第002回国会 不当財産取引調査特別委員会 第33号
昭和二十三年六月二十一日(月曜日)
    午後四時四十六分開議
 出席委員
   委員長 武藤運十郎君
   理事 鍛冶 良作君 理事 田中 角榮君
   理事 辻  寛一君 理事 梶川 靜雄君
   理事 石田 一松君 理事 中野 四郎君
      石田 博英君    尾崎 末吉君
      高橋 英吉君    平澤 長吉君
      古島 義英君    明禮輝三郎君
      渡邊 良夫君    足立 梅市君
      河井 榮藏君    佐竹 新市君
      前田 種男君    山中日露史君
      小松 勇次君    椎熊 三郎君
      安田 幹太君    吉田  安君
      田中 健吉君    本田 英作君
      徳田 球一君
 委員外の出席者
 佐世保地区における隠退藏物資等に関する事件
について出頭した証人
                岡本梅次郎君
    ―――――――――――――
 六月十六日委員河井榮藏君辞任につき、その補
欠として中崎敏君が議長の指名で委員に選任され
た。
 同月十八日委員中崎敏君及び北浦圭太郎君辞任
につき、その補欠として河井榮藏君及び本田英作
君が議長の指名で委員に選任された。
 同月二十一日委員大森玉木君及び荊木一久君辞
任につき、その補欠として安田幹太君及び吉田安
君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 証人出頭要求に関する件
 佐世保地区における隠退藏物資等に関する事件
 問題
    ―――――――――――――
○武藤委員長 これより会議を開きます。
 最初に理事会において決定せられました事項を御報告申し上げたいと存じます。去る六月十一日の理事会におきましては、先般の委員会におきまして各政党に献金をいたしました土建業者よりその旨を記載してある帳簿、受取書、傳票、小切手などの提出を求めたのでありますが、これを調査いたしましたけれども、竹中工務店に関する帳簿、受取等が政党援助金という名目をつけております以外は、あるいは個人の寄附となつており、あるいは鉄工飯田氏へというような趣旨に記載せられておりまして、これが政党に対する献金であること、あるいはまた政党にしたものであるか個人にしたものであるか等を証明する資料はないようであります。ただ記載してある金額の日附が、献金をしたという日附よりも十日ないし二十日遲れて記載せられておるものが多いのでありまして、はたしてこの記載せられておる金が、先般本委員会において調査いたしました献金と同一のものであるかどうかということは、絶対的には符合しておらないのでありますけれども、大体において額が合つておりますから、その金額であろうと考えられます。この点を御報告申し上げておきます。
 なお森戸辰男氏及び地崎氏よりの書面は先般提出をせられまして、理事会の決定に基いてすでに新聞発表をせられてしまつたのでありますが、十一日の委員会に御報告いたしますことを落しましたので、遲ればせでありますが、あらためて御報告を申し上げておきます。森戸辰男氏からは、六月六日附をもつて、去る五日の貴委員会における明礼委員の御質問の十万円の使途はほぼ次のごとくであります、として、やや明細にその届出がなされております。地崎氏は六月十日附をもつて、昭和二十三年六月五日附衆不委第二十九号をもつて要求されました書類左記の通り提出いたします、として出ております。朗読は省畧いたします。
 なお先般飯田氏より提出せられました、日産土木株式会社より二十万円献金があつたということは、銭高組の誤りであるという申出でがあらためてございまして、これに符合する趣旨の申入れが日産土木からも提出せられております。去る十一日の理事会における決定はただいま申し上げた通りでございます。
 本日の理事会において決定せられましたことを御報告申し上げて、皆さんにお諮りいたしたいと存じます。
 第一に西尾末廣君に関し、去る十一日の委員会において、委員北浦圭太郎君よりの動議に基きまして、檢察廳へ、土建業者よりの献金に関する取調べ調書、その他の関係資料等の提出を求めましたところ、同檢察廳におきましては、法務廳を通じまして、ただいま右の事件は檢察廳において取調べ中につき、書類を提出するときは、その取調べに重大な支障を來す次第であるから、これが提出はしばらく待たれたい旨申し出があり、その取調べの概要を委員長に申し出られました。その概要を聽取いたしました結果、理事諸君にお諮りいたしまして、北浦圭太郎君動議にかかる第二項、第三項の証人喚問は、これをいたさないことにいたしたいと思います。右の決定に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○武藤委員長 ではさよう決定いたします。
 第二、西尾末廣君に関する問題につきましては、明二十二日午前十時より理事会、午後一時より委員会を開きまして、一應の結論を出したいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○武藤委員長 ではさよう決定いたします。
 第三、地崎宇三郎氏は來る二十三日午後一時に再喚問をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○武藤委員長 ではさよう決定いたします。
 第四、ただいま申し上げました、檢察廳より政党献金関係の事実を聽取いたしました結果、新たに昨年の総選挙に際しまして、大野伴睦氏が、丹羽彪吉氏より約五十万円、第一繊維工業会社の花房敏雄氏より四、五十万円、土建業者三井久次郎氏より約三十万円、合計百二、三十万円を、借用証を入れて借用金の形で受け取り、これを総選挙に使用したという趣旨の事実がわかりましたので、この点に関する事実を明らかにいたしますために、大野伴睦、丹羽彪吉、花房敏雄、三井久次郎この四君を來る二十三日午後一時に当委員会に喚問をいたしたいと存じます。御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○武藤委員長 ではさよう決定いたします。
○鍛冶委員 私はあながち異議を申し述べるものでございませんが、今の委員長の報告を聽いておると、檢事局における取調べ結果の報告に基くと言われるのであります。しからば四、五十万円とか、二、三十万円くらいなどということはあり得ないと考えますが、何かの推量ではありませんか。もし推量から出てくるものとすれば相当考えなければならぬと思います。
○武藤委員長 推量ではないようであります。
○鍛冶委員 それならば、何十万円くらいということは出てくるはずはないと思います。私はあながち反対ではありませんが、それは基礎のないもののように考えます。その点はいかがです。
○武藤委員長 そういう趣旨のことを申しておりました。取調べをすれば、はつきりすると思います。
 第五、佐世保事件につきましては、これは理事会で御報告申し上げることを落したのでありますが、ここでお諮りいたしたいと思います。本日法務廳檢務長官の木内氏がお見えになりまして、岡本証人に対する取調べについては、佐世保事件が目下檢察廳において取調べ中に属するので、公開の席において宣誓の上、証言をすることは、多少の差支えがありますので、できますならば非公開で、宣誓をすることなく、取調べの経過、実情等を懇談的に申し上げたいと思うが、いかがでありましようかという申出がございました。私は一應承りまして、それももつともだと思うが、一應理事会、委員会に諮つて決定いたしますからという趣旨の御返事を申し上げておいたのでありますが、いかがでしようか。
○安田委員 議事進行について……。今の点について私は疑義がございます。そのような事件を取上げて、証人を喚ぶ以上は、具体的な喚問事項をはつきりきめて、これについて証人がいかなる関係においてその事実を承知しておるかということの説明を得て、委員会において喚問を決定すべきものであると私は考えます。しかるにただいま拝見した喚問事項を見ますと、きわめて漠然といたしております。これでは私ども委員は、この証人によつて、一体いかなることを聽き、またこの証人がいかなる関係においてこの事実を承知しておるかということも、まつたくわからないのであります。この状態において証人を尋問することは、はなはだ要領を得ない結果に終るのではないかと思うのでありますが、これはともかく理事会が決定したことであるから、私は反対いたしません。しかしながら理事会喚問の趣旨は、おそらくはこの事件が檢察廳において取調べ中であるから、その内容をこの証人によつて知ろうという意味において、御喚問を決定したものだと私は思うのであります。一体檢察廳の取調べの内容は、調書によつて責任をもつて明らかにせらるべきものでありまして、関與した檢事の記憶によつて、これを明確にすることは非常に間違いが起ると私は思うのであります。そこでまず委員会といたしましては、本件が檢察廳の取調べ中であるならば、その調書を取寄せて、これによつて基本事実を確かめる。あるいはそれが捜査に差支えるならば、責任のある官廳から報告を求めて、その報告によつて事件の起訴事実をはつきりし、もしそれについて疑問があり、報告書だけでわからないならば、取調べに関與した檢事を喚問して、その説明を求める。もしそれで十分でなければ、その捜査を指揮した責任者を喚問して、それによつて説明を求める。こういう順序でなければならぬと思うのであります。ところがさような手続を経ずに、突如として最高檢察廳の檢事である証人を喚んだという、何がゆえにさような挙に出たかを私は実は了解しかねるのであります。おそらく理事会はこの証人が長崎の檢事正であると、勘違いになつて喚ばれたのではないかと思います。私は長崎檢察廳の檢事正を喚ぶべきであつて、証人を喚んだのは見当違いであると思うのであります。私はこの点についてはつきり申し上げたいのでありますが、官吏服務紀律によつて、官吏は官吏として知り得た秘密を退任後も漏してはならぬことになつております。國家公務員法においてあらためてそのことがもつと明確に規定せられることになつております。本件は捜査中の事件であり、捜査の秘密に関係する事項でありますから、これははつきりと当該責任者が報告するか、みずから出てきてそれを証言する。しかもこれについては正式に許可を得てやるべきである。その証人を喚問しても、私は責任ある証言は求められないと考えるのでありますが、それとも、もし証人がさような証言ができるならば、この際はつきり宣誓をして、責任をもつてしつかりした記憶に基いてやつていただきたい。調書によらず、書面によらず、記憶に基いてやる場合には、往々自分に都合のいい、あるいは自分の感情によつて覚えている部分と、あるいは自分の好まないことは忘れたと称する部分がしばしば出てくるので、非常に誤解を招くおそれがあるのであります。おそらくこれは事実ではあるまいと思いますが、この証人が長崎の檢事正時代には、さように考えられる新聞記事がはなはだ多数に放送もせられておるのであります。そこで私はこの際証人が宣誓をせずに、非公開で懇談的に話をすることになりますと、その談話が一般にはなはだ誤解をせられるおそれがあると思います。今日までこの事件については、非常な荒唐無稽の説が傳えられております。この調査要求自体が、私をして言わしむれば実に荒唐無稽であると思うのであります。私はさようなことも個人的にこの際発表したいのでありますけれども……
    〔「荒唐無稽とは何だ、取消せ」と呼び、その他発言する者多く、聽取不能〕
○安田委員 私は從つてもし証人が宣誓をするならば……。
○武藤委員長 安田君に御注意申し上げます。御意見は差控えまして、議事進行に関して御発言を続けてください。
○安田委員 結論を申し上げます。私は証人がはつきり宣誓した上で、責任のある、記憶の確かな答弁をしていただきたいと思います。私の荒唐無稽という点は取消しいたします。
○徳田委員 本日の委員会で、新しく見られる委員がありますが、先月來委員の更迭に際しましては、嚴格なる処置をとることになつておるのでありまして、こういう場合には、委員長が特にこれに承認を與える場合に、一應これは理事会なり、委員会なりに諮つて、しかる上に決定をすることになつておるのであります。われわれがここで見ておりました荊木委員もいなくなつておりますし、また宇都宮委員もいなくなつておる。本日発言をなさいました委員の方は、われわれはまだ見受けておらない方であります。本委員会には何らこれに対して報告もされておりません。そこでいかなる手続によつてそうなつたかということをぜひとも明らかにしたいと思うのであります。
○石田(一)委員 本委員会の委員がみだりに更迭されていけないことは当然のことでありますが、衆議院規則の命ずるところによつて委員の交代がなされておれば、何も委員長が本委員会に委員の更迭を報告しなければならぬ義務もなく、理事会にこれを報告してその許可を得る必要もないのであります。しかしそのことは、本委員会の特質に鑑みて、内部として、申合せとしてわれわれが過日起算いたしました本委員会の性格に関する決議案が本院において議決された後、われわれは委員会の委員の交迭をみだりにしないようにしよう、こういう申合せがある。その申合せを今もつてきて、もし現在更迭したところの委員が届け出られていない、委員長から報告されていないというのならば、本委員会が設置された当時のもとの委員以外の更迭した人はまさに私たちは報告を受けていないのであります。その点についても同じであります。
○武藤委員長 ただいま徳田君からお尋ねの新しい委員というのは安田君のことでありますか。
○徳田委員 きよう二人新しい人が見えておられる。それはあなたが知つておられる通りである。
○武藤委員長 徳田君の発言に対しまして念のためお答え申し上げます。安田幹太君は大森玉木君と、吉田安君は荊木一久君と、それぞれ成規の手続をもつて更迭せられました。御報告を申し上げます。
○明禮委員 ただいま安田委員から、本日の証人について、的確なる証人であるかどうかというようなお話がありましたので、一言私が取調べを要求いたしました者といたしまして申し上げます。この佐世保事件は御承知の通り三大摘発事件の一つでありまして、佐世保における隱退藏をめぐつてあらゆる犯罪、不正物質の取引が行われておることは私がここに申すまでもありません。しかして今おいでくださつた証人は、安田君は御承知ないかもしれませんが、長崎縣で檢事正を数年おやりになつて、最近最高檢察廳の檢事として御赴任になつたばかりであります。実際はこの檢事正が全部檢事なりあるいは檢察事務官を指揮して今日までこの問題について檢討されておるのであります。從つて、ただいま更迭になつた檢事正は、最近二週間ばかり前に香川から新たに來られた人であります。そういう人を喚んでみましたところで何もわかろうはずはないのであります。どういう点から安田君がかようなことをおつしやるのか私はちよつと腑に落ちませんが、いずれにいたしましても、当証人によつてこの佐世保事件の眞相が十分にわかることと私は期しておるのであります。
○武藤委員長 それでは岡本梅次郎さんに証言を求めますが、証言を求める前に一言申し上げておきます。
 昨年十二月二十三日公布になりました「昭和二十二年法律第二百二十五号議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律」によりまして、証人に証言を求める場合には、その前に宣誓をさせなければならぬことになつております。宣誓または証言を拒むことのできるのは、一般の人については、証言が、証人または証人の配偶者、四親等内の血族もしくは三親等内の姻族及び証人の後見人または証人の後見を受ける者の刑事上の訴追または処罰を招くおそれのある事項あるいはこれらの者の恥辱に帰すべき事項に関するときに限られ、医師、歯科医師、藥剤師、藥種商、産婆、弁護士、弁理士、弁護人、公証人、宗教または祷祀の職に在る者またはこれらの職に在つた者については、その職務上知つた事実であつて默祕すべきものについて尋問を受けたときに限られております。右以外には何人も宣誓または証言を拒むことができないことになつておるのであります。なお証人が正当の理由なくして宣誓または証言を拒んだときは、一年以下の禁錮または一万円以下の罰金に処せられ、かつ宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは、三月以上十年以下の懲役に処せられることになつておるのであります。一應このことを御承知になつておいていただきたいと思います。
 では法律の定めるところによりまして証人に宣誓を求めます。御起立を顧います。お手もとに差上げてある宣誓書を朗読の上御署名御捺印を願います。
    〔証人岡本梅次郎君宣誓〕
○武藤委員長 証人のお手もとへ証人岡本梅次郎氏尋問事項というのが届いておりますか。
○岡本證人 今朝届きました。
○武藤委員長 それでは一應その尋問事項の順序に從いまして述べてください。
○岡本證人 私は現在最高檢察廳檢事をつとめております。長崎地方檢察廳の檢事正在任期間は、昭和二十一年三月七日同地に着任いたしまして以來、今年五月十五日最高檢察廳檢事に轉任の命を受けるまでの期間であります。
 第二、私の檢事正在任中、長崎縣特に佐世保地区に発生いたしました隱退藏物資に関する被疑事件につきましては、私が檢事正といたしまして、その捜査のすべての指揮をいたしたのであります。内容を細分してありまする事項イ、ロ、ハ、ニ、ホと順を追うて申し上げることにいたします。
 長崎地区における隱退藏事件の摘発は、きわめて廣範にわたつておりまするから、ただひとり佐世保地区のみに力を盡したものではありません。長崎縣全体にわたつたものであります。ところがその隱退藏物資をめぐる摘発対者は、あらゆる業者が含まれております。このうちから特に証言を要請せられておりまする土建業者の間に行われた犯罪の概況いかんということになりますと、土建業者として取調中明らかになつたものに永富組があります。梅村組があります。水口組があります。金納清松の事件があります。山嶺組があります。吉田組があります。星野組があります。金子組があります。そうしてその事件の大要は、御承知のように隱退藏事件の罪名は、その適用せられる法令によつて種々雜多なものがあるのであります。私ども大体今十種類ばかりの法律をこれに適用しております。そのうちただいま私の記憶にはつきり残つておりますもの――これは註釈的に申し上げておきますが、私は十三日着任したばかりでありまして、御承知の通り時節柄手もとの資料がなかなか到着いたしません。未だその資料も整備しておりませんので、ただ手もとにわずかにもつております資料をもつて申し上げますから、その間偽りのことは申しませんが、多少の不備の点があるかもしれません。梅村組の扱われております事件は臨時物資需給調整法違反、パイプ類臨時措置規則違反、指定生産資材在庫調整規則違反、金納組につきましては臨時物資需給調整法違反、山嶺組また同樣であります。吉田組は隱匿物等緊急措置令違反、こういうのであります。大体隱退藏事件の犯罪大要と申しますれば、そういうものであります。
 このうちで最も重要な法規は隱匿物資等緊張措置令違反、指定生産資材在庫調整規則違反であります。そのほかに軍の各覚書等に基きまして、非鉄金属のいろいろな取締法規が出ておりますが、これに関する違反が随時出てまいりますのと、またこれに伴う統制令違反事件等があるわけであります。これがイに対するお答えであります。
 佐世保市役所の疑獄事件はいかなる内容の犯罪なりや。これについてお答えしたいと思います。佐世保市役所の疑獄事件と申しますのは、要するに特殊物件の処理に関しましての犯罪容疑事件であります。それは軍がさきに佐世保港の内外で使用しておりました鉄線鎧装線及びゴム鎧装線、これは海底電線のことであります。その特殊物件が進駐軍によつて押えられまして、軍のリストも明らかにできておるように聞いております。これは一旦日本政府に引渡済みのものであります。そうして國家がこれを保管中に扱つたものの扱いに関する不正であります。御承知のごとく、佐世保港を中心といたしまして、鯛ノ浦という所があります。また前畑という所があります。その附近にこの海底電線があつたのであります。この海底電線を佐世保市が、拂下げを受けたいということが本件の犯行の最初になるのであります。この事件はさきに佐世保市郊外駐在の三十四連隊が重要視いたしまして、進駐軍M・P隊長ムーア少佐並びに熊谷軍曹がこの事件の摘発にかかつておられたものでありますが、三月十七日に私ども特別捜査班に対して、さきに申しました金納清松の軍の木材不正入手関係等とともにぜひ取調べてくれという御指示を得まして、その内容を取調べたのであります。
    〔委員長退席、梶川委員長代理着席〕
ところが相当の容疑がこれにあるのであります。御承知のように、戰災地である佐世保市は終戰後その復興を重点としていろいろ施策が行われましたが、そこに國民学校等の復興に関して建築資材に不足いたしまして、その資材の一つであるくぎの入手に困りました結果、昭和二十一年八月ころから同市の技師牟田口某が市長中田某にはかりまして、佐世保市直営で製くぎ工場を営もうということになつたのであります。これがために佐世保市は、昭和二十二年の一月二十三日に中田市長名儀をもつて長崎縣知事に対して、旧軍針尾電信隊に所属しております針尾島、鯛ノ浦にある海底電線を、古鉄線の名称のもとに約五百トン、佐世保市直営製くぎ工場用の製くぎ材料として、その用途を制限いたしまして、この特殊物件の拂下げ申請をいたしました。ところがその翌日である一月二十四日に、当時の長崎縣経済部長であります中村勝治氏によつて、この古鉄線を百トンに制限いたしまして拂下げを認めたのであります。ところがこの佐世保港内外にある海庭電線は、取調べた結果、二十一年十月三十一日に一括して熊本逓信局所管、佐世保電氣通信工事局長に対し、その物資はすべて拂下げ済みのものであります。でありますから、縣の方でこれを重複して他に拂下げすることのできない品であつたことがわかつたのであります。從つて佐世保市の直営の製くぎ工場はここに一頓挫を來さなければならぬような状態になつたのであります。
 ところが事実上そういう状態にあつたにかかわらず、佐世保市はあらゆる方面に運動いたしまして、この資材をぜひ手に入れたいということで、当時長崎縣廳佐世保出張所あるいはその賠償課に運動いたしました結果、この問違つて認められた申請認可書を收竄し、地区も変更いたしまして、名儀を使用にたえざる海底ケーブル線二巻ということに限定改竄したのであります。この改竄書に基いて、ゴム鎧装機雷探知機用の細線ケーブルと私は呼んでおりまするが、これを二巻、價格にいたしまして六百五十三万四千百十六円、これを鯛ノ浦からでなく、前畑地区から入手することに成功しております。この間に、当時の縣職員の問に不正が潜んでいる容疑であります。これでは佐世保市の製くぎ工場というものは進捗しない。しかもこの品物は――ただいま問題にいたしましたキャップ・タイヤーと申しますものは、くぎの材料にはならないものである。針の材料になるきわめて細いものである。鉄線鎧装線といいますものは太いもので、くぎの材料になる。これはくぎの材料にならざるものを持つて行つたのであります。從つて佐世保市は、特殊物件の使用限定の範囲を逸脱して、これを他に賣却するようなことになつておるのであります。すなわち二十二年一月二十四日申請し、認可を受けたその認可書を改竄いたしまして、前畑地区から入手したキャップ・タイヤーこれを同年四月から十月までの間に大阪の杉村齊彦に対して六百五十三万余円で賣却してしまつたのであります。これが合計五百三十五トン。そのほかに、佐世保市はくぎの資材を入手すべき他に手段がないにかかわらず、二十二年の二月二十四日縣の保有物資である鉄線鎧装線を五十トン、これは飽ノ浦という所、それから佐世保の港務部の側岸から百十五トン、東ノ浦という所からワイヤー四トンを取つていつております。この搬出について不正の容疑がありまして、何ら正式の手続がなされておりません。そのころ鯛ノ浦から同様に鉄線鎧装線百四十トン、七十トン、八十トン、二百九十トンを勝手に取つております。これは当時熊本逓信局が所有しておつたものであります。この問に不正の容疑があります。さらに二十二年の十月に、熊本逓信局が同様に所有しておつた鯛ノ浦から鉄線鎧装線百十三トン、前畑地区から五十トンをもつていつております。この搬出に関しても不正の容疑があります。これが隠退藏物資に関する本筋的の事案でありまするが、この事業に慣れざる市役所は、資金に窮したためにこれを他に賣却しておるのであります。その賣掛代金が大阪市のみに七百二十三万四千三百八十三円五十銭ありまするが、買い受けた杉村は、この市役所の不正扱いの足もとにつけこんで、その代金の支拂に應じておりません。そのうち現金を四十五万円、價格統制令違反をあえて犯して、セメント一千袋三十五万円相当のものを受けただけであります。この代金の回收のために、のちに佐世保市役所の製釘工場長になりました牟田口熊雄、あるいは市長の中田正輔、土木課長の渡邊、土木課主任の中田某が、随時大阪に往復して、その商人から代金支拂の猶予を求めるために、現金その他十四万六千円ばかりの收賄、饗應を受けておる事実があるのであります。これを私どもは、佐世保市役所に絡まる疑獄事件と呼ばれておるものだろうと思うのであります。関係人もただいま私が申し上げた通りの事案であります。しかもこの事案には、ただいま申しましたように、逓信省も関係しておりまするし、縣も関係しておりまするし、その役職員も関係しておりまするし、佐世保市の公吏も関係しておりまする事案でありまするから、相当重大視しておる事案でありまして、きわめて愼重に取扱つてまいりました。現にその捜査が密行せられておるわけでありまするが、一々の捜査事項に関しましては、ここで説明いたすことを私は遠慮する次第であります。
 昨年四月五日に行われました長崎縣知事選挙に際して発生したる犯罪並びにその関係人いかん。これは御承知のごとく、当時の公選知事の選挙違反といたしましては、すでに時効にかかつた事案であります。本年一月十一日に參議員議員の補欠選挙が長崎縣下において行われまして門屋盛一氏が当選しておられるのでありますが、佐世保地区における隠退藏事件の摘発中に、不幸にしてその関係者の間から、その門屋氏に関する選挙違反が発覚したのであります。その関係者の書類をまた精査しておりまするうちに、詳しく申しますると四月の二十八日でありましたが、これは申すまでもありません。門屋の選挙違反についての取調べの関係者の書類から、知事の選挙違反がまた発覚するに至つたのであります。しかしこれは選挙事案として取扱うことを得ませんが、きわめて重大な影響をもつ事案と私は当時思考いたしまして、その取調べを進めたのは、この公選知事が、官選知事当時、及び公選知事の後におきまして、進駐軍の特建工事並びに維持保管工事に関して、土建業者との間における契約の当事者であります。資材斡旋に関して、また請託を受ける地位におる人で、この知事選挙に扱われておりまする金を精査いたしますると、約百四十万円と申して差支えないと思います。差支えないのでありません。その通り出ております。約百四十万円と言いますると、特定していないじやないかという御疑問が残るかもしれませんが、これは各関係人の供述その他によりまして、なかなか特定が捜査中困難であります。その百四十万円の醵金が、佐世保における土建業者から出ておるのであります。これは佐世保市に百以上の土建業者がありますが、佐世保市復興建設協会というものを設立しておりまして、その多くの理事諸君が金を出しております。土建業者の関係者の名前を、わかつておるだけを申し上げます。萩原興、西田茂平、門屋盛一、福山松太郎、山領浜夫、梅村忠一郎、金納清松、水口正行、小野徳一、金子正、長岡梅右衛門等であります。で、この犯罪に関しましては、なお現に捜査中のものとして残つておりますのは、涜職の容疑に関するものであります。
 次の二の事項について御説明申し上げます。本年一月十一日に施行せられました長崎縣の參議院議員補欠選挙につきまして、門屋一派の選挙違反の発覚いたしましたのは、三月十三日に土建業者の梅村忠一郎の家屋捜索をいたしました結果、同人の机の中にしまつてあつた一つの文書から、この選挙に土建業者が第三者運動を装うて三十万円の特別賦課金を課して、業者からその金を集めて運動しております。これは申すまでもなく勅令九十六号違反であります。これは法定運動資金に当然加算されるべき金であります。三十万円きつちり出ております。この事件につきましては、すでに起訴、報告しておる事案でありますが、関係者は梅村忠一郎、小野徳一、山領浜夫、金子正、萩原興、水口正行、飯塚邦三、西田茂平、長岡梅右衛門、福山久太郎、金納清松、岩崎清七などであります。
 最後に佐世保旧海軍工廠の敷地並びにその周辺に工場事務所を有する佐世保船舶重工業株式会社、S・S・K内における隠退藏物資の摘発並びに非鉄金属等届出についての違反事件ありや、ありとせばその事件の内容及び発覚の端緒、捜査の結果いかん。この点について申し上げます。
 事件の内容はきわめて廣範なものがあります。本年の二月十五日にS・S・K構内において隠匿物資があるということの現認者を発見することを得て、その人から同様の情報が提供せられたわけであります。そして二月十六日に長崎軍政部の民間財産管理課長ミラー氏立会のもとに摘発に着手いたしました。なぜその必要があつたかと申しますると、S・S・Kの構内は進駐軍の管理区域でありまして、常人の立入りを禁止してある場所であります。從つてそこに昨年における安本の摘発等につきまして何ら容疑を受けなかつた理由もあるのであります。その摘発の当日二月十六日、私ども特別捜査班は進駐軍の許可を受けてその地域にはいつたのであります。そしてその摘発に從事することを会社の職員に予告いたしました。当時進駐軍の方ではS・S・Kの取締役某、と資材課長某に対して、二十二年九月二十二日に佐世保船舶工業株式会社が作成しました、九州軍政本部に対し七月十五日現在同会社佐世保工場において保有せる非鉄金属類の在庫数量報告書の記載を示しまして、この内容に虚偽があるかどうかを尋ねたわけであります。会社側はその届出に虚偽なしという答えであります。しかしながら私どもの得ております情報に相当根拠があつたので、進んでその場で摘発いたしました。ところが不幸にしてそのS・S・Kの構内、しかも事務所の地域から出ております防火用の水溜が二箇所、そのうち一箇所摘発いたしましたところが、亞鉛バラストが五百四個、亞鉛地金が三百八十四枚、電氣銅が百四十枚、故銅の地金が二百九十三箇、鉛バラストが四百三十七箇、亞鉛バラストが九十六箇、これらが出たのであります。この品物について追求いたしましたところが、この品物は航空母艦隼鷹を解体した際にその船底にあつたものを二十二年四月ごろ第四ドックに陸揚隠匿したと言いました。軍艦の解体につきましては兵器処理の関係もありますから、解体結果報告書が提出せられておるはずでありまするが、本件の資材がいかように報告せられておるかどうかにつきましては、なお捜査の手が延びておりません。ただいまの資材のうち、亞鉛地金と、電氣銅、故銅は電氣工場内の地下一尺のところにかつて埋めてあつたものを、二十二年五月中に発掘いたしましたが、從來会社の資産台帳に記載されてないので、当時隠退藏物資摘発の声が高かつたために、これを隠匿するに至つた事情が判明しております。このほかになお発見したものがあります。すなわち電氣銅三千三百十九枚、これはその会社が檢察廳の摘発の前日に、鑄物工場の地下二尺のところからこれを発掘して、他に隠匿しようとしたものでありましたが、これを檢察廳が押えたのであります。これは会社が創立の際に、機械工場の第三倉庫内に藏置してあつたものを、当時大藏省佐世保地方官業部から継承する場合に計算違いであつたと言うておりまするが、無償継承しておつたものであります。この点につきましては、しかし捜査の要があります。まだ大藏省を取調べておりません。二十二年の六月中に、安本の摘発の声に脅えて、一旦構内の営繕倉庫内にこれを隠匿し、昨年の九月二十三日、さらにこれを鑄物工場の地下に隠匿したものであります。次いで私どもは二月の十八日にも現場を摘発いたしました。亞鉛地金二千二百八個を発掘いたしました。これはS・S・K構内の第三ドックの脇に軍艦を解体してある駆逐艇の船底に――非常に高い山が見えます。その船底に特に隠匿したもので、上に鉄板を被せてあつたのであります。その附近の起重機を使つて会社が隱匿したものであります。これは二十二年の八月、安本の摘発の声に脅えて、機械工場の第三倉庫内に電氣銅とともに、会社創立の際に、前のものと同樣、数量をごま化して処理しておつたものをトラックで搬出して、起重機で搬び上げて隱匿しておつたものであります。次いで二月十九日にまた摘発いたしました。これは資材課の第一倉庫横の防空壕内にありました。ニッケル地金、フェロクローム地金、赤鉄鑛、アンチモン地金、マンガン鑛、はとの目、電線等であります。このほかになお同会社には、指定生産資材在庫調整規則に基く法的届出に際し、会社は不要の品物のみを届け出て、重要物資の届出手続を履んでおりません。おびただしい品物があります。これは同会社の第一倉庫、第二倉庫、第三倉庫内の重要資材全部についてと言うても過言でありません。型鋼、棒鋼、厚板、薄板、珪素土鋼板、線材、鋼管その他種々のものがありますが、これは尨大な数量でありまして、檢察廳は瞥見いたしましたきりでとうていその手数、費用がないために未だ詳細な調査ができておりません。この額が幾億円に上るかということを推定いたしましても、私どもの方ではその推定が今なおできておりません。
 以上をもつて御要請にこたえることができたと思います。
○梶川委員長代理 委員諸君のうちで証人の証言を求めることがありましたならばどうぞ。
○中野(四)委員 二点だけお尋ねいたします。
 この情報提供者の名前が明確でないことであります。すべての情報提供者の名前、住所、これをひとつ知らせていただきたい。一つは会社の責任者、この隱匿をせる会社の責任者ははたしてたれか、そうしてその責任者は現在までに檢察局の取調べを受けたことがあるかどうか、この点について証言を得たいと思います。
○岡本證人 この隱退藏事件に関する情報提供者につきましては、本件の事案取扱上非常に重要な関係をもつているのであります。本件の情報提供者のごときも、氏名を明かにすれば自分は殺される、事実またそういう危險にさらされております。これはS・S・Kの組織自体が、從來の海軍工廠員が職工になりましてすべて株主であります。一團とした組織的なものであります。そしてただいま私の手もとにその正確な名前を持合せておりません。会社の責任者はただ資材課長程度について調べておる程度であります。これはなぜそうなつたかというと、非常に尨大なもので、現地に臨んでごらんになるとわかりますが、非常に廣範囲な海軍工廠一帶の敷地であります。これは素人がはいつても、安本の委員がはいつてもわからない。事実わからない。それで私ども非常に苦労があつたのであります。そういう関係でこの事件を突き進んでやるためには、不幸にして私ども当時の長崎の檢察の人員すべてでかかつても一箇年、二箇年の時日を要する、私はそういう見込をつけたのであります。でありますが、さいわいに進駐軍の管理下にありまするので、その他の地域に比較してその部分は比較的安全である。私はこの大事件を摘発すると同時に、佐世保地区全体が非常な警戒をいたしますので、一つの事件を押えるために他の凡百の事件を逃すおそれがありますので、これは一時進駐軍の管理下において他の事件に当つたわけであります。これは將來残しておくべき事件だと思つております。残しておくべき事件というのは、摘発に移るべきであります。強硬な陣容をもつて摘発に着手せんければその目的を達しがたいものだと思つております。それで責任者はいろいろ経過があります。この責任者は資材課長程度を今調べておるにすぎません。また取締役の一二についても取調べをしております。しかしながら他の責任者、あるいは究極の責任、これについては不幸にして今まで調べたものはありません。
○明禮委員 少し前に戻りますが、訊問事項の順を追つてお尋ねしたい。市疑獄の海底電線がずいぶん何遍も言われましたが、これは全部でどのくらいのトン数に及んでおりましようか。おわかりでありませんか。
○岡本證人 これは私が最初情報を得ましたときは千三百トンのように聞き及びました。ところが事実現場を目測してはかつた販賣を取扱つた杉村の言によりますと、当時約三千トンあつたと言つております。
○明禮委員 その責任者は牟田口その他のように言われますが、中田市長については御承知はございませんか、また取調べを受けたようにも思つておりますが、その経過はどういうふうになつておりますか。
○岡本證人 中田市長についても取調べを進めております。しかしまた捜査の途中であります。
○明禮委員 この土建業者というものと、それから先ほど御説明になつた中に門屋盛一、星野組、梅村組、こういう連中と北村徳太郎氏との関係はどういう関係でありましようか、その点でお調べになつた点を……
○岡本證人 ただいま犯罪関係についてはその人々に関連ありや否やということは伺つておりません。ただあの地の土建業者諸君は民主党に属しております。そういう関係で北村氏がやはり民主党であります関係、そうして多年佐世保市における銀行の頭取であつた関係、金融方面の関係でその業者と取引関係があつたものと思つております。
○明禮委員 この事案につきまして二月十六日から、十九日、二十日ごろまで、御説明によりまして、ずつとS・S・Kの全部をお調べになりましたが、ただいま私の方で調べたものによる数量があるのであります。数量を読みあげましてもどうかと思いますが、控えておるものに総計が出ておりませんか、たとえばここにあります鉛のバラストとか、五百五十七個で二万七千八百五十トンというように書いてありますが、その計数はおわかりになりませんか。
○岡本證人 計数はここに出しておりますが、総計はとつておりません。たとえば鑄造工場の地下、あるいは第一倉庫から第三倉庫、防空壕というように各内訳をしておりますが、その他にとうてい廣汎な地域にわたつて克明に檢事十人や二十人を使いましても、その目的がにわかに達しがたいので、当時私は工場主の了解を得て場内備付の拡声機により隱退藏物資を出すことが國家に有益な理由を説いた結果、その後所内から二、三回に亘つて、また尨大な数量があるということの報告に接しております。これは会社からの報告に接しました。
○明禮委員 実は私は五月の十二、三日ごろ佐世保に参りまして、現にこのS・S・K内の防空壕あるいは井戸の中からその当日ひつぱり出しておる亞鉛バラストと地金とを私は拜見してまいりましたが、そういうものを今やはりやつておる関係から見ますと、まだS・S・K内と言いますか、そこには相当の物資が隠してあるのではないかと思われるのでありますが、搜査の御都合が差支えなければどんな風でありましようか。お聽かせを願いたい。
○岡本證人 ただいまおつしやつたような事実が不幸にしてあつたのであります。最近五月何日かに――かようなことを申すのはこの席でいかがかと思うのでありますが、構内からさらに事実上隠匿しておるものが他に洩れるうわさがあるというようなことを聞及んだのであります。さらに摘発を続けましたところが、井戸その他から事実上隠匿せられた品物が続々出ておるのであります。しかしながらどの限度にそれが出るか、どこまで発展し得るかについては、厖大でとうてい予測の限りでありません。
○明禮委員 このS・S・Kの中で先ほど証人がお話になりました所に、航空母艦の隼鷹を解体したということがありましたが、実は私は兵器処理の方面も関係いたしておりまして、調査をいたしておる点でありますから、ぜひこの点についてお願ひをいたしたい。航空母艦以外にも、このS・S・K内で相当の艦船が解体せられておる事実があると私は聞いておりますが、この点についてのお知りになつておるところをお示し願いたいと思います。
○岡本證人 具体的にまだその事実を調べておりませんが、本件の搜査を進めるうちに、S・S・Kにおきまして、数隻の軍艦が解体せられたという事実だけしかわかつておりません。まだ艦名その他の事実は確認しておりません。
    〔梶川委員長代理退席、委員長着席〕
○明禮委員 それから先ほど昭和二十二年七月十五日現在の非鉄金属在庫調べの提出を命ぜられました。その当時は何人が社長でありましようか。それをお伺いいたします。
○岡本證人 この会社の成立の由來を私が知つておる限りにおいてお話申し上げたいと思います。この会社は二十一年の九月二十日に創立いたしておるのであります。本社は東京にあります。当時の取締役は占部五郎、三枝貞藏、塩津英薫、中村倍治、北村徳太郎、川角五郎、澤山信吉、木村大藏、辻清、高田透、古我源吉、以上十一名であります。その後さらに二十二年の三月二十二日に法村吉平、青木省二郎が取締役に選任せられました。第十回の取締役会で昭和二十二年七月二十八日東京の本社で北村徳太郎氏が代表取締役社長に就任せられております。北村社長の辞表提出が二十二年十二月三日で、辞任登記がなされておりますのが二十三年二月十日、取締役を辞任いたしましたのが二十三年五月三日、こういう関係であります。
○明禮委員 そこでもう一つお伺いいたしたいのは、この二十二年七月十五日現在の非鉄金属在庫調の命令は、連合軍総司令部の指令であると聽いておりますが、その点いかがでございましようか。
○岡本證人 先ほど摘発の際に申しましたごとく、S・S・Kの摘発の際には、進駐軍の民間財産管理課長のミラー氏がお立会いになりまして、そのときに、実はポツダム宣言違反である。また摘発物資の中には掠奪物資があるから、このS・S・Kの事件は軍の方で処断するというような御意向もあつたのであります。しからば私の方で摘発の手を引くかということにつきまして、一、二日交渉いたしました結果、数日軍でも御研究になりまして、搜査はそちらの手でやつてくれということでありまして、私の方で引継いでやつたのでありますが、その当時の軍から示された指令書というものがあつたのでありますが、不幸にして、今それを私の方で持つておりません。それは二十二年七月十五日現在の調べを現わしておりますが、二十二年九月二十二日、これはおもしろのでありますが、その当日、ちようど東京の本社で第十二回の取締役会が開かれておつたのであります。これが九州軍政本部あてに、非鉄金属在庫調報告というもので提出せられております。この中にミラー氏が、虚偽の記載があるかないかということをお尋ねになつて、会社側は虚偽の記載がないということであつた。ところが摘発した物資に事実報告の数量と不幸にして間違つたものがあるのであります。たとえば鉛、この報告数量は一万八千六百三十キロとなつておりますが、隠匿されておつた物資がさらに四千三百五キロあります。ニッケルについても同種のものがあり、亞鉛についても、銅についても、ホワイトメタルについても同種のものがあり、アンチモニーについては届出してないものが最初の私どもの摘発のものとして浮び出てきたのであります。
○明禮委員 そうしますと、連合軍総司令部の指令に基いて七月十五日現在の非鉄金属在庫調を提出したもの、それを届出をいたしましたのは二十二年九月二十二日である。そうしますと、先ほどの御証言から言いますと、二十二年九月二十二日には東京の本社で同じ重役会があつて、その日には北村徳太郎さんもそれに出られて、そしてこの届出はなされたものと思うのでありますが、この点お調べになつておりますでしようか。
○岡本證人 実はこの届出は私どもに直接タッチした問題でなく、軍の直接のものであつたと思うのであります。九州軍政本部にあてて出されておるものでありまして、これは軍の要請に基いて出されたものであろうと思うのであります。そこでその指令につきまして直接私どもは今なお搜査の十分なものが行き届いておりません。その指令の存否、その指令が覚書か、第何号によるものか、これはまだ私どもの搜査に分明しておりません。なおその関係について深く取調べはいたしておりません。
○明禮委員 ただいま二十二年の九月二十二日に出しましたそのときに、東京の本社で北村氏が出ておられるということをお尋ねしましたが、それはお調べになつておりませんですか。
○岡本證人 これは会社の決議録に明らかに載つております。二十二年の九月二十二日に、第十二回取締役会が東京の本社の分室で北村社長議長のもとに行われております。
○明禮委員 そこで一体届出をしなかつたその責任がだれにあるのか。もう一つは先ほど私がお尋ねをいたしましたたくさんな品物、たとえば本年の二月十六日から今日に至り摘発が続いておりまするその物件は十数億と申しますか、相当大きなものであります。この品物が中には届出との関係のないものもあるかもしれませんが、相当大きな物資が届出洩れになつておるということはいかがでありましようか。
○岡本證人 私の方は摘発にあたつたものは、事実地下とか防空壕とかに故意に隠匿したものを事実的の隠匿と称しておるわけであります。そうして、法的に所要の届出をしておりませんものも隠退藏の摘発の対象になるのでありますが、これを法的隠匿と私どもは申しておるのであります。その分野におけるものは先に申しましたように相当の数量のものが現存しております。
○明禮委員 その責任者はだれですか。
○岡本證人 連続しておりまして、そのときどき私どもはその責任は会社の首脳者にあると見ております。しかしながら事実上私が現にこれが責任の衝に当つたものであるということは申し上げることはできません。
○明禮委員 その届出は一体どこでいたしておりましようか。そのことをちよつと伺つておきます。届出の書類はどこにございましようか。
○岡本證人 それは九月二十二日のものでありますか。
○明禮委員 そうです。
○岡本證人 それは九州軍政本部にあります。
○明禮委員 わかりました。そこでもう一つ恐縮ですが伺つておきたい。このS・S・Kというものは一体資本金はどのくらいの会社であるか、並びに創立計画がどういうふうであつたかということ、あるいは在庫品、製造能力、材料の入手というような関係につきましてお調べになつたことがありましようか。まだお調べになつておりませんでしようか。
○岡本證人 これは実は創立の際調えられた文書が東京の本社にありますので、創立の際の文書は檢討しておりません。現に東京の本社にありますので、佐世保地区におきましては取調べの手が延びておりません。昭和二十三年三月三十一日現在の資産は合計一億四千五百四万八千三百七十八円九十銭。
○明禮委員 創立時分のことはわかつておりませんね。
○岡本證人 当時の模樣はわかりません。
○明禮委員 今も申しましたこの会社の設立の動機とか、そういつたことについてはまだ調べてございませんか。
○岡本證人 ありません。
○明禮委員 そこでもう一つお伺いしておきたいのは、佐世保事件というものは先ほども申しました通り三大摘発事件の一つでありまして、最も重大なる立場におるのでありますが、証人がこの地方においてこの点について指揮をされまして、今日まで相当の成績があがつておるのでありまするけれども、この摘発の途中におきまして轉任されたことはわれわれまことに遺憾な次第でありまするが、聞くところによりますれば檢事長丸という方が福岡におられ、この方も病氣である。そこでこういう問題についての摘発について、あるいは佐世保の問題について、最高檢察廳の檢察官として今後どういうふうにこれをなさるお考えでありましようか。せつかく重要な椅子におられましたが、こちらにおいでになりましてもこの点についてはあなたもやはりまだ責任がおありになる点が十分あると存じますが、これについての今後の御方針を承りたい。
○岡本證人 捜査方針に関する意見の陳述につきましてはなるべく御容赦願いたいと思います。
○明禮委員 わかりました。それからこういうことはどうでしようか。檢事正としてあちらにおられまする時分に、最高檢察廳の渡辺次長の方から、佐世保S・S・Kの隠退藏はなるたけ打ち切つてくれというようなことを言われておることを私は耳にしたのでありますが、檢事正でおられた証人の耳に触れたことがおありでしようか。
○岡本證人 私が直接それを聞いたような事実も耳にしたこともございません。
○明禮委員 もう一つお伺いします。このS・S・Kの造船契約というものは、よその会社よりは勉強するといいますか、非常に割安で仕事をしておるというので、これが疑惑の眼となつておると言つております。これは普通安くやるのは結構でありますが、相当に物資が豊富だから安くやるのだと言つておる点がありますが、こういうことは御承知にはなりませんか。
○岡本證人 その点に関する取調べは、今のところそこまで手が延びておりませんからはつきりしておりませんが、ただ私どもといたしまして容疑の点についてその点を考慮して進んでおつたものであります。それも將來の捜査の範囲に属すると思います。
○明禮委員 これで佐世保事件の大体を知り得ることができたのでありますが、一層これを深く調査するのには、何人に伺えばだれが一層深く書類をもつて今の軍政本部に届出られたと言うところ、それを取調べたような責任者がどなたかあちらにおられるでありましようか。佐世保の檢察廳に……。
○岡本證人 それは主として現場を佐藤麻男という檢事に主管させておりましたので、從つてそれらの檢事が知つておるはずであります。これにまた捜査事務官が関係いたしておりまするから、それらの者に聽けばわかると思いまするが、だれに聽いてわかるかということにつきまして、今確実なことは私指摘することができません。
○明禮委員 先ほどおつしやつたのには、荷物が來ないから、荷物が來たらば書類がまとまるというようなことをちよつとお話があつたと思いますが、一層詳しいことが、荷物が参りましたならばお手もとでおわかりになる資料がございますか。
○岡本證人 それも捜査に関係する各主任の報告を私は一々録取したものがあります。しかしながらその中にもただいま証人として尋問事項の中でお答えした範囲で、すべて盡きておるのではなかろうかと思うのであります。具体的にお示しになりまする事項が捜査の秘密事項に関せぬ限りは、なおこれは申し上げる機会も與えられればありましようが、私としてはその程度で十分ではないかと思います。
○鍛冶委員 先ほどこの会社の創立についての詳しいことは、書類がないからわからぬというお話でありましたが、ごもつともだと思いますけれども、全貌だけでもいいから聽きたいのです。特にわれわれとしてこの際知つておきたいのは、佐世保海軍工廠をS・S・Kがそのまま引継いだというお話でありました。それを引継ぐなり、もしくはその前のものをそのまま引継いで占有しておるという、これに至りましたる大体の経過をぜひとも伺いたいと思います。
○岡本證人 これは海軍工廠から直接その会社が受けたものではございません。先ほどすでに証言して申し上げました通りに、これは大藏省の官業部が官業をもつてやろうとしたのであります。從つて大藏省を取調べる必要があるのであります。その大藏省が二十一年九月二十日に創立せられましたS・S・Kに在庫物資を引継いで、その在庫物資のうちに多量の漏れた分があり、それが隠匿されたものになつておるのであります。その点がどういう関係になるかは、將來の捜査にまつにあらざれば判明いたしません。これは相当大きな影響をもつ廣汎な事件でありまするから、軽々に今予断を許されません。事実この捜査はできておりません。
○鍛冶委員 それは大藏省國有財産管理局からの拂下げであろうと思うが、大藏省のだれとだれとの契約であるかは御承知でありますか。
○岡本證人 わかつておりません。一切その点について……。
○鍛冶委員 そうすると、大藏省の國有財産管理局から拂下げしたということだけはおわかりになりますか。
○岡本證人 大藏省官業部から官業を引継いだのであります。これは軍の指示に基きまして官業を民間の事業に移したのであります。
○鍛冶委員 証人はお手もとに相当重要な書類をお持ちですか、なお捜査のために必要であるとすれば、われわれは強いて申しませんが、差支えないもので本委員会に提出していただける書類がございましようか。あるとすればどの程度のものかを、この際聽かしていただきたい。
○岡本證人 これは相当搜査に対しまして、これからいずれの方面からはいつて搜査するかは、よほど重大な問題であります。このまま事件を打切つてしまつていいということであればこれは別であります。そうでない限り非常に重要な搜査資料であります。私は提出することが搜査を妨害する、かように考えております。
○椎熊委員 ちよつとお伺いします。佐世保鎭守府の構内というものは非常に厖大なものだそうですが、S・S・Kという会社がその一部か、全部か、どういう範囲で会社設備をしておるのですか。
○岡本證人 海軍工厰の建物ほとんど全部、それから倉庫、そういうものを賃貸しております。これは相当厖大なものであります。
○椎熊委員 その中には会社が全然手が触れられないようなものがあるのでありますか、その地域内に……。三里四方もあるということですが、会社としてはそんな廣い地域は必要がないはずですが。
○岡本證人 ただいま会社がやつております区域は、相当厖大な区域であります。海軍工厰地帶というのは非常に廣うございます。三里四万まではありませんが、それは相当廣汎であります。
○椎熊委員 その廣汎の範囲の中の一部分に会社があるのですか。廣汎に全体にわたつておるのですか。
○岡本證人 軍港の一部分にあるのです。
○椎熊委員 今あなた方が摘発なさつた物資はどういう範囲から……。
○岡本證人 それはS・S・Kの借用しておる構内からであります。
○椎熊委員 S・S・Kの管理しておる構内ですか。
○岡本證人 そうです。
○石田(博)委員 二、三点証人にお伺いいたしたい。先ほど会社を設立した経緯その他については十分お調べになつておられない。特にこの会社がその厖大な権利と申しますか、財産を含んだものを大藏省から継承した経緯については、大藏省について調べていないのでわからないという御答弁でありましたが、この佐世保船舶工業株式会社なるものは、どういう事業をする目的をもつて設立されたものであるかという点についてお答えを願いたい。
○岡本證人 本体主なる目的は、造船と艦船の修理、解体であるらしいのであります。
○石田(博)委員 そうして設立せられました時期は二十一年九月二十日ということでありますが、その際大藏省からこれを継承いたしたとすると、私どもの記憶に誤りがなければ、後に取締役会員になられた北村徳太郎氏は、その当時大藏省の政務次官をせられておつたのでありますが、その点については御存じでありますか。
○岡本證人 まだ何も調べておりません。
○石田(博)委員 今お伺いしたことは事実問題でありますので、調べてみれば簡單な問題でありますが、その次にお伺いいたしたいと思いますことは、先ほど情報提供者の名前を要求せられましたときに、名前は明示できないという理由については十分了承いたしますけれども、一般の事業会社を組織しようと考えますときに、生命の危險にさらされるとか、あるいはその他にいろいろの迫害、脅迫を受けておるような事実、あるいはそういう組織が背後にあるようにも聽きとれるのですが、その具体的内容について念のため伺つておきたいと思います。それは背後にそういう非合法な力が存在しておるという事実を私どもはできるだけ避けなければならぬということを、特に法治國家の建前からいつても考えなければなりませんので、証人にこの点について、御承知になつております範囲でお伺い申し上げたいと思うのであります。
○岡本証人 私が探知した程度のことを申し上げますと、S・S・Kの構内に檢察廳の摘発が及ぶという前日に、何人かが構内ですでにその物資の発掘にかかつたのであります。その関係者等が陰に陽にこの摘発を続行するならば三十四連隊並びに佐世保駐在のM・Pと摩擦を起すであろうというふうなことが言われた。ところがさいわいにいたしまして私誠意をつくして軍にそのことを話しました結果、ただいまでは全面的に協力を得まして、殊に小倉の二十四師團からは軍政官ではなく、軍直接に二宮情報官を私の特別搜査班に常駐せしめていただきました。そうして檢察のために從事するわれわれに対して、危害等の及ぶことのないように、十分の配慮を加えられているのであります。しかしながら摘発者につきましては、昔からそういう組織体の中から一人が裏切つて國家のために貢献しようというのでありましても、裏切者としてこれを除かれるおそれがあるのであります。この危險であります。なお隠退藏物資の摘発につきましては、情報提供者にその危害の及ばざらんことを私どもは終始目途としてのみ遂行できるのであります。これをなすにあらざればとうていできない。あるいは語をなして言う人があります。摘発すれば報奬が得られるのではないか、報奬を得られても命が惜しい人もありますから、これはすこぶるデリケートな問題であります。
○石田(博)委員 私がお伺いいたしましたのは、その情報提供者の名前を申してくださいという目的をもつてお伺いをしたわけではないのでありまして、その背後にある組織の実体を伺いたい、こういう目的でお伺いしたのであります。
○岡本證人 仲間の中から一時佐世保の摘発を進める上に非常に妨害をなした恐怖の対象になつたのは小野徳一であります。しかしながらこれは私が懇々と本人にも説き、今日ではその心境もないようであります。私の方でこれは起訴しております。この件は取除かれたと思つております。
○石田(博)委員 今一言お伺いしたいことは、先ほど御証言の中に、はつきり聽きとれなかつたのでありますが、職工が株主になつているというような意味のお言葉があつたように記憶しております。それから海軍工厰の職工を継承しているというようなお言葉があつたように聽いているのでありますが、終戰後大藏省の手に移り、それからS・S・Kの手に移るまでの現在の旧海軍工厰というものの形はどういう形になつているのでありますか。
○岡本證人 まだその点詳しく調べておりません。
○安田委員 七点ほどお伺いいたしたい。先ほど知事選挙の違反が――土建業者が百四十万円ほど集めて、その金を知事選挙に使つている、かように前檢事正として申されましたが、百四十万円の金を知事選挙の目的のために集めて、知事選挙のために使つたということは、前の檢事正としてはつきり言われるだけのしつかりした証拠が出ているのでありますか、あるいはさように推測せられたのであるか、さような断定を前檢事正として言われる程度にはつきり証拠が出ているとお考えになりますか。
○岡本證人 特別賦課金名義で知事の選挙を應援するために、新円と封鎖金合わせて百四十万円を使つた関係については明らかになつている。そのうち現金二十数万円が現に知事の選挙に使われた事実については関係者によつて明らかに聽取されております。あるいは五万円が知事のその当時の住居に使用者三名が持参して渡したという事実が明らかになつております。その他に個人からもつていつた金も明らかになつております。ただ現金七十万円ばかりのうち、二十数万円がその選挙事務所に運ばした事実がわかつておりますが、その後のものは未だ判明しておりません。
○安田委員 そうすると百四十万円が使われたということがはつきりしておる。貯金せられたことが明かになつておる。貯金せられたのは賦課金名儀で知事の選挙のために貯金されたということがはつきりしておるのでありますか。
○岡本証人 そうであります。
○安田委員 先ほどからわからない。こういうふうにおつしやつておりますが、この点が今回の最も重要な要点だと思うのであります。S・S・K設立当時の本件の事情がわからければ、本件の実体はつかめないのであります。この佐世保船舶工業株式会社は、元佐世保海軍工厰をそのまま佐世保地保復員局官業部で運営しておつたのでありますが、昭和二十一年二月十六日に連合軍最高司令部から日本政府に対し、かような設備を官吏が運営することはいけない。純粹の民間会社としてこの施設を轉用しろという特別の命令が発せられ、この命令に基いて本会社が設立せられたのであつて、從つて本会社は普通の営利会社とは違い、特殊の法人であるということは証人は全然知らないのでありますか。
○岡本証人 その点につきましては私も聞きましたが、調書上に明かになつた問題ではありません。從つて私は官業が民間事業に移されたものと思つております。
○安田委員 よろしうございます。ここに私の心配した一つのことがはつきり言われ、一つのことは言われないという事柄が出て來たわけであります。さような軍政府の命令に基きまして佐世保市におきましてはこの海軍工厰の設備と資材とを利用して、船舶工業を興さなければ旧佐世保海軍工厰に勤めた五万名以上の人が失業するというので、佐世保市民がこぞつてこの計画に参加する。こういうことになりました。技術を占部造船所と三菱造船所に求め、この占部造船所と三菱造船所と佐世保市民、旧海軍工厰の工員三者が資材を集めて本会社を設立し、当時の管業部の資材を引受けて仕事を始めておる。從つてこの会社は一個人の営利のために設立せられたものではないということは檢事正としては当然おわかりにならなければならないと思いますが、かようなことは全然証人は御承知ないのでありますか。
○岡本証人 私は本日隠退藏物資事件の摘発に関することにのみ証言を求められたのでありまして、会社の性格とか、性質とか、目的については触れなかつたのでありますから……。
○安田委員 労働者が株を持つておるということもちよつとおつしやられた。その労働者が株を持つておるというのは今のような事情で労働者が株を持つておるというのでありますか。さような点は御存じないのでありますか。
○岡本証人 その点につきましては隠退藏物資事件の、S・S・Kの捜査がきわめて困難であるということに関して申し上げたのであります。会社の性格については深く調査しておりません。
○安田委員 S・S・Kの仕事は非常に安くやつておる。その点を知らないかという質問に対しても知らないということをおつしやられましたが、S・S・Kの仕事はもつぱら進駐軍の下命工事をいたすのである。從つてその仕事は一般の民間の事業をやるようなものとは違うのだということを証人は御存じですか。
○岡本証人 進駐軍の命令に関する艦船の建造あるいは解体、修理を主としてやつているものだというふうに聞き及んでおります。
○安田委員 先ほどS・S・Kの構内には立入りを禁止せられておるということを言われましたが、元佐世保海軍工厰の地域であつたものは、直徑三里程度の厖大な地域であります。そのいわゆる秘密地図があり、物資が隠匿せられているというのは、終戰前あるいは終戰直後に海軍工厰あるいは佐世保海軍部の人々が、敵の上陸に備えてこの厖大な地域にいろいろな方法で隠匿をしたものである。S・S・Kはこの三里四方の中に、造船に必要な設備と建物を、所有権を取得したのでなくて、大藏省から一時使用許可を受けてこれを使つておるにすぎない。S・S・Kの所員は從つてこの設備に立入ることのみが許されて、それ以外の地域には、先ほども証人が言つたように立入りが禁止されておる。主として厖大な物資が保有されておる地域は、この立入禁止の占領軍管理下の地域があるということを証人は御存じないですか。
○岡本証人 その通りさきに証言に申し上げたと思つております。
○安田委員 念のためにはつきりしておきますが、いわゆるS・S・Kの占有しておる地域は施設の一部である。隠匿物資が隠されておると推定される地域には、S・S・Kの工員といえども立入ることができないのである。S・S・Kとは全然関係のない地域であるということをはつきりしてよろしうございますか。
○岡本証人 それは証人が申しました範囲を逸脱しておると思うのでありまして、S・S・Kは借受けておる区域が定まつております。そのS・S・Kの借受けておる構内にすら、職員の立入りは禁止せられておるのであります。
○安田委員 そうすると、S・S・Kが使用許可をされておる区域と、それからS・S・Kの工員といえども立入ることのできない区域と、隠匿物資が厖大に隠匿されておると証人が言われた地域は、主としてどの地域でございますか。
○岡本証人 S・S・Kの職員といえども立入りを禁止されるおる区域があるということは証人は関知しておりません。S・S・Kが使用しておる区域の中にもS・S・Kの職員が立入りを禁止せられておるという区域は、証人は関知しておりません。証人の申します摘発は、S・S・Kが使用しておる区域内におけるところの隠退藏物資のみに限つて申し上げておるのであります。
○安田委員 それが数十億と証人はおつしやるのでありますか。
○岡本証人 さように申し上げません。
○安田委員 数億あると証人は言うのでありますか。
○岡本証人 数億あるという報告に接しておると言うのであります。
○安田委員 それでは伺います。去る五月の十四日、免出檢事が、S・S・Kの所管構内に厖大な隠匿物資があると称して四十名の警察官を連れて捜査に参つたが、その捜査の結果、結局発見されたものは鉄材二十トン、しかもその鉄材二十トンは、所長がその檢事正の要請に基いてみずから捜査して、発見したものをあらかじめ届出ておつたものである。その二十トン以外にはS・S・Kの構内には何ら発見することができなかつたという事実を証人は御存じですか。
○岡本証人 もう一遍その日時を……
○安田委員 五月十四日であります。免出檢事が警察官四十名を連れて、捜査に参つた事実を証人は御存じでありますか。
○岡本証人 五月十四日というとちようど発令前の日でありまして、これは私が長崎の官舎におきまして、現地から電話報告を受けました。四十名の警官を指揮したということは聞きませんでした。何名か、その数は特定しておりません。その檢事には二宮情報告が立会いの上で警察官を指揮せられたということを聞いております。
○安田委員 その結果は。
○岡本証人 その結果出ました数量につきましての具体的のものは、私ここに持合せておりません。記憶しておりません。しかしながらこれは從來いずれの場所にあるという指摘した場所から出たものではないと聞いております。いわゆる先に私が申しました、事実上隠すために隠した場所から出たことを聞いておりません。
○安田委員 それは摘発隊が摘発して発見したものでありますか。それとも前に所において自発的に探し出してあらかじめ報告しておつたものでありますか。
○岡本証人 そのあらかじめ報告しておつたものにはありません。不幸にしてここにあらかじめ報告したリストを持つておりますが、その中にはありません。
○安田委員 それでは別のことを伺います。重要物資の厖大な量がS・S・Kの構内に現在保有されておる、かように証言をされました。倉庫内に保有されておると証言されましたが、この重要物資はS・S・K設立当時、復員局官業部の北川元少將から目録に基いて正当に引継ぎを受けた品物であるかどうか、その点は調べでわかつておりませんか。
○岡本証人 先ほども申し上げましたように、そのリストをまだ檢討するいとまがないのであります。ただ不幸にしてそのリストに書いたもの以外のものが隠匿されておりますので、これは容疑がありましても、まだ調べる暇がないのでありまして、調べておりません。
○安田委員 調べておらなければ仕方がございませんが、しからばその引継ぎを受けた重要物資は、重要物資の届出をしなければならない。あの届出には、六箇月分の所要材料はこれを控除して届出ることが認められておるのであります。その六箇月の所要量というものが妥当であるかどうかについて御檢討になつておりますか。
○岡本証人 まだそ点に関する行政的の調べをしておりません。
○安田委員 しておらないと、はたして隠退藏になるかどうかということがはつきり断定できないんじやないですか。
○岡本証人 私は全部の物資が隠退藏物資であるとは申しません。かつて申し上げたことはないのであります。今までの証言の中にさようなことは申し上げません。いずれのものが隠匿物資になるかならぬかはまだ精査の必要があるということだけであります。
○安田委員 非鉄金属の未届けがあつたと申しますが、この非鉄金属並びにいわゆる摘発せられたと称するところの、現在わかつております物資の評價價格はおよそどの程度でございますか。それは檢事正として当然おやりになつておるはずであります。
○岡本証人 本省にも報告しておりますが、なかなかその價格の算定がこれまたむずかしいのであります。正確なものが出ないのであります。
○安田委員 それにかかわらず、数億の物資が退藏せられておると証人は申しておるのでありますが、價格の評價がわからないのにさようなことを申されては、はなはだ軽率ではないかと思いますが……。
○岡本証人 申し上げます。正確な数字を出さなければ、それは價格の認定ができないとおつしやるのか、あるいは推定の價格を言うてもよいとおつしやるのか、推定の價格以外正確な價格を申し述べるにあらざれば証言として價値ないということでありますならば、私はそこまでは、商人でもありませんので、正確な調べはなされておりません。
○安田委員 推定價格としておつしやつていただけば、それで結構であります。その点の証言より責任はないはずであります。
○岡本証人 それがさきに申しましたものであります。
○安田委員 隠匿物資の届出は何人によつてなされたかわからないのであります。ちようどその当時取締役会が東京で開かれておりましたから、その取締役会で決定をして、届出をしたものであるかのようなことを思わせる証言がありましたが、この届出者は現地の前所長が署名し、その後所長が交替して、他の所長がこれを提出しておりますが、さような点も全然わかつておりませんか。
○岡本証人 わかつております。ただいま御質問にありました思わせぶりなことは、決して申し上げる意図はありませんから、その点もし御推断になりましたならば、これは私の答えが遺憾でありました。事実は十二回の取締役会が九月二十二日に東京の本社でなされておる当日、その届出がなされておるというこの関連事項を、私が記憶の上から申し上げたのでありまして、ほかに意味はありません。同日の届出は佐世保工場長の松本長藏名儀になつております。ところが英文の提出者名儀は三枝貞藏名儀になつております。
○武藤委員長 安田さんもうよろしゆうございますか。
○安田委員 よろしゆうございます。
○石田(一)委員 ちよつと証人に伺いますが、今のではちよつとおかしくなります。先ほど証人は、その届出書は長崎市の軍政部当局に保管をしてあるということでございますが、今そこで調べてお読みになつたのは何でありますか。
○岡本証人 それはあなたのお聽き違いで、九州軍政本部に出ております。そうしてその英文は三枝貞藏名儀で出されております。当地の工場長松本長藏名儀のものがなされておりまして、英文と和文とあるわけであります。
○石田(一)委員 そうすると英文は軍政部においてなされておつて、和文はどこでなされておりますか。
○岡本証人 これは両者一緒であります。
○石田(一)委員 私がこの質問をするというのは、先ほど明禮委員の質問のときには、その届出は軍政部に出されておるものであるということをはつきりおつしやつて、その内容については何だか不明のような証言があつたと思うのであります。(「内容がわからない」と呼ぶ者あり)内容がわからないのに、三枝名儀で出されておるとか、何々所長の名前で出されておるとおつしやると、結局内容はわかつておるということになるのでありますが、先ほどの証言では、内容がわからないからというような意味でぼかされて、二十二日というときに東京の本社で常務取締役総会か何かが開かれておつて、その役員総会の審議によつて、その届けがなされたかのごとく私たちも承つたのであります。しかし今の安田委員の質問によつて、証人の証言は全然異つてきたような感がいたします。ちようどその取締役員会当日に、たまたまそれがなされていたというにすぎないではありませんか。
○岡本証人 そうであります。
○石田(一)委員 それならそれをはつきりしていただきたい。
○岡本証人 私の記憶の関連上、東京の中央におきまして、九月二十二日に取締役会がなされた日に、その届出がなされておるというだけであります。記憶を明確にしただけのことであります。
○石田(一)委員 もう一つお伺いしたい。先ほどの証言の中に、東京で二十二年の九月二十二日に第四回の取締役総会があつた。そのときに北村取締役を議長として、これが云々という証言があつたと私は記憶いたします。そのときの議長が北村氏であつたということの証言をなさいましたが、それとその届出書とがどういう関連をもつか。どういう必要があつて議長まで出されたのですか。
○岡本証人 それは明禮氏にひとつ御質問願います。
○石田(一)委員 明禮委員に聽いているのではありません。あなたのお考えを聽いているのであります。
○岡本証人 明禮代議士から御質問がありましたから、答えただけであります。
○石田(一)委員 明禮委員の質問は、私が聽いている範囲においては、そのときに北村氏が出席していたかどうかということは聽いたかしれませんが、そのとき北村氏を議長として役員会が開かれて協議した。こういうことを言われた。
 それでは別の方面についてちよつと一言聽いておきますが、証人は証人としておいでになる前に、明禮委員並びに本委員会の委員と、事前に打合せをなさつたことがありますか。
○岡本証人 少しも打合せたことはありません。明禮委員は安定本部関係で、安本の摘発当時に九州地区に往復せられたことがありますので、その際に数回お目にかかつたと思つております。
○石田(一)委員 最近元の任地に何か用があつてお帰りになるので、東京の滯在日数があまり長くなると旅費等の関係で困る。それで一日も早く証人に喚ぶなら喚び出してもらいたいということを、あなたの方から要求なさつたことはありませんか。
○岡本証人 私は証人として喚問せられることを、どなたにも求めたことはありません。
○石田(一)委員 私はこの証人が――これは公式の席上ではありませんが、理事会においてある理事が、証人が帰る。帰るとすれば、この委員会のために東京に何日も滯在さしておくことは、旅費などの点で非常に困るから、一日も早くと言われたことを私は聞いておるのであります。そういう点から考えまして、証人と本委員会の質問する委員とが、事前に本委員会で質問する前に、お会いになつているのではないかということを、その理事会においては印象づけられたのであります。それでただいま承りましたら、一度も本件で会つたことはない。ただ安本の摘発物資のことで、一、二度九州かどつかでお会いになつたことがあるということでありますから、あとは保留しておきます。
○岡本証人 その点について申し上げておきます。私は家探しに途中上京したこともあります。また帰任を急いでおつたこともあります。日時は記憶いたしませんが、私が日比谷公園の裏口を最高檢察廳の方に渡ろうとしたときに、明禮代議士がたまたま自動車でそこを通行せられました。私は手を出して合図せられた人があつたので、どなただろうかと思つて接近して見たところが、それが明禮代議士でありました。岡本君こつちに來たのかと言われましたから、こつちに家探しに來たと答えました。それぢや後刻最高檢察廳に出るが、会つてくれるかと言われるので、おいでになることは御自由であると言いました。最高檢察廳に明禮代議士が私をお訪ねになりまして、上京したかと言うので、はい、上京いたしましたと言つたのであります。
○石田(一)委員 私が先ほどお尋ねしたときに、安本の何かで二、三会つただけだとおつしやつた。私は、ではこの件に関しては後日に保留すると言つたら、今度は日比谷の裏で会つたと御証言になつておる。その点をちよつとはつきりしてもらいたい。(発言する者多し)私はその件についてもう一度証人にお伺いしますが、そのときに明禮委員は最高檢察廳にあなたをお訪ねになつて、どういうことを御相談遊ばしたのですか、ちよつと御証言願います。
○岡本證人 明禮さんが最高檢察廳にお訪ねになりましたのは、どういう御意思でおいでになつたか、それは私存じません。これは雨の日でありましたが、最高檢察廳にお見えになりましたのは、ちようど私が次長の部屋にはいつておるときでありました。明禮代議士が廊下でお待ちだということを給仕が傳えたので、顔をのぞかせますと、上京したかということでありましたので、上京いたしましたとお答えしただけで、さきの証言中に隠退藏事件について明禮代議士に会つたことがあるかというお尋ねでありましたから、それはないと申し上げたのであります。(発言する者多し)それは隠退藏事件関係につきまして――安本の委員として明禮代議士が数回長崎においでになられ、隠退藏事件につきまして意見を廳かれましたので、お話したことがございます。東京におきましては、そのときもことに失礼であつたと存じましたけれども、明禮さんに隠退藏事件に関して私はもう任地を離れたのだから、多くを語ることを好まないということでお別れしたのであります。事実は何も語つおりません。
○武藤委員長 石田君はもういいですね。――では椎熊君。
○椎熊委員 私はこういうことは聽きたくないと思つていたのだが、だんだん聽いておるとおかしいので、証人に確かなところを御証言願いたい。あなたは明禮君が安本の何かであつた場合に、九州で隠退藏物資のことで会われたというその際に、あなたに檢事長の部屋において、他の人もおつたそうでありますが、佐世保における問題はこれに全部認めてあると称した文書を渡されたといううわさを聞きましたが、そういうことはございましたか。
○岡本證人 そういうことはございません。
○安田委員 先ほど石田委員が留保すると言われたが、証言がだんだん変りましたので、私も念のために伺つておきます。五月十四日に免出檢事が摘発に参つた際に、摘発された物資はあらかじめ所長において摘発発見され、届出されておつたのではないということでありますが、この点は問違いございませんか。
○岡本證人 ただいま私の手許にもつておりまするこの報告書の中には認めてありますが、申告せられた物資の中に別に摘発した事実の報告に接しておりません。
○安田委員 ないとはつきり言うのですね。
○岡本證人 はい。
○小松委員 証人の証言をいろいろ承つておりますと、佐世保船舶重工業会社の社長に北村徳太郎氏が選任せられましたのは昭和二十二年の七月二十八日であり、辞任いたしましたのは二十二年十二月三日であると承つたのであります。從つてこの間におきましては、証人の証言を伺いますと、この会社において物資を隠匿したこと、あるいは横流ししたというような事実を私は承知することができないのであります。從つてこの間に、北村徳太郎氏社長在任中にはさようのことがなかつたということをわれわれは承知してよろしゆうございますか。
○岡本證人 先ほど繰返し申し上げますように、北村社長が在任中に隠退藏物資事件に責任をもつた行為をせられましたかどうかは、一つも捜査に触れておりません。ただいまその点は捜査されて明らかになつておりませんから、何とも答えることができません。
○徳田委員 もうみな聽いたようで、――後ほどまたいろいろ聽くことがあつても、本日はすでに七時も過ぎておりますから、質疑はこれで終つて、証人に出ていただきまして、その後に動議を出すとか何とかいうことをしたいと思います。
○武藤委員長 ほかに御質問ございませんか――御苦勞さまでした。済みました。
○明禮委員 それでは書類のお取寄せを申し出ます。S・S・Kの二十一年九月二十日創立趣意書、その後の創立総会の書類、その他二十二年九月二十二日の重役会の書類並びに二十一年九月以來の財産目録、貸借対照表のお取寄せを願います。それからもう一つ、九州軍政本部にS・S・Kが昭和二十二年九月二十二日に提出いたしました届、非鉄金属在庫調の写しの取寄せ、それから北村徳太郎氏の喚問を次回にお願いいたします。(「早い早い」と呼びその他発言する者あり)
○徳田委員 この証人によつて発言せられたのでありますから、しかもこれは非常に至急を要するのであります。このS・S・Kの会社の責任者は、これは相当重大なる責任を負わなければなりませんので、こういう責任をもつている者が政府の閣僚並びに議員の議席におられるときには、重大なる問題でありますから、明日喚問をいたしまして、その眞偽を明らかにする必要があると思うのであります。委員会において即時採決、そして明日ただちに喚ばれんことを動議として提出いたします。
    〔発言する者あり〕
○梶川委員 議事進行について、いろいろ議論もあるようでありますし、徳田君の御説ももつともな点もあると思いますけれども、本日いろいろと論がわかれておりますので、明日委員会を開いてその内容を檢討し決定せられるようにお願いいたします。明日の委員会の内容も決定しておる、また明日の委員会の予定も組んであるのでありますから、明日の理事会においてこれを論議して決定せられたい。なるべく超党派的な委員会でありますから、さように決定してやられるようにお願いしたいのであります。
○武藤委員長 ちよつと休憩して理事の方は……
    〔「採決々々」「この間の通りにやらぬか」と呼び、その他発言する者多く議場騒然〕
○中野(四)委員 ただいま明禮委員より要求いたしました北村徳太郎君は今会期中に証人として喚問することにして、その喚問の日時は明二十一日の理事会において決定するということにきめられたいと存じます。
○武藤委員長 ただいまの中野君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○武藤委員長 それではさよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
    午後七時三十二分散会