第001回国会 国土計画委員会 第28号
昭和二十二年十一月二十九日(土曜日)
    午前十一時十五分開議
 出席委員
   委員長 荒木萬壽夫君
   理事 藤田  榮君 理事 細野三千雄君
   理事 内海 安吉君 理事 松浦 東介君
  理事 的場金右衞門君
      足立 梅市君    伊瀬幸太郎君
      松澤  一君    守田 道輔君
      東  舜英君    生方 大吉君
      田中 角榮君    村瀬 宣親君
      今村 忠助君    高田 弥市君
      野原 正勝君    木村 公平君
      野本 品吉君    高倉 定助君
 出席政府委員
        法制局次長   井手 成三君
        戰災復興院總裁 阿部美樹志君
        戰災復興院計畫
        局長      財津 吉文君
        内務事務官   岩沢 忠恭君
        文部事務官   日高第四郎君
 委員外の出席者
        農 林 技 官 田中  勉君
        勞働事務官   江下  孝君
        專門調査員   西畑 正倫君
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 都會地轉入抑制緊急措置令を改正する法律案(
 内閣提出)(第一一八號)
    ―――――――――――――
○荒木委員長 これより會議を開きます。
 前會は都會地轉入抑制緊急措置令を改正する法律案につきまして政府委員より提案理由の説明を聽取いたしたのでありますが、本日は引續き本案を議題として質疑に入ります。質疑は通告順によりこれを許します。
○岩沢政府委員 本案を審議していただくに先立ちまして、現行の都會地轉入抑制措置の概略を御説明申し上げます。
 今次の戰爭によりまして全國主要都市の大半は戰災を受け、都市の諸施設が破壊されました結果、各種生産力の低下を招來して、都市の復興促進にも少からぬ隘路となつております上に、食糧、住宅の不足は實に深刻なものでありまして、特に都市におきましてはその影響が大きく、甚だ不安な都市生活を營まねばならないような状態に立ち至る憂があるのでありまして、かようなときにおびただしい人口の無秩序な都市への流入を放置するときは、ますます各種の混亂を助長するのみであります。
 そこで政府といたしましてはこれに對處するため、何らかの措置を講じたいと考え、終戰直後よりその具體化を研究してまいつたのでありますが、あたかも昨年一月關係當局よりも、前述のような觀點から早急に何らかの方策のとらるべきことを通達してまいりましたので、緊急にこれが具體策を立案して「ポツダム」宣言の受諾に伴い發する命令に關する件に基く都會地轉入抑制緊急措置令を公布、二十一年三月一日より實施いたしたのでありまして、都市の戰災程度、食糧住宅事情や交通の状態、治安状況等を總合判斷し、これら各種事情の好轉の場合は漸次抑制を解除するという前提のもとに、全國の人口十萬以上の都市中二十五都市を抑制の對象として指定いたしたのであります。この措置令施行の直後は、主旨不徹底の向きも多少あり、事務的な取扱上、紛凝をかもした事例も一、二ありましたが、今年に入りましてから、かような事もなく極めて順調に實施されているのであります。
 さて、前に述べました通り、この轉入抑制は應急的かつ臨時のものでありまして、都市の諸事情の好轉によつて漸次指定を解除する方針でありましたが、その後の各都市の實情は必ずしも樂觀を許さぬものがありますので、二十一年五月、九月、十一月、及び本年の三月の四囘にわたり延期いたし、本年十二月三十一日まで繼續することになつておるのであります。ところでその有效期限も目捷の間に迫つておりますので、その善後措置を講ずるため、過般來各都市の實情を調査中でありましたところ、連合軍當局よりも本件についての希望もありましたので、政府も調査の結果を判斷の上この都會地轉入抑制法案を立案し、ここに提案した次第であります。
 次に本法案の内容につきまして簡單に説明いたします。
 現行の都會地轉入抑制措置令では、一、國民生活の再興のため當該地域内において必須の業務に從事する者及びその扶養する家族。二、當該地域内におる官公署に勤務する官公吏及びその扶養する家族。三、當該地域内にある學校にして地方長官の指定するもの、學生、生徒及び児疾、竝びに教職員及びその扶養する家族。四、外國または外地より歸還する者。五、その他内務大臣の定むる者。以上の五項目の一に該當する者で、當該市區町村長の承認を得た場合に轉入でき得ることになつているのでありますが、今囘追加改正の主要な點の一つは、本法案の第二條第二項の期限附轉入許可の條項であります。すなわち、從來の經緯に鑑みまして、轉入許可に際して一定の期限を附することができ得ることにした點であります。これは特殊勞務者とか、あるいは各種短期講習會、または指定都市周邊に災害等の起つた場合等、特別なしかもやむを得ない理由のある者には、特に期限を限定して許可するものであります。
 改正の第二點といたしましては、指定都市の範圍についてであります。この點はなかなか輕卒には決定できませんので、事務當局といたしましてあらゆる觀點から愼重に考慮したのであります。すなわち前述いたしましたように、食糧、住宅、交通等の状況を中心に、復興の程度とか、過去における抑制の實施状況等を總合的に判斷いたしまして、特に都市が連擔し各種弊害の發生するおそれの多い東京都を中心とする京濱地區、大阪市を中心とする京阪神地區及び北九州の十四都市を指定いたしたのであります。主要な改正點は以上の如きものでありまして詳細は審議の進行に從つて御説明申し上げたいと思ひます。なお最後に本法を運營いたしてまいりますについての手續等は、從來の實績をも十分考慮の上、遺憾のないよう處置するため、目下事務當局でせつかく研究中であります。
 以上簡單ではありますが、一應の概略を御説明申し上げた次第であります。
○荒木委員長 質疑は通告順によりこれを許します。今村忠助君。
○今村(忠)委員 質問いたしたい事項は、就職關係、住宅、職業にわたるのでありますが、それらの政府委員はまだ見えておりませんから、これはしばらく保留いたしまして、國土局長に對して御質問いたします。
 第二條の第二項に「當該地域内に在る官公署に勤務する官公吏」ということがあります。しきりに地方の青年から就職等を希望してくる者があるのであります。これは官公署に勤務する官公吏という説明にもなるわけでありますが、現在は地方にあるが、官公署にその後就職ができれば轉入することは可能であるかどうか。またここには官公署と書いてあるのでありますが、民間會社の場合であつては、第一項の國民生活を再興するための特に必要なものという以外にいかないものであるかどうか、この點であります。
 それから第三項の當該地域内にある學校の生從、學生はいいことになつておるのでありますが、實際問題として、私、大學に關係しておることから、いろいろなことを知つておるのです。たとえば東京の大學の學生は、東京都内に轉入できるのでありますが、下宿等がないために横濱ないしその他のところに下宿をしなければならない状態にあります。その場合に東京都には轉入できるのではありますが、横濱に轉入できないために、これらの學生は實際問題としていわゆる都市轉入ができずにおるわけであります。こういうものには何か特別の計らいが第三項によつてできるものかどうか。
 それから第三番目といたしまして、從來は勅令で、しかもごく臨時的なものとして、順次その有效期限を延長しておつたのでありますが、これを今囘抑制法といつた法律の形にしてまいつたということは、一應どうかと考えられるのであります。これを法律にせずして、ある期間有效にする政令のごときものが出せないものかどうか。これは實際の取扱いの上において、これらの意味のことは政令では不可能であるかもしれませんが、その點を明らかにしてもらいたい。言いかえれば、法律にせずしてこれらのことを實際に效果をあげ得るようにする方法はないのかどうかということであります。一應この三點について御質問いたしたいと思います。その他のことは係の政府委員が出てからのことにいたしたいと思います。
○岩沢政府委員 ただいまの第一點でありますが、都會地轉入抑制の實施要綱につきましては、去年三月に實施いたしまして、その關係都市に大體基準というものをおいておるのであります。今御質問の第一の點は官公署の問題ですが、その點につきましてはこういうような方針で指示いたしまして、その範圍において現在やつておりのであります。すなわち第一點は、轉勤あるいは新任の際は必ずその轉入を承認しておる。それから第二は轉勤、新任によらざる轉入の際、たとえば東京都内の官公署に勤務するものであつて、東京都外から通勤するものが東京都内に轉入する場合は、査定を加えてしかるべく取扱つておる。それから第三が、官吏については、官吏待遇者を含んで、これをやはり優先的に轉入さす。こういうことになつております。
 それから會社關係につきましては、これが必須の業務に從事しておるかどうかという觀點から、個人の企業については關係方面と協議の上で、地域内における商業人口、業種別商業の飽和點というものを考えて、都市ごとに轉入を許容する基準を樹立することになつておりますから、從つてその抑制地域の都市の取扱いというものは、相當幅のある取扱いをしておる状態であります。それから當該地域における必須の業務に從事するものについて御説明を申し上げますと、これについては戰災とか、あるいはまた都市の經濟状態により相當異なる状態がありますから、これを全國畫一にきめることは非常に困難なことがありますので、各都市ごとにいろいろの基準を樹立して、これによつて判定をすることになつておるのであります。そのおもなるものについて例示いたしますれば、都市の復興業務に從事するような工業とか、あるいは生活必需物資の生産に從事する者、輸出品の生産に從事する者、生産用器材の生産に從來する者、都市復興用資材の生産に從事する者竝びに復興事業に從事する技術者及び勞務者、それから最後に電氣ガス、水道、交通、運輸、通信等の業務に從事する者等でありますけれども、もとよりこれは限定することなく、都市ごとに適當な基準を定めて取扱つておる状態であります。
 それから最後に學校關係の學生の問題でありますが、これにつきましては、やはり學生に對しては、第一に官公吏に取扱つたような轉勤とかあるいは新任というような一、二の場合と同じく、轉入學の場合と單なる轉入の場合とを分けまして、いわゆる家族の轉勤というような場合には緩かに、また單に轉入學するというような場合には、相當嚴密に査定を加えておるような状態であります。たとえば學生に家族がついて來て、家を一軒もつて、東京都内とかあるいはその他の抑制地域に入ろうというような場合においては、現在は轉入を許可いたしておりません。それから都市の附近に在住して、その都市から通學圏内にあるけれどもその地域外に存在する學校の學生、生徒についても、法規上本項の適用はいたしておりません。
 以上大體第二條における取扱いの方法を申し上げたのでありますが、要するに取扱い方法としては、各市の状況はまちまちでありますから、從つて大體の基準を内務省の方から示しまして、それについての運用は、各都市においてそれぞれ多少の違いが現在において行われておる状態であります。たとえば食糧とかあるいは家屋の状況が非常に好轉しておるような土地におきましては、相當寛にしておるし、また、また食糧とかあるいは住宅の状況が非常に惡い條件であるような場合においては、相當嚴格に轉入の抑制をしておるような状態であります。
 それから最後に、この法令をなぜ從來のポツダム宣言受諾に伴う政令でやらなかつたかという點につきましても一應御説明申し上げたいと思います。實はわれわれも從來から、こういつた新憲法における多少居住の自由を奪うようなものは、できるだけ早く解除して、そしていわゆる平和日本の建設に邁進したいということを念願しておる關係上、いろいろの條件が好轉すれば、その場合においてすぐ解除するという意味において、最初二十五都市を指定いたしておつたのでありますが、そのうちに第二囘目におきましては、豐橋と富山を解除し、そして第三囘以下の制限の場合においては、なお好轉しつつある都市を除外しようという考えであつて、その關係の都市とも、また關係の各省とも連絡いたしたのでありますが、今日までの状態では、やはり抑制してもらつた方がよろしい。こういう關係で、今日まで二十三都市が現存しておつたので、從つて現在におきましては、去年に比べれば多少食糧事情とか、あるいは住宅の關係その他の状況が好轉しつつある關係上、今囘はこの法案に出たようないわゆる三大地區以外を全部外したのであります。でありますから、從來と同じような政令でやればいいということは、一應考えておつたのでありますけれども、種種の關係で、これはやはり國會にかけて同意を求める。いわゆる法律として提案した方がよろしいのではないかというようなことから、ここに提出して、皆様の御審議を仰ぐことに相なつたのでありまして、實は政令で出す場合においては、いろいろ關係方面の手續を要する關係上、やはり國内的に處理する點から、法律においてこれを定めて進行した方がよかろうといふので、この法律として今日提案したような次第であります。
○今村(忠)委員 今のをもうちよつとはつきりしておきたいのでありますが、當該地域内にある官公署に勤務する官公吏で、勤務しておつて轉任になつた場合は、當然はいれるのであります。たとえば復員して海外から郷里に歸つた者が、都會の官公署の官公吏に就任した場合に、轉入できるか。もう一つ言いかえると、田舎におる者が都會の官公署に、考えようによつては就職することができぬようにも考えられるのですが、その點を明らかにしてもらいたい。つまり田舎におる者が東京の官公署に就職できたなら、轉入できるものか。田舎におるがゆえに、これが出ますと、官公署に就職できぬようになつてしまうものじやないかというようなおそれがある。それから第三番目の、當該地域の學校の生徒は當然轉入できるのですけれども、私の質問しようとするものは、東京に學校があつて轉入できるのですけれども、東京に下宿屋がないために、横濱に下宿をする必要ができておるような者がいくらもおる。ところが横濱では東京の大學に行つておる者を轉入させない。そのために多數の學生が困つておる。東京に家がないから起きる問題であります。つまり近い横濱から、はなはだしきは鎌倉あたりからも通つておる。そこらまで行けば下宿屋がある。こういうふうに東京に轉入できる者が、横濱に轉入できない。それは横濱の學校でないからできないのが普通の建前でありますけれども、しかも今言う通り横濱から通えるのですから、東京に轉入できる者は横濱に轉入することを認めてもらいたい。これがないと困るのであります。
○岩沢政府委員 第一問につきましては、これは轉入できます。たとえば、今お話の通り、復員者が田舎にもどつて、さうして抑制地域内の官公署に今度勤務するというような場合には、從來から許可を與えております。それから第二點の、學生が所在地以外のやはり抑制地域から通學するというような場合においては、やむを得ないというような状況を十分斟酌しまして、ほんとうにやむを得ないものについては、從來からその地域に轉入を許可しておる状態であります。
○今村(忠)委員 ほんとうにやむを得ないというのは、どこできめるのですか。實際きめられなくて、學生は困つておるのです。私は實際問題をいくつも知つております。
○岩沢政府委員 それはやはり各都市におきましての取扱いが、先ほどから申し上げておるようないろいろ厚薄がありまして、こういうような項目についてはこうしろということを内務省の方では指示はいたしておらず、やはり各都市の運用によつて適當にやつておりますから、取扱いがまちまちであることは事實です。こういうものについては絶對に轉入を許可しろということもまた、われわれとしても指令はしかねておる状態であります。ですから今後においてもそういう問題は起るだろうと思いますが、その邊を十分學生なり、あるいはその家族が、市なり區役所の方に實情をお話になれば、許可するだろうと考えております。
○今村(忠)委員 次に建築關係について復興院の總裁が見えましたから、お尋ねいたしたいのでありますが、大體第一條にある通り、都市の住宅問題が轉入を抑制する一つの大きな原因になると思うのであります。住宅の建設が非常に困難だということは、いろいろな點から認めるのでございますが、その困難なものをできるだけ早く需要を滿たすという立場から、都市における建築に對する取扱いと、地方における場合等において、法律の手前畫一にいくというのが順序であろうかと思うのでありますが、實際の問題として、都會でいろいろの建築をするよりも、地方において、殊に山林を近くにもつ地方においては、たとえば長野縣のごときものは、取扱いが寛大であれば維住宅問題もごく簡單に片づくのであります。しかるに都市におけるとほとんど同じように建築の取締りがまことにきびしい。從つて一例を申しますと、最近火災で焼けた飯田のごときは、寛大にしてもらえば、家などいくらでも手持資材をもつてすぐできるものを、おそろしくやかましく言つて建築を狭めておる。從つて居住がなくしてやむなく、やはり大都市に行けば何とかなるというので疎開しておるものはあわてて歸りますし、そうでなくても、住宅がないために大都市に流れこむというようなものも現にわれわれは見聞きしておるのであります。ここにおいてこの住宅建築取締令のいわゆる取扱上の幅とでもいいますか、緩急の程度を、都市の場合と地方の場合とにおいて何とかもう少し差をつけるというと、言い方が簡單でありますが、地方において寛大にするということを考えてはどうか。そういうことによつて幾分なりともこの住宅の不足が地方において緩和される。從つて轉入者も多少根本的に少くすることのできるという途が開かれるのだと思うのであります。この點についてひとつ御所見を承りたいと思います。
○阿部(美)政府委員 ただいまの建築制限規則を、都會と地方に幾分差をつけるというようなことはできないかというお話でありますが、どういう觀點から例に引かれた長野縣が少いかわかりませんが、復興院としましては、手持資材をただいま認めておりますから、そうむずかしい手續とかいうものでもありません。願い出れば許可がとれる、許可される。こういうふうに考えておるのであります。特に地方によつてむずかしくするとか、あるいはこれを寛大にするとかいうようなことはやつていないのです。寛大というのは手持材料を認めということが幾分寛大なようになるわけであります。從來は御承知の通り一千百萬石という限定された木材數量で行きましたために、實際問題として十二坪、全國では二十六萬戸くらいしか建たないのでありますが、それではただいまの庶民住宅としての要求に應ずることができないので、手持品を特に認めることにいたしたのであります。從つて今お話のような、地方々々で寛大にしなければならぬとかいうふうには考えていないのであります。何かその邊にもう少し變つた事情があるのではないでしようかと思います。
○今村(忠)委員 今の點でありますが、つまり手持品というものに對するいろいろの證明等まことにむずかしくて、實質は材木を手に入れることが長野縣の場合においては非常に簡單なんです。つまり政府の割當てる石數以上のものが實質はできておるのです。從つて建築する方の手持に對する許可というようなものが寛大であれば、家はいくらでも建つのであります。ところが實際はその手持品の證明等が、今も仰せられるようにおそろしく畫一的なものを嚴しくやるためにできない。これを他の面の、食糧の問題などにすればすぐわかるのでありまして、米のごとき、その他の食料品は、一應届け、供出以外の殘つた額というようなものは、實際形が小さいために右左かなり自由の幅がきいておるのでありますが、材木になると、形が大きいためにそのようにいけない。その結果實質は殘つて腐るほどある。値段はおそろしく公定を下まわつて安いものも現にあるけれども、實際使えないというのは、それは今言う建築法がはなはだ嚴しくて、材木が腐るほどあるところにも同じように嚴しいということです。こういうようなところを多少寛大にすれば――飯田にも家が建てられないで困つているものが三百家族ほどございます。それらの人の大部分の聲が、寛大にしてくれれば建たるが、手持の證明をとる方法に困つておるというのでありまして、ここらを少し役所の取扱いというものに、寛大さというものを認めてもらうわけにいかぬものか、この點なんであります。
○阿部(美)政府委員 今お話でよく了承いたしましたが、元來手持を認めるとか認めぬとかいうのは、やみで買つてきたかどうか、つまりやみ價格をつり上げるような結果にならないかどうかとう點が主でありますから、お話のようにたくさん木材が腐るほどあり、かつ現在では大體地方では公定價の六割とか七割とかいう程度で求め得るのでありますから、もしそういう事實がありましたならば、そう從來のようなやかましいことを言わぬでも、認め得る方法があるはずですから、その地方にそういうことを申し送りまして、できるだけ家が建ち得るようにいたしたいと思います。
○今村(忠)委員 就職關係、食糧關係について質問したいと思います。
 まず就職問題についてお聽きしたいのでありますが、大體都市に轉入する希望の大部分の者は、職を求めてくるということではないかと思うのであります。實際問題として多數復員したり、引揚げたりした者、殊に青年の者が一應は地方に歸つていくのでありますけれども、結局地方においては職が得られない。どうしても職を得て生活を立てなければならぬとなりますと、いきおい都市に向つてくるわけであります。この問題を根本に片づけない限り、結局都會への轉入抑制というようなことは、形の上でできましても實質の上で不可能だと私は思うのであります。この點についてひとつ就職を擔當している…。
○荒木委員長 ちよつと今村君、御發言中恐縮でありますが、農林省及び勞働省の政府委員は出席しておるものと思つておりましたら、まだ見えてはおりません。三十分以内に出席するという連絡でありましたので、委員長が出席しておると誤信でございましたので、しばらくお待ちを願つたらいかがかと思いますが……。
○今村(忠)委員 それでは保留します。
○荒木委員長 なお御相談ですが、守田道輔君が法制局長官に御質問があるようなお話でありますが、代りに法制局次長が見えておりますが、午後から御用があるような趣きでありますので、守田道輔君にこの際御發言を許したいと思いますが、御了承を願います。
○今村(忠)委員 どうぞ……。
○荒木委員長 それでは守田道輔君。
○守田委員 私はこの法律、すなわち都會地轉入抑制緊急措置令を改正する法律案が憲法の第二十二條に「何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移轉及び職業選擇の自由を有する。」といういわゆる人民の生活權を拒否するものではないという考えをもつておるのでありますが、これに對しまして當局の御説明を願いたいと存じます。
○井手政府委員 この法律と憲法との關係でお尋ねをいただきましたが、新憲法におきまして、居住、移轉、職業選擇、その他國民の自由を嚴に尊重すベきことは、この憲法の大きな精神でございます。從つて法律案作成等にあたりましても、十分にその點を考慮に入れまして、いやしくも憲法の精神にもとるようなことがないようにわれわれは努力いたしております。この法律につきましても、憲法第二十二條に觸れるのではあるまいかというので、實は内部的にもかなり研究をいたしました。ただいまお述べになりましたことく、公共の福祉に反しない限りというようにございまして、この居住、移轉、職業選擇の自由ということも、公共の福祉という一つの制約のもとにあるので、その制約がある限りは、その限度においては抑制し得るということを私どもは考えております。從つてそれを非常に廣く解するというようなことになりますると、これは憲法に抵觸する、あるいは憲法の精神を蹂躙するものであると思いまして、これを嚴重に、すこぶる固く解したいというのが私どもの態度でございまして、實はどの程度に都會地轉入抑制をやりたいか、あるいは都市の事情はどうかというようなことで、主務省から關係方面にいろいろ照會を發せられましたところ、ここにあげておるような地域以外からも要求があつたようであります。しかしながら私どもは第一條に書いてありまするごとく、人口の過度の集中による云々、これ以上無秩序にはいつてくるということが、非常に大きな公共の障害になるというようなことを確認して、しかる後に出そうというので、かなりその點を限定して、あとに適用地域を列擧したわけでございまして、さらに第一條において、その目的を十分に搾りましたのも、まさにただいま御質問のような憲法の趣旨に對して、嚴重にその制約を狭めていこうという態度からつくつたのでございまして、この點は御質問がございましたら、私どもとしましては、憲法が許しているところの法案であると考えておる次第でございます。
○守田委員 この法律の第一條によりますると、「都會地における人口の過度の集中に因る窮迫した住宅、雇用及び食糧の事情竝びに災害に對處するため」こういうふうにございまするが、これの最後を見ますると、東京、神奈川、大阪、兵庫、和歌山、京都、山口、福岡となつております。先ほど國土局長のお話を承りますると、人口十萬以上の都市で人口が集中しておる所というように決定が相なつたようでありまするが、五萬以下の都市においても、今日無制限にはいつておりまするために、これと同じ状態になつている。農村におきましても同じ状態でありまして、いわゆる人口の過度の集中に窮迫しておるのでありまするが、大體人口移動というものは、水が低い所へ流れるような自然の法則に從うものである。またわれわれが生活を求めてまいりまするのは、常に高いとこへ高いところへとはいつておる。たとえば十萬以上の都市の人口過度の集中を抑制するということになるならば、それだけが國内において一つの特權國をつくつており、そうしてそれ以外の都市において生活する者の生活權を拒否したということになると思うのでありまして、これは私は完全に新憲法に違反するものであると考えるのでありますが、片一方の都市においては、いわゆる制限をして窮迫したる事情を緩和しようとする。一方においてはそれと同じような窮迫した條件にある所に對しては、何らの制限を認めないということは、これは現實からみまして大きな間違いではないか、むしろこういう法律は御徹囘なさり、さらに都會地轉入抑制の緊急措置令は御廢止になるべきではないかと考えておるのでありますが、根本的なお考えを承りたいわけであります。
○井手政府委員 實態に觸れての御質問でございましたから、もし私で不足でございますれば、さらに關係の方からお願いいたしたいと思いまするが、本案を立てました趣旨は、都會地において非常に無計畫、無秩序に人口が集中するために、いろいろな混亂、いろいろな國民生活の窮迫、その他行政上の混亂というようなものが生ずることを防ごうといふのが趣旨でございまして、またその限度ならば、憲法二十二條が認めているものであろうと思いました。それを非常に緩やかにやるということは、憲法の趣旨からみてどうかと思うので、むしろ法律案立案の考え方としましては、實は嚴重にやつたのでありまするが、さてそれをどの程度やるか。これでは京濱地區、京阪神、それから北九州のまわりというようなことになつておりますが、ほかの地區でも同様な状況があるではないか、また市を竝べて、ここにたとえば川崎市があつて市川市がないではないかというような點がありまするが、どの邊でラインを引くべきか。その引き方につきましても、われわれは濫に流れないように、むしろ絞るという態度をとりましたが、どの邊にラインを引くべきか。これは各地の事情、またこの法律が運行される途中において、時々刻々變化するであろうと思いまするが、私どもはまずこの邊で適當であろう、これ以上どこまでもいくということになつてきますと、これはむしろ三十二條からみて心配であるというような意味で絞つたのであります。ある都市を絞つて、ほかの都市を絞らないということは、かえつて憲法に反するじやないかと仰せになりましたが、これを十萬から五萬にし三萬にするということになりますと、どこまでいつてもどうもできませんので、結果的に見て多少御批判のようなことがあるかもしれませんが、私どもとしては、この邊でまずラインを引くべきであろう、さらに實情によりましては御修正、御改正等を願うということになるのが至當ではあるまいかと考えた次第であります。
○守田委員 これも一例でありますが、私の居住しておりまする光市は、現在工場もありません。今までは約四萬の職工がおりましたが、その工場が爆撃、終戰によりまして完全に仕事ができなくなつたのであります。その後住宅がありました關係上、海外からたくさん引揚げてまいりましたが、何らの職業がございませんために、大部分は全國を股にかけてやみをやつており、そうしてまた多くの犯罪をおかして生活しているというようなところもあるわけであります。これと同じようなのが他にもたくさんあると存じますが、これらも公共の福祉に反して、そこに無制限にはいつている。こういうのがあります。これは今のと同じことを繰返してお尋ねするようでありますが、問題は、いわゆる生活の高いところへ流れていくのでありますから、これを防止するということは私は間違いではないかと思う。たとえば東京都に轉入する場合におきましても、東京都に住宅が全然ないならば、はいれはしないと思う。東京都において生活の根據がなければ、はいつてはこないと思うのです。これはいわゆる人權を無視蹂躙するということに結果的になるのでありまして、こういう處置は、たとえば今大火災が起つたという場合に、一箇月、二箇月、あるいは三箇月というような限度を設けまして、この措置がなされるのでありまして、これを法律化するということは私は間違いではないかと思うのでありますが、この點十分御考慮をなさつたものでありますか、いま一應お尋ねする次第であります。
○井手政府委員 非常に實情の問題でございますので、私からはどうかと思いましたのですが、今お話になりましたことく、生活程度の高いところに行くのが自然の現象であつて、それを抑えるということは人權を無視するものであるし、かつまた非常に不自然なことであるということでありましたが、まさに生活のしやすい所、あるいは生活の便宜が多い所に行くのが人情の常でありますし、普通そうなつていくと思います。それをできるだけ伸ばして、皆がお互いに生存し合うことができれば、それが最も好ましい生活だと私どもは思います。從つてこういう法律がない方が、理想の場合においては望ましいと存じますが、現在の戰災をたくさん受けましたあと、また引揚者も多い、失業者等も非常に樂しく暮していくにつきましても、他の角度から見て一定の制約を受けなければならないということが、遺憾ながら私どもの現在の状況であろうと思うのであります。これは御質問の御趣旨はよくわかりますが、政府といたしましては、どうしてもこの法案をしばらくの間はお願いして、そうして、もう少し他のいろいろな施設と相まつて、過度の人口集中を一應防ぎつつ、よい人口分散といいますか、職業分配といいますか、生活ができます日を待ちたいと考えている次第でありまして、この都市だけが何か特權的になるのではないかと仰せられまして、多少そこのところが、十萬の所の九萬五千の所とどうか、その指定された所と隣村地でどうかというようなところもあろうかと思いますが、まずこの邊でひとつ我慢してしばらくやらしていただきたいという考えでございます。
○守田委員 今の法制局の方に對する憲法違反ではないかという質問は一應打切りまして、都市へ轉入したい、現在居住しております所は職業がございません。でありますから、從つてやみをならなければ犯罪に追いやられる。こういう者に對するところの、片方において都市轉入抑制の改正法律案によりまして生活權を拒否された者に對する生活の保障というものは、これは國家において適當な措置を講ぜられるものでありましようか。その點を承りたいと存じます。
 厚生省の方がおいでがないようですから、これは保留いたしまして、新憲法二十二條の中に「何人も、外國に移住し、又は國籍を離脱する自由を侵されない。」ということがありますが、この問題であります。先ほどから質問いたしましたのは、この原則をどういうふうに御解釈になるかということにあつたのでありますが、現在日本においては、御承知のごとく終戰によりまして、ほとんど本土と北海道、四國、九州、この四つの島に八千萬の人間がとじこめられている。その場合に、從來のいわゆる帝國主義は侵略によつてこの國内の人口のはけ口を求めたということ、あるいは貿易、あるいは工業の發展というものから求めたのでありますが、昨日も本會議におきまして國内の人口問題につきましていろいろと質問があり、答辯があつたのでありますが、われわれといたしましては、國外に向つてもいわゆる人口移動の自由ということを、國際的に許容してもらわなければならない立場にあるときに、國内においてそういうことをなすということは、これは日本民族あるいは世界の弱い民族のためにも悲しむべきことではないかと、實は考えているのですが、そういう根本についてまで、この法律を設定せられる場合お考えになつたものであろうか。その點について御答辯願いたいと思います。
○井手政府委員 この第二十二條の二項は、外國移住及び國籍離脱の自由の規定でございます。これはわが國内法制において及び行政において、このことを十分に具現すると同時に、世界各國からこの原則を承認していただき、日本がこれを實施することについて各國がこれを尊重し、この原則が貫かれるようにしていただくということを、われわれは一つの理想として考えております。從つてわれわれがそういうりつぱな理想を各國に實現をお願いするためには、國内的にりつぱな秩序をもち、りつぱな國民となつて、いかにも日本人が移住してきても平和國民である。そうしてほんとうに世界人類に貢獻してくれるような國民であるというような、實際的な訓練と索養をつくりあげなければ、おそらく各國といえども、そういうお前の方の原則は勝手であるというようなことになると思うのでありまして、私どもはこの第二項を各國に十分に尊重してもらうためには、國内において十分な努力が要るものと考えております。從つて、それにはいろんな點に努力が要ると思いますが、わが國が十分な秩序をもつている。そうして十分な經濟再建をし、十分に世界の文化に御貢獻ができるというところを示さなければならないと思います。私どもがいろんな法案をお願いし、また國會がいろんな法案をお出しになつておりますのも、いずれも日本の國民がしつかりしたりつぱな民族として立ち合つていけるということの基礎を法律で規定していくのだろうと思つております。その意味におきまして、國内で無秩序に大勢の者がわいわい集つて、ほんとうに生業がもてない。そうして先ほど御質問がありましたが、場合によつては生活保護法、これをもつと擴げて何とかしなければならぬということばかりでなく、職業をもつて働いている者が十分秩序ある生活をしていくということが根本であろうと思うので、そのラインに對しましてこの轉入抑制法はもとつていないのみならず、むしろその方向に向いていると私ども考えている次第であります。
○守田委員 これで質問を打切りたいと思いますが、私はこの法律を一日も早く廢止する時期に到達するよう政府におかれましても努力されたい。われわれといたしましてもそういう方向にもつていきたいと思いますが、これは私は憲法に違反するものであるという解釈を一應申し上げておきたいと存じます。
○荒木委員長 午前中はこのくらいにいたしまして、午後一時より開會いたします。
    午後零時十分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時三十四分開議
○荒木委員長 開會いたします。
 午前中に引續き質疑を續行いたします。今村忠助君。
○今村(忠)委員 都會地轉入に關する點で質問を續けたいと思います。都會地に轉入者がはなはだ多い一つの大きな原因は、食糧の配給状況に都會と地方とにおいて多少の相違があるということを指摘したいのであります。つまり地方に疎開ないし引揚げたりして、食糧の配給を受けなければならぬ人たちの實情は、大體その居住しておる村越の供出のものを、ただちにその村ないしは町等において配給を受ける者に配給しておる。その結果、最近の實情を調べますと、供出のものが米であつても、さつまいもであつてもよいというような結果、ほとんどここ二、三箇月にわたつて、さつまいもの配給だけを受けておつて、米の配給を受けない。御承知の通りさつまいもは長く保管のきかぬものでありまして、一どきに多量のさつまいもの配給を受けた場合においては、まつたくこれが始末に困つておる状態であります。これは一つの例に過ぎませんが、實際において食生活の上に、都會と地方とにおいて右申したような非常に差がある。都會の方がはなはだ樂であつて、一應考えて地方の方がよいだろうと思うのに、實際は地方の方が困つておる。これが都會地轉入の大きな理由の一つになつておると思うのであります。かような點を訂正いたさないといたしましたならば、法律でいかほど抑制せられましても、實際はその法律をくぐるなり、はなはだ不便で困るといたしましても、形式は地方に居住しておりながら、實質は東京に移るというような問題が順次起きてくるのではないかと思うのであります。法律が實際生活の上に適しない法律でありますと、かえつて罪人をつくるのが關の山というような結果になるおそれがあるのであります。この點につきまして、食糧問題について、地方と都市との配給状況がどんなふうになつておるかを、ひとつ明らかにしていただきたいのであります。
○田中説明員 ただいまの御質問に對してお答えいたします。本國土計畫法において抑制いたしてありまする都市につきましては、大體その趣旨が食糧事情から見まして、あるいは補給の困難な點、その他食生活の點から見ましても、やはりやりずらい部面の都市がここに計上されておるのであります。從いまして、むしろかような都市所在府縣につきましては、政府といたしましては、食糧の補給という點を最も重點的に考えてまいらなければならぬわけであります。さらにその上に混食率の問題をでき得る限り考慮してまいらなければならぬと思うのであります。從來の實情に鑑みますと、大體かような都市方面におきましては、當初においては米を消費しておりましても、ある時期に到達いたしますと、食糧の補給の困難から、いきおい輸入食糧とか、あるいは甘藷とかいうようなものに限定されて、大都市方面における混食の平均化がなかなか困難な實情になつておるのであります。そこで政府といたしましては、まず第一に、かような地域におきまする食糧の補給、いわば遅配缺配等のないように努めなければならぬことが第一點であります。さらに、でき得る限り生産地と消費地との混食率の平均化をはからなければならぬ。かような二つの點に主眼を置いて計畫しておるのでありますが、ただいま御指摘にありました點は、むしろこれとは逆でありまして、都會地においては食糧の面が地方と違いましてむしろいい點が、都會地への轉入を希望する一つの大きな要因となつておるように承りましたが、この點につきましては、地方の府縣におきましては、やはり地方の都市とそれからその地帶の農村と、この混食率の平均化は同時にはかつていなかければならない。しかしこの點につきましては、やはり甘藷が相當に出まわつたときにおきましても、なお米とか麥とか、そういうものをもつて、地方の中における都市、農村の調整を強力にはかつていかなければならぬ。かような點を、政府といたしましては、國全般の食糧の平均化をはかることはもちろんでありますが、同時に地方の中における食糧の平均化をできるだけはかつてまいりたい。かように考えておる次第であります。
○荒木委員長 御相談しますが、御要求の政府委員がまだ見えておりませんので、もうちよつとお待ち願いまして續行願いたいと思いますから御了承願います。――野本品吉君。
○野本委員 私はこの法案に關連のある事項の一つとして、學学生徒の生活問題について、文部省當局にお伺いいたしたいと思います。このことにつきましては、先ほども質問があつたのでありますが、最近の學生生徒の生活状況を見ておりますと、まことに悲慘と申しますか、同情に堪えないものが多多あると思うのであります。たとえば遠隔の地から通學しておりますために、彼らはほとんどその全精力を消耗して、勉學のために費やす精力がなくなつておると思います。また食生活が非常に不十分でありますために、またそれが思うようになりませんために、涙をのんで勉學を中絶しなければならないというような状態にもなつておりますし、またあの發育期にある青年諸君の身體に及ぼす影響等も、實に見逃すことのできないものがあろうと思います。さらに住宅關係のことを考えますと、住宅が不足のために、これまたやむを得ず學校をやめなけれでならぬというような、實情が多々あると思う。さらにかりに住宅がありましても、最近の電力制限のために、ほとんど夜間の勉強ができない。ほんとうに悲慘というか、まことに同情にたえないのであります。こんな状態におきましては、その影響が將來に及ぼすことを考えますと、私は非常に憂慮にたえないものがあると思うのであります。住居、それから食生活、總じて學生生徒の生活に對しまして、文部當局はどのようにお考えになつておられるか。また保護對策として御意見がありましたならば、その點をお伺いいたしたい。かように考えます。
○荒木委員長 文部省學校教育局長日高第四郎君。
○日高政府委員 今御指摘の點はまつたくその通りでありまして、われわれも實に苦慮いたしておる點であります。
 まず通學等の問題を御指摘に相なりましたが、實際今日においては戰前と違いまして、通學に片道二時間もしくは三時間くらいかけておる學生が非常にたくさんふえております。そのために授業を戰前と同じようにすることができないような學校もあるようであります。食生活の方面におきましても、非常に都會におきまして切りつめておりますので、たとえば學校の寄宿舎等においては、ほとんど普通の經營をすることができませんので、ときどき休んでは地方に歸して、しばらく食糧の補給を經た上でまた始めるということをいたしておるのを聞いております。體位につきましても、十八、九歳の者が平均して一年くらい發育が遅れておるように聞いております。住宅も少いのでありまして、一つの部屋に三人くらいはいつておるのが多いようであります。電力制限等につきましても、つい先だつてでございますが、私も京都に出張いたしたときに聞きましたのですが、京都では三十分くらい電氣がつきまして、サイレンが鳴ると一時間くらい停電する。また三十分くらい電氣がついてまた停電するという状況でありまして、ほとんど落ついて本を讀むことができない、そのためたまたま進駐軍のそばにあります下宿等に、たくさんの學生が明りを求めて集つておるというような事情を見てきたような次第であります。これについてはできるだけの保護をいたさなければならないということを考えておるのでありますけれども、國民全體が食うや食わずの生活をしておるときに、學生だけを特に取上げて保護する道もございませんので、學校當局、及び文部省のいわば外郭團體のようになつております學徒援護會というようなものが、東京に一つ中心がありまして、地方に七つ八つ支部がありまして、そういうようなところで實に及ぼざる點でありますけれども、いくらかの援助をいたしておるような次第でありまして、それ以外に確たる對策をもたないような情ない状態であります。これは國民生活が全般に安定しなければ、特に學生だけを援護するというようなことも、今のところはむずかしいのではないかというふうに考えておりますので、私どもといたしましては、次代の國民である學生生徒に、少しでも充實した教育を與えたいためには、特に考慮していただいて、保護を加えたいのは山々でございますけれども、現在のところ物資においても資金においても、窮況のどん底におるような状態でありまして、力強いこれが對策を立てることができないので、はなはだ遺憾な状態にあることを申しわけなく存じております。
○野本委員 國民生活全般が非常に苦しい状態にあるために、學生のために特に手を伸すことがなかなか困難であるということにつきましては、大體了解がつくのでありますが、しかしこのまま放置するということは、まことに及び得ないものがあると思います。特に住い等の問題でありますが、いわゆる遊休住宅、餘裕住宅等の開放につきましては、いろいろな方面で心配しておるようでありますけれども、寺院その他の建物等におきまして、私はまだ利用の餘地のある物を散見するのであります。さらに學生が、八百屋の店先をひからびた大根を下げて歩いておるというような状況を見ますときに、もう少し積極的な努力をしたならば、何とかここにそういう者を匡救する途を開くこともできるのではないかとも考えているわけであります。そうした住宅の問題、食生活の問題等につきまして、後援團體その他各方面ともせつかく緊密な連絡を保たれまして、最善の方途を盡すことに一段と御努力願いまして、若い者をして希望を失わしめることのないように、せつかく御配意願いたいと思うのであります。
 次にもう一つお伺いたいのでありますが、ただいま申し上げましたように、この學生の生活苦というものは、逐に彼らの良心を麻痺させ、そうして彼らを不良の淵に追こみつつあると思うのであります。私は通勤している學生の間に一部だとは思いますけれども、小さなやみと思いますが、行われておるようにもこの目で見、耳で聞いております。また學資の不足によつて不良行為に陥つておるということも聞いております。そうして新聞紙等の報道によりましても、最近學生の犯罪數が著しく増加しておるということを報道せられておるのでありますが、これらの事情につきまして、どのようになつておりますか。文部省の方でお調べになつたところがありますならばお聽きいたしたいと存じます。
○日高政府委員 御指摘の點は、やはり遺憾ながら同じように私どももその點を認めなければならないのでありまして、全般的の調査ではございませんけれども、大日本育英會におきまして、學資を援助いたします建前から、學生の生活状態を相當具體的に調査いたしましたところを聞きますと、高等專門學校以上の生徒でもつて内職をいたしております者の數が非常に殖えております。そのうちよく話してみますと、はつきりは申しませんけれども、物資を運搬することによつてやみの行為をし、それのさやによつて生活を維持しておるというような者も若干あるようであります。それらの者は、初めは恥じながらやつたことが、だんだん度を重ねるごとに恥を知らなくなりまして、ほとんどやみ商人に近いような状態に陥り始めておる者も、いくらかずつはあるように自白いたしておるようであります。かようなことは、放つておきますと學問をするために性格を崩してしてしまうというような危險もありますので、大日本育英會等に非常に苦心をしてもらいまして、できるだけそういう無理な内職をしないですむように、援助をしてもらうように取計らつている次第であります。内職も、前には家庭教師等の比較的學生にふさわしい内職があつたのでありますが、今日は内職の口というものも非常に少くなりましたのと、學生自身も内職をしてわずかの報酬をもらうより、やみに類似したような行為をすることによつて、勞少くして益の多いといつたようなところにはしりやすいような傾向がありまして、それらの點については學校當局ともよく話をいたしまして、なるべくそういうことのないように、せめて純眞な學生だけでも、毅然として自分の生活を崩さないように守るようにするようなことは、懇々頼んでおる次第であります。われわれといたしましては、そういう生活苦をいくらかでも輕減いたしますために、無理な内職をしないで濟むような、學資金の援助の額を相當大幅に引上げるような對策をとつているのが、ほとんど唯一の對策であるような次第であります。これも實はインフレーシヨンの今どき、最高一月千二百圓くらい貸與することになつているのであります。これでも不足なのでありますが、ともかくそういうものも今借りて、デフレーシヨンになつたようなとき、これを返えすのに非常に困りはしないかというようなことで、借り放しでもよいという、それほどにはすれていないとみえまして、返えすとき重荷になりはしないかというので躊躇いたしているような向きもあるようであります。こういう點につきましても、議會及び政府が前につくりました大日本育英會等は、いわば學生、生徒の勉學を補助する意味であるから、決して不當な、あるいは苛酷な條件にならないよう取計らうということを申しまして、なるべく簡單に學資の補給を受け得るような處置を請いつつある次第であります。はなはだ申しわけないのでありますが、それがほとんど唯一の援助の策になつているような次第でございます。
○野本委員 ただいまお話がありました通り、りつぱな人間になろうとする氣持が強い者が、そのために惡いことをしなければならぬということは、實に悲劇であると言わなければならない。そこで、いろいろ御苦心になつておられることも想像できるのでありますが、私の希望いたします點は、食生活を滿たすために最善の方途を講じていただくこと、これから學生の住居に關しましてまた特別なお骨折りを願うこと、さらには不良化させないために健全な仕事の斡旋、この三點を特に文部當局に希望いたしますと同時に、この法案にあります學生の住居の移轉等につきましても、學校當局におきまして十分積極的な御斡旋を希望いたす次第であります。
○日高政府委員 先ほど答辯をいたします際に、一つはつきり申し上げるのを落しましたので、學徒援護會ということをちよつと申しましたが、この學徒援護會と申しますのは、戰時中勤勞學徒のための援護の會として成立したものでありますけれども、終戰後これを一般の學徒のための援護會というので、文部省の外廓團體として財團法人で運營いたしております。大體國から二十二年度には一年百五十萬圓くらいの補助をいたしまして、御指摘になりましたような生活問題、物資の配給等の世話をいたしましたり、住居の世話、内職の斡旋、そういうものを統一的にやろうといたしております。まだ十分效果をあげるほどに相なつておりませんけれども、そういう團體組織をもつてやり始めていることだけ御承知おきいただきたいと思います。
○岩沢政府委員 さつき今村委員から御質問がありました點について、一應もう一應補助しておきたいと思います。學生の轉入を、しかし學校所在地以外のところに對して相當拒否する。また會社、銀行員などもそういう事例が多々ある。こういうものに對しても考慮しろというお話でありましたけれども、この點はなるほど第二條に例示しておる者以外になりまして、結局ほんとうに必要なものは第六項にあります「その他主務大臣の定める者」というものに該當するのではないかと考えております。從來はこの主務大臣の定める者ということにつきましては、内務省の省令で、これはどういうような種類のものであるかということを明示しておるのであります。この省令によりますと、大體連合軍の要務に從事する者とかあるは補導所、養成所の入所者とか、あるいは入院患者とか、養老院の被收容者、こういう四つのものを具體的に示しておりますけれども、實情をいろいろお聽きしますと、將來日本を背負つて立つような學生の住居を安全にするとか、あるいはほんとに日本再建のために從事する銀行會社の人の住居の安全をはかるというような意味から、この法令が出ましたあと、主務大臣の定める省令に對しては具體的にこれをうたつて、十分これを緩和したい。こういうように考えております。
○荒木委員長 勞務省の擔當官が出席になりました。今村忠助君の質疑續行を願います。
○今村(忠)委員 保留しておりました質問を繼續したいと思います。大都會への轉入の最も大きな原因は就職問題にあると思います。多數の海外からの復員者、引揚者の方を初めとし、地方農村にある次男、三男等、非常に制限された土地の範圍内では、もはや一家を支える農地を十分に有しないというような家庭の青年男女が、職を求めて生活の安定を期したいのでありますが、今日においてはほとんど不可能に近いものがあるのであります。從つて最もたやすく職の得られる大都市に向つてこれらが移動してくるのでありまして、おそらく今日いろいろの形式をもつて、大都市に流れこむ者の最も多いパーセンテージを占めるものは、いわゆる職を求めるものだと思います。從つてこの職を求める者を何とか根本的に解決する途がないといたしましたならば、この法律をつくつていかほど抑制いたしましても、何らかの方法で大都市に居住するに至ると私は思つておるのであります。現に私の知つておる範圍におきましても、轉入には二千圓、三千圓という相場がついておる。何かの形式で轉入しております。いわゆるなんとか生活しなければならぬという切實な要求に基くこれらの人たちは、實に恐れるほどのいろいろな手段をとりまして、どういう形式をとるのか知りませんが、世界では轉入は二千圓だ、三千圓だという通り相場があつて、現に行われておる。從つてもしこのような法律をなおここに法律としてつくつて、これを強行すれば、恐しい犯罪者をつくるにすぎないと思うのであります。これはどうしても私は根本問題として、この就職關係を何とか處置する。もとより今日は過剰人に、敗戰後のまことに幾多の事業が縮小され、はなはだ就職の困難なときでありますから、そう簡單にかたずかない問題であろうかと思いますけれども、何かその點を根本的に考えておかなければ、かような法律をつくつて強行すれば、犯罪をつくるにすぎないと私は指摘いたしたいのであります。まず第一にそれに對する當局の所見を伺いたいのであります。
 第二段には、いわゆる就職と轉入との關係であります。第二條第一項には、當該地域内において必須の業務に從事するものということになつておりまして、どの程度までが國民生活を再興するものだというようなことは、一應官廰においてはその目途がきめられておるものと思いますけれども、その點をできれば寛大にするとか、あるいはこの條項を多少修正して、すでに一方の會社において就職を認める場合においては轉入を許すとか、多少ここに緩和をしなければ就職不可能に陥るのではないかと思うのであります。こういう立場から第二條第一項を修正するか、何か方法を講ずるというようなことを、ひとつ考えてもらいたいと思うのであります。參考までに、現在一體職を求める者が、地方と都市でその比率はどういう状態になつておるか。これもひとつ參考までに示してもらいたいと思います。なおこれは就職關係の係の方でおわかりと思いますが、一應尋ねてみたいのは、現在大都市に非合法というが、從來の轉入抑制緊急措置令に違反して入つておる者の數字というようなものはどのくらいあるか、それとも失業者、その他の調査とともに調べたものがあるかどうかという點も一應加えてお聽きしてみたいと思うのであります。
○江下説明員 第一點の御質問は、國家としての失業對策をいかに考えていくかという御質問のようにお聽きいたしました。この失業對策の問題は非常に大きな問題でありまして、もちろん根本的にこの對策を考えなければならない時期に立ち至つておると私ども考えておるのであります。ただ御承知のように、現在の日本生産状況では、すべての人が十分納得のいく職を得るということは非常に困難であります。結局大きくは生産の復興ということにかかつておると私ども思つております。この點につきましては、關係省におかれまして十分現在御考慮願つておることでありまするし、勞働省といたしましても、そういう方面の推進にいろいろ努めておる次第でございます。しかしながら當面の問題といたしまして失業者が職を求めておるのでありますが、これを何とかよい就職の機會を與えようという目的のために、私どもといたしましては、過般本議會で通過いたしました職業安定法の十分なる活用によりまして、政府の設けました職業安定所を中心といたしまして、從來の動員的の色彩を拂拭いたしまして、あくまでもサービス機關として國民に奉仕するということにして、萬分の一にも役立つようにしてまいりたいと思つております。それから御承知のことと思いますが、公共事業というものがございまして、これは主として土建あるいは農地の開墾というような面でございますが、これにつきましても相當の豫算を計上いたしまして、失業者の救濟に充てておるわけでございます。さらに事務的な失業者に對しましては、それに相應な事務的な失業救濟事業、これも豫算は十分ではございませんが、いくらか計上いたしまして、臨機應變に失業者の救濟に當つておるわけでございます。しかしながら、先ほども申し上げたように、現在の經濟の状態では、何と申しましても、みんなに十分の職を與えるということは困難でございます。從いまして私どもといたしましては、これも過般この國會を通過いたしました失業保險法、失業手當法、これは失業政濟という意味ではもちろんございません。これは次の就職の機會までの最低生活を保障するという意味でございますが、これによりまして最後のよりどころをつくるということで進んでおります。そういたしても、何しろ時局は刻々と迫つてまいりますし、失業者の救濟は非常に私ども困難に思つておりますけれども、われわれのもつております機能を十分發揮しまして、とにかく一人でもよけい就職ができるように努力してまいるつもりでございます。
 それから二番目の御質問で、必須の業務に從事する者というものの範圍を緩和するつもりはないかというお話でございました。これにつきましては、本法は大體從前のポツダム勅命の内容と同じに見受けられます。現在までの運用におきましては、各府縣におきまして、職業安定機關が十分市町村なり府縣と協力いたしまして、いかなるものを必須の業務と認めるかということにつきまして細目をきめまして、それによつて必須に應じ、安定所長において證明を出す等のやり方で、この規定を運用しておるように私聞いております。もちろん現在まで多少の問題はございましたけれども、大體これで運用ができるものと、私どもは考えておるわけでございます。
 なお最後にどのくらいやみで轉入した者があるかというその數字でございますが、これは實は私手もとにもつておりませんので、あるいは内務省方面で御調査があるかもしれませんから、この程度で終ります。
○今村(忠)委員 實は都會と地方における求職状況の數が聽きたかつたのでありますが、重ねてそれらを含めてもう一度お聽きしたいのであります。一體職業を求める者は、地方で求めた方がたやすく得られるか、都市において職を求めた方がたやすく得られるか。實際の衝に當つておるあなたはどう考えておるか。それをはつきりお聽きしたい。
○江下説明員 就職は、もちろん職業がある所が職につきやすいということになりますので、全體として申し上げまするならば、都會地の方が就職の機會が多いと思います。
○今村(忠)委員 そうだとしたならば、このような都會地轉入抑制法というようなものをつくつたならば、先ほど言う憲法二十二條の居住や職業を求める自由を有するということにはなはだしく阻害を與えるものと思うのであります。ところがはつきり都會の方が現在職を求め得られる可能性があるのだとしたならば、何がゆえにそれを實現するのにあなた方が努力しないのか。つまりかような法律によつて職を奪うことになりはしないか。こう思うのであります。それについて、かようなものができても自分らは就職せしめる方法があるのだという信念がないとしたならば、憲法違反をみずから努めてすると言わざるを得ないのでありますが、この點はどういうものでしようか。
○江下説明員 言葉が足りませんで恐縮いたしましたが、もちろん今村委員のおつしやいますように、われわれといたしましては、こういう地域内におきまして必要な業務につきまして就職をいたす者につきましては、先ほど申し上げましたように、安定機關が認定をいたしまして、府縣と協力して證明書を出して承認を受けるという形に現在ももつていつておりますし、今後もそういう運用で、御説のような場合には必ず轉入できるように運用してまいりたいと考えております。
○今村(忠)委員 そういたしますと、職業がきまる、言いかえれば就職できた者なら、職業のいかんを問わず轉入させるというのですか。その點をもう少しはつきり願いたい。
○江下説明員 もちろん當該地域内で必須の業務という言葉が書いてありますので、これについての認定の問題になると思います。實はこまかくどういう業務が必須であり、どういう業務が必須でないということにつきましては、私が今申し上げる資料をもつておりませんが、要するに當該地域内で十分國民生活を再興するために必要であると認定できる範圍におきましては、この許可が受けられるということになると思います。今のお話のこまかい内容につきましては、實はここでは申し上げることができないのでございます。
○荒木委員長 できないというのは、資料がないから言えないという意味でしよう。
○江下説明員 そうです。
○今村(忠)委員 それではもう一度重ねて聽いておきます。あなた方は職業紹介の衝に當つておつて、この必須業務に從事するという制度がなかつたとしたならば、非常に多數の者が都市に就職してこれると思つておるのですか。あるいは、これを取はずしたところで、そう都市に就職はできない。都會も焼けておる。事業も縮小されておつて、實際人が就職する口がないと思うのでありますか。その點をはつきりもう一度あなたの所感を伺いたい。
○江下説明員 お答えいたします。現在におきましては、都市におきましても相當失業者があるように私ども承知いたしております。從つてこれを除いたといたしましても、そうたくさんの就業者が殖えるというふうには考えません。しかしながら事實上いろいろな事由から都市に轉入してくる數が殖えるだろうとは思います。
○今村(忠)委員 そういたしますと、都市においてもそう就職口はない。除けば就職を求めてくる者が轉入するおそれがある。こういうことであれば、職を求めてふらふら來るのではなく、何何會社なり、何々商店、何々工場に就職口がきまつた者なら、國民生活を再興するためということはありますけれども、必須業務という範圍を廣めて、つまり就職の決定した者ならというように廣めたらいいのではないかという氣がしておるのでありますが、實際職に携わつておる人、つまり就職の衝に當つておるあなたとして、かような規則をつくつてもらつたのでは、就職斡旋の上に非常に阻害になるとするならば、われわれとしては今これを訂正したいのです。だから一應は原案にこだわらず、あなたが實際に職に携つておる立場から、そういうふうに寛大にしておいてくれたならば、職のない人を多數職につけてやる、職を與えていくことができると言うなら、われわれは直したいのです。ただこの原案にとらわれず、あなたが職務に忠實だという立場から、かような法律をこしらえてもらうよりは、もう現に就職がきまつた者は轉入することができるようにしてほしいという希望があれば、そうさせたいと私どもは思いますが、この點をどう考えるか、お聽きしたいと思います。
○江下説明員 就職したら、必ず轉入させることにしたらどうかというように聽きましたが、それでは結局いかなる職業の者も全部轉入を認めかという問題になりますので、そうなると、やはり私どもとしては、全體の都市の食生活、住宅生活、そういうものから判定いたしまして、やはりそこに一定の線を引かなくてはならないのではないかと思います。たとえば、實際に國民生活を再興するに全然役立たないような職があるとして、そういうものに就職する場合には、やはり轉入を抑制した方がよいのではないかと思います。
○今村(忠)委員 實際必要でありや否やの職業ということになるのですが、現實に職業を求めている者があり、一方にある程度人を雇入れてやつていこうという者があつて、就職というものは決定していくのであります。ところが、實際問題としてかような轉入抑制法が今度あらためて法律になると、現在いろいろの點でやみの取締りが強化されているように、このやみ轉入の阻止ということが強化されれば、先ほど申す通り必ず犯罪者をつくると私は思う。一方において人が必要であり、一方で職を求めて、職がきまつてはいつてくるということであれば、かりにこられの法律ができたといたしましても、結局やみ轉入が行われると思うのです。そこで私は現在やみ轉入が行われている數字を求めたのです。あなたが就職を斡旋する立場に立つているとするなら、これらの現實をはつきりとにらみ合わせて、職業安定ということを考えられなければ、目の先だけに出た者だけを――簡單な言葉でいえば、職を求める人がどんなに地方にたくさんあつたつて、都會にはいつてこれないような法律をつくつておいて、職を求める數を減じておいて、ごくわずかな者だけを入れておるというような、自分の方に世話のないことをしておれば樂だというような立場から考えれば、かようなものができた方がよいかもしれないけれども、ほんとうに國民が職がなくて飢えているのだ。こと人たちを救つてやらなければならぬのだという信念に立つてこれを見たときに、私はかような轉入抑制法ができては、職を求める人に職を與えることが困難になつてくるのではないかと一應考えるのであります。從つて私はしつこいくらいまでに聽いておる。實際あなたがその職に忠實にして、國民に職を與えて、安定させることが大きな仕事だと考えるなら、私はここでかような抑制法をこしらえるよりは、少くとも職業の決定した者だけは入れてやることを法律的にも認めてやる。そうでなくて、法律で認めなくても、やみ轉入になると私は思うのです。それくらいなら、法律で認めてやるということは、あなたの職掌柄、それくらいの熱心さがあつてもいいと思う。でありますから、その御意思があるなら、われわれはこの條項は訂正したいと思つておる。少くとも私は訂正したいと思つておる。だから、私は實際の衝にあたられるあなたの率直な意見を聽きたい。ところが、かようなものができても今日と變りはないから、まあ大體この程度でよろしいという、まことに熱のない言葉で、物足らぬのでありますが、これだけ申し上げて、あなたが實際經驗の上から、實はここは訂正しておいてもらつた方がいいのだという御意見があるなら、もう一度最後にお聽かせ願いたいと思います。
○江下説明員 實は現在これによつて行われております轉入抑制の詳細を、私まだ承知しておりませんので、今の御質問のような點について、あまり掘下げて確答できないのは殘念でありますが、私の承知いたします範圍では、現在程度の抑制で、そういうごく大事な就職者については支障はないと聞いておりますので、ただいま申し上げましたように御答辯いたしたわけであります。先ほど申し上げましたように、結局健全なる職業でありますれば、大體このわく内で處理できるのではないかと、私は考えております。
○今村(忠)委員 どうも滿足する囘答が得られませんから、こういうことを要求しておきたいと思います。求職者數の都市におけるものと地方におけるものとの割合、次に非合法に轉入しておる者の數、これは配給等と勘案すればわかると思います。それから第三番目には、第二條第一項の職業安定所の關係といいますか、つまり就職斡旋に携わる官廰側の人たちがどう考えておるか。これを寛大にしてもらつたら、今やつと就職が決定した者でも入れてもらうことによつて、非常に多數の人が救えるのだが、從來かようなものがあるので困るというような、所内の人の意見をまとめて、次の機會に御報告していただきたい。私は現實の社會實相を見るとき、よほどそういうものがあるのでありまして、この際法律をつくるにあたつて、われわれはそこの點を十分檢討して、こんなものができたつて、やみ轉入があるのだというようにきめてかからずに、最も實行しやすいところからやつていかなければ、法律をつくつた意義がないと思います。どうも從來の日本では、法律はつくつておいても、ある程度のやみは避けられないというのが常態のように思う。しかしそういうようなことは、この新しい國會からは何とか是正していきたいというのが、私の考えなのであります。どうかこの點をくんで、今申し上げた三點について詳しく調査すると同時に、各方面とも相談の上、信念をもつて、はつきりした答辯をいただきたいと思います。
○守田委員 この都會轉入抑制緊急措置令を改正する法律案なるものは、私の見解に從いますれば、憲法の條章によりまして、その第二十二條の「何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移轉及び職業選擇の自由を有する」というこの條項に反するのであります。從いまして憲法違反であると考えます。特に地方におりますものが、職業あるいは生活を求めて轉入しようとしております。それをこの法律によつて拒否いたします。そういたしますと、これを拒まれた者は、その地方におきまして職業がないのであります。また生活の途がないのであります。その場合に、これらのものの多くは、私の實際に見ておりますところでは、全國をまたにかけてやみをやつておる。またはこれらのものが犯罪に追いやられるということになつておりますが、これに對して、國としては生活、職業を保障するという途が講じられておりますが、その點をお聽きしたいのであります。
○江下説明員 現在、先ほども申し上げましたように、生産の振興が思うようにまいりませんために、どうしても就職の機會と人口というものがアンバランスになつております。國民の各自が十分自分の思うところに就職をしようと思いましても、そうできないというのが實際であろうと思います。しかしながら、もちろんこれをこのまま放置することはできませんので、政府といたしましては、あらゆる手を打つて、できるだけ就職させるように努力をしなければならないと思つております。前に申し上げましたように、職業安定法、失業保險法、失業手當法、あるいは公共事業の運用と相まちまして、できるだけ多くの人に、できるだけ多くの就職の機會を與えるように努力をしておりますが、しかしながらなんといいましても、現在の生産の状況では、國民全部が十分希望するだけの職に就くということは困難であろうと思います。しかしなから私どもといたしましては、これに見切りをつけませんで、將來の計畫を立てながら、除々にその方向に近づくように進んでおります。今後だんだんこういう方面につきましても、一定の目標をきめまして、進んでいくようにしております。現在まだ十分そこまで行つていないことも守田委員のおつしやる通りでございます。
○守田委員 私のお聽きしたいことはそんな答辯じやない。片方においては生活を拒否し、居住を拒否するという、憲法の人民の自由を蹂躙しておいて、そうして片方ではそれに對する生活の保障も職業の保障もやらないということをするならば、この法律をつくらない方がいい。けさも申しましたが、われわれは職業のある所へ居住する權利がある、また生活の高い方面へわれわれの足が向いていくというのが、われわれ人間としての生存權の當然の姿だと考えております。それをこの法律で抑えておいて、片方ではその生活も職業も保障しないというのでは、これは實に人民の自由を蹂躙したる法律であるということになる。それをしなけけばいけないと思うのですが、それはないのですか。結論を聽けばいいのです。なければないで、この法律を撤囘してもらつたらいいのですが、この點はつきり居住を拒否された場合に、生活を保障してもらわなければいかぬと思います。
○江下説明員 現在憲法で職業選擇の自由は認められております。しかしながらこれも公共の福祉に副う限りということでなくてはならぬだろうと思います。この都市轉入抑制という、もう少し別の面から見ました大きな公共的な面からは、やはりその自由も制限せられることはやむを得ないのでないかと私どもは考えております。それではその外におる、轉入できない人の就職についてはどう考えるかというお話でございますが、これにつきましては、もちろんわれわれといたしまして、できるだけ就職の途を探すようにいたしまして、とにかくできる限りの努力をして職を與んていくという以外には方法はないと思います。
○守田委員 これ以上聽いてもむだでありますから、私の質問はこれで打切ります。
○荒木委員長 細野三千雄君。
○細野委員 私は内容の質問をします前に、二つのことをまず伺つておきたいと思うのであります。この法律の附則の第三項に、「建設院設置の一部を次のように改正する。」という條項があります。この中にあります建設院設置法というのは一體どういう法律でありますか。こういう法律はまだありません。これはおそらく近く出されるであろう内務省解體に伴う建設院の法律だと思う。そうしますならば、この法律の中の一部を改正するのならば維さきに出る法律であとから出る法律の改正をする規定をするというのはどういうわけか。これはどうしても建設院設置法がさきに出るか、もしくはこれと同時に出なければならぬ。この法律にこういう條文があります限り、この法律の審議を進めることはできぬと思います。この點をまず第一點としてお伺いいたします。
 第二點といたしましては、いろいろ違憲論などが出てくるのでありますが、私どもこの法案に對する意見を決定するについて、一體この法律が出ますについて、關係筋において何らかの意向があるのかどうか。この點、もしお差支えがあれば秘密會でも、速記を止めてでも伺つておきたい。まずこの二點をお伺いいたします。
○岩沢政府委員 お答え申し上げます。第一點につきましては、仰せの通り現在の段階におきましては、轉入抑制法案の附則の建凍院設置法というもは、事實まだ國會にも出ていないのでありまして、非常に政府としては過ちを犯したのであります。從いましてこの點については昨日委員長から懇々の御注意がありまして、法制局方面とも連絡をとつたのでありますが、法制局といたしましても、やはり建設院設置法案が抑制法案より大分早く出て、この法案が出るときは建設院の法案が成立しているというような見透しのもとにこの法案をやつたのであります。ところが建設院の設置法案については、未だにまだ關係筋との折衝が終らずに、渾沌たる状態であるために、逐に遅れて、結局さきのからすがあとになるというような状態になつておるので、何とも相濟まぬ結果で、非常に政府としてもことに不手際なことを暴露したような状態でありますが、どうかこの點は、昨日法制局とも相談いたしました結果、法制局の方としてはこの建設院設置法の一部云々という問題については、これを國會の方で修正をしてもらいたいということの申出があつたのでありますがその點その通りにお運びを願いたいと思います。
 それから第二點の從來政令であつたものを法律になぜしたかという點につきましては、午前中ちよつとその大體の説明をいたしたのでありますが、やはりわれわれといたしましても、こういう多少憲法の上に疑いをはさむような事柄を、法律として出すことはどうかとう考えもありまして、またやはりポツダム宣言の受諾に伴う政令で、ほんとうに緊急を要する事務的な措置を講じたいという考えをもつたのでありますが、やはり日本の國に關係したものは、日本國の法律によつてこれをやればいいということで、この法律という方法をとつてここに提出したような次第であります。
○細野委員 了承いたしました。
 それでは内容につきましてまず第一にお尋ねしたいのでありますが、この法律は都會地へ轉入しようというものを消極的に抑制しようという法律であります。第一條に「人口の過度の集中に因る窮迫した」云々とここにありまする、この人口の過度であるかないかということを決定しまするにつきましては、この法律を出しますのは、これはもちろん一箇年限りのもので、事務的なものでありまするが、しかしこの背後には積極的な日本の人口の配置計畫、人口の適正配置ということについての、何らかの計畫がなくては、人口の過度であるかないかというふうなことすらも決定できないと思う。政府においては國土計畫的な、何か人口配分の計畫があるかどうか。あればその内容をお伺いしたいと思うのであります。
○岩沢政府委員 この抑制案については、先ほども申し上げました通りに、戰災を受けた後の都市の窮迫せる實情に直面して、これを混亂より救う意味において抑制というものが始められたのでありますけれども、一面におきまして、われわれが擔當しておる國土計畫なり、あるいは地方計畫の見地から申しますと、從來からとかく人口が都市に集中するという傾向が多分にありますから、この機會において、やはり人口を適正配分するということも一つのねらいであつたのであります。これは主目的ではありませんけれども、大體第二義的においてこういうことができれば、將來の人口配分の上に非常な效果をもたらすということを念願しておつたのであります。しからば都市に對して人口配分をどういうふうにしてやるか。その計畫はありやなしやというお尋ねでありますが、大體國土局といたしましては、すでに京濱地區とか、あるいはまた阪神地區、また北九州地區につきましては、大體の見透しの配分計畫はいたし、また都市と農村における人口の配分というようなものは、すべての産業經濟とにらみ合わして、一應の結論はできておるのでありますけれども、しかしながら現在における日本の國情というものが、刻々に産業なり經濟状態が變つて、今われわれがもつておる配分計畫というものが、はたして適正であるか否やということに非常な疑問をもつておるので、今ここで改めて皆様に御報告するだけの確信をもち得ないことは、非常に遺憾としております。
○細野委員 次にこの抑制法律によりまして、必須の業務でないと認定された者の家族、こういうものが現在主人は都會に住みその家族は別のところに住んで、二重生活をしておるという實情の者が相當たくさんありますが、この二重生活の困窮ということについては、しばしば問題になつておるのであります。この法律を今後法律として續けていきますためには、二重生活による生活の困窮ということについて、何らかの對策が併せて行われなければならぬと思うが、これに對して政府はどういうふうな考えをもつておられるか伺いたい。
○岩沢政府委員 今お尋ねの點につきましては、私どもも同感でございます。今後この法令ができました曉においては、この二重生活を避けて、そうして家族の生活し得るような轉入の方法を進めていきたいと考えております。
○細野委員 別表に掲げられました都市が一應抑制されるのでありますが、そうするとこれらの別表に掲げた都市にはある程度人口の集中が抑制されましようが、周邊の都市、たとえば東京の場合ならば、浦和とか大宮とか、八王子というようなところに、かえつて人口が集中するという弊害が起るのじやないか、この點についてはどういう考えでありますか。
○岩沢政府委員 たとえば東京、京濱地區に人口の轉入を抑制すれば、八王子、立川、その他の周邊の都市に多少なりとも人口が集中する。すなわち特に人口の集中する度合いというものは、交通いかんよつてその程度がきまるであろうと思います。從いまして集中した都市に對しては、從來よりも一層住宅あるいは食糧の負擔の加重というものが集中してくるであろうと思います。しかしながら、將來のことを考えれば、大都市に集中する人口を相當抑制して、そうしてこのいわゆる衞星都市の發達ということを考えますと、かえつてその方が日本の國土計畫なり、あるいは地方計畫の見地から見れば、衞星都市の發達をさした方が非常にいいのじやないかというふうにわれわれは考えております。
○細野委員 なお必須の業務ということについては、さつき勞働省の方のお答えがありましたが、この際内務省の方の考えを承りたいと思います。
○岩沢政府委員 この第二條の第一項にあります必須の業務ということを、どう取扱うかという措置については、これは措置令の場合において、内務省から各縣に通牒を出しておるのであります。この通牒の内容は、先般ちよつと今村委員の質問に答える際において、一應御説明をしたのでありますが、今細野さんからお話がありましたから、一應從來までとつておる必須の業務の内容について御説明申し上げます。
 第一は國民生活の再建に關する業務、これは漠然としておりますけれども、國民の經濟生活の再建とか、戰災復興の業務を呼稱するものでありまして、その業種は非常に廣汎であつて、全國畫一に限定することは困難でありますから、各都市ごとに基準を立てて、これによつて判定していく。從つて國民生活の再建に關する業務というものは、各都市それぞれの状況に應じて取捨改擇するというような、非常に幅の廣い形をとつております。それから國民生活の再建に關する業務の中で、大體われわれが通牒で指示しておるものは、第一は工業、すなわちその都市の復興業務に關連する工業、その工業の中におきましては、生活必需物資の生産に從事する者とか、あるいは輸出品の生産に從事する者、それから生産業材材の生産に從事する者、それから都市復興用資材の生産に從事する者、あるいは復興事業に從事する技能者及び勞務者、それから電氣、ガス、水道、交通、運輸、通信等の業務に從事する者、こういうことが一應例示しておりますけれども、これももちろん先ほど申し上げましたように、その都市都市の性格なりあるいは状態によつて多少の違いがありますから、これは適當の基準をそれ以外に立てておるのであります。また、工場の從事者とかあるいは勞務者の雇入れにつきましては、都道府縣の勤勞署とも連絡をとりまして、その工場なりあるいは事業の今の生産の規模とかあるいは手持資材なんかをにらみ合わせて適當な勞務者に限定し、それ以上の過剰な勞務者は轉入を抑制するというような方針をとつてきておるのであります。それで、もし現在における工場の状態が、生産に比べて非常に勞務者が多いというような場合には、こちらからかえつて地域外に轉出を要望しておるような状態でございます。それから第二が商業、これは個人企業でありますが、商業につきましては、關係各方面との協議の上、地域内における商業人口、それから業種別商業の飽和點というごときものを考えて、都市ごとに轉入を許容すべきものの基準を樹立することといたしまして、殊に確實な店舗を有しない者は、原則としてこれを抑制するという方針でいつておりますから、結局これもやはり都市ごとに各都市の状況に應じて、この地域においては、工業地域はどのくらいで、どのくらいの人口、またこの方面は商業地域で、大體飽和人口は何人くらい、また、住宅の地域はこのくらいで、住宅が何ぼ、合わせてこの都市としては總計何人くらいの都市に將來なるというような目安をきめてやつておりますから、各都市において性格が違うし、またいろいろな條件が違いますから、おのずからその邊の取捨なり、あるいは轉入の際における條件というものは、多少寛に流れ、あるいは竣嚴になるということは免れないと思います。それから第三が自由業として、醫者その他醫療關係業者についても、都市ごとに一定の飽和點というものがあると思われますので、醫師會とかその他と十分協議の上に轉入許容の限度を定めるように指示をしておるのであります。それから、自由業のうちで、銀行とかあるいは會社員その他文化事業に從事する者等についても、やはり都市ごとに基準を立てまして、その立てた基準によつて判定して、そうして日常生活に缺くべからざるところの業種に從事する者は、確實なるものについては轉入について考慮する。以上申し上げたような範圍において一應は從來はとつておるのでありますけれども、なお實際體驗をせられておるところの各方面の御意見がありますれば、これを織込んで、そうして將來の轉入抑制の必須の業務ということについては、なお個別的にこれを示して、各府縣に通牒して、實際の運用において過ちがなからんようにいたしたいと考えております。
○細野委員 大體私の質問は、すでに別の委員が質問されましたので、これで終りといたしますが、さつき今村さんの言われました、顔による轉入、やみの轉入、情實の轉入、區役所の窓口へ行つて少し顔のきく者は簡單にいくというような、こういう點の弊害につきましては、これを除去することにつきましては、これを除去することについて萬全の策を立てられるようにお願いしておきまして、私の質問は終ります。
○荒木委員長 村瀬及び足立委員に申し上げます。法制局長官の出席御要望でありますが、本日法制局長官はどうしても出席不可能でございますので、本日は御了承願いたいと思います。從つて殘餘の質問は次會に延期いたします。次會は明後十二月一日月曜日午前十時より開會いたします。
 本日はこれをもつて散會いたします。
    午後二時五十八分散會