第198回国会 予算委員会 第2号
平成三十一年二月七日(木曜日)
   午前九時五分開会
    ─────────────
   委員の異動
 二月六日
    辞任         補欠選任
     野田 国義君     福島みずほ君
     平木 大作君     河野 義博君
     片山 大介君     東   徹君
     大門実紀史君     井上 哲士君
 二月七日
    辞任         補欠選任
     進藤金日子君     丸川 珠代君
     古賀 之士君     徳永 エリ君
     三浦 信祐君     杉  久武君
     山本 香苗君     伊藤 孝江君
     東   徹君     片山 大介君
     岩渕  友君     倉林 明子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         金子原二郎君
    理 事
                石井 準一君
                高橋 克法君
                二之湯武史君
                長谷川 岳君
                山下 雄平君
                蓮   舫君
                足立 信也君
                谷合 正明君
                辰巳孝太郎君
    委 員
                青山 繁晴君
                朝日健太郎君
                有村 治子君
                宇都 隆史君
                大野 泰正君
                太田 房江君
                こやり隆史君
                滝沢  求君
                中泉 松司君
                中西  哲君
                中野 正志君
                長峯  誠君
                丸川 珠代君
                三木  亨君
                元榮太一郎君
                吉川ゆうみ君
                和田 政宗君
                石橋 通宏君
                杉尾 秀哉君
                福島みずほ君
                青木  愛君
                大島九州男君
                大野 元裕君
                田名部匡代君
                徳永 エリ君
                伊藤 孝江君
                河野 義博君
                熊野 正士君
                杉  久武君
                三浦 信祐君
                山本 香苗君
                浅田  均君
                東   徹君
                片山 大介君
                藤巻 健史君
                井上 哲士君
                倉林 明子君
               薬師寺みちよ君
   国務大臣
       内閣総理大臣   安倍 晋三君
       財務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        麻生 太郎君
       総務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(マイナ
       ンバー制度))  石田 真敏君
       法務大臣     山下 貴司君
       外務大臣     河野 太郎君
       文部科学大臣
       国務大臣     柴山 昌彦君
       厚生労働大臣
       国務大臣     根本  匠君
       農林水産大臣   吉川 貴盛君
       経済産業大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(原子力
       損害賠償・廃炉
       等支援機構))  世耕 弘成君
       国土交通大臣
       国務大臣     石井 啓一君
       環境大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(原子力
       防災))     原田 義昭君
       防衛大臣     岩屋  毅君
       国務大臣
       (内閣官房長官) 菅  義偉君
       国務大臣
       (復興大臣)   渡辺 博道君
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)
       (内閣府特命担
       当大臣(防災)
       )        山本 順三君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(経済財
       政政策))    茂木 敏充君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(沖縄及
       び北方対策、消
       費者及び食品安
       全、少子化対策
       、海洋政策))  宮腰 光寛君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(クール
       ジャパン戦略、
       知的財産戦略、
       科学技術政策、
       宇宙政策))   平井 卓也君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(規制改
       革、地方創生、
       男女共同参画)
       )        片山さつき君
       国務大臣     櫻田 義孝君
   副大臣
       財務副大臣    鈴木 馨祐君
       文部科学副大臣  浮島 智子君
        ─────
       会計検査院長   柳  麻理君
        ─────
   政府特別補佐人
       内閣法制局長官  横畠 裕介君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        藤井 亮二君
   政府参考人
       内閣官房国土強
       靱化推進室次長  山田 邦博君
       内閣府政策統括
       官        増島  稔君
       内閣府政策統括
       官        赤石 浩一君
       内閣府政策統括
       官        海堀 安喜君
       法務大臣官房政
       策立案総括審議
       官        西山 卓爾君
       法務省民事局長  小野瀬 厚君
       法務省入国管理
       局長       佐々木聖子君
       財務省主計局長  太田  充君
       財務省主税局長  星野 次彦君
       財務省理財局長  可部 哲生君
       国税庁次長    並木  稔君
       厚生労働大臣官
       房長       定塚由美子君
       厚生労働大臣官
       房総括審議官   土生 栄二君
       厚生労働大臣官
       房審議官     佐原 康之君
       厚生労働省医政
       局長       吉田  学君
       厚生労働省健康
       局長       宇都宮 啓君
       厚生労働省職業
       安定局長     土屋 喜久君
       厚生労働省子ど
       も家庭局長    浜谷 浩樹君
       厚生労働省社会
       ・援護局長    谷内  繁君
       厚生労働省保険
       局長       樽見 英樹君
       厚生労働省政策
       統括官      藤澤 勝博君
       経済産業大臣官
       房審議官     島田 勘資君
       国土交通省水管
       理・国土保全局
       長        塚原 浩一君
       国土交通省道路
       局長       池田 豊人君
       国土交通省自動
       車局長      奥田 哲也君
       防衛大臣官房長  武田 博史君
       防衛大臣官房審
       議官       深澤 雅貴君
       防衛省防衛政策
       局長       槌道 明宏君
       防衛省整備計画
       局長       鈴木 敦夫君
       防衛装備庁長官  深山 延暁君
   説明員
       会計検査院事務
       総局第二局長   原田 祐平君
   参考人
       日本銀行理事   前田 栄治君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○平成三十年度一般会計補正予算(第2号)(内
 閣提出、衆議院送付)
○平成三十年度特別会計補正予算(特第2号)(
 内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
○委員長(金子原二郎君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 平成三十年度第二次補正予算二案審査のため、本日の委員会に日本銀行理事前田栄治君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(金子原二郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
○委員長(金子原二郎君) 平成三十年度第二次補正予算二案に関する理事会決定事項について御報告いたします。
 本日は、総括質疑方式による質疑終了後、締めくくり質疑を二十分行うこととし、各会派への割当て時間は、立憲民主党・民友会・希望の会四分、国民民主党・新緑風会四分、公明党四分、日本維新の会・希望の党三分、日本共産党三分、無所属クラブ二分とすること、質疑順位につきましてはお手元の質疑通告表のとおりでございます。
    ─────────────
○委員長(金子原二郎君) 平成三十年度一般会計補正予算(第2号)、平成三十年度特別会計補正予算(特第2号)、以上二案を一括して議題とし、昨日に引き続き質疑を行います。山本香苗君。
○山本香苗君 おはようございます。公明党の山本香苗です。よろしくお願いいたします。
 まず、総理にお伺いいたします。
 先月、千葉県野田市の小学校四年生の女の子が父親から虐待を受け亡くなりました。お父さんに暴力を受けています、先生、どうにかできませんか。アンケートに書き、懸命にSOSを出したにもかかわらず、このアンケートのコピーを教育委員会が加害者である父親に渡してしまった。お父さんにたたかれたのはうそですと、父親に強要されて書かされたことを知りながら、児童相談所は父親の元に戻してしまった。
 教育委員会は子供を守るところです。児童相談所は虐待された子供の最後のとりでです。なぜ守ってあげられなかったのか。なぜSOSを見て見ぬふりをしたのか。無念の思いでいっぱいです。
 千葉県において検証を行うとのことですが、国においても、関係省庁でも連携協力体制を取っていただいて、体制をつくっていただいて、早急に検証していただきたいと。そして、政府を挙げてこの児童虐待根絶に取り組んでいただきたい。
 総理、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 千葉県野田市で十歳の女の子が死亡し、両親が逮捕された事案について、このような形でお亡くなりになられたことは誠に痛ましく、あってはならないことだと思います。
 本来であれば慈しんで守り育てるはずのお父さんが暴力を振るった、虐待をした。このことをアンケートを通して学校に伝えるというのは、心愛ちゃんにとっては本当につらい決断だったと思います。本当に、この幼い子供が必死の思いで勇気を振り絞って発したこのSOSを、子供たちを守るとりでとならなければならない学校や教育委員会が受け止めることができなかった、幼い命を守り切れなかったことは、本当に悔やんでも悔やみ切れないことであります。
 まさに、本来は家庭が子供たちを守り、守り抜いていく、我が身に代えても守り抜いていくはずでありますが、その家庭で虐待を受けている以上、最後のとりでは、山本先生がおっしゃったように学校であり教育委員会であり児童相談所でなければならないわけでありまして、今回の事件を政府としては深刻に受け止めております。
 児童虐待の防止対策については、政府一体となって取り組むため、昨年七月に緊急総合対策を決定しました。自治体の取組に対する警察の全面的バックアップなど、関係省庁が連携してやれるべきことは全てやるという強い決意で取り組んでいきます。
 今般の事案を受けて、明日、関係閣僚会議を開催し、緊急的な子供の安全確認、そして虐待の可能性のある児童の情報の取扱い、今回これは大きな問題となりました、虐待の可能性のある児童の情報の取扱いに関する新たなルールの設定、そして児童相談所と学校など関係機関の更なる連携の強化などの対応策を協議することとしております。
 そしてさらに、昨年十二月には児童相談所強化プランを前倒しして、前倒して見直しをし、新たなプランの下で、二〇一七年度時点で三千二百四十人であった児童福祉司を二千人増加し、増員し、二〇二二年度には五千人を超える体制に抜本的に拡充を行い、全市町村に身近な相談拠点を設置するなど、何よりも子供の命を守り抜いていくことを最優先に、あらゆる手段を尽くして児童虐待の根絶に向けて政府を挙げて全力で取り組んでまいります。
○山本香苗君 昨年の目黒の事件もありまして、対策強化に取り組んでいるやさきにこういうことが起きて、本当に無力感というか、悔しくてならない思いでいっぱいでございますが、公明党としましても全力を挙げて取り組んでまいりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 統計不正問題について伺います。
 この問題が発覚いたしまして約一か月でございます。なぜこうした事態が起きたのか、なぜ放置され続けたのか、いまだに分かりません。速やかに体制を強化して、政府を挙げて徹底した全容解明をしていただきたいと思います。
 また、追加給付の工程表がようやく明らかになりました。できるだけ早くスタートをしていただきたいと思いますが、追加給付に当たりましては、基本、厚生労働省から対象となる方にお知らせをするわけですけれども、住所が特定できない場合、住民基本台帳等を活用しても対象の方にたどり着けるよう最大限努力するということでありますが、全て把握するのはなかなか難しいんじゃないか。
 その場合に備えて、現在、御住所等追加給付に必要な情報をコールセンターなどにお伝えいただければ、それをちゃんと記録をしておいて速やかな追加給付につなげていく、こうした対応も同時に取っていくべきではないかと思いますが、どうでしょうか。
○政府参考人(土屋喜久君) お答え申し上げます。
 今般の雇用保険の追加給付のうち過去に給付を受けていた方については、現在、厚生労働省で保有している住所データを基に現住所を特定できた方について、育児休業給付については八月頃から、その他の給付については十月頃からお知らせを開始をすることを考えております。
 また、厚生労働省に住所データがない方についても、住民基本台帳データによりまして住所情報を確認をいたしまして、追加給付の可能性がある方とその住所を把握した上で、先ほど申し上げた方々と同様の時期に順次お知らせを開始させていただくということを考えているところでございます。
 一方で、議員から御指摘ございましたように、住民基本台帳データを活用して住所情報を確認してもお知らせをお届けできないケースがある可能性はあるというふうに考えておりまして、こうした方々への対応につきましては、今後様々な手法を検討しながら追加給付を行ってまいりたいというふうに考えておりますが、その際には、現在、お問合せ専用ダイヤルなどにおきまして雇用保険の給付が行われたときから住所が変わっているなどのお申出をいただく方があり、そういった方々について、お名前、生年月日、御住所あるいは被保険者番号などの情報をお伺いしているところでございます。いただいたこれらの情報も今後の追加給付の業務に十分活用させていただきたいと思っております。
○山本香苗君 しっかりそのことを打ち出してやっていただきたいと思います。
 また、追加給付のフリーダイヤル、海外からつながりませんという声が我が党の相談窓口に寄せられました。対象となる方、海外にもおられます。海外在住者向けの相談窓口やメールでの対応等、早急に対応していただけますか。
○政府参考人(土屋喜久君) 雇用保険の追加給付については、現在、今お話がありましたお問合せ専用ダイヤルでフリーダイヤルで対応させていただいているところでございますが、今御指摘がございましたように、海外在住の方々に関して御指摘のような課題がございます。こういった方々につきまして、電子メールでの御相談をお受けできるようにするなど、簡便に御相談いただけるような方策について検討し、対応してまいりたいと考えております。
○山本香苗君 早く行っていただきたいと思います。
 次に、総務大臣にお伺いさせていただきます。
 今回の問題におきましては、統計法違反があったと指摘をされております。統計法におけるチェック機能は十分なんでしょうか。
○国務大臣(石田真敏君) 山本議員にお答えをさせていただきます。
 統計法におきましては、統計委員会が、統計整備の司令塔機能を果たす第三者機関として、中立公正かつ専門的な見地から、各府省が行う統計調査についてチェック機能を果たしていると考えております。統計委員会は、個々の基幹統計調査の新設、変更の諮問を受け、それを個別に審議することに加えまして、長らく諮問がなかった基幹統計の施行状況の確認あるいは能動的なチェックも行ってきておりまして、今回の毎月勤労統計の事案は、更なる改善を自律的に審議する過程で発覚したものでございます。
 具体的に申し上げますと、かねてから専門家から指摘をされておりました統計の断層を解決する方法として、平成三十年一月から、他の複数の統計で導入されております統計技術的な手法、いわゆるローテーションサンプリングを導入したところ、この手法の導入によりまして、本来、調査対象の入替えによる断層は過去の入替えと比べて小さくなるものと想定されておりましたけれども、ローテーションサンプリングを導入しても断層が小さくならなかったことから、統計委員会が従業員規模別に断層を分析し、本来ほとんど断層が生じない全数調査である五百人以上の事業所に断層が生じている理由について厚生労働省に確認したことが発端となったものでございます。
 統計委員会として機能しておるということでございます。
○山本香苗君 おっしゃるとおり、大臣がおっしゃるとおり、統計委員会の指摘によって今回の問題発覚をいたしましたが、統計委員会は、各省庁の施行状況の報告に対して意見を述べることはできても、各省庁からちゃんとやっていますというふうに言われたら、それが本当に正しいかどうかチェックするすべがないんですよ。また、やっていないにもやっていると報告した場合に、民間に対する罰則はありますが、役所にはありません。昨年の統計法改正で付与されました統計委員会の勧告権限も、各省庁の調査計画は対象外だと伺いました。
 私は、今回の事案を契機に、大臣の答弁は十分だという御答弁だったので、申し訳ない、私は不十分だと思っております。今回の事案を契機に、是非、統計法違反を早期に発見、是正できるように見直しも検討されたらいかがでしょうか。
○国務大臣(石田真敏君) 御指摘いただきました統計法については、実は昨年の改正によりまして、統計整備の司令塔機能を果たす第三者機関である統計委員会の機能が強化をされております。各府省内の統計部門を束ねて、統計委員会と調整、連携を行う統計幹事を設置したほか、総務大臣の諮問によることなく、自律的、機動的に意見を述べることができるようにするなど所定の規定が整備されたところであり、まずはこうした機能を十分に活用していくことが重要であるというふうに考えております。
 また、今般の統計をめぐる問題を受けまして、統計委員会の点検検証部会で、各府省が所管する統計について再発防止や統計の品質向上といった観点から徹底した検証を行うことと今されておるわけでございまして、そうした検証結果も踏まえまして、今後の統計全体を考えていく中で、御指摘のようなことについて総合的な対策を講じてまいりたいと思っております。
○山本香苗君 総理、今御答弁聞いていただいていたと思いますけど、統計行政は、行政を所管するのは総務省なんですが、統計というのは各省庁に委ねられておりまして、一旦承認された計画と実態が乖離していても、これ是正できないんですよ。
 統計に対する信頼が大きく揺らいでいます。是非政府を挙げて信頼回復に取り組んでいただきたいんですが、内閣官房に統計改革推進会議というのがあります。これ、今回の問題が発覚してまだ開かれていないと伺っておりますが、こうした会議を開催するなどして、総理が先頭に立って、この統計改革、抜本的な改革に取り組むという姿勢を是非国民に示していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 毎月勤労統計において不適切な事案が発覚したことについては政府として重く受け止めておりまして、直ちに官房長官からの指示により各府省において基幹統計の点検を行ったところでありますが、また、閣僚懇談会を開催して、総務大臣から点検結果を報告し、今後の検証への積極的な協力と改善への取組を求めたところであります。
 その上で、先週、統計委員会において点検検証部会を設置したところでありまして、各府省が所管する統計を対象に、再発防止、統計の品質向上に向けて徹底した検証を行うこととしております。
 特に、毎月勤労統計の事案については、厚生労働省の特別監察委員会において更により独立性を強めた形で検証作業を進めていただくものと承知をしておりますが、さらに、問題が指摘された賃金構造基本統計については、統計数値に密接に関わるというよりも、むしろこれは行政のやり方そのものの問題でありまして、総務省の行政評価局に調査を担当させることとしたところでございまして、いずれにいたしましても、信頼を回復するためには徹底的な検証をまず行わなければならない。
 これらのそうした検証や調査の結果も踏まえつつ、総合的に対策を講じて、再発防止、そして統計の品質向上、いろんな御指摘がございます、品質の向上に向けて政府を挙げて取り組んでまいります。
○山本香苗君 統計というのは政府の政策の基本です。この問題につきましては引き続きまた議論させていただきたいと思います。
 災害対策についてお伺いさせていただきます。
 昨年、全国で相次いだ災害を受けまして重要インフラの緊急点検が行われた結果、二〇二〇年度までの三年間で防災・減災を進める総事業費約七兆円規模の緊急対策が取りまとめられました。その第一弾がこの第二次補正予算ですが、防災・減災対策は三年間では終わりません。三年後、どうするおつもりでしょうか。
○国務大臣(山本順三君) 山本香苗議員にお答えをいたします。
 昨年、御案内のとおり、西日本豪雨、あるいはまた北海道胆振東部、さらには台風もたくさん襲来いたしまして、大規模な災害が我が日本で相次いだわけでございます。近年、災害が激甚化する中で、国民の生命、財産を守っていくというのは我々の大きな使命でございまして、そういった意味において国土強靱化の取組を進めることが喫緊の課題であるというふうに考えております。
 先ほどお話しのとおり、昨年末、実はちょうど国土強靱化基本計画の見直し時期でもございましたので、最新の知見を踏まえて、中長期的な目標や方針を明らかにするその基本計画の見直しをいたしました。それと同時に、事業規模がおおむね七兆円程度の防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策、これを取りまとめ、これはハードだけではなくてソフトも含めて、あらゆる手を尽くして三か年で集中的にその対策をしっかり講じていくということにいたしております。
 この緊急対策を講じた後の話でありますけれども、国土強靱化基本計画、これが厳然としてありますから、それを一つ一つクリアしていくために必要な予算をしっかり確保していくということ、そして、その上でオールジャパンで国土強靱化を強力に進め、国家百年の大計として災害に屈しない強さとしなやかさを備えた国土をつくり上げてまいりたいと、そのような所存でございます。
○山本香苗君 ということは、三年で終わりではないということですね。
○国務大臣(山本順三君) 三か年の緊急対策でございますけれども、これは昨年末に、特に緊急に実施すべきハード、ソフトについての実施内容とそれから達成目標、それに事業費、これを明示して取りまとめたものでございまして、まずはこの緊急対策を着実かつ迅速に実施していくことが極めて重要でございまして、進捗状況のフォローアップ、これを定期的に行いながら対策の実効性を確保していきたいというふうに思っております。
 委員御指摘のように、三か年緊急対策の終了後、計画的な防災・減災対策をどのように進めていくかについては、三か年緊急対策のフォローアップの結果を踏まえながら今後検討していくものであると思っておりますけれども、この件については恐らく終わりのない闘いをしていかなければならない、そして、その結果として、国土強靱化、そのことが国民の生命、財産を守っていくということにつながっていくというふうに思っておりまして、是非、山本香苗議員のように力強く支援していただくことが我々にとっての大きな力になると思いますので、一緒に頑張っていきたいというふうに思っております。
○山本香苗君 総理、それでよろしいですね。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま山本大臣から答弁したとおりでございます。
○山本香苗君 昨年は全国各地で災害が相次ぎまして、様々な課題が浮き彫りとなりました。その一つが、災害時、どう住民の避難を促すかということです。
 西日本を中心とした平成三十年七月豪雨では、避難勧告・指示など様々な情報が自治体から発信されましたけれども、必ずしも住民の避難行動につながらず、二百名を超える方がお亡くなりになりました。改めまして、心からお悔やみ申し上げます。
 あの災害の教訓を生かさねばなりません。そこで、一つの取組を御紹介したいと思います。
 京都府福知山市では、平成十六年台風二十三号以来、何度も大きな浸水被害が発生しまして、現在、ハード面での対策を強力に推進していただいておりますが、と同時に、マイマップというものを自治会ごとに作成をしております。(資料提示)マイマップというのは、避難経路や注意事項、地域の決め事、緊急連絡先などをA3サイズの用紙の両面にまとめた、今持っていただいているのが防災マップでございまして、これが実物です。行政のハザードマップとは異なりまして、地域の住民の方々が主体となりまして、自治会ごとに、ここは土砂災害が起きやすいとか、雨が降ったらここの道路はすぐつかるから車で通ったらあかんとか、そういったことを、地域のリスクをみんなで共有しながら作成されておりまして、今年度内には四割弱の自治会ででき上がるとお伺いしました。
 福知山市では昨年の七月豪雨でも甚大な被害が発生しまして、石井大臣にも行っていただきました。早くからこの福知山市ではこうした取組もありまして避難が始まりまして、避難した方も増えたと伺いました。
 こうしたマイマップに加えまして、福知山市では、自分自身がいつどう逃げるのか、そういったことを取りまとめて、逃げ遅れを防ぐマイタイムラインという取組も今後取り組む予定と伺っております。
 災害時、早期避難を促すためには、こうした住民主体の取組を進めていかなくてはなりません。国としてもしっかり後押しをしていただきたい。石井大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(石井啓一君) 国土交通省では、施設では防ぎ切れない大洪水は必ず発生するとの考えに立ちまして、ハード、ソフト両面から水防災意識社会を再構築する取組を進めております。
 度々甚大な浸水被害を受けている河川においては特にこうした取組が重要であり、例えば、今御紹介いただきました京都府の一級河川由良川におきましては、輪中堤の整備や河道の掘削等を集中的に実施するとともに、流域における地域防災マップの整備などを進めているところであります。
 過去の水害情報や避難所までの経路などについて地図上に整理する地域防災マップや、住民お一人お一人が自らの生活スタイルや家族構成などを考慮をして、水害の特性に応じた避難のタイミング等をあらかじめ定めるマイタイムラインは、適切な避難行動を検討していくために有効な取組と認識をしております。
 国土交通省といたしましては、沿川流域の自治体等と河川管理者から構成をされます大規模氾濫減災協議会等の場を活用いたしまして、地域防災マップやマイタイムラインなどに関する先進的な取組を共有するなど、関係機関等と連携をいたしまして、ハード、ソフト両面から水防災意識社会再構築に向けた取組を更に加速させてまいりたいと考えております。
○山本香苗君 是非、福知山市の取組を含めて、しっかりと周知をしていただきたいと思っております。
 岡山県倉敷市真備町では五十一名もの方がお亡くなりになり、約九割が自宅で見付かりました。その大半は高齢者でした。
 茶色く濁った泥水が少しずつ家の中を満たし始めたと。八十六歳の目と足が不自由な御主人を台所のテーブルの上に立たせ、八十四歳の奥さんが体に手を回して支え続けたと。大分水が来とるけ、早く助けてと遠方の息子さんに連絡し、息子さんたちは消防や警察などに何度も救助を求めたが、間に合わなかった。奥さんは御主人の体を両手で抱えたまま亡くなっていたと。
 私の父も目が見えません。この記事を読んだときに、思わず田舎にいる両親のことが頭に浮かんで胸がいっぱいになりました。災害時に自力で避難することが難しい高齢者や障害のある方をどう支えていくのかと、これが今回の災害が突き付けた最大の課題ではないでしょうか。
 昨年末、中央防災会議の下に置かれたワーキンググループでは、高齢者等の避難を支援するために、防災・減災への取組実施機関と地域包括支援センター、ケアマネジャーが連携し、高齢者の理解促進に向けた取組を実施するという提言をまとめました。防災と福祉の連携は極めて重要です。しかし、この提言内容で本当に機能するんでしょうか。
 在宅介護の御家庭の場合は、ふだんから介護事業所とつながっていても、地域とつながっていないことが多いんです。ですので、どこにSOSを出せばいいか分からないと。地域の方々も情報がないので、どこにどういう人がいるか分からないと。地域包括やケアマネといっても、福祉の現場は忙しいんです。その上、地域と必ずしもつながっていません。
 こうした中で、連携と上から言っても、現実の問題としてどれだけできるのか、いざというときに本当に機能するのか、このままでは掛け声倒れになるんじゃないかと、こうした懸念の声が現場から上がっているんです。
 大分県別府市では、二〇一六年度から三年間、障害者を中心とする市民団体と協働して、別府市障害者インクルーシブ防災事業というのを実施しております。一年目は、障害のある方々と民生委員や地域住民の方、行政等がもう何度も議論を重ねて、そして合同避難訓練を実施して、二年目は、福祉職の方の協力を得て障害のある方の個別避難計画を作成して、それを実際訓練で試してみて、三年目で、避難所生活の改善点の洗い出しを行っているそうです。
 この事業を通じて、最初は、そんな理想的なことを言われてもできないと言っていた地域住民の方も、また、逃げても無駄だと諦めていた障害者の方も、災害の知識がないので支援に不安を抱えていらっしゃった福祉職の方々も、みんなが、大変だけどやらなきゃいけないと、自分にも何かできることがあると徐々に変わっていくんですね。こうした取組こそ全国に普及させていくべきだと思うんです。
 そのためには、まず、国において別府市のこの事業を参考にモデル事業を実施していただきたいと。そして、内閣府と厚生労働省で、実効性のある仕組みをつくるために、防災と福祉の双方の関係者を交えてもう一段掘り下げた検討を行っていただきたい。こうしたことが絶対に必要です。
 防災担当大臣、厚生労働大臣、やっていただけますか。
○国務大臣(山本順三君) お答えいたします。
 今ほどのお話でございましたけれども、平成三十年の七月豪雨、本当にお年寄りの皆さん方が大勢、避難もできずにお亡くなりになるという場面がたくさんございまして、これに対して、中央防災会議の下でワーキンググループ、その中でいろんな検討をいたしまして、昨年末に報告書をまとめました。その報告書をベースにしてガイドラインを作って、各市町村との連携を取っていこうということでございます。
 今ほどの福知山の話あるいは別府の話、実は全国各地にいろんないい事例がございます。その事例をしっかりとまとめて、それぞれの地域で取り入れてもらうということが大変重要であるというふうに思っておりますけれども、このワーキンググループでは、高齢者等の要配慮者の避難の実効性の確保についてもしっかり議論がなされて、その結果、防災と福祉の連携による高齢者の避難行動の理解促進等の取組を講ずるべきというような提言をいただきました。
 実は、よく今回の議論で出てまいりますけれども、愛媛県の大洲に三善地区というところがありまして、今の話と大体同じなんですけれども、非常に熱心な自治会長さんがいらっしゃって、そして防災士の方々、リーダーがいらっしゃる。そして、避難カード、災害・避難カードというのを作って、いざというときにどういうふうなところに逃げるべきなのかとか、あるいはお年寄り、独り暮らしのお年寄りがどこにいるのか、これもう地域ぐるみでしっかりとふだんから連係プレーを取っていく、そして訓練もちゃんとしていくということで、肱川という常に氾濫等の危険性のある川でありますけれども、そこで今回も水没をした家屋たくさんございましたけれども、一人の犠牲者も出さずにみんなで一緒に逃げるというようなことがございました。そういったことを全国各地に広げていく。別府の事例もそうだと思っております。そのことをしっかりやっていきたいと思っています。
 そのために、以前、山本議員も御提案をいただいておるところでございますけれども、災害時における被災者支援について、内閣府とそれから厚労省、それから国土交通省から成る局長級の連絡会議、これを去年の十月四日に開催いたしまして、情報の共有を行ってきているところでございまして、今後も、今回のワーキンググループの提言を踏まえまして、国土交通省、厚労省が共々に連携をして、現場で取り組んでいただく具体的な内容を提示して、そして、全国各地の大規模氾濫減災協議会及び地域包括支援センター、それからケアマネジャーの円滑な連携の下に取組を実施していくことにいたしておりまして、今後、内閣府といたしましては、関係省庁との連携の下で、このような現地での取組、これを通じて得られた先進的な取組やら課題等を把握をして高齢者等の避難対策の一層の充実に生かしてまいりたいと、このように思っておるところでございます。
○国務大臣(根本匠君) 防災担当大臣から詳しくお話がありました。
 私も、高齢者の避難に関する取組、これを実効性あるものにするためには、日頃から防災と福祉の連携、これが何よりも重要だと思います。
 今、山本委員がいろいろな先進事例の御紹介にありました。私は、災害対応あるいは復旧復興、大震災からの復興もそうでした。やはりそれぞれの現場にいろんな状況があるわけですが、私は現場に解がある、現場での先進的な取組を、これをノウハウを共有して、そして横展開していく、これが私は本当に大事だと思いますので、しっかり各省庁連携して、万全な体制で取り組んでいきたいと思います。
○山本香苗君 もう一つ両大臣にお願いがあります。
 現在、災害ボランティアセンターの設置運営に対して、各県の共同募金会が積み立てた災害等準備金から助成がなされております。しかし、この助成金は、被災地以外の社会福祉協議会からの応援職員の派遣費用やボランティア活動に必要な経費に充てることができません。
 昨年、七月豪雨で生じた経費につきましては、一部生活福祉資金の原資を取り崩して対応することが認められましたけれども、これはあくまで臨時的な措置でありまして、制度化されていません。災害が相次ぐ中で、災害ボランティアと被災者のニーズをつなぐ災害ボランティアセンターは被災者支援にとって不可欠です。是非、この災害ボランティアセンターの体制整備、運営を支援する公的な仕組みというものを創設していただけないでしょうか。
 防災大臣、厚生労働大臣、お願いいたします。
○国務大臣(山本順三君) お答えをいたします。
 災害時に個人のボランティアの方々やNPO、その他様々な団体が被災地に駆け付け、国、地方公共団体ではなかなか手が届きにくい、そういうきめ細やかな被災者支援活動を展開していただいております。これは、阪神・淡路大震災以降、もうまさにボランティアの方々が本当にたくさん現地へ入っていただいて、我々の手の届かないところの対策を講じていただいていること、大変うれしく思っております。
 そのときに、災害ボランティアセンターが中心になってボランティアの運営をしていくわけでありますけれども、このボランティアセンターがなかったら、いつ、どういう場所が今ボランティアを必要にしているか、その仕分作業すら十分できないということもございますので、大変重要なセンターだというふうに認識をいたしておりますけれども。
 これは、今ほどお話があったとおり、個人や企業などの民間からの寄附によって支えられているというのが現実でございまして、今ほどの共同募金会、これはそのうちの三%を災害等の準備金として積み立てて、そしていざというときにそれを配分する。あるいはまた、経団連が一%クラブというのをつくっていただいておりまして、経常利益の一%分、これを災害に活用していくと。こういうことで、ボランティアの運営が円滑になるような、そういう環境整備に努めていただいておるところでございますけれども、今ほどのお話のとおり、公的な制度、仕組みというものも大変重要であるというふうに思っております。
 先般、松山市で全国の災害ボランティアの皆さん方の集いがございまして、そこでボランティアの皆さん方のいろんな御意見を聞かせてもらいましたけれども、やはり全国で情報共有をしていくことが非常に重要だということで、その情報会議、共有会議というものの必要性をアピールしていただいたところでございますけれども。
 この会でありますけれども、先般の七月豪雨のときにも、東京で毎週、ボランティアセンターの運営とかあるいはボランティアの募集等に関して、広域レベルで調整が必要な事項について情報共有それから活動調整を行っていただいたというところでもございます。
 是非、こういったことが更にスムーズにできるように、例えば、ボランティア活動の資金の募集であったり、ボランティアの安全管理の徹底であったり、あるいはまた保険の事前加入等についてもリーフレットに取りまとめて公表もしておるところでございます。
 特定非営利法人全国災害ボランティア支援団体ネットワーク、我々、JVOADと呼んでおりますけれども、その辺りと内閣府とがしっかり連携を取って、そして被災者の支援が効率的、円滑になるように、これは厚労省ともしっかり連携をするということになろうかと思いますけれども、環境整備に努めてまいりたい、このように思っているところでございます。
○国務大臣(根本匠君) 今防災担当大臣からもお話がありました。この災害ボランティアセンターに対しては、地方自治体による財政支援のほか、各県の共同募金会が社会福祉法の規定による災害等準備金を活用して活動資金を支援しております。そして、災害時に災害ボランティアセンターを円滑に設置、運営できるよう、全国社会福祉協議会が実施する研修事業に対して助成を実施しております。
 被災者支援における災害ボランティアセンターの役割は大変重要なものであります。その運営上の課題については、中央共同募金会、全国社会福祉協議会、被災自治体から意見を伺っているところであります。これらの意見も踏まえ、今後とも災害ボランティアセンターが円滑に運営されるよう、内閣府とも緊密に連携して支援してまいりたいと思います。
○山本香苗君 連携だけで終わらないでいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 石井大臣に一つお願いがあります。
 災害ボランティア車両の高速道路料金無料化という措置があります。この措置の適用を受けるためには、まず被災地のボランティアセンターに申請書をファクスで送ります。その申請書を受け取った被災地のボランティアセンターは、申請書に受付印を押して申請者に送り返します。その受付印が押された申請書を持ってお住まいの自治体の災害対策相談担当窓口に行って災害派遣等従事車両証明書を発行してもらう、これが一連の流れです。
 これによってどうなっているか。被災地のボランティアセンターのファクスは一日中流れっ放しです。申請書に受付印を押すためだけに人を割かなくてはならなくなったという話も伺いました。
 被災地のボランティアセンターの負担を軽減するとともに、より一層多くの方に災害ボランティアとして参加していただけるように、手続の簡素化、図っていただけませんか。
○国務大臣(石井啓一君) 高速道路会社では、被災地で活動するボランティアの方に対しまして、移動に伴う高速道路料金を無料とする措置を講じております。昨年七月の豪雨災害等におきましても多くの利用があったところでございます。
 受入れの確認につきましては、受入れ可能な人数以上のボランティアの方が被災地に入ることの抑止のために行っていると承知をしておりますが、高速道路の無料措置の不正利用の防止にも活用しているところであります。
 手続の簡素化が必要との委員の御指摘は重要と考えておりまして、被災地の負担が軽減できるよう、必要な改善に向けて取り組んでまいります。
○山本香苗君 次に、ものづくり補助金についてお伺いいたします。
 今回は中小企業生産性革命推進事業一千百億円の中に含まれておりますが、従来とどう異なるんでしょうか。また、ものづくり補助金につきましては、事業期間が短い、公募期間が短過ぎる、こういった声が常に寄せられておりますが、改善図っていただけますか。
○国務大臣(世耕弘成君) このものづくり補助金は、中小企業、最近ではNPOからも非常に評価されている補助金であります。ただ、これの使い勝手をやはりいいものにしていかなければいけないというふうに思っています。
 まず、逆に公募期間はちょっと長過ぎると、もっと早く始めたいんだという人たちがいるので、今回はちょっとファストトラックみたいなものをつくって、締切りを二段階にして、早く始められる人たちは早い締切りで選んでいって早く事業を進めてもらうというような柔軟な対応をさせていただいて、三月中にも事業をスタートできるような体制にさせていただきました。
 また、このものづくり補助金に関しては、広報の強化というのも非常に重要です。使えるのにまだ全然知っていないという方もいらっしゃいます。広報のルートも今充実をさせておりますし、あと手続ですね。応募の段階で、会社の定款とか登記事項証明書とか、さらに会社案内まで添付を義務付けていたんですけれども、例えば会社案内なんかはもうホームページがある会社だったらいいじゃないかとか、応募の段階では定款とか登記事項証明書の添付はもうやめようということで、簡素化をさせていただいております。
 今回の補正で認めていただいた場合には、ともかく使い勝手のいいように更に改善を進めていきたいと思っています。
○山本香苗君 世耕大臣におかれましては、昨年この場で、NPOを対象外なのはなぜかという質問に対して前向きに御答弁いただきまして、昨年の二次募集から、一定の要件はありますけれども、NPOも対象にしていただきました。ありがとうございました。
 NPOといいますと、どうしてもボランティアというイメージが強いわけなんですが、最近は社会的な課題をビジネスの手法を用いて解決しようという事業型NPOが増えておりまして、ソーシャルビジネスの担い手として注目をされております。
 しかし、こうした事業型NPOが経営支援を受けられるところがないんですね。従来のNPO支援センターでは、こういった経営に関しての、売上げどう上げるんだとか、どういうふうに事業承継していくんだと、そういった支援は受けられません。じゃ、既存の商工会議所だとかよろず支援拠点だとかで受けられるかといったら、対象外なんですね。かつ、中小企業診断士の方がNPOをサポートしたとしても、資格を更新するに当たって実績としてカウントされないんです。
 是非、事業型NPOの方々も経営支援が継続的に無料で受けられるような体制づくりしていただけないでしょうか。
○国務大臣(世耕弘成君) 去年のこの場での山本委員と私の質疑で、これはかなり経産省の中にもインパクトがありまして、事業型NPOについてはやはり中小企業と同じように見ていかなければいけないという意識が省内でもかなり浸透してきております。そういった中で、今お話しいただいたものづくり補助金については、一定の要件を前提にしつつも、事業型NPO法人も支援対象に含めるという大きな方向転換が行われました。
 今御指摘の二点でありますけど、まず一点目は、実はよろず支援拠点では、この経営改善、販路開拓支援といった面では事業型NPO法人も支援の対象にはなっております。平成二十九年度の実績では五百件ほど支援実績が出てきていますけれども、今後も、より多くのNPO法人の皆さんに御活用いただいて知っていただけるように、この発信をしっかり強化をしていきたいと思います。
 また、御指摘のこの中小企業診断士の更新の際に必要とされる実務実績、これポイント制になっていまして、一日相談、コンサルに応じると一点で、三十点あると更新できるという形になっているわけですが、おっしゃるとおり、この経営支援は中小企業だけが対象となっておりまして、NPO法人は含まれていないわけであります。
 しかし、実態として、NPO法人でも中小企業と同じように収益事業を行っているというところもたくさんあるわけでありますから、NPO法人への診断、助言が中小企業に対する診断、助言を行う場合と同じ、同様の経験を積んだとみなすようなケースも十分あると思っていますので、この点は具体的な対応を検討してまいりたいというふうに思っています。
○山本香苗君 ありがとうございます。
 今、年間五百件と言われました。実は二十九年度よろず支援拠点の相談件数、二十万件なんです。二十万件の五百件、すなわち、排除していないだけであって、積極的にやっていないんですね。
 実際、よろず支援拠点に行かれた方が、ここは中小企業がメーンなんだよ、だから一回はいいけど継続的に支援はできないんだというふうに言われたと、言われたということでございますので、是非、今大臣の御答弁のとおり、中小企業の皆さん方と同様、ですから、しっかり看板掲げていただきたいと思うんです。やっていただけますでしょうか。
○国務大臣(世耕弘成君) よろず支援拠点では、NPOも明確に対象にしています。中小企業と別に区別する必要は全くありませんので、周知とかそういったこと、対外的な周知もそうですけれども、よろず支援拠点に対しても、NPOの相談に積極的に応じるようにしっかり指導してまいりたいと思います。
○山本香苗君 今まで、この間ずっと中小企業基本法の縛りというものを何度も御答弁でいただいてまいりましたけど、中小企業基本法における中小企業の定義に基づいて、業種ごとに設定された従業員数と資本金額で中小企業施策の対象を判断すると、非営利だから対象外にしないというのは果たして経済の実態に合っているのかなと思うんです。
 といいますのも、情報通信技術が発達していく中で、従業員数が小さくてもグローバルニッチトップ企業はあります。また、製造業とIT産業の融合が進むと、今度、業種の定義って物すごく曖昧になってきております。その上、営利法人なんだけれども、事業型NPOのように社会性に重視をしたような経営をするようなところも出てきました。
 そろそろ実態に合わせて中小企業基本法の見直しをするべきときが来ているんじゃないかと思うんですが、大臣、どうでしょう。
○国務大臣(世耕弘成君) おっしゃるように、中小企業基本法というのは、昭和三十八年に制定されて以来、中小企業の定義というのは業種ごとの従業員又は資本金の二つの要件で決める。その後、このラインは変えているんです。資本金の額を上げていったり従業員の数を変えたり、業種のちょっと分類を細かくしてみたりとかやっているんですが、基本的な思想は変わっておりません。
 ただ、今御指摘のように、例えばIT企業なんかは、従業員数物すごく少ないんだけどもう大企業並みの営業をやっているというような会社とか、あるいはちょっと資本が過少ぎみになっていて、誰もが知っているこの会社が中小企業ということはないだろうというような会社が中小企業基本法上は中小企業に該当するとか、あるいはNPO法人が、基本的には、今運用上いろいろやっていますけれども、中小企業基本法の解釈としてはやはり対象に入らないとか、時代にそぐわない面が幾つか出てきているというふうに思っております。
 ただ、これ、かなり大きな見直しになります。対象から外れる外れないとか、いろいろ利害も出てきますので、よく、まずは一つは、アメリカやEUとはちょっと、EUなんかは非常にシンプルで業種を分けないで中小企業の規定をしているとか、いろいろありますので、まず海外の中小企業支援の考え方をよく見て、そしてIT始めイノベーションの動向とか、あるいはこれまでの経緯、やっぱり突然ちょっと大きな方向転換というのはなかなか、今対象になっている方々にとっては大変な負担になる面もありますから、そういったことも総合的に勘案した上で検討はじっくり行ってまいりたいというふうに思いますが、取りあえず今の段階では、個別の施策ごとに、この間ものづくり補助金にNPOを入れたような形で運用上の対処をしっかりやってまいりたいというふうに思っています。
○山本香苗君 次に、外国人の子供の教育問題についてお伺いします。
 文部科学省では、浮島副大臣を座長とする外国人の受入れ・共生のための教育推進検討チームが立ち上げられまして、不就学外国人児童生徒の実態調査を行うことを検討していると伺っておりますが、是非実施をしていただきたいと思いますけれども、浮島副大臣、いかがでしょうか。
○副大臣(浮島智子君) 山本議員にお答えをさせていただきます。
 ただいまお話ございましたけれども、この外国人の子供たちが日本における生活の基礎を身に付け、その能力を伸ばすことができるようにするため、適切な教育の機会が確保されることは不可欠でありまして、このことは共生社会の実現という観点からも非常に大切なことでございます。
 このため、文部科学省といたしましては、自治体に対して就学案内を徹底するよう求めるとともに、外国人の子供たちの就学状況の調査、これを希望する自治体に対しましては補助事業による支援を実施してきたところでございますけれども、全国レベルでの状況の把握に向けて、今回初めて義務教育段階の外国人児童生徒の就学状況につきまして自治体の協力の下で全国的な調査を行う予定でございます。
 この度、外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策の具体化、これを図っていくために、私を、今お話ございました、座長とした検討チームを省内に設置をさせていただきました。調査の具体的な方法やスケジュール等の詳細につきましては、この検討チームにおきましてしっかりと議論を行い、速やかに決定をしてまいりたいと思っております。
○山本香苗君 もう一つ、教育関係で文部科学大臣と法務大臣にお伺いしたいと思うんですが、在留資格が家族滞在の外国籍の子供が大学等に進学する場合、日本学生支援機構の奨学金を利用することができません。機構のホームページでは、在留資格を留学に変更すれば利用できるというんですが、幼い頃に両親と一緒に来日をして、日本語を母語として、日本社会の一員としてこれからも日本で活躍したいと思っている学生は留学生なんでしょうか。奨学金が受けられないために進学を断念したという話もお伺いしました。
 この問題について、両大臣、まず実態をよく把握していただけないでしょうか。その上で、解決策を是非見出していただきたいと思います。簡潔に答弁をしていただきたいと思います。
○委員長(金子原二郎君) 簡潔にお願いします。
○国務大臣(山下貴司君) 簡潔に答弁いたします。
 まず、独立行政法人日本学生支援機構などの一部の団体が支給する奨学金について、家族滞在の在留資格ではこれは認められなくて留学の資格でなければというところは、これは承知しております。
 それに対して、私ども法務省は奨学金制度を所管しているものではないのでなかなかいかんともし難いのですが、しかしながら、我々としては、家族滞在から留学に在留資格の変更許可があった場合に、例えば、入管当局としては、大学が入学を許可した事実があれば、これは初年度の入学金、授業料を支払い得ると大学が判断したということでございますから、留学への資格変更の許可基準の一つである申請者が生活に要する費用を工面する能力を有する者と判断するなど、弾力的な取扱いを今しているところでございます。
 ですので、こういった留学への資格変更、奨学金の受給資格のあるような資格変更に弾力的に対応するということで、若い優秀な外国人学生が夢を諦めることのないように、法務省としても、文科省と協議してしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
○国務大臣(柴山昌彦君) 先ほど委員から御指摘があった家族滞在という在留資格の方についてなぜ学生支援機構の奨学金制度の対象とならないかというのは、家族滞在であると長期にわたり滞在することが必ずしも見通せないため、貸付けの返済が確保できないということであろうかというふうに思います。
   〔委員長退席、理事二之湯武史君着席〕
 ですので、今委員から御指摘がありましたけれども、今後、しっかりと学業に取り組んでもらうという方については、積極的に留学に在留資格を変更するように促していただく、そして、大学等の判断によりしっかりと給付型の奨学金や授業料減免などの支援の対象となる場合を増やしていくことが肝要かと思います。
 各施策の目的に即した支援が適切に行われるよう、私どもも取り組んでまいります。
○山本香苗君 総理、最後に一つお伺いしたいことがございます。
 今回の補正予算案におきましては風疹対策が盛り込まれておりますが、一刻も早い実施をお願いしたいんですけれども、とともに、命を守るためにもう一つどうしてもやっていただきたいことがあるんです。
 白血病や小児がん等を治療するために骨髄移植や臍帯血移植など造血幹細胞移植を行った場合に、予防接種でできていた抗体が全て失われてしまうんです。この状態で風疹など感染症にかかったら、即、命に直結します。そのために、風疹や麻疹などを防ぐ定期接種化されたワクチンを、これ少なくとも子供の場合は九種類、再び受け直さないといけないんです。費用は全額自己負担です。約二十万円掛かります。
 長くてつらい入院生活、それに伴って医療費も大変重い、経済的な負担も重いと。そこに追い打ちを掛けるようなワクチン再接種の自己負担。経済的にも精神的にも大きな負担を抱えた患者さんの御家族から、何とか救済してもらえないかと、こうした小さな声が我が党の地方議員に届けられまして、現在、名古屋市、新潟市、京都市、大阪市など九十の自治体で助成事業が実施をしていただいております。
 頑張ってつらい治療に向き合っている患者さんやその御家族を応援するために、再接種を定期接種の一つとして位置付けていただいて、全国どこでもひとしく補助が受けられるようにしていただきたいんですが、総理、お願いできないでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 予防接種を受けた方が骨髄移植等の医療行為によって免疫を失った場合の再接種については、現行の予防接種法の支援の対象とはなっていませんが、今委員が御指摘になったように、一部の自治体において再接種に対する支援を行っているところでございますが、政府としては、予防接種事業が地方の事務と位置付けられていることも踏まえまして、まず、こうした先進事例の周知等を行っているところであります。
 議員の御提案については、疾病の蔓延予防という予防接種法の趣旨も踏まえつつ、現在、厚生労働省において子供を含めた予防接種法全体の見直しに向けた議論が行われているものと承知をしております。
○山本香苗君 本来はこの後に防衛大綱の御質問をさせていただく予定でございましたが、時間が限られておりまして、大変、大臣、申し訳ございません、どうぞよろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。
○理事(二之湯武史君) 以上で山本香苗君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○理事(二之湯武史君) 次に、河野義博君の質疑を行います。河野義博君。
○河野義博君 公明党の河野義博です。
 まず、日米地位協定の改定に関して質問します。
 これまでも、日米両政府の努力や運用改善で二つの補足協定を締結するなど改善策は講じられており、私としても政府の取組に関しまして一定の評価をいたします。
 しかしながら、一方で、依然として米軍人における事件や事故、基地問題に起因する騒音問題など発生しておりまして、地元沖縄を始めとして日米地位協定の改定を求める声は大きいわけであります。
 この状況を踏まえまして、昨年、公明党では、遠山清彦衆議院議員を座長としまして、日米地位協定検討ワーキングチームを立ち上げました。そして、党独自の提言を取りまとめまして、昨年夏に菅官房長官に申入れを行いました。
 内容に関しましては、資料をお配りしておりますけれども、(資料提示)米軍関係者の、犯罪を犯した場合、起訴前に引渡しをする、これを明文化するということ、二つ目に在日米軍基地に関する日本国政府や地元自治体の管理権を確立させるということ、そして訓練や演習に対して地元住民の意見を反映させるということ、四つ目に事故時の規制線内に立入り権を確立させるということ、そして最後に日米合同委員会の協議内容を公開すると、こういった五項目に関して申入れをさせていただきました。
 官房長官に伺います。
 菅官房長官、この公明党の申入れ、どのように受け止めていただいたでしょうか。
○国務大臣(菅義偉君) 河野委員御指摘のように、昨年の八月に、公明党沖縄二十一世紀委員会及び日米地位協定検討ワーキングチームの皆さんから、政府に対して、日米地位協定に係る今お示しされております五項目の提言をいただきました。政府としては、重く受け止めて取り組んでまいりたいというふうに思います。
 米軍の円滑な駐留のためには、沖縄の地元を含む国民の皆様の御理解と御協力を得ることが極めて大事だと思っております。今後とも、様々な御意見に謙虚に耳を傾けながら、目に見える形で取組を一つ一つずつ積み上げていくことによって、日米協定のあるべき姿、こうしたものを不断に追求していきたいと思っています。
   〔理事二之湯武史君退席、委員長着席〕
○河野義博君 重く受け止めると御発言をいただきましたし、目に見える積み重ねを行っていくということでありました。
 あくまでも地位協定は日本とアメリカと両政府間の取決めでありますので、両国政府の検討を後押しするという目的で、今年一月末、遠山衆議院議員とともにアメリカ、ワシントンDCを訪問しまして、国務省並びに国防総省に対しまして同じ提言を持っていき、具体的な提言を行ってまいりました。
 官房長官、外務大臣、これは答弁求めませんが、実際に訪米して話をして感じたことは、日本側が米軍基地への管理権を確立させるということに関しては、両国によって基地を共同利用していく、こういう共同利用基地を増やしていくということが一つの解決策につながるんではないかという示唆を受けてまいりました。御答弁求めませんけれども、沖縄では現在本格的に共同運用をしている基地はございませんので、しっかりと今後、検討課題として受け止めていただけたらというふうに思います。
 私どもの申入れ、アメリカ政府も、公明党が基地周辺自治体の住民の声を踏まえて具体的な提案をしてくれたということに対しては、アメリカの政府からも高い評価とそして感謝の意向が示されたわけであります。アメリカ側も、基地周辺住民の理解が得られるよう、ありとあらゆる努力を行う用意があるというふうに具体的に言っておられましたし、特に沖縄の皆様にとって良き隣人でありたいというようなコメントもありました。
 一方で、地位協定、政府間協議の対象でありますので、本件に関しても、日本から公式ルートで提案があれば検討すると、これは可能であるというような、検討は可能であるというような話でありました。
 河野外務大臣に伺います。
 大臣は、衆議院議員としてこれまで地位協定の改定に向けて極めて積極的に取組を重ねてこられましたし、今も、大臣の議員個人としてのホームページには強力なメッセージが、特にこの引渡しの明文化、それから日米合同委員会の協議内容の公表に関しては強い強いメッセージが残っております。
 外務大臣としても、是非、この公明党の五項目、申入れを踏まえて、外務省からアメリカ側に正式に検討を申し入れていただきたいというふうに思いますけれども、大臣の所見をお願いします。
○国務大臣(河野太郎君) 日米地位協定につきましては、これまでも効果的かつ機動的に対応できる最も適切な取組を通じて一つ一つの具体的な問題に対応してきたところでございます。
 公明党から提言をいただきましたこの五項目の中の例えば事故時の規制線内への立入り権の確立、これは今までも日本側として必要な調査などは行っていると認識をしておりますけれども、我が国当局がより適切に対応できるように、また、そうした対応がより一層明確に確保されるように外務大臣として私も指示をいたしまして、今、事務方が米側と協議をしているところでございます。
 今後とも、最も効果的な方法で、この問題、具体的な問題を一つ一つ解決をしてまいりたいというふうに思っております。
○河野義博君 具体的に進めていただきたいと思いますし、この成果を確実に地元の皆さんにより良く理解をしてもらうということが大事なんじゃないかなというふうに思います。
 続きまして、虐待事案に関して私も質問します。
 総理、昨年三月、目黒区で発生した虐待事案を受けまして、六月の決算委員会で総理に対して質問させていただきました。児童相談所の圧倒的なマンパワー不足解消、そして弁護士の常駐ということを求めたわけであります。その後、政府も緊急に一か月以内で対策を取りまとめていただきまして、緊急総合対策、そして対策体制総合強化プラン、作成をいたしまして、虐待防止に取り組んできていただきました。
 にもかかわらず、またしてもこういった悲しい事件が発生をいたしました。前回は、やっぱり小さなSOSを見逃さないようにしていきましょうということを私申し上げたんですが、今回、明らかなSOSが発信されていたのにもかかわらず、我々が救ってあげることができなかったということは本当にざんきに堪えないわけであります。児童相談所、学校、警察、自治体、差し迫った危険を的確に認識することができず、命を救うことができませんでした。
 緊急総合対策においては、関係機関の連携強化、子供の安全対策を最優先とした一時保護の実施などに対策を講じるとされておりますけれども、これ以上こういう事故を繰り返さないために、現在のこの対策で本当に十分なんでしょうか。また、強化プランは二〇二二年度目標になっております。これは前倒しを含めて是非とも検討していただきたいと思います。
 また、児童相談所の皆さんの話を聞きますと、やはり日本は親の権利、親権が強過ぎるという指摘もある中で、この親権に関しても、一度、省庁横断的な取組でこれ検討を是非していただきたいというふうに思います。
 子供の命を守るためにできる限りの対策を早急にやっていただきたいと思いますけれども、総理の見解を教えてください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 子供たちの命を守るのは私たち大人全員の責任であります。今回も、今委員がおっしゃったように、心愛ちゃんからSOSが発信されていたわけでありまして、これを、この学校のアンケートに記述した内容を見てみますと、お父さんに暴力を受けています、夜中に起こされたり、起きているときに蹴られたりたたかれたりされています、先生、どうにかできませんかと。これ、明確なSOSでありながら、残念ながらこのSOSを周りの大人たちが受け止め、対応することができなかった。本当に悔やんでも悔やみ切れない出来事でございました。
 委員御指摘のように、児童虐待防止対策については、これはこの心愛ちゃんの前の結愛ちゃんの件においてしっかりと昨年七月に緊急総合対策を決定したところでございますが、それを進めている中においてこうした事件が再び起こってしまったことは本当に残念であります。
 自治体の取組に対する警察の全面的なバックアップや、今お話があった、親権者等の意に反する場合の施設入所等措置や親権停止、喪失の申立て等について適切な運用を促すことなど、関係省庁が連携して、やれることは全てやるという強い決意で臨んでまいります。
 今般の事案を受けまして、明日、関係閣僚会議を開催し、子供の緊急的な安全確認、そして虐待の可能性のある児童の情報の取扱いに関する新たなルールの設定、そして、児童相談所と学校など関係機関の更なる連携の強化などの対応を協議することとしています。
 また、昨年十二月には児童相談所強化プランを前倒して見直し、新たなプランの下で、二〇一七年度時点で三千二百四十人であった児童福祉司を二千人増員し、二〇二二年度には五千人を超える体制に抜本的に拡充をし、特に来年度は千七十人を増員します。また、全市町村に身近な相談拠点を設置するなど、何よりも子供の命を守ることを最優先にあらゆる手段を尽くし、児童虐待の根絶に向けて総力を挙げていきたい。
 繰り返しになりますが、子供の命を守るということを最優先にしなければなりません。という中において、先ほど御質問にもありました親権についても、この親権停止、喪失の申立て等についても適切な運用を促していくという方針も含めてしっかりと対応していきたいと思います。
○河野義博君 教育の現場も疲弊しておりまして、教員の働き方改革に関して文科大臣に伺います。
 昨年度、文科省が公表しました勤務実態調査、中学校では六割以上、小学校では三割の教員の先生方、過労死ラインを超えて働いているということが明らかになりました。
 私は、すぐに党内で、教員の働き方改革プロジェクトチーム、立ち上げさせていただきました。座長にしていただいて、政府に申入れを行いました。生徒に質の高い教育を提供するため、これが目的です。まずは勤務時間把握の徹底、そして教員定数の抜本的拡充、教員の担うべき役割の整理合理化、外部人材を登用したチーム学校の実現、こういったことを総理に提言をさせていただきました。
 政府は、この内容を踏まえて、今年度より多くの事業をスタートさせることになりましたし、定員、教員定数も今年度、千人改善をいたしました。部活動支援員、スクールサポートスタッフという新たな取組もスタートいたしましたけれども、学校における働き方改革というのは、単に教員の先生方に楽をしていただくというものではありませんで、高い成果を上げてきた我が国の教育をこれからの未来に向けてより一層充実させていくということが目的であります。教員の先生方の働き方を見直して、教員でなくてはならない業務に集中をしていただくためにこの改革を進めていくべきだと私は思います。
 文科大臣に伺います。
 中央教育審議会の答申を受けまして、省内で推進本部が設置されたと伺っております。学校における働き方改革、これからが正念場でありまして、この目的を教育界のみならず社会全体で共有して、一刻も早く強力に進めていくべきだと私は思いますけれども、大臣の決意、お聞かせください。
○国務大臣(柴山昌彦君) ありがとうございます。
 今いただいた御提言、また御紹介をいただいた一月二十五日に中教審からいただいた答申も踏まえまして、去る一月二十九日に、私を本部長とする学校における働き方改革推進本部の第一回を開催して、私からメッセージを公表させていただきました。
 今お話があったとおり、これには強いやはり信念とメッセージが必要だと思っております。教師が教師でなければできないことに全力投球をしていただくということを社会全体に対してしっかりとメッセージを発出するということ、それと、文部科学省が学校と社会の連携の起点、つなぎ役としての役割を前面に立って果たすことが必要だと考えております。
 その一環として、今御紹介をいただいたような、例えば、小学校の英語教育のための専科教員千人を始めとする合計千四百五十六人の教職員定数の改善、あるいは中学校における部活動指導員やスクールサポートスタッフの充実に係る経費を来年度予算に計上する、こういった形で取組を推進してまいりますとともに、これも御指摘をいただいたように、先生方の勤務時間管理の徹底、学校の組織運営体制の確立などを総合的に推進していくなど、働き方改革をしっかりと進めまして、教師、子供たち、保護者、地域の方々がその成果を実感できるようにしっかりと取り組んでいきたいと考えております。
○河野義博君 勤務時間の正確な把握というのが働き方改革の一丁目一番地だと思います。
 今年度から大幅に進みはしましたけれども、ICTやタイムカードを使って客観的に勤務時間、先生の勤務時間を把握しているという教育委員会はまだ四割にすぎません。必要な経費は地方財政措置によって賄われてはおりますけれども、各自治体で予算計上が必要となります。公明党としても、地方議員とのネットワークを生かして、しっかりと働き方改革、教員の現場環境改善というのに取り組んでいきたいというふうに思います。
 それから、もう一点、文科大臣、奨学金の既卒者対策に関して伺います。
 奨学金は、教育機会の均等を理念に日本学生支援機構によって実施されておりまして、今や学生の四割は機構の奨学金を利用しております。ここ数年で、学生向けには、返済不要の給付型奨学金の創設、無利子奨学金の成績要件の廃止や、所得連動型返済方式の導入など、矢継ぎ早に重要な制度改善を行ってきました。高く私ども評価をしております。
 公明党青年委員会でも各地で署名をやらせていただいた、そういったことも踏まえての改革だと存じ上げておりますけれども、その一方で、この改革というのは現役世代に限られているんですね、奨学金を借りている方だけに今光が当たっている状況でありまして、卒業生に対しても、既卒者に対してもこういった恩恵の一部でも受けられるような取組が必要ではないかと私は思います。
 例えば、卒業後、固定金利で借りていたのを変動金利に選択したいとか変動を固定に変わりたい、こういったことはできませんし、所得連動返還型も、これは卒業後は採用することができません。こういった制度変更を検討を是非していただきたいと思いますし、また、昨今のこの雇用環境を勘案しまして、民間企業でも、学生、新卒の方々採用したら、企業が奨学金肩代わってあげますよと、その分給料上積みしてあげますよとか、そういった取組も進んでいる中で、企業側に対しても、奨学金返済に関するサポートを行ってくれたらメリットがありますよと、例えば税制優遇ですとかそういった措置を行うことによって、既卒者対策、私、しっかり進めていくべきだと思いますが、柴山大臣、いかがですか。
○国務大臣(柴山昌彦君) たくさんの貴重な御提言をいただきまして、ありがとうございます。
 まず、返還困難者に対するセーフティーネットとしての利率の在り方なんですけれども、例えば、今御指摘があったように、利率を固定した方式と利率変動方式を過去に遡ってそれを選択することができないのかということになりますと、これは、やはりその負担がどれだけ国費で賄う必要があるのかということも踏まえて十分慎重に検討する必要が出てきてしまいます。
 また、所得連動型の奨学金、これについて、今御指摘があったように、既卒者、既に奨学金の返還を開始している方にもこの所得連動型を適用したらどうかということについては、それによって毎月の返還額がかなり大幅に下がってしまうということから、機構全体の返還金総額が大幅に減額をしてしまうということにも配慮をしなくちゃいけませんし、また、その場合に、長期返済となることから、人的保証から機関保証に移行するその際に保証料を一括で支払っていただかなければいけないのではないか、また、事務手続が増えるのではないかということも検討しなければいけない、様々な課題が出てくるということが事実であります。
 その中からいうと、今最後に委員が御指摘になったように、民間資金を活用した経済的な負担の軽減、これは非常に私としてはすばらしい取組だというように考えております。特に、社員の奨学金返還を支援する企業の取組というのは、例えば地方創生、学生を当該民間企業に呼び込むという観点からも非常に重要だと思いますし、また、政府としても、地方公共団体において民間資金も活用した基金を造成し、地域産業の担い手となる学生の奨学金返還を支援するための取組を既に推進しているところでもございます。
 そういったことも含めて、しっかりと広報や周知活動に取り組んでいきたいと考えております。
○河野義博君 前向きな御答弁をいただきました。是非とも進めていただきたいというふうに思います。
 それから、雇用関連で厚労大臣に伺います。
 今年度から改正労働契約法の無期転換ルールが本格的にスタートしました。有期契約労働者の契約が更新されて通算五年を超えた場合、これは労働者が申込みをすれば無期労働契約に変換できるという制度の本格適用が始まりました。この無期転換ルールの本来の趣旨は、有期契約労働者が反復更新して、そして生じる雇い止め、もう来なくていいですよと言われるこの不安を解消するための措置であります。
 一方、こういう相談を受けました。元々この方は国の機関で働いていましたので制度対象外だったんですが、これは国の機関だったのが独法化されまして、独立行政法人化されてこのルールが適用になりました。従来六年であった有期契約が、この独法化を機に、この制度も、この改正労働契約法の無期転換ルールがスタートするタイミングと合わせて、六年間だった契約が三年になりまして、延長しても一年半と、都合四年半と、最大契約というふうになりました。その一方で、四年半たって六か月間たてばまた採用面接を行うことは可能ですよというような契約に変更されたという、私自身、ちょっと信じられないような相談を受けました。
 無期転換ルールの本格適用が始まって十か月以上が経過するところでありますけれども、厚労省として無期転換ルールの趣旨の遵守についてどのような取組を講じてこられましたでしょうか。また、こういった趣旨に反するような事案に関して、厚労省としてどういう認識を持って、どういう対策を講じていくおつもりでしょうか。
○国務大臣(根本匠君) 我が国では、有期労働契約が反復更新され、実際には期間の定めのない無期労働契約に近い実態となっている労働者が多い、こういう指摘があって、無期転換ルールは有期労働契約の濫用的な利用を防止して雇用の安定を図るために導入された規定です。
 これまでも、無期転換ルール等の情報を発信する専用のサイトの開設やセミナーの開催に加えて、都道府県労働局に無期転換ルール特別相談窓口、これを設置するなど、制度の周知、そして導入支援を行ってまいりました。
 今委員のお話しの事案については、一般論として、一般論として、無期転換ルールを意図的に避ける目的で雇い止めを行うことや形式的にクーリング期間を設定して再雇用を約束の上で雇い止めを行うこと、これは労働契約法の趣旨に照らして望ましいものではないと考えております。このような実態を把握した場合には、引き続き、都道府県労働局において必要な啓発指導を行うなど、適切に対応してまいりたいと思います。
○河野義博君 四・五年の後、半年クーリング期間を置いてやるというのは、これ実質的な雇い止め行為を独立行政法人がやっていると、これけしからぬ事案だと私は思いますので、しっかりと厚労省、しっかり指導していただきたいというふうに思います。よろしくお願いします。
 それから、自動車整備技術の高度化にどのように対応していくかという観点で、国交大臣に伺います。
 近年、自動車技術の発達は目覚ましく、二〇二〇年を目途に一部自動運転を実現するという政府目標が掲げられておりまして、自動車整備業はユーザーの保守管理の責任の担い手として重要な役割を果たしており、今後その仕事の役割が増加するのではないかという期待が持たれております。
 その一方で、事業実施に当たっては、各自動車メーカーのマニュアルをそろえたり、自動車の故障を診断する高額なスキャンツールというものが必要になってきます。従業員十人以下が八割以上を占める中小零細企業の集まりでありますけれども、もうこういった業界では負担が非常に大きくなっているというのが現状であります。
 報道によれば、道路運送車両法の改正が検討されておりまして、整備工場の認証制度を導入したり、メーカーにマニュアルの提供を義務付けたり、そして、車検証のICカード化が検討されているというふうに伺います。
 そこで、国交大臣、中小零細企業の自動車整備工場がメーカーのマニュアルやスキャンツールを導入し活用する点、また、人材を確保、育成していくという観点でどういったサポートを行っていかれるおつもりでしょうか。
 また、車検証に関しましては、公明党は、車検証の備考欄に点検整備の状況を記載するなど、これまでも適切な点検整備を後押ししてまいりましたけれども、IC化に当たっては、整備工場のシステム導入負担が過度な、過度な負担にならないよう、しっかりとこれは配慮すべきだと思います。また、IC化の先に、納税手続を簡素化する、例えばコンビニで税金を払えるようにするということにすれば、一層負担は軽減されると思います。
 こういった課題に関して国はどのように取り組んでいかれるおつもりか、最後にお聞かせください。
○国務大臣(石井啓一君) 自動ブレーキなどの新技術を搭載をいたしました自動車の整備を行うためには、自動車メーカーが作成をいたします整備マニュアル、電子装置を診断するスキャンツール、これらを使いこなすことができる自動車整備士の知識、技能が必要であります。
 国土交通省では、一般の整備工場でも新技術の整備を行えるようにするために、平成二十三年に自動車整備技術の高度化検討会を設置をいたしまして、関係業界とともに、一定の会費を支払うことによりまして各車両の整備マニュアルを自由に閲覧できるようにする環境の整備、複数メーカーの車両に対応いたしました汎用のスキャンツールの開発と機能の拡大、自動車整備士に対する新技術に対応した研修制度の創設、拡充といった取組を進めております。さらに、スキャンツールを導入する整備工場に対しましては、装置価格の三分の一の補助も行っております。
 また、車検証の電子化につきましては、整備工場にとって過度な負担とならないよう十分に配慮するほか、納税手続の簡素化につきましても、自動車関係手続全体の負担軽減に向けまして、関係者と連携をして検討してまいります。
 国土交通省といたしましては、引き続き、これらの施策を講じることによりまして、整備工場が新技術に対応できる環境の整備に取り組んでまいります。
○委員長(金子原二郎君) 以上で河野義博君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(金子原二郎君) 次に、東徹君の質疑を行います。東徹君。
○東徹君 日本維新の会・希望の党会派の東徹でございます。
 私からも、毎月勤労統計の問題について質問をさせていただきたいと思います。
 本当に、最近、非常に国家公務員の不祥事問題、非常に多い中で、厚生労働省は特に多いというふうに思っております。
 今回の毎月勤労統計の問題でありますけれども、二〇〇四年、十五年からこういった問題が続けられていたということであります。調査方法をサンプル方式に変えたということでありますから、この目的なんですけれども、この特別監察委員会の報告書、この報告書を見させていただくと、都道府県、要するに東京都ですけれども、負担を減らすためというふうになっておりますけれども、これ、根本大臣に伺いたいと思うんですが、東京都の負担を減らすためにやはりこういった全調査から抽出調査に変わったのかどうか、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(根本匠君) 特別監察委員会報告書によりますと、平成十五年七月三十日に通知された事務取扱要領、これには、これにどう書いてあるかといいますと、東京都の規模五百人以上の事業所について抽出調査とした理由が併せて記載されております。規模五百人以上事業所は東京に集中しており、全数調査にしなくても精度が確保できるためであると、これは客観的な事務取扱要領に明示されております。
 それから、ブロック会議というのを、毎月勤労統計調査ブロック別の事務打合せ会議というのをやりますが、その質疑応答集、これ平成十五年八月現在、という題名の資料においては、規模五百人以上の事業所の抽出率が一分の一となっており、これは全数調査という意味ですけど、継続して指定され、対象事業所からも苦情が来ているが、継続指定を避けることができないかという都道府県からの質問に対して、今回から全数調査をしなくても精度が確保できる東京都の一部の産業で標本調査としたとの回答が担当係の見解として記載されております、客観的に記載されております。
 いずれにしても、引き続き、特別監察委員会において、より独立性を高めた形で厳正に検証作業を進めていきたいと思っております。
○東徹君 報告書にもありますように、都道府県の担当者の負担を考慮したからだというふうになるわけですけれども、これ、東京都が調査結果をまとめたものが、二月六日、昨日でありますけれども、出ました。これには、今回の調査結果からは、東京都が毎月勤労統計調査の調査方法について大規模事業所の調査を全数調査から抽出調査に変更することを国に要望した事実は確認できなかったとあるんですよ。
 一体、じゃ、どういうことなんですかということなんですけど、大臣、これ、この東京都の調査結果を見て、どう思われますか。
○国務大臣(根本匠君) 今申し上げましたが、先ほどの質疑応答資料集などを根拠に都道府県担当者から要望、都道府県担当者からの要望を理由の一つとして挙げているのは事実でありますが、東京都の今回の中間まとめにおいて、都から厚生労働省に要望している事実は確認できなかったとされております。この点については、特別委員会の報告書にはそういう記述がありますけど、ここが事実誤認があったかということについては、私は、今、特別監察委員会において、国会審議等における御議論も踏まえ、引き続き厳正な検証作業を行っていただいているところであって、東京都の中間まとめも踏まえながら、特別監察委員会でしっかりと議論をしていただきたいと思っております。
○東徹君 非常に答弁が分かりにくいんですけれども、要は、東京都はそういった要望した事実はなかったというふうに言っているんです。
 これ、監察委員会はきちんとこれ東京都の方にも聞きに、ヒアリングしに行くんですか。
○国務大臣(根本匠君) 今、特別監察委員会でヒアリングをしていただいておりますが、関係自治体、東京都、神奈川県、愛知県、大阪府にも直接ヒアリングを実施していただいたと聞いております。
○東徹君 是非、なぜ、どういう意図で、どういう目的でこうなったかというのをしっかりとやっぱり解明していただきたいと思います。
 もう一点、この調査方法だけにとどまらず、問題は、国民に支払われるべきお金が払われていなかった、雇用保険等ですけれども、これが過少給付だったというわけですけれども、その額五百六十四億円でありますけれども、そのためのシステム改修費などの事務経費、これは幾らですか。
○国務大臣(根本匠君) 事務経費百九十五億円ですが、事務費の財源としては、今般の追加給付に要する事務費については労働保険特別会計で予算額を計上しているところであり、労働保険料を財源としております。
○東徹君 労働保険から支払うということは、労働保険というのは労使が払っているお金ですから、要するに国民からいただいているお金でもってこれ事務経費を使うというのは、これはとんでもないと思うんですね。
 これは本来、こういった不祥事問題が起こらなかったら、こういった事務経費というのは要らなかったはずなんですよ。それを、自分たちの厚生労働省職員がやったこの不祥事を国民からいただいているお金から支払うというのは、これ、おかしいんじゃないですか。
○国務大臣(根本匠君) 今回の追加給付については、雇用保険等の給付であります。そして、その意味で、追加給付に要する事務費の財源については、複数年度を掛けて、労働保険特別会計における既定の事務費の削減、具体的には、優先度の低いシステム改修経費の削減や手続の合理化による人件費の削減などによって確保していくこととしております。
 こういう取組によって、被保険者などの負担する保険料の将来的な上昇につながらないようにしてまいりたいと思います。
○東徹君 これは安倍総理にお聞きしたいと思いますけれども、これは本来、事務経費、掛からなくて済んだお金を、こういった厚生労働省の職員の不祥事によってこういった事態になって、百九十五億円もお金が掛かる。今、節減するとか言っていますけれども、そんなのは当たり前の話であって、本来、こういった問題が起こったら、これは漫然と毎年毎年人事院勧告どおり給料を引き上げるんじゃなくて、そういったことを一旦立ち止まって、そういったことでもってお金を支払っていく、そういった考えというのは、安倍総理、ないんでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど根本大臣から答弁をさせていただいたとおりでございますが、今般の追加給付に要する事務費については、これにより被保険者等の負担する保険料の上昇につながらないよう、所要の財源について、複数年度を掛けて、既定の事務費や人件費の削減を行うことにより、確保することとしております。
 詳細については大臣から答弁させたいと思います。
○国務大臣(根本匠君) 先ほども御答弁申し上げましたが、事務費の財源、これについては、複数年度を掛けて、既定の事務費の削減によって確保していくこととしております。
 こうした取組によって、被保険者の負担する保険料の将来的な上昇につながらないようにしっかり対応していきたいと思っております。
○東徹君 こういった不祥事問題を国民からいただいているお金でもって賄うというのは、本来間違っていると思うんですね。やっぱり漫然と国家公務員の給料を引き上げるんじゃなくて、一旦立ち止まるということも非常に大事だと思いますので、是非こういったことを指摘をさせていただきたいと思います。
 続いて、厚労省の、ちょっとこれパネル見ていただきたいんですけれども、(資料提示)厚労省、これ、消えた年金問題からJEEDの不正入札、それからマイナンバーに関する収賄事件、裁量労働制の不適切なデータ処理。毎年のようにこういった不祥事問題が続いているんですよ。
 これ、本当にやっぱり厚生労働省としての組織、厚生労働省の改革、組織の改革、こういったことをやっぱりやらなきゃいけないと思いますよ。全く省庁が大き過ぎてガバナンスが利いていない。厚生労働省の組織を私はこれは改革していくべきだというふうに思います。
 こういったことはやはり安倍総理にしかできないと思っていまして、厚労省の分割とかそういった幹部職員の入替え、そういったことを含めて、どうすれば良くなるのか、是非具体的にお考えをお聞きしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 厚生労働省は、保健、医療や介護や福祉、あるいは年金、子育て、労働といった非常に広範な、国民生活に密着した政策を担当しております。ある意味では私たちにとって最も身近なお役所と言ってもいいんだろうと思いますが、厚生労働行政は国民生活に直結する分、誤りが起こった場合には影響は重大でありますし、国民の皆様の生活、給付等に直接影響してくるわけであります。
 厚生労働省では、昨年の裁量労働制データに関する問題など重大な事案が生じているのは事実でありますが、問題に対して原因、背景を明らかにする上で一つずつ再発防止を徹底し、組織として取り組んでいく必要があります。
 今回の事案については、まずは特別監察委員会において、本質的な課題は何か、しっかりと検証していただきたいと思います。そして、厚生労働大臣には、検証結果を踏まえて、自らが担う行政の重みに対応してしっかりとしたガバナンスを有する組織を確立してもらいたいと、このように考えております。
○東徹君 厚生労働省改革をやりますということを前、おっしゃっておられました。私は、やっぱり組織を変えていかなかったらこういった問題というのはやっぱりなかなか減らないというふうに思います。ゼロにはなかなか難しいかもしれませんけれども、是非、分割も含めてやっぱり検討をしていただきたいと思います。
 続いて、公務員のこれも不祥事問題として昨年出た、障害者の雇用の水増し問題、障害者ではないのに障害者だとして雇用しているということを全省庁にまたがってやっているということが出ました。この基準を満たしていないということが分かりましたけれども、何人不足していたのか、まずお聞きしたいと思います。
○国務大臣(根本匠君) 平成三十年六月一日現在で、御指摘の国の行政機関が法定雇用障害者数を達成するために採用しなければならない障害者数は三千八百七十五人であります。
○東徹君 じゃ、この三千八百七十五人、どうやって不足を補っていくのか、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(根本匠君) 法定雇用率を達成していない府省、これについては、平成三十一年末までの障害者採用計画を策定し、その実現に向けた取組を推進しています。
 厚生労働省としては、各府省の採用計画が着実に進捗するよう、次の取組によって各府省の取組を最大限支援してまいります。
 一つは、例えば、障害者雇用に精通したアドバイザーの選任による各府省が専門的な助言を受けることができる体制の整備、ハローワークにおける積極的な職業紹介。このほか、任用面での対応としては、選考試験の枠組みを利用して、人事院が能力実証等の一部を統一的に行う、障害者を対象とした選考試験を導入いたしました。
 約四千人の障害者を平成三十一年末までに採用することは容易ではなく、相当な困難を伴う面もありますが、まずは関係法令に沿って取組を開始し、進捗状況や課題について関係閣僚会議などでフォローアップしながら、政府一丸となって取り組んでいきたいと考えます。
○東徹君 もうこれ、定員の数が、国家公務員の定員の数が増えていくことになるんじゃないですか。これ、宮腰大臣にお聞きしたいと思います。
○国務大臣(宮腰光寛君) お答えいたします。
 国の行政機関は民間の事業主に対しまして率先して障害者を雇用すべき立場にありながら、このような事態となったことは誠に遺憾であります。
 障害者雇用を促進するための定員につきましては、各府省が策定した採用計画に基づき、常勤職員として採用するために必要となる定員として、平成三十年度三百八十人、平成三十一年度八百七人の要求をいただきました。
 公務部門における障害者雇用に関する基本方針におきまして、必要となる定員については適切に措置することとされたことを受け、障害者の方々に安定的な雇用環境を提供する観点から、要求どおり認めることとしたものであります。
○東徹君 簡単に定員を増やしたらいいというものじゃないですよ。それは、障害者の方を雇用するのは大事なことです。でも、雇用増やすんだったら、どこかでそれをやりくりしていく、採用を減らすとか、そういったことを是非やるべきだと思います。
 これ、民間企業だったら、障害者の法定雇用率満たしていなければどのような罰則があるのか、お聞きしたいと思います。根本大臣。
○国務大臣(根本匠君) 障害者雇用納付金制度というものがあります。この障害者雇用納付金制度というのは、法定雇用率が未達成の事業主から納付金を徴収し、達成している事業主に調整金や報奨金を支給する仕組みとなっています。
 なお、この納付金制度、これは制裁的な措置ではなく、事業主間の障害者雇用に伴う経済的な負担の調整を図るとともに、障害者を雇用する事業主に対し、助成、援助を行うことで雇用の促進と職業の安定を図るための制度であります。
○東徹君 根本大臣、民間企業が、これ一人不足していたら年間六十万円の納付金、これを納めないといけないですよね。これ、もし企業が赤字だったらどうなるんですか。
○国務大臣(根本匠君) 納付金制度の機能については先ほど申し上げたとおりであります。
 その意味では、赤字企業であってもこの納付金は納入しないといけないという、こういうことであります。
○東徹君 これ、民間に対しては物すごい厳しい制度なんですよ。企業が赤字であっても一人当たり年間六十万円の納付金、要するに、罰則金みたいなものを払わないといけないわけですよ。もうそれだけ厳しいことを民間には課しているわけです。だから、これはやっぱり国として、やっぱり私は、やるべきことは、まず本来は、国の役割は、罰則のある民間企業に対して、まずは国全体で民間の障害者雇用が進むように仕事をやっぱり発注していくべきだと思うんですね。
 これ、安倍総理に是非お聞きしたいと思います。国がやるべきことは、民間はなかなかやっぱり障害者雇用、大変ですよ。障害者雇用するのは大変なんです。国は、簡単に採用するんじゃなくて、まずは、まずは民間に対して障害者雇用の仕事を発注していく、こういったことをやるべきと思いますが、安倍総理にお聞きしたいと思います。
○国務大臣(根本匠君) 事業主は社会的連帯の理念に基づいて障害者の職業的自立の努力に協力して適当な雇用の機会を与える責務があって、障害者雇用制度は事業主に障害者を自ら一定割合以上に雇用することを義務付けることによって障害者のノーマライゼーションを推進することを目的としています。
 国あるいは自治体も就労支援施設に発注する、これは国も自治体も今努力をしております。その意味で、国や自治体もこの就労支援施設へ発注を増やす、こういうことも努力していきたいと思います。
○東徹君 こういったことは厚生労働省だけでできることではないと思います。是非、これ、安倍総理に是非お願いしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほどの御質問なんですが、言わばそういう努力をしている企業に対して、国は公共事業等で発注せよという、そういう御質問でございますよね。それは質問通告ちょっとございませんでしたので、これ調べて、後ほど調べて、どういう状況になっているか御報告をさせていただきたいと、このように思います。
 そうした様々な支援、その努力をしている民間企業に対してどう対応していくかということも一つの課題であろうと、こう思います。障害がある方も難病に悩む方も、全ての方々が活躍できる一億総活躍社会をつくっていくというのが国の方針でございますので、そういう観点から様々な政策を推進していきたいと思っております。
○東徹君 では、続いて次の質問に移らせていただきたいと思います。参議院の議員定数六増のことについてであります。
 昨年の通常国会で、議員定数削減の大きな流れに反する中で、国会議員、参議院は定数を六増やすという、これ、自民党と公明党の賛成によって成立をいたしました。
 これ、地方議会では議員定数減らしたところ、どれだけあるのか、まずお聞きしたいと思います。
○国務大臣(石田真敏君) 東議員にお答えをさせていただきたいと思います。
 総務省が行いました地方議員、地方議会議員の定数に関する調査結果によりますと、平成二十四年四月一日時点と平成二十八年四月一日時点との比較におきまして、条例定数が増加していた地方公共団体は埼玉県所沢市の一団体でございます。ただ、所沢市につきましては、条例改正の際の附則において当分の間定数を抑制することとされております。
 他方、条例定数が減少していた地方公共団体は、都道府県では十六団体、市区町村では六百三団体となっております。
 なお、この調査以降の定数の状況について、網羅的に把握しているわけではございませんが、都道府県について、県の公報によりますと、三重県議会におきまして五十一人から四十五人に減らした議員定数について、昨年三月に四十五人から五十一人に増やす条例改正が行われております。
 また、熊本県議会におきましては、四十九人から四十八人に減らした議員定数について、昨年三月に四十八人から四十九人に増やす条例改正が行われております。
 また、福岡県議会におきましても、昨年十月に八十六人から八十七人に増やす条例改正がそれぞれ行われたと承知いたしております。
○東徹君 二十四年四月一日と二十八年四月一日で比較すると、都道府県では十六団体が削減している、市町村では六百三団体。これだけ議員定数をやっぱり削減してきているんですよ。国は、参議院は、人口が今減少してきているのに、少子高齢化、人口減少、財政状況も非常に厳しいという中で議員定数六増、増やすというのは、これはもう本当にとんでもない話で、これだけは私は本当に許せなかったですね。
 これ、議員定数、安倍総理は賛成されたんですか。賛成したんだったらなぜ賛成したのか、お聞きしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この質問にお答えをする前に、先ほどの御質問の中でございました障害者を雇用する努力をしている企業に対しての発注等、国等の発注を調べたところ、二十五年度から障害者優先調達法が施行されておりまして、その中で対応しているものと思います。
 ただいまの御質問でございますが、さきの国会で成立をした参議院の選挙制度改革については、参議院特有の事情も踏まえて、投票価値の平等とともに都道府県の単位がどれぐらい尊重されるべきかという点も含めて各党各会派による検討がなされ、結論が出されたものであると承知をしております。また、附帯決議として、この定員増に伴う参議院全体の経費の増大を生じないよう、しっかりとその節減に取り組んでいくという参議院としての決意が示されたものと承知をしております。
 そこで、私が賛成したかどうかということでございますが、基本的には、私、行政府の長として立っておりますので、確かに国会議員の一員でございますから立法府の一員ではございますが、答弁を控えさせていただきたいとは思いますが、あえて一言申し上げるならば、参議院における議論の状況を踏まえ、総合的な判断として、一議員として賛成票を投じさせていただいたところでございます。
○東徹君 これ、議員定数六増。何で六増したか分かりますか、安倍総理。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私が賛成をいたしました理由として、参議院における議論の状況を踏まえて総合的な判断をさせていただいたと、こういうことでございまして、まさにそういう御議論が参議院で行われて、このなぜ六増するかということについての御議論が行われた結果を私は尊重したということでございます。
○東徹君 これは、自民党が強引にこの法案を推し進めて、公明党等によって成立したという定数六増法案です。
 これは、何でこれ増やさなきゃならなかったのかというと、島根県と鳥取県、それから高知県と徳島県、この合区によって議員があふれた。そのあふれた議員を救済するためにですよ、救済するために六増、増やしたんじゃないですか、安倍総理。これ、国会議員という身分が既得権になっていますよ。そういう人たちを救済する、身分保障する、そのためのこれは議員定数六増法案ですよ。違いますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これ、私はこの法案について、これ議員立法でございますし参議院でお決めになったことでございますから、御説明する立場にはございませんが、しかし、あえて強い御指摘がございますのでここで申し上げますと、まず、この合区対象県を拡大せずに選挙区の較差拡大を抑制するものとして、定数を二人増やし埼玉選挙区に配分をしたと、こういうことだと承知をしております。また、人口減少県の民意を国政に届けることを求める声も高まっているということで、議論において我が党の議員がこう主張していたというふうに承知をしております。
○東徹君 全然違いますよ。埼玉はそれはもう一票の較差を是正するために増やしたんだったら、比例区を減らせばいいわけですよ。何も増やす必要なんて全くありません。
 それ以外にも、私は、これ今、本当に国は行政改革、全然やろうとしない。やろうとしないのは何でかというと、国会改革ができていないどころか、国会改革が後退しているからですよ、これ。定数六増みたいに議員定数を増やすような、そういったことをやっているから、いつまでたっても行革も進まないんですよ。
 これ、国会議員の本当に優遇、厚遇。この間も、議員定数六増のためにですよ、部屋を三部屋増やすために、その改修費が一億八千万ですよ。とんでもない。そんなことを堂々と平気でやっている。それから、月百万円の領収書要らない文通費、これだって、何に使ってもいい、こんなものもおかしい。委員会の委員長の手当。年に二回、四分しか開かれていない委員会もあるんです。その委員長に何と年間百十二万八千円支払われているんですよ。
 こういった改革やるべきだと思いますが、安倍総理、是非これ、自民党総裁としてこういった国会の改革やるべきと思いませんか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 国民の皆様に様々な御負担を求める以上、我々政治家も常に自らを省みる必要があることは当然であろうと思っております。我々政治家は、政策を実現するために真摯の努力を続け、国民の負託に応えていかなければなりません。日本維新の会がそうした観点から具体的な提案を国会の場にしておられることについては、敬意を表したいというふうに思います。
 その上で、政治に要するこの費用の問題は、議会政治や議員活動の在り方、そしてすなわち民主主義の根幹に関わる重要な問題であることから、国会において国民の代表たる国会議員が真摯な議論を通じて合意を得る努力を重ねていかなければならないと、このように考えております。
○東徹君 国会改革は本当に、今自らを振り返りということを言いましたけれども、全然、自らを省みて何かやっぱり無駄をなくしていこうとか、やっぱりそういった改革、一向にやらないですよ。これは自民党がやっぱり過半数あるんだから、是非これ進めていっていただきたいと思います。歳費だけを、歳費だけ減らして、その議員の定数を増やした分だけの歳費だけ減らしたという、そういうもんじゃないんですよ。そういうもんじゃないんです。議員定数を減らすことによって、自分たちの身を切る改革をすることによって行政改革が進むんですよ。もう是非やっていただきたいと思います。
 これ、今、国家公務員どれだけ増えているか見てください。減少傾向にあった国家公務員の数が今増えているんですよ。
 これ、宮腰大臣、どれぐらい増えているか、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(宮腰光寛君) 国家公務員の定員につきましては、国の行政機関の機構・定員管理に関する方針に基づきまして、毎年二%、五年で一〇%以上の合理化を行う一方で、内閣の重要政策への対応には重点的に増員を措置し、戦略的な定員配置を実現することとしております。
 第二次安倍政権発足以降、こうした方針の下、平成二十九年度までは純減を続けてきたところであります。また、平成三十年度と三十一年度におきましても、特別な要因を除いた通常ベースの定員につきましては、緊急重点分野であるCIQ、海上保安の体制への増員を含めましても純減を維持しております。三十年度が四百三十六人、三十一年度が七十三人の純減であります。
 他方、特別な要因といたしまして、災害からの復旧復興や東京オリンピック・パラリンピックの準備対応のように、一定期間に限って臨時的、一時的に措置される時限定員や、育児や介護等の制約を抱える職員が安心して産前産後休暇や介護休暇を取得できるよう、ワーク・ライフ・バランスの確保を政策的に推進するために例外的に措置する定員といったものが挙げられ、これらを勘案した結果、全体として増員と、純増となったものであります。
○東徹君 安倍総理、これ、国家公務員、どんどん増えていっていますよ。やるべきことがあるからといって増やしていったら、これ止めどなく増えていきますよ。どこかでやっぱりやりくりするという、やっぱりそういった行政改革大事ですよ、安倍総理。是非、これ進めるべきというふうに考えますが、是非御答弁いただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 現下の厳しい状況、財政状況に鑑み、不断に業務の見直しを行っていくことは不可欠であると認識をしておりまして、今後も国の行政機関の機構・定員管理に関する方針に基づき、毎年二%、五年で一〇%以上の合理化を行う方針は堅持しています。
 他方、社会経済情勢の変化が激しい中、内外の新たな行政課題に機動的、戦略的に対応するための体制を整えていくことも行政の重要な責務であります。こうした考え方の下、今後も厳正な定員管理を行っていくとともに、内閣の重要政策には迅速かつ柔軟に対応できるよう、戦略的な定員配置に努めてまいりたいと、こう思います。
 これまでの取組を踏まえながら、国家公務員の総人件費に関する基本方針に基づいて、職員構成の高齢化等に伴う構造的な人件費の増加を抑制するとともに、簡素で効率的な行政組織体制を確立をしてまいりたいと思います。
○東徹君 厳正な定員管理と言いながら、実際は定数が二千百六十四人も増えているんですよ、増えているんです。定数管理やると言いながら増えています。国家公務員の人件費だって、これ、先ほど、パネルがあるんですが、これ見ていただいたら分かるように、国家公務員の人件費だってどんどんと今、毎年人事院勧告どおり出していって、合計で二千九百三十億円増えていますよ。
 やっぱりそうやって、今消費税を上げようとしているわけでしょう、安倍総理は。上げようとしている中で、国家公務員の数は増えているわ、人件費はどんどん増えているわ、これ、やっぱりそういった行政改革、全くできていません。
 これ、さらに、定年延長を六十五歳までにすることによって、更にこれ定員が増えるんじゃないですか、宮腰大臣。
○国務大臣(宮腰光寛君) 平均寿命の伸長あるいは少子高齢化の進展を踏まえますと、公務において培った知識、技術、経験等が豊富な高齢期の職員の最大限の活用を目指すことは、人的資源の有効活用あるいは複雑高度化する行政課題への的確な対応などの観点から合理的であり、重要な意義を有するというふうに考えております。
 昨年八月に、人事院から、国家公務員の定年を段階的に六十五歳に引き上げることが必要とする意見の申出がなされました。定年の引上げと定員の関係につきましては、その意見の申出において、定員が一定であれば、その翌年度の新規採用数が大幅に減少するとの指摘がなされております。このような事態を緩和するために、定年の引上げ期間中も真に必要な規模の新規採用を計画的に継続していくことができるような措置を適切に講ずることの必要性について、人事院からも指摘をいただいております。
 いずれにしましても、各方面から様々な御意見を伺いながら検討を重ねてまいりたいというふうに考えております。
○東徹君 国家公務員の定年を引き上げることについては反対はいたしませんよ。それはまあ、六十五歳で働きたい方にはどんどん働いてもらったらいい。しかし、そこでやっぱり定員が増えないようにやりくりしていくということが非常に大事なことなんですよ。
 是非、やっぱりそこをやっていくということをやっぱりやらなかったら駄目だということを是非指摘をさせていただきたいと思います。これ今全部税金で賄われているわけですから、税金で賄われているわけですから、やっぱりそういった税金の使い方、しっかりと考えていただきたいと思います。
 続いて、消費税について伺いますけれども、安倍総理は最近、消費税を八%へ引き上げた際の反省を踏まえと言われますが、この反省とはどういうものなのか、安倍総理にお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 前回の八%への引上げの際に、この耐久財を中心に大きな駆け込み需要と反動減が生じました。その後の回復にも遅れが見られるなど、結果として見れば、需要変動に対する対策が必ずしも十分ではなかったというのが反省点であります。
 今回の消費税率一〇%への引上げに当たっては、前回の反省の上に、いただいた消費税を全て還元する規模の十二分な対策を講じ、景気の回復軌道を確かなものとしていく考えであります。
 こうした対策の効果も勘案すると、経済の好循環が更に進展する中で内需を中心とした緩やかな成長が続くと見込んでおり、来年度予算における国の税収は過去最高の六十二兆円を超えると見込んでおります。
○東徹君 安倍政権になって確かに雇用は増えているんですけれども、その一番問題、私が気にしているのは、毎月勤労統計の問題の影響もありますけれども、可処分所得なんですね。
 これ、石田大臣に続いてお伺いしますけれども、可処分所得、リーマン・ショック前の二〇〇七年と二〇一七年、比較したらどうなっていますか。
○国務大臣(石田真敏君) 総務省の家計調査で、二人以上の世帯のうち勤労者世帯の一世帯当たりの可処分所得を見ますと、二〇〇七年は四十四万二千五百四円、リーマン・ショック後の二〇〇九年は四十二万七千九百十二円まで落ち込み、二〇一七年は四十三万四千四百十五円となっております。二〇〇七年を一〇〇とすると、二〇〇九年は九六・七、そして直近の二〇一七年は九八・二となっております。
 なお、最近の二〇一五年から二〇一七年では、金額の水準は前年と比較して三年連続で増加しているところであり、今後の推移を注視したいと思っております。
○東徹君 可処分所得については、リーマン・ショック前の二〇〇七年、そして直近の二〇一七年、比較すると四十四万二千五百四円から四十三万四千四百十五円と、まだ減っているんですよ、少ないんです。で、これ、二〇〇七年を一〇〇とすると二〇一七年で九八・二。こんな中で今消費税を引き上げようとしているんです。
 これ、国民負担率だってそうですよ。これ、消費税一〇%に上げた場合、国民負担率、どの程度悪化するというふうに考えているのか、麻生大臣にお伺いします。
○国務大臣(麻生太郎君) 国民負担率の推移に基づいてこれは機械的に算出をいたしますと、二〇〇七年の国民負担率を一〇〇と置いた場合においては、二〇一八年度の国民負担率は一一一ということになろうと存じます。
 これは、御存じのように、国民負担率、二〇〇七年度が三八・一%、二〇一八年が四二・五でありますので、これを割り算をいたしますと一一一という数字になろうと存じます。
○東徹君 国民負担率もどんどんどんどんと上がってきているんですよ。やっぱりそんな中で、やっぱり雇用は確かに増えましたけれども、可処分所得は減っている、国民負担率はどんどんやっぱり上がっていく。こんな状況がやっぱり続く中で、本当にこれ消費税を引き上げると、これ国民の負担は大きくなって個人消費が落ち込んで、結果的に全体の税収も増えないということになるのではないかというふうに考えますが、安倍総理、いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 消費税の引上げについて、様々な御懸念についてお話をいただいたところでございます。
 我々も、そういう意味におきましては、まさに前回の八%に引き上げた際に消費が反動減等もございまして落ち込んだということがございますので、今回はその反省を踏まえまして、いただいた消費税を全てお返しをする十二分な対策を取っているところでございまして、その中においては、法律に定められているとおり、消費税を八%から一〇%にリーマン・ショック級な出来事がない限り引き上げさせていただきたい。
 これは、まさに社会保障、伸びていく社会保障費に対応すると同時に、少子高齢化に対応して、あるいは一億総活躍社会を進めていく上、あるいはまた人生百年時代に対応していく上において、幼児教育の無償化を進めていく、また、来年は真に必要な子供たちの高等教育の無償化を進めていく、あるいは社会保障を充実をさせていくということをしっかりと進めていきたいと、こう思っております。その際、例えば低年金の方々に対する給付金等も対応していく考えでございます。
○東徹君 国会議員の議員定数は増やすわ、行革はやらずに公務員の人件費はどんどん上がっていくわ、ここはやっぱり、安倍総理としてはここはやっぱりやらないといけないところだと思いますよ。是非、消費税を引き上げずにやっぱりそれを実現していっていただきたいと思います。
 最後に、自民党の国民政治協会、もうこういった政治資金団体、もうなくすべきじゃないですか、安倍総理。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 政治資金団体制度については、政党中心の政治資金体制を確立する観点から設けられているものと承知をしております。政治に掛かる費用の在り方は、民主主義の費用をどのように国民が負担していくかという観点から、各党各会派において御議論をいただくべきものであろうと、こう思っております。
 ここは、基本的に私は総理大臣として立っておりますが、党においては国民政治協会の皆様に御協力をいただいていることを大変感謝をしているというふうに聞いております。
○東徹君 自民党として、党としてこれお金を受け取ることができるわけですから、国民政治協会要りませんよ、安倍総理。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まさに、政治にはお金が掛かるわけでございますから、それをどのように負担をしていくかということが大切なんだろうと思います。その中で大切なことは、やはりその資金の流れが透明であるか、どのように負担をいただいているか、あるいはまた、お金によって政策等がねじ曲げられてはならないわけでございます。
 そういう中において、自民党としては、国民政治協会という形を通じて多くの方々から御支援をいただいているというふうに承知をしております。
○東徹君 これ、政官業の癒着そのものに見えるんですよ。自民党として堂々としてもらえばいいのに、もらえばいいのに、国民政治協会というまやかしの団体をつくって、そこから企業にもらうという、もうこれは、やっぱりこういう古い政治はもう是非やめていただきたいと思います。
 時間が参りましたので、これにて質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○委員長(金子原二郎君) 以上で東徹君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(金子原二郎君) 次に、藤巻健史君の質疑を行います。藤巻健史君。
○藤巻健史君 日本維新の会の藤巻です。日本維新の会・希望の党を代表して質問させていただきたいと思います。
 一月二十八日の施政方針演説で首相は、六年間で税収が国と地方を合わせて二十八兆円増えたとおっしゃいました。いかにもアベノミクスが成功した結果であるような印象を与えるような御発言だったんですが、この六年間で国と地方の借金はどれだけ増えたか、お教えください。
○政府参考人(太田充君) お答えをいたします。
 国及び地方の長期債務残高についてのお尋ねでございますが、平成二十四年度末、これは実績ベースでございますが九百三十二兆円、それから平成三十一年度末、これは今まだ、これからでございますので見込みでございますが一千百二十二兆円ということでございまして、過去六年間約百九十兆円の増加ということを見込んでいるという格好でございます。
○藤巻健史君 借金をしてお金を集めてばらまけば、それは当然GDP、国内総生産上がりますし、国内総生産上がっていれば税収増えるんですから、当たり前なんですよ。誰でもできることなんですけどね。
 これ、借金を百九十兆円も増やして、そして税収が二十八兆円って、これ威張れることじゃなくて、これとんでもない六年間だったというふうに思うんですが、総理、いかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 今、太田主計局長の方から答弁をさせていただきましたが、長期債務残高につきましては、今申し上げたとおり、七年間で約百九十兆円増加をしておると。ただし、これ、GDPも伸びておりますので、GDPは七年の増加幅が約プラス九ポイントありますので、その前の七年間、その前の七年間の増加額は三九ポイントであったことを踏まえると、上昇ベースは鈍化してきておるということははっきりしていると思っております。
 また、アベノミクスでは名目GDPが増加をしておりますし、また税収増とか歳出改革によって新規国債発行額を抑制したことの成果ということだろうと思っております。
 したがいまして、引き続き、今の新経済・財政再生計画というものの基本に沿って、経済再生を図り、歳出と歳入両面の改革を続けて、二〇二五年度のプライマリーバランスの黒字化を実現して、債務残高の対GDP比の安定的な引下げというものを今後とも目指してまいらねばならぬと思っております。
○藤巻健史君 借金というのは将来の孫子が返すわけですよ。要するに、税収で返すわけですからね。これ、税収二十八兆円の増で借金の百九十兆増というのは、これは私はとんでもないことだと思います。今GDPのこともおっしゃいましたけれども、GDPたしか六十兆円ですか、借金をそんなに増やしてGDP六十兆なんて、これもとんでもない話だと私は思います。
 それに続きまして、ちょっと関連ですけれども、中国は市場経済を導入してから四十年たっています。その間に中国の名目GDP、国内経済の規模はどのくらい大きくなったのか、同じように四十年間で日本の名目GDPはどのぐらい大きくなったのかを教えてください。
○政府参考人(増島稔君) お答え申し上げます。
 日本のGDPの現行基準で比較可能な一九八〇年から二〇一七年の期間で見ますと、自国通貨建ての名目GDPは、中国が百七十八・二倍、日本は約二・二倍となっております。
   〔委員長退席、理事高橋克法君着席〕
○理事(高橋克法君) 藤巻ケンジ君。
○藤巻健史君 健史でございます。
○理事(高橋克法君) 健史君。失礼しました。
○藤巻健史君 いえいえ、とんでもないです。
 中国の名目GDP百八十倍、日本が二・二倍ですか。とんでもない差ができたと思うんですけれどもね。
 中国の名目GDPが日本を超過した、要するに世界で二位になった、日本は世界三位になったというのはいつ頃で、それから、今の中国のGDPというのは日本の何倍になっているか、お答えください。
○政府参考人(増島稔君) お答え申し上げます。
 市場レートベースのアメリカ・ドル建て金額で見ますと、中国の名目GDPが日本の名目GDPを上回ったのは二〇一〇年となっております。また、二〇一七年において、中国の名目GDPは日本の名目GDPの二・五倍となっております。
○藤巻健史君 よく経済が大きくなったらそれ以上は成長しにくいと、それはよく分かりますよ。ですから、四十年前の中国が百七十倍になったと、これはまあそれなりに分かるんじゃないかという、こういうコメントをされる方もいらっしゃいますけど、今、中国は、八年前ですか、八年前に日本のGDPを抜いて、それから二・五倍になっているわけです。これは、やっぱり余りにも日本が情けないと思うんですね。
 それで、次にこの同じような関係でお聞きいたしますけれども、三十年間で日本の名目GDPは何倍になったのか、日本以外に中国、米国、イギリス、韓国、シンガポール、オーストラリアはどのくらいこの三十年間で名目GDPを伸ばしたのか、お教えください。
○政府参考人(増島稔君) お答え申し上げます。
 二〇一七年の名目GDPの自国通貨建て金額を三十年前の一九八八年と比較いたしますと、中国が五十三・二倍、アメリカが三・七倍、イギリスが三・七倍、韓国が十二・〇倍、シンガポールが八・四倍、オーストラリアが五・二倍、日本が一・四倍となっております。
○藤巻健史君 これ、中国だけじゃなくて、明らかに日本は断トツの成長率びりですよね。これ、名目GDPが伸びないということは、一人当たり、人口が変わらなければ、全く日本人は豊かになっていないということですよ。ほかの国がこれだけ成長しているのに日本だけこんな低迷しているということ、これこそ政治家が考える問題じゃないんですかね。こんな枝葉の、去年より良くなったとか、安倍政権が成立したら良くなったところじゃなくて、三十年間日本がこれだけ世界で断トツのびりであるということ、これ何かシステムエラーじゃないか。その理由を考えて、それを直すことを考える、それが政治家の役目だと私は思うんですけれども、来年度予算を見ても、補正予算見ても、そういうような危機感というか、日本がこれだけ遅れているということの認識が全くないと思うんですが、総理、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この三十年間の大きなトレンドを見ながら判断する、これはまさにそのとおりなんですよ。そのとおりだと私は思います。
 例えば、中国は、名目GDPは一九七八年末の改革開放以降、ほぼ一貫して高い伸びを示してきました。一方、我が国の名目GDPは他の先進国、新興国と比べて低い伸びにとどまっている、これは御指摘のとおりであります。
 これは、我が国がバブル崩壊以降の長引くデフレの中で、企業が賃金を抑制し、消費者も将来への不安などから消費を減らさざるを得ず、その結果、需要が低迷しデフレを加速するという悪循環から抜け出せずにいたわけでございまして、これは第一次安倍政権のときもそうでありました。これはまさに反省点であるわけでございまして、そこで三本の矢で挑んだのですが、例えば、先月、今回の景気回復期は戦後最長となったのではないかと、こう言われていますが、その前の回復期は平成十四年の四月に始まり、第一次安倍政権を経て平成二十年の二月まで続いたんですが、しかし、消費が、デフレが解消されない中にあっては名目GDPは六年間で二・五%しか伸びなかったという問題があったからこそ、三本の矢で挑んだから、挑んだ結果、もはやデフレではないという状況を早い段階でつくり、今回の成長、景気回復期は六年間で名目GDP、これ一〇・九%、四倍成長しているということでございまして、それはまさに大きなトレンドを見る中でデフレ脱却の必要性を十分に認識して三本の矢の政策を、これを実行したと、こういうことでございます。
 また、リーマン・ショック後に失われた国民総所得、これを五十兆円もこれ取り戻すことができました。政権発足したときの最初の大きな目標というのはこれなんですね。これも達成されたというわけでございまして、デフレマインドが払拭されようとしている今こそ更なる強化に向けて、具体的には未来へのイノベーションを大胆に後押しして、ソサエティー五・〇を世界に先駆けて実現することで我が国の未来を切り開いていきたいと、このように思っております。
○藤巻健史君 今の総理の御発言について幾つもコメントがあるんですけれども、一つは、景気が最長だといっても、日本の景気は潜水艦で例えればもう深海の底に沈んでいるのが徐々に浮き上がっている程度で、アメリカとか中国とかはもう海の上で上がっているわけですよ。全然その長さを言ったってしようがないんだと私は思いますね。
 それからもう一つ、新興国に比べて日本の経済成長が遅れているとおっしゃいましたけれども、先ほど聞いていただいたように、アメリカは三・七倍、イギリス三・七倍とおっしゃったのかな、英国、四倍近くなんですよ。日本は一・二倍なんですからね。これはとんでもない。日本は新興国だけじゃなくて先進国と比べても断トツに伸びていない、この認識がなさ過ぎると私は思いますけどね。
 それから、それに関してもう一つコメントがあるんですけれども、消費者マインドが縮こまっているから景気が伸びないとおっしゃいますけれども、逆で、景気が伸びていないから消費者マインドが縮こまっているんだと私は思います。
 数字は今まで述べましたけれども、実は朝日新聞一月三十日の朝刊に、「敗北日本 生き残れるか」というタイトルのインタビュー記事があるんですよ。(資料提示)このインタビューに答えたのは経済同友会代表幹事の小林氏、代表幹事なんですよね。彼は、小林さんは三菱ケミカルホールディングスの会長も務めているわけですよ。日本を代表する経営者の方が、本当に数字だけじゃなくて、身近に身をもって日本の低迷を案じているわけですよね。
 これは、総理に事前通告でこの記事お渡ししましたんですけれども、記事、その感想をちょっとまずお聞きしたいんですが。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず、先ほど私、この新興国とだけ比べていたわけではなくて、先ほど先進国と比べても低いという認識を持っているというお話はさせていただいておりますので、念のために申し添えておきたいと。
 その上で、その反省点から、早い段階でデフレではないという状況をつくり出すことができた、これは事実でありますから、その結果、名目GDPの伸びは前回の景気回復期と比べて四倍になっているというファクトをただお示しをさせていただいたということでございます。
 そこで、この記事でございますが、記事自体を渡していただいた、私の手元に届いたのは朝でございまして、もうこの朝の段階では正直言ってこれを読むことはできなかったのでございますが、簡単に詳細について事務方からは説明は受けております。小林代表はよく存じ上げておりまして、いつも率直な物言いをされる方であろうと思います。常に前向きな方なので、ただ現状を嘆くだけというより、厳しい言葉とともに日本経済の再起、奮起を促す、私は小林流のエールなんだろうなというふうに受け止めております。
 平成の、平成の三十年で時価総額ランキングの上位が入れ替わったという話もありましたが、それは逆からいえば、次の三十年で日本企業に再びカムバックするチャンスもあるということでもあります。言わば固定化はされないということなんですね、経済の世界においては。世界は今第四次産業革命の真っただ中にあるわけでありまして、これが重要なんですよ。この認識がないと駄目ですね。そうした変化を先取りした独創的なイノベーションをいかに我が国から生み出していけるかに懸かっているわけであります。
 悲観主義は気分によるものでありますが、悲観主義は気分によるものであり、楽観主義は意志によるものであるという言葉もあります。これ、現状をただ嘆いていて立ち止まっていて、何か具体的な策を講じないのであれば、何も物事は前進しないんですよ、藤巻さん。
 様々な批判や苦言もしっかりと受け止めながら、我が国の未来を切り開いていくという強い意思の下に成長戦略を進めていきたい。嘆くだけではなくて何をすべきか、そして何を実行していくかに私は懸かっているんだろうと思います。
○藤巻健史君 嘆くべきではなくて何をしていくか、実行していくべきか、これは確かにむちゃくちゃに重要なんですよ。
 でも、まず小林さんのコメント、ちょっと読んでいただきたいんですけど、これ赤字は私がマークしたところですけどね。テクノロジーは更に悲惨ですと、最初は日本が手掛けて高いシェアを取ったものもいつの間にか中国や台湾、韓国などに席巻されている、もはや日本を引っ張る技術がない状態ですと書いてあるわけですよ。さらに、リーディングインダストリー、成長を引っ張る産業を自国の技術で育てることができず、他国の二次下請、三次下請として食いつなぐ国になってしまうでしょう、こう危惧されているわけです。
   〔理事高橋克法君退席、委員長着席〕
 だとしたらば、政治家として何を育てていくべきかというのは政府が考えるべきでしょう。嘆いちゃいけない、嘆くだけじゃいけない、何かを考えろって、政府が考えなくちゃいけないでしょう。
 で、私はそれに関して思うんですけど、ここまでいろんな産業が駄目になってきたらば、やっぱり今、日本が何とか追い付けるものといったらば、ブロックチェーンと、そしてそれに伴う仮想通貨だと思うわけですよ。これは、今のところ、ブロックチェーンというのはインターネットの次の革命と言われているくらいで、世界でどんどんいろんな研究をしているのに、日本は税制等でその発展をブロックしちゃっているわけですね。私はブロックチェーンというのは、それから仮想通貨というのは、日本の未来の飯の種だと思うんですけれども、それについてはどうお考えでしょうか。
○国務大臣(茂木敏充君) 今後進んでいくフィンテックにおいて、日本として、仮想通貨はどうかは別にして、ブロックチェーンの技術を生かして、そういった個人情報の問題であったり様々なセキュリティーを確保していくと、こういったことは極めて重要だと考えております。
 同時に、日本、例えば車の世界では世界一です。そして、自動走行が興ってくれば、センサーであったりカメラ、日本の技術というのは極めて重要でありまして、次世代のモビリティーでもそうであります。さらに、世界に冠たる日本の健康保険制度、これによって様々な情報があります。ビッグデータを活用することによって、個人ごとの、それぞれごとの合ったケアであったりとか予防、そして医療サービスが提供できる、次世代のヘルスケア、様々な可能性を我が国は持っていると考えております。
○藤巻健史君 仮想通貨はともかくブロックチェーンはと、皆さんそう思うんですけれども、仮想通貨、ブロックチェーンとコインの表と裏の関係にありますよ、これ。仮想通貨がなければブロックチェーンなんていうのは、特にパブリック型のブロックチェーンなんていうのは発展しませんからね。片っ方でブロックチェーンはいいけれども仮想通貨は駄目なんて、そんな話は通用しないですから、もうちょっと勉強していただきたいと私は思いますがね。
 それと、もう一つ言いますと、日経新聞、一月十四日の日経新聞、GAFA、GAFAというのは、御存じだと思いますけど、グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾンですね、その寡占の弊害克服という記事があるんですけど、その記事の中に、誰もが使いたがる強力な応用サービスを開発できれば、ブロックチェーンの普及は一気に進む可能性がある、今、目の前にある巨大なビジネスチャンスである、もう日経新聞にそう書いてあるんですけど、そういう認識ありますか。巨大なビジネスチャンスがあるのに、全然、税制とか何かで押し下げちゃっている、その成長をブロックしちゃっているように思うんですが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 仮想通貨については、国際的な動向を踏まえ、今後、暗号資産と呼ぶことが適当と考えておりますので、暗号資産と呼ばさせていただきたいと思います。
 ブロックチェーン技術は、御指摘の暗号資産のような金融分野のみならず、多様なITビジネスの展開を可能とするほか、様々な分野で利便性、安全性の向上など大きな可能性を秘めていると、こう考えています。
 先般創設した規制のサンドボックス制度を活用し、あるベンチャー企業が日本で暗号資産の流動性を高める世界初のビジネスモデルに挑戦するなど、この分野では世界で十分に戦えるベンチャー企業が我が国に存在していることは事実でありまして、これは確かに委員がおっしゃるようにしっかりと注目しなければいけないと私も思っております。いろいろと、ブロックチェーンとか御指摘ありましたので、その後いろいろと私も勉強させていただきました。
 その上で、この分野以外に何が世界で勝てるのかとの御質問も、やっぱりこの分野においては何が世界で勝てるのかということも重要になっているわけでありますが、まさにブロックチェーン技術自体が政府と関わりなくベンチャー中心に民間のダイナミックな発想によって発展してきたように、第四次産業革命が加速度的に進む現代にあって、政府がこれから発展するのはこの分野だと決めることはできないわけでございますが、今申し上げたような、この御指摘もありましたが、この様々なこの成長の核となる可能性もしっかり研究していく必要があるだろうと、こう思っております。
○藤巻健史君 私の先日の質問に対して、総理がブロックチェーンに対して興味を持っていただいて勉強していただいたということは非常にうれしく思います。一層勉強して、日本の未来のために資していただければと思っております。
 仮想通貨なんですけど、これはやっぱり先ほどの、仮想通貨とブロックチェーン、分断して考える方もいらっしゃいましたけど、茂木大臣でしたけれども……(発言する者あり)まあそれは言わなくてもいいですけれども、おっしゃらなくてもいいですけど、仮想通貨自身も、これはやっぱり物すごい可能性があると思うんですよね。例えば、二十億人ほど銀行口座を持っていらっしゃらない方が世界にいらっしゃるわけです。二十億人、銀行口座を持っていなかったらば、世界の経済取引から除外されちゃうわけですよ。
 例えば、私がフィリピンから三房のバナナを買いたいと思ったって、相手が銀行口座を持っていなければ、まさかフィリピン・ペソを送るわけにいかないし、取引できないんですよ。ところが、スマートフォンさえ持っていれば仮想通貨というのは取引できて、要は、今銀行口座を持っていない世界の二十億人が世界経済の中に取り込まれるわけですよ。これ物すごい可能性があると私は思っているんですが、その辺をちょっと一生懸命勉強していただければと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 暗号資産、委員が言われるところの仮想通貨でありますが、暗号資産に活用されているブロックチェーン技術を含め、フィンテックなどの新しい技術には大きな可能性があると認識をしております。これは茂木大臣が答弁をしておりますが、技術の安全性の確認、確保などは必要でありますが、利用者の利便性向上等につながるよう、様々な主体がその活用にチャレンジしていくことが期待されます。
 他方で、取扱業者をめぐって問題となる事例も生じており、イノベーションと利用者保護のバランスを取りつつ適切に対応してまいりたいと思います。
○藤巻健史君 総理も、今後とも是非興味を持って前向きにいろんなことを検討していただければというふうに思っております。
 トピックを変えまして、消費税問題なんですけれども、何のために消費税対策、プレミアム商品券とかポイント還元をやるのかをお聞かせ願えればと思います。
○国務大臣(茂木敏充君) 前回消費税引き上げたときには、引上げ前後に大きな需要変動、つまり駆け込み需要、反動減というのが起こりまして、経済の回復基調と、これが弱まってしまった。
 これを踏まえまして、今回はしっかりとしたこの需要変動に対する平準化策、これを取るために、ポイント還元、さらにはプレミアム商品券、この発行等々も行っていきたい。もちろん、自動車、そして住宅、こういった耐久消費財に対する対策も行っていきますし、さらには、教育の無償化等々を進めることによりまして、この財源の一部を国民の皆さんにしっかりとお返しする、こういった施策も進めてまいります。
○藤巻健史君 確かに、今回の消費税上げに対する駆け込み需要と反動減は避けられるかもしれませんけれども、ポイント還元が期限が来る、若しくはプレミアム商品券が期限が来るとなると、これまた駆け込み需要と、そしてその反動減が起こるわけですよ。
 要するに、今回のこの二つの政策というのは、景気の崖を先送りしただけじゃないんですか。そしてきっとまた景気の崖が来るということで、また今度何か財政出動が起こって、財政再建なんか全くできないんじゃないかなという気がするんですけど、いかがでしょうか。
○国務大臣(茂木敏充君) 一定期間の需要が一定であると、こういうふうに仮定をいたしますと、問題なのは、例えば十月一日に引上げを行う、前回の場合は二〇一四年の四月の一日でありましたけど、その前後の需要がどうなるかと。駆け込み需要が起これば反動減が起こる、しかし、駆け込み需要が起こらなければ反動減そのものは一定期間においては起こらないと、これが経済的な原理でありますが、おっしゃるように、長期でどう見ていくかということを考えると、例えばポイント還元、これは来年の六月までを予定しておりますが、来年の七月には再び東京オリンピック・パラリンピックと、新たな需要と、こういったものを見込まれるわけでありまして、そういった状況を見ながら、機動的な対応、これを行っていきたいと考えております。
○藤巻健史君 そうすると、東京オリンピック・パラリンピックが終わった後はまたビッグな財政出動が起こると。財政再建はちっとも進まないんだろうなというふうに思います。
 次の質問にちょっと入りたいと思うんですけれども、総理がやっぱり一月二十八日の施政方針演説でもおっしゃいましたし、それから次の、翌日の橋本聖子議員の代表質問に関しても答弁でも使われましたし、先ほどの我が党の東議員の質問に対しても使われていましたけれども、最高の税収だとおっしゃっているわけですね、この平成三十一年度予算は最高の税収が考えられると自慢されているようですね。まさにアベノミクスの成果をおっしゃっているような感じがあるんですけれども、今までの最高税収というのは何年で幾つか、お教えください。
○政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。
 これまで最も一般会計税収が大きかったのは、平成二年度決算額の六十・一兆円でございます。
○藤巻健史君 消費税は一%当たりどのくらいの増収になるんでしょうか。
○政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。
 一%当たりの消費税収でございますけれども、平成三十一年度予算ベースで見込みますと、約二・八七兆円と見込んでいるところでございます。
○藤巻健史君 先ほど御回答になった最高税率、かつての最高税率、平成二年の六十・一兆円ですけれども、あのときというのは消費税率三%なんですよね。万が一、八%であれば、今のを計算すると約十五兆円ぐらい上振れしていたわけですよ。要するに、七十五兆円の収入があった、税収はね。ところが、今六十二兆円で史上最高って自慢されても、これはちょっと非常に認識がどうかなと、別にアベノミクスで増えたんじゃないんだろうなと思うんですけれども。
 もう一つついでに質問しますと、そのときの歳出は幾らだったか、その平成二年の歳出は幾らだったかお聞かせください。
○政府参考人(太田充君) お答えを申し上げます。
 平成二年度の歳出、一般会計歳出でございますが、決算ベースで見ますと六十九・三兆円、おおむね七十兆円規模の予算規模だったということでございます。
○藤巻健史君 消費税が三%とはいえ、最高税率、平成二年六十・一兆円、今年、平成三十一年度は六十二兆円ということでほぼ変わらないわけですよ。ところが、歳出を見ると、当時は七十兆円、今百兆円超しているんですよ。税収はほぼ同じで歳出が七十五兆から百一兆へ増えていると。
 これは、まさに財政再建なんかちっともできていないし、ゆゆしき状況だと思うんですが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 第二次安倍政権が発足前、寸前ですが、国の税収が四十二・三兆円でありまして、そして、公債依存度は四七・六%であったわけでございますが、今回は六十二・五兆円でございまして、公債依存度は三二・二%、こう低減をしているわけでございます。
 そして、それと同時に、確かに消費税を引き上げさせていただいた、もう引き上げさせていただいておりますが、しかし、この政権交代後、消費税の税収を上回る税収が増えているわけでございまして、その他の税収の項目で十分にこれを上回っているのは御承知のとおりなんだろうなと思います。法人税、所得税等々がしっかりと増えているということも申し添えておきたいと思います。
○藤巻健史君 私の申し上げたいのは、税収が同じなのに歳出が二十五兆円も増えて、この国大丈夫ということを申し上げたいんですけれどもね。
 大変大きい問題だと思うんですけれども、補正予算についてお聞きしたいんですけど、財政法二十九条をお読みいただければと思います。
○政府参考人(太田充君) 財政法二十九条を読み上げさせていただきます。
 内閣は、次に掲げる場合に限り、予算作成の手続に準じ、補正予算を作成し、これを国会に提出することができる。一、法律上又は契約上国の義務に属する経費の不足を補うほか、予算作成後に生じた事由に基づき特に緊要となった経費の支出(当該年度において国庫内の移換えにとどまるものを含む。)又は債務の負担を行うために必要な予算の追加を行う場合。二、予算作成後に生じた事由に基づいて、予算に追加以外の変更を加える場合。
 以上でございます。
○藤巻健史君 特に緊要となった経費、予算、当初予算以降ですね、特に緊要になったと。確かに、防災対策とか復興とか、これは非常に当然のことだと思うんですけれども、ここにあるような項目、国際機関分担金・拠出金千三百億円、それから明治記念大磯邸園の整備に二十一兆円。(発言する者あり)あっ、失礼しました、全部これ億ですね、二十一億円。失礼しました、二十一億円。
 これ、緊要なる、特に緊要なる歳出なんでしょうか、経費なんでしょうか。特に、緊要というのは非常に、極めて重要なとかいう意味ですからね、特に極めて重要な歳出が明治記念大磯邸園の整備なんでしょうか。
○国務大臣(石井啓一君) 明治記念大磯邸園の整備につきましては、昨年十一月の明治百五十年関連施策各府、各省、各庁連絡会議におきまして、平成三十二年夏頃に中核的な区域の一部について常時公開を開始する旨の決定がなされたため、補正予算によりまして整備の推進を実施するものでございます。
○藤巻健史君 いや、この個別だけじゃなくて、この全てがね、ここに挙げている全てが特に緊要な歳出なのかと、それをお聞きしているんですけどね。
○政府参考人(太田充君) お答えを申し上げます。
 先ほど委員から御指摘をいただいて読み上げましたとおり、財政法に緊要なということがあるわけでございます。で、今委員がパネルでお示しをいただきましたようなことが今般の第二次補正予算において計上されているわけでございますけれども、国土強靱化のお話は今委員からお認めをいただいたような御発言があったと思いますので、その上でということでございますが、たくさん並べていただいたわけですが、例えば中小企業対策ということであれば、昨年の災害の頻発、あるいはこれに伴う景気の変動、米中の貿易摩擦や英国のEU離脱といった国際状況の状況変化と、経済の状況変化といった最近の状況を踏まえて、中小企業の体質強化等のために緊要な事業を行うということでございますし、またTPPということにつきましては、TPP協定が昨年十二月三十日という早期に発効し、関税削減などが実施をされることになったということを踏まえてのものでございまして、基本的に今ほど申し上げた財政法二十九条にのっとって適切に編成をしておるというふうに考えてございます。
○委員長(金子原二郎君) 残余の質疑は午後に譲ることといたします。
 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時五十三分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
○委員長(金子原二郎君) ただいまから予算委員会を再開いたします。
 平成三十年度第二次補正予算二案を一括して議題とし、休憩前に引き続き質疑を行います。藤巻健史君。
○藤巻健史君 日本維新の会の藤巻です。日本維新の会・希望の党を代表して、午前に引き続き質問をさせていただきたいと思います。
 時間がなくなってまいりましたので質問の順番をちょっと飛ばしまして、まずこのパネルを見ていただきたいんですけれども、これは昨日の予算委員会冒頭に財務省の方から配られた資料なんですが、それを見ていますと、名目金利、この赤丸で囲ったところを見ていただきますと、名目経済成長率が三%で名目金利が一・四%ということで、名目経済成長率の方が高いわけですよね。これは当然だと思います。財務省としてはそういう数字につくらざるを得ない。まあ、ドーマーの定理というのがありまして、基礎的財政収支が黒字になった後、経済成長率の方が名目金利より高くないと借金は収縮していきませんから、当然名目経済成長率の方が金利よりも高いということなんですが。
 ちょっと次のページを見ていただきたいんですが、今年は年金の財政検証の年なんですね。年金が継続性があるという条件は、下に書いてありますとおり、この矢印が、名目金利の方が高くないと持続不可能なんですね。要するに、名目成長、これは下の方に書いてありますけれども、労賃の上げ、名目賃金上昇率、これは大体名目成長率と同じですから、この矢印がこの方向じゃないと年金は持続可能じゃないんですよ。でも、財務省は反対の予想をしているわけですよね。反対じゃないと財政が持続可能性がなくなっちゃう。
 こうすると、年金大丈夫かなと思っちゃうんですけれども、厚生労働大臣、どうでしょうか。
○国務大臣(根本匠君) まず、年金の現行の制度について申し上げたいと思います。
 平成十六年度の年金制度改正により、将来世代の負担を過重にすることを避けつつ、制度を持続可能なものとするため、将来の保険料水準を固定し、その範囲内で給付水準を調整する仕組みとしてマクロ経済スライドを導入いたしました。そして、平成二十八年度の年金制度改正では、このマクロ経済スライドの調整期間の長期化を防ぎ、将来世代の給付水準を確保するため、マクロ経済スライドの未調整分を持ち越し、できる限り早期に調整する仕組みを導入しました。
 また、公的年金制度の持続可能性を確保するためには、少なくとも五年に一度、長期的な給付と負担の均衡を図るための財政検証を行っています。平成二十六年に行った直近の財政検証では、一定の前提の下で、これは内閣府の中長期の経済財政に関する試算ですが、この前提の下で、年金の給付水準を示す指標である所得代替率は将来にわたって五〇%を上回ることが確認されています。
 本年も財政検証が予定されておりますが、この五年に一度の財政検証の結果を踏まえつつ、不断の改革に取り組み続けることで、将来にわたって高齢世代も若い世代も安心ができる年金制度をしっかりと構築していきたいと思います。
○藤巻健史君 スライドをさせようが何だろうが、この社会保障審議会が強調しているがごとく、名目金利が名目成長率より高くないと年金は持続不可能なんですよ。その辺ちょっと十分注意しておいて、今回の財政検証の結果、どういう話が出てくるのか注目したいと思っております。
 最後の質問になると思いますけれども、金融大臣にお聞きしたいんですが、今、ちまたでは地方銀行が非常に苦しいという話をよく聞いています。それは、やっぱり異次元の量的緩和によって長期国債を爆買いしている、日銀が買っているがゆえに長短金利差がほとんどなくなった。地方銀行の収益の根源というのは長短金利差ですから、これ、このまま行くと大変かなと思うんですが、金融大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 地域銀行をめぐります経営環境は、今は御存じのように超低金利時代というので、利ざやがなかなか稼げなくなってきているという時代でありますので、厳しい状態が続いているということは間違いないと思いますが、しかし、現時点において資本基盤というものをよく見ますと、少なくとも国内の基準行と言われる例えば第二地銀、地銀等々含めて、六十四の四十で百四行はあると思いますけれども、自己資本比率の、最低自己資本比率というものは四%に決められておりますけど、現状、平均で九・六八%、約倍あろうかと思いますので、そういった意味では、金融システムの総体としては安定していると申し上げられるんだと思いますが、ただ、百四行ありますので、その中においてはいろいろな個別銀行によって差があろうかと思いますので、その点に関してはきちっと監視をしておかねばならぬと思っております。
○藤巻健史君 この問題は、後で財政金融委員会等で続けて質問したいと思います。
 終わります。ありがとうございました。
○委員長(金子原二郎君) 以上で藤巻健史君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(金子原二郎君) 次に、倉林明子君の質疑を行います。倉林明子君。
○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。
 まず、統計不正問題で総理に質問したいと思います。
 二〇一八年の実質賃金が前年比で実際どうなのかと、それは大きな論点になってまいりました。今回の不正統計の問題で、本当の数字が分からないわけです。野党の独自試算では、ほとんどが前年同月比マイナスという結果になりました。そして、議論を通じて根本大臣もそれを事実上認めるという答弁をされています。
 実質賃金の伸び率の推計について、総理は本会議でも検討しているというふうに答弁されてきたはずですが、一体これいつまでに公表されるんでしょうか。
○国務大臣(根本匠君) 委員のおっしゃるのは、我々二つの数字を出し……(発言する者あり)共通事業所系列の名目の話ですよね。私は、共通事業所の名目の話については、実質を出せというお話ですが、実は実質化というのは水準の推移を見るものですから、あの共通事業所系列で実質化をできるのか、実質化するにはいろいろな検討課題があると思っております。専門家も、毎年毎年違うわけですから、共通事業所の内容が、だから、それを実質化するということが果たしてそれはどうなのかと。いろんな課題が寄せられておりますので、そこはやはり我々が実質化系列を示すということについては専門的な検討が必要だろうと。
 それから、今の共通事業所の名目値を一定の仮定あるいは前提あるいは物価上昇率で割り戻すという、単純に仮定で置けばその数字は出ますけど、それは我々が今考えている実質化系列ということでは、ある程度ユーザーの方が算出したものであって、我々として共通事業所の実質化系列をつくるかどうか、これは専門的な検証が必要だと思っております。
○倉林明子君 いや、報道を今日見ておりましてびっくりしたんですけれども、政府は実質賃金、数値見送りと、こういう報道が出ているんですけれども、総理、公表しないつもりですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) それは今答弁させていただいたとおりでございまして、果たして、言わば、この名目にしても主系列と参考値がございまして、野党の皆さんは参考値における実質を出せということなんだろうと思います。しかし、統計としてはこの主系列があるわけでございますし、また参考値もあるということでございまして、それぞれの見方についてはこの場でもう既に答弁をさせていただいているとおりでございますが、果たして参考値において実質化できるかどうか、可能かどうかということも含めて今検討をしていると、こういうことだと思います。
○倉林明子君 結局、今の答弁、出すんですか、出さないんですか。どうですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 可能かどうかということでお答えをさせていただいたところでございます。
○倉林明子君 いや、しっかり検討するということですし、今の説明では国民納得しないと思うんですね。世論調査見ていましても、政府の説明に対して納得できないというのが八割なんですよ。そして、この問題が発覚した後の政府の対応も、これ組織的隠蔽を続けていると言わざるを得ないと思うんですね。
 昨年十二月十日に問題が発覚しました。そして、有識者に初めて報告された。これが今年の一月十日でした。実質一か月ですよ。これ、身内だけで問題を処理しようとしていたと言わざるを得ないと思うんですね。で、野党が要求している参考人はことごとく拒否すると。そして、資料を要求しても出さない。出すことで検討していたのかと思った実質賃金さえ、いつ出るか分からないという答弁ですね。これらの政府の対応そのものが私は組織的隠蔽と、こういう指摘せざるを得ないと思うんですよ。
 総理にそういう問題意識あります、そういう認識あるのかどうか。野党、国民の疑問に私は正面から答えていくべきだ、真摯に答えるべきだと思います。どうですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 長年にわたって不適切な調査が行われ、これを見抜けることができなかったことにつきましてはおわびを申し上げたいと思いますが、高い、事案の検証については、厚生労働省の特別監察委員会において、事務局機能を含め、より独立性を強めた形で厳正に検証作業を進めていただくこととなります。そして、雇用保険、労災保険などの給付の不足分については、できる限り速やかに、簡便な手続でお支払いできるよう、万全を期して必要な対策を講じていく考えであります。
 今回のような事態が二度と生じないよう、徹底して検証を行い信頼を取り戻すことが何より重要であり、再発防止に全力を尽くすことで政治の責任をしっかりと果たしていきたいと思っております。
○倉林明子君 徹底検証が必要なんです。真相究明は与野党問わずの課題だということだったはずですよ。
 委員長に求めたいと思います。
 大西前政策統括官、そして樋口特別監察委員会委員長、そして西村統計委員長、この参考人招致を求めたいと思います。
○委員長(金子原二郎君) 後刻理事会で協議をさせていただきます。
○倉林明子君 今回の統計不正によって、もう判明しているだけで、十四年間、過少給付延べ二千十五万人、これ、失業や労災で労働者が、労働者、家族が一番困っているときに追い打ちを掛けるようなことをしていたという問題だというふうに思うんです。
 これ、追加給付のスケジュールが示されました。しかし、この追加給付のために必要な一部のデータが見付からないということが分かっております。これによって正確な追加給付が確定できない、同時に統計に穴が空くという前代未聞の事態となっているわけです。
 見付からない必要なデータ、三つあると伺っておりますけれども、そのうちの個票データ、これは一体どんなもので、それがないとなぜ正確な追加支給額が確定できないのか、お答えください。
○政府参考人(藤澤勝博君) お答え申し上げます。
 御指摘の個票データでございますけれども、平成十九年の一月調査分の旧対象事業所分の個票データのことでございます。個票データとは、それぞれの調査対象事業所において調査票に記載された労働者数や実労働時間数といったデータを整理した上で月ごとにまとめたデータのことでございます。
○倉林明子君 なぜ正確な給付ができないのかということの答弁が抜けております。
○政府参考人(藤澤勝博君) 失礼いたしました。
 今般の事案に伴い、過去に遡って再集計を行う際は調査対象事業所の入替え時に生じるギャップを修正する必要がございますけれども、平成十九年一月調査分の旧対象事業所分の個票データが確認できないために、そのギャップの修正を行うことができず、再集計を行うことができない状態となっているところでございます。
○倉林明子君 これ、該当する個票データの保存期間はどう定めていますか。
○政府参考人(藤澤勝博君) 特別監察委員会の報告書によりますと、この個票データでございますが、統計法第二条第一項に規定する調査票情報に該当し、平成十九年一月当時は毎月勤労統計調査規則、それから行政文書分類基準表において少なくとも三年間は保存することとされていた情報とされております。
○倉林明子君 本来これ保存されているはずのものがないということなんですね。膨大な調査票があるわけです。その中で、二〇〇七年一月の古いデータの方だけがなくなっているということなんですね。何でこんなことになっているんでしょうか。
○政府参考人(藤澤勝博君) 厚生労働省の職員が平成三十一年一月に執務室内及び地下倉庫の紙及び電子媒体を徹底的に探しておりますけれども、現在のところ、その存在は確認できていないところでございます。
○倉林明子君 何でそんなことが起こるのかというのが不思議なんですよね。結局、今の説明でも、厚労省だけで探したんだけれども見付からなかったという話ですよね。これ、本当にデータはないのかというのが私には不明なんですね。
 これ、電磁的記録媒体の保存については、報告書によらずとも、厚労省は既に、二〇一六年に開催された統計委員会第六十八回サービス・企業統計部会で、毎月勤労統計の調査票情報の保存期間変更について、こういう質問に厚労省回答しているんですね。どんな回答していますか。
○政府参考人(藤澤勝博君) 毎月勤労統計調査の変更について議論するために平成二十八年十二月十五日に開催をされました第六十八回統計委員会サービス統計・企業統計部会において、当時の参事官が、全国調査、特別調査の保存期間を経過した調査票情報に関して、紙の調査票については、三年経過後、計画的に溶解処分を行っていること、それから、調査票の内容を記録した電磁的な記録媒体については、現在、昭和五十五年以降の分を保存していること等について説明を行ったものと承知をしております。
○倉林明子君 だから、その当時の説明によると、一九八〇年以降の電子的記録媒体はある、こう明言しているんですよね。この説明が事実ならば、二〇一六年十二月には、二〇〇七年、今回なくなったというデータはあったことになるんですよね。今回の調査では確認できない、これなぜなのか。なぜ、膨大な電磁的記録媒体の中で、この一か月分、それも旧データだけなくなるのか、全く合理的な理由が見付からない。どうでしょうか。
○政府参考人(藤澤勝博君) 先ほどもお答え申し上げましたとおり、今年一月に、御指摘の電子媒体を含みます省内のデータを徹底的に探しましたが、現在のところ、その存在は確認できておりません。引き続き、確認の努力を私どもで続けていきたいと考えております。
○倉林明子君 これね、本当に理由が分からないんですよ。理由が分からない。なぜなくなるのかが分からない。
 そして、この電磁的記録媒体の保存責任者というのは誰なのか。これ、毎月勤労統計の調査規則で明示、明記されているんですよ。この責任者は厚生労働大臣ですよね。私は、これ、大臣の責任で、このなくなったと、見付からないとしているデータについては早急に提出をしていただきたい。大臣ですよ。
○国務大臣(根本匠君) 今、事務方も答弁しましたが、今回の事案を受けて必要なデータを確認したところ、二〇〇七年一月調査分の旧対象事業所の個票データが現在まで確認できておりません。
 先ほど、三種類あるんです、三種類。三種類ありますね。それで、この点については、この点については、特別監察委員会でも検証していただきましたが、作成当時は少なくとも三年保存だが、その後、常用、つまり永年保存とされており、現在まで保存期間が満了となっていないもの、満了となったものと満了となっていないものがあり、存在が確認できないことは統計法及び公文書管理法に照らして不適切であるとされております。
 こうした事態となったことは、私も大変遺憾であります。改めて国民の皆様におわび申し上げますが、引き続き確認の努力を続けていきたいと思います。
○倉林明子君 だから、しっかり第三者の目も入れる必要あるんですよ。調べてもらう必要があるんです。
 私は、お諮りしたいと思います。
 旧対象事業所の電磁的記録媒体、しっかり見付けて、提出をお願いしたい。
○委員長(金子原二郎君) 後刻理事会で協議をさせていただきます。
○倉林明子君 統計法第一条では、公的統計が国民にとって合理的な意思決定を行うための基盤となる重要な情報であるというふうに統計を位置付けております。統計情報は、利用する政府のみならず、国民共有の財産なんですよ。その統計に穴が空くというようなことはあってはならないわけです。
 総理、統計データは国民共有の財産だと、こういう認識はおありでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) そのように認識しております。
○倉林明子君 国民共有の財産をこのままだと毀損させる、穴が空くということになるんだと、そういう認識で取り組む必要があるということを申し上げたい。
 そして、そもそも統計法は、一九四七年、第二次世界大戦の後にいち早く制定されました。その背景には、我が国の統計が戦時中に壊滅的な打撃を受けたことに対する反省がありました。統計が大本営のものになり、国民には徹底して生の数字は隠された。そして、無謀な戦争に突き進んだ。こうした反省から作られたのが戦後の統計法の出発点だった。
 総理はどう認識されていますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 旧統計法は、我が国の復興に際して統計の整備が強く求められる中、統計の真実性の確保や統計の体系を整備するなどし、統計制度の改善、発展を図るといったことを目的として制定されたと承知をしています。
 その後、第一次安倍内閣の平成十九年に全面改定をされた現行統計法では、行政のための統計から社会の情報基盤としての統計へと移行を図り、公的統計は国民にとって合理的な意思決定を行うための基盤であると位置付けたところでございまして、こうした中で、今般、公的統計について様々な不適切な事案が判明したことについては重く受け止めております。
 政府を挙げて再発防止、統計の品質の向上に努めていく考えであります。
○倉林明子君 戦争の教訓というのを深く受け止める必要があるというふうに思うんです。統計法の基本理念には、こうした教訓から中立性及び信頼性の確保が掲げられております。過ちを再び繰り返すようなことがあってはならないと強く申し上げておきたい。
 次に、高過ぎる国民健康保険料、税について質問をいたします。
 経済的な困難から国民健康保険料が払えない、そして、資格証など実質的に無保険状態に置かれて、手遅れとなって命を落とすと、こんな事例が後を絶ちません。
 全日本民主医療機関連合会の調査で、二〇一七年には六十三事例、毎年五十例以上が報告されております。これ、パネルにいたしました。(資料提示)
 事例一の場合は、妹と二人暮らしの七十代の女性です。本人は無年金で、妹のパート収入のみで、生活保護基準の六割を切るというような収入水準でした。国保は資格証明書。自覚症状があったものの、二、三か月受診しなかった。受診したときはもう子宮頸がんの転移で、初診から十か月後に死亡されております。
 事例の二の場合ですが、五十代の男性。母、姉と同居をしておりましたが、全員無職という御家族です。本人と姉には障害もあって、農業収入、母の国民年金などで生活を立てておられました。四年前に大腸がんの手術をしたものの、医療費の未払十数万円ということがありまして、その後、治療は中断。一七年に痛みから緊急搬送されましたけれども、受診後一か月で亡くなっているんですね。
 私、これ、本来だったら救えたはずの命ではないのかと思うんです。滞納に至った理由というのは様々でも、少なくとも病気で治療が必要な人には短期証を出して受診できるようにすると、これ、政府の立場だと思うんですよ。
 皆保険制度の下で、お金がなくて命を落とす、こんなことはあってはならないというふうに思いますけれども、いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 我が国は、皆保険制度によって、国民全体の相互扶助によって医療費を支える仕組みを取っています。その中で、国民健康保険においては、所得の低い方などについて保険料や患者負担の軽減を行う制度がありまして、その拡充を図ってきたところであります。また、やむを得ず保険料の納付等が困難となった方についても、個々の事情に応じて更なる減免を行ってきたところです。
 経済的事由により受診が遅れたりすることのないよう、こうした制度の周知も含め、今後とも、低所得の方に配慮したきめ細やかな対応を行うよう、市町村に対して徹底を図ってまいりたいと思います。
○倉林明子君 実際に命を落とす例があってはならないと、そういう答弁がいただけるかなと思ったんですが、なかったのは極めて残念です。
 二〇〇五年から始まったこの報告は、民医連の医療機関にたまたまつながった事例なんですね。氷山の一角にすぎないんですよ。さきの調査によりますと、手遅れ事例の内訳を見ると、無保険、資格証、これ、二十三件もありました。自覚症状から治療開始まで半年以上受診しなかった、こうした事例が七件ありました。うち四件は、治療開始から一か月以内に亡くなっているんですね。国民健康保険がセーフティーネットの機能を果たせていないと、こういうことを示しているんだと思うんです。こうした事例が後を絶たないという大本に何があるか、国民健康保険料が高過ぎると、こういう問題があるんですよ。
 そこで、市町村国保の現状を厚労大臣に確認したいと思います。直近の国保加入者の前期高齢者が占める割合、平均所得、保険料負担はどうなっているか、そして協会けんぽ、組合健保と比べてどんな特徴があるのか、いかがですか。
○政府参考人(樽見英樹君) お答え申し上げます。
 市町村国保におきます二〇一六年度の前期高齢者の占める割合は四一・一%、一人当たり平均所得は八十六万円、保険料負担率は一〇・一%というふうになっております。
 市町村国保は、協会けんぽや組合健保といった被用者保険に比べますと前期高齢者の占める割合が高くなっている、それから、そうした高齢者の多さに加えまして、無職や非正規雇用の労働者など低所得の加入者が多いという構造にございますので、一人当たり平均所得が低く、保険料負担率は高くなっているということでございます。
 ただ、保険料負担率って、これ、御本人の保険料負担率で高いということでございますが、被用者保険の場合にはこれとは別に事業主負担という形での保険料負担があるということについては申し添えたいと思います。
○倉林明子君 今の説明をパネルにいたしましたけれども、御紹介があったように、所得が低いのに保険料は高い、これが国保の構造問題になっております。
 厚労省にもう一つ確認したい。国保加入者の平均所得、これ、一九八六年、一九九一年、二〇一六年、それぞれ額はどうなっていますか。
○政府参考人(樽見英樹君) 市町村国保におきます一人当たり平均所得というお尋ねでございます。一九八六年度は七十五万七千円、一九九一年度は百二十一万三千円、二〇一六年度は八十五万六千円でございます。
○倉林明子君 加入世帯の平均所得というのは、ピーク時の半分に減っているんですね。一九八〇年代よりも少なくなっています。
 国民健康保険料が高くなる、この理由の一つに、一人当たりの医療費が高いという問題があります。国保と組合健保の比較はどうなっているのか、特に疾病別、年齢別でどんな特徴があるのか、説明してください。
○政府参考人(樽見英樹君) 一人当たり医療費ということでございますので、二〇一六年で比較をいたしますと、全体を平均いたしますと、市町村国保で三十五万三千円、組合健康保険でございますと十五万四千円というふうになります。市町村国保、組合健保よりも高齢者の占める割合が高いということでございますので、かつ、一般に高齢者ほど医療費が多く掛かるということでございますので、今申し上げたように、全体を平均で見ますと、一人当たり医療費は国保が高くなるということでございます。
 ただ、これ、そういうことですので、年齢ごとということで同じ年齢という形で比較いたしますと、ゼロ歳から二十歳代前半まで、それから六十五歳から七十四歳までというところで、同じ年齢ですと、実は医療費というのは大きな違いは見られないという状況がございます。
 ただ、その間、二十歳代後半から六十歳代前半にかけてでございますけれども、市町村国保の一人当たり医療費が高くなっている。これは、精神及び行動の障害あるいは神経系の疾患というような要素が影響しているという状況でございます。
○倉林明子君 今の説明をパネルにして、これ、入院医療費で見るとよく分かるのでグラフにしてみました。精神疾患等占有率というのが現役世代では本当に高いというのが国保の特徴にもなっているんですね。
 総理に伺いたいと思います。
 国保加入者の高齢化、低所得化、そして重症化、これ年々悪化しております。私は、もっと公費を投入しないと保険料というのは際限なく上がり続けるんじゃないかと思いますが、どうですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 確かに、先生が御指摘になったように、国保制度においては、高齢化の進行や、無職やあるいは非正規雇用の労働者など低所得の加入者が増加する等の構造的な問題があります。そのため、低所得の方々の保険料軽減措置を講じるとともに、保険給付費に対して五割の公費負担を行いつつ、公費を他の制度よりも手厚く投入するなどの措置を講じてきたところであります。
 今般の国保改革においても、都道府県単位化を御承知のようにしました。都道府県単位化によって財政の安定化を図ったことに加えまして、低所得者対策の拡充や医療費適正化等に積極的に取り組む自治体への支援など、年約三千四百億円の財政支援を行い、財政基盤を大幅に強化をしたところであります。
 こうした取組を通じて、国民皆保険を支える国保制度の安定的な運営に努めてまいります。
○倉林明子君 三千四百億円の公費投入では、国保の構造問題は解決しませんよ。
 国が三千四百億円の投入を決めた後、全国知事会、全国市長会、この要望はどういう内容になっていますか。
○政府参考人(樽見英樹君) お尋ねの点につきまして、知事会あるいは市長会から私どもにいただいております要望書の要点を申し上げます。
 全国知事会からは、新制度の運用状況を鑑み、不断の検証を行いながら国保制度の安定化が図られるよう必要な見直しを行うこと、三千四百億円の財政支援について、今後も国の責任において確実に実施すること、今後の医療費に耐え得る財政基盤の確立のための様々な財政支援の方策を講じることなどの要望をいただいております。
 また、全国市長会からは、三千四百億円の財政支援について継続して実施すること、医療費の増加に確実に対応できるよう、国による財政支援を拡充し、更なる国保財政基盤の強化を図ることといった要望をいただいております。
○倉林明子君 つまり、国庫負担を増やしてほしいということなんですね。
 私は、こういう地方からの要望に対し、総理として正面から応えるべきだと思います。どうですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま厚労省の方から答弁をさせていただいたような要望を受けたわけであります。その中には、この三千四百億円の財政支援をしっかりと行ってくれということもございました。
 こうした要望も踏まえまして、また、先ほど答弁させていただいたような取組も通じて、国民皆保険を支える国保制度の安定的な運営に努めてまいります。
○倉林明子君 知事会は、二〇一四年には、協会けんぽ並みに引き下げるためには総額一兆円の公費投入が必要だと、こう訴えていたわけですね。
 私、財源というなら、アベノミクスで確実にもうかっている人にこそ負担してもらうべきだというふうに思います。株取引に対して欧米並みに三〇%税率引き上げる、こうしたら一・二兆円が確保できるんじゃないかと、こういう道こそ選ぶべきだと思う。どうですか。
○政府参考人(樽見英樹君) 今、恐縮です、一兆円というお話がありましたので、当時の経緯についてだけ一言私から御説明申し上げたくて手を挙げました。
 まさにその二十六年当時に、おっしゃるように、協会けんぽ並みの保険料負担率まで引き下げるために必要な公費として一兆円というお話が途中であったということはございますけれども、それも含めまして、知事会との協議の上で、財政状況の中でできる限りの支援をするということで三千四百億円ということで知事会ともまとまったという経緯があるところでございます。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 金融所得課税につきましては、一〇%から二〇%に引き上げるなどの対応を取ってきたところでございます。
○倉林明子君 だから、本当に、それでは財源確保として国保の公費負担分確保できていないということあるわけですから、しっかり確保を求めているこの声にこそ応えるべきだと思います。
 さらに、全国知事会からは、子供に係る均等割保険料の軽減措置の導入が要望されております。どれだけ重い負担になっているかということです。
 これも京都市のモデル世帯でパネルにいたしました。年収四百万円で妻が専業主婦、三十代の夫婦と子供二人の四人世帯の場合。これ、所得割だけで二十四万二千八十七円ということになります。ここに平等割、均等割加わりまして、合計三十九万七千五百円余り。年収の一割にもなるんですね。
 では、同じ給与収入、家族構成の世帯が協会けんぽの場合の保険料負担はどうなっているでしょうか。
○政府参考人(樽見英樹君) 年収四百万円ということでございますので、月額の報酬を三十四万円として計算をいたしますと、協会けんぽの全国平均保険料率は一〇・〇%ということでございますので、これを適用いたしますと、御指摘の御家庭の保険料額は月額三万四千円というふうになります。事業主が半額を負担するため、被保険者の月額は一万七千円ということになっております。保険料でいうと三万四千円、御本人分だけだと一万七千円ということでございます。
○倉林明子君 これ年額ですので、今、月額でちょっと比較しにくい答弁だったので、もう一回、年額で。
○政府参考人(樽見英樹君) 年額ということになりますと、今の一万七千円を十二倍するということになりますので、済みません、今ちょっとその計算……(発言する者あり)約二十万四千円、失礼いたしました。保険料全体としてはそれの倍ということでございます。失礼いたしました。
○倉林明子君 本人負担でいうと、保険料は国保、今およそ倍なんですね、協会けんぽの倍ということが分かると思います。
 公的医療保険は、国民に平等に医療を保障するための仕組みであります。加入する医療保険によって負担や給付に大きな格差がある、私それ自体大問題だと思うんです。
 なぜ、子供も含めた被保険者の数に応じた負担がこれ国保だけにあるのか、明確にお答えください。
○国務大臣(根本匠君) 国保においては、全ての被保険者がひとしく保険給付を受ける権利があり、被保険者全体の相互扶助で支えられておりますので、応分の保険料を負担していただく必要があると考えています。このため、子供がいる世帯も、世帯の所得のほか、子供も含めた被保険者数の人数に応じて一定の御負担をいただくことになります。
 他方で、所得の低い世帯については、子供も含む被保険者の人数が多いほど保険料軽減の対象になりやすくなるような仕組みを設けており、平成二十六年度にはこの軽減措置の対象を拡大いたしました。こうした仕組みを通じて、子供も含む被保険者の人数が多くて所得の低い世帯にとっては保険料軽減の対象になりやすくなったものと考えております。
○倉林明子君 いやいや、国保にはほかの保険にない均等割が何であるのかという説明には今なっていなかったんじゃないですか。もう一回。
○国務大臣(根本匠君) 私は最初に御答弁をいたしました。国保においては、全ての被保険者がひとしく保険給付を受ける権利があり、被保険者全体の相互扶助で支えられているものであるから、応分の保険料を負担していただく必要があると考えております。
○倉林明子君 これ、ゼロ歳児にも掛かるんですよ。負担能力に関係なく人間の頭数で負担を課す、これはもう、もはや古代の人頭税ですよ。子供に係る均等割は子育て支援への逆行に私ほかならないと思います。
 全国知事会からも再々要望が提出され、二〇一五年に地方との協議の場で検討すると、こういう合意して四年なんですね。これ、本会議で約束を果たすようにという小池晃議員からの質問、代表質問に対して総理はこう答えているんです、引き続き協議する。じゃ、いつまでにこの結論を出すんでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 本年度から施行いたしました国保改革、施行された国保改革においては、交付金制度を見直し、子供の被保険者数が多い自治体への財政支援を強化したところでございます。
 御指摘の子供の均等割保険料の今後の在り方については、財政支援の効果や、これ実際、財政支援をしていくわけですから、この効果や国保財政に与える影響などを考慮しながら、厚労省を中心に、国保制度に関する国と地方の協議の場において引き続き議論をしてまいりたいと考えています。
○倉林明子君 だから、いつまでに結論を出すのかと聞いたんですけれど、重ねて聞いてもこの点では答弁がないようであります。私、極めて不公平な負担になっているということを強調したいと思うんですね。
 厚労省に聞きたいと思いますけれども、ドイツの公的医療保険では被用者と自営業者の保険料、これ、どんなふうに賦課されているでしょうか。端的に。
○政府参考人(樽見英樹君) ドイツの制度でございます。
 ドイツ連邦保健省のホームページというものがございまして、そこで情報公開されているものによりますと、ドイツの公的医療保険制度は、一定の所得以下の被用者全てが強制加入の被保険者となる。保険料として、所得に一定の保険料率、これ一四・六%が原則のようでございますが、それを掛けた額が賦課される。これを労使折半で負担するということでございます。
 自営業者はどうなっているか。自営業者は、被用者と異なりまして公的医療保険は任意加入ということになっておるということで、公的医療保険に加入しない人は民間保険に入るということになっておりまして、実際は多数の方が民間保険の方に入っておられる。民間保険ですので、これはそれぞれの契約によるということでございます。
○倉林明子君 よっぽど言いにくいのかと思いますけれども、ドイツの公的医療保険、加入している人たちのところでどうなっているかというと、所得割だけなんですよ。フランス、スウェーデン、この医療保険料も所得比例型です。オランダの医療保険料には定額部分あるけれども、これ、十八歳未満の子供の定額部分、国が肩代わりしているんですね。欧州では、自営業者の保険も所得比例が基本なんです。
 子供から人頭税、こんなことをやっているのは今や日本ぐらいだということを指摘したいと思います。子育て支援と言うなら、私はこの子供の均等割の廃止に踏み出すべきだと申し上げたい。
 日本共産党は、昨年十一月、一兆円の公費負担増を行って、人頭税型の均等割、平等割の廃止をすること、国保の保険料を協会けんぽ並みに引き下げる、こういう発表をいたしました。市民の皆さんと力を合わせて国保料引下げを実現させる決意申し上げまして、終わります。
○委員長(金子原二郎君) 以上で倉林明子君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(金子原二郎君) 次に、井上哲士君の質疑を行います。井上哲士君。
○井上哲士君 日米新ガイドラインが策定をされ、その具体化として憲法違反の安保法制が強行されて三年余りとなりました。この間、日米の軍事一体化と自衛隊の大幅増強が急速に進んでいる、この問題についてお聞きをいたします。
 昨年末に、防衛大綱と中期防が閣議決定をされました。安保法制の議論の際に、当時の中谷防衛大臣は、新たな法整備で防衛費の大増強は必要ない、防衛大綱などを見直す必要があるとは考えていないと答えたわけですね。ところが、通常十年で見直す大綱を五年で見直して、従来とは抜本的に異なる速度で防衛力を強化するとしました。そして、今後五年間の軍事費を二十七兆四千七百億円として、前の五年間から二兆八千億円も増える防衛費の大増強であります。
 防衛大臣、当時の答弁と全く違うんじゃないですか。
○国務大臣(岩屋毅君) 我が国を取り巻く安全保障環境は、前回大綱を作ったときに想定していたよりもはるかに速いスピードで厳しさと不確実性を増しております。国家間のパワーバランスも急速に変化をしてきておりますし、宇宙、サイバー、電磁波といった新たな領域の利用が急速に拡大をしてまいりまして、これまでの陸海空という物理的な領域における対応を重視してきたこれまでの安全保障の在り方は、根本から変わろうとしております。
 そういう中にあって、もう一々申し上げませんが、北朝鮮の核、ミサイルの問題、あるいは東シナ海や南シナ海における力を背景とした様々な活動などが、テロの脅威も続いておりますし、そういう中にあって、この新たな安全保障環境、厳しい安全保障環境に対応できる真に実行力のある防衛力を整備するために、今回の大綱、中期防の改定を行ったところでございます。
○井上哲士君 前回大綱後に安保法制の審議があったんですね。そのときに、防衛費の大増強は必要ないと答弁しているんですよ。
 そこで聞きますけど、じゃ、この大綱に周辺情勢が本当にきちんと反映しているのかと。総理は、施政方針演説で、日中関係は完全に正常な軌道に戻りましたと述べて、昨年十月の首脳会談で習近平主席とお互いに脅威はならないと確認をしたと強調されました。そして、その上で、日中関係を新たな段階へも押し上げてまいりますと述べました。この、お互いに脅威とはならないことを確認したことの意義、そして新たな段階というのは、これはどういうことでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 昨年十月に、日本の総理大臣として七年ぶりに中国を公式訪問いたしまして、日中関係は完全に正常な軌道に戻りました。
 習近平主席との間で今後の両国の道しるべとなる三つの原則を確認しましたが、その一つが、お互いに協力のパートナーであり互いに脅威とならないというものであります。その意義は自明であり、この訪問後に、日中の間で海空連絡メカニズムに基づき防衛当局間の年次会合の開催を実現するなど、東シナ海における偶発的な衝突を避ける上で大きな成果を得ることができました。
 日中両国が安定的な関係を築くことは地域の平和と安定に資するわけでありまして、共に責任を果たしていく共通の基盤はできていると考えておりまして、今年、習近平主席を日本にお招きをし、首脳の相互訪問を通じ、関係を新たな段階へと押し上げていきたいと、日中新時代を切り開いていきたいと考えておりますが。
 先ほど、中谷大臣の、当時の大臣の答弁で防衛費が増えないと言ったのは、言わば、平和安全法制を制定することによって、これに関連して防衛費がすごく増えていくということはないというふうに答弁したと私は記憶しております。
○井上哲士君 今総理が答弁した日中関係については、この新しい防衛大綱には一切触れておりません。なぜですか。(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) 御静聴。
○国務大臣(岩屋毅君) 日中の外交環境が総理がおっしゃったように改善の方向に向かっているのはそのとおりだと思いますけれども、防衛当局といたしましては、やはり中国の軍事力あるいはその活動の状況というものをしっかり見据えなければいけないというふうに思っております。
 したがって、大綱、中期防におきましては、やはり中国につきましては、非常に高い水準で国防費を増加させていると、そして、先ほども申し上げたように、東シナ海、南シナ海などで非常に活発な活動を展開していると、防衛当局としては強い関心を持って注視していく必要があるというふうに記述をしたところでございます。
○井上哲士君 中国による東シナ海や南シナ海での力による現状変更の動きは重大でありますし、国連憲章等が定めた紛争の平和的解決の諸原則に反するものだと我々も考えます。これは国際社会では許されません。
 それから同時に、これは軍事対軍事の悪循環にするのではなくて、お互いに脅威にはならないと確認しているわけですから、それに基づく外交的解決が必要なんですよ。そのことが全く、この新しい防衛大綱には全く書いてありません。
 もう一つ、北朝鮮問題でありますけれども、総理は一月四日の年頭記者会見で、北東アジアをめぐる情勢も、昨年六月の米朝首脳会談により歴史的転換点に差しかかっていますと述べられました。
 この米朝首脳会談の意義、そしてこの歴史的転換点というのはどういうことなんでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 昨日、米国のトランプ大統領が、第二回米朝首脳会談を今月の二十七及び二十八日にベトナムで開催することを発表しました。昨年の六月の歴史的な米朝首脳会談で、トランプ大統領と金正恩委員長が朝鮮半島の非核化に合意し、共同声明に署名した意義は大きいわけであります。重要なことは、米朝首脳間の合意が完全かつ迅速に履行されるよう後押しすることであります。
 第二回米朝首脳会談に向けて日米ですり合わせを行っていきたいと、こう考えているところでございますが、大切なことは、核、ミサイル、そして我が国にとって重要な拉致問題について緊密に連携をしていき、その解決に向けて進んでいくことでありますが、核問題についてもミサイル問題についても、現在のところ、北朝鮮側がその廃棄、検証可能な形で完全に廃棄をしていくということについて進んでいるわけではないわけでございまして、これをしっかりと成し遂げていくことが大切であろうと、こう考えております。
○井上哲士君 いや、歴史的転換点と言われたのは、それはどういう意味ですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 歴史的転換点というのは、米朝の首脳が初めて首脳会談を行ったということと、先ほど申し上げましたように、合意を、朝鮮半島の非核化という合意を両首脳がサインをして行った、これはもう初めてのことでございます。
○井上哲士君 総理は、一七年十月の総選挙のときに、北朝鮮の核・ミサイル問題を国難だと叫んだわけですね。そして、そのときに、従来の延長上でない防衛大綱の見直しを強調しました。その後に、今、文字どおり歴史的転換点と言われた米朝の首脳会談が行われました。トランプ氏は、先日の一般教書演説で、朝鮮半島の平和に向けた歴史的な奮闘を続けると、こういうふうに言ったわけですよ。
 ですから、総理が大綱の見直しを強調したときとその前提が今大きく変わっているんじゃないですか。いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 日本を射程にした弾道ミサイルを数百基これは配備をしているという現実は、残念ながら変わってはいないわけでございます。実際に、核兵器等を廃棄したわけでも全くないという状況があるわけでございまして、我々は日本の国民の命と平和な暮らしを守り抜いていく責任があるわけでありますから、その責任をしっかりと果たしていかなければならないと、このように考えております。(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。
○井上哲士君 総理自身が歴史的転換点と言われるような状況が一方で起きていても、これを無視をして、結局もう軍事的対応一辺倒と、こういうことになっているんですね。これは何をもたらすのか。
 安保法制のときにも安全保障のジレンマというのが問題になりましたけど、防衛大臣、これはどういうふうに考えていらっしゃいますか。
○国務大臣(岩屋毅君) その安全保障のジレンマということをどう考えているかということですか。これは、防衛力を増強することが相手方の更なる軍事力の増強を招いて、それがどんどんとエスカレートしていくということを安全保障のジレンマと言うのだというふうに思いますが、我が国の場合は、むしろ近隣諸国のその大幅な軍事力増強の中で極めて抑制的に防衛力を整備してきているというふうに思います。
 今般の中期防でも、実質で年率の伸びは平均一・一%でございますし、何よりも中身を非常に透明にしております。防衛に対する基本的な考え方、人員、装備調達、主要装備の保有量や調達数量など、世界の中でも極めて透明性の高い防衛力整備を行っていると思いますので、我が国がその安全保障のジレンマを招く、あるいは加速させるということにはなっていないというふうに考えております。
○井上哲士君 当時、中谷大臣は、この安全保障のジレンマは防衛力の強化のときに起こり得るものであって、安保法制は装備や予算の増強をするものでないので安全保障のジレンマにはならないというふうに答弁をされたんですね。
 しかし、皆さんの作った新しい防衛大綱で、従来とは異なる速度で軍備増強を進めるとしているじゃないですか。今の話と全然違いますよ。まさにこれは安全保障のジレンマつくるんじゃないですか。
○国務大臣(岩屋毅君) 防衛力の装備の規模については、先ほど申し上げましたように、年率でいっても一・一%の伸びにしかなりません。それから、もう御案内のとおり、GDPの一%枠というのは取り払われているわけですけれども、三十年度の防衛費というのは対GDP比で〇・八八%ほどであるというふうに思います。
 そういったことからすれば、急速に変わる安全保障環境にしっかりと速いスピードで対応しなければならないというのはそのとおりですけれども、その中にあっても防衛費はできるだけ抑制的に整備をすると、こういう考え方を維持しているというふうに御理解をいただきたいと思います。
○井上哲士君 来年度予算案を見てそんなふうに考える国民はほとんどいないと思いますが。どんなに前向きの平和な動きがあっても、とにかくかつてない速度での軍拡を掲げる、これはまさに軍備対軍備の悪循環になると、北東アジアの平和と安定に逆行するものだということを言わざるを得ません。
 具体的にお聞きしますが、この新防衛大綱と中期防の下での最初の予算が来年度予算です。トランプ氏からの防衛費、武器購入圧力も加わりました。トランプさんは、安倍総理との首脳会談後、三回も、日本がアメリカ製の武器の大量購入を約束したと、こう発言をされました。十一月三十日の会見では、日本はアメリカから数多くのF35を購入すると約束してくれたと、感謝を表したいと、こう述べたわけですね。その後に、中期防でF35を百五機追加購入し、百四十七機体制にするということが決まりました。
 岩屋大臣は、一月十六日のアメリカでの講演で、これによってアメリカの同盟国の中で日本がF35の最大の保有数になるというふうに胸を張られました。他の同盟国の保有数はどれだけということに承知されているのか、そして、なぜ日本がこのように大量に購入をすることになったんですか。
○国務大臣(岩屋毅君) 米国では事実を説明したのであって、胸を張っていたわけではございませんので、御理解をいただきたいと思います。
 F35の各国の保有状況についてでございますが、全部申し上げると長くなりますので、当然米国が一番多くて二千四百五十六機、保有見通しです、それから英国、イギリスが百三十八機、オーストラリアが百機、トルコも約百機、カナダが八十八機、イタリア六十機、ノルウェー五十二機、イスラエル五十機、韓国四十機等々となっております。
 なぜ我が方が最終的に百四十七機のF35を保有する計画になったかというふうに申し上げますと、御案内のとおり、F15のうち近代化改修に適しないものが九十九機ございます。これを最新鋭のF35に置き換える。さらに、もちろん教育用の機も必要でございますので、F35戦闘機の追加的な取得数を百五機とし、最終的に百四十七機を導入することとさせていただいたということでございます。
○井上哲士君 総理は本会議でこれについて、主体的に判断をしたと、こういうふうに言われました。果たしてそうなのかと。
 F35はアメリカ政府とのFMS契約によるものでありますが、これ、FMS契約というのはどういう条件になっているんでしょうか。
○政府参考人(深山延暁君) お答え申し上げます。
 FMSは、経済的な利益を目的とした装備品の販売ではなく、米国の安全保障政策の一環として同盟諸国などに対して装備品を有償で提供する制度であります。具体的に申しますと、価格は見積りであること、納期は予定であること、そのほか、原則前払であること、納期後に精算を行うなどとした米国が定めた制度の下で行われているものであります。
○井上哲士君 つまり、価格、履行期限、契約解除、こういう重要な点は全部アメリカに握られているんですよ。
 これ、大きな問題になってきました。会計検査院は、一七年の十月にこのFMSに関して防衛装備庁に是正改善の措置を求めておりますけれども、これ、どういう内容でしょうか。
○説明員(原田祐平君) お答え申し上げます。
 防衛装備庁等がアメリカ合衆国政府から防衛装備品等を調達するFMS調達におきまして、受領検査における防衛装備品の不具合十二件、三千百九十四万円、及び計算書の誤り十九件、一千三百九十一万円に対する是正措置の要求を合衆国政府に対して速やかに行っておらず当該要求が合衆国政府から却下されている事態、六十四契約の契約額計約六百七十一億円について、計算書と受領検査調書との照合に当たり、その過程や結果に関する記録及び保存を行っていなかったり、極めて多くの記載内容が一致していなかったりしていた事態が見受けられました。
 そのため、防衛装備庁に対して是正措置の要求を速やかに行うことを周知徹底するよう是正改善措置を求め、また、照合の過程や結果を書面等に記録及び保存するとともに、記載内容が一致していない根本的な原因を調査し、適切な照合を行うための効果的な方策について検討するよう意見を表示したものでございます。
○井上哲士君 ですから、本当に価格、履行期限、契約解除が全部アメリカが握っている。それに対して、今指摘されたような本当にでたらめな中身になっているんですね。ですから、結局、価格の決定とか納品も全部米国の都合になっております。
 このFMSが安倍政権で急増しております。二〇一二年度では千三百七十二億円でしたけれども、来年度予算では実に五倍の七千十三億円であります。(資料提示)
 この防衛装備品の中央調達について、企業とアメリカ政府を合わせて契約相手方別の契約高順位、二〇一二年と二〇一七年で上位五位はどうなっているでしょうか。
○政府参考人(深山延暁君) お尋ねの中央調達におけます契約高上位五社ということでございましたが、二〇一二年におきましては、第一位が三菱重工株式会社、第二位が日本電気株式会社、第三位が三菱重工株式会社……(発言する者あり)あっ、失礼しました、川崎重工株式会社、大変失礼いたしました。第四位が米国政府、第五位でございますけれども、第五位が三菱電機ということになっております。
 二〇一七年におきましては、第一位は米国政府、第二位が三菱重工株式会社、第三位が川崎重工株式会社、第四位が日本電気株式会社、第五位は三菱電機株式会社となっておるところでございます。
○井上哲士君 ですから、FMSが急増して、二〇一五年から契約相手方、米国政府がトップになっているんですね。二〇一七年は三千八百七億円で、二位の三菱重工の二千四百五十七億円の一・五倍の断トツになっているんです。
 総理、こういう中で、国内の防衛産業から、予算がアメリカに吸い取られていると、こういう声すら上がっておりますけれども、これ、どう受け止められていますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 国内の防衛産業に対する御理解もいただいているのかなと思いますが、我が国を取り巻く厳しい安全保障環境を受けまして、高性能な防衛装備品について早期導入が求められる傾向にあるため、その結果として国内調達が減少し、国内の防衛産業基盤の維持強化が必要との指摘があることは承知をしております。
 国内の産業基盤は我が国の防衛力を支える重要かつ不可欠な要素であり、新たな防衛大綱及び中期防においては、技術基盤の強化と産業基盤の強靱化について優先事項として取り組むこととしております。具体的には、我が国の防衛産業が今後必要となる優れた装備品をしっかりと開発することができるよう重要技術に重点的に投資を行うとともに、国内防衛産業の競争力の強化を進めていくこととしております。
 安全保障環境の変化に応じた競争性のある強靱な国内防衛産業を構築すべく、将来を見据え、様々な施策を総合的に推進していく考えであります。
○井上哲士君 そういうことをるる言われながら、予算はアメリカのFMSにばっかし行っているじゃないかという声があることについてどう考えるのかと私は聞いているんです。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 初めに申し上げましたように、非常に高性能な防衛装備品について早期導入が求められているという傾向があるわけでありまして、その中で、例えば先ほど御説明をさせていただいたF15の代替機については、今既に存在をしている第五世代の戦闘機であるF35を導入するということも決定をさせていただいたところでございます。
 しかし同時に、我が国自体の防衛産業が今後開発を行い、独自の装備品をしっかりと彼らが生産できるというこの基盤も構築していく必要があると、このように考えております。
○井上哲士君 FMSによって米国の高額兵器の購入がどんどん増えますが、維持費も大変掛かります。それが軍事費を膨らませてまいりました。これ、黄色い部分が維持費でありますけれども、平成一年度は全体の三割でありましたけれども、大体今や五割前後が維持費ということになっております。
 アメリカの政府監査院は、五回にわたってこのF35の欠陥を指摘をしてきました。昨年六月に発表した報告書で、一月時点で九百六十六件の技術的な問題点があるとしております。この問題点を解決しなければ必要な性能を欠いたままの運用を強いられ維持費高騰は免れないとして、大量生産に踏み切る前に対処することを要求をしております。
 この後に中期防で購入決めたわけでありますが、こういう報告書の内容を承知した上で百四十七機決めたんですか。
○国務大臣(岩屋毅君) F35につきましては、今先生御指摘のように、昨年六月に米国の会計検査院が議会に提出した報告書におきまして、搭載するソフトウエアを中心に多数の課題がある旨指摘されているところでございます。
 米国防省は、この報告書における指摘につきまして既に改善のための取組を開始しておりまして、重要な欠陥と指摘されているものについて、本年十月を予定している量産段階への移行前に改善する計画であるというふうに承知をしております。
 なお、防衛省としては、現在保有しておりますF35Aについても問合せを行っておりますが、三沢基地において運用している空自機に関しては、試験段階の運用や飛行の安全性に影響する問題はないというふうに確認をしているところでございます。
○井上哲士君 見込みと聞いている、これもアメリカ政府任せだと思うんですが、この報告書は、この問題点の中に、安全性や重要な性能を危険にさらす問題が百十一件あって、うち二十五件は量産段階までに解決できないおそれがあると、ここまで指摘しているんですね。にもかかわらず、閣議決定が行われました。
 さらに、購入が予定されているF35Bでありますが、昨年九月にサウスカロライナ州で初めて墜落事故を起こして、米国政府は世界のF35Bの一時飛行停止措置をとりました。しかも、アメリカ国防総省の運用試験・評価局が先日、一月三十一日に議会に提出をした二〇一八年度の年次報告書で、初期に製造されたF35Bの寿命が想定の八千飛行時間を大幅に下回って二千百時間以下にとどまるという見通しを示しました。そうしますと、おおむね三十年の寿命が僅か十年程度で尽きる可能性があるということなんですね。
 この報告受けて、政府、どういう対応をしているんですか。
○国務大臣(岩屋毅君) 昨年十二月に決定した中期防におきましては、STOVL機、短距離で離陸ができて垂直に降りられる航空機のことでございますけれども、それを導入するということは決定しておりますけれども、機種の選定はこれからでございます。
 機種の選定に当たりましては、当然のことながら、私ども、どういう性能が必要かということを、要求性能をはっきり示した上で提案を受け、必要なプロセスをきちんと踏んでいきたいというふうに思っておりますので、もちろん35Bも有力な候補機の一つではありますが、御指摘の点も含めてしっかりと性能を確認をした上で機種の選定を行ってまいりたいというふうに考えております。
○井上哲士君 機種選定はこれからと言いますけど、F35を百四十七機購入というふうに中期防では決めているんですよ。事実上、F35Bを買うという流れになっているじゃないですか。ですから、私は、アメリカ国内でこれだけの問題点が指摘をされているF35を、価格も納入もアメリカが握っている、こんな有利なFMSで購入をすると、これが果たして自主的判断なんと言えるのかということが問われていると思いますよ。百四十七機購入先にありきは、根本的に見直すべきだと思います。
 更に重大なのは、このF35Bを運用できるように、ヘリ搭載護衛艦「いずも」を改修し空母化をするという問題であります。
 政府は従来、他国を攻撃するような攻撃的な脅威を与えるような兵器を持っているということは憲法の趣旨とするところではないと答弁をしてまいりましたけれども、防衛大臣、こういうことでよろしいでしょうか。
○国務大臣(岩屋毅君) それはおっしゃるとおりでございまして、憲法上ですね、性能上、専ら他国の国土の壊滅的な破壊のためにのみ用いられるような兵器、これを保有することは、自衛のための必要最小限度の範囲を超えることになるため、憲法上許されないというふうに考えております。
○井上哲士君 そういう中で、従来、答弁では、例えば大陸間弾道ミサイル、ICBM、長距離戦略爆撃機、攻撃型空母については保有できないと言われてきたと思いますが、この攻撃型空母というのはどういうものでしょうか。
○国務大臣(岩屋毅君) この攻撃型空母と申しますのは、先ほど申し上げましたように、我が国の憲法上持てないとされている大陸間弾道弾でありますとか戦略爆撃機などと並べて当時政府が説明をした用語でございまして、この考え方は現在も維持されております。
 したがって、他国の国土を壊滅的に破壊するほどの能力を持った空母ということになりますので、常時かなりの数の戦闘機を艦載し、また核兵器等の大量破壊兵器というものを搭載することができるような、そういう能力を持ったものを攻撃型空母というふうに考えているところでございます。
○井上哲士君 今、核兵器と言われましたけど、核兵器搭載しなかったら攻撃型空母ではないということですか。
○国務大臣(岩屋毅君) 極めて大きな破壊力という意味で例示として挙げさせていただいたところでございまして、いわゆる大量破壊兵器と言われるものであればそれに該当するのではないかというふうに考えております。
○井上哲士君 アメリカ海兵隊のF35Bが昨年九月、初めて実戦投入をされました。強襲揚陸艦エセックスから発進をして、地上の掃討作戦を支援するためにアフガニスタンを空爆したんですね。
 アメリカ中央軍の発表で、司令官はF35Bについて、戦域における強襲及び航空戦闘能力、作戦上の柔軟性並びに戦術上の優位性における著しい強化になると、常に安定と安全を向上させる海上優勢を可能としつつ国際水域から地上作戦を支援すると述べ、高く評価をいたしました。
 同じように、このF35Bを搭載するようなことになりますと、国際水域から飛び立って他国を空爆するようなことになる。これは他国に攻撃的な脅威を与える戦闘型空母になるんじゃないですか、攻撃型空母になるんじゃないですか。
○国務大臣(岩屋毅君) 「いずも」型護衛艦というのは、そもそも多用途に造られておりまして、輸送機能あるいは医療の機能、指揮艦としての機能等、そして、通常は哨戒ヘリを積んで、対潜水艦戦といいますか哨戒活動に当たれるように造られている護衛艦でございます。
 今回の改修は、そこに機能の一つを付け加えると、そして、STOVL機が必要があればその「いずも」型護衛艦から離発着することができるようにするという考え方でございますので、今先生がおっしゃったような他国を攻撃するために常時戦闘機を搭載するというような構想を持っているわけではございません。
○井上哲士君 常時であるとか構想という問題じゃないんですね。能力を持つかどうかが問題なんです。
 イギリスは、空母クイーン・エリザベスを就役させまして、昨年九月にF35Bの発着艦を開始をいたしました。イギリスのウィリアムソン国防相はこう述べているんですよ。これにより英国は世界中のいかなる海域からでも圧倒的な攻撃を行う能力を再び持つことになると、こう言っているんですね。つまり、「いずも」へのこの戦闘機の搭載は、同じように、いかなる海域からでも圧倒的な攻撃を行う能力を持つことになるんじゃないですか。
○国務大臣(岩屋毅君) 他国の艦艇のその運用の方法について評価は控えたいというふうに思いますけれども、「いずも」型護衛艦における航空機の運用は、新たな安全保障環境に対応し、我が国の場合、広大な太平洋を含む海と空というものを有しておりますので、その守りを自衛隊員の安全を確保しながら行っていくために必要だという考え方で今回改修を決定をしたところでございます。
○委員長(金子原二郎君) イワヤ哲士君。
○井上哲士君 井上です。
○委員長(金子原二郎君) 済みません。井上哲士君。
○井上哲士君 何か太平洋に限定されるように言いますけど、果たしてそうですかね。
 「いずも」及び「かが」について、この間、二か月以上の海外展開をしておりますけれども、その期間、展開地域、行動内容、それから米艦防護の実績とアメリカへの給油実績はどうなっているでしょうか。
○政府参考人(槌道明宏君) お答えいたします。
 海上自衛隊の護衛艦「いずも」は平成二十九年五月一日から八月九日にかけて、また護衛艦「かが」は平成三十年八月二十六日から十月三十日にかけて、それぞれインド太平洋方面を航行いたしました。その期間中、「いずも」は、アメリカ、オーストラリア、インド、カナダ、フィリピンなどと共同訓練等を実施したほか、シンガポール海軍の主催する国際観艦式やベトナムでのパシフィック・パートナーシップに参加をし、また、「かが」は、アメリカ、イギリス、インド、フィリピンなどと共同訓練等を行いました。
 そして、米艦防護の実績でございますけれども、これはもう先生御案内のとおりでございますけれども、自衛隊法第九十五条の二に基づく米軍等の警護につきましては、米軍等の活動への影響や相手方との関係もございますので、個別具体的な実施の有無についてお答えすることは差し控えさせていただいているところでございます。
 また、給油の実績でございますけれども、「いずも」につきましては、二か月以上の海外展開をした際の米軍への給油として、平成二十九年六月、南シナ海での日米共同巡航訓練において、米海軍に対して給油を行った実績がございます。他方、「かが」につきましては、二か月以上の海外展開をした際に米軍への給油を行った実績はございません。
○井上哲士君 「いずも」がインド洋で行った日米印の共同訓練、マラバールというのがありますが、その目的と内容はどういうことでしょうか。
○政府参考人(槌道明宏君) 御指摘の護衛艦「いずも」は、平成二十九年七月十日から十七日までの間、インド東方海空域におきまして、日米印共同訓練、マラバール二〇一七に参加いたしました。この訓練は、米印との三か国訓練の実施を通じまして、海上自衛隊の戦術技量の向上を図るとともに、各国軍との協力の強化を促進することを目的として実施したものでございます。
○井上哲士君 ですから、先ほど太平洋というふうに大臣強調されましたけど、実際にはこういうことをやっているんですね。インド洋などにも行っております。日米訓練もやり、米艦防護もやったと報道もされているわけです。そこにF35Bを載せるということになるわけですね。
 運用を考えていないとか言われますけど、安倍政権は、行使できないと言ってきた集団的自衛権を行使を閣議決定でひっくり返してやったわけですよ。ですから、今考えていないって、何の担保にもなりません。憲法に反する攻撃的兵器は保有をしないと、保有をしないということが、時の政権の姿勢にかかわらず、専守防衛を守る担保になるわけでありまして、持つこと自身が問題だということを申し上げなくちゃいけません。
 さらに、海上自衛隊は一昨年、「いずも」の改修を想定した調査研究を行っておりますが、この報告書によりますと、この調査は、「いずも」による米軍の後方支援実施を目的とすると明示をして、米軍のF35Bが垂直着艦するという運用を前提条件としていますね。つまり、改修した「いずも」で米軍機の離着艦が行われるということでよろしいですね。
○国務大臣(岩屋毅君) そのときの調査は、「いずも」という護衛艦について、変化する安全保障環境や急速な技術革新に対応できるのか、果たしてどのくらいの拡張性を「いずも」という護衛艦が有しているのか、最新の航空機のうちどのようなものが離発着可能なのかという、現有している艦艇の最大限の潜在能力を客観的に把握するために行った調査でございまして、もちろん、その調査結果を受けて検討を重ねた結果、さきの大綱、中期防の結論に至ったわけですけれども、この段階では、我が国自身がSTOVL機を運用するという構想はまだ固まっていなかった段階でございました。
 そういうことで、あくまでも現有艦艇の最大限の潜在能力を把握するために行った調査だったというふうに御理解をいただきたいと思います。
○井上哲士君 一般的F35Bじゃないですよ、米軍の後方支援として米軍のF35Bが垂直着艦するということを一点、前提条件としているんですね。これ、何を想定したんですか。
○国務大臣(岩屋毅君) この調査に当たる前にも、「いずも」には、米軍のMV22オスプレイあるいは哨戒ヘリMH60R、多用途ヘリUH60Lのほか、オーストラリア、インド、カナダ、フランスといった国の航空機が共同訓練の際に発着艦をいたしておりました。
 また、既に我が国には米軍のF35Bが配備されておりましたので、そうなりますと、このF35B、米軍のF35Bが共同訓練や不意のトラブル等によって臨時的に「いずも」に発艦あるいは着艦する必要性が生ずる可能性があると、そういう潜在的な可能性があると、こういう前提があったということも御理解をいただきたいというふうに思います。
○井上哲士君 いやいや、訓練やトラブルじゃないんですよ。後方支援と明記しているんですよ。
 そして、あの安保法制のときの答弁でありますけれども、国際平和共同対処事態の際に、弾薬の提供、戦闘作戦行動のために発進準備中の航空機への給油、整備についても法的措置を講じたということであります。
 つまり、こういう戦闘行為への発進準備中への航空機への給油、これが後方支援として「いずも」も法的には可能だということでよろしいですね。
○国務大臣(岩屋毅君) 例えば、仮に重要影響事態という事態認定が行われた際には米軍の後方支援を行うことができるというふうにされているわけでございますから、そういう事態に立ち至ればそういう活動も可能であるということだと思います。
○井上哲士君 いや、国際平和共同対処事態もそうですね。
○国務大臣(岩屋毅君) 同様でございます。
○井上哲士君 その際に地理的制限があるんでしょうか。
○国務大臣(岩屋毅君) 重要影響事態にしても国際平和共同対処事態にしても、それは地理的な要因を前提にしたものではないというふうに承知をしております。
○井上哲士君 ですから、法的には世界中どこでも、イラク戦争とか湾岸戦争などのような事態を想定した国際平和共同対処事態において、米軍戦闘機が「いずも」で給油を受けて、他国領土への爆撃で発進していくことが可能になっているんですよ。ですから、これ、世界中で給油とそして滑走路を提供することができるということになっているんですよ。私は、こんな、憲法の下で許されない空母化の中止を強く求めたいと思います。
 最後に、時間もありませんので補正予算の問題で聞いておきますが。
 この間、軍事費は、当初予算で増えて、更に補正でも計上されて、毎年最高額を更新をしてまいりました。本補正予算では、防衛省所管分は三千九百九十八億円と巨額になっておりまして、一七年度補正と比べても二倍近い数でありますが、これは補正の計上額としては最大ではないかと思いますが、どうか、それから何を今回補正に計上したのか、お答えください。
○国務大臣(岩屋毅君) 先ほどの先生のお話では、事態認定が行われれば必ずそういうことを行うかのようなお話でございましたが、当然、何を行うかという計画を立て、国会等の関与をいただいて決定をするということでございます。
 補正予算についてでございますが、主な内容といたしましては、自衛隊施設や自家発電機の整備、防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策を行うための経費、厳しさを増す安全保障環境や頻発する自然災害に対応するため、装備品の早期納入など自衛隊の安定的な運用態勢の確保のための経費、それから、隊員のための隊舎、宿舎等の整備や営舎用備品等の確実な更新など、隊員の生活、勤務環境の改善を図るための経費等でございます。
○井上哲士君 いろいろ言われましたけど、ステルス戦闘機F35Aとか哨戒ヘリなどの装備品の購入費、これが、三千百七十七億円が大半なんですよ。しかも、これは元々来年度予算の概算要求に計上をされていたものを前倒しで補正に入れたんですね。何でこういうことにしたんですか。
○国務大臣(岩屋毅君) これは累次説明をさせてきていただいたように、非常に厳しさを増す安全保障環境に一刻も早く対応するために、企業に前倒しで支払を行うことで製造工程の進捗を図り、必要な装備品を着実かつ可能な限り早期に取得するためでございます。
○井上哲士君 財務大臣にお聞きしますけれども、補正予算とは財政法でいかなる場合に組むことができるんですか。
○国務大臣(麻生太郎君) これは御存じのように、防衛費に係ります補正予算につきましても、いずれにいたしましても、いわゆる緊急事態とかそういったような状態に合わせて、当初予算の成立後にも、いわゆる、最近では対自然災害とかいろいろありますけれども、そういったものを含めまして、自衛隊の運用態勢が今話がありましたように厳しさを増しております中では、我々としては、安定的な運用を確保するために、我々といたしましては予算制度に従って緊要性のある経費を計上してきておると思っております。
○井上哲士君 今回の前倒しは災害とか関係ないんですよ。しかも、これFMS契約ですよね。FMSというのは、もう既に契約した内容を前提にやっているんです。しかも、納期はアメリカが握っているわけですね。これを前倒しにしたことによって何か納入早まるんですか。
○国務大臣(岩屋毅君) 何がどの程度早まるかということについて確定的に申し上げることはできませんけれども、というのは、今、米側と調整中でございますが、早まることは確実でございます。
○井上哲士君 そういうのは緊要って言わないんですよ、願望だけじゃないですか。こんなことで何で前倒しができるんですかね。こういう法に定める要件をないがしろにしてこの法制の仕組みを濫用しているという形が、私は、安倍政権後ずっと補正に防衛費が組み込まれることが行われてきたと思いますけれども、これはやはり改めるべきじゃないですか。総理、いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 既に防衛大臣から、またあるいは財務大臣から、この補正予算に計上した理由、正当性について答弁をさせていただいているところでございますが、格段に速いスピードで厳しさと不確実性を増す安全保障環境にしっかり対応して、国民の命を守り、平和な暮らしを守り抜いていく考えであります。
○井上哲士君 安倍政権で補正で毎年度のように当然のように二千億円前後が防衛費に計上されてきました。今回、倍に膨れ上がったわけで、今のような説明付けたらもう歯止め利かなくなりますよ。それは必ず予算の圧迫や負担増の形で国民に回るわけでありまして、こういうことはやめるべきだということを強く求めまして、時間ですので質問を終わります。
○委員長(金子原二郎君) 以上で井上哲士君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(金子原二郎君) 次に、薬師寺みちよ君の質疑を行います。薬師寺みちよ君。
○薬師寺みちよ君 無所属クラブの薬師寺みちよでございます。本日もよろしくお願いいたします。
 総理、まず、豚コレラの対策につきまして教えてください。
 昨年九月、岐阜県の養豚場におきまして、我が国では二十六年ぶりとなる豚コレラが発生をいたしました。豚コレラとは、いわゆる豚、イノシシに特有の家畜伝染病でございますけれども、昨日、愛知県で確認された後に、その養豚場から出荷された豚が岐阜、長野、滋賀そして大阪、四府県で一気に広がりまして、昨日一日だけで五府県に広がった、拡大したということが明確になってまいりました。各府県では処分の対象というものが一万六千頭を超えている、大変な被害でございます。
 昨日、関係者閣僚会議行っていただいたとも私伺っておりますけれども、今後の対策につきまして明確にお示しいただけますでしょうか、お願い申し上げます。
○国務大臣(吉川貴盛君) 豚コレラの件につきまして、私からまず御報告と対策についてお話をさせていただきたいと思います。
   〔委員長退席、理事山下雄平君着席〕
 ただいま委員から御指摘をいただきましたように、先週まで岐阜県で七例の発生がございました。さらに、昨日、愛知県豊田市の養豚場で、岐阜県以外では初となりますコレラの発生が確認をされたところでございます。昨日、愛知県等において確認されました豚コレラにつきましては、自衛隊の派遣を受けるなど、速やかに殺処分、さらには埋却等の防疫措置を実施をしているところでございます。
 さらに、愛知県豊田市からの豚が移動をしていたことが分かりました。これは子豚が、長野県、岐阜県、滋賀県、大阪府の関連農場にその豚が移動をしておりました。直ちにそういった関連農場にも対応をいたしまして、殺処分の処理を行っているところでもございます。
 さらに、昨日は、岐阜県及び愛知県の両知事のほか、長野県、滋賀県、大阪府の陪席の下、豚コレラ関係閣僚会議が夕方、開催をさせていただきました。官房長官主導の下であります。政府、関係自治体が一体となってこの豚コレラ対策を進めることをまずは確認をさせていただきました。
 農林水産省といたしましては、まず、今回の事例の早期の封じ込めを図るために、愛知県等関係自治体との連携を強化をいたします。関係農場における異状の有無の確認とともに、さらには関係府省、都道府県、関係機関と連携をいたしまして、迅速な防疫措置を実施し、豚コレラの蔓延防止に全力を尽くしてまいりたいと思います。
 まず、岐阜県と愛知県の県境には防護柵、イノシシのですね、も国の責任において今実施もいたしております。さらに、岐阜県は養豚場が三十五ございます。愛知県、百九十八ございます。これらの養豚場に対しまして、防疫の調査チームを編成をいたしまして、徹底して、これ以上広がりませんように我々国の責任においても指導も徹底をしてまいりたいと思いますし、また、県の自治事務にもなってもございますので、県の皆さんにもしっかりと御協力をいただき、蔓延防止に努めてまいりたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) もう大体詳細について農水大臣から答弁したとおりでございますが、政府としては、いずれの事案においても、確定診断の後、直ちに徹底した防疫措置を講じてまいりました。さらに、昨日、岐阜県以外の複数の農場で初めて豚コレラの発生が確認されたことから、直ちに防疫措置を開始するとともに、緊急に関係自治体の知事等も交えた関係閣僚会議を開催をし、関係省庁と自治体が密接に連携をし、感染拡大防止のために迅速かつ徹底した防疫措置を講じていくことを改めて確認したところであります。
 養豚農家の方々に一日も早く安心していただけるように、引き続き、やれることは全てやるとの考え方の下、迅速かつ徹底した防疫措置に万全を尽くしてまいりたいと思います。
○薬師寺みちよ君 よろしくお願いいたします。
 風評被害も心配されておりますし、二十六年ぶりということで、どういう症状があったらということもなかなか御理解いただいていないようでございます。これから政府の皆様方一丸となってこの対策、強化していただきますよう、再度お願いをさせていただきます。
 では次に、私も虐待の話題につきまして総理に質問させていただきたいと思っております。
 もう既に何人もの議員が質問しておりますけれども、昨年二月は結愛ちゃん、そして今年一月は心愛さん。二度とこういうことを起こさないためには、私ども国として何をすべきなのかということを明確にしていかなければなりません。
 平成二十九年度に児童相談所が対応した児童虐待の件数、十三万を超えているんです。(資料提示)うなぎ登りじゃないですか。これを何とかまず抑えていかなければ、虐待死はなくならないんです。国として、虐待の対策を地方自治体任せにして本当にいいのか、児童相談所任せにして、それだけで本当にいいのか、抑えられるのか、真剣に私は取り組むべきときだと思っております。
 社会問題化したにもかかわらず、この日本には国の虐待防止を推進するセンターがないんです。これ、おかしくないですか。虐待を通報されても、今、煩わしいと引っ越しをなさる。自治体から自治体へ連携をどれだけ強化しても、それが足りないことがもう明白なんです。ということは、国の関与をもう少ししっかりとしたものにしていき、そして地方自治体をきめ細やかに指導するような、そんなセンターの創立が私は急務かと思いますけれども、総理、どのようなお考えをお持ちでいらっしゃいますか、お願い申し上げます。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 委員が御指摘になったように、昨年の結愛ちゃんの後、今回も心愛ちゃんのこの悲痛な声に我々が対応できなかったということは、本当に悔やんでも悔やみ切れない思いでございます。その上で、必要なデータの収集又は分析を行うことや転居事案に対し適切に対応していくことは、児童虐待の防止対策として有効であると認識をしております。
 昨年、私が児童相談所を訪問した三重県では、AIを活用し、例えば衣類の汚れや夫婦の不和、あるいはあざの部位等によりリスクの高さを判断する取組を行っていました。こうした取組が全国に展開されるよう、その効果に関する調査研究を実施をしています。また、転居事案の対応については、昨年七月の緊急総合対策に基づきまして、転居した場合の児童相談所間における情報共有の徹底、そしてICTを活用した効率的な情報共有のシステムの整備などに取り組んでおります。
 これらの取組に加えまして、確かに、この児童虐待数は相当多いという中において、現場は本当に大変なんだろうと、こう思うわけであります。更にどのような取組が可能か検討し、何よりも子供の命を守ることを最優先に、あらゆる手段を尽くして、やれることは全てやるという強い決意で児童虐待の根絶に向けて全力を尽くしてまいります。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 私はなぜこのセンターの設立をお願いするかと申しますと、自殺対策で成功したからなんです。二〇〇三年に三万三千人、一年間で自殺でお亡くなりになる方がいらっしゃいました。しかし、きめ細やかに市町村の皆様方と手を組み合いながら、そして二十八年度には自殺総合対策支援センターというものを議員立法で設立し、そして昨年度二万人、いわゆる一万人の自殺者が減ったんです。まだまだ二万人自殺をする方はいらっしゃいますけれども、そのように成功事例をしっかりと横につなぎながら、私は、このセンターの設立、絶対に必要だと思っておりますので、再度総理にもお考えいただきたいと思います。
 それに加えまして、もう一つ私からお願いがございます。
 しつけに名を借りた保護者の暴力、虐待が後を絶たない。なぜこんなことが起こるのか。やはり、日本社会にはそれを許容する土壌があるのではないかと今までも言われておりました。あるNGOが調べてまいりました意識調査によれば、日本人が体罰することに対して六割近い方、許容していらっしゃるような調査結果というものが出ていました。残念でございます。しつけとしての体罰がどこまで許されるのか、明確な線引きが今、日本にはないんです。虐待を減らすためには法的措置だけでは足りない、これは私も重々分かっております。しかし、しつけによる体罰をある程度やむを得ないというこの社会の意識全体を変えていかなければ、虐待はなくならないんです。
 世界を見てみます。そうしますと、家庭を含みましてあらゆる状況において子供たちの体罰を法的に禁止している国、今は五十四か国、これだけに増えてきていることが分かっております。日本には懲戒権というものがございます。いわゆる監護、教育に必要な範囲内でその子を懲戒する、制裁を与えるということの権利ございますよね。やはりしっかりここからして変えていかなければならない。体罰は許されないという公的なメッセージを私は発するためにも、この懲戒権というのを削除、提案をしてみたいと思いますけれども、法務大臣、いかがでいらっしゃいますでしょうか。
○国務大臣(山下貴司君) お答えいたします。
 委員御指摘の懲戒権に関する民法八百二十二条の規定につきましては、これは御指摘のとおり、しつけの名の下に虐待を正当化する口実に利用されているという指摘が従来ありまして、それが平成二十三年の民法改正の際に規定を見直しております。そして、懲戒権は子の利益のために行使されるべきもので、子の監護及び教育に必要な範囲を超える行為は懲戒権の行使に当たらないことを明確にする改正を平成二十三年の民法改正のときに行っております。
   〔理事山下雄平君退席、委員長着席〕
 したがって、懲戒権はあくまでも子の利益のため、監護、教育に必要な範囲で行使されるものでありますから、怒りに任せて子供の体に傷害を負わせたり、あるいは罵声を浴びせて心理的な虐待を加えるといった児童虐待に当たるような行為がおよそ懲戒権の行使に当たらないということは、これは改正の経緯からも明らかであるというふうに考えております。
 したがって、現行の懲戒権に関する民法の規定は子の利益に配慮したものとなっていると認識しておりますけれども、この規定の在り方につきましては、御指摘を踏まえて、必要な検討をしてまいりたいと考えております。
○薬師寺みちよ君 大臣、是非そこの見直しをお願いしたいというところで、一つ御提案がございます。
 やっぱり、世界で初めて法改正をいたしまして体罰をあらゆる場面で禁じた、それがスウェーデンでございます。一九六〇年代では、体罰に肯定的な方が六割近くやはりスウェーデンでもいらっしゃったそうです。しかし、そういう法律を作り、体罰というものは絶対に法的に規制するんだということが行われましたら、二〇〇〇代には体罰を許容するという方が一割まで減ってしまった。やはりしっかりと明確なメッセージを私は国として発するべきだと思います。
 懲戒権というものをそれを削除する、容易なことではないことは私も分かります。しかし、懲戒権を残すのなら、せめて体罰を禁ずるということを明確に私はそこの中に明記すべきだと思いますけれども、もう一言御意見いただけますでしょうか、お願い申し上げます。
○国務大臣(山下貴司君) お答えいたします。
 体罰ということに関しましては、これは法律上の定義、規定があるわけではございません。したがって、どのように定義するかということではございますけれども、仮におよそ子供に対する有形力の行使、これが体罰だというふうに広く定義してしまいますと、例えば夜徘回する子供に対して言い聞かせている、それを振り切って出ていく、それについて例えば手を握る、これも有形力の行使で体罰になるということにもなりかねないということで、やはり社会常識においてこれは虐待に当たるものというものはこれは許されないということで今考えているわけでございます。
 また、懲戒権の行使、それ自体が例えばその虐待の正当理由にならない、なり得ないということは、これはもう繰り返し申し上げておきたいと思っております。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 しっかりと社会全体で子供たちを守っていくという意識を高めていかなければ、やはり叱責をされているのを見て、殴られているのを見て、しつけだと言われてしまうと困るから通報はやめていこうじゃないかと、そんな動きが出てきてはいけません。いちはやくという番号に誰でも電話できるような、そんな本当に子供たちの笑顔があふれるような日本をつくりたいのであれば、もっと国としてできること、明確に私はもう少し政府の方でもお考えいただきたい。そして、私ども政治の責任でもございますので、一人一人が議員として考えていくべきだと思っております。是非、今後とも検討を進めていただきたいと思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。
 それから、次の課題に移りますけれども、喫緊の課題といたしまして、実は重大なことが起こっております。
 科学の世界では私どもの想像を絶したことが起こっております。中国の科学者が受精卵にゲノム編集を行った、その赤ちゃんが中国で生まれたと報道がございました。全世界の科学者の中で激震が走りました。来たかということなんです。ゲノム編集、いわゆる人間を品種改良してしまうんじゃないか、そんな懸念があるような声もございました。人間の種の根源に関わる脅威でもございます。
 私も様々なアカデミアの先生方にお話を伺いました。皆様方は大変な装備がなければ今ゲノム編集ができないと思っていらっしゃるでしょう、でも、この先生の部屋でも、先生がちょっと訓練すれば、キットが送られてきますから、そのキットに基づいて手順書を読めばあっという間にゲノム編集なんかできてしまう、それが今の技術なんですということなんです。こんなに恐ろしいことがやはりまかり通っているようなそんな世界では、私はこれからの健康も維持していくことができないと思っております。
 日本でも、四月から、研究でゲノム編集を行った受精卵を子宮に戻すことは指針で禁じられることになってしまいます。しかし、中国で行われたのは研究ではありません。実践でございます。臨床でございます。そういう子供が既に生まれてしまいました。私は、この医療で行うことが今できるかどうか、まずは大臣に確認をさせていただいてもよろしゅうございますでしょうか。お願い申し上げます。
○国務大臣(平井卓也君) 委員の問題意識をよく分かった上で、まず最初に私の方からお話しした方がよろしいかと思いまして、答弁させていただきます。
 先ほど言っていたCRISPR―Cas9なんかは、確かにもういろんなところにもう安い値段で、特に研究開発だと行っていますし、私も今CSTIを担当させていただいておりますので、先生方とはもういろいろと意見交換もさせていただいています。
 このゲノム編集技術に関しては、その医療に係る法律は厚生労働省、そして基礎研究に係る法令は文部科学省なんです。そして、私の立場は、そのヒト胚の取扱いに関する基本的な考えの検討をCSTIでやっていくということです。
 委員もさっきお話しになりましたけど、平成三十年三月、総合科学技術・イノベーション会議、CSTIにおいて、ゲノム編集技術を用いたヒト受精胚を臨床応用することは容認できないことを発表しました。一方で、基礎的研究については段階的に対応、検討を進めることを取りまとめています。
 これに基づきまして、生殖補助医療研究を目的とした基礎的研究については、文部科学省、厚生労働省においてパブリックコメントを踏まえた具体的な指針作りが今進められておりまして、先月、CSTIの生命倫理の専門家会議においてそれを確認したところです。
 今後、文部科学省、厚生労働省の両省により指針が策定されるということでございますので、今後とも、両省と連携しながら、専門家会議において検討を進めてまいりたいと思います。
○国務大臣(根本匠君) 今委員がお話しになったように、そして、今、平井大臣からもお話がありました。ゲノム編集を行った受精卵を子宮に戻す行為が現時点でこれは仮に行われるとすれば、基本的には臨床研究として位置付けられて、これは指針のルールに服することになります。
 そして、一方、個別の医療行為については、患者の治療を目的として高度な専門性に基づく医師の裁量の範囲内で実施されることになりますので、一律に法で規制されるものではなくて、現時点でゲノム編集を行った受精卵を子宮に戻す行為を医師が医療として行った場合には、これを規制する法は現時点ではありません。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 そうなんです。医療で行う、規制していないんです。このデザイナーベビー、今までは映画の世界のことでした。しかし、こんな色の子供が欲しい、このぐらいの鼻の高さの子供が欲しい、そんなことが当たり前のように出てくる。やはりこれはしっかり法で規制するべきではないですか。総理、御意見いただけますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど両大臣から答弁をさせていただいたところでありますが、中国の研究者がゲノム編集技術を用いて双子の女児を誕生させたことについて、中国当局の調査チームが事実と認定したことは承知をしております。
 我が国では、昨年三月、総合科学技術・イノベーション会議、CSTIで、ゲノム編集技術を用いたヒト受精胚について広く国民の皆様の御意見も伺ったということは答弁させていただきましたが、伺った上で、その基礎的研究は段階的に対応、検討を進めることとした一方、臨床利用は容認できないとする報告書を取りまとめたところであります。
 委員御指摘のとおり、この問題については法的規制の在り方も含め、今後国民的な議論が必要であると考えております。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 これは医療だけの問題ではないんです。国の安全保障にも関わる問題なんです。全く知識がない方がこういうふうにしてくれということでオーダーする、例えば日本人だけにかかりやすいようなウイルスがその中に組み込まれてしまうようなことがあれば、これは種の保存といった意味においても脅威なんです。
 ですから、こういう技術を悪用する方もいらっしゃるかもしれないですし、今回の中国でも倫理的な問題というものを飛び越して虚栄心だけで行ってしまった。やはりそういうことが世界では行われる可能性があるということは私どもしっかりと頭に入れて、これからの科学研究というものも進めていかなければならないと思います。
 その上で、総理、私もお願いがございます。
 今、これ、日本だけで規制できるものではございません。世界共通のコンセンサスとして行っていかなければ、実はこの日本、不妊治療大国でございます。多くの外国人の技術者も日本に来て、そういう技術で様々なもの、いい医療として提供してくださってはおります。しかし、海外から技術者が入ってくる、そして海外にそういう受精卵を送って操作をする、そういうことも考えられますので、しっかり国際的に、やはり大国で、商業主義の下、このような技術が活用されないように、しっかりと条約の発議、そしてコンセンサスを得るための仕組み、日本が私は主導をしていただきたいと思いますけれども、御意見いただけますでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ヒト受精胚に対するゲノム編集技術についてどのように規制を行うかは、今委員がおっしゃったように、世界各国共通の課題であり、国際的なコンセンサスの下に対応することが重要であると私も考えております。
 現在、WHOを始め国際的な場でも議論が始まりつつあることから、我が国としてもそのような場を通じてコンセンサスの醸成に積極的に参画してまいりたいと考えております。
○薬師寺みちよ君 もう是非積極的にお願いいたします。今、こういう技術開発が、速度が進み過ぎまして制度が追い付いていっていないという、それが現実でございます。そして、この国の、日本人の情報を守るためのゲノム情報というものをこれからどのような形で、安全保障というもう概念で考えていくのかということも必要になってまいります。
 是非、私、今日様々なお話をさせていただきましたけれど、特にこのゲノムの問題につきましては、日本がこれから抱えるべきであろう未来の問題として皆様方にもお受け止めいただきたいと思い、今日は質疑をさせていただきました。
 是非、今後とも前向きな検討をいただけますようお願い申し上げまして、これで終了とさせていただきます。
 ありがとうございました。
○委員長(金子原二郎君) 以上で薬師寺みちよ君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(金子原二郎君) これより締めくくり質疑に入ります。大野元裕君。
○大野元裕君 国民民主党、大野元裕でございます。
 障害者雇用水増し不正問題に関連し、法務省、最大の水増しとされた国税庁及び多様な勤務形態が予想される防衛省、本年度及び本年中に雇用を予定する障害者数と関連する予算額について、それぞれ教えてください。
○政府参考人(西山卓爾君) お答えを申し上げます。
 まず、雇用予定者数でございますが、法務省においては、平成三十一年一月一日から十二月末までの一年間に障害のある方々合計約六百三十二人を採用することとしており、本年度中、すなわち平成三十一年三月末までには、そのうち三百八十三人を採用する予定でございます。このほか、外局である公安調査庁においても、本年度中に二十五人を採用する予定でございます。
 次に、予算でございますが、平成三十年度補正予算(第2号)案に関連予算は計上しておりませんが、本年度中に必要となる経費については既存の予算において対応することとし、障害のある方々の雇用及びそのための環境整備を進めているところでございます。
 なお、平成三十一年度予算案につきましては、雇用に直接必要な経費として約二十二億四千万円、障害のある方々を雇用するための環境整備に係る経費として約六億円、合計約二十八億四千万円を計上しているところでございます。
○政府参考人(武田博史君) お答えいたします。
 防衛省としても、本年末までの障害者採用計画を策定しており、防衛省本省と防衛装備庁を合わせた防衛省全体で申し上げますと、本年度末、すなわち三月末までに三十五人、本年末、すなわち十二月末までに三百八十二人の採用を計画しております。なお、この三月末と年度初めの四月の採用により全体の約七割を採用し、その後、順次年末にかけて三百八十二人全員の採用を計画しているところでございます。
 また、三十年度補正予算案において、障害者雇用に関連する経費といたしまして、歳出ベースで約四億八千五百万円を計上しているところでございます。
○政府参考人(並木稔君) お答えいたします。
 国税庁においては、平成三十一年末までの障害者採用計画を策定しておりまして、平成三十年度末までに五百五十名、平成三十一年末までに五百四十六名、合計千九十六名の障害者の方を追加で採用する計画といたしております。
 また、平成三十年度補正予算案においては、障害者雇用関連経費として約一億六千五百万円を計上いたしております。
○大野元裕君 法務省は、確かに予算で、実は補正ではゼロなんです。法務省、障害者のバリアフリー施設等の対応を、補正ではなく、なぜ三十一年予算で行おうとしているんですか。
○国務大臣(山下貴司君) お答え申し上げます。
 法務省といたしましては、障害のある方々のバリアフリー施設等の対応に関し、本年度に実施可能なものについては既存の予算で対応できる、することとしておりました。そして、工事計画などの調整に期間を要して、着手あるいは物品の納品時期が来年度の相当の時期になると見込まれたものについては平成三十一年の予算案に計上したという処理をさせていただいたところでございます。
○大野元裕君 実は、私に対するレクのときには、どのような障害の人が雇うことになるかが補正の段階では分からないのでという答弁がありました。それは違うんですか。
○国務大臣(山下貴司君) お答え申し上げます。
 私どもの認識といたしましては、本年度に実施可能なものについては既存の予算で対応する、そして、納期あるいは工事の着手の時期において来年度でというものについては来年度というふうに考えております。
○大野元裕君 私には実は御省の方は違うように答弁されたんですが、逆に伺います。
 そうすると、国税庁及び防衛省では、補正予算の段階でどのような障害をお持ちの方を何人雇用するのかを把握できていてこの予算を要求したんでしょうか。
○政府参考人(並木稔君) お答えいたします。
 先ほど申し上げましたとおり、現在、人事院が実施する障害者を対象とした選考試験やハローワークの活用などによりまして採用に鋭意取り組んでいるところでございますけれども、採用に当たりましては、公正な採用選考を行うとの観点から、応募者個々の能力、適性等により判断をする必要がございますため、あらかじめ身体障害者、精神障害者、知的障害者の区分や人数を定めて採用を行っているものではないということを御理解いただきたいと存じます。
○政府参考人(武田博史君) お答えいたします。
 防衛省全体といたしましては、先ほど申し上げたように、本年末までに合計三百八十二名の障害者の方々を採用することといたしておりますが、採用に当たっては、応募者個々人の能力や適性等を総合的に評価し採用を行うこととし、あらかじめ身体障害者、精神障害者、知的障害者の種別やそれぞれの人数を定めてはおりません。
○大野元裕君 法務省のように、もしまた来年度予算でやるならまだ分かるんです、バリアフリー施設等を。だけど、今のように、それぞれの種別で全く分からないで予算組むというのは、私には若干積算根拠がないようにも思えます。
 そこで、政府全体についてお伺いしますが、厚労大臣、本年度及び本年中に雇用を予定する全体の障害者数、そして、財務大臣、関連する補正予算の額について教えてください。
○政府参考人(土屋喜久君) お答え申し上げます。
 数字でございますので、私の方から御説明させていただきます。
 平成三十年六月一日現在におきまして法定雇用率が未達成であった府省につきましては、本年一月一日を始期とした障害者採用計画を策定していただいておりまして、当該計画に基づきまして、各府省におきまして本年三月末までに千四百九十一・五人。これは短時間労働の方を〇・五人とカウントするというのが雇用率制度でございますので、〇・五人という部分が出ております、一千四百九十一・五人。本年四月から本年末までの間に二千五百八十四人。合計四千七十五・五人の採用が予定されていると把握しております。
○国務大臣(麻生太郎君) 公的部門におけます障害者雇用に関する基本方針というのでございますので、各府省におけます採用計画を踏まえまして障害者の雇用を進めていく中で行政機関全体として必要となる経費ということだと思いますが、三十年度の二次補正予算において二十一億円、三十一年度予算において百六十四億円を計上させていただいたということであります。
○大野元裕君 これ、多分障害の度合いに応じて、例えばコンピューターが必要だとか、あるいはバリアフリーの施設が必要だ、トイレがどうだとかと、これ一々議論になるはずなんですが、雇用をする方の障害者種別を想定できない中で財務省はどうやって補正予算を査定されたんですか、教えてください。
○国務大臣(麻生太郎君) これは、大野先生御指摘のとおり、いわゆる障害の種類と、いわゆる心身障害者とか身体障害者とか知的障害者とか、いろいろ障害の種類がございますので、そういった意味での種類に応じて働きやすい環境を整備するという必要があろうと思っております。基本方針におきましても、障害特性等を適切に踏まえ、広く働きやすい就労機会を提供することに努めるとされているところであります。
 実際に、採用される方のいわゆる障害の種類につきましては、障害者の方の応募状況等によってこれは当然変動いたしますので、そういった応募状況に応じて、これは採用するには柔軟に対応しておかないけませんので、障害の種類ごとの採用予定数をあらかじめ決めておくというのもちょっとなかなかそういうわけにはいきません。
 したがいまして、お尋ねの予算計上に当たりましては、可能な限りに活用し得るデータというものを利用させていただいていろいろ経費の見積りを立てているところなんですが、障害者の雇用につきましても、各府省が置いた障害の種類に関する一定の仮定、基本的にはハローワークということになろうかと思いますが、ハローワークにおけるいわゆる求職者シェア等々に基づきまして、作業環境を整えるためのいわゆる機器の導入とかバリアフリーとかいろんなものが出てきますけれども、環境整備についても所要額を見込み、適切に予算を計上させていただいているところだと思っております。
○大野元裕君 そうなんです、全体、ハローワークなんですよ。
 これは、実は一番最初の段階で障害者雇用を始めましょうというのだったらまだいいんです。しかし、これは、これだけ指摘をされておいて、適切にしかも迅速に雇う必要が政府全体としてある問題です。
 総理、もしこれは民間企業であったとすれば、一年間に障害者雇用をしない、そのための納付金を例えば払ったとします。これは、追徴額を入れて二十五億五千七百五十万円になるんです。その分を政府は、本来は、民間企業であれば拠出しなければならないぐらいの深刻な問題なんです。にもかかわらず、これは誰一人として責任取っていないんです。
 その上に、更に税金を投入すること、これには反省も必要だろうし、重みも当然感じる必要がある。だからこそ、私は、関係閣僚者会議を開いて、その上できめ細かい対応を政府として決定されたんだと理解をしますし、また、総理は本件について三十一年末までの採用達成に向けて政府一丸となって取り組むというふうに既に答弁されております。だとすれば、大ざっぱな形での仮定ではなくて、私は、総理がしっかりとした指導力を発揮して政府で統一した対応、仮定を持つように指導されるべきだと思いますけれども、その意気込みをお願いします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 昨年発覚した障害者雇用の問題に対応するため、各府省において三十一年末までの障害者採用計画を策定し、障害のある方の雇用を進め、活躍の場の拡大に努めてきたところであります。
 その際、特定の障害の種類を限定せず、それぞれの障害特性や各府省の準備状況を踏まえて雇用を進めていくことが重要であり、障害の種類ごとの採用予定数を採用計画に明記することとはしていないところでございますが、予算措置に当たってはこのような各府省個別の事情を踏まえて所要額を適切に予算計上しているところでございますが、仮にこうした事情を踏まえることなくあらかじめ一律に障害の別を固定してしまうとすれば、かえって現実にそぐわない対応となる可能性もあって適当ではないと考えておりますが、いずれにいたしましても、これ政府として、全体として今取り組んでいるものであります。
○大野元裕君 済みません、その程度ですか。いずれにしても、政府として取り組むんじゃなくて、これは指導力を発揮するべき問題だと思います。是非、そこをお願いいたします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 確かに、委員が御指摘になったように、各民間の企業においては、民間の企業がその定数に達していない場合は、言わばこれはお金を支払って、納付金を支払っていただくと、それは企業の事情によって納付金を支払うということはやむを得ないと考えているところもありますし、結果としてそうなったところもあるんだろうと思います。
 政府としても、一億総活躍社会を大きな政策として掲げていながら足下がこうしたことになったということについては、私も責任を感じているところでございまして、しっかりとこれは政府一丸となって達成に向けて全力を尽くしていきたいと考えております。
○大野元裕君 国会の職員についても実は同じことがあります。
 そこで、委員長にお願いですけれども、これは障害者不正のみならず統計問題にも共通なんですけれども、大臣が細部まで分かることはないんだと思います。ただ、発覚したときにどう対処するかがとても大事なので、是非、委員長、本件予算措置に関する政府の統一した対応について調査をしていただく、見解を求めていくということが一点。そして、もう一つは、その執行状況について委員会として説明を聴取するよう是非お取り計らい願います。
○委員長(金子原二郎君) 後刻理事会で協議をさせていただきます。
○大野元裕君 総理、日米間の二国間貿易協定について伺います。
 米国の通商代表部、USTRは日米貿易協定と呼称しているようですが、総理は物品貿易協定、TAGと呼んでいます。どちらが両国間で合意された名称ですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 交渉を開始して合意した協定について日本側が日米物品貿易協定、TAGと呼ぶことは、昨年の日米共同声明に向けた協議の中で茂木大臣からライトハイザー通商代表に伝えていると承知をしておりますが、詳細はこの後、まさにその協議の場で協議を担当した茂木大臣から答弁させたいと思いますが、いずれにせよ、今後の交渉は両国が合意した日米共同声明に沿って、のっとって行ってまいります。
○国務大臣(茂木敏充君) 日本側と米国側でどうしても表現違ってくる部分はあるんですね。資料で出していただいているように、アメリカですとユナイテッドステーツ・ジャパン・トレード・アグリーメントと、日本だったら絶対ジャパン・ユナイテッドステーツですから、一緒にならないところは出てくるわけですけれども。
 昨年九月の日米共同声明で合意をいたしましたのは、日米の物品貿易協定について、また他の重要な部分で早期に結果を生じ得るものについて交渉を開始するということで合意いたしまして、今総理の方からもありましたように、これを、日本としてこの交渉をTAGと呼ぶことについては、私からライトハイザー通商代表にもしっかり話してございます。
 そして、私とライトハイザー通商代表との間で合意した内容、これは共同声明に反映されておりまして、その内容が全てでありまして、この点については日米間にそごはないと考えております。
○大野元裕君 このUSTRの交渉目的文書ですけれども、総理、昨年の十月、衆議院において、両国の貿易協定について、今回の日米共同声明ではサービス全般の自由化や幅広いルールまで盛り込むことは想定していないと述べられました。
 しかし、ここにあります二十二項目、USTRが示していますが、そのうち、総理が述べられた物品貿易のみで構成される項目は幾つを占めていらっしゃいますか。
○国務大臣(茂木敏充君) まず、交渉目的の項目数イコール交渉内容に占める割合ということではないということを申し上げた上で、USTRが昨年十二月二十一日に公表いたしました日本との交渉目的にある二十二項目のうち物品貿易に直接関わる項目として考えられますのは、物品貿易、及び関税、貿易円滑化及び原産地規則の二項目でありますが、ただ、この内容はあくまでも米国でTPA、貿易促進権限を取るのに当たっての一般的な手続と理解いたしております。
 先生の資料を見ましても、テーブル・オン・コンテンツとございまして、下から七番目辺り、アンティコラプションと書いてあります、腐敗行為の防止と。恐らく、日米間で腐敗行為の防止について協議するということは考えられないと思っておりますが、一般的なひな形でこういったものを作っていると考えております。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま茂木大臣から答弁をさせていただきましたように、USTRが公表した文書はTPAに基づく一般的な手続の一つであると我々は理解をしておりますが、いずれにしても、先ほど申し上げましたように、今後、日米が交渉していくものは、私とトランプ大統領との間で合意をいたしました日米共同声明にのっとって、沿って行っていくということでございます。
○委員長(金子原二郎君) 時間です。
○大野元裕君 時間なのでまとめますけれども、二十二項目のうち、総理がそこまで想定していないと述べたのは実は二十項目なんです。やはり我々はしっかりとこれから安倍政権の外交姿勢、特にこの日米貿易協定についてはただしていくことを最後に申し上げさせていただいて、質問とさせていただきます。
 ありがとうございました。
○委員長(金子原二郎君) 以上で大野元裕君の質疑は終了いたしました。(拍手)
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○委員長(金子原二郎君) 次に、福島みずほ君の質疑を行います。福島みずほ君。
○福島みずほ君 立憲民主党・民友会・希望の会の福島みずほです。
 沖縄の辺野古の新基地問題について御質問をいたします。
 二〇一六年三月、防衛局の報告書が出ました。軟弱地盤についてどう報告しているか、説明してください。
○国務大臣(岩屋毅君) そのときの調査、平成二十八年三月にまとめられた報告書でございますが、この報告書の段階では調査地点が限定をされておりましたので、新たに追加のボーリング調査を行って、昨年末にその中間報告を得たところでございまして、そこにおいては軟弱地盤というものの可能性があるということでございました。
 しかしながら、その内容をよく検討をした結果、地盤改良工事が必要ではあるものの、一般的で施工実績が豊富な工法によりまして地盤改良工事を行うことによって、護岸や埋立て等の工事を所要の安定性を確保して行うことが可能であることが確認をされたところでございます。
○福島みずほ君 二〇一六年三月に出した報告書が軟弱地盤についてどう説明しているか、答えてください。
○国務大臣(岩屋毅君) 確かにその軟弱地盤の、何といいますか、可能性はあるということだったと思いますけれども、そのときの、そのときのボーリング調査というのは二十四か所でございました。非常に限られた地点での調査でございましたので、新たにその倍以上の五十二か所のボーリング調査を行うこととし、その結果、まだ中間報告で一部室内検査が残っておりますけれども、それを昨年の十二月に我々は中間報告の結果を得たということでございます。
○福島みずほ君 大浦湾のケーソン護岸設置箇所の水深三十メートルの海底に、厚さ四十メートルにN値ゼロという超軟弱地盤が広がっている、大浦湾の三工区一帯にも厚い軟弱地盤の存在が示されている、想定外だったということをこの二〇一六年三月の報告書では言っていますが、それでよろしいですね。
○国務大臣(岩屋毅君) しかしながら、先ほども申し上げましたように、この調査地点が極めて限定された数でございましたので、追加の調査をしっかりと行ったということでございます。
○福島みずほ君 限られた調査かもしれませんが、報告書、こんな出しているんですよ。
 その報告書、私がさっき言ったことでよろしいですね。N値がゼロが広がっているということでよろしいですね。
○国務大臣(岩屋毅君) その最初のその調査結果の詳細についての問いの御通告がなかったので今正確にはお答えができませんが、N値ゼロという地点があったことも事実だろうと思いますけれども、何度も申し上げておりますが、それだけでは調査が不十分であるということで追加の調査をしっかり行う必要があったということでございます。
○福島みずほ君 N値ゼロとは何ですか。
○国務大臣(岩屋毅君) N値ゼロというのは、国民の皆様にも分かるように説明をさせていただきたいと思いますが、ボーリング調査におきまして、所定の重さ、これは六十三・五キログラムプラスマイナス〇・五キログラムの重さのハンマーを所定の高さ、これは七十六センチプラスマイナス一センチの高さから落とした場合に、土中に三十センチ打ち込むのに必要な打撃回数のことでございまして、その回数をN値と言っております。これは土の硬さや締まり具合を判定する一般的な試験でございまして、N値ゼロと申しますのは、ハンマーをサンプラーに所定の高さから落下させる前にサンプラーが土中に三十センチ貫入したということを意味する数字でございます。
○福島みずほ君 まさにマヨネーズの状態なんですね。N値ゼロが広がっています。
 中間報告、去年末出したということですが、そこではその軟弱地盤についてどういうふうに結論を出していますか。
○国務大臣(岩屋毅君) 前回の調査も今回の調査もそうですが、現在私ども、国土交通省に審査請求をしている最中でございます。沖縄県の埋立ての承認の撤回を取り消されたいという、その審査請求をしている最中でございますので、詳細についてのお答えは控えさせていただきたいと思いますが、地盤改良工事が必要であるという判断を得たということでございます。
○福島みずほ君 総理は、地盤改良工事の追加に伴い沖縄県に対して変更承認申請を行う必要があると衆議院の本会議で答弁しました。
 知事が承認しない場合、その時点で辺野古新基地建設事業は頓挫をします。辺野古に基地は造れません。だったら、土砂投入、今すぐやめるべきじゃないですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 米軍キャンプ・シュワブの北側海域については、地盤改良工事が必要であるものの、一般的で施工実績が豊富な工法により護岸や埋立て等の工事を所要の安定性を確保して行うことが可能であることが確認されたと聞いており、地盤改良工事の追加に伴い沖縄県に対して変更承認申請を行う必要があるため、まずは沖縄防衛局において必要な検討を行っていくものと承知をしております。
 具体的な事柄につきましては、必要があれば防衛大臣から答弁させたいと思いますが、いずれにいたしましても、住宅や学校で囲まれた世界で一番危険とも言われている普天間飛行場の固定化は絶対に避けなければならないと、これが大前提ではないかと、こう思っております。
○福島みずほ君 変更申請が認められない限り、辺野古に基地造れないじゃないですか。だったら、土砂投入、やめるべきです。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 繰り返しになりますが、世界でも最も危険と言われている普天間飛行場の全面返還を実現するためには辺野古に基地を造る必要があるわけでございまして、そのための今まで努力を積み重ねてきた、その中で今回、申請変更をしているということでございます、変更申請をしているというところでございます。
○福島みずほ君 変更申請が必要と言いますが、沖縄県はまさに、まさに軟弱地盤を理由に埋立承認の撤回をしたんですよ。沖縄県の見解が正しかったということではないですか。
○国務大臣(岩屋毅君) それは、先ほどから申し上げておりますように、現在私どもは国交省に対して審査請求中でございますから、その判断を待たせていただきたいというふうに思います。
○福島みずほ君 軟弱地盤であることを認め、改良工事があることが必要で申請の変更が必要だったら、沖縄県がそれを認めない限り、工事はできないんですよ。今すぐ土砂投入、やめるべきです。
 総理、答えになっていないですよ。だって、承認が認められなければ工事できないんですから、一体のものじゃないですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど、変更承認申請を行ったと言ったんですが、これは行う必要があるためですね……(発言する者あり)いや、私が。まずは沖縄防衛当局において必要な検討を行っていくものと承知をしているが正しいので、訂正させていただきたいと思いますが。
 まさにそういうことでございまして、先ほども申し上げましたように、世界で一番危険とも言われている普天間飛行場の固定化を避けなければならないと。この中で、私たちも、これ長年にわたってこれは様々な政権においても検討してきているわけであります、また努力も重ねてきているわけでございますが、その中で、今回、沖縄県に対して変更承認申請を行う必要があるため、まずは沖縄防衛当局、防衛局において必要な検討を行っていくものと、このように承知をしております。
○福島みずほ君 答えていないですよ。
 政府は変更申請をする立場なんですよ。それは認められない可能性がある。だったら、今土砂投入すべきじゃないじゃないですか。工事はできないですよ。
○国務大臣(岩屋毅君) 現在工事を行っておりますのは、南側はいわゆる辺野古側でございまして、ここの工事には地盤上の支障はございません。したがって、今度、大浦湾側については、総理がおっしゃったように、設計変更の申請をやがてさせていただくことになるということでございます。
○福島みずほ君 両方の、基地は一体のもので、認められなかったら無駄じゃないですか、土砂投入。
○国務大臣(岩屋毅君) 私どもは、一日も早く普天間基地の全面返還を成し遂げるために着実にこの事業を進めさせていただきたいと思っておりますので、辺野古側における工事は着実に進めさせていただきながら、設計変更の申請を沖縄県側にさせていただいて、御理解をいただいてまいりたいというふうに考えております。
○福島みずほ君 通じないですよ。変更申請が認められなければ辺野古に基地造れないんですよ。こんな軟弱地盤、マヨネーズ状態でできないですよ。
 では、総理にお聞きします。改良工事の中身、工期、金額、教えてください。
○国務大臣(岩屋毅君) 今、中間報告ではありますが、調査結果を踏まえて工法を検討をしているところでございますので、現段階でそれを正確にお答えすることはできません。
○福島みずほ君 委員長、中間報告を提出するよう協議してください。
○委員長(金子原二郎君) 後刻理事会で協議をさせていただきます。
○福島みずほ君 中間報告も出していないんですよ。
 審査請求には書類出していますね。どういう中身ですか。
○国務大臣(岩屋毅君) 審査請求で書類を出させていただいておりますが、それを踏まえて国交省に審査をしていただくわけでございますから、その今過程にあるわけでございますから、現段階で明らかにすることはできませんが、しかるべき時期に、当然、沖縄県側に設計変更の申請をさせていただくわけですから、しっかりと説明をさせていただきたいというふうに思っております。
○福島みずほ君 審査請求に政府、書面出しているじゃないですか。六万本のくいを打つ、大浦湾の半分をやらなくちゃいけない。すさまじい環境破壊ですよ。サンゴも移植しなければならない。六万本のくい打つんでしょう、打つ必要があるんでしょう。
○国務大臣(岩屋毅君) その数が今確定をしているわけではありませんで、何度も申し上げますが、今検討中でございます。
 いずれにしても、いずれにしても、これまで実績のある工法を使えば沖縄側に示している環境への影響も最大値を下回る、つまり、クリアできるという工法をきちっと確定をして設計変更の申請をさせていただきたいというふうに思っております。
○福島みずほ君 改良工事が必要だといって、何で国会で説明しないんですか。六万本だったら何十年掛かるんですか。一日も早い普天間空港の返還なんて、ちゃんちゃらおかしいですよ。
○国務大臣(岩屋毅君) 私ども、抑止力を維持しつつ沖縄の負担軽減をするためにはこの方法しかないということで事業を進めさせていただいております。
 辺野古という場所に決まって、もう二十年近くがたつわけでございます。順調に推移していれば、今頃普天間基地は返ってきていたかもしれない、それを、それを思うときに、やはり御理解をいただきながら着実にこの事業を進めさせていただきたいというふうに考えております。(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) 速記止めて。
   〔速記中止〕
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。
○国務大臣(岩屋毅君) その何年掛かるかということをこの時点でお答えすることはなかなか困難でございます。
 工法によって、その地盤改良をしっかりと行うことによって工事は可能だということを私ども確認をさせていただいております。当然、一日も早くその事業が完成するように努力をしてまいりたいというふうに思っております。
○福島みずほ君 国会に報告書を出してくれるように要求いたします。
○委員長(金子原二郎君) 後刻理事会で協議いたします。
○福島みずほ君 何で国会で報告しないのか、理解ができません。変更申請もしないで土砂の投入、やめるべきだ、沖縄県知事と話すべきだということを強く要請します。
 毎月勤労統計についてお聞きします。
 二〇一五年十月十六日、経済財政諮問会議に麻生大臣はペーパーを提出されています。
 この毎月勤労統計における麻生大臣の提案は何でしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) これは度々、予算委員会、昨日も同様の御質問があっておりましたのでお答えしておりますが、いわゆる社会経済情勢というのは極めて激しく変化している中にあって、経済とか財政の運営に当たって政策判断の基礎となりますいわゆる統計の精度向上というのは常に求められてしかるべきものだと思っております。
 したがいまして、私の発言は、こういった認識の下で、諮問会議において経済情勢を的確に把握するため、基礎統計、いわゆる、いろいろありますけど、そういったものの充実に努める必要があるということを訴えたものであります。
○福島みずほ君 大臣の発言で、サンプルの入替え時に変動があるというのがあります。また、遡及改定により下方修正だというのが……
○委員長(金子原二郎君) 時間が来ております。
○福島みずほ君 ペーパーにあります。これを受けて、まさに毎月勤労統計と統計の在り方が変わったというふうに思います。まさに、麻生大臣発で役人がそれを考慮してやったと、経済財政諮問会議が発信である、発源地であるということを申し上げ、このことは更に追及していきます。
 以上で終わります。
○委員長(金子原二郎君) 以上で福島みずほ君の質疑は終了いたしました。(拍手)
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○委員長(金子原二郎君) 次に、熊野正士君の質疑を行います。熊野正士君。
○熊野正士君 公明党の熊野正士です。よろしくお願いいたします。
 まず、風疹対策についてお伺いいたします。
 昨年の臨時国会で、公明党としても風疹対策の強化を要請させていただきました。そして、今回の第二次補正予算において風疹対策の予算が計上されました。感謝申し上げます。
 三十九歳から五十六歳の男性を対象に無料でまず抗体検査を実施する予算とお聞きをしておりますけれども、二分の一補助ということで、国が半分、地方が半分ということですので、各地方自治体においても財源を負担していただくことになります。
 風疹を封じ込めるためには、国全体、集団として免疫力を高める必要があるというふうに厚労省の方から説明を受けました。昨年からのこの風疹の感染者の多くは都心部に発生をしておりまして、どちらかというと、地方では余り流行はしておりません。そうしますと、今回の事業、流行している地域だけやる事業じゃないかというふうな自治体も出てくるのではないかと若干心配をしております。
 厚労省が言っているように国全体で取り組む対策でありますので、各市町村でばらつきが生じないようにしていただきたいと思います。その対策についてお伺いいたします。
○政府参考人(宇都宮啓君) お答えいたします。
 お話しのように、厚生労働省としましては、昨年十二月、風疹に関する追加的対策を取りまとめ、現在三十九歳から五十六歳の男性を対象としまして、三年間、全国で原則無料で抗体検査と予防接種を実施することを決定したところでございます。
 対象世代の男性に抗体検査や予防接種を受けていただきやすいよう、例えば事業所健診の機会を活用するなど、職域との連携を進めまして追加的対策の実効性を高めてまいりますが、今回、初めて市区町村を実施主体として全国規模で風疹の抗体検査を前置した上で予防接種を行うため、御指摘いただきましたように、市町村によるばらつきをなくして円滑に事業を実施していただくということが重要でございます。
 このため、厚生労働省としては、全国の市区町村や医療機関に向けた統一のガイドラインとして、例えば、対象者への案内の方法、委託契約など事務手続等を示した手引の作成を進めてございまして、これらを通じて、円滑に事業を実施できるようにきめ細かく取組を支援していく所存でございます。
○熊野正士君 次に、IT導入補助金について世耕大臣に伺います。
 今回の第二次補正予算、IT導入補助金として百億円が計上されております。昨年二十九年度の補正予算でも五百億円積まれておりました。経産省の粘り強い努力もあってIT導入が進んだようですけれども、課題も多く見えてきたというふうに伺っております。
 今、公明党も、中小企業を対象に百万人訪問・調査運動ということでアンケート調査を実施いたしました。そうしますと、事業所の約四割の方がこうした補助事業を知らなかったというふうに回答しております。
 そこで大臣に伺いたいんですけれども、中小・小規模事業者にITの導入が進むように今回の補正予算ではどのような工夫をされるのか、御答弁をお願いいたします。
○国務大臣(世耕弘成君) このIT導入補助金については、二十九年度、千回を超える説明会をやったり、新聞広告、ウエブ広告などもいろいろやったんですけれども、残念ながら、平成二十九年度補正予算で付いた予算については約六割の予算消化にとどまりました。我々も、これ原因は、いろいろ分析した結果、一件当たりの上限が五十万円ということになっていまして、これではなかなか今最新のITツール入れにくいということでありました。
 そこで、今回の補正予算案では、広報ももちろんしっかり努めますけれども、それに加えて、補助上限を四百五十万円に大幅に引き上げました。これによって、例えば、仕入れから販売、在庫管理、顧客情報管理を一気通貫で見れるようなITツールですとか、あるいは、最近ちょっとはやり出していますロボティック・プロセス・オートメーションという、数字を流し込めば表計算のスプレッドシートをそのまま作るとかパワーポイントの資料ができるとか、こういったツールの導入につながっていくのではないかというふうに思っています。
 ただ、いずれにしても、知ってもらうことが非常に重要ですので、まずは広報、周知にしっかり努力をしたいと思います。
○熊野正士君 よろしくお願いいたします。
 次に、総理にお伺いいたします。
 このIT導入ですけれども、日本は世界と比較して遅れているというふうに指摘をされています。生産性向上のためには早急に対処すべき課題であると思います。特に、介護の分野では人手不足が深刻ですので、介護従事者の方々の負担軽減というのは待ったなしだというふうに思います。さらに、文書を半減させるという目標もございます。
 このIT導入補助金ですけれども、実は介護事業所にも活用できるというふうにお聞きをしましたが、残念ながら二十九年度の実績では介護事業所の活用というのは全体の約一・六%しかなかったというふうに聞いております。経産省の予算だからというわけでないと思いますけれども、もっと省庁を乗り越えて、垣根を乗り越えて、このIT導入にもう国を挙げて、もう政府を挙げて取り組むべきであると思いますけれども、総理の御所見をお願いいたします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま御指摘のあった介護事業者でございますが、まさにこの介護事業者の皆さん、大変、人手不足で大変なんだろうと。だからこそ、この効率化を進めていかなければならないと思っています。
 経済産業省と厚生労働省がこれは連携をする必要があります。これ、連携をしてIT導入補助金の積極的な活用を呼びかけるとともに、来年度予算に計上した介護事業所のICT導入支援も活用して、幅広い介護事業者のIT導入をきめ細かく支援をしていきます。省庁横断的な連携の下に、業界団体などを通じた情報の提供、そして全国規模でのセミナー開催などによって支援策の周知徹底を図り、積極的な活用によるIT導入を促していく考えであります。
○熊野正士君 よろしくお願いします。
 最後に、ムーンショット型研究開発について伺います。
 科学技術基盤の強化、イノベーションの推進は非常に重要でありますけれども、日本の科学論文の量、質共に日本の地位が低下をしております。今回の補正予算ではムーンショット型研究に一千億円を計上しております。具体的な制度設計はこれからとお聞きしておりますけれども、是非とも若手研究者の育成、それから基礎研究の拡充といったことに是非とも使っていただきたいというふうに思います。
 そこで、大臣に伺いますけれども、このムーンショット型の研究を通して期待される効果などについて是非教えていただければと思います。
○国務大臣(平井卓也君) このムーンショット型研究というのは、ImPACTに続いてやろうということで、これは本当に非常にチャレンジングなプロジェクトだと思います。
 今までのImPACTも相当ハイリスク、ハイインパクトな我が国で最初の試みとしてやったんですけど、研究成果としては、光の量子効果を活用した最高速の新型コンピューターや世界最小の合成開口レーダー衛星等、すごい成果があったんです。しかしながら、研究者の既存の研究シーズから描いた目標から設定したプログラムが多かったために、将来の産業、社会を大きく変革するような大胆さや斬新さが足りなかったのではないかということです。また、我々行政側においても、プログラム一つ一つ、一つを成功に導く成果重視の従来型のマネジメントであったので、失敗も想定した大胆な挑戦を誘導できなかったという側面もあったと思います。
 そこで、私も今年の一月に、グーグルXやスタンフォードのリサーチインスティテュート、SRIですね、で研究者の皆さんとこの破壊的なイノベーションを創出するためのムーンショットについて意見交換してきました。
 このムーンショットという言葉は聞き慣れない方もいらっしゃると思うんですが、こういう研究機関の間ではもう今普通に使われている言葉で、かつてのアメリカのアポロ計画のような壮大な計画だというイメージだと思います。
 その実現に向けたバックキャスト型の研究開発、ムーンショット型の仕組みが必要であると痛感しておりまして、今度の制度では我が国の将来社会を展望し、少子高齢化問題や大規模自然災害対応のような困難な社会問題の解決等を目指して、人々を魅了する野心的な目標及び構想を国が掲げ、その実現に向けて、世界中からトップの研究者の英知を結集させる仕組みをつくり、また特に、委員の御指摘のとおり、基礎研究段階にある様々な知見やアイデアを最大限に引き出して、失敗も許容しながら革新的な研究成果を発掘、育成することを基本的な考え方にしております。
 これから全力で頑張っていきたいと思っております。
○熊野正士君 ありがとうございます。
 ImPACTが、約五百五十億円で五年前に補正予算で組まれました。今回、一千億円ということで、国民は非常に期待をしておりますので、よろしくお願いいたします。
 質問を終わります。ありがとうございました。
○委員長(金子原二郎君) 以上で熊野正士君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(金子原二郎君) 次に、片山大介君の質疑を行います。片山大介君。
○片山大介君 日本維新の会・希望の党の片山大介です。
 私は、やはり厚生省の統計不正について聞きたいと思います。
 これまでの審議を聞いてきましたが、やはりその真相が明らかになったとはやはり言えないと思います。厚労省の自浄努力、自浄能力も働かなかったとなればやはり国会の場で解明すべきなのに、やはり参考人も与党側の反対で認められなかった。特に、前の政策統括官については、更迭されたので現職でないからという理由なんだけれども、この理屈はやっぱり国民には通らないと思います。それで、国民からすれば、やはりその今の肩書じゃなくて、当時を一番やっぱりよく知っている人に来てもらう、これが前提だと思います。
 それで、まず総理にお伺いしたいと思います。
 総理は、この件、どういうふうに思われるか、そして、真相が明らかになったことで痛くもない腹を探られているという感じもしますけれども、どのようにお考えか、まず聞きたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 事実の検証や実態の解明について、厚生労働省の特別監察委員会において、更に独立性を強めた形で検証作業を進めていただけるものと承知をしております。
 確かに、この統計に対して国民の皆様の信頼を回復するためにも、徹底的な検証を行い、実態をしっかりと解明していくことも私は大変必要だと、こう思っております。
 なお、国会における参考人については国会がお決めになることであると、このように考えております。
○片山大介君 それで、そもそも厚労省は、最初の報告書なんですけど、あの突貫的な報告書で乗り切れると思ったところがやっぱり甘いんだと思います。
 それで、大臣は、監察委員会のその調査について、衆議院の方の審議で第三者性を強調し過ぎたという反省の弁を述べているんですけど、これはどういう気持ちの変化なのか、教えていただきたいと思います。
○国務大臣(根本匠君) 中立性、客観性を高めるために、私の指示で、特別監察委員会というのは外部有識者のみの会議体としました。しかし、それにもかかわらず、この趣旨が事務方に徹底されずに、官房長等がヒアリングで同席するなど委員会の第三者性に疑念を抱かせることになってしまった、これは私は誠に遺憾であります。
 一方で、私が特別監察委員会の中立性、客観性に込めた思いから、対外的に第三者委員会と説明してきたことで、結果として第三者性を強調し過ぎることとなった、こうしたことについて反省している旨を述べたものであります。
 調査の中立性、客観性を高めることは重要と考えていること、これには変わりがありません。特別監察委員会による調査についていささかの疑念も生じることがないよう、改めて特別監察委員会の委員のみが質問する形式での更なるヒアリングを行っていただいております、更なる検証に努めていただいております。
○片山大介君 今大臣が、徹底されなかったと、自分の趣旨が、言われたんですけれども、厚労省はどういう認識か、教えてもらえますか。
○政府参考人(定塚由美子君) お答え申し上げます。
 今大臣からもありましたように、大臣からの指示で外部有識者のみの会議体としたにもかかわらず、その趣旨を十分理解、徹底せず、私ども事務方が、ヒアリングへの同席などを委員会に申し出て、同席をいたしました。また、このことについて大臣に報告をしておりませんでした。こうしたことで委員会の第三者性に疑念を抱かせることになってしまったこと、誠に申し訳なく思っております。申し訳ございませんでした。
○片山大介君 そうすると、やはりこれまでの報告書の扱いはどうするんですかということですよ。
○政府参考人(定塚由美子君) 今答弁申し上げたように、私どもが同席をしていたということでいろいろ御疑念を生じたということから、改めて特別監察委員会の委員のみが質問する形式でのヒアリングを行っていただいている、その際には厚生労働省は事務的なサポートに徹しているということをしているところでございます。
○国務大臣(根本匠君) 問題発覚後、速やかに省内の監察チーム、これが事実関係、関係職員の動機、目的、認識、これが職員に対する聞き取りなどを行っていました。
 今般の事案の重要性に鑑み、過去の経緯と原因について徹底的に解明するためには、調査の中立性、客観性を高めるとともに、統計に係る専門性も重視した体制とする必要があったので、監察チームにおける調査を引き継ぐ形で特別監察委員会を設置しました。特別監察委員会は精力的に検証を進めていただいて、昨年末から実施していた調査を引き継ぐ形で集中的にやっていただいて、そして一月二十二日に報告書をまとめていただいたものです。
 なお、国会等の御審議をいただいて、繰り返しになりますが、今、特別監察委員会で委員のみが質問する形式での更なるヒアリングを行っておりまして、まず、私は、一回報告書をまとめていただいた。そして、今更なる検証をしているという状況であります。(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) ちょっと速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。
○国務大臣(根本匠君) 私が申し上げたように、一月二十二日に報告書をおまとめいただいた。そして、私は報告をいただいた。その意味では、一月二十二日にまとめた報告書は生きております。
○片山大介君 生きているということでいいんでしょうか。
 だから、先ほどの、自分の趣旨が徹底されていなかったといって、それまとまった報告書なわけですよね。
 それで、今厚労省から聞くと、何かその今の報告書の補足だと言っているんですけど、そういうレベルじゃなくなってきているんじゃないのかなと思いますが、どうでしょうか。そこを教えてください。
○国務大臣(根本匠君) 現在、改めて、特別監察委員会、これは委員のみが質問する形でヒアリングも行っていただいております。
 そして、この報告書の内容、これについては、特別監察委員会において、私は一月二十二日の報告書として受けました。そして、今更なる検証作業を進めておりますので、特別委員会報告書の内容については、どういう報告書が出てくるのか、これは特別監察委員会において御判断をいただくものだと思っております。その報告を私は受けさせていただきたいと思っております。
○片山大介君 じゃ、そうすると、その今言われた第三者性とかというのはどういうふうにやるんですか。今聞くと、直接職員が聞くんじゃないと、委員だけが同席していると、委員が聞くと。これだけで本当に第三者性とか担保できるのかどうか。どうでしょう。
○国務大臣(根本匠君) 今、特別監察委員会で委員だけでしっかり取り組んでいただいております。
 なお、特別監察委員会、いろいろ御指摘がありましたので、事務局機能を強化するという観点から、今回、監察委員会の事務局の設置について、本日、監察委員会で決定されました。事務局を、外部の有識者だけで構成する事務局が、今、今日設置されました。そういう報告を受けております。
○片山大介君 いや、そうすると、やっぱりこれまでの報告書どうなるのかなというのは……(発言する者あり)じゃ、もう一度お願いします。
○国務大臣(根本匠君) 特別監察委員会は、委員の皆様が主体的にやっていただきました。そして、その報告書を私は一月二十二日に受けた。そして、今、更なるヒアリング、更なる調査をしている。そして、事務局については、事務局機能を強化するために、外部有識者から成る事務局を今日設置して、そして、その上で更なる検証をしっかりやっていただきたいと思っております。
○片山大介君 それで、ちょっと気になっているのが、その賃金統計については昨日総務省の行政評価局の方で受けるってなったんですけど、これどういう経緯なんですか。
○政府参考人(土生栄二君) 御説明させていただきます。
 賃金構造統計調査の件につきましては、総務省の一斉点検に際しまして報告できなかったと、こういった事案があったわけでございます。
 この点に関しましては、その一定の事実関係につきましてはこれまで厚労省で整理をして公表させていただきましたところでございますけれども、先般、官房長官、総務大臣、厚労大臣で御相談いただきまして、行政上の問題があるという観点から、行政評価によりまして、総務省におきまして検証調査をいただくということになったということでございます。
○片山大介君 これ、やっぱり第三者、監察委員会がやっぱり信頼されていないからということは考えられませんか。どうですか。
○政府参考人(土生栄二君) 経緯でございますので、私の方から御説明をさせていただきます。
 毎勤の問題につきましては、統計上の問題、行政上の問題、このようないろんな問題がございますので、独立性の高い特別監察委員会で監察をいただいているということでございます。
 一方、賃金構造統計基礎調査の件につきましては、統計上の問題につきましては既に統計審議会に御報告をさせていただいているところでございます。残る行政上の課題につきまして、総務省の検査、調査を受けることとなったということでございますので、大臣からはしっかり対応するよう御指示いただいているところでございます。
○片山大介君 だけど、これ本来だったらやっぱり監察委員会がやるべきなんですよ。大臣は、これ、衆議院の方のあれで統計法違反三つあると言ったんですよ。それは毎勤の全体総数と抽出調査、それから賃金統計の郵送調査だって言ってるんですよ。
 だから、厚労省のこれ統計不正をこれきちんと見直すのであれば、その賃金統計もきちっと調べなきゃいけないと思いますけど、大臣、どういうお考えなのか、教えてもらえますか。
○国務大臣(根本匠君) 毎月勤労統計調査については、不適切な取扱いによって統計数値に影響を与えることから、統計や労働経済の専門家を含めた外部の専門家による特別監察委員会に調査をお願いしておりました。
 今、特別監察委員会において調査を継続しているところであって、これは中立で客観的な立場から厳正なる調査をいただきたいと思いますが、賃金構造統計調査については、官房長官、総務大臣と相談し、毎月勤労統計調査とは事案が異なり、統計数値上の問題というより行政機関としての基本的な姿勢が問題でありますから、一般の行政機関の業務の評価、監視という手法になじむので、これを担当する総務省行政評価局に調査をお願いするものであります。
 なお、政府全体の統計に係る調査検証、これは先週、総務省の統計委員会において点検検証部会が設置され、今後、各府省が所管する統計を対象に、再発防止、統計の品質向上に向けて徹底した検証が行われるものと思っております。
○片山大介君 官房長官、お答えできますか。
○国務大臣(菅義偉君) 今、根本大臣が答弁したとおりなんですけれども、いわゆるこの賃金構造基本統計については、統計数値上の問題というよりも、むしろ行政機関として基本的な姿勢により大きな問題があった、そういう考え方の中で、外部の目を入れるという観点からも、担当府省とは異なる立場から行政にメスを入れる、そういう意味で、行政機関の業務の評価、監視を実施している総務省に、その行政評価局に調査を担当させる、こういうことにしたということであります。
○委員長(金子原二郎君) 時間です。
○片山大介君 はい。じゃ、終わります。
○委員長(金子原二郎君) 以上で片山大介君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(金子原二郎君) 次に、辰巳孝太郎君の質疑を行います。辰巳孝太郎君。
○辰巳孝太郎君 日本共産党の辰巳孝太郎でございます。
 まず、統計不正についてお聞きします。
 本来、五百人以上の事業者は全数調査であるにもかかわらず、東京では二〇〇四年からは三分の一しか行わず、補正もしていなかったと。ところが、二〇一八年の一月からは突然三倍の補正を行ったと。なぜこのタイミングで補正したのか、お答えください。
○政府参考人(藤澤勝博君) 特別監察委員会の報告書の該当項目でございますけれども、雇用・賃金福祉統計室長、当時、Fは、これまでの調査方法の問題を前任の室長から聞いて認識していた。その上で、ローテーションサンプリングの導入に伴い、一定の調査対象事業所を毎年入れ替える必要が生じるが、抽出率が年によって異なるため、東京都の分も適切に復元処理を行わなければローテーションサンプリングがうまく機能しなくなると考え、東京都についても復元処理がなされるよう、システム改修を行うとの指示を部下に行ったと述べている。この点、これまで東京都が抽出調査であったことを隠蔽しようとするまでの意図は認められなかった。
 一方で、Fは、ローテーションサンプリングの導入により……(発言する者あり)
○辰巳孝太郎君 今、東京都の分も適切に復元処理を行わなければローテーションサンプルがうまく機能しなくなると考えという話がありました。
 これ、東京の五百人以上の事業所を復元しないとローテーションサンプルの新しいシステムがエラーで動かないということなんですか。
○政府参考人(藤澤勝博君) お答え申し上げます。
 毎月勤労統計調査の調査対象事業所につきましては、統計委員会等の意見を踏まえて、平成三十年の調査から、調査対象事業所の入替えによる調査結果の段差を小さくするために、部分的に入替えを行うローテーションサンプリングを導入することといたしました。
 特別監察委員会の報告によれば、当時の担当室長が、一定の調査対象事業所を毎年入れ替える必要が生じるが、抽出率が年によって異なるため、東京都の分も適切に復元処理を行わなければローテーションサンプリングがうまく機能しなくなると考え、東京都についても復元処理がなされるよう、システム改修を行うよう指示をしたものと承知をしております。
○辰巳孝太郎君 私の質問に答えていないんです。システム上機能しないんですか。五百人以上をそのまま抽出でやったら駄目なんですか。
○政府参考人(藤澤勝博君) 失礼いたしました。
 システムそのものが動かなくなるわけではありませんけれども、適切な集計ができなくなるものでございます。
○辰巳孝太郎君 つまり、これ、別にシステムはそのままでも動いていたんですよ。三倍補正しなくてもシステムそのものは動いていたのに、じゃ、なぜ二〇一八年の一月からこれいきなり復元をしたのかということなんですね。
 二〇〇四年から一七年の終わりまで正確な数値は出ていなかったことをこれ担当者は知っていたのに、それまでは放置をしておいて、突然、二〇一八年の一月から真面目になって復元処理したということなんですか。
○政府参考人(藤澤勝博君) これも特別監察委員会の記載内容でございますけれども、「一方で、Fは、ローテーション・サンプリングの導入により、プログラム改修の前後で集計結果に段差が生じると予想し、要因分析を行っていたと述べているが、集計方法の変更に関する一連の対応の中で、東京都の一部の事業所に関する復元処理による影響について、「東京都分を的確に評価すると誤差は〇・二%程度であり、正直、誤差の範囲内であると思っていた」と述べており、復元処理による影響を過小評価し、これまでの調査方法の問題、さらには当該機能追加及びそれによる影響について上司への報告をせず、必要な対応を怠った。」と記載されております。
○辰巳孝太郎君 次の質問なんです。質問に答えてください。
○国務大臣(石田真敏君) 今、ローテーションサンプリングのお話が、五百人以上に、事務所についてというお話がございましたけれども、ローテーションサンプリングを行うのは三十人から四百九十九人の事業所でございまして、五百人以上はあくまでも全数調査ということになっております。
○辰巳孝太郎君 そんなことは分かっているんですよ。何で突然、二〇一八年一月から真面目になって復元しようとしたのかということなんです。システム上は、別に改修しなくても、復元しなくても動いていたということなんですよ。それ、何でですか。
○政府参考人(藤澤勝博君) 平成三十年の一月にローテーションサンプリングを行うことは既に決まっておりましたけれども、その際、ローテーションサンプリングの導入に当たって、上司への説明や必要な手続を行うことなく復元を行ったものでございます。(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。
○政府参考人(藤澤勝博君) お答え申し上げます。
 当時の担当室長は、経過措置的に抽出率が年によって異なることとなるため、抽出調査を行っている東京都の五百人以上事業所について、適切に復元処理を行わなければローテーションサンプリングがうまく機能しなくなり、適切な集計結果とならなくなると考えたところでございます。
 これで、ローテーションサンプリングの導入に合わせて復元を併せて行っているということでございます。
○辰巳孝太郎君 いいですか、ですから、それはシステム的な問題じゃないんです。要するに、正確な数字が出ないから復元をしたということでしょう。そういうことでしょう。
 何で突然、二〇一八年の一月に真面目になったんかということなんですよ。つまり、ローテーションサンプリング導入に伴うシステム改修とは別の理由で復元したということなんじゃないんですか。そういうことでしょう。
 では、もう聞きますよ。では、雇用・賃金福祉統計室長は、復元処理の影響についてどのように考えていたんでしょうか。
○政府参考人(藤澤勝博君) ただいまの御指摘の点は、現在、特別監察委員会で更に精査を続けているところでございます。(発言する者あり)
 先ほど間違ったことを申し上げたかもしれません、大変失礼いたしました。
 ただいまの点は、現在、特別監察委員会で更に精査を続けているところでございます。(発言する者あり)
 特別監察委員会の報告によりますと、当時の担当室長が、一定の調査対象事業所を毎年入れ替える必要が生じるが、抽出率が年によって異なるため、東京都の分も適切に復元処理を行わなければローテーションサンプリングがうまく機能しなくなると考え、東京都についても復元処理がなされるよう、システム改修を行うよう指示をしたものと承知をしております。
 現在、特別監察委員会では、先日の国会における御議論を踏まえ、事案に関連した職員等に特別監察委員会の委員のみが質問する形式での更なるヒアリングの実施など、更なる調査を行っていただいているところでございます。
○辰巳孝太郎君 影響について、二十四ページの「○ 一方で、」以降を読んでください。
○政府参考人(藤澤勝博君) 特別監察委員会の報告書を読ませていただきます。
 「一方で、Fは、ローテーション・サンプリングの導入により、プログラム改修の前後で集計結果に段差が生じると予想し、要因分析を行っていたと述べているが、集計方法の変更に関する一連の対応の中で、東京都の一部の事業所に関する復元処理による影響について、「東京都分を的確に評価すると誤差は〇・二%程度であり、正直、誤差の範囲内であると思っていた」と述べており、復元処理による影響を過小評価し、これまでの調査方法の問題、さらには当該機能追加及びそれによる影響について上司への報告をせず、必要な対応を怠った。 また、Fは東京都を抽出調査としていることの影響について、後任であるIに対し、復元処理の影響は大したことはない旨の誤った認識に基づく引継ぎを行っており、結果的に、Iが平成三十(二〇一八)年一月調査以降の給与に係る数値の上振れの要因分析をする際に、東京都を抽出調査としていることの影響を考慮しなかった原因を作り出しており、不適切な対応であると認められる。」。
 以上が特別監察委員会の記載でございます。
○辰巳孝太郎君 要因分析したと。毎月勤労統計にとって、〇・二%は誤差の範囲なんですか。
○政府参考人(藤澤勝博君) ただいまの〇・二%の誤差のところでございますけれども、そもそも統計上の誤差とは、標本抽出を行うことによって生じる標準誤差や、測定に伴って生ずる測定誤差などの真の値からのずれのことでございますけれども、これに対し、本来全数調査すべきところ抽出調査を行い、しかも復元を行わなかったことに伴って賃金額が低めに出たということは統計上の誤差とは性格の異なる話であり、その範囲内か否かといった御質問への回答は控えさせていただきたいと思います。
 いずれにしましても、特別監察委員会の報告書にございますとおり、本事案は、統計法の趣旨に照らしても不適切な対応であり、特別監察委員会の記載にもございますように、言語道断であると考えているところでございます。
○辰巳孝太郎君 復元した結果、〇・二%の誤差が生じるだろうという要因分析をしていたんです。だけど、それはもう誤差の範囲だから大したことないといって放置したと書いてあるんです。
 統計の専門家からして、〇・二%の誤差は、これは大したことない、もう見過ごしていいような誤差なんですかというのを聞いているんです。
○政府参考人(藤澤勝博君) ただいまの点は、繰り返しになりますけれども、本来全数調査すべきところ抽出調査を行い、しかも復元を行わなかったことに伴って賃金額が低めに出たということでございますけれども、それはその統計上の誤差とは性格の異なる話でございます。その範囲内か否かといった御質問への回答は差し控えさせていただきたいと思います。
○辰巳孝太郎君 専門家にとったら、これ結局、復元による影響は、サンプル入替えとベンチマークの更新で上振れしたと。これ、〇・八%のうち、復元による影響は〇・三%を占めて、これ金額でいうと八百円近くになったわけですね。
 これ、統計の専門家であれば、〇・二%の上振れが勤労統計のデータにとって決して無視できないものであるということは室長は十分分かっていたはずですよ。そうじゃないですか。
○政府参考人(藤澤勝博君) 先ほど申し上げました以上のことは、現在、更に特別監察委員会で調査を行っているところでございます。
○辰巳孝太郎君 結局、復元のタイミングも復元処理の影響についても、報告書の説明は全く説得力がなく不自然であります。何らかの圧力で、あるいは意図を持って、大幅な上振れがあることを認識しながら復元をした疑惑が更に強まりました。
 本当の第三者機関による解明が必要です。参考人招致も必要だということを言って私の質問を終わり、次回、森友をやります。
○委員長(金子原二郎君) 以上で辰巳孝太郎君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(金子原二郎君) 次に、薬師寺みちよ君の質疑を行います。薬師寺みちよ君。
○薬師寺みちよ君 無所属クラブの薬師寺みちよでございます。
 第二次補正予算、これは防災・減災、国土強靱化、一兆七百二十三億円計上されております。先ほどから何度も言われておりますように、聞こえがいい内容を入れて予算を膨張させているのではないかという批判もございます。
 まず、大臣、防災・減災、国土強靱化のためにこれが必要だったんだということを明確に御説明いただけますでしょうか、お願い申し上げます。
○国務大臣(麻生太郎君) 昨年発生をしております平成三十年七月豪雨、また北海道胆振東部地震など、近年の災害が激甚化しておりますのは御存じのとおりです。防災・減災、国土強靱化の取組を進めることは、これは日本の経済、社会にとっても重要かつ喫緊の課題と存じます。
 そのため、昨年末、電力、空港など、国民の生活を支える重要インフラがあらゆる災害に際してその機能を維持できるよう、全国で緊急に総点検を行わさせていただきました。その結果などを踏まえて、事業規模をおおむね七兆円程度とする防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策を閣議決定をしております。
 このうち、初年度の対策として速やかに実施すべきものにつきまして、今年度、平成三十年度の第二次補正予算案に一兆七百二十三億円を計上させていただいたということです。
 例えば、河川、砂防、道路の防災・減災、また話題になりました学校施設の耐震化、そして災害時の警察用資機材・通信基盤等の整備などがその内容としておりまして、早期の成立に御理解と御協力をお願いできればと思っております。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 総理に御答弁をいただいた十一月二十六日の記録がございます。防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策のうちに、初年度の対策として速やかに着手すべきもの等について喫緊の課題に対応するように指示をいたしましたというところがございます。
 本予算に先立つ予算になっていないかということも私は心配でございます。これを財政法に照らし合わせてみますと、その趣旨に合わないと考えられるという御意見もございますけれども、この件につきまして、財務大臣の御見解いただけますでしょうか、お願い申し上げます。
○国務大臣(麻生太郎君) 今般の平成三十年度の第二次補正予算は、先ほど御説明を申し上げました防災・減災、国土強靱化への対応を始めとして、当初予算編成後に生じました事由に基づきまして特に緊要となった支出などに適切に対応するために編成したものであります。
 例えば、中小企業対策につきましては、昨年の災害の頻発やこれに伴う景気の変動、また米中の貿易摩擦や英国のEU離脱といった国際情勢の状況変化などの最近の経済情勢を踏まえて、中小企業の体質強化のための緊要の事業を行う必要があるということだと思っております。
 また、TPP対策につきましては、TPP協定が昨年十二月の三十日という早期に発効し、関税削減などが実施されることになりましたため、農業の生産性向上や畜産、酪農の収益力強化のための設備投資支援などの緊要な事業を行う必要があると判断をした次第です。
 また、今般の二次補正において、こうした事由によっていわゆる今あります喫緊の課題に対応するため、財政法の第二十九条に沿って適切に編成したところだと考えております。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 ただ、しっかりとそれを国民に説明責任を私は果たしていくべきだと思います。スケジュール感があって、社会情勢の変化があって、だからこそ、このときにこの補正予算を組まなければならなかった、漫然と組んでいるわけではない、私はそういうふうに理解をさせていただきました。
 そのほか、財政法では建設国債を除く赤字国債の発行を禁じておりまして、現在は赤字国債の発行は特例公債法によって措置がなされております。補正予算の在り方も含めまして、今後、この財政法を始めとする財政政策の根拠となる法令の在り方について、私は根本的な議論を始めるべきだと思いますけれども、総理、いかがでいらっしゃいますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 赤字国債の発行や補正予算の編成が近年毎年行われていることは御指摘のとおりであります。その中でも、安倍内閣では、経済再生なくして財政健全化なしとの基本方針の下、取組を進めた結果、政権交代前に比べて新規国債発行額は約十二兆円縮減しております。また、補正予算においては、先ほど麻生大臣からお答えしたとおり、財政法にのっとり、特に緊要な政策経費については対応しているものであります。
 いずれにいたしましても、財政健全化に向けては歳出歳入両面における具体的な方策を盛り込んだ実施可能な計画を策定し、着実に取り組んでいくことが重要と考えております。引き続き、あらゆる施策を総動員して二〇二五年度のプライマリーバランスの黒字化を目指してまいりたいと思います。
 また、今後の公債発行をめぐり法令上どのような財政規律を求めるべきかについては、プライマリーバランス目標や現行特例公債法の適用期限なども勘案しつつ、引き続き検討を進めてまいりたいと思います。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 二〇一二年度の法案は二〇一五年までの三年分、そして二〇一六年の法案は二〇二〇年まで五年分の措置をしている、だから、借金をしても何となく私どもも当たり前だよねと思いがちかもしれませんが、しっかりとそこは財政規律を見比べていただきたいと思います。
 では、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○委員長(金子原二郎君) 以上で薬師寺みちよ君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 これにて質疑通告者の発言は全て終了いたしました。
 以上をもちまして、平成三十年度第二次補正予算二案に対する質疑は終局したものと認めます。
 暫時休憩いたします。
   午後四時二十二分休憩
     ─────・─────
   午後四時二十九分開会
○委員長(金子原二郎君) ただいまから予算委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、平成三十年度第二次補正予算二案を一括して議題といたします。
 それでは、これより討論に入ります。
 討論の通告がありますので、これを許します。なお、発言者は賛否を明らかにしてお述べ願います。青木愛君。
○青木愛君 私は、国民民主党・新緑風会を代表しまして、ただいま議題となりました平成三十年度第二次補正予算二案に対し、反対の立場から討論を行います。
 まず冒頭に、昨年末に発覚しました毎月勤労統計の不正問題について厳重に抗議をいたします。
 不正が行われた平成十六年以降、十五年もの間、虚偽のデータに基づいた経済政策が立案され、実施されてきました。予算や法案を審議するその前提が崩れていたことが発覚したのですから、まずその全容を徹底的に究明すべきです。ところが、安倍内閣は不正の解明を全く行おうとはしておりません。
 また、昨年行った補正操作の結果、賃金の伸びは二十五年ぶりの高い値となり、総理はアベノミクスの成果を誇りました。しかし、それが偽りであることが判明いたしました。
 森友、加計学園問題、公文書の改ざん、裁量労働制をめぐるデータの捏造、外国人技能実習生の失踪動機調査結果の捏造など、安倍内閣は不正のオンパレードです。不正の隠蔽は国会に対する冒涜であることを強く申しておきます。
 次に、本補正予算に反対する主な理由を申し述べます。
 まず、今回の補正予算の中身のほとんどが財政法違反であるということです。財政法第二十九条によると、補正予算とは、法律上又は契約上国の義務に属する経費の不足を補うほか、予算作成後に生じた事由に基づき特に緊要となった経費の支出又は債務の負担を行うため必要な予算の追加を行う場合に作成できるとあります。
 しかし、防災・減災、国土強靱化一兆七百二十三億円、TPP等関連経費三千二百五十六億円、防衛関係費三千八百六十七億円等は、条文のような予算作成後に生じた事由に基づき特に緊要となった経費の支出ではありません。これら全ては本予算で計上し、審議すべき内容であります。
 次に、十月に実施予定の消費税一〇%への増税を前提にした対策が予算に計上されていることを挙げます。
 軽減税率対応レジ導入支援五百六十一億円、幼児教育、保育の無償に係る立ち上げ経費支援等三百十六億円などがそうです。そもそも、今般の消費税増税には反対であり、それを前提とした補正予算にも反対であります。
 以上が主な反対理由です。(拍手)
○委員長(金子原二郎君) 杉久武君。
○杉久武君 公明党の杉久武です。
 私は、自民、公明を代表して、ただいま議題となりました平成三十年度第二次補正予算案に対し、賛成の立場から討論を行います。
 まず、討論に入る前に、毎月勤労統計の不適切な取扱いは、我が国の基幹統計全体に対する信頼を根本から損ないかねない重大な問題であり、厚生労働省には改めて猛省を促したい。その上で、徹底した原因究明と再発防止策、さらには失業給付などの追加給付措置を速やかにかつ確実に行うよう、政府を挙げて最大限の対応を強く要求します。
 さて、今回の補正予算案では、災害復旧や防災・減災対策、さらには風疹対策など、重要かつ緊急を要する予算が計上されており、速やかな執行が求められます。
 以下、賛成の主な理由を申し述べます。
 第一に、激甚化する自然災害への対策が更に強化されている点です。
 昨年相次いだ自然災害を受け、政府は、空港や発電所などの施設を総点検し、今後三年間で事業規模七兆円に上る本格的な防災・減災、国土強靱化対策を行うことを決定しましたが、そのうち本補正予算案では、河川や砂防の整備、学校施設の耐震化を中心に一兆七百二十三億円が計上されています。被害を未然に防ぎ、国民の命を守る防災・減災対策が一層進展するよう、政府には本予算の適切かつ円滑な執行を強く求めます。
 第二に、昨年、首都圏などで急増した風疹の拡大防止策が盛り込まれている点です。
 風疹は、妊娠中のお母さんが感染すると、おなかの中の赤ちゃんもウイルスに感染し、白内障や難聴あるいは心臓病などの先天性風疹症候群となるおそれがあります。その風疹の感染拡大に対して、私ども公明党の強い提案によって、本予算案には、風疹の免疫を持つ人が少ない三十九歳から五十六歳の男性を対象としたワクチン接種の無料化が盛り込まれています。幼い命を守る予算を一刻も早く国民にお届けすることは私たち政治家の責務であります。
 第三に、我が国経済の屋台骨である中小・小規模事業者への支援策や農林水産業の強化策が盛り込まれている点です。
 中小企業の生産性向上のための設備投資などを後押しするものづくり補助金やIT導入補助金を始め、円滑な事業承継を支援するために専門家を派遣するプッシュ型支援の拡充といった予算も含まれております。また、TPP11などの発効を踏まえた農林水産業の強化策など、本補正予算案は、私たちの命と暮らしを守り、景気を下支えする大切な予算となっております。
 政府には予算成立後速やかに執行されることを強く希望して、私の賛成討論といたします。(拍手)
○委員長(金子原二郎君) 杉尾秀哉君。
○杉尾秀哉君 立憲民主党・民友会・希望の会の杉尾秀哉です。
 私は、会派を代表して、ただいま議題となりました平成三十年度補正予算案に対して、反対の立場から討論いたします。
 その前に、まず、今国会は冒頭よりまさに統計国会の様相を呈しています。言うまでもなく、毎月勤労統計を始めとする一連の統計不正問題は文字どおり底なしの状態です。失業手当や育児給付、遺族年金などを不当に低く支給された国民は延べ二千十五万人。こうした消えた給付金に加え、事態が発覚した後も厚労省自らが事実の隠蔽や虚偽の報告を繰り返し、さらにはお手盛り調査で拙速な幕引きを図ろうとしたことは到底許されるものではありません。
 こうした不正は長年にわたって行われてきた慣行とはいえ、最も許し難いのは、去年一月にこっそりデータの復元を行い、アベノミクスによる賃金上昇を不当に高く演出しようとしたとも受け取れる行為を行ったことです。これぞまさに賃金偽装、アベノミクス偽装、こうした指摘に対して、衆参予算委員会での安倍総理や根本厚労大臣らの発言は全く要領を得ないものでした。こうした二人の政治責任はまさに辞職に値することを指摘して、本補正予算案に対する反対の理由を申し述べます。
 まず第一の理由は、過大な公共事業関係費が計上されている点です。
 本補正予算には国土強靱化の緊急対策として一兆七百億円が計上されておりますが、緊急性の中身の検証が不十分な上、財源として建設公債を一兆三千億円も追加発行するなど、財政面からも余りに問題が多い。
 次に、反対の第二の理由は、TPP対策や中小企業支援など既視感のあるメニューが並んでいることです。
 あらかじめ想定されていたのに当初予算に入り切らなかった項目を並べて補正を組むのは、もはやこの内閣の常套手段で、結果、平成三十年度一般会計予算の規模は百一兆三千五百八十一億円にまで膨れ上がりました。まさに安倍政権の財政健全化に向けた姿勢そのものが根本から揺らぐ事態に立ち至っています。
 こうした、財政規律を顧みず、不要不急の補正予算を繰り返し、さらには統計偽装であたかも経済が好調のごとく取り繕う安倍政権と私たち立憲民主党は徹底的に対峙することを申し述べまして、私の反対討論を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
○委員長(金子原二郎君) 片山大介君。
○片山大介君 日本維新の会・希望の党の片山大介です。
 私は、会派を代表して、平成三十年度第二次補正予算二案に対し、賛成の立場から討論いたします。
 今回の補正予算案は、去年日本列島を襲った自然災害による被害への対応、減災対策や国土強靱化のための費用が計上されています。去年七月には大阪北部地震、九月には北海道胆振東部地震が起きました。また、西日本での集中豪雨では、発災から半年がたったものの、いまだに懸命の復旧作業が続いています。従来の対策だけでは国民の生命と財産を守れない状況にもなってきていて、しっかりとした対策ができるよう、緊急的な取組が必要なことは認識しております。
 しかし、その一方、補正予算の在り方をめぐっては、やはり疑義もあります。会派では今回賛成することに決めましたが、何点か改めて指摘させていただきたい、そのように思います。
 まず一点目、補正予算の常態化についての懸念です。
 一次補正のように、本予算後に起きた自然災害に対する復旧復興の支援に係る補正予算の計上であれば、その必要性は納得できます。しかし、一次補正以降、大きな自然災害は発生していないにもかかわらず、政府は再び防災・減災を理由とした補正を行いました。毎年の補正予算が常態化している裏側には、当初予算の見た目を良くしようという意図が隠されているのではないでしょうか。本予算の見栄えを良くするための補正予算はあってはならないことで、財政規律の確保を強く求めます。
 二点目には、予算の遡及適用に関するルールの明確化です。
 我が党は、一次補正に賛成するに当たって、予算の遡及適用のルールが省庁ごとに異なることのないよう、明確なルールとすることを求めました。でも、その後検討されていないことは明らかに国会軽視であることを指摘しておきたい、そう思います。
 そして三点目、財政健全化に逆行した建設国債の追加発行についてです。
 新たな建設国債の発行は、一次補正と合算すると二兆円にもなります。補正予算という形で将来への赤字を積み上げていくことは大きな問題だと思います。財政健全化を進めるべく、歳出を抑制し、プライマリーバランスの黒字化に向けた努力をもっとすべきなのではないでしょうか。
 以上、指摘した問題点について、今後、迅速かつ誠実な対応を取ることを政府・与党に対して強く要望し、私の討論とさせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)
○委員長(金子原二郎君) 辰巳孝太郎君。
○辰巳孝太郎君 私は、日本共産党を代表して、二〇一八年度……(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) 御静粛に。
○辰巳孝太郎君 第二次補正予算案に対する反対討論を、反対討論を行います。
 今回明らかになった統計不正問題によって、雇用保険や労災保険などで約二千万人、五百六十七億円の過少給付という被害が生じており、一刻も早い救済が必要です。
 今回の不正は、政府の経済認識、景気判断、政策判断に影響を与える大問題であり、その全容解明は予算審議の前提です。政府・与党は、与野党国対委員長会談での全容解明に努力するとの約束をほごにして関係者の参考人招致を拒んでおり、厚労省の組織的隠蔽に加担をし、口封じを図っていると言わざるを得ません。参考人招致と資料提出を早急に行い、徹底的な全容解明を最優先で行うことを強く求めます。
 本案には、台風二十一号、二十四号、北海道胆振東部地震等による被害の復旧などの災害対策費が含まれています。これらは緊急かつ必要な経費です。しかし、最大の問題は、補正予算として過去最高額となる約四千億円の軍事費です。
 そもそも補正予算は、財政法上、予算編成後に生じた事由に基づき特に緊要となった経費の支出に限られます。ところが、安倍政権は、第二次内閣発足以降、次年度の当初予算に収まり切らない戦闘機、ミサイルなどの後年度負担を前倒しして当年度の補正予算に盛り込むやり方を常態化させています。
 本案に計上された軍事費の約八割が後年度負担であり、その内容は、イージスシステム、最新鋭ステルス戦闘機F35Aなど、兵器購入の分割払の前倒しです。既に発注済みの兵器の後年度負担を繰り上げて払うことは、財政法上の緊要となる支出とは到底認められません。
 本案に十月からの消費税一〇%増税の対策費が盛り込まれていることも問題です。
 政府広報費、プレミアム商品券準備費用など、全て消費税増税を前提にした予算です。しかし、本委員会の審議でも統計不正による賃金のかさ上げが明らかとなり、消費税増税の根拠も崩れています。消費税増税ありきの予算は容認できません。
 さらに、本案にはTPP発効に対応する農地大規模化対策、原子力発電所再稼働対策などの経費が盛り込まれていますが、これも国民世論に逆行する予算です。
 四日、本委員会に対して森友事件に関して新たな資料が工事事業者から提出され、八億円値引きの根拠となった報告書がでたらめだったことが証明をされました。統計不正と併せて、いよいよ関係者の国会招致と真相解明が急務です。
 国民の暮らしと社会保障を応援するために、税金の集め方、使い方を抜本的に転換することを強く求めて、私の日本共産党の反対討論を終わります。(拍手)
○委員長(金子原二郎君) 以上で討論通告者の発言は全て終了いたしました。討論は終局したものと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。
 平成三十年度一般会計補正予算(第2号)、平成三十年度特別会計補正予算(特第2号)、以上二案に賛成の方の起立を願います。
   〔賛成者起立〕
○委員長(金子原二郎君) 多数と認めます。よって、平成三十年度第二次補正予算二案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。(拍手)
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(金子原二郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時四十七分散会