第002回国会 本会議 第30号
昭和二十三年三月二十四日(水曜日)
    午後二時三十七分開議
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 議事日程 第二十七号
  昭和二十三年三月二十四日(水曜日)
    午後一時開議
 一 國務大臣の演説に対する質疑(前会の続)
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○議長(松岡駒吉君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
○議長(松岡駒吉君) 國務大臣の演説に対する質疑を継続いたします。古島義英君。
    〔古島義英君登壇〕
○古島義英君 芦田内閣総理大臣の、一昨日以來のわれわれの同僚に対する御答弁を承りますと、まことにピントをはずれて、いかにも不誠意極まる答弁をいたしております。私は、この点に向つて嚴にこれを警告いたして、質問に移りたいと思うのであります。
 芦田氏の御演説を承りますと、その内容はまことに空虚であり、たまたま内容に触れたところを見ますと、いかにも事実を歪曲いたし、あるいはまた不要なところに誇張があるのであります。現に施政方針の中に述べまして、今日予想以上の治安が保たれておるというのであります。何を予想いたしたのであるか。大動乱を予想するならば別であります。あるいは大革命を予想するならば別であります。しかしながら、今日日本における治安がいかに保たれておるか、保たれでいないかは、芦田総理大臣みずからが御承知のはずであります。強盗は至るところにあり、窃盗は至るところにあり、しかも集團的の強盗、集團的の窃盗集團的の恐喝が行われておるのである。われわれがわずかに汽車旅行をいたすにいたしましても、電車に乘るにいたしましても、われわれの生命財産は常に危うきにさらされておるのであります。これでなお治安が保たれておると言うならば、いかなるときに治安の乱れたときがあるのでありますか。少くともわれわれは、その生命財産を全ういたして、旅行の自由をそのまま実行できるようでなければ、治安は保たれたとは申されぬのであります。しかるに今日、あのわずかに十六、七歳の青少年の連中が、殺人・強盗を勝手にやるというようなこの時代に処して、どうして治安が保たれたということができるのであるか。何を標準に予想をいたしておつたのでありますか。予想以上に治安が保たれたと言うならば、あなたの予想いたしたのは革命か動乱であろうと思うが、いかがであるか。しかも、この点に向つて何らの説明がしてないのであります。
 しかしてまた、われわれは今日この事態に処して、今日以降だんだんと危險な模様が見えているのであります。あるいはストライキが起る。このストライキの跡始末はどうなるか。おそらくは血を見るまでに至るであろうということを予想いたすのであります。しかも予想以上に治安が保たれたと言うに至りましては、実に事実を歪曲したる御意見でおると思うのであります。(拍手)この点を承つてみたいのであります。
 しかも芦田首相は、かつては日本の本國に接近したるところの島は日本に返してもらいたいということによつて世界に物議を起した方でありまするその方が、事もあろうに、東洋の隣國においてはその政情が安定いたさないから、日本の経済復興は一大障害を來したと言うておるのであります。何たる不謹愼な意見でありましよう。この島を返せと言つて、しかもそれを返さないと言う。あるいは返すと言う。そんなことは、敗戰國の人間がみだりに言うべき言葉ではない。しかるにかかわらず、それを言うて物議を起した方が、事もあろうに、今回また重ねて、東洋の隣國において治安が保たれず、そうして政情が不安であるから、日本の経済再建が一大障害を來したと言うに至ましては、外務大臣を兼攝している総理大臣としては不謹愼極まるお言葉であろうと思うのであります。その点に向つてどのようなお考えをもつておりますか、今日は少しは考えが違いましたか、それを承つておきます。
 申すまでもないことでありますが、芦田内閣総理大臣は民主党の総裁であります。その民主党の総裁は、民主党の一枚看板である修正資本主義の本家本元だと言うのであります。このごろ修正せざる主義がどこにありますか。どんなものでもありはしない。修正しない主義などがあるというならば、それはみずからの無知を表白するものであります。(拍手)共産党の方々にいたしましても、その共産主義において大修正をいたしております。すなはち、議会を否認するような共産主義は今日行われない。議会に多数の議院送つて、そうして議会を通じて主義主張を実行すべく努力をいたしておるのである。あるいはまた社会党の方々にいたしてもそうであります。社会党の方々も、昔のあの社会党は今日はありません。実際からいうならば、生産手段、少くとも土地・資本はこれを公有共有にする、あるいは自由競爭を排除いたして、公の力をもつて富の分配をする、こういう社会主義を唱える方々は、今日はありますまい。しかもなお空想的の社会主義を唱える者がなかつたということは、日本で社会主義の唯一の政党でありまする日本社会党が、現に農地を耕作農民に解放するとか、第三次農地制度を改革するというような方針に向つてまいつたということだけを見てまいりましても、昔の社会主義ではない。そこに社会主義の大修正があるのであります。
 資本主義にいたしましても、そうであります。もちろん修正せずに、ただ資本主義だ、資本主義だとやつている者はありません。御承知の通り、一九三三年にあのルーズヴエルト大統領がニユー・デイール政策をとりました。しかもこのニユー・デイール政策は、初めは金融恐慌の問題であつたが、後には農村恐慌の問題において、あるいは産業恐慌の問題にも対策を講じ、失業対策の問題にまでまいつたのであります。かようにいたして、このとき以來の資本主義というものは大なる修正をされておるのであります。しかるに今日、わが党は資本主義を修正いたし、修正資本主義を唱えるものはわが民主党だけだというようなことを言つて、麗々しくこれを掲げるに至りましては、まるでとんぼをつかまえてとびをつかまえた、たかをつかまえたという連中だと思うのであます。(拍手)
 しかしながら、この修正をいたした資本主義でありましても、資本主義はもちろん修正されたには相違ないが、同じく資本主義でありましよう。ところが、その修正された資本主義なるがゆえに社会党と一緒になつたつもりである。社会党は社会主義である。修正されたとはいいながら、民主党の唱えるのは資本主義である。とうていこれが一致しようはずはない。この一致するはずのない御連中が一緒になつて内閣を構成しようというのでありまするから、できようはずはない。現に諸君が御承知の通りではないか。あるいは土地の改革問題がどこにできたか。政策を協定」たというのであるが、どこに政策の協定ができたのであるか。もしできたというならば、第三次土地改革問題については、どのような構想において、どういう地所を対象にしてできたのか承りたい。
 あるいはまたあの行政整理の問題はどうでありますか。行政整理の問題は、少くともこの人員を主題としての行政整理でなければ、行政整理の意味をなしません。わずかに機構いじりをいたして、何が行政整理でありますか。何ら人員に指を染めずして、そこに行政整理をいたすというのでありまするから、そんな行政整理は協定の必要も何もない。
 御承知でもありましようが、鉄道の人員ほどうであるか。戰前においては二十二万七千人の人たちであつた。しかるに、今日においては五十七万三千人という多きになつておるのであるが、その人員に向つては、さらに指を染めない。そうして行政整理をするというのでありまするから、こんなできないことを平氣で協定したというこの総理大臣は、どこか頭の一部に欠陥がありはしないかと思うのであります。
 しかも、まことにお氣の毒なことには、あの軍事公債の利拂停止の問題はどうなりますか。協定をいたしたいというのであるが、その翌日はただちに食い違いを來しておるではないか。社会党はもちろん、この軍事公債の利拂停止にあたつては、これを停止することに協定ができたとその翌日発表いたしておる。民主党の諸君も、國民協同党の諸君も、その翌日は、これに対して研究をするのだといつて発表いたしておる。利拂をしてよろしいか、利拂をしないようにしようかということは、これから研究をするのだいうのが民主党と國民協同党の御発表になつたところであります。社会党の諸君は、これは停止することに協定ができたのだと言つておるが、どちらがほんとうであるか。
 もし、これができないというならば、かつて社会党の片山君は、九十二議会の際でありましたが、そのときに石橋大藏大臣に向つて、この軍事公債の利拂ほ停止したらばどうか、停止することが当然であるから停止をしろということを要求したではないか。もしこの要求が、今度民主党や國民協同党が主張し発表いたしたごとく、これから研究をするのだというならば、未だ研究もしていないのを石橋大藏大臣に要求をいたしたのでありますから、その無責任は言語道断、さたの限りだと思うのであります。(拍手)
 まさかわれわれは、片山君がさような態度に出たときは存じません。しかも、まことに惜しいことは、民主党の諸君はこれから研究をするのだと言うが、これから研究をするのだというならば、実際は今日まだ研究していない。そこで研究をしていないから、片山君の言うたこと自体は無責任であるか。もしほんとうに社会党の人たちが言うがごとく利拂を停止するということになれば、芦田総理大臣は所属の九十名の人たちをお供にして社会党の方々の軍門に降つたということになるが、いずれであるか。芦田さんが社会党の軍門に降つたのか、あのるいはまた、まだ未熟なるものを人に難きを強いたのであるが。難きを強いたというならば、片山君及び社会党の人たちは全部責任を負わねばならぬ。しかも実際利拂を停止するということに協定ができたというならば、民主党の諸君、國民協同党の諸君は、芦田さんを先頭にして社会党の方々に頭を下げたのであるから、いずれがほんとうかは、われわれとしてこれを承つておかねばならぬのである。どちらがほんとうであるか、芦田さんは良心的にこれを答えていただきたいと思うのであります。
 今日私が説明するまでもありませんが、第二次世界大戰爭は、要するに全体主義國家群と民主主義國家群との戰いであつたことは申すまでもありません。この全体主義國家でありました日独併の國々が敗退をいたし、民主主義國家群が勝ち残つたのである。しかし、同じ民主主義國家でありましても、社会主義を唱える貫主主義もあれば、資本主義を唱える民主主義もありますが、社会主義國家であつて資本主義を唱えるもののないのは申すまでもありません。どういたしても、これが一致できないことはもとよりわかりきつたことである。もとよりわかりきつたその主張を、しかも一致するごとくこの協定をいたしておるのであるから、いわゆるとうてい調節のできないものをむりに調節いたそうというのである。いわば水と油とを一緒にしようというのでありますから、一緒にできようはずはない。しかもこれを一緒にしようというのであるから、今申したような多くの矛盾が起つてまいるのであります。この矛盾を協定しようとしても協定のできないことは、先ほどの三つの例でも明らかにわかります。今後これに向つてどのような協定を進めようというのであるか。政策協定をするというのであるか。おそらくは一致する御意見はどこにあるかといえば、政権にありつきたいという以外に一致するものはないと思うのであります。(拍手)ただ政権欲のみは一致しておるのであるが、その他の点についてはさらに一致することがないと思うのであるが、いかにして協定をいたしますか。実にふかしぎな存在であります。
 私は、この芦田内閣は珍妙きてれつな、ふかしぎ千万な存在で、いわば畸型兒的の存在だと思つておるのであります。この畸型兒的な存在に天下の政治を託するというわけにはまいらぬのであります。とうてい天下の政事をやるには足らないと私は思つておるのである。
 芦田さんは、先般もいろいろ御説明があつたようであります。齋藤氏の御演説に対すみ御答弁といたしましても、この内閣は國会において指名されたのであるから、これは正当だと仰せになつておる。なるほどその通りであります。ところが、指名はどの程度においてできたのであるか。今欠員を除きましても、議院は四百四十六名あるはずであります。四百四十六名の半数と申せば、二百二十三名であります。芦田さんのとつた票は、その二百二十三にも及ばざる二百十六ではありませんか。この二百十六をもつて、なおこれが天下の輿論われに帰せり、國論が一致しておる、そうして國会が指名をいたしたのであるから、これで政治はとれると仰せになるのであるか。これでは少々おさびしい感じがあるであろうと思う。
 このおさびしい感じは、どういうところでとりもどしができますか。おそらくはできますまい。かような少数の人たちによつで指名をされて、なお天下の輿論が自分に帰しておるというだけの覚悟があるならば、なぜ議会を解散いたして、ほんとうに天下の輿論が自分にあるかないかということをはかつてみないか。(拍手)もしまた天下の輿論が自分にはない、信用地を拂つて何人も信頼する者がないが、一たびさいわいに内閣総理大臣になつたのだから、これをやめてはたいへんだというので、議会の解散ができないというならば、それは政権を私するものであります。(拍手)政権を私するものは、天人ともにこれは許さざるところである。(笑声、拍手)かような者が、ほんとうに自分でこの政治を担当しようというに至りましては、実におこがましきところであると思うのであります。どうか考え直して、潔く議会を解散するか、潔く内閣を投げ出すか、いずれかの方針をとつてもらいたいと思います。(拍手)
 私がここにあらためて申す必要はありますまいが、ほんとうに政治の要諦を心得ねぼならない。政治の要諦はどこにあるか。これは民心を安定させる以外にはないわけであります。民心を安定させるというならば、そこに民の心を心としての政治が行われねばならぬのであります。國民の大多数はこれに反対をしておるにかかわらず、なお天下の政治を私するというならば、これは民心安定の方法にはなりません。御承知の通り東洋思想の中には、もちろんつまらない革命というようなことはありません。これに類似をいたした禪讓であるとか封讓であるとかいうものはありますが、この革命の思想がないということは、どこから出てまいつたのであるか。天下の政治をなす者は、もし民心一たび去るならば、ただちにその政権を他に渡す、もしくはほんとうに天下の輿論がいずれであるかということをはかつてみるところに、この革命などという思想は起つてまいらぬのであります。
 今日の現在において、あの街頭録音をお聽きになつたことがあるか。新聞の毎日の記事を見たことがあるか。毎日毎日の記事は、この芦田内閣に反対の記事であります。毎日の録音は、あの街頭において聽きましても、芦田内閣に反対の意見が多いのであります。しかもなお天下の輿論われに帰せりというならば、さいわいに革命の思想はなかつた日本ではあるが、おそらくは治安の問題について、予想なさつたような革命はこれから起つてまいるのではないか。これははなはだ重大であります。
 しかも、國会はどうであるか。先般芦田氏を内閣総理大臣として指名をいたした。芦田内閣総理大臣は指名されたのであるが、指名された後何らの手続をとらないこと二十日間、これは國会の決議を侮辱いたしているのである。國会のせつかくの指名に向つて何らの手続をとらぬ。そして、みずからは組閣の準備をいたしているのである。もしほんとうに國会の意見を用いるならば、國会の意見に從うならば、こういうことはできないはずだと思うのであります。いやしくも國会が指名をいたして、その間二十日間は何事もせずに、わずかに組閣の準備のみいたしておるというようなことであつては、これは國会の決議を侮辱することに相なるのであります。私はこの点に向つて、あなたがいよいよ組閣のできる見透しのつくまでは何らの手続をとらずにおつても、なお國会の決議を尊重するとお言いになるかどうか、承りたいと思います。
 かような方が天下の政治をとらんとするのでありますから、実に危險至極であります。実際から申し上げるならば、私は芦田さんに決して何らの恩怨はない。從つて、芦田さんを攻撃するつもりはありませんが、奇態なことには、芦田さんに向つて、世間では匹夫呼ばわりをいたしております。実にお氣の毒であつて、私はかつての交際からいつて、このことは申し上げることはできないが、なるほど匹夫というにも大分意見があるようである。
 こういうことをいつております。いわゆる仁を損う者を賊だといつておる。義を損う者はこれ残だといつておる。残賊はこれ匹夫だといつておる。義を知らず、仁を知らず、そして仁を損い義を損ずるからして、そこに匹夫だというようなことをいつておるのであります。まことに理窟の通つた匹夫の意見であつて(笑声)、これには何人といえども反対する余地がないのであります。そこで、この匹夫を滅ぼすと、いうことは、これ國民の心持を用いるのであるからして、これこそは眞に民主主義の根底に即するものであると、こういつております。(拍手)もしこの内閣をしてそのまま存続させるというならば、それ自体すでに匹夫の仲間入りになつてしまうのであります。この内閣にして議会を解散する勇氣があるならば、あるようにこれを発揮してもらいたい、その勇氣がないならば、潔く引下つてもらいたいということを言うのこそ民論を用いるものであつて、ほんとうにこれが民主主義に徹したる意見だというのであります。私もその通りだと思う。これであつては、まことにお氣の毒であります。
 かつての芦田さんであります。何もどこの総裁になろうが、総理大臣に指名されようが、あの昭和十七年の際われわれとともに同交会を組織したときのあの氣持になれば、今日ほんとうにみずから恥じて、この内閣を投げ出すということは当然だと思う。その氣分になれずして、実際はほんとうに――まあ、これは齋藤さんが言うたから、私は繰返して申し上げるのではないが、芦田さんは前の内閣の倒れたその責任者である。ところが、片山内閣が倒れたのは決して政策の行詰りでないという暴論を吐く者もあります。これが政策の行詰りでなくて、どのようなものが政策の行詰りであるか。
 私が申し上げる必要もありませんが、あの〇・八ヶ月分の補給金を鉄道運賃の値上げでとる。郵便料金の値上げでとる。ところが、そいつはいけない、大衆課税になるからいけないというので、これが否決になつた。それがためにやめたのである。しかも、それだけではない。今年の二月になつても、四月から使うところの予算が編成できない。その予算を編成するための大綱さえもまだきめることができない。もうすでに一ヶ月に迫つておる今日、この予算、編成の大綱のできないというような内閣は、おそらくは、日本に憲政布かれて以來何十回も内閣が組織されたのであるが、片山内閣をもつて嚆矢とする。片山内閣が初めてこういうことになつた。その責任者であるところのこの芦田さんが、それで連帶責任がないという……(「違う」と呼ぶ者あり)もちろん、片山内閣と芦田内閣と間違つたのではない。片山内閣が予算の編成の大綱さえもできないというのである。二月になつても予算の編成の大綱ができない。しかして三月に支拂うところの金が、その補給金がとれないというのである。これで政策の行詰りでないということができるか。かようにして政策はとうてい実行はできないということになつて、遂に内閣を投げ出したのではないか。いわゆる行政権の行使ができないのだ。
 清君も一遍憲法を読み直してみるがよい。(拍手、笑声)憲法の六十六條には、明らかに行政権の行使については國会に向つて連帶責任を帶びるといつているではないか。國会に向つて連帶して責任を帶びるという以上は、この行政権の行使ができなくなつたのであるから、当然責任を帶びなければならない。かるがゆえに、私は片山内閣が倒れたときしに、片山内閣は倒れたのではない、倒されたのでもなく、ほんとうにこれは腐爛して溶けてなくなつたのだと言うりたのである。この腐爛して溶けてなくなつたその内閣の一考成員である芦田さんであるから、当然この責任は帶びねばならぬ。その当然責任を帶びねばならぬ芦川さんが、ただちに出て、仲間を促して、そして廟廊を爭うというのでありますから、これくらい無責任なるやり方はないのである。しかも、その廟廊を爭つた後になつて指名されるや、指名後の二十日というものは、國会の議決をたなざらしにしたのであますから、この責任は重大であると申し上げるのであります。(拍手)どうか、この点に向つてはすべからく責任を帶びていただきたいのである。
 もし芦田さんが、自分はその責任を帶びて一遍辞表を出したというならば、辞表を出しただけでは足らないのであります。辞表を出して残務をやるためには、総理大臣としてでなく、外務大臣としての仕事はなさつておつた。その間において組閣の準備をいたしたのでありますから、これくらい責任を帶びないやり方はありません。責任を帶びるということは、そういうだらしないことで倒れた内閣の一閣僚であるならば、辞表を出しただけではいけない。これに向つて謹愼をせなければならぬ。その謹愼をせずして、ただちに次の内閣の組閣の準備をするようなことは、責任を帶びたことにはなりません。責任を帶びるということは、國民に向つて、國会に向つて、まことに申訳がないことをしたという心持が形に現われればならぬのである。しかるに、そのことをなさず、なお責任を帶びるというのであるならば、これは責任政治も何もありません。民主政治を解するところの宰相というものは、そういう態度では相ならぬのでありますから、十分御注意を願いたいと思うのであります。
 私はこの意味において、この芦田さんは、ほんとうに天下の輿論がわれに帰しておるという確信がおありならば、どうか議会を解散していただきたい。もしまたそういうことは確信はできないが、しかし一たび天下を取つた以上は、解散すると、次の議会を召集して十日以内に辞表を出さねばならぬということになつては、せつかくの内閣も投げ出さなければならぬということで、政権に恋々のあまり、解散もできず、辞職もできないというならば、これは天下の政治を私するものでありますから、どうかその点は間違いのないように、いずれかをやつていただきたいと思う。
 私はまだ申し上げてみたいと思うことがあるのであるが、しかし昔のことを考えると、芦田さんを目の前においてあまり面詰することもどうかと思いますから、芦田さん自身の良心に訴えて、どうか前途ある芦田さんでありますから、間違いのないように御処置を願いたいということを申し上げて、私の質問を終りたいと思います。(拍手)
    〔國務大臣芦田均君登壇〕
○國務大臣(芦田均君) ただいま古島君より、いろいろ御意見の御開陳がありました。(「注意だ」と呼ぶ者あり)御注意もともと拜承いたしました。
 今回の組閣が、政治道徳の上から見て許すべからざることである事という御意見につきましては、すで齋藤君の質問に対して答えたところでありまして、これ以上附け加える言葉はありません。私どもは、國会が國民の代表機関であると信じておりまして、國民の多数が表示したる意見は、これを民意であるとして一應了承いたします。從つて、議会が國民を代表することにおいて欠くるところありという考えが起つた場合には、進んで議会を解散すべきだと思います。
 次に、東洋の隣邦諸國が政情の安定を見ないために、わが國の経済再建にも差支えが起るという言葉を私が述べた。これは現在の事実をありのままに述べたにすぎません。インドより太平洋にわたる國々において、わが國は多くの経済関係をもつておるのでありますから、これらの緒國が一日も早く安定して、われわれが進んでこれらの國と通商を営むことができるように、われわれアジア民族として多大の同情を表すると同時に、一日も早く治安の安定せんことを希望する意味の言葉を私は述べたにすぎないのであります。(拍手)
 行政整理につきましては、すでに社会党の代表演説に対して、政府はその意のあるところを答弁いたしました。これ以上附け加えることはありません。
 公債の利拂い停止につきましては、停止的措置に関する委員会を設けて、近くこの問題を具体的に取上げることとなつております。さよう御了承を願います。(拍手)
○古島義英君 簡單でありますから、自席から発言をお許し願います。
○議長(松岡駒吉君) 古島義英君。
○古島義英君 ただいま芦田総理大臣がお答えになりましたが、治安の問題を質問いたしたのでありますが、この点はどうしたのか。事はきわめて重大である。今日は強盗、窃盗、殺人が行われておるのである。あなたはこの治安は予想以上に良好に保たれておるということを言つたが、あなたは何を予想いたしておるのであるか。この予想するところは、あるいは革命であるとか、あるいは動乱であるということなら別であるが、一般社会の通念からいうて、今日の治安が予想以上に保たれていると認めるのであるか。とんでもないことである。あなたは、これに向つてまじめに、今日の治安がどうなつているかこれでも予想以上に良好なのかどうか、あなたの見るところではどういうところであるか、明瞭にお答え願いたい。
    〔國務大臣戸田均君登壇〕
○國務大臣(芦田均君) わが國治安の現状につきましては、まつたく古島君のお説の通り、國民ひとしく憂えておるところであります。
 一日も早くこの治安の回復せられんことは、われわれの熱望するところであります。しかしながら、八年間の戰爭の後、政治的にも経済的にも社会的にも混乱したる戰後の状態において、この程度の治安を維持することができたのは、思つたよりもよかつた。こういうところであります。(拍手)
○古島義英君 しからば、あなたの去る二十日のあの施政方針演説は、國民の前にうそを言うたことになるが、そう承知していいか。治安が予想以上良好に保たれていると言つたことは、まつたくうそを言つたことになりますが、それはどうなりますか。あなたは、この内閣はほんとうに治安について十分な考えをもつていると言うが、それどころではない、まつたく予想以上治安が悪くなつているから、今後十分注意するというのがあたりまえだ。しかるに、これが予想以上良好に保たれたということは、國民を欺き、自己の良心を欺くものであります。(拍手)
    〔「答弁無用」と呼ぶ者あり〕
○議長(松岡駒吉君) 芦田総理大臣は答弁なさらないそうであります。竹山祐太郎君。
    〔竹山祐太郎君登壇〕
○竹山祐太郎君 私は、國民協同党を代表いたしまして、総理大臣及び経済安定本部長官の演説に対し、総理及び関係閣僚に若干の質疑をなさんとするものであります。
 まず第一に、現下の窮迫せる國際政局において、わが國の地位がいかなる状態に置かれておるか、これに対する総理大臣の所信を率直端的に承りたいと思うのであります。もとより、わが國の現状がきわめて特殊的なることから、総理の演説が抽象化されたことはよく了解するのでありますが、目下最も國民の知らんと欲しておりまするこしは、この國際情勢と、これに対処する態度であると信じます。この現下の情勢は、講和条約の締結を飛び越えて、一躍急迫した國際政局を表わしておると信じます。從つて、このむずかしい状態を率直にわが國民の所信として世界に表明をし、これが希望の達成に連合國の援助を懇請することが、必要かつ緊急の処置と信ずるものであります。この点よりしまして、わが國の現状は、終戰当時よりも比較にならない重大段階にあり、かつ急迫いたしておると存じます。米國要路者の訪日往復も繁く行われておることは、國民ひとしく重大関心を持しておるところであります。かくのごときどきにこそ、眞に拳國一致、わが國再建の基礎を決定せられんとするこの重大事態に対処し、悔を後世に残さざらん覚悟こそ、われわれの務めと信ずるものであります。若干の主張に相違はあろうとも、この國家の重大時局に協力することこそ日本現下の政党のなすべき立場なりと信じて、あえてこの難局政権に協力いたした次第であります。(拍手)わが党こそ、立党以來中道の政治を主張し、この制約きわめて多きわが國情において、その再建をはかるためには、日本古來より変らざる傳統をもつ協同主義によるべきことを確信をいたしておる次第であります。(拍手)
 第二は、日本再建のためにも、世界平和のためにも、まず急速に東洋における政治経済の交渉に強力なる施策が打たれなければならないと信ずるものであります。もとより日本の現状、みずからそのなす立場にないことはもちろんでありますが、欧州においてあの強力なるブロツクができつつある現状も、よく理解せられるのであります。日本の貿易・経済再建の立場よりいたしましても、もとより絶大なる米國の援助によるのはもちろんでありますが、その効果をあぐるためにも、東洋諸國のまず緊密なる交流が行われなければ、期待いせないことは明白であります。急速かつ的確に日本経場済再建を期するために、この東洋に対する対策を推進せられるよう連合國の厚意を懇請すべきであると信じますが、総理大臣の所信を承りたいのであります。
 第三は賠償の問題であります。これは、ポツダム宣言に基く当然果すべきわが國の大なる義務であることは、十分理解をいたしております。ただ、終戰以來今日までわが國のとつた諸般の処置が、いかに忠実に平和的処理に邁進をしてきたかは、おそらく連合國のひとしく認めていただけることと信じます。賠償施設についても、おそらくわれわれの知らざる以上に忠実に行われておることと信じます。しかしながら、今日、までの日本経済の推移、將來への保障から考えて、当初考えられたことがいかに深刻であり、日本再建を絶望的ならしめたかは、記憶に新たなるところでありまする。しかるに連合國においても、この問の事情を十分理解せられ、さきにポーレー案におののいたわが國民に、最近ストライク案の傳えられるに及びまして、非常な光明を認めたのであります。もとより、その施設、資材の生産化が重大なばかりでなく、現在賠償管理費だけでも四十億を本年度予算に許上されておるのであります。この負担が大部分なくなるだけでも、今苦しみつつあるわが國財政には大きな助けとなるのであります。この速やかなる決定を待望してやまないのであります。もちろん、講和條約正式決定の前に、これが解決は困難ではあろしと存じますが、一時的解除のごとき処置をとられるよう、また傳えられる、生産物賠償等を絶対にかけられないよう、國民の熱望の集まりをもつて連合國に懇請せられたいのであります。ストライク案の状況、その他これに関する賠償廳長官の所信を承りたいのであります。
 第四は、連合國よりわが國に対する援助計画の問題であります。総理大臣はこの点に重大なる希望をもたれておりますが、まずそつ内容を國民にもつと明確に知らしめたいことであります。一体終戰以來今日まで、食糧を初め各般の重要物資等、日本経済再建のため援助せられたものが、大体どのくらいに達しておるか、それが米國及びそれ以外の國によつていかに入れられたか、これを承知いたしたいのであります。まだ國民の一部には、食糧が貿易の力で輸入をせられておると考えておる者がなきにしもあらずと考えます。次いで、本年度いかなる援助が行われんとしつつあるか。これに対する総理または安本長官の具体的な御答弁を承りたいのであります。
 第五に教育の問題であります。日本の民主化のために、次代の國民たる青少年の教育の重大性は申すまでもありません。前内閣以來、六・三制を初め教育制度の改革に伴う諸般の施策がはなはだ不満足なことは、率直に遺憾の意を表るものであります。國民が重税に苦しみつつも、わが子弟の教育をいかに期待しつつあるか。今や地方財政は最も重圧をここに発せられており、地方自治はこれがために壊滅の手前に押しつけられております。財政が困難とは言え、常に給與予算のみが先議せられ、いつまでもこれが解決を延引せられつつあることは、國民ひとしく不満の意をもつております。これに対し総理大臣は簡單に触れられておりますが、これについての所信を承りたいのであります。
 財政の結果きわめて遺憾な教育費の現状に鑑み、國家・地方財政それぞれに一定の教育費を天引計上することをわが党は主張してきております。今、ごく最近の確実なる調査に基きますと、チエコスロヴアキアは九%、デンマークは八・九%、フランスは四・四%、イギリスは五・八%、オランダが四・二%、ベルギーが四・九%といいう教育費を計上いたしておるのに比べて、日本は一・二%であります。
 次に、新制高等学校の定時制による勤労青年教育の要求もきわめて熱烈なるものあることは、御承知の通りであります。もしこの施設が不徹底に終らんか、今月末をもつて青年学校制度の廃止を見るのでありますが、この勤労青年の教育は、きわめて低下し、勤労の生産性高揚に非常なる大影響があることを考えなければならぬのであります。なお最後に、最近新聞紙上に、米國が朝鮮、琉球を含む教育援助計画二億七千万ドルを計上するということが報ぜられておりますが、これは日本の教育には重大関心事であります。その内容はいかなる状態にあるか。以上、文部大臣の所信を承りたいのであります。
 第六は食糧題であります。わが國社会経済諸問題の根底が食糧問題にあることは、申すまでもありません。今や労働攻勢に政府は非常なる勢力を消耗は明白であります。政府は絶大なる連合軍の好意による放出と、農家の決死的努力による一〇〇%供出とにより、食糧管理の安全を誇示しておりますが、これは決して眞の解決ではありません。本年度の供出が近年まれに見る好調を続けたのは、一に連合軍の好意ある援助の賜でもありますが、一面農家が日本の現段階を理解して、非常な困難を押し切つて目標突破に遭遇した結果であります。この間に、その方法の適切ならざるがために、保有食糧の大量供出となり、ただちに配給農家に轉落しつつある。いわゆる裸供出が各地少からざる現状で、米をつくつて米を食えない農家の現状、その苦痛や、言語にあまるものがあります。これが救済は当然政府も考慮すべきであり、この保有農家の轉落に対して、その配給價格を生産者價格にするがごとき処置は当然であると考えます。
 これに関連して米價の問題につきましては、その後の物價の状況に應じて、当然改革が行われなければならないと考えます。同時にこの米價の改訂は、当然國会において決定せられるべきものであると考えますが、これに関する所信を承りたいのであります。
 今後の國際情勢は、なお当分國内食糧の増産必至を考えられますが今日の農家の増産意欲を根底より覆えすがごとき、限度を越した供出は、最も憂慮にたえないところであります。今回の供出成績に鑑みて、連合國の十分なる理解を得て、本年度割当についても、天候その他の事情はありましようが、相当重大なる影響を及ぼすことを予想せられます。率直の願わくば、日本再建の現状よりして、放出食糧のこれ以上二割程度の増加を懇請し、一割は農家の救済に、一割は労働者、消費者、國民の生活安定の基礎確立に向けられることを特に懇望するお考えがあるかどうか。以上の諸点について農林大臣の所信を承りたいのであります。
 第七は食糧の國内増産施策であります。食糧の懇請をなすわが國が、國内増産に全力を注ぐべきことは当然であります。そこで、前内閣以來取上げた食糧一割増産運動であります。まことに結構なことで、連合軍の共鳴と援助を受けつつあると述べられましたが、この計画の内容はいかなるものであるか承りたいのであります。
 農林大臣は就任のときのお言葉に、農林省はあまり生産のことばかりやつておつて、消費のことももつと考えなければならぬということを述べられたように記憶をしておりますが、農民から見ると、どこに生産の対策があるかわかりません。むしろ農林省は食糧配給省の観を呈し、役人はみな割当事務に奔走し、農民は生産物を取上げる省だと思つております。(拍手)このごろたくさん増設をされる地方の役人は、これすべて取立役人ばかりであります。農村からは税金をとり、食糧を出させ、何を與えつつあるか。報奬物資等は、むしろ最近は農民を愚弄する感があります。(拍手)むしろこれは全廃して、肥料、衣料、地下たび等、当然必需生産資材の配給を合理化すべきであります。それとともに、積極的増産施策に思い切つた食糧生産省の性格をとるべきであると思いますが、農相の所見はいかが。
 一例をあげるならば、総理大臣の演説に、ただ三百万町歩の開発の研究に着手すると申されました。私はあまりにも、そののんきさに驚き入つたのであります。総理大臣に伺う氣持はありませんが、これはこういうことを言わせた農林大臣に伺いたいのであります。(拍手)
 食糧の増産は、申すまでもなく肥料と水であります。肥料の供給の確保は政府当然の責任でありますから、くどくは申し上げません。次に農民が用水、排水、この水にいかに苦しんでおるかということは、都会の人や大臣は御承知にならぬかもしれません。この土地改良の問題、この用排水の問題を、一体いかにお考えになつておられるか。三党政策協定のことは、決して農地改革だけの問題ではありません。あの中に盛られておる土地改良の重大さが何ら今回の政府の所信の中に現われ、おらないことは、いかなる結果でありますか。これに関連をして、当然災害復旧が先行をさるべきことは申すまでもありません。これに対する政府の努力の不足をまことに遺憾とするものであります。
 元來公共事業費の中に、直接生産事業と河川、道路などのごときものとを同一視することは、いささか違つておると思います。これは新たに別なる構想を立つべきものであると考えますが、農地改革によつて生産性を高むべき農村対策としては、農家本位の土地改良事業を完全に裏づけしなければ意味をなしません。現状は、水利組合、耕地整理組合等、地主時代の組合の民主的改変が遅れております。このためにまつたく停滯の現状で、眞の農村の要求には合致しておりません。狭小なる耕地は、当然強力なる土地改良によつて、生産性の向上を第一の重大施策とするのでなければならないと思います。水田農業を主体とする日本農業の一大特色として、用排水、土地改良事業の実行は、一割増産の当然基礎條件でなければならないと思いますが、農相の所見を承りたいのであります。その他の問題については、別の機会に讓ります。
 第八は、金融の問題、特に農林金融の問題であります。農林金融は、戰時中はただ強制貯蓄機関と化し、絡戰後はインフレの荒波に轉々もまれて、政府からは放任、否、圧迫さえも加えられて、銀行金融の育成強化の犠牲になつてきたのであります。この間、農地金融は、將來に備えて無担保相互金融の協同組合の強化をはからなければならない重大時期であります。これを無為に放置し、否、逆に農業協同組合改組に際して單純なる階級制やイデオロギー等のために相互金融の強化を忘れたごとき処置が続けられてきたことはまことに遺憾とするところで、また將來のために憂慮にたえないところであります。
 わが党が総合的協同組合の育成強化をはかるべしとする年來の持論も、昨今ようよう農村に認められるに至りました。それはいよいよ迫り來つた農村経済窮乏の前駆として、今年の税金の重荷と高價な報獎物資の支拂いのために、協同組合の資金は一瞬にして枯渇をし、春の肥料資金に行き詰まり、この現象は非常な深刻なものが現われてまいつたのであります。これに対する政府の金融対策をいかにせられるか。
 元來、農村資金には預金資金その他が出ておりましたが、現在は一文も出ません。復興金融金庫は、農村資本を合わせて商業資本家の育成に使われて、一文も農業にはまわつておりません。これは根本的に農林金融に新たなる施策を急務といたしております。さきに述べた土地改良事業といい、植林、漁港等長期農林産業金融機関として、農林復興金庫の構想は、三党政策協定にも加えられたわが党の強い主張であります。迫り來る農地改革後の農業経済に処しても、農林金融に特段の考慮を拂わざれば、食糧増産の基礎たる農林は崩壊するに至るものと考えられます。(拍手)藏相及び農相のこれに対する所見を承りたいのであります。
 第九は租税の問題であります。税制全般に関しては幾多伺う機会がありますから、これに讓ります。さしあたり当面いたしておる本年度所得税を中心とする徴税の問題について、大藏大臣の所信を伺いたいのであります。日本現下の実態が、十分なる納税の必要はよく理解し、今日まで強力いたして來たつもりでありますが、大体納税の見透しは、予定收入に対して、いかなる状態におりますか。そのうち営業者、農林漁業者、勤労所得税おのおのいかなる状態に達しておりますか。
 勤労所得税の重いことは、よくわかつております。中小工業者も、今回の所得税にはまつたく破産状態に近くなつて、またまじめな者がばかを見る現象が、思想的におもしろからざる現象を呈しております。殊に農村においては、今まで対象とはならなかつた小農すべてに突然一時的な重税が加わつたために、不用意とはいえ、その方法に農家の実態に適合しない処置が幾多見られたことは、まことに遺憾なことであります。その結果、食糧の生産を初めその生産増加の急務が、この税金だけをとればいいという処置のために、いろいろな社会経済問題を派生いたしております。これについては、農林・大藏当局は十分なる檢討、綿密なる檢討をいたさなければならないと考えます。
 元來農村の半分を占める自給経済を無視した所得税のかけ方のために、非常なる重課となつております。町の菜園には所得税はかかりませんが、農村では、だいこん一本、ねぎ一本に所得税がかかるのであります。鶏一羽一千円と見込まれたりなどいたしておりますが、かくのごとき自給経済を無視した税の取立は、農家経済を破壊するほかありません。また、今では農民の非常な羨望の的になつておりました農家の給料取が、総合所得税のためにまつたく立ち行かなくなりまして、農村の先生がみなばたばた、やめております。これは労働問題から見ればいろいろな意見はありましようが、地方の農村の事態は、土地なき人々が給料生活をするという社会現象を否定するわけにはいきません。かくのごとく、農村の実態と併せて、税制の問題については急速に考えていきませんければ、たいへんな事態になるということをよくひとつ――東京におつて理窟だけを考えないで、農村の実態に合うような税の取立について十分なる考慮をいたされたいのであります。(拍手)
 最後に、協同組合の問題について所見を承りたいのであります。今後の経済が中小工業を主体とするようなわが國の産業状態で、商工協同組合法の改正により、これが助長発達は当然考えられなければなりません。また消費者の消費協同組合の発達も、ぜひはからねければなりません。これのため新たなる法の制定、これが助長をやらねければなりません。これとともに、目下設立中の農業協同組合はもちろん、急速に改正を要する漁業または林業の協同組合についても、当然その実施をはかるべきであります。かくのごとくなつていつた場合において、これらの各種のいろいろの間において、自由にして民主的なる相互扶助が行われることは当然のことであります。これが戰時中のごとく官僚によるセクシヨナリズムによつて指導支配せられることは、絶対に嚴戒を要します。(拍手)ここにわが党が年來主張しておる共通的な、自由な協同組合法の必要が痛感せられてくるのであります。政府はこれに対するいかなる用意、所信をもつておられるか、関係大臣の所見を承りたいのであります。
 以上、私が質問せんとする事項でありますが、最後に今國民の最も心痛をしておる海外引揚者の問題については、船田國務大臣は、それ自身引揚者であられます。どうかその体験をもとにして、現内閣が今までより一層熱意をもつてこれら海外引揚同胞の処置に遇進せられんことを切望して、私の質問を終る次第であります。(拍手)
    〔國務大臣芦田均君登壇〕
○國務大臣(芦田均君) 竹山君の質疑の第一点は、わが國の内外の情勢に鑑みて、この際対日援助を連合國に懇請すべきであると思うが、政府はどの程度の決意をもつておるかという点でありました。すでに施政の演説において申し述べたごとく、周囲の環境は次第にわれわれの希望に副う形になつてきつつあると思われるのでありますが、諸外國の人々が日本國に対して、あるいは救恤費、あるいは食糧の援助、それらの対日援助を実行するには、日本國民がまずみずから起ち上つて自己の問題を解決するだけの熱意と努力を示さなければ、諸外國の援助が必ずしも期待し得ないということは、申し上げるまでもないのであります。で、われわれ國民が、その決意をもうてみずから運命を開くという実践を行うにおいては、本年度はおそらく画期的な対外援助を受け入れることができると期待いたしておるのであります。この点について、政府は今後も引続き十分の努力を傾注いたしたいと思います。
 第二は、賠償問題の需要性に鑑みて、この際賠償の軽減方について何らか努力する意向があるかというお尋ねでありました。賠償問題の前途については、國民のひとしく関心をもつ点でありますけれども、この問題は御承知の通り、講和條約において初めて最終的の決定を見る問題であります。われわれはその時期に至るまで、わが國が自給自足の経済生活を営む上から見てどの程度の工業水準を必要とするかの点を十分連合國に理解せしめるような努力をすることが、残されておる唯一の道であると考えております。さような点については、前内閣以來の方針に從つて十分努力いたす考えであります。
 次に、連合國が具体的川に過去二年余にわたつてわが國に與えたる援助はどういう程度のものであつたかという御質問でありますが、この正確なる数字につきましては、最近の機会に詳細なる数字をもつてお答えいたしたいと思います。なお今後わが國に與えらるべき連合國の援助につきましては、今必ずしも正確な情報をもつておるわけではありません。なおこの点については、この席において言明いたしかねる点もありますから、他日信頼すべき情報を入手次席この議場において報告をいたすことにして、本日はこの点に言及することを差控えたいと思います。(拍手)
    〔國務大臣栗栖赳夫君登壇〕
○國務大臣(栗栖赳夫君) 竹山證員からのお尋ね中、連合國の援助の長期計画についての点があつたのでございます。ただいま芦田総理よりお答えいたしましたごとく、ただいま具体的にここでお答えするだけの材料及び信憑性その他ももち合わしておらぬ点もございますので、ひとつ確実なる材料を得ますまでお許しを願いたいと思うのであります。
 ただ今日まで得ました具体的の事実について申し上げますと、連合國、殊に米國におきましては、巨額の予算をもちまして、われわれ日本國民の食糧その他生活必需品の援助について多大の援助を寄せられておる点でおります。それからさらに、日本の産業あるいは経済復興のために必要なる資材その他についての輸入に多大のものを寄せておられる点であります。それからさらにいま一つは、貿易再開を契機といたしまして、輸出入のための原材料の輸入に多大の援助を寄せておるのでおりまして、この三つの点は、すでに各位の御存じのところと思うのであります。(拍手)
    〔國務大臣森戸辰男君登壇〕
○國務大臣(森戸辰男君) 竹山君の御質問にお答えいたします。
 第一の問題は、六・三制の暫定予算の措置についてでございますが、これは昨日浅沼君の御質問に対してお答えいたしたと同じでございまして、片山内閣の後を受けた芦田内閣は、六・三制の実施をその政策の一つといたしておることは、総理の施政の演説にも明らかに現われておるのであります。この予算が追加予算に組まれなかつたことは、私どもといたしまして、きわめて遺憾に感じておるのでありますが、暫定予算の当初のものには、ぜひともこれを組みたいという方向に、單に財務当局のみならず、政府自身が最善の努力をいたしておることを御了承願いたいと思うのであります。
 第二には、教育予算に一定の率を定めたらどうかということでございます。これは最近の教育予算、殊に六・三制予算の成行きから考えまして、まことにもつともな御意見でございまして、昨日淺沼君からも同様な御質問がありまして、それに答えた通りでございます。但し、このたびの予算をその方向で組むことは、遺憾ながら資金の上からできませんが、政府は、殊に文部当局におきましては、この方面の内外の調査をいたしておりまして、かような方向に最善の努力をいたしたいと存じております。
 第三は、勤労者教育の問題、殊に高等学校の定時制の問題でございますが、六・三制の中学校の後の新しい高等学校は、本年の四月から開かれることになりました。しかしこれには、從來の経驗から申しましても、義務教育ではなく任意制度でありますので、勤労青年が十分にはいるかどうかということの疑いがございますので、私どもは、殊に敗戰後の状況から、ぜひとも勤労青年に勉学の機会を與えてやらなければならぬ、こういう面から、普通の高等学校に並んで定時制の高等学校を設けることにいたしまして、道府縣並びに市区に一枚ずつの本校を設ける。これが約八百五十であります。これと並んで三つの分校を設けることになつておりまして、これが約二千五百ほどございます。これだけの学校に約七十ぐらいの青年を收容することができる。そうして、それに対して二万五千ぐらいの先生に働いていただきたいと思つております。これに対する費用は、大体分與税十億をもつてこれに充てることになつておりますが、私どもといたしましては、これはさらに人件費半額國庫負担という形式で進めたいというふうに思つて、財務当局とその方向に努力をいたしております。なお、これは定時制の問題でありますが、新制高等学校におきましても、夜間の授業を設けるとともに、通信教授ということも開いております。これは中学校に置きまして、一縣に二つずつ、一万くらいの生徒を募集することにいたして、働く青年のために勉強の機会をつくりたいと存じております。
 最後に、アメリカが日本に教育に対する援助をいたすということが傳えられておるが、これに対してはどういうふうになつておるかという御質問でございました。これにつきましては、実は二十日の新聞に、上院軍事委員長チャン・ガーニー氏は、十八日の上院に、本年七月一日に始まる一九四九年会計年度における日本、琉球及び朝鮮米軍占領地の民衆の復興再教育及び再編成を援助するため二億七千五百万ドルの支出の法案を提出したと博えられる。さらに陸軍省の関係官は、この再教育計画の内容について、この法案の資金は日本、琉球及び朝鮮の米國占領地帯の國民に、民主主義及び米國の生活様式を教える計画を大々的に拡大実施するために使用されるもので、日本、琉球及び朝鮮に教師を派遣し、書籍その他所要の学校用品を供給するとともに、これらの占領地帯の学生を米國に留学させることとなろうと傳えられておるのであります。これにつきまして、私どもさらに詳細の情報を得ようと努力いたしましたけれども、まだその段階に達しておりません。私どもは、こういう援助が得られまして、困難に当面している日本の教育の再建が完遂されることを、心から念じておる次第でございます。(拍手)
    〔國務大臣永江一夫君登壇〕
○國務大臣(永江一夫君) 私に対する非常に熱心な、しかも廣汎な御質疑がございまして、私はこれに対しまして非常に共感を懐いた点が多々あるのであります。今一々お答えをいたしまするが、できるだけ簡明に申し上げたいと思います。
 第一のお尋ねの点は、農民諸君が非常に協力をせられて、多量の食糧の供出をせられた。そのかげには、なみなみならぬ労苦がある。從つて、供出をした農家が自分の食べるものすら不自由をするというようなことについて政府はいかなる具体的な処置を考えておるかという御質疑でございました。この点につきましては、政府といたしまして、供出後の農家の食生活の安定につきまして、農家の再生産維持のために、現在わが國の食糧需給が許す限り最大限の努力を講ずるつもりでございます。さらにお尋ねになりました農家への主食の配給の價格の点につきましても、いろいろ御意見がございましたが、その点はでき得る限り考慮をいたすつもりでございます。
 第二にお尋ねの点は、米價の改訂をいたす際において、これは國会の決定に委ねてはどうかという御意見だと承りました。この点はいろいろ御議論があることと思いまするが、今日ただいまのところ、米價の改訂につきましては、やはり從来通り、政府におきまして國会の各方面の御意見を承つた上で適当に決定をしてまいりたい。かように存じておる次第であります。
 第三の点は、放出物資の増額を懇請する意思がないかというお尋ねでございました。すでに再三私がこの席上から申し上げましたように、本米穀年度中におきましても約百八十八万トンの食料放出を懇請しなければ二合五均の完全なる配給が困難でありまする今日、さらにそれ以上の放出物資の増額を求めるということは、世界の食糧事情から申しまして非常に困難であるということを御了承願いたいと思います。しがしながら、さいわいにいたしまして、本年政府が計画をいたしておりまするような食糧増産の面におきまして農民諸君の熱心なる御協力を得まして、國内におきまする主食の増産が行われました際においては、これを基盤といたしまして、私どもは連合軍の好意ある放出物資の増額を懇請いたしたい。かように考えておる次第であります。
 第四の点は、一割増産運動は何を意味しておるのか。従来農林省というものは、農家の食糧増産を口にしながら、その実は増産したところのすべての食糧を取り上げて、農家に何らの同情ある態度を示さずして、農林省自身が、食糧生産省でなくして食糧配給省の観を呈しておるがいかんという御質問であります。その点については、私も今竹山君がお話になりました点について多くの共鳴をいたしておる点がございまするが、農林省といたしましては、お示しのごとく今後におきましては、あくまでも日本の現在の食糧事情から申しまして、食糧生産省としての機能を十分に発揮し、食糧生産に携わられるところの農民諸君にも、農林省は配給省でなしに眞実に食糧生産省であるという十分な御理解を得るような具体的な方途を講じてまいりたいと考えておるわけでございます。
 さらに、この一割増産の運動の内容につきましては、今まで一、二申し上げておいた点を併せてお考え願いたいと存じまするけれども、この食糧増産の中で、本年政府が國民運動の一つとして、食糧の一割増産ということを農民諸君にお願いをいたしておりまするものは、もちろんただ單なる精神運動でなくして、昨日も私が申し上げましたように、それについては一割増産が可能になり得るように、肥料の点において、あるいは農機具の点において、相当具体的な裏づけを行おうといたしておるのであります。そういたしまして、農民諸君のたゆまざる努力と農業技術の改善によりまして、この一割増産を達成いたしたいと考えておる次第でございます。この点、政府の意のあるところを十分御了承を願いまして、これに御協力を願いたいと考えておる次第でございます。
 さらに次には、土地改良について非常に詳細なる御意見の御発表がございました。土地改良事業の点につきましては、現在並びに將來の食糧問題を考えまして、今後未開墾地を開発することが必要であることは申すまでもございませんが、この点に関しまして、先般総理大臣から三百万町歩云々の御発言があり、さらにこの点について再び総理から御発言がありましたことについて、さらに私にお尋ねがございました。もちろん、開発可能と認められますところの面積は約三百万町歩あります。この開墾を計画するにあたりましては、可能な土地として三百万町歩ございまするが、自然的立地條件、経済的ないし社会的條件等を総合的に檢討いたしまして、適地の選定を行い、逐次開拓を進めていく考えでございまするから、御了承を願いたいと思います。
 なお御指摘になりました土地改良事業は、現下の緊急の食糧増産に最も速効のある施策でありまして、第五次の土地改良事業約七十万町歩は、二十一年の秋に着手いたしまして、本年植付期までに完成の見込みでございます。土地改良はなお廣汎な実施をする必要がありまするので、第五次に引続きまして実施の予定をもちまして、その事業計画を目下立案中でございまするから、併せてお答えを申し上げておく次第であります。
 なお、農村の金融及び農村の課税のことについてお尋ねがございましたが、農村課税につきましては、いずれ後刻大蔵大臣よりお答えがあると存じます。私は農村金融について一言お答えを申し上げておきたいと思います。農村金融に関しましては、すでに御承知のように、農業復興に関しまする資金は相当亘額に上り、かつ、その性質上長期資金を要する等の点から見まして、民間の資金の運用のみによりましては、これを充足することはできないものでございます。従つて何らかの形によりまして、現在鉱工業方面における復興金融金庫の資金のごとき國家資金をこれに充てる必要があると考えまして、目下これが具体化を考究中でございます。
 最後に、農業協同組合のことでお尋ねがございましたが、この農業協業組合の重要性につきましては、竹山君の御趣旨に全面的に私は賛成をいたしておるものでございます。從つて政府としましては、この組合の健全なる発展が日本の農村の民主化のために最も重要なことであると考えまして、その線に沿いまして政府は諸種の具体的な施策を勘案中でございます。
 以上、簡明にお答えを申し上げます。(拍手)
    〔國務大臣北村徳太郎君登壇〕
○國務大臣(北村徳太郎君) 竹山君の私への御質問の第一点は、農村金融についてであつたと思います。ただいま農林大臣よりもお答えがあつたのでございますが、元來農村金融は單純金融でございまして、農村の経済の特殊性に鑑みまして、収入の時期が一つになり、あるいは支出の時期が一つになり、それから他の面においては局地性でなければならぬというような、きわめて特殊な、しかもある意味において單純性をもつたものでございますから、これは相互金融によつてある点まで用を足すことができる。しかしながら、協同組合等の相互金融だけではいけない点がございまして、これに加うるに、きわめて敏活に事を処理するところの決済機関が必要である。すなわち、農村金融の法律中枢というものがなければならぬ。そういう意味において、現在の農林中央金庫がその役割をなすことになつておりますけれども、これだけではなお活発なる金融ができない。特に日本の経済復興のために農村のもつ比重がきわめて大きいというような点から考えまして、また現在の農村の金融の実情から見まして、これには何らかの手を打たなければならぬと考えるのでございます。この点については、竹山君のお話の通りでございまして、私ども、現状をもつて決して満足できぬと思うのでございます。たとえば、農林中央金庫等に復金等から資金を流し、そういうものが農林中央金庫の活動としてさらに下部に流れるというような方法を講ずることも一つの途であろうと考えるのでございますが、ただいま金融全体にわたる再編成について研究を進めておりますので、その場合に農村金融についても十分に考慮を加えたいと存じておる次第でございます。
 次の私への御質問は、本年度の税收入の現在までの結果はどうであるか、それから、みなとれるかどうか、見透しはどうかというような点並びにその内訳等であつたと思います。これは昨年末まできわめて成績が惡うございました。それがために一事金融を圧迫するような結果を見たのでございますけれども、さいわいに、その後好轉いたしまして、特に本年一月以來順次好成績を上げてまいりました。三月十日までの租税收入の済んだもの、受取済のものが一千二十一億ございまして、予算の千三百五十三億に比べまして七割五分の收入でございます。今後残りのものについては十分努力をいたしまして、予算額を收入するためにあくまで努力を続けたいと考えておる次第であります。なを、そのうちでの勤労所得税の收入済は二百三十二億円でございまして、事業所得税は、これは申告納税にかかるものの收入済額は二百七十六億円であることを附け加えておきます。
 それから第三点は、農家の所得税の算定等についてであつたと思いますが、農家に対する所得税の課税に対しましては、御承知の通りその年中の総收入金額から、種苗、肥料等の購買費、家畜、等の飼料、あるいは農具修繕費、租税公課、使用人の給料、そういうようなものを得るために必要なる経費であるところの、家事関連の費用以外のものを控除いたしました金額においてとることにいたしておるのでおりまする。收入金額及び必要経費については、できるだけその実態をつかむように努力はいたしておるのでございますが、この点において、竹山君の御指摘のように遺憾の点がないとは言えないのでございます。と申しますのは、長近において所得納税者の数が約七倍に増加をいたしました。これに対する税務機構が今のところ貧弱である。從つて、いろいろ御非難の点があることは十分承知しておりますので、ただいまこれが刷新の具体的計画を進めておるのでございます。人員の増加、あるいは税務署の増加、その他ある意味においての監督の強化等々につきまして具体的な計画を進めておるのでございまして、その点も併せて御了承願いたいと思うのであります。
 なおこの課税につきましては、特に農村等におきまして、更正決定などにあたりましてのいろいろ問題もあることは、十分承知いたしておるのでありますが、これは、ただいま申しましたような機構の刷新によつて改善をいたしたい。それから課税の更正の点につきましては、農村においての精通者の御意見を聽くとか、あるいはまた農村における各團体等について十分その御意見等を徴して、できるだけ公正を期することに一層努力をいたしたいと存じておる次第であります。
 総合所得税のことにつきましては、これは農村の中で同居親族に所得を有する方が二人以上ありますときは、その所得を総合する、こういうことになつておるのであります。これは担税力を所得の合算したところで測定するものでございまして、このこと自体は合理的であると思うのでありますけれども、さきに申しましたような点において、現在の税務機構に不備の点が確かにございます。この点の刷新については、さきに申し述べました通り、ただいま具体的なる改善策を講じておる次第でございます。さよう御了承願いたいと存じます。(拍手)
○議長(松岡駒吉君) 大原博夫君。
    〔「定足数に足りない」と呼び、その他発言する者あり〕
○議長(松岡駒吉君) 各派交渉会の打合せの結果……(発言する者多し)質疑継続中でありまして、各大臣も出席しておるのでございますが、いかがですか。
    〔「定足数がなくて会議が開けるか」と呼び、その他発言する者多し〕
○議長(松岡駒吉君) 大原君、登壇していただきたいのであります。
    〔発言する者あり〕
○議長(松岡駒吉君) 大原君、登壇して発言を願います。――大原君、登壇を望みます。――大原君、登壇を望みます。――この状態において、暫時休憩いたします。
    午後四時三十三分休憩
     ――――◇―――――
    午後四時三十九分開議
    ―――――――――――――
○議長(松岡駒吉君) 休憩前に引続き会議を開きます。
○笹口晃君 国務大臣の演説に対する残余の質疑は延期し、明二十五日定刻より本会議を開きこれを継続することとし、本日はこれにて散会せられんことを望みます。
○議長(松岡駒吉君) 笹口君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて動議のごとく決しました。
 本日はこれにて散会いたします。
    午後四時四十分散会