第001回国会 財政及び金融委員会 第23号
昭和二十二年十月二日(木曜日)
    午前十時五十二分開議
 出席委員
   委員長 北村徳太郎君
   理事 島田 晋作君 理事 中崎  敏君
   理事 梅林 時雄君 理事 葉梨新五郎君
   理事 吉川 久衛君
      川合 彰武君    川島 金次君
      河井 榮藏君    佐藤觀次郎君
      田中織之進君    西村 榮一君
      林  大作君    松尾 トシ君
      後藤 悦治君    松田 正一君
      泉山 三六君    島村 一郎君
      周東 英雄君    鈴木 正文君
      苫米地英俊君   山口喜久一郎君
      井出一太郎君    内藤 友明君
 出席政府委員
        大藏政務次官  小坂善太郎君
        大藏事務官   今井 一男君
 委員外の出席者
        專門調査員   圓地與四松君
        專門調査員   氏家  武君
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 政府職員に對する一時手當の支給に關する法律
 案(内閣提出)(第六五號)
    ―――――――――――――
○北村委員長 開會いたします。
 政府職員に對する一時手當の支給に關する法律案を上程いたします。まず政府側の説明を求めます。
○小坂政府委員 このたび本國會に提出いたしました政府職員の給與に關する應急措置としての一時手當の支給に關する法律につきまして提案の理由を御説明申し上げ、各位の御審議をお願いいたしたいと存じます。
 この法律案は最近の政府職員の生計状況に鑑みまして、應急的の措置として全職員に對し、職員一人當り總平均六百圓をこの際支給いたそうとするものであります。その支給方法といたしましては、最近の生計費の状態が地域によりまして大きな差のある點に鑑みまして、各職員の受ける俸給、暫定加給、臨時増給及び臨時家族手當の合計額を基本といたしまして、その勤務地に應じて、十二割ないし二割の範囲内において、率に差等をつけて支給をすることといたしたのであります。具體的の支給率といたしましては、現在實施いたしておりまする臨時勤務地手當の支給地區分に應じまして、特地のうち大阪市、神戸市、及び京都市については十二割、その他の特地は九割、甲地は六割、乙地は三割、丙地は二割ということに大體いたしたいと考えております。この措置によりまして支給を實施いたしますために必要な豫算額は、概算いたしますると大約一般會計で三億八千五百萬圓、特別會計で七億三千七百萬圓、合計いたしまして十一億二千二百萬圓でありまして、この金額は今囘の補正豫算に計上すべく手續中であります。なおこの金額のほかに地方費負擔によりまして、地方職員に給與せられる金額が、約四億四千六百萬圓でございまするので、この分も合計いたしまして十五億六千八百萬圓というものが、今囘の措置によりまして官公職員に給與せられまする總額と相なるわけであります。
 最後に念のため附け加えて申し上げたいと存じますが、この法律によりまして支給せられまする給與金額の計算の基礎は、從來の千六百圓給與水準と千八百圓水準との差額二百圓の七、八、九、の三箇月分、すなわち六百圓というところから出ておりまするが、今囘の法律案自體といたしましては、あくまで最近の生計費に應ずるための應急措置でありまして、千八百圓水準そのものとただちに關係するものではないことであります。本案につきましては政府職員の最近の生活の實情をもおくみとりくださいまして、御審議の上速やかに御決定くださいまするよう切望いたします。
○北村委員長 これより質疑に入ります。
○吉川(久)委員 私は本案のお考え方については異議はございません。むしろ遅きに過ぐる措置であるとさえ考えるのでありますが、ただこの支給率の出し方であります。この出し方について官公組の代表と政府側との間に打合せでもなさつたかどうか、その點お伺いしたいと思います。
○今井政府委員 申し上げます。この話が起りましたのは八月の上旬でございまして、御承知の通り全官公廳の勞働組合の連合體と政府との間には、二月の末以來二・一スト解決の一手段といたしまして、引續き官公職員待遇改善委員會準備委員會という名のもとに、實質的に團體交渉をそこで續けてまいつておるのでありますが、その席で政府側から提案されたのでございます。ところが組合側といたしましては千八百圓の水準がいいかどうかという問題について、組合側として意見を述べるわけにいかない。千八百圓水準に對しては全面的に異議を申し述べなければならぬかと考へる。從つてこの千八百圓と千六百圓の差額を基準といたしました二百圓、この二百圓の三月分であります六百圓、この六百圓というものの配分につきましても、政府側に對して組合側から意見を述べるわけにいかない。述べるというと千八百圓の水準を承認したというような議論を超すおそれもあるので、どうしても申し述べない。こういうことでそれを政府側の方では、ぜひ非公式にでも意見がほしいというようなことで、かなり押問答をやつたのでありますが、結局組合の現在の状況におきましては、そういつたことは無理からぬことにも思われましたので、そのままお話を進めまして、去る九月十九日の覺書交換によりまして、組合側はとにかく現在金が欲しいから政府の責任において一方的にこの六百圓を配分してもらつて異議をもたない。こういう文書を交換するに至つたのでございます。但し組合側もこの成案につきましては、ぜひ示してほしいといふことでございましたので、その後この案を組合側の方に呈示いたしました。その際にこれに對して批判を加えるべきか、加えざるべきかということが、出席の各組合の代表委員の中に議論がございましたが、結局批判を加えるべき筋のものでなからう。こういつたようなお話合いになりまして、今日に至つております。
○吉川(久)委員 そういたしますと、組合側の代表との間には、政府に一任するという問題についての了解はない。こう了承してよろしうございますね。
○今井政府委員 反對でございます。政府の方に一任する。政府は一方的に政府の責任においてこの配分案をつくつて配分してくれ。これが協定でございます。
○吉川(久)委員 了承いたしました。私はこの六百圓の額に異議がないことは、先ほど申し上げた通りでありますが、この支給方法について、きわめて妥當を缺く内容を感ずるのであります。この支給方法の根據をお示し願いたいと思います。
○今井政府委員 ただいま現行法といたしまして、官公吏に給與しております地域給の區分は、御承知かと思いますが、特地が三割、甲地が二割、乙地が一割、丙地がゼロ、かような形に相なつているのでありますが、この地域差の問題は、もちろん議論しますと、非常にむずかしい問題であります。とにかく本年に入りましてから、非常に開いていく傾向にあることは、各種の資料から十分にうかがえることでございます。たとえば最も權威ありと言われております總理廳統計局の調べにかかる消費者價格調査におきましても、如實にその問題が數字的に示されております。こういつた點を勘案いたしまして、かつまた各方面の組合の方々の、日ごろわれわれの方へ申して出こられる御意見等も參酌しましてこういう案をつくつたのでありますが、この計算の一應の考え方といたしましては、この六百圓というのは大體計算の基礎は三月分である。從つてこれを三つにわけまして、これを一月ずつに離しまして、それと現在もらつている一月の月收とプラスして比率をとることが適當であろう。これによつて從來の地域差の僅少に失した點を穴埋めするのがよくなかろうか。かようを考え方から出發いたしました。念のために數字を若干申し上げますと、現在の月收は平均におきまして、丙地におきまして千三百十一圓、乙地におきまして千四百四十二圓、甲地におきまして千五百七十三圓、特地におきまして千七百四圓でございますが、これにただいま申し上げました六百圓の今度の配分案の三分の一を加算いたしますと、京阪神に屬する地方が二千二百二十八圓、特地が二千九十七圓、甲地が千八百三十五圓、乙地が千五百七十三圓、丙地が千三百九十八圓になるのであります。從いましてこれを指數で示せば、丙を百といたしますと、乙地が一一三、甲地が一三一、特地が一五〇、京阪神が一五九、すなわち丙地に比べまして京阪神地方が六割弱高い、かような數字に相なるのであります。先ほども申し上げました消費者價格調査の七、八月の分はまだ調査がまとまつておりませんので申し上げかねますが、この消費者價格調査は、御承知の通り二十八都市を調査しておりますので、そのうちの十六市が乙地になると思いますが、この四月、五月、六月分の平均で、その乙地を京阪神地方と比べましても、そこに七割以上の差がございます。この案ではその點は四割弱に圧縮されております。私どももこのはじき放しの差が、必ずしも正しいものとは考えませんが、それにいたしましても、現實問題として今の三割では幅が小さ過ぎるのであろうというところから、こういつた數字を編みこんだわけであります。但しここでお斷り申し上げなければならぬことは、これは一時金處理の場合の便宜的な方法でございますので、十月以隆におきましても、地域給の問題は別に組合側と御相談の上決定する。かようなお約束に相なつております。
○吉川(久)委員 私は東京にある機關に一職員として勤めているものでありますが、その私の經驗からいたしますと、この差はあまりにはなはだしいと思うのです。そもそも千六百圓から千八百圓に水準を上げたということは、マル公の引上に伴う増額であると考えられるのですが、そうですと、この差額の三箇月分をとりあえず支給するとするからには、地域差をもつてするこの給與は、地域給においてなすべきものであつて、甲乙丙の地區別によつて支給されるのでなければならない。ですから、これは從前通りの基準に基いて支給されるのが正しいと私は考えるのです。大體六對一の――なみ價格といえどもこういう、はなはだしい差のあろうはずはないわけでありまして、私のただいま勤めておりますところでも、私は中央地方の人事の交流をやる絶好の機會であろからということを提唱しているのですが、それに都合のいいということは、中央と地方との物價の差がきわめてわずかになつているということなんです。これはどうも私にはこの差が六對一の比率では、少しはなはだし過ぎると思うのでありまして、ただいま日教組の諸君からも陳情があるように聞いておりますが、こういうことであつてはおそらく私は、私の見る見方に間違いがないということを裏づけているのじやなかろうかと思うのですが、この案を御修正になる御意思はないものでございますか。
○今井政府委員 この案そのものを正式に決定いたしましたのは、きわめて最近でございますが、こういつた考え方自身については、八月の中ばごろから組合側の方ですでに末端の方まで流しておる案でございます。官待準備委員會においての折衝として、正式にはただいま申し上げた通り、一方的にきめてくれという立場をとつた以上、起案はいたさない建前をとつておりますが、私ども組合側から間接に聞いておる諸般の情勢からいたしましても、日教組を除くほかの組合においては、むしろこういつた案の方を支持されておられるようであります。のみならずこの案はそういつた問題を除けて、とにもかくにも正式に政府案として官待に示し、結局團體交渉として、案そのものの内容には組合側の範をとつた問題ではありませんが、政府案として確定したことを組合側に通告し、組合側としてもすでに全國的に流しました問題でありますので、今さら訂正することは不可能だ、非常にむずかしい問題に逢著するかように申し上げざるを得ないかと思います。
○吉川(久)委員 前後して恐縮でありますが、これは臨時的な措置であるということで、千八百圓ベースに引上げられたことは、これは今囘の六百圓の問題と全然別に考えて差支えないか。それからこの千六百圓ベースを堅持し――名目は千八百圓に水準を上げるのであるけれども、實際はそうではなくて千六百圓を堅持して、そして今後とも臨時々々と言つてこういう措置をとつていこうというお考えなのか、名目と實質とをあくまでも將來は一致させていくというお考えであるのか。それからまた問題は乙地、丙地の官公職員が非常に多いと思うのでありますが、私の一番憂うることは、こういう極端な差を設けることによつて起る中央と地方との對立であります。そして組合運動の將來の健全なる發展を考えても、こういう差等のはなはだしいことから、組合運動が分裂の危殆に瀕するような結果を將來するのではなかろうかということ、もう一つはある一部の人たちの運動によつて、乙地丙地の組合員の諸君の運動が非常に不活發であるから、この乙地丙地の諸君に一つの刺戟を與えて、これを起ち上らして、組合運動を旺盛にしようというねらいがあるのではなかろうかという懸念が私にはあるのでありますが、そういう點について政府の方では何かお氣づきでありましようか。それともそういうことには全然お考えがないのでありますか。ちよつと伺つておきたいと思います。
○今井政府委員 最初におつしやいました千八百圓の問題、これは政府といたしましては千八百圓水準を官公吏に當てはめる、これをただ當てはめて、堅持するとか堅持しないとかいう問題は、追加豫算の本豫算を出します際に詳しく申し上げたいと考えておるものであります。今囘の措置として、とりあえず政府が一應追加豫算の編成上用意し、組合側も欲しいという金を、とりあえずまとめて出すという應急的な措置でありまして、實質的には千八百圓水準ということにも相なりましようが、建前といたしましては一時金の建前をとつておるものであります。從いまして十月以降にはどうなるかという問題がすぐ次に起つてまいるのでありますが、この問題につきましては改めら組合側と相談してきめようという約束に相なつております。
 それからもうひとつお述べになりました組合の分裂關係、中央と地方の關係をお述べですが、實は地域の差をどういうふうに取扱うかということは、非常に現實問題として困難な問題であります。私どもつとに組合側に對しまして、これを政府の方でも地域給ということを一方的にきめることは適當でない組合側と政府側と協力して、一つになつて具體案をつくろうじやないかということを、そのときにも申し入れたことがございます。しかしながらまだ未發達のわが國の勞働組合におきましては、そういつたことの調整を組合側でやることは、若干時期尚早のようであります。すなわち中央におきまして調整をはかり、ある所では上げ、ある所では下げる。そういう役割を組合の幹部に負わせることのむずかしいことは、現實問題として承認しなければならぬようであります。從いまして組合側への私どもの意見は、組合側の方の聞き入れるものとは限りませんので、ただいまのところはやむを得ず政府側の方で一方的にこの問題を取上げておる次第であります。結局なるべくわが國の組合が發達を遂げまして、お互いに資料をもち寄つて、お互いに納得のいく線において全國的にきめるという姿が望ましいことは申すまでもございませんので、できる限り速やかにそういつたラインにもつていきたい、かように當々考え、また努力いたしております。ただ今囘のこの問題につきましては、なお、もうひとつからまつておる問題といたしまして、凹凸整理という問題と一しよに取扱つたのであります。この凹凸という問題も、御承知の通り各省ごとに非常に利害が錯綜しております。組合の内部におきましても、その組合と組合の間におきまして、非常な激論が鬪わされたことは聞いてもおりますし、想像も十分にでき得る次第でありますが、結局この問題を片づけます際にあたりましても、私ども組合の分裂が日本の健全なる勞働運動の發達のために、非常に害のある點に強く注意を向けまして、全體の組合が不承々々ながら、とにかく最大公約數で話がまとまるところを押えようといつたところから、私どもの當初の案を何囘も修正いたしまして、その線にもつていつて、結局理論的にはしつくりしておりませんが、半分は頭割、半分は凸凹に應ずる、こういつたような妥協案を、先月、九月十九日交換したような次第でもあるのであります。從いまして組合の分裂云々につきましては、政府側といたしましても極力避けたい。避けなければならぬということは常々考えておるところでありまして、この問題につきましても、各方面に日ごろわれわれが得ております各種の資料、あるいは情報、組合側の御意見といつたようなものを取りまぜまして、もちろんこまかに申せばいろいろな案もあるかと思いますが、第三者的に、客觀的に、技術的に、はじけば、まず一時金としてはこのくらいがいいじやないか。特にこれは一應三分の一で三月分という建前になつておりますけれども、とにかく開きの差は非常な傾向をもちつつあり、すでに四月、六月間におきましても、乙地は約二割の騰貴にしか過ぎませんが、京阪神のごときは三割以上の向上を示しておるような形でありまして、多少前のものも埋めてやるというような含みももたせますと、このくらいの數字の方がおさまりがいいじやないか。ただ個々的に申しますれば、地域決定の問題がきわめてむずかしいために、丙地としておいてはならない、乙地の引上げなければならないところが、未だに丙地としておかれてみたり、甲地に引上げられなければならないものが乙地におかれてみたりといつたようなところから、個々的には非常にまずい點も起つてくると思うのでありますが、全體の趨勢といたしましては、このくらいの幅で決して御心配のような事態は起るまいと考えております。
○吉川(久)委員 私はこの支給率がもし改められないとするならば、まことに遺憾でありますが、この地域差による増給の必要があるとするならば、地域給を改正して實施していただきたいということを申し上げまして質問を打切ります。
○佐藤(觀)委員 今吉川君からも、話がありましたが、この差はあまりに極端に過ぎると思う。これは特に勞働組合などは中央の方が非常に多いので、中心をなしているのは中央ですから、そういう意味で、むしろ中央の勞働組合の意向を強くして、何も言わない僻村の地をそのままにするというような、きらいがあるのではないかと思うのですが、そういう點は全然ないのですか。
○今井政府委員 從來あるいは東京尊重といつたようなきらいが若干あつたかもしれませんが、今囘は東京は第二番目でございまして、決して一番高い所ではございません。これにつきましても東京在住の組合におきましては、やはり不平を述べております。しかし現實の數字から申しますれば、東京と京阪神の間に相當の開きがあることは否定すべからざる事實でもございますので、こういつたことをやつたわけであります。なるほど十二割、二割とお考えになりますと、御心配の點も多々あるかとも思いますけれども、これを三分の一に一月分に割つてお考えいただければ、ただいも申し上げる通りこのくらいの案しか考えられませんので、今まで私どもが地域差というものを――地域をかえる場合に、以前から五割とかないし六割とかいつたような數字を、始終組合側に申しておつたのでありますが、もちろん組合の内部に、お話の通り地方の意見が全面的に反映してをらない、かような憾みが全然ないとも言えないかもしれませんが、とにかく私どもといたしましては、でき得る限り各方面の御意見と、各方面の資料とを取りまぜまして、技術的に立案した結果にほかならぬことを、どうか御了承願いたいと思います。
○佐藤(觀)委員 いまひとつお願いしたいのですが、おそらく先ほど給與局長が言われたように、地域の差というものがいろいろ議論になつておると思います。特に給與局長のあなたのところには相當運動がいつておると思うのですが、こういうような状態で差別がいろいろ多くなると、乙地、丙地の人はますます今の差が多くなりますから、こういう方面に等級を上げるというような運動が非常に盛んになると思うのですが、そういう氣運は全然ないものでしようか。
○今井政府委員 それは御全の通りだと思います。ますますそういつたことがはげしくなる危險性が多分にあろうと思います。そこでもう一度私どもといたしましては、組合側に考え直してもらいまして、この問題を政府が一方的にきめるのでなく、一定の調査機關をお互いにもちまして、組合側も組合側で全國的に適當な調査をして水準をきめる。どこは何割、どこは何割といとをきめる。そうして政府もある程度それを手傳いまして、でき上つたところできめまして、一年なら一年動かさない。かような協定をすることが、一番今の組合との團體交渉の建前から申せば納得のいく筋合ではなかろうか。數字の問題を、私どもがいかように資料を集めましても、やはり最後のところは若干は水掛論に終るようになつてまいります。萬人に納得し得るという資料がもし見つかるものでありましたら、賃上爭議など起らないのでありまして、結局どうしても水掛論が起ります。問題は納得にあると思うのですが、納得のいくためにどうしても組合側に一口乘つていただかなければならないと思いますので、この次の機會に何とかその案を提案して、組合の方にも協力してもらつて、場合によれば兩方話合いで一定の金額を割振るような方法にもつていきたいと、かように考えております。
○中崎委員 ただいま審議中の官廳職員の給與に關する應急措置についての問題は、きわめて現下重要な問題でもあり、またデリケートな問題でありますので、一應審議を十分につくすという意味において、自由討議に移しまして、その後において一應終つたところで、各委員の質疑にはいつていくというふうにやつた方がよいと思いますので、動議を出します。
○北村委員長 ただいま中崎君の御提案は至極ごもつともと思いますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○北村委員長 それではここで一應休憩いたしまして、引續き懇談會に移ります。
    午前十一時二十八分休憩
     ――――◇―――――
    午後零時十九分開議
○中崎委員長代理 休憩前に引續いて會議を開きます。
○川合委員 政府職員に對する一時手當の支給に關する法律案、この取扱い方に關しまして動議を提出します。この法律案に關する議事進行としましては、本案に關する政府の今日までの措置は、いろいろと御苦心なさつた點は、われわれも認めざるを得ないのでありますけれども、しかし勤務地のわけ方、その他に關しまして、常識上から考えてもわれわれが了解しにくい――少くとも國會の名においてこれを承認することはきわめて困難だろうと思うのであります。そこで直接の利害關係者であるところの勞働組合その他の方々の意見もわれわれが聽いて、そしてその上でこれを決定することが望ましいと思うわけであります。その方法といたしましては、この法案の審議に重大なる關連性を有する勞働委員會とわれわれが合同審査をすることが望ましいと思うわけであります。そこで委員長におかれては、勞働委員長と協議し、そうして合同審査をするようにお計らい願いたいとともに、また證人制度なり、あるいは公聽會制度を活用するというような建前をとりまして、そして先ほど申し上げました利害關係者を國會に出席願いまして、そこで實際の經驗からするいろいろな切實な希望をわれわれが聽取して、その上においてわれわれの意見をまとめ、そうしてこれを本委員會の決定的なものとしたい、かように考えるわけであります。そこで私は勞働委員會との合同審査と同時に、證人制度及び公聽會制度の運用に關しまして、委員長の善處を要望し、同時にまたたとえば證人制度をとる場合におきましては、その人選その他に關しましては、勞働委員長及び本委員會の理事あるいは勞働委員會の理事等とも、よくお打合はせの上、萬遺憾なきを期されんことを希望しておく次第であります。
○中崎委員長代理 ただいまの川合委員の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中崎委員長代理 それでは勞働委員會とも協議いしまして、ただいまの川合君の動議に副うように取計らいたいと思います。つきましては勞働委員會との連絡、さらにまた證人として出席を願うところの利害關係人の範圍等につきましては、理事會に一任を願いまして、速やかにその處置を講じたいと思うので、この點についてもお任せ願いたいと思いますが、いかがでございますか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中崎委員長代理 それではさようにいたします。
 本日はこれをもつて散會いたします。
   午後零時二十二分散會