第004回国会 懲罰委員会 第2号
昭和二十三年十二月十四日(火曜日)
    午後零時四十二分開議
 出席委員
   委員長 明禮輝三郎君
   理事 鈴木 仙八君 理事 猪俣 浩三君
   理事 押川 定秋君 理事 荒畑 勝三君
      佐瀬 昌三君    佐藤 通吉君
      澁谷雄太郎君    高橋 英吉君
      坪内 八郎君    冨永格五郎君
      松井 豊吉君    石井 繁丸君
      石川金次郎君    榊原 千代君
      土井 直作君    守田 道輔君
      荊木 一久君    小川 半次君
      園田  直君    原   彪君
      石田 一松君    田中 健吉君
      森山 武彦君
 委員外の出席者
        議     員 松尾 トシ君
        議     員 山下 春江君
        議     員 宮幡  靖君
十二月十四日
 委員八並達雄君、中村又一君、吉田安君、森三
 樹二君、河井榮藏君、萬田五郎君、萩原壽雄君、
 田中角榮君、岡井藤志郎君、栗山長次郎君、庄
 司一郎君及び尾崎行雄君辞任につき、その補欠
 として荊木一久君、小川半次君、原彪君、土井
 直作君、守田道輔君、榊原千代君、石田一松君、
 松井豊吉君、坪内八郎君、佐藤通吉君、高橋英
 吉君、森山武彦君が議長の指名で委員に選任さ
 れた。
同日
 冨永格五郎君が議長の指名で委員に補欠選任さ
 れた。
同日
 理事中村又一君の補欠として押川定秋君が理事
 に当選した。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 理事の補欠選任
 議員泉山三六君懲罰事犯の件(石田一松君提
 出)
    ―――――――――――――
○明禮委員長 これから開会いたします。
 この際お諮りいたします。理事中村又一君が辞任せられましたので、その補欠選任をいたしたいと存じます。
○園田委員 理事の補欠選任は、委員長において指名せられんことを望みます。
○明禮委員長 ただいまの園田君の動議に御異議ありませんか。
○明禮委員長 御異議なしと認めます。
 それでは押川定秋君を指名いたします。
 この際理事が全部そろいましたから、慣例に從いまして、ちよつと休憩いたしまして理事会を開いて、順序を整理して委員会にかけることにいたします。
 ちよつと休憩をいたします。
    午後零時四十三分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時七分開議
○明禮委員長 休憩前に引続き会議を開きます。
 石田一松君提出、議員泉山三六君懲罰事犯の件を付議いたします。
 ただいま理事会におきまして進行方法を左の通り決定いたしましたが、あらためてお諮りいたします。まず石田一松君の提案理由を伺います。次に山下春江君の本件に関する眞相を伺います。その次に泉山三六君の弁明を求めます。なお必要に應じて泉山君、山下君、理事、委員長ともに参議院方面まで実地檢証をすることがあるかもしれません。かくのごとくきめましたが御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○高橋(英)委員 別段異議を唱えるわけではないのですが、われわれ本國会に出てから、懲罰委員会は國管の際にあつただけです。あの際われわれはだれがどういう位置にいて、どういう行動をしたか、実地檢証をしたらどうかということを提議したら、ここは裁判所ではないからということで、それはしりぞけられた。今度は委員長がかわつたので新しい方法でやられるのかどうか。私はあえて反対いたしませんが、その点を明確にしていただきたいと思います。
○明禮委員長 きまつたことですから、その通りいたしたいと思います。
○猪俣委員 昨日の事件の眞相を聞くために、松尾トシ氏の説明を聞きたいと思います。先ほど松尾氏は拒絶されたようなことだつたために、理事会でやめておきましたが、ここにおられますからひとつ……。
○明禮委員長 それではお諮りいたします。山下春江君にお尋ねしたあとで、松尾トシ君に眞相をお尋ねすることについて御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○明禮委員長 それではそのように決します。
 まず第一に石田一松君の提案理由を伺います。
○石田(一)委員 ただいま本懲罰委員会に付議せられました議員泉山三六君を懲罰委員会の議に付する動議を、昨日の本会議に提出いたしましたその提出趣旨の説明を簡單に申し上げます。
 本懲罰事犯の証明をするための証拠といたしましては、昨十二月十三日の本会議における議員山下春江君の一身上の弁明の速記録でありますが、この中の特に必要な点を拔萃して朗読いたしますと、「本日午後六時ごろ私ども大藏委員は大藏大臣の招宴がありました。その席上泉山大藏大臣は泥醉いたし、私に向つて廊下に出ることを彼は暴力をもつて強要いたしました。私も相当な力は持つておりますけれども、泥醉せる男子にはかないません。そこで彼は暴力をもつて私を参議院食堂の外の廊下に引出しました。そうして彼の行いました行動は……大藏大臣に向つて私は申しました。今晩あなたは泥醉して許される立場の人ではない。そのあなたが何をなさんとするのか。そんなことが何で今晩必要なんだ。彼は申しました……この追加予算が今夕通過するかしないかは、先ほど榊原女史が言つた通り、この全國の公務員法に縛られた全官公二百万がかたずをのんでおる。その当の責任者である大藏大臣が泥醉してそんなことが何だ。おれは君が好きなんだという言葉が……。せつかく全國から選ばれたる女性の代議士をかくのごとく扱いますることをもつて……」以下は本件にそれほどの重要性がありませんから中略いたします。「日本國会の婦人代議士がいかに侮辱されておるかを満場の皆樣は熟知されたでありましよう。」この山下議員の発言によりまして、同僚議員泉山三六君の不謹愼なる院内における行為は、明らかに衆議院規則第二百四十五條に相当するところの懲罰事犯があると認めまして、國会法第百二十一條第三項により、この懲罰動議を本会議に提出をした次第であります。
 提出者の希望といたしましては、先ほど採択されましたので蛇足かとも思いますが、衆議院規則第二百四十條によりまして、ただいま証拠として朗読いたしました速記の発言者は、議員山下春江君らを本委員会に出席、説明を求められましたならば、より以上本件の事実が明白になると私は思うのであります。ただここに提出者として、余談であるかもしれませんが、一應の疑義がないわけでもありません。それはこの泉山三六君の行為が衆議院においてなされたのでなくて、参議院の食堂の外の廊下においてなされたということであります。この場所的な、いわゆる管轄的な考えから申しますと、いかがかと思いますが、少くとも行為をなした本人が衆議院議員であるという観点に立ちまして、私は衆議院の本会議にこの動議を提出した次第であります。
 以上簡單に説明を申し上げます。
○明禮委員長 次に山下春江君の本件に関する眞相をお伺いいたします。
○山下春江君 昨晩本会議で私が一身上の弁明をいたしました泉山大藏大臣の、あえて暴行と申しますか、その事件に関しまして、お尋ねにお答えをいたしながら眞相を発表いたしたいと思います。
 昨晩六時半ごろと思いますが、私ども大藏委員会の委員全体は泉山大藏大臣の招宴のため、参議院の食堂に参つたのであります。しばらく待つておりましたが、泉山大藏大臣は遅刻をいたされる由でありましたので、塚田政務次官があいさつされて、懇談会は先に開かれました。しばらくして泉山大藏大臣は來られたのでありますが、何でも二、三ばいお酒を飲まれたと思うころ、そこに給仕に参りました食堂の女中を、首の所を何か抱きかかえたようなかつこうをして、これは私のたいへん好き――と言いましたか、愛しておると言つたか、何でもそういう婦人だから御紹介いたしますということを申しておりました。ずいぶんこの方は、こういう所に來れば豪胆な行動をする人だなと私はその時感じたのであります。私は、泉山大藏大臣だけではないのですが、泉山大藏大臣に向つては、たしか二回ぐらい杯の献酬をした記憶があります。その後泉山さんは席を立つて、自分でずつとテーブルを酌をしてまわつておられたようであります。そうしてテーブルの突当りに腰をかけて、そこにまた前の婦人が料理か何か運びましたのをつかまえて、しばらくそこでふざけて飲んでおつたことを私は目撃いたしました。そうして大体一周されて、その間に、十四、五人あつたと思いますから、そのくらいの杯の應酬を経て、その時には私の隣席にすわつていた塚田政務次官が席を立つておられましたので、これも酌にまわつておられたと思います。その私の隣の席が空席になつておつたので、泉山さんはそこに腰をかけました。その腰をかけてから後の泉山さんの態度は実に不都合な態度でありましたけれども、酒席というものは、あまり固苦しいことを言つては、かえつてお酒を召し上る皆さんにも感じが惡いし、私もさようなやぼを言う人間でもございませんので、がまんのしづらいところをがまんしておりましたが、そのうちに泉山さんはもうこんな所はつまらないからほかへ行こう、こういつて私の右腕をつかんで立たせようとしました。私が立たなかつたために、いすが横になりまして倒れそうになつたので、私は立ちました。立つたとたんに彼は非常な力を出して私を廊下の方へ連れ出したのであります。それに反抗したのですが、かなり力のある人で廊下のまがつたところの階段におりるまん中辺まで來て、何をするんですかと言つたところが、やかましいことを言わないでも、ここにはだれもいないよ、こういうことでした。私もはたを見ましたところが、なるほどだれもいないことに初めて氣がつきました。けれども、泉山さんの力はかなり強いのと、その言動、行動が非常に狂暴なものがありまして、しかも私は日本の大臣がこういう行いをなすであろうかということを想像されないような、まことにここで発表することは泉山さんの人格の上からも、私自身も口にいたしたくないような行動を彼はとりました。そこで私はやむを得ず、彼の力まかせに抱きしめておる中ですから、あちらこちら頭を振りまわしておる間に、私の左あごのところに今傷がついておりますが、彼が多分私の皮膚が切れたのではないかと思うほど非常にひどくかみつきましたので、思わず私は右の手で彼をなぐりつけました。それでやや手がゆるみましたので、私は抱きかかえておる手の下をもぐつて、私はもとの参議院へ帰つて行きました。
 事件といえばそれだけでありますけれども、彼はその間に、どうするんだ、そもそもあなたは今晩醉いどれていられる立場の方ではないじやないですかと言いましたところが、なに、予算なんか、酒飲んでそんなことを考えるものじやない、今からどつかへ行こうや、こういうことを言つておりました。いずれにしましても、その言動、行動は、私は日本の大臣でかくのごとき下等な品位の人がおるということを昨晩初めて目撃いたしました。泉山大藏大臣には大藏委員会において私はたつた一回質問したことがあります。大藏委員会には絶対出席しない人でありますが、たまたま一回出て來たときに、私は專賣公社法案のことについて質問したことがあります。そのときと昨晩と二回きり、私は泉山大藏大臣とは口をきいたことも、廊下ですれ合つて話をしたことも何にもない、縁もゆかりもない人間なのであります。從つて私に、君が好きだというようなことを一方的に言いましても、そんなことは私とは何ら関係のないことであつて、そういうことのために彼が言いのがれんとすることは私は断じて許しませんのみならず、いくら政治家のはしくれであつても、私も一個の國会議員であります。彼大藏大臣といえども、私は彼にさような侮辱を受ける覚えは毛頭ありません。しかも新憲法のもと私ども四千万の女性の中からたつた十五人選ばれておるその一人がかくのごとき侮辱を受けるのであるならば、日本の多くの女性たちの中で、かくのごとき封建的なかくのごとき凶暴な品性下等な男子の暴力に泣かされておる婦人が幾人あるかいうことを思いめぐらしますときに、私は一身を犧性にしても日本の女性たちを正しく守らねばならないために、とことんまで鬪いたいと存じます。あるいは酒席のことですから、私も醉つていたのではないかというお疑いがあるかもしれません。しかしこの事件直後に本会議において私は一身上の弁明をいたしております。その一身上の弁明の速記録を私まだ読んでおりませんけれども、それが醉つぱらいの言つたことで論旨不徹底な点があるならば、それは醉つぱらいと御推察いただいても差支えありませんけれども、私は醉つていなかつたということを附言いたしまして、昨晩の情景をこれで終る次第であります。
○明禮委員長 ちよつとお諮りいたします。質問は石田君を初め山下君と、次から次へあると思いますが、一緒にまとめてやることにいたしまして、伺うだけ先に伺つたらいかがでありましようか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○明禮委員長 それではさようとりはからいます。それでは次に松尾トシ君。
○松尾トシ君 こんな好ましからざる事件は表に出したくないというのが、実際は私の希望でございます。私も世界の議会においてこんなことは初めて起つたのではないかしらと思うように、まことに悲しむべき事実でありますけれども、この事件を生み出した大藏委員の一人である私がここに証言に立つことは、私は明らかなことが言えていいと思うので、山下さんのあとに続いてありのままをお話したいと思うのです。
 私はこの委員ではありましたが、ほかに用事がございましたのと、酒を飲みませんのでこの席に出席いたしませんでした。そうして四階に用事がありまして、四階から帰つて自分の控室にもどりましたところが、まだあの懇談会は続いておるからお出になつたらどうですかという私の祕書の言葉もありましたが、かなりの時間も経つておりましたので、それには及ばないと思つて衆議院の食堂に参りました。食事を済ましてから少し経つと振鈴が鳴りましたので、控室へカバンを持つてもどろうと廊下へ出て参りまして、八号の自分の控室の近くに参りましたとき、向うから数人を連れた泉山大藏大臣が歩いていらつしやいました。そうして小さい声で――私の耳には少さく聞えまして、松尾女史が來た、こうおつしやりながらずつと何も事もなげに歩いていらつしやるのとすれ違いざまにというより、直面したときに、ほんとうに自然な形で右手をお出しになつたのです。私は相手がこの危機を突破する総理と同じような重責にあるところの大藏大臣のことですから、人格を尊重しております。そのゆえに私は自然に手を出して失礼するという言葉を述べたのであります。そのときに少しは醉つていらつしやるなということは認めました。しかし私は自分が醉うという経驗があまりございませんので、その程度はわかりませんが、いささか醉つておるということは認めましたのですが、次の三十秒くらいの瞬間なのです。普通の握手であつたならすぐに放しますけれども、ちよつとつかんで三十秒くらいひつぱりました。それでひつぱつたから私はそのまま手を放して話もかわさないで控室へもどつたようなわけです。私の関係したのはものの三十秒かそこらのことでありますけれども、しかも衆議院の自分の控室の前の所であります。私はあまりからだが丈夫ではありません。しかし大詰めに入つた議会に微力ながら一役を買つて夜明しをしようというのに、私はほんとうにそんなにすきを見せたり、あるいは戲れたりしようというような自分の態度はみぢんもなかつたと思います。また私の党の立場からいつても、そのようなふまじめな考えは日ごろから持つておりません。それだけに相手の大藏大臣の人格も尊重いたしました。私は絶対に被害者ではありません。被害者であるかのように傳えられておる向きもありますが、決してそういうことはございません。これがありのままであります。しかしながらお醉いになつておる大臣は確かに私の手を普通の握手よりも三十秒くらい余分に握つて、そしてちよつとひつぱつたということは事実であります。
 もう一言私言わせていただきたいのですが、將來ともに私どもが代表としてここへ出ております間に、いろいろな事件があると思います。再びこのような事件が起らないように、男子の方方も私どもも注意いたします。私はできればこの議院の中で酒氣を帶びないようにしていただきたいと思います。また聞くところによりますと、民主議会の前の議会におきましては、事務上議会の運営にはお酒は飲まなかつたということも聞かされております。これは天皇からあずかつたところの議会であるので、ほんとうに神聖にやつておつたと言いますが、今日は八千万國民を代表して議会を運営して行くのですから、はるかにもつともつと粛正して、しかも嚴粛にやつていただきたいと思うのです。今日のあり方を見ますと、これは國民の政治をつかさどつておるものでなく、何だか不明朗です。私はほんとうにやるせない思いをしております。これを打開して行くのは、婦人の力ではないかと思うのであります。道は遠いと思いますけれども、男女平等の線にのつとりまして、私もそろそろ婦人の代議士でなく一人前の代議士になろうと努めておるものでございます。
 以上私の証言でございます。
○鈴木(仙)委員 この際私が動議を出しますが、事柄が事柄でありますから、御迷惑でも以上石田君、山下さん、松尾さんのお三方に対して、各委員より微細にわたつての御質問があるかもしれません。どうかこのお三方からめいめいにその都度質問に應じて、一括でなく御答弁が願いたいと思います。
○明禮委員長 ただいま鈴木君から動議が出ましたが、まとめてお尋ねをするのもよろしいのでありますが、やはりいろいろ職責上お忙しいかもしれませんから、石田君と山下君、松尾君この三人だけにここで皆さんがお聞きになる機会をこの際與えたらよかろうということでありますが、そうはからつてよろしゆうございますか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○明禮委員長 ではそういうふうに……。
○守田委員 私はそうした質問を許す前に、大藏大臣の泉山三六氏をこの際ここへ召喚いたしましてその御説明を承りたいと思います。しかる後において質問があれば質問すべきであり、片手落ちの質問は断じて私はいけないと思います。ぜひ泉山三六氏をこの場合すぐさま御召喚願いたいと思います。
○佐藤(通)委員 前発言者の発言に関連いたしておりますので、私も一言ここに発言いたしたいと思います。今証言をされた山下君並びに松尾君の発言されたことによつて、大体の眞相であるかと思うようなことを把握することができたのであります。なおまた両女史に対して質問を行うというような意味の委員長のお話も出たのでありますが、それについてまず最初に泉山氏の喚問をすべきであるという発言がなされました。私もそういうふうにとりはからわれることが議事運用上妥当ではないかと思うのであります。しかしながら当事者だけの話を聞きましても、当時者だけに質問をいたしましても、事の眞相を十分に把握するということはなかなか不可能なことに属する場合が往々にあるのであります。でありますから、昨夜同席しておりました塚田政務次官初め関係二、三の方々の出席を求めて、その方々からも当夜の状況を一應参考に聞くことが私は妥当ではないかと思うのであります。そういうふうなおとりはからいもぜひお願いしたいと思います。
○荊木委員 今の動議に私は反対いたします。と申しますのは、その席においては何も議員の体面を汚すような行為はなかつた。われわれそれをとがめるんじやない、側にだれもおらなかつたときであります。またここに塚田君を呼んでその眞相をつかむことはできない。あえて私は必要ないと思う。
○土井委員 私は守田君のただいまの提案に対して賛成する者であります。昨日の泉山大藏大臣の行為に対しては、この委員会として直接当人にこの席上に來ていただきまして十分その眞相を確かめる必要があると思うのであります。しかしながらただいま他の同僚議員からも話がありましたその席上に連なつておつた塚田、あるいはその他の人々を呼ぶというようなことは、それを呼びますことによつてさらに泉山大藏大臣が泥醉しておりました現場を、あるいはまたその事実の内容を議員の多数の人々が知つておるのであります。從つてそれらの人々もさらに呼ばなければならないというようなことに相なるのであります。そういう煩雜な方法をとるよりも、大藏大臣の出席を求めてその意見を聞きまして後、それを呼ぶ必要があるならばそのときに呼べばよろしいのでありまして、とりあえずの問題といたしましては、大藏大臣に出席していただきまして、直接それを聞くということが先決でないかと考えております。從つてそういうとりはからいをお願いしたい。
○高橋(英)委員 私も土井君の御説に賛成いたします。荊木君から他の参考人の調査ということに対し反対もありましたけれども、これは私は反対されるのが少しどうかと思う。土井君の言つたように、今泉山君が出席せられまして、泉山君の陳述したところと今までの陳述とが一致いたしますならば、ほかの人を調べる必要はないと思いますけれども、泉山君の話したことがもし食い違いが今までの方との間にあるといたしますならば、この事件は結局暴力によつて廊下に連れ出されたというふうなことも一つの事件の内容をなしておりますし、泉山氏がその席においてどの程度の泥醉の状態にあつたかということもその内容になつておるのであります。関連するところは非常にある。私どもはその多数の人々の前に演ぜられたところの行為が重要部門をなしておるとも思われるのでありますから、その点についてもし食い違いがあれば調べなければならぬ。何か田中君がおかしいことを言われたが、私どもは知らない。われわれわかつていない。昨日は私用事があつて早く帰つた。だから今朝新聞を見ましたけれども各新聞ともまちまちでわからない。今までの経驗によると、新聞の言うところ必ずしも正確でない。泉山君が來て供述が一致すればさしつかえないが、食い違いがあればさらに愼重この眞相をお確かめ願いたい。
 私どもは泉山君が大藏大臣として、國会議員として、その立場からいつて権威を失墜したこと、それに対してはわれわれともに彈劾してさしつかえないと思うから、できる限り彼に非行があるといたしますならば、その非行を徹底的に調査したいと思うのであります。どうぞひとつそういう意味で私は土井君の説に賛成します。
○鈴木(仙)委員 私がさいぜん動議を出したのですが、きまるかと思つたがきまらなかつた。私は泉山さんを呼んでここでいろいろ釈明をしていただくことはもちろん賛成なんです。また証人、いろいろの方々を呼んでいただくことも賛成です。ただ事柄が事柄ですから、山下議員の言われるように、品性下等な男子のため泣かされておる婦人が幾人もある。これはただ單に泉山君ばかりの問題ではないと思う。全男子の議員にとつて重大な問題である。これは山下さんの言い分はむりはないでしようけれども、よつて來た原因を私どもよくよく追究してみたいと思う。山下さんの平素の行為、そのときほんとうにやさしい婦人代議士として典型的な態度をとつておられたかどうか。それを泉山君がやつた、こういうことに対して触れてみたいと思います。
○石田(一)委員 私の関連して――私はただいままで各委員から述べられましたいわゆる衆議院規則の二百四十條によるところの、本人及び関係者の出席説明を求めようとする動議に対して、全面的に反対であります。この委員会はその関係者の出席説明を求めることができるのでありますが、出席を求めてこれを聽取しなかつたからといつて、この委員会の権限が何ら拘束されるものではありません。しかもただいま二人の関係者から説明を聞きましただけでも、われわれはこんなことで本委員会の速記録を汚したくありません。しかもこれ以上泉山氏をここに呼んで、再びまた彼の口から何が語られるかしれませんけれども、昨晩泥醉していて、自分の所管事項であるところの重要法案の審議に際しても、本会議に出席もできなかつた。しかもそれは今朝の毎日新聞を見ましても、あのぶざまな泥醉して寢ておる写眞まで掲載されておる。この事実だけで本委員会は、先ほど私が出しました衆議院規則の二百四十五條の中の「議院の秩序をみだし又は議院の品位を傷つけ、その情状が特に重い者」という、これに該当することは、私たちは当然だと思います。これ以上何をせんさくすることがあるか。私たちはただいままでの判断とただいままでの証言と、あるいは私が先ほど申し上げました証拠としての速記録を見ただけで本委員会の判断を下し、すみやかにこの問題に対して解決を與えることが、われわれ懲罰委員の職責であると考えますので、今まで出された関係人あるいは本人の出席を求める動議には反対いたします。
○荊木委員 動議を出します。今石田君の言う通り二百四十條の規定によりますと、必ずしも調べなければならぬというのではなくて説明を求めることができるとなつております。從つてわれわれは説明を一應聞いてみようというのであつて、そこでこういうふうに願われたらどうか。今おる松尾さん並びに山下さんに対してただちに質問をする、その間に泉山氏を一應探してみて、もし來なかつたときには調査を打切るということでいかがでしようか。
    〔「賛成」「泉山君を呼んで來なかつたら、それまで待つておるのか」と呼ぶ者あり〕
○明禮委員長 ちよつと速記をやめて。
    〔速記中止〕
○明禮委員長 それでは進行いたします。山下、松尾両君に対してこれから質問を願うことにいたします。なお泉山君の御出頭もなるべく三十分ぐらいに出てもらうように手続をいたします。
○荊木委員 山下さんに伺いますが、本会議の席で左のあごに食いつかれたとおつしやいましたが、犬や猫ならいざ知らず、人間が突然食いついたというにはその前のしぐさはどういうかつこうですか。
○山下春江君 荊木さんの質問に対して、私は答えることをあまり好まないのですけれども、御質問ですから、ありのままを答えましよう。彼は廊下を歩き歩き非常に力強く私を抱き締めては、彼は私にキツスを強要したので、顏を振つたからかみつかれたのです。
○猪俣委員 今朝の毎日新聞を見ますると、おれはお前がすきなんだ、給與法なんてどうなつてもいいと言つたと出ていますが、確かに給與法なんてどうでもいいと言つたということがあつたのですか、ないのですか。それを確認していただきたい。
○山下春江君 給與法という言葉もありましたし、予算という言葉もありました。それは私が再度繰返した言葉ですから、確かに泉山さんは間違いなくそう申しました。
○明禮委員長 ここで委員長より一つ山下さんにお伺いたしますが、この招宴は山下さんもやはりそのメンバーでありましたから、そういう催しをしてもらうように、あなた方も御盡力されたのでありますか。その点はどうでありますか。
○山下春江君 断じてございません。大藏委員会にかかつている残余の法案をスムースに運ぶための委員長のはからいと心得ております。
○明禮委員長 それからもう一つ、二回か三回献酬されたという先ほどの山下さんのお話でありますが、そのときだれか見ておつた者から、相当山下さんも酒を召上るので、もつと献酬が多かつたように聞いております。ずいぶんもつと進められたように聞いておりますが、この点はいかがでありますか。
○山下春江君 お答えいたします。委員長は今二回か三回と申されましたが、私は先ほど二回と申したはずであります。限定することはいかがかと思いますけれども、泉山さんが相当飲まれたこと及び私が飲んだことは、相手が泉山さんと限つておりません。その近所におられた社会党の川合さん、あるいは佐藤さん、その隣におられたのは宮幡さんでしたか、ちよつとはつきりしませんが、そういう手の届く方に私が應酬した者があつただけで、泉山さんに対しては、二回以上はないと心得ております。
○明禮委員長 それからもう一つお尋ねいたしますが、あなたはどのくらい酒を召上りますか。
    〔「いらぬことを聞くな」と呼び、その他発言する者あり〕
○明禮委員長 参考に聞いておるのです。どのくらい召上りますか。
○山下春江君 幾ら飲んだか知りませんが、私は醉つておらないことを言明いたしておきます。
○明禮委員長 いや普通に召上る量です。
○山下春江君 それはわかりません。そのときの状態です。
○明禮委員長 それではどうぞお聞きください。
○押川委員 山下さんのは大分わかつたようでありますし、その先をいろいろ追究すると、公安にどうかと思いますから、松尾さんにひとつお聞きしたいと思います。
 衆議院の廊下で八号控室の前で握手をされた。こういう簡單な言葉で、三十秒の間普通の握手よりはことさらの握手であつたというのですが、そのことさらの握手であつたというのは、どういうぐあいの握手でありましたか。
○松尾トシ君 握手というのは、普通手を握つて何か言葉を言う間ちよつとやつて、あとは離すのが私たちは普通だと思いますが、私はそのとき普通の握手をして離れようとしたが、三尺ほどひつぱられたのです。ですから醉つているということを認めたのです。
○押川委員 醉つているということを認めただけで、それが何らかあなたに対するわいせつ的な行為というような感じはなかつたのですか。
○松尾トシ君 握手をするときは自然にお手をお出しになりましたから、大臣という手前、私は人格を尊重しておりました。しかしそれから後私の手をひつぱつて、三十秒くらい放さなかつたということは、けしからぬと思いました。
○高橋(英)委員 ちよつと山下さんにお伺いいたしますが、今の事件が起つてから後、大体どういうふうに山下さんは行動をとられましたでしようか。演壇に立つて、この事件の眞相について陳述せられるまで――概略でいいです。
○山下春江君 そのときに、はつきりいたしませんが、たしか日本経済の山口記者であつたと心得ておりますが、私が泉山さんからすり拔けて、少し小走りに帰つて來る途中で、新聞記者――たしかそう記憶しておりますが、これは確実ではありません。それが、たいへん髮が乱れておりますから、整えていらつしやいという御注意を受けましたので、私は参議院の洗面所に行きまして、それを少しかき直して、私は再び参議院の食堂に帰りまして、そして塚田政務次官と大藏省の――私は三人とも名刺をもらいましたが、ほとんど覚えておりませんけれども、原さんという人とあともう二人か三人おりまして、私はかつて支那に遊んだことがあるので、そこで支那から帰られた人がありまして、支那の話をしながら、その方たちから泉山さんはどうも役所でもそういう問題でまことに困つているのだという話を聞きながら、私は約二十分そこにいて、控室を出て本会議場に臨んだというのがその後の経過であります。
○高橋(英)委員 この問題が起りましたのは、本会議場で政務次官が答弁しようとしてからあなたの問題も起つて來たのですね。
○山下春江君 その時間のことですが、本会議の連絡と私が一身上の弁明をする時間との間は、かなり私は自分の控室と本会議場との間を出たり入つたりいたしました。それは何かそういう問題を取扱うことに運ばれていると聞きましたのは、参議院から帰つたばかりで、私に十分わかつておりませんために、その打合せのために何回か出たり入つたりしておりましたので、塚田政務次官がどのような答弁をしたか、私は聞いておりません。
○高橋(英)委員 とにかく山下さんの問題がこういうふうな問題になり出したのは、いつごろでしようか。公式に取上げられるようになつたのは……。
○山下春江君 公式に取上げられるとおつしやるのは、どういう意味でしようか。
○高橋(英)委員 議場でこの醜態、泉山さんの非行が問題になるようになつて、あなたが壇上に立たれるというふうなことになつた後……。
○山下春江君 時間は速記録その他によつてわかるじやないかと思いますが、私のおぼろげな記憶では、参議院の食堂を出たときは八時半かあるいは八時半以上過ぎて、本会議が九時ぐらいからと記憶しておりますが、私は時間のことは存じません。
○高橋(英)委員 時間のことじやありません。泉山君のこの問題について糺断するというふうなことについての、あなたの積極的な要求はいつごろから起つたのですかというのです。時間はともかくですが、今の……。
○山下春江君 私が党に帰りましたときに、党に代議士会がありまして、その代議士会に何かそれに関連する問題がありましたから、私はその代議士会で一身上の弁明をいたし、なおこのことは私としては断固許せないことでありますから、私はしかるべき機会にこれを鮮明したいという旨をその代議士会で述べたのであります。
○高橋(英)委員 直後だつたのですか。
○山下春江君 直後です。
○高橋(英)委員 塚田政務次官が答弁しようとして休憩した後じやないですか。
○山下春江君 それは、私は塚田政務次官の答弁の模樣、本会議の模樣はちよつと私にはわかりません。弁明するために本会議場に入つた以外には、長く本会議場に入つておりませんでした。何か連絡に一度か二度入つただけだと思います。長い時間おりませんから、塚田政務次官がどういう答弁をなされたか、及びその前の本会議の情勢は私は一切知りません。
○高橋(英)委員 その塚田君が答弁するために登壇して――趣旨弁明するために登壇したときに、大藏大臣が出席しないというので、議場が荒れたというふうなことになつてから後に、この問題が起つたわけじやないですか。
○山下春江君 そんなことはありません。
○高橋(英)委員 その前から問題が起つておつたのですか。
○山下春江君 そうです。
○高橋(英)委員 その点そうでないと、はつきりすればいいのです。
 それからちよつとお尋ねしたいのですが、泉山さんが三ばいほどコップ酒を飲んだというのは御存じないですか。あなたの目の前で……。
○山下春江君 コップはコップですけれども、ビールを飲むような大きなコップで飲んだのは私は目撃いたしておりません。
○高橋(英)委員 小さいコップですか。
○山下春江君 そうです。ウイスキー・グラスのちよつと形のかわつた小さなグラスです。
○高橋(英)委員 あなたがおさしになつたのではないのですか、立て続けに……。
○山下春江君 断じてありません。
○高橋(英)委員 この泉山さんと山下さんは、非常にお心やすいじやないかと聞いたのですが、先ほどの話ではそうじやなかつたのですか。泉山さんに対するあなたの呼びかけは「三六さん」というようにお言いにならなかつたですか。
○山下春江君 断じて私は大臣に向つて、さような無礼な言葉を使つた覚えはありません。
○小川委員 さつきのお尋ねであなたがもし知りたいようでしたら私がお話したいと思つたが……。
○高橋(英)委員 今の政務次官が趣旨弁明をしようとして、そこに問題が起つたから、泉山さんの非行が現われたのか、その前からこれが問題になつておつたかということを知りたいのです。
○小川委員 本会議で政務次官が趣旨弁明をする前に、山下さんが参議院の方から帰つて來られて、泉山大藏大臣にたいへんな暴行を受けた、残念でならないと、ほとんど泣くように言つておつた。ぼくはひどいことをしたもんだなと思つておつた。そうしたところベルが鳴つて本会議に入つた。やはり泉山大藏大臣が來ておらない。やはり泥醉して暴行したんだなということを感じたのです。廊下へ出ると、松尾さんが手を握られたといつておつた。それでこういう懲罰動議が出たのです。
○高橋(英)委員 私は政務次官の趣旨弁明の問題が起らなかつたら、この問題は起らずに済んだのではないかというふうに……。
    〔私語する者あり〕
○明禮委員長 田中君、委員長に発言を求めてからやつてください。
○田中(健)委員 本会議に大藏大臣が出ないのはけしからぬという演説をするつもりだつた。その後飛脚が飛んで來て、山下さんにたいへんな暴行を働いた。それから松尾さんの手を握つて手の裏をかいたそうであります。(笑声)どういう意味かしらぬがかいたそうだ。それでそのことも演説につけ加えてくれんかという話があつたので、それを具体的に演説につけ加えることは、まだ眞相がはつきりしないから遠慮しよう、不謹愼な行為があつたということだけにとどめようといつて、成重君は手の裏をかいたとかキスしたとかということは述べておらない。こういう経緯です。ですから今のお話のように予算の問題で問題になつておつたのです。
○高橋(英)委員 そこをちよつと聞きたかつたのです。たとえば泉山がしやんとしておつて、趣旨弁明のときに演壇に立つて、いつも不得要領ですけれども大体朗読して済んでいた。本人が出ないということに対する彈劾の問題が起らなかつたら、この問題はやみからやみに葬られておつた。ある意味において酒席の一エピソード、惡いエピソードで済ませた事件ではないかと思つて、そういう点について疑問が起つたからお聞きしたのです。最初から問題にする氣で、小川さんが言つたように非常に憤慨されておるとすれば、また事情が違うので、その点よく了承しました。
○宮幡靖君 なるべく発言いたしたくないと考えておりましたのですが、事情がどうしても発言しなければならぬようになりました。私ども大藏委員といたしまして、昨晩の間違いのでき上る原因の宴にはべつておりましたから、やはり一應の責任を感ずるものであります。同時に私は泉山三六氏をかばうとか、あるいはこの事態の起きました現実を曲げようという考えで申し上げるのではありませんが、同じ委員として山下さんと並んでおるのでありますが、お言葉の中にひとつぜひ思い返していただきたい。記憶をおたどりくださつて、そこに少し間違いがあつたのではないかと、こう考えられる向きを、質問でなくて思い返していただきたい、かような念願を持つているものであります。なぜかと申しますと、元來こういう事件になろうと思つてあの宴会が組まれたものではありませんで、從つて山下さん御自身も、また泉山氏といたしましても、ともにやつたことがどうであるか、あるいは私どももこれが事件になるであろう、一挙手一投足決して間違いのないように、覚えておるようにわれわれは考えたことはない。それでありますから、御本人としても、関係者としても、これを的確無比に証明することはおそらく不可能だと思う。それで現実を申しますと、酒席の私の前が大藏大臣であります。その隣が塚田政務次官であり、その隣が山下氏である。塚田政務次官は大臣が山下さんと杯をとりかわすようになつたときには、塚田君は席をはずして、いなかつたのであります。そういう状態で、私は山下さんと杯を一つもとりかわしておりません。元來がこの忙しい会期の中でやることでありますから、自粛的の意味で酒の量はきわめて少くなつておつたのであります。そういうためで途中でもう酒がなくなりまして、散会するではなかろうかというような場面のときに、遅れた方が参りまして、多少の追加はあつたわけでありますが、私はこんな事になるならば、もつとよく見ておつたのでありますが、泉山さんと山下さんが向い合いまして、杯を二度しかやらないというのですが、どうもそんな数ではなかろうかと思います。この点を一回思い返していただきたい。それから同時に暴力をもつて連れ出された、連れ出された以後のことは、一切私は知りませんが、すでに酒も果てまして、食事も済みまして、おのおの帰るという状態で、どうも私の耳に残つておりますのは、もう散会で帰ろう、こういうようなことを山下さんが言つたような氣持が残つておるのであります。それでどちらが暴力で連れ出したのか、連れ出されたのかわかりませんが、どうも泉山氏が劍道五段の腕前をもつて山下さんを拉致して行つたというようなことは、現実に私の目に映つておりません。それでありますから、宴会に行きましてどういうことをしたか、食堂を出ましてどういうことをなさつたか、私の関知したことではありませんが、その席に起つた空氣は、もつと仲のいい状態で、和氣あいあいとして出て行つた、出て行つた状態はそう私は思いたいのであります。ぜひ山下さんにこの点を――お互いに並んでおるのでありますから、初めから尖鋭な空氣ではなく、出て行つてから始まつたことは別でありますが、中ではそんなむずかしい空氣ではなかつたように考えられますが、一ぺんぜひ思い返していただきたい、こういうわけであります。
○山下春江君 宮幡さんは私に思い返せというので、御質問ではなかつたのでありますが、私は今宮幡さんのおつしやるお言葉の中に、泉山さんと私とが杯の献酬をするころには、すでに塚田さんはいなかつた。二人が向い合つていたと仰せられますが、それはあなたの御記憶を改めていただきたいと思います。ことにあなたは塚田さんの背中を通して差上げたことをちやんと覚えております。必ず塚田さんはおりました。塚田さんがいなくなつたころ、お酌に出た。泉山さんはこちらにまわり、塚田さんはこちらにまわる、献酬がもう少し激しかつたではなかろうかと言われますことに対しましては、おそらくそれは泉山さんが、私に向う側から杯に酒の入つているのを、やあ、山下さんといつてついでくれたのに対して、よくやることですが、チエリオとか何とかいつて――そんなことを私はやつたことはありますが、しかし私と相対の授受ではなかつたのであります。なるほど仰せの通り大藏委員会は非常になごやかな会でございまして、決してさようなことが起るであろうとも、あるいは起るといけないからといつて、私は心用意して行つたわけでも何でもありません。從つて私もそれはうろ覚えのこともございましようが、ただいま仰せになつた点はもう一度あなたの方が思い返していただきたいと思うのでありまして、私の記憶では、その辺は間違つておらないと思うのであります。
○宮幡靖君 大体事情がわかるので、それは違つている、おれの方が確かだといつて、山下さんと押問答をする必要は毛頭ないと思います。ただ塚田政務次官をはさんで杯をかわしたというのですが、塚田君は席をはずしておりまして、向うの丸テーブルで祕書官その他の方と話をしておつた。それを私は目撃したので、とにかくそこを私は思い返していただけなければ、しいて思い返していただこうとは思いませんから、その点はこれでやめておきます。
○山下春江君 それは間違いでございます。あなたが別の席に祕書官といたというのは時間的にたいへん違つております。
○宮幡靖君 それは違つてもけつこうであります。一々的確に記憶しておりませんから、時の雰囲氣を申し上げただけであります。お互いに考え直すところは考え直すことにいたします。
○石田(一)委員 私はこの際非常に疑義を持つておりますので、議事進行に関して発言を求めるものであります。私は先ほど來も申し上げておりますが、委員長はここに出席していられる関係者に対して委員に質問を許され、委員長が質問して速記録にとどめていらつしやいますが、これらの人たちは、どの衆議院規則、どの國会法の規則によつてこれを尋ねておるのですか。尋ねたことに何の信憑力がありますか。もしこれを証人として尋ねるならば、國会の委員会に出頭した証人として宣誓をしてからでなければ証言を求めてはならぬということになつております。しかもこれを証言として聞こうという形体になつておりますが、委員長はどういうお考えでやつているのですか。参考人というのはこの中にはありません。公聽会の公述人とか、議案に対する賛成とか反対の意見を述べる人とか、そういうことはありますが、懲罰委員会における二百四十條の條文は関係議員の出席説明を求めることができるというのであります。説明を聞けば足りるのでありますが、何をしておるのですか。もう少し委員長しつかりやつてもらいたい。
○明禮委員長 お答えします。これは理事会で諮りまして、石田委員の提出理由も伺い、それから山下議員、松尾議員あるいは泉山三六君、すべてこの関係者に弁明と申しますか、説明と申しますか、そういうことを一應聞こうということでやつたのでありまして、これを証人として取上げて宣誓させてやるということにまで理事会は一致しませんでしたから、参考に聞いておるだけであります。
○松井委員 山下さんと松尾さん及び提案者の関係について尋問するということははつきりいたしませんでしたけれども、この委員会全部で意見を聞くことに一致されて、冐頭にしかも全会一致できめられたことでありまして、別に違法行爲でないと思います。
    〔発言する者あり〕
○小川委員 私は発言の許可をもらいましたから、ちよつと靜かにしてください。――この問題については、いろいろ各委員から御意見があると思いますが、大体この問題の中心は私は二点に盡きると思う。第一点は、泉山大藏大臣が、予算はどうでもよい、ぼくは君がすきだ……。
○明禮委員長 小川君、それは違うのだ。今の動議についての意見を聞いておるのだ。
○小川委員 だから今言う二点について考えて行かなければだめだ。
○石田(一)委員 私が初めこのことを申し上げなかつたのは、この委員会は説明を聞いて、それを参考資料にするのだ、ただ説明を聞いた中で聞き漏らした点を、こうではなかつたか、ああではなかつたかということを聞く程度であつたと思います。しかしただいまの委員の質問によりますと、さながら説明を聞いたが、その説明は思い違いじやないか、たまたまこれは酒の座敷にあることであるといつて、説明の意味をなくしようとするというような質問があるので、それであるならば証言を求めることになるので、それだけの信憑力を求めようとするならば、議院に出頭する証人として宣誓をなさしめて証言を求める、こういうことを申し上げておるのです。
○佐藤(通)委員 今委員長は、この議事の進行は理事会の決定によつてやつて行くのだということを言われましたが、もし石田君がこの委員会の今の質問に対して疑義があるならば、理事会において十分に権限を盡されなかつたということがあると思います。
○石田(一)委員 私は理事ではありません。
○明禮委員長 これは説明を求めておるので、十分に説明のわからぬところを聞いておるのでありますから、それでよろしいのだ。一應理事会をここで開いてもう一ぺん檢討します。
○土井委員 すでに先ほど來から同僚議員諸君が、それぞれ山下君、松尾君等から事情の説明を聞いておりますので、この程度でよろしいのではないかと思うのであります。從つて関係議員の方々には、いろいろお忙しいでありましようから、御退席を願いまして、先ほど私が提案しております泉山君の出席が、時間的に見ましてすでに三十分を経過しております。まだ來ておらないようでありますが、これを欠席と認めまして、ここでこの処理に対して進行をしていただきたい、かように考えております。
○明禮委員長 それでは理事会を開きまして、今石田君から御意見がありましたが、やはり説明を求めたということで、これでよろしいということになりましたから、このまま進行いたしますが、もうおそらくお二人に対する質問はおよろしいのではないかと思のですが、いかがでしようか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○明禮委員長 それではこの程度で石田君を含めた三人の方に対する質問を打切ります。
 なお泉山君から説明を聞くのでありますが、泉山君がちよつと今事故がありますので、三十分間休憩いたします。
    午後二時三十一分休憩
     ――――◇―――――
    〔休憩後は開会に至らなかつた〕