第001回国会 鉱工業委員会 第39号
昭和二十二年十一月二十八日(金曜日)
    午後二時四分開議
 出席委員
   委員長 伊藤卯四郎君
   理事 大矢 省三君 理事 松本 七郎君
  理事 生悦住貞太郎君 理事 今村長太郎君
   理事 澁谷雄太郎君 理事 早川  崇君
      今澄  勇君    菊川 忠雄君
      金野 定吉君    庄  忠人君
      有田 二郎君    神田  博君
      深津玉一郎君    淵上房太郎君
      山口六郎次君    谷口 武雄君
 出席政府委員
        商工政務次官  冨吉 榮二君
        商工事務官   平井富三郎君
        商工事務官   椙杜正太郎君
        運輸政務次官  田中源三郎君
        運輸事務官   伊能繁次郎君
 委員外の出席者
        專門調査員   谷崎  明君
        專門調査員   保科 治朗君
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 配炭公團法の一部を改正する法律案(内閣提
 出)(第七〇號)
 配炭公團法の一部改正に關する請願(今澄勇君
 紹介)(第八五七號)
    ―――――――――――――
○伊藤委員長 これより會議を開きます。
 議事に入るに先だちまして、委員長といたしまして一言御挨拶を申し上げたいと思います。先般來から臨時石炭鑛業管理法案の審査中におきまして、委員長のはなはだ不慣れなために、委員各位に少からず御心配御迷惑をかけ、また議事進行等の上におきましても、とかく手落ちのあつたことを、はなはだ遺憾に存じております。以後大いに勉強いたしまして、委員會圓滿運營のために、委員長格段の注意と努力をいたしたいと思いますので、この點御了承をお願いいたしたいと思います。
○伊藤委員長 本日は配炭公團法の一部を改正する法律案を議題といたします。本案は十月一日に付託せられたのでありますが、御承知のような諸事情のために、審査が遅れておつたのでありますが、關係方面の意向もあること聞き及んでおりますので、できるだけ迅速に審査を終りたいと考えておるのであります。なお昨日理事會を開いて、本案の審査方針について打合せをいたしたのでありますが、各派とも御了承せられております。なお本案に關連する配炭公團法の一部改正に關する請願が付託せられております。審査の便宜上これを一括議題といたします。
 まず配炭公團法の一部を改正する法律案について政府の説明を求めます。冨吉政府委員。
○冨吉政府委員 今囘政府が配炭公團法の一部改正法案を提出いたしました理由は、從來配炭公團におきまして、石炭、コークス及び三千五百カロリー以上の亞炭を一手買取の上、重要産業に配當していましたが、燃料の需給状況は、依然として好轉しませんので、さらに配炭公團の取扱範圍を擴大する必要に迫られてきたためであります。そこで、三千五百カロリー以下の亞炭、石炭の半成コークス及び亞炭コークスを新たに配炭公團の取扱品目に加え、政府指導のもとに配炭公團に一手買取及び配給を行わせることにいたしたいと考えて居ります。すなわち、亞炭におきましては、供給量を増加するために、全亞炭を配炭公團で取扱うこととし、泥炭、これにはいわゆる草炭も含みますが、この泥炭と主務大臣の指定する交通の不便な小炭鑛の亞炭を除外することといたしまして、八月一日より實施しておりますが、これにより月額約二萬トンの亞炭を新たに配給統制面に乗せることができました。これに歩調を合わせて、配炭公團法の一部を改正する必要がある譯であります。亞炭コークスは、新たに統制するわけでありますが、現在のところ月額四千トンないし五千トン程度の生産で、あまり期待はできませんが、生産能力は、現在九千六百トン程度でありますから、配炭公團の取扱いにするとともに、大いに増産をはかりまして、家庭用、自動車用の燃料の緩和をはかりたいと考へている次第であります。石炭、半成コークスは、現在のところ製造量は微々たるものでありますが、將來製造量の増産とともに、當然この配當について政府が干與せねばなりませんので、今囘配炭公團の取扱品目に加えたわけであります。
 以上の理由によりまして、配炭公團法第一條及び別表第一をお手もとに配付いたしまして改正案のごとく改正いたそうとするわけでありますから、御審議の上御協贊をお願いする次第であります。
    ―――――――――――――
○伊藤委員長 次に配炭公團法の一部改正に關する請願、今澄勇君紹介、文書表第八五七號。これについて紹介議員の説明を求めます。
○今澄委員 それでは、この請願の趣旨は、要するに宇部興産株式會社、宇部窒素工場の半成コークスを、本法案等一條第一項「半成コークス」の適用から除外していただきたいということにつきるのであります。宇部興産の半成コークスは、硫安製造のために割當てられた石炭から硫安を製造する際の副産物としてできるものでありまして、現在市場に出ている量は、僅々一箇月一千トンないし二千トンにすぎず、將來も増加の見込みはありません。しかもこれらの市敗半成コークスは、すべて煉炭や豆炭の原料として、特約店がそれぞれ地方官廳の指示によつて、五トン、十トンというような小量づつ煉炭や豆炭の製造者へ官廳の許可を受けた價格で配給しておるのであります。すなわち特約店は、いわば單なる輸送機關にすぎないのでありまして、本法によつて、この特約店を排除して公團扱いとすることは、實情に即應しないのみならず、積込み、貯藏施設の關係上、工場の操業に支障を來し、また一方製品のふるいわけを怠るため、製品の利用價値が減退する心配もありますので、かたがた宇部窒素の半成コークスは、本法の適用から除外していただきたいのが本請願の要旨であります。
○伊藤委員長 政府のこれに對する所見を伺います。
○平井(富)政府委員 半成コークスの點につきまして、現在これを配炭公團の統制に入れるということにつきましては、單に半成コークスが輸入されるというだけでございませんで、今後家庭燃料といたしまして、特に低品位炭が一定の率をもつて、やはり今後統制されてまいりますので、これらを利用して、家庭用燃料たる半成コークスの製造量が逐次今後増加していくという状況でございます。これを統制いたすということが必要になりましたために、入れたわけであります。しかしなから、現在石炭、コークスにつきましては、從來直賣という機構によつて行つておりますがために、家庭用燃料等の配給につきまして、いわゆる配炭公團が末端までの配給を負擔していくということは、事實上も無理でありますし、私どもといたしましても、これらの家庭燃料の配給につきましては、十分その取扱業者を活用してまいりたいというふうに考えておる次第であります。特にこの宇部窒素の點につきましては、大部分が自家用の肥料製造用に使われておるのでありまして、その一部が煉炭、豆炭等の家庭燃料の製造のための原材料、燃料としまして配給されておるというような状況でございまして、これを配炭公團が全部直賣いたすということは、現在考えておらない次第でありまして、現在使つております取扱業者というものを、十分活用してまいりたいと考えておる次第であります。
○伊藤委員長 それではこれより質疑に移ります。山口六郎君。
○山口(六)委員 第一にお伺いしてみたいと思いますのは、配炭公團法案を可決いたします際に、いろいろ議論もございまして、それが適切な運用を期するために、運營委員會を設けてやれ、政府におきましても、この附帶決議に對しましては、十分了承しておつたはずだと思うのでありますが、未だにその運營を見ないようでありますので、その點を承つてみたいと思うのであります。
○冨吉政府委員 配炭公團法が六月御協贊を得まして、そのときの附帶決議に、ただいまお述べの通りの運營委員會設置の條件がつけられたことは、了承いたしておるのでございまして、商工省といたしましても、それに關して諸般の準備を進めてまいりましたが、すでにその人選等につきましても進捗いたしまして、大體役所側の方といたしましては、民間委員の方もまとまつておるのでございます。大體今人選いたしておる方々についても、御了解ができるものだと考えておりますので、一兩日中に發足を見ることと考えておりまして、議會の附帶決議に對して、十分その御趣旨に副うように努力をいたしておることを、御了承願いたいと思います。
○山口(六)委員 配炭公團は、當初この法案の出まする當時におきまして、一定の期間をもつて實施されたやに記憶しておるのでありますが、大體現在の運營状況から見まして、配炭公團の存在する期間とでも申しましようか、それはどういうお見透しでありましようか。
○椙杜政府委員 配炭公團の期間は、議會で御協贊を願いました法案にもございますように、來年の四月、または經濟安定本部の存續期間、こういうことに現在なつております。
○山口(六)委員 來年の四月と言いますと、もう目前のようでありますし、經濟安定本部の存續期間と申しますと、漠として期間の想定もつかぬようでありますが、こうしたことは、事將來に關しますので、明確なお見透し等を承りますことは、御迷惑かと思いますが、一應のお見透しか何かございましようか。
○冨吉政府委員 明確に期間を申し上げることは差控えたいが、これはなかなか私どもには見透しつきませんのでございますが、大體現在のところは、安定本部の存續期間といたしましても、關係方面との折衝もございまするし、あるいは四月までよりも、さらに延びるのでないかというこの邊の見當はつけておるのでございます。さよう御了承願います。
○山口(六)委員 配炭公團におきまして、石炭の方は從來日本石炭等がありまして、こうした機關を接收しておりまするので、豊富な經驗等によりまして、圓滑にいつておると思うのでありますが、輸送の面におきましては、必ずしも十分でないという聲をしばしば聞くのでありますが、その點はどんな事情になつておりますか。
○椙杜政府委員 山口委員のお話は、石炭の輸送のように聽きましたのですが、石炭の輸送につきましても、御存じのように、石炭は基礎物資でございますので、輸送上の順位も、重點的にいたすことになつておりまして、他の物資に優先いたして輸送されることになつております。ただお話にありましたように、先般の兩囘の水害がありましたので、輸送の面におきましては、優先的に扱われておりますが、必ずしも十分にいつていないということはございますが、大體石炭の輸送は、他の物資に優先いたすことになつております。
○山口(六)委員 火災に關しまして、配炭公團で配炭が扱われるようになりまして、當時公團の發足前の四月から七月までは、鐵道の輸送計畫に對しまして、ほとんど九〇%から百%の實績を完全にあげておつたのでありますが、發足後の八月、九月になりましては、これが五四%ないし六二%というように、非常に激減しておるのであります。こうした現象を呈しまして、いずれも生産地の炭鑛におきましては、貯炭が非常に厖大になつておる。かような結果になつておるのでありまして、かような状態がもし將來繼續されるとするならば、政府におきまして、非常に生産に對して骨を折り、聲を大にしてまいつたにもかかわらず、かような状態をもつていたしますと、當然生産制限をしなければならぬというような事態も考えられねばならぬと思うのでありますが、かような時期に當面いたしまして、さらに亞炭コークスを公團で扱うようにしますというと、さらにここにまた別途の輸送對策等も考えねばならぬと思うのでありますが、それに對する御用意はどんなものでありましようか。
○椙杜政府委員 亞炭の輸送に關してのお話でございますが、お話のように、八月に公團扱いになりまして、計畫に對する輸送の實績が下つておることは事實であります。これにつきましては、公團扱いになりまして、できるだけ輸送を確保するように、運輸省その他關係方面にも連絡をして努力はいたしておりまして、わくといたしましては、統制になる前の本年の春くらいは、十二、三萬トンのわくでありますが、八月になつて統制物資となりましたので、十九萬四、五千トン、約二十萬トン前後の輸送のわくをとつて、輸送の順位は上つておりますが、實績は必ずしもそういうふうにいつてないのが事實であります。これにつきましては、山口委員御存知のように、殊に東北が多いのでありまして以後、水害もございましたし、關係方面の緊急工事も始まりましたような關係もありまして、特に東北がひどいような事情になつております。これの打開については、運輸省その他の關係方面に十分連絡をいたしまして、需要者の面としましては、亞炭を石炭と合せて、燃料として非常に欲しておりますので、十分連絡をいたしておりますが、特に東北につきましては、貨車が非常に不定をいたしておりますので、十月以降亞炭專屬の亞炭列車を出して、亞炭の増送をはかりますと同時に、鹽釜から京濱向けの海上輸送も計畫をいたしておりまして、これも實施に移すことになつております。お話のありましたように、運輸に關しましては、できるだけの措置を講じてまいる必要があると思つております。なおコークスの輸送のお話もございましたが、コークスは現在いわゆる統制物資でございませんので、輸送のわくにも明確には載つておりませんので、貨車が非常にとりにくいという事情もございますから、公團扱いになりますと同時に、亞炭とともに輸送のわくにも明確に載せまして、そのきまつた輸送のわくだけは、できるだけ確保して輸送するということに、十分ひとつ努力してまいりたいと存じております。
○山口(六)委員 配炭公團に亞炭が過般から入つたのでありますが、自由の時代におきましては、ほとんど百パーセントの輸送が完全にできておつたのでありますが、配炭公團が發足後の八月、九月になりましてからは、ほとんど半減したというような状態になつておるのであります。これはこうした配炭公團の使命からいたしますれば、むしろ配炭公團ができた後におきまして、さらに輸送が増強したというのが當然であろうと思うのでありますが、政府におきましては、何がゆえに公團ができてから減つてしまつたのか、及びこれに對する對策等につきまして、一應承りたい、かように思うのであります。
○田中(源)政府委員 配炭公團ができたならば、輸送面においてさらに増強すべき筋合ではないかと思うのに、かえつて減炭をしている、こういうような意味の御質疑と承つたのでありますが、石炭の輸送につきましては、要請量に對して百パーセントの配車をいたしているようなわけであります。さらに冬期に對しましては、陸上輸送を海上轉移にいたしますとともに、その轉移に要するところの港灣施設、及び港灣荷役増強を強化すべきところの方針を立てまして、九州地方におきます冬期に對する部面には、ことさらに留意いたしまして、今日の状況におきましては、前月十七萬五千トンほど海上轉移の増加をいたしているようなわけであります。すなわち十月十五萬トン、十一月以降二十萬トンを陸送を海上轉移いたしまして、やや成績の見るべき状況にあると思うのであります。右ようの觀點から、石炭に對しましては、陸上配車竝びに海上の配船につきましても、格段の留意をいたしまして、まず輸送面におきましては、要請量に對しておこたえをいたしておるつもりでおります。
 次に亞炭の面につきましては、なるほど御指摘のように、輸送面において、あるいは從來より落ちているような點があるかもしれません。御承知のごとく、亞炭の輸送の障害になりました理由は、先般來の水害によるところの道路、橋梁等の破壞等によりまして、輸送力が落ちたという點が一つであります。なおその後におきまして、宮城、福島、岩手及び岐阜等が、亞炭の主産地でありますが、その亞炭生産地方におきますところの水害によります各線の復舊状況、及び古間木等における進駐軍の輸送關係等によりまして、仙鐵局管内におけるところの配車が、御指摘のごとくにやや不十分であつた、かような點から見まして、できるだけ車輌の修復をはかりまして、あるいは機關車の修理等を急ぎまして、亞炭の輸送増強等につきましても、滯貨を一掃すべく、手配を目下いたしているようなわけであります。さらに亞炭地方における小運送面でございますが、岐阜方面におきましては、鐵道車輌を相當數拂下げをいたしまして、私鐵との連絡をもちまして、これを輸送いたすべく、手配を名鐵管内にも命じて、すでに四、五十輌の貨車は、専用貨車として、關係の私鐵、名鐵の方に拂下げているような實態でございます。なお今後におきましても、車輌の拂下げをいたしまして、専用亞炭の配車に振向ける方法をとりますとともに、小運送方面における自動車の方は、その最も必要なチューブ、タイヤの生産の状況が不十分でございましたので、關係各省と連絡をいたしまして、原料ゴムの確保をいたしますとともに、生産にできる限りの御援助をいたしました結果、今日やや生産が上まわつているようなわけでありまして、新車竝びに進駐軍の拂下げ車輌及びその他一般營業の車輌に對しても、タイヤ、チューブの配給を増強いたしますとともに、亞炭輸送面におきまして、十分にこれをいたすように、手配をいたしたようなわけでございます。今後におきましては、現行状況よりも、輸送量が漸次増加いたしてくるだろうと思うのであります。御指摘のごとくに、岐阜地方におきましては、先ほど申したように、滯貨によつて、貯炭場がなくて、今後採炭ができないというような實情があるという陳情を受けましたので、私まいりまして實地を見まして、これらを打開すべく手配をいたしておるような次第でありますから、漸次輸送面における從來のでこぼこは是正されてまいりまして、輸送力が囘復いたしてくるであろうと、今日信じているようなわけであります。右様御了承願いたいと思います。
○山口(六)委員 さらに運輸次官にお伺いいたしますが、巷間傳えるところによりますと、來月あたりから、客車も、貨車の場合においても、石炭の關係をもちまして、非常に減車せられるということが傳えられているのでありますが、大體現在のお見越しでは、どの程度まで運輸できるものであるか、承りたいと思います。
○田中(源)政府委員 冬期にまいりますと、機關車の熱量上昇のために、所要炭が多くなります。また從業員等の關係等も多少所要炭が多くなります。大體において、今後冬期三箇月間において、最低量二百萬トンを確保いたしたいと考えているのであります。しかしながら、目下の石炭事情におきまして、過般來經濟安定本部におきましては、十二萬五千トンの石炭量に對する配炭減のうち、運輸省割當をそのうち九萬トンの減炭をするというようなお話を承りましたので、鋭意商工、安定本部との交渉の結果、最低量の輸送力を確保する配炭量を得たいというので交渉している次第であります。本月における配炭量から考えまして、本月、十二月は現行通りやつていきたいと考えているのであります。私どもといたしましては、目下冬期を控えまして、國民生活上の薪炭、竝びに今日の滯貨を一掃する上からは、この上とも配車を減ずることは、客車竝びに貨車においてもなし得られないことでありまして、いかにしても現行走行キロだけは確保いたしたいと考えまして、目下關係當局と交渉中であります。本月竝びに十二月には減車しない、走行キロを減すことをしないつもりで、手持貯炭を食いましてもやつていきたい、かように考えておりますが、冬期三箇月間における見透しにつきましては、一に現行割當量を維持していただきますならば、切ることはなしにすむと思います。しかしさらに配炭量を減量せしめられるということに相なりますれば、遺憾ながら一定量の走行キロは落していかなければならぬ、かような實態に落ちこむのじやなかろうかと想像いたしておりますので、なるべく今日の情勢から考えて、走行キロを減さない方針で進みたい考えで、目下さらに交渉を續けているようなわけであります。
○山口(六)委員 主食、肥料、石炭、亞炭等は、その輸送順位におきまして、きわめて優位におかれて、しかも政府におきまして、從來非常な努力をされたことは、一應了承できるのでありますが、十月ごろの輸送實績を調査いたしますと、そうした優位にあるべき重要物資よりも、むしろりんごであるとか、かきであるとかいうものが、一躍第一位にあつて、輸送順位の從來一位、二位といつた優位におかれたものが、十何位かに低下しているということになつておるやに承つているのでありますが、こうした結果は、どういうところから生れてくるのか、及びこれに對する善處對策に對しまして、一應承りたいと思います。
○田中(源)政府委員 大體輸送の計畫を立てまする場合におきましては、三十七重要品目に對しまして、各關係當局と、その要請輸送量に對しまして打合わせて、輸送基準を決定いたしまして、この面に向つては、格段の支障を生じない限り、天災その他の支障の生じない限り、その輸送力を確守いたしてきているような次第であります。從つて主食竝びに石炭等におきましては、從來の要請量等を見まする場合に、十月、十一月におきましても、相當の要請量に對しましては、大體に百パーセントの輸送をいたしているつもりであります。亞炭に對しましては、先ほど申しましたように、十一月の計畫量に對しては、要請量に對する約七四%の割合をもつて十一月はいたしているようなわけでございます。さらに冬期燃料對策の上から、できるだけの配車及び小運送方面に努力をいたしまして、要請量にこたうべくいたしているようなわけでございますが、この上とも輸送力を増強せよということでございまするならば、他面他の要請物資の輸送量を減殺するよりほかに途はないのでございます。すなわち大體において要請量に對しまして、打合せをいたしましたその量以上の輸送をいたそうといいますならば、他の物資を減らすよりほかに途はないと思うのであります。しかしながら、亞炭の輸送につきましては、特に格段の留意をいたしておりまするので、たまたまりんごとか、その他の物資が幾分ともここに強増されまして、幾分とも配車されたというような現象を生じましても、それは要請量に對するパーセンテージを割るような意味において、そういうものは生じてきておらないのであります。さらにりんご等の青果物に對しましては、輸送積止めを今日いたしまして、もつぱら主食糧竝びに必要重要資材のみの輸送に、重點的に配車をいたしているという状態でございます。
○山口(六)委員 一應ごもつともなようにも拜聽できるのでありますが、何にいたしましても、こうした寒さに向いまして、都市においてはもちろん、殊に東京近郊の水害地におきましては、燃料に關する限り、非常な窮屈であることは、たれもが明瞭に辨えている事實であります。しかも生産地には、こうした非常な滯貨があるというような現状でありまして、この輸送問題は、ただに燃料の場合のみではありませんで、今日日本が再建の關頭に立ちまして、しかもこうした細長い領土におきまして、それぞれ生産を異にしている物資で各地に散在するのでありまして、そうしたあり方からいたしまして、こうした物資の交流、また多くの人々の交通が當然行われるのでありまして、從つて日本の再建のためには、ある場合におきましては、二、三最重要の物資等の生産に、非常な努力をされることもちろん必要でありますけれども、それに竝行いたしまして、あるいはむしろそうした政策に輸送というものがある場合においては優位を保つべきではないかと思う。そうした面におきまして、こうした問題は何といつても興味というか、感じが薄いものでありますから、政府においても、ややもするとないがしろにするのきらいなしとしないと思うのでありますが、少くともこうした再建日本の關頭に立つて、物資の各地の生産の少い事實と、しかも一面においては、ある地方においては、そうした物資が堆積しておる。こうした現實の面に立つて、輸送問題は、どうしても從來の政府のやり方をさらに百八十度考えを轉換いたしまして、むしろこうした重點生産よりも優位に置いた輸送政策があつてしかるべきだと思う。こうした問題は、どうぞ委員長におかれましても、運輸省、商工省、農林省、そうした首腦部の御意見と合せて、總理の見解を適當の機會に質されまして、何らかの方法において、そうした強力な方針といいますか、政策のありやなしやにつきまして、御囘答をいただけば、非常に仕合わせであります。
○田中(源)政府委員 ただいま山口委員のお話のごとく、國家産業再建の面から考えまして、國民生活の上から考えまして、石炭、亞炭、薪炭をいうものは、重要な役割をもつておるわけであります。從つて政府はでき得る限り、これらの輸送面につきましては、食糧に次いで、もしくは同等の立場におきましての輸送量を考えておるのであります。毎月の輸送量の上におきましても、主食一〇〇%石炭一〇〇%の輸送をいたしておるのみならず、冬期の國民生活の上から考えまして、他の物資の輸送を一時停止いたしましても、今日薪炭の輸送については、最大の努力を拂い、またこれに對する配車をいたしておるような現實でございます。從つて刻下生業再建上におきますところの輸送の役割というものは、申すまでもなく重大でございまして、御指摘のごとくに、今後におきましても、重要産業資材に對する輸送を優先的に取扱つていくという政府の考え方は、變りはないのであります。しかしながら、ここで現在の日本の經濟力竝びにその他の物資面等を考慮いたしますときに、はたして政府が豫期しております通りの實際の成績をあげ得られるかどうかということを、一應考えてみなければならぬのであります。たとえば石炭の生産が減産をいたす場合においては、電力、輸送力、その他の工業の生産が逐次低下するということは、免れない實體でございます。何をおきましても、まず輸送力の確保におきましては、電源及び燃料の確保をいたしていく。次には鐵資材がこれに伴わなくては、一國の交通量を確保いたしていくということはでき得ないのでありまして、今後それらの燃料、電力、電源、あるいは鐵資材等において、あるいは輸送力の制約を見ることもあるかもしれませんが、御指摘のごとくに、國家産業再建の上におきましては、まず重點的に、それらの重要資材に對して、輸送力を第一においてやつていくということにつきましては、御同感であり、政府といたしましても、さような觀點からいたしておりますことを、特に御了承をお願いいたしたいのであります。
○山口(六)委員 輸送に關しましては、一應了承いたしました。
 亞炭コークスを公團におきまして、正式に取扱うようになります場合に、亞炭コークスに關しては、何といいましても、その原炭たる亞炭それ自體がいいか悪いかの幅がありすぎる關係もありますし、またそうした原炭を亞炭コークスとして精製いたします科學的技術の面におきましても、必ずしも十分と申せませんので、從つて亞炭コークスにおいても、その製品の良否の差別はかなり開きがあろうと思います從つてそうした亞炭コークスに對しまする一つの規格と申しましようか、そういう面において、當局はどういう措置をとられる御方針でありましようか。
○椙杜政府委員 亞炭コークスの規格についてのお話でございますが、お話にもありましたように、まだ亞炭コークスは、完成品とは言えないと思います。まだ技術的にいろいろ研究を要する點がございまして、從來のような土窯による方法もございますが、御存じのように、ドイツでやりましたように、プリツケツト・マシーンによりまして、初め粉未にしまして、それをプレスして乾溜するという方法もありまして、いろいろ研究、技術の改良を要する點が、十分あろうと思います。これについては公團扱いになりますと、公團がやる場合に、檢量なり、檢炭をするというのは、當然でございますが、それと同時に、亞炭コークスの生産の協同組合の設置を進めまして、その協同組合によつていろいろ技術指導なり、あるいは技術の交換なりをいたしまして、要するにいいものをつくるように努力いたしますとともに、協同組合においても、できれば自治的な檢査をもいたして、お話にありましたような品質の改善を、十分はかつてまいりたいと思います。と同時に、先ほど申し上げましたように、從來の方法と變りましたいわゆる機械的なプリツケツト・マシーン等による方法によりますと、均一なといいますか、規格のきまつたものができますので、そういう方法を、將來十分助成といいますか、進めてまいりたい、かように思つております。
○山口(六)委員 亞炭コークスの價格に關しましては、配炭公團で取扱います場合においては、相當な公團の手數料が想定できると思いますが、亞炭コークスの將來の用途が、家庭燃料として配給される方針であるか、あるいはまた自動車ないし工業用の燃料として用いられる方針であるか、この點によつて價格の面においてもおのずから見解が變つてもいるかと思うのであります。もし家庭配給の對象として、將來これが生産を奬勵するような場合がありとすれば、現在の千八百圓ベースの生活給を考えますときに、公團が取扱います場合に、高い家庭燃料としての配給を受けなければならぬことが、相當できると思いますが、大體公團の取扱手數料及び價格という點について、當局はどういう御見解をもつておいでになりましようか。
○椙杜政府委員 亞炭コークスを公團が取扱います場合の手數料竝びに價格に關してのお話でございますが、お話にもありましたように、現在亞炭コークスは、山元の販賣價格がきまつておりまして、あと消費地にもつてまいりますまでの運賃、その他實費計算という公定價格になつております。これについて、配炭公團扱いになりますと、若干の手數料が要るわけでございます。これの運營の方法といたしましては、できるだけ人件費その他を節約をいたしまして、御協贊を得ましたならば、配炭公團とも協議いたしてきめたいと思つておりますが、大體現在考えておりますのは、現在亞炭について一トン四十一圓の手數料を配炭公團がとつております。これは亞炭の消費地の販賣價格が、平均八百八十圓ぐらいでありますから、これに比べますと、約四%ぐらいの手數料になります。亞炭コークスについても、亞炭と同じような手數料でまいりたい。そうすると、亞炭コークスは、三千數百圓がその公定價格になつておりますから、販賣價格に比べますと、一%ぐらいになるわけでございます。要するに、できるだけ手數料は少くしていきたいということで、今相談をいたしております。ただ、今まで申し上げましたことも、まだ配炭公團その他の筋、あるいは物價廳と打合せしたものではございませんので、要するにできるだけ少い手數料でいきたい。殊に從來亞炭を扱つておつた配炭公團の人がありますから、それらの人もできればこの方を手傳うようにしたいと思つております。從つて公團扱いにいたしましても、手數料の點は以上申し上げた點でありまして、消費者に對する價格は、できるだけ適正なものでまいりたいと存じております。
○山口(六)委員 亞炭コークスの直接消費者への配給機構は、將來どういう方法によつて實施されますか。現在は政府の割當指示によつて配炭公團が輸送を擔當しているわけでありますが、亞炭コークスをもし家庭配給をするような場合になりますと、これが割當の擔當はどこがやられるようになるか、かりにそれをしましても、配炭公團でこまかい小運送機關をもつているわけでもないようでありますし、從つてそれが實際上の運營は、ただ法律案としては通つても、實際上の操作において、かなり複雜困難なことができると思うのでありますが、その邊の御所見はいかがですか。
○椙杜政府委員 配炭公團が亞炭コークスを取扱いました場合の末端機構のお話でございますが、御存じのように亞炭コークスは從來工場用竝びに自動車の代燃用が主でございますが、最近は薪炭その他が不足いたしておりますので、家庭用が相當殖えまして、大體家庭用が五〇%、殘りば工場用と自動車用になつております。末端配給の問題につきましては、工場用は大體亞炭竝びに石炭等ともに配給いたしますので、工場まで配當するのは配炭公團で適當なものだと思つております。なお自動車用も、大體自動車の全國組合が整備いたしておりますので、その組合に配炭公團が渡せば、あとは自動車組合の方で配給する。こういう方法でいいのではないかと思つております。但し家庭用につきましては、非常に數多い家庭になりますので、その末端まで配炭公團が配給するのは、適切でございませんので、從來鑛物燃料を扱つておつた者であるとか、あるいはその他の業者、要するにこれらの亞炭コークスの配給に關係しておつた販賣業者を十分活用して、家庭配給の方も圓滑にいくようにいたしたい、こういうふうに考えております。
○山口(六)委員 先ほど運輸當局より輸送の面において、將來一層の努力をするから、不安はないという結論のような御答辯があつたのでありますが、實際問題として、公團が擔當いたしましてから、從來の半分ないし六十パーセント程度に減じておるということだけは、明瞭な事實であるのであります。しかも公團が實施せられましてから、生産地においては、非常に滯貨をしておる。こうした事實から、ある地方においては、生産制限でもしなければならない事態に當面しておるのでありますが、生産制限をされると、一方において公團が一手收買をしてしまう。從いまして、生産者の立場は、まつたくなくなると思うのであります。これは政府が責任を負うであろうと思うのでありますが、そうした場合に處する政府の心構えと申しますか、御見解を承つておきたいと思うのであります。
○椙杜政府委員 輸送等が十分いかないで貯炭ができた場合の對策をどうするかというお話のようにお伺いいたしたのでございますが、亞炭の輸送につきましては、先ほど運輸省の政務次官からもお話がありましたように、いろいろな事情で計畫通りにいつていないのでありますから、これは運輸省でも十分努力をするということでありますし、われわれの方も、消費地の亞炭を使う工場は困つておりますので、できるだけ運輸省に輸送をお願いしたいと思つております。東北地方等はいろいろな事情がありまして、若干貯炭が出てまいると思います。これにつきましては、いろいろ對策方法が考えらるべきでございまして、お話にありましたように、生産制限を行うことも考えられるわけでございますが、大體われわれが考えておりますのは、一應立地的に輸送その他の關係を見まして、生産計畫を立てておりますので、その生産計畫によりまして、生産をいたしますと同時に、その計畫によりまして生産されたものが貯炭になるような場合におきましては、法規その他で支障なき限り、公團の買取りということをいたしておりますが、それ以外のものにつきましては、復金からの融資等によりまして、それらの貯炭に對する對策等も考えてまいりたいと思います。なお亞炭コークスにつきましては、大體亞炭コークスにいたしますと、亞炭の量が、御存じのように三分の一になりますので、輸送面からも非常によいわけでありまして、東北のように貯炭の非常にできますところは特に亞炭コークスを奬勵いたしまして、都市までの輸送量を、できるだけ減すようにやつてまいりたいと思います。なお亞炭コークスは、現在では約四、五千トンしか生産されておりませんが、統制によりまして、これを約倍近くには殖やしたいと思います。ただ殖やしましても、一萬トン前後の輸送でございますので、これだけの輸送は計畫できまりましたならば、十分確保するように努力してまいりたいと存じております。
○山口(六)委員 必ずしも了承できるような囘答を得たとは思わないのでありますが、いずれにいたしましても、東京では震えている、山には十分あるという事實に對しまして、月並的な事務的な考えだけでは、とうてい打開する道はないと思うのであります。しかもこうした事實に對しましては、政府においてもつと責任のある處置をとらなければ、いつまで經つても打開の道はないと考えられますので、どうか政府において、この際輸送に關する強力な手を打たれまして、せつかく生産者が掘つたものでありまするので、少くとも寒さに震える都市に對して、温かい冬を迎えしめるような急速な努力を願いたいと思うのであります。さらに亞炭コークスの統制後のあり方等についてでありますが、從來の配炭公團の施策の中においても、亞炭に關する限りは、必ずしも萬全とは言い得ないと思うのでありまして、實際問題といたしまして、各工場等において、非常に要望が熾烈なのであります。すなわち私どもでさえも、實に數多くの工場から、亞炭を送つてほしいという要請の聲を多分に聞いておるのでありますが、政府において割當をされる場合においては、かなり複雜な手續を經まして、割當いただきましても、なおかつそれが現物化しないというのが、現在の實情であるのであります。かように從來でさえも輸送の面において消費者との關連においてうまくいつておらない配炭公團の運營のあり方の上に、さらに亞炭コークス等を引受けて、はたしてうまくいくかどうか、かなり疑いをもたざるを得ないのでありまするが、しかしこうした公團の取扱いをすることによりまして、亞炭コークスの規格のばらばらな現状からして、こういう統制、制約によつて、逐次品質の改善等が行われることに、私ども非常な期待をもつものでありますので、どうかその點についても、萬全の用意をせられまして、完璧を期していただきたい、かように希望してやまないのであります。
○伊藤委員長 これにて質疑は終りました。これより討論に入ります。
○生悦住委員 本法律案は、討論を省略して、ただちに採決せられんことを望みます。
○伊藤委員長 ただいまの生悦住君の動議に御異議ございませんか。
○伊藤委員長 御異議なしと認めます。ただちに採決をいたします。本案は原案の通り可決するに御異議はありませんか。
○伊藤委員長 御異議なしと認めます。よつて本法律案は原案通り可決いたしました。この機會に御報告申し上げたいと思いますることは、本法律案原案を可決されることに農民黨、第一議員クラブからも異議のないという囘答を得ていることを申し上げておきたいと思います。この際お諮りをいたします。本法律案の審査の報告書は、從來通り委員長に御一任を願いたいと思いますが、御異議はありませんか。
○伊藤委員長 御異議ないようでありますから、後刻書面をもつて議長に報告いたすことにいたします。
 なお本日審査をいたしました請願の可否は、他の請願と同じく、後日一括して決定をいたしたいと思いますが、御異議ございませんか、
○伊藤委員長 御異議がないようでありますから、そのように取計らうことにいたします。
 本日はこれにて散會をいたします。
   午後三時十八分散會