第002回国会 予算委員会 第43号
昭和二十三年六月三十日(水曜日)
    午後三時二分開議
 出席委員
   委員長代理理事 川島 金次君
   理事 庄司 一郎君 理事 川島 金次君
   理事 押川 定秋君 理事 小坂善太郎君
   理事 今井  耕君 理事 大原 博夫君
   理事 東井三代次君
      青木 孝義君    淺利 三朗君
      東  舜英君    植原悦二郎君
      磯崎 貞序君    角田 幸吉君
      上林山榮吉君    島村 一郎君
      鈴木 正文君    西村 久之君
      本多 市郎君    本間 俊一君
      海野 三朗君    岡田 春夫君
      猪俣 浩三君    黒田 寿男君
      田中 松月君    田中 稔男君
      中崎  敏君    中原 健次君
      矢尾喜三郎君    成田 知巳君
      川崎 秀二君    成島 憲子君
      小島 徹三君   生悦住貞太郎君
      鈴木彌五郎君    田中源三郎君
      圖司 安正君   長野重右ヱ門君
      笹森 順造君    中村 寅太君
      世耕 弘一君    野坂 參三君
      勝間田清一君    綱島 正興君
      鈴木茂三郎君
 委員外の出席者
        專門調査員   芹澤 彪衞君
        專門調査員   小竹 豊治君
六月三十日
 委員稻村順三君及び苫米地英俊君辞任につき、
 その補欠として勝間田清一君及び綱島正興君が
 議長の指名で委員に選任された。
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本日の会議に付した事件
 昭和二十三年度一般会計予算
 昭和二十三年度特別会計予算
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○川島委員長代理 これより会議を開きます。
 予算の分科会は、昨日及び本日の午前中開会され、それぞれ審査を終りましたので、これより文科主査より順次報告をお願いいたします。第二分科主査押川定秋君。
○押川委員 第二分科会の審議の経過について報告いたします。
 本分科会の審議は、外務省、文部省、厚生省及び労働省所管の予算に関してでありますが、それぞれ各省側の説明があつた後、委員との間に熱心に質疑應答が交されました。質疑のうちおもなものを申上げますと、まず外務省所管予算については、計数上の問題と、海外在留の学生に対する補助について、若干の質疑が行われました。さらに平和会議後における外交官の配置人選並びに予算及び準備があるか否かについて、有益な質疑が行はれました。これに対する政府側の答弁は、予算計数上においては、質疑に対する必要費は、目下のところ十分組入れてあり、また將來の外交上の人選配置、國際上の態勢に適合するよう、外交官の研修等も準備してあつて、遺憾なきを期しておるということでありました。
 次に文部省所管の予算についての問題は、まず第一に科学研究費が過小であること、第二に現在行はれている同盟休校の問題、第三に教員の素質向上、待遇改善の問題、第四に官立大学経営の問題、第五に師員組合についての問題、第六に師範教育の問題、第七に育英事業の問題等でありました。これに対する政府側の答弁を一括しますと、科学研究費の増額に対して、決して熱意がないのではない、現在の同盟休校は、当初は授業料値上反対が目的であたつたのに、政治運動の色彩がこくなつていること、教育の素質待遇の問題は、教員の特殊性を顧慮して、十分善処していること、國立綜合大学の経費を学生総数で割つてみると、一人当り年五万三千円くらいになること、教員組合については、若干逸脱的行為もあるが、非常に知的な組合であるから話し合えば、十分その協力を得られること、また優秀な教員を即座に配置することは、非常に困難ではあるが、師範を昇格せしめる新制大学の中に、特に二箇年のコースを認めて、とりあえず小学中学教員の充実をはかること、育英会の資金は制度上では貸費であるが、氣持の上では給費であり、また恩惠的な氣分は持べきではないということでありました。
 厚生省所管の予算について問題となりましたのは、國氏健康保險とB・C・Gの効果についてであります。政府の答弁は、國民健康保險の振わない理由のうち最も大きなものは、助成金が少いという点であつて、本年度の総額は五億七千万円であつて、一人当り十三円弱にしかならない、またB・C・Gの効果は青壯年の死亡率の減少にもうかがい知り得るとのことでありました。
 労働省所管に関して問題となつたのは、労働者の技術教育と失業問題であります。政府側の答弁によりますと、國立技能者養成所を設置して、大々的に技術の向上をはかりたいが、今回の予算には計上し得なつた。失業者については、この前の國勢調査によると、完全失業者六十七万であり、推定の部分失業者は約四百万、今回の各省人件費一割五分節約の予算措置による失業者はごく少数、また民間の企業整備による失者数は、企業整備の見透し困難のため不明であるとのことでありました。
 以上各省所管予算の審議を終り、分科会における採決をとりやめて委員総会にもち越すことにいたしました。以上報告いたします。
○川島委員長代理 次に第三分科主査中原健次君より御報告を願います。
○中原委員 第三分科会における審議の経過並びに結果につき、簡單に御報告申上げます。
 本分科会に付託されました議案は、ただいま上程されておりまする昭和二十三年度一般会計及び特別会計予算のうち、商工省及び農林省所管に関する予算でありまして、本分科会は昨二十九日及び三十日にわたり開会いたしたのであります。政府側より所管の予算の説明を聽取いたして質疑にはいつたのでありますが、審査期間がきわめて短く、まことに遺憾と思つております。それにもかかわらず、委員諸君と政府委員との間には、きわめて熱心かつ眞摯なる質疑應答が行われたのであります。まず委員会において問題となりましたおもな点を、ごく簡單に御報告いたします。
 不正保有物資特別会計における一般会計繰入れは少額であるが、その推定も杜撰であり、さらに相当の財源として見込み得るのではないかとの質疑に対し、政府側より正確な数量金額についての捕捉は困難であり、從來の実績より以上に計上してあり、経済査察官等の活動をまつて、成績をあげ得るよう努めるつもりであるが、これ以上に財源になることは考え得られないとの答弁がありました。また農村の課税が過重なる実情にあるため、農地改革が阻害されているとの批判があるが、はたしてそれは事実であるか。また予算編成に際して、農林当局の態度いかんという問題については、政府側より、課税負担のために土地を放棄した例はないのであるが、土地に対する観念の傾向が変り、土地をただ廣く所有するという傾向が集約的に土地の生産性を高めるという変化があることは事実である。また農民の租税については、國民的見地から取扱われなければならないので、公平を期することに努めたのであるが、免税点の引上げ、税率改正等により、事実上負担は軽くなるであろうとの答弁がありました。また農業協同組合の予算の計上額は四千万円であるが、その発達を育成していかねばならぬ現在、きわめて僅少にすぎるではないかとの質問に対しては、政府側より、政府の保証によつて発達させるという中央依存性を一擲して、自主的に発達すベきものとの建前をとつているのであるとの答弁でありました。肥料のやみ流れに対する当局の措置について質したのでありますが、これに対し政府側より、電力、石炭資材関係より生産量を算出して出荷せしめているのであるが、工場よりのやみ流しに対しては、物資取締法を適用し、工場の責任者の交替をせしめる。また輸送からのやみルートについては、輸送証明制度をとつている。また職員、工員に対する現物給與の制度は弊害が伴うので、これを廃止し、他に適当な方法を採用したとの答弁がありました。
 また農村の技術指導農場は廃止されたのであるが、その後の処置の責任は残ると思うが、当局の態度いかんとの質疑に対しましては、政府側より農民の利益になるよう自主的に管理をしてもらうのであるが、所要の資金については、新たに設けられる農民融資の特別会計を利用できる。負債のある場合は、施設は残るのであるから、協同組合で引受ける等の処置がてきると思うとの答弁がありました。
 その他亞炭の滞貨、亞炭行政、綿布の出荷状況の不良、遅延、日本蚕糸会の解散に伴う昨年度の價格差益金の処置、農業改良助長法、農業技術滲透費、現在上程の主要食糧確保法案等についての質疑應答がありましたが、なお質疑應答中、委員より政府側に対して希望または意見として申し述べられた事項をとりまとめますと、大体次の諸点であります。
一、農業協同組合を既得業者と差別される傾きがあるが、同様な取扱いを適当と認める。また府縣農業会は廃止され、それに代るものとして府縣單位の協同荷受機関を考慮中とのことであるが、府縣連合会の新機構が発足する場合、卸賣業者として許可されるよう努力すること。
一、農村の経済的行き詰りが現われており、今後も樂観を許されない状態にあるが、全國の技術指導農場の廃止、また農業改良助長法による試驗場の整備等が行われるのであるが、試驗研究等について充実をはかり、將來に備えられたい。
一、養蚕の助成金等末端において不明朗なる場合があつたが、交付の方法に注意を喚起したい。
一、電氣料金値上げに伴う農村の動力の使用料が過大になり、種々なる障害が起ると思うが、基本料金の引下げに対して努力されたい。
一、米價決定の場合、何らかの形で農民の意向を聽く必要があろう。
一、ミシンの増産をはかり、縫製工場を興し、加工衣料品の輸出振興を促進されたきこと。また配給の衣料加工品の府縣配給分は、その府縣において加工されるのが適当であるので、現在の單なる設備、生産実續等により工場に原反を配給する制度をかえるような方向に考慮を拂われたい。
 大体以上の通りであります。
 最後に今井委員より本分科会の討論採決は、委員会に留保いたしたいとの動議を可決いたしたのであります。
 以上をもちまして、第三分科会の報告といたします。
○川島委員長代理 次に第四分科主査、笹森順造君の御報告をお願いいたします。
○笹森委員 第四分科会の経過並びに結果について、簡單に御報告申上げます。
 本分科会に審査を付託せられました予算は、運輸省及び逓信省所管でありまして、昨日午前より午後にわたり、愼重審議いたしたのであります。
 まず逓信省関係につき、予算内要の説明を聽取いたし、それより質疑に移りましたが、冐頭一昨日福井地方に起りました震災被害につき緊急質問がなされ、次いで郵便局における取引高税の取扱い、及びその手数料に関する質疑應答がなされました。通信事業特別会計においては、電話收入が相当の黒字を出しているにもかかわらず、何ゆえ五十億円以上の一般会計からの繰入れが必要とされるかとの質問に対しましては、郵便、電話、為替等收支に大きな赤字が出るので、差引五十億円のマイナスになるとの答えがありました。
 次に戰災者の電話を架設するについても、一般申込者と同様、國債を負担しなければならないことは、不公平ではないかとの質問に対しましては、当初は、戰災電話については、特別に考へるつもりであつたが、何分全國加入電話の半ばが戰災電話であるので、政府としても、とうてい負担に耐えられないので、一率にしたとの答弁でありました。その他郵便料金と一般物價との関係、窓口サービス改善問題、料金引上実施の期日等について質疑が行はれまして、逓信省所管予算の審議を終りました。
 午後運輸省関係の審議に移りましたが、まず、運賃引上率が、かりに一般二・五倍、学生定期二倍に修正された場合の國鉄運賃收入及び通行税收入の減少は何ほどであるかとの質問に対しましては、大約二百十五億円前後であろうとの回答でありました。
 次に、國鉄從業員中、重労働または危險な業務に從事する人々についての待遇改善に関する質疑が行われ、さらに先般、國鉄從業員組合から五千二百円ベースの賃金引上げ要求がなされたが、政府の対策いかんとの質問に対しましては、政府としては、三千七百円ベースで極力実質賃金の確保に努める方針であるが、何らか新しい事態が生じた場合は考え直す必要もあるとの答弁がなされました。
 次に、新規財源として、一定量以上の旅客の持込荷物に料金を課す考えはないかとの質問に対しましては、今のところ考えたことはないし、実施にはいろいろ困難があるだろうとの答えでありました。
 戰時中買上げられた民間鉄道を、民営に還元する意思ありやとの質問に対しましては、堅実な運営の見込みがあれば、個々に考慮してもよいとの意見が表明されました。その他、観光事業計画、引揚者の海上輸送力等についても、絡始熱心な質疑應答が行われまして、運輸省関係予算の審議を終えた次第であります。
 しかして、動議の結果、討論と採決は、予算委員会において議決することに留保致しました。
 以上をもつて、第四分科会の審議の報告を終ります。(拍手)
○川島委員長代理 最後に第一分科副主査田中源三郎君の御報告をお願いいたします。
○田中(源)委員 第一分科会の審議の経過並びに結果について、簡単に御報告申し上げます。
 本分科会に審査を付託せられました予算は、皇室費及び國会、裁判所、会計檢査院、総理府及び法務府所管並びに他の分科会の所管以外の事項及び大藏省所管でありまして、昨日午前より午後にわたり、なお本日の午前十一時まで愼重審議いたしたのであります。まずおのおのの所管事項につきまして、当該政府委員から説明を求め、質疑にはいつた次第であります。今質疑應答のおもなるものを御報告申し上げたいと思います。
 まず第一に、日本の統計調査はきわめて不完全であり、國会の審議及び政策の立案上困難を來しているが、現状はどうなつているかとの質問に対して、政府側より、統計調査は漸次整備されており、國際的センサス調査の計画も進行している。だが正確な統計に対する障害としては、統計調査の予算が不足していること、集計資料が行政目的のために利用されるので、報告者が正確な報告を怠ることの二つがあげられる。正確な統計を得るには、二、三十億円の予算が望ましいし、統計資料を行政目的のために使用しないことが必要であるとの答弁がありました。
 第二には、鉄道の使用する石炭には、價格調整費を支出しないのに、船舶運営会にはこれを支出するのは、同じ運輸でありながら、これを区別することは、いかなる理由によるものかとの質問に対しては、政府側より、答弁を後日に留保したいとの申出がありました。
 第三に旅客運賃の倍率が変更された場合、終戰処理費中から鉄道特別会計に繰入れられる六十億円の金額に異同が生ずるかとの質問に対して、政府側より、連合軍の旅客運賃は、原價計算による建前になつておつて、その所要額が計上されているから、倍率に変更があつても影響しないとの答弁がありました。
 その他皇室費の内廷費及び宮廷費、戸籍及び寄留事務整理の費用、受刑者の重労働作業に対する賞與制度、庶民住宅建設、價格者益納付金、特殊物件收入、價格補正等特別補充費、ガリオア・フアンドによる輸入は、日本政府の債務かどうか等の諸問題を初め、各般の問題につき、熱心に質疑應答が交わされました。
 以上をもつて第一分科会の質疑の内容の報告を終る次第であります。詳細は速記録によつてごらんを願いたいと思います。しこうして本日午前十一時過ぎ、本分科会の採決討論を予算総会において議決することに留保いたしまして、その審議を終了いたした次第であります。
 以上第一分科の審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。(拍手)
○川島委員長代理 以上をもちまして主査報告を終ります。
 暫時休憩いたします。
    午後三時二十八分休憩
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    午後七時三十六分開議
○鈴木委員長 それでは午後の休憩に引続いて開会いたします。
 明一日は各党の本予算案に対する態度を御協議願いますために休みまして、明後二日午前十一時より開会いたし、各党の討論採決を行いたいと存じます。
 それでは本日はこれをもつて散会いたします。
    午後七時三十八分散会