第002回国会 財政及び金融委員会 第48号
昭和二十三年六月二十六日(土曜日)
    午前十一時五分開議
 出席委員
   委員長 早稻田柳右エ門君
   理事 泉山 三六君 理事 塚田十一郎君
   理事 島田 晋作君 理事 中崎  敏君
   理事 梅林 時雄君 理事 吉川 久衛君
      青木 孝義君    淺利 三朗君
      石原  登君    泉山 三六君
      大上  司君    倉石 忠雄君
      島村 一郎君    苫米地英俊君
      松田 正一君    宮幡  靖君
      小平 久雄君    赤松  勇君
      川合 彰武君    松尾 トシ君
      河井 榮藏君    佐藤觀次郎君
      田中織之進君    林  大作君
      受田 新吉君    八百板 正君
      川崎 秀二君    栗田 英男君
      後藤 悦治君    中曽根康弘君
      長野 長廣君    細川八十八君
      井出一太郎君    内藤 友明君
      本藤 恒松君    堀江 實藏君
      本田 英作君
 出席國務大臣
        大 藏 大 臣 北村徳太郎君
        國 務 大 臣 栗栖 赳夫君
 出席政府委員
        大藏事務官   平田敬一郎君
        大藏事務官   伊原  隆君
        大藏事務官   愛知 揆一君
 委員外の出席者
        專門調査員   氏家  武君
    ―――――――――――――
六月二十五日委員松原喜之次君辞任につき、その
補欠として受田新吉君が議長の指名で委員に選任
された。
同月二十六日委員金光義邦君辞任につき、その補
欠として川崎秀二君が議長の指名で委員に選任さ
れた。
    ―――――――――――――
六月二十五日
 軍事公債の利拂停止反対に関する陳情書(全國
 銀行協会連合会会長井尻芳郎)(第八八七号)
 國宝保存のための富籤発行に関する陳情書(奈
 良縣議会議長植田周一)(第八八八号)
 軍事公債の利拂停止反対に関する陳情書(下関
 商工会議所会頭大西英二)(第八九三号)
 取引高税設定反対の陳情書外七件(靜岡縣議会
 議長三上陽三外二千八百名)(第八九四号)
 清凉飲料税の増設反対に関する陳情書(熊本市
 迎町熊本縣清凉飲料工業協同組合理事長鴻池仙
 市外十八名)(第九〇七号)
 取引高税設定反対の陳情書(半田市字名切半田
 商工会議所会頭伊藤郁二)(第九一七号)
 國産大豆の價格引上に関する陳情書外一件(東
 京都中央区日本橋通三丁目油糧配給公團外一
 名)(第九一八号)
 宝籤の発行制限緩和に関する陳情書(第二十二
 回東北北海道各市議会議長会長弘前市議会議長
 神山隆文)(第九二五号)
 起債の條件緩和に関する陳情(第二十二回東北
 北海道各市議会議長会長弘前市議会議長神山隆
 文)(第九二六号)
 石炭價格値上反対の陳情書(第二十二回東北北
 海道各市議会議長会長弘前市議会議長神山隆
 文)(第九三四号)
 生活必需物資の統制廃止の陳情書(第二十二回
 東北北海道各市議会議長会長弘前市議会議長神
 山隆文)(第九三九号)
 会計年度期間の改正に関する陳情書(第二十二
 回東北北海道各市議会議長会長弘前市議会議長
 神山隆文)(第九四三号)
 取引高税設定反対の陳情書外一件(福山商工会
 議所会頭河相壽太郎外四十七名)(第九四九
 号)
を本委員会に送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 連合審査会開会に関する件
 軍事公債の利子支拂の特例に関する法律案(内
 閣提出)(第八六号)
 所得税法の一部を改正する等の法律案(内閣提
 出)(第九三号)
 取引高税法案(内閣提出)(第九四号)
 学校教育法及び義務教育費國庫負担法の一部を
 改正する法律案(内閣提出)(第一三六号)
 公立高等学校定時制課程職員費國庫補助法案(
 内閣提出)(第一三七号)
 有價証券の処分の調整等に関する法律の一部を
 改正する法律案(内閣提出)(第一五七号)
    ―――――――――――――
○早稻田委員長 会議を開きます。
 議案の審査に入ります前にお諮りいたします。昨日もお話がありましたが、ただいま治安及び地方制度委員会に付託と相なつておりまする地方財政法案、地方税法を改正する法律案、地方配付税法案の三案は、現下における國家財政と地方財政の関係の重要性に鑑みまして、ぜひ治安及び地方制度委員会と連合審査会を開きたいと存じますが、この点御異議ありませんか。
○早稻田委員長 御異議はないようでありますから、さよう取計らいます。なお連合審査会開会の日時につきましては、両委員会協議の上決定をいたしたいと存じます。
    ―――――――――――――
○早稻田委員長 次に有價証券の処分の調整等に関する法案の一部を改正する法律案を議題といたします。
○梅林委員 本件に関しましては、すでに各党ともに質疑を終了いたされたかのように思いますし、この際質疑を打切り、討論を省略されて、採決せられんことを希望いたします。
○早稻田委員長 梅林君の動議のごとく取計らつて御異議ありませんか。
○早稻田委員長 御異議ないようでありますので、さよう取計らいます。
 有價証券の処分の調整等に関する法律の一部を改正する法律案は、原案の通り可決確定いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
○早稻田委員長 御異議ないようでありますから、原案の通り可決確定いたします。
    ―――――――――――――
○早稻田委員長 次に学校教育法及び義務教育費國庫負担法の一部を改正する法律案、公立高等学校、定時制課程職員費國庫補助法案、右二案を一括して議題といたします。
○梅林委員 右両案は質疑を打切り、討論を省略いたしまして、採決に入られんことを希望いたします。
○早稻田委員長 梅林君の動議のごとくに取計らつて御異議ございませんか。
○早稻田委員長 御異議ないようでありますから、さよう取計らいます。
 両案を原案の通り可決確定いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
○早稻田委員長 満場御異議ないようでありますから、原案の通り可決確定いたします。
    ―――――――――――――
○早稻田委員長 次に軍事公債の利子支拂の特例に関する法律案、所得税法の一部を改正する等の法律案、取引高税法案、右三案を一括して議題といたします。質疑を継続いたします。堀江君。
○堀江委員 所得税法の一部を改正する等の法律案の中に、國税犯則取締法を強化するということが載つているわけでありますが、昭和二十二年の徴税に際して、大衆運動があつたので、あるいはそうした税金の納入等に対し、あるいはそうした税金の交渉に対しての大衆行動を取締られることが目的のように解せられます。しかし、そうした大衆行動の起ること自身が、今の税制が非常に惡い税制であり、いわゆる惡税、苛斂誅求をやる税法である。そのために大衆運動が起るのであつて、これはいたずらに罰則を強化しましても、そうした大衆行動は起り得るし、またそうした罰則を強化することが、決して大衆運動を鎭圧することにならぬわけである。結局根本は税制をほんとうに民主的な、正しい税制にするということでなければならぬにかかわらず、こうした罰則を強化することは、民主的な行き方に対する反動であるという意味において、こうしたものはやる必要がないという見解をもつているわけでありますが、これに対して当局の御意向を聽きたいと思います。
○平田(敬)政府委員 國税犯則取締法を制定いたしまして、御指摘のように惡質の反税行為に対しましては、処罰規定を設けるというようなことに改正いたさんとするものであります。今御指摘のように、税務行政合体に対していろいろ批評があるということにつきましては、私ども別にどうというわけでございませんが、昨年の実績から申しましても、一部には頭から租税というものはむしろ納めなくてもいいという見地から、相当猛烈な、惡質な反対運動がございまして、そのために円滑適正なる行政がかえつて妨げられておるという事例が、聞くところによると相当ございましたので、こういうほんとうに今の現状から考えまして惡質な運動に対しましては、適当な罰則を設けることが適当である、かような見地のもとに改正を加えんとするものでございます。その行為の内容といたしましても、明定いたしておりまして、すなわち國税犯則取締法の第二十二條に規定しておるのでございますが、國税の納税義務者のなすべき國税課税標準申告をなさないこと、または虚偽の申告をなすこと、または國税の徴收または納付をなさざることを煽動した者というふうに、眞に惡質な、いわゆる反税運動と申しますか、税を納めるなという種類の運動に対して、処罰規定を設けるというようなわけでございまして、かような規定は、現下の税務行政を適正に実施する上におきましては、私どもどうしても必要なものであると考えておる次第でございます。一般的な税務行政に対する批評その他につきましては、何も私どもはあえて云々する考えはございません。將來はかようなことを中心といたしまして、結局において國会で定められた税法に基いて納めなくてもいいといつたような種類の運動に対しましては、断固これを排除してまいりたいという考えでございます。
 いま一つの規定は收税官吏の調査権限を拡充した点でございまして、この点は普通の納税者でございますと、税務官吏等が行きまして、帳簿等を調べる場合においては、善良なる納税者は、そのままあらゆる帳簿の檢査に應ずるのが普通でございますが、インフレ利得者等であつて、ほんとうに最初から脱税をはかろうという惡質な納税者は、税務官吏が行きましても、なかなか帳簿を見せてくれないところがあるのでございます。現在の所得税法その他の規定におきましては、その際におきましては強制力を用いて帳簿を見ることができなかつたのでございますが、今回はさような場合におきましては、裁判所の許可を得れば、実力をもつて帳簿書類等を檢査することができることにいたしたのでございまして、この点は、目下國会で問題になつておりますところの、インフレ利得者等に対する徹底的追究という見地から、私どもはどうしても必要な規定であると考えておる次第でございます。さような点が、今御指摘の点につきまして私どもが今回改正せんといたしました必要な点でございます。
○堀江委員 ただいま局長の御答弁があつたわけでありまして、税務官吏の調査権限を拡張強化することにつきましては、私らも賛成するものでありますし、御趣旨は了解するものであります。ただ國税の徴收または納付をしないことを煽動するような人は、おそらく私はなかつたと思う。不当な課税に対しての、いわゆる反税運動であつて、全部の日本國中の反税運動というか、大衆運動等が、どういうことで起つたかということを一々私は調査はしておりませんが、私の少くとも聽いた範囲においてのそうした大衆運動は、不当なる課税に対しての鬪爭であり、またそうした大衆鬪爭があつて、ややこうした不合理な税制のもとにおいても、納得する税金に近づいたということが言えるわけであつて、現在の税制においては團体交渉というようなことが禁ぜられておるわけでありますが、大いに民主的な組織にするか、團体交渉を認め、そうしてあくまでも納得のいくところの納税をやるという態勢を当局がとることが、徴税の円滑化を期するゆえんであると思います。もちろんいたずらに納税を妨害する、あるいは煽動する、そうしたことで納付しないことを強要するということは惡いことであります。しかしおそらくそうした煽動なり強要するものは、私は日本國民にはないと思う。ただその趣旨が公正妥当な、納得のいくような納税をやるために、しかも現在の税法がそれをやり得ないような状態にあるということから発するわけであつて、そうした線において税法を改正することが必要であるとともに、またこうした罰則を強化するということに対してはどうかと思うわけでありまして、それよりもそういう運動が起らぬような態勢をとるということの方が必要であるという意味において、私はこの罰則の強化――初めに申し上げましたように、税務官吏の権限を強化し、ほんとうに公正な徴税をするということについては諒とするものでありますが、罰則を強化する、そうした運動に対する罰則を強化するということに対しては、非常な疑問をもつものであります。それに対する御見解をお尋ねしたい。
○平田(敬)政府委員 私どもも決してこの罰則の規定に今重点をおいておるわけではございませんで、御指摘の通り、あくまでも税制自体を、現在の経済情勢に應じまして合理化する。これが何と申しましても最も必要なことであるということは、御趣旨の通り私も賛成でございます。それと同時に税務の運用につきましても、税務の機構を拡充し、あるいは税務官吏を訓練し、その他諸般の方策を講じまして、あくまでも適正な税務の運用をはかる。このことによつて納税が自然に、円滑に行われるということに全力をあぐべきだという御意見につきましても、私どもまつたく同感でございます。それと併せまして最近にありましたような、ほんとうに國税の納付につきまして惡質な運動がございまして、ややもすると行き過ぎがあつて、その行き過ぎのあまり、非常な反税的な行為に出るというような傾向があつたのでございますが、こういう傾向につきましては、やはりそれに対する適当な規定を設けまして、併せて全体といたしまして租税の徴收が円滑にまいるようにいきますことが、どうしても必要なことであると考えておるような次第であります。從いまして堀江委員の御指摘の税制自体の合理化、それから税務の運用自体において、政府はこの必要性につきましては、まつたく御意見の通りと考えておる次第であります。
○堀江委員 昨日も大藏大臣に対しまして本年の税制が非常に資本擁護であり、大衆收奪の方向であるということを申し上げましたところ、徳田球一君がそれを言つたという、不遜な言葉を、大藏大臣は使つたわけであります。こうした税制が不当である。そうして今回の物價値上げが大衆收奪であり、インフレを高進するものであるということは、きのう皆さんがすでにごらんになつたように、ああした人民大会が開かれ、何万の大衆が集まつて、この國会の周囲をデモ行進をしたということでおわかりになるように、こうした税制が正しい税制ではないということは天下の輿論である。しかるに大藏大臣は不遜な言葉を言つたわけであります。それに対して時間の関係上私は反駁することを遠慮したわけでありますが、昨日指摘しましたように、物品税を一つ例にとつてみましても、物品税のうち、やみ利得者が使うような高級品について税率を下げ、そうして大衆の使うところのマッチやタバコの税率を大幅に引上げられるというところの理由について、まず御答弁を願いたいと思うのであります。
○平田(敬)政府委員 今度の税制につきましては、私ども一番重点をおいておりますのは、所得税においては小所得者の負担をいかにして合理化するか、あるいは軽減するかということに重点をおいております。なかんずく勤労所得税の負担は、直接税とは言いながら、実際上非常に無理になつてきておる。これをなんとしても匡正をしなければならぬというところに、非常な重点をおいておるということは、この前の所得税法の説明をしましたときに申し上げた通りでありまして、勤労所得税に関する限りにおきましては、相当大幅な軽減をはかつて、そういう御趣旨に答えたいと考えておる次第でございます。その他につきましても、農業所得等も、平均以下の所得につきましては、相当の軽減になると私どもは考えております。所得税は税率をそれぞれ適正化しておりますが、それは最近における所得の名目的な増加に対應いたしまして、やはり税率といたしましても、この際合理的な税率にもつていきませんと、なかなか税務の運用の面におきまして適正を期し難い、こういう実情がありますことは、委員各位の皆さんが前から御指摘になつておる通りでございますので、私どもといたしましてはあくまでもこの際といたしまして、税率その他について合理化をはかろう、そういたしまして今最初にお述べになりましたような、非常に無理な税法を國民にしいておるということがないようにいたしたいということから來ておりますことは、先日も、申し上げた通りでございます。
 それから今御指摘の物品税の問題でありますが、物品税につきましては、実は最近物の供給が相当殖えてきておりまして、物品税に相当高率な課税をいたしますことは、かえつてその負担が、間接税でありながら逆轉して轉嫁できないといつたような種類の物品が、相当出てきておるように思います。そういうものについては、私はやはり税の適正化を期する意味におきまして、この際税率の合理化をはかるのが適当であるという考え方のもとに、そういう種類の物品を調べ上げまして、この際若干の軽減をはかることにいたした次第であります。しかしそれも大幅の軽減ではございませんで、大体税率を一段階ずつさような物品について下げるということにしておりまして、これは最近におけるその種、物品の需要供給の関係からいたしまして、私どもとしてはこの際といたしまして、税制の合理化をはかるという見地から妥当な措置と考えるのであります。この物品税の改正はおおむねこの財政金融委員会において、すでに請願等によつて御審議の上採択されております事項が大部分でございまして、その趣旨を私どもといたしましてよく体して、この際改正を加えた方が妥当だという考え方のもとに提案しておる次第であります。マッチその他について増税をはかつておるじやないかという御議論でありますが、マッチその他の値段が、この際物價の改訂に應じましてそれぞれ引上げになるわけであります。その他の普通のいわゆる第一種物品は、いわゆる從價税になつておりまして、價格の何パーセントという税率でございますから、値段が上りますと負担も自然それに應じて調節されていくということになつておるのでございまするが、間接税のうち從量課税の税率は、値段が上つたに対して税率をそのまますえおきますと、逆に自然に軽減になる結果に相なるのであります。そういう点は私ども負担の調整をはかるという見地からいたしましても当然でないかという趣旨からいたしまして、物品税につきましても從量課税のものにつきまして、物價の騰貴に関連して税率を改正する。これは増税でなくて税率の自然的な調整ということも、ある程度言い得るかと思うようなわけでございまして、さような趣旨からいたしまして、私どもこの際かような物品税の改正というものは、税制を合理化するという見地から妥当なものと考えておる次第であります。
○堀江委員 所得税の公平を期せられるという当局の御意向に対しては諒とするものである。從つて今回の税制改革におきまして基礎控除を引上げられたというところの趣旨についても賛成するものであります。しかし四千八百円が一万五千円になつたということは、決して基礎控除の引上げではない。物價指数または去年の税制改革があつたときからしましても、基礎控除が四千八百円が一万五千円になつたということは、その物價指数や何かからすると、むしろ据置きよりもやや低下である。他の同僚議員からも質問がありましたが、基礎控除は最低生計費でなければならぬということはもちろんであるにかかわらず、引上げになつたが、ただそれは一万五千円にすぎない。これは決して基礎控除の引上げではないというふうな見解をわれわれはもつております。もちろん基礎控除が最低生活費を意味するものではあるが、現在の國家財政の上からそれがやれないというところの当局の御意向に対しては諒とするものであります。しかし少くともそれに近いようなことにするためには、もつと基礎控除を大幅に引上げる必要があるというふうに考えるものでありますが、当局としてはこれを是正される御意向はありませんか。
○平田(敬)政府委員 所得税の基礎控除、家族控除につきましては、私どもは御趣意のごとく、財政事情が許すということでありますれば、あるいはさらに一段と考えるということも一つの有力な方法じやないかとは考えております。ただ今御指摘の現行統制が打ち立てられた当時と、賃金、物價の現状と比較して、引上げ方が少いという見解に対しては、私どもさよう考えておりません。大体今の税制は千八百円ベースの時代における予算計画の一班として引上げたのでありまして、賃金水準はその当時に比べまして約倍になつておる。消費者價格指数を見ますと、倍になつていないというくらいの状態でございまして、それに対しまして基礎控除、家族控除の引上げは、私どもむしろそれより以上に一歩出ておるということを確信しております。たとえば免税点でございますが、免税点は、独身者の場合と家族がある場合と、いろいろ違うわけでございますが、かりに扶養親族が四人いる場合は、現在の税法によりますと千六百円が免税点であります。今度の税制によりますと五千三百十一円までかからなくなる。つまり三倍以上に相なつておるわけであります。これはひとり免税点ではなくて、その上の所得者につきましても、おおむねこの程度の所得は、結局基礎控除と扶養親族の控除で考慮されます。小所得者に対する負担は、今度の所得税の改正におきましては、現在のインフレの進行程度をもつてしますと、私どもは相当大幅の軽減になつておるということを確信しておる次第でございます。なおもつといつたらどうかという意見もございますが、それも一つの考えと思います。しかし現在の財政全体の事情、あるいは所得税を軽減いたしましても、他にいろいろなむりな税も相当徴收せざるを得なかつた事情からして、所得税としては今回はやはりこの程度で止めるのが最も妥当である。しかしながら小所得者の負担は、今度の改正でよほど軽減されると私ども考えております。
○堀江委員 ただいま局長の御説明は、千八百円ベースのときの税制であるというふうに御答弁になつたわけでありますが、私は千二百円以前の、それから去年の物價改訂の平均六十五倍、そのときのマル公の、大体二倍ないし三倍の引上げ以前の税制のように考えておる。千八百円ベースでなく千二百円以前のベースであるというふうに考えており、また物價におきましても、三倍ないし四倍に騰貴しておるというふうに解しておるわけでありますが、その点についてもう一遍……。
○平田(敬)政府委員 その点は先ほども申しますように、四千八百円がきまつたのはその前であるか知りませんが、とにかく予算計画、税制の計画といたしましては、昨年の千八百円べースに基く物價体系、それに應ずる予算の根本計画、それと関連してやはりそのときにおいて妥当として認めたそれぞれの控除であり、税率でございまして、そのときから比較するのが、私どもとしてはやはり正しいのじやないかと考えております。昨年は千八百円ベースの場合は、基礎控除はすえおかれまして家庭控除だけの引上げになつたのでございますが、やはり基礎控除、家族控除を通じて、そのときとして一應妥当として政府も提案し、國会の承認を得た次第でございますが、その当時から比較して先ほど申し上げたようなことになり得るということは、間違いない事実だろうと考えておる次第であります。
○堀江委員 きのうもちよつと質問しまして了解がいかなんだのでありますが、農業所得税に対する問題であります。農業所得税に対していろいろな不合理のあることは、同僚委員からいろいろ質問があつたわけでありますが、私の一番重大に考えておるのは家族労働の問題であります。農業所得に対し自家労働の労賃を経費に見込むかどうかについては、いろいろ異論があるところと思うのでありますが、自己労働が事業所得となつて現われるという見解も一理があるわけであります。しかしながら家族労働の場合においては、非常にこれは大きな問題であります。かりに扶養控除を受けない家族の労働というものは、事業所得となつて現われることはもちろんであります。しかしながらそうした基礎控除を受けないところの家族の農業の從事者は、言うまでもなく生活費が要る。基礎控除から控除されない家族労働というものは、非常に不遇な待遇を受けている。何ら税の上において考えられておらない。そのために農業課税が不当な状態を呈しているという一つの重大原因であると思います。この家族労働の問題が、農業者の所得税に対する不満の最も大きな問題であると思います。これの改正が税制の改革に出ていないのでありますが、これに対して当局はいかにお考えになつておりますか。
○平田(敬)政府委員 御承知のように生計を一にする者の所得は、全部合算して課税する。こういう建前になつている。この行き方は私ども所得税の制度として考えます以上、すべて合理的なものと考えております。そういたしましてそれを合算した所得の中から、基礎控除はやはり一本であるということは原則でございまして、原則的にはそれは正しいと考えている次第であります。ただ問題は常にその原則を貫けるかということになると思いますが、先般來いろいろ地方で問題になりましたところの、一人は事業所得者、一人は勤労所得者、こういうようにはつきり性質が分れて、別々にその所得が分れる場合におきましては、今回は負担の実際に鑑みまして、勤労所得につきましては、それぞれ控除をする。かようなことにいたしたわけでございます。同じ事業に多数の家族が從事しておりまして、全体として所得が出てくる場合におきましては、やはり所得の一般原則に從いまして、基礎控除一本で控除する、これがやはり所得税に対しましては、合理的のものでなかろうかと、私ども考えておる次第でございます。なおひとりそういう問題は農業者の場合だけでなく、営業者の場合においても問題があろうと思いますが、現在の所得税制の建前といたしまして、さようなことは必要にしてやむを得ない方法であると考えております。
○堀江委員 今のその御答弁が、あまりに農業の実情を御存じないから、そういう御答弁ができるのではないかと考えます。かりに一町歩に三人の家族労働がいる場合、それが家族でなかつた場合と対比して見ますと、二人が足らぬから傭人した場合には、当然必要な経費としてその労賃は引かれる。しかしながら家族労働であるがゆえに何らの控除もない。しかしその二人の家族に対しては生活を保障しなければならない。今の税法においては家族労働そのものに対しては、何ら生活の保障をしないということの制度になつておつて、これは憲法違反であると言えると私は解しております。この点につきまして、もう一遍局長の御意向をお伺いいたします。
○平田(敬)政府委員 これが所得税の一般原則でございまして、同業家族、親族の中に、勤労所得と別に所得がある場合に、控除を別に考えることが例外的のものであると考えておりますので、所得税の性質上、さようなことは憲法違反であるという考え方は、私どもは賛成いたしがたいと考えております。
○堀江委員 私がさつき質問しました一町歩を経営する場合に三人の労力が必要である。しかし二人を雇傭する場合と、家族労働との場合には、非常な不公平ができるのでありますが、その不公平は当然であるとお考えでありますか。
○平田(敬)政府委員 一世帶で相当多数の、廣い面積を耕作しております場合には、所得もそれに應じて相当多くなるだろうと思います。そういう場合を、そうでない場合に比較いたして、ある程度負担をよけいに受けるということは、所得税の性質上必要にしてやむを得ないものとわれわれは考えている次第であります。
○堀江委員 それはやはり局長が農業の実際を御存じないからそういう意見が出るのであつて、そういう考えがあるがために総司令部のデヴイス課長が、大藏省の農業者に対する課税は不当であり、またそれがむちやくちやにやられておるというような意向を発表せられるという事実になるわけでありますが、これは見解の相違であり、私の見解としては、あくまでも家族労働は家族労働として基礎控除をすべきである。基礎控除をしなかつたならば、経費として、そうした労働に対する日傭日当に類するものを経費として認めなければ、基本的人権を尊重することにならぬという見解をもつておるわけでありますが、それは見解の相違でありますので、その点はこれで止めます。
 次に必要経費の問題であります。必要経費の問題について一例をとつて言いますと、この問同僚議員の質問に対しまして、作業衣は家事に関係するという答弁があつたわけであります。農業の場合において、作業衣は完全に農業生産の最も重大な生産費の一要素をなすものである。これは農業に從事しておる者のひとしく要望し、考えておることでありますが、作業衣を認めないということは、はだかで仕事をせよと要求されることと同じだと思います。またいろいろの農機具の費用の償却にしましても、買つたときの値段をしか認めない。時價を認めないということは、來年その農機具がいたんだ場合には、高い農機具を買わなければならぬ。こういうことを考えて見ましたならば、当然農機具や何かは、時價をもつて算定すべきであるということが正しいと思うのであります。以上作業衣の問題と償却の問題について伺います。
○平田(敬)政府委員 先の農業所得の負担の問題でございますが、昨年の実際負担が相当重すぎたという場合があるとするならば、それはむしろ低所得者の税率が余りにも高かつたというところに、非常に大きな原因があつたと考えるのでございます。すなわち五万円を超える金額に対しては、百分の五十という実に高い税率に現行税法はなつているのでございまして、この点は今までインフレの進展に應じて税率の合理化が、どうも十分行われていなかつたということからいたしまして、さような結果に相なつたかと考えるのでございます。五万円程度の所得に対して百分の五十という税率は、実際問題といたしまして、少し高すぎるのではないか。從いまして、その辺の所得の税率を大幅に上にずらしまして、今度の税法では百分の五十の適用を受けるのは、二十万円を超える金額――約四倍程度の金額にならなければ、現行税法と同じ税率の適用を受けないというように、上に税率をずらしておりますので、実際問題といたしまして、昨年度にありましたような、一部の者に負担の過重を來すというようなことは、この税法が通りますれば、私はよほど改善されると思います。
 それからいま一つの問題として御指摘の、必要経費の見方についていろいろ問題がありますが、この点は先般内藤委員から詳細な御指摘がございまして、それに対してお答えいたしておいたわけであります。見方におきまして私どもが考えておるところが十分徹底しないで、現地にいろいろな紛爭を巻き起してきたという事実に対しましては、卒直に私ども認めるのでございまして、その点については、内藤委員から先般相当具体的に御指摘がございましたし、本年度といたしましては、税法の趣旨に從つて適正にいきますように、一段と努力をいたしたいと考えておる次第でございます。ただいま御指摘の具体的な項目のうち作業衣でございますが、作業衣の問題になりますと、身にまとうものということになりまして、農業專用と申しますか、事業衣にもつぱら使うというような解釈もなかなかむずかしい。從いましてその辺の限界がむずかしいので、從來から政府におきましても、家事に関連すべき衣料は考慮しないという規定がございまして、実際問題として、そういうものを全部見るというところまで申し上げかねるということを、この間申し上げた次第であります。それから農機具につきましては、耐用年数が短いものにつきましては、購入費をそのまま必要経費として控除する、おおむね二年未満の耐用年数のもにのつきましては、購入した金額を必要経費として控除する、二年以上程度の農機具でございますと、これはやはり一年間の所得の計算上、全部を必要経費として控除するのは適当でないのでありまして、やはり耐用年数に應じまして、適当な期間に償却額として控除する、かような方法が正しいと考えております。この辺のところにつきましては、從來趣旨がよく徹底しないで大分紛爭を巻き起しておるようでありますので、今年度といたしましては、趣旨を具体的に明らかにいたしまして、適用の紛爭がなきよう極力努めたいと考えております。その際なおもう一つの問題は、償却を見る場合に、時價で見るべきじやないかという議論があります。これは法人課税、個人課税、あるいは全体に通ずる一つの問題でありますが、私どもはやはりすべての所得の計算その他におきまして、現実にその人がいくら投資したかということが問題でございまして、現実に投資した額に対する償却を認めるということが、根本的には正してのではないかと考えておるのであります。ただ法人その他について、一般的に資産の再評價ということを認めまして、原價をこの際一般的に修正して出直すというようなときが來ますれば、その出直した額をもとにして、さらに償却を認める、こういうのが一つの合理的な方法であろうと考えますが、現在の状況におきましては、まだそこまでそういう処置を講ずるのは、時機が適当でないという考え方からいたしまして、やはり現実にその人が取得した價格をもとにして償却を計算していくということが、今の段階においては正しいのではないかと考えておる次第であります。御了承願いたいと思います。
○堀江委員 きのうも申し上げたのですが、本年の税制が直接税より間接税中心に移行しておる。今局長が御説明になりましたように、農業所得は、これは一般の小所得の問題にも通ずるのでありますが、免税点が非常に上つて五千三百十一円になつた。なるほど小所得者の税率が下つたということは、そうした妥当な線に向つておるということにおいて大いに賛意を表するものでありますが、しかし問題は直接税より間接税に移行しておるということ、小所得者の税率を下げることはもちろんいいが、大所得者の税率はそれ以上の率で下つているということを、まず注意しなければならない。またそれと関連して、一方では多少勤労所得税や何かの税率を軽減したようなかつこうを見せ、一方では取引高税のような、なおより以上に大衆課税的なものをとられるということは、一つの欺瞞ではないかと思うのであります。今御説明を伺いまして、その局長の意図は取引高税をつくることによつて抹殺されてしまう。局長の意図が正しいとしたならば、取引高税は当然とつてはならないという理論に達するわけでありますが、これに対していかなる御見解でありますか。
○平田(敬)政府委員 その前にちよつと申し上げておきますが、先ほど扶養親族四人の場合の免税点を申しました。これは給與所得の場合の月額でございます。年額になりますと、從いまして給與所得の場合は六万円程度まで、扶養親族四人程度であれば課税にならぬということになりますので、その点誤解のないように御了承願いたいと思います。
 それからただいま、勤労所得その他の小所得の税率は軽減しても、取引高税を起したことによつて相殺されるのではないか、それでは意味はないじやないかという御質問でございます。確かにそういう一面はあると思いますが、勤労所得税の軽減された額と、取引高税が全部消費者に轉嫁されて勤労所得者が負担したという場合の額と、相当具体的に計算してみますと、その額は非常な差があるのでございます。先日も申しましたように、勤労所得の場合の平均的なものは、家族三人の場合六千円ぐらいでございますが、月額六千円の所得者で扶養親族三人の場合の負担額は、現行税法によりますと千四百七十一円、それが改正税率によりますと二百七十九円、すなわち約千二百円程度の軽減になります。扶養親族の多い場合はもつと軽減になりますが、かような所得税の軽減に対しまして、取引高税の負担は、せいぜい百四、五十円以下じやないか、いろいろ計算してもその程度に考えられるのでありまして、勤労所得税の軽減に比較して、かりに取引高税の全部が轉嫁されたといたしましても、勤労所得者の負担は、なお非常な軽減されることになつているというように私どもは考えているのであります。なお取引高税につきましては、先般もいろいろ意見があつたようでありますが、どうも取引高税の作用について、あまりにも重大視され過ぎているのではないかという点を私どもちよつと感じましたので、その点について申し上げておきたいと思います。議論といたしましては、取引高税についてはいろいろの議論がありますことは、この間以來議論が出ておる通りでございますけれども、実際問題として、現在の経済情勢のもとにおいて、百分の一程度の解引高税が、かりにそれが最終消費者に轉嫁されたと仮定いたしましても、その実際の影響というものは、一般に批評されておるような大きなものではない。この点はフランスでもドイツでも、昔から理論としてはあるのでありますが、実際問題としては、やはりそれほど大きな影響はないということになつているのでありまして、議論はありますが、実施以來取引高税の効用を認めまして、フランスでも十何年來、ドイツにおいても相当長い期間実施されておることを見ましても、私どもさようにおそれるに足らないものではないかと考えている次第でありまして、もしも今日財政の費用が非常に少くてもよろしい。税の負担が相当少くてもいいという場合でございますれば、あるいは強いてこういう税まで起さなくてもいいじやないかということも考えられますが、現在の非常に窮乏した國御経済のもとにおきまして、しかも政府の財政支出はどうしても出さざるを得ない、しかもそれを税以外で賄いますとインフレーションになるという場合におきまして、やはりこの種の新税を起してインフレーションを防止するという見地を強くとりますことは、私は現下の財政経済政策として当を得たものであると考えていることをこの際申し上げて、御参考に供したいと存ずる次第であります。
○堀江委員 あとは大藏大臣が見えてからにいたします。
○苫米地(英)委員 ごく簡單に質問をいたしたいと思います。ごく小部分の小さい問題でありますが、今度法人税と特別法人税とが一本になつたようでありますが、その必要な理由をひとつ御説明願いたい。
○平田(敬)政府委員 御承知のように、特別法人税は、昭和十五年でしたかの税制改正によりまして、從來非課税になつておりました産業組合、商業組合その他の、いわゆる協同組合的な組合に対しまして、やはりある程度の担税力ありと認めて、課税するのが妥当だというので、特別法人税として課税することに相なつたのでございます。その後相当期間経過したわけでございますが、もともと理論的に考えますと、法人税といい、所得税といい、別に営利行為に対して課税するというのではありませんで、いやしくも所得がある場合において、その所得に対して課税するというところから出ている税でございますので、こういう種類の税につきましては、そういう種類の組合といえども、やはり同じ負担をするというのが、理論上当然のことでございます。ただそれがいろいろ沿革的理由によりまして、一挙に完全に一本にするというには、当時の事情として無理がございました。從いまして特別な法律をつくつて課税するということに相成つておるのでございますが、今日におきましては、このような特別な取扱いをするということも、システムの上において設ける必要はないじやないか、むしろそういう法人としても、いやしくも所得があり、收益がある場合には、それぞれ普通の税制に基きまして課税をする方が適当ではないかという考え方で、この際統合することにいたしたのであります。法人税においても、一方において資本税もやめる、超過所得税も相当軽減をはかることになりましたので、かような措置によりましてもこの特別法人に対して特に無理なことはない。たた現在税率が特別法人と普通の法人との間に、ある程度の開きがあります。この開きをこの際一挙に全部なくしてしまうことは、また行過ぎではないかという見地から、この際といたしましては、税率の方は一應やはり今までの幅を認めまして、それぞれ課税する方が妥当であるという考え方のもとに、かような制度に変更いたしたような次第であります。
○苫米地(英)委員 特別法人税が現行税率では二五%になつておるが、今度三〇%となつたわけですね。
○平田(敬)政府委員 その点はなはだ申訳ありませんが、実は最終的にきまりましたのは、百分の十軽減して百分の二十五であります。印刷が間に合いませんので正誤を出しておりますが、その正誤によつて修正されておることを御了承願いたいと思います。
○苫米地(英)委員 今度の税制の改革によりますと、余剩金がないような場合、もしくは余剩金がきわめて少いような場合には、租税の特別措置法によつて、登録社債、公債、または預け金の利息に対する免税がありましても、免税の特典にあずかることができない結果になると思いますが、この点はいかがでありますか。
○平田(敬)政府委員 特別法人のうち、特に金融機関的性質の強いものにつきましては、要項にも書いてありますように、登録公社債等に対する所得税の免除を行いまして、その間の調整をはかりたいと考えておる次第でございます。その他の場合におきましては、一般の商工業者の場合においても、一般の納税者の場合においても、所得が欠損である、しかし銀行預金なり、源泉課税を受ける所得があるときは、その所得に対する税額だけは優先的に納めることに相なりますので、ほとんどないと思いますが、かりにありましても、今の法人税、所得税全体を通ずる制度としては妥当であると考えておる次第であります。
○苫米地(英)委員 理論上は合理的だという点については、私も同感なのでありますけれども、源泉所得でとられてしまつて、それが余剩金の分から控除される、こういう形式になつておりますが、そうなりますと、余剩金がない。もしくはきわめて少いという金融機関の場合は、現実において、源泉課税はされたが控除はされないということになりますので、非常な難局に立つと考えられます。本年三月末に市街地信用組合の決算を調べてみますと、余剩金のあるものが百九十二組合、余剩金のないものは百八組合であります。そこで余剩金のない組合――三六%に当つておりますが、これらはまつたくこの恩典が受けられない。のみならずこの百九十二の組合でも所得税を出してしまうと、もう余剩金の残る組合はきわめて少く、二十二組合で、欠損になるものが百七十組合になるという状態であります。言いかえれば大部分が欠損となつてしまう、こういうような実情におきまして、それはそういう組合はつぶれてしまつてもいいのだというならば、格別でありますが、その存続を許すならば、この点について理論を離れて、いま少し御考慮が必要ではなかろうかと考えるのでありますが、この点いかがでありますか。
○平田(敬)政府委員 市街地信用組合の場合は、要項にもうたつてありますように、登録公社債等がございますれば、それに対して所得税を免除するということになりまして、いわゆる金融機関と同じように、できる限り預金で預かつて、それを公社債等に投資している場合において、赤が出て困るというようなことがないようにいたしておる次第でございますが、その他の普通の銀行に対する預金その他によつて、一定の利息がはいつてきたという場合におきましては、これは一般の預貯金あるいは有價証券の利益等に対する課税を、源泉課税をするのがいいかどうかという問題に帰着するかと思うのであります。こういう種類の所得につきましては、やはり所得税としてある一定のところまで――現在は約二〇%ですが、その辺までは、利益があるとか何とかいうことなくして、やはり所得税を徴收するということが妥当であると、この一般原則で貫いております以上は、やはり御指摘のような場合が若干ありましても、負担としては決して無理じやない、むしろそういうことでよろしいじやないかと考えている次第でございますが、このことによつて信用組合に対して、非常に重大な影響があるというふうには、私ども現在のところ考えていないのであります。
○苫米地(英)委員 主税局長は影響がないとおつしやいますが、三百組合の中で余剩金を出し得るものが二十二組合しかない、そして大部分は余剩金が出てこない、從つてこの登録社公債とか預け金の利子とかいうものに対して、租税特別措置法によつて免税が講ぜられても成立たない、こういう現実の問題であります。つまり本年の三月末におけるところの決算によつて見れば、二十二の組合が三百の組合の中からようやく生存し得る、その他の組合は生存を続けることができない、こういう状態をごらんになつて、それでもまだ合理的であつて差支えないという、お考えを、おかえになることはできないものでしようか。
○平田(敬)政府委員 私も全然影響がないということを申し上げたわけではございませんが、このことによつて経営に非常に重大な支障を來すような影響はまずなかろう。経営その他において若干のくふうをやりますれば、何とかその影響は克服できるのではないかと思います。ただ今のように特別の事情がある場合において、若干のものは相当困る場合があろうと思いますが、これは例外的なものでありまして、今後におきましてはこの程度の課税をする、つまり税制によつて登録公社債以外に対する所得税の源泉が徴收されるということになりましても、まず経営に重大な支障を與えるような影響はないではないか、かように申し上げた次第であります。
○苫米地(英)委員 どうもこれは見方の違いで、どこまでいつても一致しないかも知れませんけれども、現実の問題は、三百の組合のうち二十二組合しか生存していかれない。百七十組合というものは欠損になるのだという現実の問題――理論の問題じやなくて現実こうなんだということでありますから、この点はどうか、現在のような非常な金詰まりで、市中のやみ金利が一割、一割五分、高いのは三割も出しておるというような時代でありますから、こういう零細な金を扱つておる金融機関が滅びていくということは、高利貸を非常に跋扈させるという結果になつて、はなはだおもしろくないと考えますので、これは理論はごもつともでございますし、また税制の統一をおはかりになるという点もごもつともだと思いますけれども、これは現実問題として何とか救済的の考えで、お考え直しを願いたいと思う。それを希望的に申し上げて、この問題を打切ります。
○石原(登)委員 私はもつぱら軍事公債の問題に対して、安本長官にお尋ねいたしたいと思います。
 実はこの問題については、財界並びに金融界はもちろんのこと、大藏事務当局の諸君も反対しておる。こういうことを私はよく知つておりますがゆえに、この問題に対して事務当局から苦しい答弁を聽くことが非常に私は遺憾に思います。そこで本日は大藏大臣から御答弁をいただくつもりであつたのでありますが、総理も大藏大臣の御出席がないので、はなはだ御迷惑ではありましたが、安本長官の御出席をお願いしたわけであります。そういう意味で、あるいは私がお尋ねすることが、安本長官の所管内でないというような面もあるかとも思いまするが、この問題が多分に政治的に解決された、こういうような点から考えまして、経済閣僚である安本長官が、この問題に十二分に介入されておることは当然でありますから、安本長官の立場から答弁を願つて一向差支えないと思つております。芦田内閣は組閣の当初から外資導入をその基本政策といたしまして、一切の施策はこれに基いてなされておることは、これはいろいろな機関を通じて、これまでたびたび國民に公言されてきておるのであります。ところが私どもがこの芦田内閣ができまして以來、その呼号するところの外資導入、これを受入れようとする態勢において、非常に危惧の念を抱かざるを得ない。先般の本会議におきまして、わが党の代表者が総理に対し、外資導入を受入れる態勢に対して、いかなる具体的な方策を講じておるのであるか。こういう質問に対して総理の具体的な答えというのは、法人税を軽減しておる。すなわち資本家のいわゆる利益をいくらかでも保護しよう、こういうことも具体的にとつておるのだ。ただその一つが具体的の問題で、その他はすべて抽象的の問題であつたのであります。ところがたまたま今回軍事公債の利拂、こういう問題が出てまいりました。この問題は申すまでもなく、天下の新聞、天下の輿論も、すべてこれがわが國の経済界あるいは金融界に及ぼすところの、非常な影響を恐れております。これはひとりわれわれ野党だけではなく、全日本のそれぞれ有識者たちが、この結果を非常に恐れておるのでありまして、しかも先般の本案提案説明によつても、大藏大臣ははつきりと言つておる。國際信用に及ぼす影響を最小限度に止めるためにと、こういうことを言つておる。ところがこの字句から考えてみましても、國際信用に及ぼす影響を最小限度に止めるということは、その影響が惡いということをはつきり確認しておるから、最小限度に止めるのだということを大藏大臣は言つていらつしやる。それにもかかわらずこういうような法案を出そうと言われるところの意図が、私は十二分にのみこめないのであります。そこで私まずお尋ねいたしたい。外資を導入する上に、すなわち政府は大体どのようなことを実施するならば、外資導入の態勢ができると御判断になつていらつしやるのか。そうしてどんなことを今実施されつつあるのであるか、その点からお尋ねいたしたい。
○栗栖國務大臣 私の所管でないかもしれないが、この軍公問題、外資導入問題につきましては、全力をあげていたしておる関係もございまして、そういう意味において國務大臣としてお答えもし、また安本長官としてその所管のお答えをしたいと思います。いずれお尋ねになると思いますので、一言申し上げますが、この軍公の利拂の処理が、國際的にどういう影響を與えたかということは、これは観念論ではいかないのでありまして、向うとしてもこまかに経済的、政治的に分析をして考えたものでありますから、どういう影響を與えたか、あるいは與えないといつても、どういう状態であるかということをお答えいたしたいと思つております。外資の導入でありますが、これもややもすると抽象論、観念論が行われるのであります。これは具体的に言うならば、経済的に、政治的に、具体的に話を進めていくことが一番大事であります。また今はそういうような時期にもはいつておると思います。そういうようにお話を申し上げるということを、あらかじめお断りしておきたいと思います。御了承願います。
 外資といいますが、外資にもいろいろ意味があるのでありまして、ただいま問題になつております外資はどういうものか、やがて日本の経済が安定を見、そうして復興のために長期計画の線、その他に沿うて入れられる外資はどういうものかということを、まず明らかにしないといかぬと思うのであります。当面の問題になつておりますのは、外資の中の政府間の外資であります。これはガリオア・ファンドによるものとか、それからエロア・ファンド、そういうような政府間のものと、それから民間ではありますけれども、政府のサポートの非常に強かつたいわゆる回轉基金による貿易資金六千万ドルのもの、こういうような性質がおのおのあるのであります。これを究明しないと、一律に画一的な議論をするということは、非常な危險があると思うのであります。こういうものに対する受入態勢ということは、この中には多分に救済的あるいは援護的の性質をもつておりますが、民間の外資導入のごとく、企業的というのが一番よろしいでしようが、そういう性質と非常に離れた点があるのであります。それからこれは國際の政情に非常に支配されておるのでありまして、それがためにまた受入態勢もいろいろ違うということは申すまでもないのであります。しかしお尋ねはおそらく民間外資がおもでないかと思うのであります。民間外資になりますと、本格的な外資導入、いわゆるインヴェストメントとして本格的にはいつてくる。こういうことはこれは日本の経済が安定の見透しがはつきりするといいますか、それがまず第一であるのであります。そういたしますと、われわれとしては中間的な安定、長期計画にこれを結びつけるには相当の準備期間を経た後でないといかぬと思います。今ただちにそれが現われるかと言いますと、本格的なものはインヴェストメント、投資の形によつて外資はすぐはなかなかむずかしい。しかしその準備態勢は今いたしておかなければならぬのであります。これは私はやはり企業に対して、はいるのが非常に多いと思うのであります。それには企業投資、企業参加というものに大体目標をおいておると思うのであります。そうしますればどうしても企業の再建、整備ということが非常に急がれるわけであります。集中排除の問題、賠償その他の指定の問題について、相当見透しをつけるということが第一であると思います。それから日本のインフレーションその他が進行状態にありましては、どうにもならぬのであります。不安定でありますから、この問題も大体見透しがつくということが大事であろうと思います。
 次には労働不安であります。労資の協力ということが十分完全になつて、そうしてわれわれは労働組合の健全なる発達ということえもつていつて、その見透しを得るということも非常に大事であります。
 それからいま一つは為替の問題であります。どうしても為替問題があるのであります。本格的な為替その他がはつきりいたしませんと、ぐあいが惡い点があるのであります。そのほかに財産その他税の問題なども――法人税の問題もあるのであります。一昨日もここでいろいろ申し上げたのであります。日本人の法人税に対する考えと違う。向うはいろいろ海外投資を計算いたしております。それが税によつて、その利益がほとんど上げられなくなるというような目にあつた例もたくさんあるのでございます。その辺は鋭く向うは考えておる次第であります。そういうふうな一連の受入態勢をすることが、もちろん必要であります。これには私は、片山内閣の危機突破対策でありますが、それを引受けて、そうして長期の経済復興計画を立て、その復興計画の線に沿うて外資導入を予定し、資材の輸入、その他も輸入し、國内の再建整備、経済力の回復、整備というものを予定していかなければならぬ。これが非常に大事だと思います。なおそれがためには今インフレーションが相当進んでおります現在、長期計画に入るには中間安定策というものをして、橋かけをしないと橋を渡れぬと思うのであります。その橋かけの中間安定策、こういうようなものを策定いたしまして、やつていくことが必要だと思うのであります。これにつきましては長期計画、それらのものについて私は日本國の再建のため、國民の再建のためでありますから、一党一派に片寄るということは当を得ないと思います。各党の方から代表者を出していただいて今策定を急いでおるような次第であります。そういうような一連の政策を立てて、そうして本格的な外資導入というものが、初めて準備期を過ぎて実行期にはいる、こう思う次第であります。しかし現在の問題は一種の外資導入ではありますが、この特殊的な現在の事情に副うような商談が民間では進められつつあるのであります。たとえてみますと、欧州第一次大戰のフイニシング・クレジット、仕上製品制度、原料を日本に持ち込んで日本の工場で仕上げをして製品としてもつていく、加工賃が日本に落ちるわけであります。これも一種のクレジットであります。外資導入の一つであります。あるいは原料を日本に入れて製品をつくらして、一部をまた外國にもつていく。こういうようなもの、あるいは企業参加の予約をして、そうして原料をもつてくる、あるいは原料を二年か三年一定のものを買うという約束をして向うから資材その他をもつてくる。こういうような特殊的なクレジットの話が着々進みつつある次第であります。これについては準備態勢その他の應急的、一時的のものでありますけれども、われわれとしまして外資導入に関する委員会をもつて、この関係者殊に大藏省、商工省、貿易廳、こういうものとの間に密接なる連繁をとつて、日本の経済復興に資するようにもつている次第であります。
○石原(登)委員 ただいまの安本長官の御言明によりますと、今日考えられておるところの外資導入というものは、政府と政府との間における特別な外資の導入であつて、一般の投資が期待できない、こういうようなお話であります。私どもはこれまで政府側の放送を聞いておりまして、多分に一般の外資の導入を期待いたしておつたのであります。しかもこれがためにとらるべき方策といたしまして、ただいま御指摘になりました通り労資の協調をはかるとか、特に今日の労働爭議などは早急にこれを緩和、あるいは抑圧できるような、適切な処置がとられなくては相ならぬ、かように考えております。さらにただいまも安本長官が言明された通り、この外資導入がきわめて國際的にいろいろな関係をもつのだというようなことは、私どもは非常にその点を考慮いたさなければならぬと思つております。特に私が考えますることは、外資が導入をいたされまして、日本の産業のどの方面にそれを活用し、それをどういう方面に輸出ないしは賣り出そうとされるのか知りませんが、少くとも今日の國際環境から考えてみまして、日本の産業が再建されて、そうして昔の態勢に貿易がもつていかれるには、私はどうしても隣邦諸國の協力と援助にまたねばならぬ、かように考えるのであります。しかしながら私どもが聞き及ぶところによりますと、どうもこの隣邦諸國に対するそういうような了解ないしは援助懇請が、円滑に行われておるかというようなことに非常な危惧をもつ、特に先ほどいわれたように、これが國際環境において非常に機微な問題をもつものであります。日本の産業の復興あるいは再建の希望等が、特に隣國の中國あたりにおいて、十二分に理解されて、その積極的な援助あるいは協力がないと、せつかくあなた方がお考えになつたところの日本の産業再建方策というものも、あるいは画餅に帰すということも考えなければならぬ。そういう意味において、こういう面に対して政府はどのような御処置をとられておるか。この点は特に私は重大なる関心をもつておりますがゆえに、御言明をいただきたいと思うのであります。
○栗栖國務大臣 石原委員の御心配の点も私もつともと思うのであります。お尋ねも非常にこれはデリケートでありまして、今のお話でも本格的な投資は日本はまだ準備期であつて、今準備に忙殺されておるような次第で、すぐには望み得ない。しかしそれだけのことを申すのではありません。今問題になつておるところの一種のクレジット、この混乱期における原料資材、その他輸入を目的とするクレジット、これは相当活発に話が進んでおるのであります。アルミニュームの原料等は相当の量がきておるのであります。そういう点も一つあるということをお含み願つて、一般論で話をお互いに進めていかないようにしたいと思つております。
 その次の点のお尋ねでありますが、これも私はごもつともだと思うのであります。しかしこれについてはなかなか國際関係はデリケートでありまして、ここでいろいろと申し上げることもちよつとむずかしい点もあるのでございます。これはむしろ石原委員も私と同じように御存じのこともあるだろうと思うのであります。しかし政府としては何分にも占領下であり、なお講和條約の結ばれざる前にいろいろとこういうふうにいたしておるのでありますから、非常な隘路もあり、制約もあるのでございます。しかしこれはやはり國際信義の樹立ということと、日本がかつて受けておりました外國の信用を取戻す。それがためには十分なる決意をもつて政府はするということの方針を披瀝いたしておるわけでありまして、それがためには日本の外貨國債その他の外債などについて、あるいは戰時中敵産処理をしておりましたものの整理その他についても、十分誠意を披瀝するということでいたしておるような次第であります。これがまず第一だと思います。古証文につきましても、十分國際信義の線に沿うてこれを解決して初めて信用を得て、クレジットができるのでありまして、そういうような点を十分注意をいたしておるようなわけであります。それから政府及び司令部においてもさき頃発表になつたのでありますが、戰時中殊に終戰以來しばらく途絶えておりました外米の輸入、それもエジプトからの輸入ということも相当の期待をかけ、実現ができることに相なつておるのであります。このあたりはいろいろ詳しい経緯を申し上げることが、この席においてはむつかしいのでございますけれども、相当骨を折つておるわけでございます。なお南方方面、つまりドル貨地域以外のポンド地域への貿易の促進ということも、相当の効果をあげております。これがためには南方その他についても、貿易の促進が相当に進んでおるのでございます。これにつきましてはやはり政府としましても國際信義と國際取引、こういう線に沿うて処理をいたしておるのでありまして、隣邦とおつしやいますと、いろいろその中にもまだ一部残つた所がありますけれども、これはその國々の政情もありまして、漸次拡大をいたしまして、戰時中殊に日本人に対する感情その他からして貿易その他が円滑にいかぬ点は、徐々に回復されるものと思つておるのであります。南方方面その他についても、そういう点がよほど改善されたということをひとつ御了承願いたいと思います。
○梅林委員長代理 お諮りいたします。時間も大分すぎたようでありますからこの辺で休憩して、午後二時から質疑を継続いたしたいと思いますが、いかがですか。
○梅林委員長代理 では休憩いたします。
    午後十二時二十二分休憩
     ――――◇―――――
    午後三時十四分開議
○早稻田委員長 休憩前に引続いて会議を開きます。
 午前中同樣軍事公債の利子支拂の特別に関する法律案、所得税法の一部を改正する等の法律案、取引高税法案、以上三案を一括して議題にいたします。質疑を継続いたします。本藤恒松君。
○本藤委員 所得税法の改正に対して、所得税の徴收に対する税務官吏への、大藏省当局の監督についての意見も聽きたいのであります。これは本年の自主申告の税金が納まつて後に更正決定がきたのであります。これは同僚議員からもいろいろな御意見も出ておつただろうと思いまするが、私も特にそれを承つておきたいのであります。この更正決定の金額に対しましても、各税務署のとられた態度は実に腰だめである。ただうわさであるとか、一般のいろいろな惡評なり、また正しい一つの批評であるならばいいけれども、非常に小さい町や村におきましては、いろいろな立場における人の批評は立つのであるが、これをもつてただちに税務署でその所得税を腰だめで決定するということになると、非常に不公平である。なおわれわれ中央なり地方で聞くところによれば、税務署が腰だめでたくさんの税金を吹きかけておいて、なおこれを税務署の官吏が、納税者とかあるいは地方のボス的な人たちの仲介によつて、贈賄と言うか、收賄と言うか、これに対する饗應とか、いろいろなことで安く引いたというような、いろいろなうわさも飛んでおるのである。一体本年とられたことに対し、なおまた異議を申し立てておることに対してどういう処置をとられるか、これも承りたいし、更正決定に対する何か基本的な徴收方法がもしあつたとすれば、そういうことも明細に承つておきたい。なお今度の予算の修正に対しましては、今日のような不安な経済界、または生活費の問題に対して、当然今日のどんな低い生活者であつても、一家とすれば月五千円ないし七、八千円くらいはかかつておるのであるが、実はこういう経済のときに、生活費がいろいろと不平等な状態にあるときに、数字の上においてはこれはある一つの基本的なものを出ますが、これをどういうふうに実際処理していくか。またその家庭における生活、これらに対する税率からいつても、今日の所得税というものは、すでに二、三十万以下に対してはもつと低く下げて、要するに百万円以上というものに対しては、相当の高率でもいいと私は思うのである。百万円以上のものに対してはもつと高率であつてもいいと思うが、今日の経済上の生活費の問題に対しては、もつと愼重にやつていただきたい。そろばんの上においてきめることは、数字の上においては、一應出ますけれども、実際の行政というか徴收の面においては、非常な誤りがあつて、これによつて非常な家庭的の悲劇を起す。これはもう私が今申さなくとも、いろいろな面において聞いておられることと思います。実は本年の徴收の自主申告と更正決定、または大藏省財務局なりから税務署へとだんだんと行つたその税の割当、それから徴收してどれだけ過分な徴收がしてあるか、また更正決定のときに財務局から行つたのを税務署がどういうふうに訂正をしたかということを詳しく知りたいのですが、別にその資料も参りませんので、これらに対する徴税のしかたも聽きたいし、また政府案のこれに対してもなお修正していただきたいという意見をもつているのであります。一應政府の意見を聽きたい。
○平田(敬)政府委員 所得税の課税と申しますか、過去の実績及び今後の方針をどうするかというようなお尋ねであると思うのでございますが、その点につきましては前にもたびたび申し上げたのでございますが、昨年度におきましては所得税を根本的にかえられまして、とにかく申告制で納めるという税制に根本的に変つたのでございます。ただその点なかなか宣傳等が十分にまいらなかつたこと、それから納税者におきましても、実際上なかなか所得税法をのみこむということはむずかしい、そういうことがいろいろ影響いたしまして、昨年十二月までに申告によつて納まつた税額は、実に六十億程度でございまして、予算額に対して約五百億を見積つておつたのでございますが、これに対して一割ちよつと越すにすぎないような、実にどうもおもしろくない成績に推移してまいつたのでございます。それに対してそのまま放置いたしますと、おそらく二十二年度の租税收入は厖大な赤字を示しまして、その面からインフレが相当ひどいスピードで発展するのではないかということを心配いたしまして、何と申しましてもこの際二十二年度の租税收入を確保していかなくちやならぬということについて、各方面の御了解を求めますと同時に、役所側におきましてもとにかく低い申告に対しましては適当に是正策を講ずることは、これは税法におきましても当然のこととして規定してございますし、またそれをやらなければとうてい実情において納まらないという状態に相なりましたので、本年一月の確定申告につきましては、さらに一段と、遅ればせながら申告に対する宣傳をいたしますと同時に、その後におきまして、申告額が税務署の調査額と比べて低い面に対しましては更正決定をいたしまして、それによつて税金を確保しようということにしたわけであります。その際におきまして、実績は昨日もちよつと申し上げましたように、確定申告までに申告いたします人員が五百八十四万六千人でございます。そのうち税務署において大体正しい申告だと認めましたものが七十九万三千人、つまり約一割一分でございますが、この程度の人については申告によつて正しいものであるということで、別段更正決定はいたさなかつた次第でございます。その他の大部分のものにつきましては、やむを得ず更正決定をいたしたのであります。この更正決定につきましては実はいろいろございますが、農業所得税については大体各税務署とも財務局の指導のもとに、反当りの所得をどう見るかというようなことを、農産物の收穫高、價格等を元にしまつて計算する方式を多年やつておるのでございますが、昨年度におきましてもその方式を踏襲いたしたわけであります。それから営業所得につきましても、これも各財務局におきまして各税務署間の権衡を保持するように適当に指導いたしまして、大藏省においても各財務局間にでき得る限りアンバランスがないように努力しまして、一齊に更正決定をいたす。ただ從來と違つて、調査期間が非常に短い。從來は御承知の通り前年の実績を翌年の四月ごろまでに調ベまして、五月ごろ調査委員会にかけて決定していく。それに対する税額をさらに翌年の二月ごろまでに分割して納めるということになつてくるわけですが、これがいかにもインフレの際に追いつけないというので、一方において租税民主化という見地と、一方においては租税收入の促進をはかるという見地から申告納税になり、從つて足らないものについては年度内に更正決定をやつてまいりましたけれども、なかなか徹底した調査ができにくい情勢もございまして、大分地方によつては問題を起し、いろいろ御迷惑をかけたことがあつたことも私ども承知しておるわけでございます。そういう面に対しましては、さらに本省からも適当の通牒を出しまして、誤謬訂正等については十分親切な態度をもつて臨み、なるべく速やかに直すべきものは直して、納めていただくということにいたしたのでございます。現在なお若干残つておりますが、この六月で財務局関係は大体審査のできたものを、できるだけ六月にかたづけていただくということにいたしておつたのでございまして、百パーセントまでいかなくても、八、九割程度は今月中にかたづく見込みで、現に進捗しておるのであります。そういうことで本年度の納税をなるべく円滑にして、來るべき七月からの納税を、新税法に基いて、でき得る限り宣傳その他あらゆる方策を講じまして、前年度のように下半期に一挙に納める。その結果、國庫の收入も上半期が非常に少くて、納税の方からいいましても、年度末に一挙に納めますから、その金繰りが非常に詰りまして納税しにくいということがないように、本年度といたしましては極力早期に申告をしていただいてそれによつて納めてもらう。申告が非常に低い場合におきましても早期に更正決定をやつて、早いうちに納税をしていただいて税收入を確保する。それから税務署間の調査の均衡、各財務局間の調査の均衡をはかることにつきましては、昨年の実績に鑑みまして、適正に納税をはかつていくようにいたしたいと考えている次第でございます。
○本藤委員 所得税というものは國民全体が実際に納め、また公平に徴收されることが國家の再建であり、平和日本の建設であると思うのであります。間接税の消費税の方は、お互いがタバコなり酒をがまんしようということならばそれでいきますから、ぜいたくしようとも、または自分が儉約しようとも、それは各自の信念でもあるのだが、この所得税だけは実際公平にやつていただかないと、國民の思想的または増産意欲の問題にも私は関係があると思う。こういうような点から言いまして、最近公然と地方税務署の官吏を饗應し、または買收して、予期しておるところの額より低くするということが行われておる。こういうような点からわれわれ見て、どの程度が饗應で、どの程度が收賄であるか、相当いろいろな問題があるのであります。これは最近食糧をもつてくるものもあるだろうし、タバコをもつてくるものもあるだろうし、またいろいろな料理店に呼んで御馳走をたくさん食べさせる。これは政府の人は知つてか知らずか。地方の税務署の所得税徴收のいろいろな関係の重要な位置の人たちは、ほとんど家で夕飯を食つたことがないという。中には家にも泊らないで飛んで歩いておるという官吏が往々あるのであります。これは地方においては大きな一つの問題になつておるのでありますが、饗應と收賄の限界をわれわれは一應承つておきたい。実際飲み食いして歩いておるのを見るのですが、その程度というものについて、常識的にどういう判断をすればいいか、われわれ解釈にちよつと困る点がある。こういうようなことも將來平和日本の建設という建前からいつて、これからくる國民思想の亞化というものを考え、官紀の肅正をはかることを、國民にはつきりと示していただきたいと思うのであります。
 それから更正決定を、今日の事業に対して公平に行うことはこれもなかなか困難であるが、どうも最近うわさのみによつてやる。いわゆる腰だめ式の税額を決定するということは非常につかぬことと思うのであります。これは何か一つの、たとえば農業で言えば反当りいくらとか、あるいは商業でいけば事業の申告、それによつて基本的な税率を決定してもらえば、それほど不公平はないと思う。今の状態では二十万円かかつたものが十万円にまけてもらつたとか、あるいは三十万円かかつたものは十万円に運動の結果なつたとかいうような、いろいろなことがあるのであるが、これは一面公平であつたとしても、そのデマがいろいろ國民の間に傳わるのであるから、課税に対する一つの基本的なものを國民に明確にお示し願いたいと思います。
○荒木政府委員 お答え申し上げます。徴税関係においていわば涜職とおぼしきことが行われておるように思うが一体どう思うか。それに関連いたしまして饗應であるかないか。それが收賄、贈賄になるか、ならないかということについても、目安をはつきりさせろという御趣旨のお尋ねかと存じますが、いずれもこれは司直の手において決定せらるべき問題だと存じます。いやしくも税務関係職員が饗應を受けるとか、あるいは收賄等のことをなしますことは断じて許すべきでないのでありすまして、もしさようなことがありますならば当然に公務員としての責任を負うべきものと存じます。ただ実際の問題といたしましては、同じ土地に納税者と雜居して生活をいたしておりますので、あるいは公私分明ならざる部分もあり得るとは存ずるのであります。しかしいやしくも納税に関しましては、職を汚すことを絶無になさしめなければならないと存じまして、今後に対しましては官紀の振粛について、特に税務行政に携わるものといたしましては自粛自戒を要するわけでございますから、さような対策を嚴粛に講じていきたいと存じておる次第であります。以上簡單でありますがお答えといたします。
○大上委員 所得税法の一部を改正する等の法律案について二、三お尋ねいたします。まず総体的に大藏大臣に対して御質問したいと考えておりましたが、時間の都合上省きまして、その他の方にお伺いいたします。
 まず一番の問題は、國民所得を大体一兆九千億と見ており、これの基礎計算については昨日中曽根委員からお話がありましたので大体諒といたしますが、しかし問題は、今次の税制は大体國民所得に立脚しての立案であるのか、あるいは財政面に立脚して立案せられておるものであるか。この点をまずお尋ねしたいと思います。
○平田(敬)政府委員 お尋ねの御趣旨がよくわかりかねますが、租税というものはあくまでも國民に負担してもらうわけでありまして、租税の負担は結局において國民所得から出ることは御承知の通りであります。ひとり所得税のみならず間接税においても、結局においては國民の所得において負担するということに相なりますので、國民所得がどういう状況になつておるか、またどういうものであるかということが、税制を立案する場合において非常に重大な基礎事実であることにつきましては、多く申し上げる必要もなかろうかと思います。ただ所得税を具体的に立案する場合におきましては、前々から申し上げておりますように、実際において賃金なり物價の状況がどうであるか、國民の所得の変動状況がいかがになつておるかというような点、それから一面におきましては財政需要がどの程度か。はたして財政的に許すかというような、諸般の事情を考えまして、それによつて現在として妥当な所得税制を打立てるほかはないのでありまして、今回の税制におきましてもさような一般の現状を考慮いたしまして、現在として最も妥当なものということで、それぞれの改正案と政府として出しておる次第であるます。
○大上委員 では一つお尋ねいたします。大体了承はしておりますが、いわゆる國民所得が一番の根本問題になろうと思います。その点において、本法案の提案理由として、租税負担の調整云々という言葉がありますが、さすれば現在どういう点に跛行的なものがあるか。どういう面で調整なさるか。これを具体的に御説明を願いたい。
○平田(敬)政府委員 所得税につきましては前から申し上げておりますように、最近のインフレの進展に基きまして所得がいろいろ変動しておりますので、その変動に対して十分應じ切れていないという点が一番中心になつておるかと思います。賃金がどういう変動状況を示してきたか。それから農業所得、営業所得等の状況、現実問題としてやみ所得等の状況はいかになつておるかというような、いろいろな角度から勘案いたしまして所得額ができて、それに扶養家族の控除等の額をそれぞれ檢討いたしまして、きめておるような次第であります。
○大上委員 その点は大体了承いたしましたが、今年の更正決定につきまして、私たちがよく耳にし、当公聽会においても二、三聽いたのでありまするが、いわゆる税務署の方においては、この更正決定については國会議員がきめたのであるから、文句があるならば國会議員に言うてくれというようなことを耳にもし、当公聽会にも出ておりました。その点から見て、私たち金融財政委員は、この問題は軽々しく考える問題ではない、かように考えます。從つてこれがどういうふうな経路をたどつて、現場の税務署長あるいはその他の方がこれをはつきり言うたか、あるいはこういう事実を認められるか、認められないかという点が一つ、そしてそこまで指令が行き、あるいはそういう話になるというのは、結局更正決定の目標額が問題になるのであります。当局はしばしば目標額と言うておりますが、税務署並びに納税者といたしましては割当というように解釈しております。その解釈いかんは別問題といたしましても、われわれ当財政金融委員会においては、今次の目標額について何ら相談に與つたこともなければ、全然これに関知せないのであります。從つて所得税並びに後にお尋ねせんとする取引高税につきまして、立法上の形式的なものは法案によつて云々されておりますが、これに対する將來の具体的な運用方針というか、内部規定、こういうものとにらみ合わせて、以上の二点をお伺いいたします。
○平田(敬)政府委員 更正決定自体が國会の責任である、こういうことを言つた税務官吏があるとすれば、私は絶対に間違いだと思います。更正決定自体は、あくまでも税法の規定に從つて所得を計算して、税率を適用し、算定する。これは税務署の責任でございまして、國会の責任を云々すべき筋合では全然ないと私は考える次第でございます。ただこういうことはあろうと存じます。その所得額があくまでも正しい税法の規定に從つて、正しい所得であつた場合、その場合においてそれぞれ税率を適用し、各控除を適用して算定するのでありますが、その税率なり、起訴控除の額並びに扶養家族の控除額等の税率、その法律自体についてはこれは政府が提案して國会の御承認を得まして、最高機関たる國会で制定されてあるものでございますから、そのこと自体についてはもちろんひとり政府の責任だけでなくて、國家的に全体の責任としてきまつているということは、正しい見方ではないかと考える次第でございます。從つて私ども更正決定の変更で國会議員を云々することは正しくないのでございまして、現行の税率なり、控除額自体につきましては、税法で定められているという意味におきましてそういう説明をするのは、場合によつては必要であろうかと考えているのであります。從つてその点は誤解のないようにお願いいたしたいと考える次第であります。それから目標額の問題でございます。この点も前々からたびたび申し上げておる通り、私たちとして全國的のバランスをはかる必要上その他からいたしまして、ただ漠然と一生懸命やれやれと言うても、運用上うまくいきませんから、なおその見当について財務局に指示し、財務局は税務署に指示をなして、目標の完遂に努めておる次第でございますが、これは前々申し上げておる通り、一つの目標にすぎないのであつて、あくまでも所得は税法に從つて計算し、それに從つて決定すべきものであつて、その辺のところは、いわゆる割当等とは、本質的に異なるものであるということは申し上げておる通りでございます。地方に対してもその趣旨は十分に徹低するようにしております。あるいは若干聞き違いのところもあろうと思いますが、今後においてはこの点について、趣旨をはき違えないように十分注意をいたしたいと思つております。
○大上委員 ただいま当局のお話は十分わかつたのですが、私の尋ねておるのは、もう少し穿つて、行政面の過失がいわゆる國会議員といいますか、國民自体に轉嫁されておるのではなかろうかという氣がしたのでございます。從つて六月十六日の公聽会にも、全財の徳島氏からお話があり、私のノートした点においては、この目標の問題について指令云々ということも出ております。速記は読んでおりませんが、こういうような行政機関自体の運用上の誤りを、われわれ立法府へ投げかけておると感ずる。これは特に私個人の考え方でありますが、この点について当局はどうお考えになりますか。
○平田(敬)政府委員 先ほど申し上げた通りでございまして、税率なり控除額というのは税法で定められておる。そのこと自体についてはもちろん國会で責任を負うていただくことは当然だと思います。所得額の算定、これは政府の責任においてやるべきことであることは、議論の余地なきことであると考えております。
○大上委員 その問題はそれだけにいたしまして、その次にお尋ねいたしたいのは、冒頭私が申し上げました通り、いわゆる國民所得の上に立脚しておるという点は、大体、われわれと当局の考えは同じでありますが、一番私の不可解とする点は、現在の行政機構の各分野から見まして、一番國民所得を把握しやすいのは、いわゆる主税局管下であると思います。過日租税完納運動本部が、公聽会その他の資料を集めに大阪の財務局に参つた場合に、相当優秀なる直税課長自体が、その管内における業種別はもちろん、國民所得を把握していないという結論を得たのでございます。從つてこれが指導機関たる当局においては、今後どういうような調査をなさるか、あるいはこの國民所得総額を、どういうふうな見方で主税局自体は見ておられるか、その点をお尋ねいたしたい。
○平田(敬)政府委員 國民所得のことを各末端の税務署において承知していないということはごもつともな御議論だと思います。各税務署においては、管内において所得を決定することにもつぱら主力を注いでおるのでありまして、國民所得全体という話になりますると、これはむしろ全体的の……税務を円満に運用していくために……。
○早稻田委員長 速記に困難でありますから、靜粛に願います。
○大上委員 動議を出します。非常にやかましいので、私、答弁が十分聽きとりにくいので、質問を留保さしていただきます。
○淺利委員 私委員長に審議の方法について一應お尋ねいたしたい。一般質問を先にしまして、あとで法律の実体に触れた質問を、特別委員会でも設けてやるのか、あるいはこれをただちにやるのか。まだ実体に触れた質問が出ておらぬようであります。その審議の方法をどうされるかということを伺つてみたいと思います。
○早稻田委員長 お答えいたします。審議の方法については、先般理事会において大体方針をおきめいただきまして、まず一般質問をする。それから各論について質疑に入る。こうなつておりまして、その方法で進んでおりますが、遺憾ながら大臣の都合等で、一般質問のまだ終了しないものがあります。そこで時間の間隙をむだにするのは遺憾であるというので、各論にわたつての詳細な質問もお許しをいたしております。なお今後もそういう方針で進みたいと思つておりますが、何分、今お説のように、重要法案が山積の折柄でありますので、なるべく審議のはかどるように御協力を願いたいと思います。
 暫時休憩いたします。
    午後三時五十一分休憩
     ――――◇―――――
    午後四時五十二分開議
○早稻田委員長 休憩前に引続いて会議を開きます。
○松田委員 ちよつと簡單なことでありまするが、平田主税局長にお伺いしたいと思います。政府は賣上税の準備行為といたして、金融機関に預金の金額と口数と預金者の住所氏名を届け出よという指令を出したことがあるかどうか。これは御承知のごとく蓄積資金増強の上から申しますれば、預金はなるほど昨年度も殖えておりまするが、一体この資金の蓄積を、中央、地方の財政資金に應じ、また企業回轉基金にまわすと申しますか、定期預金が殖えなければ、眞の資金の回轉ということはできないのであります。御承知のごとく定期預金は預金の高から申しますれば二〇%以下のようになつております。それで月末に何百万円という金を銀行に預けて、月が変つて一日になつてすぐにそれを引出すようなものは、これは眞の預金ではございません。それでなるほど所得税をとる上から申しますれば、預金に対する利息はこれは所得でありますから、税金のかかることはわかつております。ところがそれを届け出よ、だれがどれだけ預金したという金高と、口数と、預金者の住所、氏名を届け出よという指令があつたということでありますが、所得税というものは、いわゆる利息だけに税金がかかるのではないのでありますのに、何か預金をよけい持つている者には、これとにらみ合わして税金がかかるのではないかというふうに國民が感じて、貯蓄を躊躇しているというのでありますが、これらのことについて事実をお取扱いになつた点を承りたいのであります。
○平田(敬)政府委員 ただいまのお尋ねでございまするが、賣上税と申しますか、取引高税等に関連して、ただ一般的に調べたことがあるという御趣旨でございますか。
○松田委員 金融機関はそれを取引高税の準備行為というふうに解釈しております。
○平田(敬)政府委員 賣上税あるいは取引高税の準備行為として、さような調査をいたしたことは全然ございません。預金等につきましては、御承知の通り一般的に一齊資料をとるというようなことは、貯蓄の関係もございますので差控えております。ただ具体的に所得税等の脱税等の問題があつた場合におきまして、個別的にその人の貯蓄を調べるというようなことはやつておりますことは御承知の通りでございます。
○松田委員 この前にもこういう問題が起りまして、大藏省でお尋ねをいたしましたら、それはないということであつた。ところで実際はその金融機関に來ております。それは全部の金融機関を当つたわけではありません。私が当つたのは七つでありましたが、そのうちで二つ來ておりまして、あと五つは來ておらないように聞いておりますが、その二つは來ておるように見受けますが、何かお間違いではありませんか。
○平田(敬)政府委員 一般的に取引高税等の資料といたしまして、さようなことを調べておる事例は、私どもちよつとないのではないかと思いますが、なお事実ございましたら、いずれ取調べまして処置いたしたいと思つております。
○松田委員 取引高税の準備ということは、これは金融機関の推測であります。それではなくして、おやりになつたことはないか。これは大体昨年の十月以降のことを調べたのですが、それが來ておるところがあるようであります。取引高税のことは近ごろのことでありますから、それ以外にそういうものが來たところが事実あるように聞いております。絶対にないと言われますが、もしそれがないということでありますれば、きよう速記をとつておいて、そういうものが來たときには、税務署に向つて速記の写しを出して断ることにいたしますが、それで金融機関は税務署にたてつく、大藏省にたてつくというが、大藏省の方では監督権をもつておる。税務署では税金の関係をもつておるというので、いかにも金融機関は氣がねをしておりますから、もしそういうことがあるとしますれば、大藏省の方において、そういうことのないようによく監督していただきますよう、何かの方法を講じていただきたいと思います。
○平田(敬)政府委員 先ほどから申し上げておりますように、預金を調べれば何か材料が出てくるだろうというような意味におきまして、一般的に一齊に預金を調べるというようなことは、今の貯蓄の問題がございますので、この際差控える方針にしております。ただ先ほども申し上げましたように、個別的にある納税者の場合におきまして、相当脱税等がございまして、そこまで調べなければ調査は不十分である。どうしてもうまくいかぬというような場合におきましては、これは必要に應じて調べるという場合があるのでありまして、大体運用の方針もさような趣旨によつていたしておりますので、もしもそれに違つたようなことがございますれば、それに應じて個別的に善処いたしたいと思います。
○松田委員 そういう方針で御監督を願いたいと思いますが、今のところやはり國民は預蓄金をもつておることが、何か税金とにらみ合わせになりはせぬかというので、それで奈良で金をもうけた人は奈良で金を預けずに、大阪や京都へもつていつて預ける。大阪で金をもうけた人は、奈良とかあるいは滋賀縣へ持つてきて預けることが事実あるのでございます。利息に税金をかけるのは当然であります。それ以外ににらみ合わすところが絶対ないのだということにされるのが、実績の上から言つてまことに喜ばしいことではないかと思います。これは政府のためであります。
 もう一つこまかいことでございますけれども、法人税、無記名預金、これに関してちよつと承つておりますが、今申しますごとく、税金とにらみ合わせになりはせぬかというので、政府は無記名の貯蓄ができるという途を開いております。これはまことに結構なことでございますが、ところでこの無記名の預金に対する利息の税金がばかに高いのでございます。無記名定期の利息に対して税引をするお考えはないか。
○平田(敬)政府委員 ただいまのお尋ねのうちに、相当收益があり、あるいは利益があつた場合、その利益を預金している場合において、なおその收益に対して課税しなければならないか、こういうお尋ねでございますれば、それは全然いたし方ないのでございまして、收益があつて預金しておろうと、あるいはいろいろ現物に投資しておろうと、そういう場合におきましては、徹底的に調べまして、適正なる課税をすべきものと考えている次第でございます。ただ何でもかんでも預金を一般的にさらけ出しまして、何か材料が出てくるだろうというような意味におきまして一般的に調べるということは、預金の関係もございまして、この際差控えたいということにいたしておる次第でございまして、すでに收益があればその逃げた分につきましては追究しないというわけは全然ございませんので、その点は誤解のないように御了承願いたいと思います。
 それからもう一つ無記名定期預金の税率の問題でございますが、所得税の税率が相当高くなつていることは御承知の通りでございます。無記名定期をいたす場合においては、特に総合課税をしない、こういうことになつております。私ども無記名定期に対しまして、この程度の負担をさせるということは、今の財政事情あるいは全体の所得税の税率の構成といたしまして、いたし方ない、必要であると考えている次第でございます。
○松田委員 財政状態からと申しますけれども、御承知のごとく資金の蓄積があつてこそ、初めて中央、地方の財政も資金要求に應じられるのであります。また企業回轉資金もこの資金の蓄積から生れているのであります。ですから無記名定期の預金を全部犠牲に供するくらいで、私は別段資金の蓄積という点から考えますと差支えないように考えます。しからば無記名定期の昨年度の利息に対する税金は一体どれくらいおとりになつているか、それを承りたいと思います。
○平田(敬)政府委員 ただいまこの問題だけを取調べました資料はございませんが、全体の額からいきますと、それほど大きくないものと思つております。ただこの税制は、額が少いから税率を適当にやつてもいいというわけには、やはりまいらないのでございまして、私どもはやはり税制全体をにらみ合わせまして、それぞれ合理的な負担をしていただくことが必要だと考えますので、貯蓄の見地からいたしますと、できるだけ軽くするのが妥当でございますが、一方税の全体の負担を考えまして、この程度の負担は、この際税制の健全性を保持する意味から必要ではないかと思つておる次第でございます。
○松田委員 どうもそこのところはわれわれと意見が違つておるのですが、しかし今ここでただちにこれを軽減するというお答えはなかなかできにくいでありましようから、お立場をお察し申しまして、こういうことはひとつお考え願いたいという希望を申し上げておきます。
 それから法人税を下げるということでありますが、これにつきまして、法人税の経理を税務署の方で調べておる場合、法人に税金をかけるときの税務署のとつている事務取扱の方針を承りたい。
○平田(敬)政府委員 御質問の御趣旨がよくわかりかねたのでございますが、もう一度お願いいたします。
○松田委員 法人に対して税金をかける場合に、課税の対象となる利益を調査するのには、どういう方法をやつておられるか。
○平田(敬)政府委員 法人税は御承知の通り一應申告納税という建前が貫かれておりまして、それぞれ事業年度終了後、一定の期間内に会社が自分の所得額と税金を計算して納税するという建前に相なつていることは所得税と同樣であります。ただ実際問題といたしまして、所得税と同じく――法人税の方は若干よいと思いますが、やはり申告だけでは十分な結果を得られないのが、遺憾ながら現在の実情でございますので、税務署といたしましては、それぞれ法人については必要な資料を提供せしめ、その資料に基き、あるいは実地調査をやり、あるいは机上でさらに補正調査をやりまして、適正な更正決定をいたすというふうにいたしております。
○松田委員 なるほど外資の導入の上から申しましても、生産増強の上から申しましても、下げてもらうということは、われわれは結構に思うのでありますけれども、これは法人によつて一樣に申されません。というのは今の栗栖安本長官が大藏大臣当時、大阪方面に参りましたとき、大阪の法人の経営が実際どうなつておるか、また法人の代表者のお話等を聽きまして、私実際に調べたのであります。これは一つの例でありますが、こういうときにはどうなさるかということを承りたいもであります。大阪では中座、歌舞伎座、角座という大きな芝居小屋が三つ建つておる。今年の正月の芝居でありますが、特等が四百円、それがプレミアム附で千円くらいの入場料になつておる。これが特等から一二等までが満員で、それでようやく立見くらいがいくらかあいておるという実情でありまた。それでその営業者に聽いてみたのでありますが、一体どこが買占めるかといつたら大体は法人である。これは料理屋が営業停止になつて、忘年会もできぬし、新年宴会もできない。その代りに観覽券を渡すために会社方面が買占めておるようですと言つておりました。これはなにも芝居を見るなと言わない。見るのも結構でありますが、会社経理の上からそういうところに出している金があるとしますれば、これは税務署の方で経理を実際に調べてみると、はたしてこういう金を赤字にしてよいかどうか、黒字になれば税金が高いから、赤字を出す間ぎわまでぐらいにしておこうじやないかということで、乱雜に経費を使つておる。これはわずかな例でありますけれども、今申し上げましたようなことがやられておる。これでは税金を下げてもらわなければならぬ法人もありますけれども、税金は免れておつて、こういうところに使つておる金が多くあるような会社に対しては、税を下げていく必要はないのであります。いわんや営業停止になつている料理屋が、裏口からあのくらいにぎおうているのは、大体統制組合とか、あるいは大きな法人とか、また官僚その他の会合に使われているというような点から見ますれば、相当法人としましては経費をむだに使うているようなことがあるものと見られ得るのでありますが、こういうことに対しては、税務署はどういうお調べをなさつておるか、こういうようなものに対してはどういう課税をいたしておるか、その経理の内容に立ち入つて調べているかどうか、これについて一應の御答弁を得ておきたいのであります。
○平田(敬)政府委員 今御指摘の、会社が相当利益が出そうであるが、もし利益を出すと、課税になるというので、経費を濫費しておるということ、こういう傾向は実は戰時中からも大分ございまして、そういう問題につきましては、いろいろ研究をいたしておるのでございますが、ただその場合におきましても、会社が営業費と申しますか、あるいは廣告費と申しますか、そういう類似の支出のために、入場券等を取得いたしまして、それを使用している、こういう場合におきましては、やはり会社の経費として認めざるを得ない、また認めるのが正しいのではないかと考えております。ただ一部の社員に対して相当多額の物を買いまして分配しているような事実がありますれば、これは場合によりましては一種の現物給與みたいなものといたしまして、その方面で課税すべき筋合に相なつてくるのではないかと考えている次第であります。
○松田委員 それは私はわからぬのです。廣告料とか、宣傳費とかいうものに使つていると言つたならば、その内容を調べるかどうか、その内容を調べなければ、向うから言つてきた通りそれを信用しておつたのでは、どんなことを書いてくるかわからない。少くとも税務署にいる人、われわれが知つておることから考えましても、退職慰労金はもらわぬ、恩給犠牲に供せよ、おれの会社に來れば相当な月給と、離職のときにこれだけの金をやるからということで、税務署から法人に人を流していく、その人が專門になつて脱税行為をやつておるということがよくある。こういうことを監督なさる上に、大藏省の方ではもう少し念を押してみたらどうか、この点について御答弁を願いたいと思います。
○平田(敬)政府委員 先ほども申し上げましたように、その程度がはげしくて、その結果脱税をしているという事実がありますれば、こういうものに対しましては、御指摘の通り徹底的に調べまして精算課税をするようにいたしたいと考えております。
○中崎委員長代理 大藏大臣が見えましたので、軍公問題については質疑を継続したいと思います。大藏大臣は十分間だけ特にこちらの委員会に來てくださるそうでありますから、ごく簡略にお願いいたします。
○石原(登)委員 できるだけ要点だけを申し上げたいと思います。私はちようど本案の審議中、病氣をしておりまして欠席しておりましたので、あるいは重複する点があるかもしれませんが、この点はあらかじめお含みおきを願きたいと思います。過日の本委員会で大藏大臣は、今回の利拂の停止は一箇年間であるということを言明なさいました。また総理もこの点についてははつきりと言明なさつたのでありますが、この言明にもかかわらず、今日なお財界においても、金融界においても、この処置が今後継続して行かれるのではないか、こういう点を非常に憂慮いたしているのであります。これは私どもが考えますに、社会党がこれまで戰後二回の総選挙におきましても、今回の軍事公債は打切るのだということを強く公約いたしておりますし、なおまた適日の第三回の経大会においても、同樣趣旨のことをはつきりと申しておるのであります。すなわち政党が党議をもつて決定いたしましたことは、これは政党の憲法であります。そういう意味から参りまして、こういうような重大な決議を行いましたところの社会党のこの主張というものは、決してきのうやおとといの主張ではないのであります。こういうようなところから金融界におきましては、今日のこの利拂の停止は、ただ單なる氷山の一角であるのだ。その大きな根ざしというものは水の中に隠れておつて、これが当然今後出てくるのである。すなわち金融の徹底的な統制から、ひいては銀行の國管、こういうようなところまでくるのであるということを、各方面非常に警戒をいたしておるのであります。これがために総理大臣が言明なさいましても、なおまた大藏大臣が言明なさいましても、これをもつて國民は決して諒としていない。これはきわめて残念なことでありますが、私どもはやむを得ないと思つております。しかも今回の利拂停止を行いまするまでにおいて、大藏大臣あるいは、総理大臣と金融業者との間には、相当頻繁な連繋があつたということも私どもは知つておるのであります。そうしてしかも本案が決定をいたしまするわずか数日前まで、こういうような処置は当然行われないであろうというようなことも言明されたことも聞いておる。こう考えますると、私どもは芦田内閣ができました当時のあの三党協定における軍公問題についての処置が、非常に明瞭を欠いておつた。必ずこの問題は後日何らかの形において出てくるであろうというようなことを、各方面で非常に憂慮しておつた。こういうような経過を見ますときに、國民は当然手放しで、総理と大藏大臣の言明をそのまま受取るわけに参らぬ、こういうような次第になつているのであります。はなはだこういうようなことをお尋ねするのはきわめて遺憾でありますが、この点が本問題の最も大きなポイントであると思いますので、大藏大臣は今回とつたこの処置が、社会党あるいは國民協同党、さらに與党の中心であるところの民主党も、当然これは党議として決定されて、その決定に基いて閣議の決定となり、そうしてこれが今回の法案として提出されたものであるかどうか、その点を重ねてお尋ね申し上げたいのであります。
○北村國務大臣 ただいまお尋ねの主要な点は、軍公の利拂が延期されたのは、この一年限りという声明をしたが、それは間違いないかどうか、こういうような点にあつたと思います。これは間違いございません。閣議で決定をいたしまして、閣議決定として内閣の名において外にも発表いたしまして、すでに当時新聞にも出たことであります。また総理大臣を初め各閣僚が、それぞれの機会においてたびたびこのことについてはつきりと言明いたしております。本会議においても言明いたしておりますので、このことに関しては断じて間違いないということを、ここではつきり申し上げておきます。
○石原(登)委員 芦田内閣は社会党と、民主党と、國民協同党の三派の構成によつてでき上つているのでありまして、もちろん政府が行いまする政策は、この三派の完全なる意見の一致において行われたと私どもは了解をいたします。しかしながら、これがただ單に芦田内閣に限つてということでありますと、これは非常な問題であると思つております。私はあらためて大藏大臣にお尋ねいたしたいのでありますが、そういたしますと、一年間は大丈夫であるが、今後はどういうふうになりまするか。その点を重ねてお伺い申し上げたいと思います。
○北村國務大臣 これは声明いたしました内容の通りでありまして、このことは再びしないといふことをはつきりと声明いたしております。但しこれは総選挙が行われ、國会の分野が全然変りまして、そういう例を使つては惡いかもしれないが、たとえば具体的に、共産党の内閣ができてもこれは大丈夫かと言われると、そういうことは何とも申し上げることはできませんけれども、とにかく私は責任をもつて、これは今年一年限りのものであるということをはつきりと申し上げます。総選挙等によつて政党の分野が変るとかなんとかいうことがあつても、どうなつてもお前このままか――それは國会が一番強いから、國会がこれをおかえになる場合には、これはしかたがないのであります。しかし少くとも政府としては一應これを声明いたしておりますから、これを御信用願いたいと思つておる次第であります。
○石原(登)委員 われわれはただいまの御言明をそのまま非常に信用いたしたい、かように思うのでありますが、繰返して申し上げます通り、どうもこれがきまつて法案として提案されましてからも、なおかつ社会党の中では、有力な人においてこの処置に対して反対している人もあります。また同時に本委員会においても、社会党の委員の中には、この処置は決して今年限りではないのだというようなことを、はつきりと公言している委員もあるのであります。こうなりますと、一番國民が心配いたしておりますところの、この軍公利拂停止が本年限りであるということが――この問題は、むしろ端的に言つて、民主党はなんとしてもやりたくない、こういうような氣分は私どもにも受けとれるのでありまして、こういう点はどうしても社会党側のはつきりした意見が私どもには聽きとられていないのであります。それでこの三党協定の線というか、内容というか、その内容がきわめて不明朗なのでありますが、この間の三党間の協定を、本問題に関する限りで結構でありますが、その内容をいま一度詳細に承りたいと思います。
○北村國務大臣 三党協定が結論を出したことになります。これを実行したことになるのでありますから、このことに関しては、これで終止符を打つたということに御了承願いたいと思います。
○石原(登)委員 私は大藏大臣からたびたび御言明をいただいたのでありますが、大藏大臣の御言明、さらに総理大臣の御言明があつても、御承知の通り各方面ではそれをまだはつきりと了承いたしていない、釈然としていないのであります。私の大藏大臣に対する質問はこれで一應終りまして、さらに本問題に対して西尾國務大臣の御言明を得たいと思いますので、大藏大臣に対する質問はこの程度で終了いたしたいと思います。
○中崎委員長代理 松田君、軍公の問題についてまだ質問がありますか。
○松田委員 さきに大藏大臣にお尋ねいたしまして、政府の方から、あとで数字を調べてお答えするからと言つた、その回答をまだ得ておりません。
○北村國務大臣 私は伺つていなかつたのでありますが、事務的のこまかい数字に関する御質問であつたそうであります。このことに関しましては、後ほど数字をもつてお答え申し上げるようにいたします。
○中崎委員長代理 松田君、質問が徹底していないので、もう一度……。
○松田委員 農業会のもつております軍事公債が、利拂停止によつて時價が低落する。それでその時價の低落したものを、八月の十四日をもつて農業協同組合の方に引つがなければならぬ。その引つぐときに、新しくできる農業協同組合が、時價の下つたものではとるけれども、額面、張面ずらではようとらぬと言つてこばむのは当然であります。そうしますと、もとの農業会が利下り分をどう処理するか。政府のこれに対する何らかの救済方法がないのか。こういう質問に対して、数字等をよく調べてお答えすると言われたのでありますが、その数字を承りましてから、大藏大臣に質問があるのであります。
○北村國務大臣 今数字がわかりましたので、お答えいたします。農業会の保有は三億七千百万円、利子にいたしますと、千三百万円であります。
○松田委員 まるで台が違つております。百二十六億持つておりまして、軍事公債を六十五億持つております。その数字は間違つております。
○北村國務大臣 これは本年五月十五日現在として大藏省で調査いたしたのでございますが、これによりますると、農業会は三億七千四百万円、それから利子が千三百万円、かようなことに相なつております。それで農林中央金庫とは別であります。農業会についての御質問でありますから、農業会についてお答え申し上げました。
○伊原政府委員 数字にわたつておりますから、私から御説明申し上げます。軍事公債の所有者別調というものを参考書類としてお配りしてございますが、それの一番おしまいのページに、昭和二十三年五月十五日現在というのがございます。それのまん中辺に、ただいま大臣がお答へになりましたように、農業会が所有いたしますものが、三億七千四百万円、それの利子が千三百万円ということに相なつております。
○松田委員 ここに無盡会社、市街地信用組合がこの表に載つておるのと少し違うのであります。農業会の方もこの表に載つておるものは、登録したものである。それ以外に資金はもつておられて、それによつて消化されておるものがあると思います。その数字が間違つておるようであります。
○北村國務大臣 これは数字は間違つておりません。無記名の轉々流通するものを把握することは実はできませんので、日本銀行に登録されたものとして明らかにわかつておるものをここにあげました。それ以外に若干あろうかと思いますが、これは無記名で轉々流通するものでありますから、捕捉することはできません。かような調べとしてはやむを得ませんが、数字そのものは間違いありません。
○松田委員 その数字が全然間違いないというならば、市街地信用組合のものも、無盡のものも間違いないと言わなければならぬのであります。それは明らかに間違つておるのであります。
○伊原政府委員 お話の数字はあるいは國債全般じやないかと思います。ただいま問題になつております軍事公債の所有といたしましては、日本銀行で帳簿を全部当つて調べまして國会に出したのであります。
○松田委員 日銀に載つておるものだけが農業会のもつておるものではありません。
○伊原政府委員 これは日本銀行の登録後に登録せられております名義によつて集録をいたしたものであります。なお無記名の公債がここにございますように、二十八億二千百万円ございますが、このうち若干農業会等によつて、保有せられておるものもあるかと存じますけれども、その数字はちよつとわかりかねるわけでございます。
○松田委員 その数字によつて出てくる結果から申しますると、農業会が八月の十四日に農業協同組合の方に引継ぐときに、金高にいたしまして、十八億くらいがあります。ところがほとんど値下りになつておりまして、その引継ぐときに損をすることは明らかであります。その損は農業会でもてと言つても、もてるものじやありません。これをどうするかというのですから、数字の問題が重要な影響を來すことになります。的確な数字を得たいのであります。
○北村國務大臣 お尋ねの件は大体從來処理しております数字、すなわち賣買の市場價格がないのでありますから、九十八円と記帳することを許しておりますので、その九十八円で移動するものとお考え願つてよろしいと思います。
○松田委員 この軍事公債の利拂停止によつて、これが軍事公債だけの値下りということになりますれば、微々たるものでありますけれども、農業会の軍事公債以外にもつておる証券、七十億近くのものの値下りがある。そうしますと、その値下りだけが、三十七億いくらになる。これが農業会が帳面に記載してあるのと値下りとの差の價額でありますから、軍事公債の利拂停止が、これに原因して値下りいたした。それから軍事公債のもつておるものと、値下りしたもの、これを農業会にみんなもたすのか、それともまた――これは帳面ずらでもてといつてももてないのであります。それに対して政府に何らかの方策がなければ、農業会はやつていけぬ、今までの農業会の通りならば、整理がつかぬ。その点について大藏大臣の御方針を承りたい。
○北村國務大臣 これはその農業会並びに農業協同組合の話合でやることと思いますけれども、おそらく今までの経過に見ますると、大体金融機関再建整備法等によつて認められておる九十八円の線で変轉していくもの、かように理解しておるのであります。さように御了承願つてよろしいと思います。
○松田委員 事実においては非常に困る。農業協同組合に必ず問題が起るのであります。何か救済してやつたらどうですか。
○北村國務大臣 救済というお話がございましたが、ただいま政府においてはさようなことは考えておりません。
○松田委員 それならば、農業会の方がこれで決算がつかないというようなことになりませんか。そういうことになつていくと思いまするが、これもしかし双方の協議の上で解決をすべきものであると言われれば、双方が協力ができる部分もあるかもしれません。それからそのほかにお伺いしたいのは、大藏大臣のお立場もよくわかつておりますけれども、また私といたしましては、今後金融機関に影響を及ぼす点について所信を質しておかなければ、本案に対する賛否を決しにくいのであります。金融機関に対しては日銀から救済するというようなことが、大体進んでおるように承つておるのでありますが、参考に出てきてくれた人から聽きますと、それははつきりした約束はできておらないのだ。但し日本銀行といたしましては、この利拂延期によつて、金融機関が困るというような事情ができますれば、また特に考えなければならぬと思つております。こういうことを言つておるのでございますが、この前の大臣と私との質問應答は少し食い違つておるように思いますので、それに対して大藏大臣はどういう御意見をもつておられるか。
○北村國務大臣 ちよつとお話がよく聽きとれませんので、お答えが違うかもしれませんが、値下りの責任を政府が負うかというような御質問だと思いますが、これは政府では負いません。それから日本銀行との関係は、ビズネスとして処理すべきものでありまして、今もやつておりますし、今後もやります。
○松田委員 それで大臣もこれは御承知であろうと思いまするが、銀行側の方は、日本銀行の方で相当面倒を見てもらえるということで、金融機関の方はそれで利拂延期というものを認めておるようなものもあるように承つたのであります。しかし去る六月十一日の全國銀行大会におきまして決議いたしております。その決議から見ますると、決議文はプリントがちよつとわかりませんがこういうふうに書いてあります。金融機関の再建整備よくやく完了し、内容健実なる新銀行として近く発足せんとするときにあたり、軍事公債の利拂延期に関する法案が國会に上程されるに至つたことは、眞に遺憾に堪えざるところであります。本件が國家的に見て、いかに弊害が大きいかについては、幾たびか意見を開陳したが、われわれは内外情勢の現状に鑑み、國家のためかかる法案を可決せられることのないよう、國会に対し強く要望する。右決議する。こういう決議ができておりまして、われわれの手もとにまいつております。ですから金融機関が日本銀行でその資金について面倒を見てもらえるというので、この法律の通過にあまんじておるのじやないということが、これで立証できるように思いまするが、大藏大臣はどういう御解釈をなさつておりますか。
○北村國務大臣 金融機関の決議は私もよく存じております。ただいま御朗読になりましたものは私ももらつておりますから、その通りであります。そのことと銀行の仕事とは別でございまして、これは金融機関の反対は初めからわかつておるのであります。ただ今回の軍公の問題について金融上の問題が起つたときには、これは日本銀行が世話するのはあたりまえでありまして、ビズネスとしてやるべきでありますから、そのことはやります。こういうことをお答え申し上げた次第であります。反対のあることはよく心得ております。
○松田委員 それでこの利拂延期で收入にならぬということによつて資金に支障を來すということは、金高いかんにかかわらず、これは支障を來すべきものにきまつておる。そうしますと、日本銀行に頼んで、その金融をつけてもらうというのは、銀行のみならず、ほかの金融機関は、自分で日銀に借りに行くことができなければ、他の銀行を通して借りに行くべきだと大藏大臣は申された。それでそれまでにして日本銀行が面倒をみなければならないということになりますれば、その結果やはり日本銀行の通貨の発行高は、それだけ殖えるものと言わなければならぬ。そうしますと、一方において利拂停止によつて支拂うべき金は向うへ見送るわ、一方では日本銀行で貸付けなければならぬその金が、通貨発行高を高めるわということになつてくると、支拂停止の及ぼす影響が、やはりインフレに影響してくるじやないかと思われる。この点について、大藏大臣の御答弁をいただきたい。
○北村國務大臣 今のお話は、支拂停止をして、なおまた別にそれだけの金を出すということになれば、お話の通りでありますが、政府が拂うかわりに、全部ではなく、必要な一部に融通をやるのでありますから、そのことはお話のようにはならぬと考えます。
○松田委員 それはしかし半分にいたしましても、半分だけは通貨の増発になります。三分の一にいたしましても通貨の増発が三分の一だけは予定しなければならぬことにあります。いずれにいたしましても、インフレに影響をきたすものと言わなければならぬ。
○北村國務大臣 お話はよくわかりませんが、政府の手から十八億円の利息を拂つたという場合にはインフレにならない。しかしながらそうでなくて別途の方法で拂うとインフレになる。こういうようなお話でありますけれども、この点はどれだけの数量を、拂う拂わぬは別として、融通として出るか、あるいは國家の手から出るかだけでありまして、そのことによつてインフレになるかならないかは別個の問題になる。かように思います。
○松田委員 軍事公債の利拂を打切るということは、参考人も出ましたけれども、この軍事公債はもう拂わぬで置くがよかろう、軍事公債を反故同様にしてもいいんじやないかというような議論もありますが、終戰になりました当時、軍事補償の打切をやつたあのときに、こういう利拂の停止をやるとか、あるいは延期をするとかいうことを一緒にやつて置いたならば、これが影響は金融機関になかつたように思いますけれども、今金融機関がようやくにして整備しかけておつて、まさに完了せんというところである。終戰直後に軍事補償の打切りのあつた当時に、軍事公債の利拂停止がきめられておつたならば、金融機関が腹をきめて整備にもかかつたでしようけれども、軍事公債の利拂延期というものが今國会へ提出されて、一方金融機関から見ますれば大体において整備が完了しかかつている。政府から申しましても金融界は落つきができてきたのである。外資の導入が前途の見透しがついてきたのである。ようやくにして金融機関の整備が一般落するというときに、軍事公債の利拂延期をやるということは、ここまできました整備をさらに逆轉せしめて、公債市價の下落によりまして、金融機関の内容を不堅実にせしめるおそれがあると私は信ずるのでございますが、これに対する大藏大臣の御意見を承りたいのであります。
○北村國務大臣 さような御質問はたびたび受けておりまして、松田委員から同様の御質問を受けたと思いますが、それは数回いろいろな機会にお答え申し上げた通りでありまして、政府は今回の措置によつて從來軍事公債に関してあるいは全部打切るべし、あるいは利拂を停止すべし、あるいは非常に長期の無利息公債にかえなければならないというような、非常に所有者のために不安定な意見が巷にあつた、そういうものを今回一掃いたしましたつもりでおります。さような観点に立ちまして、しかも少額とはいいながら、これをきわめて緊急な事業に用いまして、公共の福祉のために供するということであれば、この措置は必ずしもただいま松田委員のおつしやるような意味ばかりではない。かように考えて実行いたしたのでありまして、そのことについてはたびたび申し上げた通りでございますから、御了承を願いたい。
○松田委員 それはたびたび申し上げたと言われますが、私が今質問しておりますのは、この前の質問と筋が違つておりまして、軍事補償を打切つたようなときにこれをやつたならば、大した支障もなくて今日までの整備を進めてきておつたんですけれども、軍事補償の打切りだけやつて公債のことはやらなかつたがために、やらぬものとしての整備を今までに進めてきまして、まさに完了せんとするときであります。そのときにまたあらためて利拂停止をやるということは、金融機関の今までやつてきて、ようやく堅実化してきた整備をまた逆轉せしめるおそれがありはしないか。これは私今日初めて御質問申し上げるのであります。
○北村國務大臣 逆轉となるほどではないと私は信じます。
○松田委員 逆轉となるくらいの金高じやないというならば、それくらいのわずかな金高であつたならば、この法律を出して別に延期せぬでもいいように思いますが、それはどうでありますか。
○早稻田委員長 今のは松田さんの御意見でございますから答弁はありませんが、次は堀江君に許したいと思いますが、よろしゆうございますか。
○早稻田委員長 堀江君。
○堀江委員 大藏大臣にお伺いしたいことは、大藏大臣は過日郵便貯金の第二封鎖を切捨てになつたという御発表をされたわけであります。軍事公債の問題は、実際的においても、政治的においても、非常に大きな意義をもつておるものでありまして、意見としては擬制資本は打ち切るべし。しかも大藏大臣は、大衆預金であるところの郵便貯金の第二封鎖を切り捨てられたにもかかわらず、擬制資本の軍事公債の利子を最終年に支拂をお延ばしになるということについての御見解を、郵便貯金切捨ての問題に関連してお聽きしたいと思うのであります。
○北村國務大臣 郵便貯金のことは、確定したというまでに至つておりませんので、過日申し上げたのでありますけれども、私どもとしては、一部分でも生かせるなら生かしたいというので、努力はしております。しかし今のところ、はなはだ望みの薄いような傾向にあるということを申し上げたのであります。と申しますのは、これは御承知の通り大衆預金に違いないのでありますが、郵便貯金は一般のやはり金融とみなして、そうして補償すべき國家の補償はまず行つて、それから預金部の積立金をもつて預金を保護いたしまして、最後に残つたもので――これはちようど金融機関においては、資本を全額失つて、株主勘定等全部犠牲にして、最後に残つたものだけが犠牲になつたというのと同じような扱いになつたのであります。ところがこれには金融機関と郵便局と違うじやないか、こういう議論が出るのでありますけれども、これを戰時貯金として処理したのは、郵便局の窓口も、銀行の窓口と同様に天降り的に貯蓄をさして、職域や、あるいは地域等でやつた。そうしてそれを吸收したものをひとしく國家目的に使つたという点において、何ら変るところがないという関係方面の御見解でありまして、それに対しては、私どもは、とにかく郵便貯金は同様の目的で吸收し、同様の國家目的に使つたといたしましても、同じ窓口だといたしましても、郵便局は郵便局、銀行は銀行だから、これは一部は生かしたいというので、努力は続けておるのであります。この点はどうなるかわかりませんけれども、今までの経過から見ますと、樂観ができないという状況にあるということを申し上げたのであります。
 それから軍事公債が擬制資本であるかどうかということも、これは簡單には述べにくいと思うのでありまして、さように考える方もございますし、さように考えぬ方があり、一概に擬制資本であるというぐあいに片づけにくい。それからまた私どもは、ただいま大衆預金を保護せよ、こうおつしやつた意味と同様な意味で、軍事公債そのものを打切るということは、これはいたしてはならぬ。利息も打切つてはならぬ。ただ本年一箇年間に支拂期の到達するものを、今回の法律案のごとくにして処理するという、このことがまず妥当である、かように考えていたしましたので、この点は御了承を願いたいと思います。
○堀江委員 今回の利拂停止によつて、約十五億円の金が公債償還の最終に支拂われる。約十五億円の金をいろいろの使途に使うわけでありますが、これは大藏当局が最もおきらいになるところの、赤字公債を発行したと同様な結果になるという見解をわれわれはもつております。赤字公債の発行と極力押えられておる当局として、これに対してどういう御見解をもつておいでになりますか。
○北村國務大臣 さような理論もあるのであります。けれども私どもはそうは考えておりません。新たに債務を負担するのでなくて、当然この元本から発生する果実の支拂期日を延長しただけでありまして、それで新たなる國家の債務が、赤字公債を発行するごとく生れてきたものである、かようには考えておりませんので、さような理論も一應は立つと思いますけれども、当局としてはさようには考えておりませんということを申し上げます。
○堀江委員 時間も非常にお忙しいようでありまして、最後にもう一点お伺いしたいのは、私らの見解なんでありますが、こうした措置をおとりになるということよりも、擬制資本であるがゆえに、打切るか、あるいはそのまま残すか、どつちかはつきりした方がよいという私の見解でありますが、それに対して、大藏大臣は英断をもつて、打切るか、残すかという措置をおとりになるお考えはありませんか。
○北村國務大臣 御承知の通り、これは大体金融機関の所有になつておりますけれども、預金をバツクとする、すなわちあなたのおつしやつた大衆の預金の集積であります。ことに今日まで預金をもつて、從つて公債を背景とした預金をもつておつたということは、これは國の方策に順應されて、換物運動がいかに旺盛であつても、このインフレ下に、貨幣の貯蓄としてそのままもたれた方針でありまして、公債の値下り、あるいはここに書いてある十倍、二十倍、五十倍、物によつては百倍も上つておりますのにもかかわらず、依然としてそういうような方針でもたれたものでありますから、從つてこれは保護しなければならぬ。元本を打切るとか、これは擬制資本だから打切るというような、さような考えは毛頭もつておりません。
○青木(孝)委員 私はこの前御質問を申し上げましたときに、大藏大臣からも、芦田総理大臣からも、お答えがございましたが、私があらためて、軍事公債の利子支拂の特例に関する法律案提案理由説明というのを拜見いたしますと、二ページに、政府は本措置の國民経済及び國際信用に及ぼす影響を最小限度に止めるためと、こうお書きになつておりますが、この点は、お答えの要旨では、別段何も影響がないと、こうお答えになつておりました。ここのところの意味は、どういうふうな御解釈からこういうふうに御説明になつたのでありましようか、ちよつとお伺いいたします。
○北村國務大臣 青木博士から非常に痛いところを衝かれまして、このこと自体実は正直に言うと矛盾があるのであります。それで、これをやることが、たとえば外資導入の現在において、外國に惡い響きを與えはしないか――一種の、利拂を打切るべしという議論をこの程度で止めて、そうしていろいろな波瀾を小さいところで抑えようとしたというような面が一面にあるのでありまして、ただいま御指摘の問題は、まさに痛いところを衝かれた、かように思うのであります。率直に申し上げますけれでも、そういうふうに考えておるということを御了承願いたいと思います。
○赤松(勇)委員 連日にわたつて野党側から、きわめてていねい、かつ懇切なる御質問がありました。われわれも啓発されるところはなはだ大なるものがあつたのであります。大体質疑はこの程度で終了いたしまして、ただちに討論にはいられんことをば希望いたします。
○早稻田委員長 ただいま赤松君の質疑打切りの動議に御異議ありませんか。
○早稻田委員長 御異議はないようでありますので、質疑は打切ります。なお、ただいまのは軍事公債利拂停止の議案であります。
 さらに、赤松君より討論に入れという御説がありましたが、これに対して御異議はありませんか。
○早稻田委員長 暫時休憩いたしまして、理事会を開きます。
    午後六時九分休憩
     ――――◇―――――
    午後六時十三分開議
○早稻田委員長 休憩前に引続いて会議を開きます。ただいま理事会を開いて御相談いたしました結果、討論は明後月曜日に一應さらに理事会を開いてどういうように運営するかということを決定しますが、それまでに各党ともに党議をおまとめになつておいでを願いたいと存じます。與党三派側からは大体月曜日の午前十一時に開いて討論したい、こういう希望があるわけでありますから、御了承の上、御相談をいただきたいと存じます。
○塚田委員 私どもは先日この問題が取上げられようというとき、一應党に帰つて相談いたしました結果、本法案は予算に関連があるから、予算があがるとき同時にあげるということが一應党議できまつているのであります。ただいま與党側からのそろつての申出がありましてから、一應承つて、党に帰つて相談した上で、また月曜の理事会を迎えたいと思います。
○赤松(勇)委員 私の方の党に所属する委員全体の希望といたしまして、質疑を打切り、ただちに討論にはいるという動議を出すということになりまして、ただいま動議を出したのであります。ところが理事会におきまして私の、質疑を打切るべしというところまでは御承認を願つたのでありますが、さらに討論を続行するという伴に関しましては、理事会において否決になつたのであります。私といたしましては、動議の提出者といたしまして、わが党の理事諸君に非常な不満を感ずるのでありますが、皆さんの御意見がそこにいきますならば、あえて私一人ががんばるわけではありません。私も皆さんの御意見に順應いたしまして、私の討論にはいるべしということは、潔ぎよく撤回いたしますが、どうか野党側の皆さんも私の意のあるところを十分おくみとりくださいまして、月曜日には、今塚田委員からお話がありました通り、どうせあげるものなら正々堂堂と討論をして、この問題をすつきりした形において片ずけたいと思いますから、よろしく御協力をお願いいたします。
○早稻田委員長 ただいま赤松委員からお話がありましたように、月曜日には堂々雌雄を決することにお願いしたいと思います。
 本日はこれをもつて散会いたします。
    午後六時十六分散会