第196回国会 決算委員会 第3号
平成三十年四月二十三日(月曜日)
   午後一時二分開会
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   委員の異動
 四月十六日
    辞任         補欠選任
     藤木 眞也君     そのだ修光君
     相原久美子君     古賀 之士君
     辰巳孝太郎君     吉良よし子君
     藤巻 健史君     高木かおり君
     福島みずほ君     又市 征治君
     中山 恭子君     行田 邦子君
 四月十九日
    辞任         補欠選任
     藤末 健三君     平山佐知子君
 四月二十日
    辞任         補欠選任
     行田 邦子君     松沢 成文君
 四月二十三日
    辞任         補欠選任
     阿達 雅志君     小野田紀美君
     石井 苗子君     石井  章君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         二之湯 智君
    理 事
                豊田 俊郎君
                西田 昌司君
                宮本 周司君
               佐々木さやか君
    委 員
                阿達 雅志君
                小野田紀美君
                岡田  広君
                片山さつき君
                進藤金日子君
                そのだ修光君
                馬場 成志君
                藤井 基之君
                古川 俊治君
                松下 新平君
                三木  亨君
                森屋  宏君
                秋野 公造君
                宮崎  勝君
                石井  章君
                石井 苗子君
                高木かおり君
                平山佐知子君
   国務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(男女共
       同参画、マイナ
       ンバー制度))  野田 聖子君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(拉致問
       題))      加藤 勝信君
       経済産業大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(原子力
       損害賠償・廃炉
       等支援機構))  世耕 弘成君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(原子力
       防災))     中川 雅治君
       国務大臣
       (内閣官房長官) 菅  義偉君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(少子化
       対策、クールジ
       ャパン戦略、知
       的財産戦略、科
       学技術政策、宇
       宙政策))    松山 政司君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(経済財
       政政策))    茂木 敏充君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(規制改
       革、地方創生)
       )        梶山 弘志君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(沖縄及
       び北方対策、消
       費者及び食品安
       全、海洋政策)
       )        福井  照君
   副大臣
       内閣府副大臣   あかま二郎君
       財務副大臣    木原  稔君
       厚生労働副大臣  高木美智代君
   大臣政務官
       厚生労働大臣政
       務官       田畑 裕明君
       厚生労働大臣政
       務官       大沼みずほ君
   政府特別補佐人
       人事院総裁    一宮なほみ君
       内閣法制局長官  横畠 裕介君
       公正取引委員会
       委員長      杉本 和行君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        秋谷 薫司君
   政府参考人
       内閣府政策統括
       官        山脇 良雄君
       内閣府死因究明
       等施策推進室長  福田 正信君
       内閣府沖縄振興
       局長       北村  信君
       宮内庁次長    西村 泰彦君
       警察庁長官官房
       審議官      大賀 眞一君
       文部科学大臣官
       房審議官     神山  修君
       文化庁文化財部
       長        山崎 秀保君
       厚生労働大臣官
       房審議官     椎葉 茂樹君
       厚生労働省医薬
       ・生活衛生局長  宮本 真司君
       経済産業大臣官
       房総括審議官   飯田 祐二君
       経済産業大臣官
       房商務・サービ
       ス審議官     藤木 俊光君
       経済産業大臣官
       房審議官     木村  聡君
       経済産業大臣官
       房審議官     及川  洋君
       経済産業省経済
       産業政策局長   糟谷 敏秀君
       経済産業省製造
       産業局長     多田 明弘君
       資源エネルギー
       庁省エネルギー
       ・新エネルギー
       部長       高科  淳君
       特許庁総務部長  小山  智君
       原子力規制委員
       会原子力規制庁
       長官官房核物質
       ・放射線総括審
       議官       片山  啓君
   説明員
       会計検査院事務
       総局第一局長   鈴土  靖君
       会計検査院事務
       総局第二局長   宮内 和洋君
       会計検査院事務
       総局第五局長   堀川 義一君
   参考人
       沖縄振興開発金
       融公庫理事長   川上 好久君
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  本日の会議に付した案件
○平成二十八年度一般会計歳入歳出決算、平成二
 十八年度特別会計歳入歳出決算、平成二十八年
 度国税収納金整理資金受払計算書、平成二十八
 年度政府関係機関決算書(第百九十五回国会内
 閣提出)(継続案件)
○平成二十八年度国有財産増減及び現在額総計算
 書(第百九十五回国会内閣提出)(継続案件)
○平成二十八年度国有財産無償貸付状況総計算書
 (第百九十五回国会内閣提出)(継続案件)
 (皇室費、内閣、内閣府本府、経済産業省、消
 費者庁及び沖縄振興開発金融公庫の部)
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○委員長(二之湯智君) ただいまから決算委員会を開会いたします。
 この際、申し上げます。
 開会に先立ち、出席を得られていない会派の所属委員に対し出席を要請いたしましたが、出席を得ることができませんでしたので、やむを得ず議事を進めます。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る二十日までに、藤木眞也君、中山恭子君、藤巻健史君、福島みずほ君、辰巳孝太郎君、相原久美子君及び藤末健三君が委員を辞任され、その補欠としてそのだ修光君、高木かおり君、又市征治君、吉良よし子君、古賀之士君、平山佐知子君及び松沢成文君が選任されました。
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○委員長(二之湯智君) 平成二十八年度決算外二件を議題といたします。
 本日は、皇室費、内閣、内閣府本府、経済産業省、消費者庁及び沖縄振興開発金融公庫の決算について審査を行います。
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○委員長(二之湯智君) この際、お諮りいたします。
 議事の都合により、これら決算の概要説明及び決算検査の概要説明は、いずれも省略して、本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(二之湯智君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(二之湯智君) 速記を起こしてください。
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○委員長(二之湯智君) これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○岡田広君 自由民主党の岡田広です。
 人生百年時代構想の高齢者対策について、担当大臣にお尋ねをさせていただきます。
 今日の決算委員会につきましては、二之湯委員長を始め理事の皆さんの御努力にもかかわらず、野党の多くの会派の皆さんの出席が得られないでこの委員会が行われるということは、大変国民の皆さんにも申し訳なく思っております。国会の政治情勢は理解しないわけではありませんけれども、予算の衆議院、そして決算の参議院ということでもあり、大変残念でなりません。
 それでは、まず高齢者年齢の定義についてお尋ねをしたいと思います。
 我が国を始め世界の多くの国で、高齢者は六十五歳以上と定義をされております。この定義が用いられるようになったのは、一九六五年に世界保健機構、WHOが、六十五歳以上の人口が全人口の七%を超えると高齢化社会とするという見解を発表したことが契機となっています。一九六五年ということですから今から五十三年前、日本では恐らく平均寿命が六十歳代ではなかったかと思います。
 二月の十六日に閣議決定されました高齢社会大綱においては、六十五歳以上を一律に高齢者と見る考え方は、現状に照らせばもはや現実的なものではなくなりつつある、七十歳やそれ以降でも、個々人の意欲、能力に応じた力を発揮できる時代が到来しており、高齢者を支える発想とともに、意欲ある高齢者が能力発揮できる社会環境を整えることが必要としております。
 日本老年学会でも、心身の若返りを理由に、高齢者の定義を七十五歳以上とする提言を行っておりますが、一方で、総務省が今月十三日に発表した昨年十月一日時点の日本の総人口は、前年比二十二万七千人減の約一億二千六百七十万、七年連続の減少。その中でも、六十五歳以上の高齢者は、前年比約六十五万人増、三千五百十五万人ということで、初めて三千五百万人を超えたという数字も示されております。総人口に占める高齢者の割合は二七・七%ということでありますから、これも過去最高を更新をしております。
 こういう中で、従来の六十五歳以上という高齢者の定義が妥当なのかどうか、高齢者の定義を議論する時期に来ているのではないかと思うわけでありますが、まず、松山大臣のお考えを伺いたいと思います。
○国務大臣(松山政司君) 岡田委員にお答えいたします。
 御指摘のように、高齢者の年齢でございますが、この高齢者の年齢には統一的な定義はなく、個々の法律あるいは施策の内容に応じてそれぞれ定められているところでございます。一方で、我が国におきましては、高齢者の体力的年齢は全体的に若くなっておりまして、加えて、就業、地域活動などで社会との関わりを持つことについて意欲が大変高い高齢者が多くいらっしゃいます。
 こうしたことから、この二月に閣議決定をしました高齢社会対策大綱、この中では、岡田委員からも御指摘いただきましたように、六十五歳以上を一律に高齢者と見る一般的な傾向は現実的なものではなくなりつつあるということ、また、七十歳やそれ以降でも、個々人の意欲、能力に応じた力を発揮できる時代が到来してきておりまして、意欲ある高齢者の能力発揮を可能にする社会環境を整えることが大変必要であるということです。これを指摘した上で、年齢による画一化を見直し、全ての年代の人々が希望に応じて意欲、能力を生かして活躍できるエイジレス社会を目指すと、今後の高齢社会対策の基本的考え方として掲げたところでございます。
 この大綱に基づきまして、政府を挙げて各般の施策に今後とも取り組んでまいる所存でございます。
○岡田広君 松山大臣からお答えをいただきましたが、高齢者の年齢、個々の法律によって違うという御答弁もありましたけれども、まさにもう二〇三〇年には、百歳以上人口が現在約三万人から二十七万という、九十歳以上人口は現在の約百十万から三百三十八万になると推計もされているわけであります。前期とか後期とか分けた、これも余り評判のいいものではありませんでしたけれども、六十五歳から准高齢者とか、七十五歳から高齢者、そして九十歳は高齢者でも幸せという字を使う考え方もあるんではないかと思いますが、百歳以上は超高齢者という、いずれにしても、国民に分かりやすく、六十五歳というのが高齢者というこの状況はひとつ議論をしていただきたいというふうに思っているところであります。
 高齢者の医療費についてお尋ねをしたいと思っております。
 昨年九月に厚労省が発表した平成二十七年度の国民医療費は四十二兆三千六百四十四億円ということで、前年比一兆五千五百七十三億円、三・八%の増加となっております。医療費の増嵩については御承知のとおりでありますが、この中でも六十五歳以上の医療費は二十五兆千二百七十六億ということで、全体の五九・三%、約六割に達しているという数字も出ているわけであります。
 この医療費の抑制に向けて、後発医薬品の利用促進とか入院日数の短縮等とか、様々な政策で取り組んでいるわけでありますけれども、この国民医療費の、特に高齢者の医療費の現状と将来の見通し、そして医療費増大の要因と対策等につきましてお尋ねをしたいと思っております。
○大臣政務官(大沼みずほ君) お答えいたします。
 委員御指摘のように、六十五歳以上の医療費は二十五・一兆円と、国民医療費に占める割合は約五九%で、六〇%に迫る勢いでございます。今後、この高齢者医療費の総額及び医療費に占める割合というのは更に増加していくものと見込まれるところでございますが、現在どのくらいの推移というところの統計までは出されていないというところでございます。
○岡田広君 やっぱり、特に高齢者医療費が増えていく、そういう超高齢化社会の環境の中で大事なのはやっぱり生活習慣病の対策ということで、糖尿病とかがんとか循環器疾患とか、その中でも今日は認知症についてだけお尋ねをしたいと思っております。
 これ、認知症については、ピッツバーグ大学のカーク・エリクソン博士が運動は薬だと言っています。認知症のリスクを減らしたいなら、新しい治療法や魔法の薬が出てくるのを待つことはありません、運動することで自分の将来を変えることができる、そのために必要なのはたった一つの運動靴だけなのですと話をしています。
 歩く健康の重要性、健幸特区というのが新潟県の見附市を始め全国で展開をされておりますけれども、厚生省が健康日本21、第二次の中でも、歩く歩数目標、男性七千歩とか女性六千歩とか掲げて努力をされていることは承知をしていますけれども、毎年毎年歩く歩数が減ってきています。医療費は反対に増加している。歩く歩数が増えれば医療費が減るという、抑制されるという相関関係というのは私はあるんだろうと思います。
 東京の人は地下鉄を上り下りしている、一日一万歩歩いています。糖尿病、医療費少ないのは東京ですけれども、この歩く健康についてのお考え方を聞かせていただきたいと思います。
○大臣政務官(大沼みずほ君) 委員におかれましては、宿舎でもウオーキングの方に努めていることを、私も時々体育館で御一緒する機会が多うございますので、大変歩くことが重要であるというのは厚生労働省といたしましても非常に重要であると考えております。
 我が国の健康寿命は、男性が七十二歳、女性が七十五歳と、世界でもトップレベルの水準にございますが、健康寿命の更なる延伸が重要であると考えております。
 委員御指摘のように、第二次健康日本21において、日常生活における歩数の増加の目標項目を設定しているところでございまして、官民共同でスマートライフプロジェクトを推進し、その中で、毎日プラス十分の身体活動を掲げ、歩行を含めた運動を推奨しているところでございます。ただ、その数値につきましては、委員御指摘のとおり、より一層努力が必要な状況でございます。
 近年では、スポーツ庁が進めている、歩くことを促進することを目的といたしましたプロジェクトでありますファン・プラス・ウォーク・プロジェクトを共に推進するなど、こちらはアプリをダウンロードして、歩くとポイントがたまるというようなアプリになっておりますが、こうしたことも関係省庁と連携をして進めているところでございます。
 今後も、関係省庁としっかりと連携をしてまいりたいと思います。
○岡田広君 かつて、歩く健康の中でも、やっぱり市町村、地方自治体ではノーマイカーデーとかやっていましたけれども、だんだんこれもやらなくなりまして、やっぱり全国的に、歩く健康の重要性というのを国、政府は地方自治体に対しても国民の皆さんにも知らせていくということは大事なことなんだろうと思いますので、是非よろしくお願いをしたいと思っています。
 国民医療費の中で、約四十二兆円という数字が出ていますが、その中でも歯科医療費は約二兆八千億円ということであります。この歯科医療については、五年ぐらい前までは、大体五年前から過去十六年以上にわたりまして年間二兆五千億円程度で、横ばいでありました。これは歯科疾患の予防ということで口腔ケアの推進等が非常に行われていたということでもあるんだろうと思いますが、これが一挙に二兆八千億という数字に上がってきています。
 そこで、政府は、八十歳で歯を二十本以上保つことを目標とした八〇二〇運動、そして私の茨城県でも、歯科と口腔の健康づくりで八〇二〇と並んで六四二四運動、六十四歳で二十四本以上を保つ推進条例を定めて歯の健康づくりを行っています。全国の四十七都道府県の中で六四二四運動をやっているのは茨城県だけであります。
 しかし、厚生省も健康日本21の中で、下の方に、六十歳で二十四、六十歳で六〇二四運動ってやっているんです。先週の党の食育調査会でも食育白書が出されまして、その中に八〇二〇運動の推進は出ておりました。しかし、六〇二四運動は出ていません。周りの国会の先生方に聞いたら、八〇二〇は知っているけれども、六〇二四は全く知りません。それだけ国民に理解をされていないということではないかなと思っております。
 この口腔とか歯の健康維持が健康寿命の延伸、病気の予防になることはもう当然のことでありますから、これは医療費の総額抑制にも貢献できる。そういうことを考えれば、特定健診とか特定保健指導を、市町村の行うほかの健診との関係に留意しつつ、全ての働く人へ導入することを検討してはいかがと思うんですが、八〇二〇運動の成果は、これは平成二十八年五一・二%という数字出ていますからこれは評価をしたいと思いますが、やっぱり、さっき健康寿命というものは政務官からお話がありましたように、健康寿命は八十歳までまだ行っていません。平均寿命は男性八十一になりましたけれども、女性は八十七ぐらいでしょうか。健康寿命は七十二とか、男性。女性は七十六、七ということだろうと思います。
 そういう中で、やっぱり八十というのは平均寿命の年齢ですから、その前の雇用も六十五歳まで延長になっているという環境の中で、もう一つワンステップの六〇二四運動あるいは六四二四運動を全国に展開をしていくべきではないかと思いますが、考え方を伺いたいと思います。
○大臣政務官(大沼みずほ君) お答えいたします。
 歯科健診等の実施を通じまして、歯、口腔の健康の保持増進を図ることは、健康で質の高い生活を営む上で非常に重要な役割を果たしていると認識しております。
 経済財政運営と改革の基本方針二〇一七におきましても、口腔の健康は全身の健康にもつながることから、生涯を通じた歯科健診の充実に取り組むことなどが盛り込まれたところでございます。現在でも市町村が歯周病検診等々で努力義務として行われているところでございますが、委員御指摘のように、受診率向上に資する効果的、効率的な歯科健診の在り方、定期健診や健康診断などでもしっかりそうした取組をするなどとした取組や、また、歯科健診受診による医療費の影響等について調査、検証を実施する歯科健康診査推進等事業を平成三十年度から行っているところでございます。
 本事業を通じて、生涯において切れ目のない歯科健診の充実に取り組んでまいりたいと思いますし、恥ずかしい話ですが、国会議員になってから私も三か月に一回健診を行うようになりました。しっかりと私自身もその健診の重要性についてPRしてまいりたいと思います。
○岡田広君 ありがとうございました。
 是非、この歯科健診の重要性を更に国民に広げていただく、このことを要望しておきたいと思います。
 もう一つは、介護ロボットについてお尋ねをしたいと思っています。
 これは、医療、介護のリハビリテーションにロボットが活用されております。サイバーダイン社の装着型ロボットHALは医療用と非医療用があり、医療用は日本、欧州、米国においての承認実績があり、国内では、患者数が多い脳卒中でも保険が適用されるように治験を急いでいるようであります。非医療用には、福祉用、介護支援用、自立支援用などがあります。
 つくば市では、消防本部の救急隊員が中腰でストレッチャーなどの上げ下ろしで腰痛に悩んでいたこともあり、全国で初めて、本年一月から作業支援用HALを試験的に導入をしました。腰への負担を最大約四割削減することができるということであり、男性隊員のみならず、体力的に不利な女性隊員の支援にもなっているそうであります。二台をレンタルし、費用は二か月で約七十三万円という、まだ高価でありますけれども、これを介護施設においても同様に介護従事者の腰痛防止に使われているということで、HAL介護支援用は経済産業省のロボット介護機器開発・導入促進事業の対象事業になっています。
 是非、このロボット新戦略のポイントの介護のアクションプランの二〇二〇年に目指すべき姿として、移乗介助等に介護ロボットを用いることで介護者が腰痛を引き起こすハイリスク機会をゼロにすることを目指すと言っておりますので、今後どのようにこのロボット、介護の現場に利用を促進をしていくのか、経産大臣に伺いたいと思います。
○国務大臣(世耕弘成君) 御指摘のように、介護の現場はかなり介護に携わる人にとって重労働、そしてまた、ぎっくり腰などを起こすリスクも大変あるわけでありまして、介護の現場にロボットを入れていくということは非常に重要な取組だと思っています。私も、今御指摘のサイバーダインの装着型、やってみたことがありますけど、本当にふっと軽く、すごく重たいものがさっと持ち上げられる、もう驚くべきものだと思います。こういったものを導入していくに当たって、今御指摘のように、ロボット新戦略で介護分野をロボット活用の重点分野の一つに位置付けさせていただいております。
 特に、これを取り組んでいくに当たっては、経産省と厚労省がしっかり連携をすることが重要だと思います。経産省は、こういう技術があって、こういう製品が開発されているんですが、一度介護の現場で使ってみてもらえませんかと、厚労省は、使ってみた結果、こういう問題点があるよと、こういう評価だよということをキャッチボールして、経産省と厚労省が一体になって開発を進めていくことが重要だというふうに思います。
 今、製造産業局長と老健局長との間でも定期的に会合を開きまして、お互いの情報のキャッチボールをやりながらロボットの開発を進めています。特に、現場のニーズに基づいて、乗り移らせる作業、移動させる作業、排せつ、見守り、そして入浴と、この五つの分野を重点分野にしてロボット介護機器の開発を進めているところであります。
 今年度は、さらにまた新規事業として十一億円ほど予算を付けまして、まず、この介護機器を導入することによって介護業務がどれだけ効率化され、負担軽減につながっているのか、まずデータをしっかりと収集をしていくということ。また、介護者の側だけではなくて、高齢者自身の自立支援につながるロボット介護機器の開発ということで、新規予算十一億円ほど付けさせていただいているところであります。
 ともかく、経産省、厚労省、しっかりと連携をして、介護現場へのロボット導入というのをしっかり進めてまいりたいと考えています。
○岡田広君 世耕大臣から御答弁いただきましたが、ロボットはもう介護のみならずロボットと人間が共生する時代に入ったと思っておりますけれども、そういう中で、ワールドロボットサミットというのも東京オリンピックの年に開催をされますけれども、ロボットは、産業ロボットは韓国やアメリカの後塵を拝しているという点も少し、世界大会で韓国が一位になったことも、アメリカが二位と、そういう結果もありますけど、今は一番ということで、まさに介護ロボットも一番、そしてコミュニケーションロボットも一番ですから、ロボットは恐らく輸出の中で、世界の中で日本がもう半分以上を占めているということで、これはまさに成長産業であり、さっきの高齢者対策でも、独り暮らしの高齢者には、今日は時間がありませんから質問はしませんけれども、会話ロボ、コミュニケーションロボットは大変必要なんだろうと思っております。
 世耕大臣は、新宿にあるロボットレストランは行かれたことありますか。
○国務大臣(世耕弘成君) 私もかなり新しいもの好きの方ですが、そこはまだ行ったことありません。
○岡田広君 四月四日に、プーチン大統領の長女マリアさんがおいでになりまして、ロボットレストランに行かれたということであります。
 内閣府では、最先端研究開発支援プログラムというんでしょうか、ImPACTというのをやっているようですが、これが実現されればイノベーションが起こる、ハイリスクだけれどもインパクトな研究開発に予算を付けていると。これでロボットスーツHALを開発している研究者兼実業者を支援をしているということでありますし、今度、安倍総理がロシアに、五月後半に訪ロの予定ということも伺っておりますけれども、そのときに、サンクトペテルブルクの国際経済フォーラムでもこの当該ロボットをデモ出展するという調整をしているということでありますから、是非これを実現させて、ロボット成長産業輸出の半分以上は日本だということを、ロボットの開発は日本が一番だということを是非示していただきたいと思うんですが、これは所管違いますね、世耕大臣の考え方をひとつ。
○国務大臣(世耕弘成君) 今八項目の協力プランというのを進めているんですが、その中に明示的にロボットの分野というのは入っていませんが、今ロシア側からの非常に強い要望もあって、デジタルとか産業の効率化という点が大きなテーマにはなっておりますので、その中で掘り下げて、ロボットについてもいずれ議論をしていく必要はあるというふうに考えています。
○岡田広君 是非、世耕大臣も新宿のロボットレストラン、日本人よりむしろ海外の人がほとんど来ておりますので、多分八千円かと思いますが、一度御覧になっていただきたいと思っております。
 世耕大臣は御退席いただいて結構です。
 それでは次に、高齢者の就労についてお尋ねをしたいと思っております。
 平成二十九年版の高齢社会白書によりますと、平成二十八年の労働人口は六千六百七十三万人で、労働人口のうち六十五歳―六十九歳は四百五十万、七十歳以上は三百三十六万という数字が出ていますけれども、労働力人口総数に占める六十五歳以上の割合は一一・八%、上昇し続けています。十年前は七・八でした。
 内閣府が現在仕事をしている六十歳以上の男女に実施した平成二十六年の意識調査では、働けるうちはいつまでも働きたいと約四割が回答しています。七十歳くらいまで若しくはそれ以上との回答を合計すれば、約八割が高齢期にも強い就業意欲を持っています。
 今は、高年齢の雇用安定法で、労働者が希望すれば企業は六十五歳まで雇用をしなければならないとされておりますけれども、働く意欲がある高齢者の就業については、生きがいづくり等を含め、少子化により労働力が減少する十年、二十年後の先を見据えた対策を考えていかなきゃならないと考えています。生涯現役社会を実現するための高齢者の雇用促進や再就職の支援等について、今後どのような政策を打ち出していくのかをお尋ねしたいと思います。
○大臣政務官(田畑裕明君) お答え申し上げます。
 働く意欲がある高齢者が年齢に関わりなく活躍することができる社会を実現することはとても重要だというふうに位置付けをしているところであります。今委員がおっしゃっていただいたとおり、高齢者雇用安定法に基づきまして六十五歳までの雇用確保措置を今徹底をしているところでもございますが、今、働き方改革実行計画におきましても、二〇二〇年度まで集中取組期間と位置付けをいたしまして、六十五歳以降の継続雇用延長等を行う企業への支援の充実を取り組んでいるところでございますし、この終了時点におきまして、継続雇用年齢など高齢者の雇用の在り方についても再検討をすることといたしているところでございます。
 また、全国の主要なハローワークにおきまして、高齢者の方を重点的に支援をする生涯現役支援窓口を設置をいたしまして、高齢者の方々への求人の開拓であったり、きめ細やかな職業相談、職業紹介など、高齢者の再就職支援の強化に努めていることといたしているところであります。さらに、シルバー人材センター、こちらにおきましても、会員の拡大であったりですとか企業とのマッチングに重点を置きまして、その機能強化に取り組んでいるところでございます。
 引き続き、年齢に関わりなく働き続けることができるという生涯現役社会の実現に厚労省もしっかり取り組んでまいりたいと思っているところでございます。
○岡田広君 シルバー人材センターの話が出ましたので、今日はシルバー人材センターのことだけちょっとお尋ねをしたいと思っております。
 政府が掲げる一億総活躍プランにおいて、保育分野での高齢者の就業の推進とか、介護周辺業務や軽易な介護業務に関してのシルバー人材センターを通じた高齢者人材の活用などが掲げられております。
 介護や保育等の業界あるいは農作業など人手不足の現場からは、高齢者の活用が業務改善につながり、若手と高齢者のワークシェアリングが実現した例もあります。このように、公益的分野におけるシルバー人材センターの役割は非常に重要だと思っています。
 今会員約七十三万という数字が出ていると思いますが、これを百万を目指して今会員の拡大をしています。就業人数は延べ人数で約七千万人ぐらいの方が一年間で就労しているという数字も出ておりますけれども、このシルバー人材センターの事業の推進のために必要なセンターに対する補助金等の確保、あるいは市町村等の公共からの事業発注の確保が安定したセンター運営につながるものと考えています。
 このシルバー人材センターはなかなか最近需要が少なくなってきているということも聞きます。これはやっぱり技術力を持たなければなかなかできない。職業能力開発というのは、これは高齢者じゃなくても必要なんですが、特にシルバーの人たちに、六十五歳以上の高齢者の人たちには、職業能力開発を充実させて技術力を身に付けさせるということはとても重要だと思うのですが、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
○大臣政務官(田畑裕明君) ありがとうございます。
 先生おっしゃっていただいたとおり、サービス業ですとか中心に人手不足、医療や介護、育児といった分野においても人手不足感が非常に高いわけでございます。そうしたところに高齢者の経験を生かした就業の機会の確保というのはとても重要だと考えております。
 また、シルバー人材センターを活用したいという企業の声は非常に増加をしているところでございますが、一方、高齢者が、なかなかまたシルバー人材センターで就労しようとする方が集まりにくい現状もあるというふうにも我々は把握をしているところでございまして、特に三十年度におきましては、これまで求人開拓に重点を置いておりましたシルバー人材センターの活動につきましては、より会員の拡大と企業のマッチングに重点を置きまして、それぞれの現場現場でマッチングがより効果を発揮できるような、そういう支援体制もしっかり取り組んで、高齢者の就労促進、また人材不足の分野について就労を促すような取組、取り組んでいきたいというふうに存じているところでございます。
○岡田広君 衣食足りて礼節を知るという言葉がありました。日本の社会では、着ること、食べること、そしてもう一つ住居。住居も良質を求めなければ、全国で空き家が八百二十万戸あるとか、これをどう利用するかというのを、空き家対策も地方自治体の今重要な課題になっていますけれども。
 私は、これから政治が求めるものは、新医職充という言葉で呼んでいます。医というのは医療、医学、健康ということです。地域包括ケアシステムの構築、どんなところに住んでいても安心して医療、介護が受けられる環境をつくるというのは重要なことです。で、職は職業の職ということですから、高齢者になっても、幾つになってもその人の体力、能力に応じて働ける環境をつくるという、そしてそのためには職業能力開発というのはとても重要だと思います。私は、これはお金のための開発だけではなくして、人間が生きるために学ぶということはとても重要だというふうに考えています。そして、健康で幾つになっても能力、体力に応じて働ける環境ができたときに、充実の充、ゆとりある生活が送れるという、これがこれから求める新医職充ということではないかなというふうに思っていますので、このシルバー人材センターについての拡充についてはよろしくお願いをしたいと思っております。
 ちょっとこれは、財務省が審議会を開きまして、年金について支給年齢を六十八歳開始案という協議を、議論をしているということでありますが、これはこれからの議論でありますから、これについて、やはり少子高齢化による年金財政悪化に歯止めを掛けるのが狙いだということで今後議論が進んでいくのかと思っておりますが、なかなかやっぱり現場ではこれでいいのかという声も相当出ています。特に高齢者にとってはここは心配の種でありますから、厚生省が今これについて考えていることがあったら、これだけちょっとお話をいただければと思います。
○大臣政務官(田畑裕明君) お答えを申し上げます。
 厚労省としての年金の支給開始年齢の引上げについての考えということでございますが、ちょっと丁寧に読み上げをさせていただきたいと思いますが。
 現行、年金制度、保険料の上限を固定をいたしまして、決められた収入の範囲に収まるようにマクロ経済スライドにより給付水準を調整することによりまして、おおむね百年間、収支の均衡を図るような現状の年金制度でございます。
 支給開始年齢は、社会保障制度改革国民会議の報告書においても、年金財政の観点ではなくて、平均寿命が延びて、個々人の人生が長期化する中で、ミクロ的には一人一人の人生における就労期間と引退期間のバランスをどう考えるのか、マクロ的には社会全体が高齢化する中で就労人口と非就労人口のバランスをどう考えるか、こうしたことを問題として検討されるものだというふうに今整理がされているところであります。
 その上で、厚生労働省といたしましては、高齢者の中には心身の状況ですとか就労環境から就労を継続し難い方もいることなど、支給開始年齢の引上げには様々な課題があるということを踏まえて対応する必要があるというふうに考えているところでございます。
 二月に閣議決定をいたしました高齢社会対策大綱におきましても、六十五歳より後の受給を選択する繰下げ制度について積極的に制度の周知に取り組むとともに、七十歳以降の受給開始も選択可能とするなど、年金受給者にとりましてより柔軟で使いやすいものとなるよう制度の改善に向けた検討を行うこととしたところでございます。
 いずれにしましても、年金受給の在り方につきましては、高齢期における職業生活の多様化に応じ、一人一人の状況を踏まえて多面的に検討する課題であるというふうに考えております。
 制度の具体的な検討につきましては、今後、平成三十一年度に予定をされております年金の財政検証を踏まえまして、次期制度改正の検討の中で行ってまいりたいというふうに考えているところでございます。
○岡田広君 是非これから慎重な検討をお願いしたいと思います。
 それでは最後に、高齢者の生涯学習を取り巻く現状についてお尋ねをしたいと思っております。
 まさに、学ぶということが最大の健康の秘訣、生きがい対策だと私は考えております。放送大学、私の友人が通っているんですが、これは、卒業には六十四単位必要だそうですが、一科目が二単位ですから、一科目一万一千、三十五万円程度お金掛かるそうですけれども、この友人は、親に学費を出してもらったときは単位を落としても平気という考え方持っていたけれども、自費でやっていたらもう真剣に学んでいるという、そんな話をしていましたが、やはり、女性も高齢者も働け働けということでGDP六百兆を目指すことは悪いことではないけれども、やっぱり、物心両面という言葉あるように、物も心も豊かな日本人を育て、つくり上げていくということが私は一番大事なんだろうと、そういうふうに思っております。
 そういう中で、もう全国に空き教室とか利用して社会人大学とかをやられたらどうかという考え方を持っているんですが、ちょっともう今日は時間来てしまいましたので、この高齢者の学習支援についてだけお尋ねして、終わりたいと思います。
○国務大臣(松山政司君) お答えいたします。
 内閣府が行いました教育・生涯学習に関する世論調査、これによりますと、生涯学習を行っている高齢者は既に四割以上おられまして、その半数以上の高齢者が生涯学習を行うことによって人生がより豊かになっているというふうに考えておられます。
 このように、高齢社会においては、価値観が多様化する中で、学習活動あるいは社会参加活動を通じての心の豊かさあるいは生きがいの充足の機会が求められておるところでございます。
 就業を継続したり、そして日常生活を送る上でも、社会の変化に対応して絶えず新たな知識あるいは技術を習得する機会が必要とされております。このため、この二月に閣議決定しました大綱に基づいて、文科省を始め関係省庁連携しまして、高齢者が就業の場あるいは地域社会において活躍できるよう、高齢期の学び支援というものをやっているところでございます。
 高齢者を含めた全ての人々が生涯にわたって学習活動を行うことができるように、学校や社会における多様な学習機会の提供を今後とも図ってまいりたいと思います。
○岡田広君 ありがとうございました。
 生涯学習の重要性については、また次の機会にしたいと思います。
 時間が来ましたので終わります。ありがとうございました。
○古川俊治君 続きまして、自由民主党、古川俊治から質問をさせていただきます。
 アベノミクス、安倍政権の下で既に五年半ぐらいが経過しました。企業収益は史上最高収益ということで比較的安定的に推移していますし、また、雇用情勢は非常に今すごくいい状況、バブル崩壊以降と言われています。物価の下落という意味では、もうデフレも大分止まってきたと、まあまだまだ弱いですけれども。
 そういう意味では、五年半、まあまあ良かったのではないかと思っておりますが、何といっても、実質賃金がなかなか上がってこないということで、個人消費が伸びないんですね。ですから、地域に行くと、なかなかそんなに成長しているという全く実感がないと言われるわけでありまして、これは、金融緩和、財政出動ということになりますと、やっぱり問題点は、本当の成長戦略というのがなかなか難しいんだろうと、私もそう思っておりまして、今日は、科学技術イノベーション、私、ずっとやってきておりますので、その観点から質問をしたいというように思っております。
 最初に、官民ファンドの問題について世耕大臣に伺いたいんですけれども、平成二十四年頃から、官民ファンド、大分増設してきました。今、二十八年度末において、十六の官民ファンド運営法人が、十四の官民ファンドが今政府の検証対象ということで、これだけつくっていくと、やはりその相互の役割というのが、本来何をすべきなのかというのがちょっとはっきりしなくなっているのではないかというように思っております。
 経済産業省も、産業革新機構とそれからクールジャパン機構、二つの官民ファンドをお持ちになっているわけですけれども、さきの二十九年十二月に経済産業省の取りまとめました第四次産業革命に向けたリスクマネー供給に関する研究会、これの中間報告でも、やはりその官民ファンドの重複というものに若干触れまして、そしてその上で、経済合理性の上で自然なすみ分けを追求すべきではないかというふうに指摘されているんですね。
 経産省として、この役割分担についてどのようにこれから対応していくようにお考えなのかと、官民ファンドの役割分担ですね、それについてまずお答えいただきたいのと、それから、この産業革新機構の運営機関、監督と投資の分離したガバナンスの在り方の検討が必要だというふうにこの中間報告では指摘されているんですが、ちょっとその理由が定かじゃないんですね。今後どういうふうにこの対応をされていくのか、この点について伺いたいと思います。
○国務大臣(世耕弘成君) まず、官民ファンドの位置付けなんですが、これは、私、官房副長官時代からかなり問題意識を持ってやってきていまして、ある意味、官民ファンドというのはちょっといろんな顔を持っている。
 ファンドですから、個別の投資案件一個一個で必ずしも利益が出ていなくても全体でリターンがあればいいという性格もあれば、ただ一方で、これ国のお金を元手にしているわけですから、やはりきちっとした管理が極めて重要になってくるという面。そしてあと、一方で、民業圧迫をしてはいけないという面があるので、民間がなかなか取れないリスクをちゃんと取っていくというやはりすみ分けが必要であるという件。また、たとえお金の面でのリターンが取れなくても、官民ファンドという性格上、何か政策目的があって、投資としては駄目だったけれども、政策目的は実現できたんだと。ちょっといろんな、多面な顔があるのかなというふうに思っています。
 特に、今、経産省が持っている産革機構とクールジャパン機構。産革機構については、これはやはりベンチャーキャピタルというのが日本ではもうアメリカに比べて極めて規模が小さい中で、やはりしっかり投資をして、このベンチャーキャピタルというものをしっかり産革機構が呼び水となって生み出していかなければいけないということ、また、事業再編なども先頭に立って行っていかなければいけないということで、産革機構の官民ファンドとしての役割があるのかなと。
 クールジャパン機構については、これ、例えば韓流ブームができていく過程なんかを見ていますと、やはりコンテンツを多少赤字でも先に展開をさせて、アニメとか映画とかですね、その後、ファッションとか食とか、そういったものが売れていって、国全体の文化としてはプラスになるというやり方ですね。クールジャパン機構はちょっとなかなかその狙いどおりにいっていない面はあるんですけれども、クールジャパン機構というのは本来そういう役割を果たすべきではないかというふうに思っています。
 いずれにしても、これ私、副長官時代に主導して、官民ファンドの運営に係るガイドラインというのを決めさせていただきました。今、十四、監視対象になっていますが、それぞれの官民ファンドの呼び水効果がどうなっているかとか、政策目的のKPIがきちっと実現できているかどうかとか、そういうことを政府、横串でしっかり見ていくことが重要なんだろうというふうに思っています。
 産革機構の、今回、今、経産委員会で御審議いただいている法改正でありますが、特にこの産革機構のガバナンスを少し抜本的に改革をして、投資機関にふさわしいものにしようということを考えております。これ、第四次産業革命の社会実装を担う投資機関としてリスクマネー供給が産革機構には期待をされているわけですが、こうなると、やはりスピード感というか、あるいは、それこそベンチャーの方々を相手にするわけですから、極めて迅速で柔軟な投資決定をしなければいけない。
 一方で、やはり官民ファンドですから、きちっとした国の政策に沿った運用方針がなければいけないということで、この監督と投資をある程度分離をしていくような、これはもう海外の政府系ファンドでもたくさん例があるわけですが、そういったことを参考にしながらガバナンスを確立をしていきたいと思います。ということを今考えているところであります。
○古川俊治君 ありがとうございます。
 お話よく分かりました。民業圧迫にならないところでちゃんと、できないリスクマネーを取っていって、ただ、回収はしなきゃいけない、そして政策目的をちゃんと果たすと。これ、なかなか難しい立ち位置ではあると思っております。
 ちょっとベンチャーについて、これは世耕大臣もかなり関心が高いと思うんですけれども、ちょっと伺いたいんですが、これ日本のベンチャーの在り方なんですね。
 やっぱり今の現状で申し上げますと、ほとんどのベンチャーがまずIPOを目的としていて、何かIPOした瞬間に下方修正しているようなベンチャーも結構ありますよと。海外ではもう、ユニコーンと言われるような、非常に、未上場のままかなり成長してくるような例も出てきて、それが実際に経済を引っ張っているんですね。日本だとまだまだこのベンチャーのファンドで、特にベンチャーキャピタルのファンドレイジングがまだまだですし、投資額も非常に小さいというように言われていて、これからベンチャーが本当に経済を引っ張っていって、経済成長を達成するというモデルになかなかなっていないという一面があります。
 それから、海外ではもうプライベートエクイティーの方が結構ビジネスをやってきていて、もう数十兆単位という、国際的にも、かつ広範に投資するようなところが出てきていて、日本ではプライベートエクイティー、少し出てきましたけれども、まだまだ国内の案件でやっているだけだと。そこでいうと、やっぱり大きな案件というと、海外のプライベートエクイティーが入ってきて、どんどん今でも日本の構図を結構、大きな企業を買って構図を変えられていますよね。そういう現状があると。
 まず、世耕大臣には、ベンチャーでどういうふうな環境にしていけばユニコーンが出てくるのかと、そういう環境にできるかということとともに、このプライベートエクイティーの今の在り方、これからどういうふうに経済産業省としてこのリスクマネーの供給、引っ張っていきたいか、この辺について所感を伺いたいと思います。
○国務大臣(世耕弘成君) やはり日本のベンチャーの成長というのは非常に遅れているというふうに思います。しかも、日本のベンチャーのエグジットというのは、東証マザーズに上場できてよかったねという感じになるわけですが、もうアメリカではいろんなパターンがあって、それこそGAFAがもうMアンドAでどんどん買っていって、技術として取り込んでいって、GAFA自身の更に強さにつながっていくようなケースですとか、いろんなパターンが出てきているんだろうというふうに思っています。
 やっぱりまず入口だと思います。ベンチャーキャピタルが余りにも日本は規模が小さいというところが非常に大きいというふうに思っていまして、これは、先ほども申し上げたように、産革機構も役割を果たしていかなければいけないと思いますし、ほかにも、例えばNEDOから認定を受けたベンチャーキャピタルと研究開発型ベンチャーの協調支援ですとか、あるいは認定ベンチャーファンドへの出資に対する税制優遇ですとか、そして官民ファンドによるベンチャーファンドへの出資事業ですとか、民間ファンドとの協調投資といった取組をやっていくことが極めて重要だというふうに考えております。
○古川俊治君 ありがとうございます。
 しっかりベンチャー支援をやっていただきたいというようには思っています。
 ちょっと、先ほど世耕大臣からも、この官民ファンド、やはり公費だから、これ回収も考えなきゃいけないということで、産革機構にちょっと伺いたいんですけれども、二十四年度から二十八年度の損益状況は、それぞれずっと言っていきますと、九十八億円の赤字、二十五年度は三百六十二億円のプラス、二十六年度は八十三億円のマイナス、二十七年度は四百七十七億円の損失、二十八年度は十三億円のプラスで、合計で二百八十三億円の赤字ということになっているんですね。これ、一件一件で、やっぱり何か事象が起こるとぽんと出るんですね。例えば、二十五年度は利益が出たのはジャパンディスプレイの株式を一部売却したということで、二十七年度に四百七十七億円の損失が出たというのは、これ支援中対象者の保有有価証券の時価がすごく下がったので減損処理を行ったという、そういう一事象によるわけですよね。
 今現在、ファンドの業務開始から二十八年度までの投資倍率というのは約二五三%というふうにされていますけれども、しかしながら、実際に純資産の持分が、まあ研究開発、ベンチャーってどんどんどんどんお金使いますから、純資産の持分がもう半分以下になっちゃっているというところが、半数以上がもう既にそうなっているという状況で、実際に支援終了した二十六件のうち十九件は回収できていないという状況になっているんですね。
 今後、やっぱりベンチャーの経営リスクというものを考えますと、今は二五三%と言っていますけど、そのベンチャーの株式持っているだけですから、これはいずれ減損処理しなきゃいけないという事態も十分あり得るわけですよね。そうすると、やはりその公費の回収という面から見て今後どういうふうに対応していくとよいとお考えになっているのか、この点について教えてください。
○政府参考人(糟谷敏秀君) 産業革新機構の投資につきましては、リスクの高いベンチャー案件と比較的収益が安定している事業再編案件などと組み合わせて、全体としての収益を確保することを目指しております。
 投資の現状につきましては、本年一月末までに一兆四百七十九億円の支援決定を行い、累積投資額、実投資額が九千九十三億円となっております。回収でありますけれども、今年の一月末までに株式売却を行った案件の実投資額三千六十九億円に対しまして、六千八百七十五億円を回収しております。まだ売却していない株式等が、六千二十四億円投資分がありますが、これの時価評価額は今年の一月末時点で一兆四千三百九十八億円ということで、大きく上回っているわけでございます。
 ただ、御指摘のように、株価下落等のリスクが常にあるというふうに考えなければいけないということで、モニタリングの実施などを通じて適切な管理がなされるようにしていく必要があると考えております。具体的には、投資を行った全案件について月次で財務情報を入手して常時モニタリングを行うなど、適切な管理に努めておりますし、経産省としてもその辺りをしっかりと監督してまいりたいと考えております。
○古川俊治君 ありがとうございます。
 リスクを取るというのは、もちろん政策目的もありますから、しっかりその小さいところには投資いただくとともに、ある程度しっかり利益上げられそうな案件というのも十分、プライベートエクイティー系だってあると思いますから、そのバランスを取りながら、今後も、第一にまずベンチャー支援ということが目的ですから、そちらを頑張っていただきたいというように思っております。
 じゃ、ちょっと時間もありますので、次の質問、クールジャパン機構はちょっと飛ばしまして次の質問に移りたいと思っております。
 今日ちょっとお配りした一覧を見ていただきたいんですが、これ、最近、やっぱり研究不正ということが問題になっているので、これちょっと国会図書館に、近年のずっとどういうのがあるかと新聞報道されたものを出してもらって、うちの事務所でまとめたんですけれども、十二件出てきたんですね。十二件のうち、残念ながらこの十件が医学関係であります。いわゆるSTAP事件というのはすごく有名になりましたけれども、こういうのが出ているわけですね。
 研究不正には二つタイプがあって、一つが資金面での不正ですよね。これ詐欺、横領の類いになっているものとともに、実はこういう、これは内容面だけです、内容の不正というのは結構あるわけです。これは、だから、繰越しをできるようにお金をうまくやったという、そういう体制じゃなかなか難しいところがあるというふうに思っております。
 このような不正がどうしても起こってくるという背景について、原因としては、松山さん、どういうようなお考えでいらっしゃるのかと、それで、これ今後どういうふうに対応していくお考えなのか、その点をちょっと伺いたいと思います。
○国務大臣(松山政司君) お答えいたします。
 この研究不正行為、まさに国民の科学技術への信頼を揺るがし、科学技術の発展を妨げかねない極めて重大な問題だと認識しております。しかしながら、御指摘のように、大学や国の研究機関においてこの研究不正行為が発生していると、大変残念ながら事実でございます。
 このような研究不正が発生する背景としまして、平成二十六年九月の総合科学技術・イノベーション会議、CSTIにおいて、この科学技術の研究を取り巻く環境の大きな変化があると言われています。
 具体的には、国内外における研究費あるいは研究職ポストをめぐる競争の激化、また、研究者は顕著な成果を短期的に生み出し、また発信することが期待をされるがゆえに、これが研究者の研究成果の精査不足あるいは成果の誇張等に誘因となっているということ、科学の発展に伴って研究分野の細分化、専門化が進み、研究者相互のチェック機能が低下しているということ、こういう指摘がなされたところでございます。
 研究不正防止に関するこれまでの取組ですが、第三期の科学技術基本計画に基づいて、内閣府が平成十八年に関係省庁との連絡会を開催して、研究不正行為が認定された研究者に対して競争的資金の応募制限、これを課すことといたしました。
 また、先般、平成二十六年二月のSTAP細胞論文の不正ですが、これを契機として、総合科学技術・イノベーション会議、CSTIによって、研究不正行為への実効性ある対応に向けて意見具申がございました。
 具体的には、研究活動に係る各主体、研究者、研究機関、資金配分機関、そして研究コミュニティー、これに研究不正行為に対する具体的な対処等の対応を求めております。研究機関等は、研究不正行為には客観的な根拠に基づいて対処するとともに、倫理教育を継続的に実施をすると。また、関係府省、ガイドラインの策定により不正防止に向けた取組の実効性を高めるとともに、この取組内容の確認等を不断に行っていく。また、CSTIは、各主体が行う不正防止に関する取組自体の状況の把握、そして必要な場合には不正対応への取組の強化を求めるというような適切な関与を行うことが提言されたところでございます。
 内閣府としては、この提言を確実に実行に移していく、そして関係府省によるガイドラインの策定等の対応を促しておりまして、今月、関係する局長級の会合を開催しまして、この取組状況の確認というものを行ったところでございます。
 研究不正行為は、科学技術に対する国民の信頼を失墜させかねない本当に重大な問題であることを強く認識し、引き続きこの研究不正の防止に徹底して取り組んでまいりたいと思っているところでございます。
○古川俊治君 ありがとうございました。
 研究不正、不正な研究というのは、結局、もう公費でやられたらこれ無駄になりますからね。はっきり言って意味のないことですので、この点はやっぱり公費の無駄だという意識もちゃんと持ってもらわないといけないというふうに思っています。
 残念なのは、やっぱりここは、結構このライフサイエンス部門というのはよく分からないんですね、不正かどうかが。これ分からないからやっぱりこれだけ集中して起こってくるという側面があるので、今度、いろいろこれから施策を練っていただく上でもこの特性をよく考えていただきたいと。
 やっぱりそのライフサイエンスの中の文化で、どうしても論文至上主義、インパクトファクターのでかい、大きな論文が載っていればそれで偉くなれるという構造があって、研究費も取りやすいと。これはやっぱりどこかで変えていかないといけないと。これがある限りは不正をやっぱり誘発しやすいんですよ。本当に実証できる、例えば被引用数の多い論文を評価するとか、そういうちょっと細かいところもちゃんとチェックして見ていただきたいですし、これやっぱりネガティブデータというのも、もう一回実験やっているわけですから、それも公費でやったのであればちゃんと公表させるようなシステムをつくっていって、いいデータ、見た目が何か格好いいデータだけが評価されるという文化を早く捨てていただいて、真実をやっぱり追いかけているという研究スタイルにいっていただきたいと、それは思っております。
 それからもう一つ、是非お願いしたいのが、このSTAP細胞がなぜ分かってきたかというと、あれピアがいるんですよね、中で。少なくとも、何のお金ももらっていない人たちが監視しているんですよ、その中で。ある人が非常にちゃんとした技術を持っている、見られる人ですよね、彼がずっと指摘をし続けて、これはおかしいということで、それにみんなが反応して気が付いたということですから、あんな人、政府が雇うのはとても大変ですよ、高く付いちゃって。ところが、ピアの中でやってくれるわけですよね。ですから、そういうピアの科学者の中でやっているそのコミュニティーというのを少し大事にしていただいて、そういう監視ができるようなシステムをちょっと考えていただきたいなというふうに思っております。
 その不正ということですと、先ほど内容の不正はこれはまた対応してくれと言いましたけれども、やっぱりちょっとお金の不正で大きな問題が一個出たというのは、これはまあ有名な話ですけれども、ペジーコンピューターの話をちょっとしたいと思っております。
 この会社は、少なくとも二十二年度から二十九年度の間に五事業においてNEDOから三十五億円、そのほかにもJSTからも六十億円の無利子融資、これは関係会社も含めてですけど、もらっていて、既に五十二億円が払われたということなんですよ。これ、やっぱりどう考えても異常ですね、この会社だけに。
 それで、何でこれだけの資金、三十五億円、こういった既にもう五十二億円という額になっていますけど、JSTもNEDOもこの会社ばっかりにそれで集中したのかと。何で不正を確認できなかったか、ちょっとこれをお聞きしたいんですね。
 実は、私もNEDOから研究費いただいてずっとやってきましたから現場の経験があるんですけど、必ず会議やるんです、進捗会議。そうすると、NEDOでもちゃんと四人ぐらいみんな来て、そこの場に来るんですよ、全部チェックをして、いろんな関係機関から全部発表させて見ていくわけですよ。あれちゃんとやっていれば、チェックしていれば、それはNEDOの皆さんはばかじゃ元々ないですから、ちゃんと見ていきますから分かると思うんですけどね。それはどういうふうなチェック体制だったのか、そういう点も含めて教えていただきたいと思います。
○政府参考人(飯田祐二君) お答え申し上げます。
 まず、ペジー社の齊藤社長らがNEDOの助成事業に関連しまして詐欺容疑で起訴をされたことは大変遺憾なことと思っておりまして、深くおわび申し上げたいと思っております。
 先生御指摘のとおり、五事業でNEDOから三十五億円、これは交付決定額も含めてでございますけれども、交付採用になっておりますけれども、まず、これ半導体の研究開発事業をやっておりまして、これは世界中の企業がエネルギー消費効率や処理速度などの向上にしのぎを削っておりまして、この研究開発においては高額な製造設備を使うことになっておりまして、その額がかなり高額になっているということで、事業の性格上、事業費がかなり高くなっているというふうに考えております。
 事業のチェックでございますけれども、NEDOにおいては、事業の採択に当たりまして、まず、採択の段階で技術面、事業化面など、多面的な観点から専門家を含む外部有識者が評価をしております。それから、事業の成果につきましても、先生御指摘いただいたように成果報告会をやる、委託の場合は成果報告会をやったり、それから、ナショナルプロジェクトであれば進捗会議をやったりしておりますけれども、事業ごとに若干異なっておりますけれども、中間評価、事後評価についてはこれ外部有識者も入れて評価をやっておりまして、これはペジー社の事業につきましてもそうした手続はしてございます。
 では、なぜ不正が認識できなかったということでございますけれども、今回起訴された事案でございますけれども、例えば外注先と結託をいたしまして帳票類を巧妙に偽ってNEDOによる検査をくぐり抜けた、こういう可能性が高いというふうに考えておりまして、そういうことであればNEDOの検査にまだまだ改善の余地があるということで、例えばでございますけれども、外注費が一定割合かつ一定金額以上の事業につきましては外注先までNEDOが行って検査をしますですとか、それから、確定検査等の検査に当たりまして、できたものが違うものにだまされないように技術分野の有識者を臨時で雇って連れていくとか、それから、通常の検査に加えて、ある意味抜き打ちで検査をするということをやるなど、公判の進捗を踏まえまして、外部の有識者の意見も踏まえながら抜本的な対策を講じて、こうしたことが二度とないように努めてまいりたいというふうに考えております。
○古川俊治君 どうしても高額になるという今お話がありましたけれども、やっぱりその成果、どの資金を使ってどういう成果物かという態様というのはなかなか見えにくいと思うんですよね。ですから、これができましたよと言われると、どのぐらいお金が掛かったかというのは評価がなかなか難しいんですよ。やっぱり、多少、これだけ集中してやるという事件を一回ちょっと契機にして、ある程度は不正があり得るという目で、同じような成果物がどんどん出てきますから、見ていかないと、なかなか見抜けないと思うんですよね。
 現場に行って、果たしてそれで帳票類チェックしてみて本当にそれが分かるかどうか、これはやっぱりこれから、今検察も入ってやっているわけですから、検察がなぜチェックできたかというそういう手法も是非見習っていただきたいというふうに思っています。これは今後、やっぱり研究現場がこのままじゃ私はいけないと思うんですよね。これを契機に、かなりいろんな省庁もちゃんと一緒に反省をするべきで、これJSTも同じですからね、そこはちょっとやっぱりやり方を考えていただきたいというように思っております。
 それからもう一点、物品管理の問題というのもちょっと指摘をされています、今回ですね。
 会計検査院が、産総研と製品評価技術基盤機構の取得物品を検査したところ、無償貸与等の手続を経ないまま、ずっと一年以上経過、これルール違反らしいんですけど、物品管理簿に記載されていなかったと。これ八百四十四個あって、全てこれが産総研だそうです。それから、受託者が無断で破棄しちゃったというんです、物品をね。これが六百五十一個で、そのうち、六百五十のうち三個だけがこの製品評価技術基盤機構の話で、六百五十一個のほとんど、六百四十八個は産総研だそうですね。それから、使用見込みがないにもかかわらず、需要調査をせずに一年以上保管をしていたと、これもルール違反らしいんですけど、ほとんどが、やっぱりこれも産総研と。
 この物品管理の問題が言われているのは事実上産総研なんですけれども、どうしてこの産総研で物品管理行われていないか、その原因は何だとお考えでしょうか。
○政府参考人(飯田祐二君) お答え申し上げます。
 まず、昨年の十一月に検査院からの、先ほど御指摘ございました、独立行政法人の物品管理の不適切な取扱いについて指摘を受けまして、大変申し訳ございません。
 原因でございますけれども、これは会計検査院の報告にも示されてございますけれども、まず、当省から、産総研それから製品評価技術基盤機構、NITEでございますけれども、必要な手続を行うことについてしっかり周知ができていなかった、不十分であったということ。それから、当省の中でも担当部局が非常にまたがってございますけれども、そうした点について十分周知が行き届いていなかったという点が指摘をされておりまして、こうした点が原因でございまして、改善を図ってまいりたいというふうに考えております。
○古川俊治君 研究現場で、聞いてくださいね、これ、研究現場では、御存じだと思いますけど、物品といってもいろいろありますよ。それはIT製品から検査機器から、最後、コピーの紙まで全部入りますから。メモリーもそうだしね。ああいうのは、結局、備品と消耗品に分かれるんですよ、これいろいろ、それは二十万なんですね、区切りが。二十万円以上だと物品になって、物品管理と。これは、買うときに相みつ取らなきゃいけないんですね。それで、管理した後、これはどこの予算でもらったから何年間置いておかなきゃいけないとかあるわけですよ、手続がね。それは面倒くさいので、我々はなるべく二十万円以下の組合せでやろうとするんです、研究者は。それはなぜかというと、すごくこの手続が煩雑になるんですね。
 私、申し上げたいのは、この二十万円というのはどういう根拠があるんだということなんですよ。だって、産総研って、少なくとも特定国立研究開発法人という特別な独法にしたんですよ。これは研究開発力をとにかく高めたいという思いからやっているわけですよね。ところが、二十万円で一々一々、一年以上たったから管理しなきゃいけないとか、何年たったから需要調査しなきゃいけないなんというのは、これ、はっきり言って余計な負担ですよね。この二十万円という額を、もっとこの法人に限って上げるとか、そういうことは考えられないんですか。
○政府参考人(飯田祐二君) お答え申し上げます。
 御指摘いただきました、処分手続が必要となる物品の取得額については各省が個別で内規等で定めることになってございまして、経済産業省は、平成八年に経団連等からの要望を踏まえまして、当時二万円だったものを二十万円にしております。
 御指摘を踏まえまして、各省の状況を踏まえて、各省も調べたんですけれども、経済産業省、二十万円が必ずしも低いと、各省ごとにばらばらでございますけど、というわけではございませんけれども、御指摘を踏まえまして、上限を更に上げられないか、今後検討してまいりたいと考えております。
○古川俊治君 中古品を売るとか言っていますけど、パソコンだって今二十万円以上するんですよ。あんなもの、しばらくたったらもう古くて全然駄目です、メモリーもどんどん増えているんだしね。だから、それが実態なので、世界を超えよう、競争しようと言っているんだから、二十万円でどうこうというのはおかしいですよ、やっぱり。それは是非、それぞれの機関に応じて考えていただきたいと思っております。
 じゃ、次の質問に移りたいと思っております。
 平成二十八年の決算では、沖縄の西普天間住宅地区跡地に国際医療拠点を形成するという目的で調査費が九千二百八十万円付けていただいております。
 ただ、これちょっと申し上げますと、琉球大学をここに移転するという計画なんですが、琉球大学の医学部、私の同級生も何人か赴任をさせていただいておりますし、また島尻安伊子補佐官からもここに見に来てくれというので私も行きまして、ここは是非しっかり沖縄のために頑張りたいと思っているんですが、協議会の今報告書、この調査費を使ってやったものを見ますと、高度医療・研究機能の拡充、地域医療水準の向上、国際研究交流・医療人材育成と、結構手広くテーマが広がっているので、これだけやりたいという思いは分かるんですが、ただ、実際、琉球大学という中にいる人的にもリソースがそれだけあるかということとともに、やっぱりなかなか人材もお金も難しい。どっちかというと、そういう沖縄の特徴を生かしてこういう人材とか資金を引っ張ってくると、そういうモデル、どこかに集中してやった方がいいんじゃないかと私は思うんですけど。
 それから、OISTってありますよね、周りに。それから米海軍の、米軍の病院も大きいのがありますし、医療機能にしても、あるいはOISTとの連携ということにおいても、十分それぞれお互いにやっていく余地があるんじゃないかと思うんですね。この方針をこれからどういうふうに集中させていくか、この点について大臣のお考えをいただきたいと思います。
○国務大臣(福井照君) ありがとうございます。
 御指摘の昨年四月に公表されました協議会報告書、国際性・離島の特性を踏まえた沖縄健康医療拠点についてということで、西普天間住宅地区における国際医療拠点の形成に関する協議会報告、昨年の四月二十六日公表でございます、の内容につきましては、この協議会の下に設置されました内閣府と琉球大学と沖縄県等で構成される関係者会議におきまして具体化のための議論を進めているところでございます。
 この具体化に当たりましては、まさに先生御指摘のように、沖縄の特色を生かす観点が重要というふうに考えておりまして、例えばバイオバンクにつきましても、沖縄で特徴的な疾患の原因究明や予防に重点を置いた取組を行うことといたしております。例えば、若年層の糖尿病が深刻な久米島におきまして、住民の遺伝子情報そして生体情報をAIで統合解析をして生活習慣病を予防する対策を導き出す事業を先行的に実施しているところと伺っております。
 また、おっしゃいましたように、沖縄健康医療拠点の形成につきましては、琉球大学のみならず、沖縄県や県立中部病院等県内外の多様な機関、OIST、米国海軍病院などとも連携をして、協力を得ながら取組を進めていくことといたしておる次第でございます。
 今後は、いただきました御指摘も踏まえさせていただきまして、内閣府や琉球大学、沖縄県等の関係者で議論を深め、沖縄の特性を生かした沖縄健康医療拠点の形成にしっかりと取り組んでまいりたいと思っておる次第でございます。
 先生、実は私も先日琉球大学に赴きまして、プレゼンを医学部の先生から伺いまして、大変力強く思った次第でございます。もう世界の医療を俺たちが引っ張っていくんだという大変高い志をお持ちでございましたので、今後とも、先生の御指導を踏まえまして、よろしくお願いいたします。
○古川俊治君 ありがとうございます。
 私も現地見ましたけれども、まだちょっと地ならしをやっている段階でして、その思いをやっぱり実現するには、何といったってやっぱりお金が掛かるんですよ。少なくとも一千億は絶対掛かりますし、できる限り多い方が、多額にもし御支援いただいた方がいいものができると思うんですが、幾らぐらい掛かるか、今の予定額と、それを更に増額するための大臣のお気持ちを伺いたいと思います。
○国務大臣(福井照君) ありがとうございます。
 琉球大学医学部及び附属病院の移設につきましては、琉球大学の現在の計画では平成三十六年度末の完成を目指しております。平成三十年度予算につきましては、主要な建物を建設するために必要な実施設計費として約三億円を措置をさせていただいております。
 平成三十一年度以降も引き続き実施設計は行われるわけでございますけれども、現在のところ、実施設計が終わっていないため、全体の事業費はあらあらでしか分かっておりませんけれども、先ほど先生おっしゃいましたような総事業費の現在のところの琉球大学の見込み、琉球大学としての見込みは八百億から九百億円程度というふうに見込んでいる次第でございます。
 本事業につきましては、沖縄振興の観点から沖縄振興予算、そして病院整備の観点から財政融資資金なども活用させていただくことになっておりますので、今後、必要な予算につきましては、各年度の予算編成過程の中で、関係省庁そして沖縄県と連携しながら検討してまいりたいというふうに存じております。
○古川俊治君 終わります。
○秋野公造君 公明党の秋野公造でございます。お役に立てるように質疑をしたいと思います。
 まず、子ども・子育てにつきまして二点お伺いをしたいと思います。
 一点目は、保育についてお伺いをしたいと思いますが、政府におかれましては、保育の受皿を強化をするという取組を強めておりまして、働き方に応じた企業主導型保育事業が推進をされているということを高く評価をしております。さらに、私が高く評価をしたいのは、職員数とか資格、あるいは保育室等、屋外遊戯場、処遇等といった給食と、こういったような基準というものをきっちりと守っているというようなことをまた改めて評価をしたいと思っておりますが。
 ちょっと皆様、今日は私、資料を配付をさせていただいております。ド・ロ神父記念館という長崎市の御配慮でいただきましたもの、そして委員会での配付をお許しをいただきましたことに感謝を申し上げたいと思いますが。
 実は、明治十九年、一八八六年の段階で既に出津、出ると津と書いてシツと読みますが、出津保育所という企業内保育所、事業内保育所が既に存在をしていたという事実であります。パンフレットを御覧をいただきますと、ド・ロ神父という方はフランスの方でありまして、そもそも印刷につきまして日本へ普及をするために来日をしたということでありますが、中を見ていただきますと、例えばそうめんとかマカロニとかメリヤスとかイワシとか、こういった様々な事業を日本の方々にいろいろ教えてきたということ、中には洋式作業衣ということで制服みたいなものも示されておりまして、その制服を着た女性たちの子供を中心に面倒を見ていたということであります。
 館内の案内図の写真もありますが、左下の地図を見ていただきますならば、調理室、もう既に確保をされておりまして、極めて現行の国の基準に近い形で保育が行われていたということ。もう一枚の紙を見ていただきますならば、二百名近くの子供たちが預けられていたということで、明治十九年の時点でもう国の保育の原型と言われるものは存在をしていたということであります。
 ここは、今、世界遺産の登録を六月、七月にも待っているところであるということも申し上げておきたいと思いますが、既に明治十九年の段階でこういった先駆的な取組が行われていたということを踏まえて、しっかりとした保育の質を確保する、その上で整備を行っていくということにつきまして、高木厚生労働副大臣にお伺いをしたいと思います。
○副大臣(高木美智代君) お答えいたします。
 自園での調理など国が定める保育園等の設備運営基準は、児童の健全な発達に必要な保育を行うための最低基準として定められておりまして、保育現場において保育の質を確保する役割を果たしております。
 秋野委員御指摘の出津保育所につきましては、工場で働く従業員の子供を対象として、現在でいう事業所内保育のような形で保育を提供した施設でございまして、かまどを設けて自園での調理を行ったなどの点で今の国の基準に近い保育環境を今から百年以上も前に整えていた極めて先駆的な取組と承知しております。
 政府といたしましては、二〇二〇年度末までに三十二万人分の保育の受皿を整備し、待機児童の解消を図ることとしておりまして、こうした取組に思いをはせながら、引き続き、保育の受皿の拡充と保育の質の確保を車の両輪としてしっかりと進めてまいりたいと考えております。
○秋野公造君 副大臣にお願いでありますけれども、先ほど申し上げたように、ここは集落として世界遺産の登録を待っているようなところであります。そして、明治十九年の段階からこのような形で保育の質が担保をされていたということは、我が国が誇りとすべきではないかということも思います。
 その意味では、こういった出津保育所の事例を先駆的な取組として周知をお願いをしたいと思いますが、御見解をお伺いしたいと思います。
○副大臣(高木美智代君) 繰り返しになりますが、御指摘の出津保育所につきましては、極めて先駆的な取組であると承知しております。保育園等での自園調理の意義などについて周知する際などに、機会を見て併せて紹介をさせていただきたいと考えております。
○秋野公造君 どうぞよろしくお願いをいたします。
 委員長、高木副大臣は御退席をしていただいても結構であります。
○委員長(二之湯智君) 副大臣、どうぞ御退席ください。
○秋野公造君 もう一点、子ども・子育てにつきまして御質問をさせていただきたいと思います。
 出産、それから分娩時のリスクというものは、なかなか低減をさせるということは非常に難しい状態であります。羊水塞栓症でありますとか常位胎盤早期剥離でありますとか、大量出血を起こしたり、あるいは凝固異常を起こしたり、出産時に様々な事象が生ずることにより、出産そして分娩というのは今にあっても安全な医療ではないということであります。
 そういうときに、フィブリノゲンという製剤があります。これは止血を行う、体の中で止血を行うときに最後に効果を現す物質でありまして、それが製剤となっているわけでありますが、このフィブリノゲンの製剤の適応につきましては、平成十年の再評価によって、低フィブリノゲン血症の出血傾向のうち、先天性、すなわち生まれつきのものに限られておりまして、後天性のものについては適応が省かれているというのが現状でありまして、危険な状況にあっても、薬事承認上、保険適用上は認められていないというのが今の現状であります。しかしながら、今申し上げたように、この産科的な危機的出血などによるニーズというのは、後天性の低フィブリノゲン血症に対してニーズは高いということであります。
 今般、関係学会が厚生労働省に対して、これらの疾患を対象とした効能、効果の拡大について、今私申し上げたような、真にこのフィブリノゲン製剤の投与が必要と考えられる疾患、これを対象を絞る作業を行った上で要望が行われました。この要望を行うに当たりましては、関係学会や様々な立場の方々を交えて公開の場で議論が行われておりまして、私自身もその議論に参加をさせていただいたところであります。
 こういったことを踏まえて、厚生労働省においては本剤の適応拡大について是非御検討をお願いをしたいと考えますが、御見解をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(宮本真司君) ただいまの御質問にお答えさせていただきます。
 本年二月に日本産科婦人科学会、それから日本輸血・細胞治療学会及び日本心臓血管外科学会の御意見として、産科危機的出血、ただいま先生が御指摘されたような出産に伴う大量の出血や心臓血管外科手術に伴う後天性低フィブリノゲン血症による出血傾向の改善を対象として、フィブリノゲン製剤の効能、効果の拡大の御要望をいただいております。
 先ほど先生御指摘いただきましたように、フィブリノゲン製剤につきましては、平成十年に再度、その時点の科学的知見に基づき、安全性、有効性を確認した結果、効能、効果が低フィブリノゲン血症の出血傾向のうち先天性のものに限定され、後天性のものは除かれたところでございます。今回の御要望におきましては、産科危機的出血等に伴う後天性低フィブリノゲン血症を対象としておりますが、これらへの効能、効果の拡大を行うに当たりましては、安全性、有効性に関して新たな知見を含め検討することが必要であると考えております。
 今後、安全性、有効性に関する新たな知見の収集に関係学会の御協力もいただきながら、検討を進めてまいりたいと思っております。
○秋野公造君 ありがとうございました。
 検討を進めていただくということでありまして、具体的な方向性まで示していただきました。新たな知見を取るということであります。どうぞよろしくお願いをしたいと思います。
 もう一点、手術等の安全対策としてお伺いをしたいと思います。
 これまで、医療用手袋のアレルギーによりまして、例えば開腹手術を行いまして、おなかを開けて手術を行う、そうすると腸が癒着をしてしまうということで、腸が癒着をするので、またその癒着を取ろうと手術をいたしますと更に癒着が続いてしまうということで、原因がなかなか分からなかったもののうちに、ラテックスと呼ばれる手袋の原料として使われているもの、これが原因であるということが分かってきたことから、政府全体に対しまして対応を求めさせていただいたところ、政府全体の取組の中で、平成二十八年十二月に厚生労働省より、中でもパウダー付き、よりアレルギーを起こしやすいパウダー付きの手袋については二年後の流通停止を求める通知、そして二十九年の三月三十一日、消費者庁、経済産業省、厚生労働省、三省庁でニュースリリースを出していただきまして、アレルギーという問題が生じているといったような周知なども行っていただきまして、そしてグローブ工業会などの業界の御協力もいただきながら、現状どんどん減っているということであります。
 感謝を申し上げたいと思いますが、もう一点、加硫促進剤というものがこの手袋を作る際にはどうしても必要といいますか、今それを使って作られている場合が多いということでありまして、このアレルギーが現状で残っております。
 このパウダー付き手袋については、もう本当に迅速な対応を国を挙げてやっていただきましたことに改めて感謝を申し上げたいと思いますが、この残っている課題、加硫促進剤によるアレルギー被害についてどのように考えているか、経済産業省にお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(及川洋君) お答えいたします。
 医療現場におきまして、医療用ゴム手袋における加硫促進剤が原因のアレルギー被害が指摘されていること、これは私どもも承知してございます。
 これを踏まえまして、業界では、加硫促進剤フリー製品の製造、それからアレルギーのリスクがより低い加硫促進剤の選択、そして製造時の洗浄による残留加硫促進剤の低減といった対策に取り組んでおりまして、加硫促進剤によるアレルギーの発生を最小限に抑えられるよう努力しているものと承知してございます。
 また、医療用ゴム手袋のJIS規格におきましては、生物学的安全性を確認する旨を定めることで一定の安全性を担保するとともに、製品の使用によりアレルギー反応を引き起こすおそれがある旨の表示を定めることで消費者への注意喚起の徹底を図っていると認識しております。
 経済産業省といたしましては、関係省庁とも連携し、こうした業界の自主的な取組が着実に行われるよう対応してまいりたいと考えてございます。
○秋野公造君 どうかよろしくお願いをしたいと思います。
 もう一つ、命を守るという観点でお伺いをしたいと思います。それは、違法薬物対策ということであります。
 今日、委員の先生の皆様方の手元には、資料二ということで、かみくにこさんという方が書かれた「あなたを忘れない 薬物依存の子との闘い」という本の一部を、抜粋をお配りをさせていただいております。ちょっとめくっていただいたならば、「はじめに」のところには、「薬物中毒の子を持って苦しんだ家族の手記で、全てが実話です。」ということ、そして御長男をこの薬物にて失ったということが書かれてあります。一番最後のページを御覧いただけますならば、線を少し引かせていただいておりますが、「薬物売買者は、死刑に匹敵するような厳罰に処して欲しい。そして、精神科ではない、薬物依存者専門の病院を早急に造って欲しい」といったような願いも書かれているということであります。
 私も、公明党の薬物対策PTの事務局長を拝命をさせていただいて、政府の皆様方と連携をさせていただきながら、こういった取組については強化のお役に立ってまいりたいと思っているところでありますが、データを調べてみますと、死亡診断書又は死体検案書に基づく統計を拝見をいたしてみますと、平成二十八年度における薬物における死亡という報告例は僅か五例ということでありまして、ちょっと実態に合っていないのではないかという問題意識を持っています。
 その意味では、この違法薬物については、例えば検査とか解剖の結果、薬物中毒によって死亡したといったような情報を警察の方で幅広くお持ちなのではないかと思います。その意味では、死亡したとの情報が得られたのであれば、薬物乱用防止のために、警察はその情報を今申し上げた統計などを取っている市町村など関係行政機関に共有すべきではないのかと思いますが、御見解をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(大賀眞一君) 警察は、公共の安全と秩序の維持に当たることを責務としておりまして、その観点から、取り扱う死体について、その死が犯罪に起因するものかどうかなどを判断するため、検視、死体調査や解剖を行っているところでございます。
 その結果明らかになった死因がその後同種の被害を発生させるおそれのある場合、被害の拡大やあるいは再発防止等の観点から、市町村を含めまして関係行政機関との間で適切に情報共有がなされることが重要であると考えております。
 委員御指摘の薬物乱用防止に資する情報につきましても、適切に情報共有を図ってまいりたいと考えております。
○秋野公造君 これはどうかよろしくお願いをしたいと思います。
 しかしながら、この死亡診断書又は死体検案書を作成をした後に例えば傷病名などの変更があった場合には、そもそも市町村に対して医師が届出をするということも必要なのかと思います。
 厚生労働省においては、医政局それから政策統括官におきまして、死亡診断書記入マニュアルという形で再提出をお願いをしているところでありますが、現状としてこういう状況であります。通知を出すような対応が必要かと考えますが、厚生労働省の御見解をお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(椎葉茂樹君) お答えさせていただきます。
 死亡診断書や死亡検案書は、人の死亡を医学的、法律的に証明するとともに、我が国の死因統計作成の資料となる重要な書類であり、その内容は正確でなければならないと考えているところでございます。
 こうした死亡診断書等を作成後、傷病名等の変更があった場合には、速やかに最寄りの市町村窓口に申し出ることを従前から死亡診断書又は死体検案書記入マニュアルを通じましてお示しをしているところでございます。
 委員御指摘の件でございますが、引き続き、関係部局と緊密に連携しつつ、通知を発出する等、効果的な周知を図ってまいりたいと考えているところでございます。
○秋野公造君 ありがとうございます。どうかよろしくお願いをしたいと思います。
 薬物乱用対策を徹底するためには、現状の把握というものが必要だと思います。違法薬物による中毒死に対してしっかりとした死因究明を果たしていくべきと考えますが、政府の決意についてお伺いをしたいと思います。
○副大臣(あかま二郎君) お答えいたします。
 まず、本来、死因究明等の担当大臣でございます小此木大臣の方から答弁すべきところ、本日、大臣に代わって私の方から答弁をさせていただくことを御理解を賜りたいと思います。
 まずでございますが、政府といたしましては、犯罪の見逃し防止や公衆衛生の向上の観点から、死因究明等の実施に係る体制の充実強化、これを取り組んでおります。
 施策を総合的に推進をするためということで、死因究明等の推進計画、これを平成二十六年の六月に閣議決定をいたしております。この計画においてでございますけれども、八つの重点施策の一つとして薬物及び毒物に係る検査の活用を柱として取り上げて、関係省庁が具体的に講ずべき施策、これらを挙げて取組を一層推進しておるところでございます。
 内閣府といたしまして、委員御指摘のように、違法薬物による中毒死、これらについては、まず関係機関において適切な検査、これが実施される、このことが重要であると思っていますし、あわせて、検査によって得られた死因を含めた情報、これらが薬物乱用対策等への活用のため、関係市町村を始めとする必要な行政機関に提供されることなどが重要だというふうに考えております。必要な対応がなされるよう、関係府省庁との連携、この確保に取り組んでまいりたいと思っております。
 以上です。
○秋野公造君 あかま副大臣、ありがとうございます。
 かみくにこさんを始めとする様々な思いでいらっしゃる方の思いにお応えしていくためにも、違法薬物対策につきましては、政府全体におきまして更に強化をしていただきますようにお願いをしたいと思います。
 次に、緊急被曝医療体制の強化についてお伺いをしたいと思います。
 まず最初に、原子力規制庁に対して、緊急被曝医療の特殊性、これまで我が国で提供してきた緊急被曝医療、こういったものを例を挙げて御説明をお願いをしたいと思います。
○政府参考人(片山啓君) お答え申し上げます。
 具体例といたしましては、例えば平成十一年九月にいわゆるジェー・シー・オーの臨界事故が発生をいたしました。この際には三名の作業員が重篤な被曝をされたわけでございますけれども、この三名は、まず放射線総合医学研究所病院に搬送され、急性放射線症候群への対応及び線量評価が行われ、専門家から成るチーム体制の下に被曝線量に応じた治療方針がまず検討されました。三名のうち極めて高い線量の被曝を受けていた二名につきましては、東京大学医学部附属病院及び東京大学医科学研究所附属病院へ転院し、引き続き、専門家から成るチームの下に造血幹細胞移植を含む集中治療が行われたという事例がございます。
 また、昨年、平成二十九年六月に日本原子力研究開発機構大洗研究開発センターにおきまして被曝事故が発生をいたしました。この際には五名の作業員が被曝をしたわけでございますが、この五名の方については、放射線医学総合研究所病院に搬送され、皮膚表面の十分な除染を行った後、専門家から成るチームの下に肺モニターによる物理学的線量評価、バイオアッセー法による生物学的線量評価が行われ、またキレート剤投与による内部被曝に対する治療が行われた例がございます。
 このように、被曝医療の特殊性といたしましては、低頻度の事象に対する医療であるということ、被曝線量及び被曝の種類に応じた専門性の高い治療が必要となること、さらに、確率的影響等の将来的な影響が懸念されることから長期的な経過観察が必要であることなどが挙げられるかと思っております。
○秋野公造君 今お話をしていただいたものに加えて、例えば、今後は放射性やけどとか、こういったものがニーズとして備えておかなくてはならないものではないかと思いますが、今日は、委員の先生方、資料三としてこの緊急被曝医療体制の強化につきましての資料を配付をさせていただいております。
 東日本大震災のときには、かつて整備をされておりました第三次被曝医療機関、当時は、放射線医学総合研究所及び広島大学ということで僅か二機関のみの指定にとどまっておりまして、残念ながら十分に機能しなかったという背景を踏まえまして、原子力災害対策指針の改定が平成二十七年八月に行われまして、大体でありますが、三次被曝医療機関の役割を、右側御覧いただきますと、二つの役割に、高度被ばく医療支援センター、そして原子力災害医療・総合支援センター、この二つに分けて、そして、下に書いてありますとおり、高度被ばく医療支援センターについては五機関、原子力災害医療・総合支援センターについては四機関という形で強化が行われたものであります。
 ここで規制庁に対しまして、現在の緊急被曝医療体制のうち、高度被ばく医療支援センター、それから原子力災害医療・総合支援センターの役割について御説明をお願いしたいと思います。
○政府参考人(片山啓君) お答え申し上げます。
 高度被ばく医療支援センターは、長期的かつ専門的治療を要する内部被曝患者の診療等の被曝医療の提供に加えまして、原子力災害拠点病院の中核人材に対する高度専門的な教育研修を行う機能などを求めているところでございます。
 また、原子力災害医療・総合支援センターは、原子力災害拠点病院で対応できない高線量被曝傷病者の受入れ及び専門的治療の提供に加えまして、平時からの原子力災害拠点病院に対する総合的支援や関係医療機関等とのネットワークの構築、さらに、原子力災害が発生した際には、被災地域において救急医療等を行う原子力災害医療派遣チームの派遣調整を行う機能などを求めているところでございます。
○秋野公造君 放射線総合医学研究所が、かつては、旧体制においては二つしかない第三次被曝医療機関の一つに位置付けられておりながら、現状においては高度被ばく医療支援センターの役割しか担えなかった理由につきまして御説明をお願いしたいと思います。
○政府参考人(片山啓君) お答え申し上げます。
 原子力災害医療・総合支援センターには、被曝傷病者に対応可能な高度救命救急センターの診療機能などを求めているところでございますが、放射線医学総合研究所病院は放射線診療を基礎に置く研究病院でございまして、これらの機能を有しておりません。したがいまして、放医研から申請がなく、我々の方で指定をしなかったということでございます。
○秋野公造君 私はこのままで本当にいいのかという問題意識を持っています。独立行政法人で大きな役割を担っていくということが期待をされている状況でありながら、片肺といいましょうか、一つの役割しか担えないと、そのときはそれでも仕方がなかったかもしれませんが、その状況が続いているということに対して問題意識を持っています。
 そこの、これから研究被曝医療の中身を埋めていく主体を一体誰がなるのかということでありまして、研究をしっかり行っていくように、私自身は、平成二十五年の十一月二十日の参議院原子力問題特別委員会において、研究は原子力規制委員会自らが行わなくてはならないということを求めておりますが、その後の状況について御説明をお願いしたいと思います。
○政府参考人(片山啓君) お答え申し上げます。
 以前、委員に御指摘をいただきました点でございますけれども、規制委員会による放射線防護分野や被曝医療に関する安全研究といたしまして、平成二十九年度から予算を確保し、新たな安全研究事業を実施しているところでございます。
 この事業は、毎年度、原子力規制委員会が関連分野の有識者からの提案を基に重点テーマを定めまして、公募により案件を採択し、研究者に研究委託をするということとしております。その成果を放射線防護分野あるいは被曝医療分野の安全規制あるいは事業に反映することを目的としたものでございます。
 本年度につきましては、被曝医療の体制構築に関する調査研究を含め、五件を新たに採択をしておりまして、前年度からの継続を含め、全体で十七件の研究を行うこととしているところでございます。
○秋野公造君 二十五年にお願いをして、二十九年ということでありますから、遅いということを申し上げておきたいと思いますが、中身も、線量測定に偏った部分が非常に多くて、この緊急被曝医療自体に踏み込んだものが非常に少ないように思っております。そのこと自体が、先ほど申し上げた、第三次被曝医療機関の役割を二つに分けて、その一つしか担うことができない状況を現しているような気がしてなりません。
 研究を通じた、先ほどおっしゃっていただいた五つの機関の連携が見えませんが、今後どのように連携を図るおつもりか、お伺いをしたいと思います。
○政府参考人(片山啓君) お答え申し上げます。
 現状におきまして、被曝医療に必要な除染等の手技など、線量評価だけではなくてこういった手技に関しましても原子力災害医療・総合支援センターが実施している原子力災害医療派遣チーム研修において習得する機会を設けているところでございます。これに加えまして、委員御指摘のように、医療現場で必要な手技につきまして、より一層効率的、効果的に習得できる研修というのが大事だというふうに考えております。
 先ほど申し上げました安全研究事業におきまして、包括的被曝医療の体制構築に関する調査研究というものを今年度採択をしているところでございます。この研究を通じて、現在行われている研修体系などの見直しを行う予定としておりまして、今後、被曝医療に関して医療現場で必要とされる知識や手技等については、研修を通じて効率的、効果的に習得することができるように取り組んでまいりたいと考えております。
 また、この研究成果を活用して研修の体系化を行いまして、放医研を中心に五センターがしっかりと連携して実効性のある研修を展開できるように取り組んでいきたいというふうに考えております。
○秋野公造君 そういう背景もあって、裏側を見ていただきたいと思いますが、その二つの役割のうちの一つ、高度被ばく医療支援センターの部分で、基幹高度被ばく医療支援センターを設置するという形で放医研の強化を行おうということについては大変高く評価をしたいわけであります。その意味では、この放医研がもっと基幹として存在感を発揮する仕組みづくりが必要ではないかと考えますが、見解をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(片山啓君) お答え申し上げます。
 委員から今御指摘ありましたとおり、先週の原子力規制委員会におきまして、高度被ばく医療支援センターと原子力災害医療・総合支援センターの機能の見直しというものを議論をしていただきました。
 この中で、特に高度被ばく医療支援センターにつきましては、基幹となるセンターを指定をして、そこに非常に高度な内曝治療などが担えるような拠点をつくって、そこが全体の高度被ばく医療支援センターを引っ張っていく、そういう存在にしたいと。その基幹のセンターには放医研を念頭に置いて物事を考えようという方針を了承していただきました。
 こういったことを受けまして、事務方としては、どういう支援が具体的に放医研にできるのかというのをしっかりと考えていきたいというふうに考えてございます。
○秋野公造君 御答弁を伺っていると、これまでの背景もありましょう、やっぱり線量測定に偏った部分がありまして、新たに行う緊急被曝医療の強化ということはこれから力を入れていかなくてはならない部分だろうと思います。放医研にとっては、ある意味、新たな取組ということになるのではないかと私は思います。
 改めて、放医研を含むこの高度被ばく医療支援センター等について、恒常的な予算措置、組織定員配置の仕組みが必要ではないでしょうか。原子力規制庁の見解をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(片山啓君) お答え申し上げます。
 現在、高度被ばく医療支援センター及び原子力災害医療・総合支援センターが実施する事業につきましては、原子力規制庁の委託事業である原子力施設等防災対策等委託費によって実施をしているところでございます。
 一方で、放医研を含む支援センターに関する運営費交付金等の恒常的な予算措置や組織の定員配置などにつきましては、原子力規制庁が直接実は管轄ができないという制約はありますけれども、緊急時に実効性のある対応ができるよう、平時より関係機関と協力をいたしまして、両支援センターの機能強化に向けて引き続き取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。
○秋野公造君 もう一言踏み込んでほしいと思います。
 基幹センターとして新たな役割が付与されるわけであります。基幹センターとしての役割を果たすための恒常的な予算措置、組織の定員配置等の仕組みが必要ではありませんか。もう一回答弁を求めたいと思います。
○政府参考人(片山啓君) 今後とも、原子力災害医療体制の構築及びその維持向上のために、高度被ばく医療支援センターを含め、積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。特に、中心的、指導的な役割を担っていただくことになる基幹高度被ばく医療支援センターにつきましては、関係機関と協力し、強化に向けて一生懸命取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。
○秋野公造君 どうかよろしくお願いします。
 終わります。
    ─────────────
○委員長(二之湯智君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、石井苗子君が委員を辞任され、その補欠として石井章君が選任されました。
    ─────────────
○高木かおり君 日本維新の会の高木かおりです。
 我が党は、限られた時間の中で国民生活に関わる国会審議を前へ進めていきたいというスタンスで本日も質問に臨みたいと思います。
 それでは、本日、日本の知的財産政策についてお尋ねをしてまいりたいと思います。
 バブル経済崩壊後の一九九〇年代、よく失われた十年と呼ばれておりましたが、二〇〇〇年代に入ってからも日本の経済成長は、一九七〇年代、八〇年代、それに比べて緩慢なものにとどまっておりました。バブル崩壊後露呈しました銀行の不良債権問題や企業のバランスシートの傷み、そういった問題が基本的に解決していたにもかかわらず、経済成長はバブル崩壊以前の水準に戻らなかった、こういった状態でした。そこには、不良債権問題やバランスシートの毀損、こういった問題だけではなく、構造的な問題があったのではないかというふうに考えております。
 バブル崩壊後から今日まで、既に失われた二十年となってしまいました。このように言われるのには、技術流出による国富の損失、産業競争力の低下、こういった要因も無視できない要素として影響してきたのではないかと考えております。今後、日本経済が再興するためには、こうした技術流出による負の影響は絶対に回避しなければならないと考えております。
 世耕大臣は、バブル崩壊後の日本の産業競争力、経済の国際競争力と技術流出の問題をどのように分析され、そしてまた、今後どのようにこの分析を生かしていこうとお考えでしょうか。御所見をお願いいたします。
○国務大臣(世耕弘成君) やはり産業競争力確保の観点からは、この技術流出というのはしっかり防止をして、我が国企業が開発した技術というものは我が国企業がしっかりと活用していく、こういう体制を整えるということが非常に重要だと思います。技術の流出防止と産業競争力というのは密接に関係していると思っています。
 今の法律の中では、幾つかの法律で技術流出を止める仕組みがあります。これ、まさにこの何年かの間に強化もされてきているわけであります。
 まず一つは外為法であります。これは安全保障上の機微技術を守るというのが主目的であるわけですけれども、これが、平成二十九年十月に改正外為法というのが施行をされまして、特に安全保障上の機微技術に当たる場合には、厳格な管理を行う目的で、輸出管理の罰則強化ですとか、あるいは対内直接投資における事前届出が必要な業種の拡大などを行いました。
 また、もう一つは不正競争防止法というのがあります。ここでは営業秘密というのを規定しています。これ、名前は営業ですけれども、技術の秘密も入っています。この営業秘密に該当する場合は、その不正な取得や使用などに対しては民事措置と刑事措置が適用されるようになっています。これも平成二十七年に一度強化をされまして、営業秘密の保護強化を目的とした法改正が行われていまして、海外で使用を目的とした不正な行為を、罰則を重罰化するという規定を導入をしています。
 そして、今国会も、今、経産省、参議院の経産委員会で審議をいただいている産業競争力強化法の改正では、企業が確実に守るべき技術などの情報の適切な管理に係る認証制度といったものの導入を入れさせていただいております。
 いずれにしても、こういったもので重層的、多角的に企業の秘密、技術というものを守っていかなければいけないと考えています。
○高木かおり君 ありがとうございます。
 御答弁にもございましたように、三つの法律、経産省は三つのパッケージで日本の産業競争力、経済の国際競争力を強化し、守っていこうということであったかと思います。
 その一つ、先ほどもおっしゃっていただきました平成二十七年の不正競争防止法、いわゆる不競法の改正、これは営業秘密侵害行為に対する抑止力の向上を目的としたものであるかと思いますが、これは産業界からの要請も強かったと承知しております。
 同改正法は、平成二十八年一月一日施行され、二年と数か月が経過したところでございますが、その改正後、技術流出や産業スパイという視点、また観点から評価した場合、期待されたとおりの効果が発揮されているかどうか、これ非常に検証することは重要だというふうに思っております。
 改正時の参議院経済産業委員会の附帯決議には、関係省庁間及び官民の緊密な連携を図るとされております。この附帯決議を踏まえて、改正法の施行後、具体的にどのような取組を行ってどのような効果を上げてきているのか。
 また、併せて附帯決議には、捜査当局においては、適確かつ迅速な取締りを行うために十全な体制の強化、充実に努めるとされておりますけれども、今、全国の警察では産業スパイ事件を捜査するポストが新設されたというふうに承知しております。こうしたポストが新設され、営業秘密の主管である経済産業省とはどのような連携を図っているんでしょうか、お聞かせください。
○政府参考人(木村聡君) お答え申し上げます。
 先ほど大臣からも御答弁させていただきましたが、相次ぐ営業秘密漏えい事案などを受けまして、平成二十七年に営業秘密の保護強化を目的とした不正競争防止法の改正を行ったところでございます。
 具体的には、第一に、営業秘密侵害罪の罰金額の上限を引き上げさせていただきました上で、第二に、海外で営業秘密を不正使用した場合に、通常より高額な罰金額の上限を設定する海外重罰化などに関する規定の創設を行ったところでございます。
 その御審議の際にいただきました附帯決議を踏まえまして、例えばでございますけれども、取締り体制の拡充強化や捜査当局における迅速な取締りといたしましては、全国四十七都道府県警察におきまして営業秘密保護対策官を指定していただいたところでございます。
 次に、抑止力向上のための関係省庁間の連携といたしましては、警察庁などの関係省庁や産業界との情報共有を目的とした営業秘密官民フォーラムの開催をしております。
 また、普及啓発、周知徹底といたしましては、警察庁や全国の都道府県警察と連携した実務者向け説明会を開催いたしますほか、営業秘密の管理に関する分かりやすいハンドブックや手引を作成、配付しているところでございます。
 さらに、中小企業の漏えい防止対策に向けた相談体制の強化といたしましては、独立行政法人工業所有権情報・研修館、略称INPITでございますけれども、ここにおきまして、東京に営業秘密・知財戦略相談窓口を、大阪に関西知財戦略支援専門窓口を、そして、四十七都道府県に知財総合支援窓口を設置いたしますなど、企業向けの相談体制を整備するなどの取組を行っているところでございます。
 いずれにいたしましても、中小企業を含めた多くの企業の方々に法令に対する理解を深め、自主的な管理を強化していただくことが重要であると考えておりますので、経済産業省といたしましては、今後とも、関係省庁、機関との密接な連携の下に、営業秘密の保護の重要性について周知徹底に努めてまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○高木かおり君 改正法の成果でしょうか、今大きな情報流出事件というのは発生していないように思います。しかしながら、時代の変化に伴いまして、情報流出の形態も変化してきていますし、これからも変化するだろうということで、是非ともしっかりとやっていただきたいなと思います。
 時間の都合上、一つ通告の質問を飛ばさせていただきまして、話を少し変えまして、先ほど御答弁にもありましたINPITの件でございます。
 工業所有権情報・研修館、INPITが、全国四十七都道府県で運営する知財総合支援窓口で営業秘密管理を説明した中小企業に聞き取り調査をしたところ、七割弱が管理規定を整備していないことが分かったと、昨年九月八日の日刊工業新聞が報じています。この管理規定を設けないと、技術や製造ノウハウが意図せず流出しても不正競争防止法で守られないといった懸念があるために、INPITは営業秘密管理に関する集中的なプッシュ型支援を実施して重要性を訴えると同記事は報じているわけなんですが、どのような取組を行い、何か改善は図られたのか、経済産業省にお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(小山智君) お答えいたします。
 今御指摘のありましたように、日本の中小企業は日本の経済に非常に重要な役割を果たしておりまして、特許庁といたしましても、これらの中小企業の知的資産、知的財産の活動を支援するということは非常に重要だと考えております。今お話のありました、INPITと特許庁が連携しながら中小企業に対しての各種の支援を行っております。
 具体的には、知財に関する情報提供、国内外での権利取得、活用に関する相談支援、関連人材の育成というのをやらせていただいておりますが、そのうち、今お話のありました営業秘密等につきましては、特に近年、自分のところの、自分の会社の技術のうち、何を特許出願して権利として取得するか、また何を特許出願せずに営業秘密として保持すべきかという判断につきまして、さらには、営業秘密をいかに管理するかということにつきましての相談を多数いただいております。そのため、営業秘密の秘匿化に関しまして専門家からアドバイスを無料で受けられます営業秘密・知財戦略相談窓口というのを平成二十七年二月に設置いたしました。既に、二十九年度だけで相談実績四百件を超えております。
 特許庁といたしましては、今後とも、このINPITと連携しながら中小企業の知財の関連活動に関しまして積極的に支援してまいりたいというふうに考えております。
○高木かおり君 御答弁ありがとうございました。
 中小企業と一口に言いましても様々でございまして、INPITの窓口まで相談に行く余裕のある企業と、なかなかそこまでいかない企業があるかと思います。しかしながら、中小企業では、実験データや顧客情報、価格情報など、そういったものに限らず、工場での設備配置、金型、試作品、こういったものも企業の重要な資産であるわけです。取引先の求めに応じて提供した情報を盗まれたりですとか、従業員が退職時に持ち出したり、こういったようなトラブルも多いというふうに聞いております。特許出願して内容を公開する代わりに独占することは有効ですけれども、他社に模倣されていることが分かりにくい技術、こういったことはやはり自社で守る必要があるかと思います。是非、様々な場面でINPITが中小企業の支援となっていただくようにお願いをしておきます。
 最後になりますけれども、このINPITといえば、先ほども御紹介をいただきましたけれども、近畿地方に所在する中堅・中小・ベンチャー企業の知的財産の保護、活用を支援するINPIT近畿統括本部、INPIT―KANSAIが昨年七月末にオープンしております。近畿地方の中堅・中小企業は同本部に対して大きな期待を寄せているわけですが、経産省としては、このINPIT―KANSAIに今後どのような機能や役割を期待して、近畿地方の中小企業にどのようなメリットをもたらすと考えていらっしゃいますでしょうか。
 オープンしてまだ半年ですけれども、審査官がそちらのINPIT―KANSAIに常駐しているわけではなくて、特許庁の方から第一、第三金曜日に審査官が派遣されて出願者と直接面談をして審査する場を設けていると、そういうふうに聞いております。審査官を常勤にしてほしいですとか、もっと近畿の知財施策に本腰を入れてほしい、そういった声もお聞きしますけれども、そういった点についてもお聞かせください。
○政府参考人(小山智君) ただいまお話のありましたように、INPIT―KANSAIは、近畿地域の拠点として昨年の七月に開設をいたしました。近畿地方の各府県に設置されております知財総合支援窓口の取りまとめ、それぞれの窓口では対応できないような高度な相談を始め、中小企業の知財活動に関するワンストップ支援を行っております。
 今一部お話もございましたが、同本部には知財戦略をアドバイスできます専門家四名を常駐させております。それ以外にも、特許庁の審査官が出張している面接のほか、ユーザーの方が審査官と同等の先行技術の文献の調査を行うことができるような端末も設置させていただいております。利用状況も、この半年でありますが多くなっておりまして、特に出張面接審査につきましては五百五十八件ということで、これ全国の出張面接件数の既に約四割を占めているというところでございます。
 更に活用していただくためには、やはり私たちもより一層中小企業の方に知っていただくことが必要だというふうに考えております。そのため、大阪府等の自治体、弁理士会、さらには金融機関、中小企業の団体とも密接に連携しまして、様々なセミナーやイベントというところでINPIT―KANSAIを周知してまいりたいと思います。
 今お話のありました審査官につきましては、四名の今常駐しております専門家がおりますが、審査官をそれぞれ置くということにつきましては、審査官、いろいろ自分たちの非常に詳しい専門技術というものが、専門分野というものがあるものですから、特定の審査官をそのINPIT―KANSAIに置きますと、多くの分野で御出願いただくものですから、適切な対応を行うことが難しくなるのではないかということも懸念しております。
 ただ、いずれにしろ、出張面接審査とかテレビ面接といったものを活用しながら、中小企業の方の御要望に応えてまいりたいというふうに思っております。
 いずれにせよ、使われる方の御意見を伺いながら、INPIT―KANSAIの事業を通じまして中小企業の知財活動をしっかりと支援してまいりたいと、こういうふうに考えております。
○高木かおり君 時間が参りましたので、本日は終わります。ありがとうございました。
○石井章君 日本維新の会、石井章でございます。
 今日は、地方創生について御質問をしたいと思います。
 地方の活性化のための政策として、地方創生の、古くは竹下内閣でふるさと創生事業として各自治体に一億円ずつ配付しまして、それを起爆剤として各自治体が予算化してすばらしい結果を残したんですけれども、当時は、中にはばらまきじゃないかとか、あるいは思い付きでやったんじゃないかということも言った方もいましたけれども、今となっては政策として私は評価できるものと思います。
 梶山大臣のお地元でも、旧水府村ではあの一億円を活用して竜神大つり橋を造りまして、今ではレガシーとして残っております。バンジージャンプでも有名になりまして、当時、ですから、恐らく梶山先生のお父さんの静六先生辺りがしっかり御尽力されて、一億のお金で呼び水として三十三億円の事業をしたと。これは、残りの、じゃ三十二億円は一財かというとそうじゃなくて、多分、地総債とかいろんな整備債を使って、後々も交付金として返還の一部を交付金の中に入れてきてくれたということもありまして、今では本当に観光の目玉としてあの大橋が活躍しているというふうに評価しています。
 そこで、あれからもう三十年近い月日が流れておりまして、本年、梶山大臣は、国会において、地方創生の総点検を行った結果、施策の大宗は一定程度進捗している一方、昨年も東京圏への転入超過が約十二万人に上っていることから、政策を総動員し、人口減少に歯止めを掛けるとともに東京一極集中の是正に取り組む、こういった所信を述べられております。
 地方創生を進められること自体は党派を超えて大変歓迎しておりますが、来年は総合戦略の最終年であります。そういったことで、その時期を迎えるわけですけれども、この時点でまだ一定程度の進捗しかしていないということはいささか残念な評価でありますけれども、政策を総動員するにしても、進捗が遅れていることの要因分析を十分に行った上で次のアクションプログラムに移るべきだと私は思います。
 そこで、四年目を迎えた地方創生について、施策の大宗が一定程度しか進捗していない状況に対して、課題があるとすればそれは何なのか、そして、その課題に対してどのように対応していくのか、大臣から御答弁をお願いします。
○国務大臣(梶山弘志君) まち・ひと・しごと創生総合戦略の中間年に当たる昨年度、基本目標の各施策のKPIの進捗状況について、外部有識者によるKPI検証チームが総点検を行ったところであります。その結果、実施した施策の大宗は一定程度進捗していると評価をされたところなんですが、これらは中間年の評価であることから、一定程度の進捗という表現とされたものであります。今後、総合戦略の目標年次であります二〇二〇年の目標達成に向けて、各施策をしっかりと進めてまいりたいと考えているところであります。
 一方、基本目標二の地方への新しい人の流れをつくる取組につきましては、昨年も東京圏への転入超過が約十二万人に上り、東京一極集中の傾向が続いていると評価されるとともに、当目標は地方創生の根幹的な目標であることから、見直しを行うべきでなく、一層の取組強化により達成をすべきと検証チームにされたところであります。それらを踏まえて、今後は、平成二十九年十二月二十二日に閣議決定したまち・ひと・しごと創生総合戦略改訂版に基づいて、地方への新しい人の流れをつくるための施策の拡充に取り組むこととしているところであります。
 今のこの地方創生の取組は、人口減少、高齢化社会、このまま何も政策を行わなければ二〇六〇年には一億人を切ってしまう、高齢化率が五割近くになってしまう、そうなると国の活力もなくなってしまう、そうならないためにどうしていくかということで始まったものでありまして、息の長い取組であるということを是非また御理解をいただきたいと思います。
○石井章君 御答弁ありがとうございました。
 地方創生の総合戦略を見ますと、基本目標の一つに、地方に仕事をつくり、安心して働けるようにするが掲げられております。要するに、先ほど大臣がおっしゃいましたとおり、東京に十二万人もの余分に人口が流れていると。その歯止めをする一環として、例えば二十三区内の大学の定員を抑えるとか抑制する、まあこれは、私は余り、愚策だと思うんですが、いわゆる地方から東京に出て大学に入って、そこで居住を共にしてそこで住んでしまうということが多いので、やっぱり地方での良質な雇用をつくり出すということが必要じゃないかと思うんですが、やっぱり今、地方で良質な雇用というと地方公務員か地方銀行、あるいは御自分で創業家としてやっていく若者も増えております。
 そこで、私が、常磐線で通っていますけれども、私の地元は取手なんですけれども、取手では、おかげさまで地方創生先行型交付金と、それから加速化交付金を活用しまして、駅前の空きビルに起業家タウン取手として起業支援型のレンタルオフィス、マッチ箱を設置しまして、積極的に起業、創業の支援に取り組んでいる、これは国の交付金を十分に活用させていただいております。そして、昨年の十一月には、大臣も御存じのとおり、龍ケ崎市の方と創業支援広域連携、いわゆる取手と龍ケ崎が広域で連携して同じサービスを相互乗り入れをする、これも交付金を受けて、人口割りでその交付金を使いながらやっている、こういうこともこれは成功の好事例だと思います。
 龍ケ崎はあの中山利生元防衛庁長官の御子息の中山市長と、それから取手の藤井さん、同じ世代で、同じ気心知れたふだん着の付き合いのできる仲間同士が、だからこそ、そういう土壌があったからこそこういう広域連携ができたものと私は評価しておりますけれども、そこで、地方における仕事づくりの観点から、地方こそチャンスがあると若者たちが感じられるように具体的にどのような政策手段を実行していくのか、大臣にお伺いします。
○国務大臣(梶山弘志君) 地方における稼げる仕事づくりのため、これまでも、地域の特性を生かして高い付加価値を創出し、その効果を地域全体にもたらすことのできる地域経済牽引事業の促進等の各種施策を進めてきたほかに、地方創生関係交付金による自治体の取組を後押ししてきたところであります。
 今委員がお話しになりました取手の創業支援ということで、ここも三十五人の一年間で創業者を輩出をしたと聞いております。また、そのほかにも、六次産業化であるとか、そのための施設を交付金で後押しする、さらには、中小企業、自分の一社では準備できないような試験装置であるとか、また検査装置であるとか、そういったものもこの交付金で後押しをしているところであります。
 さらに、地方への大きな人の流れをつくるために、幅広い地域や世代や分野の方々に参画をいただき、私の下にわくわく地方生活実現会議を開催し、若者が地方にこそチャンスがあると感じられるような、従来の発想にとらわれない大胆な政策を今検討しているところであり、今年の夏を目途にこういった政策を取りまとめをしてまいりたいと考えているところであります。
○石井章君 ありがとうございます。あとは別な角度から質問したいと思います。
 DMOに関することも含めて、日本遺産に認定されますと、認定された当該地域の認知度も上がりますし、知名度も高まると。地域のブランド化にも貢献することから、認定を目指す自治体が多い状況を踏まえて、内閣府と文化庁は連携を図りながら地方創生に取り組んでもらう必要があると思います。
 私の母の生まれ故郷が牛久市なんですけれども、日本初の本格的ワインの醸造所として牛久シャトーというのがありまして、これは稀勢の里の、今の住んでいるところなんですが、平成十九年、経済産業省より近代化産業遺産に認定されまして、平成二十年には国の重要文化財にも指定されました。また、最近では、牛久シャトーを日本遺産にしようという動きもあり、日本におけるワイン発祥の地である山梨県甲州市と共同で、日本の近代化とワイン文化というストーリーで認定申請し、文化庁において今現在審査中と聞いております。
 そこで、お伺いいたします。牛久シャトーが日本遺産に認定されれば、茨城県における地方創生に大いに資するものと考えますが、いかがでしょうか、文化庁の方から御答弁を。
○政府参考人(山崎秀保君) お答え申し上げます。
 まち・ひと・しごと創生総合戦略におきましては、観光業を強化する地域における連携体制の構築に向けた施策の一つといたしまして、日本遺産の活用等を通じた、そこに行ってみたくなるような地域資源を生かしたコンテンツの磨き上げが必要であると位置付けているところでございます。この日本遺産は、地域の歴史的魅力や特色を通じて、我が国の文化、伝統を語るストーリーを認定する文化庁の事業でございますが、魅力ある有形、無形の文化財群を地域が主体となって総合的に整備、活用し、国内外に戦略的に発信することにより、地域の活性化を図ることを目的としております。
 委員から今お話のございました牛久シャトーのストーリーにつきましては、現在、平成三十年度の日本遺産の認定に向けまして、外部の有識者で構成されます日本遺産審査委員会において審査中でございますので、個別案件の評価等についてはお答えは差し控えさせていただきたいと思いますが、文化庁としましては、この日本遺産の取組を着実に進めることで、地方創生の実現に向け貢献をしてまいりたいと考えてございます。
○石井章君 期待しております。
 ここで、梶山大臣、茨城県、地元ということで、今の中身について一言だけ大臣から御答弁をお願いします。
○国務大臣(梶山弘志君) 個別の案件についてはコメントを差し控えさせていただきますけれども、世界に誇るべき文化が日本各地にあるわけであります。地方創生の観点から、それらの文化資源を活用した地域の活性化、産業創出や観光振興など、地域の特色を生かした取組が期待をされるところであります。
 平成二十四年には八百万人強だったインバウンド、海外からの観光客ですけれども、今は二千八百万人、さらにはまた二〇二〇年には四千万人という目標を立てているわけでありまして、様々なコンテンツづくり、またストーリーづくりというものがこれらの観光に資するものだと思っておりますし、それぞれの地域に眠っている観光資源をしっかりと起こして、また磨いていただきたいと思っております。
○石井章君 ありがとうございます。答弁しにくい個別案件で申し訳ございません。
 最後に、梶山大臣にお伺いいたします。
 地方創生の取組の一環で文化庁は京都に移転することになりますけれども、中央省庁でありながら、中央でなく地方にあるという立ち位置でどのように政策を展開していくのか。初の試みでありますけれども、そういったことゆえに課題もあると思います。これまでの文化行政は文化財を守ることが中心でありましたけれども、今後は、地方創生の観点からも、文化財を活用することが重要になると私は思っております。
 山本前大臣が、一番のがんは文化学芸員と言われたこともありました。そういう人たちだと。観光マインドが全くない、一掃しなければ駄目だということも言ったのも記憶に新しいんですけれども、波紋を広げたことは記憶に新しいわけでございますが、その趣旨としては、文化財を守ることだけでなく、活用することの重要性を訴えたかったんだと私は思っております。山本さんの性格からすれば、マイナスで言っているわけじゃなくてプラス思考で言ったと思うんですけれども、景観や周辺環境までを含めて文化財と捉えて保護するとともに、文化財を活用し、民間の収益事業などを組み合わせた取組を国としても積極的に支援すべきだと私は思います。
 そこで、町づくり行政と文化行政を連携させ地域振興につなげる政策、文化による地方創生について大臣から御答弁をお願いいたします。
○国務大臣(梶山弘志君) 文化庁の京都移転につきましては、今、京都の皆さんと一緒に成功するための努力をしているところでありまして、きっとすばらしいものができると思っておりますけれども、町づくりとまたその文化振興を一体的に進めるということで、非常に大切なことでありまして、今ある資源をいかに先ほど申しましたように生かしていくか、やはり行政も一体になって考えていかなければなりませんし、市民もそれに協力をしていただく、また、そういったもの、象徴的なものが京都への文化庁の移転であると考えております。
○石井章君 ありがとうございました。これで終わりにします。
    ─────────────
○委員長(二之湯智君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、阿達雅志君が委員を辞任され、その補欠として小野田紀美君が選任されました。
    ─────────────
○平山佐知子君 国民の声の平山佐知子です。
 今日は、再生可能エネルギー、太陽光発電、それからメガソーラーを特に中心に、経済産業省にお話を伺っていきたいというふうに思います。
 まずは、皆さんにお配りしております資料一を御覧ください。これは、二〇一五年に発表された長期エネルギーの需給見通しに二〇一七年九月時点の実績を加えたものです。
 二〇三〇年の電源構成は、再生エネルギーの比率が二二%から二四%で、このうち太陽光発電は七%程度とされておりまして、これを達成するために必要な設備容量は六千四百万キロワットとなっています。二〇一七年九月時点での太陽光発電の導入量は四千二百三十八万キロワット、エネルギーミックスに対する導入進捗率はおよそ六六%でございます。一方、太陽光発電のFIT認定量は七千百六十八万キロワットであり、既に、これ見ますと、認定量がこのエネルギーミックスで示された設備容量を超過している状態でございます。
 現在、エネルギー基本計画の見直しですとか長期的なエネルギー政策の方向性を検討されている最中だとは思いますけれども、政府として、このように太陽光発電の飛躍的なこの伸びについてどういうふうに受け止められていらっしゃるのか、まずは世耕大臣に伺います。
○国務大臣(世耕弘成君) 御指摘のように、太陽光発電については、FITの認定量というものが二〇三〇年のエネルギーミックスで想定をしている導入量をもう既に超えているというのは事実だというふうに思っております。
 その背景には、やはり太陽光の特性が幾つかあるというふうに思っていまして、まず、環境影響評価法による環境アセスメント手続が他の再エネは必要なんですが、太陽光は要らないということがあるというふうに思っています。また、工期が比較的短いとか、あと、取りあえず空き地があれば始められるということで立地上の制約が少ないといった点があって、太陽光が少し先行する形で認定量が進んでいるのかなというふうに思います。
 ただ、まだ六六%でありまして、我々としてはここからが少し胸突き八丁なんだろうというふうに考えています。例えば、地元の御理解の問題ですとか、あるいは、これは再生可能エネルギー全てに共通しますが、系統制約の問題ですとか、あるいは調整力の確保をセットで進めていかなければいけないといった課題がありまして、FIT認定を受けたとしてもこれ導入に至らない形になってしまうようなケースがあるんじゃないかということと、今までのようなスピードで進まないのではないかというふうに見ておりまして、やはり今後とも、太陽光発電についても、コスト低減に向けた取組の強化、系統制約の克服、調整力の確保など、導入に向けた施策はしっかりと進めていかなければいけないというふうに考えております。
○平山佐知子君 現状はよく分かりました。
 私ももちろん再生可能エネルギー進めていくことには賛成なんですけれども、これだけ太陽光発電だけが伸びている状況を見ますと、全体のエネルギーのそのバランスはどうなのかなということで、多少なりとも不安も感じたりします。
 もう一度、資料一を御覧いただきたいと思います。
 太陽光発電以外の再生可能エネルギーを御覧いただきますと、風力発電は導入進捗率がおよそ三四%、地熱発電はおよそ三三%、余り普及が進んでいません。太陽光は、当たり前ですけれども、天気がいい日、それから日中しか発電ありませんので、風力、地熱などとやっぱり一体として整備を進めていくことでバランス的にもいいんじゃないかと当然ながら思うわけですが、改めて伺います。
 この風力、地熱発電が太陽光発電と比べて余り普及しない理由を改めて教えていただきたいということと、今後の再エネの見通し、それから現在のこの現状の対策を何か考えていらっしゃるのかどうか、再び世耕大臣に伺います。
○国務大臣(世耕弘成君) まず、風力、地熱発電は、太陽光と同じ制約があるというふうに思っています。一つは、やはりコストが高いということ、あるいは系統制約があるということ、調整力を確保しなければいけない、この辺は太陽光と共通だと思いますが、一方で、やはり環境アセスメント手続を取らなければいけない、これが大体三から四年掛かるというふうになっております。あと、空き地があればできる太陽光に比べて、いろいろと立地上の制約といったものも出てくるという点があるというふうに考えております。
 我々もこのままでいいとは思っておりませんで、こういった課題に対応するために、例えば、一つは規制改革の観点から、環境アセスメントの手続期間の半減に向けて、環境調査を他の手続と同時並行で進められるこの前倒し手法の実証事業を開始したところでありまして、その成果を見ながら、一般的なルールとして普及をさせていきたいというふうに考えています。
 また、立地制約の克服という観点でいけば、風力発電については、やはり立地しやすい場所というのは洋上が非常に有力、風の量からいっても、あるいはほかの周辺との関係においても洋上風力発電というのがいいというふうに考えておりまして、海域を長期占用することを可能とする法案を今この国会に提出しているところであります。
 地熱発電については、これは最近、規制改革で可能になったんですが、国立・国定公園でもチャレンジできるという形になりました。地熱資源量の調査を国立・国定公園を中心に実施をして開発を加速化して、そして国が自治体に専門的な助言を行って地元調整を円滑化する取組などを行っております。
 太陽光だけではなくて、風力、地熱、バランスが取れた形で入るように政府としても取り組みたいというふうに考えております。
○平山佐知子君 ありがとうございます。
 今お話に出ました洋上風力発電、私も、やっぱり日本は三百六十度海に囲まれているわけですから、大変有力ではないかというふうに考えております。
 それから、太陽光発電ですが、言うまでもなく、安定した発電が難しいので火力発電などによる調整が必要になってきます。
 私、昨年、中部電力の中央給電指令所を視察させていただいたんですけれども、そこでは、太陽光を優先的に使いながらも質の良い安定した電気を送り続けるために、四人一組になってしっかりと緊張感を保ちながら調整している姿を見させていただきました。日頃、私たちがスイッチを押せば当たり前のように電気が付くような日常を送らせていただいているのも、やはりそういう現場の努力があるんじゃないかということも改めて認識しましたし、しっかりとそういうことも考えながら電力を使う必要があるのかなということも考えました。
 一方、太陽光発電の導入が進んでいます九州、四国地方では、供給過剰になり需給バランスを崩すおそれも懸念されています。経済産業省では、九州で余ったこの太陽光発電を本州により多く送電できるシステムの構築を目指しているようですけれども、その現在の設備状況と今後の見通しについてお願いいたします。
○政府参考人(高科淳君) お答え申し上げます。
 九州におきましては、太陽光発電等の再生可能エネルギーの導入が急速に進んでおりまして、今後、年末年始ですとかあるいは春秋の休日などの電力消費が少ない時期には、九州全体の発電量が需要量を上回る可能性がございます。その場合には、火力発電の出力制御や揚水発電の活用、さらには、連系線を通じたほかの地域への送電を行った上で、なお電気の供給が需要を上回る場合には、再生可能エネルギーの出力制御を行う必要がございます。
 このため、先生御指摘のとおり、九州から他地域への送電量を増やすシステムにつきまして、再生可能エネルギーの出力制御量を低減するための方策の一つとして、平成二十九年度補正予算で構築中でございます。
 具体的には、地域間連系線、この場合は関門連系線でございますけれども、事故発生時に発電所を系統から瞬時に遮断する装置を付けることによりまして、平常時の連系線の送電量を増やすことを可能とするものでございます。これを通じまして、平成三十年度内に関門連系線の運用容量を三十万キロワット程度拡大するとともに、ほかのエリアへこのシステムを展開していくことを目指しております。
 また、九州では、系統側蓄電池が持ちます揚水発電と同様の電力貯蔵機能を活用いたしまして、再生可能エネルギーの出力制御の回避にも努めておるところでございます。
 こうした取組を通じまして、出力制御量の低減を通じた再生可能エネルギーの最大限の導入に取り組んでまいりたいと考えてございます。
○平山佐知子君 分かりました。
 太陽光発電であろうと、やはり発電業者では変わりないというわけですから、例えばほかの火力とか原子力と同じように今後は発電業者として安定した質の良い電力の供給をしていくように太陽光発電業者にも私は求めていくべきだというふうに考えています。
 この再生可能エネルギーが普及することに反対する人はいないというふうに思いますけれども、今、全国各地に増え続けるメガソーラー建設をめぐって様々な問題も生まれています。
 例えば、私の地元の静岡県の伊東市でも、今、メガソーラー開発をめぐって事業者と地元住民などの間でもめている状況があります。このメガソーラー計画については、地元住民だけでなく、伊東市長を始め市議会も全会一致で建設計画に反対する決議が行われたほか、地元の静岡県知事も反対を表明しているという状況なんです。
 しかし、問題なのは、宅地造成等規制法の法律上の瑕疵はない、それから都市計画法でも太陽光発電設備は原則建築物に該当しないということから開発許可は不要というふうになっておりまして、泣く泣く許可を与えざるを得ないという状況になっています。
 今回のメガソーラー開発、伊東市のですけれども、これ、先ほども申し上げましたけれども、地元住民も行政もこぞって反対という立場を取っているわけですが、それでも建設を中止することができないと。こうしますと、規制する法律の方に問題があるんじゃないかとさえ思ってしまいます。
 先日も国土交通委員会でこの問題を取り上げさせていただきましたが、残念ながら国交省の所管する法律ではこのメガソーラーの建設を規制、監督するものはないということが確認されました。法律は、やはりそこに暮らす人たちの幸せが確保されるためにあるはずなんですけれども、このような状況で本当にいいのかどうか、ちょっと考えてしまいます。
 エネルギー政策の主務大臣である世耕大臣、このような状況をどういうふうに捉えられますでしょうか。
○国務大臣(世耕弘成君) これは、電力事業というのは非常に息の長い事業であります。長期安定的に発電事業というのを行っていかなければいけないものでありますから、これは太陽光発電に限らず、発電をするという事業に関しては、地元住民の御理解をしっかりいただきながら事業を進めていくということは非常に重要だというふうに考えています。
 このFIT制度が始まって以降、御指摘のように、太陽光発電に関しては、住民とトラブルになるようなケースというのも大分増加をしてきていることを踏まえまして、去年、改正FIT法というのを四月に施行をさせていただきましたけれども、その中では、新たに関係法令の遵守を認定基準に明確に位置付けさせていただいています。そしてまた、関係法令の遵守違反が確認された場合は認定を取り消すという厳しい措置もとれるようになっているわけであります。
 この関係法令というのは、もちろん国の法律、森林法とかそういった対象となる土地に対しての法規制というのも含まれていますが、それに加えて自治体の条例も入っているわけであります。発電事業者は、ですから、この土地に関する法律に加えて、各自治体が地域の実情に合わせて条例を定めた場合にはこれも遵守しなければいけないというルールにしたわけであります。
 こういった対策を通じて、発電事業者が地元との関係をしっかり構築をしながら適正に再生可能エネルギー発電事業を行っていくよう、引き続き取り組んでまいりたいというふうに思います。
○平山佐知子君 ありがとうございます。是非、エネルギー政策をつかさどる経済産業省として責任ある対応を引き続きお願いをしたいというふうに申し上げておきます。
 そして、二〇一七年三月、資源エネルギー庁が発表した太陽光発電の事業計画策定ガイドラインでは、事業者に対して、土地や地域の状況に応じて、防災や環境保全、景観保全の観点から、適切な土地の選定ですとか開発計画の策定を行うように努めること、それから、地域住民と適切なコミュニケーションを図り、十分配慮して事業を実施するように努めることなどを求めています。これで一定の効果が期待されるところではありますが、どれも努力義務なんですよね。罰則等はないということになります。
 現在、既に稼働しているものも含めて、事業者側にガイドラインを徹底させることはできるのかどうか、罰則等を伴った法整備などは検討されているのかどうか、伺わせていただきます。
○国務大臣(世耕弘成君) 御指摘のように、地域とのコミュニケーション、この太陽光発電を進めていく上でも重要だという観点から、ガイドラインで努力規定という形で入れさせていただいております。もちろん、地域とのコミュニケーションを怠っていると認められる場合は我々の方から指導も行わせていただいております。
 ただ、地域との共生、コミュニケーションはそれぞれ地域によって事情が違うんではないかというふうに思っておりまして、コミュニケーションの在り方を、その方法とかやり方とか、そういうことを国が一律で法律で決めるというのはちょっとなじまないんではないかというふうに思っています。
 先ほど申し上げたように、地域の条例を守らなかったらこれはもう認定取消しになるという立て付けになっておりますので、いずれにしても、そういうことも横に見ながら、しっかりと地域とのコミュニケーションを誠実に取るということが発電事業者に求められているというふうに考えております。
○平山佐知子君 ありがとうございます。
 また、この太陽光パネルの耐用年数は二十年から三十年というふうにされていますので、そうしますと、二〇三〇年代以降には大量廃棄というのも考えられます。その量は、環境省の試算では二〇四〇年前後にはおよそ八十万トンとなるということで、これは現在の産業廃棄物の最終処分量の六%に相当する量だということです。
 先ほどのガイドラインを見ても、出力十キロワット以上の太陽光発電設備については、事業終了後に適切な撤去及び処分を行うため、その費用を想定した上で事業計画を策定することとなっております。ただし、これも費用の積立ては努力義務となっていて、罰則等はないということなんです。
 パネルの回収や適正処理、リサイクルシステムの構築について、法整備も含めてやはりこれも検討が必要だと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(世耕弘成君) 私も、太陽光パネル設置されている場所を見ますと、割と山間部の中に置かれているものとか、これが将来放置されるようなことになったら本当に国土が傷んでしまうという強い思いを持っているところであります。
 今御指摘のように、FIT価格にはそもそも廃棄に必要な費用というのを含んで算定をしているわけなんですけれども、それが本当に積み立てられているのかどうか、何か別のことに流用されていないのかどうかというのを今のところなかなか確認する手だてがない、積立てを担保する手だてがないわけであります。
 そこで、今年一月に審議会で早速今検討をしていただいているんですが、例えばこの積立てについては、もう完全に別会計で、このFIT、発電事業とは別にしっかりと積み立てておくことを義務付けるようなことを今検討していただいていまして、本年度中に結論を得て、必要があれば必要な制度整備も行ってまいりたいというふうに思います。
 しかも、それやっていると、本年度にやって例えば法改正なんということになると時間が掛かりますので、できることはすぐやろうということで、本年度の下半期から廃棄費用の積立計画とその進捗状況について報告をさせて、その状況を公表するということも検討をしております。
 そんな中で、悪質な事例が生じた場合には、報告徴収をしたりとか、指導、改善命令を行うということで、しっかりとこの廃棄に向けた積立てを進めていくということをやらせていきたいというふうに考えております。
○平山佐知子君 ありがとうございます。
 最後の質問を、ちょっと時間が残り少なくなりましたので、意見だけにさせていただきたいなというふうに思っておりますけれども……(発言する者あり)じゃ、済みません、短く質問させていただきます。
 もう一つ心配なことが太陽光関連業者の倒産でございます。帝国データバンクの調査によりますと、二〇一七年の太陽光発電業者の倒産件数は八十八件で、対前年比は三一・三%増となっています。
 この太陽光パネルについては、将来の大量廃棄の問題のほか、現在も災害等により損壊したパネルによる感電や有害物質が流出するおそれがあるのではないかなどとも指摘されています。この危険性について、やはり住民への注意喚起などをなされていないという状況、それから、災害などで損壊しても日光が当たる限りこれ発電をしますので、住民に対しては、接触すれば感電するおそれがありますよということですとか、事業者に関しては、その防止の措置を確実に実施するようにといった周知徹底が必要だと思うんですが、そのことに関してはいかがでしょうか。
○政府参考人(高科淳君) お答えいたします。
 先生御指摘のとおり、自治体や地域住民に対しまして、太陽光パネルの感電の危険性について周知することは非常に重要と認識してございます。このため、台風や豪雨のときなど太陽光発電設備の破損のおそれが高まる時期には、経済産業省から事業者や自治体に対しまして、損壊したパネルによる感電防止策について通知を行っているところでございます。
 それから、倒産した太陽光発電事業者が太陽光パネルを撤去せずに放置することのないよう、太陽光発電事業者が廃棄時に必要な費用をあらかじめ積み立てておくことを担保することが必要と考えてございます。このため、先ほど大臣からもありましたが、例えば外部で積立てを行う仕組みなどの施策について今年一月に審議会で検討を開始したところでございます。
 こうした取組を通じまして、引き続き、太陽光発電設備の安全性に万全を期すとともに、適切に撤去が行われる環境を整備してまいりたいと考えてございます。
○平山佐知子君 ありがとうございます。終わります。
○委員長(二之湯智君) 他に御発言もないようですから、皇室費、内閣、内閣府本府、経済産業省、消費者庁及び沖縄振興開発金融公庫の決算についての審査はこの程度といたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時四十二分散会