第002回国会 運輸及び交通委員会 第8号
昭和二十三年五月三十一日(月曜日)
    午後一時四十二分開議
 出席委員
   委員長 川野 芳滿君
   理事 前田  郁君 理事 佐伯 宗義君
   理事 高瀬  傳君    大澤嘉平治君
     岡村利右衞門君    高橋 英吉君
      田村 虎一君    井谷 正吉君
      重井 鹿治君    島上善五郎君
      島田 晋作君    館  俊三君
      原   彪君
 出席政府委員
        運輸事務官   小幡  靖君
        運 輸 技 官 田中 茂美君
 委員外の出席者
        議     員 土井 直作君
        議     員 周東 英雄君
        議     員 成重 光眞君
        議     員 川越  博君
        議     員 東井三代次君
        議     員 中野 寅吉君
        議     員 塚田十一郎君
        議     員 山名 義芳君
        運輸事務官   中村  卓君
        專門調査員   岩村  勝君
        專門調査員   堤  正威君
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五月二十八日
 宮古、小本間國営自動車運輸開始の請願鈴木善
 幸君紹介)(第一〇七二号)
 青森、蟹田間鉄道復活の請願(山崎岩男君紹
 介)(第一〇七四号)
 雄武村、上幌内間植民軌道敷設の請願(伊藤郷
 一君紹介)(第一〇九五号)
 大子、川尻間國営自動車運輸開始の請願(山崎
 猛君紹介)(第一一一八号)
の審査を本委員会に付託された。
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本日の会議に付した事件
 一 旧鶴見臨港鉄道外三鉄道拂下に関する請願
 (土井直作君外一名紹介)(第五二四号)
 二 長門人丸、本郷間國営自動車運輸開始の請
 願(周東英雄君紹介)(第五二七号)
 三 明石、姫路間電化促進並びに魚住村に停車
 場設置の請願(田中源三郎君紹介)(第五三三
 号)
 四 旧小倉鉄道拂下に関する請願(成重光眞君
 外一名紹介)(第五三九号)
 五 豊岡村に被服工場存置の請願(矢野政男君
 紹介)(第五四一号)
 六 油津港に臨港鉄道敷設の請願(川野芳滿君
 外一名紹介)(第五四七号)
 七 若江本線を金居原まで延長の請願(森幸太
 郎君紹介)(第五四八号)
 八 瑞浪、明知間國営自動車運輸開始の請願(
 山本幸一君紹介)(第五五五号)
 九 関西本線湊長町、東京間直通列車運轉開始
 の請願(東井三代次君紹介)(第五六一号)
 一〇 買收鉄道拂下に関する請願(高瀬傳君紹
 介)(第五六二号)
 一一 岩國・黒沢間、下畑所合・阿賀間及び鮎
 谷・秋掛間國営自動車運輸開始の請願(田村虎
 一君紹介)(第五七三号)
 一二 下北山、上市間國営自動車運輸開始の請
 願(前田正男君紹介)(第五七七号)
 一三 荒海、瀧原間鉄道敷設の請願(中野寅吉
 君外一名紹介)(第五八一号)
 一四 小田、久万間國営自動車運輸開始の請願
 (米田吉盛君外三名紹介)(第六〇五号)
 一五 八鹿、岩美両駅間に鉄道敷設又は國営自
 動車運輸開始の請願(庄司彦男君紹介)(第六
 一六号)
 一六 直江津より上越線に連絡する鉄道敷設の
 請願(塚田十一郎君紹介)(第六一九号)
 一七 長久保、軽井沢間國営自動車運輸開始の
 請願(小林運美君紹介)(第六二二号)
 一八 津山、上井間國営自動車運輸開始の請願
 (庄司彦男君紹介)(第六三四号)
 一九 旧富山地方鉄道拂下に関する請願(矢後
 嘉藏君紹介)(第六三七号)
 二〇 宮下、川口間鉄道敷設の請願(円谷光衞
 君外一名紹介)(第六四一号)
 二一 石海村を省線電車車庫並びに変電所建設
 用地より除外の請願(山名義芳君紹介)(第四
 六二号)
 二二 南部、龍神間國営自動車運輸開始の請願
 (松本眞一君紹介)(第六五二号)
 二三 米原、京都間電化促進の請願(長野重ヱ
 門君外一名紹介)(第六六〇号)
 二四 瀬上、船岡両駅間鉄間敷設の請願(小沢
 專七郎君紹介)(第六六九号)
 二五 山田線電化促進の請願(山本猛夫君紹
 介)(第六八三号)
 二六 一戸町に自動車車庫建設の請願(山本猛
 夫君紹介)(第六八五号)
 二七 立野村に停車場設置の請願(内藤友明君
 紹介)(第七一七号)
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○川野委員長 会議を開きます。
 これより去る五月十日及び五月十一日本委員会に付託になりました請願、二十七件を議題として審査に入ります。本日はそれらの審査のみに止め、その議決は後日に讓ることにいたします。
 まず日程第一、旧鶴見臨港鉄道ほか三鉄道拂下に関する請願、土井直作君ほか一名紹介、文書表第五二四号、紹介議員土井直作君の説明を聽取いたします。
○土井直作君 本請願は第一回の國会におきまして本委員会に上程されたことでありますので、当時からの委員の方々は十分御存じだと思うのであります。なお第一回の國会の場合におきましては、この請願が本委員会において採撰され、本会議に上程されて可決を見ている次第であります。今請願いたしておりまする理由を念のため申し上げたいと思うのであります。旧鶴見臨港鉄道ほか三鉄道の拂下げに関しましては、國有鉄道鶴見線、南武線、青梅線及び五日市線は、元來地方有志の出資により民営として発達してきた地方鉄道でありまして、鶴見臨港鉄道、南武鉄道、旧青梅電氣鉄道及び旧奧多摩電氣鉄道の四会社がこれを経営し、創業後多年の苦鬪により、ようやく健全なる地方鉄道として発達いたしましたが、さらに方四社が合併して、有力なる鉄道事業として地方交通産業に寄與せんことを期しておりました折柄、鶴見臨港鉄道は昭和十七年十二月、他の三社は昭和十八年十二月突如として政府より買收の指令に接しまして、経営当事者及び出資者たる株主はひとしく驚愕した次第であります。しかしながら当時は太平洋戰の末期でありまして、戰時輸送強化のため、戰時的緊急処置としてやむを得ないものと思考いたし、これを甘受したのであります。しかし今日においてはすでに大戰も終止し、当線のごとき地方線を國有鉄道の一部として経営する必要は解消されたのでありますから、本件鉄道のごときものは、民主的経営によつて戰後の復旧を促進し、地方産業振興の一助としてもつて平和日本建設に寄與することを期し、本事業を前経営者に返還されることを希望し、また鉄道利用者である沿線市町村もこれに賛同しておりますので、昭和二十一年二月右四鉄道経営者名をもつて右鉄道拂下げの件を運輸大臣に出願した次第であります。しかるところ政府におきましては、右の件に関し何ら意思を表明されませんので、本件の趣旨実現につき、三回議会に請願いたしましたところ、衆議院においては深き御理解によりまして、三回とも採択となり、通過いたしておるような次第であります。以上が請願の趣旨でありまするが、御承知の通り特にこれの理由として申上げまするならば、大体においてこれは戰時中における特別処置として、政府が強制的に買い上げたものでありますがゆえに、戰爭が終了いたしますならば、当然これを前の経算者に拂い下げるということがきわめて妥当なことである。殊に官有になりましてから該線におけるサービス、あるいはその他補修改良等については、到るところに欠陷を露出しておるような状態であります。從つて沿線における住民すべての人々が、これに対してできるだけ民営にすることの希望を附して、具申しておるような状態であります。これらの点を十分御斟酌願いまして、本案件が当委員会におきまして、前会同樣御採択あられんことを切にお願いする次第であります。
○川野委員長 次に本請願に対する政府側の意見を聽取いたします。小幡政府委員。
○小幡政府委員 お答え申し上げます。戰時買收した地方鉄道については、ただ單に戰時中に買收したという理由から、これを全面的に拂下げすべきものであるということは、必ずしも妥当でないのではないかと思えるのでありまして、その後の輸送事情の変化もあり、輸送系絡その他の点から檢討して、國利民福に合致するため、眞に國有鉄道で経営する必要があるかどうかという点をよく具体的に檢討いたしまして、決定すべきものであろうかと考えております。ただいま土井さんから御紹介になりました鶴見線、南武線、青梅線、及び五日市線、これらの線は、重要物資の輸送上、非常に重要な路線でありまして、國鉄で一元的に運営するのが、妥当ではないかというふうにも考えられますし、また現にこの線のうち南武線及び鶴見線は沿線住民から拂下げ反対の陳情も出ているようなわけであります。しかしながらただいま土井さんのお話もよく拜聽いたしましたし、先ほど一般論的に申し上げましたごとく、さらに具体的にこれの民意を徴した上で研究いたさなければならぬと考えておりますので、研究の上処理いたしたいと考えております。
○川野委員長 本請願に対し、何か御発言はございませんか――。なければ次の日程に移りますが、紹介議員がお見えになりませんので、順序を変更いたします。
    ―――――――――――――
○川野委員長 日程第九関西本線湊町、東京間直通列車運轉開始の請願、東井三代次君紹介、文書表第五六一号を議題とし、紹介議員東井君の紹介説明を聽取いたします。
○東井三代次君 ただいま議題となりました請願は、奈良縣の市町村会の会長金居仙助君から請願をいたしておる件でありまして、私はこの紹介議員といたしまして、ただいま御説明申し上げたいと思うのであります。関西本線と東京との間の直通列車の運轉をお願い申し上げたい、こういう趣旨であります。関西本線は御承知のやうに、大阪の南に位しております大阪市湊町から大阪府及び奈良縣を通りまして、さらにこの中間の三重縣を通過して名古屋に至る線でありますが、この関西本線はいわゆるローカル線であります関係上、われわれとしてはことごとく、本線、幹線と機会均等を要求するというわけではないのであります。申すまでもなく、東海道本線及び山陽本線はわが國鉄道の大動脈であつて、從つて諸施設及び各種のサービスにおきましても、主力をこの幹線に注いでおられるということはこれを当然のお話だと思うのであります。從つてローカル線であります関西本線におきましては、この幹線と若干の差異があることはこれは忍ばなければならぬと思うのであります。しかしながら運轉技術上の問題といたしまして、施設費あるいは経常費などにあまり多額の経費が要らないということ、そういうことで運轉技術によつて地方民の希望が満たされるということになりますれば、これをなるべく至急実行に移していただきたいというように考えるのであります。すでに北陸線、あるいは三重縣の鳥羽から発しております参宮線から東京行の直通列車は運轉をされておるのでありますが、関西本線からは未だこれが運轉されておらぬ。從前一度運轉されておつたと記憶するのでありますが、この回復がまだできていないということは、はなはだわれわれといたしましては遺憾に存じておるような次第であります。そこでこの大阪の南、湊町を起点といたしまして東京まで毎日一回の直通往復運轉を実現していただきたい。そうしてその沿線の旅客はもちろんのこと、地方産業に多大の恩惠をこうむらしてもらいたい。さらに私はこの奈良のわが國におきまする観光都市としての地位も御了承願つて、観光都市としての奈良を活かす意味において、國策としての観光事業の消長から、これをお考えいただきたいと思うのであります。右簡單ながら理由を申し述べまして、お願いを申し上げる次第であります。
○川野委員長 次に本請願に対する政府側の意見を聽取いたします。
○田中(茂)政府委員 ただいまの御趣旨は一應もつともと存じております。運輸省におきましては、この直通列車ないしは急行列車というものの復活には、事あるたびごとに考慮を拂いまして、たとえば戰前東海道を走つておりました十七箇列車の急行に対しましても、現在までに極力復活をはかつておりますが、御承知のような状態のときでありまして、わずかに東海道線におきましても三箇列車の急行しか復活していない。從つてその次の各重要幹線以外の急行、あるいは直行の復活ということにつきましては、ほとんどこれを考慮に入れられないような状況であつたのでございます。しかしながら漸次旅客輸送の立直りの機会ごとに、こういうものを復活いたしまして、お説のように急行のできないところには、直行あるいは準急行というようなものを考慮いたしまして、できるだけ地元の御希望に副うように処置いたしておるのであります。ただこの湊町を起点といたします関西本線の東京直通につきましても、十分趣旨はわかつておりますが、それ以外の主要幹線におきましても現在のような状態でありますので、この問題につきましては、今ただちにということはできないでございまするけれども、今後いろいろ旅客列車の運轉上の改善をいたしますときに、できるだけ直行という問題について考慮を拂つていきたいと考えております。
○川野委員長 本請願に対し何か御発言はありませんか。
    〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○川野委員長 なければ次に移ります。
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○川野委員長 次は日程第一六、直江津より上越線に連絡する鉄道敷設の請願、塚田十一郎君紹介、文書表第六一九号を議題とし、紹介議員塚田君の紹介説明を聽取いたします。
○塚田十一郎君 本請願の要旨は信越線直江津駅より東頸城郡安塚村、松代村、中魚沼郡千手町、十日町等を経て上越線に連絡する鉄道を敷設せられ、沿線一帶の豊富なる資源を開発するとともに、運輸交通の利便に資せられんことを請願するものであります。その理由は北陸地方から帝都に参ります。現在の信越線長野まわりは、御承知のように数箇所にスイツチバツク式の駅と、アブト式による碓氷の難関がありまして、著そく輸送力が低下しております。また信越線宮内経由上越線まわりは勾配は緩和せられておりますが、非常に迂廻となるばかりでなく、昭和十九年夏直江津以北の鉢崎柿崎間は線路大崩壞によつて鉄道の不通一箇月にも及んで、輸送に一大支障を來したことがあるのであります。沿線附近にある公私の大発電所を利用して、本路線を電化する曉には、今申し上げました前記二線のいずれによるよりも相当の時間が短縮ができるのであります。また沿線一帶は有名な頸城油田地帶であつて、目下数箇所において採油並びに試掘に着手しておりますが、その油質もきわめて優良なばかりでなく、油量も豊富で、現在試掘登録坪数三千六百万坪、採掘鉱区五百三十万坪に及んでいるような状態であります。また途中の東頸城郡松代村を中心とする一帶は、亞炭の埋藏が非常に豊富であり、その採掘量も逐年増加しているばかりでなく、硫黄、亞鉛、銅、鉄等の未採掘鉱区が非常に多いという状態なのであります。このほか沿線には農産、林産等の物資が非常に豊富でありますけれども、ただ惜しむらくは、鉄道の敷設がないために、これらの未開発資源の開拓ができないでいるという状態になつております。また本鉄道が主として通つております先ほど申し上げました東頸城郡という所は、非常に交通の便が惡い所でありまして、俗に私どもはこれを陸の離れ島というように申しているのであります。その理由は、冬季積雪地帶になりますと、徒歩による以外ばどこからも全然はいつていく道がない。大体六箇月間はそういう状態が続いているというような、非常に交通不便な所でありまして、この鉄道をもしお敷き願えるならば、そういう交通不便を緩和する上に非常に大きな利益がある。こういうように考えておりまして、郡民は非常に熱心に本鉄道が敷設せられることをお願いいたしている次第であります。同じ趣旨の請願をもうすでに十数年繰返して毎会期ごとにいたしているのでありまして、この前の第一國会におきましても同じ趣旨の請願をいたしまして、さいわいにも当委員会において御採択になつているような状態でありますが、ただいま申し上げましたような事情でありますので、この沿線の住民は一日も早くこの線を御敷設願いたい、これが御敷設願えるまで何回でも繰返して請願をやる、こういうように申している状態なのであります。今日の國家の情勢でありますので、政府側におきましても、いろいろ御事情がありますけれども、どうか沿線住民の熱心な希望、殊にこの積雪地帶において非常に惠まれないでいる住民の状態をお考えくださいまして、何とぞ一日も早くこの請願の趣旨が貫徹せられますようお願いいたしたい。こういうように考える次第であります。
○川野委員長 次に本請願に対する政府側の意見を聽取いたします。
○田中(茂)政府委員 お話のように直江津から松代村を経まして上越線に至る新線は、おそらく今日本に残されております未建設の鉄道線路網の中では、相当優位に考えらるべき路線であると、調査の結果私ども考えている次第でございます。特に石油その他亞炭というようなもの、あるいは農産物というような関係で、できればこういう建設線に着工できる日をわれわれ待つているわけでございます。ただ全面的に申しまして、現在の資金あるいは資材の関係で、新設、建設に対しては、むしろ非常な不況な時代でございまして、どの面からいたしましても、新線を盛大に着工するという時期でないことを御了承願いたいと思います。將來できるだけ新線建設の問題についていろいろ努力いたしたい。なおこれは敷設法の敷設予定線にはいつておりません。そういう問題と絡み合せまして、できるだけ近い將來に実現できるようにもつていきたいと考えております。その点御了承願いたいと思います。
○川野委員長 本請願に対して何か発言はありませんか。――なければ次に移ります。
    ―――――――――――――
○川野委員長 次は日程第六、油津港に臨港鉄道敷設の請願、川野芳滿君ほか一名紹介、文書表第五四七号を議題とし、紹介議員川越君の紹介説明を聽取いたします。
○川越博君 本請願の要旨について御説明申し上げます。油津港は天然の良港でありまして、南九州の港湾の中で随一の商港として、あるいは漁港としてその活発な動きが最近起つているわけであります。油津港を利用する船舶は年間二千余隻に及んでおりまして、また一方貿易再開を控えて、開港指定の猛運動もやつておるわけであります。商港といたしましては、造船用の弁甲材として有名な飫肥すぎを初めといたしまして、水産物加工品、パルプ、竹材加工品、木炭その他農材物等、殊に最近では特殊用木材等、いずれも油津港を中心に集散せられておる状況であります。木材、パルプの移出量のみにても年産二十余万トンに達しておりまして、阪神、北九州方面へ取引せられ、その移出額は実に数億円にも達しております。一方漁港といたしましては、説明を申し上げるまでもなく、日本一を誇るまぐろの港といたしまして、本年度の漁獲高は六十万貫に達しております。價格にいたしまして三千万円の生産をあげておるような状況であります。一方港湾の改修工事の方は、昭和二十一年度から四箇年計画が着々進行中でありまして、完成の曉には三千トン級の船舶も、優に数隻をつけることができるような状態になつております。その他奧地開発の産業交通路の整備等いろいろございますけれども、この重要なる港湾に対しまして、臨港線の敷設が未だにない状態はまことに困つた問題であります。これが画龍点睛をぜひともお願いいたしたいということであります。現在も対道当局におかれては一、二調査されておるし、鉄道当局ではその必要を痛感されておることと思うのでありますけれども、何とぞ本請願を御採択になつて、当局におかれても急速にこれが実現をはかつていただきたいと思います。
○川野委員長 次に本請願に対する政府側の意見を聽取いたします。
○田中(茂)政府委員 油津港の臨港線は、最近当局といたしまして痛切にその必要を認めておる状態でございます。仰せのように最近貿易港にも指定になつたということでございます。また鉄道全体といたしまして、港と鉄道の連絡の不備ということが輸送の非常な隘路になつているということを痛感しておる次第であります。私どもといたしましては、本年度全國百箇所以上にわたるかかる臨港線の散設に対しましては、積極的な方針で進んでおりまして、第一次予算にも相当の箇所を選択してかかつたのでございます。特に九州におきましては、このほかに大分、佐世保あるいは鹿兒島、博多その他、いずれも港における水陸連絡設備の不備のために、港が十分に活用できないということは遺憾に存じておりますが、やはりこれは資金と資材の問題、特に最近こういう新しい事業に対する資金は、なかなか獲得しがたいというような情勢でございますので、一應臨港施設として與えられました予算の中で、たくさんの港の中からそれぞれの緊要性に應じまして、選出して工事に着工したいと考えております。油津の問題にいたしましても、その中に織りこみまして、もし本年度できないといたしましても、あらゆる機会に本臨港線は急速に設置する方針でございますから、以上御了承願いたいと思います。
○川野委員長 本請願に対し何か発言はありませんか。
○川越博君 ただいまの御説明で、運輸当局としても十分御考察いただいていることを了承したわけであります。どういたしましてもこれは臨港線がネツクになつているわけでありまして、その路線の距離というものもきわめて短かいのでありますし、また地元としても十分この実現に対しては協力いたしたい熱意をもつておりまするから、今年度内になるべく実現していただくように重ねてお願いをいたすわけであります。本請願は前の國会においても御採択になつておりまするし、何とぞ当局においても御考察を願いたいと思います。
    ―――――――――――――
○川野委員長 次は日程第四、旧小倉鉄道拂下に関する請願、成重光眞君ほか一名紹介、文書表第五三九号を議題とし、紹介議員成重君の紹介説明を聽取いたします。
○成重光眞君 本請願は第一回國会、すなわち昨年の八月当委員会において採択されまして、その後引続いて特に本件に関しましては、前経営者側のみならず、また沿線の小倉市長ほか都市町村長全員九名が、沿線の住民の総意を代表いたしまして、陳情書を両院運輸交通委員長及び関係当局に対して提出して、お願いしてあつた次第であります。從つてここに重ねて請願の理由を紹介議員として説明申し上げたいのであります。この小倉鉄道株式会社は明治四十年の六月二十六日に創立されまして、その間幾多の浮沈を経まして開業以來今日に至ること実に三十七年の長い歴史をもつており、北九州における唯一のものとして旅客、貨物運送に大なる貢献をなした鉄道であります。さきに戰時陸運非常体制確立の必要上、突如として当時の鉄道省より買收の命に接したのであります。そのとき臨時株主総会を開催いたしまして、その諾否については当時は國内事情よりやむを得なかつたと思いますが、株主においては何らの異論を存する筋合いもないために、ただちに應諾協定を可決したのであります。けれども、その買收價格算定法については議論が百出して、まつたく是非相半ばするの状態であつたのであります。しかしその当時は、大東亞戰爭に際しまして、戰時輸送強化のため、戰時緊急措置としてやむを得ざるものと信じ、これを甘受するのやむなきに至つた事情であつたと思います。しかるに戰爭もすでに終つたので、地方線を國有鉄道の一部として経営する必要も解消せられたものと信ずるのでありますから、本事業を前経営者に返還せられんことを希望し、また鉄道利用者たる沿線の市町村もこれを実に熱望しておる次第であります。從つて本件措置実現に関して当局に請願し、もつて緊急これが実現せられんことを望むのでありますが、御参考までに、次に二、三の具体的拂下げ要望の理由を御説明申し上げておきたいと思います。
 その理由といたしましては、第一に本鉄道の買收は鉄道國有法の精神に反するものと考えるのであります。すなわち鉄道國有法第一條には「一担運送ノ用ニ供スル鉄道ハ総テ國ノ所有トス但シ一地方ノ交通ヲ目的トスル鉄道ハ此ノ限ニ存ラス」とあるのであります。本鉄道のごときはいずれも一地方の交通を目的とするものでありまして、右第一條但書に該当するものでありまして、國が強制権をもつて買收すべきものでないと信ずるのであります。本鉄道買收の手続は、株主総会の決議によつて承諾書を添えまして、任意買收の形式となつておるも、戰時総動員法施行中にして、実質においては、まつたく御意を無視した強制買收と何ら異ならないと信ずるものであります。第二の点は本件買收は実質においては沒收に近いものであつたと考えるのであります。すなわち地方鉄道の買收は、地方鉄道法第三十條ないし第三十五條に規定してありまして、その買收價格については、第三十一條において「開業線建設費ニ対スル益金ノ平均割合ヲ買收ノ日ニ於ケル開業線建設費ニ乗シタル額ヲ二十倍シタル金額」すなわち五分利還元を規定し、第三十五條におきましては、買收代賣は額面金額により五十五年内に償還すべき五分利附國債証券をもつて交付すと規定されておるのでありますが、しかるに本件買收にあたりましては、交付せられたる國債は三分判定子のものでありまして、この点においては株主は利子の差額一分半の利益を否視せられたる上、交付公債は登録公債にして賣買の自由を有せざるのみならず、政府はさらに被買收会社を國債保有会社として存続し、國債を株主に配合せざるよう強制しておるのであります。会社存続の命令はその後解消せられ、また最近國債の登録取消差支えなき旨の通告を受けたのでありますが、今日この賣却線が、政府の交付賣額の約六分強にすぎざるをもつて、この際事業の返還を受け、保有國債を政府に返納することを希望しておるのであります。第三の理由は、沿線市町村の希望でありますが、先ほど申し上げました通りに、沿線各市町村長は御意を代表しまして陳情書を出しておるのであります。國有鉄道のごとき厖大なる事業形態においては、その組織の復雜、法規の煩雜はやむを得ざるところでありますが、本件のごとき小地方線の経営に必ずしも適切ならざるものあり、沿線居住者といたしましては、むしろその線と密接なる関係を在する事業会社をして経営せしめ、これが事業育成及び運営に参画し、鉄道事業として地方の希望に即應する経営をなさしむるのみならず、地方産業開発にも協力せしめ、地方利害関係と一体となりまして経営することを、地方沿線市町村民は熱望しておるのであります囲なお申し添えておきますが、本線の終点ないし沿線には、國立公園ともなるべき英彦山、あるいはその地平尾台など風光明媚な所、その他北九州五市を控えまして、沿線には公園、住宅経営など、民間経営としていろいろな福利方面の計画がされておるのでありますが、目下本線が國有に帰しておりますがために、この計画も頓挫を來しておる次第であります。一刻も早くこれが拂下げを実現いたしまして、地方民のためにこれら計画を実現し、その要望にこたえたいと信じておるものであります。以上簡單にその理由を附しまして、請願の説明を申し上げる次第であります。
○川野委員長 次に本請願に対する政府側の意見を聽取いたします。
○小幡政府委員 お答え申し上げます。戰時中買收いたしました地方鉄道の拂下げに対する一般論的の考え方は、先ほど旧鶴見臨港鉄道以下の拂下げに対する御請願のときに申し上げましたので、省畧いたしまするが、この小倉鉄道の拂下げに関しましては、小倉鉄道は沿線に重要炭田地帶をもつておりまするし、石炭運送上きわめて重要であるばかりでなく、また田川線方面と、門司、小倉方面とを短絡する路線といたしまして、單に一地方の交通を目的としておるとは言いがたいのではないかと考えるのでありまして、その線の有する使命から見て、むしろ國鉄と一元的に運用する方が妥当ではないかと考えておるのであります。しかしながらただいま成重さんからその他二つの理由を特にあげられまして、これが拂下げに対する御要望があつたのでありますが、買收價格が特に低廉であつた点、また沿線市町村民の熱望のある点、これらの点はさらにとくと研究いたしまして、善処したいと考えます。
○川野委員長 本請願に対して何か御発言はありませんか。――なければ次に移ります。
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○川野委員長 日程第二一、石海村を省線電車車庫並びに変電所建設用地より除外の請願、山名義芳君紹介、文書表第六四二号、紹介議員山名義芳君より紹介説明を聽取いたします。
○山名義芳君 私の紹介いたします請願は、山陽線の明石、姫路間の省線電化に伴う省線電車車庫並びに変電所建設用地除外の請願であります。実は明石、姫路間に、省線電化に伴う車庫の敷地予定地として英賀保急附近に建設の御準備があるように聞いておりました。ところが今般欠干区運送協力会、東京芝浦電氣網干及び余部工場、大日本セルロイド会社というような團体の誘引によりまして、石海村地域に御変更になつて、一月十二日にその敷地の実測をされた。そうして右建設予定地は網干駅から西方十町、現在鉄道路線の南北各三町の武廣、福地、米田、塚森、糸井、こういう五部落の耕作地の大半がその用地になつたのであります。この五原落は実に海山遠く、山林原野をもつておりませず、單なる專業農家はかりでありまして、今度の省線電車車庫建設によりますと、祖先傳來の耕作地を失うばかりでなしに、まつたく彼らの生計の資料を求めるところがない。こういう部落大半の死活問題でありますために、村当局でも村会の決議によりまして、村長が代表となつてこの請願を出したのであります。聞くところによりますと、まだ省線電化が明石から姫路までも決定いたしておらないようであります。それになお姫路より西であります網干の電化が可能であるとして、その敷地の測量をされたというので、これは私考えますのに、実は省線電化がもし姫路より西の網干に実現が可能でありますならば、もう数駅向うに、大阪鉄道局管下の最終点であります上郡駅をもつております。この上郡駅まで電化実現をはかつてもらうことは、そう大したことはない。しかもその中間には、相生駅というものに連関して、幡磨造船所があります。現に数千の職工がこの運送困難を克服しつつ、その造船所に通つておるのであります。從つて大阪鉄道局管内では、この交通緩和のためわざわざ工員列車を二本も出しておる。こういう状態でありまするならば、電化をもう少し延長して上郡駅まで――これは近く本委員会に請願を出そうと企てております。また上郡の方では、電化がもし上郡までしてもらえるならば、敷地も提供しよう、あるいは労力も提供しよう、こういう決意で構えておりますのに、何を好んでわずかな部落とは申しましても、百数十世帶の死活問題になりますそこへ、あえて省線電車の車庫の建設をなされるということは、どうも当を得ておらない。こういうふうなことで村長も村の代表となつて請願をいたしておるのであります。願わくは本委員会において御採択くださるようお願い申し上げます。
○川野委員長 次に本請願に対する政府側の意見を聽取いたします。
○田中(茂)政府委員 石海村省線電車車庫竝びに変電所の建設用地のことで、地方の方に非常に御心配をかけておることはまことに申訳ないと思います。実は東海道線を越しまして山陽線、京阪神一体としての電化計画、特に電車運轉計画につきましては、一貫した計画のもとにこれを進めなくてはならないのでありまして、一應姫路までということで、先に計画を立てておりましたが、あの辺の輸送状況から見まして、網干がやはり一貫した電車輸送計画の終点になるだろうという予想をしておつたのであります。それで京都あるいは姫路までの間に、どういうふうにそういう施設を配置するかということについて、いろいろな点から利害得失を研究しておるのでございます。石海村の車庫の問題及び変電所の敷地の問題につきまして、確定したかのごときお話でございますが、おそらくこれはそういう一貫した計画の研究の調査材料として、現地の測量をしたのではないかと考えております。本省としましては本年度ぜひ実現したいと思つておりました姫路までの電車運轉も、一應現在のところ予算の面から削除された形になつておりますので、從いまして網干あるいは御説の方郡に至る電車運轉計画に対してこの用地が確定したということには全然考えておらないのでございます。最近こういう計画につきまして、農耕地の買收問題が私どもの事業計画に非常な大きな問題を提供しておりまして、私どもとしましても、そういうりつぱな農耕地をつぶすということは極力避けておりますので、今後本格的に決定いたしますまでの間、そういう点から考慮いたしまして、やむを得ない場合には最小限度ということになるやもしれませんが、方針としてはできるだけ鉄道輸送上忍び得る最大限の点は忍びまして、農耕地を大量につぶすということは避けたいと考えております。いずれにしましても、本箇所における工事計画は決定しておるものではないのでありますから、そういう事情は現地の鉄道の調査機関などにもよく御連絡くださいまして、事情をよくわかるようにしていただきましたならば、いい考えもあるのではないかと思います。
○川野委員長 本請願に対して何か御発言はありませんか――なければ、次に移ります。
    ―――――――――――――
○川野委員長 日程第一〇、買收鉄道拂下に関する請願、高瀬傳君紹介、文書番号第五六二号、紹介議員の説明を聽取いたします。
○高瀬委員 買收鉄道を拂い下げていただきたいというこの請願は、日本鉄道会議所会長根津嘉一郎君から提出された請願であります。買收鉄道と申しましても、今まで國有鉄道になつてから買收された鉄道全部を拂い下げてくれというのではありません。御承知のように最近における地方鉄道の買收が、省社一体の理念のもとに、物的戰力の増強を目的として策定され、戰爭完遂のため事業者を忍從させたことは、朝野のひとしく認めるところであります。しこうして最近に買收を実施されたこれら鉄道及びその延長は、昭和十八年度には、北海道鉄道ほか十一鉄道で五百キロ、昭和十九年度には膽振從貫鉄道ほか九鉄道で五百キロに達しております。これら鉄道の中には、地方交道機関としての意義を多分に有するものもあり、また開業後ようやく独立自営の域に達したものもあり、地方民がその郷土の運輸機関として地方経済の維持発展のため、その郷土に適應するよう、民間においてこれを経営せんとする希望の存するもの少からずと存ぜられます。
 今やわが國は敗戰の事実に直面して、軍國的性格を拂拭し、民主主義の國家として再建せんとするにあたり、從來実施された地方鉄道買收の目的の大半は喪失されたと見られるものがありまするから、政府は速やかに買收鉄道について再檢討の上、民営を適当とする路線にしてこれが経営を希望するものあるときは、買收鉄道建設の本義に鑑み、これを戰前の状態に還元するよう、その拂下げについて御高配を願いたい次第であります。特に先ほど政府委員からたびたびこの問題に関連しまして御説明がありましたが、私の考えるところでは、この戰爭中に買收された鉄道は、戰爭遂行目的のためになされたものでありますから、現在ではその事情はすべて解消していると思います。特に戰時中の議会においては鉄道大臣から、戰時陸運非常態勢に基く買收であるとはつきり言明しておるような点を見ましても、この点は明らかであろうと思います。
 その備に國有鉄道の経営上、そうこれらの線は重要な路線ではないと思います。鶴見臨港鉄道にしたところが、富山の地方鉄道、富岩線にいたしましたところが、幡但鉄道にしたところが、重要な路線ではない。ここにあげた旧会社線はすべて場所的に見ても輸送の点から見ましても、地方路線でありまして、國有鉄道が現在赤字を出してまでも、これを確保しなければならぬ理由はなかろうかと存じます。なおこの買收鉄道の相手方には、依然として株主がありまして、これから國有鉄道の経営のために、もうからない鉄道を全部拂い下げて、その相手方を探すというものとは非常に類を異にしておるように思います。しかもこれらの鉄道が私設鉄道時代と比べまして決して能率的に運営されてないことは、サービスが旧会社時代に比して非常に劣つているという点を見ても明らかであろうと思います。結局これらの線を旧会社線に移管することが、社会的道義に、社会的眞理に合致し、またあらゆる輿論を考察いたしましても、これを民間に返すのが当然であり、また地方民力増強の一助になることも明らかであろうと存じます。從つてぜひともこれらの戰時中に買收された鉄道は、急速に総括的に民間に拂い下げらんことを請願いたす次第であります。
○川野委員長 次に本請願に対する政府の所見を聽取いたします。
○小幡政府委員 ただいま高瀬委員から戰爭目的遂行のために買收した鉄道は、今日においてはすでにその意義がなくなつておるから、全面的に拂い下げしたらどうかというお話がございましたが、先ほども申しましたように、なるほど戰爭中買收いたしましたその当時の主目的は、戰爭遂行のためということであつたかと存じまするが、今日これを全面的に拂い下げるということは必ずしも妥当ではない。その後の輸送需要の変化なども考えて、今日眞に國民の福祉の増進に合致するために、國有鉄道として経営する必要があるかどうか、また経営することが妥当かどうかということを、具体的に決定をしていくべきだろうと考えるのであります。ただいまその他いろいろとお話がございましたが、御説の中にはごもつともと思われる点も多々あるのでありまして、それらの点は今後とも考慮いたしまして、十分研究の上処理いたしたいと考えております、
○川野委員長 本請願に対して何か御発言はありませんか。――なければ次に移ります。
    ―――――――――――――
○川野委員長 次は日程第二、長門人丸、本郷間國営自動車運輸開始の請願、紹介議員周東英雄君、文書表第五二七号を議題とし、紹介議員周東君の紹介説明を聽取いたします。
○周東英雄君 本請願の要旨は、記載してありますように、山口縣大津郡人丸駅から同じく大津郡の宇津賀村を通つて向津具村の中央部本郷に至る縣道には、戰前に民間バスがあつたのでありますが、戰時中――十九年であつたと思いますが、中止されてこのかたは、陸上の交通はまつたく絶えて――大体これは距離として四里半くらいあります。その間に乘物がありませんので、わずかに向津具村から油谷灣の海上を渡つて、二十分くらいかかる海上船によつて交通しておるのでありますが、しけがあつたり、少し波風が荒いと船が出ません。そのために郵便物等の停滯はもとより、一般民衆の交通が非常に故障をいたしておるのであります。從いまして、どうかこの区間に國営自動車の運輸を開始していただきたいというのが請願の要旨であります。ただいま申しましたように、この区間には実は戰爭前には民間バスすなわち山陽鉄道株式会社という下関に本社のある民間会社が、この間に定期の自動車を通わしておつたのであります。ところが十九年に資材その他がとだえて、なくなりました。実はこの向津具村という所には、戸数約千四百、人口約七千人、宇津賀村は戸数約六百、人口約三千、菱海村の一部には戸数が六百、人口三千人ぐらいありますので、大体合計一万三千人ぐらいある所でありますが、しかも物資としては、海産物が一年に相当額に上つておりますほか、農産物が非常に多いのであります。ところがちようど人丸の所から小さい半島をなしております。從つて特別扱いにされております。そこに交通がまつたくなくなつたわけでありますから、非常に困つておる。物資の輸送に対しても海上から行う。郵便物も一々普通は山越えでこなくちやならぬし、海から來ますと往々にして故障が起る。一昨年十二月あたりはとうとう渡船がひつくり返つて、二千人ほど非常な被害を受けた。郵便物もそのときに被害を受けたというようなこともありまして、非常に困つておる。そこから今の人丸を隔てて日置村に女学校、中学校がありまして、そこまで通う学生は乘合がなくなりましたために、歩いて行くのではとても間に合わぬ。海上の渡船で非常に朝早く來るか、寄宿舎にはいるというようなことでしのいでおりましたが、最近のような食糧事情で学校をやめるというような者も出てまいりました。こういう意味でどうか早く乘合自動車を復活してもらいたい。もちろん民営でもよいわけでありますが、なかなか今の山陽電鉄の経営状態では、新しく復活することは困難な事情もありますし、道路等も民営でありますと、なかなか手がまわりかねるというような状況であります。打明けて申しますと、そういう事情でありますから、どうかひとつここへ國営自動車をまわしていただきたい、約四里半くらいありまして、一日おそらく三百人くらいは乘降いたしましようし、物資も海産物が相当出ますので、それらの輸送も考えますれば、経営上引合うことはもちろんでありますし、從來あつた所がなくなつたのですから、よけい困つておる。こういう面がございますので、今日の事態では資材その他で非常にきゆうくつなことはわかるのでありますが、何かひとつ優先的にそういう事情をお考えいただきまして、御考慮が願いたいものだと存じまして、この請願の採択をお願いいたしたい、こういうのであります。
○川野委員長 次に本請願に対する政府側の意見を聽取いたします。
○小幡政府委員 周東さんのお話至極ごもつともと思います。私も前に廣島におりまして、この間のお話も承つておるわけでありまして、これは非常に御不便だということはよくお察しができるのでありますが、ただ、先刻御案内の通り、現在の予算、資材の面から申しますと、省営の自動車を新しく運轉するということは非常に困難でありまして、この点、当線区におきましても早急に実現するということはやはりきわめて困難だと思います。ただ、今お話もございましたように、山陽電氣軌道株式会社がここにかつて、やつておつた、それを現在休止しておるという形になつております関係上、私どもといたしまして、とにかく現在運休中のバスを早く復活させるように努力して、それで何とか御不便を除くように努力いたしたいと考えるのでありまして、國営の自動車をここに運轉するということは、正直なところを申し上げまして、現在では困難だと考えております。
○周東英雄君 ただいま政府委員から非常に御同情のあるお話を承りまして、盛謝いたしますが、私どもといたしましては、從來の山陽電鉄の運轉休止を再開させるために必要な自動車並びに部分品等の割当を至急にお願いするか、さらに進んでは、でき得る限り早い機会において國営に移してもらうようにしていただきたいということを重ねてお願いを申し上げる次第であります。
○川野委員長 本請願に対して何か御発言はありませんか。――なければ、次に移ります。
    ―――――――――――――
○川野委員長 次は日程、第一三、荒海滝原間鉄道敷設の請願、中野寅吉君ほか一名紹介、文書表第五八一号を議題とし、紹介議員中野君の紹介説明を聽取いたします。
○中野寅吉君 野岩線荒海、滝原間の鉄道のことは施設局長田中さんがよく御承知でありますから、この請願の趣意は私は申し上げません。これは田島町より荒海まで政府の非常なお骨折によつてやつてくださつたのですが、これを滝原まで延ばしていただかなければ、その地方にある豊富な材木を初め、その他の物資を出すことができぬ。一口に言えば佛つくつて魂入れずというような形ですから、どうぞひとつお願いいたします。田中さんの方が私が説明する以上に御承知ですから、政府のこれに対する御所信をお伺いして、ぜひひとつお願いしたいと思います。
○川野委員長 本請願に対する政府の意見を聽取いたします。
○田中(茂)政府委員 中野さんが詳細な説明を省畧されましても、私が御答辯できるほど、さように中野さんはこの建設線を中止いたしました事情をよく御了解願つておると思いまして、はなはだ恐縮に存じております。私どもは、特に私は施設届の規画課長をいたしておりまして、今回施設局長になつたわけでございますが、終始この建設線、特に本線の開業に対しましては、私自身非常にお賞めにあずかつていただいても差支えないほど努力をしてまいつたわけであります。ちよつと速記を止めてください。
○川野委員長 速記を止めて。
    〔速記中止〕
○田中(茂)政府委員 そういうわけでございまして、かかる線は全國に数線ございますが、十分に事情は承知していながら、これに対して予算の支出ができない。強いてこれを昨年のごとく無理をして予算を支出するということになれば、金が拂えないというような苦境にございます。この点十分御承知くださいまして、いましばらくお待ち願いまして、私ども事務的に、あるいはいろいろな面で御協力を得まして、かかる意味の建設線は、一日も早く着工できるような時期にもつていきたいというふうに努力をしたいと思つております。そういう点十分に御了解願いまして、今後ともまた御協力を願いたいと思います。
○中野寅吉君 今の田中施設局長からの御熱心な御説明で、まことに当局の御苦心もお察しします。しかし時勢はいろいろと変化いたしますから、どうぞごゆだんなく、この点については始終目を見張つて、いやしくも機会の乘ずるところがあれば、第一番にお骨折を願いたいと思います。
○川野委員長 本請願に対して何か御発言はありませんか。――なければ、次に移ります。
    ―――――――――――――
○川野委員長 次は日程第二〇、宮下川口間鉄道敷設の請願、圓谷光衞君ほか一名紹介、文書表第六四一号を議題とし、紹介議員中野寅吉君の紹介理由を聽取いたします。
○中野寅吉君 これも私が説明するまでもなく、田中施設局長が十分御承知でありますから、政府のお考えを拜聽したいと思います。
○川野委員長 次に本請願に対する政府側の意見を聽取いたします。
○田中(茂)政府委員 ただいま御説明いたしました建設線全般に対する実情をもつて御了解願えることと思います。具体的に申しますれば、この線区は、建設線全体をにらみました上でも、かなり重要な線だと考えております。近い將來に建設線がいくらかでも着手できるという情勢になりましたならば、本線のごときは相当優先的に取上げられるのではないかと考えております。
○川野委員長 本請願に対して何か御発言はありませんか。――なければ、次に移ります。
    ―――――――――――――
○川野委員長 次は日程第一一、岩國・黒沢間、下畑出合・阿賀間及び鮎谷・秋掛間國営自動車運輸開始の請願、田村虎一君紹介、文書表第五七三号を議題とし、紹介議員田村君の紹介理由を聽取いたします。
○田村委員 本請願の要旨は、山口縣玖珂郡坂上、賀見畑、秋中の三村のうち、岩國・黒沢間・下畑出合・阿賀間及び鮎谷・秋掛間に國営バスの運輸を開始していただきたいというのが請願に要旨であります。これは新たにこの区域に國営バス運轉を開始していただきたいというよりか、むしろ岩國・日原間の、現在の國営バスの延長運轉をしていただきたいと申し上げた方が適切であるかと思つております。大体山口縣の西部の方には、山口線・美禰線の両鉄道の線がありまして、山陰、山陽を鉄道で連絡しておるのでありますが、地域が廣くて資源の豊富な山口縣の東部の方には、ただ岩國・日原間を國営バスが運轉しておるだけであります。しかもこの國営バスは錦川堤防に沿いまして、一直線に日原に通つているだけでありまして、この横の廣い奥地に対するところの支線の運轉というのが開始されておりませんために、この非常に廣い地域をもち、そうして人口の多い、物資の豊富な地方が非常に交通に惠まれていないのであります。また政府委員は前任地の関係上よく御存じたと存じますが、大体本請願で運輸開始を求めておりまするところの、この三箇村における一例をあげれば、新聞なんかでも廣島縣の大竹から自轉車で三日分を一緒にして持つて行つて、そうしてその翌日まとめて配る。だからこの三箇村の人は新聞も四日目でなければ、見ることができないのであります。現在この三村の互通機関は、岩國の市営バスが一日に一往復ほどいたしておるのでありますが、人口が一万数千おりまして非常に物資資源の豊富な区域へ、わずか一往復だけ岩國市営バスがやつておる状態であります。それでわれわれといたしましては、岩國市営バスが数回やつてくれれば、それでもいいのでありますが、実は岩國市営バス自体が、午前七時から午後六時までは三十分間ごとに一回、午後照時から八時までは一時間に一回、午後八時以後はバスなしという運轉状態であります。そういう状態でありますので、この三村に対する一往復の運轉を、市営バスを強化して、回数を殖やすことができないのであります。そこへたまたま市営バスも、結局この路線はやめても、市民の足の便宜をはからなければならぬということになつてきておるわけでありまして、この請願書のうちにも書類がついておりますが、國営でもつて運轉をするならば、岩國市のこの路線に対する権利は、いつだも運輸省の方へ譲渡いたしますという、市長の添書が一枚ついておるようなわけであります。こうした状態でありまして、この三村に対して新しく運轉を開始するというより、むしろ岩日線の延長運轉をしていただきますように請願をお願い申し上げる次第であります。御採択のほどをお願い申し上げます。
○川野委員長 次に本請願に対する政府側の意見を聽取いたします。
○小幡政府委員 御事情はよく存じております。ただいま田村さんからお話もありましたように、私前任地の関係で、特に岩日線沿線のことはよく存じておるのでありますが、御承知の通りにごく最近にこの岩日沿線に三線ばかり支線の延長運轉をすることに取計らいまして、今まで一本路線の形でありました岩日線に、支線が若干できたような次第であります。この点はよく御承知のことと存じておりますが、なるべくこの地方の御不便を除いて差上げたいという氣持から、最も要求の熾烈であつた今申し上げました三線は、支線の開始を実施いたしたのでありますが、今のところさらにこれ以上御請願のような路線を延長することは、予算その他の点から早急には実現が相当困難じやないかと考えます。ただいまお話にもありました通りに、岩國の市営のバスが運轉をいたしております。それがわずか往復で、しかも岩國市内の交通すら十分でないから、なかなか増強は困難だというお話でございましたが、私どもといたしましては、省當の岩日線の延長運轉ということは、より一層困難で裁想されますので、できる限り岩國市営バスの増強をはかりたい。それでもつて少しでも御不便を除けるように実施させたいと考えるのでありますが、ただいまのお話では、とても少々の増強では、そこまで手が伸びぬだろうというように承りましたけれども、さらにそれらの点は研究いたしまして、なるべく市営増強という面で、さしあたりこの御不便をお除きするように考えることの方が、実現の可能性からいつたら、はるかに大きいのではないかと考えておるわけでございます。その辺のところを御了承をお願いいたしたいと思います。
○田村委員 小幡局長の廣島御在任中、岩日線のうちの本郷ほか二村に対して支線延長をされたことを、地方民として非常に感謝しておる次第であります。本請願の支線は、今まで御延長になりましたように、一村に対する延長だけでなしに、三村に対する延長でありまして、この三村は玖珂郡北部における食糧、農業物等におけるウクライナでありまして、この三村に連絡をして初めて若日バスがほんとうに眼がはいることになつてくるわけでありますので、岩國の市営バスは、先ほど申し上げました通り、とうてい可能性はないのであります。特に將來いろいろな物資、資材面においてお苦しい点もあると思いますけれども、もう一つ御英断をお揮いくださいまして、この路線の開通に御盡力くださいますことを、重ねてお願い申し上げます。
○川野委員長 本請願に対して何か御発言はありませんか。
    〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○川野委員長 なければ、次に移ります。
    ―――――――――――――
○川野委員長 日程第三、明石、姫路間電化促進並びに魚住村に停車場設置の請願、田中源三郎君紹介、文書表第五三三号を議題といたします。紹介議員がお見えになりませんので、井谷正吉委員に代つて紹介説明をお願いすることにいたします。
○井谷委員 本請願の要旨は、兵庫縣明石郡魚住村は山陽本線土山、大久保両駅の中間に位し、年々工場地帶化しつつあり、その從業員は他町村からの通勤者が多いのであります。しかるにその交通関係はわずかに山陽電鉄の一停留所)るのみで、村内外の通勤者の不便は大であります。ついては山陽本線の明石、姫路間の電化促進並びに土山、大久保両駅間に停車場を設置されたいというのであります。
○川野委員長 本請願に対する政府側の意見を聽取いたします。
○田中(茂)政府委員 土山、大久保間駅設置の問題は、私どもといたしましては、一應明石、姫路間の電車化の問題は関係して考えております。明石、姫路間はほかの議題でも御説明申し上げましたように、できるだけ近い將來に電車運轉をしたいと考えておるのでございます。從つてこの中間駅の問題も、その電車運轉のときに同時に考慮いたしたいと思います。この駅間は六キロ六分という相当な区間でもございますし、電車運轉をいたしますときに、いろいろな点等研究調査いたしまして、処理いたしたいと考えておる次第であります。
○川野委員長 本請願に対して何か御発言はありませんか。
    〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○川野委員長 なければ、次に移ります。
    ―――――――――――――
○川野委員長 次は日程第五、豊岡村に被服工場存置の請願、矢野政男君紹介、文書表第五四一号を議題といたします。紹介議員がお見えになりませんので、井谷正吉委員に代つて紹介説明をお願いすることにいたします。
○井谷委員 本請願の要旨は、栃木縣河内郡豊岡村の運輸省の被服工場を大宮方面に移轉するようであるが、本工場は地方分散の主旨をもつて本村に設置されたものであり、その位置は東京より約三時間の地点にあつて、交通、文化及び衞生上より最適の地であり、しかも本工場の從業員の多くは地元出身者たる現況であります。ついては本工場を豊岡村に存置されたいというのであります。
○川野委員長 次に本請願に対する政府側の意見を聽取いたします。
○中村説明員 政府委員の吉次資材局長がちよつとやむを得ない御用事のため、私代つて御説明申し上げます。本件は本來睦軍の被服工展が赤羽にございましたのが、空製中疎開する意味で豊岡村に移轉したものでございまして、それを終戰後鉄道総局が陸軍から移管を受けまして、二十一年の二月に引継いて利用をいたしてきたのであります。その建物自体が本來戰時中の應急的なバラツクでございまして、特に冬防寒的な設備も十分でございませんし、また倉庫等もひどい山林の中に散在しておりまして、そういう物の面の管理が非常にむずかしいという点もございます。これを新しく建てるについては、資金、資材の面から相当困難でございますし、先ほど申し上げましたように、本來赤羽から疎開したものでございますので、從業員の約六割の者は、赤羽を中心とする東京地方の出身者でございまして、そういう人たちが、非常に赤羽に帰ることを希望するようになつたわけでございます。陸軍の方から引継ぎましたときの根本的な考えは、近く赤羽のもとの陸軍の被服厰へ帰るというような前提で進んだのでございますけれども、これはやむを得ない事情のために大宮に別な工場を求めまして、そこへ帰つてくるというように方針が変つたわけでござまして、その点は十分御了解願いたいと思うのでございます。なお地元から採用いたしました職員は約三百名ございますが、そのうち半数は大宮に移つてきております。残りの半数のうちの三分の二、すなわち百人以上の者は、ちようどあの近所の駅その他へ轉勤いたしまして、実際に退職いたしましたのは約四、五十名にすぎなかつたわけでございます。なおその建物のあとの利用につきましていろいろ御希望があつたようでございますが、これについてはわれわれといたしまして、十分そのあとを活用したいと考えて、せつかく研究中でございますので、その辺で御了解願います。
○川野委員長 本請願に対して何か御発言はありませんか。
    〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○川野委員長 なければ、次に移ります。
    ―――――――――――――
○川野委員長 次は日程第七、若江本線を金居原まで延長の請願、森幸太郎君紹介、文書表第五四八号を議題といたします。紹介議員がお見えになりませんので、井谷正吉委員に代つて紹介説明をお願いすることにいたします。
○井谷委員 本請願の要旨は、滋賀縣伊香郡高時、杉野の両村は木ノ本駅より一里ないし五里の距離を有し、一般的の運輸機関がなく、馬車、荷車、不定期のトラツクのみで、住民の不便は言語に絶するものがある。しかもその北端に位する土倉部落には日窒鉱業関発会社の土倉鉱業所があつて、最近その事業が復活するにつれて、運輸機関整備の要切なるものがあります。ついては若江本線を金居原まで延長されたいというのであります。
○川野委員長 次に本請願に対する政府側の意見を聽取いたします。
○小幡政府委員 國営自動車の若江線を本区間に延長することにつきましては、第一回の國会におきまして請願採択もあり、また名古屋鉄道局からの希望の線として上申もいたしまして、目下研究中でありまするが、予算、資材その他の関係もありますので、早急実現は困難かと存じますが、なお鉄道局とも連絡の上、善処いたしたいと考えております。
○川野委員長 本請願に対して何か御発言はありまんか。
    〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○川野委員長 なければ、次に移ります。
    ―――――――――――――
○川野委員長 次は日程第八、瑞浪、明知間國営自動車運輸開始の請願、山本幸一君紹介、文書表番号第五五五号を議題といたします。紹介議員がお見えになりませんので、井谷正吉委員に代つて紹介説明をお願いすることにいたします。
○井谷委員 本請願の要旨は、中央線瑞浪駅、明知線明知駅の間は古來密接な関係があり、沿線一帶は製陶業、製材業が盛んで人の來往もきわめて多く、現在の民間バスでは遺憾な点が多いのであります。ついては該区間に國営自動車の運輸を開始されたといとうのであります。
○川野委員長 次に本請願に対する政府側の意見を聽取いたします。
○小幡政府委員 この区間は貨物関係につきましては、関係業者と協定のもとに、昨年の十二月二十五日に輸入車による國営区間の運轉を開始したのでありますが、バスの関係につきましては、現在ここに運行中の民営自動車との関係もありますしまた省自体の予算、資材等の事情からも、実施は困難と考えております。
○川野委員長 本請願に対して何か御発言はありませんか。
    〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○川野委員長 なければ、次に移ります。
    ―――――――――――――
○川野委員長 次は日程第一二、下北山、上市間國営自動車運輸開始の請願前田正男君紹介、文書表第五七七号を議題といたします。紹介議員がお見えになりませんので、井谷正吉委員に代つて紹介説明をお願いすることにいたします。
○井谷委員 本請願の要旨は、奈良縣吉野郡は廣大な山林地帶で、下北山村より上市町に至る沿道の村落から上市町に搬出すり物資はきわめて多く、これら物資の搬出は戰災地復興に重要であるばかりでなく、沿道村落への主食物の配給等にも欠くことのできないものであります。ついては國営自動車を下北山村より上市町に至る区間九キロの延長乘入れをされたいというのであります。
○川野委員長 次に本請願に対する政府側の意見を聽取いたします。
○小幡政府委員 この地方から産出をいたします厖大な林産物の搬出のために、自動車による國営の区間貨物の運輸につきまして、現地調査の上、本年一月十五日から紀伊小坂及び下北山間において、國営区間貨物の運輸を実施いたしたのであります。その当時上北山乘入れの要請もあつたのでありますが、いろいろな事情から遂にこれは実現できなかつたのであります。本請願の下北山、上市間におきましても、予算資材の関係その他で早急の実現はむずかしかろうと思います。
○川野委員長 本請願に対して何か御発言はありませんか。――なければ次に移ります。
    ―――――――――――――
○川野委員長 日程第一四、小野、久万間國営自動車運輸開始の請願、米田吉盛君ほか三名紹介、文書表第六〇五号を議題といたします。紹介議員がお見えになりませんので、井谷正吉君に代つて紹介説明をお願いすることにいたします。
○井谷委員 愛媛縣上浮穴郡久万町と小田町を結ぶ路線は、本郡の幹線道路で、沿道には一町三箇村を有し、木材、薪炭等の豊富な林産資源がある。しかして本路線の國営自動車の運輸開始は予土横断バス路線の拡大強化となり、ひいては四國、九州連絡の一環として多大の効果がある。ついては小田、久万間路線に國営自動車の運輸を開始されたいというのであります。
○川野委員長 次に本請願に対する政府側の意見を聽取いたします。
○小幡政府委員 この路線は國営自動車の南予線と予土線を結ぶことに、その点意義が大いにあるのでありますが、すでにこの両路線の間には伊予鉄のバスが梅津と落合の間を結んでおりまして、間接には御請願の路線と並行路線になるという関係にあります。現在すでに伊予鉄のバスが運轉いたしていることでもありますし、また現在の予算、資材その他の面から申しましても、遺憾ながらこの路線は早急には國営自動車の運轉は行えないものと考えます。
    ―――――――――――――
○川野委員長 本請願について何か御発言はありませんか。――なければ、次に移ります。
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○川野委員長 日程第一五、八鹿、岩美両駅間に鉄道敷設又は國営自動車運輸開始の請願、庄司彦男君紹介、文書表第六一六号を議題といたします。紹介議員がお見えになりませんので、井谷正吉君に代つて紹介説明をお願いすることにいたします。
○井谷委員 兵庫縣養父郡八鹿町より同縣美方郡村岡町、温泉町、八田村を経て鳥取縣岩美郡岩井町より鳥取市に通ずる街道約七十キロは因、但唯一の交通路線で、沿線には温泉及び農林資源を無限に藏しているが、交通の便がなく、文化、産業、経済の発達はきわめて低調である。ついてはこの際國鉄と併行して該路線に即ち八鹿、岩美両駅間に、鉄道を整設又は國営自動車の運輸を開始されたいというのであります。
○川野委員長 次に本請願に対する政府側の意見を聽取いたします。
○田中(茂)政府委員 本請願の八鹿、岩美間の鉄道のうち八鹿・関ノ宮間は第五十六議会、昭和四年三月でありますが、資源開発、運輸系絡上の関係から建設費の予算に計上されましたが、着手しないうちに、財政の関係から第五十九議会、すなわち昭和六年三月に予算を削除されてしまつたのでございます。この区間は延長約十四キロでございます。なお関ノ宮から岩美の間は予定線にもはいつておりませんし、從つてわれわれも調査したこともございません。ただ図面上の調査から申しますと、延長約五十九キロで、しかも工事費に非常に難関があるように見られるのでございます。從つて建設線については本区間を急速に着手することは、予算の関係から当分は困難ではないかと考えるのであります。なお自動車のことについては小幡政府委員から…。
○小幡政府委員 この区間に國営自動車の運行の御希望もありますが、これも目下の予算の事情から困難な情勢にありますので、現在あります民営バスの育成に努力をいたしたいと考えます。
○川野委員長 本請願について何か御発言はありませんか。━━なければ、次に移ります。
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○川野委員長 日程第一七、長久保、軽井沢間國営自動車運輸開始の請願、小林運美君紹介、文書表第六二二号を議題といたします。紹介議員がお見えになりませんので、井谷正吉君に代つて紹介説明をお願いすることにいたします。
○井谷委員 國道第十四号線は、旧中仙道と称せられた重要道路であるが、國鉄信越線が本道をはるかに離れて敷設されたため長野縣東信地区と南信地区の連絡は不便となり、旅客、貨物は信越線、篠ノ井線、小海線及び中央線に迂回するほかなく、時間的、経済的の不利は大である。ついては國営バス和田峠線の長久保駅より國道第十四号線を通つて較井沢に至る区間に國営自動車の運輸を開始されたいというのであります。
○川野委員長 次に本請願に対する政府側の意見を聽取いたします。
○小幡政府委員 今お話のありました通りに岩村田、丸子間には現在民営自動車が運行中でありますので、この点も考慮に入れた上研究いたしたいとは存じております。ただ目下の予算、資材その他の関係から、相当困難があると考えます。
○川野委員長 本請願に対して何か御発言はありませんか。――なければ、次に移ります。
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○川野委員長 日程第一八、津山、上井間國営自動車運輸開始の請願、庄司彦男君紹介、文書表第六三四号を議題といたします、紹介議員がお見えになりませんので、井谷正吉君に代つて紹介説明をお願いすることにいたします。
○井谷委員 津山市は岡山縣北部の中心都市として、倉吉町は鳥取縣中央部の中心都市、上井町は山陰本線との連絡地点として、從來津山、倉吉、上井間の往復は相当頻繁なるにかかわらず、何らの交通機関なく、住民の不便はもとより、沿線一帶の豊富な農林産物資の輸送に大なる障害を來している。ついては該区間に國営自動車の運輸を開始されたいというのであります。
○川野委員長 次に本請願に対する政府側の意見を聽取いたします。
○小幡政府委員 この線も私前任地の関係でよく存じておりますが、津山から上井に至るいわゆる陰陽の短絡路線として交通系絡上の重要路線でありますので、かねてから研究を進めておる線であります。しかし予算、資材、その他の関係もありますし、特に現在運営中の中國鉄道及び上井方面の日の丸自動車等の民営自動車との関係もありますので、善処いたしたいとは存じますが、目下のところ早急実施は困難な実情にあることを御了承願いたいと思います。
○川野委員長 本請願について何か御発言はありませんか。――なければ、次に移ります。
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○川野委員長 日程第一九、旧富山地方鉄道拂下に関する請願、矢後嘉藏君紹介、文書表第六三七号は、紹介議員より延期方の申出がありますので、後日に審議を延期いたします。
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○川野委員長 次は日程第二二、南部瀧神間國営自動車運輸開始の請願、松本眞一君紹介、文書表第六五二号を議題といたします。紹介議員がお見えになつておりませんので、井谷正吉君に代つて紹介説明をお願いすることにいたします。
○井谷委員 和歌山縣日高郡南部町から同郡龍神村に至る縣道龍神線は、上南部、高城、清川、下山路、中山路、上山路及び龍神の七箇村を結ぶ路線であるが、各村の交通及び食糧その他日用品等の輸送は民営自動車によるため、その不便は大である。しかも本路線は天下の名泉たる龍神温泉、あるいはハイキングコースとしても絶好の地である。ついては産業の開発並びに觀光事業発展のため該路線に國営自動車の運輸を開始されたいというのであります。
○川野委員長 次に本請願に対する政府側の意見を聽取いたします。
○小幡政府委員 南部、龍神間の國営自動車運輸開始の請願でありますが、何と申しまても、目下の情勢では、これが実現は相当困難であります、ただここに龍神自動車が現在民営として動いております。貧弱なバスだという請願の御要旨もあるようでありますが、これを強化いたしまして、運送の円滑をはかるように試みたいと考えております。
○川野委員長 本請願に対して何か御発言はありませんか。
    〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○川野委員長 なければ、次に移ります。
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○川野委員長 次は日程第二三、米原、京都間電化促進の請願、長野重右ヱ門君ほか一名紹介、文書表第六六〇号を議題といたします。紹介議員がお見えになりませんので、井谷正吉委員に代つて紹介説明をお願いすることにいたします。
○井谷委員 滋賀縣は京阪神ブロツクの一環をなし、経済的、文化的に緊密な関係にある。殊に湖南、湖東の地方は京阪神の穀倉に当り、また中小企業が散在しているが、その間を結ぶ交通機関は本縣の動脈であるが、湖南、湖東地方は國鉄の一線に依存するのみで、その混雜ははなはだしく、また京都、大津間の二大トンネルは事故が続発している状態で、地方民の不便は大である。ついては米原、京都間の電化を促進されたいというのであります。
○川野委員長 次に本請願に対する政府側の意見を聽取いたします。
○田中(茂)政府委員 東海道線の電化は國鉄といたしまして優先的に取上げております。米原、京都間はその中でも順において相当優先的に施行するつもりでありますが、現在のところ本年度はこれに対する予算を計上する運びに至つておりません。しかし米原、京都間の電化については、最も早い機会に着手できるように考慮いたしたいと考えております。
○川野委員長 本請願に対して何か御発言はありませんか。
    〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○川野委員長 なければ、次に移ります。
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○川野委員長 次は日程第二四、瀬上、船岡両駅間鉄道施設の請願、小沢專七郎君紹介、文書表第六六九号を議題といたします。紹介議員がお見えになりませんので、井谷正吉委員に代つて紹介説明をお願いすることにいたします。
○井谷委員 東北本線瀬上駅より福島縣伊達郡保原町、梁川町並びに宮城縣伊具郡丸森町、角田町を経て、東北本線船岡駅に通ずる鉄道路線の沿線一帶は東北屈指の養蚕地であり、かつ農、林、鉱産物資を多量に産出するが、この区間の輸送機関、施設がきわめて不備であるため、物資の輸送並びに開発に障害となることが大である。しかも該路線は地形的に見て、平坦地を通過するため、鉄道の実現はきわめて容易である。ついては該路線に鉄道を敷設されたいというのであります。
○川野委員長 次に本請願に対する政府側の意見を聽取いたします。
○田中(茂)政府委員 本線のうち、瀬上、丸森間は鉄道敷設法予定線福島、中村間鉄道の一部でありますが、丸森、船岡間は予定線にはまだなつておりません。この線路は全延長四十六キロの見込みでございます。なお現下の状況といたしましては、本路線に対して急速に当局として着工することは困難な事情でございます。
○川野委員長 本請願に対して何か御発言はありませんか。
    〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○川野委員長 なければ、次に移ります。
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○川野委員長 次は日程第二五、山田線電化促進の請願、山本猛夫君紹介、文書表第六八三号を議題といたします。紹介議員がお見えになりませんので、井谷正吉委員に代つて紹介説明をお願いすることにいたします。
○井谷委員 山田線は東北本線盛岡を起点として三陸沿岸に通ずる枢要路線であるが、急勾配、急曲線の箇所が多く、その輸送力が弱小であるため事故が多く、滯貨続出して沿線の産業経済に重大な脅威を與えている。ついては輸送力増強のため速やかに本線の電化を促進されたいというのであります。
○川野委員長 次に本請願に対する政府側の意見を聽取いたします。
○田中(茂)政府委員 本田線の電化につきましては、この線は隧道、急勾配の連続しております、いわゆる特殊路線として、將來電化を考慮すべき区間だと考えております。そういう見解のもとに目下調査計画いたしておりますが、現在のところ予算あるいは資材の関係上、これが好轉を見ますまでは、早急実施は困難な実情にあります。
○川野委員長 本請願に対して何か御発言はありませんか。
    〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○川野委員長 なければ、次に移ります。
    ―――――――――――――
○川野委員長 日程第二六、一戸町に自動車車庫建設の請願、山本猛夫君紹介、文書表第六八五号を議題といたします。紹介議員がお見えになりませんので、井谷正吉委員に代つて紹介説明をお願いすることにいたします。
○井谷委員 今回運行せられる北福岡、葛巻間國営自動車の経過地たる岩手縣二戸郡一戸町は、同路線中枢要の位置にあり、交通機関の円滑を期するためには、交通の基点たる一戸町に自動車車庫を建設するのが最も適当であり、かつバス用車庫の敷地として縣有地蚕業試驗場桑園の一部を車庫の敷地として借用することに承諾を得た。ついては速やかにこの敷地を利用し車庫の建設方に関し特に考慮されたいというのであります。
○川野委員長 次に本請願に対する政府側の意見を聽取いたします。
○小幡政府委員 仰せの通り一戸町は小鳥谷線と一戸線の連繋と、北福岡、葛巻間における中枢の地でありますので、この路線の実施計画当時には、ここに自動車分車庫を設置いたしたいと考えたのでありますが、適当な用地がありませんので、小鳥谷線の附近を考慮しておるのであります。しかしながらこの問題につきましては、車輛運用上の関係もありますので、さらに仙台鉄道局とよく連絡いたしまして解決をいたしたいと考えております。
○川野委員長 本請願に対して何か御発言はありませんか。
    〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○川野委員長 なければ、次に移ります。
    ―――――――――――――
○川野委員長 次は日程第二七、立野村に停車場設置の請願、内藤友明君紹介、文書表番号第七一七号を議題といたします。紹介議員がお見えになりませんので、井谷正吉委員に代つて紹介説明をお願いすることにいたします。
○井谷委員 富山縣西礪波郡立野村及びその隣接村は、最近急に人口が激増し、諸物資の交易も盛んとなり、産業の発展著しきものがある。また金沢市への通勤通学者も相当の数に上つているが、交通の便に惠まれないため住民の不便はもとより、産業発展の上に阻害となること大である。ついては該村に停車場を設置されたいというのであります。
○川野委員長 次に本請願に対する政府側の意見を聽取いたします。
○田中(茂)政府委員 福岡、高岡間には、從來とも二箇所ないし三箇所の駅設置の御要望がございましたが、当省といたしましては、本区間、すなわち八・八キロの間でございますが、多数の駅を設けるということは不可能でございます。先般立野村ほか関係町村と高岡市の有志の方々が参られまして、現地の実情について御説明になりましたので、御趣旨はよく承知したのであります。この地方のように雪の深い地方は、鉄道以外の交通機関は冬季はほとんど杜絶してしまいますので、実情非常にお困りのことであろうとは察しておるのでございますが、一駅区間にかくのごとく多数の駅設置の請願が出ましては、私の方といたしましても処置することに困難でございます。できれば地元の御意見の一致することを希望いたしておるような次第でございます。
○川野委員長 本請願に対し何か御意見はありませんか。――なければこれをもつて本日の日程の各請願は、日程第一九を除き、全部終了いたしました。本日はこの程度において散会いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○川野委員長 なければ、次会は公報をもつて御通知申し上げることにいたしまして、本日はこれにて散会いたします。
    午後三時三十一分散会