第196回国会 財政金融委員会 第3号
平成三十年三月十五日(木曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月九日
    辞任         補欠選任
     小川 克巳君     林  芳正君
 三月十四日
    辞任         補欠選任
     林  芳正君     自見はなこ君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         長谷川 岳君
    理 事
                中西 祐介君
                羽生田 俊君
                古川 俊治君
                三木  亨君
    委 員
                愛知 治郎君
                大家 敏志君
                自見はなこ君
                徳茂 雅之君
                長峯  誠君
                西田 昌司君
                松川 るい君
                宮沢 洋一君
                里見 隆治君
                宮崎  勝君
                藤巻 健史君
                藤末 健三君
                渡辺 喜美君
   国務大臣
       財務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        麻生 太郎君
   副大臣
       内閣府副大臣   越智 隆雄君
       財務副大臣    木原  稔君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        前山 秀夫君
   政府参考人
       警察庁刑事局組
       織犯罪対策部長  露木 康浩君
       金融庁総務企画
       局長       池田 唯一君
       金融庁総務企画
       局総括審議官   佐々木清隆君
       金融庁監督局長  遠藤 俊英君
       財務大臣官房長  矢野 康治君
       財務省理財局長  太田  充君
       経済産業大臣官
       房審議官     木村  聡君
   参考人
       日本銀行総裁   黒田 東彦君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○財政及び金融等に関する調査
 (財政政策等の基本施策及び金融行政に関する
 件)
    ─────────────
○委員長(長谷川岳君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。
 この際、申し上げます。
 民進党・新緑風会、日本共産党、立憲民主党及び希望の党所属委員の出席が得られておりませんので、出席を要請いたしたいと存じます。しばらくお待ちください。
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(長谷川岳君) 速記を起こしてください。
 民進党・新緑風会、日本共産党、立憲民主党及び希望の党所属委員に対して出席要請をいたしましたが、出席を得ることができませんでしたので、やむを得ず議事を進めます。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、小川克巳君が委員を辞任され、その補欠として自見はなこ君が選任されました。
    ─────────────
○委員長(長谷川岳君) 委員会開会に当たり、委員長として一言申し上げます。
 財務省におきましては、省存亡の危機にあるとの認識を持つべきと考えます。本委員会開会を契機に、省内の全てのうみを出し切り、真実のみを語り、国民からの信頼回復に向けて具体的行動を取ることを強く求めます。
 麻生財務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。麻生財務大臣。
○国務大臣(麻生太郎君) 先日の報道を受けて、国会の議論の中で大きな話題となったことを重く受け止め、私から指示をした上で、全省を挙げて職員への聞き取り、文書の確認を行い、捜査当局の協力も得まして、決裁文書の書換えの事実について調査を実施させていただいております。
 その結果、昨年二月下旬から四月にかけて、本省理財局において森友事案に関する十四件の決裁文書の書換えが行われたということが明らかになっております。決裁を経た文書について書換えを行うなどということは、これは極めてゆゆしきことであって、誠に遺憾であります。私としても深くおわびを申し上げます。
 今後、進行中の捜査にも全面的に協力するとともに、二度とこうした事態が起こらないよう、財務省として引き続き更なる調査を進め、その上で信頼回復に向けて必要な対応を行ってまいりたいと考えております。また、国会からのお尋ねにつきましても説明責任を果たせるよう、財務省を挙げて最大限努力をしてまいります。
    ─────────────
○委員長(長谷川岳君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、警察庁刑事局組織犯罪対策部長露木康浩君外六名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(長谷川岳君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
○委員長(長谷川岳君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に日本銀行総裁黒田東彦君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(長谷川岳君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
○委員長(長谷川岳君) 財政及び金融等に関する調査を議題とし、財政政策等の基本施策及び金融行政に関する件について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○西田昌司君 自民党の西田昌司でございます。
 麻生大臣には昨日に引き続き質問をさせていただきますが、まず、今大臣からも改めてこの財政金融委員会でこの度の公文書の書換えのことについて陳謝があったんですけれども、具体的には昨日聞きましたけれども、もう少し一般論として、ああいう事件が出てくるのを見ますと、私は、財務省という省の中では、あってはならないことですけれども、こういう公文書の書換え、調書の書換えというのは日常的に行われていたのではないかと。
 というのは、いわゆる決裁している文面、これはまさに公文書そのものですから、ここを書き換えるなんてこと、これはあり得ないんですけれども。調書というとその説明ですよね、決裁をするために様々な状況を説明するための文書であるというふうに認識しますが、そういうことから、決裁文面そのものじゃないからもう少し扱いが軽くなって、そういうことが日常的に行われていたのではないかという懸念さえ持つわけですけれども、実際に財務省においてはそれはどういうことになっていたんでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 決裁文書というのは、調書を含めましてこれは決裁を受けた文書でありますから、こういったものを書き換えるというようなことは、これは極めてゆゆしき事態なんであって、私どもとしてもこれはあってはならぬ、当然のことだと思っておりますので、私としても深くおわびを申し上げますというのを最初に申し上げて、昨日もそう申し上げたところであります。
 今回のような決裁文書の一部である調書の書換えというものが日常的に行われていたかということに関しては全くそう思っておりませんけれども、しかし、こうした事態が起こらないようにするというところで、引き続き更なる調査を進めまして、この信頼回復に当たっていかなければならぬと、そのように考えております。
○西田昌司君 それは、もう一度この事件以外にも調査を、ほかの公文書についてもやっていたかどうかということを省内でもう一度改めて聞くという、そういう意味ですか。
○国務大臣(麻生太郎君) 基本的に、他の部署というか局において同様のような事案があるかといえば私どもはないと思っておりますが、この種のことを再確認するように申し渡してあります。
○西田昌司君 是非それはやっていただきたいと思うんですね。
 それで、ここに行政文書の管理に関するガイドラインですか、平成二十三年に内閣総理大臣決定という形であるんですけれども、ここにはいろいろ管理体制について言及されています。このとおりされていたらもちろん問題なかったわけなんですけれども、そもそも、調書の書換え云々以前に、管理体制としてこのそもそものガイドラインに沿ったことが財務省ではされてなかったのではないかと。事実、書換えするということ自体がガイドライン違反そのものですけれども、その他のことについてもガイドラインに沿ったことがされてないということがあったんじゃないかと思うんですが、いかがですか。特に今回の事件では全くこれに沿ってないということなんですけれども、そもそもこのガイドラインに沿ったルール作りが財務省でなされていたのかという、そのことについてお聞きします。
○国務大臣(麻生太郎君) 文書を書き換えるなどというのはそもそも常識の範疇から逸脱した話で、まず最初の最初な話なんであって、常識がないという前提で管理文書を作っているかといえば、その点に関しましては基本的には個々人の常識、矜持というものにのっとった上でこういった法律というのは作られていると私どもは思っておりますが。
 いずれにいたしましても、この公文書の管理については公文書管理法及び今言われましたような行政文書の管理に関するガイドラインに基づきまして、これ行政文書管理規則というのが定められておるんだと思っております。
 それで、今回のような行政文書書換えというようなことにおきましては、これは各省庁の文書管理の規則において、直接に規制をした、それを規制した規定とか罰則というのは設けられていないというふうに私ども承知しておりますので、設けられていない、書換えをした場合というようなことは書いていない。それはもう間違いなく、書換えはないというのは当たり前の話ですから、というのが前提ででき上がっていると理解をしております。
○西田昌司君 ということは、当然なんですね、書換えなんということは前提ともちろんしてないんですけれども、ないという、あるべきものでないものがあったわけですからね。ということは、そのルール自身も、罰則もそうですけれども、作り替えていかなければならないと、こういう御認識でいいわけですか。
○国務大臣(麻生太郎君) 私としては、今足下に起きて、足下って、財務省内の中で起きておる話で、今回の話ですので、こうした事態が起こらないようにというか再発しないようにということをやって、まずやるべきことをやらねばならぬと思って、私どもとしては、きちんとした対応というのはどうすればできるかというのをきちんと詰めさせてみたい、詰めさせねばならぬと思っております。
○西田昌司君 それと、今回のこの事件は、財務省というのは、昨日も言いましたけれども、私は、官庁の中の官庁というぐらい、高いモラル意識も含めて、使命感も含めて、一番のトップエリート集団だと思っておりました。ですから、そういうところがそういう書換えなどあるはずがないという前提で我々与党側も今回の事案受け止めてきたわけですが、残念ながらこういうことが起きましたね。起きたということは、その事実をやっぱり我々与党側もこれ真摯に受け止めなければならないと思っております。その上で、だったら、財務省であることだったら、ほかの省庁だってこれないとも限らないということも、やっぱり可能性として我々考えておくべきだと思うんですね。
 そのことで、麻生大臣は副総理でもおられるわけであります。安倍内閣の一番の要でもありますから、今回の事件を受けて、安倍内閣全体として、もう一度各省庁、あってはならないことが起きたから、全ての省庁においても同じように公文書の管理体制などをもう一度チェックして、新たなことが起こらないようにしていくことも大事かと思うんですけれども、それを安倍総理に進言なさってはどうかと思うんですが、いかがでしょう。
○国務大臣(麻生太郎君) 私としては、足下、いわゆる私の所管しております財務省という足下で起きた今回の行政文書の書換えの話でありますので、こういったことが起こらないようにまずは調査を進めさせて、なぜ書換えが行われたのかという経緯についてもこれは明らかにするということがまずはやるべきことだと考えております。
 いずれにしても、今後とも、政府として公文書管理というものの質を高めるというためには、これは一層の努力をやらねばならぬところだと思っておりますが、その中で制度の見直しというものの必要があるというのであれば必要な対応は行っていかねばならぬと思っております。
○西田昌司君 引き続き、この問題は、まず佐川事件の真相解明ということがまず第一でありますから、早急にこの議会の方に、国会の方に報告していただきますように重ねてお願いしておきます。
 さて、本題に入りたいと思うんですけれども、今年は黒田総裁の任期が切れまして、新たにもう一度再任ということが提案されているわけであります。その中で、日銀の黒田総裁、アベノミクス、その中の主要な政策でありますけれども、異次元の金融緩和ということで行ってこられました。しかし、これは、金融緩和だけではなくて、アベノミクスというのは本来、機動的な財政出動、それから民間企業の成長戦略と、こういうことが相互作用によって経済をデフレから脱却させるというものであったはずなんですね。
 しかし、残念ながら、民間銀行への資金供給はそういう意味ではどんどん供給をしておられるわけですけれども、なかなか物価目標が二%というのも達成ができないと。そして、ゼロ%という、実質的には、超極めて低い、金利がないわけでありますけれども、それでも貸出額がなかなか増えないと。減ってはいません、もちろん。増えてはいますが、こちらの金融拡大している分に比例してという形にはなかなかならないのも現実であります。そして、それが逆に、金利が付きませんから銀行経営自身に圧迫を加えているんではないかということが非常に懸念されるわけなんです。
 そこで、まずそのことを今日はお聞きするんですけど、まず、この原因は日銀の金融政策、このことばかりに頼りにしてきたと。私はもう当初から、日銀のこの金融政策もちろん大事だけれども、財政出動、それがないとなかなかこれはデフレから脱却できないということをずっと言い続けてきたわけなんです。
 この五年間たちまして、振り返ってきて、黒田総裁と麻生財務大臣にお伺いしたいんですけれども、今言いましたように、現下のこの状況というのは、要するに、金融拡大というのも意味はあったけれども、なかなかこの物価目標に達成できないことも含めて、財政側の出動がもう少しあればよかったんじゃないかと思いますが、お二人にお聞きしたいと思います。
○参考人(黒田東彦君) 御指摘のこのアベノミクスにおける機動的な財政政策ということにつきましては、累次にわたる経済対策などを通じて一定の需要創出に効果があったと認識いたしております。
 他方で、金融政策の面では、御指摘のように、日本銀行は、二〇一三年四月に量的・質的金融緩和を導入して以降、強力な金融緩和を推進してまいりました。これによって緩和的な金融環境がつくられ、企業や家計の経済活動を強力にサポートしているというふうに考えております。
 こうした下で、我が国の経済・物価情勢は大きく改善いたしました。企業収益は過去最高水準で推移し、労働市場はほぼ完全雇用となっております。ただ、御指摘のとおり、二%の物価安定の目標は実現しておりません。ただ、物価が持続的に下落するという意味でのデフレではなくなっておりまして、この一年間、消費者物価の前年比は着実に上昇してきております。
 日本銀行としては、今後とも、強力な金融緩和を粘り強く進めて、物価安定の目標の実現という自らの課題にしっかりと取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○国務大臣(麻生太郎君) これは西田先生御指摘のとおり、今回のデフレ、いわゆる正確には資産のデフレによります不況というものを、これは金融政策だけでこの不況から脱却できるというほど簡単なものではないと、この認識は私も全く同じにいたしております。したがって、私どもとしては、この日本銀行の金融政策に併せて財政も機動的に出動するということを申し上げさせていただいて、私どももそれなりの対応をさせてきていただいていると思っておりますけれども。
 例えば、企業にとりまして一番の問題として、これGDPが上がっていくということにならぬといかぬのですけれども、その中で私どもとして今一番大きな問題というのは、何だかんだ言っても、企業は、正確には一九八九年の十二月の二十九日、平成元年ですけれども、このときに三万八千九百円付けた株が七千円台までおっこったということは、やっぱり企業が持っております動産という名の資産が何分の一に、まあ企業によって違いますけど、五分の一、六分の一におっこった。
 また、同時に、不動産という名の資産も同様に、六大都市で一五%まで下がったと当時言われていましたので、百万円が坪十五万円まで下がったということになりますと、当然、企業としてはそれによって企業の債務が超過するということになりましたので、企業としては得た利益を、設備投資も何も、とにかく得た利益はまずは借金の返済ということをしない限りは、債務超過のままだと金が借りられませんから、そういったような状態がかなりな長期間にわたっていた。
 その結果として、企業は一斉に一九九二、三年頃から借入金の返済を優先したものですから、銀行から金を借りないという事態起きて、結果として銀行は、九七年のアジア通貨危機も重なって、九七年、八年と大きな銀行が潰れ、大都市銀行ではもう、昔の名前で出ていますという銀行は三井住友ですかな、あと東京三菱ぐらいですか、あとはりそなかパソナか分からぬようなみんな名前に変わりましたので、ちょっと正直、昔の名前で出ている銀行がなくなるほど、銀行は、金を借りに来る人がいないわけですから、結果として銀行は成り立たないというような状況になっていったというのが大きな理由で、結果として一緒になった。
 企業が返済の形で債務超過を終えるような段階になったのは二〇〇〇年の初め頃だったと、東証でいえばそういう平均になりますけれども、そのときにもう一回来たのがリーマン・ショックです。これで、もう一つ来たものですから、またばたっと止まったという幾つかの事態が重なって、このデフレというものが長引いたんだと思いますが。
 私どもは、今御指摘のありましたように、私どもが政権に復帰させていただいた後のこの五年間で見ますと、そのときにいわゆる金がということで言わせていただくと、公共事業等々でいきますと、小渕内閣のときに一番多くて当初予算で約十兆円ぐらいだったと、公共工事が。鳩山内閣のときに約それが四兆円台までおっこったんだと思っておりまして、約半分以下になったということだと思いますので、それを徐々に伸ばして、今六兆円台まで伸ばさせてきていただいておりますが、そういったようなことをやったり、金利が極めて安いということで財政投融資を使わせていただくとかいうようないろんな形でやらせていただきながら、同時に借入金の返済の方も、新たに新規の国債が増えないようにということで、新規国債は十一兆減らしたと思っておりますが、そういった形をしながらも、税収は間違いなく十五、六兆伸びておりますので、そういった形では、もう少し出動をというときに、人手不足というのが徐々に起きてきていますので、この分がなかなか新たなものとして出してもそれに対応できる人がいない。
 これ以上人件費が急激に上がるのはとてもたまらぬとか、いろんな話がありますので、バランスさせながらここまでやらせてきていただいておりますので、もう少しするべきだったんじゃないかという御意見は私どもも分からぬではありませんけれども、同時にそれは、公共事業で言わせていただくと、なかなか落札できないというようなことになってきているという面も忘れてはならぬところだと思っております。
○西田昌司君 今大臣のおっしゃったこともよく私も理解できるんです。
 特に大事なのは、今おっしゃったように、やっぱりバブルというのが一つ大きな問題でしたね。そこで資産デフレになり、信用供給量が極端に少なくなりましたよね。だから、その分を補填してきたのがやっぱり財政出動だったわけなんですね。赤字国債の発行ということも含めて、この間、結局、民間の方の信用創造が減った分、政府側が支えてきたというのが現実だと思います。
 ですから、赤字国債がひどい、こんなことで国の財政はどうだという意見、方もおられるんだけれども、それは政府部門だけを見過ぎで、国全体を見ると、マクロ的に見ると、民間が減った分を何とか下支えしてきたということで、これよく頑張ってこられたと思うんですね。
 ところが、もう一つ問題は、機動的財政出動ということで、これ要するにタイミング、必要なときに必要な量だけと、こういう意味ですよね。ですけれども、大事なのは、やっぱり長期的な見通しの方が大変重要でありまして、私はもう少し、そうであるならば、長期的にこの信用創造が民間の方ができるように、日銀がせっかくこれだけの政策やっているんですから、民間銀行がどんどん貸出しできるようにするためにも、公共事業だけに限らず政府部門のやるべき仕事がたくさんあったと思うんですね。これは、今回、安倍内閣で出ている子育ての支援なんかも非常に大事な視点だと思いますが、そういうところ、しっかり予算を充てていくと。
 その分は、当然、そういう負担と給付の関係のやつは基本は税でやるべきものですけれども、今のこの経済状況を考えると、取りあえずは赤字国債も含めて政府側のまず支出を増やして、そして信用創造を民間に促すような長期的な投資計画、事業計画を、各省庁が、様々なプランあると思うんですよ、それをしっかりと予算付けをして実行していれば、まさに、機動的というよりも、もう少し長期的な財政出動計画をしっかり出していれば、私は、せっかく日銀がこれだけの金融緩和していましたから、もう少しアベノミクスの効果が発揮できたんじゃないかと思うんですね。
 ですから、事実上これから黒田総裁の二期目が始まるとしているわけですから、この政策を本当にしっかりやるためにも、財政側の今そういった長期的な視点での財政出動が必要ではないかと思うんですが、麻生大臣、いかがですか。
○国務大臣(麻生太郎君) 御指摘のとおり、最初に申し上げましたように、今回のこの資産のデフレーションに端を発したデフレ不況、これは少なくとも第二次世界大戦が終わってこの方、世界の中で数々不況はありますけれども、いずれもインフレ下での不況、日本だけデフレーションによる不況ということになっております。
 したがって、デフレをやったことがありませんのでデフレ対策をやった人もおりませんというのが少なくとも世界の現状であろうと思いますので、その意味では、私どもは、デフレをやったのは一九二九年のあのフーバー大統領下のアンドリュー・メロン財務長官の下でのアメリカのあのデフレ不況によって我々大正時代から昭和にかけてえらい不況を食らったあの時代のことを考えますと、私どもとしては、やっぱり歴史に学ぶということからいきますと、この際は、財政というものの重さというのは極めて大きいので、あのときはとにかく円と金の兌換を停止しておりますし、極端なことをやっておられると記憶しますけれども。
 そういったようないろんなことを我々は過去の歴史に学ばねばならぬと思っておりますので、今言われましたように、この財政をどのように機動的に、効果的にというのは極めて重要なところだと思いますので。幸いにして、金利が極端に安い状況になっております。これを有効に使わねばならぬと、いろんなことを考えながら対応させていきたいと、そう思っております。
○西田昌司君 是非、その御意見どおり、積極的に財政、特に長期的な財政出動計画を示していただきたいと思うんです。
 ところが、一方、我々がこういう話をしますと必ず出てくるのが、いや、それはばらまきじゃないかと、それから、そもそもこれだけ日銀がどんどんどんどん国債買い込んでどうなるんだということで、日銀がおかしくなるんじゃないかとか、いろんな意見出てくるんですけれども、私はその意見にはくみしないんですが。ただ、ただそうはいうものの、やっぱりこのゼロ%金利、この超低金利というのは、これは特殊な事態であることは事実であります。
 私が一番気にしているのは、国債をどんどん発行して国家が破綻する、それは、自国建て通貨でやっている限りそれはあり得ないんですが、そうじゃなくて、困るのは、国家はもちろん転覆しないんだけれども、国内で営業している金融機関、これだけ信用創造がなかなか賄い切れず、それから低金利でやっていますと、銀行の体力自身をかなり奪っていきますね。特に地方の金融機関ですね、なかなか公共事業や地元の様々な商売、こういうのが光が当たってこないと。そうなると、貸付先がないわけですよね。
 いかんせん、そういうことで、いわゆる箱物のマンションなんかが業者によって勧められて建てて、十年間は家賃保証しますからなんてことでやったりするんですけれども、当然これは需要と供給のバランスがありますから、どんどん建てても、建て過ぎちゃうとこれは後は家賃保証できなくなりますからね。結局これが不良債権になっちゃうということも含めて、非常にこの地方の金融機関、そういう意味では大変な貸出先の不足に陥っていると思うんですよ。
 だから、そういうことも含めて考えなければいけないのは、やっぱりこれは、いわゆる危機的な今日本のデフレ状況だからあえて黒田バズーカでこういうことをされているわけで、将来的にはやっぱりこれを戻していかなきゃならないわけですよね。そのときに、出口というよりも、そのしっかり出口が見えるようにするためにも、今言っているように、財政側の長期的な計画を示すことによって民間企業がお金をたくさん出していくと。そのことによって、当然お金の需要が増えるということは、金利が自動的に物価も含めて上がっていって、健全な金融が、これができるような仕組みになってくるわけですけれども、そういう方向に向かうべきだと思うんですけれども、麻生大臣と黒田総裁の御意見をお伺いしたいと思います。
○参考人(黒田東彦君) 御指摘のとおり、大変強力な金融緩和による低金利環境の下で金融機関の貸出し利ざやが縮小しておりますので、特に貸出業務への依存度の高い地域金融機関にとって収益面の影響が相対的に大きいというのは御指摘のとおりであります。もっとも、現在の我が国の金融機関は、地域金融機関も含めて、充実した資本基盤を備えていることもありまして、現時点で収益の悪化に伴う金融仲介機能の大きな問題が生じているとは考えておりません。全体としての貸出しも三%ぐらい伸びておりますし、地域金融機関の貸出しはそれ以上に伸びているということであります。
 そういうことで、今、金融仲介機能に大きな問題が生じているとは考えておりませんが、やはり日本銀行としては、今後の金融機関の収益動向、そしてそれが金融仲介機能や金融システムの安定性に及ぼす影響については、引き続き注意深く見てまいりたいと思っております。
○国務大臣(麻生太郎君) 日本銀行とこれはばらばらで政策が協調できていないというようなことは全くありませんので、私どもとしては少なくとも、黒田総裁になってかれこれ五年近くになるんですけれども、少なくともこれまでと違ったのは、やっぱり企業側から見ていて、日本の政権というものが毎年六年連続で替わっておりますから、その間、大蔵大臣は何人替わったんだかちょっと覚えていないんですが、十人ぐらい替わったと思いますが。
 そういったときに、やっぱり企業側からしてみれば、これまで金を持っていてじっとしておきさえすれば物価が下がって金の価値が上がる、いわゆるデフレです。そういったときに金を使うはずがありませんのでじっとしておったのが、我々の政権になってから、少なくともこの政権はこれまでと政策のかじを切って、金融は緩和、財政は出動と、いわゆるインフレというものにターゲットを決めてそちらの方向にかじを切るということを宣言しても、どのみちまた政権は替わるだろうと思ったら企業は投資しやしませんよ、そんな。企業経営者というのは大体政府の言うことをそんな信用して経営なんかやっていたって、とてもやれるわけがありませんから。
 そういった意味では、私どもとしては、そういう信頼を得られるようになったのがこの一、二年、やっと政権が安定して、いわゆる経済政策、財政政策、景気対策等々が同じ一定方向でずっと進んできているということを企業経営者も確信をし、バランスシート上も債務超過の段階が消えて、利益を大きく内部留保ができるほど持てた、なって初めてここで設備投資やら何やら、また賃金等々にも、ベースアップなんて絶えて久しく聞かなかった言葉も出てくるようになったというのには大きな変化があろうとは思いますけれども、経営者のマインドが変わっていくというのがないと、景気という気の部分が全く動いていなければ、幾ら数字で言ったって物は動かぬと、私どもはそう思っておりますので。
 是非こういった状況を引き続き、この状況が続いていくという、政権の安定であり政策の継続というものが今後ということを期待できるような形にやっとできつつあるのかなと思っておりますので、設備投資も昨年に比べれば間違いなく大きく前に少しずつ動き出しつつありますし、銀行からの貸出しも少しずつ前に比べりゃ増えてきているというような感じも感じられますので、そういったところを見ながら、私どもとしては今後も引き続き、景気対策というものを日銀と連携を取りながらきっちりやってまいりたいと考えております。
○西田昌司君 今大臣のおっしゃった、要するに経営者のマインドですね、景気は気ですから、そこを変えていかなきゃならないというのは全く私も同感なんです。
 そこで、なぜそれじゃ経営者がそういうマインドになってきたかということも考えますと、昭和の時代というのは、まさに日本はジャパン・アズ・ナンバーワンと自他共に認められるような形になっていったわけですよね。ところが、平成になってから、それは幻であったと、バブルだったという形で、日本はこの先もう無理なんだと。やっぱり世界ナンバーワンはアメリカで、アメリカがナンバーワンになったのは、冷戦を制してナンバーワンになったんだけれども、結局これは、規制緩和をやって、そして強い経済、足腰の強い体制をつくっていくと。今までのいわゆる護送船団式の、みんながボトムアップしていこうなんて考え方は甘いんだという形になっちゃいましたね。その結果何が起こったかというと、まさに規制緩和の嵐ですよ。そして、その結果、競争力を強化していこうということで、規制緩和をする代わりに、同時に政府側の方もそういう政策を変更していこうと。
 だから、民間が自分たちを身の丈に合ったように資産を整理していくんだったら政府側もそうしなさいよということで、財政の出動もどんどん減らすべきだし、人員の数も減らすべきだしという形で、日本全体が要するにコストカットをしていくのはいいんだというふうになってしまいましたよ、現実。そしてその結果、本当にそのコストカットをした企業が確かに利益を上げましたよ、それは。しかし、その結果、利益は上がったんだけれども、国家全体、国民全体として豊かになったかといえば、これは大変なことになっているわけですね。要するに、実質賃金余り上がらないと。そしてその結果、消費も増えないし、GDPも増えないと。こりゃいかぬと。
 しかも、そういう混乱時期でしたから、その混乱時期の政治の責任を取らされて、当然自民党が下野することにもなったと。そして、期待を担ってできたはずの民主党政権だったんですけれども、ここも非常に混乱が続きまして、やっぱりこの混乱ならもう一度自民党の方がいいというので、安倍内閣が誕生し、麻生財務大臣の下で安定した財政、経済政策、日銀と一緒になってされていると、これは事実だと思うんですよ。しかし、この間の混乱が余りにも激しかったですね。そして、そのためにまだまだ日本の将来に対する先行きが見えない。
 とすると、見えないどころか、やっぱりビジネスモデルは変わりましたよ。かつては、冷戦時代は日本の競争相手は誰かといえば、アメリカ始め西側諸国だけでよかったわけですよ。そしてまた、取引しているのもその西側諸国の中で貿易しているだけだった。ところが、冷戦が終わってからは貿易相手がもう完全に全世界、もうかつての発展途上国と言われた国に市場がたくさんあると。で、そこに売り込みに行くと。中国なんかその一番の例ですよね。そして、そこでやるためには、当然現地で作って現地で売っていくという、生産拠点が外国に移っていくという、こういう形になってくる。企業はどんどん大きくなりまして史上最高益を稼いでいますけれども、その税も外国で納めておりますから日本には入ってこない。たくさんの人を雇っているけれども、それも海外で働いていますから国内の雇用には反映されないと。国内で反映されてくるのは、結局、海外にそういう大きな市場が出てきたためにデフレ圧力がどんどん国内で増えてくると、それがまさに今の日本の現状だと思うんですね。
 ですから、ここを改善しようと思うと、金融、財政というだけじゃなくて、要するに企業のマインドを変えるためにも、じゃ、日本の国内に何ももうないのかといえば、やっぱりあるわけですよ。それは企業部門じゃなくて、民間部門じゃなくて、公的分野の部門ですよ。さっき言った子育てもそうだし、大学、人を育てていく、学ばせる、それから福祉の分野、それから安全保障から、地域の強靱化、利便性を上げると。こういったものは生産性を上げることにも直結しますけれども、元の仕組みをつくるのはやっぱり政府部門なんですよね。
 だから、政府部門がそういうことをしっかりと予算を立てて、そしてその土台をつくっていれば、まさにインフラストラクチャーですよね、そこをしっかりつくれば、それに合わせて当然民間もお金を出してくる、黒田総裁のバズーカも非常によく効いて民間金融機関も出していくと、こういういい循環になるはずで、まさにそのビジネスモデルというか、日本全体が、日本が置かれている状況が、世界の状況の中であの昭和の時代と平成の時代とでは様変わりしてしまったと、そこをもう一度認識した上で経済モデルをどうあるべきかというのを考えるべきだと思うんですが、ここをちょっとお二人にお答えいただきたいんですよ。
 そう考えたときに、今のアベノミクスの方向としては僕は評価します、いいと思うんです。ただ、大事なのは、やはりこの政府側の、日銀は金融で仕事はできても、やっぱり実際に財政、需要を掘り起こしていくのはこの政府部門なわけですから、その一番の財政のトップとして麻生大臣の御意見、それから黒田総裁の御意見をお聞きかせいただきたい。
○国務大臣(麻生太郎君) インフラの話を言われましたけれども、まあそうですね、グローバライズという言葉がえらいはやった時代があったんですけれども、グローバライゼーションと言っている人もまだおられますけれども、僕は基本的に世の中はインターナショナライズされるとは思いますけれども、グローバライズという言葉が本当になるかということに関しては甚だ疑問です、最初からそう申し上げてきたんですが。世界の価値観が一緒になるなんてことはとても考えられませんから、国際化はしますということを申し上げてきて、事実そうなっているんだと思いますが。
 基本的に、今言われましたように、冷戦が終わって随分と社会構造、世界の中の構造が変わったという現状を無視しては話にならぬ、もうおっしゃるとおりだと思います。少なくとも、日本でできたものを海外に売って稼ぎ出すというGDP、グロス・ドメスティック・プロダクツという考えもありましょうが、今の時代というものは、現地に行って物を作るというようなことになって、日本の技術屋若しくは製造工場をアメリカに造って、アメリカで車を造ってアメリカに売って、アメリカからまた世界に輸出していくというような時代になってきているということになりますと、いわゆるGDPに代わってグロス・ナショナル・インカム、国民総所得、GNIという発想が基本的にこれからの主流になってくるんだと思っております。
 したがって、今の時代、我々としては、言われましたように、今後とも日本の中において生産性が上がらない限りは給料も上がりませんから、生産性を上げるために、例えばこれまで港から高速道路に行くまでの間、相も変わらず道がぐちゃぐちゃしていたところをきちんとつなげる。また、港に船が入るのに、今、日本の場合は、公共工事は悪だなんと言う方がおられますものですから、少なくとも港湾施設を見ますと、今、スエズ運河で水深二十一メーター、パナマ運河も今度十八メーターになったと思いますが、日本の場合は一級港湾の水深は十四メーターということになっていると思いますので、大きな船は日本に入らないと、これが現実ですから。そうすると、当然のこととして、仁川だ、シンガポールだというところで船を横積みして揚げてきますから、その分だけコストが高くなる。だったら日本も十八メーターにすりゃいいじゃないかという話ですけれども、それは公共工事は悪だというような話で、それをやらなくてずっと来たんですから、今その方向転換をさせるようにしておりますけれども。一つの例です。したがって、それをやりますと、当然のこととして港湾に直接船が直付けしますので、その分だけコストは下がるということになろうと思いますが、そういったようなもの。
 また、国民側に、今言われましたように、子育て世代等々の部分の話もありましたけれども、そこらの部分の個人負担、いわゆる可処分所得というものが増えるとその分だけ減るということになりますので、そういったようなことを併せてやるというようなことをやって、結果として日本全体の国際競争力を維持するという一番肝腎なところが、インフラというのは極めて大きな部分なんだと思っておりますので。
 是非私どもとしては、いろんな意味で、国際観光というものを一つ例に取りましても、きちっとした形をしますと、八百万人がたった四、五年間で四倍も五倍もになったというのは、それによって巨大な外資、外貨というものが日本に入ってきておるというのは事実ですから、あれ何をしたかといえば、ビザを緩和したというだけの話であれだけの人が入ってきたという事実ですけれども、それに合わせて法律もやらないと、とてもじゃないけど民泊やら何やらもうとても追い付いていっていないというような点もありますので、私どもとしては、そういった需要に合わせてきちんとしたものをやっていくことによって、いわゆるAIとかIoTとかいうものに付いていき切らない人たちというのは大勢今後出ることを覚悟しておかねばなりませんから、こういった観光業とかそういった部分というのは十分にその人たちが対応していける部分になり得るとも考えますので、広い意味で、私どもとしては日本の将来を考えるときに、一つの、AIとかそういう技術的な話に特化するというのではなくて、広く金融とか、今申し上げましたような観光とか、そういったようなものを含めて、私どもとしては従来のきちんとした物づくりプラスそういったものをやっていくという姿勢で臨んでいくというのがこれから考えておかねばならぬ大事なところかなと思っております。
○参考人(黒田東彦君) 御指摘のとおり、日本経済の構造というものも大きく変化しております。
 製造業を例に取りますと、生産性は欧米並み、十分競争力もあると。その上で、マーケットに近いところに工場を移してより競争的に働くということをやっておられて、ある意味でいうと、製造業は世界トップレベルであり、今でも競争力は十分あると思うんですが、非製造業につきましては、いろいろなデータがありますけれども、労働生産性などを見ましても欧米の七割ぐらいではないかと言われていまして、逆に言いますと、ここにこそ生産性を上げ、実質賃金を上げていくチャンスがあるわけであります。
 非製造業といいますと様々な、サービス業もそうですし、小売あるいは運輸、建設、そして委員御指摘のパブリックセクターがいろいろやっております教育とか医療とか、その他様々なものがあると思うんですが、そういうところの生産性を上げていくということが今後の日本経済にとって最も重要であろうと。
 現に、実は足下を見ますと、非製造業の方がむしろAIとかIT関係の、あるいはソフトウエアの投資をここ数年非常に大きく伸ばしております。それは、人手不足ということがあって、その下では省力化投資、そのためのITやAIその他の活用ということになってきているんだと思いますけれども、こういうことを通じて非製造業部門の生産性を上げていくということが実質賃金の上昇、国民一人当たりの所得の上昇というものにつながっていくのではないかと。
 金融政策としても、現在のような緩和を続けることによってそういうものを後押しできるのではないかと考えております。
○西田昌司君 生産性、労働生産性を上げなきゃならないとお二人のお話だったんですが、今、実は安倍内閣で、今党内で検討されているのがいわゆる働き方改革ですよね。これは裁量労働制の話が話題になっていますけれども、これは一つであって、要は、生産性を上げないとこれは実現できないんですが、生産性を上げるというのははっきり言えば給料を上げると、給料を上げるということは要するに単価アップなんですよね、これは。
 物の値段が今まで、要するに、私も税理士やっていまして、今、確定申告、昨日も事務所に戻りまして確定申告の書類を皆さんのを見てやっていたんですけれども、要するに、見ていると、本当にみんな必要以上に安い値段で物を売っているんですね。もうちょっと上げても買われるじゃないかというのはあるんだけれども、何か、これだけ上げると売れなくなるんじゃないかということも含めて、要するに、デフレ圧力がずっとありましたから、よう値段を上げられないんですよね。だから、本当は、それを上げるようにやっていくと、自動的に、労働分配率、それも上げなきゃならないけれども、給料も上がるし、全体的な生産性が上がる話になるんですね。
 だから、働き方改革をやるのは大事なんですけれども、やる前提として給料アップ、もっと言えば売上げの単価アップですよね、これはね、ができないと、これはなかなかうまくいかないと思うんですね。だから、働き方改革をやるためにも、日銀や財務大臣始め、こういった皆さん方も、要は、ビジネスモデルとしての単価アップをやっていかないと日本経済全体に良くないんだということを発信してもらわなきゃいけないと思うんですが、いかがでしょう。お二人にちょっと聞きたいです。
○国務大臣(麻生太郎君) 生産性が上がらないと、これはやっぱり給料を払う側の経営者の場合もその生産性が上がらぬと給料も払えぬということになりますので、ここのところは、給料が上がれば生産性が上がるというものでもありませんので、そこらのところは、生産性を上げることによってということで、働き方改革で、八時間を十時間でやっていたところを八時間でやって今までのものができ上がれば、その分だけいわゆる超過勤務手当を払わなくて済むじゃないかというので、イコール労働強化になるかと思うという話をうまくやらないと、これは組合とはもめますよ。
 組合と団体交渉をやった経験のない人がいっぱいしゃべっていますからね、世の中。団体交渉の経験がない人というのは本当に面白いことを言うんですけれども、ピントがずれている発言をいつも多いなと思って聞いているんですけれども。ああいう話をしていられる方々というのは、時間外減った分だけ超勤手当が、実質収入が減るんだというところがよく分かっておられないとああいう話になるんだと思うんですね。
 ですから、是非そういった意味では、私どもとしては、あの種の話をされるときには生産性と連携してやらないといかぬのであって、私どもとしては、今総裁の話がありましたように、これは製造業よりむしろ非製造業の方にその余地が十分にある、かなりそっちをよほど効率を上げられる面が高いんじゃないかなという感じはしております。
○参考人(黒田東彦君) 御指摘のように、生産性が上がっていかなければ実質賃金も上がらない。ただ、その下で名目賃金が上がるためにはやはり物価も上がっていくという状況でないと、なかなかそうならない。ただ、一九九八年から二〇一三年まで十五年間デフレが続きましたので、そのデフレマインドというのは企業だけでなくて家計にもまだ残っていまして、これを変えていただいて、賃金も十分上がっていくし、物価も二%程度上がっていくというのが経済全体の好循環の下で一番重要だということを理解していただく必要があるというふうに思っております。
 そういう意味で、物の価格が付加価値に応じて上がっていく、それは労働生産性が上がって実質賃金が上がるというだけでなくて、その上に、物価が二%程度上がって、それを上乗せした形で名目賃金が十分に上がっていくと。政府は三%ということを言っておられましたけれども、労働生産性が一%ぐらい上昇しておりますので、物価が二%上がっていくという状況の下では賃金が三%上がっていく、あるいはそれ以上に上がっていかなければならないと。さもなければ労働分配率がどんどん下がってしまうわけですので、そういう意味では、御指摘のとおり、企業も家計も、賃金が上がる下で緩やかに物価が二%に向けて上がっていくということが望ましいということを御理解していただくように我々も努力したいと思います。
○西田昌司君 是非、財務大臣や日銀の方からもそういうメッセージどんどん出していただきたいと思います。
 さて、最後に、仮想通貨問題。ちょっと時間ないので、こちらの一方的なことになるかもしれませんが。
 私の一番ちょっと疑問に思うのは、これ通貨なんだろうかと、そもそもですね。通貨というのは、要するにこれで税金払いますというのが通貨ですよ、はっきり言いましてね。ところが、これはそんなことは当然できない。買物はできるかもしれないけれども税金は納められないんですから、これは通貨じゃないんですね。
 しかし、仮想ということを付けることによって、あたかも通貨のようなものだと、支払手段にも使えますということを言っているんですけれども、実態は投資、投機の目的になっていますよね。そして、普通の法定通貨よりも利便性が高いんだというんだけど、今フィンテックというのが様々な技術で利便性が高まっていますから、そういう意味でいうと、仮想通貨なんてものはほとんど必要ないんですよ。だから、必要があるのは何かというと、要するに投機の場が与えられたということですね。
 この前のコインチェックですか、五百兆円近いお金が紛失したと、あっ、五百億円。そして、その五百億円をまた弁償するというんですが、これ、一体どうやってこれだけのお金があるかというと、ちょっと聞きますと、とにかく毎月のこの仮想通貨のNEMですか、これの取引額というのは物すごく増えていって、近々では四兆円を超えるぐらいになっているんですか、もう、毎月ですね。だから、その交換手数料というか、それで毎月何十億か何百億か知りませんけど、お金がたまってくるんですよね。
 これはすごい商売ですよね。すごい商売ですよ、これは。要するに、それだけでそれだけの利益が入ってくる。しかし、これが一体誰のためになっているのかというと、ためになるのは何もなくて、要するに新しいカジノをつくったみたいなものですよ、これは。今IRの話を党内で検討していますけれども、つくらなくてももう立派なものがあるんですよ。しかも、そんなIRのような規模の小ささ違いますよ、もっと大きいですよ、こちらの方が。
 ということを考えると、私は、はっきり言いまして、これは金融とか金融派生商品のようなものじゃなくて、まさにばくち場もう一つつくったみたいなものだと思っていますから、これは我々のこういう金融のようなもので取り扱うものじゃなくて、やっぱり国際的にもこういうものはもうなくしてしまうと、やるんだったらカジノの中に一部入れてやってくれというような、それぐらいの認識でいくべきだと思うんですね。
 時間がないんですが、一分だけ残っていますので、麻生大臣に認識聞きたいのと、それから、公共事業の例えされるんだったら、港湾だけじゃなくて、是非新幹線も有益だということを言っていただきたい。
○国務大臣(麻生太郎君) これはバーチャルカレンシーという言葉が使われていますものですからどうしても通貨となるんですけれども、これはバーチャルアセットであってバーチャルカレンシーじゃないんじゃないかというのはこれはもう国際的にもあるんですけれども、一応バーチャルカレンシーという言葉が世界的に通用していますので、直訳した和訳は仮想通貨ということになるんですけど、これをクリプト、クリプトというのは暗号、暗号通貨というのでクリプトカレンシーという言葉を使われたりするのも最近出てきていますが。御存じのように、これの一番のみそはいわゆるブロックチェーンという技術の話でして、これがハッシュ関数という、暗号解読の使うこのハッシュ関数を使っているんですけど、これが今一番のみそになります。
 これをうまく使っているのが、最もうまく使っているのは多分日本なので、私どもとしては、このブロックチェーンという技術を仮に日本が完全に物にするとえらいことになりますから、これはちょっと正直、バツといって一斉に全部潰しちゃうというのは、そのブロックチェーンのそれが、丸ごと潰しちゃうのもちょっともったいないしというので、今私どもとしてはこれを、何というかな、参加している人たちが被害に遭わないようにいろいろ注意喚起をしながら、これはお金じゃないですからねと、これ通貨じゃありませんよという話をやたら言いながら、これは投機みたいなものですよというのをいろいろな形で、交換業者等々にはちゃんとそういうことを言うようにということを指導はしておりますけれども、一方的にばしゃっと潰してもこれなかなかそうもいかぬしというところで、ちょっと今じわじわしながらやっておりますし。
 これ、今回のG20の、ブエノスアイレスで開かれますG20の中でこれが非常に大きな話題に上がってくることも確かだと思っておりますので、議題の中の、日本が一番これ進んでいますから日本に話を聞いてくるんだと思いますが、そこらのところを含めまして、ここらのところの対応というのは今後いろいろ更に検討させていかなければならぬところだと思っております。
○西田昌司君 新幹線はどうでしたでしょうか。
○委員長(長谷川岳君) 時間ですので。よろしいでしょうか。
○西田昌司君 はい。
 ありがとうございます。終わります。
○委員長(長谷川岳君) この際、申し上げます。
 現時点におきましても民進党・新緑風会所属委員の出席が得られておりませんので、再度出席を要請いたしたいと存じます。しばらくお待ちください。
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(長谷川岳君) 速記を起こしてください。
 民進党・新緑風会所属委員に対して出席を要請いたしましたが、出席を得ることができませんでしたので、やむを得ず質疑を続けたいと存じます。
○宮崎勝君 公明党の宮崎勝です。
 今回の決裁文書の書換え問題についてお伺いしたいと思っております。
 まず、この問題についてでございますけれども、まさに行政に対する信頼を失墜させただけでなく、国権の最高機関である国会を軽視するということで、断じて許されるものではありません。
 さらに、現在、税制関連の法案が審議されておりますけれども、税をつかさどる財務省からこのような問題が起きたということは、税に対する国民の信頼を揺るがすということでもあるかと思っております。国民の皆さんは、額に汗をして、生活を切り詰めてでも国を信じて税を納めていただいているわけでございます。まさに血税ということであり、それを預かる財務省については、自ら身を厳しく律していただきたいというふうにお願いをしたいと思います。
 麻生大臣、冒頭から御発言ございましたけれども、真相究明と再発防止に是非リーダーシップを発揮していただきたいということをまずお願いをさせていただきたいと思っております。
 その上で、今回の書換え問題についてでございますが、基本的なことも含めまして質問をさせていただきたいと思います。
 まず、なぜ決裁文書の削除や書換えが行われたのか、何を目的に行われたのかということでございますけれども、まず理財局長にお尋ねしたいのですが、財務省はこれまで森友学園への国有地売却等について法令に基づいて適正に対応してきたということを繰り返し答弁をされておりますけれども、それに間違いはないかどうか、改めて確認をさせていただきたいと思います。
○政府参考人(太田充君) お答えを申し上げます。
 まず冒頭に、委員からの御指摘は委員のおっしゃるとおりでございます。誠に申し訳ございません。本当に申し訳ございませんでした。
 その上でお答えを申し上げますが、会計検査院からも御指摘をいただいていますけれども、慎重な調査検討を欠いていたという御指摘でございます。これもさきの特別国会でも御答弁があったんですが、会計検査院からも不当事項として決算検査報告に掲記することは難しいと考えているという答弁がございました。不当事項というのは、検査の結果、法律、政令若しくは予算に違反し又は不当と検査院が認めた事項であるという整理でございます。
 そういう意味から、法令違反というものはなく、そういう意味で、我々として御答弁を申し上げていること、間違いが、そういう意味での間違いがあったということではないというふうに思ってございます。
○宮崎勝君 手続が適正に行われていたということであるならば、何で決裁文書の削除や書換えが必要になったのかということでございます。
 書換え前後の文書を見させていただいても、主文についてはそれほど変わっていないということでございますけれども、改めて、なぜこういう書換えを行う必要があったのか、それについてはどのような御認識をお持ちなのか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(太田充君) 書換えが行われた経緯、目的ということについては最終的に更なる調査結果を踏まえる必要があるというふうに整理をしてございますが、整理が付いていると思っていることで申し上げますと、これは昨年二月下旬から四月にかけて本省理財局において行われたというふうに考えてございます。
 それで、今ほど委員の御指摘のあったなぜということでございますけれども、書き換えられた文言を見る限り、それまでの国会の答弁が誤解を受けることのならないようにということにするために行われたというふうに私どもとしては考えてございます。
○宮崎勝君 局長は、昨日の参議院予算委員会におきまして、我が党議員の質問に対して、今回の書換えについては佐川局長の関与が大きかったということを答弁をされてございます。
 また、麻生大臣は、記者会見でございますけれども、佐川局長の答弁に合わせて書き換えたのは事実だということで述べていらっしゃいますけれども、この書換えは、佐川局長の国会答弁との整合性を取るためだけであったのか、そのほかの理由はなかったのか、この辺についてはどのような御認識をお持ちであるか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(太田充君) お答えを申し上げます。
 今ほど申し上げましたように、書換えの経緯、目的、更なる調査ということは必要でございますが、我々としてこれまで調べた限りにおいては、基本的に、昨日も御答弁申し上げ、今ほど委員の質問にも御答弁を申し上げた、そういう目的だというふうなことでしか考えられない、基本的にそういうことだというふうに私どもとしてはそういう認識をしてございます。それ以外の何らかの目的あるいはそれ以外のことということではないというふうに私どもとしては考えてございます。
○宮崎勝君 それ以外の理由は考えられないということでございます。
 じゃ、これを誰が指示したのかということでございますが、麻生財務大臣は財務省理財局の指示で書換えが行われたということはこれまでも述べていらっしゃいます。また、昨日の参議院の予算委員会で大臣は、不当な圧力はなかったということも御答弁されているということでございますが、改めてですけれども、財務省上層部とかあるいは省外から指示や働きかけがなかったのかどうか、それはなかったと断言できるのかどうか、その理由も含めてちょっと御答弁いただければと思っております。
○政府参考人(太田充君) 今ほどの御質問は、外部からあるいは省内の上層部からの指示なりがなかったかどうか、あるいはそれがそうであるとするとその理由を述べよという御下問だったと思います。
 私どもの調べられる限りで調べた結果ということでございますが、もちろん捜査機関がお調べになられれば捜査機関の方が、我々もある意味での、何というか、権限というか手段を持っておられますので、そこまでということではないんですが、我々なりに調べられる限り調べたところで申し上げておるわけですが、外部からの働きかけ云々といったこと、あるいは、本省の中で上層部、それは大臣、一番上は大臣ということで、大臣からの御指示なりあるいは大臣に御相談したりなり、そういうことはないというふうに思ってございます。
 それはどうしてそういうふうに考えているかということでございますが、基本的に、私どもとして省内、特にそれに関与した者を中心にヒアリング、聴取も行いましたし、あるいは書類、書類といいますか、最終的に物そのものはああいう形でお示しができたわけですが、そのものも含めて確認をしましたので、基本の中心は職員に対する聞き取りということでございますが、今ほど申し上げた結論、聞き取って、あるいは裏というか確認をした上でそういうことだというふうに考えてございます。
○宮崎勝君 現時点までの調査ではこういうことが言えるということでございます。ただ、なかなか疑念はこれは晴れない部分もあるかなという気はいたします。
 その上で、事務方から大臣への報告があった、報告についてちょっとお伺いしたいと思っておるんですが、麻生大臣が書換えの事実を知ったのは三月十一日の日だったということはこれまでも述べていらっしゃいます。
 これまでにも例えば、これは報道ベースの話かもしれませんが、大阪地検が今月二日に朝日新聞が今回の問題を報じる前から書換えの事実を把握していて、それを財務省の本省にもそのことが伝わっていたという、これは報道がございました。
 また一方、石井国土交通大臣が記者会見で、国交省が今月の五日に書換え前の文書を財務省に渡していたということを明らかにしてございます。
 こんな重大な問題が大臣のところに届くまで、十一日、約一週間掛かっているということはちょっと考えられないんですが、もっとなぜ速やかに報告されなかったのか、そこをちょっと確認をさせてもらいたいと思います。
○政府参考人(太田充君) お答えを申し上げます。
 今ほど委員の、大臣への報告が遅れた前の事実関係、二つのお話がございました。
 一つは、大阪地検から財務省の方にそういうことがあった云々という話ですが、それは、捜査の話ではございますけれども、我々としてはそんなことは承知はしておりません。それは、大阪地検に聴取をされた職員がその過程においてどういうことがあったか、我々はそういうことは分かりませんので、それはそういう職員についていろんなことはあるかもしれませんが、少なくとも、財務省としてそういうことを承るなど、それは大阪地検の方がそういうことを教えてくれるはずもないので、そういうことは全くありません。
 それから、三月五日の日に国土交通省からそういう御連絡があったということについては、昨日の予算委員会でも、本席にいらっしゃる委員からも厳しく御指摘を頂戴いたしました。
 私として、今の委員の御指摘は、私、理財局長が大臣にそのことを報告をしなかったことについて御指摘をいただいているというふうに承知をしております。そのこと自体は私としても真摯に受け止めさせていただきたいというふうに思ってございます。
 ただ、今回のお話は、三月二日に朝日新聞の報道があって、それを受けてその日の国会でも厳しい御指摘があって、その中で調査をするというふうに私どもとしても申し上げました。それまでは、やはり基本的に捜査中でございますし、我々は捜査を受ける立場ですから、そういうことだったんですが、国会からの御指摘、国政調査権を背景とした国会からの御指摘ということでございましたので、その三月二日以降調査をするということで調査を始めました。関係する、あるいはその他も含めて職員から聞き取る、あるいは事実関係を確認する、物を確認する。その中の一つとして、三月五日に国土交通省からそういう情報をいただきました。それは大変貴重な情報ではあります。ではありますが、一つの情報といえば一つの情報であります。
 そういう中で、我々として、必死になって職員からの確認もし、物の確認もして、そういう努力をした上で、努力をした上で、そういう努力をしなければ捜査を受けている身として地検にお願いもできないので、できるだけのことをやった上で、それで地検にお願いをして、その状態で地検が、まあ努力をしていたと評価していただけたのかどうかは分かりませんが、九日の金曜日にお願いをして、その日に地検まで行って、大阪地検まで行ってコピーを取らせていただけるということになり、それをもらって帰ってきたのが、大阪でございますので、東京の本省に着いたのは日付変更線が越えて十日の土曜日になり、そのいただいたものを踏まえて我々として最終的に確認を、確認というか、最後に本当に確認状態という、確認と言えないほどに物すごくいろんな確認をして、その上で、十日の日には整理ができましたので、翌十一日に大臣に御報告をさせていただけた。
 スピードが遅い、もっと早くできないかということをもう重々承知しておりますが、我々としてはぎりぎりその日に大臣に御報告させていただけたということだと考えてございます。
○宮崎勝君 ありがとうございます。
 確認には時間が掛かったということでございます。ただ、やっぱり、こうした重大な問題でございますから、事務方から大臣への報告を上げるのが遅いんじゃないかということはやっぱり言わざるを得ないと思っております。
 この問題は、もっとほかの問題でいざというときにやっぱりそういういろんな問題がすぐにトップに上がらないというのは、やっぱりちょっと普通の考えからするとちょっと解せないというのは正直なところでございます。
 さらに、今回の書換え問題も、仮に今までの調査の、大臣の御答弁も含めて、理財局の判断だけで行っていたとすれば、逆に今度は財務省内のガバナンスの問題が問われるというふうに思っております。
 そういったことも含めまして、こうした問題も含めて、財務省の立て直しというか体制の立て直しということが求められておりますし、その意味でも、速やかに全容を解明して、二度とこうした問題が起きないような体制を整えるべきだというふうに考えております。
 それについて、麻生大臣の御認識を最後に伺いたいと思っております。
○国務大臣(麻生太郎君) 行政の在り方として、これはもう、宮崎先生、少なくとも、決裁が押されたいわゆる公文書というものを都合に合わせて書き換えるというのは、これは基本的には考えられない話なんであって、私どもとしてはゆゆしき事態なんだと、そう思っておりますので。そういったようなことが簡単にできるというとこれは問題じゃないかと、先ほど西田先生からの御指摘もあったとおりです。これは、普通、そういう事態が起きたから合わせて後から書き換えちゃおうというような簡単なことができるということになるとするなら、ちょっとこの決裁という意味が全く意味が成さぬことになりますので、そういった意味では、私どもとしてはこれはゆゆしき事態なんだと。
 私は、そういうのが、一部のところだけでやればそこがきちんとせないかぬところでしょうけど、全体的にそうなっておるかのごとき印象を与えたというところが更に問題なんだと、私はそう思っておりますので、そういう意味では、今御指摘のありましたように、こういったことというのはきちんとした対応をしておかないと後々、行政文書に関する信用を失墜しておりますので、そういった意味ではきちんとした対応をさせていただきたいと思っております。
○宮崎勝君 時間が参りましたので、私、同僚に替わりたいと思います。
○里見隆治君 公明党の里見隆治でございます。
 本日は、所信質疑ということで質問するべきことは幅広くございますが、現在の財務省の状況を前にして、引き続き決裁文書の書換えについて質問させていただきます。
 各論に入ります前に、まず冒頭、財務省に申し上げておきたいのは、今回明らかになった財務省の決裁文書の書換え、これは行政の信頼を損なう、あってはならない行為でございます。また、国会に報告するべきことを明らかにしてこなかった、あるいは事実と異なる説明をしてきたということは、国会を軽視する断じて許されない行為でございます。国民の皆様も大変怒っておられます。今後、麻生大臣を始め財務省には、捜査中であるということを隠れみのにせず、真摯に国民の皆様に、また国会に対して説明責任を果たしていただきたい、そのことを強く申し上げたいと思います。
 その上で、各論に移りますが、これまで財務省から報告があった件で疑問に思う点につき、確認をさせていただきます。
 まず、太田理財局長にお伺いをいたします。
 書換えがあった十四件の決裁文書、このうち本省理財局が起案をし、本省で保管をしていたものがあるかどうか、端的にお答えください。
○政府参考人(太田充君) お答えを申し上げます。
 その前に、委員冒頭おっしゃられたことは、おっしゃられたとおりでございます。大変申し訳ありませんでした。それから、その上で、今後、委員の御指摘のあったような対応をさせていただけるように最大限やらせていただきたいというふうに思います。
 その上で、お答えを申し上げます。
 今回お出しをさせていただいたものは十四の決裁文書でございますが、そのうちの一つは本省決裁でございますので、本省のものということで、本省で確認なりなんなりをさせていただけるものでございます。
○里見隆治君 本日の午前中の予算委員会でもその点、理財局長が少し触れられて、すぐにほかの話題に移りましたのですが、私、ここは注意深く見る必要があると考えております。
 中央省庁では、近年、決裁の電子化が進んでおりまして、その文書は電子決裁システムによって決裁をされていると思いますが、その点、確認をしておきたいと思います。
 その上で、電子決裁で、決裁終了後、記録が残る形で書換えがなされるということがあり得るのか、電子決裁で書換えが行われるというのはどういうことか、この電子決裁という点において今おっしゃった一件と関連してお話をいただければ、御説明をいただければと思います。
○政府参考人(太田充君) お答えを申し上げます。
 今ほど委員からお話ございましたが、先ほど申し上げましたように、十四の決裁のうち一つだけ、それは平成二十七年四月三十日付けの特例承認と言っているものですが、これは本省決裁でございます。
 委員からお話がありましたとおり、昨今、これは、本省の方は判こをつくという形ではなくて、電子決裁という形になってございます。
 それで、書換え前の決裁文書が、この電子決裁というのは、通常のといいますか、個人のものは個人ファイルみたいなことを言っていまして、そうじゃないものは共有ファイルというふうに俗に、俗にといいますか、言っておりますが、この電子決裁は特別の、通常の通常ファイルという世界ではなくて、一元的な文書管理システムというシステムの中でこれはなされております。この一元的な文書管理システムについては、書換えを行うと、その更新履歴だけではなくて、書換え後のものだけではなくて、言い換えれば、上書き保存されるような形ではなくて、書換え前のものも併せて保存をされており、更新履歴をたどるとそのことが確認できるという状況になってございます。
 なってございますと今御説明を申し上げておりますが、正直に申し上げると、今回の調査の過程でそのことを知って、そういうことが分かって御説明が申し上げられているわけですが、そういう形の、このシステムはある意味での特別なきちんとした形のシステムになっておるものですから、それで分かったのでございますが、書換え前のものもそのシステムの中で残されている形になっていて、上書き保存というような形でなくて、前のものも残っているという形になっていて、それで確認ができているということでございます。
○里見隆治君 これ大変大事なポイントだと思うんですね。これ、書換え前と書換え後、これが並列をしてシステム上に残っていたと。これは、一人の、個人のパソコンにデータ保存されていたということではなくて、しかも共有ファイルということですから、これは複数の関係する職員、決裁をした職員が共通で見れたということだと思います。それが今回の調査で初めて明らかになったというのは、これは到底信じ難い状況でございます。
 ほかの、紙の文書は前の分は破棄をしましたと、新しいものを付け替えましたと、それは物理的にはそうかもしれないなと思いますが、今の御説明ですと、何とシステム上に残っていた、しかもそれは共有ファイルだったということであります。
 そういった意味で、複数の職員がアクセスできる、知り得る職員が複数いたということだと思いますが、この点、もう一度確認をさせてください。
○政府参考人(太田充君) 申し訳ありません、俗な意味での普通の共有ファイルではなくて一元的な文書管理システムだというふうに申し上げました。
 今ほど委員の御指摘の中で、他の職員もみんな見れるような形になっていてというお話がございましたが、そうかもしれませんけど、ちょっとこれは私も今承知をしておらないので、確認をさせていただけないと明確にちょっとお答えがいたしかねるので、大変申し訳ありません、そこはちょっと確認をさせてください。申し訳ありません。
○里見隆治君 是非確認をして、この点は委員長にもお取り計らいをお願いいたします。
○委員長(長谷川岳君) 後刻理事会において協議をいたします。
○里見隆治君 よろしくお願いいたします。
 次に、財務省から十二日に報告をされた一連の書換えについて、これも大変な驚きをもって受け止めましたけれども、さらに、翌十三日、一昨日になりますが、平成二十七年六月にメモが削除をされていたということが確認されたとの報告がございました。なぜこうも後から後から原本と異なる文書が出てくるのかと、考えられないことでございます。
 平成二十七年というと今から三年前、こうした書換えが、この昨年の二月下旬から四月ということではなく、もう三年前から常態として行われていたのではないかと指摘をされても致し方がないのではないかと思います。この点、経緯を御説明いただけますか。
○政府参考人(太田充君) そのときに、三月の十二日ではなくて、その翌日に気が付いて、そういうことをしてしまいました。こういうことが起きれば、委員のおっしゃるとおり、後から後からだということになりますし、まさに常態としてやられていたんじゃないかという御指摘を受けるのは、それはそういうふうになってしまうということはもう重々分かっておりますが、重々承知の上で、結果としてこういうことになってしまっているのは本当に申し訳ないことであります。
 それで、基本的に、今回、その書換え前のものがあるのではないかということで、そのところを調べるということで必死になって調べて、結果的に三月の十二日にこういう報告ができたわけですが、今回のその翌日に御報告ができたものはその後の話ではございますが、といいますのは、調べておったのが二十九年の二月下旬から四月にかけてと時期をある意味で申し上げている、そのとき、その周辺のことということで調べておって、それは本省、財務省理財局においてというふうに申し上げておりました。
 今ほどのことは、二十七年の四月に作られた決裁文書を二十七年の六月に、約二か月後でございますが、決裁文書の、今回お出ししているものは決裁文書の表紙といいますかかがみといいますか、電子決裁でなく普通でいけば判こ、かつてでいけば判こを押しているようなものの後ろにある調書、それは事案の概要ですとか経緯ですとか、そういうことが書いてあるものですが、決裁文書はその後ろにいろんな資料を、参考資料といいますか、添付をしているんですが、その資料の一つ、一ページ、一枚を抜き取っておったということであり、これは近畿財務局においてそういうことをしておったというものでございますが、これがどうして気が付いたかということ、大変恥ずかしいことでございますが、本件、基本的に財務省と国土交通省とということで作業が、作業というか元々の事案の処理という意味ですけれども、行われておって、国土交通省にもある意味でいろんな文書があるものですから、国土交通省さんの方が三月十二日の我々の発表を受けて、国土交通省さんの方もいろんなことを、これから先の開示なり何なりを心配をされて、それで、こういう資料があるけれどもそれはどうだということで私どもに確認がありました。
 それまで二十九年の二月下旬から四月にかけてということをやっておったんですが、その国土交通省さんから改めて、その作業がある意味で、終わったということではないんですが、一段落というか一区切りが付いたので、国土交通省さんからそのお尋ねがあったものですから、来たのは十三日なんですが、その日に調べたところ一件そういうことが判明をして、それでこういう御報告に至ったということでございます。大変申し訳ありません。
○里見隆治君 私もいろいろと調べておりまして、今大事な点、ちょっと確認が今の御説明でできなかったので一点簡潔にお答えをいただきたいんですけれども、この欠落といいますか削除、抜き取ったこの資料が情報公開に対して開示をしたその資料の一部だったというふうに私は理解をしているんですけれども、イエスかノーかで教えてください。
○委員長(長谷川岳君) 太田理財局長、簡潔にお答えください。
○政府参考人(太田充君) はい。
 情報公開で開示したものです。
○里見隆治君 これ大変なことだと思います。要は、情報公開に対して提出をした資料が、本来出すべき資料を一枚抜き取って情報公開請求に対して資料を提出されたということであります。これは大変なことではないかと、皆さんもそういうふうに共有をいただけると思います。
 これ、国会に対してもあらゆる資料いろいろと出していただいておりますけれども、それも様々そごがあったと。私たち国会議員は国民の代表でございます。これはもちろんきちんとした文書を出していただきたいというのは当然でございますが、一般のお一人お一人の国民の皆様が国政のことを知りたいと情報公開請求をされると、そのことに対して、本来あるべき資料ではない、紙を抜き取って出したと、これは大変なことだと思います。御認識いかがですか。
○政府参考人(太田充君) 今の委員の御指摘の点は委員の御指摘のとおりであり、情報公開請求あるいは国会に対して真正のものが提出していない、あるいは公開されていないということは大変なことであり、あってはならないことであり、誠に申し訳ないことであるという、そのことはそのとおりだと思っております。
○里見隆治君 この点は引き続き追及をしていきたいと思います。
 次の質問に移ります。
 昨日の予算委員会において、私の同僚、先輩議員の矢倉克夫委員から太田局長に対して、書換えは理財局の一部とのことだが、佐川局長の関与の度合いはという質問に対して、太田局長から次のとおり答弁がありました。当時の理財局の最高責任者、トップは佐川局長でございますし、国会で答弁を主としてやっていたのも、これも当然、佐川局長でございますので、佐川局長の関与といいますか度合いといいますか、そういうものは大きかったのではないかというふうに私どもとしては思ってございますと。これは大変大事な答弁だと思います。
 しかし、佐川前局長は既に財務省にはいらっしゃらないわけでございます。九日に既に辞任をされていると。国税庁長官ともなれば内閣の承認人事でしょうから、当日御本人の申出があったということですが、その日付で大変スピーディーな承認となったということだと思います。
 麻生大臣にお伺いをしたいと思いますが、私は、佐川前国税庁長官が九日付けで辞任をされていたというのは時期尚早だったのではないかと。例えば、追加処分、今後あるかもしれないということですが、そうすると退職金ももしかすると減額されるかもしれない、そうすると返済してもらえる保証があるのかとか、あるいは今後の調査、今後、必要なときにすぐ連絡が付く状態にあるのかとか、こうしたことを考えますと、長官の辞職、これがこの九日時点という、まだ様々調査中の段階で本当に適切であったと言えるのか、この点、麻生大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 佐川前長官につきましては、これは先週の金曜日、三月の九日に退職したいという申出があっておりました。本人がそうした意向を示しております以上、国税庁長官という、今、現職におりますので、そういった重責を担わせるわけにはいかぬと、そう判断をさせていただいた次第です。その上で、佐川前長官からも申出があったとおりでありまして、少なくとも国有財産行政に関する信頼を損なったと言わざるを得ないということは確かだと思いますので、そうなりますと処分なしという形での退職を認めるわけにもいかぬと、そう考えまして、減俸二〇%、三か月の懲戒処分を実施させた上で退職をさせたものであります。
 また、今御指摘のありましたように、前長官を退職させるに当たりましては、私の方から前長官に対しては、これは今捜査の当局による捜査や財務省が行っている調査が今継続をしておりますので、そういったものに真摯に協力をしてもらう、また捜査や調査の結果次第では更に重い懲戒処分に相当するという判断をされる可能性も十分にあろうと思いますので、仮にそうなった場合は退職後でも私の指示に従ってもらう、そういうことを申し渡して、佐川前長官もこれを了承をいたしておりますので、必要があれば適切に対応し切れると、してまいると考えております。
○委員長(長谷川岳君) 里見君、時間が過ぎております。
○里見隆治君 もう端的に終わりますけれども、例えばこういうケースで、他の例でも、国税庁長官の職は離れても例えば官房付にするとか、そういったいろんな方法はあろうかと思います。そうしたことも念頭に置かれてのことだとは思いますけれども、今必要に応じて様々に調査に協力をさせるということでございます。今後国会でも様々議論があろうかと思いますが、必要に応じての対応、よろしくお願いいたします。
 以上で終わります。
○委員長(長谷川岳君) この際、申し上げます。
 現時点におきましても日本共産党所属委員の出席が得られておりませんので、再度出席を要請いたしたいと存じます。しばらくお待ちください。
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(長谷川岳君) 速記を起こしてください。
 日本共産党所属委員に対し出席を要請いたしましたが、出席を得ることができませんでしたので、やむを得ず質疑を続けたいと存じます。
○藤巻健史君 日本維新の会の藤巻です。よろしくお願いいたします。
 先日、この財政金融委員会で函館、青森に現地視察に行ったわけですけれども、多くの地域金融機関の経営者の方々が非常に今マイナス金利政策で経営が苦しいということをおっしゃっていたんですが、これについて金融庁としてはどうお考えなのか、お知らせいただければと思います。大臣、お願いします。
○国務大臣(麻生太郎君) 地域金融機関の経営環境ということなんだと思いますが、少なくとも人口減少等々、今東北に行かれたという話でしたけど、何も東北に限らぬので、九州でいえば長崎等々、いろいろ地域によって差があろうとは思いますけれども、人口減少等々の構造的な原因というものもあろうと思いますし、またマイナス金利等々で低金利の環境が継続しております。
 そういったところから、私どもから見て今直ちに足下の地域金融機関の健全性が危ないとか問題があるとかいうことはないと思っておりますが、こういったものは、今人口減少の傾向というのは持続していく傾向がありますので、地域の金融機関の持続可能性、地域金融機関が持っている機関としての持続可能性というものを私どもとしては十分に課題として考えておかないかぬと思っております。
 したがいまして、地域の金融機関に対しましては、必要に応じて検査等々も活用させていただきながら、いろいろ対話をさせていただいて、課題を解決というものに向けた自主的な対応をしてもらうように考えにゃいかぬところであって、こうしろ、ああしろというような話を直ちにというような状況にはないと思っております。
○藤巻健史君 私思うに、やっぱりこれはビジネスモデルの問題ではなくて、やっぱり経営環境の話だと思うんですね。
 マイナス金利政策というふうに経営者の方々がおっしゃっていましたけれども、これはマイナス金利政策というわけではなくて、長短金利差がなくなってきている、縮小している。大体金融機関というのは、長期運用、短期調達ですね。当座預金とか普通預金で調達して長期に貸すということで、長短金利差がなくなっていれば明らかに苦しくなるわけですね。異次元の量的緩和、質的・量的緩和、質的というのは長期債を買うということで、長期国債をたくさん買いまくった。したがって、値段が上がった、長期金利は下がったということで、極めてイールドカーブがフラットになってしまったと、これが地域金融機関の大問題ではないかと思うわけですね。
 私がちょっと学んだことによると、一九七〇年代、当時言われていたことでは、SアンドL問題のときにアメリカではイールドカーブを立てることによって再建をしたと、こういうふうにビジネススクールで習ったんですけれども、まさに、ここまで地域金融機関が危なくなってくれば、イールドカーブを立てないとなかなか厳しい状況が続くのかなと、こう思ってしまうわけですね。
 ですから、本来であれば、金融大臣としては、やはりイールドカーブが立たないと難しいよという話になると思うんですが、一方、長期金利が上がってしまうと今度は国がおかしくなって国の財政がきつくなる、こんな莫大なる借金を負っておりますから長期金利が上がると国の方が難しい、だから財務大臣としては長期金利が上がっては困るよという、股裂き状態のような状況になると思うんですが、そこの妥協点をどうやって見付けるかということは極めて難しいのかなと私は思うんですが、これについてはどうお考えでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 長期金利が上がりますと、日本の政府としていわゆる立場としては、抱えております国債の金利、支払金利が増加するということによって私どもとしてはマイナスの影響を与える、もうはっきりしております。
 他方、地域の金融機関においては、いわゆるイールドカーブがずっと寝せてあるという形になっておりますので、私どもとしては、その部分に関しては、地域においていろいろ金融機関によって差がありますよ、これ信用金庫、信用組合等々において内容のすごくいいところもありますから、そういった意味では、地域によって、銀行によって差があることも確かだと思いますが、いずれにしても、そういったものを私どもとしてはある程度十分に、何というのかな、それとの対応は個別によって違いますし、地域によってもかなり差がありますので、そういったものを見極めながら運営をしていかねばならぬところだと思っております。
○藤巻健史君 確かに、地域金融機関にとってみると、長期の方の金利が上がっていかなくちゃいけないとは思うんですが、やはりかなりの日本国債を抱えているとなると、急激に上がるとこれまた評価損が大きくなって大変だと思うんですよね。評価損というか、特に、この前、去年の六月十三日の財金で金融庁に聞いたところ、九月末時点で債券の保有比率というのが、売買目的用の証券が九六%、それから満期保有、すなわち簿価会計をしている債券が四%ということで、ほとんどが時価評価の債券だと、これ、たしか遠藤局長だったかな、にお聞きしたんですけれども。そうなると、やっぱり、時価会計やっているのが九六%もあると、急速に金利が上がってくるとかなり評価損というか、評価損じゃないですね、もう実現損が出てきちゃうことになるわけで、これも大変なことになるかと思うんですけど、その辺の御認識はどうでしょうか。
○政府参考人(遠藤俊英君) お答え申し上げます。
 まず、委員御指摘の債券の保有状況でございますけれども、確かに昨年の六月に議論させていただきまして、それから一年たちました。二〇一六年の九月末の数字を申し上げましたけれども、それから一年たった二〇一七年の九月末の数字も、これは全くこの保有状況は変わっておりません。九六・四%が売買目的、その他目的の時価評価の対象になっております。それ以外の簿価計上というのが三・六%ということで、割合としては変わっておりません。
 こういった時価評価で持っている債券、これは国内債もありますし外債もありますけれども、金利上昇に直面して、その価格下落というものが個別の地域銀行にどういう影響を与えていくのかということについて我々はきちっと見ていかなきゃいけないわけでございます。
 今、大臣が答弁申し上げましたように、個々の銀行においては様々な状況がございます。自己資本比率でありますとか有価証券全体の含み損益というのがございますので、その個々の銀行においてきちっと見ていかなければなりませんけれども、地域銀行全般にわたる影響に関しては一概に論ずることもできませんし、今、地域銀行全体としてはこの金利リスクというのは抑制された状態になっております。健全性というのは確保されているというふうに思っております。
 幾つかの具体的な数字を申しますと、二〇一六年九月末時と二〇一七年六月末時との状況を比較しますと、地域銀行における、これ外債でございますけれども、というのは、地域銀行は国内債から外債にかなりシフトしておりますので、この外債の保有状況がどうなっているかということがやっぱりキーでございます。この地域銀行による外債の保有残高は十三・六兆円から十二・八兆円に落としてきております。それから、外債投資に係る金利リスク量は一・一兆円から一・〇兆円に落としてきております。地域銀行全体として、やはり我々よく見なければいけない外債の金利リスクというのは抑制された状態にあるというふうに見ております。
○藤巻健史君 この点をちょっと本当はもう少し深掘りしたいんですが、ちょっと時間がなくなっていますので次のことに行きたいと思いますが、財務省の公文書書換え問題、非常にゆゆしきことだと思うんですね。先ほど里見議員の方から電子決裁やっているという話がありました。ただ、ここまで書換え問題が大きくなって、そして西田議員からも、ほかの省庁でもやっているんではないかというような疑問も出されましたね。
 それと、あと商工中金の問題で、あれも改ざんがあったわけで、何か公の世界では、民間の世界だったらこんなこと絶対ないと、特に金融機関ではないと思うんですけど、公の世界ではかなり書換えがあるんじゃないかなという私は感想を持っちゃうんですけど。そうであるならば、もう電子決裁どころか、それこそブロックチェーン技術を導入する、まさに予算委員会で私どもの浅田政調会長が申し上げましたけれども。まさにブロックチェーン技術をこの機会にこそ導入してやってしまえば、書換えはこれできないわけですから。せっかく世界でトップに行っている技術を利用して、もうブロックチェーンを導入すべきではないかと。それこそ、そんな職員の研修なんかに金を使うよりは、ブロックチェーンを使って、もう改ざんのできない仕組みをつくってしまえばいいんじゃないかと。
 かつ、ブロックチェーンを使うとかなり行政のコスト削減になりますですね、登記所なんか要らなくなるかもしれないし。それから、例えば自動車だって、どこか中央官庁が、誰が何を持っているなんてコントロール必要ないし、同時に仮想通貨絡めれば自動車税もそのまま一緒に払える、要するに徴税機関も必要ないということで、コスト削減もべらぼうにできるんではないかなという印象を持つわけですけれども、この機会にブロックチェーン技術を一気に導入する意図はないかどうか、大臣、お聞かせください。
○国務大臣(麻生太郎君) これは委員御指摘のとおり、新しい技術というものはこれは取り入れながら、公文書の改ざんというものが、防止する方策を考える、これは重要な視点なんだとは思いますが。このブロックチェーンの技術がどうなっていくのかと、これは注意していく必要があろうと思いますので、何もこれは、いわゆる仮想通貨ね、仮想通貨という単語に引っかかるんですけど、まあ一応法律的にはそうなっていますので、バーチャルカレンシーというもの等々含めまして、今の段階でこれをというのを答えをすぐ持ち合わせているわけではありませんけれども、とにかく広く電子文書の決裁の在り方というものにつきましては、公文書の管理制度を所管する内閣府において今いろいろ検討が進められていると思いますので、これがどうなっていくのかよく見ながら考えていかねばならぬところだと思っております。
○藤巻健史君 電子決裁だと、システムを変えればやっぱり書換えができちゃうわけですよね。まさに上書き、記録が残るにしても書換えができちゃうと。ブロックチェーンシステムを使えば書換え自体ができない、ハッシュ関数を使えばですね。ということで、はるかに優れたシステムじゃないかなと私は思っています。
 それで関連してお聞きしたいんですけれども、一昨年の四月に経産省がブロックチェーンのレポートを出しまして、関係する市場が六十七兆円かな、ぐらいであるということで、非常に経産省はブロックチェーン技術に期待しているということがよく分かったんですけれども、経産省にお聞きしたいんですが、仮想通貨の将来についてはどう考えているのか、そして、仮想通貨市場の発展がブロックチェーンの技術向上にも寄与するのではないかと私は思うんですけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(木村聡君) お答え申し上げます。
 仮想通貨につきましては、新たな経済活動の拡大の可能性が見込まれております一方で、マネーロンダリングや消費者保護に関する議論もあるものと承知してございます。我が国におきましては、資金決済法の改正によりまして取扱業者が登録制とされますなど、国の監督下で仮想通貨を活用できる環境が整えられているものと認識してございます。
 御指摘のございましたブロックチェーン技術は、近年、サプライチェーン管理の効率化や商取引プロセスの全自動化等の広い分野での活用が期待されております。その一方で、元々仮想通貨でありますビットコインが発祥でありまして、決済、送金といった金融分野でも用いられておりますことから、仮想通貨の広がりを通じたブロックチェーン技術の向上も期待されているところでございます。
 仮想通貨につきましては、今後とも、金融庁を始めとする関係省庁とも連携しながら、新たな技術の利用拡大と利用者保護の両面からその動向を注視してまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○藤巻健史君 私の期待していたような回答があって非常にうれしく思うんですけれども。
 最後に、金融庁にではまたお聞きしたいんですが、今回のコインチェック社の問題も、これ、仮想通貨自身の問題じゃなくて交換業者の問題だったと思うわけですけれども、そういういろんな問題を踏まえつつ、麻生大臣自身が所信で、仮想通貨をめぐる諸問題も踏まえつつ、仮想通貨交換業者について利用者保護等の観点から適切に対応してまいりますとおっしゃられたわけです。
 健全な市場育成とか消費者保護の立場から、仮想通貨交換業者に対して金商法の適用を考えていらっしゃるのかどうか、金融庁にお聞きしたいと思います。
○政府参考人(池田唯一君) お答え申し上げます。
 昨年四月から資金決済法などによりまして仮想通貨交換業者に対しては登録制を導入させていただきまして、マネーロンダリング、テロ資金供与対策の観点から本人確認義務等の導入を行うとともに、利用者の信頼確保の観点から説明義務など一定の利用者保護の規定の整備を行わせていただいたところでございます。
 他方、仮想通貨は、有価証券とは異なりまして、必ずしも特段の権利を表象するものではないと、これを直ちに金融商品取引法上の有価証券と位置付けることについては慎重に考える必要があるということから、現状では金融商品取引法の規制対象とはしていないところでございます。
 そうした中で仮想通貨をめぐる今後の規制の在り方ということを考えていく必要があるという御指摘だと考えますが、その際には、御指摘のありましたように、イノベーションと利用者保護のバランスということに留意しながら、いかなる法制度の立て付けがいいかということも含め検討していくことが必要になるというふうに考えております。
 今般、金融庁では、仮想通貨交換業等に関する研究会というものを設置させていただくことを公表しております。この研究会におきまして、幅広い観点から御議論いただき、その結果を踏まえ、御指摘の点も踏まえ、適切に判断、対応をしてまいりたいというふうに考えております。
○委員長(長谷川岳君) 時間が来ております。
○藤巻健史君 終わります。ありがとうございました。
○委員長(長谷川岳君) この際、申し上げます。
 現時点におきましても立憲民主党及び希望の党所属委員の出席が得られておりませんので、再度出席を要請いたしたいと存じます。しばらくお待ちください。
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(長谷川岳君) 速記を起こしてください。
 立憲民主党及び希望の党所属委員に対し出席を要請いたしましたが、出席を得ることができませんでしたので、やむを得ず質疑を続けたいと存じます。
○藤末健三君 国民の声の藤末健三でございます。
 私は、所信演説にありました、金融監督庁から金融育成庁に変わっていくということでございまして、特にこれから成長が望まれるフィンテックについて御質問させていただきたいと思っております。
 先ほど藤巻委員からもお話がございましたけど、皆様のお手元に資料を配らさせていただきますが、今、ICO、イニシャル・コイン・オファリングというものがございます。これは、先ほどから議論がございますブロックチェーン技術を使いまして資金を集め、そして仮想通貨取引所で上場していこうというものでございまして、一と書いて、流れとございますが、どういうことかと申しますと、ある事業をプランニングして、それをホワイトペーパーという計画書にまとめ、公開します。これはオンラインで公開されます、ネット上に。そして、特定の対象者に対しましてデジタルトークン、仮想通貨建てで売り、そしてそれを販売し、それを上場して資金をまた集めるという仕組みでございまして、何があるかと申しますと、仮想通貨を使いますので、国際的にグローバルに資金を集めることができるというのが一つの特徴となっております。
 かつ、先ほど藤巻委員からもお話がございますが、金商法という法律の対象に今なっておりませんので、非常にお金を集めることがやりやすいという特徴がございます。実際に、二〇一六年には世界で百億円ぐらいのICOの調達金額だったものが、昨年は四千二百六十億円と四十倍増していると。恐らく、今年制度がきちんと整備されれば、まだまだ伸びるんではないかと言われております。
 ただ一方で、このICOでございますけれど、詐欺まがいのような事案も起きておりまして、韓国や中国ではもう禁止されているという状況でございます。ただ一方で、中国、韓国が禁止する中で今金融庁が制度をどんどんどんどん整備いただいておりますので、逆に海外のプレーヤーが日本の市場を、規制を非常に注視しているという状況であります。
 一方で、このICOについては、まだまだガイドライン、規制等ができておりませんが、一つございますのは、昨年改正しました資金決済法におきまして、仮想通貨交換事業者の団体を認めることができるということがございます。まだこの団体は認めておられませんけれど、今月頭に一つ仮想通貨交換事業者の団体ができるという動きがございます。ただ、一点ございますのは、その仮想通貨交換事業者がこのICOの規制のガイドラインを作ると言っております。
 私が申し上げたいのは、このICOの流れにありますように、仮想通貨取引所という機能は一番最後の部分でございまして、例えばこのホワイトペーパーが正しいかどうか、あとは、トークンと書きましたけれど、仮想通貨を含む概念、トークンというのがございますが、このトークンの設計がどうなるかと。
 仮想通貨取引所はICOの一部であるわけでございますけれど、この仮想通貨交換事業者、今十六事業者しかおりません。彼らがこのICOの規制を作ることについては私は反対でございまして、彼らを含み、会計士や弁護士、そしてICOを利用して資金を調達する者なども含みまして、またブロックチェーンの技術を持った人たちが集まり、自主規制を作るべきと思いますが、その点につきまして、金融庁の見解をお聞かせください。お願いします。
○政府参考人(佐々木清隆君) お答え申し上げます。
 ICOによる資金調達につきましては様々な形態がございまして、その仕組みによりましてはICOの実施が資金決済法上の仮想通貨交換業に該当するケースもあると認識しております。その場合には、仮想通貨交換業の適正化を図るため、自主規制団体がICOに係る自主規制規則を制定することもあり得るとは考えております。
 いずれにいたしましても、ICOによる資金調達には様々な形態がございまして、それに対応して、議員御指摘のとおり、仮想通貨交換業者のほか、ICOで発行されるトークンの発行体、トークンの購入者等、様々な関係者が関与することから、これらの関係者、関係省庁等とも連携をして検討することが重要であるというふうに考えております。
○藤末健三君 是非、議論を進めていただきたいと思います。
 後ろの表がございますけれど、ICOと他の資金調達手段の比較というのがございます。これは何かと申しますと、ICO、デジタルトークンをネットで販売して事業に対して資金を集める仕組みでございますが、この黄色いところにございますように、ICOで集めた資金は会計上売上げになってしまうというのがございます。何かと申しますと、実際にICOで資金を集めるときにはホワイトペーパー、企画しかない状況でございまして、実際のサービスがない状況と。そこで、トークンを発行して、トークンで資金を集めるわけでございますけれど、その集めたお金に、売上げとなりますと税金がそのまま掛かってしまうということがございます。したがいまして、まだ実際にサービス、収入がない状況でトークンを売り、物がない状況でトークンを売り、そしてお金を集めているという形になりますが、こうしますと、資金を集める非常に大きな障害になるんではないかと考えております。
 この仮想通貨の位置付けを、トークンの位置付けをどう見るかということを是非検討していただきたいと思いますが、そのときに是非、経済産業省も来ていただいておりますけれど、ICOをどう経済産業省は見るかということもお答えいただきたいと思いますし、あと、金融庁におかれましては是非とも、先ほどのICOの自主ガイドラインの話ではございませんけれど、税務がどうなるかという話、あと、企業会計上トークンをどう計算するかというのは非常に大きな論点でございますので、経産省、金融庁、そして財務省なども入れて議論していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(池田唯一君) お答え申し上げます。
 昨年施行されました資金決済法におきましては、仮想通貨が決済手段としての機能を事実として有するということに着眼をしまして、仮想通貨交換業に関します規定の整備等を行わせていただいたところでございます。
 その後、議員御指摘のように、ICOなど仮想通貨に係ります新しい取引が登場し、拡大してきているという状況にあると考えております。そうした中では、仮想通貨が決済手段としての機能ということだけではなく、資金調達手段としての機能、そうしたものも含めて有するケースがあるということだろうと考えております。
 そうした中で、ICOなどをめぐります法規制の在り方を考えるに当たりましては、仮想通貨がこのように多面的な性質を有し得るものであるということに十分留意する必要があると考えますし、また、法規制の枠組みがどういうものであるにせよ、イノベーションと利用者保護のバランスをどう取っていくかということにも留意する必要があると考えます。さらに、既存の金融規制の潜脱にならないようにも留意していく必要があると考えております。
 こうしたことを総合的に幅広く議論いただく必要があると考えておりまして、先ほども御答弁申し上げましたけれども、今般、金融庁では仮想通貨交換業等に関する研究会というものを設置させていただいておりまして、そちらには関係省庁の方にも参加をいただき、この御指摘のICOなどをめぐる法規制の在り方についても幅広く御議論いただきたいというふうに考えておるところでございます。その検討の過程においては、関係省庁等とも適切に連携しながら、御指摘の論点も含め十分に勉強してまいりたいというふうに考えております。
○政府参考人(木村聡君) 私からも御答弁申し上げます。
 ICOにつきましては、この手法を活用した資金調達が世界的に行われております一方で、これに便乗した詐欺の事例も報道されておりますことから、新たな手法の普及とICOで発行されるトークンの利用者保護の観点からその動向を注視することが必要であると、このように考えてございます。
 我が国におけるICOの活用実態及びその可能性につきましては、金融庁などの関係省庁や民間事業者とも連携いたしまして、ユーザーのニーズの観点も踏まえて情報収集に努めてまいりたい、このように考えてございます。
 以上でございます。
○藤末健三君 是非ICOの議論を深めていただきたいと思いますが、金融庁に申し上げますけど、仮想通貨交換事業者を中心とした議論では恐らくICOは失敗すると思います、プレーヤーが違いますから、全然。
 お願いがございますのは、二つございまして、やはり技術をきちんと分かった人たちを入れてほしいというのが一つございます。そして、もう一つありますのは、私は、このICOはうまくやれば日本がアジアの中心のセンターになるということができると思うんですよ、きちんとした制度をつくれば。是非外国のプレーヤーの意見も入れていただきたいということをお願いさせていただきますし、あと、経済産業省におかれましても、恐らくこれ、兆円レベルの資金調達者になるはずなんですよ、正直申し上げて。是非計画して育ててください、是非ともこの市場を。日本のやはりいろんな新規事業を育てる上の一つの新しい資金調達手段でございますので、それも世界から集められるんですよね、ネットで。是非お願いしたいと思います。
 続きまして、オープンAPIについて御質問したいと思います。
 昨年、銀行法を改正しまして、いろんな銀行のシステムにつなげられるようにする仕組みが法律でつくられたわけでございますけれど、このオープンAPI、使う料金を、今つくっている銀行が例えば三十円とか四十円という設定でしている状況でございます。一回つないだだけで三十円、四十円取られますと、もう千円とか二千円の決済もできなくなるという状況でございますので、少なくとも数円レベルにはしていただきたいと思いますが、この点につきまして金融庁の見解をお聞かせください。お願いします。
○副大臣(越智隆雄君) オープンAPIは、オープンイノベーションを促進していく上で重要な技術と考えております。
 そして、API接続に関する手数料についてですけれども、まず、金融庁のスタンスとしまして、民間事業者間の契約によって定められるべき事項である、当局による主導、誘導といった対応にはなじまないというふうに考えています。とはいいましても、金融庁としましては、オープンAPIを通じて多様で利便性の高いサービスが普及していくよう、金融機関、フィンテック企業、ITベンダー等の関係者が長期的な視野に立って手数料が適切に設定されることが重要だというふうに考えております。
 これまでもフィンテック企業を含む関係者からヒアリング等を通じて実態等の把握に努めてきたところでありますけれども、今後とも、引き続き実態把握を進めながら適切な対応に努めていきたいというふうに考えています。
○藤末健三君 是非、副大臣のイニシアティブで進めていただきたいと思います。これ価格がもう本当に高くなれば使えませんので、法律の趣旨から反しますので、是非お願いしたいと思います。
 また、フィンテックにつきまして一番重要なところは何かと申しますと、やはりオンラインで本人証明ができ、そしてオンラインにおいて口座がつくれるということが重要だと思っております。
 このオンライン本人確認につきましては、内閣府が作りました成長戦略にも書いてあるというものでございまして、是非、このオンライン本人証明につきまして、警察庁の方の検討状況を教えていただきたいと思います。お願いします。
○政府参考人(露木康浩君) 委員御指摘のとおり、フィンテックに対応した効率的な本人確認の方法については、政府として検討課題に掲げておるところでございます。私ども、関係省庁からも要望をいただきながら、事業者の意見を踏まえつつ、現在鋭意検討を進めているところでございます。
○藤末健三君 是非、関係省庁と連携して検討を進めてください。犯罪防止だけではなく、このオンライン本人証明が進まなければフィンテック自体が閉じられちゃうんですね。その点を是非御検討いただきたいと思います。
 最後、ちょっと時間ございませんので、最後の質問申し上げますと、今、仮想通貨交換所の登録審査が止まっている状況でございまして、今現在動いている仮想通貨交換所をモニタリングするだけでも大変だと思いますが、今百社近く申請の待ちがあると聞いております。
 そこで、金融庁にお願いがございますのは、是非とも、このICOなどを国際的に展開するためにもこの百社の中からきちんと選んで審査を進めていただきたいということでございます。一つは、やはり技術力がきちんとあること、そしてきちんと発行されるトークンがサービスにつながっていること、そしてもう一つは、やはり海外の事業者を入れて海外の声を拾っていただきたいと思うんですが、その点につきましてはいかがでしょうか。
○政府参考人(佐々木清隆君) お答え申し上げます。
 一般的に、登録審査に当たりましては、公平性の観点から、必要書類の提出があった申請者から順次開始しております。その過程でシステムリスク管理体制を含む内部管理体制等について不十分な点が認められた場合には、当局から申請者に指摘を行っているところでございます。
 そうした当局の指摘への対応は申請者によりましてまちまちでございますけれども、当局の指摘に対しまして的確な回答を迅速に行う申請者の登録審査が順次進捗し、結果として例えば技術力や実績のある業者の登録審査が順調に進むことはあり得るというふうに考えております。
○藤末健三君 是非、金融庁、金融担当大臣、麻生大臣がもう筆頭に、金融育成庁として頑張っていただきたいと思います。
 今、フィンテックにおきましては世界的にも日本は注目を浴びておりまして、きちんとしたルールができているということで、かつブロックチェーンも日本は進んでいるということでございますので、日本の新しい産業を育成するためにも政府として頑張っていただきたいことをお願いしまして、私の質問を終わらさせていただきます。
 ありがとうございました。
○渡辺喜美君 渡辺喜美でございます。
 大臣はG20は御欠席されると聞いておりますが、できれば行ってムニューシン財務長官といろいろとお話をしていただきたかったなと思いますね。
 アメリカのトランプ政権の政策、かなりむちゃくちゃですよ。御案内のとおり、十年で百七十兆円の大減税をやる、これ国債増発につながりますね。一方、FRBは出口戦略で資産を圧縮をすると。リーマン・ショック以来百兆円の規模を五倍に膨らませたわけでありますから。これが本格的に始まると、またしてもいつもの伝統的な双子の赤字のファイナンスと、こういう問題が出てくるんですね。貿易赤字については、御案内のとおり相当荒っぽいことを仕掛けております。日本も数兆円の対米黒字がございます。
 そこで、日米共通の利益につながる、そういう政策があるじゃないか、かねて私は申し上げておるんですが。
 黒田総裁はG20行かれるんでしょうけれども、日本銀行は八十兆円の国債買取りが実はできないわけですね。半分くらいしかやっていないというわけですよ。二%の物価目標まだ先だと。玉がないんですね、国債の。一方、アメリカは双子の赤字のファイナンス。日本は黒字還流を迫られる。
 どうですか、日本銀行に米国債を買ってもらう。これは為替介入じゃないですよ。為替介入というのは小泉政権のときにどおんと三十兆円ぐらいやったことがあった。まああれは半分くらい非不胎化しましたので金融緩和にもつながったわけだ。
 日本銀行がドル債を買い取れば当然円がその分増えるわけでありますから、これは介入ではなく正しい金融緩和政策につながっていく。法制上は絶対できるはず。誰が反対する可能性があるか。財務省ですよ。どうですか、大臣、この辺りは御決断されてはいかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) これは金融政策の具体的な手法の話ですから、これは基本的には日銀の話なんですけれども、ただ、外債購入というのは、渡辺先生もう言わずもがなな話ですけど、これは形変えた為替介入ですから、基本的には、一方的に行われるのはこれは誤解を招くというところ、これは慎重に考えるべき問題が多々あるのはもうはっきりしております。
 ただ、日銀による外債購入というのが為替介入を目的とするという場合には、これは日銀法上、日銀が自ら行うことはこれは認められていない、たしか禁止されていると思いますので、そういった意味では、政府として、引き続き日銀が経済・物価情勢等々を踏まえつつ物価安定を目標とした実現に向かっていくんですけれども、今のように国債のあれでも、日銀の国債介入というものによって、又は日銀の金融緩和によって円が安くなった、間違いなく八十円がいきなり百十何円に下がりましたので、そういった意味では、というのは、しかし、これを目的とした日銀の金融緩和ではありませんから、日銀はデフレ対策の手段の一環として金融を緩和しているのであって、円が安くなったのは副次的なものですということをきちんとしておかないと、これは騒ぎになりますというのはもう御存じのとおりです。
○渡辺喜美君 別に円安にするための政策ではないんですよね、これは。日米共通の利益になると私は申し上げているわけであります。
 とにかく、今の財務省の不祥事見ていても分かりますが、これはもう積年の構造的なゆがみの構造ですよ。二十年前、私が一年生議員のときでしたが、大蔵省接待汚職事件というのがありました。世に言うノーパンしゃぶしゃぶ事件というやつですね。あのとき、大蔵関係、OB入れて逮捕者五名です。日銀一名。自殺者三人、大蔵、日銀、元第一勧銀頭取、三名が自殺しています。結末はどうなったか。三塚大蔵大臣辞任、松下日銀総裁辞任、銀行局長、証券局長、主計局次長、銀行局審議官その他大勢のきら星のごとき官僚たちが辞職をいたしました。そして、大蔵省は解体をされたんです。金融部門は分離をされた、財金分離。それで今の金融庁になったわけですよ。
 今回の事件は、悪いけれども、あの接待汚職の比じゃないですよ。接待汚職がマグニチュード七ぐらいだとすれば、今回はマグニチュード九は優に超えます。なぜなら、国民をだました、国会をだました、こういう問題なんですよ。国民の信頼を失わせた、政治は人心収らんだ、人心が千々に乱れている、これを解決するのは容易じゃないよ。
 あの接待汚職の後、内閣も替わった、金融危機もあった、財政構造改革法というのは停止をされました。まあ消費税増税の凍結ぐらいは恐らくやらざるを得なくなるでしょうね。大臣、いかがですか。
○国務大臣(麻生太郎君) 度々申し上げておりますように、今回のこの、いわゆる書き換えたと、少なくとも決裁がされた文書を書き換えるというのは極めてゆゆしき事態なんであって、これはもう、いわゆる理財局の話とはいえ、少なくとも、大蔵省に限らず、いろいろな意味で公文書に対する信頼というのをおとしめたという点においては、これは極めて大きな事件なんであって、私どもとしてはゆゆしき事態だと、そう認識して、私どもとしても極めてこの事件を重く受け止めておるというのは正直なところであります。
 したがって、今の、それから先の話はどうですかと言われると、これは仮定の問題ですので何ともお答えのしようがございません。
○渡辺喜美君 今、佐川国税長官が辞職をされて、藤井次長が長官心得ですか、になっておられると思います。
 大臣に報告をされた、この事件の改ざんの報告がなされたのが三月十一日、ということは一年以上大臣は蚊帳の外に置かれていた。一年以上ですよ。あれだけ御苦労をされて、官邸が二回消費増税の再延期やった。相当麻生大臣は官邸と財務省のはざまで御苦労されたと思いますよ。その大臣に対して一年以上もなしのつぶて。これはこけにされたなと私は正直思いましたよ。何なんだ、これはと。大臣は人格者ですからお怒りにならなかったかもしれないが、私だったら怒髪天をついてどなりまくったでしょうね。そういう類いの話ですよ。
 昔、お札を改刷をする必要があって、聖徳太子の偽札が出回ったので、福沢先生に御登場いただいて新札を造るという政策を当時の伊吹文明理財局国庫課長が提案をしてこられたことがありました。そのときの大臣は、じゃ、印刷局長は、ノンキャリの印刷局長で、毎晩一升瓶ぶら下げて現場回れるやつは誰かいないかと言ったところ、東北財務局長の石井直一さんというノンキャリの方が出てきた。そこで、大蔵省始まって以来初めてノンキャリの本省局長というのをつくりました。一年後には留任運動が起きましたよ。これが政治の要諦というものですよ。
 今回、国税長官が確定申告の期間中に自分の不祥事でお辞めになると、こういうことが起こりました。国税専門官の中で国税長官になった人がいますか。いないです。国税長官というのは大蔵省T種試験合格のキャリアのポストだ。身分制人事が今でも行われている。私が大臣のときに作った第一次安倍内閣のときの国家公務員法改正では、採用年次や試験区分によって人事をやるな、はっきりそう書いてあるんです。身分制人事をやめよ、こういうことが書いてあるんです。
 もうこの際、こういう身分制人事から離れて、国税長官は国税専門官の中から選ぶ、そういうことをおやりになったらいかがでしょうか。どうでしょう。
○国務大臣(麻生太郎君) これは国税当局において、これは五万六千人、五万五、六千人の職員がおりますので、それを束ねるマネジメント能力等々、これは十分いろんなことを考えにゃいかぬところだと思っておりますので、これは今の時代、特に、そうですね、国際課税等々の話でいけば、これは課税逃れの防止とか、また、いわゆる税務行政の確立、いろいろ今抱えております問題、幅広い問題抱えておりますので、そういった意味では、組織のトップになりますこの国税庁長官というのは、今申し上げたように、五万六千人からの職員の頭を張るだけのマネジメント能力等というような、国税の制度面とか執行面というものに関する極めて高い識見力等々も要るでしょうし、多種多様な課題というものが今出てきておりますので、そういったものに取り組む能力、経験等々が求めるということなんだと思いますので、これはしかるべき適切な人物というものを選択せねばならぬと思っております。
○渡辺喜美君 とにかく、今回のこの改ざん事件のマグニチュード、これを甘く見るととんでもないことになります。あの接待汚職で大蔵省は解体をされた。恐らく今回も、もっとすごいマグニチュードで財務省を解体をしなければいけない、そういう事態が必ず起きます。予算編成権と査察権を持ってとにかく幅を利かせる、霞が関の最強官庁であり続けるために公務員制度のインフラを全部仕切る、この構造が問題なんですよ。
 歳入庁、考えられたらよろしいですよ。税や保険料の窓口が一体幾つあるか。私が数えただけでも七つも八つも出てくるんです。誰のためにこれ分かれているんだ。国民のために分かれているのか。違いますよ。役所の利益のために分かれているだけ。だったら、税と保険料の一体徴収、マイナンバーがあるんですから、やったらいいじゃありませんか。いかがでしょう。
○国務大臣(麻生太郎君) いわゆる歳入庁の話だと思いますけれども、これは平成の二十何年だったかな、二十五年だったと思いますけれども、これは内閣官房を中心にこの話は一回決着がもう付いておると思いますが、そのときにもう既に一回検討させていただいたんだと記憶します。そのときに、組織を統合して歳入庁というものを創出すれば、いわゆる新しくつくったら、年金保険料の納付率向上等の課題が解決するものではないという整理が終わっております。
 具体的に、今御存じのように年金機構の職員というのを再び公務員にさせるんですかという点があろうとは思いますし、また、年金保険料というのは、負担と給付というのが結び付いている点で税金とは全く性格は異にしておりますので、同一の滞納者に対して同時に納付折衝を行うというような、いわゆる実務上の混乱もこれは覚悟せにゃいかぬということになりますので、様々な点で問題なんだということで、そのとき整理を今申し上げたような形でさせていただいたんだと思います。
 年金保険料の徴収の強化等につきましては、それはたしか前の年でしたか、二十七年に取りまとめたアクションプログラムを踏まえまして、国税庁から厚生労働省に対して必要な法人情報を提供しますということなどをやらせていただいて、関係省庁間でこれは連携を強化して取り組んできているところであって、引き続きこうした取組を努めてはいかねばならぬところだと思っておりますので、結果として厚生年金への加入指導等々の事業所数というのは平成二十六年度の三万九千から二十八年度には十一万五千というような形で増えてきておりますので、給付率もそれに合わせて上がってきているという状況でありますので、平成二十二年度六六%だった納付率が七二%上がる等々の答えが、それなりの形は出てきていると思っております。
○委員長(長谷川岳君) 時間になりました。
○渡辺喜美君 政治は人心収らんであります。人心が千々に乱れている現状を甘く見ない方がよろしいかと思います。老婆心ながら付け添えさせていただいて、質問を終わります。
 ありがとうございました。
○委員長(長谷川岳君) この際、申し上げます。
 現時点におきましても、民進党・新緑風会、日本共産党、立憲民主党及び希望の党所属委員の出席が得られておりません。
 暫時休憩いたします。
   午後三時二十四分休憩
   〔休憩後開会に至らなかった〕