第198回国会 本会議 第5号
平成三十一年二月七日(木曜日)
   午後七時十六分開議
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○議事日程 第五号
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  平成三十一年二月七日
   午後六時 本会議
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 第一 平成三十年度一般会計補正予算(第2号
  )
 第二 平成三十年度特別会計補正予算(特第2
  号)
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○本日の会議に付した案件
 一、日程第一及び第二
 一、平成三十年度分として交付すべき地方交付
  税の総額の特例に関する法律案(内閣提出、
  衆議院送付)
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○議長(伊達忠一君) これより会議を開きます。
 日程第一 平成三十年度一般会計補正予算(第2号)
 日程第二 平成三十年度特別会計補正予算(特第2号)
 以上両案を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。予算委員長金子原二郎君。
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   〔審査報告書は本号末尾に掲載〕
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   〔金子原二郎君登壇、拍手〕
○金子原二郎君 ただいま議題となりました平成三十年度第二次補正予算二案の審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 補正予算二案は、去る一月二十八日に国会に提出され、衆議院からの送付の後、二月六日に財務大臣から趣旨説明を聴取し、同日及び本日の二日間、安倍内閣総理大臣及び関係各大臣に対し、質疑を行いました。
 質疑は、国、地方の財政の現状と課題、災害対策及び国土強靱化の取組、我が国経済の現状及び賃金の動向、毎月勤労統計調査における不適切な処理に係る問題、日銀の金融緩和政策の妥当性、農業振興及び食料安定供給の在り方、中小企業支援策の推進、被虐待児童の保護体制強化の必要性、国の機関における障害者雇用への対応、日米地位協定、在日米軍基地の問題点、日ロ外交の進め方、新たな防衛大綱及び防衛予算の問題など、多岐にわたりましたが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。
 質疑を終局し、討論、採決の結果、平成三十年度第二次補正予算二案は賛成多数をもっていずれも原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
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○議長(伊達忠一君) 両案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。杉尾秀哉君。
   〔杉尾秀哉君登壇、拍手〕
○杉尾秀哉君 立憲民主党・民友会・希望の会の杉尾秀哉です。
 私は、会派を代表して、ただいま議題となりました平成三十年度第二次補正予算案に対して、反対の立場から討論します。
 まず冒頭に、昨年七月、私はこの本会議の場で、安倍内閣を、憲政史上まれに見るうそつき内閣、ごまかし内閣と申し上げました。残念ながら、その指摘は当たっていました。
 今国会冒頭から焦点となっている統計不正、その問題の核心は、十五年も続けたでたらめな統計不正に、昨年一月からこっそりデータ補正を加えて二十一年五か月ぶりの名目賃金の高い伸びを演出し、さらに、厚労省の幹部職員が同席したお手盛り調査を第三者性が高いと強弁し続けたことです。加えて、実態解明のキーマンである大西前政策統括官を予算委員会直前に更迭する証人隠しとしか取れない処分に対して、私たちは強く抗議するものです。
 中でも最大の問題は、昨年一月のデータ復元です。
 これに対して、予算委員会でのアベノミクス偽装、賃金偽装との野党側の指摘に対して、安倍総理や根本厚労大臣らは意味不明な抗弁を繰り返しました。これは、取りも直さず、統計不正がアベノミクスの成果を揺るがしかねない大問題であるからにほかなりません。
 予算委員会での私たちの追及で、昨年の実質賃金もマイナスだった可能性が極めて強くなりました。さらに、安倍政権になってからの五年間で実質賃金は四%のマイナス。リーマン・ショック期並みの落ち込みという識者の指摘もあります。
 私には、安倍総理が施政方針演説で、成長と分配の好循環によるアベノミクスの進化と言った意味がさっぱり分かりません。むしろ、全国津々浦々に吹いているのは、アベノミクスの暖かい風ではなく、総理の大ぼらではないでしょうか。
 事実、政府が景気拡大が戦後最長になったと見られると発表した直後の世論調査、例えば毎日新聞によりますと、景気拡大を実感していないが七四%で、実感しているは僅か一七%にすぎません。仮に戦後最長であったとしても、間違いなく最弱なのが実態で、そもそも今回の統計不正で、この政府発表そのものを疑っている国民も少なくありません。
 また、今回の補正予算の審議では、別の重大な問題も明らかになりました。私も昨年の統計法の審議で指摘したGDPのかさ上げ疑惑です。
 安倍総理は、さきの施政方針演説でも、この六年間、三本の矢を放ち、経済は一〇%以上成長しました、戦後最大のGDP六百兆円に向けて着実に歩みを進めてまいりますと胸を張りました。
 確かに、二〇一六年の統計改正で、二〇一五年の名目GDPがいきなり三十二兆円近くも増加し、五百三十七兆円と過去最高になりました。これを受け、おととしの総選挙で自民党は名目GDP五十兆円増と大々的に成果をアピール。ところが、実際には三十二兆円近くが、国際基準に合わせた研究開発費の計上や実態が全く不明なその他の項目でかさ上げされた数字でした。
 単純に比べてはいけない新旧データを比較し、過去最大の伸びと自画自賛する。GDPのかさ上げも毎月勤労統計のデータ補正も、いずれも調査方法を変更することで数値を大幅に上振れさせる全く同じ手口で、しかも、経済財政諮問会議での麻生大臣の問題提起や、安倍総理がGDP六百兆円の目標を掲げたのが発端だった疑いが濃厚です。
 そもそも、この政権は、EBPM、エビデンス・ベースド・ポリシー・メーキング、証拠に基づく政策決定ができない。それよりむしろ、最初に政策を決めて、それに合わせてデータを都合よく解釈したり変更したりする。そして、都合の悪いデータや事実には目を向けず隠蔽する。こうした安倍政権の体質は、霞が関の官僚に蔓延しつつあります。
 厚労省の当時入省四年目の統計担当の係長さんは、二〇一七年度の厚労省採用のしおりの中で、毎月勤労統計について、アベノミクスの成果を測る指標の一つとして国会でも注目を浴びており、経済財政諮問会議などから改善を求められていますというメッセージを寄せています。これを見ても明らかなように、厚労省の末端の職員まで、毎月勤労統計とアベノミクスが明らかに結び付けられ、改善を求められている、つまり、統計を何とかしろと政治の側からプレッシャーを受けていたことがうかがえます。これはすなわち、統計に政治の手が入っていることを強く推認させる証左にほかなりません。まさに、今回の不正統計問題の核心がここにあります。
 このほかにも指摘すべき問題はまだまだあります。アベノミクスの肝は円安と株価ですが、これが根本から揺らぎつつある。
 先日発表されたGPIFの昨年十月から十二月の運用実績は、過去最大のマイナス十四兆円でした。国民が汗水垂らして働き、せっせと納めてきた年金の積立金が一気に十四兆円も吹っ飛んだのです。その一方で、日銀のETF買いは、昨年一年間で六兆円にも達しました。外国人投資家の売り越し額を上回る規模です。まさに、GPIFと日銀がアベノミクスの核心である株価を支えている構図にほかなりません。
 それでも大多数の国民の生活実感は一向に向上しない。これでは、まるでアベコベミクスであり、ウソノミクスです。
 モリカケ問題、働き方改革データ問題、財務省による公文書改ざん、そして今回の統計不正などなど、この国はまさに政権ぐるみの粉飾国家となりつつあります。これのどこが美しい国なんでしょうか。
 その全ての責任は、安倍総理、あなたにあります。そして、役所の統治能力に根本的に欠ける根本厚労大臣と併せて辞任すべきと申し上げた上で、本補正予算に反対する理由を御説明します。
 まず第一の理由は、過大な公共事業関係費が計上されている点です。
 本補正予算には国土強靱化の緊急対策として一兆七百億円が計上されておりますが、緊急性の中身の検証が不十分な上、財源として建設公債を一兆三千億円も追加発行するなど、財政面から余りに問題が多い。
 次に、第二の理由は、TPP対策や中小企業支援など、既視感のあるメニューが並んでいることです。
 あらかじめ想定されていたのに当初予算に入り切らなかった項目を並べ補正を組むのはこの内閣の常套手段で、これで平成三十年度一般会計予算の規模は百一兆三千五百八十一億円となり、財政規律は更に緩み切っています。
 その結果、これは第三の理由ですが、基礎的財政収支が当初予算から二・三兆円も悪化し、元のもくあみの十二・七兆円の赤字になるなど、安倍政権の財政健全化に向けた姿勢そのものが根本から揺らぐ事態に立ち至っています。
 折しも、安倍総理が、昨年十一月、本補正予算の編成を指示したその日に、国の財政制度等審議会は、第二次大戦末期並みに借金が積み上がった現状にあえて言及し、過ちを二度と繰り返すことがあってはならないと異例の訴えをしました。
 その安倍政権が、平成三十一年度予算案で防衛予算を更に積み増し、護衛艦「いずも」を事実上空母化するなど、専守防衛の枠を大きく踏み外しつつあるのは歴史の皮肉でしょうか。
 さらに、もう一つ、子供を産まなかった方が問題と言い放った麻生大臣の余りに心ない発言に、改めて強く抗議しなければなりません。あなたの人権感覚は一体どうなっているんでしょうか。それに加えて、相次ぐ麻生大臣の暴言を放置する安倍総理の姿勢そのものが今まさに問われています。
 経済成長なくして財政再建なしと繰り返し、財政規律を顧みず不要不急の支出を補正に計上し、さらには、経済の実態を統計偽装で取り繕おうとしてまで政権の座に固執する安倍総理。
 私たち立憲民主党は、こうした安倍政権と徹底的に対峙し、この国をいつか来た道にさせない決意を申し述べまして、私の反対討論を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(伊達忠一君) 高橋克法君。
   〔高橋克法君登壇、拍手〕
○高橋克法君 自由民主党の高橋克法です。
 私は、自民・公明を代表いたしまして、ただいま議題となりました平成三十年度第二次補正予算二案に対し、賛成の立場から討論をいたします。
 冒頭、厚労省の毎月勤労統計調査の不適切な事案について一言申し上げます。
 統計は政策の土台です。厚労省の緊張感、ガバナンス意識の乏しい対応には猛省を求めます。同時に、政策は多角的な分析がなければ立案できません。大卒予定者の就職内定率が調査開始以来過去最高となっていることを始め、数多くのデータは経済政策が正しい方向で我が国経済を導いていることを示しています。この政策を更に進めることこそ、新しい時代に向かう我が国の力強い経済社会をつくり上げる唯一の道であると確信をいたします。
 さて、総理は施政方針演説で、昨年、異次元の災害が相次ぎました、もはや、これまでの経験や備えだけでは通用しない、命に関わる事態を想定外と片付けるわけにはいきませんと述べられました。そのとおりです。国民の生命、財産を守ることに想定外は許されません。災害はいつでもどこでも突然にやってくる。自然災害への対応は待ったなしです。
 そして、昨年十二月三十日にTPP協定が、本年二月一日には日EU・EPA協定が発効しました。自由化の中でも国内の農林水産業に携わる皆様が意欲を持って続けていけるよう、しっかりと後押しをすることも急務です。
 本補正予算案はこれらに関する予算が含まれており、一日も早い成立と着実な実行が望まれます。
 以下、本補正予算案に賛成する理由を具体的に申し述べます。
 一点目は、近年、激甚化、頻発化する自然災害に備えて、重要インフラの緊急点検結果等を踏まえた上で閣議決定をされました防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策のうち、初年度として速やかに着手すべき事業のために必要不可欠な予算を追加計上している点です。
 甚大な被害のおそれがある河川における堤防の強化対策、土砂災害を回避する改良や道路の拡幅、災害時に人と物の流れを担う幹線道路に関する緊急対策、そして学校施設の耐震化等を進めることで、人命を守り、地域と生活を守ることが可能となります。
 二点目は、TPP協定等の早期発効に対応するための農林水産業強化策に関連する予算などが計上されている点です。
 総合的なTPP等関連政策大綱に基づき、現場の不安にしっかりと向き合いながら、新たな国際環境にも対応できる強い農林水産業を速やかに構築することを目指して、産地パワーアップ事業や畜産クラスター事業などを進めるために、思い切った予算が追加をされています。農林水産業に携わる皆様の希望につながる十分な後押しができるものとして評価できます。
 三点目は、地域の雇用を守り、我が国の経済産業を支えている中小企業・小規模事業者に対する支援のための予算が計上されている点です。
 ものづくり、商業、サービス産業における革新的な開発の支援やIT導入支援、生産性向上を図るために必要な予算、さらに消費税軽減税率制度の実施に向けた中小企業・小規模事業者の準備を支援するために必要な経費などが盛り込まれており、事業者に寄り添った内容となっています。
 そのほかにも、厳しい安全保障環境に対応するための予算、幼児教育、保育の無償に係る立ち上げのための経費支援や風疹予防接種の助成拡大、自然災害により被災した地域の災害復興など、いずれも緊急性が高く、国民生活の安全、安定の実現や我が国の未来を切り開くために必要な施策の実施に向けたものとなっております。
 歳入については、既存経費の減額や税収、税外収入、前年度剰余金、さらには建設公債の発行により工面されており、しかも特例公債の減額も図られ、財政バランスの側面からも評価できるものです。
 以上、賛成する主な理由を申し述べました。
 本補正予算案は、国土強靱化や力強い農林水産業の実現、被災地の迅速な復旧、国民の安全、安心の確保などのために大変重要であり、一日も早い執行を求める声が日に日に強まっております。
 多くの皆様からの御賛同を賜りますようお願いを申し上げ、私の賛成討論といたします。(拍手)
○議長(伊達忠一君) 青木愛君。
   〔青木愛君登壇、拍手〕
○青木愛君 国民民主党・新緑風会の青木愛です。
 会派を代表しまして、ただいま議題となりました平成三十年度第二次補正予算、一般会計及び特別会計の二案に対しまして、反対の立場から討論を行います。
 まず冒頭に、昨年末に発覚をした毎月勤労統計の不正問題について厳重に抗議いたします。不正が平成十六年から行われていたとすると、十五年もの間、虚偽のデータに基づいて経済政策が立案され、実施されていたことになります。
 国会で審議をする予算案や法案は、正しいデータに基づいて作成されたものでなければなりません。その前提が崩れていることが発覚したのですから、まずはその全容を徹底的に究明することが必要です。
 ところが、安倍内閣は、不正の原因を一切究明しようとはしません。第三者委員会は完全に身内の調査であり、実情を知る幹部を更迭し、国会での参考人招致を拒否しております。
 昨年行った補正操作の結果、賃金の伸びは二十五年ぶりの高い値となり、総理はアベノミクスの成果を誇っていましたが、しかし、それは偽りであることが判明をいたしました。国民の七割が景気回復を実感していないと回答している国民の生活実感の方がアベノミクスを正確に反映しているのではないでしょうか。
 安倍内閣は不正のオンパレードです。森友学園土地取引をめぐる財務省による不当取引と公文書の改ざん、加計学園獣医学部の国家戦略特区指定をめぐる疑惑、防衛省の南スーダンPKO自衛隊日報隠し、裁量労働制をめぐるデータ隠しやデータ捏造、障害者雇用数の水増し問題、法務省による外国人技能実習生の失踪動機調査結果の捏造など、枚挙にいとまがありません。しかし、安倍総理は全く解明しようとはしません。今回も真相解明を避けております。
 このような行政の不祥事を正すことは、良識の府としての参議院の重要な役割であると考えます。政府が不正なデータに基づく予算案や法案を国会に提出をしているのですから、このような政府の行為に対して、国会は、与野党を超えて、徹底的に政府に対し真相の解明を迫らなければなりません。
 政府が不正を隠蔽することは、国会に対する冒涜であることを強く申しておきます。
 次に、本補正予算に反対する主な理由を申し述べます。
 第一は、本補正予算では、歳出追加額の四割弱に当たる一兆七百億円が防災・減災、国土強靱化関連予算であることです。
 昨年秋の第一次補正予算は、夏の甚大な自然災害への緊要な対策ですから賛成でありましたが、今回の第二次補正は、防災・減災、国土強靱化三か年対策、総事業費七兆円の一部であります。
 近年の異常気象は、かつて経験のない異常さの様相を呈しております。一千ミリを超える豪雨、巨大台風の上陸、夏は四十度を超える猛暑、冬は豪雪、いずれも毎年記録を更新しています。その影響で、日本各地は予想外の甚大な被害に見舞われております。
 昨年は、大阪や北海道が巨大地震に襲われました。首都圏直下型地震や南海トラフ地震が三十年以内に七〇%の確率で発生するとの警告が出されています。さらに、高度成長時代に整備した橋梁や上下水道などのインフラは更新時期を迎えています。
 このような状況を考えると、国民に安全、安心を保障するため、必要なインフラは着実に整備しなければなりません。これらは補正予算で手当てをするべきではなく、本予算で堂々と計上し、国会で十分に審議すべき内容であります。これは、当初予算の厳しいシーリングを逃れるため、査定が緩い補正予算への事業の付け替えであり、しかも、重要インフラの点検結果が報告されてから一か月足らずで一兆円を超える予算を積み上げておりますが、十分に精査されているか疑問が残ります。
 このように、第二次補正予算に計上された大型の公共事業は本予算で審議すべき内容であり、補正になじまない内容であります。
 第二に、今回の補正予算の中身のほとんどが財政法違反であるということです。
 財政法第二十九条によると、補正予算とは、法律上又は契約上国の義務に属する経費の不足を補うほか、予算作成後に生じた事由に基づき特に緊要となった経費の支出又は債務の負担を行うため必要な予算の追加を行う場合に作成できるとあります。しかし、さきに述べました公共事業やTPP等関連経費、また防衛関係費は、条文にあるような予算作成後に生じた事由に基づき特に緊要となった経費の支出ではありません。これらは本予算で計上すべき内容であります。
 TPP等関連経費については、平成二十七年十一月に総合的なTPP関連政策大綱が策定されて以降、累次にわたって予算が措置され、その累計額は、本補正予算及び三十一年度当初予算を合わせると、二・一兆円に達します。
 政府は、毎回、農林水産業の活力発揮、輸出促進などを掲げていますけれども、政策効果の詳細な検証が全くないままに補正予算で対策が上積みをされております。
 防衛関係費については、本補正予算において四千億円が追加され、当初予算と合わせると、過去最高の五・六兆円に達します。本補正予算に盛り込まれるF35A戦闘機の整備等、大部分が毎年度継続して調達する装備の経費負担で、これも財政法二十九条違反に当たります。当初予算に収まらない部分を補正に切り出したものと評価せざるを得ません。有識者からは、当初予算と補正予算をセットで編成することは防衛費の全体像を見えにくくするとの批判も上がっております。
 第三は、幼児教育、保育の無償に係る立ち上げ経費支援等を含んでいることです。
 消費税の一〇%への増税に伴い、三歳から五歳の幼児教育無償化が実施される予定です。しかし、希望しても全てのお子さんが入園できるわけではありません。いわゆる待機児童を抱えた御家庭には無償化の恩恵が全くありません。このままでは国民の間に不公平感を増長させます。
 また、国は無償化を打ち上げますけれども、その財源や事務は今後地方自治体も負うことになり、自治体からは無償化の継続について懸念する声が届いております。
 総理は、これまで二度、消費税を延期いたしました。三度目の延期の可能性も否定できません。その場合、増税を前提にした幼児教育無償化は、その財源を失うことになり、先行きが不透明です。いずれにしても、今回安倍内閣が行おうとする消費税増税は、複数税率、ポイント還元、プレミアム商品券など愚策極まりない対策を伴っており、決して賛成できるものではありません。
 以上、補正予算に反対する主な理由を申し述べました。
 これまでも、裁量労働制の拡大や外国人労働者の受入れといった重要政策をめぐって統計の誤りが判明するなど、安倍内閣の客観データをないがしろにする姿勢は目に余るものがありました。今般、基幹統計までゆがめられていたことが明らかとなり、その影響は本補正予算を含め予算全般にも波及しかねず、そもそも議論の土台が失われています。
 的確な政策には、偏見やそんたくを排した正確な現状把握が不可欠です。私たちは、客観的事実に基づいた透明で公正な政治を取り戻すため、安倍内閣と対峙をしていくことを申し上げ、私の反対討論を終わらせていただきます。(拍手)
○議長(伊達忠一君) 片山大介君。
   〔片山大介君登壇、拍手〕
○片山大介君 日本維新の会・希望の党の片山大介です。
 私は、我が会派を代表して、平成三十年度第二次補正予算二案に対し、賛成の立場から討論します。
 今回の第二次補正予算案は、去年日本列島を襲った自然災害による被害への対応、減災対策や国土強靱化のための費用が計上されているほか、今年一月の予定だったTPP11の発効が早まったために必要となった農林水産関係予算、さらに、中小企業や小規模事業者に対する支援が含まれています。
 特に、災害への備えとして、地域防災力の中核を担う消防団に関する緊急対策事業や、大規模風水害・土砂災害に対応するための緊急消防援助隊に対する緊急対策費事業、それに、大規模な浸水、土砂災害による被害防止などに関する緊急対策や、国民経済、生活を支える重要インフラなどの機能維持などの予算が付けられています。
 去年七月には大阪北部地震、そして九月には北海道胆振東部地震が起きました。また、西日本での集中豪雨では、発災から半年がたったものの、いまだに懸命の復旧作業が続いています。従来の対策だけでは国民の生命と財産を守れない状況にもなってきていて、この補正予算で今後の台風シーズンまでにしっかりと対策できるよう、緊急的な取組として必要であることは認識しています。
 しかし、その一方で、補正予算の在り方をめぐっては疑義もあります。会派では今回の補正予算案に賛成を決めましたが、以下の点を指摘させていただきたいと思います。
 まず一点目、補正予算の常態化についての懸念です。
 御存じのとおり、本来、補正予算は、財政法二十九条により、国の義務に属する経費の不足を補うほか、予算作成後に生じた事由に基づき特に緊要となった経費の支出に限り増額補正ができると規定されています。
 第一次補正予算のように、本予算後に起きた自然災害に対する復旧復興の支援に係る補正予算の計上であれば、その必要性は納得できます。しかし、第一次補正以降、大きな自然災害は発生していないにもかかわらず、政府は再び防災・減災を理由とした補正を行いました。もし第一次補正予算が不十分だったのであれば、そのことの方が問題ではないでしょうか。
 それに、補正の内容を見ると、中小企業生産性革命推進事業に対して一千百億円、ムーンショット型研究開発事業に対して二百億円を計上しています。これはどう考えても予算作成後に生じた事由とは考えられません。特に緊要となった経費とも言えない項目が並んでいます。これらは、言うなれば平成三十一年度予算の先行予算なのでしょう。
 平成三十一年度予算案の説明をするに当たって、財務省は、安倍内閣の発足以来、国債発行額を七年連続で縮減したとして、来年度は三十二・七兆円になることを強調しています。
 しかし、この数字は当初予算ベースの推移であり、補正予算を含む決算ベース、つまり実際に発行された国債発行額で見ると、平成二十八年度は前年度より三・一兆円増えています。つまり、当初予算の数字だけを取り上げ、国債発行額を七年連続で縮減したという表現は、見た目を取り繕うためのごまかしとも言えます。
 毎年のように補正予算が組まれ常態化している裏側には、当初予算の見た目を良くしようという意図が隠されているのではないでしょうか。本予算の見栄えを良くするための補正予算が組まれるということはあってはならないことです。
 日本維新の会として以前から幾度となく指摘しているところですが、改めて財政規律の確保を強く求めます。
 そして二点目、予算の遡及適用に関するルールの明確化を求めます。
 我が党は、第一次補正予算に賛成するに当たって、予算の遡及適用のルールが省庁ごとに異なることのないよう明確なルールとすることを求めました。でも、財務省に確認したところ、全く検討はされていませんでした。遡及適用に関する一定のルールが定められなければ、自治体による自助努力が報われることはなく、国の支援を待つだけのモラルハザードが起こります。
 提案から三か月もたちながら全く検討されていないことは、明らかに国会軽視であることを改めて指摘しておきます。
 最後に三点目、財政健全化に逆行した建設国債の追加発行に対する懸念です。
 新たな建設国債の発行は、第一次補正予算と合算すると二兆円にもなります。しかも、補正予算という形で将来への赤字を積み上げていくことは大きな問題です。財政健全化を進めるべく、歳出を抑制し、プライマリーバランスの黒字化に向けた努力をもっとすべきなのではないでしょうか。
 我が会派では、議員歳費の手取りおよそ二割相当に当たる一人毎月十八万円の身を切る改革を行っており、現在までに総額一億円近くを被災地などに届けています。
 徹底した歳入出改革、身を切る改革なしに財政再建の道は開かれません。政府の財政健全化に向けた真摯な取組を強く求めます。
 以上、指摘した点について、今後、迅速かつ誠実な対応を取ることを政府・与党に対して強く要望し、私の討論とさせていただきます。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(伊達忠一君) 武田良介君。
   〔武田良介君登壇、拍手〕
○武田良介君 日本共産党の武田良介です。
 会派を代表して、第二次補正予算案に反対の討論を行います。
 まず、毎月勤労統計の不正問題です。
 今回の統計不正問題によって、雇用保険や労災保険などで、二千万人、五百六十七億円もの過少給付という実害が生じています。失業で収入の道を断たれた方の給付や労災で死亡された方の遺族年金が削られていたということであり、極めて重大です。全ての被害者を一刻も早く救済することに政府は責任を持つべきです。
 重大なことは、毎月勤労統計という基幹統計で不正が行われていたことで、政府の経済認識、景気判断、政策判断にも影響が及んでいることです。
 賃金構造基本統計でも不正が発覚しました。
 政府が発表する統計での不正は、国民の政府への信用を根底から破壊し、国民の判断を誤らせるものであり、まさに政府予算案そのものの前提を揺るがす事態が起きているのであります。この統計不正の真相解明なくして予算審議は成り立たないではありませんか。
 ところが、この間の質疑で明らかになったことは、安倍総理を始め政府が統計不正の重大性を全く認識していないことです。
 厚生労働省の特別監察委員会の報告書は、隠蔽の意図は認められなかったと組織的隠蔽を否定しています。しかし、厚労省幹部や担当部局が不正調査の真実を知りながら、国民に報告をせず、国民に隠れてこっそり修正していたものであり、組織的隠蔽は明白であります。
 この報告書を根本厚生労働大臣は第三者委員会の結論だと強弁してきましたが、野党の追及で、不正調査に関わった職員に対する聞き取りに官房長や審議官が同席し、報告書の原案は厚生労働省が作成していたことが明らかになりました。根本大臣は、四日、特別委員会は第三者性を強調し過ぎたのではないかと反省していると発言しましたが、もはや第三者とは言えないのであります。しかも、二〇一八年の実質賃金の伸び率をいまだに提出していません。これでは政府ぐるみの組織的隠蔽ではありませんか。
 統計不正の背景には、昨年の裁量労働制のデータ捏造、森友学園に関する公文書改ざんや答弁捏造など、安倍政権によって引き起こされた政治モラルの大崩壊があることを厳しく指摘しなければなりません。
 統計不正について、国民の前に全ての真実を明らかにするために、国権の最高機関である国会が政府行政監視の役割を果たさなければなりません。
 だから、一月十八日の与野党国対委員長会談で、統計問題は予算、国の政策に関わる課題であり、徹底的に全容解明を進めると合意したのであります。そのためには、野党が一致して要求している関係者の参考人招致、その出席の下で必要な資料も提出し、徹底した集中審議を行うべきことを強く要求するものであります。
 次に、補正予算案に反対する理由を述べます。
 本補正予算の最大の問題は、巨額の軍事費が盛り込まれていることです。本案に計上された軍事費は、補正予算として過去最高額となる三千九百九十八億円に上り、その八割を占めるのが最新鋭ステルス戦闘機F35Aやイージスシステムなどを取得するための歳出化経費、つまり兵器購入の分割払の前倒しです。
 そもそも、財政法上、補正予算が認められるのは、当初予算編成後に生じた事由に基づく緊要な場合に限られています。既に発注済みの兵器の後年度負担分を繰り上げて払うことに緊急性がないことは明白です。ところが、安倍政権は、この間、戦闘機、ミサイルなどの兵器購入経費の後年度負担を補正予算に前倒しして盛り込むやり方を常態化させてきました。一九年度の後年度負担は五兆三千六百十三億円に達し、来年度当初予算の軍事費五兆二千五百七十四億円を超えました。契約額と歳出額のバランスをも崩す事態に至っています。予算を著しくゆがめるやり方であり、断じて許されません。
 看過できないのは、トランプ大統領が昨年十一月三十日の記者会見で、日本は米国から数多くのF35を購入すると約束してくれた、感謝を表したいと述べていることです。トランプ米大統領に言われるがままに安倍首相が米国製兵器の大量購入を約束した、まさに浪費的爆買いであり、断じて認められません。
 アメリカ政府からの有償軍事援助、FMSによる米国製兵器の購入は、その価格も納品も米国の都合次第という、圧倒的に米国本位の契約であり、高額の購入費に加えて膨大な維持費が膨らむおそれがあります。
 しかも、本日の予算委員会で我が党の井上哲士議員が追及したように、F35は米政府監視院が欠陥を指摘した欠陥戦闘機であります。まさに浪費的爆買いの兵器購入に国民の血税をつぎ込むことは許されません。
 さらに、政府は、昨年末に閣議決定した新防衛大綱、中期防計画で、五年間で二十七兆四千七百億円という大軍拡計画を決定しました。専守防衛の建前さえもかなぐり捨てて、戦争をする国づくりを進める大軍拡計画は中止すべきです。軍事費を削って社会保障に回すことを強く要求するものです。
 また、本補正予算に消費税一〇%増税の対策費を盛り込んでいることも問題です。政府広報費に二十億円、プレミアム付き商品券の準備に九十六億円、新たなレジの導入に五百六十一億円など、全て消費税増税を前提にした予算です。
 しかし、統計不正問題を通じて、二〇一八年の実質賃金の伸び率のマイナスが明らかとなり、消費税増税を行うという判断の根拠が崩れています。消費税増税ありきの予算を認めるわけにはいきません。
 さらに、TPP発効に対応する農地大規模化、生産性革命やソサエティー五・〇実現関連事業、スパイ衛星なども、現実を無視し、国民の声を無視した大企業本位の政策的経費であり、補正予算に盛り込むことは許されません。
 本補正予算に原発の再稼働対策費も含まれています。
 しかし、イギリスでもトルコでも、安倍首相が成長戦略の目玉としてトップセールスで進めてきた原発輸出は総崩れになっています。安全対策のためのコストが急騰したためです。もはや原発はビジネスとしても成り立たないことを安倍政権は認めるべきです。
 野党四党が共同提出した原発ゼロ基本法案の一刻も早い国会審議を強く求めるものであります。
 最後に、本補正予算に計上された、台風二十一号、二十四号、北海道胆振東部地震等による被害の復旧などの災害対策費は、緊急かつ必要な経費です。
 一方で、今年は東日本大震災から八年、阪神・淡路大震災から二十四年を迎えます。被災地では、いまだに避難生活を余儀なくされ、住宅再建がままならない被災者の方が多く残されています。被災者の皆さんに寄り添った住宅となりわいの再建にこそ力を尽くすべきではないでしょうか。
 被災者生活再建支援法の改正は、全国知事会からも要請されています。被災者生活再建支援法に基づく支援金の最高額を少なくとも五百万円に引き上げること、支援金の支給対象に半壊や一部損壊世帯も含めるなど対象を拡大すること、小規模な自然災害にも支給できるよう適用条件を大幅に緩和することを求めます。
 日本共産党は、市民と野党の共闘で、うそのない政治を実現し、立憲主義を回復し、本当に国民が主人公の政治を実現するために全力を尽くす決意を申し上げ、反対討論を終わります。(拍手)
○議長(伊達忠一君) これにて討論は終局いたしました。
    ─────────────
○議長(伊達忠一君) これより両案を一括して採決いたします。
 両案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
○議長(伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十二  
  賛成            百六十二  
  反対              七十  
 よって、両案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
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○議長(伊達忠一君) この際、日程に追加して、
 平成三十年度分として交付すべき地方交付税の総額の特例に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊達忠一君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。総務委員長秋野公造君。
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   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
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   〔秋野公造君登壇、拍手〕
○秋野公造君 ただいま議題となりました法律案につきまして、総務委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、平成三十年度の第二次補正予算により増額された同年度分の地方交付税の額について、当該額の一部を、同年度内に交付しないで、平成三十一年度分として交付すべき地方交付税の総額に加算して交付できることとするものであります。
 委員会におきましては、地方交付税増額分の繰越しの妥当性、地方一般財源の安定的確保の必要性、災害対応と特別交付税増額の考え方等について質疑が行われました。
 質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して山下芳生委員より反対する旨の意見が述べられました。
 討論を終局し、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
○議長(伊達忠一君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
○議長(伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十六  
  賛成           二百二十三  
  反対              十三  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
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   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
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○議長(伊達忠一君) 本日はこれにて散会いたします。
   午後八時七分散会