第001回国会 水産委員会 第25号
昭和二十二年十一月十九日(水曜日)
    午前十時三十二分開議
 出席委員
   委員長 青木清左ヱ門君
   理事 庄司 彦男君 理事 鈴木 善幸君
   理事 馬越  晃君 理事 三好 竹勇君
   理事 夏堀源三郎君 理事 西村 久之君
      加藤 靜雄君    吉川 兼光君
      藤原繁太郎君    松本 眞一君
      矢後 嘉藏君    宇都宮則綱君
      小松 勇次君    本間 俊一君
      石原 圓吉君    坂本  實君
      外崎千代吉君
 出席政府委員
        農林政務次官  井上 良次君
        農林事務官   藤田  巖君
 委員外の出席者
   議員 佐々木秀世君 議員 堀江 實藏君
        農 林 技 官 太田 國廣君
        專門調査員   小安 正三君
十一月六日
 委員内海安吉君辭任につき、その補闕として關
 内正一君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
十一月十四日
 漁業法の一部を改正する法律案(内閣提出)(
 第九一號)
十月二十二日
 三島村下泊に漁港築設の請願(赤松明勅君紹
 介)(第九三三號)
 船泊船入澗擴張工事施行の請願(坂東幸太郎君
 紹介)(第九六一號)
 城崎村厨に船溜及び船揚場擴張工事施行の請願
 (青木清左ヱ門君紹介)(第九八九號)
 城崎村米ノに船溜及び船揚場の第二工事施行の
 請願(青木清左ヱ門君紹介)(第九九〇號)
 蒲生船溜工事に國庫補助増額の請願(青木清左
 ヱ門君紹介)(第九九四號)
 保戸島漁業組合に漁船配船の請願(梅林時雄君
 外一名紹介)(第一〇〇〇號)
十月三十一日
 遠別村に船入澗築設の請願(坂東幸太郎君紹
 介)(第一〇二四號)
 清水漁港築設の請願(岡野繁藏君外三名紹介)
 (第一〇三二號)
 四ヶ浦船舶工事繼續の請願(青木清左ヱ門君紹
 介)(第一〇七三號)
 豐濱に船入澗築設の請願(冨永格五郎君外二名
 紹介)(第一〇七七號)
 乙部漁港修築の請願(冨永格五郎君外二名紹介)
 (第一〇七八號)
十一月十四日
 原町に船溜工事施行の請願(小澤專七郎君紹
 介)(第一〇九一號)
 入舸船入澗擴張工事施行の請願(小川原政信君
 紹介)(第一〇九五號)
 四倉漁港修築の請願(關内正一君外三名紹介)
 (第一一〇八號)
の審査を本委員會に付託された。
十一月十日
 田之浦港増築竝びに浚渫工事施行促進に關する
 陳情書(岡山縣兒島郡下津井町田之浦漁業會長
 中西松之助)(第五一四號)
を本委員會に送付された。
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 漁業法の一部を改正する法律案(内閣提出)(
 第九一號)
 一 臼尻漁港修築に關する請願(川村善八郎君
 紹介)(第一〇八號)
 二 飯岡町に船溜工事施行の請願(寺島隆太郎
 君紹介)(第二〇六號)
 三 斜里漁港修築竝びに斜里川河口改修の請願
 (永井勝次郎君紹介)(第二五七號)
 四 丸山漁港修築の請願(原健三郎君紹介)(
 第三二二號)
 五 大津漁港修築の請願(菊池豐君紹介)(第
 第三六九號)
 六 佐尾船溜修築費國庫補助の請願(藤原繁太
 郎君紹介)(第四七六號)
 七 廣田漁港修築工事繼續施行の請願(小澤佐
 重喜君紹介)(第四九五號)
 八 雄武村に漁港築設の請願(飯田義茂君外一
 名紹介)(第五三七號)
 九 廣田漁港修築工事繼續施行の請願(志賀健
 次郎君紹介)(第五八九號)
 一〇 鹿折村を氣仙沼漁港修築計畫地域に編入
 の上埋立工事施行の請願(佐々木秀世君紹介)
 (第五九五号)
 一一 崎山村に防波堤築設促進の請願(西村久
 之君紹介)(第三九二號)
 一二 師崎漁港修築の請願(深津玉一郎君紹
 介)(第六一六號)
 一三 浦安町逢束船溜擴張工事施行の請願(堀
 江實藏君紹介)(第六三四號)
 一四 長崎漁港施設修築の請願(本田英作君外
 一名紹介)(第六五一號)
 一五 蛟燒村の船溜修築費國庫補助に關する請
 願(本田英作君外一名紹介)(第六五二號)
 一六 宇治山田港を漁港として築設の請願(石
 原圓吉君紹介)(第六八九號)
 一七 小濱漁港浚渫に關する請願(青木清左ヱ
 門君紹介)(第六九二號)
 一八 江良船入澗擴張工事施行の請願(冨永格
 五郎君外一名紹介)(第七三一號)
 一九 伊東漁港修築工事を國費又は縣費を以て
 施行の請願(小松勇次君紹介)(第七三二號)
 二〇 出雲崎漁港修築の請願(神山榮一君紹
 介)(第七三七號)
 二一 燒津漁港築設促進の請願(加藤靜雄君紹
 介)(第七五二號)
 二二 大澤村字大澤に船入澗築設の請願(川村
 喜八郎君紹介)(第七五三號)
 二三 涌元に漁港築設の請願(川村善八郎君紹
 介)(第七五四號)
 二四 松前町に漁港築設の請願(川村善八郎君
 紹介)(第七五五號)
 二五 大島村原口に船入澗築設の請願(川村善
 八郎君紹介)(第七八二號)
 二六 小島村館濱に船入澗築設の請願(川村善
 八郎君紹介)(第七八三號)
 二七 大島村清部に船入澗築設の請願(川村善
 八郎君紹介)(第七八五號)
 二八 魚津漁港擴張工事施行の請願(佐伯宗義
 君外二名紹介)(第七八七號)
 二九 増毛漁港の擴張竝びに増毛町別苅、雄冬
 及び阿分に船入澗築設の請願(坂東幸太郎君紹
 介)(第八一一號)
 三〇 富來漁港修築の請願(大森玉木君紹介)
 (第八五二號)
 三一 舞阪漁港の防波堤修築に關する請願(小
 松勇次君外四名紹介)(第八七〇號)
 三二 鴛泊村に漁港築設の請願(佐々木秀世君
 外五名紹介)(第九〇五號)
    ―――――――――――――
○青木委員長 これより會議を開きます。
 本日は漁業法の一部を改正する法律案を議題に供します。まず政府の説明を求めます。
    ―――――――――――――
○井上政府委員 この際漁業法の一部を改正する法律案の提案理由の大體を説明申し上げます。
 この法律案は、漁業法に基く命令中、罰則に關する條項の效力を、昭和二十三年一月一日以降も引續き有效ならしめるために、その命令の違反者に對する罰則を、漁業法中に設けようとするものであります。すなわち、漁業法に基く命令の罰則の中には、明治二十三年の命令の條項違反に關する罰則に關する法律に基いて規定された條項があり、この根據法律は、昭和二十二年十二月三十一日に限り無效となりますので、新に、これに代わるべき條項を本法たる漁業法の中に設ける必要があるのであります。これは本法案提出の理由であります。何卒愼重御審議の上、速やかに御質問あらんことを切望する次第であります。
 なお法律案の細部の説明については、水産局長より詳細御説明申し上げることにいたします。
○藤田政府委員 法案の細部の説明をいたします前に、簡單でございますので、一度朗讀いたしたいと思います。ずつと前に御参考までに印刷をいたしておりましたのは若干修正がございました。
  漁業法の一部を次のように改正する「行政官廳」を「行政廳」に「勅令」を「政令」に改める。
  第三十四條項の一項中「地方長官」を都道府縣知事」に「命令を發スル」を「規則に制定スル」に、同條第三項中「前二項」を「第二項」に改め、同條第二項の次に次の二項を加える。
  前項の規定ニ依ル命令ニハ必要ナル罰則ヲ設クルコトヲ得前項ノ罰則ニ規程スルコトヲ得ル罰ハ三月以下ノ懲役「若ハ禁錮」又ハ千圓以下ノ罰金「若ハ科料」トス
  第五十八条ノ二 第三十四條項第一項ノ規定ニ依ル規則ニ違反シタル者ハ五百圓以下ノ罰金又ハ拘留若ハ科料ニ處ス前項ノ場合ニ於テハ犯人ノ所有シ又ハ所持スル漁獲物、製品、漁具及第三十四條第一項第七號ノ水産動植物ハ之ヲ沒収スルコトヲ得但シ犯人ノ所有シタル前記物件ノ全部又ハ一部ヲ沒収スルコト能ハサルトキハ其ノ價格ヲ追徴スルコトヲ得
    附 則
 この法律は、公布の日から、これを施工する。
 以上であります。まず漁業法第三十四條關係を説明致します。
 第三十四條第一項に關する改正は地方自治法の施行に伴う字句の修正であります。
 次に同條第二項の次に加えようとする二項は、從來漁業法に基いて發せられていた主務大臣の命令中の罰則の條項は、本年末限り無效となりますので、新たに漁業法中に罰則の根據規程を設けようとするものであります。即ち、漁業法第三十四條第二項または第35條第二項に基いて、汽船「トロール」漁業取締規則機、船底引網漁業取締規則、瀬戸内海漁業取締規則その他の農林省令が發せられていますが、その中には、昭和二十三年法律第八十四號、命令の條項違反に關する罰則に關する法律に基いて罰則を附している部分があり、この根據法律は、昭和二十二年法律第七十二號、日本國憲法施行の際現に效力を有する命令の效力等に關する法律により、本年十二月三十一日限り無效となりますので、このまま放任しておけば無效となります、從つて新たに漁業法第三十四條中に、これに代わるべき罰則の根據法律を設ける必要があるのであります。
 次に第五十八條ノ二の關係を説明いたします。
 從來、漁業法第三十四條第一項の規定に基いて、各都道府縣知事は漁業取締規則を制定しておりましたが、その中に規定されている罰則は、先に述べたと同じ理由で、本年末限り無效と相なるのであります。しかし地方自治法の第十五條の規定によりまして、都道府縣の規則に違反した者に對する刑罰は、原則として法律の中に直接規定をしなければならない、かように相なつておりますので、これは書き方を委任するような書き方に書くわけに行きませんので、第五十八條の二といたしまして、法律の中にその刑罰の規定を直接設けよう、こういうわけでございます。以上がこの法律案の大體の御説明であります。
○青木委員長 本案に對し御質疑ございませんか。
○馬越委員 御提出になりました漁業法の一部を改正する法律案につきましては何ら異議をもたないのでありますが、この際政府當局にお尋ねいたしたいことは、われわれ漁業者が一日も早く御提案を熱望いたしております漁業協同組合法でありますが、この漁業協同組合法は、承るところによりますと、漁業法の一部を改正しなければこの協同組合法を提出することができないということでございまして、私どもはその漁業法の一部を改正する法律案が、これまた一日も速やかに提案されることを鶴首いたしておるのであります。しかるにこの國會の會期もまさに終らんといたします今日、今なおこれが提案を見るに至らないことをはなはだ遺憾に存じておるのであります。つきましては、政府におかれましても、いろいろこれが提案に對しまして、あるいは起案に對しまして、すでに相當な手續をなされつつあることであろうと考えるのでありますが、この際どの程度までに進捗いたし、また本會期中に御提案の運びに相なるのであるか、政府當局の御所見を承りたいと思うのであります。
○藤田政府委員 漁業協同組合法と、漁業權制度の改正に關する法律案の問題につきましては、關係方面の意見がまだ一致しておりませんために非常に延び延びになつておりまして、恐縮に考えておるのであります。實は漁業協同組合法の方には根本的な大きな問題はもう殘つておらないのであります。問題は漁業制度の改正の方にまだ根本的な二、三の點につきまして、はつきりと關係方面の間に了解がついておりませんわけであります。その結果漁業權の保有主體でありますところの現在の漁業會を改組しまして、新しい漁業協同組合法をつくつていくという、その法制へも直接影響してまいりますので、その意味合で漁業協同組合法も延び延びになつておる譯であります。大體の現在ノ状況を申し上げますと、漁業協同組合法案につきましては、私どもの法律案が一應でき上つております。それを現在關係方面に提出をいたしまして、御審議をいただいておるわけであります。漁業權制度の問題の方は、まだはつきりと御承認を得ておりませんので、まだ問題は殘しておりますが、非常に急いでやらなければならぬことを十分知つておりますので、私どもといたしましては、少くとも今月一杯にわれわれの案を、とにかく法律案の形に書き上げて、そしてそれによつて提出をいたしまして、それに對する決定的な御返事を得て、そうしてこれを速やかに進めたいというふうに考えておるわけであります。われわれといたしましては、至急に關係方面の話をとり進めまして、この國會には時期の關係で間に合わないと考えますけれども、次の國會には、できればその休會明け早々にでも出すというふうなことにいたしたいということで、現在準備を急いでおるような次第であります。
○馬越委員 漁業權制度の改正法案の御提出が相當延引いたしておりますことは、關係方面との折衝の上にいろいろ御困難な點があることとは重々お察しいたしておるのであります。しかしながらこの問題がすでに論議せられましてから經過いたしました日數も相當な日數になつておるのであります。また關係方面との豫備的な折衝等も度度なさつておるやに承つておるのでありまして、今日この漁業權制度への改正の法案が、いまだに成文化されこれを關係方面の御了解を得べくその筋へ提出していないということは、私どもはなはだ遺憾にたえないのであります。これができなければ御承知の通り漁業協同組合法を提出することができないという、そこに重大なる關連があるのでありますから、政府におかれては萬難を排して速やかに成案を得られ、關係當局の了解を求められて、國會に提案していただきたいと思うのであります。殊にこの漁業協同組合法案が提案せられてこれが可決せられなければ、現在の都道府縣の水産業會のこうむります不利というものは、はかり知れないものがあるのであります。今日都道府縣水産業會においては、このためにあるいは閉鎖機關に指定せられるのではないかというような一般の浮説等もありまして、そのために金融機關等もこれらの水産業會に對する貸出等を澁り、都道府縣水産業會の事業の上に影響するところ非常に大きい状態になつてまいつておるのであります。これはゆるがせにできない問題でありますから、政府は速やかに成文を得られて、國會に提案せられんことを希望いたす次第であります。
○西村(久)委員 この機會に一二お尋ねを申し上げて見たいと思うのでございます。本日付議になつております漁業法の一部を改正する法律案を御提出になられる際に、すでに新憲法が制定せられ、わが國は戰爭の放棄をすることに相なつたのであります。從いまして私は新憲法の精神に則りまして、漁業法の第二十四條と第四十一條は、當然かくのごとき機會に改正あるいは修正すべきものなりと信ずるのでありますが、この點に對する政府の御所見を伺つてみたいと思います。
○藤田政府委員 ただいまのお話はごもつともな御質問であると思います。實は今度の漁業法の一部を改正いたします際にも、第二十四條でございますとか、あるいは第四十一條でございますとか、こういうふうな、たとえば第二十四條で「軍事上必要アルトキ」とか、第四十一條で「海軍艦艇乗組將校」、この字句を御指摘になつたことと私は想像いたしますが、こういうふうな字句は、現在のわが國におきましてはすでに不要のものである、これをも削除すべきであるというふうな御意見はごもつともであります。今度改正をいたします際に、その以外にも實はいろいろと當然改正をしなければならぬ部分もたくさんあつたのであります。これをも併わせて改正すべきかどうかという點を一應議論したのでありますが、御承知のように、漁業法の改正には先ほど申しましたもつと根本的な改正、つまり漁業權制度の改正、それからまた漁業協同組合に伴う團體の關係の規定の改正、こういうものが當然あるのでありまして、そういうふうな意味合いから、もしもほかの點について觸れるといたしますれば、當然その點にも觸れていかなければならぬのであります。從つて、大きな問題がきまつておりません關係上、實は今度は單に憲法の關係で失效いたしますところの罰則の規程だけを改正いたしまして、爾餘の問題はこれを次に當然考えなければならない漁業法の大改正の際に、併せて全部考慮するというふうなことにいたしたい。さように考えまして、決してその點は研究しないではございませんが、とりあえず必要最小限度の點のみに止めて提案をいたすことにきめた次第であります。
○西村(久)委員 水産局長のお心持は私も了といたすのでございますが、すでに憲法に重大なる日本國民としての決意を示した、戰爭放棄の關係のことが制定されております以上は、當然軍事關係あるいはこれに類する關係の法文だけは、優先的に改正をして議會に示すのが本體でなければならぬと私は實は考えておるわけでございます。常にそういうことを考えておりましたが、機會を得ずして今日まで延び延びになつておつたわけでございますが、この一部改正の法案を御提出になるこの機會は、私は絶好の機會でないかと思うのでございます。他の漁業法の内容についてのいろいろな改正等については、政府當局の言われる近き磁気に全面的の改正をされる時期をお選びくださいまして、私は異存はないのでありますけれども、憲法で明らかになつておることでありますから、當然ありましても空文にひとしいものではありますけれども、法そのものの建前から申しますれば、これをそのまま存置しておくことは、機會ある今日としてはいささかお取扱い上に對しましてどうかというような考えをもつておりますがために、今の意見を出したのであります。これは政府としてこの際第二十四條の先ほどお示しになりました「國防其ノ他ノ軍事上」云々という文句と、第四十一條の「海軍艦艇乗組將校」の字句とは一緒に抹消というか修正すべきを妥當と考えるものでございますが、これをやることはこの際いけないのでありますか。政府の御意見をもう一應伺いたいと思います。
○井上政府委員 水産局長からただいま御答辯申し上げて、大體政府の意のあるところは御了承を得たと思うのですが、重ねての御質問でございますからお答えいたします。政府としては別にこだわつているわけではございません。この際、漁業法の一部改正の法律案を出す以上、いつそのことそういう文字は削除したらどうかという西村さんの御意見には同感でございます。この際政府もそうしたいと考えております。
○西村(久)委員 ただいまの御答辯を得まして私は滿足するものであります。もう一點お尋ね申し上げておきたいと思います。第五十八條の二の二項といたしまして、「前項ノ場合ニ於テは犯人ノ所有シ又ハ所持スル漁獲物」云云という項目が設けられておるのでありますが、これは、漁業法の第四十三條の末項に記載してあります條文と重複するような感じをもつのであります。これは私の考え違いか、そういうふうな感じがいたすのであります。今までこういうふうな事柄の文句が漁業法の第三十四條の末項にあつたのじやないかと記憶いたすのでありますが、この點について御意見を伺いたいと思います。
    〔委員長退席、馬越委員長代理著席〕
○藤田政府委員 現在の第三十四條の三項にも「前二項ノ命令ニハ犯人ノ所有シ又ハ所持スル漁獲物、製品、漁具及第一項第七號ノ水産動植物ノ沒収竝犯人ノ所有シタル前記物件ノ全部又ハ一部ヲ沒収スルコト能ハサル場合ニ於テ其ノ價額ノ追徴ニ關スル規定ヲ設クルコトヲ得」という規定がございます。これによつて從來はやつておつたのであります。この二項の關係につきましては、つまり農林省の發します命令の部分については、これは從來通りで差支えないのであります。ところが今度は、第三十四條の第一項の部分つまり地方長官が、殊に都道府縣知事が出しますものについては、これは直接に法律でその刑罰の規定を書きませんと地方自治法の關係でまずいことになつております。從つてこの第五十八條の二といたしまして、第三十四條の第一項の規定による規則に違反したる者、つまり地方の取締規則に違反した者については、これを直接法律で「五百圓以下ノ罰金又ハ拘留若ハ科料ニ處ス」と書きました。そうしてこの場合においては、「沒収スルコトヲ得但シ犯人ノ所有シタル前記物件ノ全部又ハ一部ヲ沒収スルコトヲ能ハサルトキハ其ノ價格ヲ追徴スルコトヲ得」こういうふうに法律で書きませんとこの規定は響かない。こういうような解釋でありまして、これを書きわけた。つまり、農林大臣が發します部分については差支えないのでありますが、府縣知事の出します部分につきましては特に法律で書かなければいかぬというような解釋でこれを入れました。
○石原(圓)委員 今月十四日において中央水産業會が閉鎖機關となりまして、その結果各道府縣水産業會はここに非常な不安の念を起しておるのであります。一體府縣水産業會は次の團體法が制定されるまで存置されるものであるか、その中間のいつかにまた閉鎖機關となるのではないかという、その點に不安を感じておるのであります。また官廳筋より、長く團體法の改正ができなかつたならば、あるいはその中間に府縣水産業會も閉鎖になるかもしれぬというようなことを漏らす者もあるかのように傳えられるのであります。そこでこの際政府の方針を、はつきり府縣水産業會を通じて漁村に知らしめる必要があると思うのであります。この團體法は少くも農業團體法と同時に提案されて、法律として制定さるべきものである。それにかかわらず農業團體法は早く提案され、法律化しつつある。しかも從來の農業關係の團體は閉鎖にも何もなつていない。それにかかわらず水産團體にあつては團體法改正案も出ない。そうして中央水産業會は閉鎖をする。その政府の方針が那邊にあるかということを疑い、漁村はただいま歸趨に迷つておるのであります。農村に重點をおいて漁村をないがしろにしておるのではないか、政府は繼子扱いをしておるのではないかという氣分が、漁村にはだんだんみなぎりつつあるのであります。この場合にこの新興産業として、日本の一番大事な漁業に對する政府の取扱いというものは、いかにわれわれがひいき目に見ても差別待遇と見えるのであります。でありまするからこの際この團體法はいつ提案されるかということ、竝びに府縣水産業會はどうなるという二つの點を、水産局長でなく、さいわい政務次官がお見えになりますから、政務次官よりはつきりとした御説明を願つておきたいと思います。
○井上政府委員 ただいま御質問の府縣水産業會に對する政府の態度及び漁業團體法に對する政府の態度についての御意見でございますが、さいぜん水産局長から御答辯を申し上げました通り、大體漁業團體法につきましては來議會に提出する準備を進めております。しかし來議會を申しましても、これがやはり遲くなりましたのでは、御指摘のように漁業會に及ぼす影響が大きいのでありますから、できるだけ早い機會に出しますように、關係方面に懇請をいたしまして、成案を得次第提出する準備を進めたいと思います。その間府縣水産業會は閉鎖機關に指定されるのではないかといういろいろな憶測があるようでございますけれども、政府としましてはその間斷じて府縣水産業會は閉鎖機關にならないように、關係方面にも懇請をいたしまして、現状のままで次の新しい組織が完成するまで、その業務を遂行してもらうようにしていただきたいということを申し上げ、かつ現状のあり姿のままで運營してもらうように、御協力願いたいという方針を堅持してまいりたいと存じます。
○石原(圓)委員 ただいま井上政務次官より、地方水産業團體、府縣水産業會は次の團體法ができるまで、斷然閉鎖しないという御方針であることをはつきりとここに明言をされたので、この點は非常に滿足するものであります。しかしこの點は省より適當なる機關を通じて、早くその御方針を府縣水産業會竝びに漁業者に徹底するような御處置を仰ぎたいと思うのであります。なおまた新團體法ができるまでの間、地方の漁業會、業界と中央との連絡というようなことにつきましても、ここに暫定的な方法でも立てて、そうして中央地方との連絡がこういうときであるから一層密になつて、圓滑に漁業の進展ができ得るような方策をお願いしたいと思います。なお團體法の改正につきましては、これはさきに馬越君よりも希望を申し出たように、來るべき通常議會にぜひ提案されるように特に希望を申し上げておく次第であります。
    〔馬越委員長代理退席、委員長著席〕
○夏堀委員 本法案に關連した事項について二、三質問をいたします。まず第一にさんま漁の禁漁の問題であります。この期間は九月二十日までということに承知いたしておりまするが、現在その通りになつておりましようか。
○藤田政府委員 御指摘の通り、さんまの漁業の制限に關する規則では、七月一日から九月二十日まで禁止になつております。
○夏堀委員 この九月二十日までの禁止という様なことは、その根據はどこにあるのか。これをまずお伺いいたしたいと思います。そうしてこの際これを九月一日ということに改正してもらいたい。その理由は當時の事業は自由主義經濟のときであつて、北方では早くさんまがとれるために、東京の初さんまと言つて非常に高い値段で賣れておるのが、北方で先にとられると困るというところから、政治的な運動が效を奏して、二十日にされたということを當時承つたことがあります。それは自由主義經濟のときであつて、その後戰爭になつて統制になり、できるだけ魚を多くとるという方法をとつたことは、機船底引業を各府縣で自由に許可したことによつても明らかであります。そういう理由から、特に移動性の最も早いさんまに對してはこれを九月二十日まで延ばして、南方に移動する間、北方でこれをとることができないという必要がどこにあるのか、不思議に考えておつたのであります。たとえば北海道の方ではすでに九月の下旬からさんまの盛漁期にはいるのでありますけれども、九月の二十日までとることができないということは、非常に矛盾しておるのではないか。しかも當時は自由主義經濟の價格による利潤を追求する意味において發動したのであります。戰時中もまた戰後も、今のような生鮮食糧の重要性からみて、早くとる方策を考えるべきではないか。そのために私は九月二十日を九月一日に改正してもらうことを、この際要望しておくのであります。
 なおもう一つお伺いいたしたいことは、かつを、まぐろの漁業許可制でありますが、これはなるほど資材の面からいつて限りがあるので、資材を無制限に使うことは無理があるでしようが、かつを、まぐろといつても、いわゆるまぐろの漁業の種類にねずみざめがありますが、これは東北、北海道の方では多量にとれるのであります。これがかつを、まぐろに含んでおり、かじきまぐろも含んでおるのであります。南方のまぐろ業と北海道、東北の方の多量に漁獲されるねずみざめ及びかじきまぐろ等、今後の漁業政策として非常に重要視しなければならない現状において、全體から見たかつお、まぐろという線にすべてを含んだ、いわゆる許可制ということに對しては、相當ゆとりのある内容をもつてもらうことはどうか、たとえばかじきは北海道、東北の方では相當の漁獲を示しております。一艘で二百本くらいもとつてくる船がたくさんあるであります。現在その漁獲に適當な船をもつていながら、この漁業に從事することができない面が多々あります。そういう面は、日本の漁業をより以上に發展させようとする政府の意圖でもあり、國民もこれを要望しておるにかかわらず、これをかえつて阻害するような結果になつておるのではないかと考えております。特にただいま申し上げたようなねずみざめとかじきまぐろは、東北及び北海道の特殊な主要産物でありますので、これは特別にお考えになつて、南方のまぐろ漁と切放してとは申しませんが、許可の面においては相當考慮していただきたいとうことを要望いたします。現在水産局では、どつちかと言うと、いわゆる許可制をしいたがために縮小漁業政策をとつておるのではないか。國家的にも必要であり、特に水産物の輸出關係の上でいやがおうでもできるだけ多くの漁獲をしなければならぬときに、今のように、まかりならぬということで許可してくれぬ面が多々あるように考えます。これは國家的に見ても遺憾なことであると思いますので、この議會に許可及び取締り、罰則についてこういう法案がただいま提案になつておりますから、これに關連して有效に發動することによつて、漁獲物の生産がどれほど國家の利益であるか御檢討になつて、ある程度含みをもつた法律の改正等によつて、この際農林省の許可による縮小一點ばりの政策を、ある程度修正していただきたいということを要望するのであります。ただいま申し上げたさんまの漁期の期間の問題、それから今申し上げたかじき及びねずみざめという、北海道及び東北の特殊な漁業に對する當局の今後の御方針をお伺いしたいと思います。
○藤田政府委員 第一點のさんま漁の禁止期間の問題でございますが、これは現在の規則が昭和八年に制定されておりまして、その當時と現在とは非常に漁業の状態が違つております。お話の點はごもつともな點があると私どもは考えております。どうせこの法律が出ました際に、取締規則について檢討せねばならぬと私ども考えております。そのときに適當にこれを考慮いたしまして、現在の日本の漁業の實情に副うようにやつてまいりたいと考えておる次第であります。
 それからかつお、まぐろの許可に關しまして、東北方面でとれますねずみざめ、かじきまぐろの件について、許可制度の上に特別の考慮をせられたいということであります。現在でも大體かつお、まぐろの許可の制限をやつておりますが、これは戰前と現在の状態を比べますと、かつお、まぐろ漁業の關係といたしましては相當に隻數も殖え、そうして船の形も大きくなつておるのでありまして、從つてわれわれといたしましては、一應かつお、まぐろを專門にとる船としては、これは漁場、區域の關係、あるいは資材その他の關係から、無制限に許可いたしますことは、かえつて漁業を不安ならしめるというふうに考えておりますので、この方面については、やはり許可方針は堅持してまいりたいと考えております。しかしながらたとえば機船底引網漁業が特定の時期におきましてはいなわによりさめ等を漁獲するような場合には、規則の適用上、許可が必要でありますが、これについては私どもといたしましては、現在特別な考慮をいたしております。これは專門の船とは別な扱いにいたしまして、そしてこれも無制限ということになりますと、非常にまた問題があろうかと思いますので、これはやはり一定の制限はつけることにいたしましても、專門の船とはおのずから異つた方針によつて、地方の實情に即して處置をしてまいつております。御趣旨のような點は、今後とも十分考えてまいりたいと思います。
○夏堀委員 さんまの禁漁期間の問題については、ただいまの御答辯によつて了承いたしました。できるだけ早くそういうような處置をとつていただきたいと思います。
 なお底引の漁業の轉換ということを特にお考えになつたこと、あるいはまたその漁期の間にねずみざめ、あるいはかじきのような、あまり遠方ではない漁場でとれる漁獲物でありますから、底引の大型の船であればこの漁獲物も適當に漁獲することができるというような觀點から、お考えになつておることと思いますけれども、これは私どもは非常に心強く感じております。そうしたようなことによつて、特に北海道、東北の漁獲は飛躍的な發展を遂げる機會が求められるであらうと思つております。どうぞそうしたようなことを局長さんがここでそうおつしやつても、係の方へまいりますと、それはまかりならぬの一點張りで、いわゆる業者の陳者に對してはひじ鐵砲を食わされるおそれが多々ありますので、ただいまの御答辯の趣旨をよく係りの方にもお傳えくださいまして、日本の漁業政策に對してはあまり縮小論ではなく、そうしてただ官僚的な――許可をする權利を握つておるのだからまかりならぬ、出直してこいということをよく聽かされますので、そうしたことのないように、各係の方にもお傳えをお願いしたい、こういうことをこの際特にお願いいたしておきます。これで私の質問を終ります。
○青木委員長 ほかに御質疑はありませんか。
 暫時休憩いたします。
    午前十一時二十二分休憩
    ―――――――――――――
    午前十一時三十二分開議
○青木委員長 休憩前に引續、會議を開きます。
 漁業法の一部を改正する法律案について別に御質疑がなければ、一時本法案の審議は保留し、改めて討論採決いたしたいと存じます。
 なおこの際お諮りいたします。水産委員會の各小委員會に付託もしくは送付いたしました請願及び陳情書は、審議の都合上これを本委員會において審議いたしたいと思いますが御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○青木委員長 御異議なきものと認めまして、各小委員會に付託もしくは送付しました請願及び陳情書は、本委員會において審議することに決定いたしました。
 これより本日の日程にあります通り請願の審査に入ります。先づ、第九、廣田漁港修築工事繼續施行の請願、志賀健次郎君紹介、文書表第五八九號。紹介議員の説明を求めます。
○鈴木(善)委員 私は岩手縣選出の同僚議員といたしまして、志賀健次郎君に代り、本請願の提案の理由を申し上げます。
 廣田漁港は岩手縣縣南地方の唯一の指定漁港でありまして、かつまた宮城縣気仙沼港と岩手縣大船渡港を結びます重要な連絡港であります。當漁村は三陸の大海嘯で全滅的打撃を受けたのでありますが、擧村一致昭和十三年以來國庫補助を受け、昭和二十一年度第一期及び第二期工事を施行し、これが目的達成に努力してまいつたのでありますが、賃金及び物價の高騰によりまして、わずかに所定工事の半ばを施行したのみであります。同港は年額約一億に達する漁獲をあげつつあるのでありまして、三陸漁場を控えた重要な漁港でございます。また縣立水産學校もやがて高等水産學校に昇格する豫定になつているのでありまして、三陸漁港といたしまして、最も重要な地位と使命をもつている次第でございます。この際ぜひとも同工事の繼續方を請願する次第でございます。
○青木委員長 本件に關し政府の意見を求めます。
○藤田政府委員 本漁港の繼續施行の必要性は十分認められますから、縣當局から具體的計畫内容の提出を待ちまして、將來財政の許す限り實現するよう考慮したいと考えております。
    ―――――――――――――
○青木委員長 次に第六、佐尾船溜修築費國庫補助の請願、藤原繁太郎君紹介、文書表第四七六號、紹介議員の説明を求めます。
○藤原委員 簡單に御説明申し上げます。佐尾港と申しますのは長崎縣五島の中間地區に位しております。長崎縣の五島列島が水産地として非常に有數な地帶であるということは、すでに御了承のことと思うのであります。その最も有數な漁港とされている奈良尾港の近所に位しておりまして、太平洋岸竝びに日本海岸への出漁基地として非常に有望な揚繰網根據地となつているのであります。この防波堤が昭和九年緊急土木事業船溜改修工事として、長さ四十七メートル、工費一萬圓をもつて起工いたし、さらに昭和十年に災害應急對策船溜工事として、長さ十六メートル三十、工費九千圓の延長工事をなしたのでありますが、當初計畫の目的達成にはなお三十メートルの延長を必要といたしまして、爾來計畫實行に萬進中でありましたが、去る戰爭の勃發のため、これが中止となつておつたのであります。本工事の完成いたしました曉には、佐尾漁民の便益はもちろん、一般漁業者の出稼根據地といたしましても最も便宜の地位にありますので、本村漁業の開發上至大な關係を有しますとともに、漁船その他通航船舶の避難港といたしまして重要な場所であり、特に昭和九年、十年の災害應急對策として補助を受け實施したのでありますが、現在のままでは利用價値なく、揚繰網根據地として本邦唯一の奈良尾港に次ぐ場所であるにもかかわらず、事變當初五統を擁した同港も、防波堤の不備による經營の不振に起因しまして漸次廢業状態に至り、現在では僅かに二統を存するという状態に立ち至つておるのであります。同時に暴風雨時には、これは二百十日前後でありますが、二箇月間は休業のやむなきに立ち至る状態に相なつておるのでありまして、現在におきましては揚繰網は約三統の漁獲高、年間金額にいたしまして五百萬圓、こういう状態になつておりまして、これが今次増築を計畫しておりまする、二百三十萬圓の經費において三十メートルの増築をいたしまするならば、なお數割の増産が上げられることと存じておるのであります。從つて水産増強を最も必要とする今日におきまして、本港の築港ということは非常に緊急な状態に立ち至つておるのであります。
 なお本工事にあたりましては、今日最も資材のうちでも難物であると言われておるセメントのごときは、これはまつたく防波堤の目つぶしに塗る程度でありまして、ほとんど全部がその地方に産する岩石を利用いたして築港するということになりまして、資材の面におきましても、非常に節約される状態になつておるのでありますから、どうかこの觀點に立ちまして、次年度の豫算の中に本港の増築の件を御採擇あらんことを特にお願いいたす次第であります。
○青木委員長 本件に關し政府の意見を求めます。
○藤田政府委員 佐尾船溜修築のことは、その必要性が十分認められるものでありますが、具體的な計畫について愼重に檢討の上、財政の許す限りなるべく速やかに實現するよう考慮いたしたいと考えております。
    ―――――――――――――
○青木委員長 次に第十六、宇治山田港を漁港として築設の請願、文書表第六八九號、紹介議員石原圓吉君。紹介議員の説明を求めます。
○石原(圓)委員 宇治山田市の玄關口にありますところの神社港は伊勢灣の咽喉にありまして、伊勢灣の漁船はそこに輻輳するのであります。また昔から伊勢神宮に参拜する各國の漁船は、この港を上陸地として参拜いたしておるのであります。三重縣の南部の水産物もこの港で海陸連絡をして、一般参拜者に供給するという昔からの習慣になつておるのでありまして、近時交通機關が不便になつてまいつたために、一層この港の利用が必要になつてきまして、現在では三重縣南部のこの漁港に面する河崎町に、生鮮魚加工水産物の一大荷受設備があります。また製氷、冷凍の施設も最も完成することになつておるのでありまして、縣においては十數年前より防波堤を縣費等において修築しまして、その方はもう今後あまり施設は要らぬのでありますけれども、御承知のようにその港の中に大湊という日本で有數の造船所の一部も面しておるのであります。近來船が大きくなつてまいりまして、それらの出入にも非常な不便を感じるのと、防波堤をつくつた關係でだんだん港が淺くなりまして、これは御承知でもありましようが、伊勢内宮の五十鈴川の下流に面しておるのでありまして、近來著しくその土砂のために淺くなつてきておるのであります。港の幅は廣く、また護岸も少しより要らぬ、防波堤のごときはもう施設は要らぬので、主たる問題は浚渫であります。浚渫さえやつたならばたくさんの船の出入ができるのでありまして、最も有效に利用できることになつております。最近縣においては實施設計等を作成いたしまして、本省に提出することになつております。實は全國にさきがけて明年春宇治山田に一大博覧會を開設しますので、今より船の出入りに不便を感じておるというようなことでありまして、一部の浚渫だけでも速やかに著手するように御配慮願いたい。こういう希望をもつておる次第であります。よろしくお願いをいたします。
○青木委員長 本件に關し政府の意見を求めます。
○藤田政府委員 宇治山田港の修築は特に必要を認められますが、縣當局から具體的計畫の提示を持つて愼重に檢討を加えました上、財政の許す限りなるべく速やかに實現するように考慮したいと思います。
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○青木委員長 次に第一七小濱漁港浚渫に關する請願、青木清左ヱ門君紹介、文書表第六九二號は、各位の御了解を得まして、本席より御紹介申し上げたいと存じます。
 小濱漁港は福井縣若狭灣に臨み、昭和三年内務省直轄施行にかかる南川、北川改修工事の實施せられた機會に、舊南川廢川地域を利用して漁港とすべく、時局匡救事業をもつて、小濱橋下流兩岸の一部を埋立て、その全面に水面幅八〇メートルを有する繋船岸壁を築き、港内水面積二七、九四一平方メートル、水深二、五メートルに浚渫をなし、發動機漁船の碇泊に便ならしむる計畫のもとに、昭和七年十一月著手し、昭和九年七月完成いたしたものであります。
 爾來同港の利用價値は増大し、小規模ながらも他に類例を見ない良漁港として、斯業振興上多大の成果を納めてまいりました。しかしながら同港竣功以來十年餘、未だ港内の浚渫をなしたることなきため、毎年出水時には河口に土砂を流出し、沖合よりは波浪のため砂礫を打込み、水深著しく淺くなり、かつ四、五年前より六十トンないし百トン級の大型漁船の出入激増いたしまして、漁具漁獲物を滿載するときは、吃水八尺餘に及び、干潮時の出入は不可能の状態で、滿潮時といえども、超スロー運轉で辛うじて出入しおるの現状でございます。幸い縣においては浚渫の必要を認め、昨二十一年度に、最も淺き小部分の浚渫を實施しましたが、なお港口右岸には漂砂堆積して、港口の幅員著しく狹小となり、入港に際しては直線コースで入港することはできず、出入に慣れた船舶は航路を迂囘して出入いたしておりますが、同港の勝手を知らない船舶は、港口で擱坐すること一再ならぬ状態で、まことに憂慮にたえません。しかるところ本年六月一日附をもつて農林省より甲級陸上地に指定され、本漁港はまずまず重要性を加えられてまいりましたので、速やかに請願書に添付してある計畫書の通り、國費をもつて港口、構内とも三、五メートルの水深に浚渫するの要切なるものがあります。その點特段の配慮を願いたく、地元民の夙夜念願してやまざるところでございまして、ここに請願いたす次第であります。
 いま小濱漁港の水揚高、出荷状況、出入船舶を擧ぐれば次の通りであります。昭和二十年は二十五萬千八百十四貫、昭和二十一年は五十六萬一千五百四十四貫、昭和二十二年度は八月末現在で五十五萬四千百九十四貫、金額にして昭和二十二年度八月末現在で千三百九十萬圓に達しております。また本漁港を根據地として出漁せる船舶は、きんちやく船が三十二隻、七百五十トン、底引船が三十一隻、二百三十トン、その他三十隻、七百トンというような現状でありますので、ぜひとも本港の浚渫は明二十三年度より特別に著手を希望する次第であります。本件に關し、政府の意見を求めます。
○藤田政府委員 小濱漁港の浚渫につきましては、その必要性は十分認められますので、財政の許す限り、速やかに實現するよう考慮したいと考えます。
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○青木委員長 次に第一三、浦安町逢束船溜擴張工事施工の請願、堀江實藏君紹介、文書表第六三四號、紹介議員の御説明を願います。堀江實藏君。
○堀江實藏君 鳥取縣東伯郡浦安町逢束船溜擴張工事施工の請願の簡單な説明をいたしたいと思います。
 この浦安町という所は、大體昔養蚕の盛んなところでありましたが、現在御承知のように養蚕が衰微し、そうしてその養蚕農民が漁業の方に轉業したのが多いのであります。ここの船溜はできておりますが、まだ非常に不完全でありまして、波の高いときには出入が困難であります。船溜の方向が西に向つて出ております。近くに鳥取縣東伯地方の漁港で、赤碕というのがあります。あれは西風には避難できますが、東風に避難のできる港は逢束のほかないわけでありまして、そういう點から附近の漁業者の荒天の際の避難港としても、逢束の地點は非常にいい所でありまして、またその沖合は暗礁やなんかがありまして非常ないい漁場でありまして、ここに船溜をつくつてもらいたいという請願が出たわけであります。ここにも書いておりますように、現在できておる船溜から百二十メートル出していただきたい。そこの百二十メートル出す所は岩礁になつておりまして、非常に工事もしやすいし、できた結果は他の漁船の避難港にもなるというような意味におきまして、地方民が非常に要望しておる次第であります。この船溜の擴張工事を即時施行していただきたいというのが請願の要旨でありまして、どうぞ本委員會におきましてはしかるべく御審議を願います。
○藤田政府委員 逢束船溜の擴張は、同地方漁業の發展のため必要と認められますが、具體的計畫については今後十分に檢討の上、財政の許す限りなるべく速やかに實現するよう考慮いたしたいと考えます。
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○青木委員長 次に第十九、伊東漁港修築工事を國庫又は縣費を以て施行の請願、小松勇次君紹介、文書表第七三二號。小松勇次君。
○小松委員 靜岡縣伊東漁港は、伊豆、相模海岸及び伊豆七島を舞臺とする各種漁業船舶の重要なる根據地でありまして、さきに伊東漁港修築工事の完成をみまする一方、陸路も省線伊東線の開通するに及びまして、漁獲物の集散はとみに曽大いたし、年額五百萬貫を超えておるのであります。陸路の諸設備とともに、相まつて、漁港としての使命を果しつつあることは、ひそかに喜びにたえないところでございます。古來伊東は港灣の天惠に乏しく、漁業根據地の必要を痛感してまいつたのであります。從つて舊新井濱漁業組合の獨力をもちまして漁港の修築を企て、再三の失敗にも屈せず、實現に努力してまいつた結果、大正七年國庫及び縣費をもつて伊東漁港の構築に著手いたされたのであります。總工費九十餘萬圓に對しまして、地元の負擔三十餘萬圓を支出いたしまして、起工以來二十年の歳月にわたつておるのであります。しかして昭和十一年竣功をみるに至つたのであります。その結果近隣の船舶竝びに漁業者に裨益するところが實に大なるものがあるのであります。しかるに時局の進展と漁業の發達とは、現在の設備をもつてしてはなお狹隘を告げるのみならず、急速に第三期工事を施行し、砂防堤を築造するにあらざれば、港灣の堆土を防ぐことができず、その利用效果を半減するおそれがあるのであります。昭和十八年地元伊東漁業會は、自費をもつて港灣の浚渫をなしたのでありますが、戰時下十分な工事が施行されず今日に至つておるのであります。その後波浪潮流のため土砂の沈積がはなはだしく、大小漁船の出入に支障を來しておるのであります。今囘根本的に港灣を浚渫し、船舶の出入に便ならしめんと企圖いたしておるのであります。
 なお去る九月十六日來襲いたしました颱風に引續き來襲せる高潮により、第一、第二砂防堤、護岸竝びに船だまり、船揚場等の被害が甚大でありまして、これが災害復舊は一日も猶餘を許さない状態にあるのであります。現下の漁村に課せられたる重大なる使命を達するために、何とぞ本請願の趣旨を了とせられまして、速やかに伊東港改修工事に對し、國庫または縣費をもつてその完成を期せられんことをお願いするものであります。
○藤田政府委員 伊東漁港改修の必要性は十分に認められますので、財政の許す限りなるべく速やかに實現するよう考慮いたしたいと考えております。
 なお災害關係につきましては、速やかにこれが復舊をはかりますために、別途考慮する豫定でありまして、これにつきましては、本年度の追加豫算に計上いたしますとともに、なお昭和二十三年度におきましても、引續いて實施いたしたいと考えております。
    ―――――――――――――
○青木委員長 次に第二一燒津漁港築設促進の請願、加藤靜雄君紹介、文書表第七五二號、加藤靜雄君。
○加藤(靜)委員 私は靜岡縣燒津漁港築設促進の請願の紹介議員を代表いたしまして、御紹介申し上げたいと思います。
 本請願は港のないかつお、まぐろ漁業基地燒津が、港のないことによつて發奮し、陸上交通の利便と水産加工の能力と漁場餌場の關係によつて、かつお、まぐろ漁業基地として最先進の發達をとげた所でありますが、漁業の科學化、スピード化に伴う必需性は、燒津漁港構築を絶対的に要請せられ來つたのであります。戰前、農林省竝びに靜岡縣縣當局においても、國家的見地において、その建設の必要性を認めて、すでに昭和十四年以降七箇年計畫によつて著工したのでありましたが、戰爭のため中絶のやむなきに至つたのであります。
 終戰後わが國の水産業、殊にかつお、まぐろ漁業の重要性はようやく重視せられ、ここに燒津漁港の建設が大なる問題として取り上げられ、再び靜岡縣縣當局、農林省においてその計畫を付議せられんとしておるのでありますが、私どもは三つの理由において、國家が從來の形式にとらわれることなく、眞實に觸れて正しき、強き、産業施策としての燒津港構築を計畫していただきたいのであります。すなわち第一、多年の縣案である燒津漁港は日本漁業再建の上にも最も必要なる水産施策であること、第二、燒津海岸の地形、地質上、最も急速、短時日に基礎的工事の完成をはかるべきこと、第三、漁業竝びに漁港に對する國家的見地において、燒津の過去における業績、竝びに戰災の犠牲を伴う現状より見て、工事費の全額を國庫負擔によつて、國家がこれを建設することの三點を切に念願しました請願でありまして、ここに説明書竝びに各資料は請願第七五二號に詳細を添付してありますが、本請願が燒津町民はもちろんのこと、隣接小川村、東益津村兩村民を打つて一丸とした、まことに血の叫びの請願でありまして、請願者代表一同は、こもごも衆議院、参議院への請願は言うまでもなく、農林省を初め、關係當局へ寝食を忘れて陳情に陳情を重ねております次第で、地元町民一同は去る八月十日、十一日にわたつて、衆議院水産常任委員代表各位が政府委員とつぶさに現地状況を視察くださいましたこと、さらに本日本請願が審議の運びになつたこと、また先般参議院の常任委員會において審議採擇されましたことを心から涙して感謝感激いたしておりますとともに、この委員會におきまして、委員各位の御理解、御同情ある御審査の上、全員御一同御採擇くださいまして、これが實現に御盡力あらんことを、それこそ神佛かけて、切に祈願、念願しておる次第であります。私は紹介議員とはいえ、この船の家ともいうべき港のない燒津の港の近くに生れて、燒津に育つてまいりました者で、燒津町を初め、小川村、東益津の兩隣村が議會解説以來初めて議員を國會へ選び出してよこしましたのも、そして私が議員としてここにこうした立つたのも、ただひたむきに本請願の燒津漁港の急速築設實現の一途にほかならないのであります。以下本請願の概要を御説明申し上げます。
 四面環海のわが國において水産業が發達し、各種漁業活動が國家經濟に貢獻したることは、言をまたないところでありますが、特に明治末期以來發動機漁船による太平洋かつお、まぐろ漁業の發展が國家に寄與したるところはまことに大なるものであります。燒津がかつて資本力をもたず、沿岸漁業に惠まれず、漁港はおろか、稀にみる荒濱僻村たる等の悪條件下に置かれてあつたのにもかかわらず、先輩の苦心努力は幾多の人的物的の犠牲に屈せず、ついに結ばれて、日本のかつお、まぐろ漁業の先進地、大漁業基地を築き上げたのであります。燒津の漁民が沖合へ沖合へと進取勇敢に躍動したる根源には、之らの悪條件すなわち惠まれない環境が漁民の發奮の動機となつたことも考えられるのでありますが、また一面かつお、まぐろ遠洋漁業基地として、燒津の具備する幾多の適合條件も忘れてはならないところであります。すなわち燒津は東海の地駿河灣に面し、東海道線の沿線にありまして、東は東京、横濱、西は名古屋及び京阪神等の六大都市の中間に位して、漁業先覺者とともに水産加工の發達に努力した先輩の功績は、かつお節、なまり節、塩さば等の加工能力と、冷凍、カン詰等近代化學加工の設備に及びまして、これらの力によつて、陸上の基地としての好條件を備え、さらに太平洋の各海域漁場にわたり、地位的にも最も利便なるのみならず、それに必要とする餌場の關係においても、まことに好適なる位置を占めておるものであります。しかるところ、斯業の實情は年とともに科学的に發達し、スピード化し、基地に港をもたぬ燒津の漁船が、わずかの暴風雨にも清水港に避難し、漁獲物の水揚げにも、岸壁をもたぬ哀れさに、はしけに頼つて長時間の陸揚げ操作をなし、出漁所要物資の積込みにも同様不便をきわめて、時間、勞力を空費する結果、莫大なる經濟的損失をもたらし、無より有を生じたる榮ある傳統と、幾多の基地としての好條件と實力を有しながら、ただ一つ港なき水産燒津の現實は、ひいて將來に及んで絶滅的不安を感じ來つたものであります。昭和十四年農林省、靜岡縣及び燒津町の輿論は、ついに燒津漁港の建設の絶対必要性を認め、調査の結果、七箇年計畫によつてこれを完成せんとし、著手したのでありますが、あたかも今次戰爭に際會し、中止するのやむなきに至つたのであります。今や平和は再び訪れ、しかも水産業の再建、特にかつお、まぐろ漁業の重要性はまことに大なるものであります。ここに燒津漁港構築の問題が特に重大性を帶びてきたのであります。
 今般靜岡縣當局において、改めて燒津漁港建設の議を農林省當局の計畫において、五箇年完了の豫定のもとに企圖せられましたが、燒津海岸の地質的條件は、これを長年の計畫によつて行うことは、自然力の妨害によつてとうてい所期の進行不可能と見られ、從つて經濟的に大なるむだを費やすことと思惟されるのであります。請願書添付の資料によつて、同一額工費をもつて起工するならば、努めて短日時に、すなわち五箇年のものは二ヶ年に、あるいは、さらに短縮して一箇年に、これの完成を期することがもつとも當を得たる策なりと考うるものであります。
 次に燒津漁港建設省についての問題であります。將來の國庫が半額を負擔し、縣竝びに地元において殘りの半額を負擔する方式は、當時の常識としてあるいは妥當のものであるとも言い得られるものでありましようが、今日あるいは今後の統制經濟の建前より見るならば、産業はすべて、國家あるいは政府の支配におかれ、殊に漁業において漁港の利用の事實を見るときに、國家的度合が非常に強いのでありまして、燒津漁港の建設においても、水産業統制を行う限り、國家がこれの建設者となることが當然であり、從つてその工費は全額國庫負擔によるべきであると思考するものであります。加うるに燒津のかつお、まぐろ漁業發達史上における功績は、決して輕々に見るべきものでなく、しかも今次戰爭によつて徴用せられ、遂に歸らざる漁船の數は實に五十餘隻に上り、その物的損害は、時價に見積るならば、三億圓以上とも推算せられ、これらはまつたくかの、補償打切りによつて一顧だも與へられないのであります。すなわち燒津のかつお、まぐろ漁業に貢獻したるその功績に報ゆるに、戰爭による徴用、徴發の犠牲しかなかつたのであります。今や燒津の漁業再建には、漁船の建造を初めといたしまして、高騰せる書資材物價に惱みながら、莫大なる負債をもととして起上りつつある現状で、事實上現在漁港建設工費を負擔する能力はあり得ないのであります。しかも燒津漁港の必要性は、この漁業經濟上の觀點より至極急を求めておるのであつて、燒津の經濟負擔力の囘復ある日を待つの餘裕はありません。ここにおいて燒津漁港の建設を最も意義あらしめるものは、全額國庫負擔をもつて國家がこれを負擔し、これを燒津の地に貸與もしくは管理せしめることが、すべての面より見て最も妥當適切な方策と思考するものであります。なお年間生産高からいたしまして、北海道、長崎に次ぎ、水産靜岡縣は第二位を占め、燒津はその壓倒的最優位を占めておるものでありまして、昭和六年ないし昭和十五年に至る十箇年間の平均年間水産物の取扱実績を見まするならば、鮮魚が大體において三千六百五十トン、なまり節が五千三百トン、かつお節が千九百トン、かまぼこが千六百トン、鹽辛が百七十トン、塩さばが千七百トン、合計いたしまして約一萬六千トンの實績をあげておるのであります。
 なおこの發送先を大體申し上げますと、京都方面になまり節が三百六十トン、塩さばが二百五十トン、大阪方面になまり節が千六百トン、塩さばが七百トン、東京方面になまり節約千トン、塩さばは少くて約五トンであります。名古屋方面になまり節六百トン、塩さばが百五十トン、神戸方面になまり節五十トン、塩さば百十トン、その他になまり節が百七十トン、塩さばが約六百トン、こういう実績にあります。
 なお輸出冷凍まぐ類ろの年別の取扱高を申し上げますと、昭和九年ないし昭和十五年、これは冬期のものは含まないで、おおむね五月、六月、七月中のものを申し上げますと、最高九百十トンを輸出しておる状況であります。なおカン詰の輸出生産高を見ますと、昭和十二年ないし昭和十六年の間に、原料生魚の重量で申し上げますならば、大體において年間平均三千五百トン近くのものを扱つております。現在の日産能力を申し上げますと、約三十五トンの能力をもつておるのであります。なお陸上施設でありますが、冷藏製氷能力におきましては、現在燒津冷凍を初めといたしまして、七つの冷藏製氷設備を有しまして日産製氷能率におきましては八十トン、冷凍能力におきましては約四千トンの能力を有しております。
 なお造船機能力におきましては、燒津造船所を初め昭和造船所、赤坂鐵工所あるいは三和鐵工所、燒津内燃機東亞製作所等におきまして、木船月産百五十トン、デイーゼル、燒玉を合わせまして月産約五百トンの能力を有しておるのであります。昭和二十二年六月一日現在における漁船を申し上げますと、木船が六十五隻これが二一四八・七〇トン、鋼鐵船十二隻一七八七・〇二トン、ディーゼル機關三十三隻三二六六・六五トン、燒玉機關四十四隻六六九・〇七トン、こういう状況にありまして、一五〇トン以上八隻百トンから一五〇トンまで八隻、二五トンから一〇〇トンが十四隻、不登簿船が四十七隻、大體において總計七十七隻からの漁船が、かつおまぐろの漁業に從事しておる状態であります。
 なお陸上施設は、水産學校を初めといたしまして、これも間もなく高等專門學校に昇格いたすはずになつておりますし、甲種無線電信の設備を初め、各水産會社、冷凍製氷、カン詰、その他加工生産施設はおそらく全國第一を占むる施設があるとあえて私は申し上げたいと思います。このようにいたしまして燒津の港が完備した曉におきましては、他府縣の漁船も蝟集してまいり、太平洋のかつお、まぐろは戰前に比して數倍の陸揚を可能とし、日本人のための強力な蛋白資源となり、併せて米國初め諸外國に對しても、同様に榮養源を提供することができると確信する次第であります。現在小川の船溜を南港といたしまして、燒津を北港とし、この兩方を一擧に實現いたしまして、その間を流れる黒石川の自然を利用して運河をここに設け、燒津漁港の一日も速やかに實現されんことを切に念願してこの請願に及んだ次第であります。どうか皆様におかれましては本委員會において御審議の上、御採擇あらんことを切にお願いする次第であります。
○青木委員長 本件に關し、政府の意見を求めます。
○藤田政府委員 燒津漁港は既定計畫に基いて、目下工事施行中でございますが、本工事の繼續完成はただいまも詳しく御説明のございましたように、わが國水産業再建の一翼として重大なる使命を果すものと認められますので、經費が相当厖大ものでございますが、財政の許す限り工期の短縮をはかるように考慮してまいりたいと考えております。來來年度におきましても引續き工事を實施してまいりたいと考えております。
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○青木委員長 次に第一〇、鹿折村を氣仙沼漁港修築計畫地域に編入の上埋立工事施行の請願、文書表第五九五號、紹介議員の御説明を願います。
○佐々木秀世君 宮城縣本吉郡鹿折村は御承知のごとく宮城縣第一の漁港でありまする氣仙沼の隣村でございます。鹿折村は昭和十二年氣仙沼町堺より北方藏底石橋までの地域に桟橋を架設いたしまして、荷揚場の計畫をなし、翌十三年濱地域村(埋立既成地現在村有地)沖の公有水面埋立工事及び大浦灣の造船場の建設工事を計畫し、其後荷上場、埋立工事については著工するの運びに至つたのでありますが、戰爭のために遂にその實現を見るに至らなかつたのであります。現在の鹿折村戸數一千百戸、人口六千五百人を算し、鹿折、上鹿折の兩驛を控えて、年とともに發展の一路をたどつているのでありまして、海陸兩用の施設として右工事の實現を村民は非常に熱望しているのでございまして、さいわいに氣仙沼の漁港が工事にかかりまするにあたりましては、この鹿折村の埋立工事あるいは漁港修築工事をこの氣仙沼の工事と同じに計畫をしていただきたいというお願いでございます。鹿折村の生産物といたしましては、石炭百萬トン、それから木材は杉、松、雜木を合わせまして四千町歩、年産百二十萬石を出しているのであります。その他水産加工品といたしましては五千萬圓、うち魚類カン詰が一千萬圓、鮮魚二千五百萬圓等の生産物がございます。氣仙沼の漁港とこの鹿折村の漁港とは、同一體のものであるということは御承知のことと存じます。過般私も現地を視察してまいりましたのでありますが、この日本の食糧事情の逼迫せる現状から考えましても、三陸第一の水揚げを有しております氣仙沼、鹿折の漁港の修築竝びに埋立につきましては、政府におかれましても早急に著手していただきたい。これが同村民竝びに同地方各村の熱望でございますので、はなはだ簡單な説明ではございますが、何とぞ本委員會におかれましては、この請願を御採擇くださるようお願いする次第であります。
○藤田政府委員 本件につきましては縣當局より具體的計畫の提出をまち、愼重に檢討いたしました上、將來財政の許す限り速やかに實現するよう考慮いたしたいと思います。
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○青木委員長 次に第一一、崎山村に防波堤築設促進の請願、西村久之君紹介、文書表第三九二號。
○西村(久)委員 崎山村に漁港修築の請願について、御紹介申し上げたいと存じます。
 崎山村の白濱港と申しまするのは、長崎の五島列島の最南端に位いたします箇所でありまして、南の口が北西の方向に向いております關係上、冬季最も季節風として強い北西風のために、港の利用ということが今日まで惠まれておらないのであります。本請願の趣旨は西北の風を防ぐべき防波堤の計畫でありまして、崎山村の特異性と申しますか、最も漁港としてその施設の急を要しまするゆえんのものは、大衆魚でありますところのいわしの漁場に最も近いところの位置を占めております關係から、本漁港の計畫が實現いたしますれば、いわしの漁船等が、輻湊いたしまして、相當いわしの漁獲増進に寄與するところが甚大であろうと存ずるのであります。特に防波堤に最必要でありまするところも石材は近所にたくさんあるのでございます。遠方から運ぶ必要もございませず、防波堤修築に關する資材等にも惠まれた關係の箇所でございますので、本請願を政府の五箇年計畫の中にぜひ織込んでいただきまして、財政の許す限り速やかにその實現を期していただきたいというのが請願の趣意にほかならないのであります。
○青木委員長 本件に關し、政府の意見を求めます。
○藤田政府委員 崎山港防波堤築造の必要性は認められますので、具體的計畫につきましては十分檢討の上、將來財政の許す限りなるべく速やかに實現するよう考慮いたしたいと考えます。
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○青木委員長 第七、廣田漁港修築工事繼續施行の請願、小澤佐重喜君紹介、文書表第四九五號は第九と同性質のものと存じますので、紹介議員の説明を省略いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○青木委員長 御異議がなければさよう決定いたします。
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○青木委員長 以上第六、第七、第九、第十、第十一、第十三、第十六、第十七、第十九、第二十一の各請願はいずれも次の適當な機會に審議を繼續いたしたいと存じます。殘餘の請願はこれを延期いたしますことに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○青木委員長 御異議がなければさよう決定いたします。
 本日はこれをもつて散會いたします。次會は公報をもつて御通知いたします。
   午後零時三十五分散會