第001回国会 財政及び金融委員会 第46号
昭和二十二年十二月四日(木曜日)
    午前十一時五分開議
 出席委員
   委員長代理 理事 吉川 久衛君
   理事 島田 晋作君 理事 中崎  敏君
 理事 梅林 時雄君 理事 早稻田柳右エ門君
   理事 塚田十一郎君
      川合 彰武君    川島 金次君
      河井 榮藏君    佐藤觀次郎君
      田中織之進君    西村 榮一君
      林  大作君    松尾 トシ君
      中曽根康弘君    松田 正一君
      青木 孝義君    泉山 三六君
      島村 一郎君    周東 英雄君
      苫米地英俊君    宮幡  靖君
      井出一太郎君    内藤 友明君
      石原  登君
 出席國務大臣
        大 藏 大 臣 栗栖 赳夫君
 出席政府委員
        内閣官房次長  曾祢  益君
        外務事務官   山田 久就君
        大藏事務官   伊原  隆君
        大藏事務官   石原 周夫君
        農林事務官   山根 東明君
 委員外の出席者
        農林事務官   濱田  正君
        專門調査員   圓地與四松君
        專門調査員   氏家  武君
    ―――――――――――――
十二月三日
 特別都市計畫法第四條の規定による國庫補助を
 國債證券の交付により行う等の法律案(内閣提
 出)(第一三五號)
 未復員者給與法案(内閣提出)(第一三七號)
の審査を本委員會に付託された。
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 食糧管理特別會計法等の一部を改正する法律案
 (内閣提出)(第一一七號)
 食糧管理特別會計が農業災害補償法により昭和
 二十二年度において負擔する水稻共濟に係る共
 濟掛金の負擔金の財源に充てるための一般會計
 からの繰入金に關する法律案(内閣提出)(第
 一二七號)
 會社利益配當等臨時措置法案(内閣提出)(第
 一三〇號)
 財務局及び税務署に在勤する政府職員に對する
 税務特別手當の支給に關する法律案(内閣提
 出)(第一三一號)
 未復員者給與法案(内閣提出)(第一三七號)
    ―――――――――――――
○吉川委員長代理 ただいまより會議を開きます。
 本日は會社利益配當等臨時措置法案、財務局及び税務署に在勤する政府職員に對する税務特別手當の支給に關する法律案及び未復員者給與法案の三件を議題といたします。提案理由の説明を求めます。
    ―――――――――――――
○栗栖國務大臣 ただいま議題となりました會社利益配當等臨時措置法案につきまして、まず第一にその提案の理由を御説明いたします。
 會社の利益配當については、昨年四月制定施行されました會社配當等禁止制限令により、資本金二十萬圓以上の會社であつて、戰時補償の請求權、在外資産等を有するもの及びいわゆる制限會社は現在配當を年五分以下に制限されておるのであります。これは戰時補償等の處理いかんによつては、これらの會社の中には、經理に大なる影響をこうむるべきものがありと豫想せられましたので、あらかじめ會社の經理内容をできるだけ健全ならしめておこうという趣旨のもとに定められたものであります。しかるに御承知の通り、昨年いわゆる戰時補償の打切りが行われ、これに伴いまして、損失をこうむる企業につきましては、會社經理應急措置法及び企業再建整備法の規定によつて、これらの損失の適正な處理がはかられることとなつたのであります。從いまして、現行の會社配當等禁止制限令は、その制定の趣旨に顧みまして、これを今後に繼續して施行する必要を認めないように相なりましたのみならず、他面今後經濟の民主化をはかるため、きわめて多額の有價證券を廣く國民の間に分散させることが必要でありまして、また經濟の復興再建のためには、多額の新規資本の蓄積をはからねばならない状況にありまして、この見地からいたしますれば、會社の配當を一定限度以下に制限することは、活發なる有價證券取引を阻害し、國民の證券投資に不利なる影響を與えるものと考えられるのであります。
 以上のような理由から、政府は關係方面に對し、會社配當等禁止制限令の廢止について懇請いたしておつたのでありますが、今囘同令を廢止することといたしますとともに、會社の利益配當につき、若干の措置を講ずることといたし、ここに會社利益配當等臨時措置法案を提出いたした次第であります。
 次にこの法律案の内容につきまして、その大要を御説明いたします。まず第一に、この法律の適用を受ける會社の範圍については、從來の會社配當等禁止制限令が金融機關以外の資本金二十萬圓以上の會社となつておりましたのと異なり、資本金額の大小を問わず、また戰時補償請求權等を有すると否とにかかわらず、すべての會社が例外なくこの法律の適用を受けることになるのであります。
 第二に、會社の配當率については何ら制限を設けておりませんが、配當金總額がそ事業年度の總益金から總損金を控除したいわゆる純益金額を超えて配當することを禁止いたしております。また會社は、借入金によつて配當してはならないことといたしますとともに、その事業年度末までに支拂期日の到來した金錢債務を完全に支拂つた後でなければ會社は配當をしてはならないことにいたしたのであります。
 第三に、特別經理會社及び經濟力集中排除法により指定を受けた會社につきましては、整備計畫または經濟力集中排除法による決定指令の内容を全部實行するまでは、原則として配當をしてはならないことといたし、ただ大藏大臣の許可を受けた場合に限つて配當をなし得ることといたしたのであります。なお制限會社及び金融機關につきましては、この法律には同樣の規定を設けておりませんが、制限會社につきましては、いわゆる制限會社令によつて、利益配當をしようとする場合には、すべて事前に許可を要することはもちろんであります。
 また金融機關につきましては、金融機關再建整備法の規定によつて、整備の完了までは利益の配當をなし得ないことになつております。
 第四に、會社は配當をした場合には、株主總會の承認その他適法の手續を經て、利益配當が確定した時から三十日以内に決算に關する報告書と準備金及び利益の配當に關する報告書を作成して、大藏大臣に提出しなければならないことといたしました。
 何とぞ速やかに御審議の上御協贊あられるようお願いいたします。
 次に財務局及び税務署に在勤する政府職員に對する税務特別手當の支給に關する法律案につきまして、提案の理由を説明いたします。
 政府は、税務職員の職責の重大性と職務の遂行のきわめて困難な實情に鑑みまして、その事務能率の維持向上をはかるとともに税收を確保するため、税務職員に特別の手當を支給することといたしたのであります。すなわち税務職員の從事する國税の調査、檢査または滯納處分事務は、變轉極まりない經濟情勢のもとにあつて、納税者の百般にわたる業務の實態をとらえて、これを複雜な税法に從つて處理していくのでありますから、相當高度の知識と技術を要するのであり、また個人の機密に屬する金錢的問題に深く立入る關係上、困難の多い仕事なのであります。
 特に最近インフレの高進に伴いまして、所得階層に激變を來しているのみならず、やみによる所得が増加しているため、課税物件を的確に捕捉して、課税の適正公平をはかるには、きわめて大なる困難が感ぜられるのであります。さらに國民の租税負擔が、最近の財政事情により著しく加重せられ、しかも國民生活が最近における社會經濟情勢により窮迫を告げている關係上、税務職員の職務執行上金錢的誘惑はもとより、身體または生命に對する危險の發生する場合が少くない現状にあるのであります。
 かかる現状にあつて、なお本年度下半期に千九十億圓程度の租税收入を確保し、百億圓を突破する滯納額を整理することは、まことに容易ならざることであります。これがために、政府といたしましては、納税に對する全國民の深い理解と協力とを得たいと考えまして、全國的に活發なる納税運動を推進したい所存でありますが、これと同時に、税務職員の官紀を大いに振起するとともに、併せてその志氣を鼓舞し、もつて課税の徹底を期したい所存であります。つきましては、かかる現状に顧み、この際税務職員に對し、その職務に精勵し得るよう、その職責に應ずる特別の手當を支給いたしまして、大いに事務能率の維持向上につとめたいと考えている次第であります。
 次に本案の内容を簡單に申し述べますと、税務職員が出張して國税の調査、檢査事務に從事いたしますときは、その從事日數一日につきまして、その職員の受ける本俸、暫定加給及び暫定加給臨時増給の日額四割を、また滯納處分事務に從事いたしますときは、その五割を支給することとし、これらの事務を執行するにあたり、その者の生命または身體に著しい危險を及ぼすおそれがあると認められますときには、一日につき、さらに五十圓を加算して支給することとして、本年十一月一日にさかのぼつて實施いたすこととしております。
 なおこれにより必要な經費は、本年度において八千二百萬圓、平年度において一億九千八百萬圓の見込みで、本年度分の經費につきましては、近く國會に提出する豫定の補正豫算に計上いたしております。
 何分御審議の上、速やかに贊成せられるよう切望してやまない次第であります。
 次に未復員者給與法案の提案理由を説明いたします。もとの陸海軍に屬していて、まだ復員していない同胞に對しては、從前の例によつて給與が支給されていますが、その支給は旅費、埋葬費等を除いては、階級によつて相當著しい相違があり、特に兵は、たとえ内地に扶養親族を殘している者であつても、扶養手當の支給を受けていない實情でありまして、今日の事態に著しく即しない給與になつています。そこでこの際階級差の著しい從前の俸給を改めて、階級のいかんにかかわらず、一律に月額百圓とするとともに、兵で扶養親族を内地に殘している者に對しても、新たに兵以外の者と同樣、その扶養親族一人當り月額百五十圓の扶養手當を支給することにいたしたいのであります。ただ兵以外の者で、從前の家族渡しの給與額が、右の原則による支給額を超える者に對しては、本年三月における支給實續額までは、これを保障する措置を併せて講ずることにいたしたいのであります。以上の給與の改正を旅費その他從前の給與とともに法律化して、昭和二十二年七月一日以後給與事由の生じた給與について適用いたしたく思いますので、御審議を願うことにいたしたいのであります。なおこのために要する追加財源は、本年度約六億圓でありまして、補正第七號に計上して、今國會に提案いたしてあります。
 何とぞ速やかに御贊成をお願いする次第でございます。
○吉川委員長代理 質疑を願います。――ただいまの三件以外に、前會の案件についても質疑を願います。
○佐藤(觀)委員 未復員者の給與のことについてお伺いいたします。現在陸軍の兵隊、將校で、給與を受けておるのはどのくらいありますか。
○今井政府委員 家族のあります者が四十萬、家族のないものを全部こめますと百六十萬。
○川合委員 財務局及び税務署に在勤する政府職員に對する手當の問題につきまして、これと別個に、でこぼこ調整はどういうようになりますか。
○今井政府委員 でこぼこ調整は、税務署職員に限らず、全官廳にわたり、九月末日におきまして、そのへつこんでおる線をならすところまで引上げることを認めております。税務署職員につきましては、これが約二號俸に相當いたします。目下その手續を進めております。何分にも全國的に數の多いことと、こまかく申せば、この機會に財務局別の權衡をはかろうというので、やや時間がかかつておりますが、日附は九月末日をもつてということにしたいと考えております。
○川合委員 たとえばこの法案によつて實施された結果、十七號給程度では、實際においてどの程度の額になりますか。
○今井政府委員 十七號給ですと、本俸が九百五十圓でございますから、ごく大ざつぱなところでございますが、六、七百圓であります。一月全部出張することはございませんで、出張日數だけ特別加給するのでありますから……。
○佐藤(觀)委員 今の税務官吏の特別手當に關する件につきまして、國税の調査または國税の滯納處分事務は、片方は四割、片方は五割ということになつておるが、當該職員の生命身體に著しい危險があるときは五十圓に規定しております。これはどういうわけでこういうことになつたのでありますか。
○今井政府委員 お答え申し上げます。調査竝びに檢査というふうなことにつきましては、その人の能力において相當に結果が異なり、大體本俸がその能力に比例しておりますので、從つてこの面は本俸に比例した手當をやることが至當だと思います。しかし危險の面はこれは人によつて違いありませんので、これは畫一にいたしたのであります。
○栗栖國務大臣 ちよつと補足して申し上げたいと思いますが、身の危險がある場合には一律にいたしたのでありますが政府としてはだれも危險のないように警官その他檢察當局とも二囘の閣議でさらに確認をしてもらいまして、身の保護をいたしてもらうということにいたしております。それからなお連合國側の援助をも受けるということにもいたしておるのであります。かりに非常な不幸の場合において、殉職するというようなことがありました場合に、政府としてはどうするかということも、併せて申し上げておきたいと思います。それはこの六月でありましたか、川崎で起りました神奈川の間税課長の端山君の殉職であります。これは本會議でも御質問を受け申し上げた次第でありますが、こういう場合におきましては、まことに尊い殉職でございますので、政府といたしましては、當時二十一萬圓の弔慰金を送つておる次第であります。
 それからこれは税ではございませんけれども、新聞でも御案内と思いますが、愛知縣下でタバコ關係の職員が殉職をいたしたのであります。これにつきましても、そういう場合にはやはり國家財政のための尊い犠牲でありますので、十分弔慰をも考えたいと思つております。なお殉職をいたさなくても、けが等がございますれば、見舞金その他をも別途に、また具體的な場合が起りますときには、具體的に考慮して考えたいと思う次第でございます。
○川合委員 手當と別個に滯納の徴收の促進というような見地から、實際に滯納を徴收した場合に、奬勵金制度というようなものは考えられないかどうか、その點はいかがですか。
○前尾政府委員 滯納整理につきましては、これはどういう基準によつて考えるかということは、非常にむずかしいのでございます。と申しますのは、處理件數でまいりましても、實質上非常にむずかしい難件もありますし、かえつて處理の件數の少いのが、むしろその人としては苦勞しておるというような關係がありまして、それが最も困難を極めて、それに應じた報酬を出すということをやるかどうかと申します基準が、非常にむずかしいのでありまして、今度の手當は、先ほど給與局長が申しましたように、その人の能力に應じ、また出張日數に應じて出しておるわけでありますので、まずその邊が合理的ではないか、最も適當な方法ではないかというような考えであります。
○佐藤(觀)委員 税務官の待遇の悪いということは、政府も大體認められているのではないかと思うのですが、特に税務官吏が税務署に長く勤めるということが、非常に困難になつておりまして、大體會社の脱税係に雇われる人が十年以上務めた人に非常に多いということを聞いております。そういうことに對しまして、税務官吏があつちに移動したりこつちに移動したりしないような方法について、どういうような手段をとつておられるか。また税務官吏のようなわれわれ國民に非常に關係のある者に對しては、もう少し請負制度のようなもので、多少でも徴税できるような方法を、いろいろ考えられたらどうかと思いますが、そういう問題について、當局の御説明を伺いたいと思います。
○栗栖國務大臣 税務官吏が專門の知識と技術が要るということは、先ほども申し上げた次第であります。それがために職を離れて、今お示しのように會社その他にはいるというような事例は、相當あるのであります。そこでさしあたりの問題としては、ただいま提案をいたしましたような趣意で、臨時手當その他を與えますとか、またでこぼこ調整の意味において俸給の引上げをいたしたいと思うのであります。根本の問題といたしましては、これはあるいは裁判官と同じような地位にあると思うのであります。從來は政府といたしましても、中央を重くし、地方の出先、窓口を輕んずるというような風があつたかと思うのでありますが、片山内閣におきましては、そういう點は十分改めまして、將來においては、税務署の特殊性、税務官吏の特殊的地位というものを考えて、俸給その他をも考えたいと思う次第でございます。そうして足を止めるというような趣意と、福利施設その他をも考えまして、十分考慮いたしたいと考えておる次第でございます。
 それから税の徴收についての請負制度でございますが、これについては確かにこういうような制度をとるということも、一つの方法だと考えるのでございます。しかしこれはその筋の關係等においても、なかなか許されぬことにただいまのところ相なつておりますので、こういうような特別な手當を與えて、働いていただく方には相當の實入りもできるような方法をいたしまして、そうして税の徴收についての努力をしてもらう、こういうような方法をとつた次第でございます。
○川合委員 その手當問題は、全官財とは一應話合いがついておりますか。
○前尾政府委員 全財については、まだこの法律が通つておりませんが、大體の閣議の件なり内容については、以前から話しておりまして、最近の動きは別といたしまして、また千八百圓ベースの問題があるのでありますが、とにかく今囘の特別待遇ということについては、十分その行為を感謝して、今囘の法制決定なり、滯納整理についてやろうという機運になつておることは確かであります。
○川合委員 こういうような手當を一層積極的にやつて、現在すでに滯納になつておる百億圓、また今後今年度内だけでも千億に上る滯納があるだろうというようなことを申しておる場合におきまして、この滯納、未納に對しての徴税機構の擴充ということが、質的な向上と量的な増加であるということを盛んに言われるのでありますが、今佐藤委員からも質問のあつたように、徴税機構の擴充強化と關連して、請負制度あるいは奬勵金制度というような根本的なことを考えねば、今後におけるところの實際の租税の徴收が困難ではないかというように思われますので、現段階における種々な國際環境のもとにおいては、できないこともあるでありましようが、根本的にそういうことを、今のうちから檢討なさつておいていただきたいと考えます。
○栗栖國務大臣 今の御趣旨は私も同感でございます。税というものについての申告制をとりまして、この線に沿うて、もつと改革すべき點が相當あろうと思います。そういう點も十分取入れて、その筋その他にもいろいろ交渉を續けていきたいと思う次第でございます。
○佐藤(觀)委員 最近地方の状況をみますと、税務官吏の素質が非常に悪くなつております。大體平均年齢が二十二、三歳ということになつておりますが、大藏大臣は、税務官吏の養成機關なり、あるいはこれから徴税期の段階にはいつて、相當の人數が要ると思うのでありますが、そういうことに對して、税務官吏の養成の方法を考えておられるかどうか、お伺いいたしたいと思います。
○前尾政府委員 從來から税務官吏の養成機關といたしまして、税務講習所というものを設けております。しかし何分人が次から次に入れ替るものでありますから、短期で、最近までは半年ぐらいの養成でやつておつたのでありますが、本年からは二年間といたしまして、現在七百名程度の養成をやつております。これは中等學校卒業者でありまして、また非常に優秀なのがたくさんはいつておりますので、大いに將來を期待していいというように考えております。また今年からやはり高等財務講習所というものを東京に設けまして、現在二百名收容いたしております。これは税務署なり大藏省におりまして五年以上勤めた、要するに將來の幹部としての養成というような意味合からいたしまして、税務大學と申しますか、財務大學という考え方で、これも相當の成績をあげております。何分二年間の養成機關でありますが、將來は大いに刮目していいというふうに考えております。それから現在一年間期間を限りまして、選拔いたしまして、各地の大學竝びに專門學校にお願いいたしまして、聽講生の制度を許していただきました。これが現在七、八十名おるじやないかと思います。それから各財務局で短期の講習會というのを、最近は忙しいので、ごく短期に暇をみてはやるというような意味合からいたしまして、隨時に各直税竝びに間税あるいは專賣というように限りまして、また直税については法人と個人とわけまして、法人の講習、個人の講習というような講習會を盛んにやらしておるわけであります。何分忙しいときにやつておりますので、徹底してやるわけにまいりませんが、われわれといたしましては、極力講習會を開きまして、短期に養成していく、その半面にただいま申しましたような長期的な將來の税務官吏の養成ということにも努めておる次第であります。
○宮幡委員 少し遲れましたので、あるいは同僚委員の質問と重複する點がございましたならばお許し願いたいと思いますが、財務局及び税務署に在勤する政府職員に對する税務特別手當の支給に關する法律案、これについて簡單にお尋ねをいたしたいと思います。
○吉川委員長代理 速記の都合がございますので、なるべく大きな聲で發言を願います。
○宮幡委員 この法案のうち第一頁のしまいから三行目にあります「前項の場合においてその事務の執行に當り當該職員の生命又は身體に著しい危險を及ぼす虞がある」この事項でありまするが、これは具體的に申せばいかなる場合でございましよう。
○今井政府委員 主といたしまして特殊な第三國人等に對する檢査調査ないし滯納處分、こういつた場合が該當するものと考えております。
○宮幡委員 第三國人というお答えでしたが、それは間違いありませんか。そういたしますと、何か税務の調査、檢査、滯納處分等にいく場合は、納税義務者から重大なる危險に襲われておるということを大藏當局は豫想してのことでございますな。
○今井政府委員 從來からすでにその實例は幾多ございまして、相當の犧牲者もすでに發生いたしております。殘念ながら現在におきましては、そういつたことを頭に考えなければならぬ事態に相なつております。
○宮幡委員 ただいま政府委員から御説明のございました實例を、この際差支えない程度に御開陳を願いたいと思いますが。
○今井政府委員 先ほども大臣がお話になりましたが、本年七月でありましたか、神奈川の間税課長の端山君が川崎の櫻本一帶の酒の密造の檢擧にまいりまして、その歸途川崎税務署で打合せをいたしまして、その歸りに暴漢に襲われたのであります。病院にはいりまして二日いたして、ついに死亡いたしたのであります。その際におきましても、その檢擧に携りました署員で、途上で第三國人から拉致されようというような危險な場合もあつたのであります。相當税務署でも威嚇を受けておるという事實があつた次第であります。またそれ以外に各國人でも、密造の檢擧につきまして、間々そういう事態が發生いたしておるのであります。
○宮幡委員 實例を伺いまして、かような條項の必要であることは一應了承できたわけでありまするが、かような危險を豫想いたしまして待遇を考える。日々五十圓の加算給與というようなことは、何かその現われております實例及び豫想しまする危險ということから思い合せまして、はなはだ足らないことではなかろうかと存じます。これは單に給與の問題でなくて、調査、檢査、滯納處分の事務を扱います税務官吏の身邊に對して、強力な司法警察その他適當な方法でもつて保護を講ずべきだと考えますが、その點についての御用意はいかがでございましよう。
○栗栖國務大臣 實は先ほどもちよつとその點で申し上げたのでございます。端山君の殉職の直後でございますが、最初の閣議できめまして、檢察當局、警察當局の十分なる保護をきめまして、司法大臣からその通達も出してもらい、また財務局を通じて、税務署にもその通達を出したのであります。なおそのときに、端山君の犯人のことにつきまして、再三司法大臣にも督促して、犯人及び死亡した經路なども明らかにした次第でございます。今囘追加豫算を盛つて税の徴收の完璧を期する上におきましては、さらにこの閣議の申合せを再確認をしてもらいまして、司法大臣から通達その他をも出してもらうようにいたした次第でございます。なおしかし第三國人その他については、十分でない點がございますので、連合國の好意ある援助を要請をいたしまして、その點については、所在についてあらかじめ連絡をとつてもろうならば、十分税務官吏の身の保護、職務執行を完全にできるようにしてやろう、こういうことにもなつておる次第でございまして、この點は特に十分注意をいたしまして、ぜひけがあるいは殉職があつてはならぬと思いますので、十分政府としても注意をいたしまして、過ちのないようにいたしたいと思う次第であります。
○宮幡委員 ただいま大藏大臣の御説明によりまして、大要萬全な御手配のように承りまして、非常に滿足を感ずる者でありますが、かような面におきまして、税務官吏が不安な心をもつて現場に臨むような場合もございましたならば、本年の豫算に計上せられた税收入を確保することは困難であります。ただいまの御説明に對して、何ら異存もございません。より以上に税務官吏の徴税にあたります場合に、確固たる信念と、そしてみずから正しく履み行う、かような面に十分な御指導をいただき、そうしてその生命及び身體のまわりのことは、ことごとく安心の状態にあるということを、一層強く示していただいた方がよろしいではなかろうかと考えております。これは保護する立場での法案でありますが、間税強制の實態におきましては、第三國人のような、さような違法なことをいたします特別な階級の人たちを別に考えますと、現在ではむしろ間税係員の方が、納税義務者に對して誤つた攻勢をとつておる傾きの方が多いのであります。これは毆られもしない、あるいは威かされもしない。かように考えますと、最近にも現われておりますが、會社やあるいは商店の從業員の身體檢査をも行つてみたり、あるいは机の引出しや金庫を捜査してみたり、少くとも新憲法下の精神にもとるようなことをいたしております。これはその調査の事態とてやむを得ないことであつただろうと、私どもは善意に解釋しておりますが、納税義務者は、この聲を傳えまして、やがて不正ではありましようが、納税義務者のスクラムをつくりまして、これらの調査に對して一つの防壁をつくつて、暴力にうつたえる方法か、あるいはやわらかくこれを押える方法かしりませんが、少くとも税をとる上に遺憾の多い形になつております。どうぞ税務官吏の身邊を保護せられることにより、以上の御注意を拂われると同時に、税務官吏の徴税に對しまする態度の公正、そしてあくまでも信念をもつて進む、この態度を要請していただくことに、もう一段の御努力を願いたいと存じます。これは私の希望でありますから、くれぐれもお願いいたしておきます。以上をもつて質問を終ります。
○栗栖國務大臣 今の御希望は、私どもも常々心得ておる次第でございまして、實は一方において身の保護、あるいは特殊の勞務その他に對しての給與の改正等をいたしますと同時に、他面におきましては、税務行政の粛正刷新ということも心得ておるのでございます。これもすでに書面をもつて各財務局を通じ、税務署の方へも通達をいたしておりますけれども、なおこの點につきましては、身の保護、あるいは税務官吏の粛正、行き過ぎを戒めるというような點につきましても、税の取立てができるかどうかということが、このインフレーシヨンの突破ができるかどうかということに重大なる影響をもつておりますので、その趣旨におきましても、いろいろ督勵をし、この覺書その他をも差出して、十分一方において粛正をすると同時に、一方において保護を受けるというようなことの實があがるようにしようということを申しておるのであります。なお税の完納運動その他につきましては、所在の連合國側の人が會合その他にも出て、徹底を期そうというような話合に相なつておる次第でございます。
○内藤委員 食糧管理特別會計法等の一部を改正する法律案について一、二お尋ねしたいと思います。連合軍から放出されましたたくさんの食糧に對しまして、ただいまのところでは連合軍の費用でこれは始末されていると聽いておるのでありますが、究極は日本國がこれを負擔しなければならぬと思うのであります。これと特別會計とはどういう關係にありますか、お聽かせ願いたいと思います。
○山根政府委員 お答えいたします。お話のように、輸入食糧の代金は對連合軍側におきまする決濟は、實はまだ行われていないわけでありますが、食糧管理特別會計としましては、貿易廳特別會計から品物を受けますと同時に、相當の代價を食糧管理特別會計の負擔において支拂つておるのであります。今日御承知のように、昨食糧年度には百六十萬トン餘、一昨食糧年度には百萬トン近い輸入食糧を受けたのでありますが、大體内地の生産者價格と同じ基準でこれを支拂うという取交わしをいたしておりまして、約百億を若干上まわる金額を、今日まで食管特別會計より貿易廳特別會計に支拂をいたしておるわけでありますが、今後もそうなるだろうと思うのであります。從いまして、輸入食糧の代金も、國内的には食管特別會計に計上いたすような形をとつておるのでございます。
○内藤委員 ただいまのお話によりますと、終戰後から今日までに連合軍から放出されました食糧は、二百六十萬トンというお話でありますが、この二百六十萬トンは、まだ為替レートもきまつておりませんので、的確にいくらということはわからないかもしれませんが、ドルにしておよそどれくらいなものでありますか。もしおわかりになつておりますれば、お聽かせ願いたいのであります。
○山根政府委員 大體私の方で貿易廳の方に拂つております金額は、先ほど申しましたように、百億を若干上まわる額になつております。それでありますから、為替レートがどういうふうになりますか、あるいはそれによつておのずから計算が違うわけでありますが、それがきまりますまでは、かりに百五十圓といたしますとどうなりますか――大體私の方は百億あまりの經費を支出しております。
○河井委員 この税務職員の法律案は、税務職員の士氣にも影響いたしますから、速やかに可決し、至急決定されたいと思います。
○吉川委員長代理 ただいま河井君から動議が出ておりますが、その通り決して御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○吉川委員長代理 御異議ありませんから、財務局及び税務署に在勤する政府職員に對する税務特別手當の支給に關する法律案について討論に移ります。
    〔「討論省略」と呼ぶ者あり〕
○吉川委員長代理 討論省略に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○吉川委員長代理 それでは採決いたします。本案可決に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○吉川委員長代理 御異議ありませんから、本案は可決いたしました。
    ―――――――――――――
○吉川委員長代理 なお次に食糧管理特別會計法等の一部を改正する法律案について討論を省略して採決いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○吉川委員長代理 それでは採決いたします。本案可決に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○吉川委員長代理 御異議ありませんから、本案は可決いたしました。
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○吉川委員長代理 次に食糧管理特別會計が農業災害補償法により昭和二十二年度において負擔する水稻共濟に係る共濟掛金の負擔金の財源に充てるための一般會計からの繰入金に關する法律案について、討論を省略して採決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○吉川委員長代理 それでは採決いたします。本案可決に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○吉川委員長代理 御異議ありませんから、本案は可決いたしました。
 本日はこれにて散會いたします
   午後零時一分散會