第005回国会 水産委員会 第16号
昭和二十四年五月二十日(金曜日)
    午後一時四十一分開議
 出席委員
   委員長 石原 圓吉君
   理事 小高 熹郎君 理事 鈴木 善幸君
   理事 玉置 信一君 理事 松田 鐵藏君
   理事 林  好次君 理事 砂間 一良君
   理事 小松 勇次君 理事 早川  崇君
      川村善八郎君    五島 秀次君
      田口長治郎君    冨永格五郎君
      夏堀源三郎君    西村 久之君
      足立 梅市君    奧村又十郎君
      長谷川四郎君    水野彦治郎君
 出席政府委員
        大藏事務官
        (銀行局長)  愛知 揆一君
        水産廳長官   飯山 太平君
 委員外の出席者
        議     員 風間 啓吉君
        議     員 前尾繁三郎君
        議     員 宮原幸三郎君
        農林事務官
        (水産廳次長) 藤田  巖君
        專  門  員 小安 正三君
        專  門  員 齋藤 一郎君
五月十九日
 委員芦田均君辞任につき、その補欠として大森
 玉木君が議長の指名で委員に選任された。
同月二十日
 大森玉木君辞任につき、その補欠として長谷川
 四郎君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
五月十八日
 室蘭港の漁船及び機帆船繋留施設築設の請願(
 篠田弘作君紹介)(第一七四六号)
 追直船入澗築設の請願(篠田弘作君紹介)(第
 一七五七号)
 漁業法の一部改正に関する請願(石原圓吉君紹
 介)(第一七五九号)
 漁船技術員養成事業委託費増額等の請願(鈴木
 善幸君紹介)(第一七六〇号)
 漁業法案に関する公聽会開催の請願外二件(砂
 間一良君紹介)(第一七八一号)
 漁業法案に関する請願(砂間一良君紹介)(第
 一七八二号)
 鬼鹿船入澗工事費全額國庫負担の請願(玉置信
 一君紹介)(第一七八三号)
 両津漁港施設拡充に関する請願(風間啓吉君紹
 介)(第一八〇四号)
 久美濱港修築の請願(前尾繁三郎君紹介)(第
 一八〇五号)
の審査を本委員会に付託された。
同月十九日
 漁区拡張に関する陳情書(福岡縣水産煉製品工
 業協同組合理事長鹿兒島義助)(第五二七号)
を本委員会に送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 漁業決集漁業法案(内閣提出第一八六号)
 漁業法施設法案(内閣提出第一八七号)
 水産行政に関する件
  請願
 一 丸山漁港修築の請願(原健三郎君紹介)(
   第十三号)
 二 古平船入澗の拡張並びに避難港指定の請願
   (小川原政信君外二名紹介)(第一六号)
 三 崎濱船溜築設費國庫補助の請願(鈴木善幸
   紹介)(第三一号)
 四 牛根村に漁港築設の請願(前田郁君紹介)
   (第七六号)
 五 伊座敷港を漁港並びに避難港として指定の
   請願(前田郁君紹介)(第七七号)
 六 廣島市に瀬戸内海漁業調整事務局並びに國
   立水産試驗場設置の請願(平川篤雄君紹
   介)(第一〇七号)
 七 漁業法の一部改正に関する請願(八木一郎
   紹介)(第一四三号)
 八 落石漁港修築促進の請願(林好次君紹介)
   (第二五九号)
 九 和田村の船溜築設費國庫補助の請願(奥村
   又十郎君介)(第三二五号)
一〇 水橋町漁港施設拡充の請願(佐伯宗義君紹
   介)(第三七四号)
十一 野田村に漁港築設の請願(鈴木善幸君紹
   介)(第三七五号)
十二 大隅熊毛地区の漁港修築費國庫補助の請願
   (二階堂進君紹介)(第三八〇号)
十三 沖浦漁港修築の請願(宮原幸三郎君紹介)
   (第四一四号)
一四 富呂村字富呂ポントマリに船入澗築設の請
   願(松田鐵藏君紹介)(第四七一号)
一五 宇登呂港を漁港並びに避難港として修築の
   請願(松田鐵藏君紹介)(第四七二号)
十六 漁業災害補償制度設定に関する請願外一件
   (鈴木善幸君紹介)(第四七三号)
十七 富呂村の鮭鱒養殖事業拡充等に関する請願
   (松田鐵藏君紹介)(第四八七号)
一八 久慈漁港修築に関する請願(山崎猛君紹
   介)(第五一八号)
一九 日立漁港修築の請願(山崎猛君紹介)(第
   五四三号)
二〇 漁船保險対策に関する請願(石原圓吉君紹
   介)(第五四四号)
二一 漁業用燃油等配給完全実施に関する請願(
   石原圓吉君紹介)(第五四五号)
二二 根付漁業中に「ぼら寄魚漁業」を編入の請
   願(石原圓吉君紹介)(第五四六号)
二三 水産連合会結成等に関する請願(石原圓吉
   君紹介)(第五四七号)
二四 第二水産講習所を水産單科大学に昇格の請
   願(坂本實君紹介)(第六四六号)
二五 漁港施策樹立に関する請願(石原圓吉君紹
   介)(第六四七号)
二六 法人の水産業協同組合加入に関する請願(
   坂本實君紹介)(第六八三号)
二七 漁船保險制度存置に関する請願(石原圓吉
   君紹介)(第七〇八号)
二八 漁業法の一部改正に関する請願(大森玉木
   君紹介)(第七〇九号)
二九 眞網代漁港修築の請願(鈴木善幸君紹介)
   (第八〇七号)
三〇 漁業法の一部改正に関する請願(砂間一良
   君紹介)(第八〇八号)
三一 名島に避難漁港築設の請願(西村久之君紹
   介)(第八八二号)
三二 漁業権に関する請願(砂間一良君紹介)(
   第九〇二号)
三三 漁船保險制度存置に関する請願(砂間一良
   君紹介)(筋九〇三号)
三四 三石船入澗拡張工事施行並びに兜舞船入澗
   築設の請願(篠田弘作君紹介)(第一〇一
   三号)
三五 越賀村字社田方海域に防波堤築設の請願(
   石原圓吉君紹介)(第一〇四九号)
三六 小濱漁港拡張並びに改修の請願(奧村又十
   郎君紹介)(第一〇五一号)
三七 通山漁港修築の請願(川野芳滿君外五名紹
   介)(第一〇五二号)
三八 有珠船入澗改修の請願(篠田弘作君紹介)
   (第一〇七七号)
三九 内水面の專用漁業権撤廃に関する請願(守
   島伍郎君紹介)(第一一四一号)
四〇 漁区拡張に関する請願(塩田賀四郎君紹
   介)(第一一四二号)
四一 漁港法制定に関する請願(志田義信君紹
   介)(第一二一一号)
四二 八幡濱漁港修築工事継続施行の請願(小西
   英雄君紹介)(第一二一二号)
四三 漁区拡張に関する請願(砂間一良君紹介)
   (第一二五五号)
四四 漁業権制度改正に関する請願(松田鐵藏君
   紹介)(第一三一三号)
四五 安田町に漁港築設の請願(長野長廣君紹
   介)(弟一三八六号)
四六 赤岡町地内の香宗川口に船溜築設の請願(
   長野長廣君紹介)(第一三八七号)
四七 鬼崎漁港修築費國庫補助の請願(久野忠治
   君紹介)(第一六一七号)
四八 漁区拡張に関する請願(守島伍郎君紹介)
   (第一六四二号)
四九 室蘭港の漁船及び帆船繋留施設築設の請願
   (篠田弘作君紹介)(第一七四六号)
五〇 追直船入澗築設の請願(篠田弘作君紹介)
   (第一七五七号)
五一 漁業法の一部改正に関する請願(石原圓吉
   君紹介)(第一七五九号)
五二 漁船技術員養成事業委託費増額の請願(鈴
   木善幸君紹介)(第一七六〇号)
五三 漁業法案に関する公聽会開催の請願外二件
   (砂間一良君紹介)(第一七八一号)
五四 漁業制度改革に関する請願(砂間一良君紹
   介)(第一七八二号)
五五 鬼鹿船入澗工事費全額國庫負担の請願(玉
   置信一君紹介)(第一七八三号)
五六 両津漁港施設拡充に関する請願(風間啓吉
   君紹介)(第一八〇四号)
五七 久美濱港修築の請願(前尾繁三郎君紹介)
   (第一八〇五号)
  陳情書
 一 新井田川河口に船溜設置の陳情書外一件(
   山形縣会議長加藤富之助外七名)(第五六
   号)
 二 漁業法並びに水産協同組合法の一部改正に
   関する陳情書(岡山縣水産業会長永井寛次
   外一名)(第七七号)
 三 漁業手形制度実施の陳情書(福岡縣議会経
   済常任委員長野野田貫浩)(第九三号)
 四 養蠣水産用針金特配の陳情書(廣島縣牡蠣
   株式会社取締役社長森澤雄三外六名)(第
   一二九号)
 五 密漁取締強化に関する陳情書(福岡縣議会経
   済常任委員長野田貫浩)(第一四七号)
 六 漁業法並びに水産協同組合法の一部改正に
   関する陳情書(熊本縣天草群赤崎村松木武
   六)(第一六五号)
 七 紀伊水道を瀬戸内海区より除外の陳情書外
   二件(徳島縣知事阿部五郎外四十七名)(
   第二六一号)
 八 八幡濱漁港修築工事継続等の陳情書(八幡
   濱市長菊地清治外四名)(第四五二号)
 九 漁業法改正案に関する陳情書(富山縣定置
   漁業協会長大西亮三外一名)(第四六八号)
 日程追加
 漁区拡張に関する陳情書(福岡縣水産煉成品工業協同組合理事長鹿兒島義助)(第五二七号)
    ―――――――――――――
○石原委員長 これより会議を開きます。
 本日の日程中、水産行政、特に金融に関する問題について審議いたします。それが終りましてから請願並びに陳情及び漁業法の順序で審議をいたします。銀行局長愛知政府委員が御出席でありますから、どうか順次に御質疑をお願いします。――小委員長が見えませんが、愛知銀行局長より水産金融に対する今日までの大藏省としての御方針を承りたいと思います。
○愛知政府委員 前回にも御説明いたしましたことがございますので、重複するかもしれませんが、ごくかいつまんで申し上げます。御承知のごとく、昨年の夏、農林漁業特別金融措置を講じましたわけでありまして、そのやり方は、農林中央金庫の債権を発行いたしまして、これを復興金融金庫で引受けまして、農林中央金庫から特殊の資金といたしまして農林漁業等の特殊の用途のために資金を供給いたしたのでございます。ところがその金額が二十一億円あまりに達したのでありますけれども、本年度になりましてから復興金融金庫の機能が事実上停止せられましたために、この方法を続けることができなくなつたわけでございます。從つて現在大藏省で考えておりまする方法は、預金部資金の運用の再開をさせてもらいまして、同時に農林中金等の債券の発行を認めてもらうことができますならば、大体昨年の夏に始められましたような方法によるところの、特殊の金融措置が講じ得るというふうに考えておるわけでございます。ところがこれには二つの問題があるわけでございまして、一つは預金部資金が昭和二十年の、終戰の直後でございまするが、総司令部から発出されました指令によりして、運用上非常な制限を受けておりますので、現在のところは地方債のみにしか運用ができないことになつております。從つて預金部資金の運用を再開させてもらうということの指令を改正してもらう必要があることでございます。この点については、二十四年度の総合予算が決まり、復興金融金庫の機能の停止のやむなき状態になりまして以來、総力をあげてこの運用の再開について打開策を講じておるわけでございまして、引続き関係方面と折衝をいたしておるわけでございます。金額的に申しますと、預金部資金の二十四年度の見込みは、地方税の引受け二百三十三億でございまするが、これを引受けましても、なお約百九十億程度の余裕がある見込みでございます。この百九十億の余裕の見込みに対しましては、農林漁業のみならず、たとえば中小金融、庶民金融あるいは第二條の長期の設備資金等からも非常な大きな要求がございますので、これは再開が認められると同時に配分を考えなければならぬわけでありますが、現在の大藏省の考え方といたしましては、預金部資金の性格から申しまして、他の一般的な金融機関ではなかなか話に乘りにくいもの、それから特に地方還元という建前から申しまして、農林、漁業、水産、その他の中小企業金融という方向に重点を置きたいと考えておるわけでございす。
 それから今一つの問題は、手つとり早いところは、農林中央金庫の債権の発行余力が現在約二十億足らずございます。これは從來その筋からのお達しによつて、その発行を今自制しておるわけでございすが、預金部資金が運用できることになりさヘすれば、この発行余力は利用できることになるのではなかろうかと考えております。この点に今最も多くの努力を費しておるわけでございます。
 それからその次に漁業手形の問題でございますが、これは昨年來の両院水産委員会の非常に熱烈なる御要望にこたえ、また政府といたしましてもいろいろとくふういたしまして、漁業手形制を実行いたしたわけでございますが、そうして相当の成績を得るような状態になつて参りましたとき、これまた承知のごとく、復興金融金庫の保証によつて手形を貸金化しておりました関係上、その保証がなくなりましたために、今率直に申しまして生き詰りの状態になつております。私どもとしては漁業手形については、せつかく軌道に乘つて参つたことでもあり、またその運用の範囲もできるだけ廣くいたしたいと考えておつた矢先で、非常に残念に考えまするので、今日のところでは復金の保証にかわりまして、別途農林省水産廳において、あるいは当委員会において御立案の、水産業者の積立金を保証の基金にするという案に、私ともの方もできるだけ御協力申し上げまして、この基金の保証ということによつて漁業手形制度が継続し得られますように努力をいたしておるわけでございます。
 それから第三に、対日援助見返り資金の問題でございますが、これに安定本部が中心でやつておりまするし、また関係方面との折衝ぶり等も、私つまびらかにいたしておりませんので、その方面から説明をお願いすることにいたしたいと思いますが、以上のような考え方でおりますが、いずれも多くの関係筋と折衝を要する問題であり、またすでに折衝を開始いたしておりましても、いろいろと困難な事態にぶつかるわけでございまするので、その間公式に御連絡も受けたわけでございまするが、当委員会の小委員会で御立案のような、水産金融に対する特殊の方策を至急具体化するというようなことにつきましては、私どもといたしましては、國会の方からも強力に御支援を願うことは、これらのことの具体化いたしまする上に、非常に効果があるというふうに考えておるわけでございます。
○冨永委員 今委員長からいろいろ御意見を伺いましたが、いずれも結局は努力いたしておるが、まだものにはなつていないという御答弁のように拜承したのであります。ものにはなつておらないし、ならないから、生産はなくなつてもやむを得ないのだというふうに、お考えになつておるのかどうかということが一点、それから、そんなことは聞くまでもないじやないか、わかりきつておる、やれるものにやつてくれ、おれの方で金を都合することができないのであるという御答弁であれば、私はさらに再質問いたしたいと考えるのであります。なお私ども委員としては、実際の生産現地の実情に照らしてみますると、生産資金並びに設備資金は、生産増強と絶対不可分の関係にあるということなので、これを解決しない限り、生産増強云々はほとんど言うだけで、その実際的な効果はないという結論になるのですが、そこで実際問題として農林省の総務局長で、こういう漁業の内容、こういう支出は絶対必要なんだという檢討をしていただいて、その必要だということが認められるものに対しては、大藏省当局は何らかの形において、市中銀行へあつせんする用意がないかどうか、現在大藏省の中に斡旋部というものがあるように承つておるのですけれども、これもまつたく有名無実であつて、何らの措置をいたしておらないということも承つておるのでございますけれども、あれもこれもただ考えておるだけで、努力しておるだけで、すでにもう十年を暮らしてしまつたという状況では、水産漁業に從事しております者は、まつたく途方にくれておる。こういう現実の状況をながめられまして、大藏省当局は、これに対して、いま少しく見通しのある答弁をいただけるような、段階にお進みになられる用意はないかという点、この二点を伺いたいと思います。
○愛知政府委員 生産増強の問題につきましては、これは申すまでもなく、ただいますでにお話の通りの考え方を持つております。それから対策の問題でございますが、これはまあ弁解がましくなるかもしれませんが、昨年の夏以來先ほど申しましたような特殊の金融措置を開きましたのも、それから、金融技術に非常にむずかしいと思いましたが、漁業手形制度を創設いたしましたのも、生産増強に何がしかでもお役に立つように考えておるわけであのまして、新しく障害となつて参りましたのに、何と申しましても二十四年度の予算の成立に伴いまして、こういう特殊の金融制度というものが、制度的に一度見送られたというところに、根本の問題はございまする。で、四月以來非常に私どもとしては、深刻にこの打開策を講ぜんとしつつあるわけでございます。その成果については、今見通しのあるような説明というお話でございますが、先ほど申しました中で、見返の資金の問題を除きましては、私としては、何とかしてここの方法で、ここ数日中に若干でもこういう線に沿うて施策を打開して参りたいというように考えておるわけでございます。特に預金部の資金の問題等につきましては、実は今日の午後にも、またそういう折衝に具体的に入ることになつておるわけでございます。
 それから融資斡旋部の問題でございますが、融資斡旋部は、日本銀行の一部局としてあるわけでございますが、それをさらに支援し、連絡に当りますために、一つの組織を私の方でも持つておりますが、ただ現在の金融組織は、いささかわき道に入りまして恐縮でございますが、一口で申しまするならば、非常に金融の自主性ということを尊重する考え方になつておりまするので、なかなか既存の金融機関を指導し、あつせんして、貸出を受けさせるということにつきましては、政府側においても、政府の補償もなければ、それから損失を生じた場合に、その補償を講ずるという道もございませんし、また財政で補填をするという制度もふさがれておりまするために、結局話合いで行くよりほかに、既存の金融機関の利用としてはないわけでございます。從つてこれは制度として、あるいは基本的な構想として、これがいいか惡いかということについてに、非常な御議論の存するところと思いまするけれども、現状において、既存の金融機関を利用いたしまするために、いわゆる金融に乘るという線がございませんと、政府としても何ともそこに関與できないような状態に置かれておるわけでございます。これが今後の状態がどうなるかということにつきましては、いろいろ日本の実情や、他の経済の統制の状況、それから生産の増強というようなことと歩調を合せて、金融がうまく行けるように考えて行かなければならぬと思うのでありますが、それらについて、たとえば從前行つておりました融資準則というようなものの改正も多少考えておりますけれども、根本的な考え方に非常な開きがございますために、なかなか私どもとしても思うように参つておらぬような状況でございます。ただ現在、日本銀行法の改正の御解説を別途お願いしておるのでありまするが、そういうことによつて、中央銀行としての日本銀行の組織を、できるだけ各界の意向を代表し、これが反映をし、いささかでも金融の円滑ということに力がつくように、考えて参りたいというような考え方でございます。結局私の私見でございまするが、既存の金融機関の利用、ことに漁業金融についてこれを利用するということについては、なかなか困難な点が多いので、結局特殊の日本の状態に即したような方法を考えざるを得ない。それにはまた財政上の援助はどうしても必要だというところに、帰着するのではなかろうかと考えるわけであります
○冨永委員 大体今の御説明以上のことを希望することは、あるいはむりかもしれませんが、現在日本銀行に置かれておる融資斡旋部は、法的に根拠を持つものなのですか。それともただ日本銀行内部の便宜上、斡旋部というものがあるのですか、その点お聞きしておきたいと思います。それからもう一つは、実は私一度この前聞いたような記憶がありますので、忘れたとすればはなはだ相済まぬのでありますが、復興金融関係の、去年出ておる復興金融金庫のわくに一應停止をいたしたけれども、すでにきまつたものに対しては、漸次出しておるという話も聞いておるのですが、その点では全然貸出しの機能は停止しておるのですか、それともきまつたものに対しては、ある程度考えられておるのですか、この二点を伺いたいと思います。
○愛知政府委員 日本銀行に設けられておりまする融資斡旋部と申しまするのは、日本銀行の機構といたしましては、法規上の根拠を持つたものでございまして、たとえば営業局とか考査局というのと相並んでの組織でございます。しかし仕事の内容は法的根拠はございません。たとえば融資斡旋をした貸付金については、政府が補償するというような実質的な根拠を持つたものではないわけでございます。でありまするから、これはざつくばらんに申しますけれども、普通銀行の側から申しますると日本銀行がこういうものに金を貸してやれと言つても、お前は何の根拠があつてそういうことを言えるのか、損したらどうするのだというさかねじを食つたら、極端の話がそれつきりのようなものでございます。ただ実際日本銀行としては、力をもつて融資斡旋のできる根拠といたしましては、市中銀行の手元資金が逼迫しております場合に、たとえば農業手形の資金にこれを貸しつけるならば、それだけのものは、日本銀行としてその銀行に対し、貸付金をしてやろうというような、金の貸し借りの点におきまして実力を持つておる。その実力を基礎にして融資あつせんをしてやる。これは非常にざつくばらんなお話でありますが、そういうようなことになつておるわけであります。
 それから第二の、復金のすでにきめたものについてのお話でございますが、実は二十三年度の第四・四半期までに約束をしておりまして、しかも二十四年度予算で新規の債権の発行を停止された関係で、融資できにくくなつたものが非常にたくさんございます。從つて中にはどうしてもやむを得ないというもので、きわめてわずかのものが、すでに約束したもので融資をしたのもあるかと思いますが、原則的には全部打切りになつておるはずだと記憶いたします。なお今後復金の事業としては、予算上認めておりますものは、二十四年度を通じて五十億円だけが新規の融資ができるということになつておりますが、その五十億の新規の融資の中で約四十億円は、二十三年度に復興金融機関が融資をすることに対して補償をした額でありますが、二十四年度にそれらの銀行が肩がわりを要求される場合には、その四十億の金を食つてしまいますので、新規の融資としては、わずか年度を通じて十億円にとどまるということになつておるわけであります。
○田口委員 水産金融問題につきまして、愛知銀行局長が常に多大の御配慮にあずかつておりますことにつきましては、私厚く敬意を表したいのであります。長期資金も短期資金も非常な低迷状態にありまして、水産業者としては非常に困つておることは、先ほどから冨永委員からお話がありましたから、私繰返しませんが、一日も早くこの長期資金の問題の配分計画化、こういうことを業者として非常に渇望しておるのでございますが、経済新聞その他によりますと、大体この見返り資金の配分計画が運用委員会できまつて、そうしてただいま安本で計数を整理中だ、こういう話を承つております。それからその金額は、産業設備資金に大体五百億、農林水産業に対して六十四億程度、こういうことも仄聞しておるのでございますが、はたしてそういうことになつておりますか。まず第一にお伺いしたいと思います。
○愛知政府委員 対日見返り資金の計画につきましては、実は私はその所管でございませんで大藏省におきましては理財局が所管いたしております。これに特別会計ということで、理財局が所管いたしておりますが、内容の計画につきましては、安定本部がアメリカ側と折衝をいたしておるわけでございます。從つて私の申し上げますことに誤りがあるかと思いますが、私の承知しております限りでは、またアメリカ側との関係においては全然話がきまつておらないようでございます。從いまして千七百五十億の使途の内訳としては、御承知の二百七十億の鉄道通信関係の公債を持つてもらいますことと、それから復興金融金庫の過去の債権の償還のために六百二十四億の買上げ償還をしてもらうというこの二点、約九百数十億円について、アメリカ側との話がきまつておりましたので、あとの八百億につきましては、まだ何の計画も向うから示されておらないというふうに私は承知いたしておるわけであります。從つて残りの約九百億のうち、どのくらいが國債の償還に充てられるか、どのくらいが産業融資に充てられるかきまつておらないのでございます。しかしながら日本側としては、こちら側としての意見をとりまとめる必要がもちろんあるわけでありますので、現在の経済安定本部が、それについて何回かアメリカ側の意向をもおもんぱかりつつ、いろいろな案を作成しておる段階である、こういうふうに承知いたしておるわけでございます。
○田口委員 ただいま私がお伺いしました点は、アメリカ側との折衝、この問題以外に、日本側において配分計画がきまつておるかどうかということをお伺いいたしたいと思います。
○愛知政府委員 これは私としては、要するに貸してくれる方との話合いであると思いますので、こちら側だけではきまらないと思いますが、同時に日本側としても、私の知つております限りでは、たとえば政府の内部の連絡協議会とか、あるいは閣議等できまつた成案というものも、まだできていないのではなかろうかと、存じております。
○田口委員 長期資金につきましてはお係りが違う関係もありして、これ以上質問を繰返さないつもりでありますが、ただいま業者として最も困つております問題は、この短期資金、殊に資材購入資金、あるいは船舶の修理費、こういうようなほんとうの短期資金に属する部分のものついて、特にこまつておる次第でありますが、この点に関しましては、昨年來愛知局長にもいろいろご配慮を煩わしたのでありますが、常にこの種の融資の難点になりますことは、地方銀行では貸してもよいということなんでございますが、ただ日本銀行がその資金を復金に融資するということについて難色がありました。地方銀行から申しますと、銀行が非常に資金難に陷る、こういう場合におきまして、一方的に日本銀行から資金を融資する、こういうことをされるけれども、いかに日本銀行内の融資斡旋部のお話がありましても、その金を融資してもらわなければ、貸そうと思いながら地方銀行には金がないから貸せない、こういうようなことが一つの難点になつてあります。この点の打開方法を何かごくふうくださいませんと、実際金融の道が開けない、こういうような状態にあるのでございますが、この点につきまして、何かお考えがございませんか、その点をお伺いいたしたいのであります。
○愛知政府委員 この点は從來におきまして、そういう難点がいろいろあつたことは私も承知いたしておりますが、実は御承知のように、昨年あたりの日本銀行券の発行高も、三千億を割るというような通貨の状況から見ますると、非常に予想以上にデフレ的の傾向を生じて参りまして、同時に日本銀行の貸出しも四百五、六十億ないし八十億程度に非常に減少して参りまして、私どもとしては、これは水産の面に限らず、通貨の増量があまりに急激に減つて参りますことは、いろいろ関心を要する問題だと思つておるわけでございます。地方銀行等に対する日本銀行の適正な資金に対する資金の供給、それからいわゆるマーケツト・オペレーシヨンとして地方銀行の所有の國債とか社債を賣買するというような操作をも、今後大いに活発にやらなければならぬと考えております。これは一般的な抽象論でございますが、先ほど申しましたように、日本銀行の政策委員会というような法律案が、制定され次第発足するはずでございまして、日本銀行の運営も、民主的というよりは、むしろ各界の意向を反映して運営されることになると思いますので、そういう新しい機構と、それから先ほど申しました考え方とあわせ用いまして、今お話のような場合に、なんとかして地方銀行が金さえあれば貸してもいいんだというようなものについては、資金の円滑なる供給をはかるべきである、こういうふうに考えております。漸次そういうような方向になつて來ておるように感ずるわけでございす。
○夏堀委員 私は遅く参りまして、御答弁の内容はよくわかつておりませんが、本委員会において水産金融の面に対して決議をしてあるのでありまして、この内容は銀行局長もおわかりのことと存じます。この決議になつた問題に対して、今どういう方法をとろうとするか、それについての今後のお考えと、それからこれは、どうしても特に輸入資材を引取ることができないという大きな面でありまするので、政府の責任においてこの問題の解決を願いたい、こう存じますので、この際に御答弁を願いたいと思います。
○愛知政府委員 当委員会で御決議になりました事項については、その各項とも、前に非公式に示しがありましたときにも申し上げました通り、私どもとしても全然同感であるわけでございます。ところがその全部につきましては、関係する筋が非常に多くございますので、大藏省だけで單独にできかねるものも相当あるわけでございまするが、先ほど來申しておりまするようないろいろな方法によりまして、できればすぐにも具体的なものから取上げて、少しづつでも実現をして行きたい。また大きな制度の問題につきましては、一回そういう制度も恒久的に立案すると同時に、つなぎの便法を何とかして考えたい。これ先ほど申しましたように、ひとり政府側だけでも十分な活動もできませんので、國会のお決議等の趣旨を、私どもも利用させていただくと言つては語弊がございますが、利用させていただく。また國会の方面からも、いろいろな機会に御支援をお願いしたいと考えております。
○夏堀委員 本委員会においての決議になりました事項については、まだ具体的にお運びになる段階になつておらぬということであります。この水産金融は、全体が非常に金詰りでこまつておりますので、特に資材を引取ることができないという大きな面におきまして、これは他の産業面とは、比較にならぬいわゆる重要性を持つておると思いますので、関係筋の方の今の貿易資金の問題で、もしこれが困難であるならば、預金部資金の運用によつて何らかの方法をお考えになつておるかどうか。実は非常に急速に何らかの処置をとつてもらわなければならぬので、預金部の方から、どうしても若干の貸金をまわしてもらうことができないだろうかということも、申し上げておきましたが、この漁業手形の基金を持つということは問題なんでありまして、その意味で預金部資金を漁業手形の基金として、特定の銀行に積立をしておく。これを使つてしまうのではないのですから、その間に漁業者が自己資金の積立によつて、みずからの力によつてこの基金を出そう、こういう案であるので、その間何とかしてもらいたい、こういうわけであります。暫定的に業者のそうした基金が出る間、預金部で適当な基金として積立てておくような措置を、政府でとつてもらいたいということが、私の質問の要点なんであります。これはやはり関係筋の許可が得られなければならぬでしようけれども、こうした急場の立場ですから、理由を申し述べましたならば、これは許可になるだろうと、常識的に考えても私どもは予想されるのでありますが、この点に対してどのようなお考えを持つておられるか。農林大臣は何とかしようと、こう簡單に言つておられますけれども、これに大藏省との関係もありますので、局長として、この問題をどうお考えになつておられるかということをお伺いいたします。
○愛知政府委員 この保証基金にお問題は、先ほども申し上げました通り、制度としてぜひそういうふうな制度ができることを、私どもも期待いたしておるわけでございます。それから預金部資金の問題は、これも先ほど申し上げたのでありますが、今日のところあらゆる資料、説明等を添えまして、昭和二十年秋の預金部資金の運用に関する制限を解除してもらうべく、ここに重点を置いて、今努力を拂つております。さような場合に、もし全面的に解除になれば非常にありがたいのでありますが、いろいろの情勢から、全国的に自由な解除ができないというような場合には、私どもとしては、せめて金金融債の引受けだけでも、この際暫定的に認めてもらいたいということを、今第一案としてやつておるわけであります。それができる場合におきましては、ただいまお話のようなことが、たとえば農林中金の操作、あるいは預金部みずからの操作によつてできるのでありますが、私どもとしては、先ほども申しましたように、漁業手形等が復金の保証がなくなつたために行詰りになつておる。その保証にかわる道ができるということは、結局こういうところに着目するよりほかに仕方がないという結論を持つておりますので、必ずしも預金部から市中銀行へ保証基金として積立てるということでございませんでも、これも一便法ともちろん考えますが、それと同樣の趣旨が実現し得るならば、非常にけつこうであると考えておりますし、またその方向にとにかく預金部資金というものを、せつかくここに金があるのでありますから、これを何とか利用させてもらうということを、銀行局としても今最大の問題として努力を拂つておるようなわけであります。
○夏堀委員 業者の積立金の取扱い方法、まだ発足してはおりませんが、これにどうしてもやらなければならぬ、こう考えておりますわけで、そうした場合に、いずれかの銀行を特定しなければならぬ、こうなるだろうと存じます。その積立金の取扱いをする銀行は、銀行が適当であるか、あるいは中金が適当であるかということなんでありますが、こうした問題について、何かお考えになつておられますかどうか。
○愛知政府委員 業者の方々から基金を積立てるという場合に、その積立金の預け入れ先、あるいは保管者をだれにするかということにつきましては、私は日本銀行以外の方がよろしいと考えております。その際農林中央金庫がよろしいか、あるいはたとえば他の勧業銀行というようなものをも、そこに並行的にお考えになるかということにつきましては、なお考えたいと思いますが、日本銀行はそういうことには適しないと考えております。ただ私、先般あるいはこの委員会でも申し上げたかとも思いまするが、別途に各種の手形貸金のために保証制度を別途に考えておるのでありますが、その一つの案の中に日本銀行に保証基金を設けるという案がございますが、これは日本銀自体でそういう基金をつくらせまして、市中銀行が先ほど申しましたような融資あつせん等によつて、ある場合に損失をするというような場合に、日本銀行が保証するというように考えておる案でございますが、その場合におきましては、日本銀行が直接自分で保証基金を持つわけでありますが、ただいまお尋ねのような別個に積立てられまする場合におきましては、一般の金融機関あるいは農林中央金庫というようなところが適当ではあるまいかと考えるわけであります。
○夏堀委員 大体これまでいろいろな方面からの意見によつて、やはりこれは中金あたりが適当ではないかという意見もあります。政府が特別会計を設けて、こうした基金の取扱いをするとか、あるいはもう一歩進めて、やはり返済のつかない場合の損失でありますが、その損失ということを特別会計において補うことができるかどうか、特別会計のいわゆる性格というものを、こうした面においてお伺いいたします。
○愛知政府委員 政府の特別会計の設置は、御案内のように、昨年來私どもも非常に考えた点でございますが、どうも財政の今日の現況、それから九原則に基く、特に二十四年度の総合予算の編成というような、あの考え方の根本の考え方としては、政府の今後起るべき保証債務等についても、できるだけこれを少なくするという考え方から申しまして、特別会計制度、あるいはそれにかわる政府自体の保証制度というのは、ただいまの全体の財政の構想から見ますと。なかなかむずかしいのではなかろうかと私は率直に考えるわけであります。ただ財政状況がいくらかでも好轉いたしました際に、問題はそういう場合においては歳入で全部裏打ちをしなければならないという考え方があるわけでありますから、他の面の歳出が減るか、あるいは歳入が他の面で現在よりもふえるという場合に、ほかとの均衡をとりつつ、特にこういう問題について特別会計をつくるか、あるいは保証制度をつくるかということが、取上げ得るのではなかろうか。今日のところは非常に困難ではなかろうかというように考えます。
○夏堀委員 本委員会の決議した事項については、まだ具体的にその運びになつておらぬということになつておりますが、しかし非常に急いでおりますので、何とかせんければならぬ。しからばどうするかということになるのでありますが、政府がこの対策については、いずれ議会が休会中でも、何とかお考えになつていただかなければなりません。どうせこの決議案の通りでなくても、もつとこれ以上の案があつたらけつこうですから、速急にこれを進めてもらわなければならぬのでありますが、地方銀行として、水産方面はまだ十分な認識を持つておらぬ。こうした点も水産は対する金融業の一つの原因になつておりますので、大藏省で、日銀との連絡のもとは、これは水産廳も一枚加わつてもらわなければなりませんが、各地方は一つの懇談会のようなものを開いて、日銀支店長を中心として、水産金融に対して打開すべき面に対しては、政府の案がまだできておらぬでも、地方ででき得べき程度のことは、急速にやつてもらわなければならぬと存じております。地方はなるほど金詰りではありますけれども、漁業は対する認識がないばかりではなく、こうした場合は中央からの何か強い指示というようなことでなくても、懇談会を開いてこの形で進めようという空氣がつくられれば、地方銀行は相当動くじやないかと私は考えております。そうした面で、大藏省が日銀、水産廳とも御連絡のもとに、各水産縣に対して一つ懇談会を開き、この面を打開するようは、また地方からもこうした空氣をつくつたらどうかと考えております、そうしたことはお役所ですから、あまり積極的は出ることは責任問題云々というようなことでどうかと思いますけれども、あまり強い表現の方法じやなくて、懇談会程度でもよろしいですが、そういう方法をとつてもらいたいと思います。この点は対する御意見を伺います。
○愛知政府委員 今日におきましても、日銀の支店の所在地はおきましては、各種の問題はついて懇談会等を開催しております。率直に申しまして、十分効果があがつているかどうかという点はついては、私も十分の成果があがつておらない点も多々あると思うのでありますが、ただいまお話のように、特に水産縣においてそういう計画をすることはついては、何ら大藏省としては異存のあるところか、もし大藏省でさらに積極的に御あつせんすることによつて、若干でも効果があがるようでございましたならば、取り急いで日銀、水産廳とも御相談の上で、急速にそういう懇談会を設立することにいたしたいと思います。
○夏堀委員 國債の償還のことですが、これは水産ばかりではありませんで、各地方の産業上の計画に基いての所要資金――地方の銀行には金がないということの一点張りでありますので、國債の償還という振り向けについて、ただ漠然として、いわゆる國債の償還をどうせよ、こうなつたらば、おそらく日本銀行は全部集中されるじやないかと感ずるのでありますが、地方の銀行は、あながち日本銀行からの借入金のみによつて持つているという面も全部じやないので、地方の産業面、特に水産の計画に基いた所要資金、水産の重要性をお認めはなるのであつたならば、一つの産業に基く資金計画を立て、それを檢討して、國債の償還の金を地方は優先的消化の方法をとつたらどうか。これによつて相当緩和されるであろうと考えておりますが、こうした面に対する御意見を伺いたい。
○愛知政府委員 先ほどもちよつと申し上げましたように、千七百五十億円の中で、未定の部分について産業融資がどのくらいになり、國債その他の償還がどのくらいになるかということの見すえは、今のところついておりませんけれども、國債の償還ということが取上げられます場合には、これを所有者別に、たとえば日本銀行を優先するとか、あるいは地方銀行を優先するという問題がございます。それからいかなる銘柄を先に償還するかという問題も起りましようし、また金利の高利のものがか多いか低利のものが多いかということで、また財政その他の面との、いろいろ利害が相反するという向きはあろうかと思いますが、それらの場合につきましては、根本の國債の償還額が、先方でも考えておると思いますが、いま少し具体化するとともに、これをぜひ取上げて考えたいと思います。ただ、ただいまお話の通り、私どもの希望としては、國債が地方銀行に償還されまする場合も、ちようどこの金は從來で言えば、いわゆる金融準則上の規整資金に該当するものと私どもは考えたいのでありまして、その分については、ある程度の規整を考えて、当然しかるべきものではなかろうかというふうに考えております。先ほども申しますように、日本銀行の融資あつせんにつきましても、たとえば保証がないのは何で貸さなければならない必要があるかどうかというような悶着も、得て起りやすい現状でありますが、対日援助見返り資金で償還された國債の元金というようなものは、これはほんとうは國家的な高い立場で扱うべきものでおり、またこれを規整して、國家としての所要の面に潰すように、計画的は使うということは、当然考えなければならぬことだと考えておるわけであります。
○夏堀委員 私今申し上げることは重要な問題でございます。金融機関の金詰まりのこうした機会に際して、取立てが非常に嚴重になつたということであります。そして率は非常に高くなつたということであります。水産の建造費の問題でありますが、これは戰災にあつて喪失したその船舶を、当時政府はいろいろな関係で賠償の責任を果すことができなかつたのであります。かわつて金融機関をして船の建造費用をまかなわせるということになつておると私は考えております。そうした関係で普通の金融とは違つておる。もちろん今となればみんな同じような取扱いと考えておるのであります。復金及び勧銀、この方面の金融は多いようでありますが、償還期限が來れば何の容赦もなく取立てる。これは契約になつておるからやむを得ないと言えばそれまででありますけれども、こうしたような金詰まりの場合に、強制的はこれを処分するというような強硬な態度にもし出た場合に、政府としていかなる態度でこの問題を御解決になるかどうか。金融機関とすれば、みずから立つためには貸した金をとるのは当然であります。また借りかえのたびに高利の率に書きかえさせる。これも契約にあればやむを得ないところであります。けれども高利貸しにひとしい、弱いものであれば産業の破壞じやないか。この金融機関の考え方と政府の考え方とは、同一じやないでありましようけれどもこうした場合に、政府が金融機関に対して何か御指示になるようなことができるものかできないものか。この点に対してお伺いします。
○愛知政府委員 貸付の元本の回收につきまして、期限を超過いたしましたような場合は、政府としてこれに対して回收を少し加減するということは、現在の制度では法律上できないと思います。それから借りかえの場合に高利をとるということにつきましては、これは脱法的に、たとえば臨時金利調整法に違反をして、そして高利の――借りかえというようなことを名義にしまして、高利をとるというようなことについては、行政上もいろいろの措置によりまして、これは是正しなければならぬと考えております。
 なおつけ加えて申し上げたいと思いますのは、今回貸金業等の取締りに関する法律案を提案いたしまして、大体御審議が終つたのでありますが、その法律案の中で、金融機関の役職員等が、その地位を利用していろいろな利益を受けるということについては、從來これといつて、的確にこれを拘束する法規的規制がなかつたのでありますが、今回この中に一條文を挿入いたしまして、そういう点はついては、嚴重な罰則をもつて臨み得ることにいたしましたので、そういう点でさらに取締りが強化されると思います。
 それから元本の回收につきまして、一般金融機関については先ほど申し上げました通りでありますが、特に最近問題となると思われますのは、復金の回收でございます。これが非常に強硬に参りますと、複合した他の金融機関は、勢い財産保全の措置をとらなければならぬということになるのでありますが、復金の回收をどの程度嚴重にやるかということは、いわば消極的な金融政策になると思いますので、この点は、政府側におきましても非常に関心を持つておりまして、近く復興金融委員会の開催を求めまして、國会終了後、ただちに政府としてはこれに対する道を考えたいと思います。
○夏堀委員 よくわかりました。今銀行局長からの御答弁がありましたが、これは今漁業者がこのために非常に心配しておるのであつて、いつ差押えが來るだろう、しかし金の心配はできないのだが、もし差押えが來たならば、どういう方法をとつたらいいだろうか、船を投げ賣りするよりも、今のうちにこれを処分したらいいかなというような、非常に憂慮すべき事態になつているのでありまして、水産廳として、局長の御答弁になつたことを、なおそれ以上、水産業者のために、特に復興のために建設貸金として貸し出されたのでありますから、その目的を達成するように、水産廳で積極的にやつてもらいたい。結局復興のために貸付けしたものは、結果において産業の破壞になるのだ、その線に行つたのでは最後でありますから、そういうことのないように、水産廳と大藏省との緊密な連絡をもつて、これに対して善処せられんことを要望いたします。
○愛知政府委員 ちよつとつけ加えさしていただきます。復金の回收につきましては、実は予算上は七十五億の回收をしなければならぬ、これは一見さして多額の金とも思われませんし、ことに復金の融資の残高から見ればその比はわずかなものでございますが、復金の融資そのものが非常に長期にわたつた固定的な設備資金が多い関係で、二十四年度中に七十五億の元本を回收するということは、相当な困難性があると思いますが、しかし復金に対する二十四年度総合予算の態度としては、徹底的にこれだけは回收しなければいけないということになつておるわけであります。その結果、今御指摘のような心配が一面非常にあるわけでございます。なお政府側におましても、これは復金の回收でありますから、直接政府がやるわけでございませんが、この問題は、先ほど申しましたようにきわめて愼重に、一面非常に徹底的な回收が必要でありますが、消極的な金融政策といたしましても、実情に即した考慮をしなければならぬということで、復興金融委員会の開催を願いまして、そこで各種の資料、実情によつて、十分各界の御意見を反映した上で、態度をきめるようにいたしたいと考えておりよす。
○玉置委員 私は先ほど夏堀委員の質疑をされました地方銀行融資に関連してお伺いしたいのですが、私の申し上げることは、ずつと前二月のころでございまして、ちようど現内閣の組織前でございました。当時中央から北海道に進出されておる相当大きな銀行の支店長、次長と懇談いたした際に、たまたま融資停止の指令が來て、実は今融資したくもできない状態にあるのだ。日銀の了解さえあれば、われわれは北海道のこの水産の状態、それから地域的点等を考慮して、相当融資をしてもいいと考えておるのだが、どうも日銀の関係のこうした指令もあり、もちろん本店を経て來たことでありまして、貸したくも貸せないのだ。今度の大藏大臣にどういう方ができるかわからないが、この大藏大臣の方針とそれから日銀の一萬田総裁の考え方がかわつてもらえれば、相当融資をしてもいいのだ。こういう率直な話をされたのであります。從いまして、先ほど夏堀委員からもいろいろ申されましたように、大藏省がこれに対する何らかの手を打つて、地方銀行と日銀との間に話合いを進めていただくというふうなことになりますれば、私はこうした経済逼迫の状況下にありましても、全面的にその地域による水産業の状態を考慮して、相当地方銀行も考慮するのではないか、かように考えまするが、二月当時から今日に至る日銀並びに大藏省としての、これに対する何らかの対策と言いますか、手を打たれたことがありまするか、これについてお伺いいたしたいと思います。
○愛知政府委員 ただいま日本銀行と大藏省との関係についてお尋ねがございましたが、少くとも今後におきましては、大藏省と日本銀行の関係と申しますよりも、今までよりもはるかに各界、産業界、それから地方銀行界等の要望は、日本銀行の中に制度として反映し、かつ決定される機構に今回なることになりますので、今後においては、一般的に申しまして、各種の金融問題に対する考え方が、かなり幅廣く考えられることになると確信しております。それから水産金融の問題に対しましては、二月以降におきまして私どものやりましたことといたしては、先ほども申しておりまするように、なかなか地方銀行の金融というものに乘せることは困難でございまして、実はあまりこの方面に、率直に申しまして重点を置いておりませんでしたわけで、むしろ政府としてやり得るような特殊の制度の方に、実はかなりの重点を置いて参つたのであります。しかしながらもちろんその間何回となく日銀の專門の当局、それから地方銀行のいろいろな人々、あるいはまた水産廳との間、また業界の方々と、いろいろ懇談の機会を持つたわけでありますが、なかなか名案がなくて今日に及んでおるといのが僞らざる実情でございます。
○玉置委員 水産金融対策につきましては、先ほど夏堀小委員長から、決議をいたして着々対策を軌道に乘せるべく配慮しておることを申し上げたのでありますが、何と申しましても水産金融は、みんなが口をそろえて申しますように刻下喫緊の問題でありまして、でき得るならば、私どもはこの國会中に何らかの目鼻をつけたい。かように考えて、しかもここに、あるいは見返り資金によるところの財政的援助を基にし、あるいは預金部等からの、せめて両方合せて四十億くらいのものの資金の確立を期したいということを、実はいろいろと御相談をして参つたのでありますが、ただいまの局長よりの御答弁を聞きますと、まだまだ具体的にそこまで行こうとするには容易ならぬ隘路があるように思われます。そこで私つつ込んでお伺いいたしたいことは、政府におきまして農林省の総務局長、あるいは大藏省の銀行局長、水産廳長官、この三者におきまして、今日までこの水産金融に対して何らか具体的に打合せをなされ、対策を講じられたことがあるかどうか、この点をお伺いいたしたいのでございます。
○愛知政府委員 今御指摘の三人の者が、特にこの問題について三人だけで会合したということはなかつたと記憶いたしまするけれども、水産廳の方はしばしば私の所へおたずねになり、また私も水産廳に出向いて、さらに安本、日本銀行との間で、しよつちゆうこの問題が取上げられておるわけでございます。いずれも、今も御指摘の通り隘路が多いために、なかなか事が進みませんで、その結果、私どももまつたく坐して時をむなしくしておるかのようなふうにごらんになられましても、まことにどうも申訳のないことでありまするが、結果において努力が実を結んでいないというようなことでございますので、その点ははなはだ恐縮に存じておる次第であります。
○玉置委員 私、この問題については、せんだつて農林大臣にお伺いいたしたかつたのでありますが、時間切迫のためについその機を得なかつたのですが、もとよりわれわれ委員会としてもこれに最善の力をいたし、政府当局と協力してこれが実現に、さらに急角度に進まなければならぬということの責任を痛感しておるものでございます。從いまして、政府当局におかれましても、行つたり來たり個々別々の話合いというものは、なかなか結論を見出すということが容易でないのであります。本日も実は会議前に非公式の会合で、水産廳、安本、物價廳の各局長、部長等々とお話合いをしてみましたが、ひざをつき合せて話をすると、きわめて打ち解けて、そうして何らかのそこに案を見出すことができるのですが、政府当局で今日までそうしたことのなかつたということは、はなはだ私遺憾に思うのであります。どうかおそまきながらでもやむを得ませんから、これから早急にそうした機会をつくつて、ひとつ私どもと相協力いたして、早急に金融の措置を講ぜられるよう万全のご努力をお願いしたいと思う次第であります。
○長谷川委員 ちよつと聞き漏らしたのですが、先ほどの説明の中に、地方で二十億足らずのものが現在ある。これを当面の金融は当て得べく努力をしておるというようなお話を伺つたのです。聞き違いかもしれませんが、この三十億というのはどういう性質のものでありますか、お伺いいたします。
○愛知政府委員 先ほど二十億と申しましたのは、今日農林中央金庫が法律上持つておりまする債券の発行限度に対して、現実は発行しておりまする額との差額、すなわち今後発行し得るものが二十億あるということをし申上げたわけでございます。ところがこの二十億は、法律上は発行し得ることになつておりまするけれども、事実上において從來は発行できないことになつて、そのままになつておる問題でございます。でありますから、その許可をまずとるということが前提でございますが、それがとり得て、そうして預金部がこれを引受け得たならば、これはただちにその二十億の金ができるわけでありまして、ちようど昨年の第三・四半期の中ごろから、第四・四半期にかけまして、農林水産特殊金融として出ました金が、二十一億余りだと思いすけれども、その程度の金ならば、この方法があるという趣旨で申し上げたのであります。
○五島委員 私、遅くなりましたので、あるいは質問が重複するかもしれませんが、ただ二点だけお伺いしたいと思います。
 復金の回收として局長が申されました七十五億というのは、復金が貸付をいたしますには、むろんそのときに償還の契約があるわけでございますが、その二十四年度分は償還しなければならないという契約よりもどれほどふえておりますか、ちよつとお伺いしたいと思います。
 それからもう一つは、見返り資金及び援助資金等に関しまして、いろいろドツジ案なども聞きましたが、これを思うときには、どうも國が出します補助金とか助成金というものは使うよりも、銀行を経由して、銀行から産業資金として貸し付けるということを希望するように私らは承りますが、銀行局長におかれましては、各地方銀行にも貸付の重要度、順位度というものを御指示なさいますか。そういたしまするならば、水産金融の順位度はどの程度に持つて行く御意思でございますか。ちよつとお伺いいたします。
○愛知政府委員 復金の回收額七十五億でございますが、実は復金の融資はその性質上、他の融資と非常に違つておりますので、二十四年度中の回收の期限というものを文字通りに解釈していいものと、それから含みがあつたものと両方あるようでございます。その両者をあわせまして、二十四年度中に、いろいろの意味で償還を確約してあると断定できますものが、七十億前後と記憶いたしております。そうしてそれに努力目標が若干加わつており、これが予算の編成の基礎になつておる。これはただいまあいにくこまかい資料を持つて参りませんでしたが、大体ただいま申し上げたことに間違いないと思います。
 それから見返り資金の問題は、先ほど來申しておりまするように、前提が何分まだわかりませんので、仮定をもとにしてのお答えになるのでございますが、地方銀行が持つております償還というものを買上げてくれるということになりました場合、これはいわゆるひもつきに考えるべきが当然であると信じておるのでございまして、先ほど申しましたように、從來で申しますならば、融資準則上の規則資金と性格をひとしうするものであり、從つてこれはひもつきに使わせなければならぬというふうに感じます。その際に水産企業をどういうふうに考えるかという御質問でありますが、これは一口に水産と申しましても、長期の設備貸金もあり、また短期の漁業手形のようなものもあるわけでございますが、いずれにいたしましても、できるだけこういう順位――現在甲、乙、丙という融資順位がきまつておりますが、さらにはその甲の中でも高位は置くべきものであるというふうに考えておるわけでございますが、ただこれは私の意見でございまして、その順位等については、あるいはまた規模等につきましては、当然安定本部できめていただくべきものと考えております。
○奧村委員 ただいまお答えの中にあつたように、つまり市中銀行はひもつきで融資される場合に、たとえ水産を甲にいたしましても、市中銀行としては、まずその担保力その他を非常に考えるだろうと思うのであります。実際問題としては、一般市中銀行は非常に水産をあぶながつておりますので、たとえ甲にしても、担保力その他で市中銀行がこれを断わる、こういつた場合、これに対してどうお考えになりますか。
○愛知政府委員 その点は率直にお答えいたしますけれども、これがいいか惡いか議論の問題は別にいたしまして、現状におきましては、先ほど來申しておりまするように、銀行の金になりました以上は、その融資ができるかどうかは、あくまでも企業側との話合いで行くよりほかはない。これに対して、たとえば日本銀行の融資あつせんにすら法律的は疑義があるくらいでありますから、いわんや政府がこれに対して強制融資を命ずるということは、絶対にできない建前に現在はなつております。從いまして、國債の償還を受けた、そのかわり金は何と何とに優先して使えということまでは言えますけれども、そこに融資をしなかつた場合に罰則にかけるとか、あるいは行政監督上処分するというようなことはできないわけであります。あくまで話合いで行くよりほかははないわけであります。そこで、しからばそれでいいのかということでありますが、それに対しましては、私どもとしては、とりあえず日本銀行の政策委員会というものをこの國会でつくつていただけることになつたわけでありますが、その政策委員会を中心にして、今後の信用統制について、法律的な根拠を持つた一つの基準法規をつくりたいということを考えておるわけでございまして、その際には、法律によつてこれを義務づける。場合によれば、あるいはそこで保証という問題もさらに新しい意味で出て來るかと思いますけれども、法律的な基準というものを、信用統制に與えていただかない場合におきましては、これはどうしても話合いだけであつて、せいぜい行政当局の勧奬という程度にとどまらざるを得ないわけであります。從つてこの次のすみやかな機会に、私どもとしては信用統制法というものを立案するつもりでおるわけでございます。
○奧村委員 ただいまのそこが問題でございます。いままでの融資準則は、銀行に対してはあまり大した強制力は持つておらぬ、持つておらぬどころではない、非常に有名無実な場合が多い。特に水産の場合そういう事情が多い。そこでただいまの御答弁では、日銀の政策委員会ができたら、將來信用統制法のごときものをつくつて、強制的にやらすようにしたい、こういうお言葉でありますが、それではまだずつと先のあてにもならぬお話であろうと思います。法的に統制強化するということの裏づけには、法的に融資を命令した場合に、その融資が償還できなかつたという場合には、必ずこれは國家として補償するという面がなければ、これは強制力はなかろうと思います。そこまで行けばなかなかそれは困難な問題である。つまり結論としては、水産金融は、市中銀行に対しては深い期待は持てぬというふうな感じがするのであります。そうしますと、見返り資金の方もあまり期待が持てぬ。結局われわれとしては、昨年度行われたような農林水産復興融資、ああいう考え方の融資が最も頼り得るものである。つまり農林中央金庫の債券発行のわくをふやしてこれに対して大藏省の預金部資金をまわす、これがさしあたつて最も適当な策のように思うのでありますが、これにつきましても、どうやらただいまの御答弁を承つておりますと、まだあまり具体的なお話になつておらぬように思うのでありますが、先般の農林大臣のお話では、農林中央金庫のわくを八十億円にふやして、預金部貸金でもつてその債券を持たせる、こういうことを言つておられたのですが、その点はまだ法律も改正しなければならぬはずであります。また預金部資金をまわすということになれば、関係方面の了解も得ねばならぬと思うのでありますが、それはまだ政府部内だけの案であるのか、あるいは直接向うの方に交渉しておられることでありますか、どうですか。
○愛知政府委員 先ほどの答弁をさらに補足いたしますが、現在までの融資準則は有名無実であるということではないのでありまして、從來までは御承知のように財政的に金融におんぶする点が非常にあつたわけでございます。金融機関の蓄積資金のうちで三割五分までは國債や復金債を持たされておつたわけであります。ところが國債は國の債務であります。復金債またこれに準ずるものでありますから、そういう実力のついたものであるならば、法律上の権限をもつてこれを持たせることができた。ところが今後の財政と金融とのかつこうは、これが分離しましただけに金融の自主性が非常に強くなつて、その際に一方においてには普通金融機関をそのままにして置きますならば、貸したくないものも相当ありましようが國家的に見れば貸したくないところにどうやつて金を流すかという問題、その他新しい観点で信用統制の問題が取上げられなければならない。しかもこれは率直に申しますが、成案は政府としては持つております。しかしいろいろの内外の情勢から、この國会に対して政策委員会をとにかくつくつて、そうしてやられるところまで、――今日のような日本銀行のいわゆるワンマン・コントロールだけでは地方銀行はついて來ない。ここに中央銀行の運用の妙味を発揮させることによつて、いろいろとここで知惠を出して行こうというのが、今の考え方であります。同時に成案は相当持つておりますので、いつのことかわからないのではなくて、われわれとしても、できるだけ日本の実情に應じてやりたいということに、何と申してよろしいでしようか、そのために百パーセントわれわれは毎日努力しておるわけであります。ただ申すまでもございませんが、いろいろと相手方も多ければ多いほど考え方も違つておるというようなところで、私どもとしてはまつたくその間に板ばさみになつて苦しんでおるというようなかつこうになつておるわけでございます。そういうふうな実情でありますることを御了承願いたいと思います。
○砂間委員 水産金融と申しましても、大体二つのカテゴリーがあると思うのであります。今一番困つておるのは、何と言つても沿岸の零細漁民なのであります。この方面は、これまでもほとんど軽視され、無視されて來たのであります。終戰後におましても、大きいところは復興融資とか、いろいろな方面から、ないないと言いながらも相当程度の金が流れて行きまして、漁船の建造でもできて來たわけであります。現在の漁船の場合を一つ例にとつて申しますと、トン数百トンにつきまして、船齢十年以上を経過したものは、捕鯨の場合においては二%、トロールの場合おいてには十二%、機船底引きが十二%、かつおまぐろが六%というような率になつておりますが、沿岸の定置の場合におきましては、実に六二%となつておるわけであります。あるいは差し網なんかは四三%、引網なんかは実に八三%というふうに、十年以上経過して、船はこんなふうに老朽して來ておる。大体資本漁業の大きいところは船齢も若い。しかも終戰後の新造船もあるわけであります。これは單に漁船建造ばかりではありませんで、ほかの資材やその他の水産金融の方面で、とにかく資本漁業の方には、ないないと言いながらも、相当程度流れて行つておるのですけれども、地方沿岸の零細漁民に対しては、ほとんど見捨てられて來たというのが、これまでの水産金融の情勢だつたのです。ところが現在一番困つておるのは、何と言つても沿岸の零細漁民である。船はぼろぼろになつておる。これの代船建造はとてもできない。しかもああいう小さい船では漁ができないから、五艘十艘集めまして、大きな船を一ぱい建造して、仲間で遠くへ行きたいという希望が非常に強いのですが、そういう方面への融資はできない現状になつておるわけです。今銀行局長のお話をずつと聞いておりますと、あつちの方もむずかしい、こつちの方もむずかしい、ああだこうだというようなことを、いろいろ申しておられますけれども、しかしそれは緻密に仕組れた現在の金融の網の目、この機構の中でやつておつたら、どうにもこうにも解決がつかないかもしれない。ここでひとつ金融の面につきましても、大きな英断をふるう必要があるんじやないか。最近民主主義というようなことが盛んに唱えられまして、漁業法案の提出にしましても、先般も大藏大臣は漁村の民主化だとか、あるいは日本の民主化というようなことを盛んに唱えておられたのですが、その民主化をほんとうに達成するためには、これまでのような大きいところばかり擁護して行くというような政策では、結局目先だけでありまして、何らの実効がない。なかんずく金融の面におきまして、もつと沿岸の零細漁民の方に國家資金をどんどん注ぎ込んで行くというような、思いきつた政策がとられる必要があると思います。今年の七千何百億という厖大な予算にしましても、大部分は税金からなつておるのですが、その税金は漁民だつて納めておる。みな大衆が出しておるわけであります。それを大きいところには價格調整金や政府出資金や、いろいろの形でどんどん出して置きながら、実際に困つておるこういう零細な漁民の方面には、何も流していない。日銀にポリシー・ボードができたとしましても、もしあのまままかして置けば、集中生産方式の、能率のいい所へだけ固まつてしまうことは見えすいておる。そういうやり方では、日本の民族産業を破滅崩壞さしてしまうことになる。なかんずく水産の方面におきましては、沿岸の方の中小漁民はみな崩壞してしまう。これは現に今日危機があらわに出て來ておるこういう現状を見まして、もしほんとうに政府が日本を復興さして行く、この勤労大衆の生活を守つて行くという点にほんとうに力を入れるならば、この金融の面でも、思い切つて英断をふるつて、思い切つた施策を講ずる必要があると思います。ただ現在精緻に仕組れた金融のわくの中で、しかも大体大資本とつてぐあいがいいように仕組まれておるのですが、その中でいつまで繰返しておつても、いい方策は見つからぬと思います。ここでひとつ、政府は思い切つて英断を振つて、零細漁民を救うような金融措置をとられんことを強く要望いたします
○愛知政府委員 どうも私から答弁するのもいかがかと思いますが、率直に意見を申しますならば、ただいまお話の中にもございましたように、國家資金というお言葉がございましたが、今の金融制度、金融組織でございますならば、やはり從來私がここで御説明いたしましたような問題が所在するというふうに考えるわけでありまして、たとえば先ほど來申しております中でも、私は現在の制度の中においても、水産金融というような特殊なものにつきましては、技術的に申しても、銀行から金を借りる、いわゆる金融ということでは解決のつかぬ問題が非常に多い、性格的にそういうものだと信じております。從つて隘路がたくさんございますけれども、やはり特殊の金融、むしろ性質的に言えば、財政的な感覚における方法や手段でなければ、抜本的に解決できない問題だというふうに私も考えておるのです。ただそれを考えるについてに、現在の九原則なり総合予算の編成のときの構想、考え方から申しますと、なかなかそこに隘路ばかりあつて、どうにもならないということを今まで率直にご説明いたしたつもりでございます。
○石原委員長 銀行局長に委員長より伺います。この水産金融の問題は、質疑應答で御承知のように、この國会の会期中に何らか具体化しなければ、この委員会の責任を盡さないのみならず、日本の水産が壞滅に瀕しつつあるのでありまして、ぜひとも何らかの具体化をしなければならぬというかたい決決意を持つておるのであります。つきましては明日、明後日、この二日間のうちに安本、日銀、大藏省、水産廳、中金等の首脳部が集まつていただいて懇談をいたしたいと思うのでしありますそれにつきましては、銀行局長に二十一日、二十二日のうちどの日をお繰合せくださいましようか、伺つておきたいのであります。
○愛知政府委員 もしできますならば、たいへん勝手でございますが、二十一日の午後にお願いできませんでしようか。
○石原委員長 他の各方面の都合をきまして、ぜひ二十一日にしたいと思います。どうかぜひひとつお繰合せを願います。
○小高委員 愛知銀行局長はたいへんお忙しいようですから、きわめて簡單にお尋ねいたしたいと思うのであります。先般私は農林大臣に、わが國の水産業の重要度、ウエートの問題を問いただしましたところ、農林大臣は、明快に重要産業中のまた重要なものであるということを答弁しておるのであります。しかるにもかかわらず、先般來同僚諸君からるる質問がありましたが、その大藏大臣の答えと、また末端あるいは中央において全般的に重要度を持つておるところの水産に対する金融の面がとかく遺憾な点が多いために、かくのごとく議論がかわされておるのではなかろうか、こういうことを考えますと、どうしてもこれは解決していただかなければならない問題でありますが、その際にぜひとも考えなくてはならぬことに、水産金融に対する元受けの問題であろうと思うのであります。政府は各方面に融資をするために、水産業がかくのごとく悩んでおつて、その重要性を認めながら、これに対して十分の金融はできないというようなことが、一つのあいまいたる答弁となつてわれわれの意に満たないものがあるのではなかろうか、こういうことを考えると、今砂間君からも、零細漁民に対する金融の問題について御質問がありましたが、私も零細漁民に対しては、大いに救済して行かなければならぬと考えます。このままでは立ち行かぬと思いますが、政府融資というものに限度があつて、しかも濫用が多い。この場合にどうして解決すればいいのかというと、ここに水産に対するところの外資導入ということが、一つの問題として大きく浮び上つて來るのである。かようなことを考えますとき、今米國の金融事情を調査いたしましたところ、モルガン・クンローブというような四分か四分五厘の金を長期に貸しつけまして、そうして長期金融業者を建前としておるこの系統が一つと、もう一つは水産でも、あるいは加工でも、その他工業でも、思いきつて投資しようという投資金融業者があるようにも聞いております。さらにもう一つはロカフエロー、あるいはグーゲン・ハイグ等の慈善事業を中心としておるもの、ただで金を貸してやるというような金融機関もあるのでありまして、この三段階にわかれたところの外國金融と日本とどう結びついて行くかということは、ただに水産業にとどまらず、わが國産業全般にわたつて解決すベき大きな問題であると思うのであります。これについて、いまだ政府においては外資導入の措置が講ぜられておりません。なぜならば外資を保護する、日本へ投資された外資は必ず御迷惑はかけません、損をかけませんというような保護を加えるところの法律ができておらない。ためにびくびくしておつて、日本への外資導入ということは、口に叫べどもその実はあがらないのではないか、かようなことを考えざるを得ないのでありまして、この点に対して、政府は適切なる法律案をつくつて、そうして外資導入をすみやかに講ずる意図はないか、この点を一点伺いたいのであります。元受けが少い以上いくら騒いだつて、その少いものをわけ合う限度には限りがあります。そこでまず外資が導入し得られるように、國において一つの金融施策を講じ、そうしてこれが安心して導入し得るところの一つの大水産企業、これが一方道が開けて樂になれば、製造業者に樂な金融がついて、資金が潤沢になれば、それは即生産業者に直結して行き、また生産業者に金融の道がついて、そうして生産がたくましくなつて樂になれば、それは逆に生産業者から今度は製造加工業者への一つの福音になり、金融になる、こういうように生産と製造加工とは一体不離なものがあるのでありまして、この点から言いまして、安心できる水産企業というものが多々わが國にはあるのでありますが、これに対するところの適切な方途が講ぜられておらないのであります。これに対して総括的に水産金融を樂に緩和するために、たくましく外資を導入して行きたいと私は考えるのでありますが、政府当局として、この点に対していかなるお考えをお持ちであるか、その点まず第一に伺いたいのであります。
○愛知政府委員 外資導入の問題は、その総括的な問題といたしましては私の所管外でございますので、非常に大きな問題でありますだけに、軽々にお答えすることはできないと思いますので、別の政府委員あるいは大臣にお尋ねを願いたいと思います。ただ國内の金融機関として考えました場合に、外資を導入するということと、当面の國内の金融の打開というものは、理論的には直接の関連は必ずしもない場合がございますので、多くの外資が導入されましても、ただちに國内の金融問題が解決するとは、私は考えられないのではなかろうかということだけをお答え申し上げておきたいと思います。
○石原委員長 小高君、その程度でどうですか。
○小高委員 よろしゆうございます。ちよつと二、三の希望意見を申し上げます。ただいま銀行局長は、外資導入と内地の水産業等に関する金融との直接の関係はないというようなことでありましたが、金融というものはまわりまわつてくるものでありまして、相互扶助的な関係が、一方を多分に強く押し進めることによつてできるものでありまして、そういう点から行きますと、ただいまの答弁に了承いたしかねるのであります。しかし事が銀行局長のみの個人の意見によつて答弁できる問題ではなく、これに大藏大臣あるいは日銀総裁等の意見を多分にくみ入れなければならないというような御意思があるやに了承いたしましたので、これはあらためて日銀総裁なり、あるいは大藏大臣に御質問いたしたいと思うのでありまするが、ともかくわれわれのこの水産委員間において、かくのごとき一つの水産金融をどうしても盛り立てなければならないという、その熱意の結果、そこまで問い詰めた苦しい議論が展開されたことを、一應御了承願いたいということをつけ加えまして、質問を打切ます。
○石原委員長 金融問題の質疑は、この程度にとどめます。
    ―――――――――――――
○石原委員長 本委員会に付託になりました請願並びに陳情を審査いたします。
 まず日程第一、丸山漁港修築の請願を議題とするのでありますが、紹介議員がおりませんので、紹介議員の出席された分を審査することにいたします。
 日程第五六、両津漁港施設拡充に関する請願、文書表第一八〇四号を議題とし、紹介議員風間啓吉君の紹介説明を求めます。
○風間啓吉君 新潟縣佐渡郡両津漁港施設整備拡充工事促進のため、國会水産委員会委員各位の現地観察請願並びに工事費補助請願にあたりまして、紹介議員として簡單に趣旨弁明をさせていただきます。
 開港百有余年の歴史を有しまする新潟縣佐渡町両津港は、新潟港より五十九キロ、直江津港より百三十キロ、函館港より四百四十五キロの地点にありまして、日本海における中心部の自然的に優位なる所にありまして、この港の地形並びにその地質等総合的に見ました場合に、天然に惠まれたいわゆる天惠の重要なる良港と言わなければならないのであります。從いまして、両津港が佐渡における産業、経済の飛躍的発展に比例しまして、輝かしい膨張を示し、今日及んでいるのでありますが、両津港は商港で、また漁港として單に佐渡ヶ島の重要港というばかりでなく、わが國全体の産業経済上における重要港と申さねばなりません。いわゆるこの出船千艘、入船千艘の天惠的両津港も、時代の進展とともにその利用度がますます効率化して参つているのでありますが、今日の既設の港湾施設をもつてして、その規模があまりにも最小貧弱に過ぎまして、その天惠的價値を最高度に利用することが不可能であります。戰後日本経済再建の主目標である食糧増産の施策が強く強化され、特に本土における水産資源の絶対確保が強く要請されて以來、沿岸漁業の発展、その漁獲高の計数から推しても知られるのでありまして、さらにこれが増産の方途は大和魂を初め、佐渡を中心とする沿岸漁場の開拓と漁獲方法の改善を必至となす現状からいたしまして、これを実現すべき前提は最良の漁業基地でなければならない。この観点からいたしまして、両津港が漁業基地として日本海において最優位にあることは、ここに論をまたないところであります。すでに基本的施設を有する両津漁港の整備拡充こそ、日本海水産資源開発の絶対不可欠の最緊急時でなくてはならないのであります。ここに両津港の過去における実現と、現存及び本工事完成により可能とする短期生産増強の目途を、数字的に簡單に申しあげます。すなわち昭和十三年には船舶繋留数は百艘でありました。現在はこれが六十艘に減つているのであります。なぜかと申しますれば、現在の船たまりは、工事を初めて以來十七年を経過しますが、その間予算が足りなくて浚渫をしなかつたため、漸次土砂が堆積し、現在約三割が利用不能となつておるのであります。しかるに幸いにいたしまして本工事が完成のあかつきにおいては、二百艘以上を繋留し得ることは明らかなのであります。最近船が小型から大型へと轉移し参つているのでありますので、本工事の急速なる完成が要望されるゆえんであります。
 次に水産漁獲高を申し上げますならば、昭和十三年度におきましては三百三十万貫でありました。ところが現在は百二十万貫に減つているのであります。これは前段申し上げました理由と同じなのであります。ところが本工事が完成いたしますれば、現在の五倍、六百万貫の増産は必ずなし得るのであります。次にまた加工製造高におきましても、昭和十三年に六十万貫であつたものが、現在では二十万貫に減額いたしているのでありますが、これもまた先ほど申した理由によるのでありまして、本工事が完成のあかつきには、二百万貫を増産し得ることは容易に想定できるのであります。この経済的数字の示す事実を深く御認識賜りたい。両津港が商港として、また漁港として、日本経済再建の上から、裏日本屈指の重要港として、その工事の完成を急ぐべきであるという事実を、親しく御視察賜りたいのであります。貴水産委員会におきましては、何とぞ現地視察團の御差遺方を願いたく、ここにつつしんで請願を申し上げる次第であります。
 さらに本港の整備拡充は、他のいずれの漁港より、はるかに國内産業経済の比重を増加するものであるという結論に基づき、これが早急なる完成を目途とする場合、現在までの工事進捗状況より見て、これが完成には長年月を要し、所期の目的を達成するにほど遠い現実に直面するのでありまして、まことに焦慮にたえず、政府の短期生産計画促進の観点から特例なる御詮議をもたれまして、すでに決定済みにかかる昭和二十四年度工事費一千万円を、断定本漁港整備拡張年次計画に基づいて大幅に増額せられたく、ここに両津港湾期成同盟会の総力を結集いたしまして、請願申し上げる次第であります。
○石原委員長 本請願に対する政府の所見をただします。
○藤田説明員 新潟縣両津港を完成する必要は、当方においても十分認めておるところでございまして、本漁港の拡張工事は継続実施中でございまして、二十四年度におきましても、大体事業費といたしまして一千万円程度を予定いたしておる次第であります。なおこれが急速完成のためには、さらにもつとたくさんの支出もいたしたいと考えておりますが、財政の関係からいたしまして思うように参らぬことは、はなはだ遺憾に考えております。將來ともこの問題につきましては、財政の許す限り、できるだけ御期待に沿うように善処いたしたいと考えております。
    ―――――――――――――
○石原委員長 次に日程第一三、沖浦漁港修築の請願、文書表第四一四号、紹介議員宮原幸三郎君。
○宮原幸三郎君 本件は沖浦漁港改良の請願でありますが、その内容は沖浦漁港の泊地の拡張及び修築を、総工費七百四万円で竣工する必要があるために、ここに請願をいたしたわけであります。その必要の理由といたしましては、当沖浦漁港は廣島縣随一の漁港でありまして、その付近の水産基地であります。ただにその沖浦港の漁業者の三百八十名、また漁船三百隻のほかに遠く愛媛縣、また近く廣島縣一円の出漁者が、この沖浦港付近を漁場として集まつて参りますので、漁獲はその沖浦村だけの年産六万貫以上、他の地方の漁獲を加えますと、統計は詳しくとつてはありませんけれども、相当の巨額に上るものであります。その重要港が久しく破損のままに放任せられておるような状態になつておりますので、季節風のために、避難をする設備がはなはだしく不完全でありまして、最近十年間の統計をもつてしましても、一箇年平均三十隻以上も難破船を出しております。しかしその地元においての負担力は、とうていその難破船を修理新造する以上に、この港湾の改良をいたします力が乏しいために、ここに國家の御助成を仰ぎたいという趣旨で、本請願を出したわけであります。何とぞ実地御査定の上この請願の趣旨を御助成くださいますようお願い申し上げるのがこの請願の趣旨でありまして、私はその紹介者としてぜひ御採択あらんことをお願い申し上げる次第であります。
    〔委員長退席鈴木委員長代理着席〕
○鈴木委員長代理 本請願に対する政府の所見をただします。
○藤田説明員 沖浦漁港の修築は、付近の漁業振興上きわめて必要と認められますので、將来財政の許す限り、なるべくすみやかに実現するよう努力いたしたいと存じます。
    ―――――――――――――
○鈴木委員長代理 それでは日程第五七、久美濱港修築の請願、文書表第一八〇五号、紹介議員前尾繁三郎君。
○前尾繁三郎君 ただいま議題となりました京都府久見濱港の修築工事についての請願の理由を申し上げます。久美濱港は京都府の北西端兵庫縣界に近く、舞鶴港と柴山港との中間に位しておりまして、湾内水深も深く、泊地面積もまた廣く、前面に丹後海の重要な漁港を控えておりまして、背後に丹後地方の穀倉を擁しております。農林水産物の集出荷港として好条件を有しておりますにかかわらず、港口狭隘のために放置されておりました。湾内に施設としてみるべきものはほとんどなく、沿岸漁業者が一部を利用しておる状態であります。終戰後海上輸送力次第に増加し、ことに機帆船航路の発達に伴いまして、適所に避難港の設置が要望せられておりますので、國庫の補助を得て本港の開発利用につきまして、特別の御配慮をお願いいたしたいと存ずる次第でございます。何とぞ御審議の上よろしく御採択あらんことをお願いする次第であります。
○鈴木委員長代理 本請願に対する政府の所見をただします。
○藤田説明員 久美濱漁港の修築は、当方においてもその必要性を認めておりますので、將来財政の許す限りすみやかに実現するよう努力いたしたいと存じます。
    ―――――――――――――
○鈴木委員長代理 日程第八、落石漁港修築促進の請願、文書表第二五九号、紹介議員林好次君の説明を求めます。
○林(好)委員 落石漁港の浚渫の問題でございますが、落石漁港は御承知のように天然的に典型の漁港の形態をなしておるのでありますが、一朝南東の風が吹きますと、船のかかり場がないのであります。從いまして、地元を根拠としての現在の漁船は、わずかに小型船が五十隻程度によつて出漁をいたしておるのでありまして、一朝しけの場合には大型船は根室港まで避難しなければならないような現況にあるのであります。しかしながら落石港の沖合は、太平洋沿岸としましても最も有望な漁場でございます。かつまた鮭鱒の流し網の時期には、全國の船が、漁期の中期になりますと落石港を根拠として出漁をいたしておるのでありまして、あすこに大体二百メートルくらいの防波堤を出していただきますならば、太平洋沿岸の最も有望な漁港として十分に活用されまして、生産の増強ができ得ることを確信するものであります。一日もすみやかに落石港の修築に着手されんことを、切に懇願申し上げるものであります。
○鈴木委員長代理 本請願に対する政府の所見をただします。
○藤田説明員 ただいまの請願は落石漁港の修築に関する問題と存じますが、これには付近業業振興上その必要性は十分に認められまするので、具体的計画について檢討の上、將來すみやかに実現するよう努力いたしたいと思います。
    ―――――――――――――
○鈴木委員長代理 日程第十四、當呂村字當呂ポントマリに船入澗築設の請願、文書表第四七一号、紹介議員松田鐵藏君の説明を求めます。
○松田委員 當呂郡當呂川川口の漁港の問題でありまして、本請願の要旨は、北海道當呂郡當呂川々口に位する當呂村は、漁獲高逐年増加しているが、該河川河口は浅く、ために漁船からの陸揚は困難であり、しけの際は漁船はう回して網走港に避難する外なく、漁業経営上重大な障害となつている、ついては、該河口より約十キロ東の天然の良湾ポントマリに船入澗を築設されたいという趣旨でございまするので、この点御採択をお願いいたしたいと存するものであります。
○鈴木委員長代理 本請願に対する政府の所見をただします。
○藤田説明員 當呂村のポントマリに船入澗築設の必要性は認められますので、具体的計画について十分檢討の上、將來実現するよう考慮いたしたいと存じます
    〔鈴木委員長代理退席、委員長着席〕
    ―――――――――――――
○石原委員長 日程第一五、宇登呂港を漁港並びに避難港として修築の請願、文書表第四七二号、紹介議員松田鐵藏君。
○松田委員 宇登呂港を漁港並びに避難港として修築の請願をお願いしたいと存ずるものでありまして、北海道斜里群宇登呂港は、知床半島及びその周辺の豊富な陸、海資源開発の基点として重要であるばかりでなく、樺太、千島方面からの引揚漁民の收容地であり、付近に観光地を控え沿岸約八十里の間、港がほかになく、かつ同南東突端海域は濃霧の発生すること多く、急潮でしばしば船舶が避難しているから、避難港としてすみやかに該港の修築を施行されたいというお願いでありまして、御採択を願いたいと存ずるものであります。
○石原委員長 本請願に対する政府の所見をただします。
○藤田説明員 宇登呂漁港の修築はオホーツク海の漁場開発上、また漁船の避難上きわめて重要と認められまするので、昭和二十四年度から着手する予定であります。
    ―――――――――――――
○石原委員長 日程第一六、漁業災害補償制度設定に関する請願外一件、文書表第四七三号、紹介議員鈴木善幸君。
○鈴木(善)委員 本請願は岩手縣議会議長村上順平君外一名の請願にかかるものでありまして、その要旨は、政府は漁業制度の根本的改革を実施しようとしているが、漁業経済の弱点を是正するのに不十分である。ついては沿岸漁業の経済安定に資するため、漁業災害補償制度をすみやかに設定されたいというのであります。何とぞ御採択あらんことをお願いします。
○石原委員長 本請願に対する政府の所見をただします。
○藤田説明員 漁業災害補償制度の問題は、現在の行き詰まつておりますところの水産金融の打開の上から申しましても、また水産業の経済の安定の見地から申しましても、きわめて必要でございまして、私どもにおきましても至急にこれを具体化するように、現在せつかく考究中でございます。
    ―――――――――――――
○石原委員長 日程第三、崎浜船溜築設費國庫補助の請願、文書表第三一号、紹介議員鈴木善幸君。
○鈴木(善)委員 本請願の要旨は、岩手縣氣仙郡最喜來村崎濱は、その周辺に小壁を始め数多の優秀な漁場を有する縣南における沿岸漁業の中心地であるにもかかわらず、漁港の施設がないため生産の増強並びに経費の節減に大なる不利不便を來たしているが、地元の貧弱な財政と続く災害のため、これが施設の設置にとうてい望むことができない状態にある、ついては、該村が事業主体となり築設工事を施行したいから、同工事費に対し國庫の補助をされたいとうのであります。何とぞ御採択をお願いする次第であります。
○石原委員長 本請願に対する政府の所見をただします。
○藤田説明員 崎濱漁港築設の必要性は十分認められまするので、財政の許す限りすみやかに実現するよう考慮いたしたいと存じます。
    ―――――――――――――
○石原委員長 日程第十一、野田村に漁港築設の請願、文書表第三七五号、紹介議員鈴木善幸君。
○鈴木(善)委員 本請願の要旨は、岩手縣九戸郡野田村は、三陸沿岸に臨み、豊富な三陸漁場を控えているが、宮古、八戸両港の間に良港なく、一度荒天となれば漁船は宮古港又は八戸港に避難する状態で、その労力、経費、漁獲の陸揚不能による損失は多大である。ついては、すみやかに野田村長根濱に避難港を兼ねた漁港を築設されたいというのであります。何とぞ御採択をお願いする次第であります。
○石原委員長 本請願に対する政府の所見見をただします。
○藤田説明員 野田村港の築設に、岩手縣北部における漁業振興上及び漁船の避難上その必要性は十分認められまするので、財政の許す限りすみやかに実現するよう努力いたしたいと存じます。
    ―――――――――――――
○石原委員長 日程第十七當呂村の鮭鱒養殖事業拡充等に関する請願、文書表第四八七号、紹介議員松田鐵藏君。
○松田委員 本請願の要旨は、北海道當呂群當呂村當呂川の運営による鮭、鱒の養殖事業は相当の成績をあげているが、現下の食糧の補給として水産物増産計画を進めるため現在の文化施設を拡充されるとともに、從來北海道鮭、鱒養殖水産組合に委託されていた親魚の捕獲作業を該村に委託されたというのであります。よろしく御採択願います。
○石原委員長 本請願に対する政府の所見をただします。
○藤田説明員 北海道當呂群當呂村にあります水産孵化施設の拡充につきまして、本年度は予算の関係上きわめて困難であるわけでありますが、この問題につきましては、將來沿岸町村における利用者を打つて一丸とする強力な機関をつくりまして、孵化事業を強力に推進するような態勢を整えまして、國家においてもできるだけそれを円満に施設が拡充して参りますように努力して参りたいと考えております。
○石原委員長 本請願に対する御質疑はありませんか。
    ―――――――――――――
○石原委員長 次に日程第二九、眞網代漁港修築の請願、文書第八〇七号鈴木善幸君。
○鈴木(善)委員 本請願の要旨は、愛媛縣西宇和群眞穴村は、土地狭小なため住民の大半は半農半漁の生活を営んでいるが、該村眞代港は地理的条件に惠まれないため、西風または西南風による船舶の被害はなはだしく八幡濱漁港または三瓶港に避難せねばならない状態である。ついては、該村漁民の不安を除去し、漁業の発展並びに海上送輸の円滑化をはかるため、眞網代港を漁港して修築されたいというのであります。何とぞ御採択あらんことをお願いいたします。
○石原委員長 本請願に対する政府の所見をただします。
○藤田説明員 眞網代港修築は付近の漁業振興上、その必要性は十分に認められますので財政の許す限り、なるべくすみやかに修築するよう努力したいと思います。
○石原委員長 本請願に対する御質疑はありませんか。
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○石原委員長 日程第三〇、漁業法の一部改正に関する請願、文書表第八〇八号砂間一良君。
○砂間委員 本請願の要旨は、漁民の民主化と水面の高度利用の見地から、近く改正漁業法が立法化されるよしでありますが、地元漁民の有する現行地先專用漁業権撤廃にかわる根付漁業権において、回遊性魚類、特にここではいかでありますが、これが自由漁業として除外されるため、静岡縣田方群対馬村では魚付林によるいか漁場が他区の大型船に撹乱され、該村漁民は現在死活問題に追い込まれております。ついては改正漁業法の立法化にあたつては、該村のような特殊事情を考慮して、法的措置を講ぜられたいというのがその趣旨であります。
 なおもう少し御説明申し上げますと、この対島村というのは、伊豆東海岸に面して、伊東温泉より南へ約二里半のところにある富戸という漁村のことでありますが、ここは戸数約三百五十戸、動力船三十五隻、無動力船六十五隻をもつて全村が漁業を営んでおるのであります。そうしてここのいかは、特殊な状態にあるのでありまして、いかはもちろん回遊性の魚ではありますが、この富戸におきましては、昔から沿岸の魚付林をいろいろ保護しておりまして、特別にここに寄つて來るようになつておる。ここのいかは一種の根付にひとしいような性質をもつて、ここに固まつておるわけであります。このいかをとつて生活を立てておつたのでありますが、それが今度の新しい漁業法によつて專用漁業権からとりはずされてしまうと、一村の漁民全体の生活が非常に困難に陷る、今度の改正漁業法におききしては、漁村の民主化と水面の高度利用というふうなのが、その趣旨でありますが、この目的から申しましても、このいかを根付漁業として特別に扱つていただくことが、この改正漁業法の趣旨からいつても適しておるのであります。その理由は、小型船の一つの船は、ほかの大型船の二倍以上の漁獲能率を現にあげております。その理由につきましてはいろいろありますけれども、そういうふうなわけで、漁獲という点から行きましても、かえつて現状の方が十分な成績をあげて行くこともできるし、それからまた結局魚付林につきましては、昔から嚴重な管理と、たゆみなき努力によつて、保護育成して來た海岸に緑なす魚付林のために、元來回遊性のいかが、ここでは完全に根付魚となつておるような状態でありますから、今度の改正漁業法におきましては、この富戸のいかにつきましては、特別なる法的御措置を願いたいというのが請願の要旨であります。何とぞ御採択あらんことをお願いいたします。
○石原委員長 本請願に対する政府の所見をただします。
○藤田説明員 從來の案の根付漁業権は、このたび提案いたしております漁業法案では、第一種協同漁業権として、考えられておるのでありまして、大体回遊性の魚族は、これを除外するという建前からいたしまして、いかはこの内容からは除外をして、一應考えておるのであります。しかしながらこのような魚付林等による特殊事情、こういう問題につきましては、私どもといたしましては、漁業調整委員会制度の運用等によつて、実情に合致するように考慮をいたしたいと考えておりますが、なおこの問題につきましては、現在提案中の漁業法の御審議の際に、十分御検討をいただきたいと考えております。
○石原委員長 本請願に対する御質疑はありませんか。
○西村(久)委員 ちよつと伺いたいのでありますが、ただいま政府の言われた通りに、政府の意思は、提案中の漁業法に明記されておるのでありまして、私ども委員会で審議の途上にある法文に関係する問題であると考えておるわけでございます。政府の方の意思では、根付漁業は第一種共同漁業とする建前で文案になつておりますから、本件につきましては、政府の所見をただすということよりも、私どもの委員会の漁業法の審議の際に、十二分に考慮をするというような意に解して、御採択ある場合には御処理を願う方が便利ではないかと考えますので、一言附言いたしておきます。
○石原委員長 了承いたしました。
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○石原委員長 日程第三一、名島に避難港築設の請願、文書表第八八二号西村久之君。
○西村(久)委員 ただいま、委員長からお述べになりました名島というのは、九州本土と壱岐の國との中間に位する地点にある島でありまして、四つの島からなつておるわけでございます。この地点は玄界灘のただ中にあります関係上、日本の九州の西沿岸を航行する漁船並びにその近所で漁業を営む漁船に、なくてならない港としての要望地点となつておるわけでございます。從いまして遭難率も、波が高い関係上非常に多い箇所でございますから、無人島ではありますが、全額國費をもつて漁船あるいは通航の運搬船等のしけ、季節風の西の風あるいは北の風の強い際の避難すべき港として、避難港を設置してほしいというのが、請願の趣旨であるのであります。何とぞ御採択あらんことをお願いいたします。
○石原委員長 本請願に対する政府の所見をただします。
○藤田説明員 名島漁港築設の件は付近の漁場開発上及びその避難上、その必要を認められますので、具体的計画について縣討をいたしました上、將來できるだけすみやかに処置するよう考慮いたしたいと思います。
○石原委員長 本請願に対する御質疑はありませんか。
    〔「なし」と呼ぶ者あり〕
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○石原委員長 日程第三二、漁業権に関する請願砂間一良君紹介、文書表第九〇二号、日程第三三、漁船保險制度存置に関する請願、砂間一良君紹介、文書表第九〇三号、砂間一良君。
○砂間委員 漁業権に関する請願第九〇二号についてでありますが、本請願の要旨は、三重縣北牟婁郡九鬼村当局並びに漁業会は、從來から零細漁民の漁業会加入を阻止しまたは内規により不当な資格制限を加え、監督廳もこれを放任しているので、これら漁民は生活に窮し、漁村の民主化に著しく妨げられている。ついては、左記の事項を実現されたいというのである。(一)政府は漁業会に零細漁民の即時加入を指令し、かつ全國地方長官に対し同樣の措置をとること、(二)漁業法施行法または漁業権等臨時措置法の一部改正により、旧漁業界所有の一切の漁業権は協同組合に移轉させること、(三)新漁業法において組合内規等による不平等取扱を禁止し、かつ零細漁民を優先させること、(四)二月四日、二四水第六百五十号通牒の嚴重実施及び地方廳の監督強化。というのであります。
 次に漁船保險制度存置に関する請願についてであります。これまで漁船保險制度は國家の再保險になつておつたわけでありますが、聞くところによりますと、この國の再保險制度が今年から廃止されたようだというふうなうわさを聞いているのであります。もしそうなりますと、漁船というものは海上に出る非常に危險率の高いものでありますから、單に保險組合だけではなかなか運営が困難であるから、ぜひ國家の再保險を今後とも存続していただきたいというのが本請願の要旨であります。何とぞ御採択あらんことをお願いいたします。
○石原委員長 日程第三二に対する政府の所見ををただします。
○藤田説明員 三重縣九鬼村の問題に関連いたしまして、政府といたしましては、漁業協同組合法の施行に伴いまして從來の漁業会は解散するのでありますが、漁業権管理の関係上、二年間は相かわらずその管理の主体と相なる建前からいたしまして、私どもといたしましては、漁民が從來の漁業会に入るというふうなことも適当であろうというふうな趣旨からいたしまして、これに関する通牒を出して、その趣旨が徹底するようにいたしているわけであります。
 なお過渡期における水産業團体の資産の処分に関する認可あるいはこれに関する監督等につきましても、今後ともできるだけ愼重に注意いたしまして適正にやつて参りたいと考えている次第であります。
 次に漁船保險の建前でありますが、これにつきましては、現在実施しております再保險制度につきまして、関係方面からいろ意見があつたということで、これについて問題にしておつたのでありますが、その後は、私どもといたしましては、やはり從來通りの政府の再保險制度はきわめて必要であるという建前から、その通り存置いたしたいと考えております。なおそれについては、その後は何らあらためてあちらの方からお話もないようでありますから、この問題は大体それで解消したのでないかというふうに了解いたしております。
○石原委員長 本請願に対する御質問がありましようか。
    〔「なし」と呼ぶ者あり〕
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○石原委員長 次に日程第九、和田村の船溜築設國庫補助の請願、奧村又十郎君紹介、文書表第三二五号、日程第三六、小浜漁港拡張並びに改修の請願、奧村又十郎君紹介、文書表第一〇五一号、以上に対する提出者御説明を聽取します。
○奧村委員 和田村は福井縣大飯郡にありして、近時きんちやく網の成績がよくなりましてから、毎年約五十万貫以上の漁獲をあげており、漁船も百隻以上出漁しているのであります。ところが西北風の強い所でありますが、船だまりが全然ありませんので、小浜湾の海上五里ばかり迂回して船を待避させるような不便なところにあるのであります。最近この和田村の漁業が盛んになるに應じて、停車場も改築いたしまして、出荷に非常に努力している次第でありますので、ぜひこの際船だまりもともにつくりたいという願望であります。それには地元の力だけではできませんので、國庫補助をお願いしたいという趣旨であります。それから日程第三六の小浜漁港の点であります。これもかねがね話題に上つていると思いますが、小浜漁港は裏日本随一の漁港でありまして、小浜漁港を中心とした漁獲は甲級陸揚げ地として、年々数百万貫の出荷をやつておるのでありまするが、最近きんちやく網などの漁獲の増大に伴いまして、他府縣からも大型きんちやく網が非常にたくさん漁区に入りまして、港内にそれらの船を碇泊收容することができないのであります。しかも最近においては、小浜漁港に流れる川の流れのために砂が非常にたまりまして、碇泊も困難になつておる次第であります。これもまたぜひとも拡張並びに新設をお願いしたい。こういう趣旨であります。よろしくお願いいたします。
○石原委員長 本請願に対する政府の所見をただします。
○藤田説明員 和田漁港の修築は、付近の漁港の振興上、必要性は十分に認められまするし、なおこの小浜港と外海を結ぶ運河の開墾につきましては、これを調査し、流砂等についてやはり技術的に愼重に檢討を加えました結果、將來を実現を期したい。かように考えておるわけであります。
 次に小浜漁港は日本海沿岸有数の漁業地でありまして、その修築の必要性は十分認められるのでありますから、財政の許す限りすみやかに修築するよう考慮いたしたいと存じます。
○石原委員長 本請願対する質疑はありませんか。
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○石原委員長 日程第四三、漁区拡張に関する請願、文書表番号第一二五五号、紹介議員砂間一良君、紹介議員の御説明を求めます。砂間一良君。
○砂間委員 本請願の要旨は、終戰後日本の漁区が非常に狭められて参りまして、しかもこれで外地なんかで漁業をやつておりました船などがみんな引揚げて参る。あるいは遠洋にいつておつた船が、遠く出られませんで近海ヘみんなやつて來た。そのために非常に競爭が激しくなりまして、いろいろな混乱が起つておる。また一面におきましては漁業資源が濫獲されまして、漁場の荒廃が起つております。そのために一般の漁民が非常に困難いたしております。他面日本の食糧問題から申しまして、蛋白資源の供給ということが起きまして、現在乏しい國内の食糧を補給するという意味からいたしましても、漁区の拡張ということが現下非常に大きな切実な問題となつておるわけであります。かような点からいたしまして、漁区を拡張していただきたいというのは、全國漁民の熱烈なる要望でありますので、何とぞ西は支那東海、黄海から南方及北洋漁場の面にわたりまして、全面的な漁区の拡張を、政府の努力によつて連合軍に懇請してやつていただきたいというのがこの請願の趣旨でありますが、どうかひとつこの熱烈なる漁民の声を取上げまして、御採択あらんことをお願いいたします。
○石原委員長 本請願に対する政府の所見をただします。
○飯山政府委員 ただいまの砂間さんの請願は、御説明の通り、現下の日本水産業のみならず、全國民にとつて重大な問題であります。從つて終戰以來政府としましては、連続的にその拡張の要望をいたしておるのであります。ことに去る十日の閣議において、正式にマツカーサー元帥に総理大臣の名において拡張の要望をいたしたのでありまするが、これは支那東海及び黄海機船底引漁業に関する漁区の拡張であります。
 なお南方及び北方の漁区も拡張するように努力せよということでありますが、南方についても内閣において相当考慮を拂われておるのでありまして、いずれ近く具体的にその努力がいたされるのではないか。かように考えております。なお北方につきましては、御承知の通り現在の日本は連合軍の占領下にありまして、直接折衝する機会を持ちませんので、連合軍の方に対して、すでに私どもとしては要望はいたしておるのでありますが、これは最も困難な問題である。かように考えておる次第であります。
○石原委員長 本請願に対する御質疑はありませんか。
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○石原委員長 日程第四四、漁業権制度改正に関する請願、文書表番号第一三一三号。松田鐵藏君紹介。
○小安專門員 本請願の要旨は第九〇二号に同じである。以上であります。
○石原委員長 本請願に対する政府の御所見を伺います。
○藤田説明員 本請願につきましては第九〇二号に対する政府の答弁と同じであります。
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○石原委員長 次に日程第五二、漁船技術員要請事業委託費増額の請願。文書表第一七六〇号。紹介議員鈴木善幸君。
○鈴木(善)委員 本請願の要旨は、漁船は漁業に関する基本的設備でありから、漁船そのものの改良進歩をはかることの必要なことは言うまでもないのであります。同時にこれが運航操縦の任に当る漁船技術員の素質を向上改善いたしますことは、漁業能率向上の上はもちろん、海難防止上にも喫緊の急務であります。要は船よりもまず人が必要であります。しかもその適任者は現在すでに不足しつつあるのみならず、將來はさらに大量の不足を生じようとしておるのでありますから、現在ほどその重要性の大きなときはないと考えるものであります。本事業は漁船の動力化の急速な進展に順應するものであることと、事業そのものの性質上特別の收入を伴うものでないことにかんがみまして、政府においては本事業に対して、明治四十二年以來助成の道を開き、漁船技術員の素質改善のために講習会を開催するように努めて現在に及んでおるのであります。本事業の重要性は大略今申し述べた通りでありますが、本事業の遂行のために政府は委託費を増額し、ぜひともこの事業を大いにやつていただきたい。昭和二十三年度において、政府は本事業の必要性にかんがみ百十三万余円の委託費を助成したのでありますが、昭和二十三年十二月末日においてすでにその割当額を費消し、今後各地の要望にも事欠く次第であります。昭和二十三年度養成人員は二千八百二十三名でありまして、二十四年度においては養成人員も大約八倍、すなわち免状取得者一万名、その他一万五千名の多きを必要とするため、從つて委託費もその八倍、約一千万円を要するものと考えられるのでありまして、しかもこれに今後の物價騰貴を考慮しないものであり、今後の高騰を考えるときは、さらに数倍するであろうと考えるものであります。つきましては最小限度委託費を一千万円に増額することをここに請願する次第であります。
○石原委員長 本請願に対する政府の所見をただします。
○藤田説明員 漁船乘組員の技術の養成指導はきわめて必要なことでございまして、特に終戰以後乘組員の素質がきわめて低下をいたしました、そういうふうなことから考えまして、これの向上をはかりますことは緊喫の要務であると考えております。ただいま御指摘のように、政府におきましては、これに対する必要な経費に若干これを認められておるわけでありますが、なお今後とも極力この委託業務の拡張に対する國庫補助の増額につきまして、財政の許す限り努力をいたして参りたいと考えております。
○石原委員長 本請願に関する御質疑はありませんか。
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○石原委員長 日程五五、鬼鹿船入澗工事費全額國庫負担の請願、文書表第一七八三号、紹介議員玉置信一君。
○玉置委員 鬼鹿船入澗工事費全額國庫負担の請願につきまして、その要旨を簡單に御説明申し上げます。この工事は昭和十一年度から昭和十六年度までの六箇年継続事業として今日まで参つたのでありますが、その予定年度の途中におきまして戰爭にぶつかり、いろいろな障害で工事が遅々として進まず、いまだ完成を見るに至つていない実情でございまして、しかもこの工事費の四分の一が本村の負担で参つて來ておるのであります。しかしそれも昭和二十二年度まではどうにかこうにかいろいろな面で負担をして参りましたが、最近の村の財政状態、今後の見通し等から見て、とうていこれだけのものを村で負担することは容易でない現状でありますので、この場合國庫全額負担をもつてぜひ完成をしていただきたいというのが請願の趣旨でございます。しかも同村は面積東西八キロ、南北十八キロというよう所で、前面は洋々たる日本海に面し、背後は畳々たる山岳が控えておるというような所で、農耕地はきわめて少くして、わずか八百町歩くらいしかないのであります。從つてこの住民の七割は漁業をもつて立つておるという現状でございまして、どうしても海に依存し、しかも昨年の魚族、海流の状態から考えましても、沖合いになるべく進出して漁獲をはかる以外に道がないので、どうか今日の食糧補給の面、魚肉蛋白質供給のこうした大きな面から考えまして、ぜひこれが早急実現されるよう格段の御配慮をお願いしたいと思うのであります。最後にこの請願は同國会に請願し、採択され、しかも政府当局におかれましても、特段の御配慮にあずかつておるという実情等から見ましても、ぜひともこれを今年度からでも実施していただくようにあわせて請願申し上げ、各位の格別なる御詮議によつて、御採択あらんことをお願い申し上げる次第であります。
○石原委員長 本請願に対する政府の所見をただします。
○藤田説明員 鬼鹿港の修築の必要性は十分認められておるわけです。政府におきましても昭和二十四年度におきまして、事業費として一千万の予算をもちまして、この事業を実施する予定であります。
○石原委員長 本請願に対する御質疑はありませんか。
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○石原委員長 日程第五三、漁業法案に関する公聽会開催の請願外二件、文書表第一七八一号、砂間一良君紹介。日程五四、漁業制度改革に関する請願、文書表第一七八二号、砂間一良君紹介。
○砂間委員 日程第五三の漁業法案に関する公聽会開催の請願外二件について申し上げす。まず最初の第一件についてでありますが、過日國会に上程せられた漁業法案は、今後のわが國の漁業経営、漁村の民主化の方向に重大な要因となるべきものと思われますので、單にその審議を國会内にとどめず、可能なる限り廣範囲の、全國各地の漁村におけるこの法案の内容に対する生産漁民の意見を開陳する機会を與えられる公聽会を開いていただきたいというのが一つの請願の趣旨であります。
 次にもう一つの請願は、やはり同樣の趣旨でありますが、現在國会で審議中の漁業法案は、全國の漁民の將來の生活に非常に影響があります。そうして全國漁民はこれに深い関心を持つておりまして、その内容について十分に体驗に即した意見を述べる機会を得ることを痛切に望んでおるのであります。よつて左記によつてお取りはからいくださいますよう要望いたします。一、國会の審議中に全國の主要な漁業縣において、漁業法に関する公聽会を開催していただきたい。二、右の公聽会には民主的漁業團体、漁業関係團体の代表を公述人として参加させていただきたいこと。
 次に第三についてでありますが、これはかんてん原藻の統制撤廃反対の請願であります。聞くところによりますと、政府におきましてはかんてん原藻に関する統制を撤廃される準備中であるやに聞いておるのでありますが、現在の状況におきまして、ただちにこの統制を撤廃することになりますと、このてん草の生産漁民の生活に重大なる脅威を與えて行くことになるのであります。漁業の中におきましても最も封建的生産関係の強い原藻生産の統制解除とともに問屋、仲買等の高利貸的商業資本の支配を助長いたしまして、漁民の利益と漁村秩序をはかる一連の漁業関係法規改革の意図する精神に矛盾することになるのであります。また統制撤廃となりますと、採藻時期と原藻使用時期とのずれは徹底的にこれに拍手をかけまして、漁民はその全面的犠牲において生産物を收奪される結果になります。また統制を解除されますと、加配米その他のリンク物資の配給がもらえなくなりまして、この面からも非常に生産に支障を來すことになるのであります。それで、いましばらくの間ぜひ統制を続けて行つてもらいたい。さらに原藻生産者であるところの漁民に着業資金を與えていただきたいということ、さらにかんてん原藻はこれをかんてんに生産いたしまして、その生産高の九割が輸出されているのでありますが、現在非常に賣れ行きが惡くて、ストツク品が堆積しておるのであります。これはメーカーの製品が惡いとかいろいろ事情がありますが、今後におきましては、單にかんてんばかりでなく、原藻の輸出ということも特に考慮していただきたというのがこの請願の趣旨であります。
 次に日程第五四の漁業制度改革に関する請願でありますが、簡單に内容について申し上げますと、第一は漁業調整委員会の経費を免許料に求めることに反対であるというのであります。元來行政費は税金、その他の一般会計によりまかなうべきでありまして、漁業権の免許料のごとき特別收入によるべきではないと考えるのであります。漁民は税金を納めており、何ら特別の恩惠を受けておるわけではありません。行政費を免許料に含ませて徴收し、漁民の経済的負担を過重させるという基礎の上に立つ漁業法の改正につきましては、漁民は一般に非常に困つておるわけであります。
 さらに第二点といたしましては、沿岸漁民を対象とする金融制度を確立していただきたいということであります。この点詳しく申し上げますと、いろいろありますけれども、大体金融のことにつきましては、これまでいろいろ討議されて参りましたので、内容の点につきましては省略いたします。第三点といたしましては沿岸漁民を対象とする漁業保險制度を確立していただきたいこと。第四番目といたしましては、漁業権の凍結期間中、漁業権の行使について協同組合の発言権を確立していただきたいことであります。漁業法施行法案によりますと、新漁業法施行後最大二箇年間現在の漁業権は凍結されることになり、漁業権の行使については依然その実権は資本家または漁村ボスに握られることになりますが、これでは民主的協同組合が成立しても協同組合の民主的経営は実現されません。このためには凍結期間中といえども、漁業権行使について協同組合が強力な発言権をもつことのできるような、法的措置を講じていただくことが必要だと考えるのであります。以上が漁業制度改革についての請願の趣旨ででありますが、これは沿岸の零細漁民の切実なる要望であります。で、何とぞこの以上申し上げました請願を御採択あらんことを希望いたします。
○石原委員長 本請願に対する政府の所見をただします。
○藤田説明員 かんてんの統制をしばらくの間存続してもらいたいという請願の御趣旨につきましては、率直に申し上げますと、かんてんはすでに統制撤廃の時期に近づいておるんじやないかというふうに私どもは考えておるわけであります。なおこれは統制全般の問題とも関連をいたしまして、十分考究いたしたいと考えております。なお撤廃いたします場合の、御説明にございましたような生活者の保護、その他につきましては、十分善処して参りたいと考えております。
 次に漁業権制度の改革に関する問題につきましては、御質問の点は十分その理由のあるものと考え、その点につきましては、現在審議中の漁業法の審議の際に十分考究いたしたいと考えております。
 漁業法の公聽会の問題は、これはむしろ政府の行うべきことでなく、委員会みずからが審議の際に適当に御判断さるべき問題だと考えます。
○石原委員長 本請願に対して御質疑はありませんか。
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○石原委員長 次に日程第二〇、漁船保險対策に関する請願、石原圓吉君紹介、第五四四号、日程第二一、漁業用燃油等配給完全実施に関する請願、石原圓吉君紹介、第五四五号、日程第二二、根付漁業中に「ぼら寄魚漁業」を編入の請願、石原圓吉君紹介、第五四六号、日程第二三、全國水産連合会結成等に関する請願、石原圓吉君紹介、第五四七号、日程第二五、漁業施策設立に関する請願、石原圓吉君紹介、第六四七号、日程第二七、漁船保險制度存置に関する請願、石原圓吉君紹介、第七〇八号、日程第三五、越賀村字社田方海域に防波堤築設の請願、石原圓吉君紹介、第一〇四九号、日程第五一、漁業法の一部改正に関する請願、石原圓吉君紹介、第一七五九号を一括議題とし、以上に対する説明を專門員よりいたします。
○齋藤專門員 それでは日程第二〇、漁船保險対策に関する請願、請願者西日本水産振興会委員長林與一郎、本請願の要旨は、漁船の遭難に対する経済的施設として漁船保險は漁業者の唯一の頼みであるが、とかく保險金の支拂が遅れがちのため漁船の損害回復に多大なる支障を來たしている。ついては、これが應急対策として、政府はすみやかに未拂再保險金を支拂うに足る十分なる金額を一般会計より漁船再保險特別会計に繰入れ、また恒久対策として漁船保險組合に対し毎年度相当額の補助金を交付し、漁船再保險特別会計に対し毎年度相当額を一般会計より繰入れられたいというのである。
 日程第二一、漁業用燃油等配給完全実施に関する請願、請願者西日本水産振興会委員長林與一郎、本請願の趣旨は政府は漁業用燃油、加配米、リンク物資等の配給を公約したが、これらの配給は割当量に充たず、時期も遅れている、ついては、公約不履行の責任を明かにするとともに、該物資の配給を完全実施されたいというのである。
 日程第二二、根付漁業中に「ぼら寄漁業」を編入の請願、請願者廣島市字宇品町三七番地西日本水産振興会委員長林與一郎、本請願の要旨は、今回國会に提出されようとしている漁業法案の第六条第五項に規定されている根付漁業とは、貝類、海草を始め農林大臣の指定する定着性の水産動物に限られているため、現在瀬戸内海特に岡山縣において專用漁業権として行われている「ぼらの寄魚漁」に根付漁業とならず許可漁業となつた結果、特に漁業者以外の第三者に対し漁場を保護するなんらの権利もなくその成立が危ぶまれるに至つた、ついては、該項の主務大臣の指定する水産動物中に瀬戸内海に限り「ぼら」を編入されたいというのである。
 日程第二三、全國水産連合会結成等に関する請願、請願者西日本水産振興会委員長林與一郎、本請願の趣旨は、農業においては全國連合会の結成をみているが、漁村にも團結力と経済力を強固にするための機関が必要であるから、全國水産連合会の結成について特別の措置を講ぜられたく、また現行の水産物陸揚地の差別を撤廃し、都道府県知事の責任において出荷指示を一本建に改正するとともに、甲乙の陸揚地によるリンク制度を廃止するかリンク率を平等にするよう改正されたいというのである。
 日程第二五、漁港施策樹立に関する請願、請願者東京都千代田区丸の内三ノ一井出正孝、本請願の要旨は、漁港の整備は漁業生産の正否を決する要件であるにかかわらず政府の漁策は水産業界の要請するところとはなはだしい懸隔があることはまことに遺憾である、ついては、全國を通じて漁港図計画を設定し、これに基づき一定期間内に漁港修築事業を完成するために國庫補助を増額し、民主的機構の漁港の維持管理制度を樹立する等強力な漁港施策を講ぜられたいというのである。
 日程第二七、漁船保險制度存続に関する増額、請願者静岡縣漁船保險組合長佐野虎雄外四十名、本請願の要旨は、漁船保險法による漁船保險制度において、國の再保險を廃止する由であるが、漁船は漁民にとつて貴重なる分身であり、かつ骨肉である、また該制度は技術的ないし経済的に漁民を指導する効果を有し、漁民と水産業との関係は密接である、ついては、漁民の保護と漁民の発達向上をはかるため現行の漁船保險制度を存続されたいというのである。
 日程第三五、越賀村字社方海域に防波堤築設の請願、請願者三重縣志摩郡越賀村長浅原源松外一名、本請願の要旨は、志摩半島の先端に位する三重縣志摩郡越賀村字社田方海域は、島嶼が連つて、自然の防波堤を形成し、しかも水深は一千トン級の繋留が可能な天然の良港である、この島嶼をコンクリートによつて補修するときは、僅少な経費をもつて良港が完成されるのみならず、遠洋漁業の基地としてさらに沿岸政府の生産物輸送上に、また産業交通文化上に資するところが大きい、ついては、これが工事を施行されたいというのである。
○小安專門員 日程第五一について要旨を申し上げます。このたび改正せられるために提案せられました漁業法の要旨は、大体漁業生産力の発展と漁業の民主化にあると考えるのでございます。特に眞珠業者の立場から考えますと、同法案の第十九條眞珠養殖産業を内容とする区画漁業法の免許につきましては、この漁業法の目的並びに精神と相反するごとく規定されておるように考える次第でございます。なぜかと申しますれば、現在三重縣下において眞珠養殖に適当しており、その区画漁業の設定されておる漁村は、志摩、度会両郡各漁村でございますが、これらの漁村はそれぞれ数百名の漁業者がございまして、この漁業者は眞珠漁業を営む権利を共有して、自由にだれでも眞珠産業を営むことができるようにいたしますことが、すなわち門戸を解放し機会均等の立場においてなさるべきにもかかわらず、この漁業法の案文をうかがいますれば、特定人、旧既得権者に限定して権利を與えられるようになつておりますことは、漁民を漁場から締め出すことになりますので、許さるべきことではないと信ずる次第でございます。かくのごとき見地から申し上げまして、同法案は眞珠養殖案を内容とする区画漁業の免許の規定を、漁民の自由團体たる新漁業協同組合に與えられまして、漁民の総意によつて行使し、漁場の総合生活を発展せしめ、法案の目的に沿うように規定していただきたいのでございます。ことに眞珠漁業の立場から考えますれば、その生産面に及ぼす影響、母貝の繁殖保護と採取、漁業調整上の関係、並びに眞珠養殖業の経営について深く考えますれば、以上のことを御明察願えると考えるのでございます。特に第十九條の優先順位は、漁業協同組合を第一位に置かれんことをお願いいたしまして、以上請願の要旨とする次第でございます。
○石原委員長 ただいまそれぞれ説明をいたしました各案に対して、それぞれ政府の所見をただします。
○藤田説明員 請願が八件あつたと思いますが、第一の漁業保險制度の改正の問題であります。これは現在事故が終戰後非常にふえて参りました関係上、会計が苦しくなつております。それにつきまして請願にございますように、政府といたしましては、一般会計から特別会計への繰入れを努力したのでございますが、財政の関係上実現できなかつたことは遺憾に存じております。現在の措置といたしましては、借入れによりましてできるだけ暫定的なつなぎをつけ、さらに將來の問題といたしましては、請願の趣旨に沿つて將來実現をして行くようにやつて参りたいと考えております。
 第二の漁業用燃油加配米の完全実施でございますが、燃油加配米は、その数量に制限がございます関係上、完全に実施されておらない点は御指導の通りでありますが、今後とも総対数量の確保に努力いたします。と同時にその配給の公正を期して参りたいと考えております。
 第三点の根付漁業権に專ら寄魚漁業を輸入する問題は、これは請願の趣旨がきわめて妥当と考えますので、今回提案いたしました漁業権改正案におきましては、提案の趣旨の通りこれを共同漁業権の第四種に認めておる次第であります。
 第四点の連合会結成に関する問題、これは協同組合法の御審議の際にもいろいろ問題になつた点でございまして、われわれといたしましては、水産業協同組合の今後の設立上、その他の影響を参酌いたしまして、將來これが実現する方向に研究して参りたいと考えております。なお甲乙陸揚げ地によつてリンク率が差等がございますのを、撤廃するという問題につきましては、ただちに今甲乙陸揚げ地を全廃するわけにも参らないと考えておりますが、甲級陸揚げ地はできるだけこれを整理する方向に考える。なお基礎的な物資につきましては、甲乙陸揚げ地によつてそのリンク率に差等を生じないように、できるだけ同一の方法に改正をいたして参りたいと考えております。
 次に漁港に関する漁港網の整備並びにこれに関する法規の問題でありますが、御趣旨はきわめて同感でございまして、今後財政の許す限り、漁場に関する予算の獲得に努力いたしますと同時に、水産業の基礎的な施設でございます漁港網の完成については今後とも十分努力して参りたいと思つております。
 次に漁船保險の存置に関する請願でございますが、これは先ほど砂間委員から御提案の請願と同様でございますので、答弁は省略いたします。
 次に三重縣の越賀村字社田方漁港の修築でございますが、この必要性は十分認められますので、將來財政の許す限り、なるべくすみやかにこれが実現するよう考慮いたして参りたいと存じております。
 最後に眞珠産業を協同組合に付與するという問題でございますが、これにつきましては現在漁業法の御審議の際に十分御趣旨を御説明し、これに対して御審議を煩わしたいと思います。
○石原委員長 速記をとめて。
    〔速記中止〕
○石原委員長 紹介議員御出席の請願はこれをもつて終了いたしました。なおお諮りをいたしますが、請願日程第一、第二、第四、第五、第六、第七、第一〇、第一二、第一八、第一九、第二四、第二六、第二八、第三四、第三七、第三八、第三九、第四〇、第四一、第四二、第四五、第四六、第四七、第四八、第四九、第五〇、以上の各請願は紹介議員がおりませんので、その説明を省略して、文書表によつて審議いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
御異議ないようですからさようとりはからいます。紹介議員不在の各請願を一括議題とし、政府の所見をただします。
○藤田説明員 本件につきましては、別途書面をもつてお答えいたします。
○石原委員長 各請願に対し御質疑はありませんか。――林君。
○林(好)委員 それでは富山縣水橋町の漁港の問題につきまして、一應御説明申し上げたいと存じます。本港は昭和二十一年に本縣におきましては、本漁港の富山湾上における最良の地点なること、河川水量の豊満卓絶なることを認められて、極力本港開発のことに支援され、幸い農林省並びに運輸省の完全なる御関心を得ましたところとなり、さきに河口の浚渫船だまりの設置とを完成するに至りまして面目一新を見た本漁港の將來は実に明朗といわねばなりませんが、惜むらくはこれが施設の不整備は、いま一息というところで不振のうらみを持つものであります。ここにあつて本町住民一致さらに一躍の発展を志すベく決意いたし、二箇年計画の別途設計をもつて本町漁港の施設拡充をなさんとするに至つたものであります。敗戰日本の産業経済確立に歯を食いしばつて、耐え、努力せんと志す地方住民の産業開発意欲にこたえられて、何とぞ格別の御詮議を賜り、これが事業の施行方を実現いたすよう、何分の御支援を懇請申し上げる次第であります。
○石原委員長 この請願に対する政府の所見をただします。
○藤田説明員 水橋漁場の拡充は、付近における漁港の振興上その必要性を十分認められますので、財政の許す限り、なるべくすみやかに修築するよう努力いたしたいと思います。
○石原委員長 次に陳情書、日程第一新井田川河口に船溜設置の陳情書外一件、山形縣会議長加藤富之助外七名提出。
 第二、漁業法並びに水産協同組合法の一部改正に関する陳情書、岡山縣水産業会長永井寛次外一名提出。
 第三、漁業手形制度実施の陳情書、福岡縣議会経済常任委員長野田寛造提出。
 第四、養殖水産用針金特配の陳情書、廣島縣牡蠣株式会社取締役社長森澤雄三外六名提出。
 第五、密漁取締強化に関する陳情書、靜岡縣議会経済常任委員長野田寛造提出。
 第六、漁業法並びに水産協同組合法の一部改正に関する陳情書、熊本縣天草郡赤崎村松本武六提出。
 第七、紀伊水道を瀬戸内海海区より除外の陳情書外二件、徳島縣知事阿部五部外四十七名提出。
 第八、八幡濱漁港修築工事継続等の陳情書、八幡濱市長菊地清治外四名提出。
 第九、漁業法改正案に関する陳情書、富山縣定置漁業協会長大西亮三外一名提出。
 以上九件を一括議題といたします。その要旨は文書表によつて明らかですから、政府の御所見をただします。
○藤田説明員 本陳情につきましても、政府の意見は追つて書面をもつて提出することにいたします。
○石原委員長 各陳情書に対し御質疑はありませんか。
    〔「なし」と呼ぶ者あり〕
    ―――――――――――――
○石原委員長 なお昨十九日送付になりました漁区拡張に関する陳情書、福岡縣水産煉製品工業協同組合理事長鹿兒島養助提出、第五二七号を日程に追加いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○石原委員長 右ようとりはからいます。本陳情の要旨は文書表で明らかですから、政府の所見をただします。
○藤田説明員 本陳情につきましても、別途書面をもつて政府の意見を提出いたします。

○石原委員長 本陳情に対する御質疑はありませんか。
    〔[なし」と呼ぶ者あり〕
○石原委員長 これをもつて請願、陳情はそれぞれ質疑を終りました。採決は次の委員会に讓ります。
    ―――――――――――――
○石原委員長 次に漁業法案を議題に供しますから、簡單なる御質疑をお願いします。
○冨永委員 漁業法の改正に関しましては、農林大臣その他水産業長官並びに関係職員の御苦心に対しては敬意を表するものでありますが、何を申しましても、審議期間が非常に短いというような関係もあり、かたがた本法案はわが國漁業民主化並びに水産増強の面から考えて、きわめて画期的な重大な法案であります関係から、遺憾ながら今会期中にはこれを本会議に上程するには、あるいは至らないのではないかとも考えられる事態にあります。関係方面からの注文もあり、かたがたいたします関係から、まだそういう質問をするには、日がありますだけに、あるいは時と場合が適当でないかとも考えますが、万一これが通過を見る段取りにまで行かないような事態になりました場合には、次の臨時國会に再提出をせられることになると思われますが、そうした場合には本法案のままを上程せられる御意向であるか、あるいはまたそれぞれ関係方向との折衝をされまして、政府として確信のある法案を御提出になられるお考えであるか、この点に関し御意見を承りたいと思います。
○川村委員 ただいま、冨永委員から質問あつたことと大体要旨は同じでありますが、われわれは愼重審議したいのでありますが、日にちがもう余すところがありません。從つて審議未了となりましても、また継続審議となりましても、先ほどの各請願者あるいは陳情者からの趣旨のごとく、漁民の声をわれわれは聞いて審議したいと考えているのであります。從つて今後漁民の輿論が、どうしても現在提出されているところの漁業法案と相沿わないものがあるので、この点について原案を修正してもらわなればならぬという場合も起きて來るだろうと思います。その際に、もしそういう漁民の輿論が起きた場合、審議未了で終つた場合には、もちろん水産業当局の原案を修正して出してもらわなければならぬと思いますが、その点にどういうふうにお考えになるか。また継続審議の場合において、來るべき臨時國会において大修正を加えなければならぬこともあろうと思いますが、この両点について御所見を伺いたいと思います。
○冨永委員 私御質問をいたしました点に関連いたしまして、なお追加して申し上げて、御答弁を求めたいと思います。御承知の通り、当水産委員会においては、漁業法は継続審議を一應願つている関係もありますので、それは委員会でそういうことになつているのだからという答弁をされるかもしれませんが、そういう事実を抜きにして、政府の腹を割つた御答弁をしていただくことを特に希望する次第であります。
○石原委員長 ちよつと速記やめて……。
    〔速記中止〕
○石原委員長 それでは速記を始めてください。この漁業法案につきましては、本日はこの程度にとどめます。
○松田委員 私が今回カン詰工場のためカン詰製造に関して農林当局にいろいろと折衝した事柄があるのであります。この点に対しまして、私どもに水産物のカン詰はすベて水産廳の所管であると考えておつたのでありますが、それが農林省の食品局の主管であつたのであります。そこで水産カン詰製造というものから行きますと、その原料は水産物であります。しかして空カンの配給その他の一切の手続が食品局にあるために、水産カン詰業者は今日非常な不便を感じておるような次第であります。これに対して水産廳はどういう御意見を持つておられるか。私ども委員会といたしまして、國民の要望する水産廳の所管として、ぜひとも移管しなかつたならば、とうていこの業務が満足に遂行することができ得ないものでなかろうかと存ずるものであります。この点に対して水産廳の御意見を承り、しかしてわれわれ委員会においてはこの点に対し、ぜひとも水産廳にその主管を委讓していただくというように努力していただきたいと存ずるものでありまして、御意見を承るものであります。
○五島委員 私は質問というよりも、松田委員の今の動議に対しまして、いささか意見を異にするものでありますので、この際申し上げておきたいと思います。今の行政の移管ということに関しまして、種々造船問題、資材問題といろいろありました。しかしながら資材問題ではおおむねわれわれの目的とするべきところの成功をしたと私は思います。よつて資材問題のこまかい行政に関しましては懇談的にきめたいと思うことが多々あります。しかし造船問題に関しましては皆さん承知の情勢であります。またここにカン詰行政ということでも、私にも一言申し上げたいことがありますが、この際委員会でやかましく取上げて、はたしてこれが成功するやいなやということを私は憂慮するものであります。よつてしばらく政治面における交渉段階において処理していただきたいということを切望いたします。これは要するにわれわれは行政移管の方向は松田委員の目的と同じでありますが、方法において希望意見として申し上げておきます。
○川村委員 私もただいま五島君の意見と同じであります。しかし目的においては松田委員と同樣の目的を持つておるものであります。
○石原委員長 速記をとめてください。
    〔速記中止〕
○石原委員長 速記を始めてください。
 ただいま論議されましたカン詰の所管問題につきましては、委員諸君の意のあるところは十分了承ができると思います。よつて各所管に対する摩擦を起さないように善処することにいたしまして、さらに次の議会にお諮りしたいと思います。
 本日はこれをもつて委員会を散会いたします。
    午後五時三十二分散会