第003回国会 水産委員会 第11号
昭和二十三年十一月二十六日(金曜日)
    午後一時五十分開議
 出席委員
   委員長 西村 久之君
   理事 冨永格五郎君 理事 藤原繁太郎君
   理事 外崎千代吉君
      石原 圓吉君    川村善八郎君
      關内 正一君    仲内 憲治君
      平井 義一君    佐竹 新市君
      矢後 嘉藏君    小松 勇次君
      椎熊 三郎君    三好 竹勇君
      坪井 亀藏君    鈴木 善幸君
 出席國務大臣
        農 林 大 臣 周東 英雄君
 委員外の出席者
        專  門  員 小安 正三君
    ―――――――――――――
十一月二十五日
 漁船保險対策に関する請願(三好竹勇君外二名
 紹介)(第四〇〇号)
 茂生船入澗拡張工事施行の請願(苫米地英俊君
 紹介)(第四〇八号)
 豊ノ浦漁港修築の請願(井谷正吉君外八名紹介
 )(第四一七号)
 大津村厚内に漁港築設の請願(高倉定助君外一
 名紹介)(第四二四号)
 漁船保險対策に関する請願(小松勇次君紹介)
 (第四四三号)
 同外三件(馬越晃君紹介)(第四四四号)
 漁船保險対策に関する請願外三件(椎熊三郎君
 外三名紹介)(第四四八号)
 釣懸船入澗拡張並びに稻穗及び神威脇に船溜築
 設の請願(川村善八郎君紹介)(第四七五号)
 漁船保險対策に関する請願(鈴木善幸君紹介)
 (第四九二号)
 同(川村善八郎君紹介)(第四九三号)
 御疊瀬船澗口に防波堤築設の請願(長野長廣君
 紹介)(第四九四号)
 根付漁業中に「ぼら寄魚漁業」を編入の請願(
 石原圓吉君紹介)(第五〇〇号)
 普代村太田名部港に船溜築設の請願(鈴木善幸
 君紹介)(第五〇一号)
 水産高等教育改善に関する請願(加藤靜雄君紹
 介)(第五一〇号)
 漁船保險対策に関する請願(川村善八郎君紹介
 )(第五三〇号)
 漁業法の一部を改正する請願(岡田勢一君外一
 名紹介)(第五七〇号)
 厚田村船入澗築設工事継続施行の請願(椎熊三
 郎君紹介)(第五七一号)
 霧多市漁港築設工事継続の請願(伊藤郷一君紹
 介)(第五七八号)
 宮戸村大濱湾に船溜防波堤築設の請願(内海安
 吉君紹介)(第五八二号)
 昆布の自由出荷並びに自由販賣の請願(仲内憲
 治君紹介)(第五八五号)
 小橋港修築に関する請願(大郎ヨシエ君紹介)
 (第六一四号)
 久慈漁港修築の請願(桜木孝義君外一名紹介)
 (第六二七号)
の審査を本委員会に付託された。
同日
 水産業協同組合法制定促進の陳情書(宮城縣水
 産業会長須田次麿)(第三九四号)
 和歌山縣の漁業災害復旧國庫補助の陳情書(和
 歌山縣知事小野眞次外四名)(第三九五号)
 漁業法案並びに水産業協同組合法案に関する陳
 情書(宮城縣本吉郡唐桑村字馬場二百六番地梶
 原克志外四名)(第四〇〇号)
 柏原漁港に防波堤築設の陳情書(福岡縣議会議
 長稻員稔)(第四二一号)
 水産業協同組合法制定に関する陳情書(塩竈市
 漁業会長円野實外四十名)(第四四六号)
を本委員会に送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 水産業協同組合法案(内閣提出第一五号)
 水産業協同組合法の制定に伴う水産業團体の整
 理等に関する法律案(内閣提出第一六号)
 漁業権等臨時措置法案(内閣提出第一七号)
    ―――――――――――――
○西村委員長 これより会議を開きます。
 水産業協同組合法案、水産業協同組合法の制定に伴う水産業團体の整理等に関する法律案、及び漁業権等臨時措置法案を、一括して議題といたします。水各案に対する質疑は前会で終了いたしましたので、本日の討論に付します。討論の通告があります。通告順によつてこれを許します。川村善八郎君。
○川村委員 私は民主自由党を代表して、ただいま上程されました三法案に賛成の意を表するものであります。
 われわれはこの三法案については、いろいろ意見はあるのでありますけれども、この法案が遅れておりまするために、いかに漁民がこの三年間に損失をしているかということを考えてみますときに、一日も早くこの法案を通過さして、そうして漁民の行くべき道をはつきりせしめなければならぬ。かように考えているのであります。從いまして後日改正すべきところは改正する意思は十分持つているのでありまするけれども、この場件今日上程されました三法案に対しては満腔の賛成をするものであります。(拍手)
○西村委員長 次に藤原繁太郎君にお願いいたします。
○藤原委員 私は日本社会党を代表いたしまして、左の要望意見を述べまして本案に賛成の意を表するものであります。
 本法案は漁業権法と不可分の法案でありまするから、両法案は同時に審議することが理想でありますが、今日漁民大衆は非常な熱意をもつてこの法案の制定を希望しておるのであります。われらはこの誠意ある漁民諸君にこたえるために、本法案だけの一方的審理という冐險をあえて冐しておるのであります。從いまして漁業権法による確実なる裏づけを持たぬ本法案には、きわめて不備なるものを認めるのであります。過日の公聽会のごときは、修正意見が多数であり、はなはだしきは、全部撤回して、漁業権法の提出を持つて同時審議せよとの極端なる意見さえも出たほどでありますが、この法案を今日修正改組するならば、会期切迫せる本國会において審議未了とならざるを得ないのであります。從いまして私は他日新しい漁業権法が立法せられたる際は、漁業協同組合発達のため、新漁業法に順應し、可及的すみやかに本法に修正を加えられんことを要望いたしまして、本法案に賛成の意を表するものであります。(拍手)
○西村委員長 小松勇次君。
○小松委員 私は民主党を代表いたしまして、ただいま上程せられておりまする水産業協同組合法案、水産業協同組合法の制定に伴う水産業團体の整理等に関する法律案、漁業権等臨時處置法案に対しまして、原案に賛成の意を表するにあたりまして、いささか希望條件を付して、將來適当な措置を講ぜられんことをこいねがうものであります。
 日本再建の重要國策の一環として、水産業の振興をはかり、かつ漁村の民主化を促進せねばならぬことは、あえて私の言をまたないところであります。しかるに水産業に関する制度がいまだ民主化されず、本法て並行して提出せらるべき漁業権法の改正も、依然としてたな上げの状態にあることは、全國津々浦々の大衆の要望に反するだけでなく、これら行政措置が一日遅れれば遅れるほど、一日ずつ新しい漁村の組織が遷延せらるるものと言わなければならぬのであります。よつてすみやかに新漁業権法案を提出せられんことをこの際特に要望するものであります。
 第二にお願いいたしたいことは、漁業協同組合は、零細漁民の経済的、社会的地位の向上を願うものでありますが、本法案によりますれば、二十名以上の漁民によつて協同組合は自由に組織されるのであります。從つて特に親族数軒によつて二十名以上の発起人を得て、協同組合は組織せられるのであります。よつて資本家系統の一族によつて組織せられる企業的形態を持つ組合と、零細漁民の組織する組合との対立を私は恐るるのであります。よつて企業的経営規模を持つ組合はいよいよ発展するでありましようけれども、零細漁民の経済力は容易に伸びないうらみがあるのであります。ゆえにかかることなきを期するために、組合設立の場合にあたつては、町村單位にするか、または浦々の單位の協同組合を奬励するように、指導方針を確立せられんことを望むものであります。
 なお生産協同態勢の裏づけといたしまして、資金的事業が重視せられねばならぬのであります。実に漁村の経済の分岐点はここにかかつておるとも言わねばならぬのであります。しかるに漁業協同組合連合会におきましては、経済事業と信用事業とが分離されて、兼営を禁ぜられております。かくては経済事業の連合会は別といたしましても、信用事業だけの連合会は成立たないと思うのであります。信用事業の連合会が成立たないとすれば、その上にあるところの農村中央金庫とか、あるいは將來水産金庫ができましても、漁村の金融方面に対しましてのその特異性よりいたしまして、まことに影科の大きいことを憂うるのであります。よつて將來社会情勢を考えまして、これらの点につきましても適当に御考慮あらんことをお願いするとともに、協同組合に対する融資についても格段の御配慮をお願いしたいのであります。今日水産業に対しましては、復金を初め、農林、漁業復興融資のわくもあるのでありますけれども、これらのわくは設備費に対する融資であつて、運轉資金に対する融資が認められておらないのであります。漁業の実情よりいたしまして、運轉金に対しましても、相当の融資を御考慮を賜わりたいのであります。水産の上において、今あたかも一滴の呼び水を與えれば、相当の成績を上げ得る際において、これらの運轉資金が枯渇しておるために、所期の目的を達せざるうらみが多々あるのであります。これらの照につきましても、行政上の措置を講ずるとともに、十分御配慮あらんことを切望するのであります。
 以上の希望條件を付しまして本案に賛成するものであります。(拍手)
○鈴木(善)委員 私は社会革新党を代表いたしまして、水産業協同組合法案寺本委員会に上程されました三法案に対して、以下の希望意見を付して賛意を表するものであります。各党代表から御発言がありましたように、本法案と漁業法の改正は不可分の関係に立つのでありまして、漁業法の一部改正法律案が上程せられざるために、十分なる審議ができなかつたことをきわめて遺憾に考えるのであります。
 なお本法案の内容を檢討いたしまして、強くその修正を希望いたしたいと思う点を述べますと、第一は、協同組合法案の中に各組合に対する法人税はこれを課税しないこと。第二点は、組合員の資格についてでありますが、組合の地区内に住所を有する、こういうことになつておりますが、これを住所または事業場を有するものと改めることが必要であると思うのであります。第三点は、組合の事業の中に倉庫業法を準用するという規定があるのでありますが、これは農業倉庫法を準用するということに改むべきである。第四点は、員外利用は組合員の漁業に支障を來さざる限度においてこれを認めるということにする必要があると思うのであります。第五点は、團体協約の内容でありますが、この團体協約は労働條件に関する協約をも含むものと解すべきであること。第六点は、業種別組合の地域は都部府縣の地域を越えてはならないように制限することが必要と思うのであります。第七点は、協同組合及び生産組合の員外理事はこれを認むべきでない。第八点は、協同組合の地区内に住所を有する漁業生産組合は、当該漁業協同組合の正組合員にすることが妥当であると思うのであります。第九点は、総代会の員数は五十名以上とあるを三十名以上とすることが適正と思うのであります。第十点は、連合会の事業の兼営について制限を加えるべきでない。第十一点は、連合会の規模の制限はこれを撤廃すべきである。第十二点は、水産業團体法の施行の日から同法の一部改正法律が実施されるまでの間に就任したところの役員は、本法施行後一年間は組合の役員になることができないように立法的措置を講ずる必要があると思うのであります。第十三点は、水産業團体の整理等に関する法律案の中で、資産処理委員会の委員には漁業会の役員、金融業者の代表等は選任することができないように、明確に法的措置を講ずることが必要であると思うのであります。以上が三法案に対する修正を希望する点でありますが、なお本法の実施にあたりましては、特に資金、資材、漁業権の免許、漁業の許可等につきまして、協同組合に対する優先的なこれが付與を特に考慮するのでなければ、せつかく協同組合法ができましても、沿岸漁民の経済上、社会上の眞の向上を期することができない。これは政府が今後責任を持つて、これらの裏づけについて十分なる対策を講ぜられんことを要望するものであります。
 次に現在の経済におきましては諸般の統制が行われておるわけでありますが、協同組合が今後運営されます場合には、この協同組合の正常なる発展を阻害しないように、むしろこれを積極的に助長育成いたしますように、関係統制諸法規を十分に調整整備せられんことを要望するものであります。
 以上の希望意見を付しまして、本案に賛成するものであります。(拍手)
○西村委員長 先ほどの鈴木君の御意見中に、修正を意味する御意見をお述べのような関係がありましたが、あれは全部希望ということに取扱いたいと思いますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○西村委員長 御異議ないようでありますから、そのようにとりはからいます。
○椎熊委員 議事の進行上ちよつと発言します。満場一致賛成するものと思つて私は入つているのに、賛成討論の中に、希望條件というようなことにすると、採決の上に希望條件付の採決と、それから全案まるのみの採決と二つやらなければならないことになりますから、そのような点はあらかじめ御注意願つて、そういうめんどうくさいことはやらないような申合せであつたと了承しておるのでありますが……。
○西村委員長 その通り委員長も心得ております。
○椎熊委員 そういうふうにお願いいたします。
○西村委員長 それでほかの修正その他の関係に属しますことは、ただ一つの希望だというような意見に委員長でとりなしておりますから、さよう御了承願いたいと思います。
 坪井亀藏君から発言を求められておりますが、席をはずして、おられませんから、棄権したものと取扱います。
 以上をもつて討論は終結いたしました。水産業協同組合法案、水産業協同組合法の制定に伴う水産業團体の整理等に関する法律案及び漁業権等臨時措置法案を一括して採決いたします。右各案の原案に賛成の諸君の諸君の御起立を求めます。
    〔総員起立〕
○西村委員長 起立総員、よつて右三案はいずれも原案の通り可決いたしました。(拍手)
 この際農林大臣より発言を求められておりまするから、これを許します。
○周東國務大臣 水産業協同組合法案外関係二法案の審議につきましては、非常に短かい期間でありましたにもかかわらず、法案の重大性にかんがみられまして、急速に審議をしていただき、今日可決確定いたしましたことにつきまして、心から感謝いたす次第であります。審議の途中におきまして出ました御意見につきましては、十分これを尊重いたしまして、適当な時期に改正すべきものは改正し、また行政的措置をとるものにつきましては、そういう措置を講ずるように努力いたしたいと存じます。ことに本法案と姉妹関係に立ちまする漁業権制度を中心とする漁業法につきましては、できるだけすみやかに成案を得まして、最も近い國会において提出をいたしたい。かように考えておりますから、この点御了承を願いたいと思います。(拍手)
○西村委員長 この際お諮りいたします。ただいま可決せられました三案に対する衆議院規則第八十六條による報告書の件は、委員長に一任せられることに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○西村委員長 御異議なしと認めます。よつてさよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
    午後二時十三分散会