第003回国会 厚生委員会 第4号
昭和二十三年十一月二十四日(水曜日)
    午前十一時十八分開議
 出席委員
   委員長 佐々木盛雄君
   理事 田中 松月君 理事 山崎 岩男君
   理事 野本 品吉君
      泉山 三六君    内海 安吉君
      庄  忠人君    福田 昌子君
      師岡 榮一君    山崎 道子君
      金光 義邦君    武田 キヨ君
      成島 憲子君    松谷天光光君
      榊原  亨君
 出席國務大臣
        大 藏 大 臣 泉山 三六君
        厚 生 大 臣 林  讓治君
 出席政府委員
        厚生政務次官  庄司 一郎君
 委員外の出席者
        議     員 長野 長廣君
        議     員 石野 久男君
        議     員 太田 典禮君
        厚生事務官   木村忠二郎君
        厚生事務官   小島 徳雄君
        厚生事務官   宮崎 太一君
        厚生事務官   久下 勝次君
        厚生事務官   飯島  稔君
        厚生事務官   中村 光三君
        厚 生 技 官 東 龍太郎君
        專  門  員 川井 章知君
    ―――――――――――――
十一月十八日
 國民健康保險の診療施設に対する國庫補助増額
 の請願(金野定吉君紹介)(第二三〇号)
 同(野溝勝君紹介)(第二三一号)
 國立出目療養所施設拡充の請願(井谷正吉君外
 八名紹介)(第二三二号)
 戰歿者及び傷痍者等の待遇に關する請願外一件
 (受田新吉君紹介)(第二三九号)
 國民健康保險の診療施設に対する國庫補助増額
 の請願(井出一太郎君紹介)(第二四八号)
 同外五件(庄司一郎君外一名紹介)(第二四九
 号)
 衞生班設置補助費復額並びに衞生費補助概算交
 付の請願(山本幸一君紹介)(第二八八号)
 國民健康保險の診療施設に対する國庫補助増額
 の請願外一件(金野定吉君紹介)(第二九〇
 号)
 盲人福祉法制定に關する請願(竹内克巳君紹
 介)(第三〇四号)
 山形市保育所工事費國尅補助の請願(海野三朗
 君紹介)(第三〇八号)
 山形市母子寮修理費國庫補助の請願(海野三朗
 君紹介)(第三〇九号)
 國民健康保險の診療施設に対する國庫補助増額
 の請願(上林與市郎君紹介)(第三二六号)
 避妊リング製造許可の請願(太田典禮君紹介)
 (第三二八号)
 國民健康保險の診療施設に対する國庫補助増額
 の請願(佐竹晴記君紹介)(第三三七号)
 同(小枝一雄君紹介)(第三四九号)
 岩手縣の水害地における國民健康保險組合に対
 する國庫補助の請願(淺利三朗君紹介)(第三
 六四号)
の審査を本委員会に付託された。
同月十九日
 保健所の市移管に伴う財源尊置に関する陳情書
 (函館市長宗藤大陸外一名)(第二八〇号)
 遺懸の援護に関する陳情書(佐世保市遺族会長
 阿部浩)(第二八一号)
 國民健康保險診療施設に対する國庫補助増額の
 陳情書(和歌山縣那賀郡安樂川村國民健康保險
 組合長田中功外二百六十八名)(第二八三号)
 國民健康保險拡充強化に關する陳情書(福島縣
 西白河郡白坂村國民健康保險組合代表川崎中
 順)(第二八七号)
 國民健康保險診療施設に対する國庫補助増額の
 陳情書(石川縣鹿島郡越路町長卜部修三)(第
 二九二号)
 海外引揚者及び留守家族救済に関する陳情書(
 大分縣海外引揚者團体連盟会長首藤定)(第二
 九四号)
 浮浪者の保護対策に関する陳情書(兵庫縣会議
 長加藤秋一)(第三二二号)
 國民健康保險診療施設に対する國庫補助増額の
 陳情書(茨城縣眞壁郡伊讃村長大山隆資)(第
 三二五号)
 國民健康保險診療施設に対する國庫補助増額の
 陳情書外二件(茨城縣稻敷郡奥野村長吉田鉄之
 助外一名)(第三三二号)
 國民健康保險拡充強化に関する陳情書(福島縣
 西白河郡三神村國民健康保險組合代表淺川和
 茂)(第三三四号)
 盲人福祉法制定の陳情書(京都府立盲学校内鳥
 居篤治郎)(第三五七号)
を本委員会に送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 國民健康保險の診療施設に対する國庫補助増額
 に関する件
 医療制度に関する件
 一 遺家族救済に関する請願(石野久男君外一
   名紹介)(第六号)
 二 藏王山を國立公園に指定の請願(小野孝君
   外一名紹介)(第三四号)
 三 國民健康保險の診療施設に対する國庫補助
   増額の請願(斎藤昇君紹介)(第一一八
   号)
 四 高知縣の一部を四國國立公園区域に編入の
   請願(長野長廣君紹介)(第一三二号)
 五 國民健康保險の診療施設に対する國庫補助
   増額の請願(佐伯宗義君紹介)(第一五二
   号)
 六 同(小林運美君紹介)(第一五三号)
 七 同(圖司安正君紹介)(第一五四号)
 八 同(大石ヨシエ君紹介)(第一五五号)
 九 同(大石ヨシエ君紹介)(第一七一号)
一〇 同(岡村利右衞門君紹介)(第二〇八号)
一一 藏王山を國立公園に指定の請願(小野孝君
   紹介)(第二一六号)
一二 國民健康保險の診療施設に対する國庫補助
   の請願(金野定吉君紹介)(第二三〇号)
一三 (野溝勝君紹介)(第二三一号)
一四 國立出目療養所施設拡充の請願(井谷正吉
   君外八名紹介)(第二三二号)
一五 戰歿者及び傷痍者等の待遇に関する請願外
   一件(受田新吉君紹介)(第二三九号)
一六 國民健康保險の診療施設に対する國庫補助
   増額の請願(井出一太郎君紹介)(第二四
   八号)
一七 同外五件(庄司一郎君外一名紹介)(第二
   四九号)
一八 衞生班設置補助費増額並びに衞生費補助概
   算交付の請願(山本幸一君紹介)(第二八
   八号)
一九 國民健康保險の診療施設に対する國庫補助
   増額の請願外一件(金野定吉君紹介)(第
   二九〇号)
二〇 盲人福祉法制定に関する請願(竹内克巳君
   紹介)(第三〇四号)
二一 山形市保育所工事費國庫補助の請願(海野
   三朗君紹介)(第三〇八号)
二二 山形市母子寮修理費國庫補助の請願(海野
   三朗君紹介)(第三〇九号)
二三 國民健康保險の診療施設に対する國庫補助
   増額の請願(上林與市郎君紹介)(第三二
   六号)
二四 避妊リング製造許可の請願(太田典禮君紹
   介)(第三二八号)
二五 國民健康保險の診療施設に対する國庫補助
   増額の請願(佐竹晴記君紹介)(第三三七号)
二六 同(小枝一雄君紹介)(第三四九号)
二七 岩手縣の水害地における國民健康保險組合
   に対する國庫補助の請願(淺利三朗君紹
   介)(第三六四号)
  陳情書
 一 困窮者生活保護の徹底実施に関する陳情書
   (神奈川縣知事内山岩太郎外九名)(第二五号)
 二 九州における國立公園施設強化に関する陳
   情書(福岡縣議会議長稻員稔)(第七〇号)
 三 引揚者及び留守家族援護に関する陳情書(
   若松市五反町二丁目北九州引揚者留守家族
   大会代表石黒周一)(第九九号)
 四 出羽、藏王、吾妻磐梯公園を國立公園に指
   定の陳情書(山形縣議会議長加藤富之助)
   (第一〇六号)
 五 五島病院返還に関する陳情書(長崎市羽衣
   町縣衞生部内杉山宗次郎外一名)(第一三
   二号)
 六 民生委員より議員並びに官公吏除外保留に
   関する陳情書(石川縣連合民生委員会)(
   第一四八号)
 七 國民健康保險診療施設に対する國庫補助増
   額の陳情書(長野縣北安曇郡陸郷村國民健
   康保險組合理事長廣澤輔一)(第一六五
   号)
 八 地方衞門研究所及び保健所経費に関する陳
   情書(京都府知事木村惇外九名)(第一八
   八号)
 九 消費生活協同組合法施行に伴う府縣事務費
   國庫補助の陳情書(京都府知事木村惇外九
   外九名)(第一九二号)
一〇 國民健康保險診療施設に対する國庫補助増
   額の陳情書外四件(富山當西礪波郡太美村
   國民健康保險組合長中山常次郎外十名)(
   第一九八号)
一一 國民健康保險診療施設に対する國庫補助増
   額の陳情書(福島縣岩瀬郡大屋村役場内大
   屋村國民健康保險組合直営診療所)(第二
   一三号)
一二 富士箱根國立公園施設拡充等に関する陳情
   書(富士箱根國立公園地方委員会長神奈川
   縣知事内山岩太郎)(第二二一号)
一三 國民健康保險拡充強化に関する陳情書外五
   件(福島縣西白河郡古関村國民健康保險組
   合代表熊崎新右エ門外五名)(第二四九号)
一四 保健所の市移管に伴う財源措置に関する陳
   情書(函館市長宗藤大陸外一名)(第二八〇号)
一五 遺族の援護に関する陳情書(佐世保市遺族
   会長河部浩)(第二八一号)
一六 國民健康保險診療施設に対する國庫補助増
   額の陳情書(和歌山縣那賀郡安樂川村國民
   健康保險組合長田中功外二百六十八名)(
   第二八三号)
一七 國民健康保險拡充強化に関する陳情書(福
   島縣西白河郡白坂村國民健康保險組合代表
   川崎中順)(第二八七号)
一八 國民健康保險診療施設に対する國庫補助増
   額の陳情書(石川縣鹿島郡越路町長卜部修
   三)(第二九二号)
一九 海外引揚者及び留守家族救済に関する陳情
   書)(大分縣海外引揚者團体連盟会長首藤
   定)(第二九四号)
二〇 浮浪者の保護対策に関する陳情書(兵庫縣
   会議長加藤秋一)(第三二二号)
二一 國民健康保險診療施席に対する國庫補助増
   額の陳情書(茨城縣眞壁郡伊讚村長大山隆
   資)(第三二五号)
二二 國民健康保險診療施設に対する國庫補助増
   額の陳情書外二件(茨城縣稻敷郡奧村長吉
   田鉄之助外一名)(第三三二号)
二三 國民健康保險拡充強院に関する陳情書(福
   島縣西白河郡三神村國民健康保險組合代表
   淺川和茂)(第三三四号)
二四 盲人福祉法制定の陳情書(京都府立盲学校
   内鳥居篤治郎)(第三五七号)
    ―――――――――――――
    〔以下筆記〕
○佐々木委員長 ただいまより会議を開きます。
 まず公報掲載の請願日程の審査に入ります。日程第三文書表第一一八号、日程第五文書表第一五二号、日程第六文書表第一五三号、日程第七文書表第一五四号、日程第八文書表第一五五号、日程第九文書表第一七一号、日程第一〇文書表第二〇八号、日程第一二文書表第二三〇号、日程第一三文書表第二三一号、日程第一六文書表第二四八号、日程第一七文書表第二四九号、日程第一九文書表第二九〇号、日程第二三文書表第三二六号、日程第二五文書表第三三七号及び日程第二六文書表第三四九号、以上十五件の國民健康保險の診療施設に対する國庫補助増額の請願を一括議題といたします。これらの各請願につきましては、いずれも前会に審査をいたし、採択の上内閣に送付すべきものと議決いたしました同一件名の請願第一九号と同一趣旨でありますので、この際審査を省略して同樣の決定をいたすことに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○佐々木委員長 御異議がなければさよう決定いたします。
    ―――――――――――――
○佐々木委員長 次に日程第一遺家族救済に関する請願、文書表第六号を議題といたします。まず紹介議員より請願の紹介説明を求めます。紹介議員石野久男君。
○石野久男君 現在のこの社会情勢が惡化しております今日におきましては、一般の勤労者も苦しい生活なのでありますことは言うまでもないのでありますが、まして遺家族の生活困窮の実情はまことに目に余るのであります。中でも老人、未亡人、生活困窮の母子、遺兒にいたりましては、速急に救済の手を打たなければ、惡の道に走るか、餓死するかのほかはないのでありまして、去る六月八日に茨城縣で遺族連合大会を開き、第一に遺族の中でも特に生活力のない老人あるいは未亡人に対して、救済厚生対策を講じていただきたいこと、第二に現在のままでは非常に弱体で、その目的をとうてい達成することのできない母子保護施設を拡充強化してもらいたいこと、第三にこれから成人する遺族、遺兒の育英の方途をすみやかに講じていただきたいこと、最後に遺族の中でも特に不遇な立場にある未亡人、遺兒に対し、税金を減免され、その唯一の生活根拠としておる農地の返還をぜひ実施していただきたいこと等の四項目について、強力なる要望を決議したのであります。政府の責任ある御意見を希望いたすとともに採択されんことを望むものであります。
○佐々木委員長 政府の御意見を伺います。庄司政府委員。
○庄司政府委員 お答えいたします。遺族の援護に関しましては、厚生省といたしても最も強い関心を持つておるのでありますが、まず第一の遺族の生活不能力者に対する救済厚生対策を講ずる点につきまして、援護の徹底を期することは、現財政下不可能な現状にありますので、生活保護法の運用の面において万全を期したいと考えております。なお、予算につきましても、追加予算または二十四年度予算においてできる限り努力中であります。第二の母子保護施設につきましては、予算とにらみ合せまして大藏省の協議してできる限り拡充強化にベストを盡すつもりであります。第三の遺族育英の方途につきましては、特に遺族であるの故をもつて区別はできないのでありますが、育英会の増設、予算の増額措置または縣教育委員会の運営の腹藝で万全を期したい。かように考えております。第四の未亡人、遺兒に対し税金の減免と農地の返還の問題は、大藏、農林両省に関係する事項でありますが、課税の問題は経営の面において善処し、またこのたびの海外同胞の特別委員会においても、議員提出として課税の減免をはかつておられるように聞きますが、厚生省といたしましても、けつこうなことを考えて、できる限り力を盡したいと考えております。農地に関しましては農林省が主管でございますが、厚生省からも連絡いたしまして、御趣旨に沿うようにいたしたいと考えております。
○佐々木委員長 御質疑はありませんか。
○石野久男君 特別の措置が講ぜられないから、運用の面で考慮されるという御趣旨は了解いたしましたが、働けぬ人々のために救済施設を拡充し、授産場によつて働こうとする人々のために託兒所を併設し、母親が安心して働くことのできるようにしていただきたいのであります。育英資金につきましては、現在高等学校程度以上の人々が適用されておりますが、生活困窮せる者のために、小学校及び中学校の義務教育の面にもこれを実施していただきたいのであります。
○庄司政府委員 石野君の熱誠なる質問に対しましてはまつたく同感であります。ただ予算の関係がございますので、大藏省と折衝し、できる限りのことをしたいと考えております。育英資金の点に関しましては、文部省の所管でありますので、私からよくその旨を傳えておきます。
○石野久男君 重ねてお聞きしますが、予算の大体どのくらいの予定でしようか。
○庄司政府委員 現在折衝中でございますが、大体十五億程度ではないかと考えております。
○佐々木委員長 他に御質疑はありませんか。――ないようですから、これより本請願の採決に入ります。本請願はこれを会議に付するを要するものとし、採択の上内閣に送付すべきものと議決することに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○佐々木委員長 御異議がなければさよう決定いたします。
    ―――――――――――――
○佐々木委員長 次に日程第二四避妊リング製造許可の請願、文書表第三二八号を議題といたします。まず紹介議員に請願の紹介説明を求めます。紹介議員太田典禮君。
○太田典禮君 戰後生活の困難性が高まるにつれ、産兒制限の必要が日に増し強く叫ばれるようになり、多くの家庭でその必要が痛感されるようになつておるのでありますが、それに伴いまして民間に四ろいろな方法が宣傳されておりますが、その方法は適当でなく、依然として多産と人口過剩に悩む者が多く、堕胎等が横行している現状であります。私ら專門家の間でもこの方法についていろいろ研究いたしておるのでありますが、今までの研究の結果は、避妊リングを使用するのが最良の方法と認められておるのでありまして、これが有害か無害かについて研究いたしました結果、障害のないことが証明されたのであります。しかるにこの製造が有害であるとして戰時中禁止され、その後有害避妊器具取締規則は廃止されましたが、これの製造には藥事法による許可が必要なので、すみやかにこの製造許可をするように要望すると同時に、本委員会におかれても採択されんことを望むものであります。
○佐々木委員長 政府の御意見を伺います。中村説明員。
○中村説明員 新藥事法にのつとりまして、申請がございますれば、藥事委員会に諮りまして、さしつかえないことがわかりますれば許可いたすようにしたいと考えます。
○佐々木委員長 御質疑はありませんか。――御質疑もないようですから、これより本請願の採決に入ります。本請願はこれを会議に付するを要するものとし、採択の上内閣に送付すべきものと議決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○佐々木委員長 御異議がなければさよう決定いたします。
    ―――――――――――――
○佐々木委員長 次に日程第四高知縣の一部を四國國立公園区域に編入の請願、文書表第一三二号を議題といたします。まず紹介議員より請願の紹介説明を求めます。紹介議員長野長廣君。
○長野長廣君 本請願は現在岡山、香川、廣島の各縣の一部と、その領域の瀬戸内海をもつて構成されておる瀬戸内海國立公園の中の四國の領域に、高知縣の地域を編入されたいというのでありまして、この瀬戸内海國立公園は風光静平、閑雅の感を與えるには当を得た国立公園なのでありますが、あまりにも平静であるため女性的であるので、これに男性的の一面を加えますれば、その観光は完璧となるのであります。この思性的壮観さを欠いておる瀬戸内海に対しまま支、高知縣海岸一帶は怒濤逆巻く太平洋の荒濤に洗われ、静的には奇巖霊石と熱帶植物を交えた特異の林相を備えた森林におおわれた風致に加え、動的には荒波の中に躍動する漁民生活、この地方特有の天災に悩まされ、鍛えられた農民生活によつて築かれた産業文化も見られ、まことに男性的であり、瀬戸内海の女性的風光に、これを加えることにより、初めて國立公園の完璧員期せられると思われるのであります。また高知港の中心として、桂浜の月、吾台山公園、高知城跡、三里十市吾南の園藝、まわし打網簀鰡狩を初め、南國調ゆたかな民衆娯樂等國立公園の素質も充実し、重視すべきものがあり、西翼においては足摺岬の奇勝、月灘の珊瑚、海岸の奇岩青松の瀬戸内海海岸とは異なる風光、また東運の海桐では室戸岬の豪壮等に加えて、平野山林地帶に入れば、天下の大美林、またこの地方には尾の長さが二丈余りもある長尾鶏が飼育され、現在も繁殖されつつあるのが見られ、さらに豊永の藥師寺、四國霊場に藏された多くの文物遺品、佐古の龍臥洞、吉野川の奇勝等と枚挙にいとまがないのであります。ここにすみやかに高知縣室戸衞、高知港、足摺岬を含む一帶の海岸を瀬戸内海に加えて國立公園の完成をされんことを望むものであります。
○佐々木委員長 政府の御意見を伺います。飯島説明員。
○飯島説明員 高地縣の各勝地につきましては、現在国立公園中央委員会において調査研究中なのでございますが、景勝地として世界的にも價値があるものと認められておりますので、すみやかに調査の上、善処したいと考えております。
○佐々木委員長 御質疑はありませんか。福田委員。
○福田(昌)委員 國立公園の指定に関して、予算の方はどうなるのでございますか。
○飯島説明員 國立公園として指定されますと、その管理保護は知事にまかせておりましたが、諸般の情勢により、今後は各公園に管理所を設けて管理保護を行つて行きたいと考えておりますし、また結局はそうすると存じます。この人件費、設備費、修理等として一箇所大体五十万円程度が必要と認めております。
    〔以下速記〕
○佐々木委員長 他に御質疑ありませんか。――御質疑もないようでありますから、これより本請願の採決に入ります。本請願はこれを会議に付するを要するものとし、採択の上、内閣に送付すべきものと議決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○佐々木委員長 御異議なければさよう決定いたします。
    ―――――――――――――
○佐々木委員長 この際お諮りいたします。先刻來申出の緊急質問を逐次許可いたしたいと考えますが、ただいまお見えの政府委員並びに説明員は庄司政務次官、木村社会局長、宮崎保險局長、小島兒童局長、飯島國立公園部長、中村療品課長であります。これらのお見えになつております政府委員並びに説明員に御質問の方から先に許可したいと思います。大藏大臣や厚生大臣は後ほどお見えになります。榊原君。
○榊原(亨)委員 社会局長にお尋ねいたしたいことがあるるのであります。先日來行われましたところの共同募金に対しまして、地方末端におてては、この共同募金の割当は連合軍当局からほとんど強制的にされたものであるから、ぜひこの増合には指定された額だけを寄付してもらいたいということを流布されておるのであります。当局におきましては、かくのごとき共同募金その他の寄付金におきまして、強制的にその額をきめてこれをやられるということについて、御監督上、その運営上についてどういうお考えがあるかということを承りたいと思うのであります。なお新聞の傳えるところによりますと、掛頭におきまして傷痍軍人の方々がいろいろな寄付金を募つておられる、その中ににせものが現われておるというようなもともある。元來は傷痍軍人は掛頭においてかくのごとき寄付金を募集することができないのだというふうなことも新聞に出ておるのでありますが、この点について、もし傷痍軍人の方々がそういうことができないならできないで、なぜ当局ははつきりとこれをお取締りにならないか、できるならできるで早くできるようにしてやろうというおつもりであるか、この点についてはつきりしたお答えを願いたいと思います。なおこの共同募金の割当、どの團体にどのくらいやるということにつきましても、いろいろ当局としてのお考えもあると思うのでありますが、その点についても重ねて承りたいと存ずる次第であります。
○木村説明員 ただいまの御質問に対しましてお答えいたします。共同募金につきましては、募金の額は、地方の募金委員会がこの募会の受益團体でありますところの各社会事業団体の必要といたします金額を集めまして、これをその委員会において査定いたしまして、その総額を決定いたすことになつております。なお今回の共同募金におきましては、日本赤十字社の資金もあわせて募金することになつておりますが、これも日本赤十字社におきまして各支部の要求を集めまして、これを本部において査定いたしまして、また支部にもどし、その支部から出しましたものを共同募金委員会と日赤の支部と一緒の合栄委員会において査定いたしまして、決定しておるような次第でありまして、共同募金の金額は、その地方におきますところの社会事業に必要なる金額と決定いたしたものがその額になつておるのでありまして、これは何ら連合軍当局には関係はございません。從いましてこの募金につきまして、強制的に集めるといつたようなことは全然やつてはならないのでありまして、これは一應各國民全体がこれに協力していただくことを希望いたしますので、大体どのくらいの割合でもつてやるかという目標は定めますけれども、当事者といたしましては、大体これくらいになるが御希望の方ということで御寄継を願う。しかしこれは全然強制にはわたらないようにお願いいたしております。もし強制のように事実がありましたならば、そういうことのないように十分注意したいと思つております。
 それからあわせて御質問になりました掛頭における募金でございますが、これが個人々々自分が金がほしいために集めるものにつきましては、われわれとしては何ら尊置のいたし方はないのでございます。但し何らかの社会事業に使いますために金を集めるといたしますれば、すべてこれは地方廳の許可を得ることになつております。地方廳の許可なくしては、社会事業的な寄付の募集は一切できないことになつております。もしさようなことがございましたならば、関係方面と連絡して取締りをいたさなければならぬと考えております。
 傷痍軍人が募金をすることにつきましては、從來から傷痍軍人の服装を持ち、あるいはそのしるしをつけまして募金をすることは禁止せられております。
○佐々木委員長 ちよつと速記をとめて……。
    〔速記中止〕
 佐々木委員長 速記を始めてください。
○田中(松)委員 局長もちよつと触れられました街頭募金の問題ですが、やつてならぬものがやつておるときは、関係当局と連繊して取締るとおつしやつたが、たとえば福井の大震災とか、東北地方における水害、そういうときに公的な機関が募金をすることはもちろん大賛成でありますが、そのとき、いかがわしいものではないかと思われるものが街頭に立つてじやんじやんやつておる。警察官などガそばに行くと、するすると、逃げて行くようなものも相当あること田、私実際に見ております。しかもそういうものに限つて道行く人に非常に強制的に金をせびる。もしおつしやる通りであるならば、これがどこかわからぬところで隠れてやつておるならばとかくとして、あの銀座街頭において、ああいうぎようぎようしい騒ぎをやつて募金をしておるのを、今まで一度だつて取締りをされたというようなことも聞きませんし、あれにはずいぶん非難の声もありまするので、ひとつ積極的にそういうことのないように、実は私はそういう対策がないならば、新しく單行法でもつてそういうものを取締るような法律でもつくらなければ、あれを防ぐことはできぬのじやないかと思つておりましたが、すでに既存の方針がそうであるならば、この際ああいうものを徹底的に取締る。ああいうものがはびこればはびこるほど、自分たちの出した金がどこでどういうぐあいに使われるかわからぬというような不案がありますと、正式な公的な機関の人たちが、せつかく募金するときに支障になる。そういう点もお含みの上、ここにおける答弁はかりでなく、実際そういう取締りの方面について適当なる方法をとつていただきたいとお願いしておきます。
○木村説明員 われわれの方といたしましては、募金について取締りをいたしますよりも、正しい募金とはどういうものであるかということを、できるだけ徹底させるようにいたしたい、社会事業については、大体共同募金を主たるものとしてやつて行きたい、かように思つております。それから災害の募金については、日本赤枝字社が中心になりまして、募金の調整をいたすことにいたしておりまして、從來この点が十分徹底しておりませなかつた関係上、いろいろと誤解を招いた点もあるのでありますが、これらにつきましては、できるだけそのやり方がどういうふうになつておるのかということを國民全体に徹底させるようにして、それ以外の募金について、とかくに非難が起ることのないように、大体募金というものはこういうふうにしてやる。正しい募金の方に皆さんが関心を持たれるようにいたしたいと思つております。また共同募金につきましては、從來は施設を用ちましたものだけに限られておりましたが、今後におきましては、あらかじめその募金を行いまする受益團体として決定しておりますれば、最初からその目的に入つておりますれば、いかなるものでありましても、これに募金額をわけることができるようにいたしております。從いまして共同募金によりまして、社会事業関係の募金は大体盡し得ると考えておりますので、できるだけその尊置によつて行きたい。これによりまして嚴密なる監督もできますし、いろいろな社会の疑惑も防ぐことができるであろう。かように考えておる次第であります。
○榊原(亨)委員 ただいまの御説明で大体これを了承したのでありますが、街頭におきましては現実に不正な募金が行われていることを私どもは目撃しているのでありますから、この際当局より各地方の官廳に対して、かくのごときものはしてはいかないということを、はつきりと通牒をもつて周知徹底方をお願いするわけにいかないのでございますか。その点の御意思を承りたいと思います。
○木村説明員 皆様方の民御意向でその方がよろしいというお話でございましたならば、さようにいたしてもけつこうであります。
○松谷委員 ただいま榊原委員からお話のございました通牒発行の点についてなお一つ加えていただきたいのは、先ほど局長も、地方において強制割当寄継は絶対にやつてはならないという御意見でございましたが、実際地方の実情は、一旦解散いたしたはずの隣組の形式をまた復活させたかの観を呈するように、かつての隣組長であつた者を通じまして、各戸に割当強制寄付の要求が参つていることも事実でございます。これは現に私自身が受けて参りました経險でございますが、これはおそらく全國各地に同じようなことが行われているものと考えます。またそうした訴えもしばしば聞きますので、この共同募金についての強制割当寄付ということは絶対に禁止するように、各地方廳に対する通牒をあわせて出していただきたいと思いますが、その点はいかがでございましようか。
○木村説明員 強制にわたります点がございましたことはまことに遺憾に存じます。これは割当ではございませんので、各戸に勧誘いたしますようにというふうにはいたしております。これは各戸に勧誘いたしませんと、自発的に持つて参りますのもなかなかたいへんでございますので、できるだけ各戸に勧誘するようにはいたしております。これば強制にわたらぬようにいたしたいと考えております。この点につきましては從來もその旨通達いたしておりますが、御注意もございますので、今後通達をします場合には、その点は嚴に戒めるようにいたしたいと考えております。
○松谷委員 ただいま社会局長のお言葉の中に、勧誘はしなければならぬというお言葉があつたのですが、その勧誘がはなはだ危險だと考えるのであります。ことに隣組長であつたような者、あるいはその近所の者から、いわゆる勧誘という意思ではあるかもしれませんが、日常生活の常識から考えまして、いわゆるつき合いというものがまず義務的なものに考えられている今日の社会通念といたしまして、あの人が來たらどうしてもこれはやはり出さなければならないんぢやないだろうか。私の実際に見ておりますその一つの実例として、強制割当が來たために、入れなくてもよい質を入れまして、必要なものを質草として寄付を出さなければならないという実際情も実際にございますので、少くとも寄付は自由意思に基くところの寄付にすべきであろう。勧誘をするということ自体が、強制に堕する点が多々あると私は考えますので、少くともそうした隣組などというような、過去の形式を通じての恩誼、情館に関連あるような勧誘は、むしろ絶対に避けるべきであると考えるのでありますが、この点はいかがでございましようか。
○木村説明員 旧隣組等の組織を使いますことは、これは適当ではないと思いますが、われわれの方では、やはり社会事業というものはこういうことをやつております、こういうことにこれだけの金が要るのであります、ということを、まだ國民に十分徹底しておりませんので、それを徹底させるような措置を講ずる必要があるのではないかと思つております。從いまして民生委員あるいはそういう民生委員に協力いたします方々、これらの方々に御努力を願いまして、社会事業につきましての國民の理解を一層深めるようにいたしたい、そういう意味におきまして、先ほど勧誘と申しましたけれども、御説明に上るということはある程度現在におきましては、いたさなければならないのじやないかと考えているのであります。從いましてそれらの点につきまして、ただいまお話のような点でございますから、十分注意いたしますように、今後の措置につきましては留意いたしたいと思つております。
○榊原(亨)委員 先ほど松谷さんの御発言に対して、監督官廳といたしましては、これを通達する場合には通達するという社会局長のお話があり、また私の質問に対しましても、委員会においてみながらそういう御意向なら通達するというお話がございましたので、この際常任委員長においては、はつきりとこの常任委員会における御意見をお聞きになつて、そして今の私の話並びに松谷さんのお話についてはぜひ嚴重に通達されるように、委員会の総意によつて政府当局に通達されることをひとつ御決議を願いたいと思います。
○佐々木委員長 お諮りいたします。ただいまの榊原君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○佐々木委員長 御異議なければ委員長においてさようにとりはからいます。
○山崎(道)委員 私は厚生大臣に御質問いたしたいと思います。私はこのごろとかく厚生省がたいへんな問題ばかり指摘されておるように思うのでございます。まず第一に先日起りました京都におけるヂフテリアの予防接種の問題、それから輸血による黴毒の感染の問題、山形縣における不良藥品の問題、あるいはただいまも御質問のございました傷痍軍人の募金の問題等々が、毎日のように新聞をにぎわしておりますことを遺憾に思うものでございます。これにつきまして、私は厚生大臣としての責任ある御答弁が伺いたいのでございます。
 まず第一に藥品の問題に関しましては、事人命に関するものであるという立場から、私はあらゆる機会を通じまして、政府当局へその取締り等に対する御指針をしばしばお伺いして参つたのでございますが、その都度嚴重にやつておる、責任を持つてやつておるという答弁でございましたにもかかわらず、今回は厚生省の配給による藥でございます。これがこういう問題を起しておりますことは、あまりにも怠慢ではなかろうか、一体何のために取締機関等を設けておいでになるか。そうしてこれをほんとうに公正にやる意思があるかどうかということをまずもつて私は伺いたいと思います。
 その次にお伺いいたしたいことは、ここに榊原さんもおいでになりますし、お医者さんの專門家としての御意見はあられると思いますが、私はしろうとといたしまして、國民の一人といたしまして、非常な不安がございますので、ひとつお伺いしておきたいのでございますが、重病の際、あるいは手術いたしました際、唯一の命をつなぎとめます手段は輸血でございますが、この輸血を受けたことによつて、性病が感染するというようなことでは、私たちは今後そういうときに一体何を頼つたらよいのか、この輸血に関する問題につきまして、まず総括的に大臣からの御答弁を私は要求しておきたいと思います。
 それからただいま御質問のございました傷痍軍人の問題でございますが、ただいま木村さんからいろいろ御答弁はございましたけれども、根本の問題を解決しなければ、私はだめだと存じております。この問題につきましては厚生委員会の各委員からいろいろのことが提起されているのでございますが、こういう問題が起るのは傷痍軍人が困つておるからでございます。入院はしておりまして生活保護法の適用を受けておるといたしましても、その給與されておるものは日に一体いくらであろうか、一体厚生省としてはこの程度の給與では事足りておると考えておられるかどうか。それからいま一つは、個々の人が募金をすることは取締ることができないというようなお考えでございました。これらにつきましても私は意見がございますが、まずこういう問題について、ほんとうにそういう個々の人が街頭へ立つて行くことは、しかたがないというような考えでおられるのか、街頭へ立たなくともこれを保護してやるというような意思を持つておられるであろうかどうかということを、まず最初にお伺いしておきたいと思います。
○林國務大臣 お答えいたします。ただいまお話の京都に起りましたヂフテリアの問題は、まことに遺憾に考えております。きわめて概略的な報告は受けておりますけれども、それではあまりに漠といたした報告でよくわかつておりませんので、その後こちらから二名ばかり派遣してその取調べをいたさせております。まだ私その報告を受ておりませんから、他日また何かの機会に申し上げる時間の余裕をお與え願いたいと思います。
 それから輸血の問題につきましても、新聞紙上によつて知り得たことくらいのものであつて、私今後の取締りをどういうふうにやつて行くかということについてはよくわかりませんが、ただいま、今後における輸血に対する一つの取締法案と申しましようか、そういうものをつくつてやつていくような計画が本省の方でも立てられておるという実情だそうであります。それ以上のことについては、私この輸血に対する問題についてはよく存じておりません。
 それから傷痍軍人の募金に対することでありますが、私どもとしては予算が許し得られるならば、なるべく多く給與をするようにいたしまして、そしてみずからが街頭に立つて募集などしなくともいいようなぐあいに、今度大いに努めて見たいと考えております。この辺のことは全体の予算にも関係することでありますから、それがどれほどまでになし得られるかというようなことは、ここにはつきり申し上げるだけのこともできませんが、將來においてはそういうようなことのないように私どもは努めて見たい、こういう心組であります。
○山崎(道)委員 私はきわめて不満足でございます。輸血の問題にいたしましても、これが個人の病院ならば私はまだあきらめもつくのでありますが、日本の最高の病院でこういう問題が起きておるのであります。しかも一人ならず二人、三人まで性病に感染しております。そしてこれに対しては今研究中だというようなお言葉ですが、少くとも輸血を賣物というか、商賣にしております輸血協会というようなものに対しては、一体どういうような取締りがなされているか、今まで放置されていたということも問題がございますが、今の大臣の答弁だと、國民は一体どうしたらいいのでございますか。
 それからもう一つヂフテリアのことですが、大臣は新聞で見ただけだとおつしやるけれども、新聞に出てからもう何日たつておりますか、それはあなたに言つても無理ですが、今医務局長が來ておりませんから言うのですが、これはもつと厚生省がしつかりやつてもらわなくては困る。
 それから予算との関係があるからという言葉がありましたが、私はこれは片山内閣のときから、與党ではございましたけれども片山さんをつつ込んで來ている。大体政治の考え方が厚生問題をほんとうに軽くしか考えていない、平和國家を目標としている日本で厚生問題を軽んじては、絶対私はこの確立はあり得ないと思う。世間の評判から言つても、各省へ行つても、厚生省の人にあたつてみても、厚生省自体が腰が弱いと思う。しかもGHQの方では厚生問題に対しましては、非常に積極的な意見を持つておいでになる。私は厚生省全体がもつと強くなつてくだされば、予算の問題も解決できると思う。國民の姙娠中から死ぬまで一切の問題を扱つている厚生省で、國の予算の〇・五%までも行つていないようなもので満足していること自体がおかしい。もつと積極的にやつてくださる御意思があるかどうか、私は聞きたいと思います。
○林國務大臣 激励のお言葉を頂戴いたしまして、まことにありがとうございました。なお先般私も厚生省の予算はわずかに五%だとかいうようなことを伺いました。從いまして私どもも、せつかくこういう厚生省に関係いたしました以上、せめて予算くらいはいま少しく満足し得られるような方向に、今後とも努力をして行きたいと考えますから、伺分とも御支援を賜わらんことをお願いいたします。
○山崎(道)委員 あとは局長によく伺いたいと思いますが、もう一つ厚生大臣にお伺いしておきたいと思いますのは、傷痍軍人の問題にいたしましても、先ほど來請願に現われてきた問題にいたしましても、ここではもう解決しない段階に來ていると考えるのでございますが、厚生省ではこの際思い切つて、総合的な社会保障法の確立の御思意ありやいかんということをお伺いいたします。
○林國務大臣 ただいまの社会保障制度につきましては、十二分に用意をいたしております。またマツカーサー元帥の方からも勧告書というきわめて大部分なものが参つております。またこれに伴うところの予算も何千億とかいうようなものになつておるようですが、それが予算関係からしてどれほど達成し得られるかは存じませんが、考慮いたしました上において、なるべく多くのその中の早くやり得られるようなものから片をつけて遂行してみたい、こういう意向であります。
    ―――――――――――――
○佐々木委員長 それでは本日の日程に返りまして、國民健康保險の診療施設に対する國庫補助増額に関する件について、榊原亨君の厚生大臣に対する質疑を許します。
○榊原(亨)委員 これは本会議におきまして私から厚生大臣にお尋ねを申し上げたのでございまするが、厚生大臣の御答弁は、財源が許せば國庫補助の増額を今議会の追加予算の中に入れるというようなお答えがございまして、きわめて不満足なのであります。この点は大藏大臣とも重々御相談になつたことかと思うのでありまするが、重ねて私は申し上げまするが、國民全部の保健の上から申しましても、この際はぜひとも國民健康保險組合によらなければならないし、この國民健康保險組合を設置するということは、関係当局におきましても熱烈なる要望のあるところでございまするが、地方の財源をもつていたしましては、とうていこの際設立することができないのであります。その事情は林厚生大臣も、しろうとでありますが、よくおわかりになつておると思うのでありまして、今議会におきます各種のこれに類しますところの請願をお読みくださいまして、わかることろであります。この際はたとえば災害救助に対して何億かの予算をお組みになる。それ以上全國的にわたる重大問題でございますので、それをよく御認識くださいまして、大藏当局とも御相談の上、具体的にどれだけのものをこの追加予算の中に計上することができるということは、おそらく賢明なる厚生大臣のことでございまするから、もうすでに成案ができていることだと私は思う。この際厚生大臣から具体的な、数字をあげてのお話を私は承りたいと存じます。
○林國務大臣 お答えいたします。今の國民健康保險の問題につきましては、大藏大臣とも絶えず折衝いたしております。ところでいまだ予算の提出に至りませんところの事情は、財源その他の問題によつて今まで遅れておるような実情になつております。しかしながらこちらの方といたしましては、地方の事情は榊原委員のおつしやるまでもなく、私どもも直接に地方の陳情をとくと伺つております。またこれらの問題は、過去における実情を伺つてみましても、最後のところ政治的の解決にまつものが多かつたというようなことでありますので、今なお大藏省の方に対しましては、これをしきりに要求をいたしておるわけでありますから、その数額などについて、ここに明確なることをまだ確定いたしておりませんとだけしか申し上げることができないことを、はなはだ遺憾に考えておりますが、なお今後とも最後までこの問題については努力をいたしてみたいと心得えております。
○榊原(亨)委員 ただいまのお話によりますと、相かわらず最後まで努力をするというお話でありますが、それでは大藏当局におきましては、財源上全然これを追加予算の中に入れないという御意見をもつて厚生大臣にお答えになつておられるのでございまするか、その点はわかりませんが、また聞きますれば、二十六日ごろには総理大臣は施政方針の演説をされるということを、われわれ議会に向つてはつきりとお約束になつておる。從つて二十六日というと、もう明日、明後日に迫つておる時でございますのに、まだこれが追加予算の中に計上されるかどうかもわからぬ。まだ話合いだというようなお話でございまするが、それでは各党に向つて佐藤官房長官その他政府筋が御言明になりました具体的予算をきめて、そうしてそれによらなければ施政方針演説ができないとかねがね何回もおつしやつたということは、一体どういうことなのでありますか。二十六日に施政方針演説をしなければならぬ、それにまだ予算の上においては重大なる國民健康保險組合の追加予算さえも出すか出さぬかわからぬ。最後まで折衝してみるというようなお話を承りましたが、これは單に林大臣が厚生大臣というだけでなく、現内閣を代理しておられるところの副総裁としての責任ある立場を承りたいと思うのであります。
○林國務大臣 ただいま申し上げました以上に申し上げるだけのことができないことを非常に残念に考えますか、どうか私の先ほど申し上げたことをもつて御了承をお願いいたしたいと思います。
○榊原(亨)委員 ただいまのお話について私はしごく不満足であります。今の内閣を代表しておられるところの副総理の責任あるお話とは、私どもはとうてい承ることはできない。從つてこの國民全部の健康、あるいはみんな困つているところの、生活にあえいでいるところの國民に健康に対しまして、現内閣がいかに無責任な態度をとつておられるかということは、この一つのことでさえ私ははつきりわかると思うのであります。いずれこの問題は決議案その他によつて本会議において私どもの考えを申し述べますから、この程度において私の質問は保留いたします。
○佐々木委員長 この問題に関連して他に質疑はありませんか。――なければ委員長として厚生大臣に一言要求をしておきたい。二十三年度において直営診療所設置の要求が全國で五百四十五箇所もあるようでありますが、これに対して今年度の診療施設設置費に対する事実上の補助予算というものは、わずかに五千四百七十二万八千四百三十余円となつておるのであります。この経費をもつてしては、現在各健康保險組合から申請中の診療施設設置要求額にははるかに遠いのでありまして、これを完全に充足するためには、どうしてもまだ三億一千万くらいの追加予算を必要とするのであります。本日のこの日程をごらん願いましても、ことごとくがこの國民健康保險の診療施設に対する國庫補助増額に関する件ばかりであります。私たち厚生委員会並びに委員長といたしましても、連日この國庫補助増額の血の出るような請願を聞かされておるわけであります。從いまして当委員会といたしましては、ぜひともこの際國庫補助の増額が実現するようにということにつきまして、満場一致これを採択しておるようなわけであります。從いまして、國家財政とのにらみ合せにおきまして、非常に種々困難な点もたくさんあるでありましようが、厚生大臣といたされましては、この國民の声を背景として、本厚生委員会の満生一致採択しております請願の趣旨の即應されまして、ぜひともこの際國庫補助の増額が実現できますように、格別の御配慮を願いますことを、委員会の総意の名において強く要求しておきたいと思うのであります。
    ―――――――――――――
○佐々木委員長 お諮りいたします。ただいま松谷委員並びに田中委員より、九州地方の療養所患者自治会解散問題について質疑を求められておりますが、これを許すに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○佐々木委員長 御異議がなければこれを許します。松谷君。
○松谷委員 私は九州地方の療養所患者自治会に対する解散通牒の問題につきまして、根本的な問題を厚生大臣から、具体的な問題は医務局長からお答えを願いたいと思います。
 まず質問に入ります前に私は今まで榊原委員あるいは山崎委員から出ました質問に対する大臣の御答弁を伺つておりまして、はなはだ遺憾に思うものでございます。榊原委員からもお話がございましたように、少くとも厚生大臣は全日本人の生命を預かるものであるという、実に重大なる立場にある方でありながら、先ほど來の御答弁に現われましたような、知らぬ、存ぜぬで通しておいでになるこの状態を見ましたときに、かかる厚生大臣をわれわれの命の綱としてここに見なければならぬということは、まさに國民の悲劇だと私は考えます。これについては榊原委員のお言葉のようにいずれ委員会の種々なる檢討にまつことといたしますが、ひとつ厚生大臣は、國民の中に現われております厚生問題について、少くとも厚生大臣というその職責におられる間は、眞劍に厚生問題を御研究になつていただいて、早急に予算の問題を初めといたしまして、個々の具体的な問題に対する解決策を立てていただきたいことを念頭するものでございます。
 根本的に伺つておきたい点は、九月八日及び十月十八日付をもちまして、厚生省の医務局の九州出張所長の名によりまして、療養所の患者自治会に対しまして、患者自治会なる組織が、主として療養に反するという理由から、解散を命じて参つたのでございます。この患者自治会なるものに対しましては、昭和二十二年の六月の二十三日に、傳染病研究所の講堂におけるGHQとの医療懇談会――これには公衆衞生福祉部のザコーネ氏及び経済科学局のハロルド氏、デヴエラル氏などの出席を得、それに各病院当局、あるいは從業員組合の代表、あるいは患者代表などが参集いたしたのでありますが――その席におきまして出ました一つの意見といたしまして、結核患者の特殊性にかんがみまして、生活向上あるいはコロニー制度の確立、あるいは他の共通目的のために自治体をつくることは、結社の自由という点から何ら反対すべきではなくて、むしろ奬励すべきであるという意見が出ておつたのでございます。こうした一つの賛成意見に基きまして患者自治会なるものが、全國立療養所あるいは私立療養所の患者の参加によりまして、発足をいたしたのでございます。この日本療養所患者同盟の実体につきましては、日本療養所患者同盟規約をお取寄せくださいまして、御檢討いただけば十分にわかるところでございますが、先ほど來問題になつておりましたように、今日、日本の厚生面における予算が、わずかに三億ないし五億まで到達するしかないかの、まことに貧弱な状態で、今日のインフレ状態とかみ合せまして、患者の療養生活は非常に悲惨なものになつております。ことに長期の療養を必要といたします結核患者のその状態は、ただこれを放置しておきますならば、安心をして療養することが不可能の状態、あるいはその療養の目的といたします回復を完全に期することができないというような状態になりましたので、弱い患者の方々は、一人々々がばらばらに不平不満を持つということでなくして、ここに一つの結束の力をもちまして、最もよく療養ができ、そうしてその療養の目的を一日も早く完遂することができるように、ことにこの懇談会の席上でも取上げられましたように、結核患者の一つの大きな將來の目的といたしまして、コロニー制度の確立をまず実現さす、その一つの方途ともいたしまして、ここに患者自治会がその役目を果しつつあつたのでございますが、今回九州の出張所長によつて、こうした患者自治会という組織をつくるということ自体が、その療養に反するという通牒が届けられたのでございまして、こまかい点は医務局長に質問をいたすことにいたしますが、その通牒の中に示されました、いわゆる組織療養のじやまになるという点について、それではどういう具体的な事実があるのか、私がその通牒の中に出て参りました具体的な事実につきまして、はたしてそういう事実があつたのかどうかということを追究いたしますと、いや、そういう具体的な事実はないということを、はつきりと出張所長あるいは病院当局側も言われておられるのでありますが、ただ漠とした、組織をつくるということが療養の妨げになる、こういう一つの解散命令の内容になつておるのでございます。ことにその通牒が発せられますようになりました、その動機と申しますか、原因と申しますか、これは福岡の軍政部の命令であるというふうに申されておるのでありますが、これは命令と解するよりも、むしろ勧告という性質のものであるとわれわれは解釈をいたすのでございます。この点、まず根本的な問題につきまして、患者自治会という、患者が自己防衞のための、あるいは療養完成のための組織を持つということが妥当であるか、あるいはいかがか、まず大臣の患者自治会に対する根本的なお考えを一應初めに伺わせていただきたいと思います。
○林國務大臣 ただいまの問題につきましては、私初めて伺うことでありまして、その内容についてよく存じておりませんから、遺憾ながらそれに対してお答えをいたしかねます。なお医務局長からお答えをある程度までお願いいたしておいて、日をかえて、その事実を調べた上で、私お答えいたしたいと思います。
○松谷委員 ただいまの大臣の、この問題に対しますお答えは、まだ具体的な事実を御存じなかつたというので、伺うということは無理だと考えますが、ただ一般概念といたしまして、患者自治会という、患者がそうした組織をつくるということに、大臣は賛成か、あるいは反対とかいう、この程度の御意見は伺えると思います。もちろん患者自治会としての規約もございましようし、患者自治会か持つところの性格というものは、私どももはつきりいたしておりますが、その線を逸脱した患者があつたとするならば、これに対してその患者自治会の統制があることは、われわれとして考えるところでございますが、しかし患者自治会の規約を遵奉し、そうして患者自治会なるものの性格を逸脱しない上における患者自治会というものの存在に対する大臣のお考えを伺いたいと思います。
○林國務大臣 内容がどういうものかということは、よく存じ上げておりませんから、内容を調べましてから、お答えいたします。
○松谷委員 再度質問いたしますが、内容がわからぬから答えができぬ、こういうお話でございますが、患者がそういう患者の組織をつくるということがよいか惡いか、この程度のことならば、常識といたしまして、少くともお答えがいただけるのではないかと思います。もちろん具体的に出て参りました今度の事件に対しまして、妥当かどうかということは、これはもちろん具体的資料をまだごらんいただいていない大臣に対して、お答えをいただくことは無理だと考えますので、この点は医務局長に伺いたいと思いますが、しかし患者自治会がよいか惡いか、患者はそういうものを全然つくつちやいかぬというお考えでおられるのか、あるいはその一つの規約の範囲内において自治会を持つということはよろしいというお考えであるかどうか、少くとも厚生大臣という任におつきになる方である以上は、このくらいの常識問題はお答えがぜひ願いたいと思うのでございます。
○林國務大臣 会をつくられるということに対してはどういうものか、まだ内容がわかりませんから、ただつくるということだけならば、さしつかえなかろうと思は考えます。ただそういうものをつくつておいて、実際の目的のらち外に出るということがあれば、考えなければならぬと思います。その内容について、私どもはよく存じ上げません。ただ自治会というものをつくるということは、伺もとがめることはないと思いますが、その自治会をつくるということによつて、らち外に出るということがあれば、またそこに考えなければならぬと思います。そういたしますと、その内容についてよくわかりませんと、ただつくる方がよかろう、あるいはいけないということは、私は申し上げかねたものですから、ただいまそういうようなお答えをいたしたわけであります。さよう御了承願いたいと思います。
    ―――――――――――――
○佐々木委員長 それでは日程に返りまして、國民健康保險の診療施設に対する國庫補助増額の件に関して、榊原委員より質問を願います。
○榊原(亨)委員 きわめて御多忙なる泉山大藏大臣が、この委員会に御出席くだすつたことは、敬意を表するものでありますが、泉山大藏大臣も知つておられますように、ただいまの各市町村におきますところの財政と申しますものは、地方警察をつくりますとか、あるいはまた六・三制の学校を建てるとかいうことのために、ほとんど全部を使い果して、枯渇してしまつておるのです。しかるに一方におきましては、連合軍当局の非常なる御希望もありまするし、現在インフレに悩んでおりまする國民といたしましても、この際医療費の軽減をはかりますために、ぜひ國民健康保險組合をつくらねばならぬということは自明の理であります。この場合に、それにもかかわらず、各市町村においては、國民健康保險組合を、財政上の点から申しまして、ほとんどこれを設立し得ないというような状態でありますので、この際はぜひとも追加予算の中に國民健康保險組合補助金の増額をせられるよう、私どもは再三再四要望し、また本委員会におきますところの請願においても、ほとんどその大部分が、國民健康保險組合に対するところの補助金の増額の請願であります。これに対しまして、先ほど厚生大臣のお話を承りますというと、まだ大藏大臣と折衝中であつて、そうして何ぼこれに計上するか、その金もわからぬ、あるいは場合によれば全然計上しないというような御意思であるのではないかとさえ思われる節があるのでございまして、二十六日に首相が施政方針演説をされるということを各党に申し入れてあるわけですが、なぜ早く施政方針演説をしないかという一つの理由といたしましては、公務員法を早くやらなければならぬということもあるが、具体的予算の上に立つて、施政方針演説をしなければわからないのではないかという御意見を承つたのであります。そうしますと、二十六日には施政方針演説をしなければならぬというのに、まだこの重大なるところの國民健康保險組合に対する補助金を、追加予算の中に計上するか計上しないかさえわからぬ。目下大藏大臣と折衝中である。こういうふうなお話でございまして、もしもこれがほんとうであるといたしますならば、現内閣及びこれを支持いたしておりますところの民主自由党の諸君がいかにこのインフレに悩んでおりますところの國民に対して――私どもは憲法第二十五條によつて、当然その健康を保持するところの権利を持つておるのでありますが、これに対していかに無関心であるかということをさらけ出さなければならないと私は思うのであります。この点に対して泉山大藏大臣は、國家財政の見地からいたされましても、この場合に國民健康保險組合の國庫補助を、この予算の中に計上せられるということを私は信じておるのでありますが、この点に関する具体的な率直な藏相の御意見をこの際ぜひ承りたいと存じます。
○泉山國務大臣 榊原さんのお尋ねにお答え申し上げます。國民健康保險の育成発展の問題は刻下の急務であるとは考えます。なおまた関係方面からの要請に從つて、その今日あるものであることは深く了承いたしておるのであります。しかしてこれに即應すべき予算の問題についてのお尋ねでございますが、その点につきましては均衡財政の見地から、その鉄則のもとに財源と見合わしまして、これが計上をはたしてどの線にまで持つて行けるか。かようなことで実は今日ただいま折衝中であるのでございまして、さような意味合いにおきまして、厚生大臣からも決定的なお答えができなかつたものと拜承いたしておるのであります。從いましてその計数的なお答えをいたしかねるのは、はなはだ遺憾とするところであります。しかしながらただいま榊原さんから御熱心なる御指摘の通り、できるだけ御希望の線に沿うてこれを予算化いたしたい。さように考えをこの際表明いたしたいと思うのであります。
○榊原(亨)委員 重ねてこの際大藏大臣にお願いいたしたいことは、災害救助のために六十億ないし百億の金を計上せられるということは、私どもは全面的にこれを賛成するものでございますけれども、災害救助の救象となりますものは、一地方におけるところの災害を受けた方々であります。もちろんこれを救助することは必要でございまするが、疾病に悩んでおる者が、このインフレのために医療費が拂えない。この哀れな國民、これは全國的の問題であるということを特に大藏大臣が銘記せられまして、ただいま大藏大臣の誠意ある御答弁の通り、高れせぜひ実現されることを重ねて望む次第であります。
 なお非常に御多忙中にかかわらず、大藏大臣がこの委員会にお見えになりましたことに対しましては、私は敬意を拂うものであります。
○泉山國務大臣 重ねてお答え申し上げます。ただいま重ねての御熱誠なる御意見の御開陳に敬意を表する次第であります。國民健康保險の問題に対して、先ほど私の決意を被瀝いたしたのでございまするが、なお御参考のために災害復旧についての問題について、私にいささか陳弁のお許しを得たいと思うのであります。災害復旧の問題は、はなはだ現実の面におきまして、ある限られた地域という結果になるのでありますが、しかしながらその災害の原因たるや、おおむね天災地変によるものでございまして、たまたまいかなる地区にこれがございましようとも、それがその次はどこにあるか、あるいはその前はどこというような、かようなことはたまたま結果においてさようなものでございまして、これはやはり日本國民のひとしくあげて重大なる関心を持つものという構想に立つものであることを、この際付言いたしたいと思うのであります。
○榊原(亨)委員 大藏大臣の話を聞きますと、災害は予想なしに現われて來る。それでは病氣は予想をもつて現われて來ますか。それは災害と同じ種類のものである。しかも病氣は現下のインフレに悩んでおるところの國民といたしましては、生活の窮乏からほとんど予想し得ない場所に、全國的に現われて來るものであります。それに対して災害というものは予想なしに現われて來るから、これは救助しなければならぬ、病氣はかつてだというように聞くのであります。さような議論は大藏大臣はまさかなさるものではないと思う。私の聞き違いであればけつこうでございますが、もしもさようなお考えをもつて、災害救助に対しては追加予算に計上するけれども、國民保健上の健康保險の補助金については出さないということが、万一ございますならば、これは泉山大藏大臣のためにはなはだ惜しむものである。また與党である民主自由党の政策の上についても、國民的苛烈なる批判に訴えられるということを私は重ねて断言いたしたいと存じます。
○泉山國務大臣 三度お答え申し上げます。ただいまの榊原委員のお話は、先刻私の申し上げました意味とは多少違うのでございまして、災害の問題について私が言を添えましたゆえんのものは、單なる一地区の問題とのみは考えられないものである。かような構想の上に立つ、この点を御参考までに申し上げた次第で、それが他の反面において、本件の國民健康保險の問題に対する熱意とは何ら関係のないことをはつきり申し上げたいと思うのであります。
○佐々木委員長 本件に関して大藏大臣に質疑がありますか。――なければ委員長として大藏大臣に一言要求し、かつ質疑を試みたいと思います。
 当厚生委員会に対する請願並びに陳情の中で、最も多数にして、かつまた各委員が最もこれを重大に取扱つております問題は、ただいまの國民健康保險の診療施設に対する國庫の補助増額の問題であります。そこで二十三年度におきまして、すでに全國におきまして、この診療所の建設あるいは設置に着手しておりますものが五百数十箇所もあるようであります。從つてこれに対する國庫補助を充足するためには、厚生当局の調査によりますれば、約三億一千万円の追加予算が必要とされることになつております。もとよりいろいろ國家財政とのにらみ合せもあるでしようが、五百数十箇所の中で、もうすでに設備を完了してしまつた、あるいは建設を終つてしまつた診療所について、いまだ政府からの國庫補助の交付を受けずに、これが村政、町政のがんとなつて、重大な事態が起つておるところも全國多数あるようであります。委員長といたしましても、連日のようにそういう問題に関する請願や陳情を承つております。從いまして五百数十箇所の中で、すでに建設設備の終つたという所に対しては、ぜひともこの際應急的な何らかの措置を講じなければならぬ。國家置政の立場から、三億一千万円という予算がきわめて困難であるというならば、いろいろ事務当局の話を聞きますると、せめて二億余りくらいあれば、何とか当面の対策を講じ得るというような説明も承つておりますので、その程度にしても、なおかつ今度の追加予算にこれを計上することが困難であるかどうか。この点につきまして大藏大臣に委員長として一言御意向を承つておきたいのであります。
○泉山國務大臣 ただいまの委員長のお尋ねにお答えを申し上げます。ただいま御指摘のありました國民健康保險に関しまして、診療所がすでに五百数十ほどに上つておるということは、私も承知しておるのであります。しこうしてこれが予算につきましてのお答えは、先ほど榊原委員にお答え申し上げた通りでありますが、率直に申しまして、実はかようのものはいわゆる雜件といたしまして、これを一括して今日の構想を練つておる次第であります。何となれば、それはおよそ千件にも近い案件がありますので、先ほど申しました通り、一本予算の構想に立ちます場合、これに許されるべき限界をまずきめなければならないのでございます。それが今日折衝の過程におきまして、このわくが決定いたしませんために、計数的にお答えいたしかねることは残念でございますが、ただいま委員長よりの懇切なるお話でもありまするので、なお現実に即して、できるだけ御趣旨に沿いたい、かように考えます。右お答え申し上げます。
○庄司政府委員 ただいま委員長初め委員の皆さんより、國民健康保險組合関係の診療費、あるいは市町村のささやかな民生病院に対する補助の追加予算確保に関しまして、まことに熱烈な御要請の御所見を承りまして、政府の一角である厚生省当局としては、実に感謝と感激にたえないのでございます。しかしながらただいま委員長より、三億一千八百万円を追加予算によつて厚生省が要請しておるその額が、もし不可能であるならば、せめても二億程度くらい云々というような和衷協同的な御発言が現われましたが、厚生省当局としては、あくまでも大藏省の了解を得て、今回要請しておる三億一千八百万円を確保せずんば相済まぬ。現在工事過程中にある、いま一息で落成するという関係のものは、全國五百二十箇町村ございます。また來年度において、約一千二百町村くらいが診療所を設けたいという熱望をもつて、それぞれ厚生当局に陳情がございますので、どうか二億程度などというお言葉でなく、厚生当局が要請しておる金額を追加予算に確保ができるように、委員長初め委員各位の一段の御盡力を賜わりたいのであります。私はこの際同じ吉田内閣のもとにおいて、厚生省がなぜかように強く大藏省に要請しておるかというに、昭和二十三年度における前内閣に編成されたる予算は、この関係において五千万円である。たつた五千万円、これでは全國五百二十幾つの現在工事過程中にあるものに対する補助助成は、その五分の一もできないのであります。よつてここにどうしても三億円台の追加予算を確保せずんば、全國市町村の各位、組合の理事長に対してまことに申訳がない。今市町村でこの問題に関連して、町村会から責任を問われて辞職願い中の者が五、六人ございます。かような重大な場面でございますから、ぜひ厚生委員会各位の御熱意と御盡力を仰ぐとともにわれわれも大藏当局に対しては、あくまでも政治解決の上において、追加予算の確保に向つて最後まで努力をいたしたいと考えております。皆さんの御熱意あふるる御要請に対しては、厚生省当局としてはまことに感謝にたえません。ここにお礼かたがた一段の御盡力を賜わらんことをお願いいたします。その半面において、同じ政府においても、大藏大臣が今ここに出られて聞かれておりますが、われわれの眞劍な叫びを大藏当局のお耳に入れて、円満なる政治的御解決を要望してやみません。同じ内閣のもとにあつてはなはだ妙な話でございますけれども、私は皆さんの御熱意におこたえしなければならぬ。その意味において二億程度ではなく、三億一千八万円は何としても確保できますよう、一段の御盡力を賜わらんことをお願い出し上げまして、ごあいさつにかえる次第であります。
○佐々木委員長 大藏大臣になお重ねて一言強く要求しておきたいと思いますが、ただいまお聞き通りの通り、國民健康保險組合の診療所設置に対する國庫補助増額の件は、非常に熾烈な要求でありまして、現在全国において火のつくような問題になつております。從つて当委員会は満場一致、全然的に國庫補助増額を要求しておるわけであります。従つてこの国会側の総意、意向というものを十分おくみとりくださいまして、困難な國家財政でありましようが、ぜひさもこの問題が解決できますよう、特に政治的御配慮を、委員長として強く要求しておく次第であります。それでは本日はこの程度にして打切ることに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○佐々木委員長 御異議ないようでありますから、次体は公報をもつてお知らせすることとして、本日はこれにて散会いたします。
    午後一時十九分散会