第005回国会 本会議 第7号
昭和二十四年三月二十九日(火曜日)
 議事日程 第六号
    午後一時開議
 第一 考査特別委員会設置に関する決議案(佐々木秀世君外四名提出)
    (委員会審査省略要求事件)
 第二 造幣局据置運轉資本の増加等に関する法律案(内閣提出)
 第三 船員保險特別会計法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第四 失業保險特別会計法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第五 日本國有鉄道法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第六 自由討議(前会の続)
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●本日の会議に付した事件
 日程第一 考査特別委員会設置に関する決議案(佐々木秀世君外四名提出)
 日程第二 造幣局据置運轉資本の増加等に関する法律案(内閣提出)
 日程第三 船員保險特別会計法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第四 失業保險特別会計法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第五 日本國有鉄道法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 國家行政組織法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 郵政省設置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 電氣通信省設置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 産業設備営團の業務上の損失に対する政府補償等に関する法律案(内閣提出)
    午後一時九分開議
○議長(幣原喜重郎君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
   (委員会審査省略要求事件)
○議長(幣原喜重郎君) 日程第一は提出者より委員会の審査省略の申出があります。右申出の通り決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(幣原喜重郎君) 御異議なしと認めます。
 日程第一、考査特別委員会設置に関する決議案を議題といたします。提出者の趣旨弁明を許します。佐々木秀世君。
    ―――――――――――――
○佐々木秀世君 ただいま議題となりました考査特別委員会設置に関する決議案は、民主自由党並びに民主党との共同提案となつておりますので、両党の提出者を代表いたしまして本決議案の趣旨を御説明申し上げたいと存じます。
 まず本案の案文を朗読いたします。
   考査特別委員会設置に関する決議
 一、本院に、三十人の委員からなる超党派的の考査特別委員会を設置する。
 二、本委員会は、
 (1) 昭和二十二年十二月十一日本院において議決した不当財産取引調査特別委員会設置に関する決議の二の調査をする外、不正に租税の賦課を免れさせ、納税を妨害する等納税意欲を低下させる行為、供出を阻害する行為、不法に労働爭議を挑発させる行為、その他の諸行為で日本再建に重大な惡影響を與えたものと、その責任の所在を調査する。
 (2) 文化、科学、技術等の発達に寄與しもつて日本再建のため多大の貢献をした諸行為を調査する。
 三、本委員会は、調査の結果に基き必要と認めたときは、所管の機関に対し、前項第一号の事項については、これが責任に関し、第二号の事項については、これが表彰に関し、適宜の処置を求めることができる。
 四、本委員会及びその小委員会は、國会の会期中たると休会中又は閉会中たるとを問わず、必要と認めた場合には、開会することができる。又本委員会及びその小委員会は、必要と認めたときは、何時でも証人の出頭又は帳簿、書類等の記録の提出を要求することができる。
  議長は、本委員会の申出により、必要があると認めたときは、顧問、調査員、経驗者、相談員、技術者及び事務補助員を臨時に任命し、その給與を決定することができる。
  本委員会に要する経費は、第六回國会召集の日まで、月平均百万円以内とし、委員長又は委員長が指定する理事の請求により、議長が支出させる。
 五、本委員会は、随時衆議院に対し少なくとも月一回その意見を附して調査報告書を提出しなければならない。
  衆議院が休会又は閉会中の場合は、右報告は、これを議長に提出するものとする。議長は、衆議院開会の際これを衆議院に報告するものとする。委員会の報告は、公益に害ある場合を除き総て公開しなければならない。
  右決議する。
 昭和二十二年十二月十一日、本院において議決せられました不当財産取引調査特別委員会が國会に設置せられまして、爾來第四回國会に至るまで活発なる活動を続けて参りましたことは、皆樣御承知の通りであります。われわれは、第五國会におきましても本委員会の重要性は十分認めるところではありますが、日本再建のために本委員会の活動を拡大強化し、名称を考査委員会と改め、不当財産取引調査特別委員会が從來取扱つて参りました仕事の上に、日本再建に重大なる惡影響を與えた行為の責任の所在を調査するとともに、さらに他面、日本再建に必要な事柄について多大の貢献をなした行為を調査し、それぞれの機関に対し調査の結果に基いて適宜の処置を求めることのでき得るような條項を附加し、明暗両面の調査をなし、またこの委員会の調査が現実の國政の面に具体的な効果を現わす方途を講じましたのが、本案の大きな目的であるのであります。
 ただ、ここで一言申し上げておきたいことは、日本再建に重大な惡影響を與えたものという條項があるのでありますが、その調査の対象となるものは、もちろん委員会において独自の調査が進めらるべきではありますが、本決議案の條文に二、三の例を引用いたしまして、本案の目的を具体的にかつ明らかに表現いたした次第であります。その一つは、不正に租税の賦課を免れさせ、納税を妨害する等納税意欲を低下させる行為であり、その二は供出を阻害する行為、その三は不法に労働爭議を挑発させる行為と明示してありますが、これらはいずれも二、三の例にとどまるのでありまして、本委員会の活動は、いやしくも日本再建に重大なる惡影響を與えたものに対しまして、各般にわたるその責任の所在を徹底的に調査せんとするものであります。
 本案がここに上程せられますまでに、去る三月十七日より昨日に至るまで、議院運営委員会において事前審議の形において種々論議せられたのでありますが、一部の方々より、農民の生産意欲を阻害するとか、または労働爭議の弾圧であるとかの御意見がありましたが、本案の趣旨は、決して一方的に農民や労働者に対して弾圧を加えんとするがごとき考えは毛頭あり得ないのでありまして、その対象の主体は決して一方的なものではなく、その原因結果によつて起る各種各般にわたるものを公平に取扱わんとするのが本案の精神なのであります。また、特高警察の再現であるとか、治安維持法の強化せるものであるとかの極端なる小数意見もありましたが、いずれも本案の趣旨を曲解せるものの考え方であり、さような内容は本案のいずこにも伏在しておらないことを強く明言いたすものであります。要は、日本再建のための信賞必罰の大精神であり、本委員会の設置によつて國会の権威に基き國民の期待する日本の再建をなさんとするのが本案の要旨であります。何とぞ滿場御賛成あらんことを切望してやみません。(拍手)
○議長(幣原喜重郎君) 本案に対しましては、米窪滿亮君外八十九名より成規によつて修正案が提出されております。この際修正案の趣旨弁明を許します。土井直作君。
    ―――――――――――――
○土井直作君 考査特別委員会設置に対しまして、日本社会党、日本共産党、労働者農民党、三党共同提案になりまするところの修正案の趣旨を弁明いたします。
 まず第一に案文を朗読いたします。
   不当財産取引調査特別委員会設置に関する決議
  本院は不当財産取引調査に関する特別委員会を設け、その委員会の構成、性質、権限等は、昭和二十二年十二月十一日本院で決議した通りとし、委員会の費用については、第六回國会召集の日まで、月平均百万円を超えない範囲で支出し得ることとする。
  右決議する。
 本委員会を設けようといたしますところの意図が那辺にあるかということを、しさいに檢討してみますならば、本委員会は、結局において不当財産委員本來の任務をサボるところの結果に相なるのであります。すなわち、考査委員会という名称によりまして、炭鉱國家管理法案をめぐつて続出しつつありまするところの汚職事件を故意に隠蔽せんとするがごとき作為の多々あることを発見せざるを得ないのであります。われわれは、かくのごとき故意にみずからの恥を隠蔽せんとするがごとき作為によつて、不当財産取引調査特別委員会の名を考査特別委員会と改称して、そこから逃避せんとするがごとき態度に対しましては、第一に反対せざるを得ないのであります。(拍手)
 本決議案に基く委員会の実施は、労働者並びに農民、中小商工業者の生存権を不当に弾圧する具に供せられるおそれなしとしないのであります。(拍手)すなわち、その決議の内容のうちに、不正に租税の賦課を免れしめ、納税を妨害する等納税意欲を低下させる行為、供出を阻害する行為、不法に労働爭議を挑発させる行為、こうした文面これ自体を見て行きまするならば、すなわち一方的に納税者を弾圧し、あるいは供出農民を弾圧し、あるいは労働階級の爭議を弾圧することのためにこの委員会が使われるところの内容を藏しておるということが明確に判断できるのであります。(拍手)
 わが日本社会党は、労働爭議は生産増強を目的として、日本再建のために労働者の経済的利益を守ることを中心に爭議を指導しておるのでありまして、從つて爭議が不法なる行為によつて行われるということは断じてないのであります。(拍手)爭議が起り來るその原因が那辺にあるかといいまするならば、現下の情勢から考えて行きまするならば、むしろ企業者側、資本家階級の側が不当に正当なる労働階級の組合運動を蹂躪せんとする意図が多々あるからであります。(拍手)現に給料の遅拂い、これらに明らかに労働階級の生存権を脅かしておるのであります。(拍手)かかる自己防衛、生活防衛の立場から爭議がひんぴんと起るということは、企業者、資本家階級がその経営に対して何らの知識も能力もないということが明確にされつつあるのであります。
 さらに供出並びに換金に対しましては、農村民主化闘爭を目標として闘つて來ておる。從つて、これらの闘爭をも弾圧するために、本委員会は不法なる爭議の調査に名をかり、裁判所または警察にその処置を求めることになるのであります。かかる結果は、國会が治安維持法的な、あるいは特高警察的な復活を意図しておるように見受けられ、これ自体が占領政策に違反する行為であると言わざるを得ない。(拍手)
 さらに本委員会は、國会法第四十五條の、常任委員会の所管事項以外の特定の事項調査のために特別委員会を設置するという事項に違反し、無制限なる権限を持つに至りまして、國会法に違反し、かつまた他の委員会の権限を侵す結果に相なるのであります。現政府は、増田官房長官が運営委員会で、非日活動委員会は特別行政官廳としての設置が妥当であると述べたことは、すなわち本委員会とうらはらの関係でありまして、両者相まつて國民の正当なる権利を抑圧せんとするがごとき内容を藏しておるということが判断でき得るのであります。(拍手)われわれは、今日民主主義政治運営の面におきまして最も重要であるところの國民の人権が不当に弾圧されるというがごとき結果を招來することをおそれる。
 かかる理由に基き、本決議案、すなわち考査特別委員会の設置に反対し、修正案を提出したゆえんであります。以上説明申し上げます。(拍手)
○議長(幣原喜重郎君) 質疑の通告があります。これを許します。志賀義雄君。
    〔志賀義雄君登壇〕
○志賀義雄君 先ほど考査特別委員会設置に関して、民主自由党、民主党及びもう一つの民主党から共同提案がありました。その理由は、佐々木君から説明がございましたが、これは國会法の第四十五條に第一違反しておるのであります。特別委員は常任委員会以外の特別の事項について問題を取扱うのでありますが、これには、從來の不当財産取引調査のほかに、今回日本再建に重大な惡影響を與えた諸行為というものが加わり、もう一つ賞勲局ででもやるべき事項と申してよろしい善行の表彰、文化、科学、技術等の再建に多大の貢献をなした諸行為を調査表彰する、こういうことになつておりまして、本來特定の事項にあらざるものを幾つも寄せたのであつて、これは提案者の側から見れば、あるいは從來の委員会の当然の発展と思われておるかもしれませんが、健全な日本人の常識から見るならば、これはまさに木に竹をついだようで、本來の委員会の趣旨を曲げるものといわなければならないのであります。(拍手)
 第二に、この提案の目的は、從來の不当財産取引調査委員会が、はなはだその初めの目的と違つて、提案者の諸君の属する党に、いろいろとその背後にあつて、今日まで國民の目から隠されていたことが、はつきりして來た。これを続けるならば、せつかく多数の議席をとられた党のあるいは生死に関する問題にも立ち及ぶかもしれないという不安が、まさにこの不当財産取引調査委員会をサボろうとさせるものであります。(拍手)その証拠には、現在の三十名の委員及びこれに付属する事務員をもつてすれば、從來の調査だけでも手一ぱいであります。これに諸行為の調査表彰とか、あるいは日本再建に重大な惡影響ある諸行為の調査というようなことを加えれば、結局この委員会では何もできないことになり、その結果、不当財産取引調査の方はあとまわしになり、結局多数の威力でもつて、これらの諸君が重大な惡影響ありと考える行為の調査のみになることは、これはもう当然のことであります。そういう次第で、これは不当財産取引調査をサボつて、かえつて日本再建にもつと重大なる惡影響を及ぼした腐敗行為を隠すためのものであるといわなければならないのであります。(拍手)
 さらに不当財産取引調査委員会は、明らかに政界、財界及び官界の上層部の腐敗が、從來警察、檢察及び裁判の諸機関をもつても十分に明らかにされないために、國民輿論に押されてできたものであります。從つて、対象は特定の事項に関し、はつきりしておつたものでありますが、今度考査委員会の第二項目としてあげられたものは、憲法第二十八條によつて明らかにその不法性を阻却されておるところの労働爭議その他人民の当然の基本的権利に属するもの、それが考査の対象になつているのであります。もしこの考査特別委員会ができるならば、かえつて國会は、みずからの名において、自分たちが選ばれた主権者である人民の権利を蹂躪するという結果になるのであります。(拍手)この点について、提案者は何ら用意ある説明をなしておらないのでありますが、その点について私は質疑をする次第であります。
 第四には、ここに第二の第一項に、重大な惡影響ある諸行為というものが列挙されております。提案者の説明によりますと、ひとりこれに限らず、すべての惡影響ある行為を含むと言われますが、ここに例示されたものを見れば、それは一片の逃げ口上にすぎないのであります。その証拠には、今日日本において最も危險なものは極右の行動であるということは國際的にも認められているのであるが、はたしてここに例示された事項に、極右を取締るというようなことが一つでもあげてあるか。いな、その反対であります。(拍手)これをなぜ落したのであるか。それも含むということは、これは逃げ口上にすぎないのであります。
 第五に、不正に租税の賦課を免れさせ、納税を妨害する等納税意欲を低下させる行為といいますが、そもそも納税意欲を低下させる行為は、今日までの戰後の諸政府がやつて來たことでありまして、その点においては吉田内閣も重大な責任があるのであります。(「ヒヤヒヤ」)その証拠には、國会において通過した予算、それに基く租税がそのまま國民に賦課されても、下層の國民にとつては非常に過重な負担なのでありますが、財務局から税務署と、その税金が割当てられるときには、水増しがされるのであります。憲法には、法律に基いて納税の義務があるとは明記してありますが、國会を通過した予算の予定する租税以上のものを税務署がかつてに取立てていいという條項はどこにもない。しかるに、こういう不法な行為をやつておることはあげずに、あべこべに、これに苦しんで、当然の権利に從つて減税を要求する、税の適正化を要求するものを不正な行為という、この提案者の意図は、まことに一方に偏したものといわなければならないのであります。(拍手)
 第六に、供出を阻害する行為という項目があげてありますが、この項目についても、今日まで(発言する者多し)――今日まで供出を阻害したのは、そもそもだれであるか。政府は、供出をしたならば、これこれの物資を與えると言つておるけれども、農村から出られた議員諸君なら、だれでも知つておるでしよう。政府が約束したものを、はたしてその通りに農民に與えたことが一度だつてありますか。(拍手)これは、いつでもやつておらないのであります。さらに政府はその上に、独占價格でもつて、大資本のつくる物には高い値段をつけ、農村から買い上げる農産物はこれをはるかに低い價格に置いて、その間の値ざやを、やすやすと大やみ資本にもうけさせている。(「それはうそだ」と呼ぶ者あり)そうでないという証拠があるなら、諸君、それを出してごらんになるとよろしい。明らかにそういうことをやつておるのであります。これは政府が第一に責任を負うべきことであるにもかかわらず、民自党及び民主両党の諸君が、これをあたかも民主主義的な運動をやる諸團体に責任があるかのように言うのは、まさに現在の政府の一方的な、反動的な、独占資本のためにのみ盡そうとする政策を隠蔽する以外の何ものでもないのであります。(拍手)
 第七に、不法に労働爭議を挑発させる行為、こういうことが書いてありますが、労働爭議は憲法によつてその合法性を認められているのであります。さらに、ここにおいて問題になるのは、そもそもストライキがどうして起きるか。運営委員会において、民自党の石田君は、電産猪苗代の爭議をあげられましたけれども、これは企業者側が、中央労働委員会の調停によつてスライドすると約束した賃金を、そのまま、物價騰貴にもかかわらず、すえ置いて、生活ができなくなつたために起つたストライキであります。政府及び企業家が、支拂うべき賃金も支拂わない、低賃金政策をとる、そういうことをやつた場合をあけずに、かえつて不法に労働爭議を挑発させる行為というのは、これまた資本家の御用のためにやる委員会であると断言されてもしようのないことであるのであります。(拍手)
 今日まで、近代の歴史において、ストライキをやり過ぎて滅びた國は一つもないのであります。(拍手)反対に、ストライキを無法に押えつけ、これは不正に挑発したために起るものであるといつて弾圧した國々は、みな滅びているのであります。ナチス・ドイツしかり。フアツシヨ・イタリアしかり。そうして天皇日本もまたそうであつたではないか。(拍手)しかるに、また今諸君は――この提案者の諸君は、またしてもストライキを不法的なものとして、何か惡い人間がいてこれを挑発するかのように考えてこの提案をなさることは、まさに時代に逆行するものといわなければならないのであります。(拍手)
 生産が増加しなければならない、それを妨害する行為が不正だと諸君は主張されるでありましようが、そもそも生産は人間のためにあるのであつて、人間が生産のためにあるのではないのであります。(拍手)全然さか立ちした考え方でもつて、今後の労働問題をこれによつてさらに紛糾に陥れる責任は、提案者が代表する党及び現在の内閣が負わなければならないものでありますが、そういう点についての用意は、提案者の説明を聞いても、少しもこれを見出すことができないのであります。
 さらに私どもは、日本における治安維持法の歴史を知つております。当時は國体明微ということが言われた。(発言するもの多し)國体明徴々々々々で結局日本の國をこういう悲惨な目に陥れた。諸君は、今民主主義の名において、民主主義を明徴しようとして、かえつて特高制度を復活する方向へ導こうとしているのであります。現に、昨日の議院運営委員会において増田官房長官が言明するところによれば、法務廳において委員会の行政機構をつくり、ここに非目的活動を取締る行政機関をつくろうというのでありますが、これこそ日本における旧特高制度の復活であり、旧思想檢察及び思想裁判を復活しようとするものでありまして、これこそ、日本の管理において最高の原則であるポツダム宣言及び極東委員会の方針にももとるものである。ひいては今回の憲法にまつたく相反する反動的なものである。これを國会において通過したならば、まさに國会は日本のフアツシヨ化の道具に使われることになるのであります。この意味において國会の名誉において、われわれはこれに断じて反対するものであります。しかるに提案者においては、こういう点については、ただ一方的に弁解の辞を弄するばかりであります。
 昨日、民自党の石田君が、三宅君の決議案の討論にあたつて、こういうことを言われました。三宅君は追放されたから最近の政治のことは御存知ないかもしれない。およそ議員として、こういう言葉は使うべきものではないと思います。ただいま私が質問いたしたことについては、何とぞ佐々木君は、昨日の石田君のような態度をとらずに答弁を願いたいと思います。これをもつて私の質疑を終る次第であります。(拍手)
○議長(幣原喜重郎君) 提案者より御答弁を願います。石田博英君。
    〔石田博英君登壇〕
○石田博英君 ただいま共産党の志賀義雄君からなされました御質問は、大部分御意見にわたつておることと私は考えます。さらにまたこの問題につきましては、運営委員会におきまして、すでに約一週間にわたりまして、しばしば質疑應答を重ねて参つたのであります。志賀義雄君が、今日われわれの見解であると称して述べておられることにつきましては、私どもは、それがまつたく一種の被害妄想的な誤解であるゆえんを明らかにいたして参つたのであります。從つて、志賀君が、普通のわれわれと同樣の五感を持つておられるならば――われわれと同樣の感覚を持つておられるならば、生理的にすでにおわかりのはずであると私どもは考えるのであります。しかしながら、念のために、質問の各要項にわたりまして、私どもの見解をここに表示しておきたいと存ずるのであります。
 まず第一点は、われわれの提案にかかるこの決議案が國会法四十五條の違反になるのではないか、四十五條によれば、特別委員会は常任委員会以外の特別の目的を対象としなければならないという御意見でありましたが、この條項のうちに、一つも特別というものは一つの目的を意味するとは書いていないのであります。諸君は、かつて不当財産取引委員会の決議案を上程せられましたときに、滿場一致をもつて賛成をいたされました。これはまた特定の目的でありまするが、同時に國家再建に惡影響を及ぼしまするところの各行為を調査することも、同樣特定の一つの目的であると私どもは考えるのであります。(拍手)さらにまた、國家の再建を求めるわれわれ國民の大理想を達成いたして参りまするためには、單にあやまちを摘発するのみに限つておつたのでは、この目的を達成できないのでありまして、善行を表彰・賞揚することもまた特定の一つの目的であると私どもは考えるのであります。從いまして、われわれは、國会法第四十五條の規定に断じて違反していないゆえんをここに明らかにいたしておきたいと存ずるのであります。(拍手)
 さらに志賀君は、口を開けば、われわれが不当財産取引委員会がかつて行つて参りましたところの調査をこれでやめてしまおうと考えておるかのごとき言辞を弄されまするが、(発言する者多し)本決議案のどの條項にこれをやめるということが書いてありますか。本決議案には明らかになつている通り――本決議案には明らかになつておるように、われわれは、これをさらに拡大しようとしておるのであります。(拍手)この一事こそは、共産党の諸君が、われわれの決議案の中に明らかに書いてある事態をわざわざ隠蔽いたしまして、われわれの意図をことさらに歪曲しようとしておること以外の何ものでもないのであります。(拍手)
 さらにまた、志賀君の御意見によると、三十名の現在委員をもつてしても十分調査が進み得なかつたものを、さらにその目的を拡大したならば、とうてい何らの効果も收め得ないではないか、結局においてもみ消すことになるのじやないかという御意見でありましたが、運営の將來につきましては、諸君が、もしその組織をもつて全体の目的を達成し得ないとするならば、その運営の方法において適当に考慮し、配慮を行えばよいと私どもは考えておる次第であります。
 さらにまた、從來の檢察、警察その他の機関をもつてなし得なかつた行為を調査するのが不当財産取引調査委員会の目的であるといたしまするならば、われわれもまた、この考査委員会におきまして、從來の警察や檢察機関をもつて十分達成し得なかつた、わが國再建に重大なる惡影響を及ぼしまする諸行為の原因を突きとめまして、政治的な根本的解決をはかることが刻下最大の急務であると考えておるのであります。(拍手)
 さらに、この決議案が憲法に違反すると言われておりまするけれども、私どもの見解をもつていたしまするならば、またわれわれが、ここにあらためて申し上げまする必要がないほど、本決議案はだれが憲法に優先すると申しておりますか。憲法の中で本決議案が運営せられることは明らかであります。(発言する者多し)わかり切つた議論をここにせられる愚挙に対して、あえて答弁の必要はないとわれわれは考えるのであります。
 さらに、重大なる惡影響を及ぼす諸行為という点につきまして、あるいは納税の問題につき、あるいは供出の問題につき、あるいは労働爭議の問題につき、これらはすべて一方的に税を課せられる方、供出を課せられる方、労働爭議をやる側ばかりをわれわれが追求しておるかのごとき歪曲せる意見を発表せられましたが、この決議案を普通の常識と教育ある者がごらんになりましたならば明らかである通り、何らそれらの行為の主体は書いていないのであります。すなわちわれわれは、國民の納税意欲を阻害する行為に対しましては、その行為が、たとえば現在の出先官憲の不当なる割当によつてかかる事態が惹起せられましたならば、それらの官憲、政府の責任を追及調査するに、いささかの躊躇もいたさないのであります。(拍手)さらにまた私どもは、農民の供出意欲を阻害する行為の原因が出先官憲や現在の行政機関の怠慢の結果に基くものであるとするならば、それら官公吏の責任を追及するのもまた当然であると考えるのであります。(拍手)さらにまた労働爭議の原因につきましては、あらためてここで私どもが申し上げるまでもなく、共産党の諸君といえども、今日の事態において労働爭議が國家の生産に重大なる障害を及ぼし、経済の回復に惡影響を及ぼすものであり、できればこれをとめた方がよいものであるという御意見だけは、われわれの同感であろうと考えるのであります。それをもし、だれがそれを挑発したかという原因をわれわれが突きとめて参りますことを得ますならば、労働爭議の眞因を解決し、國家再建に最大の影響をもたらし得るものと確信いたすのであります。
 志川義雄君は、今日ストライキを禁止した國は必ず滅び、ストライキを禁止しない國は栄えていると申しておりますが、諸君に私どもはここでお尋ねしたい。ソビエト連邦において今日ストライキが許されているかどうか。(発言する者多く、議場騒然)その言葉をそつくり諸君に返上申し上げたい。諸君の言葉が正しいといたしますならば、━━━━━━━━━━━━━━━━━さらにわれわれが今日……(発言する者多く、議場騒然)何が彼をこれほど興奮さしているか。
 さらにわれわれが、この決議案を提出した結果から生ずる事態について何ら責任を負う態度を明らかにしていないと言われましたが、われわれといたしましても、國民の負託を受けて國権の最高機関に議席を占める以上、提出する議案に全責任を負う覚悟であることを、ここに明らかにいたしまして、質疑にお答え申し上げる次第でございます。(拍手)
○議長(幣原喜重郎君) 志賀君、再質問がありますか。
    〔志賀義雄君登壇〕
    〔「議長許したのか」と呼ぶ者あり〕
○志賀義雄君 許されなければ、ここに立ちませんよ。
 ただいま石田君の御答弁を聞きましたが、相かわらず要点は逃げておるのであります。一方的にあげた例示は、すべて労働運動を取締り、農民運動を押えつけ、さらに税金適正化運動、これに関する弾圧、こういうものだけを例示しており、なぜ他方の、國家の税務官吏あるいは出先官憲の不法な圧迫、これを例示しないか、この理由は少しも説明されていないのであります。この点について、この決議案が一方的に日本の民主化運動を抑えつけるものであり、かえつてこれが平和を破壊するものである、ポツダム宣言の趣旨に反する結果を生み出すことは、火を見るより明らかであります。そういう点について、ただいま石田君の方から答弁のありましたことは、日本人、いやしくも健全な常識を備えた日本人は――たとえば、去る二十五日の朝日新聞でもごらんなさい。いろいろ理由は言つているけれども、この考査委員会というものは保守政党側の非日活動調査にすぎないといつておる。石田君は委員会において、これは絶対に非日活動調査の委員会とは関係がないと言つておりましたが、一般の常識が、こういうふうに認めておるのであります。
 さらにまた、ただいま石田君が━━━━━━━━と言われましたが、これは世界の大勢にまつたくまつ暗な御説明としか受取れないのであります。(拍手)こういうことを日本の新憲法下の國会において得々として言われるとすれば、これは日本の國会が世界に笑われることになりますから、(拍手)そういう無知なことは絶対におつしやらない方がいい。
 要するに、ただいまの御答弁は相かわらず一方的な意図を藏して、日本の民主化運動を弾圧する以外の何ものでもないのであつて、私は断じてこの御答弁に滿足はできないということを表明するものであります。(拍手)
    〔石田博英君登壇〕
○石田博英君 志賀君は例示という言葉の意味を知らないものと見えます。私どもは、本決議案にたとえて示したものとして三つの例をあげたのでありまして、その他のすべての國家の再建に障害を及ぼす行為は、その主体が何人であろうとも私どもは調査の対象とすることを明らかにしておきたいと思うのであります。(拍手。)
 さらに、これを逃げ口上であるとおつしやる方々の御議論は見解の相違であります。私どもは、これ以上かかることを繰返す必要はないと考えるのであります。(拍手)
 さらには、私どもが━━━━━━と言うたならば、あれほど激昂しておるところの事実こそは、何が民主的というものの本質であるかを明らかにしておるものと考えるのであります。(拍手)
○議長(幣原喜重郎君) 次に猪俣浩三君の質疑を許します。
    〔猪俣浩三君登壇〕
○猪俣浩三君 土井君及び志賀君によりまして政治的な論議が盡されたと存じまするので、私はいささか法律的な意味におきましての御質疑をいたしたいと存じます。
 まず総論的に申し上げますることは、本委員会の設置の動機はどこにあるかということであります。不当財産取引調査特別委員会を解消いたしまして本委員会に切りかえまする動機がどこにあるか。われわれの行動は、必ずある動機をもつて、ある目的行動を起すのでありまするから、この委員会をつくるにつきましては、何らかの動機があつたはずであります。動機のない行動というものは人間にありません。そこで、この動機、この委員会をつくる動機について、提案者に説明を求めたいのであります。なぜならば、あらゆる行動は、その動機いかんによりましてその性格が決定せられるのでありまして、本委員会がいかなる性格を持つ委員会なりやにつきましては、いささか疑いがあるのでありまするから、その動機を明らかにしていただきまするならば、本委員会の性格も明瞭になるかと存じまするので、この点につきまして、目的と違つた動機を御説明願いたいのであります。願わくば実例をあげて御説明いただくならば、幸甚この上もないのであります。
 なおいま一つ、本委員会と、非日活動委員会というものができるそうでありまするが、これとの関係につきまして、これは提出者がいかなる構想のもとに、この委員会とどういう連絡ある構想のもとにこの委員会の案を提出されたか。この非日活動委員会につきましては、本委員会と関連する範囲におきまして政府の御証明を願いたいのでありまするが、まずこれには三つある。一つは、本委員会を設置した動機と、それから非日委員会設置の動機との異同いかんということであります。それから第二は、非日委員会の活動の対象と、本委員会の活動の対象との異同いかんという問題であります。第三には、非日活動委員会と本委員会との連絡はどうなるのであるかという問題であります。この三つについて、提案者はいかなる考えのもとにこの委員会の案をお出しなされたか、提案者のお考えをお尋ねいたすのであります。なお、あとで政府の御答弁を願いたいのであります。
 次に各論的な問題に入りまするが、これは先ほどからの弁士によりましてもいろいろ疑問が投げかけられておりまして、この委員会の活動は國民の自由と非常な関係がある。ことに、労働組合あるいは農民組合の指導者にとりましては重大なる関係のあるところの案であると考えまするので、そこで、この委員会の活動の対象、活動の範囲というものは、ごくこまかに、微細にこれを檢討しなければ、ゆゆしき問題を引起すと存ずるのであります。その意味から、いささかこまかいことになるかも存じませんが、二、三の点につきまして提案者の御説明を願いたいと思うのであります。
 第一は、この決議案を見ますると、「昭和二十三年十二月十一日本院において議決した不当財産取引調査特別委員会設置に関する決議の二の調査をする外、不正に租税の賦課を免れさせ、納税を妨害する等納税意欲を低下させる行為」、こうあるのであります。そこで、不正に租税の賦課を免れさせる行為につきまして御質問いたしまするが、この文案から見ますと、租税を免れさせる行為のうち不正なものがこの対象に相なることになつておる。すなわち、租税を免れさせる行為のうちに正と不正とを区別いたしまして、不正なるものを対象とするということに相なつております。しからば、正と不正との区別の標準いかん。これは價値判断でありますから、何が正しく、何が不正であるかということの判断の基準がなければならぬと存じまするが、いかなることが不正なことに相なるのであるか。この價値判断の標準を示していただきたいと思うのであります。(拍手)
 それから、免れさせた行為ということに相なつておりまするが、これは免れさせた、いわゆる教唆をやつたというふうにとれるのでありますが、そのものだけを対象にするのであるか、あるいは納税者自身の免れた行為が対象となるのであるか、ならぬのであるか、その点についてお尋ねいたします。
 第三番目には、不正に免れさせても納税者が納税意欲を低下しない場合は対象になるのであるかどうか。なぜならば、この文章の終りに、こういう「不正に租税の賦課を免れさせ」、よつてもつて「納税意欲を低下させる行為」、こうあります。これにかかるはずでありますから、不正に免れさせても納税者が納税意欲を低下しなかつた場合はこれにあてはまるのであるかどうかということであります。
 次に納税を妨害する行為。一体妨害ということは、どういうことが妨害に相なるのであるか、はつきりしないのであります。納税者は納税意欲があるのであるが、第三者が納税しないように指導した場合のみを言うのであるか、あるいは納税者と共謀して納税をさせなかつた場合を妨害というのであるか、この点についても御説明願いたいのであります。妨害の具体的の実例をおあげいただければ、まことにはつきりするかと存ずるのであります。
 なお次に「納税意欲を低下させる行為」とあるのでありますが、納税意欲というのは、これは人の心の状態であります。そこで、これは納税者自身の所感に基いて判定するのであるか、あるいは各種の材料に基いて、こういう材料がそろつておれば納税意欲が低下したのだろうと客観的に判断なさるのであるか、この点についてもお伺いしたいのであります。
 それからその次は「供出を阻害する行為」とありますが、いかなる場合が供出を阻害したということに相なるのであるか。先ほども話がありましたが、不当割当に対しまして抗議を申し込むようなことが、この供出を阻害した行為の中に含まれるのであるか、これもお答えを願いたいと思うのであります。
 なお「不法に労働爭議を挑発させる行為」――これは文章がちよつとおかしいと思うのです。不法に労働爭議を挑発する行為ならわかりますが、「挑発させる行為」というのは、どういう意味でありますか。これはおそらくは、労働爭議を教唆して労働爭議を起させたという意味だろうと存ずるのであります。そこで、不法に労働爭議を挑発させることとありますが、これも明瞭を欠くのであります。その労働爭議が合法的な労働爭議であつても、この労働爭議を起すように指導した者を対象とするというのであるか、元來不法な労働爭議を起させたことだけを対象とするのであるか、この文章だけでは、はつきりしないのであります。もし労働爭議を合法的にやつておるが、この労働爭議を起させた教唆者だけが対象となると、これは法律の理論から少し通らぬのでありまして、刑法にも教唆罪というものがあるのでありますが、本犯すなわち主犯が犯罪にならざるのに、教唆者だけが犯罪を構成するということはあり得ないのでありまして、法理論にそむいておるのであります。もし、労働組合法あるいは労働関係調整法において合法的な労働爭議と認められておるものを、ただ指導したということだけで、ただちに不法に労働爭議を挑発したということになるのであるか、ならぬのであるか。もし、これがなるとしますならば、これは私どもの法理解釈からすれば妥当を欠くのでありまして、やつておる本犯は合法であるのにかかわらず、合法のことをさせた者がはなはだ不都合だということは、論理一貫せぬと考えるのでありまして、この点についての御説明を願いたいと思います。(拍手)
 それから、正当な労働爭議であつても、これを教唆すれば、みな本委員会の対象になるという御説明であるとすると、しからば正当な労働爭議を不法に教唆するということは一体どういう場合であるか、私は頭が惡くて、ちよつとわからぬのであります。実例をもつてお示し願いたいのであります。労働運動は合法的であるが、その合法的な労働運動を不法に教唆するという場合は、どういう場合がそれに該当するのであるか、実例をもつてお示し願いたいのであります。なおこの点につきましては、「不正」あるいは「不法」という言葉がありまして、「不法に労働爭議」とありますが、不法あるいは不正というこの区別の標準はどこに置いて不法に挑発させたというのであるか、この区別を実例でもつてお示し願いたいのであります。
 そこで、なお最後に、「その他の諸行為で日本再建に重大な惡影響を與えたもの」と、はなはだ包括的なる、厖大なる條項を置いておるのであります。これはどうも、今提案者の御説明を聞いても漠としてわからぬので、「日本再建に重大な惡影響」というのは一体どういうのであるか、これも具体的に説明願いたいのであります。たとえば、日本再建に重大な惡影響ということは、経済的の意味だけであるか、思想的の意味も含まれておるのであるか、この点についても、はつきりいたしません。もし思想的な意味だとしますならば、天皇親政論を唱える者は、これにあてはまるのであるかどうか。これも私は、日本再建、日本の民主國家成立には重大な惡影響を及ぼすものだと考える。(拍手)でありますから、かようなことも本委員会の対象になるのであるかどうか。また、その他幾多の事例があるのであります。たとえば、言論・結社の自由の圧迫ということも日本の民主國家再建には重大な惡影響があります。かような言論の自由、結社の自由を圧迫する、われわれの基本的な人権を圧迫するような行動も、この日本再建に重大な惡影響を及ぼすものに当るのであるかどうか。(拍手)こういうことについても御説明願いたい。この御説明がないから、いろいろの疑心暗鬼が生ずるのであります。かようなことについても明らかにしていただきたいのであります。
 なおまた近ごろひんぴんと起つておりますが、地方の檢察官たちが地方のいわゆるブローカーあるいはボスたちと結託いたしまして檢察の民主化をはばんでおる。これも日本の再建に非常に惡影響を及ぼす。こういうものをやはり対象となさるのであるかどうか、これについても御説明願いたいのであります。かように考え來りますと、たくさんあるのでありますが、時間もありませんから簡單にいたすのであります。
 なお、この決議案の三項には「本委員会は、調査の結果に基き必要と認めたときは、所管の機関に対し、前項第一号の事項については、これが責任に関し」とあるのでありますが、この所管の機関という中には、いかなる機関が含まれるのであるか、これの御説明を願いたいし、今できんとしております非日活動委員会というものが、この所管の機関の中に入るのであるかどうか、この点に対しても御説明を願いたいと思うのであります。
 なお最後に、「適宜の処置を求めることができる」というのは、大体どういう処置をお求めになろうとするのであるか、この点についても御説明願いたいと思うのであります。
 以上、大体こまかいことでありますが、私どもも正当な委員会ならば何も反対しないのでありますが、これらの点につきまして、はなはだ疑義が多数あり、はなはだあいまいな事項を包含して委員会をつくりますと、これは私は大きな問題と相なると思うので、十分愼重審議して、これならば間違いでないというところでおきめ願いたいと思うのでありまして、はなはだずさんなる案で、早速われわれは賛成するわけに参らぬと思うのでありますから、周密なる御答弁を願いたいと思うのであります。(拍手)
    〔石田博英君登壇〕
○石田博英君 猪俣君の御質問に対しましてお答えを申し上げます。
 まず第一の御質疑は、われわれが本決議案を提出いたしました動議に関してであります。私どもが本決議案を提出いたしました最大の動機は、現在わが國が終戰後第四年目を迎えまして、民族の繁栄と両家の興隆とを求めて参りますために何よりも必要な國家の治安を回復し、その秩序を確立いたしまするとともに、國家経済の復興と再建に努めたいということに出発することは、言うまでもないのであります。さらに、不当財産取引調査委員会の審議を今日まで続けて参りました経過にかんがみまして、私どもは、單に財産の面だけではなく、その他日本の國家再建に大きな影響を與えまする諸般の行為にまでその対象を廣めて参らなければならない必要に今日迫られたからであります。(拍手)動議の説明はその通りであります。
 また、本委員会と今日巷間に傳えられておりまする非日活動委員会の関係はいかん、こういう御質問でございました。私どもは、本委員会に関する決議を起草するにあたりまして、非日委員会のことにつきましては何ら考慮を拂つていないことを、この際明言いたしておきたいと思うのであります。何らの関係もないのであります。從いまして、関係のないことに対しての諸般の御質疑に対してはお答えする必要がないと考えるのであります。
 さらに、私どもが掲げました三つの例示につきまして、こまごましい御質疑がございました。私どもが本決議案に掲げました三つの例示は、あくまでこれは例示であります。私どもが本委員会におきまして調査を行わんといたしまするところの目的につきましては、後段において明らかにいたしてありまする通り、國家再建に重大なる影響を及ぼす行為全般を指しておるのであります。これをずさんである、特定なものではない、抽象的であるという議論をなされる共産党、社会党の諸君は一昨年不当財産取引調査特別委員会を設置する決議案の中に、「日本國民の利益及び財産を奪い‥‥」(「前を略すな」と呼ぶ者あり)「又は公職にあらざるも、公然又はかくれて日本國民の利益及び財産を奪い、又は奪うのに寄與し乃至公益に反して行動をなした者との関係の調査」とあります。すなわち、公益に反した行動をなした者というこの抽象的な決議案に対して賛成をさせられた社会党、共産党の諸君が、今日、より明確になつておりますところの、日本國家再建に妨害を及ぼす諸行為という内容がおわかりにならないはずはないと、私どもは構ずるのであります。(拍手)
 さらに正と不正との関係、正と不正とはどこで区別をつけるか、合法と不法とはどこで区別をつけるか、という御質疑でございました。まことに弁護士の方らしい御質問でございますけれども、われわれ法治國家のもとにおきまして、正と不正との区別をつけるところの基準は、法の秩序と、同時に社会正義によつて客観的に判断するものであるゆえんを、ここで明らかにいたして参りたいと思うのであります。(拍手)
 その他われわれが例示としてあげました行為につきましての詳細につきましては、私が先般志賀君の御質問に対しましてお答えいたしました通り、さらにまた運営委員会におきまして数時間にわたつて質疑に應答いたしました経過を速記録でごらんになれば明らかである通り、私どもは、これらは例示であつて、その対象は諸君が考えておられるがごとく一方的なものでは断じてなく、その主体は國民全般を対象とすることを明らかにいたせば十分であると私は考えるのであります。
 以上をもつて猪俣君に対するお答えといたします。(拍手)
    〔政府委員増田甲子七君登壇〕
○政府委員(増田甲子七君) 猪俣さんの御質問にお答え申し上げます。
 いわゆる非日委員会のごときものの設置を考慮せよとの総理の指示に基いて、今政府はせつかく考慮研究中でございまして、はたしてこれを設置すべきやいなや、またもし設置するとして、いかなる態樣においてこれを設置すべきかは研究中でございます。(拍手)
    〔猪俣浩三君登壇〕
○猪俣浩三君 私の質問に対して石田君の答弁がありましたが、最も重大な点について御答弁がなかつたのであります。労働爭議を不法に挑発させるということについて、私は念入りに御質問申し上げた。この点についての御答弁がないのであります。これは非常に重大問題でありまするから、私は明確に願いたい。不法ならざる労働運動を教唆しても本委員会の対象になるのであるか。不当なる労働爭議だけに限るのであるか。なお挑発するということは、石田君のさきの答弁によりますと、官民を問わざる処置であるとしまするならば、どの程度までを教唆と認めるかということは、これまた重大問題でありまして、これもついでに御答弁願いたい。たとえば、政府の態度あるいは政府の官にある者の言動によつて労働爭議が勃発したというようなことがあり得るとするならば、これも労働爭議を誘発させたものなりとして、政府を取調べるということに相なるのでありまするか。(拍手)この点につきましても、官民を問わぬというならば、官の方がかような誘発行為をさせた場合にもこの調査をしなければならぬと思いまするが、これについても御答弁を願いたいと思うのであります。
 それから、正不正の判断は社会正義に基くという御答弁でありまするが、租税の賦課を免かれしめるという具体的な事実を例示されましての意味の不正なのでありますから、あるいは正なのでありますから、そういう抽象的なことでなしに、どういう場合が不正になるかということを、例をあげて御説明願いたいと私は申し上げた。もし例をあげることができないとするならば、はなはだわけのわからぬことでこの法案を出されたということに相なるのでありまして、こういう場合が正しい、こういう場合が不正であるという実例があげ得るはずだと私は思う。納税の不能という具体的な事実にかかつておるのでありますから、そういう抽象的な社会正義などということでなしに――社会正義なるものも解釈の仕方によりまして、みな違うのでありまして、フアツシヨ團体の考える社会正義と、社会党の考える社会正義と、また違うのであります。そういういわゆるに抽象論でなしに、具体的に親切に御答弁願いたいと思うのであります。
 なお、増田官房長官のただいまの御答弁は、私はきつねにつままれたような感じです。けさの新聞に具体的に詳細に出ておるのでありまして、運営委員会かなにかに御説明になつた。それに対しまして、なお私はいろいろの疑義がありますからお尋ねしたいと思いましたら、本会議では、まだ設置するかしないかも考えておらぬというような御答弁で、はなはだ不親切な御答弁じやないかと思うのでありますが、考えておらぬと言われればしかたがないのでありまするから、これで私は引き下る次第であります。(拍手)
    〔石田博英君登壇〕
○石田博英君 労働爭議を挑発させたところの行為という言葉につきまして、合法的な労働爭議を挑発したものは、挑発したものだけが対象になるかどうかというような、こまごましい御質問がございました。私どもが本委員会において調査の目標といたしまするものは、決議をお読みになればおわかりになる通り、日本國家再建に重大な惡影響を及ぼしたところの行為となつておる。すなわち、問題はそこで大きく制約されておるのでありまして、私どもが調査の対象といたしますところのものは、もつと大きな問題を対象とするのであります。何が合法であるか、何が不法であるか、もしもその労働爭議が、政府の適当なる処置がないために起つたものであり、あるいはまた、もしもその行為が経営者の不誠意と横暴によつて起つたものである場合におきましては、それらを対象とすることは、もとよりであります。われわれは、要は労働爭議を不必要に惹起せしめざるように、その眞因をただして、それを矯正することをおもなる目的といたしておるゆえんを、明らかにいたしておきたいと思うのであります。
 さらに税の問題につきましては、もしも税務官吏の不当なる割当や、不公平なる職権の行使によりまして、國民の納税意欲が不必要に阻まれるというような事態がありますならば、われわれは各地でそういうことを聞いておるのでありまするが、そういう事実につきましても、その眞因を突きとめて、これらの事態をなくすように努力するのが、われわれの委員会の任務であると考えます。
    〔議長退席、副議長着席〕
さらにまた、その逆に、大阪で起りましたように、税務署の官吏が特定の政党に所属しておる諸君と連絡をとりまして、その諸君の援助があり口添えがあつたならば不当に税を安くするという事態が起つております。それによつて四名の税務署員が馘首をされ、処分をせられておるのであります。かかる行為に対しましても、同樣に私どもはその眞因を確かめて、課税の適正と公平を期して参りたい所存なのであります。
 以上をもつて私の答弁といたしたいと存じます。(拍手)
○副議長(岩本信行君) これにて質疑は終了いたしました。これより討論に入ります。鍛冶良作君。
    〔鍛冶良作君登壇〕
○鍛冶良作君 私は、本決議案に対して賛成の意見を述べるものであります。
 先ほど來修正意見の説明並びに質問等を聞いておりましたが、それらはことごとく、その人独特の大前提をもつてこれを攻撃せんとせられるものでありまして、本案のほんとうの趣旨をわざわざ曲解し、または曲解させようとせられておるものと断ずるよりほかありません。
 第一に、前あつた不当財産取引調査特別委員会そのままでいいじやないか、何ゆえかようなものをつけたか、かような議論でありますが、われわれは、過去二年にわたりまして、隠退藏物資取引調査委員会より不当財産委員会にわたつて、実地に当つて参りましたる結果、なおこれでは不足である、またはこれではいかぬ、もつとここをこのように直そう、かように考えたものをここに付加したものでありまして、不当財産取引調査特別委員会の趣旨は一つもまげておらぬのであります。その意味において、われわれは、これに対して反対せられることはまことに合点が参りません。
 その次は、こういうものをつけ加えることによつて本來の不当財産取引の調査が粗漏になる、もしくはこれをぼかそうとしようとしているという議論であります。われわれは、さような考えがあるならば、あれを縮めます。あれが元の通りである以上は、決してさようにゆがむわけがありません。ことに、先ほどの大部分の議論を聞きますと、炭鉱國管案の事件をうやむやにしようとする目的だということを言われたが、何ゆえに炭鉱國管案だけを言われるのですか。もしそういうものであるならば、まだいくらでも問題があつたはずである。しかるに、ここに炭鉱國管案だけをあげられるとは、まことに私は合点が参りません。何らかの意図のある問題だと考えるのであります。
 なお、三十名の委員会によつては十分やられないじやないかという御懸念でありますが、委員の多少によつて仕事ができる、できぬではありません。その運用のよろしきを得なかつたり、手不足があるならば、これに対する補助員並びにやり方に対して今後御注意を願えればけつこうなことでありまして、今成立せんとする今日においてこれを言われることは、まことに出発せんとするものに対して、けちをつけんとするものにほかなりません。われわれは、かようなことではなくて、この委員会を、ともに、りつぱな目的のために成長させてやろうというお氣持で臨まれることを、まずもつてお願いをいたしておくものであります。
 それから、先ほど來石田君の答弁で十分おわかりになつたと思いますが、この日本再建に重大なる影響のあつた行為に対してこれを調査する。しかして、ここにあげましたる例示としての納税及び供米もしくは労働爭議ということに対しまして、諸君よりいろいろ議論は出ましたが、いずれもこれは例示であります。しかもこれに対しては、ことごとく「不正」であるとか「不法」であるとかという條件がついておるものでありまして、不正にあらざるもの、不法にあらざるものまでもやろうというのではありません。これが第一です。
 その次は、この不法不正がありましたならば、あえて納税者、供出者、労働者だけを対象にするものではない。一切これに関連して不正をなしたもの、不法にこれをやつたもの、ことごとく対象とするものでありますがゆえに、あなた方の御心配はまことに御無用なことであります。(拍手)
 さらに猪俣君から、何が不正であるか、また何が不法であるかと質問されておりましたが、さようなことは、本日ここで論ずることではありません。委員会において、われわれが、これを不正と思うかどうか、不法と思うかどうかということを嚴密に調査してもらうことを言うのでありまして、さようなことは、そのときどきに出た具体的な問題によつて決するほかはないのであります。今日これをもつて非難せられることは、まことに当らざるもはなはだしきものと言わなければなりません。(拍手)
 さらに、國会法第四十五條に違反し、もしくは他の委員会の任務を侵すものでないかという議論でありますが、これも先ほど來石田君から述べました通り、特別の事項を調査するということはもちろんでありまして、ここに掲げられたものは、ことごとく特別なものだ。特別にあらざるものなら、やらなければそれでよろしい。われわれは、特別のものに対してやるというのだから、決してかようなものに違反しない。もしこれに違反するならば、前にやつた不当財産取引調査特別委員会も違反したりということを言わざるを得ない。われわれは、特定したるもののみをやります。何でもかんでもやるというのではありません。ことに、不正不法を目的とするものであるがゆえに、さような御心配はまことに御無用であると申し上げるのであります。(拍手)
 なお、憲法二十八條に違反しはせぬかという議論でありますが、これも不法にやつたものをやるというのに、何ゆえに憲法に違反するのですか。憲法に適應しているそのままのものを調査し、これを弾圧するならば、これはやることが不法である。それなら憲法違反であるが、そのことが憲法を逸脱し、法律上許されざることをもつて挑発したならば、これをやるのである。不法なものだけをやるというのに、憲法違反などという憂いは一つもないわけであります。(「裁判所がやる」と呼び、その他発言する者あり)われわれは、ここで諸君に聞いてもらいたい。
 さらに第三項においてきめたることは、猪俣君から質問がありましたが、これは不法であるとか、これはいかぬということは、この委員会において決定するものではありません。林君が言われる通り裁判所がやるべきだ。われわれは、これが不法であると思うがどうか、こういうことはいかぬと思うがどうかということを調査して、ここに書いてある通り、それぞれの特殊の権限をもつておるもののところへ眞の処断、眞の処置をまかせるということが、本決議案の趣旨であります。この点は十分御了承願いたいのであります。
 その他非日活動委員会についての問題はありまするが、われわれは非日活動委員会なるものはうわさには聞いておりまするが、何をおつしやるのかわかりません。さようなことで本決議案に反対せられることは、これまた当らざるもはなはだしきものだと考えるのであります。
 以上の見地からいたしまして、いよいよここにその目的を大きくし、いわゆる信賞必罰を明らかにして、惡は惡としてこれを徹底的に追求する、善は善として國民の前にこれを吹聽し、しかして眞にわが日本の再建をはかろうとする本決議案の目的に、双手を上げて賛成するものであります。(拍手)ここに賛成の意見を申し述べます。
○副議長(岩本信行君) 佐竹新市君。
    〔佐竹新市君登壇〕
○佐竹新市君 私は、三党の共同提案になりましたところの修正案に賛成の意見を述べるものでございます。
 昨年の解散前の國会におきまして、不当財産取引調査特別委員会でまだ未解決になつているものだけをあげましても、昭和電工問題、石炭國管問題、千葉合同不正融資問題、繊維並びに蚕糸統制令にからまる不正問題、大口やみ利得の問題、鉄道不当拂下げ事件、艦艇解撤拂下げ事件、かように未解決の問題が数多くあるのであります。私は、昨年の解散前までの國会に、不当財産取引調査特別委員会の委員の一人としておりまして、特に炭鉱國管問題が不当財産取引調査特別委員会において問題になりました当時に、民自党の委員諸君が、陰に陽にこの不当財産委員会を無視しよう、何とかしてこの不当財産取引調査特別委員会という特別委員会を解消しようということに必死に努力されたことは、明らかな事実でございます。(拍手)
 今ここに、考査委員会に名をかりまして、まことに呼び名も不当財産取引調査特別委員会というこの峻烈な名前よりも、考査委員会という、民自党のお考えになるような世間体のよろしい名前を設けて、その実は、この不当財産取引調査特別委員会が、財界、官界、政界のまず徹底的な粛正をやらなければならない、こういう目標で行つたものを、反対に、一般國民大衆が、九原則により、この民自党の公約無視によりまして、工場において、農村において相当なる不平が巻き上ることを今日予想されておるのでありますが、そのことにおいて、一つの弾圧の防波堤としてここに考査委員会を設けて、その目的は不当財産の取引を徹底的に調査し、そうして官界、財界、政界の粛正をやるということでなく、一般國民大衆の生活権を脅かすところの弾圧取締りをやろうというのであります。(拍手)このことに対しましては、われわれは考えなければなりません。
 過去におきますところの軍閥官僚の独裁政治下におきまして、日本の労働階級、農民階級がどれだけ弾圧を受けたか、このことが、まさに今日の民主主義日本において再現されようといたしますことは、逆行もはなはだしいものであります。ゆえに、どうか民自党の諸君といえども、今日日本が國際的に民主化して行かなければならないという点に対しては、かような、いわゆる時代逆行的な考査委員会というようなものを設けて大衆を弾圧するような一つの手段を設けられずに――また官界、財界、政界に幾多の不正がうず巻いております。最近の蚕糸事件を見られても御承知の通り、これらに手を入れて行くならば、当然保守政党に及んで行くことは明らかである。(拍手)この点を諸君はあくまでも防衛しようとする、その手段である。この点に対して、われわれは徹底的に反対をするのである。ゆえに、この修正案に対しては、われわれは絶対に賛成の意を表するものである。(拍手)
○副議長(岩本信行君) 小川半次君。
    〔小川半次君登壇〕
○小川半次君 私は、民主党を代表いたしまして、ただいま議題となつております佐々木君外四名の提出による決議案に賛成の意見を述べんとするものであります。(拍手)
 わが民主党は、健全野党として、是是非々主義をもつて、民主政治の発達と政局安定の確立のため、ときには政府に警告を與え、ときにはまた協力を惜しまないものであります。かかる立場から、ただいま議題となつておりまする考査特別委員会設置に関する決議案については、祖國復興という高き國家愛と深き民族愛の立場から、これに賛成するものであります。(拍手)
 先ほどから反対論者の御意見を聽いておりますと、労働者や農民を不当に弾圧するものであると言われるのでありますが、この決議案は、決してかくのごとき弾圧を意図するものではなく、またそうした内容を含むものではなく、もちろん一部破壊分子には最もきらいな存在かもしれませんが、國民全体の幸福を前提としたものであると思うのであります。また、本委員会を設置することが國民の自由を奪うものであり、從つて憲法違反のおそれがあるというのでありまするが、申し上げるまでもなく、憲法は國家存立の基本法であります。國家の存立をあぶなくする行為は、個人や團体を問わず、憲法の保障を失うものであると、われわれは解釈するものであります。(拍手)
 今、われわれの大いに注目しなければならないことは、納税意欲を低下せしめる行為、すなわち反税運動が、あらゆる方法をもつて全國的に展開されつつあることであります。租税について國民の批判や苦情は大いに獎励されなければなりません。また民主主義は、哲学的な高尚な議論が大切なばかりでなく、税金やあるいは財産、身体のような具体的な問題についての民衆の注意から発達することが最も大切でなければならぬと思うのであります。しかしながら、現在わが國の多くの國民は、税金や國家予算に対する深い理解を持つには、あまりにもその距離がはなはだし過ぎるのであります。あまつさえ、敗戰による國家の窮乏と道義の頽廃により、やみや自己保全の立場にのみ汲々とする傾向が現われるに至つたのであります。國敗れて、ある者はこじきのような生活に陥り、ある者はつえとも柱とも頼む夫を失い、あるいは父を失い、子を失つて悲しんでおるところの多くの人々の悲しみを、見て見ぬふりをして、自己保全のためにばかり汲々としておる者のあることは許されないと同時に、またこうした國民の悲しみや、すてばち的な心理を巧みに煽動して、國家を混乱と破壊に導く者のあることも、断じて許されないのであります。(拍手)目下ある政党が指導する反税闘爭や、正当な理由もなしに納税に反対する徒党的運動などは、当然禁止されなければならぬと思います。(拍手)
 かつて某政党は、供米反対運動を党勢拡張の道具に取上げたことがあつた。あるいは、放埒なサボの減産運動を取上げたこともあつた。そうして、過般の選挙においては、ある種の闘爭を押し立てて、一挙に三十数名の議員を獲得したのであります。(拍手)復興を阻害し、結局は國民の首を絞めるような戰術であるにかかわらず、重税にあえぐ者、供出に苦しんでいる農民は、ただ目先の利害と個人的利害に支配され、水におぼれておる彼らは、某政党の差出すけんのんなかみそりの刃にもすがりついたような現状を露呈したのであります。これと同樣に、労働爭議の際においても爭議行為を煽動し、それによつて党勢拡大をはかり、爭議行為を苛烈にして社会の秩序を混乱に陥れんとした行動は、われわれは今日までしばしば目撃して來たのであります。
 わが民主党は、労働者の爭議権はこれを率直に認めるものであります。しかしながら、一方において日本民族のため、かつまた労働者自身のためにも、日本の再建ということをまず第一義的にわれわれは考えるのであります。わが國の労働爭議において、諸外國に見られないような脅迫、侮辱あるいは暴行、財産破壊、名誉毀損等はもとより、多数をたのんで警察官を萎縮せしめ、司法権を睡眠せしめ、國家の権力さえも無視され、まつたく日本の無政府状態を想起せしめる実例が、過去三年の間の團体交渉や爭議行為において見られたのであります。(「その通り」と呼ぶ者あり)それは二・一ゼネストやその他山猫爭議等においても見られたごとく、その有樣は、現実の経済問題を超越して階級闘爭を主眼とし、さらに政治闘爭にまでも行き過ぎたということは、当時の指導者であつた徳田君や土橋君ですら否定することはできないと思うのであります。(拍手)われわれが至るところで耳にすることは、産業経営者たちは労働組合を恐れているのではなく、実に共産党を恐れているのであります。それは絶えず生産阻害という現実の災いをこうむつているからであると思うのであります。
 われわれは、戰爭を放棄してからすでに四箇年に近い歳月を送り、その間幾多の困難と打闘つて來たのでありますが、今日が最も存亡の危機に立つておると思うのであります。祖國復興のためには、今こそきびしい方途が講ぜられ、切るべきものは断固として切り、伸ばすべきものは極力押し進めていかなければなりません。一方において破壊的分子を一掃するとともに、一方においては、國家再建のため黙々として、あるいは文化、あるいは科学、あるいは技術に貢献しておらるるところの有能の士に対しては、当然國家において適宜の処置が講ぜられるべきだと思います。
 以上の見地から、私は本決議案に賛成するものであります。(拍手)
○副議長(岩本信行君) 高田富之君。
    〔高田富之君登壇〕
○高田富之君 私は、日本共産党を代表いたしまして、原案に反対、修正案に賛成の意見を申し上げます。
 諸君御承知の通り、先般の國会の解散、総選挙に導かれた根本の原因は、芦田内閣が昭和電工事件によつて瓦解し、この不正腐敗のあとにこの選挙が行われ、諸君もまた綱紀粛正を第一のスローガンとして選挙をやつて來たはずである。(「その通り」と呼ぶ者あり)ゆえに、今日國民は、何よりも第一に、新しい國会、新たなる政府が、政界、官界、財界の大粛正を行うことを期待しておるのであります。しかるに、今日までこのために最も立派な業績をあげて來ましたところの不当財産取引調査特別委員会なるものをそのまま設置継続することを、民自党の諸君は何ゆえかはばまんとしておるのである。第一、諸君、今まで諸君は、世界の民主主義各國から賞讃されるようなことは一つもやらなかつたけれども、ただ一つだけ不当財産取引調査委員会の活動だけが、世界の民主國家が喜び、これを賞讃している、本國会における唯一の業績であつたことを知つておるか。
 さて、そこで、民自党の諸君がこの不当財産取引調査委員会をそのまま設置することを喜ばず、名前をかえて、とんでもないものをくつつけて、そうしてこれをごまかし、まつたく別個のものにすりかえんとしておる諸君の意図は、すでに多くの反対意見によつて明らかになつた通り、第一に諸君が、不当財産取引調査委員会の活動が始まるならば、第二の芦田内閣のようになり‥‥(発言する者多く、議場騒然)そうしたら、必ずや諸君は‥‥(発言する者多し)靜かに聞きたまえ。必ずや民自党吉田内閣は第二次――内閣となることを、諸君は知つておるか。 (発言する者多し)
 第二に‥‥(発言する者多し)諸君、靜かに――、靜かに――、靜かに――第二に諸君の意図しておるものは、今や(発言する者多し)諸君、靜かにしたまえ‥‥
    〔発言者多く、議場騒然〕
○副議長(岩本信行君) 靜粛に願います。
○高田富之君(続) 第二に諸君の恐れておることは、今や諸君は公約を片つぱしから実行不可能の状態に陥れまして、諸君の人民に約束したことは何一つとしてやれそうもない。(発言する者多し)反対に諸君は重税をぶつかける。首切りをやる。企業整備をやる。大多数の人民を犠牲にするようなことをやる。諸君、これに対して当然予想されるところの人民大衆のほうはいとして起る諸君に対する反撃、これを押えんとする野望は、この制度の中にはつきりと現われておる。
 第三に諸君の意図しておるところは、いかに諸君が三百代言的言辞を弄しようとも、諸君の意図しておることは‥‥(発言する者多し)非日活動委員会との関連において、國家政治を破壊し、そうしてポツダム宣言の趣旨を蹂躪し、憲法を‥‥(発言する者多く、聽取不能)諸君がかつて東條やヒトラーのやつた独裁政治を復活せんとする意図は明らかである。
 さて諸君は‥‥(発言する者多し)靜かにしたまえ。諸君は得意な抗弁をいたしまして、この考査委員会なるものは不当財産取引調査特別委員会の発展せるものである、拡大せるものだと抗弁をするけれども、不当財産委員会の目的とするところは、これは政界や財界、官界の上層部の不正を摘発することである。諸君が意図しておる非日委員会なるものは、明らかに労働者や農民や商工業者などの大衆を摘発し、これを弾圧せんとする、まるで違うものだ。そんな違うものをくつつけて、しかも諸君、第三番目に…
    〔発言する者多し〕
○副議長(岩本信行君) 御靜粛に願います。
○高田富之君(続) 靜かに――靜かに――諸君が考査特別委員会の最後へくつつけましたところの、いいことをしたやつをほめてやるというようなことは、実にばかばかしい子供だましのことであつて、諸君みずからが意図しておるものは実に惡辣なものであることをみずから省みて忸怩たるあまり、諸君がこのごまかしにくつつけた、てれかくしにくつつけた文句にすぎないのである。
 第一、國家再建に重大なる惡影響を及ぼすというような、解釈のいかんによつてどうにでもなるような、こんな漢々としたものを出して、多数党のかつてな解釈によつてこれを扱わんとするがごときことは、これは法律にも違反する。これはぼんやりしておる。そういうでたらめきわまるものは、まつたく形式においてもなつておらぬ。もし諸君が、多数党の威力をかつて、この不当きわまる、不法きわまるものを通過せしめんといたしますならば、これは日本の政治史上に永久に拭いがたい一大汚点を印するものである。(発言する者多し)
 第一、諸君、諸君は非日活動であるとか、國家再建に重大な惡影響を及ぼすとかいうようなことを言うけれども、一体だれがそれをやつておるか。現に諸君は、でたらめきわまるところの税金をどしどしぶつかけて、そうして一切の営業を投げうつて、死んでも拂えないような税金をかけられておるという事実を、諸君は直視しなければなりません。また、公約をすつかり破棄して実行いたさない、まるで逆のことをどかどかやりまして、そうして國家を混乱に陥れるような諸君らみずからが、最も大なる國家再建の妨害者である。諸君こそが非日活動をやつておる。そこで‥‥
○副議長(岩本信行君) 高田君、もう時間が参りましたから‥‥
○高田富之君(続) それでは最後に、この大多数を占めておるところの民自党の諸君に対して心からなる私の希望を申し上げます。諸君は、もはや供出後の自由販賣も、税金の軽減も、何もかもできなくなつた。今このでたらめきわまるものをつくらないで、あつさりと罪を國民の前に謝し、党を解党し、土べたに頭をつけて國民大衆にわびなければならぬ。もし諸君がそれをやらなければ、この不当きわまるものが通過をしたあかつきにおきましては、全國の労働者、農民、商工業者諸君が、諸君とその政府に対して心からなる憎しみを持ち、必ずや日ならずして諸君の政府と諸君を徹底的に粉砕するであろうことを信じて疑わない。諸君は、みずから好んで墓穴を掘るようなことをせずに、憲法を擁護し、國会の権威を擁護するために、ぜひとも原案に反対をし、修正案に賛成されんことを望む次第であります。
○副議長(岩本信行君) ただいまの高田君の御発言中不穏当の言辞がありますれば、速記録を取調べの上適当の処置を講じます。―――――小松勇次君。
    〔小松勇次君登壇〕
○小松勇次君 私は、民主党を代表して、ただいま上程された考査特別委員会設置に関する決議案に全面的に賛成し、修正意見に反対するものであります。(拍手)
 本案は、提案者の御説明のごとく、昭和二十二年十二月十一日、本院において議決になつた不当財産取引調査特別委員会設置に関する決議の二の調査、すなわち物及び物に関連した人の調査のほかに、決議案の一、二に明記せられました不正不法の諸行為で日本再建に重大なる惡影響を與えたものと、その責任の所在を調査するとともに、文化、科学、技術等の発達に寄與した貢献者を表彰する道が開かれたのであります。過去の不当財産委員会を一歩前進せしめて、明暗両面の調査をして日本再建を促進せしめんとする機関として、まことに機宜に適した委員会といわねばなりません。
 しかるに、本案に対して修正反対の意見を述べらるる方は、從來の不当財産取引調査特別委員会の調査をもつて滿足するものであるという御意見であつたのであります。きわめて消極的の態度と私は言いたいのであります。本案は、過去における特高機関の復活のおそれがあるという御意見もあつたのでありまするが、かくのごとく論難せらるるところの諸君は、はたして本案の内容趣旨を十分に了解せられておるのであろうか。私は、いささか曲解しておるのではなかろうかと疑うのであります。もしも御承知の上の御議論であるとするならば、反対の意図がなへんにありや、さらに解釈に苦しむものであります。なぜならば、從來の不当財産委員会は、同じく日本再建を促進する調査目的を有しておつたものであります。しかしながら、その調査範囲は、ただいま申し述べたごとく、わが國経済復興を阻害しつつある物の不正取引、この物に関連した人の行為に限定せられておつたのであります。從つて、國家再建の大目的よりすれば、きわめて一小局部の調査にすぎなかつたのであります。しかるに、今回設置せられんとする考査特別委員会は、過去の不当財産委員会の経過にかんがみまして、ひとり現存の物及びこれに関連する人の行為だけでなく、積極的に日本再建を阻害する諸行為の調査究明にあるのであつて、これこそ万人が双手をあげて賛成し協力せねばならぬ問題だと私は思うのであります。
 申すまでもなく、敗戰の悲惨、祖國再建の労苦は國民等しく悩むところであります。しかし、今日の段階においては、何人もこの苦しみを甘受し、苦難克服に挺身するところに祖國再建の光明がもたらされるものと存ずるのであります。しかるに、この間隙に乗じて、納税意欲を低下せしむる行為、あるいは供出を阻害する行過ぎた行為、不法に労働爭議を挑発して生産を妨害するがごとき行為は、一部階級の利害にとらわれた行為であつて、全國民を思わざる行為と言わねばなりません。かかる行為の調査をなし、その責任の所在を明らかにして祖國再建を促進することは、過去の不当財産委員会ではとうていなし得ざるところであります。
 また、考査委員会は往年の特高機関の復活のおそれがあるというような御意見があつたのでありまするが、考査委員会の調査は、御承知のごとく公開の席上において堂々と調査せらるるのでありまして、この間何らの秘密的な取扱いをするものではありません。從つて、秘密を基調とする特高、治安維持法類似のごとき御懸念は、誤解もはなはだしいと言わねばなりません。
 また司法機関は、刑罰法令に列挙せられた有責違法のみの行為の処分でありまして、しからざる場合といえども、日本再建を阻害する行為は幾多あるのであります。これの調査をなし、その責任の所在を明らかにして、國民のよるべきところを示すことはひとり國権の最高機関である國会のみがよくなし得るところであつて、また國会が当然なさねばならぬ責務だと存ずるのであります。ことに、不正不法の判断は司法機関のみならず、何人も判断すべき権利を有しております。いわんや、その立法となす國権の最高機関が衆議によつて判断するがごときは、まさに國民的審判の最良なる方途と存ずるのであります。
 憲法は國民の自由、基本的人権を認めておりますが、両法の基本たる憲法は國家の維持発展を目的とするものであつて、國の再建、生存を阻害する行為のごときは、憲法に記載なくとも、國民の自由の範囲を逸脱したものと言わねばなりません。從つて、反対修正の御討論は何らの根拠なきものだと存ずるのであります。
 さらに、原案がその二において表彰すべき行為の調査をあわせ行うことは、賞罰を明らかにし、信賞必罰の目的に沿わんとするものであつて、古くから政治の根源はここにありと言われたゆえんを顯現せんとする意図にほかならないと存ずるのであります。ここにこれを取上げて、旧來のとかく暗黒面の調査に力を盡した弊風を改めて、遅まきながら一歩前進した明るさをもつこの活動こそ、われわれは双手をあげて賛成せねばならぬのであります。
 かかる見地よりいたしまして、私は考査委員会の設置に対し全面的に賛成の意を表するものであります。
 ただ、この際一言いたしたいことは、本委員会の性格を明らかにすることであります。もとより、考査委員会は不当財産委員会と同樣、特別の使命にかんがみまして、不偏不党、嚴に良心に從つて委員会を超党派的に運営せしめ、祖國再建に資すべきであります。権威ある立法府の委員会としては、あたかも檢察陣の後塵を拜するがごとき行動、あるいは党派的根性より、いたずらに人を傷つけるか、ためにする中傷に基くあら探し、党派的の泥試合のごときは嚴にこれをつつしんで、あくまでも不当財産委員会を一歩前進せしめたその趣旨と新鮮味とを活かし、祖國再建を阻害する行為の調査究明に重点を置いて國民の信託にことうべきだと存ずるのであります。
 以上の理由と希望を述べまして原案に賛成するものであります。(拍手)
○副議長(岩本信行君) 平川篤雄君。
    〔平川篤雄君登壇)
○平川篤雄君 二時間にわたりますこの決議案の審議の状況は、今後考査委員会が出発しましたあとの有樣をさながら髣髴させるようであります。ことに、民自党の諸君と共産党の諸君の應酬ぶりは、はなはだ激しいものがあるのであつて、おそらく、かように初めからしまいまで混乱を続けるのがこの委員会ではないかと予想せられるのであります。
 それはどこにあるかというと、不当財産取引調査をやらなければならないという必要は確かにある。もう一つ、それに対抗しまして、民自党の方では、おそらく共産党の問題を主として取上げてくるに違いないと思うのであります。從來、この不当財産取引委員会にいたしましても、とかく政党間の泥試合に陥つたという非難を各方面から受けているのでありますが、大体このような委員会が超党派的に組織されるということは、國政の最高権を握つておりますものが、みずからを批判する機関として持たなければならないものだと思う。かような意味に立直すということに、ただいま示されております民主自由党の原案によつて見られる目的では、きわめてあいまいでございますので、そこから起つてくる混乱が想像できると思われるのであります。
 私どもは、かような意味において、石炭國家管理問題その他にからみますところの政界上層部の不当財産取引の問題についても、いまだ國民の疑惑が十分に拂拭されていない現状におきましては、どこまでもこれを徹底的にやる意味において、分割してこれを調査すべきものと考えるのであります。
 そのほかの問題につきましても、もう少し研究の余地があると思われる。それは、納税、供出、労働爭議の煽動者をひつぱり出すことは意味がないとは思いませんが、同時に、政府とか官吏とかいうものがやつておりますところの不当課税、不当供出割当、あるいは不当弾圧というようなものについても、これをこの考査委員会の問題にするということであるのでありますが、かような廣範囲なことは技術的にできないと同時に、また考査委員会のごとき特別委員会のなすべき問題ではないと私どもは判断をいたすのであります。すなわち、さような問題は、もうすでに各種の取締法規等によつて相当に取締られております上に、かつ大藏、農林、労働その他の委員会において、もしわれわれが欲するならば、ここにおいて責任を追究することも可能なのであります。(拍手)ことさらにかような委員会をつくる必要は絶対に認められないとわれわれは考えるものであります。そのために、かえつて自然発生的にできつつありますところの、全然政党に関係なき、いろいろな主義に関係なき各種の農業協同組合ないしは商工協同組合等の経済的な要求、あるいは自衛的な手段までも不当にこれを抑える結果になりはしないかということを、私どもは最もおそれておるのであります。むしろ、かかる正当な要求は、國会に直結すべくこれを一日も早く法制化することこそ第一に民自党の諸君がお考えにならなければならないことであると、われわれは思つておるのであります。かような観点に立ちまして、この不当財産取引調査以外の目的については、格別に、ただいまのところ、この考査委員会の目的として取上げる必要がないものであると、われわれは断ぜざるを得ないのであります。
 ただ、ここに一つわれわれつけ加えておきたいと思いますことは、ただいまのごとき選択の余地のない、限られた條件のもとに、しかも早急に復興自立しなければならない國情におきまして、責任ある政治家が無責任な言動を放埒になすことにつきましては、大いに反省をしなければならない点があると思うのであります。かかる点につきましては、先ほど申しました、まつたく公平な、國会みずからがみずからを批判するという立場においての委員会が設けられる必要がないとは、われわれは考えておらないのであります。しかしながら、かような点について、しばしば提案者並びに増田官房長官などの御答弁によりますと、未だ十分に構想ができ上つていないようであります。これが十分にでき上つた後にかかる問題は取上げるのが至当であるとわれわれは考える。かかる意味におきまして、私どもは時期尚早であると考えますゆえをもつて、社会党その他から出されました修正案に賛成をいたしまして、民主自由党の原案に反対をいたす次第であります。(拍手)
○副議長(岩本信行君) 松谷天光光君。
    〔松谷天光光君登壇〕
○松谷天光光君 私は、ただいま上程されております原案に反対をいたし、修正案に賛成をいたすものであります。
 日本の政治史の中にもまれに見るべき絶対多数を獲得された民主自由党は、國民生活の安定を実現されると期待されておつたにもかかわらず、今日むしろ不安と窮迫の一歩を踏み出されつつあるこのときにおいて、今またここに、先ほどからの討論によりましても明白なるような、この考査委員会なる、まつたくぬえ的なる委員会の設置をすることによりまして、一層國民を不安に追ひ込めんとする意図に出られておるということを、断言しなければならないと考えるのであります。(拍手)
 先ほどから反対討論者によつて述べられておりましたように、私ども常識ある者が常識をもつて判断をし、そうして提案されましたところのこの決議の内容を見ますならば、ここには民自党がいかに不当財産取引調査特別委員会の発展したものであると御説明なさろうとも、その内容はまつたく別個のものであるということは、言わずもがな、文字がこれを証明いたしております。このような、まつたく性格の違つた寄合世帶を一つの委員会の中につくるということ自体が、ただいまも平川さんの言われたように、結末をつけ得ない混乱の根源をつくると同じことであるといわざるを得ないのであります。
 私は、議院運営委員会におきまして、まつたく違つた委員会であるならば、そうしてまた、それが必要であるというならば、別個の特別委員会をつくるべきである、かように主張いたしましたのに対して、特別委員会なるものはなるべく少くするということでは、私どもは何にもならぬと考えます。内容と形とは常に一致したものでなければならない。内容の違つたものを形だけ一つにして、特別委員会は数が少いがよろしいというこのりくつは、りくつにならぬのではないかと考えざるを得ないのであります。からだだけ一つであつても、やまたのおろちであつてはならないということを、私どもは主張したい。その場合には、先ほどから反対者が心配をいたしておりまするように、從來の中心であるところの不当財産取引に対する徹底的な追究がまつたく不可能になるということも明らかでありましようし、またここに提案者の意図があるということも、はつきりいたしておる事実であると見なければならないのであります。(拍手)
 あるいはまた各反対者から、明文化されたところのこの内容はあまりにも一方的である、こういう意見に対して、解釈は一方的ではないのだ、先ほどから問題になつておりますいわゆる不当課税をしたその筋もまた当然取締らるべきである、あるいはまた供出の問題に対しましても、阻害するがごとき原因をなしたその政府の責任はともに当然追究されるべきである、あるいはまた労働爭議の挑発にあたりましても、その責任が政府にある場合、経営筋にある場合は、それをまた当然追究すると言われるのであるならば、何がゆえに提案者は、これを明文化して、この決議案の中にはつきりと明示をされないのでありましようか。少くとも文字をもつて表わし得ないというところに民自党の一つのぬえ的な意図があるということを追究しなければならぬと考えるのであります。(拍手)
 ことにまた、先ほどからの提案者の御意見を伺つてみましても、いわゆる農民運動、労働運動、あるいはまた中小業者に対するところの弾圧を政府がやりたいのだけれども、政府がやれば、即座に國民への批判は政府に向つて突進して來る。何かよい方法はと考えて、いわゆるその行動が議会の考査特別委員会によつて不当なるものであるという断定をしたときにおいて、國会は國民の総意の表現である。國民この行動をしていわゆる不当であると決定したのである、ゆえに行政権を発動せよという國会の意思表示に基いた行政権の発動をさせた場合においては、いわゆる政府みずからが負わなければならないところの責任を國会に轉嫁するという意図が、多分に含まれておるではないかということを感ぜざるを得ないのであります。(拍手)
 最後に、いわゆるこの不当なという認定はどこがするか。この決議案の中に明示されず、あいまい模糊として、その解釈いかんによつては、いかようにも変更ができる。いわゆるその認定権は議会が、この特別委員会が持つのである、運営によつてこれを調整するのである、こう申されるのでありますが、この委員会での認定を決定いたすものは、委員の持つ思想であります、委員の判断であります。從つて根本的なる問題は委員会の構成であります。
 確かにこの決議案のまず筆頭には、「本院に、三十人の委員からなる超党派的の考査特別委員会を設置する」と、文字はまことしやかに書いてあります。超党派的という言葉を用いまして、國民の前にはいかにも内容の伴つた超党派的なる委員会をここに設置するのであると訴えておりますが、しかし、今日この委員会の中に構成されようとするそのメンバーを見ますならば、すでに今朝の各新聞が傳えておるのであります。やはりこの超党派的なる内容も、いわゆる政党中心主義的な、ことに多数中心主義的な構成になつておるのであります。少くとも超党派的なる委員会であるといたしまするならば、いかに少数であるとは申しましても、二人以上の議員を持つたところの、國会において政党とみなされたところのその政党からの委員の構成は当然あるべきである。これが超党派的なる正しき内容でなければならないと考えるのであります。あるいはまた、この構成につきましては、前國会における不当財産取引調査特別委員会の構成に例をとつて構成をすると言明されるのでありますが、その際は、四名の共産党も正式なる政党として扱われ、委員の派遣を見ることを得たのであります。しかるに、一たび大多数を民自党がとられまするや、いかなる理由でありましようか、超党派的なる解釈が異なりまして、四名よりも多いと理解いたします七名の労働者農民党、あるいは五名の社会革新党からの委員の派遣を拒んでおるのであります。このような内容をもちまして超党派的と言えるでありましようか。少くとも委員会の認定をもつて正邪善惡が決定されるというこの重大なる基礎をなす構成員は、正しき超党派的の構成をなさなければ、正しき委員会の運営は不可能である、正しい決定はなし得られないということを考えざるを得ないのであります。
 私どもは、かかる点から考えまして、今設置されようとする考査特別委員会の設置こそが日本再建にとりまして最も惡影響を及ぼす事態であるという結論におきまして、原案に反対、修正案に賛成をいたすものであります。(拍手)
○副議長(岩本信行君) これにて討論は終局いたしました。
 これより採決に入ります。まず米窪滿亮君外八十九名提出の修正案につき採決いたします。本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○副議長(岩本信行君) 起立少数。よつて米窪滿亮君外八十九名提出の修正案は否決されました。(拍手)
 次に本案について採決いたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○副議長(岩本信行君) 起立多数。よつて本案は可決いたしました。(拍手)
     ――――◇―――――
 第二 造幣局据置運轉資本の増加等に関する法律案(内閣提出)
 第三 船員保險特別会計法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第四 失業保險特別会計法の一部を改正する法律案(内閣提出)
○副議長(岩本信行君) 日程第二、造幣局据置運轉資本の増加等に関する法律案、日程第三、船員保險特別会計法の一部を改正する法律案、日程第四、失業保險特別会計法の一部を改正する法律案、右三案は同一の委員会に付託された議案でありますから、一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。大藏委員会理事宮幡靖君。
○宮幡靖君 ただいま議題となりました造幣局据置運轉資本の増加等に関する法律案について、委員会における審議の経過並びに結果を概略御報告申し上げます。
 本案の内容の第一点は、造幣局据置運轉資本を増加せんとするものであります。すなわち、作業用原材料の價格高騰と戰災復旧等のため増加を要する二千万円を造幣局特別会計資金より繰入れすることによつて補足せんとするものであります。第二点は、從來同会計において支拂義務を発生した経費であつて、年度内に支出を終らないものを翌年度に繰越す規定が、同会計規則に規定されていましたのを、財政法施行に伴い、これを造幣局特別会計法に明示せんとするものであります。
 本案は、去る二十五日当委員会に付託されたものでありまして、二十八日政府よりの説明を聽取し、ただちに審議に入り、二、三質疑のあつた後討論に入りましたが、共産党を代表して河田委員は反対意見を、民主自由党を代表して宮幡委員は賛成意見を述べられました。次いで採決の結果、起立多数をもつて可決いたしました。
 右、御報告申し上げます。
 次に、ただいま議題となりました船員保險特別会計法の一部を改正する法律案、失業保險特別会計法の一部を改正する法律案の二法律案につきまして、大藏委員会の審議の経過並びに結果の概略を御報告申し上げます。
 まず船員保險特別会計法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 今回改正しようといたします点は次の二点であります。すなわちその第一点は、船員保險特別会計におきましては、昭和二十二年十二月法律第二百三十六号をもつてこの会計を設置して以來、同会計を普通保險勘定及び失業保險勘定の二勘定にわけて整理して参りましたが、このように勘定を区分することは経理上非常に複雜かつ非能率でありますから、経理の能率化をはかるために、この勘定区分を廃止しようとするものであります。その第二点は、船員保險法に基きます專務費及び失業保險給付に要します経費の國庫負担金を一般会計から受入れました場合に、精算上過不足を生ずる場合がありますが、現行法令では、年度経過後におきましてはこの処置ができかねるのでありまして、この場合には一般会計に返納せず、翌年度分の國庫負担金に充当する等の道を開こうとするものであります。
 次に失業保險特別会計法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 改正する点は、失業保險法に基きます事務費及び失業保險給付に要します経費の國庫負担金を一般会計から受入れました場合に、精算上過不足を生ずる場合がありますが、現行法令では、年度経過後におきましてはこの処置ができかねるのでありまして、この場合には一般会計に返納せず、翌年度分の國庫負担金に充当する等の道を開こうとするものであります。
 右の二法律案は、三月二十五日、本委員会に付託され、三月二十八日提案理由の説明を聽取し、ただちに質疑に入り、共産党の河田委員、社会党の川島委員より質疑がありました上、討論に入りましたが、河田委員は共産党を代表し、川島委員は社会党を代表してそれぞれ反対意見を述べられ、宮幡委員は民主自由党を代表して賛成意見を述べられました。次いで採決に入りましたが、起立多数をもつて原案の通り可決いたしました。
 右、御報告申し上げます。
○副議長(岩本信行君) これより採決に入ります。まず日程第二について採決いたします。本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○副議長(岩本信行君) 起立多数。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。
 次に日程第三及び第四を一括して採決いたします。両案の委員長の報告はいずれも可決であります。両案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○副議長(岩本信行君) 起立多数。よつて両案とも委員長報告通り可決いたしました。
     ――――◇―――――
○副議長(岩本信行君) 日程第五、日本國有鉄道法の一部を改正する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。運輸委員会理事關谷勝利君。
    ―――――――――――――
○關谷勝利君 ただいま議題と相なりました日本國有鉄道法の一部を改正する法律案につきまして、稲田運輸委員長にかわりまして、私から委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 本法案は、三月二十四日運輸委員会に付託され、越えて二十八日政府より提案理由の説明を聽取したる後質疑を重ね、愼重なる審議をいたしたのであります。
 本法案の内容は、第三回國会において成立した日本國有鉄道法は、その施行期日が本年四月一日となつておりますが、これを六月一日に延期し、所要の改正を行わんとするものであります。
 次に、本法案に対する質疑應答の詳細は会議録をごらん願いたいと思います。
 次いで、討論を省略して採決の結果、多数をもつて政府原案の通り可決すべきものと議決した次第であります。
 簡單でありますが、右御報告申し上げます。
○副議長(岩本信行君) 採決いたします。本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○副議長(岩本信行君) 起立多数。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。
     ――――◇―――――
 國家行政組織法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 郵政省設置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 電氣通信省設置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
○山本猛夫君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわちこの際、内閣提出、國家行政組織法の一部を改正する法律案、郵政省設置法の一部を改正する法律案及び電氣通信省設置法の一部を改正する法律案の三案を一括議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
○副議長(岩本信行君) 山本君の動議に御異議はございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 國家行政組織法の一部を改正する法律案、郵政省設置法の一部を改正する法律案、電氣通信省設置法の一部を改正する法律案、右三案を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。内閣委員長齋藤隆夫君。
    ―――――――――――――
○齋藤隆夫君 議題となつておりまする國家行政組織法の一部を改正する法律案、郵政省設置法の一部を改正する法律案及び電氣通信省設置法の一部を改正する法律案、この三案につきまして、内閣委員会の審査の経過並びに結果を簡單に御報告申し上げます。
 これらの議案は、いずれも三月二十四日に本委員会に付託されまして、昨二十八日に、國家行政組織法の一部を改正する法律案につきましては本多國務大臣から、また郵政省設置法の一部を改正する法律案及び電氣通信省設置法の一部を改正する法律案につきましては小澤逓信大臣からそれぞれ提案理由の説明を聽取したのであります。
 國家行政組織法の一部を改正する法律案の内容をきわめて簡單に申し上げますと、本法は本年四月一日より施行することになつておりましたが、御承知の通りに、行政機構の簡素化及び人員整理を盛り込みまして各省設置法案及び定員法案がただいま準備せられておりまするから、本法の施行期日を本年六月一日まで延期したいというのであります。
 次に、郵政省設置法の一部を改正する法律案及び電氣通信省設置法の一部を改正する法律案の内容を申し上げますると、この両案はいずれも來る四月一日より施行せられることになつておりましたが、國家行政組織法及び各省設置法の施行が六月一日まで延期せられることになりましたので、これに歩調を合せまして、とりあえず両省設置法の施行期日を四月一日から六月一日に延期したいというのであります。
 これらの三案に対する質疑は、二十八日及び本日の二回にわたつて熱心に行われました。その質疑のおもなものを申し上げますると、共産党の木村榮君から、施行期日を六月一日に延期するために予算上いかなる措置をとられるかという質疑に対して、本多國務大臣よりは、六月一日に施行せられるときは十分に予算上の措置が伴うておらなければならないから、必要があれば予算の補正を行いたいという旨の答弁がありました。小澤逓信大臣は、予算上郵政省と電氣通信省とを分離して、その合計を逓信省の予算として計上してあるから、ただちに困ることはない、また行政整理に関しましては、予算を準備していたときは、まだ具体的の案ができておらなかつたので十分ではないが、大体の目安をつけて予算を組んであるという答弁がありました。
 質疑終了の後、続いて討論に入りましたところが、民自党の小川原政信君より原案に賛成の討論がありました。共産党の木村榮君より、この三案の施行期日を延期することは、これは一方的な行政整理のための延期でないことをば確認し、さらにその延期の期間を活用して、政府は從來の不合理なる点を十分に檢討の上調整すべしとの意見が述べられました後、原案に賛成の意を表されました。公正倶楽部の小林信一君よりも賛成の意見が表されて、討論を終結いたしました。採決の結果、全会一致で原案の通り可決いたしました。
 右、御報告申し上げます。(拍手)
○副議長(岩本信行君) 採決いたします。まず國家行政組織法の一部を改正する法律案につき採決いたします。本案の委員長の報告は可決であります。本案は委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○副議長(岩本信行君) 起立多数。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。(拍手)
 次に、郵政省設置法の一部を改正する法律案外一件を一括して採決いたします。両案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて両案は委員長報告の通り可決いたしました。
     ――――◇―――――
 産業設備営團の業務上の損失に対する政府補償等に関する法律案(内閣提出)
○山本猛夫君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわちこの際、内閣提出、産業設備営團の業務上の損失に対する政府補償等に関する法律案を議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
○副議長(岩本信行君) 山本君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 産業設備営團の業務上の損失に対する政府補償等に関する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。大藏委員会理事宮幡靖君。
○宮幡靖君 ただいま議題となりました産業設備営團の業務上の損失に対する政府補償等に関する法律案につきまして、大藏委員会の審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 まず本案の要旨を申し上げますと、その第一は、産業設備営團が同法第十七條の規定する業務によつて昭和二十二年及び二十三年度において受けた損失を、十一億を限度として補償せんとするものであります。すなわち産業設備営團につきましては、産業設備営團法第三十九條の規定に基きまして、政府は昭和十六年度から昭和二十一年度までに同営團が受けました業務上の損失を約二十四億円を限度として補償する旨の契約をしており、この補償契約に從いまして毎年度同営團に対して補償を実施して参つたのでありまするが、その後同営團は昭和二十一年末に閉鎖機関に指定され、その特殊清算は意のごとく進行いたしませんので、このために、政府が契約金額のうち約十三億円を補償しただけで補償契約期限を経過してしまつたものであります。ところが実際には、この契約期限経過後におきましても同営團は相当の損失を生じておりましてこれがひいては特殊清算の運営に支障を來しますとともに同営團の債務者である金融機関、企業等の再建整備を阻害することが予想されましたので、この際同営團が昭和二十二年度及び昭和二十三年度において受けました損失を政府が補償しようというのであります。そうして、その補償に際しましては、さきの契約金額二十四億円と補償実施金額十三億円との差額である十一億円を限度とするとともに、この損失の範囲及び損失金額につきまして、從來の産業設備営團損失審議会が決定することといたそうというのであります。次に、補償債務の決済につきましては交付公債をもつてなさんとするものであり、この法律案の第二條にその條件を規定してあります。
 次に第二点は、この法律案の第三條におきましては、戰時補償特別措置法第六十條の規定に基く政府の地方公共團体または特定機関に対する交付金として産業設備営團に対する交付金約一億六千万円及び國民更生金庫の発行にかかる更生債券に対する政府の保証債務三億四千万を決済するにあたりまして、右の産業設備営團に対する業務上の損失補償と同じ條件の國債証券の交付により決済しようとするものであります。
 本案は、去る二十二日、本委員会に付託されたものでありまして、二十六日提案理由の説明を聽取いたしました。同日ただちに審議に入りまして、同日並びに二十八日、共産党の風早委員、民主自由党の石原委員等より、損失発生の理由、資産処分の方法等に関して質疑がありました。かくて二十九日討論に入り、民主自由党を代表して宮幡委員は、産業設備営團法が戰時立法であるため幾多の矛盾のあることは認めるが、かような煩わしいものの後始末がついていないことは、日本再建の障害となると思うから、この際結末をつける必要があるとして本案に賛成せられ、なお経理は会計檢査院の檢査を受くべきであると述べられ、民主党を代表して荒木委員は、制度上適切ではないが、一日も早く清算を完了するためと、交付公債の発行が補償限度内に限られていることにより本案に賛成せられ、社会党を代表して川島委員は、補償契約が戰時においてなされたものであること、しかも國民の負担において特定資本を救済するにすぎないものであるとして本案に反対せられ、共産党を代表して風早委員は、提案の趣旨にも、特殊清算事務にも、弁済の基準にも疑問があり、一部独占資本を救済するにすぎない上、交付公債発行に対し財源の基礎を持つておらぬとして強く反対せられました。次いで採決に入りましたところ、起立多数をもつて原案の通り可決いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
○副議長(岩本信行君) 討論の通告があります。これを許します。川島金次君。
    〔川島金次君登壇〕
○川島金次君 ただいま提案になりました産業設備営團の業務上生じた損失補償に関する法案に対して、私は日本社会党を代表して明確に反対の意を表明するものでございます。
 本法案の前身とも申し上げるべき産業設備営團の業務上に伴う損失補償の法律は、言うまでもなく昭和十六年、わが國が大東亞戰爭を決行いたしまするときに出発をいたしたものであります。しかも、営團がその戰時中において業務を遂行するために生じました業務上の損失をば國庫の負担において補償するというのが、当時における設備営團の精神である。しかしながら、この損失補償の精神は、わが國が大東亞戰爭に必勝するという前提であり、すなわち言いかえれば、戰いに勝つことが担保物件としてなされました契約であるという筋合いのものであります。しかるに、言うまでもなく大東亞戰爭は、さんたんたる有樣で敗北に帰しました。從つて、当時契約せられました戰勝担保物件もすでに喪失をいたし、從つて、法律的に申し上げましても、政治的に言いましても、この営團に対して國が補償するという意義は、そのとき、終戰と同時に喪失をいたしておるということは、言うまでもありません。
 言うまでもなく、われわれは、一昨昨年の春、この議会において、四百億に及びまする軍事補償の打切りを主張し、当時與党でありました自由党の諸君と、当時の政府、第一次吉田内閣は、この軍事補償の打切りに対して、何とか打切りをせずして済むように最後まで模索をいたしたということは、皆さんの御承知の通りであります。しかるにポツダム宣言の無條件受諾に伴い、この厖大な軍事補償――それは産業及び金融資本が抱いておりました債権をば、敗戰という事実に立脚して棒引きにするという事柄が、いやおうなしに実現されたのであります。この政府が今日補償をいたしたいという産業設備営團の持つております債務は、ただいま申し上げました軍事補償打切りと同樣の性質を持つていると私どもは考えておるのであります。
 しかも政府は、三月三十一日までに是が非でもこの補償を実行いたしたいというために、卒然として産業設備営團に対するこの新しい法律の設定を上程して参つたのであります。すでに法律的にも政治的にもその存在の意義を喪失しておりまするところの営團に対して、政府は何ゆえに、最も財政的に困憊をきわめ、國民経済が窮乏をきわめておりまする今日、卒然としてかくのごとき國民大衆の大きな負担となるべき筋合いの新しき法律を急いで出さなければならぬか、ということに対する政府の眞意をわれわれは疑わざる得ないのであります。(拍手)
 いわんや、この十一億に余りまする補償の中には、在外資産をも含めているのであります。われわれ國民の同胞である在外同胞が終戰とともに内地に引揚げて、その在外同胞の多くは、永年の間外地に在つて粒々辛苦の上、ある一定の財産、資産を持つておつたのにかかわらず、終戰とともに着のみ着のままで引揚げて、その上に、政府は未だこれら同胞に対して何らの補償すらしておらないではありませんか。大多数の海外同胞が、このような結果といたしまして、今や路頭に迷う者、あるいは生活に困窮をきわめておる者が数限りなくあるにかかわらず、これらに対しましては、何ら政府が一銭の補償もいたしておらないにかかわらず、この新しき法律の中には、朝鮮銀行が所有いたしておりまするところの、いわゆる海外資産に対する補償を含めておるという事実があるのであります。この事柄は、國民大衆の窮乏をしり目にして、いかに吉田内閣が、與党の諸君とともに一部の産業資本家、一部の金融資本家に対して國民大衆の犠牲の上においてこれを救済せんとするかという野望が、この新しき法律案の中にも明確に織り込まれておるかということを、言わざるを得ないのであります。(拍手)
 吉田内閣は、一昨昨年の、先ほど申し上げました軍需補償打切りの際には、諸君もおよそ御記憶に新たなところでありましようが、あの予算委員会の席上において、当時の第一次吉田内閣の大藏大臣石橋君並びに経本長官でありました膳桂之助君は、軍需補償の打切りのやむなきに至つた際に、予算委員会にわれわれを招待して、その席上、軍需補償打切りに対して、悲涙をしぼつてその説明をいたしたことは、皆さんも御記憶に新たなところでありましよう。
 一体吉田内閣は、また吉田内閣を支持いたしまする民主自由党の諸君は、金融資本家や産業資本家が出血をして、その犠牲に当面いたしまする場合には、諸君の先頭に立つておりまする先輩責任政治家は、金融・産業資本家のために同情の涙をふるつておつたのであります。しかるに、今度のこの問題をもあわせ考えてみますると、一部の資本家や金融資本家の利益を擁護するためのこの法律をば、あえて卒然として無理をしながら出すにかかわらず、その十一億という補償の裏には、やがて今全國に巻き起つておりまする徴税強行の犠牲のもとにおいて、農民はむろん、中小業者並びに職場に働く勤労大衆も、重圧に重なる重圧に塗炭の苦労を続けながら中には閉店、閉業あるいは倒産、あるいはまた近くは、その課税重圧のために精神異状を來して発狂する者、あるいはまた投身自殺をする者等が、今や陸続として全國に現われておるのであります。かくのごとき吉田内閣の徴税強行によつて、國民大衆は殺人的事情に置かれておるのであります。このような形においてしぼりとつてまいりますところのわれわれ國民大衆の血税の資本を――一部産業・金融資本家の擁護のために、あえてわれわれ國民大衆の負担となるべき十一億の血税をばこれにまわして行くということに対しましては、われわれは断乎として反対せざるを得ないのであります。(拍手)
 いわんや、民自党の内閣並びに諸君は、かつて総選挙の前に國民に公約をいたした、いわゆるあらゆる具体的な政策を棚上げすることには、きわめて勇敢である。しかるに一方において、この産業設備営團のかつての法律は、資本家と金融家に対する古証文であつた。この古証文を生かすことには汲々たる民自党の諸君が、新しく國民に対して契約いたしました公約の実現にはきわめて冷淡冷酷であるというこの事実から言いましても、まことに私は、むしろお氣の毒な感を禁じ得ないのであります。
 以上申し上げました所見によりまして、要するにわれわれは、今日失効となり、存在の意義をなくして、しかも今これを卒然としてやらなければならないという窮迫した事情もございませんこの場から見まして、勤労大衆の犠牲によつて行われまするところの一部産業金融資本家の救済案である本法案に対しましては、日本社会党は國民の名において断固反対いたすものであります。(拍手)
○副議長(岩本信行君) 風早八十二君
    〔風早八十二君登壇〕
○風早八十二君 私は、日本共産党を代表して本法案には絶対に反対し、かつそのすみやかなる撤廃を政府に要求するものであります。その理由とするところは、大よそ次の通りであります。
 第一に、政府が本法案を提出いたしました趣旨は、産業設備営團法第三十九條に規定しておる損失補償契約を履行するにあるのでありますが、営團法の任務は、その第一條にも明らかでありますように、徹頭徹尾戰爭目的でありまして、從つて終戰となり、ポツダム宣言の無條件受諾となりまして、新しく発足した戰後の日本の國民経済のもとにおきましては、これは実質上その存在理由を失つておりまして、まつたく有害無益なる存在となつておるのであります。このことは、軍需補償打切りの大原則がはつきりと立てられたことによりまして、すでに明白でありますが、現に産業設備営團そのものが、すでに二十一年十二月末には閉鎖になつている。このことによりまして、明らかに証明せられておる次第であります。從つて、政府が損失補償をなすべきかいなかは、事情のまつたく変更した今日の事情に照して、國会の承認を得て、われわれの独自の判断において決定せらるべきものであります。
 しかるに政府は、本法案を提出するにあたりまして、立法理由をもはや完全に喪失しております産業設備営團法をあらかじめ適用して、すでに契約期限の滿了しておりますこの補償をあえてなさんとすることは、打切りの精神に根本的に反しておるのみならず、これは法理論上から申しましても、事情変更の原則にまつたく反している。刑法でいえば、擬律錯誤の誤りをあえて犯しておるのであります。政府は、金融機関再建整備法を援用してこの法案の理由といたそうとしておりますが、しかしながら、御承知のように、再建整備法は徹頭徹尾軍需補償の打切りの大原則に從属した法律でありまして、この再建整備法を濫用して、あえて大原則を無視するということは、ひいてはポツダム宣言に対するまつこうからの違反であると断ぜざるを得ないのであります。(拍手)
 第二に、大体閉鎖機関たるこの営團の特殊清算事務上におきまして幾多の疑問の点が存するのであります。政府は、本営團が二十一年十二月末に閉鎖機関に指定せられて後、二十二年度、二十三年度の業務上の損失を補償すると申しておりますが、清算事務は、建設工場の賣却であるとか、あるいは持つておつた艦船の賣却であるとか、これを内容といたしておるのでありまして、そこに適当な價格をもつていたしますれば、收益こそあがれ、損失があるということは、とうてい考えられない。われわれは、政府の側からたびたびこの点について詳細な答弁を求めたのでありますが、遺憾ながら遂に納得が行くことができなかつたのであります。政府は、これらの物件を賣却するに際しまして、常に帳簿價格もしくはそれ以下で賣つておる。これは妥当ならざる評價基準と称せざるを得ないのであります。清算事務にあたつて、必ずしも高い値段で賣つて、もうけなくてはならぬということはない。さりとて、わざわざ損をして國庫の負担を背負い、行く行くは國民にその犠牲を背負わせるということは、はなはだ妥当を欠く処置であると考えるのであります。
 この問題に関連いたしまして、さらにこの法案の規定しております補償債務の弁済基準にも、はなはだ妥当を欠くものがあるのであります。営團に対する一般債権者は、特に大手筋の銀行であります。あるいは千代田銀行、第一銀行、三菱重工業、こういつた大手筋の銀行並びに巨大な企業でありまして、これに反して、社債権者は主として中小の銀行、また大藏の預金部であります。しかるにこの法案は、一般債務の弁済に対しては一〇〇%をやり、社債についてはわずか一一%をやる。このことは、閉鎖機関令の第十一條の、いわゆる閉鎖機関の債務の弁済については、特に預金者等小額の債権者の利益を考慮し、かつ債権者間の衡平を害しないように留意しなければならぬ、この規定にまつこうから違反しておるのであります。
 第三に、さらに本法案がかりに実施せられた場合の実質上の結果をわれわれは問題にしなくてはならない。これはきわめて少数の銀行資本家並びに三菱資本のみを不均衡に利益せしめるのでありまして、一般の産業資本家そのものに少しも利益にならない。ここに問題があるのであります。すなわち、この設備営團の債務は、八割までは資金統合銀行、日本興業銀行、千代田銀行並びに第一銀行の四行に対するものでありまして、三菱電工業に対する債務一億円を加えるならば、ほとんど全部がこの一般債務を占めておるのであります。こういう銀行にいくら救済をいたしましても、これによつて一般の産業資本家は少しも利益しない。これは、私は皆さんにお聞きしたいのです。皆さんの中にも堂々たる産業資本家がおありになる。少くもその代弁者はたくさんおありになる。しかしながら、皆さんの中で、この十一億円の補償によつて利益を受けられる方が一人でもおありになるか、私は、はなはだこれを疑わざるを得ないのであります。
 この点におきまして、政府の答弁によれば、それは金融機関を補償するならば、結局は産業資本家にその利益が均霑するのだというお話であります。しかし、これは現在の政府並びに巨大な独占資本がとつておりますところの、いわゆる集中生産の方式をまつたくしいておるものでありまして、今日集中生産によりまして、いかに金融機関に金が集まろうとも、その金は決してまじめな大産業資本家にすらも行きはしない。これは限られた独占財閥系の一部の大企業に行くだけであります。お互いにこの点は、しみじみと今日この苦労を味わつておる。私は、この意味におきまして、この法案は先ほど社会党の川島委員が申されたと同樣でありまして、まつたく一部の金融資本家を救済する露骨なる反動的な法案であるといわざるを得ないのであります。(拍手)
 第四に、本法案がこのような不当な補償債務の決済をなすにあたりまして――これは最も大事な点でありますが、交付公債を発行しようといたしております。この法案の提案の理由書には、補償契約の期限経過後において生じた業務上の損失をこの際補償することとする、ということを申し述べておりますが、これだけが理由である。結局何も理由はない、無理由書なのでありまして、この無理由書におきまして、たつた一つ意味深長である言葉は、今申しました「この際」ということです。一体「この際」とは何であるか。「この際」というのは、私が大藏委員会で政府委員から承りました説明によりまして判断いたしますと、これはまさに経済九原則が出て、そうして二十四年度の予算案が上程されんとして上程されざるこの際、上程されるがごとくにして上程されざるこの際でありまして、言いかえれば、経済九原則並びに内示によりまして公債発行は認めない、この大原則が今出ようとしてまだ出ないこの際だ、これが出たならばたいへんだ、これが出たならば、たいへん事はめんどうになる、今のうちだ、この際火事どろ的にわれわれはこの法案を通しておこうというのが、本法案の趣旨なのであります。(拍手)
 最後に重要なことは、この交付公債の十一億の発行によりまして生ずべき政府負担の財源が一つもないということです。実に無責任きわまる話なんです。政府委員は、しばらく耳打ちをされました後に、これは本年度の予算でもつてまかなうのだと言われた。本年度とは二十三年度のことであるか、もしくは二十四年度のことであるか、私は重ねて尋ねたのでありますが、これに対して、結局二十四年度の予算と言われる。これは驚くべきことであります。まだ出ておらない二十四年度の予算案におきまして、この十一億円の交付公債の全員担がかかつて來ておる。今これを決定しておいて、結局いやおうなしにこの予算案に織り込んで行こうという意図が、はつきりとここに暴露せられておるのであります。
 私は、この法案に書いてあります通り、利率五分五厘をもつて掛けてみますと、六千二百五十万円になる。六千二百五十万円といえば何でもないじやないか、そういえば、それまでであります。しかしながら、今日わずか三万円、わずか五万円の税金のために、首をくくつて死んでいる中小業者がたくさんあるではないか。(拍手)また、一家心中をしているような業者の人たちも、たくさんあるではないか。われわれは、日常これを目撃しておる。こういう状態におきまして、いやが上にも太りに太つているところの巨大銀行資本のみに六千二百五十万円を與えるという、その理由がどこにあるでありましようか。
 しかしながら、交付公債の発行は單に利子負担だけの問題ではありません。交付公債は、日銀の引受によつて直接通貨を出す場合におきましても、またこれを引当にして日銀から新たな借入金を行う場合におきましても、いずれにしても、それはインフレ政策であることには、かわりはない。今日それでなくても、物價の騰貴、勤労大衆の生活の困窮はほとんど目に余るものがあるのでありまして、こういう状態に対して、今経済九原則をわれわれがいかに活用して行くか、経済九原則の中心的な要請は、言うまでもなく総合予算の均衡であり、インフレーシヨンの克服であります。この大原則に対して、われわれはもつと眞劍に当らなくてはならないと思う。この際におきまして、この経済九原則を彼ら一部の巨大な銀行資本の利益にのみ奉仕させようとするのが、今日の政府のこの法案に現われたる意図であるということは、もはや何人も疑うことはできないのであります。(拍手)
 私は、いやしくも國民の負託を受けた責任ある國会議員でありまして、決して反対せんがために反対しているものではない。國民の代表として納得の行く理由さえあれば十分に賛成し、かつその実現のためにあらゆる努力を惜しまない。私は、大藏委員会における日常の活動において、これを十分に証明しております。また、昨日のあの商工委員会の石炭配給公團の問題についてのわが党の態度においても、はつきり現われておる。その他の委員会におきましても同樣であることは、十分に御承知の通りであります。
 皆さん、この際この火事どろ的な交付公債によりまして、産業資本家に一文の得にもならないし、ましてや國民の税金負担をますます重くすることによりまして、きわめて少数の財閥、大資本家にのみ奉仕しようとするこの法案に対して反対を唱えるのは、決してわが日本共産党だけではないと考えるのであります。共産党が言い出したから、どんなに國民の利益になることであつても、やはりこれには反対するという、そういうけちな根性はやめていただきたいのであります。労農党、社会党はもとより、國協党、民主党、民自党の各位におかれましても、國民の代表として、眞劍にポツダム宣言、極東委員会の諸決定並びに経済九原則を守つていただきたい。そうして、これらの大原則に即して私の反対討議に御賛成あらんことを皆樣方に切望してやまない次第であります。(拍手)
○副議長(岩本信行君) これにて討論は終局いたしました。
 採決いたします。本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○副議長(岩本信行君) 起立多数。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。(拍手)
    ―――――――――――――
○山本猛夫君 残余の日程は延期し、明三十日午後三時より本会議を開くこととし、本日はこれにて散会せられんことを望みます。
○副議長(岩本信行君) 山本君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて動議のごとく決しました。
 本日はこれにて散会いたします。
    午後四時三十二分散会