第004回国会 大蔵委員会 第8号
昭和二十三年十二月十三日(月曜日)
    午後五時十六分開議
 出席委員
   委員長 島村 一郎君
   理事 大上  司君 理事 島田 晋作君
   理事 梅林 時雄君 理事 堀江 實藏君
      苫米地英俊君    宮幡  靖君
      川合 彰武君    佐藤觀次郎君
      重井 鹿治君    細野三千雄君
      山下 春江君  早稻田柳右エ門君
      内藤 友明君    本藤 恒松君
 出席政府委員
        大藏政務次官  塚田十一郎君
        大藏事務官   平田敬一郎君
 委員外の出席者
        大藏事務官   明里長太郎君
        運輸事務官   鳥居辰次郎君
        專  門  員 黒田 久太君
十二月十三日
 理事堀江實藏君の補欠として堀江實藏君が理事
 に当選した。
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十二月十三日
 未復員者給與法の一部を改正する法律案(内閣
 提出第二三号)(予)
同月十二日
 写眞技術家に対する取引高税免除の請願(早稻
 田柳右エ門君紹介)(第八八号)
 輸出陶磁器に対する取引高税免除の請願(早稻
 田柳右エ門君紹介)(第八九号)
 茶に対する物品税撤廃の請願(岡野繁藏君紹
 介)(第九〇号)
 清凉飲料税法の一部を改正する請願(早稻田柳
 右エ門君紹介)(第九二号)
 印章業者に対する取引高税免除の請願(橋本金
 一君紹介)(第九三号)
 碾茶に対する物品税に関する請願(早稻田柳右
 エ門君紹介)(第九四号)
 医藥品類に対する取引高税免除の請願(冨永格
 五郎君紹介)(第一〇二号)
 織物消費税の軽減並びに織物價格差益金に関す
 る請願(早稻田柳右エ門君紹介)(第一一六
 号)
 民間のバス、トラック事業に対する國家保証融
 資に関する請願(増田甲子七君紹介)(第一二
 一号)
 新潟縣の豪雪地帶住民に対する課税軽減の請願
 (神山榮一君紹介)(第一二七号)
 織物消費税の軽減並びに織物價格差益金等に関
 する請願(神山榮一君紹介)(第一二八号)
 槻川村外二箇村を松山税務署所轄に移管反対の
 請願(織田正信君紹介)(第一三〇号)
同月十三日
 清凉飲料水に対する課税軽減等の請願(内藤友
 明君紹介)(第一三五号)
の審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 理事の補欠選任
 未復員者給與法の一部を改正する法律案(内閣
 提出第二三号)(予)
  請 願
 一 写眞技術家に対する取引高税免除の請願(
   早稻田柳右エ門君紹介)(第八八号)
 二 輸出陶磁器に対する取引高税免除の請願(
   早稻田柳右エ門君紹介)(第八九号)
 三 茶に対する物品税撤廃の請願(岡野繁藏君
   紹介)(第九〇号)
 四 清凉飲料税法の一部を改正する請願(早稻
   田柳右エ門君紹介)(第九二号)
 五 印章業者に対する取引高税免除の請願(橋
   本金一君紹介)(第九三号)
 六 碾茶に対する物品税に関する請願(早稻田
   柳右エ門君紹介)(第九四号)
 七 医藥品類に対する取引高税免除の請願(冨
   永格五郎君紹介)(第一〇二号)
 八 織物消費税の軽減並びに織物價格差益金に
   関する請願(早稻田柳右エ門君紹介)(第
   一一六号)
 九 民間のバス、トラック事業に対する國家保
   証融資に関する請願(増田甲子七君紹介)
   (第一二一号)
一〇 新潟縣の豪雪地帶住民に対する課税軽減の
   請願(神山榮一君紹介)(第一二七号)
一一 織物消費税の軽減並びに織物價格差益金等
   に関する請願(神山榮一君紹介)(第一二
   八号)
一二 槻川村外二箇村を松山税務署所轄に移管反
   対の請願(織田正信君紹介)(第一三〇
   号)
  日程追加
 一 喫煙用具に対する物品税の免税点引上に関
   する請願(叶凸君紹介)(第一六号)
 一 納税完納運動及び納税査察制度に関する説
   明聽取
    ―――――――――――――
○島村委員長 これより会議を開きます。
 議案の審査に入ります前にお諮りいたします。去る八日理事堀江實藏君が委員を辞任せられました結果、理事が一名欠員となつておりましたので、この際理事一名の補欠選任をいたしたいと存じますが、堀江君が去る十二日、また大藏委員となられましたので、同君を再度理事に指名いたしたいと存じますが、この点御異議ありませんか。
○島村委員長 御異議なきものと認めまして、堀江實藏君を理事に指名いたします。
    ―――――――――――――
○島村委員長 引続き本日の日程に上つております本委員会に付託されました請願十二件、及び前回の請願審査の際留保されましたもの一件、これを議題といたします。まず紹介議員の方の御紹介を願います。但し一、二の順でやりますと、第一番目はただいま主税局長がお見えになつておりませんので、あとまわしにいたしまして、二番目からお諮りいたします。輸出陶磁器に対する取引高税免除の請願につきまして、紹介議員の御紹介を願います。早稻田君。
○早稻田委員 ただいま議題になりました輸出陶磁器製造工程における取引高税免除の請願であります。すでに本請願は第三國会に請願されたのでありまするが、技術的に非常にむずかしいというので、留保になつており、さらにまた本國会にあらためて請願をせられたものであります。請願人は日本陶磁器連盟並びに陶磁器貿易会より請願をいたしておるのでありまして、それぞれ業者は数次にわたつて大藏当局へもこの陳情に上りまして、おおむね了解を得ておるやに聞いておりますが、ただ問題は技術的に非常にむずかしいということが、難点になつておるやに承つております。そこで私からも多くを申し上げる必要はございませんが、由來わが國の輸出貿易業者は、おおむね小規模なものが多いのであります。從つてその製造過程において一貫作業をすることができませんので、これを下請に出すとか、あるいは專門業者に委託して加工させるというような段階を経るわけでございまして、陶磁器のごときもそうした段階が三十数工程にわたつておるわけであります。一方大企業においては一貫作業をいたしておりますので、最後の段階には取引高税がかかりません関係上、現状で参りますると大企業は非常に惠まれておるが、わが國輸出業者の大多数を占めておる中小企業者に対しては、非常に負担が重く、惠まれていないということを言い得るかと存じます。そこで私どもからお願いしたいと存じますことは、物品税におきましても、原料免税承認申告という方式をとりまして、そうしてこの方式に基いて公平を期するような措置が講ぜられております。取引高税においても、できればそういうような方法等をおとりいただきまして、そして大企業、小企業を通じて、いずれも公平な課税がせられるように御配慮を願いたい。こういうことが請願の趣旨であります。何とぞこの点を大藏当局においても特に御檢討、御勘案をいただきまして、本請願のよつて來る原因を御了承いただきまして、何とかひとつ特別の方途を講じていただきたい。こういうことを特にお願いいたしまして、紹介の言葉にかえる次第であります。
○島村委員長 この際政府の御意見を承りたいと思います。
○明里説明員 陶磁器の問題につきましては、ただいま御説明のございましたように、非常に技術的に困難な点もあると思いますし、また他の輸出品との関係もございますので、ただちにこれを廃止ということには困難があると思いますが、十分研究させていただくことにいたしたいと存じます。
○島村委員長 採択をあとまわしにいたしまして、御説明と政府の御意見とだけを伺つて、先に進むことにいたします。
    ―――――――――――――
○島村委員長 次は茶に対する物品税撤廃の請願、これにつきまして紹介議員の説明を願います。
○早稻田委員 紹介議員の岡野繁藏君がお見えになりませんので、かわつて私から説明をさせていただきます。
 本請願の趣旨は、農産物のうちで物品税の課せられておるものはお茶以外にない。しかもこれは生活必需品であつて、どこの家庭でも欠くべからざるものである。從つてお茶に対しては物品税を撤廃してもらいたい。こういう趣旨であるわけであります。本請願は全國茶業者の方々が先般靜岡に参集せられまして、ここで決議をされました。すなわち、われら全國茶業者は團結して、現下の茶業不振を打開するため、貿易振興、品質改善をはかるとともに、まず惡税たる物品税を撤廃し、もつて茶業振興の目的達成に邁進せんことを期する。こういう決議をされ、それに基いて請願をせられたわけであります。本請願に対しては本院議員百七十八名の方が賛成をいたしておられまして、ぜひこの請願は御採択の上、物品税をすみやかに撤廃していただきたいというのであります。よろしく御採択あらんことを希望いたします。
○明里説明員 ただいま御説明のありましたお茶に対する物品税につきましても、ただいま研究いたしましたところでは、ただちにこれを廃止に持つて行くことは困難だ。こういうふうに考えておりますが、なお十分檢討させていただきたいと思います。
    ―――――――――――――
○島村委員長 清凉飲料税法の一部を改正する請願に対して御紹介をいただきます。
○早稻田委員 清凉飲料税撤廃に関する請願は、すでに先般も紹介をいたしまして、これは採択になつております。從つてここでは重ねてお伺い申しませんが、御承知のように清凉飲料水の免許制度は先般撤廃をせられました。しかしながらこの税法のみが残つているということは妥当でない。こういう関係で、清凉飲料水の税は嗜好飲料同様物品税の中の戊類に属しておる二割程度の課税にしてもらいたい。こういう請願であるわけであります。御採択あらんことを望みます。
○平田(敬)政府委員 清凉飲料につきましては、御承知の通り、物品税がかかる前から実は特別飲料としまして清凉飲料税法を設けまして、多年課税して参つたわけでございます。これを物品税に入れるということは、一つの方法でございますが、ただ相当まとまつた課税品でありますのと、沿革もはつきりしておりまするので、一つの案ではございまするが、特にこれを物品税に入れた方がいいということには必ずしもならないのではなかろうか。ただしかし、いずれにしてもこれは一つの方法でございますので、よく研究はいたしてみたいと思つておりまするが、税の建前から行きますると、むしろはつきりしたものはそれぞれ單行法を設けて、はつきりそれに應じた課税をするというのが一つの方法でございまして、私どもといたしまして、今すぐここで、当然物品税に入れた方がいいというところまでは、結論を下しがたいのでございますが、よく研究してみたい。
 それから、その際におきまして、税率をどうするかという問題でございますが、これも酒の税率、それから清凉飲料以外の嗜好飲料の税率、その他いろいろな税率との比較権衝並びに清凉飲料の市價、生産費等の関係と、その当時における財政需要等を考えまして、妥当な税率を設けるということに相なるわけでございまして、これは税制全般の問題といたしまして、さらにこの点につきましても、よく研究はしてみたいと思いますが、ここに書いてありまするように、二割が妥当であるとか、そういう結論を今すぐここにくだしますことは、少しいかがかと思いまして、なおよくこの次の税制改正にあたりまして、全体的な見地で考究いたしてみたい。かように考えております。
○早稻田委員 ただいまの平田局長の御説、一應ごもつともでありますが、ただいま御説のうちにありましたように、ただちに決定いたされることは困難であろうと存じまするが、しかしこの前の請願のときに、私から詳しく説明を申し上げてありますので、一應その点も御高覽をいただきたいと存じますが、本年の七月でありましたか、免許制が廃止になつた今日、税のみが昔のままであるということについては、これはどの方面から考えても感服しない。かように思いますので、清凉飲料水の実際のあり方をよく御檢討願つて、税制の改革をまつまでもなく、これは特にひとつ御配慮いただきたいと思います。本來ならば免許制でなくなると同時に、この税法も改正せられてなくてはならないもすのと考えますので、重ねて御再考を要請する次第であります。
○平田(敬)政府委員 免許制がございますことは御指摘の通りでありまして、これは附加税の適実を期するために、清凉飲料につきましては、特に免許制度を設けて参つたのでありますが、ただ独占禁止法その他いろいろの関係からいたしまして、清凉飲料につきましてまでもなお免許制を設けることは、今の状況からしましてどうも財政上の理由でそこまで行くのは、行き過ぎではないかというような理由で、実はやめたような次第であります。從いましてお話の通り清凉飲料税も、独立の税としては設けない方がいいのではないかという議論も、一つの議論だと思いますが、ただそれだけの議論からだけで、本税をただちにやめて物品税に入れることにも相ならないのではないかという節もございまするし、先ほどからも申し上げましたように、やはりこれは間接税全体のシステムをどうするかという問題に関連しておりますので、この次の税制の全面改正の際におきまして、よく檢討させていただきたいと思います。
    ―――――――――――――
○島村委員長 次には日程第五の印章業者に対する取引高税免除の請願、これにつきまして紹介を願います。
○早稻田委員 本請願は橋本金一議員からの紹介でありますが、私からかわつて説明をさせていただきます。印章業者は御承知のように技術を主とするものであつて、課税の対象にされるというのは、どうもおかしい。こういうので全國の印章業者がこの請願をいたしているわけであります。詳しいことは請願書の中にありますので、御檢討の上御採択あらんことを望みます。
○平田(敬)政府委員 印章に対して取引高税を課するか課さないかという問題でありますが、取引高税を課するか課さないかということの大体の基準は、そういう品物が國民のほんとうの日常生活に必要であるかどうかという点が、一番判断の標準になるべきものでありまして、業態がどうであるかということは、むしろ第二の問題だと私どもは考えております。相当技術を要する点になりますると、いろいろの業態において程度の差こそあれ、そういう問題があるわけでありますが、こういうものにつきましては、そういう見地よりも印章を購入する人その人に、取引高税が轉嫁される場合において、はたして妥当であるかどうかということを考えますと、これもにわかに非課税の方が妥当だという結論が、正しいということには参りかねるのではないかと考えております。
    ―――――――――――――
○島村委員長 次に日程第六、碾茶に対する物品税に関する請願、これにつきまして御紹介を願います。
○早稻田委員 碾茶に対する物品税に関する請願は、私と中垣國男代議士が紹介者になつておりますが、本件はすでに御承知のように先般玉露、煎茶等に対しては物品税の改正によつて軽減されておりますが、ひとり碾茶のみが残されて今日に及んでおります。当時私ども玉露、煎茶と碾茶とはおのずから別ものであるというような考え方をしておつたわけであります。その後情勢を承りますれば、碾茶はこの税法ができてから、ずつと煎茶とともに同じ足並で、課税もされ軽減もされて参つておるものであるそうでありまして、業者間においては碾茶のみが高いということは、どうしても納得ができないということを力説いたしております。ことに本請願人である愛知縣幡豆郡西尾町の坂部龜太郎氏の言によりますれば、中部日本地方は碾茶の産地であり、また嗜好者もすこぶる多い。そんな関係で現行百分の五十の課税になつておるのを、玉露と煎茶と同じように百分の二十に低減をしていただきたい。かように要望をいたしておるわけであります。何とぞこの間の事情御賢察を賜わりまして、ぜひこれを御採択あらんことを望みます。
○平田(敬)政府委員 お茶につきましては、この前の國会の御修正で玉露の税率を煎茶と同じにすることになりましたが、その際における理由の相当大きな一つといたしまして、玉露と煎茶の限界がなかなかつきにくい。値段の上におきましてその限界線に近いものが相当多数あつて、課税技術上なかなか困難である。こういうことが相当有力な一つの理由に相なりまして、玉露の税率と煎茶の税率とを同じにしたように私記憶しておりまするが、碾茶の場合におきましては若干事情を異にするところもございまして、理屈を申しますると、どうもその方は必ずしも玉露と同じにするということにまで相ならぬのではなかろうかと思いまするが、ただ技術の問題というような事情があるらしくて、政府といたしましても今ここで結論を下すことは少し早いと思います。愼重に研究いたしてみたいということを申し上げまして、御参考にいたします。
    ―――――――――――――
○島村委員長 次に日程第七でありますが、これは前会には採択することに決定しておりますので、次の日程第八及び第十一を一括して審査をお願いすることにいたします。織物消費税の軽減並びに織物價格差益金に関する請願、これについて御紹介を願います。
○早稻田委員 織物消費税の軽減並びに織物價格差益金に関する請願でありますが、これは前会にも詳細にわたつて御説明を申し上げましたので、本日は省略をいたしますが、この請願書の内容を御檢討いただきまして、御採択願いたいと思います。
○平田(敬)政府委員 織物消費税の問題につきましては、あの一〇%という税率は、今後織物の供給が増加し、マル公と実際價格の差が接近するに伴いまして、税率としては非常に高いものでございますので、方向といたしましては軽減する方向に向うのが、穏当な行き方ではないかと考えるのであります。それはひとり織物のみならず間接税全般について、そういう傾向があるわけであります。將來の間接税のシステムをどういうふうに持つて行くか。一面において取引高税みたいなものを残して、高率な間接税の税率を引下げるという方向に行くか。あるいは取引高税を廃止しまして、そうして特定物品に対してはやはり相当の課税をするか。いずれの方向に向うか。これは一つの問題であろうと考えます。いま一つは、財政上の事情が許すや否やということが、これまた非常に大きな問題でございますので、方向としては正しいと思いますが、実現の時期につきましては私どもといたしましては、やはりよほど愼重な考究を要するのじやなかろうかと、考えておる次第でございます。從つて今すぐここで引下げに対して賛成をするということは、少し困難であろうと思いますので、御了承願いたいと思います。
○早稻田委員 織物消費税の軽減については、ただいま主税局長の申された通りでございますので、ひとつぜひこれは御研究をいただきたいと思います。それから、これにあわせて請願をしてありますのは、消費税の納税にあたつては、相当金額になりますので、金融上非常に困る場合がある。そこで、三箇月の無担保で延納することのできるような方法に御改正を願いたい。こういうことがつけ加えてあります。それからさらにつけ加えて織物價格差益金の撤廃であります。本件については他の委員の方からもこの前いろいろ論議がありましたが、実際もうからないのに差益金を出すということは非常に困難であるというので、ぜひこの織物に関する價格差益金を撤廃してもらいたい。それから例の取引高税もぜひ撤廃してもらいたい。こういうことがつけ加えて書いてございますので、あとでごらんをいただきまして、それぞれあわせて御檢討をいただきたいと思います。
    ―――――――――――――
○島村委員長 次に日程第九、民間のバス、トラツク事業に対する國家保証融資に関する請願に移ります。御紹介願います。
○宮幡委員 本請願の紹介議員の増田甲子七氏がお見えになりませんので、かわつて申し上げます。請願人は、長野縣自動車組合、長野縣貨物自動車組合の連名で、組合傘下の各交通業者が署名連判しておるものであります。要旨は、民間バス、トラツクの事業資金がただいまのところでは非常に調達が困難である。ことに國有バス、トラツクとほとんど競爭関係にあるような場合において、資材面、資金面において、國有の方はすべて優先であるが、民間バス、トラツクは遅れておる。はなはだ困難である。たまたま新車購入等の場合に、勧業銀行から資金の融通を仰ぐとすれば、半額しか貸してくれない、自分であとの金はつくらなければならない。同時に貸せる條件としては、ただちにその企業の資本金を増加しなければならぬ。かようなことで、その調達もなかなか困難で、金融面はまつたく梗塞しておる。こんな状態であつては民間バス、トラツクの事業というものは將來非常に困難に陷るだろうから、この際國家保証による融資をされたいというのであります。その國家保証による融資の趣旨を申し上げますと、予算外の契約による営業権を担保とする借入金の道を開け。かような趣旨であります。これは重大な意味をもつておる請願であります。本日銀行局長の御出席を要求してありますが、お見えになりません。この点につきましてはぜひ政府の方針を、書面をもつて御回答願うようにいたしたいと思います。
○鳥居説明員 仰せのごとく、一般に逼迫しておりますので、一昨年、半期で二億五千万円を限度として、自動車融資を、大藏省、日本銀行の御協力を得まして、勧銀からわくをとつたのでありますが、当時はまだそう逼迫していなかつたせいか一億八千万円程度しか使わなかつた。それから、去年も大体二億五千万円程度來たのでありますが、自動車の價格が上るにつれまして、本年度になりまして、ことに第一・四半期におきましては三億五千万円ぐらいのわくをとつたのであります。そのうち二億が復金で、一億五千万円が勧銀。そこで、一昨年はありまそれが使用されなかつたので、大体自動車購入資金の二割は自己資金で二割は増資で行く。こういうふうに、大藏当局との相談の上で六割ということになつたのでありますが、最近のように、だんだん逼迫して、みんなが押しかけて來たものでありますから、事実上においはそれが五割あるいはそれ以下になつて來たので、御請願にあります通りの状況になつたのでありますが、第二・四半期には確実に三億五千万円とりましたので、かけ値なしに六割に行くだろうと思つております。なお勧業銀行が普通銀行になりましたので、預金その他につきまして、やはり相当要望がありますので、預金のあるところはどんどん貸してくれると思います。私の方からも十分勧業銀行その他に連絡しまして、もう少し円滑に業者の方に貸してもらえるように努力したいと思います。
○宮幡委員 本件に対して幸いにも政府委員の御説明をいただきまして了解いたしましたので、先刻の大藏省銀行局長からの書面回答の方はこれを取消します。と同時に、本件は運輸省の方で十分御了解の点でありますから、ぜひとも御採択あらんことをお願いいたします。
    ―――――――――――――
○島村委員長 次に、新潟縣の豪雪地帶住民に対する課税軽減の請願。
○山下(春)委員 豪雪地帶の雪害による住民の苦痛は申し上げるまでもないことでありますが、今日のごとき重税の負担は雪のない地帶でも、ほとんどその限度を越えるような状態でありますので、豪雪地帶では非常な大きな苦しみに逢着しておるのであります。課税は公平が第一でなければならないと思いますので、この顯著なハンデイキヤツプを何とかお取上げいただきたく、豪雪地帶民の不公平な塗炭の苦しみを、一日も早く救済されんことを切望するものであります。しかしこれが実施にあたりましては、技術的に相当困難が伴うことはお察しできますが、さりとていつまでも手をつけなければ、この不公平はいつまでも取除かれないことでありますので、この重税下に苦しんでおります住民の身の上をお察し願いまして、できるだけすみやかに御勇断をもつて、豪雪地帶の減税問題をお取上げいただきますよう、住民一同にかわりまして切願する次第であります。あとさきになりましたが、紹介議員神山榮一氏にかわりまして、御説明申し上げました。どうぞその意をお含みの上できるだけ早く御努力を願つて、御採択あらんことをお願いいたします。
○平田(敬)政府委員 もう少し具体的に話を承らないと、あるいはお答えいたしがたい点が多いように感ぜられるのであります。豪雪地帶におきまして、課税の上においてその実情に即するようにというお話でありますが、それぞれ営業者の場合とかその他の場合におきまして、豪雪地帶におきましてやはり経費がよけいかかる。こういう人はこれは当然所得の計算はそういうことを考慮せられて課税すべきものである。ただ一般の勤労所得において特別に控除をするといつたようなことは、なかなか困難であろうと思います。
○山下(春)委員 主税局長の御答弁は多分私の説明が不行届きのためであつたと思いますが、そうではなくて、降雪地帶の一般住民に課せられる一般課税を、雪のない地方よりも軽減してほしいという請願なのであります。
○平田(敬)政府委員 お氣持としてはごもつともなところも相当あると思うでのありますが、ただ課税の上において特別の考慮をするということは、なかなかむずかしいのではなかろうか。もしも何か具体的の方法がありますれば、それにつきまして判断してお答え申し上げるほかないのでありまして、一般的に調節をするということはなかなか困難のように見受けられますが、なお具体的な方法等につきましてございますれば、それに対してお答えするということでお願いいたしたいと思います。
○山下(春)委員 重ねて、どうもはつきりしないようでございますが、雪のあるところに住んでおります住民は、雪のない暖い地方に住んでおるものよりも、非常に生活に困窮をいたしております。雪のために、非常に生活物資がたくさんいるのであります。そういうことのために、たとえば雪のない暖いところの住民よりも、非常に生活費がかさまるのであります。そういうことから無雪のところの税率と同一であることは、不公平だと紹介議員も私も考えます。從つてこれは何らか、技術的に困難であることは請願者も申しておる通りでありますが、しかしそれだからといつて捨てておくことは、納税技術の公平を欠くということを私も認めるものであります。何とかその点お考え願いたいのであります。
○平田(敬)政府委員 私の記憶では雪害対策の一つとしてたしか東北、北陸方面の貸家所得の計算及び家屋の賃貸價格の調査に際しまして、いろいろの議論がございまして、貸家所得の計算において一つの標準というものをつくる際において、雪害地方においては家屋の修繕等によけいな経費がかかる。こういう向きに対してそれぞれ実情に即する処置を講ずるということでございますれば、これは私ども一應話の筋は立つと思うのでありますが、ただ一般的に雪害地方は生活費がよけいかかる。生活に困難なところがある。それを元にして税制並びに税務の運用上適当な調節をはかるということは、知惠が足りないかもしれませんが、なかなか困難のように見受けられますので、御了承願いたいと思います。
    ―――――――――――――
○島村委員長 次に日程第一二、槻川村外二箇村を松山税務署所轄に移管反対の請願、文書表第一三〇号、御紹介をお願いいたします。
○内藤委員 紹介議員の織田さんがお見えになりませんから、私かわつて紹介いたします。埼玉縣の松山に税務署が創設せられまして、槻川村その他二箇村がそこへ移されることになつたのでありますが、村民が反対いたしておりますので、どうかそこへ入らないように願いたいという請願であります。
○平田(敬)政府委員 ただいまの点につきましては多分御趣旨によつて実行したと記憶しておりますが、よく取調べましてまださように至つてない場合におきましては、できるだけ御趣旨に沿うようにいたしたいと考える次第でございます。
    ―――――――――――――
○島村委員長 前会に御紹介は済んだのでありますが、喫煙用具に対する物品税の免税点引上に関する請願、これについて……。
○佐藤(觀)委員 紹介者の叶君からこの前説明がございましたので、あまりくどくどしい説明は申し上げませんが、要するにこの喫煙具に対する物品税を、今まで十円のものを、免税点を四十円にしてくれというわけなのであります。これは実際の状況から考えますと、十円ぐらいではあまり氣の毒であるから、どうか免税点を四十円でなければ三十円でもけつこうであります。ぜひこれだけは何とかしていただきたい。こういう請願であります。
○平田(敬)政府委員 物品税の免税点につきましては、いろいろ他にも問題があるものが多うございますので、ひとりこの喫煙具だけ今ここですぐ引上げるということは、言明いたしかねるのであります。全体のほかの物品等々との権衝をはかりつつ、よく檢討いたして参りたいと考える次第であります。
    ―――――――――――――
○島村委員長 次に日程第一に戻りまして、一、写眞技術家に対する取引高税免除の請願、文書表第八八号、紹介議員早稻田柳右エ門君、これに対する紹介を願います。
○早稻田委員 ただいま議題となりました写眞技術家に対する取引高税免除の請願でありますが、簡單にその趣旨を申し上げます。人像写眞は写眞技術家の教養と知識によつて生み出した特殊の技術であつて、これは藝術品と見るべきである。もしこれを通常の物品と同一趣旨で取引高税をかけるがごときは、写眞藝術家たるものを侮辱するものである。日本の文化藝術の発展のためにも、写眞技術家をして悠々その技術を伸張せしむることのできるような写眞技術に対しては、認識をかえてもらいたいという趣旨で、全國写眞撮映業者八千名の連書をもつて、その代表者永友正市郎氏から、本請願が出ておる次第であります。アメリカ等の状況を傳え聞きますのに、米國においても写眞撮映というものは、一般の業者とは特別の扱いがなされておるというようなことも承つておりますので、何とぞ写眞技術家のつくるものは、すべて藝術品であるというような見方によりまして、本請願を御採択あらんことを希望する次第であります。
○平田(敬)政府委員 取引高税の納税義務者は、一應営業者ということにいたしておるわけでございます。その営業者の中にいろいろな業態があるわけでございますが、先ほども印章の課税の問題について申し上げました通り、非課税にするかしないかは、むしろ主としてどちらかと申せば、その写眞というものが非常に技術的なものであるかどうかというような観点から、大部分の判断をいたすのが正しいのじやなかろうかと考えるのでございます。写眞につきましてはかつて特別行為税でさえ課税した時代がございますので、さような点から申しますと、写眞に対して取引高税を非課税にするというのは、今までの取引高税の課税の趣旨からいたしまして、いささかカテゴリーを違えるものでございまして、にわかに賛成いたしがたいと考えておる次第でございます。なお取引高税を課することが非常に技術的に影響があるという考え方は、必ずしも私どもとしましては賛成いたしがたいわけでありまして、税がかかるかどうかということと、写眞が大事であるということはおのずから別個の問題ではなかろうか。かように考えておる次第であります。
○早稻田委員 ただいまの主税局長のお説ごもつともではありますが、お説の中にありましたように特別行為税をかけておつた。しかしそれは行き過ぎであつたということによつて廃止された。かようにわれわれは承知いたしておりますが、ちようどそれと同じように、この写眞技術は生活とあまり関係がないというようなお考えのようでありますが、しかし日本のこの文化の進展に伴つて、写眞と人間生活、あるいは厚生文化というものとは、切り離すことのできないものになりつつあると考えます。そこで今般も、さきの特別行為税を廃止されたと同じような観点に立つて、そうしてひとつこれはぜひ理屈拔きにして御賛成をいただきたいと思います。
○宮幡委員 この際動議を提出いたします。日程第四、第六、第一〇及び本日日程に追加せられまして、前会紹介していただいております喫煙用具に対する物品税の免税点引上に関する請願、これを採択の上内閣に送付すべきものと議決し、その他の請願は本委員会に保留して、政府の研究をお願いすることに議決せられんことを望みます。
○早稻田委員 宮幡さんの動議が出ましたが、その中へ、日程第一のただいま申し上げました、写眞撮影技術家に対する取引高税免除の請願をぜひ御採択願いたいと思います。
○島村委員長 ただいま宮幡君の動議のほかに一件附加することを、早稻田君から御発言がありましたが、宮幡君の動議の中に早稻田君の動議を含めまして採択することに決定いたしまして、御異議ございませんか。
○島村委員長 御異議がないものと認めまして、それでは宮幡君の動議のごとく決定いたします。
 なお昨日本委員会の議題となりました著作権の相続税免除に関する請願は、紹介議員圓谷光衞君より正式に請願取下げの申出がありました。これが取消しを許可することに御異議ございませんか。
○島村委員長 御異議ないものと認めましてさようとりはからいます。
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○島村委員長 主税局長がお見えになつておりますので、梅林君の発言通告を許可することにいたします。
○梅林委員 平田主税局長がお越しになつておりますので、幸いこの際御質問申し上げたいと思います。
 前々の第二國会の終りに、國土計画委員会におきまして採択せられましたところの、津久見港を開港場に指定するの件につきまして、私は第二國会の末期におきまして、これが処置についてお願い申し上げたのであります。爾來第三國会の初頭には必ずこれは開港場に指定することが、いろいろな客観的な状況からしても必要である。同時にこれが指定については第三國会劈頭に國会に提出するつもりであるというふうな、当時御回答を承つたのであります。ところが第三國会におきましてお待ち申し上げておりましたけれども、何らのお話もなく、いかように相なつたのかど思つておつたのであります。ところが過般、十一月十七、八日ごろであつたかと思いますが、税関部長を津久見港に出張を煩わしたということを承つたのであります。約束を願いましたところのこの開港場指定問題につきまして、われわれは第三國会に御提出くださらぬということについて、いろいろと危惧の念を持つておつたのでありますけれども、これを御実行なさつたところの平田局長の御誠意に対して、あらためて私は敬意を表したいと思つております。承れば、税関部長が行かれまして当該地方を御視察の結果、その必要性を特にまたお認めになつたということを聞いております。申し上げるまでもなくわが國の今の経済状況からいつて、特に当該地方はセメントの生産地であります。セメントと申しますと、申し上げるまでもなく基本産業に部類する重要な産業の一つであります。今後わが國が國際市場に参加するためにも、経済復興、わが國経済自立化のためにも、あるいは外資導入等の面から考えましても、開港場指定ということは、特に意義あることではないかと私は思うのであります。特に当該地方においてはこのセメントの輸出ということを考慮しない限りにおいては、ほとんどこの地方におけるところの産業の將來というものを考え直さねばならぬ。と申しますのは、数日前でございますが、当該地方の町長からの電報を見たのでありますが、それによりますと、外國船がセメントを積みに來た。数はいの外國船が入つて來たけれども、積もうにもどうしようにも、開港場に指定されていないためにこれが実施ができないのだ。從前通り一應津久見港から門司港まで持つて行つて、門司港でさらに積み直して持つて行くというような、不便きわまる方法を講じているそうであります。この際何とかこれが処置を國会において願いたいということを申して來たのでありまして、本件に関しましては先般主税局長にもお願い申し上げた通りであります。つきましては、この際特に以上申し上げました理由によりお伺いしておきたいことは、調査の結果津久見港を開港場に指定する必要があるということを確認されたかどうかということ、第二点は、もしこれを必要と認められるならば、第五國会には必ずこれを間に合せていただけるかどうかということ、第三には、当該地方は先ほど申し上げましたごとく、セメントの輸出を第一の業としております。しかも見渡す限り全山すべてこれが原料に包まれた土地でありますので、これが開港場に指定されるか否かということは、將來当該地方の産業に重大なる影響を及ぼすのであります。以上の点につきまして特に主税局長の確実なる御回答を煩わしたいと思うのであります。
○平田(敬)政府委員 津久見港の開港につきましては、お話の通り私どもといたしましてもその必要を認めまして、実はお話の通り先般税関部長を派遣しまして、調査いたさせたわけであります。その結果は最初の意見とまつたく同樣でございまして、なるべく早い機会に会合する方が妥当であるという結論を得ておるのであります。從いましてこの問題につきましては少くとも私に関する限りにおきましては、次の來るべきなるべく早い機会におきまして、実現の運びに参りますように努力いたしたいということを、ここにはつきり申し上げておきたいと考える次第でございます。
○梅林委員 たいへん御好意あるお言葉をいただきまして、同地方の人間にかわりまして、感謝の意を表するものでありますが、できる限り早い機会ということは、われわれには非常に解釈に苦しむお言葉でございますので、少くとも第五國会までにはこの実現をはかると、せつかくお示しくださるお考えであるならば、そのおよその時期をお示しくださるならば、当該地方の人人も非常に喜ぶだろうと思います。何分の御回答を煩わしたいと思います。
○平田(敬)政府委員 私に関する限りにおきましては、第五國会に提案すべく努力するということをこの機会に申し上げたいと思います。
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○宮幡委員 本委員会も前後の客観的情勢によりまして、今晩あたりの会議がこれで最終になるだろうと思いますので、この際大藏省主税局に対しまして、本委員会の使命とも申すべき納税完納運動と納税査察の制度について、若干の意見を申し上げ、また御所見を承つておきたいと思います。納税完納運動は掛声は勇ましくやつておりますが、その実効はほとんど上つておらない。もちろんわれわれの熱意の足りないこともあり、また國民の納税思想の低調ということも考えられるところがあるわけでありますが、根本といたしますと、この租税法規の運用の面におきまして、大藏省の出先機関、つまり税務署等が非常に臆病であるということを申し上げねばならぬことを遺憾とするものであります。最近各地に現われております状況は、共産党を標榜いたします方々が税の相談所を設けまして、各地に大会を開いて、共産党に加盟することによつて税は必ず軽減されると言つておる。少くとも税の相談所を開くことそれ自体も、これは法的に考えて間違つておる。さらに突き進んでは大会で決議をする。大勢で税務署に押しかけまして、署長を署長室に監禁いたしまして、その減税を迫る等の逸脱した行為があり、最近におきましては門前において演説をやり、そして税法の上から見ても明らかに見逃すことのできない逸脱した行為が盛んに行われておりますが、これを取締る勇氣がさつぱりない。税法には明らかにいわゆる反税運動を取締るべきものを、前國会において完全に立法しておる。この施行がはなはだ微温的でありまして、ただおとなしい納税者に対してだけ納税義務の履行を強圧するような問題が出ておりますが、この点に対する御当局の御意見を承りたいと思います。
○平田(敬)政府委員 ただいまの宮幡さんの御意見は、私どもまつたく同感であり、かつ非常にその問題は重視いたしております次第でありまして、特に勇氣を奮つて、断じて惡質の反税運動に対しましては対抗し、取締る方針でございますので、何とぞ御協力をお願いいたす次第でございます。
○宮幡委員 では御参考に最近の実例を、場所は申し上げませんが一、二申し上げます。これは間税関係でどぶろくを摘発されました朝鮮人の一團であります。これが数百名税務署に押しかけて参りまして、署長とそこにおりました直税課長――これは関係ないのでありますが、直税課長は署長に代理する意味で署長室に入つたのであります。これを包囲していろいろな税務部面を越えまして、たとえば米を四合配給しろ。配給してくれなければ食えないのだから、どぶろくをつくつて賣るのはあたりまえだ。われわれに選挙権を與えろ。というような税務の面でない要求を持つて行つて、これに迫つておつたのであります。ところがとうとう時刻が過ぎまして退聽の時間となつた場合におきまして、その税務署におります職員百数十名が一人も残らず退聽いたしまして、残るのは署長と直税課長がその集團に包囲されておる。かようなことは、いかに定時退聽ということが主張されておりましても、いやしくも國家の出先機関である税務署の危急存亡のときであります。その親方が一室に監禁せられておるのに、これを見て一人も署員が残つておらないということは、これは思想的に見て、私は絶対に認容できないと思う。別にあえて暴力行為やその他の行為によつて対抗する必要はありませんが、少くとも、その際は、役所に残つて形勢を看守し、正しき自己の職務の遂行に忠実ならんという態度を示してこそ、この納税思想は喚起できるものであろうと思う。われわれはそれを傍観することができませんで、公安委員会の方へ訴えました。そして國家地方警察から武装警官百数十名の出動を請いまして、この包囲を一應解いた。これは三日間にわたつて行われたのでありますが、かような事実が主税局に報告されておるかどうか知りませんけれども、まことに税務官吏の素質の低下というような簡單な言葉で片づけておりますが、素質のみならず思想の点においても、かようなことは見のがすべからざることであろうと思います。これについて御意見を承ると同時に、ぜひともこの点、もう少し署員の訓練にお考え置きを願いたいと思います。
○平田(敬)政府委員 ただいまのお話の件につきましても、まつたく御意見ごもつともと考える次第でございます。今のお話の事件につきましては目下取調べ中で、必要な措置を講ずるつもりでございます。今後におきまして税務官吏の素質の向上、待遇の改善をはかると同時に、税務官吏としての心構えを十分持つて行くように適切に指導いたしまして、極力非常事態にも適應できるように指導して参りたい。
 それから今の事件等につきましても、非常な御協力を得た点につきましては感謝いたします。さような場合におきましては、できる限り警察等との連絡を緊密にいたしまして、よく事態に対処するようにということを繰返して申しておるわけでありますが、なかなか実際うまく行かなくて、さような事態に相なつたことはまことに遺憾に存じます。御質問はまことにごもつともと思いますので、今後におきまして十分善処いたしたいと思つております。
○宮幡委員 次に納税査察制度の件につきましては、きわめて微妙なことでありまして、言い方とまた行い方が惡いと、そこに何かの一つの構えがあるように考えられるのでありますが、この納税査察制度を徹底し、いわゆるでこぼこのない課税をする。正直者がばかを見るということのないように徹底させるためには、査察制度もぜひ必要であろうと考えます。ことに個人の租税の負担力はもう限界点を越えておりまして、まつたく彈力がなくなつておるわけであります。法人企業の方について特別調査を行つて、税の逋脱されておる部面を捕捉しようという努力は、現在といたしまして当然という言葉は不適当かもしれないけれども、なさなければならない一つの仕事であろうと考えております。これはやることがよいのですが、やる実際の問題につきましていろいろな間違いが起つておる。その間違いをここで一々申し上げるのは、かえつてよくないと思いますので、またこれは個人的にも申し上げる。かようにいたしまして、その全貌は申し上げませんが、ただ一つ困つておる問題があります。この点はぜひ改めていただきたいと考えるのでありますが、査察官が大挙乘り込んで参りまして、適法な処置によりまして調査が続けられ、しかもまだ一日か二日しかたつかたたないうちに、いかなる場合におきましても、必ず新聞紙上に脱税額というものが発表され、ラジオで放送され、しかもその額というものはマルを幾つもつけたような大きな額です。必ずしも内輪に見たものは一つもございません。某々会社のごときは全國ニユースでもつて脱税十数億と発表しました。こういうことをいたしますと、世論はごうごうと起りまして、かえつて納税を完納せしめるという目的より違つた方へと逸脱して参る。いかなる場合にいたしましても、わずかの物品税の逋脱の問題がありましても、その逋脱額が五十万円でも五千万円と新聞に書き立てましてあふる。かようなことがひんぴんとして行われておる。査察制度のもとにおいて調査されますことは、まずもつてその事件の全貌がわかりました後に、それを國民に戒める意味でもつて、それぞれ適法な方法で公表しまして、納税思想を高揚して参るのは当然のことでありますが、まだ未確定、何もわからないものを、ことさら誇大な数字を並べまして発表をするということは、査察制度の行き過ぎであろうと思います。これは係官の口から、しかも税務署員のある分子から一新聞に名前まで書いて発表する。かようなことは税務行政の上から言つて特に遺憾な点であります。何らかの形におきまして、それぞれ出先機関に訓令を発せられまして、かような事態のないように、調査が確定いたしますまでは祕密が保持されるようなことを、御処置願いたいと考えておりますが、お考えはいかがでございましよう。
○平田(敬)政府委員 査察官が調査に参りましたその結果につきましては、御指摘の通り私どもといたしましては、やはり相当確実な調査の上、発表するという方針にいたしております。ただやはりこういう事件は非常に新聞にとりましてニユース・バリユーがあると申しますか、非常な関心を持たれておることでありまして、必ずしも役所の発表でないソースをもとにしまして、いろいろ誇大に発表されるような場合もなきにしもあらずということは、御指摘の通りであろうと思います。私どもといたしましては、事実を正確に発表する時期につきましても、御指摘の通りできる限り適切な時期にやるべきであつて、單に調査に着手したからただちにやるということは正しくないと思います。よく関係のものにつきましても、さようなことにつきましては愼重な態度をもつて臨むということにいたしまして、十分適切を期したいと考えておる次第でございますが、とかく非常に今までいろいろな間接の推定から出ておることがございますので、ひとつよく注意して参ろうと考えております。
○佐藤(觀)委員 主税局長に簡單なことを二つお尋ねしたいと思います。それはこの間もいろいろ調査したのですが、地方の税務署に行きますと、先ほど同僚の宮幡委員からもいろいろお話がありましたが、所得税の問題について昔あつたような調査員を設けてはどうかという意見もあり、たびたびそういうのが新聞に出ますので、そういうような調査、いわゆる所得税調査員のようなものを復活するかどうかという問題が一つ。
 それからもう一つは、実は私の郷里の津島市の横井毛織という、これは大した大きな機業ではございません。これが日本の所得の最高になつて参りまして、非常にこれが中央の問題になりました。実は私は自分の郷里の中からこういうものが出るのは、非常にけつこうでありますけれども、しかしああいう横井毛織のような小さい工場が、日本の一番大きな租税の高になるということになりますと、これは非常に世間に対していろいろな疑惑が出て來る。こういうような問題については、御承知のように、東京、大阪のような金持のいるところと違いまして、私の方はわずか二万足らずの市で、しかも内容のない、こういうような織物工業が、日本全國の第一位の所得だというようなことが発表されることは、世間に対して非常に大きな疑惑が出るのであります。こういう点につきまして、主税局はどんな考えを持つておられるか。その二点についてちよつとお尋ねします。
○平田(敬)政府委員 所得の調査につきましては、民間の方を適当に委嘱し、あるいは選出いたしまして、調査委員会等を設けるか設けないかということにつきましては、政府においてもいろいろ研究いたしております。ただこれは有力な筋の人の意見でございますが、課税の思想は今の所得税法、法人税法、いずれも建前としては申告納税制度に相なつております。そうしまして、やはり所得は各納税者がなるべく帳簿をはつきりつけまして、それに基いて正しい申告をするという行き方になつている。それに対して誤りがあれば、これは税務官廳が責任をもつて調査して更正決定をやる。これが今の税法の建前に相なつておりまして、実際問題としましては、考慮すべき幾多の事情があると思いますが、理論の上から申しますと、そういうものをそのままやるというわけにもなかなか参りませんで、目下研究いたしているのでありますが、今の段階におきましては、さようなことに相なつておりますので、御了承願いたいと思います。
 それからあとの問題につきましては、先日新聞紙等に現われましたのも、実は全部全國のものを集めた正しいものでなくて、やはり新聞社がおそらく地方の支社等をして調査さして、そこで適当に集めたものが出ているのかと思つております。從いまして、あれが確定的なものとは私ども思つておりません。
 それからもう一つ佐藤委員のお話でありますが、今の大多数の企業は実は法人企業でございまして、会社の中には実は非常に高い所得の決定を受けているものが、たくさんあるわけでございます。それから今御指摘の個人経営の場合においては、一般の企業から見ると大したものでないのが、個人の所得税の上においては、非常に上に行くということになりまして、以前のほんとうの資産所得の番付でございますと、非常に正しい番付になりまして、昔でございますと、三井、三菱、岩崎というのが大体毎年の年收二、三百万円から、四、五百万円のところで、順位の上からずらつと並んでいたのでありますが、最近におきましては、そういう大所得者というものはほとんどいなくなりましたのと、それから今も申しましたように、結局大所得というのは個人の営業であつて、営業所等が大部分である。從いまして、ほんとうの意味の大所得者としての番付と申しますものとは、いろいろ違えて考えていただく必要があるじやなかろうかと考えております。ただ御指摘になつた地方の個人としましても、一位であるということは私今伺いまして、奇異の感を持つたのでありまして、そういうことにつきましても適当な機会によく取調べまして、さらに御意見を申し上げたいと考える次第であります。
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○島村委員長 次に本日この委員会に付託されました未復員者給與法の一部を改正する法律案を議題といたします。政府委員の説明を求めます。
○塚田政府委員 ただいま議題となりました未復員者給與法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由を御説明申し上げ、各位の御審議をお願いいたしたいと存じます。
 未復員者にかかる給與につきましては、第一及び第二國会で御賛成いただきました未復員者給與法によつて、処理いたしておるのでありますが、その後における経済事情等の変化に伴い、特に引揚同胞対策審議会の決議の趣旨にかんがみ、さらにこの法律の一部を改正することといたしました。
 次に法律案の内容を御説明いたします。第一は既存の給與の引上げであります。すなわち、扶養手当は二百二十五円を二百五十円に、帰郷旅費は四百五十円を千円に、遺骨の引取りに要する経費は八百円を千五百円に、遺骨の埋葬に要する経費は千円を千五百円に、それぞれ増額することといたしました。第二は、療養費及び障害一時金の制度を新たに設けることといたしました。療養費は、自己の責に帰することのできない事由により疾病にかかり、または負傷し、復員後において療養を要する者に、復員後三年間支給するものであります。障害一時金は、自己の責に帰することのできない事由により疾病にかかり、または負傷した場合において、復員の際治癒しているとき、復員後二年以内に治癒したとき、または治癒しないが、その期間を経過したときにその障害の程度に應じまして、最低八百円から最高一万九千円の一時金を支給するものであります。なお療養費の支給を受けている者が死亡した場合には、遺骨の埋葬に要する経費として新たに千五百円を支給することといたしました。
 以上この法律案の骨子を御説明いたしましたが、未復員者の残置する扶養家族、復員者であつて疾病負傷に悩む者等の緊急の要望を御了察くださいまして、すみやかに御審議の上御賛成あらんことを希望いたします。
○島村委員長 これより本案の質疑に入りますが、時間の関係上暫時休憩いたします。
    午後六時二十九分休憩
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    午後十一時五十六分開議
○島村委員長 これより会議を開きます。
○佐藤(觀)委員 本日はこれにて散会されんことの動議を出します。
○島村委員長 御異議ありませんか。
○島村委員長 御異議ないものと認めます。では本日はこれにて散会いたします。なお明日は午前零時五分より開きます。
    午後十一時五十七分散会