第005回国会 農林委員会 第41号
昭和二十四年八月一日(月曜日)
    午前十時五十一分開議
 出席委員
   委員長 小笠原八十美君
   理事 河野 謙三君 理事 野原 正勝君
  理事 松浦 東介君 理事 藥師神岩太郎君
   理事 八百板 正君 理事 小林 運美君
   理事 深澤 義守君 理事 寺本  齋君
   理事 吉川 久衛君
      遠藤 三郎君    小淵 光平君
      奈良 治二君    原田 雪松君
      平野 三郎君    渕  通義君
      村上 清治君    井上 良二君
      山口 武秀君    寺崎  覺君
 出席國務大臣
        農 林 大 臣 森 幸太郎君
 委員外の出席者
        経済安定事務官 東畑 四郎君
        経済安定事務官 三浦 忠雄君
        農林政務次官  坂本  實君
        林野廳長官   三浦 辰男君
        農 林 技 官 佐木 義夫君
        農林事務官   濱田  正君
        專  門  員 岩隅  博君
        專  門  員 藤井  信君
八月一日
 委員木村榮君辞任につき、その補欠として山口
 武秀君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 薪炭に関する件
    ―――――――――――――
○小笠原委員長 これより会議を開きます。
 それでは前会に引続き木炭に関する件を議題とし、質疑を継続いたします。平野三郎君。
○平野委員 薪炭特別会計の一大破綻は重大なる政治問題でありますが、農林大臣がお見えになりませんので、大臣の出席を求めて改めて質疑をするということをここに保留した上で、政務次官並びに林野局長官に対してこの際伺つておく次第でございます。
 まず第一に、薪炭特別会計の一大失敗ということについて、政府としてはいかなる責任を感じておるのであるかどうか。この責任の所在をいかなる方法によつて明らかにする意思であるか。この点、政府の責任者の信念をまず伺いたいと思います。
 次にもとよりこの特別会計の失敗は、現政府の責任のみではなく、前内閣以來の引続く失政の結果でありますから、必ずしも現政府のみを攻撃する意思はありませんし、また現在この牧拾に当つている当局者の苦衷に対しても、十分理解するものでありますけれども、しかしながら現政府に特に指摘いたしたいことは、何ゆえに第五國会の当初において、この眞相を明らかにしなかつたか。当時、速記録にも明らかなごとく、第五國会の当初の農林委員会におきまして、木炭問題を十分に審議いたしたのでありますけれども、当時の林野局長官の説明は、今回り木炭の買上げを中止したのは、單に暖冬異変という天候上の不可抗力、並びに予定以上に木炭の生産がオーバーしたというようなことが原因であるという答弁をいたしておるのでありますが、しかしながらこの薪炭特別会計の破綻は最近急に発生したものではない。今回配付せられておる亡失一覽表を見ましても、明らかに昭和十五年以來累積加増して來たものであつて、第五國会当初においてすでにわかつておつたはずである。あるいはそのときにわかつていなかつたとすれば、いかにも政府当局者がうかつであるか、わかつておつて、何がゆえに委員会にその内容を明らかにしないのか。当時すでに木炭の買上げ能力を政府は失つておつた。これが眞の原因であるというようなことは、今なればはつきりわかるのであるが、そのことには触れずに、まつたく顧みて他を言うような答弁をしておるということは、いかにも現政府の重大なる責任である、こう指摘せざるを得ないのであります。この点について当局者はいかなる責任を感ずるのであるか。これが第二点に伺うところであります。
 第三に、この原因に対する説明は、一昨日も説明員が説明したごとく、はなはだ客観的であるというか、あたかも外國の木炭事情を観察するような態度であつて、自分のことをあいまいにして、はなはだ責任を回避するような傾向が感じられるのであるが、その点について、そういうような氣持を持つているのかどうか。この点を第三に伺いたいと思います。
 それから第四に、赤字というものをいかに処理するか。すでに五十数億円の赤字が出るということははつきりいたしておる、日銀の方から借れるだけの金を借りてしまつて、それも全部使い込んでしまつた、平たく言えばそういうことでありますが、この赤字を一体政府はどう処理するつもりであるか。
 第五に、この赤字を最小限度に食い止めるということは、もとより政府の重大責任でありますけれども、これについていかなる方法を講ずる用意があるかどうか。説明員の説明によれば、結局山から発送した木炭が消費地に到着していない、その間に幾多の行方不明木炭というものができているのである。これが赤字の主たる原因であるということでありますが、しからばその行方不明木炭をこの際摘発して、そしてできるだけ赤字を少くするということが当然であるけれども、これに対してどのくらいの期間を要すればいいかという質問に対して、來年一ぱいぐらいかかるというような、実に驚くべき、無責任な説明を説明員がいたしておるのでありますけれども、そういうことでは断じて納得できないところである。政府はこれに対して至急いかなる処置を講ずる覚悟であるか。これは現在の木炭事務所に任せておいては、とうてい不可能であります。現在の木炭事務所がやつたことである。自分のやつた悪い行爲を自分で調べるということは、とうていできないことであるから、これは何としても人をかえてやらなければならないのであるが、その点について政府はいかなる具体的な用意を持つておるか。またその結果どの程度まで赤字を收拾することができるか。またその期間についての見通しを伺いたい。
 第六に、木炭事務所の職員の身分の保障について、もし失敗をした場合にはさらに大なる赤字が予想せられるというようなことを政府の方では言うておるのでありますけれども、いかにもこの時局の收拾について自信を欠く態度のように見受けられるのであるが、そのようなことでは、とうていかくのごとき一大破綻に瀕しているところの会計を收拾して、そして新しい方向へ轉換して行くことは不可能であると思うのであります。その点についての政府の決意またその間の具体的な詳細な説明を伺いたい。
 それから第七に、奧地製炭に対しては、政府は今日まで幾多の獎励をして、そしてこれの増産に努めたのでありますが、突如としてその獎励を打切るということになつて、いかにも奧地の製炭業者に対する政府の態度が朝令暮改的であるという印象を與え、ひいては國民に対する政治の信頼を失わしめるということになるのである。從つてどうしてもこの際確固たるところの奧地製炭に対する助成方法を確立しなければならないのであるが、この点について政府は確固たるところの言明をこの際することを、われわれは要望するのでありますが、この点について政府の決意をひとつ伺いたい。
 さらにもう一つ、最後に伺いたいのは、ただいま配付せられた木炭需給調整規則、すなわち本日からまきの統制を全面的に撤廃し、木炭についてもその特別会計における買上げを中止するというようなことが明らかにせられたのでありますけれども、かような法律の機能を停止するような行動を、何ゆえこの休会中に突如としてやらなければならないか。これが突然発生した事態ならばやむを得ませんけれども、すでにその原因がわかつておることである。すなわち第五國会中において十分とり得べき措置であつたものを、今頃閉会中に突然かような法律の機能を停止するような措置をとることは、いかにも納得しがたいことである。この点について政府はいかなる考えを持つておるか、以上お伺いする次第であります。
○坂本説明員 平野委員の御質問にお答えいたします。薪炭特別会計につきまして、種々御心配をかけております点はまことに恐縮に存じておるのでありまして、たまたま六月六日に私が農林政務次官に就任いたしたのでありますが、事態は容易ならない問題だと存じまして、一日も早くこれの根本方針を樹立いたしたいと存じまして、種々研究もいたしたのであげます。今お話るように、第五回國会においてなぜこれに対しまする方針をはつきりしなかつたかという御質問に対しましては、私も当時農林委員の一員といたしまして、まつたく同感なのでありますが、薪炭の需要の関係が、いろいろな事情からいたしまして非常に大きな変化を來たしたのでありまして、一應政府は買上げを停止いたしたのでありますが、この根本問題につきましては、すでに説明員から御答弁申し上げたのでありまして、私といたしましては、今後の処置をどうするかという問題に最も主力を置いて考えておるのであります。從いまして、まず一刻も早くこれの根本方針をきめるということでありまして、これ関係方面ともいろいろ連絡をいたしておつたのでありまするが、大体の方針がきまりまして、今皆様のお手元に配りましたような木炭需給調整規則というようなものを一應とりきめることにいたしたのであります。
 これにつきまして今日特別会計に相当の赤字が出ておるという点でありますがこれはすでに昭和十五年以來十箇年近い間、経理の方法につきまして遺憾の点はありますが、ともかく相当の巨額の赤字を出しておりましたことは、まことに遺憾に存じておるのでありまして、從つてこの特別会計を打切ることにつきましては、まずもつて債権、債務の関係を明らかにしなければならない。かように考えておるのでありまして、林野廳におきましてはもとより、出先機関におきましても、この点を特に強く私からも要求をいたしておるのでありまして、あくまでも政府が買い上げたものに対しまする支拂いは、一日も正確に、しかも迅速に行わなければならぬと同時に、また政府が收納すべきものにつきましては、一銭一厘たりともこれをおろそかにしないという態度で行かなければならない。かような点につきましては、これに関係いたしまする者は、あくまでひとつ嚴格に取締りをいたしまして、責任をもつてこの処理をするということにしなければならないと思うのでありまして、ことに今後におきまする木炭事務所等が廃止されるというようなことについて、いろいろ動揺もあるようでありますが、この点につきましてはあくまで信賞必罰を明らかにいたしまして、その功罪を明らかにする所存でございまして、また今お話のように、これをいたずらにその整理を長引かせるということでなく、なるべくひとつ不眠不休でも片づけたいというような気持でおるのであります。なおまたこの薪炭特別会計をやめることによりまして、從來の製炭業者の方々が種々お困りになるであろう、ことに資金の面において非常にきゆうくつになるであろうという点は十分われわれも考えておるのでありまして、この点につきましては、別途にひとつ十分融資の道も考えたいと思うのであります。あくまで政府といたしましては、從來の宿弊でございました一切の問題をこの際明らかにいたしまして、一日も早くこれが清算を完了いたしまして、そうして今後の行くべき道につきましても、早くひとつ根本方針を定めたい、かように考えておるような次第であります。また詳細な点につきましては、それぞれ他の説明員から御答弁いたさせます。
○三浦(辰)説明員 ただいま坂本政務次官のお答えに対して補充的な意味でつけ加えさしていただきます。赤字の処理を、どうするかということはこれはとにかく責任を糾明して、これを明らかにして國民の前にその原因を示して了解をいただく。とにかく明らかにするということの必要なのはもとよりでありますが、できました赤字については一般会計によつて埋めてもらう、これしかないので、関係方面とその線で了解を得んとしつつあるわけであります。これに関連して、現在の木炭事務所ではその赤字のうち追及のできるもの、つまり債権を追及して行く場合非常に適切な関係じやない、不適当だというふうに御意見を拜聽いたしましたが、私どもも当初は一應さような見方もせぬわけではございませんでしたけれども、その後の事情、また未確定債権の探求にあたつての複雜な事情を考えますと、そうではなくて、現在やつてくれておる者に対して、ここに立ち至つた事情及びその責任を十分感じてもらつて、その上で緊褌一番この追及をやつて行くという心構えで、その人たちにやつてもらうということが、一番成果を得るゆえんだという考えになりました。そういう考えで大臣以下とも相談して、この清算事務を熱心にやつてくれる人に対する身分の保障はできるだけする。だから安心してこの事情下において極力その債権の回收に、または確定に努めてもらいたい。こういうことで行きたい考えでおります。
 それから奧地の生産に対する問題でありますが、從來駅から十里あろうとも、あるいは十五里奧であろうとも、いわゆる政府の指定場所においては同じ値段でその炭を買つて來たのでありましたけれども、当然かくのごときことあるべき、また周囲の事情から見て、その保護はこの特別会計のよくやり得るゆえんではない。現在その特別会計に盛られておる予算以上にやつて参りましたその保護の政策は、この特別会計の中ではとうてい負担にたえかねるということから、六月一日に一俵駅の値段にいたしまして、從來縣平均小運搬手数料二十五円でありましたものを二十円に切下げまして、駅と港頭一俵百二十六円に標準のものでしたのは御承知の通りであります。私どもそのときからその穴を埋めるためにはどうしても一般行政費の中でその処置を講じなければならない。今日の森林資源の関係と用材、薪炭、その林産物需給の関係からいたしまして、むりを重ねて生産をしておるのは御承知の通りであります。これにはどうしても林力の関係から言つても、負担を均衡にする意味から言つても、眠つておる奧地が活動をするような方策を最も必要とする、かような考え方で、できるだけ近い機会において、奧地に対する開発の問題はぜひ予算化して、この事情にこたえなければならない。かように決心をしております。
 それからただいまお手元に差上げました木炭の需給調整規則が從來の薪炭需給調整規則にかわつて出るに至つた事情は、第五國会の中でもうすでにわかつておつたろうに、それをあえてしないで、休会中にしたということに対する御意見ですが、私ども第五國会のときに、二月、三月の薪炭をなぜ買わないのだということを大分この席で説明を求められました。その際に、私は今日の特別会計の経理がかなりこげつきができておつて、いわゆる半身不随になつておるのでそのことができない、当時政府以外でなければ賣れないという規則を立てておりながら、買うべき政府の特別会計が半身不随である。この点につきましては、需給調整の方式について至急何らかの決定を見るなり、あるいは特別会計に金繰りをつけるなりしなければ、たしかに指摘者の言うがごとく、非常なむりな変態な姿にあるのであつて、まことに申訳ない状況であると申し上げて來て、遂に閉会になつたのでありますが、その後特別会計のしびれ方をそれぞれ眞劍になつて分析してみました結果は、土曜日に説明員から申し上げているような複雜ないろいろな事情から、きわめて大きな欠損が出ておることが大体明らかになつたのであります。私どもといたしましては、この際に生産が上つておるということを基盤として、また特別会計がさようなことになつておるという事実を考えあわせて、ここに方式の変更を決心いたしまして、各方面と連絡をして、なるべくすみやかに実現をしたいということで努めて参つたのでありまするけれども、遂に三十日の晩になつてようやく閣議でその要領が認められて、今日一日をもつて出すことになつたような状況であります。もしこのことが初めから予想されるならば、当然第五國会においてもこういつた点をはつきり申し上げて御相談し、あるいはもつと早く出す必要があるならば、せつかく二十九日、三十日と開かれましたこの農林委員会にも、当然お諮りをすべき筋合いのものではありましたが、今日の事情からいたしまして、一日も早くこの特別会計の機能というものを停止しなければいかぬという非常な要望が一方においてあり、一つにおきましては、停止してもそれにかわるべきところの金融の問題であるとか、あるいは指定生産者とにおける関係、また卸と小賣とにおける債権債務の関係、それをつなぎますところの特別会計を中心とした債権債務の関係という、秩序のある程度の維持というものを考えないと、やつと芽生えた生産も結局困難に陷り、あるいは一部の人が眞劍に心配しているような、減産というようなことになつては相ならぬ、かような二つの要求から、もつと早く出すべきものが遂に遅れたような状況で、この点は事務当局としてもまことに申訳ないことと存じて、この機会におわびを申し上げる次第でございます。
○河野(謙)委員 一昨日の当委員会で、事務当局にかような大きな損失が出たことについて、これが突如として出たのではなくて、過去四年、五年前から漸次出ておる。ついてはその間において政府は関係の業者、または木炭事務所関係の人にいかなる警告をし、いかなる訓戒をして來たか。その間にとつた処置をひとつ説明してもらいたいというお尋ねをしたのですが、それに対してその席ではお答えがなかつた。本日長官から、あらためて過去におきましてかような不始末が起りました途中において、いかなる処置をとつておられたか、また長官の前任者においてもいかなる処置をとつておられたかということは御承知のはずでありますから、伺いたいと思います。これは重大な問題でありまして、私が特に徹底的に本委員会で追究しなければならぬと思いますことは、單に今回の木炭特別会計の問題に限らず、今後各種公團の廃止の問題、また統制様式の変更の問題が起きて來ることは必然であります。それらの点も考えましたときに、今回のこの不始末につきましては、どこまでも徹底的に現在の責任者はもちろんのこと、過去の責任者においても、いかなる措置をとつたかということを追究しなければならぬと思います。くどくど申し上げますが、單に木炭の特別会計の問題でなく、今後いろいろ起つて來るところの各種政府機関の解散、統合整理の問題に関連して、私は特にこの際詳細に伺いたいと思います。本日はそれらの事項につきまして、データーをもらうことを約束したのでありますが、手元に届いておりませんから、この際御説明いただきたいと思います。
○三浦(辰)説明員 データーをそろえて持つていなかつた点はおわび申し上げまして、できるだけ次の機会には秩序だつてつくつて参りまして、ただいまは私が記憶している点についてだけ述べさせていただきます。本特別会計の内容があやしい、扱つているもの自身がふに落ちぬということが氣がつきましたのは、大体三月の初めごろであつたと思います。そこで一面金繰りのできません関係から、薪炭の買上げは制限して、手元に持つているものをどしどし金にかえて、生産地の方にまわすというような内部的なことはやりました。内部の金繰りをつける意味の方策として、あるいは自由賣りを一部やりましたりいたしました。いわゆる外との関連におきます方法といたしましては、この特別会計が從來倉庫もなく、人も出先の関係において少いのにかかわらず、山元の、いわゆる政府の指定場所で、その権利を政府の特別会計に移す、またある年はかまの前までこれを延長するというようなことをやつて來たことによつての、現物把握が、足らない点が最も大きい点である、
    〔小笠原委員長退席、松浦委員長代理着席〕
かように考えまして、四月に一日からは、從來の中間的な政府自身の事務費というものについても檢討をして、非常に縮限をはかり、また日通の一括契約に対する手数についても、その一割程度だつたと思いますが、削減をはかり、あるいは海上輸送を陸上に直すと同時に、四月一日からは品等、銘柄、数量というものの確認を駅、港頭でする。從來はいわゆる指定場所で、十里も十五里も奧地で数量、銘柄の確認の檢査をなし、そこで政府への所有権の完全なる移轉を認めて來たのでありますが、今日の檢收員のような程度の網の目では、そこまでの万全ははかれない。この特別会計の根本的な一つの欠点は、現物を把握しないことにある。從來消費地からの半俵でもよいから、一かけらでもよいから炭をもつとよこせ、まきをもつとよこせという事情から出発して、以來続けて來たこの特別会計は、現物を把握するいとまなくして、遂にここに九年を過ぎたというような状況で、これではいけない。そこで駅に直して駅で品等、数量等の確認をして、それがさかのぼつていわゆる産地の指定場所における買入れの品等、銘柄、数量等とする。こういうような方法にかえました。それからついで六月一日には、今度はさらに駅頭での価格をつくりまして、そこで名実ともに現物把握の一本に入つたのでございます。その間木炭事務所長諸君を再三再四にわたつて招集をいたしました。現物把握のないところの会計というものはどうしても動けるはずがないのだ。ことに從來の帳簿上の手持と現物と合せる、いわゆるたな卸しということをやつたことがない会計というものを、われわれはぜひ反省しなければならぬということで、むしろ二十四年度の出発というものは、このたな卸しをするということが絶対條件の出発でなければならない、こういうふうに私自身もその言葉を覚えておりますが、そういうような意気込みで関係者はやつて参りました。けれども何分にも廣汎な地域に散らばつている山元買上げのものでございまして、倉庫とてもなく、野積みであり、現物と帳簿を合せることが非常に困難でありました。四月一日から会計檢査院も四十名の檢査関係の職員を出し、また林野廳においても、木炭関係に明るい者十人をこれにつけて、五十人が長野縣、また長野縣全体がやれないということで、檢査員がお選びになつた上田地区と伊那地区とをやりましたが、その際の日数は十二日くらいかかつて、いわゆる延べて六百人くらいの者が参りましたけれども、たいした数量はその際調べ得なかつたというような状況でありますから、現物と帳簿との照合という点が最も緊急なことで、この結果大体のところが、昨日も申し上げたようにおよそ十三億程度のものがどうも欠損になるのではないかという状況になつているわけであります。
 なおこまかい点で漏れました点は、逐次この二月以來とりました経過に感じて、書き物として差上げたい、かように存じます。
○河野(謙)委員 ただいまの御説明で本年度入つてからのいろいろととられた措置についてはよくわかりました。同時にその間における御苦心もよくわかりました。しかし私が伺つているのは、突如として起つた問題ではなくて、過去にさかのぼつていろいろこういう事情の起つた原因を私は追究したい。組織の点についていろいろ欠陷もありますけれども、根本は私は人の問題だと思う。もつと露骨に言えば、この陰には業者が食つており、運送屋が食つている。また役人の監督が不行届きである、これは事実です。これについては、その間において運送屋から弁償をとつた事実があるか。またその間において不正な卸商、小賣商の指定を取消したことがあるか。またその間において役人の不始末についての冤職懲戒の措置をとつたことがあるか。そういうことを私は伺いたい。もしそういう措置をとつておらなければ、これは監督者の責任であり、とつたにもかかわらず起つたのならば、別の問題として処理しなければならない、この点を私は伺いたいのであります。私が承知している範囲では、これだけ過去数年にわたつて問題が起つているにかかわらず、その間において運送店から弁償をとつたという事実は何ら聞いていない。また指定店、卸商、小賣商に対してのいろいろな警告、懲戒の措置をとつたことも聞いておらない。また長官の直属の部下に対するいろいろな措置も緩慢であつた。これは單に現長官のことばかりを私は言うのではない。これはずつとさかのぼつての問題で、さような点においてきわめて無責任であつた。そしてその間隙に乘じて業者が食つたという事実が想像されるのであります。ただ想像だけではいけませんから、少くともお手元にあるところのそれらの起つた問題について、いかなる処置をとつたかということを私は伺いたいと思う。これはこの機会でなくてもけつこうです。改めた機会に詳細に伺いたい。そしてこの負担については、決して國民全部が負担する理由はない。つまりわれわれは國民としてこの損害を負担する理由はちつともない。一般の消費者は木炭を買つてから金を拂わなかつたという者は一人もいない。全部大口の消費者、またはこれを取扱う業者によつてこれが食われたということは断言できると思います。それであるだけに一般國民の負担にこれを持つて行かなければならぬという結論を出すからには、その結論の前に今申し上げたようなことを、私は本委員会において追究して行かなければならぬと思う。かような意味でお尋ねしたわけです。私はこの機会にお答えをいただこうとは思いません。どうか詳細にわたつてそれらのデーターをお出し願いたい、かように思います。
○野原委員 木炭の特別会計を遂に停止しなければならぬ段階になつたわけであります。過去昭和十五年以來続けて参りました特別会計による木炭の需給調整が、今日突如として非常に悲惨きわまる現実を暴露する段階になりましたことは、はなはだわれわれとしては遺憾に思うものであります。この問題に関しては、同僚議員の平野君や河野君からるる御質問が出ましたが、私は責任は責任としてあくまでも追究しなければならぬと思うのでありますが、同時にまた、この特別会計がかような失敗を起したという根本を考えてみるときにおいて、私は今後こういう特別会計はもうやることはないと思います。私の感じている点は、一体こうした特別会計というものは初めからむりな仕事ではなかつたかと思うのであります。初めから薪炭行政として、当然一般行政の方面から支出をしなければならぬようなことをも、特別会計がむりな負担をしておつたのじやないかということを感じておるのであります。たとえば昭和十五年以來の薪炭の需給状態を翻つてみますと、幾たびか國内における薪炭の不足のために、いわゆる薪炭飢饉のために、國民生活が非常な不安と動揺に陷れられたことがしばしばあるのであります。そういう場合において、常に特別会計はその機能とする実力をもつて、生産地買入れ、あるいはまた奧地からの特別な輸送、あるいはまた貨車輸送に頼り得ない場合には、海上輸送をも行うというようなことによつて、いろいろやつて來たことは事実であります。また同時に、原木が比較的手近い地帯が切り盡されて、どうしても奧地の方から多く出さなければならぬというような段階になるにつれて、奧地の山林資源を開発する、そのための特別の小出しをするための予算を支出する、あるいはまた炭がまの装備、築造に対してこれが助成をはかる、あるいはまた林道に対しても補助をする、あるいはまたかま前買上げに必要な木炭倉庫をつくるとか、いわば特別会計として、單に薪炭の需給だけを考えるならばさほど必要でないような、いわゆる薪炭に関する一般行政に必要とされるような仕事を非常にたくさんやつて來たという点も、これは見のがすことのできない事実だろうと思うのであります。同時にまた、先ほど長官の説明にもございましたが、一体木炭事務所は厖大な木炭の買入れをしながらも、いまだかつて俵も現地でもつてその授受を当るようなことをしたことはないのであります。ただ帳簿上でこれを買入れて、そうして生産をするというかようなことのみを十箇年間もやつて來た。ほとんど現物についてこれを当つてみるというふうなことは、会計檢査院から指摘されて長野でもつて始められたのがおそらく初めであり、最後であつたろうと思います。それまでは現物について、品物がどれだけあるというふうなことを確認して買うというようなことはなく、ただ特別会計が指定するところの国体であるとか、あるいはまた特別会計の職員として臨時に雇い入れた檢收員とか、そういうところの人たちの証言を中心としてやるというふうなことによつてやつて來た。つまりその制度の上においても非常に大きな欠陷があつたがゆえに、かくのごとき失敗を起したものである、かように私は断定するのであります。同時にまた、先ほど申しましたような特別会計としてなすべき分野と、一般行政としていわゆる薪炭行政の上に政府が一般会計から適切なる行政的措置をもつてやらなければならぬような部面をも、特別会計そのものが負担をしておつたという事実があつたと思うのであります。同時にまた、特別会計としてかくのごとき厖大な國家予算を使つて、薪炭の需給をする以上は、当然現物の確認から、あるいはまた生産、輸送、そしてまた配給に至るまで、單に特定の指定業者等にまかせるばかりでなく、これが指導、監督に当る十分なる木炭事務所の職員の充実を期して、この人たちの力によつてやるべきが至当だつたと思うのでありますが、その面におきましては、これだけの厖大なものを扱いながら、わずか二千人そこそこの職員によつてこれを扱つて來たというようなこと、それらの点がはなはだいろいろな不徹底な仕事として、今日突如としてこういう馬脚を現わすというふうな段階になつたのではないかと思うのでありまして、われわれ過去の事柄をいまさらとやかく言うたところで、いかんともなしがたいわけでありますが、それにいたしましても、今聞くところによると、すでにはつきりした損害だけでも三十四億ある。今後予想せられる損害がなお最小限二十一億程度はあるであろうということを伺いますと、合計して五十五億にもなるわけでありますが、これは先ほど平野君の言うがごとく、これを追究するならば、この損害をもつとくと減少することができると思うのであります。これに関しましては特別会計をこの際停止する。同時に國民に迷惑のかからぬように、この跡始末に対しましては万全を期してやつてもらいたい。同時にまたそのためには、私は末端における木炭事務所の現在の職員の責任のみを追究するということは、あまりに残酷だと思うのであります。彼らは、こうした特別会計の内容そのものが、今まで非常な矛盾があるにもかかわらず、その仕事においては非常に眞劍にやつておつたと私は見ております。彼らは非常に過重な負担を甘んじて受けて、そうしてたとい帳簿上といえどもその間違いのないように、日夜努力をして來たこともまた事実でありますが、その制度上の不備欠陷のために、こうした非常な失政ができたという点を、ただ單に末端における木炭事務所の職員の責任に帰するということは、あまりに残酷なことだと思うのでありまして、その点はこの整理にあたりましては、やはり何と申しましても、その内容がよくわかつておる職員に、思う存分にひとつまじめに働いてもらつて、そうして一日も早くその跡始末を済ませるということが必要だろうと思いますから、政府が考えておるような、いわゆる末端の木炭事務所の職員の身分保障等は、これは当然なことだと私は思います。これをやりまして、すみやかにこの整理に当つていただきたい。その点を特に私は要望してやまざるものであります。この不足の木炭あるいは薪炭、まきその他に関しましてのいろいろ数字がここに出ておりますが、これらに関しましてはすみやかにこの実体を追究されて、そうしていやしくもこの特別会計の停止により、これを奇貨として、その一面においては赤い舌を出してもうける者があるというふうなことでありましたならば、これはたいへんな問題だと思いますから、かようなことのないように嚴重にこれを取締つていただきたい、さように考えておる次第であります。今の特別会計の需給に関しまして、われわれの一番心配しおりますのは、先ほども話が出ましたが、奧地生産に関する今後の問題であります。特別会計はその内部において非常な矛盾もあつたとは申しましたが、ただその面においては奧地生産を可能ならしめる、奧地において安んじて製炭が続けられたというその大きな効果、役割というものは、私は非常に高く買つております。おそらく特別会計がなかつたならば奧地の製炭はできなかつたであろう、これが特別会計というものの負担によつて、いわゆる生産地買上げ、かま前買上げ等の便宜的な措置、あるいは特別小出し賃等を支出してもらうというふうなことによつて、安心して奧地の未利用林地帶が開発された。これが薪炭需給に非常に偉大な貢献を果したと思うのでありますが、突如としてこういう特別会計による仕事が停止をされるということになりますと、おそらく今後はそうした奧地の製炭は全部ストップされる運命にあるのであります。御承知の通り今日の日本の山林の事情は、手近い山林だけではとうていまかない得ないことは、これは議論の余地はありません。どうしても奧地の山林を開発して、そうして奧地の山林から大多数の薪炭が送り出されるということでなければ、とうてい薪炭需給の今後の見通しはつかないと私は考えておるのであけますが、こうした特別会計の機能の停止によつて、最も大きな打撃を受ける者は奧地製炭者であろうと思うのであります。從いまして政府は、この薪炭の特別会計を停止するという段階において、こうした奧地製炭に対するいろいろな考慮を考えておるようであります。金融の問題であるとか、補助金の問題等もいろいろとうたつてあるようでありますけれども、これがはたしてどこまでできるか、これが一番問題であろうと思います。われわれとしましては、この奧地製炭を十分にやつて行くだけの金融的措置あるいはまた奧地の非常に不利な箇所で製炭する者に対しては、特別な政府助成をする等の措置を講じた上で、木炭の需給調整をはかることがむしろ必要ではないか。そういう措置のはつきりしたことをきめないでおいて、ただこうした希望的なことをやりたいということで、突如として需給調節を停止するというようなことは、むしろこれは間違つているのではないか、かようにさえ私は考えておるのであります。その点に関しましての政府の御決意を伺つてみたいと思います。
○坂本説明員 野原委員の御意見につきましては、まつたく同感でありまして、われわれといたしましては、先ほども申しました通り、いろいろ過去におきます制度上の欠陷、あるいはこれに伴いまする各種の不正につきましては、十分究明しなければならないと思いまするが、今後におきまする跡始末をどうするか。つまり清算事務をいかに迅速に、しかも正確に行うかという点を、もちろん考えなければならないと思うのであります。十年間におきまする薪炭のいろいろな需要の経過から見ましても、この特別会計制度を設けましたことはある程度の功績はあつたと思うのでありまして、少くとも功罪半ばしておると思うのであります。しかしながらこのような現段階におきましては、ともかく一日も早く方向を明らかにするということでなければならないと思うのでありまして、いろいろ努力をいたしましたが、多少時日を要しましたことはまことに遺憾に存じております。今これらの事務に携わつております者につきましては、われわれといたしましても十分將來を戒めて、あくまで信賞必罰を明らかにします点は、先ほども申し上げた通りでありまして、昨日も私たまたま出張中に、三重縣の木炭事務所に立寄りまして、特にこの点につきましても申したようなわけであります。今後における職員の問題につきましては、十分考慮する考えでおります。なおまたこの特別会計を廃止することによりまして、今後の薪炭の生産状況つき、われわれも十分考えなければならないのでありまして、奧地製炭によります数量を確保することにつきましては、十分考えなければならないのであります。これにつきましては、資金の面におきましても、でき得る限りの措置を講じたいと考えているような次第であります。
○井上(良)委員 第一番に伺いたいのは、特別会計を廃止して、特にまきの統制を撤廃して、木炭だけを需給調整規則によつてやろう、こういう措置を政府が、一体國会というものが現にありながら、しかも國会の中の本案件をしじゆう論議しております農林委員会が現に開会中であるにかかわらず、この委員会に何ら相談せずに、突如としてそういう処置をとられたという、この憲法を無視した行為を何と政府は考えますか。この点をまずお伺いしたい。
○坂本説明員 この薪炭特別会計を改めますことにつきましては、まつたく井上委員の御説の通り、できるだけ当委員会にもお諮りいたしまして、率直にその状況を御報告申し上げ、またいろいろ御意見も承りたい、かように考えておつたのでありますが、先ほど來申し上げます通り、とにかく今後の行き方につきましては、一日も早く方向をきめるということがまず第一に必要であると考えましたので、とりあえず省令を変更いたしまして、急速に政府の方針を明らかにするという点に重点を置いたのでありまして、その点をお了承を願いたいと存じます。
○井上(良)委員 方針を明らかにすることと実行することとは別です。方針を明らかにすることは政府の責任においてやつたらよろしい。しかしただいまかくのごとき大きな赤字を、何ら責任のない國民に押しつけて、そうして一方木炭の將來の需給に対する見通しも明確にせずに、それで一方的に政府が、現に國会が開かれているにかかわらず、國会にかけずにこういうことをきめるという行爲は、政府は出過ぎたことではないのですか。そう思わないですか。
○三浦(辰)説明員 私から補足して申し上げます。今回の措置は、確かに井上委員が御指摘するように、いわゆる薪炭需給調節特別会計法というものの運用をめぐつての問題でありますから、内容的にはかなり重要なものでございます。しかしながらこの法律は、いわゆる一つの單なる農林省令で、その実効が動いて行くのでありまして、先ほど來申し上げておりますように、新しく資金をもらうということであればもちろんこれは法律でありまして、表面的に、実質上議会の協賛を絶対得なければならぬ。しかしながら、情勢上どうしてもこの薪炭需給特別会計に新たなる資金をつぎ込んで行くべきような状況でない。そういうようなことから、法律に基く省令を変更して行くといういわゆる形式からいたしまして今日の結果を見たのでありまして、内容的には御指摘のようでありますが、形式論から言えばそうです。しかもその形式をなるべく早く出さなければ、生産者から言つてもがまんができぬ。政府としてもまた生産者に対して申訳のないというような事情から出たので、もしずつと開かれておつたならばかけるべきであり、われわれ自身かけたいという氣持は当然持つておつたのでございますが、急ぐあまりにさようなことになつたわけで、御了承願いたいと思います。ただこれが一般会計によつてその穴を埋める埋めないということの問題は、これは当然國会の協賛を経なければ何ともできない、かような状況であります。
○井上(良)委員 農林省の省内においてやれる仕事であつたからやつたという御答弁でありますけれども、結論的に言いますと、今の御答弁にありました通り、これから出て参りますところの赤字、これは当然國会の承認を得なければなりません。またそれを一般会計において補填するということについても、当然その処置は國会の承認を要するのであります。そういう大きな問題を扱うのにあたつて、しかも農林常任委員会が正式に開かれている。これは懇談会ではないのです、正規の機関です。その正規の機関に、実はこうこうこういうぐあいで、政府としては薪炭事情の現状からこうしなければならぬことになつた、やめたものであろうかやめないものであろうかという、一應の諮問は、政府としては当然すべきであります。それをやつていない。しかも同じ日に同じ規則が別な面から出て來ているのです。それを私どもははなはだ遺憾に存ずる。そういう態度は國会を無視した態度である。そこを私は追究しているのです。その点を明確に願いたい。それから特別会計をやめなければならぬという事態になつたのは、つまりこげつきが多い、金繰りが悪くなつたというような、四囲の事情からでもこの際新しい資金の増額は困難であろうという政府の一方的な考え方なのです。國会はこれに何ら反対も賛成もしていないが、國会の意思を全然無視して、政府の一方的な考えでそういうことをきめているのでしよう。この点はどうですか。
○三浦(辰)説明員 お答え申し上げます。特別会計をやめるか、増して行くかあるいは今までやつておつたような行き方にするか、これは國会にかけるべきである。こういうことは確かに御議論の通りで、一つの方式でございます。ただ私ども事務当局といたしましては、今日の農山村におきますところの生産状況、あるいはその回復またこれにある程度のいわゆる生産の増というものが見通される、また石炭を中心とした各種の燃料というものがある程度好轉をしておる。また電氣におきましても、遺憾ながら産業におけるところの需要からいたしまして家庭に使われる。かように総合的な燃料の関係を考えてみた場合、今日政府の資金五十五億というものを、さらにあの法律をかえてふやして、そうしてその特別会計の続行をはかるという事情ではない。かように考えた結果どういうふうになつたので、一方的である。こういう、ふうなおしかりがあるとすれば、それはおしかりとして受けなければならぬ点だと存じております。
○井上(良)委員 燃料事情の全般的な好轉の結果が特別会計を廃し、特にまきの統制を撤廃して、木炭については需給統制をやる、こういうのですが、しからばわれわれが少くとも終戦以來、わが國の森林資源なり、また利用伐採の面積なり、在石数なりをいろいろ調査したところによりますと、大体民有林においては現状のままで伐採を続けますならば、ここ七、八年のうちに枯渇するという現状にあることを、常に当局から聞いておる。また一般の木材の伐採にいたしましても、大体三十年ぐらいが関の山ではないかということも言われておる。そういうわが國の薪炭資源なら薪炭資源、木材資源なら木材資源の利用價値の範囲を押えて、これが方針とのにらみ合せの上において、現在の需要の見地からどれだけの実際に役立つ石数が必要であるかということを抑えました上で、需要をにらみ合わした上で案を立てられなければならぬ從つて、もちろん今御指摘のように、石炭事情なり、あるいは電力事情なりというものが、最近のいろいろな政府の政策の結果、大分かわつて参つておりますが、しかしそれは一時の現象であろうと考えておる。そういう見地から、單に本年の暖冬異変による木炭生産の非常な上向、それから木炭需要の激減、こういうことからストツクが多くなつて來た。木炭がだぶついておるのでありまして、これが今後三年、四年というものを見通した上で、一体そういうことが言われるかどうかということであります。もしそういうことが言われるならば、安本を中心としてその需給計画が立つておるから、その需給計画あるいは今後五箇年の電力あるいは石炭とのにらみ合せの上において、木炭の需給は大体こうであろうという一つの数字を出して、その上で山の原木の実石数を出して、施業案でこうなつて行くのだという、具体的の資料が出されなければならぬ、單に本年の現象だけをとらえてやつてるようにしかわれわれは見ていないのであります。從つて今後五箇年間のわが國の木炭の需給関係、それに伴うところの施業案までの内容を、この際官有、民有にわたつて発表してもらいたい。それが明らかにならなければわれわれは賛成できません。
○三浦(辰)説明員 ただいま御要求の資料の関係は整備して出します。ただこの際一言申し加えたいのは、いろいろこれは意見はありますが、この林産物の製品を統制することによつて、山林の非常に枯渇しておる資源というものを統制したい、こういうふうな問題は、ことに私ども山林を特にあずかつておる者から見れば望ましい一つの点ではございますが、最近におきます経済状況等を見ておりますると、あるいはこの統制とその結果というものを見ておりますると、それは必ずしもその木のいわゆる製品を統制するごとによつて、山林の濫伐を抑制し得るかどうかということの結果というものは、まことに不十分といいますか、地域的には関連がないとさえ考えられる問題であります。そこで私ども事務当局としては、どうしてもこれは御指摘のごとく、山林の資源という問題、また治山治水問題からいたしまして、むしろ直接的に何らかの形において行える。このような諸條件をつけて、森林資源の伐採のコントロールという問題を見ますと、むしろ直接的に取組むべきものであるというような考えを持つておることを、この機会に申し上げます。
○井上(良)委員 今お話の通り、現在までやつて來ましたところの薪炭の特別会計は、大体消費統制が目的であつた。ところがその消費統制の結果が、あなたが御指摘の通り実際現物を把握していない統制をやつておるというところに、この統制の行詰りがあつたわけであります。われわれは、もちろんその需給が円滑に行くということのために特別会計が設けられたのでありますが、問題はやはり原木の問題であり、山が養われて行かなければならぬということになりますから、さきにいろいろ專門の委員の方からも御指摘がありました通り、特別会計があつたからこそ奧地林の伐採と言いますか、製炭というものが相当活発に動いていたのであります。もしこの特別会計がやめられますと、奧地林の製炭というものは、まつたくどうにもならぬということになりはせぬかということをみんなが心配している。これに政府が金融をするとか、あるいは補助金を出すとか言つていますけれども、そういう場合においてはいろいろむずかしい問題がまた横たわつて参ります。どうしても私は、要は運用いかんの問題でありますから、從來の消費統制を中心にしておりましたこの特別会計というものが、生産統制の方式にもつと重点を置いてやつて行くべきじやないか。そうすることで電力資源の問題、あるいは治山治水の問題、あるいは薪炭需給の問題等について、総合的な國家的林野行政というものが打立てられるのではないか。そういう面にもつと強い政治力を要求をされて、山に対する国民の目をもつと集中させるような方法をとるべきじやなかつたか。單に消費統制だけで行き詰つたから、それでやめるのだというような機械的なやり方は、あとにいろいろ大きな問題を残すわけであります。そういう点について林野局としての打つ手はなかつたかどうか。私はそこまで考えるべきじやなかつたかと考える。
 その次に伺つておきたいのは、ここへ出ておりますこの資料の、特別会計の廃止に伴いまして政府が負担せなければならぬ損失というものが大体二十億ありまして、その上に今度政府の手持ち薪炭が今後値下りするというところで、大体二十億ほど見込んでおりますそのほかいろいろ合せますと、大体五十億から六十億の赤字になるのじやないか。こういう資料が出ておる。そうします一体この数字というものはどつから割出したかということなんです。私は何でそういうことを聞くかというと、長官のさいぜんからの答弁を聞いていると、いわゆる十年間たな卸ししなかつた。現物を把握していなかつたのだ。帳簿の上の特別会計であつた。こういうのです。そうするとここの数字は一体どこを根拠に置いてこう割出して來たのか。現物を押えずしては何ぼ國の損失が出たかという数字が出て來ていないじやないか。その点はまことに不明確です。現物を押えた上で、かりに取引の上で何年千俵送つて何千俵は乱俵でこうなつたというはつきりした数字がつかまれなければならぬ。また荷直しその他においてこれだけ目方が減つたということが明らかにならなければならぬ。ところが肝心の現物において押えてないのですから、現物を押えずにこんなでたらめの数字を出して來ておる。これはおよその見当であろうと思う。本年の春やりました会計檢査院の檢査の結果の推定の数字じやないかとわれわれはにらんでいるが、その点はどうですか。
○三浦(辰)説明員 第一点の非常に根本的な議論としての、山との関係における消費統制から、なぜ直接的な生産統制の方に向わないかという点は、用意が必ずしもそこまで行かなかつたうちに、なるべく早い機会にこの会計を閉鎖しなければならないというような状況からで、まことに遺憾であります。なるべくすみやかに御意見のような点に向うべきものである、かように存じます。
 それから第二に、今の三十四億に近い二十三年度末の欠損推定のうちの、かなりの部分を占めておりますところの、約十三億に対する調べの内容の問題のように存じますが、これは本年度の年度初めから現物の把握に十分各木炭事務所をして督励をしたつもりであります。その結果今日出て來ている数字から出ている問題でありまして、單にサンプル的に行いました会計檢査院の上田地区、伊那地区から割出したものではございません。
○松浦委員長代理 午前の会議はこの程度にいたしまして休憩いたします。午後は一時より質疑を続行いたします。
    午後零時六分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時四十七分開議
○小笠原委員長 それでは休憩前に引続き会議を開きます。井上良二君。
○井上(良)委員 大臣が見えませんので、大臣に対する質疑は、大臣が見えたときまで保留をいたすことに御了承願いまして、事務当局にさらに午前に続けて御質問申し上げたいと存じますが、本日政府から出しました木炭需給調整規則、これは單なる一片の需給調整規則であつて、何ら裏づけになるところのものが確保されていない。特に特別会計の機能を停止いたしまして、実際國が一手買上げ販賣などをやらない需給調整規則というものは、およそナンセンスであると考えますが、その点に対してどう考えますか。
○三浦(辰)説明員 ただいま井上委員からの御質問ですが、なるほど統制と、いうものの最も強度のものは、政府がすべてを買つて、その手において配給したという過去の、昨日までの形におきます統制方式でありまして、その線がなくなつて、ここに書いてありますような新らしい木炭需給調整規則のごとく、ただ單にルートの点、集荷から消費に至りまするルートの点だけでは何ら意味がないというお話でありますけれども、私どもといたしましては、ここにやはり意味を持つと考えておるのでございます。その理由といたしましては、需給調整の規則でありまする限り、ある面において生産というものが確保され、ある面において消費というものが確保されるという点がねらいでなければならない。ところでこれを一挙に何らのルートもなくしました場合を想像してみますると、今日の状況では、この二月からの薪炭の事情がきわめて変体的であつた、政府の特別会計の動くべき会計が半身不随であつたというこの年年にわたる変体的な事実、この現状に立つてこれを見まする場合に、生産者はいわゆる指定集荷者に持つて行くことになつているから持つて行く。ところが政府が半身不随だからして思うように買わぬ。買わぬから從つて集荷者は生産者の希望によつて多くはその生活資金を、いろいろの意味でもつてまかなつてきておるという事実があります。また消費地の方におきましては、卸は政府から品物を預り、そうしてそれを早く金にして生産地における購買力、集荷力を増そうとされるのであるが、消費者におきましては、金繰りの関係からなかなか思うように薪炭を買わない。そこで卸と小賣との間におきましては、これまた債権債務として複雜な事情がございます。もとより産地の指定集荷者と、都市消費地におきます卸單價との間をつなぎます政府の特別会計といたしましては、午前中申し上げたように、そこに債権債務の関係がございまするのでこれを一挙にこの際ルートをもなくなしてしまうということは、変体的にやつてきた今日の事実があるだけに非常に混乱を來してしまつて、そこに需給の調節に響くところのものができる点が一つ。また政府の特別会計は、ともかくみずからが資金を持つて買つて賣つた。こういう機能からいたしまして、金融的な役割りをしたという点は非常に大きいと考えられるのでありますが、これを一挙にしてそのルートまでもなくなしました場合、はたして今日の金融界の事情からいたしまして金融がつくかどうか、もとよりある程度の生産の確保がなければ、需給というものはバランスがいかぬ。私どもは、この零細なるところの生産者諸君のためにこの際金融を続ける。特別会計が持つておつたような、さような金融でないかもしれないけれども、ある程度において新しい金融を持たせなければ、生産者というものは、今までの遇せられたところの環境から、一挙に非常に冷酷なところに落されてしまう。ために生産というものの持続ができないということをきわめておそれますために、このルートというものの必要をまた認めているのでございます。一應これで……。
○井上(良)委員 問題はその金融的処置の問題でありますが、われわれが想像するところによりますと、少くとも特別会計廃止後の需給調整規則というものは、一定のルートを確立するという効果をねらつておるようでありますけれども、最近の木炭の生産の実情を考え、また都会における滯貨の実情から想像いたしまして、これはこの間にどうしても大品の生産者といいますか、あるいは大口の卸業者といいますか、こういうものが介在をしてくる。そうして奧山の炭を、できるだけ安い價格でたたこうとする傾向が顯著になつてくることは明らかであります。そういう点から、私どもはこの特別会計を廃止して、單なる政府の事務的処置としての需給調整規則をもつていたしましても、完全な統制というものはできない。ましてやまきを統制外にしてしまつておいて、單なる木炭だけを扱おうといたしましても、これは非常に混乱をし得る危險性がある。また里山と奧山との價格を、一体どう調整して行くかという面も起つて参ります。資金を持つておるところの製炭業者と持つていない製炭業者との開き、また都会の大口の卸業者から資金を仰いだり、あるいはまた生産を予約をいたしたりして、まず下請けの生産業者のような形になる危険性が非常に強まつてくると考えます。そういうことを考えますときに、まつたくこの需給調整規則なんというものは、何らの役に立たない結果を見やしないかということを、われわれは今日から予想し得るのであります。特に、今は山の方の問題が重要になつていますけれども、逆に薪炭の消費の面が非常に窮屈になつて参りますと、今度は逆に卸業者の荷引競爭というものが非常に盛んになつてきはせぬか。そうすると逆に消費者がそのために圧迫を受けてくるという二重の現象をわれわれはこの際見ることができる。そういう関係から、特別会計を廃止しての需給調整規則というものは、まつたく意味がないという結論を私どもは持つておるわけであります。今大臣が見えましたから特に伺いたいのですが、午前中に私は事務当局に対して伺いました第一点を、重ねて伺いたいのですが、農林大臣はこの農林委員会が先月の二十九日、三十日と開かれ、さらに一日、二日と開かれるということは早くからわかつておつたにかかわらず、今日かくも重大な大きな問題になつております木炭の特別会計を廃止し、あるいはこれに伴つて從來の薪炭需給調整規則を廃止して、木炭需給調整規則のごとき新しい方式を採用するような、燃料関係に大きな事態を生じておりますこの問題を、何ゆえに一体國会の承認なり、了解を得る手続をとらなかつたかという点について、農林大臣に伺いたい。少くとも政府の方では木炭需給特別会計法は一應機能を停止するだけであつて、法律をやめる必要はないという考え方に立つておるかしらぬけれども、少くとも新しく出ました木炭需給調整規則によると、この薪炭需給調整の特別会計の法律の機能を停止することになるのであります。法律の機能を停止するということは、少くとも國会の承認を得なければなりません。そういうような重大な取扱いをやつておるのに対して、何ら國会に対して、しかも專門の農林常任委員会が開かれておるにかかわらず、この農林常任委員会の承認を得ずに、一挙閣議でもつて事務的に処置をするという行き方は、國会を無視するもはなはだしいし、農林委員会を無視するもはなはだしいやり方であろうと思いますが、この点に対する大臣の責任ある答弁を伺いたい。
○森國務大臣 前段の御質問については、途中でありましたので、長官よりお答えいたしますが、あとに特に御質問のありましたことについてお答えいたしたいと思います。
 薪炭統制に関して特別会計を廃止するということに決定するについて、せつかく農林委員会が開かれておるにもかかわらず、なぜ協議をせなかつたというおしかりでありますが、私はこの会計が非常に困難な状態になつておりますことを就職以來心配いたしておりまして、一日も早くこれを整理いたしたいという考えを持ちまして、関係方面との協議も重ね、また林野局に対しましてもその整理の一日も早く秩序づくように督励を加えて來たのであります。結論といたしましては、この際この特別会計を打切らざるを得ないということになりました。しかしこれをなぜ委員会にも相談せなかつたという御質問でありますが、御承知の現在のこの会計を廃止いたしますという段階に入りました事実は、薪炭を買入れた金の支拂いが遅れておる、またこれを賣り拂いましたところの業者、問屋から回收が遅れておる、こういう経済上の複雜なる関係ができておりまして、たまたま世上に特別会計を廃止するということが漏れるような時期がありましたならば、この整理の段階において、一層の困難を生ずるというようなことも考慮いたしたのであります。できるだけこれはすみやかにいたさなければならないが、生産者に対しましても、將來の生産を傷つけないように、また卸段階、小賣段階におきましても、できるだけ経済上の損失をなからしめるため、また特別会計自体におきましても、これ以上に國家が損失をこうむらないようにいたしたい、こういう氣持でその処置を考えておつたのであります。從つてこれをいつからやるというようなことを軽卒に発表いたしますことによりまして、非常な支障を來すということを考慮いたしまして、政府といたしましては、その責任の上においてなし得られる範囲において、この特別会計廃止の処置をとつたのであります。これは、その会計等につきましては、今後法的の処理について皆さんの御審議を仰がなければなりませんが、一日も早くこの特別会計を切離すことが必要だということに迫られまして、しかもこれはただ單に農林省だけの考え方ではいけないのでありまするから、関係方面、あるいは内閣自体におきましてもそれぞれの協議をすべき段階を経まして、ようやく一昨日その決定をいたしたようなことでありまして、準備行爲として、この委員会にこういう事情になつている、ああいう事情になつているからどうしましようかという御相談をいたすべきであるという御見解でありまするが、その事態がそういうふうなことを許さないほど緊迫いたしておりまして、しかもこれが経済上に及ぼす影響等も考えまして、御承知のような処置をとつたわけであります。決して國会を無視するというような意思は毛頭持つておらないことを御承知願いたいと思います。
○井上(良)委員 大臣の当面の木炭事情から非常処置をとらざるを得なかつたという苦衷は、われわれも了といたします。しかしながら一應國会の承認を得て法律として現に実施中のものであります。その実施中の法律の機能を停止するという場合においては、当然國会の了解を得なければいかぬと思うのであります。もし事前にあなたの御心配になりますような、生産から配給に至るまでの関係において機密が漏洩するという憂いがありますならば、それぞれ國会議員は祕密会なら祕密会というやり方もありますし、十分政府に協力するだけの腹も持つておるのであります。國会を信用せぬというなら、どれを信用して日本の國を治めて行こうとしますか。國会は國の最高権威でありまして、この國会の意思を無視して、政府が一方的にそういう処置をとられることについて、われわれは非常に遺憾の意を表しておるのであります。國会において十分論議をして、いわゆる特別会計の運用において非常に困難な事態が起つた、その実情を何ゆえに話をしないか。すでに第五國会において薪炭問題は大きな問題になつておつた、そのときに何ら会計内容の具体的な話をせずに、突如として今日に至つて、これを政府の一方的な処置でやるということにわれわれは法律によつてやつておるこの会計が、政府の一方的な処置で中止せられるということに非常に不満であります。その点を私は聞いておる。國会を信用しないというなら別です。しかし國会は祕密会なり、その他政府の施策に対して十分協力でき得る措置があるのでありますから、何ゆえにそれをやらなかつたか、重ねて伺いたい。
○森國務大臣 決して國会を尊重しないのなんのということは毛頭考えておりません。これは井上委員も御承知くださることと思うのであります。この問題は、すでに新聞等にもこの処置のことについて一部発表されておりましたから、御承知でありましようが、これを委員会に持つて参りまして、こうする方針であるとか、ああする方針であるとかいうように御協議いたすところの余裕を得なかつたのであります。実はこういうことを申し上げてはどうかと思いまするが、一昨日の閣議におきましても、この問題について政府の方針を決定する上に、なお関係方面の了解を求めなければならないというような段階にも及んで参つたのであります。ちようどその日が土曜日でありましたので、午前中にその了解を求めなければ、これを変更するというような処置については決定が困難であるというような情勢にも立ち至つたのでありまするが、いろいろ協議の結果、一昨日の閣議においてようやくこの処置に意見の一致を見たようなことになりまして、関係方面との了解もそのままになつたような次第でありまするが、かくのごとく今日までの段階におきましてそういう事柄が一箇月余もかかつているのであります。その間その緊迫いたした事情でありますので、落ちついてこういう方針でやるということを決定して、國会に御相談申し上げるというような余地を、この間において見出すことができ得なかつたのであります。決して國会を無視するの、國会はどうでもいいのというようなことは毛頭考えぬのでありまして、この薪炭統制の規則におきまして、政府がこれを買い上げるということになつておりますことを、買い上げない、いわゆる特別会計をはずしたということで、必ずしも法的の処置を要するというまでのものではない、かように考えて処置いたしたわけであります。
○小笠原委員長 井上君、その他の方に申し上げますが、農林大臣は二時半になるとまた閣議の方に出席なさるそうであります。どうか大臣だけにとどめて御質疑をお願いいたします。
○井上(良)委員 そうしますと、これを私が特にやかましく申しておりますのは、この会計において一番問題になつておりますのは、約五十億のこげつきといいますか、予想するこげつきが出る。だからこの際廃止した方がいい、こういう大体の政府の腹らしいのです。現在五十五億の資金で運営をしているのでありますが、さらにこの上いろいろな條件によつて生じるところの赤字を予想して五十億ほど大体いる。それだけの資金繰りがあれば特別会計はやつて行けるという見通しでありますが、しかしこれは政府の大まかな勘定でありまして、具体的に実際掘り下げてみますと、問題になつております三十四億の赤字というものは、実際は二十億ぐらいに切り詰められはせぬかということも言われております。そういうわけでございますから、特別会計の運営が非常に悪いということよりも、実際は赤字があまり出てどうにもならぬ、こげつきが出てどうにもならぬ、こういうことじやないかとわれわれは想像しておる。
    〔委員長退席、松浦委員長代理着席〕
ここでもうすでに本日限りこの会計による運営はやめられたのでありますから、問題はそれによつて当然生ずるところの赤字の問題であります。國が負担をしなければならぬところの赤字の問題でありますが、この赤字が御存じの通り三十数億あり、またこれからのものを見込みますと、少くとも五、六十億になりはせぬかという見当らしいのです。その当時赤字の出ました責任について、政府の事務的な答弁を伺つてみますと、まつたくなつていない、われわれはこれまでは納得が行かないこれをこのまま一般会計へ繰込んで、一般会計の補填を待つというような行き方は、あまりにも無責任な行き方だろうと思いますが、この赤字の出ておる原因について、そうして赤字が將來まだ相当出るという見込みについて、大臣として、この赤字をどう始末をされようとなさるのであるか、所管大臣としての責任を伺いたい。
○森國務大臣 御承知の通り、この特別会計は昭和十五年に制定されたのであります。しかもこの十五年から約十箇年間年々の特別会計の整理精算ができておらないのであります。この間あの長い間の戰爭もあつたわけであります。また国土をほとんどあげたような大洪水、風水害等の状況も、その間に数年間繰返して來たようなわけでありますが、いずれの政府の時代におきましても、政府としては今日の特別会計がこういう結果を見たということにつきましては、まことに國民に対して申訳がないのであります。政府といたしましてはこの赤字に対する、内容の追究、また責任が那辺にあるかということにつきましては、あくまでも調査し得られる限度においてこれを調査いたしまして、國民に対してその内容を知らす、またこれが当然の責任と考えているのであります。またこの赤字の始末につきましては、政府といたしましてその方法等は決定いたしておりませんが、國家において負担すべきものであるという結論を得ますれば、これは一般会計において処理をして行かなければならぬと考えておるわけであります。
○井上(良)委員 もう一点、この特別会計整理にあたりまして、たとえば現在政府の手持ちの薪炭の賣りさばき、それから、木炭事務所から卸費業者に賣り渡しましたところの木炭、薪炭代金の回收、さらにその間におきますところの清算事務というようなものを、今後やりまして、できるだけ政府の損失及び負担を軽くするということに全力をあげなければならぬ。ところがここで問題になりますのは、この薪炭需給特別会計をやめましてからというものは、約二千人のこれらに関係しておる人がただちに職を奪われることになる。その間の事情に関して林野局長官は、それらの身分はある程度保障すると言つております。ある程度というのは一体どういうことをさして言つておるのか一向わかりませんが、少くともこれが林野局なら林野局にはつきり籍を入れて、身分を完全に農林省職員として保障するのか、あるいは單なる臨時職員として清算事務をやらそうというのか、この点が明確でない。少くとも私の考えるのには、この事務が円滑に参りますためには、ここに約六十億ぐらいの政府の負担になるべき金額が入るか入らぬかという大きな問題を控えておるのです。それに要する人件費は二億である。二億の人件費を惜しんで六十億の未收をとるかとらぬかという問題になるのです。ここにおいて政府が林野局の定員を相当拡大して、そうしてこれらの人々の身分を確実に保障して、十分後顧の憂いのないようにして、政府の清算事務を完了し、またそのうち優秀な人々は、林野局の新らしい沃地開拓とか、いろいろな仕事があろうと思いますから、そういう方面に就職せしめて、林野行政の円滑をはかるということに振り向けるべき性質のものではないか。そういう点について大臣はどういう考えを持つておられるか。身分の問題について……。
○森國務大臣 林野局の方がどういう御回答をしたかしりませんが、二億、三億の人件費を節約することによつて、六十億の赤字がなくなる、なくならぬというような御説でありましたが、この赤字はさように簡單には処理できないと思つております。しかしながらこの予想される五十億ないし六十億といわれる赤字の中におきましては、なお整理することによつてこれを減らし、回收し得られる見込みの相当の金額があるのであります。第五國会における行政整理につきましては、御承知の通りの率によつて整理をいたすことになつておりますが、今回の木炭事務所を廃止することは、その後にでき上つた問題であります、從つて現在木炭事務所に就職いたしておる人が、この特別会計を廃止しましたがために、ただちにこれを解雇するというようなことは、政府としては考えておりません。現在職を持つておられる人にただちにこの清算の事務にたずさわつてもらいまして、そうしてこの國家の損失をできるだけ少くするように、会計事務の整理をしてもらいたい、かように考えておるわけであります。なお整理の完了後におきましても、今井上委員のお話のごとくに、優秀なる公務員として活動していただいておる人に対しましては、林野局の内部のみならず、その他の公務員としての就職、配置轉換等も考えまして、將來に処して行きたい、かように考えているわけであります。
○井上(良)委員 大臣に積極的に伺つておきたい問題は、本会計の廃止に伴い、木炭需給調整規則の実施に伴う消費地における家庭燃料の見通しであります。本年は、いろいろな好條件のためにこうなつたのですけれども、日本の森林資源なり薪炭の原木等を通覽しまして、家庭燃料の前途はなかなか楽観を許さないと私は見ている。そういう見地から考えますと、この特別会計を廃止し、木炭だけを統制のルートにのせるというような、一方的な処置だけで、はたして大消費地の燃料問題が円滑に行われるかどうか。これは非常に大事な問題でありますから、大臣から責任ある答弁を得たいと思います。
○森國務大臣 前途のことを予想いたしまして結論する場合におきましては、見解の相違があります。井上委員は、こういうようなことをやつたら、大消費地の燃料に向つて非常な心配があるという御意見でありまするが、現在政府の備蓄いたしております燃料も相当あります。また今後生産方面における金融等のことも考慮して参りまするならば、決して生産が減退し、そうして大都市の消費に支障が必ず來るという悲観はいたしておらないのであります、石炭その他等の家庭燃料も、今後の見通しは決して悲観すべき情勢ではありませんがために、相まつて私はこの統制をこういうふうな形式にとどめて、特別会計を廃止いたしましても、消費地の燃料事情に悪い結果をもたらすというようなことは考えておらないのであります。
○松浦委員長代理 この際平野三郎君の農林大臣に対する質疑を許します。平野君。
○平野委員 まず第一はこの問題はすでに議論が盡きておるのでありまして、結局この厖大なるところの赤字を一般会計によつてまかなう、かような重大な失態を來したということは、もとより昭和十五年以來引続きの問題であつて現内閣のみを非難するのではありませんが、しかしながら少くとも第五國会においても何らその内容を明らかにせず、突如として今日そうした処置をとるということについては、政府としてもとより重大なる責任を痛感しなければならないところであり、また先ほど來政府当局としても、この点十分に責任を感じておるということを言明せられたのであるが、しからばいかなる方法において責任の所在を明らかにせられるか、その点農林大臣の信念をまず伺いたいと思うのであります。
 次に先ほど農林大臣が、この問題を本日突如として委員会に報告をするということは、委員会にこれを事前に発表するならば祕密が漏洩して、事態に悪影響を來すというような発言があつたのでありますが、これは私は重大なる失言でないかと思うのであります。大臣はしばしば國会を無視しないということを言明せられましたけれども、委員会に発表すれば祕密が漏洩するのだということ自体、すでに憲法で定められておる國会が最高決議機関であるという点が、まつたく本末轉倒しておる重大なる憲法違反の解釈ではないか、かように思うのでありまして、これは單に本問題のみではなく、將來の國政審議上重大なる影響を與えるところでありますから、いま一應大臣の御反省を願いたいと思うのであります。次にこの赤字を最小限度に食いとめるということは今日できたことであるからやむを得ない、要するにいかにして赤字を減らすかということに全力を傾注すべきでありますが、いかなる方法をもつてやるかということについては、どうしてもこれは人をかえて、新たなる調査機関を設けて追究しなければだめである。今までの人間にやらしたところが、これはできるものではない、こういうことを先ほど伺つたのでありますけれども、林野長官からは最初はそういうふうに考えておつたけれども、いろいろ研究の結果、やはり今まで通り木炭事務所の者にやらせた方がいいという話であります。これは私はあまりよくないと思いますが、大臣はこれについてどういうふうにお考えになつておるか。
 第四点として赤字を処理する方法についての見通し並びにその機関については、一昨日の委員会ににおいて、事務当局からは來年一ぱいはかかるだろう、こういう見通しであつた。先ほど坂本政務次官は年内にこれを解決し得るつもりだ、こういう話で全然食い違つておるのでありますが、この赤字処理の見通しについて大臣はどういうふうにお考えになつておるか。以上四点をお伺いしておきたいと思います。
○森國務大臣 平野君から憲法違反だという御質問がありましたが、私は決して國会を無視しておりません。この委員会の祕密会を要求することも知つております。この特別会計の運営につきましては、利害が相当業者に及ぼすものでありますから、軽卒にその方針を決定し、発表すれば、新聞に誤つて傳えられただけにおきましても相当損害を來す向きがあるのであります。それでありまするから愼露に審議をいたさなければならぬのであります。しかるに先ほど井上委員にお答えいたしました通り、これを閣議で決定する日までなお政府自身においてこれを発表する段階に入つておらなかつた。でありますから、ゆつくりと委員会に大体の方針を御相談申し上げる機会がなかつた、これをはつきり私は井上さんにお答えいたした通りでありまして決して私は憲法違反だとか、國会を無視する、委員会を無視するという考えは持つておりません。
 また整理の見通しについて林野廳長官と坂本次官との意見が違うというお話でありましたか、これはだれしもはつきりいつまでに整理を断行するという見通しはできません。何を申しましても長い間の整理でありますから、特殊の機関を設けまして整理するか、やはり從來取扱つていた人がその内容を知つているからその人に頼むか、その二つの道がありますが、先般來会計檢査院より特別に人を派していただきまして、相当科学的に調査を集めて参つたのであります。そして大体の全貌はわかつたのでありますが、さてこれを整理いたしますについては、まつたく新しき機関を設けましては整理が困難でありますので、長い間ここにおつて、その内容を知つておられる木炭事務所の職員にこの整理をやつてもらうことが、両者の間のことを考えましても妥当と考えて、さような処置をとつて行きたいと思つております。
 またその結論に出ましたところの赤字はどういうように措置するか、こういう問題につきましては、私の希望といたしましては、政府の責任に帰するというものにつきましては、一般会計よりこれを補つてもらわなければならぬと考えているのでありますが、これは國家の予算等の関係がありますから、どういうふうに措置いたしますか、財務当局と交渉の上に決定するわけであります。今特別会計を廃止しました以上、國家の責任を背負つてもらわなければならぬというものは、一般会計からこれを補つてもらうより道はないのではないかと考えているわけであけます。なお赤字内容につきましては徹底的に調査をいたすつもりであります。これは先ほど井上さんにもお答えいたしました通り、どの内閣の時代にできたというようなことはこれを論ずる場合ではないのでありまして、あくまでもこの赤字が國民の負担になるという上において、政府はこの赤字内容の調査を進める責任がある、かように考えているわけであります。從つて赤字に対する責任者はいずれにこれを決定するかというようなことは、今後の調査の上でなければ申し上げられませんが、この責任を背負つております現政府といたしましては、どこまでも調査し得られる何十ケ年の間に大藏省等がありましたために、書類の失われているものもありましようし、平野委員も薪炭生産の現実をよく御承知になつているわけでありますから、どういうところからこういう赤字ができたということは、おのずから御想像もできるだろうと思うのであります。こういうような難事なことを十年後の今日から調査をするのであります、から、非常に困難な事業であると思いますけれども、これは政府の責任として、あくまでも調べ得られる範囲においてはこれを調べて國民におこたえしなければならぬと考えているわけであります。
○八百板委員 政府の提示せられましたところの今回の措置の内容を見ますと、その対策はほとんど卸賣業者に対する対策と、銀行に対する処置とそれ以外の何ものでもないのであります。われわれは少くともこの処置によつて起るところの木炭の生産確保の問題を考えなければならないと思うのでありますが、さきに食糧確保臨時措置法の改正にあたりまして、われわれは單に食糧の確保というものを供出というとるという面だけに見て、生産の確保という面におろそかであることを指摘いたしまして、これに対しては大臣も衷心よりそうであるということを表明せられておるのでありまするが、これを一たび今回の薪炭問題に対して考えてみますると、またこれと同じことがここに繰返されようとしておることを私は強く指摘しなければならないのであります。われわれはこういうふうに考えて参りますると、今度の統制というものは、末端の消費の面だけを統制しようとして、その生産の確保に対して何らの具体的な処置をとつておらないということを、はつきり見ることができるのでありますが、一体農林大臣はかような点についていかなる生産確保の具体的処置をとることを考えておられるか、この点をこの際明瞭にお尋ねしておきたいのであります。たとえば金融処置に対しましては、政府が提出した資料によりますと、それぞれ記載せられておるのでありますが、内容を見事ますると、業者に対する処置以外、生産そのものに対する金融の処置は二言も触れておらないのであります。文字の上においても、生産という言葉は一字一句すら見ることができないという状態でありますが、一体この点どういう見解のもとに生産者の対策を用意しておられるか、この際明瞭に御答えをいただきたいと思うのであります。
○森國務大臣 生産者に対する処置をおろそかにいたすということは毛頭考えておりません。金融の面におきましても、生産者が指定集荷者との連絡がある以上、この指定集荷者の金融をつけるということが、生産者に対する金融の道であるわけであります。なお從來通り、この生産に対しましては裏づけ物資といたしまして、加配米あるいは必要物資のリンクというようなことも考慮いたしております。また奧山の開発等に対しましては特別なる事情がありますので、こういう方面に対しましても資金の融通等も考慮いたしたい、かように考えておるのでありまして、決してただ運輸の荷物を受ける面のみに金融をするということによらず、生産者に対しましても、この集荷團体の金融をはかるということによつて、生産者の金融の面を見て行きたい、こういう考慮を持つておるわけでありまする。
○八百板委員 そういうことを希望しておられる大臣の態度は、われわれも了とするのでありますが、現実において生産者の生産資金にはまわらないいう点、原木の資金の手当などが、これらの方法によつて手当せられないということをよく考慮せられまして、具体的な的確なる措置をとられることを希望して、時間がないそうでありますから、以上で私の質問を終ります。
○深澤委員 こまかい点は事務当局に質問いたしますので、概括的な点だけ簡單に御答弁願いたいと思います。まずこのたびのまきの統制並びに木炭に対する特別会計の廃止という根拠は一体どこにあるのか。生産あるいは消費の需給関係が円滑に行くという確信をもつてこれをやられたのか、それとも單に特別会計の面からこれをやられたのか、その点ひとつどちらであるか、明確にお聞きしたい。
○森國務大臣 お答えいたします。私は薪炭の需給状況を考えまして、就職当時から、すべからくこういうようなものは統制をはずした方がいいという気持を持つておるのであります。ことに炭にいたしましては、この統制のために規格はもちろん分けておりますけれども、昔のようないい炭を特に生産するという生産者の努力というものがなくなる。これは統制経済のすべての欠陷でありますが、そういうような事情がありますので、このほんとうの價値あるものを價値あるように市價を求めたいという気持を持つております。從つて不在はいろいろの好都合もありましたが、暖冬事情もあるから、運送の事情も良好でありましたがために出まわりもよくありまして、もうこの際薪炭は統制を廃してもいいのではないかという気持を私が持つておつたのであります。しかし一方においては、この特別会計というものの赤字がずつと累年重つて來ておりますので、この会計を処置せなければ、特別会計をはずすということはでき得ない、一日も早くこの赤字を整理いたしたいというこことに專念して参つたのでありますが、しかも今日の事情は、ややもすればこの赤字がさらに増加するということでありますので、これは一日も早く会計をはずしまして、國家の負担を少くするということを考慮せなければならぬと考えたのと、まきは相当出まわつて、各府縣の状況を見ましてもひどく心配することはないのでありますが、ただ炭におきましては、御承知の本年六月二十六日でありましたか、新しく登録制をもちまして、小賣人と卸商、卸商と生産團体とのつながりを設けておるわけであります。もしもこの統制を全面的に急激にはずしますならば、業界の混乱を來すということを考えまして、この特別会計はここにおいて一應打切るが統制は從來通りのルートをしばらく残しておくことが妥当である、かように考えて処置いたしたわけであります。すなわち木炭事情が良好になりましたことと、しかも一面においては赤字が年々増加いたすという形勢にありますので、これを一日も早く食いとめたい、この二つの考えからこの処置に出たわけであります。
○深澤委員 この特別会計の赤字を内容的に檢討いたしますと、これが生産者の生産のために対する費用、あるいは消費者のためにする費用というものの赤字でなくして、実はその間に介在するところの、中間業者に対するところのいろいろ補償関係がこの赤字内容になつておるのであります。こういう点につきましてはなお具体的に事務当局からお伺いするのでありますが、まさに先ほど河野委員も言われておりますように、この特別会計を業者等が食つておつたんだということはまことに明瞭になつておるのであります。ところがこの統制廃止と同時に、さらに業者が暗躍いたしまして、ますます赤字を増大させる危險が多分にあるのであります。聞くところによりますれば、すでに政府支拂いに対しては一應中止しておけというような祕密指令が業者にまわつておるというようなことも、われわれは聞いているのであります。從つて経済安定本部並びに農林省、大藏省が連名によつて資料として出しておりますその末尾におきましても、配炭公團あるいは石油配給公團の例に徴しても、この負担問題については十分留意しなくてはならぬというようなことが書いてあると同じように、この統制廃止につけ込みまして必ず一部業者の暗躍があるということは見えすえておるのであります。農林大臣は、この赤字の上にさらに赤字を重ねなければならないということに対しましては、万全の策を講じられると思うのでありますが、統制廃止に伴う政府の債権の取立てということに対しては、しつかりしたところの自信がおありになるかどうか、その他の公團の廃止に伴う幾多の不正事件が起らないように万全の策を講ずる自信があるかどうか、また現在講じられているかどうか。この点についてお伺いしたい。
○森國務大臣 国家の債権の取立てでありますが、この問題については十分な処置をいたしたいと考えておるのであります。かの配炭の上におきましても、五千カロリー以下のものは統制をはずすということが一たび新聞紙上に現われますと低級な石炭をどんどんと持ち込んで來るというような状況も御承知の通りでありますが、こういう事態を実は心配いたしたのであります。しかしながら國家が現在持つておりまする債権につきましては、あくまでもこれは処理をいたして、國家の損害のなからぬように努力いたしたく計画をいたしておるのであります。
 なおこの赤字の内容につきましていろいろの質問を持たれる向きもあるようでありますが、私も何分これをおあずかりいたしまして日もないのでありまして、その沿革を調査します上においては、どういうようなことができておるかということも私が今日保証できませんが、もしもそういうふうなことがありますれば、明らかにこれはなさなければならぬことでありますし、また今日事務当局の十分なる調査とは申しませんが、考え方をもちましても、決してそういうふうな不正なことに巨額の金が使われておるというようなことは断じてないという考え方をもつて、整理を進めておるようなわけであります。
○深澤委員 この資料の末尾にもありますように、特別会計整理後の損失額の多寡を決定するものは、特に末端機関たる木炭事務所の人員の身分を保障するかいなかにかかつておることは言をまたないことであるというのが、三省の一致した意見であります。これに対しまして農林大臣も、この身分保障の問題についてはいろいろな点について十分配慮するというお考えがあるようであります。さらに林野関係の欠員に対して配置轉換するというような御意見もあつたようでありますが、林野関係にこの二千人を收容し得るだけの欠員がある見通しがおありになるかどうか。もしそれがないとすれば、どういう具体的な方法においてこの人たちの身分を保障するか、この身分保障が確実になつておらなければ、この整理後における損失額を極度に切り詰めるということは不可能であります。この点について、先ほど井上委員にもお答えがあつたようでありますが、念のためもう一度、もつと具体的な策があるならばこの人たちの身分保障を明確にしていただきたい。そうすることが本特別会計の、今後における赤字を縮めるゆえんであるというぐあいに考えますがゆえに、この点をひとつお伺いしたいのであります。
○森國務大臣 先ほど井上さんにお答えいたした通りでありますが、木炭事務所の現職員は清算事務に一生懸命にやつてもらうということを考えておるのであります。清算事務完了の上において、さらにどうするかという御質問でありますが、それはそのときにどれだけの林野廳に欠員を生じて來るか、あるいは農林省として配置轉換をなし得るものがどれだけ出て來るか、またどれだけの人をどういうふうにして処置しなければならぬか、これはその段階に参らなければ、はつきりこういうふうな、これだけの人をということを今申し上げることはでき得ないのでありますが、政府といたしましては、公務員として長い間御苦労になつたその人の処置に対しましては、あくまでも誠意をもつて解決して行きたい。こういう考えをもつてその場合に処したい。こういう信念を持つておるわけであります。
○吉川委員 私のお尋ねしたいと思うことは、同僚議員からすでにお尋ねがあつたので、なお私から特にお伺いしておきたい一、二点を伺つておきたいと思います。それは、そもそもかような問題が起るということは、これはたとえて言えば士族の商法みたようなもので、訓練のされない官僚統制の結果がこういう結果を招來しておるわけであります。これはそういう機構の上にできておる仕事は、上部機構のみ充実されて、下部の機構がきわめて稀弱である、不十分であるというところからたな卸しのできないような仕事になつてしまつたのです。この問題については――この問題に限らず、官僚統制である公團方式の今後の問題について、少くとも農林大臣の管轄されるところの公團について、特に御配慮を煩わしたいと思います。そしてこれを廃止することによりまして、今度一番懸念される問題は生産の確保であります。暖冬異変ということが毎年きまつて來るならば問題はないと思いますが、私はさようなことは保証できないと思う。これは相当大きな問題であろうと思いますから、この確保の問題についての一番大きな問題は資金の問題であろう、と思います。この資金対策についでの具体的な施策、それからもうつ、この問題の起る前に買上げ停止をいたしました。この買上げ停止によつて各府縣の農協の連合会あるいは單位農協が立てかえているところの薪炭代金というものは、実に巨額に上つております。これを政府が責任をもつて処理されない限りは、おそらく地方産業は重大なる影響をこうむり、農業生産に非常な影響があるということは、どうしても考えていただかなければならない問題であります。この支拂いについて具体的な御施策を伺つておきたいと思います。時間がないようでありますから、その程度で明確なる御回答を願いたい。
○森國務大臣 具体的なことは林野廳長官からお答えいたしますし、なお刷りものでもおまわしいたしますが、指定集荷者が集荷團体が生産者から木炭を集荷いたしまして立てかえておる、農業協同組合等も立てかえが非常に増額いたしておりますことは、よく承知いたしておるのであります。政府としては、一日も早くこれを拂わなければならぬのであります。またそれを拂う金は卸業者からこれを政府が取上げて拂わなければならぬ。とつて拂うというのが順序でありますが、とるものは簡單に急速にとり得ませんために、政府が支拂いをしなければならぬ。政府の債務に対しましては、適当な金融の処置をとりまして一日も早く協同組合等の迷惑を緩和いたしたい、かように考えているわけであります。なお從つて生産者に対する処置についてもお話の通り暖冬異変は異変でありまして、決してそう年々繰返すものではあ力ません。でありますから、生産についても資金の面をこの集荷團体に考慮をいたしますと同時に、生産者に対しましても、あるいは原木購入等の資金あるいは裏づけ物資、あるいは加配米等のことも考慮いたしまして、生産の減退しないようにいろいろの処置をとつて行きたい、かように考えているわけでありますが、具体的なことは林野廳長官からお答えすることにいたします。
○井上(良)委員 さいぜんちよつと質問いたしておきました赤字の所在でありますが、これは政府の答弁によりますと、昭和十五年の木炭需給調整を始めて以來から積り積つてこうなつたのだ。こういう御説明ですが、そうするとこの十年間ほとんど何らこの赤字には政府当局は氣づかなかつたのですか。私ども前に農林省に職を奉じておりましたときに、御承知のように薪炭の非常な飢饉に当面をいたしまして、いかにして山で早く製炭をしてもらつて都会の消費地に出すかということのために、関係各省の人が総動員をしてこの問題に当つたときがありますがそのときには今お話のような、赤字が非常にたくさん出てどうにもならぬのだという報告なんてどこからもございません。これは現地側からも輸送関係からもなかつたのであります。それが本日になつて突如としてかくのごとき大きな赤字が出ておるという数字を示されて、われわれはぼう然としておるわけです。火のつくようなあの木炭の飢謹のときには、山から切り出したものを、家庭へいかにして短時日に配給するかということで、現物の行方不明というようなことは、監視が嚴しくてほとんどでき得なかつた。それがこの表によると、依然としてそういうものが相当にあつたということになつておる。そうしてこの現物の不足の数字は、長官の話によると木炭事務所の報告に基いておるという。木炭事務所がはたしてその場合その場合たな卸しをはつきりやつて、実際の数字を毎年期ごとに政府に報告が來ておるのですか。その点はどうですか。もし來ておつたとするならば、何でその処置を早くとらないのですか。すでに御承知の通り、特別会計は数回にわたつて資本金増額を國会に要求して來ておる。第二國会及び第三國会において、御承知の通り三十億の特別会計を五十五億にふやした、そのときにも何ら問題になつていないのです。そういうことは一ぺんも政府から説明されていない。資料も出ていないのです。それが今日になつて突如として過去十年の累積というようなことを言つて、いかにも現在の責任を過去になすりつけてのがれようというようなことは、私に言わせれば事務失態もはなはだしい。その点をもつと明確にしてもらいたい。各木炭事務所から年々報告書をとつておるのか。とつた場合の処置はどうしたか。その資料をここに提出願いたい
○三浦(辰)説明員 お答え申し上げます。薪炭特別会計の木炭の赤字には、一体氣がつかなかつたという点でありますが、昨年の二十二年末の決算には一億四千万円が赤字として出ておる、それまではない。こういうことです。從いまして気がついたと言えるのは二十二年度末であります。
 それから今のたな卸しをした報告を常にとつておるかどうか。こういうお尋ねでございますが、お手元まで前回の土曜日に差上げましたところの減耗の毎年度の数字、あれは先般來申し上げておる通り、また御承知の通り、山元なり、かま場なりという所で買つておるのですから、そこへ持つて來て風水害なり何なりがあつたという場合に、これだけは流れたという明らかな分については、もちろん國の財産でありますから報告をして、そうしてその分は減つたという事由を述べて、会計檢査院に御承認を願わなければならない。その御承認を願つた数量をそこに書いてあるわけなのでありまして、井上委員の言われるほんとうの意味のたな卸しということになりますれば、いわゆる帳簿づらと、現在その期に帳簿するのと合せて現物を調べた数量でなければならない。その調べた数量というものは、あの不足々々でまことに忙しかつた、また手不足であつた実情からしてこれはなかつた。こういう実情で從つて過去には報告はありません。
○井上(良)委員 そうしますと、ここに資料が出ておりますが、安定本部、大藏省、農林省、三省から出ておる現物不足約十四億という金額は何でありますか、やはり風水害その他で流れてないようになつたものですか。それとも輸送中でなくなつたものか、どつちですか。これをまず明らかにしてもらいたい。
○三浦(辰)説明員 この約十四億とありますのは、これはいわゆるたな卸しをした結果、帳簿づらにあるというふうに載つておるにかかわらず、現物としてはこれがないと考えられるものでありまして、その理由はこういう内訳のものでございます。現品が未生産であるのに証票をすでに発行しておるというもの、二番目には支拂い証票を二重に発行しておるもの、三番目には、現品が未生産であるのに受入調書を発行したもの、四番目には、受入調書を二重に発行したもの、五番目には、現品は指定集荷場所には存在せず、生産の現場にあつたもの、六番目には、指定業者が正式手続を経ないで賣却したもの、七番目には、指定業者の末端機関が無断で貸與しておつたもの、八番目には、生産から貨車載せに至る間に減耗したもの、九番目は、現品の保管中盗難によるもの、十番目には、現品保管中火災で消失したもの、十一番目には、現品保管中水害で流失したもの、十二番目には、現品保管中盗難、火災、水害以外の理由によつて消耗したもの、十三番目には、貨車載せから卸業者に渡すまでの間に減耗したもの、十四番目には出荷したものに発送報告書が発行されていなかつたもの、十五番目には発送報告書と到着現品と数量の相違するもの、十六番目には、現品が到着しておるのに発送報告書を受領していないためのもの、十七番目には、現品が到着せず、発送報告書のみを受領しておるためのもの、十八番目には、その他の事由、最後に十九番目には、事由不明のものというように、十九に分類いたしましていわゆる帳簿と現品の合わない点を究明たしまして
    〔松浦委員長代理退席、野原委員長代理着席〕
その結果ここに十四億とあげてありますが、その十四億のものはこれからよほど嚴重に適切に追つて行く必要がある。追究していつて、そこに行つて、とことんまで行つてもあるいはだめのものもあるかもしれない、ある程度は回收できるものがあると思いますが、そういうものが十四億の中には含んでおりますが、一應これは大体危い、なかなか困難ものという意味の数字でございます。
○井上(良)委員 今お話を伺いますと、たな卸しをした結果、いろいろの理由によつて現物が足らぬ。その内容はいろいろ伺いますと、天災地変によりやむを得ない場合、これは何ともしようがない。ところが他は全部それは政府当局の監督よろしきを得ない結果起つた結果でありますことは、そのことによつて明確であります。この点を明らかにしなければなりません。いわゆる事務手続が非常に明確でない、書類の整備がまことに不明確という結果から起つておる。そういうやり方によつて生じた損耗金、これを一般國民に轉嫁させるということになりますならば、これは國民を代表するわれわれとしては黙つておりません。そんなものを認めるわけには参りません。それからたな卸しをしたというのですが、そのたな卸しをしたのはいつですか、いつそういうことをやられたのですか。そういうことを毎年やつておりますか。それをまず伺いたい。
○三浦(辰)説明員 この非常に複雜な原因、あの十九にわけた大部分は、事務的処理の欠陷から出ているので、これはあくまでも追究すべきものであるということは、まことにその通りでありまして、私どもといたしましても、当然これを追究して明らかにするのでなければ、整理が完璧であるとは言えないと存じます。
 それからたな卸しは、いつしたか先ほど來申し上げているように、かつてたな卸しはしたことはない。この三月に、あまりに特別会計が変態的であるということから出発いたしまして、三月以來三度にわたつて、また会計檢査院といたしましては、関係方面から指示を受けてやる。林野自身も当然自分の責務であるからやる。こういうことによつて今回やつたのが初めてでございます。
○井上(良)委員 そのたな卸しをやりましたのは、全國の各木炭事務所を單位にしてやられたのですか。それとも地域的に特に指定して、やつたのですか。それを伺いたい。
○三浦(辰)説明員 これは木炭事務所の全部にわたつていたしました。
○井上(良)委員 わかりました。その次に第二項目の、昨年度の年末に大都市に備蓄の状態となつた薪炭の保管、減耗、手直し約十億とある。これは政府の木炭事務所が保管をした木炭でございますか。それとも卸業者が持つた木炭ですか。これがまず明らかにならなければいかぬ。われわれが伺いますところによると、大体生産地から消費地へ送りました場合は、その着駅渡しでもつて卸業者に引渡しておる。政府が直接それを引取つて自分の倉庫へ入れておく。それで政府からの配給指令によつて倉庫から出して卸業者を通して配給するとなつていないのであります。生産地から直接駅なり港へ着きましたものを、ただちに卸業者に指令をして、卸業者にそれを引取らせておるのであります、この点を明確にしなければなりません。それをまず明らかにしてもらいたい。
○三浦(辰)説明員 政府といわゆる卸業者におきますところの品物の授受の関係は、原則としてただいまお話の通りでありまして、いわゆる着駅ただちに向うの受領証をとる、これが常道でございます。ところが昨年はいわゆる戰爭中独占的な立場をとつておつたと言われる卸の。燃配と言われる燃料会社、これがはなはだ民主的でない。その前の國会の付帶決議にもございましたように、民主化するという意味から言つて、複数制にこれをせなければならぬ。その複数制にしなければならない規則がなかなか出なかつたために、昨年は薪炭について大分心配をせなければならない。九月過ぎになつてその規則が行われ、選挙が行われなければならぬという状況になつた。その九月の末になつてからの月というものを選挙に血眼をあげられたのでは、まことに迷惑の次第であるから、そこで政府といたしましては、ときあたかも二勺の主食の増配のあつたときでもあり、薪炭こそはまことに重要であるということで、そこにある程度の備蓄を計画的にしたのでございます。それがその表に載つておる備蓄量でありますが、その途中に燃配というものは、いわゆる從來の組合であつたということから、閉鎖機関に突如として指定をされる運命になりました。そこでその意味から言つても、從來の組合には政府の薪炭を流すわけには行かないという事情に立ち至りまして、いわゆる政府の一應備蓄の形になつたのであります。それに加えまして、小運搬等も天候の関係であるとか、また石炭等の関係も非常によくて、ほとんど計画通りに遂行された結果は、ついに消費地におきましては、暖冬異変と相まつて、卸者のいわゆる荷受けを躊躇する状況になりました。平素であればすぐ受領証を出すのが、自分らが受領証を出せない。受領証を出せばすぐ、いわゆる納入告知書が発行されるから、われわれは受領証を出さない。保管をするということになりまして、いわゆる政府の所有の薪炭を彼らが保管をした、あるいは日通がさらに保管をしたといつた関係のものでありまして、その損耗があるとすれば、当然政府所有中のものにかかる関係になるのであります。
○井上(良)委員 消費者價格の中には当然この減耗または損耗というものが価格の中に織り込まれておると私は解釈しておりますが、それが織り込まれていないのでございますか。
○三浦(辰)説明員 政府の方は生産者から正量のものを受取る。同時に政府は正量のものを消費者に渡すために、卸の方に対しては正量のものを当然渡す。こういうような関係で〇・五%がその價格の間に入つておる。非常に少いようでありますが、御承知の通りにこの特別会計は買つてから賣つて代金を回收するまでの一まわりを、平均四十五日、つまり買えばただちに賣れる。また急いで買つて急いで賣らなければならぬという環境下にできておりまする特別会計の事情からいたしまして、さような数字が出ております。
○井上(良)委員 だから消費者側の立場に立ちますと、その買入れます薪炭の中に、当然その減耗量が含まれておるのです。含まれてないとすれば、これは別問題でありますけれども含まれておる。含まれておるのにかかわらず、一方減耗として、またここに大きな赤字を出しておる。二重の負担をせなければならぬということになつておる。從つてこの保管もやむを得ない事態から起つたという御説明でありますから、了承いたしますが、しかし保管なり手直しによる費用のほかに、減耗というものが相当大きな金額に上つておると私はにらんでおる。これらにおいても、まつたくその檢收のよろしきを得ない結果がここに起つて來ておる表われだと思う。そういう結論が、全部何も知らない一般消費者の方に皆かかつて來ておるのです。この損耗の約十億に対する金額につきましても、簡單にわれわれは賛成するわけには参りません。
 さらに政府は本日限り特別会計による買上げ及び賣拂いをやめたのでありますが、一体現在政府の手持ちしておりますところの薪炭は全國に何ぼあるのか、その数字、それから今後これを一般の民間の取引にまかせました場合、政府は一体どう処置しようとするのか、この場合これらの價格が相当安くなると考えられますが、その安くなる價格を政府は大体二十億ぐらいしか押えておらない。はたしてそれで済む見込みであるかどうか。
 それからいま一つは卸業者に対して政府は相当賣掛代金がたまつているのです。それが全部政府との責任はなくなつたものですから、これの回收は他の委員からも指摘されましたように、非常に大きな政府の責任になつて來る。聞くところによると、政府に拂う金を拂わずに、これで原木を買い占め、山元の炭を買い占めておるといううわさを聞くのであります。もしさようなことがかりにあるとするならば、公金の流用でありまして、当然法的な大きな制裁を受けなければならないことになる。またこれを政府が知つてやつておるということになれば背任行爲が起つて來る。そういう事実があつた場合に政府の処置はどうするか、その点を明確にしていただきたい。
○三浦(辰)説明員 第一点の十億の損耗については理解できないという点、まことに私どももそれを集計してなおかつもつとこまかくしなければ、まだ御了解いただくに至らぬ、この点まことに申訳なく存じます。これはやがてもう少し詳細にしたい、かように存じます。
 それから手持量は四月末で炭におきまして三十七万トン、まきにおいて百三十八万層積石、ガスまきにおきまして九万トン、これが四月末の政府の手持でありまして、あるいは消費地にあり、あるいは産地にあるような状況でございます。それからその手持量の処分をめぐつて、今日政府が買い上げないという事態になつてからの損耗をどうするか、損失をどういうふうに考えるかという点でございます。私どもは時期もまだ夏の最中であり、消費者におきましては少々ふところぐあいが悪い、生産者の山村の方面においては経済事情がきわめて悪い、そういうような事情から相まちまして、政府のいわゆるてこ入れ的な機能もなくなつた今日の価格はどうなるかという点について、いろいろとこれは推定したのであります。そこで私どもといたしましては、先般來申し上げておりますように、需給の面から言つてもここに金融の道を確立しなければならない。それがないならば非常な困難に立ち至るであろう。また先ほど説明した理由における集荷配給のルートの確保もこれに非常に関連を持つ。ここで集荷配給のルートが新しい規則に確保され、そうして金融の道が近くポリシー・ボードの方で承認ができる、事務的には大体話合いが済んでいる、こういうことができましたとして今日考えた場合、私どもとしては、なるべくこの上損耗をかけるということは当然最も避けなければならぬ点であるのでありますが約二十億ぐらいになるだろうといつた中に含まれている因子といたしましては、うつかりすると消費地ではかなりいろいろな品物をまたされておりますから二割程度、また生産地の方においてはうつかりすると三割程度、これは正常にりつぱにつくられている炭であり、りつぱに包装されてある完全なものについての今日の値のいいところであるという意味ではなしに、人手のきわめて足らない特別会計が買いました、また倉庫もなく買つて放置してある現状から見た場合にそのくらいだと下げられない数字ではなかろうか。しかし私どもといたしましては、この処分にあたつてはその値引ないしは消耗率の見方におきまして、他から誤解のないように、だれが見てもそれならば当然であろうというような点で参りたいし、また環境がもつと値を下げなければ賣れぬような状況であるといたしますれば、これを何らかの形において、この冬を心配する一部の人たちに対して安全な気持を持たしたい、その方法といたしましていろいろと今研究しております。
○井上(良)委員 政府手持ちの薪炭の現物の在庫高ですけれども、今林野局長官のお話を聞くと、大体推定の数字ですね。そうでなかつたら三十七万トンとか、百三十八万層積石とかいうきつちりした数字は出て來るはずはない。だからこれはいいかげんな数字ですね。そういういいかげんなことを言うてもらうと困りますね。
○三浦(辰)説明員 省略いたしまして恐縮でございます。木炭は三十七万千九百十三トン、まきにおきましては百三十八万千四百八十三層積石、またガスまきにおきましては九万六千三百八十二トン、こういうことでございます。
○井上(良)委員 そうしますと、問題は卸業者の賣掛代金を今後どう抑えて行くかということと、政府が持つております現物をごまかされずに公定價格通りこれをどう処分するかということでありますが、これに対して今のお話を聞くと、非常にまわりくどい説明でちよつと納得しにくいところがありますが、実際そんなにむずかしく考えないわけに行きませんか。私の想像ですけれども、大体本年の政府の生産見込みは百三十万トンくらいではないかと押えているし、そのうちで現在およそできる見通しについて、まず百万という木炭においての見当をつけている、そうすると政府の木炭が三十七万トン現在在庫しているということから言いますと、大体三分の一くらいのものであります。從つてそんなに値引をしたり損をしたりするというそろばんが出て來ないと私は押えているのですが、損をかけられたらこの上またえらいことになりますから、これはマル公で完了に取引できるように処分はできないのでありますか。この点を明確にしておいてもらいたい。
○三浦(辰)説明員 炭の生産は私どもは安本等とも一應見通しをつけたんですが、およそ百八十万程度行くのじやないか、すなわちいわゆる安定本部の御計画の数字までは十分行けるのじやないか、かように存じております。それから政府の手持ちの処分について、非常にまわりくどい答弁があつたという御指摘でございます。実は複雜な材料のことを表現したので、まことにまわりくどい観がありますが、結局現在政府が持つている薪炭、ことに炭というものは割合に質の悪い、場合によつては包装も少し痛んだのを持つているのじやないか、また持つているというのがどうも事実のようであるので、生産地においては三割程度まで見込んでいると申し上げたわけで、その消費地におきます二割、あるいは生産地におきます三割というものが、正しく包装され、正しくりつぱな炭の全体が、政府の手持がなくて普通の炭が、それだけ値下げするかどうかというふうには考えられない。むしろ私は消費地で二割あるいは生産地で三割値下げすることが当然だというふうにとられることが非常に恐るべき影響があると思うのでありまして、私らの今たまたま持つている炭についての予想を申し上げたわけです。正常の炭についてはさようなことにならないのじやなかろうか、金融の道もある程度講じ、生産者においても相当に考えるならば、さようなことがなくて済むのじやないか、また済ませたいものである。かような意味で少しくどく申し上げたわけです。
○井上(良)委員 私はまだ質問したいけれども、政府に資料を要求しておりますから、その資料が出て参りました上、発言を許してもらいたい。
○藥師神委員 ちよつとお尋ねしたい。この薪炭の特別会計の方は、一般会計からこれまで経営費については繰入れがあるのですか、ないのですか。つまり木炭の收買と今度卸賣業者に渡すマージンともいうべきものでまかなつて行くのかどうか。これをお聞きしたい。それから今の政府の手持ちの木炭三十七万トンほかまき類の総價格はどれくらいで、今收買價格がそのうちどれだけまだ未支拂いになつているのか、この点を聞きたい。それから政府手持ち以外に生産者ないしは集荷者の手持ちに属しているストックが相当あるのじやないか。この点を大体の見込みをまず承りたい。
○三浦(辰)説明員 第一点の特別会計の一般会計に対しての関係、つまり出しておつたかもらつておつたかという問題でありますが、薪炭特別会計はもらいもせず、また外へも出さない。政府の買入れ價格と、政府の卸し者に対する卸渡償格との差額で、むしろ一般行政費から出すべき奧地の製炭には特別の奧地の小出し賃まで出さされておつたというような実情でございます。それから第二の今日政府の未支拂いになつている額でございますが、およそ三十億ございます。そのうちの十八億は商品費でございます。三億がいわゆる集荷者の手数料、保管費。それから九億が駅まで來るところの輸送費、小運搬費。大体こういうことになつております。なお生産者が政府の特別会計が買つてくれないものだから、しかたなく生産者の方面に手持ちになつているところの数量の問題でありますが、ちよつとそれを今計算してあとでお答えいたします。
○藥師神委員 相当井上委員から詳細な質問があつたわけでありますが、火災にやられたとか、あるいは水産のために流亡したとかいう、特殊なものはおのずから別でありますが、これはきわめて少い数字あるとわれわれは想定するのでありますが、その他のものはわれわれが考えてみると奇怪に考えられる点が多い。ここに亡失の表が出ておりますけれども、各府縣における收買の数量と亡失とのパーセンテージが出てないから、一向つかめない。これを一應見れば大体各府縣におけるところの欠陷の根拠がおおよそわれわれはわかると思う。ただ、これを見てみると、われわれは自分の縣から見てみると、相当な生産縣だけれども、わずかにここに亡失は百八十九トンしか出ていない。これは十箇年にまたがつて百八十九トンといえば、十箇年にわずかに十幾トンのものだから、これは大したものじやない。こういうふうなところに大きな欠陷があるのじやなくして、実際は炭化されてないまだ立木のままであるものに対して相当の金が拂われている、そこに大きな欠陷があるのではないかと思うのであります。つまり木炭になつていないものに金が出されている。そういうものがこの表には一切出ていないのでありますが、そういうものは亡失として扱われているのでありますか。一つの債権でありますか。その点を承りたい。
○三浦(辰)説明員 お手元に差上げました参考表の、今日差上げました分の本決ストツクとあるのは、いわゆる帳面ずらと実際の品物との関係の足らない部分を載せたのでございまして、これだけが亡失ということにはなつていないのであります。その一部分でございます。部分であるが、何か不明のものである、こういう意味の表であります。それから昨日お手元に差上げました一枚のガリ版で刷つたのがございます。製炭買上数量に対する國損に属する亡失一覽表というのがございまして、これは縣別はございませんが、毎年度毎に政府の買上げた数量といわゆる國損亡失として届け出てすでに処理したものがございます。でありますから、たとえて申しますと、愛媛の松山の木炭事務所関係でいえば、ここに書いてある百八十九トンという炭とそして前回お手元に差上げた年度別にできている、國がこれだけはもうこういう理由で減耗したというふうに書いてある。松山分、つまり愛媛縣分を合せれば、その数字がその縣の生産量に対してどれだけ減耗したか、こういう数学になる建前でございます。今のお話によりまして、年度別に一昨日お手元まで差上げたこの國損に属する亡失一覽表の府縣別を今度は調整して待つて参りたいと存じます。
○藥師神委員 今ちよつとわかりにくかつたかもわかりませんが、原品たな卸しによつてこれだけのものができたというのは了承しましたが、先ほどの御説明の中にもありました、まだ木炭になつていないものに金を出しておる。これは一体どのくらいな数量になるのですか。いわゆる未集金の中に立ててあるのかどうかそれを承りたい。
 それからこの亡失の年々の比率が出ておるのでありますが、昭和十九年ぐらいまでは、この亡失の比率がきわめて低いのです。一番高いので〇・六三%になつておるわけでありますが、それからというものは一・八六%というふうに何倍にもなつて上昇しておる。この数字を見てみると、ほとんど終戰後というものは乱脈をきわめた、こう想像するほかに方法がないのであります。その欠陷、大きな穴のあいたというのは、終戰直後三、四年の間であると私たちは推定しても誤りないように思う。しかも私はこの問題をもう少し敷衍して行くと、まだ木炭になつていないものに厖大な國費が投ぜられ、立木に金が投ぜられて行つたことになると、事務当局に大きな責任問題が発生すると思うのです。先ほどから木炭事務所の職員の身柄の問題についても、いろいろ同情ある意見もあつた。われわれも何もそう血の通わないような意見をはこうとは思わないのでありますけれども、これは常識では考えられない。おそらく商人だつたら、こういうばかなことはしないでしよう。ここに行き詰まるまで、手をあげるまでに、木炭行政に携つておる職員にもう少し血が通つておるならば、ここまで落ち込まないで、もう少し欠損の少いうちに内情をつまびらかにして、この善後措置を講ずることが私は当然の責務だと思うのです。日銀の保証しておる薪炭手形の五十五億円というものを、これはわれわれの推定でありますけれども、今まで出ておる三十四億の赤字に二十億余プラスすると、この五十五億の薪炭手形というものはほとんどまる損になつてしまう。そこまで押し詰めて行つたということは、單なる情勢の変化ではないのでありまする私はこの責任の所在を明らかにしなくてはならないと、どこまでも思うわけであります。そうしてこれはなお具体的に言つてみると、私は各府縣において情勢は違うと思うのでありますが、少くとも卸業者であるとか、あるいは集荷者であるとか、農協のやつておるのもあれば、商人のやつておるのもありますが、それらのやつておる不始末といいますか、そこに欠陷のできたものは全部特別会計の方にしりが持ち込まれておる。從つてそこに介在しておる商人とか農協というものが損をしないで、すべてのしりがこの方面に持ち込まれておる。私はその責任を全部薪炭特別会計で持つておるということが言い得るのじやないかと思う。この点に対するお考えを承りたいと思います。
○三浦(辰)説明員 減耗の率が昭和十九年までは非常に少いにかかわらず、二十年以後は、その損耗率が多いという点についての問題でありますが、この点については、私どもはこういうふうに解釈をしております。私ども同じ林野廳の中でも、國有林野の関係におきましては、みずから製炭をいたしております。それらの実績を見ますと、受入れた貫数俵数に対して大体五%から七%くらいの減耗率が一年の間には出る、少くとも五%は出るというのが状況でございます。私はこのパーセントの非常に少いのを見て、もとより需給の関係からいたしまして、看貫――たとえば俵に四貫匁入つていなければならぬものが、三貫七百匁、あるいははなはだしきは三貫五百匁でも、この次の一俵を待つていた消費者からいえば、文句は言うものの受取る、つまり消費者負担になつて消えた部分もあると存じます。待つてこの比率自身だけをもつてこれは言えない。でありますから、たとえば大水が出て流された、あるいは火事になつて、その附近に積んであつた政府薪炭が燒けた、これはこういうだけの表でありますから、先ほど申し上げた率は、必ずしも当らぬのでありますけれども、それにしても、戰前には非常に少くて、戰後になつて妙にふえたことと、取扱者が緊張を欠いたとか何とかいうこととの結びつけは、私今のところちよつとできかねております。なお研究しなければならぬと存じます。ただここで言えますことは、昭和二十年の初めからはさらに炭が足らないということで、從來政府の指定場所で買つておつた、いわゆるトラツクつきで買つておつたのを、さらに山元なりどこでもいいというふうに、昭和二十年、二十年は買つたということによつて、水害等がありますと、ただちにそのものはもう政府負担であつたこと、だけは申し上げることができると存じます。
 それから次の立木であつたものを買つた分というものの数量でございます。先般井上委員の御質問で、その際十九にわけて項目を選んで、いわゆる帳簿づらの合わない事由の十九をここで読み上げましたが、そのうちの初めの方に、――ただいま御指摘のように立木であつたもの、これに対しましては、当然その関係の生産業者が負担を負うべきものでございます。そこでその数量は、現在木炭でわかつているものは二千四百六トン、また薪については十万三千六百七十三層積石、ガス薪については七百三十一石というものは、自分たちの都合で、自分たちの方が間違つた――初めのころに申し上げた理由に該当するもので、明らかであります。これはもちろん損耗の中には入つてございません。総括的に特別会計は両者の結局しわを一つの体系が背負つているんじやないかという、ものの見方の問題でございます。私どもこの十九にわけた理由と、それに伴つて参つて來ておる数量を檢討いたします場合、多少その感なしとは言えませんけれども、なおいろいろなこの全体の損耗といたしましては、理由を明らかにしなければならぬものがある。御指摘のように業者のしわを体系に寄せたというような見方もここで一應ごもつともで、私どもも一部はそういう点もなきにしもあらずと存じますが、よつて参りました原因はまことに複雜なものであります。
○藥師神委員 そうして見ると、立木に金の拂われておる点は、木炭で二千トン余りといえば大した額じやないようでありますけれども、木炭、まき及びガスまきにもみなあるようでありますが、これがこの損耗のうちに入つていないということになると、これは金は拂つてあるわけなんだから、結局は債権として確認しなければならない問題だと思うのですが、立木に金を拂うということはあり得ることですか。
○三浦(辰)説明員 お答え申します。立木に金を拂うということはあり得べからざる問題でありまして、当然炭は炭の表装された一俵々々である。まきは一束々々である。これが建前であつて、例外は許されないものであります。ただ山元買上げ等でありまする関係から、一々現物を数えたりなんかする機会がなくて、そこで團体の方面からして、これだけがあそこにたまつているという場合、消費地の方からは日夜まだ送らぬかというような環境におります関係で、それをおおそうかというふうにして送つた場合もあろうと思います。その際に間違つてできたことだと御了解いただきたいと思います。
○藥師神委員 これはつまり特別会計を廃して、整理の段階に入るとすれば、この整理が徹底的に行われるというと、私はこう問題は喪失するのではないかと思うのです。違法な問題が喪失すると思うのです。そこには私は事務当局としても十分な責任の所在というものをはつきりしなくてはならぬと思います。これはすべての問題を担当しておる者の責任とは申しません。各種の客観情勢を取上げなければならぬことはわかるのでありますけれども、少くとも私は、今質問はいたしましたけれども、この年次表によるところの亡失のパーセンテージというものは私はわかつておるのであります。先ほども座談のうちにあなたが申されていたように、逆算して行つて、この根源をつかなければならないということをおつしやつていたわけで、特別会計として年々決算というものがもちろんできているはずでありましようけれども、その決算たるや、單に机上のものであつて、実際にたな卸しというものはされていないわけだから、これもあとからつくつた数にすぎないのだから、私はこの数に重きを置いているわけじやない。ただこういうものができたということをふしぎに思うからただしてみたにすぎぬのです。昭和十九年までは〇・二三%、その翌年になると八六%、次になると二・〇八%、まるで五倍、八倍もの損耗の比率が出ておる。これを一面から言うと、終戰後弛緩した職員たちがいいかげんな仕事をしたということも、これが正確な数字ならばそういうことが言えるけれども、あとからつくつた数字だと思うから、私はあまり重きをおいていないけれども、ただ問題としては、私は今日の処理上としては、特別会計を廃止するということになれば、これもすべての情勢から、考えてみてやむを得ないと思つておるが、私は長官にも一應申し上げておかなければならぬことは、一昨日質問をしましたけれども、あなたの帰られたあとで、課長さんでは答弁ができなかつただけだが、去る三月の十五日に、参議院の控室でこの問題に対して懇話会を開いたときに、あなたも來られたし、農協の方もあるいは安本も、議院側からも出て行つて懇談をした場合において、あなたはこういうことを言われた。ガスまきは買い入れない、それで木炭の方は縣外移出の分だけは買い入れる、縣内の消費の分だけはどうするか、政府は買うことをやめて地方の統制に任すかどうするか、こういう問題を中心として論議されたはずであります。私はそのときにどういうことを言つたかというと、つまり山元渡しのものが四十五日かかる、それを駅渡しにすれば三十日くらいで十分回轉するじやないか、五十五億円あれば十分操作できるじやないか、今までは五十五億プラス二十億円くらい農林中金から出ておる。七十億円くらい要されたのでありますが、この受渡しの関係が駅渡しになれば、十分これはやれるという問題であります。もう一つは、奧地を開発するならば、戰時中はともかくとして、今日になつて來れば、もう少し優秀な木炭を燒かしてもいいじやないか。製炭費も同じ、包装費も同じ、運送費も同じであつて、しかも價値から言えば二倍も三倍もいい炭が燒けるのである。今公共事業費がこういうふうに圧縮されておる場合には思うように行かぬから、奧地を開発するならば、木炭の規格をもつと根本的に改めなければ、今のように黒くなりさえすればいいというような考えでは間違つているということを、私は指摘せざるを得ない。ところが今から考えてみると、あなたのおつしやつた縣外移出の分は政府が買い入れるということも、すでにその当時においてはもう実質においてできなかつた。繰り返して言うと、日銀の薪炭手形の五十五億円というものが、方においては未收入金として二十億くらいこげついてしまう、すでに欠損してマイナスになつておるものが三十四億円以上ある。してみるともう操作も何もできないですね。縣外移出の分も、買うも買わないもすでに両手をあげなくてはならない段階に立つている。それを長官が、わかつていてそういうことを言われたとすれば、はなはだ誠意のないことである。もしそのときに、内容がわからないであなたがおつしやつたとするならば恕すべき点もある。これは三月のことです。そういうような今日主義で責任者がやつたのでは、われわれは安心してこういう仕事をまかすことはできないわけである。今度特別会計が廃止せられるとすれば、まず方においてはこれを徹底的に整理して、そうしてこの財源を一面においては確保し、これを回收するということも大きな問題でありましよう。できるだけ國家の損を少くするということも大きな問題ではありましようけれども、これは消極的な仕事である。われわれが今一番大問題として考えているのは、政府の名において買い入れたものが、いまだに三十四億円も拂われないという今日の現状をもつと重視するのである。いかにこの生産者が困つておるか、この三十四億円の拂われないためにどういう問題を引起しておるかということを、十二分に考えてもらわなければならぬわけである。それと同時に、これから統制をはずした一面において、將來においておそらく製炭費と俵装費、運送費に、大体において奧地なら九〇%以上かかる。これを生産をさすについては、どうしてもはつきりした資金の裏づけがなくては、大混乱に陷ることは火を見るよりも明らかなことであります。私はこの二つの問題をあくまでも考えなければならない。もうこの特別会計が行詰まつたのなら、やむを得なければ統制をはずしても仕方がない。しかし債権の回收も必要であるけれども、さしあたり借入れている代金を支拂わなければならないということに努力が集中されなければならない。それと統制をはずすと同時に、生産の面において大きな手が打たれなければならない。事務当局のあなたにこういうことを言うのは間違つているかもしれないけれども、少くとも大臣なり次官なりがこれを決裁する場合に、その資料はあなた方から提出されることはわかつているわけであります。事務当局のそれらに対するお考えをひとつ承つておく必要があると思う。
○三浦(辰)説明員 藥師神委員のお尋ねの点は、三月十五日の集まりでありまして、この点について申し上げても結局釈明にしかなりませんので、ここでくどく申し上げませんが、私どもも実に今から考えると、この特別会計の病状打診が欠けておつた。それに私どもとしては、九大都府縣だけに戰線を縮小して、二千数百の人員があるいは三割引かれて千七百名程度でやり得る実際限度においてこれを統制して行く、そうして逐一次般行政の拡充と相まつてこれを引くのが、いわゆる木炭に対する統制緩和の順序であろう、こういうふうに本心から考えておつたのであります。このことは五月に至つてもなおかつ――五月の初めではそういう線でありました。いよいよこの困難な手持資材、手持材料の数量と帳簿の結果が來るに及んで、方向をあらためて檢討しなければならないという状況になつたので、私どもとしては、まことに自分の仕事の内容の打診が至らなかつた点について、この際おわびさせていただきます。それから三十億も生産者方面に債務を背負つておりながら、便々今日まで來たことに対する問題でありますが、私どもとしては、五月の初めに大体この特別会計の病状がわかりましてから、その統制方式をどうするか、一面においてそのどうするかということを決定すべき生産の見通し、あるいは需要方面の変化というものをどうするかということとからんで、三つの案をつくつた。九大都府縣だけでもやれということになるか、あるいはもしそうでないならば、その場合に必ず特別会計を設けるだけの、ある程度の資金繰りを何らかの形においてやつてもらうことが前提であるし、そうでなければこの特別会計を遺憾ではあるけれども機能を停止して、生産者がよそにも賣れるという道をつくらなければならない。半身不随どころか、ほとんど瀕死になつておる特別会計が一方においてあつて、しかも堂々として特別会計以外には賣れないということは、生産の点から言つてもはなはだいかぬのであるから、この点をどうするかということで参つたのであります。この点解決が遅れましたことを、皆さんを通じて生産者の各位にもおわびをしなければならぬ点でございます。
 それから最後に資金の見通しでございます。今お手元までお配りいたしました木炭資金確保要領という一枚の紙がございます。これは大体大藏、安本、農林省が相談して、これの実施に当られます。日銀とも了解をつけまして、集荷生産方面としての集荷業者を通じて行く分は、大体今のところ、数字の率はまだフオレスチング・ボードの関係もありますが、現在のところ七割の手形になる。それを大体日銀で引く場合には八掛半にする。大体事務的にはこんなもので行つて、きまり次第ただちに関係團体とも力を合わせて、早く浸透をはかつて、この三十億をすぐ返せない事情でありますから、肩がわつたせめてもの融通で参りたいと存じております。
○藥師神委員 最後に、これは質問ではないのでありますが、事務当局にもお願いいたしておきたいと思うわけであります。この問題はいろいろ閣議でも問題があつたと存じますけれども、必ずしも大臣は木炭行政に精通しておるとは限らぬのでありまして、ずいぶん一方に乱暴な意見が出ると思うのでありますが、こういうような状態になりますと、なるべく國家の損をすることを少くすることに大部分の意見が集中するものと思う。こういう始末になつて來ると、どうしても一般会計から繰入れるより方法がない。そこで森農林大臣は婉曲に政府の責任に帰属するもの云々というお話があつたですけれども、これは全部帰属するものと思う。だれも支拂つてくれない。事務当局で支拂つてくれるわけがない。五十億でも五十五億でも、政府の一般会計へ繰入れて始末をつけるより方法はないと思う。ただ問題は、そういうふうに抽象的に考えられると、生産の面は困るから、今の未收入金の回收ということは、拂える限度において未拂金を拂うというような生ぬるい考えを持たれたんではやりきれない。二つの問題として区別して考えなければならない。未支拂金は政府の面目にかけても早急に、一日も早く解決するように事務当局においても努力を集中しなければならぬと思う。つまり未收入金がとれるとれぬの問題は別として、早急に支拂うということに方針を定めてもらわなければならぬ、と思うわけであります。それは切実な問題であります。それからもう一つは今御答弁にもありましたが、この処置の中には木炭の檢査員もある、まきの檢査員もある、しかも立木にも金が出されておつたということは、総体的に調べてどれだけの支拂になるか知りませんけれども、それだけは木炭事務所の方において相当な不正が行われていたということだけは肯定できると思う。われわれの懸は全國でもただ一つの統制のはつきりした縣で、まきの業者は入つておりません。農業会一本で扱つて行つたので、すべての仕事の上においてスムースに運んで行つた。從つて欠陷はあつたにしても大きな欠陷はないと信じておる。けれどもそれは途中において商人の側が相当入り込んで來て、縣も仲裁に入つてずいぶんいざこざしたときに、何十万の運動費が裏面に使われておるという問題が起きて、ずいぶんうるさい問題に直面したのでありますけれども、われわれの知る縣においても、三本建くらいの縣もある。相当露骨に木炭事務所の者が買收されておる事実もあると思う。そこで各縣の減耗の点においても、ある比率を見たいと思うのはそれであつて、これが出て行けばこの損耗のぐあいは飛び離れて大きな欠陷があるのではないかと思うのであります。こういう点はこれから整理をする上においても、容赦なく剔抉しなければ將來の國家の行政というものが思いやられる、こういう点は決して自分の立場だとか何とかいう考えは持たないで、はつきりこの際には剔抉してかかるという方針で事務当局に進んでもらいたい。これは御答弁は要しません。お願いを申し上げておきます。
○深澤委員 病氣の診断はまず早期にやらなければならなかつたのでありますが、非常に瀕死の状態に立ち至つてから初めて病氣がわかつたというようなことでありまして、まことにこれは事務当局としても重大なる責任があるとわれわれは考えるのであります。長官は三月にどうも内容があやしいということがわかつたということを先ほど申された、しかし森農林大臣は、就任と同時にそういうことに氣づかれておつたというぐあいに、まことに政府部内におきましても、この特別会計の薪炭に対しましては一致していなかつたということが言えると思います。こういうような問題から内容に入りますと、先ほど申しましたように十四億の現物不足の問題のごときは十九項目が上げられておりますが、出水等による流失等を除きました以外は、今も藥師神委員が言われましたように、まつたく相当の不正がからまつておるということをわれわれは想像にかたくないのであります。從つてこの点につきましては、徹底的に粛清をいたしまして、國家の損失をできる限り少くすることにつきましては、われわれとしてもできるだけの努力をしてもらわなければならぬというぐあいに考えておりますが、ただ一つの問題があるのであります。輸送中に、つまり鉄道輸送中に損耗された部分、そうして当然それは日通が事故弁償すべき部分が相当あると思うのでありますが、その点の数量はどういう状態になつておるか、その点をひとつ伺いたいと思います。
○三浦(辰)説明員 深澤委員の、日通運搬業者が当然責を負わなければならない。先ほどの立木だとかは、当然明らかに生産方面が持つべきものである。それと相対しての輸送業者が当然持たなければならないと考えて、現在はつきりその線に乘つておりまするのは、木炭におきまして二万三千八百トン、それからまきにおきまして二十一万五千五百三十層積石、それからガスまきにおきまして千トンで七十五トン、これは政府との契約に從いまして当然日通がその輸送中にできた事故でありまして、負うべきも、こういうふうに考えます。
○深澤委員 これは現地にありまして、帳簿にあるが、現物がないというぐあいに、あいまいもこたるものではないと考えます。輸送中に、つまり発送の駅から到着までの駅の間において失われたものでありますから、あまりにも明白な問題であると思います。この点について日通と交渉されて、その経過は一体どういうぐあいになつておるか、その点をひとつはつきり伺いたいと思います。
○三浦(辰)説明員 これは要するに契約に基く証拠をつきつけての交渉で、それぞれの木炭事務所においてやつております。
○深澤委員 その部分は幾分でも回收せられた事実があるかどうか、その点を伺います。つまり日通がその事故弁償を承諾して幾分でも拂つておれば、今後ともその損失してどんどん拂わせることができると思います。ところが日通はなかなか拂わないとうことをわれわれは聞いておるのであります。その点が非常に大きな問題になる。しかしこれはあまりにも明白であります。これは向うの債務でありまして、こつちは当然とるべき権利がある。それを少しでもとつた事実があるかどうかという問題であります。
○三浦(辰)説明員 これは弁償金としてとつておるのでありまして、日通から幾らとるというようなことではとつておらぬ関係でありますから、ここに数字は申し上げることはできませんが、とつた事実はあります。
○深澤委員 その点は、問題は生産者の問題でありますが、この二月十六日の買上げ停止以來生産者が受けた損害というものは実に莫大なものがあると同時に、今日生産者はその買上げが停止されたために、配給米さえとれないというような悲惨な現状にあり、さらにその業務を放棄いたしまして、他にかせぎに行つておるというような事実も相当あるようであります。さらにその一時融通をいたしました地元の單位農協等におきましては、ほとんどそれの資金を使つてしまつて破産状態にあるというくらいに、農村関係に及ぼす影響はまことに大きなものがあるのであります。そのために全國各地からこの問題に対しましては大きな輿論になつておるのでありますが、まず二十三年度の政府支拂いがまだできない部分、それから八月一日に至り政府が当然買い上ぐべき責任のあるものに対しましては、どういう処置をとられるのか、その点を明確にお答えを願いたい。
○三浦(辰)説明員 政府が買つて拂わなかつた分に対する利息は、前にも申し上げましたように拂いつつあります。それから現在政府が特別会計がかような内情であるから買えない。ところが生産者から言えば、政府以外には賣つてはいけないという規則のあつたこの七月三十一日までの間の問題であります。そこで現在の仕組を申し上げますれば、安定本部は農林省の資料に基きまして、その年間の府縣別の大体の生産の割当という言葉を簡單に使つておりますが、出す。それに基いて府縣としては要するに生産の確保をはかろうとする、そこでだんだん具体的にはいわゆる期別の生産の目標を立てる、さらに所によつては月別の生産の目標さえも立つておる所もある、まだない所もありますが、一應立つておる。そこで政府の方の特別会計が買い得る能力と買えないところのもの、言葉をかえれば、生産をした数量と政府の買える数量との間の巾が違う。つまり政府の買うのは生産量の一部分であるということに相なり得るわけであります。そこでこの点について御指摘のごとくはなはだ大きな問題があるわけであります。事務当局といたしましては、この特別会計の運用というものが、前の國会でお話し申し上げましたように、中金あるいは日銀が元締めとなつて貸してくれている市中銀行の政府支拂いにあたつた支出は、法律の五十五億の中でなければならないということに関係方面あるいは会計檢査院の方の解釈に從いまして、私どもといたしましては、特別会計をそういう限定された中でやることをはつきりと明示され、そうして一方生産というものが予想以上にできるというような状況であれば、この特別会計の理事者としてはこの買い得る資金繰りの限度で買わなければならないのであるから、その点は一應了解してもらいたい。これは一方的かもしれないけれども、こういうようなことで一應は了解してもらつたわけなんです。ところが意外にも消費地方面におけるところの品物のはけが悪くて、思うようにそのわくを達成することに至りませんでしたけれども、今年度以降といたしましては、そのいろいろの事情を了解してもらつておる点もあるから、こういうここに申し上げたように、大体におきまして、計画された数量は、およそ生産の七、八割程度までのわくでありますが、そのわくまでは買う。そのわく以外は買えない。そういう状況だから、もつと早くこの規則が出るように実にあせつたのでありますが、資金繰りの関係上どうしてもそこまでしか行きませんような状況でありますので、生産者方面としてはそれはおかしい、規則があるのだからその生産されたものは全部買うべき義務があるじやないか、こういう点が残ります。私どもとしては、直接生産者の團体の方々等にも事情を申し上げて、そのわくの範囲で買うことで、あとはひとつ金融でがまんをして欲しい。こういう事態になつたのであるから、どうかその点は了解して欲しいということで、もつぱら了解してもらうために努力しているのが現在の状況であります。
○深澤委員 まことに政府は一方的でありまして、そのために非常に廣汎な生産者が苦い犠牲を今拂いつつあるのでありますが、おそらく團体の方々が承知されたといたしましても、それが末端におきましては、ただちに承知されたということにはならないのであります。各縣の奧地の生産地におきましては、非常にこれは問題になつているのでありまして、決して團体の代表者と話合いができたからといつて、その問題自体が解決されたことにはならぬと考えるのであります。そういう点について、今後ともこれは残されておる問題であると考えるのであります。
 以上述べましたように、実は生産地における生産者が、生産意欲を失つてしまつている。あるいは資金をほとんどなくしておるというような関係において、今冬の生産はおそらく非常な減産を來すということが見えすくのでありますが、そのために食糧の次に重大であるこの燃料危機が、ことしの冬は相当な大きな問題になるのじやないかとわれわれ考えておるのでありますが、この点について農林当局はどういうぐあいにお見通しになつておられますか。
○三浦(辰)説明員 これは見通しの問題でありますから、あるいはどういうことになりますか、結果を見なければわかりませんが、私どもといたしましては、その点同様に非常に心配をいたしまして、できるだけの角度からこれを檢討したのでありますが、それは農山村における一種の不況というものが原因であるかもしれないが、とにかく増産はできる、この冬は心配はない、今日安定本部が定める配給の程度におきましては心配はない。かような結論に基いてかような措置をとつたのであります。
○深澤委員 この点については、この特別会計の薪炭の失敗と同じような失敗を繰返さないことを私は切に願うのでありますが、その次には消費者の問題であります。これはちよつと古い問題でありますが、こういう問題がある。例の燃配が閉鎖機関になる前に、実は値上げの時期があつたのであります。そのときに配給が一應停止されて、そうして値上げになつた。当然安い前の値段で買うべきものを、上つた値段で買つたという消費者が東京でたくさんあります。そのためにこれが大問題になりまして、世田谷だけでもこれは六十万円の問題があつたのであります。この問題を糾明いたしました結果、都長官はこれを全部元の消費者にその前の値段と、上げられた値段の差額は返せという通牒を出しております。ところがその問題がいまだに解決されておらない。これは東京全都では相当の額に上るだろうと思うのでありますが、その点はどういうぐあいに処理されておりますか。
○三浦(辰)説明員 私はそのときのことを思い出すわけですが、あのときにはまだ薪炭というものが非常に少いころでありました。そこで都といたしましては、その不安感がある。またへたに配給するというと、隣の家までは來たけれども、自分の家へは來ない。向うの道筋までは來たけれども、自分の側まで來なかつたということを非常に恐れるような事態でありました。そこである程度数量が固まりませんというと、いわゆる配給指示というものはしなかつた次第であります。そこにあの價格の改訂がございました。從つてそこに古い、いわゆる安い價格のものを新しくなつた価格でもらわなければならぬというような場面が境目にはできた、それが問題になつたことは確かであります。そのときに農林省といたしましては、その当時都廳が配給の都合のために配給をとめておつた。値上げをするまでに東京に入つておつた品物については、これを元の値段にして、その値上げをした日から入つて來た新しいものについては、これは限りがありませんから、新しい價格でする。こういうことで都廳と話し合い、そのように処置をしたように存じております。
○深澤委員 その点は世田谷区等においては、はつきり六十万円の差額があるということを認めておるのであります。それがまだ支拂われていないということで、いまだ問題が解決されておらぬのであります。この点をもう一つ御調査願いたいのであります。それからさらにもう一つは、この特別会計が廃止後におきまして、われわれが心配することは、おそらくこの資金の点が、非常に政府も努力しているようでありますが、今までのように円滑には行かないということのために、また生産者に対する支拂いが非常に遅れるという問題が一つ出て來ると思う。それからもう一つは、先ほど問題になりましたような、奧地の生産者がほとんどこれは失業状態にある点についても、早急に手を打たなければならぬということを考えるのでありますが、これは一般行政費から、ということを先ほど長官が申されましたが、かようなことではなかなかこの点は間に合ない。從つて奧地の生産者はほとんど失業状態になるというぐあいに考えるのであります。この生産者に対する点でありますが、資金が――ここには資金計画もちよつと配付されましたのを見たのでありますが、これによつて万全の策が講ぜられるのであるかどうか、この点の御自信があられるのかどうか、それをお伺いしたいと思います。
○三浦(辰)説明員 奧地の製炭については別の問題がありますからあとで申し上げますが、その他の点につきましては、この制度が活用されました場合においては、大体において円滑に行くと存じます。
 それから奧地の問題であります。この奧地の問題は、特別会計というものがたまたまあつたものだから、元來一般行政費で出さなければならない性質のものをこの特別会計がかぶつて來た。そこでこの特別会計のいわゆる立ち直りと言いますか、そのけがを少くするためのいろいろの方策を考えた、そのうちの一つとしてこれが六月一日からやめになつたという問題であります。まことに残念なんでありますけれども、これはただちにこれに対するところの助成、保護というものを金銭的に加えるわけには参らない、特別にこれに保護を加えるわけには参らないという状況で、できるだけ近い機会に、林業の全体の資源の活用という面から見ても、あるいは治山治水の観点から見ても減つておる山、ついこの間まで保護によつて生きておつたこの山を生かして行くのは、当然の責務と存じております。
○深澤委員 先ほど農林大臣もこの特別会計停止後における赤字の処理ということについては、現職員の身分保障という問題については、相当な責任を持たれるような御答弁があつたのでありますが、もちろん先ほど藥師神委員も問題にされておりましたように、われわれは、不正があるならばこれを徹底的に粛正しなければならぬということについてはやぶさかでないのでありますが、同時に一般國民に負担をかけるべき一般会計からの繰入れという問題をできるだけ少くするためには、現在の職員の身分を十分保障いたしまして、これに最大の能率をあげさせて、この赤字を切り詰めて行くということが刻下の急務であると考えるのでありますが、当の責任者である長官は、この職員の身分保障についてはどういうぐあいに具体的にお考えになられておるかこの点をひとつ最後にお聞きしたいと思います。
○三浦(辰)説明員 お答えいたします。この点については大きな悩みの一つでありまして、ここにこうというふうにとはつきりお答えをすることができないのは遺憾でございますが、大体これについて私の期待し、予感しておる点を申し上げますれば、確かにその前提は今御指摘のように、またその他の委員の方々が御指摘のように、また大臣も潔く肯定し、その線だと言つたようにこの身分を保障して行く。非常に困難な、しかもうつかりすると人から憎まれるような立場のこの清算の仕事を、誠心誠意やつて行くということは非常な努力を要する。そういうようなこの清算の事務をよくやつてくれた者に対しては、これは身分の保障を絶対にしなければならないと私は考えておる。そこで今度はその方法の問題でありますけれども、いろいろありましよう。ただ私はこういうことも考えられる、それは林野廳におけるところの一つの機関が、かような始末になつたからというふうにとられてはまことにこれは残念なので、その誤解はしていただきたくないのでありますが、今日林業関係で問題になつておるのは、御承知の通り治山治水の問題であります。造林も思うように進まない、こういう問題であります。そこで一方において経済現象としての複雜な事情からいたしまして、この統制というものが、あるいは木材についても、民自党の政調会等においては、その統制撤廃を考えたらどうかということを安定本部の方に連絡をして來られておることを私ども知つておる。こういうふうになつて行つた場合に、この治山治水の問題あるいは林産物の保続の問題はどうかという点を中心として、ここに伐採の調整という問題がじかに浮び上つて來なければならない。これは実は前からわれわれの社会としては、当然そのことを必要とし、それでなければどうしても今日のような状況では、森林の保護はもちろん、治山治水の問題も非常に憂慮すべきものがある、こういうふうにして心配の種になつておる大きな問題であります。ときあたかもこういうようなことに統制からではあるが、ある程度の調整が加えられるようなその形態もなくなつて行くのにかかわらず、山林がそのままであつてはならない。そこでそういうような山林の保護培養、あるいは、伐採に対する調整という問題を、当然取上げられる状況のようでありますので、私どもとしては、そういう問題についての機会も得たい。またもとより現在林野廳におきますところの、木炭関係の職員は特別会計の職員になつております。しかし特別会計の買い上げで賣るという仕事がなくなつたからといつて、薪炭行政がなくてよいものでは絶対にない、日本の山林の伐採面積の半分以上は薪炭の関係の伐採であります。あるいは薪炭林の進んだ培養をしなければならないし、また合理的にして、その面積をなるべく少くして用材の方に向けなければならないし、ここに薪炭行政というものは、轉換した姿においてまた重要であるわけでありますから、それらに対する仕事についても当然発足をしなければならぬ。現在の薪炭行政はほとんど消費統制のようなものであつたが、そうではなくて、林業の薪炭統制でなくてはならぬという、本然の姿に還つた仕事が発足しなければならぬ。また林野廳の職域としてあります國有林の管理経営の問題でありますが、それらについては、もとより過剰なるものがあるとすればその人員を整理し、むだなるものがあるとすれば、そのむだを排除して合理化に進まなければならぬのではありますけれども、その職員は一万六千名を越えるような状況でありますので、それらのものに対するところの自然欠員等については、これを他より補うことはもちろんなく、これらの清算事務に終始努力してくれた人たちに対しての責務として考えなければならない。これらは林野廳関係のものでございますが、農林省としてもその考えを持つて行くことは、省議においても内輪のことで恐縮でありますが、了解しておるところでありますし、私どもとしても、單に農林省ばかりではなく、この山林の関係にそういう明るい人がほしい。廣くこれを求めておせわしなければならぬ。そうするならばここに新定員の千百九十何名かは、この生産の手段と相まつて適切なる配置ができようかと、またしなければならぬと、かように存じておる次第であります。
○八百板委員 跡始末について政府の責任の限界をこの際明瞭にしていただきたいのでありますが、まだ数字の具体的の集計がないようでありますから、明日にでもその点はつきりお答えいただきたいと思います。
 すなわち木炭事務所から、支拂いの証票のすでに発行されたものに対しましては、当然に未拂いとして政府の責任においてこの代金を支拂うことは、これはもとより明瞭な点でありまして、問題の余地はないのでありまするしかしながら方、生産者が政府の買上げを予想して、一旦生産者の手を離れたものに対しては、それらの滯貨の数量に対しては、実質やはり政府の責任に帰すべきものであろうと考えるのでありますが、この政府の跡始末にあたつては、その限界をどの点までとるという明確なる考え方を持つておるかどうか。これの態度をはつきりと定めていただきたいと想うのであります。もう一つは具体的に、福島縣におきましてはすでに二億円の未拂い代金を持ち、さらに七万数千俵の滯貨があるというような実情でありまして、このために縣では、独自の立場に立つてこれらの処置について中央において願えなければ、縣内の分については自由販賣でもして、懸念の処置をとらなければいけないとい方針を地方において決定いたしておるのであります。このような点に、つきまして、地方としては中央の黙認が得られますならば、そういう線に沿つて野放図な自由販賣の形においてこれを処理するほかないという態度を決定して、中央の黙認を得るというような決定をしたということをわれわれは聞いておるのでありますが、そういうようなことが中央にはたして正式に申入れがあつたかどうか、それに対してどういうような中央は態度をとられたかということ、さらにそういうような事態の結果起つて來る臨機應変の自由販賣の処置に対しては、政府は果すべき責任を果さずして起つたところのそういう事態に対しては、これを追究し、法律的に違法として処罰するというようなことも、また政府においてはできないのではないかとわれわれは考えるのであります。がそういうような点について、当局はどういうふうに考えておられるか、この点も明瞭にしていただきたいと思うのであります。
 もう一つは、ただいま配付を受けましたところの木炭資金確保要領によりますと、先ほど大臣に質問いたしました際に、大臣は具体的には事務当局より後ほど説明いたすというようなお答えであつたのでありますが、原木購入資金については何ら具体的なものは示されていないのでありまして、ただ木炭資金確保要領の第四を見ますと、從來以上強力に融資あつせんの推進をはかるほか、さらに恒久的な融資確保の道を開くよう考慮するものとするという、これではまつたく何のことかわからないのでありまして、何ら具体的の内容を持つておらないということを、私どもははつきり申し上げなければならないのであります。この点につきまして、さらに進んだ具体的な原木購入資金についての処置が、事務当局において用意せられておるかどうか、この点を明瞭にしていただきたいと思うのであります。御承知のごとく、政府は、この木炭資金確保要領の中に示されておるものをわれわれが見ますときに、すべて行政の責任によつて起つたところのこの事態の責任を、全部この際に御破算にして、のがれて、その責任等の救済をほとんど市中金融の方面に逃げて行こうというような態度をとつておられるように見えるのであります。今日市中銀行が日銀の幾たびの声明にもかかわらず、日銀の方針に市中銀行は協力いたさず、その営利性の結果、当然融資しなければならない産業に対しても融資せず、それが逆に日銀にもどつていつて、大藏大臣の意図するデイスインフレの方に一向進まず、逆にデフレーシヨンの方向に進んでおるということは、明らかなる金融上の事実でありまして、こういう状態のもとにおきまして、原木資金、あるいは木炭その他の金融措置について、何ら協力していないところの市中銀行の協力に期待するということは、まことに無責任きわまるところの金融確保の対策ではないかというふうに、私どもは考えざるを得ないのであります。もしこの木炭の特別会計をはずしたことから起つて参りますところの資金事情の救済を、ほんとうにまじめに政府が考えますならば、当然市中銀行の間接的の責任においてこれを処理するというような態度をとらないで、政府の直接責任において、直接投資、直接融資の方法において、これを処理するという熱意がなければならないと思うのであります。そういう意味合いにおきまして、たとえば確保した資金を直接に運用するというような道、あるいは見返り資金をこの方面に直接、政府の融資として融通するというような考え方を、今まで持つておつたかどうか。それを具体的に実現するためにいかなる努力を拂つて來たか。そういう点をこの際はつきりお答えいただきたいと思います。
○小笠原委員長 明日間違いなく、具体的に簡單でよろしいから御答弁なさるように御用意をされたい。木炭について今まで各党から質疑をなされたことは、きわめて重要な問題ばかり多いのでありまして、まだ御答弁の方はなかなか明確を欠いておるような点もありますので、このまま委員会としては相済まぬことがあろうと思います。改めて委員会において協議もしますけれども、かりに今申し上げてみますれば、こういうことはいつまでお調べになられるか、一体輸送中の紛失のことについて、先刻深澤君からも御質疑がありましたが、これはもし日通が負担するものといたしますならば、訴えまで出さなければならぬ。しからば訴えを出す時分には、どこの事務所において、いつ幾日何号の貨車で積み込んだものが、どこに発送する途中で紛失したかということまで調整なければならない。從つてわれわれ委員会としては、全國各地の事務所において、そういうことを詳細に調査する必要もあるだろうと思いますから、その点を詳しく、訴えを出す準備のできるほどのものを、当委員会に提出する期間は何日かかるか、こういうこともお調べになつてお知らせ願いたいのであります。今長官の御答弁によると、それは請求しつつあるというようなことを言われましたが、はたしてそれが事実ならば、どこの事務所がどういう請求をして、そのとつたものはどれだけ、また請求中のものはどれだけ、その請求をするには、どういう証拠に基いて、どういう請求をしておるかということも合せてお示し願いたいのであります。なぜ私がそう言うかと申せば、当委員会としてはこれに対して重大な責任があるのに、あなた方の率直でない、われわれが聞いてわからない答弁を承つて、それでこれが考査委員会に渡されて、われわれの質疑應答と反対な結果が現われたら、われわれ委員会としては、とうてい忍び得ないのであります。從つて当委員会としても、これは詳しく調べなければならぬ責任があると思うのであります。ことにまた、これは大臣に申し上げたいのですが、一体法律によつて買うべき責任のあるものを、本日以前に滯貨した木炭に対しては、わくの範囲内でしか責任を持たれないというような長官の御答弁でありましたが、それでおさまるであろうか。これは全部買うべきであるけれども、資金がないとか、政府が責任を負えないとか、あるいは相手方の方で許可がなかつたとかいうことで、初めからわく内でしか買えないというようなことであるが、一体生産者がわく内だというようなことを承知して生産するのでありましようか。これを政府がどういうところで責任をとつておさめるかどうかということに対しましては、これはあくまで追究しなければならぬだろうと思いますが、そういう点を農林大臣として閣議に持ち出す場合には、これはわく内でというような自己解釈によつて、はたして終りまで持つて行けるものかどうかということに対して、多大な疑問がわれわれにある。また事務当局の方々でも、末端の木炭生産者でも、今各方面から質疑が出たように、いろいろな事情があります。これを放つておいたならば、今いくらか金を持つている者は、これから暴落したものを買取り、そしてまた寒さを迎えて暴騰したころに、莫大な利益を得るというようなことになつて、生産者なるものはこつちで裸にされ、あつちで踏まれるというような事情になるのではないかと考えられるのであります。ことに今御説明になつた数字、薪炭をどれほど確保していると言うけれども、それはただ今までごまかして來たあの出先機関の報告を帳面に現わしただけで、それが実際あるかどうかということは、あなた方のわずかの人員では実地調査もできますまいから、そこにわれわれは疑いを持つている。これから全國に調査に行かれる方々が、その方も調査なさると思いますが、そういうときの便宜をはからつたり何かするには、あなた方監督者もともに調査され、そういう基礎的な調査をこの委員会に提出する最も早い期間はいつであるか、これから御相談なさつて、明確な御回答を願いたいと思います。それでは委員諸君にお諮りいたしますが、明日は午前中政府委員を加えずして、われわれのみで檢討を加え、午後から政府委員に來ていただいて質疑をするなり、あるいは御決議をするなり、希望をつけるなりするというように、午前中に相談して臨んだらいかがかと思いますが…。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小笠原委員長 それではそういうことにいたします。
 本日はこの程度にとどめまして、次会は明二日午前十時より開会いたします。、
    午後四時四十五分散会