第197回国会 厚生労働委員会 第7号
平成三十年十二月四日(火曜日)
   午前十時五分開会
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  出席者は左のとおり。
    委員長         石田 昌宏君
    理 事
                自見はなこ君
                島村  大君
                そのだ修光君
                山本 香苗君
                川合 孝典君
    委 員
                青木 一彦君
                石井みどり君
                小川 克巳君
                木村 義雄君
                高階恵美子君
                鶴保 庸介君
                馬場 成志君
                藤井 基之君
                宮島 喜文君
                河野 義博君
                宮崎  勝君
                石橋 通宏君
                川田 龍平君
                足立 信也君
                礒崎 哲史君
                倉林 明子君
                東   徹君
                福島みずほ君
               薬師寺みちよ君
   国務大臣
       厚生労働大臣   根本  匠君
   副大臣
       厚生労働副大臣  大口 善徳君
   大臣政務官
       厚生労働大臣政
       務官       上野 宏史君
       厚生労働大臣政
       務官       新谷 正義君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        吉岡 成子君
   政府参考人
       内閣官房水循環
       政策本部事務局
       長
       兼国土交通省水
       管理・国土保全
       局水資源部長   佐藤 克英君
       内閣府民間資金
       等活用事業推進
       室長       石川 卓弥君
       内閣府規制改革
       推進室次長    窪田  修君
       厚生労働大臣官
       房生活衛生・食
       品安全審議官   宮嵜 雅則君
       厚生労働省医薬
       ・生活衛生局長  宮本 真司君
       厚生労働省職業
       安定局長     土屋 喜久君
       厚生労働省政策
       統括官      藤澤 勝博君
       国土交通省水管
       理・国土保全局
       下水道部長    森岡 泰裕君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○水道法の一部を改正する法律案(第百九十六回
 国会内閣提出、衆議院送付)(継続案件)
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○委員長(石田昌宏君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 水道法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働大臣官房生活衛生・食品安全審議官宮嵜雅則君外七名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(石田昌宏君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(石田昌宏君) 水道法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○石橋通宏君 立憲民主党・民友会の石橋通宏です。
 まず、今日、我々強く反対をさせていただきましたけれども、今日の質疑後に採決の方向ということで、甚だ遺憾であり、我々はまだ全くそういう状況にないということを強く改めて抗議をしておきたいというふうに思います。
 というのは、このタイミングで、大変深刻な驚くべき事態が発生をいたしました。事実が判明をした。何と、今回、この間、本当に国民の皆さんが懸念し、この委員会でも盛んに質疑をさせていただいてまいりましたが、コンセッション方式、これに全く立法事実がないということがこの期に及んで明確になりました。
 大臣、改めて確認しますが、今、このコンセッション方式、既に世界でも再公営化の事例が続出をしている、多くの事例が実際に発生していると。ただ、大臣、何と厚生労働省は、今回のこの法案の提出に当たって、この再公営化の事例を全く研究も調査も分析も何もしていないということが明らかになりましたが、大臣、まずこの場でそのことを認めてください。
○国務大臣(根本匠君) この法律を作るに当たって、厚生労働省は、様々な海外の事例も調査し、研究してまいりました。そして、その調査研究の中で、海外の事例で具体的に問題があった案件や、その意味では再公営化の事例もあるということは、私は、その調査検討の中で、そこは厚労省も、いろんな文献当たっているわけですから、そこはそういう事案も承知していたものと思います。
○石橋通宏君 大臣、この期に及んで言い逃れ、やめた方がいいですよ。
 資料で、皆さん、お配りをしております。
 大臣、厚生労働省の役人は我々のところに来て認めているんです、やっていませんと。
 大臣、今回、じゃ、再公営化の事例を一体厚生労働省がどれまで、どれだけちゃんと調査をしたのか。事前に私のところに提出されたのは三例です、大臣、三例。これ以上はありませんというのは確認しています、大臣。大臣も確認していますね。三例しかない。じゃ、その三例がどこから引っ張られたのか。
 お手元に、皆さん、資料でお配りをしております。理事懇での要求資料に対して、厚生労働省が改めて確認をしました。資料の一、二がありますが、資料の二、まず見てください。その三例がどこから出てきたのか。平成二十六年度の報告書から引用された三例です。大臣、確認されていますね。これだけです。
 じゃ、その三例、この報告書から引っ張られたものが一体何の根拠に基づいて引用されたのかというのが、この理事会報告の資料の一です。何と、過去の文献から引用しただけです。それも、その調査を請け負ったのは水道コンサルです。推進側の人ですね。
 二ページ目、三ページ目を御覧ください。三ページ目にありますが、下のところ、再公営化された事例は三例だけです。アルゼンチン、フィリピン、フランス。じゃ、それがどこから引っ張られたのかというのが、二ページ目の十九、二十、二十一、二十二の資料です。古いものばかりです、大臣。古いものを文献からそのままコピペしたんです。
 大臣、これが今回の法案の立法に当たって、厚生労働省として調査をして研究をして分析をした結果なんですか、大臣。
○国務大臣(根本匠君) 今、立法事実というお話がありました。立法事実、今回コンセッション方式を官民連携の一形態として新たに選択肢の一つで用意しよう。そのためには、我々、海外もいろんな失敗事例がありました、再公営化された事例もあった、それは分析した上で、立法事実を基に我々今回の新しい仕組みをつくったということです。
 私は、いろんな再公営化した事例ってあると思いますよ、数だけ見ればね。しかし、それは、一番典型的な再公営化された三都市の事例は確かに調査をして取り上げている。あるいは、なぜ民営化した、民営化したところでどういう問題があって失敗したか、その事案もしっかりと我々分析していますから、そういう分析の上で、我々今回の新しい仕組みをつくったということであります。
 だって、指摘されている課題は、民間事業者に求められる水道施設の管理運営レベルや設備投資の内容が不明確であり、管理運営レベルの低下や設備投資の不履行が発生した、あるいは水道料金の設定が不明確であって料金が高騰した、あるいは民間事業者にする監査、モニタリング体制の不備によって問題の未然防止や発生後の調整が不可能であった。こういう問題点を我々しっかりと調査した上で、日本ではそういうことがないように、国の、官側の関与も強化した上で、今のPFI法上だけの制度ではなくて、水道法を改正してしっかりと官の関与を強めた。
 我々、諸外国の問題事例を分析して、そして我々の調査だけじゃありませんよ、ほかの再公営化が百八十だとか二百三十五とかいろいろ出されている調査報告書でも、問題の事案、問題後の分析、それは我々と共通していると思います。
○石橋通宏君 三例以外にないんでしょう、大臣。三例ですよ、大臣。大臣、ここでそんな虚偽答弁、今頃していいんですか。三例しかないということを厚生労働省は認めているんですよ。大臣、そうではないとおっしゃるんですか。大臣、その三例以外の調査事例を今この場で出せるんですか。厚生労働省が出せないと言っているものを大臣がこの場で出せるんですか。
 資料の三、今大臣が言われたことは、この資料の三、失敗事例から得られる教訓一、二、三、それを繰り返されただけですね。その失敗事例、三例ですよ。二〇〇七年、二〇〇九年、二〇一〇年、その三例です。大臣、それ以外に何かあるんですか。今、しっかり調べられたと言われたけれども、それ以外の事例があるなら、ここでそれを、大臣、ちゃんと資料として出してください。
○国務大臣(根本匠君) 再公営化された三都市の事例を取り上げて分析をさせた。大事なのは制度ですからね。仕組みをどう構築化するかということを考えた場合には、民営化によってどういう問題が生じたのか、そして再公営化はどういう理由で再公営化されたのか、いろんな事案があると思いますよ。大事なのは、その事案に共通する問題点、課題は何か、本質は何か、本質の問題は何か。それを踏まえて私は制度をつくったというのが今回の我々の出している民営化法案です。
○石橋通宏君 大臣、重ねて、三例でそんなによく言えますね、大臣、そこで。これ、国民の皆さんが今大注目して見ておられますよ。たったの三例で、しかも二〇一〇年以前の古い事例を、なぜそれを引用したかも分からない形で、大臣、それを、多くの事例があるからその傾向を分析して三例ですよ。笑っていますよ、国民の皆さんが、大臣。
 資料の四、御覧ください。これ、参考人が先週の参考人質疑で提出された、二〇一四年までで百八十例再公営化の事例があります。二〇一〇年以降に激増しているという参考人のお話でした。
 資料の五を御覧ください。さらに、二〇一五年に出された調査の結果で、二〇一五年には二百三十五事業が再公営化された、二〇一四年から二〇一五年で更に多くの再公営化が進んでいるという事実です、大臣。
 二〇一四年から二〇一五年に再公営化された約五十の事例、大臣、傾向を分析されているんですか。どんなのでしたか。大臣、ここで全部つまびらかにできるんですか、じゃ。
○国務大臣(根本匠君) 私は傾向を分析されたかというお話でしたが、この傾向がどういうことかと。まず、二〇〇〇年から二〇一四年の間に世界三十五か国百八十都市で再公営化が行われたという報告書がある。そして、一年で二か国五十五都市が、二百三十五というと増加していることになりますが、そのうち四十五都市がフランスの都市であって、二〇一四年以前に再公営化を行った都市を精査した結果増加したことが理由ではないかと考えます。
 そして、議員御指摘の再公営化の流れ、果たして再公営化の流れが世界にあるのか。そういう意味でいうと、フランスにおいて一九九八年から二〇一一年の間でコンセッション方式などで契約された事業四千七百二十九件のうち約九七%が民間との契約が更新されている。これは、出典はフランス水道協会の二〇一五年。そして、米国でも官民連携契約二千件以上の九三%が更新されています。これはアメリカの水道産業協会。
 これは、百八十五とか二百三十五という話ですけど、傾向という意味では、こういう分析をしないと私は傾向を判断するということはできないと思うし、こういうそこの事例、現実に出てきた再公営化の事例、いろんな事例がある、民営化をそのまましている事例もある。失敗した事例の本質は何か、どこでどういう理由で失敗したのか、それぞれ背景になる制度は違うと思いますよ、欧米で。だから、我々は失敗した事例をしっかり分析して、単なるコンセッションのPFI法上の規定だけでは不十分だから、だから水道法を改正して公の関与を強化する今回の仕組みにしたということであります。
 私は、政策というのは、どこに何が問題か、その本質を見極めて、それに対しての対応を考えるのが私は政策をつくるということだと思います。
○石橋通宏君 大臣、論理が破綻しています。大臣が言われていることはそのとおりです。多くの事例をしっかり研究をして、なぜ失敗したのか、なぜ公営化があったのか、それを個別具体的に、そして全体の傾向も含めて調査をする。当たり前です。していないから言っているんですよ、大臣。三例だけ、古い事例、最近の事例は全く調査も研究もしていない。この委員会に資料を出せないんですから。やっていないということを認めたんです、厚生労働省が、大臣。
 内閣府、今日来ていただいています。内閣府のPPP推進室で、じゃ、この水道法の今回のコンセッション方式の提案に当たって、それに資する調査研究をされたんでしょうか。
○政府参考人(石川卓弥君) 内閣府といたしましては、コンセッションを含むPPP、PFI制度の一般の企画立案の参考資料とするため、海外のコンセッションを含む調査分析を五件実施いたしまして、また他省庁実施の調査報告書一件と併せ、ホームページで公表しているところでございます。
○石橋通宏君 何百もある事例のうちのたったそれだけです。私が事前に聞いたところでは、この法案に対する調査としてやったわけではないというのが、今うなずいておられるので、そのとおりなんです。関係ないんです。
 大臣、こんないいかげんなもので国民の命を預かる水のコンセッションを提案されている、とんでもない話だと思います。
 大臣、じゃ、二〇一四年、一五年以降、再公営化の事例、世界で何例あるんですか。
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 今御質問ございましたが、正確な数字についてはちょっとこちらでは今現時点では把握しておりません。
○石橋通宏君 把握されていないんです、大臣、全く、最近の事例も傾向も。
 じゃ、二百三十五、二〇一五年までにあると言われる、その中で、再公営化しようとしたけれども、自治体で既に専門性が失われていて再公営化が困難だった事例はどれぐらいありますか、大臣。
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 正確な数値として把握しているものはございません。
○石橋通宏君 では、再公営化しようとしたけれども訴訟に遭って、そして訴訟に遭ったがために大変な状況になった事例は何例ありますか。
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 今御指摘のありました文献については我々としては正確に把握しているところではないので、その中のいろいろな内訳についても正確な数字というのは承知しておりません。
○石橋通宏君 大臣、何にもやっていないじゃないですか。国民が懸念をしている事項について何の傾向も分析もしていない。その中で、この法案を、コンセッションを今日やろうとしている。こんないいかげんな、国民に対する責任も持てないような法案、よく出しましたね。そのことは強く抗議をしたいと思います。
 改めて、大臣、きちんと世界の事例、そういった様々な懸念、心配、再調査をして、厚生労働省として責任ある形でこれやり直す、作り直すべきだと思います。大臣、最後にそのこと、答弁お願いします。
○国務大臣(根本匠君) それぞれの国がどういう制度で運営しているか、私はそれが大事だと思いますよ。民間同士の契約で訴訟が起こった、それは、我々のような今回の国の関与、公の関与を強めているという仕組みはないから、だから、民間だけでコンセッションをやると問題が起こっているんですよ。
 だから、例えば水道事業の民間による運営実施、フランスでは全体の六割から七割が民営化されている、そしてイギリスは一〇〇%が完全民営化による実施ですから、我々のような公的関与はここはやっていないんですよ。スペインだって約五割、ドイツだって約三割、それが民営事業ですから。だから、民営事業の場合には、やはり我々の今回対応しているようないろんな歯止め、国の公的な関与、それがないから訴訟が起こったりしているんだと私は思います。
 やっぱり、どういう制度になっているということから実際のいろんな現象が出てくるんで、そこをきちんと分析して、本質的な課題、問題は何かということで、我々はその海外の問題事例を掌握して、そして問題事例、なぜ問題が起こったかということを分析した上で、我々、こういう新しい水道法で公の関与も強めて、そしてPFI法のコンセッション事業だけでは足らざるから、いろんな課題があるから、それを乗り越えるための仕組みを提案していると、こういうことであります。
○石橋通宏君 時間来ましたので川田委員に譲りますが、是非国民の皆さん、この大臣の答弁聞いてください。こんな中身で提案しようとしている、とんでもない話だと思います。そのことを強く抗議申し上げて、質問を終わります。
 ありがとうございました。
○川田龍平君 立憲民主党、川田龍平でございます。
 今日は、水事業について、この民営化の問題についてしっかり質問したいと思います。
 今大臣、本当にちょっと聞き捨てならないことを言ったんですけれども、訴訟にならないためにこれ公が絡むって本当ですか。これ違うと思いますけど、訂正してください。
○国務大臣(根本匠君) 私は、今回の新たな制度で、訴訟になったというのは、あの海外で訴訟になった事例は、海外がそういう制度だから訴訟になったんではないかということを、そういう趣旨で私は申し上げました。
 だから、今回の……(発言する者あり)何でかというと、あの海外で指摘された事案、これは、民間事業者に求められる水道施設の管理運営レベルや設備投資の内容が不明確であって管理運営レベルの低下や設備投資の不履行が発生した、水道料金の設定方法が不明確であって料金が高騰した、あるいは民間事業者に対する監査、モニタリングの体制の不備によって問題の未然防止や発生後の調整が不可能となったと、こういうのが海外の事例からくる本質的な問題点だったということで、我々は今……(発言する者あり)あのね、その訴訟の話はもうちょっと、じゃ、ちょっと、今の我々の制度がどうなっていて、その上で訴訟の可能性がどうかというお話をさせていただきたいと思います。
○川田龍平君 いや、さっきの答弁撤回するかどうか。訴訟になるリスクを避けるために、これ公が絡むと言ったじゃないですか。それちゃんと答弁してくださいよ。
○国務大臣(根本匠君) 要は、訴訟になるリスクというのは、運営権、コンセッションの運営権を設定した。そして、訴訟になるリスクというのは、例えば自治体の方が、当然いろんなルールを決めてやってもらっているわけだから、モニタリングもちゃんとしていますよね。その上で訴訟になるリスクというのは私はどういう事案かなと。逆に、どういうことが想定されるから訴訟が起こるのではないかということをむしろ提起していただいた方が答えやすいんですよ、私も。どういう想定されるのかと。
○川田龍平君 やっぱりちゃんとこれ議論した方がいいと思いますね。
 やっぱりこれ、大臣全く理解されていないというのがもう露呈されています。検討を十分にされていないということをもうはっきり言っているようなものだと思いますし、撤回しないと駄目ですよ、やっぱりこれは。撤回してください。
○国務大臣(根本匠君) 訴訟になるリスクがどういうところで想定されるか。これは、民間の事業者と自治体がコンセッションの運営権を設定するときにいろんな取決めをしていますよ。それを、例えば自治体の都合でそれを民間事業者に対して例えば解約するとかそういうことになると、そういうことは私は想定できないけど、そういう場合は訴訟になる可能性はある。
 しかし、私は、自治体の方の都合でコンセッション契約を解約するというようなことは想定しにくいから、その意味ではそういう事態には生じないような仕組みに基本的にはなっていますよと。だから、訴訟になるというのはどういう事案が想定されて、この場合にどうですかという質問をいただけるんなら、それに対しては私も答えられますので。いや、そういう事案があればですよ。
 だから、そこのところで議論しないと。制度上、だって、訴訟になる可能性があるというのは自治体が訴訟を受けるわけだから、じゃ、どういうケースかなと。
 それで、ルールの話。あと、いろいろ、例えば災害のときにどうするかというやつの事前に取決めをするわけだけど、例えばそこに課題が出てきて、そして自治体と協議をして、その意味ではそこはいろんなケースがあり得ますけど、じゃ、訴訟になるケースはどういうケースでしょうかと。やっぱりそこのところを議論しないと、一般論として私は答えると、何か中途半端な答弁に逆になっちゃうと思いますよ。(発言する者あり)いやいや、本当に。だって、具体的な事案だったら議論できるけど。
○川田龍平君 やっぱりここで議論しなきゃ駄目だと言っているのは大臣じゃないですか。
 そうしたら、ここでやっぱりこのままこの議論終わらせるわけにいかないですよね、そういうことでいいですね。撤回してください、じゃ。
○国務大臣(根本匠君) 訴訟については、一般論としてはいろんなケースが、いろんなケースがあり得るとは思いますが、ただ、いろんなケースがありますけど、例えば災害が起こったときに、例えば事業者の責めに帰さないような大災害で、じゃ、どこまで自治体が対応してそこを国が支援するのかとか、そこはあらかじめルールは決めておくんだけど、例えば災害のときの、そこでいろんな食い違いとか意見が分かれるということもあり得るかもしれない。話が付かなかったら、それは確かに訴訟に訴えるかもしれないということではないかと私は思います。
○川田龍平君 だから、訴訟はあるということは、じゃ、さっきの発言は撤回してください。そこだけはさっきの発言撤回してください、是非。
○国務大臣(根本匠君) 私もいろんな質問で、要は、やっぱりいろいろな、いろんな背景があって質問されるとこっちも話しやすいんですが、私が申し上げたかったのは、仕組みとして訴訟をなりにくく、事前の説明をきちんと明確にしてお互いに話し合いながらやるわけですから、これは。だから、それは、その意味で訴訟をなりにくくする仕組みにしていると。ただ、訴訟は、まあこれはいろんな状況があるでしょうから、訴訟が全くないということは私も申し上げません。(発言する者あり)
○委員長(石田昌宏君) 一回速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(石田昌宏君) 速記を起こしてください。
○国務大臣(根本匠君) 私の言いたかったのは、訴訟を事前にきちんと手続を明確にして、そして訴訟になりにくくする仕組みということで我々構成しております。それを私は言いたかったんだけど、訴訟が全くないと、全くないと受け取られたとすれば、それはおわびを申し上げます。そこは撤回します。もしそういうことで訴訟は全くないと受け止められたとすれば、それはおわびをして、撤回をいたします。
○川田龍平君 もう本当にこの時間ちょっともったいなかったと思うんですけれども。
 続いて、海外事例のことについて、先ほどの話にもありましたけど、災害ということを言いました。PFI事業を実施している海外の水道事業者で、災害を実際に経験して成功している事例やうまくいかなかった事例について、これ、副大臣が調べさせますということを言っていましたけれども、調べさせたんでしょうか。
○副大臣(大口善徳君) 事務方に指示をいたしました。現在調査を行っておりますが、一定の時間を要するので、そこは御理解いただきたいと思います。
○川田龍平君 まだ、これちゃんと議論する、その前提となる調査がしっかりされていないと。
 先ほど石橋委員からもありましたように、やっぱりこれ事例としても大変古いものですし、本当に今どうなっているのかと。しかも、この再公営化というのは最近どんどん急増しているわけですね。これ、今問題となってきていることから今PFIも見直されて、これ、イギリスではこの二〇一八年からPFIについてもうこれからしないと言っているんですよ。それについて、大臣、どういう考えですか。
○政府参考人(宮嵜雅則君) どういう考えかということは後ほど大臣からということになろうかと思いますが、その事例の事実関係について若干補足させていただきます。
 御案内のとおり、平成二十三年にPFI法が改正されまして、コンセッション方式というのはもうその時点で当然水道も対象になっておりまして、入るような仕組みになってございます。その後、我々が調査報告書をまとめたのは四年後になりますが、その時点で三例というのは少ないという御指摘はいただきましたが、大臣からも申し上げましたように、いろいろ幾つかの問題点というのは施策として、アウトカムとして出させていただいております。
 その後、民間の文献なんかでも若干数が増えてきているという数字が出てきているのも事実でございます。ただ、先ほども大臣から御答弁申し上げましたが、フランスでは実数自体は若干増えているけれども、全体として見れば九七%が民間の再契約をしているというような事実もありますが、そうはいっても、若干再公営化しているというところが出てきているということも専門委員会で議論いただきまして、今の二十三年に改正したときのコンセッション方式を導入したときのままではなくて、加えて、公の強化をするという水道法の改正案を出させていただいたというのが今回の事実関係というか経緯でございます。
○国務大臣(根本匠君) イギリスは元々、基本的にはイギリスというのは元々民営でやってきていますから、元々民営でやっていますからコンセッション方式とは異なる形態であるんで、イギリスでは会計検査院からPFIとPF2という報告書を発表したというのは聞いていますが、何かイギリスでは新規のPFIは行わないと、行わないとやった。これは元々、イギリスというのは民営でやってきていますから、民営で。で、PFIでやったらうまくいかなかったんで、もうPFIを行わないということになっているんだと考えますが、ただ、英国における水道事業というのは完全民営によって実施されているんで、コンセッション方式とは異なる形態であることもあって、これは、イギリスのやつは必ずしもコンセッション方式の導入に直接関連するものとは考えておりません。ただ、英国の動向については、官民連携の先行事例として示唆が得られる部分も多いので、厚生労働省としてもここは注視していきたいと思います。
○川田龍平君 やっぱりちょっと十分な時間がこれ必要だと思います。議論する時間がとても足りません。やっぱり十分な検討を海外事例も含めてしなければいけないことはありますし、災害に当たっての対応でも、これはしっかり対応の検討をしなければいけないことがたくさんあります。
 そして、このPFIについても、それからこの規制改革会議など、今、内閣府、内閣官房からの言いなりになっている厚生労働省、やっぱりこれ何とかしてほしいと思います。命を守る、本当に命や健康を守る、国民のために体を張ってでもやっぱり厚生労働省にはしっかり仕事をしていただかなければいけないと思っていますけれども、こういった問題について、やっぱり言いなりに唯々諾々と従っていくだけの厚生労働省にはならないでいただきたいと思います。
 しっかりこれ答弁いただきたいと思いますが、もう時間なので終わりますが、本当に大臣、この問題、まだ引き続きやりましょう。大臣から議論をもっと必要だとおっしゃったわけですから、是非この問題についてはしっかりこの後も議論していきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 終わります。ありがとうございます。
○川合孝典君 おはようございます。国民民主党・新緑風会の川合でございます。
 いろいろ質問準備してきたわけでございますが、私も、今立憲民主党さんが御指摘された問題については、残念ながら苦言を呈さなければいけないと思っております。
 今回この法案を提出するに当たって、再公営化の事例も含めて、多くの懸念が慎重派の皆様から提出されていたことは皆様も御承知のとおりだと思います。その上で、審議の冒頭に、再公営化も含めて問題点を解消するためにどれだけの、要は事例を立法化に当たって検証したのかと、この質問に対して、三例、それから五例、五例という数字を御提示になったわけですよね。にもかかわらず、この立法化のために調査したものは一つもないと。うそじゃないですか、これ。虚偽答弁ですよ。国民生活に資するいい制度をつくるために、与野党多少意見は違っても建設的に討論しようということで委員会の運営をしているんです、我々は。それに対して一体何ですか、これは。
 その上、今、石橋委員に対する大臣の答弁、完全に論点のすり替えですよ。様々な事象について検証を役所がやるのは当たり前のことであります。そのことと、今回立法化するに当たっての再公営化の事例をどう検証するのかというのは全く別の問題です。
 謝罪の上、もう一度、先ほどの石橋委員の質問に対して御答弁をいただきたいと思います。本当にこの法律を作るためにきちんと検証はできていなかったということをお認めいただきたいと思います。
○委員長(石田昌宏君) この際、一言申し上げます。
 各答弁者は、質問者の趣旨を踏まえて簡潔明瞭に答弁を行うように願います。以後よろしくお願いいたします。
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 十分検証ができていなかったのではないかという御指摘でございますが、先ほども大臣からも御答弁申し上げましたが、二十三年の法改正で既にコンセッションという方式が入ってございます。(発言する者あり)
○委員長(石田昌宏君) どうぞ、答弁続けてください。
○政府参考人(宮嵜雅則君) はい。
 その後に調査したこの調査報告の中から三つ事例が出てきておりますけれども、この事例を参考にして、その後は、厚生科学審議会の専門委員会でもこの事例を我々提示させていただいて御議論いただきまして、今般の公の関与を強化するような方向での法案、改正が必要だろうということで今回の提出に至ったところでございます。
○川合孝典君 だったら、宮嵜さん、聞きますよ。百八十例再公営化の事例がある、そのことに対して、はるか昔に調査をしたたった三例だけで本立法が十分だと判断した理由は何なんですか、教えてください。
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 我々の調査報告の中でも記載させていただいておりますが、その事例から、民間事業者に求められる水道施設の管理運営レベルや設備投資の内容が不明確であり、管理運営レベルの低下や設備投資の不履行が発生、それから、水道料金の設定方法が不明確であり、料金が高騰、それから三点目として、民間事業者に対する監査、モニタリング体制の不備により、問題の未然防止や発生後の調整が不可能ということが導き出されておりますが、これは、例えば百八十例の文献について、出所元も含めて内容も含めて我々として精査する、事実関係を確認することは困難なものもありますが、基本的には指摘されているのは同じような方向であって、改正案として特に問題ないのではないかというふうに考えております。
○川合孝典君 あなた、今何言っているか分かっていますか。私が聞いているのは、なぜ三例だけでよかったのかということなんですよ。
 しかも、過去の事例ですよ。かなり前ですよね、これ。ここ二〇一四年というか、この直近数年間の間に再公営化の事例が物すごく増えてきているんですよ。そんなことぐらい把握していますよね。なのに、三例でいいと判断したのは誰なんですか。宮嵜さんですか、大臣ですか、はっきり答えてください。
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 三例でいいという判断をしたかどうかというのはなかなかお答え難しいんですが、我々の持っているこういう再公営化事例につきまして、厚生科学審議会の専門委員会の方にもお諮りして、専門家の御意見もいただいた上で、改正事項についての取りまとめを行ったという流れでございます。
○川合孝典君 なぜ三例なのかというのは難しいという、何が難しいのかを教えてください。
○政府参考人(宮嵜雅則君) 理由をということですので、理由として、理由がどういうものかというのはなかなか難しいんですけれども、事実として三例をかけさせていただいて、それを基に御審議いただいて、こういう方向を導き出したというのが事実だというところでございます。
○川合孝典君 要するに、この水道法の改正法案を作るに当たって何もしなかったということなんでしょう。この改正案については何の作業もしていないということをおっしゃっているわけですよね。過去あったものから都合の良さそうなものを引っ張り出してきて、それで都合よく該当しそうなものが三例あるからそれだけ持ってきたという話なんでしょう。そういうことですよね。この点だけは確認させてもらいます。
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 何もやっていないということではなくて、まさに今回の二十七年三月の調査報告を審議会、専門委員会の方にかけさせていただいて議論していただいて、今のような改正法案を出させていただいているという経緯でございます。
○川合孝典君 改めて、しつこいようですが、確認しますけど、ということは、何か法律改正するときに、様々な環境や状況、国際情勢等を考慮するときに、十年も前の資料で、しかも今から三年前に報告された資料の内容で、それで十分だというような仕事の仕方をするのが厚生労働省の仕事なんですか。
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 決して御指摘のようなことではなくて、例えば今回の事例、三例についてはそういう状況もございますが、それを専門家の委員会にかけさせていただいて、専門家の委員の意見、専門家の方々それぞれのいろんな状況とか知見をお持ちだと思いますが、そういう御意見も踏まえてまとめられた専門委員会の報告書を基に法案を作成させていただいたという経緯でございます。
○川合孝典君 有識者の方の意見を取りまとめてとおっしゃいました。先日、参考人質疑をやりました。あのときに、石井参考人、政府の審議会の座長をやっていらっしゃる石井先生お越しいただいていろいろと御意見頂戴しましたけど、彼の論文読ませていただいておりまして、そうしますと、このコンセッション導入も含めて、こうした大きな改革を行うに当たっては、需要予測や収支の見通しをきちんと示した上で住民の理解を得ることが前提だと、こうおっしゃっています。
 至極まともな、もっともな御指摘をされておりますけど、有識者の意見これなんですよ。今の宮嵜さんの話と違いますよね。
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 今回の法改正の中でいろいろな改正内容、手続ございますけれども、例えば今議題、議題というか話題になっておりますコンセッションの関係につきましても、いろいろな手続ございますが、それにつきましても、必要な情報については住民に開示していって、住民の理解を得ながら手続を進めていくということと考えております。
○川合孝典君 よくそんなこと言いますね。住民の方の理解が得られていたらこんなに反対出るわけないじゃないですか。だまし討ちのように突然民営化の話が出てきて、そのことの結果どうなるか全く見通しが付かない。それに対して、我々が資料を提出してください、状況を教えてくださいと言っても何にも出てこないわけじゃないですか。
 これ、どこが住民の合意形成なんですか。私、正直言って今日は静かに中身の議論をするつもりだったんですよ。余りに答弁がひどいからこういうことを申し上げさせていただいている。
 大臣、ここまでの宮嵜審議官が発言されたことも含めて、ここに至るまでの間の政府のこの法改正に当たっての手続やそれから準備、住民の合意を得るための様々な手配、こういうことが足りなかったということはお認めになりませんか。
○国務大臣(根本匠君) やはりこのコンセッション方式は、要は多様な官民連携の選択肢の一つにしようと。そして、宮城県知事始め自治体の皆様からもそういう要請がありました。ですから、我々、PFI法だけでは課題もあるので、水道法を改正して公の関与を強化する上での仕組みにしたいということでやってまいりました。
 その意味では、法改正をするときには様々、海外の事例を調査したり、そして今、現状、官民連携のどういう課題があるか、やはり法律とか制度をつくるときにはそういうものをきちんと調査分析して、そして、こういう課題にはどう対応するかということで制度設計をするんだと私は思います。その意味では、十分かどうかという話については、海外の事例も我々ができる範囲内で収集して、そして海外から参考になるところは我々が酌み取って、そして審議会にもかけて、議論をして成案を得たということであります。
○川合孝典君 過去、政府や役所の中でコンセッションについての議論がなされてきたこと自体は事実でしょう、事実でしょう。が、しかしながら、今回、この法律改正をすることで、コンセッションという実質運営の民営化を図るということについて、今大臣がおっしゃったことがきちっとなされていないから問題が起こっているんですよ。本来やるべきこととしては、大臣がおっしゃったとおりです。が、しかしながら、ここに至るまでの間それができていないからこうなっているんだと。
 で、このままの状態で、ろくな説明もできずに、きちんとした資料の提示もせずに、そのままで法律が改正されてしまって困るのは住民の皆さんなんですよ。そのことをどうするのかということがクリアにならないうちは、我々、基盤強化の必要性を感じていますよ。老朽化した水道管、何とか更新しなければいけないことについても分かっていますよ。しかしながら、そのことと同時に、いや、それ以上に、国民の生命のライフラインですよ、生活インフラの最も大切な水道を未来にわたってどうしていくのかということの議論を今やっとるわけでありますから、きちんと対応していただくということをお約束いただけないと国民の皆さんは到底安心できない。
 ここでお約束いただきたい。今、我々野党が様々指摘させていただいた事項、コンセッションに当たっての様々な懸念、再公営化がどんどんと世界中で進んでいることに対して、そのことの事例研究を行った上で、絶対に海外の失敗事例の同じ轍を踏まないと、そのためのことをきちんとやらないうちは軽々にコンセッションの話に入らないということを、このことをお約束いただきたい。
○国務大臣(根本匠君) これは、今回のコンセッション方式、そして水道法改正の制度的な改正をやるわけですが、この改正の新たな仕組みで、私は、今いろいろ提起されている様々な懸念や問題点に対応できる仕組みに仕組んでいると私は思います。
 例えば、確かに海外の事例で再公営化、まあ二〇一五年までの、私も読ませていただいていますけど、二〇一五年までの流れは参考人のときでも指摘をされました。だから、一方で、そういう再公営化の流れが一方であると同時に、海外を見ると、先ほど申し上げましたけど、まあ、フランスでは九七%が一方でコンセッション方式で契約が更新されているとか、アメリカでも九三%が更新されているとか、そういう事案もありますから、むしろ我々は、問題があった事案で何が海外で足らなかったのかと、そういうことを踏まえて、PFI上のコンセッション方式の今の規定では、海外で起こった、海外はどうも契約の中身が問題だったんではないかと私は思いますが、その海外の事例の問題も踏まえて、公的な関与を深めるような仕組みにしていると。
 ですから、この仕組みによって我々は海外で起こったような事案の懸念をないような対応にしようということですから、繰り返しは避けますけど、自治体がコンセッション事業者の事業計画もしっかり審査して、中身もきちっと協議して、そしてモニタリングもする、国は、きちんと厚労大臣が自治体から上がってきたものを中身を見て許可する、そしてモニタリング体制がしっかりしているかどうか、自治体の、それも見た上で大臣が関与していく、あるいは直接立入り権を持つ、要はこういう仕組みをつくるので、我々は、海外で起こったような事案については、そこは教訓を踏まえて、そこが、公的な関与を強めているというところが海外の事例と一番違うところだなと私は思っております。
 その意味では、今までも様々議論をしていただいておりますが、我々は、この今提案しているコンセッションで国の公的関与を深める方式、これはあくまでも官民連携の選択肢の一つですから、全てこれでやるということではありませんので、そこは御理解をいただきたいと思います。
○川合孝典君 理解できないんですよ。
 繰り返し、このコンセッション方式を導入することで官の関与を強めるという言い方をされていますけれども、間違っていますよ。だって、今は完全公営化なんですから。そこに、運営の部分については民間に委託するということで、所有しながら委託をするということで、要は、そこの部分で関与を継続させるという意味はあっても、公の関与を強めることには全然なっていないですよ。ここちょっと修正していただきたいと思います。
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 ちょっと認識というか考えているところが違うのかなというのを今委員の御質問で思ったんですが、今、公営化ですというのは、事実上、実際、市町村が運営しているんですけれども、制度としては、先生方が御質問いただいているいわゆる民営化とかコンセッションというのは既にもうできるようになっておりまして、それが平成二十三年でございます。その当時は先生与党だったと思うので事情詳しいと思いますけれども、平成二十三年の法改正のときに、いわゆる民営化にかなり近いもの、コンセッション方式というのは水道だけじゃないですけれども、そういう方式を入れようというのは二十三年の法改正でできております。
 その後、事例も、三つという話もありましたけれども、海外の事例なんかも調査して、日本は、幸か不幸か、幸か不幸かというのは表現悪いですね、結果的に現段階では二十三年のときに設計したコンセッション方式はまだ一件も実現しておりませんけれども、今後も含めて実現する可能性は当然ないわけではないわけでございまして、そういうときに、いろいろ事例とか専門家の御意見も踏まえて、今のコンセッション方式に加える形で水道法を改正して、公の関与を強い形のコンセッションにした方がいいのではないかというのが今回の水道法の御提案でございます。
○川合孝典君 本当に人の話聞いていないですね。
 私が聞いたのは、コンセッションを導入することで公の関与が強まるという言い方をしているけど、それは違いますよねと言っているだけなんですよ。何かいろいろおっしゃっていますけど、私が聞いていることに対する答えには一切なっていないですよ。もう一度。
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 もし私の御答弁が舌足らずだったら本当に申し訳ないんですけれども、私はこれまで、コンセッションを入れたら公の関与が強まるということはたしか言っていないと思うんですが、今回の水道法の改正案をすることによって公の関与を強めるというふうに御説明申し上げてきたつもりでございますので、私の理解の不足とか説明が至らなかったらば、そこはおわび申し上げますけれども、今申し上げた趣旨だということは御理解いただければと思います。
○川合孝典君 であるならば、大臣に。
 大臣は、議事録読み返していただければ何度も出ていると思いますが、コンセッション方式を導入することで公の関与を強めるという表現を何度もされています。今日も二度ほどされたと思いますけれども、関与が強まるわけではないですよね。公の関与をきちんと維持するという、そういう枠組みでしかないですよね。ここだけちょっと確認させてください。
○国務大臣(根本匠君) 私が公の関与を強化すると言った趣旨ですが、PFI上でコンセッション方式というのはもう、先ほど審議官が答えましたが、平成二十三年度の法改正でそれは認められております。
 ただ、コンセッション方式だけだといろんな課題、問題があるから、だから、水道法上で公的な関与をつくる仕組みを今回導入したと。だから、水道法上で、今のコンセッション方式、PFI上の、それに水道法を改正して公の関与を強化する仕組みを導入したと、これが私の趣旨であります。
○川合孝典君 この問題はこれ以上やりませんけれども、先ほどの三例の事例の話もそうなんですが、調べてみて、恐らく厚生労働省は把握されていると思いますけれども、再公営化された事例の中には、要は何らかの、企業側の何らかの問題があって再公営化されているものとは別に、もうどうやっても収支が回らないと、赤字でこれじゃやっていけないということで再契約を民間事業者側が断っているケースとかもあるんですよ、現実には。
 だから、本来は、再公営化の事例、問題が生じたと外形的に見える事例に関してきちっと、三例じゃなくて、検証した上で、こういうふうになっていますよということを最初から委員会に提示していただければ、もっとそこをスタートラインにして建設的な議論ができたんですよ。なのに、今でもまだ三例で合理的な判断ができたということを宮嵜さんは言い続けている。恥ずかしくないですか。私は、こんなやり方で法律改正を行うということが国民、住民の皆様の理解を得られるとは到底言えないということを改めて申し上げておきたいと思います。
 全然質問一つもしていないんですけれども、ちょっと幾つか質問作らせていただいてきた中で順番変えて、一番最後になっておりますが、赤字事業体への今後の対策云々というところについて、そこから質問させていただきたいと思います。
 私、当初、この水道法改正でコンセッションが導入されることで水道料金が物すごい上がってしまうかもしれないということをまず真っ先に懸念をいたしました。中小や赤字零細水道事業体ほどそういう懸念が大きくなるのではないのかということの懸念も持っておったんですが、参考人質疑や様々な関係者の方々と意見交換させていただく中で、ちょっと違うなと最近考えております。むしろ、コンセッションが導入できる可能性が高いのは黒字事業体なんですよね、赤字事業に対して民間企業は絶対に入ってこないわけですから。もうかる見通しがある、仮に多少薄利であったとしても、それが二十年、二十五年、三十年と超長期にわたる契約をやることで一定の決まった収益が見込めるがゆえにコンセッションやるわけです。
 ということは、今日本の水道の一番の課題になっている赤字事業体、もっと言ってしまうと、管路が耐用年数を過ぎて、すぐにでも水道管更新をしなければいけないけれども手を着けることができていない状況の赤字事業体をどうするのかということが実は最も喫緊の課題なわけであります。
 大臣にお伺いします。
 この一連のコンセッションの陰に隠れてしまっておりますが、この赤字事業体に対してどのような対策を厚生労働省として講じられるのかをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(根本匠君) 私も、委員と基本的に共有しております。
 今回の法改正の目的は大きく三つあって、広域連携の推進と、あと小規模な水道事業者、ここはきちんと適切な資産管理をやってもらおうということと、官民連携の推進の観点から一つ選択肢を新たに設けると。
 委員がおっしゃられるように、基盤の強化と言っていますが、一番やっぱりシェアが、数も多いのは、水道事業者が主に市町村単位で経営されていて、小規模で経営基盤が脆弱な水道事業者が多い、そして赤字などの経営が厳しいと、こういう状況がありますから、この水道事業体の経営改善のためには、広域連携、スケールメリットを生かして効率的に事業運営のできる広域化や、一方で、適正な資産管理を進める必要があると、こう思っております。
 その意味で、広域連携の推進と適切な資産管理という観点では、それぞれの事業体については、収支見通しの作成あるいは施設の計画的な更新、耐震化に努める旨の努力義務を入れて、そして、台帳が十分に整備されていない事業体が多いので、きちんと台帳整備も義務付けて水道事業者のアセットマネジメントの取組を推進したいということで、三本柱の大きな一つは、委員のおっしゃられた懸念にどう対応するかと。その意味では、適正な資産管理の推進というのは、水道事業者が中長期的な観点から必要な財源を確保した上で施設の更新や耐震化を着実に進めていくことができるようにすると、そういう狙いで今回も法改正の大きな柱を提案させていただいております。
○川合孝典君 確認させていただきますけれども、水道事業者の方々や水道関連の職員の皆さんは今までも必死になってやっていらっしゃいますよ。むちゃくちゃな合理化をされている中で、人手も足りない状況の中で、予算もない中で、それでもやれる限りのことをやって、水道をひねったらきれいな水が出る状態を守り続けていらっしゃいますよ、日本中で。それでも回り切れなくなっているから、今こうなっているんです。
 それを今後どうするのかということを聞いているのに、アセットマネジメントで解決するわけないじゃないですか。予算をきちんと取って、同時に、コンセッションを推進をするために、六事業体ですか、何かそんなところに声掛けしている暇があるんだったら、赤字事業体のてこ入れをするためにどうするべきなのかということの具体策を地方自治体に対して、水道事業体に対して投げかけるべきなんじゃないんですかということを申し上げております。
 もう一度、赤字事業体を今後どうしていくのかということについて具体的な方針、又は大臣の思いでも結構ですよ、やるんだったらきっちりやるとおっしゃってくださいよ。
○国務大臣(根本匠君) 委員おっしゃるように、やっぱり水道事業というのは資産の約七割が水道管路ですから、その更新には財源の確保が必要で、一方で、計画的な更新に必要な資金を十分確保できない場合が多いので、アセットマネジメントの取組を強化して中長期的に収支もきちんと見てもらうと、繰り返しは避けますが、そういう対応と、厚生労働省としてはこれまでも、経営条件が厳しい水道事業者に法定耐用年数を超えた基幹管路の耐震化事業について財政支援を実施してまいりました。
 引き続き、必要な財政支援を行うことで公共団体の取組を支援していきたいと思います。
○川合孝典君 これまでも必要な財政支援を行ってきた、もちろんゼロじゃないですよ、補助や様々な支援をしようとされていることは分かっていますけれども、それじゃ足りないからこうなっているんでしょう。そういう話なんです。与党の方からも応援の声が上がっておりますけれども、しっかりやらなきゃいけないことなんです。ここに至るまできちっとやってこなかったから、ここまで追い込まれた状態になっているんです。しっかりやるということをおっしゃってください、予算措置も含めて。
○国務大臣(根本匠君) 予算措置も、生活基盤施設耐震化等交付金、これも数年前から組んで、そして、今予算も引き続き増やしておりますが、しっかりと取り組んでいきたいと思います。
○川合孝典君 この場ではっきり言ってしまうと財務省に怒られるかもしれませんから言い方が難しいのは分かりますけれども、改めて、改めて申し上げますけれども、要は高度経済成長期にどんどん設備投資を行って人口が増加して有収水量もどんどん増えてという、そういういわゆる右肩上がりの時代のビジネスモデルから今後縮小していくわけですよ。この縮小していく中でどうダウンサイジングに対応していくのかとか、その中で急速に広がった水道管の設備をどううまく次世代につないで、きれいな水を住民の皆さんにお届けしていくのかということについては、そんな安易な話じゃないと思いますよ。
 今このことの取組を始めても、ある一定の方向性や成果が見出せるのに、それこそ二十年、三十年掛かるのかもしれない、そういう課題なんです。そういう我々の次世代にこの水道をきちっと残していくために、今厚生労働省として断固たる、毅然たる決意を持って取り組んでいただくことの必要性があるということを今回の水道法改正の議論を通じて御指摘をさせていただいているわけです。
 そういう理解でよろしいですね。きっちりやっていただけますね。がつっとやるとおっしゃってください。
○国務大臣(根本匠君) もう委員と私は意見は共有していますから、しっかりやりたいと思います。
○川合孝典君 最初に言っていただければすぐ終わったんですけどね。しっかりやると厚生労働大臣おっしゃっていただきましたので、今後の取組に大いに期待をさせていただきたいと思います。
 広域連携の話について追加で少し質問させていただきたいと思いますが、平成二十三年、我々が与党だった時代の水道法改正の話を宮嵜さんが嫌みのように何度も繰り返しておっしゃってこられますから。
 そのことに関して少し確認なんですけど、広域連携が、大臣、これは大臣にお伺いしたいと思いますが、ここに至るまでの間、効率的に広域連携が進まなかった理由はどういうものなんでしょうか。
○国務大臣(根本匠君) 広域連携って必要だと思いますが、ただ、やはり広域連携しようと思うと、それぞれの市町村の事情もあるだろうし、それぞれの県のいろんな事情があるんだろうと思います。それは地域によって事情は様々だと思います。ただ、広域連携もう具体的に進めている県もありますので、その意味で、今回我々は県がちょっと中心的な役割を果たしてもらって、調整もしてもらって広域連携を進めようということで、今回の法改正の大きな柱の一つにしたということであります。
 だから、なぜ進まなかったかというと、水道料金もいろいろ差がありますし、そこは現実問題としてなかなかそれぞれの事情で調整がうまくいくところもあるし、いかなかったところもあるのではないかと私は思います。
○川合孝典君 地域によって水道料金の格差があることはもう委員の皆様は重々承知のことでありますけれども、だから、それぞれの事業体、自治体がそれぞれの事情、立場だけで主張していくと当然のことながら話は進まないわけであって、広域連携の取組こそが、国がリーダーシップを取ってどう広域連携の枠組みを広げていくのかということの議論を、むしろもっと早い段階から地方自治体やそれぞれの水道事業体との話をしなければいけなかったわけです。
 本来であれば、今回の法改正だって、まず広域連携をきちんとやって、財政基盤をきちんと立て直して、同時にインフラもきちんと再整備をし直して、その状況の中で、じゃ民間活力をどう取り入れていくのかということの、そういう流れだったら分かるんですよ。
 今回は、いきなり広域連携もやります、コンセッションもやります、あれもやりますこれもやりますといって、全部ごった煮のような形で法案の中に詰め込まれてしまっておりまして、そのことの結果、本当に広域連携が具体的に成果が今後導き出せるのかということが、正直言ってこの法案読んでいる分には分からないです。分からないんですよ。
 宮嵜さんでも結構ですけど、この法律改正すると、どう法律が作用して広域連携が進むでしょうか。
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 委員の御指摘ごもっともだと思っておりまして、広域連携、大変重要だというふうに考えております。
 委員からもお話ありましたが、これまでも水道ビジョンとか新水道ビジョンの中で、事業体同士がというか市町村同士で調整しながらというところで、大臣からもありましたが、料金の問題とか地域性の問題でなかなか難しかったということがございまして、今般の法案でも広域連携を推進するんだということで、もちろん広域連携だけではないですけど、国、都道府県、市町村の責務というのも改めて明示的に規定いたしまして、国の責務であれば、基本方針を策定する、水道の基盤強化のための基本方針を策定するということとともに、これに基づいてということにもなろうかと思いますけれども、都道府県の方では、今度、水道基盤強化計画の策定をしていくということですので、その支援とか、あるいは調整していく都道府県の役割として、ひとつ違う立場から調整してくださいというのがございますので、協議会を設置していただくとか、あるいは広域的に取り組む水道事業者等への先ほど来から出ている財政支援というのもしっかりやっていくというようなことで、今般いろいろな手法を組み合わせまして、これまで以上にしっかり広域連携を進めていきたいというふうに考えているところでございます。
○川合孝典君 ちょっと技術的なことも確認させていただきたいんですが、この間、参考人質疑で宮城の村井知事に来ていただいて御意見を伺いました。宮城県方式というものを進めていらっしゃるということなんですが、資料を拝見させていただいていると、仙台平野のいわゆる仙台市を中心とした県の中央部から南の地域がこのコンセッションの対象になっていると。北側、県北の地域については、上水道と下水道が運営が分離されているからコンセッションになじまないということで今回は外れているという説明がありました。皆さんお聞きになっていたと思います。
 ちなみに、当然のことながら、コンセッションに要は参加しない自治体というのは、赤字自治体ということ、収益力のない事業体だということになる可能性が高いわけでありますが、これ、逆の切り口から考えると、コンセッションを導入したときに参加できていなくて、後から入りたいと言って理論上可能なのかどうかということなんですよ。
 民間企業が受ける以上は、収益を悪化させるような赤字事業は絶対に後から入れないですよね。となったときに、最初にコンセッションやってしまうと、そうした赤字事業体や中小零細事業体をどう広域連携するのかということについて、逆の障壁になるんじゃないかと、私、実は気が付いたんですけど、この点については、宮嵜さん、どうですか。
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 今先生が御指摘の赤字かどうかということで入るかどうかというのは、今事由の一つだと思いますけれども、仕組み的には、必要な手続を取れば、改めてになるかもしれませんけど、枠組みを超えてコンセッションに入ってくるということも不可能ではございませんけれども。ただ、委員からも先ほど来からお話ありましたが、今のようなケースというのは、まずコンセッションありきというよりは、まさに委員が言われるように広域連携を進めていくと。それは、事業体を単純に統合するということだけではなくて、いろいろ、長野県の例も前御指摘いただきましたけれども、県の企業局が小さい村の一部事務代行をするとか、いろんな連携の仕方があると思いますので、まさに県が、コンセッションかどうかというのは別にして、地域を見ていただいて、どこの地域でどういう自治体がどういうことを困っているかとか、どういうふうに連携したらいいかというのをしっかり進めていただくというのが重要だというふうに考えております。
 その上で、もう一度繰り返しになりますけれども、手続的に可能か不可能かといったら不可能ではないと思いますけれども、委員が言われるように、黒字、赤字ということではもしかしたらハードルが高いということもあると思います。
○川合孝典君 時間が来ましたのでこれで終わりたいと思いますけど、今おっしゃったことも含めて、本来は法案提出する前にこういうことの議論がちゃんと要は省内でなされた上で、必要な資料も取りそろえた上で本来法案は提出されるべきであります。
 ここまで議論させていただいても全く、正直言って、今回のこの法改正によってコンセッションの導入の結果どうなるのかということが我々にもイメージできません。地域住民の皆様にとってはなおさらイメージできない話であります。
 改めて大臣に申し上げたいと思いますが、今、本委員会において出てきた、特に、主にコンセッションを中心とする導入に対する懸念、疑問、こうしたことがきちんと解消されないうちはコンセッションの導入についてはやらないと、慎重に取り扱っていただきたい、このことだけ最後に申し添えさせていただきまして、私の質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。
 この期に及んで大臣の答弁が揺れているというような状況というのは、極めて不満だと言わざるを得ないと思うんですね。
 先ほど来紹介もありました海外事例について私も質問したいと思います。
 二〇一五年の報告書、これが海外の事例を検討した全てだということで御提示をいただきました。そして、その中の一ページを資料としてお配りをしております。海外事例、詳細な検討は三事例ということでの紹介ですけれども、こうやってまとめた検討もされているんですね。
 ところが、この調査の対象となった期間はどうかというと、一九九二年から二〇〇七年までの十五年間なんです。民営化の後、再公営化した水道事業は四十五件あった、そして全体の四分の一にも達している、この時点でもそうだったんですね。ところがです、囲ってある部分の一番下のところに記載がありますように、再公営化について単純に失敗とは判断を下すことはできないと書いてあるんですね。この根拠というのはどこから導き出されたのか、改めて御説明願いたい。
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 御指摘をいただきました報告書では、途上国及び移行国において、一九九二年から二〇〇七年までに、民間事業者による給水を受けている人のうち四分の一に当たるということで、委員四十五件と言われましたが、これ単位が二千五百万と二千万人、給水人口の人数になっていますが、四千五百万人が二〇〇七年の時点で公営に戻った水道により給水を受けているという旨が示されておるところでございます。
 この四千五百万人につきまして、民間事業者との契約満了をもって契約を更新せずに再公営化したというところが二十ということで二千万人含まれているわけでございますけれども、水道普及率の向上とか官民連携の事業の目的を達成して契約期間の満了に至った可能性等も否定できないために、単純に失敗とは判断できないとしたもの、そういう考察をされたんだというふうに理解しております。
○倉林明子君 やっぱり、これ、二〇〇七年までのデータでそういう判断をしているということが極めて判断を誤ることにつながるんじゃないかということを感じたわけですね。
 確かに、この報告書、ほかのところも見てみますと、イギリスでは、二〇一四年度時点で二十七社の企業に民営化が受け継がれているというふうにされているんです。そこ止まりなんですよ。しかし、橋本参考人から紹介あったとおりで、二〇一七年、水道事業の再公営化をマニフェストに掲げた労働党が国民の八割の支持を得る、そして新規のPFIについては中止した、こういう変化が報告書には反映されていないんですね。
 世界の民営化水道の実態を調査している公共サービスリサーチ連合、先ほども紹介ありました。直近、二〇〇〇年から二〇一五年、この十五年間で三十七か国二百三十五事業が再公営化ということになっているわけですね。世界で再公営化の流れというのは、近年極めて加速度的に増加している。こういう実態は、大臣、把握されていますか。
○国務大臣(根本匠君) 御指摘の団体が二〇〇〇年から二〇一五年までの十五年間で三十七か国二百三十五水道事業が再公営化した旨の報告書を作成している、これは承知をしております。この報告書は民間の団体がまとめたものだと認識しています。それから、この報告書は、二〇〇〇年から二〇一四年の間に三十五か国百八十都市で再公営化が行われた旨の報告書と同じ著者の方が執筆したものと理解しております。そして、一年間で二か国五十五都市が増加していることになりますが、そのうち四十五都市がフランスの都市であって、かつ二〇一四年以前に再公営化を行った都市を精査した結果増加したことが理由ではないかなと思っております。
 そして、御指摘の再公営化の流れというのをどう見るかということですが、フランスにおいては、一九九八年から二〇一一年の間でコンセッション方式などで契約された事業四千七百二十九件のうち約九七%が民間との契約が更新されました。そして、米国でも官民連携契約の九三%が更新されておりますので、一律に再公営化が進行しているかどうかということについては、そこはいろんな御判断だろうと思います。
○倉林明子君 大臣の認識は分かりました。
 審議官に確認したいと思うんですけれども、この報告書の中で事例で紹介されているものにインドネシアがあります。この特徴を見ますと、施設整備が遅れており、資金需要の大きさから政府がPPPの導入を積極的に働きかけていると、こういう記載にとどまっているんですね。しかしです、一九九八年、民営化されたジャカルタ水道があります。これは、高い料金、施設整備の遅れ、そして悪いサービスに対して二〇一二年に市民が提訴をしております。二〇一七年、最高裁の判決が出まして、民間水道事業者は敗訴、再公営化へ困難な道だけれども歩み始めているという調査報告がされております。
 こうしたインドネシアの状況については、審議官、把握されていますか。
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 今委員からお話があったのはそのとおりだというふうに理解しております。
○倉林明子君 要は、その紹介された事例でこういう変化起こっているということを審議官は法案提出前に知っていたということであるならば、こういう事実というのは共有されるべきものだと思うんですよ、検討に当たって。民営化の導入を、こういう事実をあることを知っていて、知らせずにやっていたということだったら、事実を本当に隠したままで民営化の導入なのかということを言わないといけないと思います。インドネシア最高裁は、水道の民営化は住民の水に対する人権を守ることに失敗したと、こう断じているんですよ。
 パリ市の例は再々紹介もありました。二〇一〇年に公共事業体として設立されたオードパリが水道事業全てを担うこととなりました。再公営化と言えるものです。市民が誰でも参加できるパリ水道オブザーバー、協議会のようなものですね、ここが設置されて、オードパリの幹部、そして市民、ここに情報をオープンに公開して、運営の在り方についての議論がされているというわけです。水道料金は八%、再公営化で下がりました。利用者の満足度も向上しております。
 パリ市の水道事業の再公営化について、大臣はどのように認識されているでしょうか。
○国務大臣(根本匠君) パリ市の水道事業は、契約上の要求水準が明確になっていないため、提供するサービスの質を適切に管理できないこと、これは会計検査院からの指摘があったと聞いております。人件費などのスライド条項が水道料金の不透明性を高めていることなどの問題があったものだと思います。その上で、二十五年間の契約期間中に水道料金が二六五%上昇したことへの住民の不信感も相まって、二〇一〇年にパリ市の一〇〇%出資会社による経営に変更したものと承知をしております。
 今回の水道法改正案では、パリ市の事例も含めてきちんと問題点を掌握して、我々、制度設計をしております。
○倉林明子君 いや、本当に学ぶべきは学んだのかと。再々この質疑聞いておりましても、私は学べていないんじゃないかと率直に言わざるを得ないと思うんですね。
 パリ市のところで再公営化して、このオードパリでどういう議論で再公営化の事業を成功させているかというと、水道事業の中心に利用者を据える、水のアクセスを保障する、こういう十の目標を定めて取り組んでいるんですね。
 最近の再公営化、ここから得られる教訓というのは、やっぱり水は人権だと、そして自治が基本だということだと思うんですね。最新の世界の水道事業の現状を踏まえれば、私はコンセッション方式というのは撤回するしかないと強く申し上げたいと思います。
 そこで、次に質疑したいのは、深刻化する人材不足についてであります。
 水道事業における職員数の減少、これは四十年間で、ピーク時と比べますとおよそ三万二千人、四割の大幅な減少となっているわけです。とりわけ給水人口が五万人未満の小規模事業者、ここでは技術職が五人未満、一人しかいないと、こんな事業者もあるんですね。
 なぜここまで深刻な人材不足が生じたのか、御説明ください。
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 水道事業を支えていただいている職員の数につきましてでございますが、これは自治体によってもいろいろ御事情はあるかと思いますけれども、水道事業者の組織、定員削減の問題とか、あるいは団塊の世代が退職されているとか、あるいは新規の採用が抑制されているというようなことで、私がちょっと手元に持っているのは、三十年前ぐらいに比べて三割ぐらい減っているというふうに承知しております。その人員削減に対応する形で民間事業者の業務委託が増加しているというのもいま一つの傾向なのかなというふうに思っております。
○倉林明子君 今御説明のあった状況が、自然現象に起こった話じゃないんですよね。こういう状況は、二階堂参考人の指摘もありましたけれども、この間の国による政策によってこうなっているんですよ。行き過ぎた行政改革、職員定数が削減された、新規採用の抑制がされた。結局、そこに最大の要因がある。これをきちんと分析の基に据えないと、自治体のせいだということではないんだということを、私、強く言いたいと思うんです。
 そこで、大臣、持続不可能な事態にまで今人材不足を拡大してきた国の責任について大臣はどう考えているのか、お聞かせいただきたい。
○国務大臣(根本匠君) 委員おっしゃるように、水道事業を支える職員の数、昭和五十四年をピークに減り続けて、平成二十八年度ではピークから約三割減少しております。水道事業における人材確保は極めて重要な課題だと認識しております。
   〔委員長退席、理事島村大君着席〕
 厚生労働省としては、これまで、人材確保と技術の継承、これは大変重要な課題と認識しておりますので、平成十六年の水道ビジョンや平成二十五年の新水道ビジョンでその重要性を示して、自治体に対処を要請しております。例えば、水道ビジョンでは、若年技術者の減少、世代を超えた技術の継承が課題だとか、あるいは効果的な職務の啓発活動による人材の確保が必要である、あるいは研修の充実、有機的──ちょっと短くしますか。
○倉林明子君 もういいです。
 大臣、国の責任、要は政府全体でやってきたんですよ、これはね。国の施策としてやってきた。だから、大臣としてどうなのかと。厚労省の立場を聞いているんじゃないんですよ。そこは改めてよくお考えをいただきたい。国に責任があるんだということを忘れてはいけないと思いますよ。
 小規模事業者において、技術者の実態というのは、安全、安心な提供義務を持続的に果たす上でもう一刻も放置できない、こういう事態だと思っています。これが広域化によって技術者が増員できる、そういう根拠はないわけですよ。
 さらに、コンセッションで参入狙う企業というのは、赤字の小規模事業者には手を出しません。人材不足が解決できるという保証は、この法案のどこにもありません。逆に、コンセッションによって技術者が企業に持っていかれると、こういう事態も想定されます。その監視、モニタリング、一体誰がすることになるのか。
 企業は、利益を損なうということを理由にして、災害復旧、広域災害支援、これを拒否するということも可能性としては否定できない。こういうときに復旧支援はどこが責任を負うのか。宮嵜審議官、お願いします。
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 二点あったかと思いますが、一点がモニタリングの関係というか職員の関係。そのコンセッション方式の導入に当たりましては、これまで水道事業を担当してきた専門的なノウハウ等を有する地方自治体の職員が、引き続き、その専門性を生かして水道事業に従事し、モニタリング業務を行うこととなります。
 今回の改正案では、厚生労働大臣は地方自治体のモニタリング体制を確認した上で許可する仕組みとしておりまして、モニタリングの確実性が担保されるということでございまして、そこで職員の方に活躍いただくということになろうかと思います。
   〔理事島村大君退席、委員長着席〕
 二点目は災害の関係でございますが、災害時等の対応をどこまで民間企業に委ねるかにつきましては、広域的な災害支援の対応も含めてあらかじめPFI法に基づく実施方針及び実施契約で決定することとしておりまして、民間事業者は災害支援のために求められる内容を前提とした上でコンセッション事業に応募し、選定されるものでございます。
 さらに、今回の水道法改正案で、厚生労働大臣がこうした災害時の地方自治体と民間事業者間の役割分担が明確に定められていることを確認した上で許可を行うこととしておりますので、実施契約に基づいて災害支援等が適切に行われることとなります。
○倉林明子君 いや、机上の契約上の話しているんじゃないんですよ。
 実際に日本の現場の水道の施設や管路がどうなっているかというのを知り尽くしているのが今いる技術者なんですよ。そういう人たちを、要は民間企業が参入した場合、欲しいの当たり前じゃないですか。じゃ、体制をつくれ、法で定めているから担保できる、そんな話はなりませんよ。人材がいないのに、私は、責任の持ちようなんということはない、その危険が極めて高いんだということを、今の技術者の少なさからも明らかだという指摘をしておりますので、しっかり認識していただきたい。
 知識と技術の蓄積があってこそ、これがやっぱり迅速な災害対応を可能とするんです。このままでは技術継承さえ困難な事態にあるわけですよ。人材不足の解消のために、私は国がやるべきことというのはもうはっきりしていると思う。職員定数削減ありき、これ見直すことが大事なんですよ。新規採用可能となるように、政府挙げて私は取り組むべきだと思う。大臣、改めていかがでしょうか。
○国務大臣(根本匠君) 私も人材確保は大変大事だと思います。
 地方自治体では、水道事業の運営に支障が生じることのないように、専門的な知識、技術を有する人材の確保や育成に努めて、新規採用を含めて適正な人員配置を行うことが重要だと思います。
 先ほども答弁しましたけど、今般の法改正によって人材確保にも資するよう水道の基盤強化を図る。具体的には、水道の基盤強化のための基本方針において、水道事業者等の運営に必要な人材の確保や育成の考え方を示す予定であります。これによって地方自治体の取組を促したいと思います。
 また、水道事業における人材確保を図る観点からは、地域内で人材の融通が可能となる広域連携、あるいは民間企業の技術系ノウハウや人材の活用を図ることのできる官民連携が有効な方策だと思います。
 広域連携については、これまでも広域連携のための都道府県の検討経費や広域化に必要となる施設整備事業に対して財政支援を行ってまいりました。また、水道の基盤強化のための地域懇談会において広域連携や官民連携に関する優良事例を発信して、全国的な好事例を横展開したいと思います。
 引き続き、こういう取組を実施していきたいと思いますが、今回の法改正案によって広域連携と多様な官民連携を更に推進して、水道事業者における人材確保を支援していきたいと思います。
○倉林明子君 職員定数削減というのは、これ、自治体に国が押し付けていることなんですよ。そういう意味でいうと、基盤強化した、広域化したからって職員の定数は増えないんです。給水人口に対して職員の数が増えるという担保は何もないんですよ。だから聞いているんです。
 最後に言いますけれども、経営は民間丸投げ、そして人材確保は地方自治体任せ、これは明らかに国の責任放棄だと、絶対に許されない。さらに、審議は尽くされておりません。私は今日採決することには反対だと申し上げまして、終わります。
○東徹君 日本維新の会の東徹でございます。
 以前から通告していた障害者雇用のことがあったんですけれども、時間のこともありますのでちょっと後回しにして、先に水道法の改正のことについてまずは質問させていただきたいと思います。
 非常に水道法の改正についてこれまで議論がされてきておりますけれども、一点はその広域化、これは都道府県が責任を持って市町村の広域化を促していくということが一つです。これはもうこれまでも指摘されていましたように、本当にこれ、広域化進んでいきますかというふうなことも申し上げさせていただきました。
 もう一つは、コンセッション方式という、コンセッションって何ですかという、言葉の意味さえ分かりにくいだろうというふうにちょっと私自身も感じるところがあるんですけれども、ただ、これまでの法律に比べれば私は評価できるというふうに思っております。
 水道のことですから、当然誰もが口にするわけで、人間の命にとって大切な水とか空気、非常に大事だと、私自身も思います。その中で、いろいろと不安が出てくるというところも当然あるだろうと思います。水道というのは、安心、安全、そしておいしい水で、料金が安くなくてはならない。ただ、こういう法改正が出てきたのは、このままだと水道料金がどんどんどんどんと上がっていくじゃないですかと、それをどうやって抑えていくのかというところのやっぱり方策として今回の水道法の改正案が出てきたというふうに理解をさせていただいております。
 海外との比較について、まずちょっとお伺いしていきたいと思うんですけれども、コンセッション方式についてなんですが、イギリスなどでは施設の所有権も民間事業者が持っているなど、制度の中身に異なる点が見受けられると思うんですね。だから、一概にそのまま海外の事例と比較するというのは、なかなかこれ難しいところがあるというふうに思っています。また、歴史も違うので、なかなか単純に比較してどうかというのはどうなのかなというふうに思うわけですけれども、今回の法改正によって可能となる我が国のコンセッション方式と海外のものと比較することが、私は、これ本当にそれでいいのかなと若干思うんですが、この点についてまずちょっとお伺いしたいと思います。
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 委員からも御指摘ありましたが、例えば、英国の例出ましたが、英国の水道事業というのは、一九八〇年以降、施設の所有権を含めて完全民営化ということで、このためPFI事業でもないというような、対象ともされていないところです。また、アメリカの場合は、連邦政府レベルでは官民連携の進め方について定めた日本のPFI法のような法律は全くございませんで、各州政府が個別に必要な法制度を整備して民間への運営委託を実施しているとか、あるいはフランスにおきましては、水道事業の認可という考え方自体がなくて、地方自治体が自治事務として行っている事業を公役務の委託として規定するサパン法という法律があるんですが、それによって民間に事務委託をしているというようないろいろなケースがございます。
 このように、国によってコンセッション方式とか官民連携の事業の内容というのは異なっておりまして、委員御指摘のように単純に比較することは難しいのかなという考えでございますが、学ぶべきところは学ぶということもあろうかと思います。
○東徹君 当然学ぶべきところは学んでいかないといけないわけですけれども、いろんなケースがあって、なかなか単純に比較するのはこれ難しいだろうというふうに思うんですね。
 それであるならば、今回の法改正で実現できる我が国のコンセッション方式と同じ内容のコンセッション方式を取っている国がどこで、それはうまくいっているのかどうか、この点についてはどうなんですか。
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 我が国と制度は一部異なる点がございますが、我が国の今回の改正法案によるコンセッション方式と近い方式を取っている国としては、先ほどの話ですとフランスが挙げられるのかなと。要するに、国ではもちろん認可していませんけれども、具体的には地方自治体が水道事業者として位置付けを維持しているという点は共通しているのかなというようなところでございます。
 フランスにつきましては、コンセッション方式の実施について長い歴史がございまして、その事業の効率化により水道料金の削減に成功した事例なども報告されておりますし、一方、我々も報告しておりますが、パリのような事例もございます。
 実際には、一九九八年から二〇一一年までの間にフランス国内においてコンセッション方式等で契約された事業のうち、一部再公営化された事例もございますが、約九七%は民間との契約を更新しているというような数字もございます。
○東徹君 九七%は民間と更新しているということで、そのうまくいっていないケース、パリ市のですね、これもなかなか、いろいろと見ていくと、水道料金だけではなくて下水料から皆上がっていったりとか、いろいろと単純に見ることができないんだろうなというふうには思っています。
 そんな中で、国内では、宮城県がコンセッション方式の導入を検討しておるということで、この間、参考人としてこちらの方に来ていただいてお話をお伺いさせていただきました。そのときも、コスト削減効果ということで、三百三十五億円以上というふうに試算しているということで、この効果を期待しておられました。また、民間事業者の経営状況などをモニタリングするために経営審査委員会を設置するということもおっしゃっておりました。
 コンセッション方式ですけれども、通常、契約期間が長期間、これは二十五年などあって、その間、地方公共団体は民間事業者を管理監督していかなければなりませんけれども、その能力を地方公共団体が維持していくにはどういったことが必要なのか、どういうふうに考えているのか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(宮嵜雅則君) 今委員から御指摘ございました、地方自治体はPFI法に基づいてコンセッション事業者の業務状況や財務状況等をモニタリングすることになりますが、その体制につきましては、宮城県のように外部の専門家の協力も得ながら構築するということも一つの手法として考えられると思います。
 そうした点も含めて、今回の水道法改正案におきましては、厚生労働大臣が適切にモニタリングが実施可能な体制になっているかどうかを確認した上で許可する、あるいは国は地方自治体及びコンセッション事業者に対し、必要に応じ、報告徴収、立入検査等を実施するという仕組みにしておりまして、モニタリングに当たっての詳細につきましては、今後、運営権の許可申請等の留意事項等のガイドラインにおいて示すことによりまして地方自治体が適切なモニタリング体制を構築できるよう、厚生労働省としても支援してまいりたいと考えているところでございます。
○東徹君 そのやっぱりモニタリングというのが非常に大事だというのはこれまでも議論の中でさんざん出てきたところだというふうに思います。ですから、きちんとこれモニタリングが担保していくということが非常に大事で、その点については、厚生労働省としても地方公共団体に対して支援していくということをさんざん言われておられます。その言葉をしっかり実施、実行していっていただきたいなというふうには思っております。
 外部の専門家を入れるというふうなことも、先日、村井知事なんかはおっしゃっていました。非常に私も大事なことなんだろうというふうに思いますので、そういった取組を是非支援をしていっていただきたいなというふうに思います。
 もう一点、水道事業のコンセッション方式についてなんですけれども、地方公共団体がコンセッション方式を導入しようとするときですけれども、厚生労働大臣の許可を受ける必要があるということでありますけれども、まずこの許可基準についてどうなっているのか、改めて、前もあったと思いますが、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 水道法改正案の第二十四条の六におきまして、水道施設運営権の設定の許可に当たり、厚生労働大臣は、地方自治体から提出された事業の実施計画について、一つ、確実性及び合理性のある計画となっているか、二つ目として、利用料金の設定に当たり原価を適切に算定しているか、三つ目として、当該事業の実施により水道の基盤強化が見込まれるかといった三つの観点から審査を行うこととしております。
 今後、省令において、許可基準に関する技術的細目として詳細な基準を定めますとともに、ガイドライン等において許可基準の明確化や許可申請時の留意事項等を示すこととしております。
○東徹君 今大きく三点おっしゃっていただきましたけれども、その仕組み上、地方公共団体が大臣に許可申請をする段階では、民間事業者の公募、選定は終わっていることになりますよね。大臣が許可するかどうかを判断するに当たって、民間事業者の実績とか財務状況、こういったことも考慮していくのかどうか、この点についてはどうなんですか。
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 コンセッション事業者の適格性につきましては、まずは地方自治体において求めるサービス水準や料金の枠組みの中で適切な事業者を選定し、議会において議決する中で判断されることになります。
 その上で、今般の水道法改正案によりまして、厚生労働省においても、地方自治体から提出される実施計画書によりまして、事業内容やコンセッション事業者の経常収支の概算など事業者の適格性を審査し、確実性及び合理性のある計画であるかどうか、先ほどの一点目ですけれども、どうかを確認した上で許可するものでございます。
 厚生労働省としては、今後、許可の審査に当たって、事業者の適格性を確認する際の提出書類や留意事項について省令やガイドラインの中でどのように記載できるか検討していきたいと考えております。
○東徹君 財務状況についてはしっかりと見ていく、実績もそうなんですよね、当然。もう一度お願いします。
○政府参考人(宮嵜雅則君) 今委員から御指摘ありましたような事項につきましても見ていくということを想定しておりますけれども、実際には、ガイドライン等にどういうふうに書いていくかということを検討させていただければと思います。
○東徹君 今回、コンセッション方式、このコンセッション方式という非常に分かりにくい言葉ですけれども、運営権の委託っていうんですかね、これ、運営権の委託というふうに思うわけですけれども。
 法改正前は水道事業者として認可を受けるのが、これは民間事業者になってしまうわけですけれども、法改正後は地方公共団体のままで、コンセッションを導入するかどうかで変わることがなくなるわけだと思うんですけれども。その認可を受けるのが地方公共団体であると地方公共団体に給水義務が課せられるんですけれども、この義務は単に水を供給できればいいというわけではなくて、これ一定の質の水を安定的に供給することも必要というふうに考えるわけですけれども。
 コンセッションを導入したとしても引き続き地方公共団体に課せられる給水義務というのはどういうものなのか、具体的に説明をしていただきたいと思います。
○政府参考人(宮嵜雅則君) 今般の水道法改正法案では、コンセッション方式を導入する場合においても、地方自治体は水道事業者としての位置付けを維持し、事業の最終的な責任を負うものとしております。そのため、議員御指摘の水道法第十五条に規定される給水義務につきましては、水道事業者である地方自治体に課せられております。
 これは、議員御指摘のとおり、常時水を給水しなければならないというだけではなく、供給される水につきましては水道法第四条に規定する基準を満たしたものであることが必要であり、安全な水を安定的に供給しなければならないということになります。
○東徹君 今回のコンセッション方式、運営権の委託によって、地方公共団体がこの施設を持ちながら、なおかつ責任を地方公共団体が担っていくと。その中で、給水義務というのも、これ地方公共団体が担うということになって、その地方公共団体は単に給水義務というのは水を供給するだけではなくて、水の質、こういったものについても責任を負うということですよね。
 ですから、法改正前はそれがなかったということで、今回の法改正によってそういったことも地方自治体に残るということで、私は今回の法改正の評価をさせていただいているというふうに思います。前はそれがなかったわけですからね。なかったわけですから、それが今回の大きな点だというふうに思っています。
 最後に一点、もう一つ質問したいんですけれども、コンセッション方式で民間事業者が運営を始めた結果、仮にですよ、仮に、万が一ですけど、水質が低下したことがあった場合、地方公共団体はその事業者との契約を解除することもこれは考えられると思うんですけれども、そのとき問題になるのがよく出てきた違約金の問題だと思うんです。
 契約の解除に至る原因をつくった責任が民間事業者にある場合、地方公共団体が違約金を払わなくてよくするよう事前に定めておくべきだというふうに思うんですが、これ厚労省としては、契約の内容について指導したりされるのかどうか、この点についてもお伺いしたいと思います。
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 今委員から御指摘ありましたように、例えばですが、コンセッション事業者の帰責事由により地方自治体から契約を解消する場合、違約金又は損害賠償金等を支払う責任はコンセッション事業者にあるため、通常、地方自治体が違約金を支払うことにはならないと考えております。
 議員御指摘のとおり、こうした解約時の損害賠償金の扱いを実施契約に定めることが重要であることから、水道事業におけるコンセッション契約を締結する場合に地方自治体が留意すべき事項については、ガイドライン等で詳細を示していきたいと考えております。
○東徹君 ですから、コンセッション方式を契約する場合において、きちっとこういった違約金のことも、水質が、仮にです、低下した場合には違約金を払わなくて済むと、そういったこともできるということだと思います。
 当然、地方公共団体が契約の解除、それがちゅうちょすることなくできるように、しっかりとそういった当初からの契約を是非指導していっていただきたいというふうに思います。
 もう一つは、水道料金の値上げなんですけれども、これはもうこの法律においても、水道料金は都道府県が条例で定めて、その範囲内でしか水道料金を上げることができないので、その条例以上の水道料金を上げることができないわけですから、極端に上がることはないということですよね。
 そんな中で、もう一点、そういったことができるわけでして、水道料金を、ただ、経営が非常に厳しくなってきた、上げなくてはいけないという状況もあるかもしれないんですけれども、そういうときにはどうなるんですかね。
○政府参考人(宮嵜雅則君) 改めて地方議会の方にお諮りして議決をいただくという手続が必要になってきます。
○東徹君 ですから、簡単にはこれ水道料金は上げることができないわけでありますけれども。
 もう時間が来ましたので、最後、立入調査、これをもしやらなきゃならないときが来たときには、これは国がしっかりとやるべきだというふうに思いますし、民間事業者に対してですね、もちろん民間事業者に対してきちっと立入調査というものをやはり定期的に、頻度を上げていく必要があるというふうに私も思いますので、その点のことを申し上げて、質問を終わらせていただきます。
 どうもありがとうございました。
○委員長(石田昌宏君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時一分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
○委員長(石田昌宏君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、水道法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 内閣府へヴェオリア社から出向している伊藤万葉さんは、二〇一八年六月十二日に行われた参議院の内閣委員会、法案はPPP推進法案、PPP強化法案ですが、そのときに大臣の後ろで補佐をしていたということでよろしいですね。
○政府参考人(石川卓弥君) お答えいたします。
 二〇一八年六月十二日には、参議院内閣委員会でPFI法の改正法案の審議が行われたわけですが、当該職員は、その際の答弁関係資料の持参やメモ取りとして同席させていただいたものと承知しております。
○福島みずほ君 この厚生労働委員会もそうですが、大臣の後ろで控えている役人は全てその法案に関してよく知っている実質的担当者で、何かあれば大臣を補佐する立場です。
 伊藤さんはヴェオリアから出向しておりますが、やはりこのPPP強化法案に関して、政策立案というか、関与していたということでよろしいですね。
○政府参考人(石川卓弥君) 当該職員は政策立案には関与しておりませんで、全般的、一般的な国際業務の調査、分析を行っております。
○福島みずほ君 あり得ないですよ。大臣の後ろに座っている人たちはその法案に関して最も分かっている人じゃないですか。だからこそ、すぐ補佐をして、すぐペーパー出して、すぐ大臣に対してレクをしているじゃないですか。
 つまり、ヴェオリア社から出向している人が、伊藤さんは、このPPP、PFI強化法案に関わり、国会にも来て、しかも水道法のまさにこれにも関わっていると。これはもうすさまじい利益相反で、利害関係者が、つまり彼女はヴェオリア社のPPP推進担当なんですよ。その人間がPPP、PFI強化法案に、まさに国会で大臣の後ろで補佐している、こんなのおかしいですよ。企業の利害のために役所は働いているんですか。国会は企業の利害のためにやっているんですか。全くおかしい。立法理由がもうゆがみ切っているというふうに思います。
 それで、水道事業の海外視察についてお聞きをいたします。
 福田隆之さん、彼は菅官房長官の補佐官、平成二十八年一月一日から三十年十一月九日までまさに在籍をしていたわけですが、彼はPPPの推進室のメンバーではないというふうに聞いております。
 資料いただいて、お手元に配付資料を配っております。三回、彼はヨーロッパ、パリ、フランスに海外出張をしているわけです。菅官房長官の補佐官です。一回目、二〇一六年は、まさに一番初めに行ったのがヴェオリア社、それからスエズ、それからテムズウォーターなどに行っております。一番初めにパリに降り立って行っている先がヴェオリアなんですね。
 二〇一七年、そして今年二〇一八年、パリ市、パリの水道局になぜ行かなかったのかと衆議院の厚生労働委員会で聞かれました。二〇一六年の渡航日までに、大使館から言ったけどアポが取れなかったからと答えておりますが、彼は二〇一六年、一七年、フランスに行っているわけです。そして、まさにこの法案が参議院にかかっている十月八日から十月十三日までフランスに行っております。パリ市に行っているんですが、これ、もう法案を衆議院で可決し、衆議院でなぜパリ市の水道に行かなかったのかと聞かれた後に行っているんですね。この報告書というのはありますか。
○政府参考人(石川卓弥君) 福田前補佐官の平成二十八年六月の出張及び平成二十九年六月の出張については、内閣府のホームページで公表しておるとおり、報告書がまとまっております。
○福島みずほ君 それは分かっていますよ、読んでいますから。
 私が聞いたのは、平成三十年、今年十月に行った報告書はまだないですね。パリ市に初めて行きました。初めて行きました。法案が衆議院で可決し、なぜ行かなかったのかと言われて初めて行きました。パリ市の水道の誰に会ったんですか。パリ市の誰に会ったんですか。
○政府参考人(石川卓弥君) パリ市につきましては、平成三十年十月の海外視察の際にパリ市に訪問し、パリ市の副市長兼オードパリ、パリ市水道公社総裁でありますセリア・ブラール氏と意見交換を行ったと聞いております。
○福島みずほ君 だったら、なぜパリ市が二〇一〇年、問題が起きてコンセッションで再公営化したか、ヴェオリア社、スエズから訴えられた、それから再公営化した後水道料金が下がった、そのことについてしっかり聞いているわけですね、福田さんは。
○政府参考人(石川卓弥君) 内閣府の職員から、どのような意見交換があったかということについては、再公営化以前の民間事業者との当時の契約においてはパリ市における要求水準及びモニタリング体制が不十分であったことなどが問題であったということを申されたと聞いております。
○福島みずほ君 だったら、この委員会に出さなくちゃいけないじゃないですか。お金使って、税金使って、三回行っていて、初めて十月、法案が継続しているときに初めてパリ市の副市長に会って、このコンセッションの問題点と再公営化について聞いたわけでしょう。それについて報告しなくちゃいけないじゃないですか。
 もちろん、室長いらっしゃるところはPPP推進室です。でも、水道の民営化、コンセッションの影の部分についてなぜちゃんと報告しないんですか。しかも、何でそれって法案出す前にやっていないんですか。報告書すらなぜ出ていないんですか。なぜベルリンに行かない。
○政府参考人(石川卓弥君) 報告書については、まだ……(発言する者あり)はい、分かりました。
 ベルリン市については、限られた日程で効率的に調査を行うよう調査行程を調整した結果、訪問できなかったと聞いております。
○福島みずほ君 ベルリンは、二〇一四年再公営化、千六百六十億も払って、まさにこれはヴェオリアに払って、ようやく再公営化です。重要じゃないですか。ベルリンの事例、とても大きいですよ。何で行かない。
 だって、福田さん、三年連続行っているんですよ、ヨーロッパに、税金使って。三回行っているんですよ。推進室も行っているじゃないですか。何でベルリンに行かない。好都合のことしかしないし、パリの副市長に会って、何でその報告や、こういうふうに問題がありましたということをこの参議院の厚生労働委員会に報告しないんですか。出さないんですか。おかしいですよ。
 福田隆之さん、菅官房長官の補佐官、十一月九日、突然辞めています。なぜですか。
○政府参考人(石川卓弥君) 業務に一定の区切りが付いたため辞職したいとの申出があり、官房長官が認めたものと承知しております。
○福島みずほ君 何か問題があったんですか。一区切り付いていないじゃないですか。福田さんはまさに公共事業の担当で、そして官房長官の補佐官で、この水道について誰よりも、三年連続ヨーロッパに行って、熟知している人で、この水道法の改正法案、牽引してきた最も重要な人物の一人じゃないですか。
 何で参議院の厚生労働委員会でまさに議論するという直前に、十一月九日、辞めるんですか。一区切り付いていないですよ。参議院の厚生労働委員会、一区切り付いていないですよ。
○政府参考人(石川卓弥君) 前補佐官在任中、公共サービス改革、特にPFI事業の推進につきましては、空港や下水道分野においてコンセッション事業が広がるとともに、さきの通常国会においてPFI法が改正されたというようなことがあって、一定の区切りが付いたと申されていると認識しています。
○福島みずほ君 だったら、なぜ、十月、またヨーロッパに行っているんですか。パリに、フランスに行っているんですか。なぜそこでパリの副市長と会っているんですか。おかしいですよ。一区切り付いたんだったら、六月の時点で一区切りでしょう。
 この水道法を牽引してきたまさに当事者、官房長官の補佐官がこの水道法の改正法案、参議院で議論する直前に辞めたんですよ。おかしいですよ。彼は今何をしているんですか。
○政府参考人(石川卓弥君) 存じ上げておりません。
○福島みずほ君 本当におかしいんですよ。
 福田さんは、前職が新日本有限責任監査法人エグゼクティブディレクター、インフラPPP支援室長です。まさに、この新日本有限責任監査法人、委員会の中にも黒石さんとか入っていますが、ここが誰にコンサルを頼むか決めるところ、そして、浜松の下水道のコンサルを担当したのは新日本有限責任監査法人ですよ。みんな仲間じゃないですか。福田さん、そこから来て、官房長官ですよ、官房長官の補佐官までやって、推進室とタイアップしてずっとやってきたわけじゃないですか。三年連続ヨーロッパに行っていますよ。そして、なぜ突然辞めるんですか。おかしいですよ。
 しかも、ヴェオリア社から、なぜ、出向してきた伊藤さんがいるんですか。しかも、PPPの強化法案の審議のときに大臣の後ろに控えて補佐しているんですか。ヴェオリア社のためにPPP強化法案、水道法の改悪法案作ったんですか。どうですか。
○政府参考人(石川卓弥君) そのようには認識しておりません。
○福島みずほ君 そうだったら、こんな人員配置とこんな政策しちゃ駄目ですよ。
 今日、ほかの同僚委員からもありました。立法事実がないんですよ。問題事例をきちっと言っていない。ベルリンになぜ行かない。なぜパリの副市長に十月に会ってその報告書が出ていない。問題点一切言わずに、ヨーロッパに三年連続行って、その報告すら出ていない。厚労省に至っては、それ何にもないじゃないですか。コピペしているだけで、私たちはこれで大丈夫だと思えないですよ。最近の事例全く見ていない。立法事実は失われているし、利害関係者が、私は、推進室に入ってやってきた、このことでこの法案の中立性、公平性は失われたというふうに思います。
 ガイドライン案についてお聞きをいたします。
 ガイドライン案についていただきました。これは厚生労働大臣がまさに許可をするときの基準ですが、これ何か中身があるのかと思います。これ、まさに、実は自治体と相手方が、要するに管理権を売却された相手方の契約書の中身のようにしか見えません。
 大臣にお聞きをいたします。
 衆議院の厚生労働委員会の中でこういう答弁があります。コンセッション事業者に対しましては、PFI法等に基づきまして財務状況のモニタリングを行い、役員報酬や配当等につきましても確認することが可能でございます、また、このように財務状況をモニタリングすることにより、水道料金や民間事業者の役員報酬等が極端に高くならないようにできるというふうに答弁があるんですね。
 しかし、このガイドライン案には、唯一、経常収支ということしかありません。水道の事業だけの収支がしっかり出てくるのか、そして、しっかりこれに基づいて役員報酬や配当について情報を開示するということはこのガイドラインの中に入っているんですか。
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 コンセッション事業者の適格性につきましては、まずは地方自治体において求めるサービス水準や料金の枠組みの中で適切な事業者を選定し、議会において議決する中で判断されることになります。その上で、今般の水道法改正案により、厚生労働省においても、地方自治体から提出される実施計画書により事業の内容やコンセッション事業者の経常収支の概算など事業者の適格性を審査し、確実性及び合理性のある計画であるかどうかを確認した上で許可するものでございます。
 厚生労働省といたしましては、今後、許可の審査に当たって、事業者の適格性を確認する際の提出書類や留意事項について、省令やガイドラインの中で記載できるか検討していきたいと考えております。
○福島みずほ君 厚生労働大臣がガイドラインに沿って許可をします。非常に重要ですよね、本当にこれでやれるのか。厚生労働大臣が許可をするわけですから、すさまじいお墨付きになると思います。
 じゃ、その監視体制、チェック体制があるのか、私、質問しています。株主配当や、それから役員報酬など、これについて情報開示を自治体にする、そして、そのことが住民、国民、国会に対しても情報開示される、それをガイドラインで確認するということでよろしいですか。
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 水道事業におきまして、水道料金については、人件費、薬品費、動力費などの営業費用、支払利息や資産維持費等から成る総括原価を基礎として、合理的かつ明確な根拠に基づき設定することとされております。今回の改正案では、コンセッション方式を導入する場合には、厚生労働大臣が水道料金が原価に照らして妥当、適切なものとなっているかを確認した上で許可することとしております。
 議員から御指摘のありました役員報酬や株主配当等につきましては、水道料金を設定するに当たって考慮する際の技術的細目として厚生労働省令及びガイドラインにおいて示すこととしております。そのため、国及び地方自治体は、コンセッション事業者から確実に役員報酬や株主配当等の情報を得ることとなります。
 一方、地方自治体から住民への情報開示につきましては、住民に適切に開示されることが重要であると考えておりますが、地方自治体の情報公開条例に基づき適切に対応されるべきと考えております。
○福島みずほ君 適切に開示されるものだと。透明性をどこまで高めることができるのか、放漫経営や資金の流れがおかしくないか、親会社に送っていないか、きちっと補修をしているか、それぞれの情報に関して、とりわけ役員報酬と株主配当についての情報が自治体に示されたら、それが開示されるのが適切だというふうにおっしゃったので情報開示が、いや、首ひねっていらっしゃいますが、そこで情報出なかったら困るんですよ。
 情報は出るんですね。出るという担保を厚生労働省してください。
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 地方自治体から住民への情報開示につきましては、住民に適切に開示されることが重要だということは申し上げましたが、国で担保するということではなく、地方自治体がそれぞれ情報公開条例を持っていますので、それに基づいて適切に対応されるべきものと考えております。
○福島みずほ君 企業秘密などでよく出ないので。
 ガイドライン案、正直言って、これ、すかすかだと思います。これって契約書の中身じゃないか。これ、厚生労働大臣がこれがやらなかったら駄目だという許可の要件厳しくしてくださいよ、例外的に認めるんだから。許可ってそういうことでしょう。禁止されていることを例外的に認めるんですよ、大臣が。だとしたら、こんなすかすかじゃなくて、きちっと担保してくださいよ。
 そして、これは質問通告していないんですが、石橋委員が質問しようとしていたことで、私も質問したいことをお聞きをいたします。
 これ、ベルリンは裁判、裁判というか、株主部分の株主権を戻すので千六百億払わなくちゃいけませんでした。パリもまさに裁判が起こされ、パリ市は勝つんですが、いろんな自治体、金払えというので、何百年も掛かって払わなくちゃいけないのをまけてもらおうとか、スペインの例とか、バルセロナですか、いろんな例があります。本当に心配をしています。
 これ、TPP条約に基づいてISD条項、今の時点で入っていなくても確認したいんです。TPP条約に基づいて、条項に基づいて、ISD条項で訴えられるということはないということでよろしいですね。
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 今のTPP協定の関係で、ISDS条項につきましては、第九章の投資の章で規定されているわけでございますが、締結国が正当な目的のための必要かつ合理的な措置を行うことを妨げるものではなく、外国企業からの訴訟提訴により賠償が命じられる場合は、あくまで正当化されない外資規制などの場合に制限されるとなっておりますので、正当な場合には賠償は想定されないということでございます。
○福島みずほ君 ということは、ISDS条項で訴えられるということもあるということでよろしいですか。日本の裁判所で裁かれるのではなく、ISDS条項で、今後、例えば国の政策が変わって再公営化を取る、TPPの法律が変わる、自治体がこれをやめるというときに起こされる可能性があるという理解でよろしいですか。
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 今委員からありましたが、日本国内はないですけれども、国外でということでありましたが、これはあくまでも、今申し上げましたように、賠償の関係というのは今お答え申し上げましたとおりでございますけれども、訴訟自体が、起こすか起こさないかというのは当事者の方で考えられることになると思います。
○福島みずほ君 すごい答弁なんですよ。だったら、外資系、投資したところはISDS条項で訴えますよ。訴えますよ、だって投資しているんだから。TPP条項に基づいてISDS条項で訴える、今審議官は、それは当事者がお決めになることだとおっしゃった。これ、大丈夫ですか。本当に大変ですよ。本当に大変ですよ。
 水を売り飛ばすなということを申し上げ、そして、今日はPPP室長に来ていただきましたが、ヴェオリア社が出向している福田隆之さんのこの海外調査は何だということも含め、利害関係者がやったこの法案の立案、許せない、撤回すべきだということを申し上げ、採決など論外だということを申し上げ、質問を終わります。
○薬師寺みちよ君 無所属クラブの薬師寺みちよでございます。
 私、まず水道の水の使い方というところから入っていきたいと思います。かなり厳しく衛生的にも管理をされているかと思いますけれども、審議官、その基準などを教えていただけますか、よろしくお願い申し上げます。
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 水道から供給される水につきましては、食品ではなくて食品衛生法に基づく規格基準はございませんけれども、常に人の飲用に適する必要があるということで高い衛生水準を満たす必要があるということから、水道法におきまして五十一項目の水質基準を定めているところでございます。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 皆様方にも資料をお配りさせていただいております。これ、せっかく厚労省調べてくださったんですけれども、私の口からも説明させていただきます。
 様々利用分野というもの、実はこれ東京都の方でも調査をしているものでございます。これが家庭での水の使われ方なんですけれども、お風呂だとかトイレや炊事、様々なものがございます。
 この中で、いわゆる雨水であったり再生水でも利用可能な分野というのはどのくらいの割合というふうに考えていらっしゃいますか、教えてください。
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 委員からお示しのありました資料に基づいてお話しいたしますと、雨水とか中水と言うのか雑用水と言うのか、そこで該当するのは、この分布の中でいくと、トイレに使用するというところが該当するのかなというふうに考えます。
○薬師寺みちよ君 私は、もう少しこういう議論の中で水を大事に使わなきゃいけないんじゃないかということも考えていく必要があると思うんです。まさに、私ども、この炊事に使う水というものは衛生的にかなり厳しく見てほしい。しかし、トイレであったり洗濯であったりというものは再生水でも可能ですよね。
 そこで、国交省にもいらしていただいているところでございますけれども、雨水の活用、そして下水の処理水の再利用等々、どのようになっているのか教えていただけますか、お願いいたします。
○政府参考人(佐藤克英君) まず、雨水の活用の推進についてお答えいたします。
 平成二十六年に雨水の利用の推進に関する法律が議員立法で制定されまして、平成二十七年には雨水の利用の推進に関する基本方針などを決定し、雨水の利用を推進しているところでございます。
 具体的には、地方公共団体による都道府県方針や市町村計画の策定を支援するため、雨水の利用の推進に関するガイドライン案を平成二十八年四月に公表するなどの取組を行っております。平成二十八年度末時点で、雨水を利用している施設は東京国際フォーラムなど少なくとも全国で三千三百七十施設ございまして、主にトイレ用水や散水用水、水をまく用水などとして年間約一千百万立方メートルが利用されているところでございます。
 国土交通省におきましては、引き続き、雨水の利用の更なる推進に向け、計画策定の支援や普及啓発に取り組んでまいります。
○政府参考人(森岡泰裕君) 下水処理水の再利用の推進についてお答えをいたします。
 下水処理水の再利用の実績といたしましては、平成二十八年度、二百六十一の処理場で処理された処理水、年間約二・一億立方メートルが、修景用水、河川維持用水、水洗便所用水等、様々な用途に活用されております。また、地域によっては融雪用水や農業用水としての活用も行われております。
 下水処理水の再利用推進の取組として、これまで社会資本整備総合交付金などによる財政支援により、地方公共団体が行う下水処理水の再利用の取組を国土交通省として支援してきたところでございます。また、下水処理水の適切な利用を促進するため、衛生学的な安全性の確保、美観、快適性の確保などの観点から、望ましい水質基準等及び施設基準に関するマニュアルの作成等を行っております。
 国土交通省といたしましては、今後とも、引き続き下水処理水の再利用の促進が図られるよう、財政的、技術的な支援を行ってまいります。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 私ども、やはり水道というものを考えていくときに、もちろん水道水、ひねって、きれいな水が必要だ、だから際限なく使い続けていいというものでもないと思うんです。ですから、しっかりと国交省とも今後連携をしながら、やっぱり水の使い方というものについても考えていただきたいと思いますが、大臣、どのようにお考えになられますか、お願い申し上げます。
○国務大臣(根本匠君) 議員御指摘のとおり、雨水や再生水等の活用、これは限られた水資源を効率的に利用する観点から重要だと思います。もう既に国交省から下水処理水の再利用等の御紹介もありました。
 そして、水道水についても、トイレ洗浄水として雨水や再生利用を利用するためには、それらの水を供給するための新たな施設整備や維持管理費等も必要で、ここは費用対効果なども踏まえて供給の在り方を考える必要があると思います。
 いずれにしても、委員、先日以来、水循環基本法の点お話をされておりますけれども、水循環基本法の基本理念にもあるとおりに、水が国民共有の貴重な財産であって、公共性の高いものであることに鑑み、水の適正利用の推進に向けてしっかり関係省庁連携して対応してまいりたいと思います。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 ちょっと時間もございませんので、次の話題に移っていきたいと思います。
 私がやっぱりなぜこういう議論をしていくのかというと、今この水道事業の置かれている状況というのを国民の皆様方がなかなか御理解いただいていないからです。水道クライシスというところまで来ているんですよね。そこがまだまだ一般の国民の皆様方には御利用いただけなくて、今回の法案が、民営化がどうなのかというところしか見える化していただけていないところが大変残念なんです。
 実際に、私どもこのように議論する中で調べましても、市町村が運営をする水道事業の約三割が赤字です。赤字垂れ流しのままどうするんだ。さらに、もう既に耐用年数が超えているような水道管というものも一五%以上あるし、耐震も進んでいない。こういう状況を何とかして打破していかないと、耐用年数が過ぎている管で、もしそこに破損が起こってしまった場合、地中に埋まっている、そうするとそこから汚染水が生まれてしまう、でも、そういうものが分からずして、我々は水を蛇口をひねって使ってしまうことになる。だから、どうにかして知恵を寄せ合いながら、今の水道というものを国民的な認識の下守っていこうじゃないかということを私は進める必要があるんだと思います。それが私はこの法案の本質ではないか。だからこそ、その中でしっかりとやるべきことをやる。千四百ある水道事業者というものを集約化していく、公益化していく。
 でも、今までそれをできたはずなんです。できたはずにもかかわらず、公営という中でできなかったこの現実をどうやって自治体の皆様方は受け止めていただけるのか。その自治体の中でも、もしこのような形で、コンセッション方式、手を挙げたいとおっしゃられる方がいらっしゃるのであれば、しっかり安全を担保した上で手を挙げていただく、そのために国も関与する。
 そこで、お尋ねしたいことがございます。様々今問題が指摘をされてきたところでございますけれども、この欧州の方のコンセッション方式にはない、やっぱり我が国なりのコンセッション方式というものを私は構築してくださっているのではないかと思います。我が国のコンセッション方式の特徴、そして、良い点と言ったらちょっと言い過ぎかもしれませんけれども、どのようなところに工夫してくださっているのかをまずは教えていただけますか、お願い申し上げます。
○政府参考人(石川卓弥君) お答え申し上げます。
 欧州のコンセッション方式は、国ごと分野ごと案件ごとに異なるものでございまして、必ずしも一概に論ずることはできないものと承知しておりますけれども、一般論としましては、我が国のコンセッションには、欧州のコンセッション方式と比較して、利用料金の設定、リスク分担、契約の柔軟性などの点につきまして優れたところもあるものと考えております。
 まず、利用料金の設定につきましては、フランスでは契約に規定された算定式に基づいて利用料金が定められ、制度上明確な上限が設定されないのが一般的であると承知しておりますが、我が国では、条例に利用料金に関する事項を定める、PFI法第十八条第二項でございますが、利用料金に関する事項を定めることとしておりまして、利用料金が条例において設定された範囲を超えて高騰することは制度上あり得ないところでございます。
 次に、リスク分担でございますが、欧州では、事業リスク等の各種リスクを民間側に寄せ過ぎたせいで民間事業者の資金調達コストが高くなる事例もあったものと承知しておりますが、我が国では、内閣府で出しております運営権ガイドラインにおいて、リスクを最もよく管理することができる者が当該リスクを分担するとの考え方に基づき、事業の特性や官民双方の能力等に応じ適切な分担を図るものとしております。
 最後に、契約の柔軟性につきましては、欧州では、近年まで定期的な契約の見直しを行う条項が契約に盛り込まれることがなく、契約期間中のサービス利用者数の変化や技術革新等を反映した契約内容の変更を行うことができない事例もあったものと承知しております。一方、我が国では、実務上、事業契約の中に例えば五年ごとの定期的な契約見直しを協議する条項を定めるといった工夫がなされており、官民が協調的な関係を保ち、都度協議を行うことで契約の柔軟性が保たれております。
 このように、諸外国の動向を参考にしつつ、我が国のコンセッション方式の良い面を生かしつつ、コンセッション制度を整備していきたいと考えております。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 私は、民営化が悪であって公営化というのが善だというふうにも考えられませんし、それをひっくり返して考えてみても、民営化することということが、決して何か魔法のつえみたいなのでえいやあと良くなるわけでもないんですよね。だからこそ、ここまで不安が広がっている。
 しかし、それをどのような形で埋めていくかということになると、自治体と事業間のリスク分担をどうしていくのか、そして契約の柔軟性についてもどうしていくべきなのかということをガイドライン、政省令でしっかりと私は定めていただく必要があるかと思いますけれども、審議官、いかがでいらっしゃいますか。お願い申し上げます。
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 コンセッション事業を行うに当たっては、地方自治体が実施方針及び実施契約において業務の内容や責任の分担、災害発生時の対応等についてあらかじめ明確に定めることが重要でございます。また、水道法改正案におきましては、厚生労働大臣は実施計画を確認して許可を与えることとしております。そのため、省令におきまして、運営権設定の許可基準に関する技術的細目として詳細な基準を定めますとともに、ガイドライン等において許可基準の明確化や許可申請時の留意事項等を示す予定でございます。
 具体的には、事業の安定的かつ継続的な運営を図る観点から、災害その他非常の場合における水道事業の継続のための措置とか、経営難等によりコンセッション事業者による事業継続が困難となった場合に水道事業者が適切に給水の継続を確保できるように定めておくべき措置などにつきまして、今後、関係者の意見もお伺いしながらガイドラインの詳細を検討してまいりたいと考えております。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 もちろんそのガイドラインもとても重要なものでございますけれども、またそれが定まりました際には我々ももう一回これは議論する必要があるんではないかと思います。
 かつ、今度は各自治体でも条例で定めることということが出てまいりますけれども、審議官、どのような事項というものを考えていらっしゃいますか、お願い申し上げます。
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 コンセッション方式を導入する場合、PFI法に基づきまして、各自治体は民間事業者の選定の手続、水道施設の運営の基準、業務の範囲、利用料金の枠組みなどの必要な事項を実施方針に関する条例として定める必要があります。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。それも的確に御指導をいただきたいと思っております。
 だから、それを利用なさる皆様方にとっていろいろ心配が広がっているわけです。だから今日もこれだけ議論させていただいたところでございます。これ、大臣、私今日聞いておりましたら、三回目のお願いで質問になります。同じことをみんな繰り返しております。
 やはり、失敗例に学ぶということがまずは必要です。だからこそ、海外で再公営化されたような事業であったり、まあこれはうまくいっている事業も私はもっと厚労省、研究していただきたいと思います。そのために、いろいろな各省庁にもお手伝いいただいた上で進めていただきたいと思います。
 しっかり、やっぱりここ覚悟を持って水道法というものを執行していただきたいという願いを込めまして、海外の事例を更に研究し、そして水道法というものも更により良いような形でガイドライン、省令、政令、落とし込んでいただけますでしょうか、大臣、お願い申し上げます。
○国務大臣(根本匠君) 今回の水道法改正案では、海外の再公営化事例の教訓を踏まえて、事業の安定性や安全性、確実性に十分配慮した、留意した制度としております。
 そして、今PFI上の各国との違い、日本の特徴、料金に枠をはめる、あるいはリスク分担をしっかりやる、これは既にお話がありました。我々この上に、これに加えて、公の関与を強化する観点から、改正水道法に基づいて地方自治体が水道事業者としての位置付けを維持する、あるいは水道事業の最終責任を果たす、これは、常時給水の義務というのは十五条にありますから、最終責任を果たす。そして、厚生労働大臣が事業の確実性や料金の妥当性、災害時の対応体制、地方自治体のモニタリング体制等を確認した上で許可をいたします。そして、国がコンセッション事業者に対して報告徴収、立入検査もする、こういう仕組みを今回提案させていただいております。委員御指摘のように、欧州の事例のようなことが起きないように、こうした仕組みがしっかりと機能することが重要だと思います。
 今後、運営権設定の許可申請等の留意事項等のガイドラインを示すことによって地方自治体による適切な事業の実施を支援していきますが、まあ今回いろいろと法案審議の過程でいろんな御懸念も指摘されました。それらを踏まえて、我々、ガイドライン、しっかりとしたガイドラインを作る中で国としてその責任をしっかり果たしていきたいと思います。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 大臣、法案審議したらもうこれで終わりかではなく、本当に自治体が手を挙げ、そしてコンセッション方式を採用したい、そしてそれが回り始めたときが初めてスタートラインじゃないんですか。そこがうまくいくかどうかということもしっかりと私は今後も監視の必要があると思います。
 ですから、もうこれで終わりというわけではなく、これから先ももちろん様々な懸念事項はございますので、それをしっかりと私は、更に調査研究というものを行いながら確実に国民の皆様方に御迷惑にならないような形で私は施行していただきたい、それが願いでございます。
 今日はもうこれで質疑は最後となる可能性がございますので、最後に、大臣が今まで、ここまで質疑をしてきて何か言い残されたこと、そしてしっかりと自分なりにお考えになって、答弁書ではなく、私は真の大臣の声を聞きたいと思いますけど、いかがでいらっしゃいますか。
○国務大臣(根本匠君) 私も、前段で今回の法案の意味そして内容を私が答弁いたしました。委員がおっしゃるように、これはあくまでも選択肢の一つを、自治体からもそういう要請がありましたから、官民連携の選択肢の一つを提示したということであります。
 おっしゃるように、これは、制度は生き物ですから、これからどんどん手を挙げる自治体も出てくるとは思いますが、そのときにきちんと、我々もきちんと丁寧にフォローして、そして、今この委員会の中で様々な御懸念が指摘された、そこは重く受け止めて、これからもフォローしながら、この制度が円滑に運用するように、そして問題が生じないようにしっかりと取り組んでいきたいと思います。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。
 以上で終わります。
○委員長(石田昌宏君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 本案の修正について石橋通宏君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。石橋通宏君。
○石橋通宏君 私は、ただいま議題となっております水道法の一部を改正する法律案に対し、立憲民主党・民友会、国民民主党・新緑風会及び希望の会(自由・社民)を代表して、修正の動議を提出いたします。
 その内容は、お手元に配付されております案文のとおりであります。
 これより、その趣旨について御説明申し上げます。
 本法律案では、地方公共団体が水道事業者としての位置付けを維持しつつ、水道施設運営権を民間事業者に設定できる仕組みを導入することとしています。しかし、諸外国には、民営化やコンセッション方式の導入に伴い、水道料金の高騰や水質の悪化などの問題を招き、再公営化に至った事例が多数あります。また、災害時に民間事業者が責任を持って復旧の対応ができるのか、地方公共団体における専門性や人材が失われていった場合にも十分かつ適切な管理監督を続けることができるのか、そんな中で民間事業者が水道事業の運営に失敗した場合に地方公共団体が再び水道事業を運営できるのかなどの懸念について、水道利用者から強い不安の声が上がっています。
 今回の参議院厚生労働委員会の質疑では、このような諸外国における再公営化の事例やその原因について、本法案の策定過程において政府は全く調査研究、分析を行っておらず、本法案が起こり得る様々な問題に対して十分な措置を講じているとは言えない深刻な問題も明らかになりました。
 つまり、コンセッション方式の導入については、立法事実が認められず、諸外国における再公営化の流れに逆行し、水道利用者から上げられている様々な心配、懸念の声に全く応えられていない現状においては、国民生活のライフラインであり、命を守る水道事業へのコンセッション方式の導入を推進すべきではないと考えます。
 このような観点から、本修正案を提出いたしました。
 修正の要旨は、水道施設運営権の設定の許可に関する規定を削ることであります。
 以上であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(石田昌宏君) これより原案及び修正案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○川田龍平君 立憲民主党・民友会の川田龍平です。
 私は、会派を代表し、水道法の一部を改正する法律案に対し反対、立憲民主党・民友会、国民民主党・新緑風会及び希望の会(自由・社民)提出の修正案に賛成の立場から討論を行います。
 反対する第一の理由は、コンセッション方式の導入を促進することにより、公が責任を持って担うべき極めて重要な水道事業が外国企業を含めた民間企業に売り渡される可能性が大きくなることです。
 民間企業は、役員報酬に限らず、運営の手法や責任の所在に至るあらゆる点において公共とは全く異なる論理を持ち込むという現実を直視すべきであり、役員報酬、株主配当、法人税など全ての経費が唯一の収入である水道料金に転嫁される結果、水道料金が高騰することは火を見るより明らかではないでしょうか。この点、我が会派を含め三会派で提出した修正案は、課題や懸念が極めて多いコンセッション方式の導入を容易にする規定を削除することによって水道事業の民営化を未然に防ぐものであり、賛成いたします。
 反対する第二の理由は、委員会審査における政府の不誠実極まりない対応です。
 水道事業におけるコンセッション方式はもはや世界の非常識となっているにもかかわらず、本法律案の提出に当たっても、海外事例の失敗を詳細に調査分析した経緯が一切ないことが明らかとなりました。厚生労働省は、網羅的な調査分析も行わないまま、古いものでは十年近くも前の僅かな調査結果を基にして本法律案を国会に提出したものであり、立法事実は完全になくなったと言わざるを得ません。
 さらに、委員会審査の中では、水メジャーの代表企業であるヴェオリア社の社員がコンセッション方式の導入を強力に推し進める内閣府のPPP/PFI推進室に所属する政策調査員であるという驚愕の事実も明らかになりました。外資の民間企業への利益誘導の法案であるとのそしりを免れず、これを究極のお手盛り法案と言わずして何と表現したらよいでしょうか。
 水道は、この国に生きる全ての人の命を守る極めて重要なインフラです。災害の多い日本にあっても、人がいれば水を届けるという使命と責任を背負い、全国の自治体水道関係者は被災地にいち早く駆け付け、一分一秒を争う命の水を届けてきました。もうけにつながらない事業は効率化の名の下に切り捨て、利益のみを追求する民間事業者にこのような命を守る献身的な活動を期待することができるでしょうか。水道事業の運営権譲渡は百害あって一利なしの売国法案です。
 公共運営では必要のない役員報酬、株主報酬、法人税が上乗せされて料金が上がり、効率化で人件費がカットされます。また、民間なので事業運営がブラックボックス化して透明性が確保できなくなり、事業の中身のチェックができなくなります。さらに、水道管は地域独占ですから、幾ら料金に上限を設定できても、実際には自治体に事業者が提示する料金を拒否する選択肢はありません。
 そして、政府は一番重要なことを見落としています。民営化が問題になるのは、平時ではなく有事、災害のときなのです。日本は、台風、地震など自然災害大国なのです。今年一年、地震、台風、ゲリラ豪雨など、どれだけの多くの水害が我が国を襲ったかを忘れたのでしょうか。あのとき、全国からやってきて、被災地で一人一人に水が行き渡るよう尽力したのは全国の自治体関係者です。
 外国企業にライフラインの運営権まで全部売るのは、安全保障上のリスクが上がるだけです。これからどんどん水が枯渇し、世界中で水の奪い合いが起きている今、政府は、何より自国民を守るために、最低限、水と食料を守らなくてはなりません。ライフラインの水道は、テレビや車のように物を売る事業ではありません。命を預かる事業です。国民の命を守らない政治に存在価値はありません。命を守れない安倍政権に日本の水道を任せることはできないことを強く申し上げ、私の反対討論とさせていただきます。
○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。
 私は、日本共産党を代表して、水道法改正案に反対の討論を行います。
 本法案は、人口減少に伴う水の需要の減少、水道施設の老朽化、深刻化する人材不足等の課題に対応するための改正案として示されたものです。改正の柱であるコンセッション方式の導入も広域連携の推進も、水道が直面する課題の解決には到底役立つものとは言えません。
 反対する第一の理由は、水道事業に運営権の売却であるコンセッション方式を導入することが水道の民営化にほかならないからです。
 世界では、水道民営化の失敗から再公営化の動きが加速しています。その結果、新たな市場として水メジャーが狙っているのが日本の水道事業です。厚労省は、官民連携の選択肢を広げるものであり、あくまでも導入の可否は自治体が決めると説明してきましたが、要望書を提出した自治体は僅か一件のみで、自治体首長にトップセールスで売り込んでいたのが厚労省だったことも明らかになりました。世界の民営化の失敗から学ぶこともなく、公共インフラの民間開放ありきでコンセッション方式を導入するなど、到底認められません。
 第二の理由は、広域化を推進強化することで広域水道の押し付け、簡易水道など自己水源の廃止につながる危険があるからです。
 これまでも、都道府県が主導して広域化を進め、簡易水道は統合が推進されてまいりました。基盤が脆弱な簡易水道に対する補助金の期限を切って縮小、廃止するなど、国は簡易水道の廃止を促進してきたのです。
 本法案では、これまで地方自治体が主体の原則をなくし、経営基盤の強化のために国及び都道府県が主体となって広域化を含む基盤強化を推進することとしています。都道府県が設置する広域的連携等推進協議会に参加する市町村は協議会の協議結果を尊重しなければならなくなり、簡易水道や貴重な自己水源の放棄を更に加速させることになりかねません。災害に強い自己水源を生かした地域分散型の水道事業への転換を求めるものです。
 世界の水道事業の民営化の失敗は、水は人権、自治が基本だということを教えています。国民の貴重な財産である水道インフラは、市町村主体で健全な運営が可能となる道こそ目指すべきです。
 現在の水道事業が抱える問題の解決のためには、過大な需要を見込んだダム開発はきっぱり中止し、人員確保、必要な財政支援を行うべきであると申し上げまして、私の反対討論といたします。
○福島みずほ君 希望の会(自由・社民)を代表し、原案の水道法の一部を改正する法律案に反対、水道法の一部を改正する法律案に対する修正案に賛成の討論を行います。
 水道こそ、公共事業としてやるべきものではないでしょうか。水がなければ誰も生きられません。全ての人に関係する問題です。民間企業は利潤追求です。短期間で株主配当をし、そして役員報酬をし、利潤を上げなければなりません。利潤で行う、利潤がなければ撤退をする、そういう民営化、コンセッションに私たちは賛成することはできません。
 まさに、この水の運営権、売却するものです。委託でも委ねるというものでもありません。運営権を売却するもので、この運営権は投資の対象です。金融機関がお金を貸し、また、グローバルファンド、投資機関がここに投資を行います。これには抵当権を設定することができます。抵当権をもし実行されたらどうなるかということについて明快な答えはありませんでした。明確に法律上、金融機関、そして投資会社がこの運営権を獲得をいたします。大混乱が起きます。投資の対象に絶対にすべきではありません。
 次に、このコンセッションの問題に関して、立法理由が一切ないことが明らかになりました。
 厚生労働省は、水道を管轄する中央官庁であるにもかかわらず、一切、海外の事例に関して実際調査を行っておりません。内閣府に至っては、PPP推進室とそれから官房長官補佐官が三回ヨーロッパに行っておりますが、水メジャーに行ってはおるものの、問題が起きたところにきっちり調査に行っておりません。なぜベルリンに行かないのか、なぜパリ市の水道局に行かなかったのかという、パリ市のことが衆議院の厚生労働委員会で議論になりました。今年の十月、まさにパリ市に行っておりますが、再公営化をなぜすべきだったか話を聞いたのであれば、なぜその報告をしないのでしょうか。
 立法理由は失われています。内閣府も、そして厚生労働省もまともな調査をしていない。世界は再公営化です。なぜ十周遅れのトップランナーを失敗の上塗りで日本がやるのか、全く理解ができません。立法理由について説明ができないので、これは撤回をすべきだということを強く申し上げます。
 中立性、公平性がないことについて一言申し上げます。
 内閣府に、水メジャー最大のヴェオリア社の人間、まさにPPP担当者が出向して、現在も在籍をしております。そして、内閣委員会、六月に行われたPPP、PFI強化法案に、大臣の後ろで補佐をしている。一体誰のための法律であり、誰のためのものなのかということを強く思います。利害関係者がこの法案に関わるそのPPP推進室にいるということそのものが問題で、この利害関係者がいる中でのこの法案の提出は許されないというふうに思っております。
 そして次に、災害の時点において、まさにこの委員会でも、災害の場合には自治体が責任を負うから問題がないのだということは全く理解ができません。災害のときに責任を負わないビジネスモデル、管理運営権など存在するでしょうか。ずさんになってしまうのではないでしょうか。
 衆議院の厚生労働委員会でも、災害のときに派遣するのかということについては、自治体とその管理会社の契約の中身ですというふうに答弁があります。災害のときに派遣もしなければ災害のときに責任を負わない、そんな管理運営権で本当にいいんでしょうか。それではまさに、売却をし、お金をもらいながら、自治体、政府が責任を負うというとんでもないビジネスモデルを私たちがやることになるというふうに思います。
 コンセッションは国民のためになりません。とりわけ水道のコンセッションは命の水を外資系や大企業や様々なものに売り飛ばすもので、私たちは容認することはできません。そして、これが厚生労働省の水道課、課でやっていることは問題じゃないでしょうか。局、あるいは水循環法が成立しているわけですから、水循環庁などをつくり、きちっと基盤整備をこそやるべきではないでしょうか。
 大都市の水道は水メジャーや大企業に売り飛ばされ、そして過疎地の水は本当に放置されて切り捨てられる、それが日本の未来であってはなりません。
 政府提案の水道法改正法案、コンセッションの部分は削除すべきだということを申し上げ、反対理由といたします。
○委員長(石田昌宏君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 それでは、これより水道法の一部を改正する法律案について採決に入ります。
 まず、石橋通宏君提出の修正案の採決を行います。
 本修正案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(石田昌宏君) 少数と認めます。よって、石橋通宏君提出の修正案は否決されました。
 それでは、次に原案全部の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(石田昌宏君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、川合孝典君から発言を求められておりますので、これを許します。川合孝典君。
○川合孝典君 私は、ただいま可決されました水道法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・国民の声、公明党、立憲民主党・民友会、国民民主党・新緑風会及び無所属クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    水道法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。
 一、水道の基盤強化に当たっては、水道が極めて公共性の高い、国民の日常生活や命にも直結する貴重な財産であることを踏まえ、全ての国民が水道の恩恵と安心・安全な水の供給を将来にわたって享受できるよう、国、地方公共団体及び水道事業者等の相互の連携を深めること。
 二、将来にわたって国民生活の安心と安全を確保するとともに、大規模災害の発生等にも備えるため、管路の老朽化への対応及び耐震化の推進等、水道施設の継続的な更新と整備に万全を期すとともに、地方公共団体において施設整備の体制を支える人員及び予算が十分に確保されるよう努めること。また、災害時における速やかな応急給水・応急復旧を図るための組織体制、災害対応システム等が十分に整備・運用されるよう、必要な措置を講ずること。
 三、水道の基盤強化を図るために、水道事業に携わる人材の確保、技術の継承及び労働環境の改善が必要であることに鑑み、地方公共団体がこれらを実現するために必要な支援を行うこと。特に官民連携を行うに当たって、この点が重要となることを十分認識し、事業運営に支障を来すことのないよう、海外の再公営化事例の検証を含めて総合的な施策を講ずること。
 四、水道の基盤強化の基本的かつ総合的な施策の推進に当たっては、中山間部、過疎地域や人口減少の著しい地域等の自然的・社会的条件の厳しい地域を抱える地方公共団体や、経営基盤が脆弱な小規模の水道事業者に十分配慮して、必要な技術的・財政的援助を行うこと。
 五、水道施設運営権の設定については、水及び水道施設が国民共有の貴重な財産であること、また、重要な生活インフラである水道事業に外国資本が参入する可能性や、将来的に料金が高騰したりサービス品質が低下したりする可能性に留意し、その決定は厳に地方公共団体が住民の意思を十分に踏まえた上での自主的な判断に委ねられるべきであることを大前提に、公正かつ公平な手続や透明性を十分に確保した民間事業者の選定を含め、公共性及び持続性に十分留意したものとなるよう、地方公共団体において検討すべき事項の具体的な指針を本法施行までに明示すること。
 六、水道施設運営権の設定の許可に当たっては、地方公共団体において民間事業者の運営状況をモニタリングするための適切な体制が確保されているかについて厳格に審査を行うとともに、水道料金や水質基準への適合などの規制・モニタリングが確実に実施され、必要に応じ第三者による確認も得つつ、運営における公共性・公平性・公益性の確保を明確にするための具体的な指標等を示すこと。
 七、水道施設の維持管理、修繕及び計画的な更新が、地域の生活インフラの基盤として極めて重要であることに鑑み、これらの措置が適切に行われるよう、必要な支援を含めた包括的水道事業システムの構築に努めること。
 八、指定給水装置工事事業者の更新時に取得する修繕対応の可否等の情報、修繕時のトラブル防止や悪質商法に関する情報等を水道利用者に分かりやすく提供するよう、水道事業者に対し指導すること。また、給水装置工事主任技術者、配管工事に携わる者の技術・技能の維持・向上を図るための研修の充実等を通じて指定工事事業者の質の向上を図ること。
 九、水道の需給バランスの平準化を進める観点等から、水道スマートメーターを含む周辺機器の研究及び開発を促進するため、必要な措置を講ずること。
 十、上工下水、農業用水等の人間が利用する水のみならず、表流水、地下水等を一体として捉える水循環の視点から水利用の最適化を図ることにより、低廉で高品質な水道水を供給できる体制の維持に努めること。
  右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(石田昌宏君) ただいま川合孝典君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(石田昌宏君) 多数と認めます。よって、川合孝典君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、根本厚生労働大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。根本厚生労働大臣。
○国務大臣(根本匠君) ただいま御決議になられました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重いたしまして、努力してまいります。
○委員長(石田昌宏君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(石田昌宏君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時三分散会