第196回国会 文教科学委員会 第2号
平成三十年三月二十日(火曜日)
   午後零時三十七分開会
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   委員の異動
 二月一日
    辞任         補欠選任
     今井絵理子君     堀井  巌君
 二月二日
    辞任         補欠選任
     堀井  巌君     今井絵理子君
 三月五日
    辞任         補欠選任
     今井絵理子君     山東 昭子君
     小野田紀美君     石井 準一君
 三月六日
    辞任         補欠選任
     石井 準一君     小野田紀美君
     山東 昭子君     今井絵理子君
 三月七日
    辞任         補欠選任
     高木かおり君     儀間 光男君
 三月八日
    辞任         補欠選任
     小野田紀美君     松山 政司君
     儀間 光男君     高木かおり君
 三月九日
    辞任         補欠選任
     松山 政司君     小野田紀美君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         高階恵美子君
    理 事
                上野 通子君
                大野 泰正君
                神本美恵子君
                吉良よし子君
    委 員
                赤池 誠章君
                石井 浩郎君
                今井絵理子君
                衛藤 晟一君
                小野田紀美君
                橋本 聖子君
                水落 敏栄君
                大島九州男君
                宮沢 由佳君
               佐々木さやか君
                新妻 秀規君
                高木かおり君
                木戸口英司君
                松沢 成文君
   国務大臣
       文部科学大臣   林  芳正君
   副大臣
       文部科学副大臣  丹羽 秀樹君
       文部科学副大臣  水落 敏栄君
   大臣政務官
       文部科学大臣政
       務官       宮川 典子君
       文部科学大臣政
       務官       新妻 秀規君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        戸田 浩史君
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  本日の会議に付した案件
○教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関
 する調査
 (文教科学行政の基本施策に関する件)
 (平成三十年度文部科学省関係予算に関する件
 )
 (派遣委員の報告)
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○委員長(高階恵美子君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。
 教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査を議題といたします。
 まず、文教科学行政の基本施策について、林文部科学大臣から所信を聴取いたします。林文部科学大臣。
○国務大臣(林芳正君) 第百九十六回国会において各般の課題を御審議いただくに当たり、私の所信を申し上げます。
 現在、安倍内閣においては、人生百年時代やソサエティー五・〇の到来を見据えた経済社会を大胆に構想する中で、一億総活躍の旗を更に高く掲げ、日本を誰にでもチャンスがあふれる国へと変えていくため、内閣一丸となって人づくり革命を断行し、生産性革命を実現することを最大の使命としています。文部科学省が担う教育再生、科学技術イノベーション、スポーツ、文化の振興は、人づくり革命や生産性革命において中核を担うものです。
 こうした基本認識の下、何よりもまず、家庭の経済事情に左右されることなく、誰もが希望する質の高い教育を受けられるよう、昨年十二月に閣議決定された新しい経済政策パッケージに基づき、施策の具体化に向けて関係府省と十分に連携を図りつつ、幼児期から高等教育段階までの切れ目のない形での教育の無償化、負担軽減を進めます。
 幼児教育の無償化については、平成三十年度政府予算案において年収約三百六十万円未満相当世帯の保護者負担の軽減を図った上で、二〇二〇年度を目指し、三歳から五歳までの全ての子供たちの幼児教育を無償化すべく、一気に加速をさせます。また、幼稚園の預かり保育等の無償化措置の詳細について検討するため、有識者による検討会において本年夏までに結論を得ることとなっており、文部科学省としてもしっかりと検討に参画してまいります。
 高等教育については、平成三十年度政府予算案において、授業料減免は一万七千人増、給付型奨学金は新たに二万人への支給を図ります。その上で、二〇二〇年度からは、真に支援が必要な子供たちの高等教育の無償化として、大学、短期大学、高等専門学校及び専門学校を対象に、授業料減免を全ての意欲ある住民税非課税世帯の子供たちが対象となるよう拡充し、給付型奨学金は、支援を受けた学生が学業に専念できるよう、学生生活を送るのに必要な生活費を賄うため支給額を大幅に増やします。また、住民税非課税世帯に準ずる世帯の子供たちについても必要な支援を行います。これらの措置は、支援を受けた子供たちが大学等でしっかりと学んだ上で、社会で自立し、活躍できるようにすることを目的とするものです。詳細な制度設計については、新しい経済政策パッケージに基づき、本年夏までに結論を得るべく検討を進めます。
 さらに、二〇二〇年度までに年収五百九十万円未満世帯を対象とした私立高等学校授業料の実質無償化を実現します。また、高校生等の奨学給付金の充実にも取り組みます。
 あわせて、リカレント教育や実践的な職業教育を拡充し、生涯にわたって学び続け、新しいチャレンジができる機会の確保を目指します。
 安倍内閣が働き方改革を実行する中で、学校においても教師の長時間勤務の要因を見直し、働き方改革を実行するため、昨年末にまとめた緊急対策に基づき、教職員定数の改善充実等の取組を通じ、学校現場を積極的に支援をしてまいります。
 ソサエティー五・〇の実現には、人工知能、ビッグデータ等の研究開発、活用に加え、社会を先導する人材やいかなる変化の中でもたくましく生き抜く人材の育成が不可欠です。具体的な社会像を描きつつ、文部科学省としていかに取り組むべきか、議論し、実践に移してまいります。また、第二期スポーツ基本計画を着実に実行し、全ての人々がスポーツをする、見る、支える機会を確保し、一億総スポーツ社会の実現を目指します。さらに、文化資源を生かした社会的、経済的価値の創出を強力に実行し、文化芸術基本法の施行や京都への移転を機に、新文化庁へ向けた機能強化を図るため、今国会において所要の法案を提出いたしましたので、速やかな御審議をお願い申し上げます。
 これらの施策を着実に実行するために、引き続き、再就職等規制違反の再発防止策の確実な実行、政策立案機能や広報機能の強化、業務改善や職員の意識改革などを進めるとともに、本年には、文化政策の総合的な推進のための機能強化や教育行政を総合的に推進するための機能強化などを目指して文部科学省の組織再編を行います。
 東日本大震災や平成二十八年熊本地震等については、就学支援、児童生徒の心のケア、学習や学校再開への支援等を始め、復興を支える人材育成、大学、研究機関による地域再生への貢献、学校施設や文化財の復旧など、被災者の心に寄り添った復興を更に加速します。また、原子力損害賠償についても、万全を期すとともに、除染や廃炉に関する研究開発や人材育成を着実に進めます。さらに、原発事故の避難者を始めとする東日本大震災により被災した児童生徒に対するいじめについては、関係機関とも連携して必要な取組を行ってまいります。
 教育再生は、安倍内閣の最重要課題の一つです。教育再生実行会議のこれまでの提言を踏まえ、教育再生の実現に向けて必要な施策を推進するとともに、その進捗についてしっかりとフォローアップを行ってまいります。
 我が国が持続的に成長、発展するには、一人一人の能力や可能性を最大限引き出し、多様な個性を伸ばす教育が不可欠です。これを実現すべく、新学習指導要領の円滑な実施と学校における働き方改革に向け、業務の役割分担、適正化を進めるとともに、平成三十年度政府予算案において、小学校における質の高い英語教育のための専科指導等に必要な教職員定数の改善充実、部活動指導員等の専門スタッフや外部人材の配置拡充などを一体的に推進します。
 急激な時代の変化に対応できる人材育成が求められている中、人づくりを担う教師の資質能力向上を図ることが必要であり、教師の養成、採用、研修の一体的改革を着実に進めます。
 新しい時代に求められる資質、能力を子供たちに育むため、社会の変化を柔軟に受け止めていく社会に開かれた教育課程の実現に向けて、幼小中の新学習指導要領等の趣旨を広く周知するとともに、今後、高等学校学習指導要領の改訂を行ってまいります。また、教育の情報化を推進し、とりわけ、新学習指導要領を踏まえた主体的、対話的で深い学びの視点からの授業改善や、障害等により教科書での学習が困難な児童生徒の支援のため、必要に応じてデジタル教科書を通常の紙の教科書に代えて使用することができるよう、今国会において所要の法案を提出いたしましたので、速やかな御審議をお願い申し上げます。
 また、質の高い幼児教育の提供、地域と学校の連携、協働の推進、四月からの特別の教科道徳の実施、いじめや不登校への対応、SNS相談体制の構築、フリースクールなど多様な場で学ぶ子供への支援、夜間中学の設置、充実、家庭教育支援の充実、学校安全の推進などにしっかり取り組みます。
 座間市の事件も踏まえ、児童生徒の自殺予防の取組やインターネットを通じたトラブル等を回避するための取組、スクールカウンセラー等の配置拡充などに取り組みます。
 また、指導体制の充実を通じた学力課題解消へ向けた取組や福祉機関との連携強化、地域未来塾等による学習支援、地域における読書・体験機会の提供など、子供の貧困対策を推進します。
 今後更に加速していくグローバル社会を見据え、外国語教育や在外教育施設における教育、外国人児童生徒等への教育、高等学校、大学等における留学生交流の更なる充実、日本型教育の海外展開、持続可能な開発のための教育等のユネスコ活動、国際バカロレアなどを推進します。
 学校施設は、子供たちの学習、生活の場であり、災害の避難所としても重要な役割を果たすことから、その安全性、機能性の確保は不可欠です。そのため、深刻な老朽化への対策、耐震化等の教育環境の整備を推進します。
 国の知的基盤である大学においては、十八歳人口の減少を見据えた高等教育のシステム改革、イノベーション創出と生産性向上に向けた教育研究の質の向上、格差の固定化を阻止するための高等教育へのアクセス格差の是正の三つの改革を一体的に進めます。
 また、グローバル人材の養成、指定国立大学法人による国際競争力の強化、地方創生を担う人材育成、高等専門学校や専修学校等における教育の充実、専門職大学等の創設に向けた取組を推進します。このためにも、国立大学法人運営費交付金や施設整備費補助金、私学助成など基盤的経費を安定的に確保し、改革を進める大学を重点的に支援します。
 さらに、高等学校教育、大学教育及び大学入学者選抜を一体的に改革する高大接続改革に取り組みます。
 障害者が一生を通じて自らの可能性を追求できるよう、福祉等の部局と連携した切れ目のない支援体制の構築や、障害のある子供の自立と社会参加に向けた特別支援教育の充実、障害者の生涯にわたる多様な学習活動の充実に取り組みます。
 これらの教育再生に向けた取組を着実に実現するため、今後五年間を計画期間とする第三期教育振興基本計画を策定し、これに基づく施策を実行するとともに、必要な財源を確保しつつ、教育投資の充実に努めてまいります。
 我が国が将来にわたって成長と繁栄を遂げるための要は、科学技術イノベーションです。我が国の科学技術イノベーションの中核を担う文部科学省として、第五期科学技術基本計画に基づき、世界で最もイノベーションに適した国を目指します。基本計画で掲げる政府研究開発投資目標の達成に向け、科学技術予算の確保に努めます。
 科学技術イノベーションを担い、未来を切り開くのは人材です。国際的研究活動の重要性を踏まえ、優れた若手研究者の育成確保や将来を担う人材の育成、女性研究者の支援等に取り組みます。
 持続的なイノベーションの創出には、その源となる学術研究、基礎研究が極めて重要であり、これを強力に推進します。また、物質科学等を支える最先端の研究基盤を始めとする大型研究施設等の整備、共用を促進するとともに、光・量子技術等の新たな価値創造のコアとなる分野の研究開発を進めます。加えて、特定国立研究開発法人を始めとする国立研究開発法人を中核として、世界最高水準の研究活動を進めます。
 人材、知識、資金の好循環システムの構築に向けて、大学等のマネジメント機能強化や産学官共創の場の構築によるオープンイノベーション、地域のイノベーション創出、革新的、挑戦的な研究開発を進めます。
 ポスト「京」などの情報科学技術や、我が国が強みを持つナノテクノロジー・材料等の研究開発、再生医療や感染症等の研究開発、地震、津波、火山等の防災・減災に関する研究開発、環境・エネルギーに関する研究開発、ITER計画等の核融合研究などを進めます。
 さらに、先日開催した国際宇宙探査に関する閣僚級会合ISEF2において取りまとめた東京原則に沿って、今後の国際協調による宇宙探査を進めるとともに、H3ロケットの二〇二〇年度初号機打ち上げを目指した実機製造を含め、宇宙・航空分野の研究開発や、海洋・極域、原子力に関する研究開発など、国主導で取り組むべき基幹技術を推進します。
 「もんじゅ」については、廃止措置計画等に基づき、地元の声にしっかりと向き合いながら、安全、着実かつ計画的に廃止措置を進めてまいります。
 スポーツには、体を動かし楽しむだけでなく、人を夢中にさせ感動させる力があります。また、文化は、我が国のアイデンティティーを形成する源であり、世界に誇る重要な資源です。
 平昌冬季オリンピック・パラリンピックでは、日本人選手が大いに活躍し、特にオリンピックでは、冬季大会として過去最高の獲得メダル数となりました。我が国で開催される二〇一九年ラグビーワールドカップ、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックを見据え、国際競技力向上やドーピング対策、新国立競技場の着実な整備など大会に向けた取組を強力に進めることはもとより、スポーツの機運が高まる中、次世代に誇れるレガシーを創出する視点で、スポーツを通じた健康増進やスポーツの成長産業化、地域活性化、障害者スポーツの振興、学校体育の充実、国際協力、貢献等に取り組みます。また、スポーツの価値を損なう事案が相次いでいますが、関係団体と連携しながら教育、啓発等を推進し、クリーンでフェアなスポーツの実現に努めてまいります。
 文化芸術は、無限の可能性を秘めています。二〇二〇年東京大会の成功に向け、文化プログラムを全国で展開し、日本遺産等の様々な文化資源を活用しながら、伝統文化から現代芸術まで幅広い文化による国づくりをオールジャパンで推進します。また、文化財をまちづくりに生かしつつ、地域社会総掛かりでその継承に取り組むことができるよう、地域における文化財の計画的な保存、活用の促進等を図るため、今国会において所要の法案を提出いたしましたので、速やかな御審議をお願い申し上げます。さらに、文化経済戦略や文化芸術推進基本計画を着実に実行します。
 デジタルネットワーク化の進展に対応すべく、著作権制度において柔軟な権利制限規定や教育の情報化に対応した権利制限規定を整備するため、今国会において所要の法案を提出いたしましたので、速やかな御審議をお願い申し上げます。
 本年は、明治元年から満百五十年に当たる節目の年です。私としては、来るべき新しい時代をつくるため、文部科学行政全般にわたり、信頼の回復に努めつつ、人づくりを始めとした諸課題の解決に着実に取り組む考えです。引き続き関係各位の御指導、御鞭撻のほど、よろしくお願いを申し上げます。
○委員長(高階恵美子君) 次に、平成三十年度文部科学省関係予算について、水落文部科学副大臣から説明を聴取いたします。水落文部科学副大臣。
○副大臣(水落敏栄君) 平成三十年度文部科学省関係予算につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 文部科学省関係予算は、一般会計五兆三千九十三億円、エネルギー対策特別会計千八十八億円などとなっております。
 第一に、社会を生き抜く力の養成として、新学習指導要領の円滑な実施と学校における働き方改革に向け、教職員定数の改善や専門スタッフ、外部人材の配置拡充、業務の適正化などを一体的に推進します。
 また、教員の資質能力の向上、教育の情報化、障害者の生涯学習活動、特別支援教育、教育課程、道徳教育やキャリア教育、職業教育の充実を図るほか、いじめ・不登校対応、子供の体験活動、学校健康教育や高大接続改革等を推進します。
 さらに、きずなづくりと活力あるコミュニティーの形成として、地域学校協働活動の推進やコミュニティ・スクールの促進などにより、地域の活性化や社会全体で子供を育む環境づくりを推進します。
 第二に、未来への飛躍を実現する人材の養成として、国立大学の改革、機能強化のための基盤の整備充実を図るとともに、改革に取り組む私立大学への支援など私学の振興を図ります。
 また、大学や高等専門学校、専修学校における教育、ソサエティー五・〇の実現に向けた人材育成、リカレント教育、初等中等教育段階からグローバルな視点に立って活躍する人材の育成、留学生交流等の充実を図ります。
 第三に、安心して教育を受けることができる学びのセーフティーネットを構築するため、幼児教育の無償化に向けた取組を進めるとともに、高校生等への修学支援を行い、家庭の教育費負担の軽減を図ります。また、大学等奨学金事業について、給付型奨学金や無利子奨学金の着実な実施、大学等の授業料減免等の充実を図ります。
 同時に、国公私立学校施設の老朽化対策、耐震化等を推進します。
 第四に、スポーツ立国の実現を目指し、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会やラグビーワールドカップ二〇一九等に向け、競技力向上やドーピング防止とともに、スポーツの成長産業化や参画人口の拡大、スポーツを通じた地域の活性化、健康づくり、障害者スポーツの振興等を推進します。
 第五に、文化芸術立国の実現を目指し、文化芸術基本法の施行及び京都への移転を踏まえた文化庁の機能強化とともに、文化資源を生かした社会的、経済的な価値の創出を推進します。
 また、文化財を活用した観光振興、地域経済の活性化を支援するとともに、日本ブランド向上に向けた多彩な文化芸術の発信や国際文化交流等を推進します。
 第六に、未来を切り開くイノベーションを創出するため、革新的な人工知能、ビッグデータ、ナノテクノロジー・材料や光・量子技術等の先端研究を推進するほか、オープンイノベーション加速のための産学官共創システムの新たな構築や地域イノベーションを核とした地方創生の牽引、ハイリスク・ハイインパクトな研究開発の推進等に取り組みます。
 また、イノベーションの源泉となる基礎科学力、人材力、研究基盤の強化のため、科研費改革の着実な推進による多様で質の高い学術研究の推進、世界トップレベルの研究拠点及びソサエティー五・〇の実現に向けた情報科学技術を中核とする研究拠点の形成のほか、若手研究者や女性研究者の活躍促進等を図ります。さらに、ポスト「京」の開発や最先端大型研究施設の整備、共用等に取り組みます。
 第七に、国家的・社会的重要課題に対応するため、健康・医療分野や次世代半導体の研究開発を推進するとともに、ITER計画等の核融合分野や、地震、津波、火山等の防災・減災に関する研究開発等に取り組みます。
 また、人類のフロンティアの開拓及び安全保障などに資する国家基幹技術の強化を図るため、H3ロケットの開発を始めとした宇宙・航空分野、海洋・極域や原子力に関する研究開発を推進します。
 「もんじゅ」については、原子力機構が原子力規制委員会に提出した廃止措置計画等に基づき、安全、着実かつ計画的に廃止措置を実施します。
 以上、平成三十年度文部科学省関係予算の概要につきまして、御説明申し上げました。
 なお、これらの具体の内容につきましては、お手元に資料をお配りしておりますので、説明を省略させていただきます。
 以上であります。
○委員長(高階恵美子君) 以上で所信及び予算説明の聴取は終わりました。
 本件に対する質疑は後日に譲ることといたします。
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○委員長(高階恵美子君) 次に、先般本委員会が行いました委員派遣につきまして、派遣委員の報告を聴取いたします。神本美恵子君。
○神本美恵子君 去る二月十九日及び二十日の二日間、地方における教育、文化及び学術等に関する実情を調査し、もって文化財保護法及び地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律案の審査に資するため、宮城県及び福島県に委員派遣を行いましたので、その概要を御報告申し上げます。
 派遣委員は、高階委員長、上野理事、大野理事、吉良理事、赤池委員、今井委員、小野田委員、大島委員、宮沢委員、佐々木委員、高木委員、木戸口委員、松沢委員、そして私、神本の十四名でございます。
 一日目は、まず、仙台市立七郷小学校を訪問いたしました。同校では、文部科学省の研究開発学校制度を活用し、昨年度まで全学年において防災安全科の授業を行い、同制度の指定が終了した今年度も、カリキュラム編成を工夫し、先進的な防災教育を実施しております。
 防災に関する三年生、四年生、六年生の授業を参観いたしましたが、防災を自分のこととして考え、主体的に学ぼうとする子供たちの意識の高さを感じました。また、防災教育における小中の連携や地域との連携の重要性等について、説明を伺いました。
 次に、宮城県における東日本大震災からの復興に係る取組や、東北地方の医師不足への対応、震災復興等を目的とする東北医科薬科大学医学部の新設に関して、宮城県知事、宮城県教育長及び東北医科薬科大学関係者と意見交換を行いました。
 復興に係る取組に関しては、子供たちの心のケアを更に時間を掛けてきめ細かに行う必要性、県の防災教育に係る取組等についてお話を伺いました。また、医学部の新設に関しては、地元での一定期間の勤務などを条件とする返還免除の修学資金制度、高度な医学教育の機会を提供する必要性、次の時代に対応できる医療人材の育成方法等について活発な意見交換を行いました。
 次に、日本遺産、政宗が育んだ伊達な文化の構成文化財として認定されている仙台城跡を視察いたしました。文化財の計画的な保存、修復とともに、その活用に向けた取組が進められており、東日本大震災により崩壊した石垣の整備状況等について説明を伺った後、仙台城跡の見どころを分かりやすく展示した仙台城見聞館等を拝見しました。
 次に、国立大学法人東北大学を訪問いたしました。東北大学は、仙台城の二の丸跡に立地するなど、歴史、文化の風情を残しつつ、最先端の研究環境を整備しております。世界最高水準の教育研究活動の展開が期待される指定国立大学法人に指定されており、今回の委員派遣では、災害科学国際研究所と材料科学高等研究所を視察いたしました。
 災害科学国際研究所では、被災した古文書の保全に関する取組や災害時に活躍するレスキューロボット等を、材料科学高等研究所では、世界最高水準の性能を誇る最先端の研究装置を、それぞれ拝見しました。
 また、大学から、若手研究者への支援策、企業との連携や民間からの寄附の在り方等について説明を伺いました。
 次に、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会におけるパラオ共和国のホストタウンとなっている蔵王町において、蔵王町長、仙台大学関係者等と意見交換を行いました。蔵王町は同国との間でスポーツ交流を含む様々な取組を実施しており、体育系の大学である仙台大学や他の自治体との連携の実情、蔵王町が推進する英語教育の取組内容等について活発な意見交換を行いました。
 二日目は、まず、蔵王町立遠刈田中学校を訪問いたしました。同校ではオリンピック・パラリンピック教育を推進しており、パラリンピアンとの交流行事等を通じ、障害者に対する理解が深まったこと、障害者との交流の機会を一層確保する必要があることなどについて説明を伺いました。
 二〇二〇年の東京大会に関連する全学年の授業を参観いたしましたが、生徒が自分たちの意見を積極的に発言している様子が特に印象に残りました。
 次に、国立大学法人福島大学を訪問いたしました。福島大学は、ふくしまの未来を担う地域循環型人材育成の展開事業を行っており、東日本大震災や福島第一原子力発電所事故の発生を受け、大学として組織的に復旧復興を支援するために、うつくしまふくしま未来支援センターを設立しました。また、同じく新設された環境放射能研究所においては、放射性物質が生態系に与える影響の研究等を実施しており、こうした地域貢献を強く意識した取組が高く評価されております。
 大学から、地域に人材を定着させるための工夫、自治体との連携の在り方、環境放射能研究所における研究成果を分かりやすく発信する方策等について説明を伺いました。
 最後に、福島市内にある飯舘村立飯舘中学校の仮設校舎を訪問いたしました。原発事故から七年を経て、ようやくこの春からふるさと飯舘村での授業を再開できるとのことであります。全クラスの授業を参観するとともに、間もなく終わりを迎える仮設校舎での思い出を忘れないようにと生徒が制作した仮設校舎の模型を拝見しました。ふるさとでの学校生活を見据え、真剣に勉学に励む生徒の様子に感銘を受けました。
 また、スクールカウンセラーから、震災の経験を精神的な成長につなげるケースもある一方で現在も心のケアが必要なケースもあり、今後とも継続的な支援が必要であるとのお話を伺い、派遣委員一同もその重要性を再認識したところであります。
 以上で報告を終わりますが、今回の調査では、派遣委員から積極的な質疑が行われ、新たな知見を多数得ることができました。関係の皆様方に大変お世話になりましたことに関し、この場をお借りし厚くお礼を申し上げ、報告を終わります。
 以上です。
○委員長(高階恵美子君) 以上で派遣委員の報告は終了いたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後一時五分散会