第002回国会 不当財産取引調査特別委員会 第38号
昭和二十三年六月二十六日(土曜日)
    午前十時四十五分開議
 出席委員
   委員長 武藤運十郎君
   理事 鍛冶 良作君 理事 田中 角榮君
   理事 辻  寛一君 理事 梶川 靜雄君
   理事 河井 榮藏君 理事 荊木 一久君
   理事 小松 勇次君 理事 中野 四郎君
      石田 博英君    尾崎 末吉君
      高橋 英吉君    平澤 長吉君
      明禮輝三郎君    渡邊 良夫君
      足立 梅市君    佐竹 新市君
      山中日露史君    中村 俊夫君
      橋本 金一君    野本 品吉君
      田中 健吉君    本田 英作君
      宇都宮則綱君    徳田 球一君
 委員外の出席者
   佐世保地区における隠退藏物資等に関する
   事件について出頭した証人
                北村徳太郎君
六月二十六日委員田中久雄君辞任につき、その補
欠として中村元治郎君が議長の指名で委員に選任
された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 佐世保地区における隠退藏物資等に関する事件
    ―――――――――――――
○武藤委員長 これより会議を開きます。本日お見えになりました証人は北村徳太郎さん。佐世保市を中心とする隠退藏物資の不当処置に関する問題につきまして証言を求める次第であります。
 証言を求める前に一言申し上げておきます。昨年十二月二十三日公布になりました昭和二十二年法律第二百二十五号議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律によりまして、証人に証言を求める場合には、その前に宣誓をさせなければならぬことになつております。宣誓または証言を拒むことのできるのは、証言が、証人または証人の配偶者、四親等内の血族もしくは三親等内の姻族及び証人の後見人または証人の後見を浮ける者の刑事上の訴追または処罰を招くおそれのある事項に関するとき、あるいはこれらの者の恥辱にすべき事項に関するときに限られ、医師、歯科医師、藥剤師、藥種商、産婆、弁護士、弁理士、弁護人、公証人、宗教または祷祀の職にある者またはこれらの職にあつた者が、その職務上知つた事実であつて默祕すべきものについて尋問を受けたときに限られております。右以外には何人も宣誓または証言を拒むことができないことになつておるのであります。なお証人が正当の理由なくして宣誓または証言を拒んだときは、一年以下の禁錮または一万円以下の罰金に処せられ、かつ宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは、三月以上十年以下の懲役に処せられることになつておるのであります。一應このことを御承知になつていただきたいと思います。
 では法律の定めるところによりまして証人に宣誓を求めます。御起立の上お読みください。
    〔証人北村徳太郎君宣誓〕
○武藤委員長 御署名の御捺印ください。
    〔北村証人宣誓書に署名捺印〕
○武藤委員長 それでは上いますが、長崎縣、殊に佐世保を中心とするあなたの事業経歴をやや詳細に述べていただきます。
○北村證人 私は佐世保地区におきまして約三十年間銀行を経営いたし、最近までその銀行の頭取をいたしておりました。その関係等において経済、文化等の團体に関係をもつておりましたが、最も多く関係をいたしましたのは商工会議所の会頭をやつておつたことであります。大体さような点がおもな点であります。
○武藤委員長 佐世保船舶工業株式会社というのができたようでありますが、その創立の経過をあなたの関係を中心として述べていただきたい。
○北村證人 それでは佐世保船舶工業株式会社の設立の経過と私との関係を大体記憶をたどつて申し上げたいと思います。二十年の八月に佐世保は米軍が上陸占領いたしまして、佐世保海軍関係の部分は全部占領されたのであります。それから二十年の十二月以降佐世保鎭守府という廣い区域の中の一部分、佐世保海軍工廠の施設は米軍が直接使用する範囲を除いては佐世保地方第二復員局管業部において管理するようにという米軍側からの命令が出たのでございます。その当時元海軍少將の北川という人がその責任者として選ばれて、管業部長という名前でその責任者になつたのでございます。その管業部が二十一年三月三十一日に廃止されました。これよりさき二十一年二月十六日にスキヤツプから日本政府に対して以下申し上げるようなことを目的として、この佐世保海軍工廠の施設を轉用すべきことを命ずる覚書が出たのであります、それは艦船の救難、サルベージ、解体それから商船、復員船の修理保持、こういうことを目的とする旧佐世保海軍工廠施設を轉用することを命ずる覚書が発せられたのであります。さらにその翌々日すなわち二十一年二月十八日やはりスキヤツプから日本政府に対して以上のような仕事は純民間会社においてなさるべき旨の覚書が再び発せられたのであります。そこで日本政府は以上の二つの覚書によりまして、どういう民間会社にこれを行わしむべきかということを協議されたようでありますが、当時まだ存在しました造船連合会、会長は玉井喬介でありましたが、この造船連合会にその選定方を日本政府が命じた。それでいろいろ当時造船連合会の会長並びに幹部が斡旋いたしまして三井造船とか、占部造船とかいう連中が参加して、佐世保の有志を加えい新会社を設立することが適当であるというような答申といいますか――を日本政府にしたのでありました。そこでS・S・K、佐世保船舶工業株式会社、その発起人が結成されまして、二十一年四月一日に当時の第二復員局管業部から発起人に対して事業承継をいたしました。かような関係になつておるのでございます。私はちようど三月から四月にかけて、初めて選承に出ますときで、候補者に立ちまして選挙運動の港中であつたのでありますが、そのころ三井造船の社長、それからさつき申しました管業部長の北川君その他何某の人からこのことに対して助力方の懇請を受けました。私も地方のために、これは特に五万人以上の從業員が今までおつたのであるから、そういう人たちを失業さしては相ならぬというようなことで発起人に加わることを承諾いたしました。それから二十一年四月二七日附で佐世保海軍工廠の施設を再開することの申請を発起人團から第八軍司令官に対し提出しておつたのでありますが、この申請に対しては同年五月十六日によろしいという許可があつたのであります。設立の登記は、あとから調べたのでありますが、二十一年十月五日に登記が完了いたしております。私は請われるままに商工会議当の会頭として、また地元の銀行の頭取として、ぜひ名を連ねてほしいという御希望がありましたので、先に申しますように五万人以上の從業員の関係、また佐世保の中心的な事業が閉鎖されることから來る地方への打撃等を考えましてそれでは自分もお引受けしようということで取締役になりました。それが大体設立までの経過でございます。以上なお御質疑に應じてお答えいたしますが、一應申し上げておきます。
○武藤委員長 発起人におなりにならないのですか。
○北村證人 発起人になりました。
○武藤委員長 その会社は、S・S・Kですか。
○北村證人 略称S・S・Kです。佐世保船舶工業株式会社の略です。
○武藤委員長 S・S・Kの資本金、株数、持株の主たるもの、それから会社の役員等おわかりになりましたら……。
○北村證人 それは私覚えませんが、必要があれば会社から書類でも取寄せればわかります。ただ最初につくりましたときには六百万円の資本金であつたと思います。これはもう少し大きな資本金であるはずでありましたが、三井参加が財閥関係でできなくなりました関係から、一應資本金の小さいところから出発いたしました。おもな株主についてはつきり今記憶がありませんけれども、ただ特色といたしましては労働組合がその株主である。今日多分二千万円の資本金になつておると思いますが、二千万円の資本金のうち三百万円くらいは労働組合が株を所持しておる。從つて労働組合から重役も出れば重要な部分に労働者の代表者が働いておる。ここに労資一体的なきわめておもしろい形体の会社になつております。資本関係においてはさようなことを特に申し添えておきます。
○武藤委員長 あなたまたはあなたの親族等の持株はどのくらいになるのですか。
○北村證人 実は私はあまり金がありませんので、親和銀行が株主であり、親和銀行を代表してはいつたのでありまして、親和銀行の一部の株が私の個人名義になつておりますけれども、これは委任状、承諾書等をつけて銀行に入れておる、こういう関係になつております。
○武藤委員長 この会社は今までどういう事業をしてまいりましたか。
○北村證人 事業は先ほど申し上げましたように、米軍の命令によつて艦船の解体、復員船の修理、その他商船の修繕というようなことをおもにやつてきたようであります。
○武藤委員長 解体はいくつぐらいしましたか。
○北村證人 解体は私どうもよく覚えませんが、かなり大きな航空母艦を一ぱいやつた。それから記憶では敷島という古い軍艦などをやつております。何ばいやつたかよく存じませんけれども、これは必要がございましたならばただちに書類を取寄せます。大体軍艦の解体も現にやりつつあると思います。
○武藤委員長 昭和二十三年六月二十一日附であなたはこの問題について声明書を出されましたか。
○北村證人 出しました。
    〔証人に文書を渡す〕
○武藤委員長 それがそうでありますか。
○北村證人 ただいまお示しのものがそうであります。
○武藤委員長 これによると、あなたはただ名誉社長というようなわけで実務にはあまり関係なさらなかつたというように書いてあるけれども、そうですか。
○北村證人 ちようど設立の当時が、私選挙の眞つ最中でもありましたし、名前を出すだけでよろしいということで、取締役も、あるいは発起人も名前を出したという程度であります。土地の商工会議所の会長が、名前を連ねてくれなければ困るじやないか、そういう意味と、先に申しました主として勤労者の状態等を考えてなつたのであります。その後、初めに社長になりました占部五郎君が独占禁止法の規定によつて社長を辞することになりましたので、当時しばらく社長なしで困つておつたのでありますが、名義だけでいいから――初めからそうなんですけれども――名義だけでいいから名誉社長として、しばらく社長の名前を貸してもらいたい、再三辞退したのでありましたが、どうも聽きませんので、殊に労働組合はどんな人でも納得するというわけにはいかないという関係がありまして、私は、そういうことならばいわゆる名誉社長になろうということで、但し私が適当な人を見つけるために努力しよう、見つけるまでという條件をつけて、占部五郎君のあと、社長になりました。
○武藤委員長 このS・S・Kには隠退藏物資があるというので、摘発を受けた事実がありますか。
○北村證人 それは私は地方から送つてきた新聞等で承知したのです。その後、それを承知したものですから、懇意な社員を呼んで聽きましたところが、そういう事実があつたということは聽いております。
○武藤委員長 何がどのくらいあつて、どうというような詳しいことは御存じがないですか。
○北村證人 詳しいことは知りません。
○武藤委員長 ここにある物資につきまして、昭和二十二年の一月、重要資材の保有量を届けるという、これは省令ですか、それから昭和二十二年七月、これは軍政令ですか、非鉄金属の保有量届、それから二十三年三月商工省令で、緊急在庫調というような物資の調査があつたようですけれども、その際にS・S・Kは、これに應じて届出をしておるかどうか。それを伺いたい。
○北村證人 その点はよく存じません。届出をしたであろうと思うのですが、私は実務を全然いたしておりませんから、さような詳しい点は存じません。――ここで、ちよつと申し上げてよろしゆうございましようか。
○武藤委員長 どうぞ。
○北村證人 申し上げたいと思いますことは、S・S・K関係の隠退藏物資ということが新聞に非常に大きく扱われておつたものですから、係りの者に、ちよつと來てもらつて、一体どうしたんだということを聽いたところが、それは非常に話が違つておりまして、佐世保鎭守府というものは非常に厖大な区域でございます。その厖大な区域の何十分の一かに属する佐世保海軍工廠の一部を、先ほど申しました轉用命令によつて、軍艦解体その他に使つておる、こういうことでございます。それで出たのは、面高とか赤崎とかで厖大な物が出た。これは終戰前に敵軍上陸というようなことで、競爭的に、むやみやたらに方々に穴などを掘つてかくまつた物でありまして、この区域は現在S・S・Kの存在いたします場所から、直線にして海上五、六キロもある所、あるいは陸路一里以上ある所等々でありまして、S・S・Kには全然関係のない部分から相当の量が、何というか、貯藏されておることが明らかになつたようでありまして、これはS・S・Kとかかわりのない部分であるということをまず一應御了承願いたい。さようなことで、社員からそういう報告を聽いておるということを、ここで申し上げておきます。
○武藤委員長 何かお尋ねのことがございますか。
○河井委員 ちよつとお尋ねしたいのですが、このスキヤツプの覚書で、旧海軍工廠の施設を使用して、スキヤツプの覚書による目的の仕事をすることのために会社はできたのですが、その時に、工廠の設備などの使用について、建物とかあるいは土地はもちろんでありますが、殊に残存しておる資材などについても、使用していいというようなことになつておつたのでしようか。
○北村證人 これは当時――先に申しましたように――元海軍、その当時の第二復員局管業部から、会社が発起されました二十一年の四月一日、すなわち三月三十一日をもつて廃止すべしということを当局から指図されまして、管業部は三月三十一日をもつて終りまして、四月一日に、きわめて明細な書類をもつて引渡しを終つておる。これだけの機械と、この地域と、これこれのストツクというようなものは、明細な書類付で引継をしておる。こういうふうに聞いております。
○河井委員 すべてそれは目録に記載してあるわけですね。
○北村證人 むろん引継の書類には完全に記載されておる。
○河井委員 そうすると、もちろん埋藏物などで、現われておらないものは目録には出ておらぬわけですな。
○北村證人 その通りであります。
○河井委員 よろしゆうございます。
○辻委員 ただいま証人は、声明書にもありますように、全然実務は見ない、名誉社長としてという了解のもとに社長を承諾した、こういうお話がありますが、主として実務に携わらない、いわゆる名誉社長とか、あるいは取締役会長などというものは、大体その多くは代表取締役でない場合が多いのでありますが、証人の場合は、代表取締役でありましたか、それとも代表取締役にはおなりになつておらなかつたのでありますか。
○北村證人 代表取締役になつておりました。
○辻委員 代表取締役ということになりますれば、実際において実務に携わつておらないにいたしましても、それは社内の事情でありまして、外部の第三者に対しましては、当然全責任を負わるべきものであると思いますが、いかにお考えになつておりますか。
○北村證人 法律の解釈は御自由に願つたらいい。私は事実をもつて申し上げております。
○辻委員 法律の解釈はいかようにも、ということは、はなはだ奇怪千万なお答えであると思います。はつきりと代表取締役である以上は、会社に事故の起りました場合、その全責任を当然負わるべきものである。法律上はもとより、また道義上からも、当然そうあるべきものだと思いますが、どうお考えになつておりますか。
○北村證人 これは私は現に――現にではないが、最近いわゆる役人になりますまで、銀行の頭取をやつておつたのでありますが、これも代表取締役で、実務を見ない。東京にばかりおつて、佐世保にはいない。こういう事実があつたのであります。特に会長制などを新たに設けることはめんどうだし、從來の例のままでいこう、内部関係においてはさようなことです。さような例は実業界において、きわめて多い事実でございます。
○辻委員 実務に携わらないと言つておられますが、社長に御就任になりましてから、その社長在任中におきまして、あるいは取締役会を招集し、いろいろと付議されたようなことも全然ございませんか。
○北村證人 ちようど私、その社長就任が八月だつたかと思うのでありますが、当時國営問題で、私は民主党の政務調査会長をいたしておりまして、なおさら非常にいそがしい時に、名前だけ貸せと言われてやつたようなことでありまして、重役会には、東京であつた時には出た例があります。一度か二度くらいあつたと思いますが、その他は全然出ておりません。それで專務取役会の代表取締役もおりますし、その他常務取締役の代表取締役もおりまして、その人たちが、自分たちが代表取締役であるのに社長が代表取締役でないということは自分たちがぐあいが惡いから、やはり依然そういう扱いにさせてもらいたい、というような希望がありまして、御希望の通りでよろしいということでなつた次第であります。
○辻委員 具体的の問題についてお尋ねを申し上げます。昨年の九月二十二日でありますか、七月十五日現在におきまする重要資材の在庫報告でございます。これを会社から九州の軍政部へお出しになつている。これはあなたの在任中でありますが、この申告に誤謬がありました場合、これの責任についてはいかにお考えになつておりますか。
○北村證人 代表取締役のゆえをもつて法律上責任を問われるなら、私はもちろん受けます。内部関係においては、全然名誉社長でございます。特にそういう解釈があれは別として、私はさように解しておりません。
○辻委員 さらにこの声明書に、退藏物資の問題につきまして、本年の二月軍政部及び檢察廳による摘発によつて発見せられたものは少量ある、とありますが、少量というのはどの程度の御報告を会社から受けておられたのでありますか。
○北村證人 私の聽きましたのは、二、三百万円のものが出たということを聽いております。しかしこれは、会社の成り立ちを知つておる私から申しますと、当時混乱に乗じてずいぶんあのあたりではいろいろなことが行われたのみならず、終戰後一年を経て会社は設立せられた、それまでの間にずいぶん荒らされて、物がなくなつたりいろいろなことをやつておりましたので、これをもつてS・S・Kの責任であるかどうかということも問題としては非常にむずかしいことになると思いますし、また特に解体等による資材がドツクのそばあたりに相当積み上げられたりしておつた。ここにも隠退藏があるじやないかというような話が出たというようなことを新聞社の人から聞いたのでありますけれども、これも解体した材料は当然その辺に積むのはあたりまえであつて、さようなことの誤傳と、前に申し上げましたように、非常に廣い、直径三里とか三里半くらいある。そういう佐世保鎭守府の中のきわめて小部分の佐世保海軍工廠、その一部分を借りておるS・S・Kの問題とこれは混同されて非常に大きく扱われておる。出たものは二、三百万円のものが出ましたということは当時社員から聽きましたので、その程度であろうかということを承知しただけであります。
○辻委員 この軍政部とともに摘発に当られ、しかもその指揮に当つた岡本檢事正の先日の証言によりますと、相当の量に上るようであります。一々は申し上げませんが、あるいは惡鉛とか、惡鉛の地金とか、電氣銅とか、古銅の地金とか、相当莫大なる数量に上ると承つたのでありますが、そうした事実は御存じないのでありますか。ただ会社からほんの三、四百万円の隠退藏があつたという御報告だけをお聽きになつておるのでありますか。
○北村證人 ただいまの辻さんのお話の通りであります。三、四百万円のものがあつたという事実を聽いておるだけであります。
○辻委員 檢察廳の摘発によつてこういう数量が載つておるにかかわらず、ただ單なる会社のその報告をもつて、しかも世間の誤解を解くためにという声明書にその点を織りこまれるということは、非常に軽卒であると同時に、かえつて世間の誤解を刺激するゆえんであると思いますが、さようにはお考えになりませんか。
○北村證人 これ私がただいま申し上げた通りの事実を聞いておりまして、その事実に間違いないと信じておるのでありますが、先ほどから申し上げますようにS・S・Kに関係のない部分から出たものもS・S・Kに関係あるごとく傳えられておる。この点は必ず適当な事実をもつて是正さるべきものである。かように考えておるのであります。
○明禮委員 重ねて聽きたいのでありますが、親和銀行を代表して発起人になり、取締役になり、後に社長にもなられたようでありますが、親和銀行は一体金をどのくらいS・S・Kに貸しておりますか。それから株はどのくらい持つておるのでありますか。それを御説明を願います。
○北村證人 今私は、株が幾株であるかはつきり覚えておりませんが、当初千株くらいのものを求められたと思つておりますので、あるいは千株くらい持つておるのじやないかと考えております。これは必要に應じて書類でも取奇せて的格なことを申し上げた方がいいと思います。それから今貸金があるかということは、私は今親和銀行の頭取を辞しておりますし、またやつておりましても、東京におりまして、実務は全然離れておつたのでありますから、今S・S・Kに貸金があるかどうか、さようなことは全然存じません。
○明禮委員 あなたは今会社に、役員としては関係ないでしようが、株主でありますから、全然知らぬということはないと思う。銀行に今一万四千百株ばかり持つておられるのですが、考課状も見たことはないのですか。
○北村證人 考課状のごときは見たことはありません。
○明禮委員 証人は長崎縣の特殊物件処理委員会の委員でありますか。
○北村證人 私はかつて長崎縣の特殊物件処理委員会の委員を勤めたことはございますが、この前の総選挙後、昭和二十一年の三月以前において辞したと思つております。はつきりした記憶はございませんけれども。もちろんそれから総選挙後出たこともありませんし、当然自然消滅したか、やめたか、どつちかであります。今全然関係はないと思つております。
○明禮委員 あなたは今辻委員からの質問に答えて、二十二年の七月二十八日に社長に就仕したが、名誉社長であると言われましたが、名誉社長であるという根拠といいますか、どういうところが名誉社長であるのか、会社の方から出ております取締役会議録をここに持つておりますが、これによつてどこに一体名誉社長だということが書いてありますか。十分に納得のいくような説明をしていただきたいと思います。
○北村證人 これはなにも取締役会の記録に書かなければならぬことだとは私は考えておりません。社長に就任をしてくれといつて懇請にきたことは取締役会の記録にあるべきものじやない。そういう條件でぜひ御就任を願いたいという懇請を受けまして、さようなことならば引受けましよう、しかし私は東京におるので佐世保の事業を直接見ることはできないが、それでよろしいか。よろしい、お名前だけ借りたら結構である。ということであつたのであります。(「本社は東京にあるじやないか」と呼ぶ者あり。)
 本社は東京にございますけれども、事業場は佐世保にあつて、事業は佐世保でやつております。
○明禮委員 それではさらに進んでお尋ねいたします。あなたは名誉社長であつて、すべてそういう会議には出ておらぬと言われましたが、ここに來ている書類によりますと、重役会ごとに招集状が出ておる事実がある。なお創立総会に出席せられております。二十一年の九月二十日、二十一年の十月二十八日の役員会にも出ておられます。それから二十一年の十一月二十三日に休んでおられますが、二十一年十二月何日かの、十二月の定例役員会には出ておられるはずでありますが、この資料をよこしておりません。二十二年一月十八日にも出ております。二十二年二月十五日は欠席、二十二年三月二十日は欠席でありますが、二十二年四月十九日、二十二年五月十日は出席、六月の役員会の議事録をよこしておりません。二二年七月二十八日には社長になつておられる。この日ももちろん出ておられる。二十二年八月二十五日には欠席でありますが、二十二年九月二十二日、二十二年十月二十七日、こういうように見ておりますと、この通知が來ないところを省きましても、八回ほど出ておられます。欠席は五回か六会、わからぬところが二、三回あります。とにかく、これは成績のよい方だと思う。どうですか。これは書類に基いてやつておるのですが、いい加減にごまかさないように願います。
○北村證人 お答えいたします。私は記憶をもつて申し上げたので、御承知の通り、非常に多忙な生活をしておりますから、何回出たというような記憶は全然ございませんが、平取締役でも都合がつけば出るのはあたりまえであるし、社長の名において召集することは一般株式会社の例でございますから、そのことは当然だと思います。
○明禮委員 これは読み上げましよう。二十二年七月二十八日に出られて、自分の議席についておられてやられたことの中には、五十三号の事業計画確立に関する件というのがあります。当社の受命業務たる艦艇解体作業は、短期間の工事にして大体本年度下半期をもつて終了の予定なる一方、船舶修理工事もまた今後海外貿易船工事の新規受注なき限り漸次減少のやむなき事情なり。というように、各号十数件の決議が行われておるのであります。これを皆あなたが議場で議決しておるではありませんか。出られたときには、この二十二年七月二十八日、その次に二十二年九月二十二日、殊に先ほど辻委員から質問いたしました、二十二年七月十五日附の非鉄金属在庫表を軍の指令に基き、提出すべき、その日の重役会にもあなたは出ておられる。その次の二十二年十月二十七日も出ておられる。これくらい出ておれば相当成績がよいと思う。これは議事録がありますから、お目にかけますが、どうですかお認めになりますか。
○北村證人 お答え申し上げます。私が出たのは、そういう記録があれば出たに違いないのでありますが、実際の実務はわかりませんから、專務、常務、所長等々からいろんな案を出して、そこに座つて座長役を勤めるだけで二十分でも、三十分でもよいから出てくれというので、出てすぐ帰つたという例が多いのであります。從つて十分に実務を見たということは言えないのであります。
○明禮委員 それではさらにお尋ねいたします。この会社の事業は、一体艦艇の解撤ということになつておりますが、その他にも定款によるといろいろあるようでありますが、どういうことを一体やつておるのが主でありますか。また附属事業としてどういうことをやつておるのでありましようか。大体のことをお話願いたい。
○北村證人 最初に申し上げた通りでありまして、スキヤツプの命令は艦船の解体、復員船並びに商船の修理等が主でありまして、こういうことを主体として、最近は若干炭鉱用の炭車なども、つくる計画をもつておるというようなことを聞いておりましたが、はたして現在ゆつておるかどうか。かような方面のことをやろうとする計画は私聞いておりました。
○明禮委員 解体もありますが、普通一般の民需事業の仕事の一部も負担されているようでありますが、そういう仕事もあるのでありましようね。
○北村證人 民需というのがよくわかりませんが、復員船の修理は、これは指定の仕事になります。それから一般のやや大きな漁船の修繕とか何んとか、民間のそういう仕事も引明けてやつております。
○明禮委員 そこでお尋ねいたしたいのは、この会社が相当の艦艇の解撤事業をおやりになつておるようでありますが、この解撤事業については、大体のことはあなたが御承知がないとは思われないが、いかがでありましようか。艦艇の解撤の許可を受けてどのくらいの物品等の拂下げを受けてやつてきたかということについての概略のことは、今までのあなたのお立場でおわかりになつているはずだと思う。これは二十一年ごろからの仕事でありますから、それをお尋ねいたします。
○北村證人 解体の仕事は実は日本政府に期限附で命ぜられたのを、政府直接ではやれないというので、適当な会社にこれを依託したということになつているのであります。それがどのくらいあつて、現にどのくらい進行しておるかということは私存じません。
○明禮委員 本日は北村徳太郎氏個人で出席なさつているのでありますから、あまりくどくは申しませんが、これを他面からみると、あなたは今日は大藏大臣という職員がおありになる。そこでこの艦艇の解体という問題は、どういうふうに手続をしなければならぬか。その点については大藏大臣としてそのくらいは御承知のはずであります。どういうふうになさつておられるか。
○北村證人 私は知りません。
○明禮委員 これはどうも驚き入つたことです。それではお知りにならなければ、海船舶第三九五号、昭和二十一年の五月三十一日運輸省海運総局長官、内務省調査部長、大藏省國有財産部長、商工省商務局長という、この一つの指令というか、解体艦艇取扱方針というものがあります。これによりますと、艦艇を解体する――解撤と申しておりますが、解撤をする場合には艦別の解撤予定日ということ、あるいはその期間解撤に必要な労務、資材、資金の計画を詳細に書面を出して、これの許可を得なければならない。そうしてこれに載つておりますところのすべての物件を処理するのには、大藏当局の國有財産部長というか、管理部長になりますか、その方面の許可を得なければ処分ができないことになつておるように思いますが、こういうのは、一体S・S・Kはどういうことをやつているのでありましようか。この点をお伺いいたしたい。
○北村證人 先ほども申し上げますように、代表取締役である専務、常務、所長等がおりますので、一切その連中がやつているので私は存じません。
○明禮委員 それでは議案を読上げますから、そうしたら思い出されるでしよう。どうも知らぬ存せぬでうまく逃げられては困る。昭和二十二年九月二十二日に、北村社長が東京の本社分室に出席の上、こういう決議ができております。第九十二号議案「小型潜水艦ノスクラツプ引揚ゲニ関スル件、昭和二十一年六月連合軍命ニヨリ総局ヨリ潜水解体指令ヲ受ケタルモ当時会社ハ工事輻輳セル為余力ナク止ムナク山領造船所ニ請敗ハシメタルモ天候ノ都合ニ依リ海中ニ投入セリ其ノ引揚ゲニハ更ニ工事費トシテ約十五万円ヲ要スルモ諸種ノ事情ヨリ之ヲ放置スルコト能ハザルニ付適当ナル時期ニ右引揚ゲ度承認願度」という議案が出ております。これは要するにS・S・Kで工事の引受はしたけれども、自分の方では余力なくと書いてありますが、何かの事情で山領造船所に請負わせたが、その壞した小型潜水艦のスクラツプをみな海中に投入した。スクラツプといいましても、これは取壞した相当の機械もあるはずであります。投入せり。こういう無責任なことをやつたことについて、工事費として十五万円を議決しておりますが、あなたこれもわかりませんか。
○北村證人 今の具体的な話が出まして、それは私確かにそういう話を聞いたことがあります。それは山領組に責任を問うべきであるけれども、とても今になつてはしようがない。天候不良であつて、海上で作業したため、曳航してどこかの岸壁にもつてくることができなかつた。それがためにとうとう解徹したものが海中に没してしまつた。しかしその責任はこちらで負わなければならぬ。こういう話は、確かに覚えております。それ以上の具体的なことはわかりませんが、それをどう処置したかというようなことは――山領組がきわめて無責任なことをして、非常に困るようになつたということは当時話を聞いて覚えております。
○明禮委員 第三回の取締役会の議事録がありますが、このときに九号議案として艦艇解体資金借入の件というので、右当期(二十一、下期)中工事の所要資金は次の通りなり、工事費一千八百万円、月額三百万円、解体品賣却金三百万円、月額五十万円、差引資金一千五百万円、月額二百五十万円、これが資金調達のため、左記の通り借入のこと、借入先復興金融金庫云々とありますが、これは御承知ありませんか。
○北村證人 これは聞いております。復金から千五百万円ぐらい借りたいと思うというような話は確かに聞いております。
○明禮委員 これは実はあなたが出ておられぬのだが、そういうところまでわかつているのはなかなかですな。艦船のことを伺うつもりでありましたが、艦船解撤の問題は御承知がないという、これを聽きましても無理でありますので、さらに進めまして隱退藏物資保有に関する問題を一應申し上げてみたいのであります。
 証人は御承知がないということでありますが、先ほどのお答えによりますると、三百万円ぐらいな違反があつただけのようにおつしやつておりますが、佐世保檢察廳捜査本部におきまして、本年の二月十六日以降六日間におけるS・S・Kの摘発数量がどれだけあつたかということを今申し上げてみます。佐藤檢事中間報告総合摘発数量は、鉛バラスト五百五十七箇、二万七千八百五十トン、亜鉛バラスト六百一箇、三万トン、電氣銅三千四百五十九枚、四万三千八百六トン、亜鉛地金二千五百九十一枚、五万三千四十五トン、故銅地金二百九十三箇、三千四十一トン、ニツケル地金六千百四十七トン、フエロ・クローム地金四千三百十トン、赤鉄鉱九千七百九十六トン、アンチモン地金三十トン、マンガン二十五トン、鳩目二百三十五トン、電線三十巻、計十七万八千二百八十五トンであります。こういうことは御承知ございませんか。
○北村證人 それは、私から先ほども申し上げておりますように、おそらくは海軍の全地域から出たものであつて、S・S・Kの区域の中からそんなものが出るはずはないのであります。その点は十分明らかに御調査を願いたい。それでS・S・Kといたしましては、さきに私が申しますように、金額で三、四百万円出た。これはS・S・Kが埋藏したのでも、隱匿したのでもないが、終戰間際のどさくさでそういうことがあつたらしい。終戰後一年経つてからその結果を見たのでありまして、そのことももう少し明らかにする必要がある。第二には、さような大量な三、四百万円というものが出ましたので、代表取締役である社長はただちにラジオで放送いたしまして、工員一人一人に、どうかそういうものを一本でももつておつたら出してもらいたい。それから到る所に貼紙をして、さようなものを出してくれということを切に從業員に訴えまして、その結果きわめて少量な、小さなパイプの一本のようなものも出た。これも届済みでありまして、それ以外には、S・S・K関係ではございませんと確信しております。
○明禮委員 もう一つお尋ねいたします。私が昭和二十三年五月十四、五日ごろ、S・S・Kの中へ捜査本部の案内によつて参りましたときに、機械工場の横にある井戸の中から亜鉛地金が七トン事務所裏に水槽がありまして、水槽が下にあつてその上に亜鉛地金をその底へ入れて、上に砂をかけまして、その上には石炭がらをかけてあつて、全部何もわからぬようになつておる所から亜鉛地金が二トン半、二十七工場の地下防空壕から鉛地金三トンが出ておるのを私は拝見してまいりましたが、これは五月のことであります。今でも続々出ておると思うのでありますが、そういうことをあなたは御承知ございませんか。
○北村證人 さようなことは存じません。
○明禮委員 二十二年の七月十五日現在の非鉄金属在庫数量調を提出すべく、九州の軍政本部から請求があつたが、社長としてその当時あなたはそういうものの提出を命令されたことをお聽きになつておりませんか。
○北村證人 私は公然聽いておりません。
○明禮委員 これをお出しになるときには、先ほどもありましたがこの届けを出されましたのは二十二年九月二十二日でありまして、その当時証人は社長でおられた。そして東京の本社において午前十一時から午後五時まで重役会が開かれております。届出の当日でありますが、それでも御承知がないのですか。
○北村證人 その点は知りません。
○明禮委員 その日に届出をしたのでありますから、しかもこれは九州軍政本部の命令で出さねばならぬのですから、少くともその日かその前の日か、あるいは数日前かにあなたに一應の了解を求めたものと思うが、この点はあなたは認められませんか。
○北村證人 それは佐世保でやつておつたことで、佐世保の所長は全権を委ねられてやつておるのでありますから、適当な届出とか願いは所長の名でやつております。一々私は存じません。
○明禮委員 この届出によりまして相当な物資が届出に漏れておつた事実がありまして、これをその後調査されておるはずであります。その内容はこれを詳しく知らぬとあなたがおつしやるなら申し上げることを一應遠慮いたします。が、私どもの調査したところによると、この地金とか、あるいは電氣銅というものは、この届出をなす前後、もしくは中村査察官が安本から出張いたしまする二十二年の八月前後盛んにあちらこちらへと移動して、保管替をし、いろいろな苦心をしてついにこのおしまいには届出にもれておるのであります。さようなことをしておるのみならず、最もひどいのは解体をいたしました船底に大きな起重機を使つて入れて、その上には鉄のスクラツプの山をこしらえておつたという事実があるのでありますが、さようなことも証人は知らぬと言うのでありますか。
○北村證人 全然知りません。
○明禮委員 ちよつと前にもどりますが、あなたはS・S・Kの発起人であられました時分に、このS・S・Kの機械はどのくらいで賃借りすることになつたのでありましようか。工場土地はどのくらいでやつたかということ、これは御承知ありませんか。
○北村證人 そういうこまかいことは知りません。
○明禮委員 こまかいことではない。こまかいと言つたところで、会社を創立するときに、事務所とか機械がなくちや問題にならぬじやないですか。これは実はあなたが奔走された本人のはずだ。だからこまかいところとかいうことでなく、ほんとのところをひとつお話ください。
○北村證人 私は創立発起人になりましたけれども、今お話になりましたような奔走をしたとか何とかいうことは全然ございません。
    〔「証人に注意しろ、証人は証言を故意に拒否している」と呼ぶ者あり〕
○北村證人 私は宣誓の趣旨に從つて物を言つているつもりです。そういうことを言われるとはなはだ迷惑です。
○明禮委員 そこで証人が大藏政務次官をおやりなつておつたのはいつからいつまでですか。
○北村證人 二十二年の二月末から二十二年三月末まで約一箇月間だつたと思います。
○明禮委員 そこでもう一つお伺いいたしますが、佐世保には土建業者が相当おりまして、この土建業者間のいろいろな問題に絡んでやはり隱退藏物資の問題が起つておりますが、佐世保地区における梅村組の梅村忠一郎、山領組の山領浜夫、小野組の小野徳一、門屋組の門屋盛一、金納組の金納清松というような方は御承知ありますか。
○北村證人 それらの諸君はみな知つております。面識もあります。中には交際しておるのもあります。
○明禮委員 御交際なさつておるのは、どなたでありますか。
○北村證人 現に参議院に出ておりまする門屋君のごときは割合に懇意にしております。
○明禮委員 それでは想んで申し上げます。佐世保復興建物協会というものがありますが、これは何を目的として、会長はどういう人がやつておられるのでありましようか。
○北村證人 それは知りません。
○明禮委員 今の梅村、山領というようなあなたの御懇意な人の中でやつておるように聞いておりますが、御承知ありませんか。
○北村證人 そういう会は知りません。
○明禮委員 会長がたれというようなことも御承知ありませんか。
○北村證人 知りません。
○明禮委員 二十二年の三月ごろ特別賦課金というものを百四十万円、佐世保復興建設協会が集めて知事選挙等種々の選挙に関係したということが言われておりますが、これは御承知ありませんか。
○北村證人 全然知りません。
○明禮委員 門屋さんの選挙では右建設協会が三十万円を集めたと言うておりますが、その点も御承知ございませんね。
○北村證人 知りません。
○明禮委員 参議院議員が門屋盛一氏を推薦したのはどなたでございましようか。御承知ありませんか。
○北村證人 私も推薦した一人であります。
○明禮委員 これはいろいろな問題がありますからお尋ねいたしますが、あなたの去年の選挙のときにはいかがでありましようか。協会あるいは土建業者の今申し上げましたような方々から、これは各組からか、あるいは各個人、たとえば梅村忠一郎個人、山領浜夫、小野徳一、門屋盛一、金納清松個人からあなたは選挙費をおもらいになりませんでしたでしようか。
○北村證人 全然ありません。
○明禮委員 組合からもございませんか、念のために。
○北村證人 ありません。
○明禮委員 組合からも各個人からももらわない、そこで建設協会から百四十万円集まつた金のうちで、少しはまわりませんでしたか。
○北村證人 断然さようなことはありません。
○明禮委員 あなたは今門屋さんと一緒にお住まいになつておりますか。
○北村證人 私は官邸に住んでおります。
○明禮委員 林町の家はあなたの表札と門屋さんのと並んでいるようですが、そうじやないのです。
○北村證人 それは郵便物がまいりますので、表札を掛けさしてもらつております。私は八疊の間と洋間の應接室をしばらく間借りしたことがありました。今はやめておりますけれども、郵便がときどき來るからというので、門屋君の好意で別に名前をはられたようでありますけれども、今は全然関係しておりません。
○明禮委員 あなたの名札があがつていますね。
○北村證人 それは見て知つております。
○明禮委員 はなはだ長くなりまして済みませんが、会社のS・S・Kからあなたに対する待遇はどんなふうにいたしておりますか。
○北村證人 私は取締役あるいは社長としての報酬は受けたと思いますが、金額等は覚えておりませんが、持つてきて家内に渡したと思います。私は直接見ません。
○明禮委員 どのくらいかおわかりになりませんか。
○北村證人 金額は覚えておりません。
○明禮委員 社長なんかやつておられる時分には、あなたは政務次官でもないし、その時分にはやはりもらえばもらつた方がいいようなときですが、そういうときには毎月会社から差上げたのじやないでしようか。
○北村證人 そういう金額を覚えていないというのです。
○明禮委員 もらうことはもらつたのでしよう。
○北村證人 社長たる報酬、取締役たる報酬はもらつておりますが、その金額は覚えておりません。
○明禮委員 どのくらい……。
○北村證人 とにかく覚えておりません。
○明禮委員 この間のことで、あまり古くありませんが、覚えありませんか。
○北村證人 覚えありません。必要があれば調査してお答えいたします。
○明禮委員 門屋さんには、あなたは家賃を何ぼ拂つておりますか。
○北村證人 それでは詳しく申し上げます。私は家賃をきめてもらうことを盛んに相談しましたけれども、空いている部屋をあなたが寢られるくらいはいいじやないかということで、しばらく滯在いたしておりましたから、絹表裝の相当な幅を三幅対と、洋画に油絵一面を家賃にかえてお贈りしております。さような関係で金では拂つておりません。
○明禮委員 門屋さんはあなたには非常に好意をもつておられて、それはよくあることですから別に何でもありませんが、あなたの御住宅も門屋さんが建てようかというお話もあると聞いておりますが、そういうことはないですか。
○北村證人 私は未だ曽つてそんなことを聞いたことはありません。
○山中委員 簡單に一点だけお尋ねしておきたいと思います。S・S・Kでは艦艇の解徹作業によつて出た資材、そういつたものの賣却処分等の行為もいたしておりますか。
○北村證人 それはあまりよく知らないのですけれども、今まで聞いておりますのは、解撤によつて出たスクラツプの処分の値段がきめられないのか、処分の方法がきまらないために、金融上非常に困るということをたびたび聞いております。まだおそらく処分はできないのじやないかと思つております。
○山中委員 解撤作業の対象になつている艦艇の所有権は、一應國有財産として大藏省の所管にあるものだと思うのですが、そうすると、その國有財産の解徹作業をいたしました作業費、その清算はどういうものと清算することになるのですか。
○北村證人 これは政府の委託になつておりまして、大体政府できめられると思うのでありますが、解徹によつて生じたスクラツプをいくらで賣るかということは、政府の指定がありまして、こまかく原價計算を出すのであります。それがスクラツプの値段がきまらぬために、清算ができなくて始終金融に困るという話は聞いておりますが、それ以上詳しくは存じませんけれども、原價計算をすることになつていると思います。
○山中委員 そういたしますと、解徹作業そのものは、運輸省の海運総局によつて許可になるけれども、その艦艇の所有権は、S・S・Kでは、まだ大藏省から拂下げの許可は得ていないということになるわけですが、作業の許可は、海運総局は受けているけれども、所有権そのものはまだS・S・Kに移つていないとするならば、結局拂下げの申請もなさつていないのですか。
○北村證人 そういう詳しいことはちよつと覚えませんが、どうなんですか、契約書があるはずです。契約書の内容によれば具体的なことが書いてあるかと思うのですが、私の聞いているところでは、スクラツプの値段をきめるのは商工省で、商工省が早くやつてくれぬために、原價計算ができない、そのために金に非常に困る。これだけはよく聞いております。それ以上詳しいことはわかりません。
○山中委員 実は私ども調査いたしましたところでは、S・S・Kの方では一應艦艇の拂下げの許可申請を大藏省に出しておるのでありますが、大藏省の方ではそれに対してまだ認可を與えておらない。そういつた場合において、もし艦艇の資材を他に賣却処分等の行為があれば非常に手続上うまくないことがあるのぢやないかと思うのですが、その点の関係は御存じありませんか。
○北村證人 わかりません。
○足立委員 ちよつとお尋ねいたしますが、復興金融金庫からS・S・Kは現在に至るまでどれだけ融資を受けておりますか。
○北村證人 これは、私は連帶証人になれと言われたことは覚えております。千五百万円借りたときに判を押したことは覚えておりますが、それだけだと思つております。
○足立委員 昭和二十三年三月末日までには三千百五十万円の融資を受けておるという報告がきておりますが、御存知ありませんか。
○北村證人 ちよつと記憶いたしません。
○足立委員 保証人はあなたとどなたでございますか。
○北村證人 それは私よく知りません。おそらく全重役皆連帶保証しているのではないかと思います。
○足立委員 あなたの保証なさつたのは、そのうちでどの分だけ保証なさつたのか。全部をですか。
○北村證人 記憶に存じておりますのは、千五百万円に保証したことを覚えております。その他は覚えておりません。
○足立委員 そうすると記憶に存しているのは千五百万円だけ保証なさいまして、そのほかはあるかないか、記憶があろうかと思いますが、いかがですか。
○北村證人 私の記憶にはありません。
○足立委員 そうすると千五百万円だけ保証して、他のものは保証しない。こう解釈してよろしうございますか。
○北村證人 千五百万円は覚えておりますが、その他は記憶にはありません。
○足立委員 そのほかあなたは船舶工業会社の金融の方面を担当なさつたのぢやありませんか。
○北村證人 全然ございません。
○足立委員 そうすると、千五百万円はいつごろでございましようか。
○北村證人 それは覚えありません。会社の帳簿でも調べればすぐわかると思いますが、私の記憶にはございません。
○足立委員 S・S・Kは、官廳との連絡が非常に多いと思いますが、それであなたは大藏省なり、あるいは商工省なり、あるいは船舶当局なり、そういつた方面へS・S・Kを通じて御交渉なさつたことはありませんか。
○北村證人 全然ありません。
○足立委員 もう一度お尋ねいたしますが、苫米地さんが運輸大臣をなさつておつたころの船舶当局の有田という人を御存知ですか。
○北村證人 よく知つております。
○足立委員 この人との関係はどういう関係でございますか。
○北村證人 どういう関係とは、その意味がどういうことかわからぬですが……。
○足立委員 結構でございます。
○鍛冶委員 先ほどもちよつと出たのですが、はつきりしないので、聽きたいのは、管業部からあなたの方へ引継ぎの許可を得て、それには明細書がついておる、こういうお話でございましたが、もちろんわれわれは今後明細書は見せてもらいますが、大体のところはどういうものであつたかぐらいは御記憶あろうと思います。大体でよろしゆうございますが、御記憶のある程度で聽かしてください。
○北村證人 全然記憶ありません。
○鍛冶委員 そうすると、あなたは発起人であつたが、明細書は見られなかつたのですか。
○北村證人 むろんそうです。
○鍛冶委員 そうすると、もう一つ伺いますが、資材が含んであつたかおらぬか、この点もおわかりではありませんか。
○北村證人 初めに申し上げました通り、当時五千人くらいおつた從業員をどうするかという問題と、佐世保の復興のために必要だというので信頼すべき、任すべき人が一生懸命になつてやつておるので、私は当時選挙の最中であつて、発起人に名を連ねたけれども、内容を調査しなければならぬというような不安の感じは全然ありませんので、信頼の関係において発起人になつておりましたので、その後も信頼の関係にあつて任すべき人に任しておつた。さようなわけであります。
○鍛冶委員 これは知らぬと言われれば知らぬでしようが、先ほど問題になつた終戰のどさくさにいろいろのことがあつたというお言葉でありましたが、そのうち特に隠退藏物資の出るのはそういうどさくさからだ、こういうお話でありますから、どさくさにおいてどういう関係で隠退藏物資が今日残つておる、こうお思いになりますか。また御承知の事実はどういうことでありますか。
○北村證人 私は終戰のとき、米軍が第一に上陸したときに、代表者に会いたいと言われて会つたこともあるのであります。さような関係から、また当時米軍上陸後の連絡等について頼まれていろいろな連絡をしたこともございますので、その辺の事情は知つております。米軍が上陸する前に、海軍では競爭的に穴を掘つたりいろいろなことをして資材をあつちへやつたりこつちへやつたりしておる事実は見ておるのであります。これはどうしたことかと考えておりましたが、後に聞くと、そちらの穴、こちらの穴に競爭的に入れておつた、こういうことは聞いておる。今回厖大な物資が佐世保鎭守府管内で出たというのは、当時敵軍が上陸するというようなことで、あわてふためいて隠したもので、私よく知りませんが、今少し徹底的にやればまだ出るのではないかという氣持がするくらいで、このことはS・S・Kには関係ないことでありますから、そのことを先ほどから申し上げておるのであります。
○鍛冶委員 われわれもその点は想像のできるところでありまするが、そこで私の承りたいのは、海軍関係構内においてさようなことはあつたのであるが、特にS・S・Eが現在使つておる範囲においてさようなことはないとあなたは断言できますか。
○北村證人 それは先ほど申し上げた三、四百万円のものが出たという事実はあつたのですから、そのことは私も報告を受けまして、それだけかと言つたら、それだけだ。けれども新聞には大げさに書いてあるじやないかといつたところが、それは直径三里半もあるところで、面高は海上五キロか六キロ直線でもありましよう。長崎は二、三里もある。そういうところに方々に穴があつて、全部集めるなら厖大なものが出たらしいのでありまして、その点が混同されておるという点を私は社員から報告を聞いておるのであります。そのことを申し上げたのであります。
○鍛冶委員 そこであなたの経驗から承りたいのですが、かりにそういうものがあつたとすれば、これは知らぬ間にあつたのだからやむを得ませんが、そういう品物についてはその所有権は國家にあるものとわれわれは考えるのでありますが、証人もさようには考えておりませんか。
○北村證人 それは抽象論としては大体そんなふうになるだろうと思いますね。
○鍛冶委員 そこでS・S・Kに構内においてそういうものが出たとすれば、発見と同時にこれを申告すべきものであつて、摘発隊が行くとか、檢察局から手がはいつたからといつて、初めて申告すべきものではない。発見と同時に申告すべきものでと思う。しこうして発見したにもかかわらず、相変らずこれを隠しておいたとすれば、横領罪の嫌疑を受ける。さらにそれを移動したというに至つては窃盗罪という責任は免れぬものと思われますが、証人はその点どうお考えになりますか。
○北村證人 私はさような事実があつたとは思えないのであります。今まで佐世保何とか事件で大きく取扱われておつたので、私が社員の者を呼んで聽いたところではそういう話は聽いておりません。これは厖大なものがあちらこちらで出たということがみんなS・S・Kに関係あるかのごとく傳えられて、はなはだ迷惑であるということを聽いておりますので、さような事実は今まで報告を全然受けておりません。知らないのであります。
○鍛冶委員 事実のあるなしより、そういう事実があるとすれば、横領もしくは窃盗になると証人はお考えになりませんかと私は聽いております。
○北村證人 私は法律の專門家でありませんから、そういう問題については檢討しないとわからぬと思います。
○鍛冶委員 今一つ伺いたいのは、先ほど山領組が天候のぐあいか何かで解体のスクラツプを海中に投じた。こういうお話でありますが、これを解体したということになれば、山領組はあなたの方のS・S・Kの下請でありますから、その責任は全部S・S・Kにあるものとわれわれは考える。そうすればS・S・Kとして監督官廳に対して、その結果の報告をしなければならぬと思うのであります。それを海中に投じたるがごときことに対しては、どういう報告をしておられたでありましようか。
○北村證人 それは先に申し上げたと思いますが、私は知りません。そういうことによつてなお十五万円、それほどひどい目に遇つたのになお十五万円も拂わなければならぬ、これは言葉が惡いが、どろばうに追銭というようなことで困つておるということを聞いたことがあるのでありまして、それ以上のことは知りません。
○鍛冶委員 知らぬと言われればなんですが、政府の命令によつてあなたの方でやつておられるその命令事項が、はたして忠実に行われておるかおらぬかということは、社長として重要なる責任であります。そういうことがあつて、一体その後の報告はどうなつておるか、もしそれが海中から出なかつたら会社としての責任はどうなるかということが当然頭にくるべきことであるし、さようなことは心得ないのであるか、全然きませんでしたか。
○北村證人 先に申し上げた通りであります。
○鍛冶委員 それ以上やむを得ません。さようなことはわれわれは信用しません。
○徳田委員 証人にお尋ね申します。先ほどあなたの御供述によりますと、現在二千万円くらいの資本金のうち、三百万円は労働組合が出資しておると言われておりますが、これは労働組合ですか、労働者の各個人でありますか、伺いたいと思います。
○北村證人 佐世保には官業労働組合があつて、労愛会という名前でありますが、労愛会が当初たしか百五十万円くらいの株を持つておつた。後に増資によつてさらにそれくらいのものを持つということを聞いておりましたから、多分三百万円くらい持つておつたと思います。これは組合の財産であります、労働組合の財産において出資した、こういうことになつております。
○徳田委員 その労働組合は法人格をもつておりますか。
○北村證人 これは知りません。労働組合法による組合ですから、人格はありましよう。
○徳田委員 労働組合法でも人格のある方とない方とがありますが、御承知でしようか。
○北村證人 知りません。
○徳田委員 労働問題をなんにも知らぬでは、大藏大臣は勤まらぬ。これは実際金を出資しておるのですか、それとも株をくれたわけですか。どつちですか。
○北村證人 株をくれたというのは、どういう意味ですか。
○徳田委員 株をよくくれることがありますが、財産の評價をして……実質的に金を出しておりますか、どうですかということです。
○北村證人 実質的な拂込みをしておると思います。
○徳田委員 その次に第二復員局管業部長前海軍少將北川政というのは御存じでありますね。
○北村證人 知つています。
○徳田委員 これが創立にはどういう関係をもつておりますか。
○北村證人 これは終戰後第二復員局管業部長という名で、海軍の施設全体についてだと思いますが、管理上の責任者にきめられたようであります。私はあまりよく知らぬのでありますが、三月の末だつたと思います。初めてこのことについて自分の方はどうせ三月一ぱいをもつて廃止になるのだから、佐世保市のために何とか奮起してくれた方がいいということで、墾請を受け、訪問を受けたのが第一回、その後ほかの者と一緒にお会いしたことが二、三回あります。その後東京で会つたことも二、三度はあります。さような関係であります。
○徳田委員 ただ会われたというだけでは無意味でありまして、会つてどういう話をしたか。その内容が大事なので、これが創立に関してどういう役目をしたか。あなたは御交渉なされておるはずでありますから、どういう役割をして、会社にどういう効果をもつたか、この点をお聽きしたのである。ただ会われたという事実だけでなく、内容を話していただきたい。
○北村證人 これは私の記憶では二十一年の三月ごろだと思います。ちようど選挙で忙しいまつ最中で、三井造船所の所長の塙雄太郎と多分一緒だつたと思いますが、一緒に見えて、この仕事はもうかる仕事じやないけれども、地方のためにぜひやつてもらいたい。しかもこれはなかなか地方の人ね賛成を得ることも困難だから、発起人になつてひとつ斡旋をしてもらいたい。多数の從業員も不安に脅えておる。何とかこれを引継ぐような仕事をしてもらいたい。この仕事はおそらくもうからぬかも知れないが、出資してもらつて、それが不利になるようなことはないと思うからという墾請がありまして、それなら私も発起人に名をお加えいただいてもいい、という承諾を塙君にしたと思いますが、その席に北川元少將もおつたと思います。その程度の話をしたことはあります。
○徳田委員 そうすると彼は創立に関して相当重要な役割を務めておると見てよろしいのですか。
○北村證人 それは引継ぎをいたしまして、事業の計画には参画いたしておりませんが、今まで管業部長として、その後は追つて新会社ができれば発起人團に引渡すという仕事をやつた人であります。
○徳田委員 それだけですね。
○北村證人 それだけであります。
○徳田委員 しからば現在この人はどういうことをされておりますか。この会社と何も関係ありませんか。それを渡しただけか、あとで会社とは何ら関係ないというわけですか。
○北村證人 現在関係ないと思います。私よく知りませんが、今は関係ないと思います。
○徳田委員 企画部長をやつておりまして、これがずつとこの仕事に從事したということになつております。先日彼に向つて証人としての出頭を求め、これについてあなたとの関係や、いろいろのことを尋問することになつておるのであります。こういうことに関してあなたはちつとも御存じない、何も関係がないと言われることは、どうも芋の煮えたの御存じないようになりますが、そういうことじやはなはだ……。
○北村證人 お答え申し上げたい。会社には、全然会社に出ない嘱託というものが何人かあるのですが、それは私一々知りません。北川君が嘱託のようなことで、出なくて、何か企画的のことを頼まれて、図面をつくるというようなことはあるかもしれませんが、そんなことは私は存じません。
○徳田委員 それは驚いたね。企画部長としておるのであります。この仕事は企画が大事である、すべて企画部長がほとんどこの仕事の中心じやないかと思いますが、社長として、また平取締役にしろ、何にしろ、この企画部長のことを知らぬというに至つては、相当これは証言に深刻な疑いをもたれると思いますが、どうですか。企画部長です、現に。それでも御存じないですか。
○北村證人 一々私は社員あるいは嘱託等の仕事まで存じません。それは大体名誉社長としてはいつたのでありますから、だれがどういう嘱託をしておるかというようなことは知りません。北川君はさつき申しましたような意味において存じております。それだけであります。
○徳田委員 これはずいぶん驚いた。しかしあなたはこの仕事が大体もうからぬ仕事であると御証言をなさいましたが、あなたの言われるところでは、現在二千万円の資本金だと申されますけれども、この資産表を見ますと一億四千五百万円というように厖大にふくれている。これでもあなたはもうからない仕事になるわけでありますか、どういうお考えですか。
○北村證人 今徳田君のおつしやるのはどういう資料でおつしやるのか、私よくわかりませんけれども、多分、貸借対照表の一方をおつしやつておるのだと思います。それに反対の債務を差引いて、純資産がどのくらいになるかということは調べておらぬのぢやないですか。
○徳田委員 これも調べております。私は、私とても盲ではありませんから、ここに貸借対照表があつて、ここに資産目録もあります。この貸借対照表の一番けつに一億四千五百万円とあるのであります。資本金は六百万円で、法定積立金が五万円、別途積立が三十万円、その他いろいろありますが、なるほど借入金も相当あります。それから買掛金も相当あります。これは短期の借入金が四千三百五十万円、買掛金が千八百四十七万円、こうありますけれども、そのかわり未收入金も四千百何十万円あるのでありまして、相当厖大なるものなのである。当期利益金が八十八万五千何百何十円となつておる。相当にこれは利益金が貸借対照表に出ておる。それではもうからぬ仕事じやなくて、私はこれは相当大もうからの仕事じやないかと思われます。正式の貸借対照表なんというものは、現在の会社ではこんな鼻くそほどのものを出しまして、裏には相当莫大なものがあるのが常例であります。われわれとても、労働組合運動を相当やつておりますし、またこういうところに対しては、相当鋭い眼をもつておることは、あなたも相当御存じのことと思います。(笑声)こういうものでもうからぬと言うに至つては、少々噴飯ものだと思いますが、証人の御感想はどうですか。
○北村證人 証人の御感想ははなはだどうも迷惑な点がありますが、今おつしやつたのははたして純資産であるかどうか、念のために伺つておきたい。これは会社の事務費その他を差引いて、純粹の資産がいくらあるかということでなければならぬと思うのでありまして、一億何千万円の現に純資産があるというのは、私は全然初耳で驚いておるわけであります。
○徳田委員 これは純資産ではありません。負債もあります。しかしこれを引いても相当なものです。
○北村證人 相当ではわかりません。純資産がいくらあるか。
○徳田委員 そこで当期利益金が八十八万五千円もある。利益金だからこれは差引勘定をしたものに違いない。これは第二回の営業報告でありまして、何もこの営業報告にうそを書くはずはない。公開表でありますから、ちやんと利益金の処分案までも出ておりますし、損益計算表も出ておるのであります。そうした結果がこんなになつておるのであります。そういう関係から申しますると、これは相当もうかつておると言わざるを得ないのであります。
 さてもう一つお伺いいたしますが、二十二年の九月二十二日に取締役会議が開かれまして、あなたが議長であられたことが載つておりますが、このときの議事内容はいかがなものでありますか。
○北村證人 全然覚えません。
○徳田委員 全然覚えませんか。ははあ、これは驚いたね。(笑声)
 その日は非常に重要な日でありまして、非鉄金属の明細表をG・H・Qの九州の軍政部に出した日であります。これに関しての議事その他がなければならないと思いますが、こういう重要なる会議の内容を議長を勤めておられてもすつかり忘却せられておるというに至つては少々これは――大藏大臣としてたくさんな数字をお扱いになり、いろいろ重要なことも扱われますが、こういうことまで全然記憶がありませんか。
○北村證人 ありません。
○徳田委員 さて最後にお尋ね申し上げますが、解体物資をどんどん集積している。埠頭その他に集積しているという御証言でありましたが、これは兵器処理委員会に引渡すべきものとわれわれは心得ておる。また兵器処理委員会の処理規則を見ましても、これは内閣から指令せられ、かつG・H・Qからも指令せられておる内容から申しましても、かかる兵器は関する分は、すべて兵器処理委員会に即時引渡すべきものと心得ておりますが、S・S・Kではこういうものは全然やらずにどんどん積上げておるということになりますか。いかがですか。
○北村證人 これはスキヤツプ並びに日本政府とS・S・Kとの契約によることでありまして、一般の例は今徳田君のおつしやつた通りだと思います。S・S・Kについては特殊の契約があると私は記憶しております。その点は必要があれば書類によつて私が調査してもよろしいし、御調査願つてもよいと思うのであります。私の記憶では今おつしやつたように扱つてはいなかつたと思います。
○徳田委員 特殊の契約というのは内容はどんなものでしようか。
○北村證人 それは特殊な契約があつたものと思うということを申し上げただけで、契約があるかないかわかりませんから、これは適当な方法で御調査願いたいと思います。
○徳田委員 内容は御存じないですか。
○北村證人 知りません。
○徳田委員 あるだろうという推察だけですか。
○北村證人 そうです。
○徳田委員 もう一つ聽きたい。あなたが長崎の特殊物件処理委員会の委員になられたのはいつでありましたか。
○北村證人 これは記憶がありません。おそらく特殊物件処理委員会という制度ができたときの最初のものであつたのではないかと思います。二十一年三月に選挙に出ました。その以前に辞したか自然消滅したかと思います。
○徳田委員 委員になられたのは確かですね。
○北村證人 それは書いたものをもらいましたから確かだと思います。
○徳田委員 その日附はわかりませんか。
○北村證人 わかりません。
○小松委員 過日岡本檢事の証言によりますと、佐世保市役所が不当拂下げを受けたと称せられました海底ケーブル線は、針尾島、鯛の浦から発見したものを目的としたのであるが、すでにそれが拂下げられたものであることがわかつたので、申請認可証を改竄して前畑から出たものを入手することに成功した。その他鯛の浦から鉄線、鎧装線が多数出た。また東浦、飽浦からも出ておる。かような証言をいたしておるのでありますが、その証言に基いて私は一、二お伺いしたいのであります。証人は前畑、針尾島、鯛の浦、東浦、飽浦という地域は御存じのことだと存じまするが、この地域はS・S・Kの構内であるかどうかということをお伺いいたしたい。
○北村證人 ただいまお尋ねの各場所は、S・S・Kとは全然関係のない場所でありまして、二里、三里あるいはもつて全部相当の距離をもつております。
○徳田委員 全然関係ありませんね。
○北村證人 関係ありません。
○小松委員 なおお尋ねしたいのでありますが、S・S・Kの倉庫内に二千数百トンの鉄材、綱材が藏されているというような証言を岡本証人はいたしておるのでありますが、かような資材があることを証人はご存じであるか。またご存じであるならば、これは隠退藏物資であるか否かということも併せて御証言を願いたい。
○北村證人 ただいまお尋ねのものは、私は隠退藏物資ではないと信じております。これは解撤からきた資材、もしくは從來のストツクとして所有したもので、そこに納めているものは適法に届け出その他の処置をとつてやつたということを先ほど申し上げました。佐鎭の莫大な何とかいう事件で大きく扱われたとき、社員を呼んで聽いたときには、さようなものは全部手続済みのものばかりであるということを言つておりましたが、私はさように信じております。
○小松委員 なおお尋ねいたしたいのは、佐世保鎭守府事件でありますが、その中心の市長と証人とはどういう御関係でありますか。また政党関係はどんな関係にあるかということを併せて伺いたいと思います。
○北村證人 市長と私との関係ということでございますが、これは実は政党的に申しますと市長はわれわれとは違つた場合にいる人でありますが、市長選挙が行われてます際に、どうも妙な競争が起りそうになりまして、ごたごたしそうでありましたので、私は今市長をやつている中田正輔という人に、君がこの町のことを眞劍にやつてくれるなら、妙な競争を起さずに、自分が推薦者になるから大いに奮起してやつてくれたらどうだ。それではあなたが大いに支援してくれるなら結構だ、やりましようということでありました。私は今まで反対党の立場にいる人でありましたけれども、町で妙な混乱が起ることを避けるために推薦いたしました。ところが、それならば皆手を引くということで、競争なしで、無投票で当選いたしました。さような意味で推薦いたしましたが、立場からいえば私とは從來反対の立場にいる人である。こういうことになつております。
○中野(四)委員 一点だけ伺つておきたい。証人は先ほどから、社長に就任するときはただ單なる名誉社長という名目ではいつたのだから、社務についてはあまりよく知らぬということを前提として話を進めておられる。しかしながら隠匿物資の場合になりますと、俄然として北村さん独特の、そういうものはないと確信するというふうに断言しておられる。私はこの間が非常に不思議であると思う。まつたく知らないならば、名誉社長としてほんとうに知らないならば、こういうところにきても実際は知らぬのがあたり前であるにかかわらず、妙なところに力を入れられる。それからいま一つ不思議に思つているのは、先ほど來、報酬の点は確かにもらつていると言つておられる。名誉社長でももらわぬことはありませんが、実質上の名誉社長であるという、これが普通の社会ならばもらわぬのがあたり前であると思う。この点は会社の立場において違うかもしれませんが、私はそう思う。そこで、証人はどういう主観をもつておられるかしれませんが、先ほど、自分は法律家ではないから法律のことはよくわからぬと言われたが、いやしくも立法府の議員であり、今日までの閲歴からみても、あなたは常識的法律は御承知のはずだと私は思う。從つて代表取締役社長として会社におけるすべての責任を負うべきものであると私は思つている。特に近來の軍物資隠匿が檢察当局から摘発されたという事実は、金額の大小にかかわらず、たとえ二百万円にしましても、國家の法案を犯したという段階を認められる限りにおいて、この会社の社長としての責任は、法案上嚴として私は許すべからざるものであると信じております。しかしながら北村さんがこの点に関して、明確を欠いておられることははなはだ遺憾だと思います。あなたがどういう考えでおられるかは知りませんが、常識より判断しても、これは当然代表取締役社長としてその法律的責任を負うものなりと私は思うが、北村さんの見解はどうか、その点を明確にしておきたいと思います。
○北村證人 最初の点でありますが、隠退藏物資のことについては非常に詳しいではないかというようなお話がありましたが、これは正直に申しますと、労働組合が三百万円出資しておるということに非常に責任を感じておる。殊にさいぜん申し上げました通り、きわめて労資一体的な会社の形体をとりまして、現に取締役には労働組合代表者がはいつておる。それから今、多分そうだと思いますが、私の知つておる限りでは、経理課長は労働組合の組合長であります。経理に関することを嚴密に、労働組合を背景として処理をしておる。こういう会社で、万一隠退藏物資等のことから、その労働者のあぶらと汗からなる出資が何らか影響することがあつては大変だ。こういう責任を非常に感じましたので、会社の者を呼んで、大きく傳えられておる隠退藏物資の事件についてはどうだということを質したのであります。その結果、そのことに関しては、ただいままで申し上げましたような報告を受けておる。かような事実を申し上げたのであります。
 なお第二点につきましては、私はやはり事実について、たとえば北村とS・S・Kの関係はどうかということの御質問がありましたから、その事実を申し上げたのでありまして、法律上の解釈は、これは法律家をもつて決定していただいてよろしい、かように考えるのであります。
○石田(博)委員 私も一点だけ伺いたいと思います。
 先ほど明礼君がるる述べられた、隠退藏物資がS・S・Kの構内から出たものであるか、あるいはそれ以外の周囲にある直径三里というような廣域から出たものであるかというような点が、実は先般岡本証人喚問のときにも大きな問題になりまして、しばしばこの点について質疑が繰返えされました結果、岡本証人は、S・S・K構内から出たものだけでもこれだけあるのであるという説明をせられたのであります。先ほども中野君の言われた通りに、私も今の御説明で一應了解はつきますが、あなたがこの会社についてあまり詳しく関與しておられないという立場にあられて、自分の社員の報告だけでそう断言せられておるということはわかりますけれども、一方においてそれを覆えす岡本証人の証言があるのであります。從つてあなたは現在の段階におきまして、あくまでS・S・K構内では三百万円程度のものしか出ないのであつて、その他のものは全部S・S・K構内以外のものであるということを、はつきり今日においても言い張られるかどうかという点、いま一つは、それがあたかもS・S・K構内から出たように岡本証人も証言をし、新聞紙も書き、世間にも流布せられておる。從つてあなたがそうでないという確信をもつておられるならば、それに対して、世間の考え方を拂拭する何らかの手段をとつておられるか、あるいはとりつつあつたかどうか、この二点についてお伺いいたしたい。
○北村證人 石田君のお尋ねの第一点はその通りでありまして、私は今まで報告を受けた通りさように信じている。報告においては三、四百万円のものが出たということでございまして、その通りに信じております。
 第二点、後段のことは、もう少し模樣を見た上で私は何らかの処置をとるかとらぬか研究をいたしたい。かように考えております。
○足立委員 もう一点だけお伺いいたします。証人は親和銀行からS・S・Kへどれぐらいの融資をしておつたかわかりますか。
○北村證人 それはわかりません。
○足立委員 それで証人がS・S・Kの発起人になつたということは、親和銀行からの金融面が都合がよいからという理由が多分に含まれておつたと思いますが、そういう理由はございませんか。
○北村證人 さようなことは全然ございません。
○明禮委員 先ほど残したのでありますが、長崎縣の出張所長――佐世保に出張している豊島徳治という所長が、佐世保の土建業者の人々から長崎縣佐世保出張所協力会というものをつくつてもらつて、その後援のもとに緊急搬出という名義ですべての物資を土建業者に出した。この協力会では三十万円の金を集めまして、しかもその名前は長崎縣佐世保出張所協力会とかいう名前の会であつた。そういうようなことをやつて、緊急搬出という名目で相当の物資を出しまして、それがために違反事件が起つて、相当の人が收容されている事実があるわけでありますが、この点については、証人は御承知がありませんでしようか。それが一つ。
 もう一つは、先ほどお尋ねをしたのでありますが、もう一遍聽いておきたい。証人は去年の選挙の時分に、門屋さんを推薦した、あるいは知人の應援をされたというようないろいろな意味において、佐世保復興建設協会から百四十万円のうちのいくらか、あるいは門屋盛一ほか四名の個人からか、あるいは会社からか、そういうような方面から、証人の選挙費用として應援を受けておられるということを聞いておりますが、もう一遍念のために私は聽いておきたいのであります。
○北村證人 私は今御指摘になりました組合とか個人とかから、何ら金銭を受けたことはありません。はつきり申し上げておきます。それから長崎縣の出張所長が何かひつぱられたというようなことは、社から送つてきた新聞で知つております。その程度で、何ら関係もありません。
○鍛冶委員 このS・S・Kのできますときの発起團体中、まだ会社ができないさきにその主たる事務というか、中心になつて一切のことをやつておつた人はどういう人とどういう人か、御記憶がありますでしようか。
○北村證人 発起事務を主としてやりましたのは、当時三井造船から、社長の塙雄太郎君の御紹介で参りました三枝貞藏――三井造船の取締役であつた人でありますが、これがずつとやつておりまして、今の佐世保の所長と交代するまで主としてその人がやつておりました。
○鍛冶委員 それから設立総会には証人は出席せられましたかいかがですか。
○北村證人 どうも記憶がはつきりしません。何か書類を調べたらわかりますが、はつきり覚えておりません。
○鍛冶委員 先ほど倉庫の問題が出ましたが、倉庫にあるものは、それは隱退藏物資でなくて、S・S・K会社の所有物だとか言われましたが、かりに所有物でも、在庫品調査に基く届出のなかつたものは隱退藏物資と同樣に不正物資として取扱われるものでありますが、それに該当するものでないということが断言できるかどうか、その点をお聽きしたい。
○北村證人 これは先ほどからたびたび申し上げますように、私はこの隱退藏物資事件について、社員を呼んでどうなんだということを聽いて、三、四百万円のものが出ました。それ以外のものはございません。在庫品等については手続は完了しております。こういう報告を受けておりますので、その報告の通り信じておるわけであります。
○鍛冶委員 それは先ほどからわかりましたが、そうすると届出があるものであつて、届出漏れのものでない、こう言われるのですね。
○北村證人 そういうふうに非常に言葉をまげられると困るのです。私の申し上げるのは、社員の報告を聽いて、その報告は間違いないものと信じておる。こう申し上げたのでありますから、言葉通りおとりを願いたいと思います。
○武藤委員長 ほかにございませんか。――それでは済みました。御苦労さま。
本日はこれにて散会いたします。
    午後零時四十一分散会