第005回国会 海外同胞引揚に関する特別委員会 第10号
昭和二十四年六月二十五日(土曜日)
    午前十一時四十一分開議
 出席委員
   委員長 中山 マサ君
   理事 佐々木盛雄君 理事 受田 新吉君
   理事 横田甚太郎君 理事 天野  久君
   理事 高倉 定助君
      足立 篤郎君    北川 定務君
      山本 猛夫君    岡  良一君
      堤 ツルヨ君    並木 芳雄君
      柳原 三郎君    神山 茂夫君
      寺本  齋君    吉川 久衛君
 委員外の出席者
        外務政務次官  川村 松助君
        外務事務官   大野 勝已君
        外務事務官   倭島 英二君
六月二十五日
 委員木村榮君辞任につき、その補欠として神山
 茂夫男が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
五月三十一日
 海外同胞引揚に関する件
の閉会中審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 委員派遣承認申請に関する件
 海外同胞引揚に関する件
    ―――――――――――――
○中山委員長 これより会議を開きます。
 本日は皆様休会中にもかかわりませず、御遠方からわざわざ御参集いただきましたことは、まことに委員長といたしましては感謝感激のきわみでございます。連合國の御好意によりまして引揚げが再開されることになりましたので、引揚者出迎いと收容状況の調査のために、委員を派遣すること、これが一つでございます。
 なお委員を派遣することにつきましては、第五回國会の終りにすでに決定いたしましたが、人選、派遣の期間、派遣地等につきましてはいまだ決定いたしておりませんので、これをきめたいと存じますが、これは委員長一任でいかがでございましようか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中山委員長 御異議ないようでございますから、さよう決定さしていただきます。
 次に本委員会といたしましてこの際特になすべきことがいろいろございますのですが、これを御相談すること。
 第三に前回の委員会で横田委員の質問に対する外務省の倭島管理局長の答弁が保留になつておりますので、外務省からお答えをお願いいたしたいと存じます。横田委員もう一度あなたの質問を……。
○横田委員 あのときは、木村委員も申しましたように、大体数字を正確に知るという意味合いにおいて、その議会はいつか知りませんが、たしか木村榮君の言つておつたその議会において、政府の方がここに地図を出して何月何日にここで何人つかまつて、これがロシヤに何人行つたということを詳細に説明をされたので、それをもう一回説明してほしい、これが一番最初の問いたつたはずです。それをやつていただきたい。
○倭島説明員 今の地図の問題ですが、これはだれが説明したのでしようか。
○横田委員 それはあのときに木村君が前の議会に聞いたと言つていましたですね。その方がしたのです。
○倭島説明員 私その関係をつまびらかにいたしておりませんし、なおまた地図の関係も私用意して來ておりませんが、そのほか私の出張中にありました委員会で御質問があつた趣きでありますが、おさしつかえなければ一問一答の形で繰返して質問していただければ、私の方からお答えできます点をお答えいたしたいと思います。
○横田委員 ではここに出ている数字ですね。この表をこしらえられるについては何回もこの表が出たわけですね。それの資料になつたもの一切を要求しておいたのです。この数字がこういうふうに集まつて來るまでには非常な苦心があつたはずです。しかもこれをこしらえられるについては、発表用、部内用の二つがあつた。それまでも聞いておるので、その全部をいただきたい。こう考えております。またそれをもらつていない。
○倭島説明員 外務省の方で委員会その他引揚関係の方の御便宜のために、司令部発表の数字の区分けその他は英語で書いてありますので、その英語を日本語にしたものを印刷したことがあります。それは逐一司令部の発表ごとに印刷をしておりません。從つて今お示しのは、あるいは外務省か司令部発表のものを收録したその関係のものかと思いますが、それは今も申し上げますように、司令部発表の数字は便宜のために書いたものでありまして、正式のものは司令部発表のもので御存じ願いたいと思います。
○横田委員 これはどこから見ましても日本の動員であつて、あくまでも帰つてもらう先は日本であるにもかかわらず、なぜ総司令部発表ということを一方的に押しつけられて、われわれがこれを承知しなければならないか、その点を承りたい。
○倭島説明員 現在占領下にあります日本として、その行政関係の政府といたしましては、現下の情勢では司令部発表の数字を使用することになつており、使用して來たわけであります。
○横田委員 それは試みにですね、この前のもう二、三回前の委員会におきまして――帰つておる人はこれこれだ、帰つておらない人はこれこれだということを日本が自主的に調査をやつて、そしてその結果として未帰還者がこれだけという数字をわれわれに発表していけないのですか。そういうようなおぼしめしもあつたということを聞いておる。それをさえも総司令部が押えるということ、それは一体どうなつているのですか。
○倭島説明員 今のお話の点ですが、日本側の調査だとかそれを押しつけるとかいう点については、それだけ承つただけではわからないのでありますが、その中で帰つて來られる方々の数は、引揚援護局の各地にありますところで調査をし、勘定をしておりますからそれが司令部発表の基礎になつておるだろうと思います。
○横田委員 それはここに大阪市住吉区安立町四丁目楠神富生なる者が、六月十日ごろの大阪の世話課の名簿を見ますと帰つておらないことになつておりますが、これはすでに帰つておるので、この人に会つておるという人もある。こういうような人たちも、こういう数字の中には、また彼の地におるという人の中に勘定されておるのです。だから外國人の計算は非常に杜撰なものであつて、これはやはり日本のお出しになつた日本政府の系統を受け継がれる方がもつと責任を持つて外國の人たちに権威のある、正しい統計をお出しになるのが当り前ではないかと存じます。
○倭島説明員 その方はどういう経路で帰つて來られたか、具体的にあたつてみないとわかりませんが、その方が普通の政府の出しておる引揚船で帰つて來らたならば、その方の名前なりあるいは帰つて來られた人の数字の中には必ず入つているはずであります。それ以外のルートで帰つて來られたら、これは別であります。
 それからなおその世話課の問題は、それはあるいはその人の世話課に対する届け出の関係で世話課の名簿に載つているかどうかという問題であろうと思いますか、帰還者ということで発表されております数字の中には、今申しました成規のルートで帰還されたならば、必ずその中に載つておるはずでありまして、そういう意味において発表されておる数字はきわめて正確な数字であると確信しております。
○横田委員 これは前の第五國会の一番最後に開かれましたこの委員会のあつた当日、衆議院の面会所へ東京の奥さんたちがお見えになつて、私たちは最後の船に乘つた。われわれ女だけが帰るのではないと思つてこの船に乘れと言われて女だけ全部、夫を残して帰つた。夫は北鮮にいる。それさえもゼロになつているということは、一体何ということになつておるのか。現に人が残つておるにもかかわらず、ゼロと書かれている意味が、どういう基礎において書かれておるかということを聞きたい。そういうことが非常にたくさんある。
○倭島説明員 おそらくその同じ関係の奥様方だろうと思いますが、外務省の管理局へおいでになりましたが、その方々にはよく説明しておきました。納得して帰られたのであります。なおこの司令部発表の数字にゼロになつておりますのは、すでに二、三回も私の承知しておるところを御説明したわけであります。これは第一次司令部発表の数字であります。從つてこの数字でいろいろ御疑問があれば直接司令部の関係へ尋ねられるのが一番正式な返答を得られるだろうと思いますが、私の了解しておるところを御参考までにもう一回繰返して申し述べます。この表は私の了解するところでは引揚げの関係の数字であります。從つてこの表のもともとの引揚基準になる数というものから帰つて來られた数字を引きまして、残りが出て來るわけでありますが、たとえば今お話になりました北鮮の状態については、引揚げの直接対象になり得るかなり得ないか、いろいろな場合がありますか、一應北鮮の場合においては引揚げの直接対象にならない。たとえば現地の状況だとか、船が現在送れないとか、あるいは引揚げの問題について、何かほかの事情があるとかいうことで、引揚げの対象にならないときには引揚げの基本数へ載つておりません。その事情が解消しますれば、引揚げの基本数の方へ載りまして、その引揚げの基本数からこの帰つて來られた数を差引くと、そこへゼロというものが出て來る、私はそういうふうに解しておるのであります。なお先ほども申し上げましたようにいろいろ御疑問の点がありますれば、この発表先からお聞きになることも一案だと思います。
○横田委員 それから引揚げ基本数の問題についてはいろいろ政府の役人の言うことが違う。たとえば倭島局長などは参議院、衆議院の各委員会において、この数字は絶対に正しいと言う。なぜ正しいか。兵隊なんか損耗するものであつてわからぬじやないか。消耗した兵隊はどんなになつたかと言えば、死んだ兵隊のかわりにそこにいる人間をつかまえて連れて行つたと答弁していられる。もう一人の高田という人は、その当時は非常に混乱しておつて、動いている軍隊をそのままつかまえることは不可能であると言われる。それであるにもかかわらず、あなたはそうじやない。死んだ兵隊、病氣で死んだ兵隊、けがして死んだ兵隊はそのかわりに兵隊でなかつた日本人で向うにいる人たちを連れて行つたというように言つておられる。それで私たちが聞きたいのは、地図て見ましたら平面です。しかしいかにロシヤ人であつても、いつぺんに投網を打つようには行かない。北満の北から北鮮の南まで來るには相当の日数がかかつている。その間に日本人かじつと動かずにおつたか。そこにおつた人間がみな向うに行つたように書かれている。そこが私たちの疑問である。だから第一日には何人つかまえて、第二日には何人つかまえて、向うが來たときに日本人で向うにいる人たちの動態はどうであつたかということの見解をはつさり聞かしていただきたい。
○倭島説明員 今のお話の中には新聞なんかに出たのと議会で私が説明したのと少し混同されておる点があるのじやないかと思います。今の話は新聞関係の人が書いた問題を取上げておられるのではないかと思います。なお政府の説明員の中で、今高山とか言われましたが、高野説明員のことかと思います。それは私のところの課長であります。それも今速記録を持つておりませんから、どういうふうに速記録に載つておりますか、私その関係を明らかに知りませんが、今の御質問の要点は、要するに引揚げ基準数、英語で司令部の発表されておるのがオリジナル・ストレンスという字が書いてありますが、それの問題だろうと思います。その引揚げ基準数の問題は、これは司令部の発表では引揚げの基準数と書いてあり、その下にアプロクシメトリーという、およそという字が書いてあります。外務省でこれを刷りましたときには、およそという字を抜かして、大体のということで便宜に略しておりますか、要するにその引揚げ基準数の問題だろうと思います。その基準数につきましては、日本政府としましては最も信頼し得る根拠に基いて、司令部の方で発表された数字だろうと承知しております。從つてこれは現在正確なものであるとわれわれは考えております。
○横田委員 これが正確なものであると考えておられるのであるなれば、あとにおるところの三十万何ぼの人員はやはりソビエトにおる、こうお考えなんですね。
○倭島説明員 その三十万というのはどこから出て來た数でしようか。
○横田委員 ソビエトにおるのが四十万八千七百二十九人とここに出ておりますね。そこで九万五千人返す。それて戰犯者とか一部の人たちがおる。そうしたら三十万何ぼになる。それからいま一つの問題は、捕虜の問題であつて、一般抑留者を含まないということを言うたとか言わぬとかの問題が今擡頭して來ておる。それで二十万は完全に解決つくのですか。
○倭島説明員 今の御質問の出る一つの根拠は、新聞電報等でソ連が発表したと傳えられる数字と、司令部発表の数字との比較から出て來る問題だろうと思います。ソ連政府の発表として傳えられますところによれば新聞に出たことは承知しておりますが、司令部を通して正式にわれわれはいまだ何らの通報を得ておりません。從つて日本政府としましては、そういう報道があつたということを承知しましたので、さつそく五月の二十四日に公文をもちましてその眞相を知らしてもらいたいということで、司令部にお願いが出してあります。從つて政府といたしましては、ソ連の発表と傳えられる数字と司令部の方の発表しておる数字との関係その他についての見解を発表することは、正式な通告を得てからでなければできない。正式な通告があれは、そのあとで日本側の見解を発表するということになるだろうと思います。
○横田委員 私たちはこんな数字はどうでもいいのであります。なぜかと申しますと、この数字がすなわち一人の人命を表わしておるなれば非常に尊い。しかしこういうことをごちやごちや言つておると、非常にふるいにかけられたような統計になつて來たので、それで私たちはこの数字について一つの疑問を持つ。何の疑問かというと、この数字が一つの命を表わしておるかどうかという疑問です。あんたは数字の問題であるかもしれないが、私たちは人命の問題です。日本の内地において倭島さんなら倭島さんの手元に、また日本の政府の手元に、何人の御家族の方がこれだけまた帰つておられないのか、これがまた疑問だ。それに対する調査が十分できているかということを知らしてもらいたい。
○倭島説明員 日本政府といたしましては、司令部発表の数字にあります通りに、ソ連地区においては四十万八千七百二十九名、これがまだおるものと信じております。
○横田委員 一般抑留者は一体どのくらいおるのでしよう。
○倭島説明員 一般抑留者と軍との関係については、またここではつきり申し上げるだけの数字をつかんでおりません。
○横田委員 軍はどのくらいいるのでしようか。
○倭島説明員 同様であります。つまり全体の数字としましてはこれだけ残つているというふうにわれわれは確信しておりますが、それが軍関係がいくらで、一般邦人関係かいくらということを申し上げるには数字を持つておりません。
○中山委員長 私ちよつと発言させていただきます。こういうことを申し上げていいのかどうかしりませんが、ただ私が得ました情報の一つとして申し上げたいことがあります。それは八木という、岐阜縣か滋賀縣かの去年の最後の船で帰つたという人から、自分の見解ではまだ五十万は確かにいると確信しているというような手紙をいただきましたことを、ちよつとここで單なる一つの情報として申し上げておきたいと思います。
○横田委員 五十万もいるのにそれを四十万……あとの十万は放つてしまうのですか。事いやしくも日本民族の尊嚴の問題ですから、もうひとつ腹を割つてお話になる方がいいのじやないか。あんたの言つておられることは実にわかりにくい。かりにあんたの言つておられるように、一歩も二歩も百歩も千歩も譲つて、四十万なら四十万残つておるとすれば、それに対してあなたたちはどういう手段を講じておられるか。
○足立(篤)委員 前回の委員会のときに、横田君からこの問題が出ましたときに私申し上げたのですが、私も終戰の時満州におりまして、どさくさまぎれにあつて帰つて來た一人で、あの当時の体験からしますと――なるほど外務省当局においてははつきりした数字的根拠を持つてお出しになつたものと思いまするが、現実の問題として、はたしてソ連に何名連れて行かれたかということについては疑問なきを得ない。これは結局國際道義の上からいたしましても、ソ連側において何名の捕虜を当時シベリアに抑留し、そのうち何名病死し、今まで何名返したから、結局結論が十万いくらになつて、そのうち戰犯などがあるから、九万五千返すというふうに、順序を追うて発表があつてしかるべきだと思う。これがなくして、日本政府をいたずらに責めましても、横田君の満足されるような数字は出て來ないと私は確信するわけであります。私どもそれと関連してそのときに質問いたしたのでありまするが、最近全國的にお調べになつているはずでありまして、まだ帰らない人は役場へ知らせろということで、ポスターも出ております。あれを集計した結果、現実に関係者で帰らない者の数字をつかむことは非常に意義のあることだと私は思うわけであります。その数字がおわかりでしたら御発表願いたい。
○倭島説明員 先に横田委員の関係についてお答え申し上げますが、さつきから繰返して申し上げているように、四十万八千なにがしの同胞は、まだわれわれの確信するところではソ連地域内に残つていると思つております。從つてこの動静等については、日本政府としましては司令部を通じて再三ソ連当局へ実情あるいは現状を知らしていただきたいということを頼んでおるわけであります。最近の発表がありました直後においても先ほど申し上げました五月二十四日にも繰返してその実情を求めておるわけであります。これが政府のこれまでとつて來ました措置の概要であります。なお今足立委員の御質問でございますが、國内でいろいろ軍関係、一般邦人関係、それぞれ相当の官廰で調べておりますか、またそれがいろいろな関係で完成しておりません。早目にその未完成の数字を発表することはいろいろな誤解なり不都合な点がありますので、政府関係機関といたしましては鋭意これを進めておりますが、留守宅の方の届出は必ずしも完全でありませんし、政府の握りました数字もわれわれの信ずるところではまだ本質的でないというので、目下それの調査、再檢討中であります。いずれ將來発表されるときがあると思いますが、現在はまだ発表の段階に立ち至つておらぬという返答を申し上げるよりほかしかたかないと思いますから了承を願います。
○中山委員長 御質問申し上げたいのでありますが、この間奥様方がお出になつたというお話でございましたが、私もその奥様方にお会いしましたが、自分たちが帰るときには司法関係の方々は國事犯として監獄にぶちこまれた、三年半の前の執行を言い渡された、そしてその日にちはたつているのであるか、北鮮に帰りたい朝鮮人を連れて帰つて、その帰り船で自分たちの夫をぜひ連れて帰つてくれということを言つておりますが、その人たちがもはや監獄を出たといたしますると、それを引揚げの対策に持つて行く方法がお手元にございましようか、あるいはただ向うの方針にまかせておくよりほかに方法はないものでございますか。参考のために伺つておきたいと思います。
○倭島説明員 ただいまの委員長の御質問でございますか、北鮮あるいは中共地区、あるいはソ連以外の所では大体戰犯関係で現地でいろいろな刑を申し渡された人の名前なり、動静なりが大体明らかになつております。從つてその人たちの数は、この引揚げの基本数の中には入つておりませんが、戰犯なりどこかへ收容されておられる理由がなくなれば――引揚げられなかつた理由が解消次第引揚げる順序あるいは方法等は考案されており、また実行されております。たとえば一人二人出獄されてもすぐ船を一ぱい送るわけには参りませんが、それがある程度数がまとまるとか、あるいはそちらの方へ便船があるとかいうことになれば、それにすぐ連絡をいたしまして、向うの関係政府の方からも通知がありますし、赤十字その他の関係からもそれの状況がわかりますので、できるだけ早い機会に引揚げの手配ということになつております。
 北鮮の関係についても、今お話になりました法務関係で一定の刑期を科せられて收容所その他へ入つておられる方の名前はわかつておりますが、しかしながら現在のところは御承知のように日本政府の交渉は司令部を通して交渉する建前でありますし、司令部と北鮮との関係が直接今連絡はつかない状況にありますので、たとえばごく最近の状況としてあるいは出獄されているかもしれない、あるいは帰えられるような身柄になつておるかもしれませんが、すぐ船を送るというまでには至らない、この点も何とかしたいと思つておりますが、現在の状況は北鮮につきまして申しますと、そういう状況で、すぐ船を送るとか、あるいは現在どうなつているかということは直接きわめることはきわめて困難な状況になつております。
○吉川委員 足立委員の御質問に対する管理局長さんのいろいろの関係で調査の結果が発表できない段階にあるという御答弁は非常に誤解を招くのではないか、ことに共産党の横田委員は一層誤解を深められるのではないかと私は思います。それはGHQとの関係において、GHQの方から示めされた数字と、それを飜訳して日本政府が発表した数字と、それから今日本政府が調査している数字とがどうもつじつまが合わないから、その点をいかにしてつじつまを合せるかという問題について檢討をしなければならないという感じを與えますので、そこのところをはつきりしていただきたいと思います。
 それから足立さんかおつしやる通りこれは政府が眞劍におやりになればそうむずかしい仕事ではないと思います。きわめて重要な問題でありますから、できるだけ早く調査をまとめられまして、できるだけ早く発表されるような御努力がなされなければならないと思いますが、私の聞くところでは、引揚関係は大分数も減つて來たからというので、それに比例して引揚げ関係の事務を担当する人を減らしているよりに聞いております。これは政府がいかにこの問題に対して熱意を欠いているかということを証明するものであります。そういつた点について政府はもつと熱意を持つて、すみやかに國民の納得の行くような御努力をやつていただきたい。その辺について政府の御所見を伺つておきたいと思います。
○倭島説明員 第一の点で、今の御意見のありましたような誤解があるいはあるかもしれませんので、もう一回その点を繰返して御説明申し上げたいと思います。それはいろいろな段階と申しましたかもしれませんが、要するにそれの重点を置いてお答え申し上げたいと思いますのは、政府の見解としましては、今までの調査の結果が必ずしも全部包括しておらぬ。たとえば留守で家族の届出が一つの根拠になつておるわけでありますが、留守宅のない方、あるいは留守宅の、何と申しますか、戰災、その他だろうと思いますけれども、なくなられた方、あるいは不幸にしていろいろ轉々としておられまして、それで留守宅の方でも残つておられる方が届出その他ができないようなごく小さい方とか、その他があるだろうと思いますが、要するに政府の今までいたしました調査の中では、留守宅の届出をもとにし、また從來引揚げて來られた方の覚えて帰られたことなんかを基礎にしまして調べた数字は必ずしも全部包括してないように思われますので、その点をさらに檢討中てあるということを申し上げたわけであります。つじつまを合せるつもりではないのでありまして、どこまでも檢討しておるということであります。なおその檢討の過程におきまして、たとえば引揚げて來られた方の中で、大体一人以上でありますが、二人以上の方々か、実はこの戰友はなくなつたので、自分か埋めて來たというふうな確実な報道があります件につきましては、その関係官廰から御関係の御家族へ、なくなられた、つまり戰死の公報が行つておるように承知しております。その全体の数は私今承知しておりませんけれども、この死亡等につきましては、御関係の家族は一部分はそういう確実なものについては御存じになつておる、こう考えております。(「その数字はわかりませんか」と呼ぶ者あり)これは私の方の担当ではありませんので、外務省は一般邦人の関係を調べておりますが、その数字についても適当な機会に発表されるのじやないかと思いますけれども、私今ここに存じておりません。
 第二の点、これは予算の関係その他があつてだろうと思いますか、復員局の方で御調査になつており、それかどれくらい予算の関係等で職員が減りましたが、私今つまびらかにしておりませんが、外務省の方としましては、一般邦人の調査を去年の秋から始めまして、むしろこれはだんだんと人をきゆうくつな予算の中からでも拡充いたしまして、鋭意その調査を進めております。從つて私の了解するところでは、政府の熱意が足らなくなつたということよりも、予算の都合で多少減つたということじやないかと思いますが、外務省の方はむしろ積極的に今人を増さざるを得ない、増して大いに調査を進めております。
○横田委員 今度は、ただいま名刺をもらつた外務省の政務次官の川村さんにちよつとお尋ねしたい。倭島さんに聞いておりましたが、さつきのあれからわかりましたように、どうもまじめになつて討議ができない。具体的に人数はどうですかと聞くと、極端に言えば、アメリカに行つて聞いてくれ、アメリカ人が知つているという。それではアメリカ人を呼んで來てもらえないか。向うへ行つても簡單に会えない。結局数字の問題においては一つも討議かできない。とするならば、今後の引揚問題をどういうふうに政府においては熱意を持つてやつて行かれるつもりであるか、その点を得心の行くように聞かせていただきたい。
○川村説明員 御得心が行くか行かないかわかりませんけれども、私の考え方では、先ほど來皆さんの御意見を拜承いたしまして、きわめてごもつともだというような感じを持つておりますので、昔さんの御意見を尊重して今後善処して行きたいと考えております。
○横田委員 それじやもうちよつと具体的に聞きたいのですが、ここに新聞記事がある。中山さんの言がある。たとえば中山さんの言われましたのは、岐阜に八木という人が、ソビエトに五十万いるだろうということを言つておられる。それはけつこうである。それならここにこういうような記事がある。新大阪に出ているのですが、このごろインボーデンという人がうその新聞を出してはいかぬと言つているから、おそらく正確だろう。これによりますと、ジヤワのジヤングルというのがある。まずこれを倭島さんに聞きたいのですか、ジヤワのジヤングルというのは、八つの地区のどこに含まれているかということを先に聞いておきたい。
○倭島説明員 今横田委員がお持ちになつている資料と、私の手許にあるのと同じものかどうか知りませんが、おそらくそれは四と書いてある蘭領東インドというところじやないかと思います。
○横田委員 それだつたら、その数字は一万五千五百六十三人おつて、一万五千五百六十三人帰つて、何にもおらぬようになつているのですが、新大阪の記事によりますと、三千名の日本兵がジヤワのジヤングルに潜伏している。二十日午後一時横浜に入港のオランダ船チベツア号でジヤワから、バタビアの臨時軍法会議弁護團をつとめた小山という人が帰つて來た。この人は年が三十二才で、奥さんも連れて帰つているのですが、その人の話によりますと、現在ジヤワに弁護士一人、僧侶一人、通訳五人、オランダ政府日本局勤務者が二人、合計九人の日本人と、バタビアのチゾナソ刑務所に服役中の七百人の戰犯がいる。なおジヤワ各地のジヤングルには三千人以上の元日本軍人が潜伏していると聞いたという。私はこれを聞いてこの数字にけちをつけるんじやないが、要は建設的な意見でありまして、こういうように中山さんの岐阜の八木さん、あるいはここにある三千人の日本軍人がジヤワのジヤングルにいる問題、これはきのう二十四日の東京日日新聞によりますと、アメリカの大スパイ團が潘陽で捕まつている。その中にに日本人で元満州國の軍官学校のえらい人であつた人がいる。その名前は佐々木光經、こういうことになつている。この佐々木光經という人は、満州にいる六千三百十二人の中の一人に入つているのか、これはその中に入つておらないのか、こういう問題が非常に大きな問題になつておりますから、この引揚対策委員会で、継続中であろうとも、あるいは次の議会が開かれましても、こういうようなうわさを聞いた人を呼んで、いろいろのものを総合して、われわれが一つの正確な数を知るというような努力をして行きたい、そうすることにおいて回の意義があるかと言えば、いたずらなる國際間の葛藤の中に巻き込まれないでよいだろうと思う。たとえばソビエトにしたところが、正確な数字を言われたら、向うで痛いような感じを持つだろうと思う。ところが正確な数字でなかつたら、何だ、日本はアメリカにばかりついて、パンパンの國じやないかということになつて來るだろうと思う。われわれはアメリカの方につく必要もない。ロシヤの方につく必要もないのでありますから、少くともわれわれ日本人の人権を守る意味合いにおいて、正しいことを正しく主張するその意味でわれわれがわれわれの数字をもつと正確にしなくちやならない。だから五十万人おつて四十万人と発表すれば、これは十万人インチキしたことになつて來ますし、ジヤワにおるのはどうなるのだ、三千人はおるんじやないか、これは蘭領東印度じやないか、ソビエトではないじやないか、そこにはおるのかおらんのか、こういう点においてもはつきりしないと、不透明な外交関係に日本が巻き込まれて來る。だから、そういうふうに持つて行つていただきたいということを私たちは提案したい。
 まだあるのです。たとえば、雑誌「旋風」なんかの記事を見ますと、ひどいのです。日本軍が四万人また長白山におる。しかもこんなことを言つたのはだれかというと、これは岡村という大將が言つておる。この人が、四万人とは言つていないが、長白山に一万人以上の人かおるだろう、興友嶺には一千以上の人かおるだろう、それは大砲も持つておるぞ、こういうことを言つておる。これは眞偽のほどはわからないけれども、これをもしその人が言つておるのならば、それに対して日本政府は手を打たなければならないし、言うておらぬのならば、この人の名誉の挽回のためにも、こういう点は明瞭にしていただきたいと思うのです。これだけではないのであつて、中共戰線におとる日本の陸軍というのが、ずいぶん記事に出ておる。ここに一万余人、ここに一千人、ここに三千人といつたように、たくさん出ておる。こういうことであれば、うわさによつて日本の議会が左右される、あるいはうわさによつて民自党と共産党がけんかをするということになる。そういうことはつまらぬことであるから、そういう点について政府は手を打つていただきたい。
○中山委員長 できる人を証人として呼び出してその人たちの言つておる数字が確実であるかどうかをその人たちから聞くということよりほかに方法はございませんね。それでは皆さんにこのことを御相談申し上げたいと思いますが、いかがでございましようか、たとえば雑誌関係に手を入れまして、そういう人たちを証人として呼び出すような手を打つてさしつかえございませんでしようか。御意見を伺いたい。
○天野委員 それはたいへんよいことですが、社会の何万という数の新聞、雑誌を一々取上げて、この委員会が証人を呼んで、委員長として締りかつきますか。
○中山委員長 それはやつてみないとわかりませんです。
○天野委員 私はとてもできないと思う。山梨縣だけでも何十とあります。それが思い思いに書いて來るのを一々取上げては、やり切れましようかしら。
○足立委員 前回の委員会で参議院のやりました吉村隊事件、ああいつたやり方が引揚げを遅らせる一つの原因であるというような御意見があつたのであります。これは主として共産党の見解であります。ただいまの横田君の御動議は、それでわかるものであれは非常にもつともでありますけれども、いずれにしましても、見て來た、あるいは当時の感じで、どのくらいおるだろうという程度の話しかわからぬと思う。それによつて日米政府が今までやつておられるような、動員計画から割り出したような具体的な数字か出るはずがない。私はこれをつき詰めて行きますと、結局参議院でやりました吉村隊事件と大同小異の結果になつて、かえつて批判の対象になり、かえつて引揚げを遅らすという逆効果こそ考えられる。よい効果は考えられないと思います。ことに無責任な新聞、雑誌、最近は「眞相」なんという雑誌が、とんでもないでたらめを書いておる。ああいつたものを一々取上げてやつておつたんでは、とても切りがつかんと思いますから、これはある程度聞き流して行かなければならぬ。しかし、たしかに根拠があるというような、そういう地位にある方々の話を聞くということは、これはちよつと意味かあると思うが、そういう点は愼重にお考えを願いたい。
○横田委員 この要点は、いわば数字の正確な基礎となるべきものがわれわれに発見できないから、こういうような点が出て來るのであつて、倭島さんは、「眞相」がどうやらこうやらと言つたら、くすつと笑つておるが、そういうようなことではだめです。要は日本政府の決定版が出たとなれば、そんなばかけたことをわれわれがやる必要はないのであるか、こういうことがあるにおいて、きのうもわれわれはいろいろ考えていたのですが、これだけの人間がおるというのにもかかわらず、ソビエトにおいてはこれだけしか帰さない。こういうふうに國内がごちやごちやしているのは、ちようど反ソ宣傳に持つてこいの條件だから、これを機会に反ソ宣傳をやつておられるように私たちには見受けられる。ロシヤがどうでも、アメリカがどうでもよい。日本人を帰してほしいというのが本旨であつて、アメリカがこれだけあると言つても、一人違つても、それは日本人じやない、目の玉の色が違うじやないかという決定を出していただきたい。われわれはそれがために苦心するのであつて、それに対するあなたの良心的な一つの動きさえもわれわれは見受けられない。それで、ここにこういうようなことを提案したのです。
○倭島説明員 良心の問題を云々されることは、はなはだ心外であります。決してわれわれ政府の役人といたしましては、この引揚問題につきしましても、できるだけ多くの同胞が帰つて來られるようにしたいということで、誠心誠意、引揚げの一日も早く行われるように、最善の努力を盡しております。
 なお数字の問題について、もう一つつけ加えておきたいと思いますが、これは何回も繰返した点でありますが、私の管理局の方で、司令部の発表の数字を、御便宜のために日本の地名等に直して、これまでお配りしたことがございますが、その引揚げ対象基本数というのは、私の了解するところでは、これは相当がつちりした数字でありまして、先ほども御説明いたしましたが、戰犯の方々だとか、ジヤングルその他の方に入つておられて、引揚げの数の対象にならないというような方々は、この基本教に入つていない場合があり得るわけでございます。ソ連の関係につきましては、ソ連地区に入つた方々の基本数につきましては、あるいはこれより多いだろうとわれわれは思つておるのでありますけれども、少くともこれは現在知り得る、最も信じ得る基礎に基いて出た数字だというふうにわれわれは考えております。
○横田委員 今の言葉は非常に重大な言葉なんですが、ここに引揚数累計と書いてありますが、これはずつと帰つ來た人ですね。この帰つて來た人は全然間違いがないのですね。
○倭島説明員 そうです。
○横田委員 これはどこで帳面を見たら見られますか。
○倭島説明員 先ほどからこれも御説明しておりますが、これは司令部発表の数字でありまして、司令部にはいろいろな集計があると思いますが、なお引揚援護局には、各地に引揚げて來られた個々の数字はあると思います。
○横田委員 それは一体どのくらいの量になつて、私一ぺん見せてもらいたいと思つておりますが、何箇月ほどかかつたら見られますか。
○倭島説明員 この●●に数の問題につきましては、これは先ほどから申し上げておりますように、司令部の発表でありまして、司令部の関係とひとつ御相談になる必要があると思うのでありますが、われわれそれの詳しい問題はまだ承知しておりません。
○横田委員 個々の名前の書いたやつが、外務省のあなたの手もとにあるでしよう。
○倭島説明員 私の手もとにはありません。
○横田委員 そうしたら引揚者数累計というものにこう書いてあるだけなんですね。これは書いてあるだけであつて、これの物的証拠は――簡單に言いますと、アメリカ人は親切に外地におる日本人を、日本政府を代表して帰してくれということのあつせんはしてくれる。しかしその結果として現われる引揚者が日本の土を踏んだ際においては日本の政府がお受取りになる。それがために日本の國会においていろいろの予算を組んで、いろいろの法規をこしらえて、そうして引揚げの援護に対するところの諸法規、諸設備、諸予算が組まれていると思うのであります。だからこれはおそらく日本政府において、人が帰つて來たならば一人々々を書いたり、消したり、こういうふうにしておられると思う。ところがあなたのいわれるのだと引揚者数累計というものと引揚げ対象基本数というものはわからないというような結論であつた。私たちが知りたいのは引揚げ対象とか、引揚げ基本数とか引揚げ累計ということはどうでもいい。これはかつてにつけてくれればいい。要は外地に何人おつて何人の人が帰れるか、これだけをよく知りたいわけだから、まず動員された人でいまだ帰つて來ない人が何人あるか、これを知るがために私たちは今引揚者累計というものをはつきり知りたい、こう言つたのであります。だからこの帳面がありますかと言つたら、どうやらわかるらしいように言つておられた。それでどのくらいの量が何箇月かかつて見せてもらえるでしようか。また私たちはほんとうに見る氣なのです。
○倭島説明員 私が先に申し上げた言葉をはつきりお聞き取り願いたいと思います。私の手元にあるということを言つたのではありません。私の手元にあるかと言われると、先ほどはつきり申し上げましたように、帰つて來られた方は、正規の手続で帰つて來られれば引揚援護局を通して帰つて來られるわけでありますし、引揚援護局には関係の資料がありますということを申し上げたのであります。私の手元にはありませんので、帰つて來られた人に関しての資料はどのくらいかかればごらんになり得るか私は知りませんが、現場の引揚援護局にそれぞれあるはずであります。
○横田委員 あなたの手元にないと言うのですが、その書類はあなたの監督によつて見せることもできるし、見せないこともできるものでしようかということであります。
○倭島説明員 それは管理局長の直接の責任でありません。それは適当な政府の関係機関が所管しておる問題でありまして、その関係のところでどういうふうにお見せするか、どういう手続をとるかということはきまるだろうと思います。私自身の外務省管理局長としては、それについての直接の、あるいはお見せするとかしないとかということの責任をとる地位にございません。
○横田委員 政府の関係機関を知らせてください。
○倭島説明員 先の帰つて來られた方の記録は少くとも現地の関係の引揚援護局にあると思いますが、引揚援護局の系統の許可を得られればいいのじやないかと思います。
○横田委員 現地の引田援護局を一々言つてください。
○倭島説明員 所管省は厚生省の引揚援護廰でございます。現在あります引揚げの現地の機関は函館と舞鶴と佐世保であります。
○横田委員 手続はどうするのですか。
○倭島説明員 これは今申し上げました所管廰の方と直接交渉願いたいと思います。
○横田委員 この前お尋ねしておきましたが、ここに出ております数字の基礎となつたものとしていろいろ前文が書いてあるのてすが、それは省きますが、基礎になつたものはあらゆる資料を総合してみるに、一九四五年東久邇内閣の当時の重光外相が、総司令部に提出した外地在留者数と、引揚げ促進の覚書が、この引揚げ対象基本数の基礎となつておると見受けられると私たちは考える。なぜならば終戰当時の外地在留者数については、海軍省の調査と厚生省の調査の二種類があつたのです。この二種類の間に非常に食い違いがある。その食い違いがある海軍省の数字を採用しておる。これは二十二年の時事年鑑を見てもらえればわかるのですか、大体海軍省の調査によりますと、陸軍関係が三百十九万七千四百二十五人になつている。海軍関係が四十五万五千九百四十三名となつている。一般邦人が三百四十二万二千八百六名、合わせて七百七万六千百七十四名となつている。ところが厚生省の海外にいる日本人の調査では、六百三十七万四千九百八十一名になつている。これは時事年鑑の昭和二十二年度の百七十ページを見てもらいますれば明らかである。ところが政府がこれを外國に報告する場合に、こういうわけで七十万二千百九十三名の開きがあるにかかわらず、多い方の海軍省の調査が正しくて、厚生省の調査が同じ官廰でありながら間違いだという見解をとられたかということを、だれに聞いたらわかるかを聞きたい。
○倭島説明員 その差のあるところは、こういうわけで差かできたかということをだれに聞けばわかるかということですか。
○横田委員 そうです。
○倭島説明員 今関係の海軍省もありませんし、それから厚生省というのも、今引用されましたが、厚生省はどういう権限でそういうことをやつたか、それも存じないのでありますが、だれに聞いたらいいかということについては、私今ここで即答するだけの知識がありませんからお答えできません。
○横田委員 だから岐阜の八木さんが必要になつて來るのであります。一人を呼んで出てもらうと、これが出て來るのであります。少くとも私たちは戰前の時代から見ましても、厚生省もりつぱなお役所であるし、海軍省もりつぱなお役所であると思うておつた。ところが一つのお役所がありながら、すでにその当時において七十万の開きができておつた。それをはつきりせずに七十万少いところの厚生省の方が間違いであつて、七十万多いところの海軍省か正しいというように決定されたところのいきさつがわれわれにはわからないのであります。これを徹底的に明らかにしてもらいたい。こういうようなことを前にお願いしておつたのであります。これを今になつて倭島さんがどこに尋ねて行つていいやらわからぬというようなことを言われるのであるならば、そんなわかりもしない、ややこしいものを何で責任を負うて、われわれと口をとがらすようなことを言つて、反共宣傳の親分とならなければならないか。これを承りたい。
○倭島説明員 御質問の趣旨がはなはだはつきりしないので、一問一答で、どういう点か御質問の要点かひとつもう一回お繰返し願います。
○横田委員 逃げる点はたくさんありましようが、私の言うておりますのは、厚生省も海軍省もともに日本のお役所であつたのですか。これが一問。
○倭島説明員 それであつたことは違いないのであります。
○横田委員 そうして厚生省はどういうわけでうそつきであつて、海軍省はどういうわけで正しいのかということを私たちは承りたい。
○倭島説明員 この数字の問題で今御意見のあつた点について、政府としてはいろいろな資料を持ち、終戰後いろいろな情報なり、資料を持つておつたわけでありますが、それを司令部の方へ提出したことも確かでございます。しかしながらその関係の機関がある時期において出しました、あるいは計算した資料その他が間違つておつたとか、うそだとかそういう問題については私はお答えする限りでないと思います。
○横田委員 それはうそだとか、間違つておつたとかいうことは別として、多い方をおとりになつて少い方をおとりにならなかつた、これはどういうような理由に基くのですか。
○倭島説明員 司令部の発表された数字というものはいろいろな情報なり、資料が考えられておるだろうと思います。日本政府が提出した責任もその参考になつておるだろうと存じます。
○横田委員 大体数の問題は尋ねて行つたら尋ねて行くほどややこしいのですか、こういうことを問題にしなくても人間さえ帰してもらえばいいのであつて、そういう行き方もある。從つて数の問題を徹底的に追究するか、それとも数の問題を問題にせずに、数の問題をやかましく言わなくてもいいような引揚げ運動をやられるかどうかということを正午から論議することにして、一應休憩していただきたいと思います。
○中山委員長 休憩ということが出ておりますか、御賛成の方はございますか。
    〔「反対」と呼ぶ者あり〕
○佐々木(盛)委員 本日の委員会の議題は先ほどからわれわれに申し述べられた通りであります。決して横田君の質問だけが本日の議題ではないわけであります。われわれはただいままで長時間にわたつて横田君のために十分な質問の時間を割き與えたつもりであります。從いまして正午に休憩して横田君の質問を続行する必要はないと思います。すみやかに本委員会の議題について、進行されんことを望みます。
○横田委員 休憩が必要でないのだつたら、私はまだ質問を打切つていないのであつて、あのときの質問は私一人じやなかつたのです。共産党だけがやかましく言うのではないのだ。みんなが得心するまて聞きたいということで出した問題であります。ところか民自党の先生はあつさり了解して二十万、四十万の人間はほつておいてもいいのだというのなら別なんですが、そうでなかつたら数の問題にもつと徹底的にはつきりさせぬと困るのです。そういう点について佐々木先生にもう一度意見を伺いたいのです。
○佐々木(盛)委員 私はそれに対して意見を述べる必要はありません。私は休憩に反対であります。議事進行について要望いたします。先ほど申しました趣旨によりまして、横田君によつてまつたく独占されたような形になつて、われわれは迷惑であります。他に緊急な議事があるわけでありますから、その議事を進行されんことを願います。
○中山委員長 ただいまの御発言に從いまして、休憩して継続することに賛成あるいは反対の決をとりたいと思います。これに対しまして反対のお方はどうぞ手をあげていただきます。
    〔反対者挙手〕
○中山委員長 反対多数。
○天野(久)委員 議事進行について、私はきよう緊急招集に應して國から参つたのであります。休会中はそれぞれ各議員も私用があります。しかし引揚げ問題なるがゆえに急遽参つたのでありますが、私は本日の会議ではさだめし今後の引揚げに対して重要なる御相談があると心して参りました。少し遅れましたから、あるいは聞き漏らしたことがあるかもしれませんが、一問一答を聞いておりますと、数の問題で非常に爭つておる、あるいはこの責任はということでありますが、わが國が敗戰しておればこそこういう結果であつて、これが一人も間違わず、数が合い、また各新聞、各機関が同じ歩調で同じことを唱えるようならわが國は敗戦したのではありません。しかも陸軍省、海軍省は今あとかたなく消え去つております。これは横田君が質問をなさるのも、國を思う、同胞を思う熱意からほとばしつておるものと思いますが、しかし今日いかに政府の方を責められても、敗戰したればこそかような結果になるのでありますから、これはどうかある程度におとどめを願つて、そうして今後の引揚げに対して、あるいはすぐ舞鶴につく、あるいは函館につく人たちの慰安、あるいは今後の措置等についてぜひ御協議願いたいと思います。
○吉川委員 私は今の佐々木委員の動議に賛成したものでありますが、横田委員の御質問はごもつともです。しかしながらただいままでの政府の御答弁を伺つておりますと、これはおそらく何十日質疑をなさつても結論は出て來ないと思います。それよりも、先ほど足立委員からも御質問がありまして、私からも御注文を申し上げていたのでありますが、政府は責任をもつてすみやかに、ただいま進められつつあるところの調査を徹底的に御努力を願いまして、一日も早くこの國民の疑問を晴らしていただくということを、私たちはお願いする以外にないと思います。横田さんの非常に御熱心な御質疑ですけれども、政府のただいままでの状況では、お答えは出て來そうもないようでありますから、うんと鞭撻していただくということで、質疑はこの辺て打切るようにお願いしたいと思います。
○横田委員 何も政府をいじめるというようなけちなことを言つておるのでない。しかも政府の矢面に立つのは倭島さんですか、倭島さんは一体どんなに身分の高い人なんですか。吉田首相でもさつき名刺をいただいた川村次官でもなくて、政府の端つこにおる人です。ところで要は、再三、再四われわれが前から尋ねておる問題は、今足立さんもおつしやつたように、あの調査がいつできるかということを、とうの昔から頼んでおるのに、一向返事がない。そういうことが重なつて來て、一番最後の委員会になつて、その委員会の結果の問題を陳情しようということになつた。ところがいま一つ、倭島さんは委員会で言われるよりも丸岡記者に対しては親切に発表される。これではいけないというので、倭島さんを呼んで問い詰めようということになつた。これはあのときの速記録を見てもそうなつておる。だから政府をいじめるとか何とかと別問題です。少くとも引揚問題については私たちまじめに考えておるのです。そこで話をかえてちよつと伺いたいのですが、日本政府からそれぞれの機関、特にソビエト同盟に対して何と何とを要求したいとお考えになつておるかということを承つておきたい。これを知つておかないと、きようおそらくソ同盟の大使館や対日理事会へ行くのでしようか、行つたときに何も言えないような結果になるので、それを一ぺん政府に承りたい。
○山本(猛)委員 佐々木委員から議事進行に関する動議が出て、それが採決せられたようであります。にもかかわらずまた同じことを繰返しやつておるということは、これは意義をなさぬ。当面した重要な問題かあるはずでありますから、それをやつて行かれるようにしていただきたい。
 それから横田君に申し上げますが、さつきの数の問題は、政府の機関において責任をもつて調査して、やがてその結果をお知らせするということをいつておるようでありますから、これは政府を信頼してそれを待つていただくよりほかはない。もしそれが信頼できないというのであれば、共産党の方のりりぱな機関を通じてお調べになればよい。われわれもそれに協力するにやぶさかでない。今日のところは当面した重要な問題が佐々木委員の議事進行によつて出ておるのでありますから、横田君どうですか。
○横田委員 私の質問をもう少し冷静によく聞いてもらうとわかる。数の問題は一つも言つていない。あとの問題はきよう対日理事会とソビエト同盟の大使館へ行くのでしよう、このときの話の順序もあるから、われわれ委員会として行くのであれば、何と何をソビエト同盟に要求したいかということを政府側から聞いておきたいと思う。そして私たちの参考にしたい、これを言つておるのです。
○中山委員長 そのことについて発言します。今渉外課を通じて向うへ行きたいということを要望いたしました。ところがもうおいでにならないでもその感謝の点、あるいはそのほかの点は文書を通じて提出してくれ、こういうことを私渉外課の方から申出ましたので、何か向うへ出します点について入れたいとおぼしめしの点がございましたならば、この席において御発言を願いたいのでございます。それでソ連大使館の方はいつ行つてもいいという許可なんでございますが、しかし今日はあいにく土曜日でございますので、向うさんは半ドンでビジネスとして受付けてくれないらしいのであります。それで今後において行くよりほかに仕方がないと思いますが、文書で寄こせという、GSSの方はただ感謝の言葉だけでよろしゆうございましようが、それともそのほかにそこへ盛り込みたい御希望の條件がございますればお聞かせ願いまして、私から渉外課の方へ通じますでございます。いかがでございますか、何か文書に感謝の言葉以外のことを盛りたいとおぼしめしの方がございましたら、どうぞ御自由に御発言を願いたいと思います。――もしございませんでしたならば、当方におまかせ願えますか。
○佐々木(盛)委員 関係方面に感謝陳情の代表を派遣するとか、あるいはどういう文書を作成するというようなことに関しましては、理事会に諮られた上で決定された方が妥当ではなかろうかと考えます。
○中山委員長 それではそういうふうにとりはからうことに御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中山委員長 それではさようとりはからうようにいたします。
 私お尋ねしたいことがございます。二、三日前の大阪の朝日新聞声の欄であつたかと記憶いたしますが、長らく外地におつて、そうして引揚げて來る人たちが舞鶴あるいはその他の地区に帰つて來たときに、昔の言葉で言いますれば、まるで新浦島のような人たちである。それに対して十分なるところの教育をされないで、あるいはいろいろなことを言い聞かせられないで、自分たちはその地区に帰された、自分もその一人である。もう少し親切にいろいろな日本の現在の状況を教育してほしいということを切に自分は希望する、というようなことが朝日新聞の声の欄に出ておつたと私は記憶いたしておるのでございますが、その点についてその関係のお方のお考えを聞かせていただきたいと思います。今どういうふうにやつていらつしやるのでございましようか、單なるパンフレツト程度のものでもつて日本の状況をお知らせくださるにすぎないのでございますか、どうでございましようか、その点をお知らせ願いたいと思います。
○倭島説明員 その点は引揚援護廰の関係の方から答えていただくのが親切だと思いますが、私か今かりに答弁を務めますと、去年も相当力を入れられたわけでありますが、今年はさらに文部省それから厚生省の引揚援護廰、主としてその一つの官廰が協力せられて、現地にいろいろな最近の日本の状況を帰還された人にお知らせするのに都合のいいような書きもの、あるいは活動写眞なんかもありますし、講師もおりますし、その他いろいろな便宜が與えられるように、去年とは格段の努力をし、そしてまたその差ができておるようです。今年は十分そういう点については現地において帰つて來られた人に日本の事情がわかるように手配しておるように承知しております。
○中山委員長 ありがとうございました。私もその感を深くいたして非常に心配いたしまして、受入れ態勢は自分の目で見て参りまして安心いたしましたけれども、その教育の現況ということは十分にまだのみ込めませんで、たへん心配しておりまして、政府のおやりくださつている状況をぜひ伺つておきたいと思つておりました。ありがとうございました。――そのほかに何か御質問ございませんか。
○横田委員 要はこれから政府が数の問題とか、あるいは引揚げの問題について発表されるときには、責任のある人がやつていただきたいということです。たとえば倭島さんが新聞なんかでおやりになるときは何でも自由闊達に発表されるけれども、それが委員会ではこういうふうに発表されると、委員会の進行がうまく行かぬように思いますから、今後そういう点については大臣なり次官なり偉い方が責任をもつて発表していただきたいということを希望しておきます。
○倭島説明員 新聞の関係について一言説明しておきますが、新聞記者と時に雑談いたすことがございますが、新聞に出たものは、新聞記者が自分で適当に書かれているのでございまして、私の話したこともあれは、話さぬことも大分書いてありまして、新聞記事について私並びに私の上司の方に責任をとつてもらうべき限りでないと思います。
○横田委員 それだつたら私的に聞きに行きます。これがほんとうのこと、これがうそのことというふうに……。
○中山委員長 時間も大分経過して参りましたが、ほかに何かございませんか。
○横田委員 第一船がいつ着くかということをもう一回お知らせ願いたい。
○中山委員長 第一船は二郎七日に着することになつております。
○横田委員 それが汽車に乘せていつ出ますか、何日とめておくか。第一船は六月二十七日舞鶴へ何時ごろ着くかわかりませんか。
○田島説明員 時間はまだわかりません。
○中山委員長 日取りだけおつしやつてください。
○田島説明員 高砂丸は船足が早うございますので、二十七日に着くと思います。その次の永徳丸はナホトカに着きますのは二日おきでありますが、舞鶴に着くのは永徳丸が二十九日、第一大拓丸が一日、それから信濃丸が二日、大体私はそういうふうに予想いたしております。
○横田委員 それが船から人を揚げて何日とまつておりますか。
○田島説明員 船が午後三時以前に着きましたならば、その日のうちに上陸していただくことになつております。三時以後でありましたならば、檢疫等の関係もございますので、その翌日上陸される、こういうことになつております。
○横田委員 それで寮でとまるのでしよう。
○田島説明員 大体從來の例でございましたならば、あそこで三泊される予定になつております。
○中山委員長 それではこれで散会してよろしうございますか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中山委員長 それではどなたさまも御遠方のところ御苦労さまでございました。これをもつて散会いたします。
    午後一時十分散会