第002回国会 治安及び地方制度委員会 第10号
昭和二十三年二月二十六日(木曜日)
    午前十一時十一分開議
 出席委員
   委員長 坂東幸太郎君
   理事 門司  亮君 理事 矢尾喜三郎君
   理事 中島 茂喜君 理事 川橋豊治郎君
   理事 松野 頼三君 理事 酒井 俊雄君
      菊池 重作君    松谷天光光君
      大澤嘉平治君    佐藤 通吉君
      坂口 主税君    千賀 康治君
      大村 清一君    小暮藤三郎君
      外崎千代吉君
 出席政府委員
        総理廳事務官  久山 秀雄君
 委員外の出席者
        議     員 竹谷源太郎君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 小委員補欠選任の件
 地方財政委員会の運営に関する件
 地方出先官廳整理に関する件
    ―――――――――――――
○坂東委員長 これより治安及び地方制度常任委員会を開会いたしま。
 開会前にちよつと報告事項がございます。それは昨年中北海道総合開発の機構問題につきまして本委員会は、その國策的開発の方針を是認しまして、その機構について片山総理大臣に進言しておいたのでありますが、その後その機構の編成ができませんので、昨年十二月ちようど私が関係方面に行きました時分に、その話がありましていろいろ話合つたところが、しからば委員長の意見をもつてこい、そう言いましたから、私それをつくつてもつていきまして、昨日行つて話合いをしましたところが、それはなるほど委員長の意見はいいが、しかしながら北海道の知事と北海道会議長の意見をも聽き質して、でき得るならば三入の意見を早くまとめてもつてこいということでありました。以上御報告しておきます。
 いま一つは、全國の三万以上の町村につきまして市制の施行が、都道府懸限りでできますことになつたことは御承知の通りでありますが、それにつきまして、先日当委員会においてそのことを審議したのでありますが、それについて地方にはまだ地方自治法が行き渡つておりませんから、その関係條文、すなわち地方自治法の第七條、第八條と、それにまた都道府懸で発布すべき市街的條件に関する條令案文を示しまして、人口二万七千程度以上の町村五十余に送るということにしたい。その点は御承知おきを願うとともに、御承認をお願いいたします。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○坂東委員長 さようにいたします。
 本日の日程は、地方財政委員会の運営に関する件であります。地方財政委員会の運営に関する件につきまして、事財政委員会の方の説明を願います。なお説明と申しまするのは、この間聽きましたら、その中において農林省側が反対する事項がある、並びに大蔵省側が反対する事項がある点につきまして、委員会は十分それを検討して判断しまして、財政委員会の主張がありますれば、それについて十分委員会を進めたい、その意味であります。地方財政委員会委員竹谷源太郎君。
○竹谷源太郎君 ただいま委員長から御質問がありました地方財政委員会で練つておりまする地方財政の自主化に関する方策につきまして、政府部内においても、いろいろな意見が闘わされておるわけでありますが、それらの点について申し上げたいと思います。
 第一に税のことについて申し上げますれば、先般私が御説明申し上げました入場税を全部地方公共團体に委譲すべきである、こういう財政委員会としては意見でございますが、これらにつきましては徴税上の困難というような理由をもちまして、大藏省としては、全部地方税とすることはどうかという意見をもつておるようであります。すなわち入場税の半額ぐらいを國税とし、半分を附加税として地方税でとるか、あるいは全部大蔵省で徴収して、その半額ぐらいを地方へ還付をして、なおまた他の半額についても必要に應じて分與税として考慮してはどうかというような意見もあるようでありまして、これはただいま折衝中でございます。
 それから酒、タバコに消費税を課するという問題であります。これにつきましては御承知のように、酒は酒税を相当高額とつておりますし、タバコにつきましては政府の専賣であります。これになお地方税として消費税を課けるということは、消費者の負担を非常に加重する、これは生計にも重大な影響を及ぼす、こうした理由から、安本並びに物価廳等においてあまり賛成ではございません。しかしながら地方財政委員会の信ずるところによれば、もしこれ以上酒、タバコの税もしくは專賣益金を増大することが、國民の負担の関係から過重にすぎるということであるならば、政府がすでにとつております酒税及びタバコ益金を減じて、その分を地方税に委譲すればいいじやないか、かように考えておるのでありまして、その点は政府が全体のにらみ合いから酒、タバコの税並びに専賣益金を、どの程度におくことが現在の経済情勢において妥当であるかということを決定した上で、そのうちの百分の二十くらいを都道府懸並びに市町村に委譲すべきである、かように地方財政委員会は考えでおるのであります。
 次に鉱産税のことであります。石炭とかその他各種の鉱産に対して、その生産價格に対する百分の何パ一セントというふうに――今は百分の一と考えておりますが、こうした鉱産税を創設いたしたい、そうして鉱産地方における義務教育費なり、あるいは土木費なり、厚生費なり、その他万般の鉱産地方における生産増強のための施設が非常に必要なのであります。従つて鉱産税を課せられても、すでに鉱山は赤字であつて、なかなか税を出す余裕がない、それが自然鉱産物に対する物價高を來すというような関係から、物價廳、商工省等は賛成の意を表しておりませんが、しかしわれわれ地方財政委員として考えるところでは、この鉱業地帯における諸般の施設が完備しでこそ初めて鉱産が大いに増産をせられるのでありまして、この意味におきまして鉱産税をとつて、その代り鉱産地帯におけるあらゆる施設を完備するということが、むしろ鉱産を増産させる結果になる。すなわち鉱産税をとつて大いに施設をすることは、結局再生産になる、こういう観点からあえて差支えないのではないか、そうしてその賦課率も非常に低いのであります。
 そのほか税についてこまかい問題が多少でございますが、重大なことではございませんのでこの程度にいたしまして、経費の方の問題でありますが、自治体警察の初度の各般の物的施設費は、全額國庫で負担すべきであるとわれわれは考えておるのでありますが、これらについては現在通り半額程度にしておきたい、こういうのが大藏省主計局の見解であります。それから災害復旧基金を設けて、そうして災害による地方費の圧迫を排除したいということを考えておることは、先般申し上げた通りであります。大蔵省は現在災害復旧のために基金を設けるというよこな余裕はない、それからまた國庫財政の窮乏の折柄、こうした基金について金を出すということもなかなか難儀である、かような観点からあまり賛成の意を表しておりませんが、しかしながら昭和二十二年度におきまして、二十二年度の災害費を調べてみますと、税収入が分與税を除きまして千百四十五億であります。これに対して政府は四十二億四千七百万円の厖大な災害費を支出しております。なおこれに債務負担行為による費額を入れますならば、もつと増加をいたしまして、結局國税収入の五、六%の災害費を支出しておるのでありまするし、なお地方について申しますれば、昭和二十二年度における地方税の収入総額は二百三十二億程度でありまするが、これに対して災害費が三十八億八千八百万円かかつておる。すなわち地方税収入の一六・七%が災害費であります。なおこのほかに諸経費を入れまして二〇%ばかり災害のために地方は金を使わなければならないという現状であります。なお来年度におきまして、本年度の災害を二十三年度に繰越し施行しなければならない、その費額は國において百五十二億を超えます。なお地方といたしましては、二十三年度の地方税収入見込約七百五十億に対しまして七十一億ばかりであります。約一〇%近い災害復旧費を出さなければならぬ現状でありまして、結局地方公共團体としては、最近二十年間くらいにおける一箇年の平均地方災害費というものは、今数字を当つておりますが、まだ数字全体は出ておりませんが、概観するに、地方税の一〇%くらいはどうしても毎年災害復旧のために注ぎこまなければならぬという現状でございますから、どうせそれだけずつ毎年出すのなら、これを基金として災害に対して地方團体が相互扶助いたしまして、災害に対する地方財政の圧迫を排除いたしたい、こういう方向で進んでおるのでありまして、われわれといたしましては、ぜひかような災害復旧基金制度というようなものを創設する必要を認める次第であります。
 なお地方團体が起債する場合、借りようとしてもなかなか金が借ることのできないことは、皆様よく実情を御承知かと思いますが、この地方財政の金融の円滑化をはかるために、地方國体中央金庫を設けたいということは、先般御説明申し上げた通りであります。これに対しまして大藏省銀行局長はじめ、相当強い反対意見をもつておるのでありますが、その反対意見を聽いてみますのに、大した理由のあるものではありません。あるいは現在の復興金融金庫のように、めちやくちやな放漫赤字財政をやるようでは、非常に地方費の財政赤字が、ひいて國家全体の財政の負担を來たすおそれがあるというようなことを言つておりますが、これは地方團体中央金庫の運営にあたりましては、しつかりした民主的な運営委員会をつくりまして、これでもつて金融に関して現在、殊に経済統制の必要な現在におきまして、妥当、適正なる運営上の統制をしますれば、さような弊害はないのでありまして、なにもあらゆる金融を大蔵省が何でもかでも一手に掌握して、地方自治体にその自主性を守らせ、そうして國家の公益と調和する限度において、地方が自主的に財政を運営するために、地方國体中央金庫を設けるということには、強いて反対する理由はないと私は思うのであります。
 以上、大体数点につきまして、まだ政府部内における意見の一致をみておらぬのでありますが、連日会議等を開きまして、妥結点を見出すべくただいま努力中であるということを申上げる次第であります。
○坂東委員長 ただいまお聽きの通りでありますから、委員会としましても、今の竹谷君の説明に対して質疑、あるいは要望、あるいは忠言、あるいは大いに協力するというような点につきまして、御意見があれば承つておきたいと存じます。
○坂口委員 地方財政の自主化について、地方財政委員会で非常に御努力になつているというお話を聽きまして、各方面にわたつて御研究になつておるように思います。ただ私どもは、内務省が解体されまして、地方財政委員会で、最も地方自主化の中核を衝きますところの地方財政自主化ということにつきまして、短時日の間に同委員会で成案を得られ、また長い間の傳統である中央集権的な財政運営をやつておりましたこの國のやり來りに対しまして、この際これが一大轉換をやるということは、非常に困難なことであると思うのであります。その点につきまして、私は十分同委員会において御奮闘を願いますとともに、また國会としても、これに対しまして十分なるバツクをするという方途に出なくてはならぬと考えるのでございます。竹谷委員からいろいろお伺いしまして、各方面にわたつておるのでございますが、あるいは私が、最初から出ていないためにお聽き違いをしているかもしれぬと思いますが、二三の点についてお伺いいたします。
 いろいろお話を受けました問題につきましては了承いたしますが、一体こういうような方法をとろうというようなことにつきまして、地方財政委員会としては、現在の地方團体のさしあたりの財政上の自主化ということについて、いろいろ羅列されましたものを総合して、これを集約して、およそどれだけの目標をもつて、これだけの財源の不足がある、これに対してこれだけのものを出したいものである、というようにお考えになつているものと想像せられますが、その点をもう少し詳しく、たとえばこの前もお話しになりました、現在國から地方團体に対して助成あるいは補助をいたしておりますものが、およそ三百ほどあるならば、そういうもの、あるいはまたそれを撤廃してこれを自治体にもたせる、あるいはまた國の事務を委任されている、それに対して十分な経費を國から出していない、それを全額出すべきもの、あるいはまた半額に止めるとかいうようなものがあるかもしれませんが、そういうものについて、どれだけというようなことで、そういうものを総体的にみて、およそ現在の地方團体を全体としてみての財政力がどれだけで、これに対して、さしあたりの目標としてどれだけの額の財源というものが必要である、これを國からこういう方法でどれだけすつ委譲する、わけてやる、あるいはまた地方自治体で税その他の方法で収入をはかる、そういう意味のものが、およそおわかりになつておるとも考えられますが、そういう点をお示し願いたいと思います。、
 それから今一番問題になつておる大きな問題の一つは、地方の義務教育に対應する経費であると思うのでありますが、もちろんこれもお考えになつておると思いますが、入場税等の委譲につきましては、お話の通りこれは主として都市化おいて得られる財源でありまして、これをもつて自治体警察の費用とさせるというような考え方は結構と思うのでありますが、これ以外の町村、殊に村落におきましては、その義務教育が急速に実施せられましたために、これに対應するところの対策が立つていないので非常に苦しんでおる。しかも一方國としては、この補助というものが十分できない約束しただけも出せないというようなかつこうになつておる、こういうことに対して至急何か財源を與えるというようなものを、――もちろんこれだけ単独に引き出して、これに対して財源を與えるという考え方はどうかと思いますけれども、さしあたりの必要ということから何かお考えになつておるかどうか、伺いたいと思います。
 それから酒、タバコの消費税といいますか、これは非常におもしろい思い付きであると思うのでありますが、しかしながらこれにつきましては酒、タバコそのものが相当に高くなつて、大衆的にはすでに人氣が悪いというようなかつこうになつておる、もちろんこれは主食等と異り、またあるいは必需品ではないかもしれぬ、しかしながら実際においては、やはりこれは國民の生活必需品という領域に達しておる嗜好品であると思う。従いまして私は、この税源としての力の上からはどうかと思うのでありますが、こういうものに対する消費者税とか、あるいはまた大藏省の反対があるのに、今お話になりましたように、その一部をまわしてもらうとかいうことは結構でありますが、それ以外に、酒につきましては地方團体に醸造権をある程度認めたらどうか、これ國家からとりまして、特に町村において消費するところの酒のある部分を町村に醸造させるというようなことについてお考え願えないか。御承知のごとく、現在のような食糧の不足ということが当分続くとしますと、田舎においては相当米をつぶして酒を密造するというようなこともあるのでありますから、こういうことをなるべく避ける。これは田舎の人が必ずしも悪いのでなくして、酒の配給が働く者に不十分であるということから来ていると思います。これは酒そのものが非常に少いということもありましようが、村落等においては、輸送の関係あるいは容器の関係というようなことが相当大きいと思うのであります。そういう意味から申しましても、大体地方においては米以外の食糧の余剰、たとえば芋等からしようちゆうをつくるというようなことを町村にやらせる、そして町村としては、その村内あるいは、そういう原料を産しない隣接町村にこれをわけてやるとかいうようなことで――もちろんこれは大した財源にならないが、ならぬでも意味があると思いますから、財源という意味でも多少考えていいのじやないかというふうに考えます。こういう点について御研究を願うとか、あるいは御意見を伺いたいと思うのであります。
 それから地方災害復旧資金というものについての構想についてお話があつたと思いますけれども、私まだはつきり了解いたしませんので、これについての構想をお聽きしたいと思います。とりあえずそれだけ伺います。
○竹谷源太郎君 坂口委員の最初の御質問については、いろいろこまかい数字になりますので、詳細は省きますが、たとえば、都道府懸所管の負担区分を是正したり、あるいは都道府懸が從來警察消防費というものをもつておつた分を、國家警察になり、あるいは自治体警察になつて不要になり、また特設消防署を都道府懸で経営しておつたのを、今度は都市の負担となるべき消防に改組になり、あるいは國家公安委員会ができたので、その経費が必要であるとか、あるいは小学校が整備せられ、新制中学校の職員を増すとか、あるいは一方において青年学校の経費が不要になるとか、あるいは國庫補助金を廃止するために財源が必要であるとか、あるいは特に地方債はできるだけこれをやめて、そして一般財源でもつてこれを充当して赤字財政を組まないようにする、しかしながら生産公債及び臨時に多額の経費を要するようなもの以外は、原則として全部從來の地方債でやつたような仕事も一般財源でこれを執行するというようなこと、それぞれ相当経費が増します。その総額は約四百八十億くらいの経費税を來す計算に相なるのであります。この中には従来地方の起債でやつておつた百六十二億、こういうようなものを一般財源に振替える、こういう健全財政をとるために、こうした厖大な額も一般財源で與えなければならぬというようなことから、四百八十億を超えるところの新たな財源が必要なのであります。これに対しまして入場税を委譲しますと百十億、あるいは狩猟免許税の委譲によりまして何がし、事業税を創設することによつて三十数億、鉱産税で何がし、酒、タバコによつて二百四十四億、鉱区税の引上げによりまして若干、あるいは不動産取得税の引上げとか、住民税の増徴とかいうようなことでありますが、一方において分與税を、できるだけ財政調整に必要なる最小限度に止めて減らすというような、いろいろな関係がありますけれども、かような税収入の引上げによりまして、今のわれわれの考えによれば、四百十億くらい得られる見込みであります。そうしますと、やはり財源が四百八十億必要なのに対して、収入増は四百十億でありまするから、まだ約七十億の財源不足を來しておる。このほかに、いろいろな関係から不足見込額が九十億ございまして、結局総計において百六十七億くらい財源の不足を來すというふうに、一應今のところ計算せられるのであります。これらについて全体的なバランスをどうとるかについては、ただいま研究中でございます。なお、こういう所要経費の関係を計算いたしまするにとりました給與のベースは、一應二千七百円といたしましたが、これが二千九百円になり、三千円になりますと、もつと財源が必要に相なつてくるわけでございます。
 それから第二点の自治体警察の費用につきましては、大体入場税でもつて半分以上は賄われると思うのであります。これは大いに役立つと思うのであります。六・二制の完全な実施のためには、何とか校舎施設費等の財源を十分與えなければなりません現状においては、政府は二分の一を府縣に対して補助する方針でございますが、補助單價が時價の半分――まあやみもはいつておるわけでありますが、半分くらいにしかあたらない。経つて実際は四分の一補助程度である。従つて四分の三は地方において一般財源あるいは寄附金、起債等によつて賄わなければならぬ。こういう現状でございます。財政委員会としては、地方財政の実情に鑑みまして、六・三制の実施に要する経費は全額國庫負担で出してやるべきを理想といたすのでございまするが、また一説には、ほんとうにかかる費用の半額を確実に政府がもつならば、どうにかやれるのではないかというような意見もありますが、一應今のところ六、三制に要する費用は全額國庫で負担すべきではないか、かように考えておるのでございます。
 それから酒、たばこ等の消費税に関連をいたしまして、酒の醸造を地方團体にやらせてはどうかという御意見でございまして、初めてそういうような御意見を伺うのでありますが、こうした特殊技能を要する営利的な事業を地方公共團体が経営することが妥当であるかどうか、私ただちに今判断をいたしかねるのであります。なかなかめんどうが起るのではないかと思うのでありますが、一つの示唆として研究をいたしてみたいと思う次第であります。
 第四番目の御質問の、地方災害復旧基金制度の大体の今の案を申し上げまするが、この地方災害復旧基金はこれを法人といたしまして、その基金は約二十億ということにいたしたい。そうして、この業務は地方災害復旧委員会というものをつくりまして、この議決に基いていろいろな業務を行つていく。すなわち災害を受けた地方國体に対して、必要なる復旧資金の供給をする。それから政府並びに地方公共團体の拂込金の受入並びに管理をする。それから設立の目的に反しない限り國庫及び地方公共團体に対する余剰金の運用融通をいたすというようなことを、この地方災害復旧委員会の議決を経てやつていく、こういうことであります。この基金に対しましては、毎年度國家が國税徴収見込額の何パーセントかずつ、及び地方公共團体はまた地方税徴収見込額の何パーセントかを基金に拂込む。それから運用資金に不足を生じます場合には借入金をなすこともできる。それから地方公共團体等において、いろいろな事情からやむを得ず責任拂込額を拂込みできないというような実情にあります場合には、その拂込責任額を軽減したり、あるいは免除する場合もあり得る。それからこの災害復旧基金を支出すべき対象は、第一に國直轄で災害復旧工事をやります際に、地方自治体が分担金を支出するという場合に、その分担金を支出するために基金から出してやる。それから地方公共團体自身が執行するところの災害土木の復旧工事、あるいは災害農業土木の復旧工事、あるいは公共建造物の復旧工事、あるいは懸念救助業、これらのものに対して、災害復旧基金から支出をしてやる次第であります。これを出してもらつたら、今度は返す問題でありまするが、これらは支出を受けだ金額の三分の一以内の限度において、その地方公共團体の財政、災害の状況等をにらみ合わせまして、二十箇年以内に逐次返還させる。これは決して地方公共團体の財政を圧迫しないように、災害復旧委員会において十分検討を加えて返還額をきめ、そして基金に戻してやる。かようなことによりまして、一時きわめて多額の災害を受けた町村の負うべきところの災害復旧費を、この基金によりましてカバーし、そしてこの災害復旧工事が迅速的確に十分なる資金を得て速やかに完成するようにする。そういうような役割をこの基金によつてもたせたいと考えておる次第であります。
 それから先ほど委員長から、農林省等からの意見ということがありましたが、御承知のように國家から地方公共團体には何百項目にわたつて、いろいろな名目で補助金を出しておるのであります。これは先般御説明申し上げましたように、國家的な事業については全額國庫で負担する。それから地方的ではあるが、同時に國家的な事業について地方公共團体が仕事をする場合には、その仕事に應じて國庫補助の比率をきめ、確実に渡す。その他は原則として補助制度をやめて地方團体に別途與えらるべき財源によつて自主的に自由に、地方公共團体がその團体に必要だと思う仕事をぐんぐんやる。かように考えておるのでありまするが、従来の中央集権的な日本のやり方では、殊に経済官廳においては、いろいろな仕事に糸を引いておいて、そうしてこの仕事をやればこれだけ補助をやるということで釣るようなかつこうをして、いろいろな補助事業を実行させて、これははなはだしく地方における自治権の強化に反するのではないか、できるだけそういうものは整理をしていく、自発的にその地方において必要にして有効なる施策をぐんぐん地方團來にやらせる、こういうようにもつていくことを考えておるのであります。これはやはり従来地方團体が十分にやつてくれないというような心配からでありまして、地方團体が積極的に熱意をもつて仕事をやるということになれば、必ずしも経権官廳でも、あくまでも反対するものではないと思う次前であります。
 ただいまは事業に関する補助のことを申し上げたのでありますが、何人置けば同ほど補助するという人につけた補助があります。これらについては、純粋の國家事務については全額國庫でその職員費を負担しますけれども、中には、画家的であり、そして地方的な両方の事務について補助を出す場合には、補助率をちやんときめて、二分の一なら二分の一、定員は何ほどとして、その点一般の事業に対する補助と同じように、ある一定の補助率によつてやつていくということになりますけれども、その内容においては相当職員費に対する補助をしている官廳との連絡があつて、その円滑性を害しない程度において、職員の國庫補助関係も整理いたしたい、かように考えておる次第であります。
○松野委員 前委員会以来、まことに詳細に御熱心なる名説明、名講演、あるいは名演説を拝聽しましたが、一、二の点について少し私の意見を申し上げたいと思います。
 先ほどお話の中の、健全財政を主体とする、地方債はあまり考えないというお話は、まことに結構なお話でございます。これは國家財政といたしましても、昨年の大藏大臣の財政方針の演説の中に、健全財政という言葉をうたわれましたし、またこのたび内閣ができますが、また健全財政を主体とするという言葉がきつと出てくるだろうと思います。もちろん結構なことと思いますが、地大財政においてはただいまのお話のように、これたけの財源を與えてもなお百十億の不足があるということを、数字の上で拝聽いたしました。そうすると、地方における健全財政は空文に終りはしないかということを心配するのであります。
 第二点といたしまして、入場税を今度の警察費に充てる、大体百十億で、半額だからこれでよかろうとおつしやいますが、地方においては半額の負担において非常に脅威を感じている。殊に都市別において全國的に見て、入場税が半分になる所もあるかもしれないが、十分の一にしかならぬ所もあるだろうと思います。これに対してどういう処置をするか。全額得ても半額である。しからばその半額をどういう財源を與えられるかということを早く明示しないために、地方において警察制度が発足しているし、関心が深い。半額だからよろしいというお言葉があつたが、私はこれでは下足だ。入場税だけでは半額だから、何をもつて充てられるということを早く明示していただかないと、折角の警察制度の発足があるいは崩壊の前提に導かれるかも知れないと思うのであります。
 第三点は酒、タバコの件でありますが、酒、タバコは実を申しますと、大都会をもつている懸においては相当の消費量があり、財源として考えられるけれども、農村を主体とする地方においては私はあまり期待できない。なぜならば、現在の酒、ピースの値段でさえもすでに購賣力がない。この上になおかつ前の説明によると約二割の消費税をかけるとおつしやいますが、これ以上二割をかけたならば、農村を主体とする地方においてはほとんど財源としての実をあげられないのではないかと思います。先ほど坂口委員から醸造を認めるとおつしやいますが、私は同感であります。地方團体に醸造を認めることはどうかとおつしやいますが、それは研究の不足ではないかと思います。と申しますのは、各農村においても漁村においても、企業整備以前の醸造業として酒造家は、大体全國を充し得るだけの醸造能力をもつていたのでありますから、その能力を生かしていきますれば、あらためて地方團体に醸造を認める必要なく、その企業整備以前の酒屋の復活、これはほとんど全國的に希異が出ておりますから、この復活を認めるとともに、これを財源として把握されるならば、確実なる財源が得られると信ずるのであります。この点は特に御研究を願いたい。私の記憶では、ほとんど全國的に企業整備以前の酒屋の醸造の再確認の申請が出ていると記憶しております。
 もう一つ、あるいはこれはまだ御調査になつておられないかもしれませんが、相当なこれだけの財源を與えても、地方別に財源の收入にでこぼこが非常に多いのではないか。極端に言えば、北海道、東京、山梨、あるいは長崎という地方を一つの例にとつてみましても、これだけの財源を與えても非常な大きなでこぼこがある。これをどうやつて是正されるか。將來においては分與税をなるべく最小限度に食い止められるならば、地方別のでこぼこを何によつてならされるかという点においても、数字的にはつきりした基礎の上に対策を練つていただきたい。
 以上の諸点を希望とともに、私の意見を申し述べておきます。
○竹谷源太郎君 ただいまの御質問にお答えいたします。財源が百十何億不足して健全財政を脅威するじやないかという御意見、まことに御心配になる通りであります。ただ私今申し上げましたのは、新たに財源として必要なもの、並びにこれに対して充当すべき税収入等についての、大まかな今までの計算を申し上げたいのでありまして、このほかに地方財政の合理化等によりまして、できるだけ経費の節約をはかり、あるいは不要の事業はこれを切捨てるとか、整理節約の面についてはまだ諮つておりません。一應全体的なことを考えまして、次に整理節約、あるいは今までの仕事も少い経費でより一層の効果をあげるように考えるとか、そういう点については、もちろん各地方自治團体が熱意をもつてやつてもらわなければ、とうてい財源の不足した今日、また國民に対してこれ以上負担を多くするということは、なかなか困難な情勢にありますので、どうしても地方財源の合理化による財源の捻出、あるいは支出を節約するという方向に向わなければならないと思うのであります。御承知のように都道府懸、市町村、全國くまなく一万何千という地方自治團体がありますので、これはそれぞれ大は東京、大阪、小は何百戸という小さな村まではいつております。この地方公共團体を一括して研究をいたすのでありますから、非常に難事でございます。統計も出てきません。一つの統計を集めようといたしましても、一万以上の公共團体の資料を集めなければなりませんし、それぞれ地方によつて非常に財源の関係、あるいは支出の関係が異なりますので、非常に困難なことでありますが、できるだけそうした各地方自治團体にマツチするように立案をいたしたい。せつかくただいま勉強中でございます。
 警察費に充当するというだけではありませんが、大いにこれは見合いになる歳入として、入場税を考えておるのでありますが、これはお説のごとく非常にたくさんはいる所もあり、また自治体警察であつても映画館のないというような地方もありますので、この点のでこぼこは非常に大きいと思います。これはもちろん調整をいたさなければなりません。これがために、地方分與税制度を將來配付税とするか、あるいは財政調整税とするか、名前につきましては検討中でありますが、こういう財政調整制度は、現下の日本の地方公共團体の財政のでこぼごの現状からは、どうしてもこれは調整しなければならぬ。従つてその必要な限度において地方分興税制度を存置していこうという考えであります。これらによりまして警察費の財源に充つべき歳入のでこぼこを是正しなければならぬ、ぜひそうするように案をつくりたいと考えている次第でございます。
 それから酒の醸造に関しましては、なおよくお説を伺いまして研究をいたしていきたいと思います。
 最後に地方公共團体の財源の非常なでこぼこの多い点を御指摘になりましたが、まつたく御説の通りでございます。一万以上の地方公共團体について、それぞれうまく適合するような地方財政制度をつくらなければなりませんので、なかなか難儀なことでございますが、これはできるだけ各地方公共團体にうまくいくような財政制度をつくりたいのでありますが、とうていそれだけでまいりませんので、先に警察費について申し上げたと同じような意味で財政調整の制度によりまして、この財源のでこぼこを是正をしていく、こういう方向で研究をしている次第でございます。
○松野委員 もう一点申し忘れましたが、それはこの前の説明かと思いますが、インフレに即應したる財源を考慮中――現在のインフレに即應して、日々刻々の伸張に相應じて財源が求められるならば、はなはだ地方財源としては即効薬のように拝聽いたしましたが、具体的にどういうものがあるかということを御説明を願いたい。
 それからこの前の説明の中に――本日の説明にもありましたが、生産的なものに財源を注ぎ込む、なるべく消費的なものには財政を収縮するというような御説に拝聽いたしましたがそうすると差当り現在の地方財政では、ほとんどその日暮しの人件費さえも月々の未拂いが翌月に繰越すというような現在の困窮のときに、はたして生産的な方面にまで振当てる財源あるいは税收入があるかということを、ひとつ具体的に御説明願いたい。
 それから重ねてお伺いいたしますが、先ほどの警察費の維持費は、入場税のほかにいかなる財源をこれに充当されるかということをはつきり御説明願いたい。以上三点をお尋ねして私の質問を終ります。
○竹谷源太郎君 インフレに應じて税収が上るまうな財源といたしましては、入場税、酒、タバコ消費税、そういうようなものを考えておる次第でございまして、これは相当インフレの高進において税収が上つていく財源ではないか、かように考えておる次第でございます。
 なお生産事業にはどんどん金を出すということは、私説明を申し上げるときに、はなはだ言葉が足らなかつたためと思いますが、私の申し上げた生産業というのは、地方公共團体の起債は、生産事業もしくは臨時に多額に要する経費のために、やむを得ないものについてのみ起債を認める。その他の一般事業については一般財源をもつてこれに充当する、起債はこれを認めない、こういうふうに申し上げたのでございます。
 それから警察費に充当すべき財源についてでありますが、どの財源はどの分だというような、そういう定めではございませんで、歳入全体でもつて歳出に充てるわけでございますから、入場税を警察費にまず充当して、足らない分については、よそからとるというようなわくにきちんときめてやつているわけではございません。ただ自治体警察の置かれるような都市には、従來も入場税が豊富にはいり、國家地方警察の置かれるような町村には、ほとんど入場税というものを見込むことができない、こういう現状から、まず自治体警察の財源として入場粉はうまくマツチするのではないかと考えている次第でございます。
 なお、その他に必要な経費につきましては、いろいろ簡單に先ほど申し上げましたが、事業税をとる、あるいは鉱産税をとる、あるいは不動産取得税の引上げとか、住民税の所得税式な現在の負担分任制度による人頭式的のものでなくて、所得に相当をするような軽度の所得税のような形式と累進的にいくような住民税に変えよう、こういうことで、いろいろ税収があがつてまいります。それらをもつて充当いたすのでございまして、数字につきましては、これは数字をあたらなければ税制なんというものは無意味になるのでございまして、せつかくただいま集計中でございますが、正確にまだ御報告するまでに至つておらないことを非常に残念に思います。できるだけ早くまとめましてごらんに供ずるようにいたしたいと思いますので、よろしく御了承をお願い申し上げます。
○門司委員 これは非常に簡単なことで、できるかできないかわからないと思いますが、今までの大体の御意見を伺いますると、いろいろ大衆課税にひとしいものが生み出されないでもないのでありまして、この際一般大衆の担税力というものが非常に弱まつておりまして、今日の勤労階級の担税力というものが相当あてにならないような状態にあり、さらにこれをとろうとすれば、さらに苛斂誅求が行われなければならぬということに相なるかと思いますので、これは一應御相談でありますが、財政委員会においては現在の國税に対する地方税の附加率が大体一律一体に百分のいくらというようにきめられておりますが、これを累進的にとつてよいというような方法に改めるような御意思があるかないかということ、いわゆる本税に、たとえば何万円以上の所得税を納めるものに対しては、現在の機構においては何万円であつても、何千円であつても、百分のいくらという課税をいたしておりますが、これをよけい納める者についてはいくらの累進税で地方税をかけてよいというお考えなのかどうか、ちよつとお聽きしたい。
○竹谷源太郎君 実は地方財政委員会において、地方團体に財源を求めます場合において、どうしても重要な財源は申すまでもなく税収入でございます。この税の國民負担能力というものは、まつたくお説のごどく最高限度に達していると思います。極限に近いものと思います。これ以上國税のほかに地方税をいろいろな財源を探して、その税収入で賄おうといたしますと、自然國民の担税力の限度を超えることになりはしないか、非常にこの点は苦心をいたした次第でございます。そこで、國家財政も御承知のごとく非常に困難である。その困難な國家財政から、國税を地方税に割譲してもらうなどということは、國家財政上も非常に困ります。といつて委譲を受けないと、新たに地方税を創設いたしたならば、納めるのは同じ國民である、國民の所得から納めますれば、國民総所得は変らない、変らないが、地方で税源をあされば、それだけ國民はますます現在の、國民総所得の三分の一近くに、いろいろ國家財政上、税金その他の名目で國民から吸収しなければならぬ。三分の一くらいは國家は地方財政でとりあげておる形でありまして、この上に地方に新たに財源として新たな税目、あるいは新たな税率を引かなければならぬということになりますと、これはとても國民生活に非常な圧迫を受けまして、事態はきわめて困つた状況になる。こういつた観点から、われわれといたしましては、乏しい國家の財源から地方へ税を委譲していかなければならぬということで、入場税あるいは酒、タバコの消費税、こういうようなものは、もし負担能力が國民になければ、國家収入を減して地方の消費税にまわすというようなこともしなければならぬ。かように考えておる次第でございますので、いろいろ妥当適性なる税源をあさつたのでございますが、こまごましたものはたくさんございましても、それはもうほとんど厖大な地方財政の財源としては目薬にもならないような税額でございまして、結局大きなものは、國家から委譲を受けます入場税あるいは酒、タバコ消費税、そして住民税も相当重くなつておりますけれども、これを今の人頭式ではなくして、所得税的な住民税にかえる。あるいは農業、水産業、林業というような原始産業及び医者、弁護士のごとき自由業、こうした業種に対しては從來営業税と申しますか、業税と申しますか、そういうようなものは全然課税しておらなかつたのでございますが、低い比率において――大衆課税になる懸念が非常に多いのでございますので、こうした事業税を創設するのでなければ、とうてい地方財政の自主化をはかれない。この点は非常にジレマンに陥るのでありまして、苦しみながらいろいろ考えた次第でございます。大衆課粉にならないように、この点につ、いては十分の努力をしておるのでありますが、お説の國税に対する附加税を累進的に課けるという御意見、ごもつともなのでありますが、ただいまのところ國税に対する附加税というものはないのでございまして、都道府懸税に対する市町村の附加税はございますが、國税に対して附加税制度は今ございません。ただ住民税は、これは先ほども御説明申し上げるように、所得税のような累進的な課税方法をもつてする。こんなふうに考えておるのでございます。
 なほ余談になりますが、事業税の問題について、たとえば農業については土地使用税というようなものはどうかという有力な意見もございますが、そうなりますと、國民の負担はもう限度に達しておる。それを外形標準のみによつて課税をいたしますと、ある所では野菜をつくつて非常に収入がある。中にはやみで賣る。ある地帯は水田百姓であつて、ほんの公定價格の農村の収入しかない。反別当りの課税になると非常な不平等を來す。こういうようなものについては所得税と二重課税になるようなきらいもあるが、やはり農家も農業による収益というものを見て、それに應じて課税する方がいいのじやないかというので、土地使用税もしくは耕作税というようなことでなしに、収益課税であるところの事業税ということにもつていく方がよくはないか。その方が収入の多い者には多く課税する。少い者には非常に少くなる、こういうふうにもつていきたい、こういうようなことで、事業税と考えます場合にも、いろいろとこの点勤労者の負担をできるだけ軽減する方法で地方税収入をあげたい。かように考えて、いろいろ立案しておる次第でございます。
○菊池(重)委員 地方財政の枯渇しておる点では非常に心配しておるわけですが、現在官有林の拂下げ、これについては特定の人にばかり拂い下げておるのでありまして、民有林と官有林の價格に非常な相違がある。ここに非常に利権かあるわけなのですが、地方財政委員会において、こういう官有林の拂下げというものに課税するようなことを研究したことがあるかどうか、課税の対象としてどういうものであるか、その点をお聽きしたいと思います。
○竹谷源太郎君 官有林から拂い下げる場合と民有林から賣う場合で、現行價格にたいへん相違があるということはあり得ると思います。しかしながら官有林は公定價格によつて拂い下げるのであつて、ただそれがやみ式のものよりも安いからといつて課税をするということは、なかなか事実上も困難な点があると思います。ただ今財政委員会といたしましては、そういう官有林、などのある地帯は地租もとれない、いろいろな山林収入がない。そこで山村は非常に困つている。そういう所では、地租に代るように國庫から交付金をたくさん出す。今から十年か二十年か前にきめたままで、少額の地元交付金しか出しておりませんけれども、これをぐんと上げて、地元の財政窮乏を救うために、官有林のある地帯の國庫交付金を増額いたしたい。こういうふうに考えておりまして、その点は大藏省なり農林省も同感の意を表しておるのであります。そしてまた、その山林町村へ材木屋が来て原木を買つて待つていくというような場合に、その材木の取引税その他でもつて、いろいろ懸全体としては政入があるのでありますが、その地元の非常に財政的に貧窮な山村においては何ら報いられていない。これは非常に不合理である。こういう観点から原木を収得した者に課税する。すなわち材木屋が山村に行つて、そうして官有林なり民有林等を買取る。そして木を伐る。原木を取得すればそれに取得税を課して、そうして政府が地元の町村に交付する。こんなようにやりたいということも――今まだ私來るまでにきまりませんでしたが、さような地元町村に財源が潤うようなことを考えておる次第であります。
○松野委員 さきほど土地に関する有力な意見が出たというお話でありましたが、これは私は非常に大きな問題だろうと思いますし、こういうことがあり得ることは、現在の農村の状態を勘案すると、はなはだ不都合至極な有力な意見であると考えるのであります。と申しますのは、現存収益に関しまして乙種事業所得と申しますか、昨年十一月からすでに納付されております所得税さえも、農家の経済というものは非常に窮迫を來しておる。あるいは現在の農村の公定價、殊に水田地帯の掠奪的な農村経営では、現在すでに底をつき過ぎて、あるいは横にはみ出して、何とかしなければ農村経営ができないということになつておる現状です。この上に土地に関する有力な意見が出たということは、はなはだ不都合なことであると思う。とともに、もしこれを実施いたしますならば、ただいま勤労者に対する勤労所得税の上に、なおかつ就職税をとれというような言葉と相一致することと思う。勤労者自身が現在の更生に悩んでいるのに、その上に就職税まで考えろというのは、これは農家にとりましては土地に関する二重課税もはなはだしい問題ではないかと私は考えておるのであります。特來こういうことがないように、いかに財政が困乱いたしましても、農民の生活を根本的に破壊して、そういう農村を日本中に蔓延させないように、その点はぜひ御考慮を願いたいと思います。
○坂東委員長 お諮りいたします。地方財政委員会運営につきましては、さらに檢討を加えなければならぬと思いますが、本日はこの点はこれまでとするに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○坂東委員長 それではさように決します。
    ―――――――――――――
○坂東委員長 次に地方出先官廳の整理に関する件、小委員長中島君から中間報告を願います。中島君。
○中島(茂)委員 地方出先官廳整理に関する中間報告をいたしたいと思います。ただいま議題となりました出先官廳整理に関する小委員会における審査の概要を申し上げます。
 地方自治強化の要請に基きまして、第一回國会において、出先官廳整理に関する小百委員会が設置され、数回にわたつて審議いたされましたが、出先官廳を整理統合するという問題は、現在の地方事情に照らしまして、利害錯綜し、その影響するところは相当甚大なものがあるのでありまして、さらに審議を必要と認めまして、最後的決定を保留し、第二國会で結論を得ることにいたしておつたのであります。第二回國会におきましては、第一回委員会劈頭すなわち一日二十六日、十一名から成る小委員会が組織いたされまして、翌二十七日第一回小委員会において、私が再び小委員長に互選せられたのであります。
 次に小委員会の審査の経過を申し上げます。一月二十七日の第一回小委員会におきましては、小委員会の今後の運営方針を審議打合せいたしたのであります。中央、地方官廳の意見を聽取すること、必要に應じて地方出先機関について実地調査を行うこと、原則として全部を廃止するという建前をとるという三点を決定いたしたのであります。
 その後本格的審議にはいり、中央官廳側から行政調査部、運輸、厚生、大藏、逓信、文部、労働、商工、農林各省の政府委員及び関係官の出席を求め、地方出先機関の運営機能について詳細意見を聽取したのであります。なお地方側からは府懸の代表意見として東京都の意見を聽取いたしたのであります。小委員会におきましては、独自の立場からこれを審議検討いたしまして、一應の試案を作成した次第でありますが、二月二十三日の打合会におきましては、この試案につきまして、なるべく速やかに各派政務調査会等に諮り、意見をとりまとめた上、最後の案をきめることに意見の一致をみたのであります。
 小委員会組織以来、小委員会及び打合会を十五回にわたつて開会いたしました。その間実地調査のため委員を派遣する案もあいましたが、いろいろの情もありまして、これは未だ実行いたしておりません。
 以上今日までの審議の経過の概要を御報告申し上げます。
○坂東委員長 お諮りいたします。出先官廳整理の小委員のうちで、松野頼三君から辞任の申出がありましたので、その代りに小暮藤三郎君を地方出先官廳整理の小委員に選任することに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○坂東委員長 それではさよう決定いたします。それではこれをもつて暫時休憩いたします。
  午後、零時二十六分休憩
     ――――◇―――――
    午後二時十二分開議
○坂東委員長 休憩前に引続いて会議を開きます。
○門司委員 私のお聽きしておきたいと思いますのは、警察内部における通信技術者、衛生その他の技術者との関係でありますが、警視廳その他の状態を見ると、当然技術者であるべき者が、制服の巡査と同じようなことになつておる面が相当あるやに見受ける。またそういうふうに聞き及んでおるのでありますが、警察官としての訓練、素養をもたざる技術官が警察官としての職務を執行するというようなことも、私はあり得ない事実だと思いますが、実際はそういうことが行われておるのじやないかというような感じがし、さらにまた内容を調査してみますと、應々たにしてそういうことがあるように見受けられるのでありますが、この点に対して当局はどういうふうにお考えになつておるのか。問題は非常に通信技術が従来も重要でありましたが、今後國家警察と自治警察との関係のもとに、通信技術はことさらに重要視される状態になるのでありますが、この点について技術者のもつ領域と、制服の警察官のもつ領域との区分を明確にされておく方がいいのではないかと考えられるのであります。さらにこれを突き進んで考えてまいりますと、こういうことを言つていいか悪いかは別の問題といたしまして、警察官の数が非常に限定されておりますときに、当然技術官であるべき者が警察官として採用されておるというようなことは、日本の治安警備の上から申しましても、あまりいいことではないように考えられるのでありますが、この点についてのお考えを一應承りまして、なお進んで御質問いたしたいと思います。
○久山政府委員 警察内部のいろいろの仕事を担当しておる者が、今お話がありましたように純然たる技術者が担当すべき部門につきましても、あるいは警察官の身分をもつた者がそれに当つておるというふうなことは、従来もあつたのであります。それは一つ、純然たる技術の部門に属する仕事に携わ、つておりましても、やはりそれが警察という特殊の活動体の中で勤務しておる場合におきましては、もちろん技術の専門については優秀なる技術をもつた人がこれに当ることがいいのでありますが、他面警察的な規律と申しますか、そういつたような面から、及び従來はいざという場合の処置に備えまして、やはりそういう人にも警察官たるの身分をもつておる者がおりまして、そういう者がそのときには一体となつて警察官としての職務の執行ができるというふうなことなどを予想いたしまして、お話にありましたように、電話などについても警察官たる身分をもつた者が一部これに当つておる。あるいはその指導者たろ部分につきましては、純然たる警察官がこれに当つておるというふうなことがあるのであります。ただいまお話がありましたように、新しい制度におきましては、警察官、殊に國家の警察官については数に限定がありまするし、それをできるだけ第一線の警察活動に使うということは、治安維持の面から考えてもその必要があるのであります。そういう面と同時に、これから書期的に整備発展をいたしたい考えでいろいろ準備を進めておりますので、警察通信の技術的な向上という面から考えまして、そういう純然たる技術的な部門に携わる者につきましては、健秀なる技術の保持者をできるだけ取入れて、その改善に当らせるということにつきましては、私ども、もさように考えておるのであります。しかしまた一面通信という具体的な、ほんとうの技術者ということにつきましては多少考え方が違うのでありますが、たとえば会計務というふうなことに携わる、いわば一種の警察内部における技術者でありましても、やはり警察の仕事をいたします以上は純然たる警察官をもつてこれに充てなくてはならぬ、またそういうしふうにすることが、たとえて申しますれば、会計の事務につきましても警察としての会計というものは警察官たる経験をもち、そういう訓練を経た者がこれに当ることをもつて好ましいとするという見方もまた一面にあるのでありまして、そういう点につきましては、どういう部門に純然たる警察官をもつて充て、どういう部門に純然たる技術者警察務官というものをもつて充てまするかにつきましては現在いろいろ関係方面とも相談いたしまして、研究をいたしておるのでありますが、大体の行き方につきましては、少くとも通信というような純技術的な部分につきましては、ただいま仰せになりましたように、できるだけ優秀な技術者を担当させることにしまして、これが画期的な発展をはかりたい、かように考えておる次第であります。
○門司委員 さらに内部につつこんでお聽きしたいと思いますことは、なるほど一應ごもつともな理論でありますが、技術者が單に警察官として何らの訓練教養を受けないで、これが警察官としての身分を與えられる、そうなつでまいりますると、警容官としての身分があることによつて、これが昇進の途が妨げられてしまう、いわゆる巡査になれば巡査であつて、何年おつても巡査としての本当の教養訓練を受けておらないために部長にもなれなければ、警部補にもなれない、依然として巡査としての技術官に止まつてしもうというようなことが起ると思う。この点について、技術者としては技術者としての一つのプライドをもつておる以上は、いつまでも制服の巡査として同じような仕事を何年もやらされて、制服の巡査としての教養訓練を受けた者は巡査部長、警部補、警部になれるものが、技術官であるならば何年経つても巡査で使われておらなければならない。しかも課長は従來の制度では制服の者が課長についておる、技術官がそういう下積みの立場におかれておるということが、將來の通信綱その他の事務の上にも相当影響があるのではないかというふうに考えられる。この点きわめて重要でありまして、つつこんで申し上げますれば、労働組合なら労働組合を警察官は組織し得ない、直接争議は起し得ないが、そういう問題にぶつかつたときに、技術官を制服の警察官にしておけば争議行偽が行えないではないかという考え方から、もしそういうことがされておるとすれば、それは大きな間違いであつて、ぜひそのものに対しては是正していただきたい。これは技術官として十分将来に希望をもち伸び得る範囲において、その是正をはかつていただくことが、將來これから通信綱その他に從事しておる者に技術官としての光明も與えて、なお熱心に敏活に仕事に從事する心構えになるのじやないかと考えておりますので、以上の二つの点についてのお考えをお伺いしたいと思う。
○久山政府委員 ただいまお話になりました御趣旨、ごもつともでありまして、そういうように將來も十分考えでいきたいと存ずるのであります。ただ從來警察の技術者、殊に通信などにつきましては、多年の慣習と申しまするか、一つの行き方といたしまして、通信の事務につまましても、やはり警務課長というようなものは純然たる警察官がこれを担当いたしまして、その下に技術者がおるというような建前できておりました関係などみまして、ただちに課長として通信をまかせるに適するような技術者が比較的少いのであります。そういう点にも鑑みまして、現在警察の通信に從事しておりまする人にとりましては、あるいは多少の不満もあるかもしれませんが、この際思い切つて相当程度の高い立派な経験のある技術者、眞にその通信を書期的に近代化するにふさわしい技術者を相当数新しく採用いたしまして、そうしてこの技術的な面における発展をはからねばならぬという考えでやりたい。大体新しい組織におきます陣容につきましては、目下考慮をいたしておるのでありまして、その他の事柄については大体御指摘のような御趣旨に同感でありまして、そういうことでやつていくように努力いたしたい、かように考しえております。
○小暮委員 私は新警察法ができまして後におけるあの三万の増員募集、並びにその教養についてしばしば本委員会で質問をしまして、当局からそれぞれ安心を得るような御答弁がありましたので、満足いたしておつたのでありますが、その後各地方を調査してみますと、いずれの土地も定員になかなか 達しない、定員に達しておりましても、相当の人が得られないというような点を、非常に当局としても心配されておるようでありますが、けさの毎日新聞を見ますと、大阪において、しかも四百人の大量の者がやみ屋と結託して、そうしてやみの目的を達成するために警察官になるということが報道されておりますが、大体の状況は当局もお調べになつて御承知だろうと思うのでありますが、今新たに募集しておりますところの実際の状況、その素質につきましては、この前はきわめて良好の素質であつた、從つて教養においても従前のような長い教養をしなくとも、十分達成ができるというような御答弁でありましたが、それらの点につきましても、実際の状況をお尋ねしたいと思うのでありますが、それについていろいろ附帯したことについて、例をあげてお尋ねをして、みたいと思うのであります。
○久山政府委員 今回新しく緊急募集をいたしております者の素質その他につきましては、先般お答えいたしましたように現在まで私どもは承知をいたしておるのでありますが、お話がありましたように、きようの新聞に、大阪において非常に好ましくない素質の者を多数教養中ににやめさせたというような記事が出ておつたのでありますが、その点は新聞を見まして初めて承知をいたしたのでありまして、早速大阪に対してその実の有無、及びさらに新聞の記事に出たことに関する今回の募集の状況について、詳細なる報告を求めるように目下照会連絡をいたしておるのでありましで、はたしてそういうことが実であるといたしますならば、少くとも大阪においては非常に困つた状況であり、現在までわれわれが承知いたしておつたその他の府懸についても、あるいは同様な実がもしあるといたしますならば、たとえ数が予定通りいかない場合においても、そういう素質の悪い者はどしどしこれを排除していくことに努めなければならぬと思います。私お答えできますことは、きよう初めて新聞によつて大阪のあの事件を知つて、その詳細を目下問合せをしており、その他の府懸については、この前お話申し上げましたように報告を受け、また私どももそう了解いたしまして非常に喜び安心をしておつたのであります。これについては、さらに状況を詳細に開き合せまして検討をいたしまするか、あるいはその結果について御報告申し上げることができる、かように考えるのであります。
○小暮委員 ただいまの御説明によりますと、大阪は一つの例だ、その他はそういうことはないというふうに聽きとれますけれども、よく全國にわたつてお調べ願い、御報告をいただいて、その上でさらに新警察官の教養の件、その他の点についてお尋ねして見たいと思つております。
○坂東委員長 それでは本日はこれをもつて散会いたします。
    午後二時三十六分散会