第198回国会 厚生労働委員会 第7号
令和元年五月九日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月八日
    辞任         補欠選任
     木村 義雄君     岩井 茂樹君
 五月九日
    辞任         補欠選任
     岩井 茂樹君     中西  哲君
     礒崎 哲史君     柳田  稔君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         石田 昌宏君
    理 事
                自見はなこ君
                島村  大君
                そのだ修光君
                川合 孝典君
                山本 香苗君
    委 員
                青木 一彦君
                石井みどり君
                岩井 茂樹君
                小川 克巳君
                高階恵美子君
                鶴保 庸介君
                中川 雅治君
                中西  哲君
                馬場 成志君
                藤井 基之君
                石橋 通宏君
                川田 龍平君
                福島みずほ君
                足立 信也君
                礒崎 哲史君
                柳田  稔君
                河野 義博君
                宮崎  勝君
                東   徹君
                倉林 明子君
               薬師寺みちよ君
   国務大臣
       厚生労働大臣   根本  匠君
   副大臣
       厚生労働副大臣  大口 善徳君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        吉岡 成子君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       向井 治紀君
       内閣官房内閣審
       議官       山内 智生君
       個人情報保護委
       員会事務局次長  福浦 裕介君
       総務大臣官房審
       議官       吉川 浩民君
       法務大臣官房審
       議官       筒井 健夫君
       出入国在留管理
       庁在留管理支援
       部長       丸山 秀治君
       厚生労働大臣官
       房年金管理審議
       官        高橋 俊之君
       厚生労働省医政
       局長       吉田  学君
       厚生労働省健康
       局長       宇都宮 啓君
       厚生労働省老健
       局長       大島 一博君
       厚生労働省保険
       局長       樽見 英樹君
   参考人
       社会保険診療報
       酬支払基金理事
       長        神田 裕二君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○医療保険制度の適正かつ効率的な運営を図るた
 めの健康保険法等の一部を改正する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
○委員長(石田昌宏君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、木村義雄君が委員を辞任され、その補欠として岩井茂樹君が選任されました。
    ─────────────
○委員長(石田昌宏君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 医療保険制度の適正かつ効率的な運営を図るための健康保険法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省保険局長樽見英樹君外十名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(石田昌宏君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
○委員長(石田昌宏君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 医療保険制度の適正かつ効率的な運営を図るための健康保険法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、社会保険診療報酬支払基金理事長神田裕二君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(石田昌宏君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
○委員長(石田昌宏君) 医療保険制度の適正かつ効率的な運営を図るための健康保険法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○川田龍平君 おはようございます。立憲民主党、川田龍平でございます。
 今回、健康保険法等の一部を改正する法律案の質問をさせていただくわけですが、質問する側としては、このような状況は少し遺憾に思います。今回、厚生労働省が八本の法案を一まとめにして提出するというのは、何か裏があるんではないかと思われてしまいます。
 というのは、私たち、十数本とかまとめてあった法律を、今まで本当に異常な状態が続いておりましたので、八本というとそんなに多くないのかなと思ってしまうんですが、実はもっと十分な審議時間をそれぞれ作らなければいけないという中で、今回、一つ一つ法案を丁寧に時間を掛けて審議するべきと考えますが、このような法案の提出のされ方は安倍内閣の国会軽視の最たるものではないかと思います。
 今回の改正案は、健康保険法、国民健康保険法、高齢者の医療の確保に関する法律、介護保険法、国民年金法、社会保険診療報酬支払基金法、地域における医療及び介護の総合的な確保の促進に関する法律、船員保険法の八つの法律を一度に審議することになったわけですが、この八本もの法案を一気にまとめて審議を行わなければならない理由はあるのでしょうか。
○政府参考人(樽見英樹君) お答え申し上げます。
 二つ以上の法律の改正を束ねて提案するということの考え方でございますけれども、一般的に、法案に盛られた政策が統一的なものであり、その結果として法案の趣旨、目的が一つであると認められるとき、あるいは内容的に法案の条項が相互に関連して一つの体系を形作っていると認められるときのような場合に一つの改正法案として提案することができるというふうに承知をしております。これは内閣法制局における整理でございます。
 今回の法案に盛り込まれた改正事項でございますけれども、医療保険制度の適正かつ効率的な運営を実現するというために、保険者事務の適正な実施、予防、健康づくりに資する保健事業の充実及び良質な医療の効率的な提供のために必要な措置を講ずるものでございまして、そういう点で同一の趣旨、目的を有しているという考え方から一つの改正法案として提出しているところでございます。
 また、内容というところについて見ましても、例えばオンライン資格確認の導入ということに関しましては、医療保険制度各法、健康保険、船員保険、国民健康保険、高齢者の医療の確保に関する法律といった各法の改正によりまして、資格確認の方法を同じ考え方で同様に法定化するという必要があるわけでございます。かつ、医療介護総合確保法の改正により、これを支援する基金を創設するということにしていると。あるいは、NDB、介護DBの連結解析ということにつきましても、これはレセプト情報ということで、健康保険、国民健康保険といったような、そうした制度に関わるもの、それから介護保険の制度に関わるもの、こういうものについて制度の改正を行って、各DBの連結解析を可能とするとともに、公益目的での利用促進のため、研究機関等への提供に関する規定を整備する。また、被扶養者等の要件の見直しという条項ございますが、これも健康保険、国民年金といったような改正によりまして、これも同じ内容を複数の法律体系の中で、複数の法律にまたがって改正をするということでございまして、内容的に法案の条項が相互に関連するというものでございます。
 そうした考え方から、一つ一つ別々ということではなくて、統一的なものという形で提案をさせていただいているということでございます。
○川田龍平君 法案として別のものをまとめることによっていいものと悪いものが入ってきて、悪いものも賛成せざるを得ないとか、反対するものについても賛成せざるを得ないとか、それから、本当にそういった、個別のちゃんと審議をしなければいけないところも、まとめてしまうことによってそういったことができなくなるということもありますし、それから、衆議院の審議でも、この八本のうち、被扶養者の要件の見直し、国民健康保険の資格管理の適正化に集中していたようですが、これは昨年暮れに成立した入国管理法の改正に伴い今回の審議で取り上げられたものではないかと思いますが、この改正を目立たせないようにするためにこのような手段を採用したのではないでしょうか。
○政府参考人(樽見英樹君) この法案の各改正事項につきまして、それぞれ改革の必要性といった契機、あるいはその検討経緯、議論の熟度というものがあるわけでございますけれども、そうしたものを踏まえましてこの法案において実施すべきというふうに政府として判断をしたものでございます。
 例えば、NDB、介護DBの連結解析については、骨太二〇一七などに基づいて昨年有識者会議を立ち上げて、数次にわたる議論を経て報告書を取りまとめた。あるいは、高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施については、骨太の方針二〇一八といったものを踏まえまして、これも昨年度有識者会議を立ち上げて、数次にわたる議論を経て報告書を取りまとめていただいた。それから、審査支払機関の機能の強化というものにつきましては、平成二十九年の規制改革実施計画や支払基金業務効率化・高度化計画・工程表等を踏まえて審査の一元化に向けた体制の整備等について検討を進めてきたものでございます。
 先生御指摘の被扶養者認定というところについても、昨年の医療保険部会で御議論をいただいて、そういうことからその制度の見直しということについて行うということにしたものでございまして、束ねることありきということではなくて、それぞれ改革の必要性というものについて議論を積み重ねた結果、この時点でまとめて実施をするという形で提案をさせていただいているものでございます。
○川田龍平君 それでは、まず高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施について質問してまいります。
 低栄養状態の高齢者が、平成二十二年、二〇〇八年現在で高齢者全体の一七・四%おり、令和四年、二〇二二年には二二%に増加するというデータがあります。高齢者が低栄養状態になるには、食欲の減退、食べることへの関心の低下といった要因が挙げられますが、低栄養状態の高齢者はフレイル状態になりやすく、負のスパイラル状態になりかねません。同時に、平均寿命と健康寿命の差が、男性は八・八四年、女性は十二・三五年あり、この間の期間は何がしかの介護を必要とするということになります。
 厚労省も健康寿命を延ばすために低栄養を減らそうと考えているようですが、高齢者自身が低栄養であることを自覚していないケースが多いため、高齢者に対して啓発することが必要だと思いますが、高齢者自身に対してどのような啓発を行っているのでしょうか。
○政府参考人(樽見英樹君) おっしゃるとおり、人生百年時代というものを見据えて高齢者の健康増進を図るということでございますので、今回の法案でも、そのために、市民に身近な市町村がフレイル予防ということを視野に置いて保健事業と介護予防を一体的に進めるということを法案の中に盛り込んでいるところでございます。
 高齢者は、まさにフレイルということになりやすい、身体的脆弱性、精神心理的脆弱性、社会的脆弱性、多面的な問題を抱えやすいという中で、運動、口腔、栄養といったものに係る適切な支援によってこれを防いでいくんだという考え方で取り組みたいというふうに思っているところでございますけれども、したがいまして、低栄養の防止ということは大変重要な要素になってくるわけでございます。
 いわゆる介護の通いの場といったようなものを活用して高齢者の保健事業を行っていくということを今回の法案の中で提案をさせていただいておりますけれども、通いの場のほか、例えばショッピングセンターといった日常生活上の拠点といった場を活用するなどの点も含めて、医療専門職が健康相談あるいは健康教室といったようなものを行って、御自身の栄養状態や食生活上の課題を正しく認識していただくとともに、栄養価の高い食品の紹介、歯科健診受診勧奨などを行うといったようなことが重要であるというふうに考えていることでございまして、これまでも熱心な市町村でやっておられるところはあると承知をしておりますけれども、これを新しい一体実施というスキームをつくることによってより広めていきたいというふうに考えているところでございます。
○川田龍平君 この低栄養の方が食べることについて興味を持ち続けるには、周囲にいる家族や介護施設の方々の理解と協力が欠かせません。
 高齢者が食べたくなるような食事を作るための方法などについてのレシピ作りや家族が高齢者の低栄養を解消するための仕組みといったものについて広く意見を求めるなどして、そういった事例についてのデータベース化などをすることを考えるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(大島一博君) 食や栄養の観点から、先駆的に、一体的に実施に取り組んでおられる市町村、自治体ございます。そういった自治体の中には、例えば管理栄養士が通いの場で食生活のチェックを行いまして、低栄養のリスクが高い高齢者の方に対して栄養相談を行っています。状況によりましては、自宅を訪問して、本人や家族、それから地域包括支援センターの職員や保健師さんたちが話合いを行って、御本人の栄養ケア支援のための計画を作ったりしております。
 加えまして、そういうところでは、地域そのものの栄養課題として整理をして、それを踏まえて、例えば、閉じこもりがちな一人暮らしの高齢者向けに、今委員御指摘ありましたように、簡単なレシピとかを使って料理教室、特に男性の場合が多いと聞いていますが、男性、女性含め、料理教室を企画して開催するといった事例を聞いております。
 こうした過程におきましては、家族や自治会等の地域住民、それから地域包括支援センターの職員等行政関係者などの幅広い理解と協力を得て行っておられるところであります。
 また、老人保健施設などの介護施設におきましても、最近は地域貢献の一環として通いの場の取組を行っている例もございまして、こういった場合には、こういった施設の職員との連携も望まれるところでございます。
 一体的実施は地域の社会資源の状況を踏まえて実施していくものでありまして、多くの関係者の協力を得て取組の広がりを持たせていくことが重要と考えます。いい事例をもっと集めまして提供してまいりたいと考えております。
○川田龍平君 今答弁にありました通いの場ですけれども、二〇一七年度時点で約九万一千か所、拡大している一方で、通いの場への参加率については四・九%ということで、参加率が非常に低いということも課題となっております。
 本当にそういった場所をやっぱりしっかりつくっていくことはもちろんですが、さきに質問したことと関連しますが、高齢者の栄養摂取のために胃瘻の手術を行って寝たきり状態になってしまう人が増えるようであれば、これは健康寿命を延ばすという国の考え方とは正反対の状況になります。
 例えば、低栄養やフレイル状態の高齢者が自分の口で食べられるようにするための積極的な介助について国として奨励したり、胃瘻の手術については自立の可能性が低い方のみに制限するなど、低血糖状態の解消から健康寿命の伸長を見据えた政策に転換すべきと考えますが、大臣の見解を求めます。
○国務大臣(根本匠君) 経口摂取が困難な方などに対して、委員もお話がありましたが、必要な栄養の摂取を可能とするために胃瘻を設けるということは必要であります。ただし、QOLの向上のためにも、できる限り、委員のお話のように、口から食事をしっかりと摂取することができるような取組を進めること、これが大切なことだと考えております。このため、経口摂取を促すための取組などについて、診療報酬などにおいても評価しているところであります。
 具体的には、例えば診療報酬においては、低栄養の方に対して個人の状況に合わせた食事メニューを作成したり、在宅患者やその家族に食事の用意や摂取の仕方などを指導することについて評価しております。
 また、胃瘻の造設に当たっては、胃瘻造設の必要性、管理の方法などについて患者や家族に丁寧に説明した上で実施しなければならないと考えています。また、胃瘻の手術前に患者の飲み込む力の検査などを実施せずに、かつ、年間の胃瘻造設件数が多い等の医療機関については、報酬を減算することとしています。
 また、今回の保健事業と介護予防の一体的実施において、フレイル予防の一環として口腔ケア等の充実も図ることとしております。口腔機能が低下し始める早期の段階から積極的な対策を講じること、これも重要であると考えております。
 いずれにしても、それぞれの患者さんのQOLや尊厳にとってふさわしい医療の在り方や保健事業の取組を考えていくことが大切であると考えております。
○川田龍平君 人生の最後まで口から食べ続けることの大切さを多くの人たちが認識しているにもかかわらず、医療や福祉の現場では、早期に経口摂取へ持っていくチーム医療や相当な時間を掛けて行う食事介助に関する診療報酬、介護報酬がきちんと評価されていないのが現実です。そのため、口から食べさせない人工栄養で管理される要介護高齢者が多く存在しており、このことは高齢者の寝たきりを助長し、医療費、介護費用の高騰を招き、高齢者本人のQOLを低下させていくことにつながっています。
 高齢者の介護費用を抑え、QOLを高めるためにも、人工栄養のみの報酬を下げ、口から食べる取組をしっかりと行っている医療、福祉においての報酬を上げていく考えが必要ではないかと考えますが、大臣、いかがでしょうか。
○政府参考人(樽見英樹君) まさに低栄養になりかねない、そういうような方について、胃瘻という形でやるんじゃなくて、できるだけ口で食べられる間は口で食べると、これは大事なことだというふうに思います。
 低栄養の方に管理栄養士が栄養指導を行うといったようなことで患者の体重管理を行ったり、あるいはQOLの向上というようなことを行っていくというようなことが大事でございまして、診療報酬におきましては、低栄養の方について、個人の生活環境や嗜好を勘案した食事メニューを作成したり、在宅の方に食事の用意や摂取の仕方を指導するといったようなことについて評価をしているところでございます。
 また、介護報酬の方におきましても、施設入所者に対する、専門職種が連携した、口から食べることへの支援、あるいは低栄養改善の取組、低栄養の在宅要介護者に対する栄養指導といったようなものについて、それぞれ報酬上評価をしているということでございます。
 先ほど大臣の御答弁でもありましたとおり、胃瘻を安易につくっているような場合については報酬を減算するというようなこともやっているところでございまして、そういうことと相まって、低栄養の方が口から食事をしっかりと取れるようにするということで高齢者の方々の健康増進に資するように、引き続きましてこうした取組を進めてまいりたいと考えております。
○川田龍平君 高齢者の保健事業並びに介護予防については具体的な支援メニューを国が策定することになっていますが、どのようなメニューを策定することを考えていますでしょうか。また、まだ策定していないのであれば、いつ頃策定をすることを終えるのでしょうか。来年四月一日に施行するスケジュールは決定していますが、自治体も対応するための余裕が必要だと考えますが、策定されたメニューを自治体に告知するのはいつ頃になるんでしょうか。
○政府参考人(樽見英樹君) この一体実施につきましてはガイドラインという形でお示しをしたいというふうに考えておりまして、この秋口を目途にそれをお示しをしていきたいというふうに考えております。
○川田龍平君 市町村は事業一部を民間に委託できることになっていますが、その民間の機関というのはその市町村に根拠を置く事業体となるのでしょうか。それとも、コンペなど、他市町村を根拠とする民間の事業体にも参入する機会を与えるということでしょうか。
○政府参考人(樽見英樹君) 例えばそれぞれの地域におきます医療関係団体といったようなものが想定されるというふうに思いますけれども、そこにつきまして、厳密にそこに住所がなければならぬとかという、そういう厳密なことを考えているわけでございませんけれども、ただ、まさにその地域で、その地域にふさわしい、高齢者に合った、そうした事業を展開していただけるところということが我々の念頭にあるところでございます。
○川田龍平君 この民間委託の場合にその質が問題になりますが、市町村は事業の実施状況を把握、検証するとありますが、その検証はどのような方法で行うのでしょうか。検証の間隔が一年ごとなのか、それよりもスパンが長くなるのか。また、質問票などを送って回答してもらうのか、それとも係員が施設を訪問して行うのでしょうか。
○政府参考人(樽見英樹君) 事業の内容につきまして、その市町村でしっかりと審査といいましょうか評価をしていただくということだというふうに考えておりますけれども、そうした御指摘の点などにつきましてもガイドラインの中で検討してお示しをしていきたいというふうに考えております。
○川田龍平君 人員配置について、広域連合から人件費が交付されるとのことですが、市町村の規模によってはその人数は変化するのかどうか。同時に、市町村によっては人口減少しているところもあるでしょうが、自治体によっては、人口が少なくとも面積が広いというために移動に時間が取られて高齢者のケアが中途半端にならないとも限りません。自治体の状況に応じて柔軟な対応を取るべきと考えますが、また具体的にはどのような措置を考えておられるのでしょうか。
○政府参考人(樽見英樹君) 医療の専門職でございますけれども、おとといの質疑のときにも申し上げましたが、市町村で言わば調整役となる医療専門職、それから日常生活圏域ごとに専門職という考え方でございます。
 それぞれの地域の実情に応じて、言わばその事業が適切に行えるということを念頭に置きながら対応をしていきたいというふうに考えております。
○川田龍平君 次に、オンライン資格確認について質問いたします。
 オンライン資格確認を行うことで過誤請求の減少が期待されていますが、マイナンバーカードが抱えている問題や今回のシステム導入に掛かる費用対効果の問題など、国民が不安になっていることについて質問します。
 被保険者資格のオンラインでの確認を行うに当たっては、マイナンバーカードを使用して行うこととしています。まず、マイナンバーカードについては、二〇一六年の施行前より、国家による国民の一元管理といった性格を持つことや個人情報の流出の懸念から、反対、批判の声が少なくありませんでした。それが理由であるからか、現状では、マイナンバーカードの普及率は二〇一九年四月末現在で全国民の一三・二%にしか普及していないのが現状です。
 今回マイナンバーカードが健康保険証と同一の役割を果たすことができるようにしたことで低迷しているマイナンバーカードの普及を意図しているのではないかと思いますが、今回マイナンバーカードを健康保険証とひも付けることができるようになったことについて、総務省の見解をお伺いします。
○政府参考人(吉川浩民君) お答えいたします。
 マイナンバーカードの更なる普及に向けましては、カードの活用場面を増やし、その利便性を国民の皆様に御理解いただくことが必要というふうに考えております。
 去る二月十五日に開催されましたデジタル・ガバメント閣僚会議での官房長官指示を受けまして、現在、石田大臣の下で、マイナンバーカードを活用した消費活性化策や健康保険証との一体化などを含めたマイナンバーカードの普及策あるいはマイナンバーの利活用促進策について取りまとめるべく検討を行っているところでございます。
 引き続き、健康保険証との一体化を含め、利便性の向上に取り組むことで普及促進を図ってまいりたいと考えております。
○川田龍平君 マイナンバーカードを使用したオンライン請求によって事務コストが削減されるとのことでしたが、過誤請求を削減するために掛かるコストとの費用対効果について御説明をいただきたいと思います。
○政府参考人(樽見英樹君) 御指摘のとおり、オンライン資格確認導入いたしますと、過誤請求というものがなくなる。具体的に言いますと、加入者、被保険者の方が医療機関に古い保険証を持ってきたと、会社は変わりましたけれども古い保険証を持ってきたというふうになると、医療機関は分からなくて、その保険証に基づいて請求をする。そうすると、保険者、健保組合の方ではこの方はもう辞めた方ですということになると、返戻をされてくると。そうすると、それを確認をして、新しいところでもう一遍医療機関は請求をし直さなきゃいかぬというふうなことになるわけでございますが、こうした過誤請求の事務コストがなくなるということでございまして、これにつきましては年間約八十億円ということを試算をしているところでございますので、これにつきまして、オンライン資格確認を導入するということによってこの点のコストがなくなるというふうに考えているところでございます。
○川田龍平君 その試算がちょっと正しいかどうか、もう一度検証しなきゃいけないと思うんですが、同時に、マイナンバー制度そのものを導入する際に掛かったコスト、そしてマイナンバー制度を維持していくために掛かったコストについては内閣官房に伺います。
○政府参考人(向井治紀君) お答えいたします。
 まず、マイナンバー制度導入に伴いますシステムの整備等の費用につきましては、どの範囲まで捉えるかという問題ございますけれども、本年一月時点の取りまとめによりますと、マイナンバー法が成立した平成二十五年度から平成三十年度までの累計で、新規に必要な付番システムや情報提供ネットワークシステム等のシステム整備費として約三百十億円、国や地方公共団体、医療保険者等の既存システムの改修費用として、地方公共団体や医療保険者への補助金を含め約二千二百十億円、個人番号、法人番号の法施行時の通知費用として約二百九十億円、その他の制度導入後の各システムの改修費用等としまして約百十億円となっておりまして、以上の総額は約二千九百二十億円となっております。
 また、マイナンバー制度の導入に伴い新たに国が整備した情報提供ネットワークシステム、マイナポータル及び個人情報保護委員会システムの維持運用等に係る費用につきましては、引き続き精査をしていく必要がありますものの、単純な保守運用経費にデータセンターや機器の借料、通信回線の費用等を含め、これらの経費が生じた平成二十七年度から平成三十年度までの四年間で総額約四百七十億円程度となっております。
○川田龍平君 このマイナンバーカードだけではなくて、マイナンバー制度そのものを入れると、二千九百二十億円プラス四百七十億円と。今回三百億、それにカードの改修費用ということで、これ、初期投資だけで三百億円で、運用が二十億から三十億と試算されておりますので、それだけ掛かって、八十億円の年間の経費削減ということなんですが、実際これが何年使えるのかと。
 もしこのままマイナンバーカードが普及しなかった場合にはオンライン資格確認制度が立ち行かなくなる可能性もあるように思いますが、厚生労働省の担当者はどのように考えているんでしょうか。
○政府参考人(樽見英樹君) まず、先ほどマイナンバーカードの整備に係ります費用ということについて、まさに初期投資のような形になるわけでございまして、先ほど私が御答弁申し上げた過誤請求の事務コストの減少は年間八十億ということでございますので、これは毎年こういうものが今までに比べると少なくなるということであるということをまず申し上げたいと思います。
 マイナンバーの制度につきまして、いずれにしても、制度の保守といいますか、きっちりと運用し続けるというようなことについての、そのためのコストあるいは仕事というものは必要になるというふうに考えておりますけれども、このマイナンバーカードを使ったオンライン資格確認ということができることによって、先ほど申し上げた過誤請求の事務コストの減少とかはずっと続きますし、それから、これだけでなくて、例えば、まさに患者さんの側は、さっき申し上げたように、会社が変わった、そういうときに新しい保険証を一週間とか待っているということがあるわけでございますけれども、それを待たなくてもマイナンバーカードでかかれるというメリットがございます。
 それから、高額療養費に係るような場合に、限度額認定証ということを発行を求めて、もらって病院に届けるということが今は必要でございますけれども、それがなくなるというようなメリットもございますし、保険者の方ではこの限度額認定証というのを発行するというコストもなくなるということでございますので、こうしたことを含めまして、この制度について長期的に運用できればというふうに考えているところでございます。
○川田龍平君 これは、マイナンバーカードを一〇〇%保持すればという仮定だと思いますので、先ほどの質問に関連いたしますが、これ、マイナンバーカードを持たない患者の資格確認についてはどのようにして行う予定でしょうか。マイナンバーを口頭で受付に伝えることはできないわけですから、今までどおり運転免許証やパスポートを使用するのでしょうか。
○政府参考人(樽見英樹君) まさに、マイナンバーカードが保険証と一体化というのは、マイナンバーカードを持っていけば保険証の機能が果たされるということになるわけでございますけれども、当然、健康保険証でもオンライン資格確認ということができるということの仕組みということでシステムはつくるということでございまして、健康保険証でも医療機関にかかれるということについては変わりません。
○川田龍平君 これは、マイナンバーカードが健康保険証の代わりとなることから、マイナンバーカードを所持することで健康保険証そのものが不要になり、マイナンバーカードに組み込まれるようになるとみなしてよろしいんでしょうか。
○政府参考人(樽見英樹君) 今のちょっと御趣旨なんですが、マイナンバーカードを持っていただくと、言わばそういう意味で、医療機関によって診療を受けるというのが今までよりも患者さんにとって利便性が増すというふうに考えているということです。
○川田龍平君 また、オンライン資格確認に使用しているホストコンピューターが停電や予期せぬ災害によってダウンした場合の対策というのは講じられているんでしょうか。あわせて、セキュリティーの問題についても確認しておきたいと思います。
○政府参考人(樽見英樹君) オンライン資格確認のセキュリティーということでございます。
 このシステムにつきましては、クラウドサービスを活用するといったことにより高い水準のセキュリティーを確保するということとともに、大規模な災害時でもネットワーク等の安全性やデータのバックアップが確保されるシステムの仕様というものを検討しているところでございます。
 災害時等でもネットワーク等での速やかな復旧の確保ということをシステムの要件にするということを考えておりますので、例えば医療機関、何か災害があったということで短時間システムが停止したというふうにしても、その後、速やかな復旧ということで、例えば十分経過後に、診察が終わったところで再度資格確認を求めて表示された資格情報を確認するといったようなことができるということを考えていることでございます。
 また、なお、こうした場合でも、先ほど申し上げましたとおり、健康保険証による資格確認ということは引き続き可能というような状態になるということでございます。
○川田龍平君 大災害のときにはお薬手帳による薬を処方したりとかいったこともあるぐらい、対応としては違った対応をしなきゃいけないと思うんですけれども。
 医療情報化支援基金について質問いたします。
 現在、オンライン化に対応できる医療機関、薬局などについて、それぞれどの程度あるんでしょうか。具体的な数字と全体に対する比率をお答えください。
○政府参考人(樽見英樹君) オンライン請求でございます。
 オンライン請求の普及率ということになりますけれども、平成三十一年一月分で、医療機関、薬局の数のベースでございますけれども、病院が九六・九%、診療所が六五・二%、歯科診療所が一七・二%、薬局が九六・九%という状況でございます。
○川田龍平君 資格確認やカルテのICT化について、例えば手作業で処方箋の管理を行っている薬局や、手で、肉筆でカルテを書いている医師の個人医院については、ハード面の導入など、支援できるのでしょうか。こういった方々はパソコンも触ったこともない可能性もあるので、ソフトの使い方も含めて教授するということは可能なのでしょうか。
○政府参考人(樽見英樹君) まさに、オンライン資格確認ということを導入するということによってコストも減っていきますし、事務も簡素化をされるということになるわけでございますし、また、オンライン請求というものを進めていくということによって医療機関における事務の効率化ということにもつながってくるということでございますので、そうしたことについて、先生御指摘のようなことについて進めていくということについて、どういうことができるかということについてしっかり取り組んでいきたいと思います。
○川田龍平君 オンライン請求をしていないとしても電子化しているということがほとんどではないかと思うんですが、その電子化された医療機関、そして、CDとかUSBなどで支払基金にも送っているという場合もあるということなんですけれども、そういった医療機関というのはどれぐらいあるんでしょうか。
○政府参考人(樽見英樹君) 電子レセプトによる請求というものが九三・九%、これ、同じく平成三十一年一月分の医療機関、薬局数のベースでございます。紙レセプトによる請求が六・一%ということになっているわけでございまして、言わば、レセプトオンライン請求、先ほど申し上げたような、病院九六・九、診療所六五・二というふうになっておりますけれども、レセプトオンライン請求できていない電子レセプトによる請求と今の九三・九の差の部分というのが言わば電子媒体による請求という形になっているということでございます。
○川田龍平君 また、この電子化されたことにより標準化されたカルテ、電子カルテというのはどの程度普及しているのでしょうか。そして、病院などと比較して取組が遅れていると言われている歯科や薬局についてはどのような状況にあるのでしょうか。
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。
 まず、手元にございます医療機関における電子カルテの普及率につきましては、平成二十九年度の医療施設調査、これは平成二十九年十月一日現在のデータでございますが、一般病院については四六・七%、それから一般の診療所につきましては四一・六%、それから歯科診療所につきましては五七・三%となってございます。
 委員御質問の中に薬局というお話ございました。電子カルテの話と薬局、ちょっと質も違うと思います。薬局の電子化についての情報、いろいろな側面があると思いますが、この調査から把握できませんので、現時点で手元にございません。
○川田龍平君 この電子カルテの問題、ちょっと、お医者さんが患者の方を向き合ってくれないという問題もありますけれども、でも、電子化していくべきではないかなと思っています。
 情報化支援基金についてはできるだけ電子化の取組が遅れている機関について優先して交付すべきと考えますが、厚生労働省は、優先してそういったところにこの基金を使うようにするということについてはどう考えていますでしょうか。
○政府参考人(吉田学君) 今の御質問、電子カルテの関係の流れでの御質問というふうに受け止めさせていただきました。
 今回のこの医療情報化支援基金による電子カルテの標準化を進めるに当たりましては、国の指定する標準規格を用いて相互に連携可能な電子カルテシステムを導入して、医療機関に対してその初期導入費用を助成するということを考えております。
 具体的な補助対象などにつきましては、まず、国の指定する標準規格の具体的要件について今後関係者の御意見も伺いながら検討していくということにしてございます。その中においては、この要件を検討する中で、限られた全体として財政資源という中にございますので、私どもとしては、今回のこの標準カルテを財政的に支援するという趣旨を踏まえた上で、ある程度優先順位を付けながら相互に連携可能な電子カルテの普及に取り組んでまいりたいというふうに思いますが、その具体的な要件等につきましては、先ほど申し上げました、そもそもの国の指定する標準規格の検討と併せまして、今後、補助の具体的内容を詰める中で検討してまいりたいと考えてございます。
○川田龍平君 要するに、このオンライン化というのも、本人確認というか保険証のオンライン確認と、それからレセプトのオンライン請求と、それから電子カルテというものと、その電子化とオンライン化というのは、非常に、三つぐらいあるわけですけど、今回、要するに、情報化支援基金については、このオンライン確認とレセプトの電子請求のみということなんでしょうか。
○政府参考人(樽見英樹君) まさに、今回の医療情報化支援基金の支援の対象として考えておりますのは、オンライン資格確認ということと、それから電子カルテの標準化ということなわけでございますけれども、先生先ほど御指摘の、例えばオンライン請求を実施していない診療所のようなところにもいろいろ支援をしていくべきではないかという御指摘ではないかというふうに、今までの一連のお話を聞いて私今思った次第でございますけれども、まさに、医療情報化支援基金の具体的な交付の条件につきましては、今の資格確認のシステムの状況等を踏まえて精査するということにしていて、これから検討するということにしておりますので、レセプトのオンライン請求を現在していない診療所についてどういうふうに支援をしていくかということについても、こうした検討の中で、どのような支援が可能であるか検討していきたいというふうに思います。
○川田龍平君 次に、審査支払機関の強化について質問いたします。
 四十七都道府県に置いていた支部を廃止して、本部に権限を集中することで本部のガバナンスを強化するということですが、まず、支部制度になっていたことでどのような不都合があり、それにより患者側にどのような不利益があったのでしょうか。
○政府参考人(樽見英樹君) 診療報酬の請求はレセプトという形で医療機関から上がってくる、これは元々は紙であったということでございまして、多くの医療機関から上がってくるその紙を整理をして、また、保険者も、全国で多くの健保組合、市町村という形で、多くの保険者があるわけでございます。そういう多くの保険者に多くの医療機関からあるものを整理をして、きちんと請求をして支払を実施するということのために、それぞれの県ごとの支部という単位で整理をして事務を行ってくるという仕組みになっていたわけでございまして、これは、言わば支払基金の制度が発足したときには合理的な制度であったというふうに思うわけでございますけれども、しかし、現在は、今お話がありましたように、電子レセプトの請求というものが非常に多くなってきたということでございまして、そうしますと、各支部においては、これまでの審査あるいは再審査の結果の知見といったようなものを踏まえまして、独自にコンピューターチェックルールを設定すると。それによって事務の効率化が図られてきているわけでございますけれども、一方で、結果的に支部間の不合理な審査結果の差異の一因であるというふうに指摘をされているところでございます。
 同時に、こういうオンライン請求というものができてきますと、物理的に紙を集めて仕分けをしてという、そういうことはなくなってきますので、支部ごとということの言わば業務上の合理性というものについてもだんだんと薄れてきているということが一方であるわけでございます。
 一方で、そういう支部ごとの事務で行っているということの合理性が薄れる中で、支部ごとの不合理な審査結果の差異というものがあるんではないか、また、それが支部ごとに独自のコンピューターチェックルールを設定しているということであるんではないかと、そういう問題の中で今回の支部を廃止するということにするということでございますので、まさに、これまで不合理な差異が生じることがあり得るということが、医療を受ける患者、国民の立場から見れば公平性の観点から課題があったというふうに考えているところでございまして、こうした審査結果の不合理な差異について、本部の調整機能を強化した組織体制に見直すということによって解消を図っていきたいというふうに考えているところでございます。
○川田龍平君 この権限集約によって経費の節約になると考えられているようですが、どの程度の経費節約を見込んでいるんでしょうか。金額とパーセンテージを教えていただきたいと思います。
○政府参考人(樽見英樹君) 審査に要する費用は、被保険者、国民が拠出する保険料で賄われているわけでございます。それが、本部で集約するということによって言わば差がなくなる。それから効率化、コンピューターチェックについて、事務の集約化も進めていくということによって言わば事務経費を削減するということを考えておるわけでございますけれども、率直に申し上げて、詳細な金額ということで幾ら出るのかということについてはお答えするということはなかなか難しいことでございますけれども、職員の目視確認の前提となるコンピューターチェックについて内容の精緻化が進められる、精度の向上が進められる、それから、その差異というものがなくなるということで職員の審査業務に係る負担が軽減される、それから、レセプト点検業務の実施場所を集約する、組織の合理化を図る、これによって点検場所ということで確保しているということのコストも軽減されるということになってまいりますので、こうした形での支払基金改革を着実に実行することによって、審査の平準化というだけでなくて、まさに審査業務の効率化あるいは高度化ということが進められるというふうに考えているところでございます。
○川田龍平君 厚労省からの法案の資料によれば、診療報酬の請求から審査支払までの流れの中で、オンライン又は電子媒体請求のどちらも採用していない請求が計算上一・七%存在していますが、これは手作業で請求している医療機関や薬局の割合を示すものなのでしょうか。
 一九四八年以降、紙媒体でカルテを書いたり薬価計算をしたりしており、電子化がされるようになったのはここ十年ぐらいのことで、ほとんどの医療機関や医療関係、薬局は電子化したということですが、高齢の医師や薬剤師が今までどおりのやり方でやっていることが二%弱あることは事実です。また、一・七%ということは、年間約二十一億件のうちの約三千五百七十五万件ということになりますが、こういった、人為的なミスを減らすためにも、まずこの一・七%の機関に対して基金を優先的に配分すべきと考えますが、どのように考えますでしょうか。
○政府参考人(樽見英樹君) 紙レセプト、おっしゃるとおり、一・七%程度ということになります。少しずつ減っておりまして、直近の三十一年一月においては、更にちょっと減って一・六という形になったということでございます、恐縮でございますが。
 ただ、まさに紙レセプト、一定程度ございます。これについては、電子レセプトにおいて実施しているコンピューターチェックの対象になりませんので、レセプト内容が保険診療ルールに合致しているかということの確認などについて、事務職員、それから審査委員が目視によって審査をしているということになっておりまして、これは、審査、請求、支払を行う上で職員にとっても重い負担になっているというふうに思います。紙レセプトによる業務負担というのが全体の二割程度になっているというふうにも聞いてございますので、審査業務の効率化に向けて紙レセプトを減少させるということは重要だというふうに承知をしております。
 そういうことで、紙レセプトについては、医療機関からの請求の際に紙レセプトにより提出されるだけでなくて、また、当初は電子レセプトによって請求された場合であっても、保険者からの再審査請求において紙レセプトで提出される場合というのもあるということでございますので、保険者や医療機関の協力を得ることが不可欠でございます。
 現在は支払基金内で対応可能な審査事務の効率化について優先的に実施をしているということでございますけれども、今後は、まさに紙レセプトの減少ということに向けて、医療機関や保険者の理解を得つつ、具体的な対応策について検討して取り組んでいきたいと思います。
○川田龍平君 今回の改正案でレセプトの事務点検業務を全国十か所に集約するとしていますが、審査結果の不合理な差異の解消に向けた取組を加速し審査の平準化に寄与するとされていますけれども、今まで四十七都道府県に存在したものを十か所に集約すると一か所当たりのレセプトの枚数が多くなり、審査が逆に滞るのではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(樽見英樹君) 先ほど申し上げましたが、審査に要する費用は国民の拠出する保険料で賄われているということで、業務効率化を進める必要が非常に高いというふうに考えているわけでございます。そうした観点から、レセプト事務点検業務についてICTを最大限活用することによって効率化に取り組むとともに、実施場所は十か所程度の審査事務センターに順次集約をしていくということを考えているわけでございます。
 このレセプト事務点検業務については、全国統一的な業務フローとする、新たな審査支払システムにおいて他の都道府県のレセプトについても審査業務を実施するということは可能とするということの中で、組織の効率的な運営あるいは迅速な意思決定など、組織ガバナンスを強化する観点からも集約していくということを考えているわけでございます。
 そういう言わば全国統一的な業務フローとするということ、それでICTを最大限活用するということで効率化を図りまして、滞留がないようにしたいというふうに思いますし、また、審査委員と職員との連携に支障を来さないような形での新たな業務フローというものを構築する、あるいは審査事務の質の向上が図られるような人事制度の見直しといったような状況を踏まえ、集約によってかえってコストが増大することがないように、集約による効率化の効果というものを十分に踏まえながら実施をしていきたいと考えます。
○川田龍平君 この効率化に当たっては人員削減はしないということでよろしいんですね。
○政府参考人(樽見英樹君) 今回の支払基金の業務の見直しということによって、計画上、八百人の人員の減少ということにはなるわけでございますけれども、それは通常の退職、採用等の中で吸収できる規模ということでございまして、今回のこの集約を行うことによって言わば整理解雇のようなことをするということは全く考えておりません。
○川田龍平君 この理念規定の中に国民の保健医療の向上及び福祉の増進ということが挙げられていますが、具体的には今回の改定がどのような形で保健医療の向上、福祉の増進につながるのでしょうか。
○政府参考人(樽見英樹君) 今般の改正でございますけれども、支部完結型の業務実施から本部が中心になった全国統一的な業務実施にすると、本部の調整機能を強化するということでございまして、これによって業務の効率化が進む、それから審査に要する費用も相対的に軽減されるということでございます。
 また、審査委員や職員は、ICTでは対応できない、より高度な医学的判断を必要とするレセプトの審査、それから適正なレセプトの提出に向けた医療機関への支援ということに重点的に取り組んでいくということを考えているわけでございまして、言わば、これによって適切な保険診療というものも誘導されるということで、地域医療の質の向上にもつながっていくというふうに考えているところでございます。
○川田龍平君 この支払基金については、この審査については韓国と比較の例がよく出るわけですが、韓国の人口分布や集中度では全く違ったと、日本の、やっぱり地域差はありますし、日本については地域によって食も違ったり、そういった、医者によってやっぱり診療内容も変わってまいりますので、そういう意味ではやっぱり一つに一元化するということが必ずしも効率ではないんではないかと思いますので、その辺しっかりやっていただきたいと思います。
 時間がないので、最後に、被扶養者の要件の見直しについて。
 今回の法改正で懸念されているのが、外国籍労働者の扶養家族が国民健康保険の資格を持てるのか否かです。外国籍の労働者とその扶養家族が国保の資格を持てるのか否かは人権の問題として大変重要ですが、これまで衆議院でも多くの議員が質問していますので、まず、海外にいる日本国籍を持つ方について伺いたいと思います。
 海外に居住、滞在している日本国籍を所持している国民のうち、今回の法改正により日本の健康保険の給付を受けられなくなる人はどの程度存在していて、給付を受けられない方はどのような属性の方なのでしょうか。
○政府参考人(樽見英樹君) 国内居住要件ということを設けるということになるわけでございます。したがいまして、被扶養者の方の中で日本国内に住所を有しないという方については、これは国籍を問わず被扶養者の対象から外れるということになるわけでございますけれども、例外がございまして、現時点での考えは、これまで日本で生活しており、渡航目的に照らして今後再び日本で生活する蓋然性が高いと認められる方、一時的な渡航である方であって渡航目的が就労ではない方というものを、日本国内に生活の本拠がある方というのはどういう方かということでございますけれども、そういうことを考えているわけでございます。
 ですので、例えば留学生でありますとか海外赴任に同行する家族でありますとか、あるいは海外赴任中に生まれたお子さん、あるいは海外赴任中に結婚した配偶者といったような方を想定しているわけでございます。
 ただ、繰り返しになりますが、これは国籍を要件にしているわけではございませんので、これは海外にいる日本人というだけでなくて、日本人も外国人も、要は日本国内の被保険者との関係でどうなるかという整理でございます。
○川田龍平君 NDBと介護DBの連携、またDPCデータのこういった連携など、データベースとの連携など、質問したいこともまだあったんですけれども、やっぱり質問ができませんでした。法案が多過ぎて、この内容が多過ぎて質問ができませんでしたので、やっぱり十分な質疑時間の確保をしっかりしていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 ありがとうございました。
○福島みずほ君 マイナンバー制度は利用が全く広がっておりません。昨年、二〇一八年十二月一日時点で一二・二%、今年になってようやく一三・二%。
 証明書コンビニ交付は広がっておりません。自動交付機廃止して、窓口が混み合うというので、費用対効果で実施見送りです。自治体ポイントサービスも利用されない。利用が広がらないまま実証実験は終了しました。使われないマイナンバーポータル。対面サービスの必要で、自治体で電子申請は広がらない。添付書類省略できない情報連携が多い。対象事務は、二千二百九十六中、試行が十九、未実施千五十六。情報連携は即時に行えない場合がありますので必ず届出に必要なものをお持ちくださいのPRもあります。
 嫌われるマイナンバー記入。金融機関はマイナンバーが集まらず、苦慮をしております。銀行口座付番は二%でしかありません。
 内閣府世論調査で、国民の理解、マイナンバーカード、今後も取得予定ない、五三%。マイナポータル、特に利用してみたいとは思わない、六二・二%。今後マイナンバー制度に期待することない、三九・八%。
 こういう状況では、愛されないマイナンバー制度、利用拡大ではなく見直しをすべきではないですか。これにお金を、莫大な税金つぎ込む。何のために。理解できません。
○政府参考人(向井治紀君) お答えいたします。
 マイナンバー制度は、まずマイナンバーで個人を特定するものでございます。というのは、日本の場合、名前が漢字であると。振り仮名は公証されておりませんので、漢字と生年月日と、それから性別と住所というふうなもので特定するわけでございますけれども、これがうまくいかなかった最大の例が年金問題でございます。
 したがいまして、マイナンバーというのは個人を特定するために番号を振っております。そして、この特定することによりまして個人を特定できますが、証明はいたしません。そういう、特定することによって、税、社会保障、それから災害分野での公平性、それから、番号というのは、民間でもそうですけれども、必ずIT化と伴って行われる。なぜならば、漢字というのは極めてIT処理がしにくいですが、番号はIT処理がしやすいと。したがって効率化につながるというものでございまして、したがいまして、その税、社会保障の公平性と、それから効率化、それから国民の利便性のためにマイナンバー制度はできてございます。
○福島みずほ君 戸籍制度をどう見るかはありますが、刑事裁判やいろんなのでも個人の特定に失敗したことはありませんし、社会保障の公平公正は別の観点からやらなければならないと思います。年金の問題は、年金のそもそも登録がずさんだったというようなことが問題であり、マイナンバー制度とは関係ない。しかも、これだけの取得で、広がらないままで公平を図るといっても意味がないというふうに思います。莫大な税金使って一体何をやっているのかと思います。
 マイナンバー制度を導入するときに、システムつくるときに、強制はしない強制はしないということが繰り返し国会で言われました。健康保険組合はマイナンバーカードを採用するかどうか、これは任意でなくて強制されるという理解でよろしいですね。問題ではないですか。
○政府参考人(樽見英樹君) 今回導入いたしますオンライン資格確認でございます。
 オンライン資格確認ですけれども、保険者が共同で支払基金と国保中央会に対し資格情報の管理の委託を行う、支払基金と国保中央会において医療機関からの照会を受けて資格情報をオンラインで提供するという仕組みでございます。
 したがいまして、加入者の就職等によって保険者が変わった場合、医療機関で的確に資格情報を確認できるということが必要でございます。それによって、まさに加入者の方々の利便性も増す、医療機関の過誤請求のコストもなくなるということでございますので、全ての保険者が支払基金と国保中央会に対して資格情報の管理の委託を行うという前提でこの仕組みを整備するということにしておりまして、個別の健康保険組合単位でマイナンバーカードによる資格確認を行わないという選択ということについては考えておりません。
○福島みずほ君 一三%しか持っていない状況で、多くの人は健康保険証を使っている、そして、現在全員が健康保険証、まあ全員というのはおかしいですが、健康保険証で医療機関にかかっていて、とりわけ被保険者にとって不利益にならない。ということで、特に何も問題が起きていなくて、一三%しか所持されていないマイナンバーカードの導入のために莫大なお金を掛けるというのが分からないんです。これ、マイナンバーカード促進のために、マイナンバーシステムの促進のために、利用拡大のためにやるのではないかというふうにも思います。
 先ほど総務省が、将来、健康保険証とマイナンバーカードの一体化を今後考えるとおっしゃいましたが、そういう理解でよろしいんですよね。
○政府参考人(樽見英樹君) 一体化という言葉でございますけれども、まさにマイナンバーカードを持っていけば保険証として使えるようになるということでございますので、マイナンバーカードが保険証になる、一体化ということでございます。
○福島みずほ君 先ほど総務省は、個人にとっての一体化ではなくて、マイナンバー制度、マイナンバーカードと健康保険証の今後一体化を考えるとおっしゃいました。これ一体化を考えているんですね。総務省、お願いします。吉川さん。
○政府参考人(吉川浩民君) 厚労省の御答弁のとおりでございますけれども、マイナンバーカードに保険証の機能を持たせる、これを一体化と申し上げているわけでございます。
○福島みずほ君 今後一体化を考えるとおっしゃったんです、今後。
 今回もしこの法律が仮に通れば、それは、マイナンバーカードを持ってピッとやって受診する人はいるかもしれない。でも、先ほど総務省は、今後一体化を考えると言った。つまり、そこに意図があるんじゃないか。マイナンバーカードを使わせるための一体化じゃないんですか。今後一体化を考えるとおっしゃいましたよ。どうですか。
○政府参考人(吉川浩民君) 健康保険証との一体化を含めて利便性の向上に取り組むと。したがいまして、普及のためにやるということではございませんけれども、利便性を高めることによって普及が図られていくというふうに認識しているところでございます。
○福島みずほ君 今何も問題起きていないですよ。それは、変わる人がいてというのはあるかもしれないけれども、それもそんなにたくさんのケースではない。それよりも、莫大なお金を使う、これおかしいと思います。
 健康保険組合はこの制度を拒否できない。じゃ、被保険者はどうでしょうか。みんな健康保険証を今使っています。マイナンバーカードの普及は極めて低いです。健康保険証、これ使い続けるということでよろしいですね。
○政府参考人(樽見英樹君) 先ほど、今日の議論でもありましたが、まさにオンライン資格確認導入後も被保険者が健康保険証を持って受診したいということであれば、健康保険証はこれは使えるということにしています。
○福島みずほ君 そこで質問です。
 通常、四月一日が基準日であれば、通常、皆さんたちもいろんな組合に入っていらっしゃるでしょうが、三月に新たな健康保険証が送られてきます。じゃ、三通りあるわけですよね。マイナンバーカードを使いたい、健康保険証で今まで従前どおりでいい、両方使いたいという場合に、健康保険組合はどこかでアンケートを取るんですか。
○政府参考人(樽見英樹君) 何か届出をするということではございませんで、患者さんの方が言わば保険証を持って医療機関に行って、これでと言う、そこで被保険者の資格が確認できれば保険診療が行われるということでございますので、あらかじめ、私は保険証を使いますということを例えば健保組合に届け出るとか、そういったようなことを考えているわけではありません。
○福島みずほ君 いや、分からないので聞いているんです。
 じゃ、健康保険組合は従前どおり全員に健康保険証、加入している人に送付するという理解でよろしいですか。例えば、三月の時点で全員に送付するという理解でよろしいんですね。
○政府参考人(樽見英樹君) まさに、現在、健康保険法の省令に基づきまして健康保険証を発行しなきゃいかぬことになっていますので、現在は保険者が健康保険証を発行する必要があるわけでございますので、それを保険者の方で直ちにやめるというようなことではございません。
 これからその運用をどういうふうにしていくかということについては、まずはこのオンライン資格確認が医療機関にどういうふうに普及していくのかということが重要な要素だと思いますので、そうしたことを踏まえながら、これから今後の扱いということについては検討していくということはあると思いますけれども、当面は保険証は全員に発行されます。
○福島みずほ君 いや、おかしいですよ。重要なことですよ。だって、マイナンバーカード、こんなに嫌われていて、みんな使っていなくて、一三%しかないんですよ。みんな健康保険証で困らないじゃないですか。何にも困っていない。それを持って病院に行くんですよ。
 事前の答弁では、被保険者が保険者に対して保険証を発行するか否かを申告するとなっているんですよ。こんなことやったら面倒くさいじゃないですか。三択あります。健康保険証ですか、マイナンバーですか、両方ですか。あるいは、気が変わったらどうなるんですか。その間、タイムラグがある。つまり、一年に一遍、健康保険証を送る手間暇だったのが、アンケートを取り、誰々、この人はこっち、この人両方、こんなチェックをやっていたら、もう物すごい事務が膨大ですよ。今の答弁おかしいですよ。これから検討するなんて納得できません。
 健康保険証を健康保険組合は今までと同じように全員に送付するということという理解でよろしいですか。
○政府参考人(樽見英樹君) 少なくとも、まさにこの法律の施行前後では先生の御理解のとおりでございます。
○福島みずほ君 いや、前後ということはどういうこと。例えば、二〇二〇年度は全員に送ります、でも、マイナンバーカードが少し、一五%とかなったら考えるという意味ですか。今後ってどういう意味ですか。極めて重要なことですよ。つまり、マイナンバーカードを持たないと、普及率が、はい、四〇%になりました、マイナンバーカードを持たないと病院に行けないとなったら大変ですよ。
 健康保険証はこの法律ができても全員に送付されるということでよろしいんですね。
○政府参考人(樽見英樹君) 一言で申し上げますと、そういうことでございます。
 健康保険証を将来なくすのかという御問いではないかなというふうに思うんですが、まさに、マイナンバーカードでどこの医療機関でも使えるというふうになるということがそのためにはまずは必要な条件ではないかというふうに思っているところでございます。
○福島みずほ君 いや、事前のこれでは、被保険者が保険者に対して保険証を発行するか否かを申告する、保険者はチェック、確認することになるというふうに聞いているんです。つまり、これから十年たったときに、もし健康保険証が欲しい人は事前に申告してくださいとなるかもしれないじゃないですか。こんなの極めて面倒ですよ。
 健康保険証は、この法律ができても、未来永劫、保険証を全員に送付するということでよろしいですね。事前にアンケートを取るといったら物すごい大変ですよ。どうですか。
○政府参考人(樽見英樹君) 恐縮でございます、事前にアンケートを取るというようなことは考えていません。
 ただ一方で、まさに被保険者、保険者、健保組合とか協会けんぽとか市町村という保険者が被保険者を証明する手段というものをどういう形で行うかということについては、これはその保険者の事務をどういうふうに行うのが効率的かということで、まさに加入者全体の保険料負担ということも併せてできるだけ効率化を図っていかなきゃいかぬということで、これは不断の検討が必要ということだろうというふうに思いますので、そういう中で、この被保険者証の扱いということが今後どういうふうに検討されるかということについては、今後の議論という点は必ず残るというふうに思いますけれども、当面、保険証の発行をやめるということではありませんし、また、そういうアンケートで全員に聞くというようなことを考えているということではありません。
○福島みずほ君 いや、これは、今、健康保険証、各組合で違うでしょうが、きちっとしたプリペイドカードだったりしています。今の答弁で大変危惧するのは、健康保険証に代わるぺらぺらの紙を出します。組合によってはぺらぺらのもありますよね。つまり、健康保険証というのがだんだん絶滅危惧種になるように仕組まれるんじゃないか。いや、拒否はできないですよ、出しますよと言いながら、実際はマイナンバーカードに誘導されるんじゃないか。
 今日確認するのは、ちょっと答弁が曖昧なところもありますが、健康保険証は、今までの、使いたい人は使えますといっても、やっぱりこれ全員送らないと駄目ですよ。マイナンバーカード使いますか、健康保険証使いますか、両方使いますか。でも、そのアンケートに答えた結果、気が変わる人もいるかもしれない。物すごい手間です。健康保険証を従前どおりちゃんと送るというふうにしないと大混乱になるというふうに思います。これ極めて問題になるのではないか。つまり、マイナンバーの利用促進のために健康保険制度を使うのは邪道ではないかと。被保険者にとっては何のメリットも特にないんですよ。(発言する者あり)あるの。いや、ないんではないでしょうか。
 それで、衆議院厚生労働委員会において大臣は、オンライン資格確認のためのシステム整備の集積、これは百五十億円を予定しておりますが、これは、現在レセプトオンライン請求を実施している施設の三分の一程度に所要額の半分を補助することを想定しております。そして、この具体的な内容、交付の条件は、今後、医療機関や薬局の資格確認のシステムの状況や改修内容、具体的な運用なども踏まえて精査していきたいと思いますが、できる限り多くの医療機関及び薬局で導入が進むように運用してまいりたいと思います。仮にこの基金が、複数年で使ってまいりますけれども、これについて将来どうなるのかということについては、仮定のお話になりますので、これはなかなか困難であることは御理解いただきたいと思いますと答弁しています。
 今後も税金を投入し続けるということでよろしいですか。
○政府参考人(樽見英樹君) 医療情報化支援基金、これを法律成立させていただきますれば十月につくりまして、このオンライン資格確認を導入する医療機関のシステム整備等について支援をしていくということでございまして、これが基金三百億円ということでございます。
 このオンライン資格確認百五十億円、それで足りるのか足りないのか、これから先どうするのかという議論が衆議院であったときの先生御指摘の大臣の御答弁ということだったというふうに思いますけれども、そういう意味でいいますと、まさにこの医療情報化支援基金というものを使ってできるだけ多くの医療機関でこのオンライン資格確認というものが普及するように進めていきたいというふうに考えているところでございまして、これは、基金という形でつくりましたのは、これまた今年度内だけでその支援をやめるというようなことではないということはその中に入っているということでございますが、じゃ、これが何年掛かって、全体で補助の仕組み、具体的にどこの医療機関に幾らというようなことについて今申し上げることができないということでございます。
○福島みずほ君 厚労省の事前レクでは、現在医療施設は全国に二十二万施設あり、うち、レセプトのオンライン請求を行っているのは十三万施設、見込みではこのうち四万施設のオンライン資格確認システム整備費用として、スタート時百五十億円を予定している。進捗状況を見ながら二年目以降も実施していく予定であるとなれば、十三万のうちの四万で百五十億ですから、六百億円近く掛かるわけです。今はっきりおっしゃらないけれども、この基金、これでは済まずにどんどんどんどん積み上げていくということになると思います。
 それから、例えば、衆議院でも、子供が病院に行くときに毎回マイナンバーカードを持っていくことになるのかと、持ち歩くことによって紛失するリスクについて質問が衆議院では出ております。これは別に、マイナンバーと医療情報が結び付いて漏れるのではないかというリスクや心配があるけれども、マイナンバーカードの中で使うのは中に入っているICチップの中の本人認証情報というところなのでというふうに答弁があります。
 しかし、マイナンバーカードと暗証番号を一緒に紛失したり、他人に預ける場合がある。つまり、暗証番号を、これなかなか覚えられないので、一緒に使わないとこれはできないわけで、マイナポータルに本人に成り済ましてアクセス可能で、マイナンバーが付いた個人情報を入手することが可能になると。暗証番号は、電子証明書のための六桁―十六桁の英数字など、アプリごとに幾つも設定が必要です。記憶できず、カードと一緒に暗証番号をメモして保管している人もいます。紛失のリスク軽視ではないでしょうか。
○政府参考人(吉川浩民君) お答えいたします。
 マイナンバーカードによるオンラインでの本人確認につきましては、公的個人認証の電子証明書と本人しか知らない暗証番号により行うこととしております。また、暗証番号の入力を一定の回数連続して誤るとロックが掛かることとしておりまして、仮にマイナンバーカードの紛失、盗難等により他人の手に渡ったとしても、本人に成り済ますことは困難な仕組みとなっております。
 御指摘の点につきましては、そもそも、成り済まし防止のための暗証番号というものはマイナンバーカードとは別に適切に保管していただくことが前提でございますが、仮にマイナンバーカードとともに暗証番号が漏えいしたときであっても、二十四時間三百六十五日体制のコールセンターに連絡していただくことで速やかにカード機能の一時停止の措置を行うことが可能となっております。
○福島みずほ君 暗証番号ってやっぱりなかなか覚えられないので、一緒に持っている人もいると思うんです。それが流出したり、成り済ましという危険性はやはりあるというふうに思います。
 医療・介護保険のレセプト情報等のデータベース利活用、今回、民間事業者へも出すということなんですが、このことについて、例えば、このデータベース第三者提供、現在は、平成二十九年で六十四件、その詳細もいただきました。これについて、これから民間企業にもこのデータベースを出していくということになるわけですが、外資系企業についてもこれはこのデータを提供するという理解でよろしいですね。
○政府参考人(樽見英樹君) 外資系であるかどうかということについての区別というものはございません。
○福島みずほ君 これ物すごいビッグデータですよね。六十四件の中でも、ある県の内外におけるレセプト情報と特定健診全部となっていて、匿名化されていてもすさまじい、すさまじいビッグデータです。
 今の答弁で、もちろんそれが研究に資するかどうかだけれど、外資系企業や製薬会社にもこれを貸し出せるわけですよね、というか、提供ができる。それはいろんなリスクがあるんじゃないか。いかがでしょうか。
○政府参考人(樽見英樹君) このデータ、データベースということでございますけれども、個人を特定できない匿名のデータベースということでございます。それから、今回、連結解析、介護とNDBとを連結解析をできるようにするということでございますけれども、連結解析に当たりましても、ハッシュ値という文字列を活用することで、言わば暗号化して個人の特定ができない状態にして、そのまま各データベースの中から必要なデータを選定をし、それを連結できるようにするという仕組みでございますので、この今回のデータの連結解析あるいは提供ということが何か個人の特定につながってくるのではないかということについては、ない仕組みというふうになっているわけでございます。
 それから、匿名のデータであるとしても、例えば希少疾患、患者さんが非常に少ない病気であるようなもの等の特徴的なデータにつきましては、ほかの情報と結び付いた場合に個人の特定につながる可能性はゼロではないということでございますので、現在も第三者提供の際には個人の特定につながりかねないデータを提供対象外にするといったようなことで、データの安全性の確保に特に留意をした対応をしているところでございます。
 今般の法改正において幅広い主体の利活用を進めていくということをするわけでございますけれども、一方で、研究者等に提供するデータは個人の特定ができないよう匿名加工したものに限るということをはっきりと明記をしまして、また、データ提供を受けた者による漏えい防止等の安全管理義務、あるいは個人の特定を目的とするほかの情報との照合の禁止、それから国による検査、是正命令の実施というものを入れているわけでございます。こうした対応を含めまして、今後ともデータの安全性の確保に十分配慮した上で適切な利活用というものを進めていきたいというふうに考えているところでございます。
 なお、先ほど申し上げました、外資系かどうかということでの特別の区別ということは設けることは考えておらないわけでございますけれども、安全なデータ利用を担保するためには、データは国内法令の適用の下で取り扱われる必要があるというふうに考えておりますので、現在もデータの国外への持ち出しというものについては禁止をしております。この点については今後も維持したいというふうに考えているところでございます。
○福島みずほ君 海外への情報持ち出しは禁止をしても、外資系に、例えば、匿名といっても巨大なるすさまじいビッグデータ、レセプト、特定健診全部とか提供することもあり得るわけで、それは、やはり日本の税金使って、日本の莫大なるお金を使ってやった情報が外資系に出ていくということにはなりませんか。
○政府参考人(樽見英樹君) まさに、今回のデータの第三者への提供ということについては公益的な目的の場合というふうに考えているわけでございまして、特定の企業が例えば自分のところの製品のマーケティングを調べるというようなためにデータを使うという場合には認めないというふうに考えているわけでございます。
 そういうことでいいますと、データの提供をした上で、それが我が国の公益的な目的に資するというような、そういう場合ということでございますので、データの提供ということが、何か、例えば特定の企業であるとそれが問題であるというような関係にはないというふうに思っています。
○福島みずほ君 現在は大学とか研究、自治体、国というのに情報提供しています。でも、今度の法律改正案では、民間事業者にも出す、外資系にも出すということになっているわけですね。
 もちろん、民間の製薬会社であれどこであれ、公益的なためにやっていると思います。しかし、民間企業はビジネスですから、ビジネスが成功するかどうか、やっぱりそれはビジネスとして、損得、金勘定でそれは研究するかどうか、その情報を買うかどうかを決めるわけで、今の答弁で、いや、そういうことはないとおっしゃっても、やっぱりそれは民間企業、外資系のビジネスのために情報を提供すると。
 もちろん、これは審査会で審査をするわけですが、私は、極めてやっぱり危ういところにもう踏み込んでいく、第三者提供、とりわけ民間事業者、外資系も含めて、巨大なるビッグデータの提供については問題があるというふうに考えております。
 もう一つ、この匿名化ということなんですが、自分のデータ、特定健診であれレセプトであれ、これは提供したくないというふうに思う人もいると思います。
 個人情報保護法は民間を対象にしております。個人情報保護法は、目的外の使用については駄目と、そのときは提供しないとしていますし、今、個人情報保護法も改正案が議論されておりますが、例えば自分の図書の履歴やいろんなもの、自分の情報については削除要求もできるということを検討中だと聞いております。それはそのとおりだと思います。自分が買ったものやいろんなもの、今、プライバシー権は、憲法上、単なる侵害されない権利ではなくて、自己情報コントロール権と憲法上も言われています。自分の情報は自分のもの、自分の情報をどうコントロールしていくのか、自己情報コントロール権は憲法上の保障の下にあります。
 だとすれば、個人情報保護法では自分の情報の削除要求とかできる可能性も考えているのに、この巨大なる政府が集めるビッグデータで自分の情報の削除要求、あるいは、自分はこれには提供しない、自分のレセプトは提供しないでくれということが何でできないんですか。
○政府参考人(樽見英樹君) 現在のNDBあるいは介護DBというものの位置付けあるいは性格ということになってまいりますけれども、これそれぞれ、高齢者医療確保法あるいは介護保険法というそれぞれの根拠法に基づいた形で、医療費適正化計画あるいは介護保険事業計画の作成を目的として、そういう意味で、言わば一種の悉皆性といいますか、それぞれの医療レセプトあるいは介護のレセプトというものがどのように作られてどのような請求が行われているかということを全て把握するということが、適切なこういう医療費適正化計画、介護保険事業計画の作成ということに有益であるという考え方で集められているものでございまして、また、個人情報というよりは、全国の医療保険、介護保険のレセプトデータを匿名化をした上で収集をしているというものでございます。
 したがいまして、これらのデータにつきましては、法律の根拠に基づいて収集される、それから、個人が特定できないよう、データ収集時に氏名等を削除して匿名化して、復元不可能な形で格納するということが言わばこのデータの性質になっているということでございます。
 それから、ほかの情報と突合することによって個人が特定されるリスクに対しても必要な安全措置が講じられているということでございますので、そういう観点から個人情報保護法の対象外ということになっているということでございます。
○福島みずほ君 民間の場合は、仮に匿名化されるのであっても同意がなければ駄目だというふうに考えられています。私は、自分のレセプトの情報は削除してくれという人はそんなに実は多くないかもしれないと思います。しかし、何で民間の場合は個人の情報についてそれだけ、ある種敬意を払いながら、国がやるのは拒否権すらないのか。これはやっぱりおかしいというふうに思っています。今の答弁でもやっぱり納得をしません。
 それで、今後、日本年金機構にオンラインシステム経費を付けて、日本年金機構は今年度からマイナンバーを用いた情報連携システムを本格稼働させます。しかし、これが遅れた理由はまさに厚生労働省にあるわけです。二〇一五年、不正アクセスで年金個人情報百二十五万件漏えい。年金情報のマイナンバー利用がこの時点で延期になりました。二〇一八年、年金機構、国税庁、自治体で違法な無断再委託が発生し、契約外業者に番号が流出したんじゃないか。中国にこのマイナンバーも含めて流出したかどうかのきちっとした調査は、まだまだ不透明で行われておりません。こんな状況でやって大丈夫ですか。
○政府参考人(高橋俊之君) 日本年金機構のマイナンバー情報連携でございますけれども、これにつきましては、御指摘いただいたような情報流出事案でございますとか外部委託先の問題等ございましたので、これにつきましてはしっかりと日本年金機構における情報セキュリティー対策の強化をやってまいりました。また、外部委託先におきますセキュリティーの強化、そもそも外部委託をしない、インハウスで、機構の建物の中に外部業者に来てもらうと、こういった取組もしてございます。その上で、内閣官房等々にも十分確認をしていただいた上で今後も実施するというような予定としてございます。
○福島みずほ君 健康保険法の改正法案と同時に、今国会にはデジタルファースト法案と戸籍法の一部を改正する法律案が出ていて、ビッグデータというふうに思いますが、そのマイナンバー、情報をどんどん集積していくという点では共通の法案だというふうに思っております。
 今回、今日、法務省に来ていただいております。戸籍法改正法案について、掛かる費用はどれぐらいと試算をしていますか。結婚届を出すときに戸籍謄本を添付しなくてよいというためにどれぐらいお金を掛けるのか。一生のうち結婚届を何十回と出す人は余りいなくて、せいぜい数回ですよね。このためにこの仕組みをつくるんですか。
○政府参考人(筒井健夫君) お答えいたします。
 戸籍法の改正に伴いまして新たなシステムを構築するための経費につきましては、今国会に提出しております戸籍法の一部を改正する法律案が成立した後に具体的なシステム設計やシステム構成等の詳細を詰める作業を行うこととなることから、現時点では未定でございます。
 この点につきましては、新たなシステムの設計、開発に当たっては、財務当局と調整しながら合理的な経費となるよう努めてまいりたいと考えております。
○福島みずほ君 今の答弁で、法案提出、何がメリットで何が問題で何かということが分からないわけです。戸籍情報が市町村による管理から法務大臣による一元管理に変わるのではないか。自治体の戸籍が法務省に一元化されて、そしてそれがまた下りてくるという形になるわけです。あっ、ごめんなさいね、だから、自治体、総務省で、総務省のマイナンバーシステム経由で法務省につながって、そして法務省からまた下りてくると。こういう、瞬時に行われることかもしれませんが、今まで戸籍は市町村の事務だったのが、法務省にも一元化して、中央政府につながるわけですよね。この問題点をどう考えていらっしゃいますか。
○政府参考人(筒井健夫君) まず、先ほど新たなシステムを構築する必要性の点について十分お答えすることをいたしませんで、失礼いたしました。
 今国会に提出しております戸籍法の一部を改正する法律案が施行されて新たに構築するシステムが稼働することによりまして、マイナンバー制度の下で各種行政手続において戸籍謄抄本の添付を不要とするとともに、戸籍の届出におきまして戸籍謄抄本の添付を不要とするほか、本籍地以外の市町村で戸籍謄抄本を取得することができる制度を創設することとしております。これら新たに創設される仕組みによって国民の利便性の向上及び行政運営の効率化が図られると考えております。
 さらに、現行の戸籍法上、戸籍の正本は市町村において保存され、戸籍の副本は管轄法務局において保存するということにされております。そして、磁気ディスクをもって調製された戸籍の副本につきましては、市町村長の使用に係る電子計算機から管轄法務局長の使用に係る電子計算機に送信するものとされております。これらの規定を受けまして、現行法上ですけれども、法務省におきまして、管轄法務局が各局の管轄内における戸籍の副本を保存するためのシステムとして戸籍副本データ管理システムを構築し、運用しているところでございます。
 このような実情を踏まえまして、今回の戸籍法改正案におきましては、戸籍の副本は法務大臣が保存する旨の規定を設けることとしております。
 もっとも、戸籍の正本は引き続き市町村において管理することとしておりまして、市町村長が届出の受理や戸籍の記載等といった戸籍に関する事務の管掌者であることを変更するものではございませんから、法務大臣による一元管理に変わるというものではございません。
○福島みずほ君 しかし、今とりわけ問題があるわけでもなく、戸籍謄本、抄本を人生の中で取る機会ってそんなに多くないわけです。にもかかわらず、この全部、自治体、総務省、法務省通じてこの一つの大きな仕組みをつくっていくという必要が、莫大なお金を掛けて、どれだけあるのかと思います。
 個人の親族関係を一覧する戸籍関係情報を作成し、情報提供ネットワークシステムで提供とありますが、戸籍関係情報とはどのようなものですか。また、どのような形で提供するのか。現状において何が問題なんでしょうか。
○政府参考人(筒井健夫君) 戸籍関係情報と申しますのは、戸籍又は除かれた戸籍の副本に記録されている者についての親子関係の存否その他の身分関係の存否に関する情報、それから婚姻その他の身分関係の形成に関する情報、それからその他の情報といたしまして、マイナンバー法に基づく情報連携の仕組みを通じて提供されるものでございまして、具体的には、親子関係や婚姻関係といった続柄に関する情報、それから死亡に関する情報、婚姻歴に関する情報などを想定しております。
 この戸籍関係情報は、一定の親族関係にある者の双方にそのことを示すための同一の記号、例えば父親Aと長女Bとが親子関係にあることを示す同一の記号という意味でございますが、これを付すものでございます。具体的には、二者間の親子関係を確認する際には、情報を照会する者におきまして、A及びBのそれぞれについてマイナンバーの仕組みを用いて親子関係記号を照会し、これに応じてA及びBについて提供されてまいります親子関係記号が同一である場合には、A及びBは親子関係を有するものと判断することができることになります。
 現在、各種の社会保障手続におきまして、その給付要件等を確認するために親子関係等を戸籍謄抄本によって証明することが必要とされておりますが、マイナンバー法に基づく情報連携の対象として戸籍に関する情報を追加して、戸籍謄抄本の提出を不要とすることによりまして、国民の利便性の向上及び行政手続の効率化を図ることができるものと考えております。
○福島みずほ君 現在でも住民票や戸籍を通じて親子関係の立証なんかみんなやっているわけで、とりわけそれで問題があるとは思いません。むしろ、巨大なるビッグデータを一元化していくことになると。それから、相続などは電子化されていない戸籍も多いですから、これで全部解決するわけでもないんですよ。とすると、個人の利便性と言うけど、それは本当にそんなに大きくなくて、むしろこの巨大なるビッグデータを作っていくことに意味があるのではないか、極めて大きな問題があるというふうに思っております。
 審査委員会が本部の下に設置されることによることや様々な点、質問し切れていないところもありますので、また後日質問したいと思います。もう時間ですので、終わります。(発言する者あり)あと十分。ありがとうございます。どうも済みません、長い質問に慣れていないために。大変失礼いたしました。あと十分あるので、ごめんなさい。
 では、また元気に質問をしていきます。
 マイナンバーと医療情報が番号が違ってもつながり、年金とつながり、税金とつながり、戸籍とつながり、様々なビッグデータとつながることで巨大なるビッグデータになるのではないか。保険における滞納データも含まれると衆議院で答弁をしています。これ、答弁しております。様々なものが集積され、社会保障の切捨てにも使われるんじゃないですか。
○政府参考人(向井治紀君) お答えいたします。
 まず、マイナンバーそのものにつきましては、先ほども申し上げましたように、単に特定するものでございます。ただ、特定しますが、マイナンバーのみで本人確認することなく、マイナンバーのみで本人を証明するものではないと。したがって、そういう意味で成り済ましができないようなことになってございますので、マイナンバーそのこと自体が情報を集積しやすくなるということではないと考えております。
 ただ、マイナンバーは全住民に悉皆的に付番され、現在も全住民に付番されております。しかも、原則生涯不変の番号であり、他の識別子に比べて識別強度が強いということもございます。したがって、その情報のマッチングや集積した情報の名寄せの処理に、電算化に非常になじんでいるということもありますので、したがいまして、マイナンバー制度につきましては、マイナンバーにひも付く個人情報の利用範囲とその情報を提供する範囲を限ることが極めて重要であるということで、ビッグデータが集積するという点におきましては、他の機関に情報を提供することを制限する必要があるということでございまして、マイナンバー制度では情報提供を原則禁止した上で、法律に書かれているもの、それは従来は、例えば住民票を持っていただいた、それから所得証明を持っていただいた本人に証明書を持ってしていただくものを、それを省略するために横で情報連携ができるようになっておりまして、その情報が連携できる事務も法律に全て書き切られておりますし、その情報も法律に書き切られておりますので、マイナンバーの情報提供ネットワークシステムを使うことによって情報が集積することはございません。
○福島みずほ君 でも、これつながっていくわけですよね。つながっていくし、衆議院の答弁でも、例えば保険における滞納データも含まれる。どんどん、生活保護における親族の扶養義務とかは誰かというふうなことについても、それはできると。
 私は、これ国民のためなのかということがやっぱり言いたいんです。現に、児童扶養手当を申請する、何かをやるとき、親子関係の立証は戸籍あるいは住民票でも十分できるわけで、それが何か困ったということは聞かないんですよ。誰のためのこれが制度なのか。しかも、莫大な金食い虫というか、莫大なお金も掛かる。万が一漏えいした場合も問題が起きる。誰のためなのかということを強く思います。
 審査委員会が本部の下に設置されることにより、患者の疾病の個別性に基づき治療を選択してきた医師の裁量権が、これはほかの委員も聞かれましたが、地域の審査委員会の枠組みの下で保障されてきた運用が形骸化されるということになるのではないか、これについてはいかがでしょうか。
○政府参考人(樽見英樹君) 支払基金、今回、支部というものを廃止をしまして、本部の下に審査委員会、審査委員会自体は四十七都道府県に引き続き置くということでございますけれども、位置付けは、支部に置いてあるということではなくて、本部の下に設置をするということになるということでございます。
 審査の基準というものをできるだけそろえていくということになるわけでございますけれども、ただ、まさに審査委員会は引き続き四十七都道府県に置いていくんだということの考え方ともこれは一緒になりますが、まさにこの審査というものは、患者さんの状態等に応じて、医療というのは非常に個別性が高いということでございまして、患者さんの状態に応じてそれぞれの医療というものがあって、一方で、審査の基準というか保険診療ルールの適用ということについては、これは言わば一定の画一的なルールというものを適用していくんだということになるわけでございます。
 したがいまして、支払基金におきますレセプトの審査というのは、本来、言わばそうした個別性と画一性というものをどういうふうに折り合いを付けていくのかという、そういう相反した要請に対応するための手だてであるということが言えるんではないかなというふうに思っているわけでございます。
 したがいまして、これまで、支払基金で各都道府県に設置される支部単位ごとにコンピューターチェックを行ってチェックがされたものについて職員が目視による事務点検を行い、審査委員の医学的判断を求めるレセプトを抽出した上で、その審査委員がまさに医学的判断というものをもって審査を行うという流れで実施をしてきているということでございまして、そうした考え方についてはこれまでと変わらないというわけでございます。
 審査をより効率的に実施するために、これまで、各支部において独自のコンピューターチェックルールの設定を進めてきたと。これが支部間の不合理な審査の差異につながっているんではないかというようなことも言われてきました。こうしたところを本部ルールへ統一化を図っていくということになっていくわけでございますけれども、最終的には、審査委員会で審査をするというところについて言わば不合理な差異というのがあってはいけないというふうに思います。けれども、まさに最初に申し上げましたとおり、医療の個別性というものを保険診療ルールの画一性ということに当てはめていくということでございますので、そういうところでの医師の裁量権というようなものが尊重されるということは当然だというふうに考えているわけでございます。
 ですので、今回の改正法案、本部の下に設置するということで、本部の調整機能を強化するということではございますけれども、医師の裁量権を制限するというような考え方ではないというふうに申し上げたいと思います。
○福島みずほ君 補助業務は審査事務局の職員が当たるということでよろしいですね。
○政府参考人(樽見英樹君) はい、そういうことでございます。
○福島みずほ君 新たに法第一条の二で基金の基本理念が付加されております。その中で、国民健康保険団体連合会と有機的に連携しつつ、診療担当者に対する診療報酬の適正な請求に資する支援その他の取組を行うよう努めなければならないとされております。一方で、法三条の改正により、各都道府県に従たる事務所を置くとの必置規定が廃止をされます。
 支払基金は医療保険制度の診療報酬の審査支払を適正に行う上での重要なインフラであり、各都道府県に従たる事務所があるからこそ地域の診療担当者に対し迅速かつ適切な対応が必要で、この必置規定が廃止されることの問題点を多くの方が指摘をされております。どのようにこれを担保されるおつもりでしょうか。
○政府参考人(樽見英樹君) 今先生御指摘の点、一つは、国保連との連携ということが一つ、それからもう一つは、従たる事務所、つまり支部を廃止するということで、言わばきめ細かな審査ということについて支障が生じるのではないかという点だというふうに思います。
 今も申し上げましたけれども、今回、支部を廃止するということにしましたけれども、一方で、審査委員会ということについては四十七の都道府県ごとに引き続き設置をするということにしておりまして、また、そこに審査委員会の事務局というものは残して、それが審査委員会の事務の補助みたいなことは行うということにしているわけでございます。
 先ほど、繰り返しになって恐縮ですけれども、個別性の高い医療と保険ルールとの適用という、その間を、言わば医師の裁量性といいますか専門的知見を使いながら、またピアレビューという仕組みを使いながらそこの間を埋めていくという仕組みでございますので、そうした仕組みを、引き続きそうした利点を生かしながら、しかし一方で、各都道府県の支部ということでルールが違っておるというようなことについてはなくしていくというための言わば本部のガバナンスを強化していくということの組合せということが今回の改正法案ということでございますので、今回の改正法案のそうした考えは生かしながら、しかし、言わば国保連と審査支払ということでやっているということは共通しているではないかと、そういう点についてより効率化を図り、あるいはそれぞれのメリットを生かしていくというようなことについてはしっかりと取り組んでいくということでございまして、それについては両立ができるものであるというふうに考えているところでございます。
○福島みずほ君 この委員会にも医療関係者の方が極めて多いですが、ガバナンスということを何度かおっしゃって、やはり地域の特性や、いろんなことを上からのルールでこうしろああしろと押し付けにならないように、繰り返し医師の裁量やいろんなものを侵害しないものだとおっしゃったので、その下で行われるように、地域の特性も十分配慮されるようにというふうに思います。
 滞納データについては集積はするが今すぐ使わないということですが、やはり今回のようなシステム構築をどんどん積み重ねていくと技術的に可能な範囲が際限なく広がって、将来的にはいつでも運用可能な状況ができ上がってしまうと思います。
 愛されないマイナンバーカードで、みんな本当に使っていないし、銀行などにも二%しかみんな番号付いていないんですよね。だけれども、こんな形で莫大なお金を掛けながら結局カードの運用を強化していくのは邪道であるということを申し上げ、私の質問を終わります。
○石橋通宏君 立憲民主党・民友会・希望の会の石橋です。
 我が会派のお二人に続いて質問させていただきたいと思いますが、今日、冒頭、法案の中身に入ります前に、連休前に一般質疑で取り上げさせていただきました介護納付金の事務誤り問題について、本法案の中身にも関連しますので、ここから質問スタートさせていただきたいと思います。
 老健局長もまた出席をいただいておりますが、連休前に我々この委員会に報告を受けていた中身について、そのときにも触れさせていただきましたが、明らかに厚生労働省の組織的な問題という認識が弱いのではないか。問題の分析、検証、それから今後の対応策という観点からも、もっと厚生労働省内でなぜ早くにこの問題について対応ができなかったのか、この点についてもっと徹底的にちゃんと精査してほしいということを言っておりました。
 今日、理事会に、改めて、この二週間での検証の結果で、追加の新たな事実も判明をした内容で出てまいりました。大臣も御覧になっていると思いますが、これまたびっくりする新事実ですね。二月の末に健保連の担当部から、これ数字間違っているんじゃないのかということが厚生労働省の計画担当係長に問合せがあったと。健保連からこれおかしいんじゃないのかと問合せがあったにもかかわらず、そのまま放置をされていた。これも大変な問題だと思いますが。
 老健局長、改めて、この新事実も含めて、厚生労働省内の問題について、どのように、局長、改めてお感じになっているのか、今後の再発防止に向けた厚生労働省の抜本的な対策という観点も含めて御答弁お願いします。
○政府参考人(大島一博君) 前回、四月二十五日にお答えいたしました内容をより詳しく申し上げたいと思います。
 一月二十三日に支払基金の方から参考値の誤りについて一報があったということがまず最初の節目でございますが、実は、その後、二月末に健保連の担当部から厚労省の介護保険計画課の担当係長に対し、年末に示された参考値のうち、一人当たり年間負担額が誤っているのではないかという照会があり、それに対して、確定値が出たら連絡する旨回答をしております。
 そして、三月五日でありますが、支払基金の担当係長が介護保険計画課の担当係長に対し、確定値をメールにより一報いたしました。同日、その厚労省介護保険計画課の担当係長がメールの内容を確認しております。
 その翌日、三月六日に、介護保険計画課の担当係長が、二月末に健保連の担当部から照会がありましたので、確定値が出たということで電話にて伝達をいたしました。一人当たり年間負担額が約二千円増加したということに対する健保連担当部の反応から、影響の重大さを認識いたしました。そこで、介護保険計画課担当係長から支払基金担当係長に対して、至急しかるべき者が報告に来るよう指示をいたしました。それを受けて、支払基金の担当課長等が介護保険計画課の課長補佐のところに出向き、報告をしました。
 翌七日でありますが……(発言する者あり)いいですか。済みません、申し訳ありません。
 三月五日に支払基金からこういった確定値の一報があった以降、影響の大きさから見て、支払基金から詳細に説明を受ける必要はあったと思いますが、まず、私に対し報告があったのは三月十一日ということで、間が空いております。迅速に報告すべきだったと思います。ただし、これは担当者個人の問題ではなく、日々の業務の中で、どういう業務、どういうタイミングでどういうリスクが生じ得るかということをあらかじめ共有できていなかったという組織管理、管理者側の問題と考えます。
 そして、三月十一日以降は、前回も答弁いたしましたが、今度は私が、これは老健局が果たす業務として、参考値と確定値の差のことを知ってからは、健保組合の予算運営に極力支障が生じないよう、どういう方策を取り得るか最優先に置いて検討を行い、三月二十八日に健保連との間で文言調整を含め対応策がまとまりまして、二十九日に全国の健保組合に事務連絡を出したわけでありますが、この時点において、大臣を始めとする幹部に報告をするとともに、国民に広く公表すべきだったと考えております。そういった点、問題点であったということで反省をしているところでございます。
○石橋通宏君 老健局長、なぜ十一日に大臣に報告、政務に報告しなかったんですか。
○政府参考人(大島一博君) それは私の至らないところでありますが、私自身は、この問題は健保組合の予算運営の来年度の問題が最優先と、そのときは考えました。そのため、どういう善後策を取り得るかということで健保組合との調整を急いだということでありまして、ある程度方向が見えてから報告なりはということで考えていた次第であります。
○石橋通宏君 それは今振り返ってみれば適切ではなかったと、先ほどの答弁だと思いますが、重ねて、前回も申し上げましたけれども、昨年の十二月の段階で、既に統計不正問題、毎勤統計に関わる問題で、なぜあれだけ時間が掛かったのかと何度も何度も国会でやっているわけです。局長もそれ御存じだったはずです。一刻も早く政務に上げて、政務のちゃんとした対応を求める、判断を求める、それをせずに、局長、一週間も掛かっているんですよ。しかも、大臣、十九日です。口頭報告です。
 大臣にお聞きします。
 十九日の口頭報告、大臣、なぜそのときに、すぐに公表せよという指示を出さなかったんでしょうか。大臣、そのときに事の重大性を大臣は理解をされていなかったんですか。されていれば、すぐに公表すべきだということを指示されたんじゃないでしょうか。四月の五日までほっといたわけですね、ある意味、大臣も。
 大臣、その責任をどうお感じになっているかも含めて、大臣、十九日に公表すべきだ、公表せよという指示をすべきだった、そうお感じになりませんか。
○国務大臣(根本匠君) 私が三月十九日に、確かに口頭で、これは朝、ずっと仕事をやっている中で、最後にぽっと口頭で報告を受けました。
 この受けた報告というのは、参考値の一つに誤りがあった、そして支障がないよう対応していくという報告を受けました。ですから、私は、健保組合、市町村などに負担が生じないようにしっかり対応するようにという指示を、その段階で指示を出しました。
○石橋通宏君 重ねて、大臣御自身が十二月の件は当事者だった。なぜ年明けまで記者会見が遅れたのかという問題をさんざん国会でも追及されたはずです。にもかかわらず、恐らく大臣、十九日は、二千円違いました、大臣自身は事の重大性が理解できなかったんでしょう。四月の五日までちゃんとした報告はなかったわけです。その上で、記者会見でも、記者に問われて初めて詳細について説明をされたというふうに聞いております。何なんですか、このいいかげんさは、相変わらず。
 そこについては、大臣御自身の、改めて、重ねて、度重なるこの国民に対する説明責任をちゃんと大臣として果たしていないことについては、これしっかり反省をしていただきたい。そのことが今回の報告にも一切書かれておりません。これでは再発防止なんかできません。繰り返し、厚生労働省の不祥事、今後も続いていく懸念が払拭できないと言わざるを得ません。大臣、そのことはこの場で改めて苦言を呈しておきたいと思います。
 老健局長、今回の対応策で、あたかも、何の影響もない、大丈夫だ大丈夫だというような言われ方をする。確かに、今回、直接な影響を受ける健保組合等でも、予備金や準備金の取崩し、それから納付猶予措置を利用できる、こういう措置を講じているんですというふうにおっしゃる。しかし、結局、どこかで今回の二百億円は対応しなきゃいけないわけでしょう。被害を受けた今回の、被った健保組合は、一年猶予されても来年それ調整しなきゃいけないわけです。場合によっては、来年、更なる負担、二倍の負担を生じる可能性もある。体力の弱い、財政基盤の弱いところをどうするのか。これ、どうするんですか。そういう被害を被らせているわけですよ。だから、大丈夫だなんて話じゃない。
 そういう、来年度ひょっとして大きな調整が必要になる可能性がある、そういったところにどうするか。そのことについて、局長、どういう具体的な対応策、提供しているんですか。
○政府参考人(大島一博君) 委員御指摘のとおり、今回、予備費や準備金の活用、それから納付金の活用、それを組み合わせる方法といった選択肢を示したところでございますが、この納付猶予ですとか、あるいは準備金の中でも限度額を割り込んだ場合につきましては、翌年度の保険料において引上げの措置をしていただくことになります。ただし、この場合は、本年度と来年度の合計の賦課される保険料水準自体は同じでございますが、しかし、そういったことをお願いすることになります。今回示している選択肢の中で、各健保組合におかれて、御判断において、どの方法を選択していただくか決定していただくことをお願いしているところでございます。
 こうした御負担を、お手数をお掛けしていることにつきましては重く受け止めているところでございまして、健保連、健保組合等に対してもおわびをしているところでございます。
 どのような手続を取ればよいのか、個別の相談には今も丁寧に応じるよう努めているところでございまして、本省のみならず地方厚生局、それから納付猶予に関しましては支払基金におきましても丁寧な対応に努めているところでございまして、引き続き保険者の皆様に対して真摯に対応をさせていただきたいと考えておるところでございます。
○石橋通宏君 ただでさえ、現在、健保組合の、財政上の問題で立ち行かなくなってくる、大変苦しい状況にある健保組合もおられるわけです。今回の件が決して健保組合の財政上の問題を含めて悪化につながらないように、真摯に一つ一つ丁寧に徹底的に対応いただくこと、これは重ねて、今局長答弁いただきましたので、大臣もその責任において対応いただくようにこれお願いをしておきたいというふうに思います。
 これ、繰り返しませんが、今日も先ほど局長から改めて説明いただきました。やっぱり残念ながら担当者がこれだけの、二千円の違いがどれだけ大きな問題につながるのかということを理解できなかった、三月六日に健保連にお話しして事の重大性がようやく分かった、とんでもない話だと思いますよ。だからこそ、厚生労働省内でもきちんとした専門性の育成、人員配置、そして配置して以降の教育訓練、こういったことを徹底する、それが報告書、再発防止策に書いていないので、我々は、それは明記して徹底的に国民に約束してやるべきだというふうに言っているわけです。
 これ、確認だけでいいです。大臣、それも徹底的にしてやるということでよろしいですね。
○国務大臣(根本匠君) 私は、委員のおっしゃるとおりだと思います。
 やはり仕事というのは常に緊張感を持ってやらなければいけません。その意味では、常にそれぞれの職、職責に当たる者、自分の職務はどういう職務なのか、あるいはそれがどういう重要性を持つのか。とりわけ厚生労働省行政というのは国民の生活に密着した分野ですから、ですから、私は、常日頃、国民に寄り添ってというのは、相手がどう感じるか、国民がどう受け止めるか、どういう影響があるのか。そういう重要な仕事をやっているのが厚生労働行政ですから、そこはそれぞれ厚生労働行政にあずかる者、すべからくしっかりとそれを受け止めて、そして、常に仕事について、私は、研修も必要だし、やはり上司の指導も必要だし、コミュニケーションをしっかり図る、これも必要ですから、これはどんな組織にあっても私は基本は変わらないと思いますので、今回の事案を含めて、これは今委員からも話がありましたが、私もしっかりと職員の研修、そして常日頃のオン・ザ・ジョブ・トレーニングで資質を高めて、そして管理職がしっかりと指導もし、そして責任を果たすような厚労省にしていきたいと思っております。
○石橋通宏君 大臣、言葉だけではなくて、是非実践をしていただきたい。
 現場の若手も含めて、大臣も是非話す機会持ってください、プロパーの皆さんも含めて。というのは、現場の皆さん、忙し過ぎて訓練、教育に行く機会がないと言うんですよ。そこも、業務の見直しも含めて、しっかりとそういう機会に参加できる状況を、これやっぱり大臣、政務、責任持ってつくっていただくよう、それはこの場をお借りしてお願いをしておきたいと思いますし、今後、我々もフォローしていきたいと思います。
 今後の対応策については重ねて我々も引き続きウオッチをしていきますので、随時、進捗状況については説明いただくこともお願いをしておきたいと思います。
 それでは、法案の中身に入ってまいりますが、最初に、川田委員が冒頭質問されたので繰り返しませんが、私からも懸念だけ。
 今回、八本の法案をまたしても束ねて出てきています。関連するといったって、一つ一つが重大な事項を含む問題です。丁寧に審議しようと思ったら、とてもじゃないけど審議時間が幾らあっても足りません。これ徹底審議ですよね、与党の皆さん。そのことは重ねてお願いしておきたいと思いますし、我々今日初めて質問の機会をいただいておりますので、じっくり質問させていただかないと、到底、八本の束ね、だから、こんなことやめてほしいということも含めて、そのことは私からも申し上げておきたいと思います。
 その上で、最初に、個人番号カード、マイナンバーカードを使ったオンライン資格の導入について。
 これ、同じ会派の二人も触れられましたが、若干、同じ会派でも立場が違うことも含めて、少しトーンが違う話になるかもしれませんが、それだけ国民の中にも様々なやっぱり問題意識、考え方がまだまだあるんだということなんだというふうに思いますが。
 まず、これ、参考人も今日来ていただいております。先ほど来あります、マイナンバーカードの普及状況が非常に低位にとどまっています。一三%ちょっと。この原因が何なのかということですが、これは法律上の問題なのか。つまり、まだ法律上、関連できるサービスとか提供できるサービスが制限をされているために、国民の皆さんになかなか利便性を感じていただけるサービスが提供できないから低位にとどまっているのか。つまり、法改正が今後更に進まないと、今のままで変わらないのか。いや、実はそうではなくて、法律上はいろんなことができるんだけれども、まだまだ現行法制度上できるサービス、いろんな創意工夫含めて、民間の皆さんの活用を含めて、そこが進んでいないから一三%にとどまっているのか。政府はどちらの考え方に立っているのでしょうか。
○政府参考人(吉川浩民君) お答えいたします。
 マイナンバーカードは、五月七日時点で約千六百八十一万枚、人口の約一三・二%の方に交付をされております。
 昨年実施した世論調査におきましては、五三%の方が取得予定なしと回答しており、その理由として、必要性を感じないなどが挙げられたことを踏まえまして、更なる普及に向けては、カードの活用場面を増やし、その利便性を国民の皆様に御理解いただくことが必要と考えております。
 可能性としては、現行制度でもいろいろな形で活用ができるようになっておりまして、実際、コンビニ交付サービスを始めとした公的分野のほか、オンラインでの新規証券口座の開設ですとか、あるいは住宅ローン契約の締結など、民間分野でも利用が拡大をしてきているということでございます。
 今後、先ほども御答弁申し上げましたが、石田大臣の下で、今、マイナンバーカードを活用した消費活性化策や健康保険証との一体化などを含めたマイナンバーカードの普及策やマイナンバーの利活用促進策について取りまとめるべく、検討を行っているところございます。
○石橋通宏君 様々な利活用シーンの拡大、これやっぱり民間の皆さんも利用者が増えないと、初期投資してサービス提供しても使ってもらえなかったら意味がないわけで、やっぱりこれ双方関連しているので、利用者が今後更に増えていけばまた民間からも、じゃ、もっといろんなサービスを提供しようと、そういういい相乗効果をつくっていただかなきゃいけないわけですが、いずれにしても、皆さんに安心して持ち歩いていただけないとこれ意味がないわけです。
 確認しますが、これまで導入以降、一三%の皆さんには取得して持っていただいているわけですが、余り持ち歩いていただいていない。それは結局、不安があるからなんだと思いますけれども、これまで番号の不正取得、漏えい、それによる直接的な被害、これ事例があるんでしょうか。
○政府参考人(福浦裕介君) 当委員会では、行政機関等や事業者におきましてマイナンバーの漏えい事案等が発生した場合に報告を受けることとなってございます。
 不正取得につきましては、マイナンバーが記載された書類等が盗難されたといった事例はございますが、この報告の中におきましては、これまでマイナンバーが不正に利用されたといった報告や財産的な被害があったとの報告は受けてございません。
○石橋通宏君 これまでのところは直接的なそういう被害はないということで答弁をいただいております。
 逆に、これも衆議院でも、先ほどもありました、じゃ、マイナンバーカードを持ち歩いて落としちゃったらどうしようか、番号を知られちゃったらどうするのか、こういう御不安があるのは確かに事実です。これ向井さんでいいんだと思いますが、じゃ、これ、マイナンバーカードを例えば落としちゃって番号を知られちゃった、これで何ができるんでしょうか。それで、それによって直接的に、じゃ、私が番号を落としちゃった、向井さん私の番号を知っちゃった、何か私から財産を奪えますか。
○政府参考人(向井治紀君) お答えいたします。
 まず、マイナンバーカードには二つの機能がございます。まず、ICチップに入ってございます公的個人認証を今健康保険証に使うという話でございますけれども、これはマイナンバー使っておりません。
 一方で、マイナンバーカードの裏面にはマイナンバーそのものが書いてございます。それは、マイナンバーが、先ほど来申し上げているとおり、個人を特定すれども証明せずと。したがって、証明する手段が必要になると。マイナンバーを証明する手段でございます。
 その手段は二つございまして、一つがそのマイナンバーカード、もう一つは通知カードに書かれている。さらに言うと、住民票に、マイナンバー付きの住民票を取れるようになっておりまして、正確に言うとこの三つがマイナンバーを証明する手段となっておりますが、マイナンバーカードは、公的に発行する証明書としては恐らく多分類例がないと思われる、要するに無料でございますので、無料でございますので、国民に広く持っていただけるものとして、マイナンバー制度でマイナンバーを証明するためにもマイナンバーカードでマイナンバーを書いてあるということでございます。
 そして、そのマイナンバーは、先ほど来申し上げているとおり、特定すれども証明せずでございますので、マイナンバーを持っていったから何らかのものが、給付がもらえるとか、そういうことは一切ないような仕組みになってございます。マイナンバーを提供して例えば年金給付を受ける、税の還付を受けるというときは、必ずそれを証明するものが必要となってございますので、マイナンバーだけで、マイナンバーそのものが他人に知られたからといって直ちに何らかの被害を受けるような仕組みにはなってございません。
 したがいまして、マイナンバーの提供を法律上ある程度制限しておりますのは、むしろ、マイナンバーが個人の名前とかではなくて番号であるがために非常に大量処理しやすいと。したがって、Aさんのマイナンバーをいろんな人が持っているという状態に、合法であれ違法であれ、そういう状態になってしまうとプロファイリングの危険性がございますので、そういうコンピューター処理にならないような状態にするために、大量の、何といいますか、マイナンバーがいろんな人がたくさん知っているという状態にはなってはいけない。
 ただし、マイナンバーが一つ漏れたから、だから、例えば何人かに知られたから特に何か起こるという問題にはならないと、そういうことだと考えておりますので、したがって、御指摘のようなそういう財産的被害は起こらないということでございます。
○石橋通宏君 向井さん、そういう説明するから国民分からないんです。もっと端的に答えていただければいいんです。
 マイナンバーカードを落として、拾って、それを悪用できるのか。できない、それは不可能ですと言えばいいんです。向井さん、そうでしょう。
○政府参考人(向井治紀君) それはほとんど不可能だと思います。
○石橋通宏君 ほとんどとか言われるから、また国民が。じゃ、可能性はあるんですか、向井さん。
○政府参考人(向井治紀君) マイナンバーで何らかの財産的な不当な利益を得ようということは不可能でございます。
○委員長(石田昌宏君) もう一回、語尾をはっきりと。
○政府参考人(向井治紀君) マイナンバーで、マイナンバーのみで財産的な不当な利得とかあるいは不正還付とか、そういうことを受けることは不可能でございます。
○石橋通宏君 できませんというのはもう明確にはっきり、向井さん、これそうやって曖昧なことを言うから分からないんです、国民の皆さんは。不安が払拭できないんです。言い切ってください、ちゃんと、できませんというふうに。国民の安心がなかったら、幾ら普及策考えたって駄目ですよ。そういうところが一三%にとどまっている一因なんじゃないですか。そのことは重ねてやってください。
 本当に駄目なら駄目ですよ、それは。自信持っておられるなら自信持って答弁してください、国民に説明してください。だから今日おいでいただいているんです。かえって不安渦巻かないでくださいよ。お願いしますよ。
 それで、今回は、健康保険証に代わってマイナンバーカードで本人確認ができるということですね。
 私、個人的に言えば大歓迎です。マイナンバーカードで保険証の代替をできるようにしていただければ、個人的には私大歓迎ですが、問題は、この後の質問にも絡みますけれども、じゃ、一体、これからどこの医療機関に行ってもマイナンバーカードでちゃんと、健康保険証を持たずに診療を受けられる、本人確認をしていただいて治療が受けられる環境ができるのか、できないのか。そこが問題なんです。
 結局、じゃ、よく行く医療機関では使えますといって、行っている、でも、出張先に行ったら使えないから結局は健康保険証を持ち歩かないと治療が受けられないということでは、ああ、じゃ、やっぱり健康保険証でいいやということになるんですよ。
 これはどうなんですか。どれぐらいの期間で、二十二万、全ての医療機関含めて対応するんですか。明確に答えてください。
○政府参考人(樽見英樹君) 今回の法案で入れております医療情報化支援基金、これでオンライン資格確認のためのシステム整備に百五十億円を充てる予定ということで予算を組んでいるわけでございます。
 この予算の積算につきましては、全国に医療機関、薬局、全部で二十二万あります。その六割がレセプトのオンライン請求を実施しているので、その三分の一程度である四万施設に補助を行うという考え方で百五十億円というものを積算をしているということでございますが、一方で、先生御指摘のように、できるだけ多くの医療機関でこのオンライン資格確認というものができるような、そういうシステム上の整備をしませんと、これが利便性という形では問題があるということになってしまいますので、できるだけ多くの医療機関にこのシステムが普及できるように支援をしたいというふうに考えているところでございます。
 百五十億円、先ほどの数字は積算上でございまして、これは、これから実際やっていく中で単価等についても変わってくるということが考えられますので、そういうことを含めまして、予算が幾らになるのか、いつまでにということについて、具体的なことについてお答えすることはなかなか、率直に申し上げて難しいところでございますけれども、できるだけ効率的かつ効果的な支援ということに努めていきたいというふうに考えております。
○石橋通宏君 いや、結局、やるんですか、二十二万、早急に。
 今のまま、今の積算百五十億円、資料の二に、オンライン化の普及率のところで、二十二万あって、オンライン化できているところ十三万、普及率六割、その三分の一、今回約四万施設というのが積算根拠だというふうにおっしゃる。四万ですよ。全部で二十二万ですよ。樽見さん、一体何年掛けて二十二万やるんですか。必ずやるんですか、やらないんですか。
 半分残ったら、結局半分使えないんですよ。だったら、やっぱり健康保険証でいい。これだけの巨額の税金を投入しておきながら、結局は使われない、使えない。それ意味ないでしょう。決意示さなかったら、この百五十億円、今年度予算で積み上げている、国民に対する説明にならないですよ、樽見さん。大臣も。それどうなんですか。明確に答えてください。
○政府参考人(樽見英樹君) できるだけ全ての医療機関に普及が進むように努力をしていきたいと考えます。
○石橋通宏君 できるだけ何年でやるんですか、樽見さん。
○政府参考人(樽見英樹君) 医療機関の側のシステム改修ということもやっていただかないといけないので、何年ということを今ちょっとはっきりと申し上げることができないんですけれども、これはまさに、このオンライン資格確認を導入するということの趣旨を生かすためにはできるだけ早く、今年の十月からこの基金が動き出しますので、これを活用しながら、できるだけ早く全ての医療機関でこういうことが使えるようにということを目指して取り組んでいきたいと思います。
○石橋通宏君 先ほど来申し上げていることを、これ大臣も含めて御理解いただいていると思います。重ねて、やっぱりどこの医療機関へ行っても安心して使えるようにならなければ、皆さん安心して、健康保険証はもう置いていこうというふうにならないですよ。でなかったらこれだけの貴重な税金、意味ないわけですから、そこはもう厚生労働省、今回これだけのお金使ってやるのであれば、もう必ずやります、安心してくださいと。
 積算根拠の、これだけメリットが出るというふうにおっしゃっている。これだけのメリットというのも、全部がちゃんと使えるようになったらこれだけのメリットがあるということでしょう。だったら、最初の今だけ言って、いや、八十億もって、これ、最後の段階で八十億ということじゃないんですか。ということは、それをちゃんとやらなかったらこれだけの費用対効果も出ないわけですよ。そういうことも含めてちゃんと責任持ってやっていただかないと、結局は税金の無駄使いになりますよ。
 大臣、そんなことは絶対にさせないという決意だけ言ってください。
○国務大臣(根本匠君) 今回の法改正で、これは患者の皆さんに対しても利便性が向上するし、それから、医療機関にとってもこれは効果がある仕組みですから、これはしっかりとこの百五十億円で、これは言ってみれば、今、これからがスタートですから、予算もそれぞれ、積算上は百五十億の積算をしておりますが、これも実際の運用の中で、結果的には施設の規模あるいは機器によってもこの価格が低減していくということも期待されますので、要は、こういう制度を今回導入するわけですから、実際導入した結果、それぞれの効果が現れて、やはり全体に普及していくことが非常に効果があるという観点で、これからもできる限り普及が進むように、効率的かつ効果的な支援に努めていきたいと思います。
 やっぱりこれは、私も一つのムーブメントも起こしていく必要があると思いますので、いずれにしても、効果的、効率的な支援に努めていきたいと思いますし、石橋議員の期待にも応えられるように頑張っていきたいと思います。
○石橋通宏君 重ねて、政府としての明確な国民に対する方向性、これちゃんと示さないから曖昧なままでどんどんどんどん、ずるずるずるずる、システムはつくりました、税金は投入しました、でも普及はしません、こんなことが続くんですよ。ちゃんと明確に示してください、国民に対して。それがかえって普及を早める、そして国民にもっと早く利便を感じていただける、そういう体制になるんです。曖昧なことを言うから駄目なんです。
 そのことは重ねて申し上げておきたいと思いますし、我々、引き続きこれチェックしていきますからね。明確に大臣のイニシアチブでやってほしいし、これ、政府、今日、参考人も来ていただいていますから、それぞれの、ちゃんとした政府全体の意思として明確にやっていただきたいということはお願いしておきたいと思います。
 NDB、介護DBの連結解析についても一点お聞きしておきたいと思いますが、これは、要は、昨年までも匿名加工医療情報で様々な法整備、次世代医療基盤法を含めて対応してきたわけです。果たしてそれが、医療情報のビッグデータの利活用、ちゃんとつながっているのか、実行できているのか、そういう問題が一方であるわけです。
 今回はNDBと介護DBの連結解析について行いつつ、それを匿名化して利用ができるようにするという話も含めての話ですが、これ一つまず確認ですが、NDB、介護DBに収納されているデータというのは、これはいわゆる匿名加工情報ではない、個人が特定できる情報が収納されているということでよろしいですよね。これ事実関係だけ。
○政府参考人(樽見英樹君) 今回の情報はまさにその匿名情報でございますので、個人情報保護法上の匿名加工ということとは制度上は別のものということでございます。
○石橋通宏君 今データベースに収納されているデータは、個人が特定できるデータですか。
○政府参考人(樽見英樹君) できないデータでございます。
○石橋通宏君 既にNDB、介護DBに入っているデータは、個人が特定できないようになっているということですね。
 ただ、いわゆる個人情報保護法に基づく匿名加工情報若しくは次世代医療基盤法で定められた匿名加工医療情報とは違う情報だと、そういうことですね。
○政府参考人(樽見英樹君) そうでございます。
○石橋通宏君 それでは、今回のデータベース連結による匿名化による利用と、これまで進めてきた次世代基盤法等に基づく匿名加工医療情報の利活用と、これどう関連し、整合性付けるんですか。別々に、ばらばらにまた政府内で違う方向性向いて、同じ医療関係のビッグデータの活用でありながら、いろんなシステムつくって、いろんな方向性向いてばらばらにやって、あっちもこっちも結局は利用が進まずというふうになるんですか。それとも、双方が同じ方向向いて、国民に対する利便がこのビッグデータを活用してさらに目に見える形で展開されるように、これ行われるんですか。一体どっちなんですか。
○政府参考人(樽見英樹君) 例えば、次世代医療基盤法がまさに医療分野の研究開発のためにということでございますけれども、これは、医療機関等が認定事業者等に対して元々は名前が付いている情報を提供しまして、その事業者が匿名化をした上で提供するというような形で、個人情報保護法の特例というふうになっているわけでございまして、そういう意味で元々匿名で入っているNDBの情報とは情報の性質が違うということで、したがって、今回のNDBの情報の取扱いというのは、個人情報保護法上の位置付けの例外という位置付けでもありませんし、次世代医療基盤法のような扱いでもないという形になっているわけでございます。
 ただ、いずれにしても、医療分野あるいは医療、介護、福祉分野における、言わば我が国における知見の集積というものを一層進展をさせまして、国民の医療の向上、福祉の向上に役立てていくという意味では、そういう点では共通の目的を持っているというふうに言えるんではないかというふうに思っています。
○石橋通宏君 最後に言っていただいたとおり、結局は、これは国民の皆さんのために、国民の皆さんに利便を感じていただける、新しい効果的な薬が開発をされたり、新しい治療法が、様々なビッグデータの解析によって、より効率的、効果的な治療法が開発をされたり、本当に国民の皆さんに利便を感じていただかなければいけないわけですが、同じ医療情報で違う法律に基づく違う加工情報を違う形で、あっちはこっち、こっちはこっち、よく分からない形で、重ねて、どっちも利用が進まなかったみたいなことにならないようにしていただきたいということを、是非国民の皆さんにも、そして、利用される、これによって国民のための様々な研究開発を含めて対応されるところも、きちんと効果的に利用いただける形を取っていただきたいということをお願いだけしておきたいというふうに思いますので、局長うなずいていただいたので、そういう方向で、しっかり国民のために利用されるような展開をしていただきたいということをお願いしておきたいと思います。
 最後十分で医療保険の被扶養者等の要件見直しについて、いわゆる国内在住要件について質問しておきたいと思います。
 まず、この法案の立法事実が一体どこにあるのか。そもそも、提案理由に、大臣、こう書いてあります。本来加入資格を有しない外国人が、不正な在留資格により国保に加入し、給付を受けている可能性がある。可能性、証明してください。一体そんな可能性があるんですか。大問題としてその不正な利用、不正な給付、あるんですか。
○政府参考人(樽見英樹君) まさに不正な医療保険の利用ということになりますけれども、一つ、国民健康保険で日本国内に住所を有する者に適用することとしておって、外国人についても、適正な在留資格を有し住所を有していれば原則適用対象になるわけでございますけれども、一部、入国目的を偽って在留資格を取得し、高額な医療を受けている不適正事案があるというような報道がありました。
 これを踏まえて、二十九年三月でございますけれども、外国人の国保の利用について全市町村を対象として高額な医療に係るレセプト全数調査を実施した結果、不適正事案の可能性が残る事案が二件、また既に出国しておって確認が取れないものが五件というようなことでございまして、こういう被保険者の支え合いで成り立っている医療保険の中で、言わばその信頼性を確保するという意味で適正な資格管理が必要であるということになるということを認識をしております。
○石橋通宏君 資料の四に、客観的な事実を出してほしいと言って、これを出してきて、今、樽見さん言われたとおり、可能性があるかもしれないねというのが二件あっただけと。樽見さん、笑い事じゃないです。そんな立法、いいかげんな事実でこうやって法案の提案理由に、あたかも外国の方々が不正な在留で不正な取得をしているかのような言動を政府がするってどういうことですか、大臣。こんなこと書くべきじゃないでしょう、大臣。何でこんなことするんですか。これ撤回すべきでしょう。
○国務大臣(根本匠君) 今局長からもお話がありましたが、今答弁があったように、そういう事案もあったという事実があったということを含めて、提案理由説明でそういう表現にしているということであります。
 そもそも、今回の改正というのは、そういう事案があったから改正しようということではなくて、元々、この問題については、昨年五月からの医療保険部会などにおいていろいろな問題提起もされて、それでずっと議論をしてきた中で今回の改正に結び付いたということですから、多少先生の御指摘とストレートじゃないけど、このやはりそういう不適切な事案があったということ、これは私は事実だと思っております。
○石橋通宏君 事案があったのは事実なんですか、大臣。事実だと確認されていないんでしょう。そうかもしれないねというのが二例ありました、断定はできませんでしたというのが事実なんじゃないんですか、大臣。
 しかも、さっき、その事実があるからこれを提案したんじゃないと言われましたね。すごい答弁ですが、だったら、この提案理由にそう書いてあることは撤回すべきでしょう、それが事実でないなら。ちゃんと書いてありますよ、提案理由に。その可能性があるからこの法律、これを提案していますと書いてある。さっきの答弁、違うでしょう。撤回してください。
○政府参考人(樽見英樹君) 繰り返しになりますが、まさに二名の方について、不正な在留資格である給付である可能性があるということでございまして、それが不正であったということを、最終的にそこが不正であったというふうに言えるか言えないかということでいうと、可能性があるということでございますが、ただまさに、そういうものがあるということが、助け合いで成り立っている医療保険における信頼性の確保ということで重要であるというふうに考えているということでございます。
 また、先ほどの大臣の提案理由ということについての御指摘でございますけれども、提案理由説明の文章自体の中では、それはまさに今回の、文章といいますか、提案理由で御説明申し上げたものの中では、被扶養者等の要件について、一定の例外を設けつつ、日本国内に住所を有することを追加するということを言っているだけでございます。
 ただ、いずれにしても、そういうことをやる背景の考え方として、こういうような事案があったと。かつ、それが可能性ではないかという御指摘ではございますが、しかし、そういうことがあるということ自体が、信頼をもって成り立っている医療保険制度の中で、これを、信頼感をより高めるために必要である、明確化することが必要であるというふうに考えているということでございます。
○石橋通宏君 これで、多くの当事者の皆さんも含めて、関係者の皆さん、そんな答弁で納得しませんよ。元々の検討の中にもこれ入っていなかったわけです。
 去年、突然、入管法の改正の論議の中で、与党の中でこの話が出てきた。慌てて追加しようとして、今回追加されたんじゃないんですか。そもそもの立法事実も含めたちゃんとした調査、結局、これしかないわけです。それでいいかげんにやってきた。それが去年、慌てて出てきた。今回含まれた。
 重ねて言います。これで、外国の方々、こんな事例をもって、あたかも不正を行うのが外国の方であるような、そういうかえって差別を生むような対応を行政が、厚生労働省がしていいのかということについて、これゆゆしき事態だと言っているわけです。局長、聞いておられますかね。そのことを言っているんですよ、大臣、局長。そのことについて反省があるんですか。
 今回の様々な措置によって、現場で居住の確認、在留資格の確認、そういったことの強化も求める内容になっているわけです。これから医療機関で一つ一つ、お一人お一人、在留カードを見たり、在留証明を求めたり、それがなかったら診療をひょっとして拒否されるかもしれない、そういった事態をこの法律が招くんじゃないですか。何が共生社会ですか。厚生労働省が差別助長してどうするんですか、局長。
○政府参考人(樽見英樹君) まず、今回の、例えばこの高額医療サービスを受けている在留外国人の話、あるいはそうしたこと、今回の改正におきます、国保における確認の強化でありますとかあるいは被用者保険におきます被扶養者資格の国内居住要件でございますとか、そういうものについて、まず、これ昨年の外国人の在留資格ということがあって出たのではないかということに関しては私どもの認識は異なっておりまして、元々、例えば国保の資格管理という問題については、それ以前から私どもの方に、例えば市町村の担当者などを通じて、なかなか問題があるという話はたくさん来ていたわけでございます。
 それですし、例えば被扶養者認定の問題につきましても、これは昨年の五月の段階で医療保険部会の中で、これは保険者代表のある方でありますけれども、日本の医療保険の負担の低さあるいは手厚さを狙って外国の方が日本に来られて、日本の医療保険に加入しているように思われる事案というものも散見されるんではないかという御指摘があったわけでございます。
 そうしたものを踏まえて、今回こうした法律改正の内容を入れたということでございますので、にわかに昨年の暮れになって入れてきたということではないということについては何とぞよろしく御理解を願いたいというふうに思います。
 まさに、例えば成り済ましの防止といったようなことについてもこれから取組を進めていくわけでございますけれども、そうした点も含めて、これは外国人の方を殊更に区別するということではなくて、国籍関係なく、日本人であろうと外国人であろうと適切な資格管理を行っていくという考え方で制度をつくっていくということでございますので、その点についても御理解を願いたいというふうに考えます。
○石橋通宏君 最後の後段のところは当然です。その前のところは到底理解ができません。
 それをいろいろ受けて調査した結果が、現に確実に事実として認められる者はいなかった、可能性があるかもしれないねというのが二例だけ見付かったということだったんでしょう。立法事実がないじゃないですか。にもかかわらず、結局、今回これを入れてきた。去年の入管法の改正の経緯があった、もうそう思わざるを得ません。
 今回、来年四月一日施行で、これまで被扶養者として認められていた、でも四月一日以降認められなくなる方は何人いるんですか、樽見さん。
○政府参考人(樽見英樹君) 恐縮でございます、現行の健康保険制度、まさに、国籍、居住地問わず、適用事業所に雇用されているということで被保険者として、その者に扶養されている家族を被扶養者とするということで、国籍あるいは居住地というものについて正確なデータを健康保険の保険者が全て把握をしているというわけではございませんので、法改正によって健康保険の被扶養者の資格を喪失する者が何人であるかということについてお答えすることが困難でございます。
○石橋通宏君 それすら分からないわけです。現行制度の下で調べてもいないし、把握もできていない。
 最後に大臣にお伺いしますが、今のような状況で、大臣、海外で居住する者はその国の公的社会保障を受けることが原則などという答弁をされております。じゃ、これまで被扶養者の対象だった、来年四月一日から外れる、そういう御家族は当該国で社会保障制度、加入できるんですか。その国の保障で安心して残っておられる御家族が医療を受けられる、安心して、日本で働き続ける労働者の方は御家族のことで不安なく働いていける、そういう環境にあるんでしょうか。それをどういうふうに対応していくとお考えなんでしょうか。大臣、お答えください。
○国務大臣(根本匠君) 今回の国内居住要件、これは何も、委員がおっしゃられたように、立法事実としては、元々、生活の拠点が日本にない親族までが健康保険の給付を受けることができるという在外被扶養者に関する問題、課題、これは前々から指摘されておりました。
 今回、要は、原則に立ち戻って、国内居住者要件というのを、我々、基本は国内居住者要件だということにしたわけです。ただし、留学生とか海外に赴任する、これはきちんと例外として認めましょう、こういう体系につくり変えました。
 その意味では、基本的には、今のような事案については、海外居住者はその国の公的社会保障を受けることが原則として考えておりますが、各国が公的社会保障をどの程度の範囲で設けるかどうか、これは各国政府の判断であって、今般の国内居住要件の導入によって被扶養者の要件を満たさなくなる外国人労働者の家族について、母国で公的社会保障の対象になるかどうか、これは把握しておりませんが、しかし、原則は、やっぱりそれぞれの国の公的な社会保障を受ける、これが原則だと思います。そして、我が国も、今回、国内居住者要件という、要は、本来の原則に立ち返って、そして今回の改正をしていると、こういうことであります。
○石橋通宏君 終わります。
○委員長(石田昌宏君) 午後一時三十分に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時三十三分休憩
     ─────・─────
   午後一時三十分開会
○委員長(石田昌宏君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、岩井茂樹君が委員を辞任され、その補欠として中西哲君が選任されました。
    ─────────────
○委員長(石田昌宏君) 休憩前に引き続き、医療保険制度の適正かつ効率的な運営を図るための健康保険法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○川合孝典君 国民民主党・新緑風会の川合でございます。
 午前に引き続きまして、健康保険法等の改正法案、質問させていただきたいと思いますが、私は、まず、審査支払機関の機能の強化の部分から質問させていただきたいと思います。
 質問に入ります前に、本日は、社会保険診療報酬支払基金の神田理事長に参考人としてお越しをいただいております。
 法案の審議内容とは直接関係はございませんが、一連の介護保険料の事務扱いの誤りの問題等で既に国会内で様々な議論が行われており、老健局長を始め様々な方々から意見をお伺いしている状況であります。こうしたこの一連の問題が生じたことを受けて、支払基金側の責任者としての神田理事長の御認識について、まず、冒頭お伺いをしたいと思います。よろしくお願いします。
○参考人(神田裕二君) この度の介護納付金に係ります基礎数値の誤りによりまして、医療保険者の皆様方には、介護納付金が予算を上回り、資金繰りに支障を生じさせる事態を招いております。また、今回の事務処理誤りによりまして、保険料を納めます医療保険の加入者の皆様を始め、介護保険サービスを受ける方々など、国民の皆様にも心配をお掛けしたことを心からおわびを申し上げます。
 私ども支払基金といたしましては、今回の事態を踏まえまして、三月十八日の理事会に報告後、内部調査チームを立ち上げまして、事実関係ですとか原因の究明、再発防止策の検討をしてまいりまして、四月の二十二日にその内容を報告したところでございます。
 原因といたしましては、ダブルチェックはしておりましたけれども、それが十分機能していなかったということ、それからまた、担当者が、その参考数値が健康保険組合等における介護保険料率の算定に用いられる重要な数値であるという認識を欠いており、的確な情報伝達を、しかるべき方法でしかるべきレベルで厚生労働省に報告することができなかったこと等が原因であるというふうに考えております。
 私どもといたしましては、厚生労働省と十分連携を取りまして、まず、納付猶予について柔軟な対応に現在努めているところであります。
 また、直接的な原因であります事務処理誤りにつきましては、再発を防止するために、作業分担の見直しですとかダブルチェックが機能する作業マニュアルの整備を進めているところであります。
 また、より根本的な対策としましては、今回の事務処理誤りのような悪い情報がトップである私まで速やかに報告され、的確な判断、指示が行える体制を整備するということを進めていきたいというふうに考えております。
 再発防止策の進捗につきましては、適宜理事会にも報告した上で公表するということにいたしております。
 支払基金といたしましては、大変御迷惑をお掛けしたことを心からおわび申し上げますとともに、しっかりとした再発防止策を講ずることによりまして、その責務をしっかりと果たしてまいりたいというふうに考えております。
○川合孝典君 通告のない急な質問に対してお答えいただきまして、ありがとうございます。
 今、理事長からもお話がございましたが、原因をしっかり究明するということ、そのことに基づいて再発防止策をいかに講じていくのかということが問われていると思っております。
 あわせて、理事長の今の御答弁にもありましたとおり、今回の事務手続の誤りによって保険者の方々に対して負担を強いることが一切ないように、これは厚生労働省とも連携を取りながらきちんとした御対応をいただきたいと思います。
 今後、この問題につきましては別途委員会においてもまた質疑をさせていただく機会を設けたいとは思っておりますので、本日はここまでとさせていただきたいと思っておりますが、引き続き真相究明に向けたお取組を進めていただきたいということを申し添えさせていただきたいと思います。
 それでは、法案の質疑に入らせていただきたいと思います。
 今回、これは老健局長じゃなくて樽見さんになるんですかね、審査支払機関の機能の強化ということで、支払基金の組織の集約化というものを進めるということをおっしゃっています。要は、技術革新によって合理的、効率的に組織が運営されるということについては否定されるものではありませんし、要は、無駄を省くという取組を、たゆまざるその努力をするということについては、これは国としての責務だと思っておりますので、そうした意味では私はこの取組自体を否定するものではないのですが、一連の審議の状況を見ておりますと、人数が多過ぎるからだとか不合理な差異が生じているからだとかという、いわゆる二次的な現象をもって様々な対策を講じるような議論が目立っているように思っておりますので、そもそものちょっと話を、この問題について議論をさせていただきたいと思います。
 まず、樽見さんに御質問なんですけれども、今の支払基金の体制によってどういう不具合が生じているのかということをもう一度御説明いただけますでしょうか。
○政府参考人(樽見英樹君) お答え申し上げます。
 支払基金でございますけれども、昭和二十三年に設立をされたわけでございまして、その昭和二十三年の設立当時、レセプトは紙で提出をされておって、それを、先ほども、午前中も御答弁させていただきましたが、多くの医療機関から紙でレセプトが来る、それを多くの保険者に割り振って、かつ、その支払というものをきっちりと履行をするということでございまして、それを、かつ、限られた時間的なスケールの中でやらなければいけないということでございますので、そういう状況の中で、法制的にも実務運用においても支部が決定権を有する支部完結型の組織体制というものであったというふうに理解をしているところでございます。
 現在の支払基金法では、したがいまして、支部長が支部が行う業務に関する一切の責任を負うということになっておりまして、審査委員の委嘱、解嘱の権限というものも支部長が持っているということになっておりまして、本部は、言わば全体を統括する役割ではございますけれども、直接業務に関与する法的権限というものは持っておらないということになっているわけでございます。
 こうした中で、一方で、近年、電子レセプトというのが導入をされて、全ての医療機関のレセプトについてコンピューターを活用した事前点検といったようなものも行われるようになってきたということでございまして、その中で、業務の効率化を図ろうということで、コンピューターチェックルールというものも設けてきたわけでございますが、まさに支部完結型の業務というモデルの中でこれをやってきたものですから、結果的に独自の、支部ごとのコンピューターチェックルールというものがあって、これが不合理な審査結果の差異の一因ではないかというふうに指摘をされているということでございまして、こうした不合理な差異というものについては解消していくということが必要であるというふうに考えているところでございます。
 また、まさにそういうコンピューター、電子レセプトというものが普及をしていくということの中で、従来のような、紙でレセプトが来る、それを割り振って支払をする、そういう業務モデルというものは変わってきているという中で、まさに支部というところから本部中心の、よりガバナンスの利いた体制ということをつくりたいというふうに考えているところでございます。
○川合孝典君 これも何度か質問が出ておりますけれども、不合理な差異という表現をいつもされているんですが、この場合の、不合理な差異の不合理という言葉の定義というのはどのように認識されているのか、教えてください。
○政府参考人(樽見英樹君) まさに、レセプトの審査というのは、先ほども申し上げましたが、医療というのは非常に個別性を持っているものだろうというふうに思っております。それを社会保険診療のルールに当てはめていくということが審査ということの、非常に個別性と画一性の折り合いをどう付けていくかということが審査ということの言わば本質的な作業の内容を成しているということだろうというふうに思っています。
 実際の臨床現場では、年齢、性別、病状、患者の個別性が高い、治療の選択肢にも多様性があるということでございますので、審査に当たりましては、審査委員は、保険診療ルールを様々な臨床現場に当てはめて、両者の間を埋めながら医学的に診療の妥当性を判断する、その審査委員の専門的知識と臨床経験に基づいて判断しているというようなことでございます。ですので、そういう意味で一定の差異ということは避けられない面があるというふうに思います。
 また、これまで各都道府県の審査委員会ごとに様々な保険診療ルールの当てはめがなされて、それぞれが審査の結果として積み上げられてきているということで、地域間の差異というものも生じてきたというふうに考えています。
 不合理な差異というものは、こうした臨床現場の多様性あるいは審査委員の臨床経験、専門的知識というものを考慮して、医学的な知識に基づく判断ということをやった上で説明が困難な言わばその審査結果の差異であるというふうなことが言えるのではないかというふうに考えています。
○川合孝典君 その不合理な差異というのは、どの程度発生しているものなんですか。
○政府参考人(樽見英樹君) 率直に申し上げて、これが何件あるのかというようなことというのは申し上げることが難しいということについては御理解を賜りたいと思います。
 ただ一方で、具体的にどういうケースが考えられるのかということでいいますと、これはおとといの審議のときにも申し上げたと記憶していますけれども、例えば聴力検査の際に、三歳未満の小児についてこれを診療報酬上認めるか認めないか、これは、コンピューターのチェックルールを設けるときに作っている支部と作っていない支部があるというようなことで、これが一つ差になってきているというようなことが考えられるということ。
 あと、よりその審査の中身ということで申しますと、例えばヘモグロビンA1cという検査がございます。これは糖尿病の疑いがある場合に検査をするということでございますけれども、慢性膵炎のような膵臓の疾病がある方についてヘモグロビンA1cの検査を行うということを言わばこの審査の上で認めるか認めないかということで支部間の差異があるというようなことも言われてございます。慢性膵炎の患者さんは糖尿病の合併症が多く見られるということで、それをいいというふうにしているところと、厳密に糖尿病若しくは糖尿病の疑いということで審査を行っているというところの差があるんだということも言われていたところでございます。
 これは支払基金から聞いておりますけれども、現在は、原則として、糖尿病若しくは糖尿病疑いがなく膵臓疾患のみの場合はヘモグロビンA1c検査は認められないというふうにしているということで、現在は支部間の差異は解消されているということでございます。
 やや具体的な例で恐縮でございますけれども、そのようなものがございます。
○川合孝典君 お話を聞いておりますと、要は、審査する側の差異じゃなくて審査に当たっての基準の差異の話ですよね、今の話は。だから、それがその不合理な差異かどうかという点でいけば、そもそもの審査の前提となるところが違っておるわけですから、そうじゃないですよね。
 要は、支払基金の各都道府県支部の、県にある支部の審査方針が、そもそもの基準が違うから不合理な差異が出ているということであればこれは非常に問題なわけでありますけれども、その審査をするに当たっての前提が違うということであればシステムを改修すればいいだけの話ということになるんですけど、結局、そうなんですよ、前回と今回、本当に僅かな時間しか伺っておりませんけれども、不合理な差異の不合理さというものが全然明らかになっていないんですね。ということが言いたいんです。
 神田理事長にお伺いしたいんですが、これ通告しておりませんけれども、今、樽見さんの方から、これまで各都道府県が支部完結型で審査をやってこられているということの御説明がありましたけれども、なぜ支部完結型でこれまでやってこられていたのかということについて、簡単にでいいですから御説明ください。
○参考人(神田裕二君) これまで、審査につきましては、各都道府県に設置されております審査委員会において審査が行われてきたわけでありますけれども、先ほど、冒頭の説明にもありましたけれども、紙のレセプトの場合ですと、その紙のレセプトを大量に移動させるということは不可能でありますので、限られた時間の中で、現場に近いところで、その医療機関の実情もよく分かっている審査委員が、どこの医療機関はどのような特徴を有するかということも踏まえながら、御自分の医学的な専門的知識と臨床経験に基づいて、診療報酬点数表ですとか療養担当規則という保険診療ルールを様々な現場に当てはめるということがこれまでは合理的であったということかと思います。
 先ほど保険局長の方からもお話がありましたように、平成十三年以降、電子レセプトの普及を進めてきておりまして、現状ではほとんど全てのものが電子レセプトというふうになってきておりますので、統一的なチェックを掛けることが可能になってきたということから、今、その体制の見直しというものが求められているものというふうに認識いたしております。
○川合孝典君 ちょっとまた質問が元へ戻る形になるんですけれども、審査に差異が生じていることの理由ということについてなんですが、今の制度では、保険の範囲内で診療を行う医師の裁量権が認められていますよね。この裁量権の範囲の枠内で処方されるわけです。そうすると、この処方が、当然地域によって、例えば大学のサテライトの病院の、大学病院の治療方針、診療方針の影響によって地域差が生じるということはよく指摘されている話なわけですよ。そうしたことを受けて、ドクターのサイドからは、要は患者の個別性ですね、個体差、個人差を考慮しない状態での機械的な診療が拡大する懸念が指摘をされているんです。このことについて厚生労働省としてはどのように御認識をされていますか。
○政府参考人(樽見英樹君) まさに医療行為について、医師の裁量といいますか、まさにそれぞれの患者さんの個別性に応じた形で、また、それを、最も患者さんにとっていい医療をどういうふうに提供するかということについて、お医者様がその専門的知識に基づいて裁量権を持って診断をするということは、それはあるのだと思うのです。それが一方で、診療報酬、医療保険という中でどこまで認められるのかという観点からのまさに審査というものについて審査が行われているということでございます。
 ただ、そこが、一番初めに不合理な差異というものはどういうものかということについての考えを申し上げましたけれども、まさに、臨床現場の多様性ということから差が正当化できるものというのは不合理な差異ということではないんだろうというふうに思っておりまして、言わば臨床現場の多様性とか審査委員の臨床経験、専門的知識などを考慮して、なお医学的な判断として説明ができないようなものというのが現実に地域によって差というものがあり得るという形になっている、そういうものがあるというような指摘もあるという中で、ここをどういうふうに不合理な差異をなくしていくのか、公平感というものをいかに確保していくのかということが我々が取り組まなければならない課題ではないかというふうに思っているわけでございます。
○川合孝典君 何かどうも奥歯に物の挟まったような話なんですけど。
 じゃ、樽見さんに改めて質問ですけれども、査定上、不合理な差が出ているところってどこかあるんですか。
○政府参考人(樽見英樹君) まさに、先ほど申し上げた、例えば小児の聴力検査の話でありますとか、それから、これも今は直っているということではございますけれども、統一されているということではございますけれども、ヘモグロビンA1cの検査の話でありますとか、そういうようなものについては、まさに地域によって、同じようなことをやっているということについての保険診療として認められたケースと認められなかったケースがあるということだというふうに考えています。
○川合孝典君 じゃ、それは今は改善されているということでよろしいんですか。
○政府参考人(樽見英樹君) ヘモグロビンA1cについては改善しています。
 ですが、例えば、これは審査の、今のヘモグロビンA1cのような、最終的な審査委員会まで行っての審査という前のコンピューターチェックのところでございますけれども、これはおとといの御審議のときにも申し上げましたが、コンピューターチェックの項目が何万項目も延べであって、それが各支部による違いがあるというところは現実の問題としてございますので、これが最終的な査定にどういうふうにつながっているかということについては審査委員会の結果ということになりますので、一概には言えないところはございますが、少なくとも、審査委員会にかけないで処理しているものとそうでないものとの差があるというのは、そこのコンピューターチェックの違いというものからは存在するということが言えると思います。
○川合孝典君 神田理事長に確認させていただきたいんですけれども、各都道府県支部ごとにそういう審査項目の差異というものが出ているという指摘に対して、支払基金の本部では都道府県別のそういういわゆる審査の項目であるとか状況というものを把握していらっしゃいますか。
○参考人(神田裕二君) 私ども支払基金の中に分析評価室という部門がございまして、各都道府県の審査結果についての差異を分析する業務を担っております。
 具体的には、私どもが今行っている取組といたしましては、支部間差異に関する地区検討会というブロック単位の検討会がございまして、支部によって取扱いが違うものについてはそこで議論をいたしまして、問題があるものは中央の検討会に上げてまいります。そして、なぜそのような取扱いになっているかということを調査いたしまして、八割以上収れんしているようなものについてはできる限り取扱いをそろえていこうというような取組をいたしております。
 現実の問題といたしましては、本質的な問題として、様々な臨床現場に、診療報酬点数表としては紛れがないかもしれませんけれども、それを様々な臨床現場に当てはめていくわけでありますし、医師も専門的な、医学的な判断には一定の幅もございますし、臨床経験も審査委員も異なっておりますので、一定の差異は生ずるわけでございますけれども、なかなか医学的な判断で説明が付かないようなものについてはそういう会議を通じましてできる限りそろえるという取組をこれまでもしてきております。
 ただ、今の現状で申しますと、かなり支部に決定権がございますので、なかなか調整をして進めていくというのが難しい実情にございました。
 今回、審査委員会が本部の直属になるということですとか、審査委員会の審査事務の補助をします審査事務局というふうなものは都道府県に残りますけれども、それも本部の事務執行機関というふうになりますので、私どもとしては、今回の組織見直しの趣旨というものは、審査の不合理な差異というものをできる限り解消していけるように公平な当てはめをしていくということがその趣旨だというふうに理解をいたしておりますので、今回の見直しをそのように審査の質の充実に生かせるように努力してまいりたいというふうに考えております。
○川合孝典君 是非そうしていただきたいと思います。
 ここから質問の、ちょっと変えたいと思うんですけれども、お手元に、支払基金の平成二十七年から三年間の年度別の審査査定状況の表を作らせていただきました。これは支払基金さんの基金年報から抜き出した資料であります。
 細かい字なので申し訳ありませんけれども、平成二十七年度の青い欄の部分の左側のところ、査定点数というのが書かれておりますが、医科・歯科の計というところで数字が一兆二千八百億三千六百八十二万点という数字が書かれております。これ読み替えますと、十二兆八千億円分の審査をしているということであります。それに対して、その隣に査定点数が三七二〇五一一と書かれておりますが、これが実際に査定をされた金額ということになります。つまり、この年に関しては三百七十二億円が査定をされた、要はカットされているという、こういうことになるわけでありまして、基金の組織の見直し等、いわゆる効率化の議論をされるときに、人を減らせばその分ローコストで運営できるんじゃないのかという議論に偏りがちなわけでありますけれども、十三兆円近いこの申請を、チェックを行った上で四百億円近い査定が行われているというこの事実ですね、この行為こそがいわゆる薬剤の過剰投与を要は抑制するための効果として働いているという、このことについての実は議論というのがなされていないと私は思っているんです。
 先ほど神田理事長もおっしゃいましたけれども、今回の法改正の趣旨というのは、あくまでも審査のいわゆる機能を強化させるということと、適正な審査を推進していくためにどういう枠組みがあるべきなのかということの議論という意味では私は十分理解できるんですけれども、組織を効率化する、人を減らすことによって、要は機械化することで人を減らすということに価値を見出してのこの見直しということであるならば、むしろ私は、おかしなレセプトをきちんとチェックできる体制が損なわれてしまうことの方が、薬剤費の今後の膨張を招いてしまいかねないのではないのかと、このように実は考えているんです。
 そこで、根本厚生労働大臣、ちょっとお暇そうにされていますので御質問したいと思いますけれども、今回の一連の支払基金のこの組織の見直しというものは、これはあくまでも不合理な差を是正するための措置であって、人を減らすということの目的ありきでやっている話じゃないという理解でよろしいですか。
○国務大臣(根本匠君) それは委員のおっしゃるとおりであります。
 これはやはり基本的には、審査支払というのは公的医療保険制度の適正な実施、運営を担保する上で必要不可欠な機能ですから、これを効率的な、かつ効果的に実施するために存在する支払基金、これは、これからも国民皆保険を支える極めて重要なインフラとしてその役割を果たしていく必要があると考えております。
 その上で、支払基金は、こうした役割を引き続き担いながら、ICT等社会環境の変化に対応した、より効率的かつ公平な審査支払が可能な組織としていく必要があります。今回の支払基金改革は、本部が中心となった全国統一的な業務実施が可能な組織へと見直す、そして、ICTを最大限活用しつつ、審査業務の効率化、高度化を進めていく上で必要不可欠な改革であると考えています。
 今まで、局長あるいは神田理事長から、この不合理な差異等々の、医学的な妥当性、必要性からの、要は、不合理なチェックルールについては統一していく、そして、より効率的な審査をしていくということが、要は、本来は機能強化ですから、その結果として、効率化することによって、そして結果的に一方で業務が減って、そこでそこの人員が結果的には必要がなくなるという面も一方では出てくると思いますが、そこはいずれにしても業務が効率的にしっかりと執行させるように、言わばこれは、審査支払機関の機能の強化という観点で本部が調整機能を果たすという改革ですから、そこは基本的には審査支払機関の効率性、あるいは機能の強化ということで捉えております。
○川合孝典君 大臣、御答弁できればお聞かせいただきたいんですが、一昨年、平成二十九年七月の、厚生労働省と基金の連名で、支払基金業務効率化・高度化計画・工程表というのが出されております。これ、レセプト点検の九割をコンピューターチェックにより完結し、効率化を図ることにより云々で、人員削減を行うということが明記されているんですけれども、これ、削減ありきの議論になっていないでしょうか。
○政府参考人(樽見英樹君) 一昨年の七月に策定をしました支払基金業務効率化・高度化計画という中で、この計画に基づいて業務効率化を着実に進めて、二〇二四年度末段階で現行定員の二〇%の削減を計画的に進めるというふうになっておりますが、これは言わば、何というんでしょうか、職員の業務負担を増やして人を減らすとか、単に人を減らしていってというものではなくて、まさにその職員の業務負担を減らしていくということを通じて八百人分の業務削減を行うという考え方でございまして、先ほど大臣から御答弁申し上げたように、支払基金の機能強化と効率化ということを取り組んでいくということの結果としてこの八百人分の業務が削減されるということでございます。
 したがいまして、これについて、八百人分の業務が減るということでございますけれども、その言わば人の減ということについては、例えば整理解雇が必要となるというようなことは考えておらないということでございまして、人数の変化ということについても定年退職者等の退職者と新規採用職員の雇用という中で対応が可能なものというふうに考えているところでございます。
○川合孝典君 これ神田理事長に確認なんですけど、コンピューターチェックを行うためのシステム刷新のための、今そのシステム自体を構築段階にあるというふうに伺っておるんですけれども、動き出すのはいつなんでしょう。
○参考人(神田裕二君) 二〇二一年の九月を目途に新しい審査支払システムを稼働するということで、現在、順次調達を行っているところでございます。
○川合孝典君 ということは、動かしてみないとどの程度の効果が見込めるのかということはまだ分からないということの理解でよろしいですよね。
○参考人(神田裕二君) 厳密な意味では御指摘のとおりかというふうに思っております。
 ただ、先ほど保険局長の方からもお話ございましたけれども、現在、システム改修前についても合理化できるところは進めるということで、例えば、査定をしたり医療機関に返戻するレセプトについて理由を付すわけですけれども、そういうものを自動で記載をするような仕組みを導入するということですとか、これまで、高額注意附箋といって、一定の高額のレセプトについては全部注意附箋が付いていて、それを一々職員が見ては剥がすというような業務を行っておりましたけど、そういう査定に結び付く可能性が低いようなものはこれを廃止するというようなことをしたりしております。
 それから、レセプトの審査に当たって、症状詳記のような摘要欄に記載するものについてはできるだけ選択式に改めていただくというようなことも診療報酬の改定でさせていただいておりますので、そういったことと、それから、先生今御指摘ございましたように、新しい審査支払システムにおきまして、人が審査をすべきものとコンピューターチェックに掛けるべきもの、それから、かなり査定されることが極めてまれであってコンピューターチェックにも掛けなくてもいいものというふうに振り分けする機能を新しい審査支払システムに導入することによりまして、より医学的判断、専門的判断が必要なところに職員、それから審査委員の労力を掛けることによって職員の業務負担を軽減していくということを併せて実施していきたいということで考えております。
○川合孝典君 もう一点確認させていただきたいんですけれども、支払基金法の改正、従前改正された折に、適正なレセプトの提出に向けた医療機関等への支援、これがその支払基金の役割として書き込まれているというふうに伺っておりますけれども、具体的に、現状、支払基金さんは医療機関に対してどういった形でいわゆるその支援活動というのをやっていらっしゃるのかというのを、簡単にでいいので、教えていただけますか。
○参考人(神田裕二君) 医療機関に対して適正なレセプトを提出していただくための支援といたしましては、医療関係団体での研修ですとか打合せをさせていただくというようなことですとか、あるいは、問題があった場合には文書ですとか電話等で指導させていただきますけれども、それで不十分な場合には面接懇談という形で指導させていただくことによって、それを是正していくというようなこともさせていただいております。
 今後、そういう取組といたしましては、例えば、先ほど申しましたけど、返戻とか査定をする理由を詳しく記載することによって次から正しい請求をしていただけるようにしていくということですとか、今、コンピューターチェックルールを掛けておりますけれども、どういうコンピューターチェックを掛けているのかということを公開することによりまして、あらかじめ医療機関の側でそれを見越して適正なレセプトを提出していただくことによって査定が少ない形で請求していただくというようなことも含めて、今後取組をしていきたいというふうに考えております。
○川合孝典君 最後に、大臣に御所見も含めてお伺いしたいんですけど、今までもろもろ質問させていただきましたが、改めて確認なんですけれども、いわゆるその組織の効率化を行う、無駄を省くということについては、これは進めなければいけないという認識に立った上で、これまで支払基金が担ってきた役割というのは、レセプトを厳正にチェックする。数字に見えているだけでも三百七十億という数字が平成二十七年で出ておりますけれども、それ以外に実際に返戻されているレセプトも五百五十万件年平均で直近あると聞いております。つまりは、プラス数百億円分のいわゆるレセプトがそこで査定されているということでありまして、この実は作業の効果こそが医療費の、薬剤費の適正な使用につながっているという、これがそもそもの支払基金の存在の目的であるということなんです。
 したがって、人を減らせば効率化できるということではなく、なぜ過去から現在に至るまでこういう枠組みでいわゆるレセプトチェックが行われてきたのかという、その過去からの経緯にのっとって、今後、人を減らすということの目先の取組ということだけではなくて、本当の意味で適正な審査が行われて適正な医療費の使われ方がなされるのかという観点に立って、取組を是非進めていただきたいんです。
 残念ながらこうした議論これまで余り聞いておりませんので、誤解に基づいて、人を減らせば少しでも安く運営できるといったようなことをもしお考えになられているのであれば、基金がチェックしているから怖くて薬使い過ぎないのが医療の現場なんですよ、もう平たく言ってしまえば。という意味でいけば、基金のチェック機能が弱くなるということは、結果的に近い将来の薬剤費の要は増加につながりかねないという、このことを指摘させていただきたいと思います。
 そこで最後に、この問題については最後に大臣に確認をさせていただきたいんですけれども、効率化ありき、人員削減ありきのこの議論ではないということを改めて大臣から確認させていただきたいと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(根本匠君) 先ほど私も申し上げましたが、この今回の改革については、支払基金、これは極めて重要な国民皆保険を支えるインフラですから、その役割をしっかりと果たしていく必要があると考えております。
 その上で、支払基金が、きちんとした役割を引き続き担いながら、ICT等、社会環境の変化に対応した、より効率的な公平な審査支払が可能な組織としていく必要があるということで、今回は本部が中心となった全国統一的な業務実施が可能な組織へと見直すとともに、ICTを最大限活用しながら、審査業務の効率化、高度化を進めていく上で必要な不可欠な改革であると考えております。
 今、委員の方からもいろいろな御指摘、御提言もありました。これは、要は、やはりより効率的そして高度な業務を実施してもらおうという観点で、要は支払基金の機能強化が本来の目的ですから、その中で、効率的な組織体制もやる中で人員が結果的に減っていく部分、これは効率化の反映としてということは当然ありますが、それは先ほど保険局長からも話がありましたように、それは機能の強化という観点、効率化、高度化の観点からやっていった結果の人員がある種効率的になるということでありますから、そこは、あくまでもこの改革は、支払基金がより重要な、国民皆保険を支える重要なインフラとして、その業務の効率化、そして機能強化を図ろうとするということが目的でありますから、今日の委員とのやり取りを踏まえて、我々は、その辺の趣旨は今も局長や神田理事長から話があったとおりだと考えています。
○川合孝典君 ありがとうございます。大臣、是非よろしくお願いします。
 では、次の質問に入らせていただきたいと思います。先ほど石橋委員も質問されていましたが、被扶養者等の要件の見直し、国民健康保険の資格管理の適正化について、ここについて私からも質問させていただきたいと思います。
 先ほど類似の質問がありましたが、改めて確認させていただきたいんですけれども、これ、厚生労働省さん、分かれば教えていただきたいんですが、安倍総理は、たしか参議院の予算委員会の答弁で、やっぱり本来あるべき形以外での形で、我が国へ来て直ちに高額療養費制度を使う方が実際におられたという趣旨の発言をしておられます。外国人の国保の不適切な利用実態というものが本当に確認されているのかどうかということをもう一回ちょっと教えてください。
○政府参考人(樽見英樹君) 国民健康保険の不適正な利用実態ということでございますけれども、外国人の国保の利用について、入国目的を偽って在留資格を取得し、高額の医療を受けているんではないかと、そういう不適正事案があるということが報道では言われているということがございました。
 これを踏まえまして、二十九年三月に私どもで、外国人の国保の利用について全市町村を対象として高額な医療に係るレセプト全数調査というものを行ったということでございます。その結果、不適正事案の可能性が残る事例が二件、また既に出国しており確認が取れなかったものが五件あったということでございます。そういう意味で、私どもの調査の結果でいうと、不適正事案の可能性があると考えられる、それが二件ということでございます。
 いずれにしても、被保険者の支え合いということでこの医療保険制度は成り立っているものでございますので、その信頼を確保するために適正な資格管理は必要であるというふうに考えているところでございます。
○川合孝典君 もちろん、保険を不適正に使用するなどということがあってはいけないわけですから、抜け道がないように、不適正使用がないように、加入者に損害を与えないようにどうあるべきなのかということの議論をするということについて私は否定しません。
 否定しませんけれども、今お話を聞いていても、例えば、報道にあったと。報道にあって、調査をするのはいいですよ、なんだけれども、それがいわゆる規制強化とか資格の要件の見直しにつながるとは到底思えないんですけど、報道にあったということがそもそもの前提としてこの資格要件の見直しというのが行われるということですか。
○政府参考人(樽見英樹君) 今申し上げた、報道にあって、また、何というんですか、不適正事案があるということについての調査を行ったと申し上げたのは、これは国民健康保険の不適正利用の方でございます。
 今回の法律で被扶養者要件の見直しということについては、これは健康保険法の関係でございまして、これについては従来から別途、言わば外国に住んでいる被扶養者ということについて、広く被扶養者という形で給付を行っているということに対しての問題点というものが指摘をされている中で、今回の法改正を行うこととしたという関係にございます。
○川合孝典君 もちろん、いわゆる在留者の方が資格を偽って公的保険制度に加入されるということは防がなければいけない、もちろんなんですけれども、それなのであれば、入国前に例えば直近の健康診断書を提出させるだとか、そういうことで確認をすることはできるわけですよね。
 だから、保険である以上不適切な使用があってはいけないということはもちろん言うまでもないことでありますけれども、適正な手続で加入された方である以上は、日本人であろうが外国人であろうが差が生じてはいけないというのも一面の事実だと思うんですよ。この点についてどう認識されていますか。
○政府参考人(樽見英樹君) 先ほど、ちょっと私の答弁で若干舌足らずであったなと、今ちょっと席に着いたところで思ったんですが、国民健康保険の方では、市町村が言わばその調査対象を明確化するということで、国民健康保険の資格管理の観点から、市町村が関係者に報告を求めることができる事項ということで、被保険者の資格の得喪に関する情報というものを追加をするというのが今回の法律でやっていまして、これは国民健康保険の方の話でございます。これを先ほど申し上げるのをちょっとうっかりしましたが。
 いずれにいたしましても、こういう調査対象の明確化というところもそうでありますけれども、外国人だからということでなくて、申し上げておきたいのは、今回の法律改正については、今の調査対象ということも日本人を含めてということで、例えば被扶養者要件のことについても国籍によって区別をするという仕組みにはなっておらなくて、日本人も外国人も、まず健康保険の被扶養者認定に関して言うと、日本国内に生活の本拠があるかどうかということを要件に加えると、それから、国民健康保険の方に関しまして言うと、要するに、その資格の得喪に関する情報ということについて報告を求めることができるところに加えるということでございまして、外国人だからどうこうというような仕分にはなっておらないということでございます。
○川合孝典君 ちょっと具体的に、この議論が起こったときに、いわゆる入管法を改正して、実質的な移民法のような話がばばっと決まってしまったことによって、大量の外国人の方が日本に入国される、そのときにどこまでが一体保険の対象になるのかということの議論が起こってきた。結果的に、当時の議論の流れとしては、要は、どこまで日本の保険で面倒見たらいいんだ、大丈夫なのか、また、ただ乗りを許すなという話も含めて、そのときにそういうトーンの中で起こっています。
 事実関係だけちょっと数字で見た方がいいかと思いまして、これ保険局の資料を持ってまいりました。二枚めくっていただきまして、二ページのところに、外国人被保険者数の推移という表が@で記載されております。直近が平成二十九年度ですが、外国人の被保険者数が九十九万人、全体に占める比率が三・四%というのが今の数字です。次のページめくっていただきますと、国内の診療実績というのが同じ@に記載されておりますが、これ見ますと、外国人の方の医療費実績は九百六十一億円、割合として全体の総医療費に占める割合は〇・九九%、おおむね一%ということであります。つまり、加入者が三・四%で医療費として使っているのは一%弱ということであって、外国人だからといって別にそんなに使われているわけではないということであります。これが数字のファクトです。
 それがなぜかということについては、若い方が日本に来られている比率が高いから、当然健康な人が多いということにもつながっているということでありまして、したがって、現状の外国人の方へのいわゆる国保の給付というものの行われ方、給付のされ方というのが、別に異常な状況じゃない、適正に行われているということが前提にあるということであります。
 その上でなんですけれども、今おっしゃいましたとおり、日本人も外国人も同じだということをおっしゃいましたが、それでは、今回新たな在留資格で特定技能一号になった方、この方については家族、配偶者の帯同はたしか認められていないですよね。その場合には、日本に同居していないということですから配偶者であっても給付の対象にはならないということになるわけですけど、これは問題はないんですか。
○政府参考人(樽見英樹君) まさに被扶養者の要件ということでございまして、被扶養者については、まさに一定の親族関係ということと扶養関係ということを要件にしてきたわけでございまして、それについて、今回、言わば日本国内に生活の本拠があるということの要件を加えるということでございますので、これ、諸外国の制度を見ても、例えば日本と同じように社会保険方式を採用しているドイツ、フランス、韓国でも国内居住要件というものを課しているということになっておりますし、税方式を採用しているイギリスでは居住者を対象とした公的医療保障というふうになっているということから見ても、この国内居住要件ということについては、国際比較をしても、言わば国際的に広く行われているものと同じということが言えるのではないかというふうに思っています。
 特定技能一号の帯同できない家族ということについては、言わば、基本的にそれは、帯同できるかどうかということについては、これは私どものこの被扶養者認定の問題というよりは、どういう方を帯同できるかという、国内に、入国管理上の問題であるというふうに考えておりまして、そういう方々について、海外で居住する方について日本の被扶養者というふうにならないということの結果としては、海外で居住する方がその国の公的社会保障を受けるということが基本的には原則であるというふうに理解しておりますので、そういう方々について私どもの健康保険でカバーするかどうかということについて、これはどこまでの方をカバーするということが日本国内での保険という観点からコンセンサスを得られるかどうかという問題であるというふうに考えているところでございます。
○川合孝典君 諸外国の例というのを今挙げられました。
 確かに居住要件というのが付されている国が多いわけでありますけど、そこで質問なんですけど、この居住要件を付している国で、今回の日本の特定技能一号のように、家族を呼び寄せることについての制限が、入管法上措置が講じられている国というのはあるんですか。
○政府参考人(樽見英樹君) 恐縮でございますが、在留資格ということについては承知をしておりません。
○川合孝典君 そういうことなんですよ。要は、つまり、日本人も外国人も差は付けないと言いながら、実際問題としては家族を特定技能一号の方は呼び寄せることができないわけです。
 保険だから公平にっておっしゃいましたよね。当然、したがって、公平に、外国人であろうが日本人であろうが、保険料を納めていらっしゃるわけですから、納めた保険料に対してきちんと給付を受けられる権利が守られるのが、これは国際法上のルールなんですよ。
 もっと大事なことは、大臣、是非聞いていただきたいんですけど、要は、日本の国としてどうするべきなのかということもありますけれども、今は御承知のとおり、国際的な人の動きが激しくなっています。この激しくなっている状況の中で、既に日本に来られている方々に対して、今後この在留資格の見直しを行うことでどうなっていくのかということについての検証を、さっき質問どなたかされていましたけれども、きちっとした回答返ってきていないんですよね。
 済みません、ちょっと若干質問、趣旨がずれましたけれども、確認させてください。今回この在留資格の見直しを行うことで、既に日本に在住されている外国人の方々で影響を受けられる方っていらっしゃいますか。
○政府参考人(樽見英樹君) 人数が何人かということで言われますと、これはまさに、先ほどもお答え申し上げましたが、健康保険制度、雇用関係に基づいて被保険者管理をしておりますので、その被保険者、被扶養者の国籍、住所といったようなことについてお一人お一人確認をしているというデータとして持っておらないということになっておりますので、その人数ということについては申し上げることができないわけでございます。
 ですので、若干定性的になりますが、現在適用されていて被扶養者の方がいらっしゃるというような方、それで被扶養者の方が日本国には生活の本拠を持っておられないという形で被扶養者になっておられるという方については、今回の改正の結果としてそこが外れてくるということになりますので、そういう影響が出てくるということになります。
○川合孝典君 大臣の御認識をお伺いしたいんですけど、今、具体的な数字は樽見さん何もおっしゃいませんでしたけれども、既に日本に滞在されている外国からの永住者の方や定住者、二百六十万人ぐらいいらっしゃるという数字がございます。正確な数字ではないですけど、ざくっとそのぐらいの人数いらっしゃるということなんですが、この二百六十万人ほどいらっしゃる在留外国人の権利義務関係に影響するんです、これ。権利義務の関係にも影響します、今回の法律の制度の見直しが。そのことの結果が国際社会との間で場合によってはあつれきを生む可能性があるわけです。
 このことについて厚生労働省として検証されているのかどうか、これ、大臣、ちょっとお聞かせください。
○国務大臣(根本匠君) あつれきを生むかどうかというところの検証は、率直に言って、そこはしておりません。
 ただ、今回の我々の健康保険、この改正というのは、今まで歴史的に見ると、要は、扶養者の範囲というのは、歴史的に、特に戦時体制の下の昭和十四年に銃後の守りということで職場挺身者の家族の生活安定が求められたということで家族給付を創設して、被扶養者を、対象を拡大してきた、あるいは、昭和二十年には直系尊属についても同居要件というのを廃止して、これは戦争で長男を失った老親の生活を次男等が仕送りにより維持するケースを想定してということで、被扶養者の範囲を拡大してきたという歴史があって、昭和三十二年には民法の扶養義務者の範囲を踏まえて三親等以内の親族に限定した、こういう今までの歴史的な流れがあります。
 そして、昭和五十五年以前は、健康保険の加入者が海外にいる場合には保険給付が行われず、日本国内でしか保険給付が受けられなかったということがありましたが、グローバル化の進展によって海外駐在者あるいは海外旅行者の増加、こういうものを受けて海外療養費制度というのが昭和五十六年に導入されました。
 こういう歴史的な経緯があって、今回、グローバル化が更に進展した現在では、これまで想定できなかったような事例として、日本に生活の基礎がなくて国内の医療機関を受診する蓋然性が低い者まで被扶養者として健康保険の対象になるというケースが発生しております。
 こういう状況の中で、国内の医療保険機関を受診した場合の保険給付というのが本来の健康保険制度の原則でありますから、この原則に、基本的な考え方に立ち返って、そして、ただ、海外の医療機関を受診した場合の給付は例外であるということを、例えば海外に駐在する、あるいは留学する、こういうことを徹底するという観点や、あるいは適正な認定事務を確保する観点から、諸外国の制度との比較を行った上で、被扶養者について、これは原則として国内居住要件を設けるということとしたものであります。
 そして、じゃ海外の方はどうなんだというお話ですが、ここは、やはり基本的な考え方としては、それぞれの海外の社会保険制度で対応していただくべきものではないかと、こう思います。そういう整理の中で今回の改正法案を出させていただいたということであります。
○川合孝典君 何とも分かったような分からないような御説明でしたけれども。
 いろんな考え方があると思うんですけれども、私はちょっと大臣とは考え方が大分違うなということを感じました。
 大臣おっしゃいましたように、グローバル化が進みまして人の国際的な移動が活発化していると。その中で、日本の社会保障制度と相手国の社会保障制度との間の適用が、もちろん重複があっちゃいけないですよ、でも、隙間もあっちゃいかぬわけでありまして、そこの部分については、日本の国としての制度の在り方ということと相手国の制度との間での、どう整合性を取っていくのかということの視点が必要だと思います。一連の議論を聞いていると、日本の国内の事情でもって制度を見直すというところに力点が置かれているように思えてなりません。
 どういう影響が今後既在留者の方に対して出るのかということについてなんですが、これ私も事実関係きっちり確認したわけではないですけれども、既に日本に在留されて日本で働いていらっしゃる方々も、家族を連れてくることができない状況で日本で長年生活し働いていらっしゃる方、大勢いらっしゃいます。そういう方々のうちには、要は、自分が日本の国保の加入者になることで家族が医療、治療を、要は、発展途上国の場合には日本の良質な医療というのは大変な魅力ということでもありますので、そのことがインセンティブとなって日本に働きに来て、御家族が医療のサービスを受けていらっしゃるというケースも少なからずあるというふうに伺っております。
 そういう方々を含めて、要は、これから来られる方についてはそういうルールだという話がもちろんあるのかもしれませんけれども、今までのルールがあるということを前提に日本という国を選んで働きに来た方々で実害が出るケースが実際に生じる可能性が高いということを是非御認識いただきたいんですよ。
 樽見さんで結構です。そういう事例が実際にあるや否やということについて、厚生労働省として状況は把握されていますか。
○政府参考人(樽見英樹君) 先生御指摘のように、むしろ日本で医療を受けられるということが魅力として日本に来られているというような方がいるかいないかということについて、はっきりと私どもの方で、こういうケースがこれでありますというようなことを把握をしているというわけではありません。ただ、それはあり得るケースではあるなというふうには思います。
 ただ一方で、特に被扶養者の方が海外にいらっしゃるような方の場合に、むしろ、先ほど大臣から御答弁申し上げたように、過去の経緯を見ると、元々、被扶養者の範囲というものについては、特に戦時中にどんどん広げてきたというようなことがある。それを一方で昭和三十二年には限定をしたというようなこともやっておると。
 それから、海外にいる方について、医療費を、海外療養費というのをどういう場合で払うのかということについても、元はなかったものを広げてきたというふうなことがあるわけでございまして、その結果、言わば国際的に見ると、自国民、自国の領域内において医療保障を行うということを、各国、医療保険あるいは公的な医療費保障制度でやっておるという中で、日本の制度が比較的に、何というんでしょうか、ジェネラスなといいますか、外国にいらっしゃる方についても日本の制度として給付を行うというところが外国の一般的な制度の在り方よりもやや目立つような制度になってきているというのは、これは事実だろうと思いますので、そういう点について、むしろ今回、国民の助け合いの制度である、日本国内における医療費の、医療の保障を行う制度であるという原点に立ち返ってもう一度それを見直すということでございますので、これについては、対外的な関係ということでそれが何か問題になるというようなことというよりは、むしろ国際的な標準的な考え方に私どもの制度が近くなるということであろうというふうに思っているところでございます。
○川合孝典君 じゃ、それは特定技能一号の方についても言えることですか。
○政府参考人(樽見英樹君) 特定技能一号ということについては、先ほど申し上げたように、これは在留資格の問題でございますので、どういう在留資格ということであれ、これは我が国の国内にいらっしゃる方に対する医療費の保障ということでの医療保険制度の考え方ということであるとすれば、それがどういう在留資格であるかどうかということに関わりなく、どこにいらっしゃるのか、どういう雇用関係を結んでおられるのかということによって決まるということでございます。
○川合孝典君 それは結構無責任な発言ですよね。
 要は、従来の技能実習制度の時代にはそういう理屈も通じたのかもしれません。しかしながら、特定技能一号、二号という形をつくったことで、要は移民なわけですよ。労働者として、要は、研修目的で受け入れるんじゃなくて、労働者として受け入れるということにしたわけです。しかも、五年を十年に延ばして。それが、しかも十年間、家族の帯同も許さずに、要は本人だけ来て働けという制度なわけですよ。こういう制度で、要は日本の国内の在住資格だけが給付の要件になるのかという話になったら、これは国際法上差別だと言われてもおかしくないんじゃないんですかという話をしているんです。
 そのことについての議論はされましたか。
○政府参考人(樽見英樹君) 例えば、特定技能一号の帯同できない家族といったような海外居住者について引き続き健康保険でカバーするという考え方というのは、一つの整理としてはあり得る整理だろうとは思います。
 ただ、まさに海外で居住する人については基本的にはそれぞれの国で公的医療保障を受ける、日本においても基本的には日本国内において公的医療保障を行うということが社会保障のむしろ一般的な原則であるという考え方の中で、日本で生活する蓋然性が低い海外居住者まで被扶養者とするということについては、結局、また助け合いの仕組みということになりますけれども、健康保険が労使の保険料によって運営されている助け合いの仕組みであるということを踏まえれば、支える側のコンセンサスを得られるかどうかということが問題になって、そういうことからすると適切ではないんではないかというふうに考えたということでございます。
○川合孝典君 在住することの蓋然性が高い低いじゃなくて、そもそも、要は来たらいかぬと言われておるんですよ。そのことについてどうなのかということで、蓋然性の話じゃないですよ、元々来るなと言っているんですから。
 要は、連れてくることができない状況の中で、その連れてくることができない配偶者や子供が対象にならないということだと、本来の一般的な日本人、要は在住している加入者との間で著しい不公平が生じるのではないのか、むしろそのことが保険としての制度上おかしくなるんではないのかということの指摘です。分かりますか。
○政府参考人(樽見英樹君) それは、言わば保険としての仕組みというのは、まさに助け合いを行う集団をどうするかということでございまして、言わば特定技能一号で家族の帯同が認められるか認められないかということについては、これは、あるいは先ほど私が申し上げたことと同じなのでまた冷たいと言われるかもしれませんけれども、それは基本的には入国管理上の問題であるというふうに考えています。
○川合孝典君 入国管理上の問題ということは、出入国の管理の話だから知らぬということですか、厚生労働省としては。
○政府参考人(樽見英樹君) 私どもとしては、繰り返しになりまして恐縮でございますけれども、国内にいる方について医療保障を行うというのが我が国の医療保険の考え方として適当であるということを申し上げているということでございます。
○川合孝典君 根本大臣にお伺いします。
 官僚の立場ではこれ以上言えないんだろうと思うんですけれども、政治というか、人間根本匠としてということでお伺いしたいんですけれども、要は、我々自身が例えば働きにどこかの外国に出ていくという話になって、そのときに、働きに行かなければいけないんだけれども、でも、家族連れていくことができないと。その状況の中で、自分の扶養家族として医療保険制度でこれまで面倒を見ていたのが、自分が相手国に行った、外国に働きに出ていった、そのことの結果として、自分はその相手国の在留資格でもって医療を受けられるけれども、残された家族は、連れていくこともできずに、医療サービスというのもある意味留守家族ということできちんとした状況に置かれるかどうか分からないという状況になったときに、それ、根本大臣として、人として、何かおかしいと思われませんか。
○国務大臣(根本匠君) それはいろんな状況があるかと思いますが、先ほど来議論がありましたように、被保険者との扶養関係のみに着目して特定技能一号の帯同できない家族などの海外居住者について引き続き健康保険でカバーするということ、これも一つの政策論としてそういう考え方があるということは私も否定はいたしません。
 一方で、我々医療保険を担っている立場からいうと、先ほど、この医療保険で被扶養者がだんだん戦時立法の中で必要性があって拡大してきた、三十二年にもう一度絞り込まれた。あるいは、五十年代半ばから駐在員あるいは留学生は認めようということで海外療養費制度を導入した。要は、それぞれの社会環境の変化の中でこの医療保険はどうあるべきかという議論をした中で今までも進めてきたんだと思います。
 それで、今回は、やはり医療保険というのは、その国のお互いの支え合い、助け合いが社会保険の基本ですから、やはり国内の保険医療機関を受診した場合の保険給付が原則ということを、改めて基本に立ち返って、そして国内居住要件を課したということであります。
 そして、それは、グローバル化がどんどん進みますから、じゃ、グローバルな保険制度にするか、極論を言えば。じゃ、グローバルな保険制度にするかどうかということ、まあ極論すればですよ、ということで、違うんですけど。
 だから、そこは、じゃ、どういう政策判断に立つのかということでは、やはりそれぞれの国の医療保険、社会保険制度がありますので、それぞれの国の社会保険でそこはカバーしていただくということで、そういう政策判断に立って今回の改正法案を出しているということであります。
 これは仕組み、制度の問題ですから、いろんなケース、いろんな事案があるかと思いますが、じゃ、どこで我々はそういう仕組みを是とするのかと。当然、医療保険というのは、利用者、国民の負担であると同時に、労使でやはり出し合っている保険ですから、その辺のコンセンサスもどこで得られるのかと、こういうことを考えた上で、基本に立ち返って今回の国内の居住要件ということを、改めて基本に立ち返って今回の案を出させていただいたということであります。
○川合孝典君 基本に立ち返ってというよりは、特定技能一号という特殊な在留資格をつくってしまったことで、かえってややこしくなってしまっただけなんですよ。
 私は、もちろん在住者を対象にということが一つの基準になるということについては理解はしています。理解はしていますけれども、要は、来るなと言っているんですよ、日本は、特定技能一号について。要は、帯同を認めない、来るなと言っているわけで、それに対して、要は、適正に加入したいわゆる外国人労働者の人たちには、保険料を納めさせているわけですよ。要は、我々がそれをやったら当然配偶者や子供に対しても受給資格が得られるわけでありますから、それが外国人の特定技能一号という働き方で入ってきた人間だけ、そこが抜け落ちてしまっているということがおかしいんじゃないのということを指摘し続けているんです。
 在留資格というか、いわゆる出入国の管理の問題だという厚生労働省の御答弁ですけど、答弁の仕方としては最低だと思いますよ。そうじゃなくて、実際に国内で何かが起こったときに、国民の健康を守るためにどうするべきなのか。いわゆる在住者ですよね、加入者の健康をどう守るのかということが本来厚生労働省に課せられたミッションだとすれば、当然それを、ミッションを果たすためにどういう枠組みが必要なのかということの議論をするべきであって、おかしいところはおかしいとやっぱり言っていただかないと私いけないと思っております。恐らく今後、この問題に関しては、法律が改正されると周辺各国からも様々な御指摘を受けることに多分なろうかと思います。
 一点、最後に指摘させていただきたいと思いますけど、いわゆる我々より上の世代、大臣や我々より上の世代の方々が思っているほど、今、国際的に見て日本は労働市場として魅力のある国ではありません、もう。正直申しまして、もっともうけられる国、もっと働きやすい環境を整えている国はたくさんあります。そういう状況の中で、半世紀前のような感覚で、要は外国人働かせてやる的な立て付けで制度を設計したのでは、本当に日本の国にとって必要な優秀な労働力は日本に誘致をできないと思います。
 したがって、質問の私の持ち時間はもうこれで終わりますので、これで終わりたいと思いますけれども、本当に、安価な労働力ではなくて、日本の成長、発展のために必要な優秀な人材を海外から受け入れたいと思うのであれば、こんなことをやっていたのでは駄目だということを最後に指摘させていただきまして、私の質問は終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
○足立信也君 国民民主党の足立信也です。
 やっぱり長いですね。野党だけで六時間やるとなると、樽見さんに千本ノックを打っているような感じがしますので、政務の大臣、副大臣も、自分が答えられる、答えた方がいいと思ったときはどんどん手を挙げていただきたいと、そのように思います。
 日本はICT化が遅れているとよく指摘されます。それに加えて、レセプトもそうでした、カルテもそうです、個別に違うシステム、違うフォーマットというか、進めていって、そしてまた標準化しなきゃいけない。これの繰り返しで、いかにも無駄遣い、これをずっと繰り返していると。でも、遅々として進んではいますよ、でもそういうところが非常に後れを取った一つの原因だと私は思いますね。使えないということです。
 今回、保健医療サービスの質と持続可能性が目的なんですけど、IT化、ICT化というのはやっぱりツールですよ、単なるツール。問題は、データの正確性と統計処理の適切さが今後の政策に生かされるということ、統計の問題になってくるわけですけど。
 じゃ、それを、そのデータを公正に活用するには何が必要か。それは客観性と透明性ですよ、これがないとね。だから、政府の機関であるとか外郭団体であるとか、どこかが加工したものを、はい、使ってくださいじゃ、やっぱり駄目なんですよね。透明性と客観性が担保されていないと、それは正しいものであるかということも判断も難しいわけですよ。とにかくデジタル化すればいいというものではないというのは、今まで日本が歩んできた、ちょっと遠回りをした経過だと私は思っていますので、その観点で質問をしたいと思います。
 まず、午前中からの議論を聞いていて、マイナンバーカード、これは、誰もがおっしゃっていましたが、必要性と利便性が大事だと、これがないと普及なんかしないと。まあ当たり前だと思うんですね。私は、マイナンバーの必要性というのは皆さんも感じていると思います。番号は必ず書いて届け出たりしていると思いますね。マイナンバーは必要なんだけど、カードが必要かという話ですよ。
 午前中からの議論、特にこの個人番号カードによるオンライン資格確認、これは、マイナンバーがあれば、そこでマイナンバーを入れればいいという話ですか、それともカードが必要だという話なんですか、どっちなんでしょうか。
○政府参考人(樽見英樹君) オンライン資格確認につきましては、マイナンバーカードにある本人認証の仕組みを使って被保険者資格の確認を行うというものでございますので、カードを使うということでございます。
○足立信也君 そうなんですね。
 そうなった場合に、答弁でもありました、保険証との一体化というか、将来的にはどっちか、というか、マイナンバーカードを使えばいいようになるのかなというニュアンスの感じを受けました。ただ、現実的には、今は仮にマイナンバーカードがあったにしても保険証が必要だし診察券が必要だと、三つ必要だということになるわけですよね。
 そこで、今回、このマイナンバーカードの方にシフトしようと。今、マイナンバーだけではなくてカードだという話、IC化を考えてね。ということであるならば、今回、医療情報化支援基金で合計三百億、百五十億がオンライン資格の確認、百五十億が電子カルテの標準化ということになっていますが、これ、コストパフォーマンスの面、あるいは今後のことを考えて、この医療情報化支援基金の目的といいますか、どういう効果が期待されるのか、そこをつまりアピールしてもらいたいんです、どういうことを考えているのか。
○政府参考人(樽見英樹君) オンライン資格確認でございます。
 まさに医療情報化支援基金というものも使ってこれを強力に進めていきたいというふうに考えているわけでございますけれども、オンライン資格確認を行うようになりますと、支払基金と国保中央会で被保険者の資格の情報というものを一元的に管理をして、医療機関、薬局の窓口でリアルタイムでこの資格情報を確認できるようになるということでございます。
 したがいまして、一つは、保険証というものを、保険証でも引き続きかかれるのはそうでありますけれども、保険証でなくてマイナンバーカードを持ってきていただけば、これで被保険者証の言わば機能が果たせるということになります。したがって、会社を変わってまだ保険証の発行ができていないというようなときにも、マイナンバーカードでかかれるということになります。
 また、そうやって被保険者が会社を変わりましたということになると、医療機関はそれを分からずに古い保険証で請求をすると、これは過誤請求という形になってしまうわけでありますけれども、そうしたものがなくなるということになりますので、これは午前中も答弁させていただきましたけれども、年間約八十億円の、過誤請求がなくなるということに伴う事務コストの削減ということが期待をされるということになってくるわけでございます。
 また、保険者におきましては、もう一つ、高額療養費の資格証というものを今被保険者から請求を受けて出しているわけでございます。被保険者は、それを保険者に請求をして、もらって、医療機関に渡すという手間がなくなりますし、保険者の方でもそれの発行コストというものがなくなるというようなことでございますので、こうした点を考えますると、被保険者にも医療機関の皆さんにも保険者の皆さんにも、このオンライン資格確認というものはそれぞれメリットがある仕組みであるというふうに思っているところでございます。
○足立信也君 そこで、今、過誤請求の話がありました。約八十億円。これ、事故請求じゃなくて過誤請求ということは、中には意図的なものも含んでいる可能性もあるわけですね。そうなった場合に、意図的にそういう過誤請求の保険証を使ったというような人が、それをなくすためにマイナンバーカードを所有しますかね。しないと思いますよ。逆ですよ。
 しかも、私、お昼休み、近くの人に聞いたら、マイナンバーはみんな所有している、分かっている、保険証と一緒に持っている。でも、カードはほとんどの人が持っていない。持っている人は家にちゃんと保管していると。普通はそうですよ。皆さんもそうでしょう。
 だから、今、将来的にはマイナンバーカードがあれば保険証の役割を全部果たすようになるんだという話がありましたが、そうはいかない。認識がそうはなっていないということが、まあ指摘にちょっととどめます。理由はまた後で言います。
 じゃ、将来的に、診察券、これ、病院の中の動線で、今は昔に比べると、私が実際に現場で働いていたときに比べるとはるかに速くなっていますね。予約から検査予約、それから検査実際に行うとき、支払、全部IC化されたカードでやっていますね。相当速いです。これがなくなる、あるいはこれがマイナンバーカードに取って代わる可能性はありますか。
○政府参考人(樽見英樹君) 診察券、それぞれの医療機関によって、院内での患者さんの確認に使っておる、あるいはその他、中の磁気テープ、あるいは中にいろんな媒体を使ってそれ以上の情報を入れておられる。これ、医療機関によって診察券の機能というのはかなり異なっておるんではないかというふうに思います。
 ですので、例えば、診察券を本人確認のみを目的として発行しているということであれば、今回のオンライン資格確認でマイナンバーカードの本人確認の機能というものを使うことになりますので、言わば診察券と同等の役割がこのマイナンバーカードで行えるということというのは比較的単純に可能なんではないかというふうに思いますけれども、今回のオンライン資格確認は医療保険の資格確認に用いるということでつくっておりますので、直ちにこれを診察券そのものに置き換えるということまでを想定して今システムを開発をしているというものではありません。
 ただ、そこから先、医療機関の方でそのマイナンバーカードで行える本人確認というものを院内の機能、院内のシステムにどういうふうに結び合わせるかということによって、今の診察券というものがより、何というんでしょうか、ソフィスティケートされたというか改善されたような形でこのマイナンバーの資格認証と結び付けるというようなことの可能性というのはあると思いますが、ただ、今、我々がオンライン資格確認で診察券に置き換えるということを当然に考えているということではありません。
○足立信也君 私もそう思います。診察券という形のものはやっぱりなくならないと思います。
 じゃ、保険証との関係で話を戻します。
 マイナンバーカード、私はその通知しか持っていなくて番号しか知らないんですけれども、これというのは、先ほど、もし紛失して拾われてしまってもセキュリティー面では大丈夫だという質問、答弁がございましたが、このカードというのは更新制ではないですよね。
 言いたいのは、健康保険証、大事なのは、私も直接関わって文言作りましたから、臓器提供意思表示、これが年々更新されて、昔はいいと思ったけど、やっぱり今は駄目だと、あるいは逆に、もう提供したいと、そういう意思表示が後ろにびしっとありますね。
 これ、マイナンバーカードだけでやるようになったら、その意思の変化、あるいは意思を変えたい、そういうようなことは可能なんでしょうか。
○政府参考人(樽見英樹君) マイナンバーカード、私ども国家公務員は身分証明書で使ってございますので、今私も自分のものを見てございますが、マイナンバーカードも一番下のところに臓器提供意思を書く欄がございまして、署名する欄がございます。マイナンバーカード自体は十年ごとの更新というふうになっていますので、このカードのもの自体は十年ごとにこれを見直すという形になります。
 ただ、そういう意味でいいますと、このカードにこういうふうに書くという形になっておりますので、この間、そこを御自身の意思で書き換えるということもあるんだろうと思いますし、また電子認証の仕組み自体は五年ごとに更新ということにもなっておりますので、そういう機会に自治体との間でそういうことの新たな考え方を伝えるというようなこともあるだろうとは思います。
○足立信也君 その意思表示を、先ほど私言ったのは、健康保険証は年々更新ですわね。今、五年なのか十年なのかはっきりしなかったんですが、それは、自らの意思を変更するというのはそう簡単にできることなんですか。しかも、五年、十年ってどっちかはっきりしなかったんですけど、意思というのはもっと早く変わりますよ、実際、現場で感じているのはね。そこをうまく反映させられるかどうか。いや、仮に十年に一回しか変えられないとなったら、表示しないですよ。十年後は分からない、そういうふうになってしまうと思いますよ。
 ここのところは、五年なのか十年なのかが一点と、簡単に自分の意思でその意思表示は変えられるんでしょうか、マイナンバーカード上の。
○政府参考人(樽見英樹君) カード自体の有効期限、十年ということでございますが、まさにこの本人確認の電子認証の仕組みは五年ごとに更新ということになっていますので、五年に一度自治体に行って、そこの電子認証の仕組みを更新するということが必要になります。そういう意味では五年でございます。
 このカードに先ほど申し上げました臓器提供の意思を書くところがございますが、これは実はそこに御自身で書いていただくというものでございまして、御自身で書いていただいて、それを携帯していただきますと、何かあったときにそれを見れば臓器提供の意思が分かるということでございますので、ここについては、場合によっては意思が変わりましたというときには御本人で書き換えていただければ直ちにそこは意思の表示が変わるという形になるというものでございます。
○足立信也君 それでは、確認です。書き換える、自分の意思を変えることは自分で書くからできるんだということですね。
 ということは、今、日本で臓器提供がなかなか伸びない中で、やっぱり携行、携帯してもらいたいという大前提がそこに、意思表示を示したものを携帯してもらいたいということがあるわけですが、やっぱりマイナンバーカード、先ほど保険証から次第にマイナンバーカードに移行していく可能性を触れられておりましたけど、マイナンバーカードも常時携行してもらいたい、携帯してもらいたいということなんですね。
○政府参考人(樽見英樹君) マイナンバーカードが言わば保険証の機能を持つようになるということでございますので、それは、できて患者さんの利便性が増すように、私ども保険局の立場で言うと、それは努力をするということでございますが、その上で、携帯をしてもらいたいかということについて言うと、ここは、これ一枚携帯していただけば医療保険にかかれるようになりますと、そういう条件を一生懸命つくりますというのが私どもの立場でございます。
 ただ、言わば、私どもの中でいうと、健康局サイドになるとは思いますけれども、臓器提供を進めるということでいうと、こういう臓器提供の意思を記載をしたカード、これは多くの方に持っていただきたいということだと思いますので、そういう観点からすると持っていただきたいということになります。ただ、それがマイナンバーカードかどうかということについて言うと、一概には言えないんだと思います。
 ただ、我々としては、同時に、マイナンバーカードさえ持っていれば医療機関にかかれると、そういう条件は一生懸命整備をいたします。
○足立信也君 せっかく宇都宮さんが来ているので、樽見さんにちょっと休んでもらう意味もあって。
 仮に健康保険証がマイナンバーカードに置き換わるんであれば、そこに意思表示をしっかりしてもらいたいし、臓器提供の、それが分かる不慮の事態に備えるためには常時携帯してもらいたいが健康局長の考えでいいですか。
○政府参考人(宇都宮啓君) お答えいたします。
 臓器提供の意思表示をするときに、もちろんマイナンバーカードは一つの手段ではございますけれども、例えば免許証の裏にもそういうのを書く欄ございますし、ですから、それはもちろんマイナンバーという手段でもいいし、別の手段でも結構でございますので、マイナンバーに限ったことではないというふうに考えてございます。
○足立信也君 そこで、私は、今回の三百億ですね、消費税増税分を使うと。今まで私も消費税あるいはそれ以外の税財源のことについてかなり議論してきましたが、ちょっと明確にこういう形で通告はしていないんですが、私が最初に思ったのは、この医療情報化支援基金に何で消費税が使えるんだろうということなんです。これはもう私は、はっきり言ってちょっと考えられないような感じもあるんですよ。
 それで、消費税を使うためには、私の今までの認識だと、消費税法第一条第二項、「毎年度、制度として確立された年金、医療及び介護の社会保障給付並びに少子化に対処するための施策に要する経費に充てるものとする。」と。これがどうして医療の給付になるんだろう、介護の給付になるんだろう、支援基金がですよ。医療情報化でオンラインにするためにマイナンバーカードを読めるようにする、それが医療、介護の給付になるんだろうか。
 これ、どういうふうに整理されているんですか、消費税が使える根拠。
○政府参考人(樽見英樹君) 先生御指摘のとおり、まさに消費税法で、消費税の収入については、「毎年度、制度として確立された年金、医療及び介護の社会保障給付並びに少子化に対処するための施策に要する経費に充てる」というふうに書いてございます。
 ですので、医療の社会保障給付に要する経費に充てるということになるわけでございますけれども、その医療について言いますと、結局、医療保険の給付、まさに制度として確立された医療の社会保障給付というのは医療保険のことを指していることになるわけでございますが、医療保険制度による給付を行うためのまさにその資格確認、医療保険の対象者でありますよということを確認をして、それに基づいてレセプトが送付されるような条件をつくるということでございますので、これは言わば医療の社会保障給付に要する経費ということに当たるというふうに解釈をしているということでございます。
○足立信也君 皆さんが納得されているかどうか分かりませんよ。
 これ、日本は医療も介護も現物給付ですよね。現物給付に対して自己負担あるいは保険料からの補填、あるいは公費、税財源ですね、そういうものが充たってくる、その中に消費税からも入れてもいい、これが医療や介護の社会保障の給付に充てるだと思います。これ、マイナンバーカードを読み取るための機械というかものに消費税を充てるというのが、私はなかなか納得できないんですよ。
 なぜかというと、私、今まで、この国の生活習慣病を低くするため、これ、これから後、資料が配られてその説明をしますけれども、予防医療が何よりも大事だと私は思っていて、これが、医療保険あるいは介護保険、あるいは消費税が五から八になる議論のときにも、使えないのかという話をずっとしてきたんですよ。アウトだったんですよ、今までの議論ではですね。
 これが、先ほど川合理事の議論の中で、支払機関がいろいろ差があると。返戻されて、査定が三百九十七億、今現在。こういうことがある中で、じゃ、消費税をここに使うという理屈が、それは目的外使用じゃないのかな、アウトじゃないかなと私は思うんですよ。
 仮に、仮定の話で答弁できないと言われたらしようがないですけど、これ施行日、今年の十月一日ですよね。消費税増税に合わせていますよね。これ、延期があるかもしれないという議論の中で、延期があったらやめるんですか。
○政府参考人(樽見英樹君) 恐縮でございますが、私どもとしては消費税法が現在の仕組みで、施行日で施行されるという前提で制度を考えてございますので、それがそうでなかったときということについては御勘弁を願いたいと思います。
○足立信也君 私は、必要だとは認めますよ、でも消費税を使うというのはおかしいなという中で、でもこの三百億は必要だと判断されるんだったら、努力してほかの財源から探してください。それをお願いするしかないですね。
 なぜかというと、三党で社会保障と税の一体改革の議論をやっているあの頃から比べて、国民皆さんの担税感といいますか、消費税に対する信頼が揺らいできているんですよ。社会保障の充実に使うんだと言ってきたのが、違ってきたじゃないかという感覚が今あるんですよ。社会保障に使われるんだったらやむを得ないな、そういう思いでいたのに、別の部分、基金もこれで二つ目かもしれませんけど、基金に使われるとか、ほかの、機械を購入するために、おい、使うのかというようなことの中で、消費税に対する信頼が私は変わってきていると思うんです。だから大事な議論だとこれ思っていましてね。
 新自由主義の反省から、ヨーロッパではもう二十年、十五年ぐらい前から、社会への投資あるいは社会的投資という考え方の中で、日本も、未来への投資、人への投資というような言葉を使いながらやってきました。ただ、申し訳ないけど、自公政権の結末としては経済的見返りしか求めていないんですよ。そこで大事なことは、新自由主義から反省した大事なことは、社会へのつながり、人のつながり、ここにも投資しないと、そこの結果が表れないと、国民は納得しないんですよ、消費税の使われ方として。財源は消費税が一番大きいですから。そのことを考えると、こういう使われ方が本当にいいんだろうか、国民の皆さん納得するんだろうかということがやっぱり気になるんですね。
 この理屈は答弁を求めるような話ではないかもしれないし、ただ、一つ、先ほど私触れました、予防にシフトしていかなきゃいけないということは、皆さん、もう歴然としていると思うんですが、これの財源としても、将来の医療や介護の給付に資するという解釈すれば、消費税も使えますよね。この点だけお答えもらえますか。
○政府参考人(樽見英樹君) なかなか難しい御質問ですし、消費税法の解釈ということになりますとこれは私どもに権限がないのでございますので、そういう前提で、今私の考えということで申し上げさせていただきますると、今回のオンライン資格確認については、まさに公的に制度として確立された医療の社会保障給付ということを行うために、まさに健康保険法に基づいて被保険者資格を確認しなきゃいけないという、そこの経費でございます。
 言わば、研究によって将来の医療費が減るということについては、まさに医療費には関係はしてくるわけでございますけれども、それの研究費というのが言わば医療保険給付のために使われるお金ということでは直接にはございませんので、これよく分かりませんけれども、なかなか難しいところがあるんではないのかなというふうには思います。
○足立信也君 じゃ、それにつながる資料に基づいて、次の質問に行きます、関係してきますから。
 資料を御覧いただきたいと思います。これは三月六日、筑波大学とAMEDなんですが、この研究は、筑波大学の森准教授あるいは田宮菜奈子センター長を中心にやられたものです。高齢者において、慢性疾患の併存、多疾患併存といいますが、と年間の医療費あるいは介護給付費がどう関係しているか。これ世界初なんですよ、この研究というのは。
 そこで、多疾患併存の指標としては、そこに研究の背景の一番下に書いていますが、CCIというのを使っています。三万四十二人のデータです。研究内容と成果、これ医療レセプトと介護レセプトを個人的に全部突合しているわけです、三万四十二人。結論は、研究内容と成果の六行目ぐらいからあります。CCI値、これ〇から五までですけれども、これが一高いと年間医療費は十五・七万円増える、年間介護給付費は十二万円増える、合計で二十五・七万円高額だということです。ただし、同じ要介護度内では、このCCI、多疾患併存の指標ですね、このCCI値と介護給付費は関連性がなかったということなんです。
 要は、多疾患併存が多ければ多いほど医療費も高くなるし介護給付費も高くなるということなんです。ということは、多疾患併存というのはどういうことかというと、多いのは、もちろんお分かりだと思いますが、生活習慣病に起因するものが多いわけですよ。生活習慣病、これを予防していくことが、将来の医療費だけではなくて介護給付費も相当削減できるという可能性を示した研究成果なんですね。
 そこで、資料の一番下です。医療、介護データベースの全国レベルでの連結が予定されており、今回の法律のことですよ、予定されており、今回の研究が全国レベルのデータを用いた医療経済的研究が進むきっかけとなることが期待される、このとおりです。
 そこで、大事な点は、医療と介護の突合をやっていくとこういうデータが得られるということなんですよ。それが可能なのかどうかということについて質問していきたいと思っています。
 まず、厚生労働大臣は、医療データと介護データを連結解析して提供できるというふうに法律に書いています。もちろん、これは、医療データの中では保険局、それから介護データは老健局、がん登録だと恐らく健康局、DPCデータは医政局になるんですか、いろんな局にまたがっている。それを連結解析して提供できると法律に書いてある。誰がやるんですか、どこがやるんですか。
○政府参考人(樽見英樹君) 現在、NDBとDPCデータベースについては医療保険制度を所管する保険局、それから介護データベースについては介護保険制度を所管する老健局がそれぞれ担当しているわけでございます。しからば連結解析のデータ提供をどうするのかという御質問でございますが、今後、具体的な第三者提供の申請内容がどういうものが出てくるのか、また、それぞれのデータベースから第三者提供されるデータの量などがどうなるかということを踏まえて検討していかなければいけないというふうに考えてございますが、現在の、例えばデータ量といってもNDBの方がかなり多いということを考えますると、NDBを所管する私ども保険局が中心となるということになるのではないかなというふうに考えております。
○足立信也君 がん登録は健康局ですよね。これも相当大事なデータですよね。DPCデータはどこですか。医政局ってさっきも言いましたが、どこですか。(発言する者あり)ああ、保険局。今、保険局がなるようになるんではないか、申請内容によってどこが担当するか決まっていく、物すごく何か寂しい答えだったんですけれども。要は、連結させて、連結解析をして提供できるんだけれども、どこがやるかはまだ決めていないと、そういうことなんですね、うなずいておられるから。ちょっと寂しいですね。
 じゃ、今、私、研究を紹介しましたが、これ個人的に医療のデータと介護のデータを突合することが極めて大事だと。今回のこの改正で医療と介護の個人的レベルの突合は可能なんですか。
○政府参考人(樽見英樹君) 今回の連結解析でございますけれども、患者御本人を特定できない匿名のデータベースではございますけれども、その中でハッシュ値という匿名化技術を使う、つまり同一人に同じハッシュ値を付けるということによって、患者御本人の特定ができない状態のまま同一人物のデータをNDB、介護DB、それぞれのデータベースの中から引き出して連結をして解析ができると。そういう意味で個人レベルでの解析ができるようになるというふうに考えています。
○足立信也君 そこで、もうちょっと詳しく聞きたいのは、ハッシュタグ等で、今、申請があれば連結して突合して、そしてお渡しするという話ですね。
 そこで、介護レセプトには疾患情報がありませんよね。それから、DPCデータにも氏名情報がないですよね。例えば、介護データには疾患情報がないということは、どうなんでしょうかね、個人的に突合されたもので、その介護を受ける状態の中で、データの中で、どういう疾患があるのかというのはずっとその細部にわたった資料を当たらないと難しいということなんでしょうか。どうやったら実際分かるんでしょう。
 つまり、介護レセプトには疾患情報がない、それからDPCデータには氏名情報がない。個人的に突き合わせることができるけれども、本当に番号でそれ確認ができるんだろうか。ちょっとそこを具体的に、どう可能なんでしょう。
○政府参考人(樽見英樹君) 先ほど申し上げたように、同一人物のレセプトは引き出せるという形になりますので、医療、介護、DPC、それぞれでこれが同一人物という形には分かるわけです。ですので、例えば介護のレセプトデータベースには病名というのは入っていないんですが、その方が医療保険の方で、どういうレセプトがその方について出ているのかということは分かると。そうすると、レセプト病名という形にはなりますけれども、その方が医療保険の方でどういう疾病に関してどういう給付を受けておられるかというようなことは分かるというようなことになります。
 ですので、そういう一定の範囲の限定のある情報ではございますけれども、それぞれのレセプトに入っている情報だけが、一個一個の中でしか分からないということではなくて、連携をすることによって分かってくる情報もあるということでございます。
○足立信也君 分かりました。
 それで、突合されて連結したデータ、申請に基づいて提供できると。そこで、情報提供される、そのもらう方ですね、第三者から手数料を徴収できるというふうに法律に書かれていますが、これはいかほどなんでしょう。
○政府参考人(樽見英樹君) これもこれから検討を進めて決めていくという形になりますが、考え方ということで申し上げますると、NDB、介護DB、DPCデータベースの第三者提供に当たって生じるデータの準備コストについては、第三者提供によって利益を受けるデータ利用者が負担すべきという考え方で行いたいというふうに考えているところでございまして、実際の第三者提供に要するデータ抽出業務、あるいは第三者提供の利用者支援、あるいは審査を行う有識者会議の開催事務費、利用状況の実地監査などの業務というのが出てくることになりますので、こうしたその作業の経費というものを見つつ、また一方で、金額が過大にならないような形になるようにということで検討を進めていきたいというふうに考えております。
○足立信也君 今の説明ですと、ほとんど準備に掛かるお金とか、実費に近いという感覚でいいわけですね。
 そうなった場合に、政令で定めることになっていますが、手数料を減額あるいは免除できると、こういうふうに書かれている。これは、その申請する施設によって制限するのか、あるいは研究者によって制限するのか、あるいは研究内容によって制限されて減額や免除されるのか、どうなんでしょう。
○政府参考人(樽見英樹君) この減免というところについては、特に国民生活にとって重要と考えられる研究の促進ということに資するようにという狙いで設けた規定でございます。これも具体的な基準については法施行までの間に詰めさせていただきますけれども、第三者提供を受ける主体と利用目的というものに応じた基準ということになるというふうに考えています。
○足立信也君 研究内容によるということだと思いますが、これは質問じゃないですけど、聞いていただきたいんですけど、日本の今基礎研究やあるいは高等教育分野におけるお金の使われ方が世界的に見ても非常に少ないと。しかも、一つの話題にどうしても偏ってしまうということを指摘されています。みんなで横断歩道を渡れば怖くないみたいなやつね。これは悪い例じゃないですよ、iPSという言葉があっただけでどんどん通ってしまうとかですね。
 これから新たに連結をさせて解析をしていくというのは、新しい試みです。これは、気を付けていただきたいのは、その研究内容を見ることが極めて大事です。何十年か先に生きる話ですから、目の前の、目先のことにこだわらないようにしてもらわないと、せっかくのビッグデータが有効に使われないことになりますから、これは私の希望ですけど、目先のことだけにとらわれないでいただきたい。それが若手研究者にとっては非常な励みになりますから、そうならないことが。ここは要望しておきたいと思います。
 先ほど来、私、申し上げました予防に関して、これは今年の三月二十日の未来投資会議で、生活習慣病対策が極めて重要だと。ここは私と同じ考えです。公的医療保険における予防事業は国保で〇・八%、約一千億円、組合健保で四・二%、これは割と多い。介護保険における予防事業は一・一%、これも一千億円。しかも、データであるように、生活習慣病予防は極めて大切だと皆さんおっしゃるけれども、特定健診や保健指導の実施率は非常に低いですね、三割に行かないと。
 具体的に、生活習慣病予防が極めて大事だと言うからには、その特定健診や保健指導のまず実施率をどうやって上げようと思っておられるか、その点について聞きたいと思います。
○副大臣(大口善徳君) もう委員御指摘のとおり、この生活習慣病の発症予防、これは極めて重要であるということであります。そのためにも、特定健診、特定保健指導をしっかりやっていく必要があると。
 御指摘のとおり、特定健診、特定保健指導の実施率は、二〇一七年度実績で特定健診が五三・一%、特定保健指導が一九・五%となっており、毎年一・数%実施率は向上はしていますが、その目標が、これが第三期医療費適正化計画で、二〇一八年から二〇一三年度において、特定健診は七〇%、そして特定保健指導は四五%、これが二〇二三年の時点でありますが、そこから比べますと、かなりのまだ遠さがあると。そこで、各保険者において、これ、高齢者の医療確保法に基づいて特定健診、特定保健指導の実施に係る計画を策定し、実施や成果に関する具体的な目標を定めた上でその計画を公表し、これに基づき実施率の向上に取り組んでいるところでございます。
 厚生労働省といたしましては、この特定健診、特定保健指導の実施向上に向けた方策として、二〇一八年度から、一つは保険者のインセンティブ制度というものにおいて、特定健診、特定保健指導の実施率や実施に係るその取組を評価をしておりまして、そして、その中で、例えば二〇一八年度から、健保組合、共済組合においては後期高齢者支援金の加算、減算の見直しをして、二〇一八年度からこれを進めて、二〇二〇年度、最大一〇%の加算、減算をすると。それから、国保におきましては、保険者努力支援制度、これは総額一千億円規模、市町村、都道府県という分合わせて、そういう制度も実施をしているところでございます。二〇一七年度の実績より全保険者の実施率も、二〇一七年度の実績から保険者の実施率も公表もしております。
 こうした取組に加えて、地域の医師会等々の関係者と連携をして、特定健診、特定保健指導の実施に取り組む好事例や、ナッジ理論等、これは四月十日にホームページに、ナッジ理論ということでこれを公表しているところでございますけれども、ナッジ理論等を活用して効果的な受診勧奨を行っている保険者の好事例の横展開をするなど、効果的な方策等も検討しており、更なる実施率向上につなげていきたいと考えております。
○足立信也君 インセンティブとしては経済的な面をかなり強調されましたけど、好事例を紹介するとかありました。そこを活用するのは私は地域包括ケアシステムだと思って、まああれを推進した立場ですので、やっぱりコミュニティーとしての取組だと思いますね。そこを是非推進してもらいたいと思います。
 そこで、生活習慣病の予防が大事だと。これはもちろん四十歳以降に発症することが多いわけですけど、であるならば、その予防ということは四十歳未満から取り組むべきだと、私はそう思います。
 そこで、高齢者医療確保法では四十歳から七十四歳、これが特定健診と保健指導、対象になると思うんですけど、医系技官である健康局長に、これ、四十歳から取り組む場合と、生活習慣病の予防ということを考えた場合に、四十歳から取り組むよりも私は四十歳未満から取り組んだ方がはるかに効果的だと思っているんですが、その辺はどう考えますか。
○政府参考人(宇都宮啓君) お答えいたします。
 生活習慣病の多くは短期間の治療による治癒が期待できず、また、個人の生活習慣に起因するものが多いということから、ただいま御指摘いただきましたように、その予防のためには若いときからの生活習慣の改善が重要と考えてございます。
 このため、国民の健康づくり運動として現在進行中の第二次健康日本21の中でも、生活習慣病を予防し、またその発症時期を遅らせることができるよう、子供の頃から健康な生活習慣づくりを推進しているということでございます。
 この第二次健康日本21の中では、健康寿命の延伸、健康格差の縮小を始めとする目標を掲げまして、適度な運動、適切な食生活、禁煙、健康診断の健診、検査の検診の受診率向上などについて、地域や職場などを巻き込みながら取組を進めてございます。
 厚生労働省としましては、このような取組によって、子供から高齢者まで全ての国民の疾病予防や健康づくりを推進してまいりたいと考えてございます。
○足立信也君 ここ二十年、三十年ぐらいになりますかね、小児の成人病みたいな話もありますし、小児肥満ということもありますし、もちろん早ければ早いほどいいわけですけど。
 ちょっとこれ、ある県の取組の中に書いてあるんです。ここでは、この健診といいますか調査は、四十歳ではなくて二十歳代、三十歳代においてスタートすると。その理由は、二十代、三十代の人は野菜の摂取量が低く朝食を欠食する率が高い、運動習慣者が少ない、さらに、適正体重に対する認知や食生活の改善、運動習慣等に関して意識の低い人が多い。私もそのとおりだと思っておりまして、早く取り組んだ方が予防のためにはいいのは間違いない。
 この特定健診、先ほど、四十歳から七十四まで、保健指導を含めてですね、これを早めた方がよろしいんではないかと私は思うんですが、その点についていかがでしょう。
○政府参考人(樽見英樹君) 特定健診、特定保健指導ということでございますけれども、これは法律に基づいて全ての保険者が義務として行うということでございます。
 この対象について、専門家による議論を踏まえまして、四十歳代から生活習慣病の罹患率が急上昇する、それから、四十歳から七十四歳について、男性で約二人に一人、女性で約五人に一人がメタボリックシンドロームの該当者及び予備軍であるということを理由として四十歳以上というふうにしているということでございます。
 これを引き下げるということについては費用対効果等の観点から慎重な検討が必要であるというふうに思いますけれども、むしろ、まさに健康づくりということについて、子供から高齢者まで全ての国民の疾病予防や健康づくりを推進するということが重要であるというふうに考えているところでございます。
 ですので、この特定健診ということでの枠組みということについて、言わばその費用対効果、その合意を得るということからすると慎重な検討が必要であるというふうに私思いますけれども、健康づくりとしては一生懸命取り組んでいくということが有用であるというふうに思うところでございます。
○足立信也君 いいことは分かっているんだけどという前提が付いているようで、それは、こういうふうにやるんだと決めないと、なかなか予防というものは定着しないですよ。それは指摘しておきたいと思います。
 そこで、大島局長にお伺いしたいのは、これ、介護予防、そして医療と介護が連結した生活習慣病の予防ということを考えていくとしたら、これも以前から私申し上げているんですが、四十歳以上から第二号被保険者になるわけですけど、よりも、今は要介護の人のお子さん方というのは三十代がかなり多いです。第二号被保険者、今の生活習慣病予防やあるいは介護予防単独を考えても、この第二号被保険者というのはもう少し若い方が私はいいんではなかろうか、あるいは四十代以上の現役世代ばかりに負担が掛かるというところを多少ベースを広げるという考え方も一部ありますけれども、この点について、老健局長としてはどうでしょうか。
○政府参考人(大島一博君) 介護保険制度の被保険者は四十歳以上となっておりますが、そもそも、最初の、施行後の一回目の見直しの際は、年齢や要介護になった理由を問わず、介護を必要とする全ての人が利用できる普遍的なユニバーサルな制度にしてはどうかという議論も当時ございました。それから、今はそういう議論は余りございませんが、制度の支え手を拡大して財政的な安定性を高める観点、これは今もそういった議論はございます。
 それから、今委員御指摘のとおり、最近では第一子を出産する年齢が高齢化しておりまして、介護保険が施行されました二〇〇〇年のときは、六十五歳の母親の第一子が大体四十歳でありました。それは、一九六〇年の第一子の平均出産年齢が二十五歳だったということなので、当時二十五歳だったお母さんが西暦二〇〇〇年に六十五歳になっていて、その第一子は四十歳ということが介護保険施行時の状況だったわけでございますが、今はその第一子を出産する年齢が高齢化しておりますので、母親が六十五歳以上になったときの第一子の年齢は低年齢化していると、そういう状況に確かにございます。そういうことをどう評価するかということで考えていくというのは、一方の考え方として十分あると思っております。
 ただ逆に、若年の方に対して、四十歳未満の方に対してということになるわけですけれども、そうした方々は介護サービスを利用する可能性、御自身は低いということもありまして、かなり介護保険が四十歳で定着しているということもありまして、結局、そういった方々の保険料負担への理解を得られるかどうかといったことが最大のハードルかなと思います。
 まさにこれは給付と負担の議論の一つ、負担の問題でありまして、国民的な議論を積み重ねることによって結論を得るべきものであるかなと考えております。
○足立信也君 初産年齢は明らかに五歳以上はその当時から上がっていることは間違いないわけでして、その点も考えなきゃいけないことですし、私は今はそれは考えどきだという感じがしていますので、是非それを検討してみたらどうかと、そのように思います。
 それから、高齢者の保健事業にやはり関連して、島村理事がいらっしゃいますけど、例えば大分県では、健康寿命日本一を目指すということで、これは肺炎球菌ワクチンの予防接種と口腔ケア、このセットが何よりも大事だということで、もちろんそれはその後の肺炎の発症率を下げるとか、それのみにとどまらず、糖尿病の発症率を下げる、心筋梗塞の発症率を下げる、何よりも健康寿命が延びるという前提に基づいてやっているわけですが、今現在、この高齢者の方々の歯科健診の実施状況というのはどうなんでしょう。
○政府参考人(樽見英樹君) 高齢者医療制度の保健事業におきまして、平成二十六年度から、歯周病を起因とする疾病の悪化、口腔機能低下による誤嚥性肺炎の予防といったものを進めるために歯科健診に対する国庫補助を行ってきたところでございます。平成三十年度において全広域連合で実施されるということになりました。
 二十六年度以降、扱っている広域連合がだんだん増えて、三十年度においては全広域連合で実施されるということになりましたが、受診率は、残念でございますけれども、直近の実績、平成二十九年度で実績出ておりますが、四・〇%という状況でございます。
 高齢者の場合、歯科受診も含めまして日常的に医療サービスを受けている方が多いということもありますので、数値のみで一概に判断するということは難しいとは思いますけれども、受診率は低い状況と言わざるを得ないというふうに思います。
○足立信也君 ここもやはり推進してもらいたいと。何よりもやっぱり予防につながるということですので、是非取り組んでいただきたいと思いますし、先ほど大島局長にちょっと僕言い忘れたんですが、保険料負担に関するところなんですけど、これは四十歳以上六十四歳までの介護を受けられる疾患の範囲、ここの議論が欠かせない話ですよ。介護が必要とされる人に介護をと、私はその考え方がいいと思いますので、それは追加で申し上げておきます。
 そこで、川合理事の質問にもありました、在留外国人のみならず、日本人もそうですが、被扶養者要件の国内居住要件のことについてです。
 去年の予算委員会で私が指摘したのは、国ごとに制度も違う、習慣も違うような方々が新たに大勢入ってくる、そのときに、例えば奥さんが一夫多妻制で相当いるような場合、それの子供の場合等々、被扶養者の範囲というのはどうなるんだという質問をしていったわけです。それに出産育児一時金とか、あと療養費の問題とか絡ませていった中で、それをどう取り扱うか、国内居住要件も一つの検討材料として検討してもらいたいという発言もしたわけですね。その件については今日質問で相当やり取りがありましたのであえて触れません。
 私が触れたいのは、まず確認したいんですが、今回、特定技能者を始めとする外国人在留者ももちろん日本人と同じように個人ごとの被保険者番号が付けられると、それはそれでいいわけですね。
○政府参考人(樽見英樹君) オンライン資格確認でございますけれども、医療機関の窓口において個々の加入者の資格情報を即時に確認するということを目的にしているものでございます。
 したがって、そのために、保険証の被保険者番号、これを個人単位に変更した上で、支払基金において個人単位の被保険者番号に資格情報をひもを付けて管理させるということになるわけでありまして、これは日本の公的医療保険制度に加入している者全てが対象になります。
 したがいまして、外国人労働者あるいはその被扶養者であっても、日本の公的医療保険制度の適用対象者ということになりますれば、これは被保険者番号の個人単位化の対象になります。
○足立信也君 この件は、私、一点だけ絞ってお聞きしたいと思います。それは、個人の抱く不公平感あるいは差別感というところに絞って聞きたいと思います。
 これは、健康保険上は標準報酬月額で保険料が決まりますですね。収入が同じ場合は保険料は同じです。そのときに、今まで被扶養者であった方々の受診もできた、それが今度できなくなるという個人当たりに見た不公平感、あるいは、日本人、同じ職場の場合、同じ収入で同じ保険料を払っていながら、その方の被扶養者の方々は受診できるけれども、国内居住要件が掛かって被扶養者になれないという、職場間、職場の中での抱く不公平感、こういうものが存在すると思うんですよ、どうしても、人間ですから。
 これを論理的に払拭するために、今回、国内居住要件は設けますと。しかし、これは制度的な、特定技能一号の話は私は論外だと思いますが、それは除いて、日本人と外国人という形で見た場合のこの不公平感の払拭、共通ルールというようなことをどのように説明されるか、その点をお聞きしたいと思います。
○政府参考人(樽見英樹君) まず、恐縮でございますが、日本人と外国人というか、この被扶養者居住要件は国籍を要件にしてございませんので、日本人であっても外国人であっても日本国内に住所があるかどうかという差になるということは、恐縮でございますが、申し上げさせていただきたいと思います。
 その上で申し上げますけれども、健康保険制度、そもそも、昭和十四年に被扶養者への保険給付というものが入ったという歴史でございますけれども、そのときから一貫して、保険料の算定においては被扶養者の有無というものを考慮をしておらない、被扶養者がいるかいないか、例えばお子さんが多いか少ないかといったようなことについては保険料の方には反映をしないという仕組みになっております。この考え方は、被扶養者を抱える被保険者の保険料負担でその被扶養者の給付を一対一で賄うという考え方ではなく、健康保険制度全体で被扶養者の給付を賄うんだという、そういう仕組みを取っているということでございます。
 したがいまして、現在でも、同じ会社に勤務して、同じ月給、標準報酬月額の被保険者でありましても、被扶養配偶者があるかないかという違いがあっても保険料は同じ、お子さんがお一人か三人か五人かといってもこの保険料は同じということになります。
 したがいまして、その保険料変わらないというところについての考え方は、こうした健康保険制度全体で被扶養者の給付を賄うという仕組みということについてこれまでと変わらないと、逆に言うと、そういう考え方を今後とも維持をするということで仕組んでいるということでございます。
○足立信也君 そのとおりだと言うのもちょっと言いづらいところがありますが、実際そうなんですよ。
 日本人と外国人という区別が存在するわけではないという点、それから、実際掛かった給付の中で保険料負担分、これを割って計算するんだということで、それは働いている人たちが均等に分け合っている、負担し合っているということ、これが公平なんだという話をしっかりしていくしかないんですよ。その点が何となく不公平感、何となく差別感という形になっているので、そこはしっかりやるべきだと私は思います。というか、いろいろ考えたけれども、差別なく区別なくやれるのはこの方法かなと私は思っていたので、去年質問したときに、そういう形になったんだと思います。ただ、説明は大事ですよ。そこをしっかりやっていかないと納得はなかなか得づらいと、そのように思います。
 次は、審査支払機関、支払基金と国保連ですけれども、これについて質問いたします。
 これ、工程表を作ったときに、支払基金の効率化・高度化計画・工程表には、自ら考え、自ら行動する頭脳集団に変えるんだと、すごいこと書いてあるんですね。人材の高度化を格段に図ると、こう書いてあって、すごいなと、これで八百人削減かよという話の中で、この自ら考え、自ら行動する頭脳集団、要は、基本業務にデータ分析がしっかり明記されているということだろうと思うんですね。
 これは、ちょっと聞きたいのは、そのデータ分析が主たる仕事、業務になっていくという意味合いなんでしょうか、そうじゃないんでしょうか。
○政府参考人(樽見英樹君) まさに、今後の医療の質の向上、あるいは医療関係者の言わば働き方の見直しといったものも取り組んでいかなければいけない中で、データヘルスの推進というのはそのための大きな柱であるというふうに思っているわけでございます。
 支払基金あるいは国保連、これまで膨大なレセプトの審査支払業務を担ってきたという御経験がありますし、それによる知識、経験もあるということで、それを、どう役割を果たしていくのかということを考えたときに、これまでの既存のインフラを活用しまして、例えば健保組合などの保険者に対して、保健事業に役立てていただくために加入者の健康状態や医療費、予防、健康づくりへの取組状況などのデータを提供するでありますとか、あるいは国保連、地域保険ということでいいますと、疾病別あるいは地域別に医療費を分析をして、その結果を都道府県などに提供することで医療費適正化計画の作成や実施について支援をしていくといったような取組を行うといったようなことが考えられるわけでございます。
 また、今回の法案で入れております高齢者医療と介護予防の一体的実施というところでも、国保のデータベースといったようなものを活用してより良い効果的な実施に結び付けていただきたいということを考えているわけでございますけれども、そういったことから、支払基金や国保連の基本理念あるいは業務規定というところで追加を行うということでございますが、審査支払というものが何といってもこの支払基金、国保連の欠かせない役割ということでやってきたところでございまして、これは引き続いて公的医療保険制度の適正な実施、運営を担保する上で必要不可欠な機能だというふうに思っております。
 したがいまして、それを支えるインフラでございます支払基金あるいは国保連ということについては、引き続いてその役割を果たしていただく必要があるというふうに考えておりまして、データ分析業務ということについては新たな業務として非常に力を発揮していただける分野だとは思っておりますけれども、そこに特化をしていくとか、それだけをやるようにするとか、そういうことを考えているわけではございません。
○足立信也君 あくまでも審査が一番の第一義だということだろうと思いますが、今答弁の中でも、この分析結果をあるいは都道府県に提供したりとかいう今答弁ございましたが、これ、分析結果を提供できるということになると、これは支払機関が保険者機能を持っている形になるんではないかと私は思うんです。これは、自発的に支払機関がいろいろ分析した結果をこうだというふうにできるものなんでしょうか、提供を。
○政府参考人(樽見英樹君) 支払基金でございますけれども、保険者からの委託を受けて審査支払業務を行うという機関ということになるわけでございます。
 一方で、個人情報、レセプトの情報、個人情報でございまして、個人情報保護法において、個人情報の目的外利用あるいは本人同意なしに第三者に提供するといったようなことというのは禁止をされておりますので、支払基金が全く自発的にといいますか、支払基金が自分で考えてレセプト情報を第三者に提供するということは、まず個人情報保護法上認められないということになります。
 また、レセプト情報を分析をして、その分析をした結果を他者に提供するということになりますと、これは匿名化をしてやれば個人情報といったこととの関係というのは少なくなるとは思いますけれども、まず、支払基金は保険者からの委託を受けて審査支払業務を行うということになっておりますので、その保険者からの審査業務の受託の範囲内でレセプトデータについて言わば権利を持っているということでございますので、その範囲を超えて他者に出すということになると、これは保険者との契約違反ということになるわけでございます。
 ですので、支払基金、今回の改正でデータ分析に関する業務を行うということを言わば業務に追加をするということで、可能ということにはなりまするけれども、これ基本的にはやはり保険者からの受託の範囲、保険者との契約の範囲ということが枠になってくるわけでございまして、それを超えて支払基金が独自に判断をして他者に提供するということについては認められないということになると考えています。
○足立信也君 あくまでも保険者からの委託の範囲の中で、さらにそういう分析の依頼があればそれは提供できると、そういう答えですね。
 そこで、そこに絡むかどうか、もう当然最終的には絡むんでしょうが、審査委員会のことについてお伺いします。
 先ほどもありますように、自ら考え、自ら行動する頭脳集団、これは職員も含めてですけどね。今までは、大きく言って診療側、あるいは大きく言って支払側、そして公益委員、その三者がそれぞれ同数でしたね、で委嘱することになっていましたけれども、今回は、公益委員、有識者、学識経験者、この公益委員についてはその同数にするという規定がなくなるわけですよね。ということは、かなり減るという、はっきり言って、そう思うんですが、この審査委員会の中で公益委員というのは私は大事だと思いますけれども、これ、減ることは間違いないんですが、ゼロにはできない。最低何人必要なんですか。
○政府参考人(樽見英樹君) 今回の改正でございますが、審査委員会、御指摘のように、これまでは、診療担当者代表、保険者代表、学識経験者代表、三者構成で三者同数となっておりました。したがいまして、常に、審査委員の規模を変えるときには、お一人増やそうと思うと三人増えるということで、常に定員は三の倍数になるという形になっていたわけでございます。
 ですが、特に地域によっては審査委員の確保がなかなか難しいという地域がある中で、常に三の倍数でないといかぬというところについてはより機動的に対応できないかという御要望がかねてからあったわけでございます。そういうことでこの規制を緩和することとしたものでありまして、言わば、性質上、診療担当者代表と保険者代表については同数だということにさせていただいて、学識経験者代表というところについては同数でなくてよい、したがって、三の倍数で増減させるということにはこだわらないというふうにしたわけでございます。
 ですが、これは法律上学識経験者代表というのは必要でございますので、まさに法律上最低何人かということで問われれば、一人でございます。ゼロはありません。一人でございますが、ただ、ここはまさにその地域の実情に即して適正な審査が行われる規模ということについては確保してもらいたいというふうに考えているところでございます。
○足立信也君 言いづらいけど、最低一名になるわけ。
 そこで思うのが、その自ら考え、自ら行動する頭脳集団で学識経験者をなぜ少なくするのかなというのを感じたんですね、読んでいて。なので、増やすときに、三の倍数で増やさなくてもいいという逆の捉え方ということですね。
 ということであれば、私も、当然のことながら、分析に関してもしっかり人材を集めて効率的にやっていただきたいと思いますので、そこはあえて答弁は求めませんけれども、目的は学識経験者を減らすということではなくて、逆に、診療側、支払側は増やす場合は同数で増やしていくというふうに捉えたいと思います。
 そこで、いろいろ要望がある中で、今までの法律上、十六条では、委員会ですね、従たる事務所ごとに委員会を置くというふうになっています。今回改正されるわけですけれども、要望、多くが、四十七都道府県ですね、各都道府県にこの委員会は必要だという要望があるんですけれども、今回の改正上、その部分はどうなるんでしょうか。
○政府参考人(樽見英樹君) 今回の法改正によりまして支部は廃止するということになりますが、審査委員会については本部の下に設置をするということでございまして、支払基金の内部規程において、本部の下、各都道府県に設置するというふうにすることを考えています。
○足立信也君 分かりました。本部の下、各都道府県にということですね。はい、分かりました。
 実は、奈良県知事の発言もありましたけれども、私は、これからの医療財政考えたときに、保険範囲の問題、それから先進医療の取扱い、そしてもう一つ考え得るのが、都道府県別の診療報酬というのは議論してみるべきだなとは思っているんですね。
 東委員からも前回ありましたように、いろいろばらばらな基準があるではないかと、それはしっかり全国で基準を一つにすべきだという議論もある中で、でも、地方にとっては都道府県別の診療報酬という考え方もあり得べしだと私は思います。
 そんな中で、本部一か所で全国的に支払の方も統一的な対応をすることになるわけですが、これが事実上、例えば都道府県別の診療報酬という考え方をこれによってシャットアウトするというわけではないですね。そこの確認です。
○副大臣(大口善徳君) 高齢者医療確保法に基づいて、特例的に都道府県の区域内に別の診療報酬を定めることができるとされております。
 ただ、この件については、支払基金における審査体制は診療報酬ルールの設定に合わせて対応していくことが可能でありまして、今回の審査委員会の位置付けの見直しが都道府県別の診療報酬の設定の議論に影響を与えることはございません。
○足立信也君 最後に、昨年の十二月六日に、社会保険の適用事務所となった場合に、今までの国民健康保険から健康保険に遡及して加入する場合、それが期間制限があって還付されない部分がある、丸々還付されないということがあって、これは大口副大臣の方から法改正をもって対処したいという力強い答弁をいただきましたので、今回それが入ったことは非常に感謝したいと思います。
 そこで、大事なことは、これは被保険者が何かアクションをしなければ対処されないのかどうか、被保険者がやるべきことがあるのかどうか、その点だけ確認したいと思います。
○副大臣(大口善徳君) 昨年十二月、委員からの御指摘も踏まえて、今回、法改正の対象としたわけでございます。
 今回の改正では、勤め先が遡及して社会保障の適用事業所となった場合など、被保険者の責めに帰さない事由によって保険料を遡って納付しなければならないときには、その遡る期間の国保保険料を還付できるようにすることにしているわけであります。そして、対象となる被保険者の方には、市町村窓口において、国民健康保険の資格喪失届を提出していただくとともに、例えば年金事務所が発行する資格決定通知書などといった書類により、被保険者の責めに帰すことができないかどうかを確認させていただきつつ、その保険料の還付申請を行っていただくことを考えております。要するに、本人に申請していただくということであります。
 ただ、本当に被保険者がそのことをよく御理解していただかなきゃいけませんので、法案の成立後、速やかに関係保険者等に対して具体的な運用について周知するとともに、必要な手続に関する被保険者への周知についても促してまいりたいと。事務所が丸ごとの場合もあるし、労働時間が延びて適用になる場合もあります。きめ細かく被保険者に周知するよう徹底してまいりたいと思います。
○足立信也君 終わります。
    ─────────────
○委員長(石田昌宏君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、礒崎哲史君が委員を辞任され、その補欠として柳田稔君が選任されました。
    ─────────────
○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。
 まず、介護納付金の算定誤りについて私からも質問させていただきたいと思います。
 今回の事案もやっぱり大臣に情報が伝えられたのが大変遅かったということが他の委員からも指摘、繰り返しありました。大体二か月近くたってから第一報を大臣は受けたということになっていたかと思います。
   〔委員長退席、理事そのだ修光君着席〕
 大臣は、二月四日、衆議院の予算委員会で、毎勤統計のこれ議論のときでしたけれども、こんなふうに答弁されているんですね。私への報告については、危機管理の鉄則として、早い初動、特に良くない情報ほど早く上げよという観点からして、今回の事案は報告までに私は時間掛かり過ぎていると思うと。私もそうだと思いますけれども、これまたかぶって繰り返されるということになったわけです。大臣、改めて認識を問いたいと思う。
○国務大臣(根本匠君) 私は、常に仕事は緊張感を持ってやってもらいたいと、こう思っております。
 今回の一連の事案、老健局長からも度々答弁させていただいておりますが、省内の情報共有の在り方など、組織としてガバナンスが不十分であったということが明らかになっております。
 私は、一連の問題を、事案を発生した部局だけの問題として捉えてはならないと考えており、組織内で、また関係組織間でそれぞれの業務にどのようなリスクがあるのかをあらかじめ共有して、何かあれば意思疎通が円滑に図られる関係性を構築する、これはまさに管理職の仕事であると考えております。
 再発防止の観点からは、このような組織管理を徹底していくのが極めて重要であると考えており、自覚を持って日々の業務に当たることが求められていると思います。
 厚生労働行政の責任者として私が先頭に立って、厚生労働行政の重みに対応したしっかりとした組織の在り方、組織のガバナンスを確立していきたいと思います。
○倉林明子君 危機管理の鉄則が守られていないと、そういう組織になっているんだということを、極めて深刻な事態だということを指摘せざるを得ないと思うわけです。
 そこで、年末年始、この時期というのは、厚労省は毎勤統計の不正対応に非常に追われて、組織を挙げて追われていたという状況でした。確かに、この介護納付金担当のところでも、介護保険計画課、ここでもやっぱり応援体制組んでいたというようなことも聞いております。今回の健保法の改正というのも控えていたわけですよね。そういうときに、誤りに気付いた担当者が速やかに報告できないような環境がなかったのかどうか、私は、そういう目で点検を掛けるということも大変重要だというふうに思っているわけです。
 再発防止にやっぱりどう踏み込んで検証していくのか、指摘の点も含めていかがお考えか。どうですか。
○国務大臣(根本匠君) 私は、こういう事案が出たときには、どうしてこういうことが起こったのか原因をしっかり明らかにする、これが大事だと思います。
 今回の事案については、その計画の中で、特に支払基金から厚生労働省に参考値の一部に誤りがあるとの一報があったのが一月二十三日の時点であります。この一月二十三日の時点及びその後の対応について、厚生労働省、支払基金双方の対応に問題があったと考えています。
 厚生労働省においては、一月二十三日の支払基金の一報を受けた担当者、これは、その情報を課内や局内で共有せず、上司もこうした実務を担当者任せにしておりました。また、担当者は、係数が上がることによる保険者実務への影響度を十分に認識せずに、そのため上司や幹部にも情報が上がらなかった。その結果、厚生労働省として、参考値を修正して医療保険者に示す段取りを取ることができなかった、これが原因。これは、やっぱりここはきちんとクリアにしなければいけないと思います。
   〔理事そのだ修光君退席、委員長着席〕
 これは、当事者個人の問題ではなくて、業務ラインの中で、どのようなタイミングでどういう事務があり、それに伴ってどういうリスクが生じ得るのかをあらかじめ共有することができていなかったという管理者側の問題もある。
 そして、四月二十二日に老健局において再発防止の取組を具体化いたしました。幹部職員が中心となって次の点を明確化して、業務ラインの職員と共有することといたしました。その上で、日常的な情報共有と幹部への速やかな報告を徹底する。各課室、業務ラインごとに……(発言する者あり)いや、これ大事なことですよ、生じ得るリスクを事前に具体的に特定、共有する。リスクに対応するための意思決定のレベル、内容、方法を整理する。
 全省庁的な、先ほど申し上げましたが、全省庁的な取組も強力に推進することによって再発防止の徹底を図っていきたいと思います。
○倉林明子君 いや、その範囲で本当に再発防止ができるんですかということなんですよ。踏み込んでそういう言えない環境がなかったのかということも検証したのかということを改めて言っているわけで、その指摘に対する回答がないということについては指摘をしたい。重ねて、検討要るんだと私は思っているんです。検証要るんだと思っているんです。
 厚労省も、毎勤も、介護納付金の問題も、そして支払基金も、今回のことについても内部調査なんですよ、全部。内部調査にとどめているというところが私は危機管理の鉄則としていかがなものかと。第三者による検証というのをこの点でも重ねて私は求めたいと思う。これ、繰り返すほどに国民の信頼は落ちるばっかりなんですよ。厚生労働行政全体への理解にも本当に支障を来している事態なんだと、そういう、大臣、自覚持って取り組んでいただきたいと強く申し上げておきます。
 次、ビッグデータの問題なんです。
 法案によりまして、NDBそして介護DB等の連結分析を認めて、民間事業者にもその活用が可能となるということになるわけですね。
 ビッグデータの規模を、私、まず確認したいと思います。今回、NDB、介護DB、そして特定健診等、それぞれ何件で合計何件になるのか、規模でお示しください。
○政府参考人(樽見英樹君) お答え申し上げます。
 まず、NDBでございます。NDBに入っているデータの件数ということでございますけれども、平成二十九年度末時点で、医療レセプトは約百五十三億件、それから特定健診等データが約二・六億件ということでございますので、NDBで計百五十五・六億件のデータを収納しております。
 介護DBの方になりますけれども、介護DB、同じく平成二十九年度末時点で、介護レセプトが約九・二億件、それから要介護認定情報が約〇・五億件ということで、合わせまして約九・七億件というものを収納しているという形になります。
○倉林明子君 ざっとでも百六十、もうちょっと増えるかな、膨大なデータの規模だということは明らかだと思うんですね。
 とはいえ、介護保険でいうと、高齢者のうちおよそ七人に一人が利用していると。さらに、個人の特定ということで、この懸念というのが繰り返しやっぱり指摘もされているんです。NDBでも、希少疾患あるいは遺伝子検査など機微性の極めて高い情報が含まれるというふうになるわけです。これ、膨大なデータ、これは絶対に漏えいを起こしてはならないデータだと思うわけですね。
 そこで、確認したい。この新たに法で可能となるデータの連結解析、提供、ここはどこが担うことになりますか。
○政府参考人(樽見英樹君) 連結解析、提供を行う主体ということになりますと、当面、国、具体的には私ども厚生労働省が行うということの予定にいたしております。
 なお、第三者提供の対象につきましては、行政や大学等の研究者、民間企業など、幅広い主体に提供するということになりますので、そこで医療・介護分野における学術研究や研究開発の発展につながるということを期待しているところでございます。
○倉林明子君 これ委託も可能ということにしていませんか。
○政府参考人(樽見英樹君) 委託も可能ということにはしております。今回の法案におきましては、支払基金又は国保連等への事務委託を可能とするという規定を設けております。まあ、これ……(発言する者あり)よろしいですか。
○倉林明子君 つまり、委託先も含めてこのデータのところで関わっていくという可能性あるわけですよね。これ、情報管理、この点でも責任を負うということになるわけです。
 さらに、私、個人の特定に直結してリスクが高いなと思って懸念しているのは、市町村が活用するとしている国保DB、そして介護、後期高齢者のDB、この一体把握なんですね。このデータというのは名前付きですよね。漏えいすれば、直ちに個人への影響が懸念されるデータとなるわけです。これ、市町村ごとの活用というのが前提、閉鎖したところで使うということが前提だということになるのは当然だと思うんだけれども、このデータ活用は広域での活用の拡大の議論も衆議院でもあったというふうに議事録を読みました。
 こちらの方のDB、データベースの管理責任、これ、どこが担うことになりますか。
○政府参考人(樽見英樹君) まず、恐縮でございます、先ほど支払基金等への委託ができるということだけ申し上げましたが、まさにこの支払基金等に委託ができるという条文になっていますけれども、これ実際にどうするかということについては、まさにそのデータベースの事務を委託するにふさわしい、支払基金はレセプト等を扱っておりますので、それにふさわしい組織であるということで入っておりますけれども、実際にどうするかということについては今後の組織改革を進めていく中で検討を進めていくということになります。
 それから、今のKDBシステムということになりますけれども、これについては、国民健康保険、後期高齢者医療制度の保険者が効率的かつ効果的に保健事業を行うために、国保連合会において構築をされ、管理をされているというものでございますので、国保連合会が管理者でございます。
○倉林明子君 それでは、果たして、国民のこの機微の高い、絶対に漏えいさせてはならないという情報は確実に守ることができるのかということが問題だと思うんですね。国民が一番心配しているところだと思うんです。
 そこで、これ共同通信によりますと、一八年の個人情報流出あるいはおそれのあるものを含めて二百六十八万件に上ると、こういう報道ありました。そして、民間情報サイトですけれども、サイバーセキュリティ・ドット・コムが報道を追っかけて統計をまとめております。これ見ますと、十年前は年間で二つの法人と団体しかなかったんですよ、漏えい事案というのは。そして、件数は三千件程度でした。ところが、これ二〇一九年、今年入ってから四月までの分を掲載、見ておりますと、たった四か月なんですけれども、二十三の法人、団体、流出したものは一千万件超えているんです。もう飛躍的に情報漏えいの規模というのは増えているというのがこれ言えると思うんですね。この情報漏えいの事案の詳細の報告見ておりますと、ここには地方自治体あるんですよ。紛失、不正で消えた、情報流出したというのはありますし、経産省の委託事業でも起こっております。
 近年、この情報漏えいのリスクというのは極めて高くなっているし、日々進化している、悪い方にですよ、漏えいの技術というのは進化していると、こういう状況にあるという認識は、大臣、お持ちでしょうか。
○国務大臣(根本匠君) まず、今回のNDBと介護DB、これは患者本人を特定できない匿名のデータベースであります。そして、情報漏えいのリスクに適切に備える、これはこのような匿名のデータベースであるNDBあるいは介護DBにおいても当然に重要なことと認識しております。
 これまでも、データベースシステムの適切なセキュリティー水準を確保するとともに、データ利用者における必要なセキュリティー対策を求めることなどによってデータの安全な利活用に最大限努めてまいりました。そして、今回の法改正においては、幅広い主体による利活用が進むことを考慮して、データ利用者に漏えい防止等の安全管理義務を課す、そして国による検査の実施や義務違反に対する罰則も盛り込んでおります。
 このような対応を含めて、情報流出などがあってはならないということを考えておりますので、引き続き安全性の確保にしっかり取り組んでいきたいと思います。
○倉林明子君 いや、聞いたことは、一般論としてですよ、今の法案の話じゃなくて聞いたので。繰り返しませんけれども、質問趣旨をしっかり聞いてつかんで答弁する努力をしてほしいと思いますので、よろしくお願いします。
 そこで、情報漏えいリスクは非常に高まっているというのが一般的な事実だと思うんですね。そこで忘れちゃならないと思いますのは、厚労省は二〇一五年五月、これは百二十五万人分の年金機構での情報漏えい事件を起こした。同年八月、このときにはサイバーセキュリティ基本法、これに基づく初の原因究明調査というものの対象になった事案でもありました。年金機構もサイバー攻撃の監視対象にこれを契機として加えられたんです。新たな監視対象とされた理由は何だったのか。
○政府参考人(山内智生君) お答え申し上げます。
 今委員御指摘の事案を踏まえまして、その翌年、平成二十八年の一月にサイバーセキュリティ戦略本部で議論が行われております。当時、政府機関のみがまず監視対象でございましたが、政府と一体となって公的業務を行う特殊法人等を国による不正な通信の監視、監査、原因究明の調査の対象に含めるという対象拡大をする方針をまず決定をいたしました。これに基づきまして、その所要の措置といたしまして、同年の四月にサイバーセキュリティ基本法改正をしております。
 この改正をしたときに、この拡大の対象とする法人について、どこまで含めるのかという議論もしております。国民生活、経済活動への影響を勘案をしてこれサイバーセキュリティ戦略本部が指定をするということでございましたが、具体的には四つの要件をそのとき定めております。
 一つ目、当該法人の業務と国の業務との一体性、その次が保有情報の機微性ですとかそれからサイバー攻撃を受けた際の国民生活、経済活動に与える影響、それから、法人が自主的なセキュリティー対策に、それに委ねてよいのかどうかと、それから、私どもサイバーセキュリティセンターの技術的能力、知見を活用できるのか否かと、この四つの要件を踏まえてどのような法人を指定をするかという検討をしております。
 その結果といたしまして、平成二十八年の十月、御指摘の日本年金機構を含む九法人を指定をしたという経緯がございます。
○倉林明子君 内閣に確認です。
 それでは、先ほど委託できるということで確認しました審査支払機関、そして国保連、これは新たに監視対象と加えた法人、団体の中に入っていますか。
○政府参考人(山内智生君) 国保連でございますね。九法人の中に入っていないかと思います。一応、念のためにそのときの九法人を申し上げます。(発言する者あり)はい。
○倉林明子君 これ、漏えいのリスクということでいうと、年金以上に漏れた場合の国民生活への影響、個人への影響、極めて大きいというところに踏み込むということになるんです、今度ね。これは委託できるという規定になっているけれども、委託したらそういうリスクというのは本当に高いんですよ。だけど、サイバーセキュリティ法の対象に入っていないという状況が今改めて確認したところなんです。
 これ、データの民間活用について、データの保有者である国民の承認は、じゃ、得られているのかという問題なんですね。
 法案によりますと、相当な公益性を有すると認められる事業、事務等としておるわけですけれども、衆議院で新谷政務官はこう言っているんですね。連結解析によって、製薬企業やヘルスケア事業者等が効果的な医薬品や健康維持、介護予防に役立つサービスの開発につながると、こう明確に答弁しているんです。
 民間企業が自らの利益の確保のために利用できるようなデータになるということですか。
○政府参考人(樽見英樹君) NDB、介護DBのデータの第三者提供でございます。
 今回の法改正によりまして、提供の基準や審査等の規定を整備した上でこれまで対象外としてきた民間企業も対象とするなど、基本的には幅広く利活用を認める方針ということで取り組みたいと思っているところでございます。
 ただ一方で、まさにNDB、介護DBのデータは、公的社会保険制度の請求に用いられるレセプトということで集めたデータでございます。これを二次的に利用するものであるということを考慮すれば、一定程度の公益性というものはやはりその利用に当たって必要になるものだというふうに考えているわけでございます。
 したがいまして、明らかに個別企業の利益のみを追求するようなもの、例えば自分の製品がどう売れているかというマーケティングの目的というようなところは、これは対象外というふうに思います。
 関係者の意見も踏まえて、法施行までの間に具体的な検討を進めます。
○倉林明子君 これは株式会社富士経済が試算をしているんですね。二〇二五年、医療関連業界向けの医療ビッグデータ分析の市場、これが二〇一六年には四倍にも拡大するという、こういうデータの開放を見込んだ分析になっているんじゃないかというふうに思います。今後はカルテデータの活用も進むんだというような分析までしております。公益性の確保というデータ活用の目的からはやっぱり逸脱していくんじゃないかと、この危険については極めて厳しく指摘をしておきたいというふうに思うわけです。
 そこで、データの活用について、個人が審査の目的外の利用を拒否した場合、審査だけに使ってほしいと、連結解析データからは、これはそういう本人からの希望があった場合、データ削除は可能なのかどうか。どうですか。
○政府参考人(樽見英樹君) 午前中のやり取りでもちょっとだけ申し上げましたが、NDB、介護DB、高齢者医療確保法や介護保険法というそれぞれの根拠法に基づいて、医療費適正化計画や介護保険事業計画の作成を目的として、匿名化した上で収集し、構築されているというものでございますので、そういう形で個人情報保護法の対象外というふうになっておりますので、この収集や第三者提供に当たって、患者本人の同意を得ることや個人の求めに応じてデータを削除するという仕組みとはなっていないということです。
○倉林明子君 これは、要は、大丈夫だからそういう希望をしても外さないという立て付けですよね。
 ところが、匿名加工したデータは安全かということです。匿名加工したデータでも、AIに読み込ませればほかの情報と組み合わせることで簡単に特定できる、こういう時代に今なっているんですよ。EUでは、個人データを入手する場合、あらかじめ本人の同意を得るオプトインというのが原則になっています。日本はこういう点でも個人情報保護というのは大変遅れていると言わざるを得ないというふうに思うんですね。
 情報保護の監視体制も、先ほど言ったように、サイバーセキュリティ法でも監視掛けないまま踏み込んでいく、こういうビッグデータの民間開放というのは国民の不安に応えていないし、現時点でこういうところに踏み込んでいくということはやるべきじゃないということを強く申し上げたいと思います。
 次に、支払基金の改革について質問いたします。
 レセプト点検業務を全国四十七か所から十か所程度の審査事務センターに集約するというふうにしているわけですが、その理由として説明を受けている部分が、コンピューターの審査を九割方できるようになったからだと言うんだけれども、でも、四十七か所に審査委員会は残すということになるわけで、何のために十か所にするのか、議論を聞いていてもはっきりしないと。いかがですか。
○政府参考人(樽見英樹君) まさにその審査、要する費用、皆さんの、国民の拠出する保険料、みんなで負担している保険料で賄われているわけでございますので、業務の効率化ということは喫緊の課題でございます。
 そういう中で、レセプト事務点検業務について、ICTも最大限活用して効率化を進めるというふうにしたらばどういうことができるだろうかということで、今日もいろいろ話出てきておりますけれども、以前はレセプトは紙だったものが、電子的に来ています。これを、要するにコンピューターの仕組みを使いながら点検を効率化をすることができる、それについてはまさに事務の効率化ということで、集約することによって効率化できるところはできるだけ効率化をしていきたいと。
 ただ一方で、具体的な審査の結果、査定ということを行って、医療機関にもそういうことで納得を得てもらわなければいけない、そういう言わば医療というものの個別性と一般的なルールである画一的な請求ルールというものとの折り合いをどう付けるのかということについては、まさにピアレビューという形で、顔の見える関係で四十七都道府県の審査委員会でお願いしたい。
○倉林明子君 不合理な審査の解消のために合理化していくんだという話だったんだけれども、一昨日の審議でも、これ、ローカルルールって十四万項目あったというお話ありましたよね。それが、統合しなくても五万項目まで減っているんでしょう。二万項目ぐらいまでは減らせる見込み立っているんでしょう。だから、合理的な説明になっていないんじゃないかと私は思うんです。
 その上で、これ、要は、不合理な審査の差異を解消していくといった場合の不合理ということについての認識が私は問題だというふうに思っているんです。
 これ、医療行為というのは、説明もあったとおり、患者の個別性が高いし、医師の総合的な判断の下で行われると。だからこそ四十七都道府県残すということになったけれども、私は、医師の裁量権というのが尊重されるべきものであって、そして、その知見が現場に近いところで合理的に集積されていって、審査というのも、査定ということもやられてきたと思うわけです。本部をつくったことで、この不合理な審査の差異の解消の基準を上から押し付けると、こういうことが合理的と言えるのかどうかというふうに思うんです。本部が上から決め付けるものであってはならないと思うし、医師の裁量権というのは尊重されていくべきものだというふうに思う。大臣、いかがですか。
○国務大臣(根本匠君) 患者の状態などに応じて個別性が高い医療に対して保険診療ルールを画一的に適用するという相反した要請に対応するために、医学的必要性、妥当性を見極め、折り合いを付けていくということが審査の基本的な役割だと思います。
 これまで、もう省略しますけど、これまで審査をより効率的に……(発言する者あり)いや、簡潔に、簡潔にですね。要は、各支部において独自のコンピューターチェックルールの設定を進めてきましたが、そのことが結果的に支部間の不合理な審査結果の差異の一因として指摘されております。個別の医療の提供に当たって、議員御指摘のとおり、医師の裁量権が尊重されることは当然でありますが、それを保険診療に当てはめる際に支部間で不合理な差異が生じることについては、医療を受ける国民の公平性の観点から、その解消を図っていくことが必要であると考えております。
 今回の改正法案では、審査委員会を本部の下に設置するなど、本部の調整機能を強化した組織体制に見直して審査の平準化を図ろうとするものであって、医師の裁量権を制限するものではないと考えております。
○倉林明子君 いや、平準化の際に、平準化が目的となって、これ医師の裁量権を侵害すると、こういうことをやったら駄目だよということなので、くぎを刺しておきたいと思います。
 支部の集約、統合について、実はこの実証テストがやられています。そして、この検証結果を踏まえて法案提出という説明もされてきたんじゃないかと思うんですね。この場合、検証結果はどうだったのか、それがどう反映されたのかがよく分からない。特に、業務の連携。実証テストの結果、業務の連携はどうだったか。全国で百五十万件という、いまだ紙レセプトあるんです。これの業務というのが二割にもなっているという説明あったとおりで、今の紙レセプトの状況についても大きな課題ということになっていたかと思うんです。
 実証テストの結果、課題、どうなったのか、説明求めたい。簡潔にお願いいたします。
○政府参考人(樽見英樹君) 簡潔にお答えいたします。
 支払基金において、平成三十年六月から十二月までの間に、審査事務の集約に伴う実際上の課題を把握するということで実証テストをしました。
 実証テストで整理されました課題。審査委員と職員の緊密な連携が審査の質を維持する上で非常に重要だけれども、現行システムでは審査委員と職員がレセプトを同時に見ることができなかったなどによって十分な連携が取れなかったという反省がある、それから、紙レセプトの支部間の送付に要する手間や時間が想定以上に掛かった、集約支部に新たに勤務することとなった職員の官宿舎あるいは通勤時間といった問題が増えたということでございまして、業務の集約に当たりましては、この結果を踏まえて、審査委員や職員の声をよく聞きながら、こうした課題も踏まえて検討を進めていくということで、厚生労働省においても適切に連携して進めていきたいと考えています。
○倉林明子君 実証テストの結果を見ると、統合することによって実務が逆に、結論から言うと、不合理なことになっていないかというんです。
 私は、このレセプト審査というのは、正確で合理的な実務、迅速性、ここが担保される必要がもうあると思うんですね。ここに支障を来すようなことがあってはならないというふうに思います。実務の集約、統合、これ十か所程度ありきということで進んでいないかと、改めて、私は、検証結果を踏まえた慎重な対応が必要だということを申し上げておきたいと思います。
 次に、介護保険と後期高齢者の一体的実施についても質問したいと思います。
 本来、高確法によりまして、被保険者に対して健康教育、健康相談その他の健康の保持増進のため必要な事業を行う努力義務、これ広域連合に求められておりますね、後期高齢者のところ。現状、この努力義務の実施状況はどうなっているでしょうか。
○政府参考人(樽見英樹君) 高齢者に対する保健事業の実施は保険者である広域連合の努力義務でございまして、全ての広域連合において実施されているということになっております。
 また、平成二十七年の医療保険制度改革において、広域連合が行うこの保健事業の、何というか、中身といいますか、メニューといいますか、高齢者の心身の特性に応じて保健事業を行うんだ、それから、保健事業のメニューとして、健康教育や健診に加え、保健指導、健康管理、疾病予防に係る本人の自助努力に対する支援などを行うように努めるんだというふうに定められたのでございます。しかしながら、保健事業として実施されている内容の多くは健診でございまして、健診以外の事業展開がなかなか広がっていないという実情がある。
 それから、七十五歳以上の高齢者の保健事業と市町村が実施している国保の保健事業が実施主体が異なるということで効果的に継続できていない、あるいは、広域連合は都道府県単位で規模が大きいため、個々人の状態に応じたきめ細やかな対応が困難であるといったような課題があるということでございます。
 したがいまして、今回の法案では、高齢者により身近な市町村で一体的な実施ということを行うということを盛り込んだものでございます。
○倉林明子君 後期高齢者医療制度ということで、移行してもう十年ですか、努力義務ということで課しながら果たされていない。これを放置してきたということ、極めて責任は大きいというふうに言わざるを得ません。その上で、唯一実施できてきたという健診事業についても、これ市町村に委託していると。これが実態だし、そうしないとできないというふうに思います。
 そこで、更にこの市町村に委託する事業が今回増えるということになろうかと思うんですね。議論もありました。市町村に対して過重な負担になるんじゃないかという指摘です。私もそう思います。問題は、一体誰がその事業を担うことになって、そして、その財源、財政負担はどこが担うのか。どうですか。
○政府参考人(樽見英樹君) まさに高齢者の特性に応じた支援というものを、保険者は広域連合ですけれども、住民に身近な市町村で介護予防の事業あるいは国保の保健事業と一体的に実施してほしいというものでございます。実施は、したがって市町村。その中で具体的にどのような方がやるのかということになりますと、医療専門職ということが重要だということになるわけでございます。
 医療専門職を市町村に配置できるようにした上で、医療、介護、健診等の情報を一体的に分析して、フレイル予備軍の抽出、あるいは重症化予防、医療・介護サービスへの接続、あるいはアウトリーチによる保健指導というものを実施をするということで、介護の通いの場といったところにも医療専門職が積極的に関与しながら、市民自ら担い手となって積極的に参画する機会を充実するということを考えているわけでございます。
 財源ということになります。こうした取組を行う医療専門職の配置を各市町村で進めていただく必要があるということで、まさにその後期高齢者の保健事業を市町村に委託するということで、後期高齢者保険の広域連合が徴収する保険料財源というものをそれに入れるということになりますが、あわせて、国としても特別調整交付金を活用してこれを支援したいというふうに考えているところでございます。
 また、実際の、例えば分析をしてアウトリーチするとかサービスへの接続をするとかと言っていますけれども、そういう分析能力の向上あるいは市町村における保健事業の取組の支援、そのための国保連による支援、取組でありますとか、そういったものについてもバックアップできるように体制を整えていきたいというふうに考えておりまして、それを厚生労働省において支援したいと思っています。
○倉林明子君 専門職の確保ということになると、もう小規模な自治体ほど大変やと思います。それは指摘もありました。私もそう思います。
 特別調整交付金充てることできるよと言います。しかし、本来これ災害時などに特別な事情で交付するというもので、決して恒常的な財源とは言えないと思うんです。国の支援も考えているということですけれども、基本はこれ、広域連合、いわゆる保険料で賄っていくという事業になるんじゃないかというふうに思うわけです。
 そうなると、結局その分はじゃ誰が負担するかというと、保険料に跳ね返らざるを得ないということだと思うんです。どうですか。
○政府参考人(樽見英樹君) まさに医療保険の保健事業というものが、これに限らず、言わばその保険者が健康づくり、疾病予防に保険料財源を使って取り組むという性質のものでございまして、それによって将来的な医療費の負担の軽減ということにもつながってくるということも期待をしながら、また、加入員、構成員である被保険者あるいはその家族の健康状態を維持改善するというための保険者の取組でやるわけですので、そういう意味では、保険料財源がそれに入ってくるというのはある意味自然なことでございます。
 ただ、まさにそれを今回広域連合から市町村に委託をして、市町村という枠で一体的に強力に新たに行っていただくということで、言わば保険料財源をつぎ込むのに劣らない金額を国の方から補助できないかといったようなことを考えているということでございます。
○倉林明子君 将来の医療費負担の軽減に医療費全体がつながるんじゃないかと、その期待は期待として受け止めますけれども、後期高齢者保険料というのは今々の負担が大変になってきているんですね。軽減特例が廃止されたということに伴いまして、対象者だった高齢者に大幅な保険料の負担増ということになっているんです。更にここに負担増を迫るというようなことは到底容認できるものではありません。
 高齢者の保健事業の財源、これは公費でまず確保するということが必要だと思う。大臣、どうですか。
○国務大臣(根本匠君) 医療保険者が実施する保健事業、これについては、被保険者の健康の保持増進に寄与することから、受益者負担の観点から被保険者全体で拠出し合うことが適当であること、また、こうした保健事業の取組は保険財政の安定化にも資するものであることから、保険者が自ら責任を持って保健事業を実施するべきであることということから、保険料財源を活用することが基本であると考えております。
 よろしいでしょうか。
○倉林明子君 高齢者の負担増についてはやっぱりしっかり考えるべきだと思うんです。消費税の増税まですると言っているし、年金は上がらないどころか実質的には下がるという状況にあるわけで、トリプルパンチになるんです。そういう実態を踏まえて、この事業について保険料負担で賄うと機械的な答弁にとどめずにしっかり受け止めて考えていただきたい、これは強く要望しておきます。
 この保健事業の中身として具体的に挙がっている通いの場について、これ確認ですけれども、八六%の市町村で設置、そして利用は高齢者で四・九%にとどまっているということでした。果たして全ての高齢者の保健事業となり得るのかと。通いの場などに参加しない、これ、できない高齢者にこそ支援が必要だというふうに思うんですね。
 ちょっとアウトリーチの話ありました。私、基本はやっぱりアウトリーチ支援、保健事業は、アウトリーチ支援でこれを強化していくということが本当は求められているというふうに思います。専門職が地域に入って、支援に拒否的になって孤立している、こういう高齢者とつながるということが保健事業としては本当に担わなければならない分野じゃないかというふうに思っているんです。援助、ケアに結び付ける仕組み、これ、自治体、援助、ケアに結び付けるという役割が果たせるような支援にしていく必要があるということ、これ指摘にとどめておきたいと思います。
 そこで、一体的に実施するとしている介護事業、これ、導入強化されようとしているのがインセンティブですね。このリンクという方向がすごく強調されております。
 四月二十三日の財政審でも、財務省が次期介護保険計画に盛り込むということでインセンティブの中身を出してきておりますが、それを御紹介ください。
○政府参考人(大島一博君) 四月二十三日の財政審の資料の中では、このインセンティブ交付金に関連いたしまして、介護の地域差に係る要因を検証の上、問題と考えられる介護費の地域差の縮小に向け、インセンティブ交付金への適切なアウトカム指標の設定、活用やそのPDCAサイクルの確立、調整交付金等の活用を通じて保険者機能の一層の強化を進めるべき。それから、インセンティブ交付金について、より適切なアウトカム指標の設定、活用や配分のめり張り付けを行うことで給付費適正化等に向けた財政的インセンティブを強化すべきといった記述がなされております。
○倉林明子君 調整交付金の活用、二号保険料負担の配分、これも傾斜付けるということで、予防健康管理を強化し、健康寿命の延伸を図ると、こういうことも盛り込まれていたかと思うんです。
 そこで、三月二十日に未来投資会議が開かれておりました。ここで安倍総理は、病気予防や介護予防、この保険者インセンティブ強化は私が二十年来執念深く取り組んできたが、今回は是非実現したいと考えていると強い意欲を表明されたと思っております。資料としてお付けしました。これは、未来投資会議に示された介護、医療のところでのインセンティブ強化の中身ということです。健保、国保、後期高齢者医療、介護保険、それぞれにインセンティブの強化メニューとなっているわけですね。これによって給付費の抑制というのは図られるというふうに大臣お考えなのか、確認したい。
○国務大臣(根本匠君) 予防、健康づくりなどの取組についてでありますが、これは、個人のQOLを向上して将来不安を解消する、健康寿命を延ばして社会保障の担い手を増やす、地域社会の中で高齢者の活躍促進を図る、こういった多面的な意義があると考えております。また、その上で、社会保障制度の持続可能性にもつながり得るという側面もあると考えています。
 三月二十日の未来投資会議、このような考え方に立って、私から二〇四〇年を展望した取組について発表いたしました。そのうち、保険者インセンティブ制度については、加入者の健康の保持増進や医療費適正化等に係る保険者の取組を支援するため、昨年度より制度を強化、実施しているところであります。現在、厚生労働省に設置した、私を本部長とする二〇四〇年を展望した社会保障・働き方改革本部において、健康寿命の延伸に向けた取組を議論しているところであります。
 健康無関心層も含めた予防、健康づくりの推進に資する個人の行動変容を促す仕掛けとして、保険者インセンティブ制度において加減算双方向での評価指標の導入など、めり張りを強化していきたいと考えています。
○倉林明子君 私、大臣に聞きたかったのは、そういうことをやって結果として給付費抑制につながると考えているのかと。これ、答弁ありましたか。
○国務大臣(根本匠君) 先ほど、予防、健康づくりへの取組の多面的な意義について申し上げました。
 やはり、これから健康寿命を延伸することによって誰もが元気で活躍できる、そういう社会をつくりましょうと。ですから、結果として給付の抑制につながるケースもあるし、そこは、大事なのは、健康で誰もが活躍できる、そういう予防、健康づくりの取組を推進していきたいと思っております。
○倉林明子君 結果として給付費の抑制につながる場合もあるということは、結果として抑制につながらない場合もあるというふうに考えておられるのか、ちょっとここ大事なところだと思うので、はっきり答えていただきたい。
○国務大臣(根本匠君) 私が申し上げたかったのは、社会保障制度の持続可能性にもつながるという側面もある。要は、給付費の抑制を目的にしてこういう取組をやるわけではないということを私は申し上げたかったわけであります。
 やはり個人のQOLを向上して将来不安を解消する、あるいは健康寿命を延ばして、これは社会保障の担い手を増やすことにつながる、これはつながると思います。そして、地域社会の中で高齢者の活躍促進を図る、こういう大きな多面的な意義を踏まえてその保険者インセンティブ制度も活用していきたいと、こういう趣旨で申し上げました。
○倉林明子君 趣旨はよく分かりました。
 ただ一方で、新しい研究が進む中で、健康寿命の延伸が直ちにやはり結果としての給付費の抑制につながるかどうかということについての疑問も呈されているということはよく踏まえる必要があるというふうに思います。短期的な医療費の給付抑制にはつながっても長期的には医療費の先送りにしかつながらないんじゃないかということも指摘もあるということを付け加えて表明しておきたい。
 そこで、介護保険で進んでいる介護予防、これ、一体実態はどうなっているかということなんです。
 これ紹介したこともあるんですけれども、二〇一四年から、要支援一、二ということで介護保険給付から外されて、予防を目的とした市町村の総合事業に移行したわけです。これは、三重県の桑名市で総合事業の評価指数を卒業件数というふうに位置付けまして、総合事業を卒業して半年間介護保険を利用しない場合にインセンティブが独自に出されているんですね。その場合、事業者には一万八千円、ケアマネ実施機関には三千円、頑張った利用者本人には二千円と、こういう露骨なインセンティブになっているわけです。
 結果どうなったかと。進んだのは、介護保険、これの利用抑制なんですよ。いわゆる通いの場、ここなどに、住民主体のサービスの利用につながった、今目指そうとしている方向ですね、こういう結果としてつながった人はどれだけあったかって、一六%にとどまったという調査出ています。重症化、そして死亡の増加につながっているという指摘、これ重いと思うんですね。
 要介護状態の改善、アウトカム指標の配点を高める、こういうインセンティブの強化というのは、私、介護保険からの卒業の強要、これ拡大することにつながるリスクというのは高いんじゃないかと。実際のこういうインセンティブ強めているところで起こっている事案も本当に懸念されることだと思うんです。高齢者の孤立化、重症化のリスクを増やす、自立の強制がですね、そういうことにつながりかねないと思うわけです。
 こんなインセンティブというのは、強めるんじゃなくて立ち止まってもう一回検証する、こういうこと必要じゃないかと思う。どうでしょう。
○政府参考人(大島一博君) 平成二十六年に総合事業に移行した趣旨は、あくまでも、既存の介護サービス事業者に加えましてNPOや民間企業等の多様な主体が介護予防とか日常生活支援のサービスに参入してくれて、市町村が実情に応じたサービス提供を行えるようにするということでありまして、水際で認定をはじく等といった趣旨ではございません。
 この結果、今、平成二十九年三月から平成三十年三月というこの一年間、移行前と移行後の利用の状況を比較したところ、総合事業への移行前後で、サービス日数については変わらない、むしろちょっと増えているという状況になっております。
 一方、元々の趣旨である住民主体のサービスとか多様なサービスを導入している市町村は六、七割にとどまっておりまして、まだまだそういう新しい住民参加型の形態等が少ないといった課題はあるかと思います。
 ただ、先ほど申し上げましたように、これは要支援が必要な方に対して行うサービスを切るという趣旨ではなく、より柔軟で実態に合ったものを市町村の実情に応じて提供するという趣旨でありますので、その点には十分注意してまいりたいと考えます。
○倉林明子君 趣旨はそうだと言うんだけど、実態、桑名のようなことが、三重県の桑名市にとどまらず起こっていると、そういう実態があるということをしっかり逆につかむ必要あると思うんですよ。
 短期的な確かに給付抑制にはつながるかもしれないけれども、実際、大東市でも、元気でまっせ体操で、みんな頑張ってねといって体操の勧めやっている総合事業もあります。しかし、そのでまっせ体操をやっているところに行けないと。結局、閉じこもってしまって重症化したという事案も起こっているんです。
 だから、結局そういうことで、総合事業への移行というのが、サービスは、利用は減っていないとおっしゃるんだけれども、重症化ということも一方で起こしているわけです。やっぱり長期的に見れば給付費の増加という点での懸念は私はあるということを改めて指摘したいと思います。
 財政審は、これ要介護一、二も介護給付から外すと、総合事業に移行させると、これはっきり提案をしております。加えて、生活援助サービスについては支給限度額を設ける、さらに利用者負担割合の引上げまで検討しているということです。
 これ、京都ヘルパー連絡会が行った調査でも、生活援助が減らされるとどうなるか。買物も調理もできない、食事を取る機会が減る、服薬、水分補給もままならない、トイレの処理ができない、生命の維持が危機にさらされる、自宅の生活、困難になる、こういうことになっている例が示されております。
 区分支給限度額の中で、利用者の置かれた状況に合わせ、その人らしい生活を送るために必要なサービスを選択できる、これ、介護保険の原則だったと思うんですよ。これ、生活援助だけをやり玉に上げて利用を制限する、こんなことはやるべきじゃないと思う。どうですか。
○政府参考人(大島一博君) 財政審での記述もございますが、政府としては、骨太方針二〇一八におきましても、介護の軽度者への生活援助サービスについて給付の在り方を検討するといった記述がございます。また、昨年十二月のいわゆる工程表と呼ばれております新経済・財政再生計画改革工程表におきましては、軽度者に対する生活援助サービスやその他の給付について、地域支援事業への移行を含めた方策について、関係審議会等において第八期介護保険事業計画期間に向けて検討し、その結果に基づき必要な措置を講ずると書いてございます。
 こうした記述もありますので、今、次期計画期間に向けた介護保険制度の見直しを始めたところでございますが、実施主体である市町村、あるいは利用者、関係者等の意見を十分お伺いしながら、適切な判断に至るよう、関係審議会でまずは検討を始めていきたいと考えております。
○倉林明子君 いや、今回の高齢者の保健事業と介護予防事業の統合、これ、結局、今から進めようとしている、財政審での提案にもある、要介護一、二、これも介護保険から外していくと、これ地続きの話になっているんじゃないかと懸念が広がっているわけです。もう給付費を抑制しようということで、こういうふうに軽度者をどんどん総合事業に持っていく、保健事業という枠もくっつけて受皿にしていくと。これを進めるということについてはやっぱり考え直すべきだということは強く申し上げたいと思います。引き続き検証が必要だし、このまま進んで重症化を招くようなことがあってはならないと申し上げておきたいと思います。
 そこで、総理の発言に私非常に違和感を感じました。執念を持つと。疾病予防、介護予防、インセンティブ強化、これは、生活習慣病は個人の不健康な生活に責任がある、介護予防に取り組めば介護からの卒業ができると、これ、自助努力を促すという方向になっていると思うんですね。健康であることのみが良いと。障害や病気のある人への差別につながらないのかと。病気や要介護となることは自己責任、こういう考え方を推進しかねない。それ非常に懸念を持っているんですけれども、大臣、その懸念、いかがお考えでしょう。
○国務大臣(根本匠君) 私、先ほども申し上げました、予防、健康づくりの取組、これは、個人のQOLを伸ばして、向上して将来不安を解消する、健康寿命を延ばして社会保障の担い手を増やす、地域社会の中で高齢者の活躍促進を図る、こういう多面的な意義があると考えております。また、その上で、社会保障制度の持続可能性にもつながり得るという側面もあると考えております。
 予防、健康づくりなどの健康寿命を延伸させるための取組、これは、保険者や個人にインセンティブを付与して自助努力を促すということであって、健康であることは良いことで病気や要介護となることは自己責任という考え方を推進しているものではありません。あくまでも自助努力を促すというところにポイントがあるということであります。
 要は、国民誰もがより長く元気に活躍できるように、全世代型社会保障の構築に向けた議論を進めておりますが、その中で、二〇四〇年までに健康寿命を三年延ばすという目標に向けて取組を推進していきたいと思います。
○倉林明子君 義務としての健康、これ国家のスローガンにしたのがナチス政権なんですね。一九三四年、保健事業統一法、これによって、民族、国家のために健康でいることはもはや各個人の義務となったと。これで福祉コスト削減、そういう状況迫られておりましたが、これ契機となって、人間を福祉に値するか否かで選別する、啓発や罰則でコントロールを掛ける。優生施策が急速に進展した。これ、歴史の事実なんですよ。
 私は、こういうインセンティブで自己責任を迫っていくというやり方は、そういう危険、歴史に学ぶべきことがあるんだということは最後紹介にとどめまして、今日は終わりたいと思います。
○委員長(石田昌宏君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時一分散会