第002回国会 不当財産取引調査特別委員会 第57号
昭和二十三年九月四日(土曜日)
    午後三時十分開議
 出席委員
   委員長 武藤運十郎君
   理事 鍛冶 良作君 理事 田中 角榮君
   理事 辻  寛一君 理事 河井 榮藏君
   理事 荊木 一久君 理事 石田 一松君
   理事 中野 四郎君
      石田 博英君    高橋 英吉君
      古島 義英君    明禮輝三郎君
      足立 梅市君    佐竹 新市君
      前田 種男君    小野  孝君
      田中 健吉君    中村元治郎君
      宇都宮則綱君    徳田 球一君
 委員外の出席者
        石炭國管問題に
        ついて出頭した
        証人      大貫 經次君
                野見山佐一君
                麻生太賀吉君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 資料提出要求に関する件
 証人出頭要求に関する件
 石炭國管問題に関する件
    ―――――――――――――
○武藤委員長 これより会議を開きます。
 本日の理事会において決定をいたしました事項を御報告申し上げて皆さんにお諮りいたしたいと存じます。
 第一、本日喚問予定になつておりました北村徳太郎氏は差支えの旨届出がありますので、來る二十日午後一時に喚問いたしたいと存じますが、いかがでございますか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○武藤委員長 ではさよう決します。
 第二、來る二十日、二十一日、二十二日、二十三日、二十四日と五日間証人の喚問予定になつておりましたが、二十三日はこれを休みまして、二十五日を追加いたしたいと存じます。御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○武藤委員長 ではさよう決します。
 なお來る二十一、二十二、二十四、二十五日に喚問すべき証人の氏名順序等は本日の理事会において決定いたしました通りで御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○武藤委員長 ではさよう決します。
 第三、木曽重義氏に対し、その取扱いにかかる九州地方石炭業者運動資金の会計に関する帳簿及び書類一切並びに右金額の保管に関する預金通帳等提出を求めたいと存じます。御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○武藤委員長 ではさよう決します。
 龍名館に対し、同館の住友銀行神由支店の預金通帳、三和銀行神田支店の預金通帳の提出を求めたいと存じます。御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○武藤委員長 ではさよう決します。
 本日御出頭の証人は大貫經次さん、野見山佐一さん、麻生太賀吉さんのお三名です。
 それでは石炭國管問題について証言を求めたいと存じます。証言を求める前に各証人に一言申上げます。
 昨年十二月二十三日公布になりました昭和二十二年法律第二百二十五号、議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律によりまして、証人に証言を求める場合には、その前に宣誓をさせなければならぬことになつております。宣誓または証言を拒むことのできるのは、一般の人については、証言が証人または証人の配偶者、四親等内の血族もしくは三親等全の姻族及び証人の後見人または証人の後見を受ける者の刑事上の訴追または処罰を招くおそれのある事項、あるいはこれらの者の恥辱に帰すべき事項に関するときに限られ、医師、歯科医師、藥剤師、藥種商、産婆、弁護士、弁理士、弁護人、公証人、宗教または祷祀の職にある者またはこれらの職にあつた者については、その職務上知つた事実であつて默祕すべきものについて尋問を受けたときに限られております。右以外には何人も宣誓または証言を拒むことができないことになつておるのであります。なお証人が正当の理由なくして宣誓または証言を拒んだときは、一年以下の禁錮または一万円以下の罰金に処せられ、かつ宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは、三月以上十年以下の懲役に処せられることになつておるのであります。一應このことを御承知になつていただきたいと思います。では法律の定めるところによりまして証人に宣誓を求めます。お手許に差上げてある宣誓書を朗読の上署名捺印願います。
    〔証人大貫經次君各証人を代表して宣誓〕
    〔各証人宣誓書に署名捺印〕
○武藤委員長 それでは大貫さん、野見山さん、麻生さんの順序でお話を伺いますから、大貫さん以外の二君はもうしばらく別室でお待ちください。
 それでは大貫さんに伺いますが、あなたは日本石炭鉱業会――これは閉鎖機関になつておるのです。日本石炭鉱業連盟、東部石炭鉱業会、東部石炭鉱業連盟などにおいてどういう地位におられますか。
○大貫證人 今はやめておりますけれども、前には日本石炭鉱業会の理事、東部石炭鉱業会の会長、日本石炭連盟の理事、東部の連盟の方は関係ありません。
○武藤委員長 東部石炭鉱業連盟はあることはあるのですか。
○大貫證人 あります。
○武藤委員長 あるけれども、あなたは関係はないのですか。
○大貫證人 役員も何もしておりません。
○武藤委員長 これは日本石炭連盟というのですか、日本石炭鉱業連盟というのですか。
○大貫證人 日本石炭鉱業ですか、連盟でしたか、ちよつとはつきり覚えておりません。
○武藤委員長 日本石炭鉱業連盟では何をしておられるのですか。
○大貫證人 理事です。
○武藤委員長 あなたの会長をしておられたのは東部石炭鉱業会ですか。
○大貫證人 そうです。
○武藤委員長 昨年石炭國管に反対運動をいたしましたね。
○大貫證人 しました。
○武藤委員長 どんな方法で反対運動をしましたか。
○大貫證人 議会方面の政党関係の方方にいろいろ陳情しました。
○武藤委員長 これは日本石炭鉱業会の運動とは別個にやつたわけですか。
○大貫證人 日本石炭鉱業会の運動としてやり、東部石炭鉱業会は会としてやはり同じような歩調でついてやりました。
○武藤委員長 あなたが主として先頭に立つてやつたわけですか。
○大貫證人 先頭に立つてやつたというわけではありませんが、東京の鉱業会の理事としていろいろ行動をする。それから地方は地方で出てきたときに一緒に議会方面に陳情をしたり、こつちの意見を述べたりというようなことをしただけであります。
○武藤委員長 議会の方面、政党方面、各政府主管大臣等にも参りましたか。
○大貫證人 行つたように覚えております。一つだけ覚えております。これは向うから呼ばれて商工大臣の官邸に行つたのです。向うで意見を聽きたいというわけで……。
○武藤委員長 向うで呼んだものだから行つたわけですね。
○大貫證人 呼んでもらつて、またこつちもいい機会だから行つたわけです。
○武藤委員長 ほかにはどこへ行きまいたか。
○大貫證人 ほかで行つたのは議会とか、官廳以外では吉田さんのお宅です。そこに十四、五人で一緒に行きました。
○武藤委員長 吉田総裁の所へ行かれたのは、日本石炭鉱業会の理事として行つたわけですか。
○大貫證人 とにかく肩書は理事ですから、鉱業会関係の者と皆行つたわけです。
○武藤委員長 東部の方からはあなただけですか。
○大貫證人 忘れましたが、大体私だけだつたのじやないかと思います。それは東部の関係とか何とかいうのではなくて、鉱業会で行つたのです。
○武藤委員長 向うには吉田さんのほかにだれがおりましたか。
○大貫證人 だれがいたか……。一人覚えておるのは、星島さんはいたように覚えています。そのほかどういう人がいたか、ちよつと忘れましたし、よく顔を知りません。
○武藤委員長 偉そうな人が何人ぐらいいましたか。
○大貫證人 偉そうな人が五、六人いたようです。
○武藤委員長 ほかには……。
○大貫證人 ほかには行つた所はありません。
○武藤委員長 鉱工業委員会には來ませんか。
○大貫證人 参議院の公聽会に行つて話しました。
○武藤委員長 それから……。
○大貫證人 それだけです。
○武藤委員長 どこか旅館等へは行きませんか。
○大貫證人 行きません。
○武藤委員長 東京へ出て來てどこへお泊りになつたのですか。
○大貫證人 私は出て來なくて、東京にいたのです。その当時常磐炭鉱の社長をしていましたから……。
○武藤委員長 どこか旅館には行きませんか。
○大貫證人 行きません。
○武藤委員長 九州方面から出て來る人、山口方面から出て來る諸君とは連絡はいたしませんか。
○大貫證人 日本鉱業会の本部で相談しただけで、鉱業会でいろいろ話合うという以外にはほかの地区とは連絡はいたしません。
○武藤委員長 どこか旅館とか料理屋で大いに食事でもともにして、いろいろ相談をしたということはありませんか。
○大貫證人 ありません。
○武藤委員長 運動の資金は……。
○大貫證人 鉱業会の方面と、それから東部の関係と両方になりますが、東部の関係では別に運動資金というものはないのです。
○武藤委員長 ないというのはどういう意味ですか。
○大貫證人 ないというのは大体十二、三人です。東部関係で上京したりする連中はほとんど東京に家を持つているのです。事務所があつて、ほとんど一週間に一遍ぐらいは行つたり來たりしていますから、それで特別の費用は要らないのです。
○武藤委員長 一トンいくらというように、割当てて徴收したのではないのですか。
○大貫證人 いや、そんなものは絶対にありません。
○武藤委員長 全然ないのですね。
○大貫證人 ありません。
○武藤委員長 十二、三人の人はだれですか。
○大貫證人 戸部とか、菊地、松本、保母、金子、そのほかにもちよこちよこいたが、とにかく名前ははつきり覚えていませんが、多いときで十二、三人ぐらいだつたと思います。
○武藤委員長 いずれもこれらの人々は、石炭鉱業会へはいつておる会員ですね。
○大貫證人 そうです。
○武藤委員長 業者で会員ですね。
○大貫證人 そうです。
○武藤委員長 何かお尋ねになることがございますか。
○佐竹(新)委員 証人にお尋ねしますが、あなたは衆議院議員関係でどういう人を知つておりますか。
○大貫證人 衆議院ではつきり知つておる人というと、西田隆男君は鉱業会の理事をしておりました。そのほか話をするように知つておる人は、今ちよつと思いつきません。
○佐竹(新)委員 参議院関係ではどうです。
○大貫證人 参議院では木内さんが鉱業会の副会長をしておりました。そのほかちよつとありません。
○佐竹(新)委員 特別に親しいという人はありませんか。
○大貫證人 ありません。
○佐竹(新)委員 この國管反対をやるために、相当な運動費が出ておるというが、あなたは昨年常磐炭鉱ですか、これの社長をしておいでになつたのでありますが、常磐炭鉱ではどのくらいの運動費の負担をしておられますか。
○大貫證人 運動の金というのは負担しておりません。
○佐竹(新)委員 していないのですね。
○大貫證人 しておりません。
○佐竹(新)委員 あなた個人としては……。
○大貫證人 個人としてはむろん私はそういう余裕がありませんから、しておりません。
○佐竹(新)委員 全然してないのですね。この石炭鉱業会が反対運動をした。この運動本部にはあなたは顔を出されたことはあるのですか。
○大貫證人 鉱業会の理事をしておりましたから……。
○佐竹(新)委員 その会合にあなたは出られたことはありますか。
○大貫證人 しよつちゆう出ております。
○佐竹(新)委員 この鉱業会ではきのうも武内証人ですか、相当な運動費を出しておるとここで証言しておるのですが、そういう事実はあなたは知られないですか。
○大貫證人 鉱業会としてそういうことは私らは知りません。
○佐竹(新)委員 鉱業会の國管反対の運動をいろいろやるための役員会と申しますか、そういう席には、あなたは出られたことはないのですか。
○大貫證人 会合はしよつちゆうありますから、出ております。
○佐竹(新)委員 そのときにそういう運動費の問題であるとか、運動の作戰というような問題についての相談はなかつたですか。
○大貫證人 運動費はないです。ただ運動方法については、きようはだれだれが参議院に行つていろいろ陳情するとか、あるいは衆議院に行つてどうとかいうことはやりました。
○佐竹(新)委員 そういうことをやりますと、たとえていうば自動車なんかを相当使つておられますが、そういうようなものはただでは動かない、自動車だけでなく、いろいろなことを宣傳されたり、各省を訪問されたり、あるいは畫飯を食べられたり、またあなたのところを尋ねてきた人には畫飯を食べさせたり、相当の金が要りますね。
○大貫證人 自動車は各社が持つておりますから、それを使うわけであります。それから集つて飯を食うとか何とかは全部自費でやつております。たまにはものを書くくらいの金とか、ガリ板とか、そういうものは鉱業会で出すかもしれませんが、ほんとうの運動費というものには全然タツチしておりません。
○佐竹(新)委員 そういうことには、あなたは全然タツチしておられない。
○大貫證人 しておりません。
○佐竹(新)委員 いろいろ代議士とか、参議院の人々と一緒にこの運動の陳情のために料亭で会合したという事実はありませんか。
○大貫證人 ありません。
○鍛冶委員 木内さんと言われましたが、木内さんは何をやつておられたのですか。木内四郎さんですか。
○大貫證人 鉱業会の副会長。
○鍛冶委員 会長が貝島さんで……。
○大貫證人 それは前後しておりまして、田代さんという人が会長をしておるときに副会長をしておつて、あと参議院議員になるまでやつておつたのです。
○鍛冶委員 では前のときの副会長ですね。
○大貫證人 前のときと言いますか、今から言えば前の前でしようか。
○鍛冶委員 石炭國管案でいろいろ動いたときの副会長ではなかつたのですね。
○大貫證人 どうでしたかな。何月やめたか忘れちやつたがね。
○鍛冶委員 その前に副会長をしておつた。
○大貫證人 やつておりました。
○鍛冶委員 從つて國管案に対する運動とか、参議院の連絡等を頼んだわけですね。
○大貫證人 別に頼んだかどうか、それは私知りませんが、今度参議院の方に行くとか、あるいは衆議院に行くというときには、鉱業会の事務局からこつちに連絡して、各政党方面にも連絡したのでしようから……。
○石田(一)委員 ちよつとお聽きしますが、先ほどの証人の証言では、石炭國管案に反対するというこの運動は、鉱業会の理事として、鉱業会の仕事としてやつたというお答えでございましたが、鉱業会にこの運動の資金というものがない。今の佐竹君の質問で各会社はそれぞれ自動車を持つているから、この自動車を使つた。要するに鉱業会の仕事であるのは会社の自動車を使つて、会社の費用でおやりになる。こういうことは何か矛盾するように思いますけれども、そうじやありませんか。
○大貫證人 そう言えば、そういうことも言えると思います。しかし普通常識的に考えて、個人のことに使うのではなく、業者としてこういう意見だというために、会社の自動車を議会に行く、あるいは官廳に行くために使うことについては、ある程度黙認されていただいてもいいのじやないかというふうに私は考えます。
○石田(一)委員 そうすると、その当時の常磐炭鉱のあなたとかまた先ほど述べられた人たち十二、三人が、東京で七月から十一月の期間相当お動きになつた。それが会社の帳簿面で会社の費用として出してやつた。たとえば自動車賃なり……。そうするとこれは多くの場合、石炭國管の運動費とは名目はなつていないが、運動のために会社が支出した金だと解釈してかまいませんか。
○大貫證人 そうおとりになれば、むろんそうとられてもしかたがないと思います。しかしこれは大体常識的に考えまして、各いろいろの事業会社でも、完全に会社の仕事と切離したことというのは、なかなく実際はめんどうじやないか、こう思います。
○石田(一)委員 そうすると運動資金が全然あなたの会社にはなかつたのじやなくて、運動資金という名前はつけなかつたけれども、会社の要するに利益になるために動く運動であるので、これは特に運動資金と名前はつけなかつただけで、やはり運動資金があつたのじやありませんか。
○大貫證人 それをそういうふうにお考えになれば、そういうことになると思われます。
○石田(一)委員 ほぼそれはどれくらいになつておりますか。
○大貫證人 それは私覚えておりません。たとえば自動車にしても、回数にすればごく僅かのものですからね。半年か何箇月の間で回数とすれば、來た日にその合間に使うとか何とかいうことで、毎日そういうことに使つているわけではないのですから、そういう点はこれは何ぼ、これは何ぼということはやつておりませんから、わかりません。
○石田(一)委員 それは会計の係の方にお聽きしてもわからぬですか。
○大貫證人 わからんですね。
○石田(一)委員 傳票が切つてあるというわけではないのですね。
○大貫證人 そうではないわけですから……。
○石田(一)委員 総括的に見て、ほぼこれなんかが運動費ではないかと想像する程度のものだ、こういうことですか。
○大貫證人 あなたが想像されれば、そう想像されるものもやむ得ないでしよう。私は積極的にこれが運動費だということは百パーセントはつきり考えられないとは思いますけれども、そういうふうにあなたがお考えになるのならば、それも全然根拠のないことじやないということはわかります。
○佐竹(新)委員 もう一度お尋ね申しますが、あなたのお宅は東京にあるのですか。
○大貫證人 私の家はないのですが、会社の施設に泊つているのです。
○佐竹(新)委員 会社の寮ですか。
○大貫證人 寮みたいなものです。
○佐竹(新)委員 どこにありますか。
○大貫證人 麻布にあります。初めは江古田にありましたが、今は麻布にあります。
○佐竹(新)委員 國管当時常宿にしていたのは……。
○大貫證人 常宿と言つても、私が社長をしている間は私の家みたいなものです。
○佐竹(新)委員 それは麻布ですね。
○大貫證人 麻布です。
○佐竹(新)委員 よく國管問題当時は、政令違反がやかましいので、社長の自宅やいろいろな人の自宅を利用して、人を呼んで相当飲んだりして形跡があるのですが、あなたの所ではそういうことはありませんか。
○大貫證人 ありません。
○武藤委員長 ほかにございませんか――一つ伺いたいのは、ほかの委員諸君から大分費用の点をあなたに伺つているのは、非常に費用がかかつているのだから、その費用を諸君にぶつ掛けて出させているのじやないかという疑いがあるわけです。きのう武内さんが來て、九州方面の話をされたのですけれども、六月の出炭量に應じて、一トン十円ずつで合計三百二、三十万円になつた、それだけでも足りないで、六、七百万円借入れをした、勘定してみると千万円くらいになる、そういう費用を運動のために使つたと言つておるのです。九州の方はそういう事情です。それが全部ほんとうかどうか、あるいはもつと集めておるかもしれませんが、とにかく少くともそれだけは集めていると思う。あなたの方だけが全然費用を使わないというのは、多少場所が違つても、あまり運動の形が違いすぎはしないかと思つて、それで聽いておるわけです。それをあなたはどう思いますか。
○大貫證人 私は今申し上げた通り、私らの運動の方法が――内容はどうなつているかわかりませんが、今申し上げた特別の費用をかけないということが、私らの運動方法としてはあたりまえだと思つています。
○佐竹(新)委員 先ほどあなたが業者の名前をずつと挙げられましたが、そのうちで一番最初に言われたのは、ソベですかイソベですか。
○大貫證人 戸部です。
○佐竹(新)委員 戸部さんはどこにおられるのですか。
○大貫證人 戸部さんは東京に家があり、それから山の方に始終行つたり來たりしておるのです。
○佐竹(新)委員 何炭鉱ですか。
○大貫證人 戸部炭鉱、重内炭鉱の両方でしよう。
○佐竹(新)委員 東京のお家はわかりませんか。
○大貫證人 知りません。
○佐竹(新)委員 どこへ尋ねたらわかりますか。
○大貫證人 丸の内に会社がありますからそちらの方で……。
○石田(一)委員 吉田総裁のお宅へお訪ねになつたのはいつごろでございますか。
○大貫證人 九月ごろかと思いますが、ちよつと忘れました。
○石田(一)委員 それは一回きりですか。
○大貫證人 一回きりです。
○石田(一)委員 そのとき山川さんなどと一緒ですか。
○大貫證人 何でも五、六人行つたのですが、山川さんのことはちよつと覚えておりません。
○石田(一)委員 あなたは山川さんはよく御存じですか。
○大貫證人 知つております。
○石田(一)委員 九月にいらつしやつたとき、よく御存じの山川さんがいらつしやつたかどうかわからないというのですか。
○大貫證人 山川さんは知つておりますが、そのときその席にいたかどうかということはわからないのです。
○石田(一)委員 山川さんという人は少くとも元石炭鉱業会の会長であり、現日本石炭協会長という石炭業界の重要な地位にある人ですから、それほどの方があなたと一緒に吉田さんに会いに行つたとすれば、話などは主として山川さんあたりがおやりになつたではないかと常識では考えられる。その山川さんを御記憶ないとすれば、あなたのいらつしやつたときは一緒ではなかつたというふうに考えられますね。
○大貫證人 円城寺さんは行つておりましたが、山川さんはどうでしたか。別に大したことではないので忘れてしまいました。
○石田(一)委員 あなたの証言からすると、あなたと一緒のときは山川氏は行つていなかつたかもしれない。そうすると別の機会に山川氏がやはり数名の人と吉田さんの家に行つた、すなわち二度行つたと判断するのです。あなたが行つたとき山川さんと一緒だつたかどうかということを聽きたいのですが、山川さんをよく御存じのあなたがそのときいたかどうか記憶がないというのですから、おそらく山川さんはいらつしやらなかつただろうと私どもは思うのです。そうするとこれは二度かなと判断しなければならない。
○大貫證人 何でもあのときは五、六人行つたのですが、いたかいなかつたか印象では忘れております。
○荊木委員 どういうふうな運動をなさつたのですか。大分長い期間ですが、吉田茂氏のところへ一遍行つたことは覚えておるし、参議院の公聽会に行つたことはたしかにあるのです。あとは十二、三人寄つたというが、この内容を聽きたい。
○大貫證人 民主党の控室ですか、あそこにも五、六人で行きました。協同党の幹部の方にもやはり六、七人で行きました。
○荊木委員 総裁でも個人でもよいが、個人の家を訪ねたとか政治家と会食をしたことは一度もないということですが、ほんとうですか。
○大貫證人 ありません。
○荊木委員 武内禮藏という人を知つておりますか。
○大貫證人 よく知つております。
○荊木委員 この運動にはどういう役割をしておりますか。
○大貫證人 私は別に九州関係は何もありませんし、ですから鉱業会関係で、きようは君らはどこへ行くかというようなことで。
○荊木委員 それはどこできめるのですか。
○大貫證人 そこで話合うのです。なかなか一人だけで行つても手がまわらぬし、大勢行つてもしようがないから、この際手分けしてやつておりました。
○荊木委員 東部石炭の方で独自の行動をとられたことはありませんか。
○大貫證人 独自の行動というのは、つまり議会の運動方法や何かですね。そういう計画はそういうときにもつてきて一緒にやつておりました。
○荊木委員 それから、この運動で全國を通じて大体間違いないと思うのは、大手筋の運動が案外動かない。中小炭鉱が動いたり、九州の北部、西部の連中が主動的な役割をやつた。これは一應言えるのですが、あなた方では、九州の連中が一千万円集めたか五千万円集めたか知らぬが、相当派手にやつておるので、それに便乘して形だけ動いていくというかつこうだつたのですか。それとも、われわれも一生懸命やらなければならぬということだつたのですか。
○大貫證人 とにかく一生懸命やろうというので陳情や何かにも行きました。
○荊木委員 北海道とか宇部、山口というような地区ではどうだつたろうか。
○大貫證人 その方面のことは、いろいろ陳情や何かされたと想像しますが、どういうことをやつたか知りません。
○荊木委員 ともに行動をやられたのは、石炭鉱業会の理事としての行動はともにされたけれども、その他のことはわからないというのですね。
○大貫證人 そうです。
○荊木委員 それから、あなたの方から出てくるのは、それぞれ東京に社宅をもつておつたというので、溜りというものはありませんか。
○大貫證人 ありません。ただ東部鉱業会の東京事務所があります。
○荊木委員 そこへおいでになることが多いのですか。
○大貫證人 そこは狭いですから、大抵どこへ行くというときには、その場所へ行つて控室に集まるのです。
○荊木委員 さつき途中からやめたが、武内禮藏氏とどこかへ陳情に行かれた記憶はありませんか。
○大貫證人 思い出せませんな。ちようどあのころ炭價値上の問題がありまして、それも絡んで一緒にやつていましたから。
○荊木委員 運動の長い期間を通じてあの人とは一緒にやつたわけですね。
○大貫證人 これは鉱業会で一緒に会いますから。
○荊木委員 いや鉱業会でなく、どこかへ一緒に行つたことはないですか。
○大貫證人 それが、どこへ一緒に行つたか今はつきり覚えておりません。
○荊木委員 それから、常磐の方の関係で、たとえば民自党を動かすのにはどうしたらいいか、もとより運動ですから、石炭鉱業会は鉱業会でやりますけれども、君の方では民自党を何とか切崩せないか、君の方は民主党はどうだというようなことにならなければ運動にならぬ。そういう運動は一体どういうふうに参議院、衆議院を通じてやられたか。
○大貫證人 これは別に特定の代議士ということは、東部方面ではあまり古い顔なじみの人はいないのです。だから政界関係でとにかく党の幹部の所に行つてひとつやろうということで、さつき申し上げたようにやつたのです。
○荊木委員 しかし、石炭鉱業会というものに相当大きなものであるので、それはそれで大手筋に食い下つているのだからやはり地区的なものはその地区から選出される代議士、鉱工業委員であろうとなかろうと、代議士とか参議院議員に食い下つて、何とかしてくれということにならぬと傍系的運動としては意味をなさぬ。こうしたらこうということがありそうなものですが、それはどうですか。
○大貫證人 これは実際のところないのです。とにかく常磐地方の炭鉱は小さくて、実際政治家を動かしてどうするということも、そのときになつて人の眞似をして、それではどこに行こうというような程度です。
○武藤委員長 中村君。
○中村(元)委員 ちよつと大貫さんにお尋ねしたい。あなたは日本石炭鉱業会の理事ですね。
○大貫證人 そうではない。日本石炭鉱業会の理事であつたのです。当時……。
○中村(元)委員 現在はないのですか。
○大貫證人 現在は何でもない。
○中村(元)委員 それでは石炭國管の反対運動を基準においての話だから……。やはり当時は理事であつたわけですね。
○大貫證人 当時の会の理事です。
○中村(元)委員 理事であつたわけですね。それからあなたは常磐炭鉱の社長、それから東部鉱業会は……。
○大貫證人 会長。
○中村(元)委員 会長さんですか。先ほどからずつと承つておるのですが、あなたのお話からいきますと、これだけ社会がやかましく言いました石炭國管の反対運動が、あなたは常識から考えても相当巨額な運動費がかかつておるということくらいは御承知でしようね。
○大貫證人 私らの知つている限りにおいて、そういうことは知りません。
○中村(元)委員 これはおかしい今日までに業者の人たちが反対運動をなされたということに対して、あなた方もごらんになつており、われわれも見たのですが、ポスター一つにしましても相当なポスターがばらまかれている。それを通じてでも相当な運動金が要つておるということくらいは常識でおわかりだろうと思う。
○大貫證人 ほかにやつた人のことなのですね。
○中村(元)委員 ええ、ほかの人でいいのです。そうしますると、あなたの東部鉱業協会の今の事務所はどこにあるのですか。
○大貫證人 平にあるのです。
○中村(元)委員 この協会は維持する上において当然維持費がありますね。その御使用は、いずれも予算に組まれたものの範囲でなさつておることは当然なのですが、こういうような運動を起すという場合におきまして、必要に應じて支出せられました金はどちらから支拂われるわけですか。
○大貫證人 鉱業会の費用は、これは東京の本部からくるわけであります。
○中村(元)委員 東京本部のとは……。
○大貫證人 日本石炭鉱業会です。
○中村(元)委員 石炭鉱業会ですか、あなたの方の運動に……。
○大貫證人 それはやはり初めから言わぬとわからぬです。鉱業会の会計の成立ちですね、日本石炭鉱業会というのがあるのですが、そこの金をみんなで出すわけです。そこで今度地方のものは、お前の所はこのくらいでいいということできまつてやつておつたのです。
○中村(元)委員 そうしますと、日本石炭鉱業会から、今度の運動費がどれだけかかつた、東部鉱業会の割当はどれだけと、こういうふうに割り当ててきたというのですか。
○大貫證人 國管反対の運動費という項目はありません。そういう金の内容は……。
○中村(元)委員 むろん会計面にこんなものは表われるわけがない。臨時的に必要であつたのですから、いずれこの日本石炭鉱業会に連絡のある地方の人は、臨時支出の金として当然この金を集めておられなければならないのですがね。
○大貫證人 それは、今のお話は……。
○中村(元)委員 集めているとしたら、当然あなたの東部鉱業会にもかかつてくるだろうし、もう一つあなたの経営なさつておられるところの常磐炭鉱にもかかつてこなければならないのですが、全然あなたから見ると、まるでこの大きな運動をなされた運動金に対して、何の責任も、また何の負担もかかつておらないというように結論はなるのですが、おそらく組合形体からいきますと、そんなばかげたことはあり得ないのです。あなた個人が出された、出されないということは問題ではない。日本石炭鉱業会が今度の運動に対して必要であつた分だけは、その組織の各部の向つて割当がおそらく行つておらなければならぬと思うのですが、どうですか。
○大貫證人 そういう金はありませんこれははつきり申し上げます。
○中村(元)委員 そうすると、石炭鉱業会が今度の運動をなしたことに対して、その運動資金はどこから出ているのですか。あなたも理事ですからおわかりだろうが。
○大貫證人 地方の関係をわけて言えば、地方としてはそういう金を表立つて集めるとか何とかいうことは全然やつておりません。それから中央のものは中央で、いろいろ会費とか、そういう範囲内において、それをどういうふうな範囲内においてこまかく扱つているか、あるいはこういう運動にどうだというようなことは私にはわかりません。
○中村(元)委員 金の用使はわからぬだろうが……。
○大貫證人 集めるというのは、それはきまつた会費はとつておりますよ。
○中村(元)委員 ところが、会計というものは一年のバランスをつけて、そうして賦課金を課しているのであつて、こういう突発的な臨時運動の金というものは、そのときに処してまたその割当を出すわけですね。そうでなければ何人がこれを出すのですか。会長一人が出すのですか。やつぱり関係の所に割当がいくのでしよう。
○大貫證人 東京のは東京にいる者が主としてまわつて歩く。特別な金はわれわれとしては要らぬ。地方は地方でくるとしても、これはさつき申し上げたように、ほとんど一週間に一遍くらいは昔から連中は東京方面に來ている。大体家なり親戚なりある者が多いですから、あらためてほかにまとめて使うという金はないのです。
○中村(元)委員 石炭鉱業会が今度の運動を主としてやつたのでしよう。それに対して相当な運動費も使つているわけですね。この運動金の出所、これはどこから出るのかということなんです。あなたは理事だから、会計直接の出納はやつておられないとしても、少くとも年に何回という理事会があつて……。
○大貫證人 会費の徴收ですね。
○中村(元)委員 会費で徴收せられているのですが、それは一年のバランスをつけたところの通常会費であつて、こういう突発的に、臨時的に必要な資金、運動費というものは、どういう方法で徴收するのですか。
○大貫證人 それはどういう方法で張收すると言われても、実際にこういうことで徴收するということはないのですから、こういう方法で徴收するということはちよつと私にはわからぬのです。
○中村(元)委員 わからぬと言われればそれまでですが、あなたも少くとも理事なのですから、理事の責任においてそういう重大な問題に関與しないということそれ自体がわれわれはおかしいと思う。
○大貫證人 関與しないというより、この会費を徴收するというようなときには理事でちやんときめます。そういうときに、國管のためにどうする、こうするというようなことについては、私らは知らぬ。会費の徴收などは理事会で案をつくつて、総代会できめるのですから……。
○中村(元)委員 これ以上あなたにお尋ねしてもわからぬだろうと思いますから、これでよろしゆうございます。
○武藤委員長 ほかにございませんか。――それでは済みました。
    ―――――――――――――
○武藤委員長 野見山さんですね。
○野見山證人 はい。
○武藤委員長 伺いますがあなたは昭和炭鉱の社長ですか。
○野見山證人 はい。
○武藤委員長 昨年石炭國家管理法案が上程される前後にこれに対する反対運動をいたしましたか。
○野見山證人 反対運動をしました。それは業者といたしまして國管法が生産を増強するゆえんでないために反対いたしました。
○武藤委員長 どういう團体であつたですか。單独ではないでしよう。
○野見山證人 お尋ねの件は何ですか。別に石炭反対連盟、ああいつたものでやつたことなんですか。
○武藤委員長 あなたも日本石炭鉱業会のメンバーでしよう。
○野見山證人 はい。
○武藤委員長 その日本石炭鉱業会の反対運動の一翼としてあなたは参加したのではないのですか。
○野見山證人 いや、その反対連盟の運動には私は参画をしておりません。しかしその反対連盟の趣旨に賛同しましたので、私はそれに寄附金を出しまして協議したことがあります。
○武藤委員長 寄附金というのは何ですか。反対連盟というのができておるのですか。
○野見山證人 できております。
○武藤委員長 どういうものですか。
○野見山證人 内田行人という人と千正清夫、この方が日本解放連盟の会長をいたしております。そして内田さんもその幹部になつておつたように聞いております。私はたまたま業者といたしまして國管反対運動のために上京してまいりました。そのときに田中彰治君の紹介によりまして今言つた両氏に会いました。両氏はいわゆる國管の反対連盟の運動をされておつたように聞きましたので会いました。そうしてその趣旨に賛同をしたのです。
○武藤委員長 日本解放連盟のやつておつた石炭國管反対連盟ですね。
○野見山證人 そうです。
○武藤委員長 これは内田行人、千正清夫などという諸君が主としてやつておつたわけですね。
○野見山證人 はい。
○武藤委員長 この運動に賛成して資金を寄附した、そういうことですか。
○野見山證人 はい。
○武藤委員長 田中彰治さんというのはどういう関係ですか。
○野見山證人 田中君はやはり筑豊で炭鉱をやつている同業者であります。
○武藤委員長 その紹介で内田と千正にお会いになつたのですか。内田さんというのは業者ではないでしよう。
○野見山證人 さようです。
○武藤委員長 日本解放連盟というのは何をするのですか。
○野見山證人 いわゆる経済上の問題に対しまして、國家再建を主眼としております。
○武藤委員長 首領はだれですか。
○野見山證人 その千正です。
○武藤委員長 だれに頼まれて石炭國管反対連盟というのはやつているのですか。
○野見山證人 それは知りません。それは自分の主張でやつているものだと私は信じております。
○武藤委員長 日本石炭鉱業会と連絡をとつてやつているのではないのですか。
○野見山證人 それは全然違います。
○武藤委員長 別働隊ではないのですか。
○野見山證人 はい。
○武藤委員長 独立した反対運動なんですね。
○野見山證人 はい。
○武藤委員長 反対連盟はどういう反対運動をやつておりましたか。
○野見山證人 私の知つている範囲ではビラをはつておつたようです。しかし計画面にはタツチしておりませんから全然知りません。
○武藤委員長 いくら寄附をしましたか。
○野見山證人 十万円いたしました。解放連盟に五万円、國管反対連盟に五万円。
○武藤委員長 合わせて十万円ですね。
○野見山證人 はい。
○武藤委員長 この解放連盟の石炭國管反対連盟というのは、かような業者の寄附によつて資金を賄つておつたように思われますか。
○野見山證人 その辺は私ははつきり存じておりません。
○武藤委員長 金額はあなたの方から切り出したのですか、向うから話があつたのですか。
○野見山證人 私が趣旨に賛同しまして、運動しますには車馬賃その他いろいろな費用も要ると思いまして、寄附いたしました。
○武藤委員長 ほかにもどの業者がいくら寄附しているという話はありませんでしたか。
○野見山證人 聞きません。
○武藤委員長 そうするとあなたが運動したというのは、この反対運動をしている石炭國管反対連盟に寄附したというだけですか。
○野見山證人 そうです。
○武藤委員長 あなた自身としては、別に個人としてしないのですか。
○野見山證人 はい。
○武藤委員長 石炭鉱業会のメンバーとして何かしませんか。
○野見山證人 それは議会内へ参りまして、傍聽その他議会の情勢を見守りました。
○武藤委員長 陳情に來たというようなことはないですか。
○野見山證人 ありません。
○武藤委員長 昨年九月十八日から二十三日まで、十月二十二日より五日間、神田龍名館にお泊りになつているようですが、これは何のために御上京なさつたのですか。
○野見山證人 今申します石炭の國管法案による減産を憂うる余り、業者として参りました。
○武藤委員長 反対運動のため上京して泊つたわけですね。
○野見山證人 はい。
○武藤委員長 そこでだれかほかの業者とお会いになつたですか。龍名館で。
○野見山證人 それは多数泊つておりましたから、顏を合わしたことはあります。
○武藤委員長 武内禮藏という人と会いましたか。
○野見山證人 それは朝晩顏を合わしたことはあります。
○武藤委員長 話はしないのですか。
○野見山證人 はい。
○武藤委員長 あなたは九州石炭鉱業会の会員でしよう。
○野見山證人 はあ。
○武藤委員長 あちらの方では國管反対運動資金として出炭量トン当り十円の寄附を集めたということでありますけれども、あなたは出しましたか。
○野見山證人 出しております。
○武藤委員長 出炭量十円というのはいつの出炭量ですか。
○野見山證人 昨年の六月であります。
○武藤委員長 六月と限つておりますか。
○野見山證人 はあ。
○武藤委員長 その後継続的に出しておりませんか。
○野見山證人 おりません。
○武藤委員長 あなたはいくら出されましたか。
○野見山證人 私はトン数をその当時のものを記憶しませんけれども、私の出炭量に対しまして十円あて出したという記憶はあります。
○武藤委員長 大体どのくらい。
○野見山證人 当時私のところが千四、五百トンも出ておつたかと思いますので、十円といたしますと、一万五千円くらいじやなかつたかと思います。
○武藤委員長 その資金はだれが集めたのですか。
○野見山證人 それは当時國管問題につきまして業者が五月に上京いたしております。國管法案が上程され、議会に出るような空氣を見まして、帰つて來ました者から報告を受けましたので、これは減産をもたらす法案――業者として由々しき責任を感じましたので、お互いに話合いまして、十円ほど金を集める。そして上京する者は全部の人が自分のものではなく、上つた人にそれだけの補助をする。こういうことであつたと思います。
○武藤委員長 つまり集めた金は運動のため、上京する人の費用として補助するという目的ですね。
○野見山證人 はあ。
○武藤委員長 どのくらい補助するのですか。
○野見山證人 一日に千五百円ほどもらいました。
○武藤委員長 業者が集めただけで足りたのですか。足りないのですか。
○野見山證人 足りません。その足りないとこいはお互いの私費を使いました。
○武藤委員長 集めた金だけで足りなくて、借入をしたということはありませんか。
○野見山證人 私はそういうところまでタツチしておりませんから知りません。
○武藤委員長 千五百円でも足りませんでしたか。
○野見山證人 足りませんです。
○武藤委員長 どのくらい足りないのですか。
○野見山證人 よく記憶しませんが、東京に來ましたらずいぶんいろいろな費用が要りますから……。
○武藤委員長 あちらこちらの飲食費その他に使うということはなかつたのですか。
○野見山證人 ありません。
    〔「もうちよつと大きな声でお願いします」と呼ぶ者あり〕
○武藤委員長 あなたは代議士はだれにお会いになりましたか。反対運動のためには。
○野見山證人 別にここでどなたと特定の人に会いませんが。
○武藤委員長 覚えておるのは。
○野見山證人 覚えておりますのはまず私のところから出ております西田さん、淵上さん、ほかはよく記憶しません。
○武藤委員長 資金が足りないためにさつき借入れたということでありますが、どこで借入れましたか。
○野見山證人 私は知りません。
○武藤委員長 その借入れた金をどういうふうに返したかも知りませんか。
○野見山證人 はあ。
○武藤委員長 大体この運動の中心は武内禮藏さんがやつておつたわけですか。
○野見山證人 そうとも限らぬ。これは日本石炭の機構に、総代会というのがありまして、その総代会によりまして、一つの案をきめますれば、理事その他によつてこれを決定します。その機構のもとにやつておるのであります。必ずしも特定の人がこれをリードして、独裁的にやつたとは考えません。
○武藤委員長 理屈はそうでありますけれども、実際においてやつたのは武内さんが指導的にやつたのではありませんですか。
○野見山證人 私はそうとばかりはとりません。
○武藤委員長 皆で相談をしてやつたわけですね。
○野見山證人 ええ、相談してきめましたことをそれによつてやつた。
○武藤委員長 あなたは総代か理事でありましたか。
○野見山證人 どつちでもありません。
○武藤委員長 木曽重義という人を知つておりますか。
○野見山證人 知つております。
○武藤委員長 これはどういう人でありますか。
○野見山證人 どういう人と言いまして、私ども日本鉱業会の理事をしておる人だと思います。
○武藤委員長 理事でやはり運動を熱心にやつた人ですね。
○野見山證人 熱心にやつたと言うほどでもありませんが、はつきりその辺はわかりません。
○武藤委員長 何かお尋ねになることがありますか。
○佐竹(新)委員 証人にお尋ねしますが、あなたは鉱業会の理事も何もやつておられぬ、こういうのでありますが、あなたは鉱業会に出入りして、非常に政党方面に対して有力な活動をする理事の人はどなたであると思われますか。理事の人で、この人なら政党に対して相当活動されるという人、この人なら政党方面には相当顔がきいておるというような、あなたの考えた人はどなたですか。
○野見山證人 ちよつとそういう人は考えつきませんが……。
○佐竹(新)委員 だれもどんぐりの背くらべ、あまり政党方面に力をもつておる人はないというのですか。
○野見山證人 はあ。
○佐竹(新)委員 龍名館に泊つておられたそうでありますが、龍名館の宿賃は一日にどのくらい支拂われましたか。
○野見山證人 今申しました中から支拂つていつておりますが、よく宿の……。
○佐竹(新)委員 何日おられたのですか。
○野見山證人 私は全部を通じまして、そうでございますね、三、四回上つてきたようですから、四十日ほどおりましたでしようか、よく記憶しませんが。
○佐竹(新)委員 四十日ぐらいおつたのですか。
○野見山證人 四十日ぐらいじやなかつたかと思います。
○佐竹(新)委員 四十日ぐらいおられて、宿の支拂が概算どのくらいであつたか、これはみなあなたが支拂うておりますか。鉱業会の方から拂つてくれたのですか、運動費の中から拂つたのですか。
○野見山證人 それはもらつて拂つてありますが。一々……。
○佐竹(新)委員 鉱業会からあなたの方に渡して、あなたが拂つたのですか。
○野見山證人 はあ。
○佐竹(新)委員 日本石炭鉱業会から宿賃としてあなたに渡して、あなたが拂つておられましたか。
○野見山證人 はあ。
○佐竹(新)委員 それは四十日もおられて、たいてい何日くらいに溜めて拂いますか。
○野見山證人 そうですね。往つたり來たりして、いつ來たから拂うとか、帰るときに拂うとか、よく覚えておりませんが……。
○佐竹(新)委員 概算どのくらい……。
○野見山證人 ちよつと今思い出しません。
○佐竹(新)委員 概算が思い出せないということはないでしよう。どのくらい概算で拂つたのですか。大体宿賃だから、千円ぐらいかかつたのですか。
○野見山證人 よく記憶しておりませんが、取調べまして、また御報告はします。
○佐竹(新)委員 料理はどういう料理ですか。
○野見山證人 料理は普通の料理なんですね。
○佐竹(新)委員 晩酌ぐらいやりましたか。
○野見山證人 いや、そんなことはありません。
○佐竹(新)委員 あそこで大分飲んだとかいうことですが……。
○野見山證人 いや、知りません。
○佐竹(新)委員 あなたはしげく赤坂の方へ遊びに行かれたですか。
○野見山證人 いや、そんなことはありません。
○佐竹(新)委員 大分行つておられるような話を……。
○野見山證人 私はそういうことはありません。
○佐竹(新)委員 赤坂の中川という料亭を知つておりますか。
○野見山證人 知りません。
○佐竹(新)委員 よく龍名館からあそこへ自動車を飛ばして、飲みに行くということを言つておりますね。
○野見山證人 知りません。
○佐竹(新)委員 宿屋の方はなんぼ金を拂つたかということはわかりませんかね。
○野見山證人 知りません。それは必要があればまた調べて……。
○佐竹(新)委員 大体の見当はわかつておるでしよう。四十日もおられて、あなた方はお金持ちだから、宿賃ぐらい氣にしておられぬかも知れませんけれども、われわれは宿に行つて泊る、何日泊つて、この宿屋になんぼ支拂つた、この宿屋は高くとるとか、どうですか、泊られたのは東京では龍名館だけですか、ほかの所で泊られたのと比較はどうですか。
○野見山證人 よそに泊つたことがありませんからよくわかりません。
○佐竹(新)委員 それじや万というのがこれについておるでしよう。
○野見山證人 それはついて居るだろうと思います。
○佐竹(新)委員 四十日おられたら四、四万円はついておりますね。
○野見山證人 はつきりしたことは覚えておりませんが、相当額だつたと思います。
○荊木委員 九州の互助会の会員で、あなたの方は今千五百トンと言われましたが、互助会員では大きい方ですか、小さい方ですか。
○野見山證人 中ぐらいです。
○荊木委員 あなたの方の会員炭鉱はどのくらいですか。全部北九州ですか。
○野見山證人 互助会というのは北九州だけですが、六、七十名もありましようか。
○荊木委員 出炭量の上ではあなたの上のものはどのくらいありますか。
○野見山證人 出炭量は一々檢討しておりませんが、それでしたら四、五十くらいあるでしよう。
○荊木委員 あなたは炭鉱國管の問題について、これは増産にならぬ、断じて減産だというので、特別熱心に運動された記憶はございますか。
○野見山證人 いやそれはありません。
○荊木委員 そこで考えられるのですが、あなたは内田さんという人はよく政治問題などのときに顔を出す人なのですが、こういう人にあなたが十万円出すとなればほかの人は相当出しておりませんか。
○野見山證人 人のことは知りません。
○荊木委員 あなたが特別に熱心にお出しになつたということは考えられませんね。
○野見山證人 考えません。
○荊木委員 田中彰治氏がこの運動でどうも金に困つておるから金を出してくれというようなことは……。
○野見山證人 そんなことは知りません。私はこういつた氣持の男ですから、國家のためだと考えておりました。その趣旨から運動された者には私も共鳴した意味で私は出したのです。
○荊木委員 そこで解放連盟というものに五万円、反対連盟に五万円というふうにわけられたのは向うの希望ですか。
○野見山證人 いや向うが一つになつても二つになつても構わない。
○荊木委員 解放連盟も要するに石炭國管に反対ですか。
○野見山證人 それが主体となつて國管反対をやつたのです。
○荊木委員 反対連盟というのは同一人格で名前が二つあるというだけですか。
○野見山證人 まあそういう氣持です。
○荊木委員 あなたは特別の反対はしないが自分の氣持からお出しになつた、こういうわけですか。
○野見山證人 はあそうです。
○荊木委員 トン当り十円というのは昨年六月の実績によつて割当てたというのだが、最初七円という話ではなかつたのですか。一遍値上しませんでしたか。
○野見山證人 そんな記憶はありません。
○荊木委員 一度割当てて倍にした記憶はありませんか。
○野見山證人 ございません。
○荊木委員 それから今言われたように北九州、西九州でお出しになつた金はわずか三百四、五十万円で、これは特別なことには使つていない。運動者に対する補助だと言われるのです。補助金でこれだけの金を得ておられるのですが、あなたは、特別にこういうことをしなければならぬが、まさかこういう金は炭鉱会にもつていくわけにはいかないから、われわれ五六人だけで出そうじやないかということで、内田に出したと同じ金を出したことはなかつたのですか。
○野見山證人 そういうことはありません。
○鍛冶委員 反対連盟の運動方法についてあなたは御承知ないと言われましたが、ただ反対するといつてもぼくらはピンとこない。反対ということはただ反対々々と叫んでおるのでは反対にならぬ。どういうことをするか説明があつたろうと思いますが、それはいかがですか。
○野見山證人 私はただ石炭國管反対を標榜してまいりましたので、その趣旨の活動をやつておる意味をくみとつて共鳴したのです。
○鍛冶委員 その活動とはどういう活動ですか。
○野見山證人 いわゆる國管反対連盟で、反対なさつておるその主義に対して私は共鳴したのです。
○鍛冶委員 反対といつても室の中で「反対々々」と言つたのですか。それは何か仕事を具体的にやつておりましようが……。
○野見山證人 そこまで計画面にタツチしておりませんから知りません。私はその動機に賛成して共鳴してやつたのです。
○鍛冶委員 どうも常識でわからぬが、何か現にこういうことをやつておるとかいうことがありそうなものだと思うが……。
○野見山證人 私どもは向うがいくら車馬賃に使いましようが、それは自由の立場からやつたのでありまして、注文もつけておらなければ何も考えておりません。
○鍛冶委員 もしそういうことを言つていても、何にもやらずにいても仕方がないでしよう。
○野見山證人 やらぬこともないでしよう。
○鍛冶委員 それでは何をやりましたか。
○野見山證人 私は向うの動機に共鳴したのですから、向うは相当な活動をしたことだろうと思います。
○鍛冶委員 それがぼくらにはちよつと納得がいかぬが……。
○石田(一)委員 ちよつとお尋ねします。この日本解放連盟、石炭國管反対連盟という今出た人たちの名前ですが、この中には浅草下谷あたりにあつた新鋭大衆党の眞木康年という人たちはこれに関係はなかつたのですか。
○野見山證人 存じません。
○石田(一)委員 今たくさんビラを貼つたりしただろうということでございましたけれども、この解放連盟がビラを貼つたということはどうしてわかるのですか。
○野見山證人 私どもが來ましたときに盛んに市中にああいうビラが出ておりました。
○石田(一)委員 ビラが出ていてもだれがやつたかどうかわからぬでしよう。
○野見山證人 それはあれに責任者の署名がありましたから……。
○石田(一)委員 その責任者以外の名前の書いたビラはごらんになりませんでしたか。
○野見山證人 記憶はありません。
○武藤委員長 ほかにございませんか。それでは済みました。御苦労さんでした。
    ―――――――――――――
○武藤委員長 お待たせしました。あなたのところは麻生鉱業株式会社というのですか。
○麻生證人 そうでございます。
○武藤委員長 その社長ですか。
○麻生證人 社長でございます。
○武藤委員長 昨年中、今閉鎖機関になりましたけれども日本石炭鉱業会、それから日本石炭鉱業連盟、九州石炭鉱業連盟、こういうものがありますが、あなたはここでどういう地位を占めておりましたか。
○麻生證人 日本石炭鉱業会は理事でございます。それから連盟も理事。九州も同じです。理事です。
○武藤委員長 いずれも理事ですね。
○麻生證人 はい。
○武藤委員長 昨年いわゆる石炭國管法の上程前後に、日本石炭鉱業会を中心として猛烈な反対運動をやつたようですけれども、あなたも參加されたのですね。
○麻生證人 参加いたしております。
○武藤委員長 あなたはどんな反対運動をなさいましたか。
○麻生證人 私個人でございますか。
○武藤委員長 いや、反対運動の中にあつてあなたはどういう役割を努められましたか。
○麻生證人 役割というものはきまつておつたのではありませんが、四、五人集まつて、呼ばれたとか、こちらから行つたとかいう場合に一緒について行つて反対の理由を述べる……。
○武藤委員長 どこへ行かれましたか。
○麻生證人 一番最初に反対でなく説明を聽いたのは、商工大臣から説明を伺つたのでありますが、その後商工大臣の官邸でたしか西尾さん、水谷さん、苫米地さん、和田さんもおられる席で反対の理由を説明してまいりました。
○武藤委員長 それからどこへ行かれましたか。
○麻生證人 それからほかに私のまいりましたのは荻外荘で自由党の総裁のところへ一回行つたと思います。皆と一緒にこれも反対運動の説明に行つたのです。
○武藤委員長 それから。
○麻生證人 それから石炭長官のところへも行つたと覚えております。ほかにここにはすぐ取上げてあれするものはちよつと今記憶ないのですが……。
○武藤委員長 ございませんか。
○麻生證人 はい。
○武藤委員長 この運動をするのに費用を業者が醵出したそうですけれども、どんなふうにいたしましたか。
○麻生證人 醵出したのは私どもは醵出しておりません。
○武藤委員長 何か出炭量に應じてトンあたりいくらということを……。
○麻生證人 それは中小炭鉱がそういうことをしたという話は聞いております。
○武藤委員長 中小炭鉱の方でやつたのであつて、あなた方の方はどちらかというと大手筋にあたるわけですね。
○麻生證人 大手の一番末席を汚しておつたわけです。
○武藤委員長 その方では別に費用を醵出してやつたことはないのですね。
○麻生證人 はい。
○武藤委員長 かかる費用は銘々もちですか。
○麻生證人 そうです。費用と申しましても、東京に來ても特別費用がかかるわけでもありませんが。
○武藤委員長 旅館に泊るとか、宴会をするとか……。
○麻生證人 そういうことがあればそういうものは出します。
○武藤委員長 宴会はしませんか。
○麻生證人 宴会は私記憶ありません。
○武藤委員長 会食をしたようなこともない。
○麻生證人 ございません。
○武藤委員長 中小炭鉱の方ではどのくらいどんなぐあいにやつたか、お聞きになつておりませんか。
○麻生證人 それははつきり聽いたのは最近でございます。
○武藤委員長 どんなふうにお聽きになつたのですか。
○麻生證人 何でもきのう新聞にも出ておつたのですが、トン当り十円を積んだというようなことを。……
○武藤委員長 きのうの新聞の前に大分長いことトン七円とか、十円とか十四円とか……。
○麻生證人 その話は聞いておるが、これはこうなんだということははつきり聽いた覚えはありません。
○武藤委員長 大手筋の方からまとめて中小企業の方へ金を出したということもないですか。
○麻生證人 ございません。
○武藤委員長 運動費用を補助したというようなことは……。
○麻生證人 ございません。
○武藤委員長 吉田茂さんとはどういう御関係ですか。
○麻生證人 吉田茂の娘が私の家内です。
○武藤委員長 この石炭國管につきまして、あなたが吉田茂さんに相当額の金を出して、それが田中萬逸さんか何かを通じて幣原さんの方に行つているという説があるのですけれども、そういうことはございませんか。
○麻生證人 覚えございません。
○武藤委員長 まあ吉田茂氏に出されたことはありますか。それがどういうふうに使われたかは別としまして。
○麻生證人 それはどういう意味でございましよう。この國管反対ででございますか。
○武藤委員長 はい。國管反対としては吉田茂氏に金を出したことはない……。
○麻生證人 ございません。
○武藤委員長 吉田氏にそのほか何かで金を出しておりますか。
○麻生證人 委員長に伺いますが、それは先ほどの委員長のお読み上げになつたものの範囲内なんでございますか。どうなんでしよう。
○武藤委員長 どういう点ですか。
○麻生證人 三親等というさつきの証言の範囲がございましたけれど……。
○武藤委員長 何か不利益になるようなことがありますか。
○麻生證人 場合によつてはあるかもしれないと思います。
○武藤委員長 あなたが吉田さんに金を出したということになると、吉田さんの不利益になることがありますか。
○麻生證人 今ここではつきりなるかならんかわかりませんが、なるかもしれないと思います。
○武藤委員長 出したことだけではならんでしようね。
○麻生證人 それはどういうことでしようか。
○武藤委員長 吉田さんがそれをどういうように使うかは別ですから。あなたが出したか出さないかということはおつしやつていただく方がよろしいように思いますが……。(「國管に関係ない」「関係なくとも承ろうではないか」、「内容知つて聽くなよ」と呼ぶ者あり)
○武藤委員長 それでは、何かお尋ねになることはございますか。
○荊木委員 麻生炭鉱というのはやはり互助会というものの会員になつていますか。
○麻生證人 おりません。
○荊木委員 互助会、これは中小炭鉱だけですか。
○麻生證人 互助会というのはそうです。
○荊木委員 そこで伺いたいのは、中小の炭鉱だけか金を出し合つて、大手筋が知らん顔をしているというのは、どつか面倒をみているのですか、みてないんですか、あるいはあまり反対したくないというのは特殊の事情があるのですか。
○麻生證人 そういうわけでない。私はこういう意味だと思います。中小の炭鉱は数がたくさんございまして、そのピケツテイングという意味で東京に來ております。だからプールで皆出し合つてやつたのだと思います。われわれは皆自分で出てきて、自分の自腹でやつたのであります。
○荊木委員 九州の鉱業会の諸君が、九州だけで、福岡あたりに寄つて相談して、どうするこうするということも、大手筋の炭鉱業者は加わつておりませんか。
○麻生證人 加わつておりません。
○荊木委員 これは世間の疑惑を解かなければならぬので、この委員会で取上げておるのです。あなたは前途ある方だからこの疑惑を解かなければならぬのですが、相当の金が政界にばらまかれているという誤解が非常に多いが、靜かに考えてみて、あなたはどういうふうに観測されますか。
○麻生證人 私はそういうことはないのじやないかと思います。
○荊木委員 これはこれから調べていかなければわからぬのですが、あなたがタツチされたところでは、危いなというような節はございませんか。
○麻生證人 何もございません。
○荊木委員 それからあなたが出かけられない場合に、麻生炭鉱として一体だれが上京しておりましたか。あなたの会社から……。
○麻生證人 私の代りは出ておりません。
○荊木委員 自分でやつておりましたか。
○麻生證人 代りは出ておりません。
○荊木委員 あなたは大手筋の末席だとおつしやいましたが、他の四社、五社みなそうですか、加わつたり金を出していないと考えられますか……。
○麻生證人 そう思います。
○武藤委員長 ほかにございませんか。
○石田(一)委員 これは委員長にちよつと諮りたいのですが、ただいま証人は証言を拒否しております。(拒否じやないよ)拒否であります。默祕しております。その理由は、委員長がお尋ねになつたように、吉田氏にお金を國管反対以外の場合にただ出したことがあるかというのに対して、証人はただその出したということをここで言うのが、あるいは吉田氏の不利益になることがあるかもしれぬ。こういう証人の主観的な考え方によつて証人の証言が默祕され、拒否されるとするならば、私は今後証人の喚問も非常に根拠が薄いものとなつてくると思うのであります。この際ただいまの証人が吉田氏に金を渡したことが、はたして法律に言うところの三親等内の刑事上の責任を惹起すべき問題であるかどうか、そのことが決定されて後に、初めて証人のただいまの証言か拒否されることが許されることであつて、それが不問のうちに附されて、証人がそう言つたからこの委員会がそのままにして聽かないということであつては、ほとんど今後事件の眞髄に触れることができないと思います。よろしく御判断を願いたい。
○田中(角)委員 ただいまの石田君の発言に対して反対するわけではありませんが、これは委員長が質問したときに、本問題に関係がないのではないかと証人が考えられて、これは不利益になるかもしれぬからどうですかと反問をされたとき、委員が御自分の考えでもつて質問を続行されなかつたのであつて、石田君が今話されたような事実とは全然違うと思うのですが、委員長の見解はどうですか。
○石田(一)委員 それではあらためて本員から証人に証言を求めます。石炭國管法の反対の運動に関してではないが、いわゆる養父に対する務めであるとか、そういうような意味で、吉田氏にお金をお出しになつたことがありますかどうですか。
○麻生證人 今の御質問は、先ほど私が委員長に伺いましたように、委員長の御判断をはつきりいたしました上でお答えしたいと思います。
○石田(一)委員 私に対する答えをしてもらいたい、それを証言するのかしないのか……。
○麻生證人 先ほど私から委員長にどうなんだと伺つて、まだ結論を伺つておりませんから、今委員長にそれを伺つているのです。それによつて御質問でしたら……。
○武藤委員長 あなたがそれは答えるのがぐあいが惡いということでありますならば、その理由を明らかにしなければならないのです。その理由が明らかになつて、委員会でなるほどそれはもつともだということになると、あなたは答える必要がない。しかしもつともだということにならなければ、やはり質問に答えなければならない、そういう建前になつているのです。ですからあなたがここで、私が一番先に読みました趣旨に從つて、刑事上の訴追を受けるとか、あるいは恥辱に帰するとかいうような御心配から述べてはぐあいが惡いと言われるならば、ただ述べてはぐあいが惡いというだけでは納得できないのであつて、その理由を明らかにして、こういう理由でありこういう事実があるからだ、こう言つてもらわなくては困る。そこでその理由をここで表明してもらつてもいいし、あるいは後日の近い機会に書面ででも明らかにしてもらつて、この委員会がなるほど理由があるということになればそれでいいし、理由がないということになれば、次の機会に再び、今石田君がお聽きになつたようなことを、いやでも述べてもらわなければならぬことになるでしよう。
○麻生證人 國管以外のものでも……。
○武藤委員長 そうです。
○麻生證人 わかりました。
○石田(一)委員 それではこれは、別に書面か何かで明らかにしてもらいますか。
○武藤委員長 諸君、そういたしますか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○武藤委員長 それでは日限は三日以内ぐらいにしてもらいますか。書面でもあるいは口頭でもよろしゆうございますから、委員長まで申出てもらいたい。
○麻生證人 はい。
○武藤委員長 ほかに御質問ございませんか。
    〔「質問なし」と呼ぶ者あり〕
○武藤委員長 それでは済みました。本日はこれにて散会します。
    午後四時五十分散会