第005回国会 厚生委員会 第32号
昭和二十四年十月八日(土曜日)
    午前十時四十二分開議
 出席委員
   委員長 堀川 恭平君
   理事 大石 武一君 理事 中川 俊思君
   理事 幡谷仙次郎君 理事 松永 佛骨君
   理事 福田 昌子君 理事 床次 徳二君
   理事 苅田アサノ君
      今泉 貞雄君    丸山 直友君
      岡  良一君    堤 ツルヨ君
      伊藤 憲一君
 委員外の出席者
        厚 生 次 官 葛西 嘉資君
        厚生事務官   木村忠二郎君
        厚 生 技 官 三木 行治君
        厚 生 技 官 小川 朝吉君
        専  門  員 川井 章友君
        専  門  員 引地亮太郎君
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本日の会議に付した事件
 社会保障制度に関する件
 共同募金に関する件
 厚生省関係予算に関する件
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○堀川委員長 これより会議を開きます。
 まず苅田委員より共同募金の件に関しまして発言を求められておりますから、これを許すことにいたします。苅田委員
○苅田委員 昨日昭和二十三年度の中央共同募金委員会から出ておる資料をいただきましたが、大体共同募金を各府縣へ割当てるときには、どういうことが標準になつて割当てられているか、またそれはどこできめるかということを最初にお伺いしたいのです。
○木村説明員 共同募金は中央からは何ら割当をいたしておりません。すべて共同募金は地方の共同募金委員会がその縣の目標額を決定いたしまして、その額を目標にして集めることに努力しておるわけであります。
○苅田委員 地方の共同募金の委員会というものは、どういう厚生になつておりますか、御存じでしようか。
○木村説明員 地方の共同募金委員会の構成につきましては、すべてこれは地方がやることになつておりまして、私の方から何らこれについての干渉もいたしておりません。
○苅田委員 そうしますと、この共同募金を地方で集めて、これらの各地方で集めたものを中央で集めて、また各府縣の方に相当額が行くというふうに考えていたのですが、そうでなくて各府縣で集めたものを各府縣で使つているという次第なのですか。
○木村説明員 さようでございます。
○苅田委員 そうしますと、募金の方法とかいうようなことも、大体全国一律になつているわけなのですけれども、このことについても、中央からは何ら指示もなければ、訓示というようなものもなく、全然干渉いたしておらないわけなのでございますか。
○木村説明員 募金につきましては、期間があまりずれますと困りますので、募金の期間につきましては全国的に統一することに指示いたしております。それ以外の募金の方法等については、すベて地方にまかせております。私の方からは何も干渉いたしておりません。
○苅田委員 私は岡山縣なのですが、岡山あたりでも今年は一千二百万円かの割当を完成するというので、そういうふうな指示が岡山の組織には來ているわけなのですが、募金の目標額というようなことについても、何も中央からの指示あるいは内示というようなものもないわけなのですか。各府縣で全部自主的にやつているわけで、募金の方法も全部、それは各府縣が自主的にやつているのですね。
○木村説明員 これは募金の金額につきましても、方法につきましても、各地方におきまして各地方の委員会がきめることになつております。ただ御承知の通りに社会事業募金でございますから、すべて地方の府縣廳の許可をとつております。許可なくしてはできないのであります。募金の金額をきめるにつきましても、募金の方法につきましても、きめるのはすベて委員会でありまして、縣廳ではないのであります。
○苅田委員 それでは私が今まで考えておつた共同募金というものとは、大体違つているような感じがするのです。私のみならず地方で考えていたのと大分違つているような氣がするので、募金についての社会局側の持つておいでになる全体的な計画を、一ぺんお聞かせ願いたいと思うのです。
○木村説明員 共同募金につきましては、從來私の社会事業團体に対する國の補助金、あるいは地方の公共團体の補助金というものがあつたのでございますが、これが憲法の規定並びに司令部の指令によつて禁止せられまして、そういう社会事業に対しましては公の金は委託以外には入らないということに相なつております。從いまして、從來の施設の社会事業といたしましては、その財源に非常に困難をいたしておるという状況にあります。なお從來の施設の社会事業團体は、その財政的の荒廃といたしまして、各種の寄附金と自分の持つている資産の利子というものが財源になつております。ところがこの方も資産の利子というものがほとん價値がないものに相なつておりますし、一般的な寄附金というものもなかなか集まりにくいという状況になつておりますので、緒外國における事例を考えまして共同募金という制度でやるのが、寄附金を集めるのにつきましても、むだと重複を省くから適当なのではなかろうかと考えまして、昭和二十二年の最初は政府が勧めまして、ある程度の奨励の金を出して奨励してやらしたのであります。ところが昭和二十三年度以降は、政府はこれに対しては完全に手を引いておりまして、今後におきましてもこれは民間の運動としてやられるわけであります。政府といたしましては、これに対する監督はいたしますけれども、監督といたしましても、法令に違反しないかどうかということの監督をするだけであります。これにつきましての積極的な指導等はいたさないことにしております。
○堀川委員長 次は福田委員から結核予防並びに災害扶助の件について発言を求められておりますので、これを許すことにいたします。
○福田(昌)委員 災害扶助に対して社会局でとられた具体的な御説明を願いたいと思います。質問があまり漠然といたしておりますが、今日の災害救助法というものが現実にどういうふうに活用されておるかということを御説明願いたいと思います。
○木村説明員 災害の救助につきましては、ただいま社会局でやつておりますのは、災害に対する應急的な救助をいたしておるのであります。災害の種類によりましては、大体その地点だけでもつてと申しますか、その近隣だけでもつて、あるいは親族の間だけでもつて解決のつくような災害の程度もあろ、あしそ。非常に規模の大きな災害で、これに対しましてその地域だけでは何らの措置もできないという災害もあると思いますが、規模の大きな相当公安に関係のあるような災害に対しましては、府縣知事におきましてこれに対する救助をしなければならぬという責任を負わしております。これは災害救助法の規定にそういうことになつております。地方でいたします災害救助につきましては、一應の限度を法律によつて、また法律の規定に基いて定めておりまして、その限度内において救助をいたしたものに対しましては、一定の限度でもつて中央において災害救助の費用に対する補助をいたしております。なお災害救助に必要である各種の物資等につきましては、地方で入手し得ないものについては中央でこれをあつせんするという方法をとつております。なお災害に備えまして平素の準備をするように、地方に対しましては指示をいたしておるのでありまして、本年の災害の状況を見ますと、地方において災害救助の手続について相当熟練と申しますか、なれて参つております。從つて昨年のように、中央に対して應援を求めることが非常に少くなつておるというのが現在の特徴だろうと思います。もつとも今年の災害は御承知の通りに主として、水害でありまして、昨年の北陸の震災のような種類の災害がなかつた関係もあろうかと思いますが、中央において大きな手でもつて、これに対して援助をしなければならぬというようなものもなかつたのであります。若干物資のあつせんをいたしましたり、その他援護措置を若干とつたという程度であります。
○福田(昌)委員 御説明を承りまして御趣旨はごもつともと思いますが、現実の面はなかなかそういうふうに参つておらないのであります。たとえば災害が予測される地域にあるような、ことに水害なんかでありますと、大水が出たらこの家は流されるだろうということが推定できるような所にある家屋で、しかも緊急に立退きすればそういう災害が免がれることがわかつておるような場合に、この立退きに対する地方当局のいろいろな援助というものは、現実においてほとんど金銭的な大した援助にならないようなことになつております。また流失家屋のあとの復旧、ことに勤労階級の人たちが住む家屋に対しても、何らの対策が拂われない。また日々の生活の援護というものも、早急に拂われておらないというのが現実の状態であります。從つて金銭給付、現物給付とゆうお話がありましたが、そういう方面のこまかい金銭、品物に対しての今日の現状を御説明願いたいと思います。
○木村説明員 私の方でいたしております災害救助は應急的な救助だけでありまして、災害に対する予防措置、あるいは災害に対する避難といつたものについては、私の方では所管いたしておりません。特に水害に対しましては、建設省の水防関係の方でその点所管いたしております。それから災害後の復旧につきましても、住宅の復旧等につきましては、これは建設省の方で所管いたしておりまして、私の方の所管ではないのであります。水が入つておつて住む所がないという人に、緊急避難的な宿泊の整備を與えるとか、それに必要な寝具を與えるというような点を私どもの方でいたしておりまして、これは水害の水がひきましたあとではただちに打切るということになつております。
○福田(昌)委員 そういうことを御説明を承りまして、また存じ上げておるのでありますが、所管でないからという態度で、これは建設省の方の問題だということにいたしますと、厚生省当局としては非常に責任上軽くはなられるのでありましようが、地方の住民に、はなはだ寄辺のない國家の政策のもとにおいて暮さなければならないという状態になります。今日の現状から見ますと、建設省当局においても、何ら積極的な手を打つていないというのが今日の姿であります。從つてこういうことに対しては、御自分の管轄でない現実でありましようが、將來はもつと厚生省当局の管轄として、罹災民の援助に対しても社会局で乗り出していただきたいと思います。また建設省当局とも十分御相談の上で、それに対する適切なる御処置を希望するものであります。九州地方の災害の状況を見まして適切にそういうことを感ずるのでありまして、みすみす避難できる災害をこうむつておる。また災害のあとの対策が、これは自分の所轄でないという形のもとにおいて見棄てられた形にある状態であります。ことに今日の糊口をやつとしのいでおるような貧困階級におきましては、その惨状たるや実に目をおおわしめる状態が今日もなお続いておる状態であります。そういうものをつぶさに見て参りますと、これは建設省当局、また厚生省当局が一緒に御相談の上で、そういう人たちの眞の災害による被害を救助するだけの政策がなければならないと思うのであります。御当局において御一考をお願い申し上げる次第であります。
 それから現実の災害当時の金額給付、現物給付の金額についての御説明を願いたいと思います。
○木村説明員 災害の救助の金額でございますが、これに災害の状況によりまして違いますので、すベて救助の金額については地方廳にまかしておりまして、ただこれがあまり大きくなるということにつきましては、國の財政等の関係もありますし、一定の限度を設けなければならないというので、最高限度というものが定められておりまして、現在定まつております最高限度は昨年の九月にできたものでありまして、この限度では低過ぎるというところで、從いまして私どもとしては、地方からこちらにこの程度まで上げてよろしいかということの相談がありました場合には、その程度がはなはだしく不当でないという場合には承認いたしております。たとえば今度の東京の災害において、たき出し費が一日一人分十五円ということになつておりますか、現実には二十五円ということにいたしておるような状況であります。そういうように実際の金額はこの限度よりは高くしておる。これはただいま私どもとしては一般的に限度を高めたいというので、事務当局の方とは相談いたしていますが、まだきまりませんので、随時そういう措置をとつてその不足の分は出すようにいたしております。
○福田(昌)委員 その一日の十五円とか、二十五円という金額に地方的にかつてにきめてよいのですか。
○木村説明員 最高限度が十五円というふうに一應今のところはきめております。但し御承知の通り主食の値段などが高くなつております。今十五円ではできるはずはないのであります。從いましてこれはどうしても上げなければならぬ。それで先般東京都においては二十五円というものを承認いたしております。ほかの縣におきましても、その縣の実際の災害の状況におきまして、この点については必要な限度まで上げるようにいたしております。
○福田(昌)委員 それはすべて縣費で出すのですか。
○木村説明員 費用は一應全部縣費で出します。縣費で出したものについて、一定の金額以上になりますと、その以上の分に対する国庫補助があるのであります。一定の金額と申しますと、大体三つの収益税の合計額の五分の一までの金額についてはその縣がやる。それを超えました場合については、その超えました分の最初が二分の一、だんだん上りまして、非常に金額が大きい場合には、約九〇%の補助が行くようになつております。
○福田(昌)委員 九州地方は非常に被害が大きかつたのですが、そういう食費の給付にいたしましても縣費によつて違います。十円とか、十一、二円という話でございまして、現実においてやつて行けないというような市町村当局の話を聞いたのであります。それに対してのマキシムを十五円というように御限定のようでありますが、十五円はだれが考えても不都合だということはわかるのであります。そういうものに対する増額の御意志はないのでございますか。
○木村説明員 私の方としましては金額を必要なものだけ出す。これは現金給與でなく、現物給與でございます。ですから食事ならばたき出してものを給與したければならぬ。給與に要する費用というものは、御承知の通り現在の配給量というものが一人当りきまつておりますから、その主食の費用と、それに対する燃料費を加えた額になるわけであります。現実にやりました縣費を負担するのでありまして、ただその場合にいろいろなぜいたくなものを使うということは國家財政上困りますので、一應最高限度をきめておるわけでございます。昨年の九月におきましては十五円でよかつたのでありまするが、その後主食その他の物價の値上りがあまするので、これにつきましては地方にあらかじめ指示してありますので、その土地の事情に應じて相談して参りたい。必要の最小限度のものは出さなければならぬということは指示をいたしております。府縣当局においてもしそういうことがあれば地方的によくないことでありますので、これは厳に戒めたいと思います。
○福田(昌)委員 地方的にそういうことがございますので、十分厚生当局におかれましても御注意と御援助を願いたいと思います。
 それか先ほど災害救助の状況について、地方的に活溌になつて自主的になつて来たという話でありますが、九州地方の現状を見ておりますと、これは多少地理的に東京から離れておりまするし、遠隔な地域ということの不都合から、中央の援助を求めることが少かつたのではなかろうかと思います。災害当時のいろいろな救助というものを見まして、必ずしも私は災害救助というものが非常に自主的に好成績を収めておるとは言えないと思うのであります。そういう地理的に遠隔の地にある場所に対しては、厚生当局の特別の御注意を願いたいと思います。ことに私の福岡はまだしも、宮崎、鹿児島というような九州の南端にありますると、なかなか被災民の声が中央に届かぬという弊害がありますので、そういう点特に御注意を願いたいと思うのでございます。それからこの災害復旧に対しての政府の御援助が出ましたが、それに対して衛生方面に使われる金額りパーセンテージは初めからきまつておるのですか。
○木村説明員 災害復旧費用のことは私よく存じませんが、私の方は災害の應急救助費だけでございます。災害復旧費のことにつきましてはどうなつておるか知りませんが、復旧費の内容ははつきり区分されておると思います。こういうことの復旧については幾ら、この復旧については幾らというふうにはつきりなつておりますから、全体についてはどうなつておりますかわかりませんが、災害の復旧は主として衛生関係でありまするものは、水道の復旧が非常に多いのではないかと思います。その他の関係として衛生関係の設備復旧があるのではないかと思います。われわれの社会事業関係においても、社会事業施設の復旧というものの経費は復旧費の方へ入れてやつておりますが、今度の災害においても若干これが入つております。
○福田(昌)委員 大体この災害復旧費に対しても割当はきまつておるらしいのでございますが、現地に行つて聞いてみますと、衛生方面の割当が非常に少いということを嘆いておりました。ことに上水道の措置が衛生方面でも大部分を占めておるというお話でありました。まつたくその通りでありますが、上水道だけでは衛生の災害復旧はかんぺきとは言えないのであります。飲食物の点檢も必要でありましようし、またそれに対するいろいろな組織的な防疫対策も必要でありまするし、また食品配給の面とかまた販賣所なんかに関するこまかい防疫対策も、すべて衛生行政の一つの組織の中に入つて來なければならない問題だろうと思うのですが、そういう食品をめぐつての環境衛生に対する費用は、ほとんどゼロなんです。そういう方面に使うにしましても援助がないというわけで、地方では非常に困つております。そういう観点に立つて衛生方面に使われるところの國庫補助額をふやしてもらいたい。これは社会局当局の御管轄でないと申しますが、どこの管轄になつておるのでございましようか。
○小川説明員 災害時におきまする防疫衛生対策と申しますと、施設面は國家として事後の予算措置をいたしておりますが、一般の防疫は緊急を要するので、主として防疫を中心に衛生対策を実施いたします。これらは相当程度というよりも、むしろ金額をもつて運用するというような組織活動をやつております。いわゆる災害対策と平時におきまする傳染病の勃発とは、ほとんど同じような形で対策を講じますので、要するに緊急防疫の形で一切やつておりまして、その点は補助等の関係はしてないのじやないかと思います。
○福田(昌)委員 お話承りまして了解いたしましたが、現実は少し御趣旨と離れていると思いますから、この点につきましてはたびたび御注意と御勧告をお願いしたいと思います。
 それからこれは災害復旧の総合的なものでありまするが、昨年の利根川の災害なんかにおいては、赤十字が相当活溌に、いろいろな計画のもとに非常にかんぺきな活動をせられたと聞き及んでおりますが、どうもことしの九州の災害に対しては、そういうかんぺきな應急処置がとられていないような氣がするのであります。これは災害救助法というものができておりましても、何しろ一ぺんも練習をやつていない。消防にしても、一ぺんぐらい練習をしなければ、機会が備わつておりましても十分な活動ができないと同じでありまして、そういう法律があつたといたしましても、そういう機動性を持たせるだけの訓練をしていなければ、全然意味をなさないのでありまして、從つてそういう災害復旧費を生かすために、災害にいつでも備えて、厚生当局において訓練をかねて指導していただかなければならないだろうと思います。いつ災害があつても、天災地変の多い日本では、いつでも應急対策がとれるだけの訓練を、厚生当局において御指導願いたいと思います。
○伊藤(憲)委員 ただいま福田委員から、九州が非常に地理的に離れているところからおろそかにしているんじやないかという発言があつたのですが、今日の日付の東京新聞で「みじめな講堂暮し。まだ毛布一枚の水災者」という七段抜きの被害者の状況が出ております。今、福田委員からいろいろと質問され、また事実当局が答えられることと現実とは相当かけ離れている。たとえば防疫の問題について言つても、私のいるところなんかキテイ台風以來、十回ぐらい私の家自身が床下浸水をしている。キテイ台風のときも、私がいるものですからすぐに区役所からやつて來て、DDTをまくとか何とか言つておりましたが。実際來たのは十日ぐらいたつてから来ている。実際に床下浸水をしているのは大体五百戸から千五百戸に及ぶのです。そういうことに対しては何らの処置も行われていません。極端なところではほうつて置けないと思うのです。当局他の人たちも読んでおられると思いますが、南砂町八丁目の都営住宅関係の人が四十八世帯百八十八人が講堂に入つている。もう一つは江東区明治小学校に二十一世帯八十一名、それから中共地区からの引揚者が品川の常盤寮でやはり七十七名同様な状態にある。これに対していろいろ申しますが、こういうところに毛布一枚しかあてがわれていない。ところが、片方の明治小学校の方はもらつているわけです。毛布しかもらつていないので。せめて生業資金をもらえればふとんの一枚でも買えるからと交渉したが。生活困窮者ではないからだめだ、ということを言つた。一体どの程度を生活困窮者と言うのだろうということを言つておりますけれども、この問題は私一々詳しく皆さんに突込んでどうこうするということでなしに、社会的に大きな問題ですから、具体的な処置をしていただきたい。従つて少くともこのことに関して具体的な処置をすることができるかどうか、どの程度にできるかということを御回答願いたいと思います。
○木村説明員 東京新聞の記事は、本日私読んで知つたようなわけです。ただちに東京都の方に、その点は実際どうなつているかということを調査するように命じております。実情は私らの方で今わかつておりません。新聞は拜見いたしました。これに対しては地域によつて違つているということははなはだよろしくないのでありまして、どこでも同じように取扱わなければならぬことは当然であろうと思います。なお生活困窮者の程度については、そのものを購入することが現在の生活保護法における最低生活を営みながらなお購入できないという状態でありますれば、これは生活保護法が適用になるわけであります。それでもものが手に入らないということでありますれば、一時扶助ということでやるわけであります。生業扶助というのは、何か仕事をやるというときの生業扶助でございまして、私どもの方では、何か生業をしたいということで具体的な計画があれば扶助をいたす、そういう場合には一時扶助をいたすことになつております。これについてそういう申出があつてなお落ちていたというものについては、至急手を打ちたいと思つております。
○堤委員 今の問題に関連してでございますが、たとえばキテイ台風とか何々台風、また地震とか、いろいろな災害が勃発したときに、即刻本省としては救わなければならぬ問題に対してどういう指令を出して、どういうふうな予算の裏ずけでもつて今まで処して來られたかということを一應御説明を願いたいと思います。
○木村説明員 社会的といたしましては災害救助法というものをつくりまして、災害救助法によりまして地方の都道府縣知事にその責任を負わしております。都道府縣においては災害が起りましたならば、ただちにこれに必要な各種の資材等の準備もしますし、また應急避難の必要がある場合には、その処置も講じなければならぬということになつているのでありまして、われわれとしては災害が起ると、ただちに関係係官をその日にほとんど徹夜でずつと置いておきまして、各地の情報を集めて、その情報によつて本省で援助しなければならぬものについては、即刻これに必要な処置を講じ得るように対策を進めております。
○堤委員 私ときどき地方に行つて聞くのでございます。数日前にも名古屋の國立暴飲の庶務課長からつぶさに懇願されたのでありますが、かつての福井の災害のときに、見るに見かねて救護隊を編成して出した。そして百二十幾日にわたる災害救助によつて、実に地元民から感謝の意を表されたが、今日会計検査院が國立病院の会計を検査いたしましたときに、そのための赤字が三十五万円あつた。國立病院であるのにこうした生意氣なことをするというので、会計検査院からは怒られ、國からはびた一文ももらえないし、地方の縣知事からも補つてもらえないということで、実は庶務課長は今日神経衰弱みたいになつて頭をひねつているが、医は仁術だからかくあるべきだ。ことに國立病院のごときは全國のモデル病院である。こういうときに医者としてこうした手を打たなければ國立病院の恥でり、厚生省の恥であるから、今後もこういうことをやるつもりだ。しかし何ら経済的な援助も本省から來ないし、知事からもやつてもらえない。ただ責めるのは会計検査院だというような訴えを承つたのであります。こういう病院側の苦情を私は二、三承つたのでございますが、こうしたものに対して本省ではどういうお考えを持つていらつしやるのか。今の御答辯によりますと、当然都道府縣知事がそれを負担して、しかるべく病院なり組織のあるところに依頼して救助をするのが当然であろう、これが一体國の指令によつて行われているのかということをよく承るのでありますが。これは事実とは相反しているように思いますので、ひとつ厚生当局の方針を具体的に承りたいと思います。
○木村説明員 ちよつと名古屋の例を私具体的にどうだつたのかということを覚えておりませんけれども、北陸の震災の場合におきまして、各施設がまちまちに、自分かつてに飛び出して行つて援護をしたというものにつきましては、災害救助は何らの措置を講じ得ないことになつております。福井縣なら福井縣知事から應援の要求を受けて出た場合、あるいは福井縣から地方の協議会を通しまして應援を求められた場合、あるいはその縣から隣の縣に頼みまして應援を求められた場合、あるいは中央から指令があつて行つた場合、こういうような場合におきましては、当然これに対する経費の負担は中央でしなければならぬ。今の場合ははたしてそれに該当しておつてもらえないのか、該当しておらないでもらえないのかということは私よくわかりません。該当しておれば福井縣からは当然その経費は受くべきだと思います。おそらくその点は、ほんとうに憐憫の情から飛び出して行つて、自発的にやつたことではなかろうかと思います。要求があつてやつたならけつこうであります。この場合には、でたらめに医療班が重複して出て行くということは望ましくないのであります。やはり出て行く場合にも統制をとつた医療組織ができて行かなければならぬというふうに考えております。おそらくそういうことでそういうことになつておるのじやないかと思いますけれども、具体的にそれがどうなつておるのかということを存じません。一應原則的なことをお答え申し上げます。
○堤委員 今の御答弁で大体御趣旨はわかるのであります。いたずらに何班も何班を出て、そこに屯してむだな費用を使われるということは、厚生省としても責任をとらなければならぬし、予算もないことだから、かつてにやつた場合には経費を拂うことができないということは、また理の当然であろうと思いますけれども、國のやることが見ておられないで出すにはおられたいというような近辺の人たちの心持で出たとすれば、省としてはやはりお考えになる必要がある。忘れられたころには災害が來るという言葉もございますが、このごろは忘れないうちに次から次へとやつて来るのであります。今福田委員から御質問のありましたところの九州の問題にいたしましても、見るに忍びないところの場面がたくさんあるように承つております。待つておつたらいつまでたつても國ではやつてもらえなかつたというような言葉がありますことを非常に残念に思います。私たちも責任を感じております。誠意あるところの御処置を今後お願いいたしたい。なおかつそのために赤字を出しておるような國立病院に対しましては、今後ひとつよろしく出向かれまして、お話の上、本省と國立病院とが角を付き合わしておるというようなことをしないで、まるくやつていただきたいということの希望を切に申し上げておきます。
○苅田委員 社会局長がおいでになりますから共同募金についてお伺いしたいのですが、共同募金は各府縣でこれを自発的に実施しております。そうでありましたならば、この共同募金の委員の構成にいたしましても、各府縣でもつて構成をかえることもでき得ると思いますけれども、その点は厚生省としては別に監督も何もしておらぬかどうかということが一つ。それからもう一つ、このいただきました資料によりましても、昨年の募金の集め方は、個別寄附というのが一番多いわけであります。これに八一%であります。これは昨年の例から考えても、ほとんど強制的な割当であります。これは税金を取り立てると同じだと思いますが、こういうやり方に対して厚生省の当局としては、どういうふうにお考えになるか。そういうふうに強制的に取立てられておることは、まるで税金と同じですから、それに対しての厚生省としてのお考え、この二点について承りたいと思います。
○木村説明員 委員の構成につきましても、地方に一切まかせておりますから、私の方から何らこれに対する干渉をいたしておりません。御承知の通り先般司令部から、共同募金の九つの原則が発表になりました。これにつきましては地方で適当にやるように相なつております。官廳がこれに対して干渉はしないことにいたしております。それから募金の方法におきまして強制的になるという点につきましては、嚴に戒めたいと思つております。從いまして公の肩書を持ちました者が、この肩書をもつてこれを集めるということはしたくないと考えまして、この点につきましても地方には嚴重に示達しております。また各個別に割当てるということでありますが、大体一戸当り平均がこのくらいになるということで、各戸の任意でお伺いしたいと思つております。この点につきましては持つて來る労を省くという意味をもつて、戸別にまわり歩くという方式にいたすように指導いたしておつたわけであります。そういう点につきましては、われわれといたしましてそれに反することのないように嚴に戒めております。
○苅田委員 局長も御存じと思うのですけれども、実際は昔の隣組、町会役員というものが、各町に割当てられました募金の額を持つてまわります。それから学校は学校の方で生徒が割当を持つて來るというのが実情だと思うのです。そういうことは厚生省としても取締つていただきますし、それからもしこれが各府縣であるとすれば、府縣の問題でできると思うのですが、ここで厚生省としては、十分そういうことに対してお考え通りのことを府縣にも嚴重に通達していただきたいということをお願いしておきます。
 それから総司令部から出ております共同募金九原則というものは、資料をすぐわけていただけますでしようか。
○木村説明員 九原則というのは司令部の方で発表いたしたわけでありまして、私の方にあるわけでございません。九原則というのは、たとえば役人がこれに関與してはならないとか、公の施設にこれを配分してはならないとかいうようなことが書いてあるだけでありまして、一應共同募金の今までとつておりますものの考え方がまとまつておるものだと思います。その中にたとえば公の機関の者がこれに直接タツチしてはいかぬということに相なつております
○苅田委員 それは社会局の方にありますか。
○木村説明員 ごらんになるだけなら英文のが一部來ております。
○苅田委員 あとでまたお願いいたします。
○福田(昌)委員 災害対策に対しての最後の希望でありますが、私は今日の災害対策というものについて非常に不満を覚えております。しかし今日セクシヨナリズムで厚生省当局の管轄権がきまつておりますから、厚生当局に対していろいろ御質問を求めてもわからないと思いますので、質問は省かせていただきますが、この次の厚生委員会には、どうか建設省の方のおいでを願いたいと思います。そこで災害に対してのことを承りたいと思います。それから厚生当局に対しましては、結局今日の災害地における厚生対策というものが、やや機動性を欠いておるという点が言えると思います。そのために衛生班の組織を市町村につくらせまして、一旦災害の場合においては、すぐそれが活動に移せるだけの訓練を日常しておくような御指導を願いたいと思います。それから第二には、先ほど堤委員のお話がありましたが、統制のとれてない形において病院が運営した場合のあとの補充ということに対しては問題になるかもしれませんが、統制下において働いたところの病院のいろいろな器財の流用とか、薬品の流用というものに対してなかなかあとで補充がきかないということを聞くのであります。薬剤またそれに関連した物品の補充を、厚生当局において早急にしていただきたい。この二つをぜひ厚生当局において御指導願いたいという希望を付して、私の災害復旧に対する今日の質問を終らしていただきます。
○堀川委員長 それでは次に昭和二十五年度の厚生予算に関しまして、葛西次官から説明を願うことにいたします。
○葛西説明員 それではあとで質問をいただくことにして一應申し上げます、実は予算の関係は今折衝中でありますので、具体的に申し上げますと大蔵省の方の第一次の査定が先日ありましただけでありまして、今押しもどしをしておるようなわけであります。新聞でも御承知のように、十四日ごろの閣議で全体的に本ぎまりになるというようなわけでありまして、目下折衝の途中でございます。從つてこれから申し上げますことに、大体折衝の途中の第一次の大蔵省の内示案、政府のごく内輪のことをごく大ざつぱに申し上げてみたいと思います。
 厚生省の一般会計の予算は、昨年は御承知のようにごく大ざつぱに二百七十五億あつたわけでありますが、本年度の第一次内示は三百二十億ということになつております。このうちごく大ざつぱの内訳の増したのは、四十億ばかりが生活保護費の増加であります。それから七億ばかりが児童福祉法の施行による児童福祉の関係、それから十二億円ばかりが結核の増床計画の要求を認めたというような点であります。そういたしますと昨年度の第一次案くらいというふうなことになるのでありまる。今川井専門員からのお話では、シヤウプ・ミツシヨンのレポートに基く平衡交付金のことを主として申すようにということでございましたから、この中の平衡交付金関係のことを申し上げたいと思います。中に入ると大蔵省が言うて内示して参りましたものが百八十七億でございます。從つてその残りの一般会計と言いますか、厚生省所管になりますものは残りの百三十三億ばかりのものがあります。シヤウプ勧告の言うところによりますと、大体社会福祉あるいは児童福祉、衛生の関係というようなもので一部の補助金を出しておつて、そうして國と地方とで社会福祉、保健衛生の仕事をしておつたものについては、大体これを平衡交付金に入れるというようなことになつておりますので、自然大きな生活保護法の金、児童福祉の金、それから傳染病予防の金、民族昆虫の駆除の金、そんなようなごく大きな億を単位とするようなものの補助金は、すベて千二百億の平衡交付金の中に入れてやつて行くというのが現在の案でございます。平衡交付金が一体どういうふうになつて、どんなふうな手続で使われて行くかということについては、シヤウプ・ミツシヨンのレポートの中にもいろいろに読めるようなところがありまして、私の了解するところでは明瞭でないようであります。從つて政府部内の現在までの折衝の途中においては、この金がどういうふうなかつこうで具体的にいかに配付され、その後いかに監督されどうなつて行くかというようなところは、まだ実ははつきりしておらないようでございます。
 平衡交付金の話に関連しましてシヤウプ・ミツシヨンの報告は、從來の補助金を大体五つくらいにわけておるのですが、第一は今言うように地方の一部、國と地方といろいろな利害がある関係について平衡交付金でやつて行くというようなもの、それから第二は、一部の補助金であつても――特別にシヤウプ・ミツシヨンのレポートに書いてあることでありますが、たとえば結核の予防についてこういういい方法がある、こういういい方法をもし地方でやるならば半分の補助をしよう、奨励的にやろうというわけで補助金を出そう、これは從來通りの補助金でよかろう、これがシヤウプ・ミツシヨンのレポートには百五十億円ぐらいのものが入つておるのであります。第一次の平衡交付金は千二百億であります。それから第三番目は、從來全額の國費をもつて補助して仕事をしているものでございます。これはいろいろな統計をとりまとめる仕事でありますとか何とかいうようなもので、地方に負担をさせることがどうか、しかし國が直接やるわけにも行かないから、地方に補助を出す、そのやり方は地方に渡さず、中央だけで出すというような、金額補助の制度があるのであります。こういうものは内容を検討して、これはむしろ国費としてやるべきである。これを地方へ委託をする場合には地方の金を使わずに、國が十分の金を出してやることが必要である、というふうに書いてあると私は思います。そういう全額補助のものを國費に移して、國が責任を持つてやるべきものというふうなのと、それからもう一つは御承知の公共事業の関係でございます。從來公共事業としてやつておつたものは、これを公共事業としてやつたらよかろうというような点、それからごく特殊な例で長い五箇年なら五箇年の計画を持つて一定の水道を完成しようというわけでずつとやつているもの、それを今率を加えたりすると計画に齟齬を來しますから、かようなものは從來の補助金という形で行われる。具体的に申しますと、今のように五つぐらいの種類で補助金をやつて行く。この大部分のものが平衡交付金千二百億円という非常に大きな額でありますが、そういうふうになります。ことに厚生行政の中におきましては、第一次三百二十億、第二次において百七十億が平衡交付金の中に入る。將來私どもとしてはこの平衡交付金というものの使い方によつては、厚生行政が伸びるか縮むかという非常に大事なせとぎわにあるというふうに考えまして、これが使い方についてはただいま関係方面、あるいは國内のいろいろな緒機関とも打合をいたし、十分私どもの厚生行政が伸びるようにしたいと考えておる次第でございます。從つてただいまここでこういうふうになるということと申し上げる段階に至つておらぬことをたいへん遺憾に存ずるわけでございます。
 なおこれは余談でありますが、お許しを得れば申し上げたいと思いますが、昨日ある縣の知事が私のところへ見えまして、一体平衡交付金はどうなるのだという話をしておりました。これは從來の交付税、デイストリビユーシヨン・タツクスのようになるのか、あるいはそうでなしに、ひもつきというので、この金はこういうふうに使え、この金はこういうふうに使えということになるのか、その知事は、從來の交付税と同じように、ぱつと地方へ行つてごちやごちやに地方で使われるのだろうというようなことを聞いたらしゆうございまして、自分はこういうふうに聞いておるが、ほんとうかという質問があつたわけであります。私ども関係方面で若干漏れ聞いておるところによりますと、かようなものではない、ひもつきで行くものであると、シヤープ・ミツシヨンの中にもそういうところが節々でいろいろ実は見られるわけでありますが、そういうようなことを話しましたところが、その知事は、いやそうしてもらわなければならん、全部地方にまかされてしまうということになると――実はその知事は結核の問題を引いて話ししておりましたが、結核問題というようなことがこの縣では実は大事である。ぜひこれをやらないといけないというふうに思つて、予算を提案したければも、これが議会等から入れられないというようなことがあつて、議会等が、ことに――こういうことを申し上げてよいかどうかわかりませんが、選挙が違いというようなことから、自分のところの道路に入れたいとか、橋をかけるという方面に全部使い切つてしまつて、そうしてそういう経費が削減される。更正してしまうということになつてしまうと、自分としてはバランスのとれた健全な行政が行えないような結果になるおそれがあるので、君から聞いたひもつきのようなことであれば、自分はそういうふうにぜひしてもらいたい。從來のようにあまりこやかましいことをいうであれさるなら返上したい。やはり少しある程度の大わく的のひもをつけてもらつて、これはこう、これはこう、あとは地方で任意でやれということが今の現状としては一番適当ではないかと思うから、これはそういうことにやつてもらいたいということでありました。実は私も内々この平衡交付金について考えておることと、昨日某縣の知事の話しました点とは、心持においては似ておりますから、御披露申し上げた次第であります。なお御質問等によりましてお答申し上げます。
○丸山委員 実はこの平衡交付金のひもつきということを昨日もお伺いしたのでありますが、これをやつていただかないと、とかく地方の更生行政は軽く見られるのであります。他の方へ持つて行かれる危險がありますから、ぜひその線に沿うてやつていただきたいと思います。
 それからただいまの結核増床に十二億くらいというようにお話がありましたが、要求予算のあれを拜見いたしますと、結核増床に伴う物資の整備一億四千万余、療養所の設備六億で千万円余医療機械八千二百万円幾らで、九億ちよつとになつておるようでありますが、まだその他に御要求になつたのでありましようか。
○葛西説明員 これはいろいろなものを結核対策としてまとめて実は申上げたわけであります。今あまりこまかい資料を持つて來ておりませんが、十二億の内訳は後日取調べまして申し上げます。
○丸山委員 私がちよつと計算してみたところでは、増床に伴う物資の整備、それから療養所の整備費、同じく医療機械というようなことであとは一般の経営とか、予防対策、研究ということで、増床とは直接関係なさそうに思うのであります。増床に直接関係のあるのは九億というふうにしか計算できませんが、お調べください。
 それから公衆衛生の方で地方病撲滅研究費というのが二百七十三万円、これは多いのですが、どういうものを目標にしておられますか、研究だけですか。地方病に関してはすでに研究の域を脱してもいい部面があると思うのでありますが、研究費だけで実施に関する費用はどこにも見当らぬようでありますが、またあとでおわかりになりましたら……。
○小川説明員 ただいまの地方病の問題でありますが、地方病の研究費として今年要求いたしましたものは、日本住吸血蟲病の撲滅に関する総合委員会的な経費でございます。そうして実施の面につきましては、從來われわれの承知しております技術指導によりまして、これは寄生虫予防法によつて実施いたしております。なおまた新潟のつつが虫等につきましては、傳染病予防法適用によりまして、実施に不足ない補助費が行くようになつております。
○苅田委員 廣島地方の片山病、これはこの委員会にも請願が出ておりましたし、それからこの夏中國地方の厚生視察としても、片山病というようなものは根絶できない病氣ではない、現に山梨縣の方は相当の成績をあげておるのでぜひやつてもらいたいという申請をしてあるわけですが、この問題はどういうふうに取扱われておりますか。
○小川説明員 山梨縣の場合と廣島縣のものと同じような場合でありまして、ただ廣き、あるいは縣の財政力と地域との関連で、從來は山梨縣につきまして特別に補助を行つておりましたが、本二十四年度からは同等な取扱いになつております。これは寄生虫予防法によりまして、いわゆる実施の面につきましては、市町村のやりました分につきましては縣より三分の二補助し、縣に対しまして國が二分の一補助するというわけで、縣なり市町村がおやりになればなるだけ補助が行くようになつております。なお二十五年度に対する特別の考え方といたしましては、山梨縣と廣島縣のいわゆるみやいり貝の生棲を防止するために特別浚渫を設置する予算を安本に要求いたしております。
○苅田委員 どのくらいの額ですか。
○小川説明員 ちよつと額は記憶しておりませんが、山梨縣につきましては一万一千間という長さ、廣島縣については九千間という長さで要求いたしております
○岡(良)委員 次官にお尋ねいたしたいと思いますが、昨日の保健局長からの御報告で、社会保障制度審議会の生活保護制度の改善強化に関する勧告の中にうたわれております、すベての國民に対しこの制度の定めるところによつてその最低生活を保障するというこの原則を、厚生省としてはご承認になつておられるのかどうかということをまずお伺いいたしたいのであります。
○葛西説明員 生活保護法は御承知のように最低生活を國が保障するという建前でございますので、憲法の第二十五條の精神をくんであるものであります。ただ國全体の物資というものがありますので、全体の物資の配分に関しまして若干の権限はありますが、そういう意味におきまして、最低生活を保護すると書いてありますから、根本的にはあの線を承認しておるもの、こう了解いたします。
○岡(良)委員 そこで今お話のシヤウプ勧告の平衡交付金の問題でありますが、千二百億という非常に巨額であるとおつしやいますが、それが本年度の額は地方では期待されておつたのが三三%から二七%に減額されたために、地方の知事会議においても、交付金の増額を非常に要求されておることは御承知の通りであります。そこでかりに生活保護制度の改善強化に関する勧告を見ますと、あるいは保護機関に関しては國の職員の設置に要する費用の二分の一は負担しなければならない、あるいは都道府縣に対しては保護施設の設置を命ずるというふうなことが予算にからまつて来ることと思います。あるいは保護費に関する問題は、主項とも含みを相当大幅に持つように期待されておるようでありますが、現在の千二百億の平衡交付金そのものが、これは生活保護法等の國庫補助を除外されて、すでに都道府縣としては、期待をいたしておつたものだと私ども考えておるのであります、そこで百数十億の生活保護に要する十分の八の國庫補助費というものは、これは今おつしやるようなひもがついたものとして認められるかどうか非常に不確かであるというお話でありますが、これはやはり確実にひものついたものとして、千二百億のうちの百五十億のわくがかわることになるものと思いますが、この点が、將來の生活保護制度の運用のために非常に重大なポイントだと思います。どういうことになつておるのでありましようか。
○葛西説明員 私の申し上げ方が、あるいは先ほどの私の了解が間違つておつて間違つた答弁をしたかと思いますが、社会保障制度審議会が過般生活保護制度についての勧告をいたしました。社会保障制度審議会として政府に勧告がありましたので、その基本的な制度に政府が認めておるわけであります。ただ個々の点になりますと、これは財政との関係がありますので、ただちにあの勧告通り実施できるかどうかという点については、実は実施できるものもあり、できないものもある。こういうふうに御了解いただきたいと思います。
 それから第一の、今の生活保護について、最低生活を保障するのに金が行くだけでは非常に不安だというお尋ね、実は私どもまつたく同様に不安に思つております。生活保護の金は、御承知のように今年百十億ばかりあるのでありますが、これが來年に四十億ばかり増すことになつております。これは私どもの見るところによりますと、若干の人数の増加もありましようし、それから内容の改善等も必要だというふうなことで総額で入つておるわけでありますが、あと何分の一の補助というような点につきましては、平衡交付金のわけ方によりまして、実は大分違つて来るだろうと思います。たとえば大阪のような府を例にとつて考えますと、大阪府のような比較的財政に余裕のある縣と、鳥取だとか島根だとかいうような比較的財政に余裕のない縣におきましても、同じような率で補助をするということでありますと、なかなか十分な補助が行かない。その地方負担にたえかねるというような実情があるのでありますが、これを平衡交付金によつて、富んだ府縣あるいは富んだ市町村と、そうでない市町村との間に差をつけて、一律に大阪でも二分の一、鳥取、島根も二分の一ということでなしに、そこの間に地方で負担していただく地方の負担部分に対する補助といいますか、國の方から行く金に差をつけようというのが、今度の平衡交付金の主たるねらいであるように私ども了解をしておるわけであります。そうなりますと過般社会保障制度審議会で勧告をいたしました二分の一をどうするとか、地方でどうするとかいうようなことは、その通りには実行できないことになつて参ります。要するに大阪に住んでおる人も、それから島根縣に住んでおる人も、鳥取縣に住んでおる人も、とにかく國の施策としてやる場合でありますならば、同じ待遇を受けられるようにしたい。そのためには地方の負担力によつては、なかなかできないというような所があるから、そういう場合には平衡交付金の操作によつてそれをうまくあんばいして行きたい、というのが平衡交付金のねらいのように思いますので、そこらのところがちよつと違つて参る。ただ何にいたしましても生活保護法は相当大きな金でありますので、平衡交付金なり何なり、國の方から生活保護として出ますものは相当額の計上を要する。しかしてこの計上を要しましたものについては、先ほど丸山委員も強くお延べになつたように、私どももまつたく御同感でございまして、これはある程度ひもをつけて、こういう金が行つているのだから、この方面にこの金は使わるべきであるというように、制度を立案したいものだというふうに考えておるわけであります。
○岡良委員 大体現行の制度では、一世帯当りの生活保護のための交付金は五千二百円程度だと思いますが、これは地方によつて物價事情その他の事情によつて、非常な差があることと思います。そこで國が最低生活の保護に当ろうとする場合に、その基準をどこにおくかということ、その地域、物價事情等によつて、多少ともそれを多く交付しなければならないという場合において、そういうふうな実情に即した交付金の差額等を地方が操作をするのか、あるいは國が操作をするのかという点について、何か厚生省としてお考えになつておるのでしようか。
○葛西説明員 生活保護の最低の生活の基準と申しますか、生活保護の給與の基準というのに、御承知のように現在でも三段階くらいにわかれておりまして、大都市のようなものとそうでない市町村とは、基準のきめ方が違うわけでございます。さらにそれを各府縣等で、ここは特別だというようなことがあれば、さらに地方等で相当の手続きを経た上で基準を変更することもできることになつておるので、あります。從つて東京の最低生活と島根縣の最低生活を金に見積りますれば違つて参ります。そこらの操作はできるように現在でもなつておりますし、將來といえどもやはりやつて行かなければならない。それを今度は財政的に補助金で裏づけて行くやり方の問題でありますが、これは先刻も平衡交付金全体のところで申し上げたように、現在のところは、まだどういうふうにしてそれを各地方の差をつけて行くようなことをやつて来るかということは、実はきまつておらないのであります。シヤウプ・ミツシヨンの報告によれば、五人の専門委員ができまして、地方財政委員会かが何かできて、そこで検討するとになつております。この委員は國会の承認を得て内閣が決定する。その委員会も何もできておりませんし、政府の方でもどんなふうにしてどんな手続きでやつて行くかということについては、まだ未決定であります。
○岡(良)委員 百五十億余を今度予算として計上されておるようでありますが、これは生活保護の関係の費用であります。今度千二百億になつたが、この中にこの百五十億も含まれるということになると、はたしてこの百五十億がひもつきとして確保されるかどうかということが、私どもは非常に心配になつております。そういう点でできるだけの御努力を願いたいのですが、そのほかにも公衆衛生局なり社会局なり、廣くたとえば昨日保險局長のお話では、国民健康保險の國家の補助の九億の中で、施設の補助は認められるが、事務費の補助の四億は認められないというお話でありました。現在国民健康保險は、御存じのようにまつたく崩壊に瀕しておりますが、そこにこの事務費までも今度のシヤウプ・ミツシヨンの勧告の線から除外されるという、補助の対象にならないということになりますと、国民健康保險の制度そのものの崩壊を促進するようなことになると思います。そういう事態が各局において起り得る可能性があるのじやないかということを私ども老婆心として心配するのであります。そこで、これはやはり厚生省として、各局において、そういうシヤウプ・ミツシヨンの勧告の線に沿うた場合における予算の操作があるいは困難になり、あるいは楽になるというような点について、何か正確なデーターをできるだけ近い将來出していただいて、必要があれば大蔵委員会との合同審議にでもかけて、厚生行政の運営の財政の面でなるべく円滑に行くように私どもして参りたいと思いますが、そういう点で各局のシヤウプ・ミツシヨンの勧告に基く予算措置が実施された場合、それか厚生行政の運営上非常な支障を來すというような点について、具体的な数字をあげて私どもに率直に御報告願えませんでしようか。
○葛西説明員 ただいまお延べになりました厚生省の方の関係で、先ほど百八十七億の金が平衡交付金に入つていると私実は申し上げたのでありますが、その内訳はまだ実は多少の出し入れがあるわけであります。もう少し増してもらわなければ困るというようなわけで、目下要求しているものもありますが、千二百億円の中に入つている百八十七億の内訳は、これに内示がありましたから、お示しできると思います。しかしそのほかの、千二百億の中の先ほどお延べになりました地方の方でどのくらいほしい。あるいは教育費、あるいは道路の費用というようなものも入つておりますから、こういうものを全部やりますと、これは厚生省の所管ではありませんから、お延べになりましたように大蔵委員会なり何かで御審議いただくことになります。私どもの方の内訳はお示しできると思いますが、ただいま実は資料を持つて來ておりませんので、何も申し上げられませんが、百八十七億だけの現在の内訳はお示しできると思います。
○岡(良)委員 なおこの機会に昨日丸山委員からもお尋ねがございましたが、政府管掌の健康保險が、昨日保險局長のお話では、大体保險料率を千分の五十五に引上げてなおかつ二十二億の赤字が出るということでありましたが、それをどういうふうに財政的に措置されることになつているでしようか、この点をちよつと伺いたいと思います。
○葛西説明員 私は今ここに資料を持つていませんので、大ざつぱなことしか存じませんが、すでに健康保險の赤字が大分出ておりますから、標準報酬を一割引上げまして、それから両立もお延べになりましたように千分の五十五というふうにとることにしております。ところが、どうも私どもの見るところでは、ただいまのところ千分の五十五というようなものをとつて行きますことができるかどうかという点を多少心配しております。そこで、そういうことになりますと赤字ができますので、これに対する方法としては三つしかないだろうと思います。一つは今の医療費の、金のかかる方を止めることと、それから一般会計から入れることと、もう一つは事業主なり労働者なりからたくさんもらう、こういう方法しかないわけでございます。現に今のお医者さんの方の、世間で言われております濫診濫療というようなこと、あるいはまたいろいろな不都合等があつては困るというので、そういう方針でやつておりますから、多少ずつ改善されて行つているように思います。しかし、そうやつてもなお赤字が出るということになりますれば、残つた方法は、事業主や労働省の方からもう少し標準報酬なり――標準報酬は賃金の上りがとまりましたので、ちよつととることはむづかしい。そうすると料率を上げるという手よりないが、これは法律を改正するということになりまして、國会の御承認を得なければならぬが、そうするか。あるいは一般会計から入れるかというより手がないわけであります。そこで政府――というより厚生省の希望としては、むしろ一般会計から入れて、これに御承知の通り、社会保障制度審議会の第一回の勧告いも、社会保險の現状にかんがみて、医療給付の一割及び事務費の全額を國庫から保險に交付してもらいたいという勧告が出ておりますので、その線もあり、私どもとしては、できるだけそういうふうな方向へ一般会計から入れてもらうというふうな状態で進んでおるわけでございます。ただいかんせん閣議におきましても、大体のわくはきまりまして、操作として残つておりますそのわくを、あちらからもこちらからもとり合う、こういうことでございますので、どれくらいわくから配当を割当てていただきますかわかりませんが、私どもといたしましては、現状にかんがみて、残つた二つのうちで事業主や労働者からとるというようなことよりも、むしろ一般会計の方なら入れてもらいたいというようなことで今折衝をいたしておるのが目下の現状でございます。
○岡(良)委員 実はもつと具体的に、たとえば積立金のわくを流用するとか、政府から無利子の金を借りる話しも、厚生省の関係方面から傳えられておるようでありますが、さしあたり二十二億予定されておる赤字については、そうした数字の上での保障が今年度の方針として立つておるのでございましようか、その点を伺いたい。
○葛西説明員 今年度の話でございますか。
○岡(良)委員 そうです。
○葛西説明員 今年度の赤字の話は、一應は年度末まではそうなるようなふうに考えております。というのは積立金を一時利用することにいたしまして、それから保險料の法律で許されておる最大限まで、千分の五十五だけとるように措置をいたしでおります。標準報酬も上げました。そんなことで若干収入に入つて來る方もまして來ております。それで行きますと、積立金を使つたり、そんなことをやりますと、結局年度末までに、それから保險料を調停をしましてから現金で持つて來るまでの間に若干ひまがかかります。それをなるべくスピーデイにやるというようなことにいたしますと、二十二億といい、あるいは三十億といつておつたものが、大体十億ぐらいで済みそうでございます。それで十億の金はこれは一般会計の剰余金の方からこれを借りることにいたしまして、もう手続いたしております。それで本年度内はどうやらこうやらその借入金をもつて、とにかく赤字なしでやつて行ける。その計画通りに行きますれば、赤字なしにやつて行けるというふうなことになつております。年度末になりますと、実際われわれの計画が具体的に行くかどうか、そこらはまだ予測分ができませんが、濫診、濫療の方をとめるというようなこと。それから今の事業者や、また労働者の方からも若干金を収めてもらうというようなことが、とにかく計画通りに行きますれば、本年度内は赤字なしで行けるという話になつております。
○岡(良)委員 一般会計等から多少の差繰りをして、当座の危機を突破したいというお考えでございますが、医療給付について政府が補助をするということは、やはり法律改正を待たなければできないと思うのですが、今度の國会等においては、そうした改正案を御提出になる御意向でございましようか。
○葛西説明員 これは当然そういういうふうになりますれば、法律改正を要することもあろうかと思います。そうなれば改正法律を出さなければならぬ。ただいま申し上げましたように、予算折衝の途中でございます。十五日になるときまるわけでございます。それまでの間はきまらぬものですから、そういうふうになるかならぬか、実はただいまのところ申し上げられないような状態でございます。本年度内の方は、一應今のようにして段取りができております。來年度のことになりますと、まだ実は一般会計の方に入れるということになるか、あるいは事務費をどうするということになるか、そんな点がまだ未確定なものでございますから、法律案を出すか出さぬかという点については、まだはつきりしたことを申し上げられないのであります。
○岡(良)委員 医療給付費を國庫が補肋するかしないかということは、これは政府管掌の健康保險制度の大きな質的な轉換だと私どもは考えております。そういう意味でわれわれとしては、多年医療給付費は國庫がある程度負担すべきであるという観点から主張いたしておるのでありまして、厚生省は、思い切つて医療給付の一部を國庫が負担するというふうに明文化するように、私どもとしてはお願いいたしたいのであります。
 なお保險財政でありますが、終局的に現行の健康保險の赤字の問題は、政府管掌は別といたしまして、昨日も保險局長にお忘れしたのでありますが、きわめて御答弁があいまいでございます。すでに基金法によりまして、保險者としては、一月中の預託金を納めなければならないことになつておりますが、実際基金法の口座については、ここ数箇月の間、ほとんど法律によつて規定された政府の義務が果さておらないということも聞いておるのであります。こういう点は厚生省としては、どういうふうに大蔵省その他に御折衝なのか、私どもとしてはきわめて怠慢のような感じがするのであります。そういう点について少し内輪の御事情をお話願いたいと思います。
○葛西説明員 基金法の金が実は満足に行きませんで、若干お医者さんに対する医療費の支拂いが遅れておつたわけで、この前の國会でも非常にやかまつしく督促されたわけでございますが、保險料が拂えなかたというのは、実は保險料が入らなかつたからでございます。それで保險料を取立てるという点に馬力をかけまして――初め保險料が一番悪いときは三割程度くらいしか入らなかつたのですが、馬力をかけましたために、最近では私の承知しておるところでは、大ざつぱに言つて七割くらい入つておるようでございます。最近保險料の方も大分入りつつある。それから保險料の未納の多い健康保険組合については、組合管掌で納め得ないものは解散を命じて政府管掌に吸収するという措置も講じております。そんなようなことで大分保險料が入つて來まして、悪いときで三割であつたのが、大ざつぱ言つて七割くらい入つておるように私は聞いておりますだ。から基金の方にもだんだんと入つて來ております。ところがもう一つ根本的には赤字の問題があつて、としても入り方が少いものですから、とりあえず先ほど申しましたように特別会計から十億ばかりの金を借入れまして、それを基金にやつて支拂うというようなことになつておりましたので、最近は大分支拂いも進んで來たように思つております。一月半くらいですか何かで、大分基金の方にも金が入り、支拂いも進んで來ておる。こういうふうに承知をいたしております。なおこれをもつて満足すべきではありませんので、できるだけ保險料を納めてやつて行くというふうにしたいと思います。
○岡(良)委員 保險料が入らないから預託金が納められないのだというふうな御意見ですが、これは別なものじやないでしようか。保險者としては法規上に法律に規定された額を、やはり法律に規定された日までには当然金庫に拂い込むべきじやないかと考えます。それからいろいろな事情からいたしまして遅拂いになつておるということが、医療報酬の医師への支拂いの大きな停滞になつておると思うのですが、こういう点は政府として保險者である委譲、当然納付義務として預託金の予納ということについては、嚴重に励行していただかなければならぬと思います。
 それからなお今、保險料の各事業主からの支拂いについて御意見がございましたが、私どもの地方でも、被保險者である労働者から集めたところの保險料を、自己の経営の赤字補填にまわしておる、そのために告発されておる工場もあるようであります。これは一般的に見て現在の金詰りから來る賃金の遅欠配に準ずる、工場としての余儀ない事情になつておるんじやないかと思うのでございますが、要するに健康保險制度が全き運用を見て、被保險者が喜んで被保險者としての診療を受けられるという建前になるということは、とりもなおさず勤労者の実質賃金がそれだけ充実されるということを意味すると思うのであります。そこで、たとえ保險料支拂いについては、日本銀行等が保証をして地方銀行が優先的にこの金融をやるという方式が、かつて賃金の遅欠配については大蔵省の省令等で出されておつたようでおりますが、そういう措置が講ぜられないものでしようか。
○葛西説明員 第一のお尋ねの、保險者である國が、保險料の入る入らぬにかかわらず、基金に預託をすべきではないかという点につきましては、私実は條文や何かを持つておりませんし、詳しいことを申し上げかねるのでありまして、これは取調べまして、間違いのないところを申し上げさせていただきたいと思います。
 それから今会社等で、労働者から出しましたものも、自分の分も出さないで、保險料を他に流用して納めずにおるというふうな実情があることは、これは御説の通りそういうのもあるようであります。從いまして、これを嚴重に納めてもらいたいというふうに今やつておるようでありますが、納めるには納めるようないろいろのことをしなければならぬではないかという点について、ただいまいろいろな例をあげての御説でありますが、何かそういうことをしたいと思つておりますが、私今具体的にこういう措置をとることになつておるという材料を持つておりませんし、正確にお答えできないことをたいへん申訳なく思つております。
○堀川委員長 まだあと通告者がありますが、相当時間がたつておりますから、できるだけ簡單にお願いいたします。
○福田(昌)委員 私も社会保險、ことに健康保險についてお尋ねしようと思つておるのですが、岡委員の御質問で大体了解できました。とにかく岡委員の御希望がありましたように、私も健康保險の経済の危機というものは、國庫の補助において解決していただきたい、それに対しての厚生当局の積極的な立案を希望するものであります。医者の負担とか、また事業主、あるいは被保險者の負担において保險経済を切りもりやつて行く、赤字が出れば、それを何とかその場ふさぎ、その場つくりのことをやつているという現状のままであつて、いつまでたつても保險経済の危機の打開、また健全な健康保險の運営ということはできないわけでありますから、保險経済を健全にするためには、何といつても國庫の補助がなければならない。その意味が厚生当局の積極的な立案をお願いいたします。
 これは健康保險と別のことでありますが、二十五年度の厚生予算におきまして、優生保護法に対する予算というものがどういう状況になつておるか。優生保護法だけをとらえて考えますと、非常に小さい問題だとお考えになるかもしれませんが、今日の日本の人口問題に関係する問題でありますから、これは國家の政策的に大きい問題だと思います。從つて優生保護法に関するところの予算についてひとつお願いいたします。
○三木説明員 優生保護関係の來年度予算についての御質問でありますが、御存じのように、まだ第一次査定が終つたばかりで最終的にきまつておりませんが、私どもといたしましては、例の優生保護委員会、それから思想普及、それに断種関係の予算の要求をしておるのでありますが、強制断種につきましては、わずかに認められておるという段階でありまして、これはぜひとも増額してもらいたいということを折衝いたしております。それからなお委員会並びに思想普及の面につきましても、ぜひ所要の予算をもらいたいということで、再度復活要求をしておるという段階でございますが、しかし見通しといたしましては、大した増額は困難なのではないか、いずれきようの午後大体のことがわかると思いますが、さような状態でございます。
○福田(昌)委員 優生断種の強制的な面に対しましての國庫補助というものが、聞くところによると今年度は五十何万円だということでありますが、そういうようなちつぽけな現状において、今日の優生学的な人口対策をはかるということは、およそお話にならない状態だろうと思うのであります。具体的な金額のお示しがございませんでしたが、私は厚生当局のもつと積極的な活発な人口対策というものを切望するものでありまして、今のようなきわめて積極的な対策におきましては、今年の入口対策もまたお先が見えているという非常に残念なものを感ずるのであります。民族の逆淘汰を防ぐために、バース・コントロールというようなものものでは堪えられながら、今日の厚生予算では殆んど有名無実であつて、何らの対策もとれて行かない。しかもこれはほかのことと違いまして、一日、一月をのんびりと構えておるわけには行かない問題であります。もつと積極的な厚生当局の活動を重ねて熱望いたします。時間がございませんから、優生保護法に関しますところの予算関係の質問はこの次に譲り、きようはこの辺で質問を打切らしていただきます。
○苅田委員 具体的な資料をたくさん持つておりますので、あまり詳しい御質問はできないのですけれども、総体的にこの前の第五國会のときの問題から考えましても、厚生省関係の予算は非常に少いということが、私どもとしては非常に大きな問題だつたわけです。今年度は第一次内示案は多少ふえているようですけれども、この程度のことでは、やはり昨年同様、やりたいことについての非常な困難が至るところできて來るのではないかと思う。今わかつている点だけから考えまして今も、生活保護法が本年度百五十億くらいになるという話なんですけれども、それはもうすぐ今度の議会でいろいろ鉄道の貨物運賃などが大幅に値上されると言つておりますし、それから主食なども値上りが予想されているということから考えましても、それだけでも物價はうんと上つて來ておりますし、特に今社会保障制度審議会あたりで問題になつておりますように廣汎に生活保護を適用するということになれば、これだけの予算ではとてもまかないきれないのではないかということかあるのですが、もつと予算をふやすということについて厚生省の方ではもちろん努力しておいでになるでしようし、私ども厚生委員会としてもつと御協力できることがあれば、その点でももつとしたいと思うので、そういう関係のことをお話願いたいと思います。
○葛西説明員 苅田委員の御説はまつたく私どもも御同感でございましてとかく國政の中において、われわれの公衆衛生、福祉の仕事についての認識が、予算面でもまだ少いということについては、私どもも御同感に思つております、だから第一の内示では満足せずに、実はただいまここに來ている間でも、大蔵省とやつているわけであります。私どももぜひ皆様方の御援助を得て、相当の衛生、福祉の予算を計上して國会の御審議を願いたいと思つているわけであります。大臣もただいま出ておられますが、実はこの予算の問題につきましてはたいへん御心配でございまして、これに一番力を入れてやるのだと言うておられますので、私どもも大臣の語尾に附してできるだけ予算を獲得したいと思つております。
○苅田委員 次官の御希望は私ども了解いたします。それがそちらだけの運動でなおこれから廣げられるという見通しはあるわけなんでしようか。その点率直にお伺いいたします。
○葛西説明員 私どもといたしましては、あまり抽象的なことですが、実は國会でも問題になつておりますような生活法の問題はもちろんのこと、児童福祉、ことに未亡人の母子寮、保育所というような問題、あるいは保健所の計画、結核予防の計画、あるいは公共衛生というようなもの、相当手廣く予算を大蔵省にはお願いしているのでありますが、見通しはどうかというと、先ほども申し上げましたように、先般の閣議では大わくの予算は決定いたしまして、雑件として残つているわけであります。あるいは大きな補給金をどうするとか、あるいは平衡交付金はどれだけという大きなわくだけは、先般閣議で総額は決定になつております。そうして雑件として残つている。あれは千五百億でありましたか、残つているわけであります。これを各省雑件の中からもらつて來なければならぬ、そうなりますとおのずから限度がありまして、十分もらえるかといえば、どうも見込み薄だと申し上げるよりしかたがない。たいへん残念なことでありますが、しかし予算に占める衛生、福祉の仕事のことから考えて、できるだけもらいたい、こう考えております。
○苅田委員 たいへん心細い御答弁でありますが、私どもとして、厚生委員会の方からも強力にこれはお願いいたしたい、よろしくお願いいたします。
 次に厚生省の中の予算のわくのとり方ですけれども、それも詳しいことはわかりませんが、たとえば鼠族、昆虫等の費用ですが、これは昨年も厚生省の予算の中で非常に多かつた。やはり六十何億であつたと思いますが、大体今年もそういうふうな程度に出るように聞いております。それに比べて結核に対する予防費が、その半分にも足りない状態です。これはもちろんねずみやのみをとつていただくことは、非常によろしい。そのために一般の傳染病が少くなつていると思いますけれども、しかしきまつている予算をわけなければならぬというならば、やはり省内の比重を考えなければならぬと思います。そういう点で結核なんかに対する予算が非常に今年度も少い。大体三十何億というふうに聞いておりますが、そういう点についてそれを省内ではかつてに動かせない問題があるのか、あなた方の方でそれをにらみ合せられた上で、これで十分だとお考えになつたのか、その辺をひとつ御説明願いたいと思います。
○葛西説明員 ただいま御指摘の点まことにごもつともと思いますので、私どもとしてはできるだけ重点的に、一番大事なところにやるというつもりでございます。実は一昨日の予算の第一次内示がありまして、あとすぐ大臣以下私ども局長みな集まりまして、どちらに主力を注いでやつて行くかということについて、御相談を願つたわけでありますが、もうわくがきまつておりますから、もちろん御趣旨のようにしてできるだけ重要な面に向けて行こう、こういう心構えであります。但し鼠族、昆虫の点についてはえらい簡單なお話でございましたが、これは三木局長からも一言あるだろうと思います。必要があれば三木さんから……。
○三木説明員 鼠族、昆虫の予算は、昨年約七億でございます。これは、國庫の関係が七億でございます。これに地方費が加わるから、約倍額になるわけでありますが、それに対して結核のうちフイールドの診療所以外の予算は八千万円であります。これはまことに当を失していることは、私どもも重々考えている次第でございます。ことにこの二つの仕事は私の局の中にありますので、そういう点もしかるべく強調すべきであるという御意見をお持ちになるのは、当然であると思います。ただ私ども鼠族、昆虫の予算というものは、これはいろいろな事情もありますし、かつまたこれによつて鼠族、昆虫が媒介する傳染病も相当減つているというような事情もございますので、これが遅く近ごろできたものであり、力も入れなければならぬという点で、これは必要だと思うのであります。これに比較してフイールドの予算が少過ぎるという点で、実は厚生省としても結核は非常に大きく取上げておりまして、結核対策ということで強くやつて行くということでありますが、しかし療養所についても不満もありましようし、ことに私どもの関係の結核のフイールドの予算は、内示額ではとうてい承認できない。これは私どもとしてはあくまでも大蔵省と折衝いたしまして、鼠族、昆虫をへこますというのではなしに、結核部門をひとつふくらまそうという努力をしておるのであります。いろいろと御指導をいただきたいと思います。
○堤委員 先ほど苅田委員から御指摘がありましたが、まことに次官を前にして失礼かも存じませんが、厚生省が大蔵省あたりに予算をおとりになるのを見せていただき、また地方へ出まして、厚生省の仕事に従事いたします人たちと意見を交換いたしましても、あつという間に厚生省の本省が予算を削られてしまつて、非常に予算をとるのが下手だという非難が多いのであります。私は縣の地方の教育委員会というものを見せてもらつておりますが、ちようと厚生省と似た存在のような氣がいたします。最後のところは大蔵省の許可がなかつたらわれわれはもらえない、というような御返答をどの局長もなさるのであります。まことにたよりない話でございまして、およそ経済復興をいたしましたならば、七五%ぐらい、この厚生省を中心とした社会福祉の事業の施設のために使われる費用を持たれて、当然だろうという考えを私は持つておりますが、それに向つて進んで行かなければなりませんのに、今の内示案は、幾らの要求に対して第一次内示案をおもらいになつたか、私詳しくその辺は存じませんが、まことに失礼な言葉かもしれませんが、全國的な批評が、厚生省に対して教育委員会くらいの程度しか御活躍願つていないといような御批評があるということを申し上げて、私の希望にかえたいと思います。
○丸山委員 今の予算項目の問題ですが、この項目は省内でも、たとえば向うのものをこつちにやるという費目の移動ができるのでございますか。
○葛西説明員 これは査定当局とよく相談をしますが、大体のことは、こつちからこつちにやることは現在いたしておると思います。
○丸山委員 そういたしますと結核の問題ですが、たとえば結核両省署増床に伴う諸物資整備に要する経費が一億七千四百六十七万円、ところが十六、十七、十八、十九の項を見ますと、國立病院、國立療養所の統轄運営の経費のために五百万円、國立病院の指導監督に要する費用が十二億円も要求している。それから國立療養所の指導に七百万円、國立療養所の経営講習会でさえも五百五十九万円、それを合せると十二億五百万円ぐらいになる。この経営指導監督費だけに十二億五千万円も必要だということになれば、どうも國立病院とか國立療養所というものは、よほど指導をやらないとやれない連中がやつているのじやないか。ところが実際にやる方の資材とか、建物とか、あるいは予防対策強化に要するものは、三億とか四億とかいう一けたぐらい違つた程度のものです。これを見ると、どうも納得いかないのですが、國立病院の指導監督に十二億円使うというのはどういうわけですか。そういうものはもう少し実際面に移動させるということはできないのですか。何かこれは意味があるのですか。
○葛西説明員 御質問の点は、実は指導監督というような書き方が悪いのかもしれませんが、医務局の人件費が若干こういう所に入つて來ております。内容をごらんいただきますとわかると思いますが、指導監督という字は実はおかしいのだろうと思います。人件費が入つておりますし、それから講習というようなものになると、これはほんとうの講習だと思いますが、指導監督という文字の中には、実は予算の科目から行きますと、ある程度その局の人件費が、大部分そういう所に入つておるのでございます。これは内訳をごらんいただきますと、そうむりなあれをしておるのではないように思います。これは多分看板が悪いのじやないかと思います。あるいは一般会計からの繰入れが入つておりますが、これはよく詳しく私ども知りませんが、あるいは例の二割五分でございますか、こういうものが一般会計からこの項目に便宜入つておるというようなことで、載せておるかもしれません。なおこれは内訳をごらんいただきますと、御納得が行くかと思います。
○丸山委員 内訳が実は私どものところにないのでありまる。
○葛西説明員 実は今、私どももこれだけしか持つておりません。
○丸山委員 指導監督だけに十二億も使われては……。
○葛西説明員 それは多分医務局関係の人件費と、それからあるいは便宜一般会計からの繰入金みたいなものがここに入つておるかと思います。というのは、療養所関係の指導監督とは大分金額が違いますから、これはおそらく繰入金がこの項目に入つておるというようなことかと思いますが、違つておりましたら訂正いたします。
○堀川委員長 ちよつと苅田委員に申し上げますが、時間が相当たちましたので、大塚、佐藤両事務官は來ておりますが、ひとつできれば個人的にお話を聞いてもらつたらどうかと思います。さよう御了承願いたいと思います。
○苅田委員 時間がないのでございましたら……。
○伊藤(憲)委員 先ほど資料がないかと言いましたら、まだできてないというようなお話でありましたが、先ほどから質疑をお伺いいたしますと、與党の丸山委員だけが資料を持つておられるようですが、どういうわけですか。
○丸山委員 それは私から申し上げましよう。私がこの資料を入手いたしましたのは、専門委員室に参りまして、専門委員の持つておりましたのを拜借して参つたのであります。
○伊藤(憲)委員 われわれの不勉強もありますけれども、もし今後専門委員室にわざわざ行かなければ、そういうことが行われないというならやむを得ませんが、大体こういうことを説明なさるときは、簡單な資料でけつこうですから、ひとつ公平にお渡しを願いたい。
 それから、先ほど次官のおつしやつた本年度は二百七十五億弱、二十五年度は三百三十億とおつしやつたように伺いましたが、さようでございますか。
○葛西説明員 そうです。
○伊藤(憲)委員 そうしてふえたのはどこでふえたかというと、生活保護費で四十億、児童で七億、それからベツドの増床で十二億、こういうようになるのですが、三百三十億から二百七十五億を引くと、四十五億だけがふえておる。ところがこのふえるという総額が五十九億ばかりになるのでございますが、これはどういう違いですか。
○葛西説明員 これは一年度限りで済んでいるようなものと、用度調弁的なものと、それから昨年は実は行政整理がありまして、人件費が減つております。そんなようなことで、多少の差額はあります。
○伊藤(憲)委員 先ほど岡委員から御質問がありまして、これはいろいろなことで問題になるのですが、最低生活の問題でございます。これは厚生省の予算がふえたのも今言つたようなところで使われるので、実際上は厚生省の費用というものは低下するのではないかと思います。そこで私どもは次官が見えられるようですが、今ではたとえば東京都では、五人家族では四千四百円というような保護費の額になつております。これではどう考えても文化的どころではないのですが。大切なことは、もうこういうことが許されるとすれば、むしろ生活保護費というのは、生活保護費のための予算ではなくてまさに低賃金のための予算になるということです。五人家族で四千四百円が最低生活とすれば、これは低賃金になつて、次官の俸給にも及んで來ることになる。こういう点では先ほど國の資材の問題云々を言われましたけれども、現に輸出滞貨だけでも一千億云々というようなことを言つておるが、決してそういうことは言いのがれにならない。医務を扱つておる厚生当局としては関係各省に対し、また政府部内においても、もつと確固たる態度をもつて、この問題を決定していただきたいと思う。そうでありませんと、かりに今年も同じように五人で四千四百円としても、去年よりは実質的には低下しておる。さらに先ほどの健康保險の問題につきましても、こういうことから轉じて労働者の賃金や何かが低下すれば、当然の結果として保險費やなんかも低下して行くので、厚生省で計算しておることはとらぬ狸の皮算用というようなことになると思う。私はこのことで皆さんと討論しようと思いませんけれども、そのことを一つ希望しておきます。
 もう一つはベツドの増床の予算の問題でございますが、これは一、二箇月前に出した増床計画に基くものでしようか、とりあえずどれぐらいのところを目安にしておるか、こういうことをお願いしたい。
○葛西説明員 第一の生活保護費の問題でございますが、実は今五千円ほどというような最低の基準を実はきめておるわけであります。手きびしいお話でございましたが、実は私どもも最低生活はどれくらいでやるかというようなことで、実はこまかく計算をして、年齢別による必要カロリーを基礎にしまして、今はこれくらいとれる、またとらなければならぬというようなことで一應計算をしておるわけであります。これは御承知のように物價の上昇に伴い、実は改訂を要するのでございます。從いまして生活保護法実施以來、私の記憶によりますとすでに十二回か十三回改訂をしております。米價等の引上げのありますときには、大抵必ずといつていいくらい引上げております。この点の努力は今後といえども一番大事な点でございますのでぜひやつて参りたい、かように考えております。
 それから増床の点は、実は大体三箇年間で八万床にしたいというような計画でございまして、今年度はその年度計画によりまして大体一万五千床の要求をいたしております。先ほど丸山から御指摘のありました九億かあるいは十二億かという増床のやつは、そのうち大ざつぱに言えば五千床だけは財務当局も認めまして、來年度はまず五千床の予算が國会に提案できると思います。なお私どもはもう少しこれはやりたいということで強く希望して折衝しておるところでございます。
○伊藤(憲)委員 そうしますと、きのう言われました人口動態というような統計によりまして、今年の五月の結核による死亡者が一万三千幾らになつております。五月という月が一番多いかどうかしりませんが、十二倍いたしましても、いわゆる結核白書といつて新聞に出た数字よりふえておるわけです。とにかく今三百万ないし四百万の結核患者がいるだろうということは、識者の間の一致した見解になつておるのですが、そういう状態に対して厚生当局としてはベツドがどのくらいあつたらいいと考えておるか、お伺いしたい。
○葛西説明員 私どもはただいま御指摘のように、十四、五万ないし二十万の結核死亡者が大体ありますから、医学上普通一年の結核死亡者のベツドだけあることが結核の予防の上ではいいというわけで、私どもとしましては日本全体でありまする死亡者の数だけの結核病床を持つことを理想として進みたい。しかしそう言つてもなかなかいろいろな点で――物資の点あるいは財政の点で困りますので、まず大体各府縣別にしまして、結核死亡者の半分五〇%だけのベツドを各府縣別に持ちたいというような理想で進んでおります。
 なおこの際に若干時間を借して申し上げたいと思いますが、結核の初期の治療、ストレプトマイシンにしましても、先般の閣議で決定になりまして、日本でもこれを生産して、そうしてこれらの特殊の結核の方々にやろうというようなわけで、BCGあるいは早期予防のいろいろな点、それから病氣に一度かかつた人については今のストレプトマイシンを利用る。それから特殊な結核の人に対してもストレプトマイシンを利用したいというような点、また他面重症にある人に対しては、なるべく治療すると同時に一般から隔離して、そうして病床に入れて、すみやかに結核をなおしたいというわけで、これは総合的に相当厚生省の予算の中で重要に考えまして若干入つたものもある。これからもこの点は相当強くやつて参りたいと考えております。
○伊藤(憲)委員 もつと詳しい予算のあれが出ましてから、なお質疑をしたいと思うのですけれども、基本的にはこうだと思うのです。大体今年は、この調子で行くと統計の方でも二十万くらいの結核死亡者が出るのではないかと思う。そのほか現実には結核で死亡しておりながら、結核という死亡診断になつておらないものが、大体同等くらいあると見てさしつかえないのではないか。そうするとこれは四十万、かりにこれを五割と見て三十万、それだけのベツドが必要だということになれば、これから三年間で八万ベツドということになると、実際上これは結核対策にならないわけです。つまり一か十かの問題だと思う。百ほしいうち、今とりあえずないから二か三でということでは、これは予算というものではないと思うのです。これは先ほどの最低生活云々の問題でもそうなります。結局すると、これは何かほかのことのために利用される。全然何もやらないといろいろなことを言われるからというので、みんなをごまかすとか何とかいう予算になるので、完全にやらなければ、この予算は百%のうちの二十%を努力でやつたのだということでなしに、これはゼロかあるいは轉じては逆な効果を及ぼすことになると思う。こういうことに対する問題だとか、それから日本国民としての大きな問題であるとかいうようなことについては、これは党派を問わず、われわれと見解が一致していると思うのです。もし皆さんの力でそういう毅然たる態度をもつて努力してくだされば、私どもとしても協力を惜しまないのですから、このことの本質を十分に御了解くださいまして、事に処したいということを希望して質問を終ります。
○三木説明員 ただいま伊藤委員からの御意見でありますが、私どももまつたく結核病床の増設ということは必要だと考えてみるのであります。しかしこれは、あまり弱氣なことを言うとお叱りを受けるかもしれませんが、公共事業費その他の面から見まして、これを一気にやることは非常にむずかしい。しかも一面におきまして、わが國の結核対策というものは、素人の仕事で、過程で大部分が療養しておるものでありますが、療養者に対して、またその感染防止等の諸般の施策が十分とは言いがたい。保健所等が活動いたしておりますけれども、なお十分とは言いがたい。そこで結核予防法できめてございます検診あるいは陽性者の保護、患者に対する保護施設というような諸般の仕事を、ひとつ徹底的にやりたいという考えを持つておるのでありまして、これをペツトと両々並行いたしまして、相まつて日本の実情に適するような行き方をひとつやらなければしかたがないのではないかと考えておる次第であります。御鞭撻をいただきましてたいへんありがたいと思うのでありますが、いずれ機会を得ましたならば、それらの点につきまして詳細に御報告申し上げたいと思います。
○堀川委員長 それでは本日はこの程度で散会いたします。
    午後零時四十四分散会