第198回国会 農林水産委員会 第2号
平成三十一年三月十二日(火曜日)
   午前十時開会
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   委員の異動
 三月十二日
    辞任         補欠選任
     礒崎 陽輔君     大沼みずほ君
     進藤金日子君     宮島 喜文君
     山田 俊男君     渡辺 猛之君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         堂故  茂君
    理 事
                上月 良祐君
                藤木 眞也君
                田名部匡代君
                紙  智子君
    委 員
                礒崎 陽輔君
                岩井 茂樹君
                大沼みずほ君
                高野光二郎君
                野村 哲郎君
                平野 達男君
                宮島 喜文君
                渡辺 猛之君
                小川 勝也君
                鉢呂 吉雄君
                藤田 幸久君
                徳永 エリ君
                森 ゆうこ君
               佐々木さやか君
                里見 隆治君
                儀間 光男君
   国務大臣
       農林水産大臣   吉川 貴盛君
   副大臣
       農林水産副大臣  高鳥 修一君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        長尾  敬君
       外務大臣政務官  辻  清人君
       農林水産大臣政
       務官       高野光二郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        大川 昭隆君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       大角  亨君
       外務大臣官房審
       議官       塚田 玉樹君
       厚生労働省職業
       安定局雇用開発
       部長       北條 憲一君
       農林水産大臣官
       房総括審議官   光吉  一君
       農林水産大臣官
       房総括審議官   横山  紳君
       農林水産大臣官
       房審議官     小川 良介君
       農林水産大臣官
       房統計部長    大杉 武博君
       農林水産省消費
       ・安全局長    池田 一樹君
       農林水産省食料
       産業局長     新井ゆたか君
       農林水産省生産
       局長       枝元 真徹君
       農林水産省経営
       局長       大澤  誠君
       農林水産省農村
       振興局長     室本 隆司君
       農林水産省政策
       統括官      天羽  隆君
       林野庁長官    牧元 幸司君
       水産庁長官    長谷 成人君
       環境大臣官房審
       議官       鳥居 敏男君
   参考人
       独立行政法人日
       本貿易振興機構
       副理事長     赤星  康君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○農林水産に関する調査
 (豚コレラの現状と対策に関する件)
 (平成三十一年度の農林水産行政の基本施策に
 関する件)
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○委員長(堂故茂君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りします。
 農林水産に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣審議官大角亨君外十五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(堂故茂君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(堂故茂君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 農林水産に関する調査のため、本日の委員会に独立行政法人日本貿易振興機構副理事長赤星康君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(堂故茂君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(堂故茂君) 農林水産に関する調査を議題といたします。
 豚コレラの現状と対策に関する件について、政府から説明を聴取いたします。高鳥農林水産副大臣。
○副大臣(高鳥修一君) 岐阜県等において発生している豚コレラについて、現状と対応方向について御説明いたします。
 昨年九月、国内では二十六年ぶりに患畜が確認された豚コレラは、三月七日までに、岐阜県及び愛知県内で計十一例、関連農場を含め五府県において発生が確認されており、その概要は資料一ページのとおりです。
 発生農場においては、感染拡大防止のために、迅速かつ徹底した防疫措置を講じるとともに、発生農場と屠畜場や出入りする車両等が共通する農場について、豚の移動制限や異常が確認された場合の報告徴求を行うなど、監視を継続しているところです。
 なお、先週発生した十一例目の農場における発生に伴う防疫措置については、三月九日までに終了しております。
 現在までの発生事例については、疫学調査チームの報告等によれば、資料三ページからの結果概要にあるとおり、飼養衛生管理基準の遵守がなされていたとは言えない部分もあると指摘されております。このため、岐阜県等の養豚場に対し、現地対策本部を設置して、国が主導して飼養衛生管理基準の遵守状況の再確認と改善指導を進めているところであり、さらには、資料五ページにあるように、先月二十六日に取りまとめた今後の対応の中で、監視対象農場への定期的な立入検査、飼養衛生管理基準の遵守徹底のための全都道府県を対象としたチェックシートによる指導、特定の症状を発見した際の早期通報について法令上の義務化等の発生予防・蔓延防止対策を講じています。
 また、発生農場などに対する経営再開支援の充実を行っているほか、資料八ページにあるとおり、野生イノシシによるウイルス拡散防止を徹底するため、岐阜県及び愛知県の一部において囲い込みのための防護柵を設置するとともに、野生イノシシ向け経口ワクチンの使用を決定し、現在、両県と準備を進めているところです。
 一方、資料九ページ以降にあるとおり、日本を取り巻くアジアの国々では従前より豚コレラや口蹄疫が発生していますが、昨年よりアフリカ豚コレラが中国で発生、拡大しており、我が国への侵入リスクが高まっている状況です。
 このような状況から、養豚場での飼養衛生管理基準の遵守の一層の徹底を図るとともに、水際対策の更なる強化のため、資料十二ページにある検疫探知犬の臨時的増頭、家畜防疫官の重点配置等による畜産物の持込禁止、広報活動の強化、航空会社等への協力依頼を行っております。
 何としてもこれ以上の感染拡大を防ぎ、養豚農家の方々に一日も早く安心していただくことができるよう、農林水産省が主導して、各府省、各自治体と一層緊密に連携をしながら防疫措置を徹底してまいる所存でございます。
○委員長(堂故茂君) 以上で説明の聴取は終わりました。
 平成三十一年度の農林水産行政の基本施策に関する件について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○岩井茂樹君 自由民主党・国民の声の岩井茂樹です。
 本日は質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
 吉川大臣、以前、吉川大臣がたしか衆議院の経済産業委員会の筆頭理事をされていたことがあろうかと思います。実は、参議院側の筆頭理事が私やっておりまして、そのときも大変御指導をいただいたことを今でも記憶をしております。また、大臣は北海道の御出身ということで、この委員の中にも北海道御出身の先生いるんですけど、農林水産業については大変熟知をされているということで、経済産業の分野と農林水産の分野を共によく分かっているという、これは逸材というか大変重要な存在だと思っておりますので、是非これまでの経験を生かしながら農林水産の発展のために全力を尽くしていただければとも思っております。
 一方で、私も実感するんですけど、経済産業対農林水産業みたいな、そんな議論がよくされるのを皆様も耳にすると思います。確かに、成長戦略が中心の経済産業省と、農林水産というのは成長とか生産性向上ということがなじまないという話もありますし、新自由主義が掲げる政策ビジョンで、例えば株式会社というビジネスモデルが農林水産業や協同組合に適合するのかということに関しては、それは無理じゃないのという声も実は聞こえてくるところであります。
 私自身も、行き過ぎた新自由主義とか競争原理一辺倒ではこれは駄目だなと思っておりますが、ただ一方で、現在は人口減少が進展をしております。我が国日本というのは、戦後から今までの間に、人口が増えるという下であらゆる政策を打ち出してきて、何とかこの国をリードしてきたと思っております。ただ、現在は人口が減り始めたという新しい局面で、今までの延長線上の政策ではこれは太刀打ちができないような状況になっているんではないでしょうか。
 農林水産業においては、そのほかの様々な要因もございますけれども、人口が減ってくるという新しい局面というのはしっかり捉えて、農業の改革とか水産の改革、今進めておりますけれども、恐らくその延長線上にある話ではないかなと思っております。
 そんなことを踏まえまして、今日は大臣所信に対する質疑をさせていただきます。
 大臣は、所信の中で、今後の農林水産行政に取り組む心構えとして、農林漁業者の努力が報われる産業とすること、現場主義を貫くということを掲げられました。これは、我々農林水産に関与する者として常に心に留めておかなければいけないというふうに思いますが、ただ一方で、結構難しい話かなとも思います。
 そこで、大臣を始めとする農林水産省全体が現場の声に真摯に向き合っていただけるということで安心しておりますけれども、具体的に現場の声をどのように拾い上げていくか、大臣の御見解を伺います。
○国務大臣(吉川貴盛君) 私は、大臣に就任をさせていただきましてから、それ以来、農林水産省の職員に対しましても、現場主義の考え方に立ちながら現場の農林漁業者の声に真摯に耳を傾けて、それを踏まえて政策を立案するように指示をしてまいりました。現場で何が起きているのか、その現場の声というものをしっかりと政策や施策に届くようにということを具体的に話をしてまいりました。
 政策の立案に当たりましては、科学的知見も活用しながら客観的に情勢や課題というものを分析をしなければなりません。その結果に基づいて今様々な検討も行っているところでもございまして、引き続き、これらの取組を進めながら、攻めの農林水産業を実現するための施策をしっかりと推進してまいりたいと存じております。
○岩井茂樹君 今、科学的知見というお話がありまして、科学的知見というと、やはりデータとか様々な情報をどれだけしっかりと集めるかということがまず大事だと思います。そこの原点というのはまさに現場だということで、是非その点をしっかりと押さえていただければと思います。
 さて、次の質問でありますけれども、農林水産物・食品の輸出促進について少し触れたいと思います。
 先日の大臣の所信表明でも触れられておりましたけれども、農林水産物・食品の輸出額というのは六年連続過去最高を更新をいたしまして、平成三十一年に輸出額一兆円目標の達成に向けて順調に伸びを示しております。この点に関しては私も高く評価をしております。しかし、農林水産物・食品の輸出を更に拡大していくためには、解決すべき課題がまだまだあるのではないかなとも感じております。
 先日、実際に、農林水産物・食品の輸出を展開をしている民間企業からヒアリングを実施をいたしました。幾つかの課題が示されました。
 日本の農林水産物の輸出には、これまで、価格の安い他国の農産物と価格面での競争を行うのではなくて、おいしいとか品質が良いというような、そういう優位性を生かして戦ってきたと思っております。しかし、昨年の平昌オリンピックで話題となった韓国産のイチゴや、中国で急速に栽培、販売が広がったシャインマスカットなど、日本産に匹敵する水準のものが生産そして販売をされているのも現実問題であります。
 これは、優れた日本の農産物の品種の種苗が海外流出をし栽培されたことなどによるものでありますが、こうしたことから他国の農産品との比較優位性が失われつつある一方、我が国の農林水産物の輸出量は実は増大をしておりまして、平成二十四年、四千四百九十七億円であったものが、三十年には約倍増になりまして九千六十八億円となっております。この点に関して、民間企業の方から、輸出量の増大と購買層の拡大により日本産の価値が減少しているのではないかとの見方が示された状況であります。そのような中で、日本産のブランド価値を維持しながら価格面での競争にも対応していかなければならない状況になっているのではないかとも感じております。
 日本産に匹敵する水準の農林水産品の出現は、国産農林水産物の特徴を減少させ、他国産との差別化を難しくし、国外で販売しにくい状況をつくり出しているのではないか。これは日本の農林水産物・食品の輸出促進を図る上で大きな問題となると思われますが、政府は、現状についてどのように把握をし、日本産農林水産物のブランド価値の向上そして維持、どのような対策を講じているか、そのお考えをお聞かせください。
○政府参考人(新井ゆたか君) 日本産の輸出につきまして、近年、各国におきまして非常に農産物の品質の向上が著しいということは委員御指摘のとおりでございます。
 それに対しまして、我が国としましては、我が国の優良な品種が我が国の農産物の強みであるということを認識をいたしまして、そのための阻害措置、あるいは和牛等についても保護をしっかりしていきたいというふうに考えているところでございます。
 まず、農産物の主要品種につきましては、このような優良品種の海外流出を防ぐためには、まず海外におきまして知的財産権を確保するということが必要でございます。このため、平成二十八年度補正予算から、我が国で開発された重要な品種につきまして、海外で品種を登録する支援をしております。これらにつきましては、平成三十一年度予算案においても引き続き所要額を確保することにしておりますとともに、我が国の重要な品種が意図せずして海外に流出することのないよう、必要な対策を検討してまいりたいというふうに考えております。
 また、和牛精液、受精卵につきましては、その海外流出の防止に向けまして、農林水産省から全国の家畜人工授精所等に対しまして、和牛遺伝資源保護に関する理解の醸成や、精液等の適正な流通管理の徹底について改めて周知を行うとともに、受精卵や精液の輸送は特徴的な凍結保存容器が用いられていることから、改めて、船舶会社、航空会社、税関などの関係者に受精卵や精液が動物検疫の対象であることを説明するとともに、凍結保存容器の外観の特徴を周知し、同様の貨物を輸出しようとする者がいた場合には動物検疫所に連絡するよう要請したところでございます。
 これらに加えまして、JFOODOによりますプロモーション、それから海外メディアや訪日外国人の体験を通じた日本食、食文化の情報発信等、様々な形で海外での日本産ブランドの価値向上に努めてまいりたいというふうに考えております。
○岩井茂樹君 確かに、品種の種苗をしっかり守っていくということ、これ大変重要だと思いますが、一方で、価格競争になっているのも事実でありまして、その価格競争の観点から少し質問させていただきます。
 先ほどの同じ民間企業の方から、輸送費について、航空運賃ですけれど、その航空運賃の問題が挙げられました。日本の輸送費が高くて、他国の商品と価格面で戦えないということでありました。これでは、農林漁業者が幾ら品質を高めながら低コスト化を図っても太刀打ちできず、輸出促進の足かせになっているのではないか、航空運賃の助成、そのような取組ができないのかという、そんな要望もいただきました。
 ただ、これ、確かにWTOにおいては輸出補助金は原則的に禁止とされております。国際流通上、日本が輸出促進のために実際に補助金を出すというのは難しいとも理解をしております。ただ、これ抜け道というか面白い話があって、発展途上国においては輸出補助金は削減の対象とみなされていないということになっておりまして、先ほどお話をしましたイチゴの品種流出で話題となった韓国は、発展途上国として輸出補助金の支払が可能な状況にあると。つまり、その辺りでイコールフッティングがなされていないと私は個人的に感じております。
 また、コールドチェーンの問題も挙げられます。各空港に冷蔵庫が設置されているんですけれども、開閉が多くてしっかりと冷やすことができない。このために品質劣化をもたらさないように、しっかりと、例えば安価なコールドチェーンというか、冷やすような資材を構築していくことも必要ではないかという御指摘もいただきました。
 そこで、農林水産物・食品の輸出拡大を図っていくためには、生産面のみならず、こうした輸出段階の細かいインフラの整備等の物流面も含めて総合的な取組を行わないといけない。他国の農産物、これにはそれをしっかりとやっていかないと太刀打ちできないのではないかという話もあります。農林水産物・食品の輸出促進策を進めるのであれば、農林水産省のみならず、省庁横断的な取組、これが大変重要になってくると考えますけれども、その対応方針を是非お聞かせください。
○政府参考人(新井ゆたか君) お答え申し上げます。
 農林水産物・食品の輸出の拡大に向けまして、輸送、物流のコストをできる限り低減することが望ましいことは委員の御指摘のとおりでございます。実際に、十分に輸送コストが抑えられた事例を見ますと、混載コンテナの活用でありますとか、適正な輸送ルートをいろいろ研究するといった取組が行われているところでございます。
 いずれにいたしましても、一定規模以上の安定的な輸送需要が生じることが鍵ということでございます。このため、関係省庁と連携をいたしまして、輸出にも対応した物流インフラの整備を進めていくということを行っているところでございます。
 具体的には、農林水産物の輸出促進の取組事例といたしまして、国土交通省におきまして、輸出拠点となります港湾における積替えの施設やリーファーコンテナの電源供給施設の整備を今進めていただいているところでございます。当該支援制度に基づきまして、例えば、農林水産物の主要地域であります北海道では、苫小牧港などの港湾におきまして、屋根付きの岸壁や温度管理型の冷凍冷蔵庫の整備が進められているところでございます。
 引き続き、国土交通省を含めた関係省庁と連携して、産地それから港湾におきます農林水産物の更なる輸出促進に向けてインフラの整備を行っていきたいというように考えております。
○岩井茂樹君 ありがとうございます。
 是非、幅広の総合的な政策、これ重要だと思いますので、取組をお願いをいたします。
 さて、先ほど豚コレラの現状と対策に関する件ということで聴取をされましたけれども、豚コレラに対して御質問をいたします。
 冒頭の御説明のとおりな状況でありまして、三月七日には岐阜県で十一例目の豚コレラの発生が確認をされました。岐阜県、愛知県においては、野生のイノシシから豚コレラの陽性事例が確認をされておりまして、まだ終息が見えていない状況にあります。静岡県はびくびくしております、周りで囲まれていて。先日も大臣に要望に行ったんですけれども、地元の養豚農家の方からは、これ以上の感染拡大を防ぎ封じ込めるためにも、さっきは余り出なかったので、ワクチンについてその御要望をさせていただいたと思います。
 ただ、これワクチンというのはそう簡単な問題ではなくて、ワクチンを使用すると豚コレラの清浄国としての地位を失って、その結果として清浄国としてのメリットを失い、また、我が国の豚肉について輸入を禁止する国が出てくるのではないかと。ワクチン接種をされた豚肉はイメージが悪化をして、これ、国内も含めて販売が落ち込むのではないかというような懸念もあるという、大変複雑な問題があるとも認識をしております。
 一方で、現場の養豚農家の方というのは、不安な気持ちを解消することについても、これしっかりと対応しなければいけないと思います。悲痛な叫びが聞こえております。これ以上感染が拡大せずに収まればいいんですけれども、これはあってはならないんですけれども、このまま感染が収まらないで、ワクチン接種もしないで手遅れとなり、感染が全国に拡大するようなことは、これは絶対避けなければいけないとも思っています。養豚農家の皆さんは、目に見えない豚コレラウイルスと先行きが見えない状況で戦いを続けなければなりません。不安が増幅をしているのではないでしょうか。
 この際、先ほど科学的根拠とありましたけれども、科学的根拠に基づいて、こういう段階に至ればワクチン接種について具体的に検討するといった方向性について示していただくことが必要ではないかと考えますけれども、本来であれば、ワクチンを備蓄していることから、事前にワクチン接種の条件を定めておくべきであるとも思いますけれども、この点について御所見を伺います。
○政府参考人(小川良介君) 飼養豚へのワクチン接種の条件についてお尋ねがありました。
 豚コレラに関する特定家畜伝染病防疫指針では、埋却を含む防疫措置の進捗状況、感染の広がり、周辺農場数や山や河川といった地理的状況を考慮して、発生農場における屠殺及び周辺農場の移動制限のみによっては感染拡大の防止が困難と考えられる場合には、蔓延防止のための緊急ワクチンの接種を決定するとしております。
 農林水産省は、この緊急ワクチンの接種に備え百万回分のワクチンを備蓄しており、また今回の発生株への有効性試験も実施しているところでございます。養豚農家の方々に一日も早く安心していただけるよう、迅速かつ徹底した防疫措置に万全を尽くしてまいりたいと考えております。
○岩井茂樹君 冒頭の現場の声、まさにここにあるとも思いますので、是非現場の声をしっかり聞きながら適切な対応をよろしくお願いいたします。
 済みません、ちょっと質問の順番を変えまして、水産についても少し質問させていただければと思います。
 クロマグロの資源管理について御質問をいたします。
 新しい資源管理システムでは、今後、TACなどの数量管理に大きく軸足を移したものになったと、こう考えておりますけれども、一方で、クロマグロの資源管理では、今年からTAC管理が始まりましたけれども、TACの配分において、特に沿岸漁業者から不満の声が上がっているのも事実でございます。
 地元の静岡県では、小型魚の漁獲規制の結果、小型魚の操業自粛を余儀なくされ、大型魚への転換を図る者や、同時に、操業を希望する若くて意欲的な漁業者が出ております。一方で、漁船リース事業等で大型魚の漁獲増を前提とした代船建造を実施した者は、新たな参入者との競合により、事業利用の条件となる所得の一〇%向上の達成が困難な状況に陥る危険が生じております。そのため、関係者間で操業に当たってのルール作りを検討していると聞いておりますけれども、それを踏まえて、幾つか、ちょっと細かい質問ですけれども、させていただきます。
 国は、国全体の漁獲枠の超過を避ける目的で、小型魚と大型魚でそれぞれ保留枠を設けております。これまでの管理期間における経験を経て、漁業者や関係行政機関などが管理に習熟し超過の危険性は軽減していることから、できるだけ速やかに留保枠を配分すべきではないでしょうか。
 また、地元では、第五管理期間では期間の経過に伴い留保枠を配分できるように計画を立てるべきという、そんな意見も上がっております。一方で、円滑な漁獲枠の管理を行うためには、国の留保は最小限とし、沿岸漁業者に対して当初から留保枠から上乗せ配分すべきと考えますけれども、見解をお伺いいたします。
○政府参考人(長谷成人君) 本年、第五管理期間の配分の考え方につきましては、昨年開催した水産政策審議会資源管理分科会くろまぐろ部会でまとめられたところでございまして、委員御指摘のとおり、第五管理期間におきましては、当初から必要最小限の留保を残しつつ、沿岸漁業に対しましては、過去三年の漁獲実績のうち、最大漁獲の年の実績を考慮いたしまして最大限の配分を行っているところでございます。
 水産庁といたしましては、今後とも円滑な管理が行われるように努めてまいりたいと考えております。
○岩井茂樹君 留保枠につきましては、季節とか年によってまた違ったりということもあると思いますので、柔軟な対応を是非よろしくお願いいたします。
 そして次に、国は都道府県の間で漁獲枠の融通を進めておりますが、地元静岡県では、管理期間の中でどの時期に主漁期を迎えるかによって漁獲枠の融通が不公平になるという話が聞かれます。例えば、大臣管理漁業と県の融通ができるような体制を整えることも考えられますが、漁獲枠の融通ルールの考え方についてお伺いをいたします。
○政府参考人(長谷成人君) 近年の全国の小型魚の漁獲枠の消化状況を見ますと、二〇一六年漁期は超過、二〇一七年度漁期は一〇〇%近い消化、そして今漁期である二〇一八年度漁期は二月時点で消化率が約五〇%となるなど、クロマグロは年ごとの漁獲枠の消化率が大きく異なります。
 また、都道府県への配分につきましても、直近の実績を考慮しつつ配分を行っておりますけれども、地域への来遊も年により大きく変動するため、漁獲したクロマグロを放流せざるを得ない地域がある一方、配分量を未消化のまま漁期を終了する地域もあるのが現状でございます。
 このような来遊のばらつきから生じる配分量の未消化を改善して我が国の漁獲枠を最大限有効活用するために、委員御指摘の大臣管理漁業と県との融通も含めまして、融通のルールを策定することとしたところでございます。
 委員御指摘のとおり、主な漁期が管理年度の前半か後半かで融通による恩恵を受ける場合、受けない場合が出る可能性は否定できないわけでありますけれども、これも踏まえまして、配分量の有効活用だけでなく、公平性についても配慮しなければならないと考えております。
 いずれにしましても、本ルールの運用に当たっては、関係者の御意見を伺いつつ、工夫、改善を図ってまいりたいと考えております。
○岩井茂樹君 ありがとうございます。
 加えて、漁業者の方は県に配分された数量の範囲内でまずは漁獲をいたします。ところが、漁獲枠に達し漁獲ができなくなった例えばA県の漁業者が枠に達していないB県の漁業者の名義で水揚げをしたという情報が実は少し耳に入ってきました。
 このようなことを地元の漁協から聞いたんですけれども、真偽の話は少し分からないところもあるんです、裏は取れていないというところもあるんですけれども、このような名義貸しがもし横行すると、TAC制度を形骸化させてしまうのではないでしょうか。
 国の、各都道府県に対して、漁獲した者から自らの市場に水揚げするよう指導するとともに、漁獲者と水揚げ者が別の場合、水揚げした者の所属する県の枠が消化されるルールを定めるべきと、そんな要望を地元の漁業者から受けているのも事実であります。この点に関して水産庁の御見解を伺います。
○政府参考人(長谷成人君) 委員御指摘の御懸念、ごもっともだというふうに思います。
 資源管理法におきましては、クロマグロの漁獲報告は、その数量報告の対象となるマグロを採捕した者が大臣又は知事に報告しなければならないとなっております。このことにつきまして漁業者に対し指導を徹底してまいりたいと考えております。
○岩井茂樹君 是非、総合的な対応をよろしくお願いいたします。
 クロマグロについて最後の質問にしたいと思いますけれども、今回、クロマグロのTAC管理において、漁獲枠の配分等をめぐり混乱が生じました。これ、静岡県でも結構問題になりました。今後同様のことが繰り返されるのではないかと危惧をしている方も多いんです。
 数量管理に軸足を移していくに当たり、クロマグロで混乱が生じた原因も踏まえながら、水産庁としてどのように今後対応していくか、御見解をお聞かせください。
○政府参考人(長谷成人君) 現行の資源管理法におきましてもTAC管理は行われてきたわけでございますけれども、北海道から沖縄に至る全国各地の様々な、かつ多数の小規模沿岸漁業者が実質的に取り組まなければならない数量管理というのはクロマグロが初めてでございました。
 このため、WCPFC等での国際合意をする時点でもその難しさは認識しておりまして、制度の周知や意見交換をしながら行ってきたわけでございますけれども、やはり多くの漁業者から理解を得ながら進めることの難しさを改めて痛感しているところでございます。
 しかしながら、一方で、クロマグロの取組によりまして漁業者の意識もかなり変わってきているというのも事実でございます。これまでの反省も踏まえながら、漁業者と資源管理目標を、どういうデータに基づいてどういうふうに回復していくんだという意識を共有しつつ、それに向けた管理方策については様々な選択肢を示すことで漁業者の理解を得つつ、丁寧に進めてまいりたいと考えております。
○岩井茂樹君 是非、様々な局面がかなり変わってくるところもあると思うので、しっかりと対応をよろしくお願いいたします。
 もう時間が余りないので、少しはしょりながらなんですけれども、最後に、農業の人材確保について少し御質問をいたしたいと思います。
 我が国は、産業全体が人手不足の時代に入ってきておりまして、担い手確保が深刻な問題になっております。これは農業の現場においても同じでありまして、様々な雇用問題等が深刻化しております。優秀な人材を確保していくためには、人材の絶対数を増やすことと、今ある既存の人材を有効活用していくという、大きく分けると二つの方策があるのではないかなと感じております。
 そうした意味では、昨年改正された入国管理法に基づき今年の四月から実施される新たな外国人材受入れ制度は、現行の技能実習制度や国家戦略特区における農業支援外国人受入事業人材と併せて、絶対数を増やす意味で大変期待をしているところであります。
 既存の人材の有効活用策として、農業従事者の平準化を図っていくということは大変必要だと感じております。耕種農業や果樹農業の多くは、季節性が強い、季節による繁閑の差が著しく、年間雇用をすると通年で一定の作業を確保することが難しいということ、大変皆さんが忙しい時期、忙しくない時期というこのバランスが非常に悪いということで、その辺の工夫が大変重要になってくるのではないでしょうか。作物によって作業の繁忙期が大変異なることから、その違いを生かして都道府県内で、また県をまたいでうまく人材を回していくということは大変有効な手法だと感じております。
 平成二十九年より、愛媛県、沖縄県、そして北海道のJAが合同で農作業の季節アルバイトをリレー方式で雇用をし、労働力を確保する取組を行っていると聞いておりますけれども、繁忙期の人手不足を補う注目すべき取組であるとも考えます。また、新たな外国人材受入れ制度においても、農業分野は、派遣形態、これ結構画期的だと思うんですけれども、その受入れが認められまして、こうした産地を移動する形態での労働も可能であると理解をしております。
 新たな外国人受入れ制度ということも相まって、この平準化という考えが大事になるんですけれども、そこで、農業分野における平準化と、そして外国人材の確保について、農林水産省の方針を伺えればと思います。
○政府参考人(大澤誠君) お答えいたします。
 先生御指摘のとおり、農業では季節による繁閑の差がございますので、複数の地域間でうまく人を回しながら労働力の平準化を図っていくこと、これは農業における働き方改革という観点からも非常に重要だと考えております。
 このため、まず国内労働者対策といたしまして、平成三十一年度予算から、農業における新しい働き方確立支援事業というのを立ち上げております。この中で、労働力の募集、調整等について、新しいやり方、先ほど御紹介のありましたJAのやり方も含めてですね、新しいやり方を含む地域に対して、地域間のマッチング等に要する経費を支援することといたしてございます。
 それから、御指摘の新しい外国人制度、特定技能による外国人材受入れ制度におきましても、先生御指摘のとおり、農業の季節性に的確に対応するべく派遣形態での雇用が認められることといたしております。このことによりまして、外国人が作業のピークに合わせて複数の経営体で働くことが可能となっております。
 このような施策を総合的に推進しながら、作業の平準化、このことの取組を推進してまいりたいと考えております。
○岩井茂樹君 時間が参りましたので、これで質問を終わります。
    ─────────────
○委員長(堂故茂君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、山田俊男君が委員を辞任され、その補欠として渡辺猛之君が選任されました。
    ─────────────
○藤木眞也君 おはようございます。自由民主党の藤木眞也でございます。
 久しぶりの質問になりますが、通常国会の中で最初の段階の委員会から質問をさせていただけるということで、同僚議員の先生方には感謝を申し上げたいと思います。
 冒頭、豚コレラについての御説明が副大臣の方からございました。いろいろと詳しく説明はいただいたんですけれども、やはり今回の豚コレラ、私は、発生をして初期の段階での対応がまずかったんじゃないかなということと、私は南九州に在住をしている関係で、相当、家畜の病気の予防という点では厳しく保健所等々から指導を受けてきたなという思いがあったんですが、いろいろと話を聞いてみると、今回の岐阜県の各農家の皆さん方の対応が余りにもまちまちだったということであります。
 いろいろと国の方でも施策を打たれながら、相当厳しく今防疫体制が整ってきているんだろうとは思いますが、ただ、半年を過ぎてもこの病気が収まらないという点を考えると、現状、発生地ではどのような対応を行われているのかという点をお聞かせいただければというふうに思います。
○政府参考人(小川良介君) お答えいたします。
 豚コレラウイルスの侵入経路につきまして、まず拡大豚コレラ疫学調査チームにおいて検討しているところでございます。
 委員も御指摘ございましたとおり、第五回の拡大豚コレラ疫学調査チーム検討会におきましては、現地調査を踏まえて判明した事実を基に、豚コレラの感染経路、今後の対策の検討を行いました。その結果、飼養豚への感染につながる要因として、衛生管理区域の中に車両が立ち入る際に適切な消毒が行われていなかった、あるいは、衛生管理区域へのイノシシなどの野生動物の侵入を防止する柵が設置されていても、閉鎖されていない出入口あるいは隙間が確認された、さらに、豚舎ごとに専用の長靴や防護服が着用されていなかった、あるいは、豚舎の内外を飼料を運ぶ手押し車などの飼養管理器具が行き来していたことなど、飼養衛生管理基準の遵守がなされていない部分があると指摘を受けたところでございます。
 これを受けまして、国と養豚開業獣医師等がチームを組みまして岐阜県内の養豚場の改善指導を直接行うとともに、この知見を活用いたしまして、愛知県内の農場指導や、さらには、全都道府県を対象としたチェックシートによる指導を実施しているところでございます。
○藤木眞也君 冒頭、最後の方で、高鳥副大臣も、何としてもというお言葉がございました。十一例目でどうにかして是非ここはもう食い止めていただきたいという思いがございます。是非とも、農林水産省には全力を挙げてこの豚コレラの蔓延を防止していただきたいというふうに強くお願いをしたいと思います。
 そしてまた、あわせまして、今、中国の方ではアフリカ豚コレラが異常発生をしているという状況にあります。春節の時期はどうにか乗り越えてきたわけですけれども、私は、そもそもこの防疫体制に対して、我が国の体制というのが若干緩いんじゃないかなということを常日頃思っていました。
 私も畜産を営む農家として、我が家からは絶対出したくないんだと、絶対出さないんだという気持ちでこれまでいろいろと対策も練ってきましたし、それなりの対応もしてきたところでありますが、やはり今回の中国からのインバウンドの方々の迎えをする主要空港七空港に予防線を張ったんだというお話ですが、外国から来られるお客さんは七空港だけにしか来ないわけではないというふうに思います。日本の全ての空港、全ての港でしっかりと防疫体制を取るべきだろうと思いますし、私は、恐らく通常のときには、鹿児島空港と宮崎空港、この二つの空港にしか足踏みマットはなかったというふうに記憶をいたします。是非、この辺の徹底であったり、できれば飛行機から建物まで通る通路の中で、空気による洗浄が行えるような体制を取るということも検討していただけないかと思います。
 こういう病気が発生をして幾らお金を使うんだということを考えると、やはり未然に食い止めるんだという方が私は恐らく相当少ない予算で済むんじゃないかなと思います。本当に私も、同業の農家の方が殺処分をされるときのあの悲痛の思いというのを目の前で見ていますし、直接お話も聞いています。二度とこのような事態が起きないように、農林水産省としての心構えを是非お聞かせいただければと思います。
○副大臣(高鳥修一君) 藤木委員にお答えをいたします。
 近年、欧州で拡大しているアフリカ豚コレラが昨年八月、アジアで初めて中国で確認をされ、本年一月にはモンゴル、二月にはベトナムで確認をされました。このようにアジアで越境性動物疾病の活発な流行が見られる中で、国際的な人や物の往来が増加していることから、国際空港や港における水際での検疫を強化することが重要であります。
 一方で、国内では、侵入する可能性があるという前提に立ち、国、都道府県、畜産農家など関係者が連携協力して実効性がある防疫体制を整備することが必要でございます。
 農林水産省といたしましては、水際対策の更なる強化のため、広報キャンペーンの強化や中国国内向けSNS等の配信などにより広く国内外に向けた持込禁止品の周知、検疫探知犬の増頭によるアフリカ豚コレラ発生国からの到着便に対する探知活動の強化、家畜防疫官の携帯品検査への重点配置による旅客に対する口頭質問の強化、税関と連携した旅客の携帯品検査の強化などを徹底的に行っているところでございます。
 今後も、我が国に越境性疾病が侵入する可能性は高く、ただいま委員からいただいた切実なる御指摘も踏まえまして、水際対策の強化に万全を期してまいりたいと考えております。
○藤木眞也君 もうこれ以上家畜の伝染病が日本の国内で発生をしないように、是非とも役所の皆さん方には特段の御配慮をお願いできればというふうに思います。
 続いて、これから先の質問というか、私が農業現場をいろいろと回る中でいろいろと声が聞こえてきますが、特に最近よく耳にするなというお話を課題提起といいますか、そういう形の中でやらせていただければと思います。
 まず、農産物の輸出促進についてのお話なんですが、この数年、一兆円という目標を掲げて国の方で輸出の促進に相当力を入れてこられているというのは私も存じ上げているわけですけれども、ここにきて、やはり輸出をすれば高く売れるんだという思いの農家の方が非常に多いなというのを感じます。ただ、実際輸出をやってみると大したことないなというのが今農家の皆さん方の口々に出てくる言葉であります。どちらかというと、国内で売った方がかえって高かったというような現象も起きているということであります。
 輸出全体としては成長をしているだろうというふうに思いますが、農家の皆さんからいけば、国内で売った方がかえって高かったねと、また手取りが多かったねというような現象が起きているという点について、政府の方での見解はいかがなものかということをお聞かせいただければと思います。
○政府参考人(新井ゆたか君) お答え申し上げます。
 輸出を促進するに当たりましては、拡大する海外の需要を取り込みまして持続的に再生産可能な形で輸出が行われていくということが重要だという認識は共有しているところでございます。
 輸出農産物の国内取引価格につきまして、聞き取り調査によりますと、品目によって差異はあるものの、政府の支援策等を含めれば、国内向けの取引とほぼ同水準かあるいは若干高いという例が多いということを認識しているところでございます。
 一方、青森県のリンゴのように、輸出に取り組むことで需要を増やして国内外の需給の安定化に資しているというような例、それから北海道のナガイモのように、国内では大き過ぎて規格外などの理由により低い価格で出荷していた産品を海外向けにより高い価格で輸出するというような事例も出てきているところでございます。
 こうした例を増やしていくためには、海外のニーズを的確に捉えて、それに対応した生産、販売を安定的に行える体制をつくっていくというのが重要であるというふうに考えております。このため、昨年八月にGFPを立ち上げまして、希望する産地につきましては、農林水産省やジェトロ等の専門家の輸出診断をまず行い、海外マーケットのニーズや規制に対応してどんなものをどう作っていけば売れるのかということで、輸出産地づくりのための計画策定や組織体制の整備、プロモーションにつきまして集中的な支援を行っていくという仕組みを講じておりまして、これらの対策を着実に進めてまいりたいというふうに考えております。
○藤木眞也君 農家の皆さん方は国の方からのあれだけ強い発信の中で輸出に取り組んでこられたと思いますが、実際蓋を開けてみるとこうだったというところに若干の落胆の色があるなというふうに感じますし、私も実際、香港であったり台湾であったり出かけてみると、やはりどちらかというと百貨店とかスーパーの棚でお買物していただくというお客さんは非常に少ないんだなというように感じました。外食でほぼほぼ食事を取られるお国柄だということであります。
 当然、やはりそれなりの価格帯の農産物を外国の方々が望まれているんだな、実需者の方が望まれているんだなというのを感じると、そういうこともあるのかなと思いますし、特に、先ほど岩井議員の方からも質問がありましたけれども、輸送費が高い、中間のコストが高い、こういったところも関係してきているのかなというふうに思います。是非ともその辺の改善をしながら、少しでも農家の皆さん方の手取りにつながるような取組であってほしいなということをお願いしておきたいというふうに思います。
 続いて、災害についての質問をさせていただければと思いますが、昨年は、皆さん方も御案内のとおり、豪雨から、台風が何度も何度も襲来をしましたし、地震まで発生をしたということで、本当に災害の多い一年だったなというふうに思います。
 私たちも、災害が発生をする都度、その災害対策に対しての支援策等々の検討を行ってきたわけですが、これは実際に現場の方々から言わせていただくと、激甚災害だったからとか激甚に掛からなかったからとか、国の方ではそういう区分分けをされるわけですが、被害を受けられた農家の方には、激甚だろうと激甚でなかろうと、ハウスが潰れた、倒壊をした、そういった被害というのは変わりはないというふうに思います。
 そういったことを考えると、激甚災害の有無にかかわらず、農家の皆さん方の直面する被害に対して、災害の個別ごとの対応ではなくて、これは施設に関しては特になんですけれども、やはり、農業共済でここぐらいまで担保ができるんだ、これから先は国の支援策なんだというようなパッケージをつくることによって、災害を受けられた方々が、まあ今回やられたんだけど、こういう支援策があるんだよねというのを最初から理解をされていることによる安心感というのは相当大きいものがあるんじゃないかなというふうに私は感じております。
 できれば、災害ごとの対策というのは、インフラ的なところはそういうところで対応しなくてはいけないのかもしれませんけれども、ハウスとか畜舎とか、そういう施設に関しては、そういう何か災害パッケージみたいな形で今後検討をいただければ非常に有り難いなと思うんですが、いかがでしょうか。
○大臣政務官(高野光二郎君) 近年、異常気象が常態化しておりまして、さらに、大規模地震等により多くの農林水産の関係被害が発生しており、このような被害については、これまで農林水産省としては、それぞれの災害の被害状況を踏まえ、具体的な支援対策の策定、公表について決定をしているところでございます。
 昨年も、一月の大雪、七月の西日本豪雨、九月の台風二十一号及び北海道胆振東部地震、そして十月の台風二十四号の被害について、きめ細かい支援対策を早期に策定、公表し、被災者の支援を行ってきたところであります。また、大臣からの強い指導もありまして、被災ごとに政務三役が現状把握に努めているところでございます。
 そして、藤木委員から再々御指摘をいただいておりまして、ありがとうございます。
 支援対策については、近年多くの農林水産関係被害が発生していることから、過去の災害での経験や、本委員会始め様々な御議論を踏まえ、基本的な支援対策は、パッケージというお話ございましたが、メニュー化をしているところでございます。
 そのほか、被災者との意見交換等を通じて現場ニーズを捉え、被災者に寄り添った支援のメニューの充実強化を行っています。例えば、台風二十四号では、農業用ハウス等の補強について新たに支援メニューの対象にするなど、工夫を行っているところでございます。また、営農や経営再開の意欲がそがれることがないよう、被害状況の把握や支援対策の決定の迅速化も図っているところでございます。
 今後とも御指導いただきたいと思います。
○藤木眞也君 実際、同じ農協の中で、台風十九号のときの対策はこうでした、二十一号のときはこうでしたというような、補助率が変わるという現象が発生をしたことによって非常に現場は混乱をしたというのが昨年如実に現れてきたと思います。是非前向きに御検討いただければというふうに思います。
 また、米の需給調整について若干お聞きをさせていただければと思います。
 昨今、主食用米の米価が上昇をしているということによる反動といいますか、そういう形の中で、現場の方では、今年はもう転作をやめて主食用米を植えるんだというようなお話をされる農家の方が非常に増えているなというのを何か痛切に感じることが多いなと思っております。当然、主食用米は、余れば米価が下がるというのは常識だろうと思いますが、なかなかその辺は現場での判断というところまではいかないんだろうというふうに思います。
 そういった面で、国全体として主食用米の生産が増加傾向にある中で今後の消費構造を考えると、現在の米価は決して楽観視ができないのではないかというふうに思います。需給調整を今後しっかりグリップしていくための施策が私は必要ではないかというふうに考えるんですが、政府としての考えをお聞かせいただければと思います。
○政府参考人(天羽隆君) 三十一年産米の主食用米の作付けなどについての御質問をいただきました。
 水田におきまして、平成三十一年産、どのように作付けをしていくかということにつきましては、現在、各産地で御検討いただいているところでございます。農林水産省といたしましては、これまでと同様でございますけれども、需要に応じた生産、販売を促して、お米の需給及び価格の安定を図ることが重要というふうに考えております。
 このため、農林水産省といたしましては、地域の水田において水田フル活用ビジョンの検討を行うといった重要な役割を担う農業再生協議会に対し必要な支援を行いますとともに、高収益作物の拡大に対する支援、さらには、主食用米からの更なる転換に対応するためいわゆる深掘り支援策を追加するなど、しっかり予算を計上して水田フル活用を推進していく。このほか、農林水産省の職員、それから全中、全農の団体の方など各産地に直接出向いて、JAなどの関係者に対して需要見通しや価格動向等についてのきめ細かな情報提供を行うといったことで、環境整備をしっかり行ってまいりたいと考えております。
○藤木眞也君 私も、深掘りをやられる方に対する対策をしっかり打つべきだろうというふうに思いますが、これ、今、JAを通してというお話がありましたが、JAの集荷率というのも非常にここ最近低下をしてきている中で、JA外で取り組まれる方々と、JAの方々に非常に不公平感が出てきている面もあります。是非、JA外に出荷をされるところ、ここのグリップといいますか、その辺をもう少し私は突き詰めていくべきではないかなというふうに思いますので、その辺の取組をしっかりお願いできればなというふうに思います。
 そして、畜産について若干お聞かせをいただければと思いますが、昨年から始まりました新たな畜安法の中で私たちも相当心配をしてきたのが、いいとこ取りの農家が発生するんじゃないかなということでありました。一部の地域で、案の定、やはり二股出荷といいますか、そういう形で出荷をされる農家の方がじわじわと増えてきているというようなお話をお聞きいたします。
 今回の法律の中ではそれが駄目だというような決まりにはなっていないんですけれども、やはり私は、酪農という業界は全ての農家の方々が少しずつ我慢をして、みんなで寄り添って、歩み寄ってこの酪農という業界は成り立ってきたというふうに思うわけですが、ここにきてそういういいとこ取りの農家の方々が増えてくるという点を非常に私は残念に感じているわけですが、特に、政省令でどうにかそこを守りますというような説明を私たちも受けてまいりましたが、実際、蓋を開いてみると守れていなかったという現状を農水省としてはどのようにお考えなのか、お聞かせいただければと思います。
○政府参考人(枝元真徹君) お答え申し上げます。
 先生御指摘いただきましたいわゆる二股出荷、複数のところに出荷するということでございますけど、法案審議の際もそうでございましたが、省令等で防止すべきいわゆるいいとこ取りというのは、例えば、生乳の需給が引き締まる夏には価格が高い飲用向けに販売する事業者に生乳の販売を委託する、需要が落ちるようなときには加工向けに販売する、そういう場当たり的な取引を防ぐということでございます。いわゆる二股出荷と言われる複数に出荷をすること自体は、制度的にもそれ自体がいいとこ取りというふうには認識をしてございません。
 いずれにいたしましても、四月に施行されました改正畜産経営安定法においては、加工原料乳生産者補給金の交付対象を拡大いたしまして、生産者の出荷先の選択肢を広げました。一方で、生産者間での不公平感、いわゆるいいとこ取りを防止するということも必要でございます。
 このため、制度上、生乳取引の申出を拒むことができない指定生乳者団体が一方的に不利益を受けないように、省令におきまして、いわゆる二股出荷かどうかにはかかわらず、季節的な変動要因を超えた増減、短期間の取引、特定の用途への生乳販売を条件とするもの、生乳の品質が当該指定事業者が統一的に定める基準に不適合、生乳の数量が当事者が合意することなく約定された数量から大幅に増減等の生乳取引を拒むことができる正当な理由として省令上規定をいたしました。
 今後とも、安定的な生乳取りが行われますように、制度の適正な運用に努めてまいりたいと存じます。
○藤木眞也君 いや、この問題は、私は相当深刻な問題だというふうに思います。指定団体に集荷が減っていけば当然乳価交渉に私は今後影響が出てくるんじゃないかなということが一つ懸念されますし、二股に出荷をすることによって加工原料乳の生産者補給金ももらえるというような動きの中で、プールしてみたときに、こっちがやっぱり高いなというような出荷の形態が組めるんじゃないかなと、そういう抜け道があるんじゃないかなということを非常に心配をいたします。
 私もこの法案を審議をする際に当時の山本大臣に言った言葉に、この問題は、酪農の問題というのは、まず北海道の指定団体に出荷をされる酪農家の皆さん方が納得をされないと、日本の酪農という文化はなくなりますよということを申し上げたことがございます。それぐらい私は微妙なバランスの中で保てていた制度だというふうに思います。
 今回の畜安法の中で、改正がなされた後で、こういう現象で、本当にこのまま私はこの流れを継続していって酪農の未来が守れるのかという心配をいたします。是非、この辺はしっかり農水省の方でも検討をしていただいて、今後の対応策を練っていただければというふうに強くお願いをいたしたいと思います。
 続いて、二、三年、非常に耳にするのが牛の白血病の問題なんですが、この二十年間で三十数%、患畜牛が増えてきているんだというようなお話をお聞きします。
 農水省として、この牛の白血病に対する御認識をお聞かせいただければと思います。
○政府参考人(小川良介君) 牛白血病でございますが、原因ウイルスの感染により、最終的には、下痢、体重の減少、体表リンパ節の腫大等の症状を呈する疾病でございます。
 家畜伝染病予防法におきましては、殺処分等の強力な措置を講ずる必要はないものの、早期に疾病の発生を把握し、その被害を防止することが必要な届出伝染病とされております。本病は全国で発生が確認されており、その届出件数は直近の十年で考えますと、八百三十八頭から平成二十九年の三千四百五十三頭と増加傾向にございます。
○藤木眞也君 是非、この蔓延防止といいますか、なかなか、分母が増えてくれば当然全体頭数としての確率も増えてくるんだろうと思います。
 キャリア牛で発症しないうちは大丈夫なんだという認識は私も持っているんですが、発生寸前ぐらいまでの数値に上がってきた牛に関しては、やはり淘汰をしていくべき時期に来たんじゃないかなというふうに思います。是非、その辺、生産基盤との兼ね合いもあるんでしょうけれども、やはりこの蔓延防止という観点も同時に検討いただきながら、今後、この問題も農水省の方ではしっかりお取組をいただければというふうに思います。
 あと二問質問を予定していたんですけれども、ちょうど時間になりましたので、この辺で終わらせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
○委員長(堂故茂君) 小川シンヤ君。あっ、小川勝也君。失礼しました。申し訳ない。
 小川勝也君。失礼しました。
○小川勝也君 立憲民主党・民友会・希望の会の小川勝也でございます。レンポウではありません。
 早速、豚コレラの問題からお伺いをしたいと思います。
 池田局長、来ているんですか、今日。宮崎で共に口蹄疫と戦った戦友であります。
 あのとき宮崎県が支払った、あるいは我々が支払った授業料は余りにも高額でありました。しかし、学んだものはゼロではありません。尊敬する野村先生がおられますけれども、鹿児島県が、あるいは藤木先生の熊本県が、宮崎から口蹄疫をどうやって県内に入れない、その決意を具現化したというすばらしい教訓もいただいたわけであります。
 今回、副大臣から、あるいは小川審議官からも報告をいただいた。余りにも残念な結果だと言わざるを得ません。その教訓を生かし切れていない。野生のイノシシという、我々がコントロールできない、そういう状況はあるけれども、しっかり消毒をする、人、車あるいは防護服、靴、こういったものをしっかり消毒して、ほかに移動させない、あるいは持ち込ませないという、徹底的に基本に忠実に飼養衛生管理をやってくれればこうはならなかったと思います。
 私は宮崎で戦った一人として、余りにも高い代償を払った、その代わり、BSEもあれば鳥インフルエンザもあって、口蹄疫もあって豚コレラもあって、更にアフリカ豚コレラを入れないという強い決意をもって、望まない我々として、もっとしっかり生かしてほしかった、そんな思いを持っています。
 池田局長もじくじたる思いをお持ちだろうというふうに思いますけれども、教訓を生かし切れなかったということに対する思いと、そして現場で欠けていたものは改めて何だったのか、そして、これから基礎、基本の飼養衛生管理について、今回の教訓を生かしてどういうルールを、あるいは新しい知見を全国に生かしていこうとお考えなのか、改めてお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(池田一樹君) お答えいたします。
 委員御指摘のように、平成二十二年の宮崎県における口蹄疫の発生、これを踏まえまして、発生予防のため、飼養衛生管理の基本となる事項について、より具体的にするよう飼養衛生管理基準の改正を行いました。
 しかしながら、今般、豚コレラの発生農場におきましては、例えば衛生管理区域の中に車両が入る際に適切な消毒が行われていなかった、あるいは豚舎ごとに専用の長靴や防護服などが着用されていなかった、こういうふうに飼養衛生管理基準の遵守の徹底がなされていたとは言えない部分も見られたところであります。
 委員御指摘のように、豚コレラの発生を予防するためには飼養衛生管理基準の遵守が最も重要であります。このため、岐阜県内などの養豚場に対しまして、国が主導をいたしまして、飼養衛生管理基準の遵守状況の再確認、そして改善の指導を進めているところであります。また、岐阜県での指導経験を持つ国の獣医師らが愛知県などの獣医師職員を指導いたしまして、愛知県などの農場指導を実施したり、全国の農場における飼養衛生管理基準の遵守状況をチェックシートを用いて国が確認することとして、各都道府県に対してチェックシートの活用について個別指導を実施するなど取り組んでいるところであります。引き続き、国が指導をいたしまして、都道府県と連携をしながら取り組んでいきたいと考えております。
○小川勝也君 私も国内産の牛肉、豚肉、鳥肉をこよなく愛する消費者の一人として、国内で畜産を行っていただくことに敬意を表させていただきます。しかし、高い当たり前の飼養衛生基準を守れない経営者にはその業を営んでほしくはありません。
 あるいは、後に触れますけれども、アニマルウエルフェアの概念についてもまだまだ周知徹底されていないというのも事実であります。しっかりと高い基準を、世界基準並みの基準を国内でしっかりつくって、そして健康な家畜を生産をいただき、そしてしっかりと利益を上げていただき、消費者に幸福を伝えていただく、そういった正しい畜産を、畜産局と消費・安全局としっかり連携をしてつくっていただきたいというふうに思います。質問は今日はここまでにさせていただきます。
 大臣にお伺いをいたします。
 大臣の所信表明の中で、七ページ、農業従事者の減少が見込まれる中、農業の生産性を飛躍的に発展させるためには、機械メーカーやITベンダー等と農業者が連携して、発展著しいロボット、AI、IoT、ドローン等のスマート農業に活用できる新たな技術を生産現場に積極的に導入していくことが不可欠です。このため、本年夏までに農業新技術の現場実装推進プログラムを策定し、新技術の現場実装を強力に進めてまいります。こういう一言があります。
 聞いていたときはまあ時代の流れだなというふうに、聞き流すわけではありませんけれども、アグリーです。特に北海道は、広大な農地を耕作する農業でありますので、いわゆる無人トラクターやドローンによる農薬散布がこれから不可欠になってまいります。大きく期待をしています。
 しかし、ここに書いてありますとおり、ロボットやAI、IoT、さらには充実した野菜工場、こういったものが発展していく未来にはどういうものが待ち構えているのかなというふうに考えたときに、背筋が凍る思いであります。農政改革やあるいは官邸農政を議論する当委員会では、吉川大臣が御就任される前から野党議員を中心に大きな懸念が議論されてまいりました。家族経営や小規模農業、あるいは地域はどうなってしまうのだろうか。議論を積み重ねてきたところであります。
 平成二年に四百八十二万人だった農業就業人口は、去年、平成三十年に百七十五万人に減りました。この流れでいきますと、どんどんどんどん農業就業人口が減っていく流れであります。そして、そのときにはいわゆる農村集落はどうなってしまうのか。火を見るよりも明らかであります。
 たまたま手に取りました「ダイヤモンド」、もうかる農業、小規模農家にこそ勝機あり、小規模農業を私も実践してもうけてやろうと、こう読み始めて、唖然といたしました。様々な改革によって今もお話にあったJA全農グループが弱体をしているというところに目を付けて、様々なグループや企業が農業全体をいわゆるターゲットにしているというニュースであります。
 もう一点、未来を予測させる記事がありました。セブンイレブン、セブン&アイ・ホールディングスグループがレタスのいわゆる入手先を大規模野菜工場に切り替えたということであります。その大規模野菜工場に投資した額は六十億円だそうであります。まさに小さな農業に活路あり、そういう農業には小さな農業は参入できないわけであります。
 思い出したのが、つい先頃、衆議院の矢上雅義議員から、トマトの価格が暴落をして、八代を中心とした生産現場が大変困っているという話であります。
 私は、農林水産委員会にも所属しておることもあって、スーパーに行きまして、野菜価格やどんな魚が入荷しているのか見るのを非常に楽しみにしています。自分も農業に関心がありますので、ああ、ホウレンソウも百五十円だと流通や包装代に取られた分農家の手取りは幾ら幾らかな、これじゃやっていけないだろうというふうに思っております中で、比較的価格が取れているのはトマトでありました。高糖度トマトは私が手の届かない価格で陳列されています。あるいは、お隣のお隣に田名部議員おられますけれども、青森県産のニンニクも、ブランドを持ってしっかりと、小さな塊で二百九十八円で価格を取れている。それ以外の農産物は、大変申し訳ないけれども、価格が高騰すると消費者が大変だろうなというふうにも思いますけれども、基本的に安いわけであります。
 この流れの中でまた競争をして、でかい工場やあるいは大規模経営者が、いい様々な技術革新の下に生産されるものを安定的に作ったり、あるいは異常気象にも勝てるのがいわゆる野菜工場でありますし、もっと言うと、野菜工場では、ふだん露地にいわゆる肥料をまく方がおられます。しかしその肥料の歩留りは相当悪いわけでありまして、すなわち大地に肥料を吸い取られているわけでありますけれども、野菜工場などでは液肥が循環いたしますのでロスがない。こういうことを考えたときに、本当に小さな農家が生き残るのは大変だろうなというふうに考えたわけであります。
 前置きちょっと長いんですけれども、トマトの暴落について、生産局長、何か知見がありましたら教えていただきたいと思います。
○政府参考人(枝元真徹君) お答え申し上げます。
 トマトにつきましては、ここ二年ほど、冬から春にかけて天候が良好に推移をいたしまして、作柄の良い主産地がございまして、単収が平年より増加して収穫量が増加いたしまして、価格は平年から一から二割下回っております。特に、市場でいいますと福岡市場の価格が下がっているというふうに認識をしてございます。
 事業者等からのヒアリングをいろいろやっておりますけれども、通常の収穫であれば作付面積見合っているんじゃないかとは思いますが、ここ二年ほどはそういう状況だというふうに承知をしてございます。
○小川勝也君 申し上げたかったのは、利益を追求する農業、これが蔓延をいたしますと、更なる高みを目指す農業技術や、あるいは種子、種苗が開発されます。聞くところによりますと、一粒のトマトの種からまさに十メートルを超す枝が伸びて、通年いわゆる収穫ができるというような施設があるやにも伺っています。これは先進地オランダの農業がまさにそうであるように、我々の国の農業もそこに目指していくわけであるとすれば、まさに競争に負けた経営体は大変な思いをしていくわけであります。
 そのことを、トマトを例示させていただきましたけれども、レタスが野菜工場で作られる、LEDで何段にも何段にも作られて、それこそ異常気象にも強い、台風被害にも長雨被害にも強い、そして経営も大資本が安定的に経営できるということであれば、まさに私は、例えて適切かどうか分かりませんけれども、私たちが子供の頃には町に豆腐屋さんも自転車屋さんも畳屋さんも肉屋さんも魚屋さんもあったわけでありますけれども、どんどんどんどん流通や情報が進歩するに従ってこのような大規模スーパーでしか物が買えないという社会が訪れたということを考えると、私が想像するに、もっともっと激しい速度で我々の国の小規模農業や地域は崩壊してしまうのではないかという懸念を持っています。
 大臣はどこまでイマジネートしてこの文章を読まれたのか、大臣の知識、知見、真意をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(吉川貴盛君) いろいろと小川委員から御指摘をいただきました。
 我が国の農業は、今、人口減少に伴うマーケットの縮小ですとか、あるいは高齢化の進行、さらにはまた耕作放棄地の増加など、大きな私は曲がり角に立っていると存じております。ですから、その活性化は待ったなしの課題でもあろうかと存じます。
 特に、農業従事者の高齢化ですとかあるいはリタイアが進む中にありまして農業の持続的発展を確保していくためには、まずは担い手への農地の集積ですとか集約、あるいは新規就農の促進等と併せまして、経営規模の大小にかかわらず農業に新たな技術を導入すること等によって労働力不足の解消ですとか農産物の収量、品質の向上等に取り組めるようにしていくことが必要であろうかと思います。
 このため、農林水産省といたしましては、スマート農業の実現に向けて積極的に取り組んでいるところでもございますけれども、小規模な経営の方々につきましても、地域における機械の共同利用等によりまして、コストを抑えながら新しい技術を活用すること等によって所得の向上ですとか地域の活性化につなげてほしいと考えておりますので、しっかりとそういった面でも応援をしてまいりたいと存じております。
○小川勝也君 平場のいわゆる耕地農業については合理的な手法を求めていくベクトルに私も異存はありません。平らなところの水田は一区画を大きくして、それこそGPS管理や無人トラクターで様々な作業をする。北海道農業もかなり大規模化しておりますので、露地の作物はしっかりとそれで賄っていく。
 ここでちょっと確認をさせていただきますけれども、米については共通認識だろうというふうに思いますけれども、自給率の低い麦、大豆あるいはてん菜、バレイショについて、北海道が基幹作物としている品種、品目でありますけれども、これはしっかりと自給率を保っていくという方向で政策の変更がないということを大臣に改めて確認をさせていただきたいと思います。
○国務大臣(吉川貴盛君) 今御指摘いただきましたように、麦、大豆、てん菜、バレイショ等につきましては、いずれも食料自給率の向上を図る上で私は重要な作物であると認識をいたしております。
 これらの作物の自給率の向上につきましては、いかなる貿易交渉にもかかわらず取り組んでいくべき課題であると認識をいたしておりますので、このために、平成二十七年三月に閣議決定をいたしました食料・農業・農村基本計画における平成三十七年度の品目別自給率目標の達成に向けて更に努力を続けていくことになろうかと思いますので、小川委員との認識は私は共有をしていると存じます。
○小川勝也君 そこで、そういう新しいシステムを利用して効率的な農業を営む分野は、そこは仕方ないと思います。しかし、それを補う政策が足りないから、私が思うような険しい未来が訪れるんだろうというふうに思います。
 これまで地域コミュニティーを守ってきたのは兼業農家の方々であります。この方々について大変冷たい。今、詳しくは農地中間管理の法律のときにまた議論させていただきますけれども、その人たちにどけどけと言って、担い手に集積するんだというふうに言う、これが今の農業であります。兼業農家の方々が地域コミュニティーを支えてまいりました。
 それからもう一つ大事なキーワードは、定年帰農であります。今、人生八十年、九十年時代を迎えて、六十前に早期退職をして、ふるさとに戻って親と同居をして、自分ができる新しい農業をする、この農業、働き方、生き方を大切にしていただく、これをしっかり検討をしていただきたいと思います。
 そしてもう一つは、自由貿易は逃れられないということであります。そういうふうに考えるとするならば、足りないのは何かといいますと、ヨーロッパ各国で見られるようないわゆる多面的支払、これが小規模農業を守る唯一の策だと私は考えます。ですから、いわゆる農業者戸別所得補償などというワードを使うと皆さんが嫌がりますので、直接支払とかあるいは多面的機能支払、これで私は結構です。
 ですから、地域を守るために、そういう小さな農業を守るために、新しい政策の導入が不可欠であるということを申し上げておきます。
 次の質問に移らせていただきます。
 東京オリンピック・パラリンピックの食材の調達であります。このテーマも、何回も何回もこの場で議論させていただいてまいりました。どうも進捗が進んでいるというふうにはなかなか思えないわけであります。
 幾つかの質問があるわけでありますが、一つは、有機畜産物、オーガニック畜肉、それからアニマルウエルフェアに配慮した肉製品、これの調達について日本は著しく困難な場所であるというふうに指摘をさせていただいてまいりました。海外から訪れるアスリート、関係者がそういった食材を求めるのは必須であります。
 農林水産省として、どこまで今対応、対策が進んでおるのか、報告を受けたいと思います。
○政府参考人(枝元真徹君) お答え申し上げます。
 二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会の農畜産物の調達基準におきましては、農畜産物の生産に当たりまして、食品安全、環境保全、労働安全の確保が要件となっておりまして、これらの要件を満たす方法として、畜産物ではGAP認証取得及びGAP取得チャレンジシステムの取組が明示されてございまして、アニマルウエルフェアにつきましては、このGAPの認証若しくはGAP取得チャレンジシステム、これでアニマルウエルフェアの考え方に対応した飼養管理指針に照らして適切な措置が講じられているというふうにされてございます。
 あと、有機の方につきましては、この要件を満たした上で有機畜産により生産された畜産物が推奨される事項というふうになってございます。
 まず、アニマルウエルフェアの方でございますけれども、二〇二〇年の食材の調達に向けましても、日本版畜産GAPの指導員の育成ですとか、生産者によります日本版畜産GAP認証取得、チャレンジシステムの普及、これらについて支援してございまして、現在まだ必要な食材の量とか品目が決まっておりませんので正確な見通しは示せませんけれども、昨年、内閣官房東京オリンピック・パラリンピック推進本部事務局と農林水産省が実施をいたしました食材供給意向調査では、アニマルウエルフェアを含めまして調達基準を満たす食材は十分に確保できるというふうに考えてございます。
 他方、有機の方でございますけれども、この食材供給の意向調査におきまして、有機により生産された食材についても供給意向が示されて、この情報については大会組織委員会を通じまして飲食提供の事業者に提供はしてございます。
 しかしながら、有機畜産につきましては、輸入飼料に依存している中で、なかなか有機飼料を安定的に確保できない、あと有機飼料生産技術の問題、あと一定期間有機畜産で定める方法で飼養しないといけない等々ございまして、まだ有機JAS認証の取得事業者は十四事業者にとどまっておりますし、現状においてはこれを急速に拡大させるというのは非常に難しい面があると考えてございます。
 平成三十一年度当初予算におきまして、国産有機飼料生産の技術的課題の抽出ですとか対応方法の検討への取組等々の支援策も予算計上しているところでございまして、東京オリンピック・パラリンピックを一つの契機として、有機飼料また有機畜産物の生産が拡大されるように努めてまいりたいと存じます。
○小川勝也君 またゆっくり聞きますけれども、今局長から正直な御答弁がありました。有機畜産物は、有機栽培で生産された餌を与えるというのが基本でありますので、日本にはその概念がほとんどありません。それから、アニマルウエルフェアにつきましては後進国そのものであります、私たちの国は。
 ですから、この二〇二〇年オリパラを目指して、何とか私たちの後進国もちょっとでも前進することができないだろうかと思って頑張ってきておりますけれども、道半ばであります。途中でいわゆる基準を変えるわけにはまいらないと思いますけれども、より高みを目指すという目標をしっかり掲げながら最低限のノルマを果たしていくということで考えていただければというふうに思います。
 次に、グルテンフリー、これは特に海外でまた着目をされておりますし、アスリートの中には関心を持っている方も多い。そして、このことは、私たちの国は米の国であります。そして、米を生産する国はアジアにたくさんありますけれども、これを粉にする技術は私たちの国が世界最高だというふうに自負をしておりますので、このオリパラを機会に、日本の米粉由来のグルテンフリー食材は世界の輸出戦略の一環に私は組み込まれる可能性があるんだろうというふうに思います。
 パン、パスタ、そのほかお菓子にもなりますので、このグルテンフリー食品については、現在までのところどういう考え方で臨んでおられますでしょうか。
○政府参考人(天羽隆君) グルテンフリーの食品についてお尋ねをいただきました。
 二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック大会は、和食それから我が国の高品質な食材を提供し、世界にアピールする大変良い機会であるというふうに考えております。また、先生御指摘のグルテンフリー食品につきましては、近年、欧米等においてアレルギーやセリアック病などに対応する食品として需要が高まっているということでございますので、その原料としてグルテンを含まない特徴を持つ米粉が注目されている、これも先生御指摘のとおりでございます。
 我が国におきましては、お米の新たな用途である米粉の需要拡大は重要な課題であるというふうに認識をしておりまして、東京オリンピック・パラリンピック大会も大きなチャンスと捉えまして、日本産の米粉を利用したパン、パスタなどの魅力を国内外に発信することが重要というふうに考えております。
 このため、農林水産省におきましては、東京二〇二〇組織委員会と連携しながら、選手村などへの米粉製品の円滑な提供をサポートするとともに、訪日外国人に対しまして、欧米のグルテンフリー表示よりも厳しく、我が国の世界最高水準のグルテン検出技術を活用したノングルテン米粉のPRを行うなど、東京オリンピック・パラリンピック大会も契機に、日本産米粉の需要拡大に積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○小川勝也君 よろしくお願いします。
 それから、最近イスラム圏からの観光客も増えているようでありますけれども、彼らに安心、安全の食事を提供するということもおもてなしの大切なキーワードだろうというふうに思います。これも進んでいるようでなかなか進んでいない。いろんな流儀や宗派や国によって微妙な違いがあるからという理由だと思います。
 オリパラに向けて、ハラールの食材についてはどういう進捗でしょうか。
○政府参考人(新井ゆたか君) お答え申し上げます。
 ハラールにつきましては、東京二〇二〇組織委員会の飲食提供に係る基本戦略におきまして、ハラールなどの宗教上の食に配慮した多様なメニューを用意するというふうにされておりまして、食品の取扱いにつきまして、現在、組織委員会におきまして準備が進められております。農林水産省といたしましても、組織委員会と情報交換をしながら必要な協力を行ってまいりたいと考えております。
 また、外食事業者などに飲食事業者のためのインバウンド対応ガイドブックというのを周知をしておりまして、観光庁とも連携をしながら、東京オリンピック・パラリンピックに訪日されるムスリムの方々に安心して食事を楽しんでいただける環境づくりに取り組んでまいりたいと考えております。
○小川勝也君 なかなか国がお墨付きを与える認証マークというところまで進まないようでありまして、これからやはり商売を目指す方々が基準に満たないのにもいろんなマークを付けてお客さんを誘うなどということも懸念材料でありますので、できる限りそういった日本の信頼が損なわれないような努力を政府全体でしていただきたいと思います。
 質問を用意した数はほかにもあったんですけれども、次回に譲るとして、これで終わります。
 ありがとうございました。
○藤田幸久君 おはようございます。立憲民主党・民友会・希望の会の藤田幸久でございます。
 政党会派は変わりましたが、今日も牛乳から質問させていただきたいと思います。
 昨年末にTPP11が発効し、この二月には日EU・EPAが発効いたしました。そこで、資料の一枚目、新聞記事御覧いただきたいと思いますけれども、今年一月の牛乳の輸入が、前年……(発言する者あり)牛肉の輸入が増えています。その後も輸入は増え続けていると。
 それで、結局、政府は、影響試算において、国内対策が講じられているので国内生産量への影響はないと説明してきたわけですが、牛肉輸入が急増したことに対してどのような責任を負うのかについてまず答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(吉川貴盛君) 近年、国内の好景気等を背景に、焼き肉やハンバーガー等の外食を中心に牛肉の需要が拡大をいたしておると承知をいたしております。そこで牛肉の輸入量が増加傾向で推移をしていると存じております。
 このような中、一月の牛肉の輸入量でありますけれども、五万五百七十四トンでありまして、前年度の同月比一四二%と増加をいたしておりますが、これは、TPP11の発効に伴う関税の引下げ、さらには通関時の為替の影響、特に輸入量の九割超を占める米国産及び豪州産牛肉に係る円高期待によりまして、輸入業者が昨年十二月の牛肉の通関を控えまして本年一月に繰り越したという特殊要因によるものではないかと考えられております。
 また、二月のTPP11の発効国からの牛肉輸入量でありますけれども、二万二千四百八十九トンでございまして、対前年同月二万二千二百五十トンに比べて一〇一%と落ち着いた水準となってきております。また、EUからは百二トンと少量にとどまっております。
 牛肉の影響試算でありますが、TPP11発効後十六年目における国内生産への影響を試算したものでございまして、短期間の輸入量のみで国内生産への影響を判断することはできませんけれども、引き続きその動向は注視をしてまいりたいと存じております。
 なお、本年一、二月の国産牛枝肉卸売価格でございますが、前年同月に比べ上昇しておりまして、一月の牛肉輸入量の増加が国産牛枝肉卸売価格には影響を与えているとは考えておりません。
○藤田幸久君 いや、特殊要因とおっしゃいましたけれども、この新聞の一番下の段にも出ておりますけれども、二月に、一番下の行の十行目ぐらいですけど、「EPAを発効したEUからの輸入量は九十四トン。前年二月は七トンだった。」、十倍以上増えているわけですね。
 ですから、単に特殊要因という、為替とかということではなくて、国内対策、影響試算において講じているとおっしゃったわけですから、国内対策というのは、そういういろんな要因を想定しながら国内対策をしたはずでありますから、にもかかわらずこれだけ増えたということに対して責任を取られる必要があるのではないかということを伺っておるわけです。
○国務大臣(吉川貴盛君) ただいまも私お答えをしましたように、この牛肉の影響試算に関しましては、TPP11発効後十六年目における国内生産への影響を試算したものでございまして、短期間の輸入量のみで国内生産への影響を判断することはできませんけれども、引き続きその動向はしっかりと注視をしてまいりたいと存じておりますし、また、なお、本年一、二月の国産牛枝肉の卸売価格におきましても前年同月に比べて上昇いたしておりますので、一月の牛肉輸入量の増加が国産牛の枝肉卸売価格に影響を与えているとは考えておりませんが、今後、先ほども申し上げましたけれども、しっかりと注視をしてまいりたいと存じます。
○藤田幸久君 つまり、今回のTPP11あるいは日EU・EPAの影響は考えていないと今おっしゃいましたが、考えていないということでよろしいですね。
○国務大臣(吉川貴盛君) 今、短期間の輸入量のみで影響を判断することはできないと申し上げましたけれども、その動向はしっかりと今後とも注視をしてまいりたいと思います。
○藤田幸久君 TPP11には、アメリカの復帰が見込めない場合にはセーフガードの再協議を要請できる規定というものが置かれております。アメリカとの二国間交渉が始まろうとしているにもかかわらず、アメリカ分を含めたTPPの発動水準がTPP11でも維持されたままでございます。したがって、牛肉のセーフガードの発動水準は相当大きくなっていると思いますけれども、セーフガードが機能しないおそれがあるのではないかと思います。
 したがって、政府は、TPP11協定第六条に基づいて見直しを求めるべきではないかと思いますが、大臣の見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(吉川貴盛君) 私の方からまず申し上げさせていただきますが、TPP11協定第六条におきましては、米国を含めたTPP12協定が発効する見込みがなくなった場合などには、締約国の要請に基づきましてTPP11協定の見直しを行う旨を規定しているところでもございます。
 現時点でTPP12協定が発効する見込みがなくなった場合に該当するかという点につきましては内閣官房から答弁があるものと承知をいたしておりますので、お答えしていただけるようにお願いいたします。
○大臣政務官(長尾敬君) お答え申し上げます。
 一部重複いたしますが、TPP11協定の第六条では、TPP12協定の発効が差し迫っている場合又はTPP12協定が効力を生ずる見込みがない場合には、締約国の要請に基づき提携の見直しを行うと規定しております。
 昨年九月の日米共同声明では、米国との間では日米物品貿易交渉を開始することに合意をしたものでございまして、米国との具体的な交渉はこれからでございます。現時点での個別の事項については何ら決まってございません。何ら決まっていない現在、我が国としては、TPP11協定第六条の見直しが可能となるTPP12協定の発効が差し迫っている場合又はTPP12協定が発効する見込みがなくなった場合に当たるとは考えておりません。
 いずれにせよ、様々な面で農林漁業者に懸念がないようにしてまいりたいと考えております。
○藤田幸久君 農業者の懸念というのは、差し迫っている可能性があるということが、懸念が一番重要なわけでございます。当然懸念を持つのは重要でありますから、その見込みがないあるいは差し迫っていないというのを主観的に判断されても、これは懸念は深まるわけでございますから、ルール上、今私が申し上げたようになっているわけですから、その見直しを求めるということは政治的に非常に重要なんじゃないですか。
○大臣政務官(長尾敬君) 米国が確実にTPPに復帰するということではなくて、現時点では米国がTPPに復帰する見込みがなくなったわけではないということを申し上げております。
 我が国といたしましては、最終的に米国がTPPに復帰することが日米両国にとって最善であると考えておりまして、米国にもその旨伝えておるところでございます。
○藤田幸久君 見込みがないというか、それでそうじゃないふうになった場合に責任を、じゃ、取っていただきたいということを申し上げておきます。
 いよいよ牛肉から牛乳に移ってまいりますけれども、平成二十九年の規制改革推進会議の提言に基づいて、従来の指定牛乳生産者団体との取引以外にも補給金交付の道が開かれました。このため、大規模農家がより高い収益性を求めて指定牛乳生産者団体との取引を止めることになれば、制度の弱体化を招いて指定団体との取引に取り残された小規模農家は経営悪化を招くことになります。
 資料二に出しておりますけれども、これは、中央酪農会議が調査をしたイギリスにおける現地調査についての資料でございます。
 イギリスの場合には、MMBというミルク・マーケティング・ボードが廃止をされた後どうなっているかということについて、イギリスの専門家の方々が答えている文書があります。
 例えば、真ん中辺の赤い字の二つ目でございますけれども、単一乳価となった牛乳価格というのは、国際市場の影響を強く受けるようになり、一時三割以上急落した、したがってミルクサプライチェーンは不安定になったと。それから、その二行下の方ですけれども、多くの英国の乳業者は外国資本の乳業者に市場を明け渡したというようなことを言っております。それから、下の青い網線の上の赤い字でございますけれども、結局、農家も乳業も市場からの強い支配を受け産業の体質が弱体化したと。一番下の方の下から二行目ですけれども、日本の酪農を守りたいなら、日本は英国と同じ過ちを繰り返してはならないという具体的なことも出ておるわけでございます。
 そこで質問ですけれども、この指定牛乳生産者団体制度の改正後における小規模な酪農家の経営の現状、日本の場合どうなのかということをまずお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(吉川貴盛君) 昨年の四月に施行されました改正畜産経営安定法におきまして、加工原料乳生産者補給金の交付対象を拡大をいたしまして、生産者の出荷先の選択肢を広げたところでございます。
 一方で、生産者間での不公平感、いわゆるいいとこ取りを防止することが必要でありまして、そのために、制度上、生産取引の申出を拒むことができない指定事業者が一方的に不利益を受けないように、省令において、契約期間途中での出荷先ですとかあるいは出荷数量の変更など、指定事業者が生乳取引を拒むことができる正当な理由を規定をしているところでございます。
 同法の施行の状況につきまして、三十年度の畜産物生産費統計は調査中でありまするけれども、直近の総合乳価につきましては、前年同期と比較して上昇もいたしております。指定生乳生産者団体の生乳取扱い状況につきましても制度改正前後で大きく変動はしておりませんで、小規模酪農家も含めまして大きな影響は出ていないと今考えております。
 農林水産省といたしましては、引き続き安定的な生乳取引が行われますように、制度の適正な運用に努めながら畜産経営の安定も図ってまいりたいと存じます。
○藤田幸久君 いや、相当影響が出ていると思いますけれども、時間の関係で次に移りますけれども。
 次の三枚目の資料が、これが高齢化や後継者不足を含む経営離脱が続いている畜産、酪農の状況でございます。
 こういった経営離脱が続いているこういう分野での就農支援について、農水省はどのような対策を講じているのか、伺いたいと思います。
○国務大臣(吉川貴盛君) 我が国の畜産、酪農は総じて飼養戸数が減少をいたしておりまして、一戸当たりの飼養規模が拡大をしております。
 例えば、酪農経営におきましては、平成二十一年は二万三千百戸でございましたけれども、平成三十年には一万五千七百戸となりまして、年四%前後で減少をいたしております。また、農家戸数の減少率は規模の小さい農家ほど大きい傾向にもございます。また、酪農経営や肉用牛経営からの離脱要因につきましては、農林水産省の直近の調査によりますと、第一位が高齢化、そして後継者問題、第二位が経営者等の事故、病気、死亡となっております。
 したがいまして、畜産、酪農の維持発展のためには、小規模な家族経営も含めまして意欲ある経営体が経営を継続できますように支援をしていくことが最も重要だと考えております。そのために、搾乳や給餌など飼養管理に関わる省力化機械の導入ですとか、酪農ヘルパー、コントラクターを活用した作業の外部化ですとか等の施策も講じてきているところでございまして、またあわせて、後継者や新規参入者を確保していくことも重要だと考えておりますので、就農準備段階又は経営開始直後の次世代を担う就農者に対する資金の交付ですとか、青年を雇用する農業経営体に対する研修経費の支援なども行ってきております。
 離農農場等の既存施設を補改修した上で新規参入者に貸し付けることによりまして初期投資も軽減する取組なども実施をいたしておりますので、さらに、今申し上げましたことをしっかりと総合的に実施することによりまして、地域の基幹産業であります畜産、酪農の維持発展を推進をしてまいりたいと存じます。
○藤田幸久君 答弁が結構長いので、次の日米貿易協定の質問を最後に回しまして次に行きたいと思いますが、家族農業について伺いたいと思います。
 国連で、家族農業の十年ということで、今年から二〇二八年までを家族農業の十年と定めております。それぞれの国で家族農業に係る施策を進めるとともに、その経験をほかの国と共有することなどを国連が求めておりますが、日本政府はこの国連の要請に対してどう取り組んでいくのか、それについてお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(吉川貴盛君) 家族農業経営は我が国農業経営体の約九八%を占めておりまして、今後ともその健全な発展を図っていくことが最も重要であると考えております。
 このため、農林水産省におきましては、経営規模の大小、法人、家族の別にかかわりませず、地域農業の担い手となる農業者であれば政策支援の対象としているところでございまして、平成三十一年度におきましても、機械、施設等の導入支援ですとか、あるいは六次産業化ですとか経営所得安定対策、収入保険対策など、幅広い施策について、家族農業経営も含めて施策の対象といたしておるところでもございます。
 また、地域政策につきましても、日本型直接支払制度を創設をいたしておりまして、中山間地域に対する直接支払などによりまして、草刈りですとか水路の管理などの地域の営農継続等に必要な支援も行うことといたしておりまして、これらの取組を総合的に推進することによりまして、多様な農業者の意欲的な取組も後押しをしてまいりたいと存じております。
○藤田幸久君 国連の小農と農村で働く人びとの権利に関する国連宣言、いわゆる小農の権利宣言が昨年十二月に国連総会で採択されました。家族経営などの小規模農家の価値と権利、それから財源確保、種子の確保等への支援等を呼びかけておりますが、日本は家族農業の十年は賛成したのに、この小農の権利宣言については棄権をしております。
 昨年私が大臣にその理由を質問したところ、小農の権利についての議論が未成熟であるという理由で逃げの答弁でありましたけれども、国連総会で再度採決を棄権したというのは、これは安倍内閣が家族農業や小規模農業の軽視の姿勢の現れだろうというふうに思います。今、小規模農業の役割が国際社会においても正しく評価されているわけですので、この認識が広まるように日本はもっと役割を果たすべきだろうと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(吉川貴盛君) 委員御指摘の小農の権利宣言に規定されているとおり、各国において小農民や農村地域で働く人々の権利を守ることが重要であるということは十分に認識もいたしております。
 我が国におきましても、意欲と能力のある農業者でありますれば、小規模農業者も含めまして、経営規模の大小にかかわらず、地域農業の担い手として幅広く支援もいたしているところでございます。
 一方、我が国の、他の五十三か国とともに棄権票を投じましたのは、これまで人権条約等により定められてきた人権に加えて新たに小農民に特化した個別の権利を確立するべきか否かについては、国際社会において意見が収れんしていないこと、また、これらの人々の人権を保障するためには既存の人権メカニズムを活用することが効果的であることを理由とするものでございまして、決して家族農業や小規模農業を軽視しているわけではございません。
 本年五月に新潟で開催するG20農業大臣会合やFAO等の国際会議の場におきましても、小規模農業、家族農業が世界の食料供給や持続可能な開発に果たしている役割を十分踏まえた上で、建設的に議論にも参加をしてまいりたいと思っております。
○藤田幸久君 傍観者じゃないので、やっぱり大臣は小規模農業を守る立場ですから、もっとしっかり動いていただきたいと思います。
 次に、外国人材の活用について伺いたいと思います。
 四月から改正出入国管理法の制度の運用が開始をされます。この資料に、お配りしておりますように、私の地元茨城県は、農業分野における外国人技能実習生の受入れ数が全国で最も多いわけであります。この外国人労働者、もちろん人権を守って地域社会への適応の支援が必要でございますけれども、農水省として具体的にどのように取り組む方針か、伺いたいと思います。
○国務大臣(吉川貴盛君) 我が国で働く外国人材の適正かつ円滑な受入れを促進するために、今政府全体で、人権課題も含めた外国人材向けの相談体制の整備ですとか、あるいは地域社会に適応するための行政、生活情報の多言語化等に総合的に今取り組んでいくことといたしております。
 農林水産省といたしましても、技能実習制度の優良事例を収集をして農業現場に周知をして、この新制度においても実践するよう促すなど、外国人材の円滑な受入れに必要な環境整備が促進されますように努めていく所存でもございます。
 なお、農業分野における新制度の運用に当たりましては、関係団体、外国人を受け入れる事業者、関係省庁による農業特定技能協議会を組織することといたしておりまして、仮に問題が生じた場合には、本協議会を活用して対応策を検討して、関係する制度所管省に対して対応を要請するなど、適切に対応をしてまいりたいと存じます。
○藤田幸久君 農業は季節性を伴うわけでございまして、農業者が直接受け入れるのではなくて、派遣契約の形で農業者に派遣することも可能だろうと思います。その派遣を行う派遣事業者となるためにはどんな要件があって、また、その派遣事務を処理するだけではなくて、農業の地域の事情をよく知る、例えばJAが派遣事業を行うのにはふさわしいと考えますけれども、JAが派遣事業者となることは可能かどうか、お答えをいただきたいと思います。できるだけ簡潔にお願いします。
○国務大臣(吉川貴盛君) 御指摘のとおり、派遣形態による受入れも可能といたしておりまして、この派遣事業者につきましては、労働者派遣法に基づく派遣業の許可を取得をしていただかなければなりません。
 農業又は農業関連業務を行っている事業者ですとか、それらの事業者と地方公共団体が資本金の過半数以上を出資している事業者等であることが要件になると考えておりまして、具体的には法務省令において定めることといたしておりまするけれども、JAが出資する子会社等につきましては、農業関連業務を行っておりますので、新制度の派遣事業者の要件を満たすと存じております。派遣業の許可を取得すれば派遣事業者となることは可能だと思います。
○藤田幸久君 農林水産物の輸出が六年連続で過去最高を更新しております。私の茨城県も全国第三位の産出額を有する農産物の輸出でございますけれども、平成二十九年度は三億三千万円と、前年度のおよそ二・五倍でございます。梨やメロンのアジア向け輸出、常陸牛の米国への輸出等も拡大をしています。
 こうした地域の産品を生かした輸出先を絞り込んだ戦略的な取組に対する支援について、農水省の所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(吉川貴盛君) 今先生から御指摘いただきました茨城県、JA常総ひかりがジェトロ茨城等の支援を受けながら、下妻の梨というんでしょうか、ベトナムに輸出するなど、輸出拡大に積極的に取り組まれていると承知もいたしております。
 国におきましても、このような産地一体となった取組を加速化をしていくために、来年度予算におきましては、グローバル産地づくり推進事業におきまして、産地づくりの計画策定、計画の実行に向けた体制整備等を支援をいたします。さらに、関連するハード・ソフト事業の採択の優遇措置による生産ですとか加工体制の再構築も支援をすることにいたしておりまして、今申し上げましたような支援もしながら、海外市場に乗り出したい生産者の一つでも多く、これからも実現をしてまいりたいなと存じております。
○藤田幸久君 ジェトロの副理事長に来ていただいておりますが、今、吉川大臣が紹介していただいたかなりの部分が、ジェトロの西川所長という方がいらっしゃいまして、この方はバングラデシュとかベトナム駐在の経験もある、アジアの経験のある方が大変活躍をしていただきました。この資料にもございますように、ジェトロは、いわゆる第一次産品の輸出支援に非常に経験を有しておりますので、いろんな知見を生かしていただきました。
 このジェトロでは、JFOODOの活用も含めてどういった輸出を促進していくのか、現段階での課題と今後の展望についてお答えをいただきたいと思います。
○参考人(赤星康君) お答えを申し上げます。
 ジェトロは、全国四十八拠点で地元と連携して各地域の農林水産物の輸出に取り組んでおります。
 今温かいお言葉を頂戴しましたが、茨城県でも二〇一四年の事務所設置以来、先ほど来お話のあります梨、メロン、常陸牛等の輸出に取り組んできております。県ごとの取組に加えまして、地域間連携への協力として、例えば梨について、先ほど大臣のお話もありましたが、ベトナムを仕向地として、茨城県産とともに福島県産の輸出に取り組み、成果を上げております。この例に限らず、販路開拓というのは課題として重要でありまして、ジェトロは、日本国内外において数多くの見本市出展や商談会でのマッチング支援を行っているところでございます。
 他方で、我が国の農林水産物・食品の更なる輸出拡大のためには、海外での更なる認知度向上を通じた需要創出が必要との認識の下、二〇一七年四月、日本産の農林水産物・食品のブランディングのために、オールジャパンでの海外消費者向けプロモーションを担う新たな組織、JFOODOが設置されて、配付いただいております資料の最後のページにありますような活動を開始しております。
 今後とも、農林水産省等の関係政府機関、事業者の方々や関連団体と協力しながら多様な取組を進めていきたいと考えております。
○藤田幸久君 この一番最後の資料にあります右側に戦略といろいろ書いてあるんですが、この辺の戦略の項目と、例えば各農家であったりお酒の会社であったり、そういう実際に送りたい方の共有というのは、進んでいる部分とそうじゃない部分があると思うんですが、その共有化について何か更に改善点がないか、お答えいただきたいと思います。
○委員長(堂故茂君) 赤星副理事長、時間が参っておりますので、手短に答弁願います。
○参考人(赤星康君) 済みません。
 今、二〇一七年四月発足以来、取組を開始して立ち上げの段階でございまして、JFOODO本部、それから各貿易事務所、ジェトロの拠点から積極的に地元の方々を回って議論を行っているところでございます。
○藤田幸久君 今日は詰め込みましたが、以上で質問を終わります。
 ありがとうございました。
○委員長(堂故茂君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時五分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
○委員長(堂故茂君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、進藤金日子君が委員を辞任され、その補欠として宮島喜文君が選任されました。
    ─────────────
○委員長(堂故茂君) 休憩前に引き続き、農林水産に関する調査を議題とし、平成三十一年度の農林水産行政の基本施策に関する件について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言お願いいたします。
○田名部匡代君 国民民主党・新緑風会の田名部匡代です。今日はよろしくお願いいたします。
 ちょっと質問の順番を変えさせていただいて、先に東日本大震災に関連することから取り上げていきたいと思います。
 東日本大震災から八年ということで、昨日、追悼式が行われましたけれども、本当に、被災地の皆様にとっては、八年前ともしかしたら何ら変わらぬ苦しみが続いているのかもしれないなということを改めて感じました。生きるということと真剣に向き合い、また、どうして、なぜというようなぶつけどころのない苦しみだとか悲しみと向き合い続けた八年だったのかなと。そういう被災者の皆様に、しっかり委員お一人お一人と力を合わせて、被災地の本格的な復興、真の復興に向けて今後も取り組んでいきたいと、そのように気持ちを新たにしたところであります。
 そういう中で、復興状況を調べてみますと、特に気になるのは水産業の現場であります。水産庁さんでも、水産加工業者における東日本大震災からの復興状況アンケート、これ第六回が発表されたわけですが、私の出身である青森県などは生産能力の回復も非常に高い、九〇%回復していますし、売上げの状況を見ても青森は八〇%回復ということなのですが、しかしながら、やはり全体的なことを見るとまだまだ厳しい状況にあります。
 特に生産能力の回復状況でいうと、資本金の規模が大きいところはまあ回復状況にある、しかしながら、小さいところはなかなか回復に至っていない。数字で比較をしますと、生産能力の回復状況、一千万以下では四七%、五千万以上では七四%。これ、売上げの回復状況も同じでありまして、一千万以下であれば二七%、五千万以上であると七〇%というような、回復にも開きがあります。
 もう八年という月日がたつわけでありますけれども、今のこのような状況をまずどう分析されておられるのか、教えてください。
○政府参考人(長谷成人君) 議員御指摘の復興状況アンケートにつきましては、青森、岩手、宮城、福島、茨城の五県の水産加工業者を対象としたものでありまして、その結果を先週の金曜日に公表したものでございます。
 アンケートの結果によりますと、生産能力が八割以上回復した事業者は五七%である一方、売上面で同水準に回復している事業者は四二%となっておりまして、売上げの回復が課題であると認識しております。更に規模別に見れば、議員から御指摘いただいたとおりの状況だというふうに思っております。
 このため、農林水産省といたしましては、今回のアンケートの結果でも売上げが戻っていない理由として一番に挙がっております販路の不足等に対応すべく、販路開拓につながる商談会の開催ですとか、販路の回復、新規開拓を目指す事業者に指導、助言を行うアドバイザーの任命、活動費補助などを実施しているところでございます。
 今後は、復興庁等関係省庁と連携しつつ、こうした取組を被災地水産加工業者のニーズも踏まえつつ更に効果的に進めるなど、被災地の基幹産業の復興にこれからも全力で取り組んでまいりたいと考えております。
○田名部匡代君 今、長谷長官がおっしゃってくださったように、売上げが戻っていない理由というのは、販路の不足、また、失われた販路が戻っていない、そして風評被害、まさに風評被害が販路の道を閉ざしているというようなことだと思います。逆に売上げが戻った理由というのは、新商品の開発、そしてそのことがまた販路を開いているというようなことなんだろうと思います。
 長官、今、これからもいろいろ取り組んでいくというふうにおっしゃっていただいたのですが、これまでも取り組んでこられたと思うんですね。現場の声をよく聞いてくださってきたと思っているので、どういう課題を抱えているのかというのは、私はそれはしっかりと受け止めてくださっているのではないかというふうに思うのですが、しかし、八年たって状況が、なかなか売上げも伸びない、生産能力も回復しないという中で、見直すべきはしっかり見直さなきゃいけないし、新たに取り組むべきことがあるのであれば、しっかり新しい支援策を打ち出していかなければならないというふうに思っているんです。
 今まで取り組んできた販路の回復支援というような、何か専門家、アドバイザーなどを準備をしていろいろ企業にアドバイスをしているだとか、今おっしゃった商談会ということもやっていらっしゃるようなのですが、これはどの程度成果を上げてきたのかというようなことはきちんと分析されているんでしょうか。
○政府参考人(長谷成人君) 昨年六月の東北復興水産加工品展示商談会では、事前アポイントシステムでバイヤーと出展者の双方のニーズを的確にマッチングさせ、そして、商談に不慣れな出展者の求めに応じて販路回復アドバイザーが商談へ同席する、事前の個別プレゼンを指導するといった工夫ある取組をしてきたところでございます。その結果、出展者の約八割から満足したとの回答がありまして、約三百件の成約が得られたところでございます。
 復興水産販路回復アドバイザーは本年一月末で七十六名を任命中なんですけれども、機械メーカーや水産物バイヤーの経験を有する者が販路の開拓や業務連携の構築等につながる実践的な指導を行うものです。具体的には、アンチエイジング料理に知見のあるアドバイザーが水産加工業者に新商品のレシピを提案して新たな販路を開拓した事例ですとか、アドバイザーが仲介して東北の水産加工業者への受託製造事業、他地域の受託製造事業を移管させた事例などが生み出されております。こうしたサポートを四年間で延べ六百八社に提供しているところでございます。
 今後は、十年間の復興期間の総仕上げに向けて、これらの取組を一層効果的に進めていくことによりまして被災地の力強い動きを更に推し進められるよう、現場の声に当然耳を傾けながら、水産加工業の復興に取り組む考えでございます。
○田名部匡代君 一定の成果も出されているようですから、成果のあることは更に継続をしてやっていけばいいと思うのですが、冒頭申し上げたとおり、規模の大きいところは、資金もあるでしょうし、新たな商品開発なんかにも取り組みやすいでしょうし、今ある支援で販路を更に拡大するということはもしかするとやりやすいのかもしれない。
 でも、冒頭の数字であったように、規模の小さいところがどういう支援を必要としているのか。なかなか余力がなくて、新商品の開発といってもそう簡単にはいかない。ならば、資金が必要なのか、それともマッチングのようなことが必要なのか、それともいいアドバイスがあれば新しい取組に進んでいけるのか。
 原材料の不足なんかも漁業の現場の問題もありますから、そういう意味では、水産庁さんがそれぞれの被災地のそれぞれの状況を分かっていらっしゃる、漁業の状況含めて。ですから、こういう専門的なアドバイザーにただ任せるのではなくて、しっかり水産庁も間に入って、現場の状況を見極めながら、それぞれの地域に見合った取組や支援、アドバイス、こういうことを行っていただきたいというふうに思うのですが、いかがでしょう。
○政府参考人(長谷成人君) 先ほどはアンケートの全体像をお話ししましたけれども、地域によって置かれている状況は様々でございます。福島の場合は、やはり原発事故の後遺症というのが重くのしかかっているということだと思いますし、御地元の八戸だと、販路確保というよりはイカの資源問題がかなり影響しているという状況でございます。
 また、規模のお話がありました。当然、規模の大きいところの方は力があるのは当然だと思います。ですが、小規模なところほど共同して何か取り組むというようなことに適しているといいましょうか、そういうものについて行政としてしっかりとこれからも現場現場に即して御相談を受けながら支援していきたいというふうに思っております。
○田名部匡代君 ありがとうございます。よろしくお願いします。
 今、長官から、福島はまた状況が違うというお話でありました。福島においては、いまだ消えない風評被害の問題も抱えていらっしゃるというふうに思います。
 私、これ、三菱総合研究所が、二〇一七年のものなのですが、アンケート調査を行っているのですけれど、東京都民に対して、福島県の現状を正しく理解していると思いますかという質問に、そう思う、ややそう思うの合計は全体の一割にも満たない。福島県産の食品に対する意識についても、例えば自分が食べる場合はどうですかというと、余り気にしないという人、結構いらっしゃる、六割弱いらっしゃるんですね。でも、家族や知人、外国人観光客が福島県産のものを食べることについてどうかというと、放射線が気になるのでためらうと答えた人が全体の三分の一を超えたりするんです。
 食品中の放射性物質の検査についても、ずっと継続して安全確認を行っている。じゃ、そういうことを、東京都民だけじゃなくて、日本中のみんなが知っているのかな、世界のみんなが知っているのかなというと、実はその検査結果、検査が行われていることを知らないと答える人も三割いらっしゃる。いや、これは別に長官に対することだけじゃない全体に関わることなのですけれど、是非、水産物だけではない、農業の分野でもそうですけれど、正しい知識をしっかり伝える、発信をしていくということも農林水産省を挙げて取り組んでいただきたいと思います。
 特に、これからはオリンピックを迎えてたくさんの方々が日本に入ってくる。その外国人観光客の方にも被災地を訪れてほしいというふうに思いますし、やはり観光と食というのはセットだと思うんですね。行って、そしてその地元のものを食べて、おいしいなと思うことがまた口コミで広がり、それが消費につながり、売上げにつながっていく、こういう上手なサイクルをしっかりつくっていってほしいというふうに思うのですが、大臣、東日本大震災被災地に向けて、大臣の意気込み、これからの取組についてのお考えをお聞かせください。
○国務大臣(吉川貴盛君) それぞれ田名部委員から御指摘を頂戴をいたしました。
 水産に限らず、農業ももちろんそうですし、農産物あるいは林業、林産物ももちろんそうであります。風評被害対策というのは私どもが最もこれからも力を入れていかなければならない一つだと、こう思っておりまして、今後も、例えば福島では営農の再開というものを本当に待ち望んでいらっしゃいます。この営農再開に向けてしっかりと支援をしていかなければなりませんし、今御指摘をいただいております水産関係ももちろんそうでございますので、私たちは、八年過ぎました東北大震災を受けまして、これからもしっかりと寄り添う形で農林水産省といたしましてはこの対策を打ち出していきたいと、こう思います。
○田名部匡代君 よろしくお願いします。
 それでは、新規就農者数についてお伺いをしたいと思うんですが、最近、政府の出すデータだとかいうものがどこまで信用できるのかなというような問題が続いてきました。都合のいいデータを作ったり、都合のいい数字だけを取り上げたり、こういうことでは私はやっぱり正しい必要な政策は打てないというふうに思っているので、農林水産省さんに限ってはそういうことはないだろうというふうに思っているのですが、昨日レクを受けまして、新規就農者調査の数字について、四十代以下の新規就農者は四年連続二万人を超えている、これ、いつも総理がおっしゃることなんですね。
 昨日のレクで新規自営農業者が増えていると言われたんですけれども、ちょっとそれ、数字というか事実関係違うんじゃないでしょうか。四年連続二万人を超えているということと、新規自営農業者が増えているということなのか、その事実関係を教えてください。
○政府参考人(大杉武博君) 委員お尋ねの新規就農者のうち新規自営農業就農者の数でございますけれども、二十九年の数字で四万一千五百二十人、うち四十九歳以下の新規自営農業就農者が一万九十人となっておりまして、いずれも前年に比べますとこれは減少しているところでございます。
○田名部匡代君 ですよね。ちょっと、昨日のレクはレクとして分かりました。
 皆様のお手元に今日資料を配らせていただいているのですけれど、総理のおっしゃる四十代以下の新規就農者は四年連続二万人を超えたんだと。これ、平成二十六年から急にぐっと数字が伸びているのですけれど、それはなぜでしょうか。
○政府参考人(大杉武博君) 委員御指摘のとおり、平成二十六年の四十九歳以下の新規就農者数は前年の平成二十五年に比べて大きく増加しております。その要因についてでございますけれども、就農形態別に見ますと、新規自営農業就農者は一万九十人から一万三千二百四十人と三千百五十人大幅に増加をしております。それから、新規雇用就農者は五千八百人から五千九百六十人へと百六十人増加しております。そして、新規参入者は二千五十人から二千六百五十人へと六百人増加しているところでございます。
 新規自営農業就農者の増加が新規就農者全体の増加に大きく寄与しているところでございます。これについては、青年就農給付金事業、現在の農業次世代人材投資事業でございますが、こういった施策、また地方公共団体独自の施策等の効果もあるというふうに考えております。
○田名部匡代君 これ、単純にそういうことですか。調査の仕方変えていませんか。
○政府参考人(大杉武博君) お答え申し上げます。
 平成二十六年の調査方法は平成二十五年の調査方法から変更しておりますけれども、その変更は、就農形態別に見ますと、新規雇用就農者について、また新規参入者についてのものでございまして、新規自営農業就農者については調査方法を変更しておりません。二十六年に大幅に新規就農者数が増加しているのは、この調査方法を変更していない新規自営農業就農者の三千百五十人の増加が大きく寄与しているということでございます。
○田名部匡代君 じゃ、調査の変更はあったけれども、四十代以下の新規就農者が二万人を超えているというのは政策的なことの結果であって、調査の変更には関係がないということでよろしいんですか。
○政府参考人(大杉武博君) 調査方法の変更というものについてでございますけれども、まず、新規参入者について二十六年以降変更した内容というのは、新規参入者として、従来の経営責任者一人に加えて共同経営者をカウントするように見直したということでございます。仮にこれをしなかったとした場合に計算をしてみますと、実際の数字、二千七百十人に対して四百人少ない二千三百十人となります。
 それから、新規雇用就農者の調査方法の変更でございますが、これは、仮に変更がなかったとした場合の数値については、標本調査であるということもありまして、数値については把握していないところでございます。
 いずれにしましても、調査方法の見直しというのは実態をより的確に把握できるように行っているものでございまして、この新規雇用就農者の調査方法の変更は、就農先である組織経営体の調査の母集団に、五年に一度しか行わない農林業センサスの後に新設された組織経営体を追加するという形で変更しておりますので、こちらの方がより実態に合った調査結果になっているというふうに考えております。
 したがいまして、四年連続で四十九歳以下の新規就農者が四万人を超えたということについては、調査方法の変更ということと関連をしているものではないというふうに考えております。
○田名部匡代君 分かりました。
 少しこのことは私も引き続きいろいろ調べてみたいと思いますが、平成二十五年四月に自民党さんが、新規就農倍増計画、新規就農し、定着する農業者を倍増、年間一万から二万人にして、十年後に四十代以下の農業従事者を四十万人にするといった二十五年の発表の後、二十六年から調査の仕方が変わっていたので、まさかそんなことはないと思いましたけれども、確認をさせていただきました。
 今までと調査方法が変わって、数字は大きく見えるかもしれませんけれども、新規自営農業者も減っているような状況でありますし、是非正しい数字の中で、これまでと比較できるものの数字は変わったわけですけれど、大事なことはいかに多く見えるかではありませんので、しっかり実態を踏まえて、これからも政策を打ち出していっていただきたいというふうに思います。
 次に、ちょっと時間がなくなってまいりましたので、豚コレラに移らせていただきたいと……
○政府参考人(大杉武博君) 数字の訂正をさせてください。
○田名部匡代君 数字の訂正。どうぞ。
○政府参考人(大杉武博君) 先ほど、四十九歳以下の新規就農者が四年連続で四万人を超えているというふうに申し上げましたけれども、二万人を超えているの間違いでございます。訂正させていただきたいと思います。
○田名部匡代君 済みません、答弁をいただきながら、そんな大きな違い、気付かずにやり過ごすところでした。訂正していただき、ありがとうございました。
 少々緊張もしておりますので、それでは、豚コレラに移らせていただきたいと思います。
 もう既にこれまでの質問の中でも取り上げていらっしゃいますし、この後の我が党の徳永委員の方からもより具体的にいろいろ取り上げてくださるものと思いますけれど、ちょっと事実関係だけ教えていただきたいのですが、一例目の豚コレラ、昨年の九月九日に確定をされた。これ、最初に農家の方が、生産者の方が異常に気付いた、そして通報したというのはいつの時期だったのか、確認させてください。
○政府参考人(池田一樹君) お答えします。
 岐阜県では、岐阜県の豚コレラ検証作業チームを組織いたしまして、この初期対応を中心とした検証報告を行っております。
 これによれば、昨年の九月九日に確認された一例目の発生農場については、八月二十四日に当該農家を診療していた獣医師から、二十日から症状の改善が見られない豚がいるため、岐阜県中央家畜保健衛生所に検査の依頼があったということでございます。この依頼に応じまして家畜保健衛生所が立入検査を行いましたが、その時点では熱射病対策ということで助言をしたということでございます。その後、岐阜県は、九月三日に診療獣医師から死亡豚一頭の病性鑑定依頼を受けまして、七日に豚コレラを否定できない結果が得られました。同日夜、農林水産省に通報を行っております。その後、農研機構動物衛生研究部門で精密検査を実施したところ、九日早朝に豚コレラであるということが確定をいたしました。
○田名部匡代君 最初に食欲がないという異常に気付いて通報した後、なかなか豚コレラであるというところまで行かなかった、判断ができなかった。八月の暑い時期で熱射病の可能性があるということを疑い、様子を見ましょうということになったと聞いています。
 過ぎたことを今更なぜなんだと言っても取り返しが付かない。今後、やはり初動をどうするのかということが大事になってくるわけですけれど、判断が非常に難しいと聞きました。今申し上げたとおり、明確にこれは豚コレラの可能性が高いねというような、見受けられない場合もあるし、今言ったように、熱射病の可能性なのか何の可能性なのか判断が難しいということに対して、今後はやはり早く豚コレラかどうかの確認作業をしなければならないというふうに思うのですが、それらの基準だとかいうものは見直されることになっているんでしょうか。
○政府参考人(池田一樹君) ただいま御指摘がございました初期対応につきましては、先ほどの岐阜県の豚コレラの検証作業チームにおきましても、まず八月二十四日の立入りから一貫して熱射病と処理されていたと。この件につきまして、当初から発生農場と緊密な連絡体制を取って、早期に豚の死亡状況等を把握し対応すべきであったと。あるいは、当初熱射病と判断したが、感染症の可能性があるとした以上は、早期に豚コレラを含む感染症の検査をするべきであった等としておりまして、初動対応に不備があったと報告しております。
 また、本年二月二十二日に開催をいたしました第五回拡大豚コレラ疫学調査チーム検討会においては、一例目から八例目までの発生について、事実関係を基にして豚コレラの感染経路、今後の対策を検討した結果、神経症状や死亡などの明確な臨床症状を示さない場合であっても、発熱、元気消失、食欲減退、流死産や結膜炎など豚コレラを疑う症状が認められた場合には、飼養管理者や獣医師は早期に家畜保健衛生所に通報を行うとともに、通報を受けた家畜保健衛生所は豚コレラを疑うものとして速やかに検査を行うよう再度徹底が必要と指摘されております。
 これらを踏まえまして、農林水産省では、下腹部や四肢等の紫斑や、同一畜舎内における一定期間での複数の繁殖又は肥育豚の突然死など、豚コレラの早期発見のポイントとなる症状を家畜伝染病予防法の特定症状に位置付け、農場、獣医師からの早期通報を義務化することとしております。
○田名部匡代君 時間がなくなったので幾つかまとめて質問させていただきます。
 子豚が広域的に出荷をされているような状況、余り多くないと聞きましたけれども、やっぱり一部にはあると。これらの状況を農水省ではきちんと把握をされているのか、つまり何かが起こったときに的確に迅速に情報提供し、対応できるような状況になっているのかということ。
 イノシシのことがよく言われますけれども、先ほど午前中、小川委員からもありました小動物やカラス、車、人、いろいろエコフィードの利用なんか、餌の問題、いろんな要因が考えられると思うのですね。これらは今後しっかり対応していただかなければならないわけですけれども、特に防疫の水際対策については、この後取り上げていただくということなので、人を配分してしっかりやりますというふうにレクで聞いたのですが、そういうことじゃ、今ある人をどう分けて何とかやり過ごすかという話じゃないんですね。どこに何人必要なのか、どういう体制を取らなきゃいけないのか、そのために予算がどれだけ必要なのか、しっかりとそのことを積み上げなきゃならない。
 例えば外国人観光客も増えているわけですよ。増やせばいいだけの役所と、きちんと守るべきものがある役所では対応の仕方が違う。そこを連携して、ただ増やしましょう、一方で受入れ体制ができていませんということでは、様々な安全は守れないということだと思います。
 もう時間が来たので、言いっ放しで終わりますけれど、是非、引き続きこの対応については連携しながら取り組んでいきたいと思いますので、よろしくお願いします。
○徳永エリ君 国民民主党・新緑風会の徳永エリでございます。大変にお疲れさまでございます。
 今、田名部委員が最後に言っていたことは、本当に私もそうだと思います。今日も委員の皆さんから、豚コレラについて、防疫措置対応の問題、水際対策、いろいろと御質問が出ていたと思いますけれども、岐阜で発生したこの豚コレラ、感染の拡大をさせない、そして一日も早く終息に向けていく、このために全力で取組をしていただいているわけでありますけれども、一方で、新たなウイルスの侵入を防ぐということも本当に大切なことだというふうに思っております。
 特に中国で発生しているアフリカ豚コレラ。このアフリカ豚コレラは、ワクチンは効かない、それから治療法も分からない、致死率が高いということで、先日、国民民主党の豚コレラ対策本部でも獣医師の先生にお話を伺いましたけれども、アフリカ豚コレラが日本に入ってきたら、恐らく養豚農家は壊滅するだろうという大変な危機感を持ってお話をされておりました。
 そこで、お手元に資料を配らせていただきましたので御覧をいただきたいと思いますけれども、中国だけではなくて、モンゴルそしてベトナムでもこのアフリカ豚コレラが発生しているわけですね。昨年の八月に中国ではアジアで初めてこのアフリカ豚コレラが発生したということでありますが、発生していないところは新疆ウイグル自治区とチベット自治区だけなんですが、これ、発生していないというよりは、見付けられていないというか、発生が確認されていないと言った方が正しいんじゃないかと思いますが。
 中国を中心としたアフリカ豚コレラ、今、防疫体制どのようになっているのか、現状について詳細をお聞かせください。お願い申し上げます。
○政府参考人(小川良介君) 中国におけるアフリカ豚コレラの発生についてでございますが、中国当局や国際獣疫事務局、OIEの情報によりますと、中国において昨年八月三日に初めてアフリカ豚コレラが確認されて以来、ただいま御指摘ありましたように、これまでに、海南省を除く二十一省、チベット自治区及び新疆ウイグル自治区を除く三自治区、四直轄市全ての計百三十か所で発生が確認されております。
 発生に伴って設定される、半径三キロ以内を疫区として設定しておりますが、これが解除されているケースもございますが、現在も断続的に発生が確認されており、引き続き我が国への侵入リスクは非常に高いものと考えております。
○徳永エリ君 インターネット、SNSを見ていますと、このアフリカ豚コレラで死んだ豚が道路に放置されていたりとか、とにかく中国の衛生飼養管理というのは、これまでもいろんな報道がありますけれども、大変に不安な点が多いんですね。観光客も非常に増えておりますので、本当にここは水際対策というのを徹底していかなければいけないということを強く強く感じているところでございます。
 その外国人観光客、特に中国からの旅行客が増えているという中で、中国の観光客が不正に持ち込んだ食肉加工品などの数、これが過去最高の四万二千二百八十件、この三年で一・五倍に急増したということを農林水産省でまとめたということであります。
 検疫を恐らく擦り抜けているケースもあるんだと思いますよ。あの岐阜で発生したケースも、恐らく検疫を擦り抜けた方が食肉加工品などを持っていて、それをイノシシが食べて感染をして、そこから豚に感染したと。確かなことは言えないですけれども、恐らくそういうことだろうというふうに皆さんも思っておられるんだと思います。
 このアフリカ豚コレラなんですけれども、空港では、既に中国から持ち込まれた豚肉ソーセージや自家製のギョーザからアフリカ豚コレラの遺伝子が確認されたということでありますけれども、遺伝子が確認されたということは、検疫を擦り抜けた人がこのアフリカ豚コレラのウイルスを国内に侵入させてしまっている、この可能性も否めないのではないかということを大変に懸念いたしておりますけれども、農林水産省として見解はいかがでしょうか。
○政府参考人(小川良介君) 昨年八月三日に初めて中国においてアフリカ豚コレラが確認されて以降、人や物を介した国内への侵入防止に万全を期すため、中国からの入国者を対象に、空港、港での携帯品検査の強化など、動物検疫を強化するとともに、農林水産省ウエブサイトへの情報掲載やポスターの掲示により注意喚起を行ってきているところでございます。
 これまで、中国及びベトナムから来日した旅客が放棄した、持込みが禁止されている豚肉等からアフリカ豚コレラウイルスの遺伝子が確認された事案が合計十五件ございました。これらから生きたウイルスは見付かっておりませんが、我が国への同病の侵入リスクは非常に高まっていると考えております。
 中国、モンゴル及びベトナムで流行が見られる中、国際的な人や物の往来は増加しております。こうしたことから、今後も我が国にアフリカ豚コレラが侵入する危険性は高いと認識しております。このため、国際空港や港における水際での検査を強化する一方で、国内に侵入する可能性もあるという前提に立ち、国、都道府県、畜産農家など関係者が連携協力して、農場における飼養衛生管理基準の遵守の徹底など、実効性のある防疫体制を整備してまいりたいと考えております。
○徳永エリ君 万が一このアフリカ豚コレラのウイルスが侵入してきたとき、そして感染が確認された場合には、今の豚コレラの防疫措置対応と同じでいいのかどうか。万が一のことを考えて農林水産省としては何か対応マニュアルなるものを考えておられるのでしょうか。
○政府参考人(小川良介君) 農林水産省といたしましては、家畜伝染病予防法に基づきまして防疫指針を重要な疾病については定めております。これまで、二〇〇〇年、二〇一〇年と侵入がございました口蹄疫、あるいは現在防疫措置を講じております豚コレラとともに、アフリカ豚コレラにつきましても、家畜防疫指針を定めて対応の準備というものを行っているところでございます。
○徳永エリ君 豚コレラやほかの家畜疾病と違ってワクチンが効かないということが大変に懸念されるところでございますので、常に万が一のことを考えて、そうなったときには万全の対応ができるように備えていただきたいということをお願い申し上げたいと思います。
 国民民主党では、実は先日、三月八日でございますけれども、玉木代表を中心に、国民民主党豚コレラ対策本部のメンバーで動物検疫所羽田空港支所に伺いました。そして、実際にどのような水際対策をしておられるのかということを見せていただきました。
 私もこの委員会で何度か申し上げておりますけれども、国際線、消毒マットの前に、これは消毒マットですよというアテンションをするマットが敷いてあるんですね。見ていますと、欧米から来た方々はそこに立ち止まってちゃんと靴底拭くんですよ。アジアの方は全く無視してそのままスルーなんですね。ただ、ちゃんと消毒マットの上を通っていけるので、二、三歩歩いたらこれは消毒できるということでしたよね。ですから問題はないんですが、私が心配しているのは、いつも言うのはドメスティックなんですよ。
 検疫を擦り抜けた人が国内線を使った場合に、国内線の水際対策はどうなのかということで、千歳空港のことを何度も言わせていただいておりますが、豚コレラが今感染拡大を懸念されているのに、一番目に付くところにあるのが口蹄疫だったりするわけですよ。全然目に付かないところに豚コレラのポスターが貼ってあったりするんですね。これを農水省に指摘させていただいて貼り替えていただいて、ちゃんと目に付くところに貼っていただきました。
 ところが、羽田に行ったときの消毒マット、ぬれているんですよ、ちゃんと。羽田空港のドメスティックのマット、ちゃんと敷いてありますけど、いつもからからに乾いているんです。今回も、先週帰ったときに全部触ってみました。からからでした。これでは意味がないということで指摘をさせていただいて、対応していただけるということでございますけれども、先生方も是非ドメスティックの確認をしていただきたいということをお願い申し上げたいと思います。
 それから、検疫探知犬、この働きぶりを見せていただきました。私たちが働きぶりを見せていただいたのは、ビーグル犬のフジ号、六歳、働き盛りの検疫探知犬でございましたけれども、中国からの荷物が運ばれてくるターンテーブルの周りで活躍していたんですけれども、私たちが見ている間にも何件かの荷物のにおいを嗅いで何かを探知して、どうするかというと、静かに横に座り込むんですよね。ですから、ほえるわけでもなくて、愛くるしいビーグル犬が何の威圧感も恐怖感もなくそっと探知するということで、すばらしいなというふうに思いました。
 平成十七年からこの検疫探知犬を導入したということでありますが、その効果、成果について御説明をいただきたいと思います。
○政府参考人(小川良介君) 検疫探知犬でございますが、平成十七年から導入を開始し、最近では本年二月に四頭増頭し、現在、中国からの直行便の九割が着陸いたします主要七空港及び外国郵便の通関を行う川崎東郵便局に計三十三頭配備し、水際検疫を行っているところでございます。
 羽田空港で御視察いただきましたとおり、検疫探知犬は、その優れた嗅覚により、およそ人間では探知できない畜産物の持込みを探知できることから、違法な畜産物を摘発する効果は非常に高いと考えております。
 検疫探知犬につきましては、我が国へのアフリカ豚コレラなど越境性動物疾病の侵入リスクが高まっていることから、更なる増頭を検討したいと考えており、広報活動や家畜防疫官の携帯品検査への重点配置など、他の対策と併せまして水際対策の強化に万全を期してまいりたいと考えております。
○徳永エリ君 現在三十三頭ということであります。平成十七年から導入して、その摘発した、不正に持ち込まれた食肉加工品等の発見というんですか、この検疫探知犬が約四割というふうに聞いておりますが、間違いないでしょうか。
○政府参考人(小川良介君) 割合で申し上げますと、そういった割合になっていると存じております。
○徳永エリ君 ということで、大変にこの検疫探知犬というのは、不正に持ち込まれた食肉加工品など、こういったものを発見するのに有効だと思います。
 お伺いをしたいのでございますけれども、今、中国からの直行便、モンゴルやベトナムもありますけれども、特に重点的にということで、中国からの直行便やあるいは中国からのクルーズ船が入ってくる港というのは全国でどのくらいありますか。
○政府参考人(小川良介君) お答え申し上げます。
 中国からの直行便が到着する空港は、まず二十三ございます。それから、直近三か月間、これは昨年の十二月から今年の二月の実績でございますが、クルーズ船が寄港した港は十一ございました。
○徳永エリ君 今のこの検疫探知犬なんですけれども、主に主要七空港に配置をしていて、そしてハンドラーとペアで出張して地方空港に対応しているということなんですよ。羽田で見ていても、ターンテーブルの周り、一頭だけですから、一頭が何かを探知して止まって、通訳が入ってやり取りしている間にどんどん擦り抜けていくんですね。
 ですから、やっぱりもっとこの検疫探知犬の数を増やすべきだと思いますし、少なくとも、今おっしゃった二十三空港、十一港湾、こういったところには、少なくとも一頭は配置するべきなのではないかというふうに思っております。
 それから、家畜防疫官、これも平成元年からこの三十年で百九十三人から四百六十人に二百六十七人増員されております。他省庁と比べて人員削減が一番厳しい農林水産省の中で最も増員されているということですし、それから、この動物防疫官は獣医さんなんですけど、女性の活躍が著しいということでありまして、この動物防疫官ももっと増やすべきなのではないかと思います。
 というのは、この動物検疫官の方々は検疫検査のために地方空港へ年間何回出張していると思いますか。五千回ですよ。異常ですよね、これ。間違いないですよね。
○政府参考人(小川良介君) おおよそそういった数字になっております。
○徳永エリ君 こういう状況ですから、水際対策が万全だとは言えないわけですよ。ですから、この検疫探知犬の頭数を増やすこと、それから検疫防疫官の数を増やすこと、これを早急にやっていただきたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(吉川貴盛君) 農林水産省におきましては、水際対策の強化に向けまして、検疫探知犬につきましては五年前と比べて二・四倍となる三十三頭、防疫官につきましては五年前と比べて一・二倍となる四百六十名をそれぞれ配備をしておりまして、体制強化に取り組んでいるところでございます。
 インバウンド旅行者の拡大に向けた取組が進められる中、増大する越境性動物疾病の侵入リスクに適切に対応をしていくためには、今後とも、探知犬や家畜防疫官の計画的な増強については検討をしっかりと進めなければなりません。政策の一つとして、今御指摘をいただいたことも含めて打ち出してまいりたいと存じます。
 また、徳永先生には、探知犬、御視察をいただきまして、ありがとうございました。私も一月に探知犬を視察をさせていただきましたけれども、本当に優秀だと思います。
 この探知犬につきましては、今民間の事業者が育成をしていただいておりまして、その事業者によりますと、年間十頭以上の増頭にも十分対応できるということも聞いておりますので、これからどういった対応が必要か、早急に検討してまいります。
○徳永エリ君 問題は総務省にしっかり言っていただいて、国家公務員の人員削減をやめてくれと、必要なところには必要な人をちゃんと付ける、増やしていくということを大臣からも強く言っていただきたいということと、それと、平成三十一年度予算では対応できないかもしれませんけれども、平成三十二年度予算の概算要求はしっかりしていただいて、この防疫検疫官の増員そして検疫探知犬の増頭、これしっかりやっていただきたいと思いますが、大臣、もう一度お願い申し上げます。
○国務大臣(吉川貴盛君) 様々な角度から検討も進めて今おりますので、御指摘をいただきましたように、防疫官あるいは探知犬の増頭など、しっかり検討してまいります。
○徳永エリ君 検討じゃなくて、やってください。お願いします。
 観光インバウンド、十年前は八百三十万人だったのが、今二千八百万人ですよ。三千万に迫る勢いですよ。これまでとは全く違う状況なんだということを本当に深刻に受け止めていただいて、水際対策の徹底、是非ともよろしくお願い申し上げたいと思います。
 それでは、次に移りますが、九日に大阪で和牛の受精卵と精液を中国上海に持ち出した男性二人が家畜伝染病予防法違反の疑いで逮捕されたという報道がありました。この事件の詳細について、また背景にはどのような事情があるのか、御説明ください。
○大臣政務官(高野光二郎君) 本事案は、大阪府在住の者が家畜伝染病予防法に基づく家畜防疫官による輸出検査を受けずに中国への牛の受精卵及び精液を持ち出したことを農林水産省が確認をいたしましたことから、本年一月二十九日、動物検疫所長が家畜伝染病予防法第四十五条第一項違反として大阪府警察本部に対して刑事告発を行ったものでございます。
 農林水産省といたしましては、警察の捜査により明らかになった被疑者等の意図や生産者等の管理意識や流通手法等、危機感を持って分析し、今後、想定外も含めて、和牛の遺伝資源を守るべく、再発防止に向け、畜産関係者に対して、和牛の受精卵及び精液については、現在、どの国とも家畜衛生条件を締結していないため原則として輸出することはできないということを周知するとともに、受精卵や精液の輸送は特徴的な凍結保存容器が用いられることから、改めて船舶会社、航空会社、税関などの関係者に、受精卵や精液が動物検疫の対象であることを説明するとともに、凍結保存容器の外観の特徴を周知し、同様の貨物を輸出しようとする者がいた場合は動物検疫所に連絡するよう要請したところでございます。
 また、我が国における和牛精液等の適正な流通管理の徹底管理が求められることから、学識経験者、畜産関係者等の有識者で構成をする和牛遺伝資源の流通管理に関する検討会を設置し、第一回を二月十五日に開催し、次は第二回は三月十八日に開催する予定でございます。本検討会の意見も踏まえた上で、どのような対応ができるのかを緊張感を持って取り組んでまいりたいと思います。
○徳永エリ君 和牛の受精卵や精液を海外に持ち出すことはできませんけれども、国内で売買することは認められているわけであります。
 この男性も畜産家から数百万円でこの受精卵と精液を買ったということでありますから、持ち出せなかったとしても、畜産家が売って利益を得るということはされてしまうわけですね。畜産農家の方にとっても、和牛の受精卵や精液を海外に持ち出すということは長期的に考えると自分の首を絞めることになるんだということをしっかりと周知徹底していただきたいと思います。
 本当にしっかり身元を確認できた方じゃなければ受精卵や精液を売れないというような、そういったルールなり仕組みなりというものをしっかり作って対応していただかないと、海外は和牛ブームでありますから、それは高く売れるんだったら売りますよ。どんな人がここに入ってくるか分かりませんので、これも緊張感を持って慎重に対応していただきたいというふうにお願いいたします。
 海外では和牛ブームということでありますし、国内でも今年でブームに火を付けた肉フェスが五回目ということでありまして、今、若い人も高齢者の方も、みんな何か牛肉を好んで食べる傾向がありますね。それだけ、国産の牛肉もそうですけれども、いろんな部位、いろんな種類、熟成技術、やっぱり楽しみ方ができておいしいという認識が広がっているということなんだと思いますけれども、そんな中で、平成二十九年度の牛肉の消費量は九十万トンです。米国でのBSE発生前の平成十五年度と同程度まで増加しています。高齢化、人口減少という中で平成十五年度と同程度まで増加したということは、これすごいことだと思うんですよね。(発言する者あり)魚は減っているんですよね。はい、そうなんです。
 そんな中で、十二月三十日にCPTPPが発効して、二月一日には日欧EPAが発効いたしました。今日も質問あったようでございますけれども、財務省が二月二十七日に公表した品目別の貿易統計によると、牛肉の輸入量が、前年同月比、これ、一・四とか一・五とかいろんな数字がありますが、とにかく急増したということでありまして、国内生産への影響、大丈夫なんだろうかという声が広がっているわけであります。
 TPP発効で関税率が三八・五%から二七・五%に下がったオーストラリア、ニュージーランド、カナダ、メキシコからの輸入が拡大したということでありますけれども、関税率が下がったことによって輸入量が急増したという理解でいいのかどうか、この辺を丁寧に御説明をいただきたいと思います。配付した資料に農水省からいただいた資料を付けさせていただいておりますので、この資料なども使いながら、もしそうでなければ、農家の皆さんの懸念を払拭するためにも丁寧に御説明をいただきたいと思います。
○政府参考人(枝元真徹君) お答え申し上げます。
 近年、国内の好景気等を背景といたしまして、焼き肉ですとかハンバーガー等の外食を中心に牛肉の需要が拡大しておりまして、牛肉輸入量も増加傾向で推移しております。
 そのような中で、一月のTPP11発効国からの牛肉輸入量は三万二千九百五十三トンということで、前年同月比一五六%と増加してございますけど、これは、一つには、TPP11の発効に伴う関税の引下げという要素がございます。あともう一つは、為替の影響、円高期待というものがございます。ただ、これは輸入業者の方がこの二つのことを考えて、昨年十二月の牛肉の通関を控えて一月に繰り越したということでございますので、そういう意味では特殊な要因ということでございます。
 あと、輸入の九割超を占めます豪州産及び米国産牛肉につきましては、TPP11の発効に伴いまして関税の引下げの恩恵をほとんど受けていない、又は関税の引下げがないということからいたしますと、やはり為替の影響の方が大きいんだろうなというふうに考えているところでございます。実際、二月のTPP11発効国からの牛肉輸入量につきましては二万二千四百八十九トンということで、対前年同月比一〇一%というふうに落ち着いた水準となってございます。
 いずれにいたしましても、短期間の輸入量のみで影響を判断することはできませんけれども、動向を注視してまいりたいと思いますし、本年一月、二月の国産牛の枝肉卸売価格は、前年同月に比べて、一月、二月とも上昇しておりますので、TPP11からの一月の牛肉輸入量の増加が国産牛の価格に影響を与えるという状況にはございません。
○徳永エリ君 需要が増えている中で、国内生産は大体同じような量で推移をしていると。
 昨年の六月も質問させていただいたんですが、繁殖雌牛の問題もあって、酪農家の方々との関係もあって、一気に国内生産を増やすのは無理だろうと。徐々に増やすことはできるかもしれない。逆に、今度、高齢化によって離農する人もいるので、大体同じくらいで推移するんじゃないかと。
 ですから、需要が拡大してもそこに輸入物が入ってきているので、国内の生産や、価格も高く推移していますから、今のところは影響はないということでありますし、米国からの輸入量にも影響はなく、逆に増えているぐらいだということで、ちょっとはほっとするんですが。
 ただ、今度、四月ですよね。CPTPP二年目に入ります。二七・五%から、今度関税率が二六・六%に下がるわけです。米国は三八・五%。この差があるわけですけれども、ここで三月決算ということもあって、四月に一気にCPTPP参加国からの輸入量が増えるんじゃないかという心配があるわけですね。そうなったときに、TAG交渉がどうやら四月から始まるんじゃないかと言われております。これ、タイミングが悪いですよね。もし一気にCPTPPの国からの輸入量が増えたら、これはアメリカは相当厳しい要求を我が国にしてくるんだと思います。少なくともTPPで獲得した自由化レベルぐらいまでは、この水準までは何としてでも獲得しようとしてくると思うんですよ。
 そうすると、我が国の牛肉と競合する部分もありますから、今度は価格競争で競合するということになると、入ってくる量だけではなくて、価格の部分で影響が出てくるということも否めないと思うんですが、この点に関しては、大臣、どのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(吉川貴盛君) 一月の国産牛肉の輸入量でありますけれども、これは一万七千五百四十七トンで、前年同月比一二一%と増加をいたしております。
 今も生産局長からも説明をいたしましたけれども、近年、国内の好景気等を背景に、焼き肉屋さんですとか牛丼等の外食を中心に牛肉の需要拡大をしていること、さらに、為替の影響によりまして、輸入業者が昨年十二月の牛肉の通関を控えて本年一月に繰り越したことによるものではないかと考えられています。
 これは、牛肉輸入の九割超を占める豪州産及び米国産牛肉につきましては、TPP11の発効に伴う関税の引下げの恩恵をほとんど受けていない、あるいは関税の引下げがないことから、為替の影響が大きいのではないかと考えられるところでもございます。
 いずれにしても、この牛肉の輸入量というのは、関税率に加えて、実需者側の嗜好ですとか輸出国側の生産余力、さらには現地の相場、為替など、様々な要因に左右されるために、今後の米国産牛肉の動向については予断を持ってお答えすることはできませんけれども、引き続きその動向をしっかりと注視をしていかなければならないだろうなと、こう思っております。
○徳永エリ君 数量が一気に増えたら、セーフガードが発動するということになった場合には、今アメリカはまさにセーフガードの対象になって、CPTPPの国はこの対象にならないわけで、セーフガードが発動するようなことにも万が一なったら、これ関税率がCPTPP参加国よりもアメリカはもう倍近くなるわけですから、本当にアメリカとしてはもう死活問題というか、畜産関係者からも相当政府にプレッシャーが掛かると思いますので、交渉に影響するんじゃないかということを大変に懸念しているわけであります。
 それと、時間がなくなったので、ちょっとここも詳細質問したかったんですけれども、ほかにも、昨年の六月にはアルゼンチンからの輸入が解禁になったりとか、それから、十一月にはウルグアイ・ラウンドからの輸入が解禁になったりしています。ウルグアイ・ラウンドなんかは世界有数の輸出国でありますから、こういったところがいろいろ我が国に輸出をしてくると、それぞれが少量かもしれませんけれども、それぞれいろんな競争力を持っているわけで、それが今後どのように響いてくるかということも大変に懸念されますし、それから、今は需要が増えていますけれども、人口減少、高齢化ですから、我が国は。今は人気でわあっと増えていますけれども、もしかしたらこれからはどんどんどんどん減っていくかもしれないと。
 そういう中で、本当に我が国の生産基盤をしっかり強化をして、そして生産コストも下げていって価格競争にもしっかり勝てるような状況をつくっていかなければ、本当に畜産農家に大きな影響は否めないと思いますので、この点をしっかりと頑張っていただきたいと思いますが、大臣、もう一言いかがでしょうか。
○委員長(堂故茂君) 申合せの時間が参りましたので、簡潔に御答弁願います。
○国務大臣(吉川貴盛君) 御指摘を受けまして、しっかり対応してまいりたいと存じます。
○徳永エリ君 よろしくお願いします。
 ありがとうございました。
○里見隆治君 公明党の里見隆治でございます。質問の時間をいただきまして、ありがとうございます。
 まず、豚コレラ対策について御質問をいたします。
 昨年九月に岐阜県で患畜が確認をされてから半年余りが経過をいたしました。先週も養豚場で豚コレラの発生が確認されるなど、まだまだ安心できない状況が続いております。被害に遭われた養豚農家の皆様に改めてお見舞いを申し上げますとともに、これから、まさに被害に遭われた農家の皆さん、経営再建に向けて動かれるわけでございます。私どもはしっかりお支えをしていきたいと、そのような決意に立って質問をさせていただきます。
 私もこの農林水産委員会において、昨年の十一月、十二月と二回にわたって豚コレラへの対応について、吉川大臣始め農林水産省にお伺いをしてまいりました。
 そしてさらに、先月二月の六日、愛知県での発生、そして五府県にも拡大をというその直後に、私ども公明党としまして、豚コレラ対策本部として吉川大臣に感染防止対策の徹底など、六項目について緊急の申入れを行い、大臣にも御対応いただいておりますこと、感謝を申し上げたいと思います。
 これまで、私の地元愛知県で殺処分を余儀なくされた養豚農家や周辺の農家、また住民の皆様から様々な御要望、御意見をいただいております。本日は、そうした点も踏まえて質問をしてまいります。
 本日も、もう数次にわたり御質問、また御答弁いただいておりますが、その中で、飼養衛生管理基準を国、農林水産省が定め、そして各都道府県が自治事務としてこの基準に基づく個別の農場への指導などを行うという仕組みから、どうしても制度的にはまず自治体による対策となっている、これは通常であればやむを得ないわけでございます。
 しかしながら、今回のように、初め岐阜県で発生をして、それが五府県に広がっていくという過程で、しかも二十六年ぶりというかなりインターバルを置いての発生でございますので、各県もその知見、また経験もばらつきがある、そういう中で国がいち早く前面に出て対応する必要があったと、それは振り返ってみて改めて感じる点でございます。そのことを私も昨年から申し上げてきたわけでありますが、一たび豚コレラ発症が発見されれば国が真っ先に前面に出ていく、そのことを徹底をいただきたいというふうに考えます。
 そこで、高鳥副大臣にお伺いをいたします。
 副大臣には、既に愛知県、また岐阜県に御訪問をいただき、現地の実情、お聞きをいただき対応いただいていること、大変感謝を申し上げたいと思います。
 その上で、今申し上げましたような感染拡大防止対策について、一度発生してしまった局面での国と県の役割分担の在り方、これについて御見解をお伺いいたします。
○副大臣(高鳥修一君) 里見委員にお答えをいたします。
 今回の豚コレラ対応に際しましては、私も、今委員御指摘のとおり、岐阜県における二例目の発生を受けまして、昨年十一月二十一日に岐阜県庁を訪問し、新たな発生予防のための対策の徹底が必要であるとの認識を古田知事と共有したところでございます。
 また、本年二月二十八日には愛知県庁で大村知事と面会をし、二月二十六日に農林水産省が発表した追加対策の内容について説明をいたしました。そして、我が国初となる野生イノシシへの経口ワクチン散布への協力の要請をさせていただくとともに、飼養衛生管理基準の徹底をお願いをしたところでございます。
 越境性動物疾病に対する防疫対応は国が全面的に行うべきとの考え方もございますが、現実の防疫対応は日頃から現場の状況を十分に把握していないとできないものでありまして、このために、都道府県に家畜保健衛生所が置かれていることから、防疫方針の策定等は国が責任を持って行い、防疫方針に即した具体的な措置は都道府県が中心となって迅速に行うことを基本といたしております。
 このような家畜伝染病予防法に基づく基本的な役割分担に基づきながら、しかしながら、今委員の御指摘にもございましたけれども、積極的に関係自治体と関連をしつつ、国も前面に立つということで、引き続き豚コレラの蔓延防止に万全を期してまいりたいと考えております。
○里見隆治君 是非、国が、農林水産省がリーダーシップを持って対応する、その姿勢で臨んでいただきたいと思います。
 本日も飼養衛生管理基準の徹底について数次質疑応答ございましたけれども、今後、アフリカ豚コレラへの対策のことも視野に入れますと、これをいかに現地で徹底していくか、大変重要な課題でございます。しかし、昨年来、もう半年過ぎようとしている中で、先週三月七日に十一例目が発生をするなど、まだまだ安心できる状況にはございません。
 この飼養衛生管理基準、これそのものが厳しいと言ってしまっては元も子もございません。この基準がなかなか行き届いていないということは、これは徹底する側の問題なのか、あるいは徹底される側の問題なのか、この点、農水省の見解を伺いたいと思います。
○政府参考人(池田一樹君) お答えいたします。
 家畜の伝染性疾病の発生を予防するためには、家畜の所有者の方々が日頃から適切な飼養衛生管理を徹底することが重要でございます。
 このため、家畜の生産者の方々にも参加していただいた食料・農業・農村政策審議会の意見を聞きながら、畜産農家の皆さんに守っていただく事項を飼養衛生管理基準として具体的に定めているところでありまして、家畜の所有者の皆さんは毎年当該家畜の飼養に係る衛生の状況について都道府県知事に報告することを義務付けられており、都道府県は必要な指導を日頃から家畜の所有者に対して行っております。
 しかし、今般の豚コレラの発生におきましては、飼養衛生管理基準の遵守の徹底がなされていない事例があったことから、これ以上の発生拡大を防ぐため、疫学調査チームからの指摘などを各都道府県に共有するとともに、岐阜県、愛知県などの養豚場に対し、国主導で飼養衛生管理基準の遵守状況の再確認と改善の指導を進めているところでございます。
 今後とも、都道府県と連携をいたしまして、家畜の所有者による飼養衛生管理基準の遵守が徹底されますよう取り組んでまいりたいと考えております。
○里見隆治君 これ、連携というと責任に隙間があるのではないかと、私、いつもそのように感じております。国も県も、そして現場の農家の皆さんも、それぞれが主体的に取り組んでいく、そのような姿勢が重要ではないかと考えます。
 次に、防疫措置後の発生農場周辺における住環境への配慮についてお伺いをしたいと思います。
 私、先日、愛知県田原市にもお伺いをしました。既に二月二十四日に防疫措置が完了しておりまして、周辺の地域の住民の皆様からは、今後の話であろうかと思いますけれども、埋葬した場所の周囲での臭いや土壌汚染への心配、また、生活道路上に石灰がまかれておりますので、例えば雨が降ると道路がどろどろになる、畑作への影響はないのかと、そうした心配のお声も伺っております。
 こうした地域の生活環境への影響についてどのように対応されているか、農水省にお伺いします。
○政府参考人(池田一樹君) お答えをいたします。
 殺処分いたしました豚の埋却に当たりましては、家畜伝染病予防法施行規則の規定に基づきまして、人家、飲料水、河川及び道路に近接しない場所であって、日常、人及び家畜が接近しない場所が選定されることとされております。
 また、埋却場所は三年間は掘ってはならないとされておりますが、微生物による分解などの過程で発生し得る臭気、液体などについては、愛知県では、家畜防疫員が定期的に巡回をし、消石灰の散布等により吸着、消臭するなど、周辺住民の住環境への影響が及ばないよう取り組んでおり、今後、必要に応じて更なる覆土を行って管理していく方針と聞いております。
 また、愛知県の渥美半島入口の幹線道路などにおきましては、警察や国土交通省の協力を得ながら、消石灰の散布、散水車による消毒液の散布等を実施しているほか、各養豚場においても消石灰の散布が行われております。その際も、例えば交通量の多い幹線道路では、消石灰が舞い上がり近隣住民の方々の生活に影響を与えないよう、消石灰の散布に代えて路上に消毒マットを設置した事例もあると承知しております。
 引き続き、埋却や消毒につきまして、住環境に配慮しながら、適切な管理が可能となるよう必要な助言を行ってまいりたいと考えております。
○里見隆治君 農業とそして住環境、これはもう密接不可分のことでございます。両者にらんでの対応、よろしくお願いいたします。
 続いて、こうした農家の皆さん、いよいよこれから経営再建に向けて重い課題が待ち受けております。しっかりとした支援がなければ、再建に向けた気持ちも萎えてしまう。もう後継者もいないのであればやめてしまおうか、そんな声も聞こえてしまいます。しっかりとした再建に向けての支援、その点について農水省にお伺いをしてまいります。
 特に融資制度につきましては、経営再建がこれからという前に拡充をいただきました。家畜疾病経営維持資金のうち経営維持資金についてはどのような改善を行ったか、その具体的内容を御説明ください。
○政府参考人(枝元真徹君) お答え申し上げます。
 発生農家等の経営再開等に向けました融資制度でございます家畜疾病経営維持資金につきましては、先月の二十六日に新たな対策といたしまして、一点目として、移動制限区域や搬出制限区域以外の農家であっても、今般の豚コレラ発生によりまして経済的な影響を受けた場合には経営維持資金を借り受けられるように対象に追加いたしますとともに、二点目として、償還期限を七年以内、据置き三年以内ということに延長をする拡充を行ったところでございます。
 引き続き、これらの資金につきまして生産者への周知を図り、豚コレラの発生によりまして影響を受けた農家の方々が経営を再開、継続維持できるようしっかりと支援してまいりたいと存じます。
○里見隆治君 よろしくお願いします。
 また、家畜伝染予防法による殺処分家畜に対する手当金についてでございますが、これは殺処分時の評価額を手当てしてもらえるという点では大変有り難いわけですが、これ時間が掛かるということで、現地からは不安の声も上がっております。実際に手当金が支給されるまでどの程度期間を要するのでしょうか。
○政府参考人(池田一樹君) お答えします。
 手当金の交付に当たりましては、家畜防疫員、畜産の事務に従事する者及び畜産業経験者の三名から成る評価人により、殺処分された家畜の評価額を算出いたします。次いで、都道府県を介しまして、家畜の所有者の方々が国に手当金の申請を行います。国は、その評価額の妥当性を確認をするとともに、学識経験者に意見を聞いて減額の有無を決定し、国から家畜の所有者へ交付決定の通知を行い、都道府県を介して手当金を交付するということになっております。
 滋賀県及び大阪府の肥育農場におきましては、既に県から国に申請がありまして、現在交付の手続が進められているところです。その他の農場については、現在各県において豚の評価額の算定が行われているところであり、申請があり次第、速やかに支払手続を進めていきたいと思っております。
○里見隆治君 速やかな対応、よろしくお願いいたします。
 発生農場や制限区域内の農家の皆様には、経営再建に向けて必要となる資金、直ちに確保できるよう支援が必要であります。
 愛知県では、本年二月の補正予算で、こうした農場へのつなぎ融資を行って、金融機関が農家に貸し付ける資金に対しての利子補給を行うとともに、農家が負担をする保証料を不要とするための金融機関に貸し付けた資金についての損失補償などを行っております。
 しかし、本来、こうした各県でのつなぎ融資のような支援措置に頼ることなく、国の支援策だけでもこうした機能を併せ持って十分だという対応がそもそも必要ではないかと考えますけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(枝元真徹君) お答え申し上げます。
 殺処分家畜等に対する手当金ですとか、家畜防疫の互助基金、これが農家に支払われるまでの間の当座の運転資金に対する国の支援といたしましては、先ほど御質問ございました家畜疾病経営維持資金等、こういうものが用意されてございます。
 この家畜疾病経営維持資金につきましては、国が利子助成を行ってございまして、これに加えて、地方自治体が利子助成を行う場合には農家は無利子で本資金を借りることができるようになりますので、地方自治体が行った利子助成額の二分の一について特別交付税を措置することといたしたところでございます。
 これを受けまして、愛知県及び岐阜県は四月から利子助成の上乗せを措置する予定でございますし、滋賀県は、本日、利子助成の上乗せを決定、公表するというふうに聞いてございます。愛知県におきます独自の資金につきましても、こういう国の資金への利子助成の上乗せが四月からとなるため、それまでのつなぎ的な要素も含めて措置いただいているということでございます。
 引き続き、関係府県とも連携いたしましてしっかりと支援してまいりたいと存じます。
○里見隆治君 先ほど拡充をいただいたという点についての御説明ございました。これは恒久措置だというふうに理解をしておりますけれども、その点、万全の支援策をしっかりと、いつ何どきも発動できるようによろしくお願いいたします。
 そこで、先ほど御説明いただいた手当金について、また特別手当金についてでございますが、これも現場からのお声で、せっかく手当金の支援を受けても飼育経費などのコストを差し引いて所得が発生すれば、これは経済原理としては、経済活動としては基本だという理屈もあるでしょうけれども、その利益に対しては所得税、法人税の課税対象となるということでございます。したがって、翌年の税負担として重くのしかかってくると。これ、経営再建までに、いろんな読み方があるでしょうけれども、一年半前後、元に戻るまでに掛かるんじゃないかと、そういうようなことを言われる方からすると、非常に当面の資金繰り、これが大変心配であると。
 そういう中で、大変参考になりますのが、本日、資料の一ページ目に、お手元に配付をしておりますけれども、平成二十二年に宮崎県の口蹄疫問題で、当時、大変御苦労された被害農家への手当金などに課される所得税や住民税を非課税にするための立法措置が議員立法により措置をされたという経緯がございます。
 農林水産省として、当時の立法による非課税措置による効果、これをどのように評価されていますでしょうか。
○政府参考人(池田一樹君) お答えいたします。
 平成二十二年四月以降に宮崎県において発生が確認された口蹄疫でございますが、我が国の家畜防疫史上最大級の被害をもたらし、これにより宮崎県及びその周辺地域の経済全体が深刻な打撃を受けたことから、被害を受けた発生農家などの税負担の軽減を図り、地域の基幹産業である畜産業の早期の再建を目指して緊急に対応すべき措置を講じるため、所得税及び法人税などの免税措置が議員立法により制定されたものであると承知しております。
 同法案は、平成二十二年十月二十二日に、衆議院及び参議院において全会一致で可決していると承知しております。
○里見隆治君 そういった経過がございまして、これ当時、議員立法ということですから、なかなか政府として、どうということはないと、答えが、評価しづらいという点はあろうかと思いますけれども、大臣、例えば議員の中でこうした取組をという、そういう評価、期待がある中で、大臣としての御見解を教えていただければと思います。
○国務大臣(吉川貴盛君) ただいま答弁を申し上げましたように、また里見委員からも御指摘がありましたように、平成二十二年の宮崎県での口蹄疫の発生の際に、この手当金の交付により生じた所得に対する所得税の免除などが議員立法によって特例的な処置としてなされました。私は大変画期的な議員立法だったと、こう思います。
 今回、豚コレラが発生した農家の皆様に対しましては、鳥インフルなどほかの家畜伝染病ですとか、あと災害等との公平性にも留意をしながら、経営再開に向けてきめ細やかな支援を速やかに進めたいと考えております。
 また、議員立法等々の御勘案に関しましては、国会でお決めをいただければと、このように思います。
○里見隆治君 これ、今、支援措置を様々講じていただき、かつ拡充をいただいているところですから、今後の推移も見守らなければなりません。
 しかし、私、この点を議論したときに、誰とは言いませんけれども、当時と規模が違うよねと言うような方がいらっしゃるわけですが、これは今日、藤木先生もおっしゃっていたと思いますけれども、これは被害の規模とかそういうものではなくて、一軒一軒の農家あるいはお一人お一人の農家の皆さんからすれば、その重みというのは全く同じであるわけでございます。そうした意味で、我々はあらゆる手だてを、可能性を追求していかなければならない。そういう意味で、あらゆる手だての中の一つとしてこれも念頭に置きながら、これからの農水省のフォロー、支援も、しっかりフォローして、その上で判断していきたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 続きまして、これ、厚生労働省、今日来ていただいておりますけれども、農家の皆さん、もちろん自らの経営についても御心配をされていますが、農家でも何人も労働者、働き手を雇って経営をされている。しかし、当分、豚がいない、少ないという中で経営を縮小して今後活動しなければならない。そのときに、今解雇しなければならないのか、あるいは何らかの助成があれば、ある一定程度休業させて、また再開のめどが立ったときに復活をする、そうした経営判断を求められていると。非常に苦しい時間を迎えているということでございます。
 これに対しては、雇用調整助成金の活用という話もありまして、どうもその対象によって、ケースによって雇用調整助成金の対象となったりならなかったりということがあるようでございまして、これをしっかり説明をいただくとともに、これ、ハローワークでもお問合せしたところ、余りはっきりとした回答がなかったということでございまして、この点、まずどういった制度であるのか、そして周知についてもしっかりやるべきということについて、厚生労働省のお考え、教えてください。
○政府参考人(北條憲一君) お答え申し上げます。
 雇用調整助成金は、景気の悪化などの経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、休業や教育訓練等により労働者の雇用の維持を図った場合に、それに掛かった費用の一部を助成する制度ということでございます。
 御指摘の豚コレラによる被害で休業を余儀なくされたような場合につきましても、それが経済上の理由に当たる、経済上の理由によって事業活動の縮小に該当するといったような場合におきましては雇用調整助成金を活用できる場合がございます。
 これ、具体的に申し上げますと、移動制限ですとか搬出制限が解除された後におきまして、新たに家畜が購入できないなど、豚コレラの被害前の規模で事業を再開できず、これに伴い事業活動が縮小している場合、これが一つでございます。もう一つは、移動制限、搬出制限を受けていない事業者であっても、例えば飲食店などにおきまして食肉の入手が困難になり、結果的に売上げが減少し、事業活動が縮小している場合などが該当するものでございます。こういった場合におきまして雇用調整助成金を活用することができるわけでございます。
 今後、この取扱いを労働局、ハローワークの現場におきまして徹底するとともに、豚コレラの発生している地域の畜産農家に対しまして丁寧に丁寧に周知を図ってまいりたいというふうに思っております。
○里見隆治君 ありがとうございます。
 これ、私も事前に見せていただいた、これもまさに口蹄疫のときのチラシですけれども、そのときは今のようなことを懇切丁寧に記述をしてハローワークで配布をされていたというふうに聞いております。今回地域は限定されておりますけれども、特に必要となるような地域については今のようなパンフレットをしっかり配布いただくなど、きめ細かな対応をよろしくお願いいたします。
 では続いて、野生イノシシに関して質問をさせていただきます。
 豚コレラがもちろん発生してからでもあるんですけれども、この数年の中長期的な時代の変化の中で、野生イノシシの増加が様々な鳥獣被害を農業に対しても起こしていると。そういう、我々、生態系の中でこの問題を捉えていかないといけないんじゃないかと。そういう視点で、環境省にも今日お越しをいただいておりまして、事前に環境省からも本日の私からの配付資料の二枚目、三枚目頂戴しておりまして、皆様とも共有をさせていただきますけれども。
 これ環境省にお伺いをしますけれども、そもそも、野生イノシシの生息状況の現状、それから分布の状況について近年どのような変化をたどってきているのか、それについて資料に基づいて御説明をいただきたいと思います。その際、野生イノシシをめぐる環境が変化をして、例えば山から人里に下りてくる野生イノシシが増えてきているとすれば、野生イノシシを介した豚コレラウイルスの拡大のおそれが増大するということにもつながるわけでございます。
 環境省はどのようにこの野生イノシシの生息状況把握をされているか、また、その増加に対応しての対応策についても併せてお伺いをいたします。
○政府参考人(鳥居敏男君) お答え申し上げます。
 全国におけるイノシシの生息状況につきましては、その生息地は昭和五十三年から平成二十六年の三十六年間で約一・七倍に広がり、生息数は平成元年度から平成二十三年度の二十二年間で約三・五倍に増加したと見られております。
 分布拡大や数の増加により農業被害等が深刻化していることから、環境省では、農林水産省とともに、抜本的な鳥獣捕獲強化対策を平成二十五年十二月に策定いたしまして、イノシシの生息数については二〇二三年度までに半減させる目標を掲げているところでございます。
 環境省では、目標達成に向けた捕獲強化策として、平成二十六年に法改正を行いまして、指定管理鳥獣捕獲等事業を創設し、平成二十七年度から交付金により都道府県が行う捕獲等の事業を支援してきているところでございます。
 こうした捕獲強化策の結果、平成三十年に公表した全国のイノシシの推定生息数は平成二十八年度末に中央値で約八十九万頭となり、ここ数年減少傾向が続くようになりました。
 野生イノシシで豚コレラウイルスの感染が確認された岐阜県につきましては、指定管理鳥獣捕獲等事業交付金の追加交付を行いまして捕獲の強化を行っているところであり、今後とも引き続き支援をしてまいります。
○里見隆治君 あわせまして、この野生イノシシの増加への対応、農水省も推進をされていると伺っております。その点、具体的な説明をお願いいたします。
○政府参考人(室本隆司君) 農林水産省では、農作物被害防止の観点から、地域ぐるみで行う鳥獣被害対策の取組を支援しているところでありまして、具体的に申し上げれば、農作物被害を及ぼすイノシシの捕獲活動、イノシシの侵入を防ぐための侵入防止柵の設置、イノシシの隠れ場所となるようなやぶを刈り払うなどの環境整備、こういったことについて支援をしているところでございます。
 このうち捕獲活動につきましては、平成二十五年十二月に、環境省と農水省におきまして、鹿、イノシシの生息頭数の十年後までの半減を目指すこととしました抜本的な捕獲強化対策、これを作成し、捕獲の強化を図っているところであります。
 そして、今般の豚コレラの発生を受けまして、緊急対策として、豚コレラウイルスの拡散防止のため、猟友会等によるわなを用いた一斉捕獲の取組、あるいは岐阜県、愛知県の要望に沿ったイノシシの侵入防止柵の増設、こういったことを支援しているところでございまして、引き続き、環境省、関係県とも連携しながら対策に取り組んでまいりたいと考えております。
○里見隆治君 ありがとうございます。
 そうした野生イノシシへの対策の中で、今回、これは初めての試みということですが、野生のイノシシへのワクチンの散布の国の決定をされ、それを受けて去る三月八日、先週金曜日になりますが、岐阜県、愛知県で関係者を集め対策協議会を発足されたと伺っております。いよいよこの散布の計画を実行段階に移すということでございます。
 この野生イノシシへのワクチンの散布についてですが、これは農水省にお伺いをいたします。
 四点お伺いしたいんですけれども、まず、ワクチンの使用による効果、それから効果の目標、そしてその検証ですね。そして二点目に、予定している実施期間。三点目に、ほかの動物への影響はないのかあるのか。また四点目に、野生イノシシのワクチンの備蓄の必要性。これらについてどのようにお考えか、お伺いをいたします。
○政府参考人(池田一樹君) お答えします。
 野生イノシシに対する豚コレラ経口ワクチンの野外散布につきましては、野生イノシシにおける豚コレラの感染拡大防止などを目的としておりまして、効果の検証のためには、計画的にイノシシの捕獲を行いまして、その血液検査等を行うということとしております。
 ワクチン散布の実施期間や経口ワクチンの備蓄についてですが、まずは一年間、経口ワクチンの散布を実施し、その効果あるいは経験等を踏まえて判断していきたいと考えております。また、ワクチンメーカーによりますれば、この経口ワクチンは野生動物に対しても安全だとされていると承知しています。
○里見隆治君 ありがとうございます。
 次に、水際対策について、これも今日、朝からるる質疑応答ございましたけれども、これはもう答弁は結構ですけれども、今後のアフリカ豚コレラの脅威も考えますと、まさに動物検疫体制の強化、これは私も喫緊の課題だというふうに思っております。外国人の来日が年々増加するそのスピードに合わせて探知犬の増頭や家畜防疫官の増員をしていく必要があると、これは私からも改めてお願いをしておきたいと思います。
 このアフリカ豚コレラについて、これワクチンがありませんのでと、そういう説明ずっと続いておりますが、これはどのワクチンも昔はなかったものを開発しているわけでありまして、ワクチンがないという、そのないという危機感の下に我々しっかり最前線で体制を組んでいく。そのことをしつつ、最前線ではそういった慎重な対応をしつつ、やはり研究開発という意味ではこのアフリカ豚コレラのワクチンということもしっかり研究開発をしていかなければならない、そのように思います。
 これはスペイン等で既に着手をし、進められているというふうにもお伺いをしております。日本としても、こうした取り組んでいる国と国際的に協力をして積極的に研究開発を進めていくべきと考えますが、農水省はいかがお考えでしょうか。
○政府参考人(池田一樹君) アフリカ豚コレラのワクチンについてのお尋ねでございますが、御指摘のように、アフリカ豚コレラのワクチンにつきましては、現在有効なワクチンは世界的に存在がございません。このため、ワクチンの開発に資する基盤的研究と既存の防疫資材の有効性を確認するための研究を現在実施中でございます。その成果に期待をしたいと考えております。
 また、国際間の連携ということでございますが、例えば我が国では、アフリカ豚コレラの診断を農研機構動物衛生研究部門において実施することとしておりますが、国際間でウイルスの情報などのやり取りをするといったことをしておりまして、これにより、海外で発生したウイルスに対しまして既存の検査方法が有効であるか、そういったことの検証を行うといった研究も行っております。
○里見隆治君 よろしくお願いします。
 それから、水際対策について、これは先ほど税関の話あるいは検疫の話が出ておりますけれども、旅客の携行品検査の強化なども進めていただいておりますけれども、これ、衆議院での農水委員会での答弁でしょうか、台湾などの例も引かれながら、この罰則を強化していく、厳罰化を強化していく、そういった動きがあるというふうに承知しておりまして、これ日本も是非、例えば違反金払えなければもうお国へお帰りいただく、それぐらいの強硬な措置が必要ではないかと、是非早急に御検討し、また御決断をいただきたいと思いますけれども、他国の例など、これをまず事務方から御説明いただき、最後、大臣からこの点についての御見解をお願いいたします。
○政府参考人(池田一樹君) お答えいたします。
 台湾では、昨年十二月、過去三年以内のアフリカ豚コレラ発生国からの畜産物の持込みを申告せず発覚した場合の違反金を、日本円で約五万円から初回約七十万円に引き上げたと承知しております。さらに、本年一月から、直ちに違反金を支払わなかった外国人は入国法により国の安全と秩序を乱す者として入国を拒否をしていると承知しております。これらの規則について台湾当局と情報交換をしたところによりますと、検疫探知犬などにより発覚し自発的に放棄した場合には、日本と同様に違反金は科さない運用であるということを確認をしております。
 日本における罰則につきましては、不正に畜産物を持ち込んだ場合、家畜伝染病予防法で最も重い三年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処すこととなっておりまして、このことにつきましては、広報活動等により国内外に積極的に周知をしているところでございます。
○国務大臣(吉川貴盛君) 台湾における罰則強化、ただいま御説明をしたとおりでございます。私どもも、こういった他国のことも参考にしなければという思いはございます。
 現在、いろいろなお話がございますように、このアフリカ豚コレラに関しましては、中国のみならず、新たにベトナムでもこの発生が確認をされるなど、我が国への侵入リスクというのが一層高まっていると認識をいたしておりますので、極めて緊張感を私ども持たなければなりません。
 現在は家畜伝染病予防法でどのような対応が新たに可能か、今検討もしているところでもございますので、しっかりと対応していきたいと、こう思います。
○里見隆治君 是非検討を速やかに、結論に、もって、そして厳格化の方向で私は是非御対応いただくべきと考えますので、よろしくお願いいたします。
 もう時間もなくなりましたので、最後、高野政務官にお伺いをしたいと思います。農泊の推進について、これ、大臣所信でもお述べをいただいた点でございます。
 政府は、二〇二〇年度までに農泊をビジネスとして実施できる体制を持った地域を五百地域創出するという目標を掲げ、今年度、三百五十七地域、あと百四十三地域でございます。
 私の地元、愛知県では四地域が指定され、いずれも個性的、特徴的なものでございます。例えば、西尾の一色ウナギのかば焼きとか、南知多のタコやシラスなど、地場の名産や郷土料理と結び付くと、交流人口の増加という効果に加えて、地域産品、地場の食材のブランド力を高める、そうした相乗効果が期待できます。高野政務官の地元、高知県でも既に六地域が指定されているということでございます。
 この農泊と、そして地域の食材のブランド力向上、こうした効果、これらを含め、五百地域創出に向けての御決意をお伺いいたします。
○大臣政務官(高野光二郎君) 御質問ありがとうございます。
 観光客を農山漁村に呼び込み、農山漁村の、お話にございました所得向上や活性化を図っていくためには、農泊をビジネスとして実施するための体制整備が重要でございまして、農林水産業・地域の活性創造プラン等に基づき、このような体制の整った農泊地域を二〇二〇年までに五百地域創出すべく取組を進めているところでございます。
 このため、農林水産省では、平成二十九年度から農泊推進対策を創設をし、また、昨年の十月には専用の農泊推進対策室を設置して推進を強化しているところでございます。
 農泊の中心的な役割を担う法人と宿泊業者、旅行業者等の地域内の多様な関係者が一丸となった推進体制の構築や、地域の自然、景観、伝統文化等の支援を活用した体験プログラムの開発等、魅力ある観光コンテンツに磨き上げ……(発言する者あり)失礼しました、先ほど、農林水産業・地域の活性創造プラン等と申し上げましたが、それを訂正させていただきまして、活力創造プランでございますので、よろしくお願いします。古民家等を活用した滞在施設等の整備等の支援を行っているところでございます。
 平成三十一年度当初予算においては、インバウンド需要の更なる拡大等を図るため五十三億円を計上しており、二〇二〇年までに五百地域の達成と質の高い地域の創出に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
 高知県のことを御紹介いただきまして、ありがとうございます。
○里見隆治君 もう時間になりますので終わりますが、これ、地域の活性化また活力、いずれも大事でございますので、いずれも議事録に残ってよろしいかと思います。
 実は今日、もう一問、農福連携についてもお伺いしようと思いましたが、これはまた次回に譲るとして、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
○儀間光男君 日本維新の会と希望の党の儀間でございます。
 幾つか質問通告をさせてもらっていますが、その質問に入る前に、午前からずっと質疑やられた豚コレラ、これについての私からも希望とお願いをしておきたいと思います。
 まさに大陸が震源地だろうと思われますけれど、さっきからお話あるように、これのやはり防疫、どう水際、空際で防疫体制を強化していくか、これが一番だと思います。それでも、鳥にも牛にもいろんな疫病が入ってきてさんざん苦労するわけでございますが、そういう意味では、畜産農家にとってはこれはまさに災害そのものというふうに指摘してもいいのではないかと思います。
 そのようなことから、是非とも、この豚コレラに感染された養豚農家、これのこれからについて、政府があらゆる手だてを総動員して救済活動をしていって、防疫拡大を推進していただきたいと、こういうことを願いまして、今議会初めての委員会での質問をさせていただきます。
 なお、大臣所信に対する質問でありますから、それを中心にさせていただきたいと思います。
 まず第一に、生産資材業界や流通加工業界、あるいはそれの再編と参入を促進するための制度ができましたが、これを少し点検をさせていただきたいと、こういうふうに思っております。
 平成二十八年十一月に農業競争力強化プログラム、閣議決定されて、農業者が自由に経営ができる環境の整備、あるいは農業者の努力で解決できない構造的な部分、あるいは農業資材の価格の決定等々を含む競争力を実現するために、生産資材の価格の引上げなど、あるいは加工構造の改革など、競争力強化支援をやってまいりまして、二十九年の通常国会でこれが成立を見ております。
 法案が成立してからまだそう長くはなっていませんから、いろんなデータ不足もあるのかも分かりませんが、外国と比較をされまして、農業資材、以前は韓国の資材よりはるかに高い、諸外国の農業資材よりはるかに高いということで、我が国の農業生産資材は市場で減少しつつあったというような現状認識をしております。
 我が国農業資材の価格が減少、低減されたことによって、その差額分はいわゆる農業経営に好影響をもたらすはずでありますが、農業経営全体にどの程度の好影響を及ぼしているか、まずはお示しいただきたいと思います。
○政府参考人(枝元真徹君) お答え申し上げます。
 例えばでございますが、平成二十九年産の米生産費調査におきまして、十アール当たりの生産費に占める肥料、また農業機械の割合は、それぞれ一割、二割ということで約三割となっているなど、農業生産におきまして資材コストは大きな割合を占めてございます。
 こういうことから、農業資材の価格の引下げに向けまして、平成二十九年八月、農業競争力強化支援法の施行以降、同法に基づきまして業界の自主的な事業再編、参入の促進、また資材価格の見える化、こういうことの取組を行ってまいりました。
 先生からも御指摘いただきましたとおり、まだ支援法を施行いたしまして、取組、緒に就いたばかりでございまして、なかなか全体としての影響を分析することは困難でございますけれども、農林省の方でも昨年八月に初めて農業資材価格の国内、また海外を含みます調査、その結果を公表いたしました。平成二十八年九月、この法律を作る前提としていろいろ調べたものと比べたところ、比較可能な肥料の多くの品目で価格が低下傾向となってございます。
 また、全農におきましては、肥料につきましては、一般高度化成肥料等につきまして、現場の農業者の意見も踏まえた上で約五百五十の銘柄を二十五銘柄に集約をいたしまして、三十年の春肥から入札方式を導入して約一割から三割の価格の引下げを実現、また、農業機械については、担い手から様々な要望を踏まえまして機能を絞り込んで、従来と比較して約百万円程度安い大型トラクターの販売を十月から開始いたしました。
 このような資材価格の引下げの取組によりまして農業経営に良い影響を及ぼしますように、農業者が一円でも安く資材を購入できる環境整備に向けまして、引き続き本法に基づく施策を推進してまいりたいと存じます。
○儀間光男君 農家が、資材は一円でも安く入れて製品は一円でも高く売りたい、これが基本ですね。
 だから、それからしますというと、機材の低減を図るために、農家現場といろいろ話し合う中で、トラクターの機能として必要のない部分を下ろしたりしまして、外したりしまして、トラクター一台で五十万とか百万とか軽減した。こういう数字を聞くと、農家経営にこれ出てこないというのがおかしいので、来ているはずなんですが、まだ浅いということでデータがきちっとそろっていない、その辺は理解できるんですけれども。
 今後とも、農家が求める機材の価格を安くしていって、農家の経営に好影響を与えていくというような体制はこれからもつくって頑張らなきゃならぬと思うんですが、もう一度御答弁いただきたいと思います。
○政府参考人(枝元真徹君) お答え申し上げます。
 経営そのものに関する統計等には出てございませんけど、先ほど申し上げたような様々な取組を国の方でも、また全農、農協系統の方でもしてございます。
 こういう資材価格が、ともかく農業者が一円でも安く資材が購入できる環境の整備に向けまして、関係団体、関係機関とも連携しまして、施策を着実に推進してまいりたいと存じます。
○儀間光男君 要するに、農業経営に至ってはまだその成果が確認をできていない、確認するまでのデータがそろえられていないという理解でいいですか。
○政府参考人(枝元真徹君) 経営という意味でのデータはまだできてございません。
 それぞれの価格について、例えば尿素がどれぐらいだったとか、さっき申し上げた五十馬力から六十馬力のトラクターがこういうふうに売られたとか、そういうことについては出てございますが、それが経営全体としてどういうふうな影響になっているかというところまで、ちょっと申し訳ございません、出てございません。
○儀間光男君 しっかりとこれからも継続して御指導いただいて、このことが経営にぱっと跳ね返って、経営が続くような、所得の倍増にもなるような、そのような体制をおつくりいただきたいと思います。
 続いて、そのための流通や加工構造の改革も目指してまいりましたね。業界の再編や統合、こういうことも進めてきたと思うんですが、その進捗はどの程度なのか、お示しをいただきたいと思います。
○政府参考人(新井ゆたか君) お答え申し上げます。
 流通加工分野の事業再編や統合につきましては、農業競争力強化支援法が施行されてから一か月後の平成二十九年九月に第一号認定をいたしました。その後、本年三月現在で十二件の事業再編計画を認定し、再編を一歩ずつ進めているところでございます。
 流通加工業界の再編等につきましては、民間事業者の経営問題であることから、政府としてはその自主的な取組を後押ししていくということを旨としておりまして、これまでも事業者や各団体に対する説明会やパンフレットの配布等、様々な周知活動を行っております。
 今後も引き続き同法の活用を促してまいりたいというふうに考えております。
○儀間光男君 要するに、言い換えれば、民間企業、民間団体に委ねていることから、いわゆる政府が先頭に立ってどうのこうの言うことはなしに、民間の自主努力に委ねているんだということで理解していいんでしょうか。
○政府参考人(新井ゆたか君) お答え申し上げます。
 基本的には民間事業者の経営問題であるということでございますけれども、国内市場がなかなか伸びないという中、それぞれの事業者、工夫を凝らして事業再編あるいは経営統合していただくという機運は盛り上がっているというふうに思っておりますので、この支援法を使ってその背中を押していきたいというふうに考えているところでございます。
○儀間光男君 業界が自主努力をする、これは当たり前の話なんですが、やはりそこも制度をつくっていろいろやっているわけですから、政府としても、農林水産省としても、指導して、業界と一体となって指導していって農家に反映させていかなければならないと、こういうふうに思っているところで、どうぞこれからもひとつ努力をしていただきたいと、こう思います。
 次に、次世代への継承を目指した日本型直接支払制度などを含めた、いわゆる都市と農山漁村との交流、観光客のインバウンド需要、こういうものの呼び込み、つまり農泊の推進などについて少し伺いたいと思います。
 インバウンド需要の拡大は、これはインバウンドですから、大体入ってくるのが大都市圏、東京であるとか大阪である、はたまた京都であるとか、こういう大都市圏に偏っておるというように私は認識します。これはいかにしてこの偏りをなくして地方に広げていくか、インバウンドを広げていくかということがこれからの課題だと思うんですね。
 この農泊が地方の特色を出すと思うんですね。農泊することによって、地域、地方にいわゆるインバウンドが広がることによって、地場産業であるとか地場産物であるとか、そういうものの拡大がされて、地方の農家、特に農家辺りに農泊によってそれはいろいろと経済的効果あるいは文化的な広がり、あるいは多様性が出てきて、楽しい農家が生活できていくというようなことなどがあるわけですね。
 ですから、都市部のインバウンドの消費停滞を、代わりに地方が魅力を持って売り出す。そのことによって、日本の美しい棚田を始め美しい日本の地方が世界にアピールできるというようなことの効果があると思うんですが、その辺の対策はどのようにされているかをお示しいただきたいと思います。
○大臣政務官(高野光二郎君) 儀間先生の御指摘のとおり、政府といたしまして、二〇二〇年までに外国人延べ宿泊者数、これは地方部での外国人にどれだけ泊まっていただけるかという目標を定めております、七千万人泊を目指しております。現在は、直近では二〇一七年で三千百八十八万人泊でございます。
 今後は、農山漁村地域へのインバウンド受入れの拡大に向けて、WiFi、洋式トイレ、キャッシュレス対応等の環境整備、古民家等の改修等の宿泊施設の量的、質的な確保に対する支援に重点的に取り組んでまいりたいと思います。
 先ほど里見先生からもお話ございましたが、儀間先生の御地元であります沖縄県も既に十件認定をされておりますので、お客様であったりだとか市町村であったりとか、いろいろ情報提供していただければ有り難いというふうに思っております。
○儀間光男君 日本は、山紫水明、紫の山と透明な水、山紫水明の国体を持つ国でありますから、地方の魅力というのは物すごいあると思うんですね。里山から湧き出る水なんて世界一だと思うんですよ。里山の水を飲んで病気を癒やしたという方々も、科学的にどうかは証明されていないけど、報告する人というのはいっぱいおるんですね。
 そういう意味では、東京、大阪、京都もいいけれど、山紫水明な日本の各地の文化あるいは風景あるいは産物、こういうものをもっともっと表に出して積極的にPR、農泊を取り組んでいくという姿勢を、今もお話ありましたけれども、更なるお強い決意で述べていただきたい。つまり、政府が掲げる地方を元気にする取組、そういうことでひとつ政務官、もう一度決意のほどを言ってもらえませんか。
○大臣政務官(高野光二郎君) ありがとうございます。
 先ほど申し上げましたとおり、二〇二〇年までに目標数を設定をいたしておりまして、この農泊に関しましては、二十九年に創設をしまして、その対策チームを農林水産省に設置したのが平成三十年の十月からでございます。また、沖縄県におきましても、この登録におきましては、平成二十九年と平成三十年に新たに登録をした件数が十件ということでございまして、まさに今がスタートでございます。
 議員の先生方にもいろいろ御指導いただきながら広げていきたいというふうに思っております。
○儀間光男君 同じことを聞いてごめんなさい。
 それで、今の話は、農泊、地域の産物、そういう意味で後でまた質問しますが、沖縄は特にヤギがおるんですね。ヒージャーというんです。これについてはまた後でお話しいただきたいと思いますが、どうぞ、そういうようなことで徹底して地方創生の精神にのっとって、地方を活気付かせて、農山村の皆さんが豊かな暮らしができるように、このような農林水産側からの取組を徹底していただきたい、こういうことをお願いしておきたいと思います。
 次に、農福連携をちょっとお聞きしたいと思うんですが、企業の障害者の法定雇用率、これはそれぞれ、企業で二・二%でしたか、全体の雇用者の。国が二・五%だったと思うんですが、国が全ての省庁でそれに達していなくて、うその報告がなされて今問題になって、いろいろ今朝の情報等を見ると、安倍総理は一人六十万の罰則を各省庁にやって予算を削っていくんだというような決意も示されているようですが、この雇用企業、公共団体、政府の法定雇用率、これを利用したビジネスが最近あるような気がしてなりませんね。
 どういうことかというと、土地を所有している農家やあるいは個人の方々が法定雇用率をクリアしようとする企業に対して農地を貸し出す。農地を持った企業もありますし、あるいは農地を持った、土地を持った個人、こういう人たちがそういう希望を持つ企業に農地を貸しているんですね。それで、借りた農地で企業は障害者を雇用し、農業に従事させるんです。そして、雇用率を達成すれば、これが達成されたら雇用納付金制度においてやっている補助金も受け取れるわけですね。
 だから、でっかい会社、これはどの企業とは特定できませんけれど、例えば家電メーカーであるとか自動車産業であるとか鉄鋼産業であるとか、そういう大きい会社が障害者二・二%入れるには、生産性の向上上、なかなかコストが上がって難しいというところがあったとすると、この制度を利用する可能性がいっぱいあるんですね。
 それをビジネスとするというような状況が今危惧され、具体的にあることを私も一、二件掌握しております。そういうような状況で、このようなことがビジネスとして成立した場合に、これ、いささか立法の精神に反するのではないかというような思いがあるんですが、政府は、あるいは農林水産、農業の面から、政府として、農水大臣としてどうお考えかをお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(室本隆司君) 今委員おっしゃったのは、企業が障害者雇用を促進する目的でつくる子会社、いわゆる特例子会社というものだと思いますが、これについては二十九年の六月時点で四百六十四社が設立されておりまして、そのうち私どもの調査によれば、約四十社が農業に取り組んでいるというふうに承知しております。
 これがビジネスとして雇用率の達成だけを目的とするものであればこれは問題だという委員の御指摘かと思いますが、私どもでつかんでいる事例としては、例えば特例子会社が地域の農家から農作業を請け負いまして、特例子会社に雇用された障害者が農家に出向いて作業を行うことによって農業側の労働力確保の課題を解決している、そういう、これは静岡県の事例でございますが、こういう事例とか、あるいは特例子会社が障害者を直接雇用するだけではなくて、その地域全体の障害者就労施設からの障害者を受け入れて、例えば出荷調整作業を担っていただくということによって、いわゆる福祉側の課題である就労、雇用の場の確保ということを実現している、これは大阪府の事例でございますが、こういう非常にある意味優良事例、こういったものがかなりあるのではないかと、こう思っております。
 基本的には、こうした取組は単なる雇用率の達成を目的とするものではなく、障害者の自立、生きがいを創出し社会参画を促していく、こういったことを目的に進めていくべきだというふうに農水省としては考えてございます。
○儀間光男君 今優良事例のお話が出ましたけれど、今の事例はそれは遵法だと思いますよ、法律にのっとっていると思います。
 中には、そういうのじゃない、子会社とか何とかを隠れみのにして、いわゆる補助金目当てのビジネス化しているような状況が幾つかあるんですね。それは、じゃ、把握されていませんか。
○政府参考人(室本隆司君) 今のこの時点でそういう事例とかデータは持ち合わせておりませんので、また改めて委員にお話を伺った上でそういう実態があるかどうかというのはちょっと調べさせていただきたいと、こう思っております。
○儀間光男君 もしの話をして恐縮ですが、もし仮にそういうのがあったとすると、それに対する手だては何かあるんですか、規制するような手だてか何か。
○政府参考人(室本隆司君) 農水省としては、特段法令等に基づく措置ができるわけではないと思っておりまして、所管からすると恐らく他の府省だと思われます。ちょっと断定的なことはこの場では申し上げられませんが。
○儀間光男君 是非調査をして、確認をして、それを規制する手だてなどを準備する必要があると思うんです。こういうことが、障害者等を利用してこういう制度がゆがめられていっては身も蓋もないというような思いがしてなりません。
 私は、障害者の生産性向上、これは向上を図れる、図り得るものだと思うんですね。つまり、障害者であっても企業の生産性向上をさせていく要因たり得る。決して生産性を落としたり、あるいは健常者に比べて雇用コストが、設備コストが高くなるから、それがイコール生産性の向上を阻害しているというようにはならないということを考えておる、信じておるんですね。
 だから、そういうことなので、そういう考えでおるので、そういうことがゆがめられたことがあったとすると、これは大変心を痛めることでありますから、きちっと調査をして、指導すべきところはやっていただきたいと思います。
 この前、農林水産省の農福連携を唱えたホームページを目にしました。こう書かれている。農林水産省は農福連携を唱え、あるいは、障害者等の農業分野での活躍を通じて自信や生きがいの創出、あるいは社会参加を促す取組であり、これは社会参加を促す取組であり、厚生労働省と連携して、農業、農村における課題、福祉における課題、福祉とは障害者等ですね、それから双方の課題と利益がウイン・ウインの取組であるように農福連携を推進していくというふうにあります。
 ここでちょっと伺うんですが、農林水産業界と障害者雇用に従事する関係団体の連携、あるいは厚生労働省以外の省庁との連携はどういうものがあるかを御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(室本隆司君) この農福連携というのは、未来投資戦略やあるいは骨太の方針にも位置付けられておりまして、元々、関係省庁が連携して政府一丸となって推進しているということでございます。
 例えば、その連携の内容としては、農水省と厚生労働省の方で農福連携の支援制度を紹介するパンフレットの作成、それから普及啓発を目的としたフォーラムの継続開催、あるいは農水省と文部科学省との間で、特別支援学校の生徒が農場において農業研修を行う場合の費用助成に関する旨の文書、これはそれぞれ同じ趣旨のものを発出するといったことを行っております。
 また、今申し上げた連携だけではなくて、農福連携全国都道府県ネットワーク、これは任意団体でございますが、あるいは一般社団法人農福連携協会、こういったところと、あるいは国と地方公共団体、関係団体、こういったところとの間でも定期的な情報交換などを行っておりまして、委員おっしゃるように、こういった連携を更に強化して農福連携を進めてまいりたいと、このように考えております。
○儀間光男君 障害者の福祉向上、福祉の向上には恐らく全省庁横断的に連携していって、それぞれ貢献する道があると思いますから、そういう意味で頑張っていただきたいと思います。
 次に、農林水産物の一兆円達成、これについて聞きたいと思います。
 政府は、農林水産物の輸出目標を平成三十一年に一兆円として取り組んできました。御案内のとおりです。それで、平成三十年の農林水産物の輸出額は九千六十八億円。内訳が、農産物五千六百六十一億円、林産物三百七十六億円、水産物三千三十一億円となっております。
 そして、この輸出先を見ますと、香港が一位で、二位中国、そして三位アメリカ、四位台湾というふうに並んでいて、さらにその内訳を見ますというと、例えば香港の日本の輸入を多く取ったのは、一位が真珠で、二位がナマコ、三位がたばこ。中国は、ホタテガイ、それから丸太、植木などですね。米国は、アルコール飲料、二位がブリ、それから三位が緑茶。四位の台湾が、一位リンゴ、二位アルコール飲料、三位がソース混合調味料。
 こうして十位までずっと見てきますと、生鮮食料品、これがまだまだ外国へ出ていくのが少ない、こういうような感じが見えるわけですよ。それについて、生鮮食料品の輸出の拡大、一兆円の手伝い、さらに、一兆円超えての戦略産業として貢献し得る可能性がいっぱいあると思うんですが、その辺どうお考えかをお聞かせください。
○政府参考人(新井ゆたか君) お答え申し上げます。
 我が国の農林水産物・食品の輸出額は昨年九千六十八億円となり、六年連続で過去最高を更新しております。委員御指摘の生鮮品という観点から見ますと、野菜、果実等を合わせますと四百二十三億円、穀物ですと四百二十六億円、畜産物は六百五十九億円ということでございまして、いずれも伸びているということでございます。
 個別の品目につきましては、牛肉は前年から三割、それからリンゴも三割、イチゴは四割ということでございます。昨年特に顕著だったものは、鶏卵が五割、カンショが四割ということでございまして、我が国の農林水産品、生鮮につきましてもこれからますます伸びていく可能性は大いに高いというふうに考えているところでございます。
○儀間光男君 ここで私が言った農林水産物というのは、生鮮食料品と言ったのは、蔬菜を中心に今申し上げました。蔬菜とは、野菜、果菜、根菜、いろいろありますが、この蔬菜類は全然ランクに上がってこないんですよ。ここの輸入拡大はどうしていくかの政策、計画はありませんか。
○政府参考人(新井ゆたか君) 今御指摘がありました蔬菜、果菜、野菜と果物を合わせてでございますけれども、これらは四百二十三億円で、一五・六%ということで伸びております。
 先ほどの国別の順位で申しますと、リンゴだけが三位までの中に入っておりましたけれども、これらはアジア諸国に広く輸出をされているということでございまして、これからも近隣のアジア諸国に、日本食のレストランの普及とともに更に増えていくということを期待しているところでございます。
○儀間光男君 押さえている資料が違うかも分かりませんが、一位から十位見てください。蔬菜類が上位に占めたのはどの国もありません。リンゴが台湾で一位をランクしています。あとはほとんど三位にも入ってこないんですね。そういう意味で、もっと蔬菜類を海外市場に輸出していくチャンスをつくるべきだと、そういうようなことを申し上げて、時間がそうないですから、次に進みます。
 そこで、これは是非大臣に答えていただきたいんですが、今申し上げたような農林水産物の輸出拡大、これはいろいろ課題がありますけれど、この課題に政策的にどう取り組んでいこうとされているのか、大臣の所見をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(吉川貴盛君) 今後の輸出拡大に向けましては、国内向けの生産に余りが生じてから輸出を考えるということではもちろんございませんですし、最初から海外市場への出荷も念頭に産地づくりを進めることがまずは重要だと考えます。
 このため、例えばタイ向けには、大玉の日本の高級リンゴの輸出に加えて小玉リンゴを生産をして、大ロットで効率的に輸送することによりまして現地の中間所得層向けの販路を拡大するための実証も、これは青森県で進んでおります。
 このような輸出先国のニーズですとか規制等に対応した産地の形成を更に進めていくために、三十一年度の当初予算におきましては、グローバル産地づくり推進事業におきまして産地づくりの計画策定、計画の実行に向けた体制整備等を支援をいたしますとともに、関連するハード・ソフト事業の採択の優遇措置による生産確保体制の構築等も支援をすることといたしております。
 こうした支援を通じまして、海外市場に乗り出したいという生産者の夢を一つでも多く実現をしてまいりたいと、このように考えております。
○儀間光男君 ありがとうございました。賛同いたして、協力したいと思います。
 おっしゃったように、国内の需要にもまだ供給されていないのに外へ出すとなると、国内の需給率とのちょっと相反した部分が出るんですが、農家をやっぱり育てるという意味で、輸出専門、専門化する農家もつくるべきだと思うんですね。そういう意味では、今のお話、大変重要な話だと思います。
 例えば米ですというと、需要を、余ったから、供給が余ったから外へ出すということではなしに、外専門の農家をつくっていってしまうということ等もあっていいはずだと思うんですね。それを申し上げようと思っていましたんですが、大臣の答弁がどんぴしゃりでしたので、感謝を申し上げたいと思います。
 時間もないので、次に行きたいと思います。
 漁獲量の管理体制システム、これの導入を今されておるんですが、日本は海洋国として、昭和五十九年当時は漁獲高が八千七百八十六万トンあったのが、世界はですね、あったのが、平成二十七年には一億九千九百七十七万トン、三十年間で二倍となっております。一方、我が国を見ますというと、同じ五十九年、これはピークですけれど、一千二百八十二万トンあった。この中にはサンマが単独で八十万トン漁獲高があるんですね。ところが、同じように二十七年を見るというと、四百六十九万トン、世界第七位へと減少を、激減を続けているんですね。そこで、世界を更に見ているというと、世界は漁獲高の五割が養殖でやっているんですね。日本は養殖では二割の供給となっています。
 そういうことを見るというと、資源管理もしながら養殖業にももっと力が入っていいような気がするんですが、どうお考えかをお聞かせください。
○国務大臣(吉川貴盛君) 養殖の振興についてのお尋ねだと、こう思います。
 国として国内外の需要を見据えた戦略的養殖品目を設定いたしますとともに、生産から販売、輸出に至る総合戦略を策定した上で本格的に取り組んでいくことといたしておりまするけれども、さきの臨時国会におきましても漁業法の改正をしていただきました。
 意欲的に養殖業を営む者が安心して漁業経営や将来に向けた投資をできるように取り組んでいるところでございまするけれども、この養殖業の振興の課題に対応するためには、まず沖合養殖システムの開発ですとか、優良種苗、低コスト飼料等の新技術の積極的な活用を図っていかなければなりません。我が国における養殖業の発展を更に図っていくことといたしております。
○儀間光男君 大陸を擁する諸外国と島国である日本で、海やおかの利用、淡水利用、ちょっとバックデータ、バック条件は違うんですけれど、やはり世界の趨勢として、養殖資源管理をする意味では、それに代わって養殖業をもっと高めていこうというような趨勢にあることは間違いありませんので、是非ともそれをやっていただきたいと、こう思っています。
 それから、漁船、漁具等を含めて法律改正をやって、いろいろ施策は展開されますけれど、水産庁の三千億円余予算がありますけれど、船舶の価格やあるいは大きさ等、装備品等を考えると、全体で三千億円しかない。ここから新造船や新漁具等の導入について、これ予算十分かどうか、対応できるかどうか、長官、心から訴えていただきたいと思います。
○政府参考人(長谷成人君) 水産政策の改革によりまして、水産資源の適切な管理と水産業の成長産業化を両立させ、漁業者の所得向上や年齢バランスの取れた就業構造を確立するために、平成三十年度補正予算と三十一年度当初予算合わせて三千四十五億円を計上しております。
 このうち、漁船等の導入に資する事業につきましては、広域的な漁村地域が連携して取り組む中核的担い手へのリース方式による漁船導入ですとか、高性能漁船導入のための実証的取組の支援等に補正予算で三百億円、当初予算で百五十億円を計上しているところでございます。
 今後とも、現場のニーズを踏まえつつ、適切な資源管理と水産業の成長産業化に必要な予算の確保に努めてまいりたいと考えております。
○儀間光男君 今いろいろ挙げられましたけれど、今申し上げたような予算額でニーズに十分堪え切れますか。今現在どういう状況になっていますか。
○委員長(堂故茂君) 水産庁長官、時間が来ておりますので、簡潔に答弁願います。
○政府参考人(長谷成人君) 漁船保険の統計なんですけれども、平成二十六年度から二十八年度までの三年間で三千隻程度建造されております。この中で、先ほど申し上げましたような担い手への支援策ですとか新しい取組への支援ということで予算を措置しているところでございます。
○儀間光男君 これからも新しいニーズが出てくると思いますから、きちっとその対応をしていけるように頑張っていただきたいと思います。
 御答弁ありがとうございました。
 委員長、ありがとうございました。
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○委員長(堂故茂君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、礒崎陽輔君が委員を辞任され、その補欠として大沼みずほ君が選任されました。
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○紙智子君 紙智子でございます。お疲れだと思いますけれども、最後の質問になりますので、よろしくお願いします。
 私も、今緊急の課題になっております豚コレラについてまずお聞きしたいと思います。
 今回の豚コレラの発生原因、感染ルートは解明されておりません。そこで、ちょっと振り返りますと、口蹄疫、それから鳥インフルエンザ、農作物でいうとジャガイモのシロシストセンチュウなど、日本に存在しないウイルスが原因で被害が発生しているわけです。
 鳥インフルエンザは野鳥が原因ということも言われていて、水際対策といっても、飛んでくる場合に防ぐのはなかなか大変だということはあると思うんですけれども、口蹄疫とか、植物防疫になりますシロシストセンチュウなど、日本に存在しない病気がなぜ国内で発生したのか、この原因や感染ルートが解明されたものというのはこれまであるんでしょうか。
○国務大臣(吉川貴盛君) 越境性の動物疾病や植物の病害虫のうち、鳥インフルエンザは渡り鳥が、沖縄におけるミカンコミバエは東南アジアからの台風が侵入原因と言っても差し支えないのではないかと考えておりますが、しかしながら、それ以外につきましては、生きた動物や植物、畜産物、肥料や飼料、あるいは人や物を介した場合など、様々な可能性が考えられますことから、世界的にも侵入原因を明確に究明することは困難であると承知をいたしております。
 したがいまして、疫学調査によって侵入の可能性の絞り込みを行って、再発防止のための対策に役立てているというところでもございます。
○紙智子君 やっぱり発生原因、それから感染ルートが解明されない、よく分からないということが、より農家の不安を大きくしているというふうに思うんですね。
 それで、TPP11が発効したわけなんですけれども、これ、貿易の円滑化ということで、輸入手続を簡素化することになっているわけです。それで、輸入してから四十八時間以内に国内に流通させるということが原則になってくると。口蹄疫にしても、シロシストセンチュウにしても、今回の豚コレラにしても、感染ルートは解明されていないと。水際対策を強化しても、擦り抜けがあれば、これはリスクはゼロではないというふうに思うんですね。
 そこで、大臣、この四十八時間ルールに対してはどういう体制を取っておられるんでしょうか。
○国務大臣(吉川貴盛君) TPP協定におきましては、可能な限り物品の到着後四十八時間以内に物品の引取りを許可することとされておりますが、引取りの要件が満たされていない、すなわち検疫の終わっていない場合において物品の引取りを許可することまでは求めていないと承知をいたしております。したがいまして、法令に基づく動植物検疫を実施した結果、到着後四十八時間を超えて輸入検査が終了したとしても、TPP協定に違反するものではないと存じております。
 農林水産省といたしましては、これまでも農産物等の輸入の増加等に対応いたしまして、家畜防疫官及び植物防疫官の増員ですとか防疫探知犬の増頭等によりまして輸入検疫体制の強化に努めているところでもございまして、今後とも科学的根拠に基づき、水際対策に万全を期してまいりたいと存じます。
○紙智子君 この問題については、先ほども議論になっていましたけれども、この体制でいいのかと。擦り抜けを防ぐためにやっぱり体制を強化するべきだということを強く申し上げておきたいと思います。
 さて、豚コレラの発生を受けて発生農家への支援策が出されました。それで、これは是非農家の手元に早く届くようにお願いをしたいと思います。
 同時に、殺処分を受けた農場は、新たに豚を出荷して収入を得るまでには一年半掛かると言われているんですよね。経営再建の支援策が必要だと。養豚農家は、経営再開を目指すためにも支援策がなかなか見えてこないというふうにおっしゃっているわけですね。飼料代、水道光熱費、借入金の返済や従業員の雇用を維持する、それから生活を保障するということも必要なわけですけれども、この支援策が必要になっているんじゃないでしょうか。
○国務大臣(吉川貴盛君) 支援策についてでありますけれども、豚コレラ発生農場等への支援につきましては、家畜伝染病予防法に基づきまして、まずは発生農家に対しまして、殺処分された家畜の評価額の全額を手当金として交付をいたします。二番目に、移動制限が掛けられた農家に対しましても、出荷制限による減収分を補填をすることといたしております。
 また、経営再開に向けましては、畜産経営の再開、継続及び維持に必要な家畜の導入、飼料、営農資材の購入等に要する資金につきましても、家畜疾病経営維持資金ですとか農林漁業セーフティネット資金の活用が可能でもございます。
 加えて、家畜防疫互助基金の加入者が新たに豚を導入しまして経営を再開する場合におきましては、経営支援互助基金の交付を受けることが可能となっております。さらに、先月の二十六日でありますけれども、発生農家等を対象に、豚マルキンの生産者負担金の納付を免除する等の新たな支援策も追加をすることといたしました。
 これらによりまして、豚コレラの発生により影響を受けた農家の方々が経営を続ける意欲を失わずに速やかに経営再開ができますよう、きめ細かく対応もしていきたいと考えております。
○紙智子君 豚コレラの発生によって、もう一日、二日でできなくなってしまったということで、農家の方の立場に立ったら、本当に目の前が真っ暗ということだと思うんですよね。ですから、是非、発生農家が安心してこの後再建に取り組めるように万全の対策を取っていただきますように強く求めたいと思います。
 豚コレラの封じ込めがなぜできないのかと、そのことも問われていると思うんですね。
 一例目が九月九日、岐阜市の養豚場だったわけです。そこから少し空いて、二例目の発生が十一月の十六日に畜産センターだと。施設内でイノシシに掘られた地面の整地に使用していた重機を洗浄、消毒することなく、豚の飼養エリア内で豚の死体の搬送などに使用していたというふうに言われているわけです。それから、三例目は十二月五日なんですけれども、畜産研究所なんですね。ここでは、豚舎ごとの更衣というか、服ですね、衣類というか、それを着替えたりするんだけれども、それから長靴の履き替えは一部の豚舎にとどまっていたということですよね。そして、五例目は十二月の十五日なんだけれども、農業大学校で、外部の業者が長靴を履き替えずに作業靴を消毒して使用したということなんですね。
 これ、公的機関なんですよね。飼養衛生管理基準が公的機関で守られていないということなんでしょうか。
○国務大臣(吉川貴盛君) 今、紙先生からそれぞれ御指摘がございましたけれども、私の方からも少しお話をさせていただければと、こう思います。
 これまで岐阜県で豚コレラが発生した九件のうち、三件は岐阜県又は岐阜市が運営する公的機関での発生でありました。二例目は岐阜市の畜産センター公園、三例目は岐阜県畜産研究所、五例目は、今も御指摘いただきましたように、岐阜県農業大学校でございました。
 これらの施設につきましては、拡大豚コレラ疫学調査チームの検討会におきまして、豚舎ごとの更衣や長靴の履き替えが十分でなかった、御指摘もいただきましたけれども、豚舎への小動物や野鳥の侵入が認められたなど、飼養衛生管理上の課題が指摘もされております。
 また、二例目の畜産センター公園につきましては、岐阜市が設置した豚コレラ検証チームによりましても、岐阜市及び公園の管理者は農場の主体者として飼養衛生管理基準を遵守するという意識が低かったこと、さらに、畜産センター公園の運営管理に関する役割分担が不明であったと、こう分析をされております。
 さらに、三例目の岐阜県畜産研究所及び五例目の岐阜県農業大学校につきましては、拡大豚コレラ疫学調査チームによりまして、当該施設は県の関連施設であったことから、施設内部の獣医師が自ら監視、採材等を行うんですが、家畜保健衛生所による立入検査が行われていなかったとも指摘をされております。
 豚コレラなどの伝染病の侵入を防ぎ、健康な家畜を生産をするためには、飼育者が家畜衛生に関する高い意識と知識を持って飼養衛生管理基準を遵守することが重要でありまして、農林水産省といたしましては、今現在も都道府県とも連携を更に強めながら、改めて農場への指導等の対策にも取り組んで今後もまいりたいと思います。
○紙智子君 意識、知識という問題が今言われたんですけれども、なぜ公的機関で飼養衛生管理基準が守られないのかと思うんですね。
 農水省は、昨年九月九日に、岐阜県に豚コレラが発生したのを受けて、豚コレラ防疫対策本部というのをつくって対応方針というのを出していますよね。九項目示してあるんですけれども、この九項目の中には飼養衛生管理基準の遵守が入っていないんですよ。なぜ入れなかったんですか。(発言する者あり)
○委員長(堂故茂君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(堂故茂君) 速記を起こしてください。
○国務大臣(吉川貴盛君) 指導項目の中に飼養衛生管理基準が入っていないという御指摘をいただきました。今、手元に資料がございませんので、また後ほど紙先生にお答えをしっかりとさせていただきたいと思いますが、よろしくお願いをいたしたいと存じます。
○紙智子君 九月九日の日には入っていないんですよ、九項目に。それで、その次の九月十八日から入っているんですよ。基準の遵守に関する指導を徹底することという項目が入っていて、その次の平成三十年十二月五日のところもまたこの管理基準の遵守の指導を改めて徹底すると追加方針の中に書いてあって、平成三十一年二月六日、ここも再度入っているわけですよね。だから、何度も入れているわけですけど、守られていない、徹底されていないということなのかなというふうに思ったんですけれども、それは何でなんだろうかというのが、ちょっと事前のレクチャー聞いてもよく分からないんですよね。その辺りはどうですか。
○国務大臣(吉川貴盛君) 九月のこの豚コレラが発生をいたしましてから、私も何度も農林水産省としての対策本部も開催をいたしました。官邸の危機管理の関係の会議というものも開催をされました。その都度、この豚コレラが岐阜県で発生をした折、さらには愛知県でも発生をいたしましたけれども、飼養衛生管理の指導というのは、これは本来は自治体が行うということにはなってきておりまするけれども、もう事例が増えてきておりますので、県任せではいけない、農林水産省が主体となってしっかりとこの蔓延防止に努めなければならないという、そういう思いで飼養衛生管理をしっかりやってきたつもりでもございます。
 さらに、岐阜県におきましては、いろいろなイノシシ対策等々も一方ではやりながら、三十三の農場に対して国が主導的になってこの飼養衛生管理、しっかりと守られているかどうかという、そういうチェックもさせていただきました。さらに、愛知県に対しましても、今現在もそういった指導も行ってきているところでございます。
 もし仮に、九月九日の折にその九項目の指導の中に飼養衛生管理がしっかりと位置付けられていなかったということでありますれば、誠に遺憾なことでございました。これからもしっかりと飼養衛生管理基準の遵守を求めていきたいと思いますし、徹底した指導も手を抜かずに行っていきたいと、こう思います。
○紙智子君 やっぱり私は農水省の初動の対応が遅かったんじゃないかなと思うんですね。そして、公的機関ですから、やっぱり守らなきゃいけないところをしっかりやらなきゃいけなかったんだけれども、そこができなかったというのは何でなのかというのは、ちょっと改めてよく調べないといけないんじゃないかというふうに思うんです。頭数が多過ぎて、分かっていたけど対応できなかったのかとか、ちょっとそんなことも含めてよく分析をしていただきたいと思います。
 先ほども議論の中で出ていましたけれども、口蹄疫が発生したときというのは、私も宮崎に飛んでいったんですけれども、物すごい緊張感といいますか、張り詰めた空気の中で、やっぱりあれは空気感染ということもあったと思うんですけれども、ここからもう入っちゃ駄目というぐらい徹底して広げないということでやっていたということを考えると、やっぱりそういうことも含めてしっかりと対応していただきたいというふうに思います。
 次に、日米貿易交渉についてお聞きします。
 日米貿易交渉をめぐって、物品交渉なのか、その他の分野も含むのかということで、日本は日米物品貿易交渉、TAGだというふうに言いました。アメリカの方は日米貿易協定、USJTA、ジャパン・トレード・アグリーメントというんですか、というふうに言っていると。
 なぜTAGと言ったのかなというふうに思うわけだけれども、それは、安倍総理が昨年の日米貿易協議、FFRですね、このときに、日米FTA交渉と位置付けるものではなく、その予備交渉でもないというふうに言ったわけですよ。その言ったことと整合性を持たせるために、いや、今度は物品なんだと、包括的なFTAとは違うんだと、で、TAGと言ったんじゃないのかなと思うんですね。
 トランプ大統領は、TPPからの離脱に際して、アメリカの労働者にとってこれ大変良いことだと、アメリカの産業振興と労働者の保護につながるあらゆる二国間交渉を追求するんだというふうに言っています。アメリカの産業、労働者のために二国間交渉をするんだというふうに言いました。
 昨年の九月二十六日の日米首脳会談で公表された日米共同声明では、米国としては、自動車について、市場アクセスの交渉結果が米国の自動車産業の製造及び雇用の増加を目指すというふうにあります。アメリカは早速、これ自動車については、日本との間には貿易赤字があるんだと、日本に輸出がうまくいかないから貿易交渉を進めるんだというふうに報告書でも書いてあると。安全環境基準など非関税障壁の撤廃を求めるということで交渉目標を明らかにしました。
 一方、日米共同声明では、日本としては、農林水産品について、過去の経済連携協定で約束した市場アクセスの譲許内容が最大限であるというふうに言っていますよね。TPP11、日欧EPAの譲許内容以上は譲らないということでよろしいんでしょうか。大臣にお聞きします。
○国務大臣(吉川貴盛君) 紙先生御指摘のように、昨年九月の日米共同声明において、農林水産品につきましては、過去の経済連携協定で約束した内容が最大限との日本の立場が明記をされました。日米首脳間でこの点について文書で確認したことは私は非常に重たいものと認識をいたしておりまして、個別の品目の合意内容につきましては経済連携協定ごとに異なるものもありまするけれども、農林水産品につきましては、全体として最も水準が高いものはTPPであるという理解でもございまして、今後の日米交渉において、全体としてTPPの内容を上回ることは到底考えられないというのが私の認識でございます。
○紙智子君 譲許内容以上は譲らないということでいいんですね。(発言する者あり)はい。
 それで、加えてお聞きするんですけれども、アメリカのライス連合が、TPP交渉で日本への輸入枠を最終で十五万トン求めたんだけど、七万トンだったというふうに不満を述べたんですね。それで、日米貿易交渉ではTPP水準を上回る市場開放を求めているわけですよ。アメリカがこの先十五万トンの輸入枠を求めてきたら、これは拒否するということでよろしいですか。(発言する者あり)
○委員長(堂故茂君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(堂故茂君) 速記を起こしてください。
○政府参考人(大角亨君) 日米共同声明の中には、日本としては農林水産物について過去の経済連携協定で約束した市場アクセスの譲許内容が最大限である、これについて他方の政府の立場を尊重する、そういったことが明記されているわけでございます。この共同声明に沿って今後精いっぱい交渉してまいりたいというふうに考えております。
○紙智子君 ですから、それ以上は超えないと言うんだったら、アメリカがこの後十五万トンだと言ってきても、これは拒否するということでよろしいですか。
○国務大臣(吉川貴盛君) 過去の経済連携協定の内容に鑑みれば、米についてTPPを上回る譲許を行うことは到底考えられないというのが私の認識でもございます。
○紙智子君 考えられないということなんですけれども、アメリカはもっと要求してくるというつもりでいるわけですよ、言っているんだから。今までは七万トンという枠はあるんだけれども、それを超えてくるという可能性があるわけで、そのときは考えられないという、実際に起こった場合は拒否するで貫くということでやってほしいと思うんですけれども、はっきり言っていただけないでしょうか。
○政府参考人(大角亨君) 先ほども申し上げたとおり、共同声明の中で、農林水産品については過去の経済連携協定で約束した譲許内容が最大限であるとの日本の立場が明記されております。そして、過去の経済連携協定で最大限のものはTPPであると考えておりまして、その旨をアメリカ側に伝えているところでございます。さらに、今後の交渉でもこの立場は変わらないとアメリカ側に重ねて伝えております。
 この種の声明文でのレスペクトという言葉、非常に重い意味を持っております。これが日米共同声明で確認された意義は大きいと考えておりまして、農業者の方々にも御懸念がない形で交渉を進める環境が整えることができたものと考えております。
 いずれにしましても、我が国として、いかなる国とも国益に反するような合意を行うつもりはございません。
○紙智子君 そんなに長々と言わなくたって、はっきりもう断りますと言ってくださいよ。
 やっぱりTPPにはカナダとメキシコが加盟しているわけですよね。カナダとメキシコはTPPに入っていると。しかし、トランプ大統領は、TPPから離脱をして、カナダとメキシコとの間でNAFTAの見直しなどを行ったわけですね。アメリカは両国と二国間交渉を行って見直しに成功したと言われているわけです。TPP以上にアメリカの労働者やビジネスの発展につながったんでしょうか。これ外務省にお聞きします。
○政府参考人(塚田玉樹君) アメリカ政府の第三国との交渉の意図について私どもとして云々する立場ではないんですけれども、アメリカ政府の対外発表あるいはその対外説明などを見ますと、まず、NAFTAというのはもうできてから二十年以上たっておりまして、それを二十一世紀にふさわしいものに改定する必要があると、こういうことを言っております。
 同時に、アメリカの製造業、農業、サービスといった、こういった分野での市場アクセスを改善し、もってアメリカとカナダ及びメキシコが享受する利益のバランスを取り戻すことがNAFTAの見直しの大きな目的だと、こういうことを述べてきているというふうに承知しております。
○紙智子君 バランスを見直すという話なんだけど、アメリカの労働者やビジネスのためにとずっと言ってきたわけですから、それに今回役立ったというふうに思っているわけですよね、トランプ大統領は。
○政府参考人(塚田玉樹君) アメリカ政府が今般メキシコ、カナダとの間で協定を結んだということにつきましては、アメリカの労働者の労働条件、これを指示し、アメリカの雇用を増加させて、農業あるいは酪農の従事者に対してより公正な市場アクセス、これをもたらして、ひいてはアメリカ企業の成長を確保して、全体としてアメリカ経済、これに良い影響を与えるものだというふうにアメリカ政府は国内にも対外的にも説明してきていると、こういうふうに承知しております。
○紙智子君 カナダは酪農で新たな譲歩をしたんじゃないですか。
○政府参考人(塚田玉樹君) この協定の細目については、今ちょっと手元にはないんですけれども、旧NAFTAと比べると若干の新しい内容があるというふうに承知しております。
○紙智子君 報道によりますと、カナダは供給管理制度を維持したんだけれども、乳製品などアメリカ向けの品目別の無税輸入枠を設定したというようにあるんですよね。そうすると、クリームとかはTPP以上の譲歩をしたんじゃないですかね。
○政府参考人(塚田玉樹君) 具体的な酪農に関する個別の内容については、済みません、今手元に情報がないんですけれども、先ほど申し上げましたとおり、旧NAFTAに比べますと、より市場アクセスが改善する方向で改定がなされたというふうに承知しております。
○紙智子君 日米貿易交渉をするに当たって、新NAFTA、USMCA、アメリカ・メキシコ・カナダ・アグリーメントというようですけれども、アメリカの交渉方針を日本としては分析しないんでしょうか。
○政府参考人(大角亨君) 日本として、第三国間で合意された協定についてコメントする、こういった立場にはないものというふうには考えておりますが、一定の研究は進めているところでございます。
○紙智子君 アメリカは自動車産業を保護する姿勢を前面に打ち出しています。それで、高関税の発動をちらつかせながらこの妥協を迫ったということが報道されているわけですよね。
 それで、ライトハイザー通商代表は、NAFTAの新協定はアメリカ政権の将来の通商交渉のひな型になるというふうに言っていると。内容としては三つあって、一つはアメリカでの自動車生産を増やす、アメリカ農業の輸出拡大、二つ目は知的財産権の保護、三つ目は不公正な貿易慣行を防ぐ、この三つの枠組みで転換をもたらすというふうに言っているわけです。
 それで、新NAFTAは今後の通商交渉のひな型だというふうに言っていて、そういうふうにひな型を持ってこれから日本に対して交渉を迫ってくるのかということも考えられるわけですけれども、それに対して日本政府がどういうふうに対応しようとしているのかというのが見えていないんですよね。交渉するというのであれば、そういうことについての戦略なども示す必要があるんじゃないでしょうか。
○政府参考人(大角亨君) 今後の日米交渉につきましては、まさに九月の共同声明に書いた内容に沿って交渉を進めることとしておるわけでございますが、そこで具体的に決まっていないことにつきましては、全て茂木大臣とライトハイザー代表との今後の協議によって決まるものでございます。
 いずれにいたしましても、具体的な交渉はこれからでございます。決して簡単な交渉ではございませんけれども、国益に沿った形で今後の交渉を進めてまいりたいと考えております。
○紙智子君 アメリカは、アメリカ農業の輸出拡大というふうに言っているわけですよね、はっきり言っているわけです。そして、アメリカの農業団体はTPP以上の対日輸出を求めていると。過去の経済連携協定が最大限という、まあ言い方としては抽象的な言い方なんですけれども、やっぱり具体的な交渉戦略さえ示していないわけです。
 ですから、そういう中で交渉に入っていくということは非常に危険性をはらんでいるというふうに思いまして、こういう無謀な交渉はやっぱりやるべきではないということを思いますけれども、大臣、どうでしょうか。
○国務大臣(吉川貴盛君) 今後の交渉ということになりますと、政府一体となって取り組むことになろうかと思いまするけれども、農林水産大臣としての私の責務は、いかなる貿易交渉であれ、将来にわたって我が国の農林水産業の再生産を可能とする国境措置を確保することでございまして、このために最大限の努力をしていく考えでもございます。
○紙智子君 TPPが発効して、牛肉などの輸入が増えているというのはさっきも話がありました。TPPでも日本の農業に打撃を与えているのに、この上、日米貿易交渉で事実上のFTAということになるわけですけれども、これは是非ともやめるべきであるということを強く求めておきたいと思います。
 次に、食料自給率についてお聞きします。
 二〇一七年度の食料自給率は三八%です。それで、一六年度と同じく低い水準になっているわけです。
 初めにポケット農林水産統計についてお聞きするんですけれども、今度の国会では厚生労働省の毎月勤労統計の不正が問題になって、政府の統計がどうなっているのかというのが注目されています。
 お配りした資料を、ちょっと小さくて見にくいんで申し訳ないんですけれども、これちょっと見てほしいんですけれども、これはポケット農林水産統計二十九年版に掲載されているカロリーベースと生産額ベースの総合食料自給率です。それで、これが平成三十年版、二〇一八年には掲載されていないんですよね。なぜ掲載されていないのでしょうか。お答え願います。
○政府参考人(光吉一君) お答えいたします。
 食料自給率につきましては、例年八月に公表しております。その際、併せまして、参考資料として食料自給率に係る状況等を分かりやすく説明した資料を公表しております。
 御指摘のカロリーベースと生産額ベースの総合食料自給率の絵、図につきましては、おととし八月に自給率を公表したときの参考資料に掲載したものでございます。それをポケット農林水産統計に転記をしたという形、流れになっております。
 昨年の話でございますが、昨年の八月に食料自給率を公表した際も参考資料というのを公表しておりますけれども、その際に、品目ごとの生産努力目標に向けた取組が重要であるという認識の下に、御指摘のような図ではなくて生産努力目標の達成状況についての図を掲載したことから、ポケット農林水産統計に御指摘の図が載っていないということになります。
 今申し上げましたように、生産努力目標に向けた取組が重要であると考えて新しい図を載せたところでありますけれども、その際、品目ごとの総供給熱量と国産熱量、これを分かりやすく整理した表、これはまさに委員御指摘の図の基となる数字の表でございます。これ自身を別途同じ参考資料の中に掲載していることから、同様の内容のものが重複しているということから御指摘の図は載せなかったということでございます。
○紙智子君 ちょっと分からないんですよね。
 いろいろ、参考資料ですか、参考資料でもっていろいろ作っているのはいいですよ、それはやらなきゃいけないでしょうけれども、どうして今年のこの平成三十年版に載せなかったんだと。毎年今まで載せてきていて、それで、この表を見てもらえば分かるように、このカロリーベースと生産額ベースの総合食料って黒い帯がありますけど、ちょっとちっちゃくて見にくいんで、その下に総供給熱量というのと国産供給熱量とありますよね。これでもって割り算をして、すぐ自給率が今どれだけかって分かるわけですよ。それが載っていないわけですよ。今回もそれでもって調べようと思ったら載っていないわけですよ。何で載せなかったのかということを聞いているんです。
○政府参考人(光吉一君) ただいま御説明申し上げたとおりなんですが、このポケット農林水産統計独自でどうこうするの前に、まず自給率の公表をするときにどういった参考資料に資料を載せているかという話がございます。
 それで、従来その参考資料に御指摘のような図を載せているわけでございますが、今回は、先ほど申し上げましたように、生産努力目標に向けた取組が重要だと、自給率向上のためにはその取組が重要だということでその図を載せました。その際に、このカロリーベースと生産額ベースの委員御指摘の図に相当するような、むしろそれの諸要素をきちんと整理した表、品目ごとのキロカロリーを国産熱量と総供給熱量、あるいは合計でも表した整理した表が別途同じ参考資料に出ています。全く同じものでございます。絵で描いたものなのか、あるいは表でちゃんと整理したものなのか。今回新しい図を入れたということから、内容が重複してきちんと表で整理をしていることからこの絵を入れなかったと、そういう整理でございます。
○紙智子君 これは新しいやつね、こう見てみますと、全体の総熱量のところは分かるんですよ、書いてあるんですよ。だけど、もう一つの国産供給、だから、一人当たり一日どれだけかという、そこのところが、これ開いても出てこないんですよね。一生懸命探さなきゃいけないという。
 どうして今まで出してきたものをやり方を変えたということでここから落としたのか。それを多分どこかで、今回のやつは入れるか入れないかという判断があったと思うんですけど、そういう議論したんですか。
○政府参考人(光吉一君) 繰り返しになりますけれども、ポケット農林水産統計のその絵については、この図をそもそも参考資料のときに入れているか入れていないかで機械的に判断して、たまたま載っていないという話でございます。参考資料のときにこの図を入れるかどうかということについての判断があって、その際に、昨年の自給率を公表したときの参考資料の考え方としては、生産努力目標について、自給率向上のためには目標に比べてどれぐらい行っているかというのをきちんとチャートで示した方がいいということで図を入れたんです。その代わりに、じゃ、この図をどうするかというと、この図の基になるきれいに整理したキロカロリーを品目ごとに、参考資料Aというふうに書いてございますけれども、資料の中に、それ自身をきちんと載せているので、内容的にはこの絵と全く重複するんですね。ですから、この図を入れないで新しい生産努力目標の図を入れたと、そういう整理でございます。
○紙智子君 ちゃんと説明できる資料、別資料を作っているという話だと思うんです。それは別にいいんですよ。これに載せるべきでしょう。
 じゃ、遅れてでも載せるんですか、この後。図にして、分かりやすく。
○政府参考人(光吉一君) ポケット農林水産統計にその絵を載せるかどうかで、正直、積極的に強い判断をここであえてしたということではなくて、参考資料のやつを転記する形で載せていたのに、参考資料の方に載らなかったので機械的に入れていないというだけで、参考資料の中ではきちんと生産努力目標のチャート、グラフとともに、この各品目、あと全体のキロカロリーも極めて細かくきちんと整理をした分かりやすい表を載せております。
○紙智子君 何回聞いてもよく分からないんですよ。
 それで、詳しくいろいろやっているんだと言うんだけど、載せないことを判断しているはずなんですよ。だから、どこかで議論して、今回やめようとなっているんですよ、誰かが判断して。それで、それがどうしてなのかというのがずっと分からないままなんです。
 それで、委員長、ちょっといいですか。
 安倍内閣になってから統計が軽く扱われているんじゃないかという、そういう疑念があるわけです。それを払拭するためにも、この掲載をやめるに至った経緯を全て提出をしていただきたいと思います。
○委員長(堂故茂君) 後刻理事会で協議します。
○政府参考人(光吉一君) むしろ、この絵の形じゃなくて、その絵を作っている基となる諸要素を細かく詳しく、しかし分かりやすく表にして参考資料に載せているわけでございます。
○紙智子君 かみ合っていないんです。
 要するに、どこかで判断している人がいて今回載っていないということなので、今委員長にお願いしましたので、お願いします。
 それで、二〇一七年の食料自給率、ちょっともう時間になりましたけれども、三八%というのは、二〇一六年と同じく過去二番目に低い水準なんですね。二〇一六年に自給率が三八%に下がったときにその理由を聞いたら、台風被害によって北海道の生産が減少したためだと言っていたんですよ。二〇一八年に北海道の生産が回復しても、食料自給率は回復していないわけですよね。なぜ回復しないのかということを一言、これは大臣にお願いします。
○委員長(堂故茂君) 時間が参っておりますので、簡潔に、大臣、答弁願います。
○国務大臣(吉川貴盛君) しっかりと分析を踏まえて、また別の機会でお答えをさせていただきたいと思いまするけれども、食料自給率に関しましては大切なことでもございますので、上昇に転じますように我々もまた努力をさせていただきたいと思っております。
○紙智子君 じゃ、時間になりましたので、またこの問題は質問したいと思います。
 ありがとうございました。
○委員長(堂故茂君) 本件に対する質疑はこの程度でとどめ、これにて散会いたします。
   午後四時五分散会