第005回国会 本会議 第6号
昭和二十四年三月二十八日(月曜日)
 議事日程 第五号
    午後一時開議
 第一 内閣総理大臣の施政方針演説に関する決議案(米窪滿亮君外百十五名提出)(委員会審査省略要求事件)
 第二 日本專賣公社法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第三 自由討議(前会の続)
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●本日の会議に付した事件
 日程第一 内閣総理大臣の施政方針演説に関する決議案(米窪滿亮君外百十五名提出)
 日程第二 日本專賣公社法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 配炭公團法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 公共企業体労働関係法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 臨時物資需給調整法の一部を改正する法律案(内閣提出)
    午後一時五分開議
○副議長(岩本信行君) これより会議を開きます。
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○山本猛夫君 この際暫時休憩せられんことを望みます。
○副議長(岩本信行君) 山本君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。暫時休憩いたします。
    午後一時六分休憩
     ――――◇―――――
    午後二時二十七分開議
○副議長(岩本信行君) 休憩前に引続きまして会議を開きます。
     ――――◇―――――
○副議長(岩本信行君) 日程第一は提出者より委員会の審査省略の申出があります。右申出の通り決するに御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。
 日程第一、内閣総理大臣の施政方針演説に関する決議案を議題といたします。提出者の趣旨弁明を許します。三宅正一君。
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 内閣総理大臣の施政方針演説に関する決議案
 内閣総理大臣の施政方針演説に関する決議
 政府は、速かに予算を提出し、且つ即時内閣総理大臣の施政方針演説を行うベし。かりに予算の提出が遅延する場合においても内閣総理大臣の施政方針演説は三月二十九日までに行うべきである。
 右決議する。
    ―――――――――――――
    〔三宅正一君登壇〕
○三宅正一君 社会、共産、國協、農民新党、労農、社革、在野六党共同提案になります内閣総理大臣の施政方針演説に関する決議案の趣旨弁明をいたします。
 まず主文を朗読いたします。
 内閣総理大臣の施政方針演説に関する決議
  政府は、速かに予算を提出し、且つ即時内閣総理大臣の施政方針演説を行うべし。かりに予算の提出が遅延する場合においても内閣総理大臣の施政方針演説は三月二十九日までに行うべきである。
  右決議する。(拍手)
 総選挙後の國会が召集せられましたのは二月十一日でありまして、國会は即日吉田民自党総裁を総理大臣に指名するとともに、会期を七十日と決定いたしたのであります。
 すでに七十日の会期の半ば以上を過ぎたにもかかわらず、いまだ予算案の提出を見ず、総理の施政方針演説も行われないことは、遺憾千万であります。
 予算案提出が遅れている事情については、占領下困難をきわめる日本の國情において、われわれもその容易でないことは、これを認むるにやぶさかでありません。しかしながら、政府はすでに月末までに通過を予定せる二十数件の法律案を本院に提出せられておるのであります。これらの法律案が、予算案との関連において審議されなければならぬことはもとよりであり、さらにまた吉田内閣施政全般の方針との関連において審議されなければならぬことは申すまでもありません。(拍手)たとえば、政府がすでに本院に提出されました臨時物資需給調整法の一部改正は、野菜その他の統制撤廃問題、供米完了後の米の自由販賣問題等にからみまして、吉田民自党内閣の施政の方向に大きな関連をもち、石炭鉱業等の損失の補てんに関する法律、産業設備営團の業務上の損失に対する國家補償法等は巨億の財政支出を伴うものであつて、予算案との関連においてこれを審議すべきは当然の次第であると考えるのであります。(拍手)さらにまた、國家行政組織法の一部改正に至りましては、数十万人の官公廳職員の首切りに関係し、失業対策、公共事業費等との相関関係において議されなければならぬ大問題なのであります。(拍手)よつてわれわれは、まず予算案の急速なる提出を要求し、その提出の日時につき政府の責任ある言明を要求するものであります。(拍手)
 しかして、予算案提出が月を越すがごとき事情にあるならば、予算案の提出をまたずに、吉田内閣は遅くも明二十九日までに総理大臣の施政方針演説を行わるべきことを要求するものであります。(拍手)その上に立つてわれわれは政府提出の諸法案を審議することといたしたいのであります。國会開会後すでに四十五日、本來ならば首相は、國会側の要求をまつまでもなく、すでに再々本院に出席し、予算案提出の遅れている事情、政府施策の方針等につき率直に國会に説明するとともに、國会を通じて主権者たる國民にこれを報告し、その批判と協力を求むることは、民主主義政治運用上当然の道理であると信ずるものであります。(拍手)
 以上の理由により、われら野党各派は、明二十九日までに総理大臣の施政方針演説をとり行われることを政府に要求するものであります。(拍手)
 しかして政府は、少くとも以下の諸点に対しその所信を宣明して、國民の前にその責任を明らかにすべきであります。
 第一に、すでに提出されつつある二十数件の法律案につき、これに内包する吉田内閣施策の大綱を説明さるべきであると存ずるのであります。(拍手)
 第二には、経済九原則をいかに施政の上に具現し、かつ九原則と民主自由党のいわゆる自由主義政策との二律背反をいかに調整せんとするかということを説明すべきであります。(拍手)取引高税の廃止、所得税の軽減、供米完了後の米の自由販賣等々の公約は、いつどうやつて実現されるのか。経済九原則は総選挙前に指令された原則でありまして、それと反対の方向の政策を無責任に公約して國民を欺瞞するがごときは、その責任実に重大であるが、それらの点に対する政府の所信を表明さるべきであると存ずるのであります。(拍手)
 第三には、今回の総選挙に際し、國民は、連立政権の不安定と弱体を超克するため、民主自由党に絶対多数を與え、安定せる單独政権樹立の意思を表示したにもかかわらず、解散前の不信任案提出者たる民主党の一部を不自然に分裂せしめて連立政権を強行せる行為についても、進んでその所信を國民に説明すべき責任ありと信ずるものであります。七十日の会期すでに半ばを過ぎて予算案の提出を見ないことは、すでに重大なる責任問題であります。さらに加えて、二十数件の法律案を上程しながら、総理がその大綱についての演説もせずにおることは、國会軽視のはなはだしきものであり、主権者たる國民を侮辱する行為であり、民主主義に逆行する惡慣例をつくるものであると断ぜざるを得ないのであります。(拍手)
 これ、在野各派が共同して決議案を提出せんとしたゆえんであります。政府は、與党の数で横車を押すことなく、道理の上に立つてわれらの要望をいれるべきであると存ずるのであります。(拍手)
 以上をもちまして決議案提出の説明といたす次第であります。(拍手)
○副議長(岩本信行君) これより討論に入ります。石田博英君。
    〔石田博英君登壇〕
○石田博英君 三宅正一君は、しばらく追放に該当せられておつて、戰後のわが國の政治の現実について御存じがないと見えます。(拍手)從つて、前もつて、三宅君がお休み中におきまする、現在三宅君が所属しておられる社会党の片山内閣がどういうことをやつて参つたかということを、念のために申し上げておきたいと思うのであります。(拍手)
 まず第一に、片山内閣は一昨年の五月二十三日に指名を受けまして、施政方針の演説を行いましたのが七月の一日であります。(拍手)その点は十分お忘れなく御記憶を願いたいと思うのであります。(拍手)
 さらに、予算案の提出の時期が遅れ、またその予算案の準備の過程において公約をどうするかという点について、いろいろ御意見がありました。私どもは、ここで、社会党の片山内閣が行つた公約無視の態度と、わが党が予算編成において今日努力を行つておる誠意とに雲泥の差があることを明らかにしておきたいのであります。(発言する者多し)すなわち社会党においては、かくのごとく議席においてわれわれの発言を封殺しようと思つておる事実は、彼らがいかに自己の公約というものを弊履のごとく唯々諾々として捨てて來たかということを証明しておるのである。(拍手)私どもは今日、國民の前に行つた公約を誠意をもつて履行するという態度においては、いささかもかわりはないのであります。ただ、はなはだ諸君にはお氣の毒であるけれども、わが党はここに二百六十九名の絶対多数を擁して、お待ち遠さまであるかもしれないけれども、今後四箇年は少くとも政権を掌握するのであつて、(拍手)公約のごときは、そのときの現実に即し、順序を追うて誠実に実行して行くこと論をまたないのであります。
 さらに、予算案の提出にあたつて、今日は、三宅正一君が議席を有しておられた時代とは事情が違うのであつて、それは諸君らと今席を並べておられるうちの大部分の諸君は百も承知であります。みずからが行い得ず、みずからがなし得なかつたことを今日わが党に責める前に、まず首を轉じて君のの議席の隣を責むべきであると私は言いたいのである。
 さらに、今の御議論をもつてするならば、現在三月三十一日までに審議を了しなけばならないところの法律案が二十数件國会にかかつておる。そのためには予算案の提示が必要であり、施政方針の演説を行うことが必要であると言われ、また施政方針の演説を行うためには予算をすみやかに提出しなければならぬと言われるが、わが党は今日何がゆえに予算編成に苦慮努力をしておるかと申しますと、九原則あるいはドツジ声明に基いてわが國の経済安定をもたらしめますために、いかにこれを効率的に、いかに日本の現実の上に生かして行かなければならぬかという点について必死の努力を傾注しているのであります。われわれが努力を傾注している目的は、日本経済の安定をもたらしますために國民の負担を軽減し、國家の生産力を回復しますために、われわれが、わが民主自由党の責任において、吉田内閣の責任において最善の道を見出したいと努力を傾注しておるのであつて、この努力を承知していながら、今その努力をはばもうとするごとき決議案を提出することは、國民の利益の美名に隠れて、みずから党利党略のために國家國民を犠牲にする行為と私は断定してはばからないのであります。(拍手)
 さらに、予算案の審議は行えないと称しながら、各委員会において、共産党の諸君の一部を除きまして、他の大分部の諸君はすでに審議を行い、審議を了して、本会議に上程せられておる議案が相次いでおる事実は、君のただいまの言論と大いに相反しておることを、事実が雄弁に証明しておる。われわれ今日國会議員として國会の審議権を尊重することは、あえて諸君の御指示をまたないのであります。
 政府はすみやかに予算案を議会に提出する努力をしろという要求については、わが党は他の何人にも劣るものではないのであります。またわれわれは、その提出の早からんことを期待しておるのであり、施政方針の演説のごときも、國会の審議に障害を及ぼさないために可能最大限の時期において行うことは、これは当然であります。ところが社会党の諸君は、今日、二十九日に行わなければ委員会の審議にさしさわると言いながら、先週の土曜日の二十六日には、きよう施政方針の演説を行わなければ委員会の審議にさしさわるという決議を出して來ておる。二十六日でなければ絶対いかぬと言いながら、今日また二十九日でなければいけないといつて、たちまちにして日にちを三日かえるところのものは諸君らの党利党略以外の何ものでもないゆえんを、私どもはここに明らかにしたいのであります。今日國家の直面いたしておりまする現実は、かくのごとき愚劣なる党利党略に基く決議案を可決し得る状態にないのであつて、わが党は、かかる見地から、この決議案に断固反対の意志を表示いたすものであります。(拍手)
○副議長(岩本信行君) 椎熊三郎君。
    〔椎熊三郎君登壇〕
○椎熊三郎君 わが民主党は――と申しましても、世間傳うるところの、俗にいう犬養派などという人たちとは別個でございます。本來の民主党を守るわれわれは、本決議案に賛成の意を表するのであります。(拍手)いささかこの決議案の賛成の私の所見を披瀝してみたい。
 わが民主党は健全保守党の立場をとつておるもので、何でも反対せんがための反対の行動はとりたくない、これが私どもの日ごろの心がけでございます。從つてわれわれは、現吉田内閣に対しましても、選挙直後、閣外協力なる声明を発しておる。この有力なる、第一党をとつて絶対多数を持つておる民主自由党のごとき内閣が、もしも單独内閣でやつてくれたならば、どんなに國民が喜んだろうか、そういう意味で、なるべく國家再建のために協力したい、これが私どもの考えである。
 そこで政府は、二月の二十二日と二月の二十七日との二回にわたつて來年度の予算の大綱を関係方面に示されたということを、去る二十六日、大藏大臣が運営委員会で言明されました。まことに早手まわして、けつこうなことでございました。そこでわれわれは、その予算大綱が決定して、一日も早く國会にその内容を提示せられんことを國家のために期待しておつた。しかるに政府は、今月の上旬より、いつごろ一体総理大臣の施政方針の演説をなさるのかとの質問に対しましては、大体今月の二十六日にはやれると思う、こういうことでございました。しかるに、今月の二十二日になりまして、関係方面の予算の内示というものが参つたそうでございます。
 一体、この内示が参つたということを今回の政府に限り世間に公表するということに、私は占領治下における政治のやり方として非常なる疑問を感じます。旧來といえども、予算編成等につきましては、占領治下、われわれは関係方面と深い折衝を重ねましたが、その決定にあたりましては、時の政府の全責任において予算を出した。しかるに、民主自由党の今回のやり方は、関係方面の強い内示によつてどうにもならないので、世間に対する公約などの不実行は内示に関係あるがごとき印象を何かしら與えるような言い分である。(拍手)これは政治家としては不謹愼でございます。ことに、今日の占領治下におけるわが日本の政治家の行動としては、それを口にすべきではないと私は思う。政府と関係方面との交渉については、もとよりわれわれは政府を握つたことがございますから、その事情はよく同感できます。同感できますが、二十六日に大藏大臣は、内示を受けて目下折衝中ではあるが、來る四月五日、少くともそれ以前に予算書を國会に提出いたしますと、運営委員会で言明せられた。まことに國家のために慶賀にたえない。御苦心ではございましようが、五日までには予算書が國会に提出せられる。
 そこで私には、それならちようどきようあたり、少くともあすまでには政府は予算案全部にわたつて最後の決定をしなければならぬ段階に至つておると思われる。すなわち、大体予算の大綱がきまり、一切の計算が整備せられて、これを印刷にまわしますと、晝夜兼行でやつても一週間はかかるということだ。そういうことを言明しつつ、なお四月五日に予算を出せるとなれば、五日から逆算してみて、これは二十八、九日ごろには、政府の方針というものはぴつたりと確定しておらなければならぬ。そういう事実を私どもは察知できるのであります。そうなつたならば、一刻も早く予算の大綱を総理大臣の口から聞きたいというのが國民の熱望であり、民主自由党の諸君もそのことを、主張せられておられたのですから、おそくも二十九日くらいまでには、絶対多数党たる吉田内閣の総理大臣は、その抱負経論をこの本会議場において吐露せられることが当然ではなかろうか。
 そこで私どもは、むりなことを申し上げても健全保守党としての閣外協力の立場に矛盾を來しますから、なるべくむりがないようにと思いまして、実はわれわれは、先般、二十六日に総理大臣の演説をなすべしとの決議案を提出しておりましたが、あの官房長官の言明や、二十二日の予算内示の内容や、過去における経過などを承りまして、政府にも御同情申し上げて、私どもは、二十六日にやれという決議はこれは不可能をしいるもので、むりを言うことでありますから、潔く私どもはその決議案を撤回いたしました。撤回いたしましたが、本日の段階では、断じてむりでございませんぞ。五日までには出せると言う。もう今日きまつておらなければ、これは五日には出せるわけはない。そうすると、堂々総理大臣は二十九日あたり、ちようど手ごろの機会でございますから、それをやつておけば、社会党が言われるような、三月三十一日期限付の法律案の審議などにも、ともかくも間に合う。そうすると、社会党その他の在野党連合の決議案の趣旨というものは、総理大臣吉田さんの演説で一ぺんに飛んでしまうかもしれない。それをなぜやらないか。絶対多数党の威力はここにあると思う。
 そもそもそも、世間傳えられるところの今日の予算を見ると、所得税の軽減も、取引高税の撤廃も、何もかもできないのだそうで、これができないことは、國家のためによいか惡いかは別問題として、絶対多数党をとらしたる國民の側から言うと実に遺憾千万なことかもしれません。しかも、選挙に際してかくのごとき公約をなすというのは一体何か。
 九原則が発せられたのは昨年の十二月十八日である。総選挙前だ。この九原則を見て、そんなことはできることでないというのは、政治の一年生でもわかることじやないか。それがわかつておりながら、なおこのことを選挙に際して公約するというのは、今石田君の言われた通り、党利党略以外の何ものでもないじやないか。(拍手)わからなかつたとなれば、これは不見識もはなはだしい。経済九原則が出た時分に、前の國会で、民主自由党の尾崎君はこの壇上に立つて、経済九原則とわが党年來の主張とはぴつたり一致しておると言明したのであります。一体どこが一致しておるのか。一致しておるなら、あんなうそは言われぬじやないか。あんなでたらめは言われぬじやないか。責任ある政治家は、そういう無責任なことをなしてはいけません。たとい國民が困つていても、もう少し親切に、もう少し誠意ある行動をとらなければいかぬと思う。今新しく國会に席を有せられたる民主自由党の諸君の心情を考えて、私はまことに氣の毒にたえない次第であります。
 そこで私は、とにかく以上の理由をもつて、吉田総理大臣は、來る二十九日までには堂々施政方針の演説を行うべしとの、社会党ほか各派連合のこの決議案には賛成いたします。
 ただこの際、私の次には、民主党と称するもので、田中伊三次君なる者がこの壇上に立つて反対せられるそうだ。そこで、これは絶好の機会でございます。民主党と過去に言つておつた者の中に、これほど政治上の見解が明らかにかわつておる者があるという事実を、本日この議政壇上で天下に報知していただく絶好の機会を得たことを、私は喜びにたえません。(拍手)願わくば、われらと志を異にする犬養一派と称する人々の現内閣に対する連立協力の方式がいかなるものであるかを、諸君、御檢討願いたいのであります。
 時間の関係もありますので結論を急ぎます。私は、二十九日までに吉田総理大臣はこの壇上において施政方針の演説を行うべしとの本決議案に賛成の意を表する次第であります。(拍手)
○副議長(岩本信行君)田中伊三次君。
    〔田中伊三次君登壇〕
○田中伊三次君 私は、民主党を代表して本決議案に反対の意を表明いたしたいと存じます。(拍手)
 内閣総理大臣が、國会開会の劈頭において、すみやかに施政方針の演説を行うことの必要あることは、言うをまたないところであります。ただしかしながら、いかなる時期にその発表を行うべきであるかということについては、施政方針演説の時期に関しましては若干の考察を必要といたします。
 すなわち、内閣総理大臣がいたしまする演説の基本となるものは、言うまでもなく政府の決定する予算案でございます。予算の款項目に盛られたる数字を離れたるところの施政一般というものはあり得ないのであります。(拍手)この施政一般の演説を行うにあたりましては、必ず政府の決定する予算案を必要とするのであります。同時に、この内閣総理大臣の施政演説に対する質疑を行う立場、國会の立場におきましても、その質疑を行いまする基本となるものは、言うまでもなく國民の輿論を代表して質疑を行う各党代表者の信念が中心となることはもちろんでありますが、これに加うるに、内閣総理大臣の演説、いま一つは内閣総理大臣の演説の基いたるところの予算案の提出がなければ、質疑の進行は不可能に近いといわなければならないのであります。(拍手)國会の劈頭において本議場において行う内閣総理大臣の施政方針演説並びにこれに対して行いますところの國会議員の質疑、両者いずれもその基本となるべきものは予算案の準備並びにその提出であります。すなわちこの意味におきましては、予算案の提出は、両者の、演説を行い、質疑を行う者の絶対要件といわなければならないのでございます。
 この趣旨に基きますときに、かねてより政府がしばしば議院運営委員会を通じて説明をいたしておりますがごとくに、ここ数日を出ずして予算案の準備が整つて、國会にこれを提出することの運びとなる見通しが立つておるわけであります。ここ数日にしてとの見通しが立つておりますときに、ここ数日を待つことを得ずして、本日ここに本決議案の提出をなさんとするがごときは、やむを得ざる國際事情を目して政爭の具に供するものであるといわなければならないのであります。(拍手)これ、私が断じて本決議案に賛成することのできない理由でございます。(拍手)
○副議長(岩本信行君) 林百郎君。
    〔林百郎君登壇〕
○林百郎君 政府は、二月十一日首班の指名がありまして以來、すでに一箇月半の時日を経過しているのでありますが、今もつて予算も作成することができず、かつ施政演説の公表すらなし得ないのであります。從つて、國会はもちろんのこと、國民は、民自党の選挙三月二十八日の際における公約がいかなる状態に置かれているかということについては、多大な関心と不安を持つておるのであります。われわれは、民自党が予算の提出もできず、また施政発表もできないというのは、これはしないのではなくて、できないのであると断定せざるを得ないのであります。われわれは絶対多数を持つている民自党が、一箇月半にもなつて、今もつて予算の提出もできず、しかも施政演説もできないのならば、その責任をすみやかに明らかにすべきものだと断ぜざるを得ないのであります。(拍手)
 先ほど石田君の発言によりますと、社会党もまたこの愚をしたではないかというのでありますが、社会党のかかる最も惡い例を、何ゆえ民自党はまた学ぶのであるか。われわれは、これを民自党に警告したいのであります。また石田議員は、われわれは首相の施政演説をなすべしという決議案を二十六日にした、これは明らかに党利党略であると言つたのであるが、われわれは、この決議案はすでに二十五日に上程しておるのであります。しかも、二十五日に何らかの結論を得ようと思つたのであるけれども、池田藏相が関係方面に交渉している、やむを得ない事態であるから明日に延ばしてくれということは、民自党の石田君自体の発言によつておるのであります。(拍手)われわれがやむを得ずこの二十六日に施政演説をなすべしということを上程した責任は、明らかに民自党自身にあると言わざるを得ないのであります。(拍手)ここにおいてわれわれは、石田君がいかに責任を他に轉嫁しているかという卑劣なる態度に対して警告を発せざるを得ないのであります。
 しかも民自党は、五日の運営委員会には二十二日に施政演説をする、さらに十九日の運営委員会には二十六日に、さらに二十五日に至つては、いつ施政演説がなされるかわからないという、実に不明きわまる態度を表明しておるのであります。われわれは、絶対多数を持つている民自党のいずこを信じていいであろうか。これは國会のみではなくして、國民全体がすでに民自党に対しては何らの信頼も持つていないということを銘記すべきであると思うのであります。(拍手)すなわち諸君は、選挙の際に公約した取引高税の撤廃、あるいは國民の税負担の軽減、あるいは運賃・郵便料金の値上げ反対、あるいは公共事業費の増額による失業対策、これらの公約が今やいずこに行つたのであろうか、明らかに民自党は、すでにこれらの公約を実現することは絶対不可能であると言わざるを得ないのであります。もし民自党が、この公約の実現が不可能であるならば、その責任をすみやかに明らかにすべきだと思うのであります。
 しかも、先ほどの民主党の田中伊三次君の発言によれば、これは占領下におけるやむを得ない事態であると言う。しかし、占領下におけるやむを得ない事態であるならば、何がゆえにその事態を――目下の交渉がどういう経過であり、目下の事態が何であるかということを、率直に國会並びに國民に表明しないのであるか。もしこれが表明できないならば、かかる絶対多数であるならば、かかる━━━━━━━━━であるならば、すみやかにその責任を明らかにし、総辞職をしてしかるべきだと思うのであります。(拍手)
 しかも、國会運営の技術的見地に立つて見ましても、たとえば石炭鉱業の損失補填に関する件、あるいは産業設備営團の損失補補に関する件、かかる一切の法案の審議は、明らかに予算と施政演説に関連を持つているのであります。この予算と施政演説の関連なくして委員会においてこれを審議しろということは、明らかに民自党が群盲の象をさぐる愚をわれわれにしいておることだと思うのであります。
 われわれは、かかる見地に立ちまして――しかも民自党の諸君に言いたいことは、諸君は自分の都合のいいことは、たとえば考査委員会のごとく、あるいは非日活動委員会のごとく、反人民的な、反民主的な、自分の都合のいい既成事実だけはどんどんつくつて行くのであります。(拍手)われわれは、かかる國会を無視し、國民を無視するがごときフアツシヨ的な民自党のやり方に対しては絶対反対である。吉田首相はすみやかに二十九日に施政演説をなすべし、この決議案にわが党は全面的に賛成の意を表しまして、私の発言を終る次第であります。(拍手)
○副議長(岩本信行君) ただいまの林君の発言中不穏当の言葉があつたようでありますから、速記録を取調べた上処置いたします――吉川久衛君。
    〔吉川久衛君登壇〕
○吉川久衛君 ただいま議題となりました決議案に対しまして、私は國民協同党を代表いたしまして賛意を表したいと思います。(拍手)
 政府は、國会の初めにおいて、その政府の政策、國会に対する態度方針を、本会議を通じて全國民に宣明しなければなりません。これによりまして、政党は、與党といわず野党といわず、もろもろの議案の審議に対する態度が確定するのであります、國民もまた、これによつて一應の了承をするでありましよう。
 私は、ただいま民主自由党の石田君、民主党の犬養系でありましようが、田中君の反対演説を伺つて、意外に思つたものであります。何となれば、かくのごとき問題は、吉田内閣を不信任するとか糾弾するとかという問題ではなくして、早く國民をして納得させる、國民に安心をさせる、國民の代表であるところの國会議員が重大なるこの國政を眞劍に審議するところの一つの基本的な問題を、ここにはつきりしてくれという要請なのであります。しかるに、與党の諸君が反対をされるということは、われわれははなはだ了解に苦しむところであります。
 吉田内閣が國会を召集されてからこの長い間、ほとんど無為にして政治的空白状態を続けられていることは、私は責任ある政府の態度ではないと思います。過ぐる第三國会におきまして、吉田内閣総理大臣は、憲政の慣例を無視いたしまして、遂に施政方針演説を行わず、いな、行い得ない方針をもつて國会に臨むという不見識きわまる頑迷さには、國民ひとしく遺憾の意を表したものであります。かくのごとき前歴を持つておるところの吉田内閣総理大臣は、はたして今回もまた施政方針演説を行う意思ありやいなやをさえ、われわれは疑わざるを得ないのであります。
 政府は、予算案の編成ができなければ総理の施政方針は述べられない、かような考えをお持ちのようでありますが、かくのごとき考え方はすみやかに一擲されまして、予算編成に対する態度方針を明らかにするところの大綱のみにてもすみやかに決定されて、これに基いて施政方針演説をなさるべきであります。方針はあくまでも方針ではありますが、ただ責任あるところの方針を述べられるならば、國民は一應了とされるでありましよう。荏苒日時を無為にして経過することは、いたずらに國民をして迷わしめ、経済復興を初めとし祖國再建の妨げになるということを憂慮せざるを得ないのであります。もしかりに予算の提出が必要であるとするならば、関係方面を納得せしめるような政策を樹立するか、あるいは了解を與えしめるような最大の努力が佛はれるべきでありまして、そのために長い時間を要するのだとすれば、筋の通らないところの政策をもつて関係方面の了解を求めんとしているのか、あるいはまた政府の無能を暴露するものと断ぜざるを得ないのであります。
 民自党の公約のごときは、実現のためには相当の歳月を要するでありましよう。公約自体に欠陥を包藏するものでありまして、今ごろ資本主義政策だとか、自由経済だとかいうような反動的謬見にとらわれていないで、國民の最大多数の最大幸福を念願するような、責任ある政治、偽りのないところの政策を敢行されんことを望んでやみません。國民は知りたい。政党は聞きたい。一日も早く、少くとも二十九日までには、内閣総理大臣の施政方針演説によつて、吉田内閣の性格と、そうして第五國会に対するところの態度方針を宣明せられんことを望んでやみません。この要請にこたえることがすなわち内閣総理大臣の責務であるということを深く肝に銘じていただきたい。これをもつて賛成演説にかえる次第であります。(拍手)
○副議長(岩本信行君) 石野久男君。
    〔石野久男君登壇〕
○石野久男君 私は、ただいま上程されております決議案に対しまして、労働者農民党を代表して賛成の意を表する者でございます。(拍手)
 第五國会が開会されましてから、すでに四十数日を経ております今日、なお総理大臣の施政演説が行われないということは、絶対多数をとつておられまする民主自由党が、その絶対多数の意味をどのように國会において理解しておるのであるかということを、私は理解するに苦しむのでございます。私どもは、二十四年度におけるところの、今日本の置かれておりまする危機を、吉田内閣がどのようにして抜け切れるかということについて、大きな危惧を持つております。これは同時に國民の危惧でもある。
 今日上程されました決議案については、さきに石田博英君が、この上程案は、政府がこの危機を脱皮するために最善の努力をしておる、その努力をはばむものであるということを言われた。これは、われわれの非常に不可解な言葉でございます。この決議案は、國民が、今國会において政府が何をなそうとしておるかということについての大きな期待をいたし、モツトーを探し出そうとしておる、その國民の眞意を表明して、野党の各派が政府に対して、一日も早く施政演説及び予算案の上程を願つておる決議案である。これは決して野党の――
ただ野党だけの輿望ではない。民主自由党を支持された國民の多くの心からなる輿望であり、要求であり、願いであるのであります。にもかかわらず、石田博英君は、最善の努力をはばむものであるというように言われておることは、実に不可解しごくである。これは、民主自由党が絶対多数を持つておるにもかかわらず、その施策を天下に表明し、それを國会に表明するの実力を持たない、実に無能を暴露するものであると断ぜざるを得ないのでございます。(拍手)われわれは、この眞劍な國民の輿望に対して、一寸も早く政府が眞意を披瀝して、この決議案に賛意を表し、しかも國民に対しては信頼を與え、絶対多数を持つておるところの民主自由党がほんとうに危機を乗り切るという眞つ裸の姿を表明するためにも、一日も早く首相の施政演説及び財政施策の方途を示されんことを要望するものであります。
 今われわれは、いろいろな経済的な、あるいは政治的な面からするところの、日本の向つて行く姿に対して危惧を持つておる。そのときに、私たちは、すでに國会の審議を経なければならない法案を次々に上程されておるのであります。これらの審議が、施政演説、政府の方途が示されないで、いかにしてなし得るかということを静かに考えなければいけない。私たちは、國民のこの輿望にこたえても、いたずらに党の無能を暴露することなく、二百六十数名を持つておるところの民主自由党が、ほんとうに眞劍な、國民多数の輿望をになつた党としての眞摯な態度を表明されんことを望むものであり、もしこれができなければ、おそらく二百六十数名の絶対多数は、かげろうのごとき党であろうと、私は存ずるのであります。(拍手)このような党であつてはいけない。一日も早くその強力な吉田施政がこの國会において表明されんことを願つて、われわれはこの決議案に賛意を表するものであります。(拍手)
○副議長(岩本信行君) これにて討論は終局いたしました。
 採決いたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○副議長(岩本信行君) 起立少数。よつて本案は否決せられました。
     ――――◇―――――
○副議長(岩本信行君) 日程第二、日本專賣公社法の一部を改正する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。大藏委員長川野芳滿君。
    ―――――――――――――
○川野芳滿君 ただいま議題となりました日本專賣公社法の一部を改正する法律案につきまして、大藏委員会の審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 本法律案の内容は、第三國会において可決せられました日本專賣公社法が本年四月一日より施行されることになつておりますのを、行政機構刷新及び人員整理の方針と関連して、その施行期日を本年六月一日に延期せんとするものであります。
 大藏委員会におきましては、三月二十四日、本案の付託をうけ、二十六日に政府委員より提案理由の説明を聽取した後、社会党の田中君より、再度延期のおそれなきや等に関し、また共産党の風早君より、專賣権の外國譲渡の問題等に関し質疑があり、それに対して政府委員よりそれぞれ答弁がありました。ついで、討論を省略して採決に入り、多数をもつて可決いたした次第であります。
 以上をもつて、はなはだ簡單でございますが、御報告といたします。(拍手)
○副議長(岩本信行君) 採決いたします。本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○副議長(岩本信行君) 起立多数。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。(拍手)
     ――――◇―――――
 配炭公團法の一部を改正する法律案(内閣提出)
○山本猛夫君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわちこの際、内閣提出、配炭公團法の一部を改正する法律案を議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
○副議長(岩本信行君) 山本君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 配炭公團法の一部を改正する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。商工委員会理事神田博君。
    ―――――――――――――
○神田博君 ただいま議題となりました配炭公團法の一部を改正する法律案につきまして、商工委員会における審議の経過並びに結果を簡單に御報告申し上げます。
 本案は、去る三月二十六日に本委員会に付託されました。その趣旨といたしますところは、配炭公團法は基礎物資たる石炭及びコークス等の一手買取販賣機関たる配炭公團の組織法でありまして、昭和二十二年四月に制定されたものであり、本年四月一日に失効することになつておりますが、昨今の石炭情勢に相当変化がありましたため、本公團の組織及び運営につきまして再檢討を加えるべき時機に立ち至つておるとも考えられますが、これを今ただちに廃止することは困難なる事情がありますのと、一方新しい事態に対應する方策の決定実施までにはなお若干の期間を存続することが適当と考えられますので、とりあえず本法の有効期間を三箇月間延長いたしたいというのであります。
 本委員会におきましては、本二十八日に委員会を開き、本案の審査に入りました。まず民主自由党門脇委員より、本法三箇月間延長後の腹案等につき質問がありました。次いで日本共産党聽濤委員より、本法三箇月間延長の理由や、昨年末の石炭情勢の変化、あるいは本法立案の際は石炭配給機構改善協議会を設置して檢討したと聞いておるが、改廃の際もこのような方法をとるつもりであるかどうかという質問があつたのであります。これに対し、有田政府委員よりそれぞれ答弁がありました。
 これにて質疑を終了しましたが、本改正案は眞に当然なるものと認めましたので、討論を省略して、ただちに採決に入りましたるところ、全会一致をもつて可決すべきものと議決した次第でございます。
 以上をもちまして委員長の報告を終りたいと思います。(拍手)
○副議長(岩本信行君) 採決いたします。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。(拍手)
     ――――◇―――――
 公共企業体労働関係法の一部を改正する法律案(内閣提出)
○山本猛夫君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわちこの際、内閣提出、公共企業体労働関係法の一部を改正する法律案を議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
○副議長(岩本信行君) 山本君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 公共企業体労働関係法の一部を改正する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。労働委員長倉石忠雄君。
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○倉石忠雄君 ただいま議題となりました、政府提出にかかる公共企業体労働関係法の一部を改正する法律案の、労働委員会における審議の経過並びに結果を御報告いたします。
 本案は、本年四月一日より実施予定の公共企業体労働関係法の施行を、公共企業体の発足が六月一日に延期されるので、これと符節を合せる必要上六月一日に延期することを目的として、本月二十四日、本國会に提出せられ、労働委員会に付託となつたのでございます。從いまして、本委員会は三月二十六日委員会を開催し、審議をいたした次第でございます。政府からは鈴木労働大臣その他の政府委員が出席せられ、提案理由の説明、答弁があつたのでございます。
 以下、その主要な点を申し上げますれば、公共企業体労働関係法は昨年十二月制定公布され、本年四月一日より実施されることになつていたのでありましたが今回行政機構の整備等に関連いたしまして公共企業体の発足を六月一日といたし、これに関連して、日本專賣公社法及び日本國有鉄道法の施行を六月一日に延期いたしまする法律案を別にこの國会に提出いたしましたので、これに符節を合わせます必要上この法律案を提出いたし、公共公共企業体労働関係法の施行を六月一日に延期するのが、本案の趣旨並びに内容であります。
 次に、本案に対する質疑のおもなるものは、共産党春日正一君より実施延期の理由に関しての質疑に対しまして、鈴木労働大臣より、今回行政機構の整備等に関連いたしまして、公共企業体の発足を六月一日といたし、これに関連して日本專賣公社法及び日本國有鉄道法の施行を六月一日に延期いたしまする法律案を別にこの國会に提出いたしましたので、これに符節を合せます必要上この法律案を提出いたし、公共企業体労働関係法の施行を六月一日に延期いたしたのでありますとの答弁があり、質疑を終了いたしまして討論に入りました。
 まず共産党春日正一君より、総理大臣の施政演説もまだ行われず、その方針も明らかでない今日、何ゆえに四月一日実施の法律を六月一日に延ばす必要があるかとの本案に対する反対討論があつたのでございます。また民主党川崎秀二君より、総理大臣の施政演説促進方傳達の意を含めて本案賛成の討論がございました。また民主自由党三浦寅之助君より賛成討論がございまして、採決に入りましたところ、多数決で原案を可決いたした次第でございます。
 以上、簡單でございますが、御報告を終る次第でございます。(拍手)
○副議長(岩本信行君) 採決いたします。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。
     ――――◇―――――
 臨時物資需給調整法の一部を改正する法律案(内閣提出)
○山本猛夫君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわちこの際、内閣提出、臨時物資需給調整法の一部を改正する法律案を議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
○副議長(岩本信行君) 山本君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 臨時物資需給調整法の一部を改正する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。経済安定委員長小野瀬忠兵衞君。
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○小野瀬忠兵衞君 ただいま議題となりました臨時物資需給調整法の一部を改正する法律案について、委員会における審議の経適並びに結果を御報告申し上げます。
 本案は、御承知のごとく國家総動員法その他戰時経済統制諸法令廃止のあとを受けまして、戰後の窮迫情勢に対しわが國の経済復興をはかるために必要なる経済統制を実施いたします根拠法規として、昭和二十一年十月制定せられたものであります。從つて、これは非常立法であり、あくまでも暫定的の立法でありますから、その附則において「昭和二十三年四月一日又は経済安定本部の廃止の時の何れか早い時に、その効力を失う。」と規定して、その旨日を明確にしてあるのであります。しかるに、昨年三月末をもつて一應その有効期限が切れたのでありますが、当時はなお本法の存続を必要とする経済状況にありましたために、その有効期限を一箇年、すなわち本年三月末まで延長したのであります。最近わが國の経済も漸次安定復興を見つつありますが、未だ全般的には物資需給のバランスを回復するに至つておりませず、今後少くとも一箇年間は引続き有効適切なる統制を実施する必要があると認められますので、本法の有効期間をさらに一箇年延長せんとするのが、本改正法律案の要旨であります。
 本案については去る二十四日提案理由の説明を聽取し、引続き二十六日及び二十八日に審議をいたしました。委員会におきましては、本案の重要性にかんがみ、その審議にあたつては特に愼重を期し、資料の要求はもちろん、委員諸君と政府委員との間には終始熱心なる質疑應答がかわされましたが、最も論議の焦点となりましたのは、政府の経済統制に関する一般政策との関連及びその実施方策等についてでありました。
 特に、本法の制定にあたり、政府は生産者代表等よりなる統制審議委員会の設置等民間の意向を尊重反映する統制を行う旨を表明されたのにもかかわらず、その後これが実行せられず、とかく統制が官僚の一方的決定によつて実施される傾向があつたことについて、今後本法を再檢討してこれを根本的に改革すべきではないかという質疑がありました。これに対して政府は、不必要なる統制をでき得る限りすみやかに解除するとともに、その民主的なる実施と政策の実現は時宜に即して漸次これを行い一般の輿望に沿いたい旨の答弁がありました。なおその間に懇談会を開き、基本的なる問題について忌憚なく意見の交換を行いましたことを、ここにつけ加えておきます。
 かくて、本日討論に入りましたが、小会派を代表して羽田野委員、社会党を代表して、勝間田委員、民主党を代表して高橋委員、民主自由党を代表して中村委員がそれぞれ賛成意見を述べられ、また共産党を代表して高田委員から反対意見を述べられました。次いで採決に入りましたが、本案は多数をもつて原案通り可決されました。
 右、御報告申し上げます。(拍手)
○副議長(岩本信行君) 採決いたします。本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○副議長(岩本信行君) 起立者多数。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。
 この際林君に申上げますが、速記録を調べましたところ、先ほどの発言中――
云々の言葉はいかにも不穏当と認めますから、御本人から取消されたならばいかがでありますか。この点林君に伺います。
○林百郎君 議長の御忠告の通り取消します。
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○山本猛夫君 残余の日程は延期し、明二十九日定刻より本会議を開くこととし、本日はこれにて散会せられんことを望みます。
○副議長(岩本信行君) 山本君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて動議のごとく決しました。
 本日はこれにて散会いたします。
    午後四時三十八分散会
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