第005回国会 本会議 第30号
昭和二十四年五月十六日(月曜日)
 議事日程 第二十八号
    午後一時開議
 第一 法務廳設置法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第二 厚生省設置法案(内閣提出)
 第三 厚生省設置法の施行に伴う関係法令の整理に関する法律案(内閣提出)
 第四 農林省設置法案(内閣提出)
 第五 農林省設置法の施行に伴う関係法令の整理に関する法律案(内閣提出)
 第六 通商産業省設置法案(内閣提出)
 第七 通商産業省設置法の施行に伴う関係法令の整理等に関する法律案(内閣提出)
 第八 船舶運営会の船員の給與基準の設定及び船舶運営会の役職員に対する特別手当の支給に関する法律案(内閣提出)
 第九 航路標識法案(内閣提出)、参議院送付
 第十 教育職員免許法案(内閣提出)
 第十一 教育職員免許法施行法案(内閣提出)
 第十二 学校教育法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
 第十三 國立身体障害者更生指導所設置法案(内閣提出、参議院送付)
 第十四 工業標準化法案(内閣提出、参議院送付)
 第十五 地方自治法第百五十六條第四項の規定に基づき、大阪工業試驗所四國支所ならびに電氣試驗所新潟支所及び金澤支所設置に関し承認を求めるの件
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●本日の会議に付した事件
 警備力調整に関する決議案(山本猛夫君外八名提出)
 貯蓄運動推進に関する決議案(丹羽彪吉君外五名提出)
 日程第一 法務廳設置法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第二 厚生省設置法案(内閣提出)
 日程第三 厚生省設置法の施行に伴う関係法令の整理に関する法律案(内閣提出)
 日程第四 農林省設置法案(内閣提出)
 日程第五 農林省設置法の施行に伴う関係法令の整理に関する法律案(内閣提出)
 日程第六 通商産業省設置法案(内閣提出)
 日程第七 通商産業省設置法の施行に伴う関係法令の整理等に関する法律案(内閣提出)
 日程第八 船舶運営会の船員の給與基準の設定及び船舶運営会の役職員に対する特別手当の支給に関する法律案(内閣提出)
 日程第九 航路標識法案(内閣提出、参議院送付)
 日程第十 教育職員免許法案(内閣提出)
 日程第十一 教育職員免許法施行法案(内閣提出)
 日程第十二 学校教育法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
 日程第十三 國立身体障害者更生指導所設置法案(内閣提出、参議院送付)
 日程第十四 工業標準化法案(内閣提出、参議院送付)
 日程第十五 地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、大阪工業試験所四國支所並びに電氣試驗所新潟支所及び金澤支所設置に関し承認を求めるの件
 たばこ專賣法案(内閣提出)
 塩專賣法案(内閣提出)
 しよう脳專賣法案(内閣提出)
 日本銀行法の一部を改正する法律案(内閣提出)
    午後一時三十一分開議
○議長(幣原喜重郎君) これより本日の会議を開きます。
     ――――◇―――――
○山本猛夫君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、山本猛夫は八名提出、警備力調整に関する決議案は、提出者の要求の通り委員会の審議を省略してこの際これを上程し、その審議を進められんことを望みます。
○議長(幣原喜重郎君) 山本君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(幣原喜重郎君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 警備力調整に関する決議案を議題といたします。提出者の趣旨弁明を許します。清藤唯七君。
    〔清藤唯七君登壇〕
○清藤唯七君 ただいま議題となりました警備力調整に関する決議案の趣旨弁明をいたしたいと存じます。
 まず最初に主文を申し上げます。
   警備力調整に関する決議
  國際情勢の変化並びに國民生活の実状に鑑み、現下治安情況の趨勢は誠に寒心に耐えないものがある。特に、集團的不法行為、沿岸犯罪、凶悪乃至詐欺的犯罪等は急増しつつあるに対し、これに対処すべき警備力は必ずしも完全とはいい得ない。
  よつて、衆議院は次の事項に関し、政府において速やかに措置すべきことを要望する。
   記
 一、集團的、機動的警備力の調整に重点を置いて、警察組織の素質及び装備の改善に努めること
 二、國家地方警察及び自治体警察間の調整を図り、援助協力の実を挙げしめること
 三、科学的捜査に関する施設の増強を実施すること
 四、警察官の教育及び待遇、厚生施設の改善に努めること
 五、政府は時期國会の始めまでに右につき採りたる措置を衆議院に報告すること
  右決議する。
 終戰以來、わが國の治安は進駐軍の好意によつて漸次安靜を保ちつつありますことは、國民として感謝のほかありません。しかしながら、日々の新聞紙上にあるごとく、近時の犯罪は大規模かつ旅行的となりつつあるのであります。凶悪犯罪状況は次のごとくである。昭和二十一年、一万一千二百四十七件、昭和二十二年、一万二千三百三十二件、昭和二十三年より一月より五月までで七千六十件であります。昭和十二年が五千七百十九件であつたのに比し、二倍を越えておるのであります。二十二年の凶悪犯罪一万二千三百三十二件のうち九千二百七十件は二人以上で、あるいは自動車を利用する等集團によるものが多いのであります。さらに加えて、國際情勢の変化に伴い、ますますこの種の犯罪が多からんとする状況でありますることは、まことに憂慮にたえない次第であります。
 しかるに、一方警察方面の内容を見るに、改正後地方警察と自治体警察に分離せられ、これが連絡協調の欠除、人的交流の不能、栄進意欲の減退等によりまして弱体化しつつある現状であります。さらに各府県町の財政難のため、自治体警察返上論さえあるのであります。市以外の警察は國家警察一本としてその機能を発揮せしめよとは全國の世論であります。そのことは以前の警察の復帰ではありません。新憲法のもとに民主的國民の要望であります。
 日没後、帝都においてすら人通りは絶え、婦女子は恐怖の念をもつて日常生活を送らなければならないとは、何としても遺憾のきわみであります。國内治安の万全を期するため、全國警察官は薄給に甘んじ、身を挺して日夜その勤務に努力いたされておりますることは、國民あげて感謝の意を表するものである。同時に、この万全を期するためには、政府が時代に應じた警察力の強化拡充をはからなければなりません。すなわち、画期的な機動力の強化、装備の強化拡充、科学施設の拡充、厚生施設の拡充等積極的に予算的措置を実施せられ、民衆の保護と平和日本再建のために、政府はよろしく改善と欠陥を指導育成し、もつて本決議の趣旨に沿わんことを。
 以上をもつて本決議案の趣旨弁明といたします。何とぞ各位の御賛同を得たいと存じます。
○議長(幣原喜重郎君) 本案については討論の通告があります。その発言を許します。田中織之進君。
    〔田中織之進君登壇〕
○田中織之進君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま上程せられておりまする警察力調整に関する決議案に対しまして絶対反対の意思を表明するものであります。(拍手)
 本決議案の提案の趣旨として揚げられておりますところによれば、國際情勢の変化並びに國民生活の実情にかんがみて警察力を整備強化することにあるのでありまするが、一体この決議案提出の理由でありまするところの國際情勢の変化とは何をさすかということを、まずわれわれは究明しなければならないと思うのであります。
 われわれは、新憲法法第九條におきまして、明らかに戦争の放棄と武力の行使を永久に放棄することを宣言いたしておるのであります。私は、本決議案のねらいとする警察力の充実ということが、ともすれば憲法に規定せられておりまするこの武装放棄、戰争放棄の精神と反したところの日本の再武装を連合諸國に対して誤解せしめるかのごとき響きを持つておることは最も遺憾とするのでありまして、われわれは、國際情勢がいかに変轉しようとも、この憲法の條章に基いて、あくまでも平和國家の立場を堅持することが日本民族に課せられたところの至上命令たらしめねばならないと思うのであります。従いまして、日本の再武装を誤解せしむるかのごとき意味における警察の武装力強化ということに対しましては絶対に反対するものであります。
 われわれは、もちろん、近時なおそのあとを絶たないところの集團強盗あるいは凶悪犯罪その他の犯罪行為に対しまして、これをいかに根絶せしめるかということについて根本的に考えなければならない時期であると考えます。しかしながら、この決議の新趣旨に掲げておりまするように、集團的不法行為とは一体なにを指すということも追究しなければならないと思うのであります。もちろん、終戰直後、あるいは列車における集団強盗その他集團的な犯罪が続出したことはありまするけれども、漸次國内秩序の回復とともにそれが減少し、今日ではほとんどそれが見られない時に立ち至つて來ておることは、まことに喜ぶべきことだと思うのであります。從いまして、この決議案の指摘しておりまするところの集團的不法行為ということは、一昨日本院をむり押しに通過せしめました労働組合法の中にありまするところの暴力の行使と相通ずるものがあり、さらに四月二日の大阪におけるデモに対する断圧、こうした眞に勤労階級の意思を表明するところの秩序整然たるデモ行進、あるいは労働組合運動に対しましても官憲に干渉の口実を與え、あるいはそれを誘発するがごとき規定にわれわれは反対するとともに、そうした規定が、すでにわれわれの反対にもかかわらず押しつけられていることによりまして、私は、本決議にありまするように集團的、機動的警備力の充実が行われまするならば、一段とこうした正当なる労働組合あるいは農民組合等の大衆行動に対する彈圧の機会を釀成するがごとき結果を來すという意味におきましても、この決議に対しましては反対せざるを得ないのであります。さらに凶悪犯罪その他の犯罪行為に対しましてわれわれが考えなければならないのは、何ゆえにこの種の犯罪が起るかということを究明し、その原因を芟除するところの方策を何ら講ぜずして、現れて結果を取上げて、それに対して重圧と彈圧をもつて臨むがごとき態度は、眞に民主主義國家としてとるべき態度ではないと信ずるのであります。(拍手)
 われわれは、かかる観点からこの決議案の三項、四項に掲げられているがごとき科学的捜査に関する施設の増強を実施すること、あるいは警察官の教育及び待遇、厚生施設の改善につとめるというようなことは――少なくとも現在日本に設置されておりまするところの十二万余の警察官の待遇改善等のために政府が各断の考慮を拂い、その施設を充実することに対しましては、あえて反対するものではありません。むしろ政府に対して、その点を強くわれわれは要求するものでありますけれども、この決議の第一、第二に掲げられている点は、少なくともわれわれは、平和國家、文化國家の建設を目ざして永劫に武装を解除し戰争を放棄するという崇高なる民主主義の精神に反するところの重大なる問題を含んでおりますがために、國会においてこうした決議を行うべきでなく、われわれは、むしろこの点に対して國際情勢の変轉に対処し、あくまでも平和主義の立場を堅持するということに対して國民の協力と理解を深めるために、われわれが國民大衆と密着する、同時にこの種の犯罪の根本原因を芟除し、予防対策を講ずるということに対して深く國民の理解と協力を求めるという方面に向つて努力すべきでありまして、警察國家の再建あるいは日本の再武装を思わしむるがごとき警察力の充実にはわれわれは断固として反対するものであることをここに表明するものであります。(拍手)
○議長(幣原喜重郎君) 加藤充君。
    〔加藤充君登壇〕
○加藤充君 私は、日本共産党を代表いたしまして、ただいま議題となりました決議案に絶対反対の意見を表明するものであります。
 大体において、この決議案上程の理由は、なぜ現下の憂うべきところの事態が出て来たかということに対する原因の追究を誤り、責任のたな上げをやつたものである。従つて、根本的にはその対策を誤つておる。これがわれわれが反対いたしまする第一点であります。
 くどくどと言うまでもなく、集中生産に要約表現されましたところの、現在の独占資本の手先、吉田民主党内閣の諸策は、ことごとに人民大衆の生活の窮乏と破滅を実現し、労働者、農民ばかりでなく、集中生産の買弁的貿易政策の線からはずされましたところの民族産業資本家も、先般の炭鉱問題でも明らかになりましたように、メリット・システムの採用等々による価格政策の面からも、資金資材の面からも、全部があげていわゆる破産、倒産の運命に逢着せしめられたのであります。このようにますます苛烈化するところの大衆收奪の強行政策は、さらに人民の反抗をみずからかきたてるものであり、しかも大衆自身を、善人といえども破廉恥的な犯罪にかりたてざるを得ないのであります。
 第二点といたしましては、この決議案の内容は文字自体については大した問題がないように努力されております。また説明の中にも、そのことは故意にあるいは無意識的に隠されておりますけれども、由來警察権力の発動は、基本的な人権を守り、憲法に保障されたところの人民の生き抜く権利、こういうものを守り抜くところの正当なる憲法擁護の運動に対しましても、これを政治的に彈圧するところの危險を、幾多の実例が実証しておるのであります。憲法に保障された生存権、労働権その他の権利を蹂躙し、ますます苛烈化して憲法を無視し、みずからファシズムの方向に走る一切のこのような反動政策、その先端に権力を振うところの警察力の増強に対しては、ポツダム宣言を嚴正に履行し、憲法に保障された内容を正しく守り抜くために、人民の闘争は、すなわち憲法を守り、自由と独立と平和を守り拔くための、生活を守るための鬪争は、反抗は、当然に憲法から反射されたところの日本の民主的な國民の最大にして最高の名誉であり義務である。この大衆的な、まことに当然な憲法上の政治運動を彈圧するようなことに相なる危險性を多分に包藏し、過去の警察権力の増強が実例をもつてそれを明白に示したようなこの点にかんがみまして、本決議案に断固として反対せざるを得ないものであります。
 しかも、さらに國家の権力が人民彈圧の方向に向う前に、この裁判所、檢察廳あるいは警察署、税務署等の権力の機工の内部に巣くつておるところの上級官僚を中心にした権力自体の腐敗の摘発、こういうものにこそ断固として國家の権力が、そうして警察権力が発動されなければならない。この重点を肩すかしして、治安の確保の責任をたな上げし、いたずらに民主的な運動を彈圧し、そうして彼らの収奪政策の犠牲であるところの大衆の犯罪行為をただ追究して権力で彈圧し、これを刑務所にほうり込むというようなこの手続の警察力増強には断固として反対の意を表明せざるを得ないものであることを最後に一言申し加えて、私の反対討論を終わります。(拍手)
○議長(幣原喜重郎君) これにて討論は終局いたしました。
 採決いたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(幣原喜重郎君) 起立多数。よつて本案は可決されました。
 この際政府より発言を求められております。これを許します。國務大臣樋貝詮三君。
    〔國務大臣樋貝詮三君登壇〕
○國務大臣(樋貝詮三君) ただいま本院において御決議になりましたところに從いまして、政府も十分にその意を尊重して断行して行くつもりでおります。
 去年の三月、御承知のごとく警察制度が改正せられて、自治体警察と國家地方警察とに区別せられたような事情でありましたが、以後一年間の経験を見ましても、警察が非常に明るくなつて参りましたことは事実であります。またわれわれにおきましても、政府におきましても、この明るさをますます説明るくして行こうということは考えておりますけれども、他面において、地方自治体警察等におきましては非常に弱くなりましたことと、また財政上非常に苦痛を伴うことは事実でありまして、これに対しましては十分の措置を講じたいと考えておるような次第であります。
 今日におきましては、あの警察が決してもつて世界の脅威になるような過去の経験と同じ結果にならぬことを考えておりますので、従つて、欠点はこれを除去し、長所はますます発展させて行つて科学的な捜査及び事件に適当なる処置を與えることをここに御誓言申し上げる次第であります。(拍手)
     ――――◇―――――
○今村忠助君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、丹羽彪吉君外五名提出、貯蓄運動推進に関する決議案は、提出者の要求の通り委員会の審査を省略してこの際これを上提し、その審議を進められんことを望みます。
○議長(幣原喜重郎君) 今村君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(幣原喜重郎君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 貯蓄運動推進に関する決議案を議題といたします。提出者の趣旨弁明を許します。島村一郎君。
    〔島村一郎君登壇〕
○島村一郎君 ただいま議題となりました貯蓄運動推進に関する決議案に対し、提案者の一人としてその趣旨弁明をいたします。
 まずそれに先だちまして案文を朗読いたします。
   貯蓄運動推進に関する決議案
  貯蓄運動が発足してからここに二年有半、本運動が超党派的な國民運動として、通貨の安定、超党派の増強に多大の貢献をして來たことは、内外のひとしく認めるところである。貯蓄運動今日の成果は、実に連合國総司令部の絶えざる援助を始めとして、官民の熱誠溢れる協力の賜ものであつて、まことに感謝に堪えない次第である。
  思うにわが國経済自立のため、資金貯蓄の緊要性が一段と加重せられるにかかわらず、経済安定九原則の実施により、從來の如きインフレーションにより資金の造出は規制せられるので、今後における資金の蓄積は、眞に血のにじむような國民の勤勉と耐乏による貯蓄にまたなければならない。今や、本運動も宣傳の域を脱し、あまねく國民に資金蓄積の緊要性を深く認識せしめ、以て自発的に勤儉貯蓄の実を挙げるよう指導すべき段階に立ち至つた。
  よつて政府は、貯蓄運動に対する認識を新たにし、貯蓄増強のため次の諸施策を急速に実施すべきである。
 一、長期預金等の金利優遇に関する措置を講ずること
 二、預金等の利子所得に対する課税方法を改正すること
 三、國民貯蓄組合法による預金等の利子所得に対する非課税限度を引き上げること
 四、やみ金融の取締を強化励行すること
 五、通貨措置懸念の浮説の拂拭に努めること
  右決議する。
 ただいま朗読いたしました案文中に明確にいろいろのことを盛られておりますので、もはや御説明申し上げる要はなかろうかと存じまするが、簡單に一言つけ加えて申しますれば、御承知のように前年度のごときにおきましては、財政も金融も、まつたく今年度の予算に盛られましたように、はつきりと区画がなかつたのであります。と同時にインフレーションはただいまとは違いまして、まだまだ收束の域に達しておらなかつたために、金融方面におきましてもインフレ的な金融がございました。従つて、目標額三千億を優に突破すること一千億余りであつたのであります。パーセンテージで申し上げますると、目標額の三割四分を超過いたしたような好成績を示したのであります。
 しかしながら、今年度におきましては、財政と金融ははつきり区画せられましたし、あるいはまたインフレの状況は御承知の通りでありますので、この際におきましての貯蓄の増強はなかなか困難であろうと考えられます。政府におかれましても、昨年度におきましては目標三千億であつたものを、今年度におきましては、ただいま申し上げましたような見地からいたしまして、やむを得ず二千五百億にとどめたものも、よつて來るところ、ただいま申し上げましたような次第でございます。私どもは、あくまでこの運動に対しまして献身的な努力をいたしまして、もつて生産の増強にも当り、あるいはまたインフレの収束にも渾身の勇を奮つて、この運動を推進して参りたいと存じます。
 何とぞ本決議案に対しましては、皆様方の熱烈なるお考えのもとに、満堂の御賛成を賜わらんことを切にお願い申し上げます。(拍手)
○議長(幣原喜重郎君) 他に御発言の通告もありませんから、ただちに採決に入ります。本案を可決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(幣原喜重郎君) 御異議なしと認めます。よつて本案は可決いたしました。
 この際政府より発言を求められております。これを許します。大藏政務次官田口政五郎君。
    〔政府委員谷口政五郎君登壇〕
○政府委員(田口政五郎君) 大臣が親しく意見を開陳するはずでございましたが、よんどころない用事のために参ることができませんので、お許しを得まして私より一言意見を開陳いたしたいと存じます。
 ただいま本院におきまして御決議になりました事項に関しましては、政府といたしまして最も意を強うする次第でございまして、その趣旨に関しましては全然同感でございます。このインフレの收束に対しましては、金融面よりいたしまする貯蓄の増強ということが最も肝要であることは、ただいま申し述べられました通りでございます。ことに本年度におきましては、デイスインフレの段階に入りましたために、なかなかこの貯蓄の増強が困難な段階に入つて参つたのであります。政府におきましても、さきに発表いたしましたごとく、本年度におきましては二千五百億の目標に向つて邁進いたしたいと存じておる次第であります。この二千五百億の目標額を達成いたしまするためには相当の努力を要することも、また先ほど申し述べられました通りであります。何とぞ皆様方の絶大なる御声援によりましてこの目標を超過いたしますることを望んでやまないのであります。
 五項目に対しまして御意見の御発表がありましたが、まず第一に、長期預金等の金利優遇に関する措置に関しましては、これはなるべくすみやかに御趣旨の実現に関し研究をいたしまして成案を得たいと存じております。
 第二の、預金等の利子所得に対する課税方法を改正せよということでございまするが、この点も、税制の全般の改正案の一環といたしまして必ず取上げたいと存じております。
 第三に、國民貯蓄組合法による預金等の利子所得に対する非課税限度を引上げるということでございまするが、これにつきましても、現行の三万円を十万円程度に引上げることについて考慮いたしております。これもまた全般的の税制改正とともに取上げたい所存でございます。
 なか、やみ金融の取締りを強化励行せよということでありまするが、貸金業者の取締りに関する法律案を提案いたしまして、現在御審議を仰いでおる次第であります。これが通過公布のあかつきにおきましては、正当なる金融業者の発展を期してまして、ことにやみ金融の悪質なる金融業者の徹底的の取締りに乗り出したいと決心いたしております。
 最後に通貨措置懸念の浮説の拂拭に努めよということでございまするが、すでに御承知の通りに、本年度はすべての方面におけるいわゆる眞の均衡予算が成立いたしまして、これが実行に入つておるのであります。なお御承知の三百六十円の為替レートが決定いたしまして、これが為替レートの決定と相まち、均衡予算の実行と相並びまして、今日以後、必ずやわが経済界におきましては通貨措置に対する懸念のごときは自然と拂拭されることとは存じまするが、なおかくのごとき浮説が今後起こらないように、政府といたしましては一団の努力をいたしたいと存じます。こいねがわくば、皆さまにおかせられましても、こういう浮説が行われないように特別の御協力をお願いいたす次第であります。
 以上をもつて答弁といたします。
     ――――◇―――――
○議長(幣原喜重郎君) 日程第一、法務賞庁設置法の一部を改正する法律案、日程第二、厚生省設置法案、日程第三、厚生省設置法の施行に伴う関係法令の整理に関する法律案、日程第四、農林省設置法案、日程第五、農林省設置法の施行に伴う関係法令の整理に関する法律案、日程第六、通商産業省設置法案、日程第七、通商産業省設置法の施行に伴う関係法令の整理等に関する法律案、この七つの法案は同一の委員会に付託された議案でありまするから、一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。内閣委員長齋藤隆夫君。
    〔齋藤隆夫君登壇〕
○齋藤隆夫君 ただいま議題と相なりました法務廳設置法等の一部を改正する法律案、厚生省設置法案、厚生省設置法の施行に伴う関係法令の整理に関する法律案、農林省設置法案、農林省設置法の施行に伴う関係法令の整理に関する法律案、通商産業省設置法案及び通商産業省設置法の施行に伴う関係法令の整理等に関する法律案、以上七種の法律案につきまして、内閣委員会の審議の経過並びに結果の概要を御報告申し上げます。
 まず法務廳設置法等の一部を改正する法律案について申し上げます。
 六案は、國家行政組織法の施行と行政機構の改革に伴い、法務廳を法務府と改め、現在の一官房長、五長官、十六局を一官房長、三長官、十一局に縮小して、法務総裁のもとに法務総裁のもとに法政意見長官、刑政長官及び民事法務総裁官房長を置いて、法制意見長官の指揮監督のもとに法制意見第一局から第四局までの四局を置いて、大体現在の法制長官と法務調査意見長官所属の各局を統合し、刑政長官の指揮監督の下に檢務局、矯正保護局及び特別審査局の三局を置いて、主として現在の檢察及び行刑関係の事務を一括し、民事法務長官の指揮監督の下に民事訟務局、行政訟務局、民事局及び人権擁護局の四局を置くことにいたしたのであります。なお近く提出される犯罪者予防更生法が施行になりますまでの間臨時に保護局を置いて、いわゆる司法保護に関する各種の事務を処理することに相なつております。また官房における会計事務の増大に対して経理部が設けられました。廳外機関につきましては、現在の司法事務局並びに訟務及び人権擁護関係の駐在官制度を廃してこれを法務局及び地方法務局に改組したほか、法規の整備を主眼とするものでありまして、本年六月一日からこれを施行しようとするものであります。
 本案は、四月十八日、本委員会に付託された後、ただちに政府の説明を聞きまして審査を進めて参りましたが、第一條のうちの第十三條の三中の特設監獄の規定を削り、別表四に久里浜、加古川、笠松の三刑務所及び愛知少年刑務所の四監獄を、別表五に印旛、八街の二少年院を加えることの修正案が提出され、五月十四日討論採決の結果、多数をもつて修正案の通りに修正議決いたしたのであります。
 次に厚生省設置法案について申し上げます。
 本案は、國家行政組織法の制定に伴い、厚生省の任務、権限について明確に定めるとともに、その所掌事務及び事業の遂行に能率的な組織を定めたものであります。すなわち、大臣官房に統計調査部を設け、予防局を廃してその事務を公衆衛生局に統合し、従来の公衆衛生局において所管した國立公園及び環境衛生面を國立公園部及び環境衛生部として、主管せしめることとして、本年六月一日から施行しようとするものであります。
 本案は、四月十八日、本委員会に付託されまして、ただちに政府の説明を聞き審査を進めて参りましたが、本案に対し、権限、事務分掌につきこれを一層明確にするための字句訂正と、國立公園部を公衆衛生局から大臣官房に移そうとする修正案が提出されて、五月十四日討論採決の結果、多数をもつて修正案の通り修正議決をいたしたのであります。
 つぎに厚生省の設置法の施行に伴う関係法令の整理に関する法律案について申し上げます。
 本案は、厚生省の設置法の施行に伴い、從來委員会の名称を用いているものをそれぞれ名称を変更するほか、関係法令の整理を行うとともに、引揚援護廳設置令の附則を一部改正し、本年六月一日から施行しようとするものであります。
 本案は、四月二十八日、本委員会に付託され、ただちに政府の説明を聞き、討論を省略し、採決の結果、多数をもつて原案の通り可決いたしました。
 次に農林省設置法案に申し上げます。
 本案は、國家行政組織法の施行と行政機構の改革に伴い、農林省の任務、権限について明確に定めるとともに、その所掌事務及び事業の遂行に能率的な組織を定めたものであります。すなわち内部部局において、一官房、八局、十部、一室を一官房、五局、四部に縮小いたし、農政、蚕糸、畜産、農業改良の四局を存置しておりますが、農政局の農地部と開拓局とを統合して新たに農地局を設け、調査統計局はこれを部として農業改良局に置くこととし、総務局の事務は官房その他の局に分掌せしめることとなつております。地方支部局につきましては、局長官房のほか農地、開拓及び土地改良の三部からなる農地事務局と作物報告事務所とを残し、國営牧野事務所は本年六月三十日限り、資材調整事務所は本年八月三十日限りをもつて廃止することといたしております。外局としましては、現在内局の食品局と外局の食糧管理局とを統合して食糧廳とし、林野廳、水産廳とともに外局となつております。外局の附属機関及び地方支分部局についてはそれぞれ詳細に規定されておりますが、その内部部局の細目については農林省令または政令で定めることとなつております。また農林省所轄の公團についてはそれぞれの公團法の定めるところによる旨を明らかにしておりまして、本年六月一日から施行しようとするようになつております。
 本案は、四月二十六日、本委員会に付託され、ただちに政府の説明を聞き審査を進めて参りましたが、本案に対し、土地改良事業の内容を明らかにするとともに、これに関する字句の訂正を行う修正案が提出され、五月十四日討論採決の結果、多数をもつて修正案の通り修正議決したのであります。
 たくさんありますので時間をとりますけれども、そのおつもりで御清聽願います。
 次に農林省設置法の施行に伴う関係法令の整理に関する法律案について申し上げます。
 本案は、農林省設置法の施行に伴い、農林省の外局である水産廳設置法について、國家行政組織法の規定に從つて形式を整備するとともに、從來委員会の名称を用いておりまするものをそれぞれ名称を変更して整理し、かつ存続の必要のなくなつた諮問機関等に関する官制を廃止しようとするものであります。
 本案は、四月二十六日、本委員会に付託され、ただちに政府の説明を聞き、討論を省略、採決の結果、多数をもつて原案通り可決いたしました。
 次に通商産業省設置法案について申し上げます。本案は、わが國経済の現状にかんがみ、産業行政の方向を從来の國内経済中心主義から國際通商中心主義に切りかえるため、商工省を解体して、新たな使命を持つ通商産業省を設置せんとするものでありまして、通商産業省の任務及び権限を明確の定めるとともに、その所掌事務及び事業の遂行に能率的な組織を定めたものであります。内部部局は、商工省の大半と外局の貿易廳を統合して一官房、八局、六部を構成し、通商、通商振興、通商企業の通商関係の三局のほか、繊維、雜貨、機械、化学、鉄鋼の輸出生産物資別の五局を置き、通商関係事務の重要性にかんがみ特に通商監を設けて次官を補佐せしめることにいたしております。地方支分局につきましては、現在の商工局と地方貿易事務局とを合体した通商産業局を全國八箇所に設け、局務の一部を分掌させるための事務所や工場の設置を通商産業省令で定めることができることになつております。外局は、通商と比較的関係の乏しい國内資源関係の石炭管理、鉱山及び電力の各局と、これに鉱山保安にあたる局をもつて資源廳を新たに設け、工業技術廳、特許廳及び中小企業廳は大体現在の機構を踏襲いたしております。外局の附属機関及び地方支部分局についてはそれぞれ詳細に規定してありますが、その内部部局の細目については通商産業省令または政令で定めることになつております。なお通商産業省所轄の公團につきましてはそれぞれの公團法の定めるところによる旨を明らかにし、特に、本案の重要性にかんがみ、各省設置法に先だつて五月二十日から施行しようとするものであります。
 本案は、四月二十二日、本委員会に付託され、ただちに政府の説明を聞き審議を進めて参りましたが、本案に対し、通商機械局の所掌事務に関して農水産機械器具、自轉車競争の施行及びばねに関することを加え、附属機関である試藥檢査所の檢査について、その生産を通商産業省が所掌するもののみとする制限を除き、地方支分部局である通商産業省局の管轄区域に関して、靜岡縣を名古屋通商産業局から東京通商産業局に移し、資源廳の電力局に電力開発部を、また附属機関中鉱害対策審議会、炭田探査審議会の設立を中央に限定することをやめ、ガス事業審議会を加え、さらに通商産業局の分室について、やむを得ないときは通商産業大臣は國会の承認なしに設けることができるが、國会の承認が得られなかつたときは遅滞なく廃止すべきことを規定しようとする修正案が提出され、五月十四日討論採決の結果、多数をもつて修正案の通り修正議決いたしました。
 次に通商産業省設置法の施行に伴う関係法令の整理等に関する法律案について申し上げます。
 本案は、通商産業省設置法の施行に伴い、從來委員会の名称を用いているものをそれぞれ変更するほか関係法令の整理を行うとともに、懸案事項について改正して今後の運営に遺憾ならしめ、もつて五月二十日から施行しようとするものであります。
 本案は、四月三十日、本委員会に付託され、ただちに政府の説明を聞き審査を進めて参りましたが、本案に対し、その他の関係法令を改正する修正案が提出され、五月十四日、討論を省略、採決の結果、多数をもつて修正案の通り修正議決いたしました。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
○議長(幣原喜重郎君) 討論の通告があります。順次その発言を許します。成田知巳君。
    〔成田知巳君登壇〕
○成田知巳君 日本社会党を代表いたしまして、ただいま一括上程になりました法務庁設置法等の一部を改正する法律案ほか六件に対しまして反対の意見を開陳いたしたいと存じます。
 各省設置法と政府機関職員定員法とは、今回政府の企図しております行政整理の法的裏づけをなすものでありまして、この両者はうらはらの関係にあり、両者不可分の関係にございます。從つて、定員法と各省設置法は並行して審議採決されるべきのものでありまして、定員法がいまだ委員会において審議中なるにもかかわらず、各省設置法のみを切り離して採決することは、その手続き上許さるべきではありません。これ反対の理由の第一であります。
 政府は、各省設置法並びに定員法によりまして大量の行政整理を強行せんとしておりますけれども、行政機構刷新の目的は、わが社会党の主張するごとく、あくまでも行政組織の有機的編成と簡素化をはかり、行政の能率向上をはかる点に重点が置かるべきであります。そして、同時に行政機構の簡素化によつてやむを得ず生じたる過剰人員に対しましては、これが受入態勢として間然することろなき施策を講じ、失業対策に万遺憾なきを期さなければならないのであります。
 しかるに、今回の各省設置法並びに定員法による行政整理は、行政の簡素化あるいは能率化には何ら資するところなく、失業対策においてもまつたく無為無策、無方針でありまして、
    〔議長退席、副議長着席〕
 いまだに行政整理による被整理者に対する退職手当を幾ばく出すかについても政府の方針はきまつていないのであります。また昭和二十四年の予算を見ましても、純粋の失業対策費というものはわずかに八億円しか含まれておりません。公共事業費は御承知のように総額五百十八億でありまして、実質的には昨年の七割程度にしか当らない。このような少額の公共事業費の中から幾ばくを失業救済費に充当することができるかということは非常に疑問なきを得ないのであります。
 政府は、各省設置法、定員法によりまして行政の簡素化、能率化をはかると言つておるが、各省設置法をしさいに檢討いたしてみますると、事実はまさに逆であります。政府は下級職員の整理にはまことに獅子のごとく勇敢でありますが、特権と高祿の上に眠つておりますところの高級官僚の整理には処女のごとくおとなしい。逆に高級官僚のポストは増加されんとしております。また各省の資料の調査統計機関とか、あるいはサービス機関というような文化的更生的機関は、あるいは、廃止され、あるいは縮小されておるにもかかわらず、行刑官吏、警察官、海上保安廳の職員というような大衆の抑圧機関、権力機関は逆に拡大強化されんとしておるのであります。また各省官制に協議会とか委員会とか、あるいは審議会とか顧問とかいうような制度が設けられておる。一応形式的には民主的になつておりますが、この協議会とか委員会とか顧問制度というものは相当強力な権限が與えられておるのでありまして、この各界の構成員の選任いかん、その運用いかんによりましては資本家の利益に奉仕するおそれが多分にあるのでありまして、特に民自党、吉田内閣のもとにおいては、その危險性まことに大なりと言わなければならないのであります。
 かくのごとく、政府は行政機構簡素化の理由のもとに反動的、封建的なる官僚機構の温存強化をはかつておるのが今回の各省設置法案であり、この設置法の車の両輪の片方といたしましての定員法とともに、しやにむに公務員二十四万の首切りを断行せんとしておるのが政府の行政整理のねらいであります。
 定員法のついては、あらためて本議場におきまして、政府案の非なるゆえんを徹底的に追究する考えでありますが、吉田内閣、民事党は、総選挙の際に國民に公約した諸政策を何一つ実現することができなかつた。現在またこれを実現しようとする誠意の一片さえも持つていないのであります。ために國民大衆の間に、民自党、吉田内閣に対する不平不満、公約不履行に対する責任追究の声が全國にほうはいとして起つておるのでありますが、この公約不履行の責任を回避したいために、行政整理だけはやつたではないかという口実を得たいために、すなわち面子保持のために、全國二十四万人の血の犠牲の上において、しやにむに首切りをやらんとするのが今回の定員法であり、各省設置法案であります。行政の能率化、簡素化には何ら役立つことなく、また被整理者に対する失業救済についてもまつたく手放しの状態であります。特に私は、今回の行政整理が民間の企業整備、低賃金、労働強化の前提をなすものであることを考えるときに、わが社会党としては絶対に本法案に反対せざるを得ないのであります。
 以上を申し上げまして、ただいま上程になつております法務廳設置法等の一部を改正する法律案外六件に対して絶対反対の意見を開陳するものであります。(拍手)
○副議長(岩本信行君) 次は田代文久君。
    〔田代文久君登壇〕
○田代文久君 私は、日本共産党を代表いたしまして全案に反対をいたします。特に厚生関係につきまして反対意見を述べますことは、厚生省の設置法案におきましては予防局を廃止し、公衆衛生局へこれを統合するというのが機構上における面でありますが、承るところによりますと、同時にこれによりまして四千五百人の首を切るというのが人数の上に現れました数字でございます。
 これを機構の面から申しますと、予防局を廃止するというこれに対しまして、政府当局は何ら定見を持たずして、便宜的にこれをやつた。すなわち、初めにおきましては兒童局を廃止するという案を持つておつたのでございます。ところが、これにごうごうとして反対の意見が起こりますと、この案を引込めて、次には藥務局を廃止するという案にかわつたのであります。ところが、これまた反対意見が起りますと、最後に予防局を廃止するということになつたのでございまして、すなわち現在予防局長は辞職のやむなきに至つておりますが、そのあき巣をねらつて、こういうふうに整理を持つて行つたというところに、いかに無定見であるかという点がはつきりいたしております。
 公衆衛生局の性格といたしましては、私が申し上げるまでもなく住みよい生活環境をつくるというものであり、また予防局におきましては、疾病の発生を予防するという違つた性格を持つておるのであります。予防局におきましては、これは司令部から、大いにこの局は発展させねばならないという指示があつたはずであります。また公衆衛生局におきましては、從來警察行政局的な色彩が強くて、これまた十分活動しておらなかつたのでありまして、この両面を十分発展させなければならないのであります。また承るところによりますと、地方衛生部を廃止するというような声も起つておるのでございますが、これも断じて反対であります。現在予防局の活動によりまして、二十一年から二十三年度におきまして医療費が約五十億円節約できておるということは、いかに予防局が正しい活動をやつて成果をあげておるかという点をはつきり物語るものでありまして、この予防局を廃止するというがごときは、まつたく無定見きわまるものであるということが言えるのであります。
 次に定員数の方から申しますと、現在予算定員の数よりは九%人員が足らないのであります。そうして、一人当り平均大体四十一次官の超過勤務をやつておるのであります。すでに実際上におきましては二、三割の人員の増加を來さなければならない。こういう事態のもとに整理をいたすということよなりますと、事務が澁滯いたし、また現在の勤務員は労働強化に追い込まれ、健康を害するということになつておるのであります。
 先日私は厚生省へ参りまして実情を調査いたしました結果、事務澁滯のために政府支払いが非常に遅延しておるということをいわれておつたのでございますが、すでにかくのごとき事態になつておるのであります。従いまして、われわれといたしましては、こういう設置法案をつくつたり人員を整理するというような無謀をするのではなく、現在やらねばならないことがたくさんあるということを主張するのであります。すなわち御承知のように、昨年京都におきましてはジフテリア問題が起こりました。世界未聞の注射による惨害起こつたのであります。八十数名の児童が、その病菌のある注射液を注射されました結果志望者を出しており、数百人のそういう災害者を出しておるというような実情になつております。
 こういう実情に対しまして、政府はただそれに関係いたしましたところの薬業者を告発するということをやつたのでございますが、こういうことによりまして、こういう惨禍は決してなくすることはできないのであります。これは現在における一切の官僚機構の腐敗堕落にその根源があるのであります。(拍手)すなわち、現在の官僚が商賣人と結託いたしまして、商賣人から賄賂をもらう、あるいは地方のボス、反動政党の連中と結託いたして、三位一体によりまして、こういう腐敗堕落のことをやるところに一切の社会的惨禍の根源があるのであります。官紀がいかに弛緩しているか、いかに現在の政治行政が間違つているかという点が、あらゆる面に現われておるのであります。從いまして、われわれがやらねばならないことは行政整理あるいは予防局の廃止ではなくして、こういう面における粛正、ほんとうの厚生行政の民主化というようなことをやることなくしては断じてりつぱにならないということを主張するのであります。
 かくのごとき観点から、われわれは断固本案に反対をいたすものであります。
○副議長(岩本信行君) 竹村奈良一君。
    〔竹村奈良一君登壇〕
○竹村奈良一君 私は、日本共産党を代表いたしまして、ただいま提案されております第四から第七の各案に対して絶対反対の意見を申し述べるものであります。
 本案の提出される場合におきましては、各省におけるところの政策の中心をなすものであり、そのいかなる行政を行うかという観点からこれが提出されなければならないものでありますが、実際において政府が提出いたしましたものを見ますならば、各省においておのおの問題の中心は、いかにして官廳從業員を首切るかというところに根本の原因がおかれているのであります。
 例を農林省にとつてみますならば、たとえば今日農村における一番重要な組織であるところの農業協同組合の育成にあたつて、その部を課に政府は縮小している。しかも農村にかける協同組合の今の状態は、先般本会議において可決された協同組合法の一部課改正暗に見るごとく、たとえば協同組合と反対の立場にあるものをしてその役員にせしめないというような法案を提出しなければならないほど、すでに農民自身が民主化されていない今日、この協同組合指導の部を縮小していること自体が当を得ていないと思うのであります。
 なお食料廳においてその内容を見ますならば、経理部というものが廃止されている。今日食糧廳においては、やはり一年に五千億という金額がいるのであります。それに経理部が置かれていない。しかも、この食糧廳は重要なる國民の食糧の配給を行う所である。最近御承知のように、國内におけるいろいろな面において、あるいは賃金の欠配等々によつて、まさに配給を受ける配給代金に困つて、ある所においては配給代金を貸せ、あるいは貸賣りをせよというような声が起つている。こういう場合において、この食糧廳を拡充強化して末端配給業務の適正を担当させなければならない今日、ゆゆしき問題になるにかかわらず、こういう点に対しては一つの配慮も行われていない。
 なお末尾においては、いわゆる資材調整事務所を八月末をもつて廃止するといわれている。しかしながら、この資材調整事務所を廃止して、はたしてどこにこれの配給機関を求めようとするのか。農林大臣の答弁によりますならば、これを食糧事務所あるいは地方廳に委譲すると言つておりますが、事実においてはそういうことができ得ないところの規定された物資がある。しかも、こういう形にしようというような矛盾を彼らは平氣で言つておる。しかもその根本をなすものは、結局においてこうした設置法によつて下級官僚を失業に追い込み、そうして一部の独占資本と結託するところの高級官僚の保護のみを目的とするところの、吉田反動内閣の独占資本に奉仕せんとするところの設置法であるということが言えます。われわれは、こういう設置法に対して、いわゆる首切りを前提となすところのこうした設置法に対しては絶対に反対の意を表明するものであります。(拍手)
○副議長(岩本信行君) これにて討論は終局いたしました。
 七条を一括して採決いたします。日程第一、第二、第四、第六及び第七の委員長の報告は修正であります。日程第三及び第五の委員長の報告は可決であります。七案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○副議長(岩本信行君) 起立多数。よつて七案とも委員長報告の通り決しました。
     ――――◇―――――
○副議長(岩本信行君) 日程第八、船舶運営会の船員の給與基準の設定及び船舶運営会の役職員に対する特別手当の支給に関する法律案、日程第九、航路標識法案、右両案は同一の委員会に付託された議案でありますから、一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。運輸委員会理事關谷勝利君。
    〔關谷勝利君登壇〕
○關谷勝利君 ただいま議題となりました船舶運営会の船員の給與基準の設定及び船舶運営会の役職員に対する特別手当の支給に関する法律案について、運輸委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 本法案は、五月十四日政府より提案理由の説明を聽取し、これを愼重審議したのであります。本法案の趣旨並びに内容を簡單に申し上げますと、從來船舶運営会の船員の給與基準は官廳職員の給與基準とある程度の格差があつたのですが、本年度政府関係機関の予算総則におきまして、船舶運営会從業員の給與は公務員の給與の格付にのつとつて定めることと規定されましたので、船員の給與基準を、政府職員の新給與実施に関する法律に定められている船員の給與の例に準じて定めようとするものであります。また船舶運営会は、その存続が臨時的のものであり、かつまた從業員はその業務の性質上特殊の経験と技倆とを必要といたしますので、船舶運営会理事長は主務大臣の承認を得て役員及び職員に対しまして一定の範囲内で特別の手当を支給することができるようにするものであります。
 本法案に対する質疑のおもなる点を申し上げますと、本法案実施の結果船員の收入が減少するのではないかとの質疑に対し、政府委員より船員の收入は実質的にはむしろ増加する旨の答弁があり、また本法案について日本海員組合との関係についての質疑に対し、政府委員より日本海員組合幹部は了解済みなる旨答弁がありました。その他詳細につきましては会議録に譲ることといたします。
 かくて討論を省略し、ただちに採決に入り、起立多数をもつて政府原案通り可決することに決定いたした次第であります。
 次に航路標識法案について、運輸委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 本法案は、予備審査のため四月二十三日付託され、これを愼重審議にしたのであります。その趣旨を簡單に申し上げますと、現行の航路標識條例は明治二十一年に制定された勅令でありまして、新憲法施行の今日では、法令の体制上現代に不相應であり、また内容におきましても現状に適應いたしませんので、船舶交通の安全の確保、船舶の運航能率の向上に資するように現行條例に全国的改正を加え、種々新しい規定を織り込んだものであります。
 その内容のおもなる点をあげますと、一、航路標識という用語の定義について規定していること、二、航路標識の設置及び管理は原則として海上保安廳において行うこと、三、航路標識の現状に変更があつたときは海上保安廳長官はこれを告示すること、四、航路標識の事故を発見した者はこれを海上保安廳の事務所に通報すること、五、航路標識の保全のため類似灯火または音響を制限し、またこれを損傷する行為を禁止すること、六、私設航路標識に対する損失補償の規定を設けること、七、罰金額を現代相應に改めること、等にしようとするものであります。
 本法案に対する質疑のおもなる点を申し上げますと、現行の航路標識條例では実質的にいかなる点が不備であるか等について熱心に質疑應答が取交わされたのでありますが、その詳細は会議録に譲りたいと存じます。
 かくて、討論を省略してただちに採決に入り、全会一致をもつて政府原案通り可決することに決定いたした次第であります。
 右御報告申し上げます。(拍手)
○副議長(岩本信行君) まず日程第八につき採決いたします。本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○副議長(岩本信行君) 起立多数。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。
 次に日程第九につき採決いたします。本案を委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。
     ――――◇―――――
○副議長(岩本信行君) 日程第十、教育職員免許法案、日程第十一、教育職員免許法施行法案、日程第十二、学校教育法の一部を改正する法律等、右三案は同一の委員会に付託された議案でありますから、一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。文部委員長原彪君。
    〔原彪君登壇〕
    〔「文部大臣を呼べ、文部大臣がいないじやないか」と呼ぶ者あり〕
○副議長(岩本信行君) 文部大臣の出席をただいま要求中であります。
○原彪君 ただいま議題となりました教育職員免許法案並びに教育職員免許法施行法案につきまして、その審議の経過並びに結果を御報告いたします。
 まず教育職員免許法案につきましては、御承知のように昭和二十二年三月学校教育法が制定されまして、爾來教育は國家再建の原動力として、國家の財政上その他幾多の困難な事情にもかかわらず、多大な努力を傾注して参つたのであります。特に教育は國民の精神内容を新しく形成しようとするために重大な意義と使命を持つものであり、從つて、その教育に從事する教育者の任務もまたまことに重要なことは、いまさら申すまでもありません。本案は、その重要性にかんがみまして、教育者たる学校の校長及び教員その他の教育職員の向上と資格の適性について、その基本的事項はこれは法律をもつて定める必要があるといたしまして提案されたものであります。そこで、本案の内容のおもなる点について簡單に御説明いたします。
 第一に本法の適用範囲でありますが、その範囲は幼稚園から高等学校までの校長おもなる教職員並びに教育委員会の教育長及び指導主事にわたるものでありまして、それらの教育の免許状制度を確立しようとするものであります。
 第二には、免許状の種類を定めて、それを合理的に分類して教育職員の資質の向上をはかろうとするものであります。しかして、その目的のために教育職員の研修の道も開いてあるのであります。
 第三には、免許状の授與権者についてでありますが、これは從來の中央集権的にあり方を排しまして、すなわち國立学校に関しては文部大臣…。
    〔「文部大臣はどうした」と呼ぶ者あり〕
○副議長(岩本信行君) 原君、ちよつと待つてください。ただいま文部大臣は内閣委員会で答弁中でありますので、それが終われば出席することになつております。
    〔「時間はいつか、時間を言え」と呼ぶ者あり〕
○副議長(岩本信行君) 時間は今要求中であります。
    〔「進行々々」と呼ぶ者あり〕
○原彪君 公立学校に関しましては都道府縣教育委員会、私立学校に関しては都道府縣知事というように授與権者を分轄しております。その他では罰則規定を設けまして、免許状制度があくまでも嚴正に行われることを期しております。
 次に教育職員免許方施行法案につきましては、免許法の制定に伴いまして必要な事柄を規定したものでありまして、内容のおもなるものの第一は、旧令による教育免許状を有する者につきましては特例を設けまして、從來有する免許状に適当したところの新免許状を授与することにいたしております。第二には、本法案による免許状を有する者については、その在職年数と所定の講習を終了することを條件としてさらに上級の免許状を採與されることが規定してあります。
 以上が両法案のおもなる内容であります。
 本委員会はきわめて愼重審議を重ねまして、その審議の過程におきましては、参考人として東京大学教授海後宗臣、東京文理科大学教授石山脩平、日本教職員組合の江口泰助、金本東次郎の四君の意見も聽取いたしたのであります。
 かくて、民主自由党を代表して水谷昇君より両法案に関する修正案が提出されました。そのおもなる内容は、まず教育職員免許法案中、第三條の但書では、土地の状況その他の特別の事情によつては免許状を有しない者でも講師になれることになつているのを修正案では削除しまして、いかなる事情でも相当の免許状を有することを必要として、教育の内容に重点を置こうとしたものであります。次に同法案第九條に、臨時免許状の有効期間が原案では三年とありますのを一年と改めました。これは教員の新陳代謝と資質の向上を目的としたものであります。次に教育職員免許法案に関する修正案につきましては省略いたしますが、詳しくは速記録によつて御了承願いたいと存じます。
 次いで、両法案及び修正案を一括して討論に付しました。まず民主自由党を代表して水谷昇君より賛成の旨の発言があり、次に日本社会党を代表して松本七郎君、日本共産党を代表して渡部義通君、新政治協議会を代表して船田享一君、民主党第九控室を代表して稻葉修君よりそれぞれ反対の旨の発言がありました。討論を終局し、水谷昇君提出の修正案について採決の結果、賛成多数をもつて可決いたし、次いで修正部分を除く両原案について採決いたし、これまた賛成多数をもつて可決いたしました。かくて両法案は修正議決いたした次第であります。
 右御報告申し上げます。
 次に議題と相なりました学校教育法の一部を改正する法律案につきまして、文部委員会における審査の経過並びに結果を簡單に御報告申し上げます。
 まず政府原案の趣旨について申し上げます。二点にわたつておりますが、その第一点は、医学または歯学を置く大学におきましては、單に技術の上にとどまらず、社会人としても練達の医師または歯科医を養成して、人命を預かるに遺憾なきを期する必要がありますので、この特殊性にかんがみまして、学校教育法によりますれば新制大学の入学資格は新制高等学校卒業程度ということになつておりますものに特例を認め、この種の大学に限り入学資格を高めまして、他の学部において二年以上在学して所定の課程を履修した者と改めようとするものであります。
 次に第二点は、新学制の最後の段階たる新制大学につきましては、学校教育法では修業年限四年となつておりますものを、この際國の現状に照し合せ、入学志願者の側における父兄の経済的負担ないしは実務者の短期間養成という社会的必要性などを考慮いたしまして、ここに当分の間二年または三年課程のいわゆる短期大学を認めたい、そうしてこの短期大学院には大学院を置かず、ただここを卒業の後さらに四年制大学に進学を希望する者には一定の基準に從つてその道を開くが、この大学の開設は準備の都合上昭和二十五年度からということにいたしております。
 本案は、去る五月七日以來愼重審議を重ねて参りました。その詳細はすべて速記録に譲りますが、ただ前に申し上げました第一点に関する政府原案の表現を一層明確ならしめるがために、今野武雄君より修正案が提出せられました。これを朗読いたします。
  学校教育法の一部を改正する法律案に対する修正案
 学校教育法の一部を改正法律案の一部を次のように修正する。
 第五十六條の改正規定中「医学又は歯科学の学部を置く大学に入学することのできる者は、」を「医学又は歯学の学部を置く大学に入学し、医学又は歯学を履修することのできる者は、」に改める。こういうのであります。
 次いで採決の結果、本修正案についても、また修正部分を除く原案についても、いずれも全員の賛成がありまして、本案は修正議決と相なりました。
 以上ご報告申し上げます。(拍手)
    〔発言する者あり〕
○副議長(岩本信行君) 赤松君、御静粛に願います。
 討論の通告があります。順次これを許します。松本七郎君。
    〔松本七郎君登壇〕
○松本七郎君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題となりました三案のうち教育職員免許法案及び教育職員免許法施行法案の二案について反対の意見を述べんとするものであります。
 民主主義のもとにおきましては、教員は物質的にも精神的にも安定した條件のもとに自由闊達な教育に專心できることが原則でなければなりません。しかるにこの法案におきましては、この原則に反する危險を多分に含んでおるのであります。以下数箇所を指摘いたしまして、その理由を明らかにしたいと思います。
 第五條において免許状授與に関する規定がなされておるのでありますが、その第一項第四郷において、禁錮以上の刑に処せられた者は永久的に免許状が與えられないことになつておるのであります。これはあまりにも苛酷である。たとい破廉恥罪を犯した者でも、改心してかえつて善良かつすぐれた人物になる例は決して少なくないのでありますから、たとえば三年とか五年くらいの年限を付し、その年限を過ぎた者には再び免許状を授與できるような道を開くべきであるとおもうのであります。特に破廉恥罪にあらざる政令違反者などについては、この規定の適用を除外すべきであると思うのであります。
 またさらに重要な規定として、同じ第五條第一項の第六郷を指摘しなければなりません。それによると、「日本國憲法施行の日以後において、日本國憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを主張する政党その他の團体を結成し、又はこれに加入した者」らは免許状を授與しないということになつております。ここに申します「政党その他の團体」とはいかなるものかということについては、政府の答弁によれば、あくまで非合法的な政党あるいは團体であるということであります。もしそうだとすれば、かかる規定は刑法その他の別の法律によるべきでありまして、免許法の中に挿入すること自体がナンセンスであり、はなはだ不明朗かつ不当であつて、何か他意あつての措置だと非難されてもしかたがないのであります。そればかりでなく、第一暴力という言葉の内容そのものが漠然としてあいまいであつて、かかる規定は、時の権力者により思想の自由を不当に抑圧する口実とされるおそれがあるのであります。
 これと関連してさらに重要なことは第十一條であります。「教育職員たるにふさわしくない非行があつて、その情状が重いと認められたときは、」免許状が取上げられる旨が定めてあるのであります。ここでまた、授與権者がこの非行というあいまいな言葉を一方的に解釈してその軽重を判定し、次の十二條の審査規定など空文に終わる危險が十分にあるのであります。
 さらにもう一点指摘したいのは、第十四條において、以上私が指摘いたした諸点に教育職員が該等すると認められた場合に、所轄廳はその旨を学校または教育委員会の所在する都道府縣の授與権者に通知しなければならない旨を規定しておるのであります。これはまるで特高警察の役を果させようとするものであつて、われわれは承服することができません。
 また、この免許状に一級、二級というような級別がつくつてありますが、これも單なる資格の差でなしに、將來階級的な身分差になるおそれが多分にあります。かくて教員がほんとうに教育に專心するということを阻害するおそれがあると思うのであります。
 以上の理由から、私は教育職員免許法案に反対するとともにこれと不可分の関係にある同施行法案にも反対するものであります。(拍手)
○副議長(岩本信行君) 稻葉修君。
    〔稻葉修君登壇〕
○稻葉修君 私は、民主党を代表いたしまして、ただいま上程になりました教育職員免許法案並びに同法施行法案に対しまして反対意見を申し述べるものであります。教育職員免許法案及び同法施行法案の二法律案反対の理由を申し上げます。
 まず教育職員免許法案立法の目的は、一つは教育職員の免許に関する基準を定めるということ、第二は教員職員の資質の保持とその向上をはかるということであります。このことは本法第一條に明らかなことでありますが、そこで反対の第一の理由は、免許に関する基準を定めるという以上は、基準でありますから、それは画一的でなければならぬはずであります。しかるに第五條の第二項を見ますと、免許状は、國立または公立の学校の校長及び教員云々にあつては都道府縣の教育委員会が授與権者であり、私立学校の校長及び教員にありましては都道府縣知事が免許状の授與権者で、差別を設けておるのであります。國公立の学校と私立の学校とにより免許状授與権者を異にいたしておりますのは、免許に関する基準の画一を妨げるものであります。從いまして、本法の目的に反する規定でございます。この点につきましては、政府の答弁は、國公立学校と私立学校とはその管理の系統を異にする、すなわち教育行政の系統を異にするからやむを得ないのであるという御答弁でございました。しかしながら、これは学校管理の行為と教育職員免許状の授與行為と、この二つは性質を異にする行政行為であります。前者は教育事業運営の問題であり、免許状授与は教員たるの資格についての確認行為であります。從いまして本法は行政行為の性質を混同した不備な法案でありまして、かくのごとき不備な法案に対しましては、まずもつてわが党は反対しなければならない次第であります。
 第二に、本法の目的の一たる教育職員の資質の向上ということは、まことにけつこうでありますけれども、それがためにあるいはそれを口実として、良心的な、熱意のある教育を萎縮せしめるおそれが各條項に幾多見受けられます。わが党は、かかる教育界における民主主義の発展を阻害するおそれの十分にある法案に対しましては強く反対しなければなりません。そのおそれある諸規定とは、前野社会党の反対意見にもありました通り、第一は第五條第一項第四号ないし第六号の規定でございます。第六号の、日本国憲法施行後その憲法のもとに成立した政府を暴力をもつて破壊することを主張する政党またはその他の團体を結成し、またはこれに加入した者という以上は、將來そういう人間は少なくとも金錮以上の刑に処せられるべきであると私は考えるのであります。首魁はもちろんのこと、いやしくもかくのごとき團体に加入したる者は憲法違反者として金錮以上の刑に処せらるべく、從つて第六号はなくても、第四号の「禁こ以上の刑に処せられた者」とあるをもつて十分と思います。重複いたしておりますので、この点につきましても立法技術上の不備がある次第であります。
 さらには第十一條に「教育職員たるにふさわしくない非行があつて、その情状が重いと認められたとき」、そういう場合には、授与権者は第十二條の手続をもつて免状を取上げることができることになつておりますが、第十二條の手続はきわめて愼重に立法せられております。裁判所類似の愼重な手続はいりますけれども、そういう裁判に授与権者の恣意をもつて付せられること自体が教育者を萎縮せしめるおそれが十分にあるということを指摘したいのであります。
 また、免許状の種類をわかつことは階級制度的でございまして、そのために教育職員の資質の向上にはある程度なるかもしれませんけれども、これまた弊害が多分にある次第であります。すなわち、教育者がその両親と責任に基いて青少年指導の教育に熱中することを得せしめることこそこの種の教育立法の眼目でなければならないはずであるのに、本法の第四條第三項、第九條第三項の臨時免許状の年限短縮の修正等のごとき、すべて教育者は自己の資格、階級の上昇にきゆうきゆうとして、その教育天職をゆるがらにするおそれが十分にあるのであります。かくのごとき教育立法には、われわれの愛する兒童たちのために、私は再び強い反対の意見を表明する次第であります。
 これを要しまするに、本法の根底をなす立法精神自体がいまだ官僚主義的教育の温存をその根底思想として多分に盛られている次第でございまして、教育憲法とも称せらるべき教育基本法の精神とも大いに矛盾するものであると考えまして、わが等は本法案に対しては、まつこうから反対をいたす次第でございます。
○副議長(岩本信行君) 渡部義通君。
  《渡部義通君登壇》
○渡部義通君 日本共産党は教育職員免許法案及び同施行法案に対して絶対に反対いたします。
 本案の趣旨は教職員の質的向上をはかるにあるということをうたつてあるけれども、そのためには教職員の学問的な水準が高められ、またその自由な自主性というものが助長されるという見地に立つて立案されなければなりません。ところが、本法案はその内容を見ると、かかる見地に立つておるのではなくて、むしろこれに逆行していることのみが多いということを申し上げねばなりません。
 第一に、学術水準が本法案によつて低下される。この点については、免許方の第四條の第六項目に、たとえば音楽とか図画、光作の類から農業、農業実習、工業、工業実習、商業、商業実習、水産、水産実習というように、技術的なあるいは実習的な面は非常に偏重されておりますが、他方、たとえば法律、政治、経済、哲学といつたふうな専門的な教科をなくして、これを社会というような一教科にまとめ、自然科学では、たとえば物理、化学、生物といつたような分科を認めないで、これを理科というような一科目にまとめているのであります。これは中学校の場合にも高等学校の場合にも同樣であります。ところが、このようなことは社会科学、自然科学の部門におきまして、専門的な基礎科学の学術水準を非常に低下させる結果になることは明瞭であります。
 また教職員の自主性を封殺し、あるいはその自由を抑圧する條項につきましては、先ほど來社会党の松本君からも述べられておりますが、私は若干の補足をしながら述べてみたいと思います。まず第五條の四項及び六項目であります。これは松本訓が指摘したところでありますがこの四項目の「禁こ以上の刑に処せられた者」という項には、刑の軽重が規定されていない。これは先ほども指摘されたように、立法技術上でもまつたく不備きわまるものであります。特にここにつけ加えなければならぬことは政治犯人の問題である。從來の経驗から見ましても、政治犯人と言われて來たところの人々は必ず金錮以上の刑に処せられて來ており、もしもこのような條項を残しておいたならば、あるいは掲げたならば、これは教員の政治的な活動がまつたく抹消される。あるいは一たび政治的な犯人とされた者は教員を永久になすことができないという結果になるわけであります。
 第六項の「日本国憲法施行の日以後において、日本国憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを主張する政党その他の團体を結成し、又はこれに加入した者」という條項でありますが、かかる政党もしくは團体が現在の日本に存在していないということは当局も明言したところであります。もし現存しているならば、それは秘密結社である。現に存在していないようなものを対象として法を設けるということは、これは立法上実に不当きわまるものであることは申すまでもございません。
 またこの條項は、日本憲法上の思想結社の自由の保障を奪うものであります。同時にこれは、極東委員会の労働組合に関する十六原則における政党の支持の自由という規定に違反しております。LS、言いかえればリーガル・セクションにおいてさえ参考意見を入江法制局長に申しておりますが、その中に、この項目はあまりに自由を制限することになりはしないかというふうに言われておる。LSさえもこのような意見を述べておるときに、しいてこの憲法違反の條項を挿入することは、文部省の説明によれば、国家公務員法の中に同文の條項があるから、ここにもこれを設けるということであります。しかしながら、悪い法律をどうして新たな法案の中に挿入する必要があるでしようか、現に思想上、政治上の事柄を口実として、あるいはこの口実の陰に隠れまして、至るところで教員の解雇の例が起きております。また秋田師範では、このような事情に基き、あるいは基くという口実のもとに、新しい卒業生に対して、政治的、思想的活動をしておる卒業生に対して、これを採用しないという場合も起つておるのであります。このような法案がもし出されるならば、これは今申したように、全国に現に起きているところの思想及び政治に関して教員を解雇し、あるいは圧迫しておるところの事実を肯定するだけではなくて、それを合法化する結果になるのであります。これは教員に対する明らかな治安維持法と言わなければなりません。同樣の意味での文部省の通牒あるいは文部次官の通牒というような、最近時折発せられるこのような精神が、この條項の中に現実に法律化されようとしておるのであります。
 さらに第十一條でありますが、この十一條は、教員たるにふさわしくない非行があつて、その情状の重いと認められたときは免許状を與えない、あるいは取下げるという規定であります。情状認識のための具体的な基準となるようなものは何もここには規定されていない。從つて、これは当局者の勝手な認定によりまして、彼らの手に教職員の地位を、言いかえるならば教職員の生活権や基本人権までもゆだねるという結果になるのでありまして、これは危險きわまるところの暴法だと言わなければなりません。
 第十二條に、この処分に対して被処分者が異議を申立て、審理を請求することも許すという條項がありますが、松本君からも指摘されたように、かような條文は、たといあつたにしても、これは空文にすぎないのであります。現に至るところで教員の不当解雇が行われており、至るところで師範学校生徒に対する圧迫が行われておるが、こういう問題は、どの当局に問題として提出しましても、ただの一度も取上げられて正しく解決された例はございません。
○副議長(岩本信行君) 渡部君、申合せの時間が過ぎておりますから簡單に願います。
○渡部義通君(続) 第十四條は、教員に対する免許状の與奪に関係のある行動について、所轄廳はその旨を免許状の授與者に通知しなければならないことになつておりますが、これは教職員に対する監察制であり、文教上の特高警察制をつくるものであります。現に茨城縣、鹿兒島縣では、指導主事が教員の考課表をつくり、その他にも教員に対する思想調査が行われておる地方が多いのでありますが、これは教育委員会法の違反において行われておるのであります。もしも教育委員会法の違反に基くこのようなことが行われておるとするときに、今ここに掲げられておるような監察法ができましたならば、その結果はどうなるでありましようか。これは教職員を日常重圧することになり、またそれによつて非常に教職員の圧迫のために利用される條件が重なつて來るのであります。(「簡單簡單」と呼ぶ者あり)結論を申し上げますが、このゆえに、さらに全国の教員組合がこれに絶対反対をしておる。またすべての民主的な団体がこれに反対しておるのであります。
 要するにこの法案に、教職員の質的な向上をはかるという口実によりまして教職員の思想、政治的活動、結社の自由を押さえるものである。教職員の基本的な人権を奪うものである。進歩的な教職員を学校から追放して、戰後教職員の間にほうはいとして起きておるところの民主主義運動を破壊することを目的とした陰謀的な法案であることは明瞭であります。かかる法案のもとに政治支配階級の意図が遂行されるならば、戰時時代帝国主義時代におけるように、再び卑屈な、無氣力な、向上心もなければ研究心もないというような教員がつくり出され、また教員を質的に低下させまして、やがて民主主義日本を築く上に前提となるべき日本の教育を破壊することになるのであります。かかる法案は政府及び與党が現に強行しようとしておるところの一切の大資本家的な政策、一切の━━━━━━━━政策の一環をなすのでありまして、(「━━━━とは何だ」と呼ぶ者あり)教育を━━━━政策のために利用するところの、未だかつてない法案であると言わなければなりません。われわれは、教員の政治的な自由、思想の自由、その自主性を守るために、全國民の基本権を守るために、また日本の教育の將來のために、このような法案に対しては断固として反対するばかりでなく、決定的に今後闘うことを誓うものであります。(拍手)
 この修正案については、もちろんわれわれはこれに反対します。また同法の施行法案につきましては、われわれはすでにその前提である免許法案そのものに反対しているのでありますからこの施行法案に反対することはもちろんであります。
 以上をもつて、われわれは反対の意思を明確に表明いたします。(拍手)
○副議長(岩本信行君) 次は船田享二君。
    〔船田享二君登壇〕
○船田享二君 ただいま議題となつております三法案のうち教育職員免許法及び同法施行法の両案に対しまして、私はできるだけ簡單に、新政治協議会を代表いたしまして反対の意を表明いたします。(拍手)
 申し上げるまでもなく、この法案は、その趣旨とするところはまことにけつこうと考えられるのでありますが個々の規定につきまして、これを現状と照し合せまして考えまするときは、多くの疑いを持つ規定が含まれておるのであります。すなわち、教育職員の思想及び研究の自由を不当に抑圧するに至るおそれのある規定やあるいは免許状が一級、二級の普通免許状にわかれておりまするが、そのほかに仮免許状、臨時免許状というような各種の段階を設けることによりまして教育職員の間に階級的な差別を生ぜしめ、また教育職員が教育に專念することを妨げるに至るような、從つて教育上おもしろからぬ結果を生ずるおそれもある規定がありまするし、また臨時免許状に関する規定のごときは、現在の教員不足の状態から考えまして、現在忠実に教育に從事している人たちが整理せられるおそれがあるとともに、いよいよもつて教員不足の状態を悪化せしめるおそれのある規定と言わなければならないのであります。さらに、あいまいな要件によつて免許状を取上げる規定のごとき、あるいはまた重い罰則を定める規定に至りましては、教育職員に対して不当に不安の念を抱かしめるにすぎぬものと考えるものであります。
 これらの規定につきましては、実態的な調査に基いて十分な檢討を加えまして、修正すべきものはこれを修正いたしまして、法案を完全なものといたさなければならないと思うのでありまするが、これに対して提出せられました修正案につきましても、至つて不完全なものであるばかりでなく、そのあるもの、ことに臨時免許状の効力の期間を短縮しようとする案のごときは、かえつて原案を改悪するものと言わなければならないのであります。
 從つて私は、新政治協議会を代表いたしまして、この両法案に対して反対の意思を表明するものであります。(拍手)
○副議長(岩本信行君) これにて討論は終局いたしました。
 まずは日程第十及び第十一の両案を一括して採決いたします。両案の委員長の報告はいずれも修正であります。両案は委員長の方谷の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○副議長(岩本信行君) 起立多数。よつて両案は委員長報告の通り決しました。
 次に日程第十二につき採決いたします。本案の委員長の報告は修正であります。法案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて本案は委員長報告の通り決しました。(拍手)
     ――――◇―――――
○副議長(岩本信行君) 日程第十三、國立身体障害者更生指導所設置法案を議題といたします。委員長の報告を求めます。厚生委員長堀川恭平君。
    〔堀川恭平君登壇〕
○堀川恭平君 ただいま議題となりました國立身体障害者更生指導所設置法案について、厚生委員会における審議の経過並びに結果の大要を申し上げます。
 現在戰禍、交通事故その他不慮の原因によつて傷痍の身となつた者を保護し、これが更生を指導するため國立の指導所を設置しようとするのが政府の本法律案提案の理由であります。
 本法案の内容は、國立身体障害者更生指導所を設置して身体障害者の相談に應じ、医学的、心理学的及び職能的の総合判定に基き社会的更生の方途を指導するとともに、必要ある者については、ただちに施設に収容し、その医学的及び社会的更生のため必要な指導訓練を行い、身体障害者をしてその精神的、肉体的傷痍をすみやかに克服して再び積極的に社会活動に参加せしめようとするものであります。
 本法案は、五月四日予備調査のため本委員会に付託せられ、政府の提案理由を聽取したのでありますが、十三日、本付託となり、熱心なる審議の後、討論を経て採決に入りましたところ、本法案は全員一致をもつて政府原案の通り可決すべきものと決した次第でございます。
 以上ご報告申し上げます。
○副議長(岩本信行君) 採決いたします。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。
     ――――◇―――――
○副議長(岩本信行君) 日程第十四、工業標準化法案、日程第十五、地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、大阪工業試驗所四国支所並びに電氣試驗所新潟支所及び金澤支所設置に関し承認の求めるの件、右両件は同一の委員会に付託された議案でありますから、一括して議題に供します。委員長の報告を求めます。商工委員会理事神田博君。
    〔神田博君登壇〕
○神田博君 ただいま議題となりました工業標準化法案について、本委員会の審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 本法案は、適正かつ合理的な工業標準の制定及び普及により工業標準化を促進することによつて鉱工業品の品質の改善、生産能率の増進、取引の單純公正化及び使用消費の合理化をはかり、あわせて公共の福祉の増進に寄與することを目的とするものでありまして、本法の内容は、日本工業標準調査会を設け、工業標準の制定、日本工業規格の表示、檢査及び聽聞を行うことを規定したものであります。
 本案は、五月六月参議院に提出され、同日予備調査のために当委員会に付託、五月七日政府より提案理由の説明を聽取いたしたのであります。次いで五月十二日、参議院送付案として本付託と相なり、翌十三日参議院における修正部分につきまして参議院商工委員長小畑哲夫君より説明を聽取いたしたのであります。越えて十四日熱心な質疑を行つたのでありますが、質疑の内容は速記録に譲りたいと存じます。
 次いで討論に入り、民主自由党を代表して小金義照君、日本社会党を代表して今澄勇君、民主党を代表して橋本金一君よりそれぞれ賛成意見を、日本共産党を代表して川上貫一君より反対意見が述べられ、最後に民主党永井要藏君より賛成意見の開陳があつて討論を終結し、採決に入りましたところ、起立多数をもつて本案は可決いたした次第であります。
 以上、簡單でありますが御報告申し上げます。
 次ぎに議題となりました地方自治法第五十六條第四項の規定に基き、大阪工業試驗所四國支所並びに電氣試驗所新潟試驗所及び金澤支所設置に関し承認を求めるの件について、委員会の経過並びに結果を簡單に御報告申し上げます。
 本案の目的としまするところは、多大なる工業生産量を有するにもかかわらず、政治、経済、産業、交通、文化等の点において近畿、中國の從属的地位に置かれている四國地方の將來性を発揮せしめ、海水化学、紙パルプ工業等の発達をはかるために強力な試驗所を設け、技術の高度化をはかり、産業振興に寄與せんとするものであります。また電氣試驗所新潟及び金澤支所の設置は、電氣計器の檢定件数が年々増加するに伴い、現在の設備では円滑な処理が困難であり、かつまた輸送の不便並びに破損等の不利を除去するとともに檢定の万全を期するためであります。
 以上が本案の目的でありまして、本案は五月十二日当委員会に付託され、翌十三日、委員会において政府当局より提案理由の説明を聽取し、続いて愼重なる質疑を行い、討論を正省略いたしまして、去る十四日、全会一致をもつて本院において承認すべきものと議決いたした次第であります。
 以上、簡單でありますが、御報告申し上げます。
○副議長(岩本信行君) この際一言いたします。先ほどの渡部君の討論中━━━云々という発言があつたようでありますが、これはお取消しになつたらいかがですか、御注意をいたします。
    〔「━━━生産と言つたのだ」と呼ぶ者あり〕
○副議長(岩本信行君) お取消しになりませんか。
○渡部義通君 ━━━政策ということを申し上げて、━━━━とは申し上げません。しかし、議長において議場の慣例に從つてこういうことが不穏当であると言われるならば、私は取消します。
○副議長(岩本信行君) 議長としては速記録を見ませんからあれですが、さように聞きましたので、不穏当と考えますのでお取消しが相当と考えるのであります。
 討論の通告があります。これを許します。川上貫一君。
    〔川上貫一君登壇〕
○川上貫一君 私は、日本共産党を代表いたしまして、ただいま議題となつております日本鉱工業標準化法案に反対の意見を述べたいと思います。
 この法案は、日本におけるほとんどあらゆる鉱工業品、これらの種類、形状、寸法、構造、品質、等級その他生産方法から使用方法に至るまでのあらゆる面にわたつて工業標準を設けるという内容を持つておる。これは一見非常に合理的なような形を持つておりますが、この内容には非常に重大なものがある。現実において本法は、今政府が行つておられる集中生産、すなわち民族産業を含むところの中小企業を壊滅させるこの方向、労働階級的勤労大衆の犠牲において独占資本の覇権を樹立するための集中生産、これに適用するような規格をあらゆるこれらの鉱工業品にあてがうことを目的としておる。これは一口に申しますると、民族産業に非常な打撃を與えるであろうという法案である。
 実はこのことは、すでに今日、法案以前に政府が行つておる。たとえて言えば、石炭の單價のメリット制、この制度單價のメリット制で中小企業がいかに困難しておるかということは、民主自由党の諸君といえども十分御承知の通りなんだ。また今回政府がやろうとしたところの、法案にでている四千カロリー以下の石炭の統制のわくをはずす、この問題がいかに中小炭鉱に打撃を與えるか弱小企業に打撃を與えておるかということは民主自由党の皆さんもよく御承知の通りなんだ。(「ノーノー」)決してこれはノーノーじやない。これが工業標準化のりつぱな見本なんだ。また政府は、やはり今の石炭産業の政策については、資金操作においてA級の炭鉱には九十%の資金を與え、B級炭鉱には一〇%の資金よりまわさない。C級炭鉱に対しては一つも資金をまわさないという資金操作ができておる。これが工業標準化の具体的な形なんだ。
 この法案は、こういう形を持つておりますから、非常に合理的な形をとつておりますけれども、その内容はきわめて重大である。やはり民族産業の破壊、民族産業に困難、打撃を與えるものがこの中に含まれておるということを、どうしても指摘せなくちやならぬ。
 第二に、本法案は飢餓輸出政策の裏づけをなす。たとえて申しますれば、電氣通信機において最近非常に檢査基準がやかましくなつておる。これはだれも承知しておるところである。不良品が続出しておる。そこで例をあげれば、安達とか東洋通信とか沖とかいう中小企業がほとんど工場閉鎖のうき目を見るようになつておる。また鉄鋼にいたしましても、輸出用のパイプはどうです。これは六インチ管で六メートルと八メートル、八インチ管で八メートルと十メートルの規定になつておる。これが、三月十五日のデータによると、製品二百八十本中百八十本は不合格としてはねられておる。このため、この企業がいかに困難に陥つておるか。これはもうりつぱなこの標準化の見本はなんだ。買う方は助かるでしよう。これは輸出品です。賣る方は、これではつぶれてしまう。こういう規格をどんどんあてがわれて來られたならば、一体日本の民族産業はどうなるか。
 しかも、今の政府の施策の本質は飢餓輸出なんだ。幾らだれが何と言つたつて、この内容を持つておる。資金は一切輸出優先主義、資材も一切輸出輸出主義なのだ。かような条件のもとに標準化を行えばどうなるか明らかである。この結果は外国の独占資本と結合する。国内の独占資本の規格標準が日本の規格になる。これが日本の規格になれば弱小企業はどうなるか。民族産業はどうなるか。大企業は互利を得るでありましよう。これは決して政党政派の問題ではありません。共産党だからこんなことを言つておるのではありません。このことは明らかに皆さんもわかると思う。
 第三には、日本工業品の標準化と言うが、あるいはこれは日本でないところの標準化になるかもわからぬ。法案の第十三条によると、利害関係人は鉱工業品の標準制定を要求することができ、この要求があつたならば、商工大臣はこれを工業標準調査会に附議いたしまして、この答申によつてこれを施行しなければならぬことになつている。そこで私は、委員会において、この利害関係人はだれか、外国バイヤーを指すのかということを質問した。ところが政府の答弁では、この利害関係人には外国バイヤーを含むというのである。ここに明らかにこの法案の性格が現れている。これは非常に考えなければならぬ問題である。政府は飢餓輸出奨励をいたしますので、場合によつては国際規格の強要となる。吉田首相はこういうことをやりかねない男なんである。これをわれわれははつきり言わなくちやならぬ。
 かような法案は日本の産業の実情に適するかどうか。日本の産業の自主と独立とその健全なる民族的発達にとつてはたして必要な法案であるかどうか。わかつている通り、今日の日本の産業は、終戰以來の歴代の内閣のやり方によつて非常に摩滅しております。施設は悪いです。原料、資材はきわめて粗末なんです。品質は低下しているわけです。こういう場合に、もしも国を愛し、国の産業を愛し、中小企業を愛し、民族産業の発達をこいねがうものならば、かような法案を提案されるはずはない。(拍手)ここにこの法案の性格が出ている。これは実際に国の産業と人民の生活を守ろうという見地に立つたものではない。
 かつて東条内閣が、侵略戰争の場合に、あらゆる産業に規格をつくつて、これを軍需産業に持つて行くとは私は申しませんが、吉田内閣がいかなる立場で規格をするであろうかということは、言わずして明らかである。ここにこの法案の危險性がある。標準化の美名にかくれて、平和産業でないところの規格をつくらないとだれが保証するか。(拍手)この法案は、かかる危險を持つている。一見してはきわめて合理的な、一見してはきわめて平凡な法案に見えまするけれどもこの法案の中にこそ吉田内閣の性格が完全に現われている。かような政策には、日本共産党はどうしても反対しなくちやならぬ。これが私の反対理由であります。(拍手)
○副議長(岩本信行君) これにて討論は終局いたしました。
 まず日程第十四につき採決いたします。本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○副議長(岩本信行君) 起立多数。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。(拍手)
 次に日程第十五につき採決いたします。本件は委員長報告の通り承認を與えるに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて本件は委員長報告の通り承認を與えるに決しました。
     ――――◇―――――
○山本猛夫君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、内閣提出、たばこ專賣法案、塩專賣法案及びしよう脳專賣法案の三案を一括議題となし、委員長の報告を求め、その審議を求め、その審議を進められんことを望みます。
○副議長(岩本信行君) 山本君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 たばこ專賣法案、塩專賣法案、しよう脳專賣法案、右三案を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。大藏委員会理事小峯柳多君。
    〔小峯柳多君登壇〕
○小峯柳多君 ただいま議題となりました、たばこ專賣法案、塩專賣法案及びしよう脳專賣法案の三法律案につきまして、大藏委員会における審議の経過並びに結果について一括御報告申し上げます。
 三法案は、さきに制定せられ、來る六月一日から施行せられる日本專賣公社法の実施に伴い、その根拠法であります煙草專賣法、塩專賣法及び粗製樟脳、樟脳油專賣法の三法律の改正をしようというのであります。
 この改正は專賣制度の本質的変更ではないのでありますが、それが全文改正を必要をいたしまする理由は、第一点、從來政府の直営の專賣事業を公法人たる日本專賣公社をして行わせるためには、ほとんど各條にわたり字句の修正を要するがためであります。第二点、從來省令で規定されておりました事項のうち重要なものを法律の中に織り込み、制度の民主化と法文の平易化をはからんとするからであります。
 次に改正の要点を述べますれば、まず三法律案とも、第一條において、現行法には明記しなかつた各專賣品等の定義を明記いたしまして、專賣権の対象を明確にしたことであります。そして第二條におきましては、各專賣権の内容と各專賣権が現在通り國に専属することとを明らかにするとともに、第三條におきましては、この三專賣の権能を日本專賣公社をして行わせることを明確にいたしておるのであります。
 次に價格の決定についての改正であります。いずれも収納價格は公社が決定し、販賣價格また賣渡買價格は、政府の認可を受けて公社が決定し得るものとしてあるのであります。但し、財政法第三条の適用を妨げないことを明記いたしております。その他賣買代金の延納等につきましてもそれぞれ改正が行われております。
 最後に、專賣収入の確保をはかるためそれぞれ罰則の強化が行われますとともに、國税犯則取締法の準用につきまして、警察官吏等のほか、公社の総裁の推薦に基き大藏大臣の指定する公社の役員、職員がこれを行うことと改められております。
 以上は三法律案におおむね共通する主要点でありますが、その他たばこ及び塩の両專賣法案におきましては、たばこ耕作許可、小賣人の指定、巻紙製造許可または塩等の製造許可、塩販賣人の指定について失格條件を法律の中に規定し、これに該等しない場合は許可または指定することを明らかにするとともに、これらの指定または許可の取消しの條件及び手続を規定して國民権利の保護をはかることとなつておるのであります。
 次にしよう脳專賣法案におきましては、現行法における製造許可の制度を廃止いたしまして割当制に改め、公社から製造予定数量の割当を受けた者がこれを製造することができるこことし、割当の手続、欠格條件並びに取消しの條件及び手続を定めておるのであります。なお輸入に関する若干の改正のほか、本改正案におきましては、精製及び再製については許可制を廃止し、自由にしておるのであります。
 なお最後に、塩專賣法案においては、自給製塩制はこれを廃止し、塩の製造はすべて許可制に改められておるのであります。ただ現に自給製塩をしているものにつきましては、それが法定の設備能力を欠く場合でもなお一年以内の短期許可を與える経過的措置をきめております。以上が三法律案の要旨であります。
 この三法案中たばこ及び塩の二專賣法案は、四月二十七日大蔵委員会に付託せられまして、二十八日政府委員の説明を聽取し、しよう脳專賣法案は四月三十日付託、五月六日説明を聽取し、次いで十三日に至るまで数回にわたつて熱心な質疑応答を継続するとともに、その間入江衆議院法制局長の参考意見をも聽取いたしました。この間、若干修正の必要かつ適当なることが明らかにされたのであります。これらの質疑応答の内容につきましては、ここでは報告を省略いたします。どうか速記録を御参照願いたいと思います。
 かくて十六日、討論に先だつて宮幡委員は、共産党を除く各派共同提案として、三法律案に対する修正動議を提出せられました。その修正の條項及びその理由の詳細は速記録に譲りますが、ここでその要点のみを申し上げると次の通りであります。
 まず、たばこ專賣法案につきましては、全文改正の場合の柱書の形式を改める。二には、第九條第一項第六郷に規定するたばこ耕作者の欠格條件を具体的に書きかえる。三としましては、第二十四條において葉たばこ災害の補償につき限度額を法律中に規定する。四としましては、第二十五條において耕作者團体及び連合体の事業、届出用件等に関する規定をさらに明確にするとともに、その團体及び連合体に対する交付金の限度をきめております。五番目には第六十三條第二項、代金延納について、すべて大蔵大臣の承認を要するごとく改めております。六といたしましては、專賣取締りを行う司法警察職員及び國家公務員につき、その範囲を政令で定めることを改めて本法律中に指定いたしております。七番目には、事業者團体法適用除外に関しまして附則第十四項に修正を加えております。また八番目には、附則第十五項を整備するようにいたしております。次ぎに塩專賣法案に関しましては、第一に全文改正の柱書を修正する。二番目には、第十六條の災害補償金、塩業者團体または連合体に対する交付金、第二十九條第五項の交付金及び第三十一條第二項の代金延納担保の免除について大蔵省令をもつて定める規定を改めていずれも法律中に限度等を明確にいたしております。三番目には、違反に体し罰則を伴う公社の指示について、第十條、第三十六條第一項、第四十三條第三項の指示事項の内容を明らかにいたしております。四番目には、事業者團体法適用除外につき附則第二十二項中一部修正する等であります。
 最後にしよう脳專賣法案については、一、全文改正の柱書を改める。二、第七條中にしよう脳またはしよう脳油の割当基準を明らかにする。三、第十七條第二項における代金延納担保の提供免除につき限度額を明らかにする。四、罰則を伴う第十條の指示の内容を明らかにする。以上の諸点を修正せんとするものであります。
 次いで討論に入りましたが、田中委員は社会党を代表いたしまして、かくのごとき修正を要するがごとき原案の提出に対しては政府に警告するとともに、塩及びしよう脳の二專賣については將來の根本的檢討を要することを保留しつつ修正案及び修正部分を除く各原案に賛成する旨討論されました。風早委員は日本共産党を代表いたしまして、專賣制度の根本的反省を要するとして反対の意見を述べられ、荒木委員は民主党を代表いたしまして、本下位精は当面余儀なき改正として賛意を表するも、右のごとき厖大な修正を要するに至つた事実に徴しまして政府の反省を求めるとともに、專賣品の向上に関して政府の努力を要望いたしております。最後に宮幡委員は、本修正に賛意を表するとともに、原案については公社発足時における必然的改正であり賛意を表するが、特に塩專賣に関しては價格、燃料炭、金融について政府の一段の努力を要するとの希望意見を述べられました。かくと討論は終結し採決に入りましたところ、三修正案及び修正部分を除く三法律原案とも起立多数をもつて賛成し、本法律案は修正議決せられました。
 右御報告申し上げます。(拍手)
○副議長(岩本信行君) 三案を一括して採決いたします。三案の委員長の報告はいずれも修正であります。三案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○副議長(岩本信行君) 起立多数。よつて三案とも委員長報告の通り決しました。
 一言いたします。先刻申し上げました渡部君の発言を速記録によつて調査いたしましたところ、━━━な政策、引き続いて━━━政策のため、とありますが、渡部君は議長において不穏当と認めれば取消すと言われて條件的に申されましたが、議長はいずれも不穏当と認めますから、これは渡部君において取消されたものといたします。
     ――――◇―――――
○山本猛夫君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、内閣提出、日本銀行法の一部を改正する法律案を議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
○副議長(岩本信行君) 山本君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 日本銀行法の一部を改正する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。大藏委員長川野芳滿君。
    〔川野芳滿君登壇〕
○川野芳滿君 ただいま議題となりました日本銀行法の一部を改正する法律案について、委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 この法案が提出いたされました趣旨は、日本銀行に政策委員会を設置いたしまして、通貨信用の調節その他中央銀行としての日本銀行の機能を國民経済の要請に應じて適切に行うことができるようにしようとするものであります。
 次に、この法案の要点について申し上げますと、第一は政策委員会の任務に関するものでありまして、その任務は、日本銀行の運営等に関する基本的な金融政策を作成し、指示し、または監督することができることとしております。
 第二は政策委員会のつかさどる事項に関するものでありまして、日本銀行の割当及び貸付利率、公開市場操作等に関する十項を列挙いたしております。
 第三は政策委員会の構成に関するものでありまして、委員の数は七人とし、日本銀行総裁、大藏省を代表するもの一人、経済安定本部を代表するもの一人、金融業関係で一人、商工業関係で一人、農業関係で一人といたしております。次に、委員会の議長は委員の互選によつて定められることといたしております。
 以上のような機能、構成を持つ政策委員会の設置に伴いまして、総裁以下の從來の日本銀行の役職員は、政策委員会の定める方策に從つて日本銀行の業務を執行することになるわけであります。
 この法案は、五月六日、本委員会に付託されたものでありまして、翌七日提案理由の説明を聽取し、五月九日及び十日の両日愼重審議を重ねまして、小山委員、北澤委員、田中委員、風早委員、石原委員、荒木委員、川島委員、前尾委員より、委員会の性格、委員の人選、日銀総裁と議長との関係、委員会と日銀との関係、委員会に対する大藏大臣の監督権、委員会とバンキング・ボードとの差異等について質疑が行われまして、池田大藏大臣及び愛知銀行局長よりそれぞれ答弁がありましたが、答弁のおもなる点を申し上げますと、委員会は日銀内部の機関であつて行政官廳ではない、委員には各界有力者を任命するよう準備している、議長は互選によるから日銀総裁も議長になり得るが、なるとはきまつていない等であります。
 なお、本法案は一般経済、ことに産業金融に重大な関係を持つておりますので、五月十三日公聽会を開き、公述人、全國市街地信用組合協会長青木得三君、商大学長中山伊知郎君、靜岡銀行頭取中山均君等六氏の意見を聽取しました。五月十四日さらに質疑を続行いたしましたところ、小山委員より、日銀総裁以外のひとが議長となつた場合の職責遂行等につき質疑がありまして、愛知銀行局長より答弁がありました。
 次いで、本十六日討論に入りましたところ、田中委員は社会党を代表して反対の意を表せられ、荒木委員は民主党を代表して賛成の意を表せられ、小峯委員は民主自由等を代表して賛成の意を表せられ、風早委員は共産党を代表して反対の意を表せられ、内藤委員は新政治協議会を代表して賛成の意を表せられました。続いて採決に入りましたところ、起立多数をもつて原案の通り可決されました。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
○副議長(岩本信行君) 討論の通告があります。これを許します。田中織之進君。
    〔田中織之進君登壇〕
○田中織之進君 私は、日本共産党を代表いたしまして、ただいま議題となつておりまする日本銀行法の一部を改正する法律案に対しまして反対の討論を行わんとするものであります。
 今回の日銀法改正の趣旨説明によりますと、財政と金融の分離に伴う新しい機構と運営の確立のためにこの日銀の機構改革を行つて政策委員会を設けるというのでございますが、全体を通じて見まするならば、何ら新しい情勢に対するところの金融政策の前進は見受けられないのであります。
 さらに政府の提案理由にありますように、今回の二十四年度予算編成にあたりまして財政と金融は分離せられたということでありまするが、財政と金融の分離ということは、観念的あるいは機械的には言い得るかもしれないのでありますけれども、実際には財政と金融はきわめて密接不離に関係にあることは言うまでもないことであり、むしろ機械的に財政と金融を分離するところに現内閣の金融政策が明確に出て來ないところの、むしろ経済再建の障害になる原因がひそんでおると考えるのであります。われわれは、この法案の提出にあたりまして、政府が新しい経済再建九原則にのつとるところの一環的な金融政策並びに総合的な資金計画を示さないことに対しましてきわめて遺憾に存ずるものであります。
 わが党は、インフレーションの克服、生産の回復の基本的対策といたしまして、一定の機関を通じて金融の合理化をはかるために金融機構並びに機関の民主的運営を実現しなければならないことを指摘いたして参つております。その方法といたしましては、中央に民主的な構成による統制機構を設置いたしましてその民主的運営を保障するとともに、金融機関全体の民主的な管理を実施する方針を決定いたしておるのでありまするが、今回の改正案によりますれば、かような趣旨によるところの金融政策の一環的運営の見地というものは全然盛られておらないのでありまして、ただ單に政策委員会を日銀の内部に設置するというようなこうした改革、これは大藏省の金融行政を一括して運営するところの、わが党が主張するような金融管理委員会というものにならない限りにおいて、何ら金融政策の前進にもならなければ金融機関の民主化にもならないという観点かから、われわれはこの法案に対して反対するものであります。
 しかもわれわれは、日銀は中央銀行として発券業務一本を遂行するということにいたしまして、日銀の機構についても抜本的な改正を加えなければならない段階に來ておると思うのであります。政府がこの必要を認めておりながら、今回きわめて早々の間にかような一部改正案を提出したということにつきまして、はたして経済再建の重要なる一環をなすところの金融政策について政府が定見を持つておるかどうかということをわれわれは疑うものであります。
 反対の第二点は、政策委員会の性格がきわめて不明確であるということであります。このことにつきましては委員長の報告にもあつたのでありますけれども、まず日銀の内部機構であるとはいいながら、金融行政の重要なる部分をこの政策委員会において決定するところの権限が委任せられておるのでありまして、われわれは、この関係に関する限りにおきましては、少なくとも行政機関的な性格を持つておる範囲におきまして、國会に対する責任を明確に規定しなければならないと信ずるものであるのであります。それにもかかわらず、改正原案によりますならば、政策委員会の決定事項並びにそれの運営に伴う金融事情については大藏大臣を通じて國会に報告する義務を規定しておりますけれども七名のこの政策委員会の委員の選任にあたりましては國会の承認を経る等の規定が欠けておる点でございます。
 さらに第三には、一應政策委員会は民主的な裝いをこらしておりますけれども、何ら実質的な民主化をこれによつて実現し得ないという点であります。さらに、從來大藏省とともに金融界に独裁的な権限を行使してまいりました日銀総裁の権限の制約に対しましても、何らこの政策委員会は十分の機能を果し得ないうらみがあると思うのであります。むしろ委員の選任のいかんによりましては、ただ單に日銀総裁の諮問機関に堕するおそれがあり、現在日銀にありまする参與制度等を考えまするならば、まさに屋上屋の観があり、ことに委員の兼職禁止の規程上から、この政策委員会の委員にりつぱな人を得られないことは、識者の一致した意見でありまして、われわれは、政府が説明するような効果をこの委員会に期待するのができないのであります。
 さらに第四点としてわれわれが指摘しなければならないのは、この政策委員会決定並びに日銀機構のこうした部分的な改正によりまして、いわゆる七千数百億に達する厖大予算の実施過程に起つて参りますところの金融情勢の困難なる事態に対処することはできないということであります。政府は、しばしば信用統制法の制定をも本議場において約束しておりますけれども、この日銀機構の改革と密接不可分の関係にありまするところの信用統制について何らの方針を示していないのみならず、さらに金融機構全般に対する整備計画をも國会に示しておらないという点から、われわれは以上の点を総合いたしまして、かくのごとき部分的な、欺瞞的な改正によりましては眞に経済民主化の重要なる基盤をなすところの金融の民主化は達成することができないという見地に立ちまして、遺憾ながら本法案に対しましては賛成することができないという立場を表明いたしまして、私の反対討論を終わるものであります。(拍手)
○副議長(岩本信行君) 宮幡靖君。
    〔宮幡靖君登壇〕
○宮幡靖君 ただいま議題となりました日本銀行法の一部を改正する法律案につき、民主自由等を代表して原案に賛成の意を表するものであります。(拍手)その理由をきわめて簡單に申し述べます。
 御承知のように、昭和二十四年度予算におきまして経済安定九原則に基いて実質的な均衡財政が確立されまして、財政面からするインフレーションは、復金関係を含めて完全に除去せられ、財政面から金融機関の資金を必要としなくなつたばかりでなく、既往の復金債の現金償還の実施並びに対日援助見返資金による國債の償還あるいは買入れまたは直接投資も期待せらるることとなりまして、当面の通貨政策はデイスインフレーションの傾向がきわめて濃厚となり、これに伴い、いわゆる金詰りの現象もおおいがたいものとなつて参つた次第であります。
 從つて、経済の安定復興をはかるためには、経済・金融一般の情勢に應じて金融機関の資金を最も有効に使用して、輸出の振興、生産の増加に寄與する一連の金融政策の推進が期待せらるるところでありまして、この要請にこたえて新たに日本銀行内に政策委員会すなわちポリシー・ボードを設けることにいたしました本法改正の趣旨に対し、まずもつて全幅の恣意を表する次第であります。
 從來金融政策の計画と実施が日本銀行総裁の独断的運営のもとに置かれたことによる産業経済界の非難は、経済安定九原則の忠実な実施に邁進する立場において大いに反省を要得るところでありまして、今回の改正によつて政策委員会が最高意思決定機関となり、日本銀行総裁はこれが実施を担当することといたしましたことは、日本銀行が中央銀行としての機能を発揮し、金融の調整を行うに遺憾なきを期したものでありまして、これまた適切妥当の処置であると確信する次第であります。
 しかるところ、これに対する異説として、通貨金融政策の最高意思決定企画は日本銀行のわく外に置くべきであると主張せらるるのでありますが、米國のごとく中央銀行制度の存しない場合においてフエデラル・リザーヴ・ボードを採用しつつある思想をただちにとつて、中央銀行が古くから存置せられている日本に適用せんとすることは、観念的矛盾であると思考するものであります。
 また、政策委員会のメンバーに勤労階級の代表者を参加せしむべしとの議論については、勤労階級をして眞の労資協調の境地に善導し、勤労か生活の安定向上に有効適切な金融政策のよき助言者たり得るなれば、これを喜び迎えることにやぶさかでないものでありますが、もし資本主義を否定し、金融民主化の線を逸脱して、金融社会化にまで推し進めんとする意図よりする要求であるなれば、われらは断固これを排撃せざるを得ないところであります。
 およそ法律は運用にあり、その運用は人にあるものでありまして、政策委員会の活動が所期の効果を発揮し、通貨金融政策に至上の成果を収め得るやいなやは、かかつて委員の人選いかんによつて決せらるべきものであると信ずる次第であります。すなわち、内閣における政策委員の選任につきましては愼重な考慮を拂い各界の権威者を網羅し、選任委員会運営に万遺憾なきを期せられんことを切望するものであります。
 さらに本法改正は、経済安定九原則のもとに組み立てられんとする金融政策の一環としてこれと一連の関係ある信用統制法、金融機関整理法等への制定実施を急速に実現し、國民経済の安定と産業振興のために強力に推進せらるべきであることを政府当局に要望し、民主自由党を代表して原案に賛成の意見を表明するものであります。(拍手)
○副議長(岩本信行君) 風早八十二君。
    〔風早八十二登壇〕
○風早八十二君 私は、日本共産党を代表して本案に反対の意見を表明いたします。
 今、民自党の諸君もきわめて痛切にこの日銀法に対してはいろいろな批判を加えておられますように、本本案は、その内容から申しまして、またその背景から申しましても、きわめて支離滅裂、矛盾撞着をきわめておるしろものであります。提案理由の説明書は、財政と金融との分離に伴う新しい事態に即應するために日銀の機構と機能を整備すると称しておるのでありますが、この前提は完全に間違つております。先ほど田中織之進君も指摘せられたのでありますが、財政と金融の分離などは、これは官僚の頭の中にのみ存在するものであり、紙の上では書くことができるのでありますけれども、事実の上では、そんなものは全然存在しておりません。
 事態の実際というものは、財政と金融とがますます緊密さを加えておりまして、すなわち國家と金融資本との癒着、結合というものの事態をなしておるということは、十分に明らかなのであります。問題は、むしろこの両者の結合の仕方にあるのでありまして、この点におきまして、同じ戰後経済におきましても、九原則以後の最近の段階においては、新しい特徴がつけ加わつたことを見のがすわけには行かないのであります。その特徴というのは、金融資本が今までよりももつと有効に、もつと効果的に國家権力を使いこなそうとしておることであります。戦後の巨大な銀行資本というものは、自己が支配しておりますところの産業資本に対する融資の負担の一部を、あるいは補給金、あるいは各種の政府出資金の形で、財政負担、言いかえますれば税金負担に負わせて参つたのであります。しかし、その結果は財政の際限のない膨張になつたことは御承知の通りでありまして、巨額の復金債その他事実上の赤字公債の発行、その日銀の引受け、やがては悪性インフレ等、結局相当の負担が金融資本、特に銀銀行資本の側にはねかえつて参つたのであります。そこで、これではいけない、もつと身軽になつて産業への支配力を強化しなければならないというので、今度はその財政負担を文字通りとことんまで税金負担にしわ寄せをするということを決意したのが、九原則を悪用した吉田民自党政府の現在の政策なのであります。(拍手)二十四年度予算案が、一般会計の赤字公債はもとより、復金債の発行をも停止して、地方におきまして、これは民自党の諸君もはなはだお困りのように、地方の配付金というものを半減いたしましことは、すべて以上のことを意味するものにほかならないのであります。
 しかしながら、それは負わされておりまするところの犠牲負担というものが軽くなつたことを意味するものではないのであります。一部特権的な資本家に対する二千二十二億円に上ります莫大なる補給金、八百四十二億円に上りますところの政府出資金、こういうものがある限り負担が軽くなる氣づかいはないのであります。負担を直接引受けるものが、ただ日銀から他のものにかわつただけであります。
 この新たな犠牲負担者というものは一体だれでありますか。「曉に祈る」ということを申しますがこれは吉村部隊だけのことではありません。今や吉田内閣のもとにおきまして、労働者は首切りと低賃金と権利の剥奪によりまして、農民は低米價と強制供出と重税に加えまするに封建的なる長子相続制度の足かせによりまして、学生は学生で六・三制の御破産と大学校案等によりまして、また中小商工業者の諸君及び内外の独占資本に結びつかないところの産業資本家の諸君は重税と資金の締め出しとの板ばさみによりまして、また最近におきましては多数の市町村長までが地方配付金の半減によりまして、曉に祈りつつあるのであります。(拍手)これは決して誇張でも何でもありません。
 わたしが先般ここで反対討論をいたしました、あの復金に対する融資の問題にいたしましても、復金がこのたび、その積極的なる融資をやめた。しかしながら、その回收する分だけについてはこれを融資をするということにかわつたのではありますが、この場合において、どこから一体その資金を回收して行くか。そうして、これをどこに出して行くか。この場合におきまして、新たなその融資部分がきわめて限られただけに、中小商工業者に対する金融の機能がまつたく停止せられることは火を見るよりも明らかなのであります。
 さらに、今日、先ほど本院を通過いたしましたところの塩の專賣法にいたしましても、われわれはこれになぜ反対したか。今日日本の塩の業者というものは、まだまだ非常な遅れた生産方式によつておるのでありまして、これらは現状をもつていたしますれば、とうていその生産費は引き合わないのであります。この場合におきまして、現在の政府は、この金融の道につきましてまつたく冷淡である。今日全國の塩業者がたくさん國会に押しかけて参りまして、諸君にも訴えて参つたと思う。しかしながら、これらをまつたく無視いたしまして、無残にも見殺しにしてしまつたのであります。
 また、今大藏委員会にかかつておりますところのやみ金融業者に対する取締法案にいたしましても、なるほどやみ金融を封ずるということはけつこうです。しかしながら、なぜ今日やみ金融が横行せざるを得ないか。結局今日の中小業者の諸君は、これは一般の金融機関が少しも相手にしてくれないから、やむにやまれずにこのやみ金融に頼らざるを得ない。しかも、一般の普通銀行その他の金融機関が今まで通りその中小企業に門戸を閉鎖しているままで、このやみ金融に対して全般的に取締りを嚴重にするだけでは、結局これは中小企業者をつぶしてしまうという、今日の集中生産方式の、一般的なる吉田内閣の政策の一環であると言わざるを得ないのであります。(拍手)この吉田内閣のいわゆるデイスインフレーション政策というものの正体は、およそかくのごときものであります。
 さて、今以上のごとき判断を前提といたしまして本法案をつぶさに檢討いたしまするに、その眼目とするところは、第一に、國の通貨信用統制に関して從來よりも廣汎な権限を日銀に與えたことであります。すなわち、從來大藏大臣に属しておりましたところの基準割引歩合、貸出歩合などの決定の権限であるとか、あるいはまたオープン・マーケット・オペレーションの権限であるとか、つなぎ資金の運営の権限であるとか等々であります。
 かくのごとき廣汎かつ強烈なる権限を與えられるにかかわらず、他面におきまして政策委員会の構成を見ますると、ほとんど問題にならない貧弱なものであります。と申しますのは、ここに労働組合代表やその他の民主的な國民代表が加わつておらないということは別といたしましても、この金融界の代表そのものにしてからが大した人物が得られないことは、もう十分にわかつている。これは先般の公聴会におきましても、みな一致した意見であつた。結局、新聞の下馬評に上つている候補者の顔ぶれを見ましても、これははつきりしているのであります。また大藏代表、安本代表も加わつておりますけれども、これは國家と金融資本との癒着結合のシンボルとして出ているだけのことでありまして、少くも一万田日銀総裁程度の総裁ががんばつております限り、いずれにしても歯の立つしろものではないのであります。
 概してかくのごとき委員会なるものは、現在存置いたしておりますところの参與制の上に屋上屋を架する無用の長物でありまして、政策委員会、すなわちポリシー・ボードであるよりは、いわゆる睡眠委員会、スリーピング・ボードにならねば幸いであります。民自党のいる大藏委員さえ、これは失業救済委員会だと、痛いところを突いているほどなんであります。この結果は、結局ローマ法王廳日銀というよりも、ローマ法王たる日銀総裁の独裁が一層はげしくなることは、今から想像にあまりあるものがあるのであります。ただ異なるところは、対外的に政策委員会が大藏大臣や國会に対して直接責任を負うことになることによりまして、ローマ法王たる日銀想像には、自己の独裁の責任を政策委員会に轉嫁することができるという、こういう便利なものになつただけがかかつた点であります。(拍手)これこそは、日銀法の民主化どころか、その独裁の仕上げにほかならないのでありまして、これはわれわれの最も強く反対してやまないところであります。
 日本共産党は…
○副議長(岩本信行君) 時間が参りましたので結論を願います。
○風早八十二君(続) 現在金融機関の國営と人民管理――少なくとも日本銀行並びに九つの大市中銀行を統合し、國営にして、これを人民管理にするというこの主張をかねがね提唱しておるのでありますが、このもとにおきまして最高経済会議というものを主張いたしておる。すなわち、國会の監督のもとに、國会に從属して、眞に民主的なる國民代表をここに結集したる最高経済会議をもつてこの金融信用並びに通貨の統制に当るという考案であります。
 しかるに、これらにつきましては、今日その金融資本の集積、集中の現状から見まして、すでにその客観的な条件は熟しているとわれわれは思つている。ただ惜しむらくは、未だに主体的な條件が熟しておらない。これもまた認めざるを得ないところであります。よつてわが日本共産党は、この今日の段階におきましては、ますます日銀の機構全体の民主化を強く主張するものであります。本案が、この日銀の機構全体の民主化ということを、單なるこの政策委員会――結局は日銀総裁の独裁の強化ということによつてすりかえようとすることに対して、わが日本共産党は絶対に反対を表明せざるを得ないものであります。(拍手)
○副議長(岩本信行君) 採決いたします。本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○副議長(岩本信行君) 起立多数。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。(拍手)
 明十七日は定刻より本開議を開きます。本日はこれにて散会いたします。
    午後四時五十三分散会