第005回国会 建設委員会 第23号
昭和二十四年七月十二日(火曜日)
    午後一時四十九分開議
 出席委員
   委員長 淺利 三朗君
   理事 江崎 真澄君 理事 田中 角榮君
   理事 松井 豊吉君 理事 前田榮之助君
   理事 村瀬 宣親君 理事 池田 峯雄君
   理事 天野  久君
      今村 忠助君    宇田  恒君
      大西  弘君    瀬戸山三男君
      飛嶋  繁君    三池  信君
      宮原幸三郎君    増田 連也君
      笹森 順造君
 出席國務大臣
        國 務 大 臣 青木 孝義君
 委員外の出席者
        経済安定事務官 今泉 兼寛君
        経済安定事務官 白石 正雄君
        大蔵事務官   東條 猛猪君
        建 設 技 官 目黒 清雄君
        専  門  員 西畑 正倫君
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本日の会議に付した事件
 デラ台風災害対策に関する件
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○淺利委員長 これより会議を開きます。
 昨日に引続きデラ台風災害対策に関する点を中心議題とし、これに関連して災害復旧予算的措置等に関しての審議を進めたいと思います。本日は政府当局より経済安定本部長官及び建設局次長今泉兼寛君同じく公共事業課長白石正雄君がお見えになつております。大臣はお見えになつておりません。大蔵省よりは、大臣が司令部に行かれるので、政務次官の水田三喜男君、主計局次長の東條猛猪君がお見えになつております。また大蔵大臣も司令部からお帰りになり次第お見えになるということであります。安定本部長官がまだお見えになつておりませんが、幸い河川局長が、見えておりますから、河川局長に対して昨日の質問の残りのある方にこの際質問を許します。
○池田(峯)委員 九州地方の災害は、今後災害が起きた場合に予想される被害の莫大さというようなものをわれわれに想像させ、まことに戦慄させるのでありますが、全國で中小河川なども含めまして、どのくらい危険な箇所があるか。たとえばこの前に委員会で、大体今年の予算で、二百ミリの雨量には耐えられるが、それ以上になるとちよつとむずかしいというようなことを言われておりましたが、現在の状況において、二百ミリの雨が降ればもうだめだというふうな、そういう危険箇所、あるいは百ミリでもあぶないというような箇所を、河川局長の方で現在調べられておりましたならば、そういう箇所数、あるいは想像される被害といつたものについて御説明願いたいと思うのです。
 この間、東北地方を私観察して来ましたときに、実際これでは、きよう雨が降ればこれだけの災害が予想されるというような箇所がずいぶんあつたのであります。地元民は、それですから観察團に対して非常に熱心に陳情をしていたような次第でありまして、そういう箇所が全國でどのくらいあつて、どのくらい被害が今予想されるか、これを雨量との関係において御説明願いたいと思います。
○目黒説明員 御承知の通りに、日本の河川の改良の状況は、いまだ全体から申し上げまして、大河川でさえも四〇%以下というような状態であります。従つて現在、その他の中小河川あるいは大河川の未改修の河川というものは、相当多いのであります。それでこういうものは、原始河川のまま残されておりまするから、たとえば百ミリ程度においても氾濫する箇所が相当多いのであります。大体改修されました河川は、二百ミリあるいは三百ミリというような程度においても同じようでありまするが、未改修の原始河川におきましては、百ミリでもあぶないという河川が相当あります。もう一つは、災害復旧費は、御承知の通りに昨年、一昨年に起きました災害の跡始末もまだ三割程度きりできていない、あと七割が放置されているような形でありまするから、これが一日豪雨にあいますと、その所から氾濫するという箇所は相当多いわけであります。そこで、こういう現状でありますから、相当な工費をかけて改修しなければ、これを氾濫から防止することができないというのが現状でありまして、この前お話しました五箇年計画においては、三千億円かそこらの金を要するというのは、そういう現状から推して出て参つた金であります。
 さて、今度の災害につきまして申し上げますと、この前もお話しました通りに、雨量の点におきましては、二十年の災害よりは少ないのであります。二十年に九州地方を侵されたときの雨量から申し上げますと、今度の雨量は比較的少ないのでありまするが、災害費用は相当多いというのが事実であります。物價指数をかけて換算いたしましても、二十年災害よりも多く現われて参つております。これは單に各府縣からの報告を集計した数でありまするから、正確なことは現地査定結果でないと申し上げられませんが、一応そういう数字が現われているのでありまして、この形はどういうことかと申し上げますると、大体今度の災害は河川の中流以下においてはあまり氾濫をしておりません。上流地方に多く氾濫を見ております。この上流地方と申し上げまするのは、全然改修の進んでいない原始河川のままの形において残された所が氾濫しております。もともとこれは当然氾濫すべき形に置いてあつたのですから、当然でありまするが、これに加えまして、災害を多くした原因は、雨による山地の土砂の崩壊であります。御承知の通りに、山地が崩壊いたしますると、單に流れる水のみによつて起る被害よりも、土砂流となつて流れる被害が相当大きな破壊力を持つておりますので、このために災害を大きくしたというのが理由であります。そこでそれならば上流地方の河川をいかにするか、これを一滴も氾濫せしめないで、全部下流に持つて行くということが河川改修の根本計画にならなければならぬのでありまするが、これは相当研究を要する問題だと思うのであります。と申しまするのは、日本のような急流河川におきましては、山から流れます水をただちに海に全部持つて行くことになりますると、相当大きな河川敷を要することと、相当莫大な費用がかかるのであります。水のみでありますれば、比較的その処理は簡単でありまするが、さらにこれに土砂が加わり、石が加わつて参りますと、この構造は非常に困難を來しまして、結局山を治めて土砂の流出を防ぐ、いわゆる砂防工事の必要がそこに生まれて來ると思うのであります。もし砂防工事が相当行きわたつておりますれば、おそらく今度の災害はこれほどの被害を及ぼさなかつたとわれわれは想像しておるのであります。現に九州地方におきましても、砂防工事が行われている谷と、砂防工事のない谷におきましての被害は、非常に差があるのであります。こういうことでありまして、箇所的にはつきり、何ミリのときはどこということを申し上げられませんが、大体に形におきましては、上流地方の原始河川は常に氾濫を來すのが日本の形である。しかしながら、氾濫を來しても、そう被害を大きくしないためには、土砂の流れを防がねばならぬというのがわれわれの結論であります。
○淺利委員長 池田君、ただいま安定本部長官が見えられましたが、長官は時間を急いでおられますから、池田君の河川局長に対する質問はあとにまわしていただきたいと、かように思います。御了承願います。
 それでは経済安定本部長官が見えられましたから、対日援助見返り資金その他について御意見を承りたいと思います。但しこの際公式になりますると、詳細なことが伺えぬかもしれぬし、なるべくは腹蔵なくお話をしてもらいたいと存じますので、しばらくは速記をとどめて懇談的に承りたいと思いますが、いかがでしようか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○淺利委員長 それでは、そういうことにいたします。なお傍聴者の方、新聞記者の方も、その趣旨をくんで新聞等にはご発表のないようにお願いいたします。
    〔速記中止〕
○淺利委員長 それでは速記を始めて。
○江崎委員 ただいま懇談的にたいへん安本長官から詳細にわたる見返り資金の配分計画につきまして承ることを得まして満足に思つております。ただ問題は、大体事業本位のものから失業対策本位と申しまするか、百十五億ばかり公共事業方面に割譲を受け得る可能性がでて來た。この点も非常に喜ばしく思うのでありまするが、ただこの予算配分と申しまするか、ひとつの向うとの折衝過程にあたる、大体ただいま承りました金額というものは、今後動かしがたいものであるかどうか、これをひとつ承りたいと思います。もし動かし得るものであるとするならば、たとえば今度のデラ台風に限つたことではありません。アイオン台風、カザリン台風、それ以来のいろいろな災害に、わが國の特殊な地理的条件が見舞われておるというようなことから、特にこの災害対策に、この経費を割譲してもらうということはできないものであるかどうか、またそれに対して安本当局としていかなるお気持を持つておられるか、これは建設委員会として、我田引水の議論を並べるわけではないのでありまして、たとえばたまたま今度のデラ台風に見舞われた九州地方のごときは、非常に住民性と申しまするか、その通有性として、われわれ接して見まして、いかにも隠認持久のど合の強い住民性を持つております。そこで今日までもう再三再四の災害に見舞われたが、國庫補助はきわめて少い。けれども極力ひとつこれは自分たちの地元負担と申しまするか、地元の立てかえ工事によつて応急の災害復旧対策はして行きたいというので、非常に窮乏の地方財政ではありまするが、それぞれ農協協同組合からの融資などによつて、当面の解決をして來ておるというような現況であります。こういうときに今大きな災害に見舞われたのみならず、東北方面にしても、あるいは全國それぞれの方面においても、河川を中心として國土は荒廃その國に達しております。のみならず、もう日本國民の経済の現状では、これはにない切れないというときに、この見返り資金というものが、災害復旧に対して積極的に援助をしてやろうという構想のもとに使われるならば、これは事業本位にエロア資金が使われた以上の効果を発揮するのではなかろうか、こういうことを私どもは考えるのであります。たとえて申しますならば、もうにない切れないような状況だけれども、今度の災害によつて、どうしてもこの川に橋梁をかけなければならぬ。あるいは堤防を復旧しなければならぬというようなときに、そのエロア資金によつてこの堤防が強化されたり、あるいはまた橋梁がかけられたというようなことになつて、その橋梁はたとえば見返り資金によるものであるならば、リンカーン橋でもよかろうし、あるいはウエリントン橋でもよかろうし、そういうふうにして永久に援助の気持ちをその土地に刻みつけておくということならば、災害地の人たちも非常に見返り資金の効率と申しまするか。効果と申しまするか、その恩惠に浴しまして、感謝と同時に長くそのあたたかい気持ちを記念することにもなるのではなかろうかという気持がいたすのであります。こういう今日の実情を安本長官は休せられまして、そうしてこの百十五億のうち現在予定せられておるところのものが十五億程度ということでありまするが、どうかひとつこの災害地の実情を真に災害民の気持ちを気持ちとして折衝に当られる御熱意ありやいなや、この点ひとつ伺つてみたいと思います。大体三点に帰するのでありまするが、一応お急ぎのようでございまするから、この三つの点に対しまして承りたいと思います。
○青木國務大臣 江崎代議士の御質問でございますが、これは私どもが今やつておりますホール・ピクチュアー、この中の一体こういうものに使えるか使えないか、こういうことがなかなか解釈がむずかしいのでありまして、たとえばエード資金というものの使い方を投融資に向けるのであるけれども返つて來るものでなければならぬ。こういうことに限界を置きますると、なかなか災害対策費というようなものには融資ができないのだ、何らか別の方法を講じない限り、なかなかできにくいのだというようなことにもなると思いますが、しかしわれわれとしては、一応こういうわれわれの要求を先方へ持つて行つて、何とかしてこれを了解してもらいたいという熱意のもとに今当つておりますが、その点については、必ずしも私は確信がないのであります。ただ問題は、この間私はちようど定例会見日に先方に参つたのでありますが、その際に鹿児島の知事と宮崎縣の知事とを帯同いたしまして、そうしていろいろな写真だとか、あるいは災害の実情を説明してあるいろいろな資料を持つて参りまして、一緒にこれを説明をいたしまして、何とかひとつこの際これを救つてもらわなければならぬということで、必ずしもエードの資金のみにかかわらず、これについて十分の対策を講じなければならぬという意味で一緒に参りました。そうしていろいろと説明をいたしまして、その説明の材料は全部向うへ置いて、十分ひとつこれを見てもらいたい。それからなおGHQの方からも人を派して、そうしてよく現地を観察してもらいたいということを懇請いたしまして、そうして大体の了解を得て帰りました。さようなわけでありまして、われわれとしてはできるだけこの方面に努力をいたしている次第でございます。なお御承知の通り二十二億ほどのこれは政府としてはとりあえず見舞金というか、あるいは速急に工事等の進捗をはかつてもらいたい。回復をはかつてもらいたいという意味で、これを先方に出すということで、土曜日から昨日、本日もそうでありましたが、多分山口國務大臣が本日は出発されることであろうと思いますが、山口國務大臣以下各関係者のそれぞれ次官とか、あるいは局長さんとかいうような方々が、國務大臣とともに先方へ実地踏査に参ることになつておりますので、その際にも、先方へ行つたならばこういうことになつている。とりあえず見舞金を持つて來たというふうに言つて、速急に回復せしめなければならぬ箇所は、ひとつ大いにその仕事を急いでいただきたいというようなふうに持つて行くということできまつておりますので、そういう点にも、ともかくわれわれとしてはとりあえず努力いたしておるような次第でございます。そこで今江崎委員のおつしやいましたように、この資金の中から災害対策費なり、そのほかこれを動かし得るかどうかということでありますが。これは今のところ全体のホール・ピクチュアーというものは動かし得ないのだ。しかしこれを動かすにいたしましても、これを一応どれとどれとどれというふうにきめまして、こういうものはいけない。こういうものは出せないいうふうにはつきりきまつて來ると、おのずからこの中から脱落するものもありましようし、さらにこういうものならばよろしいというので、さらにこれがかえられ來るというようなものも起つて來ると思いますが、一応先方ではお前の方の考えたものを持つて來いというので、これについては数回閣議で相当もみまた私どもとしては、おそらく十数回やつたものをやめにしてしまつて、あちらからも御意見がある、こちらからも御批判があるというわけで、かえた結果それでは安本がやつてくれということになつて、今やつておるような次第でありますので、どうかそういう点については、右申し上げましたように御了承を願いたいと存じます。この資金が、ただちにこちらの思う通りに使えるものかどうかということに疑問があるわけでありまして、そのところは必ずしもそのようには行かないのじやないかというような解釈を私はいたしております。
○江崎委員 ただいま懇切なお答弁を得たのでありますが、要するに事業本位に、非常に効果のあがる方面への投入とか、あるいは失業対策への一環としての投入というようなこともあるわけですが、災害地救済の明瞭な事業というようなかつこうで、この災害地復旧というものを取上げることはできないかどうか。これはきわめて効果のあるのみならず、民心を一つの援助というものにつないで行く上からいきましても、非常にあたたかみがある、ちようど関係筋がララ物資を投入せられた、あときの國民の感情を見てもわかる通りであります。災害地を何とか援助資金によつて復興させて行くというような、具体的な構想を向うに折衝していただくようなことは不可能ですか、どうでしよう。それこそこれは相当あらゆる角度からいつても話になる問題である。またどうしても取上げていただかなければならぬ問題であると私ども考えるのでありますが、その点いかがでございましようか。
○青木國務大臣 私どもも対日援助見返り資金の使い方ということからいえば、今私が申し上げたように、必ずしもそれに自信がないということでありますが、それでなしに、たとえば今度の新しい予算に組み込むことができるとか、補正予算等によつて組み込むことができるかどうかという問題も残されておりますし、また現在のところでは、公共事業費なら公共事業費のわくのうちから使い得るものを先に使つておいて、それをあとから補正するというようなことができれば、いわゆる國民の苦しい中で支えている災害といつたようなものに、非常に大きな効果をもたらすことになると思いますので、これは私もここでこうすればこうなるといつたようなことを簡単に申し上げるわけには参りませんが、ともかくこれが絶対にできないものだというふうには、私も考えておりません。ただ問題は、この資金について、ドツジ・ラインに従つて解釈をいたしますと、どうもそういうところにはこの資金はまわつて行かないというような解釈をしている。けれどもそうかといつて、それだけに放置してはありませんので、かりにわずかではございますが、こういうものを取上げて、災害復旧費としてこれだけの資金を盛つてありますものが許されるということになれば、災害対策の現実の把握に対しては、当然それにこたえるような結果を得ることは、必ずしもむずかしい問題ではないという考え方も起つて來るのであります。そこで私としては、この資金についてはこういうことであれば、やはりどうも狭義に解せざる得ないような点がある。なおしかしわれわれは今折衝中でありますので、向うから回答を得たわけではないのですから、これはぜひとも認めてもらう。さらにこの中に学校建築といつたような項目もあります。これは言うまでもなく六・三制に関連を持つものであります。しかし名称としては学校建築というようになつておりますが、こういうことも向うが今度は大分かわつて來て、認めようということになれば、これは非常に簡単なことで、あとからもこれについては相当必要な費用を補正予算として出すこともできるというような糸口もできて來ることになるのではないか、そういうふうに解釈をいたしております。
○江崎委員 いろいろ承りましたが、要するに失業対策として公共事業関係に百十五億がまわされる可能性があるものならば、一面災害地の救済対策として、別に明瞭にその項目を見出していただいて、そして折衝をする余地があるような私気持がいたします。またそうしなければこれは何ともならない。このデラ台風は本年度のさきがけの台風でありまして、当然またこれからも引続いて來るものであるということを予測しなければなりません。とすれば、この災害地をどうするか、戦争によつて非常に荒廃したこの國土は、これも日本の手だけでは何ともならないところへ來ておるということは、大臣も十分御承知だと思います。これも真に関係方面が取上げてくれまして、日本國民に恩恵を施してくれるというならばこれはきわめて効率的な、一番りつぱな費用の使途であるというような気持ちがいたすのであります。われわれ委員会としても、この点真剣に考慮してみたいと思うのでありますが、大臣におかれましても失業対策としての費用計上が認められるものであるならば、災害地救済の明瞭な対策経費として、計上の努力をしていただきたいということを要望いたしまして、お急ぎのようでありますから、私の質問を終ります。
○村瀬委員 失業対策並びに災害復旧は実に急を要するのでありまして、今お話になりました百億または百十五億というような問題は、ただちにそこに資金が出て参らねばならないのであります。そこで第一に安本長官にお伺いしたいと思うのでありますが、千四百十億というこの見返り資金は、品物としては來ておるかも知れませんが、これを資金の面から申しますと、國民から吸い上げて――吸い上げるという言葉が悪ければ、これを賣つて資金化されたものが初めて利用し、放出され得ると思うのであります。私は、この見返り資金を実際に予算的措置のごとく使い得る資金計画、資金繰りというものはどういうふうになつておるのでありますか、その点をまず第一にお伺いしたいのであります。
 第二点といたしましては、先ほど千四百十億ほどの中に六百二十五億円は復金債その他の國債の買上に使用することにきまつておる。実際の回収は七十億円ほどであり、あるいはまた事実回収したものは二十七億しかないというようなお話もありましたが、かくして復金に回収されます資金を何とか還付と言いますか、一つの限度といたしまして、そこに地方起債等を許される御方針が成り立つかどうか。こういう質問をいたしますのは、かつて終戦後の金融措置におきまして、地方の農業会等へ臨時措置として出されました分に、現に貸し付けてある金が返つて來た限度においては自由に貸してよい。あの一人五百円以上は郵便貯金も拂出しをしないというような厳重な金融措置をとつたときにおきましても、農業会等で貸し付けておつた金が返つた限度においては自由に貸してよいという措置がとられた事例があるのであります。そういう観点からいたしますならば、ここに大きく言えば六百二十五億円、小さく言いましても七十五億円という回収があるのでありますから、その限度を区切りまして、関係筋の方へと何とか折衝の余地があるのかないのか、また折衝されるようなお考えがあるかどうかということを第二点としてお伺いいたしたいのであります。
 第三点見返り資金全体の根本問題でありますが、千七百五十億と最初言つておりましたが今、千四百十億になつておりますが、一体この資金は、一口に申しますならばくれたものであるかどうか、これを伺いたいのであります。インベストメント・オンリー、いわゆる投融資に限るということは、あとに何かひもがついておるのであるかどうか、はつきり日本救済のためにくれたものであるかどうか。この点をお伺いいたします。
○青木國務大臣 第一点でございますが、これはすでに第一・四半期、すなわち四月、五月、六月、この分は百億、資金が大体貿易会計の黒字の方から、エイドの黒の方のまわつておる、こういうことでございます。あとの第二・四半期の問題でありますがこれももう七月に入りましたので、この七月末には相当に入つて來るものと予想いたしております。大体百億の方はまだアプルーパルはいただいておりませんけれども、これは大体近く決定して、実際にこれが出て來るということになると考えております。ともかく第一・四半期、第二・四半期、第三・四半期、第四・四半期というように、四半期ごとにわけまして、千四百億というものが入つて來るのでありまして、それを順次使つて行くという割当をつくつておるわけなのであります。さようにひとつ御了承を願いたいのであります。
 それからこの資金のことにつきまして――最後の方からお答えいたしますが、これは日本國民に一応與えられたものだという解釈をわれわれはいたしておりますが、ただ問題はドツジ・ラインに基きますところのこの金の使い方、この問題が先ほども申し上げましたように、前には一体どれだけ入つてどういうふうに使われて、それでどんなふうに活用できたかというようなことが不明瞭であつた。そこで日本はまさに竹馬経済であるし、日本國民の経済力だけでは生きて行かれないのだ。そこにエイド資金というものの重要性があり、片一方の足である。だからこの片一方の足を、日本の復興再建のために十分効果的に使わなければならぬという責任を負わされておりまするので、これがかりにもらつたものであり、われわれのものであると言つても、その使い方については、相当な監視の目をもつて見られることだけは免れないのではないかというふうに私どもは考えておりますし、またそういう意味で日本政府がやるのであるけれども、これはほんとうに有効に使つてもらわなければならぬ。今までのように、どこに使つてどこに入るのだかわからぬというようなことは、ドツジさんが來られてのわが國の均樹予算等をめぐりまして、明瞭にされておると思いますから、これ以上は申し上げませんけれども、そういうふうに考えて行かなければならぬのではないかと思つております。
 それからもう一つの点については、わが國に向うから物その他で輸入されますが、それが國内で賣られてそして國民がこれを買い受けた部分だけは貿易会計の黒字の中に入つて來るわけであります。その中に入つて來たものが、さらにこの見返り勘定の中に入つて來る、こういうことになりますから、向うから入つて來たものがそれではどれだけで、そのうちのどれだけが確実にこうなつておるということが、実を言うとまだ明瞭ではないのであります。この点は数字でこの前に要求されたこともありますが、われわれの所では、どうもはつきりいたしません。これは從來の貿易廳では明瞭かもしれませんけれども、私の方ではその点ははつきりいたしておりません。そういうわけでありますから、一応入つて來た、それが國民に賣られる。その買われたものがどれだけ入つて來て、何月幾ら、何月幾らということは私の方にはわからない。これははなはだ残念なことではありますが、多分貿易廳の方ではわかつていると思いますけれども、どこにも発表されておりません。そういうわけですから、その辺で御了承願いたいと思います。
○村瀬委員 ごく簡単に第一・四半期で百億というものが現にここに資金化されておるということは伺つたのでありますが、第二・四半期で幾ら、第三・四半期で幾らというようなことが、大体目安が立つておりますならば伺いたいと思うのであります。これは非常に大事なことでありまして、かりに電力百四十五億、鉄道電化に十五億と言いましても、いつごろこれがそういうふうに使えるのか、第四・四半期、來年度に入つてからやれるのだというようなことは、将來の計画にこれがこの通り認められて実施することになりましても、この資金化される時期が非常に大事なのでありまして、これを伺いたい。
 それから前に申したのでありますが、六百二十五億を復金債を買う、あるいは七十億が回収されるというその限度を一つの境いといたしまして、あるいは地方起債等のわくを広げるというようなことをお考えになつておらないかどうかという点をお伺いいたしたいと思います。
○青木國務大臣 お答えいたします。大体その第一・四半期の百億というものは、ほとんど確定的になつております。第二・四半期には、今百二、三十億と聞いておりますが、それくらいはたちまちまわつて來るものだと聞いておりますが、まだ確実ではございません。そんなふうに私は聞いておりますが、これは聞いている程度でありまして、まだはつきりしたというわけではありません。大体そんなふうに一応私は承知いたしております。それから第三・四半期、第四・四半期は、これはそこへだんだん入つて來るのに応じてということになりましようから、一ぺんに予定通りにきちつと入つて來るものか、これからは予定通りに入つて來るものかということになりますと、これもまだはつきり申し上げられません。そういうことであります。なお今の六百二十五億についての地方債とか復金債の問題については、事務当局からちよつと説明してもらいます。
○今泉説明員 ただいま復金債等に六百二十五億をエイドの方から償還した場合に、それを引当てとして地方債のわく等を広げることができないものかどうかという御質問であつたかと思いますが、この問題は非常に重要な問題でございまして、一応大蔵省その他とも検討はいたしておりまするが、これだけ借金が返つたから、地方債のわくをそれに見合うだけ発行してもよろしいということにつきましては、慎重に検討を要する。また日本側だけでどうこうできる問題でもございませんので、今日これに対してはつきりした御答弁は申し上げられませんが、研究問題として、安本なり大蔵省の方で検討して参りたいと思つております。
○池田(峯)委員 今の安本長官の説明ですが、私はむしろ今安本長官が言われた資金の配分は甘い考えである。もつとも安本長官も非常に困難だというふうに言われておりますけれども、実際に最近はそういつたようなことではいかぬ。大体産業資金には三百億ぐらいを限度としてまわして、電力で百億、石炭で八十億、鉄鋼で四十億、造船で三十億、その他で五十億、大体三百億くらいにして、あとはやはり公債の償還の方にまわしてというような、相当有力な意見が出ておるということを聞いたのですが、その点について第一にお伺いしたい。
 もう一つは、そういうふうにして復金債の償還ないし公債の償還に充てられる資金を、オープン・マーケット・オペレーションといいますか、これでもつて中央銀行が地方銀行と操作をやりまして、そうしてその産業に市中銀行なりあるいは中央銀行なりが貸しつける場合には、並列的な産業別ではなくして、個々の会社別、個々の企業別に向うが監督をしてやるのだ、こういうようなことを聞いておるのでありますが、そうなりますと、この見返り資金勘定というものを、学校とか道路とか、そういつたようなものにまわすということは、もうまつたくできない状態になつているのではないか。この点を私はお聞きしたいのであります。すなわちこれを一般的問題として私は考察いたすのでありますが、植民地的な金融支配のやり方というもの――これは一般的な問題として言うのでありますが、必ず外國資本がその國の銀行を支配して、そしてその銀行を通じてあの産業はつぶせ、この産業は残せというふうにやつて行くのではないか。これは一般的な問題でありまして、どうしてもそれに近いような傾向が出ているように私は思うのであります。特に日銀における政策委員会、クレジット・コントロール・ボードというようなものががつちりしておりまして、一々これの監督を受けて、そしてあの企業に、この企業にということになりますと、これはむしろ現在の政府がやつております集中生産に拍車をかけることであつて、決して私は日本の経済復興というようなものにはならないのだというふうに考える。むしろ全面的な中小産業の崩壊をももたらす以外の何ものでもない。政府の考え方はまことに甘いものだというふうに私は考えるのでありますが、そういう点について安本長官の御意見をお伺いしたいと思います。
○青木國務大臣 第一点でありますが、これは最初われわれが一応計画を立てまして、そうして先方とも話してみたときには、大体百六十数億というものを予備、いわゆる留保としておいて、あとの三百億か三百五十億か、ともかくそれぐらいなものをひとつ産業融資に持つて行つたらと、こういう話でありました。しかしそれではわれわれは非常に困る、何とかひとつこれは窓を広く開いてもらつて、こういうふうなものに産業資金をまわしてもらうにしてもらわなければということから、そうか、そういうことなら、われわれの方としてはどうきまるのか今のところはつきりわからぬけれども、よかろう、お前の方で持つて來い、こういうことでありましたので、そういうふうにしてわれわれは持つて行つたのであります。それでありますから、それがどう決定されるということは未知数であるけれども、決して私どもは甘い考えをもつてそうしたのではないので、われわれの切実な要求をここに具体化した、こういうことにほかなりません。さようその点はひとつ御了承願います。決して甘い考えで持つて行つたわけでもなければ、またもし持つて行つたわれわれの考え方が全然間違つておつて、取扱いできないものならば、先方で受取るわけもございませんから、それはそういうわけではないので、やはり向うでもこれについては相当考えてくれるゆとりがあるということで、持つて行つておるわけであります。さよう御了承を願いたいと思います。
 なおただいまのポリシー・ボードといいますか、クレジット・コントロール・ボードといいますか、そういうものの名前でありますが、たとえば信用統制委員会というか、そういうものか、それともただわれわれの言つておるいわゆるポリシー・ボード、こういうものがどんな活動をするかということは、新聞等にも大体示されておりまして、ほとんど寧日なく今努力をしておるようであります。われわれもそのメンバーの一人になつておるのであります。そこでこれが六百二十五億をどういうふうに使うか、あるいはオープン・マーケット・オペレーションというような方法で、市場操作をじようずにやつて行くというようなことももちろん考えられておるのでありますが、ただ問題はこういうことなんでございます、資金が一応市中銀行、町の銀行に充実するだろう、そこでその資金がわれわれの希望通りに、設備資金であるとか長期資金というようなものにまわるかどうか、こういうことになりますと、それはやはり銀行の自主性というものが尊重されることになつて來れば、まかして、銀行の意思に從つてこれを貸し出すということになりますと、どうも長期の資金というものはまわりにくいのではないか、こういうことはわれわれも初めから考えておるところであります。しかしわれわれとしては、その設備資金の方面についてもひとつ考えなければならぬというので、大蔵当局も現に大蔵省預金部の資金等を、その方面に何とか活用することによつて、ともかくもこの方面の相当長期の資金を充たすというようなことを考えておりますし、ただあれだけが單に市場操作をやるというだけにとどまるわけではないのであります。なおその資金繰りにつきましても、つなぎ資金等の問題も考えておりますし、また全般的にそれぞれの産業には、必ずしも集中生産方式に片寄つて、そうしてつぶれるやつはつぶれてしまえ、こういつた考え方をもつて臨んでおるのではございません。さようでありますから、今後の、われわれが望んでおつたディス・インフレの線がどの程度に維持されるか、経済の波がどの程度に維持されるかというような問題については、海外の状況なり、現在日本の購買力の多少低下しておる、あるいは実質賃金に対して、あるいは生産の過程に対して、どういう状況にあるかというようなことをもにらみ合せまして、今後の金融対策を、全般的にできるだけ公平に考えて参りたいというのが、われわれの考え方であります。
○前田(榮)委員 私はちよつとお尋ね申し上げておきたいのですが、今安本長官の御答弁の中に、この見返り資金の資金化の問題で、第一・四半期は百億、第二・四半期は百二、三十億とおしやつたのでございますが、そうすると合計いたしまして二百五十億に足らない金でございますが、千四百億といたしましてもあとに残るものが一千百五、六十億という数字になりますが、すでに半歳にしてこういう数字が出て來まして、あとに残るところの半年間に大部分が残り、はたして資金化されてこれが産業のために利用されるような状態になるかどうかということについては、今の御説明では非常に納得が行きにくいのですが、その見通しと御調査ができておるかどうか、またその計画は安本としてどうお考えになつておるか、この点ひとつ御説明を願いたいと思います。
○青木國務大臣 御質問ごもつともでございます。先ほど冒頭の方で申し上げましたように、このエイド資金は元來アメリカにおきましては七月一日から新会計が始まるのでありまして、それまでそれが來ませんと、はつきり向うでは数字がきまらないということを申し上げました。そういうことでわが國の予算制度から申しますと、これは年度から申しますれば明らかに四月から始まつておりますので、そこに相当ズレがあるということは、もう私どもとしてはやむを得ない。しかし今第一・四半期に百億、第二・四半期には百三十億とこう申し上げたのは、この百二十億ぐらいが、私の申しておるのは相当あやふやなところがありますけれども、順次そのその袋のところに入つて來るような体勢に今ある、こういうのでありますから、これは次々と今きまつて來ますれば第一・四半期、第二・四半期、第三・四半期、第四・半期に多少はズレるかもしれませんけれども、順次その袋の中に入つて來る、こういうふうになつて來ることは間違いない。ただそこで多少のズレがあるということについて時間的にどうかと言われれば、私もはつきりは申しあげられませんけれども、順次使つていくように次々と入つて來るというふうに私は了解をいたしておる次第であります。
○前田(榮)委員 そういたしますと、アメリカの年度と日本の年度と多少の時間のズレで、ただいまおつしやつたようになることは納得が行くわけでございますが、あまりに金額の相違があるために非常な不安を持つているわけでございますが、日本の年度の第一・四半期までにはアメリカの年度の第四・四半期は終らないのであつて、從つて日本の年度の上から言つて見返り資金の全額というものが有効に使われるような状態になるということは、あるいは時間のズレや年度の相違の点からできないことが起るかもわからぬという想像がつくわけなんですが、そう解釈してよろしゆうございましようか。
○青木國務大臣 これは御承知の通り、貿易とか輸入の方面では、必ずしも何月からこれだけ切つて、それから新年度からこういうふうにというふうに区切つて輸入をしておるわけではないので、次々と輸入はされておりますが、それが資金化されて來るまでにいろいろ時間的なズレが生じておるのでありますから、これからまだ第四・四半期に急激によけいに入つて來るということでその資金化される面も多くとつて來るということも考えられるので、それが平均的に毎月きちんと來ておらない、そこに御疑問もあり、私どももそこでもつと早く入つて來て、もつと早く使えたらいいだろう、こういうことを考えておるわけであります。だから全体としては時間的にズレて行きますけれども、予定の額は順次入つて來る、こういうことだと自分は解釈いたしておる次第でございます。
○池田(峯)委員 今の安本長官の話だと、向うがドルを日本に貸してくれる、そうするとすぐこれは円になるのですか。そういうわけではないでしよう。
○青木國務大臣 そうじやないのです。
○池田(峯)委員 円とドルとは実際は関係がないのですから、結局向うがドルを貸してくれて、そうしてそのドルで向うの商品を買つて、これをこちらへ持つて來て、こちらから出した輸入勘定や何かと相殺勘定をやつて、そこで黒字が出て來るのでしよう。ですから輸入と輸出との差額から結局そういう黒字が出て來るのであつて、実際は千四百億円という円になる場合には國民の税金が相当含まれることになると思うのです。たとえば輸入補助金を八百三十三億円出しておるし、そのほかに貿易出資金や何かで四百億円出しておるから、千二百三十億くらいは國民の税金の中から出るのです。ここにまた、実際勘定とドル勘定が離れておりますために、國民の負担で見返り勘定というものが生き出されておるということです。これはやはりわれわれ深く考えて見なければいかぬと思うので、そういう点についてひとつ説明してもらいましよう。
○青木國務大臣 もちろん國内で消費する物資につきましては、そういうような税の関係とか、その他の関係が考えられることになり、いろいろなファクターがあると存じます。しかし向うから入つて來ると一応きまつた三億九千万ドルなら三億九千万ドルの物資なり金というものは、ともかくこちらへ入つて來るのですから、必ずしもそれが向うのために搾取されておるとか何とかいうような解釈は当らないと考えておる次第であります。
○池田(峯)委員 そうじやないのです。向うから入つた金ですべて向うの商品を買うのでしよう。そしてその商品を國内で円にかえなければ円というものが出て來ないのです。だから向うの商品を買う場合には、大蔵省の主計局の方から出ておる予算の説明書にも、裏の方に載つておも通り、日本の国内のものと比べて相当高いのです。だから輸入補助金をやつて安く配給しており、食糧だつて四百億円の補助金をこさえておる。だから結局千四百億という金は、國民の税金が大部分含まれておるのだということです。
○東條説明員 貿易特別会計のないようのことが御質問の要点かと心得ますので、申し上げたいと思います。仰せのように見返り資金の投資の基礎になるところの資金の源泉は、貿易特別会計の歳入と歳出の違いと申しますか、歳出の中に組んでございますから、厳格な意味におきましては、歳入歳出の差額ということは当りませんが、入つて來るのであります。差額が千七百五十億くらいという点はお話の通りであります。そしてまた歳入の中に、一般会計から繰入れの四百億が上つておるということも、これまたお話の通りでございます。從いまして、その四百億円の基礎は國民の税金じやないか、こういうお話の御趣旨でございますれば、なるほど金に糸目はございませんから、その四百億はどこにまわつておるかというむずかしい話は別にいたしますれば千七百五十億円の一部には國民の税金が入つておるということはお話の通り申せるわけであります。
 またお話のように千七百五十億円の生じますおもな違いは、結局輸入物資の國内におきます賣拂い價格と、輸出物資に関します買取の價格、これの違いであります。こまかしいことを申し上げればいろいろ違いますが、大ざつぱにそういうわけであります。それで今のお話は、輸入物資を高く賣つておるから、いわば國民の税金のかわつたようなものじやないか、こういう仰せでありますが、輸入價格差補給金が出ておりまして、一般國民の消費に向けられます物資は、裏から申しますれば、比較的安く賣られておるわけであります。從いまして、私は御質問のうち、貿易会計のの中の四百億については、國民の税金のようなものじやないか、こういうお話につきましては、御意見の通りかと心得ますが、あとの点につきましては、今申し上げましたように、必ずしも國民の税金とは直接のつながりがないというふうに心得ております。
○池田(峯)委員 向うから入つて來るのが高いのです。日本の國内産のものに比べると小麦だつて石炭だつて物すごく高いのです。だからその高いのを國民の税金で安くして配給しておるのですから、今の八百三十三億だつて実際から言うと、これは海の中に捨てるみたいな金だと言わざるを得ない。だからここで不当價貿易ということが当然問題になる。日本の國内の値段と向うのドルの値段と全然つり合いがとれていないものがあるのです。そういうことから輸入補給金や何か出して、実際は黒字が出ないのを、むりにこしらえ上げているようなのが見返り資金勘定だと言わざるを得ない。小麦だつて向うの方が日本の國内のものより高い。それを輸入補給金で安く直している。だとすれば、結局八百三十三億というやつが見返り勘定の中に入つてくると言わなければならぬ。
○青木國務大臣 ちよつとお答をしておきます。
 私もおつしやることはよくわかります。物が高い。たとえば船賃が高い。向うの物資が日本の商品に比べて高い。こういうことは一般的には確かに言い得ることであります。しかしこれは貿易上から言つても、たとえば日本の貿易はめくら貿易でございますから非常に不利である。そういうような意味におきまして、一般的にはそういうことが言い得るのでありますが、何しろ日本に物資が足りない。資源が足りない。そういう意味で、足りない部分を向うから補給してもらうのだという観念の上に立つて、われわれはこのエードの資金をありがたく頂戴いたしておるわけでありまして、これがなかりせば日本の経済はどうなるかというような観点から、いまおつしやつたよないろいろこまかい御意見も、まことにごもつともな点が多々あると存じますけれども、われわれはこれを適正に使つて行こうというような意味で、せつかく努力をいたしておるわけであります。おつしやることは私も一応了解ができるのであります。物が高いが、それではどれだけの割合でどう高く、日本の商品とどういうふうな差があるかというような問題も、計算すれば出ないこともないかもしれません。しかしそれはやはり限界價値と申しますか、そういう意味である一点が足りなければ――九割まで充されているけれども、ある一割がないためにわれわれの生活が非常に脅かされる。こういう場には、その一割に対して高い價格を認めざるを得ないというようなことも考えましてこの点われわれはそういうふうに了解いたしておる次第でございます。
○瀬戸山委員 本日の委員会は、大体見返り資金という言いますか、緊急なる災害対策費にどのくらいまわしていただけるのかというのが本筋であるので政策の問題は別の機会に論じていただきたいというのが私の希望であります。
 先ほどの安本長官の説明で、エード資金は大体効果のあがるようなものに出すのが根本のねらいであるということはわかりましたが、災害復旧とか災害対策というものは、さような意味において効果的のものであるかないか、安本長官はいかにお考えになつているかという点をひとつお尋ねいたします。それと同時に、これは非常に御苦心の結果であるらしいのでありますが、この十五億の金の中に、今回のデラ台風を含めておられるかどうかという点をお伺いいたしたいと思います。デラ台風の今日までの各縣の報告は、再調査をいたして明確な金額を表わすということでありますが、今日までのところ百二十四億ということになつているのであります。そのほか昭和二十二年から三年までの災害復旧はまだ数十億残つており、それに十五億を予定されておりますが、これは今日までの災害に対する手当てとされるのか。たとえば今回のデラ台風に対する緊急対策の意味も含まれているのかどうか、お尋ねいたしたいのであります。それからこの十五億というのは出るか出ないか今明確でないというのでありますが、出ることになるといたしますれば、過般政府の方で緊急対策として一応決定されておりますところの、例の十億円の繰上げ支出と、さらに十億の貯金部資金の流し出し、これを全然別であるかどうかということをお尋ねいたしたいと思います。
○青木國務大臣 お答申し上げます。災害対策につきましては先ほども申し上げましたように、二十数億というものを予定いたしておりますが、これで足りるとは政府は決して考えておりません。これはつりき申し上げておく次第であります。なお簡単でございますが、この十五億は決して今予定されております二十数億の中には関係ございません。個別に考えておる次第であります。
○瀬戸山委員 今十五億と言われましたが、この十五億のうちに今回デラ台風を考えて案を立てられておるかどうかという点はいかがですか。
○青木國務大臣 本見返り資金の中へのわれわれの希望は、このデラ台風の災害に対しては少しも考えておりません。別個であります。
○瀬戸山委員 繰返さぬよういたしますが、先ほど江崎委員から強力に主張されましたのは、政府の根本的な対策が、たとえば今回のデラ台風にいたしましても百二千四億以上となつておるということであります。今日まで昭和二十二年から二十三年まで残つておりますところの既存の復旧費でも、まだ数十億残つておる。年々数十億、数十億というようなものを水に流すということは、緊急対策としてきわめて政策の貧困を憂うるものであります。そういう意味におきまして、せつかく十五億というようなきわめて僅少なるものを案出されました御苦心のほどはわかるのでありますが、政府の根本的なる治山治水の施策も、一応口では申されておりますけれども、もう少し効果的な方策をしていただきたい。年々水害のために非常なる苦心をいたしておる各地方の住民のありさまを見ますれば、何とか現在のような貧困なる経済状態もしくは財政状態においても、もうすこし重点をここに置いていただくということが必要である。先ほど効果的と申されましたが、これに砂防を築いてただちに明日から大きなる利潤を得るなどということは、もちろんこれは期待せられないのでありますけれども、間接なる効果がここに表われるのではないか、かのように考えますので、これは希望として別にお答をいただくのではないのでありますけれども、さようなお考えをもつて、ひとつ強力に政策を進めていただきたいということを、私は希望として申し上げておきます。
○淺利委員長 それでは大蔵省から主計局次長が見えております。まだ政務次官は見えておりません。建設局の今泉次長はみえております。これらの方方がおられますから質疑を続行いたします。
 大蔵省の方でこのデラ台風に関する予算措置の問題あるいはまた近く臨時国会でも開かれる場合における、この災害復旧費の予算措置の見通しというふうなことについて、何か御意見を承ればけつこうと思います。
○東條説明員 たいへん遅参して参りまして申訳ございません。今委員長からお話のございましたような問題につきましては、ただいままで安定本部の方からいろいろ御答弁あつたと思います。私ども公共事業費、特に災害関係の復旧費の問題につきましては、安定本部、特に建設局の方と主計局の方とは緊密な連絡のもとに、一体的になつて仕事を取運んでおります。國内的にはもちろん、対司令部関係におきましても、両者は二つの役所と申しますよりは、一つの役所というような観点でいろいろ相談もいたしまして、できるだけのことをいたしておるような次第であります。ただいままでに建設局側からいろいろ御答弁のあつたことと推察いたすのでありますが、それらのことは、とりも直さず主計局といたしまして相談の上でいたしたいことがありまして、建計局側からお答申し上げました以上には、特に追加して申し上げることもないと思いますので、特に御質問等がございますれば、お答え申し上げますが、重視いたしましても恐縮でございますし、その辺のところで御了承願いたいと思います。
○村瀬委員 河川局長に伺いますが、デラ台風は百二十四億とされております。それでとりあえず二十億の臨時措置をされ今までに二度ありました台風の総被害――とりあえずあのときにいろいろやり繰りをして処置いたしましたが、その支出した金額等がもしわかりますれば伺いたい。
○目黒説明員 今まではこういう応急的な措置を講じたことはなかつたのであります。大体において昨年六十億の追加をやりましたが、あのときは予算措置を講じてしかる後に出したわけで、今のように応急に、まだ予算措置も講じないで、繰上げ施行という形におてやつたのは、今度が特例であります。特にデラ台風は九月の出水を控えての災害でありまして九月までにある程度の復旧をいたさなければ、災害をさらに拡大するという特殊な状態がありますので、今回は特別のはからいをしていただいたのであります。普通でありますれば九月の災害ならば来年の出水までという時間的な余裕がありますので、予算折衝がいろいろ長引いても実際は困らないのでありまして、こういう場合は今までなかつたのであります。大体昨年は御承知の通り三百二十億です。それに対して六十億の補助を出したのであります。予算補正をやつてから出したのであります。今年は百二十数億という約三分の一ということになりますが、この計算は……
○前田(榮)委員 私は大蔵当局にお尋ね申し上げておきたいのであります。これはむしろ大臣から聞くのが適当だとも思いますが、この際害復旧費の増額につきましては、國民ひとしく希望し、各政党もこんな僅少なる災害復旧費では実に不安の念にかられておるわけであります。ところが今政府の計画されておる第一に実現を見ておる点は、十億の公共事業費の災害復旧費以外のものを十億使う、それから十億は預金部から自由に使うということでありますが、もちろんこれだけでは足りないから、今安本長官がおつしやつたように、いろいろ内閣の方で御苦心になつておるようでありますが、そういたしまするとわれわれが心配いたしておるのは災害復旧費をもつと増額するように、あらゆる方面から要求いたしたいと思いますが、ただその際において、政府は政府は均等予算が崩れるおそれがある点が私はあるのじやないか、そういうことからそれは適当なる財源がないからというようなことでこれを糊塗されるおそれが多分に私はあると思いますし、もちろん財源があるなら政府ももつと災害復旧費を出されるのだと思う。そこに日本の國家経済に非常な困難な事情があるわけでございますが、この公共事業費の十億を使つたあとどうするかという具体的な問題も問題でありますが、それよりも私ここでお尋ね申し上げておきたいのは、日本の歳入の中の税収入に、水ぶくれ予算と言いますか、從來年度末には相当な金が実情あつたわけでございますが、そういうものが見込まれるのじやないかと思いますが、その点が第一点、それからどうしても歳入歳出の均衡が保たれないということにはなりませぬかという、将來の見通しについてひとつ御意見をお伺いしたいと思います。
○東條説明員 仰せの通り、ただいま仰せの点は財政政策の根本に関する非常に重要な問題でございまして、大臣あるいは次官等からお答え申し上げるべきでありますが、やむを得ない事情がありまして私代わりまして答弁申し上げるようなことになりますが、二四年度の予算につきましても、特に租税収入において若干のゆとりがありはせぬか今までの二十三年度までの決算ないし実績に鑑みると、いつも増収が出ておるのではないかというお尋ねのようでありますが、仰せのように昭和二十三年度におきましても、國民の皆様方の非常ならぬ御協力によりまして、租税収入が予算に見込まれておりまする以上に相当の増収を得たということは事実でございます。しからば昭和二十四年度の租税収入は、やはり同様の余裕を見込んでおるかどうか、裏から見れば、実行の途中におきまして、予算以上に実収をあげるであろうかという点でありますが、昭和二十四年度の予算は、ただいまお話のございましたような文字通りの均衡財政という観点から、歳入につきましても租税収入を相当詳細に検討を遂げまして、またこれにつきましては、関係方面の非常に強力な指導もあつたのでありますが、私は租税収入につきましては相当ぎりぎりの点まで見込んでおる。從いまして昭和二十四年度のただいまの予算で、租税収入その他さらに増収を見込んで、将來の補正予算の財源にし得る収入があるかどうかという点につきましては、現状におきましてはどうもないということを申し上げざるを得ないと思います。しからば公共災害復旧費その他本年度緊急さしおきがたい経費の財源をいかにするか、あるいは場合によつて赤字財政になるのかという問題でありまするが本年度の今後の財政の掌理にあたりましても、赤字財政が許されないことは当然のことでありまして、どうしても歳出をもし追加計上いたすならば、これに見合うべき歳入財源を見出さなければならない。また歳入財源が一定の規模に押えられ、現在の予算額以上上まわることが困難であるならば、現在の歳出の限度において、緊急さしおきがたい経費はまかなわなければならないということであります。從いまして私どもといたしましては、今次成立を見ておりまする歳出の中に、少しでも節減を加える余地はないかということを検討いたしておるわけであります。それで御承知のように二千億円を超える價格調整費が本年度の予算に計上いたされておるわけでありますが、この内容に、政府一体となりまして十分の検討を加えまして、何ほどか節減を加える余地があるものは節減をいたしたい。こういうことであらゆる経費につきまして検討はいたしておりまするが一つの重点を價格調整費に対する検討に置いておるわけであります、約二千億円の價格調整費でございますが、私どもといたしましては、少くとも二百億円を下まわらない程度の節減を、この価格調整費の面においてあげたいというように実は考えまして、いろいろと物債應、安定本部その他関係方面と検討を続けておるのわけであります。また昭和二十三年度の決算の見込みがまだ確定した数字に至りませんが、実績におきまして相当額の歳入剰余を生ずる見込みであります。歳入剰余金の半額は財政法の規定によりまして國債の償還に充てなければならないことになつておりますが、残る半額につきましては、これを歳出の財源に充当し得るということに相なるわけであります。それで今後何か財源があるかというお尋ねでございまするが、そういうのが上つて参りますが、そういうのが上つて参りまするが、そういうのが上つて参りますが、一面これまた御承知のように、政府といたしましてはぜひとも減税をいたさなければならない公的に相なつているわけであります。従いまして今浮きました財源を、はたして減税と災害復旧費と緊急さしおきがたい経費というものに、いかなる割振りをいたして参るかということが、今後税制全体の改正等とにらみ合わせまして、われわれといたしまして考えなければならない実は重大な問題であります。これらにつきましていなかる措置をとつて参るか、これは冒頭御質問がございましたような重大問題でございまして、今後十分の検討をいたさなければならない問題でありますが、ただいまのところは、シャウブ・ミッションの勧告せられますとことの税制改革案の内容もまだ期しがたい事情にございますので、これらの財源の配分をいかにするかということは、今後の推移に待たなければならないというような実情になつております。
○前田(榮)委員 今のお話によりますと、価格調整費の中で、あなたの見解は大体二百億円くらいは何とか捻出ができるんじやないかという見通しを持つておられるようでありますが、大蔵大臣は、地方で演説その他のあいさつは、価格調整費を始末して減税に充る。しかもその額は、大体一箇所で同じようなことを言われたかどうかしれませんが、新聞に出ておるところによりますと三百億ないし五百五十億、一番高い金額で言われたのが五百五十億ぐらいでは減税に充てることができる、こういうようなことを言つておられるのであります。われわれから見ましても、この価格調整費の二千億余のものにつきましては、厳重なる査定をいたしますると、六百億に近いものが優に出せるという勘定を持つてろいまするし、過般の予算委員会等でもそれが問題になつておつたようであります。しかしそれは別の問題といたしまして、大蔵大臣は、國民に五百億以上の減税をこれによつて行うと言われておるのに、三百億そこらしか出ないのでは三百億足らぬことになるのでありますが、そういう点は本委員会の直接の問題ではございません。従つてそれを私は云々しようとは思いませんが、この災害復旧費その他の建設関係の事業は、今金を入れておかないと、次はそれが倍になり、三倍の被害になつて起るのであつて、少しばかりの金を入れるために次にはそれが倍になり、三倍の被害のなつて起るのであつて、少しばかりの金を入れるために次の災害を免れる。こういう日本の経済を守るためにもぜひとも必要な費用であることは、私が申すまでもないのであります。従つて今お話のようなことをわれわれが信ずるといたしますと、災害復旧費等はきわめて将来暗い思いをしなければ、その方にまわる金の見込みがほとんどないような状態に思われるわけでございますが、この点大蔵大臣とあなたのお話が非常に違うのでどうかと思うのですが、その点いかがですか。
○東條説明員 大蔵大臣がそのときどきの場所でどういう御説明をなさつてか知りませんが、私は五百億を越える数字ということは承知いたしております。ただ私が申し上げましたように。大蔵大臣は五百億見当の価格調整費の制限ということは申しておりませんで、価格調整費の制限と前年度剰余金の半分、それからさらにこれもわれわれの研究問題、またやらなければならぬ点でありますが、不要國有財産の払下げというような、いろいろのあらゆる手段を盡しまして、五百億円見当の金を捻出したいというふうに大蔵大臣は言明しておられると私は承知いたしております。また別の問題で、ただいま公共事業費、特に災害復旧費の國家財源に対する問題も非常に重要な問題である。わずかな金を惜しんでこれをやらないという御趣旨のお話でありましたが、この点につきましても私はまつたく同感であります。私どもといたしましても、災害復旧費の増額につきましては政府部内、あるいは関係芳名とも相談いたしまして、できるだけ許される範囲内においての措置をとりたい。こういう信念を持つております。
○池田(峯)委員 その価格調整費から減らすとか何とかいうことですが、価格調整費を減らすと、石炭の値段でも何でも高くならなければならぬということは、あなたたちも承知していると思う。高くなつたときどうするかという対策がないのに、大蔵大臣は遊説で五百億減らしたいとか、やれは食糧の輸入補給金を減らしたいとか、やれは食糧の輸入補給金を減らすと言つておる。そうすれば消費者には外國から入る高い値段のまま配給になる。それをどうするか。労働賃金ペースもかえなければならぬ。安本長官はそういうことはできないと言う。政府部内が二つにわかれておる。大臣の考え方と安本長官の考え方とまつたく違つておる。そういう矛盾したものがある。大蔵大臣は、おれは価格調整費を減らしたいと言い、安本長官はできないと言う、こういう無責任な考え方だと思うが、あなたたちの政府部内ではつきりきまつたものを出してもらいたい。責任のある答弁を出してもらいたい。全然きまつてないことを、こうしたいと思うとか、そういうことを言わないで、國民は今災害をどうしたら防げるかということを考えているのだから、もうすでに政府としての対策がきまつていなければならぬ。きまつていないのにああしたいと思う、こうしたいと思う、安本じやできない、こういうことでは困る。だからわれわれは吉田内閣打倒を叫ぶのであつて、少し考えていただきたい。
○田中(角)委員 政府に対する質問はこのくらいで打切りまして、デラ台風を含ね災害復旧費その他に対して委員会の態度決定その他を協議するために、懇談会に移されんことを望みたいと思います。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○淺利委員長 御異議がないようでありますから、質問はこの程度で一応打切りまして、これから懇談会に移るため休憩いたします。
    午後三時三十五分休憩
     ――――◇―――――
    午後四時九分開議
○淺利委員長 休憩前に引続き会議を開きます。
○田中(角)委員 デラ台風に関する応急予算につき、当委員会として政府に対する要望事項の成案につきましては、理事会に一任せられんことを望みます。
○淺利委員長 なおデラ台風のみならず、過去の災害対策についても不十分ですが、それもあわせて織り込むようなふうにしたらいかがでしよう。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○淺利委員長 そういう趣旨において、政府に対し、当委員会の意見を表示するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○淺利委員長 それでは理事会にはかつて、要望事項の起草をいたしまして、その手続きをすることにいたします。
 なお手続き一切は委員長に御一任を願いたいと思います。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○淺利委員長 それでは、これをもつて散会いたします。
    午後四時十二分散会