第196回国会 文教科学委員会 第10号
平成三十年五月二十二日(火曜日)
   午後二時一分開会
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   委員の異動
 五月十七日
    辞任         補欠選任
     増子 輝彦君     伊藤 孝恵君
 五月十八日
    辞任         補欠選任
     井原  巧君     赤池 誠章君
     松川 るい君     水落 敏栄君
 五月二十一日
    辞任         補欠選任
     伊藤 孝恵君     櫻井  充君
 五月二十二日
    辞任         補欠選任
     衛藤 晟一君     足立 敏之君
     櫻井  充君     伊藤 孝恵君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         高階恵美子君
    理 事
                上野 通子君
                大野 泰正君
                神本美恵子君
                吉良よし子君
    委 員
                足立 敏之君
                赤池 誠章君
                石井 浩郎君
                今井絵理子君
                衛藤 晟一君
                小野田紀美君
                橋本 聖子君
                水落 敏栄君
               佐々木さやか君
                新妻 秀規君
                伊藤 孝恵君
                大島九州男君
                蓮   舫君
                高木かおり君
                木戸口英司君
                松沢 成文君
   国務大臣
       文部科学大臣   林  芳正君
   副大臣
       文部科学副大臣  丹羽 秀樹君
       文部科学副大臣  水落 敏栄君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        長坂 康正君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        戸田 浩史君
   政府参考人
       人事院事務総局
       職員福祉局次長  遠山 義和君
       内閣府大臣官房
       審議官      渡邉  清君
       内閣府地方創生
       推進事務局審議
       官        村上 敬亮君
       法務大臣官房審
       議官       筒井 健夫君
       法務大臣官房司
       法法制部長    小出 邦夫君
       文部科学大臣官
       房長       藤原  誠君
       文部科学省生涯
       学習政策局長   常盤  豊君
       文部科学省初等
       中等教育局長   高橋 道和君
       文部科学省高等
       教育局長     義本 博司君
       文部科学省科学
       技術・学術政策
       局長       佐野  太君
       文部科学省研究
       振興局長     磯谷 桂介君
       スポーツ庁次長  今里  讓君
       文化庁次長    中岡  司君
       厚生労働大臣官
       房審議官     吉永 和生君
       厚生労働大臣官
       房審議官     成田 裕紀君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関
 する調査
 (国際スポーツ大会におけるスポーツの政治利
 用に関する件)
 (特別支援教育の質の向上に関する件)
 (がん教育の推進に関する件)
 (我が国の研究力向上の必要性に関する件)
 (セクシュアル・ハラスメント対策のための法
 整備の必要性に関する件)
 (各省庁におけるセクシュアル・ハラスメント
 対策の在り方に関する件)
 (大学アメリカンフットボールの試合における
 危険行為に関する件)
 (全国学力テストの廃止による教職員の負担軽
 減に関する件)
 (国家戦略特別区域における獣医学部新設に係
 る政策決定過程に関する件)
○学校教育法等の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
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○委員長(高階恵美子君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日までに、増子輝彦君、松川るい君及び井原巧君が委員を辞任され、その補欠として水落敏栄君、赤池誠章君及び伊藤孝恵君が選任されました。
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○委員長(高階恵美子君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、人事院事務総局職員福祉局次長遠山義和君外十四名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(高階恵美子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(高階恵美子君) 教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○松沢成文君 希望の党の松沢成文です。
 まずもって、今日ちょっと事情がありまして質問順位が変更になりまして、委員の皆さんに御協力いただきまして、本当にありがとうございました。
 さて、今日は一般質疑でありますので、私はスポーツの問題を取り上げたいと思います。
 最近、スポーツ界で起きる様々なことに憤慨をしている一人であります。大臣も御承知だと思いますが、過日、スウェーデンで行われました卓球の世界選手権大会におきまして、大会途中で準々決勝で対戦する予定だった韓国と北朝鮮が統一チーム、コリアを結成して、準決勝で戦った日本チーム、これ統一コリアと対戦したんですが、相当混乱したんですね。これは私はスポーツにおけるルールの尊重だとかあるいは公平性を損なう暴挙と考えているんです。
 まず、これ、大会の途中でチーム編成が変わるということは、これあってはならないことです。大会の前に、今回はこういう特別チームで出させてくれといって皆さんの了解得られればいいですが、途中で、それもリーグ戦が終わって準々決勝、それで戦う予定であった韓国と北朝鮮は戦わずして準決勝に進みましたから。卓球の世界選手権は三位決定戦がありませんから、準々決勝を戦わないで銅メダルを取っちゃったんですよ。何と、これに対戦する相手が日本だったんですね。日本の卓球の女子は、実はもうこれ世界一、今目指しているんです。それで何が何でもメダルを取りたいのに、こうやってルール変更があって大混乱です。これ、石川佳純さんが言っていましたけれども、相当困惑したと言っていました。
 まず、これイエス、ノーでお答えいただきたいんですが、日本政府は、あるいはスポーツを担当する文科省でもいいんですが、国際卓球連盟に今回の措置はおかしいといって抗議をしたでしょうか。あるいはスポーツ庁は日本卓球連盟に対して、なぜ日本卓球連盟は世界卓球連盟の議論の中で、ああ、いいですよとすぐオーケーしてしまったのか、その理由を私は聞きたいんですけれども、この事情聴取をしたんでしょうか。あるいは、これについて政府は何らかの指導をしたでしょうか。イエス、ノーでお答えください。
○政府参考人(今里讓君) お答えいたします。
 国際スポーツ大会の運営につきましては、国際競技団体等の関係者が決定するものと認識しております。
 そのような状況の下、大会の主催者である国際卓球連盟が決定したことについて、スポーツ庁として、国際卓球連盟への抗議、それから日本卓球連盟に対する事情聴取や指導は当時行っておりませんでした。
○松沢成文君 林大臣、スポーツも担当する文科大臣でありますけれども、林大臣は、今回の世界卓球選手権の中で、こういう途中でルール変更が行われて、日本チームも相当なこれ影響を受けています。もっと言えば、もし統一コリアが突然できて、それと準決勝を戦った日本が負けたらどうなるんですか、これ。それは日本の卓球チームだって文句言いたくなりますよね。突然に準決勝の相手のチーム構成変わるわけです。それで、卓球は北朝鮮も韓国もかなり強いですから、突然に対戦相手が全く知らないところで予期せぬ強豪チームに変わってくるわけです。
 全くおかしなことですが、これ大臣の見解を伺いたいんですね。こういうルール違反というか、スポーツの公平性を損なう、公正性を損なうような事態が今後世界のスポーツ界で行われていたら本当に困るわけです。日本も大きな迷惑が掛かるところだったんですね。まあ、多分掛かっていると思いますが。大臣の見解をお聞かせください。
○国務大臣(林芳正君) 今回の取扱いは、大会主催者である国際卓球連盟が事前に日本卓球協会も含む関係者に照会をいたしまして、全ての関係者、日本卓球協会も含む全ての関係者から合意が得られたことから決定されたものと承知をしております。
 国際競技大会の運営につきましては、大会の主催者である国際競技団体が関係者間での調整を経た上で決定していくものと認識をしておりまして、スポーツの根本原則であるスポーツ団体の自治と自立性、これを尊重する観点から、この件に関する私からのコメントは控えたいと思います。
○松沢成文君 コメントは控えたいということですけれども、ただ、こういうことを野ざらしにして事なかれ主義でずっとやっていくことは、私はやっぱりスポーツの公平性、世界のスポーツの在り方というのを私は、何というのかな、変えてしまうんじゃないかと思って、大きな危惧を持っています。
 もう一点お聞きします。
 去る二月に開催された平昌冬季オリンピックにおいて、やはりこれも大会に参加する予定がなかった北朝鮮が直前になって参加が決まって、これはスケートと、三種目だったと思いますけれども、スキーと、あと女子アイスホッケーが、南北合同チームが、スケートやあれは個人参加ですけれども、アイスホッケーは南北合同チームが結成されたんですね。これは、平和や民族統一を願う、特に文在寅韓国大統領がリーダーシップを取って、それで、それに北朝鮮も同意して、IOCが承認した形で決まったということなんですね。
 これも大きな問題で、韓国のアイスホッケーチームのカナダ人の監督も憤慨していましたよね。アイスホッケーというのはチームスポーツですから、チームで練習していなきゃ強くならないんです。特にフォワード、バックスがAチーム、Bチーム、Cチームと分かれて、そのチームワークでうまく一つをつくっていきますから。その中に、統一コリアチームだけはベンチ入りできる人数も多くしちゃったんですね、北朝鮮の皆さんを入れるから。それで、どこかで北朝鮮を出さなきゃいけないというわけですよ。
 私は、オリンピックは、各国、国や地域の代表としてメダルを目指して頑張っているんですよ。それなのに、突然、オリンピックの直前に今まで参加すると言っていなかった国が参加して、そこと合同チームをつくって、何か一緒にとにかくやればいいんだと、これが平和につながるんだ、民族の融和につながるんだという理由で強引にやるということは、これはオリンピックの精神にももとると思うんですよ。
 この件についての大臣の見解はいかがでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) 北朝鮮の選手団の平昌オリンピックへの参加につきましては、韓国と北朝鮮の協議結果、これを踏まえて、最終的には平和の祭典であるオリンピックが成功するようにIOCが決定をしたものと、こういうふうに認識をしております。
○松沢成文君 IOCが決定したことが全て正しいんでしょうか。まず、この発想がおかしいと思うんですね。それはおかしいとJOCからIOCに抗議させるべきじゃないですか。これ、こういうことが常時起こっちゃうと、東京オリンピックにも影響を与えますよ。
 というのは、今、東アジアは国際政治が物すごく動いています。南北朝鮮統一とか融和とか、これも大きなテーマですよ。それで、平和というのは尊いことです。ただ、平和、平和、平和で全部平和を優先して、スポーツのルールとか公正性を全部踏みにじっていくとしたら、これ、スポーツが成り立たないんです。
 私は、まず、スポーツ庁、JOCともお付き合いしていますよね。私は、JOCとスポーツ庁、しっかり議論して、国際スポーツ大会において、あるいはオリンピックにおいて、こういうオリンピックの、ある意味では政治利用と思われるようなことは極力避けるべきだと。東京五輪に向けても、こうやって国際政治の影響をどんどん受けてしまうとオリンピック成功できませんよ。
 ここのところを大臣に勇気を持って発言をしていただきたいと思うんですけれども、大臣はいかがですか。
○国務大臣(林芳正君) オリンピック憲章には、IOCの役割として、スポーツと選手を政治的又は商業的に不適切に利用することに反対すると、こう記載されておりまして、二〇二〇年の東京大会につきましても、このオリンピック憲章に基づいて、不当な政治的介入を受けることなく、またルール遵守の下で開催されるものと、こういうふうに理解をしております。
 また、オリンピック競技大会の運営につきましては、基本的に大会の組織委員会、それからIOC、国際競技団体等の関係者が協議をして決定すべきものでございますので、今お話のありましたような件について、こちらからIOCに対して要請するということは考えておりません。
○松沢成文君 考えていないから何も行動しないというのでは、私は、東京オリンピックの運営についてもかなり難しいことが出てきたときに、日本はしっかり声を上げていないわけですから、それに対してそれはおかしいということを言えなくなってしまうというふうに思いますよ。これ、どう見てもオリンピックの政治利用ですよ。途中でチーム編成が変わったり、あるいは大会直前に急にチームを変えてくるわけですから。
 これ本当にゆゆしき問題であって、私はきちっとやっぱり、これは東京オリンピックを開催する日本にとっても重要なことですので、政府の見解なり、あるいはIOCに対してこういうところは今後ないように気を付けてほしいという、ある意味で要請なり抗議文なりを送るべきだというふうに思います。
 大臣、これまで、一九七〇年代でしたかね、八〇年代のロス五輪辺りから、ピーター・ユベロスさんのような組織委員長が出てきて、オリンピックというのは商業主義にどんどんどんどんなっていきました。もちろん民の力でオリンピックを成功させるということで、お金集めから、あるいは放映権の問題も含めて、商業主義に侵されてきたというふうに言われてきているんですね。ですから、過度の商業主義はこれは気を付けなきゃいけないところで、いろんな議論もなされているんです。
 ただ、この平昌五輪は、平壌五輪ともやゆされているんですよ。完全に北朝鮮の国際政治の影響を受け過ぎてしまったと。言っておきますけれども、私は、南北朝鮮が、韓国と北朝鮮が融和を図られて平和になって、できれば将来、民族の統一を目指せるような、そういう方向になってもらいたいと思います、切に。政治家としてもそういう協力はしていきたいと思います。しかし、オリンピックはオリンピックとしてスポーツの大会ですから、これに過度に政治が入り過ぎて、政治がいかにも南北朝鮮の統一に向けてオリンピックを利用して、いい方向に持っていこうというのはやり過ぎなんです。ここをしっかりと言わなきゃいけないんですね。
 もう一度、大臣に見解を伺いますけれども、五輪憲章に基づいて、IOCに対してスポーツの政治利用、あるいは政治介入の禁止の遵守を求める要請を、私は、日本国としてでもいいです、あるいはスポーツを担当する文科省としてでもいいですから、きちっとIOCに、また世界卓球連盟に申し入れる、これを今やっておかないと、東京オリンピックで同じことやられたら、我々は言えませんからね。
 だから、大臣、どちらが正しいのか。今のIOCのやり方に乗って、あるいは世界卓球連盟のやり方に乗って、大会直前にチームが変わる、大会の途中にチームが変わる、こういうことを国際大会だからしようがないだろう、主催者が関係団体、関係各国と決めてやっているからしようがないだろうと、そうやって見過ごすのか。これは絶対おかしいと、主催国として、あるいは将来のオリンピックの主催国として、こういうことがあっては東京オリンピックは成功できない可能性がある、ここはきちっと考え直していただきたいということを言わなければ、これだって国際政治ですから、様々な議論、日本の国益も、あるいはスポーツの公正性も守れないと思うんですよ。
 もう一度言いますが、是非とも、この要請をIOCに日本国から、あるいはJOCを通して出していただきたい、そうしないとまた同じことが必ず起きます。大臣の見解、いかがでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) 先ほど御紹介したように、オリンピック憲章には、IOCの使命は世界中でオリンピズムを奨励し、オリンピックムーブメントを主導することであるということが書かれております。それから、NOCは自律性を確保しなければならないと、また、オリンピック憲章の遵守を妨げるおそれのある政治的、法的、宗教的、経済的な圧力、その他のいかなる種類の圧力にも対抗しなければならない、これもお分かりのことだと思います。
 その上で、やはり、先ほど申し上げましたように、今のところを踏まえれば、このオリンピック競技大会の運営というのは、やはり基本的には大会組織委員会やIOC、国際競技団体等の関係者が自律的に協議して決定すべきものであるということでございますので、私の大臣とか政府の立場でIOCに対して要請するということは考えておらないと先ほど申し上げたとおりでございます。
○松沢成文君 このままではちょっと、世界スポーツの発展あるいは日本のスポーツの発展も私は大変厳しくなるというふうに危惧をしておりますので、是非とも、今後省内でも議論を重ねていただきたいというふうに思います。
 私の質問は以上です。どうもありがとうございました。
○今井絵理子君 自由民主党の今井絵理子です。発言の機会をいただき、ありがとうございます。
 本日は一般質疑ということで、去年と同様に、私が非常に関心の高い特別支援教育や特別支援学校の質の向上を求めて三十分間質問させていただきたいと思いますが、その前に、広島県の呉市吉浦中学校で一年生の国語と二年生の理科で必要な教員を確保できず、合わせて四クラス、百一人が四月分の授業を受けられないことが判明した件についてまずお伺いしたいと思います。資料を配付させていただきました。
 広島県教育委員会によりますと、県内の公立小中学校などを対象に調査した結果、三十五の学校で合わせて三十八人が欠員状態になっているということです。県教育委員会は、定年による大量退職に新規採用が追い付かないということが教員不足の原因だと説明されておりますが、同じような教員不足の問題は、この呉市だけではなくほかの自治体も抱えていると聞いております。
 このことについて、文科省としてどのように認識しているでしょうか。
○政府参考人(高橋道和君) 最近、各地域の小中学校において必要な教員を確保するのに苦労しているという事例が多く生じているということは承知をしております。
 現在、各地域において生じている事案について都道府県教育委員会等から伺っている状況を踏まえますと、今委員からも御指摘がありましたように、大量の教員が定年により退職していることに伴い、大量の教員を採用する必要が生じていること、そのほか、特別支援学級の数が増加していること、産休、育休を取得する教員が増加していること、民間企業等の採用が活発になっていることに伴い教員採用試験の受験者が減少していること、こういったことが複合的に関連しているものと認識をしております。
 各都道府県教育委員会等においては必要な教員の早急な確保に努められていることと承知をしておりますが、御指摘の呉市立中学校の事案についても、現時点ではおおむね非常勤講師の確保にめどが立った状況であると伺っております。
 文科省としては、この呉市の事案のように授業等の実施にも支障を来すような状況があれば、これは懸念すべき事態であるという認識を持っております。
○今井絵理子君 ありがとうございます。
 まさに文科省も懸念すべき事態であると認識されているということであり、またその原因も御説明いただきました。だとすると、その問題解決の方法を考えなければいけないと思っております。
 人生百年時代に、高齢者から若者まで全ての国民に活躍の場があり、全ての人が元気に活躍し続けられる社会、安心して暮らすことのできる社会をつくるためには、幼児教育から小中高等学校教育、高等教育、さらには社会人の学び直しに至るまで、生涯を通じて切れ目なく質の高い教育を用意する、これは、政府の新しい経済パッケージである人づくり革命にうたわれている文句です。高等教育無償化に向けた取組もその一つでございますが、義務教育における教育の質を保証することはもっと重要だと感じております。
 しかし、教員が不足している現状は、教育の質どころか教育を受ける機会すら保障できないことを意味しております。それには、人確法が成立した趣旨も踏まえて、教員の給与の見直しも必要かもしれません。そして、何より教員の養成、採用、研修にわたって改善に取り組み、優秀な若者や社会人に教員を志そうと思ってもらうことが大事だと思っております。
 頑張っている教員を応援するとともに、教員の魅力を向上させ、質の高い教員の確保ができるようになるためにはどのように取り組まれるのでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) 教育は人なりと言われますように、学校教育の成否はやはり教師の資質、能力に懸かっておりまして、そのために質の高い教師を確保することは大変重要な課題であると認識しております。質の高い教師を確保するためには、まずは大学における養成段階において、教師となるために必要な基礎的な資質、能力をしっかりと養うことがまずは基本であろうと思っております。
 教員養成につきましては、昨年度までに教員職員免許法の改正等を始めとする制度改正を行い、都道府県教育委員会等のニーズを踏まえまして、教師として実際に現場で必要とされる知識や技能を獲得できるよう、学校現場や教職を体験させる機会の充実など教職課程の内容の充実を図るとともに、各大学が従来以上に弾力的に新たな教育課題に対応できる教職課程の改善を図れる仕組みに改めたところでございます。
 その上で、多くの方に教職を志していただけるように取り組むことが重要ですが、文科省としても、高度専門職業人としての教師の地位を確立し、教職の魅力を発信していくとともに、学校における働き方改革を進めることなどを通じて、教師が誇りを持って働くことのできる環境の整備に取り組んでまいりたいと考えております。
○今井絵理子君 ありがとうございます。
 御説明いただきましたように、先生方の地位の向上、そして魅力あることだということの発信も兼ねてお願いしたいなと思います。
 そして、先ほど働き方改革などもございましたが、大変難しいことは承知しておりますが、これまでのまた議論と逆行していることも理解しておりますが、やっぱり給与の見直しなども真剣にもう議論するときが来たのではないかなと私は思っています。具体的な解決策を是非検討していただければと思っております。
 それでは、特別支援教育、特別支援学校の質の向上について質問させていただきます。
 まず初めに、免許状の保有率から教員の質について考えてみたいと思います。
 去年三月も、この委員会で、免許状の保有率に関して質問させていただきました。平成二十八年度の特別支援学校教諭等免許状保有については、そのときは七五・八%でした。資料も付けさせていただいております。資料の三を御覧ください。あれから一年がたち、平成二十九年度の保有率は七七・七%でした。
 そこで、質問です。文科省は平成三十二年度までに免許状の保有率を一〇〇%にするという目標を掲げておりますが、目標達成へ向けた取組と進捗をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(林芳正君) 特別支援学校の教師の当該障害種の免許状の保有率は、今委員から御紹介いただきましたように年々増加をしてきておりまして、平成二十九年五月一日現在、御紹介いただいたように七七・七%まで来ております。
 平成二十七年十二月の中教審の答申で、教育職員免許法附則第十六項の廃止も見据え、平成三十二年度までの間に、おおむね全ての特別支援学校の教員が免許状を所持することを目指し、国が必要な支援を行うことが適当であるとされたところでございます。
 このため、文科省としては、この保有率の向上に向けまして、都道府県、政令指定都市及び大学、これ実施をする特別支援学校教諭免許状の取得に必要な単位となる講習会の開催費用の支援、それから、地方公共団体との意見交換における免許状の保有率向上に向けた取組の要請、さらには、独立行政法人の国立特別支援教育総合研究所におけます免許認定通信教育の開設、こういうことを行っております。
 引き続き、こうした取組を通じて特別支援学校における教師の専門性の向上を図り、特別支援学校の教諭等の免許状の保有率向上に努めてまいりたいと思っております。
○今井絵理子君 先ほど大臣の御答弁の中にありましたように、教員免許法附則第十六項の廃止を見据えというお言葉がありました。この件に関しても前回発言させていただきましたが、平成二十七年十二月の中教審では、子供一人一人の障害に応じた適切な指導が求められることなどにより、これまで以上に専門性が求められているという旨が答申されております。
 直ちにこの附則第十六項を廃止することが難しいとしても、せめて、当分の間ではなく、一年とか二年とか、そういった年限を定めるべきだと思いますが、御見解をお聞かせください。
○政府参考人(高橋道和君) 文部科学省においては、平成二十七年の中教審答申を踏まえ、ただいま大臣からも御答弁申し上げましたように、特別支援学校教諭免許状の保有率向上に今集中的に取り組んでいるところでございます。
 平成二十九年五月一日時点での特別支援学校の教師のうちの当該障害種の免許状保有教員の割合は七七・七%でございますので、教育職員免許法附則第十六項を直ちに廃止することは現時点では困難であると考えますが、今後の保有率向上の状況を見極めつつ、地方公共団体の意見も踏まえながら、時限を設けて廃止することも含め、可能な限り速やかに検討したいと考えております。
○今井絵理子君 ありがとうございます。
 是非速やかに検討していただきたいと思っています。また、中教審の答申に沿った取組も是非進めていただきたいと思います。
 さて、もう一度全体の保有率を見てみますと、この間、免許状保有率は七七・七%まで年々上昇しておりますが、文科省の取組についても評価するところでございます。しかし、障害種別、これには五種類の障害種に関する免許状があるのですが、それぞれの保有率を見てみますと、視覚障害教育については五九・九%、聴覚では五一・七%、知的では八〇・六%、肢体不自由が七九・三%、病弱では七六・七%とのことです。視覚、聴覚に関する免許状の保有率がとても低いことが分かります。
 実際に私の息子が経験していることなんですけれども、ほかの障害種の学校から赴任をしてきた、あるいは一般の学校から赴任してきたという教員が指導されるわけです。もちろん手話はほとんどできない、聴覚障害についての理解も乏しい。現在、聾学校では九〇%以上が手話で指導をしているのにもかかわらず、そういった教員が配置されているわけです。
 しかし、親御さんは、全ての教員が専門的な知識、スキルを持っていると思っているわけです。これは先生方が悪いわけではありません。皆さん、とても頑張ってくださっています。つまり、制度に問題があると言わざるを得ません。今の状況は、文科省が掲げる特別支援教育の目的である一人一人のニーズに応じた学習とは懸け離れたものだと思っております。
 ここで伺いたいのですが、この視覚、聴覚障害教育の免許状保有率が特に低い理由をどのように考えていますか。
○政府参考人(高橋道和君) お答え申し上げます。
 特別支援学校教諭等免許状の特別支援教育領域ごとの免許保有率については、ただいま委員から御指摘がありましたように、視覚障害者の領域、聴覚障害者の領域が他の障害者の領域に比べて低い状況になっております。
 その理由につきましては、学校設置者の教員の採用や人事配置に関する考え、それから、視覚障害者及び聴覚障害者に関する教育の領域の教員免許状を取得できる大学等の数が少ないこと、こういったことが理由となっているのではないかと考えております。
○今井絵理子君 ありがとうございました。
 今御答弁にありましたように、学校設置者による教員の採用や人事配置に関する部分、そして免許状を取得できる養成機関が少ないという部分については、人材確保の視点により教員の質を考える必要があるため、後ほどちょっと触れたいと思います。
 次に、免許状そのものの質についてお伺いしたいと思います。
 現在、免許状保有率向上の取組として、通信教育以外にも、都道府県による認定講座を支援するなど教育職員検定による免許状取得を促しているところですが、正規の大学の教職課程を経て免許状を取得する場合と比較して質の差は生じないでしょうか。例えば、手話などのコミュニケーション力が問われる聴覚障害教育において、それらの能力は十分に備わっているのか不安があります。
 保有率向上の目的は専門的な知識とスキルを持つ教員を増やすことですが、保有率だけが向上して質が低下してしまうおそれがあるのではないかと懸念しております。御見解をお聞かせください。
○政府参考人(高橋道和君) 教員免許の取得に当たっては、大学における教職課程の修了を原則としていますが、既に免許状を有する者は、免許状の授与権者である都道府県が実施する教育職員検定に合格することで別の免許状の取得が可能となっております。
 この教育職員検定の要件として、例えば特別支援学校教諭の二種免許状については、幼稚園、小学校、中学校又は高等学校の教諭の普通免許状を有すること、三年以上の実務経験があること、特別支援学校教諭として最低限必要な内容として六単位を大学等で修得することが定められております。
 このように、学校現場において児童生徒等を指導した一定の経験を有する者に特別支援学校教員として必要な基礎的、基盤的な知識、技能について学習させた上で免許状を授与しており、こうした制度により、現職教師の複数免許取得の促進、研修意欲の喚起を図っているところです。また、免許状を取得した後も、校内研修等を通じて教師としての知識、技能の継続的な向上が図られており、例えば聾学校において、教師の技能向上のため、手話に関する校内研修を実施している例もあると承知をしております。
 以上のように、免許状取得のための基礎的な講習の受講と、そして継続的な研修とが相まって教師としての資質、能力を確保しているところであり、委員御指摘のとおり、免許状の保有率の向上だけでなく、引き続き教師の資質、能力の向上にも取り組んでまいる所存でございます。
○今井絵理子君 ありがとうございます。
 基礎的な講習の受講と継続的な研修ということで、OJTにより質を保証するということだと思いますが、通信教育に関しては手話の実技というものが入っていないんですよね。やっぱりそこは是非カリキュラムに入れていただきたいという思いがあります。やっぱり教師という職責の重さをしっかりと考慮していただきたい。
 また、聴覚障害教育は、現在、聾学校には人工内耳を装用している子もたくさんいますので、手話のスキルに加え、人工内耳に関する知識も習得できるような仕組みを検討していただくようお願いします。
 通信教育や認定講座による免許状保有率向上の取組は、既に普通免許を持っている教員を対象としたものであります。しかし、もう一つ考えなければならないのは、大学の教職課程による教員の養成についてです。人材育成、人材確保の視点で教員の質について考えてみたいと思います。
 先ほどの御答弁につながるのですが、例えば、国立大学において教職課程が設置されている大学は五十三校、そのうち視覚、聴覚障害教育の教職課程で免許状を取得できるのは、視覚障害教育については僅か六校、聴覚障害教育についても僅か十二校しかありません。そもそも養成機関が少ないことがこういった視覚、聴覚教育の免許状保有率が低い原因となっていると思われます。
 問題解決のためにも、国立大学において特別支援学校の免許を取得できる教職課程の設置、また定員を増やすべきであり、あるいは遠隔教育でしっかりと学べるような環境を整えていくような大学間の連携などの工夫をするなど、現状を改善すべきだと考えますが、御見解をお聞かせください。
○政府参考人(義本博司君) お答え申し上げます。
 平成二十九年四月現在でございますけれども、国立大学において聴覚障害教育に係る特別支援学校の教員免許状を置く課程、それから聴覚障害教育に係る特別支援学校教員免許状の課程認定を受けている課程、それぞれ、先ほどお話ございましたけれども、六校のところ、今、九大学、それから、十二大学のところ、十四大学に今拡大はしておりますけれども、その中で、この二十九年三月に卒業、修了した方の数としましては、視覚障害教育が百四十九件、聴覚障害教育が三百五十一件の一種免許状を授与されている現状でございます。
 今委員御指摘のとおり、いわゆるこの課程認定を置く大学の数、それから定員増の問題については、今お話がございましたように、その機会を広げていくということも大事でございます。一方、足下の中での、都道府県の採用方針ですとか教育委員会の育成方針、例えば、採用後に計画的に研修を行って、視覚、聴覚障害教育に関する療育の免許状を取得させるというところも県によってはあるところでございますけれども、そういうことと相まって総合的な検討を行う必要があると思っております。
 現状でございますけれども、平成二十九年度の特別支援学校における新規採用教員のうち視覚障害教育及び聴覚障害教育の免許状の保有者は、それぞれ、視覚障害の方が四十人、それから聴覚障害の方が六十四人となっておりまして、いわゆる免許状の修了者についてはそれを上回る形の数を保有していますけれども、一方、採用が少ないというふうな現状にあるところでございます。そういう現状を併せて検討していく必要があると思っております。
 それから、国立大学全般につきましては、今、教員の需要の減少という現状が全体としてございまして、その中で、昨年の八月に、有識者会議の報告書におきまして、入学定員の見直しを含めた組織の機能強化と効率化についての提言をいただいているところでございます。
 一方、委員御指摘のとおり、例えば通信教育を活用するとかあるいは大学間で連携をするとかいうことも一つの方策でございますので、現状も含めた上で、各大学においての取組を注視しながら、視覚、聴覚障害教育に係る教職課程の定員の在り方あるいはその養成の在り方についても各大学の検討を促してまいりたいと思っております。
○今井絵理子君 ありがとうございます。
 総合的な検討が必要だと思うんですけれども、先ほど私が言った十二校と六校の話なんですけれども、それは四年制の大学において十二校と六校であり、プラス二校に関しては、これは大学院まで出た後にですよね。なので、そこら辺は正確な数字をよろしくお願いいたします。
 続きまして、次は、特別支援学校の教員の人事配置に関してです。これもまた、低い免許状保有率に関する質問でいただいた御答弁につながるお話だと思われます。
 免許状保有率が低い現在の状況では、人事異動が大きな問題となります。異動により専門外の障害種教育を担当することが生じるからです。教員の専門性を担保するためにも、同一校の在任期間を長く設定するなど工夫はされているようですが、例えば東京都の特別支援学校では、長くても六年で異動があります。最近でも、とある特別支援学校の管理職も経験の浅い障害種の学校へ異動があり、児童、保護者からは不安の声が上がっていました。教員にとっても、僅かな期間に異動先の障害種について学び、専門性を身に付けなければならないため、大きな負担となります。少なくとも同一障害種の学校間での人事異動とすることが望ましいと考えます。
 人事については任命権者である教育委員会の権限であることは承知しておりますが、文科省の御見解をお聞かせください。
○政府参考人(高橋道和君) 教師の人事異動は、任命権者である教育委員会がそれぞれの定める人事異動の方針に基づき、個々の教師の保有している免許状やその専門性、学校や地域ごとの教師の年齢、経験年数、免許教科、教育実績のバランス、人事交流による教師の職能成長や学校の活性化の要請、こういったことを考慮しつつ行っており、特別支援学校については、その教育の専門性に鑑み、同一障害種の学校間の人事異動を行うことも考えられます。
 文部科学省といたしましては、特別支援教育の専門性を確保し、指導の充実が図られることが重要であることから、各地方公共団体の実情に応じて適切な人事配置がなされるべきものと考えております。
○今井絵理子君 ありがとうございました。
 これは、教育委員会の裁量だけでは同一障害種の学校間の異動にはもう限界があると思っています。それは、少数の視覚障害や聴覚障害においては数がもう圧倒的に少ないということであるので、是非、制度として広域的な人事異動が可能になるようにするなど、国としても今後御検討いただきたいと思っております。
 もう残り四分しかございませんので、次は、ちょっと先生方にも是非関心を持っていただきたいなと思っているものがあって、それは、特別支援学校で使用されている文科省著作教科書についてお話をしたいと思います。これ、皆さんにお配りしますので、是非ちょっと御覧になっていただきたいなと思っております。(資料提示)これ、回していただいてもいいですか。
 これは、実はとても長い間改訂されなかった教科書があるんですね。聴覚障害の中学部の言語の教科書を見ますと、実に二十五年間改訂されていなかったということで、大変驚きました。また、これ、題材も時代錯誤した内容で構成されておりまして、読んでみると分かると思いますが、また、題材だけではなく指導方法にも聾学校においては変化しております。また、音楽の教科書に関しては三十六年間改訂されませんでした。これは昭和から改訂されていないようです。
 変更する必要のない長く使えるものもあると言われるかもしれませんが、本当にそうでしょうか。これまでの間、改訂がない事実は、そもそも教科書を用いた教育の内容や成果についての検証作業を怠ってきたのではないかという疑念を抱かせます。現在使われている教科書に対する評価と、今後の改訂予定などをお聞かせいただければと思っております。
○政府参考人(高橋道和君) 特別支援学校のための文部科学省著作教科書については、需要数が少ないために民間による発行が見込まれない場合に文部科学省が著作、編集した教科書を発行することとされており、現在、聴覚障害者用、視覚障害者用、これは点字になります、それから知的障害者用の教科書を発行いたしております。
 現在、それぞれの教科書の改訂について具体的な検討を行っているところですが、例えば今委員から御指摘いただきました聴覚障害者用の小学部国語の言語指導の教科書、「ことばのべんきょう」及び「ことばの練習」、これは平成六年頃作られたものということになっておりますが、これにつきまして、平成三十二年度から実施される新学習指導要領の実施時に使用し、子供たちの資質、能力をしっかりと育成できるよう改訂作業を進めることとしているところでございます。
○今井絵理子君 ありがとうございます。
 長年改訂されることなく、これはもう放置されてきたということだと思います。大変これ重要な問題でありますので、文科省には是非反省していただき、これからはしっかりと改訂予定を立てていただきたいと思っております。そして、時代に合った教科書、また活用できる教科書を障害のある子供たちに渡していただきたいと思っております。
 もう時間が来ましたのでちょっとまとめに入らせていただきますが、今日は特別支援教育の質の向上を求めて質問させていただきました。安倍総理が目指す一億総活躍社会を実現するためにも、解決しなければならない問題ばかりです。障害のある人が社会を構成する一員として活躍できる人材となるためにも、特別支援教育において質の高い教育をしていかなければなりません。これらの趣旨を御理解いただきながら、教育行政を進めていただきますことをお願いして、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
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○委員長(高階恵美子君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、衛藤晟一君が委員を辞任され、その補欠として足立敏之君が選任されました。
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○佐々木さやか君 公明党の佐々木さやかです。
 私の方からは、今日はまずがん教育について取り上げたいと思います。
 がんという病気は、我が国においては国民の二人に一人が罹患をし、三人に一人が亡くなるという病気であります。ここ三十年以上、がんの死亡者数というのは増え続けているそうでありますけれども、他方で、昔に比べますと医学の進歩に伴って治るという場合も増えてきているわけであります。正しい理解が必要であると、こういう観点から、我が党といたしましては、このがん教育というものをがん対策の一つとして以前より推進をしてまいりました。
 このがん教育というのは、病気について正しく知る、予防ですとかそういったことにつなげていくということもそうですが、子供たちへのがん教育という観点からは、何より命の大切さと、また、がんを克服をして、またがんと闘いながら社会に復帰をしてお仕事をされている、そういう方々も多いわけですが、そういった方々に対する偏見、差別の問題も残念ながらあります。こういった問題についても学ぶ機会にもなると、こういう意味もあると考えております。
 このがん教育につきましては、第二期のがん対策推進基本計画で、がん教育推進の検討、実施が盛り込まれました。そして、それに対応する形で文科省としても検討を様々行っていただきまして、モデル校での授業実施などが行われてきたというふうに認識をしております。そして、この度改訂をされました次期学習指導要領では、このがん教育について、がんを扱うという形で明記をされるに至っております。特定疾患としてがんと、これを明記したということが意味があるというふうに思っておりますけれども、このがん教育を学習指導要領に盛り込んで、そして全ての中学校、高校で子供たちに学んでもらうと、こういうことになったわけですけれども、この実施の意義についてどのように御認識か、副大臣にお伺いをしたいと思います。
○副大臣(水落敏栄君) 死因として最多であるがんにつきましては、重要な健康課題の一つであると考えております。
 平成二十八年十二月の次期学習指導要領に係る中央教育審議会答申において、中学校保健体育では心の健康や疾病の予防に関する健康課題の解決に関わる内容、また、高等学校保健体育では疾病構造の変化による現代的な健康課題の解決に関わる内容を充実することが示されました。
 これを踏まえまして、平成二十九年三月に公示されました新中学校学習指導要領の保健体育では健康生活と疾病の予防において、また本年三月に公示された新高等学校学習指導要領の保健体育では現代社会と健康においてがんについても取り扱うものとすると新たに明記したところです。
 文部科学省といたしましては、新学習指導要領の全面実施に向け、がん教育の充実が図られるよう準備を進めてまいりたいと考えております。
○佐々木さやか君 がん教育については、先ほども申し上げたように、文科省では二〇一四年度からモデル校での授業の実施等を行っていただいております。しかしながら、モデル校ということでありまして、進んでいる学校では十分行われているかもしれませんけれども、地域によって差がございます。新学習指導要領による授業が開始するということになりますと、全ての中学校、高校で授業が行われるということでありまして、やはりしっかりと充実した内容にしていく必要があります。
 そこで、この新しい学習指導要領による授業が開始するまでに、現在、全国のがん教育の実施状況、これをしっかりと把握をしていただいて、課題等についても把握をして、新しい学習指導要領による授業が開始するまでに十分な準備を行っていただくべきだと思いますけれども、この点いかがでしょうか。
○政府参考人(高橋道和君) ただいま御指摘いただきましたがん教育の実施状況の調査につきましては、平成二十九年度の小中高等学校等の実施状況を今回初めて調査することとし、平成三十年、今年の二月に各教育委員会等に依頼して、現在文部科学省においてその調査の取りまとめ作業を行っているところでございます。
 この調査結果がまとまりましたら、その結果を踏まえて、新学習指導要領及びそれぞれの地域の実情に応じたがん教育の取組の更なる充実に向け、必要な支援について検討してまいりたいと考えております。
○佐々木さやか君 今、調査を行って、取りまとめ中ということでありました。その結果を待ちたいと思います。
 課題として考えられるのは、適切な教材という面、それから教える側の十分な研修等々考えられます。もう一つ大きな課題であるというふうに思っておりますのが、外部講師によるがん教育、これを十分行っていただきたいという点であります。学校の授業ですので学校の先生が行っていただくということが多く想定されるわけでありますけれども、このがん教育につきましては、学校の教員の先生が行っていただくという形になると、どうしても、教材があれば説明はできると思いますが、知識面といいますか、そういったところに偏ってしまうおそれもあるというふうに思います。がん教育において重要なのは、冒頭も申し上げましたとおり、命の大切さと、ここについて授業を通じて子供たちに是非学んでほしいと、こう思います。
 この命の大切さについて語ることができる、同時にがんについての知識もしっかり持っているということになりますと、やはり現場で患者さんの命に向き合っている医師の先生、それから実際にがんを経験されたと、こういう方からの話、これが非常に重要でありまして、また、子供たちの心にも響くものであるというふうに思います。
 ある私の知り合いのお医者さんの先生は、がんについての講演の中でこういうふうに話すそうなんです。どんながんも必ず転移をしますと、こうおっしゃるんですね。いや、それ先生違いますよねと、まだ初期の段階であれば転移はしないで治るというふうに聞きましたと聞いている方がそう言うと、いや、どんな小さながんであっても必ず転移するんです、それはどこに転移をするかというと、それは心なんですと。患者さんの心であったり御家族の心であったり、そういった、がんを患うことの心のケアというものも非常に大事だ、そして、がんを乗り越えるまでのそうした患者さん御自身だったり御家族のお話というのをされる、そういう導入としてあえて先ほどのような言葉を、表現を使われるそうでありますけれども、やっぱりそういう医師の先生方の現場でのいろんな体験に基づくお話というのは非常に子供たちにきっと響くと思うんですね。なかなか学校の先生には難しいかも分かりません。
 こういったことも踏まえて、やはり外部講師によるこのがん教育、これを推進することが重要ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○副大臣(水落敏栄君) 学校におけるがん教育の実施に当たりましては、先生御指摘のように、医師やがん経験者等の外部講師の活用が効果的であると認識しておりまして、第三期がん対策推進基本計画におきましても、医師やがん患者、経験者などの外部講師を活用いたしまして、子供にがんの正しい知識やがん患者、経験者の声を伝えることが重要であるとされているところでございます。
 このため、文部科学省といたしましては、これまでも、平成二十八年四月に外部講師を用いたがん教育ガイドラインを作成、周知するとともに、地域の実情に応じて医療従事者やがん経験者などの外部講師によるがん教育の実施を支援するなどの取組を進めてまいりました。また、今年度は新たに、これらの外部講師の資質向上を目的とした研修会を計画しているところでございます。
 現在取りまとめている平成二十九年度におけるがん教育の実施状況についての調査結果も踏まえ、外部講師を活用したがん教育の一層の充実に努めてまいりたいと思います。
○佐々木さやか君 是非お願いしたいと思います。教員の働き方改革等の観点からも、外部講師による教育の推進というのは意味があるのではないかとも思っています。
 東京都では、この度、二〇二二年度までに全公立中学校、高校で外部講師によるがん教育の実施を決定したそうであります。医師会、関係部局と連携をし体制をつくっていくというふうに聞きましたけれども、こういった体制を各自治体で整えていっていただく必要があるというふうに思います。
 ところで、公明党といたしましては、特にこの外部講師の中でも、がん専門医の先生によるがん教育というものを積極的に行っていくべきだと、こう主張させていただいております。専門の先生による医療現場での経験に基づいた話、これは非常に子供たちへの啓発に大変効果がございます。
 病気の予防、検診による早期発見、そういったことも含めて、このがん専門医の先生によるがん教育、非常に重要だと思っておりますけれども、この点、高橋局長は実際にそうした授業を御覧になったこともあるというふうに伺いました。是非、この重要性についてどのように考えていらっしゃるか、お聞かせください。
○政府参考人(高橋道和君) まず、医師など医療従事者を外部講師として活用する授業は、がんに関する科学的根拠に基づいた知識などの専門的内容を知る貴重な機会として、子供たちががんを理解する上で効果的であると認識しております。
 その上で、今御指摘いただきましたがん専門医でございますが、今御指摘いただきましたように、私も先月、その専門医の方の二こま、九十分の授業を拝見いたしました。大変やっぱりその経験に裏付けられて、また教材の準備もしっかりとなされていた、そういった授業であったと記憶をしております。
 こういったがんの専門医につきましては、実際の診療に携わった経験から、専門的な知見に基づく指導や、がん患者やその家族と接する経験を踏まえた指導など、がんの専門家としてより具体的で子供たちの心に響く授業を行っていくことが期待できるのではないかと、このように考えております。
 文部科学省といたしましては、地域の実情に応じたがん専門医などの外部講師の活用体制の充実に引き続き努めてまいりたいと考えております。
○佐々木さやか君 ありがとうございます。
 実際に授業を御覧になっていただいた感想も交ぜていただいたかなと思っておりますけれども、このがん専門医の先生の授業を是非やっていただきたいんですが、課題といたしましては、やはり講師となってくださる医師の先生の確保でございます。
 この点、がん教育を受けた子供たちが家に帰ってその日学んだことをお父さん、お母さんにお話をする、そういった中で、お父さん、お母さんも検診に行った方がいいよと、こんなふうに話す子供もいるというふうに聞きます。こういう観点から、がん教育というのは、がん検診の受診率の向上にも結び付いていく効果が期待できると思います。こういった観点から、専門医によるがん教育の実施という観点について、是非厚労省にも協力をいただきたいと思います。
 この医師の確保について、厚労省、いかがでしょうか。
○政府参考人(吉永和生君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、学校でのがん教育を通じて子供の頃からがんに対する正しい知識を得ることは、がん検診の受診率の向上のためにも重要であると考えてございます。
 本年三月に閣議決定されました第三期がん対策推進基本計画では、がん患者を含めた国民ががんを知り、がんの克服を目指すことを全体目標として掲げ、それを実現するため、がん予防、がん医療の充実、がんとの共生を三本の施策の柱としているところでございます。その中でも、がん教育につきましては、それらの施策の柱を支える基盤の一つとして位置付け、強化することとしているところでございます。
 厚生労働省といたしましては、がん対策推進基本計画に基づきまして、国民ががんに対する正しい知識を得ることができますよう、文部科学省や関係団体と協力しながら、学校におきますがん教育の推進に協力していきたいと考えているところでございます。
○佐々木さやか君 是非ここは連携をしていただいて、力を入れていただきたいと思います。お願いいたします。
 それから、子供たちのがん教育、非常に重要であります。子供のとき全ての子供たちが学んでくれればそれで十分な知識は得られるかもしれませんけれども、そういう教育を受ける機会がなかったという大人もたくさんいるわけでありまして、大人へのがん教育、がんを正しく知るということも進めていくべきであります。
 この点、例えば企業でがんの教育、がんについて知る講座を推進するなど、従業員の健康を確保する、こういう観点からも是非大人へのがん教育進めていくべきだと思いますが、この点はいかがでしょうか。
○政府参考人(吉永和生君) お答え申し上げます。
 御指摘の大人へのがん教育につきましては、がん患者の約三人に一人は二十歳から六十四歳までの間にがんに罹患しているという状況にございますけれども、こうした状況を踏まえますと、企業やそこで働く方々に対しましてがんを正しく理解していただくことは重要であると考えてございます。
 このため、厚生労働省では、がんに対する企業の理解を促進し、職域におけるがん対策を推進するため、平成二十一年度から、がん対策推進企業等連携事業、いわゆるがん対策推進企業アクションを実施しているところでございます。この中で、事業者向けのセミナーの開催でありますとか、本事業に参画する企業が行う従業員への情報提供や勉強会の開催の支援などを行っているところでございまして、こうしたことを通じまして大人へのがん教育の取組を進めているところでございます。
 平成二十九年度末時点におきまして、本事業に約二千六百社の企業に参画をいただいているところでございまして、これらの企業に雇用される従業員は約六百八十万人となってございます。企業やそこで働く方々にがんに対する正しい知識を持っていただくことに役立っていると考えているところでございます。
 このような事業の実施等を通じまして大人へのがん教育を進めることは、がん検診の受診率の向上にも寄与することと考えてございまして、厚生労働省としては引き続きしっかりと取り組んでまいりたいと考えてございます。
○佐々木さやか君 あらゆる機会でのがん教育、これを進めていくという観点からは、職場でがんを知っていただく。それから、例えば専業主婦の方とか企業にお勤めでない方もいらっしゃいますので、地域でのがん教育、これも重要だと思います。
 それから、先ほど申し上げたのは中学校、高校での教育でありますけれども、大学生等ですね、例えば大学生へのがん教育、これも推進をすべきではないかと思っているんですが、この点はいかがでしょうか。
○政府参考人(義本博司君) お答えいたします。
 がんについての正しい理解を深めるとともに、先生御指摘のとおり、自他共の健康と命の大切さについて学ぶことにつきましては、中学生、高校生のみならず、大学生にとってみても重要な課題だと認識しております。
 大学において様々な取組をしておりますけれども、その例を紹介させていただきますと、例えば、愛知教育大学においては子宮がんセミナーを実施するとか、あるいは、近畿大学においては女性のためのがん講座を開催するなど、大学の独自の取組としてがん教育が行われております。また、大学のホームページでがん検診の受診を勧めるページを作り、学生に啓発している大学もあるところでございます。
 加えて、がんを含む様々な疾病の予防や生活習慣の確立などを含めた健康や命について考え、実践する取組が行われているところでございます。例えば、小樽商科大学においては、学生の健康を預かります保健管理センターがありますが、そこが主催しまして、知識を学ぶだけではなくて、参加、体験することでセルフヘルスケアができるようになるような取組を実施しているところもあるところでございます。
 文科省としましては、大学生が主体的にがんを含め健康への理解を深められるよう、大学における取組の充実について促してまいりたいと存じます。
○佐々木さやか君 国民の二人に一人が罹患をすると、しかも、多くの場合、命にも関わってくるおそれのあるこのがんという病気、我々日本国民にとって非常に身近でありますけれども、まだまだ知らない部分も多いということで、引き続き、このがん教育の重要性、訴えてまいりたいと思います。
 次に、残り時間で無戸籍者の問題についてお聞きをしたいと思います。
 この無戸籍者の問題、少し前に報道等でも取り上げられまして、政府としてもこの対策進めていただきました。そういう結果がだんだんと現れてはきておりますけれども、今年の三月十日現在の法務省の調べによりますと、七百六人が無戸籍者として把握をされているということでありまして、依然として相当程度の方が無戸籍ということになっております。
 この解消を、これをゼロ人とすることが一番理想的なわけですけれども、どのように取り組んでいくか、そして、解消に結び付かない課題など、こういったこともしっかり把握をして対応していかなければなりませんが、この点、法務省、いかがでしょうか。
○政府参考人(筒井健夫君) お答えいたします。
 無戸籍の方につきましては、国民としての社会的な基盤が与えられておらず、社会生活上の不利益を受けるという、人間の尊厳にも関わる重大な問題が生じているものと認識しております。
 無戸籍の方に対する従前からの対応といたしましては、法務局において市区町村等と連携して情報を集約するほか、その情報に基づいて戸籍に記載されるための丁寧な手続案内をする等の取組を行ってまいりました。さらに、法務省において関係府省を構成員とする無戸籍者ゼロタスクフォースを設置するほか、日本弁護士連合会とも連携してきたところでございます。
 しかしながら、法務省において無戸籍であると新たに把握した方の中には、把握される以前に無戸籍状態が相当期間続いていた方も一部にありまして、市区町村によっては、依然として、福祉の担当部署などが把握していても戸籍の担当部署に情報提供がされていない可能性があるものと認識しております。
 そこで、最近の取組といたしましては、法務省において、市区町村に対し、例えば市区町村の福祉関係の部署などが無戸籍者の情報を把握した場合に、その情報を戸籍事務の担当部署に提供することには法的な根拠があり、個人情報保護の観点からも問題とならない旨を総務省とともに周知いたしました。
 また、依然として無戸籍状態が解消されていない背景といたしましては、裁判所における手続が必要となる事案が多いという事情がございます。そこで、裁判所における手続が円滑に行われるようにするため、法務局において弁護士会、法テラス及び家庭裁判所に働きかけを行い、無戸籍者問題の解消を目指した地方協議会を設置して順次開催するなどしております。
 法務省としては、無戸籍の方々の情報集約や丁寧な手続案内を開始して三年余りが経過いたしましたけれども、引き続き無戸籍者問題の解消に向けて、より一層積極的に取り組んでいく所存でございます。
○佐々木さやか君 この無戸籍者の数のうち年齢等についても調査をしているわけですが、三月十日現在の数字でいいますと、就学年齢にある者の合計としては百九十二名おります。ですので、こういった子供たちがきちんと就学することができているのか、こういったことも文科省で法務省と連携しながら調査をしっかり行っていっていただきたいと思っております。
 ちょっと時間が余りありませんので一問質問は飛ばしますけれども、ちなみに文科省としては、昨年の八月十日現在の無戸籍の学齢児童生徒について就学状況に関する調査をして、結果を公表しております。これは昨年の八月時点ですので、今年にまた新しく入学する子供たちもいますし、進学している子供たちもいるはずでありますので、是非今年も引き続き調査、今後も継続をして行っていただきたいと、これをお願いをしておきます。
 そして、最後に副大臣にお伺いしたいと思いますが、法務省からいろいろと話があったように、この無戸籍問題、解消していくためにはいろいろな機関が連携をよくしていただくことが必要であります。いろんなところでキャッチした情報をつなげていくということが重要であります。
 教育委員会においても、この無戸籍に関する情報をキャッチすることがあると思います。それについてしっかりと必要な支援等々につなげていただきたいと思いますし、それから、昨年行われた文科省の学齢児童生徒に関する就学状況に関する調査、これを見ますと、その時点で就学は全員確認できたんですけれども、未就学の期間もあったということで、長い子供は五年以上就学できていない期間があったと、こういう子供たちもいるわけであります。
 無戸籍の子供たちというのは、やはり、こういった家庭の様々な状況であったりとか、いろんな背景から学習の遅れ等々課題を抱えていることが多くありますので、こういった点についてのきめ細やかな支援も引き続き是非お願いいたします。
 今申し上げたような無戸籍問題についての取組、引き続き行っていただきたいと思いますが、副大臣、いかがでしょうか。御決意をお聞かせください。
○副大臣(水落敏栄君) 戸籍の有無にかかわらず、学齢の児童生徒の義務教育諸学校への就学機会を確保することは、憲法に定める教育を受ける権利を保障する観点から、極めて重要であります。このために、文部科学省におきましては、平成二十七年に通知を発出し、各市区町村教育委員会において、戸籍担当部局や社会福祉部局等の関係機関との間で戸籍等に記載されていない学齢児童生徒に関する必要な情報を共有するためのルールをあらかじめ決めておくよう求めているところでございます。
 文部科学省といたしましては、法務省と連携をいたしまして、無戸籍の学齢児童生徒の就学状況を引き続き把握するとともに、教育委員会に対して関係機関との連携例を周知するなどにより、無戸籍の学齢児童生徒が就学の機会を逸することのないよう、自治体における取組を促してまいります。
○佐々木さやか君 よろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。
○高木かおり君 日本維新の会の高木かおりでございます。
 まず最初に、ちょっとまだ大臣が今いらっしゃいませんので、質問の順番を変えて質疑を進めさせていただきたいと思います。今日は、日本の科学技術の競争力についてお伺いをしたいと思います。
 日本の研究開発投資の総額、これは、政府の予算が約三兆五千億円で横ばいの状態で推移している、そういった状況なんですけど、これに企業等の研究費を加味しますと、二〇一六年の科学技術研究費は合計で十八兆四千三百二十六億円に上ると言われています。この金額は、アメリカ、中国に次いで世界第三位ですけれども、この、オランダのアムステルダムに本社を置く学術出版大手の調査によりますと、一定額当たりの論文数で見ると、主要九か国の中では最低水準だと。一本の論文を書くのに、カナダや英国の五倍以上の研究開発費を使っている計算になると言われています。
 様々な比較の仕方があるとは思いますけれども、引用数がトップ一〇%の論文数、これは、中国などが伸びる一方、韓国もそれに続くんですが、日本は徐々に下がってきていて、平成二十五年には八・四%を占めるにすぎない、研究開発費を増やしても競争力の向上につながっていないと、こういった現状が見えてくるわけです。論文を書く研究者に対しまして、日経新聞が二十代から四十代の研究者を対象に実施したアンケートがあります。その中で、日本の科学技術の競争力が低下したと回答をしたのは八割に上る。その要因を聞きますと、不安定な雇用や予算の制約、それから短絡的な成果を求められると、こういったことを疑問視する声も目立ったということでございます。
 そこで、まず研究者の雇用についてお伺いをしていきたいと思いますが、今、大学の若手研究者の多くは、五年の任期付きなどの不安定な待遇で、研究とその付加業務の板挟みに遭っているというのが現状だそうです。これは数字にも表れておりまして、日本の科学技術論文がピークを迎えたのは二〇〇〇年代前半。この時点で、独創性が高いとされる質の高い論文数は、お手元に資料を配付しておりますが、表の左下を見ていただきますと、アメリカ、イギリス、ドイツに次ぐ四位だったわけですね。しかしながら、直近のデータがある二〇一三年から一五年度は、中国、フランスに抜かれて九位まで落ちていってしまっている。
 この右下の図は、引用される回数が上位一〇%の質の高い論文数を示しているんですが、ドイツは七千八百五十七本、フランスは約五千本、イギリスは約八千五百本、これに比べまして日本は四千二百四十二本という結果であります。
 任期という制約があるために、任期が切れても再雇用してもらうとか、あるいは次の職を見付けるためにすぐに成果が出るような小粒のテーマで論文数を稼ぐというような事態も常態化しているというふうにお聞きをしております。
 まずはこのような不安定な状況を変えるために、研究者の雇用の流動性ですとかキャリアパスの多様性、こういったことを考える必要があるんじゃないかなと思うんですが、安定かつ恒常的な地位を研究者の方々に用意するためにも何か方策をお考えなんでしょうか。任期付きという制度が研究力低下の一因ともなっているという声もお聞きいたしますが、その制度は今後も維持していくというお考えなんでしょうか、お聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(佐野太君) お答え申し上げます。
 我が国が成長を続け、新たな価値を生み出していくためには、科学技術イノベーションを担う創造性豊かな若手研究者の育成確保が必要であり、若手研究者のキャリアパスの多様化を図るとともに、安定かつ自立した研究環境を整備することが重要であるというふうに考えております。これは先生が御指摘してくださったとおりでございます。
 このため、文部科学省におきましては、現在、優秀な若手研究者に対しまして、全国の大学、研究開発法人、企業等の多様な研究機関において活躍し得る新たなキャリアパスを提示し研究費を支援する卓越研究員事業を実施することや、また、国立大学におきましては、教員業績評価制度の適正化によるめり張りある処遇への反映や年俸制、クロスアポイントメント制度の活用による教員の流動性の確保などの人事給与マネジメント改革等を通じまして、若手研究者の安定したポストの確保を図ることなどを行っているところでございます。
 今後とも、若手研究者の安定かつ自立的な研究環境の整備により一層努めてまいりたいと思います。
○高木かおり君 今御答弁いただきましたように、様々お考えはいただいているようでございますけれども、本当に早急に対応してやっていただかなければ、どんどん研究者の方々が、もうこのまま研究者として歩んでいく道は厳しいから、本当に優秀な人材が違う分野に行ってしまうというのは、本当に国益にも大変影響するんじゃないかなというふうに思っております。
 先ほどもお話をしましたように、総務省によりますと、二〇一六年の科学技術研究費は、政府、企業含めて十八兆四千三百二十六億円と、資料ももう一つ添付をさせていただいているんですけれども、研究者一人当たりの研究費としては、アメリカやドイツに比べると少なくなっていますが、EUの平均とはまあ同程度であります。アンケートによれば、過去二十年余り百二十万程度で推移していると。
 大学では、苦しい財政状況の中であらゆる手段で財源確保を今行っているということですけれども、一九九〇年代以降、政府は、選択と集中ということで競争的研究資金にも力を入れてまいりました。この選択と集中についても、私はもう一度検討すべきなのかなと、検討すべき時期が来ているのかなというふうに感じているわけです。
 大型の研究プロジェクトであっても数年で終わってしまうため、研究者が大学で安定したポストに就きにくくなったということも言われております。おまけに、この若手研究者の方々にお答えいただいたアンケートなどを見させていただくと、研究時間が減ってしまったとか、必要な分野に研究費が回らない、また国の科学技術予算が少ない、こういったことが上位にランクインされていまして、やはり今、この研究費、その研究時間も含めですけれども、これが重要なんだなということが分かるわけです。
 若い研究者の多くが最初に職を得るのは地方大学が多いということで、そこに例えば資金を回したり、運営費交付金で賄っていたような大学の人件費ですとか施設費とか、そういったものを競争的資金からも出せるように、取りあえず出せるようにして間接経費を確保したり、そういった仕組みも必要なんじゃないのかなというふうに思うんですけれども、この点についてと、この若手の研究者、これを様々な面から支援する制度、これについてお聞かせいただけますでしょうか。
○政府参考人(磯谷桂介君) お答え申し上げます。
 先生御指摘のとおり、若手研究者を中心に我が国の研究者を支援することは大変重要なことだと思いますし、午前中や様々な委員会でも御質問いただいたように、特に国立大学法人に対する運営費交付金のしっかりした確保というのが重要だと思っております。
 また、私の方からも加えて申し上げますのは、特に国力の源である学術研究を担う若手研究者の育成、確保というのが重要だと考えておりまして、若手研究者の自立的な研究を支えるためにも研究費の充実を通じた支援が重要であるというふうに認識をしております。
 例えば、文部科学省におきましては、研究者の自由な発想に基づく幅広い分野にわたる学術研究を支援する科学研究費助成事業、いわゆる科研費についてですが、平成二十九年度から、科研費若手支援プランという形で若手研究者に独立して研究する機会を与え、そして研究者としての成長を支援する研究種目であります若手研究の採択率向上を図る取組ですとか、あるいは論文等の実績よりもアイデアの斬新性等を重視して大胆な挑戦を促す研究種目であります挑戦的研究の創設などの改革を実施しております。
 平成三十年度予算におきましては、こうした科研費若手支援プランの実行等のために、科研費全体としては対前年度二億円増の二千二百八十六億円を計上して充実を図ったところでございます。
 また、イノベーション指向の戦略的な基礎研究を推進するという意味で、科学技術振興機構の戦略的創造研究推進事業においても、特に若手研究者を主に対象としておりますさきがけという研究プログラムについて現在約一〇%の採択率をこれを向上することですとか、さらに、若い研究者を支援対象とするようなさきがけにおける制度の拡充等を図っていきたいと考えております。
 今後とも、若手研究者支援の一層の重点化を図るなど、若手研究者が挑戦的な研究に取り組みやすい環境の整備に努めてまいります。
○高木かおり君 ありがとうございます。
 いろいろと若手研究者の支援ということでお考えをいただいているようでございますけれども、先ほど少し触れました五年の任期付きというような採用の仕方、なかなか予算的に厳しいということで、この五年の任期付きの教員というのがここ数年大幅に増えていっているというような状況なんですけれども、やっぱりこういうところも、取組として、例えば大学内でとどまるのではなくて産業界の方へポストを確保するですとか、そういったこと、また、公的な機関の方にも人材を派遣するとか、いろいろとそういった取組をしていただいて、それもやっていただけるということもレクの方とかでもお聞きはしているんですけれども、繰り返しになりますけれども、こういったことを早急に実行をしていただいて、やはりこの研究者の方々をしっかりと国としても支援をしていただきたいなと思います。
   〔委員長退席、理事大野泰正君着席〕
 大臣も来られておりますので、まず最初に大臣にお聞きをしたかったんですけれども、先ほどから議論を聞いていただきまして、この日本の、今日の内閣委員会と文科の連合審査の中でも、大学の方の競争力の低下についてということも私、触れさせていただいたんですが、やはりこの国際競争力ということも、すごく私、重要だと思っておりまして、そういったことも考えながら、今の日本の研究の生産性が低い現状ということについて、先ほどいろいろと現状について種々議論をさせていただいたんですけれども、やはりこの原因の一つには国際共同研究の割合の低さというのも挙げられております。
 この先端研究というのは、優れた研究者が知恵を持ち寄る国際共同研究、これが成果につながりやすいということもございます。
 日本の研究者というのは日本国内にとどまりがちだというような、流動性の低さということも問題になっていると。そういったことで、日本の科学技術、科学技術力、これが本当に世界の中でどんどん存在感が低下していっているんではないかと大変危惧をするわけなんですが、大臣、この現状をどのようにお考えでしょうか。御見解をお願いいたします。
○国務大臣(林芳正君) 衆議院本会議出席のため、失礼いたしました。
 近年、我が国は、論文数や注目度の高い論文数における順位の後退、それから今委員からも御指摘のあった国際共著論文数、この伸び悩み等に見られるように、諸外国に比べて、まだ上の方にはいるんでしょうけれども、研究力がやっぱり相対的に低下をしている傾向にあると思っております。
 この原因としては、やはり教員数が増加する中での若手教員割合の低下、任期付教員の比率の高まり、キャリアパスの不透明さなど、若手の研究者の皆さんの活躍機会がやはり制約をされていること、それから、やはり研究に充てる時間の割合が減少傾向にあると、それから、やはり世界に開かれた魅力ある研究環境の構築や国際的な研究ネットワークの構築にちょっと遅れが生じていると、こういうことが指摘されておるわけでございます。
 したがって、事務方から説明はあったかもしれませんが、科研費などの競争的研究費の、若手へ重点化すること、それから人事給与マネジメント改革で若手に活躍の機会をつくり出すということ、それから多様な外部資金の活用等によって研究にやはり専念できる環境を整備すること、それから世界の頭脳を今度は日本に引き付けてくる世界のトップレベルの研究拠点を形成する、逆に若手研究者が海外へ挑戦しに行く、こういうことに対する支援と、こういういろんなことを通じましてやはり研究力の向上にしっかりと取り組んでいくということが極めて重要であると考えております。
○高木かおり君 ありがとうございます。
 やはり雇用の面ですとか財政面において厳しい環境を強いられている若手研究者、是非とも、今回、様々、将来をかなり悲観的に考えているということが浮かび上がってきまして、このような状況は、やはり優秀な人材が研究者という道を、先ほど述べましたけれども、敬遠しがちになって、今後の日本の科学技術をリードする人材、これが輩出できなくなってしまうという大変厳しい局面にいると思います。
 日本が科学技術立国として世界で存在感示していくためにも、必要な課題はもう上がっていると思います。是非ともこれを具体的に実行に移していただくことをお願いをしたいと思います。
 少し時間が残っておりますので、私の方から、午前中からやはり加計問題について様々議論がございました。
 我が党ももう何度も申し上げているんですけれども、国家戦略特区の仕組みを使って岩盤規制を打破するという点については我が党も賛成をしている。岩盤規制を打破する事業を、ただ、決めることと事業者を誰にするかということは別問題なんじゃないかなというふうに思っております。戦略特区のリーダーである安倍総理が事業者である加計理事長と選定前に獣医学部についてもしもお話をしていたんであれば、事業者選定についてそんたくが働いたんじゃないかというような疑惑がどうしても増してしまうわけです。
 時間があるかと思ったらもう一分前ということで、大臣にお伺いをしたいことがちょっとあったんですけれども、次の機会ということで、本当に、この委員会でもそのほかの委員会でも、一年以上もこの問題に振り回されているというような状況でございます。事実はもう一つしかないと思うわけです。国民の疑惑にきちんと応えるためにも真相究明が必要であり、そのために特別委員会を我が党としては設置して集中的に審議を進めていっていただきたいことをお願いを申し上げまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○伊藤孝恵君 国民民主党・新緑風会の伊藤孝恵です。本日は質問の機会をいただき、ありがとうございます。
 まず冒頭、加計問題について伺います。
 総理の従来の説明と矛盾する愛媛文書が出てまいりました。私が、普通、会社員ならというか、同じチームのメンバーであれば、あれっと、この加計問題聞いたの、昨年の一月二十日だって答弁していたよねと、ここの文書には二〇一五年の二月二十五日、(十五分)なんて詳細に出ているよと、本当って聞くと思うんですけれども、大臣始めそのほかの方々、聞かないんですか。
○理事(大野泰正君) どなたを指名されますか。
○伊藤孝恵君 総理に聞かないんですか。あっ、林大臣に。
○国務大臣(林芳正君) 今朝、閣議がありましたが、そういうやり取りはしておりません。総理からは既に、確か報道機関に対してだったと思いますが、このことに対する総理自身の御見解をお述べになられているというふうには承知をしております。
○伊藤孝恵君 別に腹心の友に会ったっていいんですよ。そして、それいいねって言ったって、別にいいんですよ。ただ、それを会っていない、言っていないとおっしゃると、何でかな、何かやましいことがあるから言っていない、会っていないと言うのかなって私は思っちゃうんですけれども、何かおかしなことを申し上げているでしょうか、大臣。
○国務大臣(林芳正君) 特に委員のおっしゃっていることに何かコメントをする立場でもないので、事実関係としては、先ほど申し上げたように、総理御自身が報道関係者に対してコメントされているとおりだというふうに思っております。
○伊藤孝恵君 大臣、午前中の連合審査の中で、自分は政府の立場、我々のやっていることを御答弁申し上げるというふうにおっしゃっておりました。
 五月十八日の金曜日、セクハラ罪という罪はない旨を閣議決定されましたけれども、どんな原文ですか、政府のお立場、答弁ください。
○国務大臣(林芳正君) 平成三十年五月十八日金曜日の定例閣議において、これは衆議院議員の逢坂誠二先生から御提出のあったセクハラ罪という罪に関する質問に対する答弁書についてを閣議決定したということでございます。
 中身も申し上げました方がよろしいでしょうか。
○伊藤孝恵君 結構です。
 その中身、セクシュアルハラスメントに該当し得る行為には多様なものがありというふうに表現されています。
 大臣は、どんなものがセクハラに該当し得る行為と思われますか。
○国務大臣(林芳正君) 私がというお問合せでございましょうか。
 ちょっと直接の文科大臣としての所管ではございませんが、この先ほどの答弁書でございますけれども、セクシュアルハラスメントに対する同大臣の考え、これ、同大臣というのは麻生大臣のことですが、麻生大臣が、閣議後、記者会見において、「セクハラ疑惑につきましては、セクハラは、被害女性の尊厳や人権を侵害する行為なので決して許される話ではないということは、報道が事実だとすれば、セクハラに該当するという意味でアウト、これは最初から申し上げたとおりです。」と述べたとおりであると、こういうところの答弁書が閣議決定をされておるところでございます。
○伊藤孝恵君 ということは、その財務省の福田前次官の行為はセクハラだと、本人は言葉遊びと表現されておりましたけれども、林大臣におかれましても、この行為はセクハラだというふうに思われますか。
○国務大臣(林芳正君) 答弁書においては、セクハラ罪という罪はないという理解に対する質問と、今のところというところでございましたので、財務省の中の件についてこの答弁書で触れていたものではないというふうに承知をしております。
○伊藤孝恵君 大臣は、福田次官の行為についてセクハラだとお感じになりましたかというふうにお伺いしております。
○国務大臣(林芳正君) 私の個人的な見解をここで申し上げる場ではないというふうには思っておりますが、私のちょっとうろ覚えの記憶によりますと、財務省の方では結果としてセクハラであったという認定をしたというようなことを報道で承知をしております。
   〔理事大野泰正君退席、委員長着席〕
○伊藤孝恵君 そうなんです。これはセクハラですし、働く女性の尊厳を傷つける行為だというふうに思います。
 では、大臣、福田前次官の行為は性暴力でしょうか。もう一度言いましょうか。性暴力だというふうに思われますか。
○国務大臣(林芳正君) ちょっと事前のお尋ねが詳しくいただいておりませんでしたので、ちょっとこの性暴力というものの定義についてつまびらかに、私、しておりませんので、ちょっとなかなかお答えが難しゅうございます。
○伊藤孝恵君 少なくとも答弁書を熟読されていられるかと思いますけれども、答弁書の中には、こういった不快にさせる性的な言動、言語だけじゃなくて行動もなんですけれども、そういったものを、これらの行為をセクシュアルハラスメントとして処罰する旨を規定した刑罰法令は存在しないと、こう書かれています。それを閣議決定したと。
 本当、そのとおりなんですね。現行の日本の法律には禁止規定はございません。均等法において事業主に啓発等を課しているだけで、加害者を罰したり被害者を救済したりと、そういった規定がないんです。
 そういったこの国の男女共同参画等を推進していくお立場の大臣として、こういうセクハラとかパワハラとかなくす法律、必要だと思われませんか。
○国務大臣(林芳正君) それについては、いろんな方がいろんな御意見をお持ちだというふうに思いますが、私、文科大臣としてここでお答えする立場からは、何か意見を申し上げる立場ではなかろうかなというふうに思っております。
○伊藤孝恵君 では、文科大臣の立場から御答弁し得る質問をさせていただきますが、やはりニュースなんかを見ていますと、学校現場でもこういったセクハラ、パワハラ、大いに起こっているというようなニュースがございます。教頭、校長、そういったお立場のある方と教員との関係性、この中でパワハラ、セクハラというのも大いにございます。そういったものをなくすそういった法令、規定、法律、必要だと思われませんか。
○国務大臣(林芳正君) 学校における性に関する指導でございますが、学習指導要領に基づきまして、児童生徒が性に関して正しく理解をし適切に行動が取れるようにすることを目的に実施をされておりまして、体育科とか保健体育科、特別活動を始めとして、学校教育活動全体を通じて指導することになっております。
 また、指導に当たっては、発達段階を踏まえること、学校全体で共通理解を図ること、保護者の理解を得ることに配慮するとともに、やはり集団で一律に指導する内容と個々の児童生徒の抱える問題に応じ個別に指導する内容を区別をして指導することと、こうなっております。
 このことを踏まえて、中学校保健体育科の学習指導要領においては、中学校一年生、これ十三歳でございますが、これへの指導内容として、身体の機能の成熟とともに、性衝動が生じたり、異性への関心が高まったりすることなどから、異性の尊重、情報への適切な対処や行動の選択が必要となることについて取り扱う、こういうふうにしておりますので、引き続き性に関する指導の充実が図られるように努めてまいりたいと思っております。
○伊藤孝恵君 大臣、まだ私、性教育についてお伺いしておりません。子供の世界の性教育の話は後ほどゆっくり聞かせていただきますので、今私は、大人の世界で実際にあるセクハラ、パワハラについてなくす、そういう法律、必要ではありませんか、そう考えられませんかとお伺いしております。
○国務大臣(林芳正君) 先ほどちょっと申し上げましたように、社会全体のセクハラ、パワハラをなくすための法整備の必要性につきましては、文科省の所管外でございますので、お答えすることは差し控えさせていただきたいと思いますが、一般論として申し上げれば、他の者を不快にさせる性的な言動や、社会的な地位等を背景に業務の適正な範囲を超えて精神的苦痛等を与える言動はあってはならないと思っておりまして、社会全体でその防止に取り組んでいく必要があるものと考えております。
○伊藤孝恵君 所管内の、では、厚生労働省にも来てもらっておりますので、参考人にお伺いいたします。
 こういったパワハラ行為を法律で禁止することなどを視野に入れた検討を二〇一七年五月二十二日までに決めたと発表されております。一年たちました。どのくらい進まれましたか。
○政府参考人(成田裕紀君) 職場のパワーハラスメントについてのお尋ねでございますけれども、職場のパワーハラスメント防止対策につきましては、働き方改革実行計画を踏まえまして昨年の五月より検討会を開催いたしまして、本年の三月三十日に報告書を取りまとめていただいたところでございます。
 検討会の報告書におきましては、現状の取組よりも職場におけるパワーハラスメント防止対策を前に進めるべきということで意見が一致するとともに、現場で労使が対応すべき職場のパワーハラスメントの内容や取り組む事項を明確化するためのものが必要であるということについて異論はなかったと示されたところでございます。
 また、具体的な対応策には複数の案が議論され、パワーハラスメントが違法であることを法律上明確化し、被害者による加害者に対する損害賠償請求の対象とする案なども示されたところでございますが、最も多く見られましたのは、事業主に対する雇用管理上の措置義務を法制化する対応案を中心に検討を進めることが望ましいという意見であったことが示されたところでございます。
 その一方で、業種、業態、職務などが異なる中でどのような場合が職場のパワーハラスメントの要素を満たすかの判断が難しいことや、中小企業でも可能な職場のパワーハラスメントの予防、解決に向けた対応や、更なる支援の在り方はどのようになるかなどの論点があることから、法律によって規制するのではなく、まずは事業主による対応をガイドラインで明示することが望ましいという意見も示されたところでございます。
 厚生労働省といたしましては、こうした検討会の報告書で示された論点について、今後の労働政策審議会の議論に資するよう、具体例の収集、分析を行ってまいりたいと考えております。
○伊藤孝恵君 前に進めていただき、本当にありがとうございます。ただ、ちょっと遅いです。ちょっと温度が低過ぎます。そういった部分では、我々もパワハラに関する防止法を提出させていただいております。是非議論の俎上にのせていただきたく存じます。
 そして、大臣には、本日、セクハラは性暴力だと認識するところから始めていただきたいというふうに思います。
 資料をお配りしておりますもの、一枚目、御覧ください。まず、東京大学大学院の瀬地山教授、ジェンダー論の先生ですけれども、働く場でのセクハラはパワハラとセット、仕事を奪われる恐怖感があるために言い出しにくく、発覚を妨げてきたと指摘しておりますし、この資料一の中の、「男が痴漢になる理由」などの著者、斉藤章佳さんいわく、再発を防ぐには、まずセクハラは性暴力だという前提を共有しないといけない、またその性暴力は権力関係の中で起こること、権限を持っている人が自らの加害者性に自覚的になることが重要で、もしセクハラを追及されたら、まずはそれを受け止めること、拒否やそして抵抗していては対話にならない、加害行為に対する責任の取り方は三つで、再発防止責任、説明責任、最後は謝罪と贖罪だそうです。
 大臣、福田前次官と、麻生財務大臣もそうです、任命責任のある安倍総理もそうです、責任を果たされていると、どこかの責任でもいいです、この三つの再発防止責任、説明責任、贖罪と謝罪、果たされていると思われますか。
○国務大臣(林芳正君) ちょっと急なお尋ねでございましたので、これも今初めて見させていただきましたので、ちょっとこれ、この斉藤先生でございますか、この方がおっしゃっているこの定義とか謝罪の仕方に基づいて、財務省の件についてなかなかお答えしにくいのかなというふうに思っております。
○伊藤孝恵君 では、この方がおっしゃっていることだから答えられないということでしたけれども、前提を共有するという関係性は大臣とは築くことできますか。それは、セクハラは性暴力だ、いけないことだと、そういうような認識は共有することは可能ですか。
○国務大臣(林芳正君) セクハラそのものにつきましては、先ほど一般論として申し上げたとおりでございまして、やはり他の者を不快にさせる性的な言動云々はあってはならないというふうに申し上げたとおりでございます。
 その上で、先ほどもちょっと申し上げましたが、性暴力というのが例えば法律上の定義なのか、どういう定義なのかということにもよってこようかと、こういうふうに思いますので、なかなか一概に、この先生がおっしゃっていることに当てはめてどうかということはなかなかお答えしにくい状況かなというふうに思っております。
○伊藤孝恵君 今、あってはならないものであると、大臣もはっきり言っていただきました。
 では、政府参考人に伺います。こういったセクハラに関する定性、定量又は経年の調査というのはございますか。
○政府参考人(渡邉清君) 内閣府の男女共同参画局でございます。
 セクシュアルハラスメントの実態把握につきましては、それぞれの分野で独特の背景、実情があると考えられますことから、それぞれ御担当する省庁等において適切に実施されているものであろうと考えております。
 内閣府といたしましては、セクシュアルハラスメントに特化した調査は実施しておりませんけれども、平成二十九年度に実施した男女間における暴力に関する実態調査、こちらにおきまして、二十歳以上の女性、有効回答数千八百七人でございましたが、これらの方に、これまで異性から無理やりに性交等をされたことがあるかどうか聞いたところ、被害経験のある方は七・八%となっており、女性の約十三人に一人が被害を受けているという結果になってございました。この百四十一人の方のうち、どこにも相談しなかった方が八十三人おられまして、その理由を複数回答可能ということで聞いたところ、恥ずかしくて誰にも言えなかったですとか、何とかこのまま自分さえ我慢すればやっていけると思ったといったことが答えとして上がってきておりまして、約六割の方が被害について誰にも相談できていないと、そういう結果が浮き彫りになってまいりました。
 以上でございます。
○伊藤孝恵君 聞いていても非常に残念な結果ですし、そういった、誰にも言えなかったのは何でなのかなというふうに考えると、例えば、世間からの目もありましょう、出世とか転職とか、報復を恐れる、そういう気持ちもあるかと思います。
 性暴力とかセクハラの被害を告白する、ミー・トゥーって、ハッシュタグ・ミー・トゥー、ようやく認識されるようになりましたけれども、それを支えるウィー・トゥーとかウィズ・ユーとか、日本ではなかなか広がりません。正確に言えば、リツイートは伸びているんです、ただツイートが伸びない。誰かの告発をシェアすることでその静かな声を上げているけど、自分自身の告発はどうしてもできないと。そういう声を調査した上で、影響力のある人たちがこぞって、こぞって社会が変わらないといけないと発信しなければいけない時期に来ているかと思います。
 政治の分野でもそうです。例えば、韓国の文在寅大統領、二月二十六日に、ミー・トゥーについて、積極的に支持する、政府レベルの手段を総動員し、社会の至る所に根を下ろしたジェンダー暴力を根絶しなければならないと発言し、司法当局にも、告訴がなくても捜査するように、また被害者たちが二次被害や不利益を受けることがないようにきめ細かく対策を用意するようにと、そう指示されたそうです。で、同じ日、早速、性暴力被害者統合支援及び二次被害の防止に向けた政府・与党間協議というもので、性暴力の根絶と二次被害の防止、救済のため、あらゆる関係省庁が参加する政府推進団を構成することを決定されたそうです。加えて、与党は法案改正にも力を入れることを発表いたしました。日本と随分違います。今いろいろやじがありますけれども、日本と本当に違う対応をされています。
 こういった、セクハラとかパワハラを許さない風土の下敷きとなるような法律、これやっぱり必要だと思いますし、何より、幼い頃からこういうことはいけないことなんだ、それが当たり前なんだというような教育も必要なんだというふうに思います。
 ここからは性教育について伺います。
 我が国の性交同意年齢は十三歳です。これ明治時代に設定されたまんま、十三歳のまんまです。性交同意年齢とは、つまり、性交がどのようなものかを理解し、性行為を行うか否かの判断を自分でできるというふうにみなされる年齢であります。しかし、そんな性教育、十三歳になるまで、家庭でも地域でも学校でもしているのかというような疑問があります。それについて、大臣、御所見をお聞かせください。
○国務大臣(林芳正君) 先ほど少し先走って御答弁をしてしまいましたが、学習指導要領に基づいて、やはりこの性に関する指導を、児童生徒が性に関して正しく理解をして適切に行動が取れるよう、それを目的として実施をされており、体育科、保健体育科、特別活動を始めとして学校教育活動全体を通じて指導することという、先ほど申し上げたとおりでございます。その際、発達段階を踏まえる、学校全体で共通理解を図る、それから保護者の理解を得るというのも入っておりますので、そういう意味では家庭もその範囲に入ってくるということではないかなと思いますが、集団で一律に指導する内容と、個々の児童生徒の抱える問題に応じて個別に指導する内容を区別して指導すると、こういうふうになっております。
 地域のことは指導要領そのものにはございませんが、コミュニティ・スクール等々を通じて、これはやはり地域と、それから、個別に指導するという意味ではやっぱり家庭と学校の連携ということが大変大事になってくるのではないかなと思っております。
○伊藤孝恵君 日本の性教育というものについて、神本委員に以前、正真正銘、小学校の先生ですけど、日本は、被害者にならない教育はしても、加害者にならない教育はしていないんだというふうに教えていただいたことがあります。本当そう思います。
 今の御答弁の中でも、同意の重要性というところがなかったやに思うんですけれども、深刻なセクハラの多くは、権力関係を例えば恋愛関係と勘違いしていたり、僕だったら許される、俺は特別というような大きな大きな誤解。もちろん、男性のみならず、また女性のみならず、様々な性においてこの問題に無関係な人はいないというふうに思います。私自身も、誰かを過去に傷つけたこと、あるかもしれません。
 そういった、だからこそ日本の性教育のプログラムの中に、より具体性のある、座学にとどまらない積極的なそういうセクシュアルコンセント、性的同意というものを学んだり、こういった世の中で起きているセクハラの事例なんか、社会とちゃんと接続したリアルな内容を学ぶ、そういった時間を設けるべきではないかと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) 先ほど学習指導要領のところで、異性への関心が高まったりするので、異性の尊重ということは指導要領において申し上げたところでございまして、この異性の尊重や、そして情報への適切な対処や行動の選択が必要となること、こういうことについて取り扱うということにしております。
 中学校保健体育科の教科書には、中学生の時期は、体は大人へと近づいていますが、精神的、社会的にはまだ未成熟と言えます、異性の心や体の違いを理解してお互いを尊重し合う人間関係をつくっていくことが大切ですと、そういう記載があるところでございます。
 さらに、その指導に当たっては、資料を基にした話合いや、今先生からお話がございましたが、専門家に来ていただいて講話を聴くと、こういった活動は考えられるというふうに思っておるところでございますので、引き続き、性に関する指導の充実が図られるように努めてまいりたいと思っております。
○伊藤孝恵君 過去の政治家は性教育についてどういうふうに考えているのかなというふうに、過去の議事録を探しましたところ、小泉当時総理が平成十七年三月四日の参議院予算委員会で、性教育についてこうおっしゃっています。私の子供の頃なんて受けたことないです、学校で、性教育というのは我々の年代では教えてもらったことありませんが、知らないうちに自然に一通りのことは覚えちゃうんですね、教える必要があるのかどうか。
 時代は変わりました。ネットには悪質ポルノがあふれております。これは本当に異常な状態です。
 ちなみに、ユニセフでは、五歳からの性教育が必要だと言っています。うちの長女も五歳になりましたが、本当にいろいろ聞いてきます。それに対しては、どきっとしつつも真正面から答えるようにしています。この年齢の子供は性教育に対する恥ずかしさとか抵抗感がなく、基本的な教育をするのに適切な時期なのかなというような実感もあります。
 性は日常生活にあるもので、嫌らしいものでも恥ずかしいものでもありません。同意のない性行為は性暴力につながるということを、同意の有無がいかに重要か、幼少期から、もちろん発達に応じたそういった指導が必要かと思いますけれども、その教材とか男女の心の違い、体の違い、妊娠、出産の仕組み、そういったことをちゃんと繰り返し教えていくことで、隠さずにちゃんと話すことで、ネットの影響力に負けない社会の取組、ポルノより先に正確な性情報を手に入れる、触れることが大切だというふうに思います。
 昨今のネットの状況等も踏まえて、大臣の御所見お聞かせください。
○国務大臣(林芳正君) 小泉元総理の時代と私の時代、大分変わってきたなと今実感をしておりましたが、小学校の高学年か中学校になってからか、ちょっと記憶が曖昧でございますが、なぜだか女子だけ別の教室へ行かれて、男子は何か理科の実験みたいなことをしているということが最初だったかな、多分小学校かと思いますが、中学校に入ってからはちゃんと教科書にも今先生がおっしゃったようなことがきちっとあって、この仕組み等も保健体育でたしか教科書に書いてあることを学んだという記憶はございますが、その頃と比べますと、やはりネットを通じた有害情報というのはもう非常に大きな影響を占めるようになっていると、こういうことでありますから、先ほど申し上げたような指導要領の考え方でしっかりと正しい知識を教えるということが大事であろうかというふうに考えております。
○伊藤孝恵君 指導要領の世界観というのと現実世界、子供たちが今生きている世界、これから生きる世界。うちの二歳の子供でも普通にスマホを使いこなせる、そういった子供たちに対しての性教育の在り方というのはもう一度抜本的に考えていただきたいと思います。
 さて、次は、私の地元愛知の名古屋市民の感情を今二分している、木造復元される名古屋城天守閣のバリアフリー化について大臣の見解を伺いたいというふうに思います。
 どう二分されているかといえば、復元とはいえ、これから税金も投入されて建築される公共性の高いものだから、障害者、高齢者に配慮したエレベーター設置などバリアフリーは当然だという意見と、もう一つは、当時の図面そのままに復元することに意味があるのだからエレベーター等付けてはならないという意見です。それに対し名古屋市は、今月九日、エレベーターを設置しないとする方針を示し、今後は市議会での議論を経て月内に正式決定するとのことです。
 障害者団体は、障害者権利条約違反の差別行為だ、県の障害者差別解消推進条例にも違反するとして、文化庁に対し、十七日付けで市が提出する名古屋城現状変更手続を許可しないよう要望書を出したと承知しておりますが、文化庁のスタンスを教えてください。
○国務大臣(林芳正君) 要望書にございます名古屋城の天守閣復元に関する現状変更申請につきましては、現段階でまだ名古屋市において検討中でございまして、具体的な相談をまだ受けておりませんので、その可否についてお答えすることは控えさせていただきたいと思います。
 なお、名古屋城の天守閣につきまして、五月の九日、名古屋市の有識者会議において、史実に忠実に復元するため、エレベーターを設置せず新技術の開発などを通じてバリアフリーに最善の努力をすると、こういう方針が示されまして、現在、この方針について市の内部で議論を進めているところであると、こういうふうに伺っております。
○伊藤孝恵君 私、実は先週の木曜日に国交委員会でバリアフリー法改正案の質疑をさせていただきました。我が国のバリアフリーを少しでも前に進めるための法案に照らして、今回の名古屋城の件についてどう思うかというのを石井国交大臣にお伺いしましたところ、名古屋市が施設利用の円滑化と名古屋城が有する価値の保存、継承と両面から適切に判断されるものだと考えておりますと御答弁されました。
 その両面が難しいから政治家の大臣の御意見をお伺いしたくて質問したんですけれども、余り思いの感じられない御答弁だったので、林文科大臣には意思ある御答弁をお願いしたいのですが、文化庁の使命は文化財の保存や活用でありますし、次世代への継承、発展でもあります。実は名古屋城ほど詳細に図面が残っている城はほかにありません。戦災で焼失する前の本物の姿に復元するということは歴史を知らせる貴重な手法であります。それにこそ価値があるというふうに考えるのは自然、理解できる中で、このバリアフリーとの関係性をどう捉えたらいいのか、大臣の御所見、お聞かせください。
○国務大臣(林芳正君) 余り御期待に沿えないかもしれませんが、史跡等の整備に当たっては史跡等が有する価値を適切に保存して次世代に確実に伝える、これが不可欠であろうかと考えております。バリアフリー化による高齢者や障害者などの自立した社会生活等の確保や、耐震化による安全、安心の確保、バリアフリーとか耐震化といった、そういったほかの諸価値との調整が必要になる場合もあると考えております。
 高齢者、障害者などの移動上、施設の利用上の利便性、安全性の向上を促進することは重要なことでありまして、やはりこうした利便性、安全性の向上と、先ほど申し上げました、不可欠である、史跡等が有する価値を適切に保存して次世代に確実に伝えるということ、できる限り両立を図られるように、我々としては個別の事案に応じて適切に対応してまいりたいと考えております。
○伊藤孝恵君 石井大臣は両面から、文科大臣は両立と。それが難しいから本当にこの問題、答えは出ないですし、今後やはり耐震性などの問題でこういった事例どんどん出てくるというふうに思うんですね。補強だけじゃなくて復元される施設も出てくるでしょうと。
 ただ、今回の名古屋城みたいに、大きな先例になるにもかかわらず、非常に熟議が尽くされているというのは言い難いような状態です。合理的な配慮というのは、話合いの場をしっかり持つということでもあると思います。例えば市と国と当事者と、そういった方たちが議論を尽くした段階でというふうには言い切れない、現状こういったものが足りないというふうに思われます。
 公表された保存活用計画の中にも話合いをするという旨は書いてありますが、誰と、どういった場で、いつ、どのくらい、そういったことは一切書かれておりません。新技術を活用してこの後考えていきますというんですけれども、じゃ具体的にどういうことを考えるんですかというと、まだ四年後ですから未来に期待します、そんなような状態であります。
 そういった中で、やはり二分する、正確に言うと三分しているんですね。例えば、だからエレベーター付けるべきだという人、付けないべきだという人、それから一番多いのが分からないという人です。おととい私もタウンミーティングに行って、四十名ぐらいの方たちがいらっしゃったんですけれども、エレベーター設置は必要だとおっしゃったのは八人、必要ないとおっしゃったのは五人、そのほかの方たちは分からないと言ったんですね。どっちとも言えると。議論の中身が見えていなかったり議論が尽くされていない、どういった議論の中で、どのぐらいの長さの中でどんな意見が出てというのも明らかにされていない、そういった証左だと感じました。
 ただ、これ五百億円規模の投資なんです。だから、そういった上で、議論を尽くした上で進めていくべきだというふうに思いますし、また文化庁におかれましては、復元の際とか、例えば今8Kとかあるじゃないですか、そういう技術、例えば漆を塗るたくみの継承といいますか、削るときとか漆を塗るときとか、そういったものこそ8Kとかでちゃんと残すとか映すとか、映像の力というところも活用して、この復元という五百億円の事業、なかなかないものですから、そういったものを活用してたくみの継承をしていく、そういったようなアイデアも必要なんじゃないかなというふうに思います。
 話題は変わりますけれども、資料二の一、御覧ください。これ、気になる記事がありましたので添付させていただきました。法科大学院の志願者が十一年連続で減っているというような記事です。司法改革による司法試験合格者年間三千人構想の下、大学から法科大学院への仕組みを作ったのは文科省であります。ですから、志願者が減っているということは、文科政策として魅力がない、課題があるということだというふうに思います。
 この理由に、大臣、谷間世代の貸与問題という経済的な問題というもの関係ないですか。
○国務大臣(林芳正君) ちょっと突然のお尋ねでございましたので……。
○委員長(高階恵美子君) 答弁者は挙手をしてください。
○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。
 委員御指摘のとおり、法曹志望者数、法科大学院の入学志願者数がピークであった平成十六年七万二千八百人でありましたが、平成三十年には八千五十八人に減少するなど、大幅に減少しております。
 この法曹志望者数の減少の理由につきましては、法曹養成課程における経済的、時間的負担という要因も考えられるところではございますけれども、平成二十七年六月に政府がまとめた法曹養成制度改革推進会議決定におきましては、法科大学院全体としての司法試験の合格率や法曹有資格者の活動の場の広がりなどが制度創設当初に期待されていた状況と異なるものとなっているといった要因なども指摘されているところでございます。
 また、一昨年、これ本日、委員が配付されている資料にもございますけれども、法務省が文部科学省と共同で実施した法学部生に対する法曹志望に関するアンケートにおきましても、法曹志望に当たっての不安といたしまして、法科大学院や司法修習における経済的負担のほか、司法試験に合格できるかどうか自分の能力に自信がない、あるいは法曹等としての適性があるかどうか分からない、また、他の進路にも魅力を感じているなど様々な点が挙げられているところでございます。
 法務省といたしましては、この法曹志望者の減少につきましては、これら複数の要因が影響しているものと考えておりまして、今後とも、有為な人材が法曹を志願し、質量共に豊かな法曹が輩出されるよう、文部科学省と連携して、他の関係機関等の協力も得ながら必要な取組を進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○委員長(高階恵美子君) 時間が参っておりますので。
○伊藤孝恵君 はい。
 有為な人材が集まるために、この谷間問題、終わるようにお願いいたします。
 終わります。
○神本美恵子君 立憲民主党・民友会の神本美恵子でございます。
 質問に入ります前に、今日、午前中の連合審査で加計問題についての愛媛文書、愛媛県から新たに出された文書について蓮舫議員から配られた資料、私、ほかを読んでいません、これ二枚しか見ていないんですけれども、この二枚を見ただけで、これまで国会で何度も総理は、初めて知ったのは一月二十日、二〇一七年一月二十日を繰り返し繰り返しおっしゃっていました。それから、誰も総理の指示だとは言っていないというふうにおっしゃっていました。また、八田座長も何度も一点の曇りもないプロセスとおっしゃっていましたけれども、この二枚の文書を見ただけでも、総理からはそういう新しい獣医学部の考えはいいねというコメントがあったと。もうはっきり理事長と総理が会ってこういう発言をしたということが記録に残っている。
 また、もう一枚の方を見ても、安倍総理と加計理事長が先日会食した際に、獣医師養成系大学の設置について地元の動きが鈍いとの話が出たと、もうリアルに発言がこうやって出てきているわけですよね。ああ、全てはここから始まっていたんだと。二〇一五年二月二十五日、十五分程度の総理と加計理事長の会談から始まっていたんだということが明らかになったと思います。
 この間、文科省の中からも、総理の御意向というような文書や、官邸の最高レベルが言っているという文書や、総理は自分の口からは言えないから代わりに言うというような発言がメモされた文書が十何枚でしたか出てきましたよね。私、これは大学設置を担っている文科省という点からもしっかり集中審議で事の真相を明らかにする必要があると思いますので、それをまず、委員長、お願いをしたいと思います。
○委員長(高階恵美子君) ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議いたします。
○神本美恵子君 それでは、質問に入りたいと思います。
 今、伊藤議員からお話があった、私もセクハラの問題を中心に今日は質問をさせていただきたいと思います。
 まず、麻生大臣のこの間の財務前事務次官のセクハラ問題に関する発言なんですけれども、本当に、何というか、私は恥ずかしくてたまりません。諸外国が今、日本のこのセクハラの問題についてどんなふうに見ているかといいますと、日本では被害者が告発後に非難されることを恐れて被害を告発するケースが極めて少ない、今回の件は珍しいんだというようなのはイギリスのフィナンシャル・タイム、それからロイター通信は、政府はウーマノミクスを推し進めているが、日本ではいまだ性に対する意識の低さが根強いと批判していますし、アメリカのウォール・ストリート・ジャーナルも、権力ある男性に対して性的被害を訴える運動が世界中で起きているのに日本ではまだ起きていない。フランスのAFPも、日本は女性の政治参画が世界で最も低い一つで、いまだにジェンダーに対する凝り固まった考えがある。
 この批判をまるで裏付けするような麻生大臣の度重なる二次被害を呼び起こすような発言、本当に許し難いと思っておりますが、財務省は今回のセクハラ、福田氏のセクハラ問題について、被害者が求める事実解明を十分に行うことなく事務次官の辞任を認めて、福田氏本人はセクハラ発言を否認したまま、しかし財務省としてはセクハラはあったという、何とも奇妙な、どういう終わり方なのというようなことでこの問題に終止符を打ちました。
 しかし、その後、麻生氏が、今言っているように、被害を受けた記者が名のり出ないと判断できないとか、福田の人権はないのかとか、セクハラ罪という罪はないとか、それから、はめられている等、もう本当に許し難い発言をされているんですけれども、林大臣は、こうした財務省の今回のセクハラ問題に対する終わり方と、それに対してその後の麻生大臣の発言について、コメントを差し控えたいということではなくて、素直に、こういった問題がもし文科省で起きたときに大臣はどうなさるかということも含めながら、所感をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(林芳正君) 麻生財務大臣の一連の発言、網羅的かどうかは分かりませんが、報道では承知をしておりますが、この発言の前後の文脈とか、どういう御質問に対してだったのかということがなかなか詳細に把握できておりませんので、なかなかコメントすることは難しいかなと思っておりますが、しかし、セクシュアルハラスメントの防止を図るということは重要でございますので、研修の実施とか相談体制の整備などを通じて、やはり職員の意識啓発、またこういうことが起こらない、防止ということに努めてまいりたいと思っております。
○神本美恵子君 先ほど伊藤議員の質問の中で、性教育といいますか、性暴力についてのコメントを求められて、申し上げる立場にないとか、所管外というようなことをおっしゃっていましたけれども、私は二つの点で、今大臣は答えられましたけれども、職場におけるこういったセクハラということについてはしっかりとやっていかなければいけないということは、所属長としての、この文科省の長としての役目でもありますし、それから、子供たちへの教育課題という点からもしっかり考えていかなければいけない課題であるというふうに思っております。
 そこで、文科省の中では、一九九八年に制定された人事院規則一〇―一〇、第七条に基づくセクハラに関する研修はどのように行われているのか、教えてください。
○政府参考人(藤原誠君) お答え申し上げます。
 委員お尋ねの文部科学省におけるセクシュアルハラスメント関係の研修でございますが、昨年度、平成二十九年度におきましては、専門家、すなわち弁護士によります講義型の研修を実施いたしました。また、それに加えまして、全職員を対象として、パソコンを活用したe―ラーニングによる研修も実施しているところでございます。
○神本美恵子君 その研修には大臣も参加されましたでしょうか。大臣、これ通告していませんけれども、全職員とおっしゃいましたが、官房長でもいいんですが、大臣、参加されましたか。
○政府参考人(藤原誠君) お答え申し上げます。
 まず、講義型の研修については、参加者六十六名でございまして、大臣は入っておりません。また、e―ラーニングによる研修は、参加者二千七百七十七名でございまして、そこも大臣は対象とはなっていないということでございます。
○神本美恵子君 管理職は対象になっていないという今助言をいただきましたけれども、これは改正が必要ですね。麻生大臣なんか見ていると、本当に管理職も含めてやる必要があるなということを申し上げておきたいと思います。
 これは人事院規則、人事院にも今日おいでいただいておりますので後で聞きたいと思いますが、同じくこの人事院規則一〇―一〇の、防止対策として、第八条で苦情相談体制の整備が規定されておりますけれども、文科省ではどのような苦情相談体制になっているでしょうか。
○政府参考人(藤原誠君) お答え申し上げます。
 文部科学省におけるセクハラ関係の苦情相談窓口の体制でございますが、各局の中にセクシュアルハラスメント相談員を設置しております。具体的には、合計で文科省の中で六十五名がこの相談員になっているという状況でございます。
○神本美恵子君 その相談窓口に対して昨年度一年間で相談があった件数、分かりますでしょうか。
○政府参考人(藤原誠君) お答え申し上げます。
 平成二十九年度一年間で文科省の人事課に寄せられたこの関係の相談の件数は、合計で三件でございました。
○神本美恵子君 その三件が多いか少ないか、苦情相談体制の整備がいいのか悪いのかという判断は全体を見てみなきゃ分からないと思うんですけれども、そこで人事院にお聞きしますけれども、一〇―一〇の三条では、人事院の責務として、各省庁の長が実施する措置に関する調整、指導及び助言、及び六条で指針を定め周知徹底をする、七条で各省庁の研修の調整、指導及び自ら実施することが適当と認められる研修の計画を立てて実施に努めるというふうになっておりますが、この規則に基づく各省庁での取組について人事院はどのように把握されていますか。
○政府参考人(遠山義和君) お答え申し上げます。
 人事院規則一〇―一〇、セクシュアルハラスメントの防止等第四条では、各省各庁の長の責務として、職員がその能率を十分に発揮できるような勤務環境を確保するため、セクシュアルハラスメントの防止及び排除に関し、必要な措置を講ずるとともに、セクシュアルハラスメントに起因する問題が生じた場合においては、必要な措置を迅速かつ適切に講じなければならないと定めております。
 この規則に基づきまして、各省各庁の長は、セクシュアルハラスメントの防止等に関する方針、具体的な対策等を各省庁において部内規程等の文書の形で取りまとめ、職員に対し明示すること、また、職員に対してセクシュアルハラスメントの防止のための研修を実施すること、加えて、セクシュアルハラスメントに起因する問題が職場に生じていないか、又はそのおそれがないか勤務環境に十分な注意を払うこと、仮にセクシュアルハラスメントに起因する問題が生じた場合には再発防止に向けた措置を講じること、さらには、職員に対してセクシュアルハラスメントに関する苦情の……(発言する者あり)はい。
 人事院におきましては、先ほど委員御指摘ありました研修についてでございますが、これについては、各府省がセクハラ研修を行うための指導者養成研修、これをやってございます。
 それからまた、相談員、相談体制についてのお話もございましたが、これにつきましては、各府省の相談員が相談に適切に対応できるよう、その技能を向上させるためのハラスメント相談セミナーなどを開催してございます。
 また、研修など……
○神本美恵子君 いいです、もう。
 人事院の責務と具体的にやることが、この規則一〇―一〇で定められております。この前の財務省の問題で、野党合同ヒアリングで何度も人事院の方にお聞きしたんですけれども、昨年一年間で、あるいは向こう五年間で、各省庁でどれぐらい相談窓口に来ていますか、あるいは、苦情相談があって、それへの体制がうまくいっていないとか、いっているとか、そういうことを把握していますかということを聞いたら、やっていませんと言われたので、改めてお聞きをしているんです。
 どのように各省庁の取組を、この一〇―一〇で規定している取組を把握しているのか、そこからじゃないと次の改正の必要性が見えてこないと思うんですよね。いかがですか。
○政府参考人(遠山義和君) お答え申し上げます。
 今、委員の御指摘にありました各府省における研修の数あるいは相談件数、それにつきましては早急に調査して把握したいと思っております。それに基づいて必要な措置をしてまいりたいと存じます。
○神本美恵子君 ヒアリングのときも早急にやりますって言って、まだやっていないんですよね。もうあれから一か月以上たっていますし、やっぱりきちんとこの一〇―一〇、もう一回読み直して、人事院の責務をもう一度何なのかということを見て各省庁の指導、助言をしなければいけないんですよ。それをやってほしいと思います。
 具体的に、こちら側から人事院規則を改正する必要があるのではないかということを幾つかお聞きしたいと思います。
 第五条では、職員はセクハラをしないように注意しなければならないというふうにされています。今回の財務省の前事務次官、福田氏は、騒ぎになって職務遂行できなくなったので辞任、財務省はこれを受け入れてセクハラはあったと認定したけれども、本人は否認したまま、被害者への謝罪もなく、財務省として防止策を明確に打ち出すこともなく今に至っております。この法制度上の不備については、日本政府も批准している女子差別撤廃条約の履行状況を審査する女子差別撤廃委員会からも、二〇一六年三月の最終見解で、セクハラについてこういうふうに提起されています。職場でのセクシュアルハラスメントを防止するため、禁止規定、注意しなさいじゃなくて禁止規定と、それから、適切な制裁措置を盛り込んだ法整備が必要であるというふうに差別撤廃条約の委員会からは指摘をされているんです。
 男女雇用機会均等法はまた厚労委員会などで聞きたいと思いますけれども、公務員の職場でのセクハラ防止策として、セクハラはやらないようにしようという今の人事院規則一〇―一〇の五条ではなくて、やってはいけないという禁止規定にする必要があると考えますけれども、いかがですか。
○政府参考人(遠山義和君) お答え申し上げます。
 今委員から御指摘がありましたように、人事院規則一〇―一〇第五条第一項では、セクシュアルハラスメントをしないように注意しなければならない、その前に、次条第一項の指針の定めるところによりと書いてございますけれども、同規則第六条第二項では、各省各庁の長に、この指針を職員に周知しなければならないと規定しております。
 そこで、その指針でございますけれども、セクシュアルハラスメントをしないようにするために職員が認識すべき事項として、意識の重要性、基本的な心構え、セクハラになり得る言動について定めるとともに、セクシュアルハラスメントの態様等によっては、信用失墜行為、国民全体の奉仕者たるにふさわしくない非行などに該当して、懲戒処分に付されることがあると明示しております。
 このように、人事院規則一〇―一〇ではセクハラの防止について、職員に対して基本的な心構えを含め、より広範な認識を持つことを求めることによりセクハラを未然に防止するよう図っているところでございます。
○神本美恵子君 禁止するということを明示する必要があるということを申し上げているので、それは含んでおいていただきたいと思います。
 次に、この財務省の調査の在り方についてなんですけれども、財務省は、顧問弁護士事務所に依頼して、被害者は名のり出よ的な調査をやりましたけれども、大きな批判が出ましたが、適正な調査、判定が行われるためには、相談者が安心して相談できる、そういう組織を、独立して中立的な判定ができるような苦情処理体制の整備を義務付けるべきだと思います。
 先ほど、文科省の苦情処理窓口には年間に三件しかなかったと。これは、本当に中立的で安心して被害者が訴えることができるような、相談できるような窓口になっていないことのもしかしたら証左かもしれませんので、独立で中立的な判断ができる苦情処理体制の整備を義務付ける必要があると思いますが、人事院、いかがですか。
○政府参考人(遠山義和君) お答え申し上げます。
 各府省の相談体制といたしましては、苦情が適切に処理されるように必要な体制を整備するということで、人事院規則において所掌事項を定めてございます。また、相談員が苦情相談に適切に対応できるように、ハラスメント相談セミナーなどを開催しているところでございます。
 さらに、職員が苦情相談を行う場合には、人事院規則一〇―一〇第八条第三項において、相談者は、各府省の相談員に苦情相談をするだけでなく、人事院に対して苦情相談を行うことができる旨規定されており、人事院では、その体制として、公平審査局職員相談課に職員相談員を配置しているところでございます。
 人事院としては、セクハラについて職員が相談しやすい体制を確保するため、実効ある相談体制等について検討してまいりたいと存じます。
○神本美恵子君 やっているやっているとおっしゃっていますけれども、現に財務省でこんな重大な問題が起きているんですよ。人事院はもっと本当に真剣に考えていただきたい、各省庁で本当に泣き寝入りしている職員がどれぐらいいるか分からないという危機感を持って臨んでいただきたいと思います。
 時間が迫ってまいりましたので、最後に、性暴力防止の教育が必要だということをちょっと紹介をして、終わりたいと思います。
 これは、元厚生労働省の事務次官の村木厚子さんが昨年の十一月のシンポジウムで、自分の幼い頃の性被害を話されたということを聞きました。
 被害に遭ったら言えばいいじゃないかというが、簡単には言えない理由がたくさんあります。言えるようにするには、周りも努力しないといけない。私の体験を絡めて考えると、大切な自分の権利を侵害されたということは大人に言った方がいい、言わなきゃいけない。自分が悪いわけではなくて、悪い人がいる。だから対応した方がいいということを私は子供の頃に習ったことがなかった。主張した方がいいと私自身は知りませんでしたというようなことを言いながら、言っていいんだ、やっぱりあの人が糾弾されるべきなんだ、あの人が偉くなっているのはおかしいと言って声を上げていくことが大事というふうなことをおっしゃっておりました。
 大人になっても、なるまで知らなかったから言えない、あるいは教えられなかったから被害を受けたことを訴えることもできない、その方法も分からないというような子供たちが今いるかもしれません。私は、この性暴力防止教育を早急に文科省は考えて、性教育とはまた別にやる必要があるというふうに思いますので、そのことを指摘して、次の機会にまた続けたいと思います。
 終わります。
○蓮舫君 立憲民主党・民友会の蓮舫です。
 アメリカンフットボールの危険なタックル問題について今日新しい動きがありましたので、大臣、通告はしていないんですけれども、スポーツを所管する大臣として、率直な思いをやり取りをさせていただければと思います。
 長いこと、大学スポーツの運営というのは自主性が重んじられてきました。あるいは、併せて競技団体の指導が徹底されて安全が守られてきたものなんですが、今回の一件はまさにラフプレー、ボールを手放した選手に背後から強力なタックルをする、これは明確に禁止をされているものが堂々と行われた。そして、昨日、被害選手のお父さんが会見をして、傷害容疑で被害届を提出したと。このこと自体、私、非常に残念に思っているんですね。
 今日、自民、立憲民主の両筆頭にお願いをして、委員会として日本アメリカンフットボール協会の御出席を要請したんですが、なぜか欠席ということで非常に残念なんですが、ちょっとこの事態について、被害届も出されたことについて、スポーツを所管する大臣、どのようにお考えですか。
○国務大臣(林芳正君) 昨日、被害届を出された後の会見ですか、されておられたのをニュースで拝見をいたしました。本当に、切ないというかやるせないというか、そういう気持ちがにじみ出ておられるようなお父様の会見でございました。
 なぜこういうことまでなってしまったのかという思いを持ちながら私も見させていただきましたが、やはりこのタックル自体、看過できない非常に危険な行為であったという認識、これはもう当初からずっと申し上げておるところでございます。
 日本大学が所属をしております関東学生アメリカンフットボール連盟、ここが規律委員会を設置して調査を行っているということでございますので、この調査、報告を受けて、やはりこのような事態が二度と起こらないように、文科省としても必要な対応をしてまいりたいというふうに思っております。
○蓮舫君 試合が行われたのが六日で、それから二週間、内田監督は何も話さなかった。それで、メディアの前で口を開いたときにも、自分の指示、あるいは壊してこいと言ったか、あるいは実際に選手がラフプレーをしたことを注意しなかったことについては言及していないんですね。いまだ言及していません。
 そのさなかに、被害を受けた選手のお父さんが会見をして、今日は三時から実際にそのラフプレーを行ってしまった選手が会見をしています。その中で、選手は、御家族への謝罪の一歩であるということをお話しになられて、実は、試合の直後に、直接謝罪をしたいと監督に申し入れたんだけれども、監督に断られたそうです、謝罪するなと。六日の直前、この選手は試合、練習から外されていた。井上コーチから、相手のクオーターバックをワンプレー目で潰したら試合に出してやると監督が言っていると言われた。コーチからその念押しをされて、ところが試合当初メンバーから外されていた。監督に聞くと、やらなきゃ意味がないと言われた。できませんでしたじゃないとコーチに言われた。で、やってしまった。当然、反省をしていると。
 私自身、大学のときに友人の兄が、まあ年離れていないんですけれども、大会出て、社会人のラグビーやって、試合中に亡くなっています。やっぱり、すごくこういうことってきついんですよね。
 やっぱり、これ、そうすると、十七日に関西学院大学が日大に求めていた見解に対する回答書を公開しているんですが、そこでは、意図的な乱暴行為を行うことなどを選手へ教えることは全くございませんと日大アメフトは回答しているんです。つまり、今日、ラフプレーを行ってしまった選手と言っていることが大きく違います。
 そうした中、十九日、日大はこの内田監督の辞任届を受理しました。この大学の判断というのは、大臣、スポーツと大学を所管する御担当者としてどのようにお考えですか。
○国務大臣(林芳正君) この内田監督が十九日に取材に応じたわけですが、そのときに、御指摘が今あったような、監督自身が指示をしたのかどうかについて、日本大学から二十四日を目途に関西学院大学に対して文書で回答をすると、こういうふうに内田監督が述べていると承知をしております。
 非常に時間が掛かっているという印象は拭い切れないわけでございますが、今日二十二日ですから、二十四日ということであれば、そこでしっかりとした説明がなされるのかどうかと。さらに、先ほどの繰り返しになりますが、関東学生アメリカンフットボール連盟が規律委員会を設置して調査を行っていると、しっかりと事実関係、解明、究明をされるということを強く期待したいと思います。
○蓮舫君 日大から関西学院大学への文書の回答は二段階になっているんです。既にもう一段階目の回答をしていて、それを十七日に関西側が公表しているんです。そこで、意図的な乱暴行為を行うことなどを選手へ教えることは全くございませんと明言をした上で、監督の関与を二十四日に出すと。
 ところが、今日の選手の会見では、試合終了後、監督に、もうフットボールできないと言ったら、おまえは気にするなと、二人のコーチが、事実確認もなく、退部を申し出たけれども引き止められた。つまり、なかったことにしようと。コーチから伝えられた言葉は、潰せ、ほかにもけがをさせる前提の言葉があった。もう内田監督だけじゃなくて、コーチも、チーム一体となって、ちょっともうスポーツ精神を根底から揺るがせるような事実があったのではないか。
 そんな中、監督だけ、まだその文書も発表していない、自分の関与も言っていない、さっきの麻生大臣と一緒ですけれども、謝罪もしていないで、さっさと辞任届を日大は受理、そしてこの人は日大の五人いる常務理事の一人として人事担当という非常に重い責務を持っているんですが、この日大の判断、そこは辞めないと、この日大の判断は適正でしょうか。
○国務大臣(林芳正君) 今委員がおっしゃったように、監督と、それから被害者の方の方と、それから日本大学の方の選手の会見と、三つがすっとこう一つの事実関係で貫かれないと、こういうことだろうというふうに、今の段階では、思っておるわけでございます。
 そういう中で、監督が辞意を表明しておるということですが、一方で、常務理事をされておられて、常務理事についての進退は明らかにしていないというところもあるわけでございます。ですから、やはり事実をしっかりと解明して究明をする必要があるわけでございます。理事の任免については、寄附行為等に基づき当該学校法人において判断すべきものだと、これ原則でございますが、その前提としては、しっかりとやはり事実が究明、解明されることが大事であると思っております。
○蓮舫君 もちろん行政の過度な介入があってはいけないと思いますけれども、ちょっと今回の事態が余りにも大学スポーツの信頼失墜につながっていると思いますので、よくよく所管大臣としての行動を取っていただきたいと要請を申し上げます。
 今日午前、連合審査を行いました。地域における大学の振興及び若者の雇用機会の創出による若者の修学及び就業の促進に関する法律案。梶山大臣は、これから十年間の時限措置で東京二十三区の大学の定員増を認めない、地域の大学の振興、地域に若者の雇用を交付金でつくる、でも十年後にどれぐらいの若者が地域に定着するかという数字はないと。立法事実がないということを明らかにしましたが、大臣政務官、そもそも、学生が東京で学びたいというのを、権利を抑制すれば地域で学ぶ学生が増えるという根拠を明確に教えてください。
○大臣政務官(長坂康正君) お答え申し上げます。
 二〇〇〇年から二〇一五年で地方の若者が約五百三十二万人減少……(発言する者あり)はい。
 このような状況を踏まえまして、東京二十三区のみで四十六・三万人と既に全国の学生の一七・九%を占めていること、また、二〇〇二年から二〇一七年の間で東京二十三区の学部生徒数は八万人増と、傾向があるわけでございまして、東京二十三区の大学の学部の定員抑制ということにしております。これは、地方六団体からも、学生数が増え続けている東京二十三区において大学・学部の定員抑制をすべきと要望をいただいております。
○蓮舫君 済みません。午前中の私と梶山大臣の議事録を読まれましたか。
○大臣政務官(長坂康正君) いや、読んでおりません。
○蓮舫君 立法根拠、立法事実ってすごい大事だと思うんですが、試算であるとか、これから十年間の二十三区の大学の学生の定員を抑制したら地方が豊かになる、私はその根拠がないとした梶山大臣の答弁を全く素直だと思うんですが、実は少子化というのは大学にとって経営を直撃します。国立大学法人化して以降、運営費交付金は千四百四十五億円削減、平成十八年から私学助成は百八十億円削減、運営費の九割を授業料で賄う仕組みでは減収は経営を直撃します。
 一九八〇年代、十八歳人口が減少したアメリカで、大学が自ら入学者数を抑制、新入生は減少したんですが、その結果、大学は授業料を引き上げました。今後十年間、都内、東京二十三区の大学が転入増をしないことによって学生の学費が上がらないという担保は、政務官、あるんですか。
○大臣政務官(長坂康正君) 本法律案は、先生、第一義的には、インセンティブとして地方大学の振興のための交付金制度を創設し、地方大学の魅力を高め、地方での若者の修学及び就業を促進するものでございます。
 しかしながら、今後十八歳人口が大幅に減少する見込みになる中、今後も条件の有利な二十三区、東京二十三区の定員増が進み続けますと、東京一極集中がますます加速を……
○委員長(高階恵美子君) 答弁者は簡潔に願います。
○大臣政務官(長坂康正君) はい。
○蓮舫君 私が聞いているのは、東京の学生の定員増を止めることによって大学の経営を直撃すると、そのことによって大学が経営を維持するために学費を上げないとする担保はありますかと聞いているんです。
○大臣政務官(長坂康正君) それは、済みません、今はお答えできません、私は。
○蓮舫君 つまり、立法事実もない、十年後の学生が地方と都内でどうなっているかという見込みも試算していない、学費がどのようになるかとの見込みもない、それで一体どこが地方創生なのか。
 そして同時に、二〇二〇年に東京オリンピックを進めて、経済効果あるいは雇用増員は全体の七割近くが全部東京に集中をする。しかも、二〇二七年には東京―名古屋間でリニア新幹線が開通します。政務官、東京に人、物、金、更に流入するんじゃないですか。
○大臣政務官(長坂康正君) お答え申し上げます。
 東京オリンピック・パラリンピック及びリニア新幹線については、所管外ではございますが、東京オリンピック・パラリンピック開催につきましては、東京都が二〇一七年三月に当大会開催に伴う経済波及効果等を公表しておりまして、その中では、雇用誘発数については、東京都で約百三十万人、全国で百九十四万人と試算していると承知をいたしております。そのため、一般論といたしましては、当大会の開催は、東京圏の求人を増加させる可能性が高いと考えられますが、ホストタウンなどの取組によりまして地方においても雇用創出や活性化につながるものと考えております。
 また、リニア新幹線の整備につきましては、所要時間の短縮によりまして、移動先の滞在可能時間が大幅に増加する等、地域の活性化をもたらす可能性を有していると認識しておりまして、東京以外の地域がその創意工夫によりまして魅力を大きく向上させることが可能と認識をいたしております。
○蓮舫君 その認識は余りにも浅いです。
 今、やじで名古屋にも行くよと、事実を知らないものがありましたが、大阪府の調査では、東京―名古屋開業によって生産額は全国で五千二百六十億円増加します。そのうち、名古屋圏は僅か七百五十億です。沿線都道府県は僅か二百六十億。東京都は二千六百七十億。これ、大阪に延伸されてもほとんど同じトレンドで、東京独り勝ちなんです。
 林大臣、地方創生も大事です。東京一極集中をどうするかも大事です。でも、今回の法案は余りにも前提条件の試算がない。そして、二十五億円、文科省の予算をそれを交付金に差し出す形で、それから、これから十年間、二十三区で学ぶ学生の学費が上がるかどうかの担保もないんです。是非、そこは文科大臣として、今回いろいろ譲ったことあるでしょう。あるでしょうけれども、やっぱり早期の点検と見直ししていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) 法律が成立させていただいた暁には、いろんな御議論を国会で賜りましたので、やはりしっかりとこの所期の目的が達成されるべく運用していかなければなりませんが、万が一そういう御指摘のあったようなことが起こりそうになったときには、なるべくそういう弊害が起こらないようにしっかりと運用に努めていきたいと思っております。
○蓮舫君 終わります。
○吉良よし子君 日本共産党の吉良よし子です。
 では、私は、まず加計学園の問題について伺いたいと思います。
 先ほど来ありますとおり、昨日、参議院予算委員会に対して愛媛県から新たな文書が出されました。二〇一五年の二月二十五日に安倍首相と加計孝太郎学園理事長が面会して、その理事長から安倍首相に対して獣医学部新設についての説明したと。そして、その場で総理が、そういう新しい獣医大学の考えはいいねと言ったなどの記述もあって、まさにこの間の総理の国会での答弁が虚偽だったのではないかと。何より、獣医学部設置は、首相案件として加計ありきとして動いていたのではないかという疑惑はますます深まっている、新しい局面に入っていると思います。
 また、資料を読ませていただきますと、文科省に関わる記述も様々あり、吉田局長など新たな名前も出てきております。
 ここで、まず委員長に申し上げたいんですけれども、改めて、先ほどもありましたけれども、関係者を呼んで、この文教委員会として集中審議するべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○委員長(高階恵美子君) ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議いたします。
○吉良よし子君 是非よろしくお願いいたします。
 そして、大臣にも申し上げたい。やはり、新たな局面なり、そうした様々な、文科省に関わってもまた様々な資料があるという示唆する記述もあるわけです。ですので、この間求めていた文書やメールに関わる再調査のみならず、昨日出てきた愛媛県文書の中に入っている、書かれている文科省に関わる事項についてのその真偽、また関連する文書の有無、徹底調査すべきと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(林芳正君) 今回、愛媛県から参議院予算委員会に提出された文書に関しまして、愛媛県提出の文書に記載のある、平成二十七年四月前後の柳瀬総理秘書官と加計学園等関係者の面会につきましては、これまで、内閣官房からの指示により、文部科学省において当時文科省から内閣官房に出向していた職員への聞き取りを行ってきたことを踏まえ、今回も補足的確認事項として追加聞き取りを行っておるところでございますので、よろしければその結果を申し上げたいと思いますが。
 まず、その結果、当該文書を見て、現時点で思い出した記憶については、今回の文書を見て思い出したことはなく、明確な記憶はないとの回答だったと聞いております。
 文科省としては、これまでも丁寧かつ詳細に確認しており、必要な範囲について確認作業を十分に行ったというふうに考えております。
○吉良よし子君 思い出したことはないから、これ以上調査する必要はないというような御答弁だったと思うんですけれども。
 記憶がないからといって記録もないことにしてしまうなんというのは、あってはならないことだと思うんですよ。この間も、その調査というのは、職員の個人フォルダについては職員が覚えていない場合は調べていない、これでは調査とは言えないと、本当に真相究明する気があるのかと伺いたいぐらいの状況だと。ヒアリングだけじゃなくて個人フォルダも含めた徹底的な調査、必要じゃないかと。本当にこれで十分だと言えないじゃないかと。真相究明する気があるんですか、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) 四月二十日にも公表したとおり、累次の調査において、ヒアリングの中で、個人ファイルも含めて、共有ファイル、個人ファイルも含めてそのヒアリングで確認をしたところでございます。
○吉良よし子君 個人ファイルも含めてと、うそを言わないでいただきたい。覚えがないという職員に対しては個人フォルダは調べていないはずです。そうですよね。
○政府参考人(義本博司君) 当該職員からの聞き取りの中において、文書について見たことがあるか、それを保存したことがあるか、その場合について、あれば、個人ファイルについて同意を得て調べようということでございます。
 現に、四月二十日について発表した資料におきましては、職員の一人があったかもしれないというふうなことがありまして、それを、同意を受けた上で個人ファイルの中で見付かったということがありますので、そこは大臣が答弁申し上げましたように、共有フォルダ、個人フォルダ関係なく調査したところでございます。
○吉良よし子君 記憶があると答えた一名のみについてのみにしか個人フォルダは調べていない。ほかは、個人フォルダ調べていないということなんです。
 やはりこうやって記憶頼みで調査をしている限り、真相究明には近づかないんですよ。そして、大体この間、安倍政権というのは、政府関係者による覚えがない、記憶がないという説明の方が、出てきた記録よりも真実だというような対応を取っている、この点、私、重大な問題だと思うんです。
 例えば、文科省では昨年、総理の御意向や官邸の最高レベルなどと書かれた文書が共有されていたということが明らかにされたと。その下で、松野大臣は、メモが存在する以上、そういった発言があったのだろうと言っていたのが、先日この委員会でも指摘がありましたとおり、林大臣は、いや、あたかも獣医学部の設置の時期について、総理の意向があると内閣府から伝えられたと受け止められるようなメモが作成されてしまったと、文書を否定するような答弁をしているわけですが、なぜそのような答弁になったのか、お答えください。
○国務大臣(林芳正君) 松野前大臣の御発言でございますが、平成二十九年六月に文科省が行った調査において、文書を作成したと考えられる職員に聞き取りを行い、総理の御意向という文言についても、ここにこう記載されている以上、こうした趣旨の発言があったのだと思うとのこと、ただし発言者の真意は分からないとのことであるとの発言が得られたことに基づき、答弁をされたものと承知をしております。
 一方で、平成二十九年六月でございますが、内閣府が行った調査では、これは、総理の御意向等の発言をした者がいないことがヒアリングの結果、確認されたと、こういう結果が出ております。
 このように、文科省と内閣府の間で打合せにおけるやり取りの受け止めに違いがある状況でございましたので、改めて両省で内容の確認を行いまして、その結果に基づいて昨年十一月に私から答弁をしたところでございます。
○吉良よし子君 結局やはり、記憶に基づいて発言した者はいなかったと。記録はあるのに、記憶に基づいた発言に基づいて、そういった発言はなかったことになるだろうと、それが受け止められるようなメモが作成されたのだろうと。せっかく調査で出てきた文書を否定するような答弁を大臣はなさっていると。こういう出てきた文書をなかったことにするなんて、私、許されないと思うんですよ。
 何より、幾ら大臣と、文科省と内閣府がそんな発言なかったと主張しても、総理の御意向や官邸の最高レベルと書かれた文書が文科省内で共有されていたという事実は消えないわけです。この事実こそが、加計学園の獣医学部新設が首相案件として文科省内でも扱われていたということを示すものじゃないかと。
 実際、昨日出された愛媛県の新文書の中でも、文科省が当初から加計学園の獣医学部新設について特別扱いしていたような記述があるわけです。文書十九枚目になるんですけれども、その中で、文科省から、二〇一五年の二月から三月の間に、獣医学教育の改善・充実に関する調査研究協力者会議の委員に対して加計学園側が提出した資料に対する意見照会をしたと。その結果を柳瀬首相秘書官らが学園に対して提供するものだろうという見立てが記述されているわけです。
 個別事業者である加計学園の提案を文科省が仲介して有識者会議に意見照会すると、これは明らかな特別扱いだと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) 愛媛県及び今治市からは、これ獣医学部の新設について、平成十九年から二十七年までの間、実に十五回にわたりまして構造改革特区の提案がございました。文科省としても、毎回の提案に対する対応方針の検討というのを行っていたわけでございます。
 そういう中で、愛媛県から獣医学部を新設した場合に取り組むべき事項について提案があったために、平成二十七年の三月に文部科学省の有識者会議である獣医学教育の改善・充実に関する調査研究協力者会議の委員に対しまして、専門的知見からの意見を伺うべく連絡を取っておったところでございます。委員からは愛媛県の提案に対する率直な意見が聞けたと考えております。
○吉良よし子君 普通の調査だったって、意見照会だと言うけど、そこは私、腑に落ちないんですよね。ほかにそういう事業者からの意見照会ってやったんですか。
○政府参考人(義本博司君) 大臣今答弁差し上げましたように、構造改革特区につきましては、十五回にわたりまして愛媛県、今治市から新設の提案があり、そのうち五回でございますけれども、事業者として加計学園が記されたという状況がございます。その中において、私どもとしては、事業者としては加計学園が推薦されたということでございます。
 また、設置の問題につきましては、加計学園も含めまして要望があればその相談を受け付けるという形になっているところでございまして、構造改革特区の中においては、加計学園からの相談を受けたところでございます。
○吉良よし子君 加計学園以外にあったかと聞いたんですけど、要望があればということだけであって、そのほかのことには答えておられないと。やはり私、これ特別扱いだとしか言わざるを得ない状況だと思うんです。
 いずれにせよ、真相究明が必要です。この愛媛県の新文書に書かれている、この獣医学教育改善・充実に関する調査研究協力者会議委員に対する意見照会の際に学園側が出したというアンケート、その結果についての資料、当委員会への提出求めたいと思います。またあわせて、その愛媛県文書にある十二月二十六日の学園から文科省への説明ペーパー、これも提出を求めたいと思います。
 委員長、お願いします。
○委員長(高階恵美子君) ただいまの件につきましては、後刻理事会にて協議いたします。
○吉良よし子君 いずれにしても、疑惑は深まっているわけですから、集中審議を深め徹底的な真相究明を求めた上で、時間に限りがありますが、次に学校の働き方改革についても伺いたいと思います。
 学校ブラックと言われるまで深刻化している教員の長時間労働、多忙化の問題、改善は待ったなしです。この間、政府、文科省、中間まとめを出していますが、その中で教員の負担軽減、業務改善などを打ち出しています。
 ここで確認しますけれども、この業務改善、負担軽減といった場合、まず優先して確保するべき時間というのは、授業と授業準備、生徒指導といった子供と向き合う時間、これをまずは確保するべきという考えでよろしいでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) 吉良先生おっしゃるとおり、この業務改善を始めとした学校における働き方改革については、やはり限られた時間の中で、教師一人一人の授業準備ですとか自己研さん等の時間を確保するとともに、意欲と高い専門性を持って、今まで以上に一人一人の児童生徒に丁寧に関わりながら、質の高い授業や個に応じた学習指導を実現するためのものであると、そういうふうに考えております。
○吉良よし子君 授業準備と子供と向き合う時間だということであったと思います。
 ただ、中間取りまとめ、緊急対策などでは、教員の多忙化を解消するとして、学校、教師が担う業務の明確化、適正化を掲げ、業務総量を削減するためにということで十四項目を掲げていらっしゃいますが、私、この十四項目に載っていないけれども、教員の学校の現場の負担軽減をするために政府が真っ先にやるべきものがあると思うんです。それが全国学テをなくすことだと私思うんですね。これ、全国学テってどれだけ現場の負担になっているか、今日資料を作ってまいりました。
 当日も様々な事務負担、自校採点を始めとしたの、あるんですけれども、このお配りしたまず一つ目の資料なんですけれども、これ、都内の現職、小学校の一週間の時間割を図示したものですけれども、これ見ますと、朝、週三回、特別活動で学テの過去問をやらせている、週四回、昼休みの十五分使ってパワータイムと称した過去問をやらせている、さらに放課後も、放課後補充授業として過去問を中心としたテスト対策やらせていると。
 本来、授業準備に充てるべき休み時間とか朝や放課後、こうした学テ対策でほぼ埋まっているような現状、これもう学校への負担になっていると思えませんか。大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) これ、どこの学校で御調査されたのかというのが詳細に把握をできておりませんが、全国学力・学習状況調査、これは全国的に児童生徒の学力、学習状況を把握して分析を行いまして、教育施策及び教育指導の成果と課題の検証、その改善に役立てることを目的として実施をしておるところでございます。各学校においては、児童生徒一人一人への教育指導や学習状況の改善等に役立てることを目的として通常の授業時数の中で実施するものであって、学校にとって過度な負担になっているとは認識をしておらないところでございます。
 他方、やはり各学校の負担を更にできる限り軽減する観点からは、学校がウエブを活用して回答できる仕組みを導入するなどの調査実施方法の見直しも行っておるところであり、今後も調査実施方法の不断の見直しに努めてまいりたいと思っております。
○吉良よし子君 過度の負担になっていないという御認識を示されたわけですけど、もう示したとおり負担になっているわけですよ。
 これ、毎日のスケジュールだけではないんですね。資料二枚目も御覧いただきたいと思うんですけど、これ実際に都内の教員から伺った中身です。ある自治体の中での行われている実際の問題です。
 これ、全国学テは小六一回のみですけれども、やはりここで順位を上げるためということで都独自でのテストも五年生に行われていますし、この自治体では二年生以上は全て区独自のテストもあると。こういう中で、見ていただいたら分かるとおり、もうずっと年間通じて、過去問対策というのが四月や八月、九月、そして十二月、二月、三月とどんどん行われているというのが実態です。
 そして、四月、新学期始まってからは全国学テが終わるまで、また区独自のテストが終わるまで教科書を開けないという実態になっていて、最終的には、本来文科省が学習指導要領で一年間でやるべきとしている授業を実質は四月の末から二月中ぐらいで終わらせなければならないと。
 まさに学テによって現場の授業時間が圧縮され、過度な負担が強化されてしまっている、増えてしまっている状態になっていると。これでも学テが負担になっていないと言えるのか。大臣、いかがですか。学テ、なくすべきではありませんか。
○政府参考人(高橋道和君) 全国学力・学習状況調査が、通常の授業時数の中で実施するもので、学校にとって過度な負担になっていないということは先ほど大臣が答弁申し上げたとおりでございますが、若干補足いたしますと、例えば、調査実施前に授業時間を使って集中的に過去の調査問題を練習させ、本来実施すべき学習が十分に実施できないなどといった声が一部から寄せられているといった状況が生じていたことから、平成二十八年四月二十八日には、全国学力・学習状況調査に係る適切な取組の推進について通知を発出し、調査の趣旨、目的に沿った実施が行われるよう各教育委員会及び所管の学校に対して依頼をした、こういった取組も文科省として併せて実施しているところでございます。
○吉良よし子君 時間来ておりますけれども、過度な競争を生じないように……
○委員長(高階恵美子君) 質問をおまとめください。
○吉良よし子君 通知も出したということですけれども、実際はこういう過度な負担が起きている、それは全然是正されていないという状態なんだ、これでは負担軽減にはならないと。全国学テの中止を改めて求め、改めてこの問題を取り上げるということも申し上げ、質問を終わります。
○木戸口英司君 希望の会、自由党の木戸口英司です。
 それでは早速、加計学園問題について何点かお伺いいたします。
 一般論だが、真実でないこと、偽り、極論で言えば、うそは発言した人にとどまらず、他人を巻き込み、そういう世界へ引きずり込む、これは中村愛媛県知事の発言であります。これ、この他人ということは中村知事は県職員のことを指しているということも言われております。職員には、地方公務員としての、人間としての誇りやプライドもある、そういう思いで発言をされたということでありますが、私は、この他人、うそで他人を巻き込む、この他人には、今現実に通っている、加計学園の獣医学部に通っている学生たちも私は含まれるんではないかと思います。だからこそ、真実を覆い隠すのではなくて真実を明らかにする、この大学設置認可をした文科省の大きな責任があるということを私、毎回申し上げておりますけれども、そういった観点で、まずは、一点の曇りもないと国家戦略特区の委員の皆さんはおっしゃっているんですが、その議論の中身に触れながら少し振り返ってみたいと思います。
 まず、二〇一六年十一月九日、国家戦略特区諮問会議において獣医学部の新設が認められました。その事前の九月十六日、これは前回も質問したんですけれども、国家戦略特区ワーキンググループ関係省庁ヒアリング、ここでは文科省、農水省にいろいろ意見を求められておるところですけれども、両省は獣医学部の新設に関し、獣医師の需給の問題等、慎重な意見に終始しております。このヒアリングに臨むに当たっての文科省の立場を改めて確認したいと思います。
 そして、続けます。その前年六月三十日に、三十日ですね、日本再興戦略改訂二〇一五、これが閣議決定され、いわゆる石破四条件、出されております。この年は、四月二日に柳瀬首相秘書官が加計学園側と首相官邸で面会している。その六月五日、国家戦略特区ワーキンググループ提案者ヒアリングということで愛媛県、今治市、そして加計学園が補助参加をしている。その三日後、六月八日にワーキンググループ関係省庁ヒアリング、やはり文科省、農水省が呼ばれている。そして、六月三十日の石破四条件ということになるんですが、六月八日の文科省の発言を見ると、石破四条件にほとんど沿った発言をしていると。まあ石破四条件を原則としてきた文科省の立場がここにあるのではないかと思います。そして、翌年の九月十六日までそこは堅持されていたと思いますけれども、この点についてもお伺いをいたします。
○政府参考人(義本博司君) 委員御指摘のとおり、六月三十日に閣議決定し、いわゆる獣医学部の新設に関する閣議決定の内容でございますけれども、お尋ねの九月十六日のワーキングにおきまして文科省からは、六月三十日に閣議決定しました日本再興戦略改訂二〇一五における獣医学養成系大学学部の新設に関する検討といたしまして、既存の獣医師でない構想が具体化し、ライフサイエンスなどの獣医師が新たに対応すべき分野における具体的な条件が明らかになり、既存の大学学部では対応が困難な場合に、近年の獣医師の需要の動向も考慮しつつ、全国的見地から本年度中に検討を行う旨の説明を行ったところでございます。
   〔委員長退席、理事大野泰正君着席〕
○木戸口英司君 ですから、この十一月九日、二〇一六年ですね、諮問会議で決定する本当に直前まで文科省はこの石破四条件、いわゆる獣医師の需給の問題ということで、その立場を堅持してきたということ。私も、このワーキンググループと、あと分科会などの議事要旨、本当にこの質問のたびに実は読み返しておりまして、もう四、五回読んでおります。まあ大臣はお忙しいでしょうから、なかなか読む機会もないんじゃないかと思いますけれども、そういう文科省の立場の中で、この二〇一六年九月頃から総理官邸を始めとする大きな動きが、文科省の文書からも見られるとおり、あるわけであります。
 その前段として、これは質問にしておりましたけれども、これは聞きません、一つの事象として、二〇一六年八月に、山本農水大臣、九月の初め松野文科大臣、そして山本地方創生大臣に加計孝太郎理事長、豊田三郎理事が面会をしているということも去年から指摘がありました。松野文科大臣は加計学園獣医学部の話は出なかったという慎重な答弁を去年されたことを思い出しますけれども、そんなことはあり得ないわけで、ほかの二人の大臣は獣医学部の話がダイレクトにあったということもお認めになっております。こういう働きかけも、ある意味、非常に異常なことだと思います。まだ認可もされていない、まだ、それこそ公募前でもあるわけですよね。そういう事業者に大臣が会うということも非常に異常な出来事だということを指摘しておきます。
 それから、二〇一六年十一月九日、先ほど来言っておりますとおり、新設が認められるということになるわけですけれども、文科省が容認を決定した時期、省内での決定過程、これを具体的にお知らせいただきたいと思います。和泉補佐官の話が文科省文書の中で、これ、萩生田副長官御発言概要という、十月二十一日の日付になっていますけれども、和泉補佐官からは、農水省は了解しているのに文科省だけがおじけ付いているという発言もこの時点であると。この辺りではまだおじけ付いていたのかもしれません。どの時点でこの容認、十一月九日に向かっていったのか、お知らせをいただきたいと思います。
○政府参考人(義本博司君) お答えいたします。
   〔理事大野泰正君退席、委員長着席〕
 平成二十八年十月二十八日でございますけれども、内閣府より追加規制改革事項の案について確認の依頼が来た際に、十月三十一日に文部科学省は内閣府に対して関係省庁と需給の観点について調整するよう意見を出したところでございます。その後、農水省において、恐らく十月の末から十一月の初めぐらいだと思いますが、今回の特区における獣医学部の新設は、先端ライフサイエンス研究の推進など、内閣府が把握している新たな需要があるという前提の下、獣医師の需給に影響を与えないというふうな判断があったため、文部科学省としても国家戦略特区のプロセスを進めることについて同意し、そのプロセスを進めるということになったところでございます。
 そういうふうなやり取りをした上で、正式には十一月の九日、委員今御指摘のとおり、国家戦略特区諮問会議において追加規制改革事項を決定したと理解しております。
○木戸口英司君 そういう中で、十一月一日の、これも文科省文書ですけれども、メールがあり、あと、手書きの修正で、広域的に存在しない地域に限りと、こういった文書のやり取りがあったという記録が示されております。この辺りでは、さすがに文科省も容認せざるを得ないということで、こういった文書のやり取りになっているのではないかと推察できるわけですけれども、実質、この文書の修正案、広域的に存在しない地域に限りということで、加計学園一校ということ、獣医学部新設が認められるということは、この文書が決定的であったということであったと思います。
 このメールの中で、手書き部分で直すように指示がありました。指示は、藤原審議官いわく、官邸の萩生田副長官からあったようですというメールの内容があります。副長官は否定されていたと思いますけれども、実際こういう文書があると。この文書による決定は、ワーキンググループ委員も記者会見で、政治主導、ワーキンググループの中の議論ではなく政治主導で決まったということを直接発言されているところを、私、テレビで拝見をしております。
 安倍総理はこの間、予算委員会で、国家戦略特区の決定はワーキンググループ委員によることが大きいと、そのことを非常に強調されておりました。そこで決まったことを議長である総理が最終的に分かったと言うんだというようなニュアンスであったと思いますが、この手書きの文書の決定が政治主導であるということ、これは総理のこういう見解と大きな矛盾、まあ政治主導というのは私はある意味そのとおりなんだと思うんですけれども、この点、内閣府、ちょっと所見を伺いたいと思います。
○政府参考人(村上敬亮君) お答え申し上げます。
 まず、萩生田副長官から諮問会議取りまとめ文案の修正を指示をされたことは、内閣府としてはございません。
 諮問会議取りまとめ文案について、広域的にや限ると加筆するということがありましたのは事実でございますが、これを決断しましたのは、国会でも御自身が御説明されておりますが、山本前大臣御本人でございまして、萩生田副長官との関係につきましては、そうした決断した山本大臣のその修正について報告をしたということはあるようでございます。したがいまして、公表されたメールで副長官からの指示としているのは、私どもとしてはこれは事実には反していると理解しております。
 また、六月十六日に取りまとめた内閣府の調査結果で、この件につきましてメールを作成、発信した職員自身からの聞き取り結果も公表してございますけれども、本人も、副長官からの指示というコメントは、担当者から伝え聞いた曖昧な内容であって、事実関係を確認しないままメールを発信してしまったものだということを認めているというところは整合しているのかなと。
 あと、最後、民間議員の皆さんのという部分につきましては、確かに、政治決断を受け入れたということを会見で八田座長がおしゃべりになられているのは事実でございますが、これも相談を受けた上で民間議員自身としてもそれを納得を持って受け入れたという趣旨というふうに理解をしておりまして、いわゆる一般に言われるような政治主導ということではないというふうに理解をしてございます。
○木戸口英司君 萩生田副長官であれ山本大臣であれ、いずれそういう決定があったということを、それを政治主導でないかどうかということの見解は分かれるところでありますけれども、いずれこういう大事な文書の決定が、ワーキンググループの中で積み上げた議論ではないところで、最後、えいやあと決まったことは事実であろうと、そのように思います。
 その中で、また文科省文書ですけれども、獣医学部新設に係る内閣府からの伝達事項、これ、平成三十年四月開学を大前提に逆算して最短のスケジュールを作成し共有いただきたい、これは官邸の最高レベルが言っていることと。実はこれ、四か所ぐらいこういう同じような内容が出てくるんですけれども、平成三十年四月開学、そして総理の御意向とか官邸の最高レベルということが四回出てくるんですね、この文書の中で関連して。
 この平成三十年四月開学ということのめど、いわゆる目標と、この総理の御意向等との繰り返し記されていることについての真意、内閣府にお伺いします。
○政府参考人(村上敬亮君) お答えを申し上げます。
 共同告示に、文科省とも相談いたしまして、平成三十年度に開設と規定した理由でございますけれども、国家戦略特区は、常にスピーディーな規制改革の実現を目指す、いち早く具体的な事業を実現させ、効果を検証させることが重要であるということの観点に立ちまして、手続上最速のタイミングとなる平成三十年度開設ということを目指したものでございます。
 なお、これにつきましては、その後につきましても、個々の特例措置によって違いはございますけれども、最終的にはやっぱり全国展開を目指すのが規制改革の本旨でございますので、そうした観点からも、できるだけ効果検証の対象も早く実現をさせたいという観点からこういった早期実現性を重視した判断をした、こういうふうに理解をしてございます。
○木戸口英司君 この平成三十年四月開学というところを、また文科省との間で少し対立というか、現実的に大丈夫かということを松野文科大臣も当時指摘されていたメモの中に残っていることであります。
 かなり無理をしたということがここに表れているわけですけれども、ここ、ちょっと質問ではなく指摘にいたしますけれども、この愛媛文書、四月二日の藤原次長の発言の中で、ポイントを絞ってインパクトのある形で二、三枚程度の提案書案を作成いただきという文言があります。
 これ、確かに二、三枚の提案書になっているんですね、加計学園、今治市の。その中で、九月二十一日、二〇一六年、今治市分科会では、ワーキンググループの委員は、物事を提案するときにはこうしなければならないというモデルという、すごいもう絶賛しているわけです。京都府京都産業大学のこの提案書は二十一ページに及ぶんですが、何かもう少し強いインパクトがあるといいかなと、これがワーキンググループ委員の発言、感想であります。特区でこそふさわしいのだという理論武装が必要と。非常に私、読んでいないんじゃないかとすら思いたくなる。やはり二、三枚というのが重要なポイントだったということがよく分かります。
 それから、十一月九日の決定まで、このワーキンググループ分科会において獣医師養成の専門家というのは一度も呼ばれていないと私は理解しております。
 それで、大臣にお伺いをいたします。
 こういった国家戦略特区の議論、非常に市場競争原理、規制緩和ありきの議論がずっと続いております。大学の中身というよりは、なぜ需給の問題なんだという、こういう議論がずっと重ねられている。これ、ある意味ではこれが一点の曇りもないということなんだろうと思います、規制改革へのまっしぐらという。そして、専門家抜きで行われた検討、二、三枚でインパクトを求める提案書と、これがワーキンググループの中での議論、こういう中で獣医学部が新設、五十二年ぶりと。
 国家戦略特区において教育機関の設置が決められていること、このことを今文科大臣としてどのようにお考えになりますか。
○国務大臣(林芳正君) 今回の獣医学部の新設につきましては、これまで、国家戦略特区を所管する内閣府を中心に、段階的に、今るる委員からもお話がありましたようにプロセスが進められてきて、国家戦略特区の枠組みの中で、関係法令に基づき、関係省庁の合意の下で適切に進められてきたと認識をしております。
 この国家戦略特区のプロセスが適切な手続を経ている前提で学校法人加計学園からの申請を受け付けて、その後、大学設置・学校法人審議会において学問的、専門的な観点から審査が行われ、設置を可とする答申を受けたものでございます。
 設置審の審査とは別に、国家戦略特区のプロセスとの整合性、これも確認できたために、文科省として今回の獣医学部の設置を認可したところでございますので、国家戦略特区のプロセスと設置認可のプロセス、共に適切に進められてきたものと認識をしておるところでございます。
 いずれにしても、この開学した獣医学部における教育が文科省として計画どおりに着実に実施されることを期待をしておるところでございます。
○木戸口英司君 五秒でまとめます。
 今、法令に基づいてということを必ずおっしゃられるんですが、その法令というのが特区、この国家戦略特区ですね、トップダウンで決めるという、法令がその中で決まっていく、そこに基づいてですから……
○委員長(高階恵美子君) 時間が参っておりますので、おまとめください。
○木戸口英司君 非常に、そういう中で恣意的なことが起こり得るということを強く申し上げて、終わります。
○委員長(高階恵美子君) 本日の調査はこの程度にとどめます。
    ─────────────
○委員長(高階恵美子君) 次に、学校教育法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。林文部科学大臣。
○国務大臣(林芳正君) この度、政府から提出いたしました学校教育法等の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 現在、小学校、中学校、高等学校等においては、文部科学大臣の検定を経た教科用図書又は文部科学省が著作の名義を有する教科用図書を使用しなければならないこととなっております。
 この法律案は、情報通信技術の進展等に鑑み、児童生徒の教育の充実を図るため必要があると認められる教育課程の一部において、これらの教科用図書に代えてその内容を記録した電磁的記録である教材を使用することができることとする等の措置を講ずるものであります。
 次に、この法律案の内容の概要について御説明申し上げます。
 第一に、教科用図書の内容を文部科学大臣の定めるところにより記録した電磁的記録である教材がある場合には、文部科学大臣の定めるところにより、児童生徒の教育の充実を図るため必要があると認められる教育課程の一部において、教科用図書に代えて当該教材を使用することができることとしております。また、障害のある児童生徒等の学習上の困難の程度を低減させる必要があると認められるときは、教育課程の全部又は一部において、教科用図書に代えて当該教材を使用することができることとしております。
 第二に、文部科学省著作教科書の出版権等に関する法律の規定を、文部科学省が著作の名義を有する第一の教材にも準用することとしております。
 第三に、教科用図書に掲載された著作物を権利者の許諾を得ずに第一の教材に掲載し、及び必要な利用を行うことができることとするとともに、当該著作物の掲載に係る補償金の支払等について規定するものであります。
 このほか、所要の規定の整備を行うこととしております。
 以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ、十分御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。
○委員長(高階恵美子君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後五時二十五分散会