第196回国会 外交防衛委員会 第14号
平成三十年五月十五日(火曜日)
   午前十時開会
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   委員の異動
 五月十日
    辞任         補欠選任
     徳茂 雅之君     武見 敬三君
     松川 るい君     山本 一太君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         三宅 伸吾君
    理 事
                猪口 邦子君
                塚田 一郎君
                中西  哲君
                杉  久武君
                藤田 幸久君
    委 員
                宇都 隆史君
                佐藤  啓君
                佐藤 正久君
                武見 敬三君
                中曽根弘文君
                堀井  巌君
                山本 一太君
                山口那津男君
                小西 洋之君
                福山 哲郎君
                牧山ひろえ君
                井上 哲士君
                浅田  均君
              アントニオ猪木君
                伊波 洋一君
   国務大臣
       外務大臣     河野 太郎君
       防衛大臣     小野寺五典君
   副大臣
       外務副大臣    佐藤 正久君
   大臣政務官
       外務大臣政務官  堀井  巌君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        宇佐美正行君
   政府参考人
       人事院事務総局
       職員福祉局次長  遠山 義和君
       外務大臣官房審
       議官       相木 俊宏君
       外務大臣官房審
       議官       川村 博司君
       外務大臣官房審
       議官       松浦 博司君
       外務大臣官房参
       事官       市川 恵一君
       外務大臣官房参
       事官       志水 史雄君
       外務省中南米局
       長        中前 隆博君
       環境大臣官房審
       議官       江口 博行君
       防衛大臣官房長  高橋 憲一君
       防衛省防衛政策
       局長       前田  哲君
       防衛省整備計画
       局長       西田 安範君
       防衛省人事教育
       局長       武田 博史君
       防衛省地方協力
       局長       深山 延暁君
       防衛装備庁長官  鈴木 良之君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○所得に対する租税に関する二重課税の除去並び
 に脱税及び租税回避の防止のための日本国とリ
 トアニア共和国との間の条約の締結について承
 認を求めるの件(内閣提出、衆議院送付)
○所得に対する租税に関する二重課税の除去並び
 に脱税及び租税回避の防止のための日本国とエ
 ストニア共和国との間の条約の締結について承
 認を求めるの件(内閣提出、衆議院送付)
○所得に対する租税に関する二重課税の除去並び
 に脱税及び租税回避の防止のための日本国政府
 とロシア連邦政府との間の条約の締結について
 承認を求めるの件(内閣提出、衆議院送付)
○投資の自由化、促進及び保護に関する日本国と
 アルメニア共和国との間の協定の締結について
 承認を求めるの件(内閣提出、衆議院送付)
○税源浸食及び利益移転を防止するための租税条
 約関連措置を実施するための多数国間条約の締
 結について承認を求めるの件(内閣提出、衆議
 院送付)
○所得に対する租税に関する二重課税の除去並び
 に脱税及び租税回避の防止のための日本国とデ
 ンマーク王国との間の条約の締結について承認
 を求めるの件(内閣提出、衆議院送付)
○所得に対する租税に関する二重課税の除去並び
 に脱税及び租税回避の防止のための日本国とア
 イスランドとの間の条約の締結について承認を
 求めるの件(内閣提出、衆議院送付)
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○委員長(三宅伸吾君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、松川るい君及び徳茂雅之君が委員を辞任され、その補欠として山本一太君及び武見敬三君が選任されました。
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○委員長(三宅伸吾君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とリトアニア共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件外三件の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、人事院事務総局職員福祉局次長遠山義和君外十三名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(三宅伸吾君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(三宅伸吾君) 所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とリトアニア共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件、所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とエストニア共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件、所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国政府とロシア連邦政府との間の条約の締結について承認を求めるの件及び投資の自由化、促進及び保護に関する日本国とアルメニア共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件、以上四件を一括して議題といたします。
 四件の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○中西哲君 おはようございます。自民党の中西哲でございます。
 条約のうち、ロシア、リトアニア、エストニアとの租税条約締結につきまして、既にロシアとは租税条約を締結しており、今回はその改正ということであり、また、リトアニアとエストニアについては今回初めて提携するとのことでありますが、この租税条約の締結の背景と意義について、外務省にお伺いいたします。
○政府参考人(相木俊宏君) お答えを申し上げます。
 我が国政府といたしましては、相手国との経済関係、我が国経済界からの要望、租税条約の締結から生じ得る効果といった観点を踏まえまして、新規の租税条約の締結及び既存の租税条約の改正を進めてきているところでございます。
 リトアニア及びエストニアからは、累次の機会にわたりまして租税条約の締結の要望がなされていたところでございまして、我が国と両国との投資、経済交流が活発化をする中、申し上げた観点を踏まえまして、今般、両国との関係でも租税条約の締結に向けた環境、準備などが整ったと判断したことから、締結に向けた交渉を開始し、合意、署名に至ったものでございます。
 ロシアについては、現行の日ソ租税条約におきます投資所得に対する限度税率が近年の我が国の条約例と比して高い水準になっていること、また、両国がそれぞれ租税条約の参考としておりますOECDモデル条約、租税条約が累次にわたり修正されていることなどを踏まえまして、両国において全面改正する必要性が認識をされましたため、締結に向けた交渉を開始し、合意、署名に至ったものでございます。
 これらの国との間で租税条約を新規締結又は改正をすることによりまして、締約国間での二重課税のリスクが軽減され、これらの国との間の健全な投資、経済交流の一層の促進が期待されるという意義があるものでございます。
○中西哲君 どうもありがとうございました。
 続きまして、航空自衛隊の次期戦闘機、F2戦闘機の後継選定についてお伺いします。
 現在の中期防では、平成三十年度までに将来戦闘機の開発に係る判断を行うこととされており、現在、国内開発、国際共同開発、既存機の能力向上等の外国機の購入の選択肢について検討中とのことでございます。
 五月四日の日本経済新聞に、「次期戦闘機F22主体」という見出しで、米ロッキード社から日本に打診という記事が載りましたが、防衛大臣はこの報道をどこまで承知していらっしゃるのか、お伺いいたします。
○国務大臣(小野寺五典君) 防衛省として、ロッキード社から委員御指摘の報道にあるような打診を受けた事実はありません。
○中西哲君 分かりました。
 防衛省では、これまで次期戦闘機開発に向けて様々な取組を行ってきたところであります。その際に目標とすべき能力として四つ挙げておりまして、一つが対空戦闘能力、これは最高のレーダー探知性能、圧倒的なステルス性、究極の撃ちっ放し、そして国内整備基盤を活用した最高の稼働率、電子戦、データリンクなどとなっております。二番目に、対艦戦闘能力、この内容は、究極の撃ちっ放し、超音速対艦ミサイル運用能力、電子戦、データリンクとなっておりまして、三つ目が、経済性、国内整備基盤を活用した最高の稼働率、安価、迅速な能力向上、そして四つ目が米軍との共同行動能力、電子戦、データリンク。
 この四つでございますが、このうち、高出力小型レーダーの研究や大推力エンジンの研究、そしてネットワーク戦闘の研究等の防衛装備庁が平成二十二年以来実施してきました研究開発は、担当する国内防衛産業の評価としてそれぞれ実用装備品開発のめどが立つレベルに達しているなど、将来戦闘機の開発に向けて関連技術の蓄積、高度化が進んでいると聞いておりますが、防衛省の認識はどうか、お聞きいたします。
○政府参考人(鈴木良之君) 委員御指摘の将来戦闘機関連技術の各研究の状況につきましては、高出力小型レーダーや大推力エンジンはいずれも試作品を製造し、実際に作動させて確認する段階にあります。また、ネットワーク戦闘については、ネットワーク戦闘に必要な要素をシミュレーターを用いてパイロットにより評価するとともに、高速データリンク装置の検討などを進めている状況でございます。
 そのほか、先進技術実証機X2を始め、最先端の戦闘機技術に関する各種実証研究事業を実施してきており、戦闘機関連技術の蓄積、高度化が着実に進んでいるものと認識しております。
○中西哲君 順調に進んでいるという答弁でございました。
 この戦闘機開発、平成三十年度、本年度中に国産開発を決定しなければ国内の企業に以前のF2戦闘機を開発した経験者がいなくなります。平成三十二年でほぼ退職するそうですが、そうすると戦闘機事業が継続できなくなるということになります。我が国の防衛生産・技術基盤の確保という観点から見れば、我が国が主体的に開発する必要があると思っております。日本が主体的に開発する際の以下の課題について、防衛省、どう認識されているのかお聞きします。
 今、エンジンやらいろいろステルス性のことについては答弁がございました。一番気になるのが開発費用の問題でございます。ライフサイクルコスト削減で対応できるというお話も聞いております。F2戦闘機の例で見ると、開発費が約一一%、運用維持費が五九%と最も大きいんですが、取得費は三〇%となっております。このF2の事例で見た場合に、日本が単独で開発してもそれほど多額の金額は全体で見ると掛からないと思うんですが、防衛省の認識をお聞きします。
○政府参考人(鈴木良之君) 開発費用につきましては、一般的に技術水準が上がるほど開発費用も高額になる傾向がありますので、高度な技術が必要となる将来戦闘機を開発する場合については開発費用を抑制する方向を講じていく必要があると、おります。
 いずれにしましても、現時点におきましては、委員も御指摘のとおり、国内開発、国際共同開発、既存機の能力向上等といった選択肢の中で現在総合的に検討を進めているところでございますので、その検討を踏まえまして、今後とも開発費の抑制について努めていきたいと考えております。
○中西哲君 先ほどの答弁にありましたように、防衛省が目標としてきた主要な次世代技術の獲得がほぼ順調にいっておると、で、いつでも将来戦闘機の開発に着手できる状態であると思います。
 将来戦闘機におけるイギリス、英国との協力の可能性に係る日英共同スタディーは、今年三月十六日に、防衛装備・技術協力の下、政府間の覚書を締結しているなど、英国との共同開発について研究中とのことでございます。共同開発であっても、日本が主体的に関わることによって次期戦闘機の能力向上と派生機種の生産ができるという利点がございます。是非、次期戦闘機の開発は日本が中心となって進めていっていただきたいと要望して、この質問を終わります。
 続きまして、南西諸島防衛についてお伺いいたします。
 先月、水陸機動団が創隊されまして、一個連隊約七百人から八百人で二個連隊が創隊されました。最低三個連隊が必要になると思うんですが、その点についてお伺いいたします。
○政府参考人(西田安範君) お答えを申し上げます。
 島嶼防衛の強化につきましては、大綱の見直しや中期防の策定の議論においても重要な課題でございまして、省内でも様々な議論を行っているところでございますが、水陸機動団の在り方につきましては、三個目の連隊の設置も含めまして、現時点で決まっているものはございません。
 更なる整備の必要性につきましては、防衛大綱の見直し、あるいは次期中期防の策定に向けた検討の中でしっかり検討していく考えでございます。
○中西哲君 水陸機動団、これは単独では行動できないので、海上自衛隊の艦船に乗せて移動するということで、陸海空統合のモデルケースとなると思うんですが、じゃ、司令部をどこに置くのかと。陸上自衛隊は朝霞、海上自衛隊は横須賀、航空自衛隊は横田に現在司令部が置かれておりますが、この水陸機動団を運用するときの統合的な司令部を別個に置く考えがあるかどうか、あるとすれば別途のところに置くのかについてお伺いいたします。
○政府参考人(西田安範君) お答えを申し上げます。
 水陸機動団につきましては、陸上総隊の直轄部隊として創設しておりまして、その運用については、基本的に陸上総隊司令官が指揮を執ることとなっております。一方で、陸海空自衛隊が一体となった統合運用による対処が必要な場合には臨時に統合任務部隊を組織することになりますが、具体的な統合任務部隊の指揮官等につきましては、発生した事態の規模、態様等に応じまして決定することになっておりますので、一概にお答えすることは困難でございます。
 いずれにいたしましても、水陸機動団が参加する水陸両用作戦の在り方については、統合任務部隊の組織の在り方、あるいは必要な施設整備等も含めまして、平素から検討し、必要な教育訓練を実施するなど、各種事態に当たって適切な運用体制が構築できるよう努めてまいります。
○中西哲君 アメリカの海兵隊というのは独自で空の航空戦力も持っているんですが、常に共通の意識、彼らにはライフルマンという共通意識があるそうなんですが、やっぱり統合して行動するとなると、常に頻繁に統合訓練をやらなきゃいけないと思っております。
 その意思の、陸海空の意思の疎通についてどうお考えか、お伺いいたします。
○政府参考人(前田哲君) お答えいたします。
 今委員御指摘のとおり、我が国、多くの島嶼を有しており、これに対する攻撃に対応するためには、例えば、事前に兆候を得た場合には、敵に先んじて、陸海空の自衛隊が一体となって攻撃が予想される地域に部隊を機動的に展開、集中そして対処することが必要でありますし、また、万一島嶼を占領された場合には、航空機や艦艇による支援を受けながら陸上自衛隊の部隊を着上陸させるなど、島嶼奪回のための作戦は、これは統合運用でやらなければいけないと思ってございます。
 このような任務を確実に遂行するために、陸海空自衛隊が参加する統合訓練といたしまして、これまでは、例えば平成二十八年度、日米共同統合演習、キーンソード17、あるいは平成二十九年度には自衛隊統合演習、こういったことを実施をしてきておりまして、水陸両用作戦に関する必要な能力の向上に努めております。
 その上で、本年度、平成三十年度でございますけれども、水陸機動団の新設を踏まえまして、水陸両用作戦における自衛隊の統合運用能力の維持向上を目的として統合水陸両用作戦訓練、これを実施するほか、まさに現在であります今月八日から二十四日の間、陸上自衛隊が実施する水陸機動団演習に海上自衛隊が参加をする、こういった形で様々な機会を捉えて水陸両用作戦に係る陸海空自衛隊の連携強化、これに努めてまいりたいと思っております。
○中西哲君 この作戦を遂行するためには航空優勢というのが絶対的に必要になりまして、私、その点につきましても、さっき言った国産ないしは共同開発の戦闘機は絶対に必要だという思いでおります。そしてまた、陸上自衛隊の攻撃型のヘリなどについてももっと充実すべきじゃないかと思っておりますが、これ、今日はちょっと時間がありませんので、それは次の機会に聞かせていただきます。
 それで、この水陸機動団を輸送するのは、現在「おおすみ」型の輸送艦三隻で多分行動するんだろうと。そしてまた、上陸とかいうことになると、LCAC、それぞれ二隻ずつホバークラフト型の上陸用舟艇を載せておりますので、それを使用するんであろうと、ほかにも輸送ヘリ、そしてまた水陸両用装甲車AAV7、これらで行くんであろうと思いますが、第二次大戦中に使われておりました上陸用舟艇、日本では大型発動艇ということで大発と呼んでおりましたが、そういうのは現在陸上自衛隊ではもう装備しておりませんが、その必要性はないんですか。
○政府参考人(西田安範君) お答えを申し上げます。
 水陸機動団が行う上陸作戦につきましては、現在基本的に水陸両用車AAV7による上陸、それからボートによる隠密潜入、それからV22オスプレイによる空中機動の三経路から行うことを想定をしてございます。
 委員御指摘のとおり、作戦地域に至るまでの海上輸送力は非常に重要でございますが、「おおすみ」型輸送艦についてはAAV7を運用できるように改修を行っており、二個連隊の輸送所要として四十四両のAAV7を調達をしておりますが、「おおすみ」型輸送艦三隻でこれは全て輸送をすることが可能と考えてございます。
○中西哲君 これについても、そのほかにも民間のフェリーの契約があって、その資料もいただいておりました。
 今回はその質問はしませんが、それで、この水陸機動団が行動する、あるいは警戒活動をする、そして乗組員の休養であるとか兵器、食料の調達であるとか、そういうことプラス、補給プラス簡単な計画の打合せとかいうことで、どうしても陸海空統合の後方支援の根拠地が必要になるというお話も聞いておりまして、前にもこれは取り上げました。その必要性については防衛省としても認識しているという答弁でしたが、この部隊、後方支援の根拠地を近からず遠からずという地域で、四国西南部につくる必要があるんじゃないかと。南西諸島であれば緊急事態になったときにそういう後方支援ということには役に立ちませんので、九州ないし、九州南部とか四国西南部が必要になるんですが、いかがお考えでしょうか。
○国務大臣(小野寺五典君) 委員の御指摘にありますように、島嶼部に対する攻撃への対応として、南西地域に展開するための後方支援能力を向上させることは重要な課題と認識をしております。
 防衛省としては、物資の集積、補給拠点にも活用できる拠点として、平成二十八年三月、与那国島に与那国沿岸監視隊等を配置する駐屯地を新設したところであります。また、現在は、奄美大島、宮古島及び石垣島にも駐屯地を新設するために必要な取組を行っております。南西地域により近い補給基盤を強化するために、大分弾薬支処の拡張なども行っております。
 いずれにしても、南西地域の島嶼部に対する攻撃に実効的に対応するためには後方支援能力の強化が不可欠であり、防衛大綱の見直しや次期中期防の策定に向けた検討においても必要な整備体制をしっかり検討してまいりたいと思っています。
○中西哲君 後方支援の根拠地を陸海空統合でやっぱりつくるというのは絶対的に私も必要になってくると思います。そういう意味で、地形的には四国西南部が最適であろうという思いでおりますんで、その点を要請しておきまして、最後に日報の問題について触れさせていただきます。
 現在日報は一般の行政文書として取り扱われており、今後は十年間保存し、保存期間満了後は公文書館に移管するという方針であると伺いました。したがって、情報公開の請求があれば情報公開法に基づいてしかるべく措置をとっております。
 質問するつもりでおりましたけれども、四月十二日の衆議院安全保障委員会において我が党の中谷真一議員が質疑を行っておりますので、答弁は求めません。中谷議員はこの日の質疑において、実際に提出された日報を見て、そこに書かれている内容について説明しておられます。その内容は、四月六日の産経新聞に、元航空自衛隊航空支援集団司令官としてイラク派遣航空部隊指揮官を務められた織田邦男元空将の話もあります。日報の目的として二つあると。指揮官の指揮を適切にし、任務の教訓もまとめるためだ云々があります。
 私も同じ思いを持っておりまして、私は、将来、日報は一般行政文書とは違って数十年なり期間を決めて非公開として保管すべきであるという思いでおりますんで、答弁は求めませんが、以上で質問を終わります。
○杉久武君 公明党の杉久武でございます。
 前回の委員会開催以降、南北首脳会談、日中韓サミットを始め、外交的に連日怒濤の日々が続いておりますが、本日は我が国とリトアニア、エストニア、ロシアとの租税条約並びにアルメニアの投資協定が議題となっておりますので、私からはそれらに絞って順次質問をしてまいりたいと思います。
 まず、租税条約についてでございますが、改めて申し上げるまでもなく、租税条約の役割は国際的な二重課税を回避するために両国間の投資や経済活動に関して課税できる所得の範囲などを調整するものでございますので、こうした租税条約を締結することによりまして、例えば海外に進出した企業に対する課税につきましては一定の法的安定性が確保されます。また、予見可能性が高まるとともに、我が国企業が海外で得た収益について国内への還流が円滑化していくことにもつながってまいります。したがいまして、こういった租税条約の締結については健全な投資、そして経済交流の一層の促進に大きく寄与するものであるというふうに考えております。
 私も前職ではアメリカに三年間駐在して我が国の海外現地法人の決算の監査に携わっておりましたので、監査という観点から租税条約というものも見てまいりましたが、企業的には移転価格のリスクというものにも留意をしなきゃいけませんし、これらについてはBEPS条約の際に詳しくお話をしたいと思っておりますので、本日は我が国の企業の海外への進出という観点から、まずはロシアとの租税条約について伺いたいと思います。
 このロシアとの租税条約については、既に御案内のとおり、昭和六十一年に旧ソ連との間で締結されたものでございます。しかしながら、これまで一度も見直しがされることはありませんでしたので、実に三十年以上も長きにわたり改正が行われてまいりませんでした。その間には旧ソ連が崩壊、これが平成三年になりますけれども、その後ロシア連邦が成立するといった歴史的事件が起きておりまして、当時、私はまだ高校一年生でしたので、本日、この委員会で審議を行うに当たって、何とも長い間手付かずであったと、いささか感慨深いものもございますが、一方で、率直に驚きもしているところでございます。
 現に、ロシアにございます我が国の現地法人からは、例えばロシアから日本への配当に関しては、現状一五%の源泉税が徴収されております。この税率はOECDモデルに基づく租税条約に比べても高い税率となっておりますので、ロシアへの投資を阻害する大きな要因になっている、このような指摘もあります。
 そういったことから、なぜ三十年以上も手付かずだったのかなと率直に疑問を抱くわけでございまして、まず外務省に伺いますが、三十年以上条約改正が行われなかった理由は何なのか、今回の改正に至る経緯も含めて改めて外務省に確認をさせていただきたいと思います。
○政府参考人(相木俊宏君) お答えを申し上げます。
 我が国政府といたしましては、相手国との経済関係、我が国経済界からの要望、租税条約の締結から生じ得る効果といった観点を踏まえまして、新規の租税条約の締結及び既存の租税条約の改正を進めてきているところでございます。
 ロシアとの間では、一九八六年に発効いたしました日ソ租税条約が引き続き適用されているところでございますが、ソ連邦崩壊後の経済、社会の混乱を経まして、二〇〇〇年代以降、ロシア経済が回復をし、日ロ経済関係が徐々に深まる中で、近年、我が国経済界からも日ロ間の租税条約の改正について要望が示されていたこと等を踏まえまして、租税条約改正に向けた環境準備等が整ったと判断をいたしましたことから、今般、締結に向けた交渉を開始し、合意、署名に至ったものでございます。
 政府といたしましては、今次租税条約の改正につきまして国会の御承認をいただければ、これを早期に締結することによりまして、両国間の健全な投資、交流の更なる促進を図ってまいりたいというふうに考えております。
○杉久武君 地理的に申し上げれば、ロシアは我が国の隣国でございます。そして、ロシアといえば何といっても広大な国土に豊富な天然資源が埋蔵されている国でございますので、我が国にとっても潜在的なビジネスチャンスがあると考えてよいわけでございます。そのチャンスを阻害する要因の一つにもし現行の条約の存在があったとすれば、この三十年の歳月というのは二国間関係の問題を考慮に入れても少しもったいなかったのかなと、このようにも考えております。
 しかしながら、今回の条約改正におきましては、昨年三月から交渉が始まり、一か月で実質合意に至り、昨年九月には新条約の署名と、交渉開始から合意に至るまで大変速いスピードで行われました。また、合意内容を見ますと、今回の新条約では、従来の二重課税の防止という目的に加えまして、我が国とロシアの経済発展、そして租税に関する日ロ政府間協力の強化、さらに脱税又は租税回避の防止といった三点が新たに付け加えられておりますので、こうした内容からも日ロ両国がお互いの経済発展を真剣に望んでいる表れというふうに考えておりますので、この点については評価をしておきたいと思います。
 その上で、一つ確認をしておきたいと思います。
 旧ソ連時代に結ばれました現行の日ロ租税条約ですが、先ほど申し上げましたとおり、旧ソ連との間で昭和六十一年に発効したものでございますが、平成三年のソ連崩壊に従いましてソビエト連邦に所属していた旧ソ連邦内の各共和国が分離独立した結果、バルト三国を除く国々では旧ソ連時代に締結した現行の租税条約がそのまま引き継がれております。
 そこで、外務省に確認をいたします。今回のロシアとの新しい租税条約はあくまでもロシアとの二国間の租税条約でございますので、それ以外の旧ソ連時代の条約を引き継いだ国々に対しては今後どのようなアプローチをされるのか、確認をしたいと思います。
○政府参考人(相木俊宏君) お答え申し上げます。
 御指摘をいただきましたとおり、今回御審議をいただいております日ロ租税条約は、日ソ租税条約をロシアとの間で全面改正するものでございます。日ソ租税条約を承継し、現在に至るまで我が国との間で新条約を締結をしていない旧ソ連諸国との間では、引き続き、日ソ租税条約が有効に適用されることとなっております。
 租税条約の交渉相手国につきまして、政府といたしましては、相手国との経済関係、我が国経済界からの要望、租税条約の締結から生じ得る効果といった観点を踏まえまして、我が国との健全な投資、経済交流の一層の促進に資する租税条約の実現が見込まれる場合には、新規の租税条約の締結や既存の租税条約の改正を積極的に行う方針としているところでございます。
 日ソ租税条約が現在も有効に適用されている旧ソ連諸国との新条約の締結につきましても、申し上げました観点を総合的に勘案しつつ検討してまいりたいと考えております。
○杉久武君 今回のロシアとの新条約を拝見しますと、近年我が国が締結する租税条約全般でも言えることでありますが、全体的にOECDモデルによる規定を行っております。この点から考えますと、海外へ進出する企業にとっては、やはり投資所得、つまり配当や利子、使用料に対する源泉徴収の減免措置というものは最も関心がある領域なのであろうというふうに思います。
 しかし、今般のロシアとの租税条約に関しては、新条約の実効性という部分で課題も指摘されておりまして、特にロシア特有と言える会計上のリスクがあると言われております。具体的に申し上げますと、ロシアの会計基準は、国際財務報告基準、いわゆるIFRSに準じているとされておりますけれども、実際にはIFRSの適用が解釈においてIFRSと異なっているケースが多い、このような指摘もあります。
 例えば、インフレ会計や時価の概念が会計に適用されていないとか、財務書類の作成についても親会社への報告用やロシア財務省への報告用とそれぞれ別々に膨大な財務書類を作成する必要があるなど、書類作成による混乱や追加費用の発生といったリスクを抱えている、こういった企業からの声もございます。また、旧共産圏独特の官僚主義的な要素を色濃く残した保護主義的な関税政策が残る中で、行政手続の不透明さや新条約に基づくロシア側の実務指導が今後どうなっていくのか、このような点についても懸念が指摘されております。
 そこで、外務省に伺いますが、この新条約のメリットを最大限に享受していくためには、ロシア当局の行政手続の透明化や簡略化、また国際財務報告基準との整合性についてロシアに改善を求めていくことも重要と思いますが、外務省として今後どのように取り組むのか、伺いたいと思います。
○政府参考人(相木俊宏君) お答え申し上げます。
 ロシアに進出をしております日本企業からは、御指摘のございましたロシアの会計基準と国際財務報告基準との整合性の確保でございましたり、ロシアの行政手続、輸出入手続などについて改善の要望があると承知をしております。こうした問題につきましては、河野外務大臣が日本側議長を務めております貿易経済日ロ政府間委員会の下に設置されております貿易投資環境改善に係る制度的問題に関する日ロ作業部会におきまして、その解決、改善の方策を見出すべく、日ロの官民関係者が協議を行ってきているところでございます。
 ロシアにおけるビジネス環境の整備、改善に向けまして、我が国経済界からの要望なども踏まえまして、引き続きロシア側への働きかけを積極的に行ってまいりたいと考えております。
○杉久武君 是非、精力的に前へ進めていただきたいと思います。この新条約が実効性のあるものになれば日ロ間の経済交流の発展に寄与すると思いますので、外務省には引き続き御尽力をいただきたいと思います。
 その上で、ロシアに関連して、外務大臣にお伺いをいたします。
 今月下旬には日ロ首脳会談がロシアで開催される予定と伺っておりまして、河野外務大臣には三月にラブロフ外相との日ロ外相会談を開催していただき、日ロ首脳会談に向けた地ならしを行っていただいております。
 そこで、河野大臣にお伺いいたしますが、本年は日本におけるロシア年、そしてロシアにおける日本年の開催の年でもあり、日ロ間における一層の関係改善と相互交流が期待されるところでございますが、他方、我が国とロシアには北方領土問題という険しい問題が厳然とございます。戦後の北方領土の歴史をひもときますと、旧ソ連と我が国との国交回復交渉に御尽力され、日ソ共同宣言を取りまとめられた先哲であります河野一郎先生、そして外務大臣であられました河野洋平先生に引き続きまして、河野大臣には引き続き日ロ間に横たわります厳しい懸案に取組を続けていただいているところでございます。
 日ロ首脳会談を間近に控える中、河野大臣には、三代にわたるロシアとの歴史的な関係を駆使いただきまして、北方領土問題の解決に向け、まずは北方四島での共同経済活動や元島民の方々のより自由な往来に向けて具体的成果が得られますよう一層御尽力いただきたい、このように念願したいと思いますが、これら対ロ交渉に向けた大臣の御見解をお伺いをいたします。
○国務大臣(河野太郎君) ありがとうございます。日ロの関係改善、そして平和条約に向けてしっかり努力をしてまいりたいと思っております。
 三月の二十一日でしたか、日ロ外相会談における議論の結果、五月のあり得べき首脳会談に向けて集中的に作業をしていこうということで、今月十一日に日ロ次官級の協議を行いました。その中では、四月の局長級作業部会の結果を踏まえ、北方四島における共同経済活動に関して、双方の法的立場を害さない形で五件のプロジェクト候補を具体化すべく、作業の進捗を日ロ双方で確認をし、今後の進め方についての協議も行いました。また、共同経済活動をするための人の移動の枠組みについても今後の方向性を議論したところでございます。
 また、元島民の方々のために昨年実現をいたしました人道的措置が平和条約締結に向けた両国国民の間の信頼醸成に大きく寄与するものであり、取組の継続が重要との認識を確認をし、航空機墓参を本年も実施するべく、外交当局間で更に詳細を議論していくということになりました。
 日ロ首脳会談、五月にあり得べき首脳会談の成果を予断するのはなかなか難しいところでございますが、政府として、幅広い分野で日ロ関係を国益に資するような形で進めていく中で、北方四島の帰属の問題を解決し、平和条約を締結するという基本方針の下、引き続き粘り強く交渉してまいりたいと考えております。
○杉久武君 我が国から一番近いヨーロッパはロシアであるとも言われておりますが、心の距離はやはり遠い国でありまして、身近な印象になっていない面もございます。今般の新条約や今後の日ロ交渉の進展によりまして日ロ関係が本来持っている潜在力を開花させ、二国間の新しい未来を開く大きな一歩になるものと期待をしておりますので、河野大臣には引き続き御尽力をお願いしたいと思います。
 次に、リトアニアそしてエストニアについて伺いますが、まず、対ラトビアとの租税条約は昨年発効されておりますので、いわゆるバルト三国のうち残りの二か国が今回の条約審議の対象となっております。
 先ほども少し触れましたが、ソ連崩壊後、旧ソ連邦内の各共和国が分離独立した際、旧ソ連邦内の多くの国が我が国と旧ソ連時代に締結した租税条約をそのまま引き継いでおりましたが、このバルト三国は旧ソ連時代の租税条約を引継ぎいたしませんでした。したがいまして、ソ連崩壊後、二十五年以上もバルト三国と我が国との間では租税条約そのものが存在をしなかった、このような状態であったと認識をしております。
 そこで外務省に伺いますが、なぜ二十五年もの間租税条約が存在しなかったのか、進出企業の少なさがそうさせていたのか、またあるいはほかに理由があるのか、確認をしたいと思います。
○政府参考人(相木俊宏君) お答え申し上げます。
 我が国政府といたしましては、相手国との経済関係、我が国経済界からの要望、租税条約の締結から生じ得る効果といった観点を踏まえまして、新規の租税条約の締結及び既存の租税条約の改正を進めてきているところでございます。
 リトアニア及びエストニアからは、累次の機会にわたり租税条約の締結の要望がなされていたところでございます。我が国と両国との投資、経済交流が活発化をする中で、申し上げました観点を踏まえ、今般、両国との関係でも租税条約締結に向けた環境、準備等が整ったと判断しましたことから、締結に向けた交渉を開始し、合意、署名に至ったものでございます。
 我が国政府といたしましては、これら両国が租税条約を締結しています他国の企業と比較しまして我が国企業が不利な競争条件を課されることを回避するという観点からも、国会の御承認をいただければ、本条約を早期に締結してまいりたいと考えております。
○杉久武君 最後に、アルメニアとの投資協定について伺いたいと思います。
 この投資協定は、旧ソ連諸国では、ロシア、ウズベキスタン、カザフスタン、ウクライナに次いで五か国目であると伺っております。アルメニアでは、近年、IT分野における豊富な人材を基にして外資系企業への優遇措置や法整備などに積極的であると伺っておりまして、我が国との投資協定によりまして、アルメニアにおける我が国企業の安定した活動や投資拡大、そして経済関係の一層の発展が期待されているところでございます。
 また、本年二月の十七日には、河野大臣はミュンヘンでアルメニアとの外相会談を行っていただいておりますが、その前日の二月の十六日には、堀井学政務官がアルメニアに出張され、本投資協定の署名式、記念式典に出席いただくなど、アルメニアとの重層的な外交を展開していただいておりますので、両国の経済協力に加え、人的交流にも大変大きな推進力を与えるものと期待をしております。
 そこで、河野大臣にお伺いをいたします。この一月ほどアルメニア政情が若干不安定なようではございますが、ヨーロッパでもロシアでも中東でもアジアでもないと言われるアルメニアのポテンシャルについてどのようなお考えをお持ちなのか、今後の両国間の展望と併せまして御見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(河野太郎君) アルメニアは、ヨーロッパとアジアの結節点というところに位置をしておりまして、地域の安定において重要な役割を担っております。委員おっしゃいましたように、近年、IT分野に力を入れるなど経済的にも潜在力のある国と理解をしております。
 私の日・アルメニア外相会談は実に五年ぶりだそうでございまして、もう少しこのアルメニアと日本の国の関係の強化ということをやらなければならないというふうに思っております。
 今月八日に首相が新たに就任し、昨日、外務大臣が新しく就任をされました。この政府の下でも両国関係を発展させ、投資協定をきちんとやりたいということでございますので、この投資協定を締結することができれば両国関係更に発展をさせることができると思いますし、幅広い分野で日本とアルメニア、協力をしてまいりたいと思っております。
○杉久武君 どうもありがとうございます。
 時間になりましたので、質問を終わります。
○藤田幸久君 国民民主党という政党の藤田でございます。よろしくお願いいたします。
 まず、条約についてお伺いしますが、我が国の投資協定では対外直接投資残高の約六九%がカバーされていると。これ、租税条約のカバー率九九%に比べ低いカバー率となっておりますが、どのようにカバー率を引き上げようとされるのかについてお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(河野太郎君) 日本政府といたしましては、平成二十八年五月に発表された投資関連協定の締結促進等投資環境整備に向けたアクションプランにおきまして、二〇二〇年までに投資関連協定について百の国と地域を対象に署名、発効するということを目標に設定をしてございます。そのために、我が国から相手国・地域への投資実績と投資拡大の見通し、我が国産業界の要望、我が国外交方針との整合性、相手国・地域のニーズや事情といったことを総合的に勘案し、投資協定の締結に向けて取り組んでいるところでございます。
 これを踏まえて、今現在、我が国は二十四本の投資関連協定の交渉を進めているところでございまして、これらの協定を合わせますと九十二の国と地域となり、日本の対外直接投資の約九三%をカバーできることになります。
 今後とも、このアクションプランにおいて策定された目標に向けて精力的に交渉に取り組んでまいりたいと思っております。
○藤田幸久君 次の質問に移りたいと思います。
 オバマ政権の時代に、核態勢の見直し、NPR策定に伴ってアメリカ議会に設置された米国の戦略態勢に関する議会委員会というものがございましたが、その委員会にアメリカの日本大使館の秋葉公使ほかが出席をしてアメリカの拡大抑止の必要性について述べたということが報道されております。
 資料一を御覧いただきたいと思いますが、これは、衆議院の赤嶺委員の質問に対して河野外務大臣は、この会合の公式な記録は作成されておりませんということを、一番右上もそうでございますし、二か所で述べられております。
 私は先日、連休中に、猪口先生あるいは堀井外務政務官ほかの会議でアメリカに参りましたが、その合間に、私とここにおります牧山議員は沖縄等米軍基地問題議員懇談会でこの問題についてヒアリングをしたことがございましたので、いわゆる戦略態勢委員会の事務局長でありますところのポール・ヒューズさんという方に会いました。そうしましたらば、大臣は公式な記録はないとおっしゃっておられたんですが、公式な記録を見せていただきました。こんな本がちゃんとできているんです。大臣、これ、これ表紙です。
 それで、この公式な記録がちゃんと存在するということでございますけれども、大臣は赤嶺委員に対して公式な記録はないとおっしゃっておりますが、これは答弁は訂正していただけませんか。
○国務大臣(河野太郎君) この委員会は当初から一貫して対外的に議論を明らかにしない前提で行われたものでございまして、今委員がお示しになったものはこの委員会の報告書でございます。
 昨今の質問を受け、外務省として、本件委員会と日本側との会合に実際に臨席していた戦略態勢委員会委員や事務局機能を担当したヒューズ氏を含むスタッフ等複数名に確認したところ、いずれからも、会合はあらかじめ決められたとおり対外的に記録を明らかにしない前提で行われたこと、公式な記録は作成していないことなど、回答が得られているところでございます。
○藤田幸久君 ですから、公式な記録、これ議会に対する報告書、これが一番公式ですね。ですから、公式な記録はあるわけですね。
○国務大臣(河野太郎君) ここで言っている記録というのはその会合の中身の記録のことでございまして、報告書は提出されていると理解しております。
○藤田幸久君 では、この同じ赤嶺委員の質疑、議事録の二段目の右の方に、日本政府代表として秋葉氏のほか石井さん、飯島さん、金井さん、列挙されています、確認できますねという質問に対して、河野大臣は確認いたしませんとありますが、これは資料を御覧いただきたいと思いますが、資料の二枚目、これがこの私が示した表紙でございますが、それから三枚目、これに参加したフォーリンオフィシャルズという中にちゃんと四人の名前が出ているんです。ですから、公式な記録、これが報告書ですから、四人出ていたというのは間違いないですね。
○国務大臣(河野太郎君) 御指摘のこの四名が戦略態勢委員会の会合に参加したことは事実でございますが、個別の会合に誰が参加したかどうかということについては明らかにしない前提で行われているなどの位置付けに照らして、詳細をお答えすることは差し控えたいと思います。
○藤田幸久君 では、参加をしたということでございますが、一方で、この委員会の委員であったハルペリン元国防次官補代理、大統領補佐官でございますが、これは資料の二枚目、つまりこの表紙の部分ですが、アンダーラインを引いておりますが、この人は委員でございます。この委員の方が、二〇〇九年の二月二十七日でございますけれども、この委員の方自身は参加できなかったので代理の方が出ていたと、代理の方の名前も報告書に出ております。それから、このいわゆる報告書を作った事務方でありますところのヒューズさんにお会いをいたしましたところ、そのヒューズさんも、この委員であるところのハルペリンさんも、その二〇〇九年の二月二十七日に配られた配付資料、これが資料の三のBとCが英文でございます、最後の二枚が英文でございます、これを見せましたところ、これが配られたのは間違いないと言っているんです。
 つまり、議会から作った、この委員会の事務局長、事務局長の名前もこの最終報告書に出ています。それから、委員であって、代理の方が出て、代理の方からこの紙をもらったというお二人とも、この最後の二枚、間違いなく配られたと言っているわけです。
 向こうの議会の人たちが、当事者が言っているわけですから、これ間違いないですよね。否定することはできませんね。いかがでしょうか。
○国務大臣(河野太郎君) 藤田議員がヒューズ氏との会合においてどのような受け止め方をされたのかは理解しかねますが、藤田議員からの今回のこの質問通告を受け、外務省としてポール・ヒューズ氏に改めて確認したところ、自分は当時の議論の中身を説明する立場にない旨を述べ、文書についてコメントすることも行っていないとのことでございました。
 また、この委員会の会合の件につきましては、二〇一〇年当時にも国会において取り上げられ、当時の岡田克也外務大臣から、その会議に出て日本の考え方というものについて一般的に説明したことはございます、外務大臣としてそこでの議論について把握した上で私は申し上げておりますと述べた上で、具体的な詳細は明らかにできない旨を答弁されております。
 私も同様に、戦略態勢委員会とのやり取りについては、さきに述べたとおり、対外的に議論を明らかにしない前提で開催された以上、その詳細を明らかにできませんが、日本側の基本的な考え方を説明し、意見交換を行ったということでございます。
○藤田幸久君 ヒューズさんは、これは対外的に自分の方からいわゆる公開をしたりとかいう立場にはないけれども、記録はちゃんとありますということをはっきりおっしゃっています。記録があり、そのUSIPあるいは戦略態勢委員会のアーカイブにちゃんと保存してありますということを言っています。
 ということは、大臣はこの前の衆議院の外務委員会で記録が存在しないとおっしゃっていますけれども、ヒューズさんは記録はあると言っている、ただ、それを公開するかどうかは日本の判断だと、日本の文書に関しては。したがって、まず記録があったというふうに言っているわけで、記録はあるわけです。それから、配付された文書については、ヒューズさんも、それからその委員であるところの、つまりヒューズさんは事務方であるのに対して、正式な議会が任命した委員であるところのハルペリンさん自身がこれは配られたものに間違いないと、二人が言っているんです。
 ですから、それを否定するには否定する理由を示していただかなければ、少なくとも、いやしくもアメリカ議会のこれは下で開かれた委員会であり、正式なメンバーの話でございますので、正式なきちっとお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(河野太郎君) この委員会の会合は、アメリカの戦略態勢の将来の在り方に関する検討を円滑に行う観点から、あらかじめ対外的に議論を明らかにしない前提で行われたものでありまして、そのような前提で開催された会合である以上、御指摘の文書の存否を含め、当時のやり取りの詳細についてお答えをすることはできません。
 藤田議員がヒューズ氏との会合においてどのような受け止めをされたのかは理解しかねますが、この質問通告を受けまして外務省としてポール・ヒューズ氏に改めて確認したところ、自分は当時の議論の中身を説明する立場にない、本件委員会と日本側との会合の公式な記録は作成していない旨説明したとのことでございました。
 また、二〇〇一年に発足したブッシュ政権で国防次官補代理を務めたキース・ペイン委員、本件委員会の支援スタッフで後にオバマ政権で国防次官補代理を務めたブラッド・ロバーツ氏は、先般、本件をジャパン・タイムズが報じたことを受けて、その誤解を正すため同紙編集長にレターを送付し、その中で、この戦略態勢委員会の議論は対外的に議論を明らかにしない前提で行われたこと、記録は作成しておらず、いかなる文書も作成されていない、「as the discussion was off the record, no record was kept and thus no document was produced.」ことを明確にしたと承知をしております。この記事は両名の実名入りの記事でございます。
 いずれにしろ、対外戦略委員会の議論が対外的に非公表であったこと、公の記録を作成していないことは既に述べたとおり、同委員会委員であったキース・ペイン氏や支援スタッフであったブラッド・ロバーツ氏が既に反論投稿を通じ対外的に明確にしているとおりでございます。
○藤田幸久君 そのジャパン・タイムズの記事を引用されて、それを根拠にされているということは、ほかの記事もやっぱり参考にしていただきたいと思っておりますけれども、そうしますと、この最後の四枚というのは、これは「核情報」という、言わばネットでこういう情報を出しているところでございます。したがいまして、このことについては少なくともヒューズさんは、これは記録もありますけれども、はっきり、これは牧山さんもそのときは一緒でございましたけれども、実際にノートテーキングがあったということを言っているんです。
 水掛け論をしても結構ですけれども、少なくともこういった文書が配付をされているということがこういう形で掲載をされていることに関しては、これは中身についてはかなりいろんな問題が入っておりますので、外務省としてこれが違うのであるならば反証をすべきだろうと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(河野太郎君) 繰り返しで恐縮でございますが、この委員会の会合は、アメリカの戦略態勢の将来の在り方に関する検討を円滑に行う観点から、あらかじめ対外的に議論を明らかにしない前提で行われたものでございます。そのような前提で開催された会合である以上、御指摘の文書の存否を含め、当時のやり取りについてお答えをすることはできません。
○藤田幸久君 その存否を含めてとおっしゃいますけれども、これ、まさに今の北朝鮮の非核化、あるいは日本の考え方について、これから、非常に重要な要素が含まれております。例えば、この日本語の部分読んでいただくと分かりますけれども、敵の多様な脅威、敵の多様な脅威、敵の多様な脅威ということが実際に入っているんです。
 ですから、これは、昨日、河野外務大臣はテレビの番組の中で北朝鮮が非核化の意思を示せば体制の保証を含めて検討をするというようなことをおっしゃっておりますけれども、様々なこれからの選択肢において非常に重要な要素を含んでいると思いますけれども、この中身について、逆に言いますといろいろ議論をしていくことが非常に私は逆に重要だろうと思いますけれども、いかがでしょうか。
 つまり、これは実は、当時の外務大臣、中曽根先生でいらっしゃいますけど、中曽根先生の方のコメントとしてこれは外務省に確認をしてほしいということでございまして、事務方がいろいろやってきたことだろうと思いますけれども、だとすると、今後のいろんな今世界の状況が変わっている中で非常に重要な点だろうと思いますが、そういう見地から、大臣、ただ官僚の人が回したメモを読むんじゃなくて、そういう観点からちょっとお答えいただけませんか。非常に重要な問題です、これは。
○国務大臣(河野太郎君) 繰り返しで恐縮でございますが、本件委員会の会合は、米国の戦略態勢の将来の在り方に関する検討を円滑に行う観点から、あらかじめ対外的に議論を明らかにしない前提で行われたものでございます。そのような前提で開催された会合である以上、御指摘の文書の存否を含め、当時のやり取りについてお答えをすることはできません。
○藤田幸久君 そういう感じでこれからいろんな外交政策やっていかれるんですかね。
 昨日テレビで、非核化を北朝鮮が明言すれば北の体制保証に応じると、言わば外交らしい話をされておられましたが、これはどういう意味でしょうか。
○国務大臣(河野太郎君) レックス・ティラソン前国務長官時代に北朝鮮に対して四つのノーという提案をされております。その中に、北の体制を変更することを求めないということがございます。つまり、北が非核化に応じるならば北の今の体制を変更することは求めないというのが当時のアメリカの立場でございまして、今、北朝鮮に対峙している国際社会として、それが共通の認識になっていると理解をしております。
○藤田幸久君 この拉致問題に関して金正恩委員長がなぜ日本は直接言ってこないのかと言っておりますが、これに対してどう応じるんでしょうか。
○国務大臣(河野太郎君) 昨年の八月の三日に外務大臣を拝命をいたしまして、直後、マニラのASEAN関連外相会談に出席をしたときに、北朝鮮の出席をされていた外務大臣に直接、日本の立場は、日朝平壌宣言にあるとおり、核、ミサイル、拉致問題を包括的に解決して国交正常化を目指すという立場に変わりがないということを伝えてございます。
 また、安倍総理からも、平昌オリンピックの際に北朝鮮側に対し直接そのようなことを伝えておりますので、直接言っていないというわけではございませんし、それ以外にも様々なレベルで北朝鮮とのやり取りをしております。この直接言ってこないのかという報道が何を根拠に行われているものかよく分かりませんが、直接のやり取りがないわけではございません。
○藤田幸久君 一方で、その核施設の言わば廃棄の現場に対して、日本のメディアだけ、ほかの関係国のメディアは同席を、あるいは取材を認められているようですが、日本だけ認められていない。いろんな意味でまだ日本は信用されていない感じがするんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(河野太郎君) 核施設の、核の実験場の閉鎖ということを行うと言っておりますが、IAEAを始め専門家に対して招請が来たという話は聞いたことがまだございません。昨日の話でございますから、今日出ているのかもしれません。こうした核の実験場の閉鎖ということにつきましては、やはり専門家がきちんと検証しなければ分からないということなんだろうと思います。
 そして、この北朝鮮と今向き合っているのは、国際社会全体として向き合っているわけでございまして、この国際社会の中で誰が呼ばれた、誰が呼ばれていないということを四の五の言ってもこれは全く意味のないことでございます。国際社会としては、北朝鮮が核を含む大量破壊兵器並びに弾道ミサイルの完全かつ不可逆的、そして検証可能な放棄を実現するために、引き続き、国際社会で一致して圧力を掛け続け、そして北朝鮮がこのCVIDを実現するところまでしっかりと見極めてまいりたいと思っております。
○藤田幸久君 そのCVIDが日中韓共同宣言に盛り込まれなかった、そして、何か都合のいいときだけ国際社会という言い方をするということではこれから通用しないということを申し上げて、質問を終わります。
 ありがとうございました。
○小西洋之君 立憲民主党・民友会の小西洋之でございます。
 この度、審議にかかっております租税の三条約、また投資協定につきましては、脱税、租税回避、あるいはIT投資などのためというその趣旨を踏まえまして、私、また我が会派は賛成でございます。
 この関連の質疑は後に回させていただきまして、幹部自衛官の暴言事件から防衛省に対して御質問をさせていただきます。
 まず冒頭、前回の理事会で、五月の八日に防衛省が発表した最終報告の内容、理事会には報告をいただいていますけれども、この委員会において、時間がありませんので、理事会と同じ要領で政府委員の方から説明をお願いいたします。
○委員長(三宅伸吾君) 防衛省武田人事教育局長。
○小西洋之君 委員長、申し訳ございません。よろしければ、答弁の前に。
○委員長(三宅伸吾君) 小西君。
○小西洋之君 失礼いたしました。
 委員の先生方、私の資料の一枚目に最終報告が載っております。失礼いたしました。
○政府参考人(武田博史君) 小西委員の配付資料に私どもが五月八日に公表いたしました今回の事案の最終報告がございます。これに基づきまして御説明をいたします。
 今回の事案については、四月十六日午後八時四十分頃、統合幕僚監部指揮通信システム部所属の幹部自衛官、三等空佐でございますが、小西参議院議員に対して暴言を含む不適切な発言を行ったものでございます。
 防衛省といたしまして、小西参議院議員に対して重ねておわび申し上げるとともに、現職の自衛官がこのような事案を起こしたことについては、国会議員及び国民の皆様方に対して誠に申し訳なく思っております。
 言うまでもなく、国会議員は、国民の代表として国会による内閣に対する監督、自衛隊に対する文民統制も含むものでございますが、この機能を担う立場にありますが、幹部自衛官はもとより自衛隊員がこのような暴言を含む不適切な発言を行うことは断じてあってはならないと考えております。
 隊員は、常に品位を重んじ、いやしくも隊員としての信用を傷つけ、又は自衛隊の威信を損するような行為をしてはならないことは当然でございます。
 今回の事案の調査結果でございますが、この事案については、統合幕僚監部において調査を実施し、本人に対する事情聴取を五十時間以上にわたり行い、繰り返し現場の状況を聴取するとともに、小西議員のお話と相違する点について再三問いただしました。また、関係者に対する聴取等も行われ、さらに、警察に対しては現場の状況を問い合わせ、回答をいただいております。
 二枚目でございます。あわせて、小西議員の現場の状況についての細部のお話もお伺いし、本人に対して事実関係の確認も行いました。
 こうした調査の結果、本人が小西議員に対して暴言を含む不適切な発言、ばか、気持ち悪い、国益を損なう、国民の命を守ることと逆行などを行ったことは確認できました。
 他方、国民の敵という言葉については、小西議員は本人から何度も発言され罵られたとしており、現場から又は事案後程なく電話にて防衛事務次官及び私、人事教育局長に対してそのことを伝え、防衛事務次官はおまえは敵だと記憶し、私は国民の敵とメモに記録しているが、本人は一貫してその言葉は発言していないとしております。
 本人に対する処分でございますが、本人の発言は自衛隊法第五十八条、品位を保つ義務に明らかに違反するため、従来の事例を考慮し、訓戒の処分を行いました。また、本人を五月中旬に統合幕僚監部から異動させることとしております。
 再発防止策については、今回の事案については、現職の幹部自衛官が国民の代表である国会議員に対して暴言を含む不適切な発言を行い、服務義務に反したものでございますが、これが文民統制の趣旨に照らして問題があるとの指摘も踏まえつつ、こうした事案を断じて繰り返さないよう、既に事務次官通達を発出し、以下に書いてございます今回の事案に関する教育資料、これは議員等から指摘された文民統制の確保に関すること等も含むものでございますが、こうした教育資料を作成し、教育機関及び各部隊等に配布した上で、隊員全員に必要な教育を実施する。
 次に、自衛隊法第五十八条、品位を保つ義務を始め、隊員の服務義務について改めて隊員全員に周知徹底することとしております。
 その他といたしまして、今回の事案に関する報道において匿名の防衛省幹部による不適切な発言が紹介されておりますが、改めて省内において対外発信の適正な手続について周知徹底を図る措置を講ずるものでございます。
 以上です。
○小西洋之君 小野寺大臣に伺いたいと思います。
 私、今回の事件の一番の問題というのは、文民統制、我々国会議員がこの国会の議会活動を通じて行うその自衛隊に対する文民統制というものを否定した。あの幹部自衛官は、私の安保法制に対する議会活動、それに反対する意思から私に対して、冒頭で国のために働けというような暴言もあの幹部自衛官は発言をしているんですけれども、国民の敵については認めていないということでありますが、私の議会活動を全否定するような発言を私に対して繰り返し行い、かつ、撤回を何度求めても撤回を容易に行わなかったということでございます。
 この事件について、朝日新聞の五月十一日の社説あるいは四月の十九日の社説、あるいは東京新聞も五月一日に非常に格調高い社説を書いておりますけれども、文民統制の原則を明らかに逸脱をする、東京新聞の方では、いつか来た道を歩み出してからでは遅いというようなことを言っております。朝日新聞の四月十九日の社説においては、小野寺防衛大臣は文民統制という民主主義の根幹に関わる重大事という認識が欠けているのではないか、これは翌日四月十七日の大臣の、小西議員に不快な思いをさせたことについては申し訳ないという言葉についてですけれども、小野寺大臣に伺います。
 委員の先生方、三ページに文民統制、我々国会議員の文民統制の役割についての累次の政府見解を付けさせていただいておりますけれども、小野寺大臣、防衛省として、今回の事件は、国会議員また国会議員によって機能するその国会の文民統制の在り方を否定する、在り方を否定し、またその機能を妨げかねない、そうした行為であるという認識はございますでしょうか。明確に答弁ください。
○国務大臣(小野寺五典君) 文民統制は民主主義国家における軍事に対する政治の優先又は軍事力に対する民主主義的な政治による統制とされております。
 我が国の場合、終戦までの経緯に対する反省もあり、自衛隊が国民の意思によって整備、運用されていることを確保するため、厳格な文民統制の制度を採用しております。その一つが、国民を代表する国会が、自衛官の定数、主要組織などを法律、予算の形で議決し、また防衛出動などの承認を行ういわゆる国会による統制であります。
 今回、幹部自衛官が小西議員に対して暴言を含む不適切な発言を行ったことについてはおわびいたしますが、文民統制との関係について申し上げれば、防衛省・自衛隊としてこの自衛官が行ったことについては全く是認しておらず、あってはならない規律違反として処分したこと、今回の事案は本人の統合幕僚監部での職務とは関係のない私的な言動であり、国会による統制という文民統制の制度、仕組みに支障を来すようなことは想定されないこと、今回の事案は幹部自衛官が政治的目的もなく自分の勝手な小西議員へのイメージだけで暴言を含む不適切な発言を行ったものであること、国会による統制は国会と防衛省・自衛隊との間の関係を律したものであり、国会議員と一自衛官との関係を律したものではないことから、今回の事案により国会による統制や文民統制が否定されたとか、その統制が機能しなくなったということにはならないと考えております。
 その上で申し上げれば、国会での審議の場における国会議員による防衛省・自衛隊に関する質疑は国会による防衛省・自衛隊に対する監督の機能の表れであり、いわゆる国会による統制を機能させる上で重要な役割を果たすものであると考えております。今回の事案については、現職の幹部自衛官が国民の代表である国会議員に対して暴言を含む不適切な発言を行い、服務義務に反したものでありますが、これが文民統制の趣旨に照らして問題があるとの指摘も踏まえつつ、こうした事案を断じて繰り返さないよう再発防止をしっかりしてまいりたいと思っております。
○小西洋之君 今、小野寺大臣の答弁は、今回の事件というのは文民統制、国会議員、また、まさに国会によって行われるその文民統制との関係では問題がないという趣旨の発言であるというふうに思います。
 幾つかの理由をおっしゃいましたけれども、まず、防衛省が自衛隊法五十八条に基づいて処分するということと文民統制というのは別次元でございます。五十八条というのは自衛隊の品位を保つ義務ですから、国民の代表である国会議員に対して暴言を行った、外部に対して危害を加えるということとはまた別の話でございます。
 また、私的活動の場であるから、それは関係ありません。五・一五事件も二・二六事件も部隊の命令で、陸軍大臣などの命令で行ったものではありません。まさに部隊とは離れた時間に行われたものです。いつの時間に行われたかということと文民統制は関係がないと思います。
 そして、一番今の問題、国会と一自衛官、国会議員と一自衛官の関係を文民統制は律したものではないということをおっしゃいましたけれども、それはもう憲法の根本構造からして、大臣、それは許されない見解だと思います。
 憲法の条文でございますけれども、我々国会議員は、憲法四十九条以降から様々に物すごい身分保障が行われております。議員の不逮捕特権、あるいはこの議会での発言あるいは表決に際しては民事、刑事責任全て免責されております。すなわち、一人一人の国会議員の議会活動というものを、自由というものを保障しなければ、三権分立の最高機関である国会の機能は保たれない、そういう考えの下に我が憲法は作られているわけでございます。
 小野寺大臣にもう一度伺います。私の外交防衛委員会や参議院の本会議、様々なところでの質疑や討論、それは内閣に対する国会の監督機能の表れということまではお認めになっております。これは今までの政府の答弁でもありますけれども、であるならば、私の議会活動を全否定した幹部自衛官の発言というのは、我が国の文民統制の機能の在り方を否定し、また、その機能の適切な遂行を妨げかねない、あるいは、後で申し上げますけど、妨げられております、私は現に。そうした行為であるという認識はございませんでしょうか。
○国務大臣(小野寺五典君) 委員は今こうして、また、この事案についてはむしろ委員自らこの委員会においてこのような事案があったという形で公表されておりますし、その後も累次、国会においてこの議論をされております。私どもとしては、議員の発言あるいは政治活動というのは大変重要であると思いますので、その基本にのっとって今後も対応してまいりたいと思っております。
○小西洋之君 国会議員に対する、議会の議員の活動に対して影響がないんじゃないかというようなことをおっしゃったんだと思うんですが、私、具体的に大きな影響を受けております。夜に大きな体格の男性から、自衛官だと名のる男性から、おまえは国民の敵だ、国益に反する、ばか、気持ち悪い、そういうような暴言を浴びたわけです。
 私は、自衛隊の様々な訓練などにも私、視察をさせていただいております。自衛隊員や家族にも私は知り合いもたくさんおります。国民のための専守防衛の自衛隊を、私は支え、守らなきゃいけないという意思の国会議員です。
 ただ、そうした暴言を自衛隊から受ければ、幹部自衛官ですから、統合幕僚監部の、自衛隊という組織の中で私に対してこういう言動が普通に行われているんじゃないのか、あるいは、こうしたような同じような考え方を持っている人たちがいるんじゃないのかと考えたときに、実力組織です、日本最強の、実力を持って立ち上がったときに誰も抑えることができない、そうした組織の幹部自衛官からそういう発言を受けたということは、私の政治活動において、また議会活動においても、これ、具体的には申し上げませんけれども、セキュリティーにも関しますから、私は一言で言えば大きな警戒を今も行っております、注意も行っております。そういう実際の議会活動や政治活動に私は影響出ております。にもかかわらず、シビリアンコントロールの在り方を否定し、機能の在り方を否定し、かつ、それの適切な遂行を妨げるような、妨げかねない行為であるということはお認めになりませんか。
 大臣の答弁を、政治家としてのどうか答弁をお願いいたします。
○国務大臣(小野寺五典君) 今回の一連の経緯、これは、自衛官がこのような暴言あるいは不適切な発言をすることはあってはならないと思っています。
 ただ、その一連の経緯、これは事情聴取をし、そしてまた、これは小西議員が自らこの委員会でもお話をされておりますが、その暴言を吐いた自衛官に対して、その場で謝り、そして謝罪をすればこの話は不問に付すという形でお話をされ、そしてその場でその自衛官はおわびをされ、そして和解をしたというふうに私どもは承知をしております。その上で、かつ深く反省をし、本人に対しての今回の処分も行っております。
 私どもとしては、その現場でのやり取りも含めて、やはり自衛官はこのような暴言を吐いてはならないと思っておりますし、また、そのことに関してこれからも国会に対して真摯にお答えをしていきたいと思っております。
○小西洋之君 大臣、防衛省が発表したその最終報告書というものを大臣の責任で隅々までお読みいただきたいんですけれども。
 当日、私は確かに武士の情けで彼を許しました。ただ、それは、彼が、私が、当日ですよ、現場の第一線のいわゆる普通の自衛隊員だと思っていたからです。ある意味素朴で、ある意味血気盛んなそういう自衛隊員、一自衛隊員だと思っていたからです。
 ところが、翌日になって、麹町警察署から、統合幕僚監部に所属する人間だというふうに私は知ったわけです。であるならば、自衛隊そのものを統率し司令する、昔の大本営に当たる組織でありますから、そして、統合幕僚監部は日報問題でシビリアンコントロールが問われている組織でありますから、国民の責任において取り上げなければいけないということは四月十七日の委員会でもはっきり申し上げました。また、その日の午後に幹部自衛官であるということを防衛省から知らされたわけであります。
 当日は、私は和解の握手をしたのではありません。国会議員としての信念、シビリアンコントロールに反する行為を行ってはいけないという、そういう信念などを彼に伝えるために私は握手したんです。そのことは防衛省の供述、私の対外的な意見表明の中の引用という形でちゃんと入っております。
 小野寺大臣に伺いますけれども、シビリアンコントロールの問題だとこれを認めないということは、これ、将来に恐ろしい私は禍根を残すことになると思うんですけれども、まず重ねて伺います、大事な点ですから。
 シビリアンコントロールが国会議員と一自衛官の関係を律したものではないという見解は、それは先ほど申し上げました憲法に定める国会議員の役割、在り方、そして、それは国会法にも全部基づいております。私のここの議会活動というのは、憲法、国会法に基づいて会派を代表して行っているものです。ですので、一国会議員に対してその議会活動を全否定するような暴言を浴びせる行為というのは、我が国の憲法の下のシビリアンコントロールの機能の在り方、それを否定し、つまり趣旨を否定し、そして機能の適切な遂行を妨げる、あるいは妨げかねない行為であるというふうに考えるべきではありませんか。明確にお答えください、この点について。
○国務大臣(小野寺五典君) まず、委員のお話を今伺うと、その現場において幹部自衛官が委員に対して暴言を吐いた、そして、そのことをその現場でおわびをすればそれは許すということでお話をされたということ、そして、この問題については不問に付すとお話をされたんだけれども、そこで握手をしたということは、これは実は和解をしたのではなくて、むしろその自衛官に対して激励するために握手をしたということなんでしょうか。
○小西洋之君 今私が聞いたことについて答えてください。質問に答えてください。
 一国会議員と一自衛官の関係をシビリアンコントロールは律したものではないというその見解が間違いではないかということを私は根拠を持って申し上げました、理由を持って。それについて答えてください。
○政府参考人(高橋憲一君) お答えいたします。
 委員御指摘のように、シビリアンコントロールの問題でございますが、国会での審議の場における国会議員による防衛省・自衛隊に関する質疑は国会による防衛省・自衛隊に対する監督機能の表れであり、いわゆる国会による統制を機能させる上で重要な役割を果たすものだというふうに認識してございます。
 したがいまして、委員の個々の活動においても、それが一つのシビリアンコントロールの表れだと考えてございますが、今回の事案でございますが、防衛省・自衛隊としては、このような自衛官の行為については規律違反として、是認をしておりません。
 また、本人の職務とは関係ない私的な行為の中で行われたということでございますので、国会による自衛隊に対する統制という文民統制の制度、仕組みに支障を来すようなことは想定されていないこと、また、今回の事案は、政治的目的を有したものではない、小西議員へのイメージだけで不適切な発言を行ったことと、また、国会と自衛隊に関するシビリアンコントロールの関係がこのような小西議員と三等空佐との関係を律したものではないという、このような判断の下から、今回の事案については、国会による統制や文民統制が否定されたものではないというふうに防衛省としては考えてございます。
○小西洋之君 先ほど大臣が答えたこと、答えなくて結構ですよ。
 大臣に伺います。先ほどの質問にもう一度きちんと答えてください。その上で追加の質問にも答えていただけますか、追加の質問は今申し上げますから。
 私的活動の場であれば文民統制は問題にならないというのは、五・一五事件、二・二六事件の史実に照らして明らかに不合理で誤った考えだと思います。その五・一五事件や二・二六事件が文民統制の私は破壊そのものだと思いますけれども、私的活動であれば文民統制の問題にならないという合理的な根拠を教えていただけますか、大臣の見解として。
○国務大臣(小野寺五典君) まず、文民統制との関係で申し上げれば、防衛省・自衛隊としてこの自衛官が行ったことについては全く是認しておらず、あってはならない規律違反として処分をしたこと、今回の事案は本人の統合幕僚監部での勤務とは関係のない私的な言動であり、国会による統制という文民統制の制度、仕組みに支障を来すようなことは想定されないこと、今回の事案は、幹部自衛官が政治的目的もなく自分の勝手な小西議員へのイメージだけで暴言を含む不適切な発言を行ったものであること、国会による統制は国会と防衛省・自衛隊との間の関係を律したものであり、国会議員と一自衛官との関係を律したものではないことから、今回の事案による、国会による統制や文民統制が否定されたとか、その統制が機能しなくなったということにはならないと考えております。
 今、追加の議論については……。
○小西洋之君 いや、大事な問題ですので、やはり大臣に防衛省を率いる大臣としての見識を持ってお答えいただきたいと思うんですね。
 ちょっともう時間があれですので、委員長、今るる防衛大臣が答弁した、なぜシビリアンコントロール上の問題ではないのかという各論点について、私、ちょっと時間がありませんのでここで再現は控えさせていただきますが、それぞれについて、おかしいのではないかという事実、理由を示しながら申し上げました。それらを踏まえて、なぜシビリアンコントロールに反しないのか、私の今申し上げた私の質疑の全趣旨を踏まえて、政府見解の提出を委員会にお願いしたいと思います、防衛省から。
○委員長(三宅伸吾君) 本件につきましては、後刻理事会にて協議させていただきます。
○小西洋之君 委員長、ありがとうございます。
 誠に恐ろしい、正直恐ろしい見解だと思います。私は、申し上げましたように、現に議員活動において大きな大きな私は影響を受けております、受けております。具体的にさっき申し上げました。今回の幹部自衛官の暴言事件というのは、日本のシビリアンコントロールの在り方そのものを否定する許されない暴挙であると思います。
 ほかの重要な論点もありますので、次に移らせていただきます。
 この防衛省の報告書でありますけれども、自衛隊法の五十八条、品位を保つ義務、先ほども申し上げました、それには違反しているということは認められております。しかし、六十一条の政治的行為には該当しないというふうにしております。防衛省の政府委員にお尋ねしますけれども、先生方、お手元の資料の五ページ以降でございますけれども、まず、自衛隊法施行令の八十六条の五号ですね、政治の方向に影響を与える意図、この趣旨をおっしゃっていただいた上で、これは民主主義政治の根本原則を変更しようとする意思だということだということなんですけれども、六ページ、七ページ以降に資料を付けておりますけれども、一般論としてまずお答えください、一般論として、政府委員ですね。文民統制を否定する、文民統制の価値というものを私認めないというような、そういう言動を自衛隊員が行った場合、一般論ですよ、一般論として、行った場合には、この政治の方向に影響を与える意図、すなわち、憲法に定められた民主主義政治の根本原則を変更しようとする意思に該当するという理解でよろしいでしょうか。
 先ほどの三ページの稲田大臣の文民統制の答弁ですけれども、こういうこと言っています。文民統制は、民主主義国家において確保されなければならない重要な原則であるというふうに言っております。確保されなければならない重要な原則、民主政治の根本原則を変更しようとする意思に私は当たると思いますが、一般論として答弁ください。
○政府参考人(武田博史君) お答えいたします。
 この自衛官につきましては、文民統制を否定するという意図や目的があったとは判断しておりません。
 また、一般論といたしましては、そういった委員が御指摘のような言動がどういう状況で、誰を相手に、どういった言い方でしているのかにもよるところが、よるところについてはよく詳細について検討していかなければいけないと思いますので、この場において一概に申し上げることは困難であると思います。
○小西洋之君 シビリアンコントロールを否定するような言動が、政治の方向に影響を与える意図ですね、自衛隊法施行令に定められている、その意味は、憲法に定められた民主政治の根本原則を変更しようとする意思、そういう解釈で、防衛省、いるんですよね、そこも答弁していただきたいと思うんですけれども。シビリアンコントロールを否定するような言動というのはこれに当たるんじゃないですか。もう一回明確に答弁ください。一般論として。
○政府参考人(武田博史君) 委員の御質問は、私ども、自衛隊法におきましては、第六十一条で、隊員は、政令で定める政治的目的のために、政令で定める政治的行為はしてはならない旨が規定されておりまして、自衛隊法施行令で具体的な政治的目的や政治的行為は規定されているということでございます。
 今回の自衛官の行為につきましては、こうした政治的行為の制限に該当するものとは考えておりません。
 なお、一般論として、委員御指摘でございますけれども、先ほど申し上げたとおり、この場で一概には申し上げられないということを申し上げます。
○小西洋之君 いや、これは当然、質問通告の前提で検討されるべきことですから、これ、もう二回、委員長、質問させていただいていますので、政府の統一見解を委員会に出していただきたいと思います。一般論として、シビリアンコントロールを否定するような言動というのは自衛隊法施行令の政治の方向に影響を与える意図に当たるかどうかについて、一般論として政府見解の提出を委員会にお願いいたします。
○委員長(三宅伸吾君) 後刻理事会にて協議させていただきます。
○小西洋之君 委員長、ありがとうございました。
 もう一つ、この政治的行為には要件がございます。それは、施行令八十六条一項の特定の主張ですね。これも防衛省の見解によれば、資料の七ページでございますけれども、政治の方向に影響を与える程度のものであるということを言っているところでございます。
 安保法制を、憲法違反を立証するような仕事、追及するような仕事、また、私はその憲法違反だけではなくて、安保法制のその運用の問題、例えば武器等防護、戦闘現場でない場所で武器等防護を行うと言っていますが、これが法的な要件、すなわちそういう場所じゃなければ自衛隊は行動できないという理解でいいかと、武器等防護はできない理解でいいかということも、これ私が国会で初めて法的な要件であるということを防衛省から見解を引き出しております。
 こうした安保法制、我が国の国防の在り方について、根幹の問題について様々取り組んできた議員に対してその議会活動を全否定するような暴言を浴びせる行為というのは、政治の方向に影響を与える程度のものであるという認識で、防衛省、よろしいでしょうか。
○政府参考人(武田博史君) 委員が御指摘になりました自衛隊法施行令第八十六条第五号については、正確に申し上げますと、「政治の方向に影響を与える意図で特定の政策を主張し、又はこれに反対すること。」と規定されております。
 委員が御指摘のとおり、政治の方向に影響を与える意図とは、日本国憲法に定められた民主主義政治の根本原則を変更しようとする意思をいうものとされていますが、第五号は同時に、この意思で特定の政策を主張するものとされております。すなわち、私ども、今回の事案における調査の結果、この自衛官は政治の方向に影響を与える意図はなく、ましてや特定の政策を主張したものではないと考えております。第五号に該当するとは考えておりません。
○小西洋之君 今、この幹部自衛官が特定の政策を主張したものではないと言いましたけれども、これ防衛省の供述書にも載っていますけれども、安保法制に自分は賛成していると、日本と国際社会の平和を守るために寄与していると、それに反対している小西議員はけしからぬということで、彼は私の議会活動を全否定する暴言を繰り返したわけですから、特定の主張を、政策を主張しているんじゃないですか、防衛省に聞きますけれども、政府に。
○政府参考人(武田博史君) まず、この自衛官につきましては、小西議員に対して、ばか、国のために働け、国益を損なうようなことをしているなどの暴言を行ったということでございます。
 私ども、この自衛官が発言した内容について照らして見れば、こうした特定の政策を主張したものではないと、かように考えております。
○小西洋之君 いや、もう先ほどから何一つまともに答えていただけないんですが、政治的行為に当たるかどうか、五ページ、六ページに条文がありますけど、今追及した二つの論点に加えて、六ページ、先生方御覧いただけますでしょうか、六ページの線を引っ張っている十一号ですね、該当部分、多数の人の接し得る場所で公に政治的目的を有する意見を述べること。事件が発生したのは永田町の、ここの、国会の横の大きな交差点であり、交差点の角であり、それは地下鉄の有楽町線の永田町駅の入口があるところです。当日、様々な一般市民の皆さんの行き来がありましたし、警察官が多数集まってきて、その様子を見物されている方、あるいは通りすがりにずっとこちらを見ている方もたくさんおりました。まさに公の場であったと思いますが。
 ということを踏まえると、今申し上げたこの三つの論点ですね、幹部自衛官の行った暴言行為というのは、政治の方向に影響を与える意図で、ものであり、特定の主張、政治の方向に影響を与える程度のものであって、そして、公の場で、多数の人に接し得る場所で行われたものですから、政治的行為、まさに自衛隊法で禁止されている、自衛隊法六十一条で禁止されている政治的行為そのものではないんですか。防衛省の見解を求めます。
○政府参考人(武田博史君) 自衛隊法第六十一条の政治的行為の制限については、自衛隊法施行令に具体的に定められた政治的目的が認められない場合には、施行令に定められた政治的行為いかんにかかわらず、抵触することはないものと承知をいたしております。
 その上で申し上げれば、この自衛官は現場は人通りはなかったと供述しておりますが、いずれにいたしましても、施行令では、集会その他多数の人に接し得る場所で公に施行令に規定された政治的目的を有する意見を述べることと規定されており、この自衛官はこうした行為は行っていないものと考えております。
○小西洋之君 それはもう明らかにおかしいですよね。公道で行われた行為が公の場でないなんて、こんなものほかの刑事裁判や民事裁判で絶対通らない主張ですよ。地下鉄の入口の目の前じゃないですか。
 そういう、事実をねじ曲げて、本来の規範を骨抜きにする、安倍内閣、ほかでも同じことをいっぱいいっぱいやっていますけれども、たくさんやっていますけれども、本当にもうこの文民統制というものを守らなければ、もう国を誤る、これはもう歴史上のもう我々の本当にもう教訓ですから、そこは、防衛大臣、防衛省というものは、あえて武人の誇りを持っていただいて、服従の誇りというものを持っていただいて、国民のために、そこはもう党派を超えてしっかりやっていただきたいと思います。
 ほかの論点を、じゃ、重ねて追及をさせていただきます。
 国民の敵という言葉を幹部自衛官は認めていないということでありますけれども、これは、先ほどの説明された最終報告にも書いてありますけど、当日、現場から、国民の敵と言われて数分後に私、事務次官に電話しているんですけど、事務次官はその電話で、私がおまえは敵だと言われているという言葉を聞き取ったと、まあ国民の敵と私言いましたけれども、そういう発言をされている。そして、武田局長は事件の直後、私が国民の敵だと、三十分もたっていない時間の直後ですけれども、国民の敵と言われたということをメモに書き取っておられる。
 こういう客観証拠、情況証拠がありながら、例えば財務省は福田事務次官のセクハラ発言ですね、あれ、福田事務次官は今でも自分の声ではないというふうに、自分の声だとは認めていないんです。にもかかわらず、財務省は様々な客観証拠をもってセクハラを認定し、処分をしました。
 なぜ防衛省は、国民の敵だということについて何ら判断をしていないように思いますけれども、それがあったかないのかを判断し、しかるべき対応を防衛省はしないんでしょうか。
○政府参考人(武田博史君) 今回の事案につきまして、最終報告書に記載しているとおり、国民の敵という言葉については、小西議員は当該自衛官から何度も発言をされ罵られたとしております。また、小西議員は現場から又は事案後程なく電話にて防衛事務次官及び人事教育局長に対してそのことを伝え、次官はおまえは敵だと記憶し、私は国民の敵とメモに残していることを確認しております。これはあくまでも事務次官と私は小西議員のお話として受けたものでございます。
 他方、自衛官に対する事情聴取は五十時間以上にわたり行われましたが、本人は事情聴取の当初から一貫してその言葉は発言していないとしております。
 このように、調査の結果、小西議員のお話と当該自衛官の供述とが一致しなかったことから、当該自衛官が国民の敵という言葉を発言したか否かについては確認することができなかったものでございます。
 なお、財務次官の件につきましては、財務省が行った調査や判断について防衛省としてコメントする立場にはないことを御理解いただきたいと思います。
○小西洋之君 やっぱり全く答弁になっていませんが。
 防衛大臣に伺いますけれども、今回の防衛省の最終報告においては、大臣あるいは河野統合幕僚長の監督責任が問われていないものと存じます。
 河野統合幕僚長は、実は事件が起きた翌日の記者会見だったと思いますけれども、シビリアンコントロールに疑義が生じていると言われても仕方がないということを言っております。シビリアンコントロールに疑義が生じている、疑義を持たれているような事態であると言われてもしようがないというふうに考えております。
 その河野統合幕僚長の見解は、先ほどの防衛大臣のシビリアンコントロール上の問題がないということと全く矛盾すると思うんですけれども、それは矛盾しないのかということと、シビリアンコントロール上に疑義が生じているというふうに防衛省として認めて、河野統合幕僚長として認められるんであれば、統合幕僚監部付きの幹部自衛官ですから、統合幕僚長は私は辞職しなければいけない。そうしなければ、この将来に対する再発防止の教訓とはならない。
 また、率直に申し上げます。私は、小野寺大臣も、今回の暴言事件、シビリアンコントロールを否定する暴言事件の責任を取って私は速やかに辞職されるべきだと思いますが、大臣の見解を伺います。
○政府参考人(武田博史君) 一般的に、職務上の行為につきましては、規律違反を行った者に対する処分を行う際には、職務上の監督者に通常なすべき義務を怠ったと認められる場合は指揮監督義務違反として処分をしておりますが、私的な行為につきましては、規律違反行為者の上司についての責任を問わないことが通例でございます。
 今般の事案は、自衛官が勤務時間外の私的な行為で暴言を含む不適切な発言を行ったものであることから、職務上の監督者に責任を問わなかったものでございます。
 いずれにいたしましても、大臣の下、統幕長により処分が適切に行われたものと考えております。
○小西洋之君 私は大臣に質問しましたので、大臣、答えていただけますか。
○国務大臣(小野寺五典君) 今局長が答弁したとおりです。
○小西洋之君 いや、これでは、これではまた同じような事件が将来起きますよ。シビリアンコントロール上の問題だということをきちんと認めなければ、大臣が、そして、しかるべき監督責任を取らなければ。
 もうこれ私、もうこの問題、まあ自分は当事者でありますけれども当事者である思いを離れて、この防衛省のこの取組を見ておりますと、とにかくシビリアンコントロール上の問題と認めたくない、そして監督責任は認めたくない、また戦闘を任務とする軍事組織ですから、国民の敵、国民の代表である国会議員に敵という言葉を使ったということは認めたくないんでしょう。まあそういうことを否定する結果として訓戒という軽い処分になってしまった、私はそういう事件でないかというふうに見ております。
 余りの答弁のひどさに、本当に国民に対して、日本国民の皆さんに今恐ろしい危険が起きているということを実感するところです。
 人事教育局長にお願いしますけれども、自衛官の供述の二十五番と二十六番を時間ありませんので早口で読み上げていただけますか。二十五番と二十六番です、自衛官の供述の。
○政府参考人(武田博史君) お答えいたします。
 五月四日に調査官から、調査官というのは統幕において今回の事案の調査を行った責任者でございますが、調査官から、小西議員が本人に渡してほしいということで、小西議員の国会質疑をいただきました。小西議員が国会質疑等の場で主張されている具体的な内容を初めて拝読し、小西議員は、決して自衛隊員に対して批判的なことをおっしゃっているのではなく、むしろ自衛隊員に敬意を払っていただいていて、あくまでも我々を守ろうとの信念をお持ちなのだということを知りました。これまで誤解していたので、私の考えが安直であったと思います。
 この度は、小西議員の具体的な思いや活動内容を知らないまま、大変失礼な発言を行ってしまい、大変恥ずかしく、誠に申し訳ないことをしたと深く反省しております。
○小西洋之君 私もこの供述を読んで正直驚いたんですが、その安保法制について、あるいは今の安倍政権の安保政策について、各国会議員が様々な見解を持って、その自衛隊員が内心においてそれをどういう見解を持つかというのは、それは自衛隊員のある意味自由、ただ、やっぱり実力組織の武人ですから、シビリアンコントロールということをしっかり踏まえながら、それぞれの見解を持っていただかなければいけないわけですけれども、こうした、もう与野党の見解を超えて、今の安保政策が本当に国民のために、国益のためになっているのかということは、はっきり言えば誰も分からないわけでございます。だから、私も与党の先生方の国会の質疑については多くのことを学ばさせていただいておりますし、見解は違っても、その与党の先生方、私たち野党の議員の質疑に対しても聞いてくださっておりますし、そして、防衛省と自衛隊員は、こうした国会での議論、国会での各議員の議会活動が全体としてもシビリアンコントロールであると、そういう認識の下に、その武人として服従の誇りの下にシビリアンコントロールをもう堅持する、絶対に堅持するということを貫いていただかなければいけないわけでございます。
 小野寺大臣に伺いますけれども、シビリアンコントロールの否定の問題であるということを全くお認めにならないというのは、もうこれは大問題であって、今国会でも今後大きな与野党を超えた追及の論点になっていかなければいけないと思いますけれども、小野寺大臣、では大臣は、この再発防止策として一体どのようなことを自分の責任において遂行しようとお考えになっていらっしゃるんでしょうか。
○国務大臣(小野寺五典君) 今回のこの隊員の暴言につきましては、改めて申し訳なく思っております。そしてまた、その隊員は、小西議員の活動を知るに当たり、むしろ自衛隊員に敬意を払っていただいており、あくまでも我々を守ろうという信念においての活動だということで、彼は深く今回のことについて反省をしております。その点で、改めて今回私どもが取った処分についてまた丁寧に説明をさせていただきますので、御理解をいただければと思っております。
 再発防止策でございます。
 これはやはり、今回の事案が、現職の幹部自衛官が国民の代表である国会議員に対して暴言を含む不適切な発言を行い、服務義務に反したものであると、これが文民統制の趣旨に照らして問題があるとの指摘も踏まえつつ、こうした事案を断じて繰り返さないよう、既に事務次官通達を発出し、次の再発防止策を講じることといたしました。
 まず、今回の事案に関する教育資料について、議員等からも指摘された文民統制の確保に関すること等も含む資料を作成し、教育機関及び各部隊等に配布した上で、隊員全員に必要な教育を実施してまいります。あわせて、自衛隊法第五十八条、品位を保つ義務を始め、隊員の服務義務について改めて隊員全員に周知徹底を図ることとします。
 また、教育資料については現在作成中でありますので、資料に盛り込む具体的な内容については現時点で申し上げられませんが、早急に作成し、この資料に基づく教育を実施してまいりたいと考えております。
○小西洋之君 シビリアンコントロールの問題であることを認めずに文民統制に関する再発防止の教育等は私はできないと思うんですね。また、今回の調査、国民の敵という発言については、当時現場にいた警察官個々人にヒアリングができていないというふうな問題があります。
 大臣に伺いますけれども、最後、簡潔に伺いますけれども、反省しているから、あるいは撤回しているから許される問題では私ないと思うんです。五・一五事件で犬養総理を射殺した軍人が後に反省したらあの行為は許されるんでしょうか。暴言を吐いたというその行為をもってシビリアンコントロールを否定した、そういう問題であるというふうな認識ではございませんか。
○国務大臣(小野寺五典君) 本日はあたかも五月十五日ということになります。五・一五事件、二・二六事件を始め、戦前の様々な軍事の独走を、これを制限するのが、私ども、国会、そしてシビリアンコントロールの重要な役目だと思っております。この委員会での委員の質問というのはそれに適した大変重要な意見と受け止め、私ども、これからもしっかり防衛省・自衛隊、文民統制を利かせた形で今後とも運用してまいりたいと思っております。
○小西洋之君 まさに五月十五日に過去の歴史的な教訓を踏まえなければいけない、その決意、その思いと決意を申し上げ、終わります。
 ありがとうございました。
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。
 条約、協定については後ほど討論で申し上げることとし、私からも、小西議員に対する統合幕僚監部所属の幹部自衛官の暴言問題について、まず質問いたします。
 五月八日の最終報告は、暴言を含む不適切な発言を行ったことを認めつつ、懲戒処分には至らない訓戒処分とされました。事態の重大性に鑑みますと、こういう軽い処分でいいのかという声が広く上がっております。報告書では、言うまでもなく、国会議員は国民の代表として国会による内閣に対する監督、自衛隊に対する文民統制の機能を担う立場にあるが、幹部自衛官はもとより自衛隊員がこのような暴言を含む不適切な発言を行うことは断じてあってはならないとしました。
 ところが、この文民統制に関して、再発防止策の項で、文民統制の趣旨に照らして問題があるとの指摘も踏まえつつと、あくまで指摘があるとしたのみで、暴言そのものは自衛隊法五十八条の品位を保つ義務に違反だとして訓戒処分としました。
 私は国会議員に対するこの幹部自衛官の暴言は明らかに文民統制の原則を否定するものだと思いますが、なぜこれが品位の問題にとどまったということになるんでしょうか。
○政府参考人(武田博史君) お答えいたします。
 今回の事案については自衛官が小西議員に対して暴言を含む不適切な発言を行ったものですが、これは、委員御指摘のように、自衛隊法第五十八条に定める品位を保つ義務、すなわち、「隊員は、常に品位を重んじ、いやしくも隊員としての信用を傷つけ、又は自衛隊の威信を損するような行為をしてはならない。」ことに明らかに違反したことから、適正な処分が行われたものでございます。
 今回の事案の処分を行うに当たり参考とした従来の事例について申し上げれば、直近の政治に関わる発言で品位を保つ義務違反に問われたものがあります。
 すなわち、平成二十二年二月に、自衛隊と米陸軍との日米共同訓練の開始式において、報道公開された場で日本側を代表して訓示した普通科連隊長、一等陸佐でございますが、同盟というものは外交や政治的な美辞麗句で維持されるものではなく、ましてや信頼してくれなどという言葉だけで維持されるものではないと発言しました。
 この事案について、防衛省としては、国会の意思に基づき行われる政治や外交を否定していると受け取られかねず、また、自衛隊の最高指揮官である鳩山内閣総理大臣の発言をやゆしている、からかう、ばかにする等の趣旨でございます、という誤解を招くものであったと評価し、自衛隊法第五十八条、品位を保つ義務に違反するものとして処分が行われたところでございます。また、このときには、この事案について文民統制との関わりにおいての言及はないところでございます。
 私どもとすれば、この事案について当時の北澤大臣の下での適正な処理が行われたものと考えております。私どもとしては、今回の事案についてはこうした従来の事例に基づき処分を行ったものでございます。
○井上哲士君 当時の処分がそれで良かったのかと、いろんな議論はあると思います。
 いずれにしても、今回の事案というのは、小西議員に直接自衛官が言ったという点で決定的な違いがあるんですね。それが品位の問題、何か個人的な、そして業務の外で行われたといいますけれども、言わば、例えばいろんなお酒の飲んだ場で品位を汚す行為をやった、そういうことと同列に並ばれるようなことでは私は絶対にないと思うんですね。
 報告書の別紙の本人の供述では、小西議員に対して、総合的に政府、自衛隊が進めようとしている方向とは違う方向での対応が多いという全体的なイメージで捉えたとしております。これを受けて、衆議院の答弁では、議員に対する勝手なイメージで思わず暴言を含む不適切な発言を行ったと、これを踏まえた答弁がされているんですね。
 しかし、これ勝手なイメージだったかどうかというのは問題じゃないんですよ。政府、自衛隊とは違う方向で国会で様々な指摘も行うと、これも含めて国会による文民統制のはずなんですね。それは、そういう指摘は国民の声を背景にしたものなんですよ。それを敵視するということは、結局、政府に異を唱える者は非国民だとして弾圧やってきた、こういう歴史に重なるこそ、多くの国民が危惧を与えているんですね。
 政府は、文民統制というのは政府と同じ方向で対応する議員だけが担うものだと、こういう認識なんですか。
○政府参考人(高橋憲一君) お答えいたします。
 まず、文民統制でございますが、民主主義国家における軍事に対する政治の優先、又は軍事力に対する民主主義的な政治統制を指すものと、民主主義国家においては確保されなければならない重要な原則として認識しております。
 特に、国民を代表する国会が、自衛官の定数、主要組織などを法律、予算の形で議決し、防衛出動などの承認を行うことが重要な機能だと考えてございます。それ以外にも、内閣による統制、防衛大臣が統制するような様々なレベルでの統制があると考えてございます。
 このうち、先ほど委員の御指摘にございますが、国会による文民統制について申し上げれば、国会での審議の場における国会議員による内閣に対する質問が、そのお立場いかんにかかわらず、憲法が採用している議院内閣制の下での国会による内閣監督の機能の表れであるとされており、したがって、国会での審議の場における国会議員による防衛省・自衛隊に関する質問は国会による文民統制の表れであり、国民の代表たる国会議員による防衛省・自衛隊に関する全ての質問はそれに含まれるというふうに考えております。
○井上哲士君 であれば、勝手なイメージ云々というような、私は答弁は非常に不適切だったと思うんですね。
 なぜ、多くの国民やマスコミが今回の問題に危惧を抱いているのかと。これ、個人の問題じゃないと、そして、偶発的に起きたものじゃないと、こう感じているからなんですね。
 先ほど河野統幕長も文民統制に疑義があると発言をされたという話もありましたけど、昨年五月三日に安倍総理が憲法九条に自衛隊を書き込むという改憲発言をやった際に、河野さん自身が記者会見で、一個人としつつ、自衛隊員として申し上げれば非常に有り難いと、こういう発言を行ったわけですね。これはもう憲法尊重擁護義務を反するという批判がありました。私もこの場で罷免を要求しましたけれども、当時の大臣はこれを擁護して、不問に付した。
 そして、その下で南スーダン、イラクの日報問題が起きて、実力組織が海外での活動の実態を国民にも国会にも隠していたと。そして、それを担っていた、この一番問題とされてきた統合幕僚監部の幹部自衛官が今回の暴言を吐いた。だから、一個人の問題じゃなくて氷山の一角じゃないかと、こういう多くの危惧の声があるわけですよ。
 あの明治大学の特任教授の纐纈厚さんはこう言っています。自衛隊組織が民主主義と共存していくために編み出された基本原則がこのような形で内部から食い破られていると、こういう指摘をしています。こういう指摘をされるような今日の文民統制の実態、そしてこれを生み出してきた、生じさせている安倍政権の責任について、大臣、しっかりお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(小野寺五典君) まず、今河野統幕長の件についてお話がありましたが、御指摘の南スーダン日報問題については、防衛監察本部による特別防衛監察が行われ、日報に係る開示請求への対応について、情報公開法第五条違反につながる行為があったこと、適切に廃棄されて不存在とされていた日報が陸自内部に存在したことの取扱いに関する不適切な対応があったことを踏まえ、関係者を厳重に処分したというものであります。また、日報問題について、イラク日報問題についても現在調査中であり、調査結果に基づき厳正に対処してまいりたいと思います。
 河野統幕長の発言でありますが、これは記者からの質問を受けて、憲法という非常に高度な政治問題でありますので、統幕長という立場から申し上げるのは適当ではないと思いますと明確に述べた上で、個人的な見解として、一自衛官として申し上げるならば、自衛隊というものの根拠規定が憲法に明記されるということになれば非常に有り難いなとは思いますという、述べたものであり、政治的な目的を持って発言したものではないと。統幕長は事前に、憲法という非常に高度な政治問題でありますので、統幕長という立場から申し上げるのは適当ではないと思いますと明確に述べた上での発言ということになります。
 私どもとしては、今回の暴言を吐いた自衛官に関する対応につきましては、先ほど来説明させていただいているように、適正な処分を行い、今後ともこのようなことがないように再発防止にしっかり対応していくということだと思います。
○井上哲士君 一自衛官と言えば統幕長としての記者会見の場で言っても不問に付したと。ですから、一自衛官と言えばこうやって許容されるようなことを私は起こしたことが今回の問題にもつながっていると思うんです。そういうことに対する国民の危惧があるということを厳しく指摘をしておきたいと思います。
 その上で、河野外務大臣に朝鮮半島の今起きている非核化と平和への激動についてお聞きをいたします。
 歴史的な南北首脳会談で板門店宣言を出されまして、朝鮮半島の非核化と、そしてこの朝鮮戦争の終戦、平和協定ということが盛り込まれましたし、日中韓の首脳会談でもこの宣言を支持することが明確にされました。この歴史的チャンスを米朝首脳会談を成功させてしっかり生かすと、そのために今日本がどういう戦略をお持ちであるのかということが問われていると思います。
 私たちは、北朝鮮の核兵器、ミサイル開発に断固反対する立場を取ってまいりました。同時に、経済制裁の強化と一体にしながら対話による平和的解決を図ることが唯一の道と主張してまいりました。その立場から、四月六日には六か国協議関係国に要請文を出し、九日には総理とも党首会談でこれをお渡しをいたしました。
 その中心は、この非核化ということと平和体制の構築を一体的、段階的に進めることが必要だということであります。一体的に進めるという問題でありますが、北朝鮮がいかなる理由でも核開発をすることは許されません。同時に、非核化を実現するためには、もう核兵器がなくても大丈夫だと、体制は維持できると北朝鮮の側に実感させることなしにこれは具体的には進まないことだと思うんですね。
 具体的には、南北、米朝、日朝の緊張緩和、関係改善、国交正常化などを進めることが必要と考えますが、この非核化と平和体制の構築を一体的に進めると、このことの必要性についてのまず大臣の見解を求めたいと思います。
○国務大臣(河野太郎君) 北朝鮮は累次にわたる安保理決議に違反をし、核開発を進め、ミサイルの開発を進めてまいりました。国際的な核不拡散体制を維持するためにも、この北朝鮮の核兵器を含む大量破壊兵器、そして弾道ミサイルを完全かつ不可逆的に、そして検証可能な放棄をさせるというのが国際社会としてまず一番大切なことだというふうに思っております。
 そのために、国際社会はこれまで一致して累次にわたる安保理決議を採択することによって北朝鮮に対して経済制裁を行い、北朝鮮に対して最大限の圧力を掛けてきた、その結果として北朝鮮が非核化に向けて歩み始めたところだというふうに思っております。
 先般の南北首脳会談の中で、北朝鮮が自らの非核化の意思を文書にしたというのは大きな一歩だと思います。次の米朝首脳会談で北朝鮮がこの大量破壊兵器、そして弾道ミサイルのCVIDに向けてきちんとコミットすることができるか、国際社会として圧力を維持しながらしっかりと見守ってまいりたいというふうに思っております。
○井上哲士君 しっかり見守っていくというお話がありましたが、この平和体制の構築という問題について一体で進めるということについての答弁はなかったわけですね。結局、圧力一辺倒という態度、対話否定という態度を取ってまいりました。これでは、私は現実にこの非核化ということが進んでいく上でも困難をもたらすと思うんですね。
 米朝枠組み合意のときのアメリカ側の担当者だったペリー元国防長官が四月十一日に都内で講演をしておりますけれども、過去の成功と失敗から四つの教訓があると。その第一が、なぜ北朝鮮が核開発をするのかを理解することだと。我々が抑止力と呼ぶように、北朝鮮も自らの安全の保証を得ようとしている、ここを念頭に置くことが必要だと、こういうふうに述べております。これ教訓にするべきだと思うんですね。
 そして同時に、もう一つは、行動対行動、この段階的措置とあります。これは六か国協議の共同声明に盛られております。
 非核化と平和体制の構築が目標として合意されても、一足飛びに実現をすることはなかなか困難です、関係国の間には不信感がある。そうであれば、段階的措置によって相互不信を解消して信頼醸成を図りながら解決することが必要だと思うんですね。政府もこの行動対行動ということは繰り返し答弁をしてこられましたけれども、この原則に従って粘り強く交渉するということが必要と感じますが、その点いかがでしょうか。
○国務大臣(河野太郎君) 北朝鮮が大量破壊兵器並びに弾道ミサイルを完全かつ不可逆的、そして検証可能な放棄をする、そこにしっかりと目指して国際社会が一致して圧力を維持していくということが重要でございます。
 これは、恐らく国際社会全ての国が今これに合意をし、着実に安保理決議による制裁を実行するということで国際社会がこれをやっているわけでございますので、北朝鮮が対話に応じるだけで制裁が解除される、あるいは支援といった対価が得られるといったことがないということは北朝鮮も理解をしているんだろうというふうに思っております。
 北朝鮮が政策を転換し、CVIDを実行するまで、しっかりと国際社会は一致団結し、お互い連結しながら進んでまいりたいというふうに思います。
○井上哲士君 我々も、意思を表明しただけではなくて、具体的な行動を取るまでは国際社会が行っている経済制裁は継続するべきだと考えています。
 じゃ、具体的にどういう行動があれば、そういう例えば経済制裁の解除が始まるのかと、これはどうお考えでしょうか。
○国務大臣(河野太郎君) それは今後の交渉の手のうちに当たりますので、お答えは差し控えたいと思います。
○井上哲士君 今、本当に大きな動きが国際社会の中で、やっぱり非核化と平和の構築、これを一体にしながら段階的にやるということが進められているんですね。
 七、八に二度目の中朝の首脳会談が行われました。その際に、習近平主席が金正恩氏に対して、米朝首脳会談で非核化について包括的に妥結すべきだと、そして米国と合意し、非核化の具体的な進展があれば、中国が北朝鮮を支援する大義名分ができると、こう答えたと報道されております。その後に米中の首脳電話会談があって、中国が言わば後ろ盾の役割を果たすと、こういう趣旨のことも言われたと報道されています。
 この直後に、九日に金正恩氏が平壌でポンペオ米国務長官と会談をした。ここで朝鮮の方からは、トランプ大統領からメッセージで新たな対案が示されたと、こういう報道もされ、この日三人が拘束を解放されております。
 そして、同じ九日に、日中韓の首脳会談と併せて行われた中韓の首脳会談では、これ青瓦台の発表によりますと、北朝鮮に対して一方的に要求するのではなくて、北朝鮮が完全な非核化を実行する場合、体制保証と経済開発支援などの明るい未来を保証する上で、米国を含む国際社会が積極的に関与すべきだということで意見を共にしたと、こう言っております。
 そして、この後、十一日にポンペオ氏が韓国外務大臣との会談の後の記者会見で、もし北朝鮮が早期の非核化に向け大胆な行動を取るならば、米国は北朝鮮が韓国に匹敵するような繁栄を達成するために北朝鮮と協力する用意があると、こういう踏み込んだ発言をしております。
 ですから、今、国際社会、国際社会と言われますけれども、いわゆる圧力一辺倒ではなくて、これらの国々はそれぞれ金正恩氏と直接の会談をして、お互いに真意を確かめて、様々な提案をして、それを各国が連携をしてこういう方向に進んでいるわけですね。日本が対話を否定したままで、とにかく圧力一辺倒で、今行われているようなこういう平和構築と非核化、一体にしつつ段階的に進めていくと、こういう全くらち外に行われていると。
 私、このままいけば全体の進行の足を引っ張るだけの役割しか日本は果たせなくなると思います。今これを大きく変えるべきだと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(河野太郎君) どう考えたらそういう結論になるのか、私には全く理解ができません。国際社会が一致して圧力を掛けなければ圧力は逃げてしまうわけですから、国際社会が一致して北朝鮮に対して圧力を維持しているからこそ今の状況が生まれているということをまずしっかりと御理解をいただきたいと思います。
 そして、これは前ティラソン国務長官の時代から四つのノーということを申し上げているわけで、北朝鮮が非核化をしたときに体制変更は求めないというのは国際社会が常々言ってきたことでありますし、経済支援がその後あるということを言ってきているわけでございます。
 韓国並みの経済繁栄があるかもしれませんけれども、当然、この北朝鮮の体制が変わるのか、あるいは経済繁栄をこの体制を維持したままでやるのか、それによって経済の進展のスピードも当然変わってくるわけでございます。韓国並みに人の往来もする、ネットも開放する、外の状況がよく分かるという中で金体制が維持できるのかどうか。金体制を維持しようとするならば、それなりに外とのやり取りも制限しなければなかなか今の体制を維持することはできないのかもしれません。そういうことを考えれば、どの程度のスピードで経済に発展をさせることができるかというのは、これは今の段階でなかなか分からない。
 アメリカとしてそこまでやる用意がありますよと言ったところで、北朝鮮が、そうですかと言ってそれを全部受け入れることができるとは限らないわけでございますから、ここは、国際社会としてはそこまでやる用意がありますよと、しかし、それは北朝鮮としてどこまで受け入れられるんですかと。その前に大量破壊兵器と弾道ミサイルのCVIDというのをきちんとやらなければ、制裁は、ありませんよ、経済支援はありませんよということは、これは国際社会が一致してやっていることでありまして、国連の加盟国のほぼ全てが今この状況を維持していく、そこで一致をしているわけでございます。そこのところをよく御理解いただきたいと思います。
○井上哲士君 時間ですので終わりますが、私は、口約束だけで経済制裁をやめろなんて一言も言っておりません。ちゃんとそれを理解していただきたいんですよ。
 ティラーソン氏が確かに言いました。しかし、幾ら口で体制を保証すると約束をしても、それを信用しなかったわけですよ、北朝鮮は。だから、それを得心といくような、そういう対話を国際社会が非核化と一体してやるということが現実に進める上で大事だと、これが必要だと言っているのでありまして、そこをちゃんと理解をして進めていただきたい。
 以上、終わります。
○委員長(三宅伸吾君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時七分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
○委員長(三宅伸吾君) ただいまから外交防衛委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とリトアニア共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件、所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とエストニア共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件、所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国政府とロシア連邦政府との間の条約の締結について承認を求めるの件及び投資の自由化、促進及び保護に関する日本国とアルメニア共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件、以上四件を一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○浅田均君 日本維新の会、浅田均でございます。
 午前中から、核の放棄に関しまして、CVIDということについていろいろ議論がされております。私も何点か確認したいことがありますので、まずCVIDについてから質問を始めさせていただきます。
 この完全で検証可能かつ不可逆的核放棄というのは非常に高いハードルだと思います。アメリカのボルトン補佐官は、トランプ政権が目指す北朝鮮の核放棄の具体的方策について、リビアのカダフィ政権、当時ですね、が核開発計画を放棄する際に実施したリビア方式を念頭に置いていると伝えられております。つまり、まず査察を受け入れた上で、核関連設備をこれみんなアメリカに持って帰ったわけですね。
 ところが、このリビア方式ということを念頭に置いているということを考えますと、アメリカとリビアとの関係、これは言わばバイの関係です、アメリカとリビアの関係。で、アメリカと北朝鮮の関係は、それだけいえばバイなんですが、韓国と中国という存在がありますので、言わばマルチの関係です。だから、アメリカとリビアとの関係をそのままスライドさせて考えるわけにはいきません。
 それで、とりわけ私が懸念しておりますのは、CVIDの後にしか話合いに応じないというのは、拉致問題を抱える日本にとってはリスクが非常に高いと思うんです。六月十二日の米朝会談を注視する必要があると思いますが、仮に、米朝、あるいは中国、韓国と北朝鮮の間で北朝鮮が言う段階的廃棄で合意してしまったら、日本だけが取り残されることになりますし、拉致問題の解決は極めて困難になると思っております。
 そこで、CVIDにつきましては、昨日の予算委員会でも総理大臣に何点か質問させていただきました。ほとんどがインテリジェンスに関わるということで、明快なお答えが得られなかったわけでありますが、更に確認したい点が何点かありますので、まずこの点から質問をさせていただきます。
 例えば北朝鮮の寧辺、これはもう地図の上にも表れておりますし、そういう原子炉があるということでも知られておりますが、この寧辺の原子炉は近隣の町への電力供給とか熱供給も行っているとされております。こういう民生用に使用されている核施設もCVIDの対象になるのか、外務大臣にお尋ねいたします。
○国務大臣(河野太郎君) 具体的なCVIDのやり方というのはこれから関係国で議論をしていくわけでございますが、その上で申し上げれば、当然に、全ての北朝鮮の核開発に関連している施設というのはこのCVIDの対象になるというふうに、なることが必要だというふうに考えております。
○浅田均君 全てが対象になると、民生用のものであってもコンプリートの中には入っておるというわけでございます。
 それでは、核兵器とかミサイル等ハード系のもの、それ以外の言わばソフト系のものですね、つまり、核開発や核施設のデータあるいは核技術者、この人たちを国外退去させるということもCVIDの対象に含まれるんでしょうか、外務大臣。
○国務大臣(河野太郎君) データや技術者というのもこのCVIDの中では、何というんでしょうか、どのように対応するかというのは非常に重要なことだと考えておりまして、これは関係国の間で今連携しながら対応を議論しているところでございます。
○浅田均君 昨日もお尋ねしたんですが、全てを把握しているのかということに関しては、どこにどれだけ核兵器があって、ウラン作っている、ウランの濃縮しているところとかプルトニウム作っているところがどこにあるのか、それを全部把握をされているのかということに関しては、インテリジェンスに関わることであるということでお答えをいただけなかったんですが、こういう核技術者を突き当てたら、データというのはその方々が持っているというふうに考えていいと思うんですけれども、この核技術者、核開発あるいは核関連施設で働く人々、技術系の人々ですね、こういう方々もどれだけの人がいるというのはある程度特定はできるんですか。
○国務大臣(河野太郎君) 北朝鮮の核関連施設あるいは核関連技術者をどの程度国際社会として把握しているかというのは、これはもうインテリジェンスの肝のところでございますから、対外的に申し上げるのは差し控えたいと思います。
○浅田均君 対内的はどうですか。
○国務大臣(河野太郎君) 関係国の間では情報の共有、連携などを行っているところでございます。
○浅田均君 それで、これも昨日お尋ねしたんですが、不可逆的というところが一番重要なところで、北朝鮮が言っている段階的核放棄というのと不可逆的というのは全くその概念が違いまして、段階的とはもう全然違うわけですね。もう元に戻れなくなってしまう、その不可逆性のセンターピンになるもの、そういう作業を行うと元には戻れないというところはどこであるというふうにお考えでしょうか。私は、北朝鮮が現在保有する核弾頭、それにプルトニウム、濃縮ウラン製造施設を同時に無力化、破壊することがこの不可逆性のセンターピンに当たると考えておるんですが、これに対して外務大臣、防衛大臣はどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(河野太郎君) 兵器になっているものにつきましては、恐らくアメリカを中心のP5と言われている五か国がこれは処理をせざるを得ないことになると思います。それ以外の核施設に関しましては、IAEAがきちんと査察をしながら放棄をするということになります。
 これをどういう手順でどのようにやっていくかということにつきましては、IAEAを交えながら関係国で議論をしているところでございますので、今の段階で申し上げるというわけにもいかないというところはお許しをいただきたいというふうに思っておりますが、少なくとも一度放棄をしたものが元に戻ることがないようにするというのがこの不可逆的なという意味でございますので、それができるように、それを一度に全部どんとやるのか、あるいは地区ごとなりなんなりに分けてやるのかというのは、これはやり方の手順の問題でございますので、いろんなやり方はあるのかというふうには考えているところでございますが、こうしたことについて、米朝首脳会談で北のコミットメントを受けて専門的に議論をし、手順を進めていきたいというふうに考えております。
○国務大臣(小野寺五典君) CVIDを進めていくことは、これは重要だということは委員も共通の認識だと思っております。
 その上で、不可逆性を達成するためには、北朝鮮が現在保有する核弾頭のみならず、核弾頭を製造する際に必要となるプルトニウム及び濃縮ウランを製造する施設も廃棄することが必要であると考えています。
 そして、不可逆性の本質、すなわちいかにして北朝鮮の核開発を後戻りできないようにさせるかという方法については、関係国が議論して知恵を出していくべき課題と考えており、北朝鮮の非核化に向けて、米国を始めとする関係諸国と緊密に連携していきたいと思っております。
○浅田均君 今の両大臣のお話によりますと、例えばP5とか、査察に当たるであろうと思われるIAEA、あるいは関係国、その協議の中でここが肝というところは決めていくという理解でいいんですね。
○国務大臣(河野太郎君) 核兵器につきましては、もうこれはアメリカなりなんなりでやり方を決めるということにこれはなると思います。これは日本が出ていっても核兵器については知見もございませんので、それは別だと思います。また、施設につきましては、やはり査察について一番知見があるのがIAEAでございますので、これはIAEAと関係国としっかり相談をしながら、費用負担を含め、これから協議をしていきたいというふうに思っております。
○浅田均君 それで、朝鮮半島の完全な非核化というのは中国にとっても戦略的な目標になっておるはずです。それなら、日中韓首脳会談共同声明に、声明の中には、我々は朝鮮半島の完全な非核化にコミットしているとしか書かれていないのはなぜだろうかと思ってしまうわけです。
 CVIDとあえて書かれていないのはなぜだと外務大臣はお考えでしょうか。
○国務大臣(河野太郎君) 日中韓サミット、日本が議長国でございましたので、より良い成果文書を作成するべく中国、韓国と交渉しておりましたが、このくだりにつきましては、安保理決議に従って北朝鮮問題を解決するということを盛り込みました。安保理決議の中には明確に、北朝鮮による核兵器を含む大量破壊兵器及び弾道ミサイルの完全、検証可能かつ不可逆的な方法での放棄というのが明記されておりますので、安保理決議に従って北朝鮮問題を解決するということイコールCVIDを行うということでございます。
○浅田均君 それならば、安保理決議の中にCVIDが書かれているということであるならば、逆に、ここに書かれてあるんだからここに書いてもいいじゃないかという理屈は成り立たないですか。
○国務大臣(河野太郎君) 成果文書でございますから、日中韓で様々なことをこれからやっていこうということを書くわけでございますので、全体的なバランスその他ということを踏まえながら、安保理決議と書けばそこは全て網羅できますので、そういうことにしたということでございます。
○浅田均君 そこで考えてしまうのが、朝鮮半島の完全な非核化と韓国も日本も中国も言っているということでありますが、朝鮮半島の完全な非核化というその中身ですね、中身に関して日中韓で理解が異なるのではないかという心配を持ってしまうわけですけれども、その辺はいかがですか、外務大臣。
○国務大臣(河野太郎君) 申し上げましたように、安保理決議に従ってやろうというところは日中韓サミットでも確認をしたわけでございまして、安保理決議の中には明確にそのことが記載をされておりますので、少なくともその核を含む大量破壊兵器並びに弾道ミサイルのCVIDというところにおいては日中韓に差はないと考えていただいてよろしいかと思います。
○浅田均君 北朝鮮は半島の非核化ということを言っています。それで、段階的に解消していく、段階的に廃棄していくと、もう不可逆的とは全く違う考え方で非核化ということを言っているわけですね。それに対して韓国もあるいは中国もあえてここは異は唱えていないというふうな受け止め方を僕はしてしまうんですけれども、そういうところで、段階的あるいは不可逆的というところで日本と韓国あるいは中国の間で差が生じてしまうという心配は全くないんでしょうか。
○国務大臣(河野太郎君) 今の国際社会の制裁も安保理決議に基づいてこれはやっているわけでございまして、安保理決議の中に明確にCVIDについて書かれております。中国も安保理決議に従って北朝鮮に対する制裁を行っているということでございますので、少なくともその範囲において国際社会の中に差はないというふうに考えていただいてよろしいかと思います。
○浅田均君 それで、昨年の報道、これは昨年の報道ベースでありますが、北朝鮮はスカッドを八百基、それからノドンは三百基持っていると。テポドンの数はまだはっきり詳細は分からないということでありまして、テポドンに関してはアメリカとの交渉に応じるかもしれません、テポドンを全部廃棄せよということは、ICBMはもう持ちませんという宣言ですから。しかし、日本を射程に入れているこのノドンですね、ノドンとかスカッドを手放すとは私は思えないんです。このミサイル開発の中止ですね、ミサイルの廃棄あるいはミサイル開発の中止をこれからどのようにして検証されていくんでしょうか。
○国務大臣(河野太郎君) どのように廃棄をし、それをどのように不可逆的な歯止めをするかというのは、関係国が連携をしているところでございまして、それはこの十二日の米朝の首脳会談の中でも当然に様々、専門的な議論は行われないと思いますが、方針というものは恐らく話合いがされるんだろうというふうに思っております。
 アメリカ本土に届くICBMとそれ以外という話がよくございますが、在韓米軍あるいは在日米軍にアメリカ人は数万人の単位でいるわけでございまして、短距離のミサイルも当然アメリカ国民に影響が出るということを考え、またアメリカの同盟国である日本と韓国がこの射程に入っているということを考えれば、何というんでしょうか、距離で、射程距離で分けるという話は今のところ出ておりませんし、安保理決議の中にも全ての弾道ミサイルというふうになっておりますので、それに向けてしっかりと北朝鮮と向き合っていきたいというふうに思っております。
○浅田均君 防衛大臣にお尋ねしたいんですが、我が国も短距離のミサイルは持っているわけですよね。それと、北に備えてイージス・アショアもこれから設置していくという段階になっております。
 日本は、日本でも専守防衛という大前提の上に立ってある程度の飛距離を持つミサイルを持っているのに、北朝鮮に対して、同様に全てのミサイルを放棄せよと言って相手は聞くと思われますか、防衛大臣。
○国務大臣(小野寺五典君) まず、日本は北朝鮮のような弾道ミサイルというのは保有しておりませんので、そういう意味では、国連が北朝鮮に求めておる、国連安保理が求めているあらゆる射程の弾道ミサイルの廃棄を求める旨ということは、これは日本は持っておりませんので、逆に言えば、北朝鮮にしっかり国連の決議と同じように求めていってもそれはおかしくないことだと思っております。
○浅田均君 弾道ミサイルでなしに、弾道ミサイルではないけれど迎撃用のミサイルというのは日本は持っているわけですよね。それに対して、日本は、日本でも弾道ミサイルではないけれどもこのレベルのミサイルなら持っているでしょうと。だから、私どもは、日本を射程に含まない程度のミサイル、弾道ミサイルですね、ごく短距離の、そういうものも含めて、あなたのところ廃棄してくださいと言ったときに相手は聞くというふうにお考えになりますか。
○国務大臣(小野寺五典君) 日本が保有しているのは、まず弾道ミサイルはないということでありますし、今、イージス・アショアを含めて私どもの装備をしておりますミサイル防衛システムというのは、あくまでも相手の弾道ミサイルを迎撃するためのミサイルでありますので、その迎撃ミサイルが北朝鮮まで届くというのは、当然距離もありませんし、元々そのような性能になっておりませんので、日本が保有しているのはあくまでも北朝鮮から来る弾道ミサイルを防衛するためのミサイルということで説明をすれば、国際社会の中ではしっかり理解をしていただけるものだと思っております。
○浅田均君 これは午前中の質問にもあったかもしれないんですが、あえてもう一度聞かせていただきたいと思います。
 中国、韓国と北朝鮮の制裁解除に関する前提条件は、これは完全に一致すると考えていいんですか、外務大臣。
○国務大臣(河野太郎君) 制裁の解除につきましては、これは安保理の決定が必要でございますので、それぞれの国が、まあ独自制裁について云々ということはあるかもしれませんが、根本の経済制裁につきましては、これは安保理の決め事になりますので、それぞれの国が勝手にやるということはできないというふうにお考えいただければと思います。
○浅田均君 最後の質問でありますが、これは一番、塚田先生も何回か質問されて、何とか解決したい問題である拉致問題の解決ですね、この拉致問題解決の糸口はどういうところにあると、CVIDを終えた後というふうにおっしゃっていますけれども、拉致問題の解決の糸口はどういうところにあるとお考えでしょうか。
○国務大臣(河野太郎君) 日本は、常々、北朝鮮に対して、日朝平壌宣言にうたっている核、ミサイル、拉致問題を包括的に解決し、国交を正常化する我が国の立場に変わりはないということを申し上げております。
 国交を正常化すれば、当然に北朝鮮に対する経済支援というのも始めることができるようになるわけでございますので、まず米朝の会談の行方をしっかりと見ながら、拉致問題については、最後は日朝でやらなければならないことでございますので、しっかりできるようにやってまいりたいと思っております。
○浅田均君 終わります。ありがとうございました。
○アントニオ猪木君 元気ですか。元気があれば何でもできる。元気があれば時代に対応できるということで、連日報道されるセクハラ、パワハラ、いろいろ我々の時代にはなかったことが毎日出てまいりますので、少しでも理解をしようかなと思って見ていますが、一番いいのは、昔は、あれは何か大きな風呂敷で、唐草だったですかね、何とかぼん太さんというのが風呂敷を担いでそういう漫談で出ていましたけれども、本当に一番みんなが幸せになるのは、俺は太っ腹ということで、同じハラでも太っ腹であれば世の中もうちょっと解決が早くなるのかなと思っています。
 そこで、今回は、テーマは、リトアニアそれからアルメニア、エストニアと、昔、九〇年、八〇年代にあの辺もよく行っておりまして、特にアルメニアは大地震があった後でした。あそこもまたノアの箱舟伝説があったりとか、もうちょっと深く切り込んでみたいと思うんですが。
 そこで、今時代はちょうど、連日報道されるとおり、日中韓首脳会議というのが先日東京で行われ、政府広報や各国の報道機関がリリースをしています。今回は三か国の共同宣言の発表までに随分時間が掛かったと思いますが、そこに何か問題はあったんでしょうか。韓国は、朝鮮半島平和、危機解決、将来を見据え、連合へ布石を打つこと、中国は、北朝鮮の後ろ盾をしつつ、東南アジアのリーダーとなり、貿易の主導権を握る狙い、それぞれの国が独自の戦略を持っていると感じます。我が国というと、アメリカの動向をうかがいながら、そこを見据えていろいろな動きをしているように見えます。日本はアメリカを善とする余り、他の国は善悪に分けてしまう。相手方の見方というのか、そういう色分けでなく、やはり外交に勝利なしというバランスで、やっぱりお互いが膝を突き合わせて、相手の言い分、特に難しい国は、イスラムの世界は全くまた日本とは百八十度違うような考え方もあります。
 そこで、各国のいろんな動きがありますが、日本も正念場です。今後どのようなことを考えているのか、お聞かせください。
○国務大臣(河野太郎君) 成果文書のところで申し上げれば、二年半ぶりのサミットでございましたので、日本としては、議長国としてなるべくいい文書を出したいというふうにかなり粘りました。一致しないところは落としてしまえば早くできるのかもしれませんけれども、そこは三か国が了承して出せるような文言をいろいろと粘り強く出してみて、最終的にああした形の成果文書を出すことができましたので、少し頑張ったかなという気がしております。
 韓国、中国もそうでございますが、日本も独自の外交戦略でいろいろとやらせていただいているところでございます。例えば、中東などに関して言えば、日本とアメリカは様々な点でアグリー・ツー・ディスアグリーというんでしょうか、意見は一致しない、一致しないけれども、同盟国としてお互い話合いはするし、一つの方向に向けて違う立場から連携をするところは連携をしていくということが、今、日米でできる関係にございます。
 もちろん、この戦後の何十年を支えてきたリベラルな国際秩序の恩恵を最も受けてきた国の一つでありますから、日本としてはこの国際秩序をしっかりと維持していかなければならないと思っております。イランの核合意の問題、あるいはエルサレムの大使館の移転の問題、あるいはWTOに対する方針、日本とアメリカの間で様々意見が違うところはございますけれども、そこはアメリカと粘り強く話をし、あるいはEUを始めとする同志国と様々連携をしながら、この世界の経済を発展させてきたリベラルな国際秩序を今後もしっかりと維持していく、その責任をしっかりと背負いながら日本の外交をやってまいりたいというふうに考えているところでございます。
○アントニオ猪木君 今月の七日、八日に大連で行われた中朝首脳会談で、金正恩委員長が、アメリカと非核化について包括的な合意ができた場合、中国が中間段階で経済的な支援をしてほしいと要請しました。それに対し、習近平国家主席は、米朝首脳会談で非核化合意が成立すれば段階的な支援が可能と伝えて、報じられていました。先ほどもちょっと話が出ました。
 この情報について日本政府はどのように受け取ったのか、また、今後どういった対策を取るのか、話せる範囲内で結構です、詳細をお聞かせください。
○国務大臣(河野太郎君) これまでの米朝枠組み合意あるいは六者会合といったもので、北朝鮮が対話に応じる、あるいは北朝鮮が何かやったことに対して対価を出してきたということが間違いだったというのが国際社会の今共通認識になっているところでございます。
 現在の経済制裁は安保理決議に基づいて国際社会で一致して行っているものでございますから、この安保理決議に基づいた制裁をどう解除していくかというのは、これは安保理で決めなければなりません。自分勝手にそこはこうする、ああするということはできないということになっております。
 国際社会としては、大量破壊兵器、弾道ミサイルのCVIDを北朝鮮にきっちりとやらせるんだ、そういう方針で今一致しておりますので、それに沿って我が国もしっかりと対応してまいりたいと考えております。
○アントニオ猪木君 各国首脳会談を通じて北朝鮮が非核化について様々な議論がなされていますが、私の独自のルートから北朝鮮が平和条約を結ぶ動きがあるという情報が入ってきました。平和条約を結べば、核放棄どころかもっと大きな話に変わっていく。いろんな協議をなされる中ででありますが、この情報を我が国が、政府は入手しているのか、また北朝鮮が平和条約を結ぶことについてどう思うのか、見解をお聞かせください。
○国務大臣(河野太郎君) 北朝鮮は、従前から平和協定の締結を求めてきたというふうに理解をしているところでございます。また、先般の南北首脳会談の宣言文の中で、休戦協定を平和協定に転換し、恒久的で強固な平和体制を構築するために、南北米、あるいは南北米中の四者会談を開催を積極的に推進していくということが確認されております。
 現在の休戦協定は、北朝鮮、中国とアメリカが署名をしております。その三か国に加えて、当事者の韓国を加えた四か国で平和条約、あるいは休戦協定を平和条約に転換するということになろうかというふうに思っております。
 また、その後の朝鮮半島の平和と安全、あるいは北東アジアについてどうするかということは、日米韓三か国で緊密な政策のすり合わせを行っているところでございますし、五月九日の日韓首脳会談の中では、文在寅大統領から、朝鮮半島の北東アジアにおける平和体制の構築には日本が必ず参加しなければならず、協力しなければならないという御発言もございました。
 日本として、この北東アジアの平和構築にしっかりと邁進をしてまいりたいというふうに考えております。
○アントニオ猪木君 韓国、中国、金正恩委員長との会談を実現させ、次はアメリカとの北朝鮮の首脳会談が行われようとしています。
 先日、文在寅大統領が金正恩委員長と会談をした際、日本の要求を伝えてもらったようですが、北朝鮮側は、日本政府は韓国やアメリカを介してばかりでなく、なぜ直接言ってこないのかと話していると私は聞いています。ルートがないのか、外交が苦手なのか、そこは分かりませんが、日本は北朝鮮の外交について後れを取ったというような論評も出ております。
 我が国の政府は、直接北朝鮮に働きかけるつもりはあるのかないのか。ないというのであれば、理由についてお聞かせください。
○国務大臣(河野太郎君) 先ほども答弁申し上げましたように、安倍総理の平昌オリンピックでの先方との話合いを含め、様々なルートで北朝鮮と直接のやり取りをしてきているところでございます。
 日本としては、日朝平壌宣言に基づいて核、ミサイル、拉致問題を包括的に解決し、国交を正常化する、この立場に変わりはございません。核並びにミサイルのCVIDの後、この拉致問題を含む二国間の問題は日朝が直接やらなければならないことだと理解をしております。
○アントニオ猪木君 この一連の流れを見ていますと、南北問題だけではなく世界もいろんな、要するに、我々の入手できる、あるいは聞く話とは別の流れで動く、外交というのはそういうものなのかなと思いますが。
 二年前に、北朝鮮が中国で経営するレストランから従業員十二人が韓国に集団亡命しました。そういうニュースがありましたが、これが実は韓国情報機関の作戦だったという報道が目にしました。当店の店長、ホ氏の話によると、二〇一四年、韓国情報機関の国家情報院に中国国内で採用されたが、二〇一六年になって発覚を恐れ、国家情報院の工作員に亡命手配を要請、工作員は直前になって従業員を連れていくよう指示したそうです。
 国家情報院とはどういう機関なのか。CIAだとかそれぞれ、昔はロシアにはKGBとありましたが、国家情報院について、どのような機関なのかお聞かせください。
○政府参考人(志水史雄君) お答え申し上げます。
 韓国の国家情報院は、この国家情報院のホームページを見ますと、国家安全保障に関する情報、保安及び犯罪捜査について担当する大統領直属の機関であり、主要業務として以下のようなことが挙げられております。北朝鮮のスパイや関連勢力の捜査、検挙、北朝鮮関連情報の収集、分析、海外情報の収集、分析、外国による情報活動に対する防諜、産業スパイに対する防衛、対テロ関連業務、サイバーセキュリティー関連業務、国際犯罪関連情報の収集、分析、国家機密及び重要施設の保護、脱北者の保護でございます。
 なお、国家情報院のホームページによりますと、国家情報院は脱北者の保護として、韓国の保護を要請した脱北者の保護及び脱北者であることの確認、韓国に入国した脱北者を約三か月間保護センターで保護しつつ、疾病の治療、韓国での早期定着のための基本的な教育を実施するとされているところでございます。
○アントニオ猪木君 次に、最近の動きがあったキューバですね。新しいキューバの議長が誕生しまして、四月にキューバのラウル・カストロ氏が国家元首、国家評議会議長を退き、政権ナンバーツーで副議長だったミゲル・ディアスカネル氏が議長に就任しました。
 フィデル・カストロ議長とは私が議員になったばかりの頃から何回かお会いをしたことがあって、もう一つは、一九五九年の革命から六十年続いたカストロ兄弟の政権からどう変化していくのか、今後の動きが注目したいと考えています。
 ラウル氏の共産党第一書記長の任期が二〇二一年まであるためラウル氏が政権へ及ぼす影響は大きいと思いますが、アメリカとの関係を含め、現在のキューバの情勢をお聞かせください。
○政府参考人(中前隆博君) お答えを申し上げます。
 キューバにおきまして四月十九日に就任いたしましたディアスカネル新国家評議会議長は、その就任演説におきまして、前政権下で策定された中長期の政策方針に沿って社会開発を進めていく旨述べたと承知いたしております。政策の基本的な方向性について当面急激に変わる見込みは少ないと考えられますけれども、今後の動向を含め、注視してまいりたいと存じます。
 米国とキューバの関係については、第三国間に関する事項であり、政府としてはコメントする立場にはございませんが、その上で申し上げれば、両国関係の発展は中南米地域全体の安定的発展のために重要であると認識してございます。今後の動向も含め、引き続き注視してまいりたいと存じます。
○アントニオ猪木君 大変スポーツ熱心な国で、毎年、オリンピックの前に柔道の選手やレスリングの選手を日本の大学に預かってもらって特訓をしたりすることがあります。
 次に、ニカラグアについて、たしか二年前ですか、行ってまいりましたときに大変オルテガ大統領とも親しくさせてもらったので気になってはいたんですが、ここに来てまた非常に国が荒れ出して、首都マナグアでは、デモ隊の投石や放火に対し警官隊が催涙ガス、ゴム弾を使用し、死者が出る事態になっています。
 オルテガ大統領は二十二日、社会保障制度改革に関する決議を無効にすると発表し、テレビ演説で、法の支配の下で行動し、確実に社会の安定と平和を取り戻す考えを表明しました。オルテガ大統領と何度かお会いした仲で、一日も早く国が荒れることのないように願ってはおりますが、現在のニカラグア情勢についてお聞かせください。
○政府参考人(中前隆博君) お答えを申し上げます。
 ニカラグアにおきまして四月十八日に発生しました暴動は、その後、政府が社会保険改革令の取消しを表明し、また、オルテガ大統領が民間企業側との対話の意向を表明したことなどを受け一旦は鎮静化いたしましたものの、五月十日夜以降、大学生グループ及び抗議デモ側と警察との衝突により暴動が再燃しているものと承知しております。
 これにつきまして、我が国は、昨十四日に外務報道官談話を発出いたしまして、今回の衝突で多くの市民が犠牲になった事態を憂慮をもって注視するとともに、ニカラグアの政府と企業、学生、市民社会が、民主主義の諸原則にのっとり対話と協議を通じて意見の相違を乗り越え、関連する諸問題の解決に向け合意に到達するよう努力することを強く期待する旨表明したところでございます。
○アントニオ猪木君 次に、私は八〇年代の頃、非常にシベリアの問題を議会でも取り上げたことがありますが、今は、今回、バルト海運河、今回条約を結ぶ国はバルト海周辺の国が多いんですが、バルト海運河の開発と北極海航路のその後についてお聞かせください。
○政府参考人(相木俊宏君) まず、バルト海運河についてお答えを申し上げます。
 一般にバルト海運河と言われるものは二つあろうかと思いますが、一つは白海・バルト海運河でございますが、ロシアの北西に位置をいたしまして、白海とオネガ湖を結ぶ全長二百二十七キロメートルの運河であり、一九三一年に建設が開始され、一九三三年に完成をしたと承知をしております。
 次に、北海・バルト海運河でございますが、ドイツ北部シュレスヴィッヒ・ホルシュタイン州を横断をし、北海とバルト海をつなぐ全長百キロメートルの運河でございますが、一八八七年に建設が開始され、一八九五年に完成をしたと承知をしております。
 白海・バルト海運河につきましては、二〇一六年二月のロシア連邦政府の二〇三〇年までの期間のロシア連邦国内水運発展戦略におきまして、白海・バルト海運河の設備の改修計画が同戦略の枠内で実施をされる計画の一つとして記載されていると承知をしております。
 政府としては、必要に応じ、今後とも注視をしてまいりたいと考えております。
○アントニオ猪木君 あの辺は、これからの自然環境ということで、当時は氷原だったものがどんどん解け出し、前にも委員会で申し上げたことがありますが、マンモスの牙を買って帰ってきたことがありますが、これから本当にこの運河が自然環境を侵さないような形で、いい交通ルートになればと思います。
 ありがとうございます。
○伊波洋一君 沖縄の風の伊波洋一です。
 今日は五月十五日、四十六年前の今日、一九四五年の沖縄戦の後、二十七年間米軍に占領されて、強制的に土地が取り上げられ、米軍基地の島にされてきた沖縄が日本に復帰しました。しかし、県民が願った米軍基地の全面返還ではなく、核抜き本土並みと日米政府が合意して日本に返還されました。核抜きは実現されましたが、多くの基地はそのまま存続し、米軍基地の負担は取り除かれることなく四十六年継続し、一層過重負担になり、いまだに新基地建設が続き、米軍関連の事件、事故が絶えません。
 沖縄の米海兵隊と米空軍は、六十年以上休戦中の朝鮮戦争をにらんで配備されてきました。今、朝鮮半島では南北対話が始まり、米国を含めた戦争当事者国での戦争の終結に向けた動きが始まろうとしています。朝鮮半島での南北和平の実現を沖縄の基地負担の解消につなげなければなりません。これは政府の責任です。私はそのことを追求していきます。
 それでは、沖縄県辺野古新基地建設問題について伺います。
 現在、県民の反対を押し切って、強行的に辺野古での新基地建設工事が進められています。配付資料のように、五月二日にK4護岸の作業現場沖のオイルフェンスの内側でウミガメが確認され、地元紙にも報道されています。当日の動画を含む資料でも確認をしましたが、確かにオイルフェンスの内側で泳いでいます。辺野古周辺はウミガメの生息地であり、環境アセスでも保護対策の対象とされています。ウミガメが春から秋にかけて砂浜に上陸して産卵をすることから、特にこの季節の保護対策は重要です。
 防衛省は、日時、場所を確認していますか。また、今年に入ってウミガメを確認していますか。
○政府参考人(西田安範君) お答えを申し上げます。
 委員御指摘の報道については承知をしてございます。
 防衛省におきましては、公有水面埋立承認願書等の添付資料である環境保全に関し講じる措置を記載した文書を踏まえまして、工事期間中、毎日監視船によりウミガメ類の施工区域への来遊状況について目視調査をしているところでございますが、当該調査においては、五月二日、ウミガメ類の来遊は確認をされておりません。
 また、今年に入ってから、当該調査においてウミガメ類の施工区域への来遊は確認されておりません。
 いずれにしましても、事業の実施に当たりましては、引き続き作業の安全に留意した上で、関係法令に基づき、自然環境や住民の生活環境にも最大限配慮し、着実かつ適切に実施していく考えでございます。
○伊波洋一君 配付した資料の二枚目は、当日の動画から画面をキャプチャーしたものですが、五月二日、午前九時十分頃、K4護岸とオイルフェンスの間の水面にウミガメが顔を出しており、ちょうど奥にあるのが海保の警備艇も視野に入っていることは客観的に明らかです。現場に居合わせた抗議船の乗員も警備船や作業船にウミガメがいることをアピールしています。
 当日、現場海域に出ていた監視船、警備船、作業船などの乗員に聞き取り調査を行って、ウミガメを現認したりウミガメがいるという声を聞いた者がいなかったか確認しましたか。海保の警備艇はどうでしょうか。
○政府参考人(西田安範君) お答えを申し上げます。
 ウミガメ類の来遊状況の調査を実施しております監視船につきましては、五月二日にはウミガメ類を確認していないという旨を聞き取りをしてございます。
 警備船、作業船、海上保安庁の警備艇につきましては、乗員等多数でありますことから、網羅的に聞き取り調査を行っているわけではございませんが、現在のところウミガメ類がいたという旨の情報は受けていないところでございます。
○伊波洋一君 沖縄県選出国会議員のうりずんの会では、警備船に関して、五月二日に沖縄防衛局に対して申入れを行いました。辺野古新基地建設に伴う海上警備では、これまで四年間で百四億円も支出されていますが、ライジングサンセキュリティーサービス社は警備の人数を水増しして、合計二十六億四千万円もの過大請求を行っていたことも報道され、明らかになりました。
 五月二日には、三隻のジュゴン、ウミガメ、海生生物監視船等、複数の警備船が配置されていたにもかかわらず、目の前のウミガメを確認をしていません。市民の抗議船や抗議カヌーに直接対応するのは海上保安庁の警備艇であり、警備船ではありません。この警備船に四年間で百四億円も支出をしながら、本来一番大事な環境保全対策がなおざりにされています。これでは何のための監視船なのかと言わざるを得ません。当日、当該水域に出ていた船の乗員に改めてきちっと調査をして、時刻と場所を確認すべきです。
 あわせて、防衛省において、これまでの監視船、警備船、各年度の隻数と支払額の開示、これまでの監視船の海生生物の確認の実績、五月二日の監視船、警備船の日報の開示を、委員長、委員会に御報告いただけるよう、お取り計らいをお願いします。
○委員長(三宅伸吾君) 後刻理事会にて協議いたします。
○伊波洋一君 K4護岸の工事区域、オイルフェンスの内側でウミガメが発見されたことは非常に重大です。
 平成二十五年十二月二十七日の前仲井眞知事の埋立承認には、別紙の事項に留意されたいと明記され、留意事項が付いています。公有水面埋立法では、民間の事業者に対して埋立条件が付される代わりに、事業者としての国に対しては留意事項として付されるものです。事業者としての国は当然守らなければなりません。
 前仲井眞知事の埋立承認に付された留意事項は、一、実施設計について事前に県と協議を行うこと、二、工事中の環境保全対策等について、三、供用後の環境保全対策等について、四、添付図書の変更についての四点です。二の工事中の環境保全対策についてには、「環境監視等委員会(仮称)を設置し助言を受けるとともに、特に、外来生物の侵入防止対策、ジュゴン、ウミガメ等海生生物の保護対策の実施について万全を期すこと。」「また、これらの実施状況について県及び関係市町村に報告すること。」と記されています。
 防衛省には留意事項第二項を誠実に履行していただきたいが、いかがでしょうか。
○政府参考人(西田安範君) お答えを申し上げます。
 防衛省といたしましては、普天間飛行場代替施設建設事業の実施に際しましては、沖縄県から公有水面埋立承認書の別紙として付されました留意事項につきまして適切に履行しながら工事を進める考えでございます。
 ジュゴン及びウミガメ類につきましては、例えば船舶等の衝突を回避するため工事用船舶に見張りを励行させるほか、衝突を回避できるような速度で航行すること、それからジュゴンに関しては、作業船の航行に当たっては、ジュゴンが頻繁に確認されている区域内をできる限り回避し、沖縄島沿岸を航行する場合は岸から十キロ以上離れて航行すること、海上作業の実施に当たって、ヘリコプター、船舶等によりジュゴンの調査を行っており、近傍でジュゴンが確認された場合には作業を休止する等、ジュゴンに十分配慮して作業を行うこととされております。
 いずれにしましても、事業の実施に当たりましては、引き続き作業の安全に留意した上で、関係法令に基づき、自然環境、住民の生活環境にも最大限配慮し、着実かつ適切に実施していく考えでございます。
○伊波洋一君 オイルフェンスの内側でウミガメが確認された場合は、防衛省としてはどのような対応を取るのですか。
○政府参考人(西田安範君) お答えを申し上げます。
 事業の実施に当たりましては、先ほど申し上げましたように、ウミガメ類との衝突を回避するため、工事用船舶に対して見張りを励行するほか、ウミガメ類との衝突が避けられるような速度で航行するなどの措置を適切に実施をしているところでございますが、監視船によりますウミガメ類の来遊の状況調査及び大浦湾側の陸上からの目視調査においてお尋ねの施工区域内でウミガメ類が発見された場合には、付近の工事受注者等に注意喚起を行うこととしております。
○伊波洋一君 実施状況について、県及び市町村に報告した事例はありますか。
○政府参考人(西田安範君) お答えを申し上げます。
 お尋ねの監視船による調査につきましては、いわゆる事後調査の一環として行っているものでございまして、事後調査報告書を取りまとめて報告をするということとしてございます。
○伊波洋一君 じゃ、その工事中のことではないわけですか。留意事項については、今答弁のように、重要な海生生物であるウミガメを確認しても船のスピードを下げて衝突を回避するだけということのようですが、この報道されたウミガメは二十分近く工事現場の海域を回遊していたと言われています。四月から十月は上陸産卵期であり、発見された市民も、このところウミガメを見付けることが多くなっている、フェンスが何重にも張り巡らされていて浜に近づけないと、途方に暮れているのではないかと心配ですというふうにこの「辺野古ぶるー」のフェイスブックに書いています。
 防衛省のウミガメに関する工事海域への回遊についての説明の中で、工事がウミガメ類に影響を及ぼす可能性があると判断される場合は、施工方法の見直しや新たな環境保全措置の検討を行うこととするとしています。今の答弁はそのこととは違うんじゃないですか。
 つまり、皆さんが環境監視等委員会で資料を提出して話をしたことの中にこういう指摘があるわけですけれども、今回、五月二日にフェンスの中に入っているウミガメがいるということは明らかです。そういったことに対してどういう対応をするんですか。
○政府参考人(西田安範君) お答えを申し上げます。
 御指摘のように、先ほど来申し上げてございます監視船による調査におきまして、ウミガメ類が施工区域へ接近し、工事用船舶によるウミガメ類の移動経路の阻害やウミガメ類の工事区域からの逃避行動が確認され、工事がウミガメ類に影響を及ぼす可能性があるような状態が継続していると判断される場合には、部外の専門家から構成される環境監視等委員会の指導、助言を踏まえつつ、施工方法の見直しや新たな環境保全措置の検討を行うこととしており、これにつきましては、これまでの環境監視等委員会でも御説明をしておるところでございます。
○伊波洋一君 皆さんはそのウミガメを発見していないと。百四億円も金を掛けながら、その監視等をやっていながら、今年に入って一回も見ていないと。でも、そこで抗議をしている市民は度々見ていると。そういうこのギャップ。
 あたかも皆さんの対策というのは、環境に対する対策というのは節穴じゃないですか。つまり、見るべき役割のところにこれだけ莫大なお金が投じられているのに、そのことで一度も見ていない。だから、その対策はしていないということであるわけですよね。
 こういう留意事項では、ジュゴンの場合はどうなんですか。ジュゴンも留意事項では並列的にウミガメと書かれています。工事区域でジュゴンが発見されても、工事は停止しないで、船のスピードを下げて衝突を回避するだけなんでしょうか。
○政府参考人(西田安範君) お答え申し上げます。
 ジュゴンにつきましても、基本的に先ほど申し上げたようなものと同じような措置になるということでございます。
○伊波洋一君 去る四月十九日、環境監視等委員会の副委員長を含む三名が四月十日付けで辞任したことが報道されました。辞任理由はどのようなものですか。副委員長だった方は、二〇一五年に辞任の意向を表明した際にも、環境保全という意味で審議してくれるんだったらいいんですけど、そういった審議ではなかった、沖縄の意見は全然通らないと語っており、県民からは改めて委員会の科学性、中立性に疑義が生じています。
 防衛大臣の所見を伺います。
○国務大臣(小野寺五典君) 三名の委員の辞任について、辞任したい旨連絡があったことを受け、四月九日の環境監視等委員会で報告がなされ、四月十日付けで通知を行ったところです。各委員の辞任理由について、各委員の個人に関わる情報であり、具体的に申し上げることは差し控えさせていただきます。
 いずれにしましても、当該委員会については、普天間代替建設事業の環境影響評価書に記載しているほか、仲井眞前知事から公有水面の埋立承認の際の留意事項として設置を求められていたものであり、同事業を円滑に適正に行うため、環境保全措置及び事後調査等に関する検討内容の合理性、客観性を確保するため、科学的、専門的助言を行うことを目的に設置したものであり、引き続き、同委員会の指導、助言を踏まえて環境保全に万全を期して取り組んでまいりたいと思っております。
○伊波洋一君 今回の留意事項について、これは公有水面埋立法の、まあ要するに許可してはいけない条件、第四条一項二号、「其ノ埋立ガ環境保全及災害防止ニ付十分配慮セラレタルモノナルコト」と、つまり、十分に環境保全が対策されていないという場合は、それは許可はしてはいけないと、埋立て、免許はですね。
 で、仲井眞知事のときにも、要するに、環境保全の担当部署は最後までこれは許可すべきではないという立場だったわけですよ。それに対して、あの留意事項で、これを守ることによって免許が承認がされたという経緯があります。ですから、この問題というのは極めて重要なんです。
 私は、やはり今のこの、高江がまさにそうですけれども、要するに、早く造ることを優先をして、アセスや勧告を全部御破算にしてやってしまった。で、今回もそうです。ですから、そういうことにならないようにしっかり取り組まなきゃいけませんよ、皆さんは。
 日本環境管理基準、JEGSにおける保護種にはウミガメが規定されています。オイルフェンスの内側は米軍の臨時制限区域であり、まさにJEGSが適用される水域です。仮にウミガメが米軍管理区域で確認されたとすれば、JEGSに基づき、米軍も環境保全義務を果たさなければならないはずです。
 ウミガメを確認した上で、米軍にきちんと情報を提供すべきではありませんか。
○政府参考人(西田安範君) お答え申し上げます。
 監視船によりますウミガメ類の施工区域への来遊状況についての目視調査は、普天間飛行場代替施設建設事業の実施に当たりまして、工事に伴う影響がウミガメ類に及んでいないかを確認することを目的としているものでございますが、事後調査報告書として取りまとめ、米軍に提供することとしてございます。
○伊波洋一君 先ほど申し上げたように、百四億円も掛けて、四年間で百四億円も掛けて警備船を配置している。あるいは監視船もそうでしょうか、でも見付け切れない。でも、それに更に二十六億四千万円も水増し請求をされたという話ですよね。こんなこと片一方あって、肝腎の保全をするという皆さんの一番の責任、海の保全をするという、そのことがなおざりにされていることを指摘して、引き続き追及をしてまいります。
 次に、日本環境管理基準、JEGSについて伺います。
 二〇一五年九月三十日に、沖縄防衛局から沖縄県を含む県内二十二自治体に環境補足協定に伴う情報提供が行われています。しかし、この情報提供、皆さんの資料にもありますけれども、前日に署名された環境補足協定の概要や条文を自治体にファクスで送信しただけであり、自治体にとっての意義が理解されるようなものにはなっていません。JEGSには、国指定の絶滅危惧種ではない希少生物も保護種としてリストアップされています。このことから、各自治体の保護種を含め、米軍が独自に情報収集をしているものではないかと考えられます。こうした米軍との情報共有のためには、今こそ関係自治体に日本政府の認識を説明する必要があると思います。
 小野寺大臣は、四月十日の当委員会で、「防衛省としても、関係省庁と連携しつつ、平成十二年の環境原則に関する共同発表及びJEGSに基づき、米国が環境保護及び安全への取組を適切に実施するよう機会を捉えて働きかけてまいりたいと考えております。」と、防衛省としても環境原則に関する共同発表、JEGSに基づいて米軍に環境保護等を取り締まらせる責務を負っていることを明言していただきました。このことを米軍施設・区域の関係者や関係自治体などにも認識してもらうべきです。
 防衛大臣、日本政府の認識も含めて、内容を改めて地方防衛局から関係者、関係自治体への情報提供を行うべきだと考えますが、御所見を伺います。
○政府参考人(深山延暁君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、平成二十七年に環境補足協定締結に伴いまして、我々は関係自治体に関係書類を御送付しまして情報提供をさせていただきました。
 先ほど御指摘もありましたように、大臣からもお答え申し上げておりますけれども、防衛省といたしましては、在日米軍に起因する環境問題については、関係省庁と連携し、JEGSの遵守を含め、米軍が環境保護及び安全への取組を適切に実施するよう働きかけてきており、これからも機会を捉えて働きかけていくことは当然のことであると考えております。
 また、このような防衛省の取組に関しては、必要に応じて米軍施設・区域の関係者や自治体に御説明を行ってまいりたいと考えておるところでございます。
○伊波洋一君 最後の質問ですが、少なくとも今年はJEGSの改定が予定されています。少なくとも今年中には関係者、関係自治体に対して日本政府の認識も含めて情報提供をする必要があるのでないかと考えますが、防衛大臣、いかがでしょうか。
○政府参考人(深山延暁君) お答え申し上げます。
 先ほども御答弁をいたしましたが、今後、委員御指摘のように、また新たな情報を我々が得て、それをお知らせする必要が生じた場合などにおきましては、これまで行っておりましたとおり、関係自治体の方々を含め関係者の方々にお知らせをしてまいりたいと考えております。
○伊波洋一君 まとめますが、これまで行っていたとおりとは言えないでしょう、行っていないんですから。
 是非、日本政府として、環境原則に関する共同発表、JEGSに基づいて米軍に環境保護を取り組ませる責務を負っていることをきちんと関係者、自治体に伝える努力をしていただくよう求め、質問を終わります。
○委員長(三宅伸吾君) 他に御発言もないようですから、四件に対する質疑は終局したものと認めます。
 防衛大臣は御退席いただいて結構でございます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○井上哲士君 日本共産党を代表して、日本・リトアニア、エストニア、ロシアの三つの租税条約及び日本・アルメニア投資協定に対する反対討論を行います。
 三つの租税条約は、投資所得課税に係る源泉徴収税率を減税ないし免税を含めて措置しています。これは、日本の大企業とその海外子会社が、当該国内の外資優遇税制のメリットを十二分に受けつつ、その上、租税条約により投資に対する源泉地国課税が劇的に軽くされるなど、税制優遇措置を二重三重に享受することを可能とするものです。
 日本経団連は、かねてより投資に係る税コスト低下を要求してきました。租税条約は、国際課税分野における日本の大企業優遇税制を国内外で更に拡大、補強するものにほかなりません。
 また、本投資協定はISDS条項が盛り込まれており、進出先の国の制度や政策の変更によって損害を受けたと主張する外国企業がその国の政府を相手取り損害賠償を求めて提訴できます。一企業が国家を訴え、国の主権を脅かすことにつながりかねず、看過できません。
 財界は、国内では法人税の減税や労働法制の改悪を、国外では日本の多国籍企業が最大限の収益を上げられるような条件整備を求めております。本協定は、こうした強い要求を受けたものにほかなりません。
 以上、反対討論を終わります。
○委員長(三宅伸吾君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 まず、所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とリトアニア共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件の採決を行います。
 本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(三宅伸吾君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。
 次に、所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とエストニア共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件の採決を行います。
 本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(三宅伸吾君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。
 次に、所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国政府とロシア連邦政府との間の条約の締結について承認を求めるの件の採決を行います。
 本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(三宅伸吾君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。
 次に、投資の自由化、促進及び保護に関する日本国とアルメニア共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件の採決を行います。
 本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(三宅伸吾君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。
 なお、四件の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(三宅伸吾君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
○委員長(三宅伸吾君) 次に、税源浸食及び利益移転を防止するための租税条約関連措置を実施するための多数国間条約の締結について承認を求めるの件、所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とデンマーク王国との間の条約の締結について承認を求めるの件及び所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とアイスランドとの間の条約の締結について承認を求めるの件、以上三件を一括して議題といたします。
 政府から順次趣旨説明を聴取いたします。河野外務大臣。
○国務大臣(河野太郎君) ただいま議題となりました税源浸食及び利益移転を防止するための租税条約関連措置を実施するための多数国間条約の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。
 この条約は、OECD及びG20によってその設置が承認されたこの条約の策定のための特別部会において平成二十八年十一月に採択されたものであります。
 この条約は、国際的な租税回避行為に対処するための租税条約関連措置を迅速に、協調して、及び一致して実施するための法的枠組みについて定めるものであります。
 我が国がこの条約を締結することは、国際的な租税回避行為に更に効果的に対処するとの見地から有意義であると認められます。
 よって、ここに、この条約を締結することについて御承認を求める次第であります。
 次に、所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とデンマーク王国との間の条約の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。
 政府は、平成二十九年四月以来、デンマーク政府との間でこの条約の交渉を行いました。その結果、平成二十九年十月十一日に東京において、我が方外務大臣と先方外務大臣との間で、この条約の署名が行われた次第であります。
 この条約は、現行の租税条約を全面的に改正するものであり、投資所得に対する源泉地国課税の更なる減免、税務当局間の徴収共助の手続の整備等の措置を講ずるための規定等を盛り込んでおります。
 この条約の締結により、脱税及び租税回避行為を防止しつつ、我が国とデンマークとの間での課税権の調整がより効果的に行われることになり、両国間の人的交流及び経済的交流が一層促進されることが期待されます。
 よって、ここに、この条約を締結することについて御承認を求める次第であります。
 最後に、所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とアイスランドとの間の条約の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。
 政府は、平成二十九年五月以来、アイスランド政府との間でこの条約の交渉を行いました。その結果、平成三十年一月十五日にレイキャビクにおいて、我が方在アイスランド大使と先方外務大臣との間で、この条約の署名が行われた次第であります。
 この条約は、日・アイスランド間で二重課税の除去を目的とした課税権の調整を行うとともに、両国における配当、利子及び使用料に対する源泉地国課税の限度税率等を定めるものであります。
 この条約の締結により、脱税及び租税回避行為を防止しつつ、両国間の人的交流及び経済的交流が一層促進されることが期待されます。
 よって、ここに、この条約を締結することについて御承認を求める次第であります。
 以上三件につき、何とぞ御審議の上、速やかに御承認いただきますようお願いいたします。
○委員長(三宅伸吾君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 三件に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後二時十一分散会