質問です。
 後で政務官にこの点も含めて御答弁いただきたいと思いますが、償還金について今非常に難しいやり取りがありました。何回も私の部屋でもやったことと同じことを繰り返し答弁なさっておりますけれど、そうであれば、一定の農地をほかのことに利用して収益を上げることができないかと土地改良区の皆様も言っているんですよ。
 ある土地改良区では、例えば高齢者施設と子供の施設が一体化したような福祉施設を造ることを検討していると。福祉施設を建設することが可能となれば、高齢者に対しては、雑草の駆除など農地において働く場を提供することができます。子供に対しては、身近に農地があり、農作物の育つ様子を見ることや農作業体験を行うことを通じて農業への意識を向上させる効果も期待できます。また、子供が農業に親しむことによる住民の農業に対する理解も高まると考えられます。
 高齢者が子供と一緒に過ごすことでまた良い効果も期待できる、そして子供にとっては高齢者と過ごすことで思いやりの心などを育むことも期待されるという、そういう公共性の高い福祉施設を造るために農地を転用することが可能でしょうか、御答弁ください。
○政府参考人(荒川隆君) お答え申し上げます。
 農業振興地域制度というものがございまして、優良農地の確保の観点からいろいろな規制を掛けております。そういうことで、国営土地改良事業など公共投資が行われました農地については、原則としてその農用地区域ということに指定をされまして転用が禁止されておるわけでございます。
 したがって、転用の議論をする場合には、この農用地区域からの除外ということが課題になるわけでございますが、農用地区域からの除外につきましては、土地改良事業、八年を経過しているかどうかといったようなことが一つのメルクマールになるわけでございます。
 一方、その除外がされた後におきましても、実際のその一筆一筆の農地が転用可能かどうかというのは農地転用許可制度の方での判断になります。農地の優良性ですとか周辺の土地利用状況などによりまして農地を区分しまして、できるだけ転用を農業上の利用に支障が生じないような農地に誘導していくということで、一種農地、二種農地、三種農地といったような場合、農地の区分けをしてやっておるところでございます。
 一般的に申し上げますと、土地改良事業が行われましたような優良農地につきましては一種農地に該当することと考えられますので、なかなか難しいんでございますが、今先生が御指摘されましたような非常に公益性が高い事業に利用する場合には例外的な許可が可能だという規定もございます。個別の案件につきましては判断権者でございます市町村なり都道府県が判断をしていくことになりますけれども、高齢者ですとか子供向けの福祉施設につきましては、社会福祉法に基づきます社会福祉事業の用に供する施設などでございますれば一種農地でございましても許可可能という規定もございますので、具体的な取扱いについてまずは市町村なり都道府県とよく御相談をしていくことが必要かなと考えておるところでございます。
○森まさこ君 農地転用について一般的な御答弁をいただきました。
 私、実は弁護士なんですが、弁護士になるために、司法修習制度というのがございまして、弁護士さんのところで研修をするんです。そのとき、埼玉県の農協の顧問弁護士さんのところでずっと研修をしておりまして、この農地の転用、様々な問題について研修をさせていただきましたので、農地の転用、非常に難しい、それは農地を守っていくため、その趣旨もよく理解しております。そして、一種、二種、三種とあるうちで土地改良区が一種だということもよく分かっています。しかし、先ほど来説明してあるような特別な事情がございます。先ほどの災害の支援策があるといっても、四つの土地改良区、福島県内の、浜通りじゃないんですよ、中通りと会津地方にある、風評被害が特に厳しい地域です。その中で農業者の皆様が歯を食いしばって農地を守っている。その御本人たちが何とかこの風評被害に耐え忍んで前に進んでいくためにも、一部、農地の一部をですね、それ、ど真ん中に造るというのではなくて端の方に造ることができないか、そういう御意見を言っているわけなんでございます。
 そこで、次の質問ですけれども、国営の土地改良事業が行われた農地でも転用された事例はあると伺っています。この事例、どのようなものがあるのか、御説明ください。
○政府参考人(荒川隆君) お答え申し上げます。
 今先生から御質問ございました国営土地改良事業が実施された地区内の農地が転用された事例といたしましては、幾つか私ども承知をいたしております。平成二十六年に新潟県小千谷市で平成七年度に完了した国営かんがい排水事業、信濃川左岸二期地区の受益地内の農地につきまして総合病院に転用された事例ですとか、それから平成二十一年に岡山県笠岡市で平成元年度に完了した国営干拓事業、笠岡湾干拓地区の受益地内の農地が道の駅に転用された事例を承知をいたしております。
 先ほど先生御質問ございましたような高齢者なり子供向けの福祉施設というものにつきましても、先ほどの繰り返しになりますが、社会福祉事業に要する施設であれば転用の可能性ございますので、個別の案件につきましてよく御相談をさせていただきたいと考えておるところでございます。
○森まさこ君 分かりました。よろしくお願いします。
 次の質問に移りたいと思いますけれども、ある村ですね、福島県の中の小さな村なんですけれども、高齢化が非常に進んでおります。そこで、若い四十代の農業者の方が高齢者の皆様からの御要請を受けて中心的に地域の稲作を担っていくということで、経営規模の拡大、農業経営の効率化に向けて、農水省の事業、経営体育成支援事業、これを活用して農業機械を導入したいと考えたところ、要件に適合しませんということで断念をし、自己資金で二千五百万円、農業機械を買ったという話を聞きました。そこで、私の方で調べましたところ、要件には実は合致していたということが分かったんです。何という残念なことでしょうと思います。
 この経営体育成支援事業、平成三十五年までに全農地面積の八割となるよう農地集積を推進することを政策目標として掲げる状況において、人・農地プランの作成や農地中間管理機構による賃借権の設定を要件とするということでございますが、この要件に合致するような指導、それから、そういうまさにそれを必要とするような地方の小さな地域のところに農水省は実態を伺いに行って、そして村役場の皆様にもちゃんとその補助金の内容を理解していただいて農業者の皆様に伝わるような、そういう工夫をなさっていないんでしょうか、質問いたします。
○政府参考人(大澤誠君) 先生御指摘の経営体育成支援事業につきましては、先生のお話のとおり、必ずしも農地中間管理機構からの賃借権の設定を要件にしているわけではありませんで、むしろ地域内の話合いに基づいて地域の将来を決める人・農地プランに位置付けられた中心経営体というのが第一の要件でございます。又は、そういうものがなくても、中間管理機構から賃借権の設定を受ければそれも対象になるという形でございまして、むしろ人・農地プランが要件の中心になる事業でございます。
 それで、先生の御指摘を受けまして我々も少し調べてみましたところ、確かに県の方で要件に合致しないという判断が下されたようですが、実はこの村、先生御指摘の村は、人・農地プランは作成しているということを我々一応昨日確認をいたしておりまして、どういうところで合致しなかったのかというのは今調査しているところでございます。
 我々も事業については担当者の会議等々で県等に周知徹底しているところでございますが、どうも県独自の判断であった可能性もありまして、原因については追求しているところでございますし、これを機に更に要件の丁寧な説明に努めてまいりたいというふうに考えてございます。
○森まさこ君 農業者にとっていい政策を幾ら講じても、実際に活用する現場まで伝わっていなければ意味がないと思います。市町村、特に規模が大きくない自治体では農政を担当する部署に多くの人員を確保できるわけでもございませんし、定期的に人事異動もあるので、新しいこういった事業について担当者が必ずしも制度に精通しているわけではないと思います。
 農水省では、平成二十七年十月から地方農政局長直属の地方参事官を各都道府県に設置して現場の声を吸い上げているということでございます。福島県にも地方参事官がいるそうでございます。しかし、この村には行ったことがないということでございます。
 これから、上月政務官、お伺いしますけれども、国と自治体と生産者の連携についてどのような方向で取り組んでいかれるのか、御答弁願います。
○大臣政務官(上月良祐君) 今御指摘があったような、本来補助対象に当たる者がすくえなかった、拾えなかったということは、もう本当に痛恨の極み、本当にあってはいけないことだと思っております。それがなぜ起こったのかということは、もう一度ちゃんと今回の件はよく調べて、私自身もきちんと調べたいと思っております。
 その上で、基本的にまず国と自治体というのがありますから、県と市町村というものがありますから、小さくても大きくても市町村は市町村でございまして、きちんとその機能をまず果たしていただけるように、県あるいは県を通じて市町村、そういったことの本来あるその機能をきちんと動くように、動いていただけるようにお伝えをしていくということがまず一義にあるというふうに思っております。
 もちろん、地方参事官が配置されておりますので、その地方参事官ができる限り管内をくまなく回って、地方参事官にはスタッフも平均すると二十名ぐらいおりますので、地方参事官プラスそのスタッフが農林漁業者に直接、あるいは関連事業者に直接、自治体にも行って関係団体にも回るということを徹底するということは大変重要であると思います。それは徹底させて行かせていただきたいと思っておりますけれども、地方参事官が全部回れるわけではありませんので、本来のやっぱり自治体の機能、住民に一番近い自治体としてある市町村がしっかりその本分を果たせるように、その機能をしっかりちゃんとお伝えをしていくということがまずは重要であろうというふうに思っております。
 その上で、市町村から県に聞きやすい雰囲気、市町村や県から地方参事官なりそのスタッフに聞きやすい雰囲気、何かあったら、分からないことはいっぱいあると思います。特に四月の人事異動の直後とかは難しいです。そういったところにしっかり聞いていただけるような、そういうふうな関係づくりもしていきたいと思っております。
○森まさこ君 よろしくお願いします。
 風評被害について最後に大臣にお伺いしたいと思いますけれども、消費者庁の風評被害に関する消費者意識の実態調査、これ、私が大臣のときに設置をさせていただき、毎年行っておりますが、いまだに被災地産の食品の購入をためらう消費者、一定程度存在しており、特に福島県の食品については一二・七%と高い割合になっています。また、農水省の調査によると、福島県産農産物は、米、牛肉等を始めとして全体として震災前の価格水準まで回復しておらず、桃は全国平均との価格差が震災前に比べて大幅に拡大しています。また、小売業者において、特に米、牛肉や高価格帯贈答用の桃では福島県産の取扱いが十分に回復しておりません。
 そのように、福島県において風評被害、農業、農産物に対する風評被害というのはまだまだ回復しておらず、深刻な状況にあります。先ほどの土地改良区の支援策についてもしかり、今回の経営体育成支援事業についても、苦しんでいる農家のところまで行き渡っておりません。
 今回、答弁していただこうと思ったら、農水省には復興担当という政務がないんですね。経産省には復興担当政務官います。環境省にも復興担当政務官います。全体、全員がやっていますから全員に聞いてくださいということで、薄まっちゃうんです。
 是非、大臣、リーダーシップを取っていただいて、被災地の農業、一番厳しい状態にある今、風評被害が一番ピークに達している今、是非復興庁と連携して様々な政策進めていただきたいと思います。答弁をお願いします。
○国務大臣(齋藤健君) 今、森まさこ委員御指摘のように、福島県産農林水産物の価格がまだ震災前の水準まで回復していない状況でありますので、風評の払拭というのは大変重要な課題だと認識しておりますし、今日の委員の御質問を拝聴しながら、この風評の問題の広がりと深さというものを改めて実感をしたところであります。
 御案内のように、昨年五月に福島復興再生特別措置法を改正いたしまして、この販売等の実態調査ですとか当該調査に基づく指導、助言等の措置を講ずるということが法律で定められました。したがって、昨年度から、生産から流通、販売に至るまでの総合的な支援というものを始めているところであります。
 それから、復興大臣の下に関係省庁から成るタスクフォースで、昨年十二月に風評払拭・リスクコミュニケーション強化戦略、これを決定いたしました。これに基づいて、流通事業者や消費者に対して福島県産の食品の安全性や魅力に関する情報を幅広く発信をしていくということとしています。
 一朝一夕ですぐ改善するという話ではないわけでありますけれども、あらゆる機会を通じて復興庁とも連携を取りながら対策を強化をしていきたいと思っておりますし、実態調査についてもブラッシュアップをしていきたいと思っていますし、さらに、参事官についても、先ほどちょっと風評と違う話だったかもしれませんが、そういうせっかくの支援が使われないと、知らないことによって使われないというのは私どもにとっても大変遺憾な話でありますので、なぜこういうことが起こったかというのを調べた上で、何が改善できるかを考えていきたいと思っていますし、また、政務の担当についてはちょっと検討をさせていただきたいと思っています。
○森まさこ君 是非よろしくお願いします。
 質問を終わります。ありがとうございました。
○徳永エリ君 皆さん、おはようございます。民進党・新緑風会の徳永エリでございます。
 質問に入らせていただきます前に、まず齋藤大臣に御意見をお伺いしたいと思います。
 昨日の参議院の決算委員会で、森友学園はごみの撤去作業に関することで口裏合わせ、そして加計学園は今治市教委による学校説明会への保護者の動員、そのほか様々今日新聞に記事が掲載されておりますけれども、役所の中では収まらずに、この問題、様々な点で広がっていっているということが改めて明らかになりました。あってはならないことであります。何が起きたかということよりも、どうしてこういうことが起きたのかというところが本当に問題だと思います。
 大臣、御存じだと思いますけれども、北海道でも、昨年の十月、ニセコ町立ニセコ高校で北海道大学の教授がエネルギーについて講演をした際に、経済産業省北海道経済産業局の幹部らが、原発の問題点を指摘する記述の変更を事前に求めていたということが分かりました。ニセコ高校は経済産業省資源エネルギー庁が助成する公益法人からエネルギー教育モデル校に選ばれていて、講演はその一環だったんですね。講師が作成した原発コストの高さを説明する資料に対して、これは一つの見方で、違う計算を出しているところもあるとか、あとは、東京電力福島第一原発の水素爆発時の写真を掲載した資料に関しては印象操作だというふうに変更を迫ったということであります。世耕大臣は公平に伝える観点から指摘を行ったとおっしゃっているようですが、真実を圧力でねじ曲げるということのどこが公平なんでしょうか。
 大臣は経産省御出身でおられますので、御意見を伺いたいと思います。
○国務大臣(齋藤健君) いろんなケースが御指摘があったと思うんですけれども、一つ一つについてなぜそういうことが起こったかということは、それぞれきちんと事実関係確認しないと私も無責任なことは申し上げられないわけでありますが、ただ、いずれにしても、そのように行政が言論の自由を侵害をするような行為を行うということはやはりあってはならないことであると、当然そのように思っているところではございます。
○徳永エリ君 なぜこんなことが起きたのかということですけれども、やはり、一強体制、権力の圧力ということと安倍政権の体質に問題があるんだと思います。ここはやっぱり与野党ののりを越えてしっかりと対応していかなければいけないと思いますので、是非とも与党の先生にもじっくりと考えていただきますようによろしくお願い申し上げたいと思います。
 さて、TPPや日EU・EPAを見据えてか、米国の要求に屈してか、知らないうちにいろんな基準や規制が緩和されております。制度がゆがめられています。また、利益優先という中で食の安全が果たして守られていくのか、大変心配な状況であります。
 今日は、まず、国産や輸入の鳥肉から抗生物質、抗菌剤が効かない薬剤耐性菌が検出されたという問題について伺いたいと思います。
 厚生労働省の研究班が二〇一五年から一七年度にかけて国内産やブラジルなどから輸入された鳥肉を調査したところ、全体の四九%からESBL産生菌、AmpC産生菌という耐性菌を検出。全体の内訳は、国産の鳥肉からは五九%が検出され、そして輸入の鳥肉からは三四%が検出されたということであります。健康な人が食べても問題はないということでありますけれども、この耐性菌は肺炎などの感染症治療に広く使われている第三世代のセファロスポリン薬がほとんど効かないということでありますので、大変に心配であります。
 なぜこのようなことが起きたのか、耐性菌が鳥肉から検出されたのか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(宇都宮啓君) お答えいたします。
 今回の御指摘の研究でございますけれども、厚生労働科学研究の研究者が平成二十七年度から二十九年まで実施した研究におきまして、国産及び輸入鶏肉の腸内細菌科菌の薬剤耐性状況について調査したものでございます。
 その結果、御指摘のように、抗生物質を分解する酵素であるESBLやAmpCを産生し、人の医療分野で問題とされている多剤耐性菌であるESBL産生菌やAmpC産生菌を、国産鶏肉の三百二十検体の五九%である百八十九検体、輸入鶏肉の二百二十五検体の三四%である七十七検体から検出したということでございます。
 一般に、人や動物の体内や環境中には様々な細菌が存在してございますけれども、これらの中には抗菌剤の効かない薬剤耐性菌も一部存在しているところでございまして、抗菌剤のかような使用により抗菌剤の効かない薬剤耐性菌のみが生存、増殖すると考えられているところでございます。また、食鳥処理工程においても、耐性菌を持つ鳥肉から他の鳥肉への交差汚染等の可能性も考えられるということでございまして、そういった理由で耐性菌が検出されたものと考えているところでございます。
○徳永エリ君 家禽に与える飼料の中にこの薬剤耐性菌が入っていると。これは、短期間で成長を促進させるためということでありますけれども。
 近年、鳥肉の消費量が増加しています。平成二十四年には、長年不動の一位であった豚肉を抜いて、日本で最も食べられているのは鳥肉となっています。平成二十八年の鳥肉の生産量は、過去最高の百五十五万トンとなっているんです。中でも最近は、コンビニで売っているサラダチキン、皆さん御案内だと思いますけれども、非常にヘルシーなイメージと、手軽に動物性たんぱく質を取れるということで、高齢者の方にも若い人にも大変に人気なんですね。非常に需要が高まっているという中で、その需要に応えるためにこの成長を促進させる飼料添加物として使用しているということが背景にあり、大変に問題なのではないかというふうに思っております。
 この調査結果を受けて、厚生労働省としては今後どのような対応をしていくのか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(宇都宮啓君) お答えいたします。
 平成二十八年の四月に国際的に脅威となる感染症対策関係閣僚会議が作成いたしました薬剤耐性対策アクションプランにおきまして、食品中の薬剤耐性に関する動向調査、監視体制の確立に向けた調査研究の実施に関係省庁が取り組むこととされているところでございます。
 このため、厚生労働省におきましては、引き続き、厚生労働科学研究によりまして、食品中の薬剤耐性菌の状況の調査、人への伝達過程の研究等を実施することとしているところでございます。また、今回の研究の調査結果につきましては、動物用抗菌性物質の使用による薬剤耐性の食品を介した人への健康影響に関するリスク評価を行ってございます食品安全委員会及び畜産現場でのリスク管理を行ってございます農林水産省に対しましてこの結果を通知することとしてございまして、今後も関係省庁間で連携して薬剤耐性対策を推進してまいりたいと考えているところでございます。
○徳永エリ君 飼料に添加されているということが問題だということでありますけれども、今の厚生労働省からのお話もありましたが、農林水産省としてはこの問題をどう対応していくんでしょうか、お答えください。
○国務大臣(齋藤健君) 今御説明ありましたけど、一般に、人や動物の体内や環境中には様々な細菌が無数に生息しておりまして、その中には抗菌剤の効きが悪いですとかあるいは効かない、御指摘のその薬剤耐性菌も存在をしておりまして、これが増加すると他の人や動物への感染や発病リスクが高くなると。
 このため、薬剤耐性菌が今後増加して人や動物の健康に影響を与えないよう、今厚生労働省から答弁ありましたが、我が国では平成二十八年四月に薬剤耐性対策アクションプランを決定し、政府全体で薬剤耐性対策を推進している、ここに農林省は当然のことながら参画をさせていただいております。
 それで、農林省におきましては、動物用の抗菌剤につきましては食品安全委員会のリスク評価を踏まえて対策を講じております。例えば、食品安全委員会が人の医療に悪影響を及ぼすおそれがあると評価したものは家畜用にもその飼料添加物を使ってはいけないということで指定を取り消すなどの必要な対策を実施しているところでありまして、引き続き、関係府省と連携しながらこのアクションプランに基づく対策を農林省としてもしっかり推進をしていきたいと考えております。
○徳永エリ君 厚生労働省としっかり連携していただいて、現場に周知徹底していただいて、消費者の不安を是非とも取り除いていただきたいということをお願いを申し上げたいと思います。
 続いては、皆さんのお手元に資料を配付しておりますけれども、残留農薬の基準値が引き上げられたことについてお伺いをしたいと思います。
 昨年の十二月二十五日、検疫所長宛てに発出された大臣官房生活衛生・食品安全審議官通達で残留農薬の基準値が引き上げられたことであります。今、テレビでも宣伝をしておりまして一番ポピュラーな除草剤、モンサントのラウンドアップ、ホームセンターに行っても今山積みしてありますけれども、この主成分であるグリホサートに注目してお伺いをしたいと思いますが、このグリホサートの残留農薬の基準値、品目によっては引き下げられたものもありますが、資料、お配りしたのを御覧いただきたいと思いますけれども、穀物では軒並み引き上げられているんですね。
 これ、なぜ大幅に引き上げられたのかということからまず御説明をいただきたいと思います。
○政府参考人(宇都宮啓君) お答えいたします。
 食品中の農薬の残留基準につきましては、基準設定の要請等に基づいて、食品安全委員会の食品健康影響評価の結果等の科学的な知見を踏まえまして、薬事・食品衛生審議会での専門家の意見を伺った上で、人の健康を損なうおそれのないように設定しているところでございます。残留基準の設定に関しましては、国際基準が設定されている農作物には、人の健康を損なうおそれのないことが確認された場合に取り入れることとしてございます。
 御指摘の平成二十九年十二月に残留基準値が告知されました十品目の農薬のうち、グリホサートにつきましては、小麦、大麦、ライ麦等の穀類につきまして従来の基準値より高い国際基準が設定されたということでございます。他の農薬と同様に国際基準を取り入れた場合に食品に残留するグリホサートの推定暴露量を算定いたしましたところ、人の健康を損なうおそれはないと考えられる食品安全委員会が設定いたしましたADI、一日摂取許容量でございますけれども、その八〇%を下回っているということが確認されたということでございます。このため、小麦、大麦等につきまして、国際基準を取り入れて残留基準値を引き上げたということでございます。
○徳永エリ君 これから、TPP、日EU・EPAで海外からいろんな農作物や食品が入ってくるわけで、中には米国から入ってくるものもあるわけでありますから、そういったときの検疫のことも踏まえて恐らく基準の見直しが行われているんではないかというふうに推測をいたしますけれども、皆さんにお配りした資料、白丸は平成二十九年、昨年の十二月二十五日に適用となっております。そして、黒丸は平成三十年、今年の六月二十五日に適用となる。規制の緩和と、黒丸は規制の強化ということであります。
 これを見ていて思うのは、これ米と大豆が据置きになっているんですね。ほかのものは引き上げられているのに、なぜ米と大豆が据置きになっているのかと。これ、日本人の主食、大量に取るという部分もあるのかと思いますが、この辺りの御説明をいただきたいと思いますが。
○政府参考人(宇都宮啓君) お答えいたします。
 グリホサートの小麦、大麦、ライ麦等の基準値につきましては、先ほど申し上げましたように国際基準が設定されているということで、それを基に残留基準値を引き上げたということでございます。
 一方で、グリホサートの米の基準値につきましては、改定前の基準設定時から我が国におきまして使用方法の変更あるいは新たなデータもないということでございます。また、大豆の基準値につきましては、既に国際基準に適合した基準となっているということでございまして、また、基準値を超えて残留するデータもなかったということで、基準値の見直しは行わなかったということでございます。
○徳永エリ君 分かるような分からないような御説明でございましたけれども、とにかく、今日はグリホサートに焦点を当てましたが、昨年十二月二十五日の検疫所長宛てのこの大臣官房生活衛生・食品安全審議官通達、是非とも皆さんもじっくりと御覧いただきたいというふうに思います。
 私、これ農家から言われたんですよ。知っていますか、残留農薬の基準値引き上げられたんですよって。農家に言われて初めて分かって、問合せをさせていただいたという状況であります。恐らく、これ、報道もされていなかったんじゃないかと思います。しっかりとこういう大事なことは、消費者の方々、あるいは農業に関わる方は直接農薬を扱っているわけですから、現場にもしっかりと伝えていただきたいということをお願い申し上げたいと思います。
 収穫前にラウンドアップを掛けるプレハーベストを行えば、収穫を簡単にしたり収穫期を早めたり収量を増やしたりできるということで、ラウンドアップの日本の販売会社である日産化学工業が収穫前にラウンドアップをまくように勧めているということであります。これ、発がん性があり、内分泌攪乱物質によって生殖機能に影響を与える可能性が大きいと世界的には禁止に向けて動いているわけであります。EUも、グリホサート禁止の動きが本格化していたのに、モンサントやバイエルのロビー活動の結果、五年間使用期限を延長したということでありますけれども、その後ますます禁止すべきだという声が高まっているということであります。
 先週も小川委員から、食の安全、安心という観点から食品添加物の話がありました。未来を生きる子供たちのために、こういった危険なものを排除していくというのが私たちの責任ではないかと思います。ましてや、一部の企業の利益のために国民の健康や命、これを犠牲にするということは絶対にあってはならないと思います。
 特に、防除で直接農薬を扱っている農家の方にも、最近、私、北海道の農家を回っていると、原因不明の病気になっている方が結構いるんですね。何らかの影響がないとは私、否定できないと思うんですね。こういう方々の健康も心配ですので、農林水産省としても厚生労働省と連携を取って、世界の国々の動向、特にEUの動向、ここをしっかり見ていただいて、安心、安全な農作物を消費者に提供するために御尽力をいただきたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(齋藤健君) 委員御指摘のとおりだと思います。
 私も、そういう意味では専門家ではありませんので、食品安全委員会の方できちんとしたチェックをしていただくということが重要だと思っております。そういう意味で、食品安全委員会は農水省からも独立した組織ということで位置付けられておりますので、食品安全委員会の専門的知見をきっちり踏まえて私ども対応していきたいというふうに考えております。
○徳永エリ君 是非ともしっかりお願い申し上げたいと思います。本当にこれから海外からどういうものが入ってくるか分かりませんし、使えば使うほどやっぱり耐性が付いて、もっともっと強いものを使わなければいけなくなってしまうんですね。本当に健康に大きな影響があるということが心配されますので、是非ともしっかりと御対応をお願い申し上げたいと思います。
 次に、これ、もう北海道の生産者が大変に心配しています。ジャガイモの輸入についてお伺いをしたいと思います。
 昨年の九月の十二日、政府は十一年ぶりにジャガイモの輸入を、禁止していたんですけれども、米国のアイダホ州産の加工生鮮バレイショの輸入を解禁したんですね。
 まず、これまでなぜアイダホ産のバレイショの輸入を禁止していたのか、そして今回どうして突然解禁に至ったのか、その経緯について御説明をいただきたいと思います。
○政府参考人(池田一樹君) お答えいたします。
 米国のアイダホ州産ポテトチップ加工用バレイショについての御質問ですが、これにつきましては、二〇〇六年二月でございますが、アイダホ州を含みます米国の十四州からポテトチップ加工用バレイショの輸入を解禁をいたしました。その後、同年四月、二〇〇六年四月にアイダホ州でジャガイモシロシストセンチュウの発生が確認されたということでございまして、一旦全ての州からの輸入を停止をいたしました。アイダホ州を除く十三州につきましては、改めて発生がないことが確認されたため、二〇〇七年の二月、アイダホ州以外の十三州から輸入を再開をしております。その後、二〇〇七年十一月ですが、米国からアイダホ州からの輸入再開の要請が出されまして、その後約十年間、検疫協議を行ってきたところでございます。
 この間に、アイダホ州における土壌調査などで、ジャガイモシロシストセンチュウの発生が確認された二郡以外では本センチュウは発生していないということや、この二郡ではバレイショの移動制限などの防除措置が行われているということを確認をいたしまして、また、昨年六月ですが、農林水産省の専門家、現地に赴きまして、これらの措置が適切にとられているということを確認をしたこと、こういったことなどから、昨年九月ですが、当該二郡を除いたアイダホ州からの輸入再開を認めたということでございます。
○徳永エリ君 農水省の方から人を派遣して確認をしたということでありますが、やっぱりこのシロシストセンチュウ、大変に大きな問題なんですね。
 二〇一五年に国内未確認だったジャガイモシロシストセンチュウが北海道網走市の二地区で発見されました。農水省も緊急防除など対策を打っていただきましたけれども、いまだ根絶どころか、十二地区百六十三圃場にまで広がっています。これも皆さんのお手元に資料を配付させていただきました。
 このシロシストセンチュウの前は、一九七二年に北海道後志の真狩村でシストセンチュウ、ジャガイモシストセンチュウが確認されました。その後、道内各地に広がりまして、青森、長崎、そして三重でも確認されていて、このジャガイモシストセンチュウもいまだに根絶されていないと。現場では、もうこれ共存せざるを得ないというような声も聞かれるような状況であります。
 ジャガイモシストセンチュウの侵入経路は、原発国であるペルーから輸入されたてん菜の育苗床土ではないかというふうに言われていますけれども、このジャガイモシロシストセンチュウについては、いろいろいろんなうわさが実は飛んでいます。いずれにせよ、輸入したジャガイモや土などに付着して海外から侵入したものであります。
 ジャガイモシストセンチュウやシロシストセンチュウは、食べても害があるわけではありませんけれども、ジャガイモの育成が悪くなって、農家の皆さんの減収につながるわけであります。圃場の平均収益の五〇%ほどになるというところもありまして、さらには北海道で大変に重要な輪作体系にも影響があるということでありますから、ジャガイモ生産農家にとっては大変に深刻な問題なんですね。
 ですから、今回のこの輸入の解禁に対しては、いやいや大丈夫だろうかと。本当に確認したといってもなくなっているとは、そのアイダホ州の二郡でも二郡以外のところでも本当にないとは言い切れないんじゃないかということを大変心配しています。
 北海道のオホーツク、ここでは種芋の生産農家もあるんですね。種芋の生産農家といえば、抜取りとか防除対策のための労力や、それから金銭的な負担も非常に大きい、また高齢化もあって種芋生産農家も今は減少していて、北海道全体でジャガイモの作付面積が減少しているということは農林水産省の皆さんも御案内だと思います。
 そんな状況ではありますけれども、ポテトチップスなどジャガイモ加工品の需要がどんどん高まっている、作れば作っただけ売れるということであります。ですから、需要に供給が追い付かないと、そういう中でリスクの高い輸入バレイショが入ってくることは、ますます、足りないところに米国産が入ってくるという不安と、それとこのシストセンチュウ、シロシストセンチュウの問題と合わさって生産意欲の減退にもつながりかねないという大変に大きな問題であります。
 先ほどもお話ありましたけれども、やはり今までずっとこの米国産バレイショの輸入に係る経緯を見てみると、やっぱり米国からいろんな圧力、要請があるわけですね。今、ジャガイモは輸入可能期間が国内産の端境期である二月の一日から七月三十一日ということでありますけれども、二〇一八年版の米国USTRの外国貿易障壁報告書を見てみますと、国産の端境期であるこの二月一日から七月三十一日に限った輸入可能期間をもっと延ばせと。もっと長い期間輸入できるようにしてくれということや、それから検疫についても余り厳しくやる必要がないんじゃないかと、港に入ったときに検疫すればそれでいいんじゃないかと。今、二施設だけで輸入バレイショの加工ができるという状況になっていますけれども、これをもっと内陸まで移動して、施設ももっと造って、もっと加工できるようなところも増やすべきだと、こういうような要求をしてきているということも聞いております。
 恐らく、今までの経緯を見てみますと、我が国としてはこういった米国の要求にどんどん応えていくということになるのではないかと思いますけれども、需要がこれだけあるんだったら、まずは国内問題にしっかり対応して、国内の生産をしっかり増やしていくと、生産面積を広げていくと、それが一番最初にするべきことなのではないでしょうか。
 農水省では、平成三十年度の予算で初めてジャガイモの増産対策に三十億円を計上していただきました。これは、一昨年の北海道の台風被害でジャガイモが足りなくてポテトチップスパニックが起きたと、こういうことも背景にあるんでしょうけれども、北海道の先ほど申し上げた輪作体系の維持も含めて、輸入に頼ることなく国産で需要に応えられるように、積極的に生産面も、それからシストセンチュウ、シロシストセンチュウの問題も課題解決に御尽力をいただきたいと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(齋藤健君) まず、シロシストセンチュウについては、USTRの報告書の話がありましたけれども、アメリカが何を言おうと私どもは科学的、合理的根拠に基づいてきちんとやっていくという姿勢は堅持をしていく決意でありますので、そこは御心配いただかなくていいと思うんですけれども。
 生産につきましては、御指摘のように、大規模畑作における輪作体制を構成する重要な作物がこのバレイショであります。特に、加工用のバレイショにつきましては、品質や価格の面で日本のものが優位にあるということでありますので、国産の引き合いが非常に強いわけでありますけれども、御指摘のように国内生産が追い付かないで増産が望まれているという状況でありますので、私どもとしては、こうした中、国産バレイショの生産については、規模拡大の進展に伴う労働負担が大きくなっているですとか、それから近年の多雨傾向による湿害や輪作の乱れによって病害リスクが拡大しているですとか、それから種芋の産地の体質強化ですとか、そういったものへの対応が喫緊の課題となっていると考えておりまして、このため、御指摘の二十九年度補正予算で畑作構造転換事業三十億円によりまして、省力作業機械の導入ですとか、病害虫抵抗性品種の導入などの新技術の導入ですとか、それから種子バレイショの産地育成や品質向上技術の導入等の取組をこの予算によりまして総合的に支援をしているところであります。
 いずれにいたしましても、バレイショ農家が生産意欲を保って増産に取り組めるよう、積極的に支援をしていきたいと考えております。
○徳永エリ君 ジャガイモ生産地として北海道は全国一ということでありますので。また、このシストセンチュウ、シロシストセンチュウが確認されたオホーツク地域は北海道の中でも気候の条件も含めて非常に厳しい地域なんですね。白物三品、ジャガイモ、小麦、てん菜、こういったものしか作れないというところでありますので、ジャガイモが病気、あるいは輸入品がどんどん入ってくることによって生産ができなくなるというような状況になれば、本当に経営を続けていけないということにもなりかねませんので、しっかりと国内産のジャガイモの増産対策、取り組んでいただきたいということを改めて強くお願いを申し上げたいというふうに思います。
 続いて、それこそこれからいろんな自由貿易の問題もあって、今、北海道は米の値段も高くて、ほかの野菜の生産も大変順調で、比較的農業経営はうまくいっているという状況でありますけれども、やはり皆さん、今後どうなっていくのかということを大変心配していて、今後のことも考えていろいろ対策を立てなきゃいけないなという動きもあります。例えば、稲作地域でも米を作るのをやめて肉牛を生産しなきゃいけないかなとか、そういう取組をしているところも実際にあるんですね。
 これから先のことを考えていく上で、私も最近ちょっと考えていることがありまして、これ、藤木先生の御質問があってからいろいろと藤木先生にも御相談に乗っていただいたりしているんですけれども、農用馬の生産についてお伺いをしたいというふうに思っています。
 北海道における農用馬の飼養頭数は全国の八七%なんですね。野村委員や藤木委員の御地元、九州は馬肉の一大生産地で、生産量も消費量も断トツの日本一でありますけれども、農用馬の飼養頭数は全体の八・一%にすぎないんです。北海道は八七%、九州は八・一%です。さらに、国内の農用馬の飼養頭数は減少していて、平成二十七年では五千百五頭、平成二十年と比べると約四千頭も減少しているんですね。藤木委員が以前質問をされたときに、絶滅危惧種というふうにおっしゃっていたのが非常に印象的だったんですけれども、まさにその状態になっていると言っても過言ではないと思っております。
 いろいろと農業に農用馬が使われなくなったということもあるんでしょうけれども、なぜ農用馬が減っているのか、まずはその理由についてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(枝元真徹君) お答え申し上げます。
 我が国の農用馬の飼養頭数でございますけれども、先生御指摘いただきましたとおり、農作業の機械化が進展した、また農用馬の一つの供給先でございますばんえい競馬が縮小している、生産者が高齢化している等を理由として減少傾向で推移してございまして、最新の数字ですと、平成二十八年で五千五十二頭となってございます。
 しかしながら、最近ですけれども、ばんえい競馬の売上げが好調であること、また農用馬の市場取引価格も高値になっているということから、これまで減少し続けてきた農用馬の繁殖牝馬の頭数、また生産の頭数は二十八年に増加に転じまして、減少に歯止めが掛かってきている状況になっているというふうに考えてございます。
○徳永エリ君 それこそ、北海道の十勝のばんえい競馬もバブルが崩壊した後に売上げがどんどん落ちていって、もしかしたら運営が続けられないんじゃないかというような危機もあったんですけれども、今盛り返しているということもありまして今のような御説明なんだと思います。
 先ほど申し上げましたように、九州は生産量も、それから消費量も馬肉に関しては断トツ日本一ということでありますけれども、九州でも年間、農用馬が百頭ぐらいしか生まれていないということなんですね。飼養頭数も少ないと。しかし、今、世の中を見てみますと、この馬肉の需要というのは非常に高まっているという、そういう印象を私は受けております。きちんと調査しているのかどうかは分かりませんけれども、私の実感として非常に高まっているんじゃないかなというふうに思います。その需要に対して供給が追い付いていないというのが現状だというのは藤木委員もおっしゃっておりました。
 そのために、じゃ、九州ではどうしているかというと、北海道から連れてくる、あるいはカナダなど海外から、これ素牛ですよね、先生、素牛を輸入する……(発言する者あり)素馬、素馬を輸入すると。そして、九州で一定期間肥育をして出荷をするということなんですね。
 農林水産省としては、この馬肉の需要の高まりということ、そしてこの農用馬の生産の今後についてどのようにお考えになっておられるのか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(齋藤健君) まず、需要面でのお話ですが、農用馬は北海道開拓の歴史の中で重要な役割を果たしたばん馬に利用されて、これも御指摘のように最近ではばんえい競馬が人気を博して重要な観光資源となっているなど、北海道の馬文化として重要な位置付けであると考えております。
 御指摘のように、農用馬の生産の九割近くが北海道で生産をされている現実がございます。また、主に熊本県などでは馬刺しなども地域の食文化として深く根付いておりまして、近年、食の多様化に伴い、私どももこの需要は高まっているというふうに認識をしております。
 このため、農林水産省としては、これらのニーズに対応した農用馬の生産が大事だということで、その振興を図っているところであります。
 具体的には、農用馬の生産振興を図るためには生産の基盤となる繁殖牝馬の増頭、確保が重要であると考えておりまして、このため、独立行政法人家畜改良センター十勝牧場が生産者に対しまして、優秀な種牡馬の貸付けですとか、それから繁殖牝馬の譲渡ですとか、あるいは人工授精用精液の配付などを行って優良な農用馬の生産を支援をしているところであります。また、地方競馬全国協会におきましては、繁殖牝馬の導入奨励金、あるいは子馬の生産奨励金などを通じて繁殖牝馬の増頭のための支援を行っているところであります。
 このような中で、先ほど局長から答弁をさせていただきましたが、これまで減少傾向にあった農用馬の繁殖牝馬の頭数が二十八年に増加に転じて、生産頭数も増加するなど明るい兆しも見えつつありますので、今後とも、地方競馬全国協会等の関係機関とも連携しながら、農用馬の生産振興に努めてまいりたいと考えております。
○徳永エリ君 今大臣からもお話ございましたけれども、その十勝のばんえい競馬は今外国人観光客にも大変人気なんですね。インターネット投票とか、それからナイターも開催しておりまして、売得金も増加しているという状況でありますから、それに伴ってこの農用馬の生産というのも維持され、少し伸びてきているのかなという気もしています。
 このばんえい競馬があるから北海道では農用馬の生産が行われていると。そして、競走馬として能力検定でふるいに掛けられた馬、競走馬として残念ながら力のない馬が九州に行って肥育されるということであります。ということで、北海道と九州はこの農用馬に関しては深いつながりがあって、藤木委員と野村委員と私たちは切っても切れない仲だということであります。ということは、この農用馬の問題は、九州の問題であり、北海道の問題でもあるということで、農用馬の生産頭数を維持拡大していかなければいけないというふうに思っています。
 実は、私も、先ほどの将来的に何をやって経営をしていくかという中で、いろんな農家の方から馬をやってみたいなという声を聞くんですよ、実は。ただ、もうからぬと、今のままじゃ。やっぱり経営ができなければやれないわけでありますから、馬をやりたいと思っている方がこの農用馬を生産してある程度収入を得られるような、そういう形にしていかなければいけないと思っているんですね。JRAの支援とか、それから畜産クラスターの支援とか、いろいろありますけれども、新規参入も含めて農林水産省として農用馬の生産に対して更なる支援を今まで以上に御検討いただきたいと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(齋藤健君) 生産と同時に大事なのは、需要が盛り上がらないと幾ら生産しても経営に合わないということになりますので、需要の振興と併せて生産拡大についても同時並行的にしっかり対応していきたいと考えています。
○徳永エリ君 需要はあるんです。藤木委員も、九州で生産している方々が、北海道の農家がやってくれるんだったら委託をしてもいいというようなお話も実はあるので、私もちょっと九州に行って現場を見せていただこうかなと思っているんですけれども、その委託生産するに当たっても、やっぱり何らかの支援、環境整備もしなければいけませんので支援が必要となってくると思います。いろんな今後の展開も含めて是非とも御検討をいただいて、お支えをいただきたいということを改めてお願いを申し上げたいと思います。
 さて、それでは最後の質問に入らせていただきたいと思います。
 昨年の通常国会で成立をいたしました農業経営収入保険事業についてお伺いをしたいと思います。
 委員会の審議の中で、類似の制度から選択ができるということで、農業者がどの制度への加入が自分の経営にとってメリットが大きいかを判断できるように制度の周知や相談体制の充実が必要だという指摘をさせていただきました。本年の十月から加入申請が始まるということですが、今後のスケジュールと現在の進捗状況についてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(大澤誠君) お答えいたします。
 法案成立後、我々としては、まず第一に、制度の周知に努めているところでございます。昨年の七月には全国十か所で地域ブロック説明会を行いましたが、第二弾として、昨年の十一月から一月まで全国五十一か所、これは北海道については五か所、圏別の説明会という形で説明を行っております。それから、農業共済組合が、共済団体が地方公共団体あるいはJAと連携して地区別の説明会を行っていますが、これは累計七千百四十八回、三月末まででございます。それから、青色申告の要件が掛かっておりますが、青色申告の相談会も行っておりまして、これも千九十一回行っているところでございます。
 そうやって説明をしてまいりますと、先生の御指摘のとおり、様々な質問が農家の方から出てきております。一番多かった質問は、やはり収入保険と既存の制度の掛金、補填金の比較、これを数字で見たいということでございまして、これにつきましては、各県の共済組合に依頼をしまして、それぞれの県の重要な品目について既存の制度があるのかないのか、例えば、花の経営安定対策等はないわけでございますし、果樹もないわけでございますけれども、そういうものを改めて出して、それからあるものについては、掛金、補填金が既存の制度では幾らか、収入保険では幾らか、こういうものを全て紙の形でお示しをしているところでございます。
 それから、農家の質問の中で、非常に、例えば災害が昨年の十勝のように起きた場合とか、それから福島のように風評被害があって五年間の平均収入が低くなってしまうと、それがだんだんだんだん収入が上がってきたときにそれが反映できるのかという御質問もございまして、これにつきましては、法案のときも御説明いたしましたけれども、規模拡大等の経営の実態を反映した基準収入を作ることにしますと、これ災害の場合にも使えますということを御説明をしますと、非常に、特に北海道の方、福島の方を含めまして、これは我々の実情にも合うということで、そういうふうについてもシミュレーションソフトを作りまして、自分で、農家の方が自分で計算できるようにしており、もちろん共済の方が助けて計算する場合もあります。こういうことをやりながら、農家の疑問に一つ一つお答えするようなツールを作っているところでございます。
 それから、普及団体としての全国団体、これも法律上お認めいただきましたが、その収入保険の実施主体となる全国農業共済組合連合会につきましては、四月二日に設立をされたところでございます。
 このような、引き続き関係機関と連携を図りながら、収入保険の加入の促進等制度の導入に向けた準備に万全を期してまいりたいというふうに考えてございます。
○徳永エリ君 進捗状況について伺いましたけれども、北海道のある稲作地域の共済組合の関係者の方に伺いましたところ、関心を持っている農家に説明に行くと、やはり先ほどおっしゃったように掛金とか補填金、これを大変気にすると。もう一つは、農家の相互扶助を基本とした共済と収入保険は全く違うと。収入保険にいずれ民間や外資が参入してくるんじゃないかと。それから、農業共済の弱体化につながるんじゃないかとか、いろんなことを考える方がいて、不信感がやっぱりあると、思ったよりも加入者は少ないかもしれないというのを共済組合関係者の方から伺っています。
 青色申告をしている約四十三万戸の農家のうち、十万戸の加入を目標としていますけれども、この目標は達成できるとお考えでしょうか。
○政府参考人(大澤誠君) 法案のときも御説明いたしましたけど、十万戸という目標があるわけではございませんが、予算的には十万戸まで、十万人まで対応できるように措置しておりまして、現在のところまだ普及促進中でございますので、まだ見込みをお話しするのは少し早いことかと思いますけれども、我々としては制度の説明、周知徹底を努めた上で、なるべく多くの方に制度を理解されて、それで自ら選択していただくということをやれるように努力してまいりたいというふうに考えてございます。
○徳永エリ君 そこで、改めて具体的に収入保険のメリットや類似の制度との関係について伺いたいと思いますけれども、異常気象による災害、今後自由貿易などの影響、流通の改革の中で価格が下落することも十分に考えられます。農家にとって安心の保障につながるように丁寧に対応していただきたいと思いますけれども、ここは例えば収入保険と類似の制度をマッチングすると農家にとってメリットがあるというような、何かアピールできることがあれば教えていただきたいと思いますが。
○政府参考人(大澤誠君) アピールの機会を与えていただきまして、ありがとうございます。
 特に、この説明会等を通じまして、野菜の制度についていろいろな御質問ございまして、我々も農家の方の御心配に、なるほどなとうなったところあるんですが、野菜について例えば幾つか御説明をいたしますと、例えば園芸施設共済と一緒に入れるのかということがございまして、選択制ということを国会で何度も御説明したので、一切入れないんじゃないかという御質問もあったようでございますが、これはビニールハウスなどの施設本体の補填につきましては収入保険と重なっておりません。固定資産を補填するものであるということなので、収入保険と同時に加入することが可能だということを御説明いたしますと、皆さん、非常になるほどということがありましたので、早速チラシを作りまして、園芸施設共済と収入保険のセットでの加入をお勧めしますというチラシを作らせていただいてございます。
 それから、野菜価格安定制度とも選択制だというお話がありまして、これも、もちろん本体とは選択制なんでございます。趣旨が同じでございますが、ただ、幾つかのオプションが野菜の事業にはございまして、例えば価格低落時に加工用への出荷など出荷調整の取組を支援する事業がございます。これは野菜需給均衡総合推進対策事業と言っております。これともセット加入が可能でございます。
 また、契約取引において、不作時の数量確保を支援する契約指定野菜安定供給事業、数量確保タイプというのがございます。これもセットで加入することが可能でございます。これにつきましても、早速、野菜農家への皆様へというチラシを作らせていただきまして、これも野菜農家に必死になって配付しているところでございます。
○徳永エリ君 収入保険についてはいろいろ心配もありますけれども、とはいえ制度は始まるわけでありますので、農家にメリットがあるところはしっかり理解してもらいたいと思いますので、ちょっとPRのお時間も取らせていただきました。
 今度はこれに関してなんですが、先週の日農新聞に、スーパーL資金など日本政策金融金庫が扱う資金とJAなどが貸し出す農業近代化資金を対象に融資審査に関する内容を見直したということが掲載されました。従来の融資審査の基準に、収入が減っても返済できるように収入保険や農業共済に加入するなどの対応策が検討されているかどうかを加えるということであります。
 これが十万戸の加入目標達成のために農業融資と収入保険の関連付けで担い手への収入保険の加入を促すということであれば、とんでもないことだと私は思っておりまして、実は先週、私のところに某北海道の農協の組合長さんからお電話をいただきまして、とんでもないということでございましたので、聞かせていただいたわけでございますが、これに関して何かコメントございますでしょうか。
○政府参考人(大澤誠君) 私どもそういう報道があることは承知しておりますが、非常に不正確であると思っております。
 経緯を御説明いたします。
 まず、スーパーL資金などの農業融資につきましては、農業者が、まあ融資ですので融資審査というのはもちろん必要でございまして、その際に、考慮要素の一つとして、農業者がリスクに対応しているかという観点が重要な判断要素でございます。これまでも要綱におきましては農業共済の加入の有無というのをチェック欄がございます。ただ、もちろんそれだけで、農業共済に入ることを強制しているわけでは毛頭ございませんで、例えば自己資金が十分あるとか、それから民間の保険で対応していると、こういう場合もありますが、そういうことであれば、それはリスクへの対応は十分であれば十分だという判断をいたします。あくまでも一要素として、融資機関審査の一要素として、全体としては様々な要素を総合的に判断していたわけでございます。
 今般、収入保険について制度が創設されましたので、その農業共済と同様、オプションの一つとして災害等のリスク対応に関する融資審査において収入保険の加入の有無もチェック対象に加えるということをしたわけですが、位置付けは同じですので、自己資金でもよく、民間保険でもいいということで、収入保険の加入を要件化したものではございません。こういうことを、まあ報道もあったものですから、早速、農林省のホームページにも改正内容をもう原文のまま掲示をするとともに、地方農政局融資機関である公庫や農協系統を通じて事実関係の周知を行っているところでございます。
○徳永エリ君 要件ではなくて一要素だということでよろしいんですね。間違いないですね。はい、分かりました。
 まあこういう、誤報と言っていいのかどうか分かりませんけれども、やっぱり現場は相当こういう記事が出ますと混乱をしますし、大変にお怒りもあるようでございますので、事実を早急に伝えていただくということもきちっとしていただきたいというふうに思います。
 最後の資料を御覧いただきたいと思いますけれども、どうして皆さんがこういうことが新聞に載るとお怒りになるのかということでありますが、一連のいろんな流れがあるんだと思うんですね。事業を利用するに当たって何らかの要件を付けるとか、それから優先順位を付けるとか、そういうことが最近非常に目に付くんですね。ここに一部載せさせていただきましたけれども、例えば、中間管理機構を通して土地を貸せばただで基盤整備をしてあげるよとか、それから、まとまった土地を出さないと機構集積協力金の……
○委員長(岩井茂樹君) 申合せの時間が参りましたので、質疑をおまとめください。
○徳永エリ君 単価を引き下げますよとか、こういうことがいろいろあるわけでありまして、農水省のある方が政策目標の達成、自分の評価のためにこういうことをやっているんだとしたら、KPIの達成のためにこういうことをやっているんだとしたら、これはとんでもないことで、そういう疑義が現場には広がっています。
 これ、一つ一つの政策効果を検証して、おかしなものはやめる、そして、改善していくためにも異なる目的の政策を無理やり組み合わせるということはこれはやめた方がいいと私は思います。
○委員長(岩井茂樹君) 申合せの時間が参りましたので、質疑をおまとめください。
○徳永エリ君 そのことを申し上げまして、質問を終わらせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
○横山信一君 公明党の横山信一でございます。
 まず最初に、前々回の水産加工資金法のときにちょっと時間がなくて十分に議論ができませんでしたので、そこから始めさせていただきます。
 水産加工業は、今大きな課題が二つあると私は思います。一つは加工原魚不足、そしてもう一つは労働力不足ということであります。加工原魚のことについては以前も触れましたので、ここは別の機会にまたじっくりやりたいと思いますが、原料転換か原料輸入かという、そのどちらもしっかりと後押しをしていかなきゃいけない問題だと思います。もう一つは、やはり労働力不足なんですね。ここはもう外国人の実習生なしには、特に地方の水産加工場というのはもう成り立たない状況になっております。
 今、水産加工場、前回も触れましたけれども、そもそも、漁業の町というのは不便なところにあるのは当たり前で、特に沿岸漁業の場合は漁場の近くに漁村が歴史的に形成されてきたというのがありますから、いい漁場というのは半島の先であったり島のそばであったりというわけですから都会の近くにはないわけでありますので、まあそういう意味では不便なところにあると。そこで鮮度の落ちやすいものを加工するとなれば、当然そういう漁村集落のそばに加工場ができてくるというのは歴史の経緯でありますけれども、そういうことを考えると、地方に水産加工場があるということは地域経済を担っているのと同時に労働力の確保がそもそも難しい、そういう背景があります。
 そこに今は外国人実習生を入れて何とかやっているわけでありますが、この水産加工場が今後もしっかりと経営基盤を確保していくという意味においては、その労働力確保にしっかりとした道筋を付けていかなければいけないと思うわけですけれども、昨年、戦略特区で農業人材に道を開きましたので、これを水産加工業にも拡充すべきではないかということを前回言いたかったんですけれども、これについてどう思うか、長官にお願いいたします。
○政府参考人(長谷成人君) 今委員から御指摘ありましたように、水産加工業におきましては、売上高、利益率の低下、原材料確保と並んで従業者の確保が課題となっていると認識しております。
 こうした課題に対応するため、一つは生産工程における省力化を図っていくことが重要と考えており、水産加工資金によって省力化等の新たな技術、生産体制の導入の支援等を行っているところでございます。
 一方、国家戦略特区において農業の外国人材を受け入れる枠組みが設けられたことは承知しておりますが、新たな外国人材の受入れに関しましては、現在、内閣総理大臣の御指示を受けまして、局長級の専門的・技術的分野における外国人材の受入れに関するタスクフォースでの議論が開始されたところでございますので、農林水産省としてもこの検討に参画しているところでございます。
○横山信一君 まあ様子を見ているということだと思いますけれども、その点について次お聞きをしたいんですが、先日、北海道のJAびらとりを訪問したんですね。ここはニシパの恋人というトマトジュース、トマトジュースというかトマトが有名なんですけれども、そのトマトの規格外のものを使ってニシパの恋人というのを作っているんですが、このJAびらとりは外国人実習生の受入れにもう平成十五年から取り組んでおりまして、ここは農協自体が監理団体になっているところであります。農協自体が監理団体となって、百名以上の外国人を受け入れているということであります。
 訪問して改めて実感したのは、農作業の隅々にまで実習生がいて、本当に外国人実習生なしにはもう農業が成り立たないというのが改めて実感してきたところであります。
 北海道の場合は冬に雪に閉ざされてしまいますので、一年を通じて農作業を確保するというのは難しい状況にありまして、言ってみれば季節的な確保だけというところで、外国人実習制度の中でも非常に使いづらいという地域でもあります。
 ちなみに、この農業の有効求人倍率というのは、二〇一六年では畜養作業員では二・三四倍、農耕作業員では一・六三倍と。これが、全産業平均が一・三九倍ですから、もうはるかにそれを上回っているという状況にあって、もうその農業の人手不足というのは全産業の中でもひときわ深刻度が増しているという状況にあります。
 今、先ほど長谷長官が触れてくれましたけれども、今、安倍総理の経済財政諮問会議での発言を受けて政府ではタスクフォースがつくられて、外国人人材についての受入れの拡大の検討が始まっております。一方で、総理はこれを移民政策を取る考えはないということも表明をしておりますので、そういう意味では昨年の農業人材の戦略特区というのが一つ目安というか土台になっていくのかなという気もしているわけでありますけれども、今後のその農業人材の外国人雇用の拡大について、大臣の所見を伺います。
○国務大臣(齋藤健君) 農村地域において、農業就業者の減少、高齢化等が進行して人手不足が深刻化しているのは、御紹介いただいたとおりであります。このため、担い手の確保に加えまして、収穫等の作業ピーク時や規模拡大等に対応するため、外国人材も含めた労働力の確保が大きな課題となっていると認識をしております。
 こうした中で、技能実習生を始め外国人労働力を活用する動きが広がってきておりまして、農業分野の外国人労働者は、平成二十九年で、今二万七千人になっておりまして、この五年間で一・七倍に増加をしてきております。こうした動きを受けて、昨年、適正な管理体制の下で農業現場で即戦力となる外国人材を受け入れるという趣旨で、国家戦略特区農業支援外国人受入事業が創設をされたところであります。
 また、内閣総理大臣からは、これとは別に、新たな外国人材の受入れに関して、在留期間の上限を設定し家族の帯同を認めないといった前提条件の下、真に必要な分野に着目しつつ制度改正の具体的な検討を進める、それから、各分野を所管する関係省の協力を得て急ぎ検討を開始するという御指示があったわけであります。
 現在、内閣総理大臣のこの指示を受けて、局長級の専門的・技術的分野における外国人材の受入れに関するタスクフォースで議論が行われているところでありまして、農林水産省としては、これらの検討について、近年農業の現場で外国人材活用のニーズが高まっていること等を踏まえて積極的に対応していきたいと考えているところであります。
○横山信一君 是非、積極的な対応をお願いしたいと思います。
 私の行ったこのJAびらとりですけれども、家族の帯同なしにという今大臣の発言もありましたけれども、実際に働かれている方がそのまま嫁に来られた方もいらっしゃると。最近は婿不足というのもありまして、娘がそのまま家業を継ぐというのもあって、そのまま働いていた中国人の方が婿に入ったと、うまくいっているという話もありますので、副次的な効果も生んでいるということであります。
 話は変わりますが、スケトウダラ太平洋系群についてお伺いいたします。
 スケトウダラはTAC対象魚種なので、資源量調査に基づいてTAC、漁獲可能量というのが決められております。かつて、このスケトウダラ太平洋系群については、二〇〇五年年級群というのが卓越発生だったんですが、この卓越発生を見抜くことができずに、資源量評価の中では分からなかった。結果的に漁獲対象魚種となって、二〇〇八年に戻ってきたときに、元々量が多いですから、それがどんどん増えてくるのでTACの償還が早く済んでしまったという経緯があります。そのことを踏まえて、二〇〇九年にこのTACの先行利用という制度が承認をされたわけであります。
 今、十年を経過して、このスケトウダラの資源評価の精度向上への取組というのは一体どうなっているのか、まず長官にお伺いいたします。
○政府参考人(長谷成人君) スケトウダラ太平洋系群は、常磐から北方四島にかけての太平洋岸に分布しており、主な産卵場は噴火湾周辺であります。冬に噴火湾周辺で生まれた個体群の多くは、夏頃までには噴火湾から移動して道東沖や北方四島周辺などで育った後、おおよそ四歳で親になると産卵のために噴火湾周辺まで戻ってまいります。
 スケトウダラの資源評価を実施している国立研究開発法人水産研究・教育機構によりますと、太平洋系群の資源量は主に毎年生まれた個体群の生き残りの良しあしによって決まりますが、近年では、委員御紹介ありました二〇〇五年に生まれた個体群の生き残りが非常に良かったために、その後資源量が増加したとされております。
 しかし、この二〇〇五年に生まれた個体群は、少なくともその産卵場であります噴火湾を出るまでの子供の時代は他の年に比べて数が少なかったということで、当時は資源評価では数が少ないと予想されました。その後、予測に反して産卵場に戻ってくる親の数が非常に多かったのですが、これは噴火湾を出た後の生き残りが良かったことによりまして漁獲対象となる時点では個体数が非常に多かったと考えられております。
 現在は、このような経験を踏まえまして、生まれてから噴火湾を出るまでの情報に加えまして、噴火湾を出た後の道東沖における調査船調査の結果なども総合的に利用することによりまして、毎年生まれる個体群の生き残りの把握に努めているところでございます。
 このほか、海洋環境の観測なども引き続き実施しまして、生まれてから漁獲対象となるまでの個体群の生き残りに影響を及ぼしている要因も解明することによりまして、資源評価の精度向上を図っているところでございます。
○横山信一君 スケトウダラの太平洋系群の新たな資源評価、生態についての知見が蓄積されているということは分かるんですけれども、これは二〇〇五年卓越発生を見抜けなかったということが根本になっているんですが、その見抜けなかった理由はそのとおりなんですけれども、実際のところ、道東沖から北方四島にかけて生育場が形成をされていると。この道東沖については資源調査を今しているということでありますが、北方四島ではこれは日本の資源調査は入れない、行きたくても入れないと。そういう意味ではロシアの研究機関との情報交換ということになるわけでありますけれども、ロシアはそもそもスケトウダラの資源調査、共同でやりましょうという日本の呼びかけにも応じてこない。基本的に資源調査には消極的というふうに私は見えるんですけれども、そういう中にあって、スケトウダラ太平洋系群の大きな生育場となっている北方四島での調査ができないという状況の下でこのTACの先行利用の今見直しを進めているという状況にあるんですけれども、この先行利用が今あることでどのような問題というか、別にあってもいいじゃないかというふうに思うわけですが、その先行利用を見直すという、なくさなきゃいけないというのはどういうことなのかということをお聞きしたいと思います。これは大臣にお聞きしたいんですけれども。
○国務大臣(齋藤健君) 我が国は八魚種についてTACを設定して管理しておりますけれども、TACの量は生物学的に持続可能な許容量、いわゆるABC以下の数量として管理することを原則としております。
 一方で、スケトウダラ太平洋系群につきましては、平成二十一年に沿岸漁場に資源評価結果からは想定し難い大量来遊が発生しました。先ほど御説明したとおりであります。このような経緯を踏まえて、大量来遊発生時に一時的にABCを超えたTACを翌年以降分から先行利用する仕組みというのが導入をされたわけであります。
 しかしながら、その後の資源評価能力の向上に伴いまして、漁場への大量来遊はほぼ事前に把握できる状況になったことから、現在その先行利用の見直しを検討をしているところでございます。
○横山信一君 ここは、やっぱりスケトウダラに関係する漁業者の皆さんというのは非常に不安を持っているところです。
 先ほど触れましたけれども、このスケトウダラ太平洋系群の主たる生育場である北方四島というのは調査が入っていないという、その状況の下で、確かにその資源評価の精度は上がっているんだと思います。しかし、今この状況の下で先行利用をやめてしまう、見直してしまうというのはやっぱりちょっと時期尚早なんじゃないかと、これはやっぱり漁業者の不安を増すだけなんじゃないかと思うんですけれども、これはどうでしょうか。
○国務大臣(齋藤健君) 御指摘の点も分かります。現在は具体的な見直し方策を検討中でありますので、今後、研究者ですとか漁業者の皆さんとか、関係者との緊密な議論を通じて検討を進めてまいりたいと考えております。
○横山信一君 やっぱり漁業者が不安になるようなことというのは、これはやめてもらいたいんですね。やはり安心して漁業に営める、それをしっかり支えていくのが水産庁の、農林水産省の仕事でもありますので、そこは是非しっかり取り組んでいただきたいというふうに思います。
 農業の問題に戻りますが、戦略作物の生産拡大、これは政府の政策目標で、担い手の米の生産コスト十年間で四割削減と、あるいは飼料用米の生産コストも十年間で五割削減という、そういう目標が掲げられております。
 農村の労働力不足、先ほども触れましたけれども、そういう現状の下では農作業の軽減と効率化というのはもう待ったなしでありますので、このコスト低減というのは非常に重要だというふうに思います。
 先日、千葉県の柏にスマート農業の視察へ行ったんですけれども、ちょうど乾田直播をやっている真っ最中でありまして、私、乾田直播を間近で見たのは初めてだったんですけれども、圃場に入るということを予期していなくてこの格好で行ったものだから大変な目に遭ったんですが、もう本当に頭から背広まで真っ白になってしまいましたけれども。
 この乾田直播、今すごい増えておりまして、十年で二倍と、全水稲面積の二・二%まで今拡大をしてきております。今後も拡大していくだろうというふうに言われております。この直播、乾田だけじゃなく湛水も含めてですが、直播の導入によって労働時間は平均二五%削減をされたという結果を出ております。しかし、生産コストでは僅か一一%でしかないと。この状況の下で、まだまだこの四割削減には程遠い状況なんですが、この稲作のコスト削減、どう進めていくのか、大臣にお伺いいたします。
○国務大臣(齋藤健君) 今の委員御指摘の柏の話は私の選挙区の隣でありまして、多分私のよく知っている方がやられているんだと思いますので、次回からは背広を着てこないように事前に言うように、今度会ったときに申し上げておきたいと思っておりますが。
 米の生産コストのお話ありましたが、平成二十五年六月に決定した日本再興戦略におきまして、平成三十五年産までに担い手の米の生産コストを平成二十三年産の全国平均六十キログラム当たり一万六千一円の四割削減に当たる九千六百円にするという目標を掲げているところであります。平成二十八年産の担い手の米の生産コストは、個別経営で六十キログラム当たり一万九百円、組織法人経営で六十キログラム当たり一万一千六百七十七円と、平成二十三年産の全国平均に比べまして三割程度低い水準となってきているところであります。
 今後とも、御指摘のような直播栽培などの省力栽培技術や多収品種の導入、あるいは農業競争力強化支援法に基づく生産資材価格の引下げなどによる生産資材費の面での低減、それから農地中間管理機構による担い手への農地集積や農地の大区画化等の取組を推進して、目標の達成を目指して努力していきたいと考えております。
○横山信一君 時間ももう来ておりますので最後にしたいと思いますが、このGPS自動操舵を見てきたんですけれども、これ非常に大きな圃場では有効だというふうに感じたんですけれども、この実証事業が今終わりました。今後これをどうしていくのかお伺いして、質問を終わります。
○副大臣(谷合正明君) 平成二十七年度に十四か所で実証事業を実施したところでございまして、そのうちの一つに御視察いただいたということでございます。
 現在、現場でのGPSの自動操舵システム導入が進んできております。先ほど来のやり取りの中でも、GPSの自動操舵のシステムについてはメリットがありまして、非熟練者でも精度の高い耕うんや田植作業が可能であると、またオペレーターの疲労の軽減、そして作業時間の軽減などの導入メリットがございます。
 農水省といたしましては、これらのGPSの自動操舵システムの導入メリット、また先進農家の導入事例をしっかりと紹介させていただきたいと思います。また、都道府県の取組事例紹介等を行うスマート農業推進フォーラム、こうしたフォーラム開催などを通じまして情報発信を努めてまいりたいと思います。また、予算面におきましても、平成二十九年度補正予算で実施した産地パワーアップ事業においてもこの優先枠を設けておりまして、最新技術の現場への導入支援を行っているところでございまして、しっかりと現場への普及に取り組んでまいりたいと思っております。
○横山信一君 終わります。
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 日米関係とTPPについてお聞きするんですが、その前に、昨日から今日にかけて加計学園問題をめぐって愛媛県の面会記録に首相案件ということで書かれていたこと、そして柳瀬首相当時秘書官の主な発言が報道されているわけです。その中には、獣医師会、抵抗する獣医師会に対して、それを説得するようなことも含めた指示とも取れるような中身も書かれているわけでありまして、この一年間いろいろ議論してきているんですけれども、虚偽の答弁をしていた可能性もあるという中で、やっぱりちゃんと解明しなきゃいけないということでは、与野党超えて真摯にそこに向き合っていただきたいということをまずは申し上げておきたいと思います。
 その上で、日米関係とTPP11についてなんですが、四月十七日から日米首脳会談が開催されますので、幾つか聞きたいと思います。
 テーマは通商政策と北朝鮮への対応ということです。通商政策では、公平で互恵的な日米の貿易投資の在り方について議論すると報道されています。アメリカは、鉄、アルミニウム製品の輸入制限を実施すると。日本もその対象国に入るということです。日米首脳会談で対象国から日本を外すように求めるんでしょうか、外務省。
○政府参考人(林禎二君) 米国の鉄鋼及びアルミニウムの輸入に対する追加関税についての御質問でございますが、我が国は現在も対象となっております。
 今般の安全保障を理由とした広範な貿易制限措置は、世界の鉄鋼、アルミ市場を混乱させる懸念があるほか、同盟関係にございます日米の両国の経済協力関係、ひいては多角的貿易体制全体や世界経済に大きな影響を及ぼしかねないと考えております。
 これまで様々なレベルで日本の懸念を米国にしっかり説明してきたにもかかわらず、日本が除外されない形で追加関税の賦課が開始され、現在も除外されていないことは極めて遺憾でございます。
 引き続き、輸入制限措置の内容や日本企業への影響を十分に精査した上で、WTOの枠組みの下で必要な対応を検討していくとともに、我が国の対象からの除外を米国に働きかけていきたいと考えております。
○紙智子君 今の話でも、いろいろ言ってきたけれども解除はされていないということですね。
 日米のトップ会談で、日本が鉄、アルミニウム製品のこの輸入製品の対象国から外すように求めるというふうになった場合、アメリカから日米自由貿易協定、FTAの交渉入りを求めてくる可能性があるんじゃないんでしょうか。
○政府参考人(林禎二君) 日米FTAについての御質問でございますが、これまで日米経済対話の議論の中では二国間FTAに関するアメリカ側の考え方が示されてきております。また、ライトハイザー米国通商代表が連邦議会における発言にもあるとおり、将来的な可能性として米側にそのような見解もあることは承知しております。
 いずれにしましても、アジア太平洋地域の現状をよく踏まえた上で地域のルール作りを日米が主導していくことは重要と考えております。その中で、どのような枠組みが日米経済関係及びアジア太平洋地域にとって最善であるかを含め、日米経済対話を通じて建設的に議論をしていきたいと考えております。
○紙智子君 アメリカは以前から日米FTAを求めているというふうに言われているんですね。
 三月にアメリカ議会の下院歳入委員会の公聴会で、米国通商代表部、USTRのライトハイザー代表は、適切な時期に自由貿易協定を結ぶことに関心があると日本に伝えているというふうに証言をしているわけですけれども、このアメリカがFTAに関心があるというふうに伝えてきたのはいつでしょうか。
○政府参考人(林禎二君) 先ほど申し上げたとおり、繰り返しになりますが、これまで開催してきております日米経済対話の議論の中では二国間FTAに関するアメリカの考え方が示されております。
 また、委員御指摘のとおり、ライトハイザー通商代表の連邦議会における発言でも、将来的な可能性として米側にそのような見解があるということは承知しております。
○紙智子君 いつですか。
○政府参考人(林禎二君) 日米経済対話についてはこれまで二回ほど開催してきてございます。
 また、ライトハイザー通商代表の発言は、米国時間の三月二十一日の歳入委員会での御発言と承知しております。
○紙智子君 あのね、レクチャーで事務方の方から、ブリーフィングで昨年十月の日米経済対話において関心が示されたと言っていますよ。そうじゃないんですか。
○政府参考人(林禎二君) 日米経済対話二回目につきましては、今委員御指摘のとおり昨年十月に開催しております。その中で二国間FTAに関するアメリカ側の考え方は示されてございます。
○紙智子君 あのね、本当にこれ、真実を語っていただきたいんですよ。
 昨年十月の日米経済対話でアメリカがFTAに関心があると伝えてきたわけですよね。十一月の首脳会談でも日米FTAは協議されていたんじゃありませんか。
○政府参考人(林禎二君) 十一月の会談でも日米FTAについてのお話はございました。それについて、詳細につきましては相手国もありますことですので差し控えさせていただければと思います。
○紙智子君 ですから、今あったというふうに言われたんだけど、安倍総理は、トランプ大統領との会談では日米FTAに関するやり取りはありませんでしたと言っているんですよ。
 しかし、昨年の十一月十七日にウィリアム・ハガティ駐日米国大使は日本の記者クラブで率直に語っているわけですね。ハガティ大使は、トランプ大統領と安倍首相の詳細な議論に立ち会った、我々は自由貿易協定を含む貿易分野の様々な選択肢について協議した、日米FTAのスケジュールは全く今白紙だが、貿易赤字是正のために活用できるあらゆる手段について話し合いましたと、それにはFTAも含まれますというふうに答えているわけですよ。FTAも含まれると、こういうふうに言っているわけですね。
 日米首脳会談でこれ話題になったんじゃありませんか、いかがですか。
○委員長(岩井茂樹君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(岩井茂樹君) 速記を起こしてください。
○政府参考人(林禎二君) 今、確認をいたしましたけれども、十一月の首脳会談の中で日米FTAについて議題、話題に上ったということはございません。
○紙智子君 あれ、十一月の中で話ししている、ハガティ大使が言ったことというのは違うんですか。
○委員長(岩井茂樹君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(岩井茂樹君) 速記を起こしてください。
○政府参考人(林禎二君) そのような関係がハガティ氏からあったことを承知してございますけれども、事実と違うということで我々としても抗議をしているところでございます。
○紙智子君 ちょっと全然それ納得できません。だって、日本記者クラブで語っているんですよ。それ、うそだったということになるんですか。
○政府参考人(林禎二君) 我々の認識としては違うということで抗議をさせていただいております。
○紙智子君 いや、ちょっと全く納得できないですよ。それで、これ、ちゃんと精査しなきゃいけないと思うんですけれども、どうして真実を語らないのかと思いますよ。それで、これも情報隠ししているんじゃないかというように言いようがないと思います。
 それで、齋藤大臣にお聞きしますけれども、日米FTAについて、四月三日の私の質問に対し、日米経済対話は関税交渉するというふうに認識しておりませんという答弁をされました。確かに、日米経済対話でその関税の問題で交渉するかどうかというのは分かりませんけれども、しかし日米経済対話でアメリカは関心したのは事実だと思うんですね。アメリカがこの間の言動から、四月十七日から始まる日米首脳会談で日米FTAが議題になる可能性があるわけです。齋藤大臣、農水大臣ですから、是非農業に大きな打撃のある日米FTAの協議には入らないようにということを総理大臣に言うべきではありませんか。
○国務大臣(齋藤健君) まず、首脳会談において日米FTA交渉を求められるかどうかというのは仮定の話でありますので、一つ一つ仮定の話にお答えをしていくと交渉をやる前に全て戦略が明らかになってしまいますので、私の方からその仮定、こうした場合どうするかという仮定の質問についてはお答えを差し控えさせていただきたいと思いますけれども、私ども農林水産省としては、日本の農林水産業の維持発展を旨としてきちんとした対応をしていきたいというふうに考えているところであります。
○紙智子君 ちょっとはっきりしないですけれども、やっぱり本当にこの問題をめぐっても非常に大きな影響が日本に与えられる可能性がある問題ですし、やっぱり農水大臣ですから、そういう深刻さを受け止めるならば、ちゃんと閣内においても発言すべきだというふうに思いますよ。
 ハガティ大使の発言を事実だと思っていないという話、さっきあったんですけど、本当にこれおかしいと思いますよ。そのほかにもこう言っているんですよ。米国の対日貿易赤字をある程度是正する手段を協議したと、率直に言って非常に不均衡な状況に目を向けると、肉類では米国産牛肉に五〇%の関税が掛けられている一方で、オーストラリア産牛肉への関税は僅か二八%、この不均等を是正する必要があるんだというふうに言っているんです。物すごく具体的な話を言っているんですよ。こういう形でターゲットを決めているわけですよね。これ、違うんですか。
○委員長(岩井茂樹君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(岩井茂樹君) 速記を起こしてください。
○政府参考人(林禎二君) 牛肉のセーフガードにつきましては、日米経済対話の中では議論してきているというふうに承知しております。
○紙智子君 あのね、一連のずっと発言した中に入っているんですよ。だから、場所が違うところで言っているわけじゃなくて、一連の中で言っている話なんですよ。ちょっとそれはもう一度確認しますので、調べておいていただきたいと思います。
 それで、四月十七日から始まる日米首脳会談で、これ、日本が鉄、アルミニウムの製品の輸入製品の対象国から外してくれというふうに求めた場合に、アメリカから日米自由貿易、FTAの交渉入りを求めてくる可能性はあるし、懸念は消えないわけですね。
 その際、日本としては拒否できる切り札、特に日本農産物について拒否できる切り札というのはあるんでしょうか。これ、齋藤大臣にお聞きします。
○国務大臣(齋藤健君) FTAをアメリカがそもそも求めてきたときにどうするかとか、そういう話は仮定の質問なので、繰り返しになって申し訳ありませんが、ここでお答えは差し控えたいと思いますけれども、私もこの事の重要性は十二分に理解しているつもりでありますので、先ほど御答弁申し上げたように、我が国の農林水産業の維持発展を旨としてきちんとした対応をしていくということは申し上げておきたいと思います。
○紙智子君 仮定のことに答えられないというんだけれども、もう目の前じゃないですか、実際に四月十七日から始まるわけですから。日本の農産物の市場開放を目指すような日米FTA交渉は拒否するように強く求めておきたいと思います。
 続いて、TPP11についてなんですけれども、TPP11の第一条に、TPPを取り込むという規定があります。なぜこういう規定があるのか、そして、TPP協定の全条項を、元のですね、取り込むということなんでしょうか、確認します。
○政府参考人(林禎二君) いわゆるTPP12協定は、アメリカが離脱を表明いたしまして、アメリカが締結しない限り発効が不可能になってございます。
 そうした状況の中で、アメリカ以外の十一か国の間でTPP12の協定の内容を実現する方法として、新たな国際約束でございますいわゆるTPP11協定に12協定を組み込んだ上で発効させることを通じて、TPP12協定の内容を十一か国の間で実現するための法的枠組みとしたものでございます。
○紙智子君 TPP11はTPPの全条項を取り込むことを定めているわけですね。
 私、四月三日の質問で、TPP11の第一条に、十二か国のTPPと、TPP協定を組み込むとの規定があるけれども、新しい協定を作るに当たって発効もしていない協定を取り込んだことがあるのかというふうに聞きました。外務省の答弁は、WTO協定の一部を成すTRIPS協定を例に挙げて、取り込んで実施する例は存在すると言われたんですね。
 ちょっと確認しますけれども、TRIPS協定に取り込む規定はあるのかないのか。規定です。
○政府参考人(林禎二君) WTO協定の一部を成しますTRIPS協定、知的財産所有権の貿易関連の側面に関する協定では、未発効でございます集積回路についての知的所有権に関する条約の関連条項に従った保護を規定してございます。
 具体的には、TRIPS協定の三十五条で、加盟国は、集積回路の回路配置について、集積回路についての知的所有権に関する条約の第二条から第七条まで、ただし、第六条の(3)の規定を除く、それから、第十二条及び第十六条(3)及び次条から三十八条の規定に従って保護を定めることに合意するというふうにしてございます。
○紙智子君 ですから、一部のところについて合意するということであって、取り込む規定ではないんですよね。外務省は取り込んでとか取り込まれたと答弁されたんだけど、取り込む規定そのものはないんですよ。
 先日は、さらに、一九七八年の議定書の例を出しました。答弁は、千九百七十三年の船舶による汚染の防止のための国際条約に関する千九百七十八年議定書というのがあって、その中で一九七三年の条約を丸ごと取り込みながら、一部を修正しておりますと、取り込んだ例はあると、ここでも取り込んだと説明をされたんですよね。しかも、丸ごとと言われたんですよ。一九七八年議定書に丸ごととか取り込むという規定はあるんでしょうか。規定です。
○政府参考人(林禎二君) 委員御指摘のお話、一九七八年の議定書、これは船舶汚染防止に関する議定書でございますけれども、これに対しての規定につきましては、正確に申し上げますと、第一条で、「この議定書の締約国は、次の文書を実施することを約束する。」とした上で、その対象として、「千九百七十三年の船舶による汚染防止のための国際条約」を明記し、「ただし、この議定書における条約の修正及び追加の規定に従うことを条件とする。」という記述をしてございます。
○紙智子君 ですから、その修正することに従うことを規定するというふうになっていて、これ取り込む規定じゃないんですよ。TRIPS協定にも一九七八年議定書にも取り込み規定はないのに、何で取り込み規定があるような言い方を、しかも、丸ごと取り込んだなんていうことをこの前説明されたんですけれども、これは議論を迷わす答弁じゃないんでしょうか。ちょっと余りにも言い過ぎじゃないのかと思うんですけれども、どうですか。
○政府参考人(林禎二君) 個々の条約の文言につきましては、それぞれ交渉当事国の間で、またそれぞれの交渉の固有の文脈の中で決まっていくものでございます。したがいまして、おのずからその文言や表現についても差異が生じるというふうに考えております。
 その上で、先般、御紹介をしました条約については、いずれもある未発効の協定の規定の効力を発生させるために新たに作成する他の協定の発効を通じてこれを実現するという点では同様の例ということで御紹介した次第でございます。
○紙智子君 言い過ぎだったと思いますよ、完全にこの前の答弁というのは。丸ごとなんて言っているわけだから。議論を混乱させるようなやり方はやめていただきたいと思います。
 TPP11の第一条でTPP協定を取り込むと規定をしていると。これが丸ごと取り込むということですよ。新協定なのに異例な協定だと思います。しかも、第六条でTPP12の発効が見込まれる場合又は見込まれない場合の見直し規定まであるわけですよね。まさにアメリカに合わせているということですよ。アメリカとアジア太平洋地域において、高い基準の貿易、経済ルールを作るために準備をするということだと理解します。
 農林水産業などの食料主権や経済主権を守らないような通商交渉は、協定はやめるべきだということを申し上げて質問を終わります。
○委員長(岩井茂樹君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時三分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
○委員長(岩井茂樹君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、農林水産に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○儀間光男君 本委員会に籍を置くようになって、トップで質問をするのは今日が初めてですね、午後とはいえ。いつも四番バッター務めておったんですが、うれしく思います。
 それで、今回は沖縄県の農業について特化をして、しかも畜産に特化して質問をしてまいりたいと思いますから、どうぞよろしくお願いしたいと思います。
 せんだって、二〇一六年の農業産出額が発表されております。沖縄ですが、対一一年比で沖縄の伸び率が実に全国トップなんですね。すごいと思いますね。農業の全国平均の二・四倍。販売農家一戸当たりの生産農業所得が過去最高となった。もちろんですね、全国一位ですから。農業産出額は二十一年ぶりに一千億円を超えましたね。これも画期的なことです。総生産額から経費を引いた農業所得もこれは五百億と、パイの小さい沖縄にとっては実に大きい額と思います。要因はサトウキビの豊作と子牛の価格の上昇、この二つにあったと言われております。今、所得も五百億と言いましたけれど、これは名目でありまして、可処分所得は今でもまだ低い状況にあって、全国で三十三位というような状況です。沖縄の平均年間所得は二百六万ぐらいですから、それでもこれは百万台であることから、沖縄の中でもまだ可処分所得は低いと、この畜産業者はですね、そういうような状況にあります。
 さらに、二〇一七年の県内の家畜市場の子牛価格は、前年に比べて〇・八%増で、売上げは百七十九億、一頭当たりの平均価格は実に七十三万七千円で、共に最高値を更新をいたしております。〇九年をピークに減少傾向にあったのでありますが、現在は同年の二・四倍以上となっていて、沖縄の子牛出荷数は全国で第四位を誇ると。鹿児島、宮崎、北海道に次いで四位に占めている。したがって、年間二万相当の子牛が出荷されておりまして、そのうち先島地区、宮古・八重山地区ですね、ここの方から一万二千五百頭が出荷されており、重要な地域となっております。このことからも、日本の畜産業界の中枢的な役割を果たしている、貢献しているということが言えると思います。ただ、いかんせんパイが小さいだけに、可処分所得は沖縄の年間平均の更に半分以下である、百万程度であるということが一位になっても喜べない現実でございます。
 そこで、これに関して質問させていただきますけれど、沖縄では現在、農林水産物流通の条件不利性解消事業というのがあります。沖縄県の持つ特性ですね、県ごと丸ごと離島ですから、離島の持つ不便性、不利性、あるいは貧乏性、わびしさ、寂しさ、こういうものが重なって、この事業、これの対象として、解消事業として今言った事業があります。
 これは、輸送費の負担を行っている事業でありますが、子牛は、つまり十二か月未満の子牛にはこれ対象外でございます。そういうことから、沖縄畜産事業の大半を占める子牛の生産にとって輸送費の在り方は大きな問題であり、また価格の高騰の一因ともなると、こういうふうになります。
 この点を踏まえまして、補助事業の見直しを図る必要性がもちろんあると思うんですが、現在やっていること等含めて見解をお示しいただきたいと思います。
○政府参考人(日下正周君) お答え申し上げます。
 委員御指摘の農林水産物流通条件不利性解消事業でございますけれども、沖縄県は本土市場から遠隔地であることによる不利性を解消するため、一括交付金を活用いたしまして、県産農林水産物の直近他県までの輸送費相当分を補助しているところでございます。この制度におきましては、十二か月齢以上の肉用牛を対象としてございまして、十二か月齢未満の肉用子牛につきましては、農林水産省所管の補助制度が存在することから対象としていないところでございます。
○儀間光男君 今申し上げましたように、沖縄の畜産業、牛は子牛が、いわゆる繁殖牛が主ですから、ここへの手当てをしないというと、この子牛の価格の高騰は、ずっと流れていくというと消費者の食卓へ影響してくるわけです。消費者の手に届くときにもこの子牛のコストが反映されてくる。もちろん、途中の流通がありますから、これのコストも反映されて、最後は消費者で吸収をしていくということになりますから、子牛の高騰、これがなぜ高騰するかを占める要因、こういうものを洗って、ここを手当てしていくことが肝要なことだと思うのであります。
 あと農林水産で施策があると思いますから、内閣府にはもう一つ聞きたいのは、いわゆる十二か月以上の牛、これの輸送については手当てがされているわけですね。成牛というか、手当てされているんですよ、輸送費がですね。ところが、はっきりしないのは、例えばJAを中心にした成牛が、肉牛がいよいよ屠殺場へ行こうとする、沖縄から鹿児島辺り行くんですね。JAに加入しないで、個人で繁殖牛から肥育牛まで一貫生産している農家があるんですよ。これはいよいよ子牛も、子牛は農林水産で後で出てきますけれど、このいよいよ屠殺に出荷する成牛というか、これが鹿児島へ屠殺のために移送される際、その対象になっていないということの認識ですが、これは対象になっていますか。
○政府参考人(日下正周君) お答え申し上げます。
 ちょっと質問の御趣旨が分からないところあるんですけれども、輸送費補助の対象になっているものでございますけれども、肉用牛で十二か月齢以上の肉用牛、かつ六十日以内に屠殺されるものということで限定が付けられてございます、これ沖縄県の制度でございますけれども。
○儀間光男君 要するに、Aという、儀間光男という繁殖牛から肥育牛を扱って自分の農場で肥育までやって、肥育牛つまり肉用牛にして移送する海上費、これは補助の対象になっていますかということです。
 まだ通じない。いや、今おっしゃったように、肉牛の屠殺のために出荷する商品牛というんでしょうか、成牛、個人で一貫でやるときも補助の対象になっていますかということですよ。つまり、JAやその他の組織に入っていない。
 もう一つ分かりやすく言うと、今般、そのJAを中心となっていろんな会社が、組織が集まって新造船を造ったんですよ、新造船を造った。その新造船は、いわゆる肉用牛の成牛の対象になるんです。運ぶんです。子牛も運ぶんですが、その折に、どうなんですか、個人で牛の流通をやっている個人の牛もその対象になっているのか、内閣府がやっている対象になっているかどうかですよ。
○政府参考人(日下正周君) ちょっと、これ実は県の事業でございまして、県の事業の条件の詳細についてはちょっと把握してございませんので、後ほど調べて御報告したいと思います。
○儀間光男君 これは、なっていないということで、個人の悲痛な訴えが来るんですよ。
 したがって、恐らく全体の業者が対象になった政策のはずなのに、どういうわけかここだけ欠落をしている。何があったか分からぬけど欠落をしている。これ、是非チェックをして、もし仮に訴えのとおりであれば、少し対策を練っていただきたいと、こういうふうに思います。
 内閣府に私からは以上ですから、ほかになければ、委員長の許可を得て、どうぞ退席でいいです。
○委員長(岩井茂樹君) 日下政策統括官におかれましては、御退席、結構でございます。
○儀間光男君 次に、先島地域、さっき言ったように宮古・八重山地域、これは非常に割高となっておりますけれど、本島経由をして鹿児島まで出荷している状況を見て、よく理解できます。新たな輸送船も就航し、畜産振興を図る上でようやく環境が整ってきたというふうな認識をします。これは、さっき言ったような新造船が造られて、建造されて、県の一括交付金を受けまして、県畜産振興対策事業活用ということで一括交付金を活用しております。
 この沖縄の子牛出荷数の半数を占める、先ほど言いました先島地域の輸送費用削減などの問題に対し、農水省はいろいろと関与というか政策を打っております。打っておって、十二か月未満には県内移送を支援をしておるんですが、この一月十三日に先島地方で初競りがありました。十七日に八百頭をいよいよ鹿児島に向け出荷するんですが、その八百頭について、離島から競り市場のあるところへは保障されているんですが、石垣、宮古辺りから鹿児島へ四十時間掛かって移動するんですけど、そのときの牛については補助対象になっているかどうか。
○政府参考人(枝元真徹君) お答え申し上げます。
 結論的には、対象になってございます。
 十二か月齢未満の子牛でございますけれども、肉用牛経営安定対策補完事業ということで、沖縄県を始めとする離島等におきます子牛の生産と市場流通の活性化を図るということで二つの仕組みがございまして、まず一つは、離島で生産された肉用子牛をその当該の肥育農家等が離島の家畜市場で購入した場合、例えば八重山の市場で鹿児島なり九州の方が来られて、肥育農家なり家畜市場の方が買っていかれますけれども、その方に対して九州に行く費用分というのを補填していますので、結果的にはそこの輸送分ができているということでございます。
 あともう一つは、例えば西表から八重山の方に、これは西表に市場がございませんので、そこについては、この繁殖農家の方、八重山の方に持っていかれる繁殖農家の方に対する海上運賃等に応じた奨励金を交付と。この二つのことによりまして、沖縄県内の離島から離島、その離島から例えば九州というところの全体のカバーをして奨励金を交付しているところでございます。
○儀間光男君 要するに、離島から市場への移送料は農家への支援として補助していますよと。それで、市場から今度県外へ移動する場合、これは市場へ来て、先島地域へ来て入札をされて、子牛を獲得して、それを移動させるときは、子牛を買った側を、そこを担保していますよと、支援していますよと。したがって、通してやっているんだ、こういう理解でいいんですか。
○政府参考人(枝元真徹君) そういう理解で結構でございます。
○儀間光男君 ありがとうございました。
 それはそうされぬと、あんな先島辺りまで行って子牛を買う肥育業者もいなくなってしまいますから、そういうことで非常にいい施策だと思いますから、これをずっと継続していただきたい、こういうふうに思います。
 それからもう一つ、私、ここへ来てやがて五年になるんですが、実に初めての政府施策にぶつかりました。知らぬは一生の恥、知るのは何と言ったか、何とか恥と言いますから、知らぬは一生の恥、知るのはいっときの恥と、こう言いますから、それで恥にかきながら聞きたいと思うんですが。
 キャトルセンターとキャトル・ブリーディング・ステーション、これが私、全然全く会った制度じゃなくて、今回突然この制度に出くわして、一体どういうことだということでいろいろチェックしてみたら、CS、子牛と母牛のセンターをつくって農家の手伝いをしようというようなことのようでありますね。
 これにはいろいろその効果が出るようなことがあるんですが、まず、どのような施設でどういうメニューで、対象組織は、対象組織というか、これに参加できる組織というか、あるいはその事業を起こせる構成組織というか、こういうものをちょっとお示しいただきたいのと同時に、この政策が果たす効果、こういうものを少し説明いただきたいと思います。
○政府参考人(枝元真徹君) 御指摘いただきましたキャトルステーションとキャトル・ブリーディング・ステーションと二種類ございますけれども、これは繁殖経営で繁殖雌牛の管理部門などの作業の外部化を図るということで、労働負担を軽減したり規模拡大を支援するということで整備してきているものでございます。
 それで、まずキャトルステーション、略称で我々はCSというふうに呼びますけれども、これは繁殖農家から子牛を預かりまして、子牛の哺育、育成を集約的に行う施設でございまして、多くは農協さんですとか県とか市町村が出資をする公社、そういうところが運営している施設が多くございます。
 また、キャトル・ブリーディング・ステーション、これはCBSというふうに言ってございますけど、これは繁殖の農家から繁殖の雌牛を預かりまして、そこで雌牛の発情を監視いたしまして、発情したら種付けを行って、その妊娠を確認した後に農家へ返すということで、種付けも行うという施設でございまして、これも農協ですとか県ですとか市町村が出資をする公社が運営する施設が多くございます。現在、これらのいずれか又は両方の機能を有する施設が全国で五十八施設整備されてございまして、現在六施設が整備中でございます。
 それで、その支援の手法でございますけれども、幾つか事業がございますけど、やはりこういうキャトルステーション等につきましては、その地域の肉用牛の繁殖農家なり関係の団体、行政等が連携して取り組むことが重要でございますので、地域単位での自主的な取組を主に畜産クラスター事業で支援してございます。具体的には、畜舎等の施設整備に加えまして、発情発見装置等の機械導入等、補助率二分の一以内で支援をしているところでございます。
○儀間光男君 ありがとうございました。
 要するに、肉用牛生産の繁殖経営のための母牛の預託を受けて管理をして肉用牛の牛をつくっていこうと、そのための預託機関である、預かり機関であるというような理解でいいんでしょうか。
○政府参考人(枝元真徹君) 結構でございます。CSの方は預託をして子牛を育てるということですし、ブリーディングの方は母牛を預かって種付けをしてその妊娠した牛を返すという、その種付けをするかしないかというところがございますけれども、そういう理解でございます。
○委員長(岩井茂樹君) 申合せの時間が参りましたので、質疑をおまとめください。
○儀間光男君 要するに、いい母親から人工授精をしていい肉牛を産んでというようなやり方ですね。
 沖縄にはありますか。
○委員長(岩井茂樹君) 答弁は簡潔にお願いいたします。
○政府参考人(枝元真徹君) 残念ながらございませんので、先生にちょっとお目に留まらなかったのかと思います。沖縄には残念ながらまだございません。
○委員長(岩井茂樹君) 質疑をおまとめください。
○儀間光男君 僕が知らないから、ないはずです。
 ありがとうございました。
○森ゆうこ君 加計学園問題について質問をさせていただきます。
 皆様に資料をお配りをさせていただいております。
 一ページ目、これは昨年、今治市に対して市民の方が、村上さんという方が何回か情報公開請求をして提出をいただいた資料、この委員会でも何度もお出しをさせていただいている資料でございます。これは、今治市の企画課の課長さんと課長補佐の方が獣医学部の新設に関して東京に出張したときの記録、出張記録復命書の中に付いている旅行日程でございます。当然、その復命書の中には、誰と会って何を話したのか、相手から何を言われたのか、それも添付されていますが、残念ながらいまだに黒塗りです。そして、この一ページ目の資料は、去年私がこの委員会にお出ししたときには相手方の名前が黒塗りされているだけでしたけど、今は全部真っ黒にされてしまっているという状況だということであります。
 昨夜、NHKの「ニュース9」、そして今朝の朝日新聞、東京新聞にスクープされております、「面会記録に「首相案件」」。これは、この平成二十七年四月二日、この一番下の四角、十五時から十六時三十分、東京都千代田区永田町一丁目六の一、首相官邸で柳瀬当時の首相秘書官と会った、獣医学部新設に関して協議をしたという、このこと、このときの、これは今治市の資料ですが、今日スクープされておりますのは愛媛県の資料ということでございます。
 まず、農水大臣に伺いたいんですけれども、経産省の官僚でいらっしゃったということで、出張をした場合には、当然、出張命令そして復命書、出張費出してもらわなきゃいけないですから、事細かに行程、そして、そこへ行って誰に会って何をしたのか、それを付けて、支出負担行為決定書ということで決定してもらわなければ出張費は出ないと、これが行政の普通の手続だと思いますが、それでよろしいですね。
○国務大臣(齋藤健君) あくまでも私が経験している範囲でありますけれども、出張するときはそのような手続を取りました。
○森ゆうこ君 ということで、今治市にこの記録があるということは、当然、愛媛県にもその記録があるということで、当初、市民の情報開示請求に対して愛媛県は廃棄したと国と同じような答弁をしていたんですけれども、結局出てまいりました。出てまいりました、出張記録。
 その中身について今日はこのように報道されているんですけれども、内閣府に伺います。昨日の「ニュース9」の報道によれば、この愛媛県の資料は、内閣府そして農水省、文部科学省にも配付しているということになっておりますが、探して提出していただけるようにお願いしたんですけれども、どうなりましたか。
○政府参考人(村上敬亮君) お答え申し上げます。
 御指摘のとおり、報道された文書は愛媛県が作成した文書ということでございまして、内閣府といたしましては、愛媛県による官邸及び内閣府への訪問結果を記録したとされるこの文書については現状見たことがございません。ただし、公文書管理を担当する役所でもあり、今朝方、大臣からもこうした文書があるかどうか確認をするようにということで御指示をいただきまして、現在確認の作業をしているところでございます。
○森ゆうこ君 いつ見付かるんですか。
○政府参考人(村上敬亮君) 梶山大臣からはできるだけ急いでということで御指示をいただいておりますが、現在確認中でございます。
○森ゆうこ君 いや、あるんですよ。去年から知っているんですよ、皆さんね。まあ、いいでしょう。
 文科省、どうですか、昨夜からお願いしています。
○政府参考人(瀧本寛君) お答え申し上げます。
 私ども文部科学省におきましても、報道を踏まえまして文書について探索をさせていただきましたが、現在のところ、文科省内では確認をできておりません。
 以上です。
○森ゆうこ君 農水省はどうですか。
○政府参考人(池田一樹君) お尋ねの件につきましては、報道の内容に関しまして事実関係を確認をしていくということにしております。
○森ゆうこ君 文書はあったんですか、昨日の晩から言っていますよ、文科省。
○政府参考人(瀧本寛君) お答え申し上げます。
 委員からも御連絡をいただきましたが、私ども報道も踏まえて、NHKさんの報道の中では文科省にも配ったという報道になっておりますので、そういったものが本当にないのかということで探索をしておりますけれども、現在のところ見付かっていないということであります。
○森ゆうこ君 あっ、ごめんなさい、農水省に聞こうと思った。農水省、探したの、探したんですか。
○政府参考人(池田一樹君) 昨日お話がございまして、探索と申しますか、探しは始めてはおりますが、いずれ、何分、昔の話でもございまして、これはしっかりと調べなければいけないということで、しっかりと事実関係を確認してまいりたいということで、これから事実確認をしっかりしたいと思っております。
○森ゆうこ君 大臣、ちゃんと指導力発揮してください。これ、私、一体どれだけの資料を調べて、その中から七千八百枚、ペンタゴン・ペーパーズなんですよ、あれ七千枚でしたけれども、七千八百枚の中から見付けて、去年から提示をしているんですよ。ほかの役所にもあるはずなんですよ。だけど、ないないと言って。でも、今は役所にあったペーパーを聞いているんじゃないんですよ。愛媛県にもやっぱりありました、それをもらいましたと。今だったら、ああ、愛媛県の作ったペーパー持っていますかと私は去年から聞いたことないから、その質問には初めて答えるチャンスだから、今なら隠蔽せずに、隠蔽と批判を受けずに、はい、ありましたと出せるチャンスだってずっと言っているんですよ。どうですか、これ。あるに決まっているんですよ、これは。
○国務大臣(齋藤健君) 私もこういう文書、報道で初めて知ったわけでありまして、私自身はもちろん見たこともありませんし、こういうものがあるという認識も持っていなかったので、とにかく事実を確認する必要があるということで指示をしたというのが今の状況でございます。
○森ゆうこ君 あら、残念。確かに、この参議院の農林水産委員会にはお出になっていませんけれども、当然これ農水省、大事な問題ですよ。獣医療法、獣医師法、獣医師に関わる法律は農水省が所管なんですよ。だから、農水省は人ごとじゃ困るんですよ。何が知らなかったなんですか。
 愛媛県知事は去年から言っているんです。去年の記者会見でも出張をしましたと。出張すれば記録があるのは当たり前ですから。だけれども、相手方があるので、つまり国のことです、だから相手方に聞いてください。つまり、相手が許可すれば出しますということで、もう先ほど記者会見を開いて、もう探していると。存在は認めているんですよ、既に。
 内閣府、出すことに問題ありませんね。相手方の立場をおもんばかって、つまり、国から言われて出せない状態でいると、別な言葉で言えばね。国は邪魔しませんよね。どうぞ出してくださいということを、内閣府、この場でおっしゃってください。
○政府参考人(村上敬亮君) 愛媛県に状況は確認をしておりますが、現在、文書の存否を含めて確認中ということでお知らせをいただいております。
○森ゆうこ君 いや、文書はあるんです。配るのが間に合いませんでしたけど、これは愛媛県に対しての情報開示請求なんです。平成三十年、今年の一月、三回、去年から出しているんですが、存在しないと言われてきたんだけれども、平成三十年一月二十三日に開示請求して、この間、三月二十八日に公開されたんですが、ほとんどは全部公開だったんですけれども、平成二十七年の四月二日とそれから六月一日、この二つだけが相手方があるので部分開示ということで、誰と会って何を話したのか、今日の報道にあるこの内容は開示できないという、そういう情報公開の結果なんです。
 だから、もう文書があることは分かっているんです、村上さん。文書があることは分かっているんです。出しても国は構いませんと、今ここではっきりおっしゃってください。
○政府参考人(村上敬亮君) お答え申し上げます。
 本件、愛媛県の文書でございますので、愛媛県の文書の開示については愛媛県が条例に基づいて適切に御判断されるというふうに考えてございます。国としては、愛媛県の文書そのものの取扱いについてはコメントする立場にはございません。
○森ゆうこ君 でも、心配しているんですね、国が困るんじゃないかって。困らないと思いますけどね。困らないですよね。開示してもらっても困らないですよね。困るか困らないか。困りませんよね。
○政府参考人(村上敬亮君) お答え申し上げます。
 恐縮でございますが、愛媛県の文書につきましては私どもコメントする立場にございませんし、文書の内容についても現状承知してございません。
○森ゆうこ君 いや、きちっと答えてください。愛媛県が、ここに書いてあるんですよ、部分開示の理由が。要するに、相手方との関係ということで、それは国のことなんです。だから、内閣府がオーケーと言ってくれないと、やっぱりなかなか出しにくいと思うんですね。当然、皆さん記録がないって、記憶もないって言っているんだから、代わりに愛媛県にこの四月二日のやつ出してもらっても構いませんよね。はっきりそこはおっしゃってください、逃げないで。
○政府参考人(村上敬亮君) お答え申し上げます。
 愛媛県の文書を開示すべきかどうかは、地方自治体として愛媛県御自身で御判断されるべき問題でありまして、国として特段その在り方についてコメントを差し上げる立場にはございません。
○委員長(岩井茂樹君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(岩井茂樹君) 速記を起こしてください。
○森ゆうこ君 内閣府から、あるいは国から止められているという話も聞こえてくるんですけれども、確認しますが、国は止める権限がありませんね。
○政府参考人(村上敬亮君) お答え申し上げます。
 止める権限も求める権限もないというふうに理解をしております。
○森ゆうこ君 そうすると、すぐにでも愛媛県から、首相案件と、当時の柳瀬総理秘書官がそう言ったという文書がきちんと愛媛県の行政文書として出てくるということだと思います。
 委員長にお願いいたします。柳瀬さんが参議院で昨年七月二十五日に証言をしたこと、あるいはずっとこの委員会で藤原当時の内閣府審議官が言ってきたこと、これはもううそだったということが分かるわけですから、参考人として国家戦略特区のワーキングチームの座長始め委員も呼び、その全ての参考人をそろえて集中審議を求めます。
○委員長(岩井茂樹君) ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議をいたします。
○森ゆうこ君 それで、村上審議官にお聞きします。
 集中審議やればすぐ分かるんですけどね。四―一、二という資料見てください。村上審議官の答弁とワーキンググループの委員の発言が、内容が違っております。つまり、特に実施事業者でしか答えられない教員確保の見込み、これについては本間委員も質問をして、その回答が加計学園側から、議事録からは削除されていますけれども、あったということを公言していらっしゃいますけれども。一方、村上審議官は、四―二にあるとおり、昨年の十二月五日の内閣委員会では、今治市の方から、つまり加計学園ということですけど、そういう説明があったと言いながら、私に指摘をされて、その答弁を撤回し、修正し、ワーキンググループでの説明はなかったというふうに訂正してしまいました。もう一回訂正した方がいいですよ。
○政府参考人(村上敬亮君) お答え申し上げます。
 六月五日のワーキンググループの際に教員確保の見通しの数字について私が説明を伺ったその他の表現を用いましたのは、資料を通じて、その資料の説明をすることを通じて、全体として内閣府として認識したということを御説明しようとしたというものであるということは、おわびを申し上げると同時に、これまでも御答弁をさせていただいたとおりでございます。
○森ゆうこ君 ということは、本間委員がうそついたと、本間委員がうそを新聞社、複数の新聞社に対して公言をした、そういうことになっちゃいますよ。これも集中審議で確認をさせていただきたいと思います。
 どっちがうそをついているんですか。じゃ、こんな大事なことを何で、ワーキンググループできちっと質問を行い、実際行っているんですよ、ここの資料に書いてあるとおり。そして、加計学園の幹部が答えているんですよ。それを議事録から消して、しかもその発言自体全くなかったことにしてしまったというのが今の村上さんの答弁ですから、これ本当許せないというふうに思っております。どちらかがうそをついているということになると思います。これでよく、一点の曇りもないのは読めば分かると、総理もよく言いましたよね。全てうそでうそを塗り固めていると思います。
 でも、文科省、良かったですね、前川さんがいて。去年のうちに、総理の御意向とか文書が出てきたおかげで改ざんしなくてもよかったと。
 それが、そういうことがなかったので改ざんに手を染めてしまった財務省、確認しておきます。官房長、来ていらっしゃっていますかね。まだ間に合っていない。ああ、分かりました。じゃ、次長、口裏合わせをやっていたということが分かりました。森友側と口裏合わせを行ったという事実は昨日分かりましたけれども、じゃ、なぜそんなことをしなきゃいけなかったんですか。八億円の値引きは適正じゃなかった、いろんなことがあった、だから口裏合わせを行い、籠池さんに身を隠せと言い、そして議事録まで改ざんしなければならなかったということだと思いますけど、どうですか。
○政府参考人(富山一成君) お答えをいたします。
 昨年の森友学園への国有地の売却が国会で議論された初期の頃、二月の二十日でございますけれども、森友学園による地下埋設物の撤去の状況について御議論がございました。そのことについて事実関係を十分に当時確認できていないまま、「売却後でございますので、具体的な撤去の状況につきましては把握してございません。」といった注釈は付けつつも、「相手方において適切に撤去したというふうに聞いてございます」とか、あるいは「適切に行ったというのは、近畿財務局で確認してございます。」といった答弁をしていたところでございます。
 こうした状況の下で、昨年二月二十日、理財局の職員が森友学園側の弁護士の方に電話で連絡をしまして、この今申し上げたような答弁との関係を気にしてということでございますが、森友学園が地下埋設物の撤去に実際に掛けた費用に関して、相当掛かった気がする、トラック何千台分も走った気がするといった言い方をしてはどうかという話をしたということでございました。
 ただ、この理財局の職員は、その後、近畿財務局の職員にも再度念押しするようにと話をしておりますが、近畿財務局の職員は、それは事実に反するということで、確認作業、念押しをするということは行っていないということでございます。また、先方の森友学園側の弁護士の方も、この話を踏まえた対応はされていないというふうに承知しております。
 ただ、いずれにしましても、森友学園側に事実と異なる説明を求めるという対応は間違った、間違いなく誤った対応でございます。大変恥ずかしいことでございまして、大変申し訳ないことであると深くおわびを申し上げたいと考えております。
○委員長(岩井茂樹君) 申合せの時間が参りましたので、質疑をおまとめください。
○森ゆうこ君 もう質問はいたしません。
 実は、今日は五ページから、五、六、七―一、七―三、七―四と、これ、五ページは、昨年内閣府から御提出いただいた加計学園に関する会議を全部ここに一覧を作ってもらいました。しかし、そのほかにも、さっきの四月二日の官邸での会議でありますとか、いろんな裏の会議があったということが分かっております。それを表すものがこの七―一から七―四まで。既出の資料もありますが……
○委員長(岩井茂樹君) 時間を過ぎております。おまとめください。
○森ゆうこ君 少なくともこの七―四、国家戦略特区ヒアリング登録用紙ということで、ワーキンググループが開催されるということで、登録をして行われた。しかし、これは公開されていないということを次回また確認をさせていただくということを申し上げて、質問を終わります。
○川田龍平君 立憲民主党の川田龍平です。
 今日は、食の安全についてということで何点か伺いたいと思っていたんですが、今朝の日本農業新聞の一面に、「種子法廃止で審査証明せず 民間移行不安募る」という記事が載っておりました。この件につきまして、まず質問させていただきます。
 主要農作物種子法の廃止に伴って、大阪府、奈良県、和歌山県の三府県で今年度から水稲の種子生産に関する審査や証明業務を実施主体として行わないということが分かったということです。「代替措置として業務を種子生産の関連団体に移行する方針だが、業務が移れば、団体の費用負担が膨らみ、負担は種もみ代に転嫁される恐れがある。産地からは、どこまで品質を保証できるか不透明な上に、価格上昇は避けられない──との不安の声が上がる。」ということで早速こうした事態になっているんですけれども、この件について、農水省、いかがお考えでしょうか。
○国務大臣(齋藤健君) 種子法の廃止を踏まえまして、現在、各都道府県において、それぞれの地域の種子行政に関するニーズですとか種子の調達状況等を踏まえた適切な供給体制をどうつくっていくか、これを検討している段階だろうと思っています。
 その中で、報道されている三府県におきましては、これまだ検討段階で決まっていない話で、検討段階のものを私の方でどうだこうだと言うのはどうかとも思いますけれども、種子の、報道によれば、審査関係業務を種子協会などに委託をすると、審査を代行してもらうという趣旨だと思いますが、そういうことを含めて検討をされていると。
 今後の検討に当たっては、仮に委託をする場合であっても、その審査そのものをなくすとか緩めるとか、そういうことではなくて、今まで県がやっていたものを代行していただくという形になりますので、それによって種子の品質面に影響が出るとかいうことではなくて、種子の品質面には府県が責任を持ちながら代行するということでありますので、そういう意味では農業者への供給に支障が生じることはないと思っていますし、また、価格面につきましても、これ、今どういうふうに委託をするかというのは検討中なので、私はコメントは差し控えたいと思いますけれども、以前から御説明申し上げているように、地方交付税でその負担分は措置をするということになっておりますので、いずれにしてもどういう形になるか、我々はよく見守っていきたいと思っています。
○川田龍平君 見守るというのでは不十分だと思います。特に、大阪府の農政室の推進課は、「「種子法が廃止された以上、同じことはできない」」と言っていると、ニュースにも、記事にもあります。
 これ、来年の種子事業に向けた動きを農水省どの程度把握しているかということで三月二十二日に私が質問したときには、農水省からは、各都道府県に対して聞き取りを行ったところ、「全ての都道府県におかれまして、平成三十年度も前年度とおおむね同程度の種子供給に係る事務を実施する方針である」というふうに答えているんですね。
 これというのは、種子法廃止の附帯決議第二項、「主要農作物種子法の廃止に伴って都道府県の取組が後退することのないよう、都道府県がこれまでの体制を生かして主要農作物の種子の生産及び普及に取り組むに当たっては、その財政需要について、引き続き地方交付税措置を確保し、都道府県の財政部局も含めた周知を徹底するよう努めること。」とありますけれども、これ、大阪府にちゃんと言っているんですか。
○国務大臣(齋藤健君) これ、ちょっと冷静に議論したいなと思うんですけれども、これ、どういうような審査をお願いするかというのは、これは見てみないと分からないわけでありますし、それによってその審査をいいかげんにするとか手抜きをするということではないわけでありますので、私はそういう意味では代行したからといって直ちに大きな問題が生じるというようなふうには捉えておりません。
 いずれにいたしましても、種子法が廃止されてもその種子の供給に支障がないようにやるための手段として彼らは考えているというふうに私どもは理解をしているところでございます。
○川田龍平君 この種子法の、特に種子生産が少ない近畿の三府県ということもあって、これが全体に広がらないことを、非常に懸念するわけですけれども、特にこれ、ほかにこういったことが大きなほかの都道府県に広がらないようにということをやっぱり是非しっかり国として手当てしていただきたいと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(齋藤健君) 何か広がらないようにというと、この三県がおかしいことをやっているようなニュアンスが出るのもよくないと思いますけれども、いずれにしても、都道府県が奨励品種を決めて、そのための体制をきちっと都道府県なりの実情に応じてつくっていくということでありますので、それはしっかりと注視をしていきたいと思っております。
○川田龍平君 しっかり取り組んでいただきたいと思います。
 それでは、質問、食の安全の質問についてまた同じように入ります。
 まず、肉の肥育ホルモンについて伺います。
 これは米国などで肉牛を育てるときに使われている動物医薬品ですが、人の健康に影響があるかもしれないということでEUでは輸入を禁止していますが、日本は禁止されていません。
 そこで、まず伺いますが、農水省では米国産牛肉を輸入している他国、例えば韓国ですとかメキシコ、カナダ、香港の状況をどのように把握していますでしょうか。輸入と国内生産の双方において肥育ホルモンの使用を認めているのかどうか、お答えください。
○政府参考人(池田一樹君) お答えします。
 現在私どもが把握している限りでございますが、EUあるいは中国、肥育ホルモンが使用された牛肉の輸入を禁止しておりまして、国内でも使用を禁止しております。また、カナダは肥育ホルモンが使用された牛肉の輸入を禁止しておりませんし、肥育ホルモン剤も使用しているというふうに承知をしております。
○川田龍平君 ほかの国はどうですか。
○政府参考人(池田一樹君) 私ども、ただいまこれ以上の詳細やその他の国の状況についてはまだ把握してございません。
○川田龍平君 厚生労働省はいかがでしょうか。
○政府参考人(宇都宮啓君) お答えいたします。
 先ほど農水省側が答弁したとおりでございまして、我々としても同様に、EUや中国は肥育ホルモンが使用された牛肉の輸入を禁止しており、国内でも禁止していると。カナダについては、肥育ホルモンが使用された牛肉の輸入を禁止しておらず、肥育ホルモン剤を使用しているものと承知しているところでございます。
 それ以上につきましては詳しくは承知してございません。
○川田龍平君 私は、EUがアメリカとの裁判に負けた事実も知った上で質問しています。
 実は、超大国である中国やロシアも肥育ホルモン使用牛肉の輸入を一年半前から禁止しているわけですが、それもやはりEU同様に科学的根拠に裏打ちされていないというのが農水省の見解なのでしょうか。
○政府参考人(池田一樹君) 私ども、中国とロシアで肥育ホルモンの使用が禁止しているということは承知してございますが、今議員お尋ねの部分につきましては承知をしておりません。
○川田龍平君 それでは、中国とロシアの国内生産において肥育ホルモンが使用されているかどうか、農水省は把握していますでしょうか。
○政府参考人(池田一樹君) ただいま申し上げましたが、中国とロシア、肥育ホルモンの使用は国内で禁止されているというふうに承知しております。
○川田龍平君 それでは、厚労省はそれはいかがですか。
○政府参考人(宇都宮啓君) お答えいたします。
 やはり先ほど農水省が答弁したとおりでございまして、我々としても現在把握している限りでは、中国及びロシアでは肥育ホルモンの使用が禁止されているものと承知してございます。
○川田龍平君 それでは、日本国内では肥育ホルモンは動物医薬品としては承認されていないということは承知しています。
 この問題については民進党の宮沢議員が二年前の別の委員会で質問されていますが、その後、この肥育ホルモンの健康への影響について、厚労省は国民への周知をどのように行っていますでしょうか。
○政府参考人(宇都宮啓君) お答えいたします。
 厚生労働省におきましては、食品の安全性を確保するため、食品安全委員会によるリスク評価などの科学的知見を踏まえまして、薬事・食品衛生審議会の審議を経て、人の健康に悪影響を及ぼさないことを確認して、動物用医薬品である肥育ホルモンや農薬などの食品中の残留基準を定めているところでございます。
 この残留基準の設定に当たりましては、従来から、食品安全委員会や薬事・食品衛生審議会における審議の公開、それから議事録や資料のホームページでの公表など、透明性の確保に努めているところでございます。
 また、御指摘の肥育ホルモンを始めまして国民の皆様の食の安全に関する不安を解消するため、厚生労働省ホームページに食の安全に関するQアンドAを掲載して国民への周知を図っているところでございます。
○川田龍平君 この肥育ホルモンの使用牛肉の輸入を禁じているEU、中国、ロシアを合わせると一体何人の人口になるでしょうか。これだけ多くの国の人々がオリンピック、パラリンピックの観戦に来られますが、国産牛肉の消費促進のためにも、外国では認知度の高い和牛には肥育ホルモンは使用されていないということを厚労省も外国人観光客向けに周知すべきではないかと思いますが、いかがですか。
○政府参考人(宇都宮啓君) お答えいたします。
 外国の方向けには肥育ホルモンに特化した情報は掲載していないところでございますけれども、厚労省ホームページにおきまして英語版の食品安全に関するパンフレットを掲載しているところでございまして、日本で流通する食品は科学的な評価に基づき基準が設定され、安全が確保されているという旨をお伝えしているところでございます。
○川田龍平君 この件について農水省はいかがですか、和牛について。
○政府参考人(池田一樹君) 私どもも、こういった動物用医薬品等の安全性につきましてはホームページ等を通じてしっかりと伝えていきたいというふうに考えております。
○川田龍平君 ところが、海外ではオーストラリア産の和牛と、アルファベットでWAGYUという、このWAGYUというのが広く流通をしています。日本の和牛品種は既に海の向こうに渡ってしまっているということで、そして、オーストラリアでは米国同様肥育ホルモンの使用が認められています。ちょっとこれネットで検索してみると、トウキビ牛などという表示でオーストラリアで育った和牛の肉が国内にも輸入され、買えるようです。これに肥育ホルモンが使われている可能性はあるわけです。
 この私の懸念に対して昨日質疑通告を行ったところ、農水省と消費者庁でこの答弁をどっちがするかということで押し付け合ってなかなか見苦しいものがありましたけれども、海外でこのオーストラリア産の和牛、WAGYUという和牛として流通している肉と同じ肉が国内で消費、流通されているということは国内畜産業の振興の観点からも問題ではないでしょうか。
 これ、農水省はこの実態を把握するために調査を行うべきではないかと考えますが、いかがですか。
○政府参考人(枝元真徹君) お答え申し上げます。
 まず、和牛の表示でございますけれども、景品表示法に基づきまして和牛を販売する事業者等で構成する協議会が公正競争規約を設定いたしまして、黒毛和種等の四品種、またそれぞれの交雑種等に限って和牛と表示できるとしておりまして、国内で流通している和牛についてはこれに即して表示されているのが一般的でございます。
 ただ、先生御指摘ございましたとおり、過去に和牛の生体ですとか精液が海外に輸出をされまして、豪州でもこれを元に和牛の血を引く牛肉が生産されており、このいわゆる豪州産和牛が豪州国内での消費のほか、東南アジアですとか中国、EU等に輸出されているというふうに承知をしてございます。
 この外国産牛肉は日本にも入ってくるわけでございますけれども、外国産牛肉の品種表示を直接規律する法令上のルールはございませんが、先ほどの公正競争規約が景品表示法に基づきます所管行政の長の認定を受けているので、表示の適否を判断する上での一つの判断材料とされてございます。このため、国内の大手量販店ですとか専門小売店で豪州産和牛として表示されて販売されている状況にはないと認識されてございますが、先生御指摘のように、インターネット上ではそういうのが見受けられるということも承知をしてございます。
 我が国の消費者、国内の生産者や改良関係者、長い年月を掛けまして改良して築き上げた我が国の和牛の高い品質を評価し、表示に対する信頼の下に購入をしているというふうに認識をしてございまして、血統ですとか品質面での同等性を証明できない外国産牛肉について消費者が和牛と誤認するような表示は適切でないというふうに考えてございます。そのような具体的な疑義事案がございましたら、消費者庁等関係省庁と連携の上、適切に対応してまいりたいと存じます。
○川田龍平君 この漢字の和牛とアルファベットのWAGYU、それから平仮名のわぎゅう、片仮名のワギュウと、要するにワギュウという同じ発音で、結局、外国人の人が見る場合は、WAGYUとアルファベットになっていれば、これ日本の和牛かどうか分からないわけですね。そういったところをしっかり、ここを証明する、国内で販売しているオーストラリア産のトウキビ牛にこの肥育ホルモンが使われているということになれば、これ厚労省による国民や外国人観光客への広報にも工夫が必要になってくるのではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(宇都宮啓君) お答えいたします。
 先ほど申し上げましたように、現在でも肥育ホルモンに特化した広報はしていないところでございますが、そのような新しい事実等が出てきた場合につきましては適宜改正も検討して、今後国民に周知を図りたいと思います。
○川田龍平君 是非この肥育ホルモンのことについては表示をしていただきたいと思います。
 食の安心、安全、やっぱりこれ、安全と安心を求める消費者の願いというのは万国共通で、貧富を問わないことです。お金持ちだけが高級なホルモンフリーと書かれているこの牛肉を口にすることができるという日本の実態は、私は問題だと思います。
 健康への影響をこれだけ多くの国が心配している中、予防原則の立場から日本も肥育ホルモンの使用牛肉の輸入禁止をするべきと考えますが、あるいは、輸入を禁止しないならば表示義務を課して消費者が選べる状況をつくるべきと考えますが、宮沢議員が以前、山本前大臣に問うた同じ質問を齋藤大臣に伺います。
 もし、肥育ホルモン禁止国から大臣の御友人が来日され、肥育ホルモンを使用した肉を食べたくないと言われたら、大臣はどのように御友人に説明なさいますでしょうか。
○国務大臣(齋藤健君) まず、肥育ホルモンについては、人への安全の確保の観点から、科学的根拠に基づいて厚生労働省において牛肉中の残留基準値が設定をされていると。これは、やはり我々、生産振興したりする立場でありますから、我々じゃないところがきちんと決めているということ。したがって、厚生労働省が食品衛生法に基づいて輸入牛肉の検疫も行っていると。牛肉の安全性確保のためには、この残留基準値が遵守された牛肉の輸入がなされなければならないし、それが検疫によって担保されていますと。
 なお、我が国におきましては、事業者からの承認申請がありませんので、動物用医薬品として承認を受けたものがなく、使用も認められていないというふうにお話ししたいなと思います。
○川田龍平君 やはり農林水産大臣として、やっぱり日本の、特に日本の国内で生産された和牛については肥育ホルモンを使われていないということを積極的にこれ言った方がいいと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(齋藤健君) この点につきましては、適切な局面においてきちんと伝えるようにしたいと思います。
○川田龍平君 それから、ほかの国の事情などもやっぱり調査をして、是非、これ予防原則の立場でこの肥育ホルモンを使った牛肉の輸入禁止というのも考えていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(宇都宮啓君) お答えいたします。
 我が国では、肥育ホルモンが使用された牛肉につきまして、科学的根拠に基づきまして人の健康に悪影響を与えることのない量として、国際的なリスク評価機関でございますJECFAが定めます一日当たり摂取許容量を下回る範囲内で肥育ホルモンの残留基準を設定してございます。この基準を超える食品の輸入販売を禁止しているということでございまして、食品の安全性は確保されているものと考えているところでございます。
 このため、肥育ホルモンが使用された牛肉について、残留基準の範囲内でございますれば輸入を禁止する必要は必ずしもないのではないかというふうに考えてございます。
○川田龍平君 これは、予防原則というものをしっかりと、やっぱり原則を守ってほしいと思うんですね。
 薬害エイズのときもそうだったんですけれども、血液製剤の加熱のルートと非加熱のルートと両方あって、非加熱の方だけ日本に輸出して、輸入していると、アメリカが輸出して、日本は輸入していると。これ、アメリカは、EUや中国には肥育ホルモンの入っていないものを輸出しているんですね。日本にだけはこの肥育ホルモンの入っているものを輸出していると。それ、同じなんですよ。
 日本人に対してやっぱりそういうふうなものを輸出して食べさせている。これ、血液製剤のときと同じようなことが起こっているわけですから、これはやっぱり肥育ホルモンの輸入の牛肉を禁止するということを是非英断を下していただきたいと思いますが、是非、農水大臣、是非、どう思うかお話しいただければと思います。
○国務大臣(齋藤健君) 委員の気持ちは分かりますけど、やはり私ども畜産の振興とか図る立場の役所でありますので、やはり安全面について水際でどうするかというのは私どもの判断ではなくて、それを専門にやっている部局できちんと判断していただきたいなというふうに思っております。
○川田龍平君 じゃ、是非、閣議など、厚生労働大臣に、是非そういった立場で、是非生産をしっかりやってほしいということを厚労省の方にもしっかり言っていただいて、私は、このやっぱり予防原則というものがとても大事だと私も思っておりますので、是非、厚労省としても、しっかりそうした安全性について確認できないものについては予防原則に基づいてやっぱり禁止をしていくということを是非していただきたいということを申し上げて、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
○委員長(岩井茂樹君) 本日の調査はこの程度にとどめます。
    ─────────────
○委員長(岩井茂樹君) 次に、農業経営基盤強化促進法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。齋藤農林水産大臣。
○国務大臣(齋藤健君) 農業経営基盤強化促進法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明いたします。
 農業の成長産業化を図るためには、農地中間管理機構による担い手への農地の集積、集約化を進めるとともに、新技術を活用して農業の効率化、高度化を進めることが必要であります。
 しかしながら、相続されても登記がなされていない農地等が全農地の約二割を占めておりますが、これらの農地は、共有持分を有する相続人の全貌の把握ができず、利用権の設定に必要な共有持分の過半の同意を得ることが困難であるなど、農地中間管理機構を通じた集積、集約化を進める上で大きな課題となっています。
 また、農業の技術が進歩し、かつ、就業者数が減少する中で、品質や収量の向上、農作業の負担軽減のために新技術を導入する必要から、農業用ハウスの床面をコンクリート等で覆いたいという農業者の要望が出てきていますが、現行の農地法では、農地転用の許可を受ける必要があります。
 こうした状況を踏まえ、共有者の一部が不明な農地について、簡易な手続で、農地中間管理機構に対して長期の賃借権等の設定を可能とする仕組みを設けるとともに、床面がコンクリート等で覆われた農作物の栽培施設を農地に設置する行為を農地転用に該当しないこととする等の措置を講ずるため、本法案を提出した次第であります。
 次に、法律案の主要な内容につきまして、御説明申し上げます。
 第一に、共有者の二分の一以上が不明な農地の農地中間管理機構に対する貸付けを可能とする制度の創設であります。農業委員会が探索、公示の手続を行い、不明な共有者からの異議が出なかった場合、市町村が作成する農用地利用集積計画の定めるところに従って農地中間管理機構に対して、存続期間が二十年以内の賃借権等が設定される制度を創設します。
 なお、あわせて、遊休農地に都道府県知事の裁定等により設定される利用権の存続期間の上限を現行の五年から二十年に延長いたします。
 第二に、床面がコンクリート等で覆われた農作物の栽培施設を農地に設置しても農地転用に当たらない制度の創設であります。当該施設を農業委員会に届け出た場合、その施設の用に供される農地については、農作物の栽培を耕作に該当するものとみなして、農地法の規定を適用することといたします。
 以上が、この法律案の提案の理由及び主要な内容であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
○委員長(岩井茂樹君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後二時八分散会