第196回国会 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第5号
平成三十年六月十五日(金曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月四日
    辞任         補欠選任
     北村 経夫君     橋本 聖子君
 六月十四日
    辞任         補欠選任
     猪口 邦子君     宮島 喜文君
     松川 るい君    渡辺美知太郎君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         石橋 通宏君
    理 事
                石井 正弘君
                山田  宏君
                秋野 公造君
                浜口  誠君
    委 員
                石田 昌宏君
                今井絵理子君
                長谷川 岳君
                橋本 聖子君
                藤井 基之君
                宮島 喜文君
                山本 一太君
                渡辺 猛之君
               渡辺美知太郎君
                竹谷とし子君
                藤田 幸久君
                宮沢 由佳君
                紙  智子君
                儀間 光男君
                糸数 慶子君
   事務局側
       第一特別調査室
       長        松井 一彦君
   参考人
       沖縄国際大学経
       済学部教授    前泊 博盛君
       沖縄工業高等専
       門学校長     安藤 安則君
       一般社団法人沖
       縄県子ども総合
       研究所所長    堀川  愛君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○沖縄及び北方問題に関しての対策樹立に関する
 調査
 (沖縄振興等に関する件)
    ─────────────
○委員長(石橋通宏君) ただいまから沖縄及び北方問題に関する特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、北村経夫君、猪口邦子君及び松川るい君が委員を辞任され、その補欠として橋本聖子君、宮島喜文君及び渡辺美知太郎君が選任されました。
    ─────────────
○委員長(石橋通宏君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 沖縄及び北方問題に関しての対策樹立に関する調査のため、本日の委員会に沖縄国際大学経済学部教授前泊博盛君、沖縄工業高等専門学校長安藤安則君及び一般社団法人沖縄県子ども総合研究所所長堀川愛君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(石橋通宏君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
○委員長(石橋通宏君) 沖縄及び北方問題に関しての対策樹立に関する調査のうち、沖縄振興等に関する件を議題といたします。
 この際、参考人の方々に本委員会を代表して一言御挨拶を申し上げます。
 本日は、大変御多用中のところ沖縄からわざわざお越しをいただきまして、本委員会への御出席、誠にありがとうございます。
 参考人の皆様からの忌憚のない御意見を賜りまして、今後の本委員会における様々な議論の参考にいたしたいと存じますので、どうか本日はよろしくお願い申し上げます。
 本日の議事の進め方でございますが、まず、参考人の方々からそれぞれ十分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。
 また、御発言の際は、挙手していただきまして、その都度、委員長の許可を得ることになっておりますので、御承知おきください。
 なお、参考人及び質疑者の発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、まず前泊参考人からお願いいたします。前泊参考人。
○参考人(前泊博盛君) 今日は、沖縄振興計画についての検証ということでレジュメを準備させていただきましたけれども、たくさんのテーマを是非提示をした上で、皆さんに御協力をいただければというふうに思っています。
 ちょうど今年は沖縄が復帰から四十六年の節目を迎えますけれども、この四十六年間において、県民所得、これは沖縄振興計画あるいは沖縄振興開発計画を含めて四十年間余り取り組んできたんですけれども、県民所得は全国最低のままです。これがなぜなのかというのが不思議です。十五兆円も含めて投入をされて、そして世界の冠たるこの日本という経済大国が、人口で一%、面積で〇・六%のこの地域の振興開発をなぜ成功させることができないのかという、そういう不思議な、疑問があります。
 この点については、今日はレジュメを配らせていただきましたけれども、政府の沖縄振興の検証のポイントとして、まず復帰四十五年を経て、なぜ沖縄の県民所得は全国最低のままなのかということです。そして、なぜ年間平均収入は全国最低水準のままで、高卒、大卒共に初任給も最低のままです。そして、貯蓄率も最低水準のまま放置されているという状況にあります。
 それから、完全失業率、最近は若干改善されてきてはいますけれども、それでも全国最低、最悪のままということで、若年者の失業率も全国の倍の水準ということで、こういったものをどうするかという課題があります。それから、非正規雇用、これも十年ほど前まで二五%ぐらいだったものが、直近の数字ですと四四%まで非正規雇用が増えてきていると。そういう意味では、雇用の悪化といった問題も抱えているという、これが大きな問題だと思っています。この数字についても全国の中でやはり最悪の数字になっているということです。
 この背景にあるのが、製造業といったものがなぜか沖縄は振るわないという点があります。政府が四十五年前、四十六年前に沖縄振興開発計画を策定した際に、その切り札として製造業の誘致、立地を進めてきたはずなんですけれども、この格差是正の鍵を握るはずの製造業の比率はむしろ衰退に次ぐ衰退をしているという、数字の上ではマイナスになってきているということで、伸びるはずが逆に数値が減った理由は何かということになります。
 この数値が減った背景には、第三次産業が肥大化しているという問題があります。これは、観光立県沖縄ですけれども、観光立県がむしろ低賃金労働につながっていないかという疑問があります。
 このレジュメの中で、小さなグラフを付けてあります。沖縄県と全国の比率を見ると、これ、五十万円から九十九万円というところに大きな山があります。全国は三百から四百万円のところに大きな山があります。この山の部分の違いは、実はその緑色の部分は飲食・宿泊業、つまり観光業が年収百万円未満のところに大きな山をつくって、一万七千人余りがそこで働いているということになります。それから、五十万円未満も七千人ほどがいるということで、この大きな数字をどう変えていくかという、左側にあるこの大きな山を右側にどうやってパラダイムシフトさせるかというのが沖縄振興の大きな鍵になるというふうに思っています。
 なぜ全国とのこういう差が生じているのか。そして、一千万円を超すというところは沖縄で見るともうほとんど可能性がないほど、所得が非常に低い状況になっているのが分かると思います。全国は一千万円を超すようなところでもまだ山がある。その大きな山をつくっているのが製造業というところです。沖縄においても、第三次産業が肥大化してしまったことが、むしろ低賃金労働を、つながっていないかという疑問点があります。
 それから、離職率、これもやはり低賃金といったものが要因にもなりますけれども、全国最悪の水準になっています。企業モラルも含めて、なぜ賃金・雇用環境が改善をできないのか。我々、学生を送り込む側にいる大学としても、三年目で五〇%が離職をしています。一年たつと三〇%ぐらいが離職をし、そして三年もたつともう半分ぐらいが離職をしていくと。入ってみたはいいけれども、賃金が安過ぎて将来に不安を感じる、あるいは長時間労働で自分の時間も失われる、そういった劣悪な労働環境といったものがこの離職率につながっている部分もあります。
 それから、持家比率についても、なぜか沖縄は東京に次いでぐらい、下から二番目ぐらい、非常に低いという状況にあります。持家比率というのは、今後、少子高齢化の中で、高齢化時代を迎えると、貸家に住んでいると非常に負担が大きくなってきます。年を取っても大変な状況に追い込まれてしまいかねない、そういった問題を抱えています。
 それから、離島人口の減少、これも、私も島嶼経済学を担当していますけれども、島々に振興のために橋を架けますけれども、橋を架ければ架けるほどその島の人口が減ってしまうという、いわゆるストロー現象が起こっています。これは、沖縄本島に近い伊計、平安座、宮城、浜比嘉、あるいは古宇利、瀬底、それぞれが橋を架けた後、振興しているのかどうか、そういったものの検証が必要だと思います。何百億円も掛けて橋を架けても、むしろ人口は減ってしまっている。歯止めにならない理由は何か。
 逆に、橋を架けたために、行政上離島とみなされないために、離島振興法から外されます。そうすると、離島振興法で維持されていた学校が廃止になります。そして、診療所も廃止されてしまう。そうなってしまうと、医療と教育が消えて、島からは皆さんもう住めなくなって外に出てしまうんです。
 こういった行政とハード整備との矛盾といった問題がこういうことを惹起させているというところがあります。この問題についてもしっかりと議論をいただければと思っています。
 それから、バス利用者の激減、これも、復帰後大きく後退したのがこのバスですね。一億五百万人ほどが利用していたバスが、現在二千五百万人ほどになっています。
 この基幹交通を失ってしまうとどうなるかと。もう自動車に依存する社会になってしまっています。百万台を超える車がどんどんどんどん増え続けて、そして渋滞がひどくなっていると。沖縄の渋滞率は、首都圏の東京、神奈川に次ぐほど、あるいはそれを超える渋滞状況にもなっています。いつまでこの鉄道もないままに、基幹交通もないままに、このバスをそして利用者を減らし続けていくのか。交通対策については無策としか言いようがないような状況にあります。
 我々、沖縄国際大学でも今五千六百人の学生が通っていますけれども、駐車場二千五百台を準備しても足りません。そのために、ピーク時には駐車場待ちで授業が受けられないという状況もあります。しかし、バスがほとんど回ってこない。そういう不便な場所ということですね。そういう意味では、普天間基地が隣接をしていますけれども、危険性除去というところでどいてくれるかと思ったら、もう二十年間放置されていると。そうであれば、むしろ沖縄国際大学の移転すらも考慮しなければいけないかという状況にもあるような気がします。
 こういう公共交通について、復帰後すぐに鉄道計画は出ていますけれども、これも四十六年たって実現しない計画とは何なのか。調査費だけでLRTぐらいは走れるかと思うぐらいのお金を使ってきています。行政がやるやると言ってやらない、これはやるやる詐欺じゃないかというふうに国民からもやゆされるような状況です。いつまでそういう状況を放置しているのかという問題点があると思います。
 それから、沖縄予算、これも右側の方に資料を入れましたけれども、大田県政、稲嶺県政、仲井眞県政、翁長県政、御覧になれば分かると思いますけれども、基地問題とリンクして、基地に反対するとなぜか予算が増え、そして賛成をすると減ってくるという、そういう矛盾もあります。もう一つは、翁長県政発足と同時に、この予算が、なぜか沖縄振興予算は減り、そして防衛局予算が上回るという、脱基地経済を目指している沖縄にとっては逆行するような予算措置が行われている、こういう問題をどう捉えるかということがあります。
 我々沖縄県民からすれば、なぜ一般予算を減らされて、そして防衛予算にシフトするような予算編成をしているのか。この件についても是非委員会の皆さんでしっかりと追及をしてほしいというふうに思っています。防衛予算の増加については非常に大きな課題を抱えていますので、一括交付金の減額も含めてこの辺りについても御議論をいただければというふうに思っています。
 ありがとうございました。
○委員長(石橋通宏君) ありがとうございました。
 次に、安藤参考人にお願いいたします。安藤参考人。
○参考人(安藤安則君) では、御紹介いただきました沖縄高専校長の安藤です。
 時間も限られていますので概略お話しさせていただきますが、沖縄振興に関しまして、今日は、沖縄高専の人材育成について説明させていただきます。
 本学は、沖縄県、御存じのように、沖縄二十一世紀ビジョン、この中核でございます希望と活力にあふれた豊かな島、この項目と、もう一つの未来につながる人材育成、この項目に関連しまして、地域創生を目指した人材育成を行っております。
 おおむね流れは、今日配付されています参考人質疑資料の十八ページから主な絵がございますので、それを見ながらお話を聞いていただければと思います。
 まず、沖縄高専の教育制度とその特徴について説明させていただきます。
 沖縄高専は、二〇〇四年に開業いたしまして、独立行政法人国立高専機構の高専は全国に五十一、旭川から沖縄までございます。その中で沖縄高専は十五年目でございまして、一番新しい高専でございます。全国の国立高専、これは一学年合わせますと一万人、かつ五か年本科がございますので五万人、常勤の教職員は約六千人、ですから、このマスの効果といいますか、連携しながらやっていく人材育成、これが国立高専の強さでございまして、昨今はベトナム、モンゴル等へのいわゆる高専システムの国際展開、これも視野に入れ、グローバル人材の育成に努めております。
 十五歳から二十歳までの五年間の本科と、さらに二か年の専攻科ございまして、専攻科二年を出ますと大卒と同じ学位を授与されますので、この辺のところが一つの特徴かと思います。
 この参考人資料の十九ページにございますように、私どものところでは、機械、情報通信、メディア情報、生物資源と、それと総合科学科という五つの学科で行っているわけでございますが、この辺のところを特徴的にお話ししますと、沖縄高専としましては、後でお話ししますが、二〇一五年から航空技術者プログラム、あるいは、昨今サイバーアタック等で情報セキュリティー人材、これが非常に枯渇しているということで、これの人材育成、これもやはり十三高専連携してやっております。また、沖縄県から受託しました再生医療関係のプロジェクトも特徴としては行っております。そしてまた、一年生からPBL、すなわちプロブレム・ベースド・ラーニングといういわゆる課題解決型演習、これを行っておりまして、実践的な教育を行っております。
 ただいま沖縄高専は、トータルで八百七十六名、常勤教職員百六名で、専攻科の教員はほとんど学位を持っておりまして、その教員の三割が企業経験者で、実践的な配置となっております。
 これから、時間もありませんので、地域創生への貢献を目指した人材育成について簡単に説明させていただきます。
 まず最初に、私どもとしては、この参考人資料の二十二ページに書いてございますように、IoT関係、これは特に社会実装教育というのでやっておりまして、こちらは、特に私どもの高専ですと、いわゆる特別支援学級がございますが、こちらの肢体不自由の学生への、例えば彼らがパソコンをジョイスティックだけで動かせるようなシステムをつくるとか、あるいは、いわゆる聴覚障害で言語感覚がやや遅れている学生の場合にはそれの支援するアプリをつくるとか、そういうICT使ったシステム。
 また、沖縄総合事務局辺りでもやっておられますが、スマート農業という、これはいわゆるICTを使い、例えば今やっていますのは水耕栽培を、これをデータを取り、新しい仕掛けでニーズとシーズを結び付けてビッグデータを調整しながらやっていくやり方も考えております。
 また、情報セキュリティーに関しましては、昨今、皆さん御存じのような状況下でございますので、沖縄には多数のICT、情報企業がございます。そちらと連携して、かつまた県警本部とも連携しまして、いわゆるICTスキルのとんがった学生、これを更にとんがらせようということでホワイトハッカーの養成をやっております。
 次に特徴的なのは、バイオテクノロジーを使った技術等については、これは細胞培養、この辺はいろんな、いわゆる再生医療だとかあるいは機能性食品、今日ここに挙げていますのは、島桑だとか月桃などを機能性食品化するとか、あるいは創薬、この辺に使っていくような人材育成を行っております。
 また、ロボットやドローン、これに関しましては、沖縄の地理的環境を克服すべき、そういう意味で、水中ロボットやあるいは離島を結ぶ移送ドローンの開発等々を仕掛けております。
 事例の最後として、航空技術者プログラム、こちらの方は、ANAから、いわゆる沖縄にメンテナンス事業を移すということで、人材育成の打診がございました。これに対応して始めたプロジェクトでございまして、JTA殿からも支援をいただきまして、例えばこの資料でいいますと二十二ページに、今年の三月まで飛んでいたボーイング737―400のジェットエンジン、それをそのまま寄贈いただきまして、これを航空技術者プログラムの教材に使うと、非常にそういう意味での有り難い支援をいただいております。
 この辺は九州大学で、あるいはIHIと連携しまして、実際の人材育成、いわゆるエアラインだけでなくメーカーへの就職あるいは九大等の大学院進学等に仕掛けていきたいと考えております。
 最後に、私どもとしては、産官学金の連携が、先ほど前泊参考人のお話ございましたけれども、沖縄のGDPの五%しかいわゆる物づくり産業というのがございません。したがって、実は私どもの学生の、本科卒業時の就職学生が六割いるんですが、そのうちの県内に就職するのは何と一〇%を切っているんですね。
 これは、やっぱり大きな原因等が、先ほど前泊参考人のお話にございましたけれども、やはり私どもとしては、この二十一世紀ビジョン、これは網羅的で非常にすばらしい施策だとは思うんですが、この中で、ある程度やっぱり重点的に、臨空・臨港産業あるいは物づくり産業に重点的に絞っていただいて、まずは三つ、四つで具体的な事業ができるということでやっていただければ、私どもの学生も喜んで沖縄に就職できるんじゃないかというふうに考えております。
 雑駁でございますが、以上で終わらせていただきます。
○委員長(石橋通宏君) ありがとうございました。
 次に、堀川参考人にお願いいたします。堀川参考人。
○参考人(堀川愛君) 沖縄県子ども総合研究所の堀川と申します。よろしくお願いいたします。
 本日は、まず、このような貴重な発言の場を設けていただきましたことに心より感謝申し上げたいと思います。
 私の方からは、沖縄の子供の貧困問題につきまして、主に沖縄県より当研究所の方が事業委託を受けて実施してまいりました調査結果を基にしたお話をさせていただきたいと思います。私の方からは、お手元にございます資料、こちらの横置きの資料の方に従って進めてまいります。
 まず、表紙をめくっていただきまして、二ページ目ですね、沖縄県市町村データを用いた子供の貧困率の推計という表を御覧いただきたいと思います。こちらの方が、二〇一五年に沖縄県からの事業委託を受けまして、研究所の方で首都大学東京の阿部彩教授の協力を得まして算出いたしました沖縄県単体の子供の貧困率と全国の子供の貧困率を比較した表となります。
 こちらの方を見ていただくと分かるとおり、沖縄県の子供の貧困率は、Aという列になりますが、二九・九%、これは三人に一人の子供が経済的に困窮状況にあるというデータとなっております。それに対しまして、表の一番右側、国参考値を見ますと、国の方は一三・九%ということで、二倍強の差異があるということが明確になっております。都道府県単体で子供の貧困率を算出したのは今のところ沖縄県のみとなっておりまして、独自の算出方法で算出を出させていただいております。
 では、この経済的格差が子供たちの暮らしにおいてどのような影響をもたらすのかという点につきまして、次のページ、参考資料として、幾つかのハンディやリスク見えてきていた中で特に顕著に現れていたものをお持ちしております。三ページ目です。
 過去一年間に食料を買えなかった経験というグラフになります。こちらの方が、過去一年間に食料、普通に三食のための食料ですね、特別な食料ではなく、何か高価なものではなく、通常一般の食料品が買えなかったという経験がどの程度あったかを調査でアンケート形式で取らせていただきました。
 その中で、そういった経験がよくあった、時々あった、まれにあったと答えた割合が、上の棒グラフの方が全国で行った調査のグラフになっておりまして、よくあったがブルー、時々あったがオレンジ、まれにあったがグレーですね、黄色の部分がなかった。一般的に、今の現代の暮らしにおきまして、三食の食事に欠くということがないというのが一般的な常識的考えかと思うんですが、その中でも、今子供たちの困窮状況大変逼迫しておりまして、全国の調査でも、ある一定数こうした食料を調達できなかったという家庭がいるというのが全国データからも見えてきます。
 それに対しまして、二〇一六年度に沖縄県が行いました県高校調査では、同じように世帯構成を分けまして全国と比較しておりますが、よくあった、時々あった、まれにあったの割合が、二親世帯で全国が一五%から一七%に対して、沖縄県ではもう二五・二%から二六・二%、もう一人親世帯に至りましては最大で四五%を超えるという大変深刻な状況であるということが見えてきております。
 続きまして四ページ目、今度はこちら、沖縄県の保護者に聞きました子供の将来の進学への意識について見たものになります。
 沖縄県、経済的に厳しい、学力が低いということが長年言われてきておりましたが、保護者の教育への無関心等々が取り沙汰されることも県内ではかなりございまして、その中で、保護者が、では子供たちにどういう意識を持って進学のことを考えているかというのをアンケートで取りました。
 その結果、こちら四ページ目、保護者が子供を大学まで教育を受けさせたいと回答した割合が、小学校一年生でも、貧困世帯であっても五四%、過半数を超えております。非貧困の世帯でも八割を超える保護者が小学校一年生の段階で子供を大学進学させたいと答えております。
 これは、全国では全く同じ調査は行われておりませんが、進学意識調査の中では、小学校一年生の保護者というのはまだ子供の将来が見えない状況でありまして、まだ大学まで行かせたいという具体的なはっきりした答えは通常しないものなんですね。それを沖縄県、逆に大変強く大学進学を望んでいるというのがデータで出ています。
 資料の方、赤で囲わせていただいたところが小学校一年生、六歳、七歳児の保護者です、この時点で約三割の保護者がもう経済的な理由により大学を受けさせることはできないという回答をしております。これは、やはり保護者の中で、将来的に世帯経済の向上を、子供が小さいうちから保護者自身が未来への展望を見込めていないんではないかという推察ができるかと思っております。将来の希望を抱くことができれば、子供が大きくなるにつれ世帯所得が上がっていき、将来的には大学進学を目指そうということをもう小学校一年生の時点で保護者が諦めているという状況が見受けられるかと思います。
 続きまして、二〇一六年に実施いたしました高校生調査の高校二年生生徒への設問で、アルバイトをしている生徒に収入の使い道を確認したグラフを持ってまいりました。
 こちらのグラフで注目すべきは、本来であれば保護者が負担することが一般的であります学用品費、これは文具、ノート、鉛筆、シャープペンとか、そういった本当に一般的な文房具ですね。こういったもの、保護者が大体子供を育てている期間は出すかと思うんですが、こういった文房具費。また、修学旅行などの学校の行事費、こちらも通常一般であれば保護者が普通に負担しているものかと思うんですが、そちら。あと、学校の昼食代ですね、お昼、お弁当の用意だったりお弁当を購入したりとかと、いろいろケースはあるかと思うんですが、こちらの購入費。また、通学のための交通費、先ほど前泊参考人の方からも出ておりましたが、インフラ整備の不備等々もございますが、通学のための交通費等、この四点を高校生本人がアルバイトから賄っているという点が注目すべき点と考えます。
 これがさらに、経済困窮世帯では、濃いグリーンの方が非困窮世帯、薄いグリーンが困窮世帯の棒グラフになりますが、経済困窮世帯では、アルバイトをしている生徒のうち実に三人に一人、三人に一人の生徒が家計の足しのためにアルバイト就労をしているということもこの調査から分かりました。
 こちらのこういった数値に関しましては、やはり世帯経済状況で大きな差異は見られており、高校生が高校生時代にできる学問に集中することですとか、高校生時代にしかできないような、十代だからこそできる友人との経験や体験、そういった保障が十分になされていないということにつながっているのではないかと考えます。
 また、このあと何ページか続くんですが、高校生本人や保護者に対して今の暮らしや将来についてどう考えているのかを自由記述欄という形で取ったものが数ページ、四ページほど続きます。
 高校二年生の生徒が、どうしたら確実に将来の夢にたどり着けるのか分からなくなっている不安感を伝えてきたり、奨学金が返せるかとても不安になると。これ、高校二年生の生徒ですが、この時点でもう高校進学のために就学援助というか奨学金を使っておりまして、十七歳の生徒本人が高校進学費用を借入れしております。さらに、これで大学の奨学金が重なってくることというのをもう十七歳の時点でかなり深く不安に思っているんですね。
 こういった面を見ていきますと、世帯経済の状況が厳しいということが長期化すればするほど子供たちの将来選択の視野をどんどん狭めているのではないかということが言えるかと思います。
 是非、保護者の声もお読みいただきたいんですが、こういった沖縄の現状、既存の資料からも見ていくことができます。十ページ、十一ページと続きますが、児童生徒のいる世帯収入、是非今日こちらお伝えしたいんですが、十一ページ、児童生徒のいる世帯収入の沖縄県と全国の所得の比較グラフです。
 こちら、学力テストのきめの細かい調査の結果から、保護者のアンケート結果から取ったもので、オレンジ色のグラフが全国の高学年の児童のいる、生徒の保護者の収入のグラフとなっておりまして、中央、四百万から六百万の部分に中央値が来ておりまして山型グラフ、それに対しまして、沖縄県の保護者の所得グラフはブルーの方になります。一番左、二百万円未満が一番高い二三%の割合となっておりまして、右肩下がりという状況が見えてきます。
 資料いろいろお持ちしたんですが、全て今日、お時間の都合もありましてお伝えできないんですけれども、私から是非今回お伝えしたいのは、大変厳しい沖縄県であるからこそ、今後の貧困対策につきまして、具体的な、また既存施策や新規施策の抜本的な取組を是非委員の皆様には御検討いただきたいと思います。
 以上となります。ありがとうございました。
○委員長(石橋通宏君) ありがとうございました。
 以上で参考人からの意見聴取は終わりました。
 これより参考人に対する質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○今井絵理子君 自由民主党の今井絵理子です。
 本日は、ありがとうございました。とても貴重なお話であり、参考になりました。
 まず、お一人お一人にちょっと聞きたいなと思っています。
 前泊先生に関しては、前泊先生のシンポジウムのちょっと記事がありまして、すごく興味を持ったんですけれども、失業率の話なんですけれども、沖縄の場合、非自発的が少なくて、自発的が多いというのが特徴ですという発言がありました。
 つまり、仕事がないのではなくて、これは沖縄に限った話でもないとは思うんですけれども、本人の都合によって仕事が続かなかったりとか、そもそも仕事をえり好みするために仕事に就けないということだと思いますが、実際に多くの人が観光業を沖縄の主要な産業だと位置付けている中で、観光業界では人材不足のために外国人労働者を採用しているケースもあると伺っております。そして、先生からのお話で、失業率の話になると、年収百万円に満たない低賃金が影響していると。
 そして、私が聞きたいのは、様々な、国として沖縄の経済に関して幾ら雇用創出を支援しても、そうしたその自発的失業をなくさなければいけないというか、考えていかなきゃいけないと思っています。
 そこで、前泊先生には、自発的失業を抑制するための手段としてまず何が考えられるのか、またある程度高い賃金水準が維持できるような産業創出はどのようなものが可能なのかということをお聞きしたいです。
 そして、安藤参考人には、先生が校長を務めていらっしゃる沖縄工業高等専門学校、本当にすばらしいなと、沖縄にとって本当に多大な貢献をされているなという印象がありました。今後、学生たちの活躍の場が更に広がるための産業の創出や誘致に向けて取り組むべきことについて、先生の御見解をちょっと具体的にお聞かせ願いたいなと思っております。
 そして、堀川さんには、子供の貧困についてお伺いしたいと思いますが、子供の貧困問題を解決する上で重要なのは正しい認識だと思っていまして、なかなか、沖縄の街を歩くと、本当に貧困なの、子供たち貧困なのとか、開発途上国のようなイメージしているという方が多いのではないかと私は感じています。
 堀川さんも、いろいろ書籍など読ませていただきましたが、その中で貧困の定義について言及されております。そこで、堀川さんが考える子供の貧困、また沖縄の貧困の定義でもいいですが、その定義についてちょっとお聞かせいただけたらなと。そのために国や自治体がすべきことをちょっとお聞かせ願えたらと思います。よろしくお願いします。
○参考人(前泊博盛君) 質問ありがとうございます。
 非常に大切なポイントで、自発的失業あるいは選択的失業ということになりますけれども、もう原因ははっきりしているので、低賃金ですね、それから長時間労働、それから採用時には言われなかった残業が非常に多い、こういうことで休日出勤もすると、その手当もほとんど付かないというケースですね、それから非正規雇用が非常に多い、これも四四%ですから、全国三五に対して非常に高い比率で非正規雇用が増えていると。
 こうなると、福利厚生の部分で、入った後で本当に、私も学生たちが何人かもう離職をして相談に来ますけれども、ひど過ぎるということで、これだったらもう働きたくないというようなことになるんですね。将来を悲観するほど低賃金にあえいでいることに対して、そのことに対する対策がなされないということです。しかも、非正規を増やしていくことによって、更にそういう選択的失業を生み出しているということになります。
 これ、一時期、十五、六年前に比べるとかなり改善はされてきていますけれども、むしろ、したい仕事をどうやってつくっていくかというのが大きな課題だと思います。特に、このグラフの中でも、私のポイントの中のグラフでもお見せしましたけれども、やはり左側に集中している低賃金労働の状況を全国並みにどうやれば変えていけるか。これが、四十六年間、議会の中でも特別委員会の中でもずっと議論をしてきたにもかかわらず、むしろ悪化しているのはどういうことなのかということを是非お考えをいただきたいというふうに思っています。
 宿泊施設の中の低賃金の問題については、高付加価値型の観光をどう生むかということが課題になっています。今九百万人を超す観光客来ていますけれども、人手不足の中で、むしろあるホテルについてはもう稼働率を六五%まで下げて、そして売れる部屋を百あれば六十五しか売らない。そういう減らすことによってむしろ料金が上がる、いわゆる需要供給のバランスが崩れれば、当然供給が不足すれば需要に対して価格が上がります。その価格が上がることによって賃金を上げる状況に生まれてきていると、そういうことがあります。
 つまり、来ればいいというものでは、それを全部受け入れる経済ではなくて、選択をしてしっかりと高付加価値化を図っていく、そういうことも必要ではないかというふうに思っています。今あらゆる産業においてそういうことを考えていく、高付加価値型の産業をどうつくっていくかというところについても、数から質へというところを御議論をいただければというふうに思っています。
 以上です。
○参考人(安藤安則君) 今井先生、御質問ありがとうございました。
 非常に重要な点でございまして、本学の学生は本当は就職は沖縄にしたいというのが本音でして、ただ、先ほど申し上げたように、五年卒業時の就職希望者の一〇%以下にしかもう県内に就職していないという事態は、いろいろ原因はあるんですが、一つは、まずは先ほど前泊参考人のお話にございましたけれども、やはり物づくり産業がGDP全体で五%しかないということ、そしてもう一つはっきり言えるのは、給与が、初任給が本土の初任給に比べて少なくとも平均二万円低いということが非常にはっきりしております。
 この辺のところを、先ほどお話ございましたけれども、我々としては、今MROジャパン等が、いわゆる臨空産業ができると、あそこには今四、五百人のエンジニアが必要というふうに言われておりますので、我々としてはどんどんそういう高付加価値化産業ができてくるとこの辺のところの打開の策ができるんじゃないかと思いますので、私の陳述の最後で申し上げましたけれども、要は二十一世紀ビジョンの中のいろいろ幅広くじゃなくて、集中的に物づくりのところに二つ、三つきちっと成果が出るところをまずは取り組んでいただきたいということを申し上げたいと思います。
 以上です。
○参考人(堀川愛君) 御質問ありがとうございます。
 貧困の正しい認識につきましては、沖縄県のみならず、全国、今子供の貧困問題取り上げまして、内閣の方も取り組んでいる真っ最中かと思うんですが、この先進国である日本において子供の貧困なんというものはないんではないかというのはやはり往々にして言われてきております。
 正しい認識、定義というものをどうお考えかということで御質問あったんですが、今政府の方も、剥奪指標と呼ばれる、日本で平均的な暮らしをするために必要なものは、物的なものも社会的なものもどういったものが必要かというものを調査しまして、国独自のそういった剥奪指標を算出するということは掲げていらっしゃるかと思います。一昨年ぐらいから取り組んでいらっしゃって、そろそろその剥奪指標が国の方としても指標として出てくるかと思うんですが。
 やはり、この貧困の定義といいまして、今日は沖縄問題なので沖縄で言わせていただくと、やはり青い海と広い空と明るい県民性と観光に行ったときに楽しいという印象から、まさかここで子供たちが御飯を食べれない、例えば衣料品が買えないというのもかなり数値高いんですね、暖かいので、北に比べたら凍死とかそういったリスクがない分というのもございますが、新品のお洋服を買ったことがない経験のある子供とかがいるということは、やっぱりぱっと考えると分かりづらいです。
 それはなぜそうなってしまうかというと、やはり保護者の方たちが、この先進国において子供にリスクを負わせたくないというのはお持ちしました資料でも書いていますが、保護者の方から、私の子供には必要な衣類その他普通の子よりも与えていないという認識の中でも、恥ずかしくないように世に送り出そうという保護者の涙ぐましい努力があるということは調査結果からも分かっているんですね。
 その中で、やはりこの問題、国、自治体ができることとしましては、これまでずっと曖昧になってきておりました、この日本において、一か月、子育て世帯若しくは単身世帯、人が一人暮らしていくために一体どれだけの現金があれば満足な暮らしができるのかというものを、もうこの時点では国がしっかり指し示すべきだと考えております。
 沖縄県、家賃も安くて物価も安くて明るく楽しいという印象なんでしょうけれども、資料の十五ページにも少し書かせていただきましたが、沖縄県って南部地域に子供の六割ぐらいは居住しております。また、離島、へき地を抱えている県になりますので、平均値にしてしまいますとかなり物価、家賃低く見られてしまうんですが、人口が集中している部分に関しましては、食料等の消費物価指数、全国平均一〇〇に対して沖縄県一〇六と、物価大変高いんですね。やはりこういった状況もしっかり国また自治体が把握した上で、具体的な暮らしに掛かる費用の算出、それを基にした支援をつくるというところかと思います。
○今井絵理子君 ありがとうございます。
 もう一つ、子供の貧困に関してちょっと聞きたいのが、私も沖縄那覇市出身で、小学生のときに周りに鉛筆を持っていない子であったり、ランドセルを持っていない子というのがいました。でも、そのときは何も感じなかった、子供だったので感じなかったんですが、その子が大人になって、鉛筆一本あれば勉強ができた、鉛筆一本あれば盗むことも覚えなかったと。盗みをやっぱりしたんですよね。
 そこで思ったときに、就学援助制度というものがありますよね。それが届いていれば、その制度が利用できていれば勉強ができたはず、教育ができたはずだと思うんですけれども、そこら辺、沖縄の就学援助制度についてちょっと御見解をお聞きしたいなと思っています。
○委員長(石橋通宏君) 堀川参考人への質問でよろしいですか。
○今井絵理子君 はい、堀川さんにお願いします。
○参考人(堀川愛君) 就学援助について、ありがとうございます。
 資料で添付で出しております十六ページ、参考資料二というものになりますが、利用状況、二〇一五年に小中学生の保護者に取っております。困窮世帯と非困窮世帯に分けて、上の赤い四角で囲ってある五七%、これ、利用していないと答えているんですね。これ、なぜかというと、次のページになってくるんですが、制度自体を知らなかったという方が二割いらっしゃいました。
 就学援助、今、国を挙げて周知徹底を図ろうということで推進しておりますので、児童生徒を通しまして、また保護者に郵送等々、自治体によっていろいろな手法を取っておりますが、周知徹底はこの調査以降頑張ってはいる状況なんですね。
 ただやはり、制度を知らないというのが、手紙を配ることで分かったと思ってしまう自治体の在り方と、制度の内容をきちんと理解できる資料の提供、また、やはりこれ経済困窮が背景にございます支援になるので、プライバシーの部分での保護者の心理面でのハードルというものがございます。学校の先生に対して就学援助を申請するということがやはりちょっと恥になるんではないかとか、また今井先生御存じかと思いますが、地縁、血縁が大変濃い沖縄県でありますので、親類が学校関係者にいたりとか自治体関係者にいた際にもやはり周囲の目が気になって出せないというような点も挙げられるんですね。
 こちらに関しては、本当に私の方も、もう是非就学援助、こういったもう既にある制度をしっかり使ってもらうことでそういった鉛筆の問題等々が改善すると考えておりまして、本当に申請制度をなくすだけで違うのではないかというふうに考えております。
○今井絵理子君 ありがとうございました。大変参考になりました。
○秋野公造君 公明党の秋野公造でございます。
 今日は、前泊先生、安藤先生、堀川先生、本当にお忙しいところをありがとうございます。何点か、一つずつお伺いをしていきたいと思います。
 まず、前泊先生にお伺いをしたいと思います。
 沖縄では観光業が非常に好調ということでありまして、人手不足もあるということでありますと、内地と比べますと労働条件は良くなってもいいんじゃないか、雇用環境は良くなってもいいんじゃないかと思うわけですが、それがそうなっていないというのは、先生がお示しになったデータからもうかがい知れることであります。
 県の経済波及効果というものも非常に一兆を超えるという形で大きいわけでありますけれども、先生自身がこれが一体どこに行ってしまっているのかという問いかけは、私自身にとっても悩ましいところであります。委員会で議論をと先生はおっしゃいましたけれども、先生のお考えをまずお伺いをしたいと思います。
○参考人(前泊博盛君) 観光の中身を精査いただければ分かると思いますけれども、外資系の企業が非常に多いですね。入ってきている企業が本当に県民のため、住民のため、あるいは沖縄の若者のための給与体系をしっかりつくっているのか、あるいは人材の育成プログラムをしっかり持っている企業なのかどうかというところが課題だと思っています。
 これも日銀の歴代支店長たちがよく指摘をしていただきますけれども、経営者がお金を取り過ぎていると、そのために雇用されている人たちへのお金が十分に回っていないという指摘もあります。特に観光業については、付加価値が非常に低い産業として、これは世界的にも同じ状況にありますけれども、ヨーロッパに比べて特に日本の観光産業は付加価値率が非常に低くなっているということもあります。
 付加価値率が低いとどうしても賃金も低くなってしまうということになりますけれども、最近大きく変化しているのは、非常に宿泊費が高いホテルも増えてきています。かつて二万円ぐらいだったのが今六万円、そして十二万円のホテルまで誕生するようになりました。
 そういうところからすると、今後改善されてくるであろうと思われるところなんですが、その割には賃金への反映が非常に遅いという問題があります。これはもう経営者のモラルハザードの問題ではないかというふうに思っています。経営者に対するそういう賃金の、いわゆる所得の再配分についても、あるいは利益の配分についてもしっかりと意識的に賃金を上げるというところに動いてほしいというふうに思っています。
○秋野公造君 ありがとうございます。貴重なお話です。
 もう一点。先生、私ども、こんな資料があって、三月の二十二日に、当委員会で沖縄県庁に対して委員派遣が行われまして、私が県庁に対して御確認をさせていただいたことは、鉄軌道のルート選定についての検討状況についてお伺いをいたしまして、年度末までには取りまとめるというお言葉のとおり、先日公表がなされたところであります。
 これで様々な議論が加速されていくことを期待をしたいと思いますし、その後押しをしてまいりたいと思っておりますが、先生にとって、あの公表された、浦添、宜野湾、北谷、うるま、恩納、名護を通過するそのルートにつきましてお考えがございましたら教えていただきたいと思います。
○参考人(前泊博盛君) 鉄軌道の議論が本当に必要かどうかということをまず私疑問を抱いています。四十六年間やるやると言ってやれないものを、今後できるという保証がどこにあるのかと言っているんですね。
 少子高齢化の中で、もうかなりの高齢時代を迎えています。かつて六〇年代にはほとんどいなかった免許保有者が、七〇年代、かなり若者が免許を取るようになって車が普及してきました。そして、その二十代が今六十代、七十代、八十代になってきています。これだけの高齢の免許年齢を抱えたのは人類始まって以来のことですね。
 しかも、百万台を超えるような自動車が入ってきたというのも、沖縄にとっても、全国にとっても同じですけれども、これだけ自動車が普及している中で、各地で鉄道が赤字を迎えている中で、新たな鉄道建設が本当に可能なのかどうか。
 そして、六千億というお金の試算も非常に甘い試算のような気がします。これよりはむしろLRTですね、そういったものを導入した方が非常に安い価格でしかもスピーディーに敷設をすることができるというところからすると、鉄道の時代が終わっているような状況の中で新たな鉄道敷設をいまだに抱いているこの感覚はどうだろうかというふうに思っています。
 ルート選定についても、モノレールの延伸もありますけれども、果たしてこの延伸のルートが正しかったかどうか、長年掛かってようやく黒字に持ってきていますけれども、この黒字の要因は観光客の利用です。住んでいる人たちのための軌道系、まあこういう交通手段といったものの在り方が本当に生活に合っているかどうかを検証してほしいと思います。
 ルートについては、議論のその前に行ってほしいと思っています。
○秋野公造君 ありがとうございます。
 安藤先生にお伺いをしたいと思います。
 乳酸菌いっパインは、大変おいしいだけではなく、アミノ酸を合成をするということでありますので、パインジュースだけではなく粉粒、細粒などにして高齢者の方々に飲んでいただいたりすると、筋力の保持、今フレイルなどが問題になっておりますので、いいんじゃないかなというようなことを思いながら、学生さんたちが先生のところで開発をした乳酸菌いっパインをいただいておりますけれども。沖縄には、モリンガなど様々な優れた植物等々があります。こういったものを生かして様々な開発を行っていくことも製造業を強める一環になるとお考えになりましょうか。
 まずそれを一点お伺いしたいのと、あわせて、人材を供給する先生のお立場から、製造業そしてもう一つ通信も非常に給与が高いということを考えますと、この通信の分野も強化をしていくことが重要かと思いますけど、製造業、通信業の企業等を起こす又は誘致をする、そういったところで何か行うべきこと、先生のお考えがありますれば、併せて御指導いただきたいと思います。
○参考人(安藤安則君) どうも御質問ありがとうございます。
 今、最初の御指摘の沖縄の県産品といいますか、いろいろ、食材というよりも非常に特徴のある植物、プランテーションがございまして、これを、先ほど御指摘いただいたパインというのも一つの例でございますが、それ以外にも、今日、私どものこの参考人質疑資料で申しますと、二十四ページにそれ以外の島桑だとかあるいは月桃とか、そういう沖縄の特徴ある植物の機能性食品、血糖値を下げるとか、非常にそういう開発を今バイオ関係の教員が中心になって動いておりまして、これは御指摘のように、まだまだ大きな製薬会社とかそういう形じゃないんですけれども、これが一つの突破口になっていくんじゃないかと思っていますので、この辺は我々は共同研究ということでどんどんサポートを学内においてもしています。
 二番目の、人材育成の立場から、製造業、物づくり産業とか通信、これは非常に的を射た御指摘だと思っていまして、なぜかと申し上げますと、実際、例えば飛行機なりあるいは自動車なり製造するにしても、結局今や半分以上がICT、要はEVがない限り物事は動かないわけですよね。
 それで、私どもの高専においても、機械工学だから機械が中心だということでもなくなってきておりまして、半分以上は例えばプログラミングもですし、IoT、いわゆるデータ分析をしてどうやるかということが、要は社会へ出たら即それが使えないともう稼げる人材になれないわけですね。ですから、我々としては、御指摘の製造業、物づくりと通信、ICT、IoTというのはある意味でもう融合しつつあるだろうし、私どもとしては次の学科改組等を考える上で、要は融合したコースを更に発展させようというふうな計画を持っています。
 以上です。
○秋野公造君 実は、堀川先生にお伺いをしたいと思います。
 先生が綿密な調査を行っていただいた、まず一点目に直感としてお伺いをしたいんですが、県内においても格差は広がっているとお考えになりますか。これがまず一点目です。
 それから二点目は、沖縄県を条件不利地と決め付けていいかどうかは、ここちょっと悩ましいところでありますが、その他の離島、半島、へき地といったところと沖縄県が根本的に異なると考えられるところがもしもありましたら教えていただきたいと思います。
○参考人(堀川愛君) 御質問ありがとうございます。
 調査は三年前に始めまして、昨年度でようやく三年間、小中学生調査から始めて、小中学生、高校生、そして昨年度が乳幼児、未就学児ですね、の保護者の調査と進めてまいりました。
 その中で、当初年度取り始めてきた状況から政府予算が、特別予算が付いたこともございまして、少しばかりの改善は見られながらも、その改善が見られた中に格差が広がるということが起こっていると感じております。何かといいますと、学習支援等々、また給付型の奨学金、大学の奨学金制度等がもう本当にすごくスピーディーに設置されたわけなんですが、そういった制度に乗れて困窮状況から抜けるきっかけをつかめたお子様たちとそこに乗り切れなかった子供たちがやはり開いてきてしまっているんですね。いわゆる制度のグレーゾーンの子たちですね。やはりそこの部分も含めますと、この三年でまだより改善に向けては厳しい状況かと感じております。
 二点目ですね、沖縄県の条件不利地につきましては、ちょっとその他の離島地域の研究をしてきているわけではないので詳しくは、もしかすると離島研究の前泊参考人の方が詳しいかと思うんですが。
 この調査をやっている中で、離島の高校生にも調査、展開しております。その中で出ていたのが、もう決定的に言えたことが、やはり公共インフラの整備等々で、やはり離島、まあ沖縄県自身も内地からは離れているということもございまして、距離の問題ですね、やはり交通費が掛かることで、例えば高校卒でも就職するということがあって、県内就職がこういった状況でままならない中、じゃ県外就職を目指すときに、県外を視察する交通費がやはりもう家庭経済から捻出できない。また、大学進学の際も、もう今では一般的となっておりますオープンキャンパスですね、そういったものにも参加できないとかという、本当に条件不利地だと私は断言していいんではないかなと感じております。
○秋野公造君 前泊先生にも一言いただけたらと思います。
○参考人(前泊博盛君) 離島については、たくさんの島、百六十の島々があって四十九の有人島があります。うち十の島には橋が架かっていますので、今三十九あります。三十九の中で高校があるのは四島だけですね、沖縄本島を含めて。
 残りの島々は十五の春を経験します。中学校まで出ると高校に行くために親元を離れなければならないです。そのための費用が非常にかさみます。その支援が全くなされていないのが現状ではないかと思っています。家計が二つに割れるわけですから、本島に寄宿舎を整備をする、あるいはそういう高校進学のために出てくる子供たちのためのことをしっかり考えてあげられる大人がいないのが残念ですね。そういう島々において、所得も低いのに二つの生活をしょわざるを得ないという環境の中で、それをどれだけサポートしてあげれるかというものがやっぱりポイントになってくると思います。
 以上です。
○秋野公造君 平成二十四年に、島に高校がない、そんな島に住む子供たちが高校に進学する際に、極めて少ない家庭に過重な負担が掛かっているということで御提案をさせていただきまして、離島高校生修学支援事業というのを、月二万円の制度ができておりまして、これは離島振興法にも法律を背景としてすることができておりますので、十分ではありませんけど、これから先生の思いを受けて頑張っていきたいと思います。
 ありがとうございました。
○浜口誠君 国民民主党・新緑風会の浜口誠です。
 今日は、三名の参考人の皆さん、ありがとうございました。大変貴重なお話をお伺いさせていただきまして、非常に示唆に富んだお話で、参考になりました。ありがとうございます。
 まず最初に、前泊参考人にお伺いしたいと思います。
 実は、私も自動車メーカーにおりまして、物づくりというか製造業の現場にもいたんですけれども、先ほどのお話だと、沖縄で製造業、誘致が進まなかったというお話がございました。根本的にどこが、沖縄に物づくり、製造業が来ないのか、先生のお考えとしてやっぱりここがキーになるんじゃないかという点があれば、お教えいただけますでしょうか。
○参考人(前泊博盛君) これまでの課題として、四十六年間振り返ると、まず水問題というのが大きな壁になって立地が遅れたというのがあります。パナソニックが、ナショナルが沖縄に進出を決めて、行こうとしたときにも、やはり水の調達ができないと。今日たまたま雨が降っていますけれども、来る直前まで四四%、ダムの貯水率が足りないということで大騒ぎになっていました。十何年かぶりに断水になるかもということで危機感が募ったんですけれども。ダムの建設はどんどん進んできたんですが、それでも少雨傾向になればすぐに水が足りなくなってしまう。こういうところでいうと、製造業の立地には非常に厳しいものがあるというふうに言われてきました。
 それから、島嶼地域ですから、やはり移動コストが非常に掛かるというところで、それも物づくりには不適ではないかというふうに言われてきました。ところが、時代の変化の中で、軽小短薄型の産業ということになれば、非常に安い価格で輸送費もそんなに掛からないというところでは、例えばIT産業、チップを生産する、あるいは、もう一つは、やっぱり県内で使うものについて輸入あるいは移入をしていたものを代替をしていく、そういう形で変わっていくのではないかと。
 自動車産業でいえば、例えばリムジンの製造というのが沖縄で行われるようになりました。もちろん、その製造メーカーはありませんけれども、完成車を持ってきて、二つに切って、そしてリムジン仕様で改善をして、そして売り出していくというようなことも出ています。
 それから、先ほどから御議論いただいていますけれども、健康産業というところで、私もレジュメの中に入れさせていただきましたけれども、健康産業の部分で、健康食品、ノニ、ウコンとか長命草とかあるいはモズク、月桃、ここら辺が医療品の関係の原材料になるということで注目をされています。たばこ畑の周辺に生えている雑草の方がむしろそういう医薬品成分が含まれているということで注目をされたりもします。
 こういう軽小短薄型の、しかも研究開発型の産業の物づくり化というところでいうと可能性が非常に出てきていると思いますけれども、従来と違う部分で、水を大量に使わない、そして移動コストが掛からないというところを今後突き詰めていけば、新しい物づくり産業がどんどん芽吹いてくるのではないかというふうに思っています。
 以上です。
○浜口誠君 今先生のお話聞いていまして、私も、九五年の頃、水不足で、雨が降らなくて水が足らなくて、真水が、海水を真水に変える機械を調達して、塗装工程で水を海水からつくったというのを今思い出しました。本当にいろんな課題もあると思いますけれども、製造業、沖縄で少しずつでも増えていくといいかなというふうに思っております。私の支援者も、販売の皆さんはいるんですけれども、製造の方はいらっしゃらないので、今後、製造業が増えていくといいかなというふうに思います。
 引き続き前泊先生にお伺いしたいと思いますが、普天間基地、先ほどのお話でも、二十年間放置されてきたというお話ございました。実態はそうだと思います。
 一方で、経済とこの基地というのは不可分一体なところもあって、沖縄の県民の皆さんの生活観を考えたときには、基地も一方で必要じゃないかというような、こんな意見もあろうかと思いますけれども、先生のお立場として、この基地の問題について御意見がありましたら是非お聞かせいただきたいなというふうに思います。
○参考人(前泊博盛君) ありがとうございます。
 基地経済を担当している側からすれば、基地ほど不経済な経済はないというふうに思っています。
 今日、ピンクの参考資料の中の六ページの方に数字を少し御紹介させていただきましたけれども、普天間基地も含めて経済の部分見ていきますと、七ページの方にも関連がありますけれども、返還をされた後の方が基地があるときよりも、所得に関しても税収についてもあるいは雇用についても激増しているという数字があります。七ページの方の下の方に小さな数字を入れてありますけれども、返還後のこの経済効果というのは非常に大きいですね。
 それから、普天間基地についても、実はフェンスの内側に入っている百二十億の基地関連予算があります。これに加えて、このフェンスの外側は、じゃ、どうかというと、百二十億ですからそれが平均すると二千二百万円ぐらいになります、一ヘクタール当たり。これに対してフェンスの外側の宜野湾市の所得は一ヘクタール当たり八千万円ほどになります。
 つまり、四倍も違うというところでいうと、民間経済の方がはるかに新しい富を生み出して経済効果が高いのに比べて、基地経済というのはほとんど六割、七割が税金を投入しています。タコが自分の足を食べているような経済の中で生み出される経済と新しい富を生み出す民間経済、そういったものが時代の流れの中で、既にもう基地は不経済というところまで来てしまっていると。それを、もしどうしても基地を置くということで経済効果を上げるというのであれば、現在の基地の軍用地料を四倍ほどに上げていただかないと採算が合わないかもしれません。そういうところまで検討いただけるのかどうかということも含めて、基地経済の不経済をどう克服するかというところがあります。
 今現在の段階で、基地があるために逸失利益は約一兆円というふうに見られています。それにもかかわらず、基地がなければやっていけないというふうに沖縄に対する誤解がまかり通ってしまっている部分が残念です。
 以上です。
○浜口誠君 ありがとうございました。
 続きまして、安藤参考人にお伺いしたいと思います。
 沖縄高専の取組、非常に有意義な、教育の観点からも大事な取組をやっていただいているなというふうに思っております。一方で、沖縄の子供たち、沖縄高専に対する興味というか関心というか、倍率なんかは直近でどれぐらいの入試の倍率になっているのか、まずその辺からお伺いしたいと思います。
○参考人(安藤安則君) どうも御質問ありがとうございます。
 志願者倍率で申し上げますと、十五年前に高専が開学したとき、実は倍率が五倍とか六倍とか、信じられない高さでした。今、数字だけ申し上げますと、一・三、四、直近ではそれよりも下回りかけているところも、一・二何ぼとかというのはございます。
 なぜかということで、私ども、実は今このところが我々の重要な克服課題の一つでございまして、一か月前に沖縄経済同友会で、実は今日お話しした内容に近い、地域貢献に資する人材育成ということをお話ししたんですが、その際に経営者の方々から言われましたのは、沖縄高専ってこういうことをやっていたのかと。
 要は、沖縄高専自体の努力が足りないのか、高専が工業高校と同じなのか、あるいは大学と違うのかということも余り十分知られていなかったというのが今非常に気になっておりまして、もちろんオープンキャンパスだ、あるいはホームカミングというか、それに近いサマースクール等もいろいろやって、かつ中学校に出かけていって説明等はやっているんですが、まだまだ要するに高専とは何たるやというところが知られていないところがございますので、我々としてはそこを是非知らせていこうという努力をしたいと思っています。
○浜口誠君 まさに、安藤先生言われたように、若者の物づくりだとか製造業に対する関心が少し少なくなってきている、低くなっているなというのは正直あります。自動車産業も、販売店の整備士さんがおられるんですけれども、整備士になろうとしてくれる若い人たちが減ってきて、沖縄でも今まであった整備士学校が減ってきていて、整備士がなかなか採用できないというような、そういう課題もございます。
 是非、沖縄の中で、そういう物づくり等に携わってくれる若者たちがこれからも増えていくような御努力をいろんな皆さんと連携取りながら是非やっていただくことを、この場をお借りをしてお願いしたいなというふうに思っております。ありがとうございます。
 では、続きまして、堀川先生にお伺いします。
 沖縄の子供たちの実態というのを、いろんなアンケートを見させていただいて、改めて、ああ、そういう状況なのかというのを認識をさせていただきました。
 その一方で、沖縄の出生率って全国一位なんですよね。その背景にあるのは、先生としてどういった要因で沖縄の出生率が全国一位だと分析されているのか、先生のお考えで結構ですので、御意見があればお伺いしたいと思います。
○参考人(堀川愛君) 御質問ありがとうございます。
 本当に、沖縄県、こういった経済面では大変厳しい状況にありながら、全国唯一の人口自然増の県です。多子高齢ですね、今。一昨年かな、初めて高齢者の数が子供の数を超えたという、もう日本の中で本当に唯一なんですね。少子化対策における部分でも、沖縄県がどうしてそういう状況にあるかというのは大変有意義な議論ができるかと思うんですが。
 今、私たち子供の貧困の研究をしている先生方の中でも、これだけ経済状況が厳しい中で子供たちが健やかに育つ、自殺率が高くてもおかしくないんじゃないかとか、そういったことも言われていたんですね。経済厳しい状況で食料調達もできないことを考えると、将来に悲観しての事件等も増えていいんじゃないかと言われているんですが、それは全国一位ではないんですね。
 やはり、私個人の私見として見えるのは、命どぅ宝かなと。命どぅ宝って、命が宝だということですね。ちょうど今六月ですけれども、沖縄県内小中学校、場合によっては保育園、幼稚園から、この時期、平和学習が始まります。子供の頃から、やはり戦争の記憶、またその悲惨な歴史というものをしっかり知りながら、命あってこそこうやって今があるという教育をしっかりしているんですね。
 それがやはり行く行く今につながってきて、たとえ経済的に厳しかろうとも、貧乏と貧困は違うというのもございまして、貧乏であっても命がある中で助け合いながらユイマールの精神でやるといった、そういった県民性の部分というのは私は大きいんではないかなと感じております。
○浜口誠君 ありがとうございます。
 本当、沖縄の方は温かい方が多いですし、私の知り合いの方も明るい人が多いので、そういう県民性のところも大きいんだろうなというふうに思います。
 先生の資料の中に、沖縄県を子ども子育て特区へという資料あります。これ、一つの貧困対策の政策ではないかなというふうに思うんですけれども、ここに書いてある中身で、とりわけここがポイントだというようなところがあれば、是非、資料を使ってでも結構ですので、教えていただけますでしょうか。
○参考人(堀川愛君) ありがとうございます。
 資料を大分ボリューミーに持ってきたので全て御紹介できなかったんですが、本当に沖縄県、今のお話の中でも出ましたが、多子高齢という中で、やはり今、日本の喫緊の課題としてございます少子高齢化社会の到来に向けて、沖縄県がどう子育て、この多子の状況をキープしながらまた経済状況が良くなるかって大きな課題ですし、未来の希望だと思っております。
 沖縄県、厳しいがゆえに施策の効果が見えやすいと思うんですね。施策を展開したときに、改善の数値が大きく見えてくる可能性が高いです。なので、今幾つか紹介したいんではあるんですが、既存施策の充実であれば、本当、先ほども申し上げましたとおり、就学援助、こちら申請制度をやめて、全員に対して、本当に今マイナンバー制度も導入されておりますので、税務データに当たるということはそれなりの手順を踏めば確実にできると思います。また、保育園の入所の際には保護者の課税データに当たりますという承諾をチェック一つで、保育園であれば所得に応じた支援というのが打てているんですね。
 これが教育に変わった瞬間に申請制度に切り替わってしまうので、本当に申請制度をやめてみる、既存施策の。保護者の足を煩わせない、手を煩わせない。沖縄はやはり厳しい状況なので、長時間労働、就労も月から土曜日の週六勤務というのがまだまだ残っております。この中で、行政に保護者が出かけていって申請するって本当にハードルが高いんですね。そういったものからやめてみる、そして効果測定をしっかりするということを是非やっていただきたいなと思います。
○浜口誠君 ありがとうございました。
 いろんな課題があるのを改めて今日認識しましたので、この特別委員会においても真摯な議論を重ねてまいりたいと思います。
 本日はどうもありがとうございました。
○宮沢由佳君 立憲民主党・民友会の宮沢由佳です。
 参考人のお三方、本当に今日はお忙しい中、ありがとうございます。
 沖縄は、今の現状、大変厳しいものがたくさんありますけれども、私は日本の縮図だと思っております。沖縄の成功なくして日本は成功しないんではないか。前泊参考人のおっしゃる四十六年間何で成功しないんだ、何で悪化しているんだというお話は、本当に私たち日本全体がもっとしっかり真剣になって考えなければいけないということで、特に私は保育士であり、子供の問題に関わっている者として、三割近い子供たちが貧困である中で大学進学への目標も持てないというお話、御説明がありましたが、その子たちをそのままにして沖縄の振興なんというのはあり得ないんではないか。
 今お話を伺っていて、沖縄振興ってもしかすると沖縄の経済活動振興なのかなと。うがった目で、斜めの目で見ると、沖縄の県民のための振興だと思っているはずが、何となく搾取をされているのではないか、先ほど外資系の方も多いという話もありましたけれども、沖縄で経済活動をする人のためにお金がかなり動いているのではないかということが大変心配でありまして、今まで掛かったお金が個々の子供たちにもしも直接的に払われていたら随分変わっていたのではないかなというふうに思います。
 日本全体を思っても、特に沖縄はまだ子供が多子ということですけれども、日本全体は異常なまでの少子化がまだまだ進んで、この度また下がった中で、子供の未来なくして日本の未来はない、それが北欧などではもうとっくにそれが分かっていて、子供に対して大きなお金が動いている。だけれども、日本はOECDの中で最低レベルのお金しか子供に対して、特に教育費に動いていないという中で、私は、お三方から、子供に対する、沖縄の子供たちの可能性について、それぞれのお立場からまず御意見を伺いたいと思いますので、前泊参考人から順次お願いいたします。
○参考人(前泊博盛君) 本当に、子供たちの未来を一つ考えるという意味では、日々大学教育の中で関わっていますけれども、大学の学費を考えるだけでも、実は百億円というお金があれば沖縄県内の大学の学費を無償化することができます。そういうことに使わずに、なぜ大学院大学に二百億ものお金を使うのかという。それは沖縄振興予算ではなくて、この国全体の予算であれば文科省の予算なり別予算で入れていただいて、そして沖縄の教育に百億でいいから入れていただければ、もっと進学率、全国最低の今三九%です、全国は五五%の進学率です、この格差をどう埋めるかというのが大きな課題です。
 大学に行けないために、就職活動の中でも制限があります。中小零細企業でも大卒の資格を要件とする。大卒の場合には正社員化率六五%という数字。一方で、高卒の場合には八%、九%という数字もあります。その差を考えると、大卒が少ないというのは、所得の、将来の貧困にもつながるような状況が放置されている状態だと思っています。
 できれば、韓国を超える八割あるいは九割という大学進学率を保障してほしいというふうに思っていますけれども、まずはそういう進学率も含めてしっかりと見てほしいというふうに思っています。あるいは、高校の進学率もやっぱり全国最低ですから、一ポイント、二ポイントの差とはいえ、やはりこれを全国一の進学県にしたいというのが私の希望でもあります。そういうことをサポートできるような制度をつくってほしいというふうに思っています。
 そのことが、低所得から抜けていく一つのまた人材育成にもつながるような部分ということでいえば、教育特区という形で百億のお金をまずは沖縄に投入をして、大学進学費用掛からない、そして誰もがそういうチャレンジができるような環境をまず整えて、そして、十年でいいですけれども、この変化がどう変わってくるか、日本全体のそういう先進地として沖縄を位置付けてほしいというふうに思っています。
 以上です。
○参考人(安藤安則君) では、沖縄高専の立場から、沖縄の若人の可能性ということについてお話しさせていただきます。
 私どもの高専というのは、御存じかと思いますが、中学卒業して、十五歳、十六歳のときに入って、五年間プラス二年間ですから七年間のコースになるわけですが、言葉を選ばずに申し上げると、各中学でトップクラスの学生が入ってきます。特に、例えば一昨年の女子学生三人組がICTビジネスプラン全国コンテストで、これは総務省主催のコンテストでして、これでグランプリを取りまして、その年のG7の総務省大臣会議の前会議で全国放送の講演をしたグループもおります。これは、この学生たちは今三年生ですけれども、中学から高専へ入るときは、もう必ずICTでがんがんやるよと思って入ってきたと。彼女らは、今やICT委員会というのの中で中心的に動いています。
 あるいは、昨年度、日刊工業新聞が主催しました理系人材の科学論文コンテストというのがございまして、これで総理大臣賞をもらったんですが、二位の方が東大の大学院、三位は筑波の大学院という、そういう意味での、非常に個性というよりも、磨けば磨くほど伸びる人材というのが私はいるんじゃないかと思っております。
 もう一つ付け加えますと、実は十五年目の高専になるわけですが、ようやく卒業生が教員となって帰ってくるようになりました。今、一期生が帰ってきて、三期生も今年教員となって帰ってきました。そうなると、いわゆるロールモデルといいますか、若人にとってこういう形の進学、あるいは自分の選択があるということが分かってくるというのでは非常にいい傾向だと思っていますので、私自身は沖縄の若い人たちのパワー、伸びるところは十分あるんじゃないかと思って人材育成に励んでおります。
 以上です。
○参考人(堀川愛君) 私の方からは二点。
 子供たちの未来ということで、今両参考人の皆さんがお話しいただいたところはもう当然やっていっていただきたいんですけれども、これまでのお話だと、できる子供たちのための施策なんですね、大学に進学する学力が付いたお子さん。
 やはり、そこに至らないような御家庭、お子さん自身の能力、これを自己責任問題にしてはいけないと考えておりまして、例えば本当に高卒、場合によっては中卒という子がいまだに沖縄県おります。その中卒、高卒のお子さんたちの本当にこれからの暮らしを支えるような就労支援的なものもやはり必要であって、それと同時に、将来的にやはり教育しっかり受けられる地盤を沖縄県内につくっていく。教育特区、子育て特区ということは本当に進めていっていただきたいと思っております。
 二点目が、その中で、やはり子供の貧困問題というのは早期介入、早期支援が将来的な経済効果も大きいということはもう研究結果から分かっております。その中で、大学進学にやはりどうしても今県内も大変着目されて支援が打たれておりますが、乳幼児期からの支援という部分、又は小中学生期の支援ということで、本当に子育て特区としての、子供たちが学習に臨む際の、先ほども鉛筆一本買えなかったという、これ今でもあります。筆箱、体操着、用意できないがゆえに、その背景にまで思い至らずに、授業に出れない、授業妨害をするというふうに認識されてしまう、誤解を得てしまうお子さんもいるんですね。
 もう学用品の共有財産としての学校所持とかいう、そういったような、家庭で買うということを求め続けるとこれはずっと繰り返していきますので、そういった具体的な施策、そういうことでしっかり自己肯定感を高めていくことが将来的にはそういった高学歴の学校に行く意識や向上心を持てることにつながると思いますので、是非そういった小さなうちからの支援ということを未来のためにやっていっていただきたいと思います。
○宮沢由佳君 ありがとうございます。
 まさに同感です。ここに提案された子育て特区の具体的な施策、これ実は、当然全部、日本、とっくにやっていていいことばかりではないかというふうに感じます。
 特に、今おっしゃった公的ないろいろな負担ですね、鉛筆からかばんからその全ての学用品をこの国は負担させているということが、実は北欧から考えるとおかしい。実は、例えばフィンランドの子供たちは手ぶらで学校へ行きますから。そして、そこに教科書があって、そしてその教科書もエコで、三年ぐらいで替わるわけですけれども、ちゃんと次の学年が使うからきれいに使ってねということで学用品も持っていかなくてもいい、これが先進国の常識なんですけれども、そういった日本の後れたところが特に貧困を苦しませているという意味では、提案なされた施策、これ全部本当はやらなければいけないことだなということを、改めて感謝申し上げます。
 加えて、先ほど出生率の高さの質問があったんですけれども、命の大切さを知っている沖縄ならではという意見もありますが、やはり一・八というのは驚くべき高さで、私、沖縄の友人から聞いたところ、やはり親戚も多いし、とてもホームパーティーが多かったり近所の付き合いがあるので産もうという気になる、また、みんなが産んでいるから自分も産むんだよなんという声も聞いたんですけれども、そういった助け合いということも、やはりたくさん子供を産む、また兄弟が多い理由になっているのでしょうか。堀川参考人、お願いします。
○参考人(堀川愛君) 御指摘いただきましたとおり、多子の部分ですね、本当に三人、四人お子さんがいるというのは学校に行けばすぐ分かるんですが、今でも本当に多い状況です。
 やはり、今、全国的にも地域コミュニティーの見直しというものがなされているかと思うんですが、これが沖縄県、全国に比べたら地域コミュニティーがまだまだ残っている。それは、沖縄独自のエイサー文化だったり綱引き文化だったりという、地域独自の文化的な歴史要件をしっかり次世代につないでいくといった文化の取組とも関連していると思うんですね。歴史、文化、エイサー、何かを例えば青年団が続けていくために、世代を超えてずっとつながっていく地域のつながりというものがありまして、私自身もシングルマザーで沖縄県で五名子育てしております。本当に地域のたくさんのおじいやおばあ、また隣近所の方々が本当に声掛けをし合いながら、うちの子供は町の子供という認識が普通に私はある地域で住んでいるんですね。
 ただ、その傍らで、沖縄県でも都市化がどんどん進んでおります。やはり地域、お隣同士なんて知らないのが普通というふうになってきているような都市部も出てきておりまして、やはり、いま一度、子供が育つという、社会の宝として育つための地域というものがどうあるべきかというのをやはり地方自治の皆さんにしっかり考えていただきたいなと思います。
○宮沢由佳君 ありがとうございます。
 この出生率が高い理由は、前回の私の質問で福井大臣がしっかりと検討するというふうにおっしゃっていただいたので、その辺りも調べていただきたいと思います。
 時間がないので最後なんですけれども、前泊参考人にこんなことを聞いていいのか分かりませんけれども、すごく熱意を今日は感じましたので、もしも前泊参考人が沖縄担当大臣だったらこんな施策をもうまずはやるよということがもしおありになったら、もし言いにくければこういう施策を望むでも結構ですので、思いを基地問題絡めておっしゃっていただきたいと思います。お願いします。
○参考人(前泊博盛君) ありがとうございます。
 たくさんの将来ビジョンを含めてレジュメの中にも入れさせていただきましたけれども、もう基地問題といったものを本当に早く解決をしたいというのがあります。
 基地に依存しているということを言われていますけれども、依存しなければならない地域もあるのかもしれませんが、今回のように、再編交付金、これ名護市の問題ですけれども、再編交付金という形で落とされたお金で子供たちの保育料を無償化する、あるいは給食費を出す、こういうお金の使い方が本当にいいのかどうか。そして、民意に背いた形で建設される基地ですね、その建設される基地を認めさせるために税金を使って、ある意味では買収しているかのような印象さえ受けます。
 こういうお金の使い方に対して異議申立てをしたら、しっかりとそれを受け止めて、こういう形ではなくて必要なものは一般財源から出していくというようなことをしっかりできるような国にしたいと思いますね。それから、選挙で示された民意に対して、それをしっかりと受け止めていって、ノーと言う者に対してごり押しをするようなことはしない、民主主義をしっかりと、そして憲法をしっかりと守っていけるような国にしたいというふうに思っています。
 私が大臣ならという話ではありませんが、国民の一人として、そういうことを当たり前に考えて、そしてこの国の運営にしっかりとそういうことを踏まえて、民主主義の国であるということをしっかりと示していければというふうに思っています。
○宮沢由佳君 ありがとうございました。質問を終わります。
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 今日は、三人の参考人の皆さん、本当にありがとうございます。とてもいい話を聞かせていただいて、うれしく思いながら。
 それで、六月二十三日というと慰霊の日ということで間もなくということなんですけど、県民の休日になっているということなんですけれども、我々自身もそこのことはしっかり自覚をしなきゃいけないんだろうというふうに思います。
 それで、最初に前泊参考人にお聞きしたいんですけれども、先ほどの浜口議員とのやり取りにも関わるんですけれども、やっぱり沖縄の経済の発展ということを言うときに、基地問題というのは切り離して考えられないというふうに思うんですね。
 それで、やっぱり基地の返還されてくると、これに対しての、効果的な基地の跡地利用によって経済が何倍にも発展するという話も証明されているということがさっき紹介がありました。それで、それだけにということで、また先ほどの前泊参考人の発言になるんだけれども、県自身はもっとこの依存度が、基地の経済への依存度が下がっていくということを分析しているわけなんですけれども、やっぱりまだまだ中には、そうはいっても基地に依存して成り立っているんじゃないかというふうに思っている人も多くて、その辺をやっぱり克服していかなきゃいけないということを思うし、その辺は私たち国会議員自身もしっかり自覚してちゃんと国民に広げていかなきゃいけないと思うんですけれども、その辺りのところをどうやってアピールしていくのかというところをお話しいただきたいということが一点。それから、あっ、後でまたもう一回。
 じゃ、まずそのことについてお答え願います。
○参考人(前泊博盛君) 基地問題については、この基地が何のためにあるかという議論がまず欠落をしていると思います。
 沖縄は、占領されて、いわゆる講和条約が結ばれた後、沖縄は日本から切り離されて、そして基地がどんどん造られていきました。そして、ほとんどの、在日米軍の専用施設の七〇%が沖縄に集中をしている状況の中で、本当にこれが経済の上ではプラスなのかどうか、その検証もありますけれども、そもそもがその沖縄にある基地は何の役に立っているのかという検証が必要だと思っています。
 沖縄にとっては、侵略をされ、あるいはその抑止力になると言われている米軍基地が、もうこれまで、復帰後四十六年間だけでも六千件ですね、の犯罪の起こしている場所になっていると。その上、もう一割近い七百五十件ぐらいが凶悪犯罪です。一人でも二人でも、何人もの人間が殺され犠牲になっているにもかかわらず、この基地が沖縄を守ってくれているとは県民のほとんどが思わないと思います。これだけ犠牲になっている問題に対して、あるいは爆音被害に対して、救済を求めても聞く耳を持たないこの国って何だろうというふうに思ってしまいます。
 そして、もうかるというのであれば、これは翁長知事が言っていますけれども、そこまで言うのであれば、じゃ引き取ってくれというふうに全国の皆さんに訴えていますけれども、誰も引き取ろうとはしないと。安全保障はこの国の問題だといいながら、沖縄以外のところはなぜ手を挙げてそれを引き取ろうとしないのかという議論の問題ですね。そして、もうかるというのであれば本当にそれを引き取ってほしいというような話になっています。
 それから、基地経済についてはもう何度も、返還されてきた跡地を見れば、残念ながら失敗しているところがないんです。全て成功しています。そういう意味では、もう基地は返還された方がいいというムードが沖縄の中にも出てきています。
 これに対して、基地がなければやっていけないでしょうということで、むしろ基地に関連するような予算を増やしてきていると、これはどういうことなのかと。今日のレジュメの中で、ちょっと小さい字で消えてしまっていますけれども、グラフの中で青とオレンジの線、このオレンジの線が沖縄防衛局の予算です。そして、青い線が内閣府の予算。振興予算の中で、これは実際に受けている沖縄県の建設業協会のデータですけれども、なぜ脱基地を図ると基地経済の方がぐんと膨らんでくるのかと。こういうことが、やはりこの国の品格を問われるようなことが沖縄で行われているような気がします。せめて、基地から抜けたいというのであればそれをサポートするような、そういう政策をしてほしいなというふうに思っています。
 以上です。
○紙智子君 ありがとうございます。
 やっぱりこの提起を受けて、本当に真剣に我々自身が深めていくというか、何でこういうことになっているのかということは真剣に議論しなきゃいけないということを改めて痛感します。
 そしてもう一つ、今、予算の使い方についてもお話があったわけですけれども、私はやっぱり、今年の沖北、この委員会でも質問の中でやりましたけれども、やっぱり沖縄の経済の振興に対して必要な予算ということでつくられているはずなんだけれども、例えば一括交付金というのは、使い勝手がいいということで言われて、先ほども話があったように、離島対策で必要なところに使いたいとか、子供たちの教育にもっと使いたいとか、そういうやっぱり県民にとって本当に必要だと思うところに県自身が使いたいということで使い勝手がいいというのはすごくいいと思うんだけれども、ところが、そこのところがこの四年連続で削られているという問題があって、何とも自分の中でも納得いかないという思いなんですけど、今、民主主義の在り方、政治の在り方にも関わるというふうにおっしゃったと思うんですけれども、これについても一言、要望があればお聞きしたいと思います。
○参考人(前泊博盛君) 一括交付金については、不要な予算を減らして必要なところにちゃんと使えるように、地元が一番そのニーズを知っているわけですから、そのニーズに合わせた使い方ができるように自由度を増やすというのが一括交付金のはずだったんですが、その一括交付金でやりたいという要望に対して、本来自由度があるはずなのに、なぜか内閣府が口出しをして使えなくしてしまうとか、そういうこともあるというふうに市町村から聞いています。
 であれば、例えば今回、再編交付金では給食費が無償にできたりあるいは保育料が無償にできたりするのに、なぜ、じゃ、一括交付金はそういう使い方ができないのかという問題になるのかもしれません。国の予算の在り方として、自由度をむしろ高める形で再編交付金、防衛予算が下りてくるのに、なぜ一般財源の方はそういう使い方ができないのかという、こういう意図的な方向性を持ったような予算をなぜ認めているんだろうという疑問もありますね。その辺りの税金の使われ方についても、再度検証してほしいというふうに思っています。
○紙智子君 ありがとうございました。この後、生かしていきたいと思います。
 それから、安藤参考人にお聞きします。
 すごく興味、関心の湧く資料がありまして、先ほどもお話にありましたけれども、高専でいろいろなことを試みていて、私は農林水産委員でもあるものですから、沖縄の高専で、製粉とか食品会社とかこういうところ四者の連携で、桑の沖縄在来種の島桑を使っておそばとか作っているとか、食品開発なんかもやっていると。それで血糖値を下げるとか糖尿病の予防が期待されるということで、商品普及を続けていけばこれは養蚕の活性化にもつながるというふうなことで、そういうふうに広がって、製造業が非常に育っていないという話もある中で、こういうことを是非広めていくというか発展させる必要があるんだろうなと思いながら見たんですけれども、それをめぐっての学生の取組でちょっと紹介していただければと思います。学生さんがどんなふうに取り組んでいるのかということで紹介いただけたらと思います。
○参考人(安藤安則君) 御質問ありがとうございます。
 今御指摘のいわゆるバイオとか生物資源関係の分野に関しましては、全国五十一国立高専ございますけれども、バイオを前面に出した学科を持っているのは実は沖縄高専しかなくて、特に今御指摘のように、島桑とかあるいは月桃とか、沖縄の植物をより高機能化図る、そういう機能性食品の開発、これに関しては教職員も非常に、どういいますか、前のめりなんですが、学生たちも非常にその辺は興味を持っているというのは、例えば、先ほど申し上げたように、一年生からPBL教育といういわゆる問題解決型演習といいますか、それをやっておりますので、一年から例えば月桃を使ったら何ができるんだろうか一緒に考えていこうという教育をやっていますと、五年たちますと、じゃ、私はそっちの方に行きたいというふうな学生も結構増えてきます。
 それと、もうちょっとプリミティブなことを申し上げると、生物関係ですと白衣を着るんですね、一年生ぐらいから。そうしますと、やっぱりその白衣も非常に、何というんですかね、機械だと白衣は着なくて、汚れてもいいんですが、そこのところは微妙に女子学生が多くて、学生の半分が女子学生です。そういうこともあって、この生物関係の分野に関してはこれからどんどん伸びていくんじゃないかと。
 それとともに、例えばオリオンビールさん辺りも新しいいろんな仕掛けなり、あるいは私どもの学生がオリオンビールさんに就職させていただくとか、あるいは沖ハムさんとか、そういうところに入ることによって、今まではトライされなかった新しい開発をやろうよという意見、お話も聞きますので、徐々にそういうのが広がっていくんじゃないかというふうに期待しております。
 以上です。
○紙智子君 ありがとうございます。
 もう一つ聞きたかったんだけど、ちょっと時間がなくなってきちゃったので、堀川参考人にお聞きします。
 子供の貧困問題について、一五年の十月に沖縄県として独自のアンケート調査をやって、一六年の一月に子供の貧困実態調査の中間報告ということで発表されて、最初に見たとき私、本当に、はっと思ったんですね、あっ、こういうことを県でやれるんだというか。全国に先駆けて沖縄県がやられて、そのやっぱり中身を見たときに、本当に子供の育ちに待ったなしという覚悟を決めてやったということで、すごくリアルな県内の貧困状況がそこに出されていて、そういうことがやっぱり深く認識されて初めてやらなきゃいけないというふうにもなると思うし、この沖縄の取組が、例えば私、北海道なんですけど、北海道でもちゃんとやろうという話が出されてきていたりとか、影響を与えているというふうに思うんですね。
 それで、そのことも踏まえた対策、その後のこともあるんですけれども、さらに、昨年三月に今度高校生の調査もされているということで、その高校生の取組なんかもちょっと児童とまた違う側面もあると思うんですけれども、その辺のところで、やっぱり貧困の連鎖を断ち切るというところでの問題、そして対策ということでは国に対しての要請も含めてお聞かせいただけたらと思います。
○参考人(堀川愛君) 高校生調査についてで特徴として見られたものは、先ほどから何度か出ておりますが、沖縄県内、公共交通機関が本当に未発達というか、だんだん当然バス利用も減っていく中で、バスの本数が南部地方であっても一時間に一本だったり二本だったりという中で通学しなければならない実態というのは、本当に本島、日本の内地の皆さんからすると想像できない話かと思うんですね。なので、本当に家の近隣、歩いて行ける、自転車で行ける範囲の高校しか選択できない。
 その中で、先ほどからも産業の話も出ておりましたが、例えば内地であっても、例えばいわゆる学力的に厳しいお子さんたちがおられたとしても、それは工業、商業高校でしっかり手に職を付けるような学びを三年間しまして、その地域に近接する商業、工業地帯へのきちんとした就職という人生ラインが引かれていたりするんですね。沖縄県の中で、先ほどからも、やっぱり産業未開発であることが、高校に行く交通手段の厳しさに、更に将来選択の狭さというところで、もう高校に行ったって就職がないじゃないかということで、中退してもいいんじゃないかと考えている子供たちというのはやはり多く見られる傾向にあります。希望がないんですね。イメージでいうと、今日は関東圏なので関東でいうと、例えば川崎、工業、商業さんの生徒さんは川崎の工業ラインのところの企業なんかを目指していたりとかできるんですけど、県内、そういった企業ございません、ほぼ。
 なので、自分たちが何のためにここで学んでいるかが分からなくなってきたみたいな声も出てきているのかなというのはあります。これは、沖縄、特徴的なのかなと思っております。
○紙智子君 本当に、そういう意味では、この問題もしっかり私たちも捉まえてやっていかなきゃいけないと思います。
 ちょっと気になっていて、どうしても安藤先生にもう一問だけ聞きたいのは、高専の裏の方に、基地の建設をめぐって、そのもし基地ができた場合には安全基準とか基地周辺の建物の高さ制限というのが掛かってくるということで、オスプレイなんかも飛んでいるということなんで、学生の学ぶ環境にとっては本当に心配だなと思うんですけれども、一言、それ最後、お聞きしたいと思います。
○参考人(安藤安則君) 御質問ありがとうございます。
 高さに関しましては、新聞報道等でいろいろ報道されていると思うんですが、私どもとしては、この沖縄防衛局からも説明を受けているとともに、小野寺防衛大臣も国会で、私どもの沖縄高専の建物の高さ制限は、対象にならないと答弁されているというふうに聞いております。
 私どもとしては、こういう学生の静穏な環境で勉強と研究に専念できる体制を確保するのが第一でございまして、今後も沖縄高専の敷地及び周辺の上空において米軍機のできるだけ飛ばないように、これは大学コンソーシアム沖縄という一つのコンソーシアムでも毎年記者会見でお話ししていますけれども、そういう流れの中で各機関等にお願いしていきたいと考えております。
○紙智子君 ありがとうございました。終わります。
○儀間光男君 日本維新の会の儀間でございます。
 今日は、沖縄から、地元から、親しみ深い三先生方をお迎えしての参考人質疑をさせていただく、三名の先生方に労を多とし御礼したいと思います。ありがとうございました。
 前泊先生、若い頃からお互い相まみえておりましたけど、たくさん質問したいんですが、十五分の中では限られておりますから、その中で幾つか拾い上げて教えを請いたいと、こう思うんですが。
 先生のレジュメの中で、いわゆる観光のインバウンドが九百五十数万、六十万なんなんとしておって、二桁をずっと続けて伸びてきているんですが、実入りの方が少ない。いや、少ないじゃなしに、沖縄県全体がそれで二百万を目指しやっておるんですけれど、復帰時の三百二十四億円、あれ今は六千二十二億円ということで来ておりますけれど、その沖縄の県民所得、これに一向に反映された様子がないと。
 これだけあるのに、どうして県民の所得に、可処分所得に反映されていないんだろうというような疑問、私も持つんですが、その辺、いま一踏み込み、教えていただけませんか。
○参考人(前泊博盛君) まさに所得の再分配ですね、配分がどうなっているかという大きな問題点があります。それから、どうしても低賃金労働になっている理由というのは、付加価値が非常に低い産業であるという宿命的な部分もあります。これをどうやって高付加価値化していくかというところで、今本当にチャレンジが始まったばかりという感じがあります。
 特に、インバウンドで海外から富裕層が来るようになって、宿泊費の上昇といったものも出てきています。それから、新たに立地するホテルが一泊二万円から六万円、そして十二万円という形で高い室料が取れるようなところまで来ていると。こうなってくると、本来なら働く人たちの賃金も上がっていかざるを得ないはずなんですが、そうは必ずしもなっていないのがなぜかというところで、やはり経営者の質の問題ということも問われてくるのかなというふうに思っています。
 そういう経営の問題まで含めて議論をする場ではないと思いますけれども、そういう高付加価値型の産業化を図る、そしてその中で高い給料をしっかりと払ってもらえるような仕組みをどうつくるかというのを課題にしているところです。
○儀間光男君 もう一つ、今さっきもお話ありましたけれど、この沖縄振興予算、一括で三千億来るわけですけれど、先生御指摘があったように、その中から国直轄事業に行くんですよ。大学院大学であるとか、あるいは那覇空港の第二滑走路、次また恐らく琉医大の附属病院、これを三千億の中から国直轄で、国が取り上げて発注をするんですね。
 そうしますというと、沖縄県がハード、ソフト、直接使える予算は当然二千億前後ということになって、ここも非常に実入りが少なくなる。国直轄はほとんど国が入札しますから、ほとんど本土のスーパーゼネコン、これが元請で、たばこで例えるというと、吸い切って沖縄の業者には吸い殻を拾わすと、こんなような状況で、これが観光のそういうことにも、いわゆる低賃金につながっていると。
 いわゆる還流している、沖縄振興費の中から中央へ還流するのが極めて大きいというような思いをするんですが、その辺、研究者としてどう感じていますか。
○参考人(前泊博盛君) これは、域内格差の問題ともちょっと関わってくるところですけれども、今、市町村が四十一市町村あります。その四十一市町村の中で、実はトップの市町村所得を上げているのは北大東村ですね、これ四百四十万円ぐらいあります。一方で、一番下の今帰仁村、百六十万円です。
 東京並みの所得水準を上げているはずの北大東、実際に行ってみると、所得の実感としては百九十万円だという話を聞きます。この数字はなぜ出てくるかというと、公共工事、公共事業によって、例えば五十億の公共事業が五百人のところに落ちれば一千万円ぐらいのお金になってきますけれども、実際に落ちているかというとそんなことはないですね。大規模な工事の場合にはゼネコンが全部持っていってしまいます。そのうちの下請、孫請というところでようやく地元の企業が入ってきます。
 これも振興委員会の中でも取り上げてほしい部分ではありますけれども、公共事業の受注率について地元の受注率ということを高めてくれとお願いをします。そうすると、件数ベースで八五%は地元発注だというんですが、件数ベースではなくて金額ベースで見ると六五%、五五%に落ちていきます。つまり、ざる経済と言われているのはそういうところですね、幾らお金を落としても実は半分は本土に還流をしてしまう。お金の落とし方として、こういう落とし方でいいのかというのがあります。
 つまり、地元に残らないような形で皆さん一生懸命に振興策を沖縄にやってあげているつもりだけれども、お金を、実際にはもう本土に還流をしてしまって地元に残らない。これ、離島市町村についても同じような形で、離島のためにお金を皆さん一生懸命予算化をしていただいていますけれども、どれだけ歩留りがあるかという、この復帰後四十六年間、このざる経済をどうするかという問題点があります。
 その辺りについてもしっかりと監視をしていただいて、地元に落ちるお金の形をこれからは、あと四年間、振興計画も残っていますけれども、その中でしっかりとつくってほしいというふうに思っています。
○儀間光男君 ありがとうございます。
 僕が言うのも変ですが、メンバーの先生方、来年度からの振興費を、直轄予算は別にして三千億ということで、委員長、取りまとめていただきたいと思います。
 安藤先生、お願いします。
 沖縄高専が沖縄で開校されてから、沖縄は非常に雰囲気変わりましたね。
 私、市町村長をさせてもらって、高専といろいろ、当時、糸村校長先生で、今は安藤校長先生で。伊東先生とやり取りしまして、浦添の島桑ですね、これ平成十四年から僕取り組んで、浦添産の絹糸を紡いでいます。蚕もやって、伊東教授とその蚕のやり取りで、教授の方から、蚕から創薬キットが取れるんだということで、あなたの浦添市の桑、蚕、こういうものをやり取りしようじゃないかというようなことで覚書も交わして、今も盛んにやっていると思うんですが、この辺は今先生からさっきお話あったんですが、島桑の持つ効能というか効果というか、そういうのを今、一つ一つ詳しく教えていただけますか。
 また、各企業、先生の産学官金という、新しいファイナンスも加わってきましたから、それも含めてちょっとお教えいただきたいと思います。
○参考人(安藤安則君) 御質問ありがとうございます。
 まず、島桑のいわゆる機能性食品に関しましては、今御指摘のように、いろんな効用が出てきましたので、これを浦添等のそれぞれのメーカーの方々といろいろ話をして、是非そういう形での、いわゆる創薬とはちょっと違うところもあるんですが、要は機能性食品をまず具体的にしようよという流れをつくっていますし、そういう流れに対して学生たちも、あれ、そういうことが使えるんだという、沖縄の県産品に対する見方が学生たちも変わってきているんじゃないかと思っております。
 それが、今御指摘のように島桑もですし、月桃だとか、そういうところもありますし、その流れが、毎年高専フォーラムということで成果を発表する場を那覇で行っているわけですが、そうしますと、いろんな企業の方が、じゃ、こういう形で一緒にやりませんか、できませんかという流れが徐々に広がってきておりますので、我々としては非常にいい流れじゃないかと思っております。
 かつ、先ほども申し上げた産学官金、最後の金というのは金融でございまして、沖縄高専、今いろんな機関との連携協定を結んでおりますが、この頃コザ信金とも結びましたし、沖縄金融公庫殿とも結びまして、その一番狙いは何かといいますと、やはり金融機関殿が持っておられるいわゆる事業計画、こういうところの分野に出ていこうという、それぞれの経営者が持っているノウハウといいますか、方向性ですね、これについて、沖縄高専の持っているいわゆる技術的な、あるいは研究開発能力をマッチングさせようじゃないかということが今、私が赴任して三年、今度四年目になりますが、そういう流れが徐々に出てきまして、そういう意味で産学官金という、ほかの都道府県でも大分そういう四つの言葉になりつつあると思うんですが、そういう意味の金融のノウハウも活用する仕掛けをと思っております。
 以上です。
○儀間光男君 ありがとうございました。
 たくさんお尋ねしたいんですが、時間ありません。堀川先生、あと三分しか残していなくて恐縮ですが、大変な研究をされておって、心から感謝をしたいなと、こう思います。
 市長時代、直接いろんなことを経験しましたけれども、今先生がおっしゃった貧乏イコール貧困じゃないという言葉、非常に重要だな、いい言葉だなと思いましたけれども、この貧困、子供の貧困、これすなわち大人の、親の貧困だと思うんですね。だから、経験したことは、学校も不登校するので訪ねてみたら、親の姿が惨たんたるものがありまして、悲しんできたんですが、この今の貧困の潜在的なもの、もっとあるのかどうか、その辺、研究結果はいかがですか。
○参考人(堀川愛君) 貧困世帯ですね、一般的には見えない状況の中で、やはり更に厳しい、本当に困窮世帯の皆さん方、私も幾つかフィールドワークで県内回らせていただく中で、今日明日にも台風が来ると言われている沖縄県ですが、風速五十メートルを超えるような風が来るわけですけれども、屋根が飛んだまま直せない、お子さんがいる世帯、玄関の扉が台風で飛んでしまったままブルーシートを玄関に張って出入りしている世帯、実際いまだにございます。
 やはり、そういった世帯、先ほど貧乏は貧困ではないと言ったんですが、貧乏に困難が重なったり社会的な隔絶が起こったときに、より厳しい状況に追い込まれていくんですね。だから、もうそのブルーシートの世帯なんかは、地域連携、やはり取れなくなっているんです。やはりプライドの部分もございますでしょうし、助けてと言いにくい社会構造、自己責任論がこれだけ蔓延してしまった中で、ドアぐらい自分で直しなさいよみたいなことがないかというと、やはり本人の中にもあるでしょうし、社会にもある中で、やはり、もっと助けてと言える社会をつくっていかない限り、見えない貧困はより裏に、陰に潜っていくんではないかという心配はしております。
○儀間光男君 この頃、子供食堂がはやっておりますけど、これとの、この子供の貧困との兼ね合いはどういう具合になっていますか。
○参考人(堀川愛君) 子供食堂の方ですね、先日から、二年前から、沖縄県、特別予算が付きまして展開してまいりました。二〇一五年に一か所だった子供食堂が、今、百十か所を超えるまで全県に展開しております。
 本当に、今すぐ御飯が食べたいという、給食以外に食事を取っていないという、夏休み明けたらかなり体重減少があるお子さんなんかも見受けられた中で、こういった地域連携でつくる子供の居場所というものが、本当に子供たちにまずは安心して御飯を食べてもらおうという、ここまで来ているぐらい厳しい状況ではあるんですけれども、それを、やはり県民性も含めまして、こんなにあっという間に一年半ぐらいで広がる都道府県ってそんなにないかと思うんですね。
 予算が付いたということの部分も往々にしてあるかと思うんですが、その中で今度は出てくることが、子供食堂に行くことによる差別、偏見の助長というものが今起こっております。そこも指しまして、私、子供の貧困対策第二期に入っていくと考えておりまして、やはりこの子供食堂に行くというのは貧困家庭なんじゃないかという社会認識というものを本当に今のうちにしっかり抑えていかない限り、あそこに行っている子供はお金がないんじゃないかみたいなことがもう既に起こり始めております。そこは、やはり県も含めまして、子供の権利として、子供の人権、プライバシーの侵害がないような施策として、今後改善、軌道修正していっていただきたいなと思っております。
○儀間光男君 どうもありがとうございました。終わります。
○糸数慶子君 沖縄の風、糸数慶子です。
 準備しておりました質問なんですが、しんがりになってまいりますとほとんどが出尽くしたという感じもございますけれども、改めまして、参考人の先生方に貴重なお話を伺うことができ、また改めて、ちょっと重なる部分もございますけれども、御答弁をお願いしたいと思います。
 まず、安藤参考人の方にお伺いしたいと思います。
 先ほどもレジュメいただきまして読ませていただきましたけれども、十五年前に開校いたしまして、今、情報セキュリティーの人材育成、バイオテクノロジーの人材育成、ロボット開発人材育成と、もうそれこそ多分野におきまして今卒業生も在校生の皆さんも本当に御活躍で、大変うれしく思います。先ほど儀間先生からもお話ございましたけれども、沖縄の若い人たちあるいは県外からやってくる若い人たちに対してもすごく大きな希望を与えてくださっているなということをすごく感謝したいと思います。
 その一方でなんですが、先ほど紙智子先生からもお話がございましたけれども、やはり今この国立高専のある場所ですね、まあ辺野古にあるわけですけれども、やはりこの校舎が辺野古新基地の周辺に建設をされているわけで、十五年前にそれができたわけですけど、今アメリカの国防総省の策定をしている飛行場建設基準によりますと、制限表面といいますか、海上のその制限、滑走路の周囲二千二百八十六メートルで標高五十五メートルという、そういう制限があるわけですけど、沖縄高専の校舎の最も高いところが標高七十メートルあるというふうに聞いております。この学生寮もその中の五十九メートルということで、これからすると、その基準から建物が随分その制限超えてしまうというのが現実ですね。
 今、学生が先生の資料によりますと八百七十六人で、常勤の教職員が百六名、合わせて九百八十二名の方がいらっしゃるわけですけれど、これが、安全のために米軍が定める高さ制限を超えることが判明をしているわけですけれど、これらの建物はやっぱり米軍の基準だけではなくて日本の航空法の基準からも逸脱しているわけですね。
 沖縄防衛局は、米側との調整で航空機の航行の安全を害しないとして沖縄高専はこの制限の対象にならないと小野寺大臣もおっしゃったと先ほど答弁ございましたけれど、しかし、こういう状況の中で、子供たちの安全、完全に保証できるのかなということ、すごく疑問なんですけど、どうなんでしょうか。
○参考人(安藤安則君) 先ほど紙先生のお話にもお答え申し上げましたが、私どもとしては、沖縄高専の高さ制限に関しての、四月にいろいろございました、ありましたが、今おっしゃっていただいたように、沖縄防衛局からも説明を受けるとともに、小野寺防衛大臣も、国会で本校の高さ制限は法律に対して対象にならないというふうに答弁されていると聞いておりますので、そういう点では、私どもとしては、多少の困惑はあるにしても、ともかく我々のミッションは学生の安全な環境、特に静穏な環境において勉強や研究に専念できる、その環境をつくることが第一と考えておりまして、先ほど申し上げましたけれども、大学コンソーシアム沖縄とか、あるいは関係します琉球大学、名桜大学等と連携しまして、今後もそれぞれの高等教育機関の、私どもの沖縄高専も含めて、その敷地や上空の飛行、これをできるだけ抑える、あるいは中止の方向で検討願いたいということは、今後も学生の安全を考える上で努めていきたいと考えております。
○糸数慶子君 今、国立高専だけではなくて、周辺には沖縄電力の送電鉄塔が十三か所あるわけですね。その鉄塔のこういう高さというのもこの基準より超えているわけでして、そこに関しては、やっぱり公的機関の要請で移設をするということの話ができているということを聞いております。
 ですから、防衛局の方からきちんと、あるいはまた米軍の方ともきちんとやはりお話合いができて、ちゃんと生徒や学生やあるいは職員の皆さんの安全が本当に守られるような状況になっていかなければいけないというふうに思っております。
 それに関しましては、これまで、まず普天間の基地を辺野古に移設と言っておりますが、新基地建設ということになるわけですけど、そういう日本政府あるいは日米両政府が普天間の危険性の除去をするということで辺野古へと言っておりますけれど、辺野古にも住民も住んでいますし、ましてや国立高専も、先ほどから実績を伺っていますと本当に大切な教育の現場であるということも考えますと、やはりこの危険性の除去というよりも、学校の近くにこういう基地が移動するということは、これは危険性の移転ではないかというふうに考えます。
 ですから、先ほど御答弁がございましたように、やはりきちんと政府に対して、まさに学校の今の位置をどうするのかということも改めてきちんとお話をしていただきたいということを要望したいというふうに思います。
 それでは次に、前泊参考人にお伺いをしたいと思います。
 私も実は随分質問を準備してまいりましたけれど、似たような質問が随分出ました。それで、一つに絞ってお伺いしたいと思いますが、現在、国の沖縄に対する五次振計といいましょうか沖縄振興計画は、二〇一八年度までの総額が約十一兆六千八百億円というふうになっておりますが、これまでこのような巨額な沖縄振興予算がつぎ込まれてきたにもかかわらず、県民所得は二百十六万。これは全国と比較しても七割程度で最下位のままであるという状況ですね。本土とのこの所得格差がいまだ是正できないのが現状でありますが、これまで、また今後の沖縄振興の在り方について参考人の御見解をお伺いしたいと思います。
○参考人(前泊博盛君) これまでの沖縄振興も含めて、今、沖縄振興予算という言われ方をされましたけれども、政府予算については、四十七都道府県全部同じように政府予算は出ていますので、沖縄振興という言葉ではなくて、沖縄予算ということだと思いますけれども、その予算の在り方について基地と連動するような形で増減をされるということがやはり大きな課題だと思っています。
 それから、新しい振計を作られる時期をそろそろ迎えますけれども、これまで基地と公共事業と観光という旧3K経済と言われてきましたけれども、これから新しい時代へ向けて新7Kというのをまた加えてきました。
 観光についても、これまでの従来型の周遊型観光に加えて、新しいMICEとか、あるいは医療ツーリズム、それからエコツーリズム、そういったものの動きが出てきています。それから、公共事業についても、失われた環境を取り戻していくような再生型の公共事業といったものの可能性も出てきています。
 それから、レジュメにも入れましたけれども、健康産業ですね、これは国立高専の課題としても出ていましたけれども、機能性食品とか健康食品がぐんぐん伸びてきています。こういったものをどう伸ばしていくか。それから、環境、金融、研究、教育、交通、交易、そしてプラスIということで情報通信についても新しい可能性がどんどん出てきていますので、その辺りについても御審議をいただいて、次なる新しい発展を、沖縄のビジョンを是非あと四年間の間には策定をしていただいて、そして日本全体を引っ張るようなアジアの一つのゲートウエーとして沖縄を位置付けて、日本経済そのものを再生させていけるようなパワーを沖縄からまた発揮できるような、そういう計画を作っていただければというふうに思っています。
 以上です。
○糸数慶子君 ありがとうございました。
 それでは、堀川参考人にお伺いしたいと思います。
 堀川参考人に関しましても、実は準備した質問といいましょうか、沖縄県の県民所得が低いことで子供たちに与える影響はどういうことがあるのかということですとか、それから、就学支援制度の利用が低い理由はということですとか、就学支援の拡充の具体的な案をお聞きしたいということを準備をしておりましたけれども、もう既に出ております。
 それで、先ほどちょっとだけお話もございましたけれども、例えば保護者の就労状況の改善についてであるとか、あるいはまた高校生の通学交通費の支援、またこれも出ておりましたけれども、それ以外に、今までいろいろ語っていただきましたけれども、これだけすばらしい資料をお持ちですので、言い足りなかったことといいましょうか、改めて残りの時間を使って是非お話をしていただきたいと思います。
○参考人(堀川愛君) 貴重なお時間を頂戴いたしまして、ありがとうございます。最後になるかと思うので、言わせていただきます。
 十五ページ、参考資料一を見ていただきますと、緑の表ですね、沖縄県と全国との所得差異。こちら、今まで二九・九と一三・八という割合で伝えてきておりましたが、もう金額で見た方が明瞭なんですね。沖縄県の県民所得、こちら内閣府県民経済計算のデータから持ってまいりました。平成二十五年度のデータです。沖縄県の県民所得が二百十万二千円、それに対して全国の平均県民所得は三百六万五千円です。その差異は、年間にしますと九十六万三千円という額になります。
 今の皆さんの所得でも、私たちでもなんですが、ぱっと一年間にあと百万円もらえたら何ができるという話なんですね、単純に言うと。本当に、お子さんを育てている世帯でこの百万円がもし年間用意できるのであれば、本当にできることって多くなってくると思うんです。
 例えば、やはり子供の育ちの中で経済が影響を及ぼす一番大きな問題として言われておりますのが、体験、経験の格差です。文化体験ですとかそれこそ成功体験、いろいろな体験の欠落によって視野狭窄になる可能性が大変言われております。それが、やはりお金を伴う体験も今、時代の流れの中で多くなってきているわけですから、こうした本当に全国との所得格差が埋まるのであれば、沖縄県の子供を育てている保護者の皆さんが子供たちに投資していくようなものに変えていけるであろうと単純に思うんですね。
 本当に、二百十万と言われたら、月にしたら幾らなのというぐらい厳しい状況の中で、沖縄の県民性で何とか踏ん張っているだけで、印象論、全国の方に沖縄の貧困の話すると、本当にサボっているんじゃないかとかおっしゃられる方いるんですけれども、前泊参考人もお持ちかと思うんですが、就労しております、しっかり。
 自分で辞めてしまう割合が高いというお話も出ましたが、高校生とお話ししていた際に、修学旅行で内地に行ったときに、自分がバイトしているファミリーマートは最低賃金の七百幾らだったんだけど、東京に行ったそうです、そうしたら、大変急募していたようで、東京都の中で、同じコンビニエンスストアさんで、千三百円の時給で、急募、千三百円と出ていたと。私の二時間は東京の一時間ですかと言ったんです。もうそういう状況になってしまっていることを私たち大人がどう捉えるのか。
 やはり、社会の受皿として、例えば今参考人の皆さんもお話ししてくださったような進学の支援ですとかやはり高専の取組なんかは、個々の資質開発また能力の向上という意味では本当に意味のあることで、支援策としては本当にすばらしいものなんですが、その支援をされた子供たち、能力付いた先の受皿がなければやはり経済的に困窮していくしかないわけです。なので、是非こういった場の皆さん、委員の皆さんが、高学歴者が増えていくであろう中で、経済安定が図れるような具体的施策を展開できるような提案をいただけたらと切に願います。
 ありがとうございました。
○糸数慶子君 ありがとうございました。終わります。
○委員長(石橋通宏君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。
 参考人の皆様に御礼の御挨拶を申し上げます。
 本日は、長時間にわたりまして、沖縄振興に関わる様々な課題に対しまして大変貴重な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。本日いただきました様々な御意見、御提言、しっかりと今後の審議の参考にさせていただきたいと思います。委員会を代表いたしまして皆様に厚く厚く御礼を申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。(拍手)
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時十九分散会