第005回国会 議院運営委員会 第38号
昭和二十四年五月十九日(木曜日)
    午前十一時六分開議
 出席委員
   委員長 大村 清一君
   理事 石田 博英君 理事 今村 忠助君
   理事 佐々木秀世君 理事 田渕 光一君
   理事 土井 直作君 理事 椎熊 三郎君
   理事 林  百郎君 理事 坪川 信三君
      平川 篤雄君
      大石 武一君    岡西 明貞君
      倉石 忠雄君    田中  元君
      塚原 俊郎君    西村 直己君
      福永 一臣君    福永 健司君
      淺沼稻次郎君    松井 政吉君
      園田  直君    神山 茂夫君
      寺本  齋君    山手 滿男君
 委員外の出席者
        議     長 幣原喜重郎君
        副  議  長 岩本 信行君
        議     員 高橋 英吉君
        議     員 田中伊三次君
        議     員 岡田 春夫君
        議     員 浦口 鉄男君
        事 務 総 長 大池  眞君
        衆議院法制局参
        事       三浦 義男君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 参政官設置法案(高橋英吉君外五名提出、衆法
 第二号)
 大藏省設置法の施行等に伴う法令の整理に関す
 る法律案に対する修正の承諾を求める件
 懲罰動議の取扱いに関する件
 本日の本会議に関する件
    ―――――――――――――
○大村委員長 これより会議を開きます。
 まず第一に大藏省設置法の施行等に伴う法令の整理に関する法律案に対する内閣の修正申入れに関する件につき、協議を願います。事務総長から御説明を願います。
○大池事務総長 修正申入れの件はお手元に差上げてありますが、その理由書にもあります通り、昨日大藏省設置法案が可決せられました。その大藏省設置法案が、中途において本院の修正の條件に基きまして、修正が通つたのでありますが、御承知の通り國税行政の改組に関する関係方面の要求に基きまして、大藏省の外局として國税廳というものを設置する運びになつたのであります。最初出ておりました案は國税廳の設置案ではなかつたのでありまして、中途において大藏省設置法の中に國税廳の設置ができ上ることになりました。從つて同時に出ておりました大藏省設置法の施行等に伴う法令の整理の法律案が、現に内閣委員会にかかつているのでありますが、國税廳が設置せられるに伴いまして、中に書いてある國税廳の分に関する法文の、事務的な整理をどうしても必要といたします関係から、その修正案が出て來ているわけであります。從つてその大藏省設置法案を取扱つたところで、この政府申出の修正がはたしてその通りに該当しているかどうか、御審議を願うほかないと思いますので、御承認をお願いいたしたい、こう思うわけであります。
○大村委員長 本件は本日の本会議で、政府の申入れを承認することに御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○大村委員長 それではそのように決します。
○大村委員長 次に参政官設置法案を議題といたします。昨日の委員会の決定に基きまして、本案について質疑を続行していただきますが、質疑も大分進みましたし、また昨日の申合せもあることでありますから、できるだけ簡潔にお願いいたしたいと存じます。
○松井(政)委員 提案者にちよつと質問いたします。昨日通過いたしました國家行政組織法の第十七條の三が改正されたのであります。それによりますと「政務次官は、その機関の長たる大臣を助け、政策及び企画に参画し、政務を処理する。」それから「事務次官に、その省の長たる大臣を助け、省務を整理し、各部局及び機関の事務を監督する。」こういうことになつております。これは條文通りで、その通りだと思います。しかし政務次官が政務を処理するという政務の解釈と、さらに國会との連絡を緊密にするということで設けられる参政官の政務という関係について、ひとつお伺いしたいと思います。
○高橋英吉君 これは政務たる点においては同一ですが、ただ政務官の方に企画に参画するという文字があります。それから政務の処理という採決権というか、処理権というか、そういうものがあるだけの違いです。参政官の場合はその処理権がないというだけです。政策に参画するだけです。
○松井(政)委員 政策及び企画に参画することは同じですか。
○高橋英吉君 企画はないのです。
○松井(政)委員 企画は参政官の場合はないのですか。
○高橋英吉君 参政官は昔の政務次官通りです。現行の政務官の職務権限通りです。
○松井(政)委員 そうすると参政官は昔の政務次官通りのことをやる。今度の國家行政組織法によつて改正された政務次官は、政策、企画、政務を処理すると文字通りですが、現実の問題において次官の扱う政務と、参政官の取扱う元の次官の仕事の政務ということの関係が、二つ必要であるかないかということが、大きな議論となると思います。この点について具体的な政務の内容をお伺いしたい。
○高橋英吉君 それは各省にそれぞれ仕事があるわけですが、その具体的な仕事について、きのう官房長官が言つたように、省内で事務整理の規定がおのずからできるわけです。それによつて政務次官と事務次官の分掌が定まることになるわけだろうと思います。抽象的にいえば、事務次官の方がより事務的であり、政務次官の方がより政務的だというようなことは言い得るでしよう。
○松井(政)委員 その次に昨日も数の問題で、提案者の方の回答がきわめて不明確であつた。そこでもう一ぺん念のためにお伺いしておきたいのですが、今度参政官設置法ができて、次官と参政官ができるわけでありますが、その場合において從來政務次官が参衆両議院から出ております。それと参政官を設置した場合に、政務次官が何名になつて、参政官が何者になつて、大体何名になる予定だという、提案者の明確なる見解をお伺いしたい。
○高橋英吉君 政務次官が十七人で、参政官がまた同様です。十七人ずつです。
○松井(政)委員 そういたしますると三十四名に相なります。今までは二十二名でございますね。
○高橋英吉君 そうです。
○松井(政)委員 二十二名が三十四名にふえるということになりますると、結局高級行政官がパーセントにすると五〇%以上ふえることになります。現在行政整理で、定員法によつて下級官吏及び公務員を首切ろうとする形が起つている。それに対する反対輿論がごうごうと起きていることも御承知の通りです。そういう輿論と高級行政官をふやすということについての、政治的矛盾をお感じにならないかどうかということをお伺いします。
○高橋英吉君 それは少しも感じないので、御質問者の精神に合致する改正になつていると思います。大体二十二人のときは関係方面との折衝によつてああいうふうになつたので、あのときはまだ省も少かつた。その省も増加しておりますし、内閣で扱うところの行政機関も増加することになつております上に、さらに行政官行政官と言われるけれども、これは單なる高級官吏と思つていない。いわゆる官僚勢力の強化でなくして、五〇%なり一〇〇%なり、政党勢力、民主勢力が省内の官僚機構内に入ることができたということになるのであつて、むりな首切りをやらなかつた。民主的な政治を行政の上に直接反影する上において、最も効果的であつて、わずかの数の政務次官なり参政官なりの増加によつて、官僚政治の弊を打破することができれば、非常な利益だと私どもは考えております。だから形式的には高級官吏の増加になるが、精神においては逆にとつてよろしいと思います。
○大村委員長 ちよつと失礼ですが、今の定員のことについて、一應ここで將來のために確かめておきたいと思います。設置法の第二條の第二項によりますれば「参政官の総数は、内閣法第二條の規定による内閣総理大臣その他の國務大臣の総数」ということになつておりますが、内閣法第二條を見ますれば、総理と從來の各省大臣、國務大臣の定数以内となつておりますから、國務大臣は各省大臣を入れて十六人、それに総理と合計十七人という、きのうの御説明でございましたが、今回郵正省と電氣通信省とがわかれました。また今後ほかの省ができて來るかもしれません。このような場合に内閣法が改められない限りは、このようなことがございましても、十七人を超えることができないということになるのでありましようか。この点を確かめておきたいと思います。
○高橋英吉君 その通りと解しております。
○山手委員 参政官の規定の意味を伺いたい。議会が常任委員会中心で動いて行つておるのでありまして、それに対應する意味が各常任委員会から参政官を出すという提案者の意図がうかがわれるのでありますが、参政官と常任委員長と各行政官廳との関係、参政官と委員長との関係、そういうふうなものをもつと詳細に承りたい。またこの常任委員会というものを非常に大きく取上げて、参政官というものを生かして行かれたわけでありますが、そうしますとたとえば水産委員会のような常任委員会の場合は、参政官というものが出ないわけですが、これはどうも提案者のお考えにちよつと矛盾ができて來る。單に國務大臣だけということでなく、國会の常任委員会の雰囲氣というものを、大きく官僚機構の中に滲透さして行くというようなところに、提案者の意図があるのではないかと思いますが、そういう点はどうお考えですか。
○高橋英吉君 今の水産委員会と農林委員会との関係、これは二つの常任委員会と農林省との関係ですが、この二つの常任委員会の中の常任委員を採用すればさしつかえない。そういう意図のもとにこれが規定されていると解釈していただきたい。それから委員長と参政官の関係ですが、委員長は御承知のような職務権限で、國会における委員長でありますから、その委員長の任務に從つて各官職との関係がおのずから生ずるわけです。今度の参政官は、今言われたような高級官吏、行政官でありますから、各省の大臣の指揮下にあるというふうなことになつておる身分です。その間におのずから委員長との権限、職務が違つて來るということになると思うのです。院内における活動は、委員長の職務権限にこうも抵触しないばかりでなく、かえつて委員会との関係を円滑にし得るというようなことによつて、委員会とのこういう規定による連絡を強くすることが適当だろうというようなことになつたわけです。
○林(百)委員 行政組織法の第十七條の四項によると、「政務次官の任免は、その機関の長たる大臣の申出により、内閣においてこれを行う。」とある。一應大臣の申出によつて内閣が罷免権を行うのだが、この参政官法を見ますと、ただ内閣が一方的に議長に通知して、罷免権を行使することができる。非常に安易に罷免権を行使することになるのですが、この罷免権の行使について政務次官と参政官の間に区別があるか。どうですか。
○三浦法制局第一部長 その点は確かに御指摘の通り、政務次官と参政官の方とは両方違つております。参政官の方は第一條にも書いてございますように、國会との連絡ということを中心にして、参政官制度が置かれておりますので、その任免についても國会との関連において任免をやり得るような規定になつているわけであります。從つて任命の場合はハウスの同意を得て任命するし、罷免の場合は議長なり内閣がただちに罷免するのでなくて、議院の議長を通じてこれを罷免する。それから國会からの勧告によつて罷免する。こういうつながりのあるところが、参政官制度が國会との連絡ということに中心を置かれている意味合いから、政務次官と違つている点です。政務次官の方は今までの一般職でありまして、一級とか何かでありますと、政令がありまして、一級以上の者についてはその所管する大臣の申出によつて内閣が任免する。こういう規定があるわけでありますが、特別職になりますので、その規定がさしあたり働いて参りません。それから政務次官はやはり特別職でありましても、大臣のプレーン・トラストとして、また國家の公務員として、重要な仕事をいたしますので、その間の所属長官が申出をし、それを内閣が任免するという規定を置いておきませんと、その処置ができませんので、そういうことにいたしました。
○高橋英吉君 これはちよつと失念しておりましたが、なるほど政務次官は一級官ですから、当然大臣の申出により内閣が任命するということになつております。ところが特別職はその道がないから、特に大臣の申出という一項を入れたのです。從つて手続は同じです。一級官ということになつているから、一級官には基本的な法規があります。
○林(百)委員 もう一つ参政官法の第三條の三項に「参政官は、第一項に規定する常任委員会の委員でなくなつたときは、当該参政官の職を辞さなければならない。」とある。ここで現実の問題として、参政官の國会の中における地位が、常任委員会の委員ということになると、画会議員としての資格がここでは一應重要視されていると思う。一方第四條では「参政官は、その機関の長たる大臣を助け、政務に参画し、」こうあるのですが、この参政官の國会常任委員会における地位は、あるときには國会議員として常任委員会の委員の地位にあり得る。ある場合には行政の責任を負う特別職たる参政官になる。そういう二つの立場があり得るわけですか。
○高橋英吉君 それは大臣の場合でも同じことであつて、ひな壇に上つて大臣として國会に臨む場合と、ひな壇からおりて採決に加わつて議員権を行使する場合と、同じです。
○林(百)委員 具体的に言うと、私は常任委員会の委員として、発言します。委員長も常任委員会の委員として発言するのだということを言うわけですが、普通はこうなつているのです。あなたの言われるように國務大臣にしても政務次官にしても、これは何も常任委員会の委員でなければならないということはない。常任委員会の委員でなくなつたらやめなければならないということはない。これは國会議員とは特別に異なる政務次官になる。ところがこれは常任委員会の委員でなくなると、やめなければならぬということで、常任委員会の委員ということが、非常に大きくなり、二重的な性格になる。立法府としての委員と、行政官としての参政官との間に、お互いに紛淆を來す。あなたはこれをもつて官僚制度の打破というが、これをもつてわれわれは立法府と行政府の大きな紛淆を來すように思う。
○高橋英吉君 現実の問題として、たとえば委員会が單なる委員として発言する場合は、委員長席から一應おりて発言し、また委員長席から委員長として発言しているのと同じで、実際面においては決して紛淆を來たさない。今までの政務官も同様だと思います。ただ常任委員会との連絡を強くするために特別の規定、かえつて常任委員会の権限とか、國会の権限を高めるために、特別の規定を施したというだけであつて、その他の点については今までの政務官、また大臣と少しもかわりはないと思います。
○浦口鉄男君 実際問題として、政府の政府委員としての責任で、政府委員の役割を果していて、採決をするときはどうなるか。委員席に帰つて採決することになりますか。
○高橋英吉君 それは大臣と同じです。大臣がひな壇からおりて採決に加わると同じです。
○土井委員 きのう高橋君に提案の説明の中で官僚政治を打破するということを非常に強調した。われわれから考えれば、参政官設置法の第一條の、國会と内閣との連絡というようなことよりも、むしろ今言うように官僚政治を打破するために、参政官を設けるという建前を強く言つているわけです。ところが今度の國家行政組織法の中で改正になつた面から行くと、政務次官というものは民間人なり、あるいは官僚の古手から出す。ところが多くの場合、たとえば人物がない。もとより代議士の諸君でも政務次官にはなり得るしまた大部分はそういうことに承ると思うが、政務次官にもし官僚の古手を採用する場合、これは從來の例から見てしばしばそういう事実がある。たとえばこれは参議院でもそうだろうと思うけれども、衆議院内の例を見ても、衆議院の專門調査員というのは大体官僚の古手です。各省のお拂箱になつた連中とか、そういう人々が多くの場合なつている。もとより。優秀な者もいる。今度の政務次官の場合でも官僚の古手がなる率が多くなる。そうすると官僚政治をますます強化する結果になり、打破することにならない。そこへ大臣と参政官ぐらいが出て行つたつて、衆寡敵せずでどうにもならぬような場合ができ上つて來るのじやないか。こういう面をどう考えているか。事実においてそういうことが起り得るということを考える。
○高橋英吉君 土井さんの御質問は、二の問題で先ほどからの質問の中で、私の氣特と最も共鳴するところの質問で、善意の質問だと思つて喜びますが、大体これは現実の面においては、おそらく國会議員以外には採用にはなりません。ことにこの問題について総理と私が直接相談したときに、総理になぜ國会議員でなければ政務次官になれないという一項を入れないか、そうした方がいいじやないかということを言われたけれども、実際においてそういうことにたるのだから、いまからオーケーをとりに行くのもやつかいだ、これでオーケーがとれているのだから、この程度で、運営においてそうしたらいいじやないかと言つたら、それもよかろうということになつて來た。少くとも民主自由党で吉田総理がいる間は、國会議員以外からは絶対にこの政務次官をとることはありませんし、また國会議員の中でもいわゆる官僚上りといわれる方を、そう大してわが党の方でも採用しないのじやないかと思います。その点までに申し上げる限りではないのですが、傾向としてはそうです。その点は御安心を願いたいと思います。
○土井委員 そうすると大体今高橋さんの言う説明によつて、吉田さんが民自党の総裁であり、あるいは総理である限りにおいては、官僚の古手が政務次官になるようなおそれはほとんどない、さように承知しておつてよろしゆうございますか。
○高橋英吉君 よろしゆうございます。
○椎熊委員 私は今の高橋君の説明は違うと思う。それは民間人、あるいは官界人からとり得る場合があるという規定の方がいいのです。たとえば商工政務次官に代議士でない、業界におけるエキスパートを入れる場合もある。それを入れる場合は、その内閣が自分の與党や自分の政府に都合の悪い者なんか入れはしない。ことごとく與党の了解の上で行くことですから、それを官僚上りであろうが、事務官僚であつてもいいと思う。ですから代議士ときめてしまうよりは、この方がいい、私はそういう見解でいる。
○高橋英吉君 それは自由任用ということになつておりますから、建前はそうなつて参りますが、國会議員にはエキスパートがいますから、外から補充しなくでもよかろうと思います。
○椎熊委員 大体質疑が盡きたようでありますから、御相談申し上げます。本会も定刻から開会されますので大体質疑はこの辺で打切つていただきたいと思います。
○淺沼委員 御相談も出ましたから長くお聞きいたしません。あと二点だけお聞きしておきたい。
 先ほど出ました員数の問題を伺つてみますと、参政官は十七名置けることになるようであります。現在政務次官は二十二名ありますが、それが参政官設置法案で十七名、それから國家行政組織法の一部を改正する分で十七名設けて、二十二名が合計三十四名にふえるあけであります。もう一つ疑義に感ずるのは、「内閣総理大臣、その他の國務大臣がその長に当ることと定められている打政機関に」ということでありますが、この意味は政務次官を置く場合、たとえば賠償廳であるとか、行政管理廳であるとか、ああいうところは認証國務大臣として入つておるが、いわゆる廣汎な意味における行政の長ということには解釈されずに、政府は担当者の意味というように狭義に解釈されて、総理府などは自然内閣総理大臣がその所管になろうと思うのでありますが、官房長官があるほかに、総理府にも次官、及び参政官を置くことになるのでしようか。
○高橋英吉君 十七名置けることになつておりまして、その中にに総理府なんかも含んではおります。しかしこれは法制上のことであつて、現在の段階においては現実には絶対置かないと思います。將來総理府の仕事が厖大になつたときにに、あるいは置くかもしれませんが、今のところそういう構想は少しも持つていない。從つて現実には十六名置き得ることになると思います。それから淺沼さんの仰せになつた國務大臣がその長に当るところでも、行政管理廳であるとか、賠償廳というような比較的狭少であつて必要ないと思われる行政機関に対してに置かないかもしれません。これは時の内閣が適正に判断するだろうと思います。だから法政上と現実の問題と違うので、法制上最大限度置き得ることになつております。
○淺沼委員 そうすると現内閣がいかように扱うかということは官房長官が來ないと聞けないわけでありますが、そこでもう一点お聞きいたします。総理府に参政官が置けることになつた場合、そのほかの政務次官と内閣官房長官との関係はどうなりますか。
○高橋英吉君 官房長官と政務次官が同じになるのは地位待遇だけであつて、職務権限については違います。
○大村委員長 ちよつと速記をとめてください。
    〔速記中止〕
○大村委員長 では速記を始めて……。ただいま椎熊君から御発言もありましたが、この辺で質疑を打切つてはいかがでしようか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○大村委員長 それでは質疑はこれで終ります。
 次に討論に入ります。討論はきわめて簡單に、態度だけ表わす意味でお願いいたしたいと思います。
○淺沼委員 私簡單に反対の意思を表明したいと思います。この案については、非常に官僚政治の打破のためということが言われております。しかしどうも私どもはそれほど効果があるとは考えられない。ことにこの案の内容をなしておつて、どうしても承服できない第一点は、行政の機関と立法の機関と同一人が委員会において二つの人格を持ち得る。これがどうしても私ども了解できないのでありまして、もしこれを実践した結果においてに、参政官の権限と常任委員長の権限が必ず衝突いたしまして、運営の上においてもうまく行かない点を指摘しなければならない。それと同時に提案者の説明によりますれば、あまり数は多く羅かないということでありますが、現在の二十二名を三十四名までふやし得るのでありまして、行政整理を主張する民自党が参政官、政務次官を通じて二十四名に増加するということも私は了解に苦しむ点であります。それからもう一点は、この任免に関して内閣はあらかじめその者の属する議院の議長に通知して参政官を罷免することができることになつているが、これも不明確で、一体内閣のだれがやるかということも了解できない点があるのであります。以上の点をあげまして、反対いたしたいと思うものであります。
○神山委員 私の申したいことはたくさんありますけれども、それはあとで本会議に譲りまして、大体浅沼君の述べられたことに賛成して、その意味心おいて反対したいと思います。
○石田(博)委員 本案の提案理由について提案者からるる説明せられまして、民主自由党といたしましては本案に対して賛成の意を表する次第であります。ただいま反対意見の中で常任委員会との関係について述べられたのでありますが、現在國務大臣は議員と兼ねておる。政務官も議員と兼ねており、かつ國務大臣は本会議において採決のときには議員として採決に加わる。政務次官も各常任委員会において一般議員と同様に常任委員に任命せられておるのであつて、この点別に反対に当らないと思います。第二点の人数をふやす点についても、最高の数を制限しておるのであつて、それを充実するという意味において別に反対に当らないと思うのであります。
 以上簡單に賛成の意を表明しておく次第であります。
○大村委員長 ほかに御発言ありませんか。別に御発言もないようでありますから討論はこれにて終局いたしました。
 採決いたします。参政官設置法案を原案の通り可決するに賛成の諸君の挙手を願います。
    〔賛成者挙手〕
○大村委員長 挙手多数。よつて本案は原案の通り可決いたしました。
 なお本案に関する委員会の報告書につきましては、委員長に御一任願いたいと思いますが御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○大村委員長 御異議がなければさようにいたします。
    ―――――――――――――
○大村委員長 次に裁判官弾劾法の一部改正の件、國会法の一部改正に関する件、その他御協議申し上げたいことがありまするが、本会議開会の定刻も近づきましたので本日はこの程度で一應休憩いたします。
    午後零時二十五分休憩
     ――――◇―――――
    午後四時三十六分開議
○大村委員長 休憩前に引続き会議を開きます。
○幣原議長 本議場の状態はすでに皆様御承知の通りでありますから、議長は休憩を宣告して参つたのでありますが、第一に眞相いかんは別問題にしましても、実にああいつたような不体裁が演ぜられましたことははなはだ私は残念に思う次第であります。ことにたくさんの傍聽人の前においてああいうことが演ぜられましたことは、はなはだ残念に存ずるのであります。今日のままですぐ議事を継続することも困難と思いますが、何かひとつよくお話合いをつけてくださつて、議事がさらに円満に進行できるように御配慮願いたいと思うのであります。
○土井委員 先ほど本会議の議場におきましてわが党の淺沼君の質問続行中に議場が騒然となりまして、その結果休憩に相成つたのであります。そこで第一に私はこの運営委員会で御了解を願いたいと思いますることは、浅沼君の質問続行中でありますので、きようであるか、あるいは明日であるかということは別といたしまして、本会議が再開されまする場合においては、浅沼君の質問の継続を一應御確認を願いたいと思う次第であります。
○大村委員長 ただいま土井君から本会議再開の際は浅沼君の質問を続行することを承認せられたいということであります。これは承認すべきものと思いますが、いかがでしようか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○大村委員長 それではさように決します。
○土井委員 次に実は本日議場に問題になりました点でありますが、わが党の浅沼君は政府が提案されておりまする大藏省設置法の施行に伴う法令の理由の中に書いてある「國税行政の改組に関する池合図最高司令官の要求に基き、」この「連合國最高司令官の要求に基き」という文字を正誤の形において訂正されて來たことについて質疑されたのであります。この点につきましてわれわれの社会通念、あるいはわれわれの常識から判断いたしますると、正誤というものはきわめて範囲の狭い軽微な文字上のあやまちを正すということでなければならないと考えるのであります。ところがこういう重大なものの正誤はちよつと認めがたいのでありまして、これは明らかに政府当局が最初提案したときは確信をもつてこういう文字を使用されておつたのではないかと思うのであります。それが問題になるような形になりましたので、急に正誤表によつてこれを訂正しようという考え方に変更されたのではないかと考えられる。なぜかと言いますれば、先にわが党の田中君の質問に対して、大藏大臣はこういう言葉を使つておるのであります。前後を省略いたしまするが、実は國税廳設置につきましては、シヤウプ博士の税制改革等の結果を見まして根本的に考えようと私は思つておつたのでありまするが、早急に設置する要ありとして指令が出ましたので、修正によつて御審議を願つた次第であります。なおその他言葉をつけておりまするが、これから見ますと、大藏大臣の答弁と政府のこの理由書の中とは符節を合したごとく一致しておるのであります。從つて私は正誤の関係につきましては、從來政府が慣例に從つて訂正を申し入れれば、それは大体了解されておつたやに承知しておりまするけれども、この議会にこういうことがしばしば行われる。言いかえれば重大なる事柄が正誤の形において容易に簡單にやられるというようなことは議会の権威の上から言いまして、あるいはまた法案の面から行きましても是正されて行かなければならぬ問題ではないかと思うのであります。從つて議会運営委員会といたしましてはよき例を開きまして、正誤の範囲をある程度まで決定する必要があるのではないか。言いかえればこういう根本的な、しかも重要な問題をあやまちであるということ、――これは形式上そういう言葉によつて表現はできまするが、実質的にはわれわれはあやまちではなかつた、正しくこれを出されたのではないかと思われる。こういうことが簡單に正誤の形において取消し、あるいは削除が行われることは、政府が案件を提出する場合における愼重さを欠くことにも相なるのでありまして、これらの事項については正誤の範囲を一應決定する必要があると思います。
 次には本会議場において起つたあの紛爭に対しまして、議長のとつた態度では適切な処置が講ぜられなかつたと考えられるのであります。なぜかと言えばあの議場騒然たるときに、議長はこれに対して制止もしなければ、またこれを適当に鎮静せしむる措置を欠いておつたのではないか、また休憩をいたします場合におきましても、いつ休憩になつたのか、どういう形になつておるのか議場内に十分透徹しなかつたうらみがある。この議長の処置は議場整理の上に重大なる責任があると思うのであります。この責任問題について議長はどういうふうにお考えになるか、運営委員会が開かれます劈頭に、議長の言葉といたしまして、ああいう事態が起つたことは議会の権威の上から言つて、ことに多数の傍聽者の前において、選良である議員が上衣を脱いだり、デスクの上を歩いたり、具体的に言えばまことに残念であると言われておるのであります。それに対して議長はまず議場整理の責任があるのでありますから、早くああいう事態が起らないうちにもう少し注意を喚起して、議場の整理に当られるのが適当でなかつたかと思うのでありますが、その処置機宜を得なかつた点についての責任をいかにお考えになつておるか、この点をお伺いいたしたいのであります。
○佐々木(秀)委員 土井さんのお話の前段、すなわち運営委員会において正誤表にある限度を定めておくことは私らも同感であります。ただ本日の大藏省設置法の一部改正の問題につきましては、午前中のこの委員会において浅沼さんからもいろいろ御質問がありまた政府の意向もただしましたところ、最高司令官云々の言葉はやはり取つた方が妥当である。しかも現実はあくまでも政府の責任によつて法案を出す。これは当然であると考えます。ただ御承知の通り定員法その他の問題がありまして、事務的に非常に時間的にむりがあつたことだけはわれわれも認めざるを得ないのでありまして、何とかして定員法とにらみ合せて本日上程して可決したという一念から多少のむりがあつたことは了承するのであります。私どもも土井さんの意向に対しては全面的に賛成いたすものでありまして、時間的な問題に対してある程度遺憾の点があつたことは認めざるを得ないと思うのであります。
○林(百)委員 問題が土井君から三つ出ておるのでずつ片づけられるものは片づけて行かなければならぬと思います。土井君の言われるのは、浅沼君の質問を継続するということ、これはさまつた。第二は政府の大藏省設置に対する修正案中最高司令官云々という字句は、これは政府も削除しようということになつておりますが、この手続は正誤ではいけないと思います。正式に國会法第五十九條によつて國会の承認の形でこの問題の取扱いは処理していただきたい、正誤表とか何とかで政府は簡單に済まされないと思います。
○佐々木(秀)委員 今林君のお言葉がありましたが、もちろんわれわれはこの正誤表の取扱い方は、事務的に專門的に研究してみたい思います。事務総長の意見をひとつ聞いて見たいと思います。
○大池事務総長 私から政府から正誤表の参りましたいきさつについて御報告申し上げます。実は政府から大藏省設置法施行に伴う法令の整理に関する法案につきまして修正の承認の申出があつたのであります。その点は御承知の通り、ただ修正したいという点だけでなく、内容が相当複雑な点がありますので、政府から今の理由書の正誤の分までも印刷した修正案そのものが参つておつたわけではないのであります。むしろ御便宜のために事務的に参りましたものを至急私の方でがり版にしまして、政府からの修正の申出はかくかくであるということで皆さんにただいまお渡ししたと思うのであります。從つて一應内閣総理大臣として議長に参りました正誤の承認の本書には正しく書いてあるのであります。これを正式に議案としてお話し申し上げるときには、もちろん議案として皆さんに御配付の上御了承を得るわけでありますが、会期末でもあるし、特にきようの運営委員会でお話上申し上げまして、大藏省設置に伴う当然の修正として政府の申し出たものであるからそれをきよう上程することがよかろうということでおきめを願つたのであります。それにつきまして淺沼委員から御承知のように今の正誤の問題に関して御議論があつたのであります。その御議論になりました後に至つて、ただいまの分は正誤として削つてもらいたいという申し出が事務的に政府の方から折衝があつたのでありますが、先ほどの土井さんからお話も相当の理由があることと思います。事務的には議決の内容でない理由そのものに、誤りがあるからこれを正誤で正したいということであるなら、從來も当然そういうものは取扱つておつたのであります。しかしながらたまたまその言葉自身が御議論になつて、しかもこれに対して浅沼さんが質疑される順序になつておるところへそれを申し込まれても、そのまま受取ることが可であるか否であるか、礎來の取扱いであるならそのまま受取つたかもしれませんが、たまたま御議論になつた部分に対してのみはいまだ先例がないのでありますから、私どもとしては政府から訂正を申し入れられましても、すぐ事務的に了承することは困難であろう。從つて各派がそのことを御了承になるなら、正誤のことであるからよかろうということで各派に御連絡を願つたのであります。その返答がどこかに食い違いがあれば御訂正願いたいと思いますが、やはり了承したということでおりましたので、それなら政府の方から正式の手続をとつてもらいたいと申し出たのであります。そこでその申入れに從つて政府は手続をとつて参りましたけれども、議長は上に上つておるし、政府から私のところに正式に取消しの申入れのありました分の書類が議長のお手元に参るわけにも行かない。そこで議題になる前にそういうことをお断りする時間もなかつたし、その点は淺沼さんの議長に対する質問の際も議長から申し上げておるので、この正誤を從來のままお引取りになるかならぬかは、そういう関係において御決定願いたいと思います。
○林(百)委員 実は石田博英君が本会議が始つて開会が宣せられるとすぐ私のところに來て、政府は削るそうだと言つて來た。それは正誤の手続をとるのか、國会法第五十九條をとるのかと聞くと、それはいいではないか。私どもとしては、当然五十九條で政府は修正したいと思うから承認願いたいど言つて來ると思つていた。ところがそれが省かれておる。ですからこの問題は当然正規の手続を踏んで解決してもらいたいと思います。
○佐々木(秀)委員 正規の手続に二つあると思います。すなわち各党の了解を得る点で、五十九條の手続で行くの上、正誤表の形で行くのとある。ただわれわれ國会の立場から行くと、できるだけ早く上げてやりたい。それにからんで來るのは定員法です。これがきまらなければどうにもならぬ。それでいきさつはお互い了解が不十分であつた。しかしあなた方の方もそのとき五十九條で行くか正誤表で行くかという質問もなかつた。そこにお互いの意思が十分疏通されていなかつたという点がありますので、できるなら今後の問題として、五十九條で行くこともけつこうですが、あるいは今言つた成規の方法で各賞が了解して行く方法もありますから、本日は時間的問題でこんがらかつてしまつたのでありますが、できるなら各党の了解で、正誤の方は言つてもらわないように私からお願いしたいと思います。
○土井委員 大体この正誤表の問題につきましては、先ほど私が申し上げたように、この範囲については一應お考え願うといたしまして、本会議で起つた事柄について多少この場合私としては釈明をしておく必要があると思うのであります。それは大体この正誤問題については事務当局の意見を聞いたわけであります。それで本文の議案の正誤は五十九條によつて承認をすることが正しいようであるが、理由書の中の正誤という問題は、從來の慣例によつて正誤表でこれをただして行くことはしばしばあることです、そこで今問題になつておる正誤については一應各党の了解をという意見があつて、石田君が私の方の議会対策委員長である米窪君と私のところに來たわけであります。それで私と米窪君がその問題について石田君と話をしておるときに林君が見えられた。それで石田君が「林君、君こういうふうにして正誤するがいいだろう。」「ああいいよ」と軽く林君は了解して行つたから、米窪君が「林君、そんなに簡單に了解していいか、おれの方はまだ了解していないぞ」というと、びつくり返して來て「社会党が了解しないというならそう簡單に了解するわけにもいかぬ」というわけであつた。しかしわれわれはどう正誤されて來ても、津沼君が壇上で論議することまで制約されていない。それで一應正誤で了解しようということになつたのです。從つてぼくらは五十九條であるとかどうとかいうようなことは考えていない。いわゆる從來の正誤の慣例に從う了解である。内容的には議論もありますが、そういう形になつておつたということであります。
○林(百)委員 私は今土井君は石田君が正誤とはつきり言つたというが、石田君はここを削るからといつて鉛筆で湾していたが、私は適当な方法で本会議で諮られるものという解釈をしておつた。しかもそれが淺沼君によつて本議場でこんな大きな問題になつて、その当該字句が最高司令官の要求に基く、というようなことを正誤で、ちよつと書き間違えたといつて創るということは、國会の権威のためにすべきではない。だからこれは修正という形でしなければならぬと思うのであります。
○椎熊委員 非常に重大なようではございますけれども、正誤の問題では一應各党が了解を與えたという各党にも愼重を欠いた点があつたが、そんなことを今責めてもしかたがないので、私は実はそれは知らなかつたが、わが党の幹事長は簡單にそれを了承しておつた、そういうこともあるんですから、もうその問題は正誤で行くということにきめた方がいいと思う。それはなぜ正誤で行つた方がいいかといえば、勢頭ただいまの会議で淺沼君の質疑を続行するということを決定している。それがすなわちそういう正誤の出し方で案を取扱つて來ているということなんだから、撤回するとかなんとかという複雑なこの案の取扱いと議場で起つた事件とはこれはまた別個の問題だと私は思う。それで議場で起つた乱闘事件については、議長は非常に遺憾の意を表せられた。それだけで納まるかといえば、おそらくは納まらない、何らかの形でいろいろのことが出て來ると思う。その時分にその問題を論議すべきである。だからこの問題は正誤で淺沼君の質問を続けて行くということで進行してもらいたい。
○岡田春夫君 今佐々木君の話、あるいは林君の話を聞きまして、今までのいきさつは十分わかりました。それから今推熊さんの話から行きますと浅沼氏の質疑の続行を認めたから、それは正誤で行くべきだということは、それはおのずから別の問題で、正誤の問題ということは質疑が続行されたら、正誤でそのまま続けられる、ということは、私はこれは別個の問題として取扱うべきだと思う。次に問題なのは理由書の中の修正の場合には、正誤表でいいというような土井君のお話もありましたが、そういうような場合先例があつたにしても、その内容によつて、これは判断すべきである。こういう最高司令官の要求に基くというようなことについては、これは社会通念上からいつても、正誤表でやるべき問題ではない。特にこれに関連して簡單に申し上げますが(発言する者あり)ちよつと発言中です。ウイリアムズ氏のこの間の勧告等を考えてみても、この点ははつきりしておくべき問題だと思う。ウイリアムズ氏の勧告の内容はこういう席ですから言えませんが、そういう点から考えましても最高司令官の要求に基くという言葉を、單に正誤というような形で、これを継続して行くということではなくて、浅沼氏もこれが本会議で議題になつているときに、この手続上のいろいろのいきさつ等についてはわれわれは了解するが、しかし新たな問題としてここで取上げる限りにおいては、これは当然社会通念としてやるべきだと思います。
○土井委員 今問題になつておりまする点は、私が提案しておりまする正誤の範囲の問題と、それから岡田君からちよつと話がありましたが、これは正誤表によつてやるべきでないという問題、これは私が先ほど申し上げた通りであります。こういう大きな問題は單なる正誤によつてなすべきではないという立場は、今もなお私は嚴として持つているわけでありますが、ただ問題はこれを二つにわけまして、私の言う將來正誤でなすべきものの範囲を、議院運営委員会としては、ある程度まで決定しておく必要があるということを申し上げているのであります。それからもう一つ今現に起つている問題は正誤を國会法の第五十九條で取扱うべきであるか、各党の了解の上に取扱うべきであるかということですが、各党の了解事項という問題については先ほど私が言いましたようにこれは確かに了解がついているわけです。
 もう一つ申し上げたいことは、われわれがいわゆる議場内交渉係とか、あるいは議会運営委員会の委員として各党から折衝があつた場合においては、この問題はまず第一にわが党のしきたりから行けば、議会対策委員長に相談する。そうして対策委員長と議会運営委員のわれわれが了解すれば、それで今までは慣例的に各党員諸君全部に博達しなくても、それは党の意思の決定機関になつている。ただそれを了解したことがいいか悪いかということの責任は、党に帰つてぼくらが批判を受けるだけの話で、これは出先機関の責任においてやるべきことであつて、淺沼君が了解したかどうかということは問題でない。
    〔発言する者多し〕
○大村委員長 静粛に願います。
○土井委員(続) そういうことは社会党は社会党の立場でやつている。われわれの責任でやつている。わが党としましては、要するに議場内においてとつさに起つて來るいろいろの問題については、そういう角度で從來取扱つているわけです。從つて出席されている議員諸君にあの忙しいときに一々こういうわけで了解を得ましたということを五人か八人ならそれもできましようが、たとえば民自党の場合のように二百何十入の党員に一々了解を得ることはとうていできない。これは議会運営の從來の慣例であつて、常識によつて判断してしかるべきであつて、そういうは私は大きな理由にはならないと思う。ただ問題はその了解して、いる点が、たとえば林君が了解した点は林君の言うごとく五十九條によつて訂正するのか、あるいは各派の了解の上において訂正するのか、その微細の点まで具体的には説明がなかつたということについての解釈は、これは林君の解釈であつてぼくらも大体には了解したものと考えたのであつた。ただそういう具体的なものがないから了解事項の内容まではわかつていなかつたということは、林君の言うことが正しいと思う。しかし各党が了解したことだけは事実だと思います。その責任者が了解したからその責任を問われることは、ここで問われる必要はないので、自党に帰つてから自党の議員諸君から責任を問われるなり、役員会で責任を問われることはあり得ると考えます。そこで問題を二つにわけて議事進行をしていただきたい。私の言つておりますのは要するに、正誤表においてなし得る範囲というものの決定がひとつ、これをまずやつてもらう。それからもう一つは今起つて來るものを正誤表によつてやるか、正誤表によつてやるについても、それを五十九條でやるか、あるいは了解の上においてやるか、その二つの問題がある。どちらを先に先議するかはいろいろ議論がありましようが、私はこの問題についてはあらためて五十九條でやらぬでも、われわれが責任を持つてやつたんだんだから了解事項として一應やる。しかし將來はその了解事項の範囲をある程度明確に決定してもらいたいということであります。
○林(百)委員 ここでまた土井君が問題を二つ出されておるが、一つは議案の修正、または正誤訂正の問題について將來議院運営委員会として、どの範囲を正誤表によつてやるか、どの範囲を五十九條によつて議せられるかということであるが、これはきようはちよつとむりだからゆつくり考えて決定してもらいたいと思う。そこで問題は本日議案になつているこの取扱いだと思う。土井君は盛んで私が了解したしたと言われるけれども、共産党の了解を土井君が知つているはずがない。これは私の方としては当然五十九條によつて、正式に國会にかけて、國会が承知した上で、それから浅沼君の質問が出ると思うのであります。そういう形になれば浅沼君の質問もそういうことを前提として質問するなら混乱も防げるし、各議員にもはつきりするから、政府が間違つたことを直すにはわれわれは異議はないから、正式に全議員に諮つて、この点は修正しますといつて直せばいい。それを浅沼君のいうように、政府の修正を議場に公然諮らないから、ぼくはおかしいと思つた。(発言する者多し)これは重要の点だ。委員長、少し整理してください。
○大村委員長 静粛に願います。
○林(百)委員(続) そこで問題は最初私としては、正式に議長がこの最高司令官の要求云々を政府が修正したいというから、承認を願いたいというべきだと思つたが、それは院内でその後淺沼君の質問がどんどん続いて遂にああいう大混乱を來したと思う。この点は明らかに政府、並びに民自党側が、ただあの最高司令官の要求ということを削除するということの了解について正確でなかつた。この点は諸君も認めなければならないと思う。そこでおとで起つた議場の混乱の問題も一にここにかかつているから、われわれはここで正式にこの問題については、…(発言する者多し)…発言中だ。
○大村委員長 静粛に願います。
○林(百)委員(続) それがはつきりしないから問題は起きる。だから後の問題を審議する意味でも、この問題をはつきりして全議員に対して政府が修正したいというから、第五十九條によつて訂正を求めたいといつて片づけて行かなければ問題は後に残ると思います。
○椎熊委員 私はその了解が不徹底であつたかどうかということは、今ここで言うことは各党の恥になると思う。一應は承認を與えたものを生かして行かなければならぬ。そこで私は土井君のお話もごもつともだが、今こんな事態が引起つているのに將來どうするかなんていうことは、きよう考えるべきではない。それはいずれ近い將來において考えることにして、きようはこの案を取扱いをどうするか、それをやつて行くために、各党が信義を重んじ、一應了解を與えたものを生かして行くのでなければ、今後紳士協約は一つもできないと思う。その了解の内容は君らもそれを追究しなかつたところに瑕疵がある、五十九條で行くか、正誤の了解で行くかという追究がその当時なされなかつたところに瑕疵がある。これはお互いに党の恥になるから一應了解をつけたものとして、この場合審議を続けて行こうではないか。
    〔発言する者多し〕
○大村委員長 私語を禁止します。ちよつと申し上げますが、私はなるべく公平に御発言の機会を與えたいと思いますが、ただお願い申し上げたいことは同じ意見をたびたびここで繰返さないようにお願い申し上げます。
○岡田春夫君 それじや同じ議論はなるべく省略してやりますが、佐々木君の御意見にしても、土井君のお話にしても今までの経過とこの問題とを混同していると思う。そこでさつきの土井君のお話にしても非常に筋の通つたお話であるが、結論はどうもわからない。私の申し上げたことに同感だといわれましたが、最高司令官の要求によりという問題については、これは正誤表によるべきでないが、そういうふうに一旦きめてしまつたから、このままで行こうじやないかというお話だと思う。ところがその取扱いについては不行届であつたということは土井君自身も認められているのであつて、その不行届であつたということについて事態はこういうふうになつて來て、しかもその要求ということが今神山君のお話によると池田臓相の話では指令だというふうにまでなつて來ると、これは事態の内容が問題になつて來る。そうなつて來ると單にいきさつだけ不行届があつたから、その不行届を認めてこのままやろうということは筋が通らぬ。あくまでもこの正誤の問題については佐々木君の言つた通りわれわれ了解してもいいと思うが、やはりこの司令官の要求ということを正誤表で行くか五十九條で行くかということは、ここできめるべき問題だと思う。だから当然これは私がさつき申し上げたように、また土井君の言う通り新しい正誤表のわくをきめるということも、それは一般の通念で行くのだから、今度の問題も一般の通念から行つてこれをきめてもらいたいと思う。
○佐々木(秀)委員 先ほど林君からも岡田君もいろいろ御意見がありますが、五十九條で行くか、正誤で行くかという点ですが、本日の問題として取扱うというならばわれわれの行き方はいわゆる成規の手続の二つのうちの正誤表で行く。われわれはそれれがために各党の了解を得るようとして各党をまわつたわけですが、もし五十九條で行くならば何も各党の了解を求めることはいらない。あなた方が正誤表で行くということの認識がなかつたそうだけれども、各党が了解されれば正誤表で行ける。だからあなたも交渉を受けられたんだが、その交渉を受けたということそれ自体が正誤表で行くということが、暗々裏のうちにあなた方も了承されたとしてこつちではやつているのでありますから、今そういつて五十九條でやつてこれを撤回しろということは、今日までとつて來たところと違うと私は思う。ですからこれはぜひ正誤表で行くということにしてやつてもらいたい。われわれもまたお聞きすると、社会党も賛成しておりますし、民主党の第九控室、第十控室も賛成している。私どもは多数で採決では行きたくない。話合いで行きたいと思うかな、こういう態勢になつたから、共産党の方々も大体わかつた、いろいろ了解も十分でなかつた点もあるが、この問題だけはこれで行こうということにひとつおきめを願いたい。
○林(百)委員 石田君の了解があつて削ることは十分承認しておるが、これは五十九條で創るといつたんだと思う。だからこれは五十九條で行つたらよいじやないですか。
    〔発言する者多し〕
○大村委員長 静粛に願います。
○石田(博)委員 私と林君との話合いの経過を説明いたしましよう。私はこの條項を削つてもらうために了解を求めた経過を、私がその交渉に当つたんだからそれを詳細に申し上げます。私が一番最初に土井君と社会党の鈴木書記長と、それから米窪さんとこの三人おるところで、そこには三宅君もおられましたが、私は主として土井君を相手に交渉して、その点の了解を求めたところが社会党ではそれが質問の重点だ、はつきり言えばそういうことだと思われるので、それを政府の方で削つて行くことに了承を與えられることは逡巡しておられた。それは議場の中のことですが、そこへ林君が來たので、林君の方へもこういうことにするから了解してくれと言つた。
○林(百)委員 その「こういうこと」が問題なんだ。
○石田(博)委員 詳細に言うから聞いてください。「こういうこと」というのは一々説明するのはめんどうくさいので「こういうこと」と言つたので、それは削るということだ。これを政府の方で自発的に削りたいから了承してもらいたい。從つて運営委員会に出た議案と本会議に出た議案とは違うから、正誤で直さねばならぬと言つたところが、林君はこれをきわめて簡單に、それはいいでしようと言つた。そこで土井君も米窪さんも林君そんなに簡單に是認していいのか、と言われたら、ぼくは米窪さんにまあまあそんなことを言わないで、頼む頼むで押つけた。ところが土井君が了承したと言つてくれたから、私は民主党の第十控室の方へ行つたら、そこには坪川君がおつたので同様のことを言つて御了承を得て、それから今度は第九控室へ行つたら、椎熊さんも園田君もいなくて、北村幹事長がおつたので、北村幹事長にその事情を話したら、そのくらいのことはいいでしよう。こういう話であつた。それから今度は船田さんと河野金昇君のいるところへ行つて同様のことを言つて御了承を得て、議席へ帰つて來たら米窪さんの方で手招きで呼ぶか行つて見たら、本会議で議長から、言わしめる、つまり五十九條によつてやれという申出があつた。そのとき五十九條という條章をはつきりとはあげられなかつたわけだが、修正の形でやれと言われるからそんなことを言わないで正誤で頼むということで、また頼んだ。そこで土井君がいいいい引受けたという話で、ぼくは帰つて來た。それが経過なんです。その通りであつて私はむしろ五十九條によつてやれと言われたのは、社会党であつて、その社会党が了承していることも林君はそこにおつて知つておられるはずだ。そういう経過なんです。私は私の考えをはつきり言つて林君と約束はしなかつたけれども、私の考えとしては五十九條で訂正するなら、きようあんなものを議題としないで引下げて出直すべきだ。それをきよう出すことを前提に直してくれということは、正誤で直してくれということが常識だと思う。これはわざわざ言わなくてもわかるでしよう、そう私は考えておりました。私はそういうことで了解をしていたので、まさかそれを言われるとは思つていなかつた。
○林(百)委員 ちよつと事実を明らかにしておきたい。石田君はぼくのところに來て、これは政府は削るそうだからといつて鉛筆で何か書いていた。削るそうだからというなら、議場に諮つて五十九條で承認を得るように諮らうことならいい……
○石田(博)委員 そんなことは言わない。
○林(百)委員 言わないけれども(笑声、発言する者多し)ちよつと待つてくれ。そこで石田君に聞きたいことは、君が正誤で行くぞということはぼくに言わないぞ。そうだろう。そこが問題だ。
○石田(博)委員 正誤で行くということは私ははつきりは申しません。しかしこれは同様に人の受ける感じだが、土井君も聞いておられたし、米窪さん、も聞いておられたと思う。この間の五十九條の條項を胸に入れで、五十九條で直すと考えるものなら米窪さん土井君等の練達の士が、わざわざ私をもう一ぺん呼び出すはずはない。そのときの常識として削るということは正誤で行く以外にはないんです。それは常識上正誤で行くという話なんです。
○林(百)委員 結局石田君はぼくには正誤で行くとは言わなかつた、それをこの際はつきりすればいいんだ。
○坪川委員 各党の態度も経過も明らかにされたのでありますから、從つて本議場丙において各党の代表が正式に了承いたしましたすなわち正誤によつて各党了解のもとに行くということに決定しているのでありますから、この際これを再確認いたしまして、議事を進行せられんことを望みます。
○大村委員長 ただいま坪川君から動議が出ましたが、これに御異議ございませんか。
    〔「賛成」「採決々々」と呼び、その他者言する者多し〕
○神山委員 それは反対だ。採決でやるならどうぞおやりください。われわれは絶対反対だ。
○平川委員 政府が出されました修正案に対して、民自党の石田委員が了解を求めに來られたのでありますが、その際に先ほど事務総長のお話によりますと、そういう手続を取ることについて大体了承を得るようなことでなくてはならないはずです。ところがそれを政府が了承だけを取つてまわつたというところに、一應の手落ちがあるということをあなたたちは認められるならば、われわれはこれに賛成することに異議はない。
○土井委員 將來この問題については論議を残して置いて、一應この際採決によつて決定してもらいたい。
    〔「異議なし」「賛成」と呼び者あり〕
○大村委員長 この際申し上げます。正誤表をどの範囲で取扱うかということについては、今後当運営委員会でよく審議をしなければならぬことでありますが、この正誤表をどの範囲で認めるかという問題につきましては、各位においても御考究置きを願いまして、なるべく近い次の運営委員会において御協議を申し上げたいと存じます。それに御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○大村委員長 それではそのように決します。
    ―――――――――――――
○大村委員長 次にただいま坪川君より正誤による取扱いをすることを再確認して、議事を進行せられたいとの動機がありましたが、これにつきましては御反対の方もありますので、この動議に基きましてそのように再確認することに賛成の諸君の挙手を願います。
    〔賛成者挙手〕
    〔発言する君多し〕
○大村委員長 多数。よつてそのように決します。
    ―――――――――――――
○土井委員 次の問題は先ほど私が申しました議長が本会議におけるあの紛争に対して適当なる処置をとらなかつた、議場整理に対してきわめて不手際であつた。これは幣原さんという政界の大先輩に対してははなはだ恐縮ではありまするが、とにかく議場整理に対しては非常に不手際であつたから、その点において議長の責任をいかにお考えになるかということについての議長の御弁明を願います。
○椎熊委員 それに関連して議場の整理ということは、ひとり議長の責任だけでなくして、全員がこれに協力しないならばどんな名議長でも議場が混乱いたします。そこで私は今回の議場の混乱が議席に着いているわれわれ測の方にも責任があるので、今あらためてこの問題で議長の責任を問うなどということは、われわれは自分の行為を顧みて、はななだ遺憾だと思います。この際は責任の所在などを問わずに、起つた問題に対しては、おのおの人格のある諸君がやつておるんですから、そこに責任があるでしよう。あるいは懲罰問題も起るかもしれない。被害者も加害者も出るかもしれない。そういうことが起つて來たらそれを処理すべきであつて、われわれはここに議長の責任を問うなどということは愼んだ方がいいと思う。
○土井委員 私は椎熊君の意見に対して反対であります。もとより議場内における紛争の問題については、議員各自の責任のあることはいうまでもないのであります。しかしながらそれを総括して議場整理の責任をとるのは議長であります。たとえば一省の大臣がその下僚があやまちを犯したような場合におきましては、その下僚自身が責任を負うことは当然でありますが、同時に上司である者が監督不行届のかどで、そういうような名目における責任を負うことは……。(「われわれは議長の下僚ではない。」笑声)もちろんわれわれは議長の下僚ではないが……。(発言する者多し)君ら話を全部聞かなければだめだ。たとえばそういうふうに責任の衝に当る者が責任をとるということがあり得る。だから議場の整理に対しては議長が何も、議員と議長は上下の関係があるとはぼくは言わない。しかしながら、議場全体に対する責任に議長が持つているんだ。だからああいうような紛争が起きたことに対して、適宜なる処置を欠いた。議長は最初、これを制止することもしなければ、適当なる処置をとることもしない。(「制止はした。」)制止はしたけれども、われわれは議場内の整理並びにその他の点において議長は責任を持つべきである。もとより議員がいろいろ紛争して個々の人間が懲罰にかかるとかなんとかいうことは別個の問題だ。議場全体に対する責任は議長が掌握されている。從つてこの問題については議長にその責任なしといえない。だから議長がその問題についていかなる責任を取られるおつもりかということを聞いているんです。
○石田(博)委員 今土井君が申出られた議長の責任を追究するような一番始めの発言は、その趣旨はそうでなくて、こういう事態が起きたことについての議長の御見解を求められたのであつて、議長としての御見解をこの際一言お述べをいただいて……。
○椎熊委員 もうそれは述べられた。警告と同時にこういう事態が発生したことは、まことに遺憾に思いますと言われている。
○田渕委員 今土井君から議長が何ら手続をとらなかつたという一言があつたので、私はこれを論駁したい。議長は最善の措置をとられたのでただちに衛視さんが入られた、この点はひとつ認めてもらいたい。
○幣原議長 言つたけれども土井さんのところには聞えなかつたんだろうと思う。私は確かに静粛に願いますということを数回にわたつて繰返した、そのときに取つ組み合いが始まつたので、皆さんの方に声が徹底しなかつた、私の声はどんな声を出しているか自分にはわかりませんが、あとの休憩もそうなんです。私は少くとも二回あるいは三回言つたと思う、それも徹底しなかつた。あの騒ぎでみなに聞えなかつたんだろうと思う。私は徹底するように言つたんだけれども、どうも物理的に(笑声)聞えなかつたんじやないかと思います。
○大池事務総長 そこで実は先ほどの騒擾の結果、ただいま事務局の方に懲罰動議が三案出て参つております。この取扱いをもやはりこの運営委員会で一應おきめを願いたいと思います。それは民自党の方からは、立花敏男君を懲罰に付するの動議が提出されております。それから共産党の野坂參三君の方からは、小西寅松君、田渕光一君を懲罰に付するの動議が提出されております。それから新政治協議会の中川篤雄君の方から立花敏男君及び小西寅松君を懲罰に付するの動議、この三つの動議が提出せられておりますので、この取扱い方をおきめを願いたいと思います。
○土井委員 ただいま懲罰の動議が出ておりますが、御承知の通り本会議の議場は私の浅い経験上から見ましても、本会議であおいうような大乱闘の起つたことは初めてであります。もとより議長席に押しかけたり、わいわい多人数が集つた点は、過去においても相当多かつたのでありますが、あらわに手を振り上げてげんこつでなぐつたり、なぐられたりしたことは稀有の事実であります。その昂奮はいまださめておりません。みなやや興奮の状態であります。だからといつて必ずしも正常を失つているとは申し上げません。それは國家の選良でありますから、理智的に皆さん行動をとられるとは思いますが、全体の空氣は必ずしもよい状態ではありませんので、本日の会議は大体このままにしておきまして、お互い多少冷静になりましてから懲罰問題、あるいは本日の質疑の続行等をしていただきたい。從つてこのまま本日は散会していただきまして、明日あらためて本会を開いて議事の継続をお願いしたいと思います。
○佐々木(秀)委員 私提案者になつておりますので申し上げますが、土井さんから興奮状態にあるということでありますけれども、あの議場においてあのような乱闘騒ぎがあつたということは過去に前例を見ないそうであります。そういたしますとなぐり合いをやつたことは事実でありますが、しかも共産党の立花君はわが党の議席まで乗り込んで來てなぐり込みをかけた。あの議場で起つた紛爭はわれわれの手で即刻これを解決して行くようにして行かなければならないと思う。これをあしたまで延ばす、あさつてまで延ばすという問題ではない。暴力を加えたということを認識した以上一日も、一時間も早くわれわれの手によつて、これを解決することが私は最善の方法であると考えますので、いろいろの議論はありましようけれども、議論はぬきにしてこのことはただちに懲罰委員会にかけて、その是非の裁断を仰ぐという処置をとつていただきたいということを、私はお願いするものであります。
○林(百)委員 これは佐々木君も言われるように、本日の本会議でわれわれ議員として遺憾の事態が起きたことは、これは認めます。それでおあいう問題に対して、われわれが國会議員としてはずかしくない処置をするためには、今のようなこうした状態では好ましくない。われわれも誠意を持つてこの問題については公平の処置をしたいということを念願しておる。だから一應こういう興奮した状態から冷静になつて、この問題を眞劍に國会の権威のために討論したい。幾ら早くてもいいから、これはあすやつたらどうかというんです。
○佐々木(秀)委員 ただいま林君からもお話がありましたが、私は重大であるから一刻も早くということを言つたのでありますが、しかしそういう皆さんの御意見であるならばこれは明日御審議を願うことにして、私の先の動議を撤回します。
○山手委員 今いろいろ御意見がありますが、私どもは民自党側と共産党側と両方を懲罰するという動議を出したゆえんのものは、まことに私は重大な問題でおると思う。この前も私は懲罰の動議が出たときに言つたのでありますが、こういう國会の品位を汚すような問題が、單にいいかげんに冷却してからということでうやむやになつてはいかぬ傍聽人も何百人も入つて見ている。ただ單に議席の数とかそういうふうなもので、これを解決するということでなしに、これの是非を決するものは客観的の國民であると思うが、その國民がこの國会をどういうふうに見ているかということを皆さんがお考えになつたらいいと思う。そうなるとわれわれが反省すべきものは決してあすとかあさつてということでなしに、即刻われわれは反省をしなければならぬと思う。
○椎熊委員 今の問題は共産党も原告であり、被告である。民自党も原告であり被告であるわけだが、その両者からきようは適当でないからあすにしようという意見も出ているから、一番冷静なのはわれわれで、(笑声)われわれはこれに何も関係がないですから、両方の関係者においてそういうふうに言われるならば、懲罰事犯などは最も愼重に取扱わねばならぬから、これは明日に延ばしていただきたい。
○石田(博)委員 被害者、加害者という議論はどちらが被害者であるか、加害者であるかは懲罰委員会で決する。そういう話はなしにして私たちとしては本來の純粋の建前から行くと、ここで懲罰動議が出た以上、その被懲罰者がはたしていかなる懲罰に値するかということは、すべて懲罰委員会できめられる。ここの委員会は一体その行為が懲罰にかけられるべきものであるかどうか。その行為自身がそう認定されるものかどうか。事実あつたものか、うそのものか、というと言葉はおかしいが、その行為の根拠について常識的な判断をするところであります。ところが私は実はその場に幸いにしてい合せませんでしたが、話に開きますと行われた行為というものは、何人も認めている行為なんだ。そうするとその行為は議論の余地はなく懲罰委員会に付すべき行為なんです。それを明日に延ばすということは、ほんとうならば私たちは議論の余地はないと思う。これはどういう懲罰に値するかということは、あしたでもあさつてでもいい、しかし懲罰委員会に付するということには、われわれの動議に反対せられる人はないと思う。そうなつて來るとそれほど明白なものを懲罰委員会に移しておいて、あとのことは冷静になつて懲罰委員会でやられるのが順当だと考える。しかしそれでも取扱つて参りますといろいろ議論が出て來ると思う。われわれ何よりも念願としますことは、日程をすみやかに上げてもらいたい、議事をすみやかに進行してもらいたい、それについて椎熊君や土井君その他から、この興奮状態にあるときに継続することは困るという御議論がありましたけれども、私どもの短かい経験、またそれこそ長い間議会を見て参りました経験からいつて、混乱が起つたあとでもう一ぺんその直後に混乱が繰返されることは絶対ない。ですからきようのような場合はぜひ本会議を開いてもらいたいと思います。
○土井委員 私の提案いたしましたのは、先ほどの懲罰事件を懲罰委員会に付するということについては異議はないので、今日御決定願つてもいいのであり申すけれども、懲罰委員会を今日開いでやるということは延ばしてもらいたい。それから本会議をこの余韻いまださめずという言葉の通り、興奮状態であるとは言えないが、全体的な関係がまだ高まつているときであるから、さらに懲罰に値するような行為が行われる危險な上としない。それは結局議会の権威の上において、さらにその権威を失墜するような結果になるのだから、本会議はこのまま散会していただいて、明日きようの議案を審議してもらうようにしてもらいたい、こういう提案である。だから懲罰委員会に付するということの御決定は今日なさつてもいい。
○大村委員長 しばらく速記をとめてください。
    〔速記中止〕
○大村委員長 六時半まで休憩いたします。
   午後大時十七分休憩
     ――――◇―――――
    午後九時二十五分開議
○大村委員長 休憩前に引続いて会議を開きます。
○石田(博)委員 懲罰動議の取扱い、あるいは本日の会議の開会について、しばしば議論が闘わされ、また各派の間にそれぞれ折衝を重ねて参つたことは、各位の御承知の通りであります。そこでその間の事情を勘案いたしまして、わが党としての立場を鮮明にし、わが党の意向を表示しておきたいと思います。なお動議はいずれ後ほど提出いたしますけれども、今私が申し上げますのは、わが党の今まで折衝を重ねて参りました結果に基くところの、結論的な態度であります。今後各派の態度の御表示をまつて、最終的な会議のとりきめ方をきめたいと存じます。私の方としては今日の会議運営についての態度は、本会議は休憩前に引続いてすみやかに開会をしてい先だくこと、開会をしたときの形は、淺沼君の質疑を継続せられるところで始められることというふうに私どもは解釈する。從つて本日問題にすべき懲罰動議その他については、そのあとにとりはからわれるのが至当であると考える。さらにそのあとで取扱わるべき懲罰動議は、本日の日程に上さずして、明日これを決定する。言いかえますならば本日はこれより会議を開きまして、残されている淺沼君の質疑を継続し、討論を行つて、上程されております今審議中の議題を解決するというところで、本日は残余の日程を明日に持越して散会をしてもらいたい。但し懲罰動議の取扱いについては、傍聽人その他のいる公開の席上で行われたことでありまして、これら事犯の取扱いは、おそらく天下の耳目が本院の権威のために集中しておるものであると解釈いたしますので、その取扱いについては議長より本会議において適当なる発言をしていただく。以上のとりはからいを本委員会において御決定を願いたいと存ずるのであります。これがわが党のただいままでの折衝の結果得た最終的決定であります。
○椎熊委員 私は先ほどの本会議の事態から見て、先刻当委員会で発言いたしましたのは、今日はこのまま一切本会議を開かずに、明日冷静なる態度をもつて本会議を開くべしとの主張をいたしました。その後民主自由党との交渉等もあつて、ぜひ目下質疑中の淺沼君の問題だけは解決したい。これにも相当な理由がありますので、しからば懲罰動議だけは明日にして願いたい。事いやしくも議員の身分に関する問題ですから、興奮中において論議することは適当でないという私どもの見解であります。從つて私は今石田君が言われたような運営の仕方は、非常に上手ないい取扱いだと思うのでわが党はこれに賛成いたします。
○土井委員 私は大体懲罰動議に対しましては、さきの議院運営委員会のときにも申し上げましたように、先議すべきであるという見解を有しているのであります。なぜかと言いまするならば、衆議院規則第二百三十六條においては、すみやかにこれを会議に付するということに相なつております。それで懲罰の内容いかんによるのでありますが、本日起りましたところのあの事態というものは、極端に考えまするならば、除名に値するようなものにも匹敵する場合もあり得ないとは考えられないのであります。これはもとより解釈のしようでありまして、私は特に重きをもつて処罰するということを希望はしておりませんが、解釈のいかんによつてはさようになるということも考えられる。從つて議員の懲罰の結果いかんということは、議院の構成に大きな変化が起るのであります。そういう面から考えましても、ます懲罰を先議すべきである。言いかえれば議院の構成を整備いたしまして、しかる後爾余の案件に対する審議を継続するということが、妥当でなければならない。在來の通例から言いまするならば、懲罰動議が出た場合には、ただちにこれを行つたのであります。ただその場合において発言中でありましても、ただちに懲罰動議が会議に付せられ、その懲罰動議の趣旨の説明などをやつておりますうちに、また懲罰動議が出る。中途でまた懲罰動議をやらなければいかぬ。そういうことが繰返されておりましたので、それでは議事の進行を妨害するような結果になるというので、その点を直すというような立場で、すみやかという言葉を使つたのでありまして、ひつきようするに懲罰動議が出た場合においては、その懲罰動議に対してさらに懲罰動議を出すというような、いたずらに議事を妨害するような行為は許されないことであるには相違ありませんが、懲罰動議がここに出て、しかも浅沼氏の質疑半ばにおいて起つた現象であります。この一つの具体的な現象を処理せずして、議案の審議に入るということは、必ずしも妥当でない。從つて第二百三十六條の解釈というものはすみやかでありますから、質疑半ばではあります。あるいは案件上程中でありますが、この問題を取上げて、議院の構成を整備して、しかる後案件の審議に入るということが妥当だと、かように解釈しておりますので、まず懲罰動議から先に議するべきであるということを主張する次第であります。
○椎熊委員 私は適法になされている発言は、いかなる方法によつても、それを中止することができないと思います。議長の職権によるか、その発言が不当であつて、その発言そのものに対する懲罰動議が出た場合ならば別でありますが、浅沼君の発言というものは適法になされておつて、不穏当の箇所も何もないのであります。今出ている懲罰動議は、それとは全然関係がないとは申されませんが、派生的な事案に基くものであつて、その派生的事実に基く懲罰動議が、浅沼君の発言を中途で妨害するというようなことは一許されないことであります。ただ本会議継続が不可能な状態におかれたために、やむなく休憩を宣しただけで、淺沼君の権利は明らかに留保されておるものであつて、本会議を開くならば浅沼君の発言から始めなければいけない。これがまとまつた後において、始めて議懲罰動議が取上げられるべきだと思います。
○石田(博)委員 議事進行についてちよつと発言をしたいと思います。この件については、法律上の解釈は、一應各派の意見を承れば足りるのであつて、すでに今までの交渉中で論議をし盡したのであります。今社会党の意見、民主党第十控室の意見を承つたので、順次各派の御意見の御発表を願つて、最終的な結論に到達したいと思います。
○土井委員 ただいま椎熊君は、淺沼君の発言の言葉が直接懲罰に値する問題でないから、それ自体は切り離して論議すべきであるというお説でありますが、要するに懲罰の動議ということは、発言者の問題に関連のあるなしにかかわらず、動議が提出されたという、これ自体を第二百三十六條の解釈の上においては先議すべきであるということが正しい。從來の慣例から行けば、懲罰動議というものは、ただちに解決すべきであるということが主張されておつた。そういう形において行われた。從つてこの問題を先議するということは、当然だと思うのであります。
○林(百)委員 私の方も先ほどから、この問題の檢討をしたわけです。これは新國会法以來、こういう事例もないために、非常に重要な問題だと思つて檢討したのですが、これは衆議院規則第百三十條によりますと、必ずしも前の発言者は発言を継続しなければならないということになつていないと思う。「継続することができる」ということになつている。從つてできるのであるから、この発言をするかしないかは、浅沼君の意思によると思う。そこで問題はその前に懲罰動議というものはすみやかにこれをしなければならぬ。昔の國会法ですと、ただちにという言葉を使つております。これはすみやかでも、ただちにでも、本質においてはかわりはないと思う。ことに國会の構成に関する問題であつて、これはどうしてもあらゆる案件に先議しなければならないと思います。そこでわれわれは好むと好まざるとにかかわらず、やはり懲罰動議を先議して、國会の構成を安定にし、この問題を処理してから、淺沼君の質疑が継続されると解釈しております。そういう意味でわれわれは懲罰動議を先議すべきものだと思います。
○坪川委員 この際われわれの党の態度を表明したいと思います。林君並びに土井君の意見は一應了承いたします。すなわち懲罰動議が提出されておりますけれども、この委員会においてただ受理した形であつて、まだ各党の態度も表明されておりません。私はこの際石田君並びに椎熊君が言われました通り、淺沼君が質疑を続行された形そのままにおいて開会を宣せられまして、その討論をやられんことを望みます。
○平川委員 ただいま第二百三十六條の條文を開いて、いろいろ言われたのであります。その点もありますが、休憩前にも申し上げましたように、私どもの主張は今日起りました事態が、社会、國民に及ぼす影響がきわめて重大であるという見地から、できるだけこれを早く懲罰委員会に付して、しかるのちに平静な状態において、今日の日程を進めて行きたい。多少なりともこれを進めた後において散会するのが、外からみましても一番いい、こういうふうにわれわれは考える。ただいま椎熊委員の言われましたように、冷静ならざる状態においてということは、爾余の法案を審議する場合に考えなければならない問題です。それはりくつにならない。どうしてもこの際懲罰動議を審議されまして、わずかでもいいですから日程に入つて散会せらんことをわれわれは主張する。
○浦口鉄男君 この事件が、淺沼氏の言論と直接あるいは間接に関連がないといたしましても、何としてもあの事態のままで淺沼氏の演説が続けられなかつたということは、事実であります。一應この結末をつけて、それから淺沼氏の演説を継続していただきたいと思います。
○岡田春夫君 労農党としましては、さつき土井君、林君のお話の通りであります。第百三十條の適用によつて、淺沼君の発言というものは、淺沼君の権限であります。これはあとにまわすことも当然できるわけである。懲罰動議の場合は、第二百三十六條によつてすみやかにという限定がついておりますので、どちらを取上げるかということを議院運営委員会で議することになつて参りますならば、すみやかにということがついておる懲罰動議を取上げるのが当然であります。坪川君のさつきの意見としては、今まで通りということになりますが、こうなつて参りますと、すみやかに会議に付するという、すみやかにということが生きて來ないわけでありまして、これは第百三十條との関連においてはつきり規定できるわけでありますから、運営委員会の取扱いは懲罰動議を審議すべきかどうかということを諮りたいと思います。
○佐々木(秀)委員 皆さんの意向はその通りです。間違つていないのです。第二百三十六條によつて懲罰の動議が提出されたときは、議長はすみやかにこれを会議に付さなければならないのです。しかし現在の場合においては、懲罰動議が提出されておるという、この考え方が間違いです。懲罰動議は提出されておりません。第二百三十六條は議長の行う権限であつて、この議院運営委員会の協議は、議長にあらずして、運営委員長がこれを処理しているのです。これが本会議に上程されたときに、初めて懲罰動議になるのです。
○石田(博)委員 今の佐々木君の法律上の解釈については、いろいろ議論もあることと考えます。そこで私どもはそういう解釈でなく、懲罰動議が出されて上程されるということでなく、椎熊君からさつき説明がありました考え方に基いて、淺沼君の質疑が続行せられるという考え方でやつていただきたい。
○土井委員 簡單に申し上げますが、ただいま佐々木君が懲罰動議が提出されておらないという解釈の上に立つて、論議が進められましたが、懲罰動議はすでに議長の手元に出されておる。その出されているものについて、委員会がこれをどう取扱うかということが問題になつている。それで第二百三十六條に該当することになる。いまだ提出されておらないということは、取消してもらいたい。
○大村委員長 佐々木君に申上げますが、あなたのお説はこの際一應御撤回になつたらいかがですか。
○佐々木(秀)委員 撤回します。
○林(百)委員 懲罰動議の扱い方について、すみやかにということに対する事務当局の意見も一應聞いて、それから、動議の取扱い方をきめたい。
○石田(博)委員 今林君その他から、事務当局の意見をこの際聞くと言われますけれども、参考意見として聞くならば、各派の意見が表示せられる前に参考意見として聞くべきであります。現在各派がそれぞれ衆議院規則に対する独自の意見を披瀝せられたのです。各派がそれぞれ確信を持つて、衆議院規則に対する解釈を披瀝せられたあとに、本委員会がその態度の決定について、事務当局の意見を聞くなどということは、私どもとして権威がないと思います。しかしながら衆議院規則第二百三十六條の解釈については、意見の相違があるようであります。そこで意見の相違をこれ以上繰返しておりましても、時間をとるばかりでありますので、この程度で意見の開陳は終りまして、その解釈について御採決を願いたいと思います。(「反対」と呼ぶ者あり)そこで私は動議を提出いたします。淺沼君が一身上の弁明で発言をしたいということでありますが、その発言は一身上の弁明に限つて許してもらいたい。
○淺沼委員 私が一身上の弁明を求めたいというのは、たまたま私の名前ばかり出て迷惑します。先ほど椎熊君から言われました通り、私の発言について問題が起きたのでなく、たまたま議場内における衝突めいた形ができて、こういう事件が起きたと思うのです。そこで私は議長に一身上の弁明を通じて、こういうことをお伺いしたいと思うのです。(「質問じやないか、一身上の弁明ではないじやないか」と呼ぶ者あり)私は議事の運営を円滑にしたいという観念から言うので、お聞き取り願いたい。私は問題をこう考える。議長の取扱いの問題が、こういうような紛糾を來たしていると思うのです。私は壇上からあの乱闘になつた空氣をじつと眺めておつたのであります。また私の質問に対して正誤表であるかないかということを確かめないで、議長は正誤表ということを言われたのであります。しかし私どもは正誤表というものを考えて見れば、文書になつてわれわれの箱の中に入るか、そうでなければ議長が一番先にその問題をこういうぐあいに訂正の要求があるからということを言われれば、問題はない。(「あなたの方は了解をしておる」と呼ぶ者あり)了解をしておるということでは済まない。土井君の方は話がついたということであるが、そういうことが根本になつて、神山君が交渉に行つたときに問題が起きたが、一言も静粛にという言葉も使つておりません。だれも注意ということになつておりません。從つて議長のとつた態度が問題を紛糾さしておる。それであなたの方で強硬にやるということになれば、議長の取扱いに対することも問題になる。それでいいということならば、私はそれでもよろしいと思う。(「おかしい」と呼ぶ者あり)おかしいということはない。それを先議してもらう。あらためて議題を出してそれを先議してもらう。
 そこで私は弁明もあるので、そういうことを申し上げるが、さつきからの話を聞いておれば、何でも押えつけて今日中にやつてしまおうとするじやないか。私はもう一つ議長に聞きたいのは、こういう空氣の中にあつて、議長は円満に私の発言を継続するような処理ができるかどうかということをお伺いしたい。
○石田(博)委員 ただいまの発言を委員長が許されましたのは、淺沼君の一身上の弁明というお言葉であつたからでその淺沼君から質疑が行われたり、新しい提案が行われたりすることについての発言は、委員長は許していないと解釈します。一身上の弁明は皆様が同様に愼んでお伺いをいたしました。ただおつしやいました内容については、すでに本委員会において淺沼君の御欠席中に、長時間にわたつて議論を重ねて済んでおります。さらに私どもは多数で押し切るなどというような態度をとりたくないために、皆さん方の御承知の通り、今まで約五時間にわたつて各派の間に折衝を努めて参つた。もしわれわれが多数をもつて押し通そうとするならば、こんなことはしない。五時間私は共産党、社会党、民主党、各派の間を数回にわたつて往復しました。特に社会党に対しては、回数を数えようがないくらい折衝した。その折衝をすす努力こそは、われわれの運営を円満にしたいという熱意以外の何ものでもない。数をもつて押し切るならば、そういう努力をする必要はない。その努力をして現在まで五時間にわたつた。この取扱いに対する両者の見解の相違は、五時間の努力にかかわらず、はなはだ遺憾ながら同一の結論を得るに至らなかつた。從つてこれ以上議論を重ねていることは、いたずらに時間を経過することになりますので、ここでこの問題の解釈について、すみやかに御採決の上、御決定を願いたいと思います。動議を提出します。
    〔発言する者多し〕
○大村委員長 石田君に発言を許しております。
○石田(博)委員 動議を提出いたします。この動議は衆議院規則第二百三十六條の規定もありますけれども、私どもは懲罰動議の取扱いは、現在淺沼君が発言中に議長が休憩を宣せられたのでありますので、その淺沼君の発言の処理を行つた後において、懲罰動議を取扱うのが、衆議院規則第二百三十六條の正しい解釈であると解釈いたします。從つて本日ここでただちに休憩前に引続いて、本会議を開いて、淺沼君の質疑を継続せられんことを希望します。それについて御採決を願います。
○大村委員長 採決いたします。(「動議の討論をしていない」と呼び、その他発言する者多し)ただいまの石田君の動議に賛成の方の挙手を願います。
    〔賛成者挙手〕
○大村委員長 多数であります。よつて動議は可決されました。
○幣原議長 本会議は十時十五分より開合いたします。
○大村委員長 これにて散会いたします。
    午後九時五十八分散会