第002回国会 治安及び地方制度委員会 第13号
昭和二十三年三月四日(木曜日)
    午後二時二十四分開議
 出席委員
   委員長 坂東幸太郎君
   理事 門司  亮君 理事 矢尾喜三郎君
   理事 中島 茂喜君 理事 川橋豊治郎君
   理事 松野 頼三君 理事 酒井 俊雄君
      笠原 貞造君    松谷天光光君
      坂口 主税君    千賀 康治君
      中垣 國男君    小暮藤三郎君
      渡邊 良夫君    石田 一松君
      外崎千代吉君
 委員外の出席者
        議     員 細川八十八君
        総理廳事務官  山村  章君
        地方財政委員会
        委員      神戸 正雄君
        專門調査員   有松  昇君
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本日の会議に付した事件
 新給與水準による地方財源に関する説明聽取請
 願
 料理飲食業者の営業再開許可の請願(庄司一郎
 君紹介)(第二八号)
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○坂東委員長 これより治安及び地方制度常任委員会を開会いたします。
 本日の日程は、新給與水準による地方財源に関し当局より説明聽取の件、地方出先官廳の整理に関する件でありますが、日程の前に報告事項がございます。それは五大都市の市長連名の陳情書がまいつておりますから、御報告申し上げます。
    陳情書
  今般新警察制度の発足に当つて市町村に於けるこれが受入れの為に要する初度的臨時経費については全額國庫負担となるやに聞及んでいるが、この実施に当つては当該市町村の実状に即したる実際必要経費の全額を負担せられるよう措置せられたい。更に、消防制度の市町村受入れのために要する初度的臨時経費については全面的に市町村の負担となる趣なるも、消防に要する費用に対しては消防組織法第二十五條によれば補助金交付の規定があるので、これについては高率なる補助の措置を構ぜられたい。茲に五大都市市長会議
 一致の決議によつて陳情する。
   陳情書
 今次、地方財政自主化の一方策として、地方競馬の開催権を都道府縣に附與せられるやに仄聞するが、地方財政の自主化確立は、單に都道府懸のみに限定されるべきものではない、殊はインフレ高進の著しい現在にあつては、浮動資金の吸収と、一面インフレ高進に即應する弾力性ある財源の必要は市町村もまた都道府懸と何等異なるところがない。今般の地方競馬法改正は、從來の独占的経営是正のための改正と聞き及んでいる、よつて独占弊害の除去と地方財政自主化とのために、この際、等しく地方公共團体にこれが開催権を附興せられたい。
 茲に五大都市市長会議一致の決議を以つて、これが実現を切に要望する。
    陳情書
  今般地方自治制度の改正に伴う地
 方自治警察費の財源については、目
 下地方財政委員会に於て御検討中の
 趣なるもこれが財源としては最も
 大都市の実情に適した入場和税酒煙
 草消費税を有力財源として御考慮せ
 られたい。
 茲に五大都市市町会議一致の決議
 によつて陳情する。以上御報告申し上げます。
○外崎委員 緊急動議を提出いたします。
○坂東委員長 外崎君より緊急動議の申し出がありますが、これを許しますか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○坂東委員長 それでは外崎君。
○外崎委員 実は今月の議題ではありませんが、ついこの間の議題で料飲食の問題があつたのであります。この料飲食の問題とはちよつと違つておりますが、それはそばの問題であります。これを請願を出すことになつておりますが、そばの生産は戦争以来だんだん減少してきて、今日では二、三十万石しかないという現状であります。この場合、普通の料理飲食ではなく、外食券のそば屋を開業させるということになれば、非常にそばの増産もできる。このそばは耕地でなくても、荒れた土地でも増産できるというような状態でもある。この場合に、私らは、今まで大衆に最も親しみの多いそば屋を開業させてやつていきたいという考えをもつております。これについて、さいわいこの方面の権威者である細川代議士が今日出席しておりますから、この説明を承ることにしたいと思いますが、皆さん御異議がなければ、委員長にお願いいたします。
○坂東委員長 今の外崎委員の動議はは、委員外の細川君から説明してもらうというのですか。
○外崎委員 そうです。
○坂東委員長 委員以外の細川君に発言してもらうことに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○坂東委員長 それでは細川君に御願いいたします。
○細川八十八君 委員外の私に説明をお許し願いましたので、ただいま緊急動議として上程されましたそばの外食券食堂の再開について御説明を申し上げたいと存じます。
 そばは、古来日本の三百年の昔からずつとこれはわが國に傳わつてやりつつあつたのであります。しかしこれが戰時中の食糧管理法のわく内に入れられ、そうして食糧管理法のわく内にありましたために、これが市場に出まわらない、從つて、百姓でも少量のものはつくり得るが、これが供出の対象に立たない、そうこうしておりますうちに、自然食糧というものが都会の巷に非常に窮迫いたしまして、それが昨年の政令が施行されるまでは、暗黙のうちにこのそば屋というものが都会地にやつておつたのであります。ところが、昨年の政令が布かれまするや、このそば屋業者は一應休業のやむなきに至つたような実情であります。そこで、そば屋業者、何とかわれわれは正しき立場に立つて今日の食糧事情に対して、せめての協力がいたしたいというところから、そば業者が陳情にまいりました。私はその当時農林省に対しまして、食糧管理法のわく内における農林省の操作実態、あるいは集荷の実情について資料をあげてみましたところが、まつたく皆無の状態であります。私はその資料を見ましたときになるほど食糧の管理法にはくくつてはあるが、実際上農村においてきわめて少量なるために、これが供出の対象に立つておらない。そこで農村にはこれがそのままおかれておる。ある所にはそのまま死藏しておるというような状態であります。そこで私は実情をよく農林省の方にお話申し上げてぜひとも――百万石に近いそばがわが國にできるのであり、かつはまたそばは年三回もできる。しかも荒地においてできるのであるから、これらをもつて外食券食堂をぜひ再開させてやつてもらいたい。外食券食堂の特徴といたしましては、今日官公廳に通つております人が、今日の食糧事情下にありまして一々弁当を持参するということは非常に不便でもあるし、かつはまたむずかしい事情でもあります。そばはおかずもなく、しかも温かく、相当の量がありまして、一食について満腹をし得ることがありますので、私はぜひとも全國の官公廳あるいは夜間の学生が書は職場で、そして夜は学校で勉強するにも、そうした所でそばを賣らしていただき、あるいは旅行者の外食券食堂とし、かつはまた、わが國内では麺類を愛好するものきわめて多いのでありまして、これらが自由に食糧配給所にその実情を申せば、外食券をもらつて自由に食し得ることができる。これはどうしてもやらさなければならない。殊にまたこれら業者はみずからが農村に参りまして、そうして集荷いたしましたものを政府の正規のわくに入れ、そして公團より配給を受けて外食券食堂として再開することは正しきことであり、かつはこれによつて便益されることも多いものでありますために、これはすでに農林省におかれましても非常に御理解していただいて、昨年の十二月の三十日附をもつて、全國の都道府懸知事並びに食糧事務所長に通達が発せられております。ところが東京におきましては、いまだこれが遅々として運びません。その理由といたしましては都内に外食券食堂が五百幾軒あるのでありますが、この経営状態が、私の聞きますところによれば、財團法人経営であります関係で、一部官公廳の方々がこれらのことに関係していられるところから、なかなか思うように許可させてもらえないということであります。東京は日本でもそばの名産地でありまして、東京そばという名をつけるくらいであります。そして長い專統と、のれんと技術を有する者が都内には多数あるのでございます。一日も速やかに私はこれらを再開させてやつていただきたいと思いますゆえに、ここに請願いたすものであります。まことに徹底はいたしませんけれども、十分議員各位におかれましても御了承賜わりまして、この際決を賜わりますればまことにさいわいと思います。
○坂東委員長 お諮りいたします。このそばに関する件は、前回委員会で政府に反対もなく、また委員も別に反対がなかつたのでありますが、今の御趣旨を要約是正して、御案として政府に向つて、その促進あるいは実現を要望することにきめたいと思いますが、いかがでございますか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○坂東委員長 それではさように決定いたします。
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○千賀委員 前回の委員会で、農林省が配給しました毒だいず粉、この事情についてきようは当局の説明を求めるお約束になつておりましたが、出席しておりますか、いかがでございますか。
○坂東委員長 今まだ來ておりませんが、すぐ電話をかけます。
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○坂東委員長 それでは日程に入りまして、地方財政委員会の委員の神戸正雄君から、地方財政に関する一般的の説明がありますから、お聽きを願います。神戸正雄君。
○神戸説明員 私は地方財政委員の神戸であります。本日は竹田委員長がまかり出まして御説明をする予定でありましたが差支えのため、私代つてまかり出まして御説明を申し上げます。
 申し上げるまでもなく、地方財政法等は本月の六日に法案が議会に提出されるはずでありましたところ、だんだんこの法律のいろいろ審査を続けますと種々関連するところがありまして、各省との交渉にも相当の手間をとりまするし、さらにまたG・H・Qとの交渉もありまして、かたがた大体におきまして、われわれの考えておるところはまとまつてまいつたのでありますが、なおいろいろな交渉のために、暫く御猶予を願わなければならぬのでありまして、この三月六日に法案を提出することができかねます。いずれ本月中には必ず提案されることに相なりますけれども、予定の六日に提案することができませんことを御了承を願いまして、ただ要綱だけをとりまとめて提出いたしましたので、これによつてその要領を御了承願いたいと存ずる次第でございます。細かいことはすでにこちらに、竹谷委員からも御説明を申し上げておるということを聞いておりますし、私からしさいを申し上げることは、たいへん時間をとりますので省略させていただきますが、しかし今日問題につきまして、一番関係方面との折衝におきまして異論のあり、多少故障のある点だけを申し上げてみようと思います。
 それは税の中におきまして、入場税の委譲と酒及びタバコの小賣の賣上税という問題、さらにこの自治体の中央金庫の問題、これらにつきまして大藏省方面との折衝におきましてなお余地が残されておるのでございます。またG・H・Qとの関係におきましても、税の細目におきましてG・H・Qから、こういう税をとつたらよかろうと言つて指示を受けておりますけれども、そういう指示を受けた税というものは、私どもの計算によりますと、まことに少額な收入しかあげられないのでありますし、さらには日本の事情といたしましていかがかと考える点もありますので、われわれの初めから期待しておりおります通り、比較的巨額な收入をあげ、かつ経済事情の変遷に順應いたしまして、自然と増收のできるような大きなかたまつた税となりますと、入場税、酒、タバコの小賣消費税というものが最も適切でありまして、これらの二つの財源を盛らなければ、地方自治團体が新しく警察、消防という大きな負担を負い、さらに六・三制の教育などの実施にあたりまして、相当の負担をしなければならぬのでありますから、これらの大きな負担を完全に支弁して、地方自治体の新しい使命を達成するためには、どうしても前記申し上げました最も大きな収入源というものを地方にお渡し願わなければ、われわれの義務は果せない。こういう事情にあるのでありまして、その点におきまして、私どもはG・H・Qとも折衝し、さらに大藏省とも折衝しつつある次第であります。当初は割合にスムースにいくがとも思いましたけれども、何かどこかでつまづきをみた次第でありまして、少し停頓した状態にあります。しかしわれらは万難を排してこの隘路を打開して所期の目的を達成したい、こう考えまして、必ず三月中には法案をつくりまして、議会に提出する予定であります。どうかそういう次第であるということを御了承願いたいと思います。
○坂東委員長 それでは新給與水準による地方財源に関し当局より説明を聽取いたします。
○神戸説明員 私から申し上げます。政府の考えておりますところの二千九百二十円べースとすれば、相当支出の増額を要することになります。この増額をどういうふうにして支弁するかということのお尋ねを受けておると聽いておりますが、これは数字によつて表にして差出しましたところによつて御承知をいただきますとわかります通り、三十五億ほど増額を要することになりまするが、この増額につきましては未だ地方財政の確立、地方財源の裏ずけというものがまだ十分に確定しておりませんから、どういたしましてもこれは國家の負担にまつよりいたしかたがないと信じておる次第であります。なお細目の点につきましては、事務局の次長から説明をいたすことにいたしたいと思います。
○山村説明員 神戸さんから御説明がございまして、おわかりのことと思いますが、計数的に多少私から申し上げますと、今度新給與水準になりました二千九百二十円ベースにおいて、現在の千八百円べ―スとも比較して、その差額を昨年の十二月一日の地方都道府懸及び市町村関係職員の人数を基礎といたしまして計算してみますと、お手もとに差上げてございます数字の通りになるわけでございまして、職員の人員が総計で百十四万九千九百五十六人、これは昨年の十二月一日現在でございます。その人員を基礎として千八百円べ―スと二千九百二十円べ―スの差額を計算いたしますと、一箇月の所要額で十四億八千百五十三万五千五百九十一円、こういう計算になりまして、現在の考え方としては、二千九百二十円べ―スとしての支給の方法をとるのは本年の四月からで、その前の――三月分については暫定措置として二千五百円べースで本年の追加予算に載せる、こういうことに政府内部としての話が進行中のようでございます。しかしまだ確定しておらないのであります。從つてどちらにいたしましても、財政委員会といたしましては、現在の地方團体の財政状況からみて、これを地方團体の財源で出すということはとうてい不可能でございまして、委員会としては、政府の方から補助金としてもらうことに目下手続をしている次第であります。さよう御承知を願います。
○坂東委員長 ただいまの御説明に対して御質問がありますならばお伺いいたします―― 一月から三月まで二千五百円にするその差額はいくらになりますか。
○山村説明員 その差額は一月から三月までの合計で約二十二億です。
○坂東委員長 そうすれば四月から来年三月まで一箇年間の差額は全体でいくらですか。    「
○山村説明員 二千九百二十円で一箇年分にすると百四十一億になります。
○門司委員 十二月一日現在で現在数がこういう数字になるというお話でありますが、実際は警察官、消防官等相当殖えると思いますが、それを見込んでの請求はされてないのですか。
○山村説明員 本年度は殖える分については全額国庫がみることになつております。從つて殖える分については当然國庫が支出することになります。
○坂口委員 一箇月所要額というのは何ですか。
○山村説明員 千八百円べースと二千九百二十円べースの差額として、これだけ新たな支出としてもらわないとないわけです。ですから千八百円べースとしての額は、これ以外にさらに基本としてあるわけですそれに追加するわけです。
○坂東委員長 ちよつとお諮りいたしますが、今本会議のリンが鳴りました。本会議では決選投票があるそうでおりますから、これで散会いたしたいと思います。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○坂東委員長 それでは本日はこれをもつて散会いたします。
    午後二時五十一分散会