第002回国会 治安及び地方制度委員会 第2号
昭和二十三年一月二十九日(木曜日)
    午前十一時二十四分開議
 出席委員
   委員長 坂東幸太郎君
   理事 門司  亮君 理事 矢尾喜三郎君
   理事 高岡 忠弘君 理事 中島 茂喜君
   理事 川橋豊治郎君 理事 松野 頼三君
      笠原 貞造君    久保田鶴松君
      松澤 兼人君    松谷天光光君
      千賀 康治君    中垣 國男君
      大村 清一君    小暮藤三郎君
      外崎千代吉君
 出席政府委員
        内事局長官   林  敬三君
        総理廳事務官  久山 秀雄君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 警察法施行状況に関する政府の説明聽取
 最近の兇悪犯罪に関する政府の報告聽取
    ―――――――――――――
○坂東委員長 これより治安及び地方制度常任委員会を開会いたします。
 本日の日程は警察法施行状況に関する件及び最近の凶悪犯罪に関する件でありますが、その前に御報告申し上げることがございます。去る一月二十六日本委員会において協議決定いたし、議長に提出いたしました國政調査承認要求書は、同日議長において承認いたしましたゆえこの旨お傳えいたします。
 次に一月二十七日の出先官廳整理に関する小委員会において、小委員長互選の結果、中島茂喜君が当選いたされましたことを御報告いたします。
 なおこの際お諮りいたしたいと思います。それは去る一月二十六日、本委員会において選定いたしました消防法案起草小委員の外崎千代吉君及び松野頼三君が辞任を申し出られておりますので、これを許可し、その補欠として渡邊良夫君及び大石ヨシエ君を選任することに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○坂東委員長 御異議なきものと認めましてさよう取計らいます。
 次に地方出先官廳整理に関する小委員を一名増加し、外崎千代吉君を選任し、なほ渡邊良夫君辞任に伴い、松野頼三君を小委員に指名いたすことに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○坂東委員長 御異議なしと認めます。
 さて警察法第五十一條並びに第五十二條、第五十三條につきまして、もちろん法律はできておりまするけれども、それは東京都の二十三区特別区に関する件であります。この実施につきまして、少々解釈上の疑問が生じてまいりましたので、実はこの間中政府側並びに衆議院、参議院と打合わせておりました結果、昨日私並びに参議院の吉川委員長と、政府側を代表して内事局長官の林君が関係方面へ参りまして、いろいろ協議しました結果、その解釈の結論といたしましてこれを御報告申し上げます。
 特別区に関する特例の解釈について。
 一、警察法第五十一條の「特別区が連合してその区域内における警察の責に任ずる力」とは、警察の目的のために特別区が一つとなり都知事及び都議会か市長及び市議会の資格において、都知事により任命され、都知事に対して責任を負う特別区公安委員会を通じて、警察の責に任ずるものとする。(特別区が警察事務のために地方自治法第二八四條の規定による一部事務組合を組織するのではない。)
 二、從つて特別区の警察の経費は、東京都がこれを支弁し、條例は都議会により、規則は都知事によつて制定せられるものとする。三、しかしながら、第五十三條に「特別区の存する区域をもつて一の市とみなし」とあることにより特別の警察の経費は実質的には特別区の存する区域のみの負担とし、また公安委員会の委員の解職請求は、特別区の存する区域内において選挙権を有する者の三分の一以上との者によつてなされることとする。これが今申し上げました了解事項でありますが、これにつきまして政府側ひら一言お話願います。
○林(敬)政府委員 ただいま警察法第五十一條、五十二條、五十三條の三箇條につきまして、これが実施の方途について委員長から御報告を承つたのでございますが、この点については実施と準備いたします上につきまして、政府側においても相当疑義の存するところでもあつたわけでございますが、ただいま御報告にもありましたように、両院の治安地方制度の委員長が御協議 」になりまして、またそれぞれの委員会とも御相談になりまして、その結果関係方面とも十分打合せの上、今御報告になりましたような方途に決定したように承ります。すなわち特別区が警察事務を処理するためには、特に地方自治法に基く一部組合というような組合はつくらずにやつていくのが、この法文を遂行するに最も正しい妥当な解釈でる。かまうな結論でございました。なおそれに伴つて、しかしその精神を生した経費負担その他の制度を行うということに御趣旨がなると存じます。政府におきましても、今委員長が御報告された趣旨に何ら異議はございません。両院の議決になりましか精神が、かようなところに存しまする以上は、この趣旨に從いまして、これが実施の準備について最善の方途を努めてまいりたいと存じておる次第でございます。
○坂東委員長 ただいま林内事局長官の説明のごとくになつたのでありまするがこれが運用の形は、すなわち二十三の特別区を一つと見まして、そうして公安委員の五名は、東京都知事の推薦に基いて東京都会がこれを選出するということになるわけでございます。かくして初めて東京都の警察法は発足することに相なります。この点御了承してくださいますか。
○門司委員 この取扱いについて一應お聽きをしておきたいのですが、そういう解釈を政令でお出しになるのか、それとも法文の中にはつきりされるのか、その点を一應お伺いしておきたいと思います。
 さらにお願いをしておきたいと思いますことは、そういう形になつてまいりますると、執行をする方が都の方に権限があつて予算を議決することが区の方に権限が存するような形ができてくると思いますが、この予算の実際の運用にあたる区との間――そういうことは警察の問題でありますから万遺漏ないと思いますが、もし感情その他の運用上の行違いで、予算の執行上において確執がないとも限らないと思いまから、この点について特に当局に注意をしていただいて間違いのないように、私はことさらにこの際に希望をしておきます。
○林(敬)政府委員 ただいまの門司さからのお尋ね、ごもつともなる御心配と存じます。お尋ねの第一の点でありますが、今委員長が御報告されましたように行いますにつきましては、別段政令その他の法規的手続はとらぬつもりでございますし、また法律上の理論から申しましてこれは必要ないように解釈をいたしております。國会の御意思を尊重いたしまして、政府としては通牒によりまして、よくこの趣旨を関係方面に徹底をいたしまして遺憾なくいたしてまいりたいと存じます。なお第二の、予算の執行と議決と実際の運営との間に、執行上確執のないように留意するようとの御注意であります。まことにごもつともでございまして、予算は都議会において議決に相なるのでありますが、特別区のためのものでありますので、ややもいたしますと執行の問題の起る場合もなきにしもあらずと存ぜられるのであります。十分関係当局を督励いたしましで注意を喚起いたしまして、政府といたしましてもこれが執行上万確執のないよう最善を期する所存であります。
○坂東委員長 これでは本件を了承することに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
    ―――――――――――――
○坂東委員長 それでは警察法実施に関する件を議題に供します。
○小暮委員 警察法は画期的の大法典であり、人民の権利、義務に多大の関係をもつておるので、本案の審議にあたりましても格別意を用いたところでありますが、これが実施状況いかんはこれまた多大の関心事でありまして、われわれは絶えずこれを見守つて、新時代の民主警察確立に努力を続けなければならないということは、いまさら申し上げるまでもないのであります。この意味で警察法の実施状況に関し、以下数点をお尋ねしてみたいと思うのであります。
 まず自治体警察の確立に伴い、その経費を各自治体が負担しなければならないことは、いまさら申し上げるまでもないのでありまするが、何分その経費が多大であり、そうして自治体によつては、ほかに六・三制の問題もありますので、なかなか容易なことでないのであります。そのためにある町村のごときは、これが設置を敬遠している向きもあるやに聞いておるのでありまするが、はたしてその事実があるかどうか。もしありとしますれば、國家警察三万、自治体警察九万五千という比率が崩れてくると思うが、それに対して当局はどういうお考えをもつておられるか。すでに設置ときまつた町村がどのくらいあるか。また経費等の関係から町村組合をつくつて、そうして警察を設置するものの数がどのくらいあるか、またその代表的のものがあるかどうか、それを承りたい。
 それから次に公安委員の選任について承りたい。公安委員にその人を得るかどうかということは、新警察法の運用をうまくやつているかどうかというかぎになつておると思うのであります。ところが公安委員となるのにはいろいろの條件がありまして各自治体とも選任に苦心を極めておるということでありまするが、はたしてどうか。全國的に見てどういう困難があるかということが一つ。それからまた、すでに選任されている公安委員には、どういう職業の者がなつているか、職業的におわかりになつたらばそれを示してもらいたい。また公安委員のできていない町村がいくつくらいあるか。
 それから警察長の問題でありますが、各市町村は警察長の選任に関して困難があるというようなことを聞いておりまするが、その点はどうなつておるか。それから公安委員の選任、警察長の選任が非常にうまくいつでおるところがありますれば、それを承りたい。
 次に、警察法の施行七きわめて重要な面をもつものは國家公安委員であると思うのでありますが、地方財政委員会のごときは、つとにその人選を終えて活発に発足し、有効なる活動を展開しておるようでありますが、警察法の施行期限が目睫に追つておるのに、今日國家公安委員の人選並びに國家地方警察本部の準備はどの程度まで進捗しているか、それらの見透しはどうなつているか、この点につきまして承りたい。
○久山政府委員 ただいまの小暮さんのお尋ねに対しまして、現在資料をもつておるところに基きましてお答えを申し上げたいと思います。自治体警察が設置せられることになりまそ、各府縣いろいろ一定の要件に該当いたします市及び町村に自治体警察を置くわけでありますが、いろいろそういうことを決めます上におきまして、一般的に申しまして、財政的な方面の心配から、少くとも積極的に警察をもつことを希望しない、できれば今までのような國家警察の形でやつてもらつた方がいいというふうな意味合におきして、いろいろお話になりました町村は、各府縣の警察部長の話を聽きましても、相当数が多かつたように聽いておるのでありますが、しかしそれはそれといたしまして、置くべき一定の要件のありますところは、おのずから警察をもたなくてはならぬのでありますから、それで財政的にいろいろ心配はありましようけれども、まず置くことにいたしまして、現在まで進行をいたしておるのであります。もちろん政府といたしましても、法律の精神に從いまして、從來國家財政のそういつた面におきます負担の能力がもち得られますように、適当なる財政的措置を考えておるのでありまして、これ も近く法案として御審議をいただくことになると思うのであります。しかし具体的に中央まで陳情書のようなものを出されまして、どうしても財政的に置きたくないというようなことでお話のありましたのは(高知縣に九つの町がありましたし、島根縣で一つ、長野縣で二箇村が特に陳情書を出されまして、財政的な事由から、できれば置かないようにできないだろうかというふうな話があつたのであります。しかしこれも当然法律において置くべき要件を備えている所でありますので、財政的な問題につきましては、全般的にただいま申しましたような措置を講じまして、しかるべく財政を補給いたし、やれるようにすることになつておりますので、これらのところにおきましても、一應自治体警察を設置するということに進んでおるわけであります。
 それで自治体警察をもちます自治体の数は、まず千六百十というものが確定をいたしておるのであります。そのうち現在までに公安委員の選定を終りました町村は、一月二十六日現在で千六十八ということになつておるのであります。大体の進行の予定を申し上げますと、御承知のように、千葉縣がいち早く昨年の十一月末に準備を完了いたしまして、新しい制度による形を整えたのでありますが、その後管区本部をもつでおります府縣がその次に、そういつたような準備を十二月中に大体完了いたしたのであります、東京都にける二十三区は、特別の事情があつておくれているのでありますが、それ以外の管区所在地の府縣の準備は、大体十二月中に完了いたしたのであります。それ以外の府縣は、天体一月末までに公安委員の選定を終りまして、二月十日までにそれぞれの警察官の配置も完了いたし、それから新しい制度の形による準備訓練が始まり、おそくとも二月十一日からは、全國の各府縣が新しい百度こよみ準備訓練の態勢にはいる、こういうふうな順序で進んでいるのでありまして、一月二十六日現在で千六十八の所は、すでにその準備を完了いたしておるのであります。残る所も、ただいまの予定に從いまして、一月十日までには全部完了いたしまして、千六百十という自治体警察を置くべき市町村に、すべて新しい形の準備が完了する、かような計画で進んでいるような状況であります。
 國家警察と自治体警察の人員の割振りにつきましては、先ほどお尋ねがありましたように、三万と九万五千というわけ方が、はたして実情に即しているかどうかという点につきましては、これはいろいろ問題がある思うのでありまして、田舎の地方を國家警察は宜轄をいたすのであります。その警察官一人あたりの人口割からいたしまして、都市を中心にいたします自治体警察の割合から申しまして、警察官一人の担当人口が非常に多いことはやむを得ないのであります。ただ三万、九万五千という比率を割振つてまいりますと、すでに國家警察の方の人数が自治体警察の方に比べまして、手不足であるように考えられるのであります。しかしこれは一應きまつた数字でありますので、今後の実施の状況によりまして、もしどうしても國家警察の方が自治体警察の人員に比べて非常に手薄であつて、國家警察たるの実をあげる上にいろいろ支障があるというふうなことが、現実に出てまいりました場合におきましては、さらに十分ひとつ御檢討をいただきまして、適正なる人員の配分につきまして御考慮をいただかねばならぬようになるかとも思うのでありますが、とにかく、現在のところでは、多少手薄のように思いますけれども、一應三万、九万五千という法律により定められました人員によりまして、新しい制度の出発をしてまいりたい、かように考えておるのであります。
 それから公安委員の任命につきまして、特別に困難を感じたというふうな点も、取上げて申し上げるようなことはないのでありまして、人選がうまくきまらないでおるというふうな市町村では、あるいはその施政一般についていろいろ、あるい市町村長派と申しますか、あるいは反市町村長派と申しますか、その自治体の施設全般に対しまして、いろいろ対立なり問題のあるところは、やはり公安委員の選定につきましても、そう円満にいかない事情もあるようでありますが、全体的に申しまして、特に公安委員の人選につきましては、特別に困難な事情というようなものはなかつたように聞いておるのであります。
 一月二十六日までに参つております公安委員の職業別などの表ができておりますのであとでお手もとに差上げたいと思いますが、この職業のわけ方も適正かどうかわかりませんが、会社重役が二百二十一、会社の從業員が百六十六、團体の役職員が五十三、商業が百五十、農業が四百四十二、その他の自家経営者というのが二百二、医療関係者が三百五、宗教家が百九十五、教育家が二十二、無職の方が百二十、その他四十八というふうな職業別になつておるのであります。
 それから警察長の選任につきましては、大体公安委員の方と縣の警察部長なり知事との間に、いろいろ話合いがありまして、これも大体円満に問題なく進んでおるのであります。ただ六大都市のような非常に大きな自治体におきましては、現在その府縣におります現職の人から必ずしも選ぶわけにはまいりませんので、それぞれの自治体の希望なり事情により、選考が進められておるのでありまして、この点につきましては、なお最後的な人選の決定を見ていないのでありますが、これもここ数日中と申しますか、一月一ぱい、あるいは二月の初めごろまでには、大体適当なる人選も終えまして、準備が完了するものと考えておるのであります。特別に困難だということではありませんで、いろいろの事情から、いいと思う人も行くことを澁つたりいたしますので、希望と現実の人との適合が、いろいろ事情がありまして、まだ最後的な決定を見るに至つておらぬのであります。しかしこれも、ただいま申し上げましたように、間もなく大体順調に人選が終るものと考えておるのであります。
 國家公安委員の人選につきましては、現在政府の方でお考えになつているところでありまして、これも二月中あるいは三月の初めまでには、適当なる人選ができることと考えておるのであります。本部の準備などにつきましては、大体現在の陣容を、かりに新しい組織でまいりまするような部課の組織に編成替をいたしまして、内務局といたしましては、すでにそういう新しい組織でまいりまするような態勢を実はとりまして、それぞれの部長なり課長を任命しで、現在訓練の仕事を進めておるわけであります。これも大体そういうことで各府縣とも同様な意味合におきまして、新しい施設によりまする形を整えて訓練をいたしており、新法の実施の時期にそれが大体そのまま制度として確定する、こういうふうになりまするので、準備の上には支障がないように進めておる状況であります。
 自治体が組合をつくつておる状況は、現在まで報告のありましたのは千葉、神奈川、岐阜、大阪、兵庫、佐賀、愛媛、京都といつた府縣で、それぞれ一箇所ないし二箇所の組合警察が設置されており、二十三町村にわたり組合ができておりまして、これはさらに兵庫縣におきまして、あと二つか三つの組合警察ができる予定になつておるのであります。千葉縣で申しますと、浦安町、行徳町南行徳町、この三つが一つの組合をつくつており、神奈川縣では大磯町、二宮町、國府村、これが一つの組合警察をつくつておる。また國府津町と酒匂町が一つの組合警察をつくつておる。岐阜では大井町と長島町及び土岐津町と泉町、これが一つの組合警察をつくつております。大阪では野田村と大草村、これが一つの組合警察をつくり、兵庫縣では三田町と三輪町、これに先ほど申しましたように、阪神沿線におきましてなお二、三箇所の組合警察ができるように話が進んでおるようであります。それから愛媛縣で角野町、中荻町、泉川町、これが一つの組合になり、佐賀で有田町、北有田町、これが一つ、京都で宇治町と東宇治町、これが一つの組合をつくる。大体こういうふうな状況になつております。
○小暮委員 御説明によりましてたいへんよく了承できましたが、ただいまお話の中にありました町村で、組合をつくつて発足しているものの將來の見透しはどんなものでありますか、非常にぐあいよくいきそうかどうか、その点についてなお一應承つておきたいと思います。
○久山政府委員 將來これが非常にうまくいきますかどうですか、そこまではまだ見透しをつけるような実績が、実際わかつておらぬのでありますが、千葉で行徳、南行徳、浦安という三つの組合を始めました町村につきましては、万事が非常によくいきまして、実に理想的な組合警察の一つじやないかと思われるぐらいに、非常によくいつておりまして、むしろ警察を中心にして、その三つの町がほんとうに一つの町のようなかつこうに、氣持よくやつているというような状況が見られるのであります。從いまして警察を中心にして、一つの組合町村ができるということから、非常にうまくまいりますれば、その町村が警察を中心にして、ほんとうに融和し協力して、近隣相携えて、その他の事務につきましても、氣持よくいくというようなことになろうと考えるのでありまして、大体こういつたような町村の組合でいこうというような一つの場所は、地域的にも、考え方の上におきましても、一体的にいきたいというようなことでありますので、大体これはうまくいくじやないかというふうに考えておりますけれども、これはいましばらく実施の状況を見た上でないと、的確なる予想もできないと思いますが、今までのところ、少くとも千葉のごときは、十一月の終りから発足いたしておるのでありますが、非常によくいつておるようであります。
○松野委員 ただいまの自治体警察のことについて一言御質問いたします。
 この自治体警察をただいまのお話のように、返上をする町村が出てきたということは、自治体警察の経費の説明の点において、説明が非常に不徹底でなかつたかを私は憂慮するものであります。私たち委員会のときに、この点については、たしか政府委員の説明では、地方自治予算の確立後という説明を私は記憶いたしておりますが、ただいま地方に行つてみますと、往々にしてある警察署長あたりの不徹底な説明警察が自治体的経費をもつというような漠然たる説明で、この地方財政がどの程度に改革されるかということが決定されておらない間において、あやふやな警察署長の説明が、非常に大きな不安を與えておるように感ずるのであります。この点について、これは当然中央の監督官廳たるあなた方がもつと徹底した説明を警察署長、あるいは警察部長にされなかつたので、かくのごとき返上する町村が多く出てきたのだと思います。この点について非常に心配しております。またこれは別の問題でありますが、五千以上の村において設置を希望したというが、大体あの警察法の説明のときには、さしあたり村には及ぼさない、村ではこの自治体警察の発足はできないというような説明を、私は聽いたけれども、ただいま逆に設置の希望の町村が出てきたのかどうか。
 もう一つは、別の話でありますが、これは全國的かあるいは各地方的なことか知りませんが、私は今度二、三の地方をまわりまして、各府縣において見た例でございますが、ある縣においては、公然と市街地においては、ばくち場を公設しておる。もちろん屋台ならば別でありますが、店舗を張つて、あたかも常設場のごとく行つておる節がある。殊にこれが目抜きの場所、市内に二十数箇所、あるいは四十数箇所という多数のばくち場を、堂々と店舗を張つておる市街があるが、はたして監督官廳はこれを御存じか。黙認され、ておるのか。あるいは取締りをいかなる方法によつて徹底されておるのか。これは大きな犯罪の問題もあり、殊にこれは税金もかかりますまいし、百害あつて一利なし。大いに憂慮いたしておりますが、この点御存じか。あるいはどういう方法によつてやられる御方針か。私はこれを國籍をとやかく申すのではありません。もちろん私たち日本の警察の限界のものを対象にして申し上げたのですが、この点についてお伺いいたします。
○久山政府委員 財政的な方面のことを心配いたしまして、いろいろ問題がありましたことにつきましては、ただいまお話のように、確かにはつきり徹底していなかつた点もあると思うのであります。しかしながらこの六・三制以來政府がそういうことをやると申しましても、予算の関係で金がとれないので現実に非常に困つておるという実情からいたしまして、新しい警察をもつにつきましては、もちろん町村財政が確立するまでは、現在のように府縣と國がもつのである。さらにそれかおそらく四月になりますか七月になりますか、早い機会にできれば四月頃に新しくそれぞれの自治体が財源をもつて、みずからの負担において自治体警察をもてるようにするというようなことで、説明はいたしておるのでありますけれども、何といたしましても、現状が非常に苦しいというところから、いろいろ心配をいたしまして、でき得れば今までのような状態で、新しい警察をもたずにいきたいというようなことを考えるのはもちろんでありまして、確かに説明の不十分、不徹底の点もあろうと思うのでありますが、また、つくる町村といたしまして、そういうように心配されるのも、もつともな事情もあるのでありますが、なおその点につきましては誤解のないように、十分徹底していただくように一層努力したいと思います。これは村で積極的に希望したというわけではありませんが、そういう市街地区町村にあたりますところは、法律によりましてもまたなくてはならぬのでありまして、そういうことで自治体警察をおくということにきまりました村が九十七ございます。
 最後の賭博の問題につきましては、実は私どもといたしましては、これは最近千葉縣で、殊に中山の競馬場を中心にいたしまして、非常に悪質な賭博が公然とその競馬の都度行われておりますので、これに対して相当嚴重なる取締りを加えておるのでありまして、それを一つの実例と申しますか、機会といたしまして、全國的な、特に賭博の公然と行われる、またこれが非常に悪質化しておるという現状につきましては、相当強い警告を全國に発しまして、こういつたような風潮が漸次公然化せんとする傾向に対しましては、嚴重なる取締りを加えるというように方針を示しておるのでありまして、ただいまお話の点につきましては、具体的に存じませんが、そういうことはできるだけ取締つていきたいという考えでおるのであります。
○松野委員 ただいまの自治体警察の問題は、なお私たちこれこれの予算、これこれの財源を地方に與える予定であるとか、あるいは確固たる財源の方針を説明していただかないと、この自治体警察の経費の点について不安を感じておると思うのであります。いわゆる地方財政委員会と合同して、これだけの財源を與える予定であるということを説明していただかないと、ただいまの説明では不満であると考えます。
 また、ばくちの問題でありますが、これは縣会で問題になり、ときのその衛に当る警察部長が、実は年末までを限つて許可しておるのだというふうなことを、報告いたしておる府縣がある。これは先ほどの説明のように、警察が取締るという意味ではない、ある期間を限つて許可しておると説明しておる警察部長がおるように、私は新聞で拜聽いたしております。かくのごとき説明であると私は申したのであります。警察が取締ろうと思つても取締り得ないものを、なおこれをどうしろという意味ではありません。ある程度黙認しておるというのは、あなた方取締官聽がいかなることをなさつておるか。殊に警察官の官紀の粛正というのは、非常な國民の世論の中心でありまして、こういうことを言われるならば、今後どういうふうに取締られるか、あるいはあなた方の威令が行われないのではないかと、私は非常な不安を感ずるものであります。
○坂東委員長 本件に関しましてこの際発言を許可いたします。――ございませんか。
 それでは次に移る前に、日程追加のお諮りをいたします。ここに地方財政委員会の事務局長荻田保氏がおられますから、財政委員会の発足状況を承ることを日程に追加するに御異議ありませんか。
○松谷委員 一應問題が終つてから質問して、たいへん失礼でありますが、ただいまの自治体警察と國家警察について簡單に御質問してよろしゆうございますか。
○坂東委員長 どうぞ。
○松谷委員 ただいまの御説明によつて、自治体警察を返上したいという具体的の意見が出たということを承じましたが、私は二、三の地方をまわりまして、これとは逆の現象を実は聞き及んだのであります。それは、自治体警察は、その自治体の経済的面、あるいは自治体の発展という点について、非常に効果をあげてくれるであろうと思われる、そのために、むしろじやまになるのは國家警察の存在だ、この國家警察を返上したい、むしろ自治体警察だけでやつていきたいというような意見が出ておりましたが、こういう陳情なり、あるいは具体的な中央に対する意見発表というものが、すでにあつたかどうか。そういうことを承りたいと思います。なおこれに対して、もちろん法規が嚴然として決定をなしておりますが、当局はこれに対してどういう取扱い、あるいはどういう処置をとられるお考えであるかを承りたいと思います。
○久山政府委員 ただいま財政的な面から、自治体警察をおきたくないというような町村につきまして、話が出たわけでありますが、もちろん、積極的にぜひ自治体警察をもちたい、そうして自治体警察によつて、ほんとうに民主的な警察をつくつていきたいというような町村側の意見もあるのであります、しかし今お話がありましたように、だから國家警察というものはむしろなくていい、そういうものは要らない、全部自治体警察でいきたいというような意見は、私どもまだ聞いておりません。從いまして、それに対しましてどういうふうに将來考えるかというようなことも、実は今考えをもつておりません。
○坂東委員長 ほかに御意見あるいは参質疑がありませんか。
    ―――――――――――――
○坂東委員長 それでは第二に移ります。最近の凶悪犯罪に関する件を議題といたします。
○川橋委員 敗戰後における國民思想の混迷、あるいは生活の不安定が温床となりまして、強盗、殺人、放火等の凶悪犯が全國で頻発いたしておりましたが、当局の努力によつて昨年末檢挙率が非常に上昇して、ややそういう方面の心配が薄らいでまいりましたことは、当時委員会で私からそういつたことを申し上げたのであります。ところが最近に例の帝國銀行支店の毒殺事件、殊に本日の読賣新聞によりますと、愛知縣の蒲郡町で白晝百八十四万円を奪う、拳銃四人組強盗。また、女もまじる列車強盗、東北線で百五十名が客を襲う。こういつたような記事が出ておりまして、國民に対して非常に大なる衝撃を與えております。また連合國方面に対しましても、まことに面目ない次第でありまして、日本の再建の前途に鑑みまして、國民がこの問題につきましては、非常に遺憾に感ずる次第であります。こういう点に対しまして二、三当局の所信をお伺いしたいのでございます。およそ犯罪は、世相がいろいろな犯罪を構成するような要素をなしておりまして、当局としましては、絶えず世相に十分注意しまして、こういつたような凶惡犯罪の予防、警戒等に十分力を盡さなければならないことは言をまたないのであります。そこで私のお伺いしたいことは、こういつた超凶惡犯が頻発いたしますることは、最近における檢察当局の綱紀の弛緩というようなことが原因となるとも聞いております。あるいはまた、人員等の方面から檢挙率が低下している、あるいは予防警戒等に対しましても、そういう点からいろいろな惡影を與えておる。こういう点について、忌憚なく当局のお考えを、この際発表していただきたいと思います。なお引続きましてそういうお話に基いて、さらにお伺いいたしたいと思います。
○久山政府委員 一般的な犯罪の傾向といたしましては、凶惡な犯罪はやはり数が滅らないのでありまして、徐々に数としてはやはり殖えてまいるという傾向にあるのでありまして、ただこれに対しまして、警察がどれだけを檢挙することができたかという点につきまして、二十三年から二十に年にかけまして、特に昨年は、いろいろ特別の全國的な一齊捜査の期間をつくつてやつてまいりました結果、その檢挙の率は非常によくなつてまいつておるのでありまして、殊に昨年の十月のごとく、全図的に相当一軒的な取締りをやりました場合におきましては、一〇〇%を超す以上の檢挙率を見せておるような状況でありますが、昨年の暮ごろから、また少し檢挙の率が落ちてくるというようなことで、なかなか思うように完全なる檢挙ということが困難なのでありますが、しかしこれは昨年以來、傾向としては非常に成績が上つてきておるのであります。
 ただ集團的な兇惡犯罪、大体五人以上の者が組んで行いまする強盗、竊盗というものは、非常に減少を來しておるのであります。月々この数は減つてまいりまして、昨年の下半期におきましては、一昨年の同じ月に比べて、大体三分の一ぐらいに発生件数が減つてまいつておるのであります、これは一つの傾向として、非常に喜ばしいことだと考えるのであります。
 お話のような、こういう世相と申しますか、社会情勢のもとにおきまして、こういう凶惡な犯罪が容易にあとを断たないということは、まことに残念でありまするが、これもまた一つの時代の世相の現われでありまして、われわれいかにしてこれを予防し、檢挙するかということに非常な苦心をいたしておるのであります。もちろん、警察官の数の問題につきましても手不足でありますので、これが今回増員をいたしまして、六月一ぱいまでに三万人の増員を実施する意気込みで、目下全國的に大募集をいたしておるのであります。何と申しましても警察官の数がある程度殖えますことが、こういうものに対する警察力として一つの有力なものであることは申すまでもないのであります。
 さらに專門的な刑事の養成なり、増員ということが同時に必要なのでありまして、ただいまお話になりましたような事件に、直接それが原因として影響しておるかどうかわかりませんが、千葉縣あたりの実情によりますと、やはり今まで一つであつたものが、自治体に分散いたしました結果、刑事の配置が一人々々といろふうに非常に小さく、少数の者が多数に分散する。そうしてある事件に向つて、縣下の全力をあげてそれに集中するというようなことが、今までよりも新しい制度においてはできにくいということは当然であります。從つてそれぞれの自治体と申しまするか、分散いたしました警察の單位において、いま少しく刑事警察の人員を増加する。そういう專門家を養成するという点において、ここしばらくこの過渡期において、ある程度そういう面におきまする手薄と、いうことは、これもやむを得ない過渡的な現象でありまして、できるだけ早く、それぞれの單位の警察におきまして、優秀なる刑事警察官を養成することが、一つの問題であろうと考えるのであります。今回の増員を機会に、そういう方面に一層力を盡したい。かように考えております。大体私どもはそういうふうなことで、何とか早くこういうものに対する警察の陣容を整備し、その中でも特に刑事警察の振興のために特別の教養訓練をいたす、かようなことを現在考えております。
○川橋委員 こういう銀行員の毒殺事件のごときは、まつたく日本の國の犯罪史上未曽有の大兇惡犯であります。今後犯罪のいき方がだんだん巧妙になり、非常に進歩するということに対し、そういう態勢に順應していくことか重要な問題と考えております。申すまでもなく、新警察法は中央集権の警察を排除いたしまして、國民の協力的な警察になるのであります。こういつた犯罪はわれわれ國民生活を脅威するものであり、國民の共同の敵である。こういう問題に対しましては、警察の陣容の完備をはかることが先決問題であります。この國民共同の敵に対しては、新警察法の精神に基いて、國民が協力して檢挙に当ることが必要と考えております。新警察法は実施前でありますけれども、この精神に則つて、こういう際には当局も進んで、全都民に対し協力を求める態度になぜ出ないか。当局談として新聞に二、三掲載せられましたが、むしろ積極的にそういうことを都民に要望する。また新聞に載つております列車強盗のごときも、犯人はその方面の駅からバラバラに乗つたような形勢があると書いておりますが、こういう点にも十分に注意されまして、國民に協力を求めることが、新警察法の精神であると私は考えるのであります。今後こういう事件のときには、電波線をもつておりますから、ただちに全國的にいろいろな手段で、こういう犯罪が起るかも知れないと通知して、これに対してはやはり全國民に協力を要望する態度が緊要であると考えます。またいろいろ新聞にこういう問題が報道されておりますが、これほ國民の科学に対する知識が足りない、個人的に、集團的にこういうことに対する書成が足りないという論評を聞くのであります。これもまつたくその通りだと思います。こういう点についても、当局は國民に協力を求める立場から、十分こういう点についての示唆を國民に與えることが緊要であると私は考えるのであります。
 なお最近火災の方面を見ましても、この間警視廳の消防課で聽きますと、昨年の東京都内における件数はやや低下しておるという、非常に結構な現象だと思います。ところが最近、あるいは商大の寮が焼け、昨日の新聞によりますと京都の三高の寮が焼けておる。そういつた火災が頻発しております。これに対しても当局は、こういう現象を十分察知されまして、各方面に対して予防警戒の警告を出すことが必要と考えております。
 要するに新警察法の精神を活かして、こういう國民の生存に大なる脅威を與える兇惡犯に対しまして、國民こ ぞつて警察に協力して、こういつた犯罪の檢挙を促進することが必要と考えております。まつたく今度の毒殺事件は眞に國民に対して大なる衝激を與えております。この犯罪はいわゆる草の根をわけても、一日も早く檢挙して、都民あるいは國民を安心させなければいけない。私はこの委員会といた しまして当局に対し、こういつた見地から、この犯罪の檢挙に精進していただきたいことを要望いたしまして、質問を終ります。
○外崎委員 最近のこういうような事件に対して、今の警保局長の意見では人員が足りない、いずれ人員を整備してということでありますが、人員の話ばかりいつの議会でも出るのでありますが、このたびの集團強盗のような場合には、列車には警乗警察官が乗つておる。途中でそういう事件が起きたときには、すぐ次の縣の警察の方に無線電信で手配をするとか、あるいは何か電話ででも、早速報告するとかいうような設備をする考えはないですか。それから乗物――自動車、オートバイ、そういうものの完備がしてあるかないか。そうして今後こういう事件があるたびごとに、一刻を争う場合であるから、消防自動車などは消防の関係上非常に整備しておるらしいけれども、各縣の地方の警察へ行つてみますと、自動車もオートバイもなければ自輔車もない始末です。その縣内における警察の電話というものは、どこの縣へ行つてもはなはだ不備極まるものである。これに対して今までの内務省方面ではなんら考慮してない。縣あたりの予算を見ても、いつも電話が破損してもこれを復旧する金がないという始末であつて、こういうぐあいであつては、いかに人員を整備しても、通信あるいは乗物というようなものに対する考えをもつていなければ、一層こういう事態が起きてくれば、われわれが不安をもたなければならぬ。こういうことに対するあなたの方の考えは、どういうお考えをもつているか、それをお聽きしたいと思います。
○久山政府委員 ただいまお話のように、自動車とか通信施設というふうなものが、実は警察の働きの相当大きな部分を占める。そういうものが完備しておれば迅速に事前手配もできましようし、事後の捜査におきましても非常に便利であるということはお話の通りでありまして、私ども從來からその点につきましては、及ばずながら努力を続けてまいつておるのであります。自動車等につきましては、司令部の方からの特別の計らいをもちまして、相当数の自動車の譲渡を受けまして、現在ではそう全國の警察に行き渡るほどはもちろんないでありましようが、少し大きな所には大体自動車が配置されるという程度に自動車の壤渡を受けたのであります。この点につきましてはさらに、現在相当数の要求を司令部の方にお願いいたしておるのでありまして、向うでもいろいろ好意をもつて考えていただいておるのであります。通信施設につきましてもまつたくお話のように、まだ施設のできてない駐在所なども多数あるのでありまして、また線は続いておりましても非常に故障が起きやすく、その後修理復旧がなかなか資材の関係で思うようにまいらないのでありますけれども、これもまた司令部側の特別の好意をもちまして、警察の通信施設につきましては特に優先して資材の割当を受けておるのでありまして、幹線から順次これの修理復旧に努力をいたしておるのでありますが、現実にはなお不十分であり、不満足な点はもちろん多いのでありまして、これはお話のように、今後殊にこの新しい制度の警察によりましては、こういう通信連絡というふうなことが非常に大きな要素になつてまいりますので、その点は今後とも一層努力を続けまして、通信の完備、輸送力の充実という点につきましては努力をいたしたい、かように考えます。
○外崎委員 御説明を伺つて非常に感謝しております。しかしそれは長年努力をしてこられたけれども、ほとんどできてない。東京都のごときは、警視廳には何台も自動車があるかもしれませんけれども、地方に行つてみますと、ほとんど自動車などはない。そこで地方では警察署が主になつて寄附を仰いで自動車を買つた。自動車は買つたが、今度はガソリンがない。ガソリンがないために非常な苦労をして、ガソリンをあつちの役所、こつちの役所ともらつて歩くというような始末。ようやくにして手にはいると物見遊山に使つて歩いて、いざという場合にはほとんど用をなさない。自動車を買つておつても部分品の準備もなければ、修繕もできない。こういう状態にあるうちに今度自治体警察ができて、小さな町村で五人や十人の巡査をもつておつても、これに対する連絡設備をどういうふうにとつて一般を護るのであるか、この点をひとつ明確にお伺いしたい。
○久山政府委員 お話のように不十分な点が多いのでありまして、それはただいま申し上げましたように、今後一層努力をするということで御了承願いたいのであります。從來たとえば一人の駐在でありましたところへ、五人なり八人なりの警察官が参つて新しい自治体警察ができる場合に、現在住宅問題が一番困つておるのであります。この住宅施設等がうまくまいりません関係上、非常の事態の場合に、すぐ警察官が集まるということができない点が現実の事態として一番困つておる問題の一つでありまして、これをなんとか自治体の方で御工夫願いまして、まずその管内に警察官が居住をすもということを、少くとも最小限度の要求としていたしたい。つまり新しくできました自治体警察の署に電話がないということでは、とうてい警察としての機能が果せないのでありまして、そういう警察署につきましては特別な計らいで、なんとか電話だけで他の署なり本部なりに通ずるように特別の工夫をすると同時に、自治体として警察官は少くとも、その自治体の所在地に住いがきるように住宅の問題の心配を願う。こういうふうなことで、それぞれやつておるわけであります。大体そういう方針で考慮をいたしたいと考えます。
○外崎委員 御考慮と御努力はいつでも承るのであるけれども、しからば日本全國に対する今後の通信の方法を、どういう予算を組んでどういう設備をするか、現在計画があるか。もう一つは、すべての乗物、自動車はなくとも、オートバイ、自輔車は配置の準備があるか。もう一つは、自治体の警察官にはピストルをもたせるかもたせないか、やはり棒一本もたしてやるのか。いわゆる集團強盗の出てくるような世の中ですから、そういう場合には連絡がとれないのがあたりまえですから、これからできるものに対しては、政府は相当な考慮を拂つていただかねばならぬ。ただ巡査だけを殖やしても問題にならない。今日のような科学の進歩しているとき、巡査よりどろぼうの方が一歩先んじておるから、この場合にどういう方法をとるか。予算の方から御計画を承りたい。
○久山政府委員 通信なり輸送の関係の予算的な將來の関係につきましては、この次の機会に詳細に具体的の計数をもつてお答えいたしたいと思います。もちろん拳銃などは全体として数が非常に足りないのでありまして、まず第一に数を殖やして全部がもてるようにしていただくように交渉いたしておるのでありますが、現在の範囲内においても、もちろん自治体だからもたせないとか、そういうことはないのでありまして、数は少いのでありますが、それは全体として適当に配分するということになるのであります。
○外崎委員 最近の新聞を見ると、巡査がピストルを盗まれたり、酒を飲んで歩いているというようなことが往々にしてあるが、巡査がピストルを盗まれたりなくしたりした場合には、一体警察はどういう責任を負うか、その点についてお聽きじたい。
○久山政府委員 確かにそういつたような事例がありまして、これは非常に中訳ないと思つているのであります。ピストルについては、あるいは自分の勤務中における、あるいは休憩中その他における扱い方について、特にそういうことのないような厳重な処置を、よく通達して教えているのでありますか、確かに素質がよくないような者の中から、そういう不都合なことをしでかす者があるのでありまして、もちろんこれに対しては十分責任を感ずるのであります。素質をよくする、そして一人でもそういう不心得な者の出ないように、できるだけ努力するということで御了承いただきたいと思います。
○外崎委員 けさの新聞を見ると、目白署であつたか、ちよつと忘れましたが、そこの巡査が勤務中に勤務場所を離れて酒を飲まされ、ピストルが見えなくなつた。これに対する罰をどうするかという署長の談として、本人が一生懸命探してそれを見つけてくればそのように、見つけてこなければこないように罰するのだ。そうすると、見えなくなつたピストルはその巡査人に探させておいて、見つけてくれば罰が軽いのか、見つけてこなければ罰が重いのか、こういうようにほとんど一定の方針がないために、巡査がなくしても、巡査をやめれば見逃してそれで済む。こういうことが多くなればピストル強盗が殖えるだけです。そのピストルをだれがもつていつたかわからぬままになるのだが、その罰の方法はどういうふうにするのか、その点を一つ伺いたい。
○久山政府委員 この処罰の問題は具体的な事案について決定してやるわけでありまして、一般的にこうということは別にきまつた方針がありません。すべて警察官に対する懲罰り問題は、大体具体的な事案、本人が最善を盡してやつておつたにかかわらず起きたものか、本人の不心得で起きたものか、あるいは故意にやつたものか、その事情によつて適当な処分をいたしておるわけでありまして、今お話のように、本人だけにそれを探させるとか、責任をもたせるとか、またそれを見つけてくれげ許してやるといつたようなことはないと思います。
○外崎委員 そうすると、巡査にもたしたピストルをなくしたような場合にはどういう罰をやつているのか。ただこれを免官するだけで済ましているのか。それともなくしたら、なくしたというだけで簡單な措置をしているのか。もし巡査が巡査であるからというので、これほど重要な武器をとられても、それが免官だけで済むものであれば、巡査とどろぼうが組んでもできるものである。こういう世相では、われわれは安心できない。これに対する罰則はどういうものを設けるのですか。
○久山政府委員 もちろんその巡査個人に対しては免官を行いますし、その所持しているピストルなり弾丸なり、その様式なり番号なりがわかつておりますので、そういうものは直ちに手配を出しますと同時に、特別な捜査というような状態にはいるわけであります。それ以外に別に罰というものはないわけでありまして、本人に対する行政的な懲戒と、盗まれた拳銃に対する一般的な捜査、この二つを行うわけであります。
○外崎委員 そうすると責任のあるようなないようなものである。そんな簡單なことであれほどの重大な恐るべき武器をもたせておいてよいのか。しかも三回も四回もピストルを盗まれたり、なくしたりしているものを、ただ懲戒処分にすればよい、やめさせればよいのだということでは危險はなはだしいものではないか。これに対して
 もつと重くやる方法はないのですか。
○久山政府委員 そこに具体的な事案として、本人に罪になるような行為があれば罪になりましようけれども、とにかく過失というか、ある程度やむを得ない事情があつて盗まれた場合には、一般の刑法の犯罪に触れない限り、それを犯罪として扱うことは考えておりません。
○坂東委員長 久保田鶴松君
○久保田委員 時間もないので簡單に伺います。新らしい警察については私はまだはつきりわからないのでありますが、経済警察というものは、自治体警察の範囲において行わしめられるのか、あるいは別個に独立されるものであるか。もし自治体警察による経済警察が行われるなら、これは個人の経済を生かすことになると思う。経済警察は今日まで國家の経済を生かすために設けられてきたと思うのでありますが、自治体警察に経済警察が置かれることになりますと、自治体ごとにその自治体の利益を護ることになる。かように考えますが、この点経済警察は別個に独立されるものであるか、あるいは自治体警察と同じように行われるものであるか。これを伺つておきたい。
 もう一つ、兇惡犯罪についてただいまいろいろお話がありました。ある府縣においていろいろ言われておりますが、大体警察部長がその大都市の警察局長になる場合、市内にのみよい警察官を集めてしまう。よい警察官の八割までが市内に集められてしまつて、郡部の方にはあまり素質のよくない警察官ばかりを残している。ある場合においては、拳銃、車に至るまでも市内の方に集つてしまつているようなことを伺うのであります。これがために兇惡犯罪等治安上の問題といたしまして、郡部の方においては非常に困つている問題が相当あるのであります。こういう惡い点は今のうちに直しておかなければならないと考えますので、この点もお伺いしたいのであります。いろいろお伺いしたいことがあるのですが、時間がございませんので、その点だけ伺います。
○久山政府委員 経済警察の問題はいろいろ経過があつたのでありますが、この新しい警察が扱いまする犯罪の予防・鎭圧・檢挙という、この犯罪というものは、経済法令の違反を含むものであるということに法案に出ております通り、それが犯罪であります限りその原因が経済法令の違反による犯罪でありましても、やはりこれは警察の責任として、権限として取締りに当るということに法律がなつておりまして、新らしい制度によります警察におきましても、やはりそれが犯罪として経済におきまする犯罪につきましても、警察がこれを取締をすることになるのであります。しかしお話のように自治体が個々にわかれますので、個々に別個の國家全体を統轄する経済監視廳と申しますか、経済保安廳という國の経済査察制度を全國的に拡充いたしまして、これが経済取締りの根本的な方針を立て、取締の具体的な案を立てる。それに協力すると申しますか、それのある程度分指導を受け、監査を受けながらそれぞれの警察は、やはりそれが犯罪である限り取締りをやるという恰好に大体なると思うのであります。警察自身の責任としては、法律に明確に書かれているのでありますが、全國を通ずる、そして経済取締りの方策を立てる経済監視廳と申しますか、それの組織はおそらく近く法案として出ることになるだろうと思うのであります。
 それから國家警察と自治体警察とのいろいろの関係につきましては、法の附則にも書いてあります通り、まず國家地方警察で必要な、國なり府縣の財産なり施設は警察がこれを充用して、それ以外のもので自治体警察に必要なものを無償で壤渡する、かように法律にも書いてありますので市の方に先に要るだけのものをわけてしまつて、國家警察の方にはほとんど物がいかないというわけ方は、法律の上からも認められないと思いまして、その点につきましては私の方でも通牒を出しまして、全部こちらの承認の上でそういう財産なり、施設の区分はきめるようにいたしているのでありまして、おそらく現実には、現在市の方に重点的に使つているものでありましても、正式に分割いたしまする場合には、やはり國家警察が田舎の方を担当するにしても、その方へ必要なものがまわらないというようなことはないように処置をいたしておるわけであります。人の配置等は本人の希望なども参酌をして、現在の部長が責任をもつて、各公安委員と相談の上にきめたことでありましたようから、おそらく優秀なる人が都市に比較的多く集まるということは、大きな都市であつて人が多かつた場合には、多少そういうような傾向があるかもしれませんが、故意に田舎の方にいい人を集めて警察を弱体化するというふうなことでやつておるのではないと思うのでありますが、そこらもその部長の責任において、本人の希望と公安委員の希望とを参酌した土で配置したことと思うのであります。御心配のような点についでは、さらに実施前におきまして、できるだけそういうことのないようにいたしたいと思うのであります。
○久保田委員 その点について、これは私責任をもつてお話できると思います。そういうことははつきりしております。やつております。八割まではいい警察官を集めておる縣があるのです。そのことはあなたの方にも陳情にまいつておる縣があると私は思います。そういうことは実際にありますから、御注意願いたい。それから郡部の方においては、ある府縣では國家警察に対する署長のとり合いなのです。これはよほど考えてもらわなければ、町民大会とか村民大会というものを開いて、村民町民の総意によつて、あの署長さんに残つてもらいたい、あるいは、あの署長さんはこつちの署長さんになつてもらいたいということでありますならば、いいと思いますけれども、そうでなくして、その地区の四五人のボスが寄つて、あの署長さんは非常にわれわれのために盡してくれた、だからあの人はぜひ私らの方の地区の署長さんになつてもらいたいというようなことを言つて、警察部長などにいろいろ話す。そういう場合に、その人をその地区の署長にするというようなこともあるのです。これは聽かれた場合においては、いやそれはもらいに來たのだ、その土地の有志がやかましく言うてきたから、向うの署長にあれを出したのだというようなお答えがあるかもしれませんが、それは二三の人の、ために便宜をはかつた人であるから、そういう者こそはその地区の署長にやるべからずと私は考える。そういうことも実際において行われておりますから、よく御注意願いたい。いろいろこういうことについてお伺いしたいのですけれども、時間がございませんから……。
○坂東委員長 なお散会前にちよつとお諮りいたしますが、二月二日の月曜日、午前十時にここに集りまして、警視廳の視察をしたいのですが、いかがですか。
    〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
○坂東委員長 それでは希望者の方は申出を願います。
 本日はこれをもつて散会いたします。次会の日程は公報をもつて御通知いたします。
    午後零時五十八分散会