第001回国会 財政及び金融委員会 第16号
昭和二十二年八月二十八日(木曜日)
    午後二時五分開議
 出席委員
   委員長 北村徳太郎君
   理事 中崎  敏君 理事 梅林 時雄君
 理事 早稻田柳右エ門君 理事 塚田十一郎君
   理事 葉梨新五郎君
      河井 榮藏君    佐藤觀次郎君
      田中織之進君    西村 榮一君
      松尾 トシ君    八百板 正君
      後藤 悦治君    松田 正一君
      泉山 三六君    島村 一郎君
      周東 英雄君    苫米地英俊君
      宮幡  靖君    井出一太郎君
      内藤 友明君    石原  登君
 出席政府委員
        大藏政務次官  小坂善太郎君
        大藏事務官   福田 赳夫君
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 復興金融金庫法の一部を改正する法律案(内閣
 提出)(第四一號)
    ―――――――――――――
○北村委員長 會議を開きます。
 復興金融金庫法の一部を改正する法律案につきまして質疑を繼續いたします。
○小坂政府委員 復興金融金庫は御承知のような經緯で設立され、時局下の緊要なる資金を賄つておるのでありますが、最近に至りましてその資金をほとんど使い果してしまつたような現状であります。われわれとしては、でき得れば市中金融機關において蓄積された資金を、復興金融金庫の方に融資して、その金をもつてさらに今後の需要を賄いたいと考えていたのでありますが、いろいろその後における情勢の變化等もあり、旁々關係方面の意向等もございましたので、これを増資によつて賄うことを最近に至つて決定いたした次第であります。つきましては先ほど申し上げましたように、資金がまつたく枯渇しておりますので、この際急速に増資したい。でき得ればこの月中には何とかしてそのような手續をとりたいと考えております。はなはだこの際恐縮でございますがぜひともひとつこの法案を通過願いまして、今の産業界の資金の需要を充たしていただくよう、御配慮を賜わりたいと考えておる次第でございます。一方復興金融金庫といつた非常に國家の重要機關がいかに運營されておるかということは、現下の産業再建の問題、また財政面におけるインフレの問題ともまことに不可分な、非常に重要な關連がありますので、この運營については十分御審議を願いたいと思つております。私どもとしては、できればこの問題を切離して、この復興金融金庫法の一部を改正する法律案をここで御審議願い、さらに全般の問題について切離して十分御審議いただきますればと考えておる次第でございます。つきましては復興金融金庫のごとき、國家の重要なる機關の内容は、一切をガラス箱の中に入れた状態で、國民の看視の中において運營いたしたい考えをもつております。その觀點から復興金融金庫の當事者である理事長、副理事長、理事等ここに參上いたしましたので、本日もしこの法案を可決いただきました後において、お許し願えれば一切の内容について御説明させていただきたいと考えております。ちよつと御挨拶を申し上げます。
○塚田委員 議事進行についてちよつとお尋ねいたしたいのでありますが、本日はこの委員會をあげて本會議にもつていくという建前であると、そう長い時間審議をしていられないのではないか。もちろん時間の許す限りやつて結構でありますが、審議はどうせ本日の委員會では終らないからして、本法案がかりに委員會を通つた後までも、殘しておくという建前でお取計いを願つてよいと思います。
○北村委員長 ただいま塚田君の御發言は、かりに本案が可決されましても、委員會が復興金融金庫に對して調査を繼續するということだけを留保していただきたい。こういう御趣旨と思いますが、御異議ございませぬか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○内藤委員 異議はございませんけれども、ただ一つお尋ねして政府から御意見を承りたいと思います。復興金融金庫は、ただいまのところ農林業につきましては、主として漁船の方面に融資しておられますが、將來の農林業に融資なさる御意思がありますか、この際一應承つておきたいのであります。
○小坂政府委員 お答え申し上げます。ただいまの御質問はごもつともな次第でありまして、國家の再建上何としても必要缺くべからざるものと認められるような案件につきましては、もちろんこの際十分その可否を檢討して取上げていきたいと考えております。
○石原(登)委員 私は復興金融金庫法の一部を改正する法律案の審議にあたつて、戰時中の戰時金融金庫の業績竝びに當時の貸付、それから囘收できたもの、囘收不能に終つたもの、これはこの金庫の性格が大體同じですから、ぜひこれも參考にして審議したいと思いますので、實はこれを資料として要求いたしたいと考えております。なおまた同僚の社會黨の西村君からも資料を要求しまして、その上において審議したい。何分にも三百億という非常に多額な資金が、しかもほとんど日銀の關係から出るようなことに相なることをわれわれは非常に恐れておりますので、本案の審議にあたつては、もちろん政府の苦衷もわからないのではありませんが、愼重に御審議せられんことをむしろ希望するのであります。
○北村委員長 石原君に申し上げますが、ただいま委員會は調査を繼續することの留保を御承認になりましたので、本日かりにこの案が決定いたしましても、少時間ではなかなか困難でありますから、あらゆる資料を求め、また當時の説明も十分に聽きまして、納得のいくまで調査を進めたいと考えて、その點は留保してありますから、できれば今日はこれを一應可決するようにしたらどうかということは、御所論の通り今のような非常に金融難のときにあたつて、復興金融金庫はどうであるとか、大藏省はどうであるとかいうことではなくして、實際産業界においては本案が成立することを、ひどい日照りに雨を望むようなかつこうで、まつておるというようなことを私どもは十分に洞察いたしまして、そういう趣旨で、進行は進行した方がよろしくはないかと考えられますが、よろしゆうございましようか。
○石原(登)委員 ちよつと伺いますが、さしあたり急に必要だという金額は三百億全額ではないと思われますが、政府はさしあたり出る金額はどれくらいと考えられておられますか。
○福田政府委員 三百億圓は大體において來年の一月までに必要なものであります。大體において一月までの月割の額が毎月必要である。さようにお考え願いたい。
○石原(登)委員 そういたしますと、今すぐ三百億圓入用でないということが明らかになつたのでありますが、われわれは三百億圓という増資を認めた上で審議いたしましても、一應審議決定額として當然それに伴う大きな責任が出てくるわけであります。こういう趣旨からまいりまして、私どもは審議を愼重にする意味からいたしましても、まずさしあたり必要なもの、すなわち慈雨を待つような氣持で、とりあえず水道が止まらないような程度の雨という意味におきまして、最低限度の増資をこの際は認めまして、さらに審議の上で全額三百億圓というものは愼重に決定したいと私は思います。
○小坂政府委員 ただいま三百億の増資に關する件をお許しいただきまして、その一應のわくと申しますか、そういうものをとつていただくことをお願いするのであります。その實際の支出については、その都度またいろいろと御指示をいただきますれば、さよういたしたいと思います。
○石原(登)委員 私の言うのはそういう意味でなくて、三百億圓というものは日本の經濟界にとつてたいへんな額であります。そういうものを審議がかように、あいまいなうちに認めることは、財政金融委員會としては非常に不見識なことだと思うのであります。ただ私どもが一應考えなければならぬことは、復興金融金庫の融資が非常に日本の各種の産業に重大な影響を及ぼす、こういうことを考えますがゆえに、まずそれを支障なく、圓滑に運ばせるもののみについて、一應この委員會は了承いたしまして、あとの分に對しては本格的な審議の上でそれが正しいものであるかどうかということを決定したいという意味でありまして、今にわかに三百億を決定することは非常な責任のある問題でありますので、私はどうも贊成はできかねる。かように私自身では考えるのであります。
○小坂政府委員 増資という一般の觀念からいたしますと、拂込をとるということでありますが、復金の場合は御承知のように増資いたしましたということが、拂込を豫定するという場合も考えられます、復金債券を發行するという場合も考えられます。さらに復金の保證という融資の場合も含めてのことでございます。その都度十分に御審議を願う機會があると私ども考えております。
○石原(登)委員 それはどうなりますか。もし今後われわれが審議いたしまして、どうも復金の運用その他について、われわれの意見を異にするということになつた場合に、委員會として一度決定した三百億に對して、これを拒否するということになりますと、これまたまことに不見識なことになると思われるのであります。大藏當局からお出しになりました通り復金の債券の消化はほとんど日本銀行から賄われている。これは申すまでもなくインフレ助長の原因にもなりますし、この前から松田委員竝びにいろいろな委員から、復金の運用についてわれわれは納得できかねる話を聽くのであります。
 さらにもう一つは戰時中できましたこれと同じ性格のものでありますが、戰時金融金庫のやり方についても、今日非常に妙な事實をわれわれは知つておるのであります。こういうようなことから考えまして、この復興金融金庫竝びに戰時金融金庫という官製的な金融機關から出た融資が、どうも野放圖のような氣持もしないでもないのであります。私どもとしてはむしろかように考えております。こういうような性格の金は、普通の一般銀行から貸し出す。そうしてどうしてもこの趣旨にあります通り、そういうふうな危險なところには、一般銀行が貸し出すことができないようなことがありますれば、そういうものに限つて政府が何らかの保證をする。こういうことによつて本金庫の精神は十二分に達成できる。かようなことに市中銀行がやりまして非常に有利な點は、その融資の業務自體が銀行のいわゆる利益、不利益に多大な影響がありますために、いきおいその取扱いに對して愼重であります。こういう點はどうも官製の金融機關においては――こう言つてははなはだどうかと思いますが、眞劍味が足りない。この前松田委員からもいろいろ話された通り、技術的な操作がある。こういうこともあながちないことはないじないか。かようなこともおそれるわけであります。私は今日の事態において、復金の支出が非常に影響があることはもちろん重々感ずるわけでありますが、それゆえにさらにわれわれこの委員會といたしましても、愼重にこの取扱いを進めたい。かような趣旨でございますから、どうかその點をおくみとりを願いたいと考えるわけであります。
○後藤委員 私も復興金融金庫の構成については、いろいろ意見があるのでございますが、先ほどの議事進行に關する動議が出ておりますように、私どもが承知いたしております範圍では、參議院においても、この分だけ切り離して委員會は承認された由でございまして、必ずしも參議院に同調のみをしようというのではありませんけれども、一應私は本案を委員會において承認いしまして、先刻來の動議の通り審議を繼續する形を殘されたい。こういう意思表示をいたします。
○北村委員長 石原委員の意見ですが、今の後藤君の御意見のように、一應この審議を――實は私も多少産業界の事情を知つておるのですが、非常に資金に窮迫しておる。それで復金が増資することはきわめて必要なので、これはこれで急いで、今お話のような復金に關する過去のいろいろな調査、將來への警告は、これは調査を留保しておくことにして進行してはどうか。こういうふうな後藤君の今の御意見でございますが……。
○石原(登)委員 最近非常に遺憾なことは、衆議院の審議がきわめて粗漏でありまして、本日の本會議においても、すでに勞働省の問題に對して參議院から全面的な修正をこうむつた。こういう事情もございます。そういふことで本案の審議が未了でありながら、しかも三百億圓という金を簡單にのんでしまうことに決定する。こういうことに對しては、私自身としてはとうてい認許できないのであります。しかしながら委員會が全員をもつてこれを贊成をし、なお委員長が本決議に關してその責任を十二分にとるという趣旨であるならば、あえて私一人が反對する趣旨ではございません。
○北村委員長 簡單にのんでしまわないために、あとにその調査を繼續することを留保する。こういうことをたびたび申し上て、おるわけで、決して簡單に呑もうということを御相談いたしておりません。
○塚田委員 私もなるべく審議を急ぎたいのでありますが、しかし根本的な問題についてだけ、特に自由黨の立場としてもぜひお伺いしておきたいと思います。ただいま石原君の御質問の點は、私どももその考え方においては同感なのであります。大體この金融金庫の運用の仕方が、復興金融金庫法によつて復興金融金庫が設立された當時の資金の運用を、近頃は大分逸脱しておるという感じをもつております。その一番著しい例として、公團資金をどんどん復興金融金庫からもつてくるという考え方が政府當局にあるのであります。御承知のように復興金融金庫は經濟復興を促進するために必要な資金で、他の金融機關等から供給を受けることが困難なものについて供給するということが、復興金融金庫法の第一條に書いてありまして、公團資金をここから出すことは當初は豫定しておらなかつたのであります。その後いろいろな公團ができて、その公團法において復興金融金庫から資金を仰げというようなことが書かれて、だんだん公團の資金に出るようになつた。そこで今ここで三百億の増資をすることになりますと、そのうちの六十億ぐらいは政府はさらに出資を増加しようというお考えであるようにも漏れ聞いおてりますが、そうするとあとの二百四十億は、復興金融金庫債券で資金をつくられるという形になると思う。そこで三百億の増資を認めるということは、結局政府に三百億の金の要ることを、十分審議しないでお任せすることになるのでありまして、この點について今石原委員は非常に強くそういうことはできない。だから政府は必要な額だけをここで増資をしておいたらどうかという御意見のように聽いておるのであります。しかし増資をする場合に、何度も小分けをして増資することは困難であろうと考えますので、私どもとしては一應三百億の増資には贊成はいたしますけれども、その場合にその資金の意圖しておられる用途、それから今までの慣例からして、出された資金の使いぶりなどについては、相當疑惑の點や懸念をもつておるのでありますから、三百億の増資が、そのまま三百億の現實の融資を企業界その他に出されることを、無條件に承認したということでない意味において、この増資の法案に贊成するという立場にしたいと考えるのであります。
 それからいま一つ資金の運用上御注意願いたい點は、先日も大藏大臣御自身から本委員會において御説明があつたように思いますが、どうも資金の運營において、各省の分捕り主義があつて困るのだということを承知したのでありまして、私どもは他の方面からもそういう話をしばしば聞いておるのであります。必ずしもこういう考え方だけではありませんが、要するに復興金融金庫の資金の運用の、本來の目的に背馳するような運用をされたのでは困るということを痛切に感じておるわけであります。
 いま一つは、政府から御提出を受けた資料によりましても、從來の復興金融金庫債券が政府の希望されるように、市中銀行などによつて引受けられないで、大部分は日銀引受けになつておることは、復興金融金庫の資金の運營の上に非常に困る點であつて、將來日本の金融界に大きな癌を殘す點であるということを感じております。これは金融業その他でいろいろ困難な面もありましようが、從來も御注意されたとは考えますけれども、今後一層そういう點に御留意を願いたいということが一點であります。
 最後に、復興金融金庫の資金の出し方がだんだんいろいろな方面に廣くなり、額も非常に多くなつておることは、どうも金融というものが、一般民間の機關からだんだんと國家類似の機關に移つていくような過程をつくるようになる恐れが、多分にあるように感じます。私どもは元來が金融というものはそういう傾向をとるべきものでないという立場を、強く考えてとつております以上は、復興金融金庫の資金運營について、そういうような傾向が現われてくることを極力御警戒願いたいと希望する次第であります。
○田中(織)委員 私も復興金融金庫の運營について一つの希望意見をもつております。復興金融金庫の現在の活動状態を見ますと、たとえば大阪支所ということになつておりますが、それを見ましても、大阪の興銀支店の中にはいつておるのであります。もちろん所長その他について、興銀の支店長なりその他の職員の人たちが、多くの場合兼務するような形になつておると思うのでありますが、何百億という貴重な國家資金を取扱うのに、復興金融金庫として獨自の職員と言いますか、そういうものをもたずに、ほとんど全部が興銀が代行するような形になつておることは、資金の運用上非常に重要な問題だと考えるのであります。時間があればその點について、各復興金融金庫の本省なり支所の人的な關係について、詳細な答辯をいただきたいと思いますが、この法案の審議を非常に急いでおる關係から、いずれそういう點については、ただいま委員長のお話にもありましたように、詳細なものを提示してくれるそうでありますから、そのときに讓りたいと思うのであります、そういう觀點から來て、復興金融金庫の貸出がともすれば興銀の肩代り、極端な場合には復興金融金庫から貸出が決定されるまでの間、興銀の方で融資しておいて、復金の方の貸出が決定した場合には、それを興銀に返すという形で、興銀が利鞘稼ぎをやつておるという面もなきにしもあらずだと思うのであります。この點については特に今後の運營にあたつて、留意してもらわなければならぬ點だと思うのであります。殊にこの法案が本委員會に提出されたのは八月二十日でありまして、委員會として本日でわずかに三日目の審議でありますが、こうした増資の資金關係が、休會にはいる前に兩院を通過して實施しなければならぬほど詰つて來ておる事情は了とするのでありますが、新聞等においても復金の増資ということについては、すでに何箇月も前から報道せられておるのでありますから、特に大藏當局としてこうした非常に差迫つた法律案については、もう少し事務的な準備もスピードを出してやつていただかないと、委員會としての審議が十分できないままにこれをのまなければならぬということに相なるのでありまして、その點は特に留意していただきたいと思います。殊に昨日大藏大臣が出席せられまして、いろいろ同僚西村委員の質問にお答えになつたのでありますが、そのときにも休會の問題もきのうときようとではつきりして來た。せめて昨日の委員會において、何らかそうした大藏當局の、また資金關係の非常に差迫つておる事情等を、われわれ委員に傳えていただけば、おのずからまた考えも變つてくるのであります。そういう點が非常に連絡が悪く、率直に言うならまずいと思う。特にそういう點においては事務當局において、もう少し委員會等の關係を圓滑に進めるように積極的な努力を煩わしたいと思うのであります。その他基本的な復興金融金庫のあり方等につきましては、いろいろ意見ももつておるのでありますが、その點はいずれわれわれの方から運用委員會等の問題については、社會黨としても民主的な委員會の設立についての意見をまとめつつあるような段階にありますから、復興金庫の運營についての方針、一應その點について所信を伺いたい。
○小坂政府委員 先ほどの塚田委員とただいまの田中委員の御質問に併せてお答えいたします。先ほども當初に申し上げたのでありますが、復金の増資の問題は、われわれといたしましては、相なるべくは市中の金融機關において蓄積せられました資金を集積いたしまして、復興金融金庫に融資する、そうして復興金融金庫といたしましては、借入金の形でもつて賄つていつたらどうかというような考え方をもつておつたのであります。と申します意味は、ただいま塚田さんも御指摘になりましたように、公團に對する融資というものが相當額にあるのであります。これは……。ちよつと速記を止めてください。
○北村委員長 では速記を止めて……。
    〔速記中止〕
○北村委員長 速記を始めて。
○小坂政府委員 一方現在の産業界の實情は私から申し上げるまでもないと存じますが、非常な金融逼迫の状態でありまして、これはひとり企業に對する融資というのみに止まりませず、そこに働きます勤勞者諸君の賃金、俸給等にも影響してくる問題でありますので、われわれとしてはでき得る限りこの問題を早く處理していきたい、こういうふうに考えておる次第であります。さらに塚田委員から、各省が復興金融金庫の資金を割據主義によつて分捕つておるということはよろしくないからというふうな御注意がありました。でもつともな次第でありまして、私どももさように心得ております。今囘の復金計畫に關しましても、特に石炭にいくら、復金にいくら、あるいは肥料にいくら、あるいは水産業にいくらというようなことをわれわれとしては指定いたしませんで、大體の筋道だけはきめましたのですが、相なるべくは全體としてこれを調整するようにという考え方でおるわけであります。この弊は極力改めたいと思つております。塚田さんの第三點は、こういう復金が非常に尨大な金額を扱うようになるので、これはだんだん金融機關というものが公的な、國家機關的なものに變つていつてしまつて、そうして民間の一つの經營機關であるという性格を失うようになるから、その點を注意しろというようなお話でありますが、これはごもつともでありまして、私どももそう考えております。しかしながら現在の状況は、御承知のように經濟状態が非常に不安定なのでありまして、こういう機關における過渡的な措置としてわれわれは考えておるわけでありまして、その趣旨からいたしまして、復金の期間というものも三年に限定いたしておるような次第でございますから、この點われわれとして十分氣をつけるつもりでおるわけであります。以上をもつてお答えといたします。
○佐藤(觀)委員 今小坂政府委員から御説明がありまして、大體了といたしましたが、實はこの法案が出る前にそういう事情を詳しい説明されると早く納得すると思います。そういう點についてなるべく圓滑に行くように、誠意をもつてやつていただきたい。こういうように希望します。
○小坂政府委員 了承いたしました。その通りに心得ます。實は休會の問題が急に決定いたしましたので、非常に取急いで申し上げたのでございますが、實は急ぐという事情は委員長まで申し上げております。昨日もまた理事の方にはその事情を申し上げておつた次第であります。どうぞ御了承を願いたいと思います。
○北村委員長 復興金融金庫法に對する質疑は終了いたしました。
 これより討論採決に入りたいと思います。討論は通告がございますので、これに從つて發言を許します。社會黨中崎敏君。
○中崎委員 私は各派を代表いたしまして本案に附帶決議をつけまして贊成するものであります。本案の内容の審議についてはまだ十分にその意を盡したとは申しかねるわけでありまして、今後檢討の餘地を殘しておるわけでありまするが、とりあえずわれわれは本法案に對しまして左記の附帶條件をつけんとするものであります。
   附帶決議
 一、本金庫資金の貨出に際して調査を愼重にし、各省間における分取り等のごとき、いやしくも本金庫資金運用の本來の目的に背致するがごときことなきを期すること。
 二、公團資金を本金庫資金より融資を受くることは極力避けること。
 三、復興金融債券の發行に際しては極力日銀引受の方法を排すること。
 以上の條件を付しまして贊成するものであります。
○北村委員長 民主黨後藤君。
○後藤委員 私は民主黨を代表して本案に贊成意見を申し述べたいと存ずるのであります。敗戰日本の各種産業を再建いたしまするためには、通常の金融機關の、囘收の安全性をもつた貸出し方途では、重點的な産業の再建ができない、こういう點から生れました資金の重點的な運用によつて、産業を再建しようという復金の本來の使命については、私どもはあえて異論はないのであります。ただ今日までの經過をみまするに、これが運營につきましては、必ずしも當初の目的に副いました萬全の運用がなされたとは言いがたい點があるのでございまして、今日本法案を承認いたすにつきましても、この點に關するいろいろの意見はもつておるのでございます。しかしながら、さきの新物價體系その他等によりまして廣汎に物價が改訂されまして、さらにマル公關係のものが大幅な騰貴をみている今日、産業界の再建にあたりましては、資金の需要急なるものあることは、同時に現下の經濟状勢において私どもは認めざるを得ないのでありまして、もつぱら私どもはこの觀點に立ちまして、とりあえず本案に贊成をいたしておく次第でございます。しかしながら將來の復金本來のあり方等につきましては、なお留保して、次の機會に十分この意を盡したいとかように存じておる次第であります。以上の理由を付しまして本案に贊成いたします。
○北村委員長 次に自由黨塚田委員。
○塚田委員 私は日本自由黨を代表いたしまして本案に希望の意見を述べて贊成の意を表するものであります。
 希望意見の大體は先ほどの發言において表明いたしましたが、先ほども申し上げましたように非常に懸念しております點は、ここで増資をいたしますことが、そのまま金融金庫に三百億の資金運用を任せてしまうということになる點であります。その點につきましては先ほどもるる申し上げましたように絶對に反對なのでありまして今後の運用は過去の資金の運用状況とともに、復興金融金庫及び復興金融委員會においても、十分の調査、御審議を希望するとともに、當國會の財政金融委員會におきましても、それらのものに對して調査及びいろいろな意見を申し述べる立場を保留してこれに贊成いたしたい、こういうように考えるわけであります。本來はこの増資法は、先ほど石原委員からも發言がありましたように、十分審査をした上に通したい氣持はやまやまであります。しかし先ほど政府の答辯もありましたように、資金の需要が差迫つているという實情に鑑みまして、ただいま申し上げました點を強く希望として附して贊成をいたす次第であります。特に一言附け加えておきたいのは、おそらくこれはこの委員會における各黨共通の希望であらうと思うのでありますがこの希望を委員長が本會議において本法案の報告をされる場合に、強く御表明願いたいという點であります。
○北村委員長 次に國民協同黨内藤君。
○内藤委員 ただいま各黨からそれぞれ述べましたから私は重複するようなことは申し上げません。ただ先ほど附帶決議をつけられたのでありますが、そのほかにもう一つ希望條件を申し上げたいと思うのであります。それは從來まつたく等閑視されておりました農業復興の問題に對しましても、今後積極的にこの金融金庫において御考慮になることを希望いたしまして贊成の意見といたします。
○北村委員長 第一議員クラブの石原君。
○石原(登)委員 本案が提案されましたのは八月二十日、本月は二十八日であります。その間本委員會は五囘にわたつて審議を重ねているのでありますが、その間において私がきわめて遺憾であつたことは、各委員から本案を審議するに對していろいろな資料の要請があつたのであります。おそらくこの資料の要請に對して政府が誠意をもつて提出していただいたならば、おそらくかかる委員會の經過を見ることなく、本案が容易に通過したであろうということを考えるものであります。このことについてはさきに社會黨の西村委員からも、どうも法律案の出し方がきわめて不親切である。むしろ委員會を侮蔑したような法案の出し方である。こういう發言もあつたように記憶しておりますが、私も同感の意を表するものであります。どうかこういう點については今後政府當局は、誠意をもつてわれわれ委員會の意思を十二分に取入れていただきたい。このことを特に要求しておきます。
 なおわれわれは本案の審議にあたつてきわて遺憾の點もあるのでありますが、今日の情勢に鑑みまして、やむを得ずこれに同意するのでありますけれども、復興金融金庫の今後の運營、それから本法による三百億圓の使途については、今後十二分に監査あるいは調査することを保留いたしまして贊成するものであります。
○北村委員長 討論はこれにて終局いたしました。
 これより採決いたします。本案に贊成の諸君の起立を望みます。
    〔總員起立〕
○北村委員長 起立總員、よつて本案は原案の通り可決確定いたしました。
 次に中崎委員より各派共同提案の附帶決議がございました。これについ採決いたします。附帶決議に贊成の諸君の起立を望みます。
    〔總員起立〕
○北村委員長 起立總員、よつて本附帶決議は決定いたしました。
 なお先ほどからたびたび申しましたように、本委員會が復興金融金庫に對する調査權の行使は留保するということを、ここに明らかにしておきたいと思います。
 それから、報告書につきましては、前囘通り委員長及び理事に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○北村委員長 御異議ございませんから、さようにいたします。
 本日はこれにて散會いたします。
   午後二時五十二分散會